これは並盛中生徒会長の日常である。 (ガイドライン)
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並盛中の生徒会長

「会長!おはようございます‼」

 

「おはよう。もうすぐチャイム鳴るから急いで」

 

「はーい」

 

 

 

ここは並盛中学校。

そしてその門に佇んでいるのはこの並盛中の生徒会長

 

 

 

「や、ヤバい!!遅刻だぁー!!!」

 

「また君か沢田君。はい、あと十秒」

 

「えぇ!!ちょっとタンマ!!!」

 

「待った無しだよー

はい、あと6.5.4.3.2.1…0」

 

 

 

 

0と数え終わった後に学校の敷地内に入った沢田 綱吉は、はぁはぁと息を切らしながらその場に座り込んだ。

 

 

 

 

「あとちょっとだったのに……」

 

「毎度毎度良く遅刻するねー。今度から僕が迎えに来ようか?朝の5時だけど」

 

「そんな早く起きてなにしてるんですかぁー!!」

 

「うん?学校内の清掃だよ。

どういうことか清掃をやり初めてから雲雀君が大人しくなった気がするんだけどどう思う??」

 

「い、いや、雲雀さんとあったことないので……」

 

「それもそうか!

遅刻はするけど不良じゃない沢田君には雲雀君とは無縁か!!」

 

 

 

アハハ!!と笑う生徒会長に沢田 綱吉も苦笑いをする。

すると何処から飛んできたのか小さなパラグライダーが沢田 綱吉に向かって来た。

そして操縦士はパラグライダーを乗り捨てて思いっきり沢田 綱吉の頬にキックを喰らわせた後に上手く空中回転しながら生徒会長の肩に止まった。

 

 

 

 

「ちゃおっス」

 

「久しぶりだね家庭教師君。

あまり沢田君にスパルタはしないようにね」

 

「それは出来ねぇ相談だな。

ツナにはコレくらいしねぇと分からねえからな」

 

「そうだとしても体と心に刻み付ける教えはトラウマになるからね、やり過ぎには注意ということだけは聞いてくれないかな?」

 

「………まぁ、光明には美味しいエスプレッソをご馳走になってるからな。考えてやってもいいぞ」

 

「あのリボーンが提案を聞いたぁー!?」

 

 

 

地面に転がっていた沢田 綱吉はかなり驚いた表情でリボーンを見ている。そしてその言葉が気に入らなかったのかリボーンはもう一度沢田 綱吉に蹴りをお見舞いした。

 

 

 

「おいおい、言っているそばから……」

 

「コーヒー一杯に付き考える時間を1秒伸ばしてやる」

 

「それなら是非生徒会長室においでよ

あそこならコーヒー何杯でも飲んでいいよ」

 

「光明の入れたコーヒーしか飲まねえし、カウントしねえぞ」

 

「なるほど、沢田君に対するスパルタ教育を考え直す時間は僕のコーヒーにかかっているのか……」

 

 

 

するとまるで小さな子供が親にオモチャを買ってとお願いするように沢田 綱吉は足にしがみつきながら

 

 

 

「会長!!お願いですからリボーンに何十杯、何百杯のコーヒーを入れてくださいー!!!」

 

「必死だね沢田君。

まぁ僕にも授業があるし朝一杯、昼一杯、夕方二杯が限度かな」

 

「良かったじゃねぇかツナ。4秒だけ考えてやるぞ」

 

「4秒じゃ何も出来ないよ!!!!」

 

 

 

 

 

こんな感じの日常を送っている生徒会長

黒田(くろだ) 光明(こうめい)14歳

二年生でありながら生徒会長であるが、すでに一年生から生徒会長になった云わば生徒会長の中の生徒会長である。

 

 

そんな生徒会長さんは誰にも知らない秘密が()()あった。

 

 

 

 

一つは転生者である。

もうどんな死に方をしたのか忘れたがこの「家庭教師ヒットマンREBORN!」という世界に来たことは分かった。

()()()()というのはつまりこの世界に来てすぐに理解した訳ではなく後から思い出したのだ。

 

 

それもつい最近のことであり、その時に特典ももらったということも思い出したのだがそれはまた後で話そう。

 

 

とにかく思い出した時にはすでにガッツリとこの世界の関係者に関わったいた。

ここでは多くは語らないが、すでにこの物語(世界)のエンディングに関わる人達に一通り会っていたことに気づいた。

 

転生をもっと早く思い出したら関わることはしなかった。僕は本編に登場せずにモブでありその様子を見守る存在で在りたかった。

しかし僕というなのバグはすでに色んな重要人物に接触して確実に本編を盛大に崩しに入ったいた。

 

 

どうして一般の生徒会長がそんな重要人物に接触したかだって?

 

 

そうこれが僕の誰にも知らない秘密の二つ目である。

さっき言った通り転生であることはつい最近思い出したのだが、特典については()()()()()()()()()()()()()()()()

 

つまりは、転生ということは思い出せないまま特典を使ったいたことになる。

 

 

この特典に気づいたのは約5年前

小学校でかくれんぼしていたときに気づいた。

僕が鬼になったとき、まるで手に取るように何処に誰が隠れているのかが分かった。

そして隠れるほうに回るとまるで闇に溶け込むかのようにすぐそばを通りすぎても誰も気づかなかった。

 

まるで光のように誰にでも照らしだして、闇のように深くその色に染まり隠れる

 

 

 

光と闇

 

 

 

そうコレが僕の特典だった。

恐らく沢田 綱吉、もう面倒くさいから回想はツナと呼ぶが、ツナのような大空の属性を持つように僕には「光と闇」の属性が付いたようだ。

 

どうして2つかというと

「光」があれば「闇」がある。

「闇」があれば「光」がある。

 

つまり表裏一体、この光と闇は2つで1つということだ。

 

 

 

 

こうして特典だと知らずに僕はこの力を有効活用することにした。

それは小学6年生になった頃の話であり、僕は()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

まずは「光」

「あらゆるものを光で照らす」ということはいわばリーダー的な存在になれるということ。

自慢ではないが、自慢に聞こえるだろうが、自分は優秀な人物だと自負している。

だから色んな分野でそのリーダー格を発揮して回った。

面白い位に誰もが僕を尊敬して敬ったいた。

 

しかしそれはあくまでも「表」の話である。

そうこの世界は確実に「裏」がある。

その裏側には僕の「光」は届かなかった。

 

 

 

なら染まってしまえばいい、この「闇」で。

闇は「暗闇に溶け込み気づかれることなく事を終わらせる」ことが出来る。

まさしく「闇」であるこの力を使って誰にも気づかれることなく確実に裏社会に影響を与えていった。

流石に暗殺は出来なかったが、暗殺しなくてもその人の心に深い闇を与えることは出来た。

 

もちろんこんな事をすれば裏社会の人達も黙ってはいなかったため僕はそんな裏社会でも安心出来るだろう組織に手を貸してもらうことにした。

 

そう、それがボンゴレファミリーだった。

手を貸してもらうといっても「ボンゴレ」という後ろ楯が欲しかっただけであり、「闇」の力でフードを被れば顔は絶対に見られないから姿も見せていない。

 

 

こうして姿を見られた訳ではないがガッツリと裏社会に溶け込んだ僕は重要人物に接触しまくり、ついにはこの世界の秘密を知る人物まで出会ってしまった。

まぁ、どうやらこの地球上で三人目だったことの確認に来たと言っていたけど、いま思えば僕は相当スゴい人物だと理解した。

 

 

なので、転生者だと思い出したときにはかなりビックリした。

ビックリしすぎて一週間寝込み続けてしまった。

そして持ち直したときにはある考えが浮かんでいた。

 

 

 

 

ここまで来たら全力で関わって最高のエンディングを迎えてやるよ!!と。

 

 

 

ということでツナの成長の為には必要なこと以外でハッピーエンドにするために色々と走り回った、それはもう世界をぐるぐると回った。

 

 

 

 

そして今に至る。

色々と省いたがそこは今から訪れる日常の中で明らかになるだろう。

そうなるように僕が仕込んだのだから。

 

 

 

「まぁ、頑張るんだ沢田君」

 

「見捨てないでください会長!!」

 

「情けねぇ声を出すんじゃねえダメツナ」

 

 

 

見捨てはしないよ。

だって僕は君を照らす「光」であり、君に襲いかかるものを飲み込む「闇」なんだから。



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生徒会長室にて

「やっぱり光明の入れたエスプレッソはうめぇぞ」

 

「それは良かった。沢田君の体罰への時間が1秒伸びたわけだ」

 

 

 

放課後となり黒田は生徒会長室で書類整理をしていた。

そして会長のデスク近くにはコーヒーマシーンがあり、そのとなりには複数の豆と水が用意されていた。

 

そうこれはリボーンをここに留めておくための秘策

上手くいけば本編では知らないことを喋ってくれると思い試行錯誤を続けてやっとリボーンに出せるコーヒーを作ることが出来た。

 

それからというもの家に来たり

(この生徒会長室よりも上質なものを置いているので3日に一回は飲みにくる)

こうして最も身近な生徒会長室に来てもらうことが出来た。

 

 

しかし変な感じだなー

だって呪いのせいだとしても外見は赤ちゃんであるリボーンがコーヒーを飲んでいる。

本ではスゴいなーとしか思わなかったけど改めてこう見ていると違和感しかない。

 

 

 

「おい光明。ボンゴレに入るつもりは本当にねえのか?」

 

「ないよ。前にも言ったけど生徒会長の仕事は忙しいんだ。それに生徒会長だけではなくこの街に頼られているからね。お陰さまで休日なんてものはもうしばらく取ってないよ」

 

「だがおめえならボンゴレも両立出来るんじゃねえのか?」

 

「正直にいえば出来るだろうね。

何をするかは知らないけど。だけど入らないよ、僕は。」

 

 

 

 

するとリボーンが拳銃を取り出して銃口を向けてきた。

わぁお!!そんな危険なもの向けないでください。

避けられる自信はあるけど避けたら後ろの窓ガラスが割れるから‼

 

 

 

 

「脅してもか?」

 

「脅しても、だ。

まぁ、相談役??みたいなお助け位はしてもいいよ。

だけどボンゴレに染まるつもりはないよ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

その言葉と共にリボーンの額に汗が出ていた。

ヤバい!もしかして殺気出ていたかな?

裏ボスみたいな人がいうには同じ素質があると言っていたけど本当にそうなんだなーと感じた。

 

にらみ合いとまではいかないが、お互いじっーと見ているなかで先に動いたのはリボーンだった。

攻撃するではなく諦めたかのように向けた銃口を下ろしたのだった。

 

 

 

「あら、諦めたのかな?」

 

「乗ってやることにしただけだ。

殺りやってもいいが俺も無事ではすみそうにねぇからな。

それに手助けはしてくれるようだからな、いまはそれでいいぞ」

 

「それは良かった。家庭教師君とは喧嘩したくなかったからね。

せっかくの覚えたコーヒーテクを披露出来ないのは勿体ないし」

 

「あぁ、だから毎日飲みにくるからな」

 

 

 

そう言ってニヤリと笑うリボーン。

あっ、間違いなく勧誘も込めているなーと分かっているがこちらも有益な情報を求めているからWin-Winだろう。

 

お互いがお互いの思惑を秘めたところで生徒会長の扉が二度ノックされて扉が開いた。

 

 

 

 

「し、失礼します………ってやっぱりここにいたのかよリボーン!!!」

 

「ジャンケンで負けた掃除は終わったのかツナ」

 

「獄寺君と山本が手伝ったくれたから終わったよ。

すみません会長、リボーンがお邪魔したみたいで」

 

「構わないよ。僕が誘ったんだからね」

 

「おい、ツナ。明日からはここに迎えに来い」

 

「はぁー!!?何言ってるんだよ!!!

それに明日からはって毎日生徒会長室にいく気か!!

会長の迷惑になるだから止めろよ!!!」

 

「…………ダメツナが指図するんじゃねえ」

 

「痛ててててててっ!!!

やっぱり4秒じゃ意味がないよ!!!!」

 

 

 

そうだろうなーと思いながら書類に目を通す。

リボーンもちゃんと約束を守ってくれているようだからこれ以上は干渉しないほうがいいだろう。

 

 

 

「た、助けて会長ー!!!」

 

「ゴメンね沢田君。これ終わらせないといけないから。

あとで手当てしてあげるから頑張って。

家庭教師君も程々にね」

 

「そ、そんなー!!」

 

 

 

泣き言を言いながらなんとか耐えたツナは軽く拗ねている。仕方ないでしょう、これも君が成長するために必要………だと思うんだからね、うん。

 

 

 

 

「ツナー。カバン取ってきたぜ!」

 

「返しやがれ野球バカ!!

それは右腕である俺の仕事だ!!!」

 

「ジャンケンして勝ったんだからいいだろう」

 

「ふざけるな!!運ぶまでのジャンケンだ!!

手渡しは俺の仕事に決まってるだろうが!!!」

 

 

 

そこには十代目の右腕と言い張る獄寺 隼人

そして野球に情熱を傾ける山本 武

二人とも良く喧嘩しているが、山本本人はじゃれている程度なんだろうなー

 

 

 

「アハハ、沢田君の友達は面白いね」

 

「あれ、なんで会長とツナと小僧が一緒にいるんだ??」

 

「ここが生徒会長室だからに決まっているだろうが!!」

 

 

 

 

キレキレのツッコミありがとう。

 

 

 

「どうだい君達。コーヒーしか出せないけど一杯飲んでいかないかい?」

 

「いいんですか!!」

 

「はっ!そんな得体のしれないやつの飲み物なんて飲めるかよ」

 

「そうかい。家庭教師君はお気に入りみたいだったけど人によってはまだまだなのかなー」

 

「さっさと入れろ黒田!!

リボーンさんが飲んでいるものを飲めるなんて光栄です」

 

 

 

 

掌返すの早いなー

というか、僕君より年上なんだけどなー

そう思った僕はチラッとリボーンを見ると目が合い

 

 

「おい獄寺、光明を呼び捨てにするんじゃねえ」

 

「す、すみません!!!

……悪かったな…会長……」

 

 

 

さん付けは嫌なようで妥当として「会長」を選んだか。

まあ、ちゃんとしてくれるならそれでいいけど。

 



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雲雀恭弥と生徒会長

「ここをファミリーのアジトにするぞ」

 

 

 

リボーンからコーヒーの二杯目が欲しいということで作っているとそんな事を言い出した。

 

 

 

「何言ってるんだよリボーン!?」

 

「ファミリーには必ずアジトが必要になるんだぞ。

それにここには光明が入れたコーヒーがあるからな」

 

「それが一番の目的だぁ!??」

 

 

 

それには僕も同感である。

しかし生徒会長をアジトにするかー

 

 

 

「別に構わないよ」

 

「い、いいんですか会長」

 

「あぁ、僕の邪魔をしない限りは構わないよ」

 

「おお、マジか!!?」

 

「やりましたね十代目!!」

 

 

 

かなり喜んでいるようで良かったね。

しかし世の中そんなに事が上手く運ばないことを教えないとね。

特にツナには免疫力をつけてもらわないといけない。

 

 

 

 

「でも風紀委員長に許可を取ってきたらの話だけどね」

 

「風紀委員長?」

 

「ほらツナ、良く話に上がるだろう。

隣町の不良30人をたった一人で倒したという」

 

「も、もしかして、会長が言っていた雲雀さんのことなの!!?」

 

 

 

思い出してくれて嬉しいよ。

まだ会ったことなかったからじわりじわりと雲雀の情報を流していたけどこんなイイリアクションを取ってくれて本当に良かったよ。

 

 

 

 

「む、無理だよ!!説得出来るわけがない!!!」

 

「大丈夫っすよ十代目!!俺がやってやりますから」

 

「話したら分かってくれるって」

 

「アジトの為だ。頑張れツナ」

 

「なんで皆やる気なの!!?」

 

 

 

悪そうな表情をする三人に不安しかないツナ。

まぁツナの反応が当たり前なんだよな。

しかし逃げることは出来ないよ。だって

 

 

 

「君達、なに群れてるの?噛み殺すよ」

 

「ひ、雲雀さん来たああああぁぁぁ!!!」

 

 

 

腕に「風紀」とかかれた腕章を付けた雲雀恭弥

並盛中学校だけではなく、並盛町一帯の頂点に立つ最強最恐の不良。愛校心が人一倍強く、風紀委員の部下に手配させた校歌を着うたにしたり、バイクを乗り回したりしている。

 

うむ、あまり自由すぎるのも困ったものだがある程度自由がないとこっちに飛び火がくるからな。

 

 

 

「おお、雲雀君。どうしたんだい?」

 

「職員室前と昇降口が汚れているよ」

 

「そうかい。なら掃除しないとね」

 

「えぇー!!本当に会長が学校を掃除していたの!!?」

 

 

 

あら、信じてなかったのか。

 

 

 

「この生徒会長室も掃除を継続しているから使っているんだよ。まぁ生徒会長に権限があるんだけど雲雀君が五月蝿くてね」

 

「なに?文句があるなら今すぐ僕と戦いなよ」

 

「と、こんな風に喧嘩を売ってくるから困っててね。まぁ掃除は好きだからいいんだけどね」

 

「僕を無視するとはイイ度胸だね」

 

「してないだろう。さて僕は掃除してくるから後は宜しくね」

 

「よろしくって、なんですか?」

 

 

 

あれ?伝わってなかったのかな。

 

 

 

「ここをアジトにしたいなら雲雀君と話し合ってね(やりあってね)

 

「話し合ってねが別の意味に聞こえたんですけど!!?」

 

「どういうことかな?

ここは黒田が学校内の掃除を一人で群れずにやることが条件で貸してあげているんだ。

なにもしていない小動物が勝手に群れて……噛み殺す」

 

「ひいいぃぃぃ!!!」

 

「まぁ頑張ってね」

 

 

 

待ってくださいー!!と言われたがこれは彼らの「自分の弱さを知る」為にはいい機会である。

あまり生徒会長室を壊さないでね。

 

 

 

…………………………

 

 

 

「……また、派手に……

あぁ、書類まで………」

 

 

 

掃除が終わり清々しい気持ちで帰ってきたのだが生徒会長室に入ったら一気に暗くなった。

想像はしていたが現場を目撃するとこうも違うのかと感じる。

僕が使っている机に堂々と座っている雲雀に話しかけた。

 

 

 

「雲雀君、やりすぎだよ。

また書類の書き直しじゃないか」

 

「なに?僕に指図するつもりなのかい??」

 

「君が人の話を聞かないのは今に始まったことではないけどね。言わずにはいられないのだよ」

 

「………黒田、あの赤ん坊は……なんだい?」

 

 

 

おっ、どうやらリボーンとやりあったようだ。

記憶ではすぐに撤退したはずだから不完全燃焼だろうけど、久しぶりの興味を示す相手が現れたというところかな。

 

 

 

「家庭教師君のことならあまり知らないね。

沢田君とよく一緒にいるくらいかな」

 

「………君とどっちが強い?」

 

「どうしたんだい雲雀君?

今日はやたら聞いてくるね」

 

「いいから答えなよ、じゃないと……」

 

「何があったかは知らないけどそういうのは雲雀君自身が確かめたほうがいいよ。第一僕の意見より確かめたほうが早くないかい?」

 

「…………」

 

 

 

やたらと話しかけてくると思いきや黙りになる雲雀。

あれ?原作の雲雀はこんな感じだったかな?

やっぱり僕がいることによる変化みたいなものかもしれない。

 

雲雀は何も言わずにそのまま生徒会長室を出ようとしたが立ち止まり振り向かずに話しかけてきた。

 

 

 

「黒田、君はコーヒーを飲む人だったかい?」

 

「これは家庭教師君の為だよ。

沢田君への制裁を和らげるためのね」

 

「………僕はコーヒーより、緑茶だよ」

 

 

 

そう言い残して去っていった雲雀

………えっ、それはあれかい?

今度来たときは緑茶を用意しろというやつですか?



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笹川兄妹と生徒会長

今日も今日で書類に向き合う光明

この作業ももう慣れてきたがたまには身体を動かしたい欲求みたいなものはある。

 

だけどこういう時こんな事を考えていると「そういうことに関する事が起こる」

 

だからすぐにその考えを頭から消し去った。

しかし運命というのは意地悪である。

遠くからドタドタと走る音が近づいてくる。

 

 

あぁーもうー、本当に余計なことを考えるなよ僕

 

 

と、後悔しても遅いぞという感じで勢いよく扉が開いた。

 

 

 

「黒田あぁ!!極限にボクシング部に入れえええぇ!!」

 

「……笹川君、とりあえず外れた扉を戻してください」

 

「しかしだな黒田、俺はいま極限に!!」

 

「極限とかはいいですので、直してください」

 

 

 

う、うむ……

……と納得していないようだがキチンと扉を直す笹川 了平

ボクシングに関しては相当の手練れなのだがそれ以外がどうもな~

 

そんな事を考えているとキチンと扉を直した笹川がこちらに近づいてきて机をバンッ!!と叩いて

 

 

 

「直したからボクシング部へ入れ!!」

 

「直すのは当然ですよ、外したのは笹川君ですから」

 

「なに!?

だが、それではどうしたら黒田はボクシング部に入ってくれるのだ」

 

「そこは笹川君が考えないといけませんね

知ってますか??いい考えが思い付くときは身体を動かすといいらしいですよ

特に一人で無心に動かすといいと聞きますね」

 

「なるほど!!

なら極限に身体を動かしてくるぞ!!」

 

 

 

そういって走って生徒会長室から出ていった笹川

1つ1つにツッコミを入れたいところはあったがグッと我慢をした。

それを説明するとなると時間が長くなるからなー

しかし、こうも簡単に引っ掛かるなんて……チョロいですよ。

 

 

それから30分後

またしてもドタドタと足音が近づいてきた。

……意外に持ったほうだな。

いやむしろこの時間まで騙されていたことに気づかなかったのか……

 

と心配していた光明の元へまたしても勢いよく扉が開き

 

 

 

 

「いい考えが浮かんだぞ黒田!!!」

 

「それはよかったですね。ならまずは扉を直してください」

 

「そんな事よりも俺の話を聞け!!!」

 

「嫌です」

 

「どうしてだ!!?」

 

「扉を直してください。

大体勢いよく扉を開く必要性がないのです。

それを笹川君が勝手にしている。

なら、その責任を取って直してください。話はそれからです」

 

「だがな!!」

 

()()()()()()

 

 

 

ちょっと強目に言っただけだが明らかに笹川の表情が強ばった。

額からは冷や汗が出ているようであり威圧しすぎたようだ。

やり過ぎたかな?と思っていたがどうやら効果はあったようで大人しく扉を直し始めた。

 

 

正直、こうやって力で押し通すのは好きではない。

人には「言葉」があるのだ。ならまずは話すべきだ。

それから話し合い、ぶつかり合い、すれ違う。

認め合い、助け合い、解決するのが「会話」だ。

 

だから言葉で会話で解決出来るものはキチンとやる。

しかしそれでは解決できないものはある。

 

それを理解しているからこそ、僕は

 

 

 

 

「扉を直したぞ!」

 

「みたいですね」

 

「なら話を聞け!!!」

 

「分かりましたから落ち着きましょう」

 

 

 

さっきのお詫びをかねてコーヒー……はやめておこう。

雲雀の為に用意した緑茶でも用意しよう。

 

 

 

 

………………………

 

 

 

 

「俺と戦え黒田!!」

 

「……いや、それが勧誘となんの関係があるのですか?」

 

 

 

それなりに高い緑茶を一気に飲み干した笹川

おい、それは安物だと文句を言ってくる雲雀から逃れるために買った緑茶だぞ。

それを味わいもせずに……

まぁ、笹川なら仕方ないかもしれない……

 

と、軽く凹んでいたことろに訳の分からない事を言い出した。

 

 

 

「俺がお前に勝てばボクシング部に入る!

お前が俺に勝てば、有能であるお前はボクシング部に入る!!!

どうだ!!極限に完璧な考えだろう!!!」

 

「その選択だと間違いなく僕はボクシング部に入りますね」

 

「そうだ!だから…」

「だから戦いません」

 

「なぜだあぁ!!?」

 

 

 

いや、なぜではない。

全くもってこちら側に得する事がない。

身体を動かしてさらに思考が鈍くなったか?

 

 

 

「それは笹川君にとってメリットがあっても僕は一切ない

それをやりますかと問われたらやらないですよ」

 

「ボクシング部はメリットだらけだ!!」

 

 

 

いや、それは笹川だけである。

しかし一度思い込むと訂正するのに時間がかかる。

今日中に仕上げておく必要のある書類があるのだが…

 

仕方ない。もっと分かりやすく教えよう。

笹川にとって一切のメリットがないことを。

 

 

 

「ならこちらも条件があります」

 

「なんだ!!どんな条件でもこい!!」

 

「僕は生徒会長です。

生徒会長は生徒に対して見本でないといけません。

そして生徒会長は生徒を良い方向へ導かなければいけません。

さて、笹川君。前回のテストの成績は?」

 

「そんなものボクシングに比べたら極限に知らん!!」

 

 

 

ボクシングとテスト成績を比べるな。

そこをツッコミをいれたら長くなるのでカット

 

 

 

「学年最下位です。

でも僕はそんな笹川君はボクシングの為に頑張っている姿を見ていると最下位でも構わないと思ってました。

しかし、僕がボクシング部に入るとそうはいきませんよ」

 

「どういうことだ?」

 

「僕は生徒会長です。

僕は生徒と見本であり、生徒をいい方向へ導かなければいけません。

つまり僕がボクシング部に入れば強制的に笹川君には()()()()()()()()()()

 

「な、なにいいいいぃ!!!??」

 

 

 

ソファーから飛び上がるほど嫌なのか勉強が。

 

 

 

「ボクシングが出来て勉強が出来る生徒会長

それはそれで魅力的ですね。

でも同じ部活の笹川君にも同じように勉強をしてもらわないといけません。

なにせ、僕は、生徒会長ですから」

 

「き、極限に勉強は嫌いだあぁ!!」

 

「でも僕がボクシング部に入るということはそういうことですよ。

僕がボクシングと勉強が出来て、笹川君がボクシングが出来て勉強が出来ないなんて……

……そんなおかしな話はありませんよね、笹川君?」

 

 

 

全快の笑顔で問いかける僕に対して笹川の額からは大量の汗が出ていた。

おい、どれだけ勉強嫌いなんだよ!!

痙攣まで起こし始めているなんて…大丈夫か?

 

 

 

「き、きょ…」

「きょ?」

 

「極限に撤退だああああぁぁぁ!!!」

 

 

 

あっ!!逃げやがった!!!

それもまた勢いよく扉を開いたものだから扉が曲がっているし……

 

あれ…僕が直すのかよ……

ため息をつきながら扉を直そうと近づいていると突然生徒会長室に誰かが入ってきた。

 

 

 

「おっと!!」

「ご、ごめんなさい!!」

 

 

 

そこには笹川がいた。

正確には笹川妹、笹川 京子のほうだった。

 

 

 

「笹川君の妹さん…だよね」

 

「はい、笹川 京子です」

 

「それでどうしたんだい」

 

「あのお兄ちゃんを探してまして…」

 

「それならさっきまでここにいて出ていったよ」

 

「そうなんですか、ありがとうございます!」

 

 

 

そういって笹川を追いかけようとする彼女を、京子を呼び止めた。

 

 

 

「笹川妹君、ちょっといいかな?」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

 

 

少し待ってもらっている間に僕は「ある書類」に「ある人物」の名前を書いた。

そしてそれを京子に渡して

 

 

 

「これをお兄さんに。

君も知っている人だから安心して渡せるだろう」

 

「ありがとうございます!!」

 

 

 

そういって丁寧にお辞儀をして京子は去っていった。

うん、良いことしたなー

 

 

 

…………………………

 

 

 

後日談。

 

 

「会長!!なんでボクシング部への推薦状が俺の名前になってるんですかー!!」

 

「少しでも家庭教師君のスパルタ指導を耐え抜くためだよ沢田君」

 

「黒田!!極限にありがとうだ!!!!」

 

「ありがとうございます黒田先輩!!」

 

「京子ちゃんまで!!

俺はボクシング部には入りません!!!!」






京子の口調や性格あってますかね?


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いろんな人に遭遇しました①

久しぶりの休日である。

というのも、書類や学校の掃除などで休みがなかった。

まぁもう1つあるがそれはいまはいいだろう。

 

だから今日は自分のご褒美として甘いものを食べに向かっているところである。

 

特別甘党というわけではないが頭を使うときは糖分がほしくなる。

普段は飴玉をよく舐めているがやはり「食べる」ということをしたいのだ。

 

 

さてどこに向かおうか?

洋菓子店もいいけど和菓子店も捨てがたい。

両方という手はあるがそこまで食べると胃が受け付けなくなる。

だからキッチリとどちらにするか決めないと……

 

 

 

「あっ、黒田先輩ー!!」

 

「うん?おお、笹川妹君」

 

「こんにちは。お買い物ですか?」

 

「そんなところだ。それでそちらは?」

 

 

 

京子の隣にいる人物は知っている。

知っているがその者の名前を言うわけにはいかない。

何故ならその者は並盛中ではないのだ。

そう、その子は京子の親友である

 

 

 

「初めまして!三浦 ハルです!!」

 

「初めまして。黒田 光明です」

 

「はひ!もしかして京子ちゃんが言っていたパーフェクトヒューマンな人ですか!?」

 

「いや、別にそんなことはないけど……」

 

「でも京子ちゃんがいうように大人漂うフェロモンを感じますので間違いです!!」

 

 

 

いやどんなフェロモンなの?

というか分かるの大人漂うフェロモンって?

まぁ、京子と同じように天然が入っていたけど…

 

 

 

 

「あ、ありがとう……

それで君達は買い物かい?」

 

「そうなんです!!

これから京子ちゃんが見つけたスイーツ巡りに行くんです‼」

 

「1ヶ月に一回、好きなだけ食べていい日なんです!!」

 

「楽しそうだね。僕も今日は甘いものを食べようと歩いていたんだ」

 

「そうなんですか。あっ、それなら一緒にいきませんか!!」

 

「いいのかい?せっかくの女の子二人のスイーツ巡りが……」

 

「はい!!スイーツ好きに男女の境界はありません!!!」

 

 

 

いままでヒロインと接点がなかったなー

この二人はあのツナの隣に寄り添う存在である。

マンガを読んでいたときは二人とも好きだったから無意識にさせていたのかなー

でもこの前京子と合ったときは普通に接したし、今も問題なく先輩後輩の関係しか思えない。

 

向こうも少なくともツナ>僕だろうから問題ないだろう。

 

 

 

「それじゃお世話になろうかな。

今日は洋菓子か和菓子で悩んでいたから君達のオススメを教えてくれないか?」

 

「それならいまオススメのスイーツがあるんですよ!!」

 

「あそこにいくんだねハルちゃん!」

 

「はい、早速行きましょう!!!」

 

 

 

元気一杯だなー

 

 

 

…………………………

 

 

 

「これですよ、これ!!

最近噂になっているプリンです!!」

 

「美味しそうだね!」

 

「これは確かに……」

 

 

 

見ただけで美味しそうだと感じるこのプリンはどう表現したらいいか分からないが直感でそう分かるのだから仕方ない。

強いていうなら黄金に光るプリンの層の上に生クリームがキレイに添えてあり、容器のそこには苦味を含むカラメルがある。

 

ごくごく一般的だと思われるがこれを間近でみると分かる。

これはただのプリンではないと!!

 

 

 

「これはいいものを教えてもらいました。

食べなくても分かります、美味しいと。

いや、食べますけどもう分かるぐらい美味しそうだと」

 

「黒田先輩も甘いの大好きなんですね!」

 

「自分でもビックリです。

こんなに喋るなんて思ってませんでした」

 

「ここで買って食べませんか!!?」

 

 

 

その提案に乗ってプリンを買うことに。

ついでにショートケーキ、モンブラン、シュークリームを人数分買った。もちろん奢りである。

このお店にはテーブル席があるのでそこでさっき買ったデザートをテーブルの真ん中に置いた。

 

 

 

「ありがとうございます黒田先輩」

 

「ありがとうございます」

 

「こちらこそ、こんないいお店を教えて貰ったお礼だよ」

 

 

 

トレーの中にはさっき買ったばかりのスイーツがある。

それはもう今すぐにでも飛び付き食べたい。

しかしそこはグッと抑えておく。

 

 

 

「試食という形でこの四つを分けて食べましょうか」

 

「ブラボーな提案です!!」

 

「私が取り分けますね」

 

 

 

という事で京子がキレイに3等分に分けて貰いまずはショートケーキから

 

 

 

「これは美味しい」

 

「おいしいー!!」

 

「ハッピーです!!」

 

 

ショートケーキはあっという間に終わり、次にモンブラン、シュークリームと次から次へと完食していく。

そして最後のメインであるプリンを食べると

 

 

 

「……今度からプリンはここだな……」

 

「気に入ってもらって良かったです!」

 

「また三人一緒にいきましょう!」

 

「あぁ、そうだね」

 

 

 

こうやってスイーツ好きが集まるのは良いことだ。

そんな幸せを感じていると

 

 

 

「あら、京子ちゃんにハルちゃん」

 

「あっ、おばさん!ハローです!!」

 

 

 

まさかこんなところで会うなんてな…

 

 

 

「黒田さん、こちらはツナさんのお母さんなんです」

 

「あぁ沢田君の。初めまして黒田 光明です」

 

「黒田先輩は生徒会長なんです。

良く学校を掃除してるんですよ」

 

「立派ね~。ツッ君にも見習ってほしいわ~」

 

 

マンガ通りホワホワした人だなーと思っていると、突然両手をパッチンと叩いて何かを閃いた表情をした。

 

 

 

「そうだ!!新しい紅茶の葉を買ったの。

よかったら皆さん、家にどうかしら?」



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いろんな人に遭遇しました②

「いてて……」

 

「情けねーな、あれぐらいのことで」

 

「リボーンはただ見てただけだろう!!

獄寺君と山本が来なかったらどうなっていたか…」

 

「リンチだな」

 

「簡単にまとめるな!!」

 

「大丈夫っすよ十代目!!

あんなやつらすぐに潰しますから」

 

「災難だったなツナ

でもいい運動になったぜ」

 

 

 

例の如くリボーンはツナを強くするために試練を与えたのだがその試練が不良の溜まり場に突入すること。

それもツナが大事にしていた「あるもの」が隠されておりそれを取りにいくしかなかった。

初めは怒らせないように話していたのだが途中でリボーンが「さっさとそこを退きやがれ」と不良に変装した状態でいうものだから不良に一発殴られたツナ。

 

そんな理不尽な攻撃を喰らった瞬間を獄寺と山本がリボーンの策略により()()()()()()()()()()()()()()、ぶちギレた獄寺の攻撃をきっかけに乱闘が始まった。

 

 

 

「それでツナの大事なものって何なんだ?」

 

「い、いや、それは……」

 

「簡単に教えれるわけねぇだろう野球バカ!!

十代目が大事にしてるものだ、きっととてつもなくスゴいものに決まってる」

 

「……ギザ十とか?」

 

「なめてんのかテメェ!!!」

 

「獄寺君落ち着いて!!!」

 

 

ギザ十ではないのは確かだがそれを他の人に教えれるわけがない。というか絶対に無理!!

リボーンが余計なことを言わないかハラハラしているがいまはその様子はない。

 

 

 

「二人とも今日はありがとう。

母さんが新しい紅茶を買ったって言ってたから二人とも飲んでいって」

 

「ありがとうございます十代目!!」

 

「サンキューなツナ」

 

 

 

せめてのお礼と思い自分の家に二人を招いたのだが、玄関先でなにやら賑やかな声が聞こえてきた。

なんだろうと思い玄関を開けると女物の履き物二足と男物の履き物一足があった。

 

誰だろうと思いながらリビングに向かうと

 

 

 

「あっ、お帰りなさいツナ君」

 

「お帰りなさいですツナさん」

 

「お帰りなさいツッ君」

 

 

 

そこにはツナのお母さんである奈々と京子とハルがいる。

そしてもう一人今までこの家で見たことのない人物がフルーツケーキを食べながら紅茶を飲んでいた。

 

 

 

「お邪魔しているよ沢田君」

 

「な、なんで会長さんが家にいるんですか!!?」

 

「元は彼女ら二人とスイーツを食べていてね、そのお店に沢田君のお母様が来られてそこで家にどうかと誘われたんだよ」

 

 

 

するとビックリしたような表情から何やら羨ましい表情へと変えたあと驚いた表情になった。

 

表情豊かでいいねツナは。

僕的には嫉妬する表情をすると思っていたけど人がいいのだろうなーそこは。

 

 

 

「そうだわ!

折角なんだし黒田君にツッ君の勉強を見てもらいましょう!!」

 

「えええぇぇぇ!!!?

ちょっと母さん!!何言ってるんだよ!!!」

 

「だって黒田君は生徒会長なんでしょう?

なら勉強も出来て、さらにリボーンちゃんと一緒に勉強を教えたら成績も良くなるわよ!!!」

 

 

 

その言葉に「イヤだああああぁぁぁ!!!」という拒否の表情を浮かべるツナ。

その隣のリボーンはニヤリと笑っている。

あっ、何か良からぬことを思い付いたなアレは。

 

 

 

「おもしれぇな!

獄寺も山本も一緒にツナの部屋に来い!!」

 

「勝手に決めるなよ!!

獄寺君達にはお茶を飲んでもらうために…」

 

「大丈夫よ。あと持ってくるわよ」

 

「私達が持っていきます!」

 

「買ってきたケーキも持っていくね♪」

 

 

 

逃げ道が絶たれてガーンと衝撃を受けているツナ

こういうのノリがいいんだよなみんなー

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

「……えーと……3かな?」

 

「違うぞ」

 

「グフッ!!」

 

「だからやり過ぎだよ家庭教師君

それじゃ次はコレだ。どうかな?」

 

「……227…かな?」

 

「違うぞ」

 

「ゴボッ!!

なんでリボーンが攻撃してくるんだよ!!!」

 

「それはツナの家庭教師だからだ」

 

「それは分かったから家庭教師君は山本君を見てやってくれ。

それ以上のスパルタには僕も容認出来ないよ」

 

 

 

勉強を始めて30分しか経ってないのにツナはすでにボロボロになっている。

成績が低いとは知っていたけどここまでとは思わず、正直リボーンの攻撃のタイミングで「なんでそうなるんだよ!!」とツッコミを入れていた。

 

入れてもリボーンのように実際にすることはない。

僕はあくまでも生徒会長である。

生徒の見本にならないといけないからなー

そこはキチンとしておかないと。

 

 

 

「ほら沢田君。ここからの計算が間違っているんだよ」

 

「えっ?……本当だ」

 

「だからここをこうして、こうして……」

 

「え、えぇ!!?」

 

「落ち着いて。ほらここを……」

 

「は、はい。

………ど、どうですか?」

 

「うん、正解だね。

沢田君、君は落ち着いてやれば出来るんだよ」

 

「……こんなスムーズに解けたの初めてだ……」

 

 

 

それなら良かった。

隣では獄寺が「流石です十代目!!」とか山本「良かったなーツナ!!」と激励の言葉がある中で

 

 

 

「これぐらいで喜んでるんじゃねえぞツナ」

 

「な、なんだよ…いくらリボーンの教え方が悪かったってそんなに言わなくても……って、イテテテテ!!!!」

 

「悪いじゃねえ。あえてそうしてるんだ。

こういうのは自分で解かないと意味がねえからな」

 

 

 

キレイな関節技だ。

こういったら自惚れと言われるかもしれないが、リボーンのような世界最強の殺し屋にも負けないほどの「力」を持っている。

 

 

持っているが「使う」ことはない。

 

 

全力で原作に関わるが「力」を行使することはしない。

「リボーン」という世界に必要な工程がいくつもある。

その中でも()()()()()()()という工程はこの世界のハッピーエンディングを向かえるには必要である。

 

 

なのである程度のリボーンのスパルタには容認している。

 

 

 

「「あえて」ですか…」

 

「そうだぞ」

 

「……なら僕が無闇に勉強を教えるのは止めたほうがいいかな」

 

「ええぇ!!?

会長なら優しくて勉強も分かって成績が上がると思ったのに!!!」

 

「家庭教師君のいうことも一理あるからね

愚痴ぐらいは聞いてあげるから頑張ってね沢田君」

 

 

 

そういって電話番号とメールアドレスを渡したら「そ、そんなー!!」と本気でガッカリしている。

そんなやり取りをしていると部屋の扉が開き小さな子供が二人部屋に入ってきた。

 

 

 

「ランボーちゃんにイーピンちゃん!

ツナさん達の邪魔をしたらいけませんよ!!!」

 

「ガハハハハ!!

ツナはオレっちと遊ぶんだもんねー!!」

 

「ランボー、ズルい!!イーピンも!!!」

 

「おい!!お前ら!!!」

 

 

 

そういいながらツナの周りをぐるぐると周り始めた。

ツナの家にくれば会うだろうなーと思っていたが、これは思ったいたよりも騒がしくなりそうだ。



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いろんな人に遭遇しました③

「本当にすみません会長!!

チビ共の相手してもらって良かったんですか?」

 

「元気でいいじゃないか。

沢田君の家族は賑やかでいいね」

 

「いや、家族ってわけじゃ……」

 

 

 

勉強も一段落終わり、買ってきたケーキと紅茶で休憩をしていたのだがやっぱり子供は子供である。

食べ終わるとすぐに暴れ始めて手に負えない状態になる。

京子やハルは一階でツナママとお喋りてしるので必然的にツナかオレが面倒を見ることになる。

 

えっ、獄寺や山本?

アハハ!!問題外♪

 

 

 

「次はコウメイの番だもんね‼」

 

「そうかい?

それじゃ……2だね……あら、休みか」

 

「ガハハハハ!休みだもんねコウメイ!!」

 

「次はイーピン!4!!」

 

「えーと、次の人を強制的休ませる…と」

 

「ギャァー!!それランボさんだもんね!!!」

 

「残念だったねランボ君。一緒にお休みでイーピン君だよ」

 

「即席すごろく作って何気に楽しんでるー!!?」

 

 

 

即席と言ってもしっかりと作りましたよ。

子供はこうやって手作り感があるとハマって大人しくなるんだよなー

まぁイーピンは元々大人しい性格だからいいのだけど、ランボは暴れるからなー

こうして誰か見てやらないとすぐにトラブルを招く。

あと、飴玉だね。僕も好きだから持っていて良かったよ。

 

 

 

「コウメイ飴玉ちょうだい!」

 

「もう食べちゃたの?ゆっくり味わないと」

 

「持って帰るんだもんね」

 

「おお、それはずいぶんと気に入ってもらえたみたいだね」

 

「コウメイ、オレっちの子分にしてやってもいいんだもんね」

 

「お、おい!ランボ!!何言って…」

 

「調子に乗ってるんじゃねえぞこのバカ牛」

 

「ギャァピィー!!!!」

 

 

 

あぁ、リボーンはランボでも容赦ないのは知っていたけどマジ蹴りするんだなー

 

 

 

「何しやがるテメェ!!!」

「グピッツウ!!!!」

 

 

 

吹っ飛んだランボが獄寺にぶつかり、ランボを掴んだ獄寺はそのまま床に叩きつける。

うわぁー怖ええええぇぇぇ!!!

 

 

 

「ガ、ガマン……」

 

「家庭教師君も獄寺君もやり過ぎというより度を越えているよ君達。

幼児虐待というなら僕は黙ってないよ」

 

「ちげぇぞ。単なる教育的指導だ」

 

「この暴力がかい?」

 

「あぁ。こいつの親に当たるやつからも頼まれている」

 

「親が、この暴力を。あり得ない」

 

「普通はそうだろうがランボもマフィアの一員だ。

だから俺が鍛えてやっている」

 

「……………」

「……………」

 

 

 

この暴力を見なかったことするのは出来ないからな。

お話的(マンガ的)にはこれも1つの要素かも知れないけど、僕という生徒会長がいるのだから見過ごすわけにはいかない。

 

まあ、ランボもリボーンの命を狙っているからお互い様ではあるけど……

 

しかしリボーンの言っていることが本当ならよくやることにしたなー

やっぱり()()()()にと言うことなのかな?

 

 

 

「……分かったよ。でもこれ以上はダメだ。

どうも家庭教師君はやり過ぎることが多いね。

一度君とみっちり話したほうがいいかもしれない」

 

「話し合うことは賛成だな。

だが俺の教育方針はそう変えねぇぞ」

 

「そこを含めての話し合いだね、よろしくどうぞ」

 

「あぁ」

 

 

 

さて、ずっと泣かないようにガマンしているランボを慰めないといけないなー

 

 

 

「ランボ君大丈夫かい?」

 

「ガマン……出来ないもんね!!!」

 

 

 

するとモジャモジャ頭から質量的にあり得ない物を取り出した。

おいおい、まさかそれは10年バズーカ!!!

その発射口をランボ自身に向けて引き金を引いて爆発。

 

立ち込める煙の中、さっきまでいたランボとは違うシルエットが見えてきた。

 

あの向こうには、まさか……

 

 

 

 

「お久しぶりです。若きボンゴレ」

 

「大人ランボ来たー!!?」

 

 

 

やっぱりかよ。

撃たれた相手の10年後の自分と五分だけ入れ替われる。

これ何も知らなかったら手品としか思えないよなー

 

そんなことを考えていると大人ランボと目が合う。

するとウルウルと目に涙を溜めて近づいてくる。

おいおい……何かイヤな予感がするぞー

 

 

 

「光明さん…ですよね……」

 

「そうだが、君は……」

 

「お願いです!!俺に教育的指導をじないでくだざい!!!!」

 

 

 

…………はい?

いや、何言ってるのマジで。

それも我慢していた涙が決壊してだだ漏れして鼻水も垂れている。

おい、それ以上近づくな!!

 

 

 

 

「……えーとそれは、どういうことかな?」

 

「グスッ。

今日からしばらくの間リボーンと光明さんが俺の教育方針について話し合いが始まるんです。

そして数年の話し合いの結果、ついにリボーンが折れました」

 

 

 

その話に全員がリボーンを見る。

あのリボーンが折れるなどあり得るのかと全員が思っており、リボーンも少しイラつきがある表情をしている。

というか、教育方針で数年も話し合うって……

 

 

 

「ですが、それが地獄の始まりでした。

リボーンの教育方針は俺だけではなく若きボンゴレや獄寺さん達の指導も含まれていました」

 

「それなら地獄というよりも天国なんじゃないの??」

 

 

 

おいー、ツナさん。

リボーンも聞いていることを分かって言ってますか??

 

 

 

「いえ、それは間違いでした。

オレもリボーンの魔の手から逃れたと思ってました。

光明さんの指導はとても優しくて温かみのあるものです。

だから、だから…誰も気づきませんでした。

光明さんによって変えられた俺達は………」

 

 

 

 

ボンッ!!!!

 

 

 

「あれ?何してるんだもんね?」

 

 

 

肝心な所で五分経ったのかい!!!

ちょっとめちゃくちゃ気になるんだけどその話!!

俺の教育方針がリボーンよりも地獄ってどういうこと?

いや、絶対にそれだけはないよマジで!!

 

 

 

「一体、何だったんださっきのは……」

 

「気にしなくてもいいですよ会長!!

会長がリボーンよりも酷いなんてありえな……ってイテテテテ!!!」

 

「あまり調子に乗るなよなツナ」

 

 

 

そうはいうが気になるなー

いま思い付く教育方針だと酷くなる要素はない…はず。

ならリボーンと話していく内に変わっていったのか、もしくは「あっち」が強く影響したかな?

 

 

 

「こういうときは不安要素は取り除くべきなのかな?」

 

「こ、光明…さん、それってまさか……」

 

「家庭教師君。やり過ぎなければ口出ししないからね」

 

「そ、そんなー!!!」

 

 

 

簡単に変えられないようですね。

頑張れ、ツナ。



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いろんな人に遭遇しました④

「今日はありがとうございました。お邪魔しました」

 

 

 

なんだかんだと日が暮れて真っ暗にまでツナの家でお世話になってしまった。

京子とハルはツナに送らせたから問題ないだろう。

当たり前のように獄寺と山本も付いていったから余程がない限り問題はない。

 

ツナのお母さんに「またいらっしゃい~♪」と言われて、両手一杯に抱えたランボとイーピンに見送られて家を後に

 

 

 

 

「うん??ツナの知り合いか?」

 

 

 

しようとすると、まさかこんな所で会うんかよ!

今日は本当にいろんな人と遭遇する日だな、おい!!

 

 

 

「そうですね。

沢田君の通っている並盛中の生徒会長、黒田 光明と言います」

 

「若いのにしっかりしてるな」

 

「若いと言って偏見は良くないですよ。

特に初対面には止めたほうがいいかと」

 

「ははは!!違いねえな!!

悪かったな、オレはディーノっていうんだ。

ツナとは、そうだな、兄弟子ってところだな」

 

 

 

なんのとは聞かないほうがいいのだろうな。

ディーノの周りにはスーツを着た厳つい人達が沢山いる。

 

関わらないほうがいいだろうなー。

ただでさえ裏でどっぷり浸かっているのに、表まで関わりたくない。

 

といってもいつかは関わるのだろうが今は休憩期間、充電期間である。

 

 

なので、

 

 

 

 

「そうなんですね。

それでは失礼します」

 

「おいおい待てよ。

そんな邪険にしくてもいいだろう」

 

「いえ邪険ではなくディーノさんは沢田君の家に用事があったと思うんですが。

邪魔にならないように去ろうとしただけなので」

 

「なら心配ねぇぜ。

どうやら俺の目的は果たされたみたいだからな」

 

 

 

……おい。その目的って……

 

 

 

「家庭教師君、ですか……」

 

「察しのいいやつで助かるぜ。

別にお前をどうこうするつもりはねえぜ

日本にいる間に一目見ておきたくてな」

 

 

 

といって、僕がどんなやつなのか見にきたと。

ったく、余計なことをしてくれたなリボーン。

 

 

 

「それじゃいきましょうか?」

 

「うん、どこにだ?」

 

「僕の家にですよ。

どうせあれやこれと話をするつもりなんでしょう。

なら自分の家でゆったりしたほうがいいので」

 

「ならお言葉に甘えようかな♪」

 

 

 

なに嬉しそうにしてるんだ。

こっちはまだそちらに染まるつもりはないんだよ!

 

 

 

…………………………

 

 

 

「アハハハハ!!

リボーンらしいなー。ツナやつ苦労してんだな」

 

「そう思うならディーノさんが家庭教師君に一言言ったらどうですか?」

 

「わりぃーがリボーンには頭が上がらなくてな。

しかしよくリボーンに楯突いて無事だったな」

 

「毅然とした態度で話せばいいんですよ」

 

「俺がしたら何回殺られるだろうな……」

 

 

 

10回では足りないだろうな、間違いなく。

しかしさっきからツナやリボーンの話ばかり。

その話の流れで僕のことを聞くが此方が話を終えればそこで終了する。

 

こちらから聞くのは可笑しいが聞かずにはいられない。

 

 

 

 

「いいのですか?僕の話を聞かなくても」

 

「うん、どういうことだ??」

 

「いや、僕について話を聞きたくて会いにきたのでは…」

 

「なんでそうなるんだ?

俺はお前と話したいだけだ。

確かにリボーンが気になっているという理由では俺も気になるが、まぁ悪い奴じゃないと分かっただけで十分だ」

 

 

 

なんとも気楽な人だなー

こちらとしては良いことなのだが…なんだかなー

 

 

 

「詮索されないなら此方としても助かります。

まぁ、大したこと内容はありませんが」

 

「いや、リボーンと張り合うだけで十分だけどな…」

 

 

 

世界最強のヒットマンだもんな。

張り合うといっても話し合いだけなんだけど。

 

そんな事を話していると暗闇からニヤニヤとガラの悪い奴が目の前に現れた。

 

 

 

 

「よう。

外人の兄ちゃんと何してんだ生徒会長さんよ」

 

「君ですか。

外出時間外、とは言いませんが物騒なものを持っているのは気になりますね」

 

 

 

そうこの男は並盛中の生徒である。

不良の中の不良といったところか、雲雀が見たら一発で「噛み殺す」と言われるチャラさを出している。

そうなる前に僕が親切に()()してあげたのにさらにパワーアップしてるなー

 

 

 

 

「あぁ、鉄パイプを持っていたら校則違反ですか!?

それにもう学校の時間は終わってるんだよ!!」

 

「終わっていても並盛中の生徒なんですから、そういうことはしないように……」

 

「ごちゃごちゃウルセー!!!」

 

 

 

えぇー。

人の話を聞かずに男は鉄パイプを振り上げて僕に向けて振り下ろしてきた。

これがツナなら慌てたり目をつぶったりしているのだろう。

獄寺や山本なら避けたり反撃するんだろうなー

 

 

 

だけど僕はなにもしない。

というよりする必要がない。

 

 

 

 

「おいおい。最近の学生は物騒だな」

 

「なんだテメェ!!邪魔をするんじゃね!!!」

 

 

 

いつの間に取り出した鞭を自由に操り鉄パイプに巻き付けて攻撃を防いだ。

 

 

別にこれを狙っていた訳ではなかったのだが、

 

 

 

「おっとあぶねぇな」

 

 

 

ディーノの放った鞭が攻撃を防いでくれた。

くれたのはいいけど、近くに部下がいるからいいけど、いなかったらその鞭僕に当たる可能性ありましまよね。

本人は気づいていないようですけど。

 

 

でもまぁ、

 

 

 

「そんな事しなくても僕なら」

 

 

 

鉄パイプに巻き付けていた鞭は突然地に落ちた。

キッチリと絡み付き鉄パイプを動かさないようにしてきたのに。

五当分に切られた鉄パイプと一緒に地面に落ちたのだ。

 

 

 

「問題ありませんよ」

 

 

 

誰にも気づかない。

気づかないうちにそこにいた。

真っ黒なパーカーで真っ黒なズボンを履いている。

全身真っ黒な者はフードを被り顔はまったく見えない。

 

でもディーノは感じ取っていた。

この者は、この男は、ヤバいと。

 

 

 

「僕にも頼れる()がいますから」



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いろんな人に遭遇しました⑤

「なんだ、テメェは……」

 

 

 

 

突然現れた男にビビっている不良君

それはそうだろうなー

あんな黒ずくめの男が気づかないうちに現れたらビビるよね。

 

 

 

「………………」

 

「なんか答えろよテメェ!!!」

 

 

 

いや喋れないだよコイツは。

だから無視してるわけじゃないんだよ、本当だよ。

 

というか、この不良君勇気あるよねー

いや、僕に対してじゃないんだよ。

正確にはディーノの後ろにいる部下さん達

 

 

 

「最近のやつは沸点が低いなー」

 

「だがボスに怯まずに挑んでるのは評価するぜ」

 

「だけどあの黒ずくめに気づかないんだから、しっかりしてほしいぜー」

 

「俺たちも気づいてなかっただろうがー」

 

 

 

アハハ!!と何やら盛り上がっている部下さん達

ディーノのは頭を抱えながら頬が赤くなっている。

恥ずかしがっているのだろうなー

 

 

 

 

「ガン無視してるんじゃねぇ!!!」

 

 

 

あっ、完全に不良君のことを無視していたからぶちギレたようだ。

黒ずくめに向かって殴りかかろうと近づいていくのだが……おいおい止めとけ。

 

 

 

 

「ガッァ!!」

 

 

 

近づいてきた拳を受け止め勢いを殺さずに受け流した後に、そのまま関節を決めながら地面に押さえつけた。

ジタバタしているが抜けれる訳がない。

相手が悪すぎるよ不良君

 

 

 

 

「まさかこんな所で会えるなんてな、"S"(シャドウ)

 

「おや、お知り合いだったんですね」

 

 

 

Shadow(シャドウ)、通称"S"

まぁ知っているよねー

だって裏の世界では有名な「壊し屋」と呼ばれている奴なんだから。

それもボンゴレの名前を借りているからディーノのが知らない訳がない。

 

 

 

 

「まぁな。

それより俺は"S"の知り合いだってことにビックリしたぜ。

コイツ全然話さねぇからどんなヤツなのかわかんねぇだよな」

 

 

 

 

いや、喋る訳がない。

だって"S"は僕の「闇の炎」で作った分身体である。

霧の炎による有幻覚ではなく僕の「分身」

 

簡単にいえば影分身なんだけどね。

だから僕のそのままが"S"に反映されている。

なので"S"が強いということは僕も強いです!!

だって"S"の経験値は僕にも反映されるもんね♪

 

 

言いたいことは分かります。

思いっきりナ○トをパクっているじゃねぇかでしょう。

だって"S"は、闇の炎は僕の影を使っているんだからね。

 

 

ほら、完全に「影」分身でしょう。

 

 

まぁ闇の炎の使い方はこれだけじゃないんだけど、これが一番楽なんだよなー

影分身だから自分の意思で動いてくれるからね。

 

 

うん??

結局喋るのか?喋らないのか?

喋るけど無口キャラで通しております♪

 

 

 

「そうなんですか。

無口でも言いたいことは分かりますよね?」

 

「いや、流石に分からねぇよ……」

 

「今は、「この腕折っていいか?」と催促してます」

 

「やめろ!やめろ!!

催促ってさっきからそんな事を考えたのかお前は‼

一般人なんだから手加減しろ!!」

 

 

 

正直痛い目に合わせたほうがいいのではと思ったけど、やっぱりディーノのは優しい。

関節をといて不良君を立たせてやると「覚えてやがれ!」と捨て台詞を残して走り去った。

 

覚えてもいいけど、覚えなくても来ますよねそれ。

 

 

 

 

「まったく…

"S"は昔からやり過ぎるからな。

それも表情が見えねぇから何をするのか判断も出来ねえし、光明がいて助かったぜ」

 

「「あの手のバカは一度徹底して壊さないと繰り返す」と不機嫌な感じで言ってますけど」

 

「そんな事を考えてたのかお前は…

こりゃ、これから"S"と会話は光明が必要だな♪」

 

 

 

 

イヤです。

絶対に良くないことが起きますよね。

すでに真っ黒に染まってますけど、「光明」のほうはまだまだ染まるつもりはありませんので

 

 

 

 

「生徒会が優先ですのでお役にたてませんよ」

 

「もちろんだ、ヨロシクな!

"S"もたの……ってもういねぇ!!」

 

「「帰る」ってついさっき帰りましたよ」

 

「マジで何者なんだアイツは……」

 

 

 

はい、僕の影分身です。

男はミステリアスのほうがカッコいいと言いますから気にしないで。

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

(…何者だ…アイツは……)

 

 

 

 

気配を悟られないように遠くから光明とディーノを監視していたリボーン。

そして()()()()()()()()気づかなかった"S"の存在

そしてまたいつの間に消えていた"S"に困惑していた。

 

 

 

 

(幻覚…というわけでもねぇ。

だが、あそこまで気づかれずに出来るなんて人間技じゃねぇ。

……"S"、昔から怪しかったが一度本気で調べてみるか……)

 

 

 

今後の方針も決まりこの場から立ち去ろうと立ち上がると、

 

 

 

 

「ッ!!!!」

 

 

 

何かを感じとりリボーンはとっさに拳銃を抜き、感じ取った方向へ銃口を向け引き金を引いた。

しかしその銃弾は空を切り、そこにはなにもなかった。

そう、その場所からさらに移動してリボーンの背後に回ったのだから

 

 

 

 

「舐めんるんじゃねえ」

 

 

 

 

冷静なリボーンは更に銃口を向けるがその気配の主はリボーンに近づいて拳銃を掴みとった。

 

 

 

 

「……なんの真似だ"S"」

 

「…………」

 

 

 

監視していて銃弾を打ち込んだリボーンに非があるが、リボーンの首もとには真っ黒な刃が構えられていた。

敵対心があるんじゃないかと思われても仕方ない。

 

だがすぐに"S"はその刃を納めてリボーンから離れる。

未だに警戒を解いていないリボーンに対して"S"は懐から携帯を取り出して、何かを打ち込んだあとそれをリボーンへと投げつけた。

 

 

警戒しつつも携帯をキャッチしたリボーンは画面を確かめてみると

 

 

 

[余計な詮索はするな。

そして黒田 光明にも必要以上に関わるな]

 

 

 

と文章が書かれており、"S"にどういうことか聞こうと視線を向けたがいつの間にか姿を消していた。

 

 

 

 

「コイツは厄介な奴に目をつけられたか……」

 

 

 

 

何故突然現れて牙を向けたのか分かった。

簡単だった、自分(リボーン)に"S"の実力を見せつけるため。

そうすればこの文章が脅しではないと分かるため。

 

 

しかし"S"は、光明は甘かった。

"S"に関しては良かったが光明の「必要以上に関わるな」というのはいけなかった。

 

「必要以上」というのは光明とってはマフィアに関わらせるなという思いだったが、リボーンからしたら「やり過ぎる」という解釈である。

それもリボーンの「やり過ぎる」は光明にとってどれだけなのか……ハッキリと線引きするべきだった。

 

そして、この文章を送ったことで光明と"S"に思っていた以上の関わりがあることも分かった。

 

 

 

 

「……無理してでも光明を入れてもいいかもしれねぇな……」

 

 

 

 

余計なことをしなければよかった。

光明が後悔するのはまだ先の話、しかし確実な話になった。



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"S"の始まり。(濃い人達に出会いました)

さて"S"が出てきたという事で説明をしないといけないだろう。

 

これは約五年前に遡る。

まだ自分が転生者だと思い出す前の話。

そしてこれが「リボーン」という世界にどっぷり浸かることになったキッカケとなるお話である。

 

 

そうですね。

まずはどうして"裏の世界"に関わることになったのか話しましょう。

 

 

あれは突然のことだった。

いつも家にいない両親が珍しく家にいたことから始まった。

 

 

 

 

「イタリアに行こう」

 

「えーと……そんなお店はここにはないよ父さん」

 

「何をしてるんだ光明。

ネット調べてもあるわけないだろ」

 

「それなら何処にいくの?」

 

「だからイタリアだよ。イタリア」

 

 

 

ここでやっと言っている意味が分かった。

分かったけどそんなコンビニに行こうみたいな簡単な感じで言われても分かるわけがない。

 

 

 

「どうしてイタリアに??」

 

「お母さんが行きたいというから」

 

「母さん、イタリアに行きたいの?」

 

「そうね~ピザが食べたいの~」

 

「いま食べてるよね」

 

「本格的なものを食べたいのよ~」

 

「外に釜戸作って焼いてのに?

その釜戸僕が作ったのに?」

 

「ゴメンね光明。

お母さん、()()()()()()食べたいの~」

 

 

 

ちょっと。

1日係りで作ったピザ専用の釜戸が無駄になるの?

母さんが食べたいって、久しぶりの休みに言っていた事を思い出して親孝行と思い、頑張って作ったのに?

 

 

 

「確かに光明が作った釜戸で出来るピザはウマイ。

だが、現地でしか味わえない味があると気づいたんだ」

 

「そうなのよ。

光明が釜戸を作ってくれなかったら分からなかったわ~」

 

 

 

分からないままのほうが良かったような……

と思ってしまう僕は悪い子だろうか?

とにかく両親が言い出したらもう梃子でも動かない。

 

 

 

「じゃピザを食べにイタリアに行くんだね。

いつ頃行くの?」

 

「明日」

 

「本当にコンビニに行く感覚だったの!?」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

着いてしまいましたイタリアに。

まぁ、海外旅行はいま始まった訳ではない。

いつも家にいない両親、海外での仕事が主なのだ。

小さいころは両親と一緒に海外を回っていたが去年から一人で日本に滞在することになった。

 

当時小学5年生なのに一人で大丈夫なのか?

答えは"大丈夫"である。

 

さっきも言ったが基本的に両親は家にいない。

確かに寂しいかった。でもそれどころではなかった。

詳しいことはまた今度話さすが両親の仕事がら良く家に人が来る。

その人の対応したり家事をしたり学校に行ったりとなんやかんやとやっていると寂しいという感覚はいつの間にか()()()()()()()

 

 

ということでこうやって家族と団欒はとても楽しい。

しかし楽しいことはすぐ終わる。何故なら、

 

 

 

「それじゃお父さんとお母さんは出掛けてくるよ」

 

「お土産楽しみしててね」

 

「……いってらっしゃい」

 

 

 

 

海外で子供を一人にしないで。

恋人感覚を味わいたいのは分かるけど海外はやめて。

行かないで、と説得をくるが「光明なら大丈夫大丈夫」と信頼してもらえるのは嬉しいけど、親としてどうよ?と思う。いやマジで。

 

 

と考えている内に両親は出掛けていった。

ホテルに一人。うわぁーどうしようー

 

帰ってくるのは一週間後

夏休みをフルに利用しているため伸びる可能性がある。

まぁ、お金も十分にあるからいいけど……

 

 

 

 

「……出掛けようかな……」

 

 

 

必要な分だけお金を持って外に出かける。

最低限の英会話は出来るから大丈夫だろう。

レストランとかは入れないけど露店なら「あそこに親がいて買ってきてと頼まれた」といえば大抵は問題ない。

それに一目の多い観光地に向かえば襲われることも少ない。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

前にも話したが僕はかくれんぼが得意だ。

まだ能力の事をしないがすでにその一端を使っていた。

 

 

僕が鬼になったとき、まるで手に取るように何処に誰が隠れているのかが分かった。

そして隠れるほうに回るとまるで闇に溶け込むかのようにすぐそばを通りすぎても誰も気づかなかった。

 

まるで光のように誰にでも照らしだして、闇のように深くその色に染まり隠れる。

 

 

つまりは闇の炎の副作用的なものを使えばヤバい人達に見つかることはない。

当時はよく分からずに、でも便利だなーと普通に使っていた。

念のためにパーカーのフードを被って出来るだけ顔を見られないようにしている。

 

 

 

そうやって観光を楽しみながら三日目

さて、今日は何処に行こうかなーと思って街の中をキョロキョロと歩いていると人にぶつかってしまった。

 

 

 

「うおおおぉい!!!!

どこ見てんだガキがあああぁ!!」

 

「……すみませんでした。

(あれ?日本語?)」

 

 

 

僕が日本人だと分かって日本語を使ってくれた?

明らかにこの長髪の人は外国人だよねー

ということは、怒っているフリして気を使ってくれる。

 

 

 

「何してんだよスクアーロ」

 

「このガキがぶつかって来やがったんだ」

 

「あら、可愛い子ね~」

 

「ガキは嫌いだよ。

さっさとボスを探さないといけないんだからとっと行くよ」

 

「ボス~!!ボスは何処へ~!!!」

 

 

 

な、なんだこの人達……

 

 

・長髪の目付きの悪い人

・高圧的なティアラを付けた人

・サングラスのオカマの人

・ガキといっているがお前は赤ん坊

・ただキモい人

 

 

こ、こ、個性が強すぎる……

向こうも僕に構っている暇はないようだからさっさと去っていこうとしたら

 

 

 

「ねぇボウヤ。この人知らない~」

 

「ルッスリーア!!

ガキになに聞いてるんだあああぁ!!!」

 

「だって全然見つからないのよ~

こうやって会ったのも何かの縁、聞いてみてもいいじゃない~」

 

「んな暇があったらさっさと探せえええぇ!!!」

 

 

 

文句を言いながらオカマの人に、ルッスリーアさんという人に斬りかかるスクアーロという人

 

……えっ、文句があると斬りかかるの?

当たったら死んじゃうよ。

その攻撃を避けながらルッスリーアさんは僕に写真を見せる

 

 

 

「この人なんだけどね。

完全なオレオレで自分の我が通らないとすぐ切れちゃう人なんだけど見てないかしら」

 

(なにその切れ味がよすぎて、触るものを片っ端から切り裂く刃物みたいな人は!!?)

 

「ついでにいうとA5ランクのフィレ肉を用意したんだけどね、サーロインが食べたいってゴネちゃってね」

 

(ゴネる理由の内容物が高過ぎる!!)

 

「でもサーロインがホテルになかったと言ったら暴れまわってね。

もう荒れちゃって荒れちゃって……」

 

 

 

こんなことを話ながら未だに攻撃を避けている。

そして他の人達はニヤニヤと楽しそうにしている。

この人達、やっぱりおかしいよ。マジで。

 

 

 

「で、いつの間にかいなくなってね~

帰ってくるだろうと思っていたんだけどもう1ヶ月帰ってきてなくて……」

 

「いっ、1ヶ月!!?」

 

 

 

やっぱりおかしいよ。ではなく間違いなくおかしい。



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"S"の始まり。(濃い人達の探し人に出会いました)

ヤバい、ホテルに帰りたい。

だけどこんな濃い人達からどう逃げたらいいわけ?

知っている人がいたら教えてよマジで!!

 

 

 

「……ごめんなさい。

……三日前にきたばかりなので……」

 

「あら?そうなの」

 

「さっさと行くぞ!!!」

 

 

 

意外に簡単に去っていく濃い人達

まだ絡まれるかと思っていたけど良かった~

 

これ以上何も起きて欲しくないと考えた光明は濃い人達とは反対の方向へ歩くことにした。

すこしでも関わらないようにと離れるように歩くことにしたのだ。

 

 

しかしキョロキョロしていたとはいえ人に当たるなんてな~

 

 

普段はよそ見しながら歩いても()()()()()()()()()()()()()()()()()人が避けていく。

 

それがまさかぶつかるなんて……

調子が悪かったのかな?

それとも何かしらの力が働いたのか?

 

そんなわけないと言い聞かせて高級店が並ぶ通りの近くを歩いていると

 

 

 

 

「んなもんが食えるかあぁ!!!!!」

 

「ヒイイィィィィ!!!!」

 

 

 

めちゃくちゃ高級なお店から料理長が泣きながら出てきた。

すでにそのお店は半壊しており、その周りのお店も同じようになっている。

 

あぁ~…………嫌な感じだな~

………回れ右だね、うん。

 

 

すると不味いことに料理長と目があった。

えっ、なにその助けてくれ的な眼差しは。

僕はまだ小学生……

 

 

 

 

「助けてくれえええぇ~!!!」

 

「来たあああぁ!!?」

 

 

 

そこ大人のプライドないの!?

一気に四足走行で近づいて足に掴まり助けを乞う。

いやそんな救いの神的な目で見てもどうしよう出来ませんけど‼

 

 

 

「き、君のような子供ならあの方の耳に言葉が届くはずだ!

頼む!!暴れないでくれと言ってくれ~!!!!!」

 

「そ、そんなこと言っても……」

 

「頼むよおおおぉ!!

このままだと殺されるうううぅ!!!」

 

 

 

いままさに自分で社会的に殺してますよ、自分を。

本当にどうしようかと考えているとお店から爆音と共に誰かが出来てた。

 

そしてその人には見覚えがあった。

いや、嘘でしょう。そんな偶然あるわけがない。

でもあのいかにも世の中の全てに噛みつきそうな怖い表情は

 

 

 

 

「この店はマトモな料理を出せねえのか、あ"ぁ!!?

 

(濃い人達が探しいた人、見つけちゃた~!!!)

 

 

 

マジですか?

こんな奇跡あり得るんですか?

だってこんなに近くにいて見つからないってあるの?

あるとしてもなんで僕が引き当てるかな⁉

 

そんな事を考えている間にもその人はこっちに近づいてくる。

そして料理長は更に怯える。

痛い!痛い!!握りすぎだから!!!

 

 

 

 

「ざ、XANXUS様……

……どうかおゆ……」

 

「喋るなカスが」

 

「ガフッ!!!」

 

 

 

容赦ねえええぇ~!!!

蹴りを一撃、顔面に入れたよこの人。

 

……XANXUSさん、か………

 

濃い人達、この人を探してたの!!?

いや間違いなく纏まりのないメンバーですよね!!!

 

 

 

「……なんだガキが……」

 

「え、えぇ~と……」

 

「失せろ!」

 

 

 

えええぇ!!!?

それはすぐにでも立ち去りたいけどそういうわけにはいかないのですよ。

だって……知ったのだから、会ったのだから、言わないといけないよね~……

 

…………ハァ~

 

 

 

「……長髪の…え~と、スクアーロさんですかね」

 

「!!?」

 

「その人が、その人達ですか、あの貴方のことを探してましたけど……」

 

 

 

するといきなり僕の胸ぐらを掴み持ち上げた。

こ、これ!!殴られるのー!!?

ヤバいと目を瞑るが何も起きない。別に

 

 

 

「案内しろガキ」

 

「えっ!?

いや、いま何処にいるかは分からな……くはないですけど……」

 

「さっさとしろ!!カッ消すぞ!!!?」

 

 

 

消さないで!!!

貴方がいうとマジになりますから止めて!!!

 

 

 

「…あっち…です」

 

「チィッ」

 

 

 

何に舌打ちされたの?

というか僕の体勢はこのままなわけ?

人間ダウジングですか僕は!!?

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

何度もいうが僕はかくれんぼが得意だ。

それは最近気づいた()()()()が関係ある。

 

 

 

「本当にこっちであってるのかガキ」

 

「そうですね…大丈夫だと思いますけど……」

 

 

 

またチィッと舌打ちをしてくるXANXUSさん。

いや怒るなら案内させなければいいのに……

とにかく僕は人混みや建物が多い街の中を()()()()を頼りに移動している。

 

きっとこれは僕しか見えないだろうな~

 

その目印がハッキリと見えたところで、探していた人達が見えた。

 

 

 

「いました。あそこにいますよ」

 

「……いたか…チィッ…」

 

 

 

あれ、信じてなかったのかな?

これ見つからなかったら消されてたのはマジだったパターンだったのかよ。

 

 

でも僕は人を探すのなら自信がある。

何故なら目印は、人固有のオーラが見えるからだ。

例えばこの人、XANXUSさんは赤黒く地獄の炎みたいなオーラ。

今回探したのはスクアーロさんのこれまた黒に近い青いオーラ。

 

人によってオーラの色・大きさが違う。

一度見て意識すればその人のオーラが見える。

 

これを利用してスクアーロさん会ったときにオーラを確認していたけどかなりの大きさ。

いえば30階ビルぐらい。

 

XANXUSさんはさらにヤバい。50階です。

 

こんなオーラ見たことないよ!!?

 

 

とにかく、これで探せます。

ハァー、見つかって良かった~。

 

 

 

「……おいガキ、こっちにいつまでいやがる」

 

「えっ、……えーと、両親が帰ってくるのが三日後なのでそれから次の日にぐらいには…って!!?」

 

 

 

 

するといきなりXANXUSさんがまるで野球ボールを投げるかの如く、まったくの遠慮なしでスクアーロさん達に向けて投げ飛ばした。

 

 

 

 

「ヒイイィィィィエエエェェェ!!!!」

 

「なっ!?ガキって、うおっ!!?」

 

 

 

 

見事にキャッチしてくれたお陰で怪我をすることはなかったが……し、死ぬ……

 

 

 

 

「なにしやが」

「三日だ。今日三日以内に使えるものにしろ」

 

「使えるって……このガキをか!!?」

 

「俺は帰る」

 

 

 

何か勝手に話を進めてこの場を去っていくXANXUSさん。

うん??あれこれはどういう流れなのかな?

 

 

 

「うわぁーボスに捕まるなんてツイてねなー」

 

「なぜボスはこんなガキに!!?」

 

「少なくとも暑苦しいよりはいいわよ~」

 

「……僕には関係ないよ……」

 

 

 

あ、あれ~??

なんか嫌な予感がバシバシしているのですが……

ゆっくりと僕を抱えているスクアーロさんに視線を向けると……

 

 

 

「諦めろガキ」

 

「あ、あははははは……」

 

 

 

逃げたくともどうしようもない。

……父さん、母さん。

生きて帰ってきたら……2度とイタリアに来ないことを誓わせるから覚悟してね。



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"S"の始まり。(ここから抜け出したい)

「今日はこれで終わりだあ!!」

 

 

 

終わりなのに思いっきり鞘を抜いていない剣で襲いかかる。

膝をついていた僕は必死に貸してもらった木刀を(なんでイタリアにあるのか謎)使いその攻撃を防ぐ。

 

防ぐといっても衝撃はかなりのもの。

小学生が大人の攻撃を受けて平気なわけがない。

それでもスクアーロは容赦なく足蹴を仕掛けてくるので、剣で押し付けてくる力を自分の方へ受け流しながら体を回転させて無理やり木刀で足蹴を防いだ。

 

もちろん直撃を回避しただけであり僕の体は簡単に吹き飛ばされた。

壁に激突するかと思いきやヴァリアー(濃い人達)の中でもマトモに思える(思えるだけである)ルッスリーアさんが僕を受け止めてくれた。

 

 

 

「やり過ぎよスクアーロ。

相手は小学生なのよ、加減しないと死んじゃうわよ」

 

「うっせえぞ!!!

だったらテメェが面倒みやがれえええぇ!!!」

 

「子供の相手をするのは好きだけど、面倒は嫌なのよ」

 

「だったら口を挟むなあああぁ!!!」

 

 

 

 

本当に仲が悪い。

それでよく同じお屋敷に住めるなー

 

ここは主であるXANXUSさんの住むお屋敷

そしてヴァリアーという組織??(グループといったらキレたので言わないようにした)の人達が拠点にしているらしい。

 

ついて早々「剣術を仕込んでやる」とみっちり五時間ぶっ通しやらされて死にそうであり、正直ここが何処なんだろうがどうでも良くなっている。

 

 

 

「でも根性あるわね。

大人でも泣いて逃げるのに」

 

「…逃げたら……切り殺す…って言われて……」

 

「まぁ、切り殺すわね」

 

 

 

だから当たり前のように言わないで。

こっちは必死になって殺されたくなかったから頑張ったんですよ!!

 

 

 

「あとは自由にしやがれ。

明日は五時から始める、遅れるな」

 

「……もちろん朝五時ですよね……」

 

「ヴオォォォォォイイイイィ!!!

当たり前なことを聞くんじゃねええええぇ!!!」

 

 

 

 

いまは何も考えたくなくてとにかくこの場から逃げるように歩いてこの場から離れた。

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「で、どうなのスクアーロ?

根性は間違いなくあるみたいだけど…」

 

「……引き込むなら、今でもいいぐらいだ……」

 

 

 

 

それを聞いたルッスリーアは驚いた表情をして、スクアーロは未だに信じられない様な表情をしていた。

するとそこにベルフェゴールが相変わらずニヤニヤしながら現れた。

 

 

 

 

「なに、あのガキそんな使えるわけ?」

 

「1ヶ月あれば……プロになれるだろうよ」

 

「……マジかよ」

 

「そんなにスゴいわけ~」

 

 

 

 

たった1日だ。

たった1日でかなり手加減をしていたとはいえ、()()()()()()()()()使()()()

 

何者なんだアイツは……

と考えていると今度はレヴィが現れて

 

 

 

 

「おい、スクアーロ。

あのガキ外に出ていったが何か買い物でも頼んだのか?」

 

 

 

 

すると長い沈黙の後、

 

 

 

 

「ヴオォォォォォイイイイィー!!!

なんで止めなかったこのクソがアアアァァァ!!!!」

 

「グゴッ!!!」

 

「不味いんじゃねえかコレ……」

 

「ボスに知られたら……」

 

「分かってんならさっさと探せえええぇ!!!」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「………あれ?

ここは……何処だろう……」

 

 

 

あまり考えずに、というか意識ないまま歩いていたようでここが何処なのか分からない。

街ではあるが僕がいたところでもなく見覚えのない場所。

 

あれ?迷子ってやつ?

 

こういうときは下手に動かないに限る。

そう判断した僕は近くにいるカフェに入ることにした。

ここならいつかスクアーロさん達が見つけてくれるだろう。

 

 

お金は持っているのを確認してカフェへ。

雰囲気はいいお店でお客もボチボチ。

ゆっくりと待ってられるなーと窓側の席に着いた。

定員さんにコーヒーを頼んでその間に今日教えてもらったことを思い出していた。

 

正直、こんなことを覚えても何になる?

と思っていたがどうやら僕はこういうのが好きらしい。

頭で思い浮かべながらやってみると面白い。

 

 

 

 

「コーヒーです」

 

 

 

僕が一人でいるのに驚かないのかなーと考えたがコーヒーの匂いに考えが消えてゆき、ゆっくりとコーヒーを口に含む。

 

 

 

 

「……おいしい……」

 

 

 

 

なんかやっと落ち着いた気分もあるのかいつもよりもコーヒーがおいしく感じる。

使っている豆が違うのも勿論だが色んな要素が交わるとこんなに変わるものか……

 

もう一度コーヒーを味わおうと飲んでいるとふっと誰かが近づいてきて、

 

 

 

 

「コーヒー、お好きなんですか?」

 

 

 

 

そこには僕と同じぐらいの歳の女の子が立っていた。

ニコッと笑う笑顔は不覚にもドキッさせられたけどなんとか顔には出さずに話に持っていけた。

 

 

 

 

「落ち着きたいときに飲んでいる程度ですかね。

でもこのコーヒーは、美味しいと感じました」

 

「私はミルクを入れないと飲めませんが私も好きなんです」

 

 

 

またニコッと笑う笑顔は可愛かった。

その太陽のような笑顔はすごく眩しかったが本当にバレないように表情を作って

 

 

 

 

「良かったら一緒にどうですか?」



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"S"の始まり。(助けたい。その人の為に)

それからは楽しかった。

他愛ない話だったけどゆったりとした感じは今まで味わったことのないものだった。

 

どれぐらいたったのだろうか。

コーヒー一杯でよくこんなにも話せたものだと自分に感心していると、

 

 

 

「ごめんなさいねユニ、待たせちゃって」

 

「そんなことないですよお母さん。

光明さんとお話しして時間を忘れていたぐらいです」

 

 

 

そこに現れたのはこの子が、ユニが大人になったような女性だった。

特に特徴的だったのは首から下げているおしゃぶりだった。

ファッションの一つなんだろうか?と考えていたが、すぐにユニも同じことを思っていたことが嬉しかった。

 

 

 

 

「ふふふ、お邪魔だったかしら?」

 

「そんな事ないですよお母さん」

 

「……素直に育て過ぎたかしら…」

 

 

 

 

それは分かりませんがニヤニヤと僕を見ないでください。

明らかに顔が熱くなってますので、それ以上見ないで‼

 

 

 

「私もゆっくり話したい所だけど外でγ達が待ってることだし行きましょうか?」

 

「はい。

それじゃ光明さん、またお話しましょうね」

 

 

 

 

その時、不思議と女性とユニのオーラが見えてきた。

いつもなら僕が見ようとしないと見えないのだが、今日は何故か勝手に見えてきた。

 

ユニのオーラはとてもキレイで太陽の光のように明るく輝いている。

だけど女性の、ユニのお母さんはそのオーラが見えなかった。

正確にはあるにはあるが首から下げているおしゃぶりの周りに弱々しくあるぐらいだった。

 

オーラはその人の体力や気力、生命力のような「力」を具現化したもの。

昔近所のお爺ちゃんが亡くなるときもこのオーラがどんどん小さくなっていくのを知っていた。

 

とても悲しかった。

見えているのに何も出来ないことに。

寿命だと割りきればいいのだがその時はただただ悲しくて悔しくて泣いていた

 

 

いまは自然界の決まりだと割りきりっているが、ユニのお母さんのオーラは明らかにおかしい。

病気にかかっているならランダムにオーラが点いたり点かなかったりする。

しかしこのオーラは何度も見たことのある寿命が減っていくオーラだ。

 

なら尚更おかしい。

こんな若さで、病気もないのに寿命が尽きかけているなんて……

 

 

 

 

「ま、待ってください!!」

 

「光明さん??」

 

「ゴメンね、寂しいだろうけど用事があって……」

 

 

「待って……待ってください……」

 

 

 

呼び止めてもどうしようも出来ない。

そんな事は分かっている。分かっているけど知らないフリなんて出来ない。

何も出来ないのに何をしたい。

モヤモヤする気持ちにどうしようもなく、これ以上言葉が出てこなかった。

 

 

 

「………ユニ。

γ達に少し遅れるって言ってきて」

 

「はい」

 

 

 

そういってユニはお店から出ていきお店には僕とユニのお母さんだけが残った。

 

 

 

 

「自己紹介がまだだったわね。

私はアリア、ユニの母親よ」

 

「光明です。黒田 光明といいます」

 

「光明君ね。

……光明君、私に伝えたいことがあるのよね」

 

 

 

何も言っていないのに。

まだ何も言っていないのに……

 

 

 

「いいわよ、話しても。

それは私も知ってるから、だから話して」

 

 

 

知っている。

自分の体だから知っているのか分からないけど。

それでも話していいと言われた。

少しでもこの人の、アリアさんの役にと僕が見えているものを話した。

バカにすることもなく、むしろ真剣に聞いてくれたアリアさんは

 

 

 

 

「そう。

……辛いわね。今まで良く頑張ったわね」

 

 

 

どうして、どうしてそんな事がいえるのか…

アリアさん自身の寿命を話したのに、どうして僕を心配してくれるのか……

 

気づいたときには泣いていた。

いままで事が一気に溢れだし、尽きるまで泣いてしまった。

 

 

やっと落ち着いたところでアリアさんが話してくれた。

アルコバレーノ、トッリニセッテ、おしゃぶり

アリアさんのお母さんから引き継がれたアルコバレーノという呪い、そして短命について。

 

 

 

 

「……ユニは知っているんですか?」

 

「ええ。

だからいまは一緒にいれる時間を大切にしてるの」

 

「………………」

 

「光明君が背負わなくてもいいのよ。

これは宿命、変えられないの。

でも時間が分かるお陰で娘との時間が大切に思えるから悪いだけじゃないわよ」

 

 

 

 

そんなはずがない。

娘との時間が大切ならもっと一緒にいたいはずだ!

僕だって両親が家にいないと寂しく感じる。

いくら慣れてても寂しいと感じるんだ。

 

だから、だから、だから……

 

 

 

 

「僕が……僕が……」

 

「光明君?」

 

「僕が見つけます!!

短命から抜け出す方法を!!

アリアさんもユニも笑っている世界を守るために!!!」

 

 

 

こんなことがあっていいわけがない!!

二人の幸せを守るために絶対に!!!

 

 

 

「ありがとう光明君。

でももしものときはユニをよろしくね」

 

「もしもなんてないです!!!」

 

「あくまでももしもよ。

……信じてるわ光明君。よろしくお願いします」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「……本当に信じるのかアリア」

 

「あら、聞こえていたのγ。

それとも聞いていたのかしら?」

 

「はぐらかすな。

……あんなガキに何故話したんだ」

 

「どうして…かしらね……

少なくともここで私とユニはあの子に会う運命だったの」

 

「予知が見えていたのか?」

 

「ええ。

でも()()()()()()()()()()

……だから信じてみたくなったの。

私の予知(未来)を変えてくれるかもしれない、あの子を……」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「……何が会ったのかしら?」

 

「知るねぇ。でもスクアーロがイキイキしてるぜ」

 

 

 

それから僕を迎えに来たスクアーロさんにガッツリと叱られた後、地獄の訓練が始まったのだが嫌ではなかった。

 

短命の呪いを消すためにはきっと表だけではダメだ。

表がダメなら裏にいくしかない。

だけど力がないとダメだってことは知っている。

だから、今は力をつけないといけないのだ。

 

 

それからスクアーロさんや、ベルフェゴールさん、ルッスリーアさん、バイパーさん、極めつけにXANXUSさんにも色々教えてもらいあっという間に時間は過ぎた。

 

 

 

あっ、レヴィさん?

……生理的に無理です。



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"S"の始まり。(そう、こうして始まった)

「えぇーと……お世話になりました?」

 

「ヴオォォォォォイイイイィ!!!

何で疑問系だテメェは!!?」

 

「間違いなくお世話になりましたが、僕は拉致にあってましたので正直に感謝できないんですよね」

 

「言うようになったなクソガキが……」

 

「皆さんにもありがとうございましたといっておいてください」

 

 

 

三日が過ぎて僕は拉致された場所にいる。

スクアーロさんに送ってもらいとりあえず感謝を述べるつもりだったが、拉致は拉致だったので素直に感謝しきれなかった。

 

他の皆さんは仕事や面倒くさいと理由で来ていない。

 

 

 

 

「……もう一度聞くぞ。

ヴァリアーに入るつもりはねえのか?」

 

「すみません。

いつか会えたときにこの恩を……返すものありませんよね?」

 

「ヴオォォォォォイイイイィ!!!

ぶっ殺すぞテメエエエェェェ!!!!」

 

「嘘ですよ嘘。

まぁ、僕に出来ることで返しますので勘弁してください」

 

「………チィッ。さっさといけ」

 

 

 

 

これ以上引っ張ると本当に殺されかねないと思いそそくさとその場を離れた。

僕的にはもっと迫ってきて強制的にヴァリアーに入れられると思ったけど勘違いだったのかな?

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「…良かったのかよボス。

あのガキ、このまま育てれば間違いなく……」

 

「ウルセェ。

…あの目は、こっち()に染まることはねえ。

下手したら、こっち()を飲み込もうとするかもしれねえ」

 

「厄介な奴を、育てたってわけか……」

 

「だが邪魔するような何であれカッ消す!!!!」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

なんか不吉なものを感じながら僕は両親と一緒に日本へ戻った。

戻ると同時に両親はまた仕事で家を留守にすることになった。

 

 

でも僕にとって都合がよかった。

スクアーロ達から教えてもらったものを復習して、それから自分がやり易いように組み替えていく。

 

それでもマトモに使えるようになったのは3ヶ月後

それから僕はある行動をとるようになった。

いきなり表から裏に入るのは難しい。

 

僕は表の世界、まぁ日常ではなかなかの有名人である。

並盛なら知らない人はいない。

近所でも名前を聞けば誰もが分かる。

全国なら成績優秀者として名が広がっている。

 

 

そんな僕が表から裏にいくのは難しい。

だから僕ではなく「影」を使うことにした。

 

 

といってもただ決まった黒いパーカーを着て深いフードを被って素顔を見せないようにするだけ。

会話は書いたり、携帯で打ったりして喋らないようにすればバレないだろうとやったが見事にバレなかった。

 

 

裏に潜るために僕がやることは粛清だった。

といっても、まずは地元の不良の喧嘩を止めたりして少しずつ規模を大きくして次にヤクザに手を伸ばす。

流石にヤクザは骨が折れたがスクアーロさん達の訓練を思い出せば楽だった。

 

それに僕には人を見つけることも隠れるのも得意である。

 

これをフルに使いヤクザからやっとマフィアに手を伸ばすことになった。

この時点で一年が経過してしまったがやっとたどり着いた。

 

 

ヴァリアーに入れば簡単だったかもしれないが、それでは僕が助ける意味がない。

自己満足、本当に人を助けるためなら、人の手を借りてでも助けるべき。

僕も何度も考えたし迷った。

 

 

だけど僕はアリアさんに約束したから。

二人を幸せにするために。

 

 

それだけを心の支えにしてマフィアに潜り込み、情報を手に入れるために頑張った。

頑張ったといっても殺しはしない。

そんな事をしたら精神的にヤバいし、やる気もない。

だから僕には「壊す」ことにした。

それは肉体的に、精神的に、壊しまくった。

こっちのほうが情報が入りやすい。

 

 

簡単にいうと拷問的なことをしてました。ハイ。

 

 

しかしやり過ぎた。

色んな組織が僕を殺すために一致団結するほどに。

もう殺されるのかと諦めたとき、

 

 

 

 

「大丈夫か若いの」

 

「は、はい……」

 

「ったく、無理したな。

しかし噂には聞いていたがこんな若いやつとはな…

おい、オルガノ。こいつうちの倅と同じぐらいだぜ」

 

 

 

思わず返事してしまったがそれからは無口で通すことにした。

どうやらこの人達は前から僕を探していたようである。

マフィアのなかでも噂になっている「壊し屋」

マフィア界ではどうしても殺さないといけないことがある。

それを殺さずにマフィアを解体した僕の腕がほしくて探していたようだ。

 

 

 

だけど僕にマフィアに入るつもりはない。

 

 

 

「ならよ、名前だけでも入らねえか??

後ろ楯があると何かと便利だぞ」

 

 

 

それは確かに魅力的な話だった。

だから僕はこのマフィアにボンゴレに入ることにした。

そしてボンゴレに入った名は"S"(シャドウ)

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「………う……うん……

………寝ていたのか……」

 

 

 

珍しく睡魔に襲われていつの間にか寝ていたようだ。

リボーンにボンゴレに僕と"S"が繋がっていることが知られてしまい気を張っていたがそれから特に何もなかった。

 

今日は体育祭があり、特に棒倒しが盛り上がった

その中心にいたのが沢田 綱吉

本格的に大変になってきたなーと思いながら見守っていた。

そして後片付けをして終わらせたい書類を終わらせたとき一気に疲れが来たようで寝てしまった。

 

 

周りを見渡せばもう暗くなろうとしている。

そしてここにはいないはずの人物がコーヒーを飲んでいることに気づいた。

 

 

 

 

「……いるなら起こしてくれて良かったんだけどな」

 

「ぐっすり寝てたからな。

こっちはコーヒーを飲みに来ただけだ。

起こす必要はねぇと思っただけだ」

 

 

 

 

相変わらずクールだね。

お陰さまでゆっくり寝れたから文句もなにもないけど。

帰る準備をしようと立ち上がりバックに書類を入れていると

 

 

 

「……光明と"S"はどんな関係なんだ?」

 

「やっぱり用事があったんですね」

 

「いま思い出しただけだ。

答えたくないならそれでもいい」

 

 

 

 

それでも後に聞くんですよね~

それなら誰もいない、二人だけの時に話したほうがいいかー

しかし……

 

 

 

「ならまた今度ということで」

 

「そうか。話す気はあるんだな」

 

「話さないとずっと聞いてくるだろうからね」

 

 

 

まだ話さない方がいいだろう。

ここで話したら後々が面倒くさくなるから。

 



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フリマと生徒会長①

「あっ、これカワイイ!」

 

「痛みはありませんよ。

保存状態もいいですし……値段はこれぐらいで」

 

「えっ⁉こんなに安いんですか?」

 

「はい、どうですか??」

 

 

 

ここは並盛公園で行っているフリーマーケット。

この主催は並盛商店街の人達と風紀委員の雲雀と、生徒会長の僕が運営している。

というより雲雀が怖くて商店街の人達に頼み込まれたのだが、まさか僕までフリマに参加することになるなんてなー

 

 

理由としては僕の容姿が売り子として絶対にお客が寄ってくる。

客寄せパンダ、客寄せの招き猫かよ!!

 

 

まぁ、否定する理由もなくこうしてやっているだが…

それで今はウサギのぬいぐるみが売れたところなんだけど……

 

 

 

「まだまだあるな……」

 

 

 

それなりに売れているがまだまだある。

というかこの残りが問題なのだが……

 

 

そこにあるのは、

 

明らかに壊れた携帯ゲーム

湿気た導火線とオイルが入っていないライター

破れかけた野球ボールと折れたバット

食べ残った餃子と包装紙から取れている飴玉

派手に千切れかけた風紀委員の腕章

黒く焦げた穴が空いた黒い帽子……

 

 

うわぁ~

この一つ一つ見るだけでどれが誰なのか分かるな~

これを売れっていうの?

無理だからね、もしかしたら売れるのはあるかもだけど絶対に無理なやつあるよね!!

 

 

 

 

「どうしようかな……これ……」

 

 

 

あぁ~逃げ出したい。

いくらフリマといってもこれは明らかに売れる気配が全くないのだ。

本気でそんな事を考えているとまるで必然のようにこれらの関係者達がこちらに近づいている。

 

 

 

 

「なんか予想通りのものが残ってるんですね…」

 

「沢田君、分かってるならもう少しマトモなものはなかったのかな?」

 

「持ってくるまでは使えたんですよ!!

でもランボがリボーンに喧嘩を仕掛けて…」

 

「分かった、もう分かったから……

だけどそれにしてもみんなフリマというものをもう少し考えて品物を持ってこようか?」

 

 

 

そこで苦笑いするものや逆ギレするもの、大笑いするもものや無関心なもの。

 

 

……僕が頼む人達を間違えたのか……

 

 

 

「か、会長やっぱり俺も手伝いますよ!!」

 

「それはいいよ。

品物を出してもらうように頼んだのは僕だし、せっかくの機会なんだから楽しんできて」

 

「そうですよ10代目!!

会長もそう言ってるんですから見に行きましょうよ!」

 

「見て回ってまだ残ってたら手伝うってならいいんですよね」

 

「あぁ、それで構わないよ山本君

ランボとイーピンちゃん、ちゃんと沢田君の言うことを聞くようにね」

 

「分かったもんね!!」

 

「イーピン、ちゃんと聞く!!」

 

 

 

そういって団体さんはフリマを見て回ることになったのだが、どういうことかここにはまだ一人残っている人がいた。

 

 

 

「君は行かないのかな家庭教師君」

 

「向こうも面白そうだが今日は光明に付き合うことにしたぞ」

 

「それはいいけど、退屈かもしれないよ」

 

「構わねえぞ、こういうのには慣れているからな」

 

 

 

 

こういうのとはどういうことなのか?

とは聞かない方がいいのだろう。

まぁ、邪魔させしてくれなければそれでいいのだが…

 

しかしこの売れ残った商品、誰も一目は見るが立ち止まることもなく去っていく。

当然とは当然だが…これはどうしたものか……

 

 

そんな事を考えていると、ついさっき売れた商品の持ち主が現れた。

 

 

 

「こんにちはです、黒田さん!!」

 

「黒田先輩、こんにちは」

 

「こんにちは二人とも

君達のお陰でかなり商品が減ったよ」

 

「はひっ! 本当です!!

やりましたね京子ちゃん♪」

 

「宣伝して良かったです♪」

 

 

 

そう二人にはここの宣伝を頼んでおいたのだ。

かといって知り合いの人や他のフリマのところでさりげなく売り込みを頼んだのだ。

この二人なら間違いなく他の人が食いつくなと思ったが想像以上でいま残っているもの意外は飛ぶように売れたのだ。

商店街の人は「黒田君がやってれるのもあるのよ!」と言われたが、そのせいでこうしてやらないといけないので正直いい迷惑である。

 

 

いや、フリマが嫌いというわけではない。

問題は他にあるのだ。

 

 

 

「二人ともありがとうね。

今度お礼に駅前のケーキをご馳走させてもらうよ」

 

「はひっ!!!

あの話題のシフォンケーキですか!!」

 

「一度食べてみたかったんです!!!」

 

 

 

二人とも喜びながら他のフリマを見に行くとここを後にした。

 

それでいい。

そうしないと僕が嫌がる元凶が現れるかもしれ

 

 

 

「やぁ黒田。

ここの場所代10000円払ってもらうよ」

 

 

 

来たよ。元凶が。



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フリマと生徒会長②

「雲雀君。

フリマに場所代なんて必要なのかな?

ここはあくまでも街の管轄で、街が許可してるんだから」

 

「関係ないよ。

並盛で商売するなら風紀委員が取り締まる」

 

 

 

 

知ってますか?

風紀委員は学校だけの委員会ですよ~

それを他のに使わないでください~‼

 

 

 

「相変わらず自分ルールが酷いね。

前にも言ったけど街の平和のためならこのルール(風紀委員)はいいと言ったけど行き過ぎたときは止めるって」

 

「そうだったね。

だけど僕も言ったよ。

そんなことは知ったことではないとね」

 

 

 

 

おおおおお。

喧嘩を売ってますか、売ってるんですか!?

いくら平和主義の僕でもやる時はやるよ。

じゃなきゃ裏の世界で"S"なんてしてないからね。

 

ちょっと思い知らせてやろうかと考えていると、さっきまで黙っていた、というかどこから持ってきていたのかコーヒーを飲んでいたリボーンが間に入ってきた。

 

 

 

 

「雲雀、これなら場所代として足りるか?」

 

 

 

そういってリボーンは雲雀に何かをカードのようなものを投げ渡した。

丁度僕の視線からは見えなかったが、受け取った雲雀はそれを見るなりニヤリと笑った。

おい、そういう顔をするときは大抵ろくなことではないんだけど!!!

 

 

 

「これは……本当かい?」

 

「あぁ、確かな筋からの情報だ。

いまここで暴れてもいいが今じゃねえことぐらい雲雀にも分かるだろう?」

 

 

 

その言葉にもう一度カードを見たあと、雲雀は僕の顔をじっと見る。

えっ、なに、やめて、何かを企んでる目だよそれ!!!

 

 

 

「いいよ。

その話信じてあげる」

 

 

 

何を一人で納得したのか雲雀はその場を去っていった。

場所代を払わずにすんだけど……

 

 

 

「家庭教師君」

 

「なんだ?」

 

「雲雀君に何を渡したんだい?」

 

「大したことはねぇ」

 

 

 

 

いや!!

大したことがあるから雲雀が大人しく下がったんだろ⁉

おいおい、いやな予感しかしないんだけど……

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

「よろしかったのですか」

 

「何が??」

 

「あの場所代を取ることです」

 

「構わないよ。

黒田が見えないところで多目に取ってくれればね。

それに…今日はいいものを知れたからね」

 

 

 

 

[黒田 光明と"S"に繋がり有り]

 

 

 

 

"S"は聞いたことがある。

僕が並盛を取り締まる少し前から存在した

最近は活動も減ったようだけどついこの前並盛中の生徒が"S"の特徴とそっくりなものと遭遇したと。

もちろんその生徒には制裁を与えたけど、

 

 

 

 

 

「並盛に()()は2つもいらないよ」

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

悩んでも仕方ないと諦めてフリマを続けることに。

続けることにしたのだが売れるわけねー!

 

まぁ、となりで呑気に寝ているリボーンに興味を示して奥様方が集まってくるが、品物が品物でありまったく興味をしめさないまま帰っていく。

 

 

 

「モテるんだね家庭教師君は」

 

「元の姿はもっとモテるぞ」

 

「起きていたのかい。

でも、それは一度拝見してみたいね」

 

「なら、楽しみにしておけ」

 

「それじゃ楽しみにしておくよ」

 

 

 

 

普通ではあり得ないような会話をしているのだが、二人とも違和感なく話している。

 

普通ならいつになることなんだ?

とか、赤ん坊がここまで話せるのか?

とか、色々ツッコミどころはあるが原作を知っていると普通になってしまっていて、これはこれで順応している自分が凄いなーと思う。

 

こんな話をしていると何やら騒がしくなってきた。

そしてそれはこちらに近づいているようであり、

 

 

 

「おっ、光明にリボーン」

 

「ディーノさん」

 

 

 

部下を引き連れてフリマに現れたディーノ。

いやちょっとまってくださいよ。

 

その後ろの部下の皆さんが怖くて周りのお客が離れていくよ~!!

ただでさえ売れないのに営業妨害だよーマジで!!

 

 

 

 

「おいおい、なんだよコレ?

こんなもん売れんのか?」

 

 

 

言っていることはごもっともなんだけど……

そんな事をいいながらゲーム機や他のものを手にとって帽子を取ったときに「売れんのか?」とタイミング悪く言うものだから、

 

 

 

「あっ、それいったら」

「おい、ディーノ。

それは俺の帽子もごみ屑当然だと言いてえのか?」

 

「イテテテッ!!ギブギブウウウゥゥ!!!!」

 

 

 

よく見てからモノを言うようにしておかないと。

これがよくいう反面教師的なやつなのか?

なんか違う気がするが……

自分でも思っている以上に呑気に二人のやり取りを見ていると

 

 

 

「分かった!買う!!

俺が買うから!!!」

 

「言っておくが俺の帽子は高えーぞ」

 

「買うから関節決めるをやめろって!!!」

 

 

 

 

いつになっても師弟というのは越えられないのだろう。

というかリボーンが強すぎるだけなのだが。

ということでリボーンの帽子(50万円)で売れた。というか買わされたディーノ。

 

50万円って、ポンっと出せるものかよ!!

というかフリマでどんな金額で捌いてるの!!!

 

痛めた関節を押さえながらツナを探してくると離れていくディーノの肩に乗りリボーンはポンっと何かを投げてきた。

 

 

 

「光明、それはおめぇにやる」

 

「おっと。

………えっ、この50万円を?」

 

「ここのフリマの店員は光明だからな

いつも飲んでいるコーヒー代と思って取っておけ」

 

「いや、それで50万円は高いって!!

ちょっと、待って家庭教師君!!!」

 

 

 

 

僕の制止をさっさと行きやがれとディーノを脅してこの場を去ったリボーン。

 

おい、ちょっとまってくれ!!

売れて欲しいとは言ったけどさ、こんな普通のフリマで大金持つのって超不安なんだけど!!?



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フリマと生徒会長③

ああぁー!!いやだぁー!!

こんな大金を持つなんて予想してなかったから100円ショップにあるチャックのポーチしかないよ!!

まぁ金庫とかなくてももうちょっと防犯にかけたものを用意してたよ。

 

幸いにも僕のフリマは言ってしまえば客も寄り付かないものしか置いてないからいいものの、この大金を持っていると緊張してしまう。

 

とにかく落ち着かせるためにも深呼吸をしていると「すみません。」と声をかけられたので顔を向けてみると

 

 

 

 

「君は確か…黒川君だったね」

 

「どうも」

 

 

 

黒川 花

笹川 京子の友達であり、気が強い女の子。

いつも京子と一緒にいるイメージだったが、そういえば今日はハルと一緒だったなー

 

 

 

 

「黒田先輩、これ売れるんですか?」

 

「アハハ……売れないね~

笹川妹君と三浦君の商品は売れたんだけど」

 

「あっ、それ私のもあったんですよね。

赤いポーチあったと思うんですけど、買った後になんか私に合わないなーと思って使わなかったんですけど」

 

「あぁ、あれかい。

あれは真っ先に売れたよ。

なかなかのものだったけど良かったのかい?」

 

「そんな事をいうと何か奢って貰いますよ。

最近別に欲しいポーチ見つけたんで」

 

「それは勘弁してほしいね」

 

 

 

いまなら余裕で買えるお金持っているからね。

いや、買わないけどね。

しかし、黒川 花はこんなにも喋るやつだったのか?

本編ではそこそこ話していたイメージはあったけど、異性に対してもこんなに話していたっけ?

 

あっ、大人ランボの時は積極的だったなそういえば。

 

 

 

 

「そういえば黒田先輩。

京子に手伝ってもらっていたんですよね。

ここにいないってことは他のフリマを見に行ったんですか?」

 

「そうだね。

この商品を売る…ことが出来るか分からないからね。

二人にはフリマを楽しんでもらうことにしたんだよ」

 

「へぇー

先輩って真面目だから終わるまでキッチリと、なんてイメージだったんですけどね」

 

「そこまで酷いものじゃないよ」

 

 

 

そんなにキッチリしていたイメージだったのか…

まぁ、生徒会長していたらそういう風に思われるだろうなー

それからちょっと話したあと黒川は「それじゃ京子を探しにいきますね」と律儀に行き先を言ってから離れていった。

 

まぁ売り物を提供してくれた黒川が買ってくれるとは思っていなかったが、こう人がいなくなると「これはヤバい」と痛感してしまう。

 

最終的に売れ残ったのは僕が引き取ることになるのだが……これ、どうしろうというのだ??

 

 

はぁ、と考えていると複数のチャラチャラした男達が近づいてきた。

あら~これはもしかして……

 

 

 

「なんだよここは!?

ゴミばっかりじゃねえか!!」

 

「じゃここはゴミ捨て場でいいってわけか!!」

 

「だったらほらやるぜ!!」

 

 

 

そういって飲みかけのコーヒー缶を品物に向けて投げた。缶に残っていたコーヒーが溢れてゲーム機や野球ボールが濡れてしまった。

 

 

 

「なぁなぁ、売るならこのゴミも一緒に売ってくれよ!!」

 

「売れたら金はやるよ!!

売れたらだけどなアハハハハハハ!!!!」

 

 

 

そうかい、そうかい。

………うん。ぶちギレていいよね♪

立ち上がり攻撃体勢に入ろうとしたら不良の一人が蹴り飛ばされた。

なんだと思い見上げてみると、

 

 

 

「人の売り物に何しやがるテメェら!!」

 

「これは流石に、許せねえな」

 

「ちょっと獄寺君、山本!!!」

 

 

 

自分達が預けた品物が存外に扱われたことに腹を立てているようだが、ツナはこんなことがあってもまずは仲間を思いやるところが相変わらず優しい。

 

そんな事を考えていると獄寺・山本と不良達がバチバチとにらみ合いが始まっており、ツナに関してはオロオロしており何とも情けない様子だった。

 

 

 

 

「テメェら覚悟は出来てるんだろうな‼」

 

「ぶっ潰してやるよ!!!」

 

 

 

今にでも始まりそうな喧嘩をどうしようかと考える僕。

いや獄寺や山本がやるなら任せてもいいかもしれないが、生徒会長としては見逃せないところである。

しかしさっきは自分から手を出そうとしたわけだから言い訳できないところもある。

 

などと考えているとすでに喧嘩が始まっていたと。

 

もちろんそこら辺の不良なら二人が負けるわけはなかったのだが、しかし応援を呼んだのだろうどんどん不良が集まってくる。

 

 

 

この騒ぎに周りもざわつき始めた。

ヤバい!ヤバい!!

このままだとフリマがヤバい!!

せっかくここまでやって来たのに終わらせるなんて‼

 

 

…………ああ~もう~!!

ここで出すつもりはなかったのに!!!

これはまだ後の話で出す予定だったのに!!!

 

影から、闇から、"S"を出そうと思っていたところで助け船が現れた。

 

 

 

 

「何してるんだツナ??」

 

「ディーノさん!!」

 

 

 

 

始めはなんだこの優男はと思っていた不良達だが、その後ろに控えている本場のマフィアの姿を見てどんどんこの場から逃げるように離れていった。

 

助かったことには変わりはないけど、やっぱりマフィアはマフィアなんだなーと痛感してしまう。

 

そして僕もその一人。

()()()()()入ったとはいえやっぱり「裏」というのはそういうものだと実感してしまう。

それでもこうして普通にいられるのは()()()のお陰なのか?

それともこうして今のように笑い合えているツナ達がいるお陰なのか?

 

 

 

 

「なんだったんだアイツらは?」

 

「ディーノさんが来てもらって助かりました」

 

「おぉ、そうなのか!」

 

「はい、だから早くその部下の方達を連れて帰ってください。

フリマに来ているお客様が怖がってますので♪」

 

「めっちゃ良い笑顔で酷いこと言ってるううぅ!!!」

 

 

 

 

はい!もう、終わり終わり!!

こんなところでフリマを続けられるか!!!

この50万円は迷惑代としてフリマにきた人に分配しないといけないなー



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"S"への依頼(相棒)

"S"という名が広がることになったキッカケを話そうと思う。

 

 

ボンゴレに名前だけでもと入ることになった僕はそれからもあの二人を助けるために情報を探していた。

そして実感できた、「ボンゴレ」という名を手に入れただけでかなり仕事がしやくすなった。

 

「壊し屋」と呼ばれた仕事をする必要が減ったのだ。

それだけ「ボンゴレ」という名は影響があるのだろう。

 

とはいっても年中情報を探せるわけがない。

長期休みに決まって家族が息子を置いて勝手に旅行に行くので、まぁ自由に動けるのでいいのだが親としてそれはどうなんだろうと考えることはあったなー。

 

 

とにかく長期休みでイタリアに来ていた時の話をすることにする。

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「…………………」

 

「なぁ??

どうだろうか、やってみないか?」

 

 

 

目の前に出された資料はとあるマフィアの情報。

そしてそのマフィアは最近不穏な動きを見せている。

調査をして報告してくれないかと簡単な仕事。

だけどなら何故僕に、「壊し屋」に依頼する必要があるのか?

 

そこが分からないと首を縦に振ることは出来ない。

 

ホワイトボードにスラスラと文字を書き、目の前にいる親方(後で分かったけどツナお父さん)に見せた。

 

 

 

『何故僕にこんな依頼を?

他にも適任者はいるはずだが…』

 

「そうなんだがな……

今回は俺からというか、あるやつからの頼みなんだ。

どうやらお前と一緒に仕事をみたいと言ってきてな」

 

 

 

なるほど。

それなら理由は分かる。

しかし僕と仕事をして何になるというのか……

 

 

 

『理由は分かった。

だが、僕と仕事して得るものなんてないぞ』

 

「いいじゃねぇか!!

滅多に仕事しねんだからよ、聞いてくれよ!」

 

 

 

それを言われると痛いが、僕は名前しか借りていないのだからボンゴレの仕事をやる必要はない。

だけどこの仕事で恩を売れるなら悪い条件ではないかもしれない。

 

 

 

『分かった、いいだろう』

 

「おお、そうか!!

なら早速今回"S"の相棒となるやつを紹介する!!!」

 

 

 

早速といって扉が開いて誰かが入ってくる。

待たせてるなら最初から仕事をさらせる気だったんじゃないかと思う。

まぁ、偶然だと思いその人と対面してみると、

 

 

 

「お前か、今回俺の相手は」

 

「……………」

 

 

子供だった。

正確には赤ん坊と呼ぶほどの体型である。

でも、しっかりと歩いてるしハッキリ喋ってるし、何よりも雰囲気が完全なるプロだと分かる。

額にゴーグルをしており、顔には焼け跡もあるがどうやら女の子だというのは分かった。

 

 

こんな子がマフィアに……

 

 

 

「なんだ? 何か言いたそうだが」

 

『いえ、よろしくお願いします。』

 

 

 

目付きが悪い。

というか、赤ん坊が見せるなのかあれは…

とにかく一緒に仕事をするなら自己紹介しないとね。

 

 

 

『初めまして。僕は"S"、「壊し屋」の方が分かるかな?』

 

「こっちが依頼しているのだ。

名乗らなくとも知っている。

俺はラル・ミルチだ」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「来てみれば案の定というわけか」

 

 

 

ラル・ミルチさんと共に港に来ていた。

ここは貿易が盛んな場所ではあるが前から黒い噂があった。

麻薬や人身売買、ヤバい取引がよくされる場所。

そして今回は武器の売買をしているようだ。

 

マフィアとしてはこれがあるべき姿なのかもしれない。

それでも敵対するものに対して()()()()()ものにはそれなりの処置をするしかない。

 

船に乗っているコンテナが下ろされているがそれら全部が武器だとするなら、

 

 

 

「なるほどな。

これは流石に目に余る光景だな」

 

『どうしますか?』

 

 

暗闇なので携帯を扱っているが極力光が出ないように画面の明るさを押さえてラルに見せた。

 

 

 

「私としては貴様の実力を見たいところだが、状況が状況だ。

無理だというなら私が行く」

 

『行きますよ。

その為に呼ばれたんですから』

 

 

 

まあ、()()()()()なら問題だろう。

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

あの男は一体何者なんだ?

それが第一印象だった。

 

私は呪いで体が縮んだが年齢はすでに大人だが、あの男はまだ小学生というのにあんなに平然としているのか?

小さい頃から仕込まれたというなら雰囲気で分かるが、あれはごく一般な人間なはずだ。

 

なのにこういう現場に来ても怖じけずに平然としているアイツは一体……

 

 

双眼鏡で"S"の様子を見ながら周りの状況を把握していると、警備している男が"S"に近づいている。

 

さて、どう対応するかお手並み拝見だ。



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"S"への依頼(仕事ぶり)

「さて、どうしようかな~」

 

 

 

ラルさんから離れて現場に近づいてきたのはいいのだが、何をしようかまだ決まっていなかった。

間違いなく武器の売買を押さえれば事は足りるだろう。

しかし出来るならここにいるマフィア全員を捕まえたい。

 

しかし一人の力では出来ないことは分かっている。

ここはラルさんの力を借りるべきなのだろうが、まずは僕の力を見せる必要がある。

 

ならいま降ろされているコンテナを押さえてみよう。

それも誰にも気づかずに押さえればいいだろう。

 

 

ということで、フードを更に深く被って積み立てられているコンテナが並ぶなかを歩いていると何処からか足音が聞こえてきた。

 

ならまずは……

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「そちら異常はないか?」

 

『異常なし』

 

『こちらも異常なし』

 

『異常な………』

 

 

 

コンテナを動かす操作室から無線を入れる男

しかし突然定期連絡が途切れた。

つまり何者かが侵入してきたことになる。

 

 

 

 

「誰かが侵入していた!!

警戒しろ!!」

 

 

 

 

しかし、さっきまで連絡していた者から返事がない。

まさか大きな組織が乗り込んできたのか?

そう感じ取った男はすぐさま撤退を図ろうとするが

 

 

 

 

「ダメですよ。

仕事から抜け出そうなんて。

それもこんな悪いことをして逃げられるとでも思っているんですか?」

 

「なっ!!!??」

 

 

 

突然目の前に男が現れた。

背の小さい、いや、子供だろう。

それがなんだ、なぜこんなところにいる?

そしてどうしてこんなに近づくまできづかなかったんだ?

 

 

 

「さて、まずはあのコンテナを下ろして中身を確認させてもいます。

そのあとそれが悪いことでしたら…」

 

「生意気言ってんじゃねえクソガキが!!!」

 

 

 

懐から取り出した拳銃をガキに向けたのだがそこには誰もいなかった。

そして次の瞬間には後頭部から衝撃がきて意識が…

 

 

 

 

「…くそが……」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

『すみません。

出来るだけ情報を聞き出そうとしたんですが…』

 

「……いや、こいつを押さえただけでも十分だ」

 

 

 

 

ラルの携帯に連絡をして操作室に来てもらった。

コンテナを操作するのは出来ないため来てもらうという理由もあったが気になることもあった。

 

 

 

 

『見張りの人数が少ない気がします。

コンテナにある武器も取引の一つだと考えるべきかとおもいまして』

 

「それはあり得る。

……"S"、貴様が取引するとして何をする?」

 

『見張りが割かれているのは別のことに必要ということです。

そして最近怪しい動きをしていて、武器の売買……』

 

 

 

 

もしかしてと思い"S"は男のポケットから携帯を取り出して何かを確認し始めた。

その様子を見ているラルは、

 

 

 

 

(さっきの動き……闇に紛れて分からなかった。

しかしまだまだ実力を隠していると見える……

……なら……)

 

『恐らく直接取引をしている。

それも現物を確認しないといけないほどヤバイものだと思います』

 

「同意だ。

その取引を阻止する。

さっきと同じように私が援護に回る。

"S"はその取引をぶち壊し主犯をぶっ潰せ」

 

 

 

 

これからが本番である。



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"S"への依頼(戦闘)

倉庫の暗闇の中

そこには車のヘッドライトによって照らされた複数の人間がいた。

その人間達は2つに分かれており、どちらとも黒のスーツを纏い誰もが厳つい表情をしている。

 

片方のグループはアタッシュケースが何十個あり、片方のグループにはバックで止められているトラックがあった。

 

 

そして各グループの先頭にはそれぞれのボスが向かいあい話し合っていた。

 

 

 

 

「コレに似合うもの、ちゃんと持ってきたんだろうな」

 

「そちらこそ、偽物掴ませることをしてみろ。

こちらの勢力を全てをぶつけて痛い目に遭わせるからな」

 

 

 

互いが互いに牽制しあっている。

それはそうだ。

マフィアなのだ、正攻法で話が進む方が怪しいと思う方が正しい世界。

こうしてキチンとお目当てのものがあったとしても、それがこれからも同じとは限らない。

そしてこの取引の向こうにヤバいもの、自分達に不利益になることだってある。

 

 

なのでどうしてもいきなり信じろというほうが無理なのだ。

 

 

それでも信用というものは必要となる。

だから探りをいれて確証を得て時間をかけて相手を信用してみる。

そうやって取引を行っていく。

もちろん取引=仲間とは違うが、それでも信用に足りるものなら利用するだけのことなのだ。

 

 

 

 

「まぁいい。

同時に見せ合って確認する。

いつも通りでいいな??」

 

「あぁ、おい準備しろ」

 

 

 

すると互いの組織からそのブツの専門家が前に出てきて、取引をするブツを確認するためにボスと護衛が共に敵本陣へと歩いていく。

 

それぞれがブツの前に立ち同時に確認を始める。

 

 

 

 

「……ほう、こいつが……」

 

「偽物…ってわけじゃなさそうだな」

 

 

 

 

偽物だと発言したボスはアタッシュケースの中から片手で掬えるだけのダイアモンドを取った。

それを鑑定家に見せて判断を仰ぐと「間違いありません」と返答が帰って来た。

残りのアタッシュケースも確認するようにと指示をだし、その場所から自分のトラックの方へ目をやる。

 

そこにはトラックの荷台から中型犬が何匹もいた。

いや、性格には()ではない。

 

 

体全体は金属で出来ており、背中には物騒な重火器がセットされている。

 

 

 

 

「D・628。

間違いなく生物科学兵器です」

 

「ご注文通りに熱感知器と自動追尾をつけている。

そして、ステルス機能も付けておいた。」

 

 

 

 

それを聞いたボスは微笑む。

このD・628は偵察犬として使うのだが、ただの犬ではなくこの一匹で相手の中枢を攻撃できる。

このステルス機能は周りの景色と同化することが出来る。

つまりは気づかれずに敵を壊滅に陥れることが出来る品物だ。

 

 

 

 

「これが制御装置だ」

 

「あぁ、いい取引が出来て良かったよ」

 

 

 

その制御装置が渡される瞬間、何処からか発砲音が聞こえたのと共にボスが持っていた制御装置が破壊された。

 

そしてその直後に今度は車のヘッドライトが破壊されていく。

すぐさま二つのマフィアは応戦するが何も出来ずに全てのヘッドライトが壊された。

 

 

暗闇の中、ボスの周りの部下が集まる。

そして残りの部下が周りを捜索しようとするが

 

 

 

 

「うわああああぁぁぁ!!」

 

「な、なんだ!!がああぁ!!」

 

「くそ!!くそ!!!」

 

 

 

 

暗闇で何が起きているのか見えないが間違いなく部下が次から次へと倒されていくのが分かる。

このまま何も出来ずに終わるわけがなく、1人の部下が電源を入れたのだろう、倉庫のライトがつき全体が光で露になった。

 

 

 

 

「なっ!!?」

 

「これは!!?」

 

 

 

二人のボスが目の当たりにしたのは自分達以外の部下が全て地に伏せていた光景だった。

そしていま、倉庫のライトをつけて戻ってきた部下があるものに倒された。

 

その者は見るからに子供であり、しかし明らかにこちら側の人間だと思わせる雰囲気を出していた。

 

 

 

 

「なんだ貴様は!!?」

 

「初めまして。

"S"というものなんですけど、分からないですよね。

なので「壊し屋」と言った方が分かると思いますが」

 

「テメェみたいなガキがあの壊し屋だと!!?」

 

 

 

 

「壊し屋」

ここ一年で急激に名前を上げた人物。

誰1人殺すことなく、しかし殺さなければという制約なのか酷いものは生きる気力もなくすほど()()()()()()と聞く。

 

そんな奴がいま目の前にいる。

そしてそんな奴があんなガキなんて……

 

 

 

 

「ふ、ふざけんなー!!」

 

 

 

 

懐に隠し持っていた拳銃を取りだし発砲する。

しかしその銃弾を最小限の動きで避ける"S"

それを見たボス二人は恐怖のあまり無闇に銃弾を放つ。

 

しかし一向に当たらない。

当たらないどころかどんどん近づいてくる。

 

 

 

 

「くそがぁ!!!」

 

「やれぇぇぇ!!

D・628!!!!」

 

 

 

どうやら声認証を仕込んでいたのだろう。

ボスの声で起動したD・268は10体

すぐに"S"の周りを囲み銃口を向ける

 

 

 

「殺せえええぇぇ!!!」

 

 

 

放たれようとした瞬間、静寂が広がった。

何が起きたのかと感じた時には全てが終わっていた。

D・268が次から次へと、まるで紙をハサミで切られたように真っ二つにされていた。

 

 

 

 

「なっ!!!?」

 

「こういう時色々教えてもらって良かったと思いますね」

 

 

 

"S"が持っていたのは鉄パイプ。

そう、それで切ったのだ。

D・268がその鉄パイプで切られた。

ただの鉄パイプで、切れるものではないのにだ。

 

 

 

 

「あ、ありえねぇ……」

 

「ありえない?

目の前に起きていることから逃げない方がいいですよ。

と、言っている暇はないですね」

 

「な、なにを、がっぁ!!!」

 

「おい、ぐっぁ!!!」

 

 

 

ボス二人の後ろにいつの間にかラルが来ており手刀で気絶させたのだが、何故かこちらを睨んでいる。

 

 

 

 

「ど、どうしましたか?」

 

「何故さっさと止めをささなかった?

この仕事に油断は死を招くぞ」

 

「す、すみません……」

 

「お前は強い。

だが心がまだまだ子供だ。

甘さを捨てろ、この世界でやっていくならな」

 

 

 

 

そういってラルはさっさとこの場から去っていった。

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

「これが今回の報告書だ」

 

「おう。

で、どうだった"S"との仕事は?」

 

 

 

 

ラルは親方に報告書を持ってきたところだったのだが、何かを見透かされるかのように親方がニヤニヤと話しかけてくる。

 

 

 

 

「アイツの実力知っていたというわけか」

 

「まぁな。

一応アイツの仕事の管理をしてるからな」

 

「……なんだアイツは?

まだ実力を隠してあるだろうが、おそらく俺よりも上だぞ」

 

「ほう、ラルに言わせるほどかぁ~

……あれは天才だよ、それも間違いなく殺しのな」

 

「だが、まだ人を殺ったことないのだろう?」

 

「だからだろう。

たった一人で誰1人殺さずに仕事を終えるのは至難の技だ

それをやってのける、大したものだよ」

 

 

 

 

この一件から"S"の名は広がっていった。

とはいってもマフィアのごく一部だけだった。

しかしその名前が出れば一気に警戒レベルが引き上がるほどのになった。






ふむー。
やはり戦闘を書くのは苦手だ。
それにまだ思いっきりやってないからな。
早く更新して暴れさせたいな!!


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来日

いつもと変わらない日常。

そんな毎日の中で僕は『リボーン』の関係者達と積極的に接触している。

もちろんストーリーを悪い方へ変えないようにと注意を払ってやっているつもりである。

 

僕の目標は完璧なハッピーエンド。

そんなものは理想に過ぎないと言われるかもしれないが、原作知識を持っているものとして僕は行動したいと思っている。

 

持っているからと言って下手に弄ってしまって大変なことになる可能性もあるけど、僕は何もしないよりはいいと考えている。

 

だから僕が原作知識を手にしたときこう思った。

 

 

 

ユニとアリアさんを助ける?

グッチョブ!!!と。

 

 

 

原作で心残りがあるならここだろう。

もちろん炎真のお父さんを助けたり、他にも助けられる人はいるかもだけど思い出した時期が時期でどうしようも出来ない。

 

だからなるべくストーリーで出会うまでは接触せずに回避出来るところを回避する。

 

 

でもアリアさんは思い出す前に接触して助けると誓った。

だから………

 

 

と、ちょっと感情的になってしまった。

言い訳させてもらえるならこれには理由がある。

 

いつも通りに授業を終えて生徒会室に向かった。

本当にいつも通りツナがリボーンに指導されて、山本が笑い獄寺がキレる。

そんな様子を京子が微笑みながら見ていて、花が呆れ顔になり、そんな群れている所に雲雀がくる。

 

なんてとこのない、平和な日常だった。

なのに生徒会室に近づくとなんか騒がし音がして扉を開けるとそこには現実から目を背けたくなる光景が広がっていたということである。

 

 

長くなったけど要は現実逃避をしてました。

だって目の前に映るのは

 

 

 

 

「ヴオォォォォォイイイイィ!!!

なにしてやがったあああああぁぁぁ!!!!」

 

「………なんでいるんですか………」

 

 

 

原作ではまだまだ後に並盛に来るはずのスクアーロさんがいるんだ?

貴方はまだここに来たらいけないのに!!

ツナやリボーンに出会ったらどうするんだよ!!!

 

まぁ、今日はツナの宿題を見るからと言っていたから帰っているはずだろうけど……

 

というか……

 

 

 

「なんでここにいるんですかスクアーロさん?」

 

「てめえを探していたからに決まってるだろうが

まさか、こんな平凡な学校の生徒会長になっていやがったとはな」

 

「探していた?僕をですか?」

 

「あぁ、だがそれは後回しでいい。

それよりてめえには付き合ってもらうことがあるからな」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「で、なんで商店街なんですか?」

 

「ボスがウルセェんだよ。

和菓子を買ってこいって駄々を捏ねたんだ」

 

「………意外です。

和食とかには興味なさそうでした」

 

「てめえが日本人だと分かってから素性を調べているうちに食い物に興味を持ったんだとよ」

 

 

 

 

糞が!!と悪態をついているがそれでもXANXUSの為に和菓子を買っていくなんて……

 

 

 

 

「でも商店街でいいんですか?

和菓子でも高級じゃないと五月蝿いんじゃないんですか?」

 

「てめえも大概言うな……

……そんなことはてめえがボスに聞け」

 

「嫌ですよ、無理ですよ、会いたくありません」

 

「本当にいい性格になりやがったなクソがぁ……」

 

 

 

 

そんなやり取りをしながら黒田とスクアーロは和菓子屋に着き、そこで水羊羹と大福を買ったのだがスクアーロの威圧的な表情にビビった店員さんを宥めるのにしばらく時間が必要だった。

 

 

 

「スクアーロさん。

和菓子を買ったのはいいですけど賞味期限今日までですよ。

イタリアに帰ったら切れてますけどいいですか?」

 

「問題ねぇ。

ボスは空港にいるからな」

 

「………なんで日本にいるんですか?」

 

「初めに言ったが俺はてめえを探してた」

 

 

 

 

真剣な目でスクアーロさんは僕を見てくる。

いや、ちょっと待て。

これはとてつもなく嫌な予感が………

 

 

 

「ヴァリアーに入れ」

 

「いやです」

 

 

 

やっぱりか!!!

 

 

 

「ヴオォォォォォイイイイィ!!!

即答過ぎるぞてめえ!!!!!」

 

 

 

そしてキレるのが早すぎる!!

 

 

 

「前にも言いましたけど入るつもりはありませんよ

まぁ多少の、一ミリ程度の感謝を返すのは吝かではありませんけど」

 

「殺すぞてめえ……!!」

 

 

 

そんなに血管を浮き出させて、あんまり怒るのも体に悪いですよ。

 

 

 

「………なら、一つだけ聞かせろ」

 

「何をですか?」

 

「………てめえが"S"か?」

 

「………………」

 

 

 

まさか言い当てられるなんて……

まぁ、剣技を教えてくれたのはスクアーロさんで、いろんな戦闘のノウハウはヴァリアーの皆さんだったからなー

 

それならもう一度僕をヴァリアーに引き入れたい気持ちは分からなくはないけど……

 

 

 

 

「さっきも言った通りです。

出来ることなら、多少は恩を返すつもりです」

 

「……いまはそれでいいだろう」

 

「いまも何も変わりませんよ?」

 

「ハッ!!!

散々嫌がっていた訓練を黙々やり始めた奴の言うことは当てにならねえな」

 

 

 

 

それを言われたら痛いですね。

とにかくヴァリアーに入るつもりはない。

感謝の気持ちはあっても『人を殺める』ことを僕はしたくない。

 

それで僕がピンチに陥ることになってもだ。

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

「やっと帰ってきたぜ」

 

「あら~??

"S"ちゃん、一緒じゃないの?」

 

「ウルセェ!!

……ボスの()()()()()

 

 

 

空港に戻ってきたスクアーロは買ってきた和菓子をXANXUSに渡す。

全く表情を変えないまま和菓子を手にしたXANXUSはそのまま飛行機に乗り込もうと歩き出した。

 

 

 

「いいんですかボス?」

 

「……釘は打った。

その釘が刺そうするなら、かっ消すだけだ」



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黒曜編
始まりの出来事


「学校の生徒が、やられている?」

 

「そうだぞ。

早速雲雀が遠征に行っているみたいだな」

 

 

 

相変わらずの放課後。

しかし今日はちょっと違った。

どうやらリボーンの情報からだと黒曜中学校の生徒からやられたようである。

 

つまり……骸が動き出した。

さて、どうしようかなー

この物語は、いや、この物語から下手に弄くるとツナや皆が成長しない。

 

だからといって見過ごすほど人が出来ていないので当然のように介入します。

 

 

でも骸と戦うのはやめた方がいいのなら千種や犬のどちらかになるのかなー

 

あっ、ランチアとはやってみたいかも。

あの人とは拳でぶつかれば分かりあえる!!!

なんて、漫画のようにいかないんだろうけどツナの負担を減らせることは出来るかな?

 

 

 

「どうした光明?」

 

「考え事だよ家庭教師君。

雲雀君をこのままやらせていいものかとね」

 

「平和主義のお前のいいそうなことだな」

 

「僕平和主義なのかい?」

 

「自覚ねえのか?

なんだかんだいってツナ達を守ってるじゃねえか」

 

 

 

おぉー。

マジか、バレている。とは言わないけどリボーンに言われるとは驚きだな。

それだけ信用してもらっていると考えていいのかな?

 

 

 

「ちなみにやられたやつらの歯が抜かれているぞ」

 

「それ、ちなみにということで済ませられないよ」

 

「そういうところが平和主義だっていうんだぞ。

どいつもこいつも気にしてたら身が持たなくなるぞ」

 

「ご忠告どうも。

それより見舞いにいくべきだね。

生徒会長として動かないといけなくなるかも……」

 

「そいつは楽しみだな」

 

 

 

ニヤッと笑うリボーン。

………ここは不謹慎といっていいんだよね?

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「極限にボクシング部に入れ公明!!!!」

 

「病院では静かにしてください」

 

 

 

そうだった……

この病院には笹川がいたんだった……

 

いつの間にかリボーンはいなくなって一人で生徒の様子を見ていたら笹川がいるんだもんなー

 

でも歯を見てハッキリと思い出した。

 

 

これフゥ太のランキングによるもの。

それも並盛中学校のケンカランキングだったはず。

 

 

……あぁ、これ間違いなく僕もターゲットだよな。

ということは何もしなくても千種か犬が襲いにくるか……

 

 

まぁ、どうにかなるかな?

 

 

 

「お兄ちゃん!!!」

 

「おぉ!!京子!!

それに沢田も来てくれたのか」

 

「は、はい」

 

 

 

すでに何かに怯えている様子のツナ。

もしかしたらリボーンがツナに今回のことを話したのかもしれない。

 

 

 

「どうして関取と相撲したの!!」

 

(なんで相撲なんだよ!!!

ってか、信じたんだねその話し!!!)

 

「む、無性に相撲がしたくなったのだ!!」

 

「ボクシング一筋なのに?」

 

「た、たまにはある!!!」

 

(あるか!!!

どんなときでもボクシングしか考えない奴が相撲をやりたがるか!!!)

 

「………そうか、よかった……」

 

(納得したッ!!?)

 

 

 

同じようにツナも心でツッコミをいれているようで表情がガーンとなっている。

 

分かるぞツナ。

一体なにかツッコミを入れたらいいのか分からなくなるよなー

 

 

 

「いい機会です。

笹川君は少し体を休めるべきだと思ってましたから、しばらくじっとして怪我を治してください」

 

「そうだよお兄ちゃん。

いつも無理ばかりするんだから」

 

「ふ、ふむ…分かった……」

 

 

 

妹の言葉にたじたじしている笹川。

これはいい薬になったかな。

 

 

 

「それじゃ安静にしていてくださいね」

 

 

 

そう言い残して公明は病室から出た。

そのタイミングでツナに遭遇、どうやらツナもお見舞いにきたようだ。

 

 

 

 

「会長!!」

 

「沢田君もお見舞いかい?」

 

「は、はい」

 

「今は物騒だからね、()()()()()()()()()()()()()

 

「……は、はい……」

 

 

 

遠回しに危険が迫ってきていると警告をしておいたから、心の準備位は出来るだろう。

ツナの肩に乗っているリボーンは何やら掴んだようでこちらに向かってニヤリと微笑んだ。

 

あぁー聞かないからね。

それを聞いたら巻き込まれる、まぁ巻き込まれにいくけど、それが自分の意思ではないのは不本意である。

 

ということでさっさとその場から離れた僕だった。

 

 

 

…………………………

 

 

 

「ええぇー!!!??

並盛中ケンカの強さランキング順に狙われてるー!!!」

 

「そうだぞ。

そして今回は了平が狙われた。

証拠に歯が抜かれているからな」

 

「そ、そんな……

でもそれってまだ終わってないんじゃ!!」

 

「あぁ、どうやってランキングを手に入れたかは知らねぇがまだ終わりじゃねえ。

恐らく次は獄寺だ」

 

「そ、そんな……

獄寺君に連絡しないと!!」

 

 

 

すぐに携帯を取り出して連絡を取るツナ。

そんな様子を見ながらリボーンはついさっき帰っていった公明の事を考えていた。

 

 

 

(光明はランキングの……1位か。

了平が5位だとしたら、獄寺、山本の順番に狙われて雲雀と光明も狙われるはずだ。

………しかし、あの目はすでに知っている感じだった。

俺が雲雀が暴れている事を話した時からだ。

 

……この事件、光明が絡んでいるのか……)

 

 

 

証拠などない。

ただ知らない時に見せる目ではなく、何かを知りそれを目の辺りにした目。

これはリボーンの勘であるが、それを拭いさるほど公明を信用しているわけではない。

 

 

 

(こいつは…今回のことで色々分かるかもしれねぇな……)

 

 

 

あのとき、光明からのプレッシャーを今も覚えている。

世界最強の殺し屋である自分が()()()()()()()()()()()()()()相手。

敵意はなくとも、その強さにリボーン自ら引いたほどの強者。

 

光明を調べるとしたらボンゴレそのものが無くなる覚悟でやらないといけないほどに……

 

それが今回の事件で何か分かるかもしれない。

例え僅かな手がかりも見過ごさないようにと心に決めていると

 

 

 

 

「繋がらないよリボーン!!」

 

「探すぞ、獄寺が行きそうな所をな」



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千種VS獄寺

ボゴオッ!!!!

 

おおっ、もう始まったのか千種VS獄寺

気づかれないように商店街の屋上から二人を観察させてもらうことにした。

 

 

 

「黒曜中だ……?

すっとぼけてんじゃねーぞ。

てめーどこのファミリーのもんだ」

 

「やっと……当たりがでた」

 

「ああ?」

 

「お前にはファミリーの構成、ボスの正体

洗いざらい吐いてもらう」

 

「なに!?」

 

 

 

千種はヨーヨーを操り、先から無数の針を飛ばして獄寺を狙う。

バックステップで避ける獄寺は、すぐさま反撃に出ようとダイナマイトに火をつけて千種に向けて投げた。

 

 

 

 

「2倍ボムッ!!」

 

 

 

 

しかし千種の両手のヨーヨーが導火線を切り落とし、そのまま獄寺の両側から針を飛ばしたきた。

しかしそこで獄寺は脇から小さなボムを取り出して爆発させた。

それにより爆風で吹き飛ばさせた獄寺の体は針に刺さることはなかった。

そのまま勢いを乗せて千種に拳をお見舞いしようとしたが簡単に避けられた。

 

しかしまだ獄寺は諦めない。

 

 

 

「まだだぜ!!

2倍ボムッ!!!」

 

「芸のないやつ……」

 

 

 

ため息をつきながら千種はヨーヨーを飛ばして導火線を切ろうとした。

しかしどういう訳か視界にとらえた筈の導火線が切れずに目の前に向かっていた。

 

 

 

「ッ!?」

 

 

ドガァン!!!

 

 

 

千種にダメージを与えた。

遠近法によるボムの使い分け。

すでに飛ばしていたチビボムと通常ボムにより錯覚が起きたために攻撃を喰らったのだ。

 

 

 

「ボンゴレなめんじゃねー、果てな」

 

 

 

その言葉通りに千種の頭上にはたくさんのダイナマイトが落ちてきていた。

 

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

「獄寺君!!」

 

「10代目!!!」

 

「良かったー無事だったんだね」

 

「心配してくださったのですか!!?

でもご安心を、たった今倒したので!!」

 

 

 

確かに倒したけどこの余裕が悪い結果を生む。

さてどうしようかなー?

どうせ関わらないといけないのは間違いないけど、ガッツリというのもなー

 

 

あっ、どうせなら()()で行こうかな?

 

 

 

するとツナが情けない悲鳴を出しているので見てみるとボロボロになった千種が立ち上がり二人に迫っているところだった。

 

おいおい、迷っている暇はないかな?

 

 

 

 

「10代目気を付けてください!

奴の武器はヨーヨーです!!」

 

「そんなこと言われても…怖くて……動けないよ…」

 

「なっ!?」

 

 

 

 

千種はヨーヨーを飛ばし、ツナは反射的に目を瞑ってしまった。

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「ヒイッ!!!」

 

 

 

思わず目を瞑ってしまった。

そして次はザシュッと何かに突き刺さった音がした。

しかし俺の体には何も痛みはない。

 

そぅーと目を開けると目の前には

 

 

 

「ご、獄寺君!!?」

 

 

 

そ、そんな……

俺が逃げなかったから獄寺君が……

 

 

 

 

「な、なんだ…こいつは……」

 

 

 

だけどそんな獄寺君も何かに驚いていた。

前に回ると獄寺君の前に真っ黒なパーカーで真っ黒なズボンを履いている。

全身真っ黒な者はフードを被り顔はまったく見えない。

 

何処から現れたのか…全く分からなかった……

 

 

 

 

「……邪魔だ」

 

 

 

また千種って人がヨーヨーを飛ばしてきた。

すると黒いフードの人は動かずに、足元にあったうちわを拾い上げて飛んで来る針の方に向けた。

 

うちわを針が当たる瞬間に何本かの針の軌道を僅かにずらした。

するとそのずらされた針が他の針にぶつかり地に落ちる。

同じように他の針にもうちわで軌道を僅かにずらして針を落とした。

 

それを行うまでたった一秒も経っていない。

見えていたのは飛ばした千種と獄寺ぐらいだろう。

 

 

 

 

「あ、ありえねぇ……」

 

「……何者なんだい……」

 

 

 

 

すると携帯を取り出して何かを打ち始めた。

そして打ち終わるのと同時にツナの携帯が鳴り響いた。

 

 

 

 

「えっ、えぇ!?

なんで俺のポケットに携帯が入ってるのー!?」

 

 

 

とりあえず誰のかと確認するために携帯を開くとそこにはメールが来ており、それを恐る恐る開くと

 

 

 

 

『俺の名は"S"(シャドウ)だ』

 

「しゃ、シャドウ?」

 

 

「ッ!!?」

「ッ!!?」

 

 

 

その言葉に獄寺、千種が反応を見せた。

それに気づかずにツナは書かれたことを読み上げる。

 

 

 

 

『沢田綱吉、悪いが俺の代わりに通訳を頼む』

 

「って、俺が!!?」

 

『拒否はしない方がいいぞ。

いまこの場を無事に抜けたいならな』

 

「えっ、この人……味方なの……??」

 

 

 

 

すると千種がまた攻撃を仕掛けてくる。

だが今度はヨーヨーがツナ達に近づく前に、"S"が投げた何かがヨーヨーの糸を切り落とした。

 

ヨーヨーの糸を切り落とした物は商店街の店の壁に突き刺さっており、

 

 

 

 

「ええぇー!!?

トランプで糸を斬ったのーー!!!?」

 

 

 

攻撃手段を失った千種に向かって瞬間的に移動した"S"は腹に一発拳をお見舞いした。

まともに喰らった千種の体は吹き飛び、ゴミ捨て場に突っ込み気絶した。

 

 

 

 

「……す、スゴい……」

 

「……こいつは……」

 

 

 

 

ツナが話しかけようと一歩踏み出した瞬間に、まるでそこにいたことを疑うかのように突然姿を消した。

 

 

 

 

「き、消えたあぁ!!」

 

 

 

さっきまで立っていた場所に走り周りを見渡すが何もない。

一体何が起きたのかと迷っていると山本とリボーンが駆けつけてきた。

 

 

 

 

「なんだこいつは?」

 

「おいツナ、何があったか作文10枚以上にまとめて書いてこい」

 

「なことしてる場合じゃないだろう!!!」

 

 

 

 

そんな様子を屋上から眺める"S"

いやその隣にいる光明の分身である"S"は光明の影に消えた。

 

 

 

 

「あそこで毒をもらうと後が大変だからな

さて、次は……」



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準備

「二週間前に大罪を犯した凶悪なマフィアばかりを収容している監獄で、脱獄事件が起きたんだ」

 

 

 

あれから獄寺君と山本を部屋に呼んで今回の出来事について話した。

そしてリボーンからまさかのマフィア関係の話になるなんて……

 

 

 

「ちょっ、ちょっと待ってよリボーン!!?

さっきの人がマフィアの一人だって言うのか!!」

 

「そうじゃなきゃ、了平があそこまでやられねぇぞ」

 

「そ、それは……」

 

「ちなみにあと二人いるからな」

 

「あんなおっかない人があと二人も!!!」

 

 

 

イヤだ!!

本当に関わりたくない!!!

あんな危ない目にあったのにこれ以上関わりたくない!!!

 

 

 

 

「大丈夫っすよ10代目!!

さっきのやつみたいにぶっ倒してやりますよ!!」

 

(なんでやる気出してるの獄寺君!!!)

 

「俺もいくぜ。

学校対抗マフィアごっこなんて面白そうだな!!」

 

(遊びだと思っているの山本!!!)

 

 

 

 

まずい!!このままだとマフィアのことに関わってしまう!!

 

 

 

「お、俺は宿題をやらないといけないから、い、いけないな~」

 

「心配するなツナ。

帰ってきたらネッチョリとしごいてやる」

 

「行くの決定かよ!!

ってか、ネッチョリはイヤだ!!!」

 

「文句ばっかり言ってるが、イヤでもやらねぇーといけねぇんだぞ」

 

「はぁ!?」

 

 

 

するとリボーンが懐から手紙を取り出した。

 

 

 

 

「初めてお前宛に九代目から手紙がきたぞ」

 

「な━━━!

九代目だって!!」

 

「九代目からですか!!?」

 

「読むぞ」

 

 

 

 

『親愛なるボンゴレ10代目。

君の成長ぶりはそこにいる家庭教師からきいているよ。

さて、君も歴代ボスがしてきたように次のステップを踏み出すときがきたようだ。

 

君にボンゴレの最高責任者として指令を言い渡す。

 

12時間以内に六道骸以下脱獄囚を捕獲、そして捕らえられた人質を救出せよ。

 

幸運を祈る、九代目』

 

 

 

 

 

「ちょっ、何だよこれ━━━!!」

 

「追伸、成功した暁にはトマト100年分を送ろう」

 

「いらねーよ!!」

 

「ちなみに断った場合は裏切りとみなし、ぶっ殺……」

「わ━━━っ、わ━━━っ!!

きこえない、きこえない━━━━!!!!!」

 

 

 

そんなの絶対に関わりたくない!!!!

 

 

 

「き、九代目からの直接の指令……頑張ってぶっ殺しましょう10代目!!!!」

 

「なんでさらにやる気になってるの!!?」

 

「本格的だなー

でもトマト100年分ってどれくらいなんだろうな?」

 

「気にするところそこなの━!!?」

 

 

 

だ、ダメだ……二人ともやる気になってる……

 

 

 

 

「そ、そうだ!!

さっきの人に頼めばいいんだ!!!」

 

「なんだ、さっきの人って??」

 

「山本とリボーンは見てないけど、獄寺君がやられそうになった時に突然現れた全身真っ黒な人なんだけど……確か"S"って言ってた」

 

 

 

 

すると普段は狼狽えないリボーンが表情を変えた。

それは僅かで、獄寺君も山本も気づいていないみたいだけど……

 

 

 

「なんか知っているのリボーン?

そういえば獄寺君も知っているみたいだったけど……」

 

「マフィアの世界では有名な"壊し屋"です」

 

「こ、壊し屋!!?」

 

「現れたら最後、肉体的にも精神的にも壊していき、二度と元に戻ることのない()()()()()()

 

「ひひぃー!!!

そんなおっかない人だったの!!!」

 

 

 

で、でも、その人なら脱獄囚を簡単に捕まえられるんじゃ……

 

 

 

 

「言っておくが"S"の手助けは期待するなよ」

 

「な、なんでだよ!!?」

 

「"S"はボンゴレファミリアとは少し外れていてな。

自由気のまま、というよりもまるで光のように当たり前に傍にいるが、影のようにどこまでも傍にいるのに捕らえられない。

 

要は、連絡のしようがない」

 

 

「そ、そんなー!!!」

 

 

 

そこでポケットに入っていた携帯を思い出した。

 

 

 

「そ、そうだ!!

携帯、携帯から"S"に連絡をいれればいいじゃ!!」

 

「無駄だぞ。

その携帯は半径二メートルに対象の携帯がないと通じねえ、ボンゴレ最新式の携帯なんだぞ」

 

「絶対にそれ悪くなっているよー!!!!!」

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

そのあと準備をするためだということで解散することになったけど、

 

 

 

 

「本当に連絡手段ないのかよリボーン」

 

「やたら聞いてくるな。

"S"は必要以上に仕事をしねえからな、定期的にボンゴレのアジトにきて仕事を受けるだけだ。

 

まぁ、手段ないことはないが……」

 

 

「本当か!!?」

 

「だが、それを教えるほど俺は甘くはねえ。

こいつは最終手段だ、それに確実にくるとは限らねぇからな」

 

「そ、そんな……」

 

 

 

本当に今から行くのかよ……

平和な日常が…いや、リボーンが来てから大変なことばかりだよな……

 

 

 

「それと俺は参加出来ねぇからな」

 

「は、はぁ!!!?」

 

「これはツナに直接の指令だからな。

俺は死ぬ気弾を打つ以外は参加出来ねぇ掟なんだ」

 

「最悪の掟だなー!!!!」

 

 

 

リボーンがいればなんとかなると思ってたのに!!

リボーンも"S"もいない状態で本当大丈夫なのか!!

 

 

 

「うん?

そういえば獄寺君が言っていた"反殺し屋"ってなんなんだ?」

 

「そのままの意味だ。

殺しをやらねえ、だから"反"殺し屋」

 

「それって……殺し屋なのか?」

 

「言っておくが今まで誰一人殺さずに敵を全滅するなんて生半可なものじゃ出来ねぇ。

ある意味殺すよりも難しいことをしているわけだ」

 

「それって……リボーンよりも強いのか?」

 

「………さぁ、な。

俺に言わせれば殺すことも出来ねぇへなちょこに負ける気はしねぇがな」

 

 

 

 

それでも()()()とは言わなかった。

あのリボーンが、あやふやに終わらせるなんて…

……"S"って、一体何者なんだろう……

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

 

「いよいよだな!!

茶と寿司、差し入れな」

 

(行楽気分だ━━━━!!)

 

 

 

準備をするとはいっていたけど、まだマフィアごっこだと思っているの!?

 

 

 

「ケンカを売っているの、山本 武。

私の弁当へのケチかしら」

 

「え…じゃあ両方どーすか?」

 

(なんか張り合ってる━━!!)

 

 

 

 

いま戦力として少しでも欲しかったから、断れ覚悟でビアンキに話したけど「リボーンがいくなら行くわ」と意外と簡単に説得できた。

 

リボーンも特に何も言わなかったから問題ないのだろう。

 

 

 

 

「こういうちょっとしたスパイスが、更に私の弁当を美味しくさせるの。

いい??リボーンの弁当は渡さないわよ」

 

(こっちも行楽気分だった━━━!!)

 

 

 

山本よりも事情を理解しているようだけど、分かっていて遊びに行く気になっているなんて…山本よりも質が悪い。

 

 

 

 

「獄寺君、遅いねー」

 

「あぁ、獄寺なら外で待ってるぞ」

 

「えっ?」

 

 

 

部屋から外を、玄関先を見てみるとそこには隠れるように獄寺がいた。

 

 

 

 

(ビアンキを警戒して怪しい人になってるー!!)

 

 

 

これ、戦力としてダウンしてないよね?

獄寺君はビアンキの顔を直接見なければ大丈夫だって言ってたから、どうにかお願いしてゴーグルを着けてもらった。

 

というよりもリボーンの一言で「着けていた方が似合うぞ」の一言で、「着けるわ」と掌を返すように着けてくれた。

 

 

 

「よし、そろったな」

 

 

 

玄関先を出て、俺、獄寺君、山本、ビアンキ、そしてリボーン。

一人じゃ心細かったけどみんながいれば……きっと大丈夫だよね!



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陰謀というには弱すぎて、願望というには身勝手だ。

「………こ、ここは……」

 

 

 

千種が目を覚ましたらそこは真っ暗な世界。

何もなくただ暗闇に包まれている。

すると目の前から誰かが現れた。

 

 

 

 

「君は……"S"」

 

 

 

すぐさま攻撃体勢に入ったがポケットにヨーヨーがなく攻撃できない。

すると"S"は携帯を投げて千種に渡した。

そしてそこには"S"からのメッセージが表示されていた。

 

 

 

 

『物騒だったからね、回収させてもらったよ』

 

「……何が目的なの?」

 

『話が早くて分かる。

君達には……いい提案だと思う』

 

「それは…僕が決める」

 

 

 

未だに警戒を解かない千種。

それはそうだろう、相手は"S"。

さっき戦ってあっという間に倒された相手。

どれだけ強いのかなんて分かっている。

 

そしてこの場所も"S"のテリトリー

警戒を解くなんてありえない。

 

 

 

『簡単だよ。

どうしようもないとき、助けを求めればいい。

そしたら助けてあげるよ』

 

 

 

その文章に千種は目を見開いた。

そんな罠だと分かることをこんな風に提示してくるなんて

 

 

 

「ふざけているの?」

 

『いや、真面目だよ。

君達の過去は知っている。

エストラーネオファミリーの人間だったよね』

 

 

 

すると千種がかけより"S"の胸ぐらを掴む。

間近で"S"の顔を見ようとした瞬間、フードから眩しい光が放たれてすぐに飛び退いた。

 

 

 

『同情なんて言葉は軽すぎるけど、大変な思いをしたことは分かる。

だからといって他のマフィアを消す必要はあるのかい』

 

「消さないと……何も変わらない」

 

『まぁ、否定はしないよ。

だけどこれだけは言っておくよ。

君達は今回のことで最大のピンチを向かえる。

助かりたいなら呼べばいい。それはいつ何処でもいいよ。必ず助け出す。』

 

「そんなこと…信じられるわけ……」

 

 

 

すると上空から光が差し込み千種を照らし出す。

その光が千種の体を浮かせてどんどん上昇していく。

 

 

 

『まずは君のやるべきことをやればいい。

いま君にはそれが生きる糧だからね。

だから奪われたくないなら………』

 

 

 

最後まで読みきる前にこの真っ暗な世界から光の中へと入り意識を失うことになった。

 

 

 

 

…………………………

 

 

 

 

「…っ、ここって……」

 

 

 

千種が目覚めるとそこは見覚えのある場所、黒曜ランドの敷地内だった。

体を起こすとそこには見覚えのある人物がいた。

 

 

 

「お前は…並盛中生徒会長、黒田 光明」

 

「やっぱり僕のこと知っているんだね。

さて、ここに今回の首謀者がいると思うだけど、教えてくれないかな?

こうして君をここまで、って、うおっ!!!」

 

 

 

間髪要らずに千種はヨーヨーを取り出して攻撃してきた。

慌てたように光明は避けたが、予想はしていたから演技で慌てたように見せて簡単に避けた。

 

 

 

 

「危ないですよ。

本校だったら取り締まらないといけないですけどね」

 

「…ダルいから、早く終わらせる……」

 

「これは口を開いてくれそうにないですかね。

探すのは大変かと思ってのことでしたが、仕方ありません」

 

 

 

 

ヨーヨーから飛び出てくる毒針を今度は意図も簡単に避けていく光明。

それを目の当たりにした千種はさっきの避けかたは嘘だったと悟ったのだが、それはすでに遅かった。

 

気づいたときには間合いに入られて防御をしようとしたが、次の瞬間には脳が揺れて意識を保てなくなっていた。

 

倒れるその前に千種は理解した。

見えない、気づかないほどのスピードで顎を殴られたと。

 

 

しかし千種の体は言うことを聞かずにそのまま地面に倒れた。

 

 

 

 

「力の差を見せるつもりだったけど……ちょっと速すぎたかな……」

 

 

 

 

少しでも危険対象と認識させるためにやった。

そうすれば何処かで自分の無力感を感じて助けを求めるだろう。

助けを求めるということは少なくともその者を信用することになる。

 

いきなり骸と仲良くなるなんて思ってない。

だったら周りからと思い、犬より知能的な千種を選んだ。

 

うまくいけば復讐者(ヴィンディチェ)に捕まる前に助けられる。

あくまでも助けを求めてもらわないと、勝手に助けると疑われるし、まぁ、助けた時点で疑われるけど少しは緩和されるかなーと安易な考えである。

 

 

 

正直、助けを求めないのならそれでいい。

あくまでも傍観者でいるつもりでいる。

この場合傍観者というのはツナとその周りの成長に対してだ。

 

ツナには強くなってもらう必要がある。

だからそれ以外に関しては接触する気満々である。

 

でも絶対に変える必要があるとは思えない。

 

 

結局は、自分の都合だ、身勝手だ。

だから関わるからには自分が出来ることをやろうと決めた。

骸を少しでも真っ当な人間にしたい。

願望というより無謀と言われそうだけどやるだけやってダメなら諦める。

 

骸に対してはそんな感じでいいと思っている。

 

 

 

「さて、そろそろランチアが出てくるところかな?」

 

 

 

次はツナに繋げるまでお相手をしましょうかね。

 



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復活(リボーン)




どうも。
最近"リボーン"が"復活杯"というので次々にランキングにでてきてますなー。よくは分かってないけどこの前久しぶりに感想で復活を楽しみにと言ってもらったので書いてみました。

久しぶりに書くとスムーズに書けるものですね。
どうも一度スランプに入ると中々復活出来ませんでしたが今回はうまく行ったなー

まぁ、さらなる更新が出来るかは分かりません(笑)
それでも続きは書けたので少しは希望はあるかな(笑)
では、どうぞ。






「やぁ。君が今回の首謀者かな??」

「………誰だ、貴様……??」

 

ここに来るツナの為に少しでも相手してあげようと来てみたけど、そういえばランチアさんっていま洗脳みたいなで六道骸の影武者をしているんだっけ。

 

「並盛中学生徒会長の黒田 公明だよ。

君かな?最近の暴力沙汰を、いや、異常と思われる出来事を起こしたのは??」

 

「そうだとしたら何だ。貴様には用はない」

 

へぇ。問答無用で襲いかかってくるかと思ったら冷静だな。

やっぱり目的は沢田綱吉ってわけか。というかその先のボンゴレ、いや、マフィアそのものだったな。

 

しかしどうしようかなー

千種はどうにかしたけどまだ犬やあと女の子と双子みたいな奴もいたよな。

まぁ、そっちはツナ達がどうにかしてくれるだろう。

というかそれぐらいどうにかしてくれないとね。特に犬は僕みたいなやつより天然な山本のほうが色々いい事があるそうだし。

 

うん??というか正直僕が"黒田光明"が出てくる必要なかったかな??

"S(シャドウ)"に出てもらえばよかったかー

 

でも出てきたしなー

わざと人質になるもの嫌だし、ましてや負けるなんてなー

 

「じゃ、その用事がある人がくるまで相手してくれませんか??」

 

「笑わせるな!!!千蛇列覇(せんじゃれっぱ)ッッッ!!!!!!」

 

………………………………………

 

「もうー何なんだよここはッッ!!?」

 

ここに来るまでに刺客たちと戦ったツナ達。

犬と山本。M·Mとビアンキ。そしてバーズ&ツインズの戦い。

ここまで皆が助けてくれたおかげでツナは最後の死ぬ気弾を使わずにこれた。

 

「うるせぇな。何もしてないやつが喚くな」

「ついさっきまで寝ていたやつに言われたくないよ!!」

 

「まあまあ十代目」

「赤ん坊は寝るのが仕事だからな!!」

 

山本も獄寺も大したダメージもなく来れている。

あるとするならついさっきビアンキに殴られたツナぐらいだろう。

 

そんな風にいつも通りの会話をしていると突然爆音が響いてきた。それは空気を震えさせツナ達の身体に直接語りかけてくる。ここから離れた場所で異様なことが起きていると。

 

「な、何なのこれーッ!!!??」

「火薬の爆発音とは違うな」

「あっちだ!!」

 

爆音した方へ走っていると何かがぶつかり合う音が聞こえてくる。さっきの爆音とは違うがそれでも聞いたことのない音に一体何が起きているのかと急ぐと

 

「えっ。ええええええぇぇぇぇーーーッッッ!!!??

 

そこで見たのは見覚えのある人だった。

ツナ達が通う並盛中学の生徒会長である黒田光明。

そしてその生徒会長が大きな鉄球を持った敵からの攻撃を()()()()()()()()()()()()()()()

 

真正面から来た回転のかかった鉄球を、鉄パイプの先端で受けたあとに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「か、会長がなんでいるんですかッッ!!!!??」

「おお。沢田君。それに獄寺君、山本君も。ピクニックかい??」

 

「いやいや!!!!!それよりなんで会長が戦っているんですか!!!!??」

 

「戦うつもりなんてなかったんだけどね。今回の首謀者を教えてもらおうとしたけど教えてくれないし、誰かを待っているようだったからね。ならその人が来るまで()()()()()()()()()()()()()

 

「サラリとスゲェこと言ってるッッ!!!!!」

 

いや、実際にそこまで強いわけじゃないよ。

まあ並のマフィアなら簡単に壊滅出来る実力はあるけど、それだけじゃ僕には届かない。それにこれでリボーンに僕の力の一端を見せることも出来たし良しとしますかね。

 

「お前が、ボンゴレだな」

「ということは探してたの沢田君だったか」

 

ランチアは後方へ飛び僕から距離を開けた。

今の時点である程度体力は奪えたかな。それにさっきの攻撃を見ていただろうから何かしらのヒントにはなったかな。

 

「じゃ、選手交代だ」

「えっ!!えええええぇぇぇぇ!!!!??

いや会長がそいつを倒さないんですか!!!??」

 

「僕だと何も話してくれないみたいだからね。

本当は僕がやるべきだろうけど、今回の首謀者からどうしてこんな事を起こしたのか聞くためには沢田君と戦ったほうが確実とみた」

 

といって、ツナの経験値を積み上げるためだけどね。

そう言わないと本当に僕がランチアを倒してしまうよ。

 

「光明の言うとおりだ。お前がやれツナ」

「あんな鉄球を扱うやつと戦えるかッ!!!!」

 

「これはボンゴレに対するものだぞ。ならボスであるお前がどうにかしろ」

 

「ボスにはならないっていっ」

「つべこべ言わずに言ってこい」

 

そういってツナのお尻を蹴って戦場へと出したリボーン。

ちょうど僕の足元で顔から着地するツナ。痛そう。

 

「んなむちゃくちゃな!!!!!」

「フォローはしてあげるから頑張って」

 

「よけいな手出しは無用だぞ光明」

「戦いは許しても怪我はさせるつもりはないよ」

 

「怪我してナンボだ。じゃなきゃツナは強くならねぇ」

「それは偏見だね。スパルタが必ずしもいい結果に……」

 

「こんなところで言い合いしないで!!!!!!!」

 

おう。ついつい。

僕として頑張ってほしいけど、どうしても"黒田光明"としてやってしまう。これはもう仕方ない。記憶が戻るまでに時間が経ちすぎたからね。基本的な人格を変えるなんて難しいよ。

 

「なら、仕方ない。僕はここから離れるとしよう」

「か、会長!!!?」

 

「悪いね沢田君。だけど僕の前では怪我をさせるつもりはないがどうしてもリボーン君か引かないなら僕はここにはいられないよ。この"目"が映らない所へ下がらせてもらうよ」

 

「ま、待ってください!」と言っているけど、悪いね。元よりランチアは君が倒すべき相手だ。それに大丈夫。君は戦うよ。なにせ、こうして敵から背を向けたらどうなるか。分かってるんだよ。

 

「逃がすか!!!」

「会長ッ!!!!!」

 

油断した背中。これなら攻撃してこないやつはいない。

そして未だに攻撃に気づかない僕。を演じてます。

でもまぁ、やり過ぎるとリボーンに気づかれるからここで振り向いてビックリす……………

 

「かい、ちょう!!!!!」

 

まさか、だった。

いや、鉄球を止めるかなーとは思っていたよ。

だけどまさか僕の身体を押して助けに入るとは……

それも勇敢に両手を広げて、その身で受けようとしている。

 

おいおい。いつの間にこんなに成長してたんだ。

 

それはリボーンも同じだったようだ。

ハッキリとは表情は見えなかったけど口角が上がっているのは分かった。教え子が成長したんだ。喜ぶよな。

 

だからだろう。迷いなくリボーンは最後の1発。死ぬ気弾をツナの脳天へ向けて発砲し撃ち抜かれた。

 

そして鉄球はツナにぶつかった。

もちろんそれは問題ない。だっていまのツナは

 

復活(リボーン)ッッ!!!!!」

 

額から炎が出ている今のツナは"死ぬ気状態"。

さぁ、ここからはツナの番だ。

 

「死ぬ気で、お前を倒すッ!!!!!」

 

…………………………………………

 

「……骸様。アイツは一体……」

「そうですね。間違いなくボンゴレよりも強い」

 

廃墟の黒曜ヘルシーランド。その廃墟からツナ達を監視していた千種と骸。千種はあれからすぐに気づいて骸の所へと戻っていた。一度光明と出会った千種はすぐに骸に報告をしに帰ってきたのだが、そのタイミングでいまの戦いが始まったのだ。

 

「あの雲雀恭弥よりもですか??」

「ですね。もしかしたら私よりも……」

 

「そんな!!!!」

「あくまでも戦闘力は、です。私には他にも力を持ってますから」

 

それを聞いた千種は安心しそれ以上は何も言わなかった。

しかし骸も分からないうちに何かを感じ取っていた。

だがそれを気づくのはまだ先の話である。






よく考えたら、というか"黒田光明"ってめちゃくちゃ書きやすかった!!!
なんとなく"ハジメ"に似てるからかな??
どんなセリフや行動が手に取るように分かるんだよな。
まぁ、作者だからと言われたらそこまでだけど(笑)




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VS六道骸①



どうも。
まさかの早めの更新!!自分でもビックリです。
頭の中では黒曜編終わりまでは出来てるので、しばらく更新停止がどこかで始まるにしても黒曜編までは書くと思います。確約はしません(笑)

では、どうぞ。





「スゴイね」

「まあ、これぐらいはやってもらわねぇとな」

 

流石と言うべきなのか。

まだ"超直感"を発揮しているはずはないのに、僕の戦闘を見ただけであの鉄球を捌くことが出来るとは…

 

ツナの場合は直接手で触れて回転を止めている。

もちろん無理矢理回転を止めるのではなく()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

あの鉄球に刻まれている溝が気流を生んで、鉄球に吸い込まれるような形になるけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

まぁもっとスマートな止め方もあるけどね。

 

「じゃ僕は先に首謀者に会いに行ってくるよ」

「見ていかねぇのか??」

 

「まぁ、あの怪我は頂けないけど。それを言ったらかなりの過保護と言われそうだからね」

 

鉄球を止めるために両腕が傷ついている。

黒田としては見逃せないけど、必要なこと。と分かっているからこそここから離れようと考えたのだ。

 

「十分過保護だぞ」

 

分かっているよ。言い残して黒田はその場から離れた。

 

………………………………………

 

さて、ランチアについてはもう大丈夫だろう。

問題はここから現れる………

 

「また会ったね」

「……………………」

 

「そういえば自己紹介したのに名前を教えてもらってなかったね。教えてくれないかい??」

 

「……………千種」

 

おっ。まさか教えてくれるとは。

いまからランチアが六道骸の秘密をバラそうとしてそれを止めようと向かう千種を待っていたけど、一度会ったから少しは警戒心を……

 

「……じゃ、消えてもらうよ」

「物騒だね」

 

ヨーヨーを取り出してそこから針を飛ばす。

しかしこれ以上面倒事は嫌なので

 

「これは"教育"だよ」

「ッッ!!!!!!」

 

千種からはどう映っただろう。

いきなり消えた黒田が、次に目に映った時は懐に入られて腹部に重たい一撃を食らわせられた後だった。

 

声も出ることもなく倒れ込んだ千種を日の当たる場所へ移動させて横たわらせた。

 

「ここで寝ているといいよ。"光"が君を守る」

 

さて、次に行きますか。

 

……………………………………

 

「クフフフ。まさかボンゴレの前に貴方が来るとは」

「ということは君が今回の首謀者かな」

 

「ええ。六道骸といいます」

「僕は並盛中学生徒会長、黒田光明です」

 

古びたボーリング場。

そこに今回の首謀者である本物の六道骸がいた。

 

さて、ここに来たのはいいけどどうするか??

骸はツナにとってのターニングポイント。一段階強くなるための経験値と言ってもいい。

 

だけどそのために獄寺やビアンキ、フゥ太や千種が操られるという事態になるのは避けておきたいのだ。その為には……

 

「ここに来たのは提案を聞いてもらいたいからなんだけど」

「伺いましょう」

 

「君の目的はマフィア殲滅。その足がかりとして沢田君の地位であるボンゴレ十代目に目をつけた」

 

「…………続けてください」

 

「なら簡単だ。()()()()()()()()()()()()。だから大人しくしてくれないかな」

 

その言葉に骸の目が見開いた。

あまりの衝撃なのだろう。しばらく放心したあとに急に笑いだした骸は

 

「クフフフ………ハハハハハッッ!!!!

一介の中学生如きがマフィアを殲滅??あまり笑わせないでください」

 

「確かに貴方は強い。きっと私よりも。

しかしそれだけでマフィア全てが潰れるほど甘くないんです」

 

「あまりふざけたことを言わないでもらいたいですね」

 

その瞬間に何も無いところから猛獣が現れた。

これは素晴らしい!!どう見ても本物しかみえない。

だけど本物じゃないと分かってれば、こうして襲いかかってくる猛獣に対して避ける必要はない。

 

ほら、通り過ぎていった。

 

「ほう。幻術に耐性まであるのですね」

「いやいや。怖くて動けなかっただけかもしれませんよ」

 

「本当に貴方は、面白いことをいう人だ!!」

 

今度は本気になったのか槍を持ちこっち向かってくる。

実力で勝てないと分かっているのに向かってくるなんて……いかにも罠があるって言っているようなもの。

 

そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

だから、これ以上は相手はしたくないから任せることにしよう。

 

………………………………………

 

「………………………………………」

 

酷く傷ついた雲雀がある場所で監禁されていた。

普通ならこんな風に閉じ込められているだけで腹が立ち壁を壊して出ていく所だが、正直体力を回復させるのに専念させたほうがいいとただその場所にいた。

 

しかし何かが変われば考えも変わる。

 

突然壁が壊れて外へ出ることが出来るようになった。

そして土煙から何かが飛んできてそれを反射的に取るとそれは携帯であり

 

『あとは自由にするといい』

 

と、短めの文で書かれた文字が表示されていた。

それを見た雲雀は携帯を落として踏みつぶし

 

「余計なことをして……噛み殺したくなる………」

 

誰かは分からないがやった人物を見つけ出すと心に決め、未だにフラフラな足取りでその部屋から出ていった。

 

……………………………………………

 

「置いてきて良かったのかな…」

「あれだけヤラれたら動けねえ。というかツナがやったんだろうが」

 

「だ、だって……六道骸だと思って………」

 

ランチアに勝ち、そして"六道骸"ではないことを知ったツナ達。

そしてどうしてあんな奴に従っていたのかも教えてくれたあと、一緒に骸を倒そうとしてくれたのだが思ったよりもダメージが酷くそこに置いてきた。

 

「心配ないッスよ。姉貴も一緒いますから!!!!」

「だな!!」

「そ、そうだね……(ビアンキがいなくなって凄く生き生きしてるな獄寺君……)」

 

それでも敵であるツナ達に情報を与えたランチアに始末しようとする者が現れるかもしれないとビアンキがその場に残ってくれたのだった。

 

すると突然目の前の壁が黒い刃のようなもので引き裂かれ壊れた。

 

「なっ!!!!??」

「十代目ッッ!!!!」

「ッッ!!!!!」

 

驚くツナに獄寺が前に出て警戒を、山本もバットを手に取り刀へと姿を変えた。土埃から姿を現したのは

 

「し、"S"ッッ!!!!??」

 

それを見たツナは更に驚き、獄寺とリボーンは更に警戒心を上げる。一人ついていけてないのは

 

「うん??ツナの知り合いか??」

「この前話した"S"っていう反壊し屋の人だよ!!!!」

 

「テメェ!!!何をしにきやがった!!!!」

 

獄寺は一度"S"に助けられたが、それでもマフィアでも"ボンゴレ"の中でも謎の多い男。警戒しないほうがおかしい。

するとツナの携帯が鳴り出し手にとって見てみると

 

『お前達の捜し物の元へ案内する』

「またこのパターンッッ!!!!!??」

 

いくら無口とはいえまた携帯から、文字で会話してきた"S"にツッコミをするツナ。すると拳銃を構えていたリボーンが口を開き

 

「………なんの真似だ"S"??」

『手出しはしない。だがこんな面倒なことに"アイツ"の時間を引き裂くのは見ていられない』

 

「………光明か……」

『ついてこい。早く終わらせろ』

 

リボーンの問に答えない"S"。

追加の文章もなく一人先に進む"S"の背中を見たリボーンは

 

「………追いかけるぞ」

「いいんですかリボーンさん??」

 

「"S"と光明。二人が完全に無関係じゃないと分かっただけでいい。

いまは六道骸のほうが優先だ」

 

「…………分かった。行こう」

 

ツナ達は"S"の後を追う。

………それが大変な目にあうとも知らずに……

 

………………………………………

 

 

光明に向かい走る骸。

迎え討つ動作もない光明に対し骸は

 

(余裕の表れ……いや………)

 

その姿に警戒した途端に二人の間、真上の天井が突然崩れたのだった。何かあると警戒していたので骸は一気に後ろへ跳躍して瓦礫の下敷きになることを回避した。

 

そしてその土埃の中、瓦礫の上に立っていたのが

 

「バカじゃねえのか"S"!!!」

「なんか落とし穴みたいだったな!!」

「笑い事じゃないよ山本……」

 

そこにいたのはターゲットにしていたボンゴレ十代目、沢田綱吉。横には獄寺隼人に山本武。そして家庭教師であるリボーン。…………もう一人奥に誰かがいる。

 

「ショートカットにしては面白えことするな"S"」

 

骸の目に映ったのは全身黒ずくめの男。フードで顔が見えず正体不明。そしてマフィアの中でも異質で名の通った……

 

「壊し屋の"S"ですか………」

 

骸にとっては想定外。確かに千種から報告を受けていたが"S"はここにはこないと踏んでいたのだ。依頼以外での接触のない"S"がここに来るわけがないと。

 

いくらボンゴレの後継者であるツナのピンチでも、それでも"S"を使うことはないと踏んでいた。

 

何故なら自分と同じマフィア嫌いと感じていたからだ。

 

「まさか、"S"がここに来るとは……想定外でしたね……」

 

すると"S"が携帯を取り出し文字を打ち、それを骸へと投げた。

罠、と一瞬考えたがそんな小細工はしないと分かった骸はそれを手に取った。相手は壊し屋。肉体と精神を徹底的に壊しはするが決して殺さない。

 

殺さない"S"が携帯に爆弾なんてものはないと考えたのだ。

 

『安心しろ。この戦いには手を出さない』

「ほう。それを信じろと」

 

『こっちは迎えに来ただけだ』

 

すると一瞬にして光明の隣に立つ"S"。

その姿を捉えたのは誰もおらず皆がそれに驚き"S"の方へ視線を向けた。

 

「まさか会いに来るなんてね。あまり接触しないんじゃなかったかい」

 

「あぁ。そういえばもうディーノとリボーンには僕と君が関連性があるって知っていたんだよね」

 

「だとしてもこんなにもギャラリーがいるのに。

ほら特に知られたくなかった人に知られてしまったよ」

 

 

「喋ってないのに会話が成立してるッッ!!!??」

 

ツナからみたらそうだろう。

無口な"S"だけど、それ以前に僕の"闇"の力で作った影武者だからね。だけど、やっぱりここに彼を呼んだのは失敗だったかなー。一応彼でも骸を倒せない!と思わせて、それでも仲間の為に戦う!!という強い意志を持ってもらおうとしたけど……

 

「……………なに、群れてるの??」

「ひ、雲雀さんッッ!!!!!!」

 

「それに光明。……その獲物、僕に隠していたの??」

 

いつの間にかこの場所に来ていた雲雀。

そして僕の隣にいる"S"を見て目つきが変わった。

そうだよねー街の治安に勝手に関与してきて、そして雲雀を助けた人物だもんねー雲雀からしたら噛み殺したい奴に認定されるわけか…………

 

しかし、おうおう。

トンファーをブンブン回しながらニヤリと笑い

 

「まとめて、噛み殺す」

 

雲雀のやつ、完全にハンターモードだー!!!!



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