ハイスクールD×D〜七星王伝説〜 (ゼパル・ガルベスク)
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第0章:絶対強者の破壊者
第1話:最強の怪人


まずはプロローグ的な物からどうぞ。

取り敢えず活動報告にリクエスト的な物を数個作っておきます。

お楽しみに!!



遥か昔、人がまだ剣で戦っていた時代。

 

天使、堕天使、悪魔の三つの勢力が争いをしていた。そんな戦いのど真ん中に二体の美しくも気高く巨大な赤と白の龍が戦場に降り立ち、その場を搔き乱した。

 

その二体の龍は二天龍と呼ばれていてそれぞれが王の名を名乗る伝説の存在なのだ。

 

そんな龍が二体も現れてしまえば、流石の三勢力も争ってはいられない。そこでルシファーやレヴィアタンなどの四大魔王や神の子を見張る者(グリゴリ)の最高幹部達、更に聖書の神と各勢力の神器(セイクリッド・ギア)持ちの人間達の力を借りて討伐に出たが、四大魔王は全滅し、残った者達ももう満身創痍であった。

 

サーゼクス「クッ!これほどの物とは…」

 

アザゼル「伝説のドラゴンの力…分かっちゃいたがとんでもねぇな。もう立つ事すらままならねぇ」

 

コカビエル「クソ!オレは、オレはぁ!」

 

ガブリエル「ミカエル様…」

 

ミカエル「もう、私達に出来る事は残されていない…」

 

聖書の神「ウッ、ウゥ…」

 

ドライグ「天使や悪魔、神如きが我々の決闘に手を出すな!」

 

アルビオン「その通り!我々の神聖なる決闘を邪魔する者は何者であろうと消し去るのみ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ?神聖なる決闘?お前らのはただの迷惑な喧嘩だろうが。ドラゴンは知力が高いと聞くがお前らは別らしいな」

 

そんな二天龍に呆れの篭った正論を吐く声が聞こえた。声がした方を向くと全身が白く、コモドドラゴンの様に太い尾を持ち、胸に逆三角形の紫色の水晶を嵌め、大きな三角形の目玉を持った、銀髪のオールバックの怪物であった。

 

だが、怪物と呼ぶには人間じみていてピシッと正されている姿勢は正しく由緒ある騎士の様で、言葉にするなら怪人と呼ぶべきだろうか。

 

ドライグ「なんだ貴様、我らに『楯突く』のか」

 

アルビオン「貴様も『痛い目に逢いたいよう』だな」

 

「ナニィ〜?『()()()()()?』『()()()()()()()()()?』ギャッシャッシャッシャッシャッ!!さすがは伝説の二天龍(笑)様だなぁー!笑いのセンスもピカイチだぜ!!!」

 

そんな怪人の挑発に耐えられなかったのか、二天龍は咆哮を上げながら怪人を噛み殺そうと襲い掛かった。

 

だが怪人は、そんな攻撃にも動じずに高く飛び上がり二体の攻撃を躱すと何処からともなく一つの小槌を取り出した。

 

「そんなデケェ図体で俺様に落ち着けるわけねぇだろうがこのリザード共が!!!!貴様らはこの俺様に怯えてキーキー鳴いているのがお似合いだぜ!デーモン拳法奥義『羅刹の鉄槌』!!」

 

怪人はそう言うと紫のオーラが生まれ、巨大な手で握られた槌の形になり、怪人が小槌を持っている右手を上下に振るとオーラもそのや動きに合わせて攻撃をした。

 

ドライグ「グワァ!?おのれ、小癪な真似を…白いの!先程終わったばかりだがもう一度手を組むぞ!」

 

アルビオン「あぁ、どうやら血を登らせていてはマトモに戦えぬようだからな!ハァァァァ!!」

 

ドライグの提案を呑んだアルビオンは体を白く光らせた。彼らが二天龍と崇められるのは、その特殊な能力にある。ドライグは力を『倍加』させる事が出来、アルビオンは力を『半減』させる事が出来る。その力によって怪人のオーラはドンドン形を保てなくなり最後は崩れて消えてしまった。

 

「漸く本気を出すか…だが、これ以上戦うつもりはない」

 

その言葉と共に怪人の両手が虹色の光を帯び、金色の龍の頭部の様な武器になった。それを二体に向けると今度は怪人の方から巨大な爬虫類の様な腕が生えて地面に爪を立てた。

 

サーゼクス「彼は一体何を………?」

 

アザゼル「巨大な腕で固定した…?ちょっと待て、おいおい冗談だろ!?それじゃあの腕の武器は強力な砲台か!!?お前ら全員伏せろ!!」

 

「その通り、此奴は砲台だ…対龍撃用のな!」

 

ドライグ「馬鹿が!我らがそれをさせると思うか!」

 

アルビオン「貴様がそれを使う前にカタをつけるのみよ!」

 

そうはさせまいと二天龍は口からブレスを吐き出して怪人を仕留めようとする。しかし、怪人は慌てる様子を見せずに発射の準備を整えていた。

 

「馬鹿はどっちだ、言ったはずだ。コレは()()()()の砲台だとな!『ダブル・ドラゴンスレイヤー』!!」

 

その砲台から放たれた光線はまるで二体の龍の様な形をしており、二体のブレスを飲み込みながら向かっていく。

 

 

 

ドライグ「な、ナニィ!?そんな事が!!」

 

アルビオン「我らの攻撃を飲み込んだ!?」

 

「ギャシャシャシャシャシャシャシャ!!対龍撃用だと言ったはずだぞこのマヌケが!!この一撃は有りとあらゆる龍の攻撃を吸収して相手にダメージを与える強力な技なのさ!」

 

「「グオォォォォォォォォォ!?」」

 

怪人の攻撃が止むと、二天龍はすっかりボロボロになっており、もう動く事すらままならない様子だった。

 

「やはり殺しは無理か…オーイ!見てんだろ?ならあれ持ってこいよ!!「相変わらずの態度だな…強欲将軍よ」・・・あんた、いつからそこに居た?」

 

怪人が空に向かって声をかけると背後から別の怪人が現れた。その怪人はまるで太陽を表しているかの様な神々しい姿をした神官の様な怪人だった。

 

神官「そんな事はどうでも良い、そんな事よりも早く二天龍を神器に封印するぞ。ほれ、必要な物だ」

 

「分かってるよ…」

 

神官にそう言われた怪人は中心に帯状の光が込められた鉱石を二つ受け取り、それを二天龍に投げつけると二体の龍は籠手と翼に姿を変えた。

 

「喋れねぇだろうから言っておく、コレは聖書の神の上の存在からの命令だ。人を知れ、学べ、愛せ、共にあれ…自分達が今まで侮辱してきた存在をよく知る事で考えを改めよ。安心しろ、戦いなら続けさせてやる。人間越しだがな!そぅら行け!」

 

怪人は神器となった龍にそう語ると空に放り投げた。すると、二つの神器は其々の色と同じ光を纏って何処かへ飛んで行った。

 

「さてと…俺の仕事は終わりだ。俺はもう行かせて貰うぞ?これ以上何かとと関わりを持ちたくない」

 

神官「構わん、だが忘れるな?貴様は世界の…まぁいい。壊し過ぎるなよ」

 

そう言って魔法陣で何処かへと飛んだ神官を見ながら舌打ちをして怪人は歩を進めた。

 

聖書の神「お、お待ちになって!」

 

「あぁ?現世の神如きが俺に何の用だ?」

 

聖書の神「名前を、名前を教えて下さい!」

 

まるで親の仇の様な目つきで睨んだ怪人に怯む事なく聖書の神は名前を聞いた。怪人はブツブツ呟くと、ニヤリと笑みを浮かべて答えた。

 

 

 

「俺の名はジャッカル!神々の天敵としてこの世に産まれし世界最強の生命体!『不滅の破壊者』ジャッカル・デーモン様だ!!よく覚えておけ!!!」

 

 

 

こうして、この世界に存在する筈のない怪人が誕生した。コレが吉と出るか凶と出るかはまだ、分からない…それが神であっても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ドライグやアルビオンは弱い訳じゃありません。

ジャッカルが二体同時に相手にするのが面倒臭いから疲弊している所を狙って攻撃したのです。

リクエストの方もよろしくです。


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第2話:破壊者と無限神龍

今回は特に、戦いとかはありません。

戦いが見たい人は応援お願いします。



二天龍を封印してからと言うもの、様々なことがあった。三大勢力が喧嘩を売ったり、聖書の神が死んだり、北欧神話の者や日本の妖怪まで敵になった事もある。

 

しかし、ジャッカルは不滅。

 

例え、どんなに優れた能力を持つ者でも彼に勝てる者はまず居ないだろう。

 

そして今は、西ドイツ…ココでジャッカルは奇妙な出会いをする。

 

ジャ「ここは…西ドイツか…?空気の薄い所だが、良い景色じゃねぇか。少し休むと「ガンジスのー流れー!ガンジスのー流れー!」…しようとしたんだがな、ウッセェ!ちょっと黙ってろ!!」

 

ブチ切れて振り返ると其処にはオレンジ色の金平糖の様な形の生物が、女装をしながらピアノを弾いていた。

 

ジャ「(…なに、この生物?)」

 

「あ!いたいた!もう、どこ行ってってぎゃあぁぁぁぁ!?なんかボスキャラっぽい奴がいる!!?」

 

すると、ピンク色の髪をした女の子やデカイアフロのおっさん、ピンク色のとぐろ頭の男や手足の生えた魚雷にプルプルした何かが現れた。

 

ジャ「テメェら…この世界の住人じゃ無いな?答えろ!貴様らは何者だ!」

 

アフロ「そうだそうだ!何者だ!」

 

ジャ「お前もだよ!」

 

アフロ「あ、俺も?俺は『鼻毛真拳七代目伝承者』ボボボーボ・ボーボボだ!」

 

金平糖「オレ様の名は首領パッチ!ハジケ組のおやびんだ!」

 

プルプルした何か「フッ、オレはところ天の助…全ての加工食品代表さ…」

 

ピンク「わ、私はビュティです!」

 

「俺はヘッポコ丸だ」

 

とぐろ「我が名はソフトン、アイスクリーム屋を経営している」

 

「俺は破天荒だ」

 

魚雷「私は魚雷ガールぎょらぁぁぁ!」

 

「僕は田楽マンなのら!」

 

「どうも、貴方のためのガ王です」

 

「あたしポコミ!よろしくね!」

 

 

ジャ「いや!長いわ!」

 

『『『エェェ!?』』』

 

ジャッカルは一通り聞くと話が長いとツッコミをいれた。

 

ジャ「いや長過ぎだろ!何なんだよ!始め数人だけかと思ったら結構いるじゃん! 11人もいるじゃん!?」

 

ボーボボ「ウルセェ!何か文句あるか!」

 

ジャ「逆ギレかよ!?何の用だマジで!」

 

首領「決まってんだろ?お前だよ。永遠の恋人!生まれながらの純情派!ジャッカル・デーモンよ!」

 

ジャ「いや、意味がわからん」

 

ビュティ「ボーボボ、もしかして探してる人ってこの人なの?」

 

ボーボボ「あぁ、そうだ。俺達は『キングオブボケリスト』であるジャッカルを倒しに来た」

 

ポコミ「キングオブボケリスト?」

 

 

その単語にジャッカルはピクリと反応を示した。そしてポコミの質問に答える様に破天荒が応える。

 

破天荒「ボケリストは俺達の世界の『ハジケリスト』と『ボケ殺し』の始まりと言われているこの世で最もハッチャけた存在だ。その中でもキングオブボケリストはボケリストの中でも五回以上大会で優勝していないと語れない特別な存在なのさ」

 

ビュティ「えぇ!?この人が!!?」

 

ジャ「・・・どこで知ったかは知らんが、俺はキングオブボケリストの中で二、三番目の存在…この世で最も強いボケリストは他にいる。この世界にいるかは知らないがな、だからと言って相手をしない訳じゃないが急用がたった今できた。あいつから逃げる事をオススメする」

 

ビュティ「あ、あいつって?」

 

ジャッカルが空を見上げるとそこには黒髪のゴスロリ少女がこちらを見て笑みを浮かべていた、宙に浮いている事を除いても一見ただの少女の様に見えるが、威圧感の様なモノを感じる。

 

 

「ジャッカル、久しい」

 

ジャ「何しに来た?オーフィス」

 

ソフトン「まさか、あのオーフィスか?」

 

ヘッポコ「知ってるんですかソフトンさん!」

 

ソフトン「あぁ、奴は全ての世界と世界の間にある『次元の狭間』に住んでいると言われる伝説の龍の一体だ。その力はこの世界を滅ぼせる程だと聴く…」

 

天の助「そ、そんなヤバい奴が何でここにいるんだよ!次元の狭間ってとこに居ればイイじゃん!?」

 

破天荒「どちらにせよ、片付けないとヤバい事になるな…俺が行くぜ!」

 

ボーボボ「待て!破天荒!!」

 

ジャ「無駄だ、奴に生半可な攻撃は効かん」

 

破天荒「知るかよ、喰らえ!カギ真拳奥義『永遠錠』!永久に止まりやがれ!!」

 

不動を貫くオーフィスに破天荒はカギ真拳を喰らわすも、セットされたカギは一本一本外れ初めた、オーフィスはフッと笑うと右の袖から黒い蛇大量に出て来て破天荒の胴体に巻き付いた。

 

破天荒「なっ!?何じゃコリャ!!」

 

オーフィス「確かに、その力ならドラゴンでも倒せる、けれど、我には届かない、おやすみ」

 

破天荒「う、おおぉぉぉぉ!!?」

 

オーフィスは破天荒を振り回すと、地面に思い切り叩きつけた。その時の衝撃て地面にはヒビが大量に入っていた。

 

破天荒「は、が…」

 

ボーボボ「破天荒!!!」

 

ビュティ「そんな…破天荒さんが…」

 

ソフトン「殺気どころか闘気すら感じない静かな動きだった…これが伝説の龍の力か?」

 

魚雷「なかなかやるわね」

 

ポコミ「(まずい、全員でかかっても勝てない。でも、ジャッカルなら……)」

 

ジャ「で?実際何しに来たんだ?」

 

オーフィス「ジャッカルがこの世界に来てから数百年たった、我が知る限り、グレートレッドに勝てるの、ジャッカルだけ、だから我と共にグレートレッド、倒してほしい」

 

ジャ「悪いが無理だ、グレートレッドやお前の戦いに混ざると本当に世界が崩壊する。それにグレートレッドが次元の狭間から飛び出せば周りに迷惑だ、そんなに静寂が欲しいなら自分で探せ。あそこほど静かじゃなくてもマシなところはあるだろう?」

 

オーフィス「例えば?」

 

ジャ「知らん!俺の好みとお前の好みが同じとは限らんからな、そう言うのは自分の力で探す物だ!この世界は元いた場所よりも狭いかもしれん。しかし、お前が知らないだけで住み易いところは沢山あるんだ。だから、暫くはこの世界を旅して見たらどうだ?」

 

 

ジャッカルの言葉にう〜んと、考え込むオーフィス。どうやらそれもイイかもしれないと思ったようだ。

オーフィスは長い時間を次元の狭間で過しているため、感情という物が薄れてしまっているのだ。

 

ビュティ「あの伝説の龍と普通に話すなんて…あなた何者?」

 

ジャ「過去に色々あっただけだ、お前らに話す権利も理由も義理もメリットもヘッタクレもない」

 

天の助「テメェ!何様だコラ!」

 

首領「舐めんじゃねぇぞコラ!」

 

ボーボボ「コカすぞコラ!」

 

ジャ「(あぁ、何故俺はこいつらの心配をしたんだろうか?オーフィスにけしかければよかったかな?)」

 

オーフィス「ジャッカル、我、決めた」

 

ジャッカルが軽く後悔していると、オーフィスが話しかけて来た。頭から湯気がモワモワとしている様子から見て、相当考え込んだようだ。

 

オーフィス「我、この世界で、静寂を探す、けど、グレートレッドに負けたまま、悔しい、仲間探して、今度、勝つ」

 

ジャ「成る程な…この世界に奴に立ち向かう勇気がある奴がいるとイイけどな。まぁ、お前が決めたことだしな。俺は応援しておくよ」

 

オーフィス「ん、ジャッカル、ありがとう」

 

ジャ「じゃあなオーフィス、ハーポニー」

 

オーフィス「ハーポニー?」

 

ジャ「俺の世界の言葉でまた会おうって意味さ」

 

オーフィス「ん、ハーポニー、ジャッカル」

 

 

ジャッカルの真似をするとオーフィスは空を飛んで帰っていった。少し頬を赤く染めていた様に見えたのは、たぶん見間違いじゃないだろう。

 

ジャ「さてと、俺は行く」

 

首領「ちょっ!?待てや!コッチの要件は終わってねぇぞコラ!!こちとら仲間一人やられ「空間移動(テレポーテーション)』!!」って話聞けよ!!」

 

ジャッカルは騒ぐ首領パッチを無視して去っていった、影も形も残さずに……。

 

 

 

ボーボボ「俺達が来た意味、会ったのかな?」

 

首領「さぁなぁ…………………」

 

 

 

 

彼らとオーフィスとの出会いが、この先どう繋がるかは先の話次第。お楽しみに………。

 

 

 

 




活動報告のリクエストの方もよろしくお願いします。


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第3話:破壊者と駒王町

今回はオリキャラが3人出てきます。

イローーーンナ伏線が混ざってます。

それでは、どうぞ!



「グアァァァァァァァ!!?」

 

一人の男が悲鳴を上げ、体を燃え上がらせながら倒れる。少しずつ灰になって行くその様は、もう助からないと誰が見ても分かるものだ。

 

「ば、化け物が!そいつらは我ら姫島家の汚点、消さなければ我らの歴史に泥が付く……!」

 

ジャ「そんなんで付く歴史なら、ラフレシアの方がまだマシだな。ガキ相手に妖刀なんて振り回しやがって、頭のネジがだいぶ外れてると見た」

 

手足が朽ちて、もはや首しか残っておらず、今にも生き絶える寸前の男の目の前にはジャッカルが両手に炎を纏って立っていた。彼は幸せな人生を歩んでいた女性と堕天使のハーフの娘の命を奪おうとした男達が許せなくて、男達に攻撃を仕掛けたのだ。

 

「呪ってやるぞ…例えこの肉体が滅びようと、必ず蘇り姫島の汚点であるそいつらを抹殺し、貴様に復讐してやる!!この姫島家当主、姫島(ひめじま)朱蓮(しゅれん)がな!!!」

 

ジャ「害悪となる妖怪から守る奴が言うセリフじゃねぇな。まぁ、妖刀を持ち出してる時点で貴様は相応しくないと言うわけだがな……取り敢えず死ねや、『デリートハンド』」

 

ジャッカルは右手に紫色のオーラを纏い、それを朱蓮に向けて振り降ろすと《ガオンッ》と音がして頭部が完全に消え去った。朱蓮の命が尽きると炎も役目を果たしたと言わんばかりに消えた。

 

女性「あ、あの…なんとお礼を言えば…」

 

娘「あ、ありがとうございます!!」

 

ジャ「別に…ただムカついただけだ、あんたらが人の命を平気で奪うゲスだったらあんたらにも同じ事してたし。あのカスが善人だったら味方してた、ただそれだけだ」

 

ジャッカルはツンとした態度で礼を断ると、機械の様な翼を出して宙に浮かんだ。だが、女性ソックリな娘が母親から離れるとジャッカルを見上げながら聴いた。

 

娘「あの!また会えますか!!」

 

ジャ「・・・縁があればな…」

 

ジャッカルはそう言うと街の方へと姿を消した。

 

 

〜数時間後〜

朱里「と、言う事が…」

 

「そうか、そんな事が…」

 

姫島朱里と話している男の名はバラキエル、『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部の一人で『雷光』の二つ名を持っている愛ゆえに堕天した神話の存在だ。

 

バラキエル「ここ数年、姿を見せなかったが…まさか娘を助けられるとはな…本当に何者なんだ?」

 

朱里「あなた…彼からは呪いの様な力と聖なる力の二つを感じたけど、人間の様な気配もあったわ」

 

バラキエル「あぁ、アザゼルも昔に手に入れた奴の皮膚を調べた事があるが人間の様な体の作りに機械の様な細胞組織、オマケに色んな力が混ざり合っていたそうだ。その後、奴に襲撃されて全治一ヶ月の重傷を負ってサンプルも取られたらしいがね」

 

朱里「彼は…たぶん誰かに、大きくて理不尽な悪に酷い目に会わされたんだわ…じゃなきゃあんな悲しそうな目…出来ないもの」

 

バラキエル「そうだな、敵対するもの同士で手を取り合って戦った時も勝ったら戦争を止めろと言ってきた。何百年も生きている我々が赤子の様な気分になったよ…また出てきたと言う事は…今度は駒王町で何かが起こると言う事なのでは無いだろうか…」

 

朱里「・・・あなた、平和条約の方を進めなくてはならないのでは?」

 

バラキエル「あぁ…だがな、もう少しお前らと居ようと思う。もう、失うのは嫌だからな」

 

朱里「・・・・・ありがとう」

 

 

 

姫島朱里とバラキエルの娘、姫島朱乃の未来が変わった。コレがどうなるのかは、今現在では誰も予測出来ない。

 

 

 

***

時は更に進み、ジャッカルは『兵藤』と書かれた表札の前に立っていた。だが、姿はいつものジャッカルとはまるで違うものだった。髪は白銀のままだが、額に緑色の水晶が付いていて、細マッチョという言葉が似合う男性の姿をしていた。

 

ジャ「(あの家族が心配だからと言って、いつまでも隠れ続けるのは不可能だ。しかし、人間の姿になるのは随分と懐かしいな…一体何年振りだろうか。さてと、昔を懐かしむのも大概にして挨拶をするか)すみませーん、誰か居ますか?」

 

《ピンポーン》と呼び鈴を鳴らして家主を呼ぶと、ジャージ姿で『一騎当千』と書かれた黒いシャツを着こなし、鉢巻を付けた若いワイルドな黒髪の男性がドアを開けて出てきた。

 

「おや?どなたですか?」

 

ジャ「初めまして、隣に引っ越してきた銀城羅刹と申します。あ、これつまらないものですが…饅頭です」

 

「おぉ!どうもすみません。俺は兵藤平助、一応漫画家です。こんなだらしない服装ですみません…実は赤ん坊が産まれまして」

 

ジャ「へぇ、そうなんですか。少し顔を拝見してもよろしいですか?」

 

平助「どうぞどうぞ!遠慮なく見てください!」

 

平助の許可を貰い、リビングに入るとウェーブのかかった茶髪の低身長の女性が赤ん坊を抱いているところだった。

 

「あら?あなた、その人は?」

 

平助「近所に引っ越してきたお隣さんだ。紹介しますよ銀城さん、俺の妻の明日香です! 美人でしょぼっ!?」

 

平助は女性、明日香が投げつけたであろうテレビのリモコンらしきものを顎にクリティカルヒットされて、ひっくり返った。明日香は顔を真っ赤に染めている。

 

明日香「急に変な事言わないでよ!すいません、騒がしくしちゃって…そこのチャランポランな男の妻の兵藤明日香と申します」

 

ジャ「え、えぇ…よろしく…」

 

その光景にかかあ天下と言うワードを頭を過らせながら引きつった笑いをする。すると、騒ぎに反応してか抱かれて居た赤ん坊が目を覚ました。

 

「むぅ、んん〜〜」

 

平助「やべ、起きちまったか?」

 

ジャ「あぁ、さっき話に出てた…ところで名前は?なんて言う名前ですか?」

 

明日香「一誠と言うんです。一番、誠実に生きて欲しいと思いましてそう名付けたんです」

 

ジャ「一誠ですか…良い名前ですね。漫画だったら主人公ポジだったでしょうね」

 

平助「まぁ、元々俺が一番初めに描いた漫画の主人公だったんですよ。売れてる今だからこそ伝説扱いになってる漫画ですが、元々あまり人気の無い作品だったんですよね…」

 

明日香「でも、私はあの漫画が大好きですよ?だって、初めて読ませて貰った作品ですも…の…うぅ!?」

 

すると、突然明日香が膝をついて苦しみだした。汗を沢山流し、腹部を抑えている。

 

 

ジャ「えぇ!?ちょ、どうしたんですか!?」

 

平助「ふ、二人目だ!実は赤ん坊がもう一人出来たんすよ!!」

 

ジャ「ちょっと前に産まれたばかりなのに!?いくら何でも早すぎるでしょう!!!?」

 

平助「いや〜嬉しくてつい…」

 

ジャ「ついじゃなくて!!」

 

明日香「そんな事より…救急車…」

 

平助「ああああ!!そうだった!」

 

 

その後、ジャッカルと平助が荷物に引っかかって転んだり、同時にドアを通ろうとして詰まったりしたが何とか無事に救急車に乗せることができた。

 

 

 

 

***

そして、ジャッカルは一誠と共にお留守番中。

 

ジャ「何か、ハッスルした人だな…悪い人じゃ無さそうだけど…なぁ?」

 

一誠「あーぶぅ!!」

 

ジャッカルの呟きに応じる様に一誠が声を出す。まだ喋れはしないが、目はちゃんと開いているし、体には以上は無さそうだ。しかし、ジャッカルはある事に気が付いてしまった。

 

 

原作を知っているものなら知っているだろう事実、それは彼がか現代の『赤龍帝』だと言う事だ。

 

ドラゴンは、その強さ上に人を惹きつける特徴がある。その力でハーレムを築いた者もいるが、中には永遠のライバルと言える『白龍皇』と闘い、命を落とした者もいる。

 

中には白龍皇に会う前に命を落とす事だってあるのだ、闘いを避ける方法はない。あるとしたら神器(セイクリッド・ギア)である『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を取り除くしかない。

 

が、神器はその者の魂も同然。抜き取られた時点でその者は死んでしまう、どちらにしろ闘いからは逃れられないのだ。

 

ジャ「・・・一誠、お前は良い奴だ。恐らくこの世で最もカッコよく、優しい人間になるだろう」

 

一誠「ぶぅ?」

 

ジャ「だからな、お前を守るよ。白龍皇からも、悪魔からも、堕天使からも教会からも、今度こそ…もうだれも失わせたりはしない。だから、幸せになれよ?」

 

一誠「う……?あい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まさか、あいつが俺の近くにいるとはな…にしても、あんな風に笑えたのか。神を超える力を持っていても所詮生き物か…幸せそうに笑いやがって』

 

 

神器の中から外の様子を見ている赤龍帝、ドライグが見たものは…元の姿になりながらも一誠を抱いて幸せそうに微笑んでいるジャッカルであった。

 

 




因みに、オリキャラの声はこんな感じです。

○姫島朱蓮
声優:江川央生

○兵藤平助
声優:大塚芳忠

○兵藤明日香
声優:井上喜久子


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