戦姫と勇者と鋼の三重奏 (白騎士君)
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無印 ルナアタック事件と異星人襲来事件編
始まり


登場作品予定 ○(初参戦)△(キャラと機体と設定だけ)

戦姫絶唱シンフォギア ○

結城友奈は勇者である ○

鷲尾須美は勇者である ○

マジンガーZ

グレートマジンガー

UFOロボ グレンダイザー

マジンカイザー(OVA) △

マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍 △

マジンガーZ INFINITY ○

ゲッターロボG

真ゲッターロボvsネオゲッターロボ △

新ゲッターロボ △

マクロスプラス

マクロスF

劇場版 マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜

劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜

超時空世紀オーガス

機甲戦記ドラグナー

翠星のガルガンティア

フルメタル・パニック!

フルメタル・パニック?ふもっふ △

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞tr ○

機動戦士Zガンダム

機動戦士ZZガンダム

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

機動戦士ガンダムUC

機動新世紀ガンダムX

機動戦士ガンダムSEED

機動戦士ガンダムSEEDDESTINY

ガンダムEXA ○

ガンダムEXA VS ○

OVERMANキングゲイナー

交響詩篇エウレカセブン

劇場版 交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい △

HEROMAN

地球防衛企業ダイ・ガード

天元突破グレンラガン

劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇

劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇

ロボットガールズZ ○

スーパーロボット大戦OGシリーズ

魔装機神シリーズ

バンプレストオリジナルシリーズ

ACE(アナザー・センチュリーズ・エピソード)シリーズ ○

特別参戦

戦姫と勇者の二重奏 ○


とあるマンション

 

「う、う〜ん……。朝か」

 

マンションの部屋で鳴り響く時計のタイマーを切り、布団から起き上がる。

彼の名は『日比野勇也』、アルバイトをしている普通の青年である。洗面台で顔を洗い、歯磨きをして朝食を食べ、寝間着から私服に着替えて、部屋から出て鍵を閉めた。彼はこれからアルバイトに向かうのであった。

 

「新作のスパロボはまだ出ないかな〜?」

 

アルバイトに向かいながら、そう勇也は呟いた。

すると、偶々少女が横断歩道に立っているのを見ていたが、信号は赤の状態であり、トラックが猛スピードで走行していた。

 

「マズい!!」

 

それを見た勇也は急いで横断歩道に向かい、少女を掴み反対の方に突き飛ばした。勇也の目の前に既にトラックが迫っていた。

 

(あっ……終わったな、これ)

 

心の中でそう呟いた後、意識を失った。

日比野勇也の人生は幕を下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

勇也は目を覚ますと真っ白い空間の所で横になっていた。

 

「此処は…一体…?」

『お兄さん』

 

起き上がり辺りを見渡していると声が聴こえ、した方に向くと先程の少女だった。

 

「君は…あの時の?」

『お兄さんは何で私を助けたの?』

 

少女は何故、自分を助けたのか勇也に問うてきた。

 

「……助けなきゃいけないって思ったからかな?」

『どうして?私の事を放っておけば良かったのに』

 

勇也は引かれそうになった少女を助けないといけないと思ったと答えた。しかし、少女は放っておけば勇也の命は助かったのに何故自分を助けたのか訊いてきた。

 

「確かに君を放っておけば俺は死ななかったかもしれない。でも、他の人が助けてくれると必ずってわけじゃない。目の前で小さい命が無くなるところなんて見たくないし、俺自身…後悔したくない」

『だから助けたの?』

「あぁ。まぁ、俺は死んだけど君の命を守れたなら、それで良い」

『そっか…』

 

助けた理由は小さい命が失うところを見たくなかった事と自身が何もせず命が失う事を後悔したくなかったと答える勇也。

自分は死んだが、少女を助けられて良かったと勇也は言い、少女は勇也の理由を聞いて納得した。

 

「ところで何で君が居るんだ?」

 

そう何故か助けた少女が此処に居るのか勇也は疑問に思った。

 

『………』

 

すると、少女が突然光り出して勇也は目を瞑った。光が晴れると、其処にはローブを着た女性だった。

顔は目の所までフードが覆って見えない。

 

「え、えぇ!?」

『ごめんなさい。貴方にこの様な宿命を背負わせてしまい』

「宿命?」

『あそこで立っていたのは試す為だったんです』

「試す!?」

 

勇也は姿が変わった女性に驚くが、女性の言葉に首を傾げる。しかし、次の言葉に勇也は驚く。女性は自ら横断歩道に立っていたのだ。しかし、女性は何を試す為に横断歩道に立ったのか分からない勇也。

 

『私は探していたのです。恐怖に屈せず、他者の為に命を助ける者を』

「それが俺だって事か?」

『はい。しかし、探す為とはいえ貴方の命を奪った事に申し訳ありません』

 

女性は勇也の様な存在を探すためとはいえ、勇也を殺した事に謝罪をする。

 

「良いよ別に俺は気にしていないし、探す為に何か深い理由があったんだろう?何より貴女から悪意を感じられない」

 

気にしてはいないと女性には何らかの理由があって探していて、女性に悪意的な感じはないと勇也は言った。

 

「でも、貴女は一体何で俺の様なのを探していたんだ?」

 

しかし、勇也は思った。一体女性は何で自分の様な存在を探していたのか。

 

『……実は貴方が居た世界とは違う世界に滅びの危機が迫っているのです。貴方にその世界を救ってほしいのです』

「滅びの…危機?」

『はい。その世界に…破壊の災厄、『バアル』が現れ滅ぼされてしまいます』

(バアル…。あれ?何処かで聞いた事がある様な…?)

 

女性は勇也の世界とは違う別の世界に危機が迫り、バアルと言う存在が現れ、別の世界を滅ぼそうとしていると話した。

勇也はバアルと言う単語に何処かで聞いた事があると考え首を傾げる。

 

『しかし、その世界には『樹海の勇者』、『絶唱の戦姫』がバアルに似た存在と戦い平和を護っていますが…』

「それでもバアル自体には敵わない…」

『はい……。バアルの力は強大、今の守護者達の力では護りきれないのです』

 

別の世界にはバアルと似た様な存在から護っている守護者達が居るが、本当のバアルでは今の彼等では太刀打ち出来ないと説明する女性。

 

「だったら、どうしたら…」

『その為に貴方の力が必要なんです』

「俺が…?」

『貴方の恐怖に屈せず、他者の為に命を助ける力で守護者達の力になって下さい』

 

どうしたらバアルからその世界を救えるのか勇也は訊こうとするが勇也自身が必要だと女性は答えた。

そして、その力で守護者達の力になってほしいと頼まれた。

 

「でも、俺にそのバアルと戦う力は持っていないぞ?」

『その心配はありません。貴方を転生した時に、貴方の中に眠っている力が目覚めます』

「眠っている…力…ッ!?」

 

戦う力は持っていないと勇也は女性に言うが、女性は勇也が転生した時に勇也の中に眠っている力が目覚めると言った。

勇也は自身にある眠っている力について女性に訊こうとするが、突然意識が朦朧とし始めた。

 

「何……だ……!?」

『どうやら時間が来てしまったようです。ですが……貴方……一人では……異世界………の戦士達……………』

 

勇也は意識が朦朧とする中、女性は何か勇也に言っているが、途切れ途切れにしか勇也にはもう聞こえていなかった。

そして、勇也は完全に意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………ん?此処は……?」

 

勇也が次に目覚めた時には、見知らぬ部屋であった。

自分の姿を確認すると寝間着であり、少し身長が低く感じた。

 

「ッ!?身長が縮んだ!?そして若返ってる!?」

 

自身の姿を鏡で見ると身長が少し縮み、15歳位に若返っていた。

 

「一体どうなっているんだ?しかも此処は何処だ?」

 

勇也は辺りを見渡していると其処に仏壇があった。

確認すると仏壇の中に自分と同じ名字の位牌が二つあった。すると突然頭痛が走り、勇也は頭を右手で押さえた。

 

「そうか…俺はあの女性に世界を救って欲しいって頼まれたんだ。此処は俺の世界とは違う世界で、この世界の俺の両親は事故で亡くなって此処に引っ越して来たんだ。今日は…」

 

勇也はこの世界で生きてた自分の記憶を思い出し、カレンダーを確認すると入学日と赤く書かれた文字があった。

 

「『リディアン音楽院』の入学日だったな」

 

そう言い、勇也はリディアン音楽院に登校する為、制服に着替える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の登場により今、世界に大きな戦いが幕を開けようとしていた。




『中断メッセージ』
※此処ではセリフの上に名前が付きます。

『仲良しの三人 その1』

勇也「おっ!ここでゲームを終了するのか?関心するな」

響「え〜!もう止めるの?もっとやりたいよ」

勇也「何言ってんだ響。ゲームのやり過ぎは体に良くないぞ?」

響「でもでも!まだちょっとしか進んでないんだよ!?」

響「マジンガーとかゲッターとかガンダムとかジェニオンとか出て来て無いんだよ!」

響「其処まで進みたいよねプレイヤーさん!?」

未来「もう響ったら…。プレイヤーさんにも用事があるんだよ?」

未来「それにレポートの方はどうなってるの?私と勇也はもう終わってるんだけど」

響「あっ…」

未来「もう!そんなんだから成績が上がらないんだよ!」

勇也「響の事は未来に任せるか」

勇也「皆も響の様になりたくなかったら、時間を考えてプレイしてくれよな」

勇也「それじゃあ、また」

『次回予告』

リディアン音楽院に入学した勇也、しかし彼はリディアン音楽院の初めての男子生徒であった。味わった事のない空気にどんよりする勇也に『立花響』と『小日向未来』と出会う。
二人と仲良くなり、町を案内されるが特異災害『ノイズ』が現れる。絶体絶命の時に勇也の中で眠っていた力が目覚める。

次回『目覚める鋼の力』


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目覚める鋼の力

シンフォギアGの10話で思い付いたネタ

ウェル「何せ我々はかかる災厄に対してあまりにも無力ですからね」

マジンガーZERO「………」

マジンエンペラーG「………」

ゲッターエンペラー「………」

マジンカイザー「………」

グレートマジンカイザー「………」

マジンカイザーSKL「………」

真ゲッターロボ「………」

鋼鉄神ジーグ「………」

ガイキング・ザ・グレート「………」

勇也「コイツ等が居ても?」

ウェル「間違っている。平行世界の人間がこんな物を造って、生み出すなんて……」









ノイズやバーテックス、どれも人知を超えた存在。でも彼等(マジンガーZERO達)は神や悪魔すら超える存在。
シンフォギアや勇者であるの世界に来たら、ノイズやバーテックスの最後の日だ。


リディアン音楽院の教室

 

「…………」

 

勇也はある状況に苦しんでいた。

 

(し、視線が……辛い)

 

そう、勇也は女子生徒の視線に釘付けにされて苦しんでいた。

何故こうなったか、2時間前に遡る。

 

2時間前…

 

この時、勇也はリディアン音楽院の門の前まで来て入ろうとしたが、

 

「其処の貴方」

「はい?」

 

門の所で立っていた女生の教師に声を掛けられ、反応した勇也。すると、教頭が勇也の方に向かって来た。

 

「『日比野勇也』君で間違いありませんね?」

「は、はい。そうですが…?」

 

教師の質問に素直に答えた勇也。教師は持っていた表を見ながら何かを確認していた。

 

「勇也君。貴方はそのまま行かず、体育館の舞台裏に待機してくれるかしら?」

「え?何で?」

「実は貴方はリディアン音楽院の初めての男子生徒なの。だから、教室には行かずそのまま体育館に向かって下さい」

「ええ!?」

 

聞かされた勇也は驚いた。転生したとはいえ、まさか自分が入学する学園が初めての男子生徒でこの学園は今までは女子校だった事を知った。

勇也はそんな事を思いながら教師の後に付いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在…

 

(此処で三年も登校するのか……。バアルが来る前に俺の精神の方が持たない)

 

あの後、教師の指示通りに体育館の裏側で待機して入学式が始まって校長の話の時に勇也の名前を言い舞台に立ったが、本当に男性教師以外、生徒全員女子、女子、女子だった。

勇也はなんとか自己紹介を済ませて舞台裏に戻り、無事入学式が終わった。

だが…まだ授業が残ってる為、安心は出来ないと分かり勇也は静かに溜め息を付いた。

すると、隣に居る生徒が同じクラスの子に教科書を貸した姿を見た。

 

(あの子、確か担任教師に怒られた子だっけ?)

 

勇也はそう思うとふっと気付いた。

この子、木から降りられなくなった猫を助けて担任教師に怒鳴られた『立花』と言う女の子だった。

 

(教科書を貸して大丈夫なのか?入学したばっかなのに…)

 

勇也がそう思っていると案の定、立花と言う人は担任教師が質問するが教科書が無い為、あたふたとしていた。

それを見た勇也はこっそりと立花に答えを教えた。教えられた立花は答えを言い、何とか難を逃れた。

 

「あ、あの…」

「ん?」

「教えてくれてありがとう」

「どういたしまして」

 

立花にお礼を言われた勇也は自分の教科書を立花にも見える位置に置いた。

 

「え?」

「教科書無いと不便だろ?これならお互い見れるから安心だろ」

「あ、ありがとう」

 

勇也はそう言うと立花がお礼を言い、無事授業を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。勇也は今、自分の寮を探していた。

だが、勇也はあまり気が進まなかった。それは自分が住む寮に女子生徒と同居する事になったのだ、しかも二人。

理由は今年の入学生が多い為、寮が満員な為仕方なく女子生徒と同居する様にと校長に言われたのだ。

 

「あ」

「「「此処だ」」」

「………」

「………」

「………」

「「「え?」」」

 

暫くして、住む寮を見つけて思わず声を出すと声が重なるのが聞こえて驚く。確認すると勇也と同じ驚いた顔をしている立花と見知らぬ女子生徒だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学生寮

 

「いや〜、まさか教えてくれたのと教科書を見せてくれた人と一緒になるなんて思わなかったよ〜」

「もう響たら、すみません響に教科書見せてもらって…」

「良いよ。入学初日に教科書を貸す人なんて珍しいと思ったけど」

 

と、二人の少女と話し合う勇也。二人は同じこの寮で一緒になる『立花響』と『小日向未来』。

 

「う〜、変な子だと思われたよ〜未来ぅ」

「もう響!それにしてもいくら先生の指示や入学生が多いからって同居させるのはどうかと思うけど」

「まぁ、仕方ないよ。多分先生達は入学生が予想以上に入った事に驚いてるんだよ。ところで…自己紹介をしてなかったな」

 

勇也が話しているとお互いの自己紹介がまだだった事に気付く。それには響や未来も同じだった。

 

「あっ、それもそうだね。じゃあ私から、立花響、15歳! 誕生日は9月の13日で血液型はO型! 身長はこの間の測定では157cm! 体重はもう少し仲良くなったら教えてあげる! 趣味は人助けで、好きなものはご飯&ご飯!あと彼氏いない歴は……」

「もう響~!そんな事まで紹介しなくていいから!…私は小日向未来です。響の親友で同じクラスの1回生です」

 

と、響がどうでもいい紹介をして未来は恥ずかしくなったがすぐに落ち着き自身も自己紹介をした。

 

「俺は日比野勇也。これからよろしく」

「うん、よろしく!ところで勇也君は引っ越して来たって先生が言ってたけど、引っ越してどの位経つの?」

「勇也でいいよ、昨日来たばっかりだから此処の町の事をよく知らないんだ」

「だったら、今日未来と一緒に町を案内するよ」

「え?」

 

突然の響から町の案内をすると言われて驚く勇也。

 

「響、今は夕方だよ?全部案内したら夜になるよ」

「大丈夫。暗くなるまで案内させるから、これも人助けだから」

「俺は別に構わない。丁度、話し終わったら町を探索しようと思ってたんだ」

「ほら、勇也君もそう言ってるんだし」

「はぁ…。分かったわ」

 

未来は今の時間では夜になると言ったが、響や勇也に言われて、諦めたのか未来も行く事になった。勇也のリディアン周辺の案内に行こうとした時、勇也が響に質問をしてきた。

 

「あの、立花さん」

「響で良いよ。後、敬語を使わなくて良いし」

「そうか、俺だけ呼び捨てするのもなんだし俺の事は勇也って呼んでくれ。小日向さんも良いかな?」

「うん、分かった」

「良いよ。後、私の事も未来って呼んで良いよ」

「ああ。ところで響、さっきの自己紹介で仲良くなったら本当に体重教えてくれるのか?」

「えっ!?」

「ゆ、勇也!本当でも、そんな事聞かないの!」

 

突然の勇也の質問の内容に響は頬を赤くし、未来も頬を赤くしながら勇也に注意をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディアン周辺の町

 

「それにしても授業の時、勇也の演奏凄かったね!」

「そうだね。あの曲って何だったの?」

「ん?あれは昔やっていたゲームに流れた曲でよくそれを聴いて、演奏したんだ」

 

勇也は二人に町の案内をされながら授業の時の事を話していた。

それは担任教師がレクリエーションで生徒達に好きな歌や演奏をするという事だった。勇也の番が来た時、彼は転生する前によくやっていたスパロボのBGMを聴きながら自身が持っていた楽器で演奏をしていた。

その時、使った楽器がピアノでJAM Projectの『Rocks』の演奏をした。勇也の演奏を聴いて、リディアンの生徒達や先生にも大好評だったらしい。

 

「あっ、そろそろ暗くなるよ」

「そうだな。響、そろそろ戻……どうした?」

 

空が暗くなっていき、そろそろ学園に戻ろうと響に声を掛ける勇也だが、響が何か見つめていた。

見ている物が気になり、勇也と未来は響の後ろから覗くと其処には……。

 

「何だ?」

「嘘…」

 

勇也は先にある物を不思議に思いながら見て、未来は驚きのあまり恐怖してしまう。

其処に居たのは世界の災厄とされる特異災害、

 

「ノイズ…」

 

『ノイズ』だった。

勇也達の前に20体のノイズがゆっくりと勇也達に向かっていた。

 

「あれは一体…?」

「勇也!あれはノイズだよ!忘れたの!?」

(ノイズ。まさか……あの人が言っていた『バアルに似た存在』って、コイツ等なのか!?)

 

この世界に転生した勇也はノイズについての知識は全く無く、首を傾げた。

勇也の様子を見た未来は少々怒りながら、ノイズの名前を勇也に教える。教えられた勇也は転生する前に女性が言っていた一部の言葉を思い出し、似た存在がノイズだと驚く。

 

「未来、勇也!逃げないと……っ!?」

「なぁ!?」

「そんな……!」

 

我に返った響は二人に逃げる事を伝えるが、後ろを振り向くと既に15体のノイズが待ち構えていた。

更には左右の道には5体のノイズが現れ、完全に囲まれていた。

 

「ひ、響…」

「へいき、へっちゃらだよ。未来」

「くそっ!」

 

怯える未来を励ます響。勇也はなんとかしようとそこら辺にあった石を掴みノイズに投げようとするが……、

 

「駄目だよ勇也!石を投げてもノイズに通用しないよ!」

「何!?」

 

未来が勇也にダメージは与えられないと伝え、それを聞き、驚く勇也。

そんな中、ノイズはゆっくりと三人の間近まで歩いてくる。

 

(どうする!?アイツ等はダメージを与えられないし、逃げる事も出来ない!だが、このままだと…)

 

勇也は考えるがどれも無理だと感じた。

するとノイズは攻撃態勢に入っていた。

 

(何も果たせず、何も守れず、ここ死ぬのかよ!!)

 

勇也が諦めかけたその時……、

 

(聞いて……感じて……考えて……)

 

頭の中で誰かの声が聞こえた。

 

(誰だ!?)

(貴方の…貴方の中に……眠ってる者を……鋼の戦士を……目覚めさせるのです)

 

勇也に伝えると、謎の声は聞こえなくなった。

勇也は謎の声の言う通りに聞いて、感じて、考えた。だが、その瞬間ノイズが勇也に向かって来た。

 

「「勇也!!」」

 

響と未来が勇也の名を呼ぶ。ノイズが勇也に触れる寸前に来た時……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の元に現れ、纏え!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇也が叫ぶと、身体が光り出し、ノイズを吹き飛ばした。吹き飛ばされたノイズはそのまま炭に変わった。

突然の光に響と未来は目を瞑った。光が収まり目を開けると其処に居たのは……、

 

「え?」

「勇也……?」

 

響と未来は目を見開いて唖然とした。勇也の立っていた所に赤く大きなバックパックを背負い、左腕には盾と鞘が融合し剣が納刀されて、ツインアイの所にゴーグルを付けたロボットだった。その姿はどことなく凶鳥の機体『ヒュッケバイン』の姿に似ていた。




中断メッセージ

『新たな精神コマンド?』

東郷「この機体をこのマスに移動。そして精神コマンド、集中を掛けて…」

友奈「東郷さん。何してるの?」

東郷「スーパーロボット大戦をやってるのよ、友奈ちゃん」

樹「さっき東郷さんがやった精神コマンドって何ですか?」

東郷「精神コマンドは乗っているパイロットが持つ能力の一つでマップの攻略の鍵にもなるの」

風「ふぅ〜ん。じゃあもし新作のスーパーロボット大戦が出る時に精神コマンドに『女子力』を追加してほしいわね」

友奈「じょ、女子力?」

風「そう!効果は敵の気力を50減らすのよ!どうよ、素晴らしくない!」

夏凛「そんなもの出るわけないでしょ」

夏凛「逆に出たとしても、効果が敵味方の気力が100減らす。役に立ったない精神ね」

樹「そうなるとお姉ちゃんが絶対に持ってるから。多分、プレイヤーさん達は主に使う気ないんじゃないかな?」

風「な、何を〜!!」

園子「みんなは精神コマンドを使う際はよく考えて使ってね〜。使い過ぎるとボス戦やマップ攻略が詰んじゃうからね〜」

園子「それじゃあ、また〜」

『次回予告』

己の眠る力を目覚めさせた勇也、無事ノイズの撃退に成功する。
そんな中、勇也は自分の秘密を響と未来に教える事を決意。だがそれは、次元が崩壊しもう一つの青の星が現れる合図であった。

次回『説明と次元震』


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説明と次元震

久し振りの戦闘描写だけど、上手く出て来ているかな?


リディアン周辺の町

 

ノイズに囲まれ絶体絶命の勇也達。だが、勇也の中に眠る力が目覚め、5体のノイズの攻撃を防ぎ消滅させた。

勇也は自分が纏った姿をまじまじと見た。

 

(これは…ヒュッケバイン!?………でも少し違う、Mk-ⅡとMk-Ⅲの部分もある。それに左腕に付いているのは『ストライク・シールド』!頭部に付いているゴーグル…これは『エクスバイン』と同じやつだ!)

「勇也!」

 

勇也が纏った姿に驚いていると響が声を掛けられて、我に返ると3体のノイズが勇也に向かって攻撃をして来た。

 

「くっ!」

 

勇也は左腕に装備されているストライク・シールドで防ごうとする。しかし、攻撃が当たる直前フィールドの様な物が展開され、ノイズの攻撃を防いだ。

 

(これは…念動フィールド!?)

 

勇也は展開されたフィールドを見て驚く。

 

『念動フィールド』

 

それは『念動力者』と呼ばれる者がある搭載されているシステムを通して発生させるエネルギーフィールド(通称Eフィールド)。

しかし、勇也は念動フィールドが展開されたより『何故、自分に念動力が宿っている』事が一番の驚きだ。

 

「スゴい……勇也」

「響!」

 

ロボットの様な鎧を纏い、ノイズの攻撃を防いだ勇也に思わず見惚れてしまう響。すると、未来に声を掛けられて未来の方に首を向ける響、後ろに居た6体のノイズが二人に向かって攻撃をしてきた。

思わず目を瞑る二人だが……、

 

「いけ!T-LINKリッパー!」

 

勇也が武器名らしき物を言うと大きな手裏剣のような実体刃が4つ出て来て、響と未来に向ってるノイズの方に行き6体を切り裂いていた。

ノイズが倒した事を確認すると勇也はT-LINKリッパーを念じ、響と未来の周りに回り始めるとバリアが張られた。

 

(良し!試してみたが上手くいけたな)

「な、何これ…?」

「それはバリアみたいな物だ!其処から出なければ安全だ」

「勇也はどうするの!?」

 

勇也は先程念動フィールドを展開出来たのでT-LINKリッパーでバリアを張れるか試してみたが、上手く成功したらしい。

未来は張られたバリアに驚き、勇也は二人にバリアに入れば安全だと伝えた。

だが、バリアを張ってない勇也自身はどうするのかと響が訊く。勇也は響を見た後ゆっくりとノイズの方を見る。

 

「俺は……コイツ等を倒す!」

 

勇也はそう言いながら左腕に装備されているストライク・シールドから『T-LINKセイバー』を抜き、バックパックのスラスターを吹かしながらノイズに突っ込む。

 

「うおおおおおお!!」

 

T-LINKセイバーを縦や横に振り、4体のノイズを切り裂き。遠くに居るノイズは念じると左手から『フォトン・ライフルS 』が出現し、狙いを付けてトリガーを引いた。

放たれたビーム弾は3体のノイズ撃ち抜いた。撃ち抜かれたノイズは炭へと変わった。

 

(後、24体)

「多いな………なら、『スプリットミサイル』!」

 

ノイズの数を確認し、勇也はスラスターを全開にして空を飛びスプリットミサイルを放った。

放たれると中から多弾頭ミサイルが射出され、ミサイルはノイズに着弾、10体のノイズを倒した。

ノイズも負けずに勇也に攻撃するが、『バルカン砲』で防がれる。バルカン砲により更に4体のノイズを撃破する。

 

「これで決める!『グラビトン・ライフル』!」

 

勇也はT-LINKセイバーを仕舞い右手からグラビトン・ライフルを出現させた。

 

「シュート!」

 

勇也はグラビトン・ライフルのトリガーを引いた。銃口から赤黒いビームが放たれ、残りの10体を消滅させた。

全滅を確認すると勇也はゆっくりと着地をし、響達の方を向いた。

バリアが解かれると二人は勇也の所に向かった。

 

「勇也、大丈夫!?」

「スゴいよ勇也!ノイズを倒せるなんて!」

 

未来は勇也を心配し、響はノイズを倒した勇也に感激していた。すると、無言で二人を肩に担ぎ始めた。

 

「え?…え!?」

「ゆ、勇也!い、いきなり何してんの!?」

「此処に居ると面倒な事になりそうだから、早く離れるぞ」

 

いきなり担ぎ出した勇也に響と未来は驚く。

ノイズを倒したとはいえ、周りは信号機や交通標識が折れ、道路等が砕かれ、溶解をしていた。それを見た勇也は厄介事に巻き込まれる前にこの場から離れようと二人を担いだのだ。

勇也はバックパックのスラスターを全開、二人を担いで飛び去った。

 

「「キャアアアアアアア!?!?」」

 

いきなり飛んだ事に思わず悲鳴を出してしまった響と未来であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数十分後…、

 

「そうか…既に戦闘は終わっていたか」

『はい。私達が着いた時にはノイズの残骸だけでした』

 

此処はとある司令室。

赤いカッターシャツとピンクのネクタイをし屈強な感じの男性と通信越しで腰までの長さの黒髪で黒いリボンで纏めている少女と話していた。 少女が居る場所は先程、勇也達が居た場所であった。

 

「静音達が来る数十分前にノイズの反応が次々と消失していた。だが、聖遺物のアウフヴァッヘン波形の反応がなかった」

「恐らくこちらのスキャンが出来ない技術で聖遺物を使ったか、あるいは聖遺物とは違う何かで戦ったか」

 

男性の言葉に対し、アップにまとめたロングヘアーと白衣と眼鏡の特徴の女性が答えた。

 

『司令』

「どうだった、緒川?」

 

次に男性に話し掛けたのが二十代くらいの茶髪のほっそりとした『緒川』と言う名の男性だった。

 

『やはり、情報になる物は見つかりませんでした。ただ…』

「ただ?」

『此処で戦闘で起きた場所の道路、壊されただけでなく…溶けた様な部分がありました』

「溶けただと…?」

 

男性は片眉を上げて茶髪の男性に訊いてきた。茶髪の男性は持ってる通信機器を道路を映すと確かに破壊された所もあるが溶解している部分もあった。

それは勇也が撃ったグラビトン・ライフルの跡である、無論男性達はそんな事も知らない判らずじまいであった。

 

「溶解させる程の威力、今の現代兵器ではそんな事は出来ん。それが出来ると言うなら聖遺物だが…」

「起動時に出るアウフヴァッヘン波形が出てないとなると…」

「聖遺物とは違う未知の技術か…」

 

男性は右手を顎に当てて考え込むが答えが出る事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「友奈ちゃん?」

 

同時刻、夜空を見上げていた友奈と言う花弁のような髪飾りをつけた赤髪の少女に話し掛けたのが黒髪の少女だった。

 

「え?東郷さん?」

「昨日から空を見上げる事が多くなってみたいだけど…大丈夫?」

 

東郷と言う少女が友奈の事を心配していた。

友奈は昨日から空を見上げる事が多くなり、他の者達も心配をしているのだ。

 

「うん。特に何も無いよ………ただ」

「ただ?」

「何て言えば分からないんだけど……胸騒ぎするの……」

 

友奈はそう言い、また空を見上げた。

だが、この胸騒ぎが的中するのが誰も思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学生寮

 

「あ~、今日散々な日だった〜」

「うん。色々あり過ぎて疲れたわ」

 

と、デーブルで突っ伏してる響と未来、あの後無事学園に着いて寮に戻り今の状態になっている。

其処に変身を解いた勇也が三人分のココアを作り持ってきた。

 

「ほら」

「あっ、温かい物どうも」

「ありがとう」

 

ココアを作ってくれた勇也に二人は礼を言い、ココアを受け取った。三人は覚ましながらゆっくりとココアを口に含んだ。

 

「ぷっはぁ~♪」

「………ねぇ、勇也」

「ん?」

「勇也は何者なの?」

 

未来はカップを置き、勇也に問い掛けてきた。

 

「未来?」

「私、勇也を不思議に思ったの。ノイズの事や神世紀の事、ましてや神樹様の事を知らないって人は…」

「あー!そういえば、案内してる時に『神樹様って何だ?』って、訊かれた時にはびっくりしたよ!」

 

と、未来と響が勇也に問い掛ける。

実は勇也は学園での挨拶の時に『神樹様に拝』と言う聞き慣れない言葉を聞き、町を案内してる時に二人に神樹様の事を訊いたら、二人は驚きながらも勇也に神樹様の説明をした。が、説明でまた聞き慣れない言葉も訊くと二人は更に驚いたのは記憶に新しい。

 

「…………分かった。だが、約束してくれないか?これから話す事は他の人達に言わないでくれるか?」

「え?」

「どうして?」

「…………二人は、転生者って知ってるか?」

 

勇也はこれまでの事を二人に話した。自分は転生者である事、ある女性に世界を救ってほしいと頼まれた事、ノイズ以上の危険な存在バアルによりこの世界が滅びの危機が迫っている事を話した。聞いた二人は勇也が話の内容に唖然してしまう。

 

「…………なんか……すっごい話だって事は、分かったけど……」

「だから、神樹様の事やノイズの事を知らなかったんだ。………でも、どうして?」

「俺にも分からない。覚えてるのは自分の事や家族の事、そして両親が亡くなった事だけだ」

 

両親が亡くなった。

それを聞いて二人は気まずい感じになった。

 

「ご、ごめん。辛い事を思い出させちゃって…」

「良いよ別に」

「勇也の両親はノイズに?」

「いや、両親は事故で亡くなったんだ。ノイズに殺されたって記憶は無いな」

「……そっか」

 

辛い思い出を思い出させてしまった事に未来は勇也に謝るが、勇也はその事については気にしていないと言う。

響は勇也の両親が亡くなった理由はノイズに関係するのかと訊いたが、勇也はノイズとは関係ないと答えた。それを聞いた響は何処か安心をしていた。

 

(……ん?)

 

だが、勇也は響の表情に何処か悲しい表情をしていると気付いた。

 

(何だ?響もノイズの事で何かあったのか……?)

「そういえば、私達の世界にバアルって者が現れるって言ってたけど、それってノイズの事?」

「いや、さっき説明したが恐らくあの女性はノイズの事をバアルに似た存在って言っていた。だからノイズ自体がバアルじゃないと思う」

 

響の表情を見て、響も過去にノイズと遭遇して辛い事があったのかと勇也は思った。

すると未来が勇也にバアルはノイズの事なのかと訊くが、勇也はそれを否定をした。理由は女性はバアルに似た存在が居ると言っていてそれはノイズの事であり、バアルその者ではないと勇也は未来に言う。

 

「ねぇ、勇也が変身した姿はさ、あれ何なの?」

 

勇也がノイズを倒した際に変身した姿に響が訊いてきた。

 

「あれか?あれはヒュッケバインって言う機体だ」

「「ヒュッケバイン?」」

 

聞き慣れない言葉に響と未来は首を傾げた。

勇也は懐から赤色のクリスタルの形をしたペンダントを二人に見せた。

 

「それは?」

「俺があの姿を解除するとこれがあった。恐らくあの時纏ったヒュッケバインだろう。ヒュッケバインは俺の世界にあった架空のロボット。凶鳥とも呼ばれた機体でもあるんだ」

「きょ、凶鳥?なんか不吉な感じに聞こえる」

「どうして勇也がそれを?」

「女性の人が言ってたんだ、どうやら俺の中にその力が眠ってたらしい。ただ…」

「「ただ?」」

「あの時纏ったヒュッケバインは、今まで無かったタイプだ」

「どういう事?」

「ヒュッケバインは初代、Mk-Ⅱ、Mk-Ⅲ。そして改造型のエクスバイン、と言った系統の機体があるんだが、俺が纏った姿は初代、Mk-Ⅱ、Mk-Ⅲそして、エクスバインの機体と装備、能力を融合した感じだった」

 

と、勇也は二人にノイズとの戦闘時に纏った姿、あのヒュッケバインは後継機と改造機が融合した機体だと説明した。

 

「ねぇ、バアルってのを勇也一人で倒すの?」

「……最悪の場合、俺一人でもやるかもしれない」

「そんな!私達にも何か…」

「駄目だ。この世界に現れるバアルがどんな存在なのか分からない以上、二人を巻き込みたくない。それに、手助けしたいと言っても二人には戦う力がない。尚更駄目だ」

 

勇也は自分一人で戦うしかないと訊いてきた未来に答える。

それを聞いた響は自分達も協力したいと言うが、勇也はそれを拒否。バアルがどんな存在なのか分かっていない以上、勇也は二人を巻き込みたくなかった。

 

「だが、彼等を見つければまだ望みはある」

「彼等?」

「女性の人が言ってたんだ。この世界にはバアルと似た存在と戦っている『樹海の勇者』と『絶唱の戦姫』が居るらしい。その人達に協力を頼めばバアルに勝てる可能性があるかもしれない」

「そんな人達が居るんだ…」

 

勇也はこの世界には女性が言っていた『樹海の勇者』と『絶唱の戦姫』。彼等に協力を頼めば、バアルに勝てる確率があると勇也は二人に言う。

しかし、勇也は何処か不安であった。この世界に現れるバアルがどういう存在なのか、もしあの『果てなき破壊の化身』現れるとなると恐らく勝ち目はほぼ無いと思えた。何故なら奴等は宇宙を追い尽くす程の数と宇宙を滅ぼす程の力、そして人知を超えた存在。確実にこの世界は滅びるだろう確実に。

勇也は思考を紛らす為時計を見ると既に時間は23時になっていた。

 

「俺から言う事はこれだけだ。そろそろ寝ないとな」

「あっ、そうだね」

 

勇也はそう言いながら、立ち上がる。

勇也の言葉に響や未来も気付き、立ち上がって三人はそれぞれの寝間着に着替える。(無論、勇也は洗面台の所で着替えている)

そして、三人はそれぞれのベットに入る。(響と未来は二段ベットの上段に入る所を見た勇也だが、訊かない事にした)

 

「ねぇ、勇也」

「ん?」

 

すると、上段に居る響が勇也に声を掛けた。

声を掛けられた勇也は響と未来の方を向く。

 

「まだお礼言ってなかったけど、護ってくれてありがとう勇也」

「本当にありがとう勇也。勇也が居なかったら、今の私達が居なかった」

「そうか、俺も二人を護れて良かったよ」

「「え?///」」

 

響と未来は勇也がノイズから守ってくれた事にお礼を言うと勇也も二人を護れて良かったと笑顔で言った。

その言葉と笑顔に響と未来は顔を少し赤くした。しかし、勇也としてはこの世界で友達として見ているが、どうやら二人には何か別の言葉に聞こえたらしい。

 

「ん?どうした?」

「う、ううん、おやすみ勇也!///」

「おやすみ!///」

「お、おお…おやすみ」

 

急に赤くなった二人に声を掛けた勇也だが、二人はすぐさまベッドに入り睡り始める。不思議に思いながらも勇也もベッドに入り睡り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆ………や…………て!勇…………也…………きて!勇也……………起きて!…………勇也!起きて!

 

「……んん?」

 

眠っていた勇也。しかし、響の声が聞こえ目を開ける。

其処には動揺を隠し切れない響の顔が映った。

 

「どうした響?」

「大変だよ!本当に大変なんだよ勇也!」

「待て落ち着け!一体どうしたんだ?」

「空が……空が割れるんだよ!」

「は?」

 

不可解な言葉に思わず勇也は首を傾げる。

空が割れる?

響の言っている事に理解出来ないが、取り敢えず勇也は窓の方に顔を向けると未来が窓越しで夜空を見上げていた。勇也もそれに釣られて上を見上げると……、

 

「なぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『空がガラスの様にヒビ割れをして、そのヒビの隙間から紫色の光が出ていた』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どうなってるんだ?」

「わ、私にも分からないよ!未来に声掛けられて起きたらこう、なってたんだよ!?」

「二人共!」

 

勇也と響は動揺を隠し切れなかった。

すると未来が二人に声を掛けた、声を掛けられた勇也と響は未来の所に向かう。未来の元に着く二人、未来は二人に窓の夜空に指差す。

指差された所に二人は釣られて窓の夜空を見る。するど空にあるヒビが段々、広がって行く。

 

「え!?」

「空が…!」

「割れる……!」

 

次の瞬間、空は割れ辺り一面光が照らされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、三人が目を覚ました時は早朝の5時だった。その時三人は空を見たが、何時も通りの空だった。

しかし、宇宙は違った。日本のとある天文台で二人の教授の一人が天体望遠鏡を覗き込むと一人の教授が慌ててもう一人の教授に何かを伝えるともう一人の方も天体望遠鏡を覗き込む。数秒後、二人の教授は慌てて部屋を後にした。

二人が天体望遠鏡で何を見たか。それは真っ黒な筈の宇宙に『オーロラ』が出現、ほぼ宇宙全体に現れている。だが、もっと驚くべき物を二人は見た。

それは…………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地球から40万㎞離れた所に宇宙が割れ、その先に『もう一つの地球』があった。




中断メッセージ

『新生!ムッツリ軍団!』

宗介「………」

レイ(種死)「………」

レド「………」

サキト「………」

イング「………」

ヒビキ「………」

翼「………」

静音「何をしてるの…貴方達?」

宗介「このゲームをプレイしてくれた、プレイヤーの挨拶だ」

レイ(種死)「よく此処まで戦ってくれた。後は衛気を養ってくれ」

レド「だが、戦いはまだ終わってはいない」

サキト「貴方がプレイを再開する時、また戦いが始まると思う」

イング「だけど、僕達は信じている。君が諦めず、このゲームをクリアする事を…」

ヒビキ「だから俺達も一時の休息を取る。君が戻るまで、俺達は待っているからな」

翼「………」

静音「翼、貴女からもプレイヤーに言う事ないの?」

翼「………」

翼(いかん、言おうとした事を全部言われた…)

『次回予告』

もう一つの地球が現れてからも人々は普段の生活を送った。そんな中、勇也達はリディアンにある変わった部活に入部をする。
そして、またもやノイズが出現。この日、一人の少女が覚醒をする。

次回『勇者部と覚醒の鼓動』

用語設定集

神世紀の科学衛星
神世紀になって以来、日本が打ち上げた衛星。現状の地球の状態を観測の為に1年前に打ち上げられた。
この科学衛星のおかげで宇宙の異変ともう一つの地球の出現をいち早く察知する事が出来た。

謎のヒュッケバイン
勇也が纏った時の姿。
まだ詳しい情報が無いが解ってる事は『ノイズを倒せる』、『ヒュッケバインとエクスバインのハイブリッド機』、『武器を出現させる事が出来る』この三つだけである。
それからは赤色のクリスタルの形をしたペンダントの状態になり、勇也の念じればまた纏う事が出来る。


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勇者部と覚醒の鼓動

お待たせしました!今回は勇也達が勇者部に入部して、響がガングニールを纏う話です。

話の中でスパロボメンバーも出ています。

※今回は活動報告にアンケートを出しています。


リディアンの食堂

 

翌日。

三人はリディアンの食堂で昼ご飯を食べていた。

ちなみにリディアンの昼食はビュッフェ形式で食堂には数多くの料理が並んでいる。 ただ、学食は毎日やってるわけではなく、お休みの日もある為お弁当を作って食事を取る事もある。

そんな中未来は携帯で何かニュースを見ていた。

 

「何を見てるんだ未来?」

「ノイズの出現したニュースを読んでるの。でも、ニュースの中で多いのは昨日のあれみたい」

「例の宇宙にオーロラが出現、もう一つの地球が現れたってやつか」

 

響がご飯をモクモクと食べている中、勇也は隣に居る未来が携帯で何を見ているのか問い掛けた。

未来はノイズの出現のニュースを読んでいたと答えるが、今日のニュースで多いのは宇宙にオーロラが出現、そしてもう一つの地球が現れるという現象が起きた。

世界各国の政府は宇宙に発生した、ただの幻覚と発表。専門家や研究者は我々の地球の未来の姿を写した現象、オーロラについては宇宙の理が変化したと答えた。

だが、勇也はこの現象について思い当たる事があった。

 

(宇宙にオーロラ、もう一つの地球の出現。この現象……スパロボZシリーズの現象とそっくりだ。まさかこの世界に来るバアルは…)

「勇也?」

 

勇也がこの世界で起きた現象に考え込んでいるとご飯を食べていた響が声を掛けてきた。

 

「ん?どうした?」

「なんか勇也が深く考え込んでるから、どうしたんだろうって思って」

「ああ。ちょっと、この世界で起きた現象について考えてただけだ」

「ねぇ、風鳴翼よ!それにその横にいるのはそのお付きの風鳴静音だわ!」

「二人ともすごいオーラね、風鳴翼は最早一流の芸能人、風鳴静音に至っては大赦の重鎮の家柄…畏れ多い存在だわ!」

 

勇也が深く考えてる事に気にしている響に、勇也は現象について考えてたと答えた。

すると、突如食堂内が騒がしくなるのが聞こえた。 見知らぬ二人の名に、勇也は未来に訊く。

 

「誰だ?その…風鳴翼と風鳴静音って人は?」

「風鳴翼さんは元『ツヴァイウィング』のツインボーカルユニットなんだけど、二年前に会場に現れたノイズに相方の『天羽奏』さんが亡くなって、今はソロアーティスト。風鳴静音さんは大赦の重鎮の家柄で翼さんのマネージャーをしてるの」

「ふ〜ん。で、大赦って?」

 

未来はある程度の事、風鳴翼と風鳴静音について話した。勇也は理解はしたがまた『大赦』と言う聞き慣れない言葉が出てきて再び未来に訊く。訊かれた未来は思わずため息をして勇也に呆れてしまう。

すると、響は静音と翼が現れたのか反応し椅子を後ろに引いて立ち上がった。そして響のすぐ真横に静音と翼が通りかかった。

 

「あっ!」

「「……」」

 

距離はわずか数十センチ。

あまりにも近い位置であった為か響は緊張のあまり黙ってしまう。

そんな中、勇也は静音と翼の顔をチラッと見た。

 

(この人達が風鳴静音さんと風鳴翼さんか…。あんまり知らないが、確かに間近で見ると一流の芸能人と大赦って言う重鎮の家柄のオーラが感じるな)

「あ、あ…あの…」

「右頬……」

「ふぇ?」

(ん?)

 

勇也は未来の話を聞いた通り、強い存在感を感じて顔を戻して食事を続ける。

そんな中、響は静音と翼に何か話そうと言葉を紡ごうとするが緊張で中々言葉が出ない。

すると翼の左隣にいた静音が自身の頬を指さし響に呟いた。

響と勇也は一瞬何の事かと思い、勇也は響の顔を見て、響は自分の頬に手を当てると…、

 

(あ、ご飯粒)

「ぁ…」

「静音!行くわよ…」

「分かってるわ……」

 

其処にご飯粒が付いているのに気が付く勇也。響もそれに気付き顔を赤くするのだった。

翼に呼ばれた静音は勇也達の席から離れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、放課後。

 

リディアンの教室

 

「死のウィルスから結界を作り出したのが『神樹様』、そして、その神樹様を奉ってるのが『大赦』。あってるか未来?」

「うん。これである程度の知識は分かった?」

「ああ、ありがとな未来」

「ああ~もう駄目だぁ…。翼さんと静音さんに完璧可笑しな子だと思われた……」

 

勇也は今教室で、今居る世界の知識を未来に教わっていた。

そんな中、響は昼休みの事ですっかり落ち込んでいた。

 

「お前ははなっから可笑しいだろ?」

「間違ってないんだから良いんじゃない?」

「二人共ヒドイよ!?」

「それよりCD買いに行く前に部活見てくんでしょ?そんなに落ち込んでないで、早くして!」

「うぅ、はぐらかされた気分…」

 

勇也と未来のイジりを受けながらも気遣いながら早く部活を見に行こうと誘う未来。 はぐらかされて複雑な気分の響であった。

 

「でも部活かぁ…中学の時はあたし、帰宅部だったんだよねぇ…。未来はやっぱり陸上部か何か?」

「さすがにリディアンに来てまで陸上やろうなんて思わないわよ。やっぱり音楽関係の部活が良いかな。リディアンは部活もそういったのに力を入れてるし」

「そっか~、勇也は?」

「俺も響と同じ帰宅部だった。特にこれ!って入りたい部活は無かったな」

「勇也もあたしも同じなんだ…人助けとか趣味な人が入れる部活とかあったらいいのになぁ…」

「さすがにそんな都合のいい部活…あるわけ……」

「ところが、あるんだよね~♪」

 

三人が部活で何に入ろうかと話し合ってると突如横から声を掛けられ勇也と響と未来が立ち止まる。

声のした方向には薄い茶髪の髪を双又に分けた三回生だろうか、一人の少女がチラシの束を抱えて立っていた。

 

「人助けが趣味というあなたに!ピッタリの部活があるわ!」

「は?」

「ふぇ!?」

「え!?」

 

突然の言葉に勇也も響も未来も目を丸くする。

 

「人助けが趣味というあなたに!ピッタリの部活があるわ!」

「なぜ二回!?」

「そりゃあ大事な事だから」

「そんなお決まりみたいに…」

「言われてもな…」

 

その少女の言葉に勇也も響も未来も困惑している。

するとその少女はもっていたチラシを一枚勇也と響と未来に差し出した。

 

「勇者部入部希望者募集中…勇者部?」

 

そこには勇者部入部希望者募集中と大きく書かれ、部活の活動内容が詳細に記されていた。

勇也と響と未来は聞きなれない部活動の名前に首を傾げる。

 

「私たち勇者部には現在八人の部員がいるわ!活動内容はそれに書かれた通り、世の為人の為になることを勇んで行う…と、まあ簡単に言ったらボランティア活動専門の部活動ってところね」

「世の為人の為……それってすっごく素敵ですね!!」

「ええ!?」

「響!?」

「おお!気に入ってくれたかい?新入生!」

「もっちろんですよ!!世の為人の為…なんてすばらしい響きの言葉…決めました!私この部活に入ります!!」

「ちょっと響!そんな急に…」

「だって未来~世の為人の為になることを勇んで行うって部活だよ?こんな私の為にあるかのような部活、入らない手なんてないっしょ!!」

「そりゃあ、響が人助けが趣味だってことは知ってるけど……」

 

未来は飽くまで常識的に響の言葉に対応する。

そんな中、勇也は一人ある考え込んだ。

 

(響があれ程の反応して、勇者部って部活に八人……って事はあの人を抜いて響みたいな性格が七人居る可能性が…)

 

と、勇也は勇者部に響が七人居ると想像をする。

 

(((((((勇也〜)))))))

(やべぇ…想像したら頭痛がしてきた…!)

「勇也!今、失礼な事を考えてなかった!?」

 

想像をして頭痛をし、手で頭を押える勇也にその様子に響がツッコミを入れてきた。

それに対し勇也は、

 

「いや、俺は響が七人居たら大変だな〜と思ってら頭痛がしただけだ」

 

ハッキリ響に失礼な事を言った。

 

「私が七人!?…っていうかハッキリ言った!?」

 

響も思わずツッコミを入れた。

勇也の中では響=バカと思ってるらしい。

まぁ、産まれた時から響はバカだけど(笑)

 

「私は産まれた時からバカじゃないですよ!!」

 

地の文にツッコミを入れるなバカひよこ。

 

「だからバカじゃないですよ!!後、ひよこってどう言う事!?」

「響、誰にツッコんでるの?」

「え?あ、ごめん。勇也以外に失礼な事を言われた気がして」

「まぁ、取り敢えず部活動の様子、見に来なよ。入るかどうかはそれからでもいいから」

 

こうして、勇也と響と未来はチラシを配っていた少女に連れられ、一同ある教室の前までやって来た。

教室の前には音楽準備室と書かれたボードの上に勇者部部室と書かれたボードが掲げてある。

 

「此処が、あたし達勇者部の拠点となる部室よ。さぁさぁ、入って入って!」

「えっ!?あの…」

「たっだいま~入部希望者三人。連れて来たわよ~」

 

そう言って少女は快活な感じで響と未来の背中を押しながら部室内へと入って行く。

部室の中では部員であろうか、六人の少女達がそれぞれ部活の仕事を行っていた。

 

「おい、あれって…」

「静音さん!?」

「えっ!?本当だ!」

 

そして、その中に居たある人物を見つけ響と未来は驚いた。其処には昼休みの時偶然出くわした風鳴静音の姿があった。

 

「あら、あなたはお昼の時の…」

「し…静音さんも此処の部員だったんですか!?」

「へぇ~静音にはもう会ってたんだ。そうよ、ちなみに我が校で知る者は居ないトップアーティスト、風鳴翼もこの部の部員よ!今日は居ないけど…」

 

それを知り、響は自分は場違いな所に入部しようとしているのではと、一抹の不安に駆られた。

未来もその少女の言葉を聞いて同じく困惑しているが、勇也はだけは静音の事を余り知らない為、困惑はしなかった。

 

「風、その子達が新しい入部希望者?」

「まぁね、どうやら人助けが趣味だって事らしいのよ」

「へぇ、今時珍しいわね」

「えっ!?何でそんなにお二人は普通に会話してるんですか!?」

 

あの風鳴静音と普通に話している少女の姿にますます驚く響。

 

「何でって…まあ中学からの付き合いだしね、世間じゃあ大赦の重鎮の家柄だの…風鳴翼のお付きだのって言われてるけど… あたし等にとっちゃあ、普通の友達だしね」

「私も、そう普通に接してくれた方が嬉しいしね。こういう時まで堅苦しいのはさすがにごめんだもの」

 

そう響が困惑していると、自分達を連れてきた少女、犬吠埼風は部室の中に居る部員を集め順番に紹介を始めた。

 

「それじゃあうちの部員、紹介するね。まずはこの子、結城友奈!」

「結城友奈です!只今2回生、よろしくね」

 

風に促され友奈と言った少女は元気に挨拶をした。

 

「それとこっちは……」

「東郷美森と言います。友奈ちゃんの親友で同じく2回生よ、東郷と呼んでください」

「あっ…これはこれはご丁寧にどうも」

 

その美森と言った少女の丁寧な自己紹介に響も思わず挨拶を返す。

 

「で、こっちの生意気なデコッぱちは、にぼっしー!」

「ちゃんと紹介しろ!後にぼっしー言うな!!三好夏凜よ。よろしく」

 

風の紹介の仕方に不満を漏らしながら夏凛と言った少女も勇也達に挨拶をする。

 

「で、あっちで鼻ちょうちん作って昼寝してるのは、乃木園子……」

「スヤ~~~~~」

「もうそのっちったら……」

「は…はぁ……」

 

風が紹介した園子と言う少女は座ったまま、鼻ちょうちんを作って昼寝していた。

その姿に勇也と響と未来も思わず苦笑いを浮かべる。

 

「で、こっちに居るのは…」

「ん?君は…!」

「えっ!?樹ちゃん!?」

「あっ!本当!」

「えっ!?もしかして立花さんと、小日向さんと日比野さん!?」

「えっ!?もしかして四人とも知り合い!?」

 

部室内にいた樹の姿に勇也と響と未来の三人は驚き声を上げた。

実は勇也と響と未来と樹の四人は同じ1回生でそれも一緒のクラスだった。

おまけに初日に響が教科書を貸した相手でもある。

 

「なる程、樹さんのお姉さんの部活だったのか」

「何かそれを聞いたら安心したね。静音さんが居るから一体どんな部活なのか不安だったんだけど」

「なによ樹~?知り合いだったらそう言えばいいのに」

「知り合いって言っても、同じクラスで、偶々教科書貸してもらったってだけだったから…」

「あたしは樹の姉で部長の犬吠埼風!でこっちは知る人ぞ知る風鳴静音ね!一応副部長務めてもらってる」

「あっ!お昼の時は…その……」

「ふふ、何も気にしてないわよ?なんか面白そうな子が居るなとは思ったけど」

「あうぅ…やっぱり変な子だって見られてたぁ……」

「変な子は間違ってないだろ?」

「だからハッキリ言わないでよ!?」

「響!そんな事より挨拶してもらったんだから私達もしないと!」

 

未来にそう言われて響も気を取り直し自己紹介を始めた。

 

「私は立花響!15歳!好きなものはご飯&ご飯!彼氏居ない歴は「僕は日比野勇也と言います。三人と同じく1回生、どうぞよろしくお願いします」って勇也!私まだ自己紹介の途中なんだけど!?」

 

響が自己紹介をしている途中に勇也が自己紹介をしてきて、それに対し響は勇也に文句を言った。

 

「あんな長い自己紹介いらないし、後半の所はどうでもいいし。そもそも自分の秘密をバラして恥ずかしくないのか?」

「もう響~!そんな事まで紹介しなくていいから!」

 

勇也は響の自己紹介に呆れ、未来は恥ずかしくなった。

 

「私は小日向未来です。響の親友で、勇也と樹ちゃんと同じクラスの1回生です」

 

だがすぐに気を取り直し、未来も勇者部の皆に自己紹介をした。

それから程無く、勇也達三人は勇者部の活動を見る為、勇者部の皆と一緒に吹奏楽部の部室に来ていた。

中では既に勇者部の皆が吹奏楽部の生徒達と共に備品整理を手伝っている。

 

「ほぇ~、それじゃあ皆さんは中学時代からのお知合いなんですね」

「まぁね、皆四国の讃州中学の出身で、其処でもあたし等は讃州中学勇者部として、皆と一緒に活動してたのよ」

「へぇ~」

 

勇者部の皆が皆同じ中学の、それもあの四国の出身と聞き響と未来の二人は再度驚く。

そりゃあ皆仲が良いはずだと感心もした。

そんな中勇也は、友奈が一人で重そうな備品を運ぼうとする姿を見て手伝おうとした。

 

「手伝いますよ」

「あ、大丈夫だよ。この位一人でいけるから」

「でも、それ重たそうですし二人の方が効率が良いと思いますよ?」

「う〜ん、分かった!じゃあ勇也君はそっちを持て、私はこっちを持つから」

「分かりました」

 

友奈に許可を貰った勇也は指示に従い、備品の反対を持つ。

 

「じゃあ、いくよ」

「はい」

「「せーの!」」

 

二人は声を合わせ備品を持ち上げた。

……………友奈ごと。

 

「え?」

(あれ?以外に軽い?)

「わわ!お、下ろして、勇也く〜ん!?」

「えっ!?」

 

勇也が備品が以外に軽いと疑問に思うと備品と一緒に持ち上げられている友奈が足をジタバタしながら言い、勇也は友奈ごと備品を持ち上げた事に驚く。

 

「勇也?何してるの!?」

「友奈ちゃん!?」

 

その様子を見た響と美森は急いで勇也と友奈の元に向かい、備品を下ろすの手伝った。その後はなんとか無事に備品整理が終わった。

 

「いやー、無事に終わったわ!まぁ、ちょっとしたトラブルがあったけど…」

「すみません。力加減を間違えて…」

「ううん、別に気にしてないよ」

 

風がチラッと勇也と友奈の方を見ながら言い、当の二人は勇也は先程の件について友奈に謝るが友奈はその事についてはもう気にしていなかった。

 

(だけど、どうして俺はあの重そうな備品を一人で持ち上げられる事が出来たんだ?前まではそんな事は出来なかったのに…)

 

だが、勇也は自身の身体能力が上がってる事に疑問を思った。前までは重い備品を持ち上げられる力は無かった、しかしこの世界に転生してからは先程の通り持ち上げれる事が出来る様になった。

どうして自身の身体能力が上がったのか考えるが、答えは出なかった。

 

「それでどう?勇者部の活動を見ての感想は?」

「なんか、良いですね」

「うん!ますます気に入りました!」

「こういう部活も良いな」

「それじゃあ…」

「はい!もう決めました!入部させてください!」

「私も、入部を希望します」

「俺もです」

 

勇者部の活動を見ていた三人は風にそう伝えた。

新たな部員の誕生に風も嬉しそうに勇也達に微笑む。

 

「それじゃあ、これからよろしくね勇也、響、未来!」

「「「はい!」」」

 

そうしていると響の眼はふと吹奏楽部の部室にある時計に目をやった。

すでに時刻は18:00を回っていた。

 

「えぇー!?もうこんな時間!?CD売り切れちゃう!!」

「えっ!?CD!?」

「今日翼さんのCDの発売日なんです!!毎回初回の奴買ってるんで…早くいかないと売り切れちゃいます!!」

 

そう響は言うとそそくさと鞄を手にその場を後にしようとする。

 

「ちょっと響!行くなら皆に挨拶してから…ってもう!!」

 

未来が気付いた時には既に響は猛ダッシュで飛び出して行った後だった。

 

「たっはー。あの子もなかなか慌てんぼうだね~♪」

「……すみません…」

「良いって良いって、うちの部員も、結構似たようなのばっかだし。こりゃあこれから楽しくなりそうだわ」

 

響の様子に風はこれから楽しくなるだろうと期待を膨らませている。

一方未来は親友のそそっかしさに顔を赤くしていた。

すると勇也が何か落ちてる物を拾った。

 

「何だこれ?」

 

勇也が拾ったのはひよこの形をした財布だった。

それを見た未来は目開いた。

 

「それ…響の財布」

「何?」

 

それを聞いた勇也は片眉を上げて驚いた。

 

「慌てて落としたのか?」

「それだと、あの子翼のCDが買えないわね」

「……はぁ、仕方ない。俺が届けに行ってくる。未来は寮で待っててくれ」

「うん…気を付けてね」

 

勇也は未来にそう言い、鞄を持ち部活を後にした。

すると、風が…

 

「寮で待っててくれ?」

「お姉ちゃん…?」

「未来、一つ訊くけど勇也は何処の寮に住んでるのかな〜?」

「え?それは私と響と同じ寮に………あ」

 

風の質問に未来は答えるが、答えた内容に気付くが既に遅かった。

それを聞いた風は顔青ざめた。

 

「み、みみみ未来!響と一緒に勇也ともうそんな関係を!?」

「え?えええええええ!?」

「ち…違います!今年の新入生が多いから急遽一緒の寮になっただけです!」

 

誤解をされた未来は風に一緒になった理由を話した。

 

「あ~あ、なる程。って!そんなで納得するか!」

「えぇ!?」

「入学して二日!まだ互いに見知ったばかりなのに同性はまだしも、男子である勇也と親しい仲なの!?二日間の間に何があった!?一体どうして其処までの関係になった!さぁ、理由を言いなさい!さぁさぁさぁ!!」

「何やってるのよ風…」

「お姉ちゃん…」

 

それでも納得いかない風は勇也との関係を問い出さそうと未来に訊いてくる。

その様子に勇者部の部員は苦笑いや呆れる者が居た、風の威圧に押されどう答えようと考える未来自身は…、

 

(もう勇也〜!最後に余計な事を言って〜!!)

 

勇也に対し、心の中で怒声を上げた。

 

「うおぉ!?…………何だ、今の寒気…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、リディアン周辺の街中の公園である少年と少女がベンチに座って誰かを待っていた。しかし、少年少女の服装は神世紀の服装とは少し変わっていた。

 

「ティファ。疲れたか?」

「いいえ、私は平気。ガロードは?」

「俺も平気だよ。でも此処の日本は俺達が持ってたお金が使えないしな、どうすかな〜?」

 

そんな会話をしているティファとガロードと言う少女と少年。すると他の少年と少女がベンチに座っていたガロードとティファに近付いた。

 

「ガロード…」

「どうだったバナージ?」

「やっぱり此処は日本だけど…『宇宙世紀』、『A.G.』、『P.D.』…『新西暦』の日本とは違うみたいだ」

「神世紀と神樹様、どれも私達の聞いた事がない言葉でした」

「新連邦やコロニーが無いって事は……此処は別世界なのか?」

「それに…あの時起きた、次元震…『超時空修復』はされたのにどうして…」

 

と、ガロードとバナージと言う少年、そしてもう一人の少女はこの今居る世界と日本、そして聞き慣れない単語について話し合っていた。

まるで自分達が『この世界の住人ではない』という感じだった。

すると、街中にサイレンが鳴り響く。

 

「な、何だ!?」

「おーい!」

 

突然のサイレンに驚くガロード、するとバナージと少女が来た所からまた別の少女が走って来た。

 

「パーラ!どうしたんだ?」

「大変だよ!今朝遭遇したアメーバみたいな化けモンが街中に現れたんだよ!」

「なんだって!?」

「俺達が今朝遭遇した、あの怪物に似てるのか!?」

「ああ!瓜二つだよ!ノイズって奴等らしい、手当たり次第人を襲ってやがる!」

 

少女『パーラ』がガロード達に伝えた内容は今朝、ガロード達はノイズと遭遇し戦闘、撃退しガロード達はこの街に来た。そのノイズがこの街に現れた内容だった。

それを聞いたガロード達は驚くしかなかった。

 

「住民の避難はどうなっていますか?」

 

と、少女がパーラに街に居る住民の避難の状況を訊いた。

 

「避難勧告は出てるけど、街中の色んな所から現れてるよ」

「でも、あの怪物が警察や自衛隊が対応出来るとは思えない」

 

パーラは避難勧告は出ているが、街中の至る所にノイズが居ると言う。

自分達は倒す事は出来たが、この世界の警察や自衛隊がノイズに対応出来ないとバナージは言った。

するとガロードは…、

 

「だったらやるしかねぇ…!」

「ガロード?」

「別の世界だったら騒ぎ起こしたくないけど…あんな化け物を野放しする訳にはいかねぇ…!」

「ガロード…」

「パーラさんは別ルートに行った『レントン』達を伝え行って下さい」

「分かった!」

「バナージ、ティファの事を頼んで良いか?」

「ガロードは?」

「俺は先に行って、化け物の相手してくる」

「え?一人で!?危険だ!」

 

一人でノイズの相手をするとガロードは言うが、バナージは今朝遭遇したばっかりに一人では危険だと感じていた。

 

「心配すんな、アイツ等を足止めするたけだ」

「だけど…」

「バナージさん、ガロードを信じて」

「ティファ。………分かった」

「ティファの事を頼んだぜ!」

「ガロードも気を付けて…!」

 

ガロードはあくままで足止めをすると言う、ティファもガロードを信じてほしいとバナージに言う。二人の言葉を聞いてバナージは頷く。

ガロードはバナージ達にティファを頼むと、ズボンのポケットからダークグリーンのクリスタルを取り出し…、

 

「いくぜ!『ダブルエックス』!」

 

自分の相棒の名を叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分前…

 

「しまった……響の電話番号聞くのを忘れたな」

 

と、そう思いながら街中を歩く勇也。

響の財布を届けに行ったのはいいが、響が中々見つからなかった。電話で何処に居るのかと響に訊こうとするが、電話番号を聞くのを忘れていた為聞き出せなかった。

 

「仕方ない、こうなったら手当たり探すしか……」

 

と言い掛けた時、勇也の目の前を黒い…炭のようなものが横切った。

 

「ん?」

 

ちらりと曲がり角に目をやる。

そこは何時もの活気はなく、ただ黒い炭素の塊があるだけ。

しかもそれは道路だけでなく、周囲の建物の中にも数多く点在していた。

その光景に勇也はすべてを悟った。

 

「まさか…ノイズ!?……響が危ない!!」

 

勇也は辺りに人が居ないか確認をし、赤色のクリスタルを取り出し、

 

「俺の元に現れ、纏え!!」

 

と、勇也が叫ぶと昨日纏ったヒュッケバインの姿になった。スラスターを全開にし空中へと飛ぶ、響を探す為に。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、リディアンの地下深くとある司令室。

其処はノイズが発生した状況を把握し、司令室内は慌ただしい光景が広がっていた。

 

「状況を教えて下さい!」

 

すると、司令室内に制服姿のままの翼、静音、友奈達が駆け込んで来た。

 

「現在、反応を絞り込み位置の特定を最優先としています」

「っ…!」

「急いで下さい!既に何人か犠牲になっているハズです!」

 

静音の言葉にオペレーター達も急いで位置の特定に掛かる。

静音と翼、友奈達はそれを歯痒い気持ちで見守っていた。

 

 

 

 

 

 

 

一方勇也は向かう先にノイズと出くわし、両手に武器を投影させ次々倒していく。遠くに居るノイズは無視をし、響を見付ける事を優先させていた。

 

「クソっ!何処に居るんだ響…!」

 

と、辺りを見るが響の姿は無く勇也は次の場所に向かう。

すると、突如勇也の頭の中で何か閃光の様なものが走った。勇也は動きを止め、向かおうとした方向とは違う場所に向きを変えた。

 

「この感じ……彼処に居るのか、響?」

 

勇也は念動力で響が居る場所を感じ取り、スラスターを吹かして響が居る場所へと向かう。

暫くして工場のビルの所の付近まで来た勇也。すると彼の耳元から、

 

♪Balwisyall Nescell gungnir tron…

 

突如響の歌声が聞こえた。

 

「歌?それに今の歌声って…」

 

勇也が言い掛けたその時、謎の光が現れ空まで上っていた。

 

「何だあれは!?」

 

驚いた勇也だが、直ぐ様光がでた所に向かった。

しかし、謎の光を見たのは勇也だけではなかった。

 

「何だあれ?」

 

周辺のノイズを合流した仲間達と共に倒し終えたガロード達もその光を見た。

 

 

 

 

それは…数秒前の出来事。響は少女と共にビルの屋上に逃げたが、夥しい量のノイズの群れが待ち構えていた。

もはや逃げ場もなく、少女と響はその場に蹲る。

だが響はそれでも諦めてなどいなかった。

 

(私に出来る事…出来る事がきっとあるはずだっ!)

 

「生きるのを諦めないで!!」

 

すると響の中に突如…、

 

♪Balwisyall Nescell gungnir tron…

 

歌が聞こえてきて、響は無意識のままその歌を口ずさんだ。

すると…、突如として響の胸元、2年前に追った怪我の傷跡から眩いばかりの光があふれ出す。

ノイズも一体何が起きたのかと一瞬その動きを止めた。

そしてその光は見る見るうちに大きくなり、天を貫いた。

 

 

 

 

 

その様子は直ぐ様リディアンの地下深くある司令室でも確認する事が出来た。

 

「反応、絞り込めました!位置特定!」

「ノイズとは異なる高質量のエネルギーを検知!」

「波形を照合…急いで!!」

 

ノイズとは異なる高質量のエネルギーを検知した事に、司令室内は一気に慌ただしくなる。

 

「まさかこれって…アウフヴァッヘン波形!?」

 

その正体にアップに纏めたロングヘアーの女性は驚く。

 

『アウフヴァッヘン波形』

 

それは静音と翼が持つある物が起動する際に放たれる波動、使用する際にも放たれる物だ。

そしてモニターに放たれる波動のコード、照合が判明し映された。しかし、この場に居る全員が驚愕した。

『Code:GUNGNIR』

 

モニターにはそう映されたのだ。

 

「ガングニールだとっ!?」

「ガングニールって…」

「そんな!だってアレは奏と一緒に消えたはずじゃ!?」

「どういう事よ!?」

「……っ!」

 

この事に屈強な感じの男性と友奈、夏凜、風は思わず声を上げる。静音も拳を握りしめていた。

そのコード『ガングニール』はかつて、静音や友奈達が共に戦い命を燃やした仲間が持っていた物、そして何より…、

 

(そんな…だってそれは…奏の!)

 

誰よりも驚愕したのは、その相棒の風鳴翼であった。

 

 

 

この日、一人の少女が新たに覚醒した。

しかし、それは新たな物語の始まりであり、二つの世界を巻き込んだ大戦の始まりの瞬間でもあった。




中断メッセージ

『ストレス発散? 1』

BGM 『禁断のレジスタンス』

響「アンジュさん何してるんですか?」

アンジュ「ノイズに今まで溜まってたストレスを発散してるの」

響「す、ストレス発散!?」

アンジュ「そうよ。ストレスを溜めると体に悪いでしょ?」

アンジュ「だから、ノイズで今まで溜まったストレスをぶつけてるの。以外にもスッキリするわ」

響「は、はぁ…」

アンジュ「なんなら響もやってみたら?」

響「わ、私も!?」

アンジュ「アンタの性格上、バカが付く程の優しさがあるからかなり溜まってるのが見えるのよ」

アンジュ「だから、アンタも一回優しさを捨ててストレス発散させたらどう?大丈夫ノイズなら問題ないわ」←例のゲスい笑顔

響「………」

響「わ、私遠慮しますっ!」←何処かへ走り去って行く

アンジュ「あ~あ、行っちゃった」

アンジュ「皆も響みたいにストレスを溜めないようにね」

アンジュ「じゃないとエンブリヲの駒になったサリアみたいになるからね。気を付けなさい」

サリア「どう言う事よ!アンジュゥゥゥ!!」

『次回予告』

突如謎の姿になった響、其処へ勇也と響と同じ変わった姿をしている静音、翼、風が駆けつける。
ノイズを撃退するが突如、謎の人型ロボットと次元震から現れた獣により窮地に立たされる。
しかし…彼等の窮地に鋼の戦士達が現れる。

次回『異世界者達の遭遇』

用語設定集

もう一つの地球
次元震によって現れた地球。
世界各国の政府と専門家、研究者は色々な意見述べているが勇也はこの現象がスパロボZシリーズの『時獄戦役』と『天獄戦争』の間で起きた現象とそっくりと思っている。
この次元震によって宇宙にオーロラが発生、何故この現象が起きたかは不明のままである。


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