死炎少年まどか☆マフィア (高月 弾)
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-プロローグ- 謎の時間軸

※本作品は完全に暴走した主の妄想がハーメルンというサイトを通して具現化されたものです。暴走して投稿してるので完結及びそもそも2話目以降が製作されるかさえわからないというゴミみたいな状況です。そしてさらに、まどマギにいたってはアニメを一度通して見たけれど作品が良すぎてこれ作る際にどうしてもそのよさを殺しかねない展開運びになりそうな始末です…それでもいいと言う方は是非ともアドバイスや感想をお願いします。
↑大事なことなので二回言いました

―白蘭との戦いが終わり、平和な(?)日常を過ごしていたツナ。しかし、10年後ランボのミスによって見滝原という別世界に飛ばされてしまう。そこでであったのは…キュウべえという謎の小動物だった。
 これは偶然に偶然が重なった奇跡の物語。果たしてツナはもとの世界に戻れるのか?


「……また、救えなかった。」

 

謎の空間を移動しながらある少女は呟いた。長く美しい黒髪をなびかせている少女はなにかを悔やむようにうつむきながら唇を噛み締める。それも気になるが少女の格好やその腕につけているものも中々に不思議なものだった。服装はまるで何かのコスプレをしているかのような、そして腕には何か装飾の施されている円盤がくっついていた。

 

「…こんなことを繰り返していて、まどかを本当に救えるのかしら…」

 

ボソッと呟いた一言にはっとしながら首を横に振る。

そして自分に渇を入れるように、

 

「いいえ、変えて見せるわ…もう、止まったりはできないの…こうなってしまった以上…もう…」

 

そういいながら前を見つめた。果たしてこの先にはいったい何があるというのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―並盛・沢田宅―

 

「ラーンボさんもう怒ったもんね!!!」

 

アフロに黄色い二本の角、さらに牛の服装まで着たとてつもなくバカみたいに見える子供がなんとそのアフロの中から巨大な大砲を出してきた。

そばにいた少年が目を丸くしながら、

 

「ちょっ、ちょっと待てランボ!!10年バズーカはもうやめろ!!?」

 

と全力で制止しにかかるが、その子供はその大砲のなかにはいると…

 

【ドカーンッ!!!】

 

大砲は煙をあげながら暴発してしまった。

が、少年はさして驚くようすもなく緊張しながらその煙のなかを確認していた。するとそこには先程いた子供の姿はなく黒髪の若い男性が座っていた。

 

「お、大人ランボ!よかったぁ…またこの前みたいに帰ってこなかったらどうしようかと…」

 

目の前にいた人物が変わったというのに安心したようなため息をつく少年。

 

「お久しぶりです、ボンゴレ。今向こうは平和そのものですから心配しなくても大丈夫ですよ。」

 

大人ランボと呼ばれた男性も少年にたいしてなんの疑念も抱かないようで、普通に会話を始めた。そしてその二人は雑談をし始めてしまった。突然現れた大人ランボと少年は笑いも混ぜながら会話をしていた。少しすると大人ランボが10年バズーカの方を見つめながら、

 

「ボンゴレ。あなたに頼みたいことがあるんですけれど、いいですか?」

 

「え?俺にできることならいいけど、」

 

「それなら助かりました。前に言っていた20年後の俺…そいつをどうにか見てみたいんです。」

 

そう言いながらボンゴレと呼ばれる少年に目を戻す。

 

「なんだ、分かったよ。じゃあ写真をとればいいよね?」

 

そう言いながら携帯を取り出した。大人ランボは目を輝かせながら、

 

「ありがとうございます、若きボンゴレ。」

 

そして立ち上がるがその時足を滑らせて思いきり10年バズーカの方に倒れて衝突してしまう。10年バズーカは大きな音をたてながら倒れてしまう。大人ランボは頭を押さえながら立ち上がろうと手に力を込める。が、その手にあったものは…10年バズーカのトリガーだった。大人ランボはそのトリガーを引いてしまい10年バズーカが弾を撃ち出してしまう。そしてその銃口はなんと…ボンゴレと呼ばれていた少年の方に向いていた。

 

「えっ!?ちょっ!!?」

 

10年バズーカの弾は少年に直撃して再び部屋は煙で包まれてしまった。

 

少しして煙が晴れる。しかしそこには大人ランボの時のように誰かがいるわけではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―???・????―

 

「…そろそろかしらね。」

 

先程の黒髪の少女はなにかを確認したかのように目を鋭くさせる。そしてなにもない空間に地面があることを知っているかのように足をつける。すると確かにそこには立ち上がることできた。そしてゆっくりと歩き始めた。

 

(次こそは…必ず…!)

 

そう決心した次の瞬間、

 

「うわあぁぁぁぁぁぁああ!!!」

 

頭上から何かの叫び声が聞こえてきた。少女が驚いたように振り向こうとするが、

 

【ゴツーーーン!!!】

 

「なっ!!?」

 

振り向くよりも先に頭にすごい衝撃を受ける。すると少女は訳もわからぬまま、まるでどこかに吸い込まれるかのように落ちていった。誰かの叫び声を頭の中で反響させながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

―なんか芸術的(?)空間内―

 

「んっ…こ、ここは…?【ズキッ】痛っ!?」

 

少女は起き上がりながら痛みの走る後頭部を押さえる。そして回りを見渡すとすぐに状況整理を始めた。

 

(時間を戻っていたというのになんの干渉を受けたのかしら…今までこんなことはなかったのに…っ!それよりも…)

 

「ここは…この嫌な感じの空間は…恐らく魔女の結界内。なにかとの衝突のせいで予定していた時間軸から少しずれてしまっているようね。今は一体いつの何時かしら…いえ、それよりもまずこの結界から出ることと魔女を倒すことが先決みたいね。」

 

そう言いながら腕についている円盤に右手を伸ばすと、なんと円盤の中から拳銃が出てきた。そしてまるでなれているかのように拳銃を構えながら回りを警戒するように探索を始めたのだった。

 

少し歩いてからのことだった。

 

【ドウンッ…ドウンッ……】

 

どこか遠くの方から銃声らしいものが聞こえてきた。少女はすぐに反応すると人だとは思えないスピードで音のした方へと走り出していた。やがて少し広いところに出てくる。するとそこには金髪の少女がリボンに拘束された人形のようなものに向かって大砲を放っていた瞬間に出会った。それを見た黒髪の少女は安堵のため息をつく。

 

(…おかしい。本当なら巴マミはお菓子の魔女に敗れて死んでしまうはず…なのになぜ勝っているの?まさか他の魔女が?…いえ、そんなことはないはず。だけど巴マミは今あの魔女を倒し…)

 

次の瞬間、人形のようなものの口からすごいスピードで恐ろしい怪物が出てきた。完全に意表を突かれた金髪の少女は目の前に迫り来る怪物をただ眺めることしかできなかった。それは黒髪の少女も同じだった。

 

(あ、あれで倒せてなかったの!?不味い!私も巴マミも完全に意表を突かれてる!射撃も時を止めるのも間に合わない!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―なんか芸術的(?)空間内・黒髪の少女と別地点―

 

「い、いたたぁ~…。また10年後の世界に飛ばされたの…か………」

 

少年は頭を押さえながら顔をあげる。すると辺りはまるで落書きのようなお菓子のはこのようなとてつもなく変な空間にいた。

 

「えぇ!?棺桶の次はなんか芸術的な空間!!?一体10年後の俺は何をしてたんだよ!?そ、それにしても…」

 

立ち上がりながら辺りを見回す。不安そうな様子で少しずつだが歩みを進めていく。

 

(…この感じ…多分だけどここは幻術空間の中だ。どこかのマフィアと戦ってた途中なのかな?けどそのわりにはここに来てすぐに襲われたりしなかったし、5分でもとの時代に戻るとはいえ、いくらなんでもこれは気になるなぁ…襲われたら困るし走りながら移動しよう。)

 

そう思いしばらく走り回ってみた。いくつもの扉がありその中へと進んできたが…

 

(…ふぅ、出口が見えないなぁ…それになにかに襲われるようすもないし、もしかして10年後の俺が戦ってた敵の目的は俺の足止めか?なら今すぐにでもここを吹き飛ばしてでも抜け出さないと!)

 

そう思いながらポケットから何かのケースを取り出して、さらにもう片方のポケットからもなにかを取り出そうとする。その時、

 

【ドウン!ドウン!】

 

「(ゾクッ!)こっ、この音は!!!」

 

すぐに音の聞こえた方を向く。しかしこちらに撃たれたものではないと理解すると安心したようにため息をつくがすぐに、

 

(もしかしたら誰かが襲われているかもしれない!!)

 

そう考えた少年はすぐに走り出した。

 

(そ、それにとても嫌な感じがする。とても、嫌ななにかが…)

 

1分ほど走った先には少し広い場所に出ることができた。

 

「はぁ、はぁ…さっきの銃声はあの女の子のかな?」

 

少年の目の先にはマスケット銃を構えた金髪の少女が立っていた。その少女は空中に打ち上げられた人形に向かって銃を連射する。

 

(に、人形?何で人形なんかを…いや、あれは【生きてる】…?)

 

少年は少なくともあの人形に対してなにか違和感を覚えていた。なにかを直感していたのだ。そんなことなど知るよしもなく金髪の少女は人形をリボンで拘束して空中へと掲げた。その光景に少年は目を丸くしながら、

 

「す、すごい…あれは幻術じゃないのに、いったいどうやって…」

 

さらに驚くべきことに金髪の少女はいきなり目の前に大砲を作り上げたのです。そしてその大砲を

 

「ティロ・フィナーレ!!!」

 

あるセリフと共に放った。その弾丸は見事に人形に直撃して仕留めた。はずだったのだが、

 

(…違う…死んでなんかない…!!不味い!!!)

 

「い、いそがなきゃ!!」

 

そう言いながら少年は手に持っていたケースから飴玉のようなものを二つ出しながら両手に手袋をはめた。その時、人形の口から巨大な怪物が姿を表した。その場にいた全員がそれに驚き完全に怯んでしまう。が、少年だけは違った。すぐにその二つの飴玉を飲み込む。その間にも怪物は速いスピードで金髪の少女に迫っている。

 

【ボオォッ!】

 

少年の額に炎が宿り、手につけていた毛糸の手袋は蒼いクリスタルのはまっている金属製のグローブへと姿を変えていた。とうとう金髪の少女の目の前に怪物が迫る。少年はその手に炎を灯らせ、そして消えた。怪物が大きな口を開き金髪の少女を飲み込もうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回りはただそれを恐怖に震えながら見ることしかできなかった。それは巴マミ自身もそうだった。勝ったと確信したあとの突然の不意打ち。もちろん反応ができるわけもなく迫り来る【死】に対してただただ待つことしかできなかった。マミはそれをすでに運命として受け入れていた。もはや目をつむる時間さえなかった。次の瞬間放心状態のマミの耳に衝撃が伝わってきた。

 

【ドゴーーーン!!!!】

 

わずかに意識を戻しながら今起こっていることを確認する。目の前で、自分を食べようとした魔女が側面から何者かによって攻撃を受けていることがわかった。そして魔女はすごい勢いで壁に吹き飛ばされていき激突してしまった。そして、マミの横に魔女を吹き飛ばしたであろう人物が立っていた。

 

「大丈夫か?怪我はないか?」

 

そう言いながらこちらに向き直る。少年だった。マミ自身とさほど変わらないような少年だったのだ。が、その少年の額と手には炎が灯されており、その手は金属のグローブがつけられていた。

 

「あっ、ありが…とう…」

 

考えのまとまらない頭でなんとかお礼の言葉を口にするがその時、瓦礫の中からさっきの魔女が再びマミと少年に向かって突っ込んできたのだ。少年はすぐに気づきその場から離れ回避行動をとるが、

 

「なにしてるんだ!早く離れろ!!」

 

マミは半ば放心状態だったため反応が大幅に遅れてしまう。なんとか躱そうとするも、間に合わない。

 

「くっ!!」

 

すると少年が恐ろしいスピードでマミを助け出して空中へと飛び上がった。少年のいた場所は化け物によって噛み砕かれてしまった。その光景に岩(?)影に隠れていた二人の少女が背筋を凍らせる。

 

「ちょっ!さ、さっきの魔女さっきよりももっと速くなってない!?」

 

蒼髪の少女がわずかに後ずさりながら言う。すると桃色の髪をしたもう一人の少女も岩(?)影にさらに身を隠しながら、

 

「あ、あんなの………」

 

震えていた。怪物が少年に向かって向き直る。その時の尻尾が砕けた岩を吹き飛ばした。その吹き飛ばされた岩はすごいスピードで岩影の二人に向かって飛んでいく。

 

「しっ、しまった!!」

 

少年はすぐに助けに行こうとするが怪物に妨害されて行くことができなかった。マミ自身も少年の腕に抱かれているため行動できなかった。誰もが当たると思った。その時、鋭い銃声と共に岩が砕け散った。

 

「「えっ…?」」

 

蒼髪の少女と桃色の髪の少女の二人は同じ場所を見つめる。するとそこから二人のそばに降りてきたのは腰の辺りまである綺麗な黒髪の少女だった。そしてその人物を二人は知っていた。

 

「あ、あなたは…」

 

「転校生!?」

 

そう、この黒髪の少女は二人の学校の転校生だったのだ。

 

「まどか、あなたは私が守って見せるわ。」

 

「あれ、私は?」

 

何故か無視されてしまう蒼髪の少女。理由はわからないが嫌われてでもいるのだろうか?そんなことをよそに二人の影からなにかが姿を表す。それを見た黒髪の少女はわずかに顔をしかめる。その相手は…まるで白猫のような小動物だった。

 

「君はいったい何者なんだい?それに彼は一体…」

 

「インキュベーター…っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あの子は…ここに来る直前にぶつかった人か?…あのようすなら大丈夫だろうな。とりあえず…)

 

再び怪物は少年に向かって突撃してくる。が、それを少年は手から炎を放出することによって空中で躱していた。何度も繰り返し攻撃してくる怪物を全て華麗に躱していく。その時、少年はすごいスピードで怪物から距離を離した。と同時に三人(と一匹)の元へと近づいていた。そしてすぐそばに降りると、抱いていたマミを黒髪の少女に渡す。

 

「悪いがこの子を頼む。」

 

「え…あなたは?」

 

黒髪の少女に答えることなく少年は炎を放出して怪物に向かって飛んでいった。少女たちはそのスピードに唖然とするしかなかった。それは喋る(?)小動物も同じだった。

 

(彼は本当に何者なんだろう。)

 

少年は怪物の目の前に行くと手の炎を消し立ちはだかった。怪物は標的をマミから少年へと完全に切り替えていた。怪物は少年を威嚇しながら喰らおうとスゴいスピードで迫り来る。少年は体の左半身を引き紙一重で躱す。そして怪物の尻尾を右手で掴む。数メートル引き摺られるが、なんと自分の身体の十数倍もあるであろう相手を片手で受け止めた。

 

「そんな馬鹿な!?魔女と力勝負であんなに簡単に勝るなんてあり得ない!!彼は…一体何なんだ!」

 

「やっぱり…こんなイレギュラーがあるとするならあの時の…?(インキュベーターが混乱しすぎて同じことしか口にしていない…)」

 

混乱するインキュベーターと呼ばれた小動物をよそに黒髪の少女はなにかを察し始めたようだった。

すると少年は左手から巨大な炎を放出し怪物を掴みながら空へと飛び上がる。そしてさらに上へと投げ飛ばした。少年はさらに右手にも炎を灯し、高速で怪物のさらに先へと移動する。左手で怪物に標準を定め、右手に大きな炎を灯す。

 

「怪物相手なら…」

 

さらに右手の炎が大きくなり強くなる。

 

「手加減はなしだ!!!」

 

右拳を全力で振り下ろす。拳は完全に怪物に脇を捉え恐ろしい速度で吹き飛ばされる。怪物は地面に激突して大きな轟音を響かせながら砕けた地面の石や岩、粉塵を撒き散らす。やがて煙が晴れるとそこには巨大なクレーターが出来ていたが、怪物の姿はなかった。

 

「あ、あの人魔女を倒しちゃったよ!?」

 

「す、すごい…!」

 

少女達はただただ目の前の光景に驚くことしかできなかった。

少年は炎を消そうとするがそのクレーターの中を睨み付けながら、

 

(…なにか、いるな。確認するか。)

 

そう思いながらそれを中断し、クレーターのそばに着地すると中を確認した。するとそこにはやはり怪物の姿はなかったが代わりにとても小さな黒いなにかがあることに気がついた。少年はそれを拾い上げる。それはなにか変な形をした鉱物のようだった。

 

(なんだこれ…ただの石じゃないな…【大空の炎】を出すことはできないか…)

 

すると、芸術的な(?)空間は一気に崩壊し始め、あっという間に夕焼けに染まる街が姿を表したのだった。少年はそれに驚きながらもその黒い鉱石を不思議に眺めていた。するとどこからか声が聞こえてきた。

 

「それを知らないのかい?」

 

少年は驚きながらも声の方を振り向く。するとすぐそばに先程の少女達が居た。そして訳のわからない小動物も一緒に。少年の額と手からは炎が消え、金属製のグローブも毛糸の白い手袋に変わっていた。

 

「あっ…あの、助けてくださってありがとうございます。」

 

マミはとまどりながらも少年に対してお礼を言った。すると少年の方も少しおどおどしながら、

 

「いっいや、君が無事ならそれで良かったよ。」

 

その様子はまるでさっきの人物とは違うようだった。するとマミが、

 

「もしよければ私の家でお茶をしていきませんか?お礼もしたいですから。」

 

「おっ、それはいいねぇ!君も来なよ!マミさんの料理は美味しいんだよ!え~と…」

 

蒼髪の少女が明るく少年のことをマミという人の家へと誘ってくれているようだが名前がわからずに困惑しておるようだった。

 

「あっ、お、俺は沢田 綱吉って言います。よ、よろしくお願いします!」

 

 

 

 




どうも!
実はこの作品は自身がいままさに連載している別小説の気分転換という形で投稿させてもらっている作品です!
なのでこちらは完結できるかわかりません。
この作品は本当に妄想→暴走→(0w0:)ウェェェェエイ!!!→投稿⭐←イマココ という感じにできたのでかなり怪しき作品になってるかと思います。が、投稿するならば気分転換とはいえ真剣に作るので投稿する際は頑張ります(完結させるとは言ってない。)
本命の方が完結すればこちらにももっと時間を裂けると思います。が本命の後にもDB×東方を考えているのでこちらが完結する保証はありませんのであしからず…


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魔法少女と魔女と魔法少年?

実は2話目まではストックしていました…


「おっ…お邪魔します。」

 

そう言いながらツナはマミの部屋の中へと入った。

マミの家の中にいるのは訳のわからない小動物を含めて6人(?)だった。

ツナは先程の怪物も気になったがそれよりも目の前の小動物が気になってしかたがなかった。

 

「あ、あのマミさん。その小さな生き物は、ボックス兵器なの?」

 

そう聞くとマミは首を傾けながら、

 

「ボックス兵器?そんな言葉は聞いたことないわね…。この子はキュウべえ(以降QB)って言って私の大切なパートナーなの。」

 

そう言いながらQBをツナの前に連れてきた。

するとQBが「よろしく。」と人の言葉をしゃべったのでツナは驚いて飛び退く。

それを少女たちがおかしそうに笑っていた。

ツナはそれを見て恥ずかしそうに俯きながら肩を狭くする。

それに気づいたピンク髪の少女が空気を変えるかのように自己紹介を始めた。

 

「あ、あの沢田さん。私はまどか。鹿目まどかって言うの。よろしくね。」

 

そう言いながら笑みを浮かべる。

それに気づいたツナも自己紹介をしてからまどかに手を差し出した。

まどかも手を出してお互いに握手をした。

 

「あっじゃああたしも!」

 

そう言いながら次は蒼髪の元気な少女が自己紹介を始めた。

次にマミさんが、そして最後は…

 

「…そうね、私も自己紹介をするわ。」

 

長いきれいな黒髪の少女が自己紹介を始めた。

 

「私は暁美ほむら。まどかと美樹さやかは知っているわよね?私もまどかと同じクラスなの。よろしく。」

 

少し早めの口調でそういうとすぐにマミへと向き直る。

 

「…巴マミ。私もあなたと同じ魔法少女よ。だからこそ言いたいことがあるの。」

 

「…なにかしら?」

 

短い沈黙。

しかしその二つの言葉でこの部屋の雰囲気は先程までもは違うのもに変化していた。

再び口を開こうとした暁美ほむらだがそれを遮って、

 

「わかった。けれどその話はまた今度にしましょう?今は私を助けてくれた沢田さんと鹿目さんたちを守ってくれた貴女にもにお礼をしたいから。」

 

そう言いながら立ち上がると「少し待ってて。」と行ってキッチンの方へと歩いていってしまった。

ほむらは少し気を悪くしたかのような顔になるがすぐに普段通りの様子になった。

マミさんを待つ間まどかやさやかと、ここ見滝原のことや学校のことを話した。

その間にさやかの提案で綱吉では呼びにくいとのことで【ツナ】と呼ぶことになった。

普段からそう呼ばれていたツナはその提案に全く異議を唱えることなくすんなりと受け入れた。

そしてツナが話を始めたときに不自然なことが起きる。

 

「…ねぇまどか。並盛町何て場所知ってる?」

 

「う、ううん。聞いたことないよ。」

 

まどかとさやかは並盛町と言う地名を全く知らなかったのだ。そこでほむらにも聞いてみるがほむらも首を横に降った。

まぁここまでならば別に問題はなかった。

並盛町自体そこまで有名な都市ではない。

言うならば地方都市と言うものだ。

が、そこから先さらによくわからないことが聞かされる。

 

「ま、魔女に魔法少女??」

 

ツナは目を丸くしながらその二つの言葉を繰り返す。

するとそこ言葉を口にしたQBが、

 

「そうだよ。普通の人たちじゃほとんど知らないんだけど魔女と言う…さっき君が倒した【あれ】だよ。それを倒すのがマミとそこにいる暁美ほむらなんだよ。」

 

あまりにも非現実的な話だ。

ツナも聞いてすぐには信じることができなかった…が、そんな現状をすぐに飲み込むことができた。

なぜなら…

 

「で魔法少女って言うのは僕が契約してなれるものなんだけど…君たち、暁美ほむらと沢田綱吉には契約した覚えがないんだよ。暁美ほむらはまだしも君は少女でもなければ魔女を知ってすらいなかった。いったい何者なんだい?」

 

QBはなんのためらいもなくそう質問してきた。

ツナがいったい何者であるか。

そう、ツナはその【非現実的な】ものと戦闘を行い、そしてそれを倒してしまっている。

ツナも十分…いや、下手をすれば魔法少女よりもより【非現実的な】ものだ。

 

「そ…それは、マミさんがきたら話すよ。」

 

慌てた様子でそう言う。

QBはそれを了解したようでなにも言わずにカーペットの上でうずくまった。

 

(う~ん、でもどうしよう。ボンゴレのことは話せないし…と言うより話したら…)

 

(「おい!ツナ!なにボンゴレの情報を外部に漏らしてやがんだ!お前にはキツーイお仕置きが必要みたいだな…」)

 

(殺される…いや、死ぬよりひどい地獄になる…)

 

そう思いながら頭を抱えるツナ。

するとまどかが顔面蒼白になっているツナを見て心配しながら、

 

「あ、あの。もし都合が悪いなら言わなくても良いと思いますよ?」

 

「え?」

 

その言葉に驚き振り向くとまどかが不安そうな目でこちらを見ていた。

それがある人物と重なる。

 

(「ツナくん…。」「ツナさん!」)

 

(京子ちゃん…ハル…。)

 

ツナは首を横に降りながら笑みを作り、

 

「ううん。大丈夫だよ。みんなに心配はかけられないから。」

 

その言葉にまどかも安心したようで笑みがこぼれた。

するとキッチンからマミさんがケーキを持ちながらこちらに戻ってきた。

どうやら完成したようで部屋に甘い香りが広がる。

 

「おぉ!待ってました!!」

 

さやかは待ちきれないと言わんばかりにはしゃぎ出す。

まどかもその甘い香りに幸せな気持ちになっていた。

それをそれぞれ切り分けてみんなで食べ始めた。

そのケーキはとても美味しく洋菓子店で買ってきたと言われても疑わないくらいの味だった。

普通のシフォンケーキだが食べた瞬間口一杯に甘い香りが広がり、口当たりもとても優しかった。

 

「すっ、すごい美味しい…!」

 

「おいひぃ~い…!」

 

「こんなに美味しいの初めて食べたよ!」

 

「…!おいしい…」

 

みんな口々に感想を述べていく。

マミはそれが少し恥ずかしいようで少し顔を赤くしながら「誉めてもなにもでないわよ」と少し小さな声でいっていた。

ケーキを食べ終わったあと、ツナは自分の怪物もとい魔女を倒した力のことの説明をした。そして自分がなぜ結界の中にきたのかを。

全員が信じられなさそうに話を聞いていたが、ほむらだけはみんなとは違うなにかを感じていたのをツナは感じ取っていた。

 

「時間軸への干渉ができる機械なんて…そんなもの星のどこにあると言うんだい?僕はそんなもの聞いたことすらないよ。」

 

「その死ぬ気の炎っての見たいなぁ。」

 

さやかのその台詞を聞いたツナが右手をテーブルの上に出しみんなに見えるようにする。

そして指輪に注目するように言ってから拳を握り少し力を込める。

すると指輪から半透明で、色鮮やかな赤みの強いオレンジ色の炎が出てきた。

少女達はみなそれに興味を示して珍しそうに見つめていた。

その炎は決して熱すぎることなく、むしろ心から暖まるかのような不思議な暖かさを持っていた。

 

「これが…死ぬ気の炎って言うの?」

 

マミがツナに問うとツナは「そうだよ。」と答えながらこれがどんなものなのかを説明した。

覚悟によって生成される超圧縮エネルギー。

それがこの死ぬ気の炎だった。

色々とツナの話を聞いていくが、全くここら辺の地域では検討のつかないものばかりだった。

あまりにもわからないものばかり出てくるのでついにはまどかが…

 

「もしかして…別世界からきたとか?」

 

とまで言い始めてしまった。

まどか自身も言ったあとに後悔したらしく、回りの人たちが笑いながらそれはあり得ないと否定するので顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。

が、結局インターネットで並盛町を調べても全くヒットせず、本当にツナがどこからきたのかわからなくなってしまった。

時間ギリギリまで話した結果、ツナは未来人と言うことになってしまった。

その後もまどか達に見滝原のことや学校のこと、これからツナがどうするかについて話した。

 

「沢田さんは私が預かるわ。」

 

意外にもツナの生活場所を提供してくれると言ったのはほむらだった。

 

「そう?それならお願いするけれど…ツナさんたち本当に面識ないの?あのときも二人ともタイミングよく来てくれたけど…っ」

 

そう言いながら少し顔を暗くする。

魔女に食べられそうになった瞬間を思い出したのだろう。

死を目の前になにもできなくただただ立ち尽くすだけの恐怖…これは早々消えるものではない。

がそんなことには目もくれずにほむらがツナとは初対面であることを話し、あの場に居合わせたことはほむらは魔女の存在に気づいたからだと説明した。

その後、まどか達は明日も学校があるらしいので解さんし、ツナはほむらの家に向かうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なっ…なんかやけに人通りの少ないような…)

 

そう思いながら歩いていたそのとき。

 

【カチャッ】

 

「!!?」

 

突然前を歩いていたほむらがどこからか拳銃を取り出してツナに突き付けた。

ツナは反射的に両手を上にあげる。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁあ!!!?なっ、なにするつもりなの!?ほむらさん!!?」

 

「へぇ、拳銃を持つ相手に対しての対処法は知ってるのね。」

 

そう言いながら全力でびびるツナの言葉をスルーする。

そしてその後にこう続けた。

 

「魔女と戦ったときの力を見せなさい。あなたにどれだけの力があるのか…ここで私に見せなさい!さもないと…」

 

【バン!】

 

拳銃から撃ち出された弾丸がツナの頬ギリギリを飛んでいった。

ツナは完全に慌ててしまいもはや日本語ではない言葉を話始めてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後。

 

「…ご、ごめんなさい。私もいきなり過ぎたわ。(本当にさっき魔女と戦闘を行った人と同一人物?)」

 

「こ、怖かったぁ…。で、でもやっぱりほむらさんと戦わなきゃダメですか?」

 

「それはやってもらわないとあなたを信用できないわ。」

 

そう言われたツナは大きなため息をつきながら手に白主体に27と赤い刺繍のされた手袋をつけ始める。いまは春と夏の狭間、どう考えてもおかしいがそれを武器と見るには無理がある。

 

「…沢田さん。…私をバカにしてるのかしら?」

 

ほむらが少し怒った様子でツナに言うと、ツナはまたも大袈裟に見えるほど大きく首を横に振り否定する。

それを見たほむらは半信半疑になりながらもツナに口出しするのをやめた。

ツナはポケットからケースを取り出すとそこから二つの飴玉を取り出した。

そしてその二つの飴玉を食べた。

 

【ボオォ】

 

「!」

 

ツナの額にはマミの家で見た死ぬ気の炎と呼ばれる炎が灯された。

そしていつの間にか、手にはめていた手袋は金属製のグローブに変わっていた。

なによりツナの放つ雰囲気がいままでのものとは全く別のものだった。

目付きは先程に比べ鋭くなり、瞳の色も茶色からオレンジへと変化していた。

 

(…さっきまでは全く警戒する必要もなかったのに…いまの沢田さん相手には警戒せざるを得ない。こう目の前で変身してくれなければ同一人物とは信じられないわね。)

 

そう思いながら銃口をツナに向ける。

 

「あくまで私がほしい情報はあなたの実力。もしも役に立たないような実力なら今すぐに殺すわよ。」

 

「あぁ。早く済ませよう。」

 

先程の怯えていた様子は全く見せず、むしろすぐにでも始めたいようだった。

 

「そう、なら…!」

 

ほむらはツナに向かって引き金を引く。

銃弾はまっすぐにツナの眉間へと進んでいく。

しかし、ツナはそれを首を傾け紙一重で躱した。

 

「!?」

 

ほむらは驚くがすぐに銃を続けざまに数発撃ち出す。

ツナはそれをすべて紙一重で躱すと全く油断も隙もないのを見せつけるかのような目線でほむらを見てきた。

ほむらは手に持つ銃を左手の盾の後ろに隠す、すると次にほむらの手に握られていたのは盾の面積では到底隠すことのできないはずの大きさのある銃だった。

ツナは少し驚いて目を見開くがそんなことを意に介さず、ほむらは銃を撃ち始めた。

どうやらその銃はマシンガンらしく、数えきれないほどの銃弾がツナへと襲いかかる。

するとツナは左手を開きながら自分の正面につき出す。

マシンガンの弾がツナのすぐそばまで迫る。

次の瞬間、ツナの左手から死ぬ気の炎が展開された。

その炎は一瞬でツナの体を隠すほどに大きく燃え上がった。

そして弾丸が死ぬ気の炎に当たると弾丸は全てその炎に弾かれてしまった。

ほむらは目を見開きながらその光景を見つめていたが、さらに驚くべき事に気づいてしまう。

地面を見ると所々白い煙が延びているのがわかった。

そしてそれがツナの炎の熱によって溶かされた弾丸だったことに気づいてしまった。

ほむらはさすがに言葉を失った。

鉄を溶かすほどの熱を瞬時に造り出し、しかもツナはどう見ても全くもって全力を出しているようには見えない。

つまり【本気を出していないのにほむらの主体の武器である】金属を使用したものは一切通用しないと言うことなのだ。

 

(…なっ、なによこの人…。こんな人今まで会ったことがない。もしかしたら…これなら…!)

 

ほむらがマシンガンを撃つのを止める。

それを確認してからツナも炎を放出するのをやめて、手を下ろした。

 

「…貴方の力は分かったわ。」

 

そう言いながらまた銃を盾の後ろに隠す、再び手を出したときにはすでにマシンガンはその手にはなかった。

 

「もういいのか?俺はまだ殆ど力を見せていないぞ?」

 

「えぇ、大丈夫よ。今のである程度の力は把握したわ。」

 

「!……そうか。」

 

その言葉に少し驚きながらも納得したような返事をする。

するとツナの額から死ぬ気の炎が消えた。

 

「こ、怖かったぁ…まさか本物の銃を使うなんて…」

 

そう言いながら力が抜けたように座り込んでしまう。

その手にあったのはすでに金属製のグローブではなく、先程つけていた毛糸の手袋だった。

 

「ほら、帰るわよ。沢田さん。」

 

そう言いながらほむらは先に歩き始める。

ツナも急いで立ち上がり「待ってよぉ。」と呼び止めるような情けない声をあげながら走って追いかけていった。

(…こんな世界は初めて…いや、おそらく最初で最後の最大のチャンス…ここで、今度こそ…ワルプルギスの夜とケリをつける!!)

 

「そういえばほむらさん。さっきの盾ってどうなってるの?銃が隠れるようになってたけど…」

 

「私の力のひとつよ。」

 

ほむらは少し機嫌悪そうにそう答えた。ツナも微妙な返事をしながらそれ以上話しかけるのをやめてしまった。

家につくとまずほむらはそこら辺においてあったカップ麺を取り出してツナに選ばせた。

ツナはその中からひとつ選ぶとほむらはそれをキッチンへと持っていった。

そして数分後には完成したカップ麺をツナも前に差し出して自身もカップ麺を食べ始めた。

ツナもはじめは困惑しながらもカップ麺を食べ始める。

 

(カップ麺を夕飯に食べるなんて…京子ちゃんやハルたちと喧嘩したとき以来だなぁ…)

 

その後はお互いに風呂に入り、ほむらといくつかの会話をした。

それは、今朝の出来事と彼女自身の力について。

彼女はどうやらいずれ現れる【ワルプルギスの夜】と言う存在を倒すために時間への叛逆を繰り返していたらしい。

そしてその途中に空から降ってきたツナとぶつかって想定していた時間から少しずれてしまったことなど。

どうやらお互いに時空空間に侵入したせいで交錯しこの世界に来てしまったらしい。

ツナは当たったときの事を全力で謝るがほむらは全く気にしてないと軽く流す。

そして…ある説明を受けてからツナたちは眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、衝撃的な状況の中にツナは立たされていた。

 

「は~い、それでは転校生を紹介します。」

 

「ってそっちがあとかよ!…ってあれ、もしかして…」

 

さやかがツッコミを入れるがその後黒板のすぐ前にたつ人物を見ると目を丸くする。

まどかもそれが知っている人物だったようで同じ反応をする。

 

「えっ…と、沢田綱吉です。よろしくお願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自己紹介をしたあとまどかとさやかに学校を案内してもらい次の時間から授業に参加した…が

 

「あ、あのまどか…ここの問題がわからなかったんだけど…」

 

ツナは元々勉強が得意ではないのだ。

その上この学校の勉強している範囲はまだツナたちの学校では勉強していなかったため全く理解できなかった。

休憩時間に教えてもらうつもりだったがそれでは全て理解することができなかったため、放課後に教えてもらうことになった。

放課後になり学校近くの喫茶店に集まったのだが、そこにはまだツナが話したことのない少女が一人いた。

 

「えぇっと…」

 

ツナが話しかけようとするが何から話せばいいのか全くわからないのを見たさやかが慌てて紹介をする。

 

「あぁ!ごめんごめん。この子は志筑 仁美(しづき ひとみ)って言って私達の友達なんだ。それに頭もいいからツナの勉強を手伝ってもらおうと思って。」

 

そう紹介された仁美は自己紹介を始めた。

 

「初めまして、沢田さん。さやかさんの紹介に預かりました、志筑仁美と言います。よろしくお願いしますね。」

 

「こ、こちらこそよろしくお願いします。」

 

同級生なのに恐ろしく丁寧な話し方をされてしまったせいか、ツナも丁寧語で返答してしまう。

その後のさやかの話を聞くとどうやらどんな人に対してもこういうしゃべり方をしているらしい。

始めはどうなるかと思っていた勉強会(という項目のツナ個人指導)はかなりスムーズに進んでいった。

仁美さんの教え方は非常にうまく、分からないところも短時間で理解できるほどになっていた。

1時間ほどしかしていなかったが今日の授業のわからなかったところの大まかなところはほぼ全部理解できていた。

 

「これで今日の授業分は終わりですね。すみません。かなり早いペースでしたが大丈夫でしたか?」

 

「大丈夫だよ。わからなかったところほとんど分かるようになったよ。ありがとう!助かったよ。」

 

ツナが満面の笑みを浮かべながらそうお礼を言うと仁美さんも笑みを浮かべながら、

 

「それなら良かったです。それでは私は習い事があるのでこの辺で…」

 

そういいながら荷物をもって立ち上がる。

ツナは自分のためにギリギリまで時間を使わせたことに謝るが、仁美さんは「普段とあまり変わりませんよ」と笑いながら答えると歩いていってしまった。

 

まどかとツナとさやかも帰ろうとするが、さやかとまどかはどうやらこのあと少し用があるようなのでツナだけ先に帰ることになった。

家につくとすでに鍵はあいていた。

しかし中にはいるとそこにほむらの姿はなかった。

 

 




どうも、弾です。
予定されていなかった二話の投稿です。
が、この話はストックでしたので3話目以降は冗談なしで投稿を考えていません。
正確には投稿できる予定&余裕がありません。
メイン小説でさえ投稿が遅れている始末なので恐らくメイン完結しないとこちらは動けないものと思われます。
申し訳ありません!
メイン小説がモチベ等々の問題で投稿できなくなったらこっちを投稿します。
それでは皆さん、大分先にはなると思いますが次回もよろしくお願いします!


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宿命を負った少女達

お久しぶりです。
予定していなかった3話目の投稿です。
え?なぜかって?実は未来悟飯の方のモチベーションが…
???ー「くずがぁ…今楽にしてやる…!!」
やめてください!!僕の存在がぁぁあ!!!僕のそn「無☆視」アハァ☆
☆デデーン☆
え?ネタが分からない?…伝説の超サイヤ人で調べると面白い動画が出ると思いますよ。


「…ほむらさん?」

 

辺りを見回すがほむらの姿は何処にも見当たらない。

仕方なくツナは部屋の中でゆっくりと腰を下ろす。

ほむらの部屋にはテレビもなくエアコンどころか扇風機すらなかった。

言われなければ誰もここに人が住んでいるとは思わないだろう。

それくらい部屋の中はさっぱりとしてしまっていた。

 

(…ほむらさんはこんなとこにずっとすんでるのかな?でも転校してきたって言ってたしまだ荷物が届いてないだけかも…)

 

そう考えながら部屋を眺めていた。

本来なら女性の部屋をマジマジと見ていたらただの変態になってしまうが、ほむらの場合はもはや男でもここまでさっぱりはしないと言うところまで来ているのでツナ自身もそこまで緊張することはなかった。

時計はあるため時間の確認は出来るが暇をつぶせるような物は何一つとしてなかった。

 

「…はぁ、ここにいても暇だしほむらさんを探しに行こうかな。」

 

そう言いながら立ち上がるとほむらの家に鍵をかけて出かけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わって、とあるマンションではまどかとさやかの二人がインターホンを鳴らしていた。

 

「マミさん。こんにちは。」

 

「マミさん!今日も来たよ!」

 

するとインターホン越しにマミさんの声が聞こえてくる。

少ししてから鍵の開く音がしてから扉が開かれる。

二人はマミさんの部屋の中へと入っていこうとするが、その時背後に誰かの気配を感じた。

恐る恐る振り返ると、そこには暁美ほむらがたっていた。

 

「ほ、ほむらちゃん?」

 

「私も上がって良いかしら?巴マミ。」

 

マミは笑顔で返事をすると三人を招き入れた。

三人がテーブルに着くとマミは紅茶を入れてきてくれた。

以前とはまた違う種類の紅茶のようでとてもおいしかった。

少し雑談をした後にさやかは本題を話し始めた。

 

「あの、今日の魔法少女の体験コースってどうするんですか?」

 

その言葉を聞いたマミの肩が僅かに震える。

ほむらもそのマミの様子を何か見定めるかのように見つめていた。

 

「そ、それは…。」

 

マミが言葉に詰まっているとほむらが立ち上がり先に話し始めた。

 

「巴マミ。しばらくの間この街の魔女は私が倒すわ。あなたは手を出さないで。今のあなたがいても足手まといになるだけ。」

 

そう言うとほむらはすぐにマミの家を出ようとする。

その言い方にさやかは怒りを抱く。

 

「ちょっと!そんな言い方ないでしょ!それに何でマミさんが足手まといになるのさ!あなただってマミさんの強さはわかるでしょ!なんせ一度マミさんに拘束されてるんだからさ!!」

 

その言葉にほむらが僅かに反応を見せる。

まどかが慌ててさやかを止めようとするがさやかは止まらない。

 

「あの時助けてくれたのはありがたいけどさ、それでもあんたがマミさんに言ってることはソウルジェムの濁るのを放置しろって事じゃん!!まどかに聞いたけど、この前の魔女もあなたが横取りするつもりだったみたいだし…転校生…あんたを信じられない!!」

 

そう大声で告げるとほむらを睨み付ける。

ほむらは表情を変えずに同じようにさやかを睨み付ける。

まどかは仲裁に入ろうとするが二人の雰囲気が恐ろしく入り込むことが出来ない。

それはマミも同じようで二人に対して何かをしようとする素振りこそ見せるものの動くことは出来ていなかった。

少しの間、マミの家の中を沈黙が支配する。

その沈黙は恐ろしく空気を張り詰められたもので永遠にも感じられるほどのものだった。

その沈黙はほむらによって破られる。

ほむらは無言のまま振り返り玄関に歩いて行く。

さやかはほむらを睨んだまま動こうとはしなかった。

ほむらが扉を開けて外に出たときやっとさやかが話し始めた。

 

「…なんでマミさん言い返さなかったんですか…!あんなこと言われて、マミさんの方が正しいことをしてるのに…なんで!!」

 

さやかは悔しそうに拳を握り締めながらマミにそう叫んだ。

対するマミはうつむいたまま口を開こうとはしなかった。

マミがほむらに言われていたのにさやかは本人以上にその事を重く受け止め悔しく感じていた。

マミはさやかとまどかにとっては命を救ってくれたヒーローだ。

だから憧れたのであり、いままでのマミの行動が素晴らしいと思えていた。

が、ほむらは違う。

同じ魔法少女でありながら、マミのように人のために戦っているようには見えない。

それどころか人に冷たく接し、協力しようとはしないのだ。

そんな人がマミのように尊敬する人を馬鹿にされたら腹が立つのは無理もない。

だがその怒りの矛先はほむらが消えてしまったせいかマミへと一瞬だが向けられる。

その後完全に怒りのぶつける場所を見失ったさやかはたただただ歯をかみしめることしか出来なかった。

ほむらはそんな様子を気にせずに扉の外へと出て行ってしまった。

まどかは急いでほむらを追いかけようとする。

 

「そ…それは…。」

 

マミが話し始めようとしたとき外から誰かの声が聞こえてきた。

 

「ほ……ん……ほむ……ん…。」

 

「あれ?この声は…」

 

そう思ったまどかはすぐに外に出る。

すると出て行ったはずのほむらがまだそこにいた。

そして外に出るとその声はよりはっきりと聞こえてきた。

 

「ほむらさ~~~ん!!はぁ、はぁ。ほむらさ~~~ん!!」

 

「沢田さん…なんで。」

 

「ツナ君!!」

 

ほむらは驚いたように目を丸くし、まどかも驚いて思わず声を上げてしまう。

それに気づいたツナはまどかの方を振り返る。

そしてそのそばにいたほむらを視線に捉えると、

 

「あぁ!!ほむらさん!やっと見つけたよぉ~。」

 

そう言いながらマンションの下まで走って行き、ほむらに話しかけた。

 

「はぁ、はぁ、ふぅ。ほむらさんが家にいなくて、心配だったから探しちゃったよ。」

 

そう言いながら安心したように笑みを浮かべるツナ。

 

 

(志筑仁美は確か今日は何か習い事が合ったはず…そしてその時間は今から大分前。そこからツナさんが私を探していたのなら、かなりの時間を歩いていたことになるけど、馬鹿なのかしら?にしても…)

 

ツナの様子を再び見つめるほむら。

ツナは肩で息をしているように見えるがさほど疲れてはいない。

 

(こんな長い時間探していたなら途中から駆けてただろうけど…別に探さなくたって戦力であるあなたを見捨てたりなんかしないのだけれど…)

 

ほむらはすぐに魔法少女に変身すると、屋根へと次々に飛び移りながら何処かへ飛んでいってしまった。

ツナは驚きながら、

 

「えっ!ちょっと待ってよ!!?」

 

と追いかけようとする。

が、そこにある声が聞こえてくる。

 

「待ってツナ君!!」

 

驚いて声のした方を振り返るとそこにはまどかがこちらを見ていた。

事情は分からないが何かあったことを察したツナはすぐにまどかに下へと来てもらい、一緒にマミの家へと入っていった。

部屋に入った瞬間以前とは雰囲気が全く違うことがツナには分かった。

以前と時間はさほど変わらないが部屋は暗く思え、空気が重かった。

ツナは息の飲む。

そして部屋の中ではさやかとマミがいた。

が、2人とも暗い表情でさやかは何処か苛立ちを感じているようでマミ先輩はどこか脅えたような表情をしていた。

 

「さ、さやかちゃん、マミさん。大丈夫?何があったの?」

 

すぐに2人のところに向かって声をかける。

するとさやかはいきなりこんなことを言った。

 

「ねえ、ツナ。あのほむらって言うやつ、私は信用できないよ…。ツナはほむらの家に今住んでるんでしょ?だったらすぐにでもうちに来た方が良いよ。」

 

そう言うさやかの顔は…怖かった。

恐怖を覚えような怒り感じた。

ほむらがマミさんの部屋で何をしたのかは今は分からない。

だけどツナは全くためらわずにこう言った。

 

「ほむらさんは悪い人じゃ無いよ。根拠とかは無いけど…それでもそう信じれる。」

 

さやかとは対象的に恐ろしいほど穏やかにそう言った。

それがさやかを刺激する。

 

「…なんでよ…。だってあいつはマミさんを…「待って!!」…!!!」

 

その声はさやかよりも弱いものだったがこの狭い部屋の人達に聞かせるには十分だった。

マミさんはゆっくりと立ち上がると、笑みを作りながら

 

「ごめんなさいツナ君。さやかさんも少し落ち着きましょう?まず状況をツナ君に教えないと。今紅茶を入れてくるから鹿目さん、ツナ君に説明、お願いできるかしら?」

 

まどかはいきなりふられたことに戸惑いながらも返事をする。

するとマミは「じゃあお願いね。」と言うとキッチンの方に歩いて行った。

話を遮られたことに少し苛立ちながらもテーブルに着く。

その間にまどかがある程度のことを説明してくれた。

ほむらがマミに対して言った言葉、そしてそれに反論したさやか、ほむらに対して何も言い返さなかったマミに対してのさやかの怒り…全部を話した。

詳しいことは省いていたがそれでも状況を把握するには十分だった。

 

「あいつはマミさんを足手まといだって言った…。マミさんは弱くない…絶対にあいつなんかより強いのに…!」

 

さやかはやはりほむらのことが許せないようだった。

そんな時、タイミング良くマミさんが紅茶を持ってきてくれた。

皆はその紅茶を一口飲むと、その温かさに自然と心が落ち着いてくるような気がした。

さやかもその紅茶を飲むと自然と顔が柔らかくなっていた。

それを見たツナとまどかは安心したように肩を落とす。

 

 

(ねぇまどかちゃん。これ俺必要あったのかな?)

 

と聞くツナにまどかは慌てて、

 

(あっ…まだツナ君にはここにいて欲しいな。マミさんの様子が少し変だったから…)

 

そう言った。

それを聞いたツナは先ほどの話を思い出す。

確かに少し変なところはあったかもしれないがそこまで心配するようなほど大きな違和感でも無いと思っていたのだ。

 

「…実は、三人に相談したいことがあるの。」

 

いままで口を閉じていたマミが突然口を開いた。

三人の視線がマミへと移る。

するとマミは一瞬身体を震わせる。

が、軽く息を吐くとまっすぐと三人に向き直った。

 

「じ…実は、私は…あの魔女と戦ってからずっと怖くて仕方ないの…っ。今日の朝も魔女を見つけて倒そうとしたけれど、足がすくんで動けなかったの。ごめんなさい…もう、怖くて…っ!」

 

そう言いながら震える肩を両手で押さえるようにしてうつむくマミさん。

その様子にさやかとまどかの2人は思わず目を見開く。

それはそうだ。

正義の味方だったものが崩れ去る。

絶対に負けないと信じていた正義が負けてしまった、そしていま恐怖に震えている。

マミだって中学生の女の子だ。

負けて殺されそうになったのなら戦えない状況になってしまってもおかしくない。

いや、そうならない方がおかしい。

 

「じゃ…じゃあ…っ!まさか転校生にこの見滝原を任せるつもりですか!!?」

 

「そ、それは………。」

 

さやかの問いにマミは答えることが出来なかった。

そんな2人を見たツナは慌てて2人の仲介に入る。

まどかも2人を落ち着かせようとする。

 

(多分…マミさんもほむらさんに見滝原を任せるのは不安なんだ。きっと俺がいま何を言っても信用してくれなさそうだなぁ…。まぁ俺も信じる確証が無いから何も言えないんだけど…。)

 

2人をなだめるとマミはツナに向かってこう言った。

 

「ツナさんはなんで命がけで戦ってるの?…怖くないの?」

 

その言葉にさやかとまどかの動きも止まる。

マミは泣きそうな顔でツナを見つめていた。

ツナは見てこそはいないもののまどかとさやかもこちらを見つめていることが分かった。

が、ツナは自身でも驚くくらい答えは簡単に口からこぼれ落ちていた。

 

「皆がいるから、戦えるんです。」

 

ツナの口から放たれた言葉とその早さに戸惑いを隠せない三人。

こんな問い、命というものに対しての質問だというのにツナは驚くほどすんなりと答えを出した。

その事に唖然として固まってしまう三人。

だがやっとの思いでさやかがその沈黙を破る。

 

「ど、どういう事?独りじゃ戦えないって事?でも…マミさんはいままで独りで…」

 

「うん、俺は一人じゃとても戦えないよ。だからいま2人の話を聞いて、ずっと一人で戦ってきたマミさんをスゴいと思ったんだ。」

 

「ツナ…さん…。」

 

マミはその意外すぎる答えとツナの口から放たれた言葉が自身の予想とは全く違ったもので唖然としてしまった。

しかしツナにスゴいと言われたことにどこか喜びも感じていた。

唖然としてしまったのはさやかとまどかも同じで二人とも再び固まってしまった。

 

「…だから俺は、マミさんはもう休んでも良いんじゃ無いかと思ってるんだ。」

 

「「「!!!?」」」

 

その言葉に全員が驚く。

さやかはその言葉の意味することを理解すると再び声を荒らげる。

 

「まさかツナもほむらに見滝原を任せようっての!!?」

 

ツナはさやかの方を見ると鋭い目つきで睨まれていることに気づく。

その様子に一瞬ひるんでしまうが一度息を大きく吐いてから、

 

「俺はほむらさんを信じてる。」

 

そう言いきった。

それに付け加えてこう言った。

 

「それにもし3人が不安だって言うなら俺も戦うよ。皆を守るためにだったら…俺は戦えるよ。」

 

その言葉を聞いた3人は完全に迷ってしまっていた。

確かにツナはいい人であり、マミの命を救ってくれたまさに正義の味方だ。

だが、いくらツナがほむらを信じると言っても三人はほむらを信じ切ることなど出来なかった。

少し間が空いてからマミが話し始めた。

 

「ほ、本当に任せても良いかしら?ツナさんになら…任せられると思うの。」

 

その言葉にまどかとさやが振り向く。

自分に視線が集まったことに一瞬脅えるもののすぐに気を入れ直し、

 

「ご、ごめんなさい。私…やっぱり怖いの。今日の朝も魔女の気配を感じたとき…動けなくって…っ。だから…その…」

 

言葉に詰まるマミ。

そしてツナが言った。

 

「はい。マミさんはスゴく頑張ったと思います。だから、後は俺たちに任せてください。」

 

その言葉を聞いた瞬間マミの目から涙があふれ出してきた。

ツナ達が驚いてマミさんを心配するがその様子はマミの瞳にはぼやけてしか写らなかった。

嬉しかった、ただただ嬉しかった。

自分の本心を理解してくれる人がいてくれたこと。

頼れる人が…頼ることが出来る人がそこにいる事実に、マミは涙するしか無かった。

いままでずっと孤独に戦ってきた。

いや、正確に言えば一時期は違うのだがそれでもずっと長い間一人で戦ってきたのだ。

そんな世界で…

 

(マミさんはもう独りじゃありません。)

 

(後は俺たちに任せてください。)

 

仲間がいた。

これほどまでに望んでいたことは無いだろう。

小さい頃に思い描いていた正義の味方。

魔法少女になったとき、マミはそれを目指そうとした。

悪い奴らから人々を守る、優しくて、力強い正義の味方。

力を合わせてどんな困難でも乗り越えていく正義の味方を…。

けれど現実はそうでは無かった。

生きるためにグリーフシードを必要とし、それは魔女を倒さなければ手に入らない。

魔法少女達はそれを奪い合うこともあるし、下手をすればお互いに戦うことさえもある。

そんな世界で独りで戦ってくることがどれだけ苦しかっただろうか。

一人きりで、周りに相談できる相手もいない、下手をすれば他の魔法少女に倒されてしまうかもしれない。

ほむらのように敵対してしまうかもしれない。

そんな孤独な世界で鹿目まどかと美樹さやかという光を見つけた。

とくに鹿目まどかに至ってはスゴい才能を秘めていることも分かった。

とても嬉しかったのだ。

しかしそこに同じくして現れた暁美ほむらと言う魔法少女。

彼女はどうしても鹿目まどかを魔法少女にしたくはないようだった。

そんな不安の中であの出来事が起きた。

目の前に迫る魔女、最早死を受け入れることしか出来なかった。

目の前に迫る死は恐ろしいくらいにはっきりと、そしてゆっくりと近づいてきた。

その直前に走馬灯のように様々が浮かんでは消えていく中、2人の顔がはっきりと思い浮かんだ。

 

(あぁ…鹿目さんと、美樹さん…。ごめんなさい。)

 

そこでようやく我に返る。

目の前を見るとぼやけていてよく見えなかったが、ツナ達3人が自分の心配をしてくれていることだけは分かった。

目元の涙を拭うと笑顔を見せながら、

 

「ありがとう。鹿目さん、美樹さん…ツナさん。」

 

そう言った。

まどかとさやかの2人はその笑顔を見て安心したように笑みを浮かべるが、ツナはそのマミの笑顔を見て目を離せなくなっていた。

その様子にさやかが気づくといたずらっぽい笑みを浮かべながら、

 

「あれぇ?ツナ~?顔が赤いけどもしかして~マミさんに見とれちゃったとかぁ?」

 

その言葉を聞いたまどかとマミはツナの方へ振り向き、ツナはそれに気づいてよりいっそう顔を赤くする。

 

「そっ!そんなこと無いですよ!!!」

 

と首やら手やらを大きく横に振るが耳まで赤く染まった顔とその反応を見れば誰でも分かる。

 

(((見とれてたんだろうなぁ…。)))

 

3人は確信していた。

マミがその様子に我慢できずに笑いをこぼしながら、

 

「フフッ。随分と可愛い騎士(ナイト)さまね。」

 

と言った。

さやかはそんなツナの事をいじり倒しながら、まどかは頭の中で騎士の甲冑を身にまとったツナを想像しながらあまりにも似合わないその様子をおかしく思い独り笑っていた。

そんな何気ない会話をしていたときツナがあっと声を上げて立ち上がる。

3人は驚いてツナにどうしたのかと質問する。

すると、

 

「ほむらさんが魔女と戦ってるかもしれない。すぐにほむらさんを探さないと!」

 

そう言いながらツナは扉へと向かって走り出そうとする。

が、それをマミが呼び止める。

 

「探すって言ってもどうやって探すつもりかしら?」

 

「そ、それは…走って?」

 

「そうじゃなくて、暁美さんがどこにいる見当がついているのかしら?」

 

そう言われたツナは「それは…」と言葉に詰まり答えることができなくなってしまう。

するとマミさんが小さなため息をつきながら、

 

「今日はツナさんは家に帰った方が良いと思うわよ。」

 

そう言った。

ツナは少し驚いて何かを言おうとするがそれをマミが遮って言葉を続けた。

 

「暁美さんなら大丈夫よ。まだ一度しか見ていないから確証は無いけれど、かなり強力な魔法を使えるみたいだしそれに、彼女もそれなりの経験があるように感じたわ。少なくとも、私が朝確認した魔女の魔力は私が初めて鹿目さん達とあったときの魔女よりも弱いものだったわ。きっと大丈夫よ。」

 

ツナにはまどかとマミさんが初めて会ったときの魔女を見ていない。

がまどか達の表情が悪いように変化しなかったところを見る限り、強いというわけでは無いように思えた。

そうだとしてもほむらを一人で戦わせることはツナにとっては不安で仕方なかった。

 

「で…でも!その魔女じゃ無いかもしれないですよね?やっぱりほむらさんを一人にするわけにはいかないよ!」

 

「けれど探す手がかりは無いわよ?」

 

そう言われるとツナは気まずそうな顔をする。

そしてツナの視線が下がった瞬間、まどかとさやかはマミに視線を送る。

 

(マミさん…どうしてそんなにツナを戦わせたくないんですか?ツナが代わりに戦うって言ってたし問題ないんじゃ…。)

 

テレパシーだ。

マミと始めてあった日にまどかやさかや、そしてツナもそれぞれが説明を受けているし体験もしている。

ただ、その時とは違い今はツナだけに聞こえないように話していた。

さやかの質問にまどかも小さく相づちを打つ。

するとマミもテレパシーでさやか達にこう答えた。

 

(確かに魔女との戦闘は任せられるけれど、ツナさんには魔女を探す手立てが無いわ。そんな状況じゃあいくら強くても魔女を倒せない。少なくとも暁美さんがいないとツナさんを魔女と戦わせるわけにはいかないの。)

 

(それならマミさんのソウルジェムを貸すとかは出来ないんですか?)

 

その言葉を聞いたマミさんの表情は一瞬強だったように見えたのをまどかは見たような気がした。

 

(それは出来ないわ…。私にとっても大切なものだから、そう簡単に人に渡せるものじゃないわ。)

 

そう言われたまどか達は軽率だった自身の発言を少し後悔する。

二人が謝ろうとしたときツナが話し始める。

 

「…そうですよね。ほむらさんならきっと大丈夫だと信じます。だから今日は素直に帰ろうと思います。心配かけてすみませんでした。」

 

その言葉を聞いた3人は安心したようなため息をつき、まどかとさやか、そしてツナの3人で帰路についた。

3人を見送ったマミは1人になった部屋の中で少し寂しそうな表情を見せながらも、

 

(私はもう…1人じゃない。助けてくれる友達もいる…!)

 

その事実を自身で確かめるかのように何度も繰り返し考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツナは再びほむらの家へと帰ってくる。

誰もいないとは思いながらも扉を開き、「ただいま。」と口にする。

すると予想外の出来事が起こった。

 

「あら、随分と遅かったわね。」

 

「えっ!?」

 

ほむらが既に家に朝帰ってきており、ご飯まで食べ始めていたのだ。

ツナはほむらが出て行ってからまどか達と話していたがその時間はあっても30分程度。

そしてここまで帰ってくるのに珍しく何のアクシデントにも見舞われなかったため、十数分ほどの時間しかかかっていないはずだった。

 

(は、早いなぁ。こんな短い時間で魔女を倒してここに来て、ご飯…と言ってもカップ麺だけど、それを食べ始めてるなんて…。)

 

そう思いながらツナも腰をかける。

するとほむらはまた昨日のようにツナにカップ麺を選ばせる。

ツナはべつに数日間カップ麺を食べることに抵抗があるわけではない。

むしろツナが心配するのは…

 

(ほむらさんは、ずっとこんなものしか食べてないのだろうか…。)

 

ほむら自身の体調のことだった。

しかしそんな心配をするツナをよそにほむらは食べ終わると部屋の中へと行ってしまった。

ツナとほむらが互いに話すことは本当に必要最低限の会話しかすることは出来なかった。

 

 

 

 




この小説…どうなんでしょうね?
キャラが迷走してなきゃ良いんですが…
すでにツナのキャラが危うい気が…


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魔女を倒すための条件

気分転換です。
あまり進展はないかもしれないので悪しからず


「うわあぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!」

 

午前8:15頃。

とある少年が大きな叫び声を上げながら待ちを駆け抜けていく。それを後ろから大きな犬が怒ったように吠えながら追いかけていく。そしてそれを全力で追いかけていく3~40代に見える女性。なぜ一体このような奇特な状況が生まれているのかというと、時はおおよそ5分ほど遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと目が覚める。春の陽気にあてられて重くなるまぶたに耐えながらぬくもりの宿る布団の中でモゴモゴと動き始める。覚醒しきれない意識の中で、時計を確認する。

時計の針は数字の2を指し示していた。

 

(…まだ、7:10か。もう少し寝れそうだな…)

 

そう考えながら意識を手放そうとする。その時、何気なく時計の短針を見る。その時計が指し示していた数字は…

【8】

その瞬間、ツナの中で世界が、時が止まる。既に意識は覚醒してしまい、目の前を時計をこれでもかと言わんばかりに目を見開いて確認する。

【8:10】

目の前には示されてはいけない時間が示されていた。そう、本来ならば既に学校に着いていてもおかしくない、最低でも家を出て学校へと向かっていなければならない時間なのである。思考が停止してから数秒、いきなり沢田綱吉は布団から跳ね起きて制服へと着替え始める。

 

「なっ!なんでリボーン起こしてくれなかったのさ!!?」

 

人に起こして貰うというののが当たり前のような考えの時点でダメなのは言うまでもなく、理不尽な逆ギレがリボーンに襲いかかる。

 

「…?」

 

はずなのだが何故かリボーンは一切反応を示さない。それに疑問を抱いて辺りを見回すとそこは見覚えのない場所だった。少し考えてから今の状況を思い出す。

 

(そっか…俺今、10年後のよく分からない場所に来てるんだった。ここに来て数日がたつのに、たまに忘れちゃうな…それにしても…)

 

そう思いながら部屋を見回す。別に何か深い意味があって見回しているわけでは無い。無意識に、特に深い意味も無く無意識の内にみまわしているだけだ。

 

(ランボは平和その物だって言ってたのに、また10年後の世界にとどまることになるなんて。また白蘭なのか?それとも、別の何かなのかな?)

 

以前にも10年後の世界に連れてこられ、そのまま5分過ごすのでは無く長い間滞在していたことがある。しかしそれは入江や10年後の沢田綱吉、ボンゴレ全体がとあるファミリーとの戦いのために計算し尽くされた計画だった。が、今回はこの世界にきてからツナは誰にも出会っていない。ツナの知る人とは誰一人として出会っていないのだ。そのため以前とは違いこちらの状況がほとんど把握できていないまま過ごしてしまっている。

 

「それもそうだけど…ほむらさんがいるならせめて家を出るときに教えてくれたら良いじゃ無いか!なんで何も言わずに出て行っちゃうんだよ!鬼か!」

 

と、理不尽な怒りの矛先を今度はほむらにあてて発散するツナ。果たしてこんなことをしていてこの先大丈夫なのだろうか?そう叫びながらもすぐに制服へと着替えてから急いで家を飛び出す。鍵はほむらから受け取っているためしっかりと施錠をしてから学校へと向かっていく。全速力で学校へと向かうツナだがその速さは普通の中学生にしてはいささか速いように見える。

…学校に遅刻しそうな(ほぼ遅刻確定の)プレッシャーによる火事場の馬鹿力による物かもしれないが…

細道を曲がろうとしたとき、ツナは【何か】を思い切り踏みつけてしまう。その【何か】を踏んづけてしまったせいでツナは顔から思いっきり転んでしまう。顔の痛みを涙を浮かべながら何を踏んでしまったのかを確認する。するとまず視界に入るのは3~40代くらいの女性。そしてその人の手には手綱のような物があり、それをおっていくとその先には何とか恐ろしいくらいに睨みを効かせた踏んづけてしまった【何か】がいた。その【何か】は恐ろしい咆哮を上げたかと思うと飼い主であろう女性の手から脱出し、自身の自慢のしっぽを踏みつけたツナを喰らわんと全力で駆け抜けてきた。

 

「あっ、ポチ助!」

 

(あ、名前はかわいいかも…。)

 

そんなことを考えている暇はないのにずいぶんと余裕のある中学生である。

 

「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

全力で学校に向かいながらいぬから逃げていくツナを誰も助けられるものはいなかった。

 

_________________________________________________

 

 

一方もうすぐ遅刻となる時刻の教室内。

もちろんほとんどの生徒は着席している状況であるが一人だけまだついていない生徒がいた。

 

「もしかしてツナくん、今日休みなのかな?」

 

まどかは心配そうにツナの席を見つめる。そう、先程のバカツナである。みれば分かるかもしれないが未だに席に着いていないのは先程のわけであるがそんなことを回りは知るよしもない。

 

「もしかしたら遅刻かもよ?ツナって結構どんくさいところもあるし。」

 

といたずらな笑みを浮かべながら返答をするさやか。

本人は冗談半分くらいで言っているかもしれないがこれが真実なのである。2人は時計をみながらツナを待つ。

残り数秒でチャイムが鳴るというすんでのタイミングで教室のドアがまるで叩きつけられるかのように開かれる。もちろん教室内にいる全員は驚いてドアを開いた犯人を確認する。それは、髪の毛に木の枝を指したり葉っぱを着けたツナの姿があった。

 

「はぁ…はぁ……お……おはよう…ございます…。」

 

「…え?あっ…お、おはよう。」

 

先生もあまりの状況に唖然とするしかなかった。

遅刻はしてない。犬に追われた効果か予定よりも早く学校にたどり着くことができたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっはははははははは!!!!朝からそんな目に遭ってたの!?い~~~っひっひっひっひっ!!!」

 

「さ、さやかちゃん…笑いすぎだよ…。」

 

「いやっ、だってさぁ…遅刻確定の時間に起きたはずなのに全力で走ってたら犬の尻尾踏んで、公園の草木とかに激突しながら学校に間に合うとか…ツナらしいというかアホらしいというか…あははははははははははは!!!」

 

話を聞いてからずっと笑い転げるさやかに優しく注意するまどか、そしてそんなさやかにバカにされまくり恥ずかしさに顔を真っ赤に染め上げるツナがいた。そんなさやかの大きな笑い声にクラスメートは思わず苦笑い。だがまぁ、こんなボケの塊のような出来事を見せられては笑ってしまうのも分かる。幾人かのクラスメートはクスクスと笑っているのがツナにも分かる。

 

(クッソォ…なんでこうもうまくいかないんだ…!)

 

そんな気鬱を抱えながら1限、2限と過ごしていく。最近のツナは授業内容が分からないとさやかやまどか、仁美に質問をしていたりした。そのお陰もあってかこっちではなんとか授業について行くことができていた。元の世界では学校の後にリボーンによる復習(スパルタ)によって学校の授業はなんとか追い付いていた。この世界ではリボーンのになっていた教育係をまどか達(主に仁美)によって代わりとなっていた。他の男子生徒とも比較的に良好な仲を築けているようで、休み時間や授業中などに時折喋っている所を良く注意される。そして、

 

「沢田さん。」

 

「あっ、ほむらさん!」

 

放課後になるとツナとほむらは毎度一緒に帰っている。そのためクラスメートの一部の間では2人はもう付き合っているのではないかという噂が立ち始めていた。

それも無理はない。

なんせここ最近ずっとほむらとツナは一緒に帰っている。

勘違いされても仕方がないだろう。

だが、本人達からすればそんなつもりは一切ない。

むしろ、そんな甘い日常生活を送ってはいないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここよ、沢田綱吉。」

 

「う、うん!」

 

魔女の結界の入り口を見つけると、ほむらは魔法少女へと変身し、ツナは死ぬ気丸を飲み込み超モードへと変身する。

そして結界内へと入るとほむらの案内で最速で魔女の結界の最新部へとたどり着く。

するとほむらはツナから少し離れて、

 

「あとは任せるわよ。」

 

そう告げる。

どうやらほむらはこの戦闘には参加しないらしい。

 

「…あぁ。」

 

ツナは両手から炎を灯しながら一瞬だけほむらの方へと振り返り返事をする。

 

【アデラダヘアモ!!!】

 

魔女がツナに気づいたようで奇声をあげながら、大量の使い魔たちをツナへと送り出す。

ツナは左手で炎を逆噴射し、加速しながら敵のなかに突っ込んでいく。

敵に衝突する寸前で右手を前に突き出し、炎の盾を展開する。

その炎の出力と彼のスピードによって使い魔達はあっという間に吹き飛ばされる。

魔女がツナに対して拳を振り下ろすがそれを難なく躱し、懐へと潜り込む。

右手に大きな炎を灯しながら魔女の腹部へと叩き込む。が、魔女はそれを意に介さずに攻撃を続けようとする。

どうやら今の攻撃はあまりダメージになっていないようだった。

 

(効いていないのか?なら次はもっと炎圧をあげて…!)

 

ツナは魔女の攻撃範囲から逃れるために一度急上昇をして魔女の頭上より高くへと飛び上がる。

魔女が目で追いかけようと目線を上にするが、ツナは既に魔女の目の前まで迫っていた。

ツナは右手に先程よりも大きな炎を滾らせながら、それを魔女に向かって振り下ろした。

凄まじい一撃が魔女を貫く。

炎が魔女の顔で炸裂し辺りを明るく染め上げる。

ツナは倒したと確信して、拳を下げる。

そしてほむらのもとへと戻ろうとした瞬間、ツナの頭になにかが過る。

ツナは直感した、魔女は生きていると。

その証拠にまだ魔女の結界が崩れる様子はない。

ツナが魔女のいた場所に視線を戻すと魔女がスゴい勢いでツナに襲いかかろうとしていた。

 

「くっ!」

 

ツナはすぐさま両手に炎を灯すと空中へと高速で飛び上がり攻撃を回避する。

先程までツナがいた場所は魔女の攻撃によって押し潰されてクレーターのような痕ができていた。

 

(魔女って言うのは相変わらず、スゴい攻撃力だな。当たったら一溜りもなさそうだ。それよりも…)

 

先程まで魔女のいた場所、そして魔女をもう一度見つめる。

 

(確かに倒した手応えがあった。なのに魔女(やつ)は無傷だ。ならもう一度…!)

 

再び同じ攻撃を魔女に叩きつけるツナ。

その速度に反応できない魔女は同じ攻撃にも関わらずにまともにうけ、同じ現象が起こる。

しかし先と違うのはツナ自身である。

勝利を確信せずに相手を観察する。

何故さっきの攻撃が効かなかったのかを確かめるために。

眼を凝らしてみるとその理由が良く分かった。

再生していたのだ。

ツナはそれならば、と高速で移動しながら魔女のあらゆる箇所に向かって拳を連続で突き立てる。

しかも一発一発がとてつもなく重い拳と、先の一撃に匹敵するほどの大きさの炎だ。

 

(再生して治るなら、それをさせない速度で畳み掛ける!)

 

使い魔は主である魔女を守ろうと標的(ツナ)を攻撃しようとするがあまりの速度に狙いを定めることが出来ずにいた。

魔女が徐々に機能を停止していき、完全に沈黙する。

そこでツナは攻撃をやめる。

2度目の勝利の確信。

しかし、そんな油断をするほどツナは愚かではない。

 

【…ググッ…。】

 

「!!」

 

ゆっくりと魔女が活動を再開し始める。

先の攻撃ですら魔女を停止することはできないらしい。

 

(…となれば、あとは…魔女(やつ)が再生できないように全身を吹き飛ばすしかない…!)

 

ツナは【ある技】の構えを取ろうとする。

そんな時不意に肩を叩かれる。

そちらを振り返るとほむらがいた。

 

「協力しなさい。あの魔女を倒すために。」

 

「ほむら?なにか手があるのか?」

 

ツナは構えるのを中断してほむらへと向き直る。

幸いにも魔女は再生にまだ時間を有するようで攻撃される心配はなかった。

 

「あの魔女に対して両方向から同時に攻撃をぶつけるわ。そうすればきっと倒せる。」

 

「…分かった。」

 

「納得するのが早いわね。」

 

「ほむらの方がこの世界に、魔女に詳しい。ならそれに従った方が確実だ。」

 

「そう、ならあなたは反対側に回って。互いに聞こえるように3カウントを言って。0のタイミングで攻撃が当たるようにしなさい。」

 

「分かった。」

 

お互いの会話が済むと、ツナはすぐにほむらとは正反対の方向へと回り込む。

そしてほむらの方から3と言うカウントが聞こえてくる。

ツナは両手から炎を放出して攻撃に備える。

次に2と言うカウントが聞こえてくる。

テンポは分かった。

次のカウントはツナも声を出すことが出来る。

しかしひとつ気がかりなことがあった。

 

(ほむらはまだ攻撃の準備を始めない…それで本当に間に合うのか?)

 

「「1!!!」」

 

お互いの声がぶつかり合う。

ツナは左手から炎を逆噴射して超高速で魔女との距離を詰める。

右拳を握りしめながらそこに溢れんばかりの巨大な炎を灯す。

 

(0!!!)

 

ツナが思いきり拳を叩きつけると同時に反対側では大きな爆発音が鳴り響く。

その瞬間魔女の声にならない悲鳴が響き渡り、少ししてから力なく倒れ込んだ。

倒れ込んだ魔女の体は再生すること無くだんだんと崩れ去っていく。

魔女の結界が崩壊していき、最後に残ったのはグリーフシードだけだった。

 

「ほむらさん、よくあの魔女の倒し方が分かったね!」

 

超モードを解いたツナがほむらにそういうと、

 

「あなたの連続攻撃がヒントになったのよ。」

 

そういわれたツナは少し照れたように頬を掻く。

 

「あの魔女はきっとそういう性質だったのよ。」

 

「性質?」

 

聞きなれない言葉にツナは聞き返す。

この世界に来て魔女の性質など初めて聞かされた。

 

「そう、魔女を倒すためにはその性質が分からないと倒せない。そういうこともあるのよ。」

 

 




次回はもう少し話を進めます。


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