この転生者たちに祝福を! (サクサクフェイはや幻想入り)
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プロローグ

はいと言うわけで新しい作品です。考え無しとか、懲りずにコイツはとか言う声が聞こえてきそうですが、気にしません。というかガラスのハートだからそこらへん覚悟しとけと言うことで。
さて作品についてですが、前々から設定は考えていましたが中身がスカスカな見切り発車もいいとこの作品です。しかも今回は前のような書き溜めてあるわけではないので、更新がかなり遅くなります。しかもいま主で書いてるのの片手間に書こうとしているので、ほとんど更新がない子も知れないのでご了承ください。さてタグにもありますがキャラの性格が少し変わっていたりします、原作も大きい流れは変えませんがこまごましたところは変わるかもしれません。それでもいいよって方は読んでください。
ではプロローグの方どうぞ!




ふと目が覚めると俺は真っ暗なところにいた、正確には見えるのだが遠くは黒く何も見えない状態だが。周りを見回してみると、俺と同じように呆然としながら周りを見回しているジャージの同い年くらいの奴が目に入る。あちらもこっちに気が付いたらしくこっちに来る

 

「えっと...」

 

「俺は神木龍弥、お前は」

 

「佐藤和真だ、よろしくな」

 

名前を知っておかないとお互い不便なので、自己紹介を先に済ます。そしてお互い持っている情報を交換しようとしたのだが

 

「ここどこだかわかるか?」

 

「いや、さっぱりだ」

 

カズマに聞くがやっぱり心当たりはないようだ、かくいう俺もなのだが。ここに来る前のことも一切思い出せない。誘拐を疑いもしたが、今の俺を誘拐したところで何もならないのでないだろう。それに誘拐なのにこういう風に自由にしておくのも変だしな、そういう風に結論付けていると後ろから足音が聞こえてきた。

 

「ごめんなさい。少し席を外している間にあなたたちが来ていたみたいで、待たせてしまいました」

 

そう言って頭を下げる青髪の女性、流石に社交界などで鍛えられていたとはいえそれでも目を引かれる美貌だった。カズマも同様のようで、見惚れていた。だが彼女が俺たちをさらってきた、ないしは呼んだということなのだろうがどういうことなのだろう

 

「一つ質問、いいですか」

 

頭を下げ終|わりいつの間にかわりいつの間にか出現していた椅子に座り何か仕事をしていたが、そんなことは関係なく彼女に質問を投げかける

 

「なんでしょうか?」

 

彼女は顔をあげることもなく返事をする。何かの書類なのだろうか、それなりに距離があるため見えないがそれを見ている

 

「俺たちをここに連れてきた目的は?」

 

俺をちらりと見る先ほどの青髪の女性、だが興味がなくなったようにまた書類に視線を戻す。そして指パッチンをすると、俺とカズマの前に一枚の紙が落ちてくる。

 

「え?」

 

カズマは驚いているようだがそれこそ今更だ、さっきいきなり机と椅子が現れていたのだから。俺は紙を取り中身に目を通す

 

「あぁ...なるほどな」

 

それだけで俺は自分の置かれた状況を納得する。俺は死んだのだ、幼なじみのアホと親友を庇って。俺たちは歩行者用信号が青になったのを確認して渡ったのだが、居眠り運転のトラックがすごいスピードで突っ込んできて幼なじみは停止、親友も動きが完全に止まっていた。俺はそんな二人を勢いよく押して車線から出させたのはよかったのだが、俺だけ逃げ遅れたのだ。

 

「なるほど、ね」

 

納得は出来たが次の疑問が出てくる、何故ここに俺はいるのかだ。もちろん即死だったはずだ、ならここは死後の世界というところだろうか。カズマを見れば、さっき落ちてきた紙を凝視していた。そこでふと視線を感じそちらを向いてみると、青髪の女性...いや、この場合は女神、死神どっちでもいいが俺をじっと見ていた。俺と視線が合うと一瞬笑ったような気がしたが、また元のすまし顔に戻ってしまう

 

「ここはどこだ?」

 

「あら、貴方ならわかってると思ったのだけどカミキリュウヤさん」

 

そう言って人を小ばかにしたような笑みを向けられる。なんというかまぁいい、まだあったばかりで性格とかつかめないしな。ただまぁ無理をしているのはわかった。

 

「俺は...いや、俺たちは死んだ。ここは死後の世界で、貴方は女神か死神ってところ?」

 

「正解よ、私は死神ではないけどね」

 

そう言って女神は名乗る

 

「私は女神アクア、死後の世界の日本担当よ」

 

そう名乗った女神は酷くつまらなそうに、再び書類に目を通し始めた。またも指パッチン。俺たちが持っている紙が光ったと思ったら、内容が変わっていた。

 

「それに目を通し終わったら呼んで頂戴、見ての通り私は仕事で忙しいの」

 

そう言われてカチンときたのかカズマは文句を言おうと前に出ようとするが、俺が首を振り止める

 

「リュウヤ、あんなふうに言われて悔しくないのか?」

 

「さてな。俺達とは違って忙しいんだろう女神様は、とりあえずこの内容読んじまおうぜ」

 

俺がそう言って紙に視線を落とすと、カズマも渋々ながら紙の内容を読み始めたようだ。どうやら俺達には三つの選択肢があるらしい。

 

一つ また日本に転生し、記憶をリセットしてゼロから始めるか

 

一つ 天国で地獄のような生活を送るか

 

一つ 異世界に転生し冒険者となるか

 

ということらしい。正直言って俺は生に執着はない。どれでもいいので、ここはカズマが選んだものと一緒にすることにする。思えば俺の人生はここから変わったのかもしれない、いつもの俺なら大事な選択を人に任せないのにここではまさに天に運を任せたのだから。

 

「さてあなたたちの答えは決まったかしら」

 

「一つ質問」

 

「何かしら」

 

やはり顔は上げないで答えるアクア、カズマもいい加減慣れてきたのかそのまま質問する

 

「俺達みたいな平和な日本から転生して、もすぐやられるんじゃないか?」

 

「それくらい私たち神々だってわかっているわ、だから私たちは何物にも負けないものを与えてるの」

 

パチンと指を鳴らすと、アクアの手のもとに辞書みたいな分厚い本が現れる。正直言ってその重そうな本を、片手で持っていることに驚きなのだが。そんな俺の内心を知らないであろうアクアは、本を適当に開き指パッチン。なんということでしょう!ページが勝手に飛んできて、見やすいように並んだではありませんか(ビフォーアフター風)

 

「さあ選びなさい、何物にも負けないものを一つ」

 

カズマは選び始めたが、俺は後でもいいので暇つぶしをしていると、またも視線を感じた。やはりアクアがこちらを見ていた。だが今回は視線がぶつかっても逸らされることはなかった、それどころかなぜか睨んでいるような

 

「・・・いつまで私を待たせるつもりなの?貴方はどうするの?」

 

どうやらアクアの機嫌を損ねたようだ、俺が何も言わずにしかもチートも選ばないのだから当たり前か。忙しいらしいし

 

「俺か?俺もカズマと一緒に転生するけど?」

 

「・・・へぇ」

 

そこで始めて手を止めた、何をするのかと思えばサイドテーブルに置いてあった本を確認し始める。何をしているのかさっぱりだが、やがて落胆したようにため息をついた

 

「貴方は私と同じだと思ったけど、どうやら当てが外れたみたいね」

 

そう言って俺に興味すらなくなったのか、また仕事を再開させる。どうやら俺が思っていた通りだったようだ、彼女も自分を偽っている。俺は正確には偽っていた、だが。俺は興味がわいたのでアクアに近づく、幸いカズマはチート選びに夢中なようだ

 

「なるほどな、だから俺を見て笑ってたのか。一緒だから」

 

「・・・」

 

驚いた顔をしていたがそれも一瞬で、元のすまし顔に戻る

 

「なんのことかしら?さっきも言ったように私は忙しいの、転生するなら特典を選んでほしいのだけど」

 

「悪いが俺とお前は一緒じゃない。俺はまぁバイト先なんかでは仕方ないにしても、親友や幼なじみ、母親の前では自分を偽ったりはもうしてない」

 

「・・・」

 

流石にずかずか踏み込み過ぎたか、そう思うが撤回はしない。睨んできているが気にしはしない

 

「まぁ神の苦労なんて俺はわからないけどな」

 

そう言ってアクアの元を離れる、一つだけ分かったことがある。彼女は女神という自分を疎ましく思っている。

 

「カズマ、どうだ?」

 

「いや、多すぎて決まらん」

 

まぁ多数の能力や武器があるのだそう簡単には決まらないだろう、そこで俺はふとした疑問があった。アクアは日本担当とのことだったが、全世界で担当者がいるのか、もっと言えばどのくらいの転生者を送ったのか

 

「女神さま?」

 

「・・・なに?私はいそがし

 

「今までどのくらいの転生者を送ってきたんだ?」

 

「・・・」

 

食い気味で話したのがいけなかったのか、答えにくい質問なのかわからないがアクアは答えなかった。まぁ予想通りだ、これは相当な数を送っている。なのにもかかわらず、いまだ魔王は倒されていない。で、あるならばだ。面白いことを考え付いたので俺はアクアに近づく

 

「ろくなこと考えてなさそうな顔ね」

 

「まぁ女神様からすればそうだろうな」

 

「アクアでいいわ」

 

顔をしかめるアクア、それは俺がこれからいうことに対してなのか、それとも女神様に対してなのか。まぁ考えても埒が明かないのでとっとと要件を話す

 

「なぁ、お前のそのカタログをそのまま特典にするのは駄目なのか?」

 

「はぁ?」

 

これが素なのだろう。さっきまでのすまし顔や人を小ばかにした態度はどこえやら、呆れた顔をしていた。というか

 

「呆れた...そんなことできるわけないでしょう」

 

「やってみたことがあるのか?」

 

「やってみなくてもわかるでしょ。そんなことしたら一人の冒険者が力を持ちすぎるじゃない」

 

「そこは時間制限付ければいいんじゃないか?」

 

「制限をかけたところで...はぁ...もういいわ、試しにやってみましょ。時間は何分くらい?」

 

「五分くらいでいいじゃないか?」

 

「まぁ絶対通らないと思うけどね」

 

まぁ俺も通るとは思っていない、半分冗談だし。ようは選ぶのが面倒なのだ、俺は。だがそんなアクアと俺の思惑とは裏腹に、俺の足元には魔法陣が出現した

 

「「は?」」

 

俺たち二人は揃って間抜けな声を出した。それはそうだろう、カタログに入った武器を五分しか使えないという制限以外、制限がないのだから

 

「え、ちょっと待って。これまずいでしょ。え、これアタシの責任?」

 

「いや知らんがな」

 

相当ぱにくっているようで素が出てる。まぁそんなアクアは放っておいて俺はカズマに近づく

 

「まだ決まらないのか?」

 

「ああ、そうなんだ...ってなんでお前光り輝いてんの!?」

 

あぁこういう反応が普通なのかと思いつつ、理由を簡潔に説明する

 

「特典決めたから」

 

「・・・いつのまに?」

 

「カズマが選んでいる間に」

 

それもそうかとカズマが納得し再び選び始める、てかほんとに時間かかってるな

 

「サトウカズマさん、まだですか?」

 

どうやらさっきのことから復活したのか元のすまし顔に戻っているアクア、その言葉にカズマがピクリと反応する。だがアクアはそんなカズマに気が付かづ追い打ちをかける

 

「さっきから言ってる通り私は忙しいんです、だから早く決めてくれませんか?」

 

俺の方を睨みながら言うアクアだが俺のせいじゃない、だってその条件で上に出したのアクアだし。俺はほんの冗談のつもりだったし、そういう気持ちでアクアを見るとさらに睨まれた。まぁこれ以上アクアの逆鱗に触れたら面倒臭そうなので

 

「カズマ、俺の特典は結構幅きくからもしあれだったら適当に選んでも大丈夫だぞ」

 

「・・・なぁリュウヤ、女神って特典に入るかな」

 

まぁ予想通り相当怒っていた。まぁ普通の人から見たらアクアの態度は気に入らないだろう、俺は観察眼鍛えてるから何ともないが。そしてカズマの質問に俺はこう答える

 

「入るんじゃね?」

 

だって俺の要望通ったわけだし、とここだけは言わないでおいた。カズマはゆらりと立ち上がりアクアを指さした

 

「じゃあ魔法陣から出ないようにして」

 

アクアは書類を見ているためわからないんだろうが、指定されたのはアクアだ。もしかしたら俺の一件で精神ダメージがデカいのかも。カズマはカズマでにやけてるし。カズマの足元に魔法陣が、これで準備は完了したことになる。つまりだ

 

「へ?」

 

アクアはカズマが指定したものに受理されたわけだ。机が消え呆然とするアクアにカズマは何か言っているが、あの様子じゃ聞こえてないだろう。天使が何か言っているが俺は別のことを考えていた。そうこれからの異世界生活にだ、なんだかんだ言って苦労するような気がする、いろんな意味で。まばゆい閃光に包まれ、目を開けると中世のようなレンガ造りの建物が

 

「ここがあの子の管理する世界ってわけね...あの子には悪いけど私は楽しませてもらうわよ、だってようやく願っていた三度目の人生だもの」

 

笑顔でそういうアクアの言葉が、俺はひどく気になった。そう三度目の人生という言葉に

 




はい、というわけで新しく始まりましたこの転生者たちに祝福を!プロローグでした、まぁ一話目というか遅くてもかくしゅう更新にしたいなと思ってますけどどうなんでしょうね?俺のやる気次第ですが
というわけで一発目から性格が変わってました、アクアです。まぁ解説についてはおいおい、まぁ最後の一文で予想つく方もいるでしょうけど
一応主人公のプロフィール乗せときます

神木龍弥(カミキリュウヤ) 

身長175センチ 黒髪黒目

16歳 

職業:?

特典:チートカタログ(制約は一個の神器または能力を五分だけ使える)

本作の主人公。昔は大財閥の御曹司であったが父親が事業に失敗、会社を倒産寸前までに追い込んでしまい借金のため夜逃げした。母との二人暮らしで余裕はないが本人は別に気にしていない。様々なバイト経験や昔取った杵柄など多彩。幼なじみを助け死亡(死因トラックにひかれて死亡)転生特典のチートカタログだが、制約上は一個の神器または能力を五分間だけ使えるものだがなにも複数の能力や神器を使えないとは言っていないので神器や能力を複数使用可能。(例えば魔力無限などの能力と無限の剣製を同時に使用可能。もちろん能力一個に対して五分なので別々に発動した場合、それぞれの能力にたいして五分ずつの制約がかかる。これは主人公がわざと言わなかったので、アクアがよく確認しないために起こったミス)
こんなところですかね、最初に言ってた通りオリ主最強です


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第一話 この冒険者になれない者たちにおひねりを!

いつもの通り艦これやりつつ書いてます、投下しない方は一日一話書き終わって暇だったので第一話です、説明が分かりにくいなどありましたら感想の方で補足説明しますので...
それではどうぞ!


さっきの発言は大いに気になったところだが、俺たちは今ギルドを目指して歩いていた。まぁこういうRPG系のゲームでは基本らしい、カズマ曰くだが。俺はその手の知識はほとんどないのでカズマに従うことにする。アクアはアクアで珍しいのかキョロキョロしながら歩いていた、てか危なっかしいのだが。

 

「おいアクアって地上じゃこうやって呼ばない方がいいのか?ともかく、あんまり余所見して歩くな危ないだろ」

 

「あぁ、それもそうね...呼び方に関しては大丈夫よ、どうせ私はこの世界じゃマイナーゴッドだし」

 

申し訳なさそうに謝るアクア、意外に素直らしい。マイナーゴッドと言っているが、本人が気にしてなさそうなのでスルー

 

「ここ、みたいだな」

 

そう言って止まるカズマ、目の前には酒場のような建物だった。まるで一昔前の西部劇で見る酒場みたいな、いやギルドだから酒場でもいいんだろうが。中に入ると酒の匂いがし、昼間にもかかわらず大勢の連中が飲んでいた。甲冑を着ているもの、大剣をなどの武器を持っているもの様々だが

 

「いらっしゃいませー。お好きな席にどうぞー、仕事の受付なら奥のカウンターでー」

 

接客としてはどうなんだと言いたくはなるが、まぁこんな世紀末でしかも少ない人数で回してるのだから仕方ないか。言われた通り奥のカウンターで冒険者登録しようにも金がかかるらしく、俺達は最初の最初で躓いていた。

 

「どうするんだよこの状況」

 

「やっぱどこ行っても金か、世知辛いねぇ...」

 

そう言いながら俺はチートカタログを見る、何かないかと探しているのだが見つけた。説明書きを見てみるのだが何故だか、チェロとして使えるようだ。神器の欄でしかもパイルバンカー型の武器なのにもかかわらず、楽器として弾けるって意味が分からないが使えるなら有難く使わしてもらう

 

「何してるのよ?」

 

アクアは俺がカタログを見ているのに気が付いたのか、声をかけてくる。返事をする代わりに、俺は見ている神器を出す。念じれば出るので楽ちんだ

 

「これ」

 

「・・・神器出して何するのよ?」

 

「まぁ見てればわかる」

 

そうして弦を出し軽く具合を確かめ弾き始める、心配なのは五分しかないことだがまぁ一曲は弾き終わるだろう。演奏が終了するとギルド内は静かになっていた、俺が頭を下げると拍手喝采。さっきの神器は消えてしまうが、もともと弾くために出しただけなので気にしない。

 

「ありがとうございます、ありがとうございます!すみませんが登録料をもらえませんか!」

 

「いいぞー」

 

「もってけドロボー!」

 

「いい演奏を聞かせてもらったからなー!」

 

などと言って大なり小なりお金を投げてくれる、いわゆるおひねりってやつだ。まぁこういうので金稼ぎは少し卑怯な気もするが、背は腹には代えられないし昔取った杵柄だ。いいということにする

 

「ありがとうございます!それではもう一曲」

 

「「うおおお!!」」

 

なんかギルドの全員がテンション高いが気にしない。久しぶりの演奏ということもあり興が乗ったため二曲目を引いたが、意外にも好評だった。ちなみにヴァイオリンも神器なのだが、よくわからなかったが魔力を込めなければ発動しないらしく弾く分には問題がなかった。騒ぎも収まりしばらくした後、俺たちは冒険者登録を行うために受付に来ていた。どうやら冒険者を登録するためにいろいろ書かなければいけないらしいが、それだけで後は水晶に手をかざすだけ。流石異世界というかなんというか、俺たちの世界とは逆で科学力ではなく魔法の方が進化した世界のようだ。最初はカズマからということで、俺とアクアは話をしていた

 

「アンタ楽器弾けたのね」

 

「まぁ昔取った杵柄だ。てか俺の過去ある程度は知ってる風だったし、わかってただろ?」

 

「・・・そうね。でも音楽なんかを司る神なんかに比べたら劣るけど、結構よかったと思うわよ?」

 

「そもそも神と人間比べることが間違いだろ...」

 

「でも過去に人間から神になった人もいたでしょう?」

 

「こっちの世界の歴史は流石に知らんが、まぁいたな確かに」

 

詳しくは知らないが、俺やカズマの世界には確かにいた。こっちの歴史は知らないが、もしかしたらアクアは...まぁ聞かれたくはないだろうからな、聞かないことにする

 

「お?カズマどうだった」

 

カズマはこちらに来たが、どうにも浮かない顔だ。俺とアクアにカードを見せるが、俺はいまいちわからない。アクアの方を向いて解説を求める

 

「この数値だと知力と幸運以外平均的ね。知力は平均より少し高いくらい、幸運はかなり高いわね」

 

ということらしい、カズマの話では最弱職である冒険者らしい

 

「じゃあ次は俺が行くわ」

 

指示に従い水晶に手をかざすと、水晶が光はじめカードの方に記入が始まる。ふとレーザープリンターなんかも、こんな感じに印刷されているのだろうか場違いなことを思ってしまった。どうやら俺の数値はすごかったらしいのだが、そんなこと言われても別に何と思わないのだが。だが神器を多量に持っている、能力も大量にあるなら一つの職業にとらわれない方がいいのではないかと思い冒険者になることにした。

 

「俺も終わったし、アクア行って来いよ」

 

「わかったわ」

 

アクアはアクアで神だからすごいスターテスになりそうだが、俺はカズマと話し始める

 

「お前は何にしたんだ?」

 

「冒険者だ。色々便利だしな」

 

「そう言えばさっきの楽器はお前の神器か?なんか二つも出したように見えるけど」

 

説明は面倒だが流石に説明しないのもどうかと思ったので、かなりかみ砕いたが説明カズマはわかってくれたようだ

 

「はー...お前も結構あくどいことするのな」

 

「確認しない方が悪いだろ」

 

そうこうしているうちにアクアも終わったようだが

 

「あたし一応女神よ?なのに知力平均とか、いや頭いいわけじゃないけど...それに幸運が最低レベルって、あたし一応あの子の先輩なのよ、なのに...なのに...」

 

なぜかショックを受けていた、周りが盛り上がっているのに本人は落ち込んでいる。シュールだなこれ

 

「なぁ俺チート選べばよかったって後悔し始めたんだが」

 

「大丈夫だ、いざとなったら俺が何とかする」

 

それが俺がカズマをたきつけた責任だろうし

 

-------------------------------

 

騒ぎも収まりアクアも復活したので、これからの方針を話しあうことになった

 

「これからどうするんだ?」

 

「予定みたいに金はどうにもできなかったからな...まぁリュウヤのおかげで今日の夜程度の金はどうにかなったからな、今日は解散で。明日からにしよう、俺は疲れた」

 

そう言って席を立つカズマ、俺とアクアは座ったままだ

 

「それでアクアはどうするんだ?」

 

「アンタは?」

 

「俺は色々試したいからな、職員に聞いて簡単なクエストでもやってくる」

 

「ふーん...」

 

アクアは迷っているようだが俺は席を立ってクエストを探すことにする、職員に聞いたら腕試しならジャイアントトードがいいのではないかと言われた。デカいカエルとのことでクエストに来てみたのだが...

 

「なんだこれ、ほんとにデカいんだけど」

 

普通車の二倍くらいの大きさだ、こんなの一人でとか普通ならムリゲーだろと思わなくもないが。まぁ俺は神器を持っているので普通に狩るが

 

「さてどうするかな」

 

神器と言っても幅広くある。さっきの楽器型の武器、銃火器、近接武器。とりあえず適当に試してみることにした、目についたページの銃にすることにした

 

「これ結構重いな」

 

マガジンを見てみると弾は込められてるので、安全装置を外し撃てる状態にした。.454カスール カスタムオートマチック、ジャッカルという名前の銃だ。もはやこれ人類に扱えるのかという疑問もあるが、狙いを定めて引き金を引く。おおよそ銃から聞こえる音というより、大砲を撃ったような音だったが何も言うまい。問題なく撃てた俺も俺だが。撃たれたカエルは爆発四散、これ明らかにオーバーキルだった。このカエル買取もあるので、やはり近接の方がいいようだ。適当な銃を選んだからなのだろうか、こんなことにまたなったら嫌なので。今度はこれに決めた、洞爺湖と彫ってある木刀だ。軽く靴の先をトントンとして状態を確かめる、あんまり靴でやりたくはないのだが。少し遠いが距離を詰めれば問題ないだろうとおもい、姿勢を低くして一気に距離を詰める

 

「は?」

 

俺は少し遠いと思ったが全然そんなことはなかった、少し後ろに行き過ぎたくらいだった。ようは縮地をしたわけだが、こっちに来て筋力が上がりすぎているようだ。まぁ気にせず後ろからカエルの頭を木刀で串刺しにする、てか木刀なのに頑丈だし。そんな感じで俺はカエルを狩っていった

 




というわけで一話目です、主人公かなり才能盛ってます。まぁいいよね!
今回の武器ですがチェロはメルブラのリーズバイフェ
ヴァイオリンは適当に
.454カスール カスタムオートマチック、ジャッカル ヘルシング
洞爺湖がほられた木刀 銀魂
となります、神器になるには疑問ですが完全に俺の趣味です!


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第二話 このパーティーで初めてのクエストを!

前回の投稿から結構空きましたが、投稿しようと思います。まぁホントはプラモ作ろうと思ってたのですが、フルブやってたらこんな時間に。そして関係ない話ですがVS発売日決まりましたね、どうなんでしょうね?一応俺は買うつもりですが。まぁそんなことをしてるなら書けと言われるでしょうが、俺は謝らない!!FAG作りが忙しいんだ!アニメも始まったしね。
さて関係ない話ばかりになりましたが、投下してない方は書いてたので暇になったら書くこの作品、書くことにしました。それでは本編どうぞ!


昨日は色々なチートを確かめるために一人でクエストに出たが、今日はカズマ達とクエストに出る約束になっている。そのため結構早い時間から来ているのだが、カズマ達が来ない。この世界連絡手段が口頭などしかないので不便だ、まぁ俺たちの世界が便利すぎたのだろうが。仕方ないので飲み物を飲みながら待っていると、ようやくカズマ達が来た。

 

「オッスカズマ」

 

「悪いな待っただろ?」

 

「まぁ...」

 

カズマが申し訳なさそうに謝ってくるがそこまでは気にしていない、その旨を伝えるとほっとしたようだった

 

「ごめんなさい、遅くなって」

 

「いんや?とりあえずクエスト受けようぜ」

 

そう言ってクエストボードの方に移動する

 

「どんなクエストがいいんだ?」

 

「昨日おすすめされたのはコレ」

 

そう言ってジャイアントトードのクエストを渡す。カズマは渡された依頼書を読んでいるようだ、俺はアクアに話しかける

 

「アクアもこれでいいか?」

 

「ジャイアントトードね、初心者におすすめなクエストって言われたんでしょ?ならそれでいいわよ」

 

アクアは賛成のようなので後はカズマだけだ、カズマは俺の方を向くと親指を立てる。どうやらいいようだ、依頼を受ける旨を職員に言い俺たちはクエストに向かう、わけにはいかず装備を整えることに

 

「よかったのか?買ってもらっちゃったけど」

 

「気にするなって、別に俺はそんなに金必要ないし」

 

チートカタログには防具もある、もしもの時はそれを着ればいい話だ

 

「・・・」

 

カズマはショートソードとダガーを、アクアは杖を。なのだがアクアは、さっきから杖をずっと見ている。感情は...読めない。気になったので聞いてみた

 

「なぁアクア、その杖気に入らないのか?」

 

「は?なんでよ」

 

「いやだってずっと見てたから」

 

気に入らないなら取り換えてもらえばいい話なのだが、よく分からない

 

「別に...」

 

そっぽを向くアクア。よくわからないが、大事そうに杖を抱えてるあたり満更でもないようだ。そんなわけでジャイアントトードを討伐しに来たのだが

 

「助けてくれー!!アクアー!リュウヤー!」

 

まぁ見事に追いかけられていた。ジャイアントトードは鉄製の装備を好まないらしいが、生憎カズマはそういうのを付けていない。それでカエルの前に出れば追いかけられるのは必須なわけで

 

「いや私無理よ?プリーストだし。支援魔法ならともかく、そいつ打撃系効きにくいらしいじゃない」

 

アクアが言うことはもっともなのだが、それでカズマを助けなくていい理由にはならない。なので俺はあの銃を使うことにした

 

「カズマー!しゃがめ!」

 

カズマがしゃがんだのを確認し、454カスール カスタムオートマチックとジャッカルの引き金を引く

 

「あ、忘れてた」

 

撃った後に気付いたのだが、これで撃つと買取ができないじゃないか。失敗したと思いつつカズマに声をかける

 

「カズマー、大丈夫かー?」

 

「大丈夫だけど、やばくないかその銃」

 

カエルの死骸を指しながら俺を見る、少し顔が青いが大丈夫だろう。

 

「試しに打ってみるか?」

 

「いいのか?」

 

「やめときなさい、悪いことは言わないから」

 

アクアが真顔で止めてくる、まぁ当たり前だろう

 

「え?なんでさ、この威力ならこんなカエルに手間取ることはないだろ?」

 

「反動でアンタが死ぬかもしれないけど、それでもいいなら試しなさい」

 

そうアクアが言うと速攻で俺の方を向くカズマ、俺は頷いておく

 

「・・・やめとく」

 

「それが賢明だろ」

 

ここでそれでもやると言ったら、引いていたが。そんな会話をしていると、454カスール カスタムオートマチックとジャッカルが消える。その光景にカズマは目を丸くしていた

 

「神器が、消えた?」

 

「ほら、制約」

 

「あー、五分経ったのか」

 

カズマは納得していたが、武器がないのは困るので次の武器を。今度は洞爺湖の木刀だ

 

「待てその木刀は」

 

真顔で止めてくるが

 

「ダイジョブだ、問題ない!」

 

笑顔で親指を立てておくが、カズマはお気に召さなかったようで

 

「ダイジョブじゃないだろ!?大問題だ!!」

 

「とりあえず制約があるから話はあとな」

 

丁度三体固まっているようだ。距離もちょうどいいので縮地で距離を一気に詰め、二匹を動けなくし一匹は脳天を突き刺す。あまり無駄な時間を消費したくないので、いったん消す

 

「おーい、とりあえず動きは封じたからとどめ刺してくれ」

 

「「・・・」」

 

二人ともポカーンとしているのだが、なにがそんな不思議なのだろうか?というより早くとどめ刺してほしいのだが、一応これでも生きてるし

 

「おーい!」

 

「「はっ!」」

 

仲良いなおたくら、気が付いてくれたようでいいのだが。それからアクアに適当な神器を貸し、俺たちはギルドに報告に向かった

 

-------------------------------

 

「アンタいったい何者なの?」

 

ギルドで夕食を取っていると、アクアにそんな質問をされた。カズマは疲れたということで、先に馬小屋で休むとのことだった。貧弱だねぇ...とそんなことはさて置き、アクアの質問に答える

 

「別に家が貧乏な普通の高校生でしたけど?」

 

「真面目に答えて」

 

真剣な表情だが、真面目も何も今のが答えなのだが。付け足すとすれば、昔金持ちだったが付くが

 

「てか俺の過去は知ってるだろ」

 

「大まかなところは、ね。でも普通の学生が縮地を使えるのはおかしいと思うんだけど」

 

「おかしいと言われても...鍛錬をかかさずやってたとしか言えないが」

 

実際昔護身術というか、武道に興味があった時期があったので習ってはいたが。別に特別なことはしてはいない

 

「それがあれってこと?」

 

アクアは信じられないような顔をしているが、実際そうなのだ。なのでそういう反応されても困る

 

「まぁそういうものってことで納得しておくわ...それで何してるのよ?」

 

俺は今あるものをいじっていた、これも神器というか能力というかそれに準ずるものなのだが

 

「スキルインストーラー」

 

「・・・」

 

今度は苦虫をかみつぶしたような顔をする、はてどうしたのだろうか?てか天界にいたころはすまし顔だったのに、こっちに来てからコロコロコロコロ表情が変わること。いい変化だけどな

 

「なんでそれがその中にあるのよ...」

 

「俺が知るかよ...」

 

多分だが予想はつく。まぁ多分これの原本をアクアは俺に渡したのだろう、うろ覚えだがカズマに渡していたカタログはもっと薄かったような気がするし。多分アクアもわかっているのだろう、頭を抱え始めた

 

「あー、これ久しぶりにポカこいたわね...というかなんで上もチェックしないのよ、これ戻ったら書類仕事かなりあるんじゃ?でもどうせ戻らないわけだし、でもそうなるとエリスに迷惑が...」

 

なんかブツブツ言っているが、こうなるとしばらくは戻ってこないので、放っておくことにする。というよりも俺も忙しいし、制約もあるから早く作業しないといけないし。今俺がやっているのは新しいスキル作りだ。と言っても、元々いた世界の技やスキルをそのままトレースしているだけだが。昨日は初級魔法の解析をしていたので、こいつの使い方は熟知している

 

「まぁ気にしても仕方ないわよね...」

 

「ようやく帰ってきたか」

 

今日は二つスキルを作って終了だ、あまりやると作っている途中で消えるし。作っていたのに消えたら作る気もなくなってしまう、なので引き際は肝心だ。ちょうどアクアも帰ってきたようだし、メンバーの方を相談しておく

 

「なぁアクア」

 

「なに?」

 

「メンバーについてなんだけどさ、火力が欲しい」

 

「火力?アンタのチートで十分じゃないの?」

 

確かに俺のチートで十分は十分だろうが、探したりするのに時間がかかる上、俺の素の魔力は平均値だ。ならば元々ウィーザードの人を入れた方が単純にいいと思う、なのでそこら辺をアクアに相談する

 

「確かにそうね...まぁ募集の方は任せて」

 

「じゃあ頼む」

 

アクアは張り切ってパーティーメンバー募集の紙を書いてるようだ、俺はそれを邪魔するのも悪いと思い、ギルドを後にした

 




なんか書くのに結構かかった、それでは解説の方を

スキルインストーラー 名前の通り、作ったスキルを冒険者カードに反映させるもの。他にも冒険者カードの習得可能欄、習得したもののスキルの仕組みを解析したりすることができる。
今回習得したスキル
スターライトブレイカー
ルシフェリオンブレイカー

というわけで完全趣味に走ってますが気にしないでください

感想などお待ちしてます


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第三話 この紅魔の少女にパーティーを!

感想の方でアクア様じゃないとか言われてますが...それが言われたかった(殴
とりあえず雰囲気このすばじゃないだろとか言われましたが、初期のほうなので許してください。それに仲間も集まっていないですしねー、早く書けと言われても書く気はない!暇だったら書く、ぐらいなもので。というわけで長い目で見てください、完結はするはず
というわけで彼女の登場回です!どうぞ

?「ふっふっふ...ようやく我の登場ですか。ここは盛大に

そういうのはないので

?「オイッ!」


「こないなー」

 

「こないなー」

 

「・・・来ないわね」

 

もう昼になるのだが俺たちはクエストに出ていない。何故クエストにも出ずにこんなことをしているかというかというと、昨日アクアに任したパーティーメンバー募集の件なのだが、人が来ない。なぜかというと

 

「上級職募集はやっぱり、無謀過ぎただろ」

 

「だって...だって...」

 

目尻に涙をためているアクアだが、少し考えればわかるだろ。アクア曰く、良かれと思ってやったということだが、ここがどこか忘れているのではないだろうか。ここは初心者の街アクセル、上級職などゴロゴロいるはずもなく、今に至るというわけだ。一応アクアの意見も尊重して昼までと、カズマを説得したのだが流石にこれ以上は待てない

 

「とりあえずクエスト行かないか?」

 

「じゃあ俺はパーティー募集の紙書き直してくるから、クエストの方頼む」

 

というわけでクエストを選ぼうと席を立とうとすると、後ろから声を掛けられる

 

「募集の張り紙見させてもらいました」

 

カズマと顔を見合わせる、あの文章で来たのか、俺たちは同じことを思ったらしい。アクアは顔を輝かしていた、まぁ来たのは嬉しいんでしょうけどね?とりあえず話を聞くことにする

 

「この邂逅は世界が選択せし運命、私はあなた方の様の者たちの出現を待ち望んでいた...我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法爆裂魔法を操りしもの」

 

「「えっと...」」

 

今度は別の意味で顔を見合わせる俺とカズマ。これはあれだ、見てて恥ずかしくなってくる。というよりパーティーメンバーとして一緒に歩くのは...ちょっと。アクアもアクアで、あ、やべみたいな顔してるし。そんな俺たちの心情を知らないのだろう、めぐみんと名乗った少女は自己紹介を続けていた。てかめぐみん?

 

「あまりの強大さゆえ世界に疎まれし我が禁断の力を汝も欲するか。ならば、我とともに究極の深淵を覗く覚悟をせよ人が深淵を覗くとき、深淵もまた人を覗いているのだ」

 

「カズマ、任せた」

 

「おい!」

 

そんなカズマの声を背中に聞きながら、俺はクエストを選ぶためにボードへ。とりあえず入る入らないにしても実力を見る、ということならカエルでいいだろうと思い、依頼書をもって席に戻る。どうやら冒険者カードを見せてもらっているようだ

 

「どうよ?」

 

「これ見てみろよ」

 

カズマに見せられたので目を通す。職業はアークウィザード、ウィザードつまり魔法使いの上級職だ。レベルは低いのは仕方ないだろう、初心者の街だし。次にスターテスは、お世辞にはいいと言えないが、魔力値はずば抜けていた。いたのはいいのだがスキルが一つ?気になっている間にカズマがカードをめぐみんい返す、確認し損ねた。まぁいいや、カズマの判断に従うだけだし

 

「そんで、どうすんの?」

 

-------------------------------

 

俺達は平原に来ていた。まぁクエストである、いつもの通りカエル五匹討伐だ。昨日も受けただろと言われるだろうが、この時期カエルは繫殖期らしくいくら討伐してもクエストは出てくるらしい。しかも今日は運のいいことに最低五匹、それ以上は一匹ごとに追加報酬が出るというおいしいクエストだ。本当に運がいい。それはともかく、仲間に入れる入れないは別にして実力が見たいらしい

 

「爆裂魔法は最強魔法、ゆえに準備に時間がかかります。なのでカエルの足止めを」

 

「わかった、アクア支援魔法を頼む」

 

「りょうかいよ!」

 

カズマが指示を飛ばしアクアが支援魔法をかける、活動は少ないがだんだんと息があってきてるな俺達

 

「んでどうする?」

 

「爆裂魔法の範囲が分らないからな、めぐみんは向こうの遠い方を、俺とリュウヤは近いほうのカエルを」

 

「了解、ところで爆裂魔法って何ぞ?」

 

めぐみんは詠唱を始めてしまったのでアクアに尋ねる

 

「それよりカズマの補佐、した方がいいんじゃないの?」

 

カズマの方を指さすアクア、確かに危なっかしい。まぁ少しくらい遅れても大丈夫なのだが、まぁいいや

 

「とりあえず後で説明よろしく」

 

縮地を利用し一気に近づく。昨日のように木刀でカエルの自由を奪い、とどめをカズマに任せる。それを二匹、一匹は自分でとどめを刺す。

 

「相変わらずお前の移動はチートだよな」

 

二匹目のとどめ刺しながらそんなことを言ってくる、失礼だろ

 

「スキルも一切使ってないから、純粋な体術だけどな」

 

「余計にチート...」

 

もう何も言うまい、俺たちはアクアの元に戻る

 

「お疲れ様」

 

「ありがと、それでどうよ?」

 

めぐみんを見ながらアクアに言うと、わかるでしょととでも言いたげにめぐみんを見る。まぁ確かに言われなくてもわかるけどね、こんなに魔力練り上げてるわけだし。遠くから見ててもわかるけど、近くに来るとすごい

 

「行きます!エクスプロージョン!!」

 

直後、轟音が鳴り響き、爆風が遅れてくる。その爆風に吹き飛ばされそうになるが、踏ん張る。爆風がやみ、爆心地を見てみると大きなクレーターができていた。明らかにオーバーキルだ、カエルなんて跡形もないし。感心していると、眠っていたのか地中から出てくるカエルたち

 

「爆音で目が覚めたのかな?」

 

「そういうことじゃないの?」

 

なぜかめぐみんをおぶさり離れるアクア、ちょっと待て

 

「なんでおぶさってんの?」

 

「我が奥義である爆裂魔法はその強力さ故、消費魔力も絶大。要約すると、限界を超える魔力を使ったので身動き一つとれません」

 

つまり一発屋だと、なんかメリットとデメリットがなぁ...まぁいいや、試したことできるし

 

「おいどうするんだ!?」

 

いきなり数が増えて焦っているカズマ

 

「まぁ冷静になれってカズマ、俺は試したいことあるから」

 

「なんでお前がそんなに冷静なのか聞きたい!というか試したいこと?」

 

カズマの問いには答えず、さっきのめぐみんが魔力を練り上げていたところを思い出す。まぁこればっかりはやってみないとわからないか。俺は右手を前に出す、詠唱はしなくてもいいのだが、あくまでも気分だ

 

「---集え明星 全てを焼き消す焔となれ」

 

上手くできるか心配だったが、杞憂だったようだ 。しかも嬉しい誤算が。もともとこの魔法は、大気中の漂っている魔力を少しずつ集めて、それを撃ちだす魔法なのだが、どうやらさっきめぐみんが使った爆裂魔法に使われた魔力まで集めているようだ、ほんと嬉しい誤算だ。てか思ったより大きくなりすぎた。なので

 

「---ルシフェリオン・ブレイカーー!!」

 

思いっきり飛んで、収縮していた魔力の塊を思いっきり殴りつける。本当ならファイアーボールなどをぶつけるのが効果的なんだろうが、生憎攻撃魔法などは持っていない、なのでティンダーを先にやりそれで殴りつけた。結果はというと

 

「わお...」

 

「「やりすぎだ(よ)ーーー!!」」

 

仲良いねおたくら、俺もやりすぎだと思ったけどさ

 

-------------------------------

 

結局あの後あの轟音で目覚めたのだろう、結構な数のカエルが出てきたのだが、すべて刀で処理した、いやー刀身消えてる刀とか、便利だね。神器の欄には虎徹とか書いてあったけど。もちろん半数は俺が狩ったが、残り半数は、アクアとカズマで処理した。まぁ動きは封じてたけどね

 

「とりあえずめぐみんは爆裂魔法は緊急時以外禁止な、これからは他の魔法で頑張ってくれ。リュウヤはルシフェリオンブレイカー禁止」

 

「使えません」「威力見るためにやっただけだから、使うつもりはもともとない。まぁもしもの時の切り札みたいな感じか?」

 

「それならいいが...てかめぐみんは今なんて言った?」

 

カズマは疑わしそうに見ているが、本当に使うつもりはない

 

「だから使えないと言ったのです。私は爆裂魔法しか使えません、他には一切魔法は使えません」

 

これにはカズマも固まった。俺はやはりという感想しかないが、アクアはアクアで驚いていたが、すぐに持ち直したのか

 

「え?ちょっと待って、爆裂魔法が使えるレベルならほかの魔法だって使えるでしょう?私なんて宴会芸スキル習得してからアークプリーストの全スキル習得したし」

 

「「宴会芸スキルって何に使うんだ...?」」

 

俺とカズマは声をそろえて問いかけたが、アクアは無視。確か宴会芸スキルって、芸達者になるスキルだったはずだが。まぁいいや、アークプリーストの全スキル習得してるらしいし

 

「私は爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード、爆発系統の魔法が好きなんじゃないんです!爆裂魔法だけが好きなんです!もちろん他の魔法も覚えれば楽に冒険ができるでしょう、でもダメなんです!!私は爆裂魔法しか愛せない!!だって私は爆裂魔法を使うためだけにアークウィザードになったんですから!!」

 

そんな熱く言われても困るのだが。扱いに困るのでカズマを見るのだが、カズマも困っているようだ。アクアは

 

「素晴らしい、素晴らしいわ!非効率ながらもロマンを追い求めるその姿に私は感動したわ!」

 

そういうの好きそうだもんなこいつ、まぁいいやカズマに任せよう

 

「そっかー!たぶん茨の道だけど頑張れよー、ギルドについたら報酬は山分けでまたどこかで会おう!」

 

引き離しにかかったが、いっそ清々しい。でも無理だろ、アクアは乗り気だし。それに魔王討伐を視野に入れるなら、めぐみんの火力は必須ではないだろうか?デメリットに関しては、そういう魔力を補充するアイテムもあるだろうし。そんな風に考えをまとめていると、何故かカズマとアクアたちが言い争っていた。てか注目を集めてるんだが、なので急いで仲裁に入る

 

「落ち着けお前ら」

 

「そうだリュウヤ、お前はどうなんだ!こいつを入れるのは反対だろ?」

 

「そんなことないわよねリュウヤ!彼女はいい人材だと思うの、あんたならわかるでしょ!」

 

「お願いです!もうどこのパーティーも拾ってくれないんです、お願いします!」

 

いやまったくわからん、てか話を聞け

 

「落ち着け、話を聞け。俺はいいと思うぞ入れても」

 

「はぁ!?」

 

「さっすがリュウヤ!話が分かるわね!!」

 

「ふっふっふ...我が力が必要なわけですね!いいでしょういいでしょう!!」

 

カズマは否定的だが、俺が理由を話すと何とも言えない表情になった。それともう一つの理由も

 

「それになカズマ、周りを見ろ」

 

「?」

 

不思議そうな顔をしていたが、周りを見たのだろうだんだん顔が青くなる。その様子を不思議そうに見るアクアとめぐみん、だがめぐみんは鋭いようでわかったのだろう、ニヤニヤしていた。とりあえずカズマに一言

 

「諦めろカズマ」

 

「・・・コレカラヨロシクメグミン」

 

「はいよろしくお願いします」

 

こうしてめぐみんはパーティーに加入した、カズマの苦労は加速する

 

-------------------------------

 

「ところで結局、爆裂魔法ってなんなんだ?」

 

「あー、そう言えば説明してなかったわね」

 

そう言って爆裂魔法の解説を始めるアクア、要約すると最上級の攻撃魔法らしい

 

「ほーん、まぁ今日はいいデータが取れた」

 

「何それ」

 

俺はスキルインストーラーをアクアに渡す。スキルインストーラーは魔法の解析もできる、なので爆裂魔法を解析していたのだが...なんと無属性であることが分かった。俺のルシフェリオンブレイカーは火属性、スターライトブレイカーは神聖属性なのだが、無属性はなかなかないスキルなのでぜひとも解析したいと思っていたのだ。

 

「へー、これって威力計測もできるのね」

 

弄っていたと思ったら、そんなことをしていたらしい。どうでもいいのだが見た目はスマホなので、食事中ということもあり行儀が悪い。俺がやるときは、電子モニターみたいな感じがするが。満足したのか返してくれる、すぐに消す俺、あんまり時間は使いたく無しいな。

 

「さて食い終わったし、浴場行って寝るわ」

 

「私もそうするー、んじゃおやすみ」

 

アクアはまだ食べ終わっていなかったので、そこで別れる。ちなみにカズマ達は先に入ったので、多分そろそろ来るだろう

 




とりあえず投下。本当はカエル倒して帰りは、別でやる予定だったけどいっか。そんなわけで三話目!これで雰囲気は、このすばらしくなってきたのではないでしょうか?
話は変わりますが、短編集の方は期待しないでください。こっちが終わったら投下の機会も増えるでしょうけど、それまではよっぽど書きたくなきゃ書かないので。しかもジャンルは特にないですし
そんなわけで三話目でした、次回はあのキャラたちが登場




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第四話 この女神たちの真実を 前編

フルブやる気なくしてやめて、このすば見てたらエリス様でてきたんで、やる気になりました。なので書きます、本編どうぞ!
エリス様カワイイ...

?「この前書きなんなのさ...」

順当な評価ですが

?「こんなのが筆者で大丈夫なのか?」

大丈夫だ、問題ない

? ?「「問題しかない...」」


「今日はアイツ遅いな...」

 

俺はヴァイオリンを弾きながら、ギルドの入り口を見る。どうやらカズマは寝ているようで、アクアが置いてきたそうだ。そのアクアは、俺の隣で宴会芸を披露しているわけだが。めぐみんは少し離れたところで、ご飯を食べていた

 

「まぁ来るまでこうしてればいいでしょ?花鳥風月~」

 

「まぁそうね」

 

演奏が終わると丁度良くヴァイオリンが消える、仕方ないので違う楽器を出し弾き始める。それを何回か繰り返すと、ようやくギルドの入り口にカズマの姿が

 

「それではありがとうございました」

 

頭を下げその場を離れる、アクアは相変わらず宴会芸をしていた

 

「ようカズマ、遅かったな」

 

「あいつは何やってるんだ...」

 

アクアの方を見て疲れた顔をするカズマ

 

「宴会芸」

 

「・・・」

 

「リュウヤも演奏してたじゃないですか」

 

「暇つぶしにな」

 

カズマから非難の視線が飛んでくるが、お前が早く来ないからだからな?言わないが

 

「探したぞ」

 

後ろから声がしてそちらを見る。銀髪の美少女と金髪の女性がいた、はて誰だろうか。めぐみんを見ると不思議そうな顔をしていたので、カズマのようだが、何故か冷や汗をかいていた。どういうこっちゃ?

 

「昨日は飲み過ぎたと言って、早々に帰ってしまったが」

 

「お、お構いなく!」

 

どうやら俺には関係ない話なんで、もう一人の方の銀髪の美少女に声をかける

 

「おーい、そっちの人何か飲む?」

 

「ん?アタシのこと」

 

自分のことを指さす銀髪の美少女、君意外誰がいるんだよと言いたくなったが、頷いておく

 

「気が利くねぇ...それじゃあシュワシュワお願いしまーす」

 

店員に注文し俺の隣に座る銀髪の美少女、頬に刀傷があるがやっぱり美少女だ。性格もさばさばしているようだし、好感が持てる

 

「ん?どうしたのアタシの顔見て?もしかして...惚れた?」

 

笑いながら聞いてくる、ここで乗るももいいが知り合ったばかりだ、無難に返しておく

 

「不快にさせたなら謝るけど、綺麗だなって思ってな」

 

「あ、そ、そう?///」

 

あーどうやら褒められなれてないようだ、選択ミスった。状況を打破してくれる存在、つまりはカズマのことなのだが、そっちを見てみるとぐいぐい来られてカズマは困っていた

 

「おいあれ」

 

「あ」

 

銀髪の美少女の肩を叩きカズマの方を指さす、どうやら忘れていたようだ。だがカズマのおかげで窮地は脱したようだ、サンキューカズマ

 

-------------------------------

 

「どうしてこうなった...」

 

事はさっきのカズマが、ぐいぐい来られていたところまでさかのぼる。あの後ダクネス、金髪の女性のことだが、昨日の夜にパーティーに加入したいと言っていたそうで、そのことについて今日も来たらしいがもちろんカズマは拒否。まぁ俺もその時の反応で察したのだが、ともかく話し合いの場を持つことになった。もちろん話し合いは平行線だ、とりあえずどこから聞いたのかは知らないが、カズマが便利なスキルを覚えたがっていることを知っていたクリスは、息抜きにスキルでもどうということになりギルドの裏に来て、スキルを教えて貰っていたわけなのだが

 

「だーっはっはっはっは!!」

 

「いやーーーーー!!///」

 

さっきの状況に戻る、声だけ聴いたらやばい現場だよな、一瞬フリーズした思考だが、そんな軽口を思えるくらいには回復したらしい。とりあえず

 

「・・・」

 

縮地を使うまでもなく、一瞬でカズマの背後を取り首に手刀。気を失わせてパンツを回収し、クリスに返す

 

「えーっとその...うちの馬鹿が済まん...」

 

「ありがとう...グスッ...///」

 

不覚にも泣き顔がかわいいと思ってしまったが、気まずい。とりあえずこんな状態でも興奮している、ドMに話しかける。嫌なんだけど

 

「ダクネス、カズマよろしく」

 

そう言って俺はその場を立ち去り、ギルドに戻る

 

「あれ?アンタだけ」

 

「あーカズマは後からくる」

 

俺を確認するとよって来るアクア、俺は言葉を濁して伝えておく。てかそもそも、馬鹿正直に言う必要はないわけだし。言ったとして俺が変態扱いされるのはごめんだ

 

「あれ?カズマが見ず知らずの人に背負われてるんだけど、どういうこと?」

 

「さぁ?」

 

思いっきりそっぽを向く俺。ばれるのは時間の問題だが、俺の口からは言いたくない

 

「すみません、うちのカズマがなにか...エリス?」

 

アクアが信じられないものを見たような声が気になったので、そちらを向くとアクアが驚いた顔でクリスを見ていた。てかエリスって誰よ?確かアクアの後輩の女神だったか?俺がそんなことを思っている間に、クリスに近づくアクア

 

「アンタエリス?いやでもあまりにも神気が...でもこの神気」

 

クリスの目の前に行きブツブツ言いだすアクア、クリスはこちらに助けを求めるように見ている。アクアの様子がおかしいのも気になるが、流石にクリスを助けないわけにもいかないので声をかける

 

「おいアクアどうしたんだ?」

 

「・・・何でもないわ。信じてたのに、エリスは私と同じだって。信じてたのに...違うわけね」

 

つい最近はしなくなったすまし顔で入り口に向かうアクア、なんか目元に光るものが見えた気がしたが、それに何よりあいつがつぶやいた言葉が酷く気になった。目の前のクリスもなぜか申し訳なさそうな顔をしていた

 

「どうしたんだアイツ...」

 

流石に今はそっとしておいた方がいいだろうと判断しおわなかったが、俺はそう呟くだけで精一杯だ。いくつか予想はつく、だがそれは俺の予想であって真実じゃない、アクアに聞いたところで口を割るとは思えないし。それは目の前のクリスも同様だ、それに俺は部外者だ、ずかずか他人のプライベートに踏み込むのも悪いしな

 

「緊急クエスト、緊急クエスト!冒険者各員は武装し門の正面へ!繰り返します...」

 

「このタイミングでか...」

 

アクアのことは心配だが、俺は門の正面に向かった

 

-------------------------------

 

いやまぁ異世界に常識は通じないと思っていたけど、これはまた...

 

「なんじゃこりゃー!!」

 

カズマの気持ちはわかる、わかるのだが、キャベツが空を飛ぶとはねぇ...ちなみに他の野菜も意志を持ったりするそうだ。なんだよ異世界、意味わからん。しかも一玉一万エリスとか

 

「とりあえずカズマ後は任せる、俺はアクアの分まで稼がないとな」

 

「まぁダクネスの方は見とく、いやだけど...それにしてもどうしたんだアクアの奴」

 

俺はその場を後にする。さっき言った通り、アクアの分も稼がねばならないのだ。のだが意外にこのキャベツ素早い、しかも自分から体当たりしてくるあたり本当にたちが悪い。しかも人が吹き飛ばされるレベルのだ。網でもあればと思うが

 

「ん?」

 

そう言えばカタログの中にいいのがあったような...そうして俺が探しているいる間に、めぐみんが爆裂魔法を放ったようだ。爆風などに巻き込まれたものも多数いるようで、次々に引き上げていく。だが第二陣も来ている、そんなところでようやく見つけた

 

「あったあった、無限の剣製と魔力値無限」

 

能力を発動しネットをイメージする、なるべく頑丈なネットを、それもあのキャベツの突進にも破けないような。多量に魔力を込め、撃ちだす。見事イメージ通りに大きく広がり、多くのキャベツを回収することに成功する、それを二、三回繰り返し、第二陣すべてのキャベツの回収をし終わる。いやー儲かった、儲かった。いったん能力を切る、第三陣も来ているようだが数は少ないらしい。俺はそれを聞いて切り上げて、さっきから突っ立っているクリスのところに向かう

 

「収穫はいいのか?」

 

「あー...そんな気分じゃなくて」

 

苦笑しながら頬を掻くクリス、なんだかなー...カズマからお前はアクアに甘いと言われたが、やはりそうなのだろう

 

「こういうのはガラじゃないんだが...」

 

「?」

 

「いや、こっちの話だ。とりあえず飯でもどうよ?」

 

俺は返事も聞かずにギルドに向かう、どうやらついてきているようだよかったよかった

 




そういうわけでクリスとダクネスの登場です。ちょっと駆け足気味な感じがしましたけど、気のせいです(真顔
今回は眠いので特に書くことないです、解説が欲しい人は感想まで
使ったチート
前回の虎徹 ブラックキャット

無限の剣製 言わずと知れたfate

魔力値無限


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第五話 この女神たちの真実を 中編

投稿したのはいいけど前回の話、タイトル後でつけようと思ってて忘れてた...眠気って怖いねッ☆
そんなわけで前回の続きのお話、ここで原作微改変とか生きてくるわけですが、ぶっちゃけ予想ついている人たちはついてるはず。まぁおきにせず~
それでは本編どうぞ!

?「えっと...見直しとかしなかったんですか?」

すみませんでした!(土下座

追記:誤字の方修正しました、報告の方ありがとうございました


「それで、話してもらえるか?」

 

「えーっと、何を?」

 

クリスに声をかけた後、俺はカズマに声をかけ少し野暮用があるというと、カズマはまたかという感じで許可を出してくれた。カズマとしてもあの状況のアクアを放っては置けないだろう。なので今カズマたちは別の場所で打ち上げをやっている

 

「あのアクアの様子から察するに、クリスは女神エリス様と関係があるんだろう?」

 

「・・・」

 

だんまりだ。まぁクリスとしても話せない事情はあるんだろうが、こっちもこのままでは困るのだ、なので口を割ってもらう

 

「お前が喋りずらいのもわかる、でもこっちもアクアがあの調子だと困るんだ」

 

「・・・」

 

「この通りだ頼む」

 

テーブルに頭をこすりつけてクリスに頼む、てかなんでここまで俺はやってるのだろうか?自分でも不思議だが、どれくらいの時間頭を下げていたかわからないが、クリスがため息をついた

 

「はぁ...これじゃあ私が悪者みたいじゃん。取り合えず頭を上げて」

 

「・・・」

 

言われた通り頭をあげると、困り顔をしているクリス

 

「とりあえずここじゃあ場所が悪いから、移動しよっか」

 

「はいよ」

 

クリスと俺が食べた分の代金を支払い、ギルドを後にする。その際支払いで揉めたが、もともと俺が無理を言ってるからと、無理やり支払った。それからギルドからはだいぶ離れたのだが、今だ俺たちは歩いていた

 

「なぁ、どこまで行くんだ?」

 

「特に決めてないよ?もともと人の気配がないとこまで行くつもりだから」

 

ということらしい、まぁ話しをしてくれるならいいので、黙ってついて行く。ようやく止まったと思ったら、なんかの屋敷の前だったのだが人の気配はない

 

「ここでいいかな。それで何が聞きたいの?」

 

「クリスの正体」

 

「アタシの正体?それにはまだ早いかなぁ」

 

なんて笑って言ってるが、冗談や遊びに今は付き合っている気にはなれない

 

「茶化さないでくれ」

 

「そうだね、ごめん。今のはアタシが悪かったね」

 

そうやって謝るクリス。でも、申し訳なさそうな表情から一変して、真剣な目で俺を見てくる

 

「でも話すことはないよ。アタシは君のことを信用してないもの」

 

「まぁそれもそうだわな」

 

思わずため息をつく、あって間もない人間に自分の秘密を語れ、そんなこと言われてはいそうですかと語るやつがいたら、ぜひとも見てみたかった。だがここで引き下がるわけにもいかない

 

「でも、それで俺が引き下がれるわけもないだろ?」

 

「まぁ短い時間だけど、君という人物を見てそうじゃないかとは思ってた」

 

苦笑するクリス、まぁそうだろうな

 

「だから聞くけど君はアクアさんの何?どうしてそこまでするの?」

 

「・・・」

 

俺は言葉に詰まる。何と聞かれればパーティーメンバーと言えるが、なぜそこまでするのかと言われれば、自分でもわからない。わからないが

 

「パーティーメンバーがあんな顔していたんだ、何とかしてやりたいと思うのが仲間だろ?」

 

それも本心だ、もやもやはしているが

 

「・・・まぁいいや、後は任せよ」

 

答えに納得したのかわからないが、小さく呟き目を閉じるクリス。次の瞬間何か言いようのない力がクリスからあふれる、わからないが危険は感じなかった

 

「・・・貴方を試すような真似をしてすみません。ですが事がことなので、試さしてもらいました」

 

目を開けるとさっきのさばさばした感じから、違う雰囲気になるクリス。いやちがうな

 

「貴方がエリス様ということでよろしいですか?」

 

「はい。私は幸運を司る女神、エリスです」

 

どうやらそういうことらしい、詳しい仕組みとかわからないけどね

 

「とりあえずクリスがどうなったとか、そういう話は置いておいて。単刀直入に言います、アクアとあってもらえませんか?なんか直接本人じゃないとややこしくなりそうで」

 

「すみませんがそれはできません」

 

「はい?」

 

思わず聞き返す、この状況で何を言ってるんだろうか

 

「状況はクリスのおかげでわかっていますが、この今の状況が天界規定に違反してるんです」

 

「天界規定?」

 

なんじゃそりゃ、初めて聞いたが。天界の法律みたいなものだろうか

 

「天界の法律みたいなものです。ですので心苦しいんですが、後はクリスに任せますのでお願いします、アクア先輩をよろしくお願いしますね」

 

そう言って神聖な空気が引っ込んでしまう、えらく勝手だなおい。いや、都合つけてもらったこっちが言うのもおかしな話だけど

 

「えーっと、そういうことらしいけど...」

 

クリスは苦笑いしていた、まぁそれはそうだろうけど

 

「一応エリス様が言いたいことはわかってるけど...どうする?」

 

「その前に質問」

 

「なにさ?」

 

「クリスとエリス様ってどういう関係?別に熱心なエリス教徒、ってわけでもないだろクリスは」

 

「まぁ否定はしないよ?うーん...」

 

ただの興味から聞いたことだったのだが、言いにくいのかそれとも話しちゃいけないのか、クリスは言わない

 

「別に言いたくなかったら無理して言わなくてもいいぞ?」

 

「あぁ、そう言うわけじゃないんだけど...まぁ一から話せばいっか」

 

そう言って語り始めるクリス。もともとクリスは転生したそうだ、と言っても俺達みたいな日本からというわけではなく、この世界出身の転生者だが。もともと前世のクリスは体が弱く、小さいころに死んでしまったらしい、それを当時新米女神だったエリス様がかわいそうに思い、天界規定を破り記憶を持ったまま転生させたそうだ。まぁ今のクリスは見ての通り元気だが。そしてとある仕事をエリス様から任されているらしい、ここら辺は聞いても教えてくれなかったが、まぁ再三言ってる通り知り合ったばかりだ、そこまで喋る必要はないしな。それでアクアが感じた神気は、たぶん今回のようにクリスの身にエリス様の力を一時的に預けた状態の時の名残ではないかということだ。ちなみにこれはクリスとエリス様の力の性質が、似ているから出来るらしい

 

「ほーん、でも話してよかったのかそんなこと?」

 

「君にエリス様のこと、勘違いしてほしくなかったからね」

 

「勘違いねぇ...」

 

別に冷たい人(女神?)などとは思ってない、ただ言いたいことがあるなら自分で言えばいいのに、と思っただけだ

 

「とりあえずついたな」

 

ここは俺たちが寝ている馬小屋だ、なぜこんなところに来たかというと

 

「おいアクア、話がある」

 

「私にはないわ」

 

とアクアに話に来たのだが、本当に面倒。さっきからこんな感じで、話し合いにつこうとすらしない

 

「エリス様から伝言預かってきてんだけど」

 

「興味ないわ」

 

流石にイライラしてきた、後輩が後輩なら先輩も先輩だ。いろんな意味で似ている、流石に我慢の限界だ、なので

 

「クリスちょっとごめんな」

 

「ん?どうしたの?」

 

クリスの手を握り精神を集中させる、クリスが何か言っているが気にしない。俺はカタログを取り出し、とある能力を発動させる

 

「召喚の門、魔力値無限」

 

召喚の門、モンスターなどを召喚するための門だが、気になる一文があった。条件さえ満たせば神も召喚できると。なのでクリスの中のエリス様の神気を頼りに、大量の魔力を込める。何かがつながった感覚がした。そして俺はこうも思ったわけだ、召喚ができるなら俺たちが門を通って、その場に行くことが可能なんじゃないかと。まぁ賭けみたいなものだが、どうやら行けそうだ、なので

 

「天界規定とか、そんなもの知るか。クソくらえだ。とりあえずお前らは面と向かって話せ、このアホども」

 

さらに門に魔力を込める、すると門は眩い光を放つ。どうにでもなーれ

 

-------------------------------

 

目を開けると真っ暗な空間、すぐに俺は召喚の門と魔力値無限を切る。どうやら賭けは成功したらしい、懐かしい感覚、ということはだ、あたりを見回すと驚いた顔をしてこちらを見る女性

 

「どうもエリス様お届け物です」

 




こんなに長くなるとは思わんかった...ということで後編に続く
今回使ったチート

召喚の門 特に細かい設定は考えてないよ?説明としては、モンスターや悪魔を召喚するための能力、門を起点に魔力で呼び出す。条件がそろえば神も召喚できる、その分魔力も消費する。


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第六話 この女神たちの真実を 後編

まさかここまで伸びるとは...
本当は前回の話で終わると思ってたんですが、大体このお話は3000~5000字を目指していますので、残り約2000で終わるかと言われ微妙な気もしたので、伸ばしました。まぁアクアとエリス様の会話も入るしいっか
それでは本編どうぞ!

ア「適当すぎるんじゃないかしら」

返す言葉もございません...


「どうもエリス様、お届け物です」

 

俺がそう言うとエリス様は正気に戻ったのか、席を立つ

 

「お届け物ってどうやって...」

 

「まぁ俺のチートを組み合わせれば、できないこともないんじゃないですかね?実際出来たわけですし?」

 

まぁ賭けみたいなとこもあったけどね、結果よければすべて良しということで

 

「んで、いつまでそこでふて寝しているつもりだアクア」

 

「・・・」

 

俺の言葉に無視を貫くアクア、エリス様を見てみると目をそらした

 

「ナニコレどういうこと?」

 

「いやアタシも知らないよ...」

 

当事者同士は目を合わそうともしないし、アクアに至っては無視している。いっそのこと置いて行ってやろうか、ともおもったがよくよく考えたら門を通って来たのはいいけど、今能力切ったしあっちに門なくね?

 

「あの、アクア先輩...」

 

俺が青い顔をしているとエリス様が勇気をもって話掛けたが

 

「・・・」

 

相変わらず無視していた、これじゃあ話し合いなりもしねえな

 

「はぁ...」

 

「いやため息つかないでよ、こうした張本人でしょ?」

 

ジト目で見られるが、ここまでこじれてると思ってなかったし、でも何もしないのもおかしいので、手助けすることに。てかほんと俺らしくない

 

「おいアクア、エリス様話しかけてるぞ」

 

「・・・」

 

「アクア?アクアさーん?おーいアクアー、アクアさーん、おーい聞こえてます?アクアさんてばー、ねー

 

「あぁもう!うるさいわね!!聞こえてるわよ!!」

 

怒鳴りつけてくるアクア、ようやくこっちを向いたな、これで第一段階はクリアだ。もしこれでも反応しなかったら、少しずつ近づいて呼びかけるを繰り返すところだった

 

「聞こえてるんなら返事しろよ、エリス様話しかけてるだろ」

 

「無視してたのよ、わかるでしょそんくらい!それにエリスが話し?私にはないわよ!!」

 

ふむこんなに怒るとは予想外だ、そんなにエリス様のことが気に入らないのだろうか?ちらりとエリス様を見ると、少し怖がっていた。まぁ当然だわな

 

「無視してたのは知ってるよ、それを承知で声かけてるし」

 

「アンタねぇ!!」

 

胸ぐらをつかんでくるアクア、それをやめさせようと動こうとするクリスを、握っていた手を軽く握ることでやめさせる。まぁ俺が挑発したのもいけないしね

 

「殴りたきゃ殴れ、別に構わん。でもお前エリス様に話すことがないとか、嘘ついてんじゃねえよ」

 

「はぁ?何言ってんのアンタ、私は話すことなんか

 

「だったらなんでギルド出ていくときに泣いてたんだよ、信じてたのに、違うわけねって言ってたんだよ」

 

俺がそう言うと力が弱まっていく、俺は開いてる方の手で掴んでいたアクアの手を離させる

 

「お前がどういう意味で言ったのかは知らん、理由を聞こうとは思わんし、無理に聞こうとも思わん。でも言いたいことがあるならはっきり言えよ!目の前に本人がいるんだから」

 

そう言ってエリス様を指さす、さされた瞬間びくりと体を震わせたエリス様だが、聞く姿勢は崩していなかった

 

「あのアクア先輩、ごめんなさい!」

 

「「はい?」」

 

なんでエリス様が謝るのだろうか?俺とクリスは首をかしげるが、成り行きに任せることにした。というかめんどくさい

 

「・・・なんでアンタが謝るのよエリス」

 

「えっとその、アクア先輩はずっとエリートとして頑張ってたのに、私はたまに下界で冒険してたりしたので、あの...」

 

「えーっと...それはエリス様のせいじゃなくて、私のせいのような」

 

頬の傷に触れるクリス、感情は読み取れないがたぶんクリスの言う通りなのだろう

 

「いえ、クリスのせいではありません。もとはと言えば私が無茶なお願いを...」

 

「いやいやいや...」

 

似てるのって力の性質の話だよな?なんか二人とも根っこの性格は同じじゃない?まぁいいや、脱線してるし修正しないと

 

「あのー、話脱線してますよ?」

 

「「は!」」

 

なんか帰れなくてよかった気がする、いろんな意味で

 

「ともかく!そういうことなので、すみません!」

 

無理やりまとめに入ったな、勢いよく頭を下げるエリス様。たいしてアクアはさっきの話で毒気を抜かれたのか、困惑していた

 

「えーっと、とりあえず頭を上げてエリス。それでクリスのせいってのはどういうことなの?」

 

「それは...」

 

ちらりと俺を見るエリス様、まぁ俺みたいな部外者がいる中で話したくないんだろうが、俺

 

「帰れないのでとりあえず帰れるんだったら、すぐにでも退散しますけど」

 

「すみません...こうして話し合いの場を作っていただいたのに」

 

申し訳なさそうにするエリス様、いや元はと言えば、俺が無理やりここに来たのがいけないんですけどね。指パッチンしようとするエリス様を止めたのは、アクアだった

 

「・・・悪いんだけどコイツは残しておいて、また私が怒ったりしたらエリスやクリスじゃ止められないでしょ?」

 

そう言われて顔を見合わせる二人、止められそうなものだけど、二人は納得したようで頷いていた

 

「それではえっと...」

 

「そいつの名前はカミキリュウヤよ」

 

「それではカミキさん」

 

「あーすみません、苗字はあまり...リュウヤでいいですよ」

 

「ではリュウヤさん、これからの話は他の人に漏らさないように」

 

そう言ってウインクしてくるエリス様、そもそもここにいること自体漏らせないような、まぁ良いや深く考えるのをやめる。エリス様の話によるとクリスに頼んだ仕事、その内容は神器の回収や情報を集めることだった。その際昔にしくったことがあり、それ以来回収の際はエリス様の力をクリスに貸しているらしいが

 

「クリスはその時大丈夫だったの?」

 

「何とか...怪我もしましたけど」

 

そう言って頬の傷に触れる、多分エリス様の力で直せるのにもかかわらず、直していないのは自分への戒めだろう。まぁ俺の勝手な推測だけどね

 

「事情は分かったは...そういうことだったのね、それなのに私は...」

 

そう言って自己嫌悪なのか落ち込むアクア

 

「い、いえ!アクア先輩の言い分ももっともだと思います、冒険している時楽しくなかったと言えばウソじゃなかったわけですし...」

 

そう言って申し訳なさそうに落ち込むエリス様、ほんと似た者同士だなおい。そんな空気を払拭するために、俺は手を鳴らして注目を集める

 

「はいはい、今更過ぎたこと気にしても仕方ないだろ?てなわけでお互い謝れ、それでこの件は終わりにしろ」

 

「でも...」

 

「ですが...」

 

「ええぃ、うっとおしい!うじうじうじうじしててどうにかなるのか!?わかったらとっとと謝る!」

 

「「は、はい!ごめんなさい!!」」

 

「それでよろしい」

 

ホントこの二人見ててイライラする、ほんと今回はガラじゃないことした。そんな俺たちの様子を見てくすくす笑うクリス、笑い事じゃないんだが。なんだかムカついたので睨むと、エリス様のもとに行くクリス

 

「でもよかったねエリス、アクアさんと仲直り出来て」

 

「そう...ですね」

 

苦笑しているエリス様、これ以上何かまたいうようだったら睨むところだっだたがな

 

「アンタもありがとね、一応礼を言っとくわ」

 

そっぽを向きながら礼を言ってくるアクア、それが礼を言う人の態度なんですかねぇ...馬鹿馬鹿しくなったので、ツッコミは入れないが

 

「まぁなにわともあれ一件落着ってことで」

 

そう締めるが、気になったのでエリス様に聞いてみることにした

 

「それにしてもアクアが先輩なんですか?」

 

「はい、女神になりたての頃、右も左もわからない私に色々丁寧に教えてくれました」

 

そのころを思い出しているのだろう、嬉しそうに語るエリス様だが、その顔に影が落ちる

 

「でもアクア先輩より上の先輩方からは、評価はよくなかったみたいです」

 

「なんでですか?」

 

今のエリス様の話を聞く限りだと良い先輩のようだが

 

「アクア先輩は、いえ私もなんですけど、もともと人間から神になったもので...」

 

「ちょっとエリス、それ禁則事項」

 

「あ」

 

この先輩にして後輩ありと、まぁ予想はついてたけど

 

「まぁそう言うわけよ、私もエリスももともと日本生まれなの。まぁ神に決まったのはその時の気まぐれだけどね」

 

そういうアクアは小さく、あのジジイいつかぶっ飛ばすなんて言ってるあたり、本当に適当に決まったんだろう

 

「まぁそう言うわけだから、改めてよろしくねリュウヤ!」

 

「あいよ」

 

握手を求められたので、握り返すと嬉しそうに握手するアクア。まぁよかったんじゃないですかね

 

「それでは現世に」

 

パチンと指パッチンするエリス様、いいのかと思いアクアを見ると少し残念そうだがいいらしい

 

「リュウヤさん!」

 

「はい」

 

エリス様に呼ばれてそちらを見る

 

「アクア先輩のことよろしくお願いします!」

 

「何言ってるんですか」

 

その言葉に苦笑するしかない、エリス様は不思議そうにしているが

 

「これからはいつでもってわけじゃないですけど、頻繁に合わせに来ますよ。それに一人じゃ暇でしょう?」

 

「あっ...」

 

そう今回の俺のチートがあればいつでも会えるのだ、それにエリス様も気が付いたのだろう、苦笑していた

 

「・・・もう、仕事は増やさないでくださいね」

 

否定しないあたり満更でもないようだ、そんないい雰囲気を壊すように

 

「ちょっとエリスどういう意味よ!別にリュウヤによろしくされる筋合いないんですけど!」

 

「まぁまぁアクアさん」

 

と少し怒り気味のアクアをクリスが押さえていた

 

「そんじゃ、また来ます!」

 

 

 




そんなわけで第六話でした!いやーまさかここまで引っ張ることになるとは(目逸らし
まぁそんなわけでこれからアクアの雰囲気はアニメの方に近づくでしょう、多分。とりあえずアニメとWeb原作ごっちゃなのでそこらへんはあしからず


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第七話 このリッチーに救いの手を!

本当は日曜に投稿するつもりだったんだ、すまない...すまない...すまないぃぃぃぃぃ!!

ク「なんで某スマホゲーの、すまないさんみたいな謝り方なのさ...」

謝罪っていったらこれじゃない?

ア「色々間違ってるから」

そうなのか...本当にすまない

エ「えっと...このままでは収集つかなさそうなので、本編どうぞ!」


前回のキャベツの収穫から、はや数日が立った。まぁその間起きたことと言えば、ダクネスが正式に加入し、冬牛夏草の討伐に行ったことだろうか。それとクリスも神器の回収がないときは、うちのパーティーにいることが多くなった。本人曰く

 

「ここにいると飽きないからね」

 

とのこと。人をダシにして面白がるのはやめてほしいのだが。そんなこんなで、いつものようにギルドに行くと、カズマがクエストボードの前で頭を悩ませていた

 

「オッスカズマ、どうした朝から」

 

「ん?リュウヤかおはようさん。いや、なんかいいクエストないかなと思ってさ」

 

カズマの言葉に、俺もクエストボードを見る。確かにぱっとみいいクエストはない、まぁしいてあげるならジャイアントトードだろうか。だが余りやりすぎると、またギルドから警告が来るので無理だろう。というか俺みたいな、高スターテスの冒険者が受けるレベルではないのは確かだ

 

「少し無茶してランクの高いクエスト行くか?俺がいれば問題ないし」

 

「まぁお前に頼り切りってのもな...」

 

「まぁお前がそれでいいならいいけど...でもダクネス加入したし、少しくらい無茶しても大丈夫なような気がするけどな」

 

「お前はこの前の冬牛夏草のクエストを忘れたのか...」

 

ジト目で見られるが。まぁ確かにダクネスが敵に突っ込んでいくのは、いただけないな。クリスというストッパーがいるなら、まぁ良いかもしれないが

 

「でもいいクエストないぞ?てかレベル上げるならマトを縛った方がいいじゃないか?」

 

「うちのパーティーでレベルが低いのは...アクアか」

 

俺は個人で試したいこともあり、クエストを受けることもある。ダクネスとクリスはもともとパーティーを組んでいたこともあり、レベルは普通だ。めぐみんは...まぁ爆裂魔法でいくらでも上がるだろ。アクアだが...基本アークプリースト、プリースト系の職業は、後衛で回復や支援などが仕事なのでレベルアップの機会は少ない。少ないが、アンデットなどはその限りではない。アンデットなどは回復魔法が逆に作用する

 

「これなんてちょうどいいじゃないか」

 

「ゾンビメーカーの討伐か...」

 

俺は一枚の依頼書をカズマに見せる。詳しい説明は省くがゾンビメーカーは、アンデットを操ることができる。なのでアクアにはうってつけだ

 

「よしこれにしよう」

 

「リュウヤ、なんかいいクエストあった?」

 

丁度良くアクアたちも来たようだ、今日はクリスも来たようでこのパーティーも少し大所帯だ

 

「ほいこれ」

 

後ろから声をかけてきたので、後ろから見えるように見せてやる

 

「何々?ゾンビメーカー討伐?いいと思うけど、これ私以外うまみないと思うんだけど?」

 

肩口から俺のことを覗き込んでくるのだが、それは俺じゃなくてカズマに言え、それと近い

 

「「「ほほぅ...」」」

 

なんか外野三名がうざったい視線が飛んできている、俺は視線を飛ばしていないクリスを見るが、笑ってるばかりで助けてくれない。えぇい、どいつもこいつも!

 

「そこでにやけて見てる三人は、後で俺の新魔法の実験台な。今回はカズマの発案でアクアのレベル上げなんだ!」

 

「「すみませんでした!!」」

 

「どんとこい!」

 

約一名は無視だ無視、クリスはクリスで後が怖いので、一応は保留。

 

「なるほどね...そういうことなら任せなさい!」

 

ドンッと自分の胸を叩いてむせるアクア、なんというか本当に締まらない

 

-------------------------------  

 

「おい、肉焼けたぞ」

 

「もらい!」

 

「あ、ちょっと!それ私が狙ってた肉なんですけど!」

 

「こちらのお肉も食べごろですよね?」

 

「もういいぞ」

 

「ふむ...やはり奮発していい肉を買っただけあるな」

 

「むふふ~...おいしい...」

 

喧嘩をするもの、その間にちゃっかり肉を食べるもの、肉の質に満足するもの、マイペースに食べるもの様々だ。俺は終始肉焼きに徹しているが。ちなみにこの肉、俺のポケットマネーだ。個人で受けた依頼は基本孤児院とかに寄付してはいるが、まぁギルドの方で一部は取っておけということなので貯金している。なのでそこから今回の肉代は出した

 

「リュウヤ~!」

 

なぜかアクアが泣きついてきた、てか肉焼いてて危ないのだが。大方カズマに何か言われたのだろう

 

「ほれ、これ食べ頃だから食え」

 

適当に何枚か肉を皿にやると、それだけで機嫌を直すアクア

 

「ん~!おいしい!」

 

「ちょっろ」

 

「お前が言うのかよ...」

 

「あぁっ」

 

「なんでもないですすいません」

 

ドスを効かせてカズマを睨むと謝って急いで視線を外した、全くそんなんなら初めから言うなよ

 

「もぐもぐ」

 

クリスェ...

 

-------------------------------

 

「ねえリュウヤ、私今回の依頼ゾンビメーカーなんてちゃちなもんじゃなくて、もっと大物来そうな予感がするんだけど」

 

真面目な顔で俺にそんなことを言うアクア、フラグになったらまずくない。とも思うのだが

 

「おい馬鹿やめろ!」

 

「シッ!来たみたいだよ」

 

カズマとアクアが言い争いをしそうなタイミングで来たようだ、クリスナイス!指さされた方を見ると、フード付きのローブを羽織った人影が。てか魔法陣が起動してるんだが

 

「なぁゾンビメーカーの取り巻きって、多くても三体くらいじゃなかったか?」

 

「ルナさんの説明だとそうなってたけど」

 

「反応五体くらいいるよ?」

 

カズマを見ると頭を抱えていた、というよりも

 

「ちょっと、リュウヤ放しなさい!」

 

「待て待て待て、何お前は一人で突っ込もうとしてるんだ」

 

「もういいわ!ターンアンデット!!」

 

「「おいー!!」」

 

思わず潜んでいることも忘れてツッコんでしまう。アンデットとはいえいきなりやるとか、しかも人がいるの、に?

 

「ひえええぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「待ってください!あの人浄化魔法が効いてますよ!?」

 

「ということはアンデットなのか?」

 

「そうじゃないよ」

 

クリスの雰囲気が変わる、この感じどうやらエリス様が力を貸しているらしい。うん、あのアンデット死んだな

 

「アンデット?そんな生易しいもんじゃないわ!リッチーよリッチー!!」

 

「リッチー!?」

 

カズマはそれを聞いて驚く、リッチー、確かアンデットの上位種だったか。一応アクアを押さえながら、カタログを出す

 

「だから放しなさい!」

 

「うん、私も放してくれないかなリュウヤ」

 

片やキレながら、片や笑顔で俺に放すように言ってくる。まぁ離す気はないのだが。こんな時間に、リッチーが人目を気にして出てきたのだ、それに墓地の浄化と来た。確実に何かあるので

 

「カズマ」

 

「・・・すごく厄介ごと頼まれそうだけどなんだ」

 

「その予想あってる」

 

「ですよねー」

 

言いたいことを理解してリッチーの方に行ってくれるカズマ、俺はその間にアクアとクリス(プラスエリス様)を説得する

 

「とりあえず待て、こんな時間にリッチーがいるのはおかしくないかもしれないが、なんで浄化してるんだよ」

 

「そんなの知らないわ、リュウヤもアクシズ教の信者なんだからこれだけは知っておきなさい。魔王倒すべし、悪魔しばくべし」

 

「いやそもそもアクシズ教徒じゃないし、なぁクリスから何か言ってやってくれよ!」

 

「ん?アタシもアクアさんの意見に賛成だよ?エリスも賛成だからこそ、私に力かしてくれてるわけだし」

 

いい笑顔だ!それが今じゃなければよかったんだけどなぁ!

 

「「というわけで放しなさい(放して)」」

 

もうどーにでもなーれ!って放置したいがそう言うわけにもいかない、カズマの方が話し終わったのか来たようだ

 

「カズマ!」

 

「はいはいカズマですよ?結論俺たちは浄化しない方がいいと思う」

 

「ほれ!」

 

「そんなことは関係ないわ!」

 

「リッチーだし大丈夫だよ」

 

「あー!もう!!ほんとうにめんどくせぇぇぇぇぇぇ!!」

 

この後俺の説得の甲斐あって、リッチー、改めウィズは浄化されずに済んだ。その代わり俺はアクアのパシリに、クリスも同じようなものに。エリス様は天界に行って、説教や俺がやっていいのかわからない書類仕事を手伝う羽目になった




というわけでウィズ編、所々端折った感じになりましたが仕方ないよね!
実際仕事が忙しくてかけなかったんだ...家に帰ってきてもすぐ寝たし、とういうリアルの話はどうでもいい!
今回はアクアらしくなったんじゃないでしょうか、評価や感想などお待ちしてます


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第八話 このパーティーで臨時の冒険を!

ゴロゴロしながら艦これやりーの、アニメ視ーの、小説を書く。これぞ休日の醍醐味...
まぁダメな方のですが、よい子は真似しないように。まぁ疲れて出かける気しないだけなんですが

ア「ダメな大人の言い訳...」

まぁぐーたらですから

エ、ク「「あはは...本編どうぞ!」」

追記:誤字の方修正しました、報告の方ありがとうございました


「まったくよぉ、上級職のパーティーでおんぶにだっこで、それでゾンビメーカー討伐失敗ぃ?それでクエストのレベル落とすぅ?どうなのよそれぇ?」

 

遅れてギルドに入るとなぜか、カズマが煽られていた。どういう状況だこれ

 

「お?もう一人の冒険者様じゃねえか、どうせお前らが足引っ張ったから失敗したんだろぅ?」

 

肩を組んでくるチンピラ、酒臭いところを見るからに、相当飲んでいるようだ。度々見かけるやつなので同じパーティーメンバーを探す、見ると少し離れたところで見ているようだ。指をさし回収するように見るが、伝わってないのかわからないが回収する気はないらしい。耳元で何か言っているが無視、というかうるさいんだが、酒臭いし。俺の反応がなくてつまらなかったのだろう、またカズマを煽りに行ったようだ

 

「まったくよぉ、お前ら上級職におんぶにだっこで楽しやがって。苦労を知らなずによろしいこって!おい、俺と代わってくれよ兄ちゃんよ?」

 

あー、その言葉はカズマには禁句だろ。このパーティーアク強すぎて、カズマが苦労してないなんて絶対ないのだから。まぁ他の人から見たら、そうなのかねぇ

 

「大喜びで代わってやんよぉぉぉぉぉ!!!」

 

カズマの声でギルド内は静まり返る、まぁ当たり前ですよね

 

「え?」

 

チンピラは間抜けな声を出して、固まっていた。そりゃそうだ、代わってくれるなんて誰も思うまい

 

「代わってやるよって言ったんだ!おいお前、さっきから黙って聞いてりゃ舐めたことばっかり抜かしやがって!」

 

「え?え?」

 

詰め寄るカズマ、事態が理解できないチンピラ。俺に実害はなさそうなので、静観する

 

「大体お前その後なんつった!」

 

「そ、その後?その、いい女連れてハーレム気取りかって」

 

「いい女!ハーレム!!ハーレムってか?おいお前、顔にくっついてるのは目玉じゃなくてビー玉かなんかなの?どこにいい女がいるんだよ、教えてくれよ!いいビー玉つけてんな、俺の濁った目と取り換えてくれ!!」

 

いい女...まぁ性格や普段の言動などを知らなければ、レベルは高いと思う。ちなみに今日はクリスは居ないので、この言葉はアクア、めぐみん、ダクネスに言われている。当の本人たちは面白い顔をしているが

 

「まぁドンマイ」

 

一応言葉をかけておく

 

「大体なぁ!大体なぁ!!上級職におんぶにだっこだと!人の苦労も知らないでぇぇぇぇぇ!!」

 

掴みかからんばかりの勢いで突撃しそうなので、後ろから羽交い絞めにしておく。最早チンピラはひいていたが

 

「まぁ交換するってんならしてもいいんじゃないか?カズマもこの様子だし」「放せリュウヤ!俺はもっと言わないと気が済まない!!」

 

「あ、あぁ今日のクエストはコボルト退治だからな」

 

「おいお前らそれでいいな!!」

 

「あのぅ...私たちの意見は?」

 

代表してアクアは聞くがカズマは無視、俺は俺で

 

「まぁ多分交換すれば気が済むから一日だけ」

 

ということで手を打ってもらう

 

-------------------------------

 

「俺はテイラー、このパーティーのリーダーをやっているクルセイダーだ、よろしく頼む」

 

「私はリーン、ウィザードだよ。よろしく!」

 

「俺はキース、アーチャーだ。よろしくな二人とも」

 

あのチンピラはダストというらしい、さっきこの三人から聞いた。俺たちは今、クエスト場所に向かいながら、自己紹介をしていた。まぁお互いの名前とか知らないと不便だしな、そんなわけで次は俺たちの番だ

 

「俺はカミキリュウヤ。冒険者だ」

 

「俺はサトウカズマ。冒険者で、一応前のパーティーではリーダーやってた」

 

カズマの言葉に驚いたようだが、すぐに気を取り直し荷物を持たしてくる三人。今回俺たちは、荷物持ちだけでいいらしいので楽だ

 

「あっちが心配か?」

 

「まぁな。いつもはカズマが手綱握ってたから機能してたけど、たぶんボロボロになって帰ってきそうな気がする」

 

「あいつらにはいい薬だろ」

 

俺が少しおかしいのに気が付いたのか、声をかけてくるカズマ。カズマもそうはいっているが、心配なんだろう微妙な表情をしていた。

 

「ん?」

 

「お前もか?」

 

一応俺はソロでやることもあるので、敵感知を覚えている、カズマは言わずもがであるが。その敵感知に反応があった、どうやらカズマの方ものようで顔を見合わせる。とりあえず先頭を歩いてる三人に声をかける

 

「ちょっと待ってくれ、敵感知に反応があったんだ」

 

「お前ら敵感知なんて持ってたのか?」

 

「近くだから隠れよう」

 

カズマの潜伏で俺たちは身を隠す、目の前を黒い猫?虎のようなモンスターが通り過ぎた。リーンはそのモンスターを見ると、青い顔で震え始めた

 

「そんなに恐ろしいモンスターなのか?」

 

「初心者殺しだ、聞いたことぐらいあるだろ?」

 

「あぁ...あれがね」

 

初心者殺し、主にゴブリンやコボルトなどの、弱いモンスターの近くに生息して、それを討伐する初心者冒険者たちを狩るとこから、その名が付いたモンスターだったか

 

「ならこの先にコボルトとかがいるのは、間違いなさそうだな」

 

「そうなのか?」

 

「まぁ初心者殺しの習性的にだけど。それよりも戻ってきたら厄介だし、さっさとコボルト討伐して帰った方がよくないか?」

 

「そ、そうだな」

 

テイラーの号令で森の奥に行く俺達、また敵感知に引っかかったわけだが

 

「どうだ?」

 

「・・・少なく見積もって十五以上?」

 

「こっちも大体そんなもんだな」

 

少し距離が離れているので確証は出来ないが、カズマも同じくらいだったらしい

 

「どうするんだ?」

 

「いつもより数多いよね?」

 

「敵の数が分ってるんなら楽勝だろ!」

 

「おいキース!」

 

アーチャーなのに先行するキース、それを追いかけ続くテイラー。残った俺たちは顔を見合わせる

 

「ど、どうする?」

 

「追いかけるしかないだろ...」

 

「リュウヤはあれの準備一応頼むな」

 

たぶんチートのことなので頷いておく、仕方なく追いかけていくと

 

「おいこんなにいるじゃないか!」

 

「流石にこの数は...」

 

キースが大きい声を出したせいで、見つかったらしく、矢がかなりの数飛んできていた。見ると大体二十弱だろうか、流石に矢をどうにかしないと攻撃すらままならない

 

「リュウヤ!」

 

「あいよ!」

 

俺はカタログから虎徹を出し、魔力を込める。この刃の長さは、込めた魔力に比例して長くなったり、太くなったりする。横凪に一閃、飛んできていた矢を切り落とす

 

「リーン魔法で何とかできないのか?」

 

「えっと、少し待って!」

 

カズマがそう言うと、リーンが詠唱を始める。どうやら奥にもいたようで、コボルトの数が増えていた、その数大体二十強。なので俺は数を減らすため、虎徹をしまい、454カスール カスタムオートマチックと、ジャッカルを出しコボルトを狙い撃つ

 

「ウインドカーテン!」

 

どうやら詠唱が終わったらしく、魔法が発動したようだ。そのおかげで矢が俺たちに届く前に、落ちる

 

「すまない助かった」

 

「まさかここまで多いとはな」

 

俺は銃をしまう。あまり悠長なことはしていられないが、作戦会議をするようだ

 

「どうする?リュウヤのおかげで、あと十七、八くらいになったが」

 

「リュウヤお前の魔法で何とかならないか?」

 

「火属性だぞあれ、森自体が燃える」

 

「だよなぁ...となるとキースとリーンは、遠距離から狙い撃ち、テイラーとリュウヤで、接近して切るってところか?」

 

「なら半分くらいお前の初級魔法コンボで、動き封じた方がいいと思うぞ」

 

「だな」

 

なんて俺達が作戦を決めていると、何故か三人は驚いた顔で見ていた

 

「えっと?」

 

「いや、本当にリーダだったんだと思ってな」

 

「まぁその話は後にしようぜ、それでいいか」

 

「「「ああ(うん!)」」」

 

-------------------------------

 

臨時とはいえ連携したわけだが、驚くほどうまくいき俺たちはコボルト退治を終えた。リーンやキースは興奮していたが、テイラーは難しい顔をしていた。カズマは二人から褒められて嬉しそうだ、俺は敵感知を使っているのだが反応が、すごいスピードでこっちに何かが向かってくる

 

「おい!何か向かってきてるぞ!」

 

「は?」

 

「え?」

 

「おい、初心者殺しだぞ!!」

 

何故か俺たちの後ろから初心者殺しが、迫ってきていた

 

「走れ!」

 

俺がそう言うが突然のことで、リーンとキースは固まっていた

 

「チィッ!!」

 

動けない二人を放っておくことも出来ず、俺は木刀を出して応戦する

 

「おい、リュウヤ!やめろ!!」

 

「ならその二人どうにかしてくれ!!」

 

テイラーが制止するが、それなら二人をどうにかしてほしかった。だが

 

「おい、リーン、キース行くぞ!」

 

「ごめん、足動かない...」

 

流石に絶望的だった。リーンを抱えて走ってもいいが、確実に追いつかれる、なら

 

「ここで倒す」

 

初心者殺しに蹴りを入れ、強引に距離を作り、俺はある構えをする

 

「おいリュウヤ、それって...」

 

カズマはどうやらわかったようだ、まぁ勝負は一瞬だ。俺は足に力を籠め、縮地をし、近くに木に初心者殺しを縫い付けた

 

「縮地からの牙突とか...お前もう人間じゃないだろ」

 

「お前も大概失礼だよな」

 

引き抜くと、地面に落ちる初心者殺し。眉間を貫いただけあって、絶命しているようだ

 

-------------------------------

 

あの後、妙に俺に低姿勢になった三人だが、街に帰ってくる頃には、普通に戻っていた。それどころかお礼を言われたぐらいだ。そしてアクアたちはというと、散々だったようでアクアは俺に泣きついてきた。そして夜になって合流したクリスは

 

「えーっと...どういう状況?」

 

俺が聞きたい

 




3000字オーバーまぁ良いんですけど、まぁ明日は投稿できたらします。なんせ午前中は仕事なんでね...
あぁ~FAG欲しいんじゃあ~


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第九話 この主人公の日常を

なんか暇なので投稿

ア「暇ってアンタ...」

だってFAG作る気にも、ガンプラ作る気にもならないし、ゲームやろうにも対人じゃないと楽しくないし

ク「なんか理由付けしてるだけで、要はやる気ないだけだよね」

そうともいう

エ「え、ええと...本編どうぞ!」




前回のパーティー交換以来数日が立っているのだが、アクアのトラウマが抜けきらないらしく、いまだにクエストに行こうとすると俺に泣きついてくる。泣くのはわかるんだが、俺に泣きついてくるのは何なのだろうか?まぁそんなわけで、俺はクエストに来ていた。クエスト名はジャイアントトードを討伐せよ。まぁいつもの通り、新魔法の実験だ。今日はゲストも来ているわけだが

 

「トード狩りをよく受けてるのは知ってたけど、何するのさ?」

 

クリスである。いつものようにクエストを受けていたら、クリスとギルドでばったり会ったのだ。まぁお互い暇なので、一緒にクエストに行くことに。まぁ臨時とはいえ、クリスもパーティーメンバーなので、パーティー自体が活動自粛しているわけだし、暇なのも頷ける

 

「新魔法の試し」

 

サンダーランス、今回開発した魔法の名前だ。まぁまんま雷属性の魔法で、普通撃ちだす魔法を、槍状に固定したものだ。どうやってやったって?そんなもんスキルインストーラーだ。まぁ便利だよね、チートだし。前からこういう魔法を作りたかったのだが、初級魔法に雷属性がなかったので、断念していたのだが、先日リーンに教えて貰ったのだ。いいことはするものだね

 

「おー、雷属性を槍状に固定してるんだね。でもそれどうするの?」

 

「このまま接近戦もできるし、投げても使える。こんな風に、な!」

 

そのまま雷槍を投げると、カエルに刺さり放電。カエルの丸焼きの出来上がりだ

 

「・・・威力あげすぎたな」

 

「上げ過ぎたどころか、オーバーキルだよあれ」

 

一応スキルインストーラーで威力計測を行い、それをもとに、レベルアップとかスキルレベル上昇による威力上昇を計算して、作ったのだが上げ過ぎたらしい。細かい調整とかするのは面倒なので、このままにしよう

 

「さて次の実験だ」

 

「今度は何するのさ?」

 

「まぁ見てろって」

 

カタログから魔力無限を選択し、スキルを発動する

 

「サンダーランス...適当に十本くらいでいいか。『同時詠唱』」

 

通常魔法を発動するのに詠唱は必要ないらしい、めぐみんがしてたから、てっきり必要なのだと思っていたが。まぁ通常魔法は一回唱えるごとに一回しか発動しないのだが、新しく開発した同時詠唱のおかげでその枷はない。まぁそのせいでべらぼうに魔力食うわけだが、まぁ無属性の魔法自体魔力消費量は多いのだが。そんなわけで雷槍が十本俺の周りに浮いていた

 

「おー!すごいけどチートくさい!」

 

「まぁ実際チートだしな、行け」

 

射出のしたように勢いよく飛び、数匹いたカエルに刺さっていた。しかも丸焦げ、これ調理の手間省けるんじゃね?

 

「それで次は何を見せてくれるのかな!」

 

なんか目を輝かせて近づいてくるクリス、子供かおまえは、なんて言いたくなったが次の魔法を見せる

 

「術式解放、サンダーランス、『結合』」

 

元々発動していた遅延魔法を開放し、二本のサンダーランスを結合、つまり魔法と魔法を組み合わせて、威力を更にあげる。今回はサンダーランスだが、別属性もできるので、かなり便利だ。まぁさっきも言った通り、これらも無属性なので魔力をかなり食う。しかも遅延魔法に至っては、遅延さしてる分の魔力は払い続けている。とてもじゃないが、俺の素の今の魔力では運用できない

 

「いくらチートの力借りてるとはいえ、ここまで開発できるものなの?」

 

「そんなこと俺に言われてもな」

 

そっちの方面なら、クリスやエリス様の方が詳しいだろうに

 

「とりあえず...どっせい!」

 

強化された雷槍を一匹のカエルに向かって、投擲する。刺さったまでは、さっきまでと同じだったのだが、今回は威力が強すぎたのか、今までは丁度いい焼け具合だったが、今回は完全に黒焦げだった

 

「「わーお...」」

 

俺とクリスは威力に驚いていた。というか呆れていた、いや開発しておいてなんだけど、ここまで威力上がるとは。まぁそんなことはさて置き、討伐予定数は達成したので帰ることにする。なんかいつもよりモンスターの数が少ない気がするが、とりあえずギルドに寄り報酬をもらう

 

-------------------------------

 

報酬をもらい昼の時間だったので、適当に腹ごしらえを済ました後、俺たちは街をぶらぶらしていた

 

「よかったの?報酬、孤児院に寄付なんてして」

 

「まぁ必要以上の金は持たない主義だからな」

 

クリスが覗き込むように聞いてくる。実際昔のこともあり、俺自身はそうしてきた。まぁ必要な人に行くのはいいんじゃないだろうか

 

「ふーん...そっか。それでこれからどこ行くの?」

 

「特に決めてない。まぁ天気もいいし、アクセルぶらぶらするのもいいかもな。クリスはどうする?」

 

「うーん、特に予定もないし、アタシもリュウヤと一緒に散歩しようかな」

 

そう言って、さっきよりも近づいてくるクリス、俺は特に気にすることもなく、アクセルの街を歩き続ける

 

「それにしてもさっきの魔法、リュウヤが開発したんだよね?」

 

「ん?そうだけど」

 

「なんか私にも開発してよ」

 

いきなりそんなことを言い始めた。いやまぁ、開発することはいくらでも出来るが、どういうのが好みなのかわからんのだが

 

「なんでさ?」

 

「だってカズマに開発してるでしょ?」

 

「あぁ...」

 

縮地のことか。毎度毎度俺が縮地をするたびに、カズマから微妙な視線をもらうのだ。そんなわけで、カズマは司令塔だが、緊急離脱用にそういうスキルを持っておいた方が、いいだろうと判断して作ってるのだが、実はもうほとんど完成しているので、後はカズマに教えるだけなのだ。ちなみにめぐみんには、爆裂魔法の威力上昇版を作っている。爆裂魔法教わったお礼だ。ダクネスは...まぁそういうのは必要ないだろうし、作ってはいない

 

「そういうわけで、何とかならないかな?」

 

「ならないわけじゃないが...希望は?」

 

「盗みに入るときに便利なスキル!」

 

「・・・」

 

思わずジト目で見る、まぁクリスの頼まれていることを考えれば、そういうだろうが、まさか本当に言うとは...

 

「な、なにさその顔」

 

目をそらすクリス。まぁクリスがそういうなら、開発するのはやぶさかじゃないが

 

「でもお前回収の時力借りてるんだろ?」

 

「まぁそうなんだけど、それでもやっぱり限界があってね?」

 

まぁ同一人物というわけでもないし、しかも下手に力を貸せば、今までお咎めなしだったが、何かしらの罰則が入るかもしれない。そう考えれば納得ものか

 

「まぁわかった、なに腕っぷし強くなればいいの?」

 

「なんで戦う前提なのさ!?もちろん華麗に退却するためだよ!?」

 

「あー、はいはい」

 

それならいくらでもやりようはありそうだ、どうせならテレポートとか、そういう移動系がいいのだが。でもこの世界のテレポートって、かなり制限が多いらしい。どちらにしろテレポートは教えて貰ってないので、無理だ

 

「なんかおざなりじゃないかな?」

 

少し頬を膨らましながら詰め寄ってくる

 

「んなことないって」

 

とりあえずこれ以上近寄ってこないよう、牽制の意味を込めて頭に手を置く

 

「なんか子ども扱いしてない?」

 

「嫌ならどかせばいいだろ?」

 

なんとなく撫で始めたのだが、クリスはどかす気配はない。ひとしきり撫でた後、俺はまた散歩を再開する。先を歩いてるためクリスの姿は見えないが、足音からしてついてきているようだ

 

「クリス」

 

「ん?なに?」

 

「とりあえずスキルは作っておく、いつ完成するかわからないけど」

 

「ん」

 

短く返事をするクリス

 

「あとさ」

 

「ん?」

 

「もっとさ、俺やアクア...はやめとくか。でも俺には回収の方、仕事振ってもいいからな」

 




今回使用したスキル

サンダーランス

作中で説明した通り、雷属性の槍。ライトニングをもとに、主人公が開発した。威力の研究を行った結果、中堅のウィザードが、ライトニングを使うくらいの威力になった。

同時詠唱

高位のウィザードなら、同時に複数の魔法を使うのは訳ないが、低位だとそうもいかない。というわけで開発したスキル。同時詠唱に上限はなくいくらでも展開できる。本人は上限を付けるのを忘れた様子

遅延魔法

魔法を遅延させる効果を持つ。この効果は自分の魔法にだけ有効なので、相手の魔法は出来ない。遅延魔法をしてから、普通の魔法を唱えると、魔法自体を遅延しているため、相手にもばれない。だが遅延している間、その分の魔力は消費する。遅延解除自体は任意でいつでもできる

結合 

魔法と魔法を合体できる。威力増加、複数属性付与となんでもござれ

今回のスキルはこんなところでしょうか、アニメ版にするか原作Web版にするか迷いましたが、アニメとのミックスにすることにしました、基本はアニメかなぁ...まぁ見切り発車なので迷走するかと思いますけど、温かい目で見守ってください。
それと評価、感想などありがとうございます、励みになっていますので、これからもよろしくお願いします

エリス様カワイイ


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第十話 この哀れな中年騎士に制裁を 前編

ついに始まりましたねGW。ようやく休みが来てほっとしてます、プラモ作らねば(使命感

エ「えっと、頑張ってくださいね」

エリス様マジ女神!

ク「あはは...エリス真っ赤になっちゃった」

クリスさんマジ可愛い!

ア「何バカやってんのよ...ということはこの話、ちゃんと進むのよね?」

それはまた別の話、アクアさんは泣き顔可愛いと思うんですよ、TV版

ア「なんですって!」

それではどうぞ!


「はよー」

 

「おっすリュウヤ」

 

カズマと挨拶を交わし、注文をして席に座る。ギルドに集まって、その日の予定を決める、この頃はいっつもこんな感じだ

 

「おはよー」

 

「おはよう」

 

クリスとダクネスも来たようで、これでパーティーメンバーは全員そろった。アクアとめぐみんはカズマと先に来ていたようで、もう食べ終わったようだ

 

「ほんで?今日はどうする?」

 

「まぁ余裕があるわけじゃないし、クエストだクエスト」

 

「さっきクエスト見てきたけど、ろくなクエストなかったわよ?」

 

どうやら先行してアクアとめぐみんで、クエストを見てきてくれたようだった。てか俺が入ってきたとき、アクアは宴会芸をやってたのだが、いつみていたのやら

 

「本当かよ?リュウヤ」

 

「俺飯食ってるからパス」

 

「ちょっと待ってください、私とアクアで見たと言ったじゃないですか!」

 

「お前らは信用ならん」

 

きっぱりと言い、カズマは一人で見に行った

 

「ちょっと待ってください!それはどういう意味ですかカズマ!」

 

めぐみんは元気よく追いかけたようだ、うむ、朝から元気良いなぁ

 

「本当に失礼よねアイツ」

 

「今までのお前たちの行い」

 

「なんですって!?」

 

「まぁまぁ」

 

俺が小声で言ったのが聞こえたようで、掴みかかってこようとしたが、クリスがなだめていた。俺は最後の一口を食べながら、カズマの方をうかがう。何やら受付嬢のルナさんと話していた。あ、こっちに来た

 

「どした?」

 

「なんでも近くに魔王軍幹部が来てるらしくてな、弱いモンスターは隠れたらしい」

 

「ほーん、それで今日はどうするよ?難しいクエストしかないんだろ」

 

「まぁキャベツ狩りの報酬も残ってるし、今日は解散!」

 

とのことで暇になってしまった。さてどうつぶそうか、なんてことを考えながら席を立つ

 

「それで今日はどうするのさ?」

 

当たり前のようについてくるクリス、まぁ別にいいのだが

 

「まだ決めてない、んでアクアはどうすんだ?」

 

首だけをアクアに向け、いまだに座っているアクアに聞く

 

「・・・私的には、何かクエスト受けたいんだけど」

 

一応俺とクリス、アクアは等分に分けたが、アクアは毎回酒などを頼み、他の人より食事代はかかっていることは知っていた。なのでアクアに声をかけると、案の定そんな答えが返ってきた

 

「んじゃ受けるか」

 

いつの間にかいなくなっていた、ダクネスは放っておいて、俺、アクア、クリスでクエストを受けることにした

 

「難易度高いのばっかだな」

 

「正直言ってリュウヤの場合、このくらいのクエストどうにでもなると思うんだけど」

 

「正直言ってチート使って楽して稼ぐとか、あんまり好きじゃない」

 

「まぁリュウヤってそういう性格だよね」

 

クリスはそれを聞いて苦笑していた、アクアは納得いかないような顔をしていたが、ともかく適当に選びクエストを受けることにした

 

「これでいいか」

 

「何々?一撃熊の複数討伐?・・・危険じゃない?」

 

「実際戦うのは俺だけで十分だし、クリスは索敵、アクアはバフ掛けだけでいいと思うけど」

 

「なんかそれだけで報酬貰うのずるい気がする」

 

「本人が良いって言ってるんだから、いいと思うけど」

 

二人の意見は黙殺し、クエストを受けるため窓口に

 

-------------------------------

 

「いたね」

 

「アクア頼む」

 

「わかってるわよ」

 

アクアに各種バフをかけてもらい、力がいきわたるのを確認してから、いつもの木刀を出す

 

「とりあえずクリス、あれ一匹しかいないよな」

 

「うん、周りに反応はないかな」

 

「んじゃ行くわ」

 

距離は結構離れてはいるが、縮地で一瞬で近づき、ゼロ距離で牙突、文字通り一撃で仕留める

 

「いっちょ上がり」

 

「「うわー」」

 

なんか近づいてきた二人は呆れていた

 

「ホントさリュウヤって存在そのものがチートだよね」

 

「なんかみんな俺に失礼じゃない?」

 

「いやこんなん見たら、誰でも言うわよ?」

 

俺が仕留めた一撃熊を指し、相変わらず呆れているアクア。そんなこと言われても、日本にいたとき、鍛錬を積んだ成果なのだが

 

「さて、いつまでも飽きれている場合じゃないみたい」

 

「あー殺気感じるわ」

 

「クリス数は何体?」

 

「三か...四かな?これ仕留めれば、クエスト完了かな」

 

「依頼書通りならな、てなわけで行ってくる」

 

さっきかけてもらったバフは健在なので、またいつもの木刀を出し、俺は新たに反応があった一撃熊に切りかかった

 

-------------------------------

 

数日が過ぎ、今日も今日とて休みだ。どうやら王都から騎士が来るようで、それまではよっぽどなことがない限り、クエストは自粛するようだ。そんなわけで、今日は俺もクエストを休み、街をぶらぶらしていたのだが、カズマとめぐみんを見つけた

 

「おーい、何やってんだ二人とも」

 

「ん?リュウヤか、これから日課をしにな?」

 

「日課?」

 

俺は聞いてないのだが、どうやら新たな日課ができたようだ。というわけで、気になったので聞いてみた

 

「日課って何よ?」

 

「一日一爆です」

 

「・・・は?」

 

なにのたまったこのロリッ子、カズマを見るが苦笑いしているだけで、何も言わない

 

「だから一日一爆です。紅魔族は日に一度、爆裂魔法を撃たないと死ぬのです」

 

「嘘つけ」

 

即答してやった。そんなんなら、一日何人の紅魔族が死んでいるか。それにあんなもの紅魔族全員覚えてたら、俺たちが魔王討伐なんかしなくてもいいだろ

 

「まぁわかった、俺も暇だしついて行っていいか?」

 

「俺は構わないぞ」

 

「それじゃあ行きましょうか」

 

てなわけで俺も変な日課について行くことになった

 

-------------------------------

 

「エクスプロージョン!!」

 

山奥の廃城、そこに向かってめぐみんは爆裂魔法を放っていた。鳥とか可哀そうに、モンスターはいいが。それにここまで地味に遠かった、どうもめぐみんは街の近くで撃ったことがあるらしく、あまり街の近くで撃つと、苦情が来るらしい。どんだけ撃ったんだよ。ぱたんと倒れるめぐみん、それを回収するカズマ

 

「そんじゃ帰るか」

 

「なんか慣れてんなー」

 

「まぁもう何日も来てるしな」

 

苦笑するカズマ、まぁここんとこ行っているなら、それは慣れもするか。というかあの廃城

 

「なぁ、確かさ幹部がいるとこって、廃城って来たような気がするんだけど」

 

「そうだな」

 

「・・・知ってて撃ってんの?」

 

「何を言ってるんですかリュウヤ。私たちが撃っている廃城が、もし幹部がいるとして、たまたま幹部がいる廃城だったというだけですよ」

 

いい笑顔で言ってんなー、てか今日来た時点で俺も共犯か、早まったかな

 

「あ、そうだめぐみん、冒険者カード貸してくんね?」

 

「?まぁ良いですが」

 

不思議に思いながらも貸してくれるめぐみん、俺はスキルインストーラーを取り出し、あるスキルをめぐみんの冒険者カードに記載する

 

「ほい返す」

 

「はぁ...ん?なんですかこのスキル」

 

俺が入れたスキル、爆裂魔法【新】は、普通の爆裂魔法なのは変わらないが、威力が普通の爆裂魔法より高い。スキルインストーラーの威力計測で威力を計る。まぁやったことはサンダーランスと同じなので、割愛する。まぁ今回は細かい計算だったし、レベル99まで計算したのでかなり威力が高い。てかぶっちゃけかなりやりすぎたが、使うかどうかはめぐみん次第なので知らない。そう言うわけで簡潔に説明をし、様子をうかがうと

 

「お前アホだろ」

 

「・・・すみませんがこれは使えません」

 

との答えが、まぁ今回はやりすぎたので、カズマの言葉を受け入れる。めぐみんのほうだが

 

「別に気にしなくてもいいぞ?使うのはめぐみんの好きだし、俺がお礼として押し付けただけだし」

 

-------------------------------

 

緊急クエストということで、正門に出たのだが

 

「なんだよあいつ...」

 

「まぁ予想通りだよなぁ...」

 

「俺はつい先日この近くに越してきた魔王軍の幹部の者だが...毎日、毎日、毎日、毎日!!俺の城に毎日欠かさず爆裂魔法を撃ちこんでくる、頭のおかしい大馬鹿は誰だぁぁぁ!!!」

 

大層怒っている、魔王軍幹部がいた

 




今回のスキル

爆裂魔法【新】

めぐみんへのお礼として開発していたスキル。作中にも書いたように、スキルレベルやレベルアップでの上昇値など、色々な計算をすべてひっくるめて出した、文字通り最高威力の魔法とかした。しかも消費魔力は、低いレベルのめぐみんでも打てるように、文字通り魔改造した。しかもスキルポイントで上がる上昇値は、リセットされているのでまだ上がる

まぁめぐみんは作中で使わないですけどね、というわけで出てきたベルディアですがどうなりますかね


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第十一話 この哀れな中年騎士に制裁を 後編

んぁー!スティ子の限定版欲しいー!アニメ版のスティ子欲しいー!!

エ「えっと、どうしたんでしょうか?」

ク「あー、なんか改造プランが浮かんだらしいよ?というかそんな欲しいなら、買いに行けばいいじゃん」

近場に売ってるとこありません(真顔 てかこのすば書いてるけど、ダンまち書きたい

ア「ろくに作りもしないくせに、計画書どまりの何件あるのよ?というよりもこの作品だって完結してないのに、何言ってるんだか...それにせめてアニメ見てから言いなさい、そういうの」

ごもっとも、それではどうぞ!


「俺はつい先日この近くに越してきた魔王軍の幹部の者だが...毎日、毎日、毎日、毎日!!俺の城に毎日欠かさず爆裂魔法を撃ちこんでくる、頭のおかしい大馬鹿は誰だぁぁぁ!!!」

 

 そう叫ぶ魔王軍幹部、なんというかご愁傷様だな、他人ごとではないのだが。周りの冒険者は別の意味で、ざわついていた。そして爆裂魔法を放っていた、当の本人は

 

「・・・」

 

 周りの視線を受け、目をそらしていた。駆け出しの魔法使いだろうか、めぐみんのせいで他の冒険者から視線を受け、テンパっていた

 

「おーい、可哀そうだろ」

 

「うぐ...ふぅ、わかりました」

 

 カズマが小声で声をかけると、観念したのかめぐみんは、デュラハンの前にあるって行く。俺とカズマも仕方なくついて行く、まぁ一応当事者だしな

 

「お前か...お前が毎日爆裂魔法を撃ちこんでくる大馬鹿者か!俺が魔王軍幹部だと知って喧嘩を売っているなら堂々と城に攻め込んでくればいい、その気がないなら町で震えてるがいい!!ねえなんでこんな陰湿な嫌がらせするの?どうせ雑魚しかいない町だと思って放置しておれば、毎日毎日ポンポンポンポンポンポンポンポン打ち込みにきおって頭おかしいんじゃないのか貴様ー!!」

 

 まぁ確かにあんなものが毎日寝床にぶち込まれれば、それは怒るわな。ご愁傷様です、ナム

 

「我が名はめぐみん!!アークウィザードにして爆裂魔法を操りしもの!」

 

 めぐみんはいつもの中二全開の自己紹介をする、一瞬の間の後

 

「めぐみんてなんだ、馬鹿にしているのか?!」

 

 まぁこんなもんだよな、俺も初めての時はそんなもんだったし

 

「ち、違わい!我は紅魔族のものにしてこの町随一の魔法使い、爆裂魔法を放ち続けていたのは魔王軍幹部のあなたをおびき出すための..作戦、こうしてまんまと一人でのこのことこの場所に来たのがあなたの運の尽きです」

 

「いつの間に作戦になったんだ?」

 

「口からの出まかせだろ?そっとしておこうリュウヤ」

 

 後ろもガヤガヤしているが、めぐみんは気にしな...いや、少し顔を赤くしていた。そんなめぐみんの様子に気が付かず、デュラハンは続ける

 

「ふっ...まぁいい、俺はお前ら雑魚にちょっかい掛けにこの地に来たのではない。しばらくはあの城に滞在することになるだろうがこれからは爆裂魔法を使うんじゃない、いいな」

 

「無理です、紅魔族は日に一回爆裂魔法を撃たなければ死ぬんです」

 

「お、おい!聞いたことがないぞそんなこと!」

 

 帰ろうとしていたデュラハンだったが急いで方向転換する、こいつは何を言っているんだろうか。そんなめぐみんの態度に、デュラハンは諦めたのか

 

「どうあっても爆裂魔法を撃つのをやめる気はないと?」

 

 そうめぐみんに問うた

 

「おれは魔に身を落とした身ではあるが、元は騎士だ弱者を刈り取る趣味はない...だが!」

 

 デュラハンの目が怪しく光る、だがそんな様子にも余裕ぶっていた

 

「ふん...余裕ぶってられるのも今のうちです、センセー!お願いします!!」

 

 見事なまでの他力本願だった、そんな呼びかけに答える馬鹿が一人

 

「しょうがないわね、魔王の幹部だか知らないけどこの私がいるときに来るとは運が悪かったわねあんたのせいでまともなクエストが受けられないのよ、覚悟はいいわね」

 

 まぁ頼られたことがうれしかったのはわかるけどな、すっ飛んできた。カズマは呆然としているが

 

「ほぅ...これはこれはアークプリーストか俺は仮にも魔王軍の幹部こんな街にいるアークプリーストに浄化されるほど落ちぶれてはいないそうだなここはひとつ紅魔の娘を苦しませてやるか」

 

 そう言うとデュラハンは右手を前に突き出す、突き出された右手はまがまがしい何かが出ていた

 

「私の祈りで浄化してやるわ」

 

「間に合わんよ...汝に死の宣告を、お前一週間後に死ぬかんなー!!」

 

 なんか色々とおかしいが、俺は嫌な予感を覚え、めぐみんを庇おうとしていたダクネスを突き飛ばし、何かを受けた

 

「リュウヤ!」

 

「リュウヤ!なんともないか!!」

 

 仲間たちが心配なのか駆け寄ってくる、体をさするが今のところは、違和感などはない

 

「なんともないが...」

 

「今は何ともない、だが貴様は一週間死の苦しみに「何を言ってるんだ?」ふぁ?」

 

「俺が死の苦しみ?一回死んでるのにそんなわけあると思ってるのか?」

 

 俺は静かに立ち上がる、周りは静まり返っているが、そんなことはどうでもいい

 

「貴様何を言って」

 

「もういい喋んな、スタープラチナ!ザ・ワールド!!」

 

吹いていた風も何もかも感じなくなる、時を止めるなんて書いてあったが、どうやら本当らしい

 

「同時詠唱、サンダーランス、結合」

 

同時詠唱を使い、サンダーランスを五十本作り、結合。五本のサンダーランスにする。それをベルディアに投擲する

 

「そして時は動き出す」

 

それまで止まっていたサンダーランスは、デュラハンに突き刺さる

 

「ぬうわああぁぁぁぁぁぁ!!!??」

 

馬ごと突き刺さった槍は、すごい勢いで放電していた。馬は消滅するが、デュラハンは消滅せず、なおも放電は続く

 

「へー、あれでも殺しきれないんだ。なら、術式解放、サンダーランス」

 

遅延魔法であらかじめ作っておいたサンダーランスを展開、その数は千本。それを

 

「一斉射出」

 

デュラハンに向かって一斉に射出した、土ぼこりが立って確認はできないが

 

「「「「・・・」」」」

 

周りの冒険者はおろか、仲間たちもその光景に言葉を失っていた。土ぼこりが晴れてきたが、奴はそこに立っていた

 

「き、さま」

 

「なんだ、片腕飛ばしただけか」

 

大剣を地面に刺し、頭を抱えながら立っていた。片腕飛ばしただけと言ったが、鎧は結構ボロボロだった

 

「なんだその貴様の力は!!」

 

「敵に言う必要ないでしょ。てかお前こそなんなんだよ、サンダーランス十本分の結合したやつ突き刺さって死なないとか、その後千本撃ったんだぞ、まぁ予想はつくが」

 

「ちょ、ちょっと待って!サンダーランス十本分の威力の奴くらわしたの!?」

 

クリスが慌てた様子で、俺に聞いてくる

 

「最初の五本はそうだぞ」

 

「ありえない...」

 

その目はデュラハンに向けられていた。まぁそうだろう、二本分ですらあのカエルが丸焦げになり、買取できないと言われたほどだ。あれの五倍で殺せなかったのだ、そりゃあ驚く

 

「そんなことはどうでもいい!クソ、アンデットナイト!こうなれば貴様ら全員皆殺しだ!!」

 

デュラハンが吼える、流石に俺のせいで皆殺しは勘弁だ。なので

 

「クリス」

 

「なにさ」

 

「今召喚されそうになってるアンデットナイト、全員拘束できる?」

 

「うん、無理!」

 

いい笑顔で言ってきやがった、まぁ俺も無理だと思ったが

 

「ならこっちでやるか、めぐみん爆裂魔法頼む」

 

「え?ど、どこにですか?」

 

「あそこに」

 

そう言って召喚している、デュラハンの方を指さす。

 

「わ、わかりました!」

 

「リュウヤどうするんだ!」

 

カズマが聞いてくるが説明してる時間はない、なので

 

「チェーンバインド!!」

 

手に魔力を込め、魔力で作った無数のチェーンを出す。もちろんそれは、今召喚されているアンデットナイトとデュラハンに向かってだ。アンデットナイトは拘束できたものの、デュラハンは簡単に拘束できるはずもなく、簡単に引き裂かれるが、何重にもチェーンを這わせ、ようやく拘束することに成功する

 

「めぐみん!」

 

「わかっています!エクスプロージョン!!」

 

まばゆい閃光、とどろく轟音。てかあれだ、近くで撃ちすぎだろ。おかげで飛ばされそうなので、いつもの木刀を地面に刺し、クリスを抱き寄せながら爆風に耐える。やがて土埃も収まり、確認するがやはりというべきか、そいつはそこに立っていた。鎧などは融解して酷いありさまだが、いまだ健在だった

 

「はぁ...いい加減死ねよ」

 

「まだ...死ねぬ、私と戦え冒険者!」

 

ボロボロになりながら、俺のことをまっすぐ射貫くデュラハン、だがそんなことは俺には関係ない

 

「はあ?嫌だよ、なんでこの距離捨てて、打ち合わないといけないんだよ。お前は俺の仲間に手を出した、それだけでもう討伐対象だから。流石に爆裂魔法で死ななかったのは、驚いたけど」

 

「戦え...戦え」

 

そう言って頭を放り投げ、大剣を取るデュラハン。足を引きずりながらも、一歩ずつ近づいてくる

 

「はぁ...」

 

頭を掻きながら俺は詠唱する

 

「集え、明星。全てを焼き消す炎となれ」

 

カズマ達が離れるのを確認し、魔法を放つ

 

「ルシフェリオンブレイカー」

 

拳に炎をまとわせ、収束した魔力に向かって、思いっきり拳を打ち込む。その収束砲に飲まれるデュラハンだが、あれでも消滅しないだろう、ならばだ

 

「こっちは俺撃てないけど、アクアー!」

 

確実に打てるであろう、アクアを呼ぶ

 

「なによ?」

 

「さっき俺が撃ったように、もう一個同じの作るから、神聖属性の攻撃してくんない?」

 

「それはいいど...」

 

「なら決まりだな...咎人に、滅びの光を。星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」

 

さっきよりかなり魔力が集まったのか、かなり大きいものが出来上がったが気にしない

 

「アクア!」

 

「わかったわよ!死になさい、このくそデュラハン!ゴッドレクイエム!!」

 

「技名違う!?これスターライトブレイカー!」

 

「んなもんいいのよ!」

 

アクアが神聖な力を杖に宿し、思いっきりぶち当てると、デュラハンの体は閃光に飲み込まれる

 

「後ついでに!」

 

サンダーランスで、頭を地面に縫い付けるように投擲する。もちろんスターライトブレイカーの射線上にだ

 

閃光がやむと、デュラハンの体は跡形もなく消えていた

 

「「・・・やりすぎた?」」

 

「「「もしかしなくてもやりすぎだー!!」」」

 

なんかその場にいた冒険者、全員からそんなツッコミをもらった




今回使った新魔法や能力の解説

スタープラチナ

言わずと知れた、ジョジョ三部の空条承太郎のスタンド。ザ・ワールドに関しては、術者の魔力が続く限り時間を止める

チェーンバインド

リリなのネタです。この世界でもバインドはあるが、広範囲しかも耐久性を考えるなら、魔法の方がよくね?と主人公が開発

なんかアクアの出番少なくね?なんて書いてて思った。これじゃあクリスがメインヒロイン、みたいになってますが、ハーレムです。ネタにリリなのが多いのは仕様です、気にしないでください。なんかベルディアがかなり強い設定になってますが、まぁいいよね。
さてさて最後に、皆様遅れましたが評価、しかも高評価ありがとうございます(土下座
励みにして頑張りたいと思います!
後最初に書いたダンまちですが、書きたいのは本当です、まだアニメすら見てないですが(汗
気が向いたら書くかも、それか書いてほしい方は感想の方にまで、あくまでも気が向いたら書きますので


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第十二話 このパーティーにやる気を!

艦これメンテとか聞いてない

ク「だから書いてるんじゃないの?」

まぁそうなんですけど、にしてもFAG売り切れ続出やめて

ア「どうでもいいわよそんなの、キリキリ書きなさい!」

あい...

エ「それでは本編どうぞ!」





「はぁ...」

 

俺は目の前の光景に思わずため息をついた。デュラハン討伐の翌日、俺たちがギルドに行くと、飲めや騒げやのどんちゃん騒ぎ、理由を聞けばデュラハン討伐の報酬は山分けらしく、その場にいた冒険者たちも貰えたとか。そこまではいいのだが、俺たちはデュラハン討伐の張本人ということもあり、賞金首でもあるデュラハンを討伐した、ということでその報酬をもらったのだが、その金額は三億エリス。パーティーメンバー全員で山分けしても、一人5000万エリス、それと報酬を合わせるのだ、まぁカズマとアクアは冒険者をやる気はなくしていた。気持ちはわからんでもないが、俺はというと屋敷を買うらしかったので、俺は一部を除いてそっちに回した。クリスも同様のようだ。そんなわけで俺たちは拠点を手に入れたわけだが、もうデュラハン討伐から、数日過ぎているにもかかわらず、一度もパーティーとしては討伐に出ていない

 

「やっほー、彼らの様子はどうよ?」

 

「クリスか、相変わらずだよ」

 

共有スペースから出ると、クリスに声を掛けられた。俺の答えにクリスは、苦笑しているが、予想通りなんだろうな

 

「エリスも苦笑いしてた」

 

「あれ?例の件か?」

 

「うん、まぁ芳しくなかったみたいだけど」

 

「そか」

 

立ち止まっていても仕方ないので、表に出るため歩き始めた。クリスもついてくる

 

「それで今日はどうするの?」

 

「適当になんかクエスト受けてもいいけど、特に決めてはないかな」

 

「ダクネスたちは?」

 

「いつもの通りめぐみんの日課の付き添いだろ?」

 

「あの城もうデュラハンいないもんね」

 

日課となりつつあるめぐみんの迷惑行為、一日一爆。ダクネス曰く

 

「この頃城が壊れつつあるがな」

 

なんて言ってた。まぁデュラハンが何らかのことをしてたのだろう、それがなくなれば当然あんなおんぼろ城、壊れ始めるだろうし。扉を開け外を見るとよく晴れていた、というかまぶしいぐらいだった

 

「あー、眩し」

 

「いい天気だねー、ホント」

 

「まぁ行くか」

 

「だねー」

 

クリスと並んで歩き始める、それにしてもいい天気過ぎて空を恨めしく思っていると、後ろからすごい音がして振り向く

 

「ちょっと待ちなさいよ!」

 

「アクア?」

 

「アクアさん?」

 

何故か息を切らしたアクアが立っていた。というかさっき寝間着で、共有スペースに寝っ転がってたのにお早いお着替えだなオイ

 

「私も行くわ!」

 

「「はい?」」

 

ここのところカズマと一緒に、ゴロゴロしっぱなしだったやつが、いきなりクエストに行くと言い出したのだ、そりゃあ誰だって驚く

 

「だから私も行くって言ってるのよ!どうせクエスト行くつもりだったんでしょ!」

 

「いやまぁそうだけど」

 

俺とクリスは思わず顔を見合わせる、流石に戸惑う

 

「あー、もう!とっとと行くわよ!」

 

「わかったから引っ張るなよ」

 

俺はアクアに引っ張られながらギルドへと向かう、クリスは笑っていて助けてくれなかったが

 

-------------------------------

 

「それで?どうやって浄化するんだ?」

 

やってきたのは湖だ、それもかなり汚れた。ギルドについたらアクアが持ってきたクエストについてきたのだが、それは湖の浄化の依頼だった

 

「浄化魔法使うか、私がつかれば浄化できるわよ?」

 

「えっと、アクアさんこの湖につかるんですか?」

 

クリスが遠慮がちに指さす、流石に依頼になるだけあって汚い。それを見たアクアは

 

「浄化魔法にしましょう」

 

そう言って湖に手を突っ込み、魔法を使い始めた

 

「ピュリフィケーション、ピュリフィケーション」

 

「おお」

 

少しづつではあるが綺麗になる

 

「でもこれ全体浄化するのに、どれくらいかかるんだ?」

 

「ピュリフィケーション...半日くらい?」

 

「いやまぁ、お前がそれでいいんならいいけど」

 

そう言うわけでしばらく放っておくことにした、そもそも俺とクリスやることないし

 

「んー!」

 

クリスは少し離れた木のところで、寝ようと伸びをしていた。俺はというと、何かあったら嫌なのでアクアのそばで、基礎鍛錬をしていた。アクアのそばと言っても、俺は湖に入ってはいないが。アクアは今自分が綺麗にした範囲で水に入っていた。アクア曰く

 

「さっきも言ったけど、私が水に入って浄化した方が早いから」

 

とのことで、流石に本人も飽きたのか、靴を脱いで湖を歩きながら、浄化魔法を使っていた

 

「ん?」

 

敵感知を使っていると、いつの間にやら何かが現れたようだ

 

「アクアー、そこの近くになんか反応あるんだがー!」

 

「んー?あー、ブルーアリゲーターが出てきたみたい!リュウヤ、お願いできるー?」

 

「あいよー!」

 

ブルーアリゲーター、今回の浄化のクエストで書かれていた、モンスターのことだろう。まぁそんなことはさて置き

 

「えっと...これだこれ、クロックアップ」

 

クロックアップとは、説明がよくわからなかったので、とりあえずすごい能力なのである。なので今回は時を止めずに、こちらにした

 

「流石に血で湖汚すのもなー...」

 

一瞬でついたのいいが、敵を目の前にして考える。とりあえず蹴って、俺がもといたところまで蹴りだすことにした。軽く動物虐待なのだが、よくよく考えたらモンスターだからいいやということで納得した

 

「解除っと」

 

全部湖から蹴りだしたのだが、流石に絶命していた。それを何回か繰り返し、数時間後

 

「綺麗になるもんだな」

 

「ふふん!どうよ!」

 

ドヤ顔で言ってくるアクア、だが別にとやかく言うことはしなかった

 

「流石水の神様だな、すごい綺麗になってる」

 

「心からそう思ってるんだったら、もっと褒めて甘やかしてよね!」

 

「それとこれとは別だろ」

 

「おーい、お二人さん。微笑ましく話しているのはいいけどさ、これどうするのさ」

 

クリスは死体の山をさす。まぁ結構な山になってはいる

 

「・・・どう運ぶかこれ」

 

「アタシが聞いてるんだけど...」

 

このあと三人で頭を悩ませたのは言うまでもない。結果としては俺がクロックアップして、ギルドまで走ったんだが

 

 

「結構お金になったわね~」

 

報酬の三十万はアクアの物、そのほかのモンスター討伐は俺の金、そういう配分がされた。クリスは自分は何もしてないので、いらないとのことだったので、臨時収入ができたということで俺が二人に奢ったのだが

 

「うーん、シュワシュワおいしかったねー。リュウヤー」

 

二人とも結構酔っているため、俺が肩を貸して、ようやく歩いてる状態だ

 

「へいへいそうですね」

 

酔っ払いには何を言っても無駄、そういうわけで適当に相槌を打っていた

 

「なんかおざなりじゃないかなー!」

 

「ええい!酔っ払いは黙っとれ!」

 

「リュウヤーもっと私を構いなさいよー」

 

「お前もだこのばかちん!」

 

ようやく屋敷が見えてきて、俺はほっとした。最初はうるさかった二人だが、いつのまにか寝ていた。別に二人が重いとか言うわけではないが、流石にギルドから屋敷まで遠いのだ、流石に疲れた

 

「リュウヤか、今日は遅かったのだな」

 

両手がふさがっているので、扉を軽く蹴るとダクネスが開けてくれた

 

「まぁな、飯はギルドで食ってきたから」

 

「ギルドに居たんですか?ということはクエストでもうけてきたんですか?」

 

「まあな。というわけで、俺が女の子の部屋はいるわけにもいかないし、二人のこと頼んでもいいか?」

 

「わかった」

 

「わかりました」

 

と二人は快く引き受けてくれた

 

「さてと、風呂でも入って寝ますかね」

 

 




今回の新魔法、能力

クロックアップ

言わずと知れた仮面ライダーカブトのアレ。説明見たけどようわからんかった、とにかくすごい能力

みなんとかさん出ると思った?残念でません、まぁ出してもよかったんですけどね。補足としては屋敷に関しては、アニメ版と同じです。幽霊騒ぎはアクアがちゃんと役目を果たしているから、というわけでカットです。そんなわけでこんかいはこれで


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第十三話 このパーティーの日常を!

今回はオリジナル回です!まぁベルディア討伐して、時間が空いたからその間までのつなぎ、みたいな感じですが

ク「そんなぶっちゃけていいの?」

宝島とかねじ込むよりましでしょ

ア「まーたしょうもない理由ね」

ええい!細かいことはいいんだよ、なので今回は頭空っぽにして見てねッ☆

エ「本編の方どうぞ!」




こちらの世界にも冬があり、季節はもう冬になろうとしていた。ベルディア討伐の報酬の大半は、屋敷の代金に消えたとはいえ、まだまだ遊んで暮らせるが、俺たちのパーティーはたまにクエストに出ていたりした。カズマもせっかく異世界に来たのだから、冒険しないともったいない、というしょうもない理由と、ダクネスやめぐみんの言い分を渋々聞いて、という感じだが。俺はもちろん休みを設けているとはいえ、毎日のようにクエストに出ていた。たまにクリスやアクアもついてきたりする。あとはまぁ、クリスの回収の方を手伝ったり、エリス様とアクアを引き合わせたり、だろうか。そんな風に異世界生活をしていたある日、俺とカズマは薄く雪が積もった外にいた

 

「よくよく考えたんだけどさ、女子の人数が多いんだから多数決不利じゃね?」

 

「今更だろ。てか、カズマはついてこなくてもよかったんだぞ?」

 

カズマは文句を言いながらも、こうして外に出ていた。何なんてことはない、この頃急激に寒くなり、暖房器具が一部にしか普及していない(しかも普及していても維持費などが高い)この世界だ、なので普通の家庭などでは暖炉が主流だ。暖炉と言えば薪なのだが、ついにその薪が切れそうになったのが今朝のこと、俺たちはその買い出し、というわけだ。まぁもともと売り物件であり、買ったのは冬のかなり前ということもあり、薪などはあまりなかったのだ、いつかはこうなっていただろうしな

 

「まぁ二人の方が早く済むだろ、それに多く買えるし」

 

「まぁな、んじゃとっとと行って、早く帰りますか。お前も寒そうだし」

 

雪が降っているなんて知らなかったのだろう、カズマはいつもの格好で出てきたため寒そうだった。俺は街で見かけたコートを買ってあったので、そこまで寒くないが

 

「てかなんでお前はコートなんだよ」

 

「街で偶然見かけてな、この頃寒かったから、ちょうどいいかと思って買った」

 

「・・・後でその店教えてくれないか?」

 

「後でな。さっさと買い物済ませて帰らないと、文句来るぞ」

 

「・・・それもそうだな」

 

なんて話をしていると、薪を売っているところについたようだ。俺とカズマで持てる分だけ買い、店を後にする。

 

「こんだけあればしばらく持つだろ」

 

「それにしてもあの人優しいな、今度から配達してくれるって」

 

「だな」

 

実際家に暖炉なんてなかったからわからないが、配達してくれるようで、次回から買いに行かなくて済むようだ。俺は別に何ともないが、カズマは自分が持てるだけ買ったにもかかわらず、それでもきつそうだった。屋敷についたのはいいが、誰も出迎えてくれないどころか、お帰りの声も聞こえない

 

「あいつら...」

 

「どうどうカズマ。とりあえず、先に最低限持って行ってくれ、俺は倉庫にストック置いて、行くから」

 

「悪い任せる」

 

カズマはその場に薪を置くと、共有スペースの方に駆けていった。まぁ寒かったからな当たり前か、しかもいつもの格好だったし。俺は俺で、その場に一回荷物を下ろし、部屋にコートを掛けに行き、何回か小分けにして薪を倉庫に入れていく。時間はかかったが、ようやく終わり、共有スペースに行くと

 

「あらリュウヤじゃない、遅かったわね」

 

「ねぎらいの言葉もないのかお前は」

 

ソファーに寝転がったアクアに出迎えられた、しかもパジャマである。めぐみんやダクネス、クリスは流石に着替えていたが、どうやら奥の食事スペースでチェスみたいのをやっているようだ。ルールをめぐみんから教えて貰ったのだが、なんでもありのルールなので、俺はやる気が起きなかった。いや、ポーカーや大富豪なんかもご当地ルールってか、その場所によってもルールが違ったりするが、あれはそんな時限じゃない、大会なんかじゃリアルファイトあったらしいし。

 

「あ、リュウヤお帰り。遅かったね」

 

「おうクリス、ただいま。まぁ結構買ってきたから、ストック分を倉庫にしまってた」

 

「なるほどね」

 

「おやリュウヤ帰っていたんですね、一局どうですか?」

 

「やめとく、ルールが無用すぎるからな」

 

「リュウヤか、お帰り。クリス代わってもらっていいか?」

 

「りょうかーい、今度こそ勝つよめぐみん」

 

「ふっふっふ、紅魔族随一の天才に勝負を挑むとは...」

 

なんて一局が始まる。俺も手持ちぶたさなので、観戦することにしたが、まぁ酷かった。クリスがあと一歩で勝ちそうになるとめぐみんが盤をひっくり返しやがった。一応めぐみんのルールではありらしい、ルールを調べたわけでもないので、本当のところはどうか知らないが

 

「あれ?そう言えばカズマは?」

 

「カズマならなんか怒りながら、自分の部屋に戻っていったわよー」

 

「はぁ?」

 

なぜ怒るようなことがあったのか、皆目見当がつかないのだが

 

「あぁ、実はね...」

 

対局が終わったからなのか、ダクネスとチェンジしたクリスが説明してくれた。まぁカズマがあったまろうとすると、ソファーにはアクアが。ちなみに説明しておくと、ソファーは暖炉の目の前にあり、一番あったかい場所なのだ。それで奪い合いになったらしいのだが、結果を言えばカズマが負けたので、諦めて部屋に戻ったようだ

 

「俺とカズマは外に居たんだから、譲ってやるくらいしろよ」

 

「いやよ!ここ一番あったか場所じゃない!半分ならいいけど、占有しようとするのがいけないんじゃない」

 

「確かにお前の言い分の一部には同意するが、今のお前そのものじゃないか」

 

俺は流石に呆れる。俺は別に寒くなかったが、カズマは寒かったはずだ。てか別に譲るくらい、いいと思うのだが、そんなことを思いながら俺はカタログを出す。この頃時間があるときは、こうやってカタログを読むか、クリスのスキルを作っているかだ

 

「また読んでいるんですね」

 

「あれ?対戦は?」

 

「今はダクネスとクリスがやってます」

 

どうやらめぐみんは疲れたようなので、変わったようだ。良かったな、これで普通の対戦ができるぞ、なんて心で思ったりしたが

 

「まぁいざという時に迷ったりしたくないからな」

 

「それでもこの量を覚えようなんて、普通は考えませんよ?」

 

確かにめぐみんの言う通りだろう、俺も実際いらない能力なんかは覚えてないし。そもそもチートとか言ってる割に、なんかネタみたいな能力もあるし

 

「まぁでも、一回全部に目を通しておくことに損はないでしょ」

 

「はぁ...そうですね」

 

言っても無駄かみたいなため息は、ハッキリ言って傷つくんだが。そんな俺の心情は知らずに、めぐみんはゲームの方に戻ったようだ。しばらく読んで一区切りついたので、飲み物を取りに行こうとすると、ソファーで寝ているアクアが目に入る

 

「まったく、あれほどソファーで寝るなって言ったのによ」

 

仕方ないので飲み物を取りに行くついでに、適当なタオルを取りアクアにかけてやった

 

「ところで今日の食事当番誰だっけ?」

 

「リュウヤでしょ?」

 

「マジか、忘れてた」

 

立っているついでに聞くと俺が食事当番だったらしい。そのことをすっかり失念していた

 

「まぁいいや、急いで作りますかね」

 

キッチンスペースは、共有スペースの近くにあるので、移動は苦ではない。さっさと作らないと、アクアが起きたときに騒ぎそうなので、急いで作ることにした。ちなみに俺は料理スキルを取っているのだが、みんなからは意外に思われた。解せぬ。そして夕飯はというと、いつもと同じように美味いらしかった、よかったよかった

 

 




最後ちょっと無理やりな感じだけど、まぁ良いか。それでは次のお話で


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第十四話 この主と決闘を!

久しぶりに書くなと思って確認したら、GW以来書いてなかったでござる

ア「そもそも休み中に、引きこもって書いてるのはどうかと思うんだけど、ヒキニート」

ヒキニート上等、仕事辞めて無職になりたい

ク「私生活でどれだけ闇抱えてるのさ...」

普通の人から見たら、そんなんでもないんでしょうけどね~、癒しはこのすばです

エ「本編どうぞ!」




「あ~あ...」

 

突如突風が吹き、腕で顔を覆い隠す。隙間から覗くが何も見えない、風も止み、正面を見るとなぜか鎧を着こんだ、何かがいた。クリスはそれを見た瞬間、声を上げた。今更だが、俺たちはクエストに来ていた

 

-------------------------------

 

「なにか楽なクエストはないだろうか」

 

「そもそもクエストに楽を求めるのは、いかがなものかと思うぞ?」

 

クエストを物色しながら、俺はカズマと話していた。冬も本番となり、雪はくるぶしの上あたりまで積もるようになっていた。そんな寒い中、俺たちはクエストに出るため、クエストを探していた

 

「それにしても...なんでほかの冒険者はこんなふうに、ギルドで飲んだくれてるんだ?」

 

「多分冬は高難易度のクエストしかないからじゃないか?」

 

一枚のクエストを手に取る。白狼の群れの討伐、ギルドが設定している難易度は、相当なものだった

 

「それに...外は寒いからな」

 

「なのに俺たちはクエストか...」

 

カズマはまたクエスト探しに戻った。そもそも今回言い出したのはカズマなのだが、まぁ良いか

 

「これなんていいんじゃないか?」

 

そう言って、一枚のクエストを渡してくるカズマ。内容は雪精の討伐だった

 

「一匹一万か、報酬はいいけど、何か引っかかるんだが...」

 

「何かいいクエストあった?そろそろ決めないと、アクアさん怒り出すよ?」

 

どうやら待ちくたびれてクリスが来たようだ、パーティーメンバーが集まっているところを見ると、アクアがこっちを睨んでいた

 

「ああ、ちょうど決まったところだ」

 

「あ、カズマ!」

 

カズマは俺から依頼書をひったくると、受付の方に行ってしまう

 

「どうしたのさリュウヤ」

 

「いや、カズマが受けたクエストなんだけどさ、なんか胡散臭かったんだよ」

 

「どんなクエスト?」

 

「雪精討伐とかいうやつ」

 

「なに、雪精討伐受けるの?」

 

「あ、あぁ...」

 

どうやら待ってられなかったらしく、全員が来てしまたようだ。クリスのアチャーみたいな顔は気になったが、アクアが話しかけてきたので、無視するわけにもいかず、話すことにした

 

「なら、改めて準備が必要だからちょっと待ってて」

 

「あ、おい!」

 

さっさとギルドから出て行ってしまうアクア。声をかける暇すらなかった

 

「受けてきたぞー...ってアクアは?」

 

「改めて準備してくるって」

 

「なんじゃそら」

 

-------------------------------

 

「三匹めー!!」

 

俺達は準備が終わったアクアと合流して、雪山に来ていた。雪精討伐、その内容は、白いふわふわした物体の討伐だった。なんでも一匹討伐するごとに、春が半日早く訪れるだとか。アクアが自慢げに解説していた。雪精自体軽く、なかなか剣が当たらないらしく、他の奴らも苦戦していた

 

「見てみてリュウヤー!」

 

「ん?」

 

アクアに呼ばれそちらを見ると、アクアが瓶に入った雪精を抱えていた

 

「四匹目ゲットよー!」

 

「・・・おう、そりゃあよかったな」

 

「うん!」

 

いい笑顔だが、俺はその恰好に言葉が詰まる。この寒い冬にだ、虫取り網と、瓶を入れるケースを持っているため、夏場に虫を取る子供みたいに見えてしまう。まぁ本人が楽しそうだし気にしなくてもいいか

 

「リュウヤ、調子はどう?」

 

いまいち乗り気じゃないのか、討伐していないクリス。俺はそんなクリスに、戦果を報告する

 

「とりあえず五分でいつもの銃を使って、三十ちょい」

 

「少ないのか多いのかわからない...でも銃って便利だよね」

 

「まぁな」

 

剣を振ってもどうせ当たらないだろうと思い、銃を出したが、銃でも狙いをつけるのが難しかった。雪精も止まってるわけじゃないからな

 

「ところでさ、ギルドで言いかけてたのって何さ?」

 

「あぁ、あれ...きゃ!?」

 

どうやらめぐみんが爆裂魔法を撃ったらしく、爆風が。一瞬暖かかったが、また寒くなる

 

「継続しないかな、一瞬暖かかったのに」

 

「それ爆裂魔法じゃなくてもよくない?」

 

「私の爆裂魔法は暖房ではありませんよ!!」

 

小さく話していたのに聞こえていたようだ、クリスが回収しに行った

 

「なんでこんなおいしいクエスト、誰も受けないんだろうな」

 

「さぁ?」

 

本当にこれで終わるならおいしいクエストだろう、だがどうにも俺にはそう思えなかった

 

「ん?」

 

突如突風が吹く

 

「あ~あ...」

 

そして冒頭に戻るわけだが

 

「なにあれ」

 

「あれがアタシがこのクエストに難色示した理由、冬将軍だよ」

 

「冬将軍?」

 

なんだその名前、向こうじゃよく聞いたけど、こっちじゃまったく関係ないだろ

 

「リュウヤとカズマは知らなかったわね!冬将軍というのはね」

 

始まったアクアの解説、要は雪精の主らしい。そして冬将軍という名前だが、日本人の転生者のせいらしい

 

「なんかこういうところ適当だよなこの世界」

 

「言ってる場合か!俺達も土下座するぞ」

 

「いやそれはいいんだがあれ」

 

ダクネスが自分の欲求を満たすためだけに、折れた剣を構え冬将軍と対峙していた。カズマはそれを見て絶句、クリスも背負っていためぐみんを下ろし、いつでもダクネスを助けられるように、スタンバっていた

 

「少しは自重しろこの馬鹿!!」

 

すんでのところで、カズマがダクネスの頭を下げさせたが、だが許されてはいなかった。なんせカズマは剣を持ったままだったからだ

 

「カズマ!剣を捨ててください!」

 

振りおそされそうになった刀を、俺がすんでのところで止める

 

「カズマ!剣捨てて、さがれ」

 

「リュウヤ!っ、すまん」

 

ダクネスと下がってくれたのはいいが

 

「そいつに魔法と物理攻撃は聞かないわよ!」

 

ということらしい。爆裂魔法くらい火力があれば別らしいが、俺も一応それに準ずるものは持っているが、チャージに時間がかかる

 

「さてどうするか」

 

虎徹で受け止めてるのはいいが、時々透過するため生傷が増えていく

 

「リュウヤ!」

 

「来るなクリス!!」

 

そんな俺を見てかクリスがこちらに来ようとするが、今来られても困るので止める。本当にどうするか、そろそろ虎徹も時間切れだ、別に武器類はどうとでもなる、だが倒し切れるかと言われれば、微妙だ

 

「やば!」

 

ついに虎徹が時間切れになり、手から消える。俺は急いで距離を開け、カタログを開く。

 

「ほ!よ!」

 

「なんで見ながら避けられるんだよ!!」

 

カズマからツッコミいただきました。そんなことより、こいつを殺しきれる武器か能力だ

 

「これなら...」

 

俺はカタログを消し、いつもの木刀を出す。そして瞳を閉じる

 

「リュウヤ!?」

 

「リュウヤ!!」

 

みんなの声が聞こえるが、精神を集中させる

 

「カズマなんとかしてください!!」

 

「こんな距離間に合うわけないだろ!!」

 

目を開くと所々に線が見えて、しかも気持ち悪くなるが、気にしていられない。腕に入っている線に沿って木刀を振るう、すると

 

「!?」

 

冬将軍が俺と距離を開ける。腕を回収してくっつけようとするが、どうやらくっつかないようだ。一か八かで選んだ能力だったが、どうやら成功したようだ

 

「さて、気持ち悪いし...うぷ!速攻で決めさせてもらう!!」

 

縮地を利用して一気に攻勢に転じる、線にそって切っているのだが、そもそも痛覚とかがないのだろう、切っても切っても埒が明かない、てか気持ち悪い

 

「あぁもう死ねよ!」

 

そう言ってゼロ距離で点に向かって、牙突をする。すると

 

「!」

 

なぜか徐々に消えていく冬将軍、だが俺は我慢できなくなり

 

「おろろろろ」

 

吐いていた。しばらく吐くとだいぶ楽になり、冬将軍に向きなおる

 

なぜか刀を渡してくる冬将軍、どうやらくれるということらしい。ありがたく貰っておく、すると満足したように消えていく冬将軍。俺の手には冬将軍からもらった刀が

 

 

 

 




今回使った新能力など

直死の魔眼

前作の主人公が使ってたので、今回は説明いらないですよね!今後使うことがあるか未定

冬将軍の刀改め冬将軍

前作と同じ能力

こんなところですかね、それではまた次回



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第十五話 この夢で素晴らしい癒しを!

なーんか久しぶりの更新 

ア「さぼってたの間違いじゃなくて?」

仕方ないスティレットが完成しなかったものでな

ク「いやいやいや!それに他の物書いてたからでしょ?」

ダンまち書きたくなるのは仕方ないね

エ「もう!怒りますよ!」

すみませんでした!本編どうぞ!


「ふわ~ぁ...ねっむ」

 

珍しく俺は一人で街を歩いていた。いつもは大体アクアや、クリスが付いてきてたりするのだが、今日は一人だ。まぁコートがあっても寒いものは寒い、あの二人が付いて来たがらないのもわかる。俺は慣れてるのもあるから出歩いてるけど、そしてこの散歩も特に行き先が決まってないのが原因だろう。たまにぶらぶらしたくなるのは元々で、今日はそんな気分だった

 

「ん?あれは...カズマ達か?」

 

少し先でなぜか集まって話をしていた。まぁ寒いし、肩を寄せ合うのはわかるが、何かあると思い、俺は気配を消して近づく。まぁ案の定ろくな話じゃなかった、サキュバスがどうとか言ってるし。最初から聞いていたわけじゃないので、よくはわからないが。

 

「何くだらないことしようとしてるんだ?」

 

「「「っ!!?」」」

 

面白いほどビビる三人、三人は恐る恐る俺の方を向く。そして俺の姿を確認すると、安心したのかため息をついた

 

「はぁなんだよリュウヤか」

 

「驚かすなよな」

 

「勝手にお前らが驚いたんだろ」

 

「真後ろから声を掛けられれば、誰だって驚くだろ」

 

「まぁ確かにな、でもそれでも、お前たちは驚きすぎ」

 

「ぐ」

 

余程痛いところを突いたのか、三人は後ずさる、しかもなんか、また三人で話し始めたし、俺から離れて。まぁ好きにさせよう、と思い待つこと数分、ようやく結論が出たのか、俺に話しかけてくるカズマ達。内容をまとめると、女性冒険者には内緒で、サキュバスが経営している店があるらしい。しかも男性冒険者は、その存在をほぼみんな知っているらしい。

 

「それで?」

 

「それでって...お前はそんなに素晴らしい店があるのに、行こうとは思わないのか!?」

 

ダストが力説してくる。よくよく考えれば確かにそうだ、その世界に来てそういう処理は、一切していない、していないのだが

 

「しょせん夢だろ?」

 

結局はそういう結論になってしまう。まぁ処理しなくて大丈夫なのか、と聞かれれば、わからないとしか答えるしかないのだが。ちなみに俺がそう言うと、カズマ達は胸を押さえてうずくまった。どんだけダメージ受けてんだよ

 

「じゃな、カズマは早めに帰って来いよー」

 

流石に人通りがないとはいえ、道の端っこでうずくまった三人組と知り合いだと思われたくはない。なのですぐに俺はその場を立ち去った

 

-------------------------------

 

「ただいまー」

 

カズマ達と別れた後、少し街をぶらぶらして帰ってきたのだが、返事がない。共有スペースを覗いてみると、何故かカズマを覗いたメンバーが、上機嫌な様子で何かの準備をしていた

 

「ただいまー」

 

「お!おかえりリュウヤ」

 

「リュウヤじゃない!丁度いいとこに来たわね、手伝いなさいよ!!」

 

声をかけるとクリスとアクアが寄ってきた。それはいいのだが、手伝えって何をだよ

 

「何手伝うんだ?」

 

「あーそれなんだけどね、ダクネスの実家からカニが来てね!」

 

「かに?ほーこの世界にもカニあるのか」

 

「それも最高級よ!」

 

二人はテンションが上がってるらしく、すごい力で引っ張ってくる。そんなに引っ張らなくても逃げないが

 

「まぁ準備手伝いますかね...」

 

-------------------------------

 

カズマが帰ってきて食べ始めた俺達だが、カズマは酒も飲まずに途中で席を外すし、めぐみんは酒は飲めずそのことを拗ねて、途中退席、ダクネスは満足して風呂、クリスは寝るとか言ってたし、アクアは飲んだくれたため、俺が肩を貸して自分の部屋に寝ているし、そして俺はというと

 

「お届け物でーす」

 

「まったくもう...」

 

いつもの通りの不法侵入で、エリス様のところに来ていた

 

「それで今回はどんな用ですか?」

 

「カニ鍋のお届け物です、あとゆでたカニも」

 

「かに、ですか?」

 

「最高級の霜降り赤ガニです」

 

「さっ!?」

 

女神様でも驚くらしく、結構驚いていた。恐るべし霜降り赤ガニ

 

「というわけでどうぞ」

 

カタログからこたつを出し、その上に鍋をセット。というよりなんでこたつなんかあるんだかね、相変わらずこのカタログは謎だ

 

「あ、ありがとうございます?」

 

不思議に思いながらも席につくエリス様、なんか見ててほっこりする

 

「あ、すごくおいしい」

 

「ダクネス様様ですよ」

 

それにしても準備の時に聞いたのだが、このカニかなり高いらしい。ダクネスはいいところのお嬢さんなのだろうか?まぁ詮索するなんて野暮な真似はしないが

 

「リュウヤさんは食べないんですか?」

 

「もうパーティーと食べたので、これ全部エリス様の分です」

 

「流石に多すぎますので、少し食べてもらってもいいですか?」

 

さすがに苦笑していた。まぁ俺も持ってきている時に、これ多くねとか思ったりもしたのだが

 

「じゃあまぁ少しだけ」

 

「はい!」

 

嬉しそうに取り分けてくれるエリス様、本当にうれしそうである。まぁこんなところに居れば、人との触れ合いもないから当たり前か。にしても本当に美味い、カニとか食べる機会あんまりなかったしな、こっちに来て食べることがあるなんて、思ってもみなかったが

 

「どうですか?」

 

「やっぱりうまいですね」

 

「私は久しぶりに食べましたカニ」

 

「あ、エリス様もなんですか?俺もです」

 

なんてたわいない話をしながら、二人で鍋をつついたり、ゆでた方のカニの中身をほじくったりしていた

 

「こうやって誰かと食事をするのも久しぶりだな...」

 

「・・・」

 

おそらく考えてたことがぽろっと出たんだろうけど、聞こえてますよエリス様。顔を盗み見ると、やっぱり言ったことをわかってないらしく、微笑んでるだけだった。流石に黙ってるしかないんだけど。でもそうだよな、アクアもエリス様も俺達と同じ転生者だ、今は女神だけど、下界と天界じゃ時間の流れも違うらしいし、どれくらいこんなところで過ごしていたのだろうか

 

「まぁ考えても無駄か」

 

「?何か言いましたか?」

 

不思議そうに俺の顔を見るエリス様、そんなエリス様に

 

「なんでもないですよ」

 

苦笑して返事をする。まぁ今まではそうだったけど、これからはそうじゃない。クリスやアクアもっと頻繁に連れてこよう、あー、でもそれやるとエリス様の仕事が増えるんだよな、難しいところだがまぁ良いだろ、カタログを許可した神が悪いということで。食べ終わりしばらく他愛もない話をしていると、エリス様が舟をこぎだした

 

「炬燵で寝ると風邪ひきますよ」

 

「わかって...ます」

 

「駄目だこりゃ」

 

そう言っているが抜け出す気配はなく、それどころか机に激突しそうなほど、ふねをこいでいた。仕方ないのでこたつに入ったまま、エリス様を横に寝かせる

 

「てかこれどうしよう」

 

いつも帰るときはエリス様に門を開いてもらっていた、ということはだ、今俺は帰れない状況にあって、まぁそこまで困ることではない

 

「とりあえず、暇つぶしに俺ができそうな仕事でもやりますかね」

 

この人は放っておくと全部やりそうなので、まぁそもそもだ、俺が手伝っていること自体おかしいのだが




艦これイベまったく進まん、まぁどうでもいいか
そんなわけで感想、評価お待ちしてます


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第十六話 この機動兵器と決戦を 前編

一回投稿しようとしたら、PC勝手に再起動になって消えた...

ア「ご愁傷様...」

途中まで残ってたからいいけどさ...

ク「自動保存便利だね~」

前書きはちょっと違ってたりする

エ「あはは...本編どうぞ!」



「こんちわー」

 

そう言ってカズマが一軒の店に入っていく、ウィズ魔法具店。前に助けたリッチーの店だ。なんだかんだ言って、来てなかったことを先日思い出して、ちょうどいい機会なので来たというわけだ

 

「ちょうどいい機会って言ってたけど、何のために来たんだろうね彼」

 

「さあ?」

 

そこは気になっていたが、カズマには特に聞いていない。まぁアクアやクリスがいるのだ、万が一にも何かあったりしても、万全だろう

 

「とりあえず入ろうぜ」

 

クリスにそう声をかけ、俺も中に入る、クリスも続いて中に入ったため、これで全員が店の中に入っていた。カズマはウィズと話し込んでるし、アクアは何故か紅茶を飲んでいる、めぐみんとダクネスは棚をあさっていた。なんというかまとまりがないよな、このパーティー

 

「おーい、リュウヤちょっと来てくれないか?」

 

「なんだよカズマ」

 

「いや、俺達冒険者はスキル見せてもらわないと習得できないだろ、そう言うわけで」

 

「どういうわけだよ...まぁ良いけどさ、それでどんなスキルなんだ?」

 

「ドレインタッチという、アンデットのスキルなんですけど...」

 

ウィズから説明を受ける、まぁ簡単に言うと、魔力を吸い取ったり、受け渡したりができるスキルみたいだ

 

「そう言うわけですので、手を出して貰ってもいいですか?」

 

「はい」

 

手を出すと恐る恐る握るウィズ、アンデットだけあって少し冷たいが、別にそれ以外は変わりない

 

「ドレインタッチ!」

 

そして抜けていく魔力、というか、魔力以外にも抜けてる気がする、体力とか。まぁそれはいいんだけど、なんか神聖な力を感じる、はて?前にもこんなことがあったよう気がする、そうあのウィズと初めて会った時のような...って!急いで奥で紅茶を飲んでいるアクアとクリスの方を向くと

 

「「・・・」」

 

無言でこちらを見ていた、その様子に思わず冷や汗が垂れる

 

「おいカズマ、何とかしてこい」

 

「なにが?」

 

「あの二人」

 

アクアとクリスの方を指し、止めてくるように言ってるのだが、カズマはそっちを見るが、首をかしげるばかりだ。馬鹿な、このプレッシャーを感じないのかコイツは!

 

「とりあえずアクア、クリス、ステイ!」

 

「何言ってんのよアンタ」

 

「そうだよリュウヤ、ちょっと失礼じゃないかな」

 

笑顔です、笑顔が怖いです、アクアさん、クリスさん。とりあえずあの二人に、どういう経緯でこうなったか説明しなければならない

 

「ウィズそろそろいいんじゃないか?」

 

「カズマさん、どうですか?」

 

「お、大丈夫みたいだ」

 

「お手数をおかけしました」

 

そう言ってぺこりとお辞儀するウィズ、俺はそれに苦笑してさっさとアクアとクリスのもとに向かい、今回の事情を説明した

 

-------------------------------

 

俺達は今ウィズの店から移動し、ギルドに来ていた。あの後説明で信じてもらえず、カズマを読んで再度説明、カズマが悪いということになり、アクアとクリスにぼこぼこにされていた。俺は説教食らったけどね!解せぬ。そんなことはさて置き、緊急クエストということでギルドに集まっているのだが、なんか雰囲気がいつもと違いシリアスだ

 

「皆さんに集まってもらったのは、ほかでもありません、機動要塞デストロイヤーがこの街に向かい進行してきています」

 

ルナがそう言うと、水晶を持ったギルドの職員が前に出る、その水晶には馬鹿でかい蜘蛛のようなものが、あれがデストロイヤーだろうか?一瞬の閃光の後、水晶は何も映さなくなった。今のを見る限り迎撃手段もある、と。こうして始まった作戦会議、だがいい案は出てこない。穴を掘っても、避けるか、這い上がってきたり、バリケードは無意味。大体の対策は、街を捨てて逃げること、八方塞がりじゃねえか。クリスは逃げた方がいいいと言ってるがダクネスは譲らず。なんかクリスが俺の方に来る

 

「なんかいい案ないかな?」

 

「・・・なんで俺なんだ?」

 

「何か考えてるみたいだったから」

 

確かに考えてはいたが、いい案はこれといってない。そもそもだ、デストロイヤー自体魔法防壁があるため、並の魔法は通らない、爆裂魔法でも耐えるとなると...同時に何発かぶつけるしかないけど、俺が加わったとしても二発、それも耐えるだろう。防壁が壊せれ、ば?まてよ

 

「なぁアクア、お前の魔法で防壁どうにかできないか?」

 

「出来るかできないかで言われれば、たぶんできるわよ?でも確約は出来ない」

 

とのことだった。まぁ分の悪い賭けだけど、そんなのはいつものことだ、もし破壊できなくても最悪、俺の魔法でどうにかなるだろうし。となると後は火力だが、どうにかなるわけだだが

 

「よしめぐみん出番んだ」

 

「なんで私が!?」

 

「なに?めぐみんの爆裂魔法って、あれも壊せないへなちょこなの?」

 

「上等ですよ!私の爆裂魔法を馬鹿にした罪、ここで償わせましょう!!」

 

「ちょ、ちょ、早い早い!」

 

カズマがめぐみんの口元を押さえる、うむ、煽り耐性低いやつは使いやすい。せめてもう一人くらい火力持ちが欲しい、そもそも俺のチートは時間制限あるし、奥の手ぐらいにしておきたい。そんなことを考えていると、入口の方が騒がしくなる。貧乏店主なんて聞こえるあたり、ウィズが来たみたいだ。なんか盛り上がってるところの話を聞くと、ウィズは元凄腕のアークウィザードらしい

 

「あ、これ勝っただろ。とりあえずカズマ、作戦もうちょっと詰めようぜ」

 

「はいよ!」

 

というわけで、ギルドの職員たちと、作戦の主要人物たちを集め作戦会議を

 

-------------------------------

 

「来たぞー!!」

 

一人の冒険者が他の冒険者に大声で呼びかける、確認してみると遠くに米粒みたいな何かが見える。というか、こんなに離れてるのに見えるのかよ、どんだけ大きいんだよ

 

「それで?行けそうかアクア」

 

俺は隣にいるアクアに話しかける、まぁ当たり前だが、全然緊張していなさそうだ

 

「私を誰だと思ってるの?」

 

「決めるところはしっかりと決めてくれる女神様だな」

 

「ふふん!そうでしょう、そうでしょう!!」

 

まぁそうやって、すぐに調子になるのがいただけないんですけどね。まぁアクアの自信満々の顔を見たら、どうでもよくなってきたんですけどね

 

「んじゃ頼むわ、アクア」

 

「任せなさい!!」

 

止まっていたデストロイヤーが動き出す、下を見てみるとカズマからの合図が、なのでアクアに指示を出す。屋敷から飛んできたのだろう、どういう原理なのかは知らないが、アクアの手には愛用の杖が握られたいた。それを勢いよく回転させたと思うと

 

「セイクリッドー!!」

 

練り上げられる魔力、複数展開される魔法陣、目の前の光景に圧倒される

 

「ブレイクスペル!!」

 

撃ちだされる魔法、すごい風圧に踏ん張る。撃ちだされた魔法は障壁にぶつかる、結果は拮抗、しかもよく見るとデストロイヤー止めてるし

 

「アクア!!」

 

「うらぁー!!」

 

もっと魔力を込めたのか、五個あった魔法陣は一つになり、ついに障壁を破る。見事なもんだな

 

「お疲れ」

 

「ふふん!どうよ!」

 

なんて近づきながらドヤ顔するアクア、それが微笑ましくて頭を撫でてしまうが、気分がいいのか振り払われることはなかった。続いて爆裂魔法だが、カズマがめぐみんに発破をかけ、成功に終わったのだが...まぁそううまくいくわけはなく、デストロイヤーの自爆機能が作動したのだった

 

「マジかよー!!」

 

俺達以外の冒険者たちの、悲鳴にも似たそんな声が聞こえた




感想や評価お待ちしてます


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第十七話 この機動兵器と決戦を 後編

めっちゃ久しぶりに書いた......

ア「一か月近く放置してたものね」

すみません! なぜか書く気力が! すみません!

ク「それで? あれだったら凍結も考えていたのになんでまた?」

いやー、こんな作品でも一応面白いって更新待ってますと言ってくれる方がいたので

エ「ペッペッペーさん、この場でお礼を言わせていただきますね、ありがとうございます」

そんなわけで、亀更新でアニメ準拠なので二期の終わりまで書いたら止まりますが、それまでお付き合いください

ア エ ク「それでは本編どうぞ!」


自爆機能が作動した、とアナウンスが流れ、辺りに絶望感が流れたと思われたが、冒険者たち、いや、俺以外の男の冒険者たちは何故かもっとやる気になっていた。 手を見ると何かのチケットを持っていた、カズマが持ってて俺が持っていないということは、多分あの店のだろうなんてあたりを付ける

 

「ねえリュウヤ、あれなんだか知ってる?」

 

なんて唯一チケットを持っていない俺にリーンが聞いてくるが、この街の男たちの名誉のために言うことはしない

 

「さあ?にしてもどうする?」

 

何故か周りに人が集まってきていたので、聞いてみるが

 

「どうするって言ったって、なぁ?」

 

「リュウヤの魔法は?」

 

「やってもいいけど、中にコロナタイトとかいうのあって危険じゃね?」

 

「それと言いにくいのですが、ダクネスが中に入っていきましたよ」

 

「・・・・・・」

 

カズマに背負わられためぐみんが、申し訳なさそうに言うとクリスが絶句していた。 周りの冒険者たちはさらに盛り上がり、ダクネスに続けなんて言う始末

 

「まぁどっちにしろどうするかは決まったな」

 

「あのバカ......とっちめてやる」

 

「んじゃ、行きますか」

 

流石にめぐみんは連れて行くわけにもいかず、ギルドの人たちに預け俺たちはデストロイヤー内部へと向かった

 

------------------------------

 

「ほんとみんなやる気だよねー」

 

デストロイヤーの内部に入ったクリスがそう呟く。 まぁ確かに、ゴーレムとかは先行した冒険者たちが壊しまくってるし、壁なんかも壊しているのか、所々に穴が開いたりしていた。 ホントに必至だな他の奴ら

 

「頑張るのはいいけど、なんか邪な思念を感じるのよね」

 

アクアはアクアで鋭かった、サキュバスのために頑張ってるもんだしなこいつら。 男たちの名誉のために言わないけど

 

「まあいいんじゃないか楽して進めるし」

 

「そうだな、急がないと街に何かあったら大変だし」

 

「怪しい.......」

 

女性陣は勘が鋭いようで、カズマのことも怪しがっている。 まぁ仕方ないことと割り切り、デストロイヤーの制御室を探していた。 あるのかはわからないが、そういう部屋があるだろうと、探していた

 

「おい、あったぞー!」

 

遠くから叫び声が聞こえ、俺たちはその声がした方に向かう。 するとそこにあったのは、白骨化した遺体だった

 

「うそ......」

 

「真相は自立行動していたってわけか」

 

指示しているはずの科学者は遺体、ということはだ、これを止めることはできないのだろうか。 そんな諦めにも似た空気の中、アクアは遺体の横にあるサイドテーブルに置いてあった、日記みたいなものを読み始めた。 どうもこの科学者はストレスが溜まっていたらしい

 

「にしても暴走した原因がタバコの火を押し付けてとか、笑い話にもならないな」

 

「ちくしょう!なめんな!!」

 

「でもどうやって止めるんだこれ」

 

他の冒険者たちは非難させ、俺たちはこの場に残っていた。 目の前には、暴走し輝くコロナタイト

 

「取り出す、にしてもどうなるかわからないものね」

 

「コロナタイトごと破壊したらどうだ?」

 

「危険だよカズマ、これだけの巨体のエネルギーを賄ってたものだよ、下手しなくても大惨事だよ」

 

「だよなぁ......」

 

色々思いつく限りの案を出すが、どれも危険ということで却下。 なのだが

 

「スティール、ほ」

 

「「「「は?」」」」

 

スティールをし、中からコロナタイトだけを抜き出し、そのコロナタイトを四次元ポケットに入れて、そのまま放置する。 やはり何も起きないようだ

 

「おいリュウヤ、それ......」

 

「いわずと知れた四次元ポケットだ」

 

「あー、そう言えばそんなものがあったわね......」

 

「まぁなにはともあれ、一件落着、かな?」

 

なんか納得いっていないようだが、一応コロナタイトの問題は解決した

 

------------------------------

 

外に出ると探していたダクネスがいたのだが、何故か表情は険しいままだ

 

「あ、ダクネスようやく見つけた! ダメでしょ勝手に突撃しちゃ!!」

 

「・・・・・・」

 

「ダクネス?」

 

クリスもダクネスの様子に気が付いたのだろう、そんなことはお構いなしにダクネスは口を開いた

 

「まだ終わってはいないぞ」

 

「どういうことだダクネス?」

 

「私の危険を察知する嗅覚は、まだ香ばしい臭いをかぎ取っている」

 

「つまり?」

 

「これからまた何か起きるということだ」

 

ダクネスがそう言い終えるのと同時に、周りの冒険者たちが騒ぎ出す。 なぜか熱いと言いながら、急いでデストロイヤーから降りている。 なんか香ばしい臭いが、てか足元が熱い

 

「ねえ、なんか足元熱くないかしら」

 

「しかもなんか香ばしい臭いもしてくるね」

 

「あのう.....多分これデストロイヤーが熱くなってるんじゃないでしょうか.......」

 

ウィズのその言葉に、俺たちは急いでデストロイヤーから降り始める

 

「どうなってるんだこれは!?」

 

「もう、だめなのか!?」

 

「まだだ、何か可能性があるはずだ!!」

 

なんて周りで騒ぎ始め、何故か全員俺たちの方に向く

 

「な、なんだよ」

 

「そうだカズマだ!」

 

「カズマなら何とかしてくれる!!」

 

「割引チケットだ持ってけ!だからこの街を頼む!!」

 

カズマが若干後ずさりながらそう言うと、男の冒険者どもは、手に持っていた割引券を渡し、カズマにすべてを託したようだ、そしてカズマはというと

 

「・・・・・・なぁリュウヤ、何とかならないか」

 

「他力本願だな」

 

俺に頼ってきた。 確かに俺なら何とかできるかもしれないが、俺よりもウィズに頼ればいいのではないだろうか

 

「どういう状況なんですかカズマ」

 

そこにギルドの職員に預けていためぐみんが合流、それを見た俺は

 

「ちょうどいいのいるじゃん」

 

「「へ?」」

 

その俺の言葉に、カズマとめぐみんはポカンとしていたが、俺は説明するとめぐみんは乗り気だった

 

「さあやりましょう!! 時間は待ってくれませんよ!」

 

「偉く乗り気だなオイ! でも魔力はどうするんだ?」

 

「アクアか俺のチートじゃないか?」

 

「アクアお願いできませんか?」

 

何故か俺じゃなくアクアに頼っていた、まぁ多分、俺がこの間ルシフェリオンブレイカー使ったからだと思うが。 あれからめぐみんよく突っかかってくるし

 

「えー......」

 

なぜかアクアは渋っていたが、そうも言ってられないので

 

「高級シュワシュワ一本」

 

「乗ったわ!!」

 

買収しやすいなアクア、クリスは横で苦笑していたが

 

「先ほどは遅れを取りましたが、今の私なら、ウィズやこの間のリュウヤにだって負けません!!」

 

なんて言って詠唱し始めるめぐみん、負けませんて別に競ってるわけじゃないし、それに

 

「俺のルシフェリオンブレイカーって、空気中の魔力集めてるから、実質制御できれば威力なんていくらでも上がるんだよなぁ」

 

「今そう言うこと言わないの」

 

「流石に今はそう言うこと言わないで」

 

なんて二人から注意を受けた

 

------------------------------

 

デストロイヤー討伐から数日後、冒険者たち、男たちだが、それが女性冒険者たちにぼこぼこにされたり、この件に関しては俺は無罪になった。 行ってないしな。 てなわけで、いろいろ問題にもなったがアクセルの街は先日とうって変わって平和だった。 そうそうルナさん曰く、新人の冒険者たちも増えたようだ、なんでも初心者の街でデストロイヤーを倒したのが有名になり、冒険者になるやつらが後を絶たないのだとか。 俺たちはというと、今日も今日とてクエストだ




久しぶりだけど結構すらすらかけた

では感想評価お待ちしてます


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第十九話 このパーティーにひと時の休みを

前回の話ではしょった部分の保管を、それでは本編どうぞ!


デストロイヤー討伐から数日後、アクセルの街は、いや、ギルドは緊張に包まれていた。 女性冒険者たちは男性冒険者たちを睨み、ギルドの職員、エリス教関係者など、普段集まらない人たちまでギルドに集合している。 なぜかというと、まぁ事の発端はデストロイヤー戦だ。 まぁあれだけの男性冒険者たちが割引券を持ち、それをカズマに渡していたのだ、そりゃあバレる。 俺? 俺はアクアとクリスによって無罪を証明してもらった。 まぁ知っていたのに黙ってたということで、俺はバインドされてますけどね! 抵抗してもいいけど面倒なことになるので、そのまま縛られている。 なんで嘘がばれたかって? そこはほら、エリス様の力でね。 とまあ、ギルド内は今カオスな状況になっていた

 

「それじゃあ、こいつらはどうしましょうかね?」

 

そう言ってアクアは、とある集団に目を向ける。 そこにいたのはサキュバス、と呼ばれる下級悪魔の集団がいた。 まぁなんでいるかというと、数日空いたのはこの調査のためだ。 そんなわけで哀れなサキュバス達、アクアが指を鳴らすと可哀そうなくらい震えていた。 男性冒険者たちは、そんな彼女たちを庇おうとするが、広範囲の退魔魔法撃たれたら、意味がないと思うのだが

 

「決まってるよアクアさん、浄化しなきゃ」

 

クリスー、笑顔で言うことじゃないと思うんだが。 目に見えて真っ青になってるぞサキュバスたち。 まぁ教義的に許せないんだろうけどさ。 まぁさて置き、男性冒険者たちが助けを求めるように俺を見るが、正直キモイ。 てかこんな状況で女性冒険者たち止められると思ってんの

 

「まぁ少し待とうか」

 

「・・・・・・」

 

笑顔でダガー投げてきましたよクリスさん、その状況を見て他の女性冒険者も引いている。俺はもう慣れました、そんなわけでダガーを利用し、バインドを解く

 

「ほれ返す。 さてこの状況、ギルド的にはどうなんですか?」

 

「ギルド的にですか? そうですね、まず街に悪魔がすんでいるという時点で、かなり芳しくないです」

 

「でしょうね」

 

まぁわかっていたことだ、ギルドは国直轄の機関だし、正直言ってこんな事不祥事でしかないだろう

 

「でもここで彼女たちを浄化しても、事実は変わりませんよ?」

 

「だからこそこの問題は持てあましているんです」

 

結局この街に悪魔がいた、という事実は変わらず、ここで浄化をすればもっと面倒な事態になるだろう、よってギルドがとれる行動はこのままだろう

 

「んで、教会側としては」

 

「もちろん決まってるよ」

 

「悪魔倒すべし、魔王しばくべし」

 

なんかお二人とも目が光ってるんですが、てか微妙に透けて見えますよ、エリス様

 

「でもこれって教会側の不手際にならない?」

 

「そんなものは消してしまえば証拠は残らないわ」

 

ええい! こういう時だけ頭良くなりおって、普段のアクアはどこ行った! なんて内心毒づいてみたが現状は変わるはずもない

 

「いやー、流石にここにいるヤロー共が証言するでしょ」

 

「いやー、そうなったら夜道に気を付けた方がいいかもね」

 

少しダガーを抜いて答えるあたり、本気だなクリス。 しかも世間を騒がせてる怪盗だ、スニーキングミッションとかお手の物だろ。 その言葉を聞き震えあがる男性冒険者たち。 これ説得無理だろ

 

「物騒なのはダメ、絶対。 とりあえずお前らは置いといて、女性冒険者の皆さんは何が気に入らないの?」

 

まぁ答えを聞かなくてもわかるが、やはり夢とはいえ、自分らが好き勝手にされているのが気に入らないとのこと

 

「んじゃあ、それさえなんとかできればとりあえずは静観?」

 

まばらだが頷く女性冒険者たち、んで、それをサキュバスに聞いたところ夢なのだから容姿などは好きに変えられるので問題ないとのこと。 これで女性冒険者たちは問題なし、なのだが、一番の最難関、宗教関係者。

 

「もうさ、説得面倒だからいい?」

 

「「いやいやいや、よくないから!!」」

 

どの口がそんなこと言うんだか。 男性冒険者たちが口をそろえてそんなことを言う、一番に説得投げてよこしたのお前らじゃん

 

「とりあえず、お前らが悪魔と相容れないのはわかるが、ここは何とかこらえてもらえないか?」

 

「リュウヤはサキュバス達がどれだけ危険なのかわからないから、そんなこと言えるんだよ!」

 

「でも実際こいつらはそういう被害だしたことないだろ?」

 

「たとえ出してなかったとしても関係ないわ! 浄化よ!」

 

「どうどう、落ち着け、落ち着け」

 

話も聞かずに浄化しようとするアクアをとりあえずなだめる

 

「だいたい言いたかないけど、エリス教徒がいるのに悪魔に気が付かない方も悪いだろ、聞けば普通にとはいかないけど、外は出歩いてたみたいだし」

 

「ぐっ、それを言われると」

 

クリスの方は詰まる、実際話を聞くと、外を出てたりしていたみたいだし、エリス教の不始末でもあるだろう。 だがアクアはそんなことでは止まらない

 

「私には関係ないわね!」

 

「お前もこの街に来て結構立ってるだろうが。 というわけでこれからはギルドが管理して、もし問題起こすようなら浄化してもらうということで」

 

ここが無難な落としどころだろ

 

「管理、と言いますが、どうやって?」

 

「ギルドの女性職員が最低一人常駐、監査などですかね? そこらへんは俺よりも、そっちのサキュバスたちと話し合って、決めてもらいたいんですけど」

 

「そう......ですね。 でも運営するのはいいですが、今の場所では......」

 

「なら今度来るデストロイヤーの賞金で、地下かどこかに作ればいんじゃないですか」

 

「それはいいですが......」

 

ちらりとブーイングが上がっている方を見る、当たり前だが女性冒険者たちからは声が上がるが

 

「んなもん、ヤロー共に払わせればいいじゃん」

 

「んな!?横暴だ!!」

 

「ああん? ならここで浄化してもらえばいい話になるが? だいたい俺はお世話になってないのにここまでやったんだぞ、礼を言われるならまだしも、文句言われるならこれ全部なかったことにしてもいいぞ?」

 

当然だがだまる男性冒険者たち、どうやら納得したようだ

 

「それでは今回の件に関しましては、男性冒険者たちで代金を工面する、というお話で」

 

こうしてデストロイヤー戦よりも疲れる、話し合いは終わりを迎えた

 

------------------------------

 

「というのが今回の顛末です」

 

「私は頭が痛いです......」

 

俺は今天界、つまりエリス様のもとに来て報告を行っていた。 もちろんクリスとアクアも一緒だ

 

「まぁ今回の件は俺のせいではないですので」

 

「それはわかっています、わかってはいますが......」

 

「あはは......お疲れ様エリス様」

 

数日前の雰囲気はどこえやら、普通に戻っているクリス。 アクアは相変わらず膨れていた

 

「まぁ俺が説得しなくても、カズマが俺と近い条件を勝ち取ってたんじゃね?」

 

「それよ! あいつのせいで収入が減ったじゃない!!」

 

割引券を渡したのはヤロー共なのに、何故かカズマが悪いということになり、カズマは結構な額を支払った。 一応借金自体はないものの、カズマは貯金がほぼゼロと悲惨な結果になり、俺たちはクエストに毎日行っている状況だ

 

「やれやれ、本当にあいつ幸運のステータスいいのかねぇ.......」

 

「なんかここまで来ると本当に疑わしいよね」

 

クリスも苦笑い

 

「まぁいいや、エリス様そろそろ」

 

「はい、それではクリス、アクア先輩、リュウヤさん、また来てくださいね」

 

「りょうか~い」

 

「了解です」

 

「それじゃあねエリス!」

 

 




少し最後無理やりな気がするけど気のせい

次話からは二期の内容です!

それでは、感想評価お待ちしてます


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第二十話 

前回、ふとサブタイトル詐欺じゃねとか思った今日この頃

ア「いつものことじゃない」

そ、そんなことはないはず

ク「自信持とうよ」

まぁ細かいことは気にせず

エ「本編どうぞ!」

追記:誤字の方修正しました、報告の方ありがとうございました


「くっそ......なんで俺がこんな目に」

 

「知らん」

 

俺とカズマは今、ギルドに来ていた。 先日の件もあり他の男性冒険者たちは行きづらいみたいだが、俺には関係ない。 てか、ギルドからは恩赦が出たくらいだし。 その関係で俺は潤っているわけだが、カズマはそうもいかない、なので俺は付き合ってクエストに出ているわけだが、相変わらずカズマは文句ばっかり言っている

 

「なんか楽して稼げるクエストないかなぁ」

 

「お前そればっかりだな、俺のクエストついてくるだけで大金が入るぞ」

 

「・・・・・・それはダメだろ」

 

「今の間は聞いておかないでやるよ」

 

そんな会話をしながら、クエストボードの前でクエストを探していると

 

「あ、カズマさんとリュウヤさん」

 

「あ、ルナさん、どもっす」

 

「この間はご迷惑をおかけしました」

 

カズマが珍しく頭を下げたが、色々と肩身が狭いのだ、この頃はこんな感じだ

 

「クエストをお探しみたいですが、どうですか?」

 

「こいつが楽して稼げるようなのをご所望みたいです」

 

「おい!?」

 

カズマは掴みかかってくるが、本当のことなので無視、それを苦笑するルナさん。 まぁわかっているとは思うけど

 

「らく、とはいかないでしょうけど、こんなのはどうでしょうか?」

 

そう言って一枚の依頼書を渡してくる。 俺とカズマはのぞき込み、内容を見てみる

 

「金になるかはわからないな」

 

「新たに発見されたエリアの探索か......」

 

この街の近くにはキールのダンジョン、という初心者用のダンジョンがあり、そこで新たなエリアが発見されたようで、その探索の依頼だった。 本当はそこそこの人数を投入しての調査のはずだが

 

「リュウヤさんは信用できますので」

 

ということで、紹介されたようだ。 何故かカズマは俺を睨んでいたが、普段の行いの差だろう、俺なんかは危険なクエスト優先的に受けるし、ギルドには恩を売ってある。 そしてこの間の一件、ギルドからは絶大な信頼を得たわけだ。 不本意ながら

 

「まぁ、でも俺はダンジョン探索向きではないから、カズマが受ければ

? クリスとかにスキル教えて貰ってるわけだし、余計に向いてるだろ?」

 

「うーん、そう言われればそうだな。 ルナさん、これキープしといてもいいですか?」

 

「あまり長い期間されると困りますけど、いいですよ」

 

「まぁ二、三日中に答えださせますから」

 

「お願いしますね」

 

笑顔で言うルナさんにカズマは驚いているようだが、当たり前の話だろう、ギルドとしても困るだろうし。 とりあえずクエストを探しているわけだが、カズマのお眼鏡にかなうクエストがない

 

「あ、それとリュウヤさん、受けて欲しいクエストが」

 

「はいはい」

 

俺のところに来るクエストは、比較的危険度が高く、しかも緊急性の高いものが多い。 まぁ、その分報酬もいいのだが

 

「たまにはお前のクエストについて行こうかなー」

 

クエスト内容を見ていないでそんなことを言っているが、いいのかコイツ。 多分というか、絶対にやばいぞ

 

「じゃあ行こうか」

 

そんなわけで二人で緊急クエストに出発した

 

------------------------------

 

「ギャーーーーーーーーー!!!!」

 

「内容見ないでついてくるからだよ」

 

俺達は今雪山を高速下山していた

 

「なんでお前はそんなに余裕なんだよー!!」

 

「余裕だから」

 

「お前一発殴らせろ!?」

 

こんな状態で本当に殴ろうとしてくるので、俺は少しスピードを上げる。 ジャイアントトードの異常発生、その原因の調査と可能な限りの殲滅。 今回の依頼内容だ、楽に思えるかもしれないが、数がえぐい、軽くカズマに敵感知をしてもらったのだが、三十以上はいるらしい。 なんで山に、しかも冬にとも思ったが、大きなクレーターを見て解決した。 にしても、冬なのに動きが鈍らないとは、たくましいねこの世界の生物は

 

「どうするんだよこの状況!」

 

「いくらでも出来るだろ」

 

「ならしてくれー!!」

 

せっかちなやつだ、全部で何匹くらいいるのか確かめたかったが仕方ない

 

「同時詠唱、サンダーランス!」

 

八本詠唱し、六本を射出、残り二本だが

 

「結合! おまけのサンダーランス!」

 

結合し、ちょうど先にはなったサンダーランスの中央に来るよう、調整し投げる、見事に中央に刺さりそこにおまけのサンダーランスを投擲する。 そうすると

 

「な、なんじゃそりゃー!!」

 

カズマは止まって叫んでいるがいいのだろうか? こうしている間にも、漏らした奴らはこちらに向かってきているのだが。 まぁそう言いたい気持ちはわかる、サンダーランスに少し細工をし、突き刺さってもすぐには放電しないようにしたのだが、ちょうど円みたくなった中にいたトードは、放電に巻き込まれ、いい感じに焼けていたのだ。 まさか中央の放電が、そのまま円のように囲った中に流れるとは、俺でも予想外だった。 これで広範囲攻撃できる攻撃が増えたな、なんて思いつつ次の詠唱に入る

 

「チェーンバインドからの、集え、明星。全てを焼き消す炎となれ」

 

チェーンバインドで先頭集団を縛り、そのほかは動きを抑制し、一か所に集め、俺の好きな魔法を詠唱する

 

「ルシフェリオンブレイカー!」

 

もちろん威力調整はしてあるので、焼けたトードの肉の出来上がりだ

 

「・・・・・・なぁ」

 

「なんだよ」

 

「これどうやって持って帰るんだ?」

 

「そりゃあお前」

 

------------------------------

 

「金になったのは良かったけど、お前の緊急クエストは行かない」

 

「内容見ないで来たお前が悪い」

 

結局トードの肉はギルドで買い取ってもらい、俺の緊急クエストは消化された。 カズマはカズマで、今日のことに懲りたのか、そんなことを言っていた。 別に俺としてはあまり気にしないのだが、そもそも俺の新魔法試しなどの意味合いが強いし。 まぁそんなこと言っても、金がない時はアクアはたまについてくるし、クリスは気が向いた時についてきたりしているので、純粋に一人という時はあまりなかったりするのだが

 

「それよりめぐみんだよ、めぐみん」

 

「あー......今日の大量発生、原因だもんなー」

 

ギルドには誤魔化してあるが、今回の原因は間違いなくめぐみんだろう、カズマなんか頭抱えてるし。 にしても本当にやめて欲しい、こういうのも何件かあり、めぐみんに毎回注意してるのだが

 

「やっぱり廃城なくなったのが痛いよな」

 

「一応形は残ってるけどな」

 

結局デュラハン討伐後、あの廃城に一日一爆の日課をしていたわけだが、ベルディアがいなくなってからというもの、廃城が本当に廃城になってしまったので、カズマがストップをかけたわけなのだが

 

「とりあえず問題は後、今日は飲む」

 

「お前の悪い癖だよなぁ、それ」

 

「うっせ、それにしてもこの依頼どうしよう」

 

カズマが懐から取り出したのは、今朝の依頼書。 それを真剣に眺めている

 

「いいんじゃないか受ければ、俺はダンジョン潜る気ないから、そのままお前の懐に入るぞ?」

 

「でもなー、お前経由で紹介されてるからなー」

 

「だから今日のは、お前の自業自得だろ」

 

今だに緊急クエストを気にしているらしい、あんなのくらい本当にどうってことないのだが、まぁ俺基準だしな

 

「ぐ、それはそうだけど......うーん、よし決めた! 受ける!」

 

「んじゃそれルナさんに伝えて来いよ」

 

「おう!」

 

どうやらカズマは受けることに決めたようだ、冬でまだまだ寒いし、俺は屋敷であったまってるかな、なんて思いつつジャイアントトードの肉をぱくついていた




なーんか書き始めるまでが長かった、とりあえずアニメ版から改変。 そもそもデストロイヤー戦、ポケットで解決したし

それでは感想評価お待ちしてます


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第二十一話 

今回はアクアにスポットを当てた回になります

ア「ふふん! ついに私の時代が来たわね」

気まぐれです

ク「私の出番は?」

チラッと出てくるだけでありません

エ「それでは本編どうぞ! 私の出番は?」



「ねー、疲れたー」

 

「我慢しろよ、というかお前が、計画性ないまま飛び出して、行ったからだろ」

 

アクセルから少し離れた道を、俺とアクアは歩いていた。 ダクネスが帰ってこない、ということでアクアが何の計画もなく、家を飛び出していったので追いかけてきたのだが、結局ダクネスの家を知らないということで、来た道を戻ってきているのだ。 ちなみにカズマだが、今日は別行動で、先日のキールのダンジョンの方の依頼で、クリスとめぐみんを連れてそちらの方に行っている。 めぐみんは話し合いのほうでも難色を示していたのだが、俺のクエストについて行くと、どうなるかを説いた結果、カズマの方について行くと言ったのでそうなった。 クリスは盗賊職、ということもあり、仕方ないかという感じでついて行ったようだ

 

「それはそうだけど......それにしても、早く冬終わらないかしら、寒い」

 

「そりゃあいつもの格好ならな、お前コート持ってたろ? なんで着てないんだよ」

 

「うっ......わ、忘れたのよ! 急いでたから! うー、こうなったらウィズの店に行くわよ! そうすればあったかい飲み物も出るし」

 

「ウィズの店は喫茶店かなんか」

 

呆れてものも言えない。 前からアンデットとか悪魔全般、浄化するべきっていう割には行ってるなー、なんて思ってたらそう言うわけか。 すでに街に入ってはいるが、先を歩くアクアの足は屋敷には向いておらず、この道だとウィズの店一直線だ。 まぁギルドの方に確認して、緊急度の高いクエストはないらしいので、いいのだが。 そんなことを考えていると、ウィズの店についていた

 

「たのもー!」

 

「店に入る言葉じゃないだろ......」

 

「あ、いらっしゃいませー」

 

アクアに続いて店に入ると、店主であるウィズが迎えてくれる。 迎えてくれたのだが、俺達、というよりもアクアの姿を見た瞬間、客と言っても俺たちともう一人だけなのだが、そっちのけで店の奥に引っ込んでしまった。 接客はいいのかなんて俺が思っていると、アクアはそんなことを気にせず、前来た時はなかったはずなのだが、いつの間にか窓側に置かれていたイスとテーブルがあるところに行き、座っていた。 座ったと同時にウィズも店の奥から姿を現し、何故かお盆の上に紅茶を乗せ、アクアの方に向かって歩いている、そうして紅茶をアクアの目の前に置き、それをアクアが飲む

 

「うん、今日もおいしいわね」

 

「それはよかったです。 あ、カミキさんもどうですか?」

 

「あぁ、うん、俺は遠慮しとく」

 

ウィズよ、今の自分の姿に、何の疑問も持たないのか? 思わず突っ込みたくなったが、本人も何も言わないし、いいのだろうと思い直し、とりあえずお礼を言っておく

 

「いつも、紅茶を?」

 

「はい」

 

「あ、そうですか、ありがとうございます」

 

「いえいえ、ではアクア様、何かあったらカウンターにいますので、お呼びくださいね」

 

「ええ、ありがとうウィズ」

 

そう言ってカウンターに戻るウィズ、アクアは優雅にお茶を飲んでいるが

 

「おいアクア」

 

「なに?」

 

「お前何ウィズに毎回こんなことさせてるんだ」

 

対面に座りながら、思わずため息をつく。 店主が客に無料で紅茶を出す店なんて、初めて見たぞ俺は

 

「え? 何かおかしい?」

 

「ツッコミどころ満載だ、常識はどうした常識は」

 

人間だったころのだが

 

「問題ないでしょ」

 

シレッと言って紅茶を飲むあたり、反省の色が全くないようだ。 今度からウィズの店に来るときは、菓子でも持ってこよう、お詫びに、そう心に誓う俺だった。 紅茶を飲むアクアをずっと見てるわけにもいかず、適当に店内を見てぶらぶらしているのだが、やはりというかなんというか、この店は産廃しか売っていないようだ。 実際役に立つものもあるが、初心者が買って元が取れるか、と言われれば取れるわけがないものばかりだし。 王都なんかで売り出せば少しは売れるのに、なんて評価ももっともだった。 店内にもう一人いるお客さんも常連なのだろうか、ウィズと話している。 しかも少し中がよさそうだ、あまりじろじろ見るのも失礼なので、すぐに視線を外したのだが

 

「カミキさん」

 

「はい?」

 

ウィズさんに呼ばれ、そちらを見ていると手招きしている。 その横で赤い瞳の少女がワタワタして、紅い瞳の少女、つまりは紅魔族か、なら用があるのも頷ける

 

「なんでしょうか?」

 

「こちらのゆんゆんさんがですね、用があるみたいで」

 

「はぁ?」

 

「・・・・・・」

 

俺がそちらを一瞥すると、少女はビクッとして、ウィズさんの後ろに隠れてしまう。 え? なにその反応、少し傷つくんだけど。 というか、紅魔族にしては珍しくないこの反応。 ウィズを見ると、ウィズも苦笑していた

 

「えっと、こちらの方なんですが、めぐみんさんのお知り合いの方だそうで」

 

「めぐみんの知り合い?まぁ同じ紅魔族だし、知り合いぐらいにもなるか。 俺はめぐみんのパーティーメンバーのカミキリュウヤだ、君は?」

 

「わ、我が名は、我が名は......」

 

めぐみんみたいな名乗りをあげようとして、止まってしまった。 紅魔族って、あんなのばっかりかと思ったら、ちゃんと常識を持った子がいたようだ、少し見直した

 

「あー、別にいいよ、無理しなくて? あんな中二臭い名乗り恥ずかしいでしょ?」

 

「っーー! ありがとうございます、ありがとうございます!!」

 

「お、おう」

 

何故か普通に自己紹介していいって言っただけなのに、かなりの勢いで頭を下げられた。 流石にこれは引いた、長い期間周りの奴らが異常なのだらけだと、こうなってしまうのだろうか? 少しだけ彼女に同情してしまう。

 

「私、ゆ、ゆんゆんて言います!」

 

「ゆんゆんね、それでめぐみんに何か用? 用があるなら伝えておくけど、いや、それとも屋敷に来て直接めぐみんに会う? 今クエストでいないから、待つことになると思うけど」

 

「おおお、お家に!?」

 

なぜそこまで驚く必要があるのか、なんか若干の温度差を感じながら、話し続ける

 

「あ、あぁ...... 積もる話とかもあるだろうし、無理にとは言わないけど」

 

「で、でも、いきなりお家に行ったら迷惑じゃないですか? それにお菓子とか用意してないし......」

 

「そ、そこまで気を使わなくても大丈夫だぞ? とりあえず行こうか」

 

「え、あ、はい!」

 

何故かこれ以上話していられなくなってきた俺は、アクアに声をかけ屋敷に帰ることにした

 

「アクア、帰るぞ」

 

「わかったわ。 ウィズ、紅茶ありがとうね」

 

「いえ、またのお越しをお待ちしてますね、カミキさん、ゆんゆんさん、アクア様」

 

------------------------------

 

「ほれアクア、紅茶だ」

 

「珍しいわね、リュウヤが紅茶入れてくれるなんて」

 

「客が来たついでだついで、ゆんゆんも紅茶」

 

「きょ、恐縮です......」

 

さらに縮こまってしまうゆんゆん、屋敷の大きさに緊張したのだろうか? 

 

「えっと、もっとリラックスしていいよ? 友達の家に来てるだけなんだしさ?」

 

「そ、それはそうなんですけど、あまり友達の家に遊びに行ったことがなくて」

 

「「・・・・・・」」

 

その言葉にティーカップを取ろうとして固まる、えっと、どういうことなのだろうか? アクアを見ると、紅茶を飲もうとして固まっていた。 どうしようこれ、やばいこと聞いちゃった? 後悔しても遅いが、ちょうどよくカズマ達が帰ってきたようだ

 

「おうお前ら、帰ってきてたの.......どちら様?」

 

「あー、この子は「カズマどいてください、入口で立ち止まらないでくださいよ、ん?」

 

「め、めぐみん! こんなところで奇遇ね! さあ勝負よ!!」

 

「・・・・・・奇遇も何も、ここは私たちパーティーの屋敷なんですが?

 




割とこの頃このすばが難産すぎて困る、ちゃんと言った手前二期のアニメの内容までは何としても書きますが

感想評価お待ちしてます


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第二十二話 

ク「今回こそは、私の出番は!」

大丈夫です、ちゃんとあります

ア「私は私は?」

さぁ?

エ「なんか、こんな役ばかりの気がしますが......本編どうぞ!」



めぐみんが帰ってきたとたん好戦的になったゆんゆん、今までの空気が霧散したのはいいが、いきなり性格が変わりすぎじゃないですかね?

 

「なになに? どうしたのこの状況」

 

遅れて入ってきたクリスは、状況について行けないのか、俺の方に近寄って来る。 とりあえず簡潔に状況を説明する

 

「めぐみんの知り合いらしいから連れて来たら、いきなり勝負申し込んで、今の状況」

 

「わかりやすい説明ありがとう」

 

「そっちは?」

 

「うーん、まぁいろいろあったよ」

 

頬を掻いて苦笑するクリス、なんだ、そんなに変なことでもあったのか?

 

「何があったんだ?」

 

「えーっとね......」

 

なんでも、クリスは松明で、カズマは千里眼を使い、未開拓のところまで進んだらしい。 一応それまでは危なげなかったらしいが、未開拓になると微妙だったようで、敵感知を発動させずミミックに突っ込んでいったり、潜伏しているからと言って、ゾンビの群れに突っ込んだりと、細かいミスが目立ったらしい。 当初の目的である未開拓の探索は終わったのだが、お宝はなかったらしく、カズマは肩を落としていたらしい。 その間クリスはと言うと、カズマをフォローしながら、ゾンビや下級悪魔を浄化して回っていたらしい。 もちろん、クリスの職業は盗賊なので、普通なら不可能なのだが、そこはカズマにばれないように、エリス様の力を借りてやっていたらしい。 もともとエリス様のお願いらしいが。 結局行き止まりまで帰ろうとしたカズマだが、クリスはそう感じず残っていた結果、リッチーにあったらしい。 問答無用で浄化したのかと思えば、ちゃんと話を聞いていたらしい。 そのリッチーはダンジョンの主である、キールだったらしく、どう王女と逃亡したのか聞いたらしい。

 

「不覚にも泣いてしまいました」

 

話しを聞いたエリス様は、そう言っていたそうだ。 俺も話を聞いたが、そんな、すごく感動できるという話ではなかった。 いや、実際キールは、その妻を愛していたんだなぁ、と言うのは伝わってくるが。 そんなわけで、ダンジョンの主であるキールを浄化したクリス、そのキールの宝を持ち、ウィズの店に行って帰ってきたらしい。 あ、もちろん浄化する前に、宝を貰っていいかは、キールに聞いておいたらしい

 

「ふーん、そっちはなかなか刺激的な感じだったんだな」

 

「そっちは? って聞くまでもないよね」

 

「まぁ、そもそも、ダクネスのうち知らなかったからな」

 

ダクネスがいないあたり察していたのだろう、苦笑しながら頬を掻いていた

 

「ところで報酬は?」

 

「ギルドに寄ってきたから少しはもらったけど、ほとんどは宝を売ったお金かな」

 

「お前ら話ししてないで、こっちの収拾を付けてくれ」

 

俺とクリスが話し込んでいる間にヒートアップしていたらしく、なんか呪文唱えてますが!?

 

「カズマ!」

 

「うぉ!? 馬鹿やめろ!」

 

カズマが急いで口をふさいだのでこれで屋敷が壊れるのは阻止、流石に今のを見て、頭が冷えたのか、気まずそうにこちらを見ていた

 

「あー、また日を改めてきた方がいい、この頭おかしいの今頭に血が上ってるから」

 

「ふー! ふー!」

 

何か言っているが、カズマが口をふさいでいるから、何を言っているかわからない

 

「そうします......」

 

妙に落ち込んだ様子のゆんゆん、そうしてゆんゆんが帰り、ようやくカズマが口から手を離した

 

「まったく、物騒な子ね」

 

「アクア、お前居たのか......」

 

「ヒキニート、私は最初からいたわよ。 リュウヤ紅茶お替り」

 

「マイペースだなお前、屋敷が吹っ飛ばされそうだったっていうのに」

 

------------------------------

 

次の日、昨日のお詫びもかねて、ダクネスを抜いたパーティーメンバー、全員で遊びに来ていたのだが

 

「「・・・・・・」」

 

紅魔族の少女、二人が無言で見合っていた

 

「またこの状況か......あ、ウィズ、アクアがお世話になってるお礼にお菓子持ってきた」

 

「あ、これはご丁寧にすみません。 どういう状況なんですか?」

 

お菓子を受け取りながら、不思議そうに尋ねてくるウィズ、昨日の顛末を話そうと口を開くが

 

「あー、実はですね......」

 

カズマが説明し始めたので、俺はその場を離れて、クリスとアクアの座る窓側の席に行く

 

「また始まったのねあの二人」

 

「なぁ、紅魔族ってみんなあんなに物騒なのか?」

 

またも勝負と言っていがみ合っている、というかゆんゆんが、一方的に突っかかっている状態だが

 

「うーん、そもそも紅魔族自体があまり里から出ないし、出ていたとしても、普通の人なら関わろうとしないのが普通だからなぁ」

 

「何か因縁みたいなものがあるんじゃないの?」

 

「そんなもんなのかねぇ」

 

昨日の様子を見るに、違うような気がするが。 そんなことを思っていると、カズマがいつの間にか間に入っており、平和的に解決するようだ。 今回の勝負内容だが、仲良くなる水晶、熟練した魔法使いでなければうまく使えないらしい。 なぜか嫌な予感がする、こう言っちゃなんだが、ウィズの店にあるものって大体がガラクタだったりするのだ。 しかも聞くと、ウィズのおすすめということで、予感は一層に深まる

 

「それじゃあ行くわよめぐみん!」

 

「ふん!格の違いというものを見せてあげましょう!」

 

そう言って二人が水晶に手をかざし、魔力を込め始めると、無数に浮かぶ映像の数々、どうゆう原理なんだろうなー、って最初は純粋に見て居られたのだが、その映像は見るに堪えないものに変わった。 たとえば、席は無数にあるのに一人しか座っておらず、その少女の前にはケーキがあった。 ということはだ、たぶん誕生日なのだろう。 なぜか虫を食っていたりだとか。 やばい、なんだろう目から汗が。 周りを見回してみると、アクアは信じられないものを見るような目で、映像群を見ていた。 クリスは頬を引きつらせていた。 カズマは純粋に、引いてるし。 ウィズは、目をそらしていた

 

「「うわぁーーーーーーーーー!!??」」

 

二人もようやく我に返ったようで、悲鳴を上げていた。 そんなことするなら、魔力を込めるのをやめたらいいのではないだろうか? もちろん、今の俺には言えないが。 ウィズに詰め寄るゆんゆんだが、ウィズはきまづ過ぎて目を合わせるどころか、会話すらしようとしない

 

「っー! うらぁー!!」

 

めぐみんが奇声を発したと思ったら、なんか水晶投げようとしてる。 あれ壊したら弁償だよな、なんてそんな光景をぼんやりとみていた

 

------------------------------

 

「代金はカズマさんにつけておきますね」

 

「ちょっと待て、これを壊したのはめぐみんだ、めぐみんが払う」

 

「勝負を仕掛けてきたのはゆんゆんです、ゆんゆんが払います」

 

流れるような責任転嫁で、結局払うのはゆんゆんだった。 それには少し同情したが、昨日の会話が少しおかしく感じたが、こういうことだったのか

 

------------------------------

 

そして次の日 、ゆっくりしていると

 

「大変だ、たいへんなんだ!!」

 

見慣れない金髪の女性が、ドアを開けて入ってきた。 見慣れない、とは思ったがどうにも違和感がある。 まぁカズマの方に行ったということは、カズマの関係者だと思うので、俺は机でゆっくりしていたのだが、クリスの様子がおかしいことに気が付いた

 

「クリス、どうした?」

 

「だ、ダクネス?」

 

クリスがそう言ったので、改めて女性を見てみると、ようやく合点が行った。 髪型や服装が違うのでわからなかったが、ダクネスだ

 

「お見合い!?」

 

どうやらゆっくり出来ないようだ

 




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第二十三話

特に書くことがないので

ア エ ク「本編どうぞ!」

エ「あんまりじゃないですか!?」


「それで見合いって?」

 

ダクネスの見合い発言から数十分、クリスたちをなだめたり、全員分入れるついでにアクアに紅茶をいれたり、なぜ俺がこんなことをしないといけないのか、とも思ったが仕方ないのでやったわけだが、そうして席につき話を促す

 

「実は......」

 

どうも前々から、見合いは勧められていたらしいが、オヤジさんを張り倒して断っていたらしい。 まぁ見合いを進められていてもおかしくないな、一応結構すごい貴族みたいらしいし、世継ぎなどの問題もあるんだろう、それに冒険者だしな。 そう思い紅茶を飲む。 だが周りはそうではなく、騒がしい

 

「領主と言いましたよねダクネス、領主の息子は評判はいいですが、やはり領主が......」

 

そうなのだ、お見合いの相手は領主の息子、本人自体の評判はいいらしいが、その親である領主が黒いうわさが絶えない。 まぁ、そんなところに仲間が嫁ぐのは嫌だよなぁ。 ダクネスは逆に乗り気なのだが。 だが気になる点もある、どうもダクネスが小さいころから、領主本人が求婚をしていたようで、クリスはその話を聞いて激怒していた。 今は俺が押さえ込んでいるが

 

「ちょっと離してリュウヤ! ロリコンは死すべきだよ!!」

 

「待て待て、確かにロリコンは死すべきだが、今のダクネスはロリに入らないだろ?」

 

「それは......そうだね」

 

「おいちょっと待て、なんでロリで俺の方を向いたんだ」

 

ロリと言われる理由なら、わかっていそうなものだが、いや、たぶんわかってるからこそ異議を申したいんだろうが、めぐみんと良い雰囲気になってきてる時点でねぇ?

 

「? 何か今失礼極まりないことを考えられたような」

 

こいつら無駄に勘が鋭いな、早いところ別の話にしないと

 

「へー、噂通り、結構なイケメンじゃない」

 

いつの間にやら、アクアがお見合い相手の似顔絵を受け取っていたらしく、俺たちもそれを見る

 

「おー、確かに」

 

「性根の汚い領主からこんなイケメンが?」

 

「クリス、言いすぎじゃないか?」

 

確かに結構なイケメンだ、目元や口元なんかも整っているし、だがクリスは納得いかないらしい。 まぁ誰でも、領主自身は見たことないが、結構醜いらしいし。 うむ、どうやったらこんなのが生まれたのか

 

「・・・・・・」

 

カズマがアクアから渡された似顔絵を見ていたのだが、何故か破っていた

 

「あぁー!!?」

 

「か、カズマ! 何をしているのですか!?」

 

「あ、手が勝手に」

 

カズマぇ、イケメンに恨みでもあるのか? 手が勝手に破ったとか、かなりやばくね、それにしても、なんでこんなに焦っているのだろうか

 

「なぁクリス」

 

「何リュウヤ?」

 

「なんであいつらあんなに焦ってんだ?」

 

「あー、断るのに必要みたいだよ?」

 

クリスもよくわからないのか、首を傾げながらそう言っていた。 何やら、破った似顔絵を持って、アクアの方に行くダクネス、どうやら直してもらうようで、アクアがご飯粒で直そうとしている

 

「え? ご飯粒で直るの?」

 

「んーと? あー、でもアクアさん手先器用だし」

 

「そう言えばデストロイヤー討伐の作戦会議の時、水でアートやってたな......でも、あれって魔法だから、手先の器用さって関係なくないか?」

 

「ダクネスー、出来たわよー」

 

俺が答えの出ない疑問を考えていると、修復が終わったのか、アクアがダクネスを呼んでいた。 手に持っている似顔絵を振っているのだが、見事修復されていた。 破れたところなんて跡形もなく、遠目では本当にわからない。 ダクネスはアクアに、何度も頭を下げて感謝をしていた。 そして、俺の方を見るアクア、何故かどや顔で親指を立てていた

 

「殴りたいあのどや顔!」

 

「流石にそれはどうなのさ?」

 

アクアに気を取られていたため、俺はカズマの強行を止めることはできなかった。 そう、カズマが再び似顔絵を破くののな! ダクネスの悲鳴、めぐみんの詠唱が聞こえたので急いでそちらを向くと、似顔絵を破きながら悪い笑顔のカズマ。 どうやらまたくだらないことを考えたようだ、その前に屋敷と命の危機なのだが

 

「カズマ、めぐみん止めろ!」

 

「おっと! 破ったのは悪かったが、詠唱するんじゃない!」

 

「悪いで済むか! この馬鹿!」

 

「君はなんでそう余計なことを!!」

 

隣りにいたクリスは、一応ダクネスを止めるために、そちらの方に駆けよる。 俺はさっきから一言も発さないアクアが気になり、近くに行くのだが

 

「・・・・・・」

 

「うわー......」

 

静かに怒っていた。 いや、確かに時間はそこまでかかっていなかったが、結構精密な作業だったのだろう、それがすぐに破られたのが頭に来たのもわかる、だが、なんでそんなに怒っているんだ。 いつものように喚くわけでもなく、静かに拳を握っていた

 

「おーい、クリス、離れろ」

 

「どうし......うん、わかった」

 

俺がなぜそう言ったのかわかったのだろう、顔を引きつらせながらダクネスと共に離れるクリス。 ダクネスは文句が言い足りなかったようだが、クリスがアクアの方を指さした瞬間、同じように顔を引きつらせていた

 

「・・・・・・」

 

無言でこちらを向くアクア、笑顔で威圧感を放っていた。 そして、目が笑っていない、なんで俺の方を向くのかわからない、背中の冷や汗がやばい

 

「ねぇ、リュウヤ」

 

「な、なんだ」

 

「あいつぶっ飛ばしていい?」

 

「どうぞ」

 

即答した。 別にカズマを売るわけじゃないが、俺としてもこんな目でずっと見られているのは、正直言って嫌なのだ。 なので即答した。 静かにカズマに近づいて行くアクア、それに気が付いていないのか、カズマは相変わらずめぐみんを押さえていて、先に気が付いたのはめぐみんで、別の意味で暴れ始めたのだが、それにカズマが気が付くはずもなく、さらに抑え込もうとするのだが

 

「カズマさん、めぐみんを離しなさい」

 

「はぁ? 何をい......」

 

アクアが声をかけて、ようやくカズマはこちらを向いたのだが、時すでに遅く、 アクアのパンチの射程圏内だった。 カズマはようやく自分の失態に気が付いたのか、顔を青くしていた

 

「あのアクア様? どうしてそんなに怒っていらっしゃるのでしょうか?」

 

「あらカズマさん、私は別に怒ってないんていませんよ?」

 

嘘だ! ここにいる全員がそう思っただろう、俺は顔が見えないが、クリスたちが震えているということは、多分今すごくいい笑顔なんだろうけどな、目は笑っていないだろうが

 

「わたくし、何か悪いことしましたか?」

 

「・・・・・・」

 

無言でアクアは、床に無残に落ちている、さっき直した似顔絵を指さす。 それを見たカズマは、顔を真っ青にする。 その隙にめぐみんは、カズマの拘束を振り切り、クリスたちのもとに逃げた

 

「さぁカズマ、お前の罪を数えろ」

 

「ここで言うセリフか!?」

 

「ゴッドブロー!!」

 

「ぷげらっ!?」

 

カズマはギャグマンガのように吹き飛ぶ、いつもより威力が上がったのか、結構な飛距離を出したが、気にする者はいなかった、自業自得だし。いや、めぐんみんだけは、カズマのそばに寄って行った。 なんかつついてるぞ?

 

「大丈夫です、死んではいないみたいです」

 

「お前も大概酷いよな」

 

「気にする必要はないわ!ちゃんと手加減してるもの!」

 

「どや顔で言うことじゃないからな?」

 

胸を張って、どや顔で言うアクアに即ツッコミを入れる。 入れるのだが、俺の言葉を聞こえないふりをしているらしく、自分の席にてすっかり冷めてしまった紅茶を飲んでいた。 なんでいい仕事した、みたいな感じで飲んでるんだよ、腹立つわー 




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第二十四話

割とすらすらかけた

ク「珍しいね」

ゲームやりながらだから時間かかったけどね!

ア「・・・・・・」

エ「この頃私の出番が......本編どうぞ!」


ダクネスの見合いはカズマとめぐみんに任せ、俺とアクア、クリスはギルドからの依頼をこなしに来ていた。 なんでもこないだ、カズマとクリスが潜って以来、謎のモンスターが出現しているらしく、その原因と調査に来たのだ

 

「そんなわけでクリス、なんか心当たりないか?」

 

キールのダンジョンに向かうのは、それなりにかかるので、クリスに聞いてみた

 

「うーん、前回はただ潜って、キールを浄化しただけだしなぁ......」

 

「何か変なのが出てくるようなことはしてないのね?」

 

「うん」

 

「まぁ元から疑ってたわけじゃないが」

 

ギルドも元から、クリスとカズマを疑っていたわけではないが、ちょうど手が空いてるのが俺たちだったので、来ただけに過ぎない。 まぁ、ギルド職員が屋敷に来たのはどうかと思うが。 いや、確かに緊急の要件ならとは言ったが、これそこまで緊急じゃない気がする

 

「あ、そろそろ着くよ」

 

そこそこ距離はあったが、開けた場所に着き、目の前には石造りの入り口が、なのだが

 

「・・・・・・前にあんなのいたのか?」

 

「いや、あんな変なのいなかったよ」

 

仮面をつけた小さいのが、ダンジョンの中から出てきているのだが、結構な数が出てきていた

 

「なんかあの仮面見てると、イライラするんだけど」

 

「行こうとするなよ? 何があるのかわからないんだから」

 

草むらに隠れているのだが、なぜかアクアが、あの仮面の人形みたいなのを見た瞬間、何故か飛び出そうとしている

 

「私はそこまででもないけど、やっぱりなんかあると思う」

 

「お前らがイライラするもの? アンデットとか悪魔とか?」

 

適当に言ったのだが、二人ともハッとした顔をする。 え、なに、当たりなの?

 

「そうよ悪魔よ! あいつから薄いけど悪魔のにおいがする!」

 

「え? 悪魔って臭いあるの?」

 

「独特なにおいがあるよ?」

 

なにそれ怖い、いや、生きてるんだから臭いはあるだろうけど、聞きたくなかったそんな事実。 この世界で、今までのファンタジー感、壊れるのがやばい。 まぁ、元の世界の常識が通じないなんて、わかりきってたことだけどね

 

「とりあえず、お前たちはこのまま隠れてろ、俺が様子を見に行くから」

 

草むらから飛び出し、様子を見る。 そうすると一体がこちらに気が付いたのか、寄ってきて、片足に抱き着いてきた

 

「なんだコイツ」

 

「気を付けてよリュウヤ」

 

「ああ」

 

しばらく様子を見てみるが、何も行動を起こさない。 気を抜きそうになった瞬間、仮面の着いた人形が発光し始めた

 

「あー、お約束ね。 クロックアップ!」

 

ついていない方の足で、人形を蹴り上げ、クロックアップを解除する。 すると、やはりというか、爆発した

 

「んな!?」

 

「リュウヤ!大丈夫?」

 

「あぁ、にしてもこんなのがあふれてるのは危険だな、ほ」

 

虎徹を出し、見える範囲の人形は切っておいた

 

「相変わらずチートね、それでこれからどうするのよ?」

 

「あれの特性はとりあえず分かった、ギルドに報告して、ここら辺の立ち入り禁止と討伐組んだ方がいいだろ」

 

「でも、引っ付いて爆発するんじゃきつくない? 耐久もそうだけど、遠距離攻撃できないと」

 

「最悪、俺のチートで何とかしてもいいけど、数がどのくらいかわからないからな、大型のチートとか、強力な魔法使うことになったら、崩れる」

 

「まぁそうなるわよねぇ......」

 

「でもそうなると人海戦術?でもなー」

 

「防御力あって、あの程度の爆発にびくともしない......あぁ、いるじゃん」

 

「誰?」

 

「ダクネス」

 

二人ともあぁ、みたいな顔になる。 この頃パーティーにいなかったので、忘れがちだが、あいつの頑丈さは今回役に立つ

 

「それじゃあ、一回ギルドに報告して、ダクネスの家に行きましょうかね。 クリス案内よろしく」

 

「任せて!」

 

------------------------------

 

ところ変わってダクネスの家、もっと大きい屋敷を想像していたのだが、十分大きいが想像よりは小さかった、そのことをクリスに言うと、どうもダクネスの家は、いい貴族のようで屋敷を小さくして、その分のお金を住民へと回したりしているのだとか

 

「ふーん、そっか」

 

「? どうしたのリュウヤ、なんか様子がおかしいよ?」

 

「そうか?」

 

「クリス、そこまでにしておきなさい。 もうそろそろ着くわよ」

 

大きな扉の前、これを開ければダクネスたちがいるらしい。 扉に手をかけ開けると

 

「失礼しま、す?」

 

「お父様、バルター様、今まで隠していましたが、私のお中にはカズマとの子供が」

 

「「「「は?」」」」

 

そんな話を知らない俺たちのパーティーは、思わず声を上げた。 というより、お見合い相手のバルター以外、部屋の時間が止まった

 

「はっはっは、おなかにカズマ君の子が、父には、僕からお断りをしたと言っておきます」

 

そう言って隣を通り過ぎ、出ていく好青年。 じゃなくて

 

「カズマ、お前......」

 

「おいー!なんでお前まで信じてんだよ!」

 

「いやだって、カズマなら、ねぇ?」

 

「おいこの駄女神、どういう意味だ!」

 

「そんな、まさかダクネスが、あー......」

 

「黒より黒く漆黒に」

 

「お前は詠唱ヤメロー!!」

 

誤解を解くのに、結構な時間がかかったということだけは言っておこう

 

------------------------------

 

「やー、俺は冗談だと信じていたZEッ☆」

 

「ならその顔やめろ。 殴っていいよな、いや、殴らせろ」

 

夕方から夜になってきたが、俺たちは屋敷に帰らず、キールのダンジョンへと移動していた。 カズマが殴りかかってきているが、難なくかわす

 

「それで、クエストとはどういうクエストなんですか?」

 

詳細を聞いていないめぐみんが、聞いてきたので、追加で発注さえれたクエストの説明も併せてしておく

 

「最初は謎のモンスターの調査、だったんだけど、俺とアクア、クリスで調査に行ったんだが、厄介な習性を持っていてな」

 

「厄介な習性? なんだ?」

 

「喜べダクネス、取り付いて爆発する」

 

「んなっ!?」

 

「嬉しそうにしてるんじゃない、このドMクルセイダー」

 

「それでダクネスには、クルセイダー本来の役割を果たしてもらいたいんだ」

 

「クリス、いくら本当のことでも、もっとオブラートに包んでくれ......私だって傷つくときは傷つくんだぞ?」

 

嬉々としていたダクネスだが、クリスの言葉を聞き、少し傷ついたような表情をしていた。 そんなダクネスを無視して、アクアが話しを進める

 

「それでギルドにその報告をしたら、危険だってことになって、討伐依頼が出たの」

 

「確かに危険ですが、大人数で行ったら、それこそ危険じゃないんですか?」

 

「そこは問題ない、これは、俺当ての緊急クエストになってるから」

 

「それはそれで安心できないんですが」

 

めぐみんは、何故か帰りたそうにしていた。 失礼な奴だ

 

「それで? 今回は誰が潜るんだ?」

 

「ダクネスはレギュラー、案内役にカズマ、何かあった時ようにクリスか?」

 

「お前たちは?」

 

「俺たちは外でいいんじゃないか?」

 

そう言うとカズマは不満そうにしている、まぁそれもそうか

 

「俺はチートがあるが、ダンジョン内で使うのはあまりお勧めはしない。 めぐみんは言わなくてもわかるだろうが、アクアは控え。 どうもアクア曰く、その人形からは悪魔の匂いがするらしい、もし何かあったらアクアにダンジョンごと浄化してもらう、可能だろアクア」

 

「もちろん!」

 

「そう言うわけで、見えてきたな」

 

ダンジョンにつくと、昼間よりも入口人形があふれかえっていた。 その人形たちに、嬉々として突っ込んでいくダクネス、大爆発したのだが、無傷だった

 

「・・・・・・大丈夫そうだな」

 

「どんだけあいつ頑丈なんだよ」

 

こちらに笑顔で手を振っているダクネスに、俺とカズマは若干引いていた




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二十五話

かなり久しぶりにエリス様本編登場!

エ「ようやくですね!」

ク「あー、たまってたんだねエリス」

ア「本編どうぞ!」



カズマ達御一行が洞窟に入ってしばらく、外で待っている俺たちはというと

 

「リュウヤー、紅茶まだー?」

 

「あ、私もお代わり貰っていいですか?」

 

「俺はお前らの執事かなんかか」

 

ダンジョンの外で紅茶を飲んでいた。 クエストに向かうなら、ということで長丁場になるかもしれないというダクネスのお父さんに好意により、お詫びもかねて荷物を持たされたのだが、その中に入っていた紅茶をアクアが見つけ、現在に至るというわけだ

 

「大体、カズマ達がダンジョンの中で頑張ってるんだぞ?」

 

紅茶を二人に手渡しながらそういうのだが、二人にはどこ吹く風、普通に反論してきた

 

「どうせ頑張ってるのは、ダクネスとクリスじゃない」

 

「カズマは後ろから姑息な作戦を考えているか、逃げる準備をしているに決まってます」

 

「お前ら......」

 

カズマは司令塔として頑張っているのだが、この二人にはそうは見えないらしい。 哀れカズマ、でも考えてみたら普段アイツもそれなりに騒ぎ起こしてるし、自業自得か

 

「でもリュウヤが待機なんて珍しいですね」

 

「そうか?」

 

「うーん、確かにそうね。 アンタってチート使って我先にって感じだし」

 

うんうん頷くめぐみん、俺って普段そんな感じなのか? そんな風に少し落ち込みながら、カズマ達が来るのを待っているのだが

 

「このダンジョンて結構深いのか?」

 

「どうでしょうかね、私も潜ったことがありませんので......あれ? 来たみたいですよ?」

 

「ん?」

 

めぐみんが指さした方向には、ダクネスがダンジョンの入口で立ち止まっていた。 いたのだが、何故か俺は違和感を抱く。 アクアはふらりと立ち上がり

 

「セイクリッドエクソシズム!!」

 

何故か対悪魔魔法を唱えていた

 

「「・・・・・・」」

 

これには流石に俺とカズマも絶句。 え、ダクネスになんで対悪魔魔法してんの? しかもあの様子だとダクネスに効いてるし

 

「なぁめぐみん、ダクネスはいつから悪魔になったんだ?」

 

「すみませんリュウヤ、私もいきなりすぎて状況について行けません」

 

ようやくカズマとクリスが追い付いたようだが、何故かクリスが結構消耗していた

 

「クリス!カズマ状況は?」

 

クリスを急いで回収し、カズマに状況を聞く。 どうやらアクアやクリスの予想は当たっていたらしく、ダンジョンの最奥一歩手前にいたのは悪魔で、魔王軍の幹部だったらしい。 作戦会議中に突っ込んだダクネスは仕方ないにしても、悪魔自体は不死身でダクネスにとりついたらしい、ダクネスとクリスの機転で一時的にダクネスに封印したのはいいのだが、乗っ取られて現在に至る、というわけか

 

「どうするか......」

 

「仮面が本体、というのなら仮面を破壊すればいいのでは?」

 

「ダクネスの力でも無理だったんだぞ、どうやって剥がすんだよ」

 

アクアはうまく立ち回っているようで、ゴッドブローとセイクリッドエクソシズムでうまく立ち回っていた。 やはり神と悪魔は相性が悪いらしい

 

「あのままアクアが倒すのを待てばいいんじゃないか?」

 

「お前はアホかカズマ、どう考えてもダクネスのあの動きは普通じゃない。 多分という絶対、あの体の持つポテンシャル百パーセント引き出してる」

 

「それってアクアは不利なんじゃ......」

 

「多分大丈夫だと思う、身体強化系のバフ使ってるみたいだし。 アクアさん真正面から対峙してるわけじゃないし」

 

クリスは冷静に戦況分析している

 

「ならリュウヤが押さえつけてその間に」

 

「俺まで浄化魔法の餌食だ」

 

「それに最初の一発で効かなかったんなら微々たるものだと思う、ダクネスそっち系にもスキル振ってると思うから」

 

「ダクネスの優秀なステータスに感心すればいいのか呆れればいいのか」

 

めぐみんは苦笑していた。 それはそうなのだが、さてどうするか

 

「仮面だけ破壊、なんていうのは、この際諦めた方がいいのかもな」

 

「やっぱりか?」

 

「ですがどうやって攻撃するんですか?」

 

「あ、リュウヤのアレでいいいんじゃない? スターライトブレイカー? だっけ」

 

「ベルディア浄化したやつか、ならカズマお前には囮を」

 

「あれに突っ込んだら死ぬわ!!」

 

そう言って硬直状態になっている方を指さす。まぁそうだわなぁ、だがクリスは消耗激しいし、これぐらいしか作戦が

 

「大丈夫、私がやる」

 

「クリス、本当に大丈夫なのか?」

 

条件から除外したのだが、クリスが声を掛けてくる。 少し神気が漏れているということは、エリス様が力を貸したんだろうが。 ピクリと向こうの悪魔も反応してこちらを見る。 わかったらしく、こちらを見てにやりと笑う悪魔

 

「なるべく早くお願いね」

 

ダガーを抜き悪魔に突っ込むクリス。 それを見たアクアは、バフをクリスにかけ自分も突っ込もうとするが

 

「アクアさんはリュウヤの方に! 私が時間を稼ぎます!」

 

互角とまではいかないものの、それなりに戦えるクリス。 俺は俺で、スターライトブレイカーのチャージを始める

 

「咎人に、滅びの光を。星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ.......術式解放、チェーンバインド!」

 

スターライトブレイカーを作りながら、遅延魔法を開放し、悪魔を縛り上げる

 

「アクア!」

 

「わかってるわよ!ゴッド、レクイエム!!」

 

まばゆい閃光に包まれ、閃光が晴れると仮面はきれいさっぱり消え去り、ダクネスは気絶していた。 なぜか顔が恍惚としていたが、なんかの見間違いだろう

 

------------------------------

 

 

それから数日後、ギルドの調査の元キールのダンジョンの立ち入り禁止は解除され、俺たちの依頼は成功となった。 成功報酬およびギルドに冒険者カードを提示したところ、魔王軍幹部であるあの悪魔、バニルというらしいのだが、それを討伐したということが分かり、微々たるものだが報酬が上乗せされた。 ダクネスだが、神聖魔法とはいえあの砲撃を食らったのだ、いくら頑丈でもタダでは済まず、数日間絶対安静、という診断がアクアから下された。 鎧の方もがたが来ていたらしく、ダクネスのオヤジさんを通じて第一級鍛冶師の鎧を用意して、今回の功労者であるダクネスに渡した。そしていつもの通りの日常を過ごすパーティーなのだが

 

「手伝いに来ましたよーエリス様ー」

 

「エリスー、来たよー」

 

パーティーメンバーというわけではないが、今回力を貸してくれたエリス様に少しでも恩返しがしたいということで、俺とクリスはこうして天界まで来てお手伝い、というわけだ。 アクアも数日に一度はきているので、仕事がはかどる、と言っていた。 それとは別にうれしそうなのだが

 

「それにしても、あの状況で力貸してもよかったんですか?」

 

「そうだねー、助かりはしたけど、カズマ君やめぐみんもいたし」

 

「うっ......私だって本当は力を貸す気はなかったのですが、アクア先輩も必死に戦ってましたし、それに......」

 

そう言って言いずらそうに目をそらすエリス様、なんだ? とりあえずエリス様の言葉を待つ

 

「どうしたのエリス?」

 

「えっと、カズマさんが頼りなさ過ぎて」

 

「「あぁ......」」

 

まぁ、確かにあんなのと戦うのはカズマに向いていないが、アクアが戦ってカズマは逃げたからな、そう言われても仕方ない部分はあると思う。 俺とクリスも思わず納得したし

 

「まぁ、あの時は助かりましたエリス様」

 

「もぅ、その話は終わったはずですよ?」

 

苦笑しながら言うエリス様、そうなんだがお礼を言いたいから言っただけなのだが

 

「さて、仕事はいっぱいあるし片づけちゃお!」

 

 

 

 

 

 




特に書くことはない! 感想評価お待ちしてます!


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第二十六話

特にないので

ア、エ、ク「本編どうぞ!」



季節は相変わらず冬で、雪も積もってる。 日本にいたときは、ここまで雪が積もっている地方でなかったので、正直言って寒すぎる。 アクアなんて暖炉の前を陣取ってる。 だが、カズマとの喧嘩はない、何故なら

 

「いい加減炬燵? から出て冒険しましょうよ!」

 

「そうだぞ、いくら儲かってるとはいえ」

 

「いいんじゃないか? たまには休憩も必要だ」

 

「そうだよ、ダクネス。 あ、リュウヤそこのミカンとって」

 

「はいよ」

 

俺とクリスも炬燵でだらけていた。 やはり、炬燵は人をダメにする魔力があるようだ

 

「いや、お前やクリスは普段から働き過ぎなのだ、お前たちはいいかもしれないが」

 

「このダメ人間はダメだと思います。 それに爆裂魔法は、外じゃないと撃てないじゃないですか」

 

コイツはダメだ手遅れだ、俺はそう思い無視することにした。 何故ここでアクアが話に出ないかというと、俺のクエストにちょこちょこ来たりしているからだ

 

「おい、いくら温厚な俺でも怒るときは怒るぞ」

 

「温厚......っは」

 

鼻で笑ってやったが聞こえないふりを強いているようだ

 

「温厚とか......っは」

 

「・・・・・・」

 

流石にクリスに言われたのは腹がっ立ったらしく、額に青筋が。 それでも何も言わないあたり、自分でも思うとこあるのかなー、カズマ君。 結局、駄々をこねたカズマだが、最後は尿意に負けて停戦を進言するも、それまでの行いからか、炬燵ごと外に放り出された。 さて、さっきから話題に出ていた炬燵だが、バニルとカズマの共同作品だ。 バニルだが、この世界の悪魔は残機、つまりは命のストックがあるらしく、それを使って生きていた。 仮面の上にⅤとか書いてあったのは笑ったが。 つまりスターライトブレイカーで、バニルのストックを四つ消費したらしい。 バニルが生きていたのはいいのだが、何故カズマと? と思う方もいるだろう。 もともとバニルには破滅願望があるらしく、その一環であのダンジョンにいたわけだが、そこについては割愛させてもらう。 早い話、バニルはウィズの店で資金をためている、そう思ってもらえばいいのだ

 

------------------------------

 

炬燵は外に放り出され、仕方なく俺たちは外出したわけだが、今はギルドではなく、武器屋に来ている。 なんでも、カズマがこの間の成功報酬で、勝手に装備を作っていたらしい。 まぁ俺はいらないと言って分けた報酬だ、どう使われようがいいのだが

 

「だけど使えもしないのに、鎧に金を使うのはどうかと思うんだ」

 

「すみません、金具外してもらってもいいですか?」

 

「はぁ......」

 

カズマは元のスペックが低いせいか、鎧を着ても腕をあげることはおろか、その場から一歩も動けなかった。 ダクネスは筋肉だるまだし大丈夫だろうが

 

「ばっかじゃないの?」

 

珍しくアクアがからかい口調ではなく、本気で呆れたように言う。 これには流石にカズマも堪えたようで、涙が。 誰も慰めないあたり、カズマの人柄がうかがえる

 

「なんか珍しそうだね」

 

「最初のころ来てそれっきりだったからな」

 

俺が店内を見て回っていると、クリスが駆け寄ってきた。 まだ来たばかりのころ、安い防具や武器を買ったと思うと感慨深いものがある。 そう言えば金もたまってるはずなのに、いまだにアクアはあの杖だ、まぁ本人が変える気ないようだし、いいのだろう。 なぜか物が倒れる音がしたのでそちらを見ると、カズマが商品である剣を倒していた

 

「あれって腰に横さししてるからいけないんじゃないの?」

 

「本人気が付いてないからいいんじゃね?」

 

居間も出入り口の扉に引っかかっているし

 

「アホですね」

 

「アホだな」

 

「はぁ......」

 

ようやく外に出てなぜか刀を投げているカズマは印象的だった

 

------------------------------

 

「とりあえず適当にコーヒーとサンドイッチを」

 

「私も同じのお願いしまーす」

 

「私も!」

 

俺、アクア、クリスは軽食を頼み腹を満たす。 めぐみんは何故かアスパラみたいなものを、リスみたいに細かく噛んで食べているが。 ダクネス? クエストを探しに行ってる、ちょっと不安はあるが

 

「おーい、これなんてどうだ?」

 

「何々? リザードランナーの討伐?」

 

受付嬢のルナさん曰く、この季節のリザードランナーは繫殖期らしく、姫様ランナーを求めてオスたちがデットヒートを繰り広げるだとかで、行商に迷惑がかかるらしく、それを討伐してほしいとのこと。 まぁそれくらいなら大丈夫かということで、俺たちは討伐に出発した。 大きな木があったのでそこにカズマが上り、暫くするとどうやらターゲットの大群が着たようだ

 

「結構な数いるな。 アクア、姫様はわかったけど、王様ってなんか特徴ないのかー?」

 

「うーん、ないんじゃないかしら? そもそもかけっこで一番早いのが王様って話だし」

 

それを聞いて苦い顔をするカズマ

 

「どうする? 全部殲滅するか?」

 

「できれば楽したかったんだが、仕方ない。 めぐみん、出番だ!」

 

作戦変更、元々はカズマの狙撃する予定なのだが、姫様が分かっても王様が分からない以上、作戦変更したようだ

 

「す、少し待ってください! 流石に遠すぎて確認できませんよ!?」

 

「そうだな、カズマは千里眼持っているからともかく、私たちは見えないぞ?」

 

確かに視力などがいくら良くても見えないだろう、俺だって見えないし。 だが、意外なところから提案が

 

「なら、私が引き寄せる?」

 

「出来るのかアクア」

 

「勿論よ!」

 

出来るのは結構だが、引き寄せるとなると危険もあるわけで、苦い顔をしたカズマだが、結局決行することに

 

「・・・・・・頼む」

 

「わかったわ!フォルスファイア!」

 

土ぼこりがやみ、こっちに向かって一斉に駆けてきた

 

「うわ、キモ!」

 

カズマが何か言っているが、なーんか嫌な予感がするので、準備をしておく

 

「めぐみん!」

 

「行きます! エクスプロージョン!!」

 

なのだがいつもの轟音が来ない

 

「エクスプロージョン!!」

 

もう一回やってみるが、出ない。 めぐみんによると魔力が足りないらしいが

 

「お前のせいじゃねえか、カズマ!」

 

そう、炬燵の時にめぐみんの魔力を吸い取っていることを思い出した。 いやな予感はこれか!

 

「準備しといてよかった。 術式解放!ルシフェリオンブレイカー!!」

 

炎の砲撃はリザードランナーの群れを全滅、こうしてクエストは成功した

 

------------------------------

 

「エリス様ー、今夜も来ましたよー」

 

「リュウヤさん、ありがとうございます」

 

今日も今日とてエリス様の手伝いだ。 夜にしか時間が取れないのは、少し申し訳ないが昼間はあいつを監視してないとやばいことになりそうなのだ

 

「今日はどんなクエストに行ったんですか?」

 

「クリス通じて見てるんじゃないんですか?」

 

「見てはいますが、やっぱり聞きたいじゃないですか」

 

そう言って少しすねた風に言うエリス様、それをばれないように笑いながら、今日のクエストについて話す。 改めて話して思うが、でこぼこの割によくまとまってるパーティーだと思う

 

「やっぱりリュウヤさん、チートだと思います。 五分の制限なんてあってもないようなものですし」

 

「まぁ似たような効果ありますからね、代用すればいくらでも」

 

「でも、リュウヤさんの場合リスク管理やってくれていますし、私としては良いんですけど......」

 

「まぁ神器まだまだありますからねぇ」

 

エリス様やクリスと回収してるとはいえ、まだまだあるのだ。

 

「まぁ、ぼちぼち行きましょう」

 

「はい

 




こっちも終わり近づいてきたなー

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第二十七話

えー、感想の方にカズマの活躍が見たいということですが、活躍させる気はほとんどありません!

ア「仮にも原作主人公なのに、不憫ね」

物語考えるのが面倒、と言うのもありますが、新しく出たゲームのゲスさで書かなくてもいいのではと思ってしまったので

ク「またいつ書いてるかが分かること言うね」

メタ発言はこのくらいにして、最後の方はちゃんといつもよりは活躍させます

エ「それでは本編どうぞ!」


おはこんばんにちわ皆さん、いきなりですが屋敷が俺の魔法によって跡形もなく消え去るかもしれません

 

「カズマ、遺言はあるか?」

 

「すみません!すみませんでした!!だからその魔法を消してください!!」

 

「そうですよリュウヤ!流石にこの頃のカズマの生活態度はどうかと思いましたが、ここまでする必要はないですから!」

 

「そうだ!やるなら私に!」

 

両脇を押さえられるが、魔法の行使に両脇抑えられても関係ないんだよね

 

「アクアさん、止めなくていいの?」

 

「そう思うなら止めてみる、クリス?」

 

「いいや」

 

なぜこうなったかと言うと、まぁバニルだ。 カズマと俺の世界の知識、それをもとに商品の開発、カズマとバニルは金を稼げてwin-winな関係、なわけだが。 別にそれだけなら俺もキレたりはしない、金を稼いで成り上がり、今まで忙しかった分休憩するのはいい、でも、金があるからと豪遊し、あまつさえ働かないのは我慢できなかった。 まぁ、その後の転落も知っているからこそ、なのだが。 幾分かこっちはマシな状況だけどな。 っと、そんなこと考えてる間に時間切れのようだ

 

「・・・・・・外に出てくる」

 

めぐみんとダクネスの拘束を抜け、俺は外に出ると、バニルがいた

 

「んぁ? バニルか、なにようだ?」

 

「ん? あの小僧との商談だ、お前は......散歩か?」

 

「そんなところだ」

 

妙に崩れているバニルの体にはツッコミを入れず、脇を通り過ぎる。 地獄の公爵、未来を見通す悪魔、なんて呼ばれているが例外があるらしく、俺やをウィズのように実力が同じくらいの相手だと、未来を見通すことができないらしい。 まぁ、些末なことか。 にしても、なんであんなに体が崩れかかっていたのやら。 そう言えばアクアあたりが屋敷の周りに結界はったとか言ってたな

 

「はぁ、にしても金はやっぱり嫌いだ」

 

恨めしく空を見上げながらそんなことを思う。 ホント気持ち切り替えないとなー

 

「リュウヤー!」

 

「止まりなさいリュウヤ!」

 

「んお?」

 

空を見上げながら街をぼーっと歩いていると、後ろから声を掛けられる。 なので後ろを見ると、なぜかクリスとアクアが走ってきていた。 とりあえず止まると、二人が追い付く

 

「どした?」

 

「ちょっとお知らせがあってね」

 

「旅行、旅行に行きましょう!」

 

「旅行?」

 

何だろうか? テレポートでも使って、王都にでも行くのだろうか。 それだと、旅行って言わないような気がしなくもないが

 

「旅行ねぇ、どこに行くんだ?」

 

「それなんだけど」

 

「水の都アルカンレティアよ!まぁ、私もクリスも微妙なんだけどね」

 

「はぁ?」

 

旅行って、自分等で嬉しそうに言ってたくせに、アルカンレティアって名前が出ただけで、苦い顔をするクリスとアクア、意味が分からん

 

「どういうところなんだそこ、お前らの顔見ただけじゃわからん」

 

「まぁ色々あるんだよ色々、特にアクアさんにとっては」

 

「あー、深く聞くなってことね」

 

「そう言うわけじゃないけど、説明するよりも実際に見た方が早いでしょ?」

 

と言うよりも、もう旅行に行くことは決まっているようだ、まぁ別にいいけど。 どちらにしろ気分を切り替えるっていう観点からはいいか。 そんなことを考えながら、クリスとアクアに手を引かれ、俺は屋敷に戻ることにした

 

------------------------------

 

「リュウヤ、行くよ!」

 

「早くしなさいよ!」

 

「お前らからテンション高すぎ.......」

 

いつもよりかなり早い時間、なのだが俺達パーティー一行+αは、馬車を取るために向かっていた。 カズマもめぐみんに引っ張られてるし、俺だけが眠いわけじゃないな

 

「リュウヤがテンション低すぎるだけだって!」

 

「ほかのみんなを見てみなさい!」

 

クリスやアクア、めぐみんは言わなくてもわかると思うが、テンションが高い。 ダクネスは、そうだないつもよりは高いなウィズ背負ってるけど。 ゆんゆんは、わからん。 そもそもいつも一緒に行動してるわけじゃないし

 

「はいはい、わかったから朝から騒ぐな」

 

こちとら朝早くからたたき起こされて眠いのだ、いつもの倍近く時間がかかったがついたらしく、アクアたちは馬車を取りに行ったようだ

 

「なぁ」

 

「なんだ?」

 

「こんな朝早くから行く必要あったのか?」

 

「わからん」

 

「「・・・・・・はぁ」」

 

思わずカズマと一緒にため息をついてしまう。 仕方ないと思うんだ、こんな朝早くからこうしてるんだから

 

------------------------------

 

結局、朝早くから行ったにもかかわらず、出発したのはしばらくたってからだった。 朝早くきた意味ー。 そんなことはさて置き、背負われていたウィズだが無事に目を覚ました。 そう言えば説明していなかったが、何故ゆんゆんとウィズが一緒に旅行にきているかと言うと、朝早くからゆんゆんがウィズを背負って屋敷にきたからだ。 なんでも、朝早くに修行していたゆんゆんなのだが、ウィズに張り紙がしてあり

 

『このポンコツ店主を持って、ライバルの屋敷に行くと良いだろう。 さすればいい未来が待っているぞ!』

 

という内容に従って、屋敷にきただとか。 ツッコミどころ満載だが、とりあえず収集つかないのでスルー。 で、ウィズの方だが、こっちの理由もしょうもないものだった。 商品を入荷したのだが、まぁお察しの通りポンコツ性能だった。 旅のトイレ事情が解決する魔道具、なのだが、消音のための音が大きすぎて、モンスター引き寄せるだの、洗浄効果が大きすぎて辺りが大惨事になるなど、ろくなものじゃなかった。 まぁそんな話題はさて置き、俺は外の景色を見ながらゆったりとしていた。 全員が座ってもゆったりできるほどの大きな馬車だ、よく取れたなこんなの

 

「なぁ、なんかあっちに土埃見えないか?」

 

「んぁ? 俺は見えないが......心配だったら、馬のおっちゃんに言えばいいんじゃないか?」

 

「だな」

 

隣りにいたカズマが俺に聞いてきたが、俺にはそんなものは見えず一応伝えに行ったようだが、おっちゃんも見えないようだ

 

「ん? モンスターか?」

 

暫くすると俺にも見えてきた、確かに土ぼこりが近づいてきている

 

「あれはハシリタカトビですね」

 

冷静に言うが、こっちに向かってきてないか?

 

「ねぇリュウヤ、アレこっち向かってきてるよね?」

 

「やっぱり?」

 

「おいダクネス!!」

 

カズマが血相を変えてダクネスに向かって行った。 どうもハシリタカトビの習性で、硬いものに向かって行くらしいのだが

 

「いや、そこだけ冷静になるなよ」

 

カズマが筋肉に引き寄せられてるって言ったら、ダクネスの奴冷静に否定しやがった

 

「おい、俺たちも!」

 

「なぁカズマ、俺達が行ったらろくなことにならない予感がするんだが、って聞いてないね」

 

俺の制止も聞かずにカズマは、ダクネスとめぐみんと一緒に出て行ってしまった。 まぁ、ダクネスは出て行った方がいいのかもしれないが

 

「どうするのリュウヤ?」

 

「どうするもクソも、あっちの護衛も金もらってるわけだしな、任せた方がいい気がするが」

 

「で、でも、私たちのせいだとしたら......」

 

「とりあえずゆんゆんとウィズは馬車守って、俺とクリスも出るか.......アクアはどうする?」

 

「うーん、けが人が出たら治療するからここで待機してる」

 

「了解」

 

馬車を出ると、護衛の冒険者に混じってダクネスが突撃していた

 

「ダクネス......」

 

「うわぁ......」

 

護衛の冒険者が放ったバインドに、自らかかりに行ったぞアイツ。 ほんと、どうしてそうな

 




リリなののほうも連載が終了したので、こっちをちょこちょこ更新していきたいと思います

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第二十八話

特に書くことなし!

ア エ ク「本編どうぞ!」


チキンレース。 それは猛スピードで障害物へと突撃し、直前でかわし度胸を試す、スピードゲーム。 その障害に、ウチのパーティーメンバーであるダクネスが選ばれていた。 何言ってんだ、みたいに思われるかもしれないが、本当のことなのだ。 実際ダクネスは、目の前でよけるハシリタカトビにご満悦である。 おもにお預けプレイとして。 カズマなんか黙れて言ってるし

 

「あれ助ける意味ないよなー、本人喜んでるし」

 

「いや、そうなんだけどさ、助けてあげようよ」

 

クリスが苦い顔をしている。 まぁ、助けたいのは山々なんだろうが、クリス自体、多数対一なんかできないだろうし。 でも、俺も助けられないんだよね

 

「こっちに接近してるのは倒せるが、ダクネスの周りの奴は巻きこむから倒せないなー」

 

「なら、ブレッシング!」

 

「いや、幸運上げても命中するときは命中するから」

 

まぁ、仕方ない、こっちに近づいてくるのだけは倒しとくか

 

「同時詠唱、サンダーランス、射出」

 

いつもの通り魔力無限に、サンダーランスでハシリタカトビを殲滅していく。 していくのは良いんだが、やはりうち漏らしは出ていく

 

「カズマー、いい案ないか?」

 

「とりあえず、お前らは馬車の中に戻ってくれ、俺に考えがある!」

 

考えるのが面倒なのでカズマに聞いたところ、どうやらいい考えがあるようだ。 言われた通り馬車に戻ると、何故かカズマが馬車からロープを伸ばし、ダクネスをそこに括り付けていた

 

「カズマ......」

 

「うわぁ......」

 

「クリス、どうどう......」

 

皆カズマの行動に引いていたり、怒っていたりしていた。 そうこうしているうちに、俺たちが乗った馬車は他の馬車と離れ、どこかに向かっていた

 

「それで、どこに向かっているんだ?」

 

「この近くに雨宿り用の洞窟があるらしい、そこに誘い込んで一網打尽に」

 

そこまで聞いて思ったのだが

 

「なぁカズマ、俺のルシフェリオンブレイカー直射砲だぞ? それぶち込めば終わると思うんだが」

 

「あ」

 

「あっていいましたよこの男!ゆんゆん、ダクネスを回収しますよ!」

 

「わかった!」

 

「私も手伝う!」

 

女子陣からの冷たい目線を受け、カズマは膝を抱えて静かに泣いていた。 まぁ、一言相談してもらえれば言えたんだが、仕方ないよね。 俺はダクネスを回収し終えた後、馬車の後方に立ち、詠唱を始める

 

「集え、明星。全てを焼き消す炎となれ、ルシフェリオンブレイカー!!」

 

炎の砲撃はハシリタカトビの群れに直撃し、群れを跡形もなく消し去った

 

「寝るか」

 

どうも頭がすっきりしないので、寝ることにした

 

------------------------------

 

「いやー!流石ですね!」

 

どうもこの馬車の行商の責任者が、カズマに話しかけていた。 あー、カズマ気まずそうだなぁ、ドンマイ

 

「でも思ったんだけど」

 

「なにさ?」

 

「ダクネスがいなくても来る可能性あったんじゃないかしら?」

 

「ハシリタカトビ?」

 

「えぇ」

 

アクアの言い分ももっともなのだが、そんなこと言ったら、ダクネスがいなかったら追いかけられることもないのでは? ということなのだが、まぁいい

 

「でも、ダクネスに大した怪我がなくてよかったー」

 

「鎧もカズマが鍛冶スキルで直してるみたいだしな」

 

カズマの方に視線を向けると、めぐみんやダクネス、ゆんゆんが見ている中で、ダクネスの鎧を直していた。 直しずらそうだな、あれ

 

「まぁ、カズマはドンマイってことで」

 

それからみんなんが寝静まったころ、何かの気配がして起きた。 目を凝らすと、遠くの方で何かが揺れていた

 

「カズマ、なんか遠くで揺れてね?」

 

「んぁ? 何かー、揺れてんな......っ!? アンデット!?」

 

「アクア、起こしてくる」

 

とりあえず、アクアとクリスを起こしておく

 

「なによー、眠いんですけどー」

 

「なにさ、リュウヤ......」

 

「寝ぼけてるとこ悪いが、アンデットだ」

 

「「ウィズ?」」

 

「違うわ!周りを見渡せ!」

 

なんかいつの間にか囲まれてる、と言うよりもなんか、アクアの方に集まってる?

 

「なぁアクア、なんかお前見てね?」

 

「ん? あー、多分私の神気にあてられてるんじゃないかしら? 一応これでも抑えてるんだけど、多少は漏れ出てるみたいだし」

 

「・・・・・・カズマにはだまっとこ、たぶん落ち込むし」

 

「だねぇ」

 

クリスとこそこそと話している間に、アクアは浄化魔法を唱え次々とアンデットを浄化していった

 

------------------------------

 

「あー、ホント眠い」

 

何が悲しくて二日連続で寝不足なのだろうか。 外の景色も変わらないから、退屈で仕方ない。 クリスなんか俺に寄りかかって寝てるし、俺も寝ようかなぁ

 

「見てみて!ついたみたいよ!」

 

「テンション高いなー、アイツ」

 

「だな」

 

クリスをゆすって起こし、俺は外を見る。 青を基調とした街並み、確かに綺麗なのだが、なんだろうか空気がおかしいい。 なんかピリピリしているというか、気のせいなら良いんだけど

 

「ありがとなおっちゃん!」

 

「そっちもよい旅をー」

 

乗っていた馬車のおっちゃんに手を振るカズマ、俺は伸びをしながらげんなりする。 あー、眠い

 

「眠そうだけど大丈夫?」

 

「とりあえず旅館行って寝たい」

 

「何言ってるのよまずは観光よ観光!」

 

元気なアクアだが、俺はついて行けない、なのでクリスを差し出すことにした

 

「クリス、ガンバ!」

 

「ちょ!」

 

「行くわよ!」

 

いうのが早いか、クリスはアクアに引っ張られ、もう消えてしまった

 

「アイツ」

 

「気にしてもしゃーない、とりあえず、アクアとクリスの荷物は俺が持つわ」

 

「私も手伝おう」

 

「先に旅館に行きましょう」

 

「めぐみん、先に歩くのは良いけど場所わかるの?」

 

なんて締まらないが、カズマを先頭に旅館まで歩き始めた。 街並みはいいのだが、やはりなんか雰囲気がピリピリしていた

 

「なぁ、なんかピリピリしてないかこの街?」

 

「そうかぁ? 俺はアクシズ教徒の総本山、て聞いただけでもう帰りたいんだが......」

 

「待て待てカズマ、アクシズ教徒にも常識人はいるぞ?」

 

「あれが御神体なのにー?」

 

カズマが疑っているようだが、一応アクセルにもアクシズ教の教会があったりするのだが、カズマは知らないようだ

 

「アクシズ教の半数は、親エリス派ですよ? まぁ半分は凶暴なアクシズ教ですけど」

 

「なるほど、そう言われると納得だ」

 

まぁ普段のアクア見てたらねー、でも強引な勧誘事態してないし、自分の子とマイナーゴットって言ってるくらいだから、現状で満足してると思うんだが?

 

「お、ここが旅館だな」

 

話をしているうちに旅館に着いたようで、チェックインを済ましようやく荷物を下ろせた

 

「あー、ようやく寝れる......」

 

「まぁゆっくり休んでてくれ、俺はダクネスたちと観光行ってくる」

 

「その前にウィズ回復してやれよ?」

 

「そりゃあもちろん」

 

ウィズの回復とは、昨日のアクアの浄化魔法なのだが、運が悪いことにウィズも入っていたようで、敵のアンデットを浄化して、ウィズを範囲外にはしたのだが、その時のダメージが残っているらしく、昨日の夜からダウンしていたのだ。 まぁ不幸な事故だ。 寝ることにしよう、おやすみなさい。 後で聞いた話なのだが、ダクネスもカズマも過激派の方で観光していたらしく、かなりひどい目にあったらしい。 ダクネスは嬉々としていたが、カズマはお疲れさんでした

 




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第二十九話

エリス様でたけど共通編最後とか......

エ「私の出番が多かったら多かったで、それも問題だと思うんですが......」

それにしても、善意でもカズマの行動はゲスイ

ア「続きはゲームを買ってない人もいるから喋らないように」

ういーす!ちなみに俺は最初めぐみんかクリスで迷いましたがクリスです!

ク「いや、そういうの言わなくてもいいから。 本編どうぞ!」




アルカンレティア二日目、俺は朝から温泉に入っていた。 と言うのも昨日はそのまま寝過ごし、起きたら今日の朝早くだったというわけだ。 やることもないので朝から温泉と言うわけだ

 

「あー、いい湯だわー」

 

------------------------------

 

「おーっす」

 

「おはようリュウヤ」

 

「朝から温泉に入ったの? いい御身分ね」

 

「いいだろ温泉ぐらい」

 

なぜかアクアに絡まれるが無視。 うちのパーティーメンバーは全員そろっているようだ、朝食をいただくことにした

 

「それで、今日はみんなはどうするんだ?」

 

「私は観光かなー」

 

「私も、それに気になること聞いたし」

 

「私は、アクシズ教怖いです......」

 

「私は......親エリス派の方に行けば大丈夫かな、でもアクシズ教だし......」

 

「俺は散歩」

 

「私も散歩か?」

 

「ほーん」

 

若干二名トリップしているが、昨日強引な勧誘あったらしいし、仕方ないだろう

 

「リュウヤはどうするのさ?」

 

「昨日はついてすぐに寝ちまったし観光かな」

 

色々と綺麗な街並みなのだ、観光しないと損だろうし、それにこの街の雰囲気はどうにも気になるからな

 

「また命知らずな......」

 

「どんだけ昨日怖い目あったんだよ......」

 

濁った眼で見るのやめろめぐみん、怖いから

 

------------------------------

 

「それで、なんでついてきたのよ?」

 

「なんとなく」

 

俺とアクアは街を適当にぶらぶらしていた。 何故アクアについてきたかと言うと、なんか気になることがあると言っていたからだ

 

「それで、気になること聞いたって何さ?」

 

「ん? なんか温泉の質が悪くなってるらしいのよ」

 

「温泉の質が悪く?」

 

何じゃそら? 質が悪くなるってどういうことだ、温泉の効能が出ずらくなってるとか?

 

「その顔はわかってないみたいね、私が何の神かはわかってるわよね?」

 

「水だろ?」

 

「そう、そしてこの街は私の加護を受けてる、だから温泉の質が低下する、なんてことは本来あり得ないの」

 

「へー、それで、原因は?」

 

吹けない口笛で誤魔化しやがった!まぁわかってたらコイツ一人でもなんとかすると言い出しそうだが

 

「んで、その原因を調べていると」

 

「まぁそう言うわけ、そうしないと不和が起こってる教団が、分裂しちゃうし」

 

「どういうことだ?」

 

「えーっと、話すと長くなるんだけど」

 

そう言って話し始めるアクア。 まぁ簡単な話。 最初はエリスと仲が良かったから、アクシズ教徒もエリス教徒も仲良かったけど、まぁアクアも長い期間神をやって色々な神に触れて心が腐って、俺達とあったような状態の時にはアクシズ教で熱狂的な教徒と古くからの親エリス派に分かれたと

 

「かなり意訳されてる気がするけど、そういうこと。 それで今回の騒動、原因は親エリス派の方じゃないかって意見も出てるみたいなの、親エリス派の方も被害が出てるにもかかわらず」

 

「なるほどねー、それで質の低下の原因はわかったのか?」

 

朝からいくつもの温泉を巡っていたのだ、たぶんわかってるのではないだろうか

 

「毒よ」

 

「どく?」

 

「どういう毒かわからないけど、そう」

 

「なぁ、ならさそのお湯ウィズに持って行って鑑定してもらえばいいんじゃないか? ゆんゆんとかもいるわけだしさ」

 

「・・・・・・」

 

おい、どうして考え付かなかったみたいな顔してるんだ。 仕方ないので、そこらへんで買った瓶に温泉を入れ、ウィズに鑑定してもらうと

 

「確かに毒ですね、薄まっているとはいえ、かなり強い毒です」

 

「種類とかまではわからないのか?」

 

「流石にすぐには......」

 

「おいおいおいおい!観光に来ただけなのになんでこう言うことになるんだ!」

 

カズマの言うことももっともなのだが、もはや巻き込まれたものは仕方ないだろう。 俺はカズマの肩に手を置き

 

「諦めろ」

 

そう言い放った。 がっくりとうなだれるカズマ。 そんなカズマを放っておいてゆんゆんとウィズに向き直る

 

「それで、質問なわけだが。 かなり強い毒を持つモンスターや植物って何?」

 

「えっと、まず植物で行きますと、こういう人里ではなく、森の奥深くなどに生えてるため、そっちの可能性はないと思います」

 

「なら加工品は?」

 

「販売にも規制がかかりますから、アクア様が周っただけでも、かなりの数の温泉がありますから、そんなに多く買ったら多分足がつくかと」

 

「ならモンスター? でも、モンスターができるのか?」

 

それは俺も思った、のだが意外にもその答えはクリスから帰ってきた

 

「出来るモンスターもいるよ? 例えばデットリーポイズンスライム」

 

「え!? でもそれって魔王軍幹部じゃ?」

 

「人に擬態できる、猛毒。 こんな条件がそろうのは、それぐらいしか考えられないよ」

 

ゆんゆんは驚いているようだが、ウィズに聞いてみることにした

 

「で、どうなのよ?」

 

「・・・・・・確かにハンスさんなら可能だと思います」

 

「なら決まりか?」

 

そのハンスと言うやつであらかた決まりだろう

 

「じゃあ決まったみたいだしぶっ飛ばしに行くわよ!」

 

「まてまてまて、居場所もわからないのにどうやってぶっ飛ばすんだよ?」

 

「・・・・・・気合で?」

 

「あほかー!!」

 

怒りに任せての行動だったのか、アクアはカズマに怒られていた

 

「ですが、温泉の質を低下させていたのなら、最後に狙われるのは源泉ではないでしょうか?」

 

「確かに一理あるな。 最終的にここら辺一帯の観光資源がなくなるわけだしな、アクシズ教には大打撃ではないだろうか」

 

「それよ!なら話は早いわ、源泉に行くわよ!」

 

「だーかーらー!源泉に行くにしても、簡単には入れるわけないだろ!!」

 

「・・・・・・気合で?」

 

「・・・・・・」

 

「いた!?」

 

流石に同じことを言われてカズマも無言で殴る

 

「流石に空飛んで入ってもいいけど、後でバレたときに面倒だし。 やっぱり正面から言った方がいいだろ」

 

「なら俺にいい考えがある」

 

カズマが悪い顔をしているがまぁいいか

 

------------------------------

 

まぁ源泉には門番がいて、結果として通れたのだが、流石カズマやり方が汚かった。 まず門についてアクアが源泉が危ないと直訴したが、門番には取り合ってもらえず、いつものアクアの悪い癖、つまり自分は水の女神アクアということを言ったのだが、門番はエリス教徒で通じず、最終的にダクネスのペンダント、つまりダスティネス家の権力で通ったというわけだ

 

「流石カズマ汚い」

 

「人聞きの悪いこと言わないでくれよ、ああしなきゃ通れなかったってお前もわかってるだろ?」

 

「まぁな」

 

ダクネスの機嫌を直していたと思ったら聞こえていたらしく、そう返事をしてくるカズマ。 事実なので俺も目をつぶっているのだ

 

「見えてきましたね」

 

「なんか温泉黒くね?」

 

「毒よこれ!」

 

「もしかしたら源泉もすでに?」

 

俺たちは頷くと源泉の方に駆け足で移動した、すると

 

「待ってくれ」

 

カズマが制止するので止まると、人のシルエットが見えた

 

「なんだあれ?」

 

「今にも身投げしそうなんですけど......」

 

「おい、まずいぞ!」

 

「早まっちゃ駄目だー!」

 

カズマはそう言って飛び出したが、人影は止まれるはずもなく源泉に手を突っ込んでしまった

 

「なぁ、おかしくないか?」

 

「何がだ!? 早く助けに行くぞ!」

 

「いや待っておかしい、なんであの人源泉に手を突っ込んだままでいられるの?」

 

「はっ、確かに」

 

「待って、アイツの手の周り毒が.......」

 

「ビンゴだな」

 

俺たちは岩陰から出てゆっくりと男に近づくのだった




あークリスルート終わったんじゃー! 癒されたんじゃー!

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第三十話

最終話!

ア「長かったわねー」

まぁ週一になったからね途中から

ク「自業自得じゃないのー」

ジト目いただきましたー

エ「今までありがとうございました!それでは最終話どうぞ!」



「ハンスさん!」

 

男の姿が見えたのか、ウィズが駆け寄って揺らしている。 いや、デットリーポイズンスライムだろ? いくらウィズがリッチーだからって、触れても大丈夫なのか? 

 

「「・・・・・・・」」

 

アクアはともかくクリスさん、神気が漏れてますよ? 良いんですか、エリス様?

 

「あ、あの、あの二人雰囲気が」

 

「あー、ほっといた方がいいぞゆんゆん、関わるとろくなことないから」

 

「あの様子ですとデットリーポイズンスライムで確定みたいですね、爆裂魔法の準備をして起きます」

 

「まてまてまて、俺たち全員吹っ飛ばす気か」

 

クリスとアクアは手が付けられないので放っておくとして、ゆんゆんをなだめ、めぐみんを羽交い絞めにする。 と言うよりこういうのはカズマの役目だろ!

 

「俺の名はハンス、デットリーポイズンスライムのハンス」

 

なんか俺たちが駆け寄る間に自己紹介始まってるし、それにカズマが剣を抜いてるということは、カズマが相手するんだろうか? それにしては顔が引きつってるような

 

「注意してください!ハンスさんは魔王軍幹部の中でも高額の賞金が懸けられています!」

 

「な、なぁ!スライムって最弱キャラだろ?」

 

カズマが焦ったように聞いている、そんなのゲームの中だけだと思うんだが?

 

「そんなバカな話誰に聞いたのだ!」

 

珍しくダクネスが怒って説明を始めるが、聞けば聞くほど危険度が分かる。 しかもアイツは普通のスライムの変異種、デットリーと名のつくモンスターだ、だいぶ危険らしい

 

「・・・・・・」

 

俺の方を見るカズマに、俺は笑顔で親指を立てた

 

「さぁかかってくるがいい!勇敢で愚かな冒険者よ!この俺を倒してみろ!!」

 

「先生!お願いします!」

 

「自分でやるんじゃないのかよ......」

 

俺を押し出すカズマにため息をつきながら、スライムに向き直る

 

「はぁ、物理効かなくてその上魔法防御まで高いんだろ?やってられないだろ......まぁ、温泉に気を付けて戦えば被害気にしない時点でいいか」

 

「なんだ、お前が相手か?」

 

「そうだ一つ聞きたいんだけど」

 

「なんだ?」

 

「お前が管理人とは思えないし、本当の管理人は?」

 

「食った」

 

その瞬間俺たちの時が止まった、コイツ今なんて言った?

 

「く、った?」

 

「そうか、じゃあ死ね」

 

「カースドクリスタルプリズン!!」

 

俺の魔法とウィズの魔法が同時に直撃する、直撃するが

 

「その小僧もいい魔法を持ってるようだな、避けなかったら直撃だ」

 

体の半分を氷漬けにされ、顔と体の一部しか残ってないにもかかわらず、そいつは生きていた

 

「っ!!同時詠唱、サンダーランス!!」

 

嫌な予感がして、サンダーランスを同時展開するが、間に合わなかったようだ。 サンダーランスは突き刺さり、その刺さった所は溶けているが、すぐに効果がなくなってしまった

 

「いったん離れるぞ!!」

 

そう俺が声を掛けその場を離れると、その場も広がったハンスによって溶かされていた

 

「あぁ!温泉が!!」

 

「おいアクア!くそ、ダクネス!アクアを守ってやってくれ!」

 

「早急に作戦を立てる必要があるな」

 

アクアが源泉の浄化のために、源泉の方にかけて行ったため、カズマの指示でダクネスがアクアを守りに行った。 どちらにしろこのまま体積が増えれば、源泉の汚染も時間の問題だ、しかも門の方に複数の明かりが見える

 

「どうするリュウヤ」

 

「爆裂魔法やるとしても、このままじゃだめだな」

 

「移動させるにしても、どうやって気を引かせるかですね」

 

「リュウヤの魔法で」

 

「まぁそうなるな、じゃあちょっくらやって来るか」

 

「俺はあっちの奴らに近づかないように言ってくる!」

 

「そうなるとリュウヤの回収は私かな」

 

「わ、私は万が一のことがあったら嫌なので、めぐみんの方に!」

 

「ウィズは残ったらさっきの魔法を!」

 

「はい!」

 

さて新技試すか

 

「集え、明星。 全てを焼き消す炎となれ、ルシフェリオンブレイカー!!」

 

炎の砲撃、ということで蒸発もできるのでこれ一択なのだが。 こっちに注意が向いたようだ

 

「続けていくぜ! 疾れ、明星。 すべてを焼き消す炎と変われ、真、ルシフェリオンブレイカー!!」

 

続けてさっきより大きい砲撃をくらわせる、これでこっちに完全に注意が向いた。 サンダーランスをかなりの数射出し、少しずつ削っておく

 

「さて、クリス頼む」

 

「まったく、了解!!」

 

崖に向かって飛び降り、向こう側にいたクリスに声を掛けると、一瞬で俺のいたところに着いたクリスは、俺を回収しまた向こう岸に着地する

 

「やっぱそれ便利だろ?」

 

「まあね、感謝してるよ」

 

俺の開発したスキル『雷神付与』一時的に雷属性を自分に付与し、移動速度や色々なものをアップさせえる魔法だ。 作った俺が言うのもなんだけど、クリスのマジックダガーと組み合わせれば、一瞬で瞬間移動ができるから凶悪だ。 直後爆裂魔法が発動し、ウィズが凍らせたせたようだが、やはり倒しきれなかったようだ

 

「行かないとな」

 

「了解」

 

二人で下に降りる。 もちろん着地の瞬間に、風の魔法を使ってゆっくり降りる

 

「リュウヤ、アレを準備しなさい!!」

 

「してあるよ、術式解放、スターライトブレイカー」

 

直後、魔法で出来た大きな球体が出現する

 

「な、なんだその魔力の塊は!しかも神聖魔法だと!?」

 

「あんたには関係ないわ!この街に迷惑をかけたこと心の底から懺悔なさい!! 過去最大威力で送る、ゴォォォォォォォッド!レクイエム!!」

 

「なぁ、なんか青い光がアクアに集まってるんだが、大丈夫なのかあれ?」

 

「さ、さぁ?」

 

「あとさ、なんかお前から黒いものが漏れ出て怖いんだけど」

 

「わ、私じゃないよ!? エリス様だよ?」

 

訳が分からんかった

 

------------------------------

 

結局、ハンスの討伐は見事なされた。 俺たちは街に戻ると称賛されたのだが、まぁアクシズ教の強硬派と親エリス派が喧嘩、その仲裁を俺たちがしていたのだが疲れた。 夜も遅かったので、昼頃に起きて観光を始めたのだが、強硬派の勧誘が親エリス派の方でも勃発、それで喧嘩とまた騒がしかった。 そして今

 

「はー、結局気分を入れ替えるために観光に行ったのに、疲れて帰ってきてるのは俺の気のせいか?」

 

「まー、しょうがないんじゃないかな。 でも気分転換になったでしょ?」

 

「どうなのやら......」

 

みんなは寝ているので小声で話しているのだが、どうしても疲れが先行してしまう

 

「見てみて!アクセルの街よ!」

 

アクアの声で全員起きてしまったようだ。 それはさておき、ようやくアクセルに着いたようだった。 知り合いの冒険者たちに声を掛けられる。 「温泉どうだった?」とか「俺も行きたかった」だとか、顛末知らないからっていいよなぁ!なんてカズマと二人で言っていたのだが。 だがギルドの方は知っていたようで、行くとルナさんが

 

「大変だったみたいですね......後で賞金の方で話がありますので、都合がよろしい時に寄ってください」

 

と言われた。 まぁ賞金あるよね、アイツって相当金かかってたらしいし。 そんなことより家だ

 

「はぁ、やっと帰ってこれた」

 

「お疲れお疲れー!」

 

「カズマ、今日の日課に行きましょう!」

 

「今帰ってきたばっかりだろ!少しはゆっくりさせろ!!」

 

「ならめぐみん、私と行くか。 クリスはどうする」

 

「あー、ごめんパス。 流石に疲れちゃった」

 

皆それぞれ分かれる

 

「いやー疲れた、寝よ」

 

おやすみなさい、と

 




そんなわけで最終回でした、エリス様登場回数少なかったよねー。 まぁ原作沿いだとどうしてもね

そんなわけで感想評価お待ちしてます


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