東方 幻想忍闘伝 (Mr.Sprite)
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第一話・全てを受け入れる始まりの地

森の中で少年はただ魘されていた・・・


何故だ・・・何故こんな真似をする

長が移ってから何もかもが変わってしまった

暴力と欲望に渦巻いた里に堕ちてしまった

与えられた任務で向かう先で最後に見るのは地獄絵図ばかり

この様なやり方にもう付き合ってられぬ

拙者はこの里を抜け出させてもらうで御座る!!

 

まただ、またあの忌々しい夢を見てしまった

少年は目を覚まし、体を起こした後、すぐに額に手を当て俯いた

「これで何度目で御座ろうか?この夢を見たのは・・・」

もう数え切れない程見たこの悪夢・・・いつになったら見ないで済むのだろうか?

 

彼の名は宇月 翔(うづき かける)

住んでいた里のやり方に納得が行かず里を抜け出した抜け忍である

歳は15、整った顔立ちで瞳の色は青色

髪の色は茶色、髪型はセミロングでいつも後ろに纏めていた

ポニーテールとかでは無いが、髪を後ろに縛っている。

身長は145~150程、いつも黒い忍装束をその身に纏い

任務をこなしていた(長が変わるその間までは)

好きな食べ物・嫌いな食べ物は共に無い。

得意な事は雲隠れと瞑想と森林浴、苦手な事は他人を欺く事と殺す事

得意な忍術は縮地の術と遁術で、苦手な忍術は対人術である

縮地の術・・・所謂、超高速移動で達人ともなると瞬間移動をしているようにも見えるとか

遁術・・・簡単に例えるなら、火遁やら土遁やら水遁やらとかそんなの

間違ってもかの有名な某忍者アニメの様に、人を殺したりする忍術とかではない

本来は逃げたり、隠れたりするのに使用する忍術である、その辺り間違え無い様に注意。

対人術・・・簡単に言ってしまえば会話の中で相手の心理や欲望、感情を操って思うままに操る事

とまぁキャラ紹介はこの辺にしておこう、話を進めたいと言うのが本音。

 

翔は頭を振り、顔を上げた・・・そこは見知らぬ土地であった

「ここは・・・どこで御座るか?」

辺りを見回す、しかしどこを見ても木ばかりである

(一体、この地はどうなっているで御座るか?この異様な気は・・・)

彼は何かを感じていた、人ではない何かの気を

それは酷く禍々しく感じる気や、微かだが神々しく感じる気などと言った様々な気である

だが、考えても仕方がないので翔は立ち上がり、辺りを散策する事にした

 

少年移動中......

 

暫く歩いていると、突然何かの気配を感じた

「むっ!?何者で御座る!!」

背中にある忍刀(しのびがたな)、虎牙(こが)に手を掛ける

「おっと、今回のは随分と勘が鋭いねぇ」

翔は声が聞こえた方を向く、その方向は真後ろにある木の上だった

木の上には狐の面に似た様な面とマントを着た何者かがいた

「お主、何者で御座るか!?」

虎牙に手を掛けながら、謎の人物を尋ねる

が、翔は虎牙を抜く気は無い。相手が命を狙って来ない限り抜く事は決してしないのだ

これは警戒と言うべきか、威嚇と言うべきかその様なものだ。

「まぁ待て待て、まずはその刀に掛けてる手を離せ、話はそれからだ」

今度は突然背後から現れた、翔は驚くがすぐに無表情に戻し、少し間合いを取る

チラッとだけ木の上を見てみるが・・・案の定、姿は無い

飛び降りたと言う様子は無く、まるで元々そこにいたかの様に歩いてくる

「どうした、何か可笑しな事でもあったか?」

首を傾げながら不思議そうに見てくる

「・・・お主、いつからそこにいた?」

「ん?まぁ、ちょいとした手品さ、吃驚したろ?」

「・・・・・・・・・・・・」

翔は訝しんで見ていた

「さて、いい加減その刀から手を離してくれないかねぇ?

抜いてないとは言え、警戒をせざるを得ない」

そう言われ、翔は虎牙に掛けていた手を離し、構えを解く

「やっと離したか・・・んでだ。ようこそ幻想郷へ、歓迎するぜ外来人」

「幻想郷?外来人?」

何を言われているのか全く分からない翔

「幻想郷ってのはこの世界の名前で、外来人ってのはお前さんみたいに

外の世界から来た奴の事を言うのさ」

「はぁ・・・・・・」

何言ってるんだコイツはと言う表情をしていた

「この世界はな、人は勿論、妖精やら妖怪やら神様が住んでいる世界で

殆どの住人が空を飛べるんだ、スゲェ不思議だろ?」

「どうにも、信じ難い話で御座るな・・・」

「だろうな、信じられねぇか・・・なら、空を飛べるってのを見せてやりますか」

そう言い、翔の目の前の人物は軽く宙に浮く

「っ!?」

翔は驚いた、目の前でこうして飛んでいると言う事を見てしまった以上信じざるを得ない

「お前さんも、もしかしたらこうやって飛べる様になるかもな

まぁ、それはお前さん次第で、飛べるかどうかまでは知らん」

ハッハッハと笑いながら、空を自由自在に飛ぶ

やがて着地すると、この幻想郷について説明をしだした・・・

主人公学習中.........

 

大体三十分ほどで説明を終わらせた

「とまぁこれぐらいで十分かな。さて、何か他に知りたい事があるか?」

「今更で御座るが、お主の名は?拙者は宇月翔と申す」

「ん?ああ、それ忘れてたわ。俺は天城四光(あまぎ しこう)だ

気軽に天城なり四光なりと呼んでくれ」

「分かり申した、天城殿」

「ああ、よろしく・・・っと悪いな、急用が出来た、俺はこれで失礼させてもらう」

そう言って、天城は突然消え去った

「っ!?」

翔は驚いた、ほんの一瞬で天城が姿を消した事に・・・

(一体、彼は何者で御座るか?)

天城四光を不思議に思い、翔はこれ以上の長居は無用と判断し

教えて貰った人里へと向かった

 

 

 

 

ふと、先程の木の上から天城四光が現れた・・・

(頑張れよ、宇月翔。お前が最後の鍵だ、そう簡単に死んでくれるなよ・・・)

「あら、探しても見つからないと思ったら、こんな所で何をしていたのかしら?」

何も無い所から突然、空間の割れ目が出来てそこから

紫色のドレスを着た金髪の女性が現れた

その空間の先は大量の目があって、正直薄気味悪い

「クックック、いつものですよ」

「・・・・・・」

女性は何も言わず扇子を広げ口元に当てる

「これが最後のチャンス、俺の計画を達成するには必要不可欠な存在」

「四光、今から考え直す気は無いかしら?」

「残念ながら、その気はありませんね」

「そう・・・」

扇子を閉じて、宇月翔が走り去った方向へ向く

「宇月翔と言ったかしら?あの子・・・」

「ええ、それが何か?」

顔を金髪の女性の方に向ける

「ねぇ、四光・・・」

突然、金髪の女性が甘えた声を出す

「ダメですよ」

目を瞑り、きっぱりと答える・・・仮面を着けているので外からでは分からない。

「私、まだ何も言ってないじゃない」

四光のマントの裾をちょいちょいと引っ張る

「言ってなくてもダメです」

「え~・・・どうしても~?」

人差し指を口元に当てて、涙目で上目遣いをしてくる

「どうしても、絶対にダメです」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・チッ」

露骨に舌打ちをする

「別に殺す訳じゃないんだから、あの子を美味しく頂いたって良いじゃない」

天城に聞こえない様にボソッと呟く

 

果たして、宇月翔の運命や如何に?天城四光が言う計画とは一体?

次回予告など、出来る訳が無い。




初めまして、Mr.Spriteです
早速愚痴らせてもらいます・・・筆が進まねぇぜこん畜生。以上
さて、如何だったでしょうか?東方 幻想忍闘伝
作者としては常に、お前のような○○がいるか!!と言う
ツッコミのコメントや感想などをお待ちしております


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第二話・初めての戦闘

スキマ妖怪がストーカーっぽい事を?気のせいだ。


宇月翔は森を駆けていた。時には地を走り時には木から木へと飛び移り

足音と気配を消して人里へと進んでいった

少年移動中.........

 

「むっ!?」

突然、何やら気配を感じた翔はその場に留まり周りを見るが・・・やはり何も無かった

(・・・・・・気のせいか?)

少々考え事をして腕を組み首を傾げたが、止めていた足を里に向けて進む始めた

「先を急がねばならぬな・・・」

何やら妙な寒気を感じたが、拙者は再び人里へと進んでいった

 

 

四光に言ってみたが、案の定ダメだと言われた、どうせ殺す訳じゃ無いのに。

あれ以上居れば間違い無く四光が煩くなるので、さっさとスキマで退散させて貰った

私とアイツが契約してから約五年にもなるのか・・・

私の式の中では限りなく最弱で、また式達を上回る程に強い式と言う変わった存在だ

その理由は彼の能力であり、未だに彼を倒した者は誰一人として居ない

私も彼に挑んだが、結果は妖力と時間を無駄にして私が負けた

まぁ、その時の細かい話はいずれまた話そうかと思う。

ある時を境に彼の計画を知ってから、私は彼に好きにしろと言い泳がせていたが

あの少年を見た時に気が変わった、彼の計画など知った事か

私は何が何でも、宇月翔を手に入れ傍に置く事に決めた、だって可愛いんですもの。

文句のある奴は前に出なさい、スキマで家が見えない程空高く飛ばして

パラシュート無しのスカイダイビングを体験させてあげるわ

それにあの子は磨けば、上級妖怪と互角にやり合えるぐらい強くなる

ついでとは言っては何だが、私好みに育て上げようかしら?

さて、私個人の楽しい想像は置いといて、宇月翔君は今どこにいるのかな?

スキマ妖怪移動中.........

 

あ、いたいた翔君見~つけた・・・って、あら?

どうしたのかしら、急に立ち止まったりして・・・もしかして、もう迷っちゃったのかしら?

なんて事は無いわよね、僅かでも私の気配を感じたのかしら?

だとしたら、相当鋭いわね・・・益々欲しくなってきたわ

あの子を手に入れたら、沢山可愛がりながら育てて、大人になったら夜の営みを・・・ウフフ。

ああ、更に楽しみが増えてきたわね・・・まぁ、それは彼を手に入れてからの話だけど

そんな事を考えていたら翔君がまた進み始めた

おっといけない、このまま想像に耽け込んで翔君を見逃したなんて事になれば洒落にならない

おい、誰だ今妄想だなんて言った奴。前に出なさい、スキマで妖怪の山に放り込んでやるわ

 

 

 

あれからどれぐらい進んだだろうか?

話によると、里へはもうじきの筈で御座るが・・・

「ウワアアアアアアアァァァァァァ!!!!!」

う~む、何やら叫び声と邪気が――――――って、叫び声!?

イカン!誰だか分からぬが助けに参らねば!!

もし里の者ならば助けたついでに、人の暮らす里まで案内して貰わねばならぬ

いざ!この宇月翔、人の暮らす里へ辿り着く為に助けに向かうで御座るよ!!

少年疾走中......

 

 

「ヒィィヤッハァァァ!!久々の人間だぜぇ~、しかも子供と来たもんだ!」

何か、某世紀末アニメに出てきそうなモヒカンヘアーっぽい妖怪が現れた

ちなみに、肩のあの刺々しい防具らしき物は着けておりません

妖怪はジリジリと子供を追い詰めていた

「く、くるなぁっ!!」

尻餅をついた子供は後退る様に妖怪から逃げる

「誰か、誰か助けてええぇぇっ!!!!!」

目の前の妖怪に恐れ、子供は助けを求め泣き叫んでいた

「ヒャ~ッハッハッハ!!幾ら助けを呼んでも、来る訳ねーだろうがよぉ?」

一歩また一歩と子供を追い詰める妖怪、小物役としては十分すぎないか?

「ッ!?」

後退るも背後に木があり、逃げ場がなくなる

「そ~ら、鬼ごっこは御終いだぁ・・・いっただきま~す!!」

逃げ場を無くした子供に、襲いかかる妖怪

「ヒイィ!?」

もうダメだと諦め目を瞑り、手を前に出し腕を交差させガードをする

子供が妖怪に食われようとしたその瞬間

「待たれよ!!!」

突然、翔が空から大きな声を出し降って来た

「「っ!?」」

子供と妖怪は声のする方へ同時に振り向いた

「無力な子供を襲う悪しき妖怪よ、拙者自らが成敗してくれる、覚悟せよ!!」

「ア゛ァ゛ッ!?んだテメェは?ぶっ殺されてぇのか!!」

食事の邪魔をした翔にキレる小物妖怪、お疲れ様でした。

「貴様如きに話す舌など持たぬで御座る!!」

「んだとこの雑魚がぁ!舐めてんじゃねーぞ、ゴラァッ!!」

妖怪が翔へ襲いかかる!

「オラオラオラァッ!!」

鋭い突きや蹴りが二撃三撃と迫ってくる

流石妖怪と言うべきか、速度は速く、力も強い

・・・が、所詮小物は小物でその程度。翔にとって大した敵ではない。

(動きに多少無駄がある・・・やはりただの力任せで御座るか)

どうやら、避けるのは容易い様だ

少年戦闘中.........

 

 

(クッソ、何でだ!何で攻撃が当たらねぇ!?)

次々と攻めるがどれも当たらず避けられてばかりで妖怪は焦っていた

(さて、そろそろ反撃に移るで御座るか)

翔は空高く飛び、一度間合いを取り再び構え直す

「どうした、もしかしてビビったのかぁ?」

冷や汗を掻くが、それでも余裕な態度を取る

しかし翔はと言うと、目を瞑り一度深呼吸をする

そして目を見開き、縮地の術を使い一瞬で間合いを詰めた

「ッ!?」

妖怪は驚いた、たかが人間如きにあんな速度を出すとは思っていなかったからだ。

「は!せいっ!ぬぅんっ!!」

翔は妖怪の懐に潜り込み、心臓の辺りに肘打ち、顎に掌打、腹に両掌底を叩き込んだ

一瞬だけ軽く宙に浮くが、すぐに踏み止まった

「っと、あぶねぇあぶねぇ・・・人間の癖にやるじゃねーか」

妖怪はすぐに体勢を立て直し、翔に向かって走り出す

翔は一度大きく息を吐き目の前の妖怪との戦いに集中する

「そらよぉっ!!」

拳を構え、殴り掛かる

「甘い!」

拳を手で払い、反撃に掌打を叩き込もうとした瞬間

「がら空きだぜ!!」

「ぐおっ!?」

脇腹に膝蹴りが入る。幾ら鍛えているとは言え、妖怪の一撃は重かった

普通の人間が喰らえば動くのがやっとぐらいのものだろう

「ぐぅっ・・・・・・」

再び間合いを取り、脇腹を抑えながら片膝を地面に着ける

「ハッハァ!さっきまでの勢いはどうしたよ!?」

口の端を吊り上げ、ニヤニヤと笑う妖怪

(ぬぅ、知らぬ内に慢心してしまったか、まだまだ拙者も未熟で御座るな・・・)

翔はゆっくりと立ち上がり、全身から気を放つ

「もはや加減は無用!本気で行かせてもらうで御座る!!」

再び縮地の術を使い、妖怪の背後に回り込んでからの後頭部目掛けて飛び蹴り

「がぁっ!」

見事入ると、次は正面に回り込んで鳩尾に膝蹴りをする

「ぐぅっ!?」

次に側面に回り込み、脇腹に肘打ち、首に手刀を叩き込む

「げふっ!」

そして今度は正面に回り込んで止めに入る

右足で素早く、中段・上段・上段(逆回し蹴り)

足・上段・上段(逆回し蹴り)の順で六発叩き込み

最後に少し宙に浮き、妖怪の脳天に踵落としを叩き込んだ!!

その森には、凄い大きな音が響き震動する。

鳥達が大きな音に驚いて逃げ出したのは言うまでも無い。

「ふぅ・・・少々やり過ぎたで御座ろうか?」

完全に伸びてる妖怪を見て一息つく、妖怪は完全に白目を向いて気絶している。

「さて・・・大丈夫で御座る――――――」

翔は子供の方へ振り向くが・・・既に子供の姿は居ない

「ぬっ、逃げられたで御座るか・・・」

辺りをキョロキョロと見回してみるが、やはり子供の姿はない

「助かったのは何より・・・しかし、里まで案内して欲しかったで御座るよ。トホホ」

翔は酷く落胆した、子供を助けて人里まで案内してもらおうと思った計画が

一気に苦労が水の泡となって消えたからだ

「人の住む里の道はまだまだ遠いで御座るな・・・」

トボトボと森の中を歩いて行った、その場に倒した妖怪を置き去りにして・・・

 

 

 

子供を助ける為に飛び込むなんて、中々見所があるじゃない。更に気に入ったわ

それにしても、あの妖怪のセンスは頂けない、小物臭が半端ではない。

まるで外の世界のアニメや漫画とそう言った類の物に出てきそうだ

特に、世紀末やら何とか神拳やらとか言った類の物に出てきそうだ

何故二度言ったかって?そんなの私の勝手じゃない。

さてと、そろそろ戦いが始まったみたいだし、私は高みの見物とでも洒落こもうかしら。

まずはあの子供を人里へスキマ送りにしましょう、被害を受けずに帰してあげた方が良いわよね

頑張ってね翔君、その程度の妖怪にやられちゃったら四光が泣くわよ、泣かないけど。

もしかしたら、私が泣くかも・・・楽しみを壊されて

その時はそこの妖怪に罪を償わせるだけだ、その身を持ってしてね・・・フフフ。

弾幕じゃなく、肉弾戦って本当になってないわねあの妖怪・・・

これだから小物妖怪は嫌なのよ、あれじゃあそこら辺にいる妖精すら劣るわ。

とは言っても、翔君は右も左も分からない状況だもの・・・弾幕なんて撃てないわよね

そう言えば、ここの戦い方は教わって無かったわね。四光め、何故教えなかった・・・

そうだ、弾幕を放てる様に私自ら手解きしてあげようかしら?

授業料は体で払ってもらうとしてね、勿論それは夜のお楽しみに・・・我ながら良い名案だわ

あら?翔君ったら低級だけど攻撃を避けてるわ、凄い凄い。

普通避けるのが精一杯だけど、軽々と避けてるわ・・・これは育て甲斐があるわね。

いつか彼と手合わせをして見ようかしら?良い運動になるかも知れないわ

偶然事故が起きて私が翔君になんて事が・・・最高ね、肌と肌がこう、くっついて・・・

って、ダメよ私!落ち着きなさい・・・今はダメ、彼が熟すまではお預けよ!

危ない危ない・・・本能で彼を襲ったとなっては彼に嫌われるかも知れない

それだけは何としても避けねば・・・私の夢が崩れる。

うん?気がつけば空気が変わったわね、翔君そろそろ反撃に移るのかしら?

・・・・・・凄い、まさかあんなに速く一瞬で懐に潜り込むなんて

何かの忍術かしら?アレは流石の私も真似出来ないわね・・・

夜のお楽しみは諦めて、報酬は忍術と言う事で手を打とうかしら?

夜のお楽しみなら、彼が大きくなったらいつでも出来るだろうし・・・そうね、それが良いわ。

本当に遺憾だけど、夜のお楽しみはお預けにしましょう・・・私が我慢できるかしら?

今更だけど私、人肌に飢えていたのね・・・でも相手が翔君じゃなきゃ嫌よ絶対に。

想像に耽け込んでいたら妖怪の反撃が・・・あ、翔君にダメージが!

どうしてくれるのかしら?出来れば傷付けずに手に入れたかったのに

でも、手を出せば彼の為にならないし、何より四光や藍が煩いだろうし

・・・凄く複雑な気持ちだわ、守りたいのにただ見ているだけなんて。

何とか翔君が立ち上がった・・・良かった、出来れば余計な心配は掛けないで欲しい物である

今度はさっきよりも素早く体術を叩き込んでいる

あの速さは天狗並みの速さでは無いだろうか?私には到底出来ない

そして止めに蹴りを七連発、しかも全部右足だけと言うのが凄い

不覚にも、あの子本当に人間?なんて思ってしまった

人間にしては、随分と人間離れしている。

小物妖怪は無様に伸びている。やったわね翔君、初勝利よ!

私は心の中で小さくガッツポーズを取った、今日は凄く気分が良いわ

良い物を見せてくれたお礼に野宿している間は守ってあげようかしら?

私はスキマに入り、彼に見つからないようにした

 

 

一方その頃、翔はと言うと・・・

「ぬぅ・・・迷った、人里へはどう行けば辿り着くので御座ろうか?」

道に迷っていた。果たして、翔は人里へ辿り着けるのだろうか!?

頑張れ翔、くじけるな翔、人里へは辿り着くさ・・・いつか、きっとね(遠い目)




ども、第二話が終わってちょい一息
そして早速愚痴ります。昼間が暑くて夜寒いとか・・・体壊すわボケェッ!!
と言う事で、如何だったでしょうか?東方 幻想忍闘伝
え~、常にお前のような○○がいるか!!と言うツッコミや感想のコメントを待っています
どうぞ、お気軽にコメントを下さい。
後、何かスキマ妖怪がかなり変な方向に走ってる気がするけど気にするな(笑)
以上、Mr.Spriteからでした・・・

P.S.上段(逆回し蹴り)って書いてるけど、踵で頭部を蹴ってるってイメージでお願いします。


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第三話・災難に遭う(前編)

おっと、どう言う事だい?着いた場所が実は山だったんだって
山といえばあそこだよね・・・そしてある事故が起きて翔君ピーンチ。
それと紫様が・・・・・・?


「クッ、このままでは・・・」

翔は何者かに追われていた、彼は縮地の術を使い逃走を図るが距離は離れず

逆に縮まるばかりだった。里の中で彼はトップクラスの速さを誇るが

この世界でそれは通じなかった・・・

あの事故さえ無ければこんな事にはならなかっただろうに

 

 

数十分前・・・

「拙い・・・これは非常に拙いで御座るよ」

彼は未だに迷っていた。前進すれば木ばかり、後退しても木ばかり

右を行っても左へ行っても景色は変わらない。

どこをどう行けばこの森を抜け、里に辿り着ける事が出来るのか、それを彼は知らない。

「まだ日は昇っていても、いつ沈むか分からん。夕暮れまでに何としても・・・」

彼はぶつくさと呟きながら周りを注意しつつ進む

 

 

「これは流石に辿り着いた先が悪かったわね・・・」

私は空から彼を見守っていた

彼がいる場所は妖怪の山と言われ、鬱陶しい連中がいる山で

今現在、彼は奴等の領域を思いっきり侵している

私は手に持ってる扇子を開いたり閉じたりを繰り返していた

「やあやあ紫様、どうしたよ?随分と落ち着きないじゃないの」

私の背後から飄々とした声が聞こえた(・・・小うるさいのが来たか)

全身マントに包まれ仮面を着けた私の式(もといただの手駒)、天城四光だ。

「何かしら四光?私、今とても忙しいのだけれど」

いつ彼が天狗共に襲われるか分かったものじゃない。

「な~にが忙しいだ、俺の呼んだ鍵にストーカーしてるくせに」

溜め息混じりで答えた、やれやれといった表情で言ってるに違いない

「それで一体何の用かしら?」

私は振り返らずそのまま尋ねる

「暇潰し」

キッパリと言ったわねコイツ・・・式が主に対して暇潰しですって?

「と言う事でスキンシップしようぜ、ゆかりん」

そう言い、四光は背後から私に密着し胸を掴み揉みしだきだした

「あ~・・・さっすがゆかりんのおっぱいだわ~、大きいし柔らかいのなんの・・・良いわぁ」

私は持っていた扇子をバキッ!と音を立てて折り、ポイっとスキマに放り込み

背中に密着してる四光に肘打ちをした

「ぐぇ!・・・酷いなゆかりん、何をするんだ」

「良い度胸ね、謝るなら今のうちよ?」

私は奴に笑顔を向けた、殺意や恨みを含めた笑顔だけど

謝っても許しはしなけどね、ほんのちょっとだけ罰が軽くなるだけで。

「おぉ~、これまでにないぐらいのとびっきりすっごい良い笑顔~~」

そう言いながら、また私の胸を揉みしだく、それが答えか。

「どうやら、よっぽど殺されたいらしいわね?四光」

「おっと、急用が出来た。またな、ゆかりん」

「待ちなさい!四光!!」

私の事をゆかりんと呼んだり、胸を無断で揉みしだいたりした罰を与えなければ気が済まない

「きゃー、おーたーすーけーーー」

そう言って四光は逃げ出した、声が棒読みなのが腹立つ

背中を向けた奴に弾幕を撃ちながら追いかける。

 

 

一度立ち止まり、辺りを見渡す

何やら先程からずっと誰かに見られている気がしてならない

やはり何も見つからない、正直言って気味が悪い

(むっ!?何やら凄い殺気・・・)

一瞬、先の妖怪より強力な力を感じる、それも桁違いに

逃げ切れるかどうか不安ではあるが

ここは縮地を使いこの場を急いで離脱しようとしたその時

「そこまでです!!」

突然周りに多数の妖怪達が現れた

「ぬっ!?」

全員同じ白い服に黒と赤のロングスカート、もしくは袴と言う服装で

耳や尻尾が生えていた。毛の色は、白や銀、灰色や黒と様々だった。

武器は大きな剣と盾を装備している。

しかし、この者達からは先程の凄まじい気配は感じない

強いには強いだろうが、やはりアレとは違う

「このまま大人しく捕まるのなら危害は与えませんが、抵抗するなら容赦はしません」

「・・・・・・・・・」

冷静に周りを見渡す、数は6・・・多勢に無勢だろう

ここは大人しく相手の言う事を聞くことにする

そして頷こうとした瞬間、いきなり空から何かが降ってきて

それが妖怪に直撃し激しい爆風と轟音を響かせる

三体ほど吹き飛ばされた、一体は空中をきりもみしながらグルグルと回って地面に落下

また一体は爆風に吹き飛ばされ、大の字になって木に激突し気絶

そして残る一体は何かに直撃したのか、うつ伏せになって倒れている

「「「っ!?」」」

理解出来ない、一体何が起こった?唖然し固まるだけだった・・・

少しだけ時間が経つと全員が同時にハッと気がつく

「くっ、一体何が!?」

残った三体のうち、一匹の白い毛の妖怪が言う

しかし、答える余裕もなく第二第三の何かが降ってくる。

誰が仕掛けているのかは知らないが、今は必死に逃げる事にした

 

 

「遅い遅い、どーしたゆかりん?その程度か?」

えぇい、ゆかりんと呼ぶな、この不出来な式め。

逃げる四光の背後に弾幕を放つが、一向に当たらない

なのでスキマを使い、一度至近距離で放ったり、奴を囲むように弾幕を展開したりもしたが

結局当たらず仕舞いだった。ましてやちっとも掠りもしない。

おかしい、ここまでやって一度も掠りもしないなんて・・・

「何故俺がアンタの弾幕に当たらないのか、わっかるかなぁ~、わっかんねぇだろうな~」

ヘラヘラと笑いながら訳の分からない事を言う

「面白いもん見せてやるよ」

そう言いながら振り返ってこちらに手を伸ばして来た

一体何をするのか知らないけど、さっさとシバかないと

そう思い私は弾幕を張った・・・すると

四光が何かを呟いている、声が小さくて何を言っているのか聞こえない

私の弾幕が四光に当たろうとした次の瞬間、突然私の弾幕が消えた

「まっ、こんな所だな。ちなみに弾幕を消したんじゃなく方向を変えたのさ」

そう言い下に指を指した、私はその指の先を見ると

確かにあった、私の放った弾幕が・・・

「まぁ、こうやって方向を変えて弾幕が当たらなかったってだけだ」

「・・・・・・・・・」

 

 

その弾幕の方向が翔達に向かっていった事に紫は知らなかった

だが、四光はこれを意図的に行っていた




お久しぶりです、Mr.Spriteです
今まで何をやっていたんだテメェ!?と言う方がいるでしょうね間違い無く
え~・・・まぁゲームに明け暮れていましたね色んなゲームです。
あれ?どんなのあったっけ?ってな感じになってやり込んでました
そのおかげである程度思い出しました。
だからと言って、次はいつ更新すんのか分かりません
思いつきや気分次第ってのが方針なんで・・・。

それにしても今回は短すぎたなぁ・・・まぁ、まだ前編ですからね
コレが中編に入るのか、それとも後編に入るのかは作者も決めてません。


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