ハイスクールD×D 駒王の霊界探偵 (フルウエポン)
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学園のゴーストマスター
学園の良心


ゼロの使い魔の方がスランプなので最近良く読むハイスクールD×Dを書こうと思います。
ご都合主義が目立つかと思いますが、お許しください。



side幽馬

よお、俺の名は影原幽馬(かげはらゆうま)、駒王学園高等部二年生だ。

育ての親であるばあちゃんに霊能力者としての修業を受けた以外は普通の高校生だ。

ばあちゃん曰く「お前にはあたし以上の才能がある、お前なら名を残す立派な霊能力者になれるさ」とのこと。

実際、よく幽霊を視ているし、妖怪とかそういったものも関わったことがある。

何より、人間のふりした悪魔や堕天使とかも見分けられる自信がある。

此処駒王学園でも複数の悪魔がいるようだが、それは置いておこう。

 

「待ちなさい!変態共!」

 

またあの3人か、『元浜、松田、兵藤』という俺と同じ二年生の3人は女子の着替えを覗く悪い意味での有名人だ、やれやれ成敗させてもらう。

横を通り過ぎようとする3人に鉄扇を取りだし、

「秘技!六連燕返し!」

スパパパン!

足払いを掛けて浮き上がったところを

パァンパァンパァン

「フギャ!」「ヘブ!」「ブハ!」

地面に叩きつけた。

追いかけていた女子も周辺にいた生徒達も唖然としていたが。

「では女子の皆さん、後は煮るなり焼くなり」

「あ、有り難う影原君」

三人を放置し、追いかけていた女子に 後を任せる。

その場を去ると、女子は3人に制裁をしていた。

自業自得なので同情はしない。

 

教室へと入っていって行くと。

「おはよう、影原君」

「おはよう、木場」

クラスメイトの木場祐斗が挨拶をしてこちらに近づく。

俺と木場は学園では「学園のイケメン王子木場祐斗、学園の良心影原幽馬」と良い意味で有名人である。

因みに人間と悪魔の気が感じられるから、転生悪魔のようだ。

(本人には確認していないが)

「また派手にやったね 」

「覗きなんてする奴等が悪いだろ?」

「それはそうだね、ところであの鉄扇かな?あれをどこで習ったんだい?」

見てたらしいな

「婆ちゃんがさ、色んな武術を会得させたんだよ、色んな達人の所で」

「へぇ凄いね」

「婆ちゃん自身も達人だしな」

(聖光気無しで勝てた試しがないし)

俺を育てた婆ちゃんは本当に老婆か?って位強かったりする。

何気ない話を木場としているとひそひそ話があちこちで聞こえる。

「やっぱり木場×影原ね」

「いやいや、影原×木場よ!」

腐女子の会話が聞こえてくる。

やめてくれ。俺はノーマルだ。

元女子高だからなのか、腐女子が多いのだ。

「一度手合わせしてみたいな」

そんな周囲の会話等知らずに話している木場。

「機会があったらな」

チャイムが鳴り、ホームルームが始まった。

sideout

 

 




主人公、影原幽馬の名前ですが、幽助、桑原、蔵馬、飛影の四人から一文字ずつとってます。
あと、鉄扇ですが携帯のし易さと汎用性から持たせてます。
対人戦にはこれを使って無力化するようにしてます。
以降こういった武器が出てきます。


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幽馬と黒歌

今回はあのお姉さんの登場です。



「はぐれ悪魔の討伐?俺にか?」

携帯電話で話をしている幽馬。

相手は裏世界に関わっているらしい。

「この駒王町の管理悪魔グレモリーの仕事だろうに」

「ーーーー」

「もしもの為って、あんたも過保護だな」

「ーーーー」

「まぁ、好感は持てるがね、それで俺は影から見守れと、あんたの眷属一人送れば良いだろ?」

「ーーーー」

「わーたよ、俺とあんたの仲だ、引き受けるよ。だが、もし俺が出ることになったら話をつけてくれよ?あんたの名前出すから」

「ーーーー」

「じゃあ報酬は例の口座に入れといてくれ」

「ーーーー」

「んじゃあな」

ピッ

携帯電話で通話を終えて携帯をテーブルに置く。

「誰からにゃあ?」

縁側に面した廊下から黒髪の猫耳の女性が顔を出す。

「黒歌か、あの人だよ、俺にグレモリーのはぐれ悪魔討伐を見守って欲しいとよ」

黒歌と呼ばれた女性に幽馬は電話の内容を伝える。

「じゃあ、白音も?」

「グレモリーの眷属だったな、行くだろうな」

黒歌は幽馬の傍に座り、真っ直ぐ見詰める。

「…幽馬、あたしからもお願いにゃ、白音も守って欲しいにゃ」

「わかってるよ、黒歌の妹だしな」

「ありがとうにゃ、幽馬」

「案外、再会も近いかもな」

「早く会いたいにゃ」

 

side黒歌

アタシは黒歌、猫又にゃ。

数年前に悪魔に無理矢理眷属にされ、力をつけた頃に主を殺し、はぐれになったにゃ。

一緒に逃げていた妹の白音を突き放し、主殺しの罪を被って逃避行してたにゃ。

逃げられなくなったとき、アタシは幽馬と幽馬のお祖母さんに助けられたにゃ。

アタシを追ってきた上級悪魔をあっという間に倒してしまったにゃ。

いく宛の無いアタシを二人はお祖母さんのお家に匿ってくれたにゃ。

幽馬はあの冥界の魔王の一人と知り合いらしく、アタシのはぐれ認定を取り消してくれるように働きかけてくれたにゃ。

しかも幽馬は悪魔の駒(イーヴィルピース)をアタシの中から取り出してくれたにゃ。

これでアタシは悪魔ではなくなたにゃ。

幽馬には感謝してもしきれないにゃ。

自由になれたアタシはやむを得ず突き放してしまった妹に謝りたくて探そうとここを出ようと思ったにゃ。

そしたら幽馬の学校に以前話した白音と思われる子がいると伝えてくれたにゃ。

黒猫モードで幽馬と一緒に白音を見つけたにゃ。

間違いなかったにゃ、妹の白音だったにゃ。

あの子はグレモリーの次期当主に拾われていたにゃ。

直ぐに会いたい衝動に駆られたけど、アタシは怖かったにゃ、あの子がアタシを恨んでいて拒絶されるのが。

そしたら幽馬が「何時かあの子に向き合えるようになれるさ、それまで家にいろよ」

黒猫モードで良かったにゃ、周りの人にも幽馬にも(気付いていただろうけど)泣いてるところ見られなくて。

アタシは幽馬の腕の中で泣いたにゃ。

それからアタシは幽馬のお祖母さんに鍛えてもらったにゃ。

結構なスパルタだったけど。

お祖母さん何者にゃ、アタシ未だ敵わないんだけど。

でも今度こそ白音の手を離さないように護るために強くなるにゃ。

待っててね、白音。

黒歌sideout




次回はオカルト研究部との接触です。
イッセーが悪魔になる前のオリジナルです。

今回から幽馬が使った技や武器の解説をしていきます。
今回は前話でイッセー達に使った鉄扇をご紹介。

鉄扇

文字どおり鉄でできた扇。
畳んで打撃、拡げて防御、弧の部分で斬撃と幅広く使える。
携帯性にも優れているので、常に持ち歩いている。
自信の霊気で覆っているので防御で霊気のバリアや霊気剣としても使える。
投げても霊気の糸で手元に戻せる。

鉄扇術を教えた師匠は六百年生きたロリ吸血鬼だとか。
幽馬曰く「婆ちゃんに劣らないスパルタ」
ロリ吸血鬼は「日本に立ち寄った際に変なジジィに習った」とかはっきりしない。

師匠の元ネタは魔法先生ネギま!のエヴァンジェンリン・A・K・マクダウェルです。


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はぐれ悪魔討伐

今回は長くなりましたが内容は物足りないかも知れません。


sideリアス

 

私はリアス・グレモリー、純血悪魔でグレモリー公爵家の次期当主よ。

今日は大公からはぐれ悪魔”ガリル“の討伐を命じられ廃墟にやって来たわ。

大公曰く「少々危険な奴だから注意するように」という言葉をいただいた。

寧ろ望むところよ、まだ眷属の数は少ないけどグレモリー眷属の力を示してやるわ。

行くわよ!朱乃、祐斗、小猫。

「「「はい!部長!」」」

私は眷属を引き連れて廃墟を進んだ。

 

sideout

 

side幽馬

 

さて、グレモリー眷属ははぐれ悪魔ガリルの棲みかとされる廃墟に入ったな。

大きな気配がするからそいつがガリルだろう。

ちなみに俺の今の格好は駒王学園の制服にコートだ

コートは魔道具を作らせたら一流の妖怪に作って貰った特殊なコート。

某狼騎士達が愛用してる内側が亜空間に繋がっているのと同じ特殊能力を持ったコートだ。

これで物理法則を無視した武器なんかも携行出来る便利な物だ。因みにポケットも亜空間に繋がっている。

さて、聞けばガリルってのはやたらと悪食らしく、種族を問わず喰らう悪魔だとか。

人間、悪魔、天使に堕天使、妖怪等々喰らっているらしく、

厄介なことにガリルは喰った者の力を身に付けた悪魔だそうだ。

確かにグレモリー眷属には少々危険な奴かも知れないな。

もしもが無いようにあの人は俺に頼んだんだろうな。

考えている内にグレモリー眷属は廃墟の奥の大広間らしき所に出た。

奥には図体のでかい異形がいた。

その異形を例えるなら仏教の阿修羅という三つの顔と六本の腕をしている仏に似ていた。

「貴方がはぐれ悪魔ガリルね!グレモリーの名において討たせてもらうわ!」

意気込むのは良いが、はい、そうですかと討たれる訳ないだろう。

「餌がノコノコやって来おったわ、その紅い髪はグレモリーか、喰らってその魔力をものにしてやろう」

どうやらグレモリー先輩に狙いを定めたようだな。

グレモリー眷属のお手並み拝見だな。

 

sideout

 

noside

 

「喰らいたいなら、喰らわせてあげるわ、代金は貴方の命でね!祐斗!」

「はい!魔剣創造(ソード・バース)

リアスの指示を受け木場は神器で魔剣を創造し、二本の魔剣を手に斬りかかる。

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)にはそれぞれ特性があり、木場にはスピードを上げるの騎士(ナイト)の駒を与えられた。

スピードを上げ、ガリルの背後に回り、二本の魔剣を降り下ろし斬りかかる。

しかし、ガシィ

ガリルの六本の腕の二つに掴まれる。

「何!」

「見えておるぞ小僧。神器使いはまだ喰うた事は無いな、貴様も喰うてやろう」

余裕綽々なガリル、

「隙あり…」

木場に意識が向いた隙に今度は塔城小猫がガリルの懐に入り込む。

元は猫又の小猫は足音と気配を消す事になれている。(猫が妖怪化したのが猫又の為)

小猫の駒は戦車(ルーク)、防御と怪力が特性の駒だ。

殴るだけでもかなりのものだ。

体格に差があるので容易に入り込めた小猫はアッパーでガリルの腹を狙うが、

ガシィ!

今度もまたガリルの祐斗を掴んでいない四本の内の二本で小猫を掴まえる。

「そんな!」

「見えておると言っておろう」

「くっ!」

ガリルの拘束を抜けようと力を込める小猫。

戦車の怪力をフルに発揮するが、いっこうに抜け出せない。

「そんな、小猫の怪力をものともしないなんて!」

リアスが驚愕する。

「小猫ちゃん!」

小猫を救うべく、祐斗は掴まれた魔剣を放し、再び魔剣を手に小猫を拘束したガリルの腕に斬りかかる。

ザシュ!

今度はダメージを与えられたようだ。

「ぐぉ!」

切りつけられた為、拘束した小猫を放し、落としたが下にいた祐斗が受け止めた。

「すみません、祐斗先輩」

「良いんだ、それよりも離れた方が「ドガァ!」グァ!「キャァ!」」

小猫が謝るも、祐斗共々ガリルに思いっきり吹き飛ばされる。

戦車の小猫は兎も角、騎士の祐斗にはダメージが大きかった。

二人はリアスと朱乃の所まで吹き飛ばされた。

「「祐斗(君)!小猫(ちゃん)!」」

リアスと朱乃が二人に駆け寄る。

「私よりも祐斗先輩が」

「ぐっ!大丈夫…です」

ガリルの拳の直撃を受けたのは祐斗の為、小猫にダメージは無かった。

しかし

「祐斗、貴方腕が…」

どうやらさっきの一撃で祐斗の腕が折れてしまっていたようだ。

赤く腫れている。

これでは剣が振れない。

「こんなの、あぐっ!」

強がるもダメージは大きかった。

「貴方と小猫は下がってなさい、祐斗をお願いね小猫、行くわよ朱乃」

「はい、部長」「ええ」

長い髪をリボンでポニーテールに纏めた女王(クィーン)の姫島朱乃と(キング)のリアス・グレモリーがガリルに向かう。

「よくも、私の眷属を!やるわよ朱乃!」

かわいい下僕を傷つけられて頭にきているリアスは手に滅びの魔力を集中させる。

「ええ、後悔させてやりますわ」

朱乃も後輩を傷つけられて怒っているようだ。

得意技の雷を指先に集める。

朱乃の女王の駒は王を除く全ての駒の特性を持った駒で所謂オールラウンダーと言える。

朱乃は魔力向上の駒僧侶(ビショップ)の特性を使い、威力を上げている。

「ほう、中々の魔力だ」

二人の魔力を見てもガリルは余裕を崩さない。

「「喰らいなさい!」」

魔力と雷を同時に放つ。

二方向から襲い来る攻撃をガリルは…

「ふん!」

「「な!」」

受け止めた。

それぞれ左右の腕を向けて。

右側の三本で朱乃の雷を、左側の三本でリアスの魔力を。

受け止められて驚愕する二人を余所にガリルは左手のリアスの魔力を…

バクン

喰った。

「うそ!」

「部長の魔力を!?」

「食べた…」

離れた場所の祐斗と小猫も驚愕する。

「フム、かなり濃い魔力だ」

当のガリルは満足そうに呟く。

「こっちは返すぞ小娘」

右手の雷を放った本人に投げ返す。

かなりの魔力を練って放った雷だ、朱乃自身でも無事では済まない。

「「「朱乃!(さん!)(先輩!)」」」

騎士のスピードで逃れようとしたが運悪く瓦礫に阻まれてしまう。

迫り来る雷に逃げられないと悟った朱乃は。

(母様、悪魔になったからあの世で会えるか分かりませんが今そちらに…)

亡き母へ想いを馳せて眼を閉じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諦めるには早いんじゃない?」

眼を開けると長いコートを纏った男が朱乃を護るように雷を防いで立っていた。




次は幽馬とグレモリー眷属との邂逅です。

今回は幽馬が纏っていたコートをご紹介。

幽馬が知り合いの美しい魔闘家鈴木の作った死出の羽衣の機能を応用して作って貰った特殊なコート。
亜空間に繋がっているので色んな武器をしまっておける。
主にポケットに武器、裏側は野宿する場合などに備えてキャンプ道具や非常食、治療のための薬箱等を入れている。
元ネタはGAROの魔戒騎士達のコート。


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オカルト研究部との邂逅

意外と速く書けましたが、短いと思います。


side幽馬

 

観ていて分かったがおそらくガリルの駒は女王(クィーン)だ。

奴の体の構造で前後の攻撃に対応したのは三つある顔の視界が全方位360度ほぼ見える上に6対の腕があるとはいえ、木場のスピードに対応するなら同じ騎士の駒だろう。

しかし、次の白音、否塔城さんの怪力を封じるならやはり戦車の筈だ。

一人の転生悪魔が与えられる駒は一種のみで、その転生悪魔の潜在能力次第で女王を除いて複数個ある同じ種類の駒分必要らしい。

異なる種類の駒は同時に与えられないとのことだ。

複数の特性を使えるのは女王か兵士(ポーン)だ。

兵士の特性は昇格(プロモーション)という王が認めた敵地に入り込めた時に王以外の駒に昇格できるというもの。

しかし、これは王ありきの特性だ。

はぐれのガリルには出来ない。

となると女王の駒でしかない訳だ。

つまり、ガリルの強さは複数の駒の力を使える点にある。

攻略するなら腕六本封じた上で真下と真上を同時に狙う必要がある。

グレモリー眷属が15人揃っていたなら勝てただろう。

四人しかいないなら苦戦は免れない。

ガリルを観察しているうちに、グレモリー先輩と姫島先輩は同時に攻撃したものの、二人の攻撃を防いでしまった。

今度は僧侶で手に高い魔力を纏わせたな。

これは行くしかあるまい。眷属が命の危険に晒されたらという条件だったしな。

ガリルがグレモリー先輩の魔力を喰らい、姫島先輩の雷を先輩本人へと返した。

俺は瓦礫に阻まれて逃げられなくなった姫島先輩の前へと降り立った。

防御結界を張り、雷を防いだ。

 

「諦めるのは早いんじゃない?」

 

sideout

 

朱乃side

 

私は姫島朱乃、リアスグレモリーの女王ですわ。

自分の攻撃を前に諦めた私の前にコートを纏った男の子がいました。

その男の子はガリルに返された私の雷を事もなさげに防いでいました。

「はっ!」

気迫の声と共に私に向かった雷を消してしまったのです。

その光景に私だけでなくリアスや小猫ちゃんも唖然としていたのでしょう。

後ろにいた私に振り向いた男の子はとても綺麗な瞳をしていた。

「まさか、影原君!?」

祐斗君がその男の子を見て驚いた声を出しました。

よく見ると男の子は駒王学園の制服を着ていました。

「よぉ木場、大丈夫か?」

影原と呼ばれた彼は祐斗君に親しげに話してます。

クラスメイトかしら?

「どうして君が此処に?ここは危険だ!早く離れるんだ!」

「仕事なんでな、あそこのはぐれ悪魔を消しに来た」

彼は信じられないことを事もなさげに言った。

「カッカッカ、わしを消しに来たとな、見たところ悪魔でもない貴様にわしを消せるとでも?人間ごときに」

ガリルが彼、影原君の言葉を嘲笑う。

悪魔の私達でさえまともにダメージを与えられない相手に人間の彼が倒せるのだろうか?

「出来るから言ってんだよ、阿修羅擬き。

お前程度ならこの指1つで倒してやるよ」

またもや信じられないことを言う影原君。

右手人差し指と親指を立てて銃の形に握る影原君。

彼の言葉にガリルは

「ほざけ小僧ォォォ!!」

激昂し、襲い掛かる。

すると、影原君は右手をガリルに向けて銃で狙うかのように構えた。

キュィィィィィィン

するとどうでしょう、彼の指先に光が集まり、段々と大きな強い光の球になっていきました。

「喰らえ聖光弾(せいこうだん)

彼が射ち出した球はガリルに向かっていきました。

大きさはバランスボール位です。

「このような球など、返して…」

ガリルは先程の私とリアスの時のように両手で防ごうとしましたが…

「ギャァァァァァァ!!」

何と、球に触れた先からガリルの腕を呑み込むかのように、消えていくではありませんか。

あの光はいったい?

「馬鹿なァ!堕天使を喰って光への耐性を着けたのにぃ!こんなことがぁ!」

球はどんどんガリルを消していく。

「お前はもう死んでいる」

「人間ゴトキニィィィ!!!」

光はガリルを跡形もなく消し去りました。

その光景に何度目か分からない驚愕に私を含めたオカルト研究部は見舞われました。

「依頼遂行っと、さて」

彼は先程までしていた鋭い表情を崩し、優しい表情と柔らかい口調になりました。

「お話しますか、オカルト研究部の皆さん?」

彼は一体何者なのかしら?

sideout

 

 




次回は話し合いです。

今回は聖光弾です。

先輩霊界探偵の浦飯幽助の代名詞の霊丸を真似て編み出した技。
霊気ではなく聖光気を射ち出す以外は同じ。
弾を射つだけではない応用技も編み出している。


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幽馬とグレモリー眷属と魔王との会談

今回は会談です。
この作品の世界観、三大勢力戦争における出来事、魔王と幽馬の出会いなど長い内容となってます。
所謂説明回です。
一応矛盾は無いように書きましたが、ここは違うとかはスルーしてください。


side小猫

 

初めまして、塔城小猫です。グレモリー眷属の戦車をしてます。

はぐれ悪魔を退治しに来た私達ははぐれ悪魔ガリルに劣勢に追い込まれました。

ピンチになった姫島先輩を救ってはぐれ悪魔を消した謎の男の人、影原幽馬さんは何者でしょうか。

駒王学園の制服を着ていて、祐斗先輩と顔見知りらしいから二年生みたいです。

「お話しますか?オカルト研究部の皆さん」

どうやらこちらと話をする意思はあるようだ。

「ええ、私も貴方に聴きたいことがあるから」

代表で部長が応じる。

「その前に、木場の治療のため、ここを離れませんか?何処か落ち着いて話せる場所で」

唯一負傷した木場先輩を気遣って、移動することを提案した影原先輩、優しい方ですね。

「そうね、じゃあ学園のオカルト研究部の部室に行きましょう。

朱乃、人間も通れる魔方陣を」

「わかりましたわ」

人間なのにガリルを跡形もなく消した影原先輩も連れて私達はオカルト研究部へと帰還しました。

sideout

 

noside

 

オカルト研究部へと転移したグレモリー眷属と幽馬。

そこには

「帰って来たようだね、無事で何より」

「お帰りなさいませ、御嬢様、眷属の皆様」

既に四魔王の一人、サーゼクス・ルシファーと彼の女王兼メイドのグレイフィア・ルキフグスがいた。

「おにぃ、いえ、魔王様!?グレイフィア!?何故此処に?」

帰ってきたら兄であり、魔王が居たら驚くのは無理もないだろう。

慌てて膝をつくリアスと眷属達。

「会って話をするために来たからね、彼のことでね」

来訪の理由は幽馬に関することだと伝える。

 

木場の治療を朱乃と小猫が行い、ソファーに座るリアスと幽馬にグレイフィアがお茶を出して会談は始まった。

サーゼクスの隣にリアスが座り、正面に幽馬が座る。

「さて、先ずは幽馬君、妹と眷属を助けてくれて感謝するよ」

「遅くなったけど、朱乃を助けてくれてありがとう」

「ありがとうございます、影原君」

サーゼクスが幽馬に頭を下げてリアスも朱乃も幽馬に礼をしてなかったのを思い出し頭を下げる。

「いえいえ、俺はサーゼクスさんから依頼を受けただけだから」

「依頼?」

「そうだね、先ずは彼の自己紹介をしてもらおう」

「そういえばしてなかったな、木場は知ってるだろうが、改めて俺の名は影原幽馬、霊能力者で霊界探偵をしている駒王学園の二年生で木場のクラスメイトだ」

nosideout

 

side木場

僕は木場祐斗、グレモリー眷属の騎士だ。

よく知るクラスメイトの影原君の正体は霊界探偵だと言っていた。

聞いたことがある、死者を統轄する地は各神話にあるが、その中で一番規模が大きいのは仏教の閻魔大王が治める霊界という世界だと言われている。

確か、霊界は

「知っての通り、霊界と冥界は三大勢力戦争以前に人間界をかけて戦争を仕掛けた。

冥界が発端でね」

サーゼクス様が説明する。

当時の冥界の王が人間界を欲したため、既に大規模な霊界が対応した。

その結果は冥界が霊界に破れ、冥王は力と体を別に何処かに封印されて冥界の敗北に終わった。

これの後、数百年後に起きたのが三大勢力戦争だ。

「その霊界から霊能力が高い人間を選び、妖怪達が起こす騒動を解決する人間が霊界探偵って訳だ」

そうなら影原君が選ばれたということだ。

「霊界探偵って何人いるのかしら?」

部長が霊界探偵について質問した。

「俺で四代目です」

「意外と少ないわね、もっといるのかと思ったわ」

「発足したのは二、三十年以内だと聞いてます、初代は結婚を期に引退、二代目は突然離反後に病死したと聞きます。三代目は解任されるものの今でも霊界と交流はありますが、俺が選ばれたのは二、三年前ですね」

彼は13歳くらいにもう霊界探偵をしていることになる。

凄いな、と言うことはガリルを消したあの光は霊気ということになる。

「実はそうじゃないんだよ」

違うのか?

「二天龍の伝説は知ってるだろう?」

確か

「戦場に乱入した二天龍を封印するために三大勢力が一時的に協力したという?」

「それでも三大勢力は壊滅寸前に追い込まれた時に何処から現れたか分からない“聖なる光を纏った一人の人間”が二天龍を圧倒し、そのお陰で二天龍を神器に封印出来た、二天龍と聖光気伝説ですね」

天界側によると聖光気というごく希に人間が発現する聖なる力で、その人間が纏った光は聖光気と言われてる。

「聖光の覇者」「光の勇者」「聖光の救世主(シャイニングメシア)」等呼ばれている。

「彼はその聖光気を発現した人間なんだよ」

今日一番の驚愕だった。

sideout

 

sideサーゼクス

 

僕はサーゼクス・ルシファー、冥界の魔王の一人をしている。

「彼はその聖光気を発現した人間なんだよ」

僕の言葉に妹のリアスと眷属達は驚いたようだ。

「影原君が!?」

「そうならガリルを消したあの光は聖光気、納得しましたわ」

彼ならガリル程度どころか僕でも苦戦は免れない程の力だ。

リアス達に警戒の空気が流れてるな。

「安心したまえ、彼に我々をどうこうする気はないよ、僕が保証する」

「…何故ですか?お兄様?」

リアスが尋ねてくる。

「彼の人柄はよく知ってる。僕が彼と出会ったのは三年前だ」

彼と出会った話をしよう。

その時はミリキャスとグレイフィアとで家族旅行に人間界へと来ていた。

リアスの後にグレモリー家を継ぐことになる僕の息子のミリキャスだ、駒王町でリアスと同じ様に領主の経験をさせるつもりなので人間界を経験させるのが目的の家族旅行だ。

何度か人間界の日本へ来ていたが、来るたびに楽しそうに喜んでいるミリキャスに僕とグレイフィアは嬉しく思う。

訪れた町は大規模な祭りが行われていて日本の祭が初体験のミリキャスははしゃぎしっぱなしだった。

ミリキャスが見たことないだろう食べ物や射的や金魚すくい等色んな体験をして年相応の子供としての顔が見れて親として嬉しい限りだ。

そんなおり、ミリキャスがはぐれてしまった。

はしゃぎすぎて僕達より先に行きすぎて見失った。

僕の紅い髪をしているが、人が多くてので見えなくなってしまっていた。

グレイフィアと捜すも、こう人が多くて捜し難い。

飛べれば良いが、ここは人間界。

騒ぎになるのは避けたい。

10分くらいは探したが一向に見つからない。

冥界の他の眷属を呼んで捜して貰おうした、その時、

「ちょっといいか?紅い髪のお兄さん?」

中学生の少年が話しかけてきた。

彼の腕には○○町祭り運営委員会 迷子受付スタッフの腕章があった。

「何かな?」

「お兄さんと同じ紅い髪の子供捜してる?」

「ああ、見なかったかい?」

その少年は何故か知ってるようだった。

「あっちの迷子受付にいるよ、その子がお父さんが紅い髪をしてるっていってたから探しに来たんだ」

どうやらミリキャスを保護してくれたらしい。

安心した。

「お母さんが銀髪だっていってたから、迷子受付のスタッフがお母さんを見つけてその迷子受付にいってるかもよ」

「そうか、ありがとう」

「案内するよ、祭の会場は広いからな」

「助かるよ」

親切な人間はいるものだね。

「僕はサーゼクス・グレモリー、君の名前を教えてくれるかい?」

ルシファーと名乗らないのは人間界でも架空と思われてるとはいえ、有名な名前だからだ。

可笑しな人物と思われるのは避けたい。

グレモリーも悪魔に詳しい人間なら知る名前だが、ルシファーより劣る。

72柱全て知るのはあまりいないだろうと思っていたが

「俺は影原幽馬だ、上級悪魔のお兄さん?」

「!」

彼はこっちの正体を知っていた。

僕は彼を警戒するが

「安心しなよ、悪魔だからってどうしようと思ってないよ。

ミリキャス君は無事なのは本当だしね」

彼の眼に偽りはなかった。

取り敢えずは信用しよう。

それから色々と話をした。

ミリキャスを保護したのは彼で、連れ去られそうになったあの子を助けた事。

その時にミリキャスが悪魔だと気付いていた上で迷子受付に預けたということ。

彼は人間、人外問わず見分けられる力を持っていて、悪魔の気配を捜してたら僕を見つけた事や彼が聖光気を発現させた人間だというのには驚いた。

彼が霊界と繋がりを持っていたのもこのときに聞いた。

ただ、霊界と冥界の戦争は僕どころか父も生まれてないくらいの昔なのでこれといって思うことはない。

僕が魔王だとは思わなかったらしいが。

程なく迷子受付に着いた。

「ミリキャス君、お父さん連れてきたよ」

幽馬君がミリキャスを呼んでくれた。

「お父様!」

本当に無事だったので安心した。

すぐ後にグレイフィアもやって来て家族三人で幽馬君に感謝した。

ミリキャスは幽馬君になついたようだった。

 

別れ際、彼から

「人間界で何か困ったら力になるよ、隣町の駒王町に住んでるからさ」

偶然にもリアスがいる駒王町に住んでいるのだという。

何かあったら彼を頼ろうと思った。

それから後に霊界探偵になったと連絡を受けた。

人間界を自由に動ける彼には幾度となく世話になったので今では人間界で信頼のおける友人になった。

「という訳で、彼は信頼のおける人物さ」

彼との出会いを語った僕にリアスは

「そう、お兄様とグレイフィアが信頼するなら私がしないわけ無いわ」

リアス達の警戒心が解かれた。

「それで、依頼というのは?」

朱乃君が尋ねてくる。

「グレモリー眷属のはぐれ悪魔ガリル討伐を命の危険が及ぶまで見守り、危険と判断したら介入して討伐して欲しいという内容だ」

「それは何故ですか?」

今度は小猫君だ。

「はぐれ悪魔討伐は実戦の経験を与えるという側面もあるのは知ってるね?」

レーティングゲームも実戦を意識しているとも言えるが、命のやり取りは少ない。

他勢力と休停戦状態とはいえ、いつ均衡が崩れるとも限らない。

なおかつ領主は領地を守るために戦わねばならないし、その眷属が戦闘経験がなくては話にならない。

故にはぐれ悪魔討伐は少ない経験の機会だ。

「普段なら心配いらないだろうけど、相手がガリルとなると君達では分が悪いと判断したんだ。

実際に対峙して強さがわかったろう?」

「…はい」

苦い敗北の経験だ、リアスと眷属の顔が曇る。

「決して君達を信用してないわけではないが、君達より強い相手は出てくる、それも理解してるね?」

「…はい」

今回の敗北は彼女達には必要な経験だ、ここは兄として、魔王として言っておかねばならない。

「兄として心配するし、魔王として有能な若手の君達を失いたくないのも分かって貰いたい」

妹を心配するのは当たり前だし、魔王としても数の少なくなった純血悪魔を失うようなことは避けたい。

「負けるのは恥とは思わないし、まだ君達は若いから失敗はあるだろう」

僕だって魔王になるまでも失敗はした、負けたこともあった。

「それを糧にすることが大切だ。人間界の諺や教訓であるように失敗は成功の母というように、どうするかを考えるのが必要だよ」

「はい」

「これからも精進してくれるね?期待してるよ」

「はい!」×4

リアス達に曇りの表情はなかった。

これなら大丈夫だ。

sideout




この作品の聖光気のオリジナル設定と能力というか性能は
・相手の種族が分かる。
・転生悪魔の元の種族、他種族とのハーフかも分かる。
・原作では霊界の結界を素通りしていたが力を問わずどの結界も素通りできる。
等他にも高性能化してます。

次回は「魔王の新たな依頼」です。


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魔王の新たな依頼

またもや説明回。
どうも私は何かと説明したがる癖があるのか。
早く原作開始に行きたいです。


sideグレイフィア

 

初めまして、サーゼクス様の女王兼妻兼グレモリー家のメイド長のグレイフィア・ルキフグスと申します。

現在、人間界の駒王学園のオカルト研究部でサーゼクス様と幽馬様の会談がなされてます。

先程、サーゼクス様がお嬢様達を激励してました。

「ところで幽馬君、早速で悪いが君に頼みがある」

依頼を終えたばかりですが、サーゼクス様は幽馬様に頼みがあるそうです。

「何でしょう?予想はつきますが聞きましょう」

私も大方の内容は予想できますが。

「オカルト研究部に入部しては貰えないだろうか?」

予想通りですね。

「お兄様?それは?」

お嬢様が尋ねます。

「理由はいくつかある、一つはリアス達には今回の事と同じことが起きないように護衛だね。

勿論、はぐれ悪魔討伐は彼女達メインだが、彼女達の手に負えなかった場合のみという条件付きだけど。

次に君の実力はよく知ってるからね、戦いの指導をして貰いたい。

それにオカルト研究部にいてもらった方が何かと便利だからね、勿論霊界探偵の仕事を優先させて良いから」

幽馬様は霊界探偵をしていらっしゃいます。

妖怪相手が主ですが、聞くところによると妖怪はあまり悪さはしないとの事。

妖怪の世界の魔界は人間界に迷惑をかけない事を方針に、魔界大統領が就任時に最初に決めたらしく、其があってか妖怪は悪事を行うことなく我々冥界の悪魔同様に人間と外見に差がない妖怪は人間界に溶け込んでます。

自称妖怪アイドル“カルト”が一例です。

最近の仕事は寧ろ幽霊関係がメインとなっているらしいですね。

成仏出来ない地縛霊や浮遊霊、悪霊や怨霊等を霊界案内人に引き渡すのが最近の活動だとか。

因みに我々悪魔にはそう言った霊をどうにかする技術は失われており、魂を扱う研究をしている魔術師位しかいません。

「それに、君の元に訳ありではぐれになってしまった転生悪魔から悪魔の駒(イーヴィルピース)を抜き取る依頼もしやすい」

通常、悪魔の駒(イーヴィルピース)は一度転生させた場合、元の種族に戻すのは不可能となってます。

それは駒が魂にくっつき、転生者に悪魔の性質と駒の特性を与える仕組みです。

なので元の種族の本質を変えることはありません。

例えば姫島様や塔城様は元の種族の力は使っておりませんが、今でもその身に宿してます。

これは転生者が神器を宿してたり、その種族特有の力を失わせない様にするためです。

理論としては、悪魔の駒(イーヴィルピース)さえ抜き取れれば元の種族に戻れるということです。

「幽馬君、貴方悪魔の駒(イーヴィルピース)が抜き取れるの!?」

お嬢様が驚いた声をあげます。

「そうだよ、実際彼が元の種族に戻した元転生悪魔は多いからね。

ああ安心して良い、ちゃんと決まりがあるから強制的では無いよ」

その決まりは以下の該当項目があります。

 

一、主の眷属に対する扱いに問題有りとされる場合。(多くはこれになります)

 

二、逆に眷属に問題有りと判断された場合。(眷属が主に従わない等)

 

三、主もしくは眷属の意思と都合により、眷属を抜けること又は外す事を両者が合意した場合。

(元種族が絶滅寸前で戻らねばならないといけない、眷属の維持が難しい等)

 

四、はぐれでも主に非があり、その悪魔に同情の余地がある場合。(無理矢理眷属にされた等)

 

五、主が眷属の解散を言い渡された場合。(主が罪を犯した、眷属の維持が難しいと判断された等)

 

六、上級悪魔が眷属にしようとした相手、眷属にした相手に交渉等の同意を得ず、無理矢理力づくや脅迫等の非道な手段で転生させた事が発覚した場合。

補足、但し何らかの理由で命を落とした直後で人命救助の側面があった場合は、回復後に説明し、眷属悪魔として生きるか、元の種族に戻るかの選択肢を与える事

 

七、蘇生後に元の種族に戻るを選択した場合は神器持ち等であれば、神器をある程度使いこなせる様に指導する事。無くても自立できる年齢や生活水準に達成できるまで面倒を見ること。

 

八、新しい眷属を迎えるために元いた眷属の駒を抜く、又は駒を変えるため(既に戦車である眷属を騎士の眷属に変える、若しくは眷属同士の駒の交換等)は認められない。

発覚した場合は指示した主に眷属解散を言い渡す。

但し、眷属の独断と判明した場合はこの限りではない。

 

九、トレードにより、新しい主に問題が有れば元の種族か前主人の元に戻るかを選択出来る。

また、逆に元主人に問題が有るなら戻すことはしない。

問題児の眷属をトレードにより押し付けた主人は罰する。

その問題児の眷属はどういった理由であれ、強制的に元の種族に戻す。

 

十 眷属にしようとした、もしくは六の補足の理由でした相手に家族がいた場合、その家族に事情と理由を話し合って許可を得ること。

もし許可を得られたら眷属の家族の生活のサポートをすること。

補足、人外社会に関わりの無い家族でも説明を義務づける。

尚、催眠や記憶の改竄はしないこと。

発覚した場合は罰する。

 

この項目に一つでも該当すれば彼に元の種族に戻されます。

これは悪魔の駒(イーヴィルピース)の発明者、アジュカ様や他の魔王のセラフォール様、ファルビウム様も賛同されてます。

ゆくゆくはこの項目を眷属悪魔に関する保護法として確立し、はぐれ悪魔を減らすための法律にするためとのこと。

「贔屓目なしに君達は上手くやってると思ってるから心配はいらないよ」

「そういうこと、戻りたいかはよく考えて、主人と話し合ってからだな」

私から見てもお嬢様達は今のところ大丈夫だと思います。

これから入る眷属ももしかしたらというのもありますが。

「さて話が逸れたけど、受けてくれるかな?」

「…まぁ個人としてはOK ですが、一応上司に当たる霊界の長と話をして貰うかも知れませんよ?」

「長というと、閻魔大王かい?」

「いえ、その息子のコエンマ様です」

初耳ですね。

閻魔大王に子供が居たとは。

sideout

 




悪魔の駒の抜き取り方は何れ出します。

悪魔の駒に関しては原作の描写や朱乃と猫又姉妹の様子から推測してます。

眷属悪魔の保護法又は、眷属悪魔法にこれも加えた方が良いと思われる方は感想にて。
改定するかも知れません。

次回は「霊界と冥界、時を経たトップ会談」です。
幽白ファンの方はお待たせしました。
いよいよ幽白キャラクター第一号はあの方が出ます。


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霊界と冥界 時を経たトップ会談

今回は難産でした。
政治的な交渉って分からないから難しいですね。
そんな意味で政治家って凄いストレス溜まるんだなぁと思います。

原作の物語開始にはもう少しお待ちください。


side幽馬

そういえば、霊界って魔界以外だと余り内情知られてないんだっけ?

「霊界って閻魔大王が治めてるのよね?」

「世代交代ってやつかい?」

リアス先輩とサーゼクスさんが質問してきた。

「霊界のお家事情というか、そこには余り触れないでいただきたいかな?」

閻魔大王による妖怪の犯罪件数水増しとかは…ね。

流石に言って良いことでは無いだろう。

「そうかい、なら触れないでおこう」

何となく察してくれたのかサーゼクスさんは追求しなかった。

統治者としての苦労や綺麗事ばかりだけでは無いことを知っているからだろう。

「映像越しで構わないなら話してみますか?」

「良いのかい?」

「どうせ、此方の動きを見ているでしょうし 」

「なら頼むよ」

霊界の執務室にはモニターがあるからな。

今回の依頼を話したら機会が有れば会談を試みたいと言ってたしな。

「少し失礼しますね」

コートから通信用の霊界コンパクトを取り出し、繋げる。

『…おお、幽馬か待っておったぞ』

写し出されたのはどう見ても幼児にしか見えないおしゃぶりをくわえた霊界でのコエンマ様だ。

これでも700歳越えている。

初対面では閻魔大王の息子なんて想像もつかないだろう。

「知ってるでしょうけど、冥界の魔王の一人であるサーゼクス・ルシファーさんがコエンマ様と話がしたいと希望されましてね」

『うむ、ワシも冥界の王とは話をしたくてのう、良い機会だこちらこそ頼みたい』

「だそうです、コンパクトを投影モードにしますね。

後、外見はあれでもれっきとした霊界の統治者ですから失礼の無いように」

一応注意しておかないとな。

幽助さんなんかは初対面の時怒られたらしいからな。

あれじゃ仕方ないだろうけど。

「わかった、皆も失礼の無いように」

サーゼクスさんが注意する。

「はい」

突発的だが、これは霊界と冥界のトップ会談。

霊冥戦争から数百か数千年かもしれない時を経て行われる非公式会談だ、グレモリー眷属に緊張が走る。

ブォン

コンパクトから映像が投影される。

『初めまして、ワシが霊界の統治者、閻魔大王Jr.のコエンマじゃ』

おしゃぶりをくわえた幼児のコエンマ様に皆唖然としていた。

きっと厳つい顔とか強面想像してたんだろうな~。

「初めまして、冥界の四魔王の一人、サーゼクス・ルシファーと申します。

突然の会談に応じて頂き有り難うございます」

流石魔王なのか、サーゼクスさんはいち早く挨拶を返した。

「此方も冥界の魔王と機会が有れば会談をしてみようと思っていたところじゃ」

両トップの会談はこうして始まった。

sideout

 

 

sideリアス

 

正直意外だったわ、霊界のコエンマ様がこんな幼児だとは。

「一応、言っておきますが、あれでも700歳ですよ」

私より歳上なのね。

まぁ、冥界の悪魔も外見と実年齢が合ってないのもいるけど。

お兄様とコエンマ様の会談の横で私と幽馬君はそんな会話をしていた。

「そちらの幽馬君には今回は妹と眷属を助けていただいて感謝してます」

「いやいや、幽馬は人や人外問わず助けるのが本人の信条にしておるだけですじゃ」

「その様で、実際に私個人も助けて頂いたこともあります」

「その事も幽馬から聞いたことある、冥界の魔王と出会ったとな」

「幽馬君にはこれからも魔王サーゼクス・ルシファーではなく、サーゼクス・グレモリー個人として付き合っていきたいと思います、そこでコエンマ殿に頼みがあります」

コエンマ様と幽馬君を話題にしていた魔王様はさっき迄の和やかな表情から真剣な眼差しに変わった。

この会談の目的は幽馬君をオカルト研究部に入部して貰う許可を得る交渉。

真剣にもなる。

「…幽馬の事じゃな?」

「彼を妹、いえリアス・グレモリーが表向き人間界の拠点にしている駒王学園のオカルト研究部に入部する許可をしていただきたいのです」

「理由は、そちらが問題にしているはぐれ悪魔に関することじゃな?」

「お見通しですね。

その通りです、彼の力ではぐれ悪魔を着実に減らす事ができてます、彼には大変感謝してます」

「そちらの事情はある程度は聞いているが此方としても悪魔の駒の機能に少し弊害も出ておる」

弊害?霊界側に不都合が出るのかしら?

「転生、もしくは蘇生機能ですね?」

「うむ、悪魔の駒は対象が死んでいようがいまいが、悪魔へと種族を変えてしまう、それを利用して眷属にしようと狙っている者を殺させてから、蘇生させたことを恩に着せて眷属にしようとするものがいるのだが、ある種族や一族を皆殺しにしてしまうやつも多くてのう、そいつらのせいで未だ死ぬには早い者も霊界を含めた死者の世界に来ておるのだ」

なんとも酷い話ね、殺させてから眷属にしようとするものがいるなんて。

同じ悪魔として嫌悪するわ。

「それには此方としても問題にしております、そのせいで主の純血悪魔を殺してはぐれ悪魔になったものも多く、悪魔を増やすための悪魔の駒が純血悪魔を減らす要因にも成ってます。

それで純血悪魔を守るため、はぐれ悪魔を出さないために眷属悪魔に関する法律を他の魔王と進めているところです、そのためにも彼の協力が必要と判断し、オカルト研究部を彼との連絡窓口にしようと思い、何れ正式にそちらと同盟を結びたいと思ってこうして交渉させていただいてます。

どうか許可をしてください」

言い終えた魔王様はコエンマ様に頭を下げている。

私達も倣い頭を下げる。

「…頭を上げてくれぬかルシファー殿、貴殿の意志は分かった御主は善き王じゃな、民を思うその姿勢は好感が持てる」

「では、許可を頂けるのですね?」

「うむ、非公式だが、霊界は冥界との架け橋に幽馬をそちらのオカルト研究部とやらに所属させようと思う」

「有り難うございます。

コエンマ殿、貴殿の寛大な心に感謝します。」

コエンマ様の良い返事を聞いて魔王様は喜びを表す。

私達グレモリー眷属にも交渉が上手くいった喜びが出る。

それからコエンマ様と魔王様は少し細かい話し合いを終え、冥界と霊界は先の戦争から手を取り合える関係へとなった。

今度、彼の歓迎会を開かないとね。

 

sideout




というわけでコエンマ様登場です。
青年バージョンは駒王会談迄お待ちください。

因みに先の話ですが、コエンマ様は閻魔大王や三大勢力のトップさえ知らないある事実を握っています。
明らかにされるのは駒王会談で。

次回は「グレモリー眷属を指導する」です。


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グレモリー眷属を指導する 小猫・祐斗編

長くなりそうなので二つに分けました。
最初は小猫と祐斗です。


noside

 

コエンマとサーゼクスの非公式会談の二日後。

「はっ!やっ!えい!」

ビュッビュッビュッ

スッスッス

小猫の拳の弾幕を軽く指先のみで受ける幽馬。

現在、幽馬とオカルト研究部、略してオカ研は幽馬指導のもと鍛練している。

「凄いわね、小猫の拳を全て見切っただけでなく、指先のみで受けるとは」

「霊界探偵を名乗るのも納得ですわ」

「小猫ちゃんが手玉にとられてる」

その様子をリアス、朱乃、祐斗は眺めている。

小猫の拳を受け流し続けた幽馬は

ヒュン

ドゴ!

「キャァ!」

小猫の死角から右足の蹴りを当てる。

戦車ならダメージにならない程度に手加減ならぬ足加減して。

「接近戦で蹴りが来ないとは限らないぞ、寧ろ足元にも意識を向けろ」

「はい!」

小猫と幽馬の組み手は続いた。

時に

ヒュン

「きゃ!」

投げ飛ばされ。

「接近戦はお互い手の届く範囲だ、捕まれて投げ飛ばされる事も有り得るぞ」

「はい!」

ガシッ

グイ

ドサッ

またも掴まれ、今度は組伏せられる。

組伏せられてるが、戦車の怪力で抜け出そうとするも。

「抜けられません」

怪力をもってすれば、小柄な小猫でも幽馬位の男性を投げられる筈だが、それが出来ない。

「力のいれかたと体勢の問題だ、今俺がしてる体勢は力を入り難くしているものだ」

今の小猫は両手を後ろに回されて首もと近くで固定されて地面にうつ伏せにされた状態だ。

「これで俺がナイフなんかを持っていたら殺されてるぞ」

「はい」

小猫の返事を聞いて幽馬は小猫から離れる。

組伏せられた小猫は幽馬の手を借り、起き上がる。

「組み手をして分かったが、君はボクシングスタイルでやりあおうとしているようだが、さっき俺がしたように蹴りゃ投げたりされることもあるからな、接近戦は咄嗟の判断が必要だからあらゆる事に対処する判断力も磨いていこう」

「はい」

「後は君には課題を与えよう」

「課題ですか?」

「そうだ、もっと戦車の特性の怪力を効率よく駆使する為にね、両足を出してくれるかな?」

幽馬の指示通りに脚を出す。

因みに今の格好は駒王学園のハーフパンツの体操着だ。

幽馬やオカルト研究部の面々も指定の体操着だ。

幽馬が小猫の足首の踝付近に指で触れる。

ポウ

すると足首に光が巻き付く。

その直後、

「きゃ!」

小猫の脚は磁石同士のようにお互いを引き寄せ合い、閉じられる。

小猫はバランスを崩すが幽馬に支えられる。

「これは一体?」

「これは呪霊錠、ある条件を満たさないと自由に動かせなくなる術だ。

君には腕だけでなく、脚にも戦車の怪力を回せるようにして貰う、さっそくやってごらん」

これはかつて浦飯幽助も幻海から修行の一つとして行われている。

それを幽馬は条件を変えて小猫に施した。

「ふ~~~ん。駄目です」

「力で開こうとするのではなく、特性を脚に流すようにしてごらん」

「はい」

幽馬の指示通りに脚に特性を集中させる小猫。

徐々に立てるくらいまで開いた。

「よし、それを維持するように、鍛練の間は呪霊錠をして終わったら外そう」

「わかりました」

小猫はそのまま戦車の特性を脚に集中させる訓練を続けた。

「さて、次は佑斗だ」

「お手柔らかに頼むよ」

次の指導する相手の祐斗を呼ぶ。

会談後から幽馬は本人の希望で木場を祐斗と呼んでいる。

因みに祐斗の怪我は治っている。

流石は悪魔ということだろう。

幽馬は愛用の鉄扇を2つ取り出す。

「以前言ってた手合わせがこんなかたちになるとはね」

「そういえばそうだったな、だが今回はお前の技量を見るためだ、そこを忘れんなよ」

「わかってる、それじゃ行くよ!」

魔剣を手に幽馬へと騎士のスピードで斬りかかる。

その速度は速く、一気に間合いを詰めて魔剣を降り下ろす、が、

キィン

バシィ!

「っ、ぐ!」

カシャン

拡げた鉄扇に阻まれ、もう一方の畳んだ鉄扇で魔剣を掴む手を叩かれる。

はたかれて佑斗は魔剣を落としてしまう。

その隙に幽馬は畳んだ鉄扇を佑斗の首もとに当てる。

「はい、一本」

「くっ」

あっという間に勝負ありとなってしまう。

「もう一度だ」

それから幽馬と祐斗は三十分ほど手合わせを行うも一方的に幽馬は祐斗を叩きのめす。

バシィ!

「あう!」

頭だったり、

ボゴ!

「ぐは!」

腹だったり、

ペシ!

「痛!」

脚だったりと身体中を鉄扇ではたかれている。

全く佑斗は幽馬に一本も取れてない。

しかも

「幽馬先輩、一歩もその場から動いてません」

小猫が言うように動かずして祐斗を痛め付けている。

「如何に速さで勝ろうとも、動かない相手には一瞬だけ攻撃に殺気が篭り、方向を特定され、足が止まる隙が出来るんだよ。

お前が動かない俺に隙を与えないようにするには脚を止めずにヒット&アウェイを繰り返すか、手数を増やすかだ」

無論、これは気配を察知出来る上で判断力を研きあげた賜物である。

「な、なるほど」

祐斗も関心するしかない。

「お前にも課題な、両手を出せ」

「僕にも呪霊錠かい」

「お前には小猫ちゃんとは逆に手を動かす修練をして貰う。目標は素振りが残像すら見えないほどに速く動かせるようにな」

「は、ハードだね」

「強くなりてぇんだろ?」

「っ、あぁ勿論だよ」

幽馬は差し出された祐斗の手首に触れると小猫と同じ光が現れた。

「うわ!」

手錠を嵌められたように両手首同士がくっつく。

「これが呪霊錠」

「そうそう、一応外す呪文を教えておく、鍛練が終わったら外していいぞ、呪文は(アンテ)だ」

「「わかった(わかりました)」」

祐斗と小猫の前衛組は特性の訓練に挑む。

「さて、次は姫島先輩と部長ですね」

次に指導する朱乃とリアスの後衛組に幽馬は向きなおる。




今回は呪霊錠を紹介です。

暗黒武術会中の幻海師範の修行で幽助の霊力アップのために付けた強化ギプスの様な術。
フルパワーでないと縛られたように動けなくなる。
今作では何かしらの力を流さないと開かない仕組みに改良されている。

次回は「グレモリー眷属を指導する 朱乃・リアス編です」


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グレモリー眷属を指導する 朱乃・リアス編

お待たせ致しました。
指導、朱乃・リアス編です。



noside

 

「さて、次は姫島先輩と部長ですね」

次に指導する二人に向きなおる。

「よろしくね」

「お手柔らかに頼みますわ」

朱乃はいつもの笑顔だが目は真剣だ。

「まず、御二人に質問ですが、御二人は魔力を放つ際にどれ程の威力を意識してます?」

幽馬は二人に攻撃する時に放つ威力を尋ねる。

「それはもちろん、最大ね」

「私もそうですわね」

「なるほど、分かりました、御二人にはコントロールと威力調整を指導します。

課題は魔力増加です」

幽馬は答えを聞いて指導内容を決めたようだ。

「コントロール?」

「何故でしょう?」

二人にはピンとこないようだ。

「説明します、この間のガリルとの戦闘を思い出してください、御二人は魔力を最大で撃ったと思いますが防がれて、姫島先輩は打ち返されましたね?」

「ええ」

「そのあと、もし同じ威力で相殺しろと言われて相殺できましたか?」

「殆ど攻撃に注ぎ込みましたからやれと言われても出来ませんわ」

「そうでしょうね、では部長の魔力はガリルに喰われたわけですが、奴が食い続けたとして、破裂するまで打ち続けられますか?」

「無理ね、一発が限度だったわ」

二人とも出来ないと答える。

「そこです、一撃必殺というのは確かに仕留めるには必要ですが、当てる方が難しいです。

威力も大きさも判断しやすいから奴は防げたんです

ガリルを仕留めるには弱らせてからが当てやすいんです」

「でも、貴方の攻撃はガリルに当たったわ」

リアスが幽馬の聖光弾は同じ様に高い威力があって見切りやすいくらい大きかったのに当たったことを指摘する。

「それは奴が俺の聖光弾を魔力弾と見誤ったからですね、奴も貴女方二人の後でしたから、俺のもそうだと判断ミスをしたのと、ガリルの障壁をものともしなかったからです。

実を言えばあれほど大きくなくても仕留められますけどね。

それに、俺の聖光弾は誘導弾でもあるんです

奴が回避したとしても追尾出来ます

こんな風に」

幽馬はリアスの指摘に答え、聖光弾が誘導弾でもあると答え、実演する。

掌を上に向け、ベースボール位の大きさの聖光弾を作り出す。

手から二、三センチ程で空中停止している。

「そして、今からあそこの岩を撃ち抜きます」

「あそこの岩って、樹々の間の岩?」

「いくつかの木が塞いでますわ」

二人が言うように木の向こうに大きな岩がある。

「そうです、木に当たらずに岩のみを撃ち抜きます

見ててください、それ!」

幽馬は木を避けて当てると宣言し、聖光弾を投げる。

聖光弾は木を左右に動いて避けている。

まるで意思をもって岩を目指しているように。

ドォン!

弾は岩に命中、天辺(てっぺん)を削る位に砕いた。

「凄い…」

「まるで意思があるようでしたわ」

リアスと朱乃が感心する。

「更に言えば、形状変化も出来ると戦闘の幅が拡がります。

例えば、BB弾サイズや針状と言った物など小さければ魔力の消費を少なく、命中率も高いし、温存も出来るので長期戦や数で上回る団体戦や乱戦では重宝します。

更に小さくても密度が厚ければ威力が大きく、当てやすくなりますね」

「成る程ね、今まで威力が全てだと思っていたから目か鱗とはこう言うことね」

「本当ですわ」

「ですが、小さい弾の弱点は広い面の防御で簡単に防げる点もあります。

ドームや球状の全方位だと無理です。

それでも一点集中で貫くというのもありますが

技量によりますので、高威力も時には必要ですが」

「状況によりけりということですね」

「その通りです、先ずは御二人には小さい魔力放出を自在に出来るようになってもらいます。

そのあと、小猫ちゃんや佑人同様に呪霊錠を施します

、それと御二人は訓練終了後も解錠せずに長いことつけていてください、長くつければそれだけ魔力を上げれます」

「わか(ったわ)(りましたわ)」

幽馬の指導に了承して二人は魔力を練る訓練をしていく。

 




今回の解説は光弾について、光弾自体は霊光裂蹴拳と同じものですが、誘導弾はドラゴンボールZや改におけるヤムチャの操気弾をもとにしてます。
霊光裂蹴拳も目標に向かうようになってる技ですが、障害物を避ける描写が無いので、このようにしています。
そのうち気円斬擬きなんかも出る予定です。

次はいよいよ原作へと進む予定です。
あのキャラクターも出す予定です。


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旧校舎のディアボロス
悪魔と堕天使と霊界探偵


いよいよ原作入りです。
一誠と天野夕麻ことレイナーレの描写は原作通りなので省きますが幽馬の行動と会わせると、以下のようになります。

一日目
幽馬魔界へ向かった直後、レイナーレが一誠に接触

二日目
一誠、待ち合わせの途中でリアスの魔方陣チラシを受けとる。
デート後にレイナーレに殺される。
リアスが召喚され、一誠を転生させる。

三日目
一誠目覚めてから体質の変化に戸惑い、町を歩いてるとドナーシークに遭遇、逃亡。
幽馬魔界から人間界へ到着、逃亡中の一誠を見掛け、追跡。

という流れになってます。

今回はあの妖怪が登場です。



side幽馬

 

オッス、幽馬だ。

突然だが、俺は魔界に来ている。

理由はある妖怪に会いに来てた為だ。

その妖怪は美しい魔闘家鈴木さんだ。

三日前に来てある道具を作ってもらったからだ。

「取り敢えずは十個だ」

「有り難うございます」

その道具も完成した。

「リクエスト通りですね、流石は魔道具の天才、美しい魔闘家鈴木さん」

「趣味みたいなものだからな、何か作って欲しかったら何時でも構わんぞ」

「頼りにしてます、それでは」

「ああ、また来い」

依頼した道具を受け取り、俺は鈴木さんの工房を後にした。

 

魔界から人間界へと戻り、駒王町へと戻った俺だが、目の前を見覚えある人物が通りすぎた。

「兵藤…?」

以前覗きで叩きのめした三馬鹿の一人が何かに追われるかのように走り去った。

それよりも俺は気になる事が兵藤から感じられた。

「あいつ、悪魔に転生している?」

そう、人間だった兵藤一誠が俺のいない間に悪魔に転生している、否、正しくは()()()()()()()のか。

更に兵藤が走り去った後にまた別の種族の気が感じられた。

今度は堕天使だ。紳士風の男と思われる。

俺の留守中にこの町に入り込んだだろう。

堕天使は兵藤が逃げた方向に向かった。

兵藤はこの堕天使から逃げていたのか。

取り敢えずは、兵藤と堕天使を追いかけよう。

悪魔に転生したとはいえ、町の住民だ、あいつの主を調べるために部長に引き合わせる必要もあるしな。

俺は兵藤と堕天使を追いかけた。

 

兵藤と堕天使に追い付いた先は公園だった。

堕天使を前に怯えた表情の兵藤と光の槍を手にした堕天使が見えた。

兵藤を殺すつもりらしい。

光は悪魔に転生した兵藤には俺の聖光気程じゃないが有害だ。

(悪魔にとって天使や堕天使の光が只の炎なら俺の聖光気は骨も残さず消すということでは太陽の炎並みのの危険度だ)

俺は鉄扇を取り出し、堕天使と兵藤の間に割り込み、奴の槍を叩き折る。

バキィ!

俺は兵藤を背に堕天使に立ち塞がる。

 

「そこまでにしてもらおうか、堕天使野郎」

 

sideout

 

side兵藤一誠

 

俺は兵藤一誠、只の高校生だったんだけど、三日前に出来た彼女、天野夕麻ちゃんにデート帰りに公園で突然殺されたと思ったら生きてたんだけど、次の日から何か体調というか体質が変わったみたいなんだ、そしたら訳のわからないことを言ってる男に遭遇、俺を殺した天野夕麻ちゃんに似たような奴に恐怖した俺はがむしゃらに逃げた先は俺が天野夕麻ちゃんに殺された公園だった。

俺を追いかけた堕天使ははぐれだの主だの訳のわからないことを言ってる。

そしたら手に槍を出した。

あれは夕麻ちゃんが俺を殺した槍と同じ…。

奴は俺にその槍を投げてきた。

ああ、一度殺された公園でまた殺されるのか、覗きばっかしてた罰なのかなぁと今までの行いを振り返るが、

バキィ!

その光の槍を叩き折ったのは三日間、学校に居なかった学校の有名人、影原幽馬だった。

 

「そこまでにしてもらおうか、堕天使野郎」

 

sideout

 

noside

「何者かね?君は?」

先程の狂った笑みを消して堕天使は幽馬を睨む。

「霊界探偵と言えば分かるだろ」

「なるほど霊界の犬か、悪魔のいる地に霊界の犬が居るとはな」

「お前に言われたくないな、下品な烏野郎」

互いに毒のある言葉で応酬しあう幽馬と堕天使。

「その霊界探偵が何故悪魔を庇うのかね?そいつは悪魔ではぐれだろう?」

「はぐれだ?違うな、こいつは三日前は只の人間だった、たった三日ではぐれというのは考えにくいな、それにもしそうならここの管理者に会わせて主を確める必要がある、ここの管理者とは親しいんでな、それに」

幽馬が視線を向けた方向には魔方陣が浮かび上がった。

「管理者のご登場だ」

堕天使と幽馬の後ろの兵藤一誠が視線を向けると魔方陣から紅い髪のリアス・グレモリーが現れる。

「あら?幽馬君帰って来てたのね?」

「はい、先程戻りました」

「お帰りなさい、それでこの状況は?」

幽馬とリアスが親しいのを証明するかのように会話をして、リアスは幽馬に確認を取る。

「見ての通り、堕天使がうちの生徒を襲っていたので介入した次第です」

「大体わかったわ、ご機嫌よう堕天使さん?それで私の管理する地で何をしようとしてるのかしら?」

リアスは堕天使を睨み付け、尋ねた。

「これはこれは、グレモリー家の姫君ではないか、なにはぐれと思わしき悪魔を始末しようとしただけですがね」

悪びれることなく堕天使は言った。

その言葉にリアスは幽馬の後ろの状況と会話に付いていけてない兵藤一誠に視線を向ける。

堕天使に向けるのと違い、優しい視線だ。

「生憎だけど、ここの管理者は私よ、勝手な真似はしないで欲しいわね。

それにこの子は私の眷属にした子なの、勝手に殺さないで下さる?」

(兵藤を転生したのは部長か、後で話してくれるだろ)

リアスの言葉に幽馬は兵藤一誠を転生させた主がリアスだと言うので後で事情を話してくれると思った。

「これは失礼を、だが眷属は放し飼いにしないことだ」

「ご忠告どうも、それで?何しにこの町に来たのかしら?」

「観光のついでに悪魔のいる地に来ただけだが」

「私が管理するとわかっている地にくるとは物好きね、それじゃ管理者としてこの町で何かしようものなら排除させてもらうわよ?」

本心では胡散臭く思っていても口にも表情にも出さずにリアスは告げる。

「胆に命じようでは失礼」

そう言って堕天使は公園を後にした。




今回はやっと原作主人公の兵藤一誠が10話目にして台詞を喋りました。

今回登場した美しい魔闘家鈴木の作ったアイテムは後の話で出てきます。
完全オリジナルアイテムです。

次回は「オカルト研究部の話し合い」です


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オカルト研究部での話し合い

前話の予告詐欺になりました。(前話の予告は修正しました)

イッセーへの説明回にしたかったのですが、長くなりましたので今回はオカルト研究部メンバーの話し合いになります。


noside

 

堕天使が去った公園には幽馬、一誠、リアスが残った。

幽馬は後ろの一誠に振り向き、リアスに視線を向けた。

リアスも幽馬が何を聞いてくるか分かってるのだろう。

一方の一誠は状況が呑み込めていない。

「部長、取り敢えず兵藤を転生させた経緯を説明してください。

俺のいない間に何が起きたか」

「そうね、場合によっては貴方の力を借りないといけないから」

リアスは一誠に視線を移す。

「兵藤一誠君だったわね、明日の放課後に迎えを寄越すわ、オカルト研究部に来てもらえるかしら?幽馬君もそれでいいわね?」

「そうですね、兵藤には明日話した方が良いでしょうし、兵藤も知りたいことは明日教えてやるから今日はもう帰りな」

「あ…ああ、わかった。あの影原」

「ん?」

「助けてくれて…ありがとう…」

「気にすんな、明日な」

「それじゃ待ってるわ」

「はい、グレモリー先輩もありがとうございました」

明日説明することを約束し、幽馬とリアスに見送られて兵藤一誠は帰って行った。

 

side幽馬

兵藤を見送った俺と部長は夜の活動前のオカルト研究部へと向かった。

「只今、戻りました」

部長を待っていて、既に集まっていた副部長の朱乃さんや部員の祐斗と小猫ちゃんへ戻ってきたことを伝える。

「お帰り(なさい)幽馬(先輩)君」

出迎えの言葉で迎え入れてくれた。

「皆集まってるわね、活動前に話しておく事があるわ、聞いてちょうだい」

そう言って部長は今日を含めた三日間にあったことを話す。

部長の話ではこうだ。

昨日、悪魔の活動の1つである召喚陣チラシを人に化けさせた使い魔に配らせたら兵藤が受け取ったこと。

そのあと、召喚に応じたら血塗れの兵藤が部長を召喚したらしく、生きたいという願いを聞き入れ、尚且つ兵藤に神器(セイグリットギア)が宿っている事が判明したので兵士(ポーン)8個全部を使い、悪魔に転生させたとのこと。

「彼には明日、放課後に此処に招いて説明するわ。

祐斗に兵藤君を迎えに行ってもらえるかしら」

「わかりました」

「それで、幽馬君に確認したいのだけど?」

「なんでしょう?」

「眷属になるかの最終的な判断は兵藤君に任せるとして、勧誘はしていいのよね?」

「そうですね、重要なのは眷属の候補者に選択肢を与える事なのでメリット、デメリットを提示した上で選択肢を与え、それを尊重するのが眷属法の方針です」

これは眷属保護法の六、命を落とした直後の人命救助の側面があった場合に該当する。

その後の選択肢を与える事も義務付けられてるので、眷属になるか人間に戻るかを選択させる必要もある。

「分かったわ」

「俺からも確認したいことがあります」

今度は俺から部長に質問をする。

「何かしら?」

「兵藤に神器(セイグリットギア)が宿っていると言いましたが、それが何か分かりますか?さっき兵藤から人間と悪魔の駒(イーヴィルピース)以外にもドラゴンの気配が感じ取れました」

数日前にあいつをしばいたときは感じられなかったが、今回は感じられた。

「何の因果かしらね、ドラゴンが封じられた神器は三つ 。

邪龍ヴリトラが封じられた黒い龍脈(アブソリュートライン)、神を滅ぼすと言われる神滅具(ロンギヌス)の二つ、赤龍帝ドライグの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)と白龍皇アルビオンの白龍皇の光翼(ディバィデッド・ディバィディング)のいずれかよ」

部長の告げた内容に幽馬以外の部員達は息をのむ。

二天龍を圧倒した聖光気を発現させた幽馬、その二天龍の神器を宿す生徒が同じ学校に在籍しているという事実。

運命か宿命かを感じずにはいられなかった。

当の本人はというと。

「二天龍か、ならなおさら部長の眷属になって貰いたいですね」

「それは何故ですか?」

幽馬なら人間に戻そうすると思った小猫は問う。

「神滅具はかなりレアな神器でしょう?兵藤がそうと知られれば眷属にしようとする悪魔が多いだろうから少なくとも、先に部長の眷属になったら他の悪魔は眷属に出来ないだろうし、言い方はアレですが、グレモリーの後ろ楯が得られる」

「確かにね」

「彼奴の家族にしても手は出せなくなるでしょうしね」

眷属法には眷属にしようとする相手に家族にも説明とサポートも入っている。

グレモリーの後ろ楯が在れば家族の安全策となる。

(少なくとも悪魔相手なら)

「どっちにしろ俺は鍛えるだけだがな。

兵藤がどれを選ぼうとも」

眷属法には眷属するか否かに関わらず、神器をある程度使いこなせるように面倒を見ることも含まれる。

それには理由がある。

神器を宿した人間は他勢力に狙われるため、それに対抗出来るよう本人に自衛の手段を与えるのと、此方に敵意を向けさせない事も含まれる。

余程の外道や非道徳的な奴でない限りは親切にしてくれた相手に敵意は持たないものだ(裏で何かしらの損得勘定があるかも知れないが)。

考えようによっては人の心に突け込んでいるとも言えるのだが、強力な神器を敵に回すよりもましな状態ではある。

勿論、教える代わりに眷属になれと交渉か脅しになるかはその悪魔次第だろう。

幽馬は兵藤一誠がどちらを選ぼうとも強くするつもりだ。

全ては明日、兵藤一誠の人生の分岐点になるのは間違いない。

 

sideout

 

 

 




今回は元ネタ解説はありません。

眷属法にはこういった別の意図もあったりします。

それでは皆様、良いお年をお越しください。


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オカルト研究部の正体

おひさしぶりです。
やっと書けました。
今回やっとオカルト研究部とイッセーを会わせられました。前回から半年もかかって最後の方は急いでしまったと思います。
それでも読んでくださる方々に感謝です。
1500文字を超えましたが、もう少し簡略化できるようにしていきたいと思っております。


noside

 

翌日の放課後。

 

「それじゃ、兵藤君を連れてくるよ」

「おう、後でな」

指示通り一誠を迎えに行く佑斗と教室で別れ、一足先にオカルト研究部へと向かう幽馬。

その途中で同じく部室に向かう小猫に遭遇。

「小猫ちゃん」

声を掛けると嬉しそうに笑顔を向ける。

普段無表情な小猫だが、最近はわずかばかり表情に柔らかさが出てきた。

「幽馬先輩」

「これから?」

「はい、一緒に行きませんか?幽馬先輩」

「勿論」

小猫と幽馬はオカルト研究部へと向かう。

学園のマスコットと学園の良心の組み合わせに部活や下校する生徒達は注目していた。

学年問わず可愛いと評判の小猫と一部男子以外に信用のある幽馬。

特に一年生の女の子達からはお兄ちゃんになってほしい先輩だとか。

三年生からは弟にしたい男の子とかなんとか。

注目を浴びつつ二人は旧校舎のオカルト研究部へと到着する。

(部長と副部長がいるな)

得意の気配探知で中の人数を把握する。

コンコン

「入ります」

小猫がドアをノックしてから部室へ入室する。

入室すると朱乃がお茶の用意をしていて、シャワー室から水音がしているので浴びてるのはリアスだ。

オカルト研究部の部室にはシャワー室が備えられている。

夜の活動で汚れたり汗をかくなんてこともあるために設置されたという。

部室でなく、旧校舎の何処かにするべきではないかというツッコミを幽馬がしたのはご愛嬌。

以来、幽馬は仕切りのカーテンがあっても着脱衣中の遭遇(ラッキースケベ)を警戒し、必ず2番目以降に入室する様にしている。

「いらっしゃい、幽馬君、小猫ちゃん」

二人に朗らかな笑みを向ける朱乃。

とりあえず何時ものようにソファーに腰かける幽馬と小猫。

何時も小猫は幽馬の隣に座る。

なつかれたようだ。

(そろそろ兵藤を連れた佑斗が来る頃だけど、もしかしてスケベな兵藤を誘惑するためか?人が来るってのにシャワーなんか浴びてるのは)

幽馬が何故リアスが今頃シャワーを浴びてる理由を考えてると

ガラッ

「部長、兵藤一誠君を連れてきました」

部室の戸が開き、一誠を連れた佑斗が入ってきた。

佑斗の後に部室に入ってきた兵藤は物珍しくキョロキョロ見回している。

部屋の至るところに魔方陣と怪しげなグッズが在ればキョロキョロしてしまうだろう。

「よう、昨日ぶりだな兵藤」

「あ、あぁ」

そんな一誠に幽馬は声をかける。

「そんな緊張すんなよ、取り敢えず座れよ」

そんな一誠の緊張を解そうと幽馬はソファーに座るように促す。

まぁ、二大御姉様、学園のマスコット、イケメン王子、良心と学園の有名人達が揃っている訳だから一般的な生徒な一誠では高嶺の花みたいなメンバーでは緊張するだろう。

しかし

ガチャ

シャワー室からリアスが出ると一変、

「おお!」

カーテン一枚向こうにリアスの裸体があることが分かると興奮し出した。

(分かりやすいな)

とある事情で女体に耐性のある幽馬は一誠の態度に呆れる。

視線は向けていない。

「部長、どうぞ」

カーテンの端からリアスにバスタオルを差し出す朱乃。

「ありがとう」

バスタオルを受け取って体を拭いていく。

一誠に目を向けると幽馬と佑人に興奮した血走った目を向けてきた。

「お前ら!こんなおいしい思いをしてたのか!」

(やはりスケベな処はそう変わらんな)

堕天使に襲われ、何かしらの変化があったかと思ったが、そう簡単には変わらないらしい。

そう考えていたら一誠は小猫に張り倒されていた。

「幽馬先輩に寄らないでください」

幽馬に向けた視線が不快だったらしい。

なんか可愛く思えたので落ち着かせるために小猫の頭を撫でてやると小猫は気持ち良さそうに手の感触を堪能した。

そんなやり取りをしていると着替え終わったリアスがカーテンのから出てきた。

「御免なさいね待たせて。体育で汗かいて、人と会う前にどうしても浴びたくてってあら?」

シャワーを浴びていた理由を話すリアスだが、床に沈む一誠を見て首をかしげた。

 

一誠が復帰し、改めて会談に臨む。

「改めて、オカルト研究部にようこそ、兵藤一誠君歓迎するわ」

「はぁ」

「それでね、貴方に何が起きたかを説明する前に教えておくわ。

私達オカルト研究部は幽馬君以外は皆悪魔なの」

リアスと眷属は立ち上がり、悪魔の羽を出す。

「へ?じゃあ、影原は?」

唖然としながらも違うと言った幽馬に質問する

「俺はれっきとした人間だよ、違う勢力に属するがな」

質問に答える幽馬。

「それも含めて説明するわ」

こうして兵藤一誠とオカルト研究部の話し合いは始まる。




補足すると学園の有名人なのに佑人以外のメンバーが幽馬を知らなかったのは、一般生徒とあまり関わっていないからではないかと思っております。
人気のある2年生がいる程度にしか耳にしてないのです。
なのでリアス、朱乃、小猫は幽馬を知らなかった事にしてます。

次は『兵藤一誠の選択』です。


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兵藤一誠の選択

お待たせいたしました。
最新話です。

色々と省いてますがご容赦ください。


side幽馬

「話を戻すわね、実を言うと貴方も悪魔になったの」

パチン!

部長が指を鳴らすと兵藤の背中からも悪魔の羽が出てきた。

「うぉ!俺にも羽が出てきた!?」

当然自分に無かったものが出てきたら驚く。

「私が貴方を悪魔に転生させたの、それも説明するわね」

昨夜の説明を兵藤にしていく。

当事者の兵藤にも何故血塗れだったかを説明させて

部長があの公園に来るまでに何があったかを照らし合わせるとこうらしい。

 

俺が魔界に行った日に兵藤は天野夕麻という他校の生徒に告白されたとのこと。

次の日に早速デートをし、その待ち時間に部長のチラシを受け取ったとのこと。

終えたあと、あの公園で天野から堕天使だと明かされて神器(セイグリッドギア)が宿ってるから始末するために光の槍に刺されて、瀕死の兵藤をチラシに呼び出された部長が悪魔に転生させたと。

翌日に目が覚めて混乱した気持ちを落ち着かせるために散歩してたら昨日の状況だったとの事だ。

なんとも酷い話だ。

まだ自覚も覚醒してないのに神器を宿してるからと始末するというのは多々あったがやはり胸くそ悪い。

悪党ならともかく。

そう思ってたら部長が聖書勢力の説明を終えていた。

 

「そんなわけで、貴方には神器という特別な力が宿ってるの」

「俺にそんな力が?」

「貴方が抱く最も強いものをイメージしてみて」

そう言われて兵藤は少し前のアニメの必殺技のポーズをしてみる。

ドラクソボールだったか。

すると兵藤の左手が赤い籠手へと被われていた。

「うぉ!なんじゃこりゃ!」

「やはり赤龍帝の籠手(ブースデッドギア)

兵藤は驚き、部長は昨夜の推測が当たったように呟いた。

他の眷属も驚きはしないが不安そうな顔していた。

「それは赤龍帝の籠手、二天龍の片方、ドライグ・ア・ゴッホが封じられた十三ある神滅具(ロンギヌス)の一つよ。十秒ごとに力を倍にする倍加という能力があるわ」

「へぇ…(ぶるぶる)ん?」

赤龍帝の籠手が何故か震えだした。

「うわ!左手が勝手に!」

すると赤龍帝の籠手は拳を握り、あろうことか俺に殴りかかってきた。

ブン!

「「幽馬君(先輩)!」」

副部長と小猫ちゃんが叫ぶが、

パシ!

反応出来ない速度ではないためあっさりと受け止めた。

やれやれ、俺の聖光気に反応したのだろう。

「聖光気使いに恨みがあるだろうが、矛先を向けられても困るな」

「悪りぃ影原、籠手が勝手に」

「気にすんな、こうなることは予想していた」

ついでに

「俺のことも教えておこう」

 

sideout

 

「とまあ、そんな訳でこのオカルト研究部にいるわけだ」

幽馬が人と人外とのトラブルを解決する霊能力者で霊界より任命された霊界探偵で聖光気と言う特別な能力者だと説明をした。

部長の兄で魔王の一人のサーゼクスからオカルト研究部に護衛と指導を依頼に入部したことも説明をした。

「お前の神器に宿るドライグは俺より遥か昔の聖光気使いにライバルのアルビオンと一緒にボコられたらしいからな、恨んでるのか恐れてるのは分からん」

「なんか凄まじいな」

ドラゴン二体を人間一人がフルボッコにしたのだからイメージしてみてすごいことだと、一誠は感じたのだろう。

「さて、説明はこれくらいにして、ここからが本題だ。

兵藤一誠、お前には選択肢が与えられる」

ここが兵藤一誠の分岐点だ。

「悪魔としてリアス・グレモリーに仕えるか、人間に戻った上で強くなるかを選べ」

兵藤一誠はどちらを選ぶのか。

 

 




次回は「一誠の鍛練」です。


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一誠の鍛練

やっとこさ書けました。
一年七ヶ月お待たせしました。
短いですがどうぞ。


幽馬side

 

おっす幽馬だ。

今は恒例の休日鍛練の最中だ。

いつも組手だったり、精神統一何かをしているが今日は新しく、兵藤が加わっている。

何をさせてるかというと

「ほれほれ、たかが公園十週だぞ、気合い入れろー」

森林公園をランニングさせている。

「はひ」

まあかなり広く、学校の敷地ぐらいはあるがな。

 

それというのも、兵藤はこれからの選択肢に対して部長の「ハーレムが作れるわよ」という一言で悪魔として仕えると決めた。

それで良いのか?と思った。

「ハーレム王に俺はなる!」等とほざいてたが。

こうしてグレモリー眷属に兵士(ポーン)の兵藤一誠が加わった。

それにともない、兵藤のご両親に説明を部長と俺はしに行った。

それに対してご両親の言葉は

「息子を助けて頂き有り難うございます!悪魔だろうと生きてくれたならそれで良い」と。

一人息子を大事にしている両親だと思える。

なんにせよ、グレモリー眷属に入ったからには強くしてやろう。

ランニングの兵藤とは別に残りのメンバーはというと、

 

「百十、百十一、百十二…」

素振りの祐斗(十キロの重いバットを両手で二本使用)

「お先に、先輩」

足に重り片方五キロを着けた小猫ちゃんが特性を使わずに兵藤を抜き去る。

部長と副部長はというと

「「……」」

魔力と雷のコントロールのためのイメージトレーニングだ。

何故かというと、二人の力の使い方が攻撃一辺倒だったからだ。

よく言われる「攻撃は最大の防御」だと言うが、それは通用すればの話、高すぎる防御力と高すぎる再生能力、高い無効化を備えた相手には意味がない。

ゼットンに挑むウルトラマン、*1

イフに挑むウルトラマンマックス*2

ジャスティスマンに挑むテリーマン*3

いずれも攻撃が通用せずに倒すに至らなかった例だ。

ならば最低でもこちらが倒されないようにすることも生き残るためには必要だ。

必ず俺が護れると自負するつもりはない、戦いに絶対はないのだから。

強くすると言うのは力を上げるだけでなく、生き残る術を教える事なのだ。

そのために二人には力を防御に回す術を身に付けて貰わねばならない。

イメージとしてはバリアを張るかオーラにして身に纏う感じだ。

前者が朱乃さん、後者が部長という感じにイメージさせている。

ものにしてもらわないとな。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…」

公園ランニングを終えた兵藤は呼吸も荒く、座り込んだ。

やっぱり体力不足だな。

覗きから逃げる時は速いくせに。

ま、鍛え概はあるかな、一先ず休憩だ。

 

 

 

*1
科学特捜隊の無重力爆弾に倒される。(ウルトラマン 最終回さらばウルトラマン)

*2
盲目の少女の音楽で変化、宇宙へ誘導されて地球を離れる。(ウルトラマンマックス 第三惑星の奇跡)

*3
絶望的な状態でも闘志の衰えないテリーマンに次代への可能性を見出だし、自ら降参を宣言(キン肉マン 完璧始祖編)




次は「悪魔の仕事 霊界探偵の仕事」です。
アンケートは今回で終了します。
結果はご覧の通り鬼太郎ファミリーは無しです。
同名の妖怪が出ても別人と思ってください。


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悪魔の仕事 霊界探偵の仕事

一誠がチラシ配りからアーシアに出会うまでの間に幽馬はコエンマの依頼である町へと赴きます。
2、3話ぐらいになると思います。


NO SIDE

 

一誠が眷属入りしてから数日のオカルト研究部。

「それじゃいってらっしゃいイッセー」

「行ってきます」

部長のリアスに見送られる一誠。

今回一誠は悪魔としての初仕事でチラシ配りに出かける。

よく悪魔と言えば怪しげな魔方陣と呪文と生け贄で呼ばれるとか言われるが時代の移り変わりなのか現在はチラシにあなたの願い叶えますと書かれた紙に裏にある魔方陣で呼び出せるようになっているらしい。

呼び出された悪魔は魔方陣から現れ、召喚者の頼みを聞き入れ叶えるのは同じだが、当然何かしらの報酬は受け取るものの、飯を食わせるとか、何かを受け取るとかはその悪魔次第で何でも良いらしい。

そのあとは召喚者と契約という形で顧客として付き合いになるとのこと。

大まかな悪魔の仕事はこんな感じだ。

「あら?」

ふとリアスは部室内に一人足りないことに気付く。

「祐斗、今日幽馬君は?」

そう、不在者は幽馬だ。

「幽馬君ならコエンマ様から人物調査の依頼があるから部活休むそうです」

同じクラスの祐斗は幽馬から言伝てを報告する。

「そう、霊界探偵の仕事ね」

オカルト研究部に入部する時に霊界探偵の仕事を優先させることも予め約束していたことを思い出し、その一言で終わる。

若干二名寂しそうにしていたが。

 

場所は変わり、その幽馬は駒王駅に向かう途中。

隣に黒歌もいる。

黒歌は現在、幽馬の家で祖母の弟子兼家政婦兼霊界探偵の助手として住んでいる。

今回は黒歌を同行させることにした。

「今日の依頼は遠出にゃ?」

「何でも湯の花町という町だってよ」

コエンマの依頼は湯の花町という温泉町にある、ゆらぎ荘という元温泉旅館の賃貸アパート。そこには妖怪やそれに関わる人間が住んでいる。

そこの住人で唯一の男、「冬空コガラシ」なる人物の実力調査を命じられる。

「八咫鋼…か」

「聞いたことあるにゃ」

日本の霊的勢力、「八咫鋼」「宵ノ坂」「天狐」という三大勢力が存在していた。

日本の妖怪勢力の覇権を争っていたとか、

その一つの「八咫鋼」は最後の末裔が亡くなったという。

しかし、その最後の末裔が浮遊霊として冬空コガラシと出会い、「八咫鋼」の技能を継承させたとコエンマの事前調査で判明している。

その冬空コガラシは皮肉にも日本の歴史を学んだなら誰しも知るあの(・・)関ヶ原でぶつかる寸前の「宵ノ坂」「天狐」を修学旅行を台無しにされたと怒り、二勢力をたった一人でボコったらしい。

「どこもやること変わらねぇな」

そう呟く幽馬。

三國志を初め、かつての魔界の三大勢力、「雷禅」「黄泉」「骸」、

聖書勢力、「天使」「堕天使」「悪魔」も三竦みという構図に人だろうとなかろうと覇権争いとは起こるべくして起こるものなのだろう。

それはさておき。

コエンマが調査を依頼したのはその冬空コガラシが脅威になりえる(・・・・・・・)かということ。

なぜ危険視することになったかはとある妖怪が彼に対して行った出来事が始まりなのだがそれは後に語るとして二人は電車で件の湯の花町へと足を運ぶ。

 




ということで次回は完結したジャンプ作品の「ゆらぎ荘の幽奈さん」へと移ります。
あくまで幕間程度です。
幽馬が関わらない原作の展開の間はこうして別の場所に行ったりします。
大体は妖怪や人外の登場する作品にお邪魔するような形です。
さて次回は

湯の花町へと到着した幽馬と黒歌。
目的の人物である冬空コガラシを見つけ、行動を開始する。
応じようとしないコガラシに幽馬は強行手段に出る。
何故冬空コガラシをコエンマは危険視せねばならなかったのか?
彼に対してとある妖怪が行った出来事とは?
次回「邂逅 二人の霊能力者 聖光気と八咫鋼」


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