武装少女マキャヴェリズム ~ BROTHER ~ (鳴神雷獣兵衛)
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やって来た騒動

やってしまった。


 

 

 

 私立愛地共生学園。

 

 そこには、()()()()()()()()()ことを許可されている女子生徒たちがいた。

 元々がお嬢様学校であったこの学園。

 男子生徒の受け入れによる共学に、過度に男子を恐れる女子生徒の為、自警団的に武装して見せたのが始まり。

 以降、彼女たちは基本的に卒業時、次の世代へ後任を託し常にその数は『五人』に保たれていた。

 

 そして代々の活躍の実績によって『共生』は問題時更正施設のような側面を持つに至ってしまった。

 

 問題を持つ生徒たちを積極的に引き受け、共生の名の下に矯正する。

 

 

 

───人に四端あり

 

───『仁』『義』『礼』『智』

 

───四端に『信』を加えて五徳

 

───我らこれを守り、共生の道を貫く刃なり!

 

 

 それが、武装女子生徒たちのトップに君臨し、学園内を統制する五人の女剣士たち。

 

 皆はそれを、《天下五剣》と呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼瓦輪(おにがわらりん)亀鶴城(きかくじょう)メアリ、眠目(たまば)さとり、花酒(はなさか)(わらび)因幡(いなば)月夜(つくよ)。この五人が天下五剣と呼ばれている」

 

 缶コーヒーを片手に持って、何とも軽い感じで呟くのは、気怠い感じに座って飲む一人の男。

 

「男性教職員の一人としては、とてもとても何か注意したりするには『力』がないねぇ~」

 

 そう言って、眼下の戦いに目線を向ける。

 

「ねぇ、祥乃(ゆきの)学園長?」

 

「……教師が校舎の上から生徒を見下ろすものではありません。降りなさい」

 

「いやまぁ、ちょっとこれだけ見たら降りますって」

 

 男の言葉を、まるで執事服かのような格好をした無表情の女性が静かに後ろに立っていたというのに、それを余り驚くこともせず、男は缶コーヒーをまたチビチビ飲みながら下を眺める。

 

「仕事をしなさい」

 

「してますって……。大事な大事な生徒たちが怪我しないよう見てるっていうのに、そんな言い方酷いですなぁ」

 

「…………減給……」

 

「大変申し訳ありません。勤務時間でありますがお許しください。なにとぞ!!」

 

 土下座するこの男にプライドなどなかった。

 ただただ謝る。死活問題なのだから。

 

長月(ながつき)不岳(ふがく)先生。真面目にやってください」

 

「俺は最初から真面目だよ。祥乃(ゆきの)学園長」

 

 そう言って、長月不岳は下で戦う二人の生徒を見る。

 片方は、転校初日から共生の名の元に矯正されている少年、納村不動。

 そして片方は、この学園の規律にして守護神。《天下五剣》の一人、鬼瓦輪。

 

「やらせておいて良いのですか、学園長が」

 

「なら貴方も見過ごしてはいけないのではないのですか?」

 

「いやぁ、やっぱり学園長(じょうし)が見過ごしてるなら俺も……」

 

「私はあなたの人間性を見た上で給料のことを考えているのかも……」

 

(本気かっ!?)

 

 思わず揺れ動く長月だったが、鬼瓦と納村は既に決着がつきそうな場面まで進んでいた。

 この二人の勝負は時間制限ありのもの。

 納村は時間を稼げば良かったが、剣士たる故か逃げず真っ向からの勝負をしている。

 鬼面の少女、鬼瓦輪とて舐めらることは最大の侮辱。彼女が扱う流派、『鹿()(しま)(しん)(でん)(じき)(しん)(かげ)(りゅう)』はそれを許さんと言わんばかりの猛攻を納村に斬り結んでいった。

 

(とう)()(かた)〝圓連〟」

 

 鬼瓦から発せられたその名を告げた瞬間、〝阿吽の呼吸〟である呼吸制御で、一気に女の膂力とはかけ離れた一刀が何十回もの振り下ろされる。

 人間が振り下ろすには激しすぎるその剣撃は、追い込まれた納村を倒すには十分だった。

 しかし、納村不動も耐えていた。

 

(ありえないねぇ。もう女が放つ剣じゃないでいしょありゃぁ……。大人でも無理だあんなの)

 

 学園内に響く鈍りの音は、聞いている長月としても身が縮むものだった。

 しかし、

 

「……おおっ」

 

 納村は、剣対素手という圧倒的有利な立場、自ら宣言した時間制限、呼吸を尽きたところを狙われるというプレッシャー。

 これら全ての要素が鬼瓦を焦らせ、納村はそれを苦痛の中に冷静に見ていた。

 面打ちの際に剣が右から出るのは、右手に入った証拠。

 そうなると肩が強張り、スピードが(かえ)って殺されてしまう上、剣閃が傾ぐ。

 そこを逃さず、納村は見事に身体を柔軟にくねらせて潜り込ませた。

 

「ぷはぁっ!」

 

 鬼瓦の呼吸。

 これにより、両者体勢を崩すも、先に立て直したは鬼瓦だった。

 横に逃げた納村に鬼瓦は横薙ぎに斬り払おうとするも、

 

(……なんだ、納村は立て直さないのか?)

 

 納村は体勢を逃がしたまま、片手を鬼瓦の横腹に着けたままの状態だった。

 これには鬼瓦も鬼面越しに飽きれたような、落胆したような声色で納村に問いている。

 

(なんか、あるだろアレは)

 

 ニヤニヤが止まらないように、長月は缶コーヒーを飲む暇も無く見入る。

 何やら両者が話しているが、納村は顔は完全に勝利に満ちた顔だった。

 何か挑発的な発言をしたのか、鬼瓦は呼吸を完全に整え、絶対に逃がさない一閃を納村に向けて煌めかせた。

 

 しかし、

 

 ドォオンッッッ!!! と人体から人体に発せられた衝突がはっきりと、校舎の屋上に居た長月の鼓膜にまで響かせた。

 

「はああああああああああああ!!!??」

 

 これには缶コーヒーを溢して立ち上がる長月。

 

「モノホンの『寸剄(すんけい)』かい、ありゃ!」

 

 見事に人間一人が宙を浮いた。

 鬼瓦は納村の一撃を食らうと、見事にうつ伏せになり起き上がることが出来ないでいた。

 

「ありゃ危ないんじゃないですか、祥乃(ゆきの)学園ちょ……。あら? 居なくなってるいつの間に」

 

 熱中し過ぎていたせいか、あの男装執事学園長は居なくなっていた。ならば行くのは己だと長月はあの場に向かう。

 まぁきっと、行くまでにはあの主人公気質の納村は何かやらかすだろうが、今は見ないで楽しみにしておいた。

 

「久しぶりに会えるな、弟よ」

 

 ニヤリと微笑みながら、やる気のなさそうな目で階段にへと向かっていった。



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鬼の目にも涙、そして

「鬼瓦輪がやられたってよ」

 

 その言葉を聞いた瞬間、ある少年は居ても立ってもいられなかった。

 頭に血が上り、その現場にへと駆けていった。

 帯刀を許されているのは《天下五剣》のみ。

 一生徒が持てるとすれば、他の女子生徒と同じ警棒くらいである。

 しかし、この少年が持っているのは、折り畳めてすぐに武器に出来る警棒ではない、一つの木刀だった。

 警棒も同じかもしれないが、人の半身ほどの長さがある木刀を、もし打ち所が悪ければ死に至る可能性がある。

 そんな、ある程度殺傷性のある木刀を、片手に持って突っ込む少年が目に見たものは。

 

(りん)姉さん!」

 

 鬼瓦輪を馬乗りして、接吻決め込む男がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁね、姉は姉でしょ? 家族なんだからそりゃ心配するさ。だからさ、姉さんにもし彼氏出来たらどうなるんだろうなぁとか考えたりしてるんだけど絶対に気まずいよね。そういう時ってどうすりゃ良いと思う? センパイ?」

 

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「いや、呻くんじゃなくてさ。答えろよセンパイ」

 

「うひゃあぁ! バーサーカー状態のレンくん恐いのですぅ! ややや止めるのですレンくぅん!」

 

 姉とは違った般若面と化した鬼瓦輪の弟、鬼瓦(れん)は木刀ですぐさま納村不道を()()()()()()

 そして、若干罪悪感を感じた鬼瓦練の同級生にして、鬼瓦輪を姉として慕う《天下五剣》の次席筆頭を志す少女、百舌鳥野(もずのの)ののはオロオロとしている。

 鬼瓦練、鬼瓦輪の弟にして愛地共生学園中等部に在籍している。しかし、納村不道からしてみれば愉快な男の道化(オ  カ  マ)になっていないことに驚いている。

 

「イチチッ…………あらあら? なんでおたくはクネった腰になって女口調じゃねぇんだ?」

 

「おい、話変えてんじゃねぇぞ」

 

「いやぁマジで真面目に聞きたくなってね。教室で女子全員に武器向けられて、この学園の実情も知り、本当に気になって聞いてるんだよ」

 

 鬼瓦輪から話して納村不道を胸ぐら掴んで睨む練に素直に疑問に思ったことを聞いた。

 

「……そこは身内贔屓というやつだ」

 

「すっげぇ事情がきたな! あの姉は弟には鉄の規律を押し付けないのかい?」

 

「規律を守った上で学業に励んでいるから……です」

 

「マジで」

 

「男の尊厳を汚す訳でもないのに何故ここの男子生徒たちがあのようにバラエティ豊かになっていったのか分かりませんよ」

 

 本来の口調に戻ってきたのか。すこし冷静になってきた練。

 ここ愛地共生学園の事情を知っているからか、その苦しめる規律の手本たる《天下五剣》の筆頭、鬼瓦輪に食ってかかる男子生徒は何人も見てきた。そしてオカマになっていったが、

 

「……現場を見ていませんでしたが、姉さん大丈夫……か……?」

 

「ぅお?……あら、あらあら……?」

 

 練と納村が振り向くと、そこには行き場の無いモヤモヤを溜めにに溜め込み、刀を握ってプルプルと震えている片目だけになった少女は涙も溜めて口を開く。

 

「きっ……きっ……きっ……!!」

 

「やばい」

 

「あぁやばい! これ泣いちゃう方だ!」

 

「可愛いよ、姉さん!」

 

「言わずしていられなかったかこのシスコン!」

 

 赤面の鬼瓦は弟ではなく、納村に向けて鋭い視線をぶつけると、

 

「名前ぇ……確か……」

 

「あ……あぁ、自己紹介がまだだったな。()(むら)()(どう)! ノムラでいいぜ。ただしアクセントは頭に……な?」

 

ノムラ……覚えておく……代わりにそっちも忘れるな……貴様は……、必ず……鬼瓦輪が……

 

((おお……))

 

 納村と練、百舌鳥野(もずのの)は刀で身を守るようにフルフルと震えている鬼瓦に、その姿に思わず、

 

(健気にも啖呵だ……がんばれっ!)

 

(健気で可愛い……がんばれっ!)

 

(お姉さまの決め台詞……っ! がんばれっ!)

 

 三者三様に見守る中、ぐわっ! と泣き顔で鬼瓦は叫んだ。

 

「去勢してやるーー!!!!」

 

「なんか変わってるんですけどォ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな風に納村が一番手に戦いを挑んだ鬼瓦輪を返り討ちにした日。

 納村はクラスに戻り、見事に打ち倒した実力によりうるさく言われることもなく授業を受けていたのだが、あのハプニングにより刺がある視線が凄かった。

 しかしそんな納村に幸運なことがあったのは、クラスには今朝知り合った増子寺(ますこでら)(くす)()という恰幅の良い男子ともう一人、花酒(はなさか)(ひさぎ)という男子生徒が居たこと。

 若干、増子寺にも唾を吐かれる侮蔑の眼差しを受けるも、楸は同情の眼差しを向けていた。

 

 そんなこんなで騒がしい転校初日の夜、学園敷地内にあるであろう、男子寮《昇華寮》に納村と増子寺、楸は寝巻き姿(ジャージ)で部屋でくつろいでいる。

 

「災難だったなぁ、ノムラ」

 

「まったくだ。そしてまさか木の根に引っ掛けた時に足を痛めるなんて、鍛えていたつもりだったのに人体っていうのはやっぱり脆いねぇ」

 

「そればっかかり運だろう」

 

 花酒楸はニヤニヤ笑いながらそう言ってくる。

 増子寺楠男はテレビなどで某オカマ肥満系タレントとして名を轟かせてるような見た目に反し、この花酒楸は何とも普通な男子高校生であった。

 普通よりちょっとツンツン頭で、イケメンでもなくて、かと言って醜男でもない普通の高校生。

 武道を嗜んでいると楸自身が言ってきてくれて、確かに身の動きが普通よりしっかりと整えられていた。

 納村みたいに目が垂れ下がったものでもない、嘘が吐けなそうな顔。

 

「運と言えば、マスコ残念だったな。一人で部屋を使えてたのに」

 

「まったくその通りよ」

 

「仕方ねぇでしょうよ。空いてる部屋がここしか無いって言うんだからよ。占有面積取り過ぎだぞマスコ!」

 

(ます)()(でら)よ!」

 

 よりにもよって二段ベットの上が増子寺であり、今もベットの上でギシギシと軋む音がして納村からしてみれば恐い。

 楸は自販機で買ったジュースを飲みつつ、納村の質問に答える。

 

「男子が基本校外禁止が嫌だと?」

 

「普通そうだろう? 俺は自由を愛する男なんでねぇ。縛られるのは好きじゃない」

 

「無断外出は発覚すれば矯正レベル2が発令するかれ気を付けなさいよ」

 

「レベル2、だぁ?」

 

「二人以上の五剣による制裁ね」

 

「うわぁ……そりゃとても手に負えん。なぁ? その発覚っていうのはどうやってするんだぁ?」

 

「そりゃ密告よ。不正の隠蔽なんてしようものなら関わった人間も、最悪連帯責任で男子全員が処罰対象になるから、みんな容赦なく嬉々としてチクるわよ。覚悟しときなさい」

 

「独裁国家も真っ青だな」

 

「まったく、本当にふざけてる……好きに何も買いにいけない」

 

 楸も現状に文句を言いつつ、その場に寝転がる。そんは楸に増子寺はフンと鼻を鳴らして身を乗り出した。

 

「なぁに言ってんのよ。アンタなんかウチらに比べて天国じゃない! 何よ、身内贔屓ズルいわ!」

 

「ゲッ! ここにも五剣の身内が?」

 

 納村は戦った鬼面の少女、鬼瓦輪とその弟の鬼瓦練を思い出していた。

 

「いや何言ってんだコラ! こっちは規則正しくルール守って生活してるだけで、贔屓してもらってるつもりはな…………」

 

「そんなの本人にバレずにやってるに決まってるじゃない。……でも確かにヒサギはちゃんと私たちと一緒に居て、男子たちの目線となって言ってくれてるわよね……たまには助かってるわ」

 

「たまになのかゴラァ? じゃあお前さっき姉ちゃんから貰ったクリームパン返せ」

 

「ここで甘味がどれだけの至福か知ってての言葉なの!? 恐ろしいわこの子!」

 

 増子寺に飛び乗ろうとするもそれをやられると二段ベットが崩壊するので、納村が楸を抑えてベットから

出る。

 

「あー……あれだ! じゃあここには外出許可証みたいなのねぇのか?」

 

「一応あるわよ」

 

オーッそれそれ♡ どこで貰えるんだぁ?

 

 嬉々として唯一の外出できる方法が分かった納村だったが、増子寺は無意味といった諦めの顔、楸は苦い顔となって答える。

 

「証書自体は現五剣筆頭の鬼瓦輪が持ってるはずだ」

 

「げっ……ハァ…………。そりゃ幸先の悪いことで……」

 

 クラスでの冷ややかな視線に、転校初日から友達作り頑張ろうとして納村が思い出してちょっと寂しくなる。

 

「それにね、五剣全員の判子と学園長印を揃えて初めて有効になるわ」

 

「にゃにぁーッ!? 全員だとぉ!?」

 

「五剣全員がノムラにヤキ入れようと相談してた人たちだ。その中には俺の麗しい姉上も居るんだぜ? 大変ったらありゃしないな。なんでこうなったこの学園ちくしょう」

 

「彼女たちのあんた、納村不道に対する印象は最悪といって良いわ。余程の好印象がないと貰うのは難しいでしょう」

 

 改めて絶望を噛み締める納村。しかしここの男子生徒たちは全員それをガムの如く毎日噛みまくっている。

 

「そうさ、ここは男子とって窮屈なところ」

 

 楸の言葉に、納村は反応する。

 

「おたくは口では納得してないと言ってるが……あんまり興味無くないか」

 

「こうなると外出しないとすれば、ネットとかするくらいかしら? 寮にパソコンを置いてあるんだけどね、ソイツさっそく身内贔屓で部屋に置いてあるわよ。どんな交渉したのか分からないけどね」

 

「な~る。引きこもりで十分ってか?」

 

 ガバッと起き上がり、納村は怒ったかと顔を向けるも、

 

「部屋から出なくても人間は生きていけるんだぜ?」

 

「うっわどうしようもねぇな。満面な笑顔だぜ」

 

「リアル飯抜きして一週間過ごせるZE」

 

もう二度と止めてよね!? あんたのお姉さん(天下五剣)が乗り込んでアンタを引き摺り出す為に何人の男子生徒たちが被害を受けたか!」

 

 外に出ない分、ネット環境だけでも学園側は許してくれたことを話に聞く納村。

 どうやら簡単には全ていかないことを知る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある二人の男女生徒がベンチに座り、男が深く被った学生帽子から瞳を覗かせると、

 

「俺たち何してんのよ?」

 

「……祥乃(ゆきの)さんからの……いや、まぁ、なんと言えば良いのだろうな。普通なことではないことが起きるからその防衛として学生を守ってくださいと言われたが……」

 

「……制服のこと? 綺麗よ、(くじら)

 

「…………!?……こ、の、()れ者が!」

 

 まるで日本人形のように綺麗で長い黒髪を揃えた美少女と、その少女がすっぽり体に収まってしまうくらい大きな体をした青年が居た。

 

 この二人、(つら)()(らん)()佐東(さとう)(くじら)

 

 

 

 

 

 

 《番号持ち》である。

 

 




最後に出てきた面木乱歩と佐東鯨を知らない人は、同じ作者が作った《しなこいっ》と《竹刀短し恋せよ乙女》を読もう!!

いぇえぇい!!



2017/04/10 改善


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