明久と優子ともう一つの世界 (e4705)
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プロローグ1st 学園長から

どうもー、e4705です。
バカテス2作品目となります。今回は明久と優子がもう一つの世界に行って試験召喚システムを立ち上げるというお話です!

「ひどいよ…また面倒なことに巻き込みやがって。」

明久君、そういわずに、楽しんでくださいよ?

「そっか、楽しませるのは作者の仕事なんだもんね♪せいぜい、がんばりな。」

…なんか明久の口調がきつくなってるよ。


…そんなことはどうでもよくて、今回もオリジナルバカテストの用意もしてありますのでお楽しみにー。
では、本編へLet's Go!


明久Side

 

1年生も半年が過ぎたある日… 僕は学園長に呼び出された。

 

「実は、アンタに頼みがあってさね…」

 

学園長からの依頼、「何だろう?」と思いながら聞いてみる。

 

「何でしょうか?ババァ長。」

 

「そんな風に呼ぶんじゃないよ、クソジャリ。…頼みというのは」

 

…なんという切り替え! 注意もしていられないほど重要なことなのか?

 

「実は私、もう一つの世界の学校の校長と大の仲良しでね…」

 

「もう一つの世界… ですか?」

 

「そうさね。この学校は立ち入り禁止区域の一つに『アナザーワールドへ』という場所を設置してあるのさ。」

 

「??? そんなものどこにも見当たりませんけど?」

 

「当たり前さね。私が秘密にしてあるからさ。」

 

なんでそんな重要なものを学校に設置するのさ… 別にここじゃなくてもいいでしょ…

 

「で、そことつながるもう一つの世界… そこに『信越高校』という高校がある。」

 

「その高校がどうかしました?」

 

「そこに私と仲良しの校長がいるんだが… 実は、2人でその学校に『試験召喚システム』を導入させようと計画していてね…」

 

「へぇ~、すごい計画ですね…」

 

学園長は、計画すること自体は結構スケールの大きいものばかりだが、やるたびにいつも問題が生じる。でも、今回はわくわくする内容だったのでとりあえず聞く。

 

「でね、アンタともう一人に手伝ってきてほしいさね…」

 

「いいですけど… 学園長は行かないんですか? それと、手伝うなら他の人2人連れてきてもよかったじゃないんですか?」

 

「私はこの学園を離れるわけにいかないから無理さね…。あと、『観察処分者』のデータを書き込む必要があるから1人はアンタ確定さね。」

 

「…一応聞きますけど、向こうにも僕と同じような人がいるんですか?」

 

「…本当はいないと思っていたけど、いたさね。アンタと同じ、特殊な『バカ』の人が。」

 

え?本当に?それはスゴいことだ…

 

「ソイツは… 実際に会ってみな。そのほうがいいさね。」

 

「わかりました。あと質問が2つあるんですけど…」

 

「何さね?」

 

「1つは… まとめて言いますが、ワープできる場所って最大何人ですか?あと、僕たちが行ったらその場所はどうなるんですか?」

 

あ、ここで質問を2つ言っちゃった。バカだ…

 

「最大2人さね。あと、アンタたちが行った後はその場所はなくなるさね。」

 

「え?じゃあ… そっちで暮らせと?」

 

「お、吉井にしてはカンがいいね。そうさね。だから、アンタたちには… 3年の夏ぐらいまでそこで生活してもらうさね…」

 

「えーーーーー!? それ、本当ですか?」

 

「当たり前さね。あたしゃ嘘なんて言ってないつもりだよ?」

 

「…わかりました。あと、もう一つの質問ですが、『もう一人』って誰ですか…?」

 

そこでちょうど誰かが入ってきた。

 

「1年Aクラスの木下優子です。学園長、話ってなん… あら?吉井君?」

 

「え?木下さん?…じゃあ、『もう一人』って…」

 

「そう。木下優子、アンタさね。」

 

「…はい?」

 

「…ぇぇぇぇえ!?そうなの!?」

 

突然の登場に動揺する。まさか木下さんだなんて…

 

「ち、ちょっとどういうことですか学園長?」

 

あ、木下さんも動揺してる。…かわいいなー」

 

「ちょっと? 声にでてるわよ?//」

 

「あ、ごめん…」

 

「木下、今から説明するさね。吉井、終わるまでちょっと待ちな。」

 

「「はい。」」

 

~説明中~

 

 

 

優子Side

 

「…なるほど、そういうことですね?」

 

わぁ…吉井君と一緒に行くんだ。なんかわくわくするな~♡ でも…みんなとお別れしなきゃ…。

…離れたくないけど、学園長先生の頼みだからしかたないわね…。

 

「はい、引き受けます。」

 

「こっちとしてもありがたいさね。吉井、お前はどうするさね?」

 

 

 

明久Side

 

木下さんと2人で行くんだ… よし、それだったら…

 

「僕もよろこんで引き受けます。」

 

「じゃ、2人とも決定さね。詳しい日程・重要な書類は後日送るからそれでいいかね?」

 

「「わかりました。」」

 

 

 

3日後…

 

 

 

The 3rd Person Side

 

2人の手元に文月学園の退学届、信越高校の入学届、その他関係書類が届いた。

 

「いざ、こうなると大変だわね…」

 

優子は引っ越しの準備を内緒で進めた。しかし、秀吉に見つかってしまった…

 

「どうしたのじゃ、姉上よ。部屋の掃除か?」

 

「へ?そ、そうよ。たまにはいいでしょ?」

 

「その割には何か不自然なものがあるのじゃが…」

 

秀吉が見つめたその先に、優子のキャリーバッグが2台…

 

「べ、別になんでもないわよ。さっ、あっち行った行った」

 

そう言って優子は秀吉を強制的に退場させた。

 

 

 

秀吉Side

 

何なのじゃ?姉上が何か隠し事をしておるみたいじゃ。

それに…、あそこにあったのはキャリーバッグ。なぜそれが姉上の部屋にあるのじゃ…?

…まさか!

 

 

 

明久Side

 

いきなり引っ越しの準備か…、なんか大変だな…。

出発は来週、向こうに行ってもいろいろと大変なことがありそうだな… でも、木下さんが一緒なら一安心だね。

 

 

 

The 3rd Person Side

 

「本当にいいのですか?」

 

説明を理解した西村先生が問いかけた。

 

「こうするしかないさね… なんだって『試験召喚システム』を立ち上げるには召喚者と観察処分者のデータがいるからさ。」

 

「…それは仕方ありませんね。それに… これは学園長の夢の一つでもありますしね…」

 

と、少し寂しそうな表情を見せる高橋先生。

 

「まぁ、アイツらには申し訳ないけど、これもひとつの『貢献』に値することだからねぇ…」

 

「わかりました。では後日、1学年の緊急集会を開き、報告します。」

 

「あぁ、頼んだよ…」

 

高橋先生は今まで他人に見せたことのない涙を浮かべて退出していった。

 

「学園長、あなたの夢とあらば、私もできる限りのことをいたします。」

 

「あぁ、わかったよ…」

 

西村先生も涙を浮かべて退出していった…。

 

 

 

7日後…

 

 

 

明久Side

 

ついに出発の日が訪れた。今日はそのための緊急集会を開くらしい…

 

「木下さん、ついにこの日がきたね…」

 

「えぇ、そうね… あと、弟と区別するためにもこれから『優子』って呼んでくれないかしら?」

 

「え?いいの?ゆ、優子さん…//」

 

「吉井君なら、い、いいわよ…//」

 

意外だ。優子さんがこんなにも積極的になるなんて…

 

「じ、じゃあ、僕のことも『明久』でいいよ…//」

 

「わ、わかったわ。明久…///」

 

え!?いきなり呼び捨てなの!?優子さんも大胆だな… よし、僕も呼び捨てでいこう!

 

「あ、ありがとう、優子…///」

 

…はずかしー//

 

 

 

優子Side

 

え!?明久が私のことを呼び捨てで呼んでくれた!?…今日は願ったり叶ったりだわ。

 

「じゃあ、そろそろ始まるから行きましょ。」

 

「うん、わかったよ。 …優子///」

 

…きゃー♡

 

 

 

The 3rd Person Side

 

「ではこれから、1学年の緊急集会を始めます。今からお話しすることはとても重大なことですのでよく聞いてください。」

 

高橋先生のアナウンスとともに一同は静まりかえった。

 

「今回お話しする重大なことは、Aクラスの…」

 

ここまで話したところで高橋先生が…泣いてしまった。

 

『た、高橋先生?大丈夫ですか!?』

 

『先生!落ち着いてください!』

 

この衝撃的な光景に動揺する一同… この混乱が収まったのは3分後であった。

 

 

 

ここで、代理として西村先生が話すこととなった。

 

「えー、話を続ける。重大なことというのは、『Aクラスの吉井と木下が転校する』ということだ。

 

『『『『『え、…えーーーーーーーーーーーーー!?』』』』』

 

突然の報告に一同は騒然としてしまったのである…




…やっぱり駄作ですよね?

「いい作品にしないと即・刻・完・結させるよ♪」

…怖い、明久が怖くなってるー!?
これはがんばらなくちゃ!始まってすぐに完結は嫌だしね…。


というわけで、次回は… いきなり別れのシーンです!
…うん、つらいよね。悲しいよね。よしよし…

「…なんで雄二と別れるの?なんでこの学園とおさらばしなくちゃいけないの?…いやだ、…いやだあぁぁぁぁぁぁ!」

明久…しょうがないよ。これは『運命』なんだから。
でも…そばに優子がついてきてくれるから、大丈夫だよ…?

「ひっぐ…、がんばる。…僕、がんばるよ!」

よかったあ~、明久の元気が戻ってきた。

はい!以上です。次回もお楽しみに~


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プロローグ2nd 突然の別れと旅立ち

オリジナルバカテスト 第1問

sin45ºを比で表しなさい。

木下優子の答え: 1:√2
教師のコメント:正解です。ここは三角比の基本なのでしっかりとおさえましょう。

吉井明久の答え: sinって何ですか?あと、何で45ºなんですか?それに、数学に英語が混じるのは変だよ!
教師のコメント:…書き殴って書くほどのことですか?



今回はいよいよ出発のシーンです!

「…僕をこんな複雑な感情にさせないでよ。」

ごめんね?明久。こうしないと物語的に面白くないから。

「酷い!僕を何だと思って…!」

わかったわかった。以後気をつけるから関節外すのはやめていただけますかーーー!?

「これは君への制裁措置だ!」

※作者は立ち直るのに2時間かかりました。

「そんなこんなですが、本編どうぞ!」

セリフ取るなぁ…ヒドいよ…


明久Side

 

「おいっ!これはどういうことだ!?明久、説明しろ!」

 

今、雄二と秀吉、康太と4人で屋上にいる。幸いなことに、集会後の授業はなくなった。そして、屋上にきたその直後、いきなり雄二に胸を掴まれた。

 

「説明って…あれが全てだよ。」

 

「じゃかのう、明久よ。どうして前もって言わなかったのじゃ?こっちが悲しいじゃろうに…」

 

「…秀吉に同感。何故言わなかった。」

 

と、さらに問い詰める3人…

まあ、無理もないか。

 

「だって…、前もって言ったらみんな止めようと意地でも仕掛けようとするじゃん。…僕は、学園長の持っている理想について行きたい。」

 

「明久、お前…」

 

ん?どうしたんだろう…

 

「お前、頭おかしくなったか?ついに崩壊したか?お前の口からそんな言葉がでてくるとは… それに、あのクソババァを『学園長』と呼んだ?ついにこの世も終わりか?」

 

何かと思えば… 人がこんな辛い思いしているときに罵倒するような言葉をかけないでほしいなぁ!

 

「雄二いぃぃぃぃ…! ふざけるな!」

 

「おっと、これは悪かった。だから許してほしい…と言おうとしたけと関節外そうとするなぁぁぁぁぁ!」

 

「しょうがないでしょ?僕がこんな辛い話をしようとしているのに雄二が罵倒するんだもん…」

 

「全く…、お主ら2人には呆れるのじゃ。」

 

結局、この事態がおさまるのに2分かかった。

 

「はぁ、はぁ、…で?続きは?」

 

「…何て言おうとしたか忘れたよ!」

 

「ごめんごめん、悪かったから、もう許してくれ。」

 

「全く…」

 

「じゃが…、1つ不可解なことがあってのう。」

 

「…俺もある。」

 

「ん?どうしたの?」

 

不可解なこと?何なんだろう…

 

「どうしてお主はそこまで学園長について行こうとするのじゃ?」

 

「ああ、それはね… 僕はこれでも一応『観察処分者』だから。…そう、人に依頼された仕事はやらなくちゃいけないでしょ?で、僕はそのために『貢献』しなくちゃいけない。たとえ、僕に犠牲が生まれても…

…確かにみんなの気持ちは分かる。僕だって友達が何処かへ行ってしまったらそりゃ… 悲しいに決まってるよ。…だけどね、人って時には大きな決断をしなければならない時が来る… そう、まさに今の状況だよ。

…前もって言わなかったことについては謝る。だけど今、僕がこういう気持ちでいるということを理解してほしい。」

 

これが、今の僕に言える精一杯の言葉だ。

 

「…そうか。お前もいろいろと辛いことがこれから先も続くだろうと思うけど、代表として一言言わせてもらう。『がんばれよ☆』」

 

「お主はいつまでもわしらと友達じゃからな?わしらも忘れんけどお主も忘れるでないぞい。」

 

「…人生の中でもすごい貴重な経験をする。絶対にいい思い出作って帰ってこい!」

 

「…みんな、…ありがとう!」

 

 

 

優子Side

 

「…どうしてもっと早く言ってくれなかったの?」

 

今、代表に責められている。代表は、私が前もって言わなかったことに対して怒りをあらわにしているようだ。

 

「しかもこれは決定事項だそうではないか。」

 

「優子~、どうしてボクらに相談してくれなかったの…?」

 

まずい、久保君と愛子にまで責められちゃった。これは事情を説明するしかなさそうだわね…。

 

「…みんなを泣かせたくなかったのよ。それにあらかじめ言っちゃったらみんな、対抗策を立てようとするじゃない?…この計画は学園にとって大きなアピールポイントになるから中止にさせたくないのよ…」

 

「でっ、でも~、優子じゃなくても…」

 

確かにそうではある。他の人が代役を務めてアタシは断るというのもありだった。ただ…

 

「学園長に指名されちゃった以上、Aクラスの威厳として断る訳にはいかないでしょ?せっかくチャンスを貰ったのに無駄にはしたくないし…」

 

「…この計画に関して優子は強い感情を持っている。」

 

「そうね…それに、大事な思い人が行くって言うからアタシも行く決断を…って、はっ!アタシは今何を…//」

 

「大事な思い人?誰のことだい?」

 

「…優子に大事な思い人♡」

 

「ボクも気になるな~」

 

あーーーー、言ってしまった…

どうしよう?なにかはぐらかせることできないかな…?

 

「…しようと思ったんだけど、そんな都合の言い話なんてなかなかないわよね~」

 

「…優子、嘘をつくのは苦手なの?」

 

「…えっ?」

 

しまった!代役に嘘だとばれたー!

これじゃ、隠しようがないじゃない!

 

「…って、そんなことはどうでもいいのよ。アタシが言いたいのは、…その」

 

「…優子、もったいぶらないで言って」

 

「わ、分かったわ…。…言いたいことは、この計画の実現にはアタシたちの友情関係を犠牲にしなきゃならないのよ…」

 

…これは仕方ないことなのよ。

 

「…優子、それはもう気づいている。」

 

「そう、これはもう『運命』なんだからね…」

 

「…離れていても優子とボクらは友達だよ?永遠に…」

 

「…そう、もう気づいていたのね。みんな…ごめんね?」

 

今、一番感情が揺れているアタシ。

どうしたらいいのよ…

 

「…優子が謝ることじゃない。…学園長の夢、叶えてあげてきて。」

 

「…大事な思い人がいるんだろ?大丈夫、木下さんならきっとやれるよ。」

 

「ボクたちはこの学園から応援しているからがんばって、優子☆」

 

「ありがとう…みんな。」

 

「…で、優子。本心は?」

 

「思い人の明久君と一緒に行けるからとてもうれしいのよ~♡

 

…って、 何いわせるのよー!代表-!//」

 

「…優子、かわいい。」

 

「……」

 

「あ、あはは~☆」

 

いい雰囲気だったのが一瞬にして壊れてしまった…

アタシったら何嬉しそうに言ってるのよ…

 

 

 

16:00 明久Side

 

いよいよ出発の時が来た。今回見送ってくれるのは学園長・教頭・西村先生・高橋先生の4人だけである。

…何故かというと、「あんな立ち入り禁止区域に全校生徒は入りきらないさね…」ということらしい。

 

「いよいよだな、お前たち。半年しかお前たちのことを見てやれなかったがとても楽しかった。向こうに行っても楽しい学校生活を送るんだぞ?いいな?」

 

「「はい!」」

 

「私はかける言葉が見当たりませんが、とにかく、がんばってください。」

 

「高橋先生、涙は似合いませんよ?」

 

「はっ、ごめんなさい…」

 

「君たちの活躍を祈っているよ。」

 

「「ありがとうございます!」」

 

「さあ、お別れの時間さね、アタシはアンタたちと出会えたことがなによりさね… さあ!行って来るさ「待ってください!」…ね?」

 

へっ?この声はまさか!?

 

「兄ちゃん!僕も行くよ!」

 

「幸久!?お前、どうしてここに!?って、学園長!これじゃあ定員オーバーじゃないですか!」

 

「ああ、説明書をよく読んでいなくてねぇ…よく見たら定員は『3人』と書いてあったさね。」

 

「「…えぇぇぇぇ!?」」

 

「やったー!兄ちゃんと一緒だー!」

 

「そんなのありーー!?」

 

…こうして僕らは優子さんと幸久で『もう一つの世界』へと旅立って行ったのだった…。




いかがでしたかね?

「ちょっと、弟が出てくるなんて聞いてないよ?」

だって、この方が魅力的でいいでしょ?

「そっかそっか、…これはO☆HA☆NA☆SHIが必要だねー。」

え?ちょっと?明久?顔が笑っていない…ってぎゃーーーー!

「次回もお楽しみにね☆」

誰かーーー!助けてーーー!


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第1章 システム立ち上げ
STORY1 ついにやってきたもう一つの世界


オリジナルバカテスト 第2問

2人でじゃんけんをしました。自分が勝つ確率はどのくらいか答えなさい。

木下優子・吉井幸久の答え: 3分の1
教師のコメント: 正解です。勝負は時の運ですからがんばってください。

吉井明久の答え: もちろん100%!!!
教師のコメント: じゃあ、絶対負けないと言い切れますか?


今回は3人がついに、もう一つの世界に降りたった話です。

「いろいろと混乱しているから変なことさせないでよね?」

分かってますってー。もう、明久は心配性なんだからー。

「だって…、前回のあれはどうなのよ!?ありもしないことが突然やってくるなんておかしいでしょう!?」

まあまあ、落ち着いて。それがこの作品の魅力なんだから。

「…しょうがないなぁ。ちょっと我慢してやるから、君もちょっと…」

ん?(何か明久から怒りのオーラが…)

「くたばれぃぃぃ!」

ぎゃあぁぁぁぁ!すいませんでしたーーー!

※毎度お騒がせします。

「というわけで、本編どうぞ!」

ま…た… セリフ…取り…やがった…。


~もう一つの世界~ ??Side

 

??「ついにやってきましたね?…この子たちのため、この国の将来のためにも頑張ってほしいものです…。」

 

??「校長、お茶が入りましたよ-。」

 

校長「おっと、これは教頭。ご苦労さまです。」

 

教頭「それはいいのですが…校長?地下に何を建設していらっしゃるんですか?私とても気になります…」

 

校長「ああ、それは今は言えないことでな…、いずれ説明しますよ。」

 

教頭「発表はいつ頃になりますか?気になって、いてもたってもいられません…」

 

校長「それは…あの子達の出来次第だな。」

 

教頭「『あの子達』って…誰かこの学校に転校してくるんですか?」

 

校長「そう。これからいろいろと頼りになる3人組がね…」

 

教頭「…もう!誰か転校してくるなら早急に知らせてくださいって毎回毎回言ってるじゃありませんか!転校当日になって急に知らされても私たち困りますからね!?」

 

校長「それは悪かった。反省しているよ。」

 

教頭「(毎回毎回反省している割に直らないってどういうことよ?)」

 

校長「ん?何か言いました?」

 

教頭「い、いえ、何も…」

 

癖って直りにくいものだな。…まあ、それはいいとして、あの子達には本当にがんばってもらいたい。なんせ、この学校・国の大きな進歩となるからなぁ…

 

 

 

~信越高校校門前~ 明久Side

 

明久「いてててて…。」

 

優子「全く、なんなのよ…突然空から落ちるなんて酷すぎるわ。」

 

幸久「んー…、兄ちゃん、大丈夫…?」

 

明久「ああ、それは大丈夫だよ。僕は普通の人より回復スピードが早いから。」

 

…そう、あの鬼家族…もとい、母と姉と弟に追っかけ回されていた毎日…(父は他界)それに、FFF団と名乗る人たち?からも追っかけ回されていた毎日…

元々僕はバカだったからこんなことになるんだけれども、そのおかげで基礎体力は飛躍的に向上し、回復力も高くなっていたため、あり得ない所から落下してもほんの数分で回復できるのである。

 

優子「あなたはいいわね、アタシなんてまだ痛いわよ…」

 

あの高さから落下したのにみんな生きてるなんて奇跡だと僕は思った。

 

幸久「いやー、お姉ちゃんだって十分すごいと思うよ?普通の人なら死んでいたよ?」

 

優子「そ、そうね。だけど、あなたたちだって十分すごいと思うわよ?」

 

幸久「そ、そうかな-?」

 

うん、やっぱりこの2人はすごいや。

 

??「外で物音がしたので来てみたら…何ですかこれは!?」

 

あ、知らない人に見つかった。何て説明しよう…

 

明久「あのー、僕たち空から落ちてきて…」

 

??「『空から』? アッハハハ!冗談でしょ、それ?」

 

優子「本当なんですよ…信じてくださいよ。」

 

幸久「信じてよ…この状況をみたら誰だって普通じゃないことくらい分かるでしょ?」

 

??「…まあ、そうね。だって私、この状況実際に見ていたし。」

 

「「「それを早く言えよ(言いなさい)!!!」」」

 

??「あら、ごめんなさい?…ところで、あなたたちは誰なの?」

 

何だこの人は、随分とバカなことを言うもんだな…

 

幸久「兄ちゃん、人のこと言えてないよ。」

 

明久「弟よ、心を読まないでくれ…」

 

優子「はいはい、2人はほっといて。アタシは木下優子。あなたは?」

 

瑛梨奈「私は坂井瑛梨奈よ。よろしくね。」

 

 

☆人物プロフィール 1

 

坂井瑛梨奈 信越高校1年3組 ルーム長

容姿: クリーム色のロングヘアーで、翔子を明るくしたような感じ。

身長:171cm

誕生日:7月14日

性格:真面目な感じ。時に人をからかうこともある。

 

得意教科:数学・物理・現代社会・地理・ドイツ語・家庭科・保健体育

苦手科目:古典・英語・情報

 

 

明久「僕は吉井明久、よろしくね。」

 

瑛梨奈「何かバカっぽい性格してそうだわね…」

 

明久「バカって言うな!」

 

瑛梨奈「あらやだ、声に出てた?ごめんなさいね~。」

 

この人やたらとウザイなー!

 

幸久「僕は吉井幸久、よろしくね-!」

 

瑛梨奈「ってことは、あなたたち2人は兄弟なの?」

 

「「そうです(だよ)!!」」

 

瑛梨奈「でも、その割に出来が真反対な気がするのよねぇ~」

 

幸久「そうなんですよ~いつも兄がバカばっかりやってるもんで…だから、たくさん迷惑がかかるかもしれませんがよろしくお願いします。」

 

瑛梨奈「アハハハハ! 面白いねこの2人は!」

 

優子「こら、幸久君、そうやってお兄ちゃんをバカにしないの。」

 

幸久「はーい」

 

はぁ…、ここに来てもバカだという噂が広まっていくとは。

 

明久「…そんなことはどうでもいいんだけど、この先って信越高校なんですか?」

 

瑛梨奈「そうよ。もしかして、あなたたちはここに転校しに来たの?」

 

「「「はい、そうです。」」」

 

瑛梨奈「じゃあ、早く校長のもとへ行かなければいけないね。今は11時17分で授業中だけど私は外出許可が常にあるから特別に同行してあげるわ。」

 

え?外出許可が常にある?それはまたすごいことだなぁ…でも、誰にもあるっていうわけじゃないよね…?

 

瑛梨奈「外出許可があるのはルーム長だけよ。」

 

明久「へぇ~そうなん… って今、心を読みませんでした?」

 

瑛梨奈「そうよ。だってあなた…顔に出てるもの。」

 

やっぱりー!?そりゃみんなに僕の考えていることがバレるわけだ。

 

明久「あ、そうなんだ…」

 

幸久「兄ちゃんって分かりやすいよね-!」

 

明久「う、うるさいなぁ!//」

 

瑛梨奈「こんなところで立ち話もあれだし…、早く行きましょ♪」

 

優子「そ、そうね…(ホント面白いわ、この2人…)」

 

 

 

~校長室~ 瑛梨奈Side

 

コンコン

 

瑛梨奈「失礼します。1年3組の坂井瑛梨奈です。」

 

校長「どうぞ。」

 

「「「失礼します。」」」

 

校長「おや、君たち、来てくれたんだね?」

 

瑛梨奈「えっ?校長はこの3人が来ることを知っていたんですか?」

 

校長「そうだよ。申請したのは僕だしね。」

 

瑛梨奈「あっ、そうなんですか…」

 

おい、さっきの威勢はどうしたのよ?私!

 

明久「はじめまして。僕の名前は…」

 

校長「あ、名乗らなくてもいいよ。既に知っていますから。あなたたちが、吉井明久君、木下優子さん、そして…吉井幸久君ですね?」

 

幸久「何で僕のことまで知っているんですか!?」

 

校長「実は秘密があってね…」

 

何なのよ…全く会話についていけないわ。

…まあ、初めて知ったことばかりだからしょうがないわよね。

 

 

 

優子Side

 

まさか、幸久君が来ることまで知っていたなんて…あなた一体何物なのよ。

 

校長「じゃあいくよ…せーのっ!」

 

瑛梨奈「え?校長?一体何が…って、わっ!?」

 

??「あらあら、早速お披露目かい?」

 

校長「こうでもしないと説明が続かないのですよ。」

 

えっ!?今の声は学園長!?一体どこから!?

 

学園長「やれやれ、アンタたち、久しぶりさね。」

 

「「「お、お久しぶりです、学園長…」」」

 

学園長「あ、ちなみに、あたしは校長の視線の30cm先で話しているさね。」

 

「「「「えっ、えーーーー!?」」」」

 

 

 

明久Side

 

何なんだよこの校長は、一体どんな能力使ったの?

 

校長「これが秘密ですよ。」

 

学園長「そのためだけにこんなことしたのかね?もっとマシな使い方をしておくれよ…」

 

校長「まあ、いいじゃないですか。こうやって再会できたわけですし…あっ、そろそろ切りますね!」

 

学園長「やれやれ、忙しいヤツだねぇ。また、繋げてきな。」

 

そういって、通信が途絶えた。…もとい、切断された。

 

校長「いかがでしたか?皆さん。」

 

「「「「…………」」」」

 

校長「ん?どうしました?」

 

「「「「その言葉、そっくりそのまま返してやる(わ)!!!!」」」」

 

校長「え?何故ですか?」

 

まさか、今日一日がこんなに疲れるものだとは思わなかった。

その後、確認テストを行い、僕たちは1年3組に入ったのだった。

 

??Side

 

明久君、どうして、どうしてなんですか…?

この私を置いて何処かへ行ってしまうなんて…

まだ、気持ちをはっきり伝えてないのに…

 

私、姫路瑞希の心は悲しみで溢れていました。

 

??Side

 

どうして、どうしてなのよ…

アキがあの子を連れて何処かへ行ってしまうなんて…

ホントに信じられないわ!アキはウチのことだけ見ていればいいのに…

 

ウチ、島田美波はアキのことをずーっとかんがえていた。




いかがでしたかね?

「まあ、予想外なことが起こるって分かっていたけど、こんなに激しいの?」

物語ってだいたいそういうもんでしよう。

「でも、これはちょっとやり過ぎじゃない?」

いいじゃん、物語なんて書こうと思えばパターンなんていくらでもできるし…

「そういう問題じゃないんだよ!!」

わっ!明久が激怒しちゃった…
…というわけで次回もお楽しみに-!

「勝手に閉めるんじゃねぇぇぇ!」

…この明久をどうしようか?


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STORY2 自己紹介とプログラム構築①

オリジナルバカテスト 第3問

「けり」の品詞と活用形をすべて答えなさい。

吉井幸久の答え:助動詞 けら・○・けり・ける・けれ・○
教師のコメント:正解です。ちなみに意味は「伝聞過去」です。あわせて覚えましょう。

吉井明久の答え:名詞
教師のコメント:もしかして「蹴り」ですか…?出題の意図が良くなかったかもしれません。すみません…

今回はいよいよプログラムの構築が始まります!これからどんな計画で進んでいくのか楽しみですよね?それでは本編、どうぞ!


~1年3組教室~ 明久Side

 

先生「今日から新しくこの学校で生活を共にする転校生を紹介します。転校生は3人います。では、どうぞ!」

 

ガラッ

 

明久「えーっと、僕たちは文月学園から転校してきました。吉井明久です。よろしくお願いします。」

 

優子「アタシは木下優子。よろしくね。」

 

幸久「僕は吉井幸久!そこにいる明久兄ちゃんとは兄弟関係にあるからよろしくね!」

 

先生「この3人に関しては大事な役職を任されていますので授業中に途中退席することもありますが、理解しておいてくださいね。」

 

『『『『『よろしくお願いします-!』』』』』

 

というわけで、僕たち3人の信越高校での学校生活がスタートした。

僕たちは一番後ろの空いている窓側の3席に座った。

 

 

 

☆ 信越市プロフィール

 

標高619-808mと、比較的高い場所に位置し、北側にはこの信越市を代表する標高2498mの『敦賀山』がそびえ立つ。そして、南側にはこの信越市を華やかに彩る『信越盆地』が広がるというなんとも恵まれた環境にあるのである。

 

面積: 476.33㎢

人口:17万8284人

年平均気温(4月-10月) 19.8℃

(11月-3月) 1.4℃

 

☆ 信越高校プロフィール

 

標高728mと、ちょっと高い場所に位置し、近くに坂があるので高台にあると考えられる。坂はこの学校の南側にあり、周辺は住宅地が立ち並んでいる。東に行くと、信越市を代表する『信越ショッピングストリート』がある。西にいくと7つの大きな公園がある。

フロアは全部で4階立てで、2階が1・2年生の教室、3階が3年生の教室、4階は学生寮となっている。学生寮は全部で100部屋存在し、現在、73人が利用している。

ちなみに、1階は管理施設が揃っている。(職員室など)

 

全校生徒: 609人

1学年: 205人(明久達が入ってきた後)

2学年: 204人

3学年: 200人

 

取り扱い科目(1学年現時点): 現代文・古典・数学Ⅰ・数学A・化学・生物・現代社会・世界史A・英語R・英語G・家庭科・体育・保健・情報・芸術(音楽or美術) 以上全16科目。

 

※1…前10科目に関しては『総合科目』という括りの対象になる。後6科目に関しては対象外。

※2…理科系科目についてはいずれも『基礎』という形をとっている。

※3…芸術は選択制なので、召喚するときには自分がえらんだ科目の方を召喚することができる。

※4…ここに紹介されていない理科系・社会系の科目に関しては2年次以降の学習となる。

 

 

 

僕たちは転校生なのでいろいろと質問攻めされた。

 

『ねえ、前の学校ってどんな感じだったの!?』『何か特技ある?教えて!』『僕と友だちになろう!』『大事な役職って何!?』

 

そんないっぺんに質問されても困っちゃうな…

 

瑛梨奈「はいはい、転校生への質問タイムは後で取るから、今はこの3人を落ち着かせてあげて。」

 

『『『『『はーーい。』』』』』

 

さすが瑛梨奈さん。ルーム長だけあってしっかりしている。

 

??「よう、お前が転校生か?」

 

明久「そうだよ。君は誰?」

 

悟「俺の名前は哀川悟だ。よろしくな。」

 

明久「うん、よろしくね!」

 

悟「そういえば俺、とんでもないバカだから気をつけてな。」

 

明久「え?君があの特殊な『バカ』なの?」

 

悟「…おい、君も相当バカっぽいのにそれ言われちゃあなぁ…」

 

…なんかすごいバカにされた。まあ、自分はバカだって自覚しているからしょうがないけど。

 

明久「まあ、いいじゃん、バカ同士だから。お互い頑張ろう!」

 

悟「おうよ!」

 

 

 

☆ 人物プロフィール 2

 

 

哀川悟 1年3組

容姿: 黒のスパイキーヘアで、SAOのキ○トの改造Ver.と見ていい。

身長: 166cm

誕生日: 11月16日

性格: 自由奔放でいつも先生を困らせている。そして、酷いときには生徒指導室に連行されるくらいヤバい。

 

得意科目: 数学Ⅰ・英語G・体育

苦手科目: それ以外

 

昔から、特殊な『バカ』と呼ばれることが多く、いつもみんなに迷惑ばっかかけてきている。だけど、優しい一面もあり、困っている人を放っておけない、まさに明久と激似の性格を持ち合わせている。学力がとても低いため、しょっちゅう先生に見放される。

 

 

 

??「さっく~ん、一緒に遊ぼうよ~。」

 

悟「ゲッ、その声は… 悠大!?まずい、逃げろーー!」

 

あ、悟が猛スピードで逃げていった。あの人ってそんなにヤバい人なの?

 

悠大「あっ、はじめまして!転校生さん。僕の名前は吉澤悠大といいます。よろしくね。」

 

明久「よ、よろしく…。さっき、何で悟は猛スピードで逃げていったの?」

 

悠大「ああ、それはね、悟が僕の顔を見るなりいきなり逃げていくんだもん。よく分からないよ…」

 

瑛梨奈「ねえ?それはいつもあなたが悟のことを追っかけ回してるからじゃないの?しかも、変な意味で。」

 

悠大「変な意味とは失礼だなぁ!僕は悟のことが大好きだからなんだよ!」

 

優子「ねぇ、それって…BL関係?」

 

悠大「…ハッキリと言わないでほしかった。」

 

優子「…えぇぇぇぇ!?本当だったの?アタシ冗談で言ったつもりだったのに…。」

 

おいおい、なぜかBL関係の2人がいるよ。この世界にもいるんだね…。

 

 

 

☆人物プロフィール 3

 

吉澤悠大 1年3組

容姿:水色のアシメヘアできれいに整っている。顔立ちが幼いので小学生と間違えられる。

身長:157cm

誕生日: 9月19日

性格:とても明るい性格なのに、心の中でBL関係を築いている。(主に悟のこと)

 

得意科目: 現代文・数学A・生物・家庭科・保健

苦手科目: 化学・英語R・英語G・情報

 

 

誰とでも仲良くできる社交的な性格なのだが、高校に入って悟と出会ってから、すごい勢いでBL関係が発展し、悟のことを性的な意味で好きになった。将来、悟と同性愛の結婚をしたいと考えている。

 

 

 

優子「またそれはすごいことだわね…」

 

悠大「いいでしょ?…って、はっ!このままだと悟に逃げられる。『今日こそ一緒に遊ぼーよー!』」

 

ビューン!

 

瑛梨奈「全くだわ…あの2人。」

 

優子「アタシも同感よ…。」

 

明久・幸久「…何だったんだろう?」

 

と、そこで…

 

 

 

ピーンポーンパーンポーン

 

「生徒のお呼出をします。1年3組の吉井明久君、木下優子さん、吉井幸久君。至急校長室までお願いします。」

 

明久「何だろう?ねぇ2人とも、いってみよう。」

 

優子「そうね、早くいきましょう。」

 

幸久「行こう行こう!」

 

そして僕らは校長室へやって来た。

 

 

 

~校長室~

 

校長「よくぞ来て下さいました。」

 

明久「して、今回はどんなご用件で?」

 

校長「はい、今回はあなたたちにプログラムの初期設定を行って貰いたいのです。」

 

優子「ついに始まるのね…。」

 

幸久「なんかワクワクするよー!」

 

いよいよ、これから僕らによる『試験召喚システム』の構築が開始するのか…楽しみだなぁ。

 

明久「で、最初は何をすればいいのですか?」

 

校長「最初はこのシステムの概念から始めて行きましょう。さあ、3人とも、このデスクに座って下さい。」

 

「「「失礼しまーす。」」」

 

校長「まず、概念は、『召喚獣を利用したシステム』ということでいいですね?」

 

「「「はい。」」」

 

校長「それではデータ入力を始めます。あなたたちはこれから25問の質問に正確に答えていただきます。分からなかったら飛ばして結構です。回答終了後、個人データを入力するので進めてください。今回はこんな感じでいきますが、皆さん、準備は?」

 

明久「バッチリです!」

 

優子「アタシもいいわ。」

 

幸久「僕も大丈夫だよ!」

 

校長「それではいきます。よーい、…スタート!」

 

僕らは25問の質問に答え、個人データ入力をしていった。時間はおよそ10分程かかった。

 

校長「今回はこれで終了です。皆さんお疲れさまでした。」

 

明久「はぁ~、やっと終わった~。」

 

優子「答えにくい質問もあったけどなんとかいけたわ。」

 

幸久「楽しかったよ~。」

 

校長「次回は1週間後になると思います。そのときもよろしくお願いしますね。」

 

「「「はい!」」」

 

こうしてプログラムの第一段階は終了した。次はなんだろう?




いかがでしたか?

次回は原作のキャラ設定に入ります。(都合上オリジナルバカテストはお休みさせていただきます。)
見てね~☆


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原作キャラ設定

前回お伝えした通り、今回、オリジナルバカテストはお休みさせていただきます。

さて、今回は原作キャラの設定です。後半はなぜか、オリキャラが混じっていますのでご注意下さい。


1.吉井明久 1年Aクラス→1年3組

 

容姿:髪の色は原作通りで、形はネープレス。その他は原作通り。

身長:170cm

誕生日:10月18日

性格:原作通り。ただ、後期になると真面目になる。

 

得意科目(前期):日本史・家庭科

苦手科目(前期):それ以外

 

得意科目(後期):数学以外全部

苦手科目(後期):数学

 

 

文月学園史上初の『観察処分者』に任命される。経緯は原作通り。その肩書きを利用して学園長に呼び出され、今回の計画対象人の1人目となった。心で思っていることが顔や口によく出るのでみんなによくバカにされる。後期にあることをきっかけに優子と付き合うようになる。信越高校に行ってもバカにされることが絶えない。

 

 

2.木下優子 1年Aクラス→1年3組

 

容姿:原作通り

身長:162cm

誕生日:11月24日

性格:明久に積極的。罵倒が減る。それ以外はほぼ原作通り。

 

得意科目:国語系・化学・英語系・美術

苦手科目:数学・家庭科・音楽

 

 

成績優秀の『優等生』を演じているために、学園長に呼び出され、今回の計画対象人の2人目となった。極度のBL好きで家に大量のBL本が隠されており、今回の計画で信越市に行く際にも持ち込んだほど。実は明久のことが好きだけどなかなか気持ちを伝えられない。明久に弟がいたのは前々から知っていた。

 

 

3.吉井幸久(オリキャラ) 1年Bクラス→1年3組

 

容姿:クリーム色のベリーショートヘア。体型は明久とほぼ同じ。

身長:164cm

誕生日:2月12日

性格:元気な感じ。兄をよくバカにする。

 

得意科目:現代文・数学Ⅰ・化学・現代社会・体育・音楽

苦手科目:数学A・世界史A・美術

 

 

兄の明久を追っかけて信越市にやってきたため、今回の計画対象人の3人目となった。特技がバレーボールで中学校に全国大会へ行ったほどの実力者。学力は兄と真反対でとても優秀。だから、兄をよくバカにしてくる。誰とでも友達を作る。困っている人を放っておけない性格は兄ゆずりである。

 

 

4.藤堂カヲル 文月学園学園長

 

『試験召喚システム』の発案者。信越高校の校長と仲が良く、信越高校に『試験召喚システム』を立ち上げようとした計画者本人。召喚獣の研究を日々続け、たまに生徒を利用するが、いつも失敗に巻き込んでしまう。失敗の理由の大半がシステム調整の失敗。

 

ここからは、オリジナルです。

 

5.水無月清久 信越高校学園長

 

互いの世界にいるのにも関わらず、その不思議な能力によって学園長と遠距離通信ができるすごい人。この人もこの信越高校に『試験召喚システム』を立ち上げたいと夢見ていた人である。実は、重要なことを前もって話さないという何ともへんな癖がついている。人に対してすごく優しい。

 

 

6.斎藤佳蓮 信越高校教頭

 

いつも校長の『癖』に振り回されている苦労人。与えられた仕事に対してすべて最後までやり抜く人。



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STORY3 プログラム構築②とバレーボールとお騒がせ

オリジナルバカテスト 第4問

日本で『同性同士の結婚』は認めているか、認めていないか答えなさい。

吉井幸久の答え: 認めていない
教師のコメント: 正解です。ただ、LGBTを保障する動きは世界で急速に広まり、日本も『渋谷』で2015年3月に「パートナーシップ条例」が可決・成立されたそうです。

木下優子・吉澤悠大の答え: そんなのもちろんOKでしょ?
教師のコメント: …後で職員室に来て下さい。


はい!今回はバレーボールの話ですね。作者自身も中学校でバレーボールの経験があり、選抜に選ばれたほどです。(主に身長で)(最終選考で落ちました)
学校の部活ではそれほど強いといったわけでもなかったんですが、僕にとっては貴重な経験をしたなぁ…と今でもしみじみと感じます。

…そんなことは置いといて、本編へLet's Go!


プログラムの初期設定が終了してから早1ヶ月経ち、10月のある日…

 

 

明久Side

 

明久「1時間目は体育かー。今日はバレーボールなんだね。」

 

優子「アタシできるかしら…」

 

幸久「僕は中学校の時にやってたからできるよ。でも、明久にはちょっと…ねぇ。」

 

まさか、弟にバカにされるとは思わなかったよ…

よーし!やってやろうじゃないか!

 

明久「ぼ、僕だってできるよ!弟にコケにされてたまるもんか!」

 

幸久「おー、兄ちゃんすごい気合い。」

 

優子「え?明久君?やったことあるの?」

 

明久「そ、そうさ!小学校のときに2年くらい…」

 

あちゃー…、嘘ついちゃったよ。本当はバレーボールのルールすら分からないというのに…。

 

キーンコーンカーンコーン

 

瑛梨奈「授業開始5分前よ、早くいきましょ。」

 

明久「OK!」

 

こんなに気合い入れちゃったよ…後で優子さんになんて言おうか…。

 

 

 

~体育館~  再び明久Side

 

先生「みんな、整列!」

 

この人は体育科の水谷先生である。

 

 

 

☆ 人物プロフィール 4

 

水谷武 体育科・1年2組担任

 

年齢:29歳

容姿:茶色のソフトモヒカン。筋肉ムキムキだが絶対に見せようとしない。

身長:186cm

誕生日:6月17日

性格:熱血フルパワー!! だけど、時々おっちょこちょい。

 

 

息子の『水谷海成』が1年4組にいる、1児の父である。人に接するときは明るいけど、妻が怖いので、妻の前だと頭が上がらないらしい…。得意なスポーツはバレーボール。高校のインターハイで優勝経験があるくらい強い。しかし、学校の備品を間違って家に持って帰ってしまうくらいのおっちょこちょいなのである。幸い他の職員にはバレてないけどみんなは『いつかバレるんじゃないか』と心配している。

 

(先生→T)

 

 

 

生徒A「これから1時間目の授業をはじめます。礼!」

 

『『『『『お願いします!!!!!』』』』』

 

水谷T「いつものように準備体操をして、ネットを立ててくれ!」

 

『『『『『はい!!!!!』』』』』

 

水谷T「先生は必要な道具を持ってくるから先にやっていてくれ!」

 

そうして先生は器具庫へ走って行った。

 

明久「今日もなんか忘れていそうだね…」

 

幸久「今日は何だろうね?」

 

どうやら幸久は水谷先生が『忘れる』ということを前提に話しているらしい…。

 

優子「今日は何も忘れてなければいいんだけど…」

 

瑛梨奈「そうね…「大変だーーー!」…あーあ、やっぱり。」

 

その声を聞き、瑛梨奈さんは器具庫へ。

 

 

 

The 3rd Person Side

 

瑛梨奈「先生…、また忘れましたね?今度は何ですか?」

 

水谷T「実は、得点板を家に置いてきたらしい…」

 

瑛梨奈「『置いてきたらしい…』ってそれ、ほぼ確定じゃないですか!何やってるんですか!?」

 

水谷T「すまない…坂井よ。」

 

瑛梨奈「謝るならみんなにしてください!…もう! …じゃあ、体育館の壁にホワイトボードがありますから、3組の教室からマーカーペン借りてきますね。」

 

水谷T「なんなら、私も一緒にいこう。」

 

瑛梨奈「いやいや、それはダメですよ。生徒たちが待っているんですから。早く事情を説明してきてください。そして、生徒たちに謝ってください。」

 

水谷T「…わかった。ごめんな。いつも迷惑をかけてしまって…」

 

瑛梨奈「いいんですよ。もう慣れましたから。」

 

そう言って瑛梨奈は教室へと向かっていった。

先生は生徒たちの元へ…

 

水谷T「みんな心配かけてすまんな。実は、得点板を私の家に置いてきてしまって…それで今、坂井にマーカーを持ってきてもらってる。本当に面目ない…」

 

 

 

海成Side

 

海成「全く…、父さんっていつもこうなんだから。息子として恥ずかしいよ…。」

 

幸久「まあまあ、落ち込むなって。あれは海成のお父さんの癖なんだから、直りにくいんだよ。今日も大目に見てやったら?」

 

海成「…わかった。でも…」

 

後でまた、クラスのみんなの笑いものにされるよ…

 

 

 

☆ 人物プロフィール 5

 

水谷海成 1年4組

 

容姿:赤のウルフカットで、顔が超イケメンだと女子に絶賛されるくらい。

身長:174cm

誕生日:12月6日

性格:以外にも寡黙。周囲にたいしてそれほど強い感情を見せない。だけど、しっかり者である。

 

得意科目:国語系・英語系以外全部

苦手科目:国語系・英語系

 

 

体育科の教師を父に持つスポーツ一家のように思えるが、じつは、相当運動神経が悪いらしい…。というのも、母の遺伝によるもので、母も運動神経が悪いらしい。友達が多い割に会話をすることがあまりない。学力に関しては相当優秀で、学年トップ10に入るくらいすごい。

 

 

 

5分後…

 

瑛梨奈「先生ー!お待たせしました!」

 

水谷T「坂井、ご苦労だった。さあ、はじめるぞ!」

 

『『『『『おぉぉぉぉぉ!!!!!』』』』』

 

 

 

明久Side

 

どうしよう…ルール全然わかんないよ。

 

優子「明久君、どうしたの?そんな暗い顔して…」

 

明久「い、いや!なんでもないよ… あ、あはは…」

 

優子「そうかしら?…まさか、ルール分かんないの?」

 

明久「えっと…、その…」

 

優子「はっきり言いなさい。」

 

明久「はい、分かりません。調子に乗ってました。ごめんなさい。」

 

あーあ、優子さんにバレちゃったよ…。情けないなぁ…。

 

優子「…そんなことで怒ったりしないわよ。ちゃんと一緒に学びましょ?ね?」

 

明久「…ありがとう。」

 

 

こうして僕と優子さんでバレーボールを1から学んだ。弟はというと…

 

 

 

幸久Side

 

幸久「とぉりゃーー!」

 

バゴーーン!

 

『強い、強すぎるよ…』

『あんなのに勝てるわけがない…』

 

みんなを圧倒させました。てへっ☆

 

 

 

The 3rd Person Side

 

時が過ぎ、5時間目に学園長が呼び出しをいれたので明久たち3人は校長のもとへ…

 

校長「今回はテスト方式の変更についてですが…皆さん、よろしいですか?」

 

明久「だいじょうぶです!」

 

校長「では、前回と同じようにデスクに座ってください。」

 

「「「はい!」」」

 

校長「確認ですが、文月学園にいたときはどのような方式でしたか?」

 

校長先生がみんなに確認を取る。

 

優子「確か、1時間という時間制限で何問でもとけるという方式だったと思います。」

 

校長「わかりました。で、答えに間違いがあってもそこで終了ではないですよね…?」

 

幸久「はい、そうです。」

 

校長「さらに、途中で切り上げてもいいんでしたよね?」

 

明久「確か、そうです。…何で知っているんですか?」

 

校長「学園長といろいろ話し合っていましたから…だから、これはその『確認』です。」

 

明久「分かりました。」

 

 

 

明久Side

 

校長「次に内容ですが…こちらはどうしますか?」

 

明久「えっ?自分たちで決められるんですか?」

 

校長「構いませんよ。しかし、ここは高校ですので…そのへんをわきまえてくださいね?」

 

へぇ~、自分たちで決定できるなんてすごいな…

 

明久「じゃあ…「アタシにやらせてください。」…え?」

 

優子「だって…明久がやると碌なプログラムにならないわ。」

 

優子さん、それはいくらなんでも酷いよ…、確かにあっているけど。

 

校長「じゃあ次は、試験タイプですが、通常の試験に加えて、…どうします?」

 

おいおい、そこも自分たちで?全く…すごいや。

 

幸久「そこは僕に任せてください!」

 

校長「結構きついですよ?大丈夫ですか?」

 

幸久「全然問題ありません!」

 

校長「じゃあ、幸久君に任せます。最後に『観察処分者』の仕様についてですが、これは…明久君、手伝ってもらえますか?」

 

明久「はい、分かりました。」

 

何で僕だけこんな役回りなんだろう?僕も優子さんや幸久のやつやりたかったのに…

 

 

 

30分後…

 

校長「終わりましたね?皆さん、お疲れ様です。それでは、最後にできあがったものを確認します。」

 

2人ともどんな感じにしたんだろう?

 

校長「まず、テスト内容ですが、回答を進めていくたびに難しくなる方式でいきます。で、点数の上限は無しとします。先生に申告すれば指定したテストを受けられる。各教科の得点の和と『総合科目』を連携させる。各大問における設問の最大は6問。…そんな感じでいいですか?」

 

優子「はい、相違ありません。」

 

さすが優子さん。僕だったら確かに碌なプログラムになっていなかったと思うよ。

 

校長「続いて、試験タイプですが、通常の定期試験に加え、イベント前に受けられる『補充試験』、イベント中に受けられる『回復試験』、そして、先生の出す難問に答えて規定以上の点数が取れたらごほうびがもらえる『挑戦試験』こちらに関しては1日に最大3人までとします。あと、旅行先などでも試験が受けられる『外出試験』、以上5つのタイプでよろしいですね?」

 

幸久「はい、OKです!」

 

ほう、幸久も結構苦労して考えたんだ。僕じゃこんなの思いつかないよ…

 

校長「最後に『観察処分者』の仕様ですが…、明久君、もう少しスピーディーにできたはずですよね?」

 

明久「ごめんなさい。僕がバカなもんですから…」

 

校長「…まあいいとして、仕様は、物理干渉が可能、召喚者にフィードバックが入る。フィードバックは月1で調整可能。ただし、割合がずっと低いのは禁止。高→低→高→…の順番で行く。さらに、召喚獣の訓練の一環として先生に召喚獣を利用した雑用を義務づける。自分でフィールド展開可能だが正当な理由がない限りは展開禁止。『観察処分者』の任命基準は『総合科目』が500点以下または、社会に反する行為をした場合に適用。…大体こんな感じでいいですね?」

 

明久「はい。」

 

全く…、作業スピードが速すぎるよ!いくら僕でもそんなに決められないって!」

 

校長「今、心の声が…」

 

明久「い、いえ!何でもありませんよ!」

 

はぁ…、次から気を付けなきゃ。

 

校長「以上で本日は終了です。次回は10月27日の3時間目にお呼びします。またいつものように放送しますのでそしたらお願いしますね。」

 

「「「はい!」」」

 

何も、放送しなくたっていいのに…」

 

優子「まあ、そう言わないの。ありがたいことなのよ?」

 

明久「うん…また声に出てた?」

 

優子「ええ、はっきりと。」

 

この『癖』もそろそろ直さなくちゃいけないな…。でも、難しいんだろうな…あの『水谷先生』のように。




どうでしたかね?まさかこの話題で4000字を超えるとは思いませんでした。

さて、次回は世界史Aの授業と共にプログラム構築のことも書いていきます。たしか、幸久は世界史が苦手だったよね?

幸久「しょうがないでしよ!?世界の歴史なんて知らなくても生きていけるんだから…」

まあ、確かにわかりますね。作者自身も苦手ですし…
…というわけで、次回もお楽しみに!


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STORY4 世界史Aとショタコンとプログラム構築③

オリジナルバカテスト 第5問

70kmある道のりを自動車で2時間で行きました。時速は何kmあったと考えられるか答えなさい。

吉井幸久の答え: 時速35km
教師のコメント: 正解です。時速は距離÷時間(h)で出せるので覚えときましょう。

木下優子の答え: 時速140km
教師のコメント: それだと、30分で着いたことになりますよ?高速道路でも使ったんですかね…?

吉井明久の答え: 時速1224km
教師のコメント: まず、車はそんなスピード出ません。第一、どうやって時間調整したんですか?


今回はちよっとヤバい?話です。

明久「そんなネタ放り込まないでよ、バカバカしい。」

まぁ、それはほっといて…「ほっとけるかぁ!?」…ですよねー。
でも、時間もないし…「あるだろ!」…本編へGO!


~10月27日 10時35分~ 明久Side

 

明久「えーっと、3時間目は世界史Aかぁ~。」

 

優子「確か明久君って、世界史Aは苦手よね?」

 

明久「それ以前に殆どの教科が苦手なんだけどね…」

 

そう、元々勉強が苦手なのだ。だから、ほとんどの教科の内容が理解不能なのである。

 

幸久「本当バカな兄ちゃんだよねぇ。僕とは大違いだよ!」

 

明久「うるさいなぁ~、お前も世界史A出来ないくせに調子に乗るなぁ-!」

 

幸久「わぁー!兄ちゃんが怒ってきた!優子姉ちゃん助けて~」

 

優子「アキヒサクン?オイタはそこまでにしましょ~ね?」

 

明久「なんか優子さんから殺気が… ごめんなさぁぁぁい!」

 

…結局こうなった。優子さんは弟に対して優しすぎるよ…」

 

優子「あら?だって、アンタの学力向上のために折角このアタシが勉強に付き合ってあげようとしているのに毎回毎回逃げるんだもん。全く…こっちの身にもなりなさいよ。」

 

明久「分かっています。反省していますから関節を曲げるのはやめてぇぇぇ!」

 

??「はーい、授業始めますよ。」

 

明久「ほら、授業始まるから…、早く…これ外して…。」

 

優子「…分かったわ。次から態度を改めなさいよね?」

 

明久「はい、善処します。」

 

 

 

幸久Side

 

兄ちゃんは将来絶対奥さんの尻に敷かれるかな…。

 

??「今日はローマ帝国ついて学習しましょう。…って、哀川君!?どこに行くんですか!?あと、幸久君!?授業中に早速寝るのはやめましょうね!?あと…」

 

この人は僕たちのクラスの担任の七橋先生だ。

 

 

☆ 人物プロフィール 6

 

 

七橋真由美 社会科・1年3組担任

 

年齢:34歳

容姿:ダークブラウンのロングヘアでふわふわしている。下手すれば女子高生と見間違えるくらい若い。

身長:159cm

誕生日:3月5日

性格:すごく優しい。ルールを大事にしようとするしっかり者。ただ、少しショタコンが絡んでいる。

 

 

違う高校ではあるが、2人の娘がいる二児の母。社会科が得意なだけあって、世の中のルールを守ろうとする意識が高い。ただ、軽度のショタコンであるために、そのことが絡むと意識がだんだん崩れていくほど。だから、男子生徒を指導するときはなるべく理性を失わないようにと気をつけている。一応学年主任なので、システム完成後は全科目のフィールド展開が出来るようになる。

 

 

 

七橋T Side

 

はぁ~、私大丈夫かなぁ?今日も男子生徒を指導するけど、また理性を失わないようにしなきゃいけないのよねぇ…。

 

七橋T「では、落ち着いたところで授業再開します。えーっと、教科書の61ページを開いて…って、ちょっと○○君!?何で教科書を枕代わりにしようとするんですか!?」

 

ヤバい…私の理性が…

 

??「先生?いちいち注意してたら授業進みませんよ?…まぁ、先生が軽度のショタコンということは誰でも知っている訳ですけど…」

 

先生「ごめんなさい…、ちょっと私を落ち着かせて下さい。このままだと理性が…ヤバいんです…。」

 

??「あっ、ごめんなさい。分かっていながら話しかけるなんて僕が悪かったです。陳謝。」

 

 

 

☆ 人物プロフィール 7

 

桐谷冬也 1年3組 学年主席

 

容姿:黒のショートヘアにシルバーの四角い眼鏡を着用。体型は誰にも気付かない程度の肥満。

身長:180cm

誕生日:4月26日

性格:冷静沈着で品行方正な感じ。語尾に名詞をよく作る。

 

得意科目:国語系・理科系・英語系・情報

苦手科目:家庭科・音楽

 

 

劣るものが何もないと言うくらいの『優等生』な感じだが、それとは裏腹に料理が駄目で歌がとてもオンチなのである。しかも、料理に至っては調理中に化学薬品や毒つきの生き物を入れて皆を死に貶めるくらいの『殺人料理』をやるほど。(実際にみんなは死んでいないのでご安心を)情報収集は得意中の得意なのである。

実際に彼女が1組にいるらしい…

 

 

 

七橋T「ちょっと…、自習を…していてください…。私が落ち着くまで少々お待ちください…。」

 

 

 

明久Side

 

ある意味すごい人だよね、七橋先生って。僕が助けてあげたいけどそんな事したら先生の理性が完全に崩壊するだろうし…ここは素直に見守るしかないか…。

 

優子「アタシ…先生の気持ち分かるわ。」

 

うん、だって優子さんはBL関係が好みだからこの劣悪な関係に共有できると思うよ。

 

優子「アキヒサクン?イマノココロヲタシカニヨミトッタワ。…ちょっとこっちに来なさい。」

 

明久「え?ぼ、僕には何のことだかさっぱり…って、優子さん!?今関節を増やそうとしてるよね!?あらぬ方向に関節がぁぁぁぁぁ!!」

 

優子「心の中でも言っても良いことと悪いことがあることくらい覚えておきなさい!」

 

明久「ぎゃあーーーー!すいませんでしたーーー!」

 

幸久「ヤレヤレ┓( ̄∇ ̄;)┏ですな。」

 

悟「全くだ。こんな不条理な関係があってはいけないと俺もつくづく感じているぜ…ってユウダイ?ドウシタンダ…?」

 

悠大「それって僕のこの思いを踏みにじろうとしてるわけかなぁ?僕の大好きなサ・ト・ル・ク・ン?」

 

悟「わぁぁぁぁぁ!?悪かった、悪かったから全力で襲おうとするのはやめろぉぉぉぉぉ!」

 

 

 

瑛梨奈Side

 

これは世界史Aの授業なのに何で保健体育のような話題に切り替わっているわけ?先生は引きこもるし、一部の生徒は追いかけっこ始めるし、一部の生徒は襲おうとするし…もう、メチャクチャよ。

 

ピーンポーンパーンポーン

 

「生徒の呼び出しをします。1年3組の吉井…」

 

あっ、あの例の放送だわ。でも、これじゃあ、明久君と木下さんは行けそうにないわね…

 

優子「アタシのBL好きが校内中に広まっているのは何故かしらねぇ?」

 

明久「自分で引き金を引いたからでしょ…って、いたいいたいいたい!骨折するぅぅぅ!」

 

瑛梨奈「2人とも、呼び出されてるわよ。」

 

優子「行きたいのはやまやまなんだけどね、ちょっと、明久君を始末しなくちゃいけないから幸久君一人で行ってきてほしいと伝えてくれない?」

 

瑛梨奈「…校長の呼び出しを断る訳にはいかないけど、まあ、いいわ。私が校長に事実説明するために幸久君と行くわ。」

 

幸久「でも、ルーム長なのにいいの?」

 

瑛梨奈「幸久君!?いつの間に!?…いいわ、手間が省けたし。大丈夫よ、幸久君。この事態はきっとあの先生が解決してくれると思うから。だから、一緒にいきましょ?」

 

幸久「…分かった。」

 

大丈夫、きっと『あの先生』が駆けつけてくれるはず。

 

 

 

~校長室~

 

校長「…というわけなんですね?」

 

瑛梨奈「はい。本来なら明久君たちの3人だけで実行させるつもりだったと思いますけど、ちょっと手が離せない状況までになってしまっているもんなので…代理として私にやらせてください。」

 

…無理だって分かっている。でも、あの2人がいない状況でやると負担が大きすぎるだろうし…

 

校長「…まあ、よしとしましょう。ただ、これは内部事項ですので周りに言いふらすとかはやめてくださいね?」

 

瑛梨奈「いいんですか?ありがとうございます!」

 

幸久「確かに、今回の計画は2人だけじゃ絶対に終わらないだろうし…瑛梨奈さんが居てくれるだけで助かるよ~。」

 

瑛梨奈「といっても、まだよく分からないから、教えてね?」

 

幸久「もちろんだよ!」

 

こうして私と校長と幸久君の3人だけでプログラム構築③がスタートした。ちなみに今回は「0点になったときの対処法」というのらしい。

 

校長「私は普段この部屋からあまり出ないので学校自体があまりよくわかっていないんです。なので今回、坂井さんが来てくれたことに感謝します。これで、いちいち構内図を確認しなくてもいいわけですし…」

 

瑛梨奈「どういたしまして。で、戦争?」

 

幸久「ああ、試験召喚戦争のことだね?」

 

~幸久説明中~

 

瑛梨奈「へぇ~文月学園にはそんなのがあるんだ。で、どういうこと?」

 

幸久「つまり、この学校では格差はつくらないから戦争しない代わりにイベントを増やそうと思っていてね…」

 

瑛梨奈「要するに、そのイベントで召喚者の点数が0点になったときはどうしたら良いかということ?」

 

校長「まだそんなに説明していないのによく分かりますね。」

 

瑛梨奈「こうみえて、頭の回転は速いほうなので。」

 

そう、だから成績はいつも上位にあるのである。

 

校長「そうです。どうしたら良いと思いますか?」

 

瑛梨奈「文月学園と同様に『補習制度』を採用したらどうですか?」

 

校長「つまり、文月学園の補習担当人のように運動能力がとてつもなく優れている先生でもいるんですか?」

 

瑛梨奈「校長…、もう少しそういうところに興味を抱いたらいかがですか?自分の学校なんですよね?」

 

校長「すみません。最近は外部の人間と関わることが増えてきて、この学校を疎かにしてしまっていましてね…。」

 

教頭「駄目じゃないですか-、あなたはこの学校の校長なんですから…。もう少しこの学校に対する意識を持っていただかないと行けませんよ?」

 

校長「本当にすまない…。次は注意するから。」

 

瑛梨奈「そんなことはどうでもよくて…、『運動能力がとてつもなく優れている先生』ですよね?ぴったりな人がいるじゃないですかぁ。」

 

幸久「やっぱりあの先生なの?」

 

??「それは俺のことかな?」

 

瑛梨奈「そうです!…って、えぇぇぇぇ!?」

 

幸久「あっ、先生!あの事態は収まりましたか?」

 

先生「ああ、3秒で落ち着いた。全く…どうやったらあんな状況になるんだ?」

 

幸久「あれはウチの担任のせいです。」

 

 

 

幸久Side

 

七橋先生があれだからああいう事態になるんだよ…

 

先生「で、校長は今回、何の用です?」

 

校長「ああ、実はな…」

 

~校長説明中~

 

先生「で、その役割を俺にやれと?」

 

教頭「口が悪いですよ。笹嶋先生。」

 

笹嶋T「おっと、これは失敬。」

 

 

 

☆ 人物プロフィール 8

 

笹嶋尚武 数学科・1学年学年主任補佐

 

年齢:36歳

容姿:黒の完全なモヒカン。筋肉量が半端なく、生徒を10人くらい持ち上げることも可能なほど。

身長:176cm

誕生日:5月13日

性格:威厳あふれるオーラ出しまくり。ただ、内心は優しい。生徒の指導に対して結構厳しい。

 

 

一応全科目得意だが、数学が少し上だったので数学の教師をしている。主に生徒指導を担当している。かなりの力持ちで、400kgあるものでも軽々持ち上げられる。勉強に対して強い感情を持っていて、生徒がより賢い大人になれるようにと常日頃思っている。

 

 

 

笹嶋T「まあ、そこのところは構いませんが…、容赦しませんよ?」

 

校長「それくらいでちょうどいい。なんせこの学校の学力格差はかなりのものだからな…。」

 

笹嶋T「おおせのままに。で、一つ空き教室があるのでそこを補習室とさせていただきますが許可を。」

 

教頭「そこに関しましては問題ありません。すでに許可済みです。」

 

笹嶋T「感謝します。」

 

なんか今日は作業がスムーズに進んで良いな…。

 

校長「早く終わりましたね。じゃあこのまま次にいきますか。次は『召喚フィールド』ですね。」

 

瑛梨奈「とりあえず『観察処分者』は完成してるので置いときましょう。」

 

校長「そうですね。じゃあ次は、『教師』ですが…」

 

幸久「先生、いかなるときも正当な理由が無い限りはフィールド形成しては駄目ですからね!?」

 

笹嶋T「大丈夫だ吉井弟。その辺は心得ている。それによって生徒の身に何かあったら責任は全部俺に回されるからな…。」

 

校長「非常に重たい役目かもしれませんがすみません、ご尽力お願いします。」

 

笹嶋T「大丈夫です。何とかしてみせます。」

 

さすが笹嶋先生、安心できるよ。

 

校長「えーっと、教師は指定科目以外フィールド形成不能とする。芸術に関しては生徒の自由なので『芸術』という括りで召喚可能とする。また、教師も召喚可能とする。…でいいですかね?」

 

教頭「教師も召喚可能…、そうでもしないと生徒が暴走したりしたら大変ですものね…。」

 

確かに分かる。僕たち側が勝手に暴走する危険性も考慮しなきゃね。

 

校長「えーでは、今回の計画はこれで終了とします。皆さん、3時間目であるのにもかかわらず集まっていただきありがとうございました。」

 

 

「「「「(…あ、忘れてた。)」」」」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

ちょうど3時間目が終わった。

 

 

 

~1年3組教室~ 明久Side

 

優子「もうこれに懲りてアタシのBL好きに手を出さない?」

 

明久「…はい、もうしません。」

 

まったく…、酷い目に遭った。もう少しであっちの世界(冥界)に行っちゃうところだった…。

 

ガラッ

 

瑛梨奈「えーっと?とりあえず終わったでよろしいのかな…?」

 

明久「ごめんね瑛梨奈さん。手伝わせちゃって…。」

 

瑛梨奈「いいのよ明久君、どうせ学校全体に関わることだから。」

 

と、小声で会話したものの…、瑛梨奈さんに迷惑かけちゃったな…。

 

優子「…まぁ、今回はアタシも悪かったわ。ごめんなさい。」

 

瑛梨奈「優子の謝ることでもないわ。大丈夫、しっかり進めてきたから。」

 

「「ありがとう。」」




いかがでしたか?
次回はちょっと閑話に入りますか。

明久「どんな内容?」

えーっと、明久と女のドロ沼恋愛劇というのをやろうかと…「やらせるかぁぁぁぁ!!!」…えっ?

明久「なんで僕をこんなエッチなことに引きずり込もうとするのさ!」

だって…明久っていろんなことさせても面白いし…って、明久?どこに行くの?
…ってそれは、野球バット???

明久「さあ、打たれるのと投げられるのどっちがいい?」

あのー…、明久君?なんでそんな目が死んでいる…って、ぎゃぁぁぁぁ!!!すいませんでしたぁぁぁぁぁ!!!!!


※毎度毎度お騒がせします。次回は普通に明久と優子、瑛梨奈と幸久のデート回ですのでご安心を…

明久「できるかぁぁぁぁぁ!」 ゴキッ!


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BREAK1 明久は私とデートよ♡

今回はオリジナルバカテストをお休みさせていただきます。

さて、Break Timeのお時間です!今回は2話続けてお送りします!

一つ目…明久×優子

二つ目…幸久×瑛梨奈

こんな内容です!
あっ、次もオリジナルバカテストはお休みです。STORY5より再開します。

それでは、本編へ!


~みんなの家~ A.M.7時 明久Side

 

明久「…、…て、…きて、」

 

優子「ん…、なんなのよ…。」

 

明久「優子さん、起きてよ。」

 

優子「ん~って、明久君?どうしてアタシの上に…、上に?」

 

明久「あっ、やっと起きたか-。おはよう、優子さん。」

 

優子「おはよう、明久君…じゃないわよ!なんで、明久君がアタシの上に乗っかってるのよ!?///」

 

もぅ~、そんなのいいじゃん。一応、常識の範囲内だし?」

 

優子「どこがよ!!!///」

 

あれ、声に出てた?

 

明久「とりあえず、下に行こう。」

 

優子「そ、そうね。」

 

とりあえず下に降りた。するとそこには朝食を作り終えている弟の姿…

 

幸久「あっ!二人ともおはよう。」

 

明久「…どうしたの?そんなはりきって…」

 

優子「…アタシは夢でも見ているのかしら。」

 

幸久「今、遠まわしで僕のことバカにしなかった?」

 

「「いいえ、してないよ(わ)。」」

 

僕と違って幸久は料理が得意というわけでもない。なのに何だろう…あのはりきりよう。

きっと、誰かと出かけるのかな?

 

 

 

幸久Side

 

幸久「それにしても…二人そろって起きてくるなんて…」

 

明久「別にいいでしょ?そんなこと。」

 

優子「そ、そうよ。どうってことないわよ。///」

 

…これは何かありそうだ。試しにからかってみるか。

 

幸久「まさか~、二人ともデート?//」

 

後半を少し小声で言ってみたら二人とも顔を真っ赤にしちゃった。

 

明久「そ、そんなことー///」

 

優子「あ、あるのかしらねぇ~///」

 

幸久「はぁ~、二人とも、嘘をつくのは苦手なの?」

 

「「えっ!?そ、そんなことは…」」

 

しかも息ピッタリだし。これはどうやら本当のようだな。

 

 

 

~信越ショッピングストリート入口~ A.M.9時 明久Side

 

はぁ~、弟にバレるなんて思ってもいなかった。

 

優子「でも、明久君とデート…///」

 

あ、優子さんがフリーズしそう。

 

明久「ちょっとー?優子さん、大丈夫?」

 

優子「デート…はっ!私は大丈夫よ?///」

 

さっきまで大丈夫でもなかったのに…

 

??「……くーん!今日こそ……!」

 

??「……ぁぁぁ!やめろぉぉぉ……!」

 

あれは、悟と悠大かな?あいかわらずバカだねぇ…

 

「「明久(お前)にだけはいわれたくないよ(ねぇぜ)!!」」

 

明久「うわっ!心読んだの!?」

 

悟「それより…明久は木下さんとデートか?うらやましいぜ…」

 

悠大「何言ってんのさ!僕たちだってこれから愛のデート…」

 

悟「言うんじゃねぇぇぇぇ!」

 

優子「…カオスね。」

 

明久「そ、それは…!///」

 

優子「明久君、そんなに動揺しても何にもならないわよ?」

 

 

そ、そうだった。じゃあ、こんなに僕を動揺させたお返しに悟をからかってみるか。

 

明久「そうだね…。じゃあ悟、悠大とのBLデートいってらしゃ~い。」

 

悠大「明久君、ありがとうね!じゃあ、サ・ト・ル・ク・ン?」

 

『ずざぁー』←悠大が悟を引きずる音

 

悟「くっ…、お、覚えてろぉぉぉ…!」

 

優子「…結構シュールね。」

 

明久「うん、そうだね…。」

 

優子さんと意見が一致したのであった。

 

 

 

A.M.10時45分

 

僕と優子さんは今、アクセサリー専門店の『JEWEL グラッセ』にいる。なんでも、優子さんが気になってしょうが無いアクセサリーがあるらしい。

 

明久「ねえ優子さん、どんなアクセサリー?」

 

優子「それはね、これを身に着けると恋と金運が寄ってくるアクセサリーなのよ。」

 

明久「なんかすごい効果だね。優子さんってそんなに恋に興味を…」

 

優子「あーーー!言わないで!これ以上言わないで!///」

 

優子、だからって僕の顔を鷲掴みにしなくても…

 

??「…………うわぁぁぁあああ!」

 

ん、何事!?

 

明久「って、悟!?」

 

悟「どうしよう明久!このままだと俺の貞操がぁぁぁ!」

 

優子「とりあえず落ち着いて!ね!」

 

??「なんで逃げるのさ-!悟くん!」

 

悟「落ち着いてなどいられるかぁっ!」

 

この2人まだ追いかけっこしてたんだ…

 

 

 

悟Side

 

悠大「…まあ、いいか。どうせ学校に行けば毎日会えるし。」

 

ゾクウッ!

 

異様な寒気が…だけど、今日のところはとりあえず大丈夫…か。

 

明久「そっかー、これからどうするの?」

 

悠大「そうだねー、家に帰って勉強しようかな?」

 

優子「そのへんはエラいわね。じゃ、またね。」

 

悠大「じゃーねー。」

 

そう言って悠大は帰って行った。はぁ~、やっと解放される。

 

明久「じゃあ…悟、3人で行く?」

 

悟「そうだな。やることもないし…」

 

優子「変なことしないでね?」

 

悟「…わかってるよ。」

 

ったく、余計な心配はいらないってのに。

 

 

 

A.M.11時50分 明久Side

 

明久「なんかお腹空いてきたね。」

 

優子「そうね…、じゃあ、お昼たべましょ。」

 

悟「ああ、そうだな。この辺でいいお店は…あそこだ!」

 

とりあえず悟の直感を頼りにレストラン「ラ・セディーヌ」に入ってみた。

 

店員「いらっしゃいませ。お客様3名様ですね?こちらへどうぞ。」

 

とりあえず、座った。店内の雰囲気がとてもいいなぁ…

 

店員「こちらがメニューとなります。お決まりになりましたらそちらのボタンでお呼びくださいませ。失礼します。」

 

とりあえず僕たちはメニューを開いてみた。

洋食・和食・中華・その他…うん、全部あるね。そして値段も手ごろだよ。

 

僕たちはこのように決まった。

 

明久…チキンと野菜のカレードリア+Dセット    ¥ 1,140

優子…トマトとベーコンのさっぱりパスタ+Eセット ¥ 1,080

悟…信越牛100%ステーキ+Bセット       ¥ 1,440

 

3人「いっただきまーす!」

 

??「あれ?そこにいるのは…」

 

ん?なんか聞き覚えのある声が…

 

明久「あれ、幸久?どうした…ほぉ、これはまさしく『---』ですな?」

 

幸久「っ!///」

 

瑛梨奈「ご名答よ。そういうあなたたちも?」

 

明久「っ!//」

 

悟「やっぱ兄弟だな。2人そろっておんなじ顔を…って何しやがる!」

 

明久「弟と一緒にされたくないよ!」

 

幸久「こんなバカ兄ちゃんと一緒にするな!」

 

そんな中、女性陣は…

 

優子「瑛梨奈、これ食べる?」

 

瑛梨奈「いいの?ありがとう!」

 

そばでけんかが発生しているのに気にしていなかった…。

 

 

 

P.M.1時30分 悟Side

 

俺たちは5人でゲームセンターに来ていた。

 

明・悟「ここで新作アイテムをゲットしなくちゃ…」

 

幸久「まったく…、この2人は。」

 

そう。俺らは最近人気になったアイドル『綾瀬すずこ』のぬいぐるみがほしいのだ。

 

明・悟「えへへ…//」

 

優子「この2人どうする…?」

 

瑛梨奈「縛って笹嶋先生の所に持っていきましょ?」

 

優・幸「そうだね(ね)。」

 

明・悟「それだけはご勘弁を~!!」

 

笹島先生の所にもっていかれたら何されるか分かんねえ!!

 

 

 

P.M.2時40分 明久Side

 

僕たちは幸久たちと別れてwith悟の3人で本屋「Dream Book Store」へ入った。

僕たちが欲しいのは聖しょ…ゴホンゴホン、『アレ』である。

 

明久「じゃあ、僕たちあっちにいってるよ。」

 

優子「まあ…、いいわ。」

 

そう言って僕たちは『アレ』の元へといった。

 

明久「この女の子かわいいよ…」

 

悟「ああ、惚れるぜ…」

 

 

 

20分後… 優子Side

 

2人とも何しているのかしら?また、変な物見ていると思うけど…

 

優子「ねえ2人とも?」

 

明・悟「はひっ!?」

 

そんなに驚かなくてもいいのに…

 

優子「なあに見ているのかしらねぇ?」

 

明久「あ、そ、それは…」

 

アイドル写真集…しかもこれは…

 

優子「2人とも?ちょ~っとこっちへいらっしゃ~い♪」

 

 

 

明久Side

 

ああ…、どうしよう。優子さんに見つかっちゃったよ…

 

優子「なぁ~んでこんなHな物みているのかぁ~し~らぁ?」

 

ヤバい!悟も巻き添えに…!

 

明久「あの、それは、自身の欲望と本能が混ざり合ってつい…っていたいいたい!関節曲げないでぇぇぇ!」

 

悟「あの、そうだな…やっぱり自身の欲望が…っていってぇぇぇぇ!関節増やそうとするなぁぁぁぁぁ!」

 

 

結局自爆して僕たちはしばかれるのであった…

 

 

 

P.M.3時40分

 

優子「全く…!あんたたちは懲りないんだから!」

 

明・悟「すいませんでしたぁぁぁ!」

 

全力で謝ります!!!

 

Prrrrrr Prrrrrr

 

優子「あら?誰からかしら?もしもし?…校長先生?どうなさったんですか?…はい、…あー、わかりました。そちらへ伺います。」

 

明久「優子さん、どうしたの?」

 

優子「悟君、私たちちょっと用事ができたから先に帰っていてくれないかしら?」

 

悟「ああ、構わないぜ。」

 

優子「明久君、早くいきましょう!」

 

何、何!?状況が全く読めないよ!何があったの!?

 

明久「あっ、ちょっと待ってぇ~!」

 

 

 

~学校~P.M.4時20分

 

なるほど、そういうことだったのか。優子さん何にも伝えないから何か事件でも起きたんじゃないかと思ったよ!

 

明久「召喚獣の試運転なんて…僕たちの計画もだいぶ進んだね。」

 

優子「そうね…。わずか1ヶ月半でここまで来たんだもの…すごいわ。」

 

校長「いえいえ、これもみなさんあってのおかげです。それに、今回は坂井さんが手伝ってくれなかったらもうちょっとかかっていましたよ。」

 

瑛梨奈「この学校において召喚獣の研究を手伝わせてもらえるなんて素敵です!」

 

幸久「これで文月学園と信越高校の親睦がより深まるといいんだけど…」

 

教頭「うーん…、やっぱり世界が違うからですね…」

 

そう、文月学園と信越高校の所在地は世界を超えて大きく異なっている。だから、親睦を深めようとしても実際には無理な話なのである。

 

教頭「ただ、校長と向こうの学園長先生が仲良しなのがこの学校の運命を大きく左右したんですよ?もっと誇りを持ってください。」

 

校長「ああ、そうだな…。」

 

 

試験召喚システム完成まであとわずか、僕たちも頑張らなくちゃねっ!



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BREAK2 瑛梨奈は僕とデートだね!

いきなりですが本編へ!


~瑛梨奈の家~ A.M.6時 瑛梨奈Side

 

瑛梨奈「ん~、朝は気持ちいいわね。」

 

そう言って私は下に降りた。

 

??「あっ、ねーちゃんおはよう。」

 

瑛梨奈「おはよう、翔太。」

 

 

 

☆ 人物プロフィール

 

坂井翔太 信越第3小学校 4年3組

 

 

容姿: 青の緩い7:3分け。で、筋肉量がけっこうある。

身長: 146cm

誕生日: 4月26日

性格: 元気で明るい。時に素直な感じ。

 

 

瑛梨奈の弟。元気な性格である上、姉をいつも困らせている。勉強に対しては熱心な方で、最近のテストはいつも100点ばっかり。

 

 

 

翔太「今日は何処か行くの?」

 

瑛梨奈「そうよ。だから、お留守番お願いね。」

 

翔太「はーい。」

 

なんか、素直な子っていいわね。

 

 

 

~信越ショッピングストリート入口~ A.M.10時

 

幸久「ごめーん、待った?」

 

瑛梨奈「いや?今来たところよ。」

 

今日は吉井兄弟の弟とデート…もとい、一緒に行く日なの。

 

幸久「どっちにしろ変わらないと思うよ?」

 

瑛梨奈「…お願いだから、ここでさらっと心を読まないでくれる?」

 

…私、泣きたいわ。

 

幸久「あ、ごめんね。」

 

??「おや?そこにいるのは坂井さんと吉井弟では?、気づき。」

 

瑛梨奈「その口調…、まさか冬也君?」

 

幸久「そうか、冬也君なんだ~。何しに来たの?」

 

冬也「今日はちょっと新しい参考書を買いに来てね…予定。」

 

瑛梨奈「そう…さすが学年主席ね。」

 

幸久「僕も驚いたよ…。」

 

冬也「まあ、それはそうと、今日早起きしてケーキを焼いてみた…」

 

瑛梨奈「…いいわ。なんかあやしいし。」

 

幸久「僕も遠慮しとくよ…。そんな『----』を…」

 

冬也「『----』とは何だ!?僕がせっかく頑張ったのに…怒り。」

 

幸久「じゃあ、味見したの?」

 

あ、そこ私も気になる。たぶんしていないだろうけどね。

 

冬也「1回もしていない。事実。」

 

やっぱり…

 

幸久「じゃあ、ここでしてみてよ。」

 

冬也「…………」

 

『カサッ』←箱を置く音

 

『ダッ』←冬也がダッシュで逃げる音

 

瑛梨奈「…これ、どうする?」

 

幸久「兄ちゃんに食べさせる。」

 

吉井兄弟の…、もういいわ。幸久、それは危険すぎるわ。

 

幸久「…やっぱりやめた。これは業者に廃棄してもらうよ。」

 

瑛梨奈「それが最善ね…。」

 

とにかく、死は免れたわ…。

 

 

 

A.M。10時30分 幸久Side

 

僕たちは本屋の「BOOK 豆の木」へ入った。

 

幸久「僕あっちにいってるね。」

 

瑛梨奈「じゃあ、わたしはここにいるわ。」

 

 

30分後… 瑛梨奈Side

 

そういえば幸久って何読んでいるのかしら?気になるわ。

 

瑛梨奈「幸久~?何読んでいるの…ってあら?」

 

幸久「な、なあに?瑛梨奈さん。」

 

瑛梨奈「今、幸久が後ろに隠したその本がすっごく怪しいのよね…」

 

幸久「べ、別にいいじゃん!聖書を読むくらい…って、あれ?」

 

瑛梨奈「聖書…?どうやら、O☆HA☆NA☆SHIが必要ね…!」

 

幸久「ひぃぃぃ!ごめんなさぁぁい!僕の趣味はHな本を読むことが趣味でこれはつい本能が出てしまって手に触れてみ…って、あれ?」

 

瑛梨奈「懇切丁寧な説明どうもありがとうねぇ!!」

 

あ、しまった!!つい本当のことをしゃべってしまった!しかも瑛梨奈さんからドス黒いオーラが…!

 

幸久「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

このあと、20分叱られ、さらに瑛梨奈さんの要望につき合わされた。

そこで行ったお店が女性洋服店の「Link Ring」である。

 

 

 

瑛梨奈Side

 

瑛梨奈「じゃあ、これ着てね♪」

 

幸久「…はい…って、これ着るの!?僕に女装趣味なんかないよ!?」

 

瑛梨奈「さっきの約束…」

 

幸久「…はい、着ます。」

 

まったく…、兄のほうも性欲丸出しなんだから…、やっぱり兄弟ね。

3分後…

 

瑛梨奈「え、これが幸久?すっごくかわいい!!!」

 

幸久「うぅ…はずかしいよ。」

 

瑛梨奈「あ、店員だ。すみませーん、この人の写真撮ってもらえますかね?」

 

店員「いいですよ。すごくきれいな女の子ですね。あなたの妹さんか何か?」

 

瑛梨奈「いいえ、ただの友達です。」

 

店員「そうですか、わっかりました!じゃあ、そこのお嬢さん?こっちに来てね!」

 

幸久「…はい。」←ちょっと声を高くしている

 

これはこれで結構さまになっているじゃない。女装趣味なんてないとか言ったけど…こっそり家でやってたとか?

 

 

 

正午 幸久Side

 

…僕は女装を解いて、瑛梨奈さんのおすすめのお店である「ラ・セディーヌ」へと入った。そこにいたのが…

 

??「いっただきまーす!」

 

なんか聞き覚えのある声…まさか!

 

幸久「あれ?そこにいるのは…」

 

あ、やっぱり明久たちだ。悟もいるのか…

 

悟「よう。」

 

幸久「よっ。」

 

と、明久がそこでとんでもない発言をした!

 

明久「あれ、幸久?どうした…ほぉ、これはまさしく『デート』ですな?」

 

幸久「っ!///」

 

瑛梨奈「っ!///ご名答よ。そういうあなたたちも?」

 

瑛梨奈強いなー、恥ずかしい言葉を言われてもすぐに切り返せるんだもん。

 

明久「っ!///」

 

悟「やっぱ兄弟だな。2人そろっておんなじ顔を…って何しやがる!」

 

悟の胸元を2人でグッとつかんだ。

 

明久「弟と一緒にされたくないよ!」

 

な~に~を~!

 

幸久「こんなバカ兄ちゃんと一緒にするな!」

 

悟「だって、兄弟なんだから似ていたって当然ジャン」

 

明・幸「黙れ!このバカ悟!」

 

けんかは続いてった。

 

 

 

P.M.1時30分 瑛梨奈Side

 

私たちは今、ゲームセンターに来ている。なにやら明久君と悟が欲しいと言ってるものがあるらしい…。

…まあ、どうせアイドルまがいのものなんでしょうけど。←大当たり

 

明・悟「えへへ…//」

 

この2人は何妄想しているのかしら…?とそこへ、優子が

 

優子「この2人どうする?」

 

そうね…あっ!ちょうどいいところがあったわ!

 

瑛梨奈「縛って笹嶋先生の所に持っていきましょ?」

 

優・幸「そうね(だね)。」

 

明・悟「それだけはご勘弁を~!!」

 

ふふっ、冗談よ。

 

 

 

P.M.3時10分 幸久Side

 

幸久「どうして西側に7つも公園を固めて建設したのかなぁ?」

 

瑛梨奈「明らかに無駄よねぇ…。」

 

??「あの~」

 

幸久「…何、駄作者?」

 

駄作者「なんでそんなあだ名?」

 

幸久「…依頼?」

 

駄作者「ここカットで」

 

幸久「ふざけんなぁぁぁ!」

 

 

 

 

P.M.4時20分 瑛梨奈Side

 

正直、『試験召喚システム』ってあんまり興味がなかった。あの時もつい成り行きでやっていた。それに、これが学校や国の貢献につながるのかしら?って疑問も抱いていた。しかし、今になってようやくその答えが見つかった。

 

校長「今回は坂井さんが手伝ってくれなかったらもうちょっとかかっていましたよ。」

 

試験召喚システムの利益を知った今の私ならこんな言葉が言える。

 

瑛梨奈「この学校において召喚獣の研究を手伝わせてもらえるなんて素敵です!」

 

これで信越高校と向こうの世界にあるという文月学園の親睦が深まればなぁ…と願っていたけど、あっちはあっち、こっちはこっちだからなかなか難しい…。

 

…そんなの、取っ払えばいいじゃん。できないことなんてないはずだよ!!

 

瑛梨奈「あの~校長先生?ちょっとよろしいですか?」

 

校長「どうしたのですか?坂井さん」

 

 

~説明中~

 

校長「本当にそんなことができるんですか?」

 

瑛梨奈「じゃあ、このシステムは実現不可能であると定義することになりますよ?」

 

校長「確かに…。不可能を可能にする方法… やってみるよ。できる限りね。」

 

瑛梨奈「ありがとうございます!その際は全力でサポートいたします!」

 

 

 

校長Side

 

そうか…、坂井さんも思い切ったことを考えるものですね。…もともとこのシステムは、学園長の話にもあったが実現不可能に近いと言われてきた。だが、今こうやって実現の段階に入り込んでいる。ある意味奇跡的なことだ。だったら、できないこともないはず。

私はこの子たちの別れの涙を見たくない。せめて、みんなが笑顔でずっといられるように…だけど、タイムリミットはこの子たちが3年になった時の夏…

できるかどうかわからない。…いや、やってみせる。たとえできない可能性のほうが高くても、やらなければ結果なんてわからない。…私にできることを精一杯やろう。…きっとできる。

 

 




いかがでしたか?

まあ、皆さんそれぞれいろんな感情をお持ちでしょうけれど。

明・幸「ふざけんなぁぁぁ!」

えっ?

明久「どうしてくれるんだ!僕の貞操!」

幸久「全くだよ、駄作者!」

あのね?駄作者はやめてよ…、あと、ストーリー的に面白いかなって…だから僕の全身の骨を折ろうとしないでぇぇぇ!

次回はいよいよプログラム構築最終回!ここまで来たかいがありましたねぇ…

そんなわけで次回もお楽しみに!


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STORY5 数学と結果とプログラム構築LAST

オリジナルバカテスト 第6問

次の()の中に適する語を入れなさい。

2つの整数a,bの最大公約数が1であるとき、a,bは( )であるという。

吉井幸久の答え: 互いに素
教師のコメント: 正解ですね。苦手なはずなのによく答えられましたね。努力の結晶でしょうか。

吉井明久の答え: 地球上に存在しない何か
教師のコメント: それを数学的にどう表せと言うんですか。


12日も空いてしまい、すみません…!

明久「で?今度は何の理由なの?」

まあ…、いろいろと学校の事とかがありましてね。

明久「本音は?」

ネタがなく、あまり進みませんで…って、何言わせんだよ!

明久「あーあ、自爆したよこの駄作者は…」

駄作者と言うな!ろくに勉強出来ないくせに!

明久「なんだと!言ったな!よし、今から猛勉強してこの駄作者より上に立ってみせるよ!」

はっはっはっ、それはできるかな?

明久「くーーっ!悔しい!自分がバカなのが相当悔しいよ!…だったら、頑張るのみ!負けるもんか!」

と言って明久はどっかに行きました。というわけで、本編どうぞ!


はやくも11月…そのころ明久たちは…

 

 

 

~1年3組教室 A.M.9時55分~ 明久Side

 

明久「2時間目は数学なのか…。」

 

優子「数学は苦手?」

 

明久「計算ならいいんだけど…、なんで文字を使うの!?もはや数学じゃないでしょ!」

 

幸久「僕もそう思うね!数学なんだから、数字だけ出てくれればいいんだよ!なんで、図形の話が出てくるんだよ!」

 

…よく考えてみれば変な争いだった。

図形なんて他の教科に出てくるわけないし、生活の上で必要な項目だった。…なんで弟と出来ないことについて競っていたんだろう?

 

優子「…そんなことはどうでもいいでしょ。ほら、授業始まるよ。」

 

明・幸「はーい。」

 

図形かぁ…、今やってるところってけっこう難しいんだよね。『三角比の応用』なんて、社会に出たときに役に立つもんなのかなぁ?

 

僕はしぶしぶ自分の席に戻っていった。

 

しかもさぁ、第2余弦定理であるcosB=c^2+a^2-b^2/2ac ってどういう意味?一応教わったんだけど、いまいち意味がよくわかんない。だけど、三角形の面積を求める公式のS=1/2bc・sinA はなんとなくわかるかな…

通常の三角形の面積の求め方のS=1/2×底辺×高さの公式を、見方を変えてつくられた公式だから。

 

??「では、授業を始めるぞー!」

 

あの人はイケメンだと女子に大人気の十和田先生である。

 

 

 

☆ 人物プロフィール 10

 

 

十和田雅紀 数学科・2年1組担任

 

 

年齢:25歳

容姿:金のブロックリバースショート(最近流行の髪型)で、すらっとしている。

身長:190cm

誕生日:6月29日

性格:一見ワルな感じだが、実はとても優しく、だれとでも仲良くなれる性格。細かいことは一切気にしない。

 

 

 

そのイケメンな風貌は日本中のありとあらゆる女子を虜にするほど。ただ、本人が割と鈍感なため、自分がスタイルで人気になっているということを気にしていない。自分は、この年齢で高校の、しかも担任を受け持つのは正直奇跡であると自負している。

 

 

 

十和田T「今日は三角比の公式を利用して空間図形への応用に入っていくぞー!」

 

先生、周りを見て。女子全員が先生に夢中で話を聞いていないみたいだよ。

 

空間図形、イメージはなんとなくわかる。だけど、何を解いていくんだろう?

そんなことを気にしているうちに先生が重要なことを話し始めた。

 

十和田T「いいか?数学というのは結果が大事だ。過程はあっていても答え方1つで○なのか×なのかが分かれる。私は細かいことを気にしない性格であるが、みんなは回答の最後まで細かくチェックしていくように。いいね?」

 

「「「はーーーい!!!」」」

 

…今、返答した90%は女子。男子はあまり応えなかった。

 

十和田T「さ、いくぞ!」

 

…そこはちょっと気にしたらどうなんだ?本当に先生って鈍感だよねー。

 

幸久「兄ちゃんが言えたことでもないけど。」

 

さらっと読むなー!このバカ弟!

 

 

 

30分後…

 

今、問題を解いている。えーっと、ここはあの第2余弦定理をcosCを中心にして解くのか…で、ここは正弦定理っと。…一応当てはめていくだけだから簡単だけど、実際のテストは何の公式を使えばいいのかというのを考えなくちゃいけないからなぁ…それはそれで大変なのである。

 

明久「ねえ優子さん。これはどうやって解くの?」

 

優子「ああ、これはね…」

 

 

 

 

瑛梨奈Side

 

みんな、熱心にやっているわね。私は数学得意だからササッと解けちゃうけど…

 

悟「なあ、坂井。これはどうするんだ?」

 

え?あの不真面目な悟君が熱心に数学の問題を解いている…!?どういう風の吹き回しなのかしら?

 

悟「おい、坂井、おーい、聞いているか?」

 

瑛梨奈「…はっ!ごめんなさい。えーっと、これね。これは…」

 

 

 

悠大Side

 

悟君もがんばってるね。よーし!僕も…って、ここそんなに得意じゃないんだよね…どうやって解けばいいの?…こんなときには!

 

悠大「ねえねえ冬也君。ここってどうやって…」

 

 

 

明久Side

 

十和田T「では、答えを言っていくぞー。(1)は4cmで、(2)は45°。(3)は…」

 

よし、ここまでなら僕でも一応解ける。

 

十和田T「(7)は24だ。この図形は単位が記されていないから要注意な。」

 

しまったぁぁぁ!この図形の単位を勝手にcmと思い込んで回答を24平方センチメートルと書いてしまった…。なんてへぼいミスなんだあああぁぁぁ!

 

優子「そんなに落ち込むことないでしょ?その失敗ってよくありがちなんだから…」

 

そうなの?…次は間違えなければいいか。問題文と図形をよく見てから回答しないとね。

 

ピーンポーンパーンポーン

 

アナウンス「えー、1年3組の…」

 

あ、いつものあれだ。

 

明久「優子さん、行こう。」

 

優子「ええ。瑛梨奈、幸久君、いくわよ。」

 

瑛梨奈「今回もいいの?」

 

優子「だって、いつもお世話になっているし、今後の為だもん。」

 

瑛梨奈「ありがとう。」

 

 

 

~校長室~ 明久Side

 

校長「プログラム構築計画…それも今回で最終回となります。みなさん、ここまでご苦労様でした。」

 

もうこれで、最終回なのか…しかし、わずか1ヶ月半でここまでいくなんてすごいじゃないか。前もって準備していたからなのかな?

 

優子「それで、今回はなんですか?」

 

校長「今回は『腕輪』についてですね。あと、細かい設定・調整などなど。だから、今日が一番大変かつ時間がかかるんじゃないでしょうか?3・4時間目は欠席許可いただいているのでご安心ください。」

 

そうなんだ。って、校長先生ってどんだけ権力使ってんの?正当な理由なら生徒に許可なく勝手に欠席許可が取れるんだもん。ある意味あのババァ長と似ているよね…

 

瑛梨奈「そ、そんなにかかる仕事なんですか…?」

 

校長「そうですね…、これは製作のほうに時間をかけますからね…あと、調整・点検をしっかり行わずに始動したときにいきなりトラブル、なーんてことはイヤですからね…」

 

まあ、それもわかる。僕が文月学園に入学する前からシステムの不具合がたまに聞こえたからね。

 

校長「時間もないですし、とっとと始めましょう。『腕輪』ですが、条件として、単教科で400点以上とるか、総合科目で4000点以上とるかという感じでいいですかね。」

 

本来、文月学園であればそれは問題ないことである。ただ…

 

瑛梨奈「校長、ちょっと待ってください。」

 

校長「どうしました?」

 

瑛梨奈「それだと、この高校のおよそ70%の生徒が腕輪を所持出来ると言うことになります。この学校の生徒の学力は疎らといえども、平均が割と高い高校です。腕輪の所持条件を基準点としてこのままいけばみんなは今のままで満足してしまう恐れがあります。」

 

確かに、このままいけばみんな満足してこれ以上点数を上げようとしなくなる危険性が高い。現時点では文月学園に合わせてあるけど、高校によって学力なんて違ってくるから一律に合わせたらそれこそ不備が生じる。だったら…

 

校長「そうですね…じゃあ、単教科500点以上、総合科目6000点以上に引き上げましょうか。」

 

優子「だいたいそれでいいと思います。その調整はアタシにやらせてください。」

 

校長「わかりました。この調整はあなたに託します。あと、腕輪の効果についてですが…どうします?」

 

あ、そっか。腕輪があっても中身が無いんじゃただのかざりだよね。

 

幸久「それについてですが、オリジナルの設定に加えて、ある世界からのデータを基に構成された能力を使用したいと思います。ちょっと待っててくださいね…」

 

そう言って弟は携帯を出し、ある人に電話をかけた。

 

??「もしもし、御坂です。…って、幸久君?」

 

幸久「もしもし御坂さん、あのー、ちょっとご相談が…」

 

へ?御坂?あの御坂美琴さん?幸久があの人とつながっているの?訳分かんないよ…

 

~幸久説明中~

 

御坂「なるほど、そういうこと…だったら、協力するわ。じゃあ、あたしのPCでデータを送るわ。アドレスは…でいいわね?」

 

幸久「OKだよ、ありがとう。でも、サーバーに記録が残るんじゃ…」

 

御坂「あ、大丈夫よ。そのへんは改造が得意な人に任せるから。」

 

幸久「さすが。じゃあ、お願いね。」

 

御坂「了解。じゃあね。」

 

…なんか世界をこえて絆が深まった気がするよ。

 

明久「ところで幸久、どうやってあの御坂美琴さんと知り合ったの?」

 

幸久「実はね、出会い系サイトでたまたま御坂さんの名前が出てきてね、それで連絡を取り合おうと思って…」

 

待った、それは危ないんじゃ…

 

幸久「確かに本物か疑ったけど、雰囲気的に本物だなーって確信して、それで連絡先を交換したら本物だったという…」

 

なんか弟が危ない世界に踏み込んでるよ!?大丈夫なの!?

 

瑛梨奈「…一度、インターネットの恐怖を学習し直す必要があるようだわね…!」

 

幸久「あ、あのね瑛梨奈!これは別に浮気とかそういうことじゃなくてね…!…で、…すいませんでしたああぁぁぁ!」

 

さすが我が弟、地雷踏んじゃったね。

 

校長「あ、データが届きました。これで腕輪に効果がつけられますね。」

 

っていうか、御坂美琴さんって実際にいたんだ…本とかでしか見たことないけどどっかの世界にいるんだ…。なんか、世界がつながるってすごい壮大なことだね!

 

校長「じゃあ、腕輪の効果の設定は幸久君に一括させましょう。あなたなら外部との関わりは結構良い方ですからね。」

 

幸久「わっかりましたー!」

 

校長「腕輪の製作に関しては…、明久君、私と一緒にやりましょう。」

 

明久「はい、がんばります!」

 

とは言ったものの…、あの人のスピードが早すぎて全然ついて行けないよ。まあ、自分の能力は前より上がったけど。

 

瑛梨奈「私はなにをすればいいんですか…?」

 

あ、瑛梨奈さんのこと忘れてた。

 

校長「えーっと、そうですね…、あっ、坂井さんには今まで構築したプログラムの修正と点検を行って貰いましょうか。いいですよね?」

 

瑛梨奈「わかりました。」

 

 

 

3時間後…

 

校長「そろそろ終わりましたかね?」

 

優子「こっちはOKです。」

 

幸久「僕もいいよ!」

 

瑛梨奈「こっちも終わったわ。」

 

明久「疲れたよ…」

 

校長「しかし、もうちょっと作業効率を上げられたかな…と。」

 

えーーー!?まだ上げるの!?

 

明久「それは勘弁してくださいよー!こっちだって全力でやったのにー!」

 

校長「冗談ですよ。よくがんばりましたね。」

 

まったく…!酷いよこの校長は!

 

教頭「…そのへんと先生のある癖はなるべく自重してもらえると私的にありがたいんですが…」

 

校長「なぬ!?」

 

えっ?校長のある癖?なんだろうな…

 

教頭「この人ったら、計画実行の当日までその計画があるということを伝えないんですよ!?しかも、それが癖となってたびたび起こすんです!いい迷惑ですよ!」

 

…そうなんだ。校長にそんな癖が…

 

瑛梨奈「どういうことですか…校長?…まあ、薄々感づいてはいましたけど。」

 

校長「…あのな、これには深ーいわけがありましてね…」

 

教頭「今日という今日は許しませんよ!」

 

校長「ひええぇぇぇ…!」

 

…うーん、なんかカオスな光景だよね。怒る教頭に怯える校長…なかなかシュールだよ。

 

でも、これでプログラムは完成した。あとは、これをみんなに伝えて実行するだけ…

これからが楽しみだよ!




いかがでしたか?

明久「絶対この駄作者より上に立つんだから!」

まだ言っているし…って、駄作者言うな!何度同じ事言わせんだよ!

明久「うるさい!僕は今頑張りたいんだ!」

えーっと、話がうまく噛み合っていないというか…

まあ、いいか。次は明久が頑張ります。果たして、明久はこの崇高なる作者より上に立つことができるのか…?

明久「崇高なる作者じゃなくて、駄作者でしょ?」

まだ言うか-!


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STORY6 ぼく、がんばるよ

オリジナルバカテスト 第7問

次の日本語を英訳しなさい。

トムとブラウンは昨日、公園で女性を見かけたが、そのひとはとてもかわいかった。

木下優子の答え: Tom and Brown saw a woman in the park yesterday, who was very cute.
教師のコメント: 正解です。この文章は関係代名詞の非制限用法を使わないと成立しない問題です。なので、覚えておきましょう。

吉井幸久の答え: Tom and Brown saw a woman who was very cute in the park yesterday.
教師のコメント: 一見正解のように思えますが、これだと、「トムとブラウンは昨日、公園でとてもかわいい女性を見かけた。」という日本語になり、不正解です。問題は、人を見かけたがその人の状態はどうだったかというふうに訳す必要があるため、これでは回答不十分ですね…

吉井明久の答え: Tom and Brown saw a woman
教師のコメント: あと3分の2書けば正解ですよ!


今回は明久が猛勉強する回です。

明久「この駄作者にあんだけこてんぱんにされたんだからがんばらないわけないでしょ!?」

とりあえず黙りなさい。これ以上しゃべるとネタばらしになるぞ。

明久「むぐぅ…、しょうがない。じゃあ、本編どうぞ。」

さりげなくセリフ取るな!


~みんなの家~ 明久Side

 

ある土曜日のことである。

 

 

 

カリカリカリカリ…

 

僕は今、猛勉強中である。

 

幸久「なにもそんなに張り切らなくても…」

 

弟がちょっと呆れた表情で言ってきた。

 

「いいの!僕はやるって決めたんだから!」

 

※なぜそうなったかはSTORY5をご参照ください。

 

優子「しかし…、いざとなると集中力高いわねー。もっと前の段階からやっていたら基礎は完璧にできていたんじゃない?」

 

確かにそれはごもっともな回答である。

 

「僕だって初めからそうしたかったよ…」

 

優子「それはさっき言われたからでしょ?」

 

……ここまで来るともう何も言えない。文脈判断が全然できないバカである。

 

今日はいろんな人がやってくるらしい。何のためかって?それはもちろん僕の勉強の成果を見に…

 

ピーンポーン

 

あ、来たみたいだね。

 

幸久「僕が出るよ。」

 

優子「お願いね。」

 

ガチャッ

 

瑛梨奈「おはようございまーすって幸久?」

 

幸久「そうだよ。今、明久は絶賛勉強中だから。」

 

瑛梨奈「(まさか幸久が出迎えてくれるなんてわた…ってちがうちがう。今日は明久君の勉強のお手伝いをする日だった。)」

 

幸久「瑛梨奈…?どうしたの?」

 

瑛梨奈「い、いや!何でもないわよ!///」

 

瑛梨奈さんと幸久、何の会話をしているんだろう。…まあ、この間デートしていたくらいだし、何の会話か大体想像つくんだよねー。

 

優子「ほら、手が止まっているわよ。」

 

明久「あ、ごめんね。」

 

そう言って僕はまた書き進める。ちなみに今やっている教科は現代社会である。

 

瑛梨奈「そうね…、今の総理大臣の名前くらいわかるわよね?」

 

明久「えーっと、桜田首相だっけ…?」

 

瑛梨奈「ちょっと…違うわよ。総理大臣は安倍首相よ。」

 

優子「ちょっと待って。前の世界にいたときは明久の答えであっていたわ。」

 

瑛梨奈「そうだったの?でもね…今はこっちの世界だから、問題も回答もこっちの世界に合わせてるはず…ってそれはあなたが決めたんじゃないの?」

 

優子「…はっ!そうだったわ。社会はこっちとあっちの世界で内容が大きく異なるからこっちの世界に合わせようって決めたんだった。ごめんなさい…」

 

瑛梨奈「いいのよ。こっちにきてまだ日が浅いし。」

 

やっぱ社会系は混乱するなぁ…、事情がこっちとあっちで全然違うから覚えなおす必要があるんだよね…

 

瑛梨奈「もし、あっちの世界に帰ることになったら教科書ごと持っていくといいわ。こっちで覚えたことを基に出題させてくれると思うわよ。」

 

幸久「そうだね。その辺は学園長と交渉してみるよ。ありがとう。」

 

瑛梨奈「いえいえ、お安い御用よ。//」

 

なんでこの会話で瑛梨奈さんの顔が赤くなるのか正直わからないよ…

 

 

 

1時間後…

 

ピーンポーン

 

あっ、もしかして悟と悠大かな?ちょっと行ってみよう。

 

ガチャ

 

明久「あ、やっぱり来たんだね。」

 

悠大「おじゃましまーす。」

 

悟「入るぜ。…ったく、俺は一人で来るからいいってのに悠大が聞こうとしないから…」

 

あーなるほど。だから全身に引きずられた跡があるのか。

 

悠大「別に一緒に行ったっていいでしょ?悟君の自由は僕の自由…」

 

悟「おい、その発言はやめろぉぉぉ!」

 

…はい、今日も悟と悠大はいつものようにバカしております。

 

「「明久に言われたくないよ(ねぇぜ)!!」」

 

…また心を読まれた!?しかもこのフレーズどっかで聞いたことあるような…

 

優子「まだー?続きやるわよ!」

 

あ、忘れてた。悟も悠大も僕を目的としてやってきたのに当の本人がやっていなきゃ話にならないよね。

 

明久「今行くよー!」

 

悠大「悟君もほとんどの教科が苦手だから僕がみっちり教えてあ・げ・る。」

 

悟「…今日の俺は地獄を見ることになるぜ…」

 

なんか悟がすごい悲しそうな表情をして僕の部屋に行ったよ。何があったの…?

 

 

 

2時間後…

 

ピーンポーン

 

誰かな?もう来る人は全員来ちゃったし…

 

??「吉井君ー!いるかー!」

 

ん?この声…どっかで聞いたことあるような…

 

ガチャ

 

十和田T「よぉー!元気か?」

 

明久「あれ?十和田先生?どうしてここに?」

 

十和田T「ん?坂井から聞いてなかったのか?」

 

瑛梨奈「あらやだ、明久君に伝えるの忘れちゃったわ。今日、先生が新品の模試を持ってきてくれるよていだったの。明久君たちの家で勉強会をやるって伝えたから…」

 

なーんだ、そういうこと。てっきり家を間違えたかと…

 

幸久「先生はそんなへぼいミスしないでしょー。兄ちゃんじゃあるまいし。」

 

明久「心を読むなぁー!そしてまたバカにしたな!」

 

幸久「だって、事実なんだし…」

 

明久「うぐっ、そう言われると否定できない…。」

 

瑛梨奈・十和田T「(もうちょっと反論できるだろ…)」

 

…そんなことはいい。って、もう12時かぁ。お昼何にしようかな…

 

明久「ねぇみんな、お昼は何がいい?」

 

優子「そうねぇ…結構人数多いし、パーティーに向いてそうな料理がいいかしら?」

 

明久「そうだね。うーん…、じゃあ、パエリアにしよう!」

 

優子「パエリアは明久の得意料理、いいわね!」

 

幸久「それにしよう!」

 

瑛梨奈「じゃあ、私手伝うわ。」

 

悠大「僕も手伝うよ。悟君はどうせできないだろうし…」

 

悟「うるせぇ!料理なんてしたことねぇんだよ!…じゃあ、そっちで準備でもするわ。」

 

それが一番かな…?中には、料理に変な物混ぜる人もいるし…

 

十和田T「私も手伝おう。一人暮らしだと料理は基本中の基本になるしな。」

 

明久「ありがとうございます。」

 

 

 

40分後…

 

明久「できたー!」

 

優子「やっぱり明久は料理の才能だけはあるみたいね。」

 

優子、『だけ』は余計だよ…

 

 

 

昼食も終わり…僕は再び勉強に集中した。

 

優子「あ、そこは13じゃなくて±13よ。」

 

明久「ありがとう。」

 

悠大「それは②じゃなくて⑥だよ。理由はね…」

 

悟「…へぇ、そういうことか。なるほど。」

 

瑛梨奈「幸久、それは4103(5)じゃない?」

 

幸久「えっ?うそだぁ。これはどうやっても4004(5)だよ?」

 

瑛梨奈「ふふっ、ひっかからなかったわね。」

 

幸久「だましたなぁー!」

 

瑛梨奈「あら、そういう問題だって無きにしも非ずなのよ?」

 

幸久「…そっか。ありがとう。」

 

瑛梨奈「ほんとはちょっとからかったけど。」

 

幸久「えーー!?」

 

 

 

2時間後…

 

十和田T「どうだー?なからいい感じか?」

 

明久「そうですね。」

 

十和田T「じゃあ、模試を配るぞー。一応英語までの10教科あるからな。時間はそれぞれ30分、英語Rだけリスニング20分あるからな。一教科200点満点で今回は配点高めだから注意してな。じゃあ、5時間半だが、全力でがんばれ!」

 

いまは午後3時、終わるのは午後8時半かぁ…。…そうだ!

 

明久「みんな、今日終わるの遅いから泊まってく?」

 

みんな「賛成ーー!」

 

満場一致だった。

 

明久「あと、誰が一番点数高いか勝負しない?」

 

優子「いいわね、学力向上につながるわ!」

 

これも、みんな賛成してくれた。

 

 

 

模試は順調に進み、午後8時半…

 

十和田T「そこまでっ!じゃあ、模試は回収して私がチェックする。明日の朝には返却できるかな…?」

 

明久「ありがとうございます。」

 

そして、僕の提案通り僕たち以外の3人は泊まることにした。

もちろんこの家に来たときからみんなは泊まる準備をしていた。僕は気になったけど、『質問したら負けだな』という、何かよく分からない思いを抱えていた。(十和田先生は帰りました。)

 

 

夕食も終わり、午後10時…

 

明久「お風呂さぁ、誰と入る?」

 

この言葉だと誰かと入ることを前提にしているみたいだ。というよりそのまんまなんだけどね。

 

優子「アタシ、明久と入りたい…///」

 

えーーーっ!?ちょっと優子さん!?それはいくら何でもだめでしょー!

 

瑛梨奈「優子、ちょっと自重したら?明久君が可哀想でしょ?」

 

何か、捉え方によっては優子をいじめてるような発言だけど…

 

優子「…冗談よ。瑛梨奈と入るわ。」

 

瑛梨奈「最初からそうしてくれればいいのにねぇ…?」

 

うん、本当にそのとおり。じゃないと僕の理性が切れまくりだからね。

 

悠大「じゃあ僕は…」チラッ

 

悟「…んっ!?な、何でこっちを見たんだ?…っ、まさか!」

 

悠大「もちろん一緒だ・よ・ね?」

 

なんか悠大が恐ろしいほどのオーラを出して目が笑ってない状態で悟を見つめてるよ!?

 

悟「…はぁ、ここから先は地獄だぁぁぁぁ。」

 

…ドンマイ、悟。

 

幸久「僕は兄ちゃんと入るよ。」

 

明久「くれぐれも変なことすんなよ?」

 

幸久「わかってるってー!」

 

そう言って悠大と同じオーラを出そうとするのは何故…?

 

 

 

このあと、僕たちは普通に入ったが、悟と悠大が愛の…に走ってしまったので、だいぶ時間がかかってしまった。

 

悟「誰かーー!助けてくれぇぇぇ!」

 

悠大「逃がさないからね?」

 

 

その夜…

 

明久「はぁ~、明日がどうなることやら…」

 

優子「大丈夫でしょ?あれだけやってきてるんだから。」

 

今、僕の隣に優子がいる…

何だろう、この胸のドキドキは…

 

明久「……///」

 

優子「どうしたの明久?顔が真っ赤よ?」

 

明久「い、いや!?何でも無いよ!?///」

 

どうしよう…僕の回りには僕の理性が切れるのを押さえつけてくれる人がいないよ…

 

優子「…明日はイベントで学校に行かなくちゃならないから早く寝ましょ?」

 

明久「う、うん…//」

 

はぁ~、なんか寝られそうな気がしないけどまあ、いいか。

 

 

 

その頃… The 3rd Person Side

 

幸久「瑛梨奈、どうしたの?」

 

瑛梨奈「ああ、ちょっと電話してくるね。」

 

幸久「わかった。」

 

そう言って瑛梨奈は部屋から出たとき、ちょうど携帯が

 

Prrrrr Prrrrr

 

瑛梨奈「あら?十和田先生?どうしたのかしら。」

 

ピッ

 

瑛梨奈「もしもし?」

 

十和田T「ああ、俺だ。実はな、模試の事なんだが…」

 

瑛梨奈「どうかしました?」

 

 

 

 

 

十和田T「…誰かに盗まれた。」

 

 

 

 

瑛梨奈「盗まれた…って、えぇぇぇぇ!?それ、ヤバくないですか!?」




いかがでしたか?

盗まれてしまったみんなの模試…
一体誰が盗んでいったのか?そして、その目的は何なのか?

瑛梨奈「テスト盗んで何がしたいのかしら?そんなの盗んだって何にもならない…って、私思ってたんだけど、何か心当たりある人が一人浮かんでくるのはなぜ?」

誰か思いついたの?

瑛梨奈「そうね…、これが出来る人で私の知っている限りだと…間違いない、あの人だわ。」

さあ、その人とは一体誰なのか…?

次回からプログラム完成イベントが始まります!ついに盗んだ犯人が明らかに?


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STORY7 プログラム完成イベント①

オリジナルバカテスト 第8問

H2SO4は強酸か弱酸か答えなさい。

木下優子の答え:強酸
教師のコメント:正解です。これは『硫酸』で、人体に大変危険な影響を及ぼします。間違っても絶対に触れないようにしてください。

吉井明久の答え:食べればわかるかな?
教師のコメント:人の発言を無下にするような回答をしないでください。

さて、ようやく完成した召喚システムでs「待ってよ!」…なに?

明久「模試の回答が盗まれたんでしょ!?そっちを先に取り上げないの!?」

おお、そうかそうか…って、なんで明久が知ってるんだよ。

明久「うるさい!この駄作者!」

ちょ、またオレのことを『駄作者』扱いするか!この『キング・オブ・バカ』が!

明久「最近僕だって頑張っているんだ!勝手にバカって呼ばないでよ!」

……



瑛梨奈「えー…、いろいろと騒がしいですが本編へどうぞ。」


翌日…

 

明久Side

 

ほあよ~(おはよう)

 

優子「起きるの早くない?まだ6時よ。」

 

幸久「いつも寝ぼすけな兄ちゃんがこんなに早く起きてくるなんて信じられない…」

 

「うっさいなー!こういうときぐらいあるよ!」

 

何で自分が規則正しいことしてるのにこんなにも驚かれるんだろう…」ブツブツ

 

瑛梨奈「だって、明久君っていつもそんなことしないじゃん。普段やらないことを突然されると誰だって驚くわよ。」

 

そういうもんかなぁ?

 

 

 

~学校~ A.M.9:00

 

僕たちは学校へやって来た。今日のプログラム完成イベントは学校でやるらしい。

 

ただ、僕たちが内緒で試験召喚システムの制作をしていることは悟や悠大は知らないから説明する必要がある。

 

瑛梨奈さんは途中から関わっていたからその必要は無い。

 

十和田先生に関しては、模試の返却があるからどの道説明しなきゃならない。

 

たがら、3人には、『学校で大事なイベントがありますので是非お越し下さい。』という、文語的な文書を送っておいた。

 

で、現在1年3組の教室…

 

幸久「あと20分で始まるのかぁ…」

 

明久「今回のプログラム完成イベントは2日間に渡って行われるけど、基本的にはプログラムの確認とか召喚獣のこととかなんだよね。」

 

優子「そうよ。そもそも、試験召喚システムって何なのかを説明するためにも、いろいろと準備しなきゃいけないからね。」

 

悟「まずオレたちは、そんなことを裏でやっていたなんて知らないからな…。」

 

悠大「…あまりに生々しい話だけど、運営費用とか大丈夫なの?」

 

あ、そういうところも気にするべきだったのか。文月学園は一応試験校でスポンサーもついているから費用に関しては別に問題ない。

しかし、この信越高校に関しては別。ごく普通の一般校でしかも公立の高校。文月学園とは訳が違うのである。

 

???「ご心配には及びませんよ、皆さん。」

 

…ん?誰だ…って、校長先生!?

 

優子「校長先生?いつの間にいらしていたんですか?」

 

校長「ええ、最初から。」

 

うそぉぉぉ!?最初からなの!?

 

明久「それならそうと一声かければいいじゃないですか!」

 

校長「ちょっと驚かせてみたかったんですよ。」

 

まったく…、この人はいたずら好きなのか?

 

瑛梨奈「それよりも校長、『ご心配には及びませんよ』と言ったのはどういうことですか?」

 

校長「実は、『試験召喚システム』の話をとある一部の企業にお話ししたんです。あまりにも興味を持ってくれたみたいで…そしたらいきなり、「ぜひスポンサーにさせてください!」というお返事をいただいたもので少々戸惑ってしまったんですが、契約が完了したので、運営を開始しました。なので、資産運用に関しましては問題ありませんよ。」

 

…まあ、世界初(この世界において)の『試験召喚システム』だから興味を持たないわけないか。

 

瑛梨奈「ところで本題に入りたいんですけど、実は今朝、模試の回答が何者かによって盗まれたんです。誰か心当たりのある人はいらっしゃいませんか?」

 

「「「「「「ええええええ!?」」」」」」」

 

なんでそんなことが!?

 

十和田T「補足は私からするんだが、昨日の…あれは午後11時ごろだったかな。みんなの模試を採点していてな…あと2枚で終わりそうになったその時、誰かが訪問してきたんだ。で、ドアを開けたら同じ学校の生徒の3-4の『新城結奈』が来てな…」

 

…この人、周りの女子たちをどんだけその気にさせているんだよ。

 

~回想~ P.M.10:50

 

結奈「十和田先生いらっしゃいますか?」

 

十和田T「おう、結奈。こんな夜中にどうしたんだ?」

 

結奈「(先生ったら、自分の生徒が教師の家の位置を把握していることは気にしないんですね。…まあいいとして)あの、数学の…の…を教えていただきたいんですけど。」

 

十和田T「ん?そんなの明日学校あるからその時でいいんじゃないのか?」

 

結奈「(まあ、それもアリですけど)ちょっと、私の性格を知った上のお言葉ですか?気になった問題はその日のうちに解決しないと気が済まない性格だって何度言ったらわかるんですか!」

 

十和田T「ああ、すまんすまん。私もいろいろやることがあるからな。」

 

結奈(この人もこの人ね…、周囲の女子をたぶらかして…)

 

十和田T「で、それなんだがこうするといいぞ。えーっと…」

 

~10分後~

 

結奈「…なるほど、わかりました!ありがとうございます!」

 

十和田T「またわかんないところあったら私に相談してな。」

 

結奈「はい!…では、失礼します。」

 

十和田T「(さて、模試の採点の続きするか…)えーっと次は…って、何だこれは!!!」

 

・そこのあるはずの模試がない

 

・部屋が異常に散乱している

 

・ついでに言うと赤ペンまで無くなっている

 

十和田T「これは一大事だ…!」

 

~回想終了~

 

十和田T「…ということがあってだな、どうしたものか。」

 

瑛梨奈「……先生、これ以上弁明のしようがありませんよ。」

 

十和田T「なぜだっ!」

 

いや、つっこみどころ多すぎるでしょ。

 

校長「えっ?模試なら私が持っていますけど。」

 

いや待て、それは本当なのか?

 

校長「実は今日の早朝、新城さんが私のところを訪ねてきまして、その十和田先生の昨日の出来事について謝罪してきましたよ。私は、それなら直接謝罪に行ってくればいいのにと促すつもりでしたが、『気が引ける』とか言ってましたので…」

 

その人もその人だなと思うけどここは抑えよう。

 

教頭「ちょっと、その癖はいい加減直してくださいって何度言ったらわかるんですか!?みんな動揺しているじゃありませんか!」

 

校長「すまない、言うタイミングがなかったもので。」

 

いや、あったと思うよ。

 

十和田T「おお、よかった。まだ完全に採点が終わっていなくてな…。」

 

校長「それなら私が終わらせましたよ。ついでに召喚システムのほうに登録させました。」

 

この人相変わらず仕事が早いよ!!

 

瑛梨奈「え?じゃあもう召喚可能な状態になっていることですか?」

 

校長「そうです。…タイミングが悪くて申し訳ありませんが、ただいまより『試験召喚システムプログラム完成イベント 1日目』を開始いたします。」

 

本当に唐突すぎるよこの人は!

 

 

校長「では、さっそく召喚してみましょう。召喚キーワードは『試験召喚獣召喚(サモン)』です。ポーズはどうでも構いません。」

 

あ、そこは文月学園と同じなんだ。

 

校長「召喚フィールドは私が生成します。…では、今回は一人ずつ召喚してみましょう。最初に坂井さん、お願いします。」

 

瑛梨奈「いきなり私からなのね。…いいわ。『試獣召喚(サモン)』!」

 

 

~総合科目~

 

1-3 坂井 瑛梨奈 6347点

 

で、出てきた瑛梨奈さんの召喚獣は性格の影響か、結構な軽装備で素早さに特化しているというk…ってちょっと待てぇーい!

 

明久「今回の模試は2000点満点ですよね!?なんで6000点以上もあるんですか!?」

 

その言葉にみんなも動揺している。これは設定ミスなのか?

 

校長「あ、伝え忘れましたが、今回の模試は2000点満点だったとお見受けしましたが、それでは誰も腕輪の点数に届かないということで、満点を7000点にまで引き伸ばしました。」

 

なんだ、そういうことなんだ。

 

教頭「……校長!」

 

あ、教頭先生の逆鱗に触れてしまった。

 

校長「いや待て、これはよくあるミスで…って、ちょっと!?」

 

…もう何も言えないよ。

 

 

 

…2分後

 

校長「…ありがとうございました。続いて、哀川くんお願いします。」

 

悟「よし、オレの出番だな!『試獣召喚(サモン)』!」

 

1-3 哀川 悟 1173点

 

なんかさっきの点数に比べると見劣りが…

 

悟「明久、声には出ていないが一応読み取ったからな?後で覚悟しとけ。」

 

明久「なんで!?」

 

校長「ありがとうございました。続いて、吉澤くんお願いします。」

 

悠大「今度は僕の番だね!『試獣召喚(サモン)』!」

 

1-3 吉澤 悠大 2111点

 

悟「そこそこの点数だな。」

 

悠大「何その上から目線!僕より低いくせに!あとでお仕置きするから!」

 

悟「ちょ、悪かったって!」

 

校長「何があったかは放っておいて、次は木下さん、お願いします。」

 

優子「次はアタシなのね。『試獣召喚(サモン)』!」

 

1-3 木下 優子 5765点

 

さすが優子、優等生に磨きがかかっているね。

 

優子「もうちょっとで腕輪に届きそうね。」

 

明久「まだ到底及ばないなぁ…」

 

優子「でも、最近は頑張っているからそのうちいけるんじゃない?」

 

明久「そうだといいね。」

 

校長「はい、ありがとうございました。続いて、幸久くんお願いします。」

 

幸久「…ということは兄ちゃんが最後なんだ。…いくよ、『試獣召喚(サモン)』!

 

1-3 吉井 幸久 3997点

 

幸久「あと3点!?惜しかったな~。」

 

優子「十分いい点数よ。この『ダメ兄』に比べてね。」

 

明久「『ダメ兄』ってひどくない!?しかも優子からの発言だなんて!」

 

ダメだ、相当のショックが…

 

校長「…立ち直れそうですか?さいごはあなたの番ですよ。」

 

明久「…そうか。…いや、最後なんだからしっかりといい所見せないとね!『試獣召喚(サモン)』!」

 

1-3 吉井 明久 1174点

 

悟「なんだとっ!?俺より1点上なのか!?」

 

よっしゃ!悟よりも1点上だ!

 

瑛梨奈「…なんか、低レベルの争いのように感じるのは私だけ?」

 

優子「…アタシも同感よ。」

 

幸久「…僕も。」

 

 

昼食後、いろいろと発表会的なことをして一日が終わった。

 

優子「明久、明日は実際に体験するのよね?」

 

明久「そうだよ。僕たちは文月学園で実際にやったことがあるけど、悟たちは全然やったことがないから、どう教えるかによって変わってくるね。」

 

優子「ところで、幸久はどうしたの?」

 

明久「なんかね、瑛梨奈さんと話がしたいから先に行っててだって。」

 

優子「ふ~ん、どんな話なのかしら?」ニヤニヤ

 

さあね?

 

幸久Side

 

幸久「ねえ瑛梨奈、明日の体験のことなんだけどさ。」

 

瑛梨奈「それね、わくわくするわ。で?」

 

幸久「僕は前の文月学園で実際に扱ったことがあるからいいんだけど、みんなはまだ扱ったことすらないから僕が先導してあげるよ。」

 

そうすれば効率がいいし、全体に広がっていくスピードも速くなる。

 

瑛梨奈「そうね、こればっかりはさすがに私じゃ先導できないからお願いしようかしら。」

 

幸久「ありがとう。みんなのこれからのためにもがんばるね!」

 

瑛梨奈「こちらもありがとう。」

 

瑛梨奈Side

 

真実をすべて知っている私。あの3人が3年の夏がリミットだということも。それまで私は私の理想をどうにかして実現させなきゃならない。召喚システムが完成した今、ここからが本番だと思っている。その前にまずは、召喚獣の扱いに慣れなきゃならない。まだ、どれほどの難しさなのかも知らない。…まだ来たばっかだけど3人と離れたくない思いはもうすでにある。そのためにも、常に上位であり続けなければならないし、召喚獣の扱いもそこそこにならなければ…

 

幸久「瑛梨奈、どうしたの?考え込んだような顔して。」

 

瑛梨奈「い、いや何でもないわ。帰りましょ。」

 

幸久「そうだね。」

 

とりあえず、これは今、心の内にしまって…と。




というわけで、今回の模試の結果です。

1位 坂井 瑛梨奈 6347点
2位 木下 優子  5765点
3位 吉井 幸久  3997点
4位 吉澤 悠大  2111点
5位 吉井 明久  1174点
6位 哀川 悟   1173点

まさか明久が悟を追い越すなんてね…。
これを、文月学園のクラス編成のようにして、基準を信越高校に設定した場合…

瑛梨奈、優子…Aクラス
幸久    …BかCクラス
悠大    …Dクラス
明久、悟  …Fクラス

という感じですね。
さて、次はいよいよ召喚獣の体験!明久たちは瑛梨奈たちにどうやって扱い方を教える
のか?

まあ、明久はまたトラブルを起こすかもしれn「くたばれぇい!」ってうわなにをすくぁwせdrftgyふじこlp


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STORY8 プログラム完成イベント②

オリジナルバカテスト 第9問

「2次方程式において、判別式D<0のとき、解は異なる2つの(  )をもつという。」
(  )に入る適切な語句は何か答えなさい。

坂井 瑛梨奈の解答:虚数解
教師のコメント:正解です。

吉井 明久の解答:何か
教師のコメント:その『何か』を答えてください。


瑛梨奈Side

 

今日は2日目、召喚獣の操作体験ね。先行としてルーム長の私がやることになったんだけど…

 

校長「用意ができましたら『試験召喚獣召喚(サモン)』」と掛け声をお願いします。立ちポーズは自由で結構ですよ」

 

「はい、わかりました」

 

…あれ?この話、昨日もされたような。…まあ、いいか。でも、操作なんてどうやってやるんだろう。校長からは「念じれば動きますよ」としか言われてない。念じて動くって何なの?よく考えたってわからないものはわからない。…とりあえず出してみるか。

 

試験召喚獣召喚(サモン)!!」

 

ボンッ

 

1-3 坂井 絵里奈 6347点

 

よし、召喚できた。後は操作するのみ…えーっと、

 

ビュン!

 

「「「おぉー」」」

 

……ああ、なるほど!自分の意志で召喚獣って動かせるんだ!操作も軽くてラグもない!ただ、自分で自分の召喚獣を触れないあたり、ホログラムでできていると言わざるを得ない構造ね…。

 

明久「本当は文月学園から来た僕たちがお手本を見せるべきなんだろうけど、瑛梨奈さんの希望だしね」

 

「わざわざその希望に応えてくれてありがとうね。おかげで操作の感覚が少しずつ分かってきたみたい!」

 

校長「実は、保持している点数によって操作性やラグというのは若干補正されるようです。多分、召喚者本人には気づかないくらいの程度でしょうけどね」

 

補正の程度は召喚者本人でも気づけないのかぁ…、でも長年操作していたらいずれ気が付くんじゃないかと思うんだけど。

 

悟「そういえば、腕になんかついているな」

 

瑛梨奈「ああ、これ?成績が優秀な人…つまり例を挙げると、総合科目で6000点以上取れた人へのご褒美としてこの腕輪がもらえるのよ。まあ、次に受けたテストで6000点を割ってしまうと召喚したときに消滅されるんだけど」

 

悟「へぇー、いわゆる『特権』ってやつか」

 

今回のテストは6347点、ぎりぎりもらえたってレベルね。次回はもっとがんばろっと。

 

校長「じゃあ、実際に『疑似勝負』をしてみましょうか。明久君、相手をお願いします。もちろん、『疑似勝負』なので、0点になっても補習扱いにしませんよ」

 

明久「は、はい!わかりました。瑛梨奈さんよろしくお願いします!」

 

瑛梨奈「こちらこそ、お互い全力を尽くしましょう」

 

初勝負の相手は明久君ね…!どんな戦い方するか楽しみだわ!

 

明久「いくよー、『試獣召喚(サモン)』っ!!」

 

ボンッ

 

1-3 吉井 明久 1174点

 

明久「久しぶりに操作したから感覚が鈍るんだよねー」

 

ビュン! ビュン!

 

は、速い!?元々『観察処分者』という立ち位置にいたから?慣れてるだけあって操作性はプロ級ね。

…でも、負けない!

 

カキィン カキィン

 

明久「ちょっと、初めての操作にしては上手すぎでしょ?どこかでなんかやっていた?」

 

瑛梨奈「いいえ、何もしてない…のよ!」

 

ガンッ!

 

1-3 坂井 瑛梨奈 5519点

         VS

1-3 吉井 明久 665点

 

…なんでお互いの実力が拮抗しているのかしら。当然、私のほうが点数の減少が大きいけど、明久君のスキが大きいせいで攻撃が当てやすいんだけど?

 

優子「明久君、観察処分者をやっていた割にスキが大きいわよ?それじゃあ、致命傷を負いかねないのに…」

 

明久「うーん、操作がよくつかめないよ…」

 

えっ?システム上は相違点がないはずなのよね…なのに、なんで明久君は操作に戸惑っているのかしら?まあ、とりあえず決着をつけましょう。

 

グサッ!

 

1-3 坂井 瑛梨奈 5448点

         VS

1-3 吉井 明久   0点

 

校長「そこまで!この勝負、坂井 絵里奈さんの勝利です」

 

初勝利、こんなものでいいのかしら…?というか、明久君絶対に本気で戦っていないというか最高のコンディションで戦っていないよね?これ…私って卑怯者?いやいやいや、そんな訳

 

瑛梨奈「明久君、私に1000点もダメージ与えられてないんだけど?」

 

明久「…その、なん…というか…、たまたま…調子…狂った…というか、なん…という…か」

 

あ、観察処分者の影響でフィードバックのダメージ入っているんだっけ。なんか悪いことさせちゃったような…

 

優子「はぁ…仕方ないわね、明久君。笹嶋先生にいって特訓してもらいましょう」

 

明久「えっ、ちょっ、嫌なんだけど、あぁー引きずらないでぇー」ズザァ...

 

あれ?笹嶋先生も召喚獣の操作って初めてなんじゃ…

 

校長「実は、先行で笹嶋先生にも召喚獣の操作をしてもらったんです。いやあ、なかなか筋が良かったですよ?ちょっと練習しただけで文月学園の生徒並みな操作がいともたやすく…」

 

へぇーそうだったんd「ちょっと、校長!!!」…ん?

 

校長「きょ、教頭?」

 

教頭「そんな話聞いてませんよ!!どうして校長はいつもいつも当日に、実行してしまった事柄の話を唐突にするんですか!?そういうことは教頭である私に話を通すのが筋ってもんじゃないんですかあ!?」

 

結構お怒りのご様子…校長ったら、また当日に急な話を持ち込んできて…。明久君は優子さんに連れられて笹嶋先生のところに行ってしまうし、次は何をするんだろう…

 

悟「なあなあ、俺たちも勝負したいんだが?」

 

悠大「そうそう、僕たちも召喚獣の扱いに慣れたいよ。ほかのクラスメイトにうらやましいとか思われてもいいからさー」

 

…そう、今日は哀川君と吉澤君もいるんだよね。2人に試験召喚システムのことを知られてしまった以上、参加させないわけにはいかないよね…。何なら、十和田先生もいるんだから先生にも召喚獣を…って、あれ?

 

「十和田先生はどこにいったんですか?」

 

校長「ええ、十和田先生は3学年の特別編成授業に行きましたよ?今日は日曜日ですけど特別に開講したいと言い出しましてね…。まあ、ちょうどいい時間ですし、ここで昼食の時間にしましょう。午後から哀川君と吉澤君の疑似対戦に入りましょう」

 

 

 

~昼食~

 

教頭「隣、いいですか?」

 

「ええ、どうかしましたか?」

 

普段の授業は当然、クラスごとで食事するので教頭先生との接点がほとんどないといっても過言ではないくらいに会話もしたこともない。なので今の行動はちょっと謎に思っている。

 

教頭「私もその模試を受けてみたんですよ。結構難しかったですね、6114点しか取れませんでしたよ」フフフッ

 

「いやいや、十分すごいですよ!?私は英語の代わりに得意なドイツ語で受験して運も良かったからあのような点数を取れたからであって、運が良くなければ多分、5000点切ってたと思いますよ?」

 

言い換えれば、「ヤマが当たった」とでも言ったほうがいいんだろう。普段なんてそうそういい点数が取れるものでもない。ただルーム長という肩書きがあるだけで学年の首席は桐谷君だし、順位も中の上くらい?むしろ、あのメンバーで1位取れたことが偶然のようである。

 

教頭「で、試験召喚システムが公に発表されるじゃないですか。私、実はよくわからないままみんなの前でどんなものかということを話さなくてはいけなくて…いわゆる『知識不足』ってやつですかね?もう、どうしたらいいのか…よく…わからなくて…」ポロポロ

 

「えっ、それは校長の責任じゃないですか!マニュアルがないまま話すなんて私でもできませんよ!?あの人は何を考えているんだか…」

 

でも、よくよく考えてみたら側近なのに試験召喚システムについて無知識なのって不自然な気もする。これが教頭の変な策略とかだったら私だって黙っていられない。しかし、性格上そんなことをする人間とは思えないのでやはり校長の説明不足と考えたほうが賢明なのだろう。

 

教頭「それでもある程度は見てきたので見解だけで話を持っていくことは可能なのですが、不確かな情報まで話すわけにはいきませんし…やはり皆さんには確かな情報を与えるべきだと思うんです」

 

「そうですね、このことは校長にも伝えないといけませんね」

 

試験召喚システムは一見しただけでは伝わらない情報も多いはずで、私も今後のことがあるのだからいろいろなことは当然知ってなきゃいけない。これは、校長に…

 

 

 

~午後~

 

哀川君と吉澤君の対決は予定通り行われた。やはり1174点と2111点でも世界観は違うようで、どちらも拙い操作ではあったものの、吉澤君が勝利した。罰ゲームとして哀川君は吉澤君の言いなりに1日中付き合わされるようだけど、見慣れているので別に問題はない。

 

「校長先生、1つお話があるのですが…」

 

校長「何だい?」

 

「教頭先生から、試験召喚システムについての説明が不十分だと伺っているのですが…」

 

校長「…しまった、すまない。システム製作のほうに没頭していて重要なことを教頭に説明するのをすっかり忘れてしまった。ああ、なんということだ…1週間後には全校生徒の前で発表してもらう役割を与えているのに当の私がマニュアルを放棄して説明もしてないなんて…」

 

まあ、そんなことだろうと思ってましたけどね。しかし、これから説明という段階なのにわずか1週間で覚えてそれを全校生徒の前に発表なんて本当にできるのか。いくら何でも過酷すぎるのではないだろうか?

 

教頭「まあ、分かっていたことなんですけどね。私は重役を背負わされています、瑛梨奈さんも詳しいことを知りたいようなのでそのすべてをご説明いただけますか」

 

校長「…わかった、マニュアルは大至急作成して後日渡すからとりあえず口頭でお話しましょう」

 

メモか何かで何とか大まかな情報はつかんで、細かいところは後日配布のマニュアルで補完しよっと。




…えー、2年分放置された気分はいかかでしょう。

明久「…ああ、今すぐ君を墓場まで持っていきたい気分だよ」

ちょっと、そんなこと言わないでよ!受験生として十二分にがんばったんだからちょっと放置したくらいでそんなこと言わないd

明久「放置のし過ぎもいいところだよ、まったく…2年も放置なんて何考えているの?もう2020年だよ?年号変わったよ?ちょっとはいい素材持ってきたんだよね?」

…まったく考えていませんでした。

明久「……1ヶ月間麺類禁止の刑でいい?」

そ、それだけはご勘弁ください!!私、死んでしまいますよ!?

明久「…別に死ぬようなことないでしょ。というわけで、この駄作者は2020年11月をもって見事に復活しました。これからの投稿もどうぞお楽しみください!」

うぅ…、これからもこんな私をどうかよろしくお願いいたします。


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STORY9 僕たちの未来はこれからだ!

オリジナルバカテスト 第10問

沖縄まで1554kmあったとする。およそ2時間40分のフライトだった場合、飛行機の平均速度はおよそ何km/hか答えなさい。

坂井 絵里奈の解答:582.75km/h(実計算済み)
教師のコメント:そうですね、飛行機って大体そんなくらいの速さですよね。

吉井 明久の解答:1224km/h(実計算済み)
教師のコメント:どこをどうやったらそんな音速の解答が得られるんですか。

吉澤 悠大の解答:583km/h(四捨五入済み)
教師のコメント:それは許容範囲内なのでOKです。

哀川 悟の解答:0KM/H(四捨五入済み)
教師のコメント:それは許容範囲外です。



さあ、今日も執筆、執筆っと~

明久「遅れた2年分しっかりと取り戻してよ?実生活と時間軸を合わせて作る予定だったんだから」

ちょ、いきなりメタいこと言わないで、事実なのは分かっているんだけど!

明久「えー真実を閲覧者に切々と伝えようとこんなにもがんばっていr」

あのなぁ!言っていいことと悪いことの判別もつかないくらいバカになったのか?これ以上余計なことを話すと自身の個人情報までさらされかねないため、本編にいきたいと思います。

明久「もごっ、もごもごもご!」←口を押えられている


明久Side

 

あれから1週間後、全校集会で試験召喚システムの導入について発表があった。校長先生はなぜか不在らしいので代わりに教頭先生が話すことになった。うんうん、どれもわかりやすい内容だったね。

 

瑛梨奈「まったく…、肝心な時に要件があるからって席を外すもんだから」ブツブツ

 

瑛梨奈さんはなにか校長先生のほうを気にしているようだけど、気にしないでいいか。

 

優子「あれ、ちゃんとみんなに伝わったのかしら?アタシは少なくとも前の経験があるから復習という意味で伝わっているんだけど」

 

「僕でもちゃんと伝わったんだからきっと大丈夫だよ。それに、あとで資料も渡されるらしいからね」

 

まあ、資料読んでもわからないこともあるけどね…。導入は11月26日からなので、あと1週間ほどある。僕たちは直前で模試を受けているのでそこからの点数が引き継がれる。他のみんなは夏休み前に受けた期末テストで点数を調整するらしいので不公平とかそういうのはない。

 

幸久「ついにこの高校でも試験召喚システムが解禁されるのかぁ…、ここに来てから召喚獣の操作をしばらくやっていなかったから気持ち的に久しぶりな気がして」

 

優子「そうね、ここに来てから召喚獣すらしばらくお目にかかれなかったからちょっと欲求不満になっていたというか、何気普通の高校生活を送っていたのよね」

 

そのあたり、文月学園というのがいかに特殊な学校というのがわかるだろう。

 

??「なあなあ、俺もルーム長のはしくれだからいろいろと教えてもらいたいんだが…」

 

瑛梨奈「あ、大橋君。そうね、ルーム長会議でもしましょうかね。今後のこととか1学年内でいろいろ共有したいこともあるでしょうし…」

 

 

 

☆ 人物プロフィール 11

大橋 龍一  1年5組 ルーム長

年齢:17歳

容姿:黒の「セットアップ」(最近流行の髪型)で、やせ型で、シルバーの眼鏡をかけている。

身長:173cm

誕生日:10月18日

性格:THEインテリの王道という風貌だが、本来は気さくな性格で誰とでもよく話す。

クラス内でもトップの成績をたたき出しており、自らルーム長を名乗り出たほどの積極的な人物。オーラのせいで近寄りがたい印象を受けるが実際は女子とでも仲良く話せるほどの気さくな感じ。下に中学1年の妹がいて、溺愛している。上には22歳の兄がいるが、タイプがうまくかみ合わなくて大体いつも冷戦状態。

 

 

 

龍一「…なんか、坂井だけいつも先を行ってるから少し置いて行かれたような感じを受けるんだよなぁ」

 

瑛梨奈「あら、それはごめんなさい。だけど私もこのシステムに乗っかってやりたいことがあるからどうしても知識が欲しくて…」

 

学年内で格差が生まれて欲しくないのは誰しもが思っていることである。別に、クラスの内装のことを言っているのではないけど。だからこそ今回の発表を受けて、学年内のルーム長会議は重要なのだろう。

 

 

 

~ルーム長会議~ 瑛梨奈Side

 

 

☆ 人物プロフィール 12

八神 ありさ  1年1組 ルーム長

年齢:17歳

容姿:黒のロングヘア―を後ろで三つ編みにしている。

身長:160cm

誕生日:8月29日

性格:内気な性格の割に若干生意気な感じ。

3組にいる「八神 慎二」とは双子の関係であるが、性別が違う上にありさのほうが3日遅く生まれてきている。あまり表に出ない性格をしているのに自分からルーム長を名乗り出た。兄とは助け合っている感じだが、同じクラスの人とは対抗意識を燃やしていることが多く、周囲からはあまり好意的に思われていないが、敵に回すと何かと厄介なのでそれとなりに接している状況。

 

 

 

☆ 人物プロフィール 13

月橋 菜乃花  1年2組 ルーム長

年齢:16歳

容姿:ピンクのブロンドだが、ストレートにしている。

身長:166cm

誕生日:3月16日

性格:興味ないことにはそっぽを向き、興味あることには全力をかける特異的な性格。

2組の大多数の推薦によってルーム長に選ばれた。菜乃花自身、このルーム長の仕事には興味があるらしく、みんなの期待に応えられるよう、全力を尽くしている。体力がなく、風邪気味になることもしばしばあるが、友人になんとか助けてもらっている。現在、4階の学生寮で1人暮らしをしている。

 

 

 

☆ 人物プロフィール 14

ガルト・サルヴェニル  1年4組 ルーム長

年齢:16歳

容姿:金髪の「マッシュスタイル」(最近流行の髪型)で、耳に星のピアスをしている。

身長:180cm

誕生日:1月13日

性格:努力家で常に前向きな性格をしているが、結構飽きっぽい性格。

5組にいる親友の「ラフィン・ナルヴィーダ」と共に、異世界からこの高校にやってきたと主張している。英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・アラビア語など、多数の言語を習得しており、4技能において欠点がないほどのグローバルな人。2人で4階の学生寮に住んでいる。最近、モデルのスカウトが激しいが自分は自分でやりたいことがあるので全てお断りしている。

 

 

 

「というわけで、試験召喚システムが来週から稼働開始するんだけど…」

 

ありさ「地下に建設された巨大な機械ってそれのことだったのか…」

 

菜乃花「へぇー、そういう名前だったんですね。私、全然知りませんでした!」

 

ガルト「これから面白くなってきますネ☆」

 

龍一「先行で資料が渡されたんだが、原理が読めねぇー…」

 

あ、そこから入るのね。原理については私もまだよくわからないが、いずれ関係することをやるつもりでいるので理解は追々していかなければならない。

 

ガルト「立ちポーズを決めて、試獣召喚(サモン)と唱えるだけで召喚獣が出てくるんデスネ?」

 

菜乃花「わあ、それはすごく興味をそそられますね!」

 

「そうなの。ただし、召喚フィールドに入っている時のみだけどね」

 

ありさ「自分の意志でポンポン出されても困るしな」

 

教師が張ってくれるフィールドで戦うのがおそらく大半になると思うけど、これから開催される景品によっては自分でフィールドを張ることができるものもある。だから、今後の動向には私も注目していきたいと思う。しかし、2・3学年も同時に参加するのでもしかしたら苦戦を強いられるかもしれないけどスタートはほぼ誰だって同じ…、後の経験によって差がついてくると思うからそこは負けられない。

 

龍一「まあ、今後はクラスとしても個人としてもお互い高めあっていこう」

 

ありさ「ライバル視されることは目に見えているけどな」

 

「そうね、じゃあ今日はこの辺でお開きにしましょう」

 

 

 

~教室~ 優子Side

 

これからの学校生活がいよいよ楽しみになってくる。普段の学校生活に毎月行われるイベントが追加されていく…ただ、3年の夏がリミットと考えればどう効率よく進めていけばいいのかも気にしなければ。

 

明久「優子さん、ここの問題なんだけど…」

 

「…はっ!えっと、ここの問題ね?あーこれは、1族のナトリウムだから…」

 

いまはただ、次に来るイベントに備えて勉強あるのみね。この高校にも全国初の試験召喚システムが導入されるけど、本質は勉強の向上心の保持だからやることは普通の高校と同じ。

 

瑛梨奈「幸久君、これは?」

 

幸久「これね、こういう意味があって…」

 

今後の生活でも、今までの生活から何か特別感が生まれたわけでもない。アタシはアタシでやれることを全力でやるのみよ。

 

 

 

 

 

アタシ(僕)たちの未来はこれからよ(だ)!!!




というわけで、1章はこれにて完結となります。

明久「おーおー、ようやく序章が終わったのかぁ。やっとだよ、やっと!」

そんな<はじまりの章>みたいに言われても…

明久「でも、活動が再開してこれから怒涛の追い上げを見せるんでしょ?期待してるよー」

あ、あのー…

まあ、読者の皆さんは過度な期待をあまりしないでください。私はそこまでうまくありません!

明久「はっきりと言ったね。はっきりと」

…いいじゃん、事実だし。 というわけでちょっとした別話と小話を挟んで2章に突入したいと思います。時間軸としては11月終盤~次年3月までを予定しています。これからも私をよろしくお願いいたします。


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STORY9.5 悟と悠大の密かな一日

起きなさいー! いつまで寝てるのよー!

 

 

 

「…う、うぅ」

 

俺の名は哀川悟、信越高校の1年3組の生徒だ。みんなからは『特殊なバカ』という肩書きが与えられている。…別に悪くないと思っているぜ?ただ、ちょっと火遊びをしただけなんだ。今日も自分で起きることが…できなかったので、親にたたき起こされている日々。ああ、朝が弱い自分を殴りたいぜ。

 

これは、吉井兄弟と木下さんがこの世界に来る前のお話である。

 

 

 

「今日は、悠大君と約束があるって言ったでしょ?今、何時だと思っているのよ」

 

はぇ?そんな約束あt……あーーーーー!!!例の約束今日じゃん!!ってか今何時なんだよ!!

 

「約束は10時からでしょ?もう9時過ぎているのよ。さっさと朝ごはん食べて待ち合わせ場所に行ってきなさい、待たせるんじゃないよ」

 

「わ、わかってるって!」

 

自分の家からアイツの家までは20分…、まだ間に合う!

 

 

 

 

悠大「おそいなぁー、いつもなら10分は余裕もって来るはずなのに…」

 

「悪い悪い!遅くなっちまったぜ!」

 

悠大「いや、時間に間に合ってくれればそれでいいよ。ただ、いつもと違ったというかぁ…」

 

ああ、本当に朝が弱い自分を殴りたくなってきた。悠大はいつも約束を厳守しているから破ったらどんな罰ゲームが俺の身に降り注ぐのかと思うと…恐ろしいったらありゃしないぜ。ブルブル

 

悠大「…いつもと違うからやっぱり罰ゲームしてもいい?」

 

「…な、」

 

 

 

何でなんだあああああ!!!!!///

 

 

 

 

悠大「でね、さっそく―――をしたいんだけど、レポート書きたいからノートとペン持ってきてくれたよね?」

 

「一応持ってきたが、それはお前のやつでも良くなかったか?」

 

悠大「うん、そう…なんだけど」

 

…なんか腑に落ちない言い方するなぁ、何か問題でもあるのだろうか。

 

「わかったわかった、これでいいんだろ?」

 

悠大「わあ、しっかりと装飾までしてくれたんだね!」

 

「だって、お前がこれをやってくれってうるさいから」

 

悠大「こういうちょっとした雰囲気作りでも大事なものは大事なんだよ!やってくれただけでもありがたいと思っているって!」

 

そういうことにするか。実は装飾をするときちょっと恥ずかしい思いをしてしまった。例えば、ここで言いにくいような…

 

悠大「で、今日の道具は―――と―――と―――だよ」

 

ヒョイッ

 

「それはいつ見ても俺に恐怖感しか与えないんだが?」

 

うーん…、なんというか、でかい何かとコードと単なる機械だな。

 

悠大「もちろん悟くんは実験台として、でんぐり返しの状態になることを覚悟してね」

 

「…本当にやるのか」

 

悠大「だって、これを1人でやったって面白くもないでしょ?さあ、始めるよ」

 

 

 

-準備中-

 

悠大「入れるよー」

 

「ああ…」

 

ウィーン…

 

何だろう…この拡張されていく気分…、悠大にやられているというのにふわふわとした気分が…これが人体実験なのかぁ。

 

悠大「痛くない?」

 

「慣れればなかなかいいもんだな。逆に気分がいいよ」

 

悠大「それは自分が開発したせい?」

 

「うぅ…、改めて言われると俺って戻ることのできない茨の道を進んでいるような…」

 

どうしてこうなったんだろうか、―――に罪悪感を覚えなくなってきてしまった。悠大という悪友に追いかけられて早10年…、もうこんなところまできてしまt…あ、ヤバいヤバいヤバい。

 

「そろそろ…外して…」

 

悠大「うん、わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠大「おかげでいいレポートが書けたよ!ありがとう」

 

「…次は俺を犠牲にせず、他の人にでも頼めないか?」

 

悠大「何言ってるのさあ!こんなの頼めるの…悟くんくらいしかいないんだよ…?」

 

「はあ…しょうがないなぁ、次回も付き合ってやるか」

 

悠大「本当!?じゃあ、次は―――と―――をしてもらいたいんだけど…」

 

これ、本当に悠大にとっては有意義なことなんだろうか。もっと他に、人生に生かせることたくさんあるというのに…困ったやつだ。でも、いくら悪友と俺が言った上でこいつとの関係が切れるなんて考えられない。10年も共に歩んできたから今更あっさり切れたとしたらそれは…

 

 

 

 

 

『親友』と呼べないだろう。…やべっ、午後から笹嶋先生の特別補習があった。

 

 

 

 

笹嶋T「お前なぁ…、ちったぁ授業の内容くらい覚えられないのか。何も答えられないなんて前代未聞だし、本来なら入学の時点で門前払いを食らっていてもおかしくないんだぞ?」

 

「…それだけは本当に申し訳ありません。それが今の俺の実力なんです」

 

今、信越高校にいる。学力層の幅が広くても平均がちょっと高めなのがこの学校の特徴。そんな高嶺の花でも俺は入学することができた。なぜなのかというと、「学力最下位枠」という枠で俺はこの学校に入学したから。元々、頭の回転は錆びたネジのように重く、内容が頭に入ってこないので全然授業についていけない。制約上なのだろうjか、この枠で入った人は『観察処分者』の称号が与えられ、普通の生活にプラスして数々の雑用や週間的な補習のプログラムが組み込まれてしまう。俺からすればどうでもいいプログラム。それより、地下にある巨大な装置が気になって気になって仕方がない。

 

笹嶋T「おい、聞いているのか?補習を倍にしてやろうか?」

 

「ひゃいっ!?あ、すみません聞いていませんでした。っていうか、補習倍はさすがの俺でも耐えられずに死んでしまいますのでやめてください」

 

笹嶋T「…ったく、言葉だけいっちょ前になりやがって。そんなんだからいつまでもクラスメイトに笑い物にされるんだぞ?」

 

「返す言葉もございません…」

 

笹嶋T「…でな、観察処分者だから雑用を任されるのは当然のことだが、その度その度ビクビクされながら待ってもらっても困るから1か月間の雑用スケジュールを作っておいた。ほら、こうすれば次に何の雑用があるのか分かるし、そんなに怯えなくて済むだろ?」

 

「ありがとうございます、先生のおっしゃる通りです」

 

…こうでも言っとかないとあの人は量で圧をかけてくるから本当に怖い。

 

 

 

2時間後…

 

笹嶋T「よし、今日はここで終わりだな。今日説明した部分は次のテストで出すからしっかり復習しろよ?毎回毎回言っているが、せっかくの人生なんだから棒に振るようなことはするなよ?自分という個性あふれる存在が失われてしまうからな」

 

「もう34回目ですよ、それ」

 

笹嶋T「…もう2時間追加してあげてもよいのだが」

 

「勘弁してください…マジで」ブルブル

 

本当に下手にもの言えねぇんだよなぁ…

 

 

 

 

母「今日も楽しく活動できた?」

 

「ああ、もちろん」

 

母「そうねぇ、いつも吉澤さん家にはお世話になってもらっているから今度は菓子折りの一つでも持って行こうかしらね」

 

「わざわざすまない」

 

母「いいのよ、あの家の悠大君には相当お世話になってもらっているし、家族とも仲良くさせていただいているからねぇ。あなた、自分で持って行こうとしてもどこかに置き忘れたりする癖があるから…」

 

「…ごもっともです」

 

…実を言うと今、ここで話している人は本当の母ではない。…俺の家族は12年前のイギリステロの犠牲者になってしまった。父と母と姉貴…、全員そうだ。俺は一人孤独に帰国の途に着いた。そんな崖っぷちな俺を救ってくれたのが今の母である。命の恩人だ、何度か自殺に追い込まれても母は全力で止めてくれた。だから、心の底から感謝している。そんな母の好意を無下にするようなことは俺の自尊心が許さない。

悠大にも助けられた。あいつはあいつで性格にしょっちゅう悩まされていたらしいが、俺の放った一言によって決心がついたようだ。もちろん、憔悴しきっている俺の心もアイツが癒してくれた。助け助けられて育まれた友情は決して壊れることのない頑丈な糸で結ばれている。

俺は今、とても幸せだ。ここに居られること、そして大事な人がそばにいてくれること、それこそが何よりだ。新たな課題に直面しても俺はできることを精一杯やるだけだ。さあ、

 

 

 

 

 

俺の新たなる1ページを刻んでやろうではないか。




以上、悟の1日(過去話)でした。最後にちょろっとシリアスな場面も入りましたが、悟のこれからを私は全力で書き上げていこうと思います。読んでくれてありがとうございました!


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BREAK3 明久、Happy Birthday!!

明久主役の回です。時間軸は10月18日、台本形式でお楽しみください。


悟「せっかくこの俺様が誕生日ケーキを作ってやったんだ。心して味わえよ?」

 

「悟が作ったケーキかぁ…、料理は苦手だって言い張っていたのにこれを自分が作ったの?」

 

悟「そうだ、せっかくの明久の誕生日祝いだ。何かアピールできるものがないと華がないだろ?」

 

「無理して頑張らなくても十分言いたいことは伝わってくるのにわざわざありがとうね」

 

悟「…そう言われると頑張ったかいがあると思うな//」

 

瑛梨奈「びっくりしたものよ、料理でも致命的な能力を発揮する哀川がこんな素敵なものを誰の手も借りずに作り上げるなんて…」

 

悟「おい、『致命的な能力』は余計だと思うが?」

 

優子「あらあら、事実じゃないの?この間の家庭科の調理でもミス続きでしまいには焦げてたじゃない」

 

悟「…ぐうの音もでねぇ」

 

悠大「あれ、言ってなかったっけ?悟は、普通の料理はできないけどお菓子作りだけ妙にうまくできるって」

 

「えぇ?本当!?」

 

悟「だって、バリエーション含ませて作る普通の料理とあらかじめ分量・方法が決まっているお菓子作りじゃ違いがありすぎるだろ」

 

瑛梨奈「別にそうでもないような気がするんだけど…」

 

悠大「そういうふうに言うってことは、レシピ見て分量・方法が決まった調理法ならできるってこと?」

 

悟「それならできそうだ。毎回毎回レシピ本をみて料理するって大変なんだが」

 

「あのさぁ、その調理法を覚えるという記憶域は存在しないの?」

 

優子「じゃあ明久君、毎回毎回授業で出される公式とか原理とかを覚えようとする記憶域は存在しないわけ?」

 

「うっ…」

 

瑛梨奈「論破されてどうするのよ…っていうか、5時間目体育でしょ?さっさと食べちゃいましょうよ」

 

「「「「…あ」」」」

 

優子「それ以前に、哀川君よくそんな箱に入ったケーキを持ってこれたわね。先生にも見つかっていないし崩れてもいない…なにか使命でも背負っていたの?」

 

悟「ぎくっ」

 

悠大「あれれ~、なんで動揺しているのかなぁ悟クン?」

 

「これ、絶対何か隠してるよね」

 

瑛梨奈「怪しさ満点だわ。さあ、白状しなさい」

 

悟「……こ、…これは」

 

笹嶋T「ああ、これは私が課した雑用の一環だ」

 

瑛梨奈「笹嶋先生!?」

 

優子「いつの間に…」

 

笹嶋T「バレちゃあ仕方ねえか。明久、誕生日おめでとう」

 

「お、覚えていてくれたんですか…?ありがとうございます//」

 

笹嶋T「そんな明久にちょったしたサプライズがしたくてな、悟に手伝わせたんだ」

 

瑛梨奈「どおりで…、悟がいつもならこんなことをするはずがないと思ったのよ」

 

笹嶋T「まあ、どんなケーキを作るかは指定していないがな」

 

悠大「いや、普通のケーキとチョコケーキとストロベリーケーキを組み合わせてホールのアソートにするなんて誰が思いつくのさ…」

 

悟「いやぁ~、一度作ってみたかったんだよ。想像力が豊かっていうか?」

 

「なんだろう、その無駄な想像力」

 

悟「おい!(#^ω^)」

 

笹嶋T「まあ、あと1ヶ月もすれば今度はお前の誕生日になるからその時も何か課題を出そうか…」

 

悟「えっ、俺のスペシャルでメモリーな1日を無駄にさせる気ですか?」

 

笹嶋T「…やっぱ補習250%で誤魔化そうかな」

 

悟「…俺の~貴重な~1日がぁ~」シクシク

 

瑛梨奈「…笹嶋先生の冗談が本気に思えてくるのは私だけ?」

 

「大丈夫、僕もそう思ったから」

 

 

 

 

「僕のためにわざわざパエリアを?うれしいなぁ」

 

幸久「まあ、これでも僕の兄だからね。しっかりと最後までお祝いさせてくださいな」

 

「『これでも』は余計でしょ…」

 

優子「ねえ、16歳の1年間もあっという間であって、何かと忙しい感じだったわね」

 

「高校入学からのいきなりの転校…やること成すこといろいろありすぎて」

 

幸久「それで僕もこの世界についてくることになって」

 

優子「アタシも一緒に来ることになったけれど、それはどうして?」

 

「なんか、僕の知り合いでこんな大役を果たせると言ったら優子さんぐらいしかいないし、あと…///」

 

優子「もじもじしているところから大体想像はついたわ。連れて行ってくれたからにはその想いに全力で応えなきゃいけないわね」

 

幸久「わあー、2人の間にハートマークがぁー」(棒読み)

 

「これからもよろしくね…///」

 

優子「えぇ…(永遠についてくのが恋人としての役目ってものよ)///」



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BREAK4 Happy Birthday 悟くん!

悟が主役の回です。時間軸は11月16日、台本形式でお楽しみください。


瑛梨奈「哀川、Happy Birthday!!」

 

「うわっ、しょっぱなから何だよ!」

 

翔太「姉ちゃん最近からこんな調子なんだよ…」

 

冬也「ほう、これは驚きです。驚嘆」

 

龍一「で、この『トップ・オブ・バカ』の誕生日会に俺が参加してもOKだったのか?」

 

「龍一…もっとマシな言い方無かったのかよ」

 

龍一「おっと、すまんすまん。『観察処分者』だよな」

 

「だーーーかーーーらーーーあああ!!!!!(#^ω^)」

 

冬也「おっと、激おこですな。噴火」

 

ありさ「ほんと、龍一って哀川をおちょくるのが得意だよなwww」

 

翔太「この高校生メンバーのなかにいる僕が疎外感たっぷりなんですが」

 

瑛梨奈「まあまあ、細かいことは気にしない♪で、ありさを連れてきた覚えはないんだけど…?」

 

ありさ「だって、なんか面白そうじゃん」

 

龍一「お前って、普段あまり乗り気でないのにこういう人のイベントになるとすぐ乗ってくるんだよなぁ…」

 

ありさ「え、おかしいか?」

 

龍一「そんなこと言ってないけど」

 

「…相変わらず他の人に対して冷たいな」

 

翔太「それより、僕からのプレゼントなんだけど…サッカー好きかなと思ってサッカーボールをあげようと思うんだけどどうかな」

 

「本当か!?俺、サッカー好きだけどボール持ってなかったからちょうど良かったぜ!ありがとうな。今度一緒にサッカーしよう!」

 

翔太「喜んでくれてよかったー」

 

瑛梨奈「そして私からのプレゼントは2段ケーキよ。上と下で違う味にしたから食べてみて」

 

もぐもぐ

 

「おっ、これは俺の大好きなレモン味とカボチャの味だな!どっちもおいしいぜ!」

 

冬也「そのチョイスは何なんですか、疑問」

 

龍一「悟って昔から甘い物自体苦手で、チョコケーキとかストロベリーケーキとかそういうものが食べられないんだよな」

 

「そうなんだけど、瑛梨奈の作ってくれるケーキは毎回砂糖が不使用だからこの俺でも食べられるんだよ!」

 

瑛梨奈「けっこうこれって大変なのよ。甘くしない代わりにどうやって素材の味を引き出そうか毎回考えすぎちゃって…」

 

ありさ「まず、そんなことできるのか」

 

龍一「ああ、人によっては砂糖がダメっていうことがあるからな」

 

冬也「だからレモンで甘酸っぱくしてカボチャで特有の甘さを出したわけですか、理解」

 

「甘いものがダメと言ったが、カボチャの甘さは何故か平気なんだ」

 

瑛梨奈「そんな人、今まで見たこともないけど何があるかわからないものね」

 

ありさ「なんじゃそりゃ…」

 

翔太「ねえ、悟にとって16歳ってどんな年だった?」

 

「どんな?そうだな…まず、明久たちが唐突にこの世界・高校にやってきたというのが大きいな」

 

瑛梨奈「なんたって『違う世界からワープしてきた』というのが驚きよね。現代の科学で本当にそんなことができるの?って思ったけど、よく考えてみれば、試験召喚システムが導入されたことだって現代科学からすればイレギュラーなことよねって思った結果、納得してしまったのよ」

 

「そう考えてみれば俺にとっても濃密な1年だった気がするな。この高校に入れたのも奇跡か?って思うくらい狭き門だと思ったぜ…」

 

ありさ「はっはっはっ!何を言うかと思えば『学力最下位枠』で入ったのが問題なんでしょーがwww」

 

龍一「もっと勉強の理解度を上げれば普通に入れるんだぞ?それを最下位でもってドキドキしながら入ってくるなんて…」

 

「うるせーーー!俺の学習力の低さを笑いネタにするなっつってんだろ!?」

 

翔太「(この高校に入りたいと思っているけど、ちゃんと学習してきたことを理解してから入ろっと)」

 

ありさ「んでだ、私からのお祝いはこのお菓子の詰め合わせだ。ちゃんと砂糖不使用にしてある」

 

「本当か!うれしいぜ。クッキーとかまともに食べたことなかったからなぁ」

 

龍一「俺からはこの学習セットをくれてやろう。いい加減まともに覚えなよ」

 

「うれしいのはうれしいが、余計なんだよ…(#^ω^)0」

 

瑛梨奈「明日は金曜日、雑用は外周3周よね?」

 

「なんでお前がそんなこと知ってるんだよ…」

 

瑛梨奈「あなたのスケジュール表、見ちゃった☆。なかなかハードだと思うけど頑張って!」

 

龍一「ほうほう、あさイチでやってそのまま授業か。朝弱な悟にとっては一種の修行になるな☆」

 

ありさ「まあ、せいぜい頑張ってくれな☆」

 

翔太「僕も見守っているからさ!☆」

 

「う、

 

 

 

 

 

うるせーーー!!!ちゃんとやってやらぁ!!!!!(# ゚Д゚)アーーーーーー!!!!!!」



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第2章 クラス替えとクラス変更
STORY10 11月の試験召喚イベント


お待たせ致しました、第2章の突入です!

明久「もう『待たせすぎ』なんて言わないからさっさと書いてくれる?」

いきなり辛辣過ぎない!?まあ、遅れている分ちゃんと書こうかな。

明久「まあ、楽しませてくれよ?」

…何様なんですか。



オリジナルバカテスト 第11問


「take care of」の意味を書きなさい。


吉井 明久の解答:世話をする
教師のコメント:正解です。少しずつですが理解できるようになりましたね。

哀川 悟の解答:テイク ケア オブ?
教師のコメント:…まだまだですが、読めたところに感心します。


11月22日 明久Side

 

七橋T「えー、今年度から試験召喚システムが導入されたことに伴い、毎月、クラスor学年対抗のちょっとしたイベントをやろうということになりました。今月はクラス対抗の純粋なトーナメントを実施します。協議の結果、我ら3組はチーム数偶数化のために飛び入り参加してくださった2年5組と対戦することになりました。全力で頑張りましょう!」

 

なぬっ!?トーナメントで2年生と勝負するの!?や、ヤバいって!まともに点数を取れていない僕たちが2年生と勝負するなんて前代未聞じゃないの!?

 

瑛梨奈「えー、他の案もありましたがフェアにならないという結果に至ったため、募集を募った結果、2年5組の皆さんが急遽、こちらのトーナメントに参加してくれることが決まりました。学力では当然負けていますが、技術操作に関しては誰もがスタートラインです。気負わず焦らずに頑張っていきましょう」

 

まあ、最初のイベントだからあまり心配することなく自分は自分らしくやれることだけを頑張ろう!

 

 

 

 

瑛梨奈Side

 

私は2年5組のプロフィールをとある人物から提供してくれたものを参照した。対価として1年3組のプロフィールも与えたけど…。これによると、やや理系に傾いてるので先生は多分、数学か理科の先生を連れてくると予想する。こちらも対抗したいので3人くらい先生を連れてくるけど対してこっちはやや文系寄り。しかし、理系科目単教科で高い点数を取っている人もいるので誰か理系の先生を1人置いておきたいところ…と思ったけど、相手のフィールド形成に乗っかろうと思う。ただし、1対多勢で襲い掛かってきたら即撤退になるかもしれない。

 

優子「理系科目が得意な人はこの中に3人いるよね?3対3だったら大丈夫な気もするけど…」

 

瑛梨奈「そうね、最初のうちは戦わせてあげて、相手が加勢に入ったらこっちも応戦するみたいな形でいきましょう。そのためには補欠の人も入れなきゃね」

 

明久「代表が瑛梨奈さんだから、この教室で待機するのが無難かな。どこを拠点にしても問題はないって先生は言うけど」

 

瑛梨奈「試合は2日かけて行われて、1試合120分…それでも悠長なことしてる暇はないから相手をつぶす作戦で行こうと思うけど」

 

どっちかの代表が戦闘不能になったら試合終了になるというのは誰でもわかるけど、どっちも生き残っている場合は『クラス全体の残りの総合科目の平均×生き残っている人数』で勝敗が決まってしまうからなるべく消耗は避けたい。ただ、代表を除いて全員必ず1回は戦闘に参加するというのがルールになっているので、何もせずじっとしていることはできない。だから、何かしらのアクションを起こして相手より多くの対価を得ることが必要になってくる。フィールド形成の宣告をいち早く先に起こすべきか、相手のフィールドでも技術で差をつけるか…

 

瑛梨奈「みんな聞いて。試合は明日からで、私たちの試合は午後の第3試合よ。点数は夏休み前の期末テストを参照して調整するみたいだけど、点数に不安を感じる人は放課後か明日の1・2時間目を使って補充試験を。配置などの詳しい情報は明日の開戦1時間前に伝えるからそれまで待ってて。じゃあ、明日も最高の一日にしましょう。解散!」

 

優子「瑛梨奈はどうするの?このままでいく?」

 

瑛梨奈「そうね…今の点数に不満はないからこのままでいくかな。受けなおしたら点数減りそうだし…」

 

明久「それほど出来がよかったってことだね。僕は世界史をもう少し取りたいから放課後にやるけど」

 

優子「それならすべて受けなおしたら?最近の明久君の勉強力は割と上がってきているから、もしかしたらこの間の模試よりいい点数取れるかもよ?」

 

明久「うーん、それもそうだね。じゃあ、そうすることにするよ」

 

瑛梨奈「哀川はどうしたいの?点数的に最下位に近いからできることが限られてくると思うけど…」

 

悟「俺は『観察処分者』だ。ならば、その特典を生かせるような動きがしたいからどのみち他と違う行動になってしまうな」

 

それもそうか。哀川と明久君は『観察処分者』、物体に干渉可能だから他の人と違う戦い方もできるはず…ならばそれはそっちに任せたほうがいいのかも。ヘマしたら即刻私のところに引き戻すけどね。

 

 

 

 

-夜-  幸久Side

 

自分は割と点数が高かったほうだからこのままでも十分戦える。ただ、得意な教科に伸びしろがみられるため、もう少し伸ばそうか思案中である。

 

ピーンポーン

 

あれ、誰だろう…

 

ガチャ

 

悟「よお」

 

幸久「悟?」

 

 

 

幸久「なんで僕たちの家に来たの?」

 

悟「なんだかここ最近眠れない日々が続いてな…、明日の試合に響くと迷惑にもなってしまうから何とか解決策を探そうとしたんだがいい方法が思いつかなくてな…仕方ないから幸久の家に来たという訳だ。その…今日と明日だけ泊めてくれないか?親は了承済みだからさ」

 

幸久「うーん、それならいいけど本当に僕たちの家に来て眠れるの?」

 

悟「確証はないが少しはマシになるかな…と思って」

 

すでに3人もいる家に、眠れないという理由で来て本当に眠れるのかが疑問なところである。まあ、自分で決断して来た訳だから突き返す理由もなければ素直に泊めるのが筋だろう。しかし、『悠大君』という選択肢はなかったのだろうか。そっちで何か思うところがあれば自分の家に来るのも納得がいく気もするけど、信頼できる人に頼るわけでもなく自分のところに来たってことは、何かそれ相応の理由があったのだろうかと思いかねない。

 

幸久「わかった、入って」

 

悟「ありがとう」

 

僕は悟を自室へ招き入れた。空き部屋もなかったし、兄ちゃんの部屋に入れてもなんだかなぁ…と思ったし、リビングで寝かせるわけにもいかないので自分の部屋という結論に至った。

 

幸久「悟はテスト受け直さないの?」

 

悟「受け直しても今の力量じゃ上がる気がしなくてな…、もうちょっと勉強に本腰を入れられたらなと思ってはいるが、せっかく『観察処分者』になったんだ、その称号でしかできないことをやりたいって思うだろ?」

 

幸久「うーん、そうなのかなぁ…」

 

自分的には雑用をやるのはあまり得意じゃないので、仮に『観察処分者』になってもすぐに脱出できる方法を考えるんだけど。悟だったら、とことん『観察処分者』というものを追求して満足する結果が得られたら次のステップに移行する…というような人なんだろうね、きっと。自分のなかで悟の性格に確信がもてないのが現状である。

 

悟「だから勉強のほうは何となくで進めてきているが、分からないまま次の段階に進んでも結局そこでつまづくというのはさすがの俺でもわかるから、そろそろ重点を置くべきかと考えてはいる」

 

ああ、特殊な『バカ』ってそういう意味の…。つまり、学力はそれ相応なんだけど要領ははっきりしていて、何もできない『バカ』とは本質的に違うという…そういうことなんだなと今、理解できた。

 

幸久「これで学力が上位相当になってきたらその先はどうしたいの?」

 

悟「…俺、お世話になってきた()に恩返しがしたいんだ。誰かを護りたい…その想いで俺は重要な役人を警護する仕事に就きたいと思う。お前はどうなんだ?」

 

自分?自分は…そう言われてみれば、はっきりと考えたことなんて一度もなかった。バレーボールが元々得意だから選手生命を背負うのもいいなとは思う。経済事情が好きなので経済学者とか統計に関わる仕事もいいなと思う。兄と職業が被るのだけは嫌なので、教師という選択肢は外したい。うーん…、いきなりは決められないなぁ。

 

幸久「自分の心の中にこれだというものが浮かんでないからはっきりとは言えない」

 

悟「そうか。ただ、2年から職業に関して文系か理系かに分かれていくから、せめて方向性だけでも決めたほうがいいんじゃないか?」

 

そうだ、2年からコース選択で受ける授業が段々変化していくから、今のうちに決められるところは決めなきゃいけない。どっちが自分に適しているのかなぁ?

 

幸久「そうだね」

 

悟「なんか、話していたら眠れるようになったかもしれない」

 

幸久「本当?胸の中に溜まっていた不安が減ってきたのかな」

 

悟「そうかもしれない。何を以って不安だったのかは俺でも説明できないが、とにかく今日はちゃんと眠れそうだ」

 

さみしかったのか、不安があったのか、ストレス気味だったのか、おそらく悟のなかで何かが解消されたのだろう。話をしていたら気づいたのだが、自分がオールマイティでいるのは別に悪いことではないが、なにか自分に特徴が持てるようになりたいと考えたときにはやはり、自分の得意なカテゴリーを見直して点数の向上に努めたほうがいいのだろう。…とすると、一番効率的なのは社会系だろうか。兄とは反対に世界史が苦手なのでやるつもりはないが、現代社会ならできそうなのでこれを軸に他の教科も強化してみようかな。現代文も結構できるけど、さらなる理解には時間がかかるので、今回のイベントに向けて取り組むのはあまり得策ではない。あとは…化学基礎もやるか。というわけで、明日は現代社会と化学基礎を受け直そう。

 

ガチャ

 

明久「あれ?まだ起きているの?もう11時回ったよ?」

 

幸久「うわっ、勝手に入ってくるなっていつも言ってんじゃん!」

 

悟「お邪魔してます」

 

明久「ゆっくりしていってね。眠れなかったらハーブ系のお茶あるからね」

 

悟「あ、ありがとう」

 

悟って学校じゃあ兄と普通に会話しているふうに見えるけど、実際はちょっと接しづらかったりするのかな?僕と話していると本音が時々漏れてたりするから安心されているのかもしれない。それでも、親友の関係である悠大君には及ばないかもしれないけど。

 

 

 

 

11月23日 -社会科教室 1時間目- 

 

一応、昨日結論を出した通り、現代社会と化学基礎を受け直すことにする。あの後、悟が寝た後でも勉強したから12時過ぎちゃったけど睡眠時間は十分取れているし、最高のコンディションだと自分でも思う。

 

教師「これより、現代社会の試験を始めます。試験は30分で、解答用紙は多く設定してますので思う存分取り掛かってください。では、はじめっ!」

 

今回は、政治の話かぁ。ここ、そんなに得意な分野じゃないけど直前まで復習していたので分かることには分かる。記述式の問題もあるが、どうやって採点するんだろうか気になるところではある。

 

 

 

30分後…

 

教師「そこまでです。以上で試験を終了します。結果は2時間目の途中で反映させますのでそれまでしばらくお待ちください」

 

結果は割と早く反映させるみたいだから3・4時間目を利用した第2試合からの人でも受けることができた。今回は馴染みのある人は見られなかったが、アウェーの中でも十分力を発揮できたと思う。さあ、次は化学基礎だ。

 

 

 

-化学教室 2時間目-

 

教師「これより、化学基礎の試験を始めます。この試験は記述式の問題を設定してないので時間は20分とします。最初は3枚配ってありますが、それ以上に欲しい方はお知らせください。では、はじめっ!」

 

考える時間は結局変わらないが、言葉で書いてみてどうのこうのとかいうわけではないので、さくさく次の問題に行ける。しかし、4枚目欲しい人は指で4と表現しながら挙げるって珍しい手法だと思う。5枚目なら5?それって、何かあるって誤解させられるんじゃ…

 

 

 

20分後…

 

教師「そこまでです。以上で試験を終了します。結果は3時間目が始まる頃に反映させます」

 

人によって採点スピードが違うから先生も選んだほうがいいのかこれ…。化学基礎は十分復習してたから効率良く先に行けたかな。ミスがあるとそこから減点されるって聞いてるけど…

 

 

 

-教室 4時間目-

 

瑛梨奈「えーっと、幸久君は現代社会と化学基礎を受け直したのね?総合点数は…4119点。すごい、122点アップよ!」

 

幸久「おーそこまでできたのか。やっぱり現代社会の71点アップが大きいね」

 

テストで122点上昇って普通の世界じゃ余程のことがない限り無理なんだけど、特殊な点数配分してるからこういうこともあり得るんだよね。

 

瑛梨奈「で、明久君は全て受け直した割に1306点で132点しか上がっていない…」

 

明久「いや~、ちょっとずつ頑張っているけどなかなか上がらないもんだね」

 

優子「まあ、慌てるほど点数上昇は見込めなくなるし、このくらいが普通なのかもね」

 

他の人は前回のテストから間が空いてたから、大きく点数上昇した人もいれば、あまり上昇しなかった人もいる。全体的に見ればどうなったんだろう?

 

瑛梨奈「えーっと、今回の補充試験の結果、文系寄りから両刀型に変わったので、理系組が来ても十分やりあえるはず…!」

 

ということは、理系科目の点数上昇が多発したからその分持ち直した感じか。後は相手の作戦と操作レベルにかかっているけど、先行体験してるし、今回は行けそう…?

 

瑛梨奈「となると、最初の隊列は文系4人と理系6人でよさそうね。1クラスに43人というのは相手も同じ…第2隊列で12人配置が良さそうかしら。学校中が範囲になっているから伏兵の用意もしないと…」

 

幸久「体育が得意な人?」

 

瑛梨奈「それもそうだけど、知略が欠けていたら元も子もないでしょ。だから両方備えている人がいいんだけど」

 

悟「その役割…俺にやらせてくれ」

 

瑛梨奈「哀川?別行動するって言ってなかったっけ?」

 

悟「その役割の中で…だ」

 

きっと悟のことだ、なにか自分の中でなにか作戦があるんだろう。

 

 

 

-昼休み- 瑛梨奈Side

 

瑛梨奈「さあ、いよいよ5時間目から戦いは始まるわけだけど、とりあえず今回の配列を発表します」

 

前列…吉澤、齋藤正、金井綾、今井雪、波田、竹内陽、有吉、野村、高澤、山寺、犬寄、児玉、高柳、筒香、以上14人(理系7人+文系7人)

中列…吉井明、今井潤、国崎、高橋、土屋佳、竹内榮、桜田、杉戸、水上、丸山、上野、矢井田、以上12人(理系3人+文系9人)

伏兵…哀川、金井諒、柳川、新田、土屋明、木内、渡邊、櫻井、丹波、以上9人(理系8人+未分類1人)

護衛&補欠…木下、桐谷、吉井幸、細川、細田、渡部、園田、以上7人(理系2人+文系5人)

代表…坂井 瑛梨奈(両刀型)

*1

*2

 

瑛梨奈「以上が今回の配置になります、あらかじめ列内で作戦を個々に決めといてください。何か意見のある人は私のところまでお願いします」

 

ふう、各々のタイプを把握しながら戦力を分散するのはなかなか難しい。何ができて何ができないのかを知っておくのもルーム長としての努めといったところかしら。

 

幸久「お疲れ様…よくこんなに編成を組めたね。一人一人の個性を把握するって結構大変なんじゃ…」

 

瑛梨奈「そうでもないの。ノートに書き写せば記録になるし、変更があっても修正はちょっとで済むから、この人はこういうところが強みなんだなというのが一目で分かるように書き記しているの。ほら、これがそう…」

 

幸久「うわあ…、細かいところまでよく観察している…」

 

そうでもしなくちゃ作戦が立てられない。自分があと半年お世話になるクラスメイトだし、これくらいの把握はしたっていいと思っている。2年で結局クラス替えがあるみたいで一見、無駄なことしているように見えるけど、実は2年になっても相手(敵)の情報として見ることができるから、次にどんな作戦で行こうか立てやすくなるという利点がある。

 

瑛梨奈「みんな、質問とか意見とかはなさそうね。…よし、いざ、敵陣へ」

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「おぉーーーーー!!!!!」」」」」」」」」」

*1
ここでクラス全員のプロフィールを紹介している時間はないので、省略とする

*2
フルネームで紹介すると長くなってしまうので、名字だけに省略する




本当は、1日目の終了まで書きたかったのですが、次回に回そうとします。

明久「でも、150000字書けるんだから、行けるはずじゃ…?」

それはそうなんだけど、一話ごとが極端に長くなるとなにか変なものを感じるでしょ?

明久「うーん、そうかなぁ…」

いつも3000~4000字くらいでまとめてあるけど、今回は倍の6000字になっちゃったし、これ以上次のことを書くと10000字超えるんだよね。それは自分的になんか微妙だと思って…

明久「なら、それはそういうことにするか」

共感してくれてありがとう。というわけで次回はいよいよ初戦~最終戦まで一気に仕上げたいと思います!ので、次もお楽しみに。


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STORY11 景品がああっ!

オリジナルバカテスト 第12問

電池の起電力と内部抵抗を表す公式を「V=~」の形で書きなさい。

坂井 瑛梨奈の解答:V=E-rI(これって普通、1年生にやらせます?)
教師のコメント:正解です。そうでした、まだ範囲外なので出題させるべきではありませんでしたね。申し訳ありません。

哀川 悟の解答:(白紙)
教師のコメント:まあ、普通そうですよね。今回はお詫びとして点数をあげます。

吉井 明久の解答:先生!カンニングしてもいいですか?
教師のコメント:点数をあげたくなくなる回答がここに。絶対にいけません、不正行為です。


今回で一気に初戦~最終戦を書かなきゃ!

明久「無理なら2つに書き分けても良かったんじゃないの?」

それはそうなんだけど、予定狂うしすでに予告も出しているから今更できないんだよね…

明久「ふーん、そうか。というわけで本編は下↓のバナーをクリック!」

って、ちょっと!?しかもここにリンクなんて作ってないからね!?


-5時間目-

 

キーンコーンカーンコーン

 

さあ、開戦だ。

 

瑛梨奈Side

 

布陣はある程度固めておいたし、操作は大体平等だから力の差はあまり見られないはず。1年の私たちがどこまで2年に対抗できるかが鍵となるわね。

 

優子「慎重にというよりかは大胆に行動するのが自分たちの戦略ね」

 

瑛梨奈「だって全員参加が必須だし、120分がリミットだからそういう制限こそこの戦法ができるでしょ?奇襲作戦の効果って案外侮れないわよ?」

 

初めてやることだから相手の作戦が的中する確率は割と低い。同じ作戦かもしれないし違うかもしれない…もし前者だったら出遅れてでも突っ込むしか方法がない。損害は大きくなるけど私のところまで来るリスクは少しでも減らせる。全員参加必須だから突っ込む作戦のほうが多いと私は予測する…そう思ってこちらも同じようにすれば戦力・戦術違いで突破口が見えるはず!

 

幸久Side

 

さあ、本来なら護衛に着く予定だったんだけど、文系科目の戦力が劣るという予測が出されているから代わりに自分が前衛を任された。からには全力で取り掛かるか。おっ、さっそく…

 

5モブ①「いたぞ!勝負だ!」

 

幸久「どこまでいけるか、見せてもらいましょう!試獣召喚(サモン)っ!」

 

~国語(現代文)~

 

1-3 吉井 幸久 411点

         VS

2-5 モブ①    335点

 

現代文の先生連れてくるなんて相当自信あるんだね。瑛梨奈さんの予測では理系の先生を用意しているとは聞いているんだけど…点数としては僕のほうがリードしているのか。だが、そもそも内容自体違うから比較もできない。

 

幸久「現代文で挑むんですね。どこの情報ですか?」

 

5モブ①「ああ、これはわざとだよ。これも作戦の一環…」

 

作戦の一環でわざわざ現代文の先生なんか連れてくるのか…?意味のないことをしているように見えてくるんだけど。

 

5モブ②「加勢するよ!」

 

5モブ③「負けてられっか!」

 

あー…ここに6人入るのか。1VS6なんて結構卑怯な感じがするので、こちらも応援を要求する。

 

金井綾「私も加勢するわ!現代文なら点数が高いの!」

 

この人は金井 綾奈さん。普段はクールな人なんだけど勝負事になるとスイッチが入って熱くなるんだよね。たしか、現代文クラス4位の実力者だっけ?

 

斎藤正「自分も参加させてくれないか?2対6はさすがにまずいし、現代文なら対等に戦えるからね」

 

で、この人は齋藤 正寛君。THEインテリな風貌をしていて現代文は確か3位だったかな?本当に心強すぎるよ…、自分なんか9位だもん。…で、勝負に戻ると3VS6の展開に。数的不利で厄介な場面ではある。しかし、文月学園で操作の練習やこの学校で操作体験をしているからここで自分が引くわけにはいかない。実質、負けられない戦いなんだ。ここは普通に突っ込むだろうからその裏を掻いて自分は…

 

ヒュンッ!

 

5モブ④「あれ?なんで当たらない?」

 

5モブ⑤「バカ!避けられてるっての!」

 

幸久「僕の技術力を舐めないでいただきたいですね、行きますよ!」

 

ガッ、キィン!

 

5モブ④「つ、強え…」

 

5モブ⑤「2人掛りでも押し負けそうだなんて…」

 

1-3 吉井 幸久 304点

        VS

2-5 モブ④    139点

2-5 モブ⑤     98点

 

徐々に点数が減っていく…、初めて勝負したけどここまで面白いものだなんて思わなかった。考える余裕すら自分にはある。自分の武器は近距離戦に不向きだが、やりようによっては特化させられることもできる。大きな鉄球に鎖があるが、鎖を持つ部分を短くすると腕力でブンブン振り回すことさえできる。通常なら大きく回して遠距離攻撃をするのが一般的なのだが、リーチを短くしているので左右にブンブンと振り回すだけで結構大きなダメージになる。ただ、3㎏とそこそこ重いので扱いに慣れるのに時間がかかる。時には自分の思い通りに召喚獣が動かせないこともあるが、相手がデフォルトでその状態なので気にせず戦える。ましてや、操作体験が残っているので扱いやすいのもある。

 

齋藤正「あれ?操作もまともにできないなんてどうされましたか?」

 

5モブ①「ちょっ、勝手に体が…」

 

5モブ⑥「自分の意志で操作できない…!?」

 

あー…腕輪に御坂さんが送った能力が付いているんだっけ、彼の初期点数は669点なので腕輪が当然使える。彼にはどうやら「洗脳能力(マリオネッテ)」のLevel4版が与えられていて、一人一人に別の洗脳を働きかけることができるようだ。一度に10人洗脳できるらしく、そのうち1人には自分の手駒として自分の召喚獣と一緒に共闘できるといわれている。っていうか、その間の人の頭の処理能力&処理速度ってどうなってんだろう…。普通に考えてヤバくない?

 

齋藤正「さあ2体の召喚獣よ、ともに歩もうじゃないか」

 

5モブ⑥「ひいいいっ!く、来るんじゃねえ!おいお前!何とかできないのか!?」

 

5モブ①「そういわれても自分で動かせないんだよ!」

 

あはは、ここだけ見るとなかなか面白い構図だね。

 

幸久「って、よそ見している場合じゃないんだけどねっ!」

 

ガキィン!

 

5モブ⑤「くそっ、隙ありと思ったらまた防がれたよ…」

 

5モブ④「初めて操作しているとは思えない…!」

 

そうだよ、だって「経験」があるから。

 

 

 

 

悟Side

 

一応、伏兵の要員として潜んでいるわけだが、会話がはずんでしまう。

 

櫻井「俺もこういう役回り好きなんですよ。いつ敵を暗殺できるか楽しみで…」

 

悟「おい、ここは戦場と訳が違うんだからあまり物騒なことは言うなよ」

 

櫻井「おっと、悪いわりぃ」

 

まあ、悪気があって言ってんじゃないんだろう。PTSDとかあるからそういうことはあまり口に出してもらわないでいただけるといいんだが。こいつは櫻井 将平、中学校で一緒に遊んだ仲だ。…まあ、悠大には敵わないが。将平の母がDVを起こしたのがきっかけで離婚となり、今は父・祖父・兄の4人で暮らしているそうだ。…というか、自分の友達って悠大以外は全員深刻な家庭事情を持っていることに驚かされる。なのにみんなが俺にそのすべてを打ち明け、仲良く生活している…ふっ、同士というものは同じ境遇にいるのが要因でより絆を深められるとでもいうのか。別に孤児院出身というわけでもないのだが。

 

櫻井「あのさ、昨日の夜のFM信越の「マジロケ!」聞いた?」

 

悟「悪い、俺FM聞く機会がないんだ」

 

櫻井「そっか、もしよかったら聞いてみ?これが結構面白くてな!」

 

悟「ああ、聞いてみるよ」

 

人にはそれぞれ特有のハマり方があるようだ。こいつはFM信越で毎週水曜日の午後9時から流れる「マジロケ!」にハマったらしい。人のハマり様はどれほどなものなのか俺も気になっている。

 

木内「悟君…これってここでいいの?」

 

悟「試合中に勉強の話持ち掛けんなって…そうだ、それであっているはずだ」

 

こいつは木内 みとり、女子ながらも理系科目ではなかなかの成績だ。質問をよく俺にするのだが、答えられるものがそんなに多くないので止めてもらいたいと思っている。高校に入ってから4階の寮で同じ部活の先輩と一緒に生活しているらしい。結構勇気が要ることだと思うのだが…

 

丹波「悟、迷い込んだ敵が1人いるからオレ1人で突っ込んでもいいか?」

 

悟「ああ構わない。もし緊急事態になったら合図を頼む」

 

丹波「オッケー!行ってくる!」

 

俺はこの部隊の指揮役じゃないんだがな…で、こいつは丹波 菱樹。この部隊唯一の明るさを持ち合わせた人だ。俺はこいつのことを「陽キャ」と呼んでいる。…え、普通に名前で呼べばいいだろって?そんなことできたら今頃苦労してないはずだ。性格が対照的なのに気安く名前で呼べる関係にあるはずがない、あっちは簡単に俺のことを呼び捨てしているが。…で、フィールド形成されたと思ったら数学か。現時点で1はすべて終わっていて、Aは半分くらいまでやっている。テスト範囲は当然やったところまでしか出ていないので、理解できなくて点数が取れないなんてことはないはず。そういえば、丹波の点数は640点でクラス内3位…もうこの時点で歴代を抜かしていると笹嶋先生は感心していたな。ということは、この高校の学力平均は昔より上昇しているということも言えるかもしれない。

 

5モブ⑦「げっ、640点は高くねぇーか?」

 

丹波「おっと、通しませんよ先輩!」

 

それ以前にお相手も559点となかなか高得点だ。理系に傾いているという情報は確かなようだな。さて、そろそろ部隊がここを通り過ぎるという予測を感じるので俺も行動するか。点数が低いからできることは限られてくるが…

 

5モブ⑧「…なんかあっさりしすぎてね?」

 

5モブ⑨「やけに静かだな…」

 

さあ、この操作力でどこまでいけるか試させてもらうぜ!

 

ヒュンッ!

 

悟「おっと、ここからはこの哀川がお相手させていただきます故、覚悟なさってください!」

 

 

 

 

瑛梨奈Side

 

その後…敵の猛攻が何回かあったが、私たちの戦術は見事にハマり、120分すべて使い切って33対19で勝利した。

 

瑛梨奈「結局私も参戦することになったけどわずか2分間の戦いだったからそこまで損傷することなくて助かったわ」

 

優子「瑛梨奈の場合、両刀型だからどっちのタイプの先生が来ても大丈夫なのよね」

 

瑛梨奈「古典とか英語が来ると勝ち筋が薄かったかもしれないけど…」

 

序盤の時点で相手は文系科目の先生を使ったから残りは理系科目だけで、自分のところには数学の先生が運よく来たから余裕が持てた。まあ、化学基礎とかでも対等にやれる力はあると思うんだけど。でも、今回の戦績は自分だけじゃなく、クラス全員の団結にある。ちゃんと自分の得意分野で戦えているところも評価できるし、操作技術に関しては2-5より上に相当していると見ても過言ではないような気がした。自分たちに係る問題解決能力が他より高いのかもしれない。

 

明久「上の学年相手にこの結果は上出来だよね!」

 

幸久「僕が前衛に突如駆り出されたのも意味があったみたいだね」

 

瑛梨奈「予測は正しかったわ。序盤で文系科目を出してくると思ったから戦力の補強をと考えていたんだけど、まさか本当にそのまま出してくるなんて…」

 

悟「たまたまじゃねーの?」

 

瑛梨奈「うっさいわね哀川!コンクリに沈めてやろうかしら!?」

 

悟「わ、わるかったって…」

 

明日が最終日でその相手は午前の勝負で判別する…2組と5組の戦いだけどみんなの予想は5組が多いわね。大橋君が統率しているから勝ち上がる確率は高いと指摘する。これは…楽しみだわ!

 

 

 

 

-夜- 幸久Side

 

ピーンポーン

 

あれ、誰だろう…

 

ガチャ

 

悠大「ごめんね夜遅くに」

 

幸久「悠大!?」

 

 

 

幸久「何かあったの?」

 

悠大「うーん別に何かがあったわけじゃないけどなんか唐突に幸久の家に泊まりたくなっちゃった 」

 

え、泊まりたくなっちゃったって何!?しかも自分の家に!?そこは普通、悟とかに言うところじゃなくて?…まあ、事情が絡んでいるのだとしたら泊まるって言い出しにくいのかな。

 

幸久「昨日は悟が「寝れない」って言って泊まりに来たんだけど…」

 

悠大「本当?なんか、悟に言おうと思ったら今夜、セミナーで学校に泊まり込みするから家にいないって言われっちゃってね」

 

幸久「そうなんだ。親にはちゃんと伝えた?」

 

悠大「その辺は大丈夫だよ。クラスメイトだって言ったらOK出してくれたし」

 

ふーん、それならいいか。僕は悠大を自室に招き入れた。兄ちゃんは悠大と話しているところあまり見たことないんだけど、険悪ムードだったら明日の試合に影響すると思って自分の部屋にした。優子さんは友達とディナーでそのまま泊まっていくから家にいないと言ってたっけ。

 

悠大「あのさ、幸久が前の世界にいたときの体験がちょっと聞きたいなーなんて…」

 

幸久「いいよー悠大からしてみれば僕たちがこの世界に突然やってきたこと自体がイレギュラーだもんね。僕はここに来る前は文月学園というところにいたというのはもちろん知っているよね?」

 

悠大「うん、それは知ってるよ。その世界でもこっちと似たような感じなの?」

 

幸久「まあ、そうだね。どう説明すればいいのか分からないんだけど、こっちと同じように学校とか何とかいろいろあるよ」

 

実際、校長の計らいで4LDKの家に住むなんて思ってなかったけど。バイトが自由なこの学校は、それなりに働いていれば家賃・光熱費だって払うことができる。校長が半分以上肩代わりしてくれることになったのは申し訳なく思うところだ。6万のところを2.5万でいいってどれだけ支援されてるんだろう…

 

悠大「じゃあ、こっちに来ても生活自体は前とそんなに変わらない感じなの?」

 

幸久「そうだね、ある物自体は以前と似ているから驚くことなくそのまま生活できてるよ。これがもし、マンガにあるような異世界ファンタジーだったらどうすればいいのか未だに戸惑っていると思うけどねww」

 

ワープした先が自分が元いた世界と同じような雰囲気だと思うとそれはそれでどこかわくわくするところがある。同じように高校・大学を出て社会人として働く…うーん、興味深い。

 

悠大「…その、さみしいとかはないの?」

 

幸久「前の世界の人と?…それはあるよ。自らこの世界に行きたいと明言した自分がいうのもアレだけど、一緒に遊んでいた仲間と会えなくなると思うと…ちょっとさみしいところはあるね」

 

雄二とか姫路さんとか…幼なじみである故に突然会えなくなったその衝撃が重い時だってある。

 

幸久「でも、いつまでもそんなことばかり考えたって現実は現実だし、新しい仲間もつくれたからさみしさなんてほとんどないや!それに、…またいつか会えるだろうって信じているから」

 

そうはいったものの、3年の夏がリミットだと言われているので会えることは明確になっている。…ただ、それを悠大とかほかのクラスメイトに言ってしまうとこっちの人がさみしさを抱えながら生活しなきゃならなくなるし、学園長から「絶対に言うな」と念を押されているのでもちろんそんなこと言えない。

 

悠大「ねえ、一緒にお風呂入ってくれない?なんか…こう…」

 

幸久「はいはい、分かってるって。ただ、僕にそういう趣味はないからね?」

 

悠大「ありがとー分かってるぅ!」

 

…きっと悠大は、人に言いづらい悩みを抱えているんだろう。悟と同じように…

 

 

 

 

11月24日 AM 7:15 瑛梨奈Side

 

私は朝早く学校に来る習性がある。特別何をするわけでもないのだが、こうして早く学校に来るだけで「自分」という存在が保たれている気がする。

 

校長「ですからね、その…景品が…」

 

校長室に何故私がいるのかって?…実は、

 

瑛梨奈「用意していた景品が盗まれたんですよね?そんなに高価なものだったんですか?」

 

校長「ええ、1つ15000円するスマートウォッチを1クラス最大45台分優勝した皆様に…」

 

瑛梨奈「それが大きな間違いだって言ってるんですよ!!!大体、総額2,025,000円するものなのにそんなに管理体制がずさんだったら盗まれるに決まってるじゃないですか!金銭感覚どうなっているんですか…、何かちょっとしたものでいいって笹嶋先生言ってたじゃないですか!それを教頭先生の制止を振り切るもんだからその管理くらい校長自らお願いしますって話し合いでの決定事項にしたのにこんな…」

 

私だったらボールペンとかでも十分だと思っているのに、校長先生はやたら高価なものを生徒にあげたがるなんて相当ズレているとしか思えない。ましてや、管理体制すら甘いなんて私の手に負えることではない。

 

校長「ど、どうしましょう…」

 

教頭「”どうしましょう”じゃないですよ!!一刻も早く犯人を捜して取り返さないと収拾がつかなくなるじゃないですか!あれも経費で落としているんですからそれを失えば大損害なんですよ!!!」

 

経費で200万以上使っているなんて…本当に呆れる話だ。

 

笹嶋T「この件は私たちに任せて…坂井は最終戦に向かってくれ」

 

瑛梨奈「…わかりました」

 

これは…ルーム長会議で話したほうがいいのか?…いや、話したとしても今の自分たちにはどうすることもできないと思う。それでも決勝戦と並行してこの事件を進めていかないと、優勝クラスが決まっても渡せるはずの景品が渡せなくなる!私がやるしか…

 

龍一「なるほど、大体の事情は分かった。この件、俺も協力させてくれ」

 

ありさ「瑛梨奈1人に責任負わせるわけにはいかないからな」

 

菜乃花「大丈夫、私たちを頼って!」

 

ガルト「同じ「1学年」ですカラネ!」

 

瑛梨奈「えっ、みんな…!?」

 

聞かれてしまったか。しょうがない、ここはみんなの力を借りることにしますか。

 

龍一「135台分ものスマートウォッチを盗むとしたら1人でもできるけど、深夜の犯行だから組織的あるいは外部の人間が盗んだ可能性だってある」

 

ありさ「もし外部の人間だとしたら捕まえるのは難航するよな」

 

菜乃花「私たちにできることと言えば、内部の人間を疑って捜査することくらいですかね…」

 

瑛梨奈「そうね…まあ、次の試合が迫っているからまずはそこを頑張ってほしいんだけど」

 

菜乃花「そうですね。龍一君、負けませんよ?」

 

龍一「おっと、それはこっちのセリフだ」

 

とりあえずスケジュールをずらして1~3時間目で準決勝を、4~6時間目で決勝をするよう調整はしてくれたようだ。その間の昼食は3時間目と4時間目の間で70分とるようにしてある。そうすればリミットまでの時間が稼げるし、2・3学年の先輩方に影響が出なくて済むはず。

 

 

 

 

-2時間目- 明久Side

 

なんか一部の人たちが騒がしいような気がするけど放っておこう。スタートは4時間目、5組の人が勝ち上がるという予測が立っているのが現状だ。5組の人たちは確か文系・理系科目両方できる人が半分いるって聞いたんだよね。ある意味それってヤバくない?対抗策が一部制限されるって意味だよね…そのため、自分たちの得意分野に先生を合わせるようなやり方じゃないといけないってことか。昨日は2年生VS1年生だったから使用する科目でズレがいくつかあったけど、今度は同じ1年生だから科目は一緒なはず。これは僕自身から得意な世界史の先生を連れてきたほうがよさそう…?

 

七橋T「明久君、調子のほうはどうですか?」

 

明久「あ、七橋先生。まあ、それなりといった感じですかね…」

 

…そういえば、七橋先生は社会系だから世界史も扱えるはず!

 

明久「先生、決勝戦のことでちょっとお話が…」

 

七橋T「ええ、いいですよ」

 

明久「作戦の1つとして僕の得意科目担当になってもらえませんか?」

 

七橋T「…まあ、規則にはそのようなことは明言されていませんのでいいでしょう。ただし、試合で明久君が戦闘不能になった場合は担当から外れますけどいいですね?」

 

明久「いいんですか?ありがとうございます!」

 

…よし、備えあれば憂いなしってね。

 

優子「明久君、ナイスチョイスね」

 

明久「得意な科目の先生をキープしておくのも作戦でしょ?」

 

優子「瑛梨奈は別にそんなこと言ってなかったけど…まあ、それもそうね」

 

僕は点数がほかの人より全体的に低いから、せめて自分の得意な科目を伸ばせたらそれはそれでいいと思う。それは自分のアピールポイントになるだろうし、体力的な表示でしかないけど、そこに技術が加われば自分にとって有利に働くだろう。

 

幸久「自分の戦力キープのために担任を出し抜くなんて…やっぱり兄ちゃんはやることが違うね」

 

明久「それって褒めてるの?貶してるの?」

 

幸久「さ、さあね~」

 

…なんかその言い方が腑に落ちないっていうか。

 

 

 

 

-3時間目- 瑛梨奈Side

 

瑛梨奈「さて、今回の編成なんだけど…護衛を明久君1人でやってもらいましょう」

 

明久「えっ、僕一人なの!?」

 

瑛梨奈「大丈夫、全員参加がルールだし、列を抜けた強者を世界史の力で撃退してもらうわ。もちろんその勝負には私も参加するんだけど、世界史は別に苦手な科目でもないから安心して。…で、共闘するからちょっとその打ち合わせをしたいんだけど後でいい?」

 

明久「うーん、ちょっと不安要素が多い気がするんだけどまあ、いいよ」

 

明久君が世界史で七橋先生を連れているからそれをうまく利用する他ないよね。今回の私の点数は622点でクラス内7位

 

瑛梨奈「…で、補欠を幸久君と優子さんと吉澤君にやってもらいます。その分、前の編成を少し変えます。前列は10人で中列を第1部隊6人と第2部隊13人に分けます。メンバーに関しては私がリストを作成しておいたので必ず見てください。ポイントとしては、第1部隊が全員理系というところです」

 

最初の試合は初めて「全員戦闘に参加」のルールを作ったから、参加できていない人がいてもそれはしょうがないということになったけど、決勝戦はそういうわけにいかない。参加してない人がいるだけでその人を生き残っている人数にカウントしないという制約がとられてしまう。幸い失格ということにはしないそうだが、計算式が×でつながっているので1人分失うと損害が大きい。総合科目の平均が足を引っ張ってなければ別だけど一気にそんなに上がるわけがないし…前回の勝負でも33対19で勝利したが総合科目の平均は相手のほうが上だったのでいかに全員参加させて生き残らせるのかもルーム長(代表)としての務めよね。

 

瑛梨奈「人員に関しては、赤文字で書いてある人以外は変更ありません」

 

悟「えーっと、俺は変更なしか」

 

瑛梨奈「第1戦で活躍してくれたからこのまま行こうと思って…もしかして前列のほうが良かったりする?」

 

悟「いや、このままでいいんだ。会話が予想以上に楽しくてな…」

 

瑛梨奈「あら、そうなの」

 

哀川は普段そんなに人とおしゃべりすることが多くないけど、いい友人でもできたのかしらね。自分のクラスの人の把握はできても、細かいところまでは…わからないものね。

 

 

 

-校長室- The 3rd Person Side

 

現在、景品として設定されたスマートウォッチは盗まれたままだ。

 

校長「なかなか手がかりがつかめませんね…」

 

教頭「内部でも捜査している人がいますが報告がありませんしね…」

 

校長「となるとやはり、外部の可能性が…?」

 

校長はそう言って防犯カメラをチェックするが、やはり死角となっているのだろう、犯人の足取りが掴めない。

 

教頭「うーん、防犯カメラでも映らないとなると犯人の割り出しができませんね…」

 

校長「せめて目撃者がいればいいんだが…」

 

1方向でしか映らないカメラだと範囲が狭く、映らない箇所が出てきてしまう。設置してある場所が昇降口(生徒が出入りする場所)しか設置してないため、犯人が映っていないシーンが多く存在する。そのため、どのような経路で逃走したかがわからない。

 

教頭「…こうしていても埒があきませんので、私は町の人に聞き込みをしてみます」

 

校長「わかった。私は警察に相談してみよう」

 

 

 

 

-4時間目- 瑛梨奈Side

 

キーンコーンカーンコーン

 

始まった。景品のことは気掛りではあるけど、情報が得られないのでこのままいくしかない。今回は180分与えられているので、私の拠点を屋上にして様子見するつもりだ。迎撃作戦がここで生きるかどうかだが、中列第2部隊に護衛役に徹してもらって(屋上へのドア付近)、本当の護衛は私の横で、補欠は補欠で準備に取り掛かっている。全員参加なのでこの配列だが、お互いの弱点を補強しあっているのできっと問題はないだろう。

 

明久「予想通り、5組との対決になったけどこれで行けそうなの?」

 

瑛梨奈「作戦を立てた以上、大丈夫よ。先に総攻撃を仕掛けられたら迎え撃ちすればいいし、様子見してるならバランスを取りつつ攻撃するだけよ。それに、万が一来られても世界史で撃ち落とせばいいだけだし」

 

今回、私の点数は変更ないものの、明久君が577点と大きくとってくれたから、操作でヘマしない限りは持ちこたえるだろうというのが私の算段である。

 

明久「瑛梨奈さんにちゃんと点数とってほしいと言われたから頑張ってみたんだけどどう?」

 

瑛梨奈「いい…ううん、上出来ね。400点程度でもOKだったけど500点台後半はすごくいい結果よ!」

 

明久「そっかー!自分自身で確認が取れてなかったけどまさかここまで行けたなんて…」

 

明久君は世界史だけ頑張って点数を上位に位置付けたけど、今後は徐々にできる教科を増やしていきたいと言ってたからできる限り私もサポートしていきたい。

 

明久「そういえばさ、一部の人たちの動きが慌ただしいんだけど何か知ってる?」

 

瑛梨奈「ええ、実は…」

 

説明中…

 

明久「そうなんだ…早く見つかるといいんだけどね」

 

瑛梨奈「勝負が終わったら成績発表になるんだけど、日程調整が間に合わなくて来週の月曜日なのよね…その間に持ち逃げされたものが売りにでも出されたら、学校としては大損害確定なのよ」

 

明久「そうなると、相手との心理戦な上に時間との戦いだなんて…僕たちに勝ち目はあるの?」

 

あるとも言い切れないのが現状。合計して相当高額なものを盗まれてるから一刻でも早く取り返したいところ…

 

瑛梨奈「みんなに言うと混乱どころじゃなくなるからこのことは他言無用でお願い」

 

明久「うん、分かった」

 

とりあえずは目先のことに集中しないと…

 

 

 

 

-5時間目- 悟Side

 

苦戦しているわけでもなく、点数はそこそこ保持している。が、5組だから前の戦いより少し大変ではある。

 

柳川「悟~、悠大と一緒になれて良かったじゃん♪」

 

悟「そ、そんなつもりはねぇよ!//」

 

悠大「そんなこと言ったって顔が赤いよ?」

 

悟「ちょ、おい…」

 

コイツは柳川 龍城、小4からの付き合いだ。家庭事情もこれまた複雑で、5年前に両親が育児放棄し、親戚の頼りもなかったのでこの学校が援助してくれている。下に弟と妹がいるので、どうしてもアパート暮らしで面倒を見なければならない。費用の一切は学校が持ってくれているらしい。ストレス発散の場が無いのか、家で苦しい生活をしている代わりに学校では陽キャとなって俺と一緒になっている…という状況だ。からかわれることが多いから俺はあまり好きではないが、話はよく合う。

 

柳川「なあなあ、現在29対23で勝負はほぼ互角らしいぜ」

 

悠大「うーん、互角かぁ。敵が見えるたびに戦ってまた隠れているけど、これでも互角?」

 

悟「相手の作戦が結構効いてるんだろう。どんな作戦か俺は分からないが、やることに変わりはないからこのままいくしかないな」

 

分かり次第、俺自身で作戦を立てて実行してみるか…でも、悠大の前じゃ下手なことできないんだよな。独断で行動したなんて悠大に知られたらすごく怒られそうだし、今後何されるか分かったもんじゃねぇ…。

 

丹波「なあ悟、この戦いならオレ1人でも行けそうなんだがどうか?」

 

悟「行けそうなら別にいいが、無茶はするなよ?瀕死寸前になったら応援を呼べ。いいな?」

 

丹波「ありがとー!分かってるー!」グッ

 

…単独行動は陽キャがやる仕事でも言いたいのか。

 

 

 

-放課後- 瑛梨奈Side

 

あのあと、5組の作戦を理解した私たちは短期戦に持ち込んだ。

 

龍一「くそっ、なぜわかった!」

 

瑛梨奈「悪いわね、こっちには策略に長けている人がいるのよ。この勝負、私がいただくわ」

 

龍一「代表同士の一騎打ちか…やるしかねぇな!!」

 

周りの援護も受けつつ私は代表の待つところへ向かい、代表戦と称して1VS1のタイマン?を申し込んだ。もちろん、明久君が連れてきた世界史で。

 

瑛梨奈「世界史やっといてよかった。別に得意な教科でもないんだけど点数を減らさずにここまで進めたんだもの」

 

龍一「622点だとっ!?俺なんか447点しかねぇのに…」

 

明久君の操作力は並大抵のものではなく、他の人たちを短時間で一掃できたのが大きく、私の出る幕がほとんどなかった。

 

 

 

~世界史~

 

1-3代表 坂井 瑛梨奈 398点

          VS

1-5代表 大橋 龍一     0点

 

ゲームエンドね。代表が戦死した時点で私たちの勝利が確定した。

 

龍一「つ、次は負けねぇーからな!」

 

瑛梨奈「いつでもかかってきなさい。全力でお相手するわ」

 

…1つ思ったのは、なぜ私は歴戦の王者みたいな言い方をしたのかということである。

 

校長「瑛梨奈さん、景品の件なのですが…」

 

瑛梨奈「分かってるわ。犯人は外部の人間しかいないし、時間の問題だってことも。幸い、結果発表まで猶予があるから探すチャンスくらいあるはず!」

 

龍一「俺も行かせてください。一緒に決勝戦を歩んだ仲なので、参加しない理由もないはずです」

 

校長「大橋君…よし、一緒に探しましょう。ですがその前に、必ず笹嶋先生の補習は受けてくださいね?」

 

龍一「うっ…わかりました」

 

…これに関しては本当にドンマイと言いたいところだ。結果は7対3でどのみち私たちが勝利していた。だが、このような場面を作ってくれたみんなに感謝しなきゃね。さあ、

 

 

 

 

 

 

次は犯人捜索だ。




…というわけで、これにて11月の試験召喚イベントは閉幕となります。

明久「瑛梨奈さんが最後に締めてくれたからおかげで優勝することができたよ!」

ちゃんとお礼しとけよ?

明久「うん!」

というわけで次は景品の行方を書こうと思います。話を大きくするつもりはないので、気分がダルくなければ多分1週間以内に書けると思います。

明久「このお話が長すぎて1週間以上かかってるんだけどね」

仕方ないじゃん、時間軸に幅持たせたんだから。

明久「あんまり読者を待たせないでよ!」

うーん、…善処します。というわけで次回もお楽しみに!


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