名を失った少年と謎の少女の物語 (ダークユニオン)
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第一話 「全ての始まり」

とある学生の少年は爆睡中に謎の世界へと転生してしまう。そして謎の少女と…



今日は疲れた。

もう寝よう。

今日、俺は学校の部活で遅くまで学校に残っていた。

疲れたので、早めに寝ることにする。

 

ぐっすり眠り、次の朝がくるはずであった。

 

「ここは…どこだ?」

しかし、目が覚めると俺は謎の地に居た。

俺は自室で爆睡中だったはず…。

夢か?そんな事を考えていると、声が響いた。

「大丈夫か…。君…。」

声がした方向を向くと、少女が立っていた。

「…大丈夫だ。すまない。」

返事をしながら、俺は立ち上がった。

足元が多少ふらつくが問題ないだろう。

「君、名を何という?」

少女が俺に話しかける。

「俺の名は…」

…思い出せない。重要な事を…。自分の名を…。

「…歩きながら喋りましょう。私から名乗った方が良いわね。私の名前は如月と言うわ。宜しく。」

少女は自分の名を語り始めた。俺が自らの名を思い出せないことも知らずに。

「ああ、如月さん。宜しく…」

なんと言えばいいのか分からない。ここがどこなのかを聞くべきなのだろうが、自分の恐怖心が口を塞ぐ。元の世界に帰れなかったらどうすればいい?家族に会いたい。親友に会いたい。次々と不安要素が浮かび上がる。

「…あなたは名乗らないの?私は名乗ったのに…。それと、如月で良いわ。」

「ああ…如月さ…如月。実は自分の名前が思い出せないんだ。」

俺は何故名が思い出せないか分からない。何故だ?過労のせいで記憶が?

「…そう…。つまり貴方は転生者って事ね…」

…転生者?何を言っている。そんなアニメチックな事を言わないでくれ?冗談だろ?

「…困惑している様子ね。この世界は今危機に瀕しているの。だから、この状況を抜け出すために転生の女神が鏡を創ったの。人々はそれを転生の鏡と呼ぶわ。そして、その転生の鏡はあなたのような各世界の人間を救世主としてこの世界に導くの。そして人々は貴方達を転生者と呼ぶわ。」

そんな馬鹿な…。仮にその話が真実だとして、何故何の能力も無い俺が選ばれるのか…。

「そして、その転生者は決まって自分の名を忘れるらしいわ。」

どうしてそんなにも不便なのか。自分の名前くらい覚えていても良いじゃないか。

「どうして記憶が無くなる?不便じゃないか。そして、質問だが、どうやったら元の世界に帰れる。」

俺は現在気になっている事を質問する。

「前者の方に関してだけど、私には分からないわ。転生の鏡に辿り着かないと分からない。きっと、エネルギーの問題じゃないかしら。後者の方はこの世界を救ってから転生の鏡に行き、転生の女神に認められれば帰る事ができるらしいわ。悪魔でも噂だけどね。」

つまり、この世界を救わないと元の世界には帰れないという事か…。面白い。やってやる。救って必ず元の世界に帰ってやる。

「この世界を救ってくれるかしら?」

「ああ、帰りたいからな。」

 

名を失った転生少年と謎の少女の旅が始まった。




どうでしたか?
アドバイス等あれば宜しくお願いします。
次回も見てくださいねー


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第二話 「闘い」

名を失った少年と謎の少女はこの世界を救う事を決心するが…


「世界を救ってくれるかしら?」

「ああ、救ってやる。」

俺は決意した。世界を救い、元の世界に帰ると。

「そういうと思ったわ。私のおじさんの宿屋に紹介してあげるわ。寝床が無いでしょ?」

少女はそう言った。

確かに、寝床が無い。少しの間滞在すれくらいなら良いだろう。

「ああ、頼む。」

俺は少し滞在する事を伝えた。しかし、本当に少女と宿屋に滞在する事は良いだろうか?と疑問があったが、少女の一言によってすべて消し飛んだ。

「…危ない。魔獣の匂いがするわ。隠れるわよ。」

少女の目付きが鋭くなる。

俺は少女と共に岩陰に隠れた。

魔獣?そんな者がいるのか。にわかには信じ難いが。

「魔獣?それは何だ。」

「魔獣とはこの世界が危機に瀕している理由の一つよ。魔界の総括の魔神の命令によって人類界は攻撃を受けているの。だから、反抗しているのだけどどうも私達の戦力では足りない。だから、転生者を呼ぶのよ。」

とんだ迷惑だな。と俺は思ったが口には出さない事にした。

「…危険だわ。魔獣がこちらに気づいた。…仕方ない。転生者。これを使って身を守るのよ。」

そういって少女は俺に剣を渡す。真っ黒な漆黒の剣だ。

「…闘うのか?」

「当たり前でしょ?魔獣を倒さないと。」

「俺が闘う。」

俺だって少しくらい体力はあるし運動だって少しはできる。なんせ、俺が所属していた部活は剣道部だ。

「…いいわよ。貴方の実力を見るためにもね。」

俺は岩陰から顔を出す。すると、そこには邪悪なるオーラを纏った魔獣と呼ばれる獣が居た。

「あれが魔獣よ。危険だと感じたら私が援助に入るから。」

「ああ、分かった。」

そう言って、俺は魔獣に向き合う。

緊張感が走るが、いつもの部活の試合を思い出し、頭の中でシュミレーションする。走って魔獣の攻撃を防御し、十字型に切り刻み、倒す。

「…行くぞ、魔獣」

そう言って俺は地を駆けた。それと同時に魔獣も駆けだす。

俺は魔獣の噛みつき攻撃を剣で防御する。

「…くっ、中々力強いじゃないか…。」

そう言って剣を強く握り直し、構える。

素早く剣を横に振り、魔獣に叩き付ける。すると、魔獣は叫び声を上げる。

それに俺は構わず剣を強く縦向きに振る。

「十字斬り!(クロス・スラッシュ)」

俺は昔やったゲームの攻撃名を思い出し、口に出す。

魔獣は十字に切り裂け、動かなくなった。

「…あなた、中々やるじゃない。その剣が貴方と共鳴しているように見えたわ。」

少女は感動したように言った。

「ああ、中々手応えがあった。この剣、しっくりくるな…」

そう言って俺は剣で素振りをする。

「…剣を無闇に振るのはやめて頂戴。危険だから。手が滑って私にぶつかったらどうするの?」

…俺は何をしているんだ。少女の言う通りだ。

「すまない。」

そう言って俺は剣を再び鞘にしまう。

「…決めた。その剣、貴方に預けるわ。この世界を救ったら私に返して頂戴。剣も貴方を所有者として認めてるっぽいしね。約束よ。」

少女は俺に剣を預けると言った。確かにこの剣はしっくりくる。剣よこれから宜しく頼む。

「ああ、ありがとう」

俺は御礼の言葉を挙げる。

「…さあ、宿屋はもう少しよ。」

「ああ、先を急ごう。」

 

そして、旅はまだ続くのであった。




今回もどうだったでしょうか?
アドバイス等お願いします
次回も見てねー


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第三話 「宿屋と俺」

魔獣を倒した俺と少女、宿屋に向かうが…


「さあ、宿屋は、もう少しよ」

「ああ、急ごう」

そう言って俺達は小走りで宿屋に向かう。

「そういえば、この剣の名はなんというんだ?」

「その剣は「漆黒剣 暗眠」というわ。私の相棒剣の一つだけど、貴方に預けるわ。転生者君。」

この少女の話によるとこの剣は漆黒剣 暗眠というらしい。いい名前だ。

「さあ、そろそろ宿屋よ。」

少女がそういうと森の拓けたとこに宿屋らしき物が見えてくる。

「もう歩いても大丈夫か?」

俺は少し疲れたので歩く事を提案はする。

「…まさか、もう疲れたの?転生者のくせに使えないなぁ…」

少女は俺を馬鹿にする。

「…なんで転生の女神は俺を選んだんだろうな。」

ヤケクソ気味にそういう。

「知らないわよ。さあ、宿屋についたわ。」

そういった少女は宿屋の扉を開ける。

そこには、少し古臭い良い感じの空間が広がっていた。

「宗次郎おじさーん!新しい転生者よ!」

少女がそう叫ぶと、カウンターの奥から強面のおじさんが出てくる。

「…如月。…新たな転生者が現れたのか。」

強面のおじさんは小さい声でそういった。

「ええ。あの場所に倒れていたわ。」

「そうか…」

あの場所。まさか、少女はあの場所に転生者が来ることを知っていた?

「あの、貴方はあの場所に俺が来ることを…」

「…転生者諸君。そなたの名は…覚えていないか…。私の名は宗次郎という。」

強面のおじさんはそう言う。

「宗次郎さん。宜しくお願いします。」

俺は丁寧にお辞儀する。

「フム…ここに少しの間、滞在させる代わりに私と決闘してくれたまえ。そなたの実力が果たして転生者に相応しい強さか見極めさせて欲しい。」

宗次郎さんはそういう。すると少女は不満そうな顔をするが、明治郎さんは気にしない。

「ええ、宗次郎さん。決闘、お願いします。」

「ああ、もう、何勝手に進めてるのよ!私が審判をやるから!」

少女は怒った様子でそういう。

「…如月、庭へ行くぞ。」

「はーい」

今思うと、少女はどこか宗次郎さんの前だと明るく振舞っているように感じる。そう思いながら俺は庭へ出る。

 

「宜しく頼む。」

「いえ、こちらこそ宜しくお願いします。」

互いに挨拶を交わし、真剣な眼差しで互いを見つめる。

「決闘方法は寸留め方式、先に降参するか、本来ならば致命傷だと私が判断した場合、武器の破損等を敗北と見なします。」

少女は敗北条件を語る。

「「では、決闘始め!」」

俺はゲームの経験通り、まず始めに頭でシュミレーションをする。明治郎さんは、多分俺の方向に向かってくるから、それを弾く、そしてその隙を狙って一発KOだ。

宗次郎さんは予想通り俺の方向に走り始める。俺も宗次郎さんの方向に向かって少し駆ける。宗次郎さんは俺の目を見ながら、剣を振る。それを俺は漆黒剣で防ぐ。

 

しかし、防ぐ事はできなかった。

 

剣は突然軌道を変え、俺の予想した位置を大幅にズレた位置から俺を襲う。

 

「勝者、宗次郎おじさん!」

 

俺は敗北した。




主人公、早速敗北しますw
次回も見てくださいねー


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第四話 「貧弱」

名を失った少年はおじさんに決闘を挑むが…。


宗次郎さんは予想通り俺の方向に走り始める。俺も宗次郎さんの方向に向かって少し駆ける。宗次郎さんは俺の目を見ながら、剣を振る。それを俺は漆黒剣で防ごうとする。

 

しかし、防ぐ事はできなかった。

 

剣は突然軌道を変え、俺の予想した位置を大幅にズレた位置から俺を襲う。

 

「勝者、宗次郎おじさん!」

 

俺は敗北した。

 

宗次郎さんは剣を鞘に戻しながら俺に言う。

「…そなたほどの力では「貧弱」です。転生者にはまだまだ相応しくはない。」

宗次郎さんは俺を罵倒する。俺は宗次郎さんに手も足も出なかった。完敗だ…

「……私がそなたが転生者に相応しくなるまで育てやろう。それまで宿屋に泊まってもよい。」

「いいのですか?宗次郎さん、ありがとうございます。」

俺はまさか、泊まさせて貰えるとは思わず、感謝の言葉を述べた。

「宗次郎おじさんの優しさに感謝するのね。」

少女は得意気にそういう。

「宗次郎さん、修行今からさせて貰っても宜しいですか?」

「…私は今夜の飯を作る仕事がある。すまいが、後にしてくれ。」

宗次郎さんは断る。

「いいわよ、宗次郎おじさん。私がご飯を作るわ。それまで転生者君と修行してて。」

少女はそう語る。それは有難い。修行がたっぷりできる。そう、転生者を目指して。

「…分かった。頼む、如月。」

「はい、おじさん。」

そう言って少女は家へ戻る。

「では、若き諸君、修行を始めるぞ。」

「はい!」

 

そして大体三時間程修行した頃だ。

もうすっかり外は暗くなっていた。

 

「…そなた。この短時間でここまで成長するとは中々やるおる。近頃の転生者も侮れないかもしれない…。」

 

俺は宗次郎さんと三時間剣を交え続けた。

 

「はぁ…はぁ…ありがとうございます。」

「おじさん、転生者君、ご飯出来たわよ。」

俺は修行をやめ、宿屋の食堂で夕飯を取る事にした。山奥の宿屋なので当然客は、いない。

 

「さあ、転生者君?食べて?」

「あ、ああ」

そういって、俺は目の前のステーキを少しナイフでちぎって食べる。

「う、うまい!」

「そうでしょ?」

少女は嬉しそうに微笑んだ。

俺は、ステーキを食べ続けた。

 

俺は飯を食べ終わった後に、宗次郎さんと風呂に入った。

「俺は…俺は貧弱を越える…いいや、もっと強くなれますか?」

「ああ、なれる。まずはそのためには剣の技、「剣技」を取得しろ。更に強くなる。」

剣技?なんだそれは。この世界にはそんなものまであるのか…。

気になるが、今は気にしないことにした。

 

俺はこの人に会って良かった。

そう、思ってる。早く、この世界を救って帰ろう。そのためには、強くならなくては。

 

その後はすぐに風呂を出て、すぐに寝る事にした。

 

朝、7時くらいだろうか。

「朝ご飯出来たわよー、転生者君。」

少女の声がする。

朝が来たようだ。

「ああ、今行くから少し待ってくれ。」

 

俺の新たな一日が始まった。




今回はどうだったでらしょうか?
アドバイス等お願いします。
次回も見てねー


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第五話 「新たな力」

名を失った少年は明治郎と共に修行に励み…


朝、7時くらいだろうか。

「朝ご飯出来たわよー、転生者君。」

少女の声がする。

朝が来たようだ。

「ああ、今行くから少し待ってくれ。」

少女に起こされた後、朝食を取った。

「宗次郎さん、今日も修行の手伝い、宜しくお願いします。」

俺は今日も修行を手伝って貰うように頼む。

「…如月。朝食は任せた。」

「はい、宗次郎おじさん。」

どうやら良いらしい。

「では、宗次郎さん、今日も、宜しくお願いします。」

「ああ。今日は実戦と行こうか。」

明治郎さんは今回の修行メニューを実戦だという。俺に出来るのか?不安が走る。

「あ、あの、俺に出来るんでしょうか?」

俺は恐る恐る質問する。

「そんな覚悟も無い様では転生者に相応しくはなれないぞ。」

宗次郎さんは鋭い目付きでそう言う。確かにそうだ。俺は何怖気付いてるんだ。

「すいません。」

「最近、魔獣の匂いが強まっている。大規模な戦闘は近いのかもしれんな。」

「では、今回は、その魔獣を利用すると?」

「ああ、そういう事だ。まずは少しその前に私と修行だ。」

「はい、分かりました。」

 

そう言って、一時間程度修行した時だ。

 

「…魔獣が近づいてきた…。良し、若き諸君、迎え撃て。」

宗次郎さんはそういうが、俺には何も感じない。

そう思った瞬間、体に戦慄が走った。

なんと前に闘った魔獣の大きさより軽く3倍程度はありそうな魔獣がこちらに木を薙ぎ倒しながら走ってくる。

「…あれを倒せないようでは、転生者にはなれないぞ!」

「わ、分かってるさ!」

俺は魔獣の突進を防ぐため、剣‎を握る。魔獣は俺の予想通り、真っ直ぐに突進して来たので、軽く防ぐ。

そして、剣を十字型に振り、魔獣を切り裂く、と想定して、剣を振るが、魔獣の体は予想以上に硬く、剣が弾かれ、魔獣の二度目の突進によって大きく吹っ飛ぶ。

「いってぇ…どんだけ硬いんだ…。」

木を体当たりで薙ぎ倒しながら来るんだから、体が硬いのは当たり前だ…。

俺は再び立ち上がり、剣を握る。

ここで諦める訳にはいかない!

魔獣が再び突進して来るので、剣で防ぐ。そして、また突進してくるので、剣で防ぐ。三度目は防御に失敗し、再び大きく吹っ飛ぶ。

その様子を宗次郎さんは鋭い目付きで見ているさん事に俺は気づいていなかった。

「…クソ!硬すぎる、どう倒せばいい!」

そんな事を考えていると、新たな手を思い付いた。剣を更に硬化し、鈍器として扱い、殴るような感じで気絶させればいいのでは?

確か、昨日、明治郎さんは剣技の様なものがあると言っていた。

剣を硬化する剣技もあるんじゃないか?

 

俺は、剣を握り、集中する。

 

剣よ、答えてくれ!俺の想いを!転生者に相応しくなるには魔法くらい使えなければいけないんだ!さあ、剣よ硬化するんだ!丸で、俺の体の一部の様に自由に!剣よ、答えてくれ!

 

すると、剣は赤茶色に染まり、謎の文字列が出たあと、何も無かったかのようになった。

 

これは、成功と言っていいのだろうか?

俺はその剣で思いっきり魔獣へと殴りかかった。

「おらあああああぁぁぁぁぁ!!」

魔獣の突進と同時に俺の剣が魔獣の頭に叩きつけられ、魔獣は動きを止めた。

「…倒したのか…。」

「…この短期間で、剣技を覚えるとは…。そなた、何者だ?」

宗次郎さんは俺に問う。

「はぁ…はぁ…ただの、転生者です…。」

俺は手短に返す。

すると、家の扉が開いた。

「宗次郎おじさーん、転生者君ー。昼食できたわよ。」

「…修行は一時中断だ。」

 

俺の旅はまだまだ続くのであった。




はい、どうだったでしょうか
アドバイスがあれば宜しくお願いします
次回も見てねー


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第六話 「剣技」

名を失った少年と謎の少女、宗次郎さんは修行を積み続けるが…


俺達は修行を一時的に中断し、夕食に入っていた。

「…先程のそなたの魔法の使い方を一般では「剣技」と呼んでいる。」

夕食を取りながら、明治郎さんはそういう。

「な、なぁぁ?!まさか、この私でさえ、取得に苦労したのに、この転生者、もう剣技を取得したの!?」

「ああ、先程もう剣技を使用した。」

少女と宗次郎さんの話によると、どうやら剣技魔法の取得はとても難しいらしい。

「さあ、宗次郎さん、食べ終わったし、修行の続きをお願いします。」

「ああ。如月、洗濯頼む。」

 

宗次郎さんと俺は庭に修行に行き、少女は家事をしに行く。

 

この様な生活が一ヶ月程度続いた。

 

今日は宗次郎さん、如月、俺の3人で修行をしていた。

「転生者、貴方、剣技どのくらい使える様になったの?」

少女は日々俺が練習している剣技について質問する。

「取り敢えず、この漆黒剣は現在の三倍程度まで硬化出来るようになって、木の枝ならこの剣くらいまでは…」

「ああああ!もう聞きたくない!それ以外は?何か覚えたの?!」

少女は必死に俺に質問する。何でそをな剣技について聞いてくるんだ…。

「取り敢えず、この剣を炎で包むくらいなら…」

「はぁぁ?!こんな一ヶ月という短時間でもう更に属性状態変化剣技を!?腹立つわ!転生者!私と決闘しなさい!」

少女は何を思ったのか、俺と決闘するといいだした。

「…宗次郎さん、よろしいですか?」

俺は師匠である宗次郎さんに問う。

「…良いだろう。丁度、如月の腕が落ちていないか、確認できるからな。」

「じゃあ、転生者!決闘よ!」

 

そして、俺達は決闘の準備をした。

 

「決闘方法は寸留め方式、先に降参するか、本来ならば致命傷だと私が判断した場合、武器の破損等を敗北と見なします。」

宗次郎さんが敗北条件を述べる。

 

「「決闘始め!」」

 

まずは漆黒剣の状態を剣技により、変形する。

「属性状態変化剣技!」

剣の周りに謎の文字列が浮かぶ。

「炎状態変形)フレイム・ステート・チェンジ)!」

文字列が赤く発光し、剣に炎が灯る。

「行くわよ!転生者!物体増殖剣技魔法!刃の輪!」

少女がそう唱えると、少女が構えいた神聖なる剣が白く発光し、謎の文字列が浮かぶ。そして、空間に全く同じ剣が輪のように並んで出現する。

「空間操作剣技魔法!刃飛行!」

輪のようになった剣は一斉に俺を目掛けて飛んでくる。

 

魔法?なんだそれは。まさか、少女は更に剣技の他に魔法まで覚えているのか!?

 

俺は焦って剣技を放つ。

「硬化剣技!物質硬化!」

俺がそう唱えると、体が赤茶色に包まれ、謎の文字列が浮く。

「自身に硬化剣技を掛けるですって?!ずるくない?」

「そんな事ないさ、立派な戦術さ!」

そう言って飛行して来た剣は俺の体で弾け、消滅した。

「次は俺の番だ!」

そう言って俺は全力で地を駆ける。

少女も同時に地を駆け出す。

「獄炎の破壊刃(ヘル・フレイム・クラッシュブレイド)!」

俺の漆黒剣は更に赤く発光し、紅くなる。

俺が剣を振ると同時に少女も二刀流の剣で身を守る。

互いに激しい火花を散らし合う。

「中々やるじゃない!けど、勝つのわ私だわ!」

「いいや、俺だね!」

そういって剣を少女から放し、再び握り直す。

俺の「獄炎の破壊刃」は終了し、剣は通常の赤に戻る。

「俺は修行を積んできたんだ!新たな力を見せてやる!」

「見せてみなさい!貴方の力を!」

俺は、剣を構え、唱える。

「最後の烈炎花(ファイナル・バースト)!」

漆黒剣が丸で、地獄の燃え盛る炎の様に真っ赤に燃える。

「邪悪流星群(ダークネス・ストリーム)!」

俺はそう唱え、少女に体当たりする様に少女に駆け寄り、紅く燃え盛る漆黒剣を振り続ける。

「貴方、連続攻撃技を覚えたの?!この短期間で?!転生者、貴方一体何者!?」

少女は剣を振り続け、俺の攻撃を防ぎながら言う。

「ああ、ただの人間さ!」

俺は更に激しく剣を振り続ける。

それに応じて、少女も激しい俺の攻撃を防ぎ続ける。

 

その時、丸でこの世界観にあっていない、重い鐘の音が鳴り響いた。

 

「これは…国家の非常事態を表す転生者集合の鐘の音!?」

「…遂にこの時が来ましたな…。」

俺と少女は剣を振る事さえ忘れて、鐘の音に聞き入っていた。




どうだったでしょうか。
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第七話 「首都への移動」

名を失った少年と謎の少女の修行中、国家危機鐘の音が響き渡り…


「どうして、鐘の音が?…」

少女は困惑している。

どうやらこの鐘の音は少女と宗次郎さんによると国家の危機を知らせるものらしい。

「最近、魔獣共の匂いが強まっていた。侵略を決行したのだろうな。」

宗次郎さんは冷静に判断する。

確かに一ヶ月程度前、俺が剣技魔法を取得した時宗次郎さんは魔獣の匂いが強まっていると言っていたような…。

「若き諸君、そなたは立派な転生者となるまでに成長した。この鐘の音は国家の危機を知らせると共に、転生者を集合させる合図でもある。行ってこい、転生者。」

「宗次郎…分かりました。では、何処に行けばいいのですか?」

俺はこの国の首都が何処にあるのか理解していない。

「…如月、行ってきなさい。」

宗次郎さんは如月に俺について行くように命じる。

「…分かったわ。行くわよ、転生者。」

俺は少女と共に宿屋を出ようとした。

「待て、若き転生者君。これを持っていけ。」

宗次郎さんは俺に剣を投げ渡した。

「…これは?」

「我々琴堂一族に伝わる極氷剣だ。そちらのら漆黒剣とうまく使い分けろ。」

宗次郎さんはそう言いながら、宿屋の方向へ歩き出す。

「ありがとうございます!」

「さあ、転生者、行くわよ。」

少女が走り出す。

「ああ、分かってるぜ!」

俺は少女と共に走り出した。

 

しばらく森の中を走っていた。

 

「…魔獣の匂いが強まって来たわ。それも一体じゃない、気を抜かないで…」

「ああ。分かってるさ!」

俺は走りながら漆黒剣を抜く。

約一ヶ月の修行によって体力も付いたようだ。

「さあ、来るわよ!」

少女が言った瞬間、前方から魔獣が五匹程度現れる。

「漆黒の軌跡!」

俺は叫びながら漆黒剣で魔獣共を蹴散らして行く。

「神聖連撃!」

少女はそう唱えながら魔獣を切り裂いていく。

二人の技によって魔獣達は瞬時に倒れた。

「スピード上げていくわよ!」

「ああ、分かってるぜ!」

そう言って二人は更にスピードを早めていく。

「そう言えば、質問があるのだが良いか?」

「何かしら…」

「さっきの決闘で「魔法」と言っていたが、何なんだ?」

俺は先程の決闘において、少女が「魔法」とやらを使ったので質問する。

「…あまり話したくないのだけれど…。私の故郷では魔法が習慣であり、学びであった。つまる所、私の故郷でのみ取得できるという意味だ。扱うのは簡単では無い。数年の時を掛けて取得するものだ。」

「そうか…話してくれてありがとうな。」

何故少女は自分の故郷の話を避けるのか?疑問に思ったが無視して先に進む事を考える。

 

しばらく走り続けるが、次第に疲れてくる。

 

「なぁ…瞬間移動系の魔法は無いのか?」

「…あるわ。」

「はぁぁぁぁぁ?最初からそれを出せよ!」

「そうしたら、修行にならないでしょ?走っていくのよ。」

…まあ、確かに瞬間移動しては体力がつかない。

「…ちなみに、どれぐらいかかる?」

「約一ヶ月ってところね。」

…今、こいつなんて言った?

「もう1回言ってくれ。」

「はぁ?だから、約一ヶ月程度。」

「魔法を使えぇぇぇぇぇ!」

俺の絶叫が森中に響き渡った。

 

旅はまだまだ続きそうだ。




どうだったでしょうか?
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第八話 「戦闘開始」

名を失った少年と少女は首都に向かうが…


俺は少女に無理矢理瞬間移動魔法を使わせ、首都へと移動した。

「如月、聞きたいことがある。」

「何よ?」

「この街の名はなんという?」

俺はまだこの街の名前を知らない。

「ああ、そう言えば言っていなかったわね、この街の名前は「ラムパート」と言うわ。」

…ラムパート、城壁か…。

確かにこの街ではとてつもなく高い城壁が俺たちを囲んでいる。

流石は国家の首都だ。

「見て、あそこの広場に転生者が集まっているわ、行くわよ。」

「ああ、分かった。」

そう言って俺と少女は走り出す。

その広場には大量の転生者が集まっていた。

「すごい人数だな…。」

俺がそう呟くと、後ろから肩を叩かれる。

「お前、転生者か?」

俺は咄嗟に剣を構える。

後ろを振り向くと少年が立っていた。

「僕は敵じゃないよ。その様子だと転生者の様だね。」

そう言って少年は手を上げる。

「貴方は誰なの?転生者かしら?」

少女が質問する。

「ああ、名は覚えていないが、ゼルというあだ名があるのでそう呼んでくれ。宜しく頼む。あんたは?」

「私は如月よ、宜しく。」

「俺は…名は覚えていない。名無しとでも読んでくれ。」

「ああ、分かった。宜しくな如月さん、名無し。」

そうゼルが言うと、広場で男が声を上げた。

「魔界軍はどこだ!早く元の世界へ返しやがれ!」

「そうだ!魔界軍なんてぶっ潰してやる!」

広場で数々の転生者たちが叫んでいる。

「皆!あっちを見て!」

少女が空を指しながらそう叫ぶと、転生者達はそちらを向いた。

「あれは!」

「魔界軍!?」

魔界軍の軍隊がこちらに向かって飛行していた。

「あれが…魔界軍?!」

「あれは、魔獣神!?」

少女がそう叫んだ時にはもう魔界軍はすぐ近くまで来ていた。

 

「我が名は魔獣神デビル!今日という今日こそは貴様らを倒し、この世界を我らの物にしてやるわァ!」

魔獣神デビルという奴と共に数百はいる竜騎隊が国家の侵略へと来ていた。

「ふざけんな!お前みたいな奴にこの街は渡さねぇ!」

「そうだ!この世界を救って元の世界へ帰るんだ!」

転生者達は叫びつづける。

横を見ると少女は鋭い目付きで魔獣神を観察していた。

「では、戦争と行こうか。仕方ない、攻撃開始!」

魔獣神がそう叫ぶと竜騎隊は一斉に急降下する。

「まずいは、転生者!ゼル!攻撃態勢を取って!」

「「ああ、分かってるさ!」」

そういって俺達を含む転生者は武器をとった。

「行くぞ!」

一人の転生者が叫んだ。

「「「「「おお!!!」」」」」

転生者達は叫んだ。

しかし、少女は魔獣神を見つめてただ立っていた。

「おや?これはこれは…」

魔獣神が少女を見ながら言った。

「これは魔法の国「インデックス」の次世代姫「如月」さんでは無いですか…。」

「うるさい!私の国を奪って!魔法を奪っておいて何を言っているの?!」

「…」

俺には何の話か分からない。

私の国?魔法?どういう事だ?

「…おやおや。それはとんだ誤解だな。私達はこの腐った世界を…」

「衝撃魔法!ブラスト!」

少女が魔獣神の話を無視し、そう詠唱すると、魔獣神の体が白い文字列に囲まれた。

「…これは、恥ですねぇ…。人の話は最後まで、聞きましょう!」

魔獣神はそう言いながら魔法を無効化した。

「なっ!なんですって?!」

少女は酷く驚いている。

「悪いがなぁ!私には魔法は効かない!」

少女は愕然として自分の手を見つめている。

 

激しい魔界軍との戦いが始まった。




どうだったでしょうか?
次回も宜しくお願いします。


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