四葉のリリカルでマジカルな魔法少女 (神無月 雪華)
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プロローグ 〜転生したの〜
プロローグなの!


 

その日も、いつものようにリリカルなのはのグッズを集めるためにショップに赴き、なのはさんのフィギアをみつけホクホクで帰ろうとした時、視界が暗転。

 

気がつくと赤ん坊になっていました。

 

……いや、ふざけている訳じゃないんですよ。

マジなんですよ。

よくネット小説で見る転生って奴でしょうか。

そう思うとテンションが上がるね!

さぁ、この世界はどんな未知の世界なのか!

 

そう思っていると扉が開く音がした。

もう耳聞こえてるのね。

 

「あらあら、なのはさんはもう起きていたのね」

 

なのはさん!?

どこどこ!何処にいるの!

ここリリカルなのはの世界なの!?

イヤっふぅぅぅぅぅぅぅ!!

 

しかし、そんな事は無かったぜ!

何故なら目の前に現れた女性は、魔法科高校の劣等生のキャラの四葉深夜様だったからね!

ここ魔法科高校の劣等生の世界かよぉぉぉぉ!

さよなら未知の世界!

こんにちは僅かに既知の世界!

魔法科高校の劣等生とかアニメ全話と小説を9巻あたりまでしか読んでないよ!

これなら、リリカルなのはにつぎ込んだ分の一部で買っておくんだったぜ。

 

と言うか?

これ、私四葉でね?

ウェーイ!

やばいなんか急激に眠くなってきた。

テンション上げすぎたせいか、この赤ん坊の身体が着いてこれない!

 

思考がまとまらなくなり、私は睡魔に負けた。

 

 

 

 

 

四葉深夜は自分の前で静かに寝息を立てる双子(・・)の赤ん坊を見る。

男の子の赤ん坊は普通であった、しかし、女の子の赤ん坊はその目に知性を見せていた様な気がしたのだ。

その事が少し気になったが、気の所為と思い、双子の赤ん坊に優しくほほ笑みかける。

その顔は、紛れも無く母親が子供に向ける愛情であった。

 

 

この時はまだ誰も知らなかった。

目の前に眠る女の子がどれほど異常であったかを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界で生を受けてから数年が経過した。

なのでわかったことを話そう。

まず、私の名前。

私の名前は四葉なのは。

あのなのはさんと同じ名前という事を知り、私もなのはさんのようになるんだ、と決意した。

そして、双子の弟として、達也、妹に深雪がいる。

達也は既に激情の欠落をされているが、それでもお母様も叔母様も、達也に愛情を注いでいた。

と言っても、達也も理解しているが、四葉家のなかでは極僅か、数人しかその事を知らない。

なぜなら、達也は四葉家の魔法師としては底辺に位置するからである。

なので、他の誰かがいるときはお母様も叔母様も、達也にきつく当たる。

まぁ、その後に甘やかすのだが。

深雪は達也を毛嫌いしている節がある。

沖縄戦までは心開かなそう(確信)。

 

そして、私は……

 

〘では、マスター。アクセルシューターの運用方法の訓練を始めます〙

「うん、よろしくね」

 

自分の手に持つインテリジェントデバイス――シーカーと、魔法の特訓をしていた。

 

 

 

 

事は半年前。

私が四葉家の森を探索していた際のこと。

探索していたと言うのは違うか、四葉家から逃げ出した時、の方が正しい。

私も魔法の才能が達也よりはあるが、普通の魔法師に比べてかなり低い事が分かり、しかも最初は魔法が使えて期待された分だけ達也より強く四葉の使用人達から貶されていた。

魔法が使えなくても良かった。

達也が苦しい思いをするよりも、お姉ちゃんである私が貶されている方が良い。

そう思っていたのに、ある時急に怖くなった。

お母様と叔母様は私や達也に愛情を注いでくれている。

でも、それは本当なのだろうか?

偽りの愛情ではないか?

そう思うと急に体が震え出した。

そんな時、お母様と叔母様が私に笑いかけてくれた。

その笑みがどこか偽物のように感じてしまった私は、悲鳴をあげて四葉家から飛び出した。

 

そして気がつくと森の中にいた。

帰るのが怖くなった。

本当に愛情を注いでくれていたとしたら、私はお母様と叔母様に酷いことをしたのではないか、と思ったから。

森の中でうずくまっていると、ガサガサ、と草木が揺れる音がした。

 

「う〜ん。魔力反応はこの辺だよね、フェイトちゃん」

「そうだね、なのは。早く見つけないと大変なことになる。この世界の魔法と私達魔導士のリンカーコアの魔力は馴染ませないと酷いことになるから」

 

その声を、聞いた時、私は夢でも見ているんじゃないかと思った。

だって、その声は……。

 

その声の主達が姿を現す。

その声の主を、その人達を私は知っている。

その人達は……。

 

高町なのはさんと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンさんだったのだから。

 

「あ!良かった、見つけた」

 

なのはさんとフェイトさんは私を見ると安堵したかのような表情を浮かべ、私に駆け寄ってくる。

 

「貴方、転生者、ですね?」

「……え?」

 

私は何が何だかわからなかった。

なんで、この世界になのはさんとフェイトさんが居るのか。

どうして私が転生者であると知っているのか。

 

混乱する私に、なのはさんとフェイトさんは丁寧に説明をしてくれた。

 

「私は時空管理局、戦技教導隊所属、高町なのは一等空尉」

「私は執務官の、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです」

「私達はあるロストロギアを入手し逃亡した違法渡航者グループの追跡をしていたの。その際にその違法渡航者グループの乗っていた次元船が事故により大破、ロストロギアはある一つの次元に落ちてしまった」

「そのロストロギアには死んだ人間の魂を他の世界に転生させる、という効果があったの」

「それが、偶然私の元に落ちてきて、何らかの理由で私が死んで、ここの世界に転生した、という事ですか?」

 

そうそう、と若干苦笑い気味でなのはさんとフェイトさんは笑う。

 

「本来なら、それだけで特に問題は無いというのは失礼だけど、それで良かったんだよ」

「転生した場所で普通に生きていれるなら」

「でも、問題があった」

 

私の言葉にお二人は頷く。

 

「この世界にはリンカーコアを持つ者が居ないの」

「でも、転生者である貴方は原因は分からないけどリンカーコアを持っていた。そして、この世界の魔法と私達の使う魔法とでは使うものが違うから、リンカーコアの制御が出来ないでこの世界の魔法を使うと反発を起こすし、肉体にも悪影響を与える」

「だから、それを無くすために私達は貴方にインテリジェントデバイスを届けに来たの。インテリジェントデバイスが何なのか、は説明いる?私達のこともアニメ、とかの知識で知ってるんでしょ?」

 

!!

 

「あなたのいた地球は、私と生まれ故郷の地球とは別の並行世界と呼ばれる世界。そこでは、私たちがアニメのキャラクターとしている、んでしょ?」

「……はい、そうです」

「流石に驚いたよ。まぁ、あの世界にはもう行けないんだけどね」

「……え?」

 

今、なんて言ったの?

もう行けない?

 

「貴女の居た地球は次元で繋がっていない孤立した世界なの。だから、その世界に行けたのも偶然次元のヒビ割れで繋がっただけで、その次元のヒビ割れももう修復してしまったの」

「この世界だと、私たちも魔法を使えないからコレを渡したらもう行かなきゃいけないんだ」

「あ、名前を聞いてなかったね。なんて名前なの?」

 

色々なことを言われているから脳がパンクしかけているけど、何とか自分の名前をいう。

 

「四葉……四葉なのは、です」

 

なのはさんとフェイトさんは驚いた顔をした後に笑う。

 

「なら、なのはちゃんだね。嫌?」

「いえ、なのはさんに呼んでいただけるだけで光栄です!」

「なら、はい。レイジングハートの姉妹機で、管理局の技術者が作ったはいいけど作った本人が『やべぇ、ある種のロストロギアじゃね?』って言ったインテリジェントデバイスだよ」

 

そう言ってなのはさんは、私の掌にレイジングハートそっくりの透明なネックレスを付けたデバイスを渡してくれる。

 

「そんな大層なもの、いいんですか?」

「というか、偶然で出来たはいいけど使うのがこの世界のサイオンとかとリンカーコアの魔力の二種混合な所為で使えないんだ」

「なのはちゃん専用機、という所かな」

 

その優しい笑顔を見て、私はお母様と叔母様の笑顔を思い出して泣きそうになった。

あの笑顔は本物だって気がつけたから。

 

「あの!頑張れば、私は、なのはさんみたいに……」

「何かな?」

 

なのはさんとフェイトさんは優しくほほ笑みかけてくれる。

 

「なのはさん達みたいに、大切な人を守れるほど強く、なれますか?」

 

私も、この人達みたいに優しく、誰かを救える人になりたい。

この手に力があろうが、なかろうが。

 

「なれるよ、私やなのはが保証する。だってなのはちゃんの目は誰かを助けようとするなのはそっくりだから」

「え、そう?自覚無いなぁ」

「なのはは他人に対しては鋭くても自分の事は鈍感だから」

「フェイトちゃんに言われたくないですー」

 

なのはさんとフェイトさんは二人で笑い合っている。

言われた言葉が、嬉しくて、私は涙を流していた。

 

「そろそろ、行かないと。なのはちゃん。貴女の願いは、貴女が諦めない心を持っているなら、絶対叶うよ。先輩の私が応援する」

「頑張ってね、なのはちゃん」

「なのはさん、フェイトさん。はい!頑張ります!」

 

なのはさん達は私の頭を優しく撫でてからどこかに向かい出す。

 

「あ、最後に、家族は大切に、ね?」

「はい!」

 

 

 

 

あの後、家に帰ったらお母様と叔母様が凄い慌ててたんだよな。

その後、私が魔法を使えようが使えなからろうが私の子達だ、ってお母様が達也と一緒に抱き締めてくれて。

 

深雪は陰で膨れてて。

 

そうして、今、レイジングハートの姉妹機であり私が私の理想を探し続けるという意味を込めて名前をつけたデバイス――シーカーと特訓をしている。

 

こやつ人格はレイジングハートさんに近くてしかも、私のイメージできるデバイスなら何にでも形を取れるという壊れ性能。

しかも音声も変化可能とかいう。

私は魔法少女リリカルなのはの作品で使われた魔法ならなんでも使えるとかいうイカれた魔法を使える。

まぁ、今は、レイジングハートしか使えないんですけどね。

 

しかも、アクセルシューター以外の砲撃魔法は広域結界使わないと(被害出て)いけないからめっちゃ疲れる。

 

しかし、私もなのはさん達見たく人を、大切な人を守りたいから。

この力を、魔法の力を、鍛える。

この思いを届けるために。

届かせる為に。

 

 

 

 

 

 




拙い文章ですが楽しんでいただけたのなら幸いです。
誤字やおかしいところがあったらご指摘頂けると幸いです。


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入学編なの
入学式なの?


 

「納得できません」

「まだ言っているのか……?」

 

栄えある?第一高校の入学式開会の二時間前である現在、我が妹が我が弟に対し不満を爆発させていた。

私の双子の弟である達也の制服にはエンブレムが無く、妹の深雪の制服には八枚の花弁をデザインした第一高校のエンブレムが。

深雪の不満の原因はこれである。

 

「なぜお兄様が補欠なのですか?入試の成績はトップだったではありませんか!」

 

うちの妹は何処から入試の結果を仕入れたんでしょうか?

多分在校生徒からの流された情報でしょうが。

 

「それに!お姉様の方が私より魔法の腕も学力も上のはずです!」

 

おっとぉ?

こちらに飛び火しましたよ?

 

「だって、総代なんてやりたくないもの。私より美少女の深雪の方が皆ちゃんと聞くわよ」

「そんな、お姉様の方が美人です!」

 

美少女と美人は違うんだぞ?

主に若く見えるかどうか……だが。

アイコンタクトで達也にバトンタッチ。

私はシスコン妹の制御が達也より低いのだから仕方ない。

 

「深雪、俺やなのははな、お前の総代を楽しみにしていたんだ。可愛い妹が立派に晴れ舞台に上がるのを」

 

達也がチラッとこちらを見る。

援護しろということですね、分かります。

 

「そうよ深雪。だから、総代を頑張って私たちに自慢の妹だ!って皆に自慢させて?」

「分かりました!お兄様とお姉様の為に頑張ります!」

 

説得成功。

深雪は講堂に小走りで向かって行く。

それでいいのかい妹よ。

 

「深雪も、シスコン、ブラコンがねぇ。もう少し大人しければ良いんだけど」

「まぁ、あれも深雪の良いところだろう」

「そういう事にしておきましょうか」

 

時間までだいぶあるから、ということで達也と講堂から少し離れたところにあるベンチに向かう途中。

 

―――あの子ウィードじゃない?

―――こんなに早くから……補欠なのに張り切っちゃって

―――所詮スペアなのにな

 

心無い純粋な悪意が向けられる。

私に、ではない。

私の隣にいる達也に、だ。

 

「その行為が、悪意あるものと理解していない悪意、即ち純粋な悪意が一番タチが悪い、か」

「俺は、気にしていないさ」

「人として、間違っているものが多すぎなのよ。魔法が使える、と言っても、それ以外の人を蔑ろにしている時点で駄目よ。人間は、気が付かないだけで、あらゆるものに支えられているのに」

「なのはや深雪、母さんや叔母上が俺の事を理解してくれているだけで俺は十分だよ」

 

私は深々と溜息を吐く。

それを尻目に達也はなんだ?と言いたそうな目を向けてくる。

 

「深雪はそれで騙されるかもしれないけど、私は騙されないわよ?」

 

何か言いたそうな達也を無視してベンチの端に座り、ポケットから文庫本を取り出す。

達也も隣に座り、端末を開く。

 

「昔から思うんだけど、本、という財産を蔑ろにしすぎじゃないかしら。紙の本の新作少ないのよ」

「俺は、端末での読書主体だから分からないな、その感情」

「紙の本を捲るのがいいんじゃない。まぁ、私の好みってだけで電子書籍が悪いって言っているわけじゃないけどね。電子書籍でしか読めない本もあるし」

 

昨日発売されたミステリー小説を読みながら時間を潰す。

 

『主、そろそろ時間になりますよ』

 

後ろから声がかかる。

勿論、後ろには誰も居ない。

まぁ、見えていないだけだが。

 

「あら、もうそんな時間なのね。ちょうど読み終わったところよ」

「その本はどうだった?」

「良かったわよ、ただ、モブが場をかき乱すのはあまり好きじゃないのよねぇ」

 

ベンチを立ち上がり講堂に向かおうとすると声が掛けられる。

 

「新入生ですね?開場の時間ですよ」

 

先程、私に時間を知らせた声ではない。

振り向くとそこには左腕にブレスレットを付けた女性がいた。

 

「ありがとうございます。すぐに行きます」

 

達也と二人でお礼を言い立ち去ろうとする。

私は目の前の女性を知っていたから。

達也は生徒会役員であろう彼女と積極的に関わり合いたくないから。

 

「感心ですね、スクリーン型ですか」

 

女性の視線が達也に向かう。

達也の持っている端末がスクリーン型であり、その事を感心したようにこの学校では仮想型ディスプレイ端末が禁止されているのを話す。

まぁ、そんなもの持って来てない私には関係ないことだが。

 

「仮想型は読書に不向きですので」

 

達也の返答に感心の色を強くする女性。

と言うか、紙の本のほうが読み応え感じる派の私としてはこう、なんというか。

 

「動画ではなく読書ですか。ますます珍しいです。私も映像資料より書籍資料の方が好きだから何だか嬉しいわ」

 

南無、達也は目をつけられている。

 

「あっ、申し遅れました。私は第一高校の生徒会長を務めています。七草真由美です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。よろしくね」

 

最後にウインクが付けられそうな口調で自己紹介してきた女性、七草家長女、七草真由美に達也は一瞬顔を顰めそうになっていた。

 

(数字付き(ナンバーズ)……しかも、当主がめんどくさい「七草」かぁ)

 

自己紹介をされたので返すしかあるまい。

訓練され尽くした笑みを浮かべ自己紹介をする。

 

「私は、四葉なのはです」

「俺、いえ、自分は、四葉達也です」

「貴方達があの、今年度入学した三人の四葉、ね。あらゆる試験で尽く2位の四葉なのはさんに、入試試験の七教科平均、百点満点中九十六点の四葉達也くん」

 

まぁ、深雪が新入生総代になる様に実技は手を抜いたし、学力では達也を目立たせるために達也より下の学力という脳内設定で受けて手抜きましたし。

4位ぐらいにしておけばよかったと終わってから気がついたのは内緒。

全力全開でやったら深雪とお母様、叔母様がまた騒ぎ出しそうだった。

それが無ければ1位目指してたのに。

達也は褒められている学力試験の結果をペーパーテストの成績として愛想笑いを浮かべる。

 

「そんな凄い点数、少なくとも、私には真似出来ないわよ?」

 

達也はあの生徒会長が苦手らしい。

仕方ない、助け舟を出してあげましょう。

 

「すみません、そろそろ時間なので、失礼致します。達也も行くわよ」

「では、これで」

 

まだ何か言いたそうな生徒会長にそう告げて歩き出す。

 

距離が離れたところで達也に一言。

 

「助けたので帰りにデザートを奢ってね?深雪もセットで」

「……はぁ、分かった。だが、高いのはやめてくれ」

 

それは振りかね?

 

「振りじゃないからな」

「バレたか」

「このやり取り、何年間してると思ってる」

「十数年ですが?」

 

達也は頭痛がするのかこめかみを抑える。

いつもの事なのでスルーして先に進もう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「物の見事に分かれているわね」

 

講堂に入った私は驚きを隠せないでいた。

前半分を一科生、後ろ半分を二科生で綺麗に分かれていたのだから。

まさか、ここまでとは。

今まだ入学式始まってすらいないのよ?

差別意識高すぎない?

達也の隣に座ってやろうかと考えていた私に、達也は視線で流石にやめろよ?と訴えてくる。

可愛い弟のために渋々了承して前の方の席に向かう。

 

後ろの方が楽なのに。

 

椅子に座るとポケットから先程とは別の本を取り出す。

先程の本をしまった場所から。

うん、転送魔法優秀ですねぇ。

こんな事で使うな!って言われそうだが、これは転送魔法をどれほど流れるように出来るか、の練習を兼ねている。

空間の指定演算が大変で大変で。

まぁ、脳みそがスパコン呼ばわりされた事のある私の前ではたいしたことなかったね(震え声)

 

ミステリー物の後はSF物ですよ。

この世界がSFなのは気にしてはいけない。

 

はぁ、ライトノベルが読みてぇ。

 

この世界の難点はアニメとライトノベルがない事だと思います(オタク感)

 

まぁ無い物ねだりは仕方ない。

 

「あの、隣空いてます?」

「うむ?」

 

本読むのに集中してたら変な返事をしてしまった。

隣は空席が連なってるのは見てわかるから、これはあれか、ここに友人とかがあとから来るかどうか、という事か。

残念!私の友達はコチラには居ない!

ちくせぅ!

 

「空いてるから大丈夫よ」

「そうですか」

 

そう言ってたわわおっぱいちゃん(セクハラになるから口にはしない)とその後ろにいた黒髪の少女は座る。

 

……ところで、皆さん。

一目惚れって信じます?

はい、小柄な黒髪少女の北山雫ちゃんに惚れました。

最近劣等生のキャラ知識が仕事してなかったせいで一瞬誰だかわからなかったぜ。

なのは知識さんはフル活用してたのにねぇ?

まぁ、高校入学前のストーリーが沖縄戦のあれ位しかないからね。

 

「あの、私は光井ほのかっていいます。よろしくお願いします」

 

あぁ、自己紹介ね。

キャラ知識あるせいで初対面感薄かったわ。

 

「私は北山雫。雫でいいよ。よろしくね」

「私はなのは、四葉なのはよ。よろしくお願いするわ。光井さんも雫も」

「あ、私もほのかでいいですよ。ところで、四葉ってあの四葉ですか?」

 

初めてあった人から良く言われる言葉である。

この世界は、物語の魔法科高校の劣等生の歴史をそのまま辿っているわけじゃないので、四葉家はアンタッチャブルとは呼ばれて恐れられてはいない。

しかし、十師族というだけで恐れられている節はある。

友達出来なかったのこの所為なんだよね。

辛い。

 

「どのよつばか分からないし、私の家以外のよつばを知らないからなんとも言えないけど四葉のクローバーの四葉よ?」

「それにしては随分と軽い対応」

「雫、それ言っちゃう?」

「いいわよ、別に。私は四葉と言うだけで、継承権ある訳じゃないから自由なほうだし」

 

しかしそのしわ寄せは深雪に行っているのよねぇ?

まぁ、うちの姉兄の中で一番ちゃんとした魔法が使えるの深雪だし。

私の使う魔法はリリカルなのはの世界の方だからね。

 

「二人は同じ中学校?」

「うん、幼なじみ」

「小さい頃から一緒なんです」

「そっか、私そういうのいないから羨ましいわ。まぁ弟と妹がいるから寂しい生活はしてないけど」

 

まぁ、小学校中学校共に友人と呼べる人など居なかったんだけどね。

 

「十師族ってけっこう畏怖の念を抱かせるって言うらしいけど、本当?正直に答えてくれない?」

「私は大丈夫」

「わ、わたしも大丈夫です」

「つまり、友人としてよろしくお願いしてもいい?」

 

こうして、ほのかと雫と友人になった。

いかん、雫ちゃんが可愛すぎで暴走しそう。

この感覚、恋!

そして私はレズ?

百合、と言いたいところだ。

最近仕事でストレス発散も出来てないし、思考がネタ方向に向かうのは仕方ないという事にしよう。

 

今度皆と魔法訓練しに行こう。

 

「何読んでるの?」

「一昔前のSF小説。紙媒体の本が好きなのよ」

「珍しいですね」

「弟にも言われたよ。おかげで私だけ部屋を生活用と本収集用で二つ使ってるから片付けが大変なのよ」

「……それは凄い」

「再従姉弟からの実家の部屋の評価は小型図書館よ?わりかし何でも読むからジャンルの偏りが無いのが自慢ね」

 

ただ、BLは無いです。

ゲイはノーセンキュー。

 

「面白そうな本とか色々ありそうですね」

「でも、妹はあまり本読まないし、弟は電子書籍だし……これが時代か!」

「紙媒体の本は貴重で管理も大変だから仕方ないと思いますけど。なのはさんは管理は大丈夫なんですか?」

「なのはでいいわ。それがね、私が持ってる本、整理しようとすると家族の一人が『怪我をしたらどうするおつもりですか、私がやります』って言ってやらせて貰えないのよ」

 

あやつめ、私がそんなか細く見えるのかね?

まぁ、やること無くて暇なんだろうな。

 

『はい、最近は主も私を連れていってくれませんから』

〖だって連れてくと明らかに過剰戦力なのが更に過剰戦力になるじゃない。というか、今出てこられると困るのでお家待機してなさい〗

 

びっくりはしないけど、うっかり声に出したら変な人扱いされるでしょ。

 

 

「そうなんだ。あ、そろそろ始まるね」

 

ほのかの言葉通り、入学式が始まった。

 

 

 

 

深雪の答辞だが、見事なものであった。

「皆等しく」とか「一丸となって」、「魔法以外にも」、「総合的に」などのギリギリのラインを攻めているフレーズが多々あり、私としてはそれでも良かったが達也の胃が大丈夫かが心配になった。

まぁ、深雪の可憐な美貌にやられている子が大半だったので問題ないだろう。

明日から大変だろうけど。

 

 

 

 

 

 

 

IDの交付のため並んでいると後ろから怒鳴り声が上がった。

 

「何故二科生(ウィード)が先に並んでいる!」

 

どうやら余程プライドが高いといえば聞こえの良い思想の方がいる。

人間としては最低の部類だとなぜ気が付かないのかね?

と言うから、多分一科生の大半はその思想の持ち主達なのだろう。

 

「おい!そこをど!?」

 

退け、と言おうとしながら交付をしていた女子生徒に割り込もうとした男子生徒の手を掴み上げ、静かに、けれど響く声で言う。

 

「魔法が優れているというだけで、人としての礼節は最低ですね」

「な!何だお前!」

「なんだ、と言われましても、私はその子の後ろに並んでいた者です。彼女の方が先に並んでいましたよね?」

「だが!」

「彼女が二科生だから、ですか?下らない。と言うか、あなたが邪魔しないでいただければすぐにあなたの番なんて回ってきましたよ?それに、後ろに並んで待っていた私たちを追い越して貴方が先に登録するんですか?」

「そ、それは」

「なら貴方はきちんと並ばないと登録出来ませんよ?」

 

大変ですね、今から一番後に並び直すのは、と威圧を彼にだけ向けて話す。

周りからは私の説得が効いて、彼が後ろに並び直しているように見えるはずだ。

もう少しごねてたら腹パンしてたかも知れないから危なかった。

 

「ほら、どうぞ」

 

先程の女子生徒に優しくほほ笑みかける。

 

「あ、ありがとうございます!」

「いえ、お気になさらず。どの道、彼が割り込んでいたらその後ろに並んでいる全ての人が迷惑を被り、不満が出来ただけですから」

 

と言うか、これで差別意識がまだ根付いていない人達に、これでいいと言う事を教えたいんだけど、駄目かね?

 

私が交付していると、雫が先程の女子生徒に私の名前を教えていた。

四葉なのは、と。

四葉家の人間がきちんと並んでいるのに自分達が並ばないのは不味いと思ってか、私が居なくなってから同じようなことをやろうとしていた先程の生徒以外の者達も冷や汗かいているのがよくわかる。

 

そんなこんなで交付は終わった。

 

「なのははどのクラスだった?」

「雫とほのかは?」

「私はAクラス」

「あ、私もです」

「私もよ。改めてよろしくね」

 

同じクラスになれたことを喜びながら、今日はこれで、と雫達と別れ達也達を探しに行く。

 

 




主人公のなのはの容姿は魔法少女リリカルなのはStrikerSのなのはさんの髪の色を黒めにして少し幼くした感じです。
髪型はリリカルなのはStrikerSの時の普段のフェイトさんの後ろでリボンで纏めた髪型です。
ちなみにプロローグの時のなのはさんとフェイトさんは14歳かそこらです。
大怪我おった後かな?


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ケーキは達也の奢りなの

今回、リリカルなのはのキャラ出てきます。


達也達を見つけたはいいけど、何やら深雪さんがお怒りのご様子。

 

「達也、何故にマイシスターはお怒りで?」

「それは、なのはが遅れたからだろ」

「いやぁ、ID交付の際に、ちょっとね。ごめんなさい、深雪。遅くなって。お詫びに達也がケーキを奢ってくれるから」

「何故お兄様が?」

「今朝なのはとそう言う取引をしたからな」

 

奢ってくれる約束なんだから仕方ないね。

 

「で、そちらの方々はどなた?」

「クラスメイトだよ」

「そう、達也の双子の姉の四葉なのはです。よろしくね」

「私は柴田美月です」

「私は千葉エリカよ。エリカでいいわ。なのはって呼んでもいい?」

 

そういい笑いかけてくるエリカだが、その目は何処か鋭い刃のようだった。

これは、あれだ。

剣豪同士のすれ違いざまに互いの実力に気がつく的な、あれ。

 

「ええ、なんならなのはちゃんでもいいわよ」

「深雪にも言ったけど、気さくな人?」

「さぁ、どうかしら?」

 

気さくな人なら小中と友人作れたはずだ。

 

「まぁ、それはさておき、ケーキ屋にでも行って交友を深めましょう?二人分のケーキ代くらいなら奢るわ」

「ええ!申し訳ないですよ!」

「そうよ」

「良いのよ、達也のケーキ奢るののついでだから」

 

達也が驚いた顔でこちらを見る。

達也には私と深雪のケーキ代を出せと言ったが、私が出さないとは言ってないし。

久々に達也の驚く顔が見れて私満足。

 

「はぁ、なのはには敵わないな」

「そりゃあ、弟がお姉ちゃんに敵うわけ無いでしょ」

「流石お姉様です!」

まぁ、私も仕事受けてるからお金はあるし。

 

〖という訳で、何か食べたいケーキあるかしら?〗

『あの、主。いきなり念話でどうされたんですか?』

〖だから、食べたいケーキある?お土産に買って帰るから〗

『……では、ショートケーキを』

〖おkおk〗

『それと、ミユキに私が料理を作っておくのでゆっくりしていてくださいと』

 

「じゃあ、行きましょうか。深雪、アインスがどうせ料理作って待っててくれるでしょうから、夕食前までゆっくりしてていいわよ」

「……また、アインスさんは。ではお姉様、お土産にアインスさんにケーキを買っていきましょう!」

「あの子はショートケーキが食べたがってたような気が」

 

先を歩くエリカと柴田さん、深雪。

私に達也は小さな声で、

 

「わざわざ、アインスに連絡したのか?」

 

と聞いてくる。

 

「私達だけ、ってのは流石に可哀想でしょ?あの子も家族なんだから」

「本音は?」

「アインスに対抗心燃やす深雪が見たかった」

「対抗心と言うか、呆れじゃないか?」

「あの子はあの子で暇なのよ。仕事にも連れてってないし。家事くらい許してあげなさい。今日も入学式開始前までは私の側に居たし」

「過保護なのは相変わらずだな」

「深雪に対する達也みたいに、ね」

 

さて、ケーキ何食べようかしら。

達也の財布は気にしない方向性で。

 

 

 

 

 

結局いちごショートケーキを頼みエリカ達と交友を深め家に帰った。

 

 

「お帰りなさいませ、我が主、ミユキ、タツヤ」

 

家に帰るとリインフォースアインスが出迎えてくれる。

このアインスさん、闇の書事件で消えた初代リインフォースさんその人です。

なんで家にいるのか、というのは……

まぁ、今度機会があったら。

 

「ただいま、アインス。あれでしょ?お母様達、来てるでしょ?」

「よくお分かりで。つい先程いらっしゃいましたよ」

 

達也と深雪は呆れて何も言えなそうだったが、私は手に持っていた箱をアインスに渡す。

 

「はい、ケーキ。予想ついてたからホールで買ってきたわ」

 

みんなが店を出た後で私一人残ってケーキを買ったので、達也達は私が後で食べる分かと思っていたらしい。

あの親バカお母様と叔母様も入学祝に来そうな予想はあったからね。

 

「今日の晩ご飯は?」

「三人のお祝いとして普段より豪華にしてありますよ。真夜様と深夜様の分も一緒に」

「ありがとうね、アインス」

「いえ、それが私の役目ですから」

「シャマル先生の料理スキルより高くて」

「そこですか!?」

「だってこの前、シャマル先生の料理のハズレ引いて死にかけたし」

 

あれはトラウマだね、三途の川見えたもん。

 

 

 

 

 

夕食を終えて部屋で本を読んでいる。

いやぁ、いきなりお母様に抱き着かれたりで大変だった。

ここに住むって聞かなかったし。

叔母様が無理矢理連れて帰ってくれたから良かったけど。

入学祝いに私はお母様達から絶版になっていた本を貰った。

達也たちが何を貰ったのかは知らない。

速攻で本読んでるから仕方ない。

 

「ふぅ、なかなかの読み応えであった」

 

絶版で電子書籍になってない作品だったから凄く読みたかったんだよ。

 

「さて、日課の魔法の練習をしましょうか」

〘ようやくですか、マスター〙

 

私が立ち上がると机の上に置いておいたシーカーが浮き上がり私の目の前に来る。

 

「怒ってる?」

〘いえ、生活リズムを崩すのを感心していないだけです〙

「さいで、なら地下にGo!」

 

この家には地下がある。

作ったのは私です、はい。

魔法訓練できる場所が近くになかったからね仕方ない。

仕方なく達也の実験室も作ってあげた。

深雪や達也も時々魔法を使っている。

私の場合目立つし、ディバインバスターとかだと結界張らないと被害出るしでなら地下にしようぜ!って感じで作った。

 

 

「あら、お姉様。魔法の練習ですか?」

「ええ、シーカーに生活リズムを崩すなって怒られたの」

 

地下に降りると深雪が居た。

深雪がいる場所はこの世界の魔法訓練用の場所。

私が向かうのはその下、リリカルなのはの魔法用の訓練室である。

深雪に降りてこないように言ってから私はシーカーを手に持つ。

 

「さて、シーカー、どこまでやる?」

〘モード・レイジングハートとモード・バルディッシュをいつも通り。それとストライクアーツのトレーニングを一時間ですね〙

「了解っ!シーカー、セットアップ!!」

〘Stand by ready. mode…Raising Heart.set up〙

 

「では、私も手伝いましょう」

 

私がなのはさんのバリアジャケットに身を包むと同時にアインスが降りてくる。

私の手には同じくなのはさんの愛機、レイジングハートが。

まぁ、人格はシーカーさんなんだけども。

 

「えぇ、最強と名高いアインスとやるのは疲れるんだけど」

 

こやつ、作品内と同じ実力してるからね。

めっちゃ疲れるけど逆ユニゾンもできるぞ?

強すぎて使う機会無いけどね。

 

〘訓練ですし、ちょうど良いことです〙

「ちょ!?シーカー!?」

 

こやつ鬼か!?

いや、スパルタ仕様なのは、私の自業自得なんだけどさぁ。

 

「では、行きますよ」

「何でそこで星空(ほしぞら)の書を取り出す!?」

〘これもマスターの為です。アインス、使用するのはホーミング系の弾幕で私が終わりというまでです〙

「主、いきます!」

 

お前アインスの皮被ったシグナム姉さんじゃねぇの!?

 

〘マスター、避けるか防ぐか、或いは砲撃で発射元を叩くか、同じくホーミング系弾幕で相殺するかして耐えてください〙

「シーカーの鬼畜!シュート!」

 

迫り来る弾幕をアクセルシューターや砲撃を駆使し相殺しながら回避し、障壁で防ぐ。

ぎにゃぁぁあ!?

掠った!

しかもこれ殺傷設定!

 

〘当たらなければ問題ありません〙

「当たったら問題でしょ!?」

 

なのはさんは同じこと出来るらしい。

本当にあの人達すごいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「深雪、ここに居たのか」

 

深雪となのはの姿が見当たらなかったので、地下の魔法訓練室に来ると深雪がなのはの訓練を見ていた。

 

「お兄様!」

「なのはは……アインスと訓練か。やはり、魔法の次元が違うな」

 

軽々と空中を飛び回りアインスの放つ魔法を掻い潜っていくなのはを眺めながら、達也は静かに呟く。

 

「お姉様は凄いです。私にはあんな魔法、とても使えません」

「俺も無理さ。あれは俺達の使える魔法とは一線を画しているからな。だが、いつか、あれを使えるように解き明かしてやるさ」

〖いい雰囲気の所悪いけど、私の代わりに話しておいて!?〗

 

達也と深雪の頭の中に声が響く。

これは、なのはからの念話であると知っている二人は驚くことなく返事を返す。

 

「相手は誰だ?」

〖うえぉ!?え?相手?そんなん我が格闘技の師、ノーヴェ・ナカジマからだよ!あぶなぁ!?今髪が!前髪がジュ!って!?〗

 

達也は錯乱しかけているなのはをスルーして、通信用になのはが作ったデバイスを開く。

 

『よぉ、ってなんだ。達也と深雪か。なのの奴はどうした?』

「お久しぶりです、ノーヴェさん。お姉様なら今アインスさんと訓練中です」

『ノーヴェェェェエ!たーすけてー!アインスとシーカーが容赦ないのぉ!?』

『うるせぇからあいつのいる場所の音声切ってていいぞ』

 

達也も会話が出来ないので、なのはのいる部屋からの音声をシャットアウトする。

 

「それで?今日はどのようなご要件でしょうか?」

『よう、って言うか、あれだよ。久しく会ってねぇ教え子がキチンとやってるのか気になって……』

「ノーヴェさんは優しいですからね。お姉様なら毎日欠かさず練習をしていますよ」

 

恥しそうに目を逸らすノーヴェを見て、深雪は少し笑いそうになるのを堪える。

 

『そうか?ならいいんだよ。あいつここ最近は管理局の方の仕事で忙しそうだからな。もし実力が落ちてたらちみっ子たちが悲しむ』

「そう言えば、なのはは今度遊びに行くそうです」

 

達也の一言でノーヴェも一瞬顔がほころぶ。

が、慌てて真面目な顔を作る。

 

『ならヴィヴィオ達も喜ぶな。じゃあ、あいつにもよろしく言っといてくれ』

「分かりました、ノーヴェさんも体調にはお気をつけて」

「おやすみなさい、ノーヴェさん」

『おう、お前らもな』

 

通信が終わると達也は溜息をつく。

 

「別次元の世界との通信というのが当たり前になってたり、四葉では旅行として年に一回はミッドチルダに行くなど、世間から見れば異常だろうな」

「そうですね、でも、お兄様気づいていますか?お兄様はお姉様やミッドミルダの管理局の皆さんの魔法を見るのを楽しそうにしているのを 」

「それは……どうだろうな。俺には感情が」

「『無いわけじゃない、一定以上大きくならないだけ』ってお姉様も言ってますよ?」

 

敵わないな、と達也は深雪の頭を撫でる。

 

「……はぁ、そうだな。あの世界の魔法を見る度に自分も使ってみたいという思いや解き明かしてやるって気持ちになるよ」

「それでこそ、お兄様です!」

 

撫でられた深雪は御機嫌になる。

深雪が、なのはのいる訓練室からの音声をオンにすると、なのはの絶叫が聞こえてきた。

 

『この薄情者共めぇ!?』

〘マスター、回避しながらモードシフトしてください〙

『こんにゃろぉ!?モードシフト!バルディッシュ!』

〘mode shift…Bardiche〙

 

白を基調とした戦闘服を纏っていたなのはの身体が雷を受け光ると、その姿は黒を貴重としたマントを纏っていた。

 

『カートリッジシステム無くてもフェイトさんは速いんだよ!』

『フェイトの物ですか。なら威力より速度を上げましょう!』

『来いアインス!全部避けて一撃当ててやる!』

 

なのはは先程より機動が鋭く速くなり、アインスの弾幕も的確さを増していく。

 

「確か、モード・レイジングハートは頑丈なバリアジャケットと遠距離砲撃による一撃。モード・バルディッシュは速度による回避と懐に潜り込んでの鎌での一撃が訓練だったか?」

〘その通りです、達也。これの元の人達はそれを極めていますが、なのははまだ未熟なのです〙

「これが、空戦魔導師の戦い、か」

〘本当の魔導師の戦いはもっと凄いですよ〙

 

これが、一世紀しか歴史の無い魔法と、次元世界の魔法の差。

達也はその事に絶望することなく、むしろ、やる気になっていた。

激情は無くても、彼にも感情はあるのだから。

 

「お兄様、笑っていますよ?」

「……そうか、俺も研究に戻るよ。飛行魔法を、成し遂げたいからな」

 

笑っていたことを否定しないで達也は階段を上っていく。

その際、双子の姉の言葉を思い出した。

《感情は、育つんだよ?だから、いつか、達也の激情も、育つ日が来るかもね》

 

「なのはばかりに、背負わせてはいられないからな」

 

達也がなのはに抱く感情は、そう。

憧れ、だ。

それが、達也が客観的に見た己が姉に抱く感情だった。

 

「憧れ続けて、近づこうとすれば、いつか至れるだろう、か」

 

アインスに初めてあった時に言われた言葉を刻み込んだ達也の目は、確かにやる気に満ちていた。




リインフォースアインスをなのはの融合機として出したかった。
後悔はしてない。
この作品の達也君は本人も気がついていないけれど、ほんの少し激情が戻っています。
これは、深雪の他になのはが居るのと、自分が確固たる夢を持っているからです。
なぜノーヴェと通信出来るか?
デバイスあるし、こちらではなのはさん達は魔法を使えないけどなのはは使えるから改良して通信できるようにしたんですよ。
ミッドチルダに遊びに行く発言してるが詳しくはいずれ(次かその次になりそう?)


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高校生二日目から大変なの

深雪と達也が朝起きたら既に居なかった。

 

「おはようございます、主。ミユキとタツヤならつい先程、ココノエのところに向かいましたよ」

 

着替えてリビングに行くとエプロン姿のアインスが出迎えてくれた。

 

「それなら起こしてくれても良かったのに」

「タツヤもミユキも昨日の訓練でお疲れだろうから時間いっぱい寝かせてあげよう、と言ってました」

「私どれだけ疲れていてもいつも通り目が覚める体質なの知ってるでしょうに」

「それでも、ですよ我が主」

 

他愛ない話をしながら料理を運んでくるアインス。

 

「さて、私も朝食をとって軽く魔法の練習してから学校に向かうとしましょうか」

「本日の予定はどうなっておりますか?」

「特に無いけど、帰りに何かありそうなんだよね。ほら、普通の人など一人たりともいない魔法科高校よ?」

 

ちなみにその中でも異質なのは十師族の人達と私だったりする。

私の場合、ほら。

あるじゃない?

色々特殊な事象が。

 

「ミユキは大変そうですね。主はのらりくらりと躱して帰ってきそうですが」

「そんな事しないわよ。終わったら友達と遊ぶ位してくるわよ、きっと」

 

既に数名の友達が居るもんね!

小中の時とは違うのだよ!

まぁ、小中と共に管理局の方の嘱託魔導師の仕事で忙しかったから関係無かったんですがね。

 

「ご馳走様、いつも通り美味しかったわ」

「なら、良かったです。洗い物は私がやっておきますので、練習に力を入れすぎて遅刻しないようにして下さいね?」

 

シーカーがちゃんとしてるから大丈夫だし、時間厳守は管理局に嘱託とはいえ所属しているから基本である。

と言うか、流石に四葉の長女である私が初日から遅刻とか不味い。

 

「さて、シーカー。今日の訓練は何にする?」

〘朝は基礎トレーニングをしましょう。夜はカートリッジシステム搭載型のレヴァンテインかグラーフアイゼンを練習しましょうか〙

 

カートリッジシステム搭載といってもまだレイジングハートとバルディッシュはカートリッジシステムは解放されていない。

理由としてはその前にユーノさんやアルフさんの魔法をデバイスなしに使う練習しなくてはいけないのだ。

アルフさんはいいけどユーノさんのバインド頭おかしいレヴェルしてるからなぁ。

 

「さて、達也達が帰ってくるまで基礎トレーニングを頑張りますか」

〘週末はヴィヴィオ達とストライクアーツの練習をしにミッドまで行くのですから、それ以外の練習は今の内にしておきますよ〙

「ヴィヴィオ達はどれほど強くなってるかなぁ」

 

そんなことを話しながら達也達が帰ってくるまで練習をしたのだが、シーカーの奴少しずつ私に魔力負荷掛けてきて大変だった。

なんで基礎トレーニングで汗だくになってるのかを深雪に心配されたよ。

それに関しては私も聞きたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラスが違う達也とは途中で別れてAクラスに深雪と一緒に向かい、教室の扉を開けると教室の中は既に生徒の大半が来ていた。

とりあえず自分の番号の席に向かうと、私の席は深雪の後ろだった。

 

「とりあえず履修登録をしましょうか」

 

深雪にそう言いながらキーボードで登録を始める。

脳波アシストも視線ポインタもどちらも使えるが、ミッドでもキーボード操作主流で報告書とか作ってるのでこちらの方が遥かに早いのだ。

どれ位かと言うと私を見つけて近寄ってきた雫とほのかの2人が呆然とするくらい(達也より少し遅いが十二分に早いと深雪に言われた)

 

「あら、雫にほのか、おはよう」

「おはよう、なのは」

「おはよう」

 

雫とほのかに挨拶をすると、深雪が後ろを向いて雫達に視線を向けながら私に問いかけてくる。

 

「あの、お姉様。こちらの方々は?」

「ああ、昨日の入学式で仲良くなった友達の二人よ」

 

ほのかは深雪を見つめながらポケーっとしていた。

 

「この子は私の妹の深雪よ」

「初めまして、四葉深雪と申します。私の事は深雪と呼んでくれて大丈夫ですよ」

「私は北山雫、よろしく。雫でいいよ」

「は、初めまして!光井ほのかと言いまふ!」

 

あ、噛んだ。

哀れほのかは赤面涙目。

あれされると噛んだ方もそうだけど噛まれた方もリアクション取りずらいよね。

アインハルトが私に自己紹介するときに噛んだ時もそうだったし。

 

「深雪は私の自慢の妹よ、雫もほのかも仲良くしてね?」

 

深雪の方をチラチラ見てフォローを要請する。

深雪はすぐに察してくれたようでほのかの手を握って笑いかける。

 

「お姉様とはお友達なのですよね?なら私ともお友達になりませんか?」

「は、はい!こちらこそよろしくお願いします!」

「もちろん、雫とも」

「うん、よろしくね?深雪」

 

ちなみに私は友達の作り方として普通の方法と高町式の二つの方法を持っている。

まぁ、こっちの世界では高町式は使った事ないけど。

無論高町式とは一度ぶつかり合ってから生まれる友情、或いは家族愛である。

なのはさんはそれで友達のフェイトさん(今はもう夫婦だろと思っているのは内緒)と娘のヴィヴィオを得ているしね!

それは、まぁ、置いておいて

 

「しかし、美少女の深雪とほのか、雫の三人は絵になるわね」

「なのはも十分美女だと思うけど?」

「あのね、雫。美少女と美女は違うのよ?主に若く見えるかどうかで」

「まぁ、なのはは少し大人ぽっい雰囲気があるよね。雫も昨日言ってたし」

「お姉様はお兄様と同じくらい大人に見えますからね。話さなければ」

 

話すと私は子供っぽくなると言われるのだが、それは前世からなので仕方ないと思う。

時間になるまで深雪、雫、ほのかと話をして交友を深めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時間は過ぎ、問題は起きた。

一回目は達也と昼食を取りたい深雪と深雪と相席したいクラスメイト、それに巻き込まれないようにさっさと食事を終えて去っていく達也達。

まぁ、ある程度は予想していた事だが、如何せんクラスメイトの子達の態度が悪い。

まぁ、原作知識(殆ど機能しない)により知っていたのだが、まぁ、めんどくせぇの一言だった。

 

そして、今。

ホームルームに忘れ物をしたので深雪に達也を迎えに行かせ、雫とほのかは着いてきてくれたのだが、校門に向かったら達也達とAクラスの数名がもめていた。

いや、達也というか、美月達だが。

 

「……さて、見なかった事にして帰ろう」

「いや、無理だと思うよ?なのは。さっきから深雪がこっち見てきてるから」

「……」

 

ほのかの視線は達也に行ってらっしゃる。

今のところ目線から一瞬侮蔑が混じりかけたが考え直した感じかな?

あの人が二科生だったなんて!

みたいな?

まぁ、気にしないでいいか。

恋愛事情に首突っ込むのは両想いの二人をくっつける時だけにしているし。

なのはさんとフェイトさんの二人をくっつけるのは至難の技ですよ。

既に夫婦感すごいのに友達と名称しているのがね?

ヴィヴィオに一回フェイトパパって呼ばせたら二人共顔真っ赤にしてたのは記憶に新しいし私が言わせたのがバレてSLBをくらったのは良い思い出。

ついでにプラズマザンバーもくらいしました。

いい経験になったよ。

それからスバルさん達から憧れみたいな目で見られるようになったのは何故だろう?

まぁ、ほのかの恋は叶わないだろうけどね。

理由としてはアインスと達也をくっつけようと、私と深雪が画策しているから。

 

イチャイチャしている知り合いを弄るのが私の精神の癒し。

 

 

……さて、露骨な現実逃避してないで達也達の援護しますか。

 

「同じ新入生じゃないですか。あなたたちブルームが、今の時点で一体どれだけ優れているというんですかっ?」

 

そう思っていたら、不意に美月の言葉が耳に届く。

まずい、そう思った瞬間、私は構えをとっていた。

直ぐに駆け出せるように。

Aクラスの生徒達と達也達との間に割り込めるように。

 

「……どれだけ優れているか、知りたいなら教えてやるぞ」

 

美月の発言に対してのAクラスの生徒の押し殺したような返答は、言うなれば彼らなりの最後通告だったのだろう。

しかし、

 

「ハッ、おもしれえ!是非とも教えてもらおうじゃねぇか」

 

それに対し、大柄の生徒が大声で応じる。

彼は確か、西城レオンハルトだったか。

そんな事はどうでもいい。

買い文句に売り文句だろうと何だろうと、結局のところ、彼らにとっては余程大事なプライドを挑発されたのだ。

感情に身を任せることしか知らないAクラスの生徒が行動に移すのは目に見えていた。

 

「だったら教えてやる!」

 

生徒がCADを抜き構える。

 

「特化型っ!」

 

そこそこ(・・・・)の速度で構え照準を合わせられたCADを見て深雪が声を上げる。

 

「お兄様!」

 

その声が発されるより早く私は駆け出した。

正確に言えば駆けるというより飛ぶ、と言えるだろう。

数メートル離れた場所へと距離を詰めCADを構えた生徒の腕を掴み、同時にエリカの警棒を指で挟み威力を無くす。

 

「はい、そこまで、これ以上は危険行為よ。今なら未遂で済むわ」

 

どちらからも息を呑む音が聞こえる。

彼らからは私が一瞬で現れた様に見えたのだろう。

 

「校内でのCADの使用は禁止よ」

 

一瞬生まれた彼らの動揺を利用し状況を有利に運ぶ。

有無を言わさない雰囲気を纏わせながらAクラスの生徒達をメインに戦意を削ぐ。

ふと、視界の外でほのかがCADを構えていたのを捉える。

ほのかはCADで閃光魔法を使おうとしていた。

しかし、まぁ、私の方が早かったわけで。

ほのかが魔法を中止させようにも、状況に混乱して停止させることを忘れかけてるみたいたし、どうするか。

まぁ、敢えてスルーしますが。

 

「止めなさい!自衛目的以外の魔法による対人攻撃は校則違反である以前に、犯罪行為ですよ!」

 

その声と共にほのかの展開していた起動式にサイオンの塊が撃ち込まれた。

皆、そのサイオンの塊を撃ち込んだ生徒を見て固まった。

それを撃ち込んだのは生徒会長である七草真由美その人であったから。

 

「あなたたち、1-Aと1-Eの生徒ね。事情を聞きます。ついて来なさい」

 

そう言いながら近づいてくるのは生徒会長の隣に居た女生徒。

風紀委員長の渡辺摩利、だったっけ?

彼女のCADは起動式の展開を完了している。

そんな彼女達の前に達也は平然と歩いて近づく。

 

「すみません、悪ふざけが過ぎました」

 

傍から見れば唐突なセリフだろう。

実際、風紀委員長も眉を顰める。

 

「悪ふざけだと?」

「はい、森崎一門のクイックドロウは有名ですから、後学のために見せてもらうだけのつもりだったんですが、あんまり真に迫っていたもので、思わず手が出てしまいました」

 

まぁ、そこはさすが達也、舌先三寸で何とか風紀委員長を丸め込む。

正直な所、管理局員としてはこういうのあれなんだけどなぁ。

まぁ、今回は私も援護しますか。

 

「後から来たので、その事を知らずに、つい、手が出てしまいまして。紛らわしくすみませんでした」

「だからと言って、そちらの生徒が攻撃性の魔法を発動しようとしたのはいただけないな」

 

そう言いながら風紀委員長はほのかの方を見る。

 

「彼女が使おうとしたのは目くらまし程度の閃光魔法でしたから、しかも、失敗しても危険なものでもありませんでしたし」

 

達也が起動式を読み取れるという発言で驚く皆々様。

深雪だけはどこか誇らしげであった。

 

「ほぅ……どうやら君は、展開された起動式を読み取ることが出来るらしいな」

「実技は苦手ですが、分析は得意です」

 

分析とはよく言ったものだ。

それは、そんな生易しいものではないだろう

、達也。

 

「……誤魔化すのも得意なようだ」

 

風紀委員長の眼差しをよく知ってる。

あれだ、値踏みすると同時に威嚇するシグナム姐さんの眼差しと一緒。

そこで、深雪が達也を援護すべく進み出る。

 

「兄と姉の申したとおり、本当に、ちょっとした行き違いだったんです。先輩方のお手を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした」

 

口先で対応する達也と、それとは真逆な態度で深々と頭を下げる深雪。

勝ち確ですな。

更にそこに生徒会長が援護をして下さり今回の事は見逃された。

貸し作った、って所かな、生徒会長さんとしては。

 

去り際に風紀委員長が達也と私の方を見て名前を聞いてきたので答えたら覚えておこう、と言われたのでつい反射的に

 

「忘れていただけると幸いです」

 

と言っちゃったが、まぁ、気にしない方向で。

あと、達也が男子生徒、森崎君にお前は認めないぞ宣言されていたが、どうでもいいか。

 

 

 

 

 

 

 

「なのは、風紀委員長に対するあの返答はどうかと思うぞ?」

 

達也、深雪、私に雫、ほのか、美月にエリカにレオで駅まで一緒に帰ることになったのだが、達也にジト目で怒られた。

 

「つい、癖で」

 

ノーヴェとかヴィータさんとかシグナム姐さんに対してはいつもあんなリアクションしてたので、雰囲気が似ていた風紀委員長にはつい癖が出てしまったのは仕方ないと思う。

 

「と、言うか、なのは凄かったわね。あの一瞬であの距離を詰めるなんて」

「私としてはエリカの剣の腕前も凄いと思うわよ?あの一瞬で彼のCADだけを的確に狙って当てに行けるなんて、かなりのものでしょ」

 

エリカとそちらが、いやそちらが、と互いを褒める(分析込み)と雫がボソッと

 

「普通に二人共可笑しい」

「「……そうかしら?普通よ普通」」

 

エリカとハモったので仲良くハイタッチ。

 

「エリカとなのはってどことなく似てるな。おちゃらけている所とか」

「え、真面目な方がいい?ならこれからは家でもそうする?」

「お姉様、それでアインスさんに心配されていましたよね」

 

おふざけやめたら何故か心配されて病院行きましょう!とまで言われたのは解せない。

 

「……じゃあ、深雪のアシスタントを調整しているのは達也さんなんですね」

「ええ、お兄様にお任せするのが、一番安心ですから」

 

達也の両隣には深雪とほのかが陣取っている。

写メ撮ってアインスに見せてやろうかしら?

 

「やめろよ?」

「え〜、良いじゃない。達也のご飯が酷いことになるだけなんだから」

 

私の考えを読んだ達也が私にクギを刺してくる。

皆は首をかしげていた。

まぁ、アインスの嫉妬で達也だけ晩御飯がめちゃくちゃ質素になるだけだし。

しかも、めちゃくちゃ不味い。

 

「じゃあ、なのはのCADを調整しているのも達也さんなの?」

 

雫が雰囲気を変えるために達也へ質問をしていた。

その質問に達也は思わず苦笑いを浮かべる。

 

「俺は無理だよ。なのはのはかなり特殊なものでね、多分この世界ではなのはともう一人しか調整出来ない。なのはの調整を担当するくらいならエリカのホウキを調整した方がまだ楽でいい」

 

まぁ、インテリジェンスデバイスですしおすし。

それに、ウチのシーカーはインテリジェンスデバイスの中でもトップクラスの複雑な仕様しているしね。

もう一人とは言わずもがな、アインスさんである。

達也もここ最近、アインスからデバイスの基礎を学んでいるらしい。

あんな美人さんと二人っきり工房に篭っても何も起きなくて、正直お姉ちゃん、達也が不能なのかと心配しています。

 

「なのはから凄まじく失礼な考えを感じるんだが?」

「気のせい、気のせい」

「と言うか、達也君、これがホウキだって分かるんだね」

 

エリカは何処か残念そうにしながら先程の伸縮警棒のストラップをくるくるして弄る。

 

「えっ?その警棒、デバイスなの?」

「どこにシステム組み込んでるんだ?」

 

エリカがドヤ顔で解説しようとしていたので横からそのお仕事をかっさらう。

 

「さっきの感覚からして中は柄以外空洞でしょうね。多分だけど、刻印型の術式か何かで強度を上げて振り出しと打ち込みのタイミングでサイオンを流して消耗を減らしているのね」

「……なんで完璧に分かるのよ?」

「色々あるのよ、うん」

 

相手のデバイスがどんなのかを一瞬で判断して対処法を確立しないと、魔導師戦はこちらが不利になりかねないからね。

 

「まぁ、原理はなのはが言った通りよ。要は兜割りと一緒ね」

 

その言葉に一同が鎮まり返る。

 

「え、何?この沈黙」

「あのね、エリカ。兜割りって、奥義とか秘伝に部類される技術よ?普通出来ないわ」

 

深雪の発言にうんうんと頷く皆。

エリカはやばっ!みたいに焦るが、正直自業自得である。

 

「この中ではエリカ以外なら、なのはしかいないな、兜割りなど出来るのは」

「なのはは既に普通じゃないよね」

 

ほのかの一言が思いのほかクリティカルヒットした。

 

「ぐふ!な、何も言えない」

「ひょっとして、うちの高校って一般人の方が少ない?」

「魔法科高校に一般人はいないと思う」

 

雫の一言に皆、何も言えずに今日は解散になったのだった。

 

 

 

 




遅くなりました!
いや、働き出したら小説書く気力全然湧かなくてですね。
仕事に多少は慣れてきたのでこれからはしっかり書いていく予定です。
なのはは基本チートを地で行くキャラでありネタに走りやすいキャラでもあります。
昨日起きた時に頭の中にビビっと達也×アインス、というネタが降りてきました。
成程、そういうのもあるのかってなりましたね
と言うか、多分なのはは御神流を習っていそう。
設定段階で最強キャラにしたのに更に最強になりそう。


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