かんま! (Ashley@はぴりば!)
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プロローグ 「艦娘たちが麻雀を始めるまで」
第0話 説明


第0話 説明
初めまして。Ashley@はぴりばと申します。どっちで呼んで頂いても結構です。(Ashleyだけだったら他にもいるかなーって...)気ままに投稿していくうえ、あんまり上手じゃないと思うので暖かい目( ̄▽ ̄)で見てください。
批判、指摘は糧となる大変嬉しいものだとガラスのハートにマジックで書き込んでおりますのでバシバシやっちゃってください。
Twitter載せときますね→@hapiribanotsuki

さて、いきなり初めてで麻雀かよって感じですがぱっと思いついてぱっとやる人なのでまあこのままやってみます
基本的にギャグものです。シリアスは違うので書けたら書きます。牌譜検証とかしないつもりですし、だいいちAshley君が全然麻雀上手くないので間違いがあるかもしれません。ご指摘願います。

ただし!プレイスタイルは人の数だけあるというふうに私は考えているので、ルールとかそういう明確なミスでなくて、例えば押し引きとか、牌効率を重視するかとか、そういったところでの批判はご遠慮願います。(まあ勉強になるからいいんだがね)

長くなっちゃいました。それではいってみましょー!
(この時点で一文字も書いてない無鉄砲提督である)


ある冬の日のこと、提督が新たに着任した。

着任して右も左も分からない提督は頭を悩ませるが、それでもなんとかやっていく。

 

ある日提督は机を買ってくる。お金を貯めて、特注で作ってもらったらしい。

そこには...一つの麻雀卓があった。

 

この時はまだ誰も予想していなかった…これが、血の雨を降らす兵器だということに...

 

鎮守府内に巻き起こる悲鳴、絶叫、叫喚...あなたはこの鎮守府の全てを目にする...

 

「あ、提督! おはようございます! え? 今日もですか!?」

 

「司令官さん、今日はいちだんとついているのです。ツモなのです!」

 

「ヘーイ提督ゥ! カンはいいけどサー、時間と場所を弁えなヨー!」

 

「気合い、入れて、いきます! リーチ!」

 

「んぁ? チャンカン? ウザい。」

 

「アウトレンジで決めたいわね!(ベタオリ)」

 

「このハイパイじゃレイテ突入は無理ね…」

 

「(単騎待ちが)頭にきました」

 

「(ハイパイが)頭にきました」

 

「(ムダヅモが)頭にきました」

 

「(アガったけど安くて)頭にきました」

 

「の、能代は私が振り込んであげないと上がれないんだから...!」

 

「阿賀野姉...それなんで切ったの?」

 

「大井っちー、さっきから合わせ打ちしすぎじゃない?」

 

「(北上さんと合わせ打ち...じゅるり....)」

 

「クマー! さっさと次ツモるクマー!」

 

「にゃー(そんな点差でわざわざ鳴いてなんになるというんだ...それじゃただのゴミ手ですってみんなに大声でふれまわっているようなものじゃないか…くそう...こういうわかってない奴がいるから面白くないんだ...大体初心者がこの私と打とうなど71年早いわ!)」

 

「多摩ァ!さっきのイーピン切りはなんだ!」

 

「しれぇ! やったー! また天和だ!」

 

「みんなおっそーい! ツモ! タンヤオのみ! 」

 

「リーチ一発ツモピンフ純チャン三色一盃口ドラ3!、32000!」

 

「8000,16000だろ多摩ァ!」

 

「ポンっぽい!」

 

「チーっぽい!」

 

「艦っぽい!」

 

「ツモ(イケボ)」

 

「みんなどうこう言っておいてハマってるじゃないか!」

 

艦娘たちはまた沼の底へ沈んでいく...それが終わりのない戦いだとも知らずに...

おや、このモーパイの感じは...ツモ!

 

四暗刻です!

 

 

初心者向けのなんちゃって麻雀物語!

勝利を手にするのは...誰だ!?

 

(ギャンブル要素を含まないのでお子様でもお楽しみいただけます)

(どうしても含みたい場合は乳酸菌飲料をお口に含み、パソコンまたはスマホに十分近づいてご覧ください)

 




1000文字が意外と多かった…
なんにも知らずに説明回〜♪ってやってたらこのざまです
初心者にもわかるように用語はなるたけカタカナ表記でいきます。
これに関してはご意見とかいいですw


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第一話「着任一発ツモ」

第一話なのです!
キャラ崩壊注意なのです!
名取さん口癖とかなくて四苦八苦なのです!


第一話「着任一発ツモ」

 

「提督が鎮守府に着任しました。」

 

雪はすっかり溶けたがまだ寒い。なんだろう、残暑ならぬ残寒と言うべきか、とにかく少し寒い日、僕は着任した。抽選?そんなものは知らんなといった新参者だ。特にトップになってやるぞとかイベント全部甲でクリアするぞとかは思っていない。瑞鶴かわええのうくらいで始めた。

この時提督はまだ知らない。この後の混沌とした鎮守府の時代が訪れるのはもう少し先なのです。

 

「なのです!」

 

「やあ、電ちゃん。初めまして。」

 

「あなたが司令官さんなのですか? よろしくなのです!」

 

「ああ、よろしくね」

 

「ところで、司令官さん、お名前を聞いてもよろしいですか?」

 

「ああ。Ashleyだ。」

 

「...」

「敵性語なのです!」

 

ぐうのねも出なかった。

 

--------------------------

 

ひうひうと北風にあてられ、がたがた鳴っている窓を尻目に、僕は猫をぶら下げた本能的に「こいつはあぶない」と感じさせる少女に説明を受けていた。

なんでも「建造をして仲間つくれアホ」とのことらしい。

瑞鶴を出したい僕は空母レシピを調べた結果、所持しているなけなしの材料では足りないと察した。

 

(.........)

(全部入れるか)

 

「!?すでのな」

 

司令官さんは持ってる材料全部入れてしまったのです。こいつ、アホなのです。

 

------------------------------

 

「うおおおお、燃料足りねぇぇぇ」

 

言わんこっちゃないといった目をしてくる電。隣には例のバンザイ建造の戦果、名取がいる。

いや、いいっすね。名取。最初なんやこの地味子!とか思ったけどいいっすね。特に中破時のぱんch...

 

「名取さん、あいつはアホなのです!」

 

なーに言っちゃってるんですか電ちゃーん!?ほらほら名取さん困ってるでしょ!?

 

「あ...あの...その...ありがとう...///」

 

やっと僕も気付いたんだ。この鎮守府だめだって...

 

「カオス一発ツモ...」

 

「何言ってるのです?」

 

「なんでもないさ…」

 

「あの...それって…麻雀ですか?」

 

「ん?ああ、そうだよー、名取ちゃん知ってるの?」

 

「あ、はい...ちょっとだけなら...」

 

この女結構知ってんな…内心そう思いながらこの先も燃料の回復を待ちながらちろちろ話した。麻雀の話ではない。僕が何者なのかとか、やっぱり変態じゃないか!とか、そんなことだ。

 

特にこれが引き金になったとか別段そんな話でもない。いわばこれは銃に火薬を詰める作業、火が付けば一瞬で混沌へと飛んでいくのである。

 

時は2月の終わり、肌寒い季節であった。

まだ麻雀はしていない。




ばかな...あんなに時間をかけたんだぞ…?こんなに短いはずがない...
今そんな気持ちです。
いやー、全然書けないw
この際なのでいろんな小説とか読んで表現の幅増やしたいなと思います
次回は少し飛んで麻雀卓を買うところ位からいきたいです(まだ書いてない)

麻雀の簡単なルール説明会を入れようと思ってるので艦娘たちが麻雀打つのはもう少し先です。楽しみにしてる人はごめんね


まあまだ読者いないんだけどね!!!!!(吐血


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第二話 「チュンツのみリャンメン待ちデパート(たびだち)」

なんだこの題名は!
そう思われたかも知れません。まあ要はそういうことです、はい。(説明放棄)
今回も相変わらず麻雀してませんご了承ください

頑張ってるんです…!


第二話 「チュンツのみリャンメン待ちデパート(たびだち)」

 

「さてみんな、揃ったか」

 

鎮守府開設から2週間ほど経った。当然艦娘も増え、鎮守府も大きくなった。そんなある日、鎮守府は一大イベントを開始しようとしていた...

 

「そろそろ模様替えをしよう。」

 

艦娘たちは一斉にざわめ.....かなかった。

部屋に積まれたダンボール、木材がむき出しの床、ホコリのかかったカーテンに、なんにもかかってない殺風景な壁。艦娘は正直飽き飽きしていた。こんな状態でよく半月も仕事してたな…艦娘たちは自分で自分を褒めてあげたいマラソンを走りきった気分でいる。

 

なぜAshley氏がここまで模様替えをしなかったのか…それはこのクソ提督が無知ゆえの失態、そして無知の知による改変である。(ちょっと自分でも何言ってるかわかんない)

 

「いやー、家具コインって課金アイテムじゃないんだなー」

 

「当たり前なのです!電達があんなに頑張って集めた家具箱を、報告しても司令官さんは無視してたのです!」

 

「これだからもっと私に頼ってって言ったのに...」

 

「部屋が汚いのはレディー失格よ」

 

「はらしょー」

 

俺はジェントルメエンだ、と暁にツッコミをいれ、こほんと咳払い。そして家具箱に入っていた7000枚以上のコインを握りしめ(手でかすぎかよ)、そいじゃ行ってくると言った。言おうとした。いや、確かに言った。言いたかった。

 

「ちょっと待った方がいいんじゃないかしら」

 

クールな目をしてきて言ったのはあの加賀さんである。

 

前述の通り、瑞鶴目当てで着任したAshley氏。しかし瑞鶴なんて到底出るわけない。案の定、赤城以外は正規空母二回ずつぐらい建造出来ているという謎に空母が豊富な鎮守府となっている。

 

「あなたのセンスでいい家具が選べるとは到底思えないのだけれど。」

 

「なにを言うか。」

 

当然反論する。

 

「これでも書道をやって特待生まで行った身だ。空間の使い方とかはわかっている。安心したまへ。」

 

「わけがわからないよ」

 

「あ...あのっ...加賀さんの言う通りだと思います…」

 

そう言ってきたのは名取である。すごく気弱そうに言ってきているが、よく考えてみよう。かなりエグいことを言ってきている。これは「ぷらずま」のようなキャラが定着するだろうか…名取だけに「いのちとり」...?

 

かなりグロい画像が浮かんだ。やめとこう怖い。

 

「あの...やっぱり誰か連れていかれた方が良いのでは...?」

 

「む...そうだな…じゃあ...」

 

「榛名で。」

 

「え!?、あ、はい! 榛名は大丈夫です!」

 

榛名なら何を選んでも「大丈夫です!」で済ませてくれそうだ。完璧な作戦。すんばらしい。

 

「(提督の作戦がミエミエすぎて)頭にきました。同行させていただきます。」

 

「あっ、暁たちも行くわよ!」

 

「あのっ...私も....」

 

「オサム、一緒に来い」

 

なんか違う正規空母が混ざってるんですが。まあいい(よくない)。嫌と言ってもついてくるんだから、このまま行こう。

 

そしてこの大所帯でデパートへ乗り込むのである。気分はFBI。デパートを占領しちゃう悪い家具たちを制圧しちゃうぞ☆

 

この買い物は平和の1ページだった。これがずっと続けばいいのに。みんな思っていた。しかし現実は甘くない。訪れるべくして訪れる混沌が、こつこつとその足音を大きくして近づいているのであった。

 

まだ麻雀はしていない。




いやー、3回目ですけど、もうなれちゃいましたね
1000文字って結構あっという間です。おかいものまでこの回で終わらすつもりが出発だけで1000文字超えちゃいました
まーグダグダしてて見るに堪えないことになってますが、少々お待ちください!Ashleyがんばるから!

ps 七転び八起きって一回転んでもないのに起きてる


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第三話 「平和デパート(おかいもの)」

どうもこんばんは。見たら少なくとも3名の方が見てくださってるみたいで、本当にありがたいです。

まだ相変わらず麻雀してません。ご了承ください。

今回場面切り替えが多いんで読みづらいです。あともっと面白くしたい。
ごたごた言ってても始まらないんでいきましょー!


第三話 「平和デパート(おかいもの)」

 

なんやかんやでデパート家具売り場まで来た。

 

「これなんかどうだ?」

 

「はい! 榛名は(提督センスないけどまあ)大丈夫(って言っときゃこいつ機嫌よくするから言っとけばいい)です!」

 

「おう、やっぱりな」

 

「司令官さん!そんなのじゃだめなのです!」

 

「もっとこんなピンクのやつが良いのです!」

 

質素で洗練された感じがいい自分と、少しでも戦いの日々の中に癒しを求める艦娘たちとでは、好みが180度違った。

しかし見てみよう。自分は1人。一方艦娘たちは50名近くいる。今時は「少数意見も大事にしましょう」なんて小学校では習うが、(習うよな...?)こんな比率の中でAshley氏1人なんて少数意見にも入らない。

張力Tの矢印を書かれて終わる軽い糸の気分だ。問題文にはこう書かれる。「糸の重さは無視できるものとする。」

 

世界は残酷だ。今それを痛感しているよ…

 

------------------------------

 

帰って...きた...

なんというかもうひどい。

あんだけ買わしといて荷物は持たないとか…

心優しい下の階のアイテムショップの店員さんがトラック貸してくれなかったらどうなっていたか…

...まあそのトラックに桃一色(トウイーソー)の家具を荷台いっぱいに積んでたから絶対ドン引きされたんだけど…

美人の店員さんに引かれたなんてまだトラックに轢かれた方がマシだった…せめて俺に惹かれてくれぇぇええぇ

やめよう。すぎたことだ。

 

あとはトラックから全部「ひとりで」下ろして「ひとりで」運んで「ひとりで」並べたんだけどね

少しは手伝って欲しいもんだねえ電ちゃん!?

 

「なのです!」

 

「司令官さん、すごいのです!でもちょっと違うから直すのです!」

 

久しぶりに褒められた。初めてかもしれない。嬉しい。あれ...立場が...?

 

------------------------------

 

並べ終えられた家具は整然と、しかしラブリーな感じに可愛らしく執務室をデコレーションしている。

 

「お前ら執務室をなんだと思ってやがる…!」

 

「「「あそびば?」」」

 

「ぎゃふん」

 

司令官さんは泡を吹いて倒れたのです。みんなで団結の意思を示したにも関わらず無視するなんてやっぱりアホなのです!

でもいいのです。司令官さん、今日は頑張ったのです!電たちも少し遠征でもしてから寝るのです!

 

------------------------------

 

目を覚ますともう夕方だった。夕日が窓から部屋を赤く染めている。執務室に影は一つしかない。

 

落ち着いて部屋を見渡してみた。

 

赤かったカーテンは真っ白な純白のカーテンに切り替わっている。

 

「木」としか表現出来なかった床もピンクのカーペットの床になり、かわいい感じになっている。よく見たらこれは春柄らしい。どうやら艦娘たちがわざわざ模様をつけたようだ。結構器用だな。

 

壁もなんにもなかったのが綺麗にピンク色になって、こちらもカーペットに合うような柄になっている。こいつらどうでもいいところに才能を感じる。

 

後ろの壁には掛け軸が。「祝3周年」だそうだ。英語でCongratulationsと書いてある。きっと「3週間」と間違えたんだな。ぷぷぷ。

 

横には誰が持ってきたのかは知らないがテーブルと椅子、ティーセットが置いてある...あ、これ、名取が「お値段以上です」って言ってた机と椅子じゃん!見事にDIYされてやがる…

 

そして奥。そこにはAshley氏のための机と椅子が.....

 

...ない。

椅子しかない。椅子フッカフカだけど机がない...買ったぞ...?

椅子の上に紙が置いてある...

 

「ちょっと、直してくるのです!」

 

これは帰ってこないやつだ。提督は感じた。直感で。

実に、悪い予感というものは当たるもので、机は艦娘たちが解体して木材にした。DIYに必要だった。後悔はしていない。(公開もしていない。)

自分の机だけないという僕だけが辛い世界を目の当たりにした提督はリベンジを誓うのだった。

 

まだ麻雀はしていない。

 




お粗末さまでした。
ちなみに作中の鎮守府は実在のものです。私のエピソードを載せてるだけです。(流石にデパートは嘘か)
家具の様子とかやってる人用な感じがあるのでわかんなかったら私のtwitterまで!→@hapiribanotsuki

フォローしてくれたら嬉しいです。DMとかで要望とか批評とかもききますのでごゆるりといらっしゃいませ。


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第四話 「ピンフデパート(りべんじ)」

だんだん文字数が増えてまいりました。慣れていってるのかな。
ご来訪誠にありがとうございます。UAの意味を先程知ってたいへん驚いております。500って...
しかしお気に入り件数は増えず。まだまだってことですね。
頑張って書いていきます!
それではいってみましょー!


第四話 「ピンフデパート(りべんじ)」

 

「お は よ う」

 

艦娘たちは絶句した。どうしてこんなことになっているのか…

 

普段は一応このクソ提督も上官ではあるので、挨拶は艦娘の方から行う。

しかし今日は違った。提督がドヤ顔で挨拶してきた。これだけでも十分うざびっくりだが、艦娘の目をひくものはそれだけではなかった。昨日解体したはずの机が...!

 

------------------------------

 

時はまさに昨日へと遡る。

机の訃報を知った提督は、出かけていた。

もうすっかり暗くなりかけ、夕日が空をなかなかグロい色に染めあげている。

向かう先はもちろんデパートの家具売り場。そこには特別な条件ではあるが特注の家具を作ってくれる家具職人がいる。

 

(なんとなくうちの鎮守府にいるヤツらなら頼めば作ってくれそうだが…致し方ない。)

 

チケットを握りしめ、特注家具職人の前に座る。

 

「今日はどういったご要件で?(イケボ)」

 

「特注の...机を作って欲しいのですが…」

 

「特注ですか?(イケボ)」

 

「はい。」

 

無駄にイケボである。いい声。私ここに通っちゃおうかしら。

ココロオドルイケボに聞き惚れながらも、作ってほしい机の特徴をこと細かに伝えた。

 

「はぁ...?(イケボ)」

 

「お願いします。」

 

「当然作れないことは無いですがこれは...(イケボ)」

 

「勤務時間外でやるんで大丈夫です。もしなんなら『提督からの熱い要望』ってことでいいですから...」

 

「ほんとに頼みますよ。(イケボ)憲兵に捕まってなんやかんやで死ぬのはごめんですからね(イケボ)」

 

「はははw大丈夫ですってwできれば今日中にお願いしたいのですが…」

 

「ふぁっ!(イケボ)」

 

「艦娘たちにサプライズなんです。」

 

サプライズだ。喜ばしいとは言ってない。

 

「まあ正直簡単なお仕事なんですぐできますよ。(イケボ)でもチケットはちゃんといただきますね。(イケボ)」

 

「当然ですよw」

 

「えっ...私のチケット...(交換対象が)安すぎ...!?っていうクレームが多くてですねー(イケボ)」

 

「大変だのう」

 

「まあこうしてる時間ももったいないですから始めますねー(イケボ)」

 

------------------------------

 

1時間もしないうちに出来上がった。流石それとイケボを生業とするだけある。

あの見た目からどうやったらあの声が出るのだろう...多分歌い手とかになったら超イケメンキャラで想像図描かれてネタばらしした瞬間死んじゃうやつだろうな。

 

例の美人のお姉さんにトラックを借りて持って帰ってきた。いやーお姉さん職人顔なのにあんな美人なのは反則です。泊地修理とかしてもらいたいなぁ…

 

帰ったらもうどっぷり日が暮れていたので寝、朝早めに起きて改めて机を眺めた。

 

質素な造りではあるが意外と頑丈にしてある。布団を掛けてこたつにもできそうだ。

机の上には60cm四方位はあるだろうか…木の枠と、その下に緑のシートが貼ってある。

内側もしっかり防音構造らしく、なにか硬いものを打ち付けても小気味よくこんと鳴るだけで大きな音もしない。大がつく完璧だ。

 

イケボさんの腕に感心していると、艦娘が入ってきて現在に至るというわけである。

 

------------------------------

 

「「「麻雀卓ぅ!?!??!?」」」

 

「なんだわるいか」

 

「悪いもなにも...提督、そういうものは職場に持ち込むべきではないと思うのだけれど。」

 

「おまいう」

 

「ぐ...」

 

あの加賀さんを四文字で撃破。紛れもない完全勝利Sである。

執務室を遊び場なんて言って魔改造しやがって...女の子に一番縁遠いものを置いてやる。

 

「まあ心配すんなって。お前らにも遊ばせてやるから(ドヤ顔)」

 

「ぐぬぬ...なのです!ドヤ顔くそウザいけど反論できないのです…!」

 

 

司令室に入ればこのクソ提督でも上官である。張力Tを示すだけの軽い糸ではない。

とある春にも入りかけの日、麻雀卓が我が鎮守府にやってきた。これが全ての始まり。すでに混沌としているようにも見える鎮守府にさらなるカオスの波がやってきたのであった。

 

しかし、まだ麻雀はしていない。




お疲れ様でした。プロローグはここまでになります。そして、ここからAshley提督の鎮守府の実話からとったエピソードではなくなり、完全な作り話になります…
つまり、まだうp主が持っていない艦娘を登場させたり(瑞鶴筆頭)、やったことがないようなこと(改修工廠とか)をやったりしていくということです。
ミスが出ます。もし間違ってたらTwitterでも感想欄でもいいのでご指摘願います。

あと、再三申しておりますが要望等Twitterにて受け付けております。ネタにしやすいキャラや、やっぱり持ってるキャラに出演が偏ってしまうので、幅を出すためにもおねがいします!
電ちゃん使いやすすぎかよ...

次回は麻雀のルール説明をします。しかし、ネタもある程度入れていこうと思っているので頑張ります。

もっと面白くしたいなー

こんな話ですがどうか「かんま!」こと「艦娘と麻雀してみたよ!」をよろしくお願い致します。

ps後書きだけで一話かけそうだぜ


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イントロダクション 「瑞鶴の麻雀教室!(瑞鶴は生徒)」
第五話 「ズイ(ง ˘ω˘ )วズイ」


皆さんこんばんはです
UAは増えるがお気に入りは増えないという無能さらけ出し羞恥ぷれいを絶賛行い中です。たすけて

あ、ご来訪誠にありがとうございます!
今回から微麻雀が入ってるので安心してくらさい


第五話 「ズイ(ง ˘ω˘ )วズイ」

 

「てーとく、新しい艦娘が来たよ!どーせまた水上艦でしょ?」

 

元気よく話すのはご存知の通り伊58である。

 

あれから鎮守府もかなり大きくなった。瑞鶴を狙い続けてはや一年(鎮守府時間)。もう瑞鶴と限定入手の艦娘以外揃ってるような状況だ。

鎮守府にはこんぺしこんぺしと打牌の小気味よい音が響いている。

 

艦娘たちは見事にハマってしまった。常に命をかける海戦と違い、命まで取られず、しかし勝負の運要素、戦術、ブラフ、そして勝った時の爽快感を感じることが出来る麻雀は艦娘の性に合ったようだ。

 

ゴーヤは今しがたムダヅモをやらかした伊19の涙目に微笑みかけながら続けた。

 

「なんか今回の建造は長かったでちけど、いい艦娘が来るといいでちね。」

 

「なにっ、初耳だぞ。」

 

このクソ提督は建造するだけしといて確認しない。こういうクソさ全開のため、鎮守府で提督を尊敬するやつは誰もいない。

これでも戦果は泊地随一というのだからわからないものだ。

 

「で、何時間だった?」

 

「あー...確か...」

 

「6時間でち。」

 

ガタッ!

聞くと同時に立ち上がったのは提督、そして翔鶴だ。

 

6時間といえば翔鶴型の建造時間。普通に建造すれば大量の資材を食う空母レシピでも建造率多分0.1%にも満たない瑞鶴が、この段階で50%弱で出るというのだから立ち上がっても仕方ない。

 

この一年空母レシピを回し続けた提督はもちろん、半年くらい前に出てずっとエア瑞鶴に話しかけていた翔鶴もこれは期待せざるをえなかった。

 

ふと、こんこんと鎮守府の戸がなる。ふたりが固唾を呑んで見守る扉が開き、飛んできたのは艦載機!

だだだだだだだだだだ

ちゅどーん

航空隊、敵旗艦に甚大なダメージを与えた模様。戦艦及び駆逐隊は敵艦隊に突入、砲雷撃戦を開始せよ...とはならない。

真っ黒な提督のいる執務室(あそびば)の扉から突入してきたのは、程よい長さのツインテール、RJを慰める甲板胸を持った正規空母翔鶴型二番艦、瑞鶴だった。あれ、どうしてこんなところに艦載機が...?

 

「翔鶴ねぇ〜〜〜!」

 

「瑞鶴。会えて嬉しいわ。寂しかったのね…」

 

寂しかったのはお前だろと言う前に提督に第二次攻撃隊が発艦した。

提督の悲鳴を打ち消すように響く声が先程の伊19から発せられる。

 

「やったぁ!役満なのー!」

 

スーアンコーである。

 

「ちょっと...何この鎮守府...なんか執務室がやけに広いし、みんな集まって...何やってんの?」

 

「瑞鶴。これはね、麻雀よ。面白いのよ。」

 

「へー翔鶴姉、強いの?」

 

.....

何もいうまい。

 

ムクっと立ち上がった提督は瑞鶴を一つの卓に呼んだ。(卓は沢山ありますなんちって!☆)

 

「ルール説明をしてやろう。こっちへ来い。」

 

「えー...」

 

「くるんだ。提督命令だ。」

 

「やっすい提督命令だなぁ…」

 

瑞鶴にルール説明を施す提督。さあみんなも次回を読んで麻雀の簡単なルールを理解しよう!

 

麻雀の説明は長い。




今回で麻雀のルール説明を終わらせるつもりで着手しました。説明までいきませんでした。なんだこれ
次回からまじでルール説明やりますが、何度も言っている通り、このSSは初心者及び麻雀知らないフレンズ向けに作っているのでほんとに用語がわかるようにくらいの説明しかしません。

今回ちょっと役の名前を出してみました。実際カタカナで書いてみると非常に違和を感じます。
少なくとも初めて出てくる際にはカタカナで読み仮名をつけますが、漢字で書いた方がスッキリするのでそっちの方がいいかなぁ…と

どちらがいいかご意見いただきたいです。感想欄、Twitterにて要望受け付けております。ほんとに漢字とカタカナどっちにしようか決めあぐねてるんでおねがいします…!

twitter→@hapiribanotsuki

それではまた次回♪

ps 歯磨きした後に冷蔵庫の麦茶を飲むとかなり冷たく感じる


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第六話「ツモ(ง ˘ω˘ )วツモ」

麻雀の用語説明になります。対話形式で、ネットにいくらでも転がっている用語集より使いにくく、ルール説明サイトよりめんどくさい逸品となっております。
対象は、「麻雀やったことないしやる気もないけど、この話は読みたい」といったり、「艦これが好きで麻雀始めようかなって思ってるけどなんやかんやで初めてない人」といった人です。稀有です。

注意!!!!!!
ド基礎なのでわかってる人は読み飛ばすべし!!!!


第六話「ツモ(ง ˘ω˘ )วツモ」

 

「で、何から教えてくれるの?」

 

「んー?さっきまで散々爆撃しといてそんな言い方なのかなぁ?」

 

さっきは遅れをとったがこっちだってやる時はやるのだ。ZKいじめだ。

 

「...」

 

「ふてくされるぞー?」

 

ちゅどーん

 

「よかろう!合格だ」

 

「鼻血が出てますよ」

 

------------------------------

 

「ではまず麻雀というゲームだが、簡単に言えば自分のターンに一枚引いていらないやつを一枚捨てるのを繰り返して、役が一番早くできた人が勝ちというゲームだ。」

 

「どれが要らないとかわかんないんだけど。」

 

「まあ待て。これから説明する。

 

まず、麻雀の『完成形』がある。

4面子(メンツ)1雀頭(ジャントウ)を作ればいい。

 

この形になっている上で、役があって初めてあがれるんだ。」

 

「ちょっとなにいってるかわかんないですねー」

 

「面子(メンツ)っていうのは3枚セットの組のことだ。

 

同じ種類の連続した数字3つ集めるか(これを順子(チュンツ)という)、

 

全く同じ牌を3つ集めたら(これを刻子(コーツ)という)、

 

面子(メンツ)になる。」

 

「なるほど。だからメンバーのことメンツっていうのね」

 

「そして雀頭(ジャントウ)だが、

 

これは全く同じ牌2つのセット(これを対子(トイツ)ともいう)だ。

 

これは変わることはない。」

 

「2枚同じものがあった時、刻子(コーツ)にするか、雀頭(ジャントウ)にするか迷うわね。」

 

「おっ、わかってるじゃないか」

 

「あったりまえよ〜!」

 

「じゃあ次は『鳴き』だ。

 

自分が対子(トイツ)を持っていて、誰かがもう一枚捨てた時、碰(ポン)と言ってそれを貰って刻子(コーツ)を作ることが出来る。

 

また、自分があと1枚で順子(チュンツ)になる2枚を持っている時、左の人が残りの1枚を出したとき、吃(チー)と言ってそれをもらって順子を作ることが出来る。

 

さらに、自分で4枚同じ牌を集めたり、3枚持っててもう一枚捨てられた時に槓(カン)と言って刻子を作り、もう一枚特別なところから牌を引ける。

 

...こんな感じかな。」

 

「普通の説明すぎて困ってます。」

 

「ルール説明というか、用語説明に近いからな。知ってる人も多いだろうから軽く読み飛ばしてほしい。」

 

「誰に話してるんですか?」

 

「ふふっ♡」

 

「気持ち悪い....」

 

「...おっほん、そして、これらをすることのメリット...瑞鶴くん、わかるかな?」

 

「そりゃ見えてる牌を貰うんだから、狙った牌が手に入れられて有利じゃないですか。」

 

「その通りだ。瑞鶴くん、こんなのはその分ディスアドバンテージがないとフェアじゃないと思わないかね?」

 

「敵性語ばっかり使うのやめてください。スパイと認識してその場で射殺しますよ。」

 

「了解しました!以後気をつけます!

 

で、当然鳴かずに頑張ってる人との不平等解消のために、色々不利になることがある。

 

まず、鳴いて作った面子は全部見せないといけない。

 

沢山鳴くとその分相手に自分の手の内を明かしてしまうことになり、手を読まれやすくなってしまう。

 

手を露出するから鳴くことを副露(フーロ)ともいう。鳴いた回数を数える時は1鳴き、2鳴き、といったり1副露(フーロ)、2副露(フーロ)といったりする。

 

さらに、鳴くことで点数が下がってしまう役がある。中には鳴いてないこと(これを面前(メンゼン)という)を条件にする役もあるので、役を作るのが難しくなる。」

 

「役ってどんなのがあるの?」

 

「待て待て焦るな。もう時間だからまた明日にしよう。同じ時間に来いよ」

 

「はいはい、了解しましたー」

 

 

早くみんなに加わりたい瑞鶴であった。




今回でルール終わらすつもりだったのに...まだ3分の1くらいです。少々お付き合い下さい。
創作ではなく、既存のルールをなぞってるだけなんですぐぱぱぱっと書いてしまって本編行きます。

読み仮名は3回程度はつけますがそれ以降は付けない方針で行きます。一度もついていないものがあれば報告願います。

ご来訪誠にありがとうございました。またお会いしましょう


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第七話 「カモ(ง ˘ω˘ )วカモ」

長くなったぁぁぁぁ
ごめんなさい遅れました。
分量的には2話分あるので許してください

相変わらず超基本的なことしか言ってないので読み飛ばし推奨です。


第七話 「カモ(ง ˘ω˘ )วカモ」

 

「来たわよ提督」

 

眠い目をこすって瑞鶴がやってきた。

 

「こんな朝っぱらから呼び出して...大本営に怒られても知らないわよ」

 

「お前はまだ練度が低い。うちの鎮守府式の演習だ。」

 

ちらほらと艦娘たちが執務室に入ってきている。みんな起きたのだろう。

さっきまでこのクソ提督とZKしかいなかったのに、だんだんと賑やかになっていく。

...いや、

 

「ふぁ〜、夜戦終わりっと!じゃあ寝るね〜おやすみ」

 

夜戦バカがいた。

 

------------------------------

 

「そんじゃあ、役の説明だっけな...」

 

「そうよ。早くしなさいよ」

 

「だが断る」

 

「( 'ω')ふぁっ」

 

役は多すぎるのでキリがない。画面の前の君も調べてみてね☆

(参考

これだけわかってれば大概読める

 

立直(リーチ)...あと一枚であがれることを宣言して1000点払う。鳴いてはいけない。

 

断么(タンヤオ)...

{二三四③④⑤⑤⑥⑦22288}など

2~8の数字だけで完成形を作る(鳴いて作ると「喰いタン(クイタン)」という)

 

平和(ピンフ)...

{一二三四四②③④⑦⑧⑨⑥⑦ ⑧}など

面子を全て順子で作って、雀頭は数字かオタ風(調べて)、待ちは両面(リャンメン)待ち(後述)。

 

役牌(ヤクハイ)...

{四四四①①③④⑤678白白白}など

三元牌(サンゲンパイ){白発中}か自風(調べて){東南西北}の刻子。鳴いてもいい。

 

四暗刻(スーアンコー)...

{二三四二三四二三四二三四②②}など

鳴かずに刻子を4つ作る。これだけで13翻(後述)。タンヤオではない。

 

国士無双(コクシムソウ)...

{一九①⑨19東南西北白発中中}

各種類の1と9の牌を一枚ずつ、漢字が書いてある牌を一枚ずつ、この中で一種類だけ2枚ある状態。13翻。

 

大三元(ダイサンゲン)...

{②③④44白白白発発発中中中}など

三元牌(サンゲンパイ)の刻子を3種類作る。13翻。

 

その他13翻役。)

 

------------------------------

 

「今度は得点だ。」

 

「役の難しさで決まるんですよね?」

 

「そうだ。役は1翻、2翻、と数えて、難しい役なら一気に13翻もつく役もある。また、何個か役が複合することもあるぞ。」

 

「1翻あたり何点なの?」

 

「何翻取るかで変わってくるぞ。1翻だけ取ってあがる時は素早くあがれるからそれだけでもいいし、4翻以上取ると得点が一気に上がるからそれで高得点を一気に取るのも良しだ。」

 

「なんか遠まわしな言い方ですねえ」

 

「なんてったって何翻で何点なのかは自分で調べてもらうからな!

符点を含めると死ぬほどあるぞ〜」

 

「ズイ(ง ˘ω˘ )วズイ」

 

------------------------------

 

「あのー」

 

「なんだ」

 

「得点表を見ると、親って書いてあって得点が1.5倍になってるのがあるんですけど...」

 

「さっきの踊ってるように見えたのは調べてたのか…」

 

「え?提督さんは違うんですか?」

 

「親っていうのは、みんなに回ってくる得点チャンスだ。」

 

「うわスルーかよ」

 

「さっき見たとおり親は得点が1.5倍になる。さらに親があがると、連荘(レンチャン)っていってもう1回親ができる。親があがれなかったら親交代だ。

 

その代わり、親は子(親じゃない人)がツモあがりしたら他の人の2倍の得点を支払わなければならない。」

 

「なによツモあがりって」

 

「あと一枚来たらあがりの事を聴牌(テンパイ)と言うんだが、そこから自分のターンに引いたやつがその一枚だったら『ツモ』と言ってあがりだ。

 

これは誰が悪いとかはないので、みんなであがった人に点数を割り勘して支払う。4人で普通するから、あがった人を除いた3人が1/3ずつ払う。

 

ただし、この3人の中に親がいたら、親は偉いので「俺が多く払うよ」って言って涙を流しながらドヤ顔をしないといけない。

 

親が点数の半分を払い、残りの子2人が残った半分を半分ずつ払う。

 

これを親かぶりといって親になる最大のデメリットだ。

 

また、聴牌(テンパイ)の時にあと一枚欲しい牌を誰かが捨てたら『ロン』と言ってあがることもできる。

 

これは完全に捨てた人が悪いのでその人が1人で全部支払う。」

 

「ロンきつすぎね...」

 

「そうだ。ロンされないように細心の注意を払うべきだ。」

 

「どうしたらいいの」

 

「実は、振聴(フリテン)といって、『自分で捨てた牌ではあがれない』というルールがある。

 

あと一枚、例えば{四六}が手にあって{五}が来れば面子ができてあがりの時、前に自分が{五}を捨てていたらロンあがりができないんだ。」

 

「それとどういう関係があるのよ」

 

「馬鹿か。七面鳥か。

 

つまり、相手が捨てた牌の一覧を見て、その中にある牌は安全なんだよ!

 

これは、現物(ゲンブツ)といって100%安全な牌だ。

 

これだけ知ってればロンは避けられる。」

 

「ちょっと装備換装してきますね(´^ω^`#)」

 

「ひええ」

 

------------------------------

 

「役も調べたし、あがり方も、防御方法もわかったわ」

 

「おう、これで一応大丈夫か?」

 

「牌の読み方ってどうなのよ」

 

「字牌(ジハイ)は

{東}(トン)、{南}(ナン)、{西}(シャー)、{北}(ぺー)、{白}(ハク)、{發}(ハツ)、{中}(チュン)

 

数牌(スウハイ)は三種類あって

漢字が書いてある萬子(マンズ)

{一二三四五六七八九}

丸が書いてある筒子(ピンズ)

{①②③④⑤⑥⑦⑧⑨}

竹が書いてある索子(ソーズ)

{123456789}

がある。

 

読む時は、

萬子(マンズ)の1なら{一}「イーマン」

筒子(ピンズ)の5なら{⑤}「ウーピン」

索子(ソーズ)の9なら{9}「チューソー」だ。」

 

「数字は中国語で読むのね。

中国語って敵性語じゃないのかしら」

 

「知らんな

 

表記はこの鎮守府の場合

萬子...{一二三四五六七八九}

筒子...{①②③④⑤⑥⑦⑧⑨}

索子...{123456789}

というふうにするぞ」

 

「はあい」

 

------------------------------

 

「じゃあ最後にドラの話をするぞ」

 

「やっと最後ね」

 

「なんか色々忘れてる気はするが、もう最後でいいだろう」

 

「ドラってなんなのよ」

 

「ドラゴンのことだ。」

 

「敵性語ね」

 

「局のはじめに一枚ドラを決める。どうやって決めるかとかは調べてくれ

 

ドラは一枚持ってるだけで1翻になる。

 

麻雀は完成形(4面子1雀頭)になってる上で1翻以上ないとあがれないが、ドラはこれに含めないから注意だ。」

 

「ドラの他に役がいるってことね。1翻のリーチだけであがってドラが12個とかあったら役満なの?」

 

「お前も染まってきたな。その通りだ。」

 

「1回戦終わるのって何回あがればいいの?」

 

「それを言ってなかったな。基本半荘戦(ハンチャンセン)といって8局やるから8回誰かがあがったら終わりだぞ。

ただ、連荘があったり、誰かが0点になったら長引いたりあっという間に終わっちゃったりするかもな」

 

「誰も上がらなかったら?」

 

「流局(リュウキョク)といってやり直しにしたり誰かがあがった判定にして進めるやり方があるぞ。そこら辺は教えてもらえ」

 

「今教わってるんですがそれは」

 

「Ashleyたんつかれた!」

 

「このバカ提督〜〜〜!!!」

 

瑞鶴はムラっけのある知識で麻雀鎮守府の大海に進水した。

瑞鶴の新たな冒険が始まる!(適当)




お疲れさまでした。瑞鶴(生徒)の麻雀教室は終了になります。
これだけ知っておけば多分「かんま!」は読めると思いますがきちんと調べるのに越したことはありません。
機会があればまた役の説明を番外編でやりたいと思います。

今日もご来訪誠にありがとうございます!

6/17 読者様からのご要望がありまして、牌画像ツールを導入してみました。これはそのテストです。うまく出来てるといいな。
これから本編に入っていきますのでよろしくお願い致します。

ps 桜は散れども若葉が萌ゆる


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「艦娘と麻雀してみたよ!」かんま!編
第八話 「単騎は嫌いなのでず!前編」


おっそっくなりましたぁぁっっぁぁ

ごめんなさいぃぃぃ

いやぁ、忙しいですね。全く世の中都合のいいようにいかないものです。

やっと本編に入ります。

全部で2500文字くらいのものを2分割して投稿ペースを維持しようという作戦です。

それでは、よろしくお願い致します。


第八話 「単騎は嫌いなのでず!前編」

 

この鎮守府ができてはや一年...瑞鶴さんの練度も破竹の勢いであがって来ていい感じなのです!

 

今回は電達の話なのです!

 

------------------------------

 

電たち第六駆逐隊は執務室だけでなくお部屋でも麻雀できるのです!

だって、電たちは4人!子供は帰りなさいと言われた後でもこっそりできるのです!

 

「なのです!」

 

「どうしたの電」

 

「これは...大きいのです!リーチ!」

 

「一人前のレディーは追っかけリーチがきほんよ!リーチ!」

 

「もっと私に振り込んでもいいのよ?リーチ!」

 

「はらしょー(リーチ)」

 

「みんなリーチしたらなんのゲームかわからないのです…」

 

あの司令官を褒めるわけじゃないのですけど、麻雀のおかげで電たちは強くなれたのです。

チームワークも良くなったですし、前の幼い遊びと違って考えながら遊べるから作戦も理解できるようになったですし、他の艦種のひとたちともなかよくなれたのです!

電個人でも、昔は「〜も救いたかった」なんて後ろ向きだった電が数々の裏目を通してくよくよしなくなったのです!

 

でも、息が合いすぎて全員リーチしたり四風連打しちゃったりするから注意なのです!

 

「はわわわわわ、危ないのです!」

 

「はらしょー(ロン)」

 

「ぶにゃあああ...」

 

「すぱしーぱ、電」

 

「リーチ、断么、平和、三色、裏ドラ1...これ電飛んだんじゃない?」

 

「はねちょくで飛ぶなんてレディー失格ね!」

 

お姉ちゃんたちは最近みるみる強くなっているのです。きっといかさまにちがいねえ、かゆ...うま...なのです!

 

「電、さっき大きいって言ってたけどどんなのだったの?みせてよ」

 

「はずかしいょぅ...」

 

リーチ、三暗刻、三色同刻、ドラ3裏3...

 

「数え役満じゃない!」

 

「なのです…」

 

「それをあがれないようじゃレディー失格ね!」

 

「リーチのみの姉さんにいわれたくない...」

 

「うっ...(ぎくっ)」

 

「はらしょー」

 

響おねえちゃんは何かを見透かしているような...そんな目をするようになったのです!...もともとですか?

 

「電、たまにはリーチしなくてもいいんじゃない?

 

電はリーチして裏ドラから数え役満の役になることが多いけど、その分衝突事故みたいな振り込みが多いわ。」

 

「沈むほうが悪いのです...」

 

「だめよ。

今回はリーチしてなんか一体感が出てほんわかした感じになったけど、電、他のとこに行ったらいいカモよ。

 

連帯感も大事だけど、勝つための作戦をしなさい。

 

困ったらもぉーっとお姉ちゃんに頼ってもいいのよ?」

 

「わかったのです!さすが雷お姉ちゃんなのです!」

 

この中で多分一番強いのが雷お姉ちゃんなのです!周りをよく見てて絶対振り込まないし、小さな手でも大きな手でもきっちりあがる実力派なのです!

 

その次が響おねえちゃん、その次が暁お姉ちゃん、多分電は一番弱いのです…これから頑張るのです!電の本気を見るのです!

 

------------------------------

 

今日は遠征、しかも新海域解放の遠征、つまり、まだ行ったことのないところに行くのです!

 

遠征はいつも電たち含む駆逐艦たちが交代で行っているのですが、正直いつも行かないところは緊張するのです…

 

アホ司令官さんによると初期艦だから慣れてるだろということなのですが、当時は名取さんに行かせて「レベリングだ」なんて言ってたのです!

 

やっぱりアホなのです!

 

あー、緊張するなぁ…

 

------------------------------

 

「...こちら遠征中の第三艦隊『彼岸花』旗艦、暁。遠征地にてレーダーに感あり。敵深海棲艦と思われる故、直ちに司令を求む。

繰り返す。こちら暁。敵艦隊と思わしき感あり。司令求む。...」

 

「だめね、遠いからかしら、繋がらないわ」

 

「私たちの小さなレーダーで感知できたんだからきっと近くにいるわ…」

 

「はらしょー」

 

「なのです…」

 

「...! 敵艦見ゆ! はらしょー」

 

「戦艦は嫌いなのでず!」

 

「レディーたるもの、顔に傷がつくまえに逃げるのがメオリーよ!」

 

「それを言うならセオリーでしょ」

 

「難しい言葉を使おうとして間違えたのです!」

 

「みんな、今はそれどころじゃな...!」

 

「...はらしょー...」

 

響お姉ちゃんに至近弾、このままじゃほんとにあぶないのです!

 

「仕方ないわね…みんな、逃げるわよ!」

 

「こっ、ここここのままじゃおおおお追いつかれるわ!は、速い!」

 

暁お姉ちゃんはレディーならもっと落ち着いて欲しいのです…

 

ダメダメな旗艦を置いて雷お姉ちゃんがとんでもない作戦を言うのです!

 

続くのです!




本日も、ご訪問ありがとうございました。

少しですが書きだめがありますので、毎日投稿頑張ります!

まあ多少のミスはしょうがないとは思いますが、特に目立ったものがあれば言っていただけると助かります。

まあまだ1件もコメントないんだけどね!(涙目)

Twitterもよろしくお願い致します。

ではまた明日。


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第九話「単騎は嫌いなのでず! 後編」

どうもおはこんばんちは。

本日もご来訪誠にありがとうございます。

Ashleyです。はい。

あ、昨日の続きですね。はい。

始めますね。はい。


第九話 「単騎は嫌いなのでず!後編」

 

遠征中に敵艦隊と出会ってしまったのです!相手が速くて焦る暁お姉ちゃんはレディーならしっかりして欲しいのです!

 

ダメダメな旗艦を置いて雷お姉ちゃんがとんでもない作戦を言うのです!

 

「私たちの目的は何?

遠征から資源を持って帰ることよ!

 

...ここは、誰か1人に荷物を集めて四つに別れて行くのよ。

敵が別れてくれれば各個撃破が私たちならできるし、別れなかったら...」

 

「3/4で回避できるってことね。実にはらしょーだ。」

 

「で、でも、狙われたひとりはどうなるのです!?」

 

「その時は...その時よ。なんとか帰投するわ。」

 

「そんなの...!」

 

「仕方ない。これが一番現実的ではらしょーな方法。」

 

「そう。これしかないのよ…」

 

ふたりに言われたら反論できないのです…

 

「勝つための作戦をするわよ。電。あなたは一番練度が高いから荷物は預けたわ。もしあなたが狙われたら私が助けるわ。おねえちゃんにもーっと頼ってもいいのよ。」

 

でも...

 

「でも...やっぱりだめなのです!」

 

「「!?」」

 

お姉ちゃんたちの驚いた顔。でも、電はこれがいちばんだと思うのです!

 

電の本気を見るのです!

 

「電たちは...連携しての第六駆逐隊なのです!単騎行動なんてできない!

今までやってきた麻雀でみんな息が合って演習でもいい成績が出るようになったのです!

 

...みんなで...帰るのです...!」

 

ぐすっぐすっ。涙は嫌いですけど…ひとりはもっと嫌なのです。

 

「わかったわ電。やりましょう。私達であの艦隊にダメージを与えて、出力低下させたら逃げるのよ!

安手でも、相手にプレッシャーを与えて逃げ切るのはレディーのたちなみよ!」

 

暁お姉ちゃん今までどこにいたのです…あとここで噛むなよ…なのです!

 

「仕方ないわね…」

 

「実にはらしょーだ。」

 

みんなの意見が一致した今、取る行動は一つなのです!

 

「「「「いくぞ!!!」」」」

 

「なのです!」

 

電の本気を見るのです!

 

-----------------------------

 

「これは...リーチ! なのです!」

 

「もぉーっと私に振り込みなさーい! リーチ!」

 

「手早くリーチで決めるのがレディーのステイタスよ!リーチ!」

 

「これは...実にはらしょーだ(リーチ)」

 

「みんなしたらもうこれ何ゲーなのです…」

 

今日もみんなで麻雀なのです!

 

艦隊はB勝利するくらいで魚雷打ったらなんかぶくぶく沈んでいったのです!

拍子抜けなのです!

沈んだ敵もほんとは助けたかったのです!まあ沈めたけど。

 

「あ、それロンなのです!」

 

「あちゃー、やっちゃった…」

 

「はらしょー。電が振り込まないのは珍しい。」

 

「役は?」

 

「四暗刻単騎なのです!」

 

「げぇー、あなた単騎は嫌って言ってたじゃない...」

 

「それとこれとは別なのです!」

 

今日も頑張るのです!

 

電の本気を見るのです!




お粗末さまでした。

自分でも変なストーリーだなぁと思っております。
ギャグなのにシリアス書こうとしてなんか変なことになってますね。

ちょっとだけ暖かくなってきました。あ、艦これ四周年おめでとう(今更)
気候が変わる時期なので風邪とかひきやすいと思われます。新年度でストレスも多いかも知れませんがたまにはゆっくりしてガス抜きをしていってください。それのお手伝いになれば幸いです。

また明日...会えるといいですね(遠い目)

ps 広島カープは鯉のぼりが下りると負けだす


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第十話「五航戦の子なんかと一緒にしないで(頭ハネ)前編」

みなさいおはこんばんちは。Ashleyだよ。

本日もご来訪誠にありがとうございます。

記念すべき10話ですよ!やった!

超ギリギリで仕上げたのでミスしてたらご指摘願います。


第十話「五航戦の子なんかと一緒にしないで(頭ハネ)前編」

 

瑞鶴がやっとこさ入ってきたこの鎮守府。みんな歓迎して瑞鶴を卓に招く中、頑としてそれをしない人がいた。

 

もちろん、例のあの人である。

 

「ほら、加賀さんも瑞鶴とやってみなさいよ。今じゃあなたでもちゃんと相手になるくらい上手くなってるわよ?あの子。」

 

「いくら赤城さんがそう言おうとだめです。」

 

頑なに拒否をする加賀さん。

 

(あんな昨日か今日くらいに始めた初心者となんかやりたくないわ。たまたま運が良くて負けたりなんかしたらなんて言われるかわからないもの。一航戦の誇りにかけて、負けるなら熱戦の末潔く負けたい。)

 

「ふふふ...ツモだ...!」

 

「!?」

 

言ってるそばから赤城さんが卓についている。アカギさん、卓に付くと何故か三点リーダーが多くなる。

 

「嶺上開花、三色、ドラ2...」

 

「ど...どうして白が頭なのよ!暗刻ならそのままにしておけばいいのに...」

 

「理じゃ俺は倒せない...」

 

まあた始まった。目も当てられないので加賀さんはアカギを卓から引き剥がす。

 

「あーん、もぅ、いいとこだったのにー」

 

「行きますよ赤城さん、料亭が開く時間です。」

 

「開店と同時に行ったら鳳翔さんにすごいことにされちゃいますよ。」

 

「...行きますよ。」

 

赤城さんを引きずって執務室を出るふたりは、もう見慣れた光景である。

 

「よいしょっと...じゃあ瑞鶴、私達で打とっか?」

 

「あ、おねがいします!」

 

そう言って来たのは蒼龍と飛龍だ。

人数が足りないことを察した瑞鶴は言った。

 

「じゃあ翔鶴姉呼んできますね。これで四人です!」

 

「「あっ...(察し)」」

 

翔鶴は瑞鶴と一緒に打つと必ず4位になる。特に瑞鶴に振り込むわけでもないのに、何故か負けるのだ。

 

「あら、二航戦の皆さん...瑞鶴のためにわざわざありがとうございます」

 

「いえいえ、いいのよ。」

 

「そうよ。さあ、楽しく打ちましょ。楽しくね。」

 

ちなみに瑞鶴も翔鶴も自覚はしていないので、基本的に楽しくは打てる。

 

------------------------------

 

「あっ...翔鶴さん、それロンです...」

 

「あらあら、仕方ないわね…」

 

「翔鶴姉、それ次打とうと思ってたやつだ...なんかごめんね?」

 

「いいのよ瑞鶴。いつものことだわ」

 

「「あっ...(察し)」」

 

...これでも楽しく打ててる(自称)らしいから仕方ない。(何がやねん)

 

「おぉ、お前らこんな所で打ってたか」

 

やってきたのは提督である。こんな所と言っても執務室なんだからじゃあ普通のところってどこだよって話である。

 

「演習だ。早く表へこい。」

 

「はあい。」

 

「大物狙って行きましょう!」

 

「ちょっと待ってください!なんで急に演習ですか?」

 

「なんでって..」

 

もうすぐイベント海域が発生する。今回は北方領土防衛戦らしいが…

 

「空母機動部隊で練度あげとくぞ。ほら、来い」

 

「あ、提督さん!」

 

「なんだ蒼龍。」

 

「空母機動部隊のメンバーって誰々ですか?」

 

「赤城、加賀さん、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴だ。」

 

「「あっ...(察し)」」

 

防衛戦の前に何か1戦ありそうな気配を感じ取ったふたり。これからどうなってしまうのか…

 

つづく




お粗末さまでした。

ちょっと暑くなってきましたね…季節が変わるのは早いものです。(白目)

一航戦と五航戦のキャラが濃すぎて二航戦が察するぐらいしか仕事がないです...ファンの方々にはほんとに申し訳ない。

それでは明日も会いましょう!

感想書いて頂けたら嬉しいですm(*_ _)m


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第十一話 「五航戦の子なんかと一緒にしないで(頭ハネ)中編」

みなさんおはこんばんちは。

本日もご来訪誠にありがとうございます。

ちょっと前書き書いてる時間があんまりないのでこれだけにしときますね。

ごゆっくり


第十一話 「五航戦の子なんかと一緒にしないで(頭ハネ)中編」

 

演習をすることになった。

 

ただの演習ならいい。しかし、ここは空母機動部隊、一航戦の急に歌う方と五航戦の急に踊る方のいつものアレである。

 

「足引っ張ったら爆撃するから。」

 

「な、なによ...別に、足なんて引っ張らないわよ!危ないじゃない!」

 

「あなたのそういうところがきらい」

 

「はぁ!? なんならやるってんの!?」

 

「ちょっと瑞鶴...」

 

「翔鶴姉は黙ってて!」

 

ばしっ

 

ちゅどーん。

 

「「あっ...(察し)」」

 

翔鶴がバランスを崩して不幸にもものが飛び散ってできた火花が飛行機に着火。燃料が爆発を起こす!!!

 

「...! 翔鶴姉!」

 

「いいのよ瑞鶴。いつものことだわ。」

 

「「あっ...(察し)」」

 

もう察するぐらいしかできない二航戦。後で飲みにでも連れて行ってやろう、そうふたりが思った瞬間だった。

 

「あんたのせいで...!」

 

「陣形を乱して混乱させたのはあなたよ」

 

「ちょっと加賀さん、その辺にしといたら...」

 

赤城の制止もきかず、突っかかっていく加賀さん。

 

「ちょっと!二人ともやめてください!」

 

それを止めたのはついに仕事ができた飛龍である。

 

「いいですか!?ここは演習といえど戦場ですよ!相手も加減はするでしょうが、そんな状態じゃ死んじゃいますよ!」

 

「一航戦の実力があれば、そんなことにはなりはしないわ。そこの五航戦と違ってね。」

 

「ちょっとあんた...!」

 

「やめなさい瑞鶴!!」

 

蒼龍である。いやぁ、この人怒ったら結構怖いっすねえ。

 

瑞鶴がヒュンってなったところで対空電探に感あり。相手の偵察機である。

 

ケンカに夢中で偵察機すら飛ばしてなかった空母機動部隊。飛行機を飛ばさない空母なんてもはやただの的でしかない。

 

「さらに感あり!大編隊が接近中!...150機はあるわ...」

 

「多スギィ!」

 

「装備換装を急いで!」

 

赤城の叫びも虚しく、圧倒的な数の艦載機が波のように押し寄せる。

 

------------------------------

 

二航戦は既に大破し、白旗をあげてしまった。翔鶴は開始前から白旗という異例の事態であるため、あと三隻である。

 

「みてて...一航戦の誇り...見せてあげる!」

 

弾幕の中発信した艦載機が相手の艦載機をどんどん撃ち落としていく。

 

「全機発艦!やっちゃって!」

 

瑞鶴もようやく参加するが、一航戦の艦載機の後片付け程度しかできない。

 

「もっと...もっと頑張ってよ!」

 

「無理よ。五航戦なんかじゃ。」

 

「またあんた...!」

 

「現にあなたは活躍出来ていない。この状況が何よりの証拠よ。」

 

「そんな...」

 

加賀さん!うしろー...!

 

加賀さんには慢心があった。それは致命的なミスに繋がる。赤城の注意も耳に入らない。

 

それは確かに爆弾を積んだ艦載機であった。

 

やめて!今あなたがやられちゃったらMVPは誰が取るの!?艦載機はまだ残ってる。ここを乗り越えれば、勝利Aが取れるんだから!

 

次回「加賀さん死す。」

 

演習スタンバイ♪




はい。お粗末さまでした。

まあこうなりますよね。

そして、きっと明日も同じようなことをあなたは言うでしょう。

もちろん、例のアレです。仕方がない。これしかおもいつかないの!

また明日お会いしましょう!


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第十二話 「五航戦の子なんかと一緒にしないで(頭ハネ)後編」

お待たせしました。Ashleyです。
忙しかった。はい。
うだうだいってても始まらないんで読んでいってください。


第十二話 「五航戦の子なんかと一緒にしないで(頭ハネ)後編」

 

加賀さん、うしろー...!

 

加賀さんの背後から忍び寄る爆撃機。爆撃機から放たれた爆弾は確かに加賀さんの飛行甲板を貫いた…ように見えた。

 

まあいつものやつである。

 

加賀さんをとっさに弾き飛ばした瑞鶴。爆弾は幸運にも瑞鶴には当たらなかったものの、瑞鶴の足元にて破裂。ダメージを受けるのはじゃあ足なんじゃないのって感じだがまあここは服が破けるのである。すげえ服だぜ。

 

胸を弓で隠しながら片膝を付く瑞鶴。みえ...みえ...おや何故か艦載機のエンジン音が...?

 

つまり中破してしまった瑞鶴。これまた幸運にも中破で済んだのだが、痛いものは痛い。

 

「くっ...」

 

「一航戦の誇りにかけて...ここは...」

 

「ここは...撤退ね...」

 

一航戦はまだ残ってる。しかし、こんな状況で戦いを続けるほどふたりは馬鹿ではなかった。

 

敗北Dに涙を飲む空母機動部隊であった。

 

------------------------------

 

帰投した空母機動部隊。しかし気分は晴れなかった。

 

まずは入渠しなければ。(はいそこ!演習で入渠はしないとか言わないの!)

 

しかし最も心の傷が大きかったのは加賀さんである。

 

まあ当然だ。今回加賀さんがした活躍をまとめてみよう。

 

1.瑞鶴に喧嘩を売って翔鶴姉が大破

2.瑞鶴に喧嘩を売って索敵を忘れる

3.瑞鶴に喧嘩を売って蒼龍さんがまさかのガチギレ

4.瑞鶴に喧嘩を売っておいてかばわれる

5.敗北D

 

こんなん加賀岬を今すぐ歌わないと命が危ないレベルである。

 

ででん、でーででででーででででーたらたらたらたら♪

 

おや、どこからか艦載機が...

 

「ねえ加賀さん...」

 

入渠待ちの一航戦の赤い方が重い口を開ける。

 

「そろそろ、瑞鶴を認めてあげてもいいんじゃない?こんな事言いたくないけれど、今回のは加賀さんが悪いわ。艦載機の熟練度は確かに私達には及ばない。けど、あの子は頑張ってるわ。あなたも彼女に助けられたんじゃなくて?」

 

「赤城さんそんな口調でしたっけ」

 

「次に作戦がある時までにちゃんと瑞鶴と話しておいてください。さもなくば〇しますよ」

 

「赤城さんそんな口調でしたっけ」

 

加賀さんは表情一つ変えず2度目のこのセリフを言った。

もちろん、顔色の方は一航戦の青い方、こころなしか蒼白くなっていたのは言うまでもない。

 

------------------------------

 

「はぁ…」

 

「あの…本当にすみませんでした。」

 

「いいのよ瑞鶴。今回は加賀さんが悪いわ。じゃあ私たち先に上がってるわね。」

 

一方こちらはお風呂場、加賀さんが赤城のしゅごいところを見ている間、瑞鶴は二航戦と話をしていた。どうやら終わりかけのようではあるが…

 

「あれでも先輩方の方が損傷大きくなかったですか?」

 

「何言ってんの瑞鶴」

 

「え?」

 

「演習で入渠するわけないでしょ」

 

「うわメタ発言かよ」

 

「じゃあね〜♪」

 

湯けむりに消えていく蒼龍と飛龍。くそっ…煙仕事しすぎだろ…あれ何故だろう急に対空電探に感あ…

 

本日何度目かわからない爆撃を受けるクソ提督はさておき、風呂場を覗く影はもう一つあった。そう、加賀さんである。

加賀さんは女性なので脱衣所の中からのぞいている。こういったところでクソ提督と差が出るのである。

 

「「あっ…(察し)」」

 

「何ですか」

 

「い、いえ…」

 

風呂場を除く加賀さんは異様な雰囲気をまとっていた。シュールである。ニ航戦が察してしまうのも無理はない。こいつら察してばっかりだ。

 

ニ航戦が着替えとお化粧を済ませ、(其の間加賀さんはずっと瑞鶴を見ていた。こわい)足早に執務室へ戻っていくのを見届けると、加賀さんは風呂場に入っていく。

 

表情は変わらない。

 

さて瑞鶴はというともう少し湯船に浸かっていようかというところで突然湯けむりから加賀さんが現れたのである。そりゃびっくりしますわ。

何事かといった表情をあらわにする瑞鶴。それを見て加賀さんがいう。

 

「何ですか」

 

「いやいやいやこっちのセリフですよ!ななななんですか!?」

 

「そうね、あなたに言いたいことがあって。」

 

「なによ。やっと五航戦を認めてくれるんですか?」

 

半ば嫌味っぽく瑞鶴はいうが加賀さんは表情一つ変えず

 

「そうよ」

 

「ふぇ?」

 

「認めてあげるわ。麻雀で私に勝ったらね」

 

「出ましたお決まりのやつ」

 

そう、お決まりのやつである。こうやって強引に入れていかないと麻雀しない物語になってしまう。

 

「じゃ、じゃあ私急いで着替えてくるんで…」

 

「必要ないわ」

 

「えだって執務室に卓が…」

 

ばさっ。

 

「防水よ。」

 

加賀さんが取り出したのはまさかの防水仕様麻雀セット。まあ精密機械でもないし手積みなんで普通のと変わらない気がするが、これなんと湯船に、浮くのである。(最新のマテリアル工学とか表面張力がどうだとか、NASAが開発したなんちゃらとか、まあなんやかんやで浮くんです。)

 

「じゃあ私も入れてくださいね〜」

 

「わっ!翔鶴姉、いたの!?」

 

ステルス翔鶴と瑞鶴、加賀さんの三人打ちで勝負が始まった。

 

------------------------------

 

「ロン。」

 

「げげっ」

 

「まだまだね…」

 

認められる日は遠い…のかな?

 

「ふふっ」

「さすがに気分が高揚します」




本日もご来訪いただきありがとうございました。
たしかこの話イベント海域のために空母機動部隊が演習してナンチャラカンチャラって話だったと思うんですよね。ご覧の有様ですよ、ええ。次回はイベント報告回にしようと思います。実際に艦娘たちがイベント海域で活躍する様子を描写したいとは思うのですがまあ次回報告する通りですが全然クリアできてないんでだめぽです。

いつもiPhoneで直接書いているのですがやっぱり画面だとやりにくいので思い切ってキーボードを携帯に繋いじゃうやつ買いました。
この話の本文も途中からキーボードでやってるんで多少文字が変わってるとこがあるかもしれないです。
これによって投稿ペースが早まる事は…あったらいいなぁ

ぜひよろしければ次回もよろしくお願いいたします。

お気に入りが10いってました。ありがとうございます。14(手牌の数)行ったらなんかします。

ではまた!

ps 怒りのピークは6秒で過ぎ去る


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第十三話「鎮守府イベント結果報告回&反省会」

みなさんこんにちは。Ashleyです。

暑くなってきましたね、僕はまだエアコンはつけずに耐えていますが、そろそろ厳しくなってくる頃ですね。電気代節約チキンレースはなかなか辛いものです。

定期的にアクセスしてくださっている方がいらっしゃるかどうかは全く不明なのですが、必須タグが追加されたようなので付けました。詳細は後書きにて。

それでは今回も張り切っていきましょう!


第十三話「鎮守府イベント結果報告回&反省会」

 

がやがやがやがや…

 

今日も執務室はおだやかでない。

 

こんぺしこんぺし…

 

打牌の音がうるさい。しかしもう慣れた。そしてそれをかき消すように伝達事項を大声で言うのももう慣れてしまったAshley提督である。

 

「おいみんな、整列しろー!」

 

がやがやがやがや…

 

「せ、い、れ、つ、しろー!!!」

 

がやがや…モタモタ

 

一部の真面目な艦娘たちがやっと並びだす。

 

「せ!い!れ!つ!」ばんばんばん

 

奥の方でまだ打ってる川内とからへんの卓を叩きつつ大声で叫んでやっと整列が完了する。かかった時間としてはこれでも2分弱。そこらへんの小学生よりかは早いといった感じか。

 

「今日はイベント結果報告と反省を行うぞ」

 

「前回イベントに向けて演習とかやってた気がするでち。」

 

「はいそこうるさい。」

 

うるさいのを黙らせて話を続ける。

 

「うちの鎮守府ではまあ全海域クリアしたという体でやっていく。だからガングートもいるし春日丸もいる。」

 

「ただし、実在するAshley氏の鎮守府は別だ。今回はそっちの報告をしていくぞ。」

 

「なんかメタいでちね。」

 

「さっきからうるさいぞゴーヤ!直立不動で頭からぶっ刺さってたくせに」

 

「違うでち!あれは『オリョクルに行きたくない断固たる意志のポーズ』でち!遊びじゃないでち!」

 

2017年5月下旬、伊58と見られる潜水艦の残骸が見つかった。圧倒的直立不動。ゴーヤ曰く、「オリョクルに行きたくない断固たる意志のポーズ」らしい。

 

ゴーヤの意志は置いといて、本題に入る。

 

「まずはクリアした度合いだが…」

 

「丙難易度で行くって言ったんなら当然E5までクリアしたのよね?」

 

「…してない」

 

「え?」

 

「してないよおおお!全然行けんかったわ!」

 

「「「このクソ提督!!!」」」

 

瑞鶴の期待空しくこのAshley提督、イベントクリアならずでした…

聞くところによると今回のイベントクリア率としては95%程度らしく、こいつはその貴重な5%に入っているのである。とんだ弱小提督だ。

 

「じゃ、じゃあE5はぎりぎりクリアできなかったという事ですか…?」

 

「うむ。E3クリアを断念した。」

 

「え?」

 

「E3難しくてクリアできなかった(*´∇`*)テヘペロ」

 

「「「このクソ提督!!!」」」

 

翔鶴の必死のフォロー空しく、こいつ、春日丸さえゲットしてません。

艦娘たちが怒るのも無理はない。

 

「ま、まぁ、初イベでしたからね...仕方ないところもあります。」

 

鳳翔さんが慰めてくれる。

 

「まあ今回の反省としては、航空巡洋艦が圧倒的に足りなかったことだな。空母が出撃できないくせに航空戦を強いられるとは...」

 

「え、じゃあ前回の空母機動部隊は...?」

 

「おう、必要なかったぞ。演習も意味なかった!(´>ω∂`)」

 

「「「!!!」」」

 

艦娘たちが3度目にしてもうツッコミを放棄する勢いである。

 

「提督」

 

艦娘たちが総スカンの中で真面目に問いかける今回で初登場の長門さんである。

 

「イベント海域といえばやはりレア艦ドロップであるが、そこら辺はどうなっているのですか?」

 

「うむよくきいた」

 

「お、ということはなんか収穫があったんやな!?」

 

まな板が喋ったが気にしないでおこう。

 

「ああ、あったあった。」

 

「は?(威圧)」

 

「浜風ドロップしたし、神風とか浦風とかそのへんの入手難度が高いやつらもドロップしたな...あ、伊13も落ちたぞ!なんといっても一体目の明石が手に入ったのは大きいがな。」

 

艦娘たちは呆れていた。いや、呆れていたのはたしかに元々であるが、そういうことじゃない。

艦娘たちは提督に呆れながらも、しっかりとクズの道を歩んでいく提督に少しネタ的な要素を期待していた。しかし何も来ない。レア艦コンプは流石にしないがちびちび位にはドロップしており、なんともリアクションに困る結果となっている。

 

故に呆れることが出来なかったことに呆れる艦娘たち。

 

もうこれわかんねえな

 

「今後としては、

・航空巡洋艦及び航空戦艦を作っておく

・資源、特にバケツの貯蓄を日頃から行う

・艦娘全体の平均練度を上げておく

という方針で行こうと思う。」

 

「アッハイ」

 

「じゃあ解散」

 

提督から解散の号令が出た。もちろん艦娘たちは持ち場(笑)に戻って仕事(笑)ができるが、誰も動かない。

 

この間実に数分間、もちろん報告は大事なことであるがその為だけに呼ばれて局を中断しなければならなくなった艦娘たちの怒りは大きい。

 

その後提督の執務室が火を吹いたのは言うまでもない。

銃声、爆発音、衝突音―

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翌日軍部医療施設のベッドに横たわっていたのは何が悪かったのかわからぬといった表情の司令官と、バーカと書かれたメッセージカードの入ったお見舞いの花束であった。




本日もご来訪いただきありがとうございました。

必須タグですが、クロスオーバーと憑依を追加させていただきました。(この二つは非常に近い距離にあると思うんですが...)
二つに共通するんですが、例えば、赤城さんが雀卓に向かうとアカギになるといった描写等があったと思います。あれくらいです。要はパロディーですね。

しかし、まあこういうのが嫌いな方もいらっしゃるかもしれません。一応タグをつけておこうと思います。

この後書きを果たして初めて訪れる方がご覧になるかと言われたらそんな可能性はゼロに等しいのですが、参考までに主な引用作品を挙げさせて頂くと、「咲-Saki-」「アカギ」があります。特に「咲-Saki-」に関しては、「バケモノじみた能力」として、容姿が似ているキャラや性格、立ち位置が似ているキャラを中心にはめ込んでいきます。アニメ版の知識ぐらいしかないのでよろしければアニメ版咲-Saki-をご覧になってみてください。

ps.「憑依」タグは赤城さん専用


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第十四話「オリョクルに行きたくない断固たる意志」

みなさんおはこんばんちは、Ashleyです。
季節は梅雨。蒸し暑い夜が続いていますが、ここ二日ぐらいはひんやりしています。なんかノロウイルスも出てるみたいで。体調にはお気をつけください。

ゴーヤらしき艦影発見記念です。今更ですが


第十四話「オリョクルに行きたくない断固たる意志」

 

「おーい、ゴーヤ!」

 

返事がない。

 

「おーーーい!!!ゴーヤ!!」

 

返事がない。

 

「おーーーーーーーい!!!!!」

 

大井「呼んだ?」

 

「レズは呼んでねえええええ!!!」

 

「もーさっきからうるさいでちねー」

 

打牌音がこだまする執務室では呼び出しも一苦労である。このようなトムソーヤ●みたいなことになることも、関係ないレズが反応することもある。

 

「で、なんなんでちか?」

 

頭をこりこり掻きながら裸足の足の裏にくっつく新緑の葉っぱを落としつつゴーヤこと伊58がやってくる。

 

季節は、初夏であった。

 

鎮守府も少し模様替えをし、春から初夏の香りがする部屋となった。春イベントも終わり、少し宙ぶらりんになる今日このごろ。そうなれば、することは決まっている。

 

「オリョクルに行ってこい。」

 

「えー」

 

「行きなさい」

 

「だるいでちー」

 

まあいつものである。社畜キャラとして身を粉にして働く他の鎮守府のゴーヤと違い、このゴーヤは生意気にも逆らってくるのだ。

 

そしてー

 

「じゃあゴーヤと麻雀するでち♪てーとくが勝ったらゴーヤ、オリョクルに行ってあげてもいいよ?」

 

「なんで上から目線なんだよ。はよいけ」

 

「むっ...」

 

ゴーヤはむっとした顔をし、まず土下座のような姿勢になり、脳天を地面につけ、三点倒立。そこから脚をピンと伸ばしたまま手を離し、気を付けのような姿勢へッ...!

 

驚異のバランス能力と体幹の良さ、そして硬い、硬い意思。これらが生み出す最終奥義...!すなわちこれぞ...

 

オリョクルに行きたくない断固たる意志のポーズ!!!!!

 

「ナ、ナンダッテー(棒)」

 

「オリョクル」と聞く度にこれをするもんで提督も慣れてしまった。これをしたらゴーヤは動かない。

 

「おい、ゴーヤ?」

 

「...」

 

「ゴーヤさーん?」

 

「...」

 

「もう分かったよ...勝負すればいいんだろ?」

 

「物わかりがいいてーとくは大好きでち!」

 

------------------------------

 

一旦場所を変えてここは提督の居室。とは言っても執務室の隣である。

ゴーヤは時たま「大好きでち!」とか平気で言って提督とともに個室へ吸い込まれて行くので「デキてんじゃないか」という噂が立った程であるが、とんでもない。ここは、提督の処刑場であった。

 

「ツモ。嶺上開花のみ。」

 

「うわまた出たよその意味分からんやつ」

 

「ゴーヤの嶺上牌はお利口さんでち!」

 

ゴーヤは無茶苦茶なツモ上がりをする。特に槓をすると必ず嶺上開花をする。

 

髪留めの花が開く...!

 

「はぁ...今日も俺の負けか...」

 

「当たり前でち。ゴーヤに勝てるのは雪風ぐらいでち。」

 

えっへんと胸を張りながらゴーヤは言う。

そのまま胸を張りながら部屋を出ていった。さながら鎮守府の春日といったところか。

 

「あ、ゴーヤ、今日も勝ったのねー!」

 

伊19が出迎える。

 

主に3-2でのデコイという活躍であるが、鎮守府に欠かせない存在、潜水艦隊。

それを率いるのが「清澄(海の透明度的に)のピンクの悪魔」、伊58である。

 

「とーぜんでち。あんなのに負けてるようじゃ、ゴーヤもおしまいでち。」

 

------------------------------

 

「あ、ツモ。タンピンツモ一盃口ドラ1。満貫だな。」

 

「で...でち...!?」

 

「ふふふ...残念だったな...!」

 

時は過ぎて何日かあとの事。今日も提督とオリョクル麻雀をしていた。今日もいつも通りゴーヤが嶺上開花して終わると思っていた。

 

まあなんてことは無い。所詮運ゲーの麻雀。1回くらい提督が勝っても良いのであるが、それは潜水艦隊としていただけないというのがゴーヤである。

 

「さあさあゴーヤさぁん?オリョクルに行きましょうねー」

 

「ぐぬぬ...仕方ないでち...!」

 

今日は当然だが胸を張らない。逆春日状態で部屋から出ていく。

 

ちなみにゴーヤは例のポーズをしない。負けた時は潔く負けを認める。特殊な条件下で戦う潜水艦は特に引き際が重要なのだ。

 

「あ、帰ってきたのねー。」

 

イクが出迎える。

 

「みんな今日もでっちが提督と部屋に消えていくから噂してたんですって!」

 

ろーちゃんも一緒に出迎えて、さあ一旦中断した局をやり直そうかといった雰囲気だ。

 

そこに小さな声でゴーヤがつぶやく。

 

「負けたでち...」

 

「「「え?」」」

 

「負けちゃったんでち...みんな、オリョクルに行くでち...」

 

「「「ええええーーー!?」」」

 

声を揃えて驚く潜水艦隊。

あのゴーヤが負けたというのも驚きであるが、なんといっても東部オリョール海域。ほかの鎮守府から流れてくる噂によると、ほかの鎮守府のゴーヤがオリョクルに行き過ぎてヤンデレ化してたり、鬱病にかかってしまっていたりしていて、ここのゴーヤ達にとっては恐怖でしかない。

 

実に、これが初めてのオリョクルであった。

 

------------------------------

 

「潜水艦隊、作戦終了でち...」

 

「おう、よく頑張ったな、お疲れ。」

 

オリョクルがやっと終わった。

 

全員単艦オリョクルで1人5回ずつということだった。

 

1回1回は全く大したことない。そんなに身体的に辛いのかと思っていたが、魚雷を適当に投げとけば勝手に沈んでB勝利、ほとんど被弾もしないしで特にそこに負担はない。

 

精神的にはというと、これも言うほどといったところで、やはり旗艦MVPを取れるのでそんなに疲労困憊する訳では無い。

 

では何が問題か。それは「飽き」だろう。

3回目くらいでうんざりしてくる。

これを全国のゴーヤはやってるのか...ゴーヤはしみじみと思った。

 

当然帰ってきたゴーヤはぷりぷり文句を言う。

 

「もーいやでち!絶対やらないでち!」

 

「今日の感じでいけば明日も行ってもらおうかなぁw」

 

「なに草生やしてるでち!ゴーヤは本気でち!」

 

「はいはいwww」

 

「もーーー!!!」

 

------------------------------

 

本日の任務も終わり、解散となった。潜水艦たちも自室に戻る。

 

「もーーーーぜっっったいオリョクルはいやでち!」

 

「ゴーヤ、機嫌直して欲しいのね...」

 

イクがなだめるが、まだゴーヤはご機嫌ナナメだ。

 

「でっちなら次は勝てるから大丈夫ですって!」

 

「はっちゃんもそう思います!」

 

ろーちゃんとはっちゃんも慰める。

 

「当たり前でち!もうあんなクソ提督なんかに負けないでち!」

 

きいきい言いながらゴーヤは自室のドアを開ける。

 

するとそこには間宮券が...!

人数分ある。

 

「で...ち...!?」

 

「ゴーヤ、どうしたの?」

 

イムヤが問うがゴーヤは返事をしない。

 

「もう...しょうがないでちねぇ」

 

「ん?ゴーヤ何か言った?」

 

イムヤが問うがゴーヤは返事をしない。

 

ぼそっとつぶやくゴーヤ。その顔は誰にも見えなかったが、その影は少し笑っているように見えた。

 

------------------------------

 

そこからゴーヤが一ヶ月に一回くらい定期的に何故か提督に惨敗するようになったのは何か理由があるんだろうか。




ちなみにこの後ゴーヤはきちんと間宮券をみんなに配りました。独り占めしてませんよ。

オリョクルに行きたくない断固たる意志のポーズ広めたい...広めて下さい!
この駄作をどれだけの方が見てくださってるかは知りませんが、ぜひ!拡散してください!

これからは投稿ペースよりも質を意識していきたいと思います。2週間に1本あればいいほうですかね…(冷や汗)

それでは、今回もご来訪いただきありがとうございました。またお会いしましょう!


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第十五話「鎮守府イベ前旅行 1日目」

こんばんは。というわけでこちらを先にあげさせていただきます。こっちもまだ完結してませんが、イベントが始まるまでにできればいいな。

それではじゃんじゃん行きましょう!


第十五話「鎮守府イベ前旅行 1日目」

 

「で、旅行に行こう」

 

「は?」

 

突然の提督の言葉に瑞鶴は大いに驚いた。

 

「いや、嫌ですよなんなんですかやめてください怖いですうわあ」

 

「ちょっ...」

 

「ふふふたりでとか恋人じゃないんだからやめてくださいキモイですおええ」

 

なんでったってそこまで言われなきゃならんのだ。そう思う提督であった。

 

もう、夏イベ前の時期である。

 

------------------------------

 

「おっほん」

 

大きな咳払いをして提督が言う。

提督の前には8隻の船。

 

翔鶴

瑞鶴

榛名

北上

神風

名取

ゴーヤ

 

この鎮守府の中でも最高練度の艦娘たちである。

 

「君らを集めたのは他でもない。来たる、8月上旬より我らにとって2回目のイベントを迎える。同時に、我々にとっては初めての夏休みもやってくる。」

 

「でち。」

 

「というわけで旅行に行こう。」

 

しばらくの沈黙のあと、名取が申し訳なさそうに、

「あの...どういうわけかわからないんですが...」

と言った。

 

夏休みといえば旅行だろうと言うと、生意気にも提督がいなければ最高なんかとほざいてくる。

 

実は自分が行きたいだけなんじゃねえかとか言われる提督に、ゴーヤは言った。

 

「別にてーとくがいてもゴーヤはいいと思うでちよ。ただ、その分楽しくしてもらわないと許さないでち!」

 

「あっ、安心しろ。4泊5日だが、かなり濃い内容にしてある。楽しくないとは言わせないぜ!」

 

「てーとくにしてはよく言ったでち!よし、みんな行くでち!」

 

「そうね、まあ私もいいと思うわ。」

 

瑞鶴の援護もあって、鶴の一声で行くことになってしまった。

 

「瑞鶴さん!あの...問題...ないですか?」

 

提督から日程が配られたあと、電が尋ねる。

 

「いいのよ。私は後で間宮券が貰えるからね。」

 

クソ提督の完全なる買収であった。

 

------------------------------

 

1日目

 

ショートランドから広島、そこから新幹線に揺られることだいたい2時間。

 

一行は名古屋に到着した。

 

「まずは腹ごしらえだな。」

 

「つまらんものだったら許さんでち!」

 

「安心しろ。今日の昼はすき焼きだ。」

 

「「「yeaaaaaaaah!」」」

 

思わず敵性語が飛び出す一行。幸先いいスタートに心が踊る。

 

無事すき焼きを終えた一行は次はトヨタ博物館へ向かった。

 

「えー、あんまり楽しくないんだけどー」

 

北上が文句をたれているが、これがいざ入ると違った。

車の歴史は船の歴史と似ているところもあり、あるものは涙を流して展示を見つめ、全員未来への船の在り方というものを再確認した。

 

とんだ軍国主義である。

 

続いて向かうのは明治村。

ゲートをくぐるとそこは明治だった。

 

「す...すごい...」

 

特に目を輝かせるのが神風であった。

確かに雰囲気に合いまくっている。

 

「提督さん...私...」

 

「わかっているぞ、神風。」ポン

 

「あ...ちょっと触るのは...」

 

「(´・ω・`)」

 

すぐに調子に乗るのが提督だった。

テンション上がった提督は、1000円で扇子を購入したが、買った後使ったらすぐに壊れてしまった。ざまあみろ

 

しかし神風もテンション上がったようで、このあとかすていらを1人で5個も買っていた。多すぎないかと聞いたら満面の笑みで首を横に振った。かわいい。

 

少し移動して宿は昼神温泉に行った。

ここはなんでも美人の湯と言われるほど良質な温泉が湧くと聞く。女子とあっては、聞き捨てならない。

 

「まあでも君らは元々可愛いしな。」

 

「あらあら提督、お上手ですね。」

 

翔鶴姉は愛想がいいが、明らかに引いていた。なんでや!しっかり褒めたやろ!

 

旅館に着くと、提督と4人部屋x2の3つに別れた。まあ当然といえば当然だが。

 

4人グループは完全ランダムで選んだらしいので提督は何もわからない。(教えてくれなかった。)

 

こういう時、よくある展開として夜に提督の部屋に忍び込んできてムフフなことになるのがある。提督は全裸で待機していたが、艦娘たちは麻雀で忙しかったので来なかった。提督さえいなければ、この旅8人なので、ぴったり卓が2つ立つのである。

 

これは提督いりませんわ

 

二日目に続く。




相変わらず麻雀してないですね。

「闘牌シーンがある話」というふうにはっきり決めてしまうと、メリハリはありますが、それ以外の話で麻雀しないといった弊害が生まれます。これは仕方がないですね。(諦め)

今回のイベントで主力となる最高練度集団+瑞鶴でお送りしております。臨場感は...善処します。

本日もご来訪ありがとうございました。次もまた宜しくお願いいたします。


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第十六話「鎮守府イベ前旅行 二日目」

こんばんはぁ!Ashleyです。

「こんばんはぁ」って、「はぁ」って書いてあるのに「わぁ」って発音するんですよね。面白いです。

今回は長野県です。ガチで行ってきました。のどかな町並みなので興味がある方はぜひ訪れてみてください!

旅行記もなかなか難しいものです。


第十六話「鎮守府イベ前旅行 二日目」

 

「おおほんとにすべすべだ。」

 

朝起きて、全裸の提督は開口一番こう言った。

 

同時にドアが勢いよく開く!

 

「てーとく!おっはよーでち♪...って...なんで裸でち!ばっちい!でち! 」

 

いくらなんでもばっちいはないだろ...そう思っていると、向こうから声が近づいてきた。

 

「もー、ゴーヤちゃーん?朝起きるなりどこへ...って...ゴーヤちゃん.../////」

 

寝間着姿の榛名が追いかけてきた。どうやらゴーヤは朝起きてすぐにこっちの部屋に来たらしい。

 

「は、榛名には...////ちょっと...//早いです..../////」

 

「ちちち違うでち!勘違いでち!ってか、ゴーヤの方がみため年下なのに何言ってるんでち!」

 

とんでもない勘違いをした榛名に、ゴーヤは説明をし、提督は全裸でゴーヤを部屋に連れ込んで襲おうとした重度のロリコンの強姦魔ということで丸く収まった。悲しい。

 

------------------------------

 

二日目。みんな美人の湯に浸かったこともあって肌の艶がいい。特に翔鶴や榛名は色気がすごいことになっている。うむ。

 

「ほ、本日は少し移動して長野県にいって、し、自然体験をするぞ。」

 

「提督、どこを見てるんですか?」

 

絶対どこを見てるか知ってる翔鶴が満面の笑みで言う。そんなちょうど良いバランスの身体をしているそっちが悪いと言うと瑞鶴にぶん殴られた。上官に向かって暴力とは何事か。

 

艦娘の私服は至福。(名言)

 

「で、なんで長野県なのさ。」

 

相変わらず少し退屈そうに北上さんが言う。ごめんな、北上。人数の都合で大井も阿武隈も連れていけなかった。

 

「長野といえば麻雀の聖地だろう。」

 

「聖地?発祥の地とか?」

 

「おっとwww北上さんwwww無知かなwwww天下の清〇高校をご存知かなwwww」

 

魚雷でぶん殴られた。危ない。爆発したら轟沈しちゃう。

 

「〇澄高校なら知ってるよ…でも大丈夫なの?名前出しちゃって。そういうのあれかなーと思って言わなかったんだけど…」

 

「大丈夫だ。伏字大先輩がきちんと隠してるはずだ。」

 

「はい!清澄高〇!伏字は、大丈夫です!」

 

「〇清澄高校の白い悪魔でちか?」

 

「よし隠れてるな!」

 

魚雷でぶん殴られた。痛い。危ない。

 

「で、自然体験って何するの」

 

瑞鶴が尋ねる。

 

「まずは...ラフティングだ!」

 

------------------------------

 

ゴムボートの浮かぶ河岸にやってきた。長野県を流れる暴れ川、天竜川である。

 

「なんで船の私たちがボートに乗って川下りなんかするのよ」

 

瑞鶴が不満そうに言う。

 

「大ダメージを受けた時、ボートに乗って避難できればお前達だけでも助かるかもしれないだろ」

 

「いや、深海棲艦そんな優しくないんだけど...」

 

「うるさい!楽しいからいいんだよ楽しいから!」

 

これでは威厳もへったくれもない。これがこのクソ提督のクソ提督たる所以である。

 

このあと榛名の「でも、ちょっと楽しそうかも...」という割とガチめに興味をそそる一言で、みんなボートに乗り込む。

これがサクラというものだ。ステマとも言うな。

 

4人ずつ2つのボートに乗り込む。するとゴーヤが突然川に飛び込んだ。

 

「ゴーヤwwww潜wりwまーwwすwwww」

 

うぜえ。

しかし、意外と底が浅かったのかゴーヤはつまずき、バランスを崩して下流へと流されていった。

でちぃぃぃという声がだんだん遠くなっていく。

 

「ご、ゴーヤァァァァァ(棒)」

 

「い、いいのですか?ゴーヤちゃん、流されちゃったのです!」

 

一応形だけの演出をした提督に不安そうな電が尋ねる。

 

「ま、ゴーヤだから大丈夫だろ、あいつ泳げるし。川では下手に流れに逆らうより流された方がいいこともあるんだ。まあ、お前らは泳げないだろうからちゃんとライフジャケット着てな。」

 

「は、はいなのです!」

 

全員にライフジャケットを装着させ、ボートに乗り込む。

 

川は流れているが、意外にもボートはみんなで漕がないとなかなか進まない。オールで漕いでいくが、全員飽きてしまって漕ぐのをやめてしまった。不意に北上がオールで隣のボートの瑞鶴に水をかける。

 

「きゃっ、なになになに!?」

 

「そこの正規空母〜、がら空きだぞ~」

 

「む〜、やったな!」

 

突然砲弾を使わない海戦...いや河戦か、とにかく戦いが勃発した。

 

触発された周りの艦娘たちも互いのボートに水をかけまくる。

 

いつしか艦娘たちは水かけに夢中になりすぎて激流そっちのけで砲戦をしていた。気づけばもうゴールに着いており、ゴーヤが勝手にキャンプファイヤーを炊いていた。

 

「遅かったでちね。」

 

「でちね、じゃねーよ!なに焚き火炊いてんだよ!」

 

「さあさあ、みんなちゃんと髪を乾かすでち。」

 

「おい無視するな」

 

しばらく焚き火をさせた後、みんなを引っぺがして次の目的地に向かった。

 

なんで女ってやつはああもクソ暑いのに髪とか乾かそうとするんだ...

 

------------------------------

 

少し移動して長野県飯田市にやってきた。

 

「あれが風越山だ。」

 

提督が指さす方向には多くは語れないが聞き慣れた名前を冠する山があった。

 

「あっ、この坂見たことあるっ」

 

神風が嬉しそうに言うが、いけない。あんまり言うといけない。

 

「あっ、雀荘があるでち!」

 

雀荘を見つけた途端みんなの顔がぱぁっと明るくなるが、残念ながら時間の都合上行けない。

その雀荘の名前は...「雀荘 小三元」

 

「なんで役満じゃないんだ...」

 

神風が異様にテンションが高い。きっと某レz...麻雀漫画のファンなんだろう。

 

「あら、満貫確定の役よ。十分じゃない。」

 

悔しそうな(?)神風を瑞鶴がなだめる。

 

随分謙虚な雀荘を横目に一行は所謂聖地巡礼をした。が、やはりここは多くは語れない。この一ssには荷が重すぎるのだ。

 

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多くは語れないものをたくさん見た一行は旅館に入る。旅館はまさかの8人部屋であったが、8人には十分すぎるほどの広さと、超大画面薄型テレビを備えていた。

 

提督は隣の10人部屋で1人だった。あまりにも広すぎて怖いので押し入れで寝た。




お粗末さまでした。Ashleyです。
どうしてもキャラ的にゴーヤの出番が多くなってしまいます。いいキャラしてますよね。

次回はめちゃくちゃ長いです。

本日もご来訪ありがとうございました。次もまた宜しくお願いいたします。


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第十七話「鎮守府イベ前旅行 三日目」

こんばんは!Ashleyです。

今回はすごく長くなっております。時間のある時、例えば、延長してしまったメンテの合間などにお読みください。

今回はとてもスリリングな展開となっております。

それではじゃんじゃん行きましょう!


第十七話「鎮守府イベ前旅行 三日目」

 

「提督!おっはよーでち!ってあれ!?てーとく!?てーとく!?」

 

今日も懲りずに早朝提督凸をしてきたのは朝っぱらから元気な伊58である。

 

しかしゴーヤが見たのはあまりにも殺風景な10人部屋。そこに提督の影はなかった。

 

「大変でち!提督がついに脱走したんでち!みんな、起きろでち!総員起こしでち!!」

 

ばたばたと自室に帰り、緊急の総員起こしをかける。いつもなら寝ている時間。朝の5時過ぎであった。

 

「ゴーヤちゃん、どういうことなの...?説明してくれると、、嬉しいのだけれど...」

 

まだ寝ぼけているのか口が回ってない。

 

「まー、そういうこともあるよねー。じゃあ、寝ていいかな。」

 

北上が不機嫌そうに布団に潜る。

 

「は、榛名は大丈夫です!」

 

まだ半分寝ている。大丈夫そうではない。

 

「もーみんなだめでち!もういいでち!ゴーヤがひとりで探すでち!」

 

そうしてゴーヤは部屋を出て、廊下の向こうへ消えていった。

 

-----

 

時は過ぎ、本来の総員起こしの時間。目覚めた艦娘たちは当然その異変に気づく。

 

「はわわわ、ゴーヤちゃんがいなくなったのです!」

 

「ひゃっ...ほんとです!」

 

五時の総員起こしに一ミリたりとも反応しなかった電と名取が慌てた様子で辺りを探し回る。

瑞鶴と翔鶴はまだ寝ている...いや、翔鶴は瑞鶴の寝顔を見て微笑んでいた。提督そっちのけかよ。

 

ゴーヤとついでに提督を探しに行くことになった一行はとりあえず提督の部屋を探す。

 

あまりに殺風景な部屋、人っ子一人いないように思われる部屋だが、何故か押し入れの引き戸が半開きになっているのに榛名が気づく。

 

「ご、ゴーヤちゃん...//////」

 

そこには押し入れの中で眠る提督とゴーヤの姿があった。

 

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3日目。

 

「違うでち!ほんとに違うんでち!」

 

ゴーヤの必死の弁解により、未来からやってきた人型ロボットのアドミえもんを見つけてしまったゴーヤが、この世から抹殺されそうになったため、自分の命と引換にアドミえもんの体だけでもこの時代に残そうとしたところ、アドミえもんの出す催眠ガスによって両方眠ってしまったことになった。

 

ぼくアドミえもん。

 

「で、アドミえもん。今日はどこに行くのさ?」

 

「おい。」

 

「答えてよアドミえもん。」

 

北上がからかってくる。しばらくはネタにされそうだ。

 

「今日は千葉ネズミースィーに行くぞ!」

 

「はわわわ、とってもあぶないのです!」

 

「いいか電。例え危険牌を切る時でもまるで安牌を切るように切れば意外と相手が見落としてフリテンしちゃうことってあるだろ?」

 

「いや、ないですけど...司令官さんならするかもなのです...」

 

「だからふるまうんだ...当然のように!」

 

ええ、何にも危ないことはありません。(震え声)

 

「さらに今日はパイレッツオブトレビアーンという美味しいパイを作るために頑張る職人の話のイベントをしている。」

 

「は...榛名は大丈夫です...!」

 

めちゃくちゃ攻める提督に困惑を隠しきれない一同。しかし夢の国に入ってしまえばみんな楽しくなってしまった。夢の国に権利関係とかないよね(吐血)!

 

「提督提督~意見具申いいかな?」

 

「申してみよ。」

 

入ったとたん、北上が提督に意見具申を申し出る。聞けば、北上はここに来たことがあるようだ。

 

「まず、乗りたい人気のアトラクションのファストチケットをとった方が良いよー」

 

「む、なんだそれは」

 

ネズミースィーは大人気の遊園地であるため、人気のあるアトラクションでは1時間は当たり前、2時間、3時間と待たなければ乗ることができない。しかし、どうしても乗りたいアトラクションがある時は、このファストチケットを取得し、様々な制限下ではあるが並ばないで乗ることが可能になる。

どうしても待ち時間が長くなってしまうこの遊園地。効率をしっかり意識していかないと乗れるものにも乗れなくなってしまう。戦いはもう始まっているのだ。

 

「ねえ名取~何に乗りたい?」

 

北上が名取に尋ねると名取は恐る恐るといった感じであるアトラクションを指さした。

 

「テラーオブタワーか...」

 

テラーオブタワーは絶叫系アトラクション。呪われたエスカレーターに乗ってビルの最上階まで行き、そこから真っ逆さまに落下するというホラーあり絶叫ありの一番人気のアトラクションだ。名取め、絶叫系が好きなのか...?

 

テラーオブタワーのアトラクションの前まで行き、ファストチケットを発行してもらう。すると近くに、短い行列が出来ていた。

ここに詳しい北上がそこを指差して言う。

 

「ああ、あれはタートルチャットだよ~!ラッキー、空いてるじゃん!提督、行こうよー」

 

タートルチャットはカメと話せるというアトラクションだ。人間や艦娘たちよりも永く生きているカメに人生相談や漫談をすることが出来る。面白おかしく質問を返してくれるカメが大人気だ。

 

タートルチャットは30分位並んだだけで入ることが出来た。

 

「はーい、じゃあ次、質問ある人は手を挙げてー」

 

「はいでち!」

 

「おー、じゃあそこのピンクの甲羅のお嬢ちゃん。」

 

タートルさんは服のことを甲羅という。他にも、マフラーのことをワカメと言ったりメガネのことをゴーグルと言ったり、海のモノに例えてくるようだ。

 

「えっと...でち。タートルさんは彼女はいるでちか?」

 

「おぉ...そんなことを俺に聞いてどうしよってんだい笑」

 

会場に失笑が起きる。

 

「俺にはな...最高のパートナーがいてなぁ...ずっと彼女のことを愛しているよ。そうだ、君には大切な人がいるかい?」

 

「ゴーヤでちか?てーとくでち!」

 

「おぉおぉそうかい笑。じゃあ、頑張ってくれよな、お父さん!」

 

会場がどっと笑いに包まれる。

 

え、俺そんなおじさんに見える...?まあゴーヤは幼く見えるが...

 

会場を出て、一行はある種感動を覚えていた。

ネズミーリゾート初上陸の者が大半の中、その多くがネズミーリゾートなんて子供だましだと思っていた。しかし、実際体験してみるとただただ感動する。大人達が本気で子供だましをしているのだ。この感動は実際に行かないとわからなかった。

 

「すごいステマなのです!」

 

「しっ、余計なことを言うんじゃない!」

 

急に何かを言い出す電は置いといて、さて次はどこへ行こうかと地図を見渡した時、放送が入った。

 

「まもなく、パイレッツオブトレビアーンのショー、「ゲットパイ」が開演いたします!皆様、中央へとお集まり下さい。」

 

「おっ、北上、ショーだってよ。」

 

しかし、ここで北上に電流走る。

 

「提督、いくよっ!」

 

突然北上が駆け出した。何事かと問いただしたくはあったがとにかく後を追う。

 

結構な距離を駆け抜け、あるジェットコースターの前にやってきた。息を切らして提督が問う。

 

「おい...ぜぇ...ぜぇ...どういうことだ...説明しろ...」

 

「あっ、あのっ、もしかしてみんながショーを見ている隙に...」

 

「そっ。流石名取じゃん。前に大井っちと来た時これに乗ったんだけど、面白かったんだぁ〜」

 

やってきたのは「雷神スピリッツ」。ジェットコースターというのはとりあえず人気があるので待ち時間が長くなってしまいがちだが、北上の読み通り、40分待ちとなっていた。ジェットコースター系でこれは破格である。

 

「あの...私、ジェットコースターとか初めてなの。大丈夫かしら。」

 

ここで神風さんがまさかの処女宣言。

 

「あっ、俺も...」

 

自分も便乗する。なにせ初めてなんだ。こういうのは。一回転とかしちゃってるけど大丈夫か?

 

「あーへーきへーき。結構面白いよ。提督は知らんけど」

 

「しょ、翔鶴姉...」

 

「ず、瑞鶴、大丈夫よ。鎧袖一触よ。心配いらないわ。」

 

「緊張で加賀さんのセリフ出ちゃってるよ...翔鶴姉!」

 

どうやら翔鶴姉は絶叫系は苦手のようだ。

 

「おい、翔鶴は大丈夫なのか?もしアレならやらなくても...」

 

「いえ提督...大丈夫です...!この子を...今度は守らないと...!」

 

「あー、翔鶴姉はなんだかんだ言って私がいつも付き合わせてるから大丈夫だと思うよ」

 

どうやら翔鶴はいつも瑞鶴と一緒に絶叫系に乗って慣れてはいるようだ。ということは瑞鶴はこういうの得意なのか。

 

「翔鶴!大丈夫でち!ゴーヤもこういうのは初めてでちが、いけそうな気がするでち!なんとかなるでち!」

 

「電もそう思います。なのです!」

 

「榛名も、大丈夫です!」

 

そうか、ゴーヤも初めてだったのか。確かにこういうところにはあまり来てなさそうだが…電と榛名はなんだかんだ強そうだな...

 

待っていると、ショーが終わったのか人が新しく列になだれ込んできた。同時にファストチケットを持っていた人達が列に入ってきて一般が進まなくなる。

 

列に加わって約60分、ついに自分たちの番がやってきた。この60分、初挑戦組、特に神風は泣きそうな顔をしていたが、覚悟を決めたのか、スッキリした顔になっていた。自分も、この60分で大分良くなったと思う。

 

席につくと、隣に座ったゴーヤが何か言っている。

 

「て、てーとく。てーとく。手を...」

 

とりあえず握ってやるとガタガタ震えていた。お前大丈夫とか言ってたじゃないか。コースターが動き始めた。

 

-----

 

ゴールすると、全身がかき混ぜられたような、そんな感覚があった。同時に、冷めやらぬ興奮が体を襲う。

 

「た、楽しかった...」

 

心ここに在らずといった神風がぽつりと言った。

 

アトラクションから出て、一番はしゃいでいたのはゴーヤだった。あれだけ始まる前怖がっていたのは内緒にしといてやろう。

 

最初の坂を降りる位のとこまでは繋いでいたがあとはさっさと離してでちでち言っていた。調子のいいやつだ。

 

しかし、確かに楽しかった。特に一回転。あれはいい。最高だ。

 

一行は次のアトラクションに向かう。テラーオブタワーまであと一つくらいならアトラクションに乗れるであろう時間が残っていた。

 

「あっ、あれがいいでち!」

 

ゴーヤが指さしたのは「深海20000マイル」。潜水艦のアトラクションだ。

 

「はい!榛名は大丈夫です。」

 

「あーあれ乗ったことないかもー、いいねー」

 

待ち時間は20分と書いてあった。中は結構長い行列が出来ていたが、回転率がすこぶるいい。あっという間に回ってきた。

 

潜水艦に乗り込み、サーチライトを夢中で動かしている隣に座った神風にさっきのについて聞いてみた。

 

「なに、司令官。今、私、索敵してるから忙しいの。でもそうね、うん。楽しかったわ。あんなの初めてよ。よしっ」

 

潜水艦といいなんといい、作り込みがすごい。これだけ作るのにどれだけの労力が必要だろう。

 

海の底から生還した一行は、満を持してテラーオブタワーに向かう。

 

タワーオブテラーは怒涛の150分待ちであった。が、しかし、一行は秘密兵器を持っている。

 

ファストチケット!

 

アドミえもんの秘密兵器によって並んでいる大勢の人をドヤ顔で抜いていく。

 

あっという間にエスカレーター乗り込み口にやってきた。途端に足がすくむ。

 

そういえばさっきの雷神スピリッツでは待ち時間の間に覚悟を決められた。しかしどうだ。気づけばこんなところまであっという間に来てしまった。しかもドヤ顔で。しまった。

周りを見てみると、怖がっていたゴーヤも、神風も、さっきので苦手意識がなくなったのかリラックスしている。あっ、翔鶴姉なら...見事に怖がって瑞鶴にしがみついているが、あれは彼女の平常運転だ。あてにならん。

 

しかしここまで来てしまっては仕方がない。やるしかないだろう。

エスカレーターと言っても、シートもあるし、シートベルトも付いている。

 

シートベルトがロックされ、上昇が始まった。2つずつシートが独立しているが、隣に座ったのは、またゴーヤだった。

 

「どうしたんでちか?もしかして〜こわいんでちか〜?」

 

「うるせえ、そうだよ!暗いし、よく見えんし...」

 

「てーとく、怖くなったらゴーヤに抱きついてもいいよ?」

 

「誰がお前なんかに。というかシートベルトがあるから無理だな」

 

「そうでちね…でもゴーヤ、てーとくなr...」

 

もはや何を言っているか耳に入らない。どんどん登っていくにつれ、緊張も高まっていく。

ふと見ると、自分たちを運んでいたはずのエスカレーターがぷっつり切れて、下には奈落があった。

 

「のわああああああああああああああああああああああ」

 

真っ逆さまに落下、不意に急停止し、急上昇、またも落下する。

完全にエスカレーターの挙動ではない。

 

「ぎゃあああああああああああああ」

「でちぃぃいいいいいいいいいいい」

 

二人は絶叫しながら奈落へと落ちていった。

 

-----

 

なんとか生還し、シートベルトのロックが解除される。シートベルトを外そうとすると、右手がまだロックされていた。ご丁寧に指まで絡ませてある。隣を見ると、涙目になったゴーヤがいた。

「おい、降りるぞ」

 

「でち...でち...」

 

正直めちゃくちゃ怖かった。真っ暗で何も見えない恐怖、唯一信頼していたエスカレーターに見放された絶望感、とにかく怖かった。ここまで怖いのはなかなかないだろう。

 

ゴーヤをなんとか立たせて席をたつと、外ではアトラクション中に撮られた写真の販売が行われていた。

 

面白いくらい絶叫している自分。完全に泣いちゃってるゴーヤ。そしてその間には恋人繋ぎで小さな手を包み込む大きな手がしっかり映っていた。

 

(え...いつ繋いだ...?さっぱりわからんかった…)

 

とりあえず2枚買っとくと、続々とみんなが出てきた。

翔鶴は...まあ平常運転だったが、その他全員、特に神風に至ってはとても楽しかったと言わんばかりのこれ以上ない笑顔が輝いていた。

うちの艦娘たちの写真を二枚ずつ買い、一人一枚配ってやる。どれもこれも、みんないい顔をしている。

 

突如、瑞鶴が騒ぎ出す。

 

「ああっ、提督とゴーヤちゃんが...!」

 

まずいと思ったが、もう仕方が無い。こういうのの伝染力は手が付けられないほど大きい。

 

「ち、違うでち!」

 

突然息を吹き返したゴーヤが弁解をする。

 

弁解の結果、提督が突然ゴーヤの手を握ってきたため、ゴーヤは泣いてしまった。提督は二人きりになったらすぐに手を出す淫獣だ、ということで全員が一致した。

 

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アトラクションから出ると、もう暗くなりかけていた。お土産を買い、名残惜しいがネズミースィーをあとにする。

 

都内のホテルに泊まる予定だ。着いたらみんな疲れているだろうから、今日は麻雀どころじゃないな

 

ひとり提督はそう考えるのであった。




読破おめでとうございます。

見たらまあ分かる通り、東京ディズニーシーに行ってまいりました。

元ネタ
「テラーオブタワー」...「タワーオブテラー」
「タートルチャット」...「タートルトーク」
「深海20000マイル」...「海底2万マイル」
「雷神スピリッツ」...「レイジングスピリッツ」

外から見て内容がわからないものはネタバレ防止のため内容を全カットかまるっきり嘘のものにしてます。エスカレーター落ちるのは流石にないですよねw

まあ人気の場所なんで今更ですが、とても楽しい時間を過ごすことができました!行ったことない人は一生で一度は行っておかないと損ですね!これは!

本日もご来訪ありがとうございました。次、少し開きますがすぐあげるので少々お待ちください。


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第十八話 「鎮守府イベ前旅行 四日目」

みなさんおはこんばんちは。Ashleyです。はぴりばともいいますね。

しばらく更新が止まってしまって申し訳ありません。イベントがひと段落ついたので更新致します。

ゆっくりしていってください。


第十八話 「鎮守府イベ前旅行 四日目」

 

「おはよーでち!!って、でちいいいいいいい」

 

今日も懲りずにやってきたゴーヤを待ち構えていた提督。それは、一瞬の出来事であった。

ドアを開けた瞬間スイッチが作動、入口にネットが張られ、退路を塞ぐ。気付かず直進するゴーヤの動きを予測してつけておいたセンサーが反応、ゴーヤの脚を絡め取ろうとするが、見事にゴーヤはこれに反応、バク転してかわす。

が、これを入口のネットが捕まえる。ゴーヤの重みに耐えきれなくなったネットは入口から外れ、ゴーヤを完全に覆ってしまった。

 

ゴーヤホイホイの活躍により、ゴーヤの捕獲に成功、これで寝ている間にいたずらされたり、朝起きたら変態認定を受けているようなこともない。完璧な作戦過ぎて笑いがとまらない。

 

...

 

朝起きたらゴーヤに対して強制縛りプレイをしようとしたということで変態認定を受けていた。やったね!

 

------------------------------

 

四日目。

 

「提督さん、今日は何するの。」

 

今日はツインテールをやめて髪を下ろしている瑞鶴。なんでも、「いつも同じところばかりくくっているとハゲる」だそうだ。

翔鶴とめちゃくちゃ似ている。流石姉妹と言ったところか。間違えて着艦しちゃいそうだぞおい。

 

「今日は、結構ガチめだぞ。日本国民を守る者である以上、色々な施設を見学しておかねばなるまい。まあ今回の旅行はこれから行くところにいらっしゃるお偉いさんに会うために来たようなもんだしなぁ…」

 

「は、はい!榛名は大丈夫です!」

 

そういえば榛名とも見分けがつかないな。髪の色同じだと流石にまずい。幸い今日はポニーテールにしてくれているので安心だ。もしかしたら若干談合が行われているのかもしれない。

 

「いや、流石に9人で押しかけるのはまずい。ここは、せっかく東京に来たんだから女の子だけで遊んできなさい。」

 

「え!ほんとに!?」

 

瑞鶴の顔が輝く。

 

「あ、ああ。好きにするといい。」

 

瞬間、全員の顔が歓喜に染まった。みんなそんなに俺といるのが嫌だったのか。

 

艦娘たちは、提督とホテルでまた集合するのを約束して、提督と別れた。

 

提督と約束したことは以下の通り。

 

1.必ず二人以上で行動すること。

2.艦娘と言えど女の子なので、遅くなりすぎないようにすること。

3.各自、昼食と夕食をとってホテルに帰ること。食費は提督がくれた。

4.お酒は控えること。

5.その他困ったことがあったら連絡すること。

 

「...結構あるでちね」

 

「まー、私らの事考えたら普通じゃない?」

 

とりあえずまずは全員で行動することにした。その他は...まあ大丈夫だろう。

 

全員で相談した結果、スカイツリーに行くことになった。王道中の王道である。

 

銀座に差し掛かったあたり、榛名が突然発言した。

 

「あっ、私三越に行ってみたいです...!」

 

「私と大井っちのTシャツあるかなー」

 

「了解です。じゃあ、この駅で降りるのです!」

 

地下鉄を降りてきらびやかな街へ出る。女の子なら一度は訪れて、彼氏にバッグをねだりたい街、銀座だ。

 

三越にたどり着いたものの、着くまでに2回榛名がスカウトを受けてしまって案外疲れていた。そうでなくても、人が多い!

 

三越は乙女心をくすぐる可愛らしくも上品なグッズがこれでもかというほどあったが、散財してしまうのでみんな思いとどまった。後で提督からせびろう。

 

三越から出て、少し考えた結果、ゆっくり歩いて行くことになった。秋葉原なんかにも寄ってみたい、とのことだ。

 

しばらく歩いて秋葉原に到着すると、そこは看板、看板、看板!

 

「あっ、吹雪ちゃんなのです!」

 

電が看板の中でも一際大きい艦これの看板を見つけた。

 

「へー、流石は主人公。でっかく出てるねー」

 

「ぐぐ...次こそは鶴翼の絆で私も...!」

 

「瑞鶴。大丈夫よ。きっと続編が制作されているわ。」

 

「ゴーヤも映像化したいでち...」

 

各々思うところはあるようだが、自分で自分のグッズを買うのもアレなので、ひとまず他を見てみた。

 

なんと咲-Sa〇i-の麻雀牌が!

割り勘して3セット買っておいた。長野とかも行ったし、いい土産になるだろう。重いので鎮守府に郵送しておいた。

 

「ああっ!」

 

なんと鷲巣麻雀牌が!?

しかしよく考えるともう5セット位持っているのでやめた。一時期駆逐艦たちが遠征中の遊びで「燃料抜き麻雀」をやるのが流行っていた。どんだけ余裕があるんだ。

 

ふと見ると名取がいつの間にやら「コマ〇ドー」のブルーレイディスクを買っていた。別にここで買わなくてもいいじゃないか。

 

結構はしゃぎ過ぎてしまった。みんながふと立ち止まると、あることに気づいてしまった。

 

「あれ?神風は...?」

 

------------------------------

 

一方こちらは神風。人混みにもまれながらみんなを探していた。すっかり涙をたたえた目では前もよく見えない。

 

普通泣きそうになってる女の子がいたら誰か助けるものだが。ここにいる奴らはコミュ障ばっかか。

 

(ここは...どこに向かったらいいのかしら...)

 

東京だから適当にスカイツリー目指して歩いてたらいいとこもあるでしょといった認識がたたって、どこに行けばいいやらわからない。

 

「あっ、そうだスマホ...」

 

どうして思いつかなかったのだろう、スマホを見てみるとたくさん電文が来ていた。

 

(「アニメイト本店前です」...?どこよそれ!?)

 

仕方がない。ここは近くの人に聞いてみよう。

 

「あ、あの〜」

 

「はぁっ!ふぁいなんでしょう!?」

 

とりあえず近くにいたリュックを背負ったメガネの男の人に声をかけてみた。これは名取さんよりひどい。

 

「えっと...あにめいとほんてん...?ってのに行きたいの。どこにあるか教えてくれませんか...?」

 

「あ、あぁメイトならあっちに...ボクでよければ案内しましょうか?ああ、別にあなたが良ければで、決して無理してついてきてほしいわけではないんですけど、もしよければ…」

 

どうやら案内してくれるらしい。見かけによらずいい人のようだ。

 

「ありがとう。よしっ(๑˃̵ᴗ˂̵)و 」

 

---

 

しばらく歩いていると、ヲタクさんはおどおどしながら話しかけてきた。

 

「あの...もしかして神風さんですか...?」

 

「ええ、そうだけど。どうしたの?」

 

「わわっ、すみません!育ててなくて...」

 

そういうところは正直に言わなくていいんだけどなぁ...神風は少し悲しくなった。

 

やっぱり、旧型だからなのかな...

 

「ううん。いいの。そんなものよね。次のイベント、私の妹が来るようだから、仲良くしてあげてね。」

 

「あ、もちろんです!」

 

「よしっ(๑˃̵ᴗ˂̵)و 」

 

私がヲタクさんに微笑むと、向こうもぎこちないながら笑みを返した。しかし、またおどおどした顔になり、言葉に詰まりながらも再び話し始めた。

 

「あ、あの...僕、神風さん育てます!絶対、強くしますから!そんな、気を落とさないでください!」

 

まぁ...私は顔に出した覚えはなかったのに!

 

「あ、ありがとう。私、頑張るから!」

 

「僕も頑張ります!あ、そこ曲がったとこです。」

 

どうやら最後までは来ないらしい。彼なりの配慮だろう。私が迷子で、誰かと来ている事まで見抜かれていたのだろうか。

 

あっ、そうだ...!

 

「あのっ、あのね...」

 

「ど、どうしたんですか?」

 

ヲタクさんと別れようとしたその時、神風はヲタクさんを呼び止めた。

 

「あのね、そっちの私にもね、ぜひ麻雀を教えてあげて。きっと強くなるから。」

 

「ま麻雀ですか...?家具職人が...」

 

「おねがい。教えてあげて。」

 

「わ、わかりました…」

 

「よしっ(๑˃̵ᴗ˂̵)و 」

 

----------

 

アニメイト本店にやってくると、涙目になった電とみんなが待っていた。

 

「あ、神風ちゃん...なのです...!」

 

「電ちゃん...心配してくれたのね...」

 

「あ、それ電が立ってるだけで人にぶつかりまくってさらにぶつかってきた人の方が倒れていったから泣いてるだけだよー」

 

北上さんはそういうことは言わなくていいから。

 

しかしぶつかってきた側が倒れるなんてなんて体幹してやがるんだ...と少々恐ろしくなる神風であった。体幹で船が沈むほどである。

 

アニメイトは流石に本店だけあって田舎とは品ぞろえが段違いによかった。「ご注文とはうさぎですか?」などの超人気作から、「涼宮春日の優越」などの名作、提督が大好きな「daily life」や「氷菓子」もあり、大いに盛り上がった。もう勘弁してくれ(権利的な意味で)

 

-----------------------------

 

やっとの事でスカイツリーまでたどり着いた。あたりはもう暗くなっていた。

 

「ちょっと遊びすぎたわね...」

 

翔鶴が少し心配そうに言う。執事喫茶でメロメロになってたのはどこのどいつだ。

 

「まあ、東京の夜景を見るのもいいでち!さあ、のぼるでちよー!」

 

「はい!榛名は大丈夫です!」

 

ゴーヤの掛け声とともに展望台へ昇るが、圧倒的雲!雲!雲!!!

 

「あのー、これカーテン下ろして頂けませんか?」

 

瑞鶴が係員になんか言っている。違うのよ瑞鶴...しかし真実を伝えられない翔鶴はただ涙ぐむだけであった。

 

「これは...絶景なのです!」

 

電が一丁前に皮肉を言っている。...と思ったら、下の方をよく見ると雲の切れ目から絶景が!

 

みんなで中腰になって一生懸命下を見ようとするその姿はありの行列を眺める子供のよう。

 

まさにありの行列の如く流れては止まる車の群れを追っていると、ゴーヤが口を開く。

 

「そういえば、てーとくは交通管制センターに行くとか言ってたでち。これもよく管理された上での行列でちね...てーとくと来たかったでち...」

 

最後の方はよく聞こえなかったが、高いところから見てみると自分たちの泊まるホテルがひどく小さく思えて、そこがなぜかひどく落ち着く場所のような気がした。

 

「遅くなったし、帰りましょうか。」

 

榛名の声がする前だろうか、後だろうか、みんなはいつしか帰路についていた。帰ろう。提督の待つホテルへ。

 

------------------------------

 

帰りは電車を使った。電ナビのおかげで迷うことは無かった。しかし、なんというか、地下鉄は便利だ。こりゃ車なんて要らないわ。

 

ホテルに帰ると、提督が待っていた。一応全員無事帰投したことを伝えて部屋に戻る。

買ってきた咲-S〇ki-麻雀牌を使って打ってみた。そこそこ値段はするが、やはりいい。今日はゴーヤの嶺上開花が一段と冴えている気がしたのは言うまでもない。

 

今夜は徹マンだ。艦娘たちの夜は長い。

 

 

今夜はヤケ酒だ。お偉いさんにお偉いさんオーラを振りまかれた提督の夜もまた、長かった。




謎の神風回になってしまいました。そもそもかんま!を書き始めるきっかけにもなった子ですから、この物語には必要不可欠な存在です。

僕は神風を高く買ってまして、前回イベントから急ピッチで育成しました。E1ボス撃破時には謎の大ダメージを与え、勝利に貢献してくれました。やる時はやるんですよ。ただね、やらない時が...

そういえばうちの駆逐艦ズは結構おっちょこちょいが多いです。雪風もいざという時( ˘ω˘ ) スヤァ…しますからね...駆逐艦に手を焼く日々です

ちょっと自分語りが長くなってしまいました。だんだん涼しくなってきましたね。季節の変わり目というものは体調を崩しやすいものです。充分お気をつけください。

それではまた次回会いましょう!


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第十九話 「鎮守府イベ前旅行 最終日」

みなさんおはこんばんちは。Ashleyさんだぞ。

最終日です。雪風討伐戦については少し待ってください。めっちゃ腰がおもいんです...ごめんなさい...

まあとりあえずゆっくりしていってください。


第十九話 「鎮守府イベ前旅行 最終日」

 

はっ...!

 

目覚めると総員起こしの時間になっていた。司令官たるもの、艦娘より早く起きて仕事を開始するのは当然である。

 

「ま、まずい...まずは...荷物整理か...」

 

急いで荷物整理をし、部屋を出る。が、そこに艦娘たちの姿はなかった。

 

「どういうことだ...?誰もおらんとは...」

 

とりあえずマスターキーを貰って部屋の様子を見に行く。

ドアを開け、中に踏み入った瞬間、ネットで退路が塞がれる。

 

(む..ゴーヤホイホイか!)

 

提督は刹那それに気付き、一旦立ち止まるが、それに反応するように天井から網が降ってきた。

入口にはネットがあるので前に飛ぶ提督。しかし目の前にはゴーヤが!

 

「てーとくっ!♡」

 

不覚にもゴーヤの胸に飛びかんでしまった提督は、その細腕に抱きかかえられ、捕まってしまった。

 

「くっ、HA☆NA☆SE☆!」

 

「いやでち☆てーとく、一緒にイこっ?」

 

「やめろー!イきたくなーい!イきたくなーい!」

 

こんだけドタバタやっても誰も来ないということはみんなはもう片方の部屋にいるんだろう。

 

艦娘たちには4人部屋を2つ用意していたが、最終日だからかみんなで集まったらしい。じゃあなんでゴーヤはこちらの部屋に...?しかもどうして俺がこちらを選ぶとわかった...?謎は深まるばかりだ。

 

密着されたまま服を脱ぎだしたゴーヤを一蹴し、なんとかゴーヤの手から逃れたが、振り返るとそこにはジト目の艦娘たちが!

 

「あ、あはははは...」

 

もうダメだ。

 

------------------------------

 

みんなで徹夜してたところをゴーヤだけ別室に呼び出し、乱暴をしようとしたとして、五回目の変態認定を受けた提督とその艦娘たちは、いよいよ新幹線に乗り込むところだった。

 

途中で科学未来館にも立ち寄ったが、寝転んで地球儀を見ながら艦娘たちが睡眠タイムに入ろうとしていたのであまり見れなかったが出てきてしまった。

 

そらみろ。徹夜なんてするもんじゃないんだ。

 

ディズニーアート展、めちゃくちゃよかったです。

 

帰りの新幹線、みんなに牛タン弁当を買った。

新幹線に乗り込んで蓋を開けると、そこにはこれでもかと分厚く切られた牛タンが!

 

「牛タンって、こんなに分厚いものなのね...焼肉屋にあるようなのが普通だと思ってたわ...」

 

瑞鶴が目を丸くしている。さりげに焼肉屋さんをディスるのはやめなさい。あれは自分で焼くのがいいんだから。

 

「すごく...おおきい...」

 

娼鶴がなんか言っているが放っておく。

 

「てーとく、あーん!でち!」

 

うおっ、いつの間に隣に!?とりあえず食っておくが、すかさず自分のを一枚ゴーヤの弁当に放り込む。これでプラマイゼロ。

 

北上は名取をいじって遊んでいる。弁当は...もう食ったようだ。名取は北上のちょっかいにいちいちいい反応を返すから楽しいのだろう。

 

電は席を反転させて四人席にしている。対面には榛名と神風が座っている。もう一つ空いてる席はどーせゴーヤだろう。

 

電をお世話しようとしている神風。榛名はふたりをニコニコ見守っている。母親か。

 

「あっ、富士山!」

 

神風が興奮気味に指を指す。弁当はもう食べ終わっていた。

 

「海もいいけどさー、山も行ってみたいよねー」

 

「へっ!?あ、ああそうですね!」

 

「大井っちと一緒に連れて行ってあげるー♪」

 

「えぇっ!?え、えと...大井さんに悪いです...」

 

「えーそんなことないのにー」

 

へえ、結構仲良くなってんじゃん。北上は元々コミュ力は高そうだが...

 

「てーとく!ゴーヤと富士山を背景に素敵な夜を...」

 

「お前は帰ったらオリョクルだからな。覚えとけよ」

 

「ひええ」

 

この五日間の真実を知るからには、鉄槌を下さねば。

 

大人しくなったと思ったら涙目でネズミースィーでの例の写真を見ている。またくだらないものを...

まあ大人しくなったんならいい。一眠りするとしよう。おやすみなさい...

 

-------------------

 

目覚めると、京都についていた。こんなに眠ってしまっていたのか。

 

隣を見るとゴーヤがこちらに寄りかかって寝ていた。起こすのは流石に悪いからそっとしといてやろう。こいつもなんだかんだ疲れたに違いない。頭をそっと撫でてやるとでち...でち...と呟いた。そのでちはなんの用法なんだ。

 

周りを見るとみんなも眠っていた。

 

もたれあって眠る鶴姉妹。

 

顔になにか書かれて拭き取られた跡がある名取。その名取に全体重を預ける北上。重そうだ。

 

窓の外を眺めるポーズのまま時間が停止した神風。

 

足を揃え、手も揃え、正しい姿勢のまま眠る榛名。

 

時折、なのです!と言う電。寝ているらしい。

 

みんな疲れていた。それだけ刺激的な五日間だった。次のイベントの時も連れてきてやろう。そう思いつつ、これから始まるイベントについて思いを馳せる。

 

大規模作戦。まだ2回目のイベントとはいえ、未だ経験したことのない規模。果たしてどうなることやら...

 

こうしてはいられない。今のうちにしっかり海図を確認しておかねば!

 

----------

 

広島についてしまった。鎮守府に帰る時だ。

あたりはもうすっかり暗くなってしまっている。眠そうな艦娘たちが目をこする。

 

暁の水平線が、妖しくかれらを見送っていた。

 

さあ、作戦開始だ!




さあ!作戦開始だ!(笑)

もう終わりかけだよ!おそすぎるんだよてめえは!

...はいごめんなさい。これを見てる沼ってるあなた、初心にかえってもう一度挑戦してみましょう。イベント頑張るぞって。突破できるかもしれませんね。

雪風討伐戦を書いてないせいで章管理がむちゃくちゃなことになってます。現在麻雀マットを広げて絶賛牌譜検証中なのでお待ちください。

なんだか急に涼しくなってしまって困惑しています。夏から秋に急にシフトされると、涼しい、快適と思う反面どこか寂しいような...そんな感じしませんか?

冬も近づいてまいりました。そろそろ備えをしていた方がいい時期かも知れません。みなさんもそろそろ長袖のはおりものなんていかがですか?

それではまた次回お会いしましょう!次は、長門さんのE4戦記になるかなーと思っています。ってまた自分語りかーい


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第二十話 「長門さんのE4戦記(前編)」

遅くなりました。Ashleyと申します。

夏イベの戦記なのにすっかり秋になり、寒くなってくる季節となってしまいました。なかなかモチベが上がらず遅くなってしまってほんとに申し訳ないです。

いつになく長い話になっていますので、他の素晴らしい作家様方の作品を読み終えて、ほんとに読むものがなくなってしまって困っている方、どうぞ、拙いですが、ごゆっくりお楽しみください。


第二十話 「長門さんのE4戦記(前編)」

 

どかああああああん

 

敵がなにかポエムを吐いているが、知ったこっちゃない。

まったく、面倒なものだ、と提督がぼやいた。

 

まあなんとなくと言った感じでE3が終わった。別段強くもなかったが、輸送はなかなか苦戦した。

 

さてE4だ、と伸びをする提督にお茶を出す。

 

「おお、すまないな。」

 

「問題ない。これくらいのこと...じょ、上手に入っているか...?」

 

「あ、ああ。」

 

「よかった」

 

どういうわけか緑茶なのに甘い気がした提督だが、まあとりあえず飲んでおいた。苦いのか甘いのかよくわからん。

 

「そうだ。お茶ついでにお前、旗艦をやってみないか?」

 

「旗艦...?」

 

「ああそうだ。なるたけ火力が欲しくてな...頼めるか?」

 

 

「長門」

 

 

E4は連合艦隊出撃...連合艦隊旗艦...!

 

「よ、よし、よかろう。」

 

響きに釣られて二つ返事で引き受けた長門であったが、しかしこの時彼女は知る由もなかった。E4の恐ろしさを...

 

---------------------------

 

―これは実在のAshley提督の鎮守府での出来事である。―

 

----------------------------

 

ついに編成が発表された。長門が旗艦になった時には既にE4の第一ゲージが破壊されていた。E3が突破されてわずか一日後のことである。

 

提督は、前回は前段作戦を完遂できなかったから今回このE4を突破して初めて前回の自分たちを超えたことになる、と言った。

 

どうやら油断さえしなければ難なく突破できそうだ。提督が最高練度集団の中からではなく自分を旗艦に選んだのはそういうことであろう。

 

発表された編成はこうだ。

 

連合艦隊:水上打撃部隊

第一艦隊

長門(改)

扶桑(改)

鈴谷(改)

熊野(改)

千歳(航改)

瑞鳳(改)

 

第二艦隊

名取(改)

榛名(改)

神風(改)

妙高(改)

雪風(改)

北上(改二)

 

なかなか錚々たるメンバーが揃っている。名取、榛名、神風、北上と言えば話に聞く最高練度集団じゃないか。

 

なるほど、第二艦隊に戦力を集中させたか。ならば、せいぜい第二艦隊を守らねばな…

 

「あ、あのっ、どうか、よろしくお願い致します。」

 

怯えた様子で話しかけてきたのはこの鎮守府内で、並みいる戦艦、空母たちを差し置いて最高練度を誇ると噂の名取であった。そんなに怖く見えるかな...ショック

 

私もこの鎮守府に来たのは早い方であったが、なにせこの名取は伝説に聞く提督が着任した瞬間持っていた資材を全て投入して建造したという、その艦だ。

 

さらに練度も上となれば、こちらから挨拶するべきだったか…しまったな...

 

「ああ。よろしく頼む。」

 

ああああああああああああああああああああああやってしまったあああああああああ。

どうも駆逐艦、軽巡洋艦の前だと緊張してえらぶってしまう。

 

おかげでおっかないキャラだと思われてしまって間宮さんのとこにも行きづらくなってしまった。どこまで学習しないんだ私は!

 

「おい、じゃあそろそろ出撃してもらうぞ」

 

提督の声だ。い、いけない、こんなことでは。相手は深海棲艦、こんな海域さっさと終わらせて、それから名取とでも電チャアンとでも話せばよいのだ。そうとなれば、この長門、相手がどんな雑魚であろうと手加減をする気は無い。

 

「行くぞ。長門、出撃する!」

 

------------------------------

 

さて、海に出た長門たちであったが、いきなり潜水艦に襲われた以外は穏やかな海の旅を続けていた。

それもそのはず。第一ゲージ破壊に際して翔鶴姉をはじめ空母たちがこれでもかと知らしめてやったのだ。そこには敵の姿はもうなかった。

 

しかし、少し狭い海峡を抜けると、一転して敵の猛攻が始まった。

魚雷艇での強襲から基地航空隊からの空襲、敵の攻撃は湾を深く進むにつれ激しくなっていく。

 

敵の攻撃をかいくぐりながら北西方向、湾の最深部に向かっていると、不意に羅針盤が西を指した。

 

「なに?西だって?北西じゃなくてか?」

 

妖精さんに尋ねるが、妖精さんは能天気にも「まあこっちに行く運命なんだよワトソン君」とか言って聞かない。

 

妖精さんの羅針盤は何気に絶対なので進路を変え、西へ向かう。

 

「長門さん!偵察機より入電...集積地夏姫です!」

 

「なにっ!さっきの空襲のか!」

 

「魚雷艇も...駆逐ナ級もいます!」

 

駆逐ナ級は今回のイベントから突如出現した耐久、装甲、火力、どれをとっても頭おかしい駆逐艦だ。さっきの羅針盤の挙動といい、敵の編成といい、どうやらこっちは避けるべき道のようだ。

 

まだボスがいると思われる場所までかなりあるなかでこの編成...不覚にも少したじろいでしまうが、この状況、もはややるしかない。

 

「全艦に告ぐ!この先強敵との戦闘になる!航空母艦は攻撃隊を発艦させよ!その他の艦は総員配置につけ!砲戦、雷撃戦用意!」

 

見ていろよ!この長門、提督から頂いた連合艦隊旗艦の任務、初戦から大破などで終わらせない!

 

----------------------------

 

...まあ、こうなるよな...

 

思わずため息がこぼれる。

戦闘が始まってすぐ、集積地夏姫の砲撃で扶桑さんが大破してしまった。仕方なく離脱して帰投する。

 

まああれだけフラグをたてたのだ。こうなってしまうのも仕方がない。

 

一行は帰投するとバケツを使って手早く入渠を済ませる。魚雷艇のカスダメが痛い。

 

「す、すまなかった...次は、どうにかしよう...」

 

なぜ私は提督にまでえらぶってしまうんだ...!このままではさらにコワモテキャラみたいになってしまう...

 

「あ、ああ。頑張ってください。」

 

ほらー。なんか敬語使われてんじゃんー。もうやだ。ながとしらないっ。

 

「あ、それでだ...」

 

心の中では大暴れであったが、提督の前ではポーカフェイスを貫く。

 

我ながらこのポーカフェイスはすごいと思う。麻雀してても全然読まれない。戦いの中で心理を読まれることを嫌って練習しといてよかった。よかった...のか...?

 

「どうやら今回の編成だと『ダメ』らしい。編成の見直しを意見具申する。」

 

「うむ。わかった。すまんが、これからほかの鎮守府から情報を得るから、少しでも削っておいてくれないか?」

 

なんで調べてねえんだこのクソ提督...しかも無謀とわかっていながら出撃とは...!

 

「し、しかし...」

 

「今までの傾向からして編成を軽くせざるを得ないかもしれない。考えうるいちばん丈夫な編成を考えたつもりだから、行ってくれ。信頼してるぞ。」

 

ぐっ...そ、そんなこと言われたらっ...ず、ずるいぞ...

 

「了解した。この長門、できる限りのことをしよう。」

 

ポーカーフェイスを練習しておいてよかった。

 

------------------------------

 

艦隊のメンバーで作戦を練る作戦室に行くと、意外にも全員やる気だった。当然だ。E3までなんの苦労もなくクリアしたのに自分たちのせいで立ち止まらせてはいけない。

 

全員、リベンジに燃えていたのだ。

 

「よし、名取!行くぞ!」

 

「ふぁっ、は、はい!」

 

かわいい。(確信)

 

------------------------------

 

集積地夏姫はなんとか突破できることがわかった。正直私からすれば大した砲撃でないし、大きなダメージを与えれば攻撃すらしてこなかった。

 

通過するだけなら事故さえなければ大丈夫そうだ。

 

それよりこいつら...

 

ボスマス前に立ち塞がる戦艦たち。これは...集積地夏姫より厄介だ。

 

「第二警戒航行序列!!攻撃を躱せ!!!」

 

------------------------------

 

...助かった。名取が中破してしまったが彼女にそれは誤差の範疇だろう。

彼女は中破状態で戦艦を2隻落とした。あいつは化けもんだ。

 

しかし、次はついにボス戦。どんなやつが現れるかは分からないが、これだけ激しい道中をくぐり抜けた先のボスだからより一層強いに違いない。

 

燃料ももうカツカツだ。満足に砲撃も避けられないだろう。だが、やるしかない。

 

「全艦、第四警戒航行序列!今回は様子見ではあるが倒すつもりで行くぞ!第一艦隊、砲撃開始!」

 

号令と同時に砲弾を放つ。先ほど先制航空攻撃を仕掛けた艦載機たちによると、敵は「戦艦仏棲姫」だそうだ。

 

しかしその周りに戦艦2隻、軽空母もいる。なかなか大変そうだ。

 

と、偵察機から入電、「我、弾着観測セリ。軽空母大破」

 

どうやら敵航空戦力を潰せたらしい。いきなり大活躍じゃないか。やったぞ。

 

そこからも続々と攻撃成功の知らせが届く。敵戦艦中破、駆逐艦撃沈、軽空母撃沈...

 

しかしその中でただ一つ異彩を放つのは戦艦仏棲姫であった。

 

「敵旗艦ニ弾着ヲ確認。命中、タダシ敵旗艦ニ損害ハ見ラレズ」

 

「なにっ」

 

みんなの全力の砲撃を通さぬ装甲...分厚い。

 

「妖精さん、今、どれ位ダメージが入ったかわかるか?」

 

たまらず妖精さんに尋ねる。そう、弾着観測なんかしなくても妖精さんに聞けば命中か、ダメージはいくらか、なんてすぐに教えてもらえるのだが。

 

「ん~10くらいかなぁ~」

 

なんとも適当な返しであるが、おそらく本当なのだろう。妖精さんは絶対である。

 

燃料が心許ない分、みんなの逃げ足も遅い。かくゆう私も中破してしまった。こいつ、砲撃の威力も命中率も高い。高すぎる。

 

装甲も高い。攻撃力も高い。果たして倒せるのだろうか。

 

「長門さん、名取、夜戦に突入します。夜戦だけは、得意なんです!私!」

 

「お、おう。」

 

この子、スイッチ入るとキョドらないんだな…これはこれでかわいい。

 

さて、私ができることはもうない。名取の背中を見送りながらただ祈るのみ。

せめて満足できるだけ削ることが出来ればいいのだが…

 

------------------------------

 

730あった耐久は600程までしか削れなかったそうだ。これでは削りとはなかなか言えない。

 

北上のカットインでさえ100程しかダメージが入らないらしい。カットイン不発や連撃では誤差程度しか削れないらしい。

 

帰投した私達は既にお通夜状態だった。沼の匂いがプンプンする。

 

前回はE2で沼った。ただ、それは丙でお札が無効になるシステムを理解しておらず、ずっと二軍で出撃していた事が原因で、システムに気づいたら一発でクリアしてしまった。

 

今回はE4で沼った。今回は前回と違う。完全なる実力負け。その現実は案外重たいものだった。

 

そんな中お通夜ムードの中に一筋の光。

 

それは、提督であった。

 

「みんな聞いてくれ。例の集積地夏姫を回避する方法が分かったぞ!」

 

「遅かったじゃないか。なんなんだその方法とやらは!早く教えないか!」

 

何もできない自分に腹が立っていた長門は、はっと何かに気づいたように顔を赤くして縮こまってしまった。

 

「す、すまない…」

 

「なに、気にするでない。お前の気持ちはよく分かっているつもりだ。だから俺も最大限自分にできることをしたつもりだ。」

 

「て、提督…」

 

こういう時だけかっこいいことを言うのは本当にずるいと思う。あっなぜだろう涙が…いかんいかん、名取がいる手前泣いてしまうわけにはいかない。名取を見ろ。あんなに真剣な顔で何かを見据えているような顔をしているじゃないか。今は、提督の話に集中するんだ…

 

(この時当の名取は提督のことなど一ミリも信用せずにどうしたら夜戦でダメージを与えることが出来るか考えていたのは秘密である。)

 

 

「よしじゃあ発表するぞ。条件は...」

 

(どきどきどき...)

 

「雷巡ゼロか、海外艦一隻につき雷巡1まで、だそうだ!」

 

「ナ,ナンダッテー」

 

一応形だけのリアクションをしたみんなはすぐに机に向かう。

 

正直みんなわかっていた。最近雷巡の粛清が激しいこと。今回のイベントは海外艦が深く関わっていること。

 

...そして、我が鎮守府には海外艦がいないこと。

 

「うちにはよく育った重巡も妙高しかいないから北上の代わりは...電だな」

 

言い終わるが早いか、名取が電の首根っこを引っ張って作戦室に入ってきた。

 

ちなみに電は今しがた四暗刻単騎待ちをテンパり、不敵にもリーチをかけたところである。待ちは地獄単騎だった。

 

長門は、恐ろしい手を張っていた電を恐れるべきか、そんな電を涙目にさせて引きずってきた名取を恐れるべきか分からなくなった。

 

部屋の奥にはどこか悲しそうな顔をした北上がいる。連合艦隊旗艦は気にすることが多い。

 

「とにかく、次は一旦集積地夏姫を回避する編成で出撃しよう。北上を抜く火力の低下と一回戦闘が減る回避、火力の低下抑制を天秤にかけて、そこから本攻略編成を決定する。総員準備をするように。一時間後に出撃だ。」

 

「あ、あの...」

 

名取が申し訳なさそうに手を挙げる。

 

「意見具申、いいでしょうか…」

 

「なんだ」

 

「ひっ...ごめんなさいごめんなさい!」

 

えっ...そんな怖かった...?今度から気をつけよう

 

「いいからとりあえず言ってみろ」

 

「えっとですね…あの...その...装甲があまりにも分厚かったので、何かギミックはないかなぁって...すみません!意見具申じゃなくて...」

 

「ふむ、じゃあ提督頼んだ。」

 

提督に丸投げする。こういうのは私たちの仕事ではないし、こいつ、放っておくとほんとに何もしないからこれでいいのだ。

 

ところが、長門は感じた。提督のオーラが変わった。顔を上げると、なんてことは無い、ドヤ顔をしていた。

 

「ふふふ、そんなこともあろうかと、もう調べておいたぞ!」

 

「なにっ!」

 

「ギミックはないそうだ!まあ頑張ってこい!」

 

「(´・ω・`)そんなー」

 

これに大いに驚いたのは北上であった。また自分の出番がやって来ると思ったのだろうか。

 

一方の長門は特には感ぜず。第一艦隊の仕事は夜戦までに雑魚を掃除しておくことで、ボスにはむしろ触れない方が良かったりする。

 

「よし、では一時間後に再出撃だ!今度はもっと削れるよう願おう。私も全力を尽くす。」

 

「「「了解!!!」」」

 

------------------------------

出撃はしたがうまく削れずだった。やはり、途中大破率が上がってでも北上を入れた方が突破の可能性は高そうだ。というか、そうでないと全く希望がないと言ってもいい。

スッタンを邪魔され、一回で乗り捨てられ、ろくに活躍もできなかった電の怒りは計り知れない。だんだんと目が横棒と丸になっていく。

このままでは深雪が危ない。

 

「あ、あとで麻雀でもしよう。な?間宮券もあげるから。」

 

「わあい、ありがとうなのです!」

 

必死で慰めたら案外機嫌を直してくれた。ちょろかわいい。

…あれ?もしかしてヤバイ約束をしてしまったのでは?…まあいいか。

--------------------------

電が執務室に帰っていくと、すぐに北上がやってきた。

 

「やっぱ私の出番なのねー。まあわかってたけどさー」

 

「頼むぞ。お前のカットインが頼りだ。」

 

「はいよー。名取も頑張ろうねー?」

 

「は、はい!頑張ります!」

 

「もー名取かわいいー」

 

北上と名取がえらく仲よさそうだ。そういえば彼女らは旅行メンバーだったか。くそ、私ももう少し練度が高ければ…

恋敵の出現に気を取られている暇は無…

 

「な、長門さんもよろしくお願いしますねっ!」

 

もー名取かーわーいーいー

 

…はっ、いけないいけない…大丈夫だろうか…?




お粗末さまでした。さて、今後の展望ですが、後編は書いてませんがすぐにできますので少々お待ちください。早ければ明日にでも。

雪風討伐戦に関してはほんっっっっっっとごめんなさい!待ってください。なかなか書けないのです。雪風戦終わったら章のほうも綺麗になると思います。(もしかすると別の作品として特別編をあげるかも知れません。、と今書きながら考えつきました。)

寒くなってきました。こういう季節の変わり目には風邪をひきやすいものです。夏の感覚で腹を出して寝落ちしていると朝からトイレに篭ってしまうなんてこともあるかもしれません。(ありました。)

すぐにアップしますので、気長にお待ちください。


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第二十一話 「長門さんのE4戦記(全編)」

尻すぼみ駄作大賞受賞。全米が唖然とした超大作。


第二十話 「長門さんのE4戦記」

 

どかああああああん

 

敵がなにかポエムを吐いているが、知ったこっちゃない。

まったく、面倒なものだ、と提督がぼやいた。

 

まあなんとなくと言った感じでE3が終わった。別段強くもなかったが、輸送はなかなか苦戦した。

 

さてE4だ、と伸びをする提督にお茶を出す。

 

「おお、すまないな。」

 

「問題ない。これくらいのこと...じょ、上手に入っているか...?」

 

「あ、ああ。」

 

「よかった」

 

どういうわけか緑茶なのに甘い気がした提督だが、まあとりあえず飲んでおいた。苦いのか甘いのかよくわからん。

 

「そうだ。お茶ついでにお前、旗艦をやってみないか?」

 

「旗艦...?」

 

「ああそうだ。なるたけ火力が欲しくてな...頼めるか?」

 

 

「長門」

 

 

E4は連合艦隊出撃...連合艦隊旗艦...!

 

「よ、よし、よかろう。」

 

響きに釣られて二つ返事で引き受けた長門であったが、しかしこの時彼女は知る由もなかった。E4の恐ろしさを...

 

---------------------------

 

―これは実在のAshley提督の鎮守府での出来事である。―

 

----------------------------

 

ついに編成が発表された。長門が旗艦になった時には既にE4の第一ゲージが破壊されていた。E3が突破されてわずか一日後のことである。

 

提督は、前回は前段作戦を完遂できなかったから今回このE4を突破して初めて前回の自分たちを超えたことになる、と言った。

 

どうやら油断さえしなければ難なく突破できそうだ。提督が最高練度集団の中からではなく自分を旗艦に選んだのはそういうことであろう。

 

発表された編成はこうだ。

 

連合艦隊:水上打撃部隊

第一艦隊

長門(改)

扶桑(改)

鈴谷(改)

熊野(改)

千歳(航改)

瑞鳳(改)

 

第二艦隊

名取(改)

榛名(改)

神風(改)

妙高(改)

雪風(改)

北上(改二)

 

なかなか錚々たるメンバーが揃っている。名取、榛名、神風、北上と言えば話に聞く最高練度集団じゃないか。

 

なるほど、第二艦隊に戦力を集中させたか。ならば、せいぜい第二艦隊を守らねばな…

 

「あ、あのっ、どうか、よろしくお願い致します。」

 

怯えた様子で話しかけてきたのはこの鎮守府内で、並みいる戦艦、空母たちを差し置いて最高練度を誇ると噂の名取であった。そんなに怖く見えるかな...ショック

 

私もこの鎮守府に来たのは早い方であったが、なにせこの名取は伝説に聞く提督が着任した瞬間持っていた資材を全て投入して建造したという、その艦だ。

 

さらに練度も上となれば、こちらから挨拶するべきだったか…しまったな...

 

「ああ。よろしく頼む。」

 

ああああああああああああああああああああああやってしまったあああああああああ。

どうも駆逐艦、軽巡洋艦の前だと緊張してえらぶってしまう。

 

おかげでおっかないキャラだと思われてしまって間宮さんのとこにも行きづらくなってしまった。どこまで学習しないんだ私は!

 

「おい、じゃあそろそろ出撃してもらうぞ」

 

提督の声だ。い、いけない、こんなことでは。相手は深海棲艦、こんな海域さっさと終わらせて、それから名取とでも電チャアンとでも話せばよいのだ。そうとなれば、この長門、相手がどんな雑魚であろうと手加減をする気は無い。

 

「行くぞ。長門、出撃する!」

 

------------------------------

 

さて、海に出た長門たちであったが、いきなり潜水艦に襲われた以外は穏やかな海の旅を続けていた。

それもそのはず。第一ゲージ破壊に際して翔鶴姉をはじめ空母たちがこれでもかと知らしめてやったのだ。そこには敵の姿はもうなかった。

 

しかし、少し狭い海峡を抜けると、一転して敵の猛攻が始まった。

魚雷艇での強襲から基地航空隊からの空襲、敵の攻撃は湾を深く進むにつれ激しくなっていく。

 

敵の攻撃をかいくぐりながら北西方向、湾の最深部に向かっていると、不意に羅針盤が西を指した。

 

「なに?西だって?北西じゃなくてか?」

 

妖精さんに尋ねるが、妖精さんは能天気にも「まあこっちに行く運命なんだよワトソン君」とか言って聞かない。

 

妖精さんの羅針盤は何気に絶対なので進路を変え、西へ向かう。

 

「長門さん!偵察機より入電...集積地夏姫です!」

 

「なにっ!さっきの空襲のか!」

 

「魚雷艇も...駆逐ナ級もいます!」

 

駆逐ナ級は今回のイベントから突如出現した耐久、装甲、火力、どれをとっても頭おかしい駆逐艦だ。さっきの羅針盤の挙動といい、敵の編成といい、どうやらこっちは避けるべき道のようだ。

 

まだボスがいると思われる場所までかなりあるなかでこの編成...不覚にも少したじろいでしまうが、この状況、もはややるしかない。

 

「全艦に告ぐ!この先強敵との戦闘になる!航空母艦は攻撃隊を発艦させよ!その他の艦は総員配置につけ!砲戦、雷撃戦用意!」

 

見ていろよ!この長門、提督から頂いた連合艦隊旗艦の任務、初戦から大破などで終わらせない!

 

----------------------------

 

...まあ、こうなるよな...

 

思わずため息がこぼれる。

戦闘が始まってすぐ、集積地夏姫の砲撃で扶桑さんが大破してしまった。仕方なく離脱して帰投する。

 

まああれだけフラグをたてたのだ。こうなってしまうのも仕方がない。

 

一行は帰投するとバケツを使って手早く入渠を済ませる。魚雷艇のカスダメが痛い。

 

「す、すまなかった...次は、どうにかしよう...」

 

なぜ私は提督にまでえらぶってしまうんだ...!このままではさらにコワモテキャラみたいになってしまう...

 

「あ、ああ。頑張ってください。」

 

ほらー。なんか敬語使われてんじゃんー。もうやだ。ながとしらないっ。

 

「あ、それでだ...」

 

心の中では大暴れであったが、提督の前ではポーカフェイスを貫く。

 

我ながらこのポーカフェイスはすごいと思う。麻雀してても全然読まれない。戦いの中で心理を読まれることを嫌って練習しといてよかった。よかった...のか...?

 

「どうやら今回の編成だと『ダメ』らしい。編成の見直しを意見具申する。」

 

「うむ。わかった。すまんが、これからほかの鎮守府から情報を得るから、少しでも削っておいてくれないか?」

 

なんで調べてねえんだこのクソ提督...しかも無謀とわかっていながら出撃とは...!

 

「し、しかし...」

 

「今までの傾向からして編成を軽くせざるを得ないかもしれない。考えうるいちばん丈夫な編成を考えたつもりだから、行ってくれ。信頼してるぞ。」

 

ぐっ...そ、そんなこと言われたらっ...ず、ずるいぞ...

 

「了解した。この長門、できる限りのことをしよう。」

 

ポーカーフェイスを練習しておいてよかった。

 

------------------------------

 

艦隊のメンバーで作戦を練る作戦室に行くと、意外にも全員やる気だった。当然だ。E3までなんの苦労もなくクリアしたのに自分たちのせいで立ち止まらせてはいけない。

 

全員、リベンジに燃えていたのだ。

 

「よし、名取!行くぞ!」

 

「ふぁっ、は、はい!」

 

かわいい。(確信)

 

------------------------------

 

集積地夏姫はなんとか突破できることがわかった。正直私からすれば大した砲撃でないし、大きなダメージを与えれば攻撃すらしてこなかった。

 

通過するだけなら事故さえなければ大丈夫そうだ。

 

それよりこいつら...

 

ボスマス前に立ち塞がる戦艦たち。これは...集積地夏姫より厄介だ。

 

「第二警戒航行序列!!攻撃を躱せ!!!」

 

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...助かった。名取が中破してしまったが彼女にそれは誤差の範疇だろう。

彼女は中破状態で戦艦を2隻落とした。あいつは化けもんだ。

 

しかし、次はついにボス戦。どんなやつが現れるかは分からないが、これだけ激しい道中をくぐり抜けた先のボスだからより一層強いに違いない。

 

燃料ももうカツカツだ。満足に砲撃も避けられないだろう。だが、やるしかない。

 

「全艦、第四警戒航行序列!今回は様子見ではあるが倒すつもりで行くぞ!第一艦隊、砲撃開始!」

 

号令と同時に砲弾を放つ。先ほど先制航空攻撃を仕掛けた艦載機たちによると、敵は「戦艦仏棲姫」だそうだ。

 

しかしその周りに戦艦2隻、軽空母もいる。なかなか大変そうだ。

 

と、偵察機から入電、「我、弾着観測セリ。軽空母大破」

 

どうやら敵航空戦力を潰せたらしい。いきなり大活躍じゃないか。やったぞ。

 

そこからも続々と攻撃成功の知らせが届く。敵戦艦中破、駆逐艦撃沈、軽空母撃沈...

 

しかしその中でただ一つ異彩を放つのは戦艦仏棲姫であった。

 

「敵旗艦ニ弾着ヲ確認。命中、タダシ敵旗艦ニ損害ハ見ラレズ」

 

「なにっ」

 

みんなの全力の砲撃を通さぬ装甲...分厚い。

 

「妖精さん、今、どれ位ダメージが入ったかわかるか?」

 

たまらず妖精さんに尋ねる。そう、弾着観測なんかしなくても妖精さんに聞けば命中か、ダメージはいくらか、なんてすぐに教えてもらえるのだが。

 

「ん~10くらいかなぁ~」

 

なんとも適当な返しであるが、おそらく本当なのだろう。妖精さんは絶対である。

 

燃料が心許ない分、みんなの逃げ足も遅い。かくゆう私も中破してしまった。こいつ、砲撃の威力も命中率も高い。高すぎる。

 

装甲も高い。攻撃力も高い。果たして倒せるのだろうか。

 

「長門さん、名取、夜戦に突入します。夜戦だけは、得意なんです!私!」

 

「お、おう。」

 

この子、スイッチ入るとキョドらないんだな…これはこれでかわいい。

 

さて、私ができることはもうない。名取の背中を見送りながらただ祈るのみ。

せめて満足できるだけ削ることが出来ればいいのだが…

 

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730あった耐久は600程までしか削れなかったそうだ。これでは削りとはなかなか言えない。

 

北上のカットインでさえ100程しかダメージが入らないらしい。カットイン不発や連撃では誤差程度しか削れないらしい。

 

帰投した私達は既にお通夜状態だった。沼の匂いがプンプンする。

 

前回はE2で沼った。ただ、それは丙でお札が無効になるシステムを理解しておらず、ずっと二軍で出撃していた事が原因で、システムに気づいたら一発でクリアしてしまった。

 

今回はE4で沼った。今回は前回と違う。完全なる実力負け。その現実は案外重たいものだった。

 

そんな中お通夜ムードの中に一筋の光。

 

それは、提督であった。

 

「みんな聞いてくれ。例の集積地夏姫を回避する方法が分かったぞ!」

 

「遅かったじゃないか。なんなんだその方法とやらは!早く教えないか!」

 

何もできない自分に腹が立っていた長門は、はっと何かに気づいたように顔を赤くして縮こまってしまった。

 

「す、すまない…」

 

「なに、気にするでない。お前の気持ちはよく分かっているつもりだ。だから俺も最大限自分にできることをしたつもりだ。」

 

「て、提督…」

 

こういう時だけかっこいいことを言うのは本当にずるいと思う。あっなぜだろう涙が…いかんいかん、名取がいる手前泣いてしまうわけにはいかない。名取を見ろ。あんなに真剣な顔で何かを見据えているような顔をしているじゃないか。今は、提督の話に集中するんだ…

 

(この時当の名取は提督のことなど一ミリも信用せずにどうしたら夜戦でダメージを与えることが出来るか考えていたのは秘密である。)

 

 

「よしじゃあ発表するぞ。条件は...」

 

(どきどきどき...)

 

「雷巡ゼロか、海外艦一隻につき雷巡1まで、だそうだ!」

 

「ナ,ナンダッテー」

 

一応形だけのリアクションをしたみんなはすぐに机に向かう。

 

正直みんなわかっていた。最近雷巡の粛清が激しいこと。今回のイベントは海外艦が深く関わっていること。

 

...そして、我が鎮守府には海外艦がいないこと。

 

「うちにはよく育った重巡も妙高しかいないから北上の代わりは...電だな」

 

言い終わるが早いか、名取が電の首根っこを引っ張って作戦室に入ってきた。

 

ちなみに電は今しがた四暗刻単騎待ちをテンパり、不敵にもリーチをかけたところである。待ちは地獄単騎だった。

 

長門は、恐ろしい手を張っていた電を恐れるべきか、そんな電を涙目にさせて引きずってきた名取を恐れるべきか分からなくなった。

 

部屋の奥にはどこか悲しそうな顔をした北上がいる。連合艦隊旗艦は気にすることが多い。

 

「とにかく、次は一旦集積地夏姫を回避する編成で出撃しよう。北上を抜く火力の低下と一回戦闘が減る回避、火力の低下抑制を天秤にかけて、そこから本攻略編成を決定する。総員準備をするように。一時間後に出撃だ。」

 

「あ、あの...」

 

名取が申し訳なさそうに手を挙げる。

 

「意見具申、いいでしょうか…」

 

「なんだ」

 

「ひっ...ごめんなさいごめんなさい!」

 

えっ...そんな怖かった...?今度から気をつけよう

 

「いいからとりあえず言ってみろ」

 

「えっとですね…あの...その...装甲があまりにも分厚かったので、何かギミックはないかなぁって...すみません!意見具申じゃなくて...」

 

「ふむ、じゃあ提督頼んだ。」

 

提督に丸投げする。こういうのは私たちの仕事ではないし、こいつ、放っておくとほんとに何もしないからこれでいいのだ。

 

ところが、長門は感じた。提督のオーラが変わった。顔を上げると、なんてことは無い、ドヤ顔をしていた。

 

「ふふふ、そんなこともあろうかと、もう調べておいたぞ!」

 

「なにっ!」

 

「ギミックはないそうだ!まあ頑張ってこい!」

 

「(´・ω・`)そんなー」

 

これに大いに驚いたのは北上であった。また自分の出番がやって来ると思ったのだろうか。

 

一方の長門は特には感ぜず。第一艦隊の仕事は夜戦までに雑魚を掃除しておくことで、ボスにはむしろ触れない方が良かったりする。

 

「よし、では一時間後に再出撃だ!今度はもっと削れるよう願おう。私も全力を尽くす。」

 

「「「了解!!!」」」

 

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出撃はしたがうまく削れずだった。やはり、途中大破率が上がってでも北上を入れた方が突破の可能性は高そうだ。というか、そうでないと全く希望がないと言ってもいい。

スッタンを邪魔され、一回で乗り捨てられ、ろくに活躍もできなかった電の怒りは計り知れない。だんだんと目が横棒と丸になっていく。

このままでは深雪が危ない。

 

「あ、あとで麻雀でもしよう。な?間宮券もあげるから。」

 

「わあい、ありがとうなのです!」

 

必死で慰めたら案外機嫌を直してくれた。ちょろかわいい。

…あれ?もしかしてヤバイ約束をしてしまったのでは?…まあいいか。

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電が執務室に帰っていくと、すぐに北上がやってきた。

 

「やっぱ私の出番なのねー。まあわかってたけどさー」

 

「頼むぞ。お前のカットインが頼りだ。」

 

「はいよー。名取も頑張ろうねー?」

 

「は、はい!頑張ります!」

 

「もー名取かわいいー」

 

北上と名取がえらく仲よさそうだ。そういえば彼女らは旅行メンバーだったか。くそ、私ももう少し練度が高ければ…

恋敵の出現に気を取られている暇は無…

 

「な、長門さんもよろしくお願いしますねっ!」

 

もー名取かーわーいーいー

 

…はっ、いけないいけない…大丈夫だろうか…?

 

提督がやってきた。

 

「わっ、びっくりした!どしたの?」

 

ドア付近にいた北上が被害を受ける。

 

「みんな聞いてくれ...実は...」

 

なんかめっちゃ溜めているがみんなはあまり聞いていない。聞かなくていい。

 

「実は、探照灯を手に入れたぞ!」

 

聞いていない...聞かなくて...えっ?

 

「やったぁぁぁぁ!」

 

大喜びなのが名取である。いつもと違う名取の姿に感枠気味の提督だった。かわいい。

 

「こ、これで...夜戦が...」

 

目が輝いている名取だが、実はこいつ、デメリットがある。

申し訳なさそうに妙高さんが言った。

 

「大丈夫?それ、敵の攻撃を引きつけるんじゃ...」

 

「えっ、あっ、えっと...」

 

名取が少し言いよどむ。闇の中で光を灯せば名取の位置は丸わかりであり、いい的だ。危険である。

名取はやるというだろうが、やらせるわけには行かない。そうだ、私が持って私も夜戦をするというのはどうだろうか。

 

「大丈夫です。やります。」

 

そらきた。

 

「名取...しかsh」

 

「大丈夫です。私が役に立てるなんて、ここしかないから...」

 

「しかし...」

 

「勝ちましょう?」ニコッ

 

うっ...ずるいぞ…ずるいぞ…笑顔は...

 

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探照灯、照射!

 

それは夜戦のため離脱した長門たちからも見えるほどのものであった。

この時、初めて長門は戦艦仏棲姫姿を見る。

 

「なんて...醜いかおなんd...」

 

「はいはい、応援しましょうねー」

 

扶桑姉様に窘められる。ほんのジョークじゃないか。

 

「あぁっ!」

 

遠目に名取が被弾しているのが見える。助けに行きたい、助けに行けないジレンマ。頑張ってくれ、名取!

 

「ゆきかじぇの攻撃!くらえーーー!」

 

雪風の放つ魚雷が戦艦仏棲姫に命中!轟音を立てて沈んでいった。

 

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母港に帰投するや否や、すぐに名取を皆が賞賛する。

昼戦で早々と中破した千歳は、鎮守府に映像を送っていたのだ。

千歳を称えるものはいなかったが、名取は鎮守府の皆に囲まれていた。

 

そっと千歳のそばによる長門。

 

「よくやった。」

 

「...はい。」

 

主役は、ひとりではない。

 

----------

 

さて、忘れていないだろうか、実はこれ、ラスダンじゃないです。

 

本当の戦いはここからであった。

 

先程の勢いのまま出撃するも失敗、失敗、倒せる気配もない。

最終形態となって現れた敵は先程よりさらに硬く、強化されていた。

 

泣きそうな名取。枯渇した資材。限界であった。

 

自然回復に頼るしかない資源では、一日に数度しか出撃できない。

 

何回やっても倒せない戦艦仏棲姫の替え歌ができるくらいであった。

出撃しても出撃しても倒せない無力感、イベント終了が近づいてくる焦燥感、せっかく頑張ったのにダイジェストにされた絶望感に打ちひしがれる。

 

 

だんだん提督の目が死んできた。私達も辛いが提督も辛いのだーーーなんてなるはずがなく、お前毎日遊んどるだろうがなんでお前の目が死ぬんだよふざけんな死ね!

...はっ、最近疲れているからだろうか、だんだん心まで荒んできた。いよいよまずいか。

 

ギスりまくっている鎮守府。執務室をウロウロしていると、後ろから肩を叩かれた。ちょうどイライラしていたところなので振り向きざまぶん殴る!

 

提督が吹き飛ぶ音がした。同時に鎮守府から拍手が巻き起こる。

 

ありがとう長門。よくやった長門。私達の戦いは終わらない!

 

 

とはならないのが残念なところである。しぶとく、提督は床を這ってやってきた。

鳴り響く拍手の中、長門だけに聞こえる声で提督が言う。

 

「後で俺の部屋に来い...」

 

あっ...これはあかんヤツや。長門は察した。

 

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恐る恐る部屋の扉を叩く。長門ですと言うと入れ、とだけ返ってきた。

 

扉を開ける。さて、覚悟を決めようと、目を見開くとそこには...

 

提督とプリンがあった。

 

「は...?」

 

唖然とする。

 

「長門。これがなにかわかるか?」

 

何を言っとるんだこいつは。

 

「プリンです。」

 

なんで真面目に答えてるんだ。

 

「そうだ。食いたいか。」

 

「食いたいです。」

 

なんて間抜けな会話だろうか。即答してしまう自分が恥ずかしい。

 

「ご存知の通り、なかなかやばいことになっている。早くここをクリアせねばならない。」

 

「ええ、そうですね」

 

「そして、ここにプリンがある。...あとはわかるな?」

 

こっ、このクソ提督...!食べ物で私を釣ろうというのか...?というか、別に手を抜いている訳では無いのだが。舐めるのもいい加減に...!

 

「お主も悪よのぅ...」

 

「いえいえ、お代官様ほどでは...!」

 

交渉成立。プリンはずるい。

 

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プリンのある長門は無敵であった。それは艦隊のメンバーが若干引くほどであった。

まずPT小鬼群を全滅させる。圧倒的命中率。ボス前もあっという間に片付けて、ボスに向かう。

 

「な、長門さん?一体どうしたのです?」

 

「む、なんだ。いつも通りだが?」

 

(絶対なんかあったのです…)

 

明らかにおかしい長門に全員ドン引きであるが、ボスの顔を見てすぐに目を濁らせる。

 

「シツコイヒト、キ・ラ・イ♡」

 

(好き好んでしつこくしてるわけじゃないんだよなぁ)

 

その目はあまりに憎悪を含んでいたため、戦艦仏棲姫もさすがに覚悟を決めたという。

残り彼女にできることはただ祈るのみであった。

 

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最後はあっけなかった。昼戦のうちに長門がすべての雑魚を蹴散らしてしまった。あとは夜戦高練度集団が簡単なお仕事をするだけだった。

 

帰投すると、鎮守府のみんなが迎えにきてくれた。執務室に行くと、ひとりぼっちの提督が泣いていた。とりあえずプリンを取っておいた。そしてみんなを間宮さんのところにつれていってやった。経費で。提督は泣いていた。

 

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「長門、よくやったな」

 

「いえいえ、当然のことをしたまでです。」

 

「この調子で、次回のイベントも頼んだぞ。」

 

「任せておけ。で、次のイベントとはいつなのだ?」

 

「あと20分です」

 

「このクソ提督!!!」




本当に申し訳ない...
ゆっくり書いてたらこんな時期になってしまいました
もう金輪際時事ネタは入れないようにします。だって遅筆だから。

もう読んでくださってた方もいなくなっているでしょう。しかし、私は書き続けます。頑張るので、どうか...どうか暖かい目で...!

めっちゃ寒くなってきました。秋イベの季節です。今までなんだかんだ攻略しきれてないので今回こそは完走して冬月ちゃんを迎え入れたいと思います。
(朝雲持ってないけど大丈夫だろうか...志摩艦隊誰一人としてレベリングしてないけど大丈夫であろうか...不安は尽きません。)

皆様も、体調には気をつけて、特に提督の方々は艦娘に風邪をうつさぬよう万全の注意を払ってください。受験生の親みたいな感じです。
次は...とりあえず雪風戦をとっとと仕上げて、阿賀野型とかそのへんの話を書こうかと思ってます。
いつになるかわかりませんがどうぞよろしくお願い致します。

追記
完全に前編をあげていたのを忘れて全編をあげてしまいました。申し訳ない。二十話は後書きを楽しむものとしてください。


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第二十一話 「阿賀野の最新鋭☆リーチ(前編)」

ハッピーメリークリスマス!

皆さんこんばんはAshleyと申します。クリスマス色を出した話にしようかなと考えましたがやめときました。艦娘には日常があるのです。

今回は阿賀野型のお話になります。


第二十一話 「阿賀野の最新鋭☆リーチ(前編)」

 

ひょんなことから提督から麻雀が持ち込まれ、爆発的に流行ってしまったこの鎮守府。

艦娘たちは毎朝執務室に集合、全自動卓50台以上完備という馬鹿みたいに広いその執務室で1日を過ごし、夕方には自室に戻っていく。

そんな麻雀ルームと化した執務室に艦娘たちがなぜ出勤するのかというと、提督の指示が通りやすいため…というのはほんの建前で、いろんな人と打てるからである。

戦艦、駆逐艦、正規空母、軽巡洋艦…どんな人とでも打つことができるのである。

 

では自室に帰った後は何をするのか…当然、麻雀である。しかし、さっきまでやっていたのとは違う、別物の麻雀。誰とでもはできない、気の置けない仲間としかできない、ハウスルール。

 

今回はそんなハウスルールのお話。

 

---------------------------------------------

 

「最新鋭☆リーチ!」

 

「うわっ、阿賀野姉いきなりぃ⁉︎」

 

ここは阿賀野型四姉妹の部屋。幸いにも四姉妹な彼女らは鎮守府の強豪たちとしのぎを削った後、こうして姉妹でワイワイ打つのを日課としている。

 

四女の酒匂は幸運の打ち手。ふとドラがのったり、役満がきたり。ただし、タイミングを逃してしまい、流局間際にやっとテンパイ、テンパイ開示して皆を驚かせる、程度が多く、なかなかアガれない現実がある。

 

三女の矢矧は美麗な打ち手。メンタンピン、一盃口、三色。王道を往く役を華麗にアガっていく。

 

次女の能代は軽快な打ち手。安手をサクサクとアガっていく。

 

そして長女…

 

「ツモ〜☆最リーツモ…裏2!最2!3000、6000よ〜☆」

 

「うわぁ…やっぱこれはこれで怖いなぁ…」

 

「何?阿賀野が怖いって?大丈夫☆能代はお姉ちゃんが守ってあげるから☆」

 

「もう、調子いいんだから…」

 

とんだお調子者である。高い手、早い手、美しい手、色々と手を出す。意外となんでもできるようで、意外と何もできない。

(ただし、まじめにやるとなんでもできる分案外強かったりする。)

 

さて、この「最新鋭☆リーチ」であるが、これがまさにハウスルールである。考案はもちろん阿賀野である。

 

最新鋭☆リーチは、1飜役で、面前限定、おおよそは普通のリーチと同じである。リーチ牌を曲げ、後はアガるまでツモ切りをする。

普通のリーチと違うところは、まず供託が5000点棒で行われることである。結局アガれなかった場合の損失がかなり大きく、危険になっている。一方でメリットとしては、上がれて、更に裏ドラが乗った場合、その裏ドラと同じ飜数加点する、というものがある。

早い話が裏ドラ二倍である。

阿賀野によってこの加点は「最新鋭☆ドラ」と名付けられた。

 

このリーチ、阿賀野は多用し、酒匂も度々見せるが、後の二人が行うことはほとんどない。

 

何より、危険なのだ。

確かに上がればのみ手であっても頭が乗るだけで満貫、暗刻で乗ったり他の役が絡んだりすれば普段はなかなかお目にかかれない倍満以上にも簡単に跳ね上がるという夢に溢れたリーチだ。

しかし一方で上がれなければ5000点という決して少なくない失点があり、また、リーチのデメリットも健在するので放銃率も高く、それと合わせると一気に点棒を吐き出してしまう可能性が高い。そもそも裏ドラが乗る保証もない。

深い霧の向こうに霞む存在しないかもしれない桃源郷を目指して茨の道を進むが如く、正直割りに合わないというのが次女と三女の意見だ。

 

が、今日の阿賀野はあっさり桃源郷にたどり着く。リーチのみの手があっという間に跳満ツモ。能代は親っかぶりである。安手を積み重ねていく能代にとっては特に、これは痛い。

 

今日は能代に波がない。安手の能代はとにかく速さ、つまりツモの良さが肝心である。が、今日は一段とツモが振るわない。しかも上家は矢矧。鳴かせまいと絞ってきている。

牌効率は何より意識しているのにあがれない。テンパイできない。リャンメンターツ2つのイーシャンテンから手が進まない。

挙げ句の果てには姉がオリジナルの謎役をあがっていく始末。だんだんとイライラが募ってくる。

 

「またまた☆最新鋭☆リーチ!」

 

「ぴゃあ!」

 

次も阿賀野が最新鋭☆リーチを仕掛ける。今度は親リーだ。酒匂がさらに最新鋭☆追っかけ☆リーチをかけた。酒匂は経験上裏ドラがよく乗る。非常に危ない。

 

二家リーチを受けて、矢矧は早々に降りる。タンピン系の矢矧にとって重要そうな中張牌の安全牌を惜しげも無く切る。矢矧の強さはこういうところにある。

 

一方で能代、配牌は良く4巡目に早々に一向聴になるが、そこから二家リーチまで6巡ほど自摸切り。受けがリャンメンターツx2の4枚であるにも関わらず、だ。

そこからの二家リーチ。頑張って追いつけば高得点も狙える。受けも悪くない。...が、またまた不要牌。内心舌打ちをしながら自摸切りする。

 

「きらりーん☆!ロン!最リー1発!...裏3!最3!倍満よ!」

 

「ぴゃあ...」

 

不運なことに放銃、しかも阿賀野の暗刻がもろ乗りしてしまう。親倍振込み。リー棒を合わせると阿賀野は29000と子の役満並の点数を得る。

先程の親っかぶりと合わせて30000点を吐き出した能代はあっさり飛んでしまった。

 

「よしっ☆阿賀野が1位ね!さあ能代?お姉ちゃんを敬いなさい?☆」

 

「...」

 

「どうしたの能代ちゃん?早くお姉ちゃんに...」

 

「もう!うるさいな!ちょっと運が良くて勝った位で調子に乗らないでよ!」

 

「えっ...」

 

「だいたい阿賀野姉の、なんなの!?その最新鋭って!自分で言ってて恥ずかしくないの!?めちゃくちゃなルール作るし!こっちは頑張って手作りしてるのに!」

 

「うぅ...」

 

「もういい!私抜けるから!」

 

「ちょっ、のしr...」

 

ばたん!能代は阿賀野型の部屋をあとにしてしまった。

 

残された半べその阿賀野、呆れ顔の矢矧、牌をどれだけ高く積めるかゲームをする酒匂はただ押し黙るしかなかった。

 

牌が崩れる音が、哀しく静かな部屋に響いた。

 




お粗末さまでした。

久々の更新になって申し訳ないです。忙しかった...なんとか年末休み中に阿賀野型回、それから雪風戦を終わらせたいですね(白目)

今更ですが秋イベについて。
調査の結果私は今年3月頃に着任したことがわかったのですが、(余談)三回目のイベントにして初めて丙難度ですがクリアすることが出来ました!おめでとう!ありがとう!
E3の3ゲージ目ラスダンでは伊勢さんが砲撃戦1巡目、最初の攻撃でいきなり空母お姉さんを落としてしまって口ポカーンなりました。まあ倒したからいいんですけどね。

山城さんもE4で頑張ってくれました。いいですね、あのボイス。ラスダンをクリアしたドロップ艦が時雨だったのもポイント高いです。

新規艦は1隻も惚れませんでした。瑞鶴がドロップしたくらいかな。これでやっと私も瑞鶴を持った瑞鶴提督になれました。でも名取への愛着が最近やばい。名取改二を熱望します。

このサイトに限らずSSは度々見ているのですが、阿賀野型、特に阿賀野能代はよくケンカしてるような印象があります。公式でも矢矧怒らせてますし。ですからその例に違わずケンカさせました。愛のあるケンカっていいですね。
ちなみにこれは完全に能代が悪いです。だらし姉の影響でなんか能代がまともキャラに見えますが、案外そうでもないってのが肝です。よく考えるとなにいってんのこいつってくらいが阿賀野の妹って感じがしていいです。ベクトル量としては別だけど、スカラー量としては同じ的な。

私的阿賀野型論を語っていたらあとがきがしゅんごい長くなりました。まああとがきでくっちゃべるのはいつものことだから仕方ないね。

本日もご来訪ありがとうございました。年末に向けて大掃除もいいですが、ホコリを吸い込んで風邪をひくなどといったことがないようご注意ください。

それでは次回。あでゅー


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