HRの後には授業…という決まりはありません。 (飄零)
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登場人物紹介

今回のお話で出てくる主要キャラの説明をします。
と言ってもクラスメイトと主人公の説明程度ですが…

それでは説明だけですがよろしくお願いします。


今回のお話で出てくる人を紹介します。

一番最初の紹介なので主人公やクラスメイトの特徴を説明していきます。

お話が進んで人が増えたりしたらまた新しく追加する可能性はあります。

 

風吹 (ふぶき) 祐哉 (ゆうや)

今作品の主人公。

高校二年生になったばかりで転移に巻き込まれる。

クラスではあまり率先して動かない。

しかし、身体能力が高く何をやらせても上手くやり遂げる事から先生やクラスメイトからの信頼は厚い。

また、彼の目は生まれつき透き通った青色で初めて会う人にはよく驚かれます。

 

星本 (ほしもと) 遥香 (はるか)

主人公のクラスメイトの一人。

とても可愛いと学校では人気ですが本人はそれに気づいていません。

また常に幼馴染である小佐々 (こさざ) 稚菜 (わかな)と共に行動している。

祐哉 (ゆうや)に対し好意を寄せているが祐哉 (ゆうや)自身は気づいていない。

 

小佐々 (こさざ) 稚菜 (わかな)

主人公のクラスメイトの一人で、クラス委員長をしています。

他のクラスメイトからは委員長などと呼ばれますが仲の良い人には下の名前で呼ばれたり。

遥香 (はるか)と常に行動し何かと世話をしている事からクラスメイトのほとんどはお母さんみたいだと感じている。

 

永谷 (ながたに) 聖弥 (せいや)

主人公のクラスメイトの一人。

クラスの中心にいる人で男女ともに人気が高い。

心配性で人を放っておけない。

それ故に面倒事に巻き込まれる事もしばしば。

クラスメイトの団結を乱す主人公の事をとても嫌っている。

 

雲出 (くもで) 英起 (ひでき)

主人公のクラスメイトの一人。

遥香 (はるか)に対し好意を寄せていますが本人が気づいておらず何かと空振りしがちな可哀想な人。

 

伊瀬知 (いせち) 照彦 (てるひこ)

主人公のクラスメイトの一人。

クラスメイトに凄い人が多く目立つ事がないが持って生まれた身体能力の高い。

 

村元 (むらもと) 文華 (ふみか)

主人公のクラスメイトの一人。

クラスでは大人しく本を読んだりして過ごす図書委員。

運動はあまり得意ではないためやりたがらない。

また小さい頃から本を読んでいたりして人と話をする事が少なかったためか人と話をするのも苦手。

 

明石 (あかし) (あきら)

主人公のクラスメイトの一人。

あまり物事を考える事が好きじゃない運動バカ

しかし重要なところで名案を思いついたりと頭は悪くない。

ちなみに両親は医者である。

 

白垣 (しらがき) 詩緒梨(しおり)

主人公のクラスの担任の先生。

主人公のクラスの担任になった事が初めてのクラス担任で一年目は緊張していたが二年になり緊張はほぐれてきている。

ちなみに英語の教師である。

転移に巻き込まれたあとは自分のクラスの生徒を何よりも優先して日本に返すためがんばる。




第1話から話は進んで行きます。

話の中ではクラスメイトの人達や先生そして主人公である祐哉は一人一人ある目的を持って行動しますのでその辺のための説明という感じで頭の隅に入れておいていただけると嬉しいです。

では、次回以降もよろしくお願いします。


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第1話 強い光に包まれて…


改めて初めまして!
この作品はクラスメイト転移物です。
とりあえず書いて行きます。
読みにくいと思われる方もいるかもしれませんがよろしくお願いします。

誤字、脱字などの報告をいただけるととても嬉しいです。


携帯のアラームが鳴り響き、身体を起こす。

未だ開くのを拒絶する目を無理やり開かせる為に顔を洗う。

そして学校に向かう準備を整え家を出る。

今年で高校二年になる。

特に何事をなく学校に着き窓側一番後ろという俺の席に座る。

それとほぼ同時に担任である白垣 (しらがき) 詩緒梨(しおり)が入ってくる。

簡単なHRを済ませ授業の準備をし始めようとした時だった。

時が止まったかと錯覚する様な刹那、俺たちの足元は光り輝きだし気が付いた時にはその光に呑まれていた。

 

-----------------------------------------------------------

 

再び意識を取り戻した時俺たちは先ほどまでいた学校ではなく床には何やら文字が刻まれた場所だった。

そして次に聞いた言葉は俺たちの誰にもわからないはずな言葉だった。

 

「ようこそリムルーブ城へ。 積もる話がございますがここでは話しにくい。場所を変えてお話しいたしましょう。」

 

そう言った騎士の様な人に俺たちは何が起きたのかわからずに付いていく。

連れていかれた部屋は俺たちの人数をはるかに上回る席の数とその席の前には机という学校の様な場所だった。

違う場所といえばあたりの風景と周りにいる人たちの雰囲気といったところだろう。

 

各自が自由に席に付き再び静寂が訪れたと同時に騎士の様な人が話し出す。

 

「ようこそリムルーブ城へ。 私はカルロス。リムルーブ騎士団の団長だ。

君たちをここに呼んだ理由は魔族を抹殺する為である。

それ故に君たちのステータスを知りたいと思う。

今、君たちの座っている前にある石を見て欲しい。

その石はこの国で自分の身分を証明する物で、自分のステータスを表示させることもできる。

まずは石に触れ念じて見て欲しい。

【我のステータスを見せよ】と。」

 

その発言を共に俺は石に触れ念じる。

【我のステータスを見せよ】

 

名前:風吹 (ふぶき) 祐哉 (ゆうや)

体力:D

魔力:F

筋力:D

敏捷:D

所持スキル: 『剣術』『身体能力制限』『魔法使用不可』『自動翻訳』

 

少しの静寂の後再びカルロスが話し始める。

 

「そこに表示されているものが君たちのステータスだ。

基本的に君たちのステータスはB以上、もしくはAやSになる者もいるだろう。簡単に説明すると体力や筋力などは一般的にはDもしくはEといったところでありまだ赤子であったり身体が動かせないなどの条件がある場合はFになったりもする。

魔力や敏捷も基本は筋力や体力と同じで最大値がS最低値がFだ。

そしてその下、所持スキルが君たちの使った時に高い効果を発揮できる武器を示している。

武器だけでなく属性魔法などに適正のある者もいるであろうがどちらに関しても同じことが言える。

以上がこの石、いや《ステータスストーン》の表示できるものだ。何か質問がある者はいるか?」

 

そうして口を閉じるカルロスに対し俺たちの担任であり唯一の大人である白垣先生が手をあげ発言を開始する。

それはごく普通の疑問点だった。

 

「私たちをどの様にここへ呼び寄せたのですか? 私たちは元の場所へと帰る方法はあるのですか?」

 

その質問をした瞬間今まで現状を理解していなかった、いやしようとしなかった生徒たちが真剣な表情で話を聞く。

そしてカルロスは口を開いた。

 

「私たちはあなた方を勇者召喚の魔法陣を利用してこの場所へと呼びました。

古い昔に編み出されたとされている、別の世界から人を呼び出す魔法です。

そして今あなた達を元の場所へと戻す方法はわかっておりません。」

 

その言葉を全て聞き終えると同時にカルロスに向かって白垣先生が口を開く。

 

「でしたら、私はクラスの子達の安全を優先し、帰る手段を探します。その上で協力して欲しいというのであれば全員の意見次第でその話は受けます。」

 

カルロスはそれでも構わないと言いクラスの意見がまとまるまでの時間をくれた。

結果、俺たちは自分たちで自分の身を守れる様にカルロス達からの訓練を受けながら自力で日本へと戻る手段を探すということになった。

話し合いが終わりお互いに良い関係になれたところでカルロスは再度口を開く。

 

「では、皆さんの訓練をする為にステータスを見せていただきたいと思っております。各自が得意な分野を強化する為の分類です。 準備のできた方から私の元へ先ほどの《ステータスストーン》を持参してください。」

 

そうして各自得意な分野を強化する為に色々な所に別れていった。

俺だけを除いてだったが…




第1話 強い光に包まれて…
いかがだったでしょうか。
主人公以外のクラスメイトのステータスは後々わかっていく感じにしました。

感想等お待ちしております。


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第2話 デメリットスキル

お待たせしました。
第2話です。
前書きって何書けばいいのかわからないっすよね…

とりあえず本編どうぞ。


リムルーブ城へと呼び寄せられたその日、自分のステータスを見せ得意な分野毎に別れて訓練を受けようとした矢先、俺だけは別の場所でカルロスさんと話をしていた。

 

「ユウヤくん。君の所持スキルについて何だが…

どこかで人に呪いの様なものをかけられた記憶はないか?」

 

「のろい…ですか? いえ、ないと思います。そんな事される様な場所でもないですし。」

 

「では君の所持スキルについて話をしよう。今君には『身体能力制限』と『魔法使用不可』の二つのデメリットスキルがある。これは普通に生きている上では付くはずのないスキルなんだ。そしてこの2つは持ち主のステータスを大幅に減少させる。現に今の君は魔力を持っているが『魔法使用不可』によって魔力がFにされているだろう?そして君にだけ属性の適正が表示されていないんだ。これも呪いによるものだと思われる。早急に呪いを解除したいところなのだが今リムルーブ城に専門家はいなくてね…。」

 

ここまで話をされてふと疑問に思った事を口にする。

 

「カルロスさん。その呪いを解く方法はあるんですか?」

 

「呪いには二つ種類がある。

一つ目は対象者が死ぬまで永遠に効果を発揮する呪い。

二つ目は対象者がある特定の行動を行ったりする事で解ける呪い。

どちらの場合でも除呪を行う事で解くことはできる。

しかし行う側の力が呪いに見合っていない場合は行った側も呪いの対象となってしまう。

この世界に徐呪師が少ないのもこれが原因という訳だ。

かけられた呪いの種類がわかるだけでも取るべき対応は変わるからね。

色々と不便はあるかもしれないが気をつけてくれ。」

 

「わかりました。 僕自身も何か思い出したことがあったら報告します。」

 

そう言って席を後にした。

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何日か経過し、みんながある程度は戦える様になったある日の夜ボルハ=ロイオワ=リムルーブことボルハ王はカルロスさんを呼び出して居た。

 

「カルロスよ。転移者 (あのもの)達について何かあるか?」

 

「1人だけデメリットスキルを所持しているためかステータスの伸びが悪い者がいます。名はユウヤという者です。」

 

「その言い方では他の者は問題ない様だな。ではその出来の悪い者は処分するのじゃ。魔族の奴らに生半可な攻撃は効かん。むしろ仲間の足を引っ張りかねないしな。」

 

「で、ですが…その者の剣術は確かです。どうか今しばらく待っていただけませんか。それに彼は…」

 

「…ふむ。ならば街にいる者とその者で隣町へと行かせるのだ。そこで帰ってこられなければその可能性はない。 わかったか?」

 

「りょ、了解しました…。」

 

部屋を後にしたカルロスは王が確実に風吹 (ふぶき) 祐哉 (ゆうや)がどんな可能性を秘めていたとしても抹殺しようしていることに気づいていた。

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第2話でいきなり祐哉がだいぶやばそうな展開になりますが
この後も結構なスピードで進んで行くかもしれませんw
ですが必ず繋がる部分が出来るように書いていくので今後ともよろしくお願いします。

誤字、脱字等あったら報告していただけると嬉しいです。


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第3話 フェルト村と護衛任務

えー何を書くべきなのか全くわかりません。
あ、最近は風邪とか流行ってるみたいですし皆さんお気をつけてくださいね!
僕はもうすでに若干風邪を引いてますがww

では第3話をどうぞ。


ある程度の戦闘ならこなせる様になってきたある日。

俺を含め、4人がカルロスさんに呼ばれていた。

 

「全員集まったみたいだな。 今回君たちを呼んだ理由は隣村にて待機している商人を無事リムルーブ城まで護衛して欲しいという事だ。 本来ならば冒険者ギルドにいく依頼だがこちらに流してもらった。無理をしない様にだけ注意して欲しい。 準備ができた者から城門前に来てくれ。そこで改めて説明しよう。」

 

そう言われ4人は別々に準備を始める。

俺以外の人は誰も知らない人たちだったが何故だろうかと疑問に思いながらも剣を背中に背負い他にも腰にポーチを付け傷薬を持つ。

城門前に向かうと他の3人はもうすでに待っていた。

 

「それでは今回の依頼の説明をする。 ここ、リムルーブ城から出て西向きに歩き続けるとフェルト村という小さな村に着く。今その村にいる商人のルーブという者をリムルーブ城まで護衛するという依頼だ。

最近は盗賊がよく現れるということもあって少し危険が伴うが基本的には問題は起きないはずだ。

それと何か問題が発生し依頼の続行が不可能だと感じた場合はすぐにその場を離れ近くの町まで逃げなさい。

君たちに神の加護があらんことを。」

 

そういうとカルロスさんは城に向かい歩き始める。

それとほぼ同時に各自、自己紹介を始める。

近接が得意なマルクとフィン、回復魔法が使えるサーシャの3人だった。

少しバランスの悪いパーティに再び疑問を抱きながらも4人は城を後にしフェルト村に向かって歩き始めた。

 

他愛もない話をしながら草原を抜ける。

森を右手に見ながらまっすぐ歩くこと5分ほどだろうか。

無事フェルト村が見えて来た。

行きに何も起きなかったことに安心し俺たち4人はルーブさんを探し始めた。

流石は商人といったところだろう。

馬車を持ち荷台には金属や香辛料など色々な物が積まれていた。

予想以上にはやくフェルト村に着いたことと馬車での移動という事を考え、夜までにはリムルーブ城に着くだろうという予測から俺たちは宿に泊まることなくフェルト村を後にした。

荷台にある少しの隙間に各自が座り、ルーブさんとの会話を楽しむ者もいた。

しかし突如ルーブさんとの会話を楽しんでいたマルクは他の3人に敵襲を伝えると同時に馬車から降りる。

俺たちもつられる様にして飛び降りると外には盗賊が待ち受けていた。

幸いあたりは見渡しのいい場所で盗賊の数は5人。

こちらは4人に護衛対象が1人という状況。

 

マルクがルーブさんの近くに寄る。

それと同時に盗賊の1人がこちらに喋りかけて来た。

 

「その馬車を置いていけ。そうすりゃ命まではとらねぇ。」

 

そんな良くあるセリフを聞くとと同時にこちらの4人は全員が武器を構える。

それが交戦の合図となったのだろう。盗賊達も動き出す。

ルーブさんを狙い2人の盗賊が駆けつけるのを見るとすぐに俺はマルクの方に向かい盗賊2人を相手にしようとする。

しかし戦える数でいうなら向こうの方が1人多くフィンとサーシャは3人の盗賊を相手にしていた。

圧倒的に不利な状況で俺とマルクは盗賊2人のうち1人を撃退する。

 

「ユウヤ、僕はサーシャ達の方を助けにいく。君はルーブさんを頼む!」

 

その言葉を残しサーシャ達の方へと向かうマルク。

残った盗賊1人と攻防を繰り広げてる間にサーシャ達の見事な連携により状況はこちらが有利となりつつあったそんな時だった。

盗賊の短剣を剣で弾き次の一撃で決める!と思い踏み込んだと同時に身体の自由を奪われ床に倒れる。

何が起きたのかわからなかった。

睡眠系の毒か…?と思いながら背後に目を向けるとそこに居たのは短剣を握ったルーブさんだった。




前書きと同じでこっちも何を書けば良いのか…
とりあえず次回も少し戦闘が入る予定です!

お楽しみに…!


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第4話 闇のオークション

どれほどの間意識を失っていたのだろうか。

やっとの思いで目を開ける。

しかし目に映ったのはリムルーブ城までの道のりである草原の草や森の木ではなく石で出来た壁と自分の手足を縛り付けている鋼鉄の何かだった。

手足は自由に動かせず動かそうとすれば金属の擦れる音が響くだけ。どうしようもないこの状態に俺は何が起きたのか記憶にある部分だけで把握しようとした。

 

リムルーブ城でカルロスさんに説明された任務。

そしてその任務において盗賊が出るかもしれないのにもかかわらずあまりにもバランスのかけるパーティ編成。

そして何より重要なのが最後に見たルーブさんによる裏切りと言える行為。

その後どうなったのかわからないが俺が生きているという事はマルクやフィンそしてサーシャも生きているのだろうか?

そしてここはどこか。他の3人もここにいるのかどうか。

 

色々なことが頭の中で整理されていく。

そんな事をしている間に誰かがこちらに近づいてくる音がする。

金属の擦れる様な音もするがマルク達だろうか?

と思っているとその姿は現れた。

盗賊2人と真っ白な肌の少女だった。

盗賊が俺のいる部屋の鍵を開け俺を立ち上がらせる。

朝の拘束具のみ外され手は相変わらず不自由のまま俺は女の子と共に歩かされた。

ここがどこで何をする場所なのか。

盗賊に聞くわけにもいかず黙って後ろを歩く。

その間俺と少女以外の人を見かけなかった。

しかしそれはマルクやフィン、そしてサーシャがここには居ないという事を意味していた。

そして再び頭の中で考えをまとめる。

 

ここにいる俺と少女は殺されなかったという事は囚われたらここに連れてこられる。

連れてこられていないマルク達は無事に逃げだしリムルーブ城へ向かったのではないかという事。

 

考えがまとまり今ここにいるのは俺とこの少女だけということがわかったあたりで俺たちは外に連れ出された。

急な太陽光に目が慣れず目を開けられずにいるとここがどこなのかというのが一発でわかる発言を盗賊の1人がした。

 

「大変お待たせしました。最後はこちらの二人!一件は普通の人ですがこの女の子の方は今はもう絶滅したのではないかと思われているルネ族!! さらに男の方は…」

 

その発言を聞いてる間に目は慣れあたりをしっかりと把握する。

近くにいるのは盗賊2人。この何かを仕切っている司会者が1人。

そしてここを埋め尽くす様に貴族のような人達がずらりと並んでいた。

貴族は一人ひとりが手を挙げ金額を叫ぶ。

ここがオークション会場で俺と少女はオークションにかけられる人という事だ。

ふと少女の方を見ると顔色があまり良くなく今にも倒れそうな感じだった。

すぐに終わるだろうと思い待つと一人の貴族が壇上に上がり俺と少女を見つめる。

手の拘束具を外すため盗賊が俺の手に触れ鍵を回し、手の拘束具が外れた瞬間、俺は思いっきり足を振り上げ盗賊の顎を蹴り上げた。

盗賊が倒れる前に短剣を借りる。

そして少女の方にいる盗賊にも顎先を殴る。

そして手に持つ短剣が二本となった所であたりの時間は動き出す。

司会者は怯えた表情でこちらを見ながら逃げだし貴族は完全に動きを止め現状の把握をしようとしていた。

壇上にいない貴族は我先にと出口に向かって走りだす。

他にも警備用に隠れていたのであろう盗賊が現れる。

その数は3人。

短剣をそれぞれ逆手に持ち替え壇上から降り盗賊を倒さんと動きだす。

相手の盗賊はこちらを殺す勢いで短剣を振り下ろしてくる。二本の短剣で攻撃を防ぎながらどこかで一撃を入れようと様子を伺う。

城でやっていた訓練とは程遠いこの戦いに未だ殺すことに少しの抵抗を感じていた。

しかしその抵抗は一瞬にして消えさった。

何故なら盗賊の一人が少女を人質としたからだ。

今にも倒れそうな少女は拘束具が外されているが立っているのでやっとなのだろう首元にナイフを当てられているが全く抵抗せずにいた。

 

「おい、そこのお前! 今すぐその短剣を捨てろ。じゃないとこの子を殺すぞ?」

 

まだ知り合って数分、というか話すらしたことのないはずの相手だが無視するわけにはいかず相手の盗賊の攻撃を短剣で受け流すと同時に手を離そうとした。

しかし盗賊の攻撃を受け流すために短剣で攻撃を受けた瞬間壇上の方から電気が見えた。

一瞬何が起きたのかわからなかったがその電気とともに盗賊は倒れる。

相当な電圧だったのだろう少し焼け焦げた盗賊の死体があった。

これなら少女は人質になる事はないと思った矢先。少女は完全に意識を失ったのか倒れてしまった。

 

盗賊は味方の急な死に未だに理解出来ず動けていなかった。

その隙を逃すことなく首元に当てたナイフを引き絶命させる。

そして残った1人の盗賊を倒す為走り出そうとした時頭の中で何かが閃く。

足の裏に力を溜め一気に間合いを詰める。

急にそんなことを思いつく。

足の裏に力を溜めている間に盗賊は完全に意識を失った少女を再び人質にしようと走りだす。

盗賊の走る先に向かって溜めた力を解放する。

《双剣技 疾風撃》

すると盗賊は目の前に現れた、いや自分が盗賊の前に立っていた。

そして喉元には自分の持つ短剣が構えられていた。

その行為に盗賊は完全に戦意を喪失したのか短剣を床に落とした。

 

その後自分のつけられていた拘束具を盗賊に付けた俺は盗賊から色々な話を聞き出した。

 

「今からする質問には答えてくれ。 拒否権は…ない。

俺たちを襲った後俺だけをここに連れてきたのか?」

 

「あぁ。 俺たちはあんたしかここには連れてきていない他の連中なら今頃リムルーブ城にはいるんじゃないか?」

 

質問に対し間を開ける事なく答えていく盗賊。

 

「俺だけを連れてきだ理由はなんだ。 オークションで高く売れるからか?」

 

「いや、それだけじゃない。命令されたんだ。リムルーブ城の王様に。」

 

「ここに連れてきて売りさばけってか?」

 

「正確には王様はあんたを殺す事を俺たちに依頼した。

けど、俺たちだってそんな殺せと言われたからといって殺すような極悪非道な奴らじゃない。そんな時にカルロスっていう騎士団長さんが殺したと見せかけてくれって頼んできたんだ。それも酒付きでだ。

そんなわけで俺はカルロスって人の話を聞いた。マルクって言ったっけか? あんたの仲間達はカルロスに雇われた冒険者見習いさ。 俺たちとあそこで遭遇した後ルーブの毒針であんたを眠らせる。それを見た奴らはリムルーブ城まで戻ってあんたの死をみんなに伝えるってわけさ。」

 

「つまり俺をオークションで売ろうとしたのは酒だけじゃなくて金を得ようとしたからか?」

 

「あぁ まさかあんたにあんな剣技が使えると思ってなかったからな。5人なら暴れられても確実に売れると思ったんだ。」

 

「なるほどな。 それでここはどこだ。リムルーブ城からは遠いんだろ?」

 

「ここは裏オークションの会場ってだけで場所に名前はねぇ。 地図にものらない場所だからな。 だがここを出て北東に歩いて行くとフェルダースって街に着く。 あの街なら色々とあるしリムルーブについても知れる筈だぜ。それとお前さんの武器だが出口のすぐ隣にあるスイッチを押すと出てくる階段の下だ。 お前さん以外にも過去にここに捕まった奴らの武器もある。好きなもんを持ってきな。」

 

「そうか。ありがとう。」

 

そう言って少女を背中に背負い出口に向かって歩きだす。

壁のスイッチを押し現れた階段を下るとそこにあったのは片手で振るのに丁度よさげな剣が二本と俺の使っていたポーチ、そのほかにも色々なものがあったが荷物が増えると少女を背中に背負いながらの移動が困難になるためポーチと剣を二本だけ取って階段を再び上がる。

すると先ほどまでいた盗賊は消えていたが再び襲いにくるような奴でもないだろうと思い特に散策する事なくフェルダースへ向かって歩き出した。





この前たまたま見たらUAが100超えてましたw
皆さんありがとうございます。
これからも少しずつ書いて行きますのでよろしくお願いします。


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第5話 フェルダース

今回は少し主人公以外の視点もあります。



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「はぁ…はぁ…」

息を上げ必死になって走ってる者が3人。

マルク、フィン、サーシャだ。

盗賊に襲われた後ユウヤのみ囚われ自分達はギリギリのところで逃げ出してきた。

後少し走ればリムルーブ城へ着くはず…

3人で声を掛け合いながらリムルーブ城に向かって走り続けていた。

夜になれば魔物は活発になり危険度は増す。

日が沈みかけた時、彼らはリムルーブ城へとたどり着いた。

すぐに城に向かいカルロスに会いたい事を伝える。

城に入りカルロスに会った僕たちは何が起きたのかを説明する。

 

4人で護衛するために向かったフェルト村にいるルーブについて、そして帰りに起こった出来事。

 

カルロスはかなり動揺しながら話を聞いていた。マルク達からの報告が終わり城から帰すとカルロスはまず王へ報告に行き、その後彼ら (クラスメイト)に伝えに行った。

 

 

祐哉 (ゆうや)君が行方不明となった。 盗賊に囚われたらしい。

カルロスさんに聞いたところ彼はもう死んでしまっているかもしれないと言われたあの日、私の中で何かが崩れるような気がした。

それ以降というもの何に関してもやる気が出ずとても訓練という気分にすらならず常に城の一室に篭っていた。

 

「委員長っ!星本 (ほしもと)は大丈夫なのか?」

「大丈夫よ。今遥香 (はるか)は寝ているところだから静かにしてて…」

 

ドアの外から2人の声がする。

1人はクラス委員長をしてる小佐々 (こさざ) 稚菜 (わかな)もう1人は雲出 (くもで) 英起 (ひでき)だろう。

稚菜ちゃんが発した言葉で雲出君が何処かへと行ったあとドアをノックして稚菜ちゃんが入ってくる。

 

「遥香、大丈夫?ここ何日かご飯も食べずに部屋に閉じこもっててみんな心配してるよ?」

 

「大丈夫だよ。全然元気だよ?心配しなくても平気!」

 

一生懸命元気に振舞おうとするが何処か不自然な部分があるのだろう稚菜ちゃんは不安ですとでも言いたそうな顔をしていた。

そこに稚菜ちゃんは再び言葉をかけて来た。

 

風吹 (ふぶき)君のことが気になって一緒に任務を受けた人たちのところに話を聞いて来たんだけどね。

彼らは盗賊に襲われた後、風吹君が睡眠系の毒で倒されて馬車の荷台に乗せられてる途中でこいつは高く (・・)なりそうだな。って言ってたのを聞いたんだって。だから…」

 

最初は何を言ってるのかわからなかった。

カルロスさんは私たちに祐哉君は死んでしまったと思われると言った。理由としては王族に関係のあるものでも無く金品を持ち歩いているわけでもない。そんな者を捕らえたとしても盗賊側に利益がないから無事でいる確率は低いだろうと言っていた。

でも今の話を聞くと盗賊側の利益が確かに存在している。

 

稚菜ちゃんのその発言は完全に死んでしまったと思っていた私の考えを改めさせるには十分な物だった。

 

私は稚菜ちゃんの方をしっかりと見てさっきとは違う形で元気になりましたって伝えた。

 

「稚菜ちゃん。私、もっと強くなって必ず祐哉君を見つけてみせるよ。

それで今度こそ言うね…」

 

ずっと前から好きでした。って…

 

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遥香が再びクラスメイトと訓練をすることを決意するのと同時に祐哉は…

 

オークション会場から出てフェルダースへと着いた後門番の人にステータスストーンを見せるように言われ見せた後女の子のは持ってるのかわからない。と伝える。

今回は特別にということで何も聞かれたりすることなく通れたがすぐに冒険者ギルドにでも行ってステータスストーンを作ってもらいなさいと忠告を受けた。

 

そんな忠告を受けた後町に入った俺はオークション会場で拾ったお金とか街の外でたまたま出くわした魔物を倒して手に入れたお金で宿に泊まるため宿を探していた。

 

「宿の場所、聞いとけばよかったな…」

 

後悔先に立たず。とはまさにこのことだ。

宿を探してうろちょろしてると変な人達が後ろからついて来てることに気がつく。

足を止めて後ろを振り向く。

そして大きな声で叫ぶ。

 

「すみませーんっ! 宿の場所って何処ですか!?」

 

もちろんそんなことを聞いても教えてくれるような人たちではないから後ろをついて来てるんだろうけど一様聞いてみる。

しかし返事は無い。

その代わりにガタイの良い男の人が3人前に出てくる。

 

「その嬢ちゃんを置いてけば宿まで案内してやんよ。」

 

少女 (このこ)を宿に連れて行きたいから聞いたのにと内心愚痴をこぼしながらそれなら自分で探します。とだけ伝え再び歩き出そうとする。

後ろを向いた瞬間に何も飛んで来なければ良かったんだけど。

ふと気づけばギリギリのところで無意識に避けた矢が床に刺さっていた。

頰が少しピリッと痛む。

逃がしてくれる気配はなく振り向くとすでに男の人3人は全員戦闘準備完了とでも言いたげな雰囲気だった。

 

「この世界の人たちってどうもこう死にたがりなのかな…」

 

少女を床に下ろし剣を抜く。一本だけ

殺さないように注意しないといけないと思いながら剣を構える。

構えた瞬間相手は動き出す。

1人ずつ攻撃をしてくる。

しかし俺に当たる事はない。

1つ1つの動きが俺にはすごく遅く見えていた。

盗賊と戦い少女を背負いながらフェルダースまで歩いて来て疲れているはずなのに。

と思いながらも攻撃を難なく避けた後相手の動きを封じていく。

 

難なく3人とも無力化したところで剣を納める。

その後少女を再び背負い歩き出そうとしたらチンピラ?の1人が声を出す。

 

「坊主。そっちに宿はねぇ 来た道を戻って2つ目の角を左へ曲がれば宿に着く。 人気のない宿だが坊主がその嬢ちゃんの目がさめるまで使うならもってこいの場所だ。」

 

なんだかんだでいい人達だったチンピラを後ろに俺は宿に向かって歩き出した。

宿に向かう途中何人かの人が俺の方へ来て冒険者かい?とか聞いてくるが違うとだけ答えるとそれならギルドに一度行って見たらどうだ?とか色々急に話を始めて来た。

とりあえず考えておくとだけ言い少し駆け足で宿に向かう。

 

遠くから見ると少し古ぼけた宿だったが中に入るとしっかりと手入れなされた綺麗な場所で何故人気が無いのかと疑いたくなるレベルだった。

 

「すみません。 二人分の部屋を貸していただきたいのですが…」

 

再び訪れる静寂に人居ないのかなとまで思わせた所で中から人が出てくる。

 

「もう…お婆ちゃんたら受付はお婆ちゃんの仕事でしょ…

えっと二名様ですか…?」

 

文句を言いながらも受付としての仕事を果たそうとする女の子は多分俺と同じくらいだったが俺の方を見つめたまま硬直して居た。

 

「あ、えっと二人分の部屋を貸していただきたいのですが…」

 

少しの静寂の後彼女は口を開いた。

 

「あ、はい。別々の部屋が良いですか?」

 

「いやこの子が何時、目がさめるがわからないし同じ部屋に2つのベッドがある部屋が良いんですけどありますか?」

 

「はい。少々お待ちください。」

 

そう言って奥に戻っていく彼女は少し顔を赤くして居たが

祐哉には見えていなかった。

 

「はい。これが部屋の鍵ですね。 後ろにある階段を上がって左に行った角の部屋です。 朝食などのご飯はすぐそこの通路を通って貰うと食堂がありますので。」

 

軽い説明を受けた後すぐに部屋に行き少女をベッドの上に寝かせる。

 

俺は別のベッドで横になり目を閉じた。




なんか祐哉の性格がわけわからなくなってきてます。

なんとか戻したい。

いつかクラスメイト視点を大量に描きたいなぁ…

誤字脱字等あったら報告して貰えると助かります。


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第6話 少女の目覚め

前回はクラスメイト視点書きたいとか言っておきながら今回はまだ主人公視点です。
そしてついに?少女が目覚めます。


 

 

ここはどこだろう。

薄暗く手足の自由を奪っていた鋼鉄の物も無くなっている。

盗賊に捕まりその後のことが思い出せない。

何が起きてここに来たのか、誰が私をここまで運んでくれたのか。

 

その答えを教えるかのようにドアが開く。

そこから入って来たのは黒髪の少年だった。

 

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朝食を軽く済ませ部屋に戻る。

すると少女は体を起こしこちらを見つめてくる。

目を覚ましたというそれだけで凄く嬉しかったが今はそれどころでは無い。

少しずつ近づいていき隣のベッドに腰掛け声をかけた。

 

「えっと…初めまして。俺は風吹 (ふぶき) 祐哉 (ゆうや)って者です。君は?」

 

そう言ってステータスストーンを手に取ろうとすると少女も喋り出した。

 

「私の…名前?」

 

少しの沈黙の後再び声を出す。

 

「私の…名前は メア。他は…」

 

「記憶がないんだね… きっと魔力枯渇状態なのに魔法を使ったからじゃないかな。時間をかければ治ると思うよ。

それでメア…ちゃん?は盗賊に捕まったことは覚えてる?」

 

「盗賊に捕まったのは覚えてる。けどどうして捕まったのかとかはわからない。」

 

「そうか…それだとどこから来たのかとかはわからないなぁ…」

 

「ユーヤはどうして私を助けたの?」

 

ある意味当然の質問だろう。

盗賊に捕まり何が起きてるのかわからないのに自分を助けてくれた人。

何故?と思うのも仕方がない。

 

「俺は何故か君を助けないとって思って…」

 

「ありがとう…。 ユーヤはこの後どうするの?」

 

「俺はこの後リムルーブ城にいる友達のところに戻ろうと思ってる。」

 

「私もついていく。足手まといにはならない。」

 

真剣な表情でこちらを見つめるメアちゃんに俺は断ることができなかった。

 

「わかったよ… それじゃあメアちゃ…」

 

「メア。それが良い」

 

「わかった。それじゃあメア。ステータスストーンとか持ってないよね?」

 

ステータスストーンと言われてもわからないと言いたげな顔を見て俺はステータスストーンを出し見せる。

そこで初めて俺のステータスが変化してることに気づいた。

 

名前:風吹 (ふぶき) 祐哉 (ゆうや)

体力:C+

魔力:F

筋力:C+

敏捷:C+

所持スキル: 『剣術』『双剣技』『身体能力制限-』『魔法使用不可』『自動翻訳』

 

『身体能力制限-』-が付いたことで制限の量が減ってステータスが伸びたのだろう。すぐにそう解釈できるがこの世界の一般人はオールD程度のステータス。俺は今C+。少し強い。無事にギルドで登録出来るのかという問題。

そして俺の横で感動してるメアもまたステータスが普通ではない可能性もあった。

メアはステータスストーンを見ても持ってない。と答えたので何か言われても仕方ないと思いながら二人は冒険者ギルドに向かった。

 

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お気に入り登録してくれた方や評価をしてくれた方、本当にありがとうございます。
とてもやる気になります!



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第7話 冒険者ギルド

ストーリーは頭の中にできてるんですけどいざ文章にしようとすると難しいww

多分これの次の回まで主人公視点です!


メアが無事に目を覚まし部屋を出る。

受付にいた女の子にギルドの場所を聞き歩き始めて数分。

とても大きな建物が見えてきた。

 

「うわっ…こんな大きな所があったのか。 気づかなかった…」

 

「ここが冒険者ギルド…?」

 

二人して入口の前で立ち止まってるのも申し訳ない。

入ろうかと声をかけ二人でギルドの中に入る。

 

中に入るととても広く色々な所で人の声がする。

酒を飲みながら次の仕事を探す者や、ただ酒を飲み続けてる者。仲間と思われる人と作戦会議をしている者もいる。

 

そんな中新規受付の看板を見つけた俺はメアを連れてその場所を目指す。

 

「えっと…冒険者になりたいのですが…」

 

「はい。でしたらこちらの書類に必要事項を記入していただいてもよろしいですか?」

 

そう言って渡される書類に目を通す。

名前や得意な武器や魔法といった具合でステータスについて書く必要は無いようだ。

安心しながらメアと二人で書類に必要事項を書き込んでいく。

無事に書き終えた二人は書類を受付の人に渡す。

 

「地下にて試験がございますのでこちらへどうぞ。」

 

言われるがままついていくと地下には大剣を片手で持ち上げ肩に担いでいる男が待っていた。

 

「では、一人づつ彼に全力で向かってください。

怪我等はこちらで用意させていただいた薬で治しますのでご安心ください。

では、どちらから行きますか?」

 

そう言われ俺は考える。

メアの体力は完全に回復しているわけでは無い。

そして魔法が使える事しかわから無いのに先に行かせるのは危険が多い。

 

「メア、俺が先に行くから。魔力の回復しっかりね。」

 

「わかった。 気をつけて。」

 

そう言い残し男のいる方へ向かう。

 

「おう、坊主。怪我してもそこの受付の姉ちゃんが治してくれるが、死んじまったら話は別だからな。本気でやれよ?」

 

その発言を聞きながら自分の背中の剣を二本とも抜き、足に力を貯める。

 

「わかってる…。 俺も本気でやるさ。」

 

【双剣技 疾風撃】

開始と共に放った最速の剣。

しかし相手に当たるどころか肩に担がれていた剣で塞がれる。

 

「その若さでこの速さの剣技か。面白い坊主だな。 次はこっちから行くぞ? 死ぬなよっ!」

 

その発言を聞いた次の瞬間、身体は勝手に動き二本の剣を自分の左側守るようにクロスさせる。 そこに相手の大剣の一撃が入る。 しかし防ぎきれず俺は吹き飛ばされた。

 

砂煙が舞う中俺はなんとか起き上がる。

 

「お、生きてるじゃねぇか。 あの坊主しっかり俺の一撃防いでやがったし、反応速度も悪くねぇ。 こりゃ合格で良いんじゃねえか?」

 

そう言いながら受付の人の方を見る。

 

「わかりました。 至急薬剤師と薬を持って来させます。

では次は、あなたの番ですね。」

 

 

受付の人の声を聞き私は前に出る。

 

「よし、次は嬢ちゃんか。 すまねぇが手加減してやるわけにもいかねぇ。 死なないようにだけ注意してくれな。」

 

その声を聞きながら少しイラっとしていたが落ち着きを取り戻す。

 

【風魔法 風車】

砂煙を引き起こし相手の視界を悪くする。

さっきの試合を見ている限り砂煙の中でも動く物は見えているようだった。

【土魔法 巨像作成】

床の土を使い私と同じくらいの大きさの物を作り私の横を通す。

 

私の横を通った砂の像は数秒後破壊されるはず。

そこが最初で最後の狙い。

 

全身の魔力をかき集め今自分に出来る最大の魔法を放つ。

 

「嬢ちゃん、砂煙を起こしても動き回ってちゃ場所を教えてるようなもんだ。」

 

その発言を聞いた瞬間、少し離れた場所に置いた像が壊れる。

 

【水魔法 水球】

相手を水の球体の中に入れ動きを封じる魔法。

しかしまだ魔力が足りない為他の魔法と並行して使えない。

風車を解除し水の中に目をやるとそこには人の形をした人形しかいなかった。

 

「嬢ちゃん、面白い魔法の使い方するな。 合格だ。 だが魔法を使うなら魔力の使った人形か普通の人かの判断は出来ないとダメだな。」

 

その発言を聞いた後いつの間にか降りてきていた受付の人と同じくいつの間にか回復していたユウヤと共に再び上に戻った。

 

 

「お二人とも無事合格おめでとうございます。 まずこちらが冒険者で有る証です。

メアさんはステータスストーンをお持ちではないようなので簡易型ステータスストーンをセットでお渡ししますね。

冒険者になりますと各ギルドで任務を受けることができます。それを何回か成功させると冒険者ランクが上昇します。冒険者ランクはF.E.D.C.B.A.S.EXの8段階になりますが現在EXクラスの冒険者はいませんので実質7段階となります。

また、冒険者には各ギルドにある資料館の資料を自由に見ることができます。

他にも詳しい情報はこたらの書類に書いてありますのでご確認ください。

何か質問はありますか?」

 

話を書き終えた俺は聞きたいことを考える。

 

「さっき俺たちと戦った人は誰だったんだ? それとこのギルドの資料館の場所も教えて欲しい。」

 

「先ほどお二人の試験相手となったのはA級冒険者の…」

 

「ガルエ・シュバルツだ。 よろしくな坊主と嬢ちゃん。」

 

「「よ、よろしく…」」

 

「それと資料館の場所…ですね。 あちら側にある通路を抜けると資料館前に出ますのでそちらをご利用ください。」

 

言われた通り通路を抜け資料館に到着する。

 

中に入りしばらくの間お互いが気になることを調べることにした。




メアのステータス未だに見れてませんが魔法が得意な女の子です。
いつか載せる予定ですw

それではまた次回!


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第8話 資料館でお勉強

色々最近忙しくて全く書けてませんでしたw
すみません。
これからも不定期な更新になると思いますがよろしくお願いします。

極力定期的に更新できるようにしていきたいとは思ってます。


ギルドで冒険者登録を終えた俺とメアは二人で資料館に入りこの世界について調べてようとしていた。

 

「あ、そうだ。メア、簡易型ステータスストーンを見せてくれないか?」

 

「わかった。」

 

名前:メア

職業:F級冒険者

体力:C-

魔力:C

筋力:D

敏捷:C-

所持スキル: 『水魔法』『雷魔法』『土魔法』『魔力減少』 ・・・

 

「途中で表記が消えてる…。 全部は見られないのか。後でちゃんとしたステータスストーンがどこで手に入るんだろうな。

それじゃステータスストーンとかの事も含めてお互い気になることとか調べてみるか。」

 

「わかった」

 

 

どれくらい時間が経ったのだろうか。

資料館の中にいた人たちは殆ど居なくなり辺りも薄暗くなり始めそうだった。

 

「メア。今日はこの辺にして一旦帰るか。 辺りも暗くなりそうだし。」

 

「ん。 わかった。 片してくる。」

 

本を元の位置に戻したメアと共に資料館を出る。

 

ギルド中に戻って来る俺たちを見つけ急いで走って来る女の人がいた。

 

「あ、あの…冒険者…の方ですよね?」

 

「今日なったばかりの冒険者ですけどね。」

 

「依頼をお願いしたいんです。 娘が森から帰って来なくて… 受付の方に言ったら自分で依頼を受けてくれる方を探した方が早いって言われたので…」

 

今にも泣きそうな目で俺とメアを交互に見る女の人を無視することも出来ず俺とメアは女の人と共に受付へと向かった。

 

「あら、もう見つけたの? 2人は受けてくれるみたいね。」

 

確かに内容はどうであれ受けようとは思っていたがそんなにもわかりやすかっただろうか…と思っていると受付の人が再び口を開く

 

「貴方の目がそう言ってるのよ。それで2人は内容を聞いたのかしら? 初任務となるのだししっかり聞いておいた方が良いと思うわよ? メアちゃんとユウヤくん。」

 

俺とメアの名前がもうすでに俺たちの知らないギルドで働く人にまだ知られていることに驚きながら話を聞く。

 

任務の内容はこうだった。

 

フェルダースの街の外に出て西に向かうとある森の中に入っていった娘を探しだし連れてきてほしいとの事。

 

「ユウヤくん、メアちゃん。 薬草は森の奥に行けば行くほど多くなるわ。でも森の奥には多くの魔物も住んでいるはず、これがどういうことかわかるわね? 初任務、頑張りなさい。」

 

受付の人からの忠告を胸に刻みメアの方を見ると目が合う。

 

娘さんのお母さんには家で待っていて貰うことにして俺とメアは2人並んでフェルダース西部にある森を目指し、フェルダースを後にした。




はい。
久しぶりの更新なのにそんなに長くない。

そして新しい受付のお姉さんは最初の受付の人の姉という感じと思ってたりしますが多分ふれませんwww

ここから先まだまだユウヤ視点で行くか
それともクラスメイト視点で行くか
あまり決めてないので次の回がどうなるか…

それではまた次回もよろしくお願いします。


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