黒澤家の長男です。 (カイザウルス)
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特別ストーリー 小原鞠莉Happy Birthday!!


特別ストーリです!

Aqoursの誰かが誕生日の時になどに書かせてもらいます(`・ω・´)ゝ
ここでは、瑠璃くんとAqoursの誰かが付き合っている未来の話なのでご了承ください……。

それでは、よろしくお願いします!


 

 「はぁ…はぁ…ぷはっ!」

 

 どうも、ただいま大学の部活が終わり最後の100mを泳いだ黒澤瑠璃です。

 

 タイムを見る限り、今日は調子がよかったからなのか上がっている。

 

 この調子で行けば、選手としての夢は叶うはずだ…。

 

 「瑠璃〜〜!!」

 

 はぁ…うちの大学は室内プールのためガラス張りの壁がある。

 

 そこには、金髪でセミロングの彼女が俺を見るやいなや手を振っていた。

 

 「はぁ…鞠莉」

  

 彼女の名前は、小原鞠莉。

 

 同じ大学の一つ上のセンパイで、俺の彼女だ。

 

 「Hey!Ruri!Your girlfriend is waiting for you.」

 

 「I know Anthony.」

 

 直訳すると……。

 

 おい!瑠璃!お前の彼女が待ってるぜ!

 

 とのこと。

 

 彼の名前はアントニー。

 

 ここの大学に来て最初に友達になった。

 

 現在のアメリカ代表の競泳選手で、かなりの注目されている選手だ。

 

 [さっさと言ってやれよ、彼女ずっと待ってるんだぜ?]

 

 [マジか?そんじゃ、俺はあがるよ]

 

 俺はアントニーにそう言い残し、プールを後にした。

 

 もう、大学に入って1年経ちアメリカの生活も段々慣れてきた。

 

 そう、俺は現在アメリカの大学でプロの水泳選手を目指している。

 

 『瑠璃?私ね瑠璃の事が好きよ?』

 

 『俺も鞠莉の事が好きだよ』

 

 あの告白から、俺と鞠莉は付き合うことになった。

 

 そして鞠莉は、アメリカの大学へ。

 

 俺は追いかける様に鞠莉と同じ大学に入った。

 

 「ごめんね鞠莉?退屈じゃなかったか?」

 

 「そんな事ないわ!瑠璃の泳ぎはとってもシャイニーで楽しかったもの!」

 

 「それはよかった」

 

 鞠莉は自然に腕にしがみつく。

 

 俺は右腕が塞がって締まったため、左手でスマホをいじり今日の予定を確認。

 

 今日は、6月13日。

 

 鞠莉の誕生日だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だからと言って特別どこか出かける訳ではない。

 

 「本当にいいの鞠莉?」 

 

 「ええ、私は瑠璃といっしょにいればそれでオーケーよ」

 

 鞠莉は、今日1日いっしょに入れればいいと言っていたので、ただいま鞠莉の家で2人でテレビを見ている。

 

 まぁ、プレゼントに夕飯は準備出来てるから大丈夫だろ。

 

 「ん〜〜瑠璃〜〜♡」

 

 鞠莉は俺に抱きつき頭を押し付ける。

 

 俺はそれを受け止め、そのままソファに横になる。

 

 「ふふ…私のダーリン♡」

 

 「どうしたんだい?ハニー」

 

 「そうやって乗ってくれる所、好きよ」

 

 「僕も鞠莉が好きだよ?」

 

 「んっ」

 

 鞠莉が俺に軽くキスをする。

 

 今日は何だか甘えん坊な鞠莉だな…。

 

 ん?ソファの所から鞠莉が使っているであろう部屋が見えた。

 

 部屋も開けっ放しで不用心な。

 

 だが、目を凝らしてよく見てみると、机の上には大量の書類。

 

 大方、昨日の夜中までレポートでもやっていたのだろう。

 

 「瑠璃?」

 

 「鞠莉、昨日寝たの何時?」

 

 「んぐっ……な…何のことだからわからないデース」

 

 しらばっくれやがったぞ…このシャイニー娘。

 

 俺はソファから立ち上がり、鞠莉をお姫様抱っこの要領で抱える。

 

 「ちょ…ちょっと、瑠璃?」

 

 鞠莉が何か言っているが無視する。

 

 俺はそのまま鞠莉を連れてベットルームへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 「よいしょ」

 

 鞠莉をベットに下ろし、俺も腰を下ろす。

 

 鞠莉を見ると珍しく頬を薄く赤らめている鞠莉がそこにいた。

 

 「……スる?」

 

 「アホか」

 

 「うっ…そういうムードだったでしょう!?」

 

 何を言い出すかと思えば…この時間からは流石にキツいだろ。

 

 俺は鞠莉の頭を軽くチョップ。

 

 そうじゃなくて……。

 

 「鞠莉」

 

 「なに?」

 

 調子よく返事をする鞠莉だが、俺は鞠莉の頭の上に手を置く。

 

 「俺のために頑張ってくれるのは嬉しいけど、鞠莉がそれで辛いのなら俺は頑張って欲しくないよ?」

 

 「……辛くないもん」

 

 珍しく駄々を捏ねる鞠莉。

 

 口元まで毛布で隠す姿に、ちょっとキュンと来てしまった。

 

 「はぁ…わかったよ。けど、寝てないでしょ?」

 

 「……そうね、やっぱり瑠璃には隠し事出来ないわ」

 

 諦めたのか、鞠莉はそのまま目を瞑り眠りにつこうとする鞠莉。

 

 「おやすみ、鞠莉」

 

 俺は鞠莉のおでこに軽くキスをし、夕飯の準備に取り掛かろうとするが……。

 

 ん?何か腕が掴まれてる?

 

 ベットに目を向けると目の開けてる鞠莉がそこにいた。

 

 「やっぱり……やっぱり……シたい……」

 

 「いや、だから時間が……」

 

 鞠莉は勇気をだして言ったのか目がウルウルとし、頬も赤い。

 

 「はぁ…」

 

 久しぶりの鞠莉からの誘いだ、ここで断ったら男じゃない。

 

 俺は自分の財布と携帯を机に置き、電気を消す。

 

 「あ…そうだ」

 

 「どうしたの?」

 

 「お誕生日おめでとう鞠莉」

 

 「ありがと瑠璃、愛してるわ」

 

 「俺もだよ、愛しい恋人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜said out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Happy Birthday 鞠莉。

 

 





いかがだったでしょうか?
いまだに本文の方ではでない鞠莉ちゃん……早く出したい……。


感想・評価待ってます!


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津島善子Happy Birthday!!


更新が遅くてすみませんm(_ _)m


それでは、よろしくお願いします!



 

 ピピピピ ガチャ

 

 朝の目覚ましと朝の日差しで目を覚ます。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 夜遅くまで大学のレポートをやっていたためまだ眠気がある。

 

 眠い目を擦りながら目覚まし時計を見て時間を確認。

 

 「10時30分……………はぁぁぁぁ!?」

 

 俺はすぐにベッドから飛び起き、服を着替える。

 

 待ち合わせの時間は11時だ、今から出ればギリギリ着くな。

 

 今日は7月13日。

 

 彼女の……津島善子の誕生日だ。

 

 俺はすぐにバイクの鍵を持ち、財布と携帯を鞄にしまいすぐに家をでる。

 

 「おっとと……忘れ物忘れ物」

 

 昨日、せっかく買ったプレゼントを忘れるところだった。

 

 プレゼントを鞄にしまい改めて家をでた。

 

 

 

 

 

 

 

 「あれ?善子まだ来てないのか?」

 

 待ち合わせ場所のいつもの喫茶店の駐車場にギリギリで着き善子が怒っていると踏んだのだがまだ、善子もいない。

 

 まぁもうすぐ来るはずだ。

 

 ドドドドドッとバイクのエンジンを背に善子に告白したあの日を思い出す。

 

 『我とこ……恋人の契約を結ぶがいいヨハネ!』

 

 『い…いいでしょう!この堕天使ヨハネが契約を結びましょう!』

 

 いま思い出すと結構……いや、かなり痛い告白だったな…。

 

 まぁおかげで付き合うことになったしよしとしよう。

 

 「瑠璃〜〜!!!」

 

 自分の名前を呼ぶ声が聞こえたため振り返る。

 

 そこには何故か走ってくる善子。

 

 「たすけて〜!!!」

 

 それと犬の大群が善子を追いかけている。

 

 な……何があった?

 

 

 

 

 

 

 

 犬を何とか追い返し、いまは喫茶店でお茶をしている。

 

 俺は朝ごはんを食べてないため、サンドイッチのセットを頼んでいる。

 

 そんな善子はココアを飲んでいる。

 

 そんなことより

 

 「あ…朝から大変だったな…善子…ブフッ…」

 

 「ちょっと笑わないでよ!あと私はヨハネ!」

 

 相変わらず飽きさせない位おもしろい善子に笑いを堪えつつ話す。

 

 「そう言えば珍しくワンピースだな」

 

 「うぐっ!?な…何のことかしら…」

 

 いつもの善子だったら、黒を強調とした服で周りから見ると少し痛い恰好だが……まぁ俺はそんな善子も好きなんだけど、今日の善子は夏らしく爽やかな白を強調したワンピースに麦わら帽子。

 

 「似合ってるぞ」

 

 「あ…ありがとう」

 

 恥ずかしかったのか、顔をしたに向け赤くする。

 

 俺も早くサンドイッチを食べて立ち上がる。

 

 「さてと…それじゃぁ行くか」

 

 「今日はどこに連れて行ってくれるのかしらリトルデーモン?」

 

 いつの間にかヨハネモードになりながら聞いてくる善子。

 

 俺も少し善子にのるとしよう。

 

 「今日、連れていくところはヨハネ様が一度拝見したいと申した太陽の結界領域でございます」

 

 「た……太陽の結界領域ですって!」

 

 「その通りでございますヨハネ様!」

 

 どうしよう……周りの目が……恥ずかしい!!

 

 さすがの善子も恥ずかしいだろうと思いチラッと善子を見る。

 

 「うぅ……うぅ……か…」

 

 何だか震えているが……やはり恥ずかしかったのか?

 

 「かっこいい……」

 

 目をキラキラさせてこっちを見やがった!

 

 だよね!善子はそういう子でした!

 

 「ほら行くぞ善子」

 

 「ちょっと!ヨハネだってば〜」

 

 俺は善子を連れてお金を払いすぐにその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 「ほれヘルメットとゴーグル……あとスカートめくれないようにしっかり抑えとけよ?」

 

 「わかってるわよ!」

 

 自分のバイクに掛けておいた善子用のヘルメットにゴーグルを渡す。

 

 善子の麦わら帽子はバイクに付いてるカバンにいれる。

 

 俺は自分のヘルメットを頭につけバイクに跨る。

 

 「頼んだわよブラックペガサス号!」

 

 「カワサキW650って何回いえば覚えるんだ……まぁ良いけど」

 

 バイクのエンジンをつける。

 

 ドドドドドッとエンジンがなり音を聞き調子がいいことも確認。

 

 ……よし、いい感じだ。

 

 「しっかり捕まってろよ善子」

 

 「う…うん!」

 

 ぎゅーっと俺にしがみついているため背中に善子の胸が当たっている。

 

 ま……まぁもう慣れたから何ともないが……。

 

 さて返事も聞こえた事だし、ヘルメットのシールドを下げて発進。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バイクで走らせ30分ほどの場所に着いた。

 

 そこに広がっていたのは、1本1本俺より背丈が少し高い、太陽の花が広がっていた。

 

 そう太陽の結界領域とは、ひまわり畑の事だ。

 

 善子がずっと見てみたいと言っていた場所だ。

 

 「すごい……」

 

 自分のヘルメットとゴーグルを外し、驚いている善子を見て笑う。

 

 「すげーだろ?奥には海も見えるんだぜ」

 

 「ほんと!?」

 

 「ああ、本当だとも……ほれ」

 

 俺はバイクの鞄から麦わら帽子を取り出し善子に被せる。

 

 善子は小さな悲鳴をあげるが両手でつばを掴み顔を見えないようにする。

 

 恥ずかしがり屋め……それと……。

 

 俺は自分の鞄からプレゼントを出す。

 

 「誕生日おめでとう善子」

 

 俺は軽く善子の唇に触れる。

 

 「!!……んッ……うん!ありがと!」

 

 嬉しかったからなのか善子は眩しい笑顔を俺に見してくれた。

 

 俺は善子の手をとり

 

 「プレゼントは奥に進んでから開けよう」

 

 「そうね、そうするわ!さぁ行くわよ瑠璃!」

 

 いつの間にか俺が引っ張られるかたちになっている。

 

 ……たまにはいいだろ。

 

 俺は善子に引っ張られひまわり畑の中を進みながら青い海へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜said out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Happy Birthday 善子

 

 






いかがでしょうか?

そろそろ善子も当時させなくては……。

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高海千歌Happy Birthday!!


よろしくお願いします!


 

 

 「海だ〜〜〜!!!!」

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 そして隣で大声で叫んでるのが彼女の高海千歌です。

 

 その前に……

 

 「……千歌うるさいぞ」

 

 「だって海だよ!」

 

 いや、そうなのだが……。

 

 いま俺と千歌が来ているのは海が綺麗に見えると言うとあるビーチスポット。

 

 実家が海の近くのため、海は見飽きているが……

 

 「ん?どうしたの?ルーくん?」

 

 「いんや可愛いなって思って見惚れてた」

 

 「えへへへ〜……そう言われると照れちゃうよ〜」

 

 両頬を赤く染め、頬を抑える千歌。

 

 この可愛い千歌が何と俺の彼女なのです。

 

 『千歌ね、ルーくんが……ううん……瑠璃くんが好き』

 

 『そうか……俺もさ……千歌が好きだ……付き合ってください』

 

 それから千歌は大学へ、俺は競泳選手にはとある事情で慣れなかったが、競泳には関わる仕事をしている。

 

 予約した場所に、レジャーシートを引きパラソルも立てる。

 

 ここだったら係員さんの目も届くため安心だろう。

 

 「ルーく〜ん!!」

 

 いつもの愛称で遠くから俺のこと呼ぶ、千歌。

 

 水着に着替え終わり、走ってくる。

 

 そのせいなのか振動で胸が揺れている。

 

 やはり……ちかっちのちちっちはでかっちとは、よく考えたものだ。

 

 「どうルーくん!」

 

 「おお、似合ってる似合ってる」

 

 お揃いのパーカーに下にはみかん色のワイヤービキニというものを着用している。

 

 早く海に入りたくてしょうがない俺はパーカーを脱ぎ海に行こうと走り出そうとした。

 

 「ル……ルーくん?」

 

 「ん?どした?」

 

 振り向くとそこには何故か色っぽい座り方をし、俺を挑発するような目で見る千歌がいた。

 

 「千歌……じゃなくて……私に〜…日焼け止めを〜塗ってくれな〜い?」

 

 何故か語尾の方を伸ばしてるのが気になるが、どうやら背中に日焼け止めを塗って欲しいようだ。

 

 しかし……

 

 「千歌」

 

 「なに〜?」

 

 「誰に言われた」

 

 「な……何のこと〜」

 

 千歌はこんな喋り方をいつもしないし、まず色っぽい時点でもういつもの千歌ではない。

 

 とりあえず聞いてみたもののしらばっくれる。

 

 「正直に言えば、ハグしてやる」

 

 「曜ちゃんがこうすればルーくんはイチコロって言ってた!!!……あ」

 

 どうやら犯人はヨーソロー娘の曜のようだ。

 

 後でお仕置きだな。

 

 「ごめん……ルーくん……」

 

 千歌が謝りながらうつむいてしまった。

 

 アホ毛まで何故かシュンとしてる。

 

 ふむ……。

 

 「怒ってないよ、今日は楽しむんだろ?」

 

 俺は優しく子供に言うように頭を撫でながら答える。

 

 すると千歌は、顔を上げて俺の首に腕を回し抱きついてきた。

 

 「そういう優しい所、大好き!」

 

 「そうかそうか、それはよかった」

 

 千歌は立ち上がり俺の手をとる。

 

 俺は千歌の手を握り砂浜に向かおうと思った。

 

 だが、千歌が何かに気付き、動かない。

 

 千歌が見ている方を見ると、子供が泣きながら歩いていた。

 

 「迷子か……っておい千歌!」

 

 千歌は何を思ったのか子供の方へ走り出す。

 

 俺は千歌を拾い追いかける。

 

 「大丈夫きみ?」

 

 千歌は膝を曲げて子供と同じ目線で話をする。

 

 子供はまだ泣いている。

 

 「え……えっと……何歳かな?」

 

 「ううっ……うう……」

 

 千歌が年齢を聞くがいまだに静かに泣いている。

 

 慌てる千歌、どうすればいいのか分からないのだろう。

 

 しょうがない。

 

 俺は一度戻り鞄からいつも常備している飴玉を取り出し戻る。

 

 「大丈夫か?ボウズ?」

 

 「うっ……うっ……パパ…ママ……」

 

 お父さんとお母さんと来たようだ。

 

 こういう時は冷静になるのが1番だ。

 

 俺は飴玉を子供に見せる。

 

 「ボウズ…よく見てろよ……よっと!」

 

 子供は飴玉に注目する。

 

 俺は飴玉を宙に投げキャッチし、息を吹きかける。

 

 すると不思議なことに飴玉が手のひらから消えた。

 

 「……あれ?」

 

 隣では千歌も不思議そうに見つめる。

 

 「さてさて飴玉はどこかな?」

 

 「……わかんない」

 

 「あ!見つけた見つけた」

 

 俺は子供の耳を触る仕草する。

 

 するとそこから飴玉をつまんで出す。

 

 「わぁ!!!」

 

 目をキラキラさせながら俺にもう1回見してくれとせがまれる。

 

 「それじゃ、この飴上げるから名前と年齢教えてくれるかな?」

 

 「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 名前と年齢を無事に聞き、子供を事務のテントまで運ぶ。

 

 もう今では泣いていた子供が嘘のように笑顔で俺と千歌の間で手を繋ぎ歩いている。

 

 「んふふふ!」

 

 「どうした?ボウズ?」

 

 何故か笑顔の子供に理由を尋ねる。

 

 「あのね!パパとママもこうやって手を繋ぐんだよ!だからね!お兄ちゃんがパパでお姉ちゃんがママ見たいだなって!」 

 

 「ぶふぉ!!」

 

 い……いきなり何を言い出すんだこのガキンチョは!?

 

 いきなりの爆弾発言に戸惑い千歌の方を見る。

 

 「え……えっと……その……」

 

 やっぱり恥ずかしがってる。

 

 俺と2人だけの時でも何故か千歌は将来の話をすると恥ずかしがる。

 

 けど、いつかはちゃんと話したい。

 

 いまは彼女だがいつかは嫁さんと呼びたいな…。

 

 「あ!ママとパパだ!」

 

 子供は俺と千歌から手を離し一目散に母親と父親の方に走り出した。

 

 子供が真ん中からいなくなったので不自然な空間が開く。

 

 俺は千歌の方に歩む。

 

 「よかった」

 

 千歌は隣で小さく呟く。

 

 探している間、1番子供と喋ったのは千歌だしな。

 

 「そんじゃ、俺たちは海に入るか」

 

 「うん!」

 

 俺は千歌の手を取り、2人で海に向う。

 

 これから先、いつまでも手を取りずっといっしょにいたい。

 

 そう思った。

 

 「あ……千歌」

 

 「ん?」

 

 「今言うなもなんだが…誕生日おめでとう」

 

 「うん!ありがと!!」

 

 いつまでも笑顔でいられますようにと、俺は心の中で望んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜said out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 Happy Birthday 千歌

 

 





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桜内梨子Happy Birthday!!


よろしくお願いします!


 

 

 

 秋の訪れを徐々に感じ始める今日この頃……。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 目覚ましも鳴る前に起きてしまったようだ。

 

 俺はベッドから立ち上がり、リビングに向かう。

 

 リビングのドアを開けるとそこには

 

 「あっ…おはよ!瑠璃くん」

 

 「ん…おはよ梨子」

 

 彼女の桜内梨子がキッチンで何やら料理をしていた。

 

 あの告白から数年……

 

 『私ね、黒澤くん……友だちとしてじゃなくて……異性として黒澤くんが好き』

 

 『ほ……本当か!?俺も梨子が好きだ!』

 

 俺と梨子は学部は違うが同じ大学に入学し、一緒に住んでいる。

 

 「お…だし巻き卵だ」

 

 「今日はデートの日だから張り切ってるんだ!」

 

 可愛く上機嫌な梨子はお箸で小さく切っただし巻き卵を1つ掴み俺に向けてきた。

 

 「はい、あーん」

 

 「あー…ん、お!美味い!」

 

 「よかった!」

 

 梨子はまた料理を再開、俺はその間にシャワーに入り、今日の予定を確認しよう。

 

 俺は梨子の後ろにある冷蔵庫から麦茶を取り出し、乾いた喉に麦茶を注いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そんじゃ行くぞ〜」

 

 「うん♪」

 

 車に乗りエンジンをかけ、梨子がスクールアイドルの頃の曲を流しナビを見る。

 

 今日行く場所は、とある公園。

 

 中には梨子の好きな美術館もあり、デートスポットにはうってつけの場所だ。

 

 助手席に座り常に笑顔で俺を見る梨子。

 

 「な…なんだよ?」

 

 「ううん、何だか嬉しいなって!」

 

 「……そうか」

 

 「あっ、赤くなってる」

 

 「なってないよ!」

 

 梨子は付き合ってから性格がかなり変わった。

 

 いままでは言いたいことをあまり言わない子だったのに、今では自分の気持ちを隠さず言う子になった。

 

 まぁ、自分の気持ちと言っても仲のいい人限定なのだが……。

 

 俺はアクセルを踏み、公園へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うおぉぉぉ!うまそ!!」

 

 「よかった、作ったかいがあって」

 

 公園に無事に着き、木陰を見つけシートを引きその上でランチタイム。

 

 朝ごはんも食べていないのでお腹は減っている。

 

 弁当の中身はタコの形をしたウィンナーに唐揚げ、だし巻き玉子、栄養バランスも考えているのかブロッコリーにトマトもある。

 

 もう1つの弁当箱には様々なサンドイッチがあった。

 

 「「いただきます」」

 

 まずはサンドイッチ。

 

 梨子の1番得意料理のサンドイッチを手に取り、ひと口。

 

 「ん〜…んま」

 

 ほんのりと甘さが目立つが卵の味も逃がさず美味い。

 

 気がついたら持っていたサンドイッチもなくなっていた。

 

 あまりの美味しさに気がつかなかった。

 

 「ふふ、瑠璃くんって本当に美味しそうに食べるね!他にもツナサンドにベーコンサンドもあるから落ち着いて食べて?」

 

 ついつい夢中になり、サンドイッチをほうばる。

 

 梨子も弁当を食べ始める。

 

 「そう言えば、音楽の方はどうだ?」

 

 「ん?…ん…うん!大学にも慣れたから楽しいよ」

 

 まだ食べてる途中で話しかけてしまったため、梨子は手で口を押さえながら喋る。

 

 悪いことをしたな…。

 

 「瑠璃くんの方は……ふふっ」

 

 「ん?」

 

 何か話しかける梨子だったが俺を見ていきなり笑う。

 

 なにか面白かったのか?

 

 とくに変わった所はないと思うのだか……。

 

 「黒澤くん…ほっぺにパンクズついてるよ」

 

 「え?どこだ?」

 

 梨子に頬を指摘され頬を拭う。

 

 …なかなか取れないな…取れた感覚がしないためまだ、しつこく着いているのだろう。

 

 「もう、しょうがないな」

 

 じれったくなったのか、梨子は俺のところにきて顔を近づけると。

 

 「えい」

 

 ……口で俺の頬に着いたパンクズをとった。

 

 「これで取れたよ」

 

 俺に微笑みながら梨子はそう言った。

 

 いや、確かに取れなかった俺も悪いけど……まぁとりあえずはお礼を言っておこう。

 

 「あ……ありがとう」

 

 「うん!」

 

 昔の梨子だったら絶対にいまの一連の行動しないのにな……。

 

 そう思った俺は用意された飲み物を口に含む。

 

 「恥ずかしかった?」

 

 「ぶふぅ!?がはっ……がは!?いきなりどうした!?今日の梨子変だぞ!?」

 

 随分と積極的な梨子についつい戸惑ってしまう俺。

 

 梨子はそれを見て意地悪そうに笑う。

 

 「何なんだよ、いまの……」

 

 「戸惑ってる瑠璃くんが見たくて、ごめんね」

 

 梨子はチラリと舌を覗かせ、ウィンクをする。

 

 決めたぞ、積極的な梨子のことを小悪魔梨子と呼ぼう。

 

 

 

 

 

 

 

 「「ごちそうさまでした」」

 

 ということで完食。

 

 やはり、心がこもったご飯は美味い。

 

 「美味しかった?」

 

 「おう、美味しかったぞ」

 

 「よかった」

 

 梨子は胸をなで下ろし弁当の片付けを始める。

 

 俺も手伝おうとしたが、ゆっくり休んでてと言われたので今は大の字になり横になってる。

 

 今日は天気が良く晴天だ、更には風もあり昼寝日和だ。

 

 徐々に眠くなり目を閉じる。

 

 すると、右手に何か違和感を感じる。

 

 右手を確認する、違和感の正体は梨子だった。

 

 いわゆる俺が梨子を膝枕している状態だ。

 

 「お疲れ様」

 

 「うん、風が気持ちいいね」

 

 「だな」

 

 梨子は徐々に目が細くなっているのがわかる。

 

 まぁ朝から豪華な弁当を作っているからしょうがないだろう。

 

 「腕は貸してやるから少し寝ろ」

 

 「う…うん…そうする…」

 

 梨子は俺の方向に体を向け、眠りに入る。

 

 気がつけばもう寝息が梨子から伝わる。

 

 「全く…無理しすぎなんだよな…そうだ」

 

 俺は左手を伸ばし、自分のカバンからプレゼントを出す。

 

 何とか片手でプレゼントを開けそっと梨子の左手の小指にピンキーリングをはめる。

 

 「誕生日おめでとう梨子」

 

 寝てる梨子のおでこに軽くキスをし、俺も眠くなり目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜said out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 Happy Birthday 梨子

 

 

 




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黒澤ルビィHappy Birthday

だいぶ遅刻しましたが、よろしくお願いします。


 

 

 「起きて…起きて!お兄ちゃん!」

 

 「……ん……ん〜…ルビィ?」

 

 「おはよお兄ちゃん、朝だよ」

 

 どうやらルビィに起こされたようだ。

 

 どうも、寝起きの黒澤瑠璃です。

 

 時計の時間を確認するとまだ朝の6時のようだ。

 

 ……早すぎない?

 

 「ルビィ…悪いけどもうちょい寝る…おやすみ」

 

 俺はルビィに取られた布団に潜り込み、目を閉じる。

 

 だが、ルビィはそれを許さなかった。

 

 「もう!起きてよお兄ちゃん!」

 

 「あ!やめろ!嫌だ〜!ベッドから出たくない〜!」

 

 カーテンを開け、布団を取られ朝から散々だ。

 

 昔のまだ素直なルビィの方が良かった。

 

 今は段々とダイヤに似てきた部分があり、少し怖い。

 

 「わかったわかった起きるよ……全く」

 

 俺は渋々ベッドから立ち上がり、顔を洗いに洗面所に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 「というかルビィ、俺の部屋に来るなとは言わないが毎日来るのはどうかと思うぞ?」

 

 「うゅ?」

 

 最近、ルビィは東京の大学に合格し、一人暮らしをしている。

 

 だがそれを心配した両親が俺の部屋の合鍵を勝手に作り、その合鍵でほとんど毎日のように俺の部屋に遊びに来ている。

 

 「……料理上手くなったなルビィ」

 

 そんなことよりも朝ごはんだ。

 

 栄養バランスを考えた大好物の和食料理。

 

 鮭に白米に味噌汁。

 

 スタンダードの和の朝食はルビィが作ってくれた。

 

 「えへへ、そうかな〜?」

 

 「ああ、この味噌汁だなんて母さんの味がする」

 

 「お母さんに教えてもらったんだ!」

 

 ない胸を張りながら自慢するルビィ。

 

 さてと朝ごはんも早く食べ終わったので片付ける。

 

 「ルビィも早く準備しろよ、今日は誕生日だろ?」

 

 「……覚えてたんだ」

 

 「は?当たり前だろ?家族の誕生日だなんて忘れるかよ」

 

 今日はルビィの誕生日だ。

 

 そのため早く起こされたのだ。

 

 まぁもうちょい寝たかったのは本当だけど……。

 

 「うん!」

 

 そう言うとルビィは笑顔に箸を進める。

 

 さてと、俺も早く準備をしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 車を運転し目的地はとある山。

 

 駐車場に車を停める。

 

 隣では移動時間が長かったため寝てしまったルビィがいた。

 

 まぁ、朝も早かったししょうがない。

 

 「ルビィ…起きろ着いたぞ」

 

 「うゅ?……ん〜…ルビィ寝ちゃってた?」

 

 ルビィは目を擦りながら大きく欠伸をして起きる。

 

 …少しイタズラをしてやろう。

 

 「ああ、思いっきりいびきを欠いて寝てたよ」

 

 「ピギィ!?……は…恥しい…」

 

 ルビィは驚き頬を抑え恥ずかしがる。

 

 可愛かったのでよしとしよう。

 

 という事でここでネタばらし。 

 

 「まぁウソだけど」

 

 「え?ん〜お兄ちゃん!」

 

 頬を膨らませ怒りだしたルビィ。

 

 ルビィは、横から俺の腕にポカポカとパンチをするが、全然痛くないためとりあえずエンジンを止める。

 

 「気はすんだか?」

 

 「はぁ…はぁ…うん」

 

 気がすんだようなので良しとしよう。

 

 俺とルビィは車を降りる。

 

 「うわぁぁぁ!」

 

 ルビィは車を降り、振り向くとそこには絶景とも取れる赤い紅葉が広がっていた。

 

 まるで赤い絨毯だ。

 

 「感謝しろよルビィ?お前が紅葉が見たいって言うから連れてきたんだぞ」

 

 前にどこか出かけたい場所はあるかと聞いた時に、紅葉が見たいと言っていたため。

 

 インターネットで調べたら一番早い時期ではここの山がオススメだった。

 

 「ほら頂上に行くぞ」

 

 「うん!」

 

 ルビィは元気よく返事をしてから俺の隣を歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 俺とルビィは歩いて移動してから数分。

 

 今はロープウェイに乗っている。

 

 「凄いね!お兄ちゃん!」

 

 「そ…そうだな…喜んで貰えて何よりだよ」

 

 ルビィは高い所が大丈夫なのか真上からみる紅葉に興奮を隠せないでいた。

 

 高い所が苦手な俺からして見れば辛い。

 

 「大丈夫お兄ちゃん?」

 

 少し苦い顔をしてしまったのだろうか、心配そうにこちらを覗き見るルビィ。

 

 だが、心配させるわけにはいかないので頑張って笑顔を見せる。

 

 「気にしなくて大丈夫だぞルビィ」

 

 まぁ、あと5分ぐらいなら頑張って耐えよう。

 

 するとルビィは俺の右側に近づき体を密着させる。

 

 「こ…こうすれば…お兄ちゃんも怖くない?」

 

 「……曜に教えてもらったのか?」

 

 「え?う…うん」

 

 ルビィはまず体を密着させるという行為を考えるはずがない、むしろ恥ずかしくてできないと思われる。

 

 「よし、曜には後で叱ったこう」

 

 「ほ…ほどほどにね?」

 

 俺は携帯を起動させて曜にメールを送る。

 

 曜の焦っている顔が目に浮かぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 無事に山頂についた俺とルビィ。

 

 「はぁ…はぁ…怖かった…」

 

 「ほら、お兄ちゃんしっかり歩いて!」

 

 「お…おう、すまない」

 

 俺はルビィに少し寄っかかる形で乗り物から出る。

 

 妹に迷惑をかけ少し恥ずかしい。

 

 「もう大丈夫だぞルビィ」

 

 「本当に?」

 

 「ああ本当だ」

 

 俺は寄りかかるのをやめて両手を上にあげ、ストレッチをする。

 

 「もうお兄ちゃんはいつも無理するんだから気をつけてね?」

 

 「は…は〜い」

 

 痛いところをつかれ冷や汗が出る。

 

 だが、同時にルビィが少し頼もしく見えた。

 

 やっぱり成長はしてるんだなと改めて思い、ルビィの頭を撫でる。

 

 「ルビィも立派になったな」

 

 「えへへっ……お…お兄ちゃん」

 

 「ん?」

 

 なんだかルビィの頬が少し赤い。

 

 まさか、熱でも出たかな?

 

 「その…手を繋いでいい?」

 

 ルビィからのお願いだった。

 

 まぁ今回はルビィの誕生日だし、良しとしよう。

 

 「…今回だけだぞ?」

 

 「うん!」

 

 ルビィは嬉しそうに笑い俺の手にルビィの手が重なる。

 

 なんだかんだまだ、子供なんだな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜said out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 Happy Birthday ルビィ

 

 

 





感想・評価待ってます!


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風邪を引いた幼馴染



大変遅くなりました!
投票結果の特別ストーリーです!

よろしくお願いします!


 

 「曜が風邪を引いた?」

 

 『うん、そうなの…』

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 夜遅くに珍しく千歌からの電話に驚いている。

 

 あの曜が風邪を引くのは非常に珍しい、きっとスクールアイドルの練習に衣装作りを頑張りすぎた結果だろう。

 

 「とりあえず明日、見舞いに行っとくよ…千歌は練習に集中しとけ」

 

 『うん!ごめんね?瑠璃くん』

 

 「構わないよ、じゃあな」

 

 俺は電話を切り、明日の学校の用意をし、ベッドで眠りに着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 学校が終わり曜の家の前。

 

 「適当に理由を付けといてくれ!……わかったよ、今度メシでも奢るよ」

 

 友人に部活を休む電話を入れ、俺は曜の家のインターホンを押す。

 

 「は〜い!あら、瑠璃くん!」

 

 「こんにちは、おばさん」

 

 曜のお母さんが現れた。

 

 俺の母さんとそんなに年齢は変わらないと思われるが、相変わらず若い。

 

 曜の姉ちゃんと紹介しても、信じるレベルだ。

 

 「曜のお見舞いに来たんだけど?」

 

 「あら、ありがとう!それより部活はどうしたの?」

 

 「サボった」

 

 俺は包み隠さず正直に答えた。

 

 どうせバレるなら言った方がマシだ。

 

 「…お母さんに怒られても知らないわよ?」

 

 困った様に笑うおばさん。

 

 俺はおばさんの横を通り、家に入る。

 

 「おばさんが言わなければバレないよ!曜は2階?」

 

 「もう…ええ、2階で寝てると思うわ」

 

 どうやら諦めてくれたらしい。

 

 俺は、靴を脱ぎ曜の部屋に向かう。

 

 そう言えば、昔にもこんな事があったな…。

 

 あの時も激しい練習のせいだったと思う。

 

 さてと、俺は部屋の前に立ちドアノブに手をかけ開ける。

 

 「ふん♪ふん♪ふん♪ふ〜〜ん♪………………あ」

 

 何故かパジャマ姿で顔がいつもより赤い曜が踊っていた。

 

 Aqoursの新しい振りだろう。

 

 その姿に俺は……

 

 「何をやってるんだぁぁぁ!!!」

 

 雷を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 「たく……お前はバカか?あぁバカ曜だったな、すまん」

 

 「それで謝らないでよ!!」

 

 曜をベッドに寝かしつけ、椅子に座る。

 

 予想よりも元気で何よりだ。

 

 「熱はどうなんだ?」

 

 「えっと…確か39.2だったかな?」

 

 「めちゃくちゃ高熱じゃねぇか、よく踊ろうと思ったな」

 

 やっぱりバカでアホのようだ。

 

 俺はタオルを絞り、曜の額に優しく乗っける。

 

 「へへっ、ありがと」

 

 「おう……あ、そうだ」

 

 俺はコンビニで買ってきたスポーツドリンクを机に置き、周りを見る。

 

 昔とあまり変わらない曜の部屋。

 

 勉強机を見ると、写真が飾ってある。

 

 俺とのツーショットや千歌とのツーショットが、飾られている。

 

 「ちょっと」

 

 「ん?」

 

 「あんまりジロジロ見ないで…………恥ずかしい」

 

 毛布を口元まで隠し、恥ずかしそうに俺をじとーっとした目付きで見る。

 

 「すまんすまん、久々に入ったからついな」

 

 「もう」

 

 案外喋れるもの何だな、見た感じ高熱を出しているように見えない。

 

 俺は家にあったみかんを取り出し、皮を剥き始める。

 

 曜の口元にみかんを持っていく。

 

 「ほれ」

 

 「……え?」

 

 「ん?風邪を引いたらビタミンを取るべきだろ?食え」

 

 「え?…いや…けど…」

 

 何故か恥ずかしがっている曜。

 

 よく分からない為、無理やりみかんを口に入れ食べさせる。

 

 「ちょ!?…………ちょっと!」

 

 「美味いだろ?」

 

 「んっ…うん…んまい……」

 

 「もっと食うか?」

 

 「……うん」

 

 俺は引き続き皮を剥き、みかんを曜の口に運ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 みかんを平らげた曜は、眠くなったと言って眠りに着いた。

 

 今は静かに寝息をしている。

 

 ついでに曜が寝てる間、俺は本を読んでいた。

 

 窓の外を見ると夕暮れが綺麗に海を照らしている。

 

 さて…帰るか…。

 

 俺は立ち上がり、帰る準備をする。

 

 すると。

 

 「んっ……ん〜…瑠璃くん?」

 

 どうやら丁度いいタイミングで起きたらしい。

 

 「起きたか…熱はどうだ?」

 

 「うん…多分下がった」

 

 「どれどれ」

 

 俺は掌を曜の額に当て体温を確認する。

 

 うん…来た時よりは下がったな。

 

 俺は額から手を退けようとした時。

 

 「手」

 

 曜は俺の手を掴み、ジーッと掌を見ている。

 

 なんだ?なんかあったのか?

 

 すると次の瞬間。

 

 「んっ」

 

 「ん!!??」

 

 曜は俺の掌にキスをした。

 

 いきなりの出来事に動揺する。

 

 「えへへー……瑠璃くんの手…冷たくて気持ちぃ…」

 

 「……………………そ…そうかなん?」

 

 「ぶぅ…何で果南ちゃんが出てくるの?」

 

 あ…なるほど寝ぼけてるのか!

 

 危ない危ない…普通の男子だったら死んでいた所だ。

 

 落ち着くんだ黒澤瑠璃。

 

 「瑠璃くん」

 

 「はい!なんでございましょうか!?」

 

 すると曜は掌を自分の頬に押し当て押し当て。

 

 「もうちょっとだけ……いて?」

 

 「……はぁ…わかったよ。曜が寝るまでいるから、早く寝ろ」

 

 「えへへ…ありがと」

 

 すると曜は俺の手を握り、目を瞑って寝に入る。

 

 自分の手はどうやら取れないようだ。

 

 まったく…昔と変わらないな。

 

 小学校と中学の頃は同世代の子達に比べ身体が弱い癖に、周りの子達よりも頑張りすぎる。

 

 その為か、毎回大会前になると体調を崩す。

 

 実は泣き虫で甘えん坊。

 

 だからこそ……ほっとけない。

 

 この心が温まる気持ちは何だろうか?

 

 俺は胸に手を当て、鼓動を確認する。

 

 俺は…この気持ちに自覚する事が出来ないでいる。

 

 「早く…元気になれよ?………………はっくしゅん!…ん?まさかな」

 

 

 

 

 

 

 

 渡辺曜side

 

 

 「ごめんくださ〜い!」

 

 こんにちは、渡辺曜であります!

 

 熱も下がり元気全開であります!

 

 今は黒澤家の入口にいる私。

 

 何故休日に黒澤家にいるのかと言うと…。

 

 「あ!曜ちゃん!」

 

 「やっほールビィちゃん!瑠璃くんのお見舞いに来たんだけで入っていいかな?」

 

 「うん!きっとお兄ちゃんも喜ぶと思うよ」

 

 ルビィちゃんの許可をもらい、家に入る。

 

 そのまま瑠璃くんの部屋の前に案内してもらい中に入るとそこには。

 

 「はぁ……悪いな曜……ありがと」

 

 顔を赤くしたマスク姿の瑠璃くんがいた。

 

 どうやら私の熱が移ってしまった用で、朝から寝込んでいるようだ。

 

 「私の責任でもあるし、気にしないで!」

 

 私はスポーツドリンクとみかんをだし、瑠璃くんを見る。

 

 「今日は1日一緒にいてあげるから早く治してね?」

 

 今度は私が瑠璃くんを看病してあげる。





感想と評価お待ちしております!


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黒澤ダイヤHappy Birthday!!


皆様、あけましておめでとうございます。

少し遅れましたが、ダイヤちゃんの誕生日ストーリーです!よろしくお願いしますm(_ _)m


 

 

 ピンポーン ピンポーン

 

 「んっ……ん〜〜!誰だこんな朝早くに」

 

 どうも二日酔いの黒澤瑠璃です。

 

 昨日は夜中まで友人と家で飲んでいた。

 

 その証拠に俺はソファーで寝ており、部屋も缶ビールやおつまみが散乱していて汚い。

 

 「あいつら……」

 

 ピンポーン

 

 インターホンがまたもやなる。

 

 ん〜出るのもめんどくさいし、居留守を使えば帰ってくれるだろう。

 

 俺はきっと友人がかけてくれた毛布の中に入り、ソファーで目をつぶる。

 

 ピンポーン ピンポーン

 

 「………」

 

 ピンポンピンポンピンポンピンポン

 

 「っ!!」

 

 いい加減うざくなり、足音を立てながら玄関に向かいドアを開ける。

 

 「……はい、新聞ならいらないです」

 

 ドアを開けたら目の前には姉であるダイヤがいた。

 

 「ようやく出てきましたわ!」

 

 なぜいる?

 

 「全くこんな時間まで寝ているなんて……姉として恥ずかしいですわ」

 

 「いや…ダイヤが勝手にきただけだろ…それでなんか様?」

 

 「………」

 

 なぜだか目を丸くして俺の顔をじっと見ている。

 

 え…なに?怖い。

 

 「まぁ!なんですのこの匂い!お酒の匂いがプンプンしますわ!」

 

 「ああ、それは昨日…」

 

 俺はとりあえず理由を説明しようとしたのだがダイヤはすかさず。

 

 「全くどうせ夜中までお酒でも嗜んでいたのでしょう」

 

 「うっ……」

 

 どうやら説明する間でもなかったようだ。

 

 するとダイヤは俺を横切り玄関で靴を脱ぎ出した。

 

 「いや…何してるの!?」

 

 いきなりのことで俺は急いでダイヤの前に立ち通せんぼする。

 

 「なにって掃除をしようと思いまして…何か不都合でも?」

 

 「いやいやいや、いきなり入るのはどうかと思うよ?」

 

 「……はぁ」

 

 するとダイヤは、ため息を吐き俺に詰め寄る。

 

 「あなたのことです…どうせろくに掃除してないのでしょう?」

 

 いや…あながち間違いではないが今日はいつも以上に汚いので正直入れたくない。

 

 けどダイヤの言うことも一理ある。

 

 いまだに俺から目を離さないダイヤを見る。

 

 ……はぁ。

 

 「……わかったよ」

 

 「ふふっ…よろしい」

 

 ダイヤは何故か俺の頭に手を伸ばし、撫でられる。

 

 ……何故撫でられたか分からないが、久々に人に撫でられるのは悪くない。

 

 ダイヤは気にせず奥へ進む。

 

 そしてドアを開けるとそこには

 

 「なっ……なんですのこれは!?空き巣!?瑠璃!空き巣が入ったみたいですわ!!」

 

 予想どおりにダイヤが乱れている。

 

 「だから汚いって言ったんだよ…」

 

 「全く……袋はどこですの?」

 

 「あ…ああ、すぐに出すよ」

 

 俺はキッチンにある引き出しからゴミ袋を出し、ダイヤに渡す。

 

 するとダイヤは手首に付けていたシュシュでポニーテールにしていた。

 

 「それでは始めますわ!」

 

 鼻息荒くしながらダイヤは掃除を始めた。

 

 さてと…俺は風呂にでも入ろうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 お風呂に入り、スッキリした俺はとりあえずダイヤの様子を伺おうと思う。

 

 「ダイヤ〜風呂でたけど……ってめっちゃ綺麗になってるし」

 

 まるで匠のような仕事ぶりに驚く。

 

 なんということでしょう!っとつい呟いてしまいそうだ。

 

 さて、そんな匠の技を披露したダイヤは何処にいるのだろうか?

 

 机の上にある書き置きを見ると。

 

 『冷蔵庫の中に何も無かったのでスーパーに行って参ります』

 

 との事。

 

 それなら…。

 

 俺はコートを羽織り、ダイヤのいるスーパーに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 「ダイヤ!」

 

 「ん?瑠璃?どうしましたの?」

 

 スーパーに着いたのだが、どうやら買い物は終わっていた様だ。

 

 まぁ、こっちも何とか買うものも買えたし丁度いい。

 

 「荷物持ちしに来た」

 

 「それは有難いですわ、お願いします」

 

 そう言うとダイヤは買い物袋を渡そうとするが、俺の持っている袋を見て呟く。

 

 「なんですかそれは?」

 

 「ケーキだけど」

 

 「……なぜ?」

 

 何故か顔を横にし、疑問をぶつけられる。

 

 まぁ…何時もの事だが。

 

 「…自分の誕生日を忘れるか普通?」

 

 「…………ああ!私の誕生日ですわ!!」

 

 どうやら思い出したようだ。

 

 今日は1月1日。

 

 黒澤ダイヤの誕生日だ。

 

 元日と重なる為かダイヤの誕生日は後回しされてしまうのだ。

 

 毎回、気にしてませんわっと言いながら、口元にある黒子をかくのが何時もの事だ。

 

 「ほら、早く帰ってケーキ食べよ」

 

 「…そうですわね」

 

 嬉しそうにケーキを見ながら笑顔になるダイヤ。

 

 こういう反応をしてくれると、やはり嬉しい。

 

 「誕生日おめでと姉ちゃん」

 

 「フフっ…ありがと、瑠璃」

 

 俺とダイヤは荷物を半分づつで持ち、相変わらず仲がいい姉弟だと改めて思った元日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 「あ…ついでにあけおめ」

 

 「ついでって…相変わらずですわね」

 

 

 

 

 

 

 

 〜side out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Happy Birthday ダイヤ。

 

 





感想・評価お待ちしております!

そして今年も『黒澤家の長男です。』をよろしくお願いしますm(_ _)m

あと、「ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Reinbow」見に行きました。
とりあえず、やべぇしか言えないです笑


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松浦果南Happy Birthday!!


大遅刻です!

よろしくお願いしますm(_ _)m


 

 どうも、車を運転している黒澤瑠璃です。

 

 もうかれこれ1時間以上走らせている為、そろそろ休憩に入ろうと思っている。

 

 「瑠璃〜!あと何分〜?」

 

 「あと1時間位かな、そろそろ休憩を入れるからその時にでも何か食べよ」

 

 助手席から果南が項垂れ始める。

 

 常に体を動かしたい彼女からしたら退屈なのであろう。

 

 俺は丁度いいタイミングで見つけた道の駅に寄ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 『俺さ…小さい頃から果南姉…ううん、松浦果南さんが好きです。どうか付き合って下さい!』

 

 『……うん…私も…お姉ちゃんとしてじゃなくて、瑠璃の事が大好きだよ』

 

 そんな告白から始まって数年が過ぎようとしていた。

 

 「瑠璃〜!ソフトクリーム食べよ!」

 

 あの頼りになった果南姉はどこに行ったのだろうか…。

 

 「はいはい、ちょっと待ってね」

 

 一応は年上だよなあの人。

 

 偶に年下と勘違いする事がある。

 

 「いま…馬鹿にしたでしょ?」

 

 「ナチョナルに心を読むのは止めてね?ビックリして心臓が口から出ちゃうから」

 

 「……受け止めようか?」

 

 そう言うと、俺の口の前に手を添える果南。

 

 「ふざけただけだから大丈夫だよ。それで?ソフトクリームが食べたいの?」

 

 「あ!そうだったそうだった…なんか珍しいソフトクリームだったから気になって!」

 

 「じゃあそれ食べたら行こっか」

 

 「うん!」

 

 どうやら今日は甘えん坊果南の様だ。

 

 その後、俺と果南はソフトクリームを買い2人で食べることにした。

 

 てか2月にソフトクリームってマジで寒いわ。

 

 

 

 

 

 

 

 「ほら起きて果南」

 

 「…え?あっ着いたんだ、お疲れ様」

 

 目的の場所に無事に着き果南を起こす。

 

 目的の場所と言うのが、とあるキャンプ場だ。

 

 「もうチェックイン済ましてるから、あとはテントをはるだけだよ」

 

 「起こせばよかったのに」

 

 「気持ちよさそうに寝てたからね〜、起こすのが勿体ないと思って」

 

 俺は先程、果南の寝顔を撮った写真を見せつける。

 

 すると徐々に顔を赤らめ始め。

 

 「け…消して!」

 

 俺の携帯を奪おうと飛びかかってくる。

 

 「やだね〜」

 

 華麗に交わし、携帯を持つ腕を上に挙げる。

 

 むむむっとこちらを睨む果南。

 

 「昔は素直で可愛かったのに…可愛くない」

 

 「可愛くなくて結構です。ほら荷物を下ろすの手伝って」

 

 「ふん!」

 

 そっぽを向いた果南は車から降り、荷物を取る。

 

 俺も荷物を取り、テントをはる場所に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 「「出来た〜〜!!」」

 

 無事にテントを完成させた俺と果南。

 

 俺はアウトドア用の椅子に座りリラックスする。

 

 「ココア飲む?」

 

 「うん、飲む」

 

 果南はガスコンロでお湯を沸かし、お揃いのマグカップにココアの粉を入れ、お湯を注ぐ。

 

 「はい」

 

 「ありがと」

 

 マグカップを口につけココアを飲む。

 

 うん、美味い。

 

 美味しいココアを飲みながらキャンプを満喫する。

 

 俺に取っては最高の時間だ。

 

 マグカップを机に置き、景色を堪能する。

 

 日差しがポカポカしており、気温も丁度いい。

 

 「ふぁ〜〜…」

 

 「運転お疲れ様」

 

 「うん、運転好きだし大丈夫だよ」

 

 欠伸している所を見られたようだ。

 

 まぁ、疲れてないと言ったら嘘になる。

 

 1時間以上の運転にテント張りと体力精神力共に疲れている。

 

 「寝てて大丈夫だよ?後で起こしてあげる」

 

 「ん〜〜〜、それじゃお願いしようかな」

 

 俺は腕を組み体を小さくしてから、目を瞑る。

 

 すると眠気が一気に襲いかかり、意識がどんどん闇の中に入って行き眠りに入った。

 

 「おやすみ瑠璃」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ん…ん〜」

 

 パチッと言う音が聞こえた為、目を徐々に開く。

 

 最初に飛び込んだのは綺麗な焚き火の火だった。

 

 果南は椅子に座り、ランプの光を当てながら本を読んでいた。

 

 目を凝らしてよく見るが、見えない。

 

 というか。

 

 「起こせば良かったのに」

 

 「うわ!ビックリした」

 

 いきなり話しかけた為、ビックリさせたようだ。

 

 「薪…よく選べたね?」

 

 「ふふん、伊達に瑠璃とキャンプしてないからね」

 

 それもそうか。

 

 俺は立ち上がり、固まった体をほぐす。

 

 果南は本に栞を挟み、ガスコンロに火をつけて鍋を置く。

 

 いつの間に作ったのだろうか?

 

 「今日はキムチ鍋だよ!あとは温めればいいから待ってね」

 

 「寒いから丁度いいかもね」

 

 果南は俺から視線を離し、鍋に集中する。

 

 椅子に座り果南の読んでいた本を手に取って、内容を確認する。

 

 「これって…」

 

 「もうすぐだからね〜」

 

 「うん」

 

 先程の本は、〝イップス 〟に関係する本だ。

 

 〝イップス〟とは、精神的な原因でスポーツの動作に支障をきたし、自分のイメージやプレーが出来なくなる症状の事だ。

 

 そして俺は、現在その症状に悩まされている。

 

 2年前のある大会。

 

 俺のスタートミスで負けてしまい、チームメイトに攻められた。

 

 それ以来スタート台に立つと、激しい動悸にプールまでの距離が遠くまで見えてしまい、足が動かなくなるのだ。

 

 〝イップス〟と診断された俺は部屋に引こもるようになった俺だが、外に連れ出してくれたのが果南だ。

 

 当初は連れ出してはキャンプ、連れ出してはキャンプとかなり、キャンプに連れてかれた。

 

 今では俺の趣味だ。

 

 「果南」

 

 「ん〜どしたの?」

 

 「いつもありがと」

 

 「も〜どうしたの?突然」

 

 果南は笑顔を俺に向け微笑みかける。

 

 そんな彼女の姿が非常に愛おしくなる。

 

 「私は好きで瑠璃と一緒にいるだけ!気にしないで!」

 

 「うん、知ってるけど…ありがと」

 

 「……うん!どういたしまして!ほら!鍋出来たよ」

 

 果南が、お椀に鍋を盛り付ける。

 

 俺は鞄から小さな箱を取り出し、果南に渡す決心を付けた。

 

 「果南」

 

 「ん?」

 

 「これを受け取って欲しい」

 

 「ッ!?……これって」

 

 「誕生日…だからさ……おめでとう!それと……」

 

 最後の言葉を言おうとした途端、果南は俺に勢いよく抱きつく。

 

 小さな箱には大きな幸せがある。

 

 俺は、そう確信した夜だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜side out〜

 

 

 

 

 

 

 

 Happy Birthday果南。



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本編 アニメ1期 プロローグ


久々の投稿です。

それでは、どうぞ!


 

 水は生き物だ。

 飛び込み拒めば牙をむき襲いかかってくる。だが、拒むのではなく受け入れれば、水は危険な生き物ではなく、美しい生き物だ。

 

 俺は、スイミングスクールのコーチにそれを聞いた。

 

 昔の俺だったら信じられなかった。

 

 けど、いまの俺なら信じられる。

 

 その美しさを知っているから、俺は水が大好きなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ビギ〜…はっ!いけないいけないついつい癖が…」

 

 湯気が立ち上る浴室で耳元まで湯をつけ足を伸ばしているのが、わたくしこと、黒澤瑠璃です。

 

 それにしても…本当に気持ちがいい。

 

 やはり、朝の5時に起きてからの朝風呂はリラックス出来てとてもいい。

  

 「このまま寝よっかな…」

 

 気持ちが良すぎて睡魔に襲われ、目を閉じる。

 

 だがそんな気持ちのいい時間はもうすぐ終わりを告げる。

 

 「瑠璃!!いつまで風呂に浸かってますの!?」

 

 いつも通りに浴室のドアを勢いよく開け鋭い目がいつもより鋭くなり俺を睨みつける。

 

 「はぁ、入る時ぐらいノックしろって言ってるだろダイヤ」

 

 「ノックしましたわよ。だいたいあなたは……」

 

 はぁ…また始まったか、グチグチダイヤ。

 

 俺はそんなダイヤの話を聞き流しながらお風呂に浸かる。

  

 彼女の名前は、黒澤ダイヤ。

 

 俺の実の姉であり、将来黒澤家の継ぐ予定である長女だ。

 

 「わかったわかったわかった。これから気をつけます…よっと」

 

 そろそろお風呂から出ようと立ち上がる俺。

 

 そして、先ほどまでグチグチと喋っていたダイヤはいきなり口を動かすのをやめる。

 

 「る…る…瑠璃!!女性がいるのですからいきなり立ち上がるのはやめなさい!!」

 

 顔を赤くし俺から顔を背けるダイヤ。

 

 いやいや…風呂に入ってるんだから分かるだろ。

 

 「わかってて入ったんじゃないのかよ、ほら着替えるからでてってくれ」

 

 「ッ!!!」

 

 バタンッ!!っと勢いよく扉を閉める恥ずかしがり屋のダイヤ。

 

 それによく見てほしいものだ。

 

 「俺は水着はいてるのだが…」

 

 俺は朝風呂に入る時は必ず水着を着る。

 

 理由としては、水着の着心地の確認をし、その日にあった水着を着るのが日課だ。

 

 「さっさと着替えよ」

 

 俺はかわいたタオルで全身の水分を拭き取り制服に着替える。

 

 すると…コンコンっと控えめにノックの音が聞こえる。

 

 「はい」

 

 「お…お兄ちゃん」

 

 「ああ…ルビィか、おはよ」

 

 声の主は、俺の妹の黒澤ルビィだ。

 

 少し気が弱いのが難点だが、そんな所も可愛い大事な妹だ。

 

 「お…おはよ。またお姉ちゃんと喧嘩したの?」

 

 「いつもの事だよ。風呂入ってたらいきなりきて裸をみて赤くして出てったよ」

 

 「そ…そうなんだ…」

 

 俺はルビィの話を聞きながら制服のネクタイを締め、ドアを開ける。

 

 目の前にはいきなり出てきた俺にビックリしたのか小さくピギィっと呟くルビィ。

 

 「そんじゃ朝練行ってくるな」

 

 「……今日もご飯食べていかないの?」

 

 「……」

 

 そう、俺は高校に上がってから家でご飯を食べることがほとんどなくなった。

 

 良くて、月に1度だけは家で食べるようにはしているが、やはり難しいものがある。

 

 「……ごめんなルビィ。俺が食卓にいたら空気が気まずくなるだろ?」 

 

 「そんなこと…」

 

 何かを言おうとしたみたいだが、言葉をつまらせるルビィ。

 

 「ありがと…それじゃ行ってくるな」

 

 まだ黒澤家では俺の存在を認識するだけましな方だ。

 

 問題は……。

 

 すると玄関のドアからガラガラっと誰かが入ってきた。

 

 「……」

 

 「あら…瑠璃、朝の練習の時間?」

 

 親父に母さんが朝の散歩?から帰って来たようだ。

 

 「うん。今日も練習なんだ…ごめんね?」

 

 「ううん。練習…頑張って来なさい?」

 

 「うん」

 

 俺は母さんと少し喋り出ていこうとしたが、後ろに立っていた親父は…

 

 「ルビィ…もうすぐ学校だろ?早く着替えなさい」

 

 「は…はい!!」

 

 親父がそう言うと急いで自分の部屋に向かって行くルビィ。

 

 どうやら俺には眼中がないようだ。

 

 まぁ、いつもの事だから慣れているが…。

 

 「行ってきます」

 

 俺はそう言って家から出ていった。

 

 これが黒澤瑠璃の朝の日常だ。

 





オリ主設定


黒澤 瑠璃(くろさわ るり)

浦の星男子高等学校2年

178cm 68kg

部活 水泳部

種目 自由形(フリー)

趣味 銭湯巡り

特技 水泳

好きなもの 水

嫌いなもの 父親 オクラ

容姿 深い青色の髪の毛を持つ青年。
目つきが鋭いが優しい顔立ちをしている。

性格 非常に練習熱心で何事にも本気で挑む熱い心を持っているが、昔は姉である黒澤ダイヤの後ろによく隠れていた泣き虫。今でも涙脆い。







ちゃんと瑠璃と名前を付けた理由がありますので、あしからず……。

感想待ってます。


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1話


どうぞ!


 

 朝の海の香りを嗅ぎながら自分の自転車で風を切るように友人の家に向かう。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 「よし、着いた」

 

 友人の家の前に自転車を止めチャイムを押す。

 

 標識には渡辺と書いてあるので間違ってはいない。

 

 「おはヨーソロー!!」

 

 玄関のドアを勢いよく開け元気よく挨拶をする彼女。

 

 「おはよ曜。今日も元気だな」

 

 渡辺曜。

 

 彼女とは小学校から同じスイミングスクールに通う中で仲良くなった友達だ。

 

 いわゆる、幼なじみ。

 

 「うん!私はいつでも元気なのであります!!」

 

 敬礼をしながら俺に近づく曜。

 

 そして俺にとある包みを渡してきた。

 

 「はい!朝ごはん!どうせ今日も食べてないでしょ?」

 

 「いつも悪いな」

 

 俺は曜から弁当の包みを受け取りカバンにしまう。

 

 そして、自転車の後ろの方をポンポンと触り。

 

 「ほら…乗るんだろ?」

 

 「うん!」

 

 曜は元気よく頷き、俺の後ろに座る。

 

 「そんじゃ、捕まってろよ?」

 

 「うん!いつも通り千歌ちゃんの家までよろしく〜!」

 

 千歌ちゃんとは、高海千歌と言う友達だ。

 

 中学の時に、曜に紹介された女の子で仲良くなった友達。

 

 だが、曜のように下の名前を呼ぶのは少し恥ずかしいため、俺は高海と呼んでいる。

 

 自転車をこぎ前に進める。

 

 高海の家までだいたい15分程度なので喋りながら自転車をこぐ。

 

 「瑠璃くん!瑠璃くん!」

 

 「あん?」

 

 「最近、水泳部の調子はどう?」

 

 「ん〜まぁボチボチかな?今年こそは全国行きたいし、曜の方はどうなんだ?」

 

 「私は最近、調子いいんだ!」

 

 「お!それはいい事だ」

 

 「でしょ!でしょ!」

 

 こんな会話をしながら15分こぎつづけ、高海の家に着く。

 

 というより…。

 

 「相変わらず立派な旅館だよな」

 

 「千歌ちゃん家は旅館だからね〜!瑠璃くんも千歌ちゃんに会ってく?」

 

 「ん〜高海の方はどうでもいいけど、しいたけには挨拶しとくよ」

 

 「ひど〜い!」

 

 曜は、笑いながら答える。

 

 本当にひどいと思っているのだろうか?

 

 俺と曜は、正面にある玄関からではなくもう一つの玄関の方に向かう。

 

 そこには…

 

 「バァウ!」

 

 毛むくじゃらで目元まで長い体毛をしている犬がお出迎え。

 

 こいつの名前が、しいたけ。

 

 「……でたなしいたけ……」

 

 「バァウ…」

 

 「今回も渡さないぞ!!」

 

 「バァオーーン!!」

 

 しいたけは、俺に向かってに走ってくる。

 

 俺はしいたけを受け止める。

 

 「この弁当は…俺のだ!!」

 

 「バァウバァウバァウ!!」

 

 毎回毎回、俺と目が合えばたいあたりをし、あわよくば曜が作ってくれた弁当を奪うのがしいたけと俺の日常だ。

 

 「それじゃ私は、千歌ちゃん起こしてくるね〜」

 

 そう言い玄関に上がっていく曜。

 

 え?助けてくれないのか?

 

 ならば…。

 

 「行くぞ!!しいたけ!!」

 

 「バァウ!!」

 

 俺としいたけは一気に動き

 

 「アチョーーーーー!!!!」

 

 「アオーーーーーン!!!!」

 

 はたして!その結果はいかに!!

 

 次回へ続く! 

 

 





感想待ってます


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2話

 

 「だ…大丈夫?瑠璃くん」

 

 「だ…大丈夫…大丈夫」

 

 「バァウ!」

 

 結果はしいたけが勝ったが、弁当は守りきった。

 

 それはいいのだが、しいたけに下敷きにされているため重い。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 「とりあえずしいたけ…降りてくれ」

 

 俺が頼むと渋々と俺の背中から降りてくれた。

 

 俺は立ち上がり、制服についた土ボコリをはらい、しいたけの頭を撫でる。

 

 「あ〜!!ルーくん!!おはよ!!」

 

 アホ毛を揺らしみかん色の髪をした少女が玄関から出てきた。

 

 彼女の名前が、高海千歌。

 

 「おはよ高海、お前はうるさいぐらい元気だな」

 

 「うん!元気だよ!!……いまバカにしたよね!?」

 

 おっと口が滑ってしまった。

 

 改めて、太陽のような明るさで元気よく返事をする高海。

 

 ああ…高海が眩しいよ…朝の日差しが苦手な俺にとっては眩しすぎる。

 

 「瑠璃くん何で手で顔を隠してるの?」

 

 「……何でもない」

 

 少しボケたのだからツッコミが欲しいが、まぁいいだろう…。

 

 「曜はここから高海と一緒にバスだよな?」

 

 「うん、そうだよ」

 

 「そんじゃ俺は学校に向かうよ…朝練ももうすぐだし」

 

 俺は自転車に跨ぎ、曜と高海に

 

 「ではまた明日」

 

 「ヨーソロー♪」

 

 「ルーくんじゃあね!」

 

 俺は自転車を漕ぎ始め朝練に間に合うようにスピードをだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝練に間に合った俺はとりあえずストレッチから始める。

 

 朝練のメニューは、10分間のストレッチから始まり、10分×3セットの体幹トレーニングに外周5本の約1時間ぐらいで終わる。

 

 早く終わらして曜の弁当が食べたい。

 

 「瑠璃ちょっといいか?」

 

 「?はい、なんですか?」

 

 いま、俺を呼んだのは水泳部のキャプテンを務める、剛(つよし)センパイだ。

 

 肩幅が広く柔らかいため大体に力強く泳ぐのが剛センパイのスタイル。

 

 バタフライでは、全国常連選手でもある。

 

 そんなセンパイが、真剣な眼差しで俺を呼んだのだから、きっと大事な話なのだろう。

 

 だがこの人は…

 

 「……腹減ったな」

 

 「そ…そうですね」

 

 ド天然だ。

 

 真剣な顔で話すから何かと思ったらいつも通りのセンパイでちょっと安心した。

 

 というより少しは表情を変えて欲しい。

 

 「水泳部を頼んだぞ?」

 

 「……いや、アンタまだ卒業じゃないだろ?」

 

 「む…そう言えばそうだったな」

 

 「あと、足怪我してるんですから、監督に朝練出るなって言われてたじゃないですか」

 

 「プールが俺を呼んでるんだ」

 

 「……何をバ…変なことを言ってるんですか?」

 

 「いまバカって言おうとしたよね?ね?」

 

 俺はセンパイの天然(バカ)話を適当に終わらせ体幹トレーニングを始めようとマットに寝転がる。

 

 はぁ…水に浸かりたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と思ってたのに

 

 「今日はプール点検の日だから部活は無しだ」

 

 授業も終わり急いで部室に向かったものの部室では監督からの連絡を朝に言い忘れた剛センパイが部活無しだと告げられる。

 

 俺の楽しみを返してくれ。

 

 「はぁ〜…一気に疲れたな〜」

 

 楽しみだった部活も休みになり授業の疲れが重みとなってふってきた感じを味わいながら自転車を押す。

 

 「曜ん家に行こ」

 

 とりあえず自転車を押して曜の家に向かうが、たまたま海の方に目が行った。

 

 そこには、見慣れない制服をきた美少女が海をジーっと見ていた。

 

 観光かな??

 

 「ちょっとアンタ!海に入るなよ!」

 

 「……」

 

 ふむ、どうやら聞こえいないようだ。

 

 まぁ、こんな寒い中、海にはいる人はいないだろうと思い無視をして自転車を押した。

 

 そうしたのが間違いだった…。

 

 バッシャーン!!っと水しぶきの音が聞こえ振り返ると、先ほどまでいた美少女がいなかった。

 

 あったのは脱いだてあろう制服が置いてあった。

 

 「ウソだろ!?」

 

 俺は自転車から手を離し、制服のブレザーを脱ぎ、海へ飛び込んだ。

 




新キャラです。



瑞希 剛(みずき つよし)

浦の星男子高等学校3年

186cm 77kg

部活 水泳部 主将

種目 バタフライ(バッタ)

趣味 ダイビング

容姿 黒い短髪のツンツン頭が特徴で見た目だったらイケメンの部類にはいる

性格 かなりの天然。


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3話

 

 「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 「ゲボゲボ…はぁ…はぁ…」

 

 海に飛び込んだ際に少し水を飲んでしまい絶賛むせています。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 ていうか…!

 

 「ちょっとアンタ!?」

 

 「!…わ…私?」

 

 「アンタしかいないだろ!?」

 

 どうやら自分が怒鳴られていることが分かっていないようだ。

 

 少し体をこわばらせていたが関係ない。

 

 「寒い4月に入って死んだらどうするんだ!?」

 

 「え…えっと…ごめんなさい…」

 

 「…はぁ〜…寒いからとりあえず拭け」

 

 わかってくれたならそれでいい。

 

 俺は彼女の謝罪を受け取り、水着姿じゃ寒いので自分のカバンから乾いたタオルを2枚だし1枚を彼女に渡す。

 

 「あ…ありがとうございます…」

 

 彼女は俺からタオルを受け取り身体を拭き始める。

 

 俺はそれを確認してから自分の身体を拭く。

 

 「……」

 

 「……」

 

 き……気まずい…。

 

 それによく考えてみろ、水着の美少女に濡れた制服を来てる男。

 

 何このカオスな光景。

 

 こんなの、とある元気っ子アホ毛娘に見られたらめんどくさ…。

 

 「ルーくーん!!」

 

 どうやらフラグでしたね!!

 

 俺を、ルーくんと呼ぶのは1人しかいないため直ぐにアイツだとわかった。

 

 そして、俺を見るやいなや全速力で俺の前に立つ。

 

 「もう夕方なのに凄い元気だな高海は」

 

 「そんなことないよ!」

 

 そんなことあるだろ。

 

 高海のアホ毛が犬の尻尾のように揺れているように見えたがきっと気の所為だろう。

 

 「そんなことよりルーくん!」

 

 「なんだよ」

 

 「この子誰!?」

 

 そういうと高海は、今だ水着を来ている彼女を指で指す。

 

 「まさか、曜ちゃんに黙って彼女でも出来たの!?」

 

 「いや…曜は関係ないだろ、あと彼女でも無い」

 

 そこで曜の名前が出てくるのは謎だが……というより彼女はまだ水着だったのか、俺は脱いでいたブレザーを拾い彼女の肩にかける。

 

 「寒いから早く着替えろよ」

 

 「ご…ごめんなさい…」

 

 「いや…謝らないでくれよ」

 

 「ちょっと!千歌を無視しないでよ!!」

 

 無視をした覚えは無いのだが…。

 

 とりあえず状況の説明を高海にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「な〜んだ!そういうことだったんだ」

 

 「そういうことだ」

 

 何とか説明をし、一安心。

 

 そして、先ほどまで水着を来ていた彼女も制服を着て俺のブレザーを持っていた。

 

 「あの…黒澤くん…制服…ありがとうございます」

 

 「ん…もう変なことするなよ?桜内」

 

 状況の説明をしている時に彼女のこともわかった。

 

 桜内梨子。

 

 それが彼女の名前だ。

 

 東京出身でピアノをやっているとの事、だが作曲に悩み海の音を聞くため海へと飛び込んだとの事。

 

 「わ…私は海の音が聞きたくて」

 

 「だったらダイビングショップに行けよ…近くにあるし」

 

 どうやら自分の身体は二の次らしい。

 

 はぁ…帰ろ…。

 

 「そんじゃ、高海あとよろしく」

 

 「えぇ〜!ルーくん帰るの?」

 

 「おう、制服濡れたから早く帰って着替える」

 

 俺は倒れたままの自転車を立たせて自転車に乗る。

 

 そう言えば、曜に弁当も返してなかった。

 

 「そんじゃ桜内のこと頼んだぞ高海」

 

 「うん!任せてよ!」

 

 「じゃ、桜内も」

 

 「うん…ありがとね、黒澤くん」

 

 「おう」

 

 挨拶をすませ、俺は自転車を進める。

 

 早く、家に帰って風呂入ろ。

 

 「あ!!ル〜く〜ん!!」

 

 ……今度は、なんだよ。

 

 俺は呼び止めらたため、高海の所に戻り話を聞く。

 

 「…なに?」

 

 「そ…そんな顔しないでよ…怖いよ?」

 

 ついつい顔に出てしまったらしい。

 

 と言うより本題はなんだ。

 

 「あたしねルーくん!」

 

 「おう」

 

 「スクールアイドル始めようと思うの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『る…瑠璃…』

 

 『ん?なんだよ姉ちゃん』

 

 『わ…わたくし…スクールアイドルを始めようと思ってますの』

 

 『え!?姉ちゃんが!?スゲェじゃん姉ちゃん!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ルーく〜ん?」

 

 !!…いけないいけない。

 

 スクールアイドルと聞いてついつい昔のことを思い出してしまった。

 

 「そっか…スクールアイドル頑張れよ」

 

 「うん!ルーくんも応援してね」

 

 「……うん、頑張れよ」

 

 「うん!ありがと!」

 

 高海は嬉しそうに笑い桜内の所に戻る。

 

 俺はそんな高海の後ろ姿が、太陽のように眩しかった。

 

 





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ありがとうございます!


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4話

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 桜内との騒動から次の日、時計はまだ5時を指しているが、いつも通りに起き、朝風呂の準備を始める。

 

 「…スクールアイドルね」

 

 前の日の高海との会話を思い出す

 

 高海は浦の星女学院だったのをおぼえている。

 

 生徒会長がダイヤなら多分、許さないかもな…。

 

 「風呂も溜まったし早く入って早く学校行こ」

 

 俺は服を脱ぎ、水着を着て風呂にはいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おはヨーソロー!はい!お弁当」

 

 「おはよ、いつも悪いな」

 

 いつも通りに曜の家に向かい、弁当を受け取り鞄にしまう。

 

 そして曜は自転車の後ろに座り。

 

 「全速前進!」

 

 「はいよ〜」

 

 曜を後ろに乗せて早速ペダルをこぐ。

 

 曜はいつも通り俺の制服を掴み両足を横にだしバランスを取る。

 

 やはり高飛びをやっているからか、バランス感覚はかなりいい。

 

 「ねえ…瑠璃くん」

 

 後ろから曜の声がした。

 

 だが、いつもよりハキハキしていない喋り方だった。

 

 「どした?」

 

 「私ね、千歌ちゃんの始めようとしてるスクールアイドル…やろうかな〜って思ってるんだ」

 

 「そっか……はぁ!?」

 

 「うわっとと!!」

 

 急にブレーキを掛けてしまったのでバランスが崩れそうになるが、すぐに立て直しバランスを取る。

 

 「曜がスクールアイドル!?」

 

 「……ちょっと…その反応は何さ」

 

 曜が俺をジト目で見てくる。

 

 言い方に不満でもあったか?

 

 「いやいや…お前…高飛びどうするんだよ」

 

 「ああ…そっちか…」

 

 ん?どんな意味で捕らえたんだよ?

 

 まぁ…後で聞くとして

 

 「もちろん!高飛びもやるよ!」

 

 「…ああ、それならよかった…てかさっきの反応何だったんだよ?」 

 

 「ん?」

 

 「そっちかって」

 

 「!!…いや!何でもないよ!?」

 

 いきなり顔を赤くする曜。

 

 赤くなる理由がわからないが、赤くする曜とは…また珍しいものが見れたな

 

 「何でもないはないだろ?言ってみ!俺と曜の仲だろ?」

 

 「う〜〜」

 

 「ん?」

 

 「……かわいくないから似合ってないって思われたかって思って……」

 

 ……はい?

 

 曜は更に赤くなり小声で答える。

 

 曜は聞こえてないと思っているだろうが、バッチリ聞こえてる。

 

 それに…

 

 「曜さ…もうちょい自信持てって、曜はちゃんとかわいいぞ」

 

 「か…かわ…!?」

 

 ……ほぅ……これはこれは……また珍しいものが見れた。

 

 曜は両手で頬を抑え顔を赤くした。

 

 「まだまだあるぞ、いつもはボーイッシュな曜だが毎回毎回俺のために作ってくれてる弁当が嫁度を引き出している」

 

 「は…はぁ!?わ…私じゃないし!?弁当作ってるの!!」

 

 「ふっ…俺の舌は騙されないぜ?」

 

 「う…う〜〜!!」

 

 どうやら図星のようだ。

 

 渡辺家にはもう、1時期は毎日お世話になっているからか渡辺家の味がおれの舌に染み付いている様なもの。

 

 「何だったら…曜のいい所をもっと言ってやろうか?」

 

 「も…もう大丈夫…」

 

 いまの曜を一言で表すなら赤が1番ぴったりだな。

 

 ふっ…勝った。

 

 




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5話

今回も、よろしくお願いします!


 無事に高海の家にに着いた。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 高海家に着いた頃には、曜の顔も元に戻っていたのだが……。

 

 「そんじゃ、俺は学校行くからな?」

 

 「う…うん」

 

 「……」

 

 気まずい…。

 

 高海の家に着いてから全く顔を合わせようとしない曜。

 

 …ふむ。

 

 「曜」

 

 「な…なにかな?」

 

 身体をビクッと震わせ返事をするが、顔がこちらを向いていない。

 

 「まぁ…なんだ…すまんな」

 

 「……ん?」

 

 「いや、確かにデリカシーがなかったかもな」

 

 よくよく考えたら、女性…ましてや曜にかわいいと公共の場で言ったのはデリカシーがないような気がする。

 

 曜が、かわいいのは変わらないが…。

 

 「そんなこと……」

 

 「まぁ、これから気を付けるよ」

 

 俺は自転車に跨りペダルに片方の足を乗せ漕ぐ準備をする。

 

 「弁当、いつも通り持ってくから!そんじゃ」

 

 俺は前に進もうとした瞬間。

 

 「ち…違うの!」

 

 「ビギャ!」

 

 いきなり曜は俺の腕をつかむ。

 

 いきなり腕を捕まれビックリしてしまい昔の癖が声に出てしまった。

 

 曜はいまだに俺の顔を見ずに下を向いているが、耳が赤いので恥ずかしいのだろうと思う。

 

 「いままで、そういう風に言われたのが初めてだから……その……恥ずかしくて……ありがとう……」

 

 「ッ!」

 

 曜は、ありがとうっと同時に顔を上げ嬉しそうに笑う。

 

 そんな笑顔についついドキッとしてしまった。

 

 まぁ…嬉しかったのならそれでいいだろう。

 

 「とりあえず、俺は行くな?」

 

 「うん!気をつけてね!」

 

 …くそっ…やっぱりかわいいじゃねーか。

 

 俺は、急いで曜に背中を向けて自転車を漕いだ。

 

 顔が赤いのはバレてないよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事に学校に着き、いつもの場所に自転車を止める。

 

 桜も満開で、入学式日和だと感じ足を部室へ走る。

 

 今日は、浦の星男子高等学校の入学式だ。

 

 浦女…通称、浦の星女学院は昨日、入学式をした筈だ。

 

 浦女には、姉のダイヤ・妹のルビィの他に、高海や曜も通っている。

 

 こう考えると結構、浦女とも関わりはあるんだなと考えているうちに部室の前に着く。

 

 「今日も1日頑張るか〜!」

 

 俺は、一言口にしてから部室に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 退屈な入学式も終わり、家に向かって自転車を漕いでいると、

 

 「ルーくん!」

 

 「お…お兄ちゃん」

 

 高海に抱きつかれている天使……ではなく、ルビィがいた。

 

 そして周りには曜に、

 

 「お兄さん!」

 

 いち早く俺の前に立ち、嬉しそうにニコニコしている丸もいた。

 

 国木田 花丸。

 

 ルビィとは中学からの友だちでルビィ経由で何回かあっている。

 

 「今日は学校終わりずら?」

 

 「おう。今日は入学式だったからな、あと高海、ルビィを離してやってくれ」

 

 そういうと高海は不満そうな顔をするが、言われた通りにルビィを解放する。

 

 ルビィはすぐに俺の後ろに隠れた。

 

 「あいかわらず怖がりだな…挨拶はちゃんとしたか?」

 

 「うゅ……あ…挨拶はしたよ…」

 

 「うん。偉いぞルビィ」

 

 俺はルビィの頭の上に手のひらを乗せ撫でるように手を動かす。

 

 「〜♪」

 

 ルビィは嬉しいのか気持ちよさそうに目をつぶる。

 

 「お兄さん!丸も!丸もちゃんと挨拶したずらよ?」

 

 「ん?おう、偉いな丸」

 

 「ずら〜〜♪」

 

 丸も頭を撫でて欲しいかのように頭を出してきたので、頭を撫でると気持ちよさそうに目をつぶる。

 

 右手にルビィ。

 

 左手に丸。

 

 うん!これこそ両手に花だな!

 

 

 




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6話

よろしくお願いします。


 

 高海達と別れて俺は自転車を走らせていた。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 高海から色々話を聞いたら、どうやら桜内も浦女に転校してきたらしく、スクールアイドルに誘っているらしいが、断られていると聞いている。

 

 確かに、桜内が入れば人気も上がるだろう。

 

 プルルル プルルル

 

 携帯がなったので携帯を見てみる。

 

 「げ……ダイヤかよ……」

 

 珍しく、姉であるダイヤからの電話。

 

 ここで出なかったら帰ってからめんどくさいしな……はぁ……。

 

 気は乗らないが出るか。

 

 「はい、もしもし」

 

 『もしもし、ダイヤです』

 

 「どうも、要件はなに?」

 

 『今日は夕飯食べるのかとお母様から伝言ですわ』

 

 あぁ…そう言えば今日は、金曜日だったな。

 

 金曜日は基本、母が料理する日になっている。

 

 母さんの料理はいつも美味しいから食べたいのだが、食卓には親父もいる。

 

 ……たまには、家で食うか。

 

 「わかった。俺も食べるから用意しといて欲しいって伝えといて」

 

 『わかりましたわ。出来るだけ、はやく帰って来るように、お願いしますわ』

 

 「わかってるよ」

 

 ピッ

 

 俺は携帯を切り黒澤家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ただいま〜」

 

 玄関を開け、帰宅の挨拶をしっかりする。

 

 すると、置くからドタバタと足音が聞こえる。

 

 「おかえり!お兄ちゃん!」

 

 足音の正体はルビィだった。

 

 そしてルビィはそのまま俺の胸に飛びついてきた。

 

 いきなりだったため、少しよろけたがすぐに体制を立て直し、ルビィを受け止める。

 

 「どした?ルビィ」

 

 「お兄ちゃん、今日はご飯食べるの!?」

 

 「おう。俺の席はまだあるか?」

 

 「うん!いつも通りルビィとお姉ちゃんの間だよ!」

 

 ルビィは、ニコニコと笑顔になりながら話す。

 

 そんなに嬉しいのかね?

 

 「そろそろ靴を脱ぎたいからどいて貰ってもいいか?」

 

 「うん」

 

 俺がそういうと、ルビィは離れてくれたので俺は靴を脱ぎ、そのまま居間に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ただいま、母さん」

 

 「あら、おかえりなさい」

 

 居間から調理場が見えるので、居間から挨拶をしっかりする。

 

 そう言えば、ダイヤがいないな。

 

 まぁ、いいや。

 

 「ご飯もうすぐだから待っててね」

 

 「うん、わかったよ母さん」 

 

 俺は自分の部屋に向かう。

 

 黒澤家の家はかなり広いため、自分の部屋に行くのも一苦労。

 

 自分の部屋に行く間に長い廊下に置いてあるショーケースが目に付く。

 

 中には数々のトロフィーがある。

 

 「……」

 

 トロフィーの名前を見てみる。

 

 黒澤ダイヤ。

 

 黒澤ダイヤ。

 

 黒澤ダイヤ。

 

 黒澤ルビィ。

 

 黒澤ダイヤ。

 

 黒澤ルビィ。

 

 黒澤ダイヤ。

 

 黒澤ダイヤ。

 

 俺の姉と妹のトロフィーがある。

 

 いや、正しくは姉と妹のトロフィーしかない。

 

 「……やっぱり、来なければよかったか…」

 

 見慣れているはずの光景でもやはり、くるものはある。

 

 俺だって、水泳では何回も大会に出ては好成績を残しメダルやトロフィーを貰っている。

 

 だが、黒澤家には関係がない。

 

 黒澤家に飾られるトロフィーは、日本舞踊の他に、お琴や尺八などの日本文化。

 

 男子だったら、柔道や剣道と言った、日本武道。

 

 その証拠に、端の方には剣道で全国優勝した親父のトロフィーが飾られてる。

 

 「はぁ…これを見れば一目瞭然だな」

 

 姉や妹は、ダイヤやルビィと言った宝石の名前にたいし、俺は瑠璃だ。

 

 宝石の名前すらも付けてくれない。

 

 そんな時だった。

 

 「……親父」

 

 「……」

 

 親父がこちらをじっと見ていた。

 

 そしてこちらに向かってくる。

 

 だが、

 

 「母さん、今日は何だ?」

 

 「今日はブリの煮付けよ」

 

 俺に眼中が無いのか、横を通り過ぎる。

 

 おかえりの一言もない。

 

 ほらな……俺は、愛されていない。




瑠璃くんは、いつになったら胸を張って 黒澤家の長男です。 と言えるのでしょうか?

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7話

よろしくお願いします!

※今回は、シリアスな部分です。


 な…何故…何故俺の前に親父が座るんだよ!?

 

 どうも、絶賛混乱中の黒澤瑠璃です。

 

 夕飯が出来たため、いつも通りに席に座ると机を挟んで前に親父が座り出した。

 

 今まではダイヤの前に座っていたのに、いったい何があったんだ。

 

 「……」

 

 「……」

 

 親父と俺には会話はない。

 

 ルビィはそんな姿にソワソワしており、ダイヤは姿勢正しく待っている。

 

 てか、ダイヤいたんだな。

 

 「さて!それじゃいただきましょう。あなた」

 

 「…いただきます」

 

 「「いただきます」」

 

 親父の号令からルビィとダイヤも食べ始めた。

 

 俺も後に続いて

 

 「いただきます」

 

 黒澤家の料理は、基本和食であり、今日も和食だ。

 

 品の方は、白いご飯に、ブリの煮付け・ワカメの味噌汁・ほうれん草の胡麻和え。

 

 あいかわらず美味しそうなご飯で箸が進む。

 

 食事を楽しもうと思ったその時、親父の口が開く。

 

 「まだ……水泳を続けるのか?」

 

 「「「!?」」」

 

 「……」

 

 親父が俺に話しかけたことに、母さんにダイヤとルビィが驚いているのが見てわかった。

 

 だが、俺の答えは昔から変わらない。

 

 「ああ…続けるよ」

 

 「…お前も、もう高校2年生何だぞ?そろそろ自分の将来をだな…」

 

 「俺は、水泳選手になる」

 

 答えは昔から変わらない。

 

 「それが黒澤家にとってプラスになるのか?」

 

 毎回、毎回……黒澤家のため、と言いいい加減腹が立つ。

 

 「…そんなの知らねぇよ」

 

 「ちょ…瑠璃」

 

 隣でダイヤが俺を止めようとするがそんなの関係ない。

 ルビィは隣で怖がっているのが見てわかった。

 

 「お前は、長男なんだぞ…いい加減遊びをやめて将来の役に立てる様な事をやりなさい」

 

 「…遊びって…部活のことかよ」

 

 親父の言葉に溜め込んでいた怒りが沸点に達しようとしていた。

 

 「それ以外に何がある」

 

 その言葉に一気に怒りが全身に行き渡る。

 

 「撤回しろよ!!!!」

 

 俺はその場を立ち上がり、親父に掴みかかろうと親父側に回り込む。

 

 「瑠璃!!」

 

 ダイヤが俺を静止しようと腕を掴むが、俺はそれを振りほどき

 

 「姉ちゃんは黙ってくれ!!!」

 

 「!!」

 

 俺はダイヤを怒鳴り、ダイヤはビクッと体を震わせる。

 

 「お前はまだ子供だ…だから親の言うことを聞いてればいいんだ」

 

 親父も立ち上がる。

 

 「どこが子供だって言うんだよ!!!!」

 

 俺は親父の首根っこを掴んだ……はずだった。

 

 バタン!!

 

 「ッ!!」

 

 気がついたら俺は天井を見上げていた。

 

 どうやら、親父に投げられたようだ。

 

 「自分の将来をわかっていないところだ」

 

 「ッ!!」

 

 何も出来なかった悔しさなのか、何も言い返すことが出来なかった悔しさなのか分からない。

 

 色んな感情が混ざり俺はその場を後にしようと立ち上がる。

 

 「お兄ちゃん!!」

 

 「瑠璃!!」

 

 ルビィとダイヤが俺を引き止めようと呼ぶが…。

 

 「……もう、わかんねぇよ」

 

 呼び止める声を無視し、俺は自分の部屋へと戻った。

 

 

  

 

 

 

 

 

 「はぁ…はぁ…クソッ!!」

 

 自分のポケットにあった携帯をベットに投げつけ、その場に座る。

 

 「クソッ!クソッ!クソッ!」

 

 怒りがこみ上げてきて自分の感情が制御出来ないでいる。

 

 そんな時だった。

 

 プルルル プルルル

 

 投げつけた携帯がなり、画面を見るとそこには

 

 渡辺 曜

 

 と映されていた。

 

 ……何てタイミングだよ。

 

 「…はい」

 

 『ヨーソロー!瑠璃くん!いま大丈夫?』

 

 「ああ、大丈夫だ。どした?」

 

 とりあえず、いつも通りに電話にでる。

 

 『今度の休み、千歌ちゃんと桜内さんでダイビングに行くんだけどいっしょにどうかなって』

 

 どうやらダイビングの誘いのようだ。

 

 まぁ当分、部活も休みだし、家にもいたくないから丁度いいのかもな…。

 

 てか、桜内と仲良くなったんだな。

 

 「ああ、わかった。行くよ」

 

 『やった!それじゃ家に迎えきてね!』

 

 俺は曜のタクシーじゃないのだが…。

 

 まぁいいか。

 

 「わかったよ」

 

 『………』

 

 「ん?曜?」

 

 いきなり、黙ってしまった曜。

 

 返事をしてくれないと、会話にならないのだが。

 

 『瑠璃くんなんかあった?』

 

 「!!」

 

 曜が感づいたのか分からないが、何かあったのは確かのため、少し驚く。

 

 だが、ここで答えると曜に迷惑だ。

 

 なので俺は黙っとく事にした。

 

 「何もないよ?」

 

 『そう?ん〜…何かあったら絶対に相談してね!!』

 

 「……ありがとう」

 

 『うん!それじゃ、おやすみ!!』

 

 「ああ、おやすみ」

 

 そういうと曜は電話を切る。

 

 俺は切れたのを確認し、ベットに横になる。

 

 「本当にこういう勘はよく、当たるよな」

 

 溢れ出るものを目に溜め、俺はそのまま睡魔に襲われ、深い闇に飲み込まれた。

 

 




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8話

よろしくお願いします!


 朝日が穏やかな海に日差しが反射し、朝に弱い俺にとっては辛い光だ。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 家での騒動から数日がたったが、自分の黒澤家の立場は最悪だった。

 

 ルビィと目が合うと怖がられ、ダイヤと目が合うとそそくさと逃げられる。

 

 唯一、まともに話せるのは母さんぐらいだ。

 

 「はぁ……一人暮らしでもしようかな……なんて」

 

 適当にそんな事を思いながら曜の家の前に着く。

 

 いつも通り、インターホンを鳴らすと、扉が勢いよく開く。

 

 「おはヨーソロー!!」

 

 「はい、おはよ」

 

 曜はいつも通りに、俺の後ろに座り

 

 「んじゃ、行くぞ〜」

 

 「お〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とういうことで着きました。

 

 ダイビングショップ。

 

 「それじゃ行こ!梨子ちゃん!」

 

 「う…うん」

 

 高海は、俺らに目をくれずにダイビングショップに入って行った。

 

 桜内も高海の後に付いていく。

 

 このダイビングショップって……。

 

 「ん?」

 

 船着場の方に1人の女性がいた。

 

 青い髪をしてポニーテールの女性が、何かを運んでいた。

 

 そして、そんな姿に一瞬で誰だかわかった。

 

 「曜、高海の方見てもらってもいいか?アイツ、何やらかすのか分からないから」

 

 「了解であります!!」

 

 曜は桜内の手を握り、全速前進。

 

 あいかわらず高海と違った元気さだな。

 

 さてと…。

 

 俺は、ポニーテールの少女の方に向かい。

 

 「こんにちは、お手伝いしましょうか?」

 

 「あ!いえ、大丈夫で……す……」

 

 俺の顔を見た途端、彼女は言葉を発さなくなった。

 

 「久々ですね、松浦センパイ」

 

 「瑠璃!?久しぶりだね」

 

 松浦 果南。

 

 ダイヤと同じ、高校3年生。

 

 そして……俺の初恋の相手だ。

 

 「元気してた?」

 

 「はい、松浦センパイも元気でしたか?」

 

 「も〜松浦センパイじゃなくて、昔みたいに果南姉でいいんだよ?」

 

 俺が昔、まだダイヤの後ろについていってた頃から知っている松浦センパイ。

 

 いわゆる初めての幼馴染が松浦センパイだ。

 

 「いえ、流石に恥ずかしいので…」

 

 「…そっか、ちょっと残念」

 

 「ぐっ…」

 

 松浦センパイは、悲しそうに笑う。

 

 そんな顔を、させたくて話しかけた訳じゃないのだか…。

 

 はぁ…。

 

 「2人だけ……の時は呼ぶよ……果南姉」

  

 「……うん!」

 

 クソッ……本当に俺はこの人に弱いと、自分でもわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 松浦センパイの操縦する船に乗り海にきた、高海に桜内・曜は、ウェットスーツに着替え海に入っていた。

 

 「瑠璃は入らないの?」

 

 「俺は後で入るよ、あの3人とは目的が違います」

 

 「……」

 

 返事が帰って来ないので、松浦センパイの方を見ると、凄い見られてた。

 

 正しくはジト目と言うもので見られていた。

 

 あ…そういう事か

 

 「あ〜…違うから」

 

 「そっか」

 

 満足したのか笑顔に戻る松浦センパイ。

 

 いま船の上には俺と松浦センパイの2人だけだ。

 

 俺が、敬語だったのに気に入らなかったようだ。

 

 そして、海の方では

 

 「ぷはっ…はぁ…はぁ」

 

 「梨子ちゃん聞けた〜!?」

 

 「ううん…ダメみたい」

 

 「もう一回、潜って見よ」

 

 桜内と高海と曜が、どうやって海の音を聞けるか話していた。

 

 ふむ…。

 

 「ん?潜るの?」

 

 「ちょっと3人の所に行ってくる」

 

 俺はシュノーケルとマスクを着け

 

 「桜内!」

 

 「ん?」

 

 俺は海に飛び込んだ。

 

 そして、3人の所に近づく。

 

 「お前さ、ずっと下向いてるだろ?」

 

 「…うん」

 

 桜内を見てる限り、水中の底…いわゆる光が届かない場所を見ている。

 

 「そんな暗い所見ても聞こえないだろ?」

 

 「……」

 

 「これは俺の考えだけど、明るい所を見るのはどうだ?」

 

 「明るい所?」

 

 「そう。潜って上を見てみろよ」

 

 ただ違う見方をすれば、聞こえると思ったから言ってみたが、聞こえなかったらダサいよな。

 

 「だけど私、潜るの怖くて……」

 

 ん?何だそんな事か…。

 

 「んじゃ、俺がいっしょに潜ってやるよ」

 

 「え?」

 

 俺は水中にある桜内の手を取り、水面に上げる。

 

 「こうすれば、怖くないだろ?」

 

 「…う…うん」

 

 ん?何か桜内が下を向いてしまったが、何かしたか?

 

 するといきなり曜が

 

 「わ…私も潜るのが怖いなんて…」

 

 「アホか、お前は何回も水中に飛び込んでるだろ」

 

 「む〜!瑠璃くんのバカ!」

 

 何か、頬を膨らませ機嫌を悪くさせてしまったようだ。

 

 俺はなにかしたか?

 

 「そんじゃ、さっさと潜るぞ?」

 

 「「はーい」」

 

 曜から返事がない。

 

 俺は曜の肩を叩き。

 

 「曜?」

 

 「……わかった…」

 

 はぁ……後で、みかんジュースでも買ってやるか。

 

 




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9話

よろしくお願いします!


 「そんじゃ、行くぞ!せーのっ!」

 

 俺の声を号令に合わせ、俺を含めた4人は海の中に入った。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 右手に握力を感じ右を見ると桜内が、ギュッと力を込めていた。

 

 マスクを見ると目も閉じている。

 

 いやいや、目を閉じちゃ意味ないだろ。

 

 俺は、桜内の肩を叩き上を向くように手で指示をする。

 

 すると桜内は、目を恐る恐る開け上を向く。

 

 太陽が水中を明るく照らし内浦の海の透明度が伺える。

 

 ポロロン…。

 

 どこからか音が聞こえた。

 

 後ろを振り向き何も無かった。

 

 桜内も聞こえたのかいっしょに振り向いていた。

 

 なるほど…いまのが海の音なのか…。

 

 息の方も限界が近づいてきたため、上昇する。

 

 「ぷはっ!」

 

 めいいっぱい息を吸い、空気を身体中に流すように吸う。

 

 息も整えようとした時、いきなり

 

 「黒澤くん!」

 

 「ビギャ!びっくりした。どした桜内?」

 

 「聞こえた!私、聞こえたよ!」

 

 桜内が俺の右手を両手で持ち顔を近づける。

 

 「梨子ちゃん!私も聞こえた気がする!」

 

 「私も!」

  

 続々と桜内の所に集まる高海と曜。

 

 「黒澤くんは、聞こえた?」

 

 桜内は俺に不安そうに問いかける。

 

 俺は不安そうにしてる桜内を安心させるため、正直に答えた。

 

 「ああ、聞こえたよ」

 

 「!…よかった…」

 

 「やった〜〜!!!!」

 

 高海が曜、桜内と俺を包むように抱きついてきた。

 

 そのためか、女の子3人とかなりの近い距離に顔がある。

 

 「ちょっと、高海!?近い!近いから!?」

 

 「え?わぁ!?ルーくん、離れてよ!!」

 

 「お前が抱きついてきたんだろ!?」

 

 高海は離れろと言うが、3人に囲まれているため離れることが出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 ダイビングも終わり、俺は曜を送るため自転車を漕いでいる。

 

 高海と桜内はバスで帰った。

 

 と言うより…。

 

 「曜」

 

 「……」

 

 「おーい、曜ちゃーん??」

 

 「……」

 

 曜はこんな感じでまったく話そうとしない。

 

 こうなった曜は、めんどくさい。

 

 いったいあの時、何が悪かったのだろう?

 

 前みたいに、デリカシーのない行動を取った覚えもないしな。

 

 「はぁ…ん?」

 

 帰りの通り道に、コンビニを見つけた。

 

 「曜、コンビニ寄っていいか?」

 

 「……」

 

 「寄るからな?」

 

 あいかわらず、返事がない。

 

 俺は、曜の返事を待たず、コンビニに寄ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 「ありがとうございました〜!」

 

 店員の眩しい笑顔を浴び、目的のものを買う。

 

 曜を見るとまだふてくされているのか、頬を膨らましながら自転車に乗っていた。

 

 俺は袋からジュースを取り出し、曜の頬にくっつけた。

 

 「うひゃ!」

 

 「いつまで、怒ってるんだよ…ほら、みかんジュース」

 

 「……ありがと……」

 

 「おう」

 

 俺は曜の隣に立ち、買ってきたスポーツドリンクを飲む。

 

 曜も見た目では分からないだろうが、美味しいのかみかんジュースを半分まで飲んだらしい。

 

 気に入ってくれて何よりだ。

 

 さてと…

 

 「何で怒ってるんだよ?」

 

 「!……」

 

 ピクッと動いたがまた無視されてしまった。

 

 そう言えば、態度が変わったのは桜内と手を繋いでた時、だったよな。

 

 「まさか、俺と手を繋ぎたかったから怒ってるのか?」

 

 「ッ!!」

 

 どうやら図星のようだ。

 

 その証拠に、表情を隠してるみたいだが、耳が赤くなっている。

 

 というかそんな事か…。

 

 「ん」

 

 「……ん?」

 

 俺は曜の前に手を出し、反応を待っている。

 

 だが、曜には伝わっていなかった。

 

 「手かせ、ここから曜の家まで近いし手繋いで歩いて行こ」

 

 「〜〜〜!!うん!!」

 

 ようやく可愛らしい表情になってくれた曜。

 

 だが、曜は手を繋がず、俺の腕ごと抱きついた。

 

 いきなりの行動にびっくりしてしまった。

 

 「えへ」

 

 「あは…どした?」

 

 「えへへ!」

 

 「あはは…だからどした?」

 

 「えへへへ!!」

 

 「あははは…はぁ、好きにしろ」

 

 そういうと曜は更に力を強めて抱きつく。

 

 曜の胸が腕に挟むような形になってくっついているが、今更気にしてられない。

 

 はぁ…本当に単純で可愛い幼馴染だな。

 

 そう思いながら、ため息を吐いた。

 




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10話

よろしくお願いします!

今回は、長いです!


 

 ダイビングから数日がたった今日。

 

 桜内はどうやら高海と曜が、始めるスクールアイドルの歌を作ることになったらしい。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 俺は先ほど、曜から届いたメールを読み適当に整理する。

 

 「てことは今日は、高海の家にいるのか?」

 

 高海の家はかなり広いし、相談には持ってこいの家だ。

 

 部活も今日は午前中だけだし、寄っていくか…。

 

 今日は、浦男のバスケ部と陸上部が大会のため学校も生徒が少ない理由で、毎年この時期は休みになる。

 

 さてと…。

 

 俺は濡れた水着やタオルなどを鞄にしまい、自転車に跨り漕ぎ始める。

 

 目指すは高海の家だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピンポーン。

 

 高海の家に無事に着き、インターホンを鳴らす。

 

 すると中からは、

 

 「はーい、あら瑠璃くんじゃな〜い。久しぶり〜、あいかわらずかっこいいわね〜」

 

 「お久しぶりです志満さん、お元気ですか?」

 

 高海 志満。

 

 高海家の長女で、妹の高海千歌とは違い常におっとりしている。

 

 「ええ、元気よ。千歌に会いに来たの?」

 

 「まぁ間違いじゃないっすね」

 

 「ありがとね〜、入って入って」

 

 どうやら入室の許可を取れたため、しっかり頭を下げて。

 

 「お邪魔します」

 

 俺はそのまま志満さんの案内の元、高海の部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それじゃ楽しんでね〜」

 

 「ありがとうございます」

 

 志満さんは、高海の部屋の前まで案内してくれた。

 

 俺はしっかりお礼をし、志満さんが消えるのを待った。

 

 「よし…そんじゃ入るか」

 

 俺は扉をノック。

 

 すると中から

 

 「はーい」

 

 この声は高海だろう。

 

 「瑠璃だけどいま入っても大丈夫か?」

 

 するとドタバタと騒がしくなり、扉が開く。

 

 そこには、満面の笑顔の高海がいた。

 

 「ルーくんだ!」

 

 「おう、こんちは」

 

 「こんちか!!」

 

 高海は敬礼しながら俺に元気な挨拶をする。

 

 てか、こんちかってなんだよ…。

 

 「入っていいか?」

 

 「うん!どうぞ」

 

 俺は高海に言われたので部屋へ入る。

 

 「こんにちは、黒澤くん」

 

 「あ!瑠璃くん!」

 

 中には桜内に曜が俺に挨拶をする。

 

 うん、挨拶は大事だな。

 

 「こんにちは桜内、曜は朝にあったな」

 

 とりあえず挨拶をしてから、コンビニで買ってきたジュースを渡す。

 

 「はい、曜と高海はみかんジュースだな、桜内は何がいいかわからなかったから炭酸とお茶どっちがいい?」

 

 「じゃあ…お茶貰ってもいいかしら?」

 

 「ほい」

 

 俺は袋からお茶を渡した。

 

 「ありがと」

 

 桜内は感謝の言葉を述べてから、ノートに何かを書き出した。

 

 そう言えば、曜の前にも高海の前にもノートが置いてある。

 

 ノートを覗くと色んな単語が並んていた。

 

 「歌詞でも作ってるのか?」

 

 「うん!μ'sのスノハレみたいな恋愛ソングを作るんだ!」

 

 μ's?あぁ…ダイヤがハマってたスクールアイドルの人か。

 

 スノハレと言う曲なのだろう。

 

 「恋愛ソングね〜…高海は恋愛経験あるのか?」

 

 とりあえず、恋愛ソングなのだから経験がないと書けないだろう。

 

 「な…無いけど…」

 

 「そか」

 

 「……」

 

 「ん?なんだよ高海」

 

 「……なんでもない」

 

 じっと見られていたため何かと思えば、なんでもないか…。

 

 まぁ、あんまり気にしないで置こう。

 

 「桜内はどうなんだ?」

 

 「私も特にって感じね」

 

 どうやら無かったらしい、東京の子だからそれなりにあると思ったがそんな事も無かった。

 

 「そうか、曜は?」

 

 「ううぇ!?わ……私!?」

 

 「ああ、この流れからしてそうじゃないのか?」

 

 何だか凄く動揺している曜。

 

 こいつは以外だ、曜はそうゆうのが興味ないと思ったのだが……。

 

 「な……………ない」

 

 「ないのかよ」

 

 動揺してたから、あるのかと思った。

 

 恋愛ね〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『瑠璃!ほら早く』

 

 『ま…待ってよ果南姉〜!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれが最後の恋だったな。

 

 懐かしい。

 

 「そういうルーくんはあるの?」

 

 いきなり高海が聞いてきた。

 

 まぁ、隠すことも無いし別にいいか。

 

 「ああ、あるぞ」

 

 「「「ウソ!!!」」」

 

 「なんでそんなに驚くんだよ」

 

 解せぬ。

 

 そして、俺に高海と曜が顔を近づけてきた。

 

 「いつ?」

 

 「誰に?」

 

 「「どうなったの!!??」」

 

 仲良しかよこいつら、ああ仲良しだったわ。

 

 とりあえず両手を前にだして。

 

 「落ち着けお前ら、俺が恋したのは中学生の頃だからな?」

 

 「「なんだ〜」」

 

 何故そこでお前らが安心するんだよ。

 

 そんなことより。

 

 「お前らが歌う曲に俺の当時の気持ちを載せても意味がないだろ?」

 

 「あ…そーか」

 

 ようやく理解したようだ。

 

 さてと話を戻そう。

 

 「とりあえず恋愛ソングは無理だろ、みんな恋愛経験ないし」

 

 「それもそうね」

 

 桜内は俺に同意してくれた。

 

 やはり作曲経験のある桜内が言うのならそうなのだろう。

 

 「じゃぁμ'sも当時、恋愛してたっってこと?」

 

 ふむ、確かにそういうことになるのかもしれない。

 

 高海の言い分に納得する。

 

 「調べてみる!」

 

 高海はパソコンでμ'sのことを調べ始める。

 

 すると桜内が、

 

 「も〜作詞に来たんでしょ…はぁ」

 

 「千歌ちゃん、スクールアイドルに恋してるからねぇ」

 

 「そうだな」

 

 確かにこの状態は、恋に近いのかもな。

 

 俺も昔はきっとこんなんだった。

 

 「お」

 

 「あ」

 

 「あ」

 

 どうやら桜内に曜も気づいたらしい。

 

 そう、高海は今現在、スクールアイドルに恋をしている。

 

 その気持ちを歌詞にすればいいのではないか?

 

 それを伝えようとしたが、曜が隣で既に言っていた。

 

 すると高海は目を光らせながら、

 

 「それなら!たくさん書ける!」

 

 そういうと、すごいスピードでノートに単語などを書き始める。

 

 これで作詞の方も、何とかなるだろ。

 

 適当にそう思い、俺は時間がたつのを待つことにした。




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11話

よろしくお願いします!


 

 「よ〜い」

 

 水中メガネをきつくし、スタート台の上に立ち飛び込む姿勢になる。

 

 「ふぅ…」

 

 ピタッと俺は息を止め集中する。

 

 水は生き物だ。

 飛び込み拒めば牙をむき襲いかかってくる。だが、拒むのではなく受け入れれば、水は危険な生き物ではなく、美しい生き物だ。

 

 俺は心の中でつぶやく。

 

 そして……。

 

 「どん!」

 

 バッ!! バッシャーン!!

 

 スタート台を力強く蹴り、誰よりも遠くに飛び込む。

 

 水面の中は透明で自分がどのくらい回りを突き放しているか分かる。

 

 とにかく泳ぎ、泳ぎ、泳ぎ、泳ぎまくる。

 

 そして、気づいた時には残り4分の1。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『それが、黒澤家のためにプラスになるのか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ッ!?」

 

 ゴール手前で親父の言葉を思いだしてしまい失速。

 

 何とかほかの人には勝てたがタイムを見る限り落ちている。

 

 「はぁ…はぁ…はぁ…クソ」

 

 俺はプールから出て、キャプにゴーグルをとり自分のタオルやビート板などの競泳グッズの入っているカゴに投げつけた。

 

 「なんで……親父が出てくるんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 いまいち集中ができなかった今回の部活は途中で早退してきた。

 

 時間もまだあるし、沼津の本屋でも行こうかな…。

 

 と思い、ただいま沼津の本屋さんで本を見ている。

 

 俺が、見ているのは月刊で競泳を特集する雑誌を見ている。

 

 内容は、最近の選手のことや選手の筋トレ方法などなどの情報が書かれている。

  

 「お…お兄さん!?」

 

 「ん?」

 

 隣から声がしたので隣を見ると大量の本をリアカーに乗せ押している花丸がいた。

 

 てか、本乗せすぎだろ。

 

 「丸か、こんな所で会うとは奇遇だな」

 

 「ずら!丸は本を買いにきたずら、お兄さんは?」

 

 「俺もそんな感じだルビィもいっしょか?」

 

 「スクールアイドルのコーナーにいるずら」

 

 「あいかわらず好きだな…」

 

 ルビィは昔からスクールアイドルが好きで、そういった話題になると周りが見えなくなる。

 

 「そんじゃ、ルビィ迎えに行くか」

 

 「ずら!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うわぁ〜〜!!」

 

 おい、ルビィ…ここは本屋なんだから大きな声は出しちゃダメだぞ。

 

 「ルビィちゃん決まった?」

 

 丸が優しくルビィに語りかける。

 

 「うん!これに……ピギィ!?お…お兄ちゃん…」

 

 「ずら?」

 

 「あ〜〜」

 

 そう言えば、まだあの騒動からルビィと喋って無かったな。

 

 きっとルビィの中では、怖いお兄ちゃんってイメージが付いているだろう。

 

 「丸、俺用事思い出したから帰るな?」

 

 「え?お兄さん?」

 

 「ルビィを頼んだ」

 

 俺は丸の頭を優しく撫で、俺はその場をさった。

 

 

 

 

 

 

 

 ルビィと丸と別れて、俺は沼津駅の方を自転車を押しながら帰っている途中。

 

 「お願いしま〜す!」

 

 「お願いします!!」

 

 「お…お願いします」

 

 高海に曜、桜内が頑張ってチラシを配っていた。

 

 スクールアイドルの宣伝かな?

 

 心のそこからの笑顔。

 

 やりたい事を満足にやればそんな楽しそうに笑うことも出来るだろう。

 

 俺はそんな3人が非常に羨ましい

 

 今の俺には無いものを3人は持っている。

 

 そんな3人が眩しく背中を向け、俺は真っ直ぐ家に帰った。

 

 




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12話

よろしくお願いします!


 夕飯に食べるものをコンビニで買い自分の部屋で音楽を聞きながらベッドに丸くなる。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 どうすれば満足に泳げる?

 

 頭のなかでグルグルとそんな考えが回る。

 

 答えは出ているがそれを実行しても無理なのは百も承知。

 

 プルルルル プルルルル

 

 珍しく俺の携帯がなり、番号を確認。

 

 画面には渡辺 曜と書いてある。

 

 「曜?…はい」

 

 『ヨーソロー!!!!』

 

 いきなりだった。

 

 耳元に曜のヨーソローを食らってしまい頭の中がキーンとする。

 

 「…何のようだ?」

 

 『瑠璃くん元気?』

 

 「ああ、元気だよ。どした?」

 

 『今日ねグループ名決まったんだよ!』

 

 どうやら近状報告らしい。

 

 わざわざ連絡しなくても良いのに…。

 

 「それはよかった。それで?グループ名はなんだ?」

 

 『Aqoursだよ』

 

 「……は?」

 

 『だから!Aqours!』

 

 曜は強調するようにAqoursと発言をする。

 

 だが、Aqoursだけはやめて欲しかった。

 

 自分でも分かるぐらい動揺しているのが分かる。

 

 「そ…そか…頑張れよ」

 

 『うん!』

 

 「それじゃ」

 

 『え!?ちょ…ちょっと』

 

 ピッ

 

 曜が何かを言おうとしていたが、俺はそれを聞けるほどいまは落ち着いていない。

 

 「Aqours」

 

 俺は小さくつぶやき、とある3人を思い出す。

 

 彼女らも心のそこからの笑顔だった。

 

 そんな笑顔に俺は惹かれていき、俺に出来る手伝いもした。

 

 だが、それが全部水の泡になる。

 

 なぜならその3人はもういない。

 

 憧れた3人はもういない。

 

 「なんで…なんでよりによって…Aqoursなんだよ…ッ!!」

 

 自分の不甲斐なさに唇を噛む。

 

 口の中が鉄の味が徐々に広がって行くなか俺は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 次の日の朝、たまには走ろうと思い砂浜を走ったが、水中と違いすぐに疲れてしまった。

 

 疲れた体を休めるため、その場に座り込む。

 

 頭の中で昨日言われた、Aqoursの事が出てくる。

 

 「1・2・1・2」

 

 「ん?」

 

 どこからか声が聞こえた。

 

 周りを見てみると昨日、チラシ配りをしていた3人がダンスのステップの練習をしている。

 

 「…また笑顔だ」

 

 なんであんな笑顔なんだよ。

 

 いったい何があいつらを動かしているのだろう。

 

 そんな、疑問が頭の中に出てくる。

 

 まぁいいや、見つからないように帰ろう。

 

 「あ!ルーくんだ!!」

 

 「ピギィッ!」

 

 いきなり俺を見つけ遠くから手を振る高海。

 

 見つかったのならしょうがないと思い、方向転換をし渋々高海達の所に歩く。

 

 「おはよ!ルーくん!」

 

 「はい、おはよ」

 

 「瑠璃くんおはヨーソロー!」

 

 「はい、おはよ」

 

 「おはよう、黒澤くん」

 

 「おはよう桜内、練習頑張ってる見たいだな」

 

 「「なんで私達は適当なの!!」」

 

 なんだよ、普通に挨拶しただけだ。

 

 まともに挨拶したのは桜内だけだからだと言う理由があるが胸にしまっておこう。

 

 「練習か?」

 

 「うん!曲もいいものが出来そうなんだ!」

 

 「おお、それは凄いな」

 

 もう曲が出来そうなのは凄い。

 

 本気だから出来ることだ。

 

 それだけスクールアイドルが好きなのだろう、高海に曜に桜内の額にはかなりの汗がある。

 

 ………。

 

 よし。

 

 「曲聞かせてくれ、後振り付けの動画も」

 

 「え?う…うん」

 

 そういうと高海は先程まで携帯で撮っていたムービーを見せる。

 

 もちろん途中までだが曲も付いてる。

 

 こんなに本気なら少しぐらいアドバイス上げても怒られないだろ。

 

 「ここは3人じゃなくて1人ずつのほうがいいだろう…あとここは振りが早すぎると元気なイメージが付く、だったらここはもっと優しく………どした?」

 

 3人がおれの顔を見ている。

 

 そんなに見られると恥ずかしいのだが…。

 

 「瑠璃くんってダンスとかやってたの?」

 

 「いや、やってないよ」

 

 ダンスは全くやっていないあえて言うならば、ダイヤのやっている日本舞踊を小さい頃から見ていたぐらいだ。

 

 何故こんなに言えるのかと、曜は疑問に思っているのだろう。

 

 答えは簡単だ。

 

 「俺はAqoursのファンだからな」

 

 俺は笑って答えてやった。

 

 それに釣られ高海・曜・桜内と順番に笑う。

 

 この3人ならあの3人の後も継げれるかな?

 

 だったらファンとして出来ることはしっかり見守り応援することだ。

 

 先程の曜の疑問に1つ付け加えるとしたら、

 

 俺は…昔からAqoursのファンだからな。

 

 それが正確だろう。

  

 




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13話

よろしくお願いします!


 『せーの……皆さんこんにちは!!浦の星女学院高校スクールアイドル、Aqoursです!!』

 

 何とか朝にダンスのアドバイスが終わり、家に帰り居間でお茶を飲んでいる。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 今日は親父が家に帰らないようなので家で過ごしている。

 

 そんなことより、町内放送をつかい宣伝しているのはAqoursの3人の様だ。

 

 「あいつらスゲーな」

 

 先程いれたお茶を堪能しながら放送を聞く。

 

 うん、お茶が美味い。

 

 ついでにダイヤはお琴を弾いており、ルビィは自分の部屋にいると思われる。

 

 『待って!まだ、学校から正式な承認貰ってないんじゃ…』

 

 『あ!じゃ…浦の星非公認アイドル!Aqoursです!!』

 

 「ぶふっ!はははは!!非公認って…くくく」

 

 あいつらは放送の打ち合わせとかしないのかよ!

 

 久々に笑ってしまった。

 

 ピンッ!

 

 先程まで、綺麗にお琴を奏でていたダイヤだったが、放送を聞き音を外す。

 

 そうだ。

 

 「音外れてるぞダイヤ」

 

 「!……わ…わかってますわ!」

 

 ダイヤは俺の声を聞きすぐにお琴を奏でる。

 

 ここからダイヤの顔が見えるのだが、うっすらと微笑んでいるのがわかった。

 

 俺もそれに釣られ少し笑った。

 

 ……も…もうちょっと勇気を出してみよう。

 

 そう思い俺は、湯のみと座布団を持ってダイヤの隣に座る。

 

 「!ど…どうしましたの?」

 

 「え?い…いや、たまには近くで聞こうかなと……」

 

 「そ…そう」

 

 お互い緊張しているのがすぐにわかった。

 

 まぁ久々の会話でもある、緊張するのは当たり前だ。

 

 落ち着くためお茶を一口。

 

 隣でまた真剣にお琴を奏で始めるダイヤ。

 

 「……瑠璃」

 

 「ん?」

 

 「そ…そんなに見られると……少し恥ずかしいのですが…」

 

 ダイヤが頬をうっすらと赤くして答える。

 

 「え?……あ〜!ご…ごめん!」

 

 どうやら気が付かないうちに見ていたようだ。

 

 少し、恥ずかしいな……。

 

 「ふふ…お琴弾いてみます?」

 

 「…いいのか?」

 

 「ええ、いらっしゃい」

 

 「…おう」

 

 俺はお琴の前に座り触れてみる。

 

 懐かしい…小学生ぐらいだっただろうか、ダイヤが弾いている横で目を輝かせながら見ていた記憶を思い出す。

 

 お琴の弦を押しながら弾く。

 

 デン

  

 「あれ?」

 

 ダイヤが弾いているようにはならないな。

 

 するとダイヤが隣から

 

 「お琴は強くそして繊細に弾く楽器ですわ、なのでもっとこんな感じに」

 

 そういうとダイヤは後ろから重なるように俺の手を上に置き、もう一度お琴を鳴らす。

 

 テン

 

 今度は頭に響くような音がなる。

 

 「おお」

 

 「ね?」

 

 「ビギャ!!」

 

 俺はダイヤの吐息が耳にかかりびっくりし振り向く、そして俺の目の前いっぱいにダイヤの顔がある。

 

 俺とダイヤの顔は数センチしか無かった。

 

 「ッ!!」

 

 「ご…ごめん!!」

 

 ダイヤはじょじょに顔を真っ赤にし出したた、俺はすぐにダイヤから離れた。

 

 いつものダイヤだったら、ハレンチですわって怒鳴られるよな……。

 

 「お…俺、用事思い出したから!!それじゃ!」

 

 怒鳴られる前に退散しようと立ち上がると

 

 「瑠璃」

 

 「は…はい」

 

 ダイヤに呼ばれたため、その場で止まる。

 

 ああ…怒られる。

 

 「また…いっしょに遊びましょ?」

 

 「……お……おう」

 

 怒鳴られる覚悟だったのだが、まさか怒らないとは……。

 

 ダイヤはまたお琴に集中しだした。

 

 女心とは分からないものだ。

 




はぁ…ダイヤ様が可愛い……。
次は、最近出番のないルビィちゃんです!







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14話

投稿が遅くなりすみませんでした!

それではよろしくお願いします!


 ダイヤの言葉にドキドキしながら自分の部屋に向かっている。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 「また、いっしょに遊びましょ…ね」

 

 自分でもわかるくらい心が軽くなり嬉しくてニヤニヤが止まらない。

 

 「ピギィッ!」

 

 「ん?ルビィ?」

 

 音が聞こえたため振り向くと、プリンとスプーンを持っているルビィがそこにいた。

 

 ルビィはまだ、俺を怖がっているように見えた。

 

 「ル…ルビィ」

 

 「…な…何?お兄ちゃん」

 

 ビクッとルビィの体が震える。

 

 「……何でもない」

 

 俺がそういうと、ルビィは俺の横を通って自分の部屋に向かった。

 

 あんなに怖がってるなら話しかけないほうがいいのかもな……。

 

 「お…お兄ちゃん」

 

 いきなり後ろからルビィに話しかけられた。

 

 「…どうした?」

 

 「あ…あのね?プリン…2個あるからいっしょにどうかなって…」

 

 まさかのルビィからのお誘いに少し驚く。

 

 ルビィは恥ずかしかったのかうっすらと顔が赤い。

 

 「それじゃいっしょに食べてもいいか?」

 

 「ッ!うん!」

 

 ルビィは嬉しそうに表情を変える。

 

 どれだけ嬉しいのやら…。

 

 俺はルビィの後ろについていくようにルビィの部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 「甘〜い♡」

 

 どうやらルビィの口にあったようだ。

 

 ルビィは頬を抑えながらプリンを食べている。

 

 俺も自分のプリンを一口。

 

 「うん…おいしい」

 

 どうやら抹茶味のプリンのようだ。

 

 だから色が緑色なのか…。

 

 ルビィの部屋はピンクを強調した可愛らしく女の子らしい部屋だ。

 

 ベットの上には数個のぬいぐるみも置いてある。

 

 「うゅ〜…」

 

 「ん?どうしたルビィ?」

 

 視線を感じたためルビィを見る。

 

 ルビィはスプーンを加えながら何か言いたげな目をしながら見てくる。

 

 「さ…流石にそんなに見られると…恥ずかしい……」

 

 「ん?ああ…部屋の話か?」

 

 「う…うん」

 

 流石のルビィも女の子だから見られるのが恥ずかしいようだ。

 

 だが兄に見られて恥ずかしいとは…そんなものなのか?

 

 ルビィは今だに俺を見ている。

 

 話題を変えたほうがいいな。

 

 「おいしいか?」

 

 「うん」

 

 「それはよかった」

 

 ルビィが美味しそうに食べ始める。

 

 俺も食べようと口に運んだ瞬間。

 

 「お…お兄ちゃん」

 

 ルビィに呼び止められてしまった。

 

 「どした?」

 

 「プリン…おいしい?」

 

 「おう、美味いぞ」

 

 「そ…そっか〜」

 

 何だかよそよそしく話をするな。

 

 ……なるほどそういう事か、俺はスプーンでプリンをすくい、ルビィの顔の前に持ってくる。

 

 「食いたいんだろ?ほら、あーん」

 

 「うゅ…あ…あー…ん」

 

 「うまいか?」

 

 「うん!」

 

 それは何よりだ。

 

 何だか、小動物に餌付けしてる気分になる。

 

 だが、こんな姿をダイヤに見られたらはしたないって言われて怒られそうだな。

 

 ルビィには俺みたいに嫌われないようにするため、黒澤家に恥じないように育って欲しい。

 

 そう思いルビィに食べさせるのをやめようとするが、

 

 「…うゅ?」

 

 「………」

 

 首を傾け俺を見てくるルビィ。

 

 ……たまにはこういうのもいいかもな。

 

 「もっと食べるか?」

 

 「!!うん!」

 

 ルビィは嬉しそうに顔をこちらに向ける。

 

 まったく、可愛すぎる妹を持つのも大変だ。

 

 その後、俺とルビィはプリンを食べ終わらせ他愛のない話をした。

 

 平凡に過ごすのも悪くないのかな?

 

 




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15話


よろしくお願いします!


 

 

 Aqoursの町内放送から数日。

 

 今日は午前中で部活が終わりのため、いま最後のストレッチをしている。

 

 どうも、黒澤 瑠璃です。

 

 今日はAqoursに取っては大事な日だ。

 

 高海からはおおよその話は聞いているため、現在のAqoursがどういう状況なのかも分かる。

 

 どうやら現在の理事長?がAqoursを認めるには浦女の体育館を満員にしなければならないらしい。

 

 今日は、あいにくの雨。

 

 もしかしたら来る人は少ないと予想される。

 

 俺は嫌なことを予想してしまった。

 

 とにかく部活が終わりしだい、すぐにAqoursの所に向かうとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 部活が終わりすぐに浦の星女学院の体育館に向かう。

 

 自転車を猛スピードでこぎ、体育館に到着。

 

 高海からは体育館のとある部屋にいるとメール出来ているためすぐにその部屋に向かった。

 

 そして、Aqoursの3人がいる部屋に勢いよく入った。

 

 「曜!高海!桜内!」

 

 勢いよく入り過ぎたためバタンと扉を開いた先には、何と……。

 

 「え!?る…瑠璃くん!?」

 

 「わぁ!ルーくん!!」

 

 「黒澤くん!?」

 

 下着姿のAqoursの3人の姿がそこに広がっていた。

 

 下着姿……女子の下着姿を見てしまった俺はこの後何が起きるか瞬時に把握!!

 

 「「「ッ!?き」」」

 

 「ちょっと待った!!!!」

 

 叫びそうなところを俺は止める。

 

 「確かに見た俺も悪い……だが!ドアに着替え中という貼り紙をはって置くべきだぞ!!3人とも……だが見たのは変わりない……という事で!!」

 

 俺はネクタイを緩めワイシャツを脱ぐ。

 

 鍛え抜かれた上半身を3人に見せた。

 

 「俺も脱ぐからおあいこでどうだ!!」

 

 「「「出てって!!!」」」

 

 その後、俺は3人に怒鳴られその場をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ほんとすみませんでした」

 

 俺は3人が着替え終わったため、とにかく全力で土下座をし謝ってる。

 

 「ははは…」

 

 「……」

 

 曜は苦笑い、桜内は目を合わせようとせず。

 

 だが高海の方は

 

 「ま…まぁ!私達も紙はってなかったしね!ね!?曜ちゃん!」

 

 「そ…そうだね!ほら梨子ちゃん」

 

 「……けど…」

 

 高海と曜は何とか許してはくれそうだが、桜内はずっと目を合わせてくれない。

 

 だが今度は高海が…

 

 「梨子ちゃん」

 

 「うっ…わ…わかったわよ…」

 

 おおっ!何とか許してくれそうだ!

 

 それにしても高海の声一つで二人とも許してくれるとは……。

 

 やはりリーダーだからか?

 

 「それで?ルーくんは何しに来たの?」

 

 高海がいきなり話しかけてきた。

 

 「3人とも緊張してないかなって思ってな……様子見に来た」

 

 「そっか!ありがと!」

 

 高海は嬉しそうに笑顔になり、そんな笑顔が凄く綺麗だった。

 

 そういうと高海は嬉しそうにライブの準備を始めた。

 

 「桜内」

 

 「……」

 

 ビクッと肩を震わせるが、まだ目を合わせてくれない。

 

 どうしよ、泣きそう。

 

 「すまん、あと衣装似合ってるぞ」

 

 「……そう」

 

 そういうと桜内は俺に背中を見せライブの準備へ。

 

 あれは、相当怒ってるな。

 

 「曜」

 

 「うん!」

 

 ふむ…この流れだと曜に一言必要だな…。

 

 ……やっぱり曜にはこれだな。

 

 俺は右手の拳を曜の前に出して。

 

 「がんばれよ!曜!」

 

 「!……うん!」

 

 そう言うと曜は拳を俺に合わせて元気よく頷いた。

 

 曜が高飛び込みの大会の時、必ず俺が曜にやっていることだ。

 

 嬉しそうに曜はステージの準備にはいった。

 

 あ…そうだ。

 

 「衣装可愛いぞ!」

 

 「ぶふぅ!わざわざ言わなくていいから!」

 

 曜をおちょくろうと言った事だが、どうやら成功のようだ。

 

 曜の赤い顔が目に浮かぶぜ。

 

 3人が行ったのを確認し、俺はステージを見るため見やすい場所へと向かった。

 





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16話

よろしくお願いします!


 

 

 体育館に無事につき、見やすい場所を探している。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 ちらほらとお客さんも集まってはいるもののやはり、体育館を満員にするのは難しいのではないのだろうか…。

 

 俺はとりあえず1番後ろの壁に寄りかかりそのライブの時間を待つ。

 

 「あ!お兄さんずら!」

 

 「ん?」

 

 声がしたので声の方を見ると丸とルビィの姿があった。

 

 「おお、丸とルビィか……知ってたのか?」

 

 「う…うん。駅でチラシ配りしてて、それを貰ったんだ」

 

 ルビィは俺の質問に答え、チラシを俺に見せる。

 

 それより、ルビィがAqoursの3人と接点があるのに驚いた。

 

 そう言えば高海に抱きつかれてる現場を見たな。

 

 「アイドルが好きなら見るべきだな、俺は大丈夫だから前のほうで見てきな」

 

 「うん!えへへ」

 

 ルビィは嬉しそうに頷き笑顔になり移動する。

 

 すると

 

 「む〜〜っ」

 

 「?」

 

 声がしたためそちらを見ると丸が頬を膨らましていた。

 

 俺なんかしたか?

 

 「お兄さんはまだ丸と挨拶してないずら!」

 

 丸は何だか不機嫌になったのかプイっと顔をそらす。

 

 確かにまだ、挨拶してなかったな。

 

 そいつは悪いことをした。

 

 「丸もAqoursのライブを見に来たのか?」

 

 「そうずら!」

 

 話しかけられ嬉しいのかすぐに笑顔になり答える。

 

 「あれ?丸はスクールアイドルに興味あるの?」

 

 「ん〜、丸はあんまり興味がないずら」

 

 ふむ…そいつは残念だ。

 

 だけど、なんでAqoursのライブに来たんだ?

 

 俺はその真相を聞こうと質問するが、

 

 「けど……ルビィちゃんが笑顔だと丸は嬉しくなるずら」

 

 まるで俺の心でも読んだのかと聞きたくなるタイミングだが、その答えをきいてホッとする。

 

 どうやらルビィのことを友だちとして凄く大事みたいだな。

 

 「そうか……これからもルビィをよろしくな?」

 

 「ずら!」

 

 丸は大きく頷きルビィの所に向かった。

 

 ルビィと丸が話してる姿を見て微笑ましく笑う。

 

 「相変わらず年下には甘いですわね」

 

 「ビギッ!……なんだダイヤか」

 

 「なんだとはなんですの」

 

 いきなりが話しかけてきたダイヤに少しビックリする。

 

 ていうか……

 

 「いきなりなんだよダイヤ。あと年下に甘いんじゃなくて妹とその友だちに優しいっていってほしいな」

 

 「その妹好きは何とかなりませんの?」

 

 「ダイヤに1番言われたくないなそれは」

 

 妹に気にかけるのは兄として当たり前だ。

 

 それと妹好きはダイヤもいっしょのはずだが……。

 

 「これ」

 

 「ん?」

 

 ダイヤから何かを手渡された。

 

 首にかけるものらしいが……

 

 「入校許可証ですわ、流石に姉妹校でも許可証を持ってるか持ってないかで印象はかわりますわ」

 

 「なるほど……ありがと」

 

 「いえ」

 

 あの1件いらい、ダイヤとは砕けるように喋る事ができるようになった。

 

 いまではお互いに冗談もいいあえる。

 

 「さてわたくしは仕事がありますからこれで」

 

 「見てかないの?」

 

 「………」

 

 あ……やばい地雷ふんだか……。

 

 だがその答えはすぐに返ってきた。

 

 「まだ……やることがありますから」

 

 色々な意味が込められているのか、その言葉に凄く重みのある答えだった。

 

 ん?そう言えば俺は、ダイヤにライブに行くって言った覚えがないな。

 

 少し疑問だがまぁいいだろう。

 

 もうすぐでライブも始まる。

 

 そう思った瞬間、ステージの幕が上がり始めた。

 

 さてAqoursはどんなライブにするのか楽しみだ。




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17話


よろしくお願いします!


 

 

 

 ステージの幕が上がり徐々にAqoursの3人が顔がしっかりと見えた。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 Aqoursの3人はステージから観客を見て少しずつ曇っていく。

 

 それもそのはず、体育館を満員にする事ができなかったからだろう。

 

 「…ここからどう立ち上がるかだな……」

 

 とにかくいまのAqoursはショックを受け顔が曇っている。

 

 アイドルとは観客を笑顔にする仕事だ。

 

 彼女たちが笑顔じゃなければ観客も笑顔にはなれない。

 

 すると高海が一歩前にでる。

 

 「私たちはスクールアイドル!せーの、」

 

 「「「Aqoursです!!!」」」

 

 高海の声に曜に桜内も反応した。

 

 音ノ木坂から転校し音楽を心の底から恋をしている桜内。

 

 「私たちはその輝きと」

 

 俺の幼馴染で内浦の海や船に恋をしている曜。

 

 「あきらめない気持ちと」

 

 そしてセンターにいるみかんが大好きで、何よりスクールアイドルに恋をしている高海。

 

 「信じる力に憧れスクールアイドルを始めました!目標は、スクールアイドル〝μ's〟です!!聴いてください!」

 

 すると照明が一度消え、3人は配置に移動しているのがわかる。

 

 ん?俺は一人の少女に目が止まる。

 

 金髪に特徴的な髪型。

 

 あの髪型には見覚えが……

 

 「鞠莉姉?」

 

 するとステージが明るくなりAqours3人のステージが始まる。

 

 いけないいけない……ステージに集中しなければ。

 

 だが体育館を満員にできなかったのは変わらない。

 

 きっとこれがAqoursの最初で最後のステージだろう。

 

 けど……

 

 「すげぇな……あいつら」

 

 観客をどんどん歌で踊りでそして笑顔で魅了していく3人。

 

 そんな3人が心から凄いと思い綺麗だと思った。

 

 観客も少ないがだんだんとボルテージが上がっているのもわかる。

 

 そしてサビの部分に入ろうとした瞬間。

 

 バチン!!!!

 

 体育館が一気に暗くなり音楽も止まる。

 

 外は雨で雷もなっている……停電だろう。

 

 観客も何があったのかザワザワと動揺し始める。

 

 これは不味いと思い何かできることがないか周りを見る。

 

 だが、俺は所詮は観客。

 

 何も出来ない……。

 

 俺は諦め電気が戻るのを待つ。

 

 すると暗いステージから今にも泣きそうで弱々しい高海の声がした。

 

 高海が歌を歌っていた。

 

 そしてそれに応えるように、桜内と曜も歌い出した。

 

 ………チッ!

 

 諦めていた自分に苛立ちを覚え俺はすぐに体育館をでた。

 

 体育館をでて俺は倉庫に向かった。

 

 俺の通っている浦男はたまに姉妹校である浦女に体育館を借りる時が多々ある。

 

 そのため倉庫の場所も知っているし何があるかもわかる。

 

 俺は雨で濡れる制服を気にせず猛スピードで走る。

 

 何とか倉庫にたどり着きそこには何と

 

 「姉ちゃん!?」

 

 「!る…瑠璃!?」

 

 なんと姉であるダイヤがいた。

 

 ついつい動揺してしまい昔の呼び方で呼んでしまったが、そんなことはどうでもいい。

 

 俺はすぐにダイヤの隣に立ち

 

 「これ発電機だよな?」

 

 「な…何のことですの?」

 

 下手なウソはやめろよダイヤ。

 

 「結局ダイヤも後輩に甘いじゃん」

 

 「な…な…何のことでしょうか…」

 

 いまだにしらばっくれるダイヤ。

 

 まぁダイヤのことはおいといて、俺は発電機をどう使うのか調べる。

 

 「これなら俺でも使えるな……よっと」

 

 俺は発電機を二つ持ち上げる。

 

 け……結構重いな……。

 

 だがそんなこと気にしてられない。

 

 「これどこに持ってけばいい!?」

 

 「こ……こっちですわ!」

 

 すぐにダイヤが俺の表情をみて、案内をしてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 その後、何とかダイヤに案内してもらい発電機を稼働。

 

 すると体育館の電気が戻り、照明にスピーカーが元に戻った。

 

 俺は遠くから聴こえる音を聞きながら発電機を見ている。

 

 「はぁ……疲れた……制服びしょびしょだし」

 

 制服も雨によって濡れ、更には1つ20キロ近くある発電機を二つ持ちながら走るということもあり、一気に疲れが襲い掛かってきた。

 

 もう動きたくない。

 

 ……まぁ結局、Aqoursの最初で最後のライブだということは変わらない。

 

 ピピッ!

 

 ん?

 

 携帯がなったため携帯を確認する。

 

 「ルビィ?」

 

 ルビィから珍しくメールが届く。

 

 メールを開いてみると

 

 「!!!!………やっぱりすげぇなあいつら」

 

 俺はそのメールの内容についつい笑顔になった。

 

 その内容とは

 

 『お兄ちゃん!!体育館満員になったよ!!』

 

 更に後ろから写真をとったのか満員だとわかる写真までわざわざ付けてくれた。

 

 「はぁ…ん?お!雨が止んだ」

 

 外を見ると先程まで雨が降っていたのが信じられないぐらいの爽快な青空が広がっていた。

 

 まるで空までもAqoursの晴れ舞台に満足をしているようだった。

 

 「さてと!早くあいつらを迎えに行くか〜」

 

 俺は立ち上がりすぐに彼女たちのもとへ向かった。

 

 




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18話

少し長いと思います!

よろしくお願いしますm(_ _)m




 

 Aqoursのライブから次の日の午後、部活も終わり曜の所に弁当を返し家に帰っている途中。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 今日は親父が帰って来てるためコンビニで弁当を買おうと、自転車を止めコンビニに入ろうとした瞬間。

 

 「バァウバァウ!!」

 

 「ん?ビギャッ!!」

 

 何かが近づいてくる声がしたため振り返ると何かが俺に飛びついてきた。

 

 お…重い…。

 

 ん?このフカフカ具合見覚えがあるぞ?

 

 「コラ〜!しいたけ〜!」

 

 「しいたけ?」

 

 「バァウ!」

 

 鳴き声からして犬、更にはしいたけという珍しい名前。

 

 俺の頭の中に1匹の犬が浮かぶ。

 

 「すいません!うちのしいたけが……ルーくん!?」

 

 「よう、高海…とりあえずしいたけ下ろしてくれるか?」

 

 「うわぁぁぁ!ごめん!」

 

 高海の指示でしいたけをどかし俺は服についた土をはらう。

 

 しいたけは高海に怒られシュンとしているように見える。

 

 俺はしいたけの頭を撫でながら

 

 「俺に会えて嬉しかったんだよな、しいたけ」

 

 「バァウ!」

 

 しいたけは尻尾を振りながら鳴く。

 

 「しいたけの散歩だなんて偉いな」

 

 「今日は私の当番だからね!ルーくんはなんでコンビニにいるの?」

 

 俺がコンビニにいるのがめずらしいのか?

 

 高海はしいたけを撫でながら聞く。

 

 「まぁ…色々あるからな…夕飯は基本的にはコンビニだ」

 

 「そうなんだ!けど体にあんまり良くないんじゃないの?」

 

 「お前…コンビニ弁当なめんなよ?美味しい上にちゃんとサラダさえ買えば何ともない!」

 

 まぁ…絶対大丈夫って訳では無いが……。

 

 「ん〜…ルーくんこの後ひま?」

 

 「まぁ夕飯買って帰るだけだからひまだな」

 

 「うちでごはん食べてきなよ!」

 

 高海から夕飯の誘い。

 

 だがしかし、そんなにお金は持っていない俺にとっては旅館のごはんは痛い……。

 

 有難いがここは断ろう。

 

 「有難いんだけど「志満姉がいいって!」人の話は最後まで聞こうね」

 

 ん〜まぁ許可をもらったのならいいかな?

 

 「それじゃお願いします」

 

 「うん!」

 

 俺は自転車を押し、高海と何気ない会話をしながら高海の家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いや〜食った食った」

 

 「うふふ…お粗末様でした」

 

 志満さんの料理はとても美味しかった。

 

 下手したら黒澤家の使用人が作る料理よりうまいのでは?

 

 「そう言えば美渡さんがいませんね」

 

 「今日は残業みたいなのよ〜」 

 

 高海家の次女である美渡さんがいなかったため気になっていたが仕事ならしょうがない。

 

 すると隣に座っていた高海が

 

 「ルーくん!ルーくん!」

 

 「なんだよ?」

 

 「私の部屋でスクールアイドルの話しよ!」

 

 「いや俺はもう帰るよ」

 

 さすがに夜遅いしな…ダイヤとルビィに連絡いれないと行けない。

 

 「あらケーキもあるから食べていかない?」

 

 「いただきます!」

 

 大好物を見せられてはしょうがない。

 

 俺は志満さんからケーキをいただきそのまま高海の部屋に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 「どうぞ!私の部屋です!」

 

 「2回目だからわざわざ紹介しなくていいだろ」

 

 俺は高海の部屋に入り部屋を見渡す。

 

 前にも見たがベッドの上には相変わらず色々なぬいぐるみがある。

 

 それとμ'sのポスターだろうか?何かのポスターをはってある。

 

 「ほらほら!こっちに座って座って!」

 

 高海がポンポンと隣を叩く。

 

 わざわざ隣に?まぁ高海が言うなら…俺は隣に座り高海がいじっているパソコンの画面を見る。

 

 「おおスクールアイドルのこといっぱい調べてるんだな」

 

 「えへへ!もっと褒めてもいいんだよ」

 

 「えらいえらい」

 

 「なんで棒読みなの!」

 

 俺は高海の話を聞き流しながらケーキを口にいれる。

 

 高海もそれを見て1口…。

 

 「あま〜い」

 

 頬を抑えながら答える高海。

 

 美味しそうに食べる姿に少し頬が緩む。

 

 「美味しそうに食べるな高海は」

 

 「でしょ!……ん〜」

 

 ん?いきなり高海がうなりだした。

 

 なんか悪いことでもしたかおれ?

 

 「ルーくんはなんで千歌のこと〝高海〟って呼ぶの?」

 

 「ん?高海は高海だろ?」

 

 「そうだけどさ……」

 

 何が言いたいんだ?

 

 「曜ちゃんには呼び捨てなのに千歌には〝千歌〟って呼ばないのかなって思って!」

 

 ああそういうことか……。

 

 俺が高海と呼ぶ理由は、ただ恥ずかしいからだ。

 

 曜は小さい頃からいっしょだが高海とあったのは中学生の頃だ。

 

 まだそんなに日がたっていないような気がするが……。

 

 「そうはいってもな〜…お前は呼ばれて嫌じゃないの?」

 

 「ぜんぜん!」

 

 「即答かよ」

 

 高海が凄いキラキラした目でこっちを見てくる。

 

 ……はぁ

 

 「わかったよ呼べばいいんだろ?」

 

 「うん!」

 

 「千歌」

 

 「ッ!!」

 

 …………はい?

 

 高海…改め千歌は名前を読んだ瞬間、何故か俺に顔を見せないように顔を隠している。

 

 「千歌?」

 

 「いや…あの…えっと……ちょっと……恥ずかしい」

 

 え〜〜〜〜〜〜〜……。

 

 何この子、千歌が初めて可愛いと思ってしまった。

 

 顔を隠しているつもりだが、耳が隠れていなく真っ赤なのがわかる。

 

 まぁ落ち着くまでケーキでもたべてまつか……。

 

 

 

 

 

 

 

 「んじゃ俺は行くな?」

 

 「う…うん」

 

 ケーキも食べ終わり、時間も遅いため帰ることにした。

 

 千歌はいまだに恥ずかしいのかおれと目を合わせてくれない。

 

 「まぁとりあえずこれから千歌って呼べばいいんだろ?」

 

 「お……お願いします」

 

 「なんで敬語なんだよ」

 

 俺は自転車に跨り

 

 「それじゃぁ、夕飯サンキューな」

 

 「うん…バイバイ…瑠璃くん」

 

 「ッ!る…瑠璃くんって…」

 

 千歌がいきなりあだ名ではなく下の名前で呼ぶからビックリしてしまった。

 

 すると千歌はまるでイタズラが成功した子供のような笑みを俺に向ける。

 

 クソッ……やられた。

 

 いきなり呼ばれるのは心臓に悪いな。

 

 俺は夜の海の風で赤くなった頬を冷やそうと全力で自転車を漕ぐ。 

 




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19話


お待たせしました!

よろしくお願いします!



注意)今回の話は鞠莉ちゃんファンにとっては不快になるかもしれませんので、注意して下さい。



 

 「スクールアイドル?」

 

 「う…うん…どうかな?お兄ちゃん」

 

 いまは朝ごはんの時間。

 

 今日は母さんに親父が仕事なので朝からいない。

 

 珍しくダイヤまでも生徒会の仕事があるとの事でいない。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 ルビィといっしょに久しぶりにごはんを食べ、ルビィからスクールアイドルをやりたいと言われた。

 

 「うん、いいんじゃないか?」

 

 「ほんとに!?」

 

 「おう!だけど…ダイヤと親父がなんて言うかだな」

 

 「うゅ…」

 

 俺と母さんはきっと賛成するだろう。

 

 問題はダイヤと親父だ。

 

 ダイヤは何だかんだいってルビィには甘いのでルビィが本心でぶつかれば折れるが、親父がダメといえば黒澤家ではダメだ。

 

 まぁ、俺はダメと言われても続けているため親父には嫌われている。

 

 ルビィにはこんな思いをさせたくないな……。

 

 「まぁ何とかなるよ頑張れよ?」

 

 「うん!」

 

 ルビィは嬉しそうに頷く。

 

 「そんじゃ俺は行くな?ごちそうさまでした」

 

 俺は食器を片付け靴を履く。

 

 さてと……

 

 「いってきまーす」

 

 「いってらしゃいお兄ちゃん!」

 

 さてと今日も一日頑張るか!

 

 ガラガラとドアを開け学校へ、玄関をでたら目の前には

 

 「シャイニー☆」

 

 「……え?」

 

 「さぁ瑠璃!こっちよ!」

 

 「は?え?はぁぁぁぁ!?」

 

 金髪の女性が俺の右手を掴み、黒塗りの車の中に強引に連れ込まれ拉致られた。

 

 と……とにかく整理しよう。

 

 玄関を開けたら目の前に金髪の女性がいて、シャイニーと言いながら強引に黒塗りの車に連れ込まれる。

 

 ………うん、謎だ。

 

 「チャオー瑠璃!元気してたかしら?」

 

 声が隣から聞こえたため隣を見ると、今にも唇が触れそうなくらい近くに顔があった。 

 

 「ビギャ!」

 

 目の前の顔に驚き後ずさりする。

 

 そのせいで後頭部をぶつけてしまい、頭に痛みが走る。

 

 すると、目の前の女性はいきなり笑いだした。

 

 「ははははは!相変わらず瑠璃は面白いわね!」

 

 お腹を抱え女性が笑い出す。

 

 後頭部を擦り、笑う女性を見る。

 

 金髪で金色の目、セミロングの女性がそこにいた。

 

 「鞠莉姉……」

 

 「ふぅ……うん、瑠璃……ただいま」

 

 小原鞠莉。

 

 小さい頃よくダイヤと果南姉と一緒に遊んでもらった女の子だ。

 

 鞠莉姉はまるで抱きつくのを待つかのように両手を開いて俺を見る。

 

 だが、俺の中にあったのは嬉しさとは真逆の感情だった。

 

 「なんで……いるんだよ」

 

 「え?」

 

 「なんで内浦に戻ってきたんだよ!」

 

 俺の中では負の感情がぐるぐると渦巻き始める。

 

 鞠莉姉は何が何だかわからない顔をしている。

 

 「俺がおかえりって言うと思ったんですか小原先輩」

 

 「え?ちょっと瑠璃」

 

 俺を止めるものは誰もいない。

 

 そのためかスラスラと彼女を傷つける言葉が出てくる。

 

 「あんたは俺の姉を泣かした」

 

 頭の中に出てくるのは衣装を持ってすすり泣くダイヤ。

 

 「それに俺に何も言わずに行ったじゃないか……いまさら何なんですか?」

 

 「そ……それは……」

 

 「事実じゃん!!」

 

 俺がそう言うと鞠莉姉は押し黙った。

 

 鞠莉姉とは色々なことも相談した、友達以上に大切な存在だったのは俺だけだったようだ。

 

 すると車のドアが開き、外を見ると学校の前についていた。

 

 流石は車だ、やはり自転車より何倍も早い。

 

 俺は鞄を持ちその場をあとにする。

 

 その前に

 

 「学校まで送ってくれてありがとうございます小原先輩」

 

 俺は一言、鞠莉姉に感謝をのべる。

 

 そして

 

 「もう俺の前に現れないでください……さようなら」

 

 俺はそう言い残しその場を後にした。

 

 鞠莉姉の頬に涙が流れていたような気がするが、俺には関係ない。

 





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20話


よろしくお願いします!


 

 

 

 部活が終わり、水泳キャプにゴーグルを籠にいれシャワーで体に着いた汚れに塩素を落としていく。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 シャンプーで頭を洗いながら数日前のことを思い出す。

 

 小原センパイに送ってくれてから数日…あれ以来とくに小原センパイとは接触もしないしダイヤからも何も言われない。

 

 ……まぁ、俺には関係ないことなのだが。

 

 俺は頭に着いたシャンプーと同時に先程、思い出したこともいっしょに洗い流す。

 

 そういえば、Aqoursの方は何とビックリな事に1年生が3人はいったと連絡が曜からあった。

 

 そのうちの1人は俺の妹のルビィに、もう1人はルビィの友だちの花丸がはいったようだ。

 

 まだあったことないが、もう1人は津島善子という面白い子がはいったらしい。

 

 「瑠璃」

 

 「ビギャ…ビックリした剛センパイどうかしました?」

 

 いきなりシャワーから出たばっかの俺に後ろから話しかけてきた。

 

 「東京での練習試合の話何だが」

 

 「そういえばそんな時期ですね」

 

 もうすぐで夏に入るこの時期の水泳部は毎年、東京の大きなプールを借りて他校と練習試合をする。

 

 と言ってもほとんどが、合同練習みたいなもので試合は練習の最後になる。

 

 「その時のリレーメンバーは毎年キャプテンが決めるのが知ってるな」

 

 「そうですね毎年そうだと聞いてます」

 

 俺は体を拭きがらセンパイの話を聞く。

 

 いまさらどうしたのだろうか?

 

 「お前、メドレー出ないか?」

 

 「………俺でいいんすか?」

 

 いきなりメドレーメンバーに選ばれたため、ビックリしてしまった。

 

 「おう、俺が最高と思ったメンバーで出たいからな」

 

 センパイはニカッと俺に白い歯を見せる。

 

 センパイは不思議な人だ。

 

 よくアホなことをするし、ふざけてぼけているのか天然なのかわからないほど馬鹿なこともする。

 

 だけどこの人がいるだけでも何故か安心感もある。

 

 この人の作ったリレーメンバーなら出てもいいと思った。

 

 「それならよろしくお願いします」

 

 「おう!それじゃ監督にも伝えるから気をつけて帰れよ」

 

 「はい、お疲れ様です」

 

 剛センパイは軽く手を振り、監督の所に向かった。

 

 俺は周りに人がいないのを確認してから、嬉しさのあまりガッツポーズをとった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぁ〜〜〜〜…………眠い」

 

 という事で次の日、今日は海開きの日で内浦の人達が集まってゴミ拾いをする。

  

 「お兄ちゃん!がんばルビィだよ!」

 

 「めっちゃやる気出たはさすが俺の妹だ」

 

 妹のルビィに元気付けてもらい、眠気が一気に吹っ飛んだ。

 

 そんな光景を見て俺の隣にいる丸は

 

 「はぁ…相変わらずお兄さんはルビィちゃんが大好きみたいずら」

 

 何だか呆れてるような気がするが気にしないで置こう。

 

 「善子ちゃんももうすぐ着くと思うずら」

 

 いまは善子ちゃんこと津島善子を待っている。

 

 俺は必要ないと思ったのだが、ルビィがどうしても会わせたいと聞かないため付いてきた。

 

 「あ!来たよ!善子ちゃ〜ん!」

 

 ルビィが指をさす方向を見ると、走ってくる女の子が見えた。

 

 というより、美少女だった。

 

 「だから、私はヨハネだってば!」

 

 ん?ヨハネとは?

 

 俺は隣にいる丸にヨハネさんに聞こえない声で

 

 「丸、ヨハネってなんだ?善子って名前じゃないのか?」

 

 「気にしなくていいずらよお兄さん、善子ちゃんはそういうキャラずら」

 

 「キャラじゃないわよ!あと、私はヨハネ!!」

 

 どうやらそういうキャラらしい。

 

 まぁ彼女がそういうなら素直に聞こうじゃないか。

 

 「君がヨハネちゃんだね、よろしく。妹がお世話になっている」

 

 俺は握手を求め手を前に出すが、ヨハネちゃんは何故か固まってる。

 

 なんか悪いことしたかな?

 

 「照れてるずら」

 

 「違うわよ!………よろしくお願いします……」

 

 ヨハネちゃんは前に出した手を握り握手をする。

 

 するとヨハネちゃんは

 

 「あの……笑ったりしないんですか?」

 

 ヨハネちゃんは小さく呟くように俺に聞いてきた。

 

 そこに居たのは少し強気のヨハネちゃんではなくきっと、素の善子ちゃんなのだろう。

 

 自分がヨハネと名乗っていることがおかしくないのかと聞いてきた。

  

 「笑ったりなんかしないよ、君が善子ちゃんでもヨハネちゃんでも丸にルビィの友達なのはかわらないだろう?それだけで君がいい子だって思うし……ってなんか顔が赤いよ?善子ちゃん」

 

 善子ちゃんの顔が気がついたら頬を染めていた。

 

 まさか、熱かな?

 

 「あ……赤くないわよ!あと善子ちゃんって言うな!!」

 

 どうやらただ恥ずかしかったのだろう。

 

 俺は面白くつい笑ってしまった。

 

 ついでに頭も撫でてやった、俺が言える立場では無いのだが、何だかんだまだ子供なのだ。

 

 「ははははは!分かったよヨハネちゃん」

 

 「子供扱いするな〜〜!!」

 

 ヨハネちゃんは腕を振り回し拳を回してるが頭を押さえているため当たらない。

 

 「すごく仲良くなってるずら」

 

 「うん!お兄ちゃんは優しいから!」

 

 ルビィと花丸が何かしら話しているがヨハネちゃんの相手に忙しいためとくに気にしなかった。

 





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21話


よろしくお願いします!


 

 

 内浦では海開きの日に朝早くから、内浦の人達で掃除をするのが恒例だ。

 

 そんな俺も水泳部のジャージを着て、ゴミ袋を片手に掃除をしている。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 というより

 

 「なんで曜が隣にいるんだよ?」

 

 気がついたら曜が隣でいっしょにゴミ拾いをしていた。

 

 「最近、出番がないからね!瑠璃くんの隣にいれば必然的に出番増えるし!」

 

 「いや、何言ってるの?」

 

 本当に何を言ってるんだよ……。

 

 あ、そうだ。

 

 「曜」

 

 「ん〜?」

 

 「メドレーリレーのメンバーに選ばれた」

 

 とりあえずメンバーに選ばれたことを報告する。

 

 だが反応がない。

 

 聞こえなかったのかと思い、曜の方を振り向くと、何故か徐々に笑顔で近づいてくる。

 

 「な……なんだよ」

 

 「んふふふふふ」

 

 「いや、だから何?」

 

 え?なに?怖い……。

 

 すると曜は右手を振り上げ

 

 「私は瑠璃くんが選ばれるの分かってたよ〜〜!!」

 

 俺の背中をバシバシ叩き始める。

 

 笑顔のままで…。

 

 「痛い痛い!背中叩くな!!」

 

 曜は結構力あるからな、それなりに痛い。

 

 後ろにいる千歌に桜内は全く止める気配がない。

 

 「相変わらず仲がいいのね」

 

 「曜ちゃんはルーくんと小さい頃から仲がいいんだよ!」

 

 そこの2人…止めてくれるとありがたいのですが……。

 

 俺は痛みが耐えられなく逃げるようにその場を後にした。

 

 後ろで曜が逃げるな〜〜!!っと言っているが無視だ。

 

 

 

 

 

 

 

 「まさかここ出会うとは思わなかったぞ瑠璃」

 

 「いやセンパイも何でいるんですか……はぁ……」

 

 ビックリな事に剛センパイがゴミ拾いをしていた。

 

 まぁ一応センパイも内浦の人だしいてもおかしくはないのだが……。

 

 「何でパジャマなんすか……あとナイトキャップもしてるし」

 

 「む……うっかり取るのを忘れていた」

 

 ナイトキャップ取り忘れるってあるのか?センパイだからか……?

 

 遠くにはダイヤに果南姉そして……小原センパイが3人でゴミ拾いをしている。

 

 「………ん?果南?」

 

 「……え?」

 

 すると剛センパイはダイヤ達の方に向かう。

 

 俺的には気まずいため行きたくないのだが……。

 

 しょうがなく剛センパイの後について行く。

 

 「果南」

 

 「ん?あ、剛……何でナイトキャップ?」

 

 果南と呼び捨てでいきなり呼び、慣れたように果南姉が疑問をぶつけている。

 

 え?2人知り合いなのか?

 

 「うっかり取るのを忘れた」

 

 「剛らしいね……あ、瑠璃といっしょなんだ」

 

 「ああ、後輩だ。果南イルカは出たか?」

 

 「ん〜多分もうすぐかな?本当にイルカ好きなんだね」

 

 「ああ、可愛くて好きだ……1番はシャチだ」

 

 「知ってるよ何年の付き合いだと思ってるの?」

 

 「10年から先は数えてない」

 

 え?なに?これ……会話に入る隙が全くない……。

 

 「剛さんは果南さんの幼馴染ですのよ」

 

 「はぁ!?」

 

 「親同士が仲が良いと聞いてますわ」

 

 ダイヤから事の詳細を聞き、驚く。

 

 まさかそういう関係だったとは……いまだに会話が終わらない2人を眺める。

 

 ……気のせいだろうか?剛センパイは基本無表情のため感情を読むのが難しいが、少し声のトーンが上がっているような気がする。

 

 「てかダイヤも知ってたのか」

 

 「ええ…彼、水泳部の部長でしょ?」

 

 よくご存知で…。

 

 ダイヤはない胸をはり得意気に答える。

 

 「あ…あの!皆さん!」

 

 ん?

 

 いきなり声がしたため振り向くと台に登ってる千歌がそこにいた。

 

 何してるんだあいつ?

 

 一度深呼吸をして、また話し始める。

 

 「私達、浦の星女学院でスクールアイドルをやっているAqoursです!!」

 

 千歌は大きな声でAqoursの紹介。

 

 すると浜辺にいる内浦の人達は一斉に千歌の方を振り向く。

 

 「私達は学校を残すために、ここに生徒をたくさん集めるために皆さんに協力して欲しい事があります!!みんなの気持ちを形にするために!!!」

 

 そこには俺の知ってる千歌の顔ではなく。

 

 スクールアイドルAqoursのリーダー、高海千歌の顔がそこにあった。

 

 「やっぱりすごいな」

 

 「瑠璃が言ってたスクールアイドルの子か?」

 

 いきなり剛センパイが話しかけてきた。

 

 水泳部でも俺はちょくちょくAqoursの話をするため覚えていたのだろう。

 

 「ええ、そうですよ」

 

 「街のみんなに協力を頼むだなんて、中々出来ないぞ?すごい子だな」

 

 まさかそんなに褒めるとは正直、驚きだ。

 

 だからこそだな……。

 

 「あいつ俺の友だち何ですよ」

 

 俺は自慢するように胸を張り、友だちと剛センパイに言った。

 

 すると剛センパイは、いつも無表情の顔を緩め。

 

 「はははっ!そうかそうか!そいつは自慢するわな!」

 

 初めて見た……こんなに笑うセンパイを初めて見た。

 

 センパイは笑ったせいなのか、目から涙を拭い。

 

 「そんじゃ俺達もあの子達に負けないように頑張って、全国しっかり目指すぞ」

 

 「はい!!」

 

 俺と剛センパイは改めてAqoursに影響され全国を目指すことにした。

 





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22話


お久しぶりです。
まずは更新出来なくてすみませんでしたm(_ _)m

自分もこんなに忙しい月になるとは思わず久々にある意味、充実した夏休みでした。




さてさてでは、いつも通りによろしくお願いします!


 

 

 ピピピピピ ガチャ

 

 朝の5時に目覚ましがなり、眠い目を擦りながら起きる。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 今日は水泳部の部員が東京に行き他校と練習をする日だ。

 

 いわゆる遠征だ。

 

 「ふあ〜〜……着替えよ」

 

 用意していたジャージに着替え、まだ家族は寝てる時間のため物音をたてずに静かに下りる。

 

 台所から飲みものを取ろうとしたがあるものに注目した。

 

 「おにぎり?」

 

 おにぎりのお皿には〝瑠璃〟と書いてある紙が置いてある。

 

 つい嬉しくなり用意された2つのおにぎりを口に入れる。

 

 「しょっぱ!……母さん塩加減間違えたのか?」

 

 せっかく作ってくれたおにぎりを残さず食べ、俺は黒澤家をでた。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 バスの中、揺れを感じながら外を眺める。

 

 先程まで田舎道が続いていたが、今では大都会の街並みが広がっている。

 

 「ふぁ〜〜……眠い」

 

 朝早くに出たためまだ眠気がある。

 

 「黒澤さん!」

 

 「なんだよ空」

 

 俺の隣で赤ブチのメガネを掛けた少年が話しかけてくる。

 

 後輩の柳川 空(やなぎがわ そら)。

 

 1年で唯一リレーにでるメンバーの1人だ。

 

 特に背泳ぎ……通称、バックでは部員の中で1番早い。

 

 「黒澤さんはAqours知ってますよね!」

 

 「藪から棒にどうした?」

 

 彼はスクールアイドルが詳しく、Aqoursのファンでもある。

 

 いわゆるオタクだ。

 

 「またPV出したんですよ!!特にルビィちゃん!!めっちゃ可愛くないですか!?」

 

 どうやらルビィ推しのスクールアイドルオタクのようだ。

 

 というかよくまぁ、兄の前で妹が可愛いと言えたもんだ。

 

 まぁ妹が褒めらて悪い気持ちはしないのだが。

 

 「わかったわかった、ルビィによく言っとくよ」

 

 「お願いします!」

 

 鼻息を荒く俺に頼み込む柳川。

 

 すると今度は後ろの席から

 

 「俺は曜ちゃん推しかな〜」

 

 金髪で前髪をカチューシャで止めているセンパイ。

 

 望月 翔太(もちづき しょうた)

 

 一応、この見た目でも副主将を勤めている。

 

 更にはリレーメンバーの1人でもあり、平泳ぎ……通称、ブレでは全国出場の経験もある。

 

 「剛もそう思……って寝てるし」

 

 後ろで大きなイビキをかきながら寝ている剛センパイもいる。

 

 他の部員もいるが、今回の遠征では俺を合わせて4人がリレーメンバーだ。

 

 ……あまり言ってもいいのか分からないがあまりにもまとまりが無く勝てる気がしない……。

 

 「ぐががががが……すぅ〜〜……ぐががががが」

 

 剛センパイはいい加減にイビキを直してほしい……。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事に東京のスポーツセンターについた。

 

 ここは競泳の大会もするほど大きいプールがあり、他にも宿泊施設や温泉なども完備されており地元市民からも愛されている施設らしい。

 

 今日と明日とお世話になる。

 

 先ほど監督が部員を集め18時から開始に練習が開始とのこと。

 

 現在はまだお昼の12時にももなっていないため部屋で寝てようと思う。

 

 「黒澤さん!黒澤さん!」

 

 「なんだよ」

 

 「秋葉原行きましょう!」

 

 「1人で行け」

 

 とりあえず部屋に向かおうと俺は後輩に背中を向けて部屋に戻る。

 

 はずだった

 

 「いーきーまーしょーよ!」

 

 「鞄を引っ張るなバカ!」

 

 俺が背負っている鞄を無理やり引っぱる空。

 

 意地でも俺を連れていきたいようだ。

 

 すると続々と

 

 「秋葉いくの?俺も行きた〜い」

 

 「秋葉……いいな行く」

 

 「本当ですか!?行きましょ!翔太センパイ!剛センパイ!」

 

 どこからかセンパイ2人までもついて行くはめに……。

 

 すると目をキラキラしながら空が

 

 「行きましょ!黒澤さん!」

 

 センパイ2人も俺のことを見ているため非常に断りにくい……。

 

 「はぁ…わかったよ」

 

 大きな溜息を吐き、俺は初めての秋葉原に行くことになった。

 

 そう言えばAqoursも秋葉に行くって曜が言ってたような気が………何だか嫌な予感しかし無い……。

 

 





新キャラ2名です。



望月 翔太(もちづき しょうた)

浦の星男子高等学校3年

180cm 69cm

部活 水泳部 副主将

種目 平泳ぎ(ブレ)

趣味 ナンパ

特技 パソコン

容姿 金髪で見た目から分かるほどチャラい。前髪が長いため普段はカチューシャで前髪を上げている。

性格 とにかく女性が大好きで何事も卒なくこなす。




柳川 空(やなぎかわ そら)

浦の星男子高等学校1年

177cm 66kg

部活 水泳部

種目 背泳ぎ(バック)

趣味 スクールアイドルのグッズ集め

特技 ダンス(スクールアイドルの曲のみ)

容姿 茶色い髪に赤いフチのあるメガネが特徴的で整った顔立ちをしている。

性格 元気があり、好きなことには積極的に行動をする。


オリキャラを混ぜてしまいすみません…。

もうオリキャラを増やすこともないのでよろしくお願いしますm(_ _)m




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23話

お久しぶりです。
よろしくお願いします!


 

 

 

 何故…こうなった……。

 

 どうも、執事服をきて只今接客中の黒澤瑠璃です。

 

 とりあえず1から説明すると、秋葉原に着いたリレーメンバー御一行は困っているおじさんに会い、話し合った結果、助けをすることになった。

 

 要するに人助けだ。

 

 その人助けとは、おじさんが店長を務めているメイド&執事喫茶で働くことだった。

 

 俺と望月センパイは執事服、空と剛センパイはメイド服を着ることになり、今に至る。

 

 自分はどうだかわからないが望月センパイは英国の召使いみたいでかなり似合っている。

 

 「お熱いのでお気をつけ下さい、マドモアゼール……」

 

 「マドモアゼールだなんて、はじめて言われたわ〜」

 

 どうやら奥様方に人気のようだ。

 

 それに比べメイド組は……

 

 「萌え萌えキュン……これでいいか?」

 

 「あ……ありがとうございます……」

 

 真顔+筋肉質+低い声。

 

 逆に怖い!お客さんも引いてるし!

 

 きっと剛センパイはこういうものに向いていないのだろう。

 

 ついでに空はと言うと、

 

 「萌え萌えキュン♡はい!これで美味しくなりましたよ!」

 

 「「「うおぉぉぉぉぉ!ソラたんかわいぃぃぃぃ!!」」」

 

 案外ノリノリでやっており、短時間でファンも出来ている。

 

 まぁ見た目は完全に女の子出しな。

 

 「あ…あの……」

 

 は!いけないいけない……接客に集中しなければ

 

 「失礼いたしましたお嬢様……注文の方は以上でよろしいでしょうか?」

 

 「は…はい!」

 

 「それではごゆっくりお待ち下さいお嬢様」

 

 俺は礼をしてからその場を去る。

 

 そしてキッチンに向かい伝票を読み上げ、自分の仕事に戻る。

 

 そう言えばさっきのお客さん顔赤いが大丈夫か?

 

 「鈍すぎか」

 

 「鈍いな」

 

 「鈍いっすね」 

  

 ん?なんかリレーメンバーの3人から何か聞こえたような気がしたが……気のせいだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 この仕事を始めてからだいぶ時間が立ちこの仕事に服装にも慣れてきた。

 

 お昼の時間が過ぎたからなのかお客さんの入りが少なくなり、今では数えられる程度しかいない。

 

 店長いわく3時まで働けばいいとのことなので残り30分ぐらいだ。

 

 そんな時、お店に誰かが入ってくる合図が店内に響く、入口の近くには俺がいたため接客する。

 

 足音も多いためきっと団体のお客さんだろう。

 

 軽くその場で入ってきたお客さんにマニュアル通りの挨拶をする。

 

 「おかえりなさませお嬢様方………え?」

 

 俺はお客さんとして入ってきた女子達を見て固まる。

 

 なんと秋葉原にいるはずもない彼女たちがご来店した。

 

 「あ!ルーくんだ!?」

 

 「うぇ!瑠璃くん!?」

 

 「黒澤くん!?」

 

 「お…お兄ちゃん?」

 

 「お兄さんずら!」

 

 「何でリトルデーモンがここに!?」

 

 Aqoursの皆さんです。

 

 うん…驚くよね…友達が、幼馴染が、センパイが、リトルデーモンが、ましてやお兄ちゃんが、メイド&執事喫茶で働いてると驚くよね…。

 

 てか善子リトルデーモンってなんだよ。

 

 まぁ経緯を話せば理解してくれるかな?

 

 とりあえず席だけでも案内するか…。

 

 「大変お疲れでございましょうお嬢様方…席の方へご案内いたします。こちらへ」

 

 「え!?あ……はい!!」

 

 1番前にいた千歌が何故か反応する。

 

 俺の案内で6名ほど座れる席に案内し、Aqoursメンバー達が座る。

 

 「何で…黒澤くんが働いてるの?」

 

 席に座った途端、桜内が質問をぶつけてきた。

 

 「秋葉に遊びに来たら、ここの店長に頼まれてやってる」

 

 「てか口調が戻ってるし」

 

 とりあえずいつも通りに答える。

 

 善子が何か言ってるが気にしないでおこう。

 

 「とりあえずなんか頼め、味は保証する」

 

 「もう店員さんじゃなくて普通の友だち口調なんだ…」

 

 桜内が小さく呟く。

 

 もう俺の中ではAqoursのみんなに執事口調で執事服の俺を見られたため、黒歴史確定だ。

 

 もう投げやり状態だ。

 

 「黒澤く〜ん口調を戻しなさ〜い」

 

 「ぐっ!?」

 

 店長が俺の後ろを通り注意をする。

 

 やるしかないのか……。

 

 「…大変失礼しましたお嬢様方、是非メニューの方に目を通し注文してくれたら幸いでございます」

 

 もう、やるなら焼けだ。

 

 どうなるか知ったことか!

 

 「うぇ…え…えっと…じゃ…じゃぁこのパーティーセットをお願いします」

 

 千歌がメニューを選び答える。

 

 何故だかかなり同様しているのが見てわかる。

 

 「かしこまりました。それと先ほどの無礼は大変申し訳ございませんでした。代わりといっては何なのですが、こちらの料理は無料サービスさせてもらいます」

 

 まぁ、正しくは俺が奢るってだけなんだけどね。

 

 俺はその場で一例し伝票を持ってキッチンへ。

 

 後ろではこそこそと喋るAqoursメンバー…もうやだ…泣きたい…。

 

 

 




どうもお久しぶりです。
カイザウルスです!

3ヶ月投稿できずすみませんでした!

理由としては、携帯が壊れ溜めていた話が全て消えてしまい、モチベーションが上がらなかったのが理由になります。

本当に申し訳ありませんでした。

近日中にルビィちゃんの誕生日ストーリーも投稿します。


これからも、「黒澤家の長男です。」をよろしくお願いしますm(_ _)m


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24話


よろしくお願いします!


 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 遠征が終わり、いまはバスに揺られながら音楽を聞いている。

 

 遠征の結果はというと……。

 

 最悪だった。

 

 正しく言うとメドレーリレーだけが最悪だった。

 

 特に足を引っ張ったのが、いまは隣で静かな寝息で寝ている1年の空だ。

 

 まぁ経験不足からなのか全然早く泳げていなく、いつもの調子ではなかった。

 

 まだ、上級生を出した方がまだ可能性はあった。

 

 剛センパイはなぜ空をリレーメンバーに加えたのかが謎だ。

 

 ……まぁ、反省もすんだことことだし次に生かそう。

 

 あともう1つ、いま心配しているのは…Aqoursだ。

 

 どうやら東京のスクールアイドルのイベントに参加していたようで、結果が良くなかった…と曜から連絡があった。

 

 東京……スクールアイドル……イベント……俺の頭の中には輝いていた3人の少女が思い浮かぶ。

 

 俺は拳を握り、いまのAqoursが解散しないことをただ願うしかなかった。

 

 「……なんで止めなかったんだよ……鞠莉姉」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事に学校に着き、ミーティングをして解散をした。

 

 俺はその足で駅に向かいAqoursが帰って来るのを待っている。

 

 だが、会って何をする?

 

 あの時だって何もできなかった俺がいったい何をすればいいのだろうか?

 

 頭の中でチラつくのは2年前の不甲斐ない自分の姿…。

 

 「あら…瑠璃…」

 

 「ん?…ダイヤ……ただいま」

 

 「ええ…おかえりなさい」

 

 俺の名前を呼ぶ声が聞こえたため、振り返るとそこにはダイヤがいた。

 

 とりあえず帰って来たため挨拶はきちんとする。

 

 「……」

 

 「……」

 

 お互い特に何も話すこと無く、ただAqoursが来るのを待つ。

 

 そんな時だった……。

 

 階段からAqoursが出てきた。

 

 「来ましたわよ」

 

 「…ああ」

 

 ダイヤに言われ立ち上がる。

 

 「なんて話しかけますの?」

 

 いきなりダイヤが話しかけてくる。

 

 正直、自分でもなんて話しかければいいのかわからない……。

 

 「はぁ……そこは考え解くのが普通じゃなくて?」

 

 「…うっせえな……ダイヤはなんて話しかけるんだよ?」

 

 俺に聞くということは自分はもう決まっているのだろう。

 

 そう思い興味本意で聞く。

 

 「そうですわね……とりあえず……おかえり……と言おうと思ってますわ」

 

 「……そか」

 

 相変わらず優しい姉なんだなと改めて認識する。

 

 するとダイヤは、Aqoursに近づき。

 

 「おかえりなさい」

 

 ただ一言。

 

 Aqoursメンバーはすぐに気づき振り返る。

 

 するとルビィは目に涙をためダイヤに抱きつきながら泣き出す。

 

 ……悔しい思いをしたんだ…今日ぐらい存分に泣いた方がいい。

 

 俺はルビィの頭を撫ですぐに幼馴染である曜の前に立つ。

 

 「……瑠璃くん……」

 

 曜…お前まで泣きそうな顔をするなよ。

 

 俺は曜の頭にある帽子を深く被らせ目元を隠す。

 

 「……帰るぞ」

 

 すると曜は俺の服の袖と帽子のつばを小さく掴み。

 

 「……うん」

 

 そうとう悔しかったのだろう……。

 

 曜はみんなに涙を見せないように目を隠す。

 

 「曜ちゃん……」

 

 千歌が小さくつぶやくのが聞こえ、俺は千歌に話しかける。

 

 「悪いな千歌…曜は俺が送ってくから」

 

 「あ…うん…お願いします」

 

 悲しい顔だ。

 

 俺の知っている、明るくて元気な千歌とは別人のようだ。

 

 「……なぁ千歌」

 

 「ん?何?ルーくん」

 

 「………やめるのか?」

 

 「………え?」

 

 「……いや…気にしないでくれ……」

 

 もし……考えたくないが千歌がやめると言ったら…あの時といっしょだ……。

 

 俺は曜をつれてその場をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 曜を後ろに乗せて自転車を走らせる。

 

 「……」

 

 「……」

 

 お互い何も喋らず俺はただ夜風に当たりながらいつも通りに走らせる。

 

 すると曜が口を開く。

 

 「瑠璃くん」

 

 「…ん?どした?」

 

 「……喉乾いた…」

 

 開口一番がまさかの飲み物をご所望とは……まぁ今回は特別にいいだろう。

 

 「わかったよ、ちょうど自販機も見えたし買ってくるから待ってろ」

 

 「うん」

 

 すると曜は自転車から降り、近くの海岸へ向かう。

 

 俺は自転車を止めて自動販売機で曜のジュースと自分のジュースを買う。

 

 「さて…何を話すか」

 

 あんなに落ち込んでる曜は久々だ。

 

 最後に見たのは中学の飛び込み大会。 

 

 あの時もこうして砂浜で喋ったのを覚えている。

 

 俺は曜の隣に座り。

 

 「ほれ」

 

 「ん…ありがと」

 

 「どういたしまして」

 

 曜にはみかんジュースを渡し、俺はヤシの実サイダーを口に入れる。

 

 うん…相変わらず美味しい。

 

 だが…隣でみかんジュースを飲んでる曜が俺を見ながら。

 

 「おいしい?」

 

 「ああ…飲むか?」

 

 「いや…いい」

 

 「そっか」

 

 欲しいのかと思ったが違うのか…。

 

 風が吹き、水面に細かい波が立つ度に潮の香りが鼻腔をくすぐる。

 

 すると…

 

 「……私さ…今回のイベント…自信あったんだ」

 

 曜がようやく口を開きだした。

 

 「おう」

 

 「ダンスも…歌も…ミスがなくて……いままでで1番の出来だった」

 

 「…おう」

 

 「だけどさ……順位は最下位……さらには……0人………0人だよ?」

 

 0人。

 

 ……誰ひとりAqoursの踊りに心を震わせた人がいないということだろう。

 

 曜はただ海を眺めていた。

 

 多分、涙をこらえているのだろう。

  

 俺は曜の頭にそっと触れ、子供をあやかすように撫でる。 

 

 「俺はさ…お前らの踊りや歌を見たわけじゃないけどよ、涙をためる悔しいならどれだけ頑張ったのかは想像はつくよ」

 

 「……うん」

 

 「だからさ…俺の前では我慢すんなよ」

 

 「………うん…っうん」

 

 すると曜は俺の撫でてる手をどかし抱きついてきた。

 

 いきなりのことに少し戸惑うが……。

 

 曜の涙を見て落ち着いた。

 

 「よしよし」

 

 まだ静かに泣いてる曜を優しく腕回し泣き止むのを待った。

 

 

 

 





評価·感想待ってます!


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25話


生きてます!


ということで、よろしくお願いします!


 

 

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 何とか泣きやんだが、恥ずかしかったのか顔が真っ赤な曜が隣にいる。

 

 てか…

 

 「今ごろ恥ずかしくなったのかよ」

 

 「うるさいし!こっち見ないでよ!」

 

 「わかったわかった………はぁ」

 

 相当恥ずかしかったなか、今では両手で顔を隠し俺と目が合わない状態。

 

 俺は小さくため息を吐き海を見る。

 

 他のメンバーは大丈夫なのかが気になるが、あちらにはダイヤがいるし何とかなるだろう。

 

 「……ねぇ……瑠璃くん」

 

 「ん?どした?」

 

 曜から話しかけられ振り向くと、曜は何か聞きたそうな感じがした。

 

 「瑠璃くんは、なんでそんなに私たちに気にかけてくれるの?」

 

 「!」

 

 私たちとはAqoursのことだろう。

 

 「それに…前にグループ名が決まった時の瑠璃くん……なんだか様子が変だったから」

 

 あの時は電話だった記憶があるのだが、よくわかったな。

 

 ふむ……本当のことを話すかな…。

 

 「ん〜……長くなるけどいいのか?」

 

 「うん」

 

 即答かよ…。

 

 まぁいいけど…。

 

 「そうだな……俺が中学3年だな」

 

 俺は糸をたぐるように過去の出来事を思い出す。

 

 

 

 

 

──────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 「位置に付いて………用意……」

 

 水は生き物だ。

 飛び込み拒めば牙をむき襲いかかってくる。だが、拒むのではなく受け入れれば、水は危険な生き物ではなく、美しい生き物だ。

 

 小学生の頃に言われた言葉を心で呟き、俺は集中する。

 

 「どん!」

 

 飛び込み台を強く蹴り、誰よりも前へ。

 

 爪先から足先まで水に浸かり着水。

 

 手を動かし、前へ前へ。

 

 周りを見る感じでは、俺が1位だ。

 

 この調子で頑張るぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 「ただいま〜」

 

 水泳の部活も終わり、無事に帰宅。

 

 曜とも少し話したが遅い時間ではない。

 

 「おかえり!お兄ちゃん!」

 

 どたばたと妹のルビィが出迎えてくれた。

 

 「うん、ただいまルビィ」

 

 俺はルビィの頭を撫でて、そのまま居間へ向かう。

 

 そこには…。

 

 「あ、姉ちゃんただいま」

 

 机で教科書を開き勉強をしている高校1年生の姉ちゃんがいた。

 

 教科書を覗くが内容がわからない…。

  

 「ええ、おかえりなさい瑠璃」

 

 そう言えば父さんの姿もない。

 

 多分、お仕事が忙しいだと思う。

 

 「る……瑠璃」

 

 「ん?なんだよ姉ちゃん」

 

 姉ちゃんに呼ばれて振り向くと、何故だか顔がうっすらと赤い姉ちゃんがいた。

 

 風邪かな?

 

 「わ…わたくし…スクールアイドルを始めようと思ってますの」

 

 スクールアイドル……姉ちゃんとルビィが好きなものだ。

 

 スクールアイドルになることは凄いことと言うことは俺でもわかる。

 

 「え!?姉ちゃんが!?スゲェじゃん!」

 

 なんだか家族が有名になるかもって聞くと俺まで嬉しくなる。

 

 「頑張ってな!姉ちゃん!」

 

 「!……ええ、頑張りますわ」

 

 姉ちゃんは優しく微笑んでくれた。

 

 すると何かを思い出したかのように姉ちゃんは両手を合わせる。

 

 「そうでしたわ。明日、鞠莉さんの所に行きますが…瑠璃はどうします?」

 

 「行く!鞠莉姉の所に行きたい!」

 

 「本当に鞠莉さんが好きですね?」

 

 鞠莉姉は大親友だ。

 

 1番仲がいいと思ってる。

 

 「…あと果南さんも来ますわ」

 

 「!…か…果南姉も?」

 

 果南姉の名前が出てきて少し動揺する。

 

 「?何か問題でも?少し顔も赤いですが」

 

 「ううん!全然!何ともないよ!」

 

  あ…危ない。

 

 姉ちゃんにバレる所だった。

 

 俺は…果南姉が異性として好きだ。

 

 このことを知ってるのは鞠莉姉の1人だけだ。

 

 顔を見るのが少し恥ずかしいが、行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、船に乗り俺とダイヤは淡島に向かった。

  

 「ダイヤ〜!瑠璃〜!」

 

 船着場では鞠莉姉が船に向かって大きく手を振っていた。

 

 その隣には微笑んでいる果南姉もいた。

 

 船は無事に着き、鞠莉姉と果南姉の所に向かった。

 

 「鞠莉姉!果南姉!」

 

 「いらっしゃい、ダイヤに瑠璃!」

 

 「待ってたよ!」

 

 優しく笑顔で迎える2人、俺も釣られて笑顔になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 鞠莉姉の家に上がらしてもらい衝撃の事実をしる。

 

 「えぇぇぇぇぇ!?鞠莉姉と果南姉もスクールアイドルやるの!?」

 

 「そうなのよね……スクールアイドルにはあまり興味がないのだけれど」

 

 鞠莉姉は頬を掻きながら恥ずかしそうに答える。

 

 ついでに果南姉と姉ちゃんは後ろでユニット名で口論している。

 

 あの2人が口論しているのは珍しいが、すぐに治まるだろう。

 

 鞠莉姉はティーカップに口を近づけ、紅茶を飲んでいる。

 

 「まぁ…ほら!鞠莉姉は顔も美人さんだし!すぐに人気になるんじゃないの?」

 

 「ッ!?」 

 

 いきなり鞠莉姉はビクッと体を揺らしこちらを見た。

 

 え?俺なんかした?

 

 「はぁ…瑠璃?そういうのは果南に言わないとダメよ?好きなんでしょ?」

 

 「お……おう…ごめん」

 

 何故か鞠莉姉に怒られた。

 

 本当のことを言っただけなのにな……。

 

 「やはりここは浦の星少女隊がいいですわ!」

 

 「違うよ!スピカの方がいい!」

 

 なんだか予想よりも白熱してるな。

 

 姉ちゃんのはシンプルすぎるし。

 

 果南姉のは意味はわかる人がいなさそうだ。

 

 ついでにスピカって言うのは、おとめ座の一等星のことだ。

 

 なんだかだいぶ白熱している。

 

 「止めなくていいの?鞠莉姉」

 

 「ん?たまにはいいんじゃない?」

 

 「そっか」

 

 用意してくれた紅茶を飲む。

 

 ユニット名…やっぱり内浦を代表するなら内浦に関係するのがいいよな。

 

 「みかんガールズなんてどうだ!?」

 

 「「「それはない」」」

 

 まさかの3人にダメだし。

 

 ん〜それなら何がいいのさ…。

 

 すると鞠莉姉は近くにあった紙に何かを書き始めた。

 

 「Aqoursなんてどうかしら?」

 

 鞠莉姉からの提案。

 

 「水を意味するaquaと、私たちのものをoursを組み合わせてAqours、どうかしら?」

 

 鞠莉姉が淡々と説明を始めた。

 

 なんだか異様にしっくりきた。

 

 「Aqours…響きがいいですわね」

 

 「うん!私の考えたスリーマーメイドよりいいかも!」

 

 どうやら姉ちゃんに果南姉も気に入ったようだ。

 

 こうして姉ちゃん達、基Aqoursが起動した。

 

 





お久しぶりです。

約6ヶ月放置の状態ですみませんでした。
まず、何があったのかと言うと………体を壊し、手術して何とか大事に至らずという感じです。
手術終わったのが、2ヶ月前でその後大学で授業を受けながらレポートと言うなの地獄…。

まぁ、とりあえず元気ですw

これから徐々に更新スピードを速めるつもりなので、今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m


それでは、感想と評価お待ちしてます!


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26話


正直、読みずらいと思います。
文章力欲しぃ(;Д;)

ということでよろしくお願いします!


※今回も19話同様に鞠莉ちゃんファンにとって不愉快になるかもしれませんので、注意して下さい。




 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 姉ちゃん達がAqoursを結成して数ヶ月。

 

 今日は、姉ちゃん達が東京のイベントから帰って来る。

 

 昨日は東京に向かって今日は歌ってから帰ると姉ちゃんが言っていた。

 

 そんな俺は現在、もうすぐで始まる大会に備え練習。

 

 「瑠璃!タイムもいい感じだ!この調子でしっかりと調整していこう!練習上がっていいぞ」

 

 「はい!ありがとうございました!」

 

 タイムもいい感じだ。

 

 この調子で行けば全中も夢じゃない。

 

 「瑠璃くんお疲れ様!」

 

 「ん?曜もおつかれ!」

 

 後から水着姿の幼馴染の曜が話しかけてきた。

 

 「タイム見たよ!いい感じじゃん!」

 

 曜は少し興奮気味に答える。

 

 そんな曜を見て俺は胸を貼る。

 

 「まぁね〜!これなら全中も行けるかもって監督も言ってたし頑張るよ!」

 

 今日は家族にも自慢できるタイムなため、嬉しい。

 

 曜との会話を切り上げ早く家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ただいま〜」

 

 「おかえりなさい」

 

 母さんが反応してくれた。

 

 靴を見ると姉ちゃんも帰って来てるのがわかった。

 

 「姉ちゃんは帰って来てるの!?」

 

 「しーっ」

 

 「?」

 

 母さんは、唇に人差し指をあて静かにするようにジェスチャーする。

 

 「いまはそっとしてあげなさい、東京で疲れている筈だから」

 

 「う…うん」

 

 疲れているなら水泳のことも後にしよう、とりあえず自分の部屋に荷物を置きに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒澤家は家は広いが、子供の部屋はあるスペースにまとめている。

 

 奥から自分、姉ちゃん、ルビィと部屋が並んで廊下が続いている。

 

 それぞれの部屋から音が聞こえた。

 

 ルビィの部屋からは、曲が聞こえる。

 

 多分、スクールアイドルの曲を流しているのだろう、うっすらと歌声も聞いている。

 

 そして、姉ちゃんの部屋からは。

 

 「ウッ……ぐすん」

 

 「泣いてる?」

 

 俺は姉ちゃんの部屋をそっと開ける。

 

 すると姉ちゃんは、スクールアイドルの衣装を顔に押し付けながら涙を流している。

 

 衝撃的だった、あの強い姉ちゃんが泣いてる。

 

 「これで…これで…いいんですわ」

 

 俺はそっとドアを閉め、自分の部屋に向かった。

 

 どういう事だろう?

 

 何故姉ちゃんが泣いているんだろう…。

 

 泣いてる姿が脳裏に焼き付いて離れないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 「え……やめたの?」

 

 「ええ…スクールアイドルはもう辞めましたわ」

 

 そう伝えられたのが、1週間後のことだった。

 

 あんなに好きなスクールアイドルを?

 

 「な…なんで?姉ちゃんスクールアイドル大好きだって…」

 

 「……もう…意味が無いですから」

 

 そういうとダイヤは、その場を去ろうとしたが俺は腕を掴みダイヤを止める。

 

 「鞠莉姉から聞いたよ!?東京で歌えなかったんでしょ!?けど…そんなんで諦める姉ちゃんじゃないじゃん!」

 

 「ッ!?……と…とにかく!もう辞めましたの!わたくしはお琴がありますから、離してください」

 

 姉ちゃんは無理やり腕をほどき、その場を去る。

 

 俺はただ呆然とその後ろ姿を見ることしか出来ないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 静岡県中学校総合体育大会。

 

 今日は、全国へ進むための大事な大会であり、中学最後の大会でもある。

 

 姉ちゃんがスクールアイドルを辞めてから数週間たった。

 

 結局、鞠莉姉に連絡しても大丈夫しか言ってくれないため、理由が分からないでいる。

 

 まぁ、今日は鞠莉姉も大会に見に来るって言ってくれたしその時にでも聞こう。

 

 俺は更衣室で着替え改めて集中する。

 

 「大丈夫…大丈夫…俺ならやれる」

 

 水は生き物だ。

 飛び込み拒めば牙をむき襲いかかってくる。だが、拒むのではなく受け入れれば、水は危険な生き物ではなく、美しい生き物だ。

 

 自分にそう言い聞かせ、深く集中する。

 

 「浦の星中学の黒澤瑠璃選手!出番ですので準備お願いします!」

 

 「…よし!」

 

 自分に喝を入れ、俺は中学最後の大会に挑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………クソ…クソッ!クソッ!クソッ!!」

 

 結果は県大会決勝戦敗退。

 

 本当に最悪な内容でもあった。

 

 スタートに出遅れ、自分のリズムで満足のできる泳ぎが出来なかった。

 

 きっと、別のことを気にしすぎて集中出来なかったのだろう。

 

 「…ふぅ…鞠莉姉には悪いことしたな…」

 

 鞠莉姉には、自分の勝つ姿を見せたかったが、それは叶わなかった。

 

 そう言えば鞠莉姉は応援席にいなかったような気がするが…気の所為だろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 大会も残念な結果に終わり、解散し俺は直接ホテルオハラへ向かった。

 

 理由は、鞠莉姉に不甲斐ない姿を見せてしまったため謝るのと、Aqoursの事を聞くためだ。

 

 俺は、ホテルオハラのロビーに向かいスタッフの人に話しかける。

 

 「すみません、鞠莉ね…じゃなくて小原鞠莉さんに用事があって来たんですけど」

 

 「お嬢様ですね、少々お待ち下さい」

 

 そういうとスタッフの人は、手元にある受話器でどこかへ電話をする。

 

 俺は近くにあるソファーに座り、鞠莉姉を待つ。

 

 すると、電話が終わったのかスタッフの人がこちらへ向かってくる。

 

 俺は立ち上がり話を聞く。

 

 「申し訳ありません。お嬢様なんですが…」

 

 「はい」

 

 なんだろう体調でも悪いのかな?

 

 それなら申し訳ないことをしてしまったな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「今日の午前中に留学の話を受け入れ、海外へ行かれました。どうやら数年は内浦に戻らないとのことです」

 

 「…………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…ただいま」

 

 「おかえりお兄ちゃん!…ん?」

 

 奥から妹のルビィが走って俺に飛びついてきた。

 

 いつも通りに、受け止め頭を撫でる。

 

 だが、ルビィは何故か不思議そうに俺の顔を覗く。

 

 「ん?どした?」 

 

 「お兄ちゃん何かあった?」

 

 ルビィは何か異変に気づいたのか、訪ねてくる。

 

 だが、ここで家族に心配させるわけには行かない。

 

 だから精一杯笑って見せた。

 

 「何にもないよ!」

 

 ただ笑う、感情のない笑顔。

 

 するとルビィは、安心したかのように。

 

 「そっか!」

 

 嬉しそうにルビィは笑う。

 

 俺はルビィの横を抜け自分の部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 部屋のベットで状況の整理を初めている。

 

 鞠莉姉の留学…Aqoursの解散…姉ちゃんの涙…今までの事が全て結びついて行く。

 

 「もしかしてAqoursが解散したのは…鞠莉姉のせい?」

 

  姉ちゃんが泣いていたのは、Aqoursが解散したから…解散の理由は、鞠莉姉がAqoursを抜けたため。

 

 鞠莉姉に、解散の理由を聞いても答えてくれないのは、解散の理由が鞠莉姉にあるため、その事がバレないようににするため。

 

 留学の話なんて初めて聞いた。

 

 友達なら早めに相談してくれてもいいじゃないか……元々友達だと思っていないから…?

 

 自分の頭の中には嫌な事しか思い浮かばない。

 

 もしかして、だから来る気もないのに大会に行くなんて嘘も着いたのか。

 

 今まで鞠莉姉を信じていた自分がまるで馬鹿みたいだ。

 

 「ああ…俺は裏切られたのか…」

 

 鞠莉姉……違う…小原鞠莉さん……俺はあの人を絶対に許さない!

 

 行き場のない怒りがこみ上げてくる。

 

 その怒りを枕にぶつけ、目を閉じる。

 

 





鬼のような課題を何とか終わらしたカイザウルスです!
あとは、テストに備え勉強の前に更新しました!


ということで過去編はこれにて終了です。
まぁ、文章がめちゃくちゃなので少し整理するかもしれませんが、許して下さいm(_ _)m



感想と評価をお待ちしております!


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27話

よろしくお願いします!!


 「まぁ…そういう事だよ」

 

 「そうだったんだ…」

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 俺とAqoursとの関係を話したが、特に今更、気にはしていない。

 

 ダイヤとも今では普通に話すし。

 

 松浦センパイとも会った。

 

 けど、やっぱり小原センパイだけは、どうしても許せないでいる。

 

 まぁ…そんな事は置いておこう。

 

 「…お前らは歌えただけでも凄いと思うよ。昔のAqoursとは違う…そう思った」

 

 ダイヤ達の頃は、他のグループの凄さと、巨大な会場の空気に圧迫され…何も歌えなかったっと聞いている。

 

 それに比べればいい方だ。

 

 さてと…。

 

 「ほら、送るから自転車に乗れ」

 

 「…うん」

 

 曜は自転車の後ろに乗り、俺はバランスを取りながら漕ぎ始める。

 

 すると

 

 「瑠璃くんは、今のAqoursは続けるべきだと思う?」

 

 曜からの質問だ。

 

 だが、その答えは俺が答えることじゃない。

 

 「そういうのは、俺が決めては意味はない…昔のAqoursとか気にせずに、今のAqoursのみんなが決めることだと思う……それに……」

 

 「それに?」

 

 リーダーである千歌の役割でもある。

 

 だが、曜も気づいている筈だ。

 

 「いや…何でもないよ。これからどうなるのかと思ってな」

 

 「そっか…」

 

 そのまま、俺と曜は内浦の風邪を感じながら曜を、自転車で送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 曜を無事に送り届け、家に着いた。

 

 「ただいま〜」

 

 いつもならルビィが飛んで出迎えてくれるところだが、ルビィはAqoursのことがあるため、飛びかかってこない。

 

 部屋にいるのだろう。

 

 だが、代わりに

 

 「おかえりなさい」

 

 母さんが出迎えてくれた。

 

 そう言えば、おにぎりも作ってくれたんだ。

 

 感謝はしないとな。

 

 俺は靴を脱ぎながら。

 

 「おにぎりありがと、美味しかったよ」

 

 しょっぱかったことは、内緒にしておこう。

 

 俺は東京で買ってきた和菓子を母に渡し、洗濯ものを出す。

 

 「おにぎり?何のこと?」

 

 「ん?おにぎり作ったんじゃないの?」

 

 「いえ、作ってないわよ?…あら!美味しそうな和菓子」

 

 母さんは、お土産の和菓子に興味を持ってしまったので、話はそこで途切れた。

 

 それなら誰がおにぎり作ったんだ?

 

 モンモンとした疑問が頭に残る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の朝。

 

 「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

 夏の大会も近いため、春からの課題である体力作りをしている。

 

 朝と言ってもまだ辺りは薄暗い。

 

 数分もしないうちに太陽も出てくるだろう。

 

 海の潮風が体に辺り清々しい気分だ。

 

 こんな気分を味わえるのは、海が近くにある人達の特権だろう。

 

 ん?

 

 「うわぁぁぁぁぁぁぁん!」

 

 誰かの泣き声が聞こえたため海を見る。

 

 そこにはAqoursのみんながいた。

 

 泣いているのは千歌だ。

 

 何を話しているか分からないが、次の瞬間。

 

 千歌は頷き笑顔になる。

 

 何かを決心したのだろう。

 

 うん…いい笑顔だ。

 

 すると太陽が、Aqoursを照らすかのように昇ってきた。

 

 さてと、太陽も出てきたことだし早く、ランニングを済ませよう。

 

 俺はランニングを再開し、次のAqoursのステージが楽しみになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰りのランニングの途中。

 

 俺は学校のプールによっていた。

 

 「誰か電気消し忘れたのか?」

 

 学校の前を走ると、プールの電気が付けっぱなしだったので消しに来た。

 

 全く…使ったら消すのが決まりなのに…。

 

 俺はドアを開けるとプールに、浮かぶ人を見つけた。

 

 「ビギャ!!……え?空!?」

 

 1年の空がプールに浮いていた。

 

 「ちょっ!?はぁ!!」

 

 流石に動揺が隠せない。

 

 俺はランニングの服装のままプールに飛び込み。

 

 空を引き上げる。

 

 「おい!空!!空!!」

 

 「ん…ん〜……黒澤…さん?…………黒澤さん!?」

 

 空は一気に上半身を起こし、驚いた顔で俺を見る。

 

 どうやら意識はあるようだ。

 

 というより。

 

 「なんでプールにいるんだよ…今日は練習休みだろ」

 

 「あ…いえ…すみません」

 

 「いや…すみませんじゃなくて…」

 

 下を向き言いずらそうにしている空。

 

 俺は、はぁと息を吐き、回答を待つ。

 

 すると空は、1人で頷き話し始める。

 

 「東京での合宿…僕はみんなの足を引っ張りました。それが悔しくて…悔しくて……グスっ…僕…もっと上手くなりたくて……」

 

 「!!」

 

 自分で自覚していたのか…。

 

 周りをよく見ると鞄に水着、プール用品まで合宿と変わってない。

 

 もしや

 

 「お前、家に帰らなかったのか?」

 

 「は…はい」

 

 「マジか…」

 

 つまり、合宿が終わったあとそのまま泳ぎ続けていたということか!?

 

 空は目頭を抑えながら涙を堪えようとしている。

 

 「空」

 

 「ん…はい」

 

 「頭出せ」

 

 「?…はい」

 

 空は頭を俺の方に向ける。

 

 俺は腕を大きく振り上げ、勢いよく空の頭に向かって…。

 

 「チェストォォォォ!!」

 

 「痛ァァァァ!!」

 

 チョップをかました。

 

 空は頭を抱えながら悶絶する。

 

 まったく。

 

 「1回は家に帰れ!このバカ!親御さん心配するだろ!」

 

 「う…うぅ…はい」

 

 「それと…放課後は空いてるか?」

 

 「え?…はい」

 

 「それなら俺が教えてやるよ…」

 

 俺は頭を抑え座っている空に目線を合わせる。

 

 「もっとセンパイを頼れ、頼られて悪い気がするセンパイなんて、この水泳部にはいないぞ?」

 

 「ッ!……はい…はい!!」

 

 どうやら分かってくれたようだ。

 

 さてと…俺は立ち上がり、窓から射し込む太陽を見る。

 

 「全国……一緒に行くぞ」

 

 「!!…はい!!」

 

 新たな決意を空と共に誓い合った。

 

 




感想と評価お待ちしております!

次はいよいよ…「未熟DREAMER」の回です!
一番書きたい所なので頑張りたいと思います!!


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28話


よろしくお願いします!!


 

 「位置について!」

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 Aqoursが新たな決心が着いてから数日。

 

 俺は来週の県大会のため最後の追い込みをしている。

 

 「よーい…ドン!!」

 

 合図と同時にスタート台に捕まっていた空が泳ぎ始める。

 

 いまはバック…いわゆる背泳ぎ組が泳いでいる。

 

 空を見る限り、かなり綺麗なフォームになったと見える。

 

 その証拠に何と空はバックの100mを大会で出ることになっている。

 

 ついでに俺はフリーの100mに出る。

 

 「瑠璃さん!」

 

 「ん…お疲れ、やっぱり早くなってるなお前」

 

 「はい!瑠璃さんのおかげです!」

 

 それと空からの呼び方も変わった。

 

 今までは黒澤さんだったが、教えていくうちに瑠璃さんになっていた。

 

 まぁ…以外にも親近感が湧いてくれたという事だと、俺は思っている。

 

 「最近、仲がいいなお前ら」

 

 「剛センパイ!お疲れ様です!」

 

 「おう…空はいつも元気がいいな」

 

 後ろからいつものポーカーフェイスで話しかけてくる剛センパイ。

 

 この人は、100mのバッタと200mのバッタに出るようだ。

 

 まぁ…毎回全国に行っているため全国には行くだろうと予想される。

 

 「空…俺も剛さんっと呼んでくれ」

 

 「え!?い…いいんですか?」

 

 「ああ…俺はそっちの方が好きだ」

 

 「は…はい!剛さん!」

 

 「ん」

 

 相も変わらず無表情だが醸し出してる空気はなんだが、嬉しそうだ。

 

 「俺も翔太さんって呼んでよ〜空〜」

 

 「しょっ…翔太センパイもですか!?」

 

 後ろから俺と空の肩を組むように登場した望月センパイ。

 

 一応この人も全国常連のブレの100m選手だ。

 

 今回は100mのブレはもちろんのこと、200mのブレにも出るようだ。

 

 

 そして、この4人でメドレーリレーに出る。

 

 今の所徐々に早くなっている。

 

 多分県内の学校では、負けないだろう。

 

 「次はメドレーやるぞ!!レーンに着け!!」 

 

 コーチの声が響き渡る。

 

 その声を合図に俺達は動く。

 

 「前回と何秒縮めますか?」

 

 「前回は4:08だからな〜」

 

 「目標は4分丁度だな」

 

 「それくらいで行きましょう」

 

 空に望月センパイ、剛センパイは大分リラックスしているのか話しながらレーンに並ぶ。

 

 正直、遠征の時と比べるととんでもないぐらい成長しているため、負ける気がしない。

 

 全国優勝ももしかしたら夢ではないのかもしれない。

 

 そして…。

 

 ピーッ!

 

 笛の音と同時に空がプールに入り、スタート台を掴む。

 

 「よーいっ…ドン!!」 

 

 その声と同時にメドレーリレーの練習が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 水泳部の練習が終わり、辺りも少し薄暗い。

 

 自転車に乗り、こいでいると、何やら校門の前が少し騒がしい…。

 

 まぁ、興味ないため横を通り過ぎようとすると。

  

 「あ!ルーくん!」

 

 何故か俺を呼ぶ声がした、声の方を見るとそこには、みかん色の髪をした少女が立っていた。

 

 「千歌?どした?」

 

 「ルーくんに会いたくて!」

 

 「お…おう」

 

 危ない危ない…千歌とは長い付き合いのため勘違いはないが、普通の男子だったら落ちてる所だろう。

 

 善子風に言うと堕天している所だろう。

 

 ていうか…。

 

 「お前さ…自分がスクールアイドルだって自覚あるか?」

 

 「え?」

 

 どうやら無自覚のようだ…。

 

 しょうがない。

 

 「後ろ乗るか?送ってくぞ」

 

 「後ろ?…ルーくんの!?」

 

 「それ以外誰がいるんだよ」

 

 何故か顔を赤くして焦っている千歌。

 

 変なこと言ったか?

 

 「嫌なら歩くか?」

 

 「の…乗る!」

 

 「そか」

 

 千歌は後ろに跨り俺の背中に体を預ける。

 

 「ッ!?」

 

 「え!?る…ルーくん?」

 

 体を預けるということは、千歌の胸が背中に当たるという事だ。

 

 案外あるのね……あなた…。

 

 「ルーくん?」

 

 おっといかんいかん……集中…集中…。

 

 俺は曜を乗せているような感覚で出発した。

 

 校門の方では部活終わりの生徒達が、恨めしそうに見ているが、きっと気の所為だろう。

 

 …………そう思いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 自転車をこぎ始めて数分、浦男の校舎も小さく見える。

 

 俺はコンビニでジュースを飲みながら涼んでいる。

 

 「それで?なんで校門にいたんだ?」

 

 「あ…うん!えっとね…はいどうぞ!」

 

 千歌は自分の鞄から小さめな袋を取り出し俺に渡す。

 

 「ルーくんもうすぐ大会でしょ?だから東京に行った時に買ったんだ!開けてみて?」

 

 「へ〜」

 

 俺は袋を開け、中身を取り出すとネックレスが出てくる。

 

 黒く編んである糸のチェーンに鮮やかな青い色とオレンジ色の石が着いている。

 

 「これ…高かったんじゃないか?」

 

 「ううん!そんなことないよ!」

 

 「そ…そうか…」

 

 食い気味に言われた。

 

 てことは、高かったのだろう…。

 

 まぁ、お土産を買ってもらって悪い気はしない。

 

 それより…。

 

 「この石の色は何だ?青?ではないよな、すげぇ綺麗だ」

 

 「えっとね、それは瑠璃色って言うんだって!」

 

 「へ〜…俺の名前の色があるのか」

 

 そいつは初めて知った。

 

 うん…気に入った。

 

 俺は首にネックレスを掛けて千歌を見る。

 

 「ありがと、大事にするよ」

 

 「ッ!……うん!」

 

 太陽のような笑顔で返事をする千歌。

 

 その姿は大変魅力的である。

 

 あ…忘れていた。

 

 「それと…次から浦男に来る時は予め連絡しろよ?」

 

 買ったジュースを飲み干してから千歌を見る。

 

 千歌は首を傾げながら

 

 「え?なんで?」

 

 「…はぁ」

 

 「なんでため息吐いたの!?」

 

 そこまで自覚がないのか。

 

 「お前…浦男で1番人気のあるスクールアイドルなんだぞ?」

 

 「えっ!?そ…そうなの!?」

 

 「おう」

 

 この間の出来事だ。

 

 浦男でAqoursの人気投票があった。

 

 さらに全校生徒を巻き込んだものだ。

 

 俺はルビィに入れたが、その時に1番人気だったのが千歌だった事は今でも覚えている。

 

 「校門の前が騒がしかったのは、そういう事だ、だから気を付けろよ?」

 

 「う…うん…」

 

 恥ずかしかったのか、下を向いた千歌。

 

 俺は飲み干したジュースをゴミに捨てるついでに、千歌の頭を2回優しく叩く。

 

 千歌は少し赤らめている顔を上げる。

 

 「ま…それくらいお前を……いや、お前らに夢中になる程、期待をしているって事だ!自信持て!」

 

 ニカッと笑いながら答えてやった。

 

 今度は千歌も負けじとニカッと笑い。

 

 「うん!!」

 

 さてと…。

 

 俺は千歌を自転車に乗せて、千歌の家まで送っていった。

 

 帰る際に美渡さんに。

 

 「あんた達付き合ってるの?」

 

 と言われ、千歌がパニックになったのはまた別の話だ。

 

 





「未熟DREAMER」の回と言ったが……あれは嘘だ。


千歌ちゃん回でした!!
カイザウルスが最近、驚いたのは千歌ちゃんのBサイズデカない?って思ったので書いてしまいました!!
すみませんm(_ _)m

ということで次回!!
今月中に投稿しますのでお楽しみに!

あ…感想と評価お待ちしております!


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29話


遅くなりすみません!

よろしくお願いします!!


 

 「はぁ…はぁ…はぁ」

 

 いつも通りの朝のランニング…のはずだった。

 

 「やっぱり体力付いたね瑠璃」

 

 「ハハハッ…果南姉も俺のペースに着いてこれるなんて驚きだよ」

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 ランニングをしていたらたまたま果南姉に会い、流れで一緒にランニングをする事になった。

 

 果南姉がスクールアイドルを辞めてからはランニングも辞めたのかと思っていたが、まだ続けていたのか……。

 

 「そう言えば」

 

 「ん?」

 

 「千歌達がスクールアイドルやってるみたいだけど……瑠璃から見てどうなの?」

 

 「……」

 

 まさか果南姉から、スクールアイドルの話を持ち込むとは思いもよらなかった。

 

 「良いんじゃないかな?今はまだ……果南姉達に比べたら未熟な部分があるかもしれないけど、伸びると思うよ…敗北を知ってるからさ」

 

 敗北を知った人は強いっと、何かの本で読んだような気がする。

 

 それはスポーツにも置けることだ。

 

 だからこそ俺は、自信持って答えた。

 

 「…そっか」

 

 どこか悲しそうに答える果南姉。

 

 そして走っていると、淡島神社に着いた。

 

 「私は登るけど瑠璃はどうする?」

 

 何故かニヤリと笑いながら聞いてくる。

 

 挑発でもしているのだろうか?

 

 まぁ…こんな安い挑発に乗るほどバカでは無い。

 

 「悪いけど…足痛めたくないから「怖いの?」うし!やって野郎じゃないか!!」

 

 俺はその場で足首を伸ばし、スタートに着く。

 

 「やっぱり瑠璃ってダイヤに似てるね」

 

 「え?どこが?」

 

 「挑発に乗っちゃうと…こ!!」

 

 「あ!クソッ!」

 

 まさか果南姉がズルをしスタートする。

 

 淡島神社の階段は水泳部の夏合宿でも使われる階段だ。

 

 去年はこの階段が辛すぎて逃げ出した人達もいる程だ。

 

 だが去年とは違い体力もあり、筋肉量も増えている。

 

 その為去年よりも楽に登れる。

 

 曲がり角で果南姉を抜かし、そのままスピードを上げる。

 

 「はぁ…早っ…はぁ」

 

 後ろで果南姉が呟く。

 

 俺はそれを聞き、鼻を高くして更にスピードを上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 「はぁ!はぁ!…しんど!…はぁ!はぁ!」

 

 少し無理をしすぎてしまった。

 

 やはり慣れないことはしない方がいい。

 

 ついでに勝負の結果は、俺の勝ちだ。

 

 ギリギリで勝てたものだ。

 

 そんな果南姉は…。

 

 「〜♪〜♪」

 

 楽しそうに踊っている。

 

 旧Aqoursの時もそうだった。

 

 あの時もダンスが1番上手く、綺麗だったのは果南姉だった。

 

 「…綺麗だ…」

 

 無意識にそうつぶやくと、奥から手を叩く音が近づいてきた。

 

 出てきたのは金髪のお嬢様。

 

 今現在、もっとも俺の嫌いな人…小原センパイが出てきた。

 

 「…小原センパイ」

 

 一瞬目が合うが、小原センパイは再度果南姉を見る。

 

 「復学届、提出したのね」

 

 「…まぁね」

 

 2人の間に会話が始まる。

 

 俺はただ見守るしか出来ない雰囲気だ。

 

 「やっと逃げるの諦めた?」

 

 「!……勘違いしないで学校を休んでいたのは父さんの怪我が元で……それに復学してもスクールアイドルはやらない」

 

 一瞬だが果南姉の顔が歪んだ。

 

 それに逃げる?どういう事だ?

 

 「私の知っている果南は、どんな失敗をしても笑顔で次に向かって走り出していた……成功するまで諦めなかった」

 

 それに関しては小原センパイに同意だ。

 

 「…卒業まであと1年も無いんだよ?」

 

 「それだけあれば十分!…それに、いまは後輩もいる!……瑠璃だって…今でもAqoursの事を気に掛けてくれてる」

 

 「は?」

 

 何故か俺の名前が出てきたのに疑問に思った。

 

 もし……いや絶対にないと思われるが、小原センパイがAqoursに戻る事になったら俺はAqoursと関わらないだろう。

 

 俺はそれを伝えようと口を開こうとするが……。

 

 「だったら、千歌達に任せればいい!」

 

 食いかかるように、果南姉が答える。

 

 「!…果南」

 

 「どうして戻ってきたの…私は戻ってきて欲しくなかった」

 

 ……何だろう…。

 

 なにか違和感を感じる。

 

 まるで本心じゃないような…。

 

 それに、小原センパイの態度だ。

 

 旧Aqoursを潰したのは小原センパイのはず。

 

 「果南……相変わらず果南は頑固「もうやめて」ッ!?」

 

 「もうあなたの顔…見たくないの……行こ瑠璃」

 

 「あ…ああ」

 

 俺は小原センパイの顔を見る。

 

 悲しそうな顔だ。

 

 あれがAqoursを潰した人が出来る顔か?

 

 2年前の記憶をもう一度遡り、状況の整理を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 学校の授業が終わり、部活も休みで、そのまま帰る予定だったのだが…。

 

 ダイヤ…それにルビィと曜から、Aqoursの部室に来てとメールが入る。

 

 「はぁ…」

 

 重い腰を上げ俺はAqoursの部室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 Aqoursの部室前に到着。

 

 ここまで来るのに浦女の生徒の目もあり、非常に辛かった。

 

 「あ〜!!イライラする〜!!」

 

 「その気持ちよ〜く分かるよ〜!ほんと、腹立つよね!コイツ!!」

 

 中から会話が筒抜けだ。

 

 てか小原センパイに関しては、言える立場じゃないだろ…。

 

 俺はドアをノックしてドアを開ける。

 

 「あ!瑠璃くん!」

 

 「すまんな、遅れた」

 

 1番最初に反応してくれたのは曜だ。

 

 他の人達も俺が来たことに驚いてはいない様子。

 

 久々のスクールアイドルの部室の状況を確認。

 

 昔に何度か入ったことがあり、その都度掃除もしていた。

 

 いまは、整理整頓はされているが、内装はそう変わらない。

 

 「それで?帰っていいか?」

 

 「ダメ!!」

 

 俺は曜に聞いたはずだが、果南姉を見ている千歌に拒否をされた。

 

 てか…かなり怒ってないか?

 

 「とにかく!私はもうスクールアイドルが嫌になったの!!もう…絶対にやらない!!」

 

 そういうと果南姉は部室から出て行く。

 

 嫌になった?淡島神社で綺麗に踊っていた果南姉が、そんなことを言うのはおかしい。

 

 徐々に整理が出来なくなった俺は、ダイヤを見る。

 

 「なぁ…ダイヤと果南姉が、Aqoursを辞めたのは…小原センパイがスクールアイドルを潰したからじゃないのか?」

 

 「え?」

 

 小原センパイが反応する。

 

 それを聞き、ダイヤはゆっくり立ち上がり………その場から逃げた。

 

 「善子ちゃん!!」

 

 「ギラ…うわっ!!」

 

 俺は逃げたダイヤの腕を掴み静止する。

 

 「な…なぁ…違うのかよ?姉ちゃん?」

 

 「ッ!?」

 

 2年間…俺は小原鞠莉を憎んだ。

 

 旧Aqoursを潰した小原鞠莉を憎んでいた。

 

 だが、朝の会話と現在の会話を聞き、俺の中に疑問が生じた。

 

 小原鞠莉は本当に旧Aqoursを潰したのか?っと。

 

 小原センパイを憎んでいる感情、疑問に思っている感情…そして、もしかしたら無実では無いかと思う不安な感情が、俺の中でグチャグチャに混じっている。

 

 いまの俺の顔は見れたものでは無いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「「わざと?」」」」」」

 

 「ええ」

 

 場所が変わり、黒澤家の客間。

 

 そこで真実を話すとダイヤが言ったため、話を聞く事になった。

 

 俺は部屋の角に座り話を聞く。

 

 「東京のイベントで果南さんは歌えなかったんじゃない、わざと歌わなかったんですの」

 

 「…どうして?」

 

 「まさか闇の魔術…うわ!」

 

 善子が何かを言おうとしたが、丸が善子の口を抑え引き寄せる。

 

 俺もダイヤの言うことに耳を傾ける。

 

 「貴方のためですわ」

 

 「私の?」

 

 「覚えていませんか?あの日…鞠莉さんは怪我をしていたでしょ?」

 

 怪我?それは初めて聞いたことだ。

 

 俺は小原センパイの顔を見る。

 

 だがダイヤの話に夢中になっている様子だ。

 

 「だから…歌わなかった?…けど私はそんなこと……」

 

 「あのまま進めていたらどうなっていたと、思うんですの?怪我だけではなく、事故になっていてもおかしくはなかった」

 

 「でも…」

 

 何か言いたげな小原センパイ。

 

 「だから逃げたわけじゃないって」

 

 ルビィが気が付いたように答える。

 

 けど…。

 

 「もし…そうだとしてもその後は?果南姉なら続けていただろ?」

 

 あの果南姉の事だ、失敗を土台に次に進む果南姉なら続けたはずだ。

 

 すると小原センパイは小さく頷く。

 

 「そうよ…花火大会に向けて、新しい曲を作って、ダンスに衣装も完璧にして……なのに………」

 

 「心配していたのですわ…貴方…留学や転校の話がある度に、全部断っていたのでしょう」

 

 「そんなの当たり前でしょ!?」

 

 食い気味に答える小原センパイ。

 

 転校に留学は昔からあったのか…。

 

 「果南さんは思っていたのですわ、このままだと自分達のせいで、鞠莉さんから色んな可能性を奪ってしまうのではないかと…そんな時貴方と先生との会話を聞き、果南さんは決心をつけた…」

 

 頭の中では小原センパイは悪くない……そう整理が着いている。

 

 けど…、2年間彼女を恨んでいた心は簡単には認めてくれない。

 

 何処かで揚げ足を取れないか探している、自分に腹が立つ。

 

 「……まさか…それで…」

 

 すると小原センパイは、決心をしたように顔を上げその場を去ろうとする。

 

 それを見たダイヤは。

 

 「どこへ行くんですの?」

 

 「ぶん殴る!一言も相談せずに!」

 

 「おやめなさい…果南さんはずっと貴方のことを見てきたのですよ、貴方の立場も…貴方の気持ちを…そして、貴方の将来も……誰よりも貴方のことを考えている」

 

 そういうと、小原センパイは客間を走って出て行った。

 

 その場に静寂が漂う。

 

 「はっ…一言も相談せずに?ふざけんな!留学?転校?俺だって初めて聞いたわ!人の事言えねぇじゃねぇかよ!!」

 

 「次は…瑠璃?あなたですわ」

 

 するとダイヤは千歌達を見る。

 

 「2人っきりにして貰えますか?」

 

 「あ…はい!行こみんな!」

 

 千歌の合図と共に、Aqoursが客間から出て行った。

 

 するとダイヤは俺の方に近づいてくる。

 

 すると頭に重みがかかる。

 

 ダイヤが俺の頭に手を置き動かす。

 

 そして、あの時の記憶を辿りながらダイヤに話す。

 

 「俺知ってるんだよ…姉ちゃんが自分の部屋で泣いていたの」

 

 「ええ」

 

 「それが心配で…それが嫌で、話を聞こうとした!けど、誰も教えてくれなかった」

 

 「…ええ」

 

 「中学最後の大会の日…鞠莉姉が見に来るって言ったのに…来なかった…」

 

 「…」

 

 「留学の話だって初めて知ったし、姉ちゃんや果南姉が抜けたタイミングでの留学………俺は、鞠莉姉を恨んだ」

 

 もう自分でもわかっている。

 

 3人の気持ちに気付かず、自分の中で勝手に解釈した。

 

 そして勝手に鞠莉姉を恨んだ自分に怒りが沸く。

 

 これじゃまるで……

 

 「勝手に決めつける……親父と一緒じゃねぇか…」

 

 勝手に俺の人生を決め、水泳部を下らないものと解釈する親父と同じ事をした。

 

 両膝に顔をうずめ、深々と嘆く。

 

 自分の感情がなくなっていき、もう何も考えたくない。

 

 すると姉ちゃんは一息し、口を開く。

 

 俺は姉ちゃんの話に耳を傾ける。

 

 「まず…鞠莉さんが貴方に留学の事や旧Aqoursの事を言わなかったのは、私でも手に取るようにわかりますわ」

 

 「………何?」

 

 「貴方の事が大切な存在だからこそ……心配をかけまいとしたのでしょう」

 

 「心配?」

 

 一体何の心配だ?

 

 その答えは直ぐにわかった。

 

 「あの頃のあなたは大会で上位を狙う為、遅くまで練習をしていましたでしょ?」

 

 「ああ」

 

 大会が近づくに連れて、俺は帰りが遅くなっていた。

 

 それは、上位に入れば鞠莉姉や果南姉、姉ちゃんが喜ぶと思っていたからだ。

 

 「貴方が留学の事を知れば鞠莉さんの事で頭がいっぱいになり、水泳に手をつけられなかったでしょう。旧Aqoursの事も同じですわ」

 

 だからあの時の電話で、鞠莉姉は大丈夫ってしか言わなかったのか。

 

 俺を心配かけまいと…。

 

 「それに鞠莉さんは、あの日大会に向かっていましたわ」

 

 「え?」

 

 俺は顔を上げ、目を合わせる。

 

 向かっていた?つまり来る予定ではあったってことか。

 

 「急遽、飛行機の便が早くなり、貴方に話せないまま…行ってしまったのですわ」

 

 「ッ!?」

 

 2年間の裏切られた感情の糸が切れ、瞳から雫が流れる。

 

 涙を流すのは、何時ぶりだろうか。

 

 「ふふっ…相変わらず、泣き虫ですわね」

 

 「…ズズズッ…うるせぇ…」

 

 鼻をすすり、腕で涙を吹く。

 

 姉ちゃんの顔を見る。

 

 「鞠莉姉は許してくれるかな?」

 

 「…昔に戻りたいと、鞠莉さんも言っていました…きっと許してくれますわ」

 

 綺麗な笑顔で俺の質問に答える。

 

 久々に姉ちゃんの笑顔を、ちゃんと見た気がする。

 

 俺は姉ちゃんの手をどかし、立ち上がる。

 

 「鞠莉姉の所に行ってくる」

 

 「分かりましたわ、お母様とお父様には伝えておきます」

 

 「ありがと、姉ちゃん」

 

 俺はそう言い残し客間から出る。

 

 「うわぁ!」

 

 声のするほうを見ると、伏せている曜がいた。

 

 もしかして隠れたつもりか?

 

 「まさか…いたのか?」

 

 「えっと……瑠璃くんが心配で…」

 

 相変わらず優しい曜に、俺は笑みが零れた。

 

 伏せている曜の頭に手を乗せ。

 

 雑に頭を撫でる。

 

 「心配かけた……ありがと」

 

 「ッ!…うん!」

 

 やはり笑顔が一番だ。

 

 俺は曜の横を通り、外に出ると先程の雨が嘘のように晴れていた。

 

 俺はその足で、ホテルオハラに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 ホテルオハラに無事に着き、カフェスペースで待つ。

 

 頼んだ飲み物も氷が溶け、グラスの周りに水滴がある。

 

 すると…。

 

 「黒澤様、お待たせしました。お嬢様の部屋へ案内します」

 

 「あ…お願いします」

 

 どうやら帰って来たようだ。

 

 外を見ると、すっかり暗くなっているのが分かる。

 

 腹を括り、俺は鞠莉姉の部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 「それではごゆっくり」

 

 一礼をし、スタッフの人は持ち場に戻った。

 

 深く息を吸い、息を吐く。

 

 「……よし」

 

 俺はドアを2回叩き応答を待つ。

 

 すると鍵が開き、ドアが開く。

 

 中からは寝巻きの鞠莉姉が出てくる。

 

 「瑠璃…」

 

 「……夜遅くにごめん…少しいいかな?」

 

 敬語なんて付けない。

 

 友達に話しかけるように話す。

 

 「え…ええ」

 

 すると鞠莉姉はドアを大きく開けて向かいれる。

 

 鞠莉姉の横を通り、中に入る。

 

 内装も変わらず、相変わらず綺麗で高級な部屋だ。

 

 「…いま紅茶出すわね」

 

 「あ…うん」

 

 すると鞠莉姉は紅茶の準備を始める。

 

 非常に気まずい空気が流れる。

 

 高級な紅茶葉なのだろうか?

 

 部屋全体に香りが漂うのは時間が、かからなかった。

 

 「どうぞ」

 

 「ありがと」

 

 紅茶を受け取り、口に一口含む。

 

 やはり美味い。

 

 向かいに腰を下ろしソワソワしだす鞠莉姉。

 

 俺は紅茶を置き、息を吐く。

 

 すると

 

 「こうして…瑠璃と一緒にゆっくり紅茶を飲むのは何年ぶりかしら?」

 

 「…2年ぶりだね」

 

 世間話をするかのようにスラスラと会話をする鞠莉姉。

 

 ソワソワしているのは気の所為なのか?

 

 もう一度顔を見る。

 

 綺麗に整った顔立ち、特徴的な金髪の髪型。

 

 だが口元が少し震えている。

 

 だから俺は生唾を飲み込み、頭を下げる。

 

 「ごめん」

 

 「ど…どうして?」

 

 声が震えている。

 

 きっと動揺しているのだろう。

 

 「俺は勝手に鞠莉姉の気持ちを考えず悪者にした。挙句の果てには、罵倒し鞠莉姉を傷つけた……だから、ごめん」

 

 「……」

 

 これが精一杯の謝罪だ。

 

 だが鞠莉姉からの反応がない。

 

 それもそのはず、鞠莉姉を傷つける罵倒をして、挙句の果てには会いたくないと言った俺がいきなり部屋に上がり込み、なおかつ許して欲しいと謝罪をする。

 

 虫のいい話だ。

 

 俺は顔を上げ立ち上がる。

 

 「許してくれなんて言わない…ただ…」

 

 俺は鞠莉姉とどうなりたい?

 

 許しが欲しい?それもそうだが、本心は違う。

 

 昔のようにふざけ合い、遊んだり、紅茶を飲んだり…また名前を読んで欲しい!

 

 「……瑠璃…」

 

 「また…また…友達になって下さい」

 

 困惑してる鞠莉姉の声が聞こえる。

 

 それもそうだ…涙を見せまいと全身が小刻みに揺れている。

 

 「……私も……」

 

 鞠莉姉の顔は涙でぐしゃぐしゃになっている。

 

 「瑠璃に相談すればこんな事にならなかったと果南と仲直りしてから、そう思っていたわ…………私も…また昔に戻りたいと思ってるの……だから」

 

 鞠莉姉は右手を出し、涙を目に溜めながら

 

 「仲直りしましょ?」

 

 久々に見た笑顔。

 

 感情が高ぶり、我慢出来ず俺は鞠莉姉に抱きついた。

 

 客観的に見れば、恋人に抱擁しているように見えるだろう。

 

 鞠莉姉は俺の背中に腕を回し、力いっぱい抱きついている。

 

 だがこの抱擁は、仲直りのハグであり、親友同士のハグだ。

 

 お互いに涙を滝の様に流しながら眠りに着いた。 

 

 





瑠璃くんにとってのターニングポイントである今回の回。1話を投稿している時からずっと考えていシチュエーションでもあります。

ここまで約1年半!
これからも出来るだけ、更新するように努力しますのでよろしくお願いします!!

感想と評価いつでもお待ちしております。
自分のモチベーションアップの為に繋がりますので、書いてくれると幸いでございますm(_ _)m


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30話


よろしくお願いします!!


 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 Aqoursの騒動から数日が経つ、なんと鞠莉姉に果南姉、それからダイヤがAqoursに入った。

 

 昔に戻れて一安心だ。

 

 そして俺はというと…。

 

 「瑠璃!決勝前のアップ始めるぞ!」

 

 選手控え室にいる俺を、剛センパイが呼ぶ。

 

 「はい!」

 

 息を吐き体の力を抜き、控え室から出る。

 

 そう…今日は、静岡県高等学校総合体育大会水泳競技の日だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 静岡県高等学校総合体育大会水泳競技。

 

 静岡県の高校の水泳部が集まって、全国大会に進む為の予選の様なものだ。

 

 「お前は3つの種目に出るんだ、しっかり体を温めとけ」

 

 「ですよね…まさか直前になって監督に言われるとは…」

 

 俺が出る種目が100m自由形と200m自由形、メドレーリレーに出ることになっている。

 

 200m自由形は前に1度だけ泳いだ事があるため、楽しさも辛さも分かる。

 

 まぁ何とか全て決勝には上がっている為、後は優勝あるのみだ。

 

 ……だがやはり不安はある。

 

 「心配するな」

 

 「えっ?」

 

 剛センパイはスタート台に立ち、俺を見る。

 

 すると

 

 「お前なら行ける水泳を……楽しめ!」

 

 その言葉と同時にスタート台から飛びプールにはいり、泳ぎ始める。

 

 相変わらずダイナミックで力強い泳ぎだ。

 

 剛センパイも無事に決勝に進んでいる。

 

 水泳を楽しめ…か。

 

 まっそれもそうだな。

 

 楽しむのが1番だ。

 

 スタート台に立ち俺も剛センパイに続くように飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 自動販売機で飲み物を買いソファに座る。

 

 窓に写っている青い空。

 

 今日は非常に天気が良い。

 

 自由形の決勝までの時間もだいぶある為落ち着いている。

 

 すると…。

 

 「だ〜れだ!」

 

 俺の視界がいきなり暗くなる。

 

 だが直ぐに誰がやったのか分かり、落ち着いて答える。

 

 「どしたの?鞠莉姉?」

 

 「シャイニ〜!」

 

 次の瞬間、俺の首に腕を回し後ろから抱き着く。

 

 後頭部が豊満な胸に埋まるが気にしないでおこう。

 

 「鞠莉さん!瑠璃を動揺させないで下さい!」

 

 「そこに瑠璃がいるんだから抱きつくのが当たり前でしょ?」

 

 「そんな事ありません!」

 

 「ははははっ…瑠璃も大変だね」

 

 抱き着く鞠莉姉。

 

 それを叱るダイヤ。

 

 慣れたように俺に話しかける果南姉。

 

 現在のAqoursの3人がいる風景に俺はつい笑みが零れる。

 

 「練習は?」

 

 「今日は鞠莉さんが瑠璃の大会が見たいと、午前中で終わりましたわ」

 

 「なるほど、ありがと鞠莉姉」

 

 「ノンプロブレム!問題ないわ!」

 

 どうやら問題ないらしい。

 

 俺は近くにいる果南姉を見る。

 

 明らかにソワソワしているのだが…………あっそういう事か

 

 「剛センパイなら客席で寝てると思うよ?」

 

 「えっ!?な……なんで剛が出てくるの!?」

 

 案の定、顔を赤くし否定する。

 

 俺はここで小さなウソを着く。

 

 「剛センパイが果南姉が来ないのをショック受けてたからさ……行ってあげな」

 

 「え?…………しょ……しょうがないな〜…ありがと瑠璃」

 

 そういうと果南姉は剛センパイの元に向かった。

 

 「いいんですの?」

 

 「ん?何が?」

 

 「貴方、果南さんに好意を寄せていたでしょ?」

 

 「そうよ!果南の事が好きなんでしょ?」

 

 ダイヤにバレていたのは驚きだ。

 

 今は異性として好きて言うより、友人として好きだと気がついている為、別に何ともない。

 

 それに昔の話だ。

 

 「別に?そんな事ないよ〜」

 

 お茶目に答えると、今度は鞠莉姉が

 

 「それなら今はフリーってこと?」

 

 「ん?ああ…特に好意を寄せている人はいないな…どして?」

 

 「いいえ!瑠璃も大人になったのね!」

 

 そういうと鞠莉姉はスキップをしながらどこかへ行った。

 

 何だか凄いテンションが上がったな…。

 

 「私たち以外にもAqours全員来てますから…決勝…頑張るのですよ?黒澤家の為ではなく……自分の為に」

 

 そういうとダイヤは拳を俺の胸に当てる。

 

 ダイヤもこういう事するんだ。

 

 「おう!!」

 

 俺は胸を張り、自信満々に答えた。

 

 すると

 

 『フリー100mの選手は準備をお願いします』

 

 放送が流れる。

 

 「そんじゃ行ってくる!」

 

 「ええ、頑張りなさい」

 

 ダイヤに背中を向け控え室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 渡辺曜side

 

 ヨーソロー!渡辺曜であります!

 

 今日は、Aqours全員で瑠璃くんの応答に来ています。

 

 「会場…凄く広いわね…」

 

 スポーツの大会自体、初めて見る梨子ちゃんは大会の広さに圧倒されている。

 

 「曜ちゃん曜ちゃん!ルーくんまだかな!?」

 

 「もうすぐだと思うよ?」

 

 千歌ちゃんは何故だか瑠璃くんが出てくるのが待ち遠しいようだ。

 

 聞いた話によると、瑠璃くんは無事に決勝まで駒を進めていると聞いた。

 

 すると…。

 

 「ただいま戻りましたわ」

 

 「あ!お姉ちゃん!」

 

 いち早くダイヤさんに気が付いたルビィちゃん。

 

 ダイヤさんはルビィちゃんの隣に座り、笑みを浮かべている。

 

 「瑠璃くんどうでしたか?」

 

 「だいぶリラックスしてましたわ、自動販売機でヤシの実サイダー?を飲んでゆっくりしてました」

 

 「あ!それなら瑠璃くん今日は調子いいですね!」

 

 「「「??」」」

 

 ルビィちゃんにダイヤさん、話を聞いていた千歌ちゃんも疑問が顔に出ている。

 

 それもそうだ、これを知っているのは私しかいないのだから。

 

 「瑠璃くんって調子の上げ下げが激しいんですよ!だから基本、変な飲み物を飲んでいる時は大体調子いい時なんです!」

 

 「そ…そうなんですの?」

 

 「そう言えば前に梅干しを炭酸に入れて飲んでたような?」

 

 家族である2人が家で起こった事を思い浮かべながら唸っている。

 

 すると…突然会場が盛り上がる。

 

 「あ!ルーくん出てきた!」

 

 瑠璃くんがプールサイドを歩きレーンの前に立つ。

 

 コースは3レーン目だ。

 

 瑠璃くんは、スタート台を拭きジャージを脱ぎ始める。

 

 その時、瑠璃くんの首にあるネックレスが目に入る。

 

 あれ?あんなの着けてたっけ?

 

 「あっ…ルーくん着けてくれてるんだ…」

 

 「え?」

 

 隣で千歌ちゃんが小さく呟く。

 

 その顔はまるで恋する乙女の顔だった。

 

 ……なんだろう…嫌だ…。

 

 胸が一瞬ズキンとする。

 

 「曜ちゃん?」

 

 「!?…な…何かな梨子ちゃん?」

 

 「……ううん、何でもないごめんね?」

 

 つい気を使わせてしまった。

 

 梨子ちゃんはプールの方に視線を戻す。

 

 私も瑠璃くんの方を見る。

 

 去年と比べ身長もかなり高くなり、筋肉量もアスリート並の完成度。

 

 見た目でもわかるぐらいに選手としてのオーラが違うのが醸し出している。

 

 だが周りの人も同様にオーラが違う。

 

 流石は決勝と言ったとこだろう。

 

 周りの選手を見ていたら、瑠璃くんと目が合う。

 

 すると、瑠璃くんは私にサムズアップをする。

 

 私も瑠璃くんにサムズアップし、ニコッと笑う。

 

 「あ!いいな!私も!」

 

 隣にいた千歌ちゃんが続いて瑠璃くんにサムズアップするが。

 

 瑠璃くんは手で払うジェスチャーをしてゴーグルを付ける。

 

 「むっ〜!何さ!ルーくん何か知らない!」

 

 「あははははっ…」

 

 多分、瑠璃くんは千歌ちゃんをいじったつもりなのだろう。

 

 その証拠に凄く楽しそうに笑っている。

 

 私にとっては、瑠璃くんから千歌ちゃんへ態度は少し羨ましく思う。

 

 瑠璃くんはゴーグルの紐を伸ばしパチンっと鳴らす。

 

 次の瞬間…

 

 「あ…入った」

 

 笑顔が消え…プールを見つめる。

 

 かなり集中している。

 

 スタート台に立ち、腰をまげ合図を待つ。

 

 『用意……』

 

 会場全体が静寂を包む。

 

 そして

 

 機械音で笛の音がなる。

 

 それと同時にスタート台から綺麗に飛び込む選手達。

 

 そして着水。

 

 「瑠璃くん凄い!」

 

 「いや!少し遅れた!」

 

 千歌ちゃんが隣で絶賛したが、私は瑠璃くんが遅れたのを見逃さなかった。

 

 案の定、順位は現段階で4位。

 

 スタートダッシュに遅れたのに、4位なのは凄い事だ。

 

 そして瑠璃くんは徐々にスピードを上げ、3位…2位と順位を上げていく。

 

 そしてターンに入る……残り50m。

 

 「行け〜!ルーくん!!」

 

 「頑張れお兄ちゃん!」

 

 「ファイトですわ〜!!」

 

 私の周りにいる梨子ちゃんと花丸ちゃんに善子ちゃん以外は声を出す。

 

 どうやら応援に圧倒されている様子。

 

 そして、残り25mを切った所で瑠璃くんは1位に登りでる。

 

 凄く速いのが見てわかる。

 

 そして徐々に距離を広げていき、壁に手をつく。

 

 瑠璃くんは直ぐに顔を出し、タイムを見る。

 

 私達もタイムを見るとそこには…。

 

 「50秒82…」

 

 すると瑠璃くんは水中に拳を叩きガッツポーズ。

 

 大会標準記録を2秒縮めた。

 

 「全国大会出場だ!」

 

 私がそう言うと、Aqours全員が喜ぶ。

 

 私は席を立ち瑠璃くんの所へ向かった。

 

 渡辺曜side END

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒澤瑠璃side

 

 「……優勝……か……」

 

 先程の自動販売機の前のベンチでぼーっとしている。

 

 200mの決勝までまだ時間がある。

 

 メドレーリレーの決勝は明日だしな。

 

 「ふー…」

 

 何だか実感がわかない。

 

 「ぼーっとしない!」

 

 「痛っ!…曜」

 

 後頭部に痛みが走り、後ろを振り向く。

 

 そこには曜が堂々と立っていた。

 

 「何だよ」

 

 「スタート遅れたでしょ?」

 

 「うぐっ…痛いところを付くな」

 

 実際スタートは遅れた、つい気張りすぎたのだ。

 

 「瑠璃くんの悪いくせだよね〜集中!しすぎると!スタートが遅れる!」

 

 「痛い痛い痛い!チョップし過ぎだ!」

 

 何故かリズムよく頭にチョップをしてくる。

 

 先程、監督にも言われたことだ。

 

 耳が痛い……。

 

 

 「けど……おめでとう!超速かったね!」

 

 にこやかな笑顔でそう答える曜。

 

 俺も釣られて笑顔になる。

 

 俺は立ち上がり、体を伸ばす。

 

 「この調子で200もメドレーも優勝しちまおうかな!」

 

 「言ったね?それなら優勝出来なかったらハンバーグ食べさせてね?」

 

 「それなら優勝したら何かに付き合って貰おうかな」

 

 お互いに条件をだし、また笑顔になる。

 

 曜と過ごすこの時間は何より好きだ。

 

 軽口を叩きながらふざけ合う。

 

 こんな時間が……。

 

 さてと剛センパイに望月センパイ、空の出番がもうすぐだ。

 

 俺は応援席に向かおう。

  

 「あ!瑠璃くん」

 

 「ん?」

 

 「あのさ…明日って花火大会じゃん?」

 

 「ああ、そうだなAqours出るんだろ?大会終わり次第向かうよ」

 

 明日は沼津の花火大会の日だ。

 

 運が悪い事に大会と重なっているため、俺は終わり次第向かうことになっている。

 

 「まぁ…そうなんだけどさ……ステージ終わったらさ?」

 

 「何だよ?ハッキリ喋れ」

 

 何故か顔を赤くしながらゴニョゴニョと喋り出す曜。

 

 まぁ珍しい為、少し面白いが……。

 

 「よかったら……………一緒にお祭り回らない?」

 

 「は?祭り?一緒に?俺とお前が?」

 

 「う…うん」

 

 なるほど…一緒にお祭りを回るか…………………………え?

 

 「それって……デー「違うから!!」あ…そう?」

 

 何故か食い気味に言われた。

 

 ふむ…。

 

 「まぁ…なんだ?いいぞ」

 

 「え?」

 

 「いや、だからいいよ…久々に一緒に回ろう」

 

 昔、小学生の頃は一緒に回っていたのを思い出す。

 

 今はお互いに成長しているため何だか変に意識してしまう。

 

 何故だか分からんが…凄い恥ずかしい。

 

 顔が熱いのが自分でも分かる。

 

 「〜ッ!……うん!嬉しい!ありがと!!」

 

 「お……おう」

 

 クソッ……可愛い……。

 

 曜の癖に!曜の癖に!相手は曜だ!変に緊張するな!

 

 すると

 

 「そ…それじゃ!明日連絡するね!ヨーソロー!」

 

 そういうと曜は、全速力でその場から消えた。

 

 俺はその場に崩れ顔を隠す。

 

 「こんな顔じゃ応援席に戻れねぇじゃねぇか……」

 

 俺は何とかして赤いのを戻そうと自動販売機で飲み物を買い顔を冷やす。

 

 そして次の日。

 

 無事に200m自由形優勝。

 

 メドレーリレーも優勝。

 

 という好功績を残す。

 

 ついでに剛センパイの種目と望月センパイの種目、空の種目は優勝してメドレーリレーメンバー全員が全国に行く事になった。

 

 そして、浦の星男子高等学校は殆どの種目を総なめし注目されたのは……また別の話。

 

 





勢いに身を任せて書いちまった……。
後悔はしていない!

そして等々、Aqours全員揃いましたので今月中に特別ストーリーを書きたいと思っています。
ただ、誰をヒロインで書いていくのか決めていないので投票をしたいと思います!
活動日誌の方にありますので、見てくれると幸いでございますm(_ _)m
期間は10月16日までです!

それでは、感想と評価をお待ちしております!



あと次回はブラックコーヒーを片手にお読み下さい。
曜ちゃん回です!!


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31話


ブラックコーヒーの準備は大丈夫ですか?

それではどうぞ!!


 

 

 「うおぉぉぉ!!急げぇぇぇ!!」

 

 どうも、自転車を全力疾走している黒澤瑠璃です。

 

 大会の結果は、無事に100mも200mもメドレーリレーも優勝という功績を残した。

 

 だが問題はそこからだった。

 

 まさか新聞の記事にするための、インタビューが長かった。

 

 特に空は、見ていて可哀想なくらい質問攻めにあっていた。

 

 いまだに、助けて下さ〜い!!と言う声が頭に残っている。

 

 許せ空。

 

 そして俺はというと。

 

 花火大会で歌うAqoursを見るために全力で自転車を漕いでいる。

 

 新曲をやると言っていた為、楽しみだ。

 

 そう思っているうちに無事に家に着いた。

 

 自転車を降りて、中に入る。

 

 「ただいま〜」

 

 「あら、おかえりなさい!どうだった?」

 

 母さんが、出迎えてくれた。

 

 俺は鞄からメダルと表彰状を見せる。

 

 「全国大会出ることになりました」

 

 母さんにサムズアップして答えると、母さんは目をキラキラさせて抱き着く。

 

 「よかったじゃない!ね?アナタ?」

 

 親父?俺は居間に座っている親父を見る。

 

 だが

 

 「……そうか」

 

 黙ったままだ。

 

 まぁ予想はしていたため何ともない。

 

 「あ…俺これから出かけてくるから」

 

 「あら、お祭り?」

 

 「うん」

 

 俺は母さんに報告してから靴を再度履く。

 

 すると母さんは、俺の肩を掴む。

 

 「ん?どしたの?」

 

 「お祭りなのよね?」

 

 「え?うん」

 

 凄くニコニコしながら手に力を込める母さん。

 

 何故だろう。

 

 かなり嫌な予感する。

 

 「浴衣あるわよ?」

 

 「いや、いいよ恥ずかしい」

 

 「浴衣あるわよ?」

 

 「2回言わなくても聞こえるよ!?」

 

 そして俺の首ねっこを掴み。

 

 「こっちいらっしゃい」

 

 「嫌だ〜!浴衣来たくない!ゴワゴワする〜!!」

 

 無理やり服を脱がされ、浴衣を切るハメになった黒澤瑠璃でした。

 

 

 

 

 

 

 

 「やっぱりゴワゴワする……慣れないな」

 

 浴衣を着て無事に祭りに着いた。

 

 それとステージの席は前の方を確保出来た。

 

 てか…。

 

 「剛センパイも来てたんですね?」

 

 「ああ…あはりまいだ」

 

 「え?何て?」

 

 リスのように頬をふくらませながら大量の食べ物を抱えている剛センパイ。

 

 そう言えばこの人は、果南姉と仲が良かったな。

 

 すると口に含んでいた食べ物を飲み込んだ剛センパイはステージの方に視線を向ける。

 

 「果南が久々に歌うからな…それを見に来た」

 

 「…果南ね…じゃなくて、果南さんがスクールアイドルをやっていたの知ってたんですね」

 

 「ん?おお」

 

 口に食べ物を運びながら答える剛センパイ。

 

 知っていたのには驚きだ。

 

 そして、ステージがライトアップされる。

 

 するとステージ脇からAqoursメンバー9人が出てくる。

 

 衣装を見る感じ、和風の様な雰囲気を出している。

 

 うん、可愛らしい衣装だ。

 

 それぞれの立ち位置に立ち、曲が始まる。

 

 最初は果南姉、千歌、曜と続き、ダイヤ、ルビィ、丸、そして鞠莉姉、桜内、善子と続く。

 

 何処かで聞いた事のある歌詞だ。

 

 あ、思い出した。

 

 「この歌詞…ホワイトボードに書いてあった……」

 

 旧Aqoursが解散した後、1度だけだがスクールアイドル部の部室を掃除した。

 

 その時、ホワイトボードには歌詞が書かれていたのを記憶している。

 

 まさかまだ、薄く残っていたのか?

 

 曲はサビに入り会場の客を次々に魅了して行く。

 

 更に、同時に花火が上がる。

 

 「すげぇ……」

 

 つい小さく呟いた。

 

 隣にいる剛センパイも食べるのを止め、Aqoursを見入っている。

 

 そして俺も、Aqoursの踊りと歌に魅了されているのが分かる。

 

 2年のブランクを感じさせない、3年生達。

 

 入ってまだ間もない、1年生達。

 

 体育館で踊っていた時よりも完成度が高い、2年生達。

 

 本当に凄いチームになったと分かる。

 

 「瑠璃?泣いてるのか?」

 

 「えっ?」

 

 剛センパイに言われ頬を触ると、濡れていた。

 

 うん、泣いてるは…。

 

 「す…すみません!ちょっと…高ぶってしまいました!」

 

 3年生の3人がまた笑顔で踊って歌っている。

 

 憧れの3人がステージにいる。

 

 その姿に感情が高ぶってしまい涙してしまった。

 

 何だかあの日以来、涙脆くなっているようだ。

 

 というか、恥ずかしい…まさかセンパイの前で泣くとは…。

 

 すると、俺の頭に重みを感じる。

 

 「果南から色々聞いている……泣いたっていいんだ、その分強くなるのが男だ」

 

 剛センパイを見ると優しく微笑んでいた。

 

 ああ…やっぱりこの人は、強い人だ。

 

 だから男として敵わないと思った。

 

 俺は涙を拭き、センパイの手をはらう。

 

 「センパイの卒業まで残り、あと半年ぐらいですよね?」

 

 「ん?そうだな」

 

 今まで俺は水泳でも心構えでも勝った事がない。

 

 この人に勝ちたい。

 

 俺は初めて剛センパイに敵対心をもった。

 

 「必ず超えます!男として競泳選手として」

 

 だから目を見て言った、言ってやった。

 

 すると、鳩が豆鉄砲を食らったように驚く剛センパイだったが……。

 

 「そうか…それは楽しみだ」

 

 直ぐにニヤッと笑う。

 

 まるで負けない自信がある様に。

 

 Aqoursの曲が終わり、歓声がおきる。

 

 俺は曜との待ち合わせ場所に向かうため剛センパイに、背中を見せる。

 

 あ…それと

 

 「ライバル宣言です!()()()!!」

 

 俺はそう言い残しその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 俺は携帯を確認しながら曜が来るのを待つ。

 

 集合場所はステージ関係者の出入口だ。

 

 きっと着替えに戸惑っているに違いない。

 

 「ごめ〜ん!お待たせ〜!」

 

 「はぁ…何分待ったと……!?」

 

 後ろから声が聞こえたため、振り返るとそこには、青と白の色に朝顔柄の浴衣を着ている曜がいた。

 

 「ご…ごめんね?着るのに時間かかっちゃった!」

 

 「おま……それ?」

 

 予想外の着物に動揺を隠せない。

 

 「ん?あぁ、ダイヤさんに着付けてもらったんだ……に…似合うかな?」

 

 「に……似合うんじゃないか?」

 

 「そ…そっか…えへへ、ありがと」

 

 「…………」

 

 何だこの気持ち?曜が…あの渡辺曜がめちゃくちゃ可愛く見える。

 

 はっ!そう言えば、祭りで浴衣を着る女の子は数百倍可愛く見えるとクラスの奴らが言っていた!

 

 なるほど、なるほど…………。

 

 浴衣の力すげぇぇぇぇ!!!!

 

 「る…瑠璃くん?」

 

 「な…何だ?べ…別に普段よりめちゃくちゃ可愛くなってドギマギしてる訳じゃないからな!?勘違いするなよ!?」

 

 「え?」

 

 「あ…」

 

 何を言ってるんだ俺はぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

 動揺のし過ぎで思っている事がつい口走ってしまった。

 

 「へ…へ〜、ドギマギしてるんだ〜!」

 

 悪い顔をしながら俺の顔を覗く。

 

 悪い顔に少しイラッと来たため、曜の頭をチョップした。

 

 「痛っ!」

 

 「さっさと行くぞ!まったく…」

 

 俺は曜に背中を向け、動き出す。

 

 「ごめんって瑠璃く〜ん!」

 

 頭を抑えながら涙目な曜は、動き出したのを気づき後についてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 動き出してから数分。

 

 「お!黒澤家の坊っちゃんじゃないですか!?」

 

 「おお!坊っちゃん!こっちによって行ってください!」

 

 「坊っちゃんも隅に置きませんね〜」

 

 色々な屋台から坊っちゃん呼ばわりだ。

 

 まぁ毎回祭りは、こうなる。

 

 「相変わらず坊っちゃん呼びなんだね?」

 

 「まぁな〜…家の事だししょうがない」

 

 俺は焼きそばを食べながら答える。

 

 毎年夏祭りの屋台の半分以上は、静岡の漁師の人達がやっている事が多い。

 

 更に言うと、黒澤家は地元の漁師達の旧網元だ。

 

 そのため、昔の名残りで今でも漁師の人達とは関わりがある。

 

 「そう言えばステージよかったぞ?みんな上手くなってたな」

 

 「ほんと!?」

 

 「ああ、鳥肌たったわ」

 

 泣いたというのは、黙っておこう。

 

 きっと弄られる。

 

 「あ!ちょっと待って!」

 

 曜はりんご飴の屋台を見つけ、そこに向かった。

 

 屋台を見ると様々な色のりんご飴が、置いてある。

 

 「おじさん!1本下さい!」

 

 「あいよ!300円ね!」

 

 「は〜い」

 

 そういうと曜は、財布を取り出そうと巾着から財布を取ろうとする。

 

 ふむ…。

 

 「おっちゃん、久しぶり」

 

 「あれ?坊っちゃんじゃないですか!はは〜ん、もしかして彼女さんですかい?」

 

 「うるせぇ…ほら300円」

 

 俺はおっちゃんに、お金を払いりんご飴を貰う。

 

 そのりんご飴を曜に渡し、進み始める。

 

 「あ!もう、瑠璃くん!なんで払うの!?」

 

 「お前が遅いから払っただけだ、それにいま金ないだろ?」

 

 「うっ…」

 

 曜はAqoursの衣装担当だ。

 

 Aqoursは部活と認められているため部費はでるが、曜の事だ。

 

 部費と自分のお小遣いで衣装を作っているに違いない。

 

 そのため、今日は俺が曜の分も払うと決めてある。

 

 「ん〜…じゃあ、今度2人でお買い物行こ!その時は私が奢って上げる!」

 

 胸を張り、拳で自分の胸を叩く曜。

 

 「ふっ…期待しないで待つよ」

 

 「あ〜!信じてないでしょ!?」

 

 曜はもらったりんご飴を美味しそうに食べる。

 

 相変わらず表情豊かな曜に笑みが零れる。

 

 すると曜は何かに気がついた。

 

 「瑠璃くん…あれ果南ちゃんだよね?」

 

 「ん?……ああ、果南姉と剛さんだな」

 

 前の方に仲良さそうに歩いている果南姉に剛さん。

 

 だが注目する所はそこではない。

 

 「2人とも……手…繋いでるね」

 

 「あ…ああ…俺もそれ気がついたわ」

 

 ただ手を繋いでいる訳では無い、指と指が絡むように繋いでいる。

 

 俗に言う、恋人繋ぎだ。

 

 「もしかして……付き合って「いや、それは無いな」最後まで言わせてよ!」

 

 確信はもてている為、食い気味に否定した。

 

 果南姉の大会での反応からして、まだお付き合いしていないだろう。

 

 それに、あの剛さんだ。

 

 剛さんは大会に集中する為、今の時期で付き合う事はないだろう。

 

 「まぁ…きっと幼なじみだから、仲がいいんだろう」

 

 「そ…そっか」

 

 …………ん?幼なじみだからって何だよ俺…。

 

 思った以上に自分が驚いているようだ。

 

 変なことを口走ってしまった。

 

 「あ…あのさ瑠璃くん」

 

 「ど…どした?」

 

 何か言いたげな曜。

 

 だが次の瞬間。

 

 「うわっ!」

 

 通行人が曜とぶつかり、俺の方に倒れる。

 

 俺は咄嗟に曜を支える。

 

 「あぶな…大丈夫か曜?」

 

 「う…うん!大丈夫大丈夫」

 

 どうやら怪我は無いようだ。

 

 まったく、謝るって事をしないのか?ぶつかった奴は…。

 

 俺はぶつかった奴を探していると、右手に力を感じた為右手を見ると。

 

 曜の左手を握っていた。

 

 咄嗟とはいえ、つい掴んでしまった。

 

 「ああ…すまん、すぐ離す」

 

 俺は曜の左手を離す。

 

 「あっ……うん」

 

 何故だか寂しそうにする曜。

 

 あっ…て何だよ。

 

 周りを見ると人が増えているのが分かる。

 

 もしかしたら、またさっきのようになるかもな…………。

 

 「曜」

 

 「ん?なに?」

 

 「怪我したら困るから、手掴んどけ」

 

 「!…………うん!!」

 

 あからさまに嬉しそうに…腕を組まれる……。

 

 手じゃないのかよ…。

 

 「えへへ」

 

 「あはは…なんだ?」

 

 「えへへへ」

 

 「あははは…だからなんだ?」

 

 「えへへへへ」

 

 「あはははは…はぁ、好きしろ」

 

 何だかこのやり取りは、前にもやった気がする。

 

 着物越しに曜の胸が、俺の腕を包んでいるが、できるだけ気にしないで祭りを楽しもう。

 

 






活動日誌でのアンケートの結果…………渡辺 曜ちゃんに決定しました!
そして!今回の特別ストーリーのテーマは…〝風邪を引いた幼馴染〟で行きたいと思います!!


今月中に何とか、特別ストーリを投稿するのでよろしくお願いします。

それでは、感想と評価お待ちしております!

あと少しだけ、曜ちゃん回続きます。


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32話


よろしくお願いします!


 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 曜とお祭りを楽しんでいる最中だった。

 

 「雨だね」

 

 「雨だな」

 

 途中で雨が降り初め、俺と曜は近くのコンビニで雨宿りをしている。

 

 はぁ…どうしたものか……。

 

 「この調子じゃあ祭りも中止かな?」

 

 屋台の光もチラホラ消えているため、中止と予想出来る。

 

 ルビィとダイヤは無事に帰れたのか?っと思った直後、俺の携帯が鳴る。

 

 ダイヤから電話だ。

 

 「はい」

 

 『瑠璃!!大丈夫ですか!?雨に濡れていませんか!?』

 

 「……」

 

 いきなりの大声に少し戸惑う。

 

 「大丈夫だよ、そっちは大丈夫なの?」

 

 『それならよかったですわ、わたくしは鞠莉さんの部屋に泊まることになりましたわ』

 

 「鞠莉姉の部屋広いからね、どうせ果南姉もいるんでしょ?」

 

 『よ…よく分かりましたわね』

 

 ダイヤの声がうきうきしているため、予想は出来た。

 

 久々のお泊まりだから、きっと楽しみなのだろう。

 

 『あ!それとルビィは善子さんの家にお泊まりする見たいですわ』

 

 「ん…了解」

 

 『よろしくお願いしま『スキありデース!!』…………』

 

 なんかボフッて音が聞こえた。

 

 『鞠莉さん!いまわたくしわ『えい!余所見はダメだよダイヤ!』あ〜な〜た〜た〜ち〜〜!!!』

 

 話が続かなさそうな為ピッと電話を切り、携帯をしまう。

 

 大方、枕でも投げられたのだろう。

 

 楽しそうで何よりだ。

 

 すると曜は興味ありげにこちらを見る。

 

 「なんだって?」

 

 「ダイヤがお泊まりするって連絡が来た、ついでにルビィも」

 

 「だから楽しそうな声がしたんだ!」

 

 どうやら聞こえていたらしい。

 

 という事は今日は家に俺1人か…。

 

 母さんと親父は会食?に行くって言っていたし。

 

 ふむ…。

 

 「曜」

 

 「ん?」

 

 「俺ん家泊まってくか?」

 

 「……………………え!!??」

 

 まぁ驚くのも無理はない、曜は俺の家に泊まった事がないからな。

 

 毎回、俺が曜の家に泊まっていたし。

 

 「今日は両親も居ないからな、どうする?浴衣も濡れたまんまじゃ風邪引くだろ」

 

 「……そ…それなら…よろしくお願いします」

 

 「ん…ちょっと走るけど大丈夫か?」

 

 まぁ、と言っても3分ぐらいだから苦では無いだろう。

 

 俺はコンビニで1本の傘を買い、黒澤家に向かった。

 

 曜も何か買っていたが大方下着でも買ったのであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ほれ、入れ」

 

 「お…お邪魔しま〜す」

 

 少し警戒気味に家に入る曜。

 

 俺はサンダルを脱ぎ、バスタオルと着替えを籠に入れて曜に渡す。

 

 着替えと言っても俺のジャージだ。

 

 残念ながらダイヤやルビィの着替えではキツイと判断認め必然的に俺の物になる。

 

 何処がとはあえて言わないで置こう。

 

 「とりあえずこれで良いだろう。二階上がって右側の真ん中のドアが俺の部屋だからそこで着替えとけ」

 

 「う…うん」

 

 そういうと曜は2階に上がって行った。

 

 さてと、風呂の準備もしないとな……。

 

 俺はタオルを片手に浴室へ向かった。

 

 そう言えば、客間で着替えさせればよかったな。

 

 適当に考えながら俺も着替える。

 

 風呂の準備を終わらせ、台所でお茶の準備。

 

 適当な和菓子を準備してから自分の部屋に向かう。

 

 とりあえず2回部屋をノックしてから開ける。

 

 そこには、お尻を突き出した状態で俺のベットの下を覗いている曜がいた。

 

 「……何やってんだお前?」

 

 「え!?な…なんでもないよ!」

 

 なんでもなくないだろ。

 

 俺は机に曜の分のお茶と和菓子を置き、床に座る。

 

 「ジャージ…ちょっと大きいな」

 

 「うん、瑠璃くんの?」

 

 「ダイヤとルビィのだと小さいと思ってな、すまんな」

 

 「ううん!寧ろ貸してくれただけ有難いよ!ありがと!」

 

 「それなら良かった」

 

 曜は腕を捲り和菓子を食べる。

 

 「ん…んまい」

 

 「母さんが和菓子好きだからさ、色々なの持ってるんだよ」

 

 他愛のない会話が続く。

 

 「あ…そう言えばリレー優勝したから」

 

 「知ってるよ〜」

 

 「言ったっけ?」

 

 「ううん、ネットで調べた!」

 

 控え室で調べたのだろう。

 

 適当にそう思いながら和菓子を口に入れる。

 

 ん…んまい。

 

 「そっか〜優勝か〜!またファンが増えるね!」

 

 「ファン??」

 

 なんのことを言ってるんだ?

 

 「瑠璃くん浦女で人気だよ」

 

 それは知らなかった。

 

 まぁ…悪い気はしない。

 

 「生徒会長の弟で水泳部のエース!たまに見せる無邪気な笑顔で女性のハートを鷲掴み!って噂になってるよ」

 

 「おい!なんか変になってないか!?」

 

 誰がそんな噂を流したのは?

 

 てかエースでもイケメンでも無い。

 

 「まぁ…練習の邪魔さえしなければ好きに言いなさいって感じだな」

 

 適当な感想を述べてから、お茶を飲む。

 

 「…瑠璃くんってさ」

 

 「ん?」

 

 「好きな人とかいないの?」

 

 「…………いきなりどした?熱でも出たか?」

 

 「こ…こういう話しないからさ!ちょっと気になったの!どうなの!?」

 

 何故か逆ギレする曜。

 

 この手の話題を出す曜は珍しい。

 

 なるほど、曜も女の子って訳だな。

 

 「いないよ」

 

 「千歌ちゃんとかは?」

 

 「はぁ?千歌?」

 

 何故千歌が出てくるかは謎だ。

 

 「千歌は…偶に女の子って感じはするけど……どちらかと言うと妹って感じだし無いな」

 

 「それじゃぁ…鞠莉ちゃん!」

 

 「鞠莉姉か…ん〜…頼れる姉かな?」

 

 「それなら…」

 

 「待て全員言わせるつもりか?」

 

 このままだとAqours全員の感想を言わなければ行けなくなると思った。

 

 「曜はどうなんだよ!好きな人!」

 

 「私!?」

 

 何故か顔を赤くする曜。

 

 「俺だけ言うのはずるいだろ?」

 

 「えっ…え〜!」

 

 困惑しているのかあたふたしている。

 

 ふっ…勝ったな…。

 

 俺はお茶を口に入れて勝利の余韻に浸る。

 

 すると曜は、いつの間にか抱えている枕に顔を埋める。

 

 おい、その枕俺のだろ?

 

 「い………いる」

 

 「………………へ?」

 

 ハッキリと聞こえなかった為、聞き返す。

 

 すると枕から顔を上げ、俺の目をじっと見る曜。

 

 「す…好きな人……いる」

 

 「…………そ……そっか……」

 

 「……うん」

 

 ……………………。

 

 沈黙が部屋を包む。

 

 曜の好きな人。

 

 誰だ?だが名前を聞くのは吝かだろえ。

 

 「どんな人なんだ?」

 

 「うぇ!?えっと……た…頼りに出来て、泣き虫で…いつも傍にいてくれる人かな?」

 

 「…そっか……頑張れよ?応援してる」

 

 「……………………鈍感」

 

 「ん?」

 

 「何でもな〜い!」

 

 何故か後ろに倒れ両手を広げる曜。

 

 ……何だろう?何故かわからんがモヤモヤする。

 

 その後も、他愛のない会話が続き。

 

 曜はお風呂に入り、ライブの疲れにより直ぐに寝た。

 

 俺はと言うと、お風呂に入った後、モヤモヤの正体が気になり直ぐに寝る事ができなかったのは、また別の話だ。

 

 





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33話

お待たせしました!

今回は、あまり絡みがない梨子ちゃん回です!


 夏休み。

 

 約1ヶ月間の休みがあり、学生が羽を伸ばして過ごせる休みだ。

 

 だが……部活に所属している学生にとっては地獄の始まりでもある。

 

 

 

 

 

 

 

 「フッ!…フッ!…フッ!…30!」

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 今は夏休み初日の水泳部の練習中だ。

 

 今日のメニューは午前中はプールを使った練習、午後は筋トレだ。

 

 午後が筋トレの日は、終わった人から帰れるので、大体早く帰る事が出来る。

 

 更に言うと、明日は1日休みのため部員全員が早く終わらせようと必死で頑張っているのがよく分かる。

 

 さてと。

 

 1分の休憩を挟んだ為、俺はぶら下がり棒に掴まり懸垂を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぁ〜……疲れた」

 

 自転車を押しながら大きな欠伸をする。

 

 結局時間は夕方過ぎで太陽も沈み始めようとしている。

 

 そんな中、砂浜で1人の少女を見つける。

 

 「あれは…桜内?」

 

 Aqoursの作曲担当の桜内が日が沈む太陽を見て黄昏ている。

 

 ふむ…。

 

 俺は近くに自転車を止めて、桜内の元に向かう。

 

 「また海に飛び込むか考えてたのか?」

 

 「え?…黒澤くん」

 

 「お疲れ、どした?こんなとこで」

 

 見た感じ元気がないように感じられる。

 

 何かあったのか?

 

 桜内は、スカートに着いた砂を落としながら立ち上がる。

 

 「大丈夫、ちょっと考え事してただけよ」

 

 そう言いながらニコッと笑い、立ち去ろうとする桜内。

 

 その姿に何処か見覚えを感じた。 

 

 ……あぁ…あの時の鞠莉姉の笑顔にそっくりなんだ。

 

 1人で解決しようとする鞠莉姉の笑顔に似ていた。

 

 俺は桜内の手を掴む。

 

 「……どしたの?」

 

 つい掴んでしまった。

 

 俺は咄嗟に質問を考える。

 

 「え?あ…ああ…桜内この後暇か?」

 

 暇か?ってなんだよ俺。

 

 これじゃただのナンパじゃないか。

 

 「ええ、予定はないわね」

 

 「そ…そか!えっと…良かったらメシでもどうだ?」

 

 「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 結果的に俺は、桜内とメシに行くことになった。

 

 そこで俺と桜内は、安くて美味い俺の、行きつけの定食屋に行くことにした。

 

 「はい!お待たせ!唐揚げ定食ご飯特盛!!」

 

 おばちゃんがそう言うと、俺の目の前には山のように積められご飯に唐揚げが現れる。

 

 「いつもありがと、おばちゃん」

 

 「気にしない気にしない!選手になったら宣伝よろしくね?」

 

 「ははは…」

 

 相変わらずの明るさに苦笑い。

 

 本当に70歳か?

 

 「お嬢ちゃんのはオムライスね?」

 

 「あ…ありがとうございます」

 

 桜内もおばちゃんの明るさに驚いているようだ。

 

 おばちゃんは料理をだし終えると、厨房に戻って行った。

 

 「んじゃ、食うか!いただきます」

 

 「いただきます…」

 

 そう言うと桜内は、オムライスをスプーンで1口。

 

 「あ…おいしい」

 

 「ここは何でもあるし、味は絶品だからな」

 

 俺も早く食べることにしよう。

 

 まずはキャベツ。

 

 消化を良くするためにまずは、野菜からが一般常識。

 

 その後に、唐揚げを1口で食べる。

 

 柔らかく、中からジュワーっと肉汁が出てくる。

 

 「黒澤くんは美味しそうに食べるね」

 

 「ん?…んん……そうか?」

 

 いきなり口を開いた桜内。

 

 俺は唐揚げを飲み込み、桜内の話を聞く。

 

 「うん、凄く美味しそうに見える」

 

 「……あげないぞ」

 

 「とって食べないわよ!」

 

 桜内は自分のオムライスに手を出す。

 

 そう言えば、俺は桜内をよく知らない。

 

 Aqoursの中でも、あまり関わりのないメンバーでもある。

 

 「こうやって話すのは初めてだな」

 

 「そうね…黒澤くんと私は、あまり関わりないから」

 

 「それもそうだな」

 

 俺は唐揚げを1つ口に入れて味わう。

 

 桜内もオムライスを美味しそうに食べる。

 

 「それで?考え事って何?」

 

 「ッ!?ケホッケホッ!」

 

 「す…すまん!いきなりだったか!?」

 

 驚いたからなのか、桜内はその場で咳き込む。

 

 悪いことをした。

 

 「もう…だから大丈夫って言ったでしょ?」

 

 呆れながら桜内はオムライスを食べる。

 

 「俺はそう言いながら…大丈夫じゃなかった人を見たことがある」

 

 「……」

 

 桜内が持ってるスプーンが止まる。

 

 俺の頭の中に鞠莉姉の悲しい笑顔がチラつく。

 

 「俺じゃ役不足ならこれ以上は聞かない……けど、話せば少しは軽くなるんじゃないか?」

 

 「…………はぁ」

 

 桜内はため息をはき、こちらをじっと見る。

 

 え?何?なんかした?

 

 「わかった……相談いいかしら?」

 

 どうやら折れてくれた様だ。

 

 「おう!」

 

 俺は少し心を開いてくれたと思い、つい笑みが零れる。

 

 それに釣られ桜内も笑みを零した。

 

 

 

 

 

 

 

 「なるほど…」

 

 桜内から悩みを聞き少し頭の中で整理する。

 

 ピアノコンクールの案内が来たが、今はAqoursの事もあり、中々言い出せない。

 

 更には、ラブライブの予選と重なるためコンクールは出ない方がいいと、考えている。

 

 「ん〜…難しいな」

 

 俺は、おばちゃんのサービスで付けてくれたミカンシャーベットを食べながら考える。

 

 「桜内は、ピアノは弾けるようになったのか?」

 

 千歌から聞いた話だと、前のコンクールの時に弾けなかったと聞いている。

 

 「家とかなら弾けるけど……大きいコンサートホールで弾けるかどうか」

 

 桜内はそう言いながら、徐々に顔が暗くなる。

 

 俺はピアノをよく分からない。

 

 ましてや音楽なんてさっぱりだ。

 

 けど、桜内のピアノは素人の俺が聞いてもわかる程、レベルが高い。

 

 そこまでの努力は評価に値する。

 

 「俺から言わせて貰うとだな……自分の本心をAqoursに言うべきだと思う」

 

 「…本心?」

 

 「うん…みんなが困るからとかじゃなくて、自分自身がどうしたいかって話」

 

 「それは…」

 

 桜内もわかっている筈だと思う。

 

  「それにさ、Aqoursだったら笑顔で見送ってくれるはずだ」

 

 「……」

 

 ミカンシャーベットを食べ、お会計を済ませる。

 

 それに続き桜内も会計を済ませる。

 

 まだ桜内の顔は暗い。

 

 「それでも不安なら、千歌に1度相談してみな……あいつが1番桜内のことわかってるだろうし」

 

 「…そうね、ありがと黒澤くん」

 

 「たまには我儘言ってもいいと思うよ」

 

 そう言うと、桜内は顎に手をあて考える。

 

 すると。

 

 「それじゃぁ、さっそく我儘いいかしら?」

 

 「ん?俺にか?構わないが…何だ?」

 

 いきなりの我儘に少し驚いた。

 

 「私も瑠璃くんって呼んでもいい?」

 

 「………どして?」

 

 いきなりの下呼びに少し動揺する。

 

 すると桜内は、自分の言っている事が恥ずかしくなったのか、みるみると顔を赤くし始める。

 

 「ち…違うの!千歌ちゃんに曜ちゃんが下呼びだから!そ…それに!男の子の友達が……初めてだから…その…仲良く…うぅ」

 

 どんどんしおらしくなって行く桜内。

 

 それと、友達と思ってくれているのは、嬉しい事だ。

 

 まぁ、別に嫌ではないしいいだろう。

 

 「…態々聞かなくてもいいのに…好きに呼びな」

 

 「!…ありがと瑠璃くん」

 

 「お…おう」

 

 先程とはうって変わり可憐な笑顔でお礼をする桜内に少し見とれてしまう。

 

 その後、桜内を家まで送り俺は夜風に当たりながら帰る事にした。

 

 

 




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34話

お久しぶりです!
合間を見つけて何とか投稿です。


 

 「あぁ〜…風呂最高…」

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 毎朝おなじみの朝風呂に浸かりながら、俺は足を伸ばし耳元までお風呂に浸かる。

 

 かれこれ30分は浸かっている。

 

 「今日は部活は休みだし、久々に1日ゆっくり出来るな〜…何しようかな」

 

 今日1日の予定を頭の中で考える。

 

 そう言えば、Aqoursが海の家の手伝いをするって言っていたはず。

 

 お昼すぎぐらいに、少し顔でもだそう。

 

 予定が決まったことだし、そろそろ出ようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 海の家に着き、中を確認する。

 

 チラホラお客さんはいるが、繁盛している訳では無さそうだ。

 

 「あっ!瑠璃!来てくれたのね?」

 

 俺がいる事に気がついた鞠莉姉が俺に近づく。

 

 「Aqoursが手伝ってる聞いたから来たよ。お客さんは…あまり来てないみたいだね」

 

 店内を見渡すと、数人いるがあまり儲かっているとは言えない。

 

 「ノープロブレム!問題ないわ!明日もあるし、大丈夫!」

 

 「あははは…」

 

 鞠莉姉の大丈夫は、大体大丈夫じゃないのだが…。

 

 「ほら鞠莉姉、俺は大丈夫だからお客さんの相手しておいで」

 

 「そうさせてもらうわ!」

 

 鞠莉姉は、お客さんの相手に戻った。

 

 俺は鉄板焼きの方にいる、曜に気が付き、近づく。

 

 「よっ」

 

 「瑠璃くん!いらっしゃい!」

 

 いつもの敬礼に笑顔。

 

 相変わらず元気な曜に笑みをこぼす。

 

 「ヨキソバ貰えるか?」

 

 「はいよ!毎度あり!!」

 

 あ、完全に夢中になってるわ。

 

 曜は慣れた手つきでヨキソバを作り出す。

 

 すると。

 

 「クックック」

 

 「ん?」

 

 「こんにちはリトルデーモン」

 

 後ろを見ると、そこには不敵な笑みを浮かべる善子がこちらを見ていた。

 

 今はヨハネモードだから…。

 

 「こんにちは、ヨハネ様」

 

 「ッ!?…あ…挨拶は大事よね、分かってるじゃないリトルデーモン…そんなリトルデーモンには堕天使の涙がオススメよ?」

 

 俺ががヨハネ様と呼んだのに動揺をした様子を見した善子だが、直ぐに建て直し、ヨハネモードを崩さない。

 

 ふむ…堕天使の涙か…。

 

 「それじゃぁ、いただきます」

 

 「ええ…直ぐに持って来るわ!」

 

 その場を勢いよく消えた善子。

 

 「へい!ヨキソバ!ヨーソロー!」

 

 「ん、ありがと」

 

 俺はヨキソバを受け取り、口に運ぶ。

 

 曜は俺の反応が気になるのかニコニコしながらこちらに顔を覗き込んでる。

 

 「ん!?んまい!美味いなこれ!」

 

 味の方はまさに絶品。

 

 美味すぎる。

 

 「へへっ!どんなもんだい!」

 

 夏の暑さと鉄板からの熱で曜はだいぶ汗だくだ。

 

 「やっぱり、曜のメシは美味いな!いい嫁さんになりそうだな」

 

 「ぶふぅ!」

 

 暑さからジョッキで水を飲んでいた曜が吹き出す。

 

 流石にデリカシーなかったか?

 

 「いきなり止めてよ!」

 

 「すまんすまん、そんな怒るなよ」

 

 いつもの調子で俺は、笑いながら許しを乞う。

 

 曜は、まったく…っと一言呟き作業に戻る。

 

 「待たせたわね!リトルデーモン!」

 

 丁度よく、堕天使の涙を持ってきた善子。

 

 出てきたのは…黒いたこ焼き?

 

 「さあ!お食べなさい!」

 

 「い…いただきます…」

 

 とりあえず1つ。

 

 ふむ…。

 

 「ど…どう?」

 

 心配そうにこちらを見る。

 

 「うん、ピリ辛だけど俺には丁度いいよ!」

 

 「!…クックック…そう言うと思ったわ!私は他のリトルデーモンを相手するから、ゆっくり召し上がって」

 

 そう言うと善子は、スキップしながら裏に行く。

 

 善子がいない事を確認し。

 

 「曜」

 

 「はい水」

 

 「ありがとう…辛過ぎない?これ」

 

 俺はあまり辛いのが得意ではない。

 

 だが、善子の心配そうな顔を見てしまうと正直な事が言えない。

 

 「瑠璃くんは年下に甘いよね〜」

 

 「ははは…自覚はあるよ」

 

 俺は善子がいないうちに、水をがぶ飲みしながら堕天使の涙を食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 「何とか終わった…唇痛い」

 

 堕天使の涙を食べ終わり一息。

 

 周りを確認すると、そこそこお客さんも入っている。

 

 そんな中1人の後ろ姿に目を奪われる。

 

 髪が白く体型が水泳選手に近い人がいた。

 

 て言うか、隣にある皿が山のように積まれている。

 

 あの人が食ってそうだけど…よく食うな。

 

 「あの人が食ってんのか?」

 

 すると、白髪の男は立ち上がり俺の所に来る。

 

 え?俺なんかした?

 

 「久々だな瑠璃、覚えてるか?」

 

 いきなり話しかけてきた。

 

 俺は顔を見て記憶を探る。

 

 整った顔立ち…身長は剛さんと同じぐらい…白髪短髪…。

 

 あ。

 

 「え?嘘?もしかして…………和也?」

 

 そう言うと、男はニカッと笑いながら答える。

 

 「久々だな!瑠璃!」

 

 




お久しぶりです。
誕生日ストーリー投稿出来ず、本当にすみませんm(_ _)m

4月になり、今では就活生です。
働きたくないが色々探しています笑
とりあえず、少しづつ更新速度上げますのでまた、よろしくお願いします!!


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35話


よろしくお願いします!


 

 

 

 沢白 和也(さわしろ かずや)。

 

 俺と曜の行っていたスイミングスクールのセンパイだ。

 

 俺らよりも年齢が上で兄の様な存在だった。

 

 だが中学を上がると同時に北海道に引っ越したと聞いたが…。

 

 「久々だな!瑠璃!」

 

 「え?久々だけど…え?」

 

 「ははははっ!その顔が見たかったぜ!」

 

 和也は俺の背中をバシバシ叩きながら笑う。

 

 「痛いから!いや内浦に戻ったの!?」

 

 「いや、今も北海道に住んでるよ?たまたま東京に用事があって、無性に内浦に行きたくなって来ちまったぜ!」

 

 あと先考えずに行動するのは相変わらずらしい。

 

 「まぁ今日と明日の午前中は部活休みだからな!明日の午後に間に合うように帰るけどな」

 

 「あ…そういう事か」

 

 部活の遠征で東京か…やっぱりそこそこの強豪なのか?

 

 あまり全国に行っている学校や選手に興味ないからな、今度調べてみよ。

 

 「部活は水泳?」

 

 「一応ね、これでもエースだからさ」

 

 「マジで!?」

 

 まさかのエースに驚きを隠せない。

 

 確かにスクール時代から速かったのは、今でも覚えている。

 

 すると

 

 「うっそ…和くん?」

 

 「ん?お〜!!久々だな!」

 

 「え〜!久しぶり!いつ内浦に来たの!?いま何してるの!?」

 

 俺の後ろから曜が、和也の存在に気付き興奮する。

 

 「相変わらず元気だな曜!それにしても……えらい可愛くなったな」

 

 「え!?えへへ〜そうかな〜?」

 

 曜は手を後ろに回し、頭をかきながら照れている。

 

 ……なんか俺が前に可愛いって言った時と反応が違い過ぎない?

 

 「曜はいま何してるんだ?水泳か?」

 

 「ううん!今はスクールアイドルやってる!」

 

 「へ〜!スクールアイドルか!俺の知り合いもスクールアイドルやってんだよ!」

 

 「そうなんだ!和くんはいま何してるの?」

 

 「一応水泳やってるよ」

 

 はははっと笑いながら答える和也。

 

 2人のマシンガントークに入るすきがない為、俺はお冷を飲みながら外を見る。

 

 「あ!そうだ瑠璃!」

 

 「ん?」

 

 「近くで水泳出来る所はない?久々に勝負しようよ」

 

 ニヤリと笑いながら俺を見る和也に、俺もついニヤリと笑い返しながら勝負を受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 1124戦1124敗。

 

 これが俺と和也の成績だ。

 

 俺は一度も和也に勝てたことがない。

 

 最初は嫌だったが、徐々に和也の泳ぎに憧れて行ったと同時に負けたくない相手になっていた。

 

 今でも思い出す和也の泳ぎ、性格とは裏腹に、お手本の様な泳ぎ…そして化け物の様な肺活量が和也の武器だった。

 

 その泳ぎ方に白い髪から想像出来たその姿は、白鯨だった。

 

 

 

 

 

 

 

 「いや〜!久々にスクール来たけど変わらないな!」

 

 俺と和也は昔来ていた、スイミングスクールに来ている。

 

 そして現在、着替え中だ。

 

 俺は何回か遊びに来ているため新鮮さはないが、和也に関しては6年ぶりだ。

 

 ついでに曜は、練習が終わったら直ぐに行く!っとの事。

 

 「もう太陽沈むけど曜は来るのか?」

 

 「まぁ、スクールアイドルの練習は大変だから…多分もうすぐ来るんじゃない?」

 

 俺はゴーグルを首に掛け、和也の着替えを待つ。

 

 ……うん、やっぱりオーラはあるな。

 

 泳ぎが速い選手は、何となくだがオーラを感じる。

 

 そのオーラが和也から、感じ取れる。

 

 俺は自動販売機で買った、ヤシの実サイダーを一気飲みし、ゴミに捨てる。

 

 「うし!」

 

 「おっ、気合い入ってんな〜!」

 

 「負けない!」

 

 「!!……楽しみにしてるよ!」

 

 着替え終わった和也は俺の背中を軽く叩き、ニコニコしながらプールに向かう。

 

 俺も和也の後を追うようにプールに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 いやいやいや…。

 

 なんでみんないるんだよ…。

 

 「頑張れ瑠璃く〜ん!!」

 

 「ルーくんファイト〜!」

 

 「お兄ちゃ〜ん!」

 

 「瑠璃〜!頑張るのよ〜!」

 

 応援は有難いけど、9人全員来るなよ…。

 

 俺は曜を睨み、不満オーラをぶつける。

 

 それに気付いた曜は両手を合わせながら、目線を横に移す。

 

 目線をおうと鞠莉姉と目が合う。

 

 なるほど大体予想は着いた、どうせ鞠莉姉が全部漏らしたのだろう。

 

 俺は改めて鞠莉姉に不満オーラをぶつける。

 

 すると…。

 

 「てへぺろ」

 

 いきなり下を出しウィンクする。

 

 なんだそれ、可愛いかよ。

 

 俺はため息を吐きアップに入る。

 

 「やっぱりスクールアイドルって美女揃いだな…サバサバにお嬢様、お転婆、元気っ子、真面目、男勝り、妹、お団子、文学少女って所か?」

 

 やべぇ!全部あってやがる!?

 

 「うちのスクールアイドルは、ツンデレと看板娘だからな〜」

 

 そう言えば北海道のスクールアイドルと関わりあるみたいだな。

 

 「なんて名前なの?」

 

 「ん?あ〜確か…Saint Snowだったかな?」

 

 「へ〜カッコいいグループ名だね、善子当たりが喜びそうだ」

 

 Saint Snow…。うん、後で千歌に聞いてみるか。

 

 さてと、俺はアップを終わらせ立ち上がる。

 

 「いつでもいいよ」

 

 そう言うと和也はスマホで何かを操作し、俺に見せる。

 

 「このアプリでスタートを押して、30秒後に用意って言ってから、ランダムに笛がなるから気をつけて、100mのフリーでいいか?」

 

 俺は頷き、集中に入る。

 

 そんな俺の姿を見た和也は、またもニヤリと笑いながら。

 

 「うし!そんじゃ……スタートしようか」

 

 「ッ!?」

 

 いきなりだった。

 

 和也の笑顔が消え雰囲気が変わる。

 

 マジ集中だ。

 

 俺の心臓の鼓動が一段上がる。

 

 俺はスタート台の前に立ち、いつものルーティンをする。

 

 スタート台をタオルで拭き、スタート台に立ち、ゴーグルの紐をパチンっと鳴らし、位置に着く。

 

 <用意>

 

 機会音がなる。

 

 プールに静寂が走る。

 

 そして!

 

 <ピッ!!>

 

 笛と同時に俺と和也はプールへ飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 <用意>

 

 機械音がなる。

 

 それと同時に静寂が包む。

 

 こんにちは、渡辺 曜です。

 

 和くんと瑠璃くんの久々の勝負。

 

 昔は私も勝負に混じっていたけど、今じゃきっと手も足も出ないだろう。

 

 すると次の瞬間。

 

 <ピッ!!>

 

 スタートの合図と同時に和くんと瑠璃くんが飛び込む。

 

 どちらも完璧なタイミングからの着水。

 

 そして5m付近で泳ぎ出す。

 

 お互い同じぐらいだ。

 

 だけど、泳ぎ方がまるで正反対。

 

 瑠璃くんは荒々しく誰も寄せつけないタイプ、和くんは静かに人を魅了するタイプ。

 

 どちらも性格とは反対の泳ぎ方だ。

 

 そして25mが過ぎた辺りで差が出始める。

 

 「ルーくん凄い!前に出てる!」

 

 何と瑠璃くんが前に出たのだ。

 

 実際、今日の瑠璃くんの泳ぎはいつもより速い気がする。

 

 あの決勝戦よりも速いと感じる位だ。

 

 瑠璃くんの初の1勝。

 

 私は無我夢中に声を出した。

 

 「頑張れ!瑠璃くん!!」

 

 だが次の瞬間。

 

 和くんが水面から息継ぎで顔を出し、大きく息をすい始めた。

 

 そして顔を水中に戻し、加速する。

 

 瑠璃くんも、それに気が付いたのか加速する。

 

 だが先に50mターンに入ったのは、和くん。

 

 数秒後に瑠璃くんがターンに入り、更に加速する。

 

 だが追いつかない。

 

 和くんと瑠璃くんの差はもう5m位だろうか。

 

 瑠璃くんは必死に加速する。

 

 だが、呆気なく和くんが先に壁に触れて、数秒後に瑠璃くんが壁に触れる。

 

 この勝負は、和くんの勝ちとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…ふ〜」

 

 負けた。

 

 まだまだ上には上がいるって事か。

 

 俺は和也を見て負けを認めようとした瞬間だった。

 

 「なんだ?その泳ぎ?」

 

 え?

 

 和也とは、思えない冷たい声が聞こえた。

 

 「はぁ〜…ガッカリだよ…俺を楽しませてくれると思って期待したのに…瑠璃、結局お前も無理だったか」

 

 和也は、俺と目を合わせずにプールから上がる。

 

 え?なに?どういう事?

 

 「はぁ…俺はさ…中学から全国に出場しては優勝…出場しては優勝…そのせいからなのか、何だか周りが競わなくなったんだよね」

 

 和也は頭をかきながらはははっと笑う。

 

 だが、その目は笑っていなかった。

 

 「はぁ…もういいわ…帰る」

 

 「え?ちょっと!?」

 

 俺は直ぐにプールから上がり、和也の手を掴む。

 

 俺はいきなりの変わりように驚きを隠せないでいた。

 

 「……それじゃぁ、全国にも通用しない」

 

 ハッキリと言われた。

 

 通用しない。

 

 そう言われたことに悔しい気持ちで、いっぱいだった。

 

 「俺が言うのも何だが…最初の気持ちどこいったんだ?」

 





こんにちは!カイザウルスです!
とりあえず、和也くんのプロフィールを載せます!


沢白 和也(さわしろ かずや)

函館聖泉男子学園高等学校3年

183cm 75kg

部活 水泳部

種目 自由形(フリー) 個人メドレー

趣味 雑誌鑑賞(アニメ・グラビアなど)

特技 料理

好きな物 雪

嫌いな物 諦める人

容姿 短髪に真っ白な髪で真っ白な肌を持つ好青年。
いつも笑顔を絶やさなかったが、現在は目が鋭く、あまり笑わなくなった。


性格 昔は面倒見がよく、冗談をよく言うが優しい性格だった。しかし、大会で優勝するに連れ、徐々に優しさが失って行った。
面倒見がいいのは今でもあまり変わらない。




オリキャラ出してしまいすみませんm(_ _)m

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36話


お久しぶりです!
よろしくお願いします!


 

 

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 和也との事があった次の日の朝。

 

 いつも通りの時間帯に起きて部活の準備に取り掛かるが、何だか体が重い。

 

 久々のこの感覚。

 

 「…は〜…部活行きたくね〜」

 

 部活が嫌だから行きたくないとか、練習が嫌だからという訳では無い。

 

 ただただ部活に行くのが面倒臭い。

 

 とりあえず自分に喝をいれて、ジャージに着替え、俺は部活へ足を動かした。

 

 

 

 

 

 

 

 はずだったのだが。

 

 「瑠璃!!集中しろ!!それで全国行くつもりか!?」

 

 「は…はい!!すみません!!」

 

 あまり集中出来ていない。

 

 俺はプールから上がり、15分休憩でベンチに座り込む。

 

 頭の中では、和也の言った最初の気持ちっと言う言葉がグルグル回っている。

 

 気持ちと言うことはメンタル面での話だろうか?

 

 すると

 

 「大丈夫か?」

 

 「え?あ〜剛さん…お疲れ様です15分ですか?」

 

 「ああ」

 

 剛さんは隣に座る。

 

 「どうしたんだ?いつものクロールではなかったな」

 

 「…やっぱりそうですか? 」

 

 「気づいたのは翔太だけどな」

 

 「望月センパイが?」

 

 俺はプールサイドを歩いている望月センパイを見る、すると視線に気がついたのかこちらに手を振る。

 

 一応、頭を下げておこう。

 

 何気あの人周りをよく見るよな。

 

 「それでどした?」

 

 「…実はですね」

 

 俺はことの経緯を全て話した。

 

 剛さんは、黙って頷きながら静かに聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「という事なんです」

 

 「……まず沢白 和也の話を聞いた時は驚いたな」

 

 やはり知っていたか。

 

 和也に負けた日にインターネットで和也の事を調べたら、個人メドレーで優勝にフリーで優勝とかなりの成績を残していた為、和也を知らない人は中々いないそうだ。

 

 「剛さんは泳いでる時は何を考えてますか?」

 

 「……難しい質問だな、さっき話した最初の気持ちって奴だろ?」

 

 「はい…ずっと頭の中に引っかかって分からないんですよね」

 

 「ん〜」

 

 頭を捻り考える剛さん。

 

 すると答えを見つけたようで口を開こうとするが。

 

 「逆に聞いていいか?瑠璃は何を考えながら泳いでる?」

 

 出てきたのは答えではなく、質問だった。

 

 「いまですか?相手を抜かす…それか抜かれないようにと……あと…」

 

 「…あと?」

 

 「いえ!何でもないです」

 

 「そうか…」

 

 危ない危ない…これを言うのは恥ずかしいからな、伏せておこう。

 

 すると、1人で勝手に納得する剛さん。

 

 え?何?教えて欲しいのだが。

 

 「まず…最初にお前の抜かす抜かされないって言う気持ちも大事な事だが、それだけでは全国に出ても最初の予選で落ちる」

 

 珍しく饒舌に説明する剛さんに驚く。

 

 水泳の事になるとやっぱり、人は変わるんだな。

 

 「その最初の気持ちは水泳選手だったら1度は感じるものだが、長く続けば続く程無意識に無くなるものだ」

 

 「……」

 

 何となくだが見えてきた。

 

 確かに水泳を始めたばかりの頃は、〝それ〟しか考えて無かった。

 

 「ありがとうございます。何となくですがわかりました」

 

 「ん…それならよかった」

 

 それ以上は聞かずに剛さんはその場をさりプールに戻る。

 

 結局俺は悩む羽目になった。

 

 何故なら俺には〝それ〟を思う事が出来ないと言う事が既に理解しているからだ。

 

 

 





直ぐに次の話を投稿します(*`・ω・)ゞ


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37話


よろしくお願いします!


 

 

 

 次の日の朝。

 

 と言っても外はまだ薄暗い。

  

 「うし!」

 

 いつもの浦男水泳部のジャージに腕を通し、俺は軽く地面を蹴り走り出す。

 

 どうも、黒澤瑠璃です。

 

 俺はとにかく走った。

 

 大好きな内浦の海の匂いを堪能する間もなく走った。

 

 内心ではわかっているんだ。

 

 どうしたら〝それ〟に…いや、水泳を〝楽しい〟と思う事ができるのかを。

 

 どんなスポーツでも勝ち負けは大事だが、1番大事なのはそのスポーツが楽しいかどうかだ。

 

 そう考えると俺が毎日のように水泳が楽しかった時期は小学生の頃だ。

 

 最初は泳げなかったが、どんどん泳げるようになるにつれて楽しくなって来たんだ。

 

 それと同時に家族が褒めて笑ってくれた。

 

 あまり笑わない親父でさえも、よく頭を撫で笑ってくれたのを今でも覚えている。

 

 「くっ!」

 

 そうだ親父だ。

 

 親父が俺の水泳で笑うことなくなってからだ。

 

 水泳があまり楽しくなくなったのは。

 

 どうすればいいんだよ。

 

 親父との問題を解決するか?

 

 無理だ。

 

 親父は俺の事をもう眼中に無いだろう。

 

 「どうすりゃいいんだよ〜!!…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 どれくらい走っただろうか、無我夢中で走った為時間なんて考えてない。

 

 気がついたら砂浜にいた。

 

 俺はその場に座り込み、海を見る。

 

 「瑠璃くん?」

 

 「ビギャ!?え?え?……曜」

 

 突然話しかけられた為驚く。

 

 声の主はまさかの曜だった。

 

 何でこんな夜中に曜が海にいるんだ?確か夏合宿で千歌の家にいるのでは…。

 

 「何で曜がいるんだ?」

 

 「いや〜!千歌ちゃんと梨子ちゃんが外に出たから、追いかけようと思って見失っちゃった!」

 

 「千歌と桜内が?…ああ、そう言う事か」

 

 もしかしてだが、桜内は千歌に話すんじゃないかな。

 

 「瑠璃くんは何かあったの?」

 

 「…ちょっとな……和也に負けてから考え事が増えてな」

 

 「和くんに?」

 

 俺はことの経緯を全て曜に話した。

 

 全国で勝てないと言われた事、俺には〝楽しい〟気持ちが持てないその理由も。

 

 曜は何処か寂しそうにその事を黙って聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 「そっか…お父さんが」

 

 「ああ」

 

 久々に心が沈んでる事が自分でもわかった。

 

 まさか曜の前でこうなるとは…。

 

 「確かに…今思うと瑠璃くんは水泳の事で余り笑わなくなったね。見ててそう思うかな」

 

 曜は淡々と説明する。

 

 「けど楽しくないって言うのはわかるな…私もそうだったし」

 

 「え?そうなのか?」

 

 「うん!」

 

 曜の事はわかっているつもりだったが…俺もまだまだだな。

 

 だったという事は、もう克服しているのだろう。

 

 「最初は千歌ちゃんに見て欲しくて頑張ってたんだけど…どんどん千歌ちゃんが来なくなっちゃったから、あの時は楽しくなかったかな」

 

 小さい頃からの幼馴染だから、自分が活躍する所を見て欲しいという事だろう。

 

 「けど私を変えてくれた人がいるんだ!」

 

 「変えた?和也か?」

 

 「ううん」

 

 曜は俺の言った事を否定し、ゆっくり指を俺に向けた。

 

 そしてニヤリと笑いながら。

 

 「瑠璃くんだよ。私を変えてくれたのは」

 

 「……俺?」

 

 「うん!当時は毎日毎日楽しそうに泳ぐ瑠璃くんが少し恨めしいと思う反面、凄くカッコいいって思ったよ」

 

 曜はその場から立ち上がり海の方に向かった。

 

 俺も立ち上がり曜の後を追う。

 

 「それから何だか自然に、楽しいって思うきっかけが、千歌ちゃんから瑠璃くんに変わったんだ!」

 

 「……」

 

 曜はくるっと急転換し、俺の顔を覗き込むながら笑う。

 

 俺もつい釣られて笑顔になる。

 

 「だから瑠璃くんもお父さんに認めてもらうって言うのを最終目標にして、別のきっかけを探すのはどうかな?」

 

 的確な答えに俺は少し驚いている。

 

 なるほど…別のきっかけ…。

 

 別の楽しいって思うきっかけ。

 

 『イケー!瑠璃くん!』

 

 『頑張れ〜!!』

 

 『おめでとう!超速かったね!』

 

 頭に出てくるのが曜の声ばかりだ。

 

 そうか、俺は曜の応援凄い好きだったんだ。

 

 「うん、ありがと曜…何とかなりそうだわ」

 

 「えへへ、それなら良かった!…ん?わぁ!日の出だ!」

 

 俺は曜が視線を送っている日の出を見る。

 

 綺麗な日の出だ。

 

 自分の問題も解決したからなのか、清々しい気分だ。

 

 今なら内浦の海の匂いもめいいっぱい堪能出来る。

 

 「ありがとな曜…曜のおか……げ」

 

 日の出を楽しそうに見る曜。

 

 周りがスローモーションの映像になったかのようにゆっくりになる。

 

 そんな俺は不覚にも曜が綺麗に見え、一瞬見惚れていた。

 

 「ん?なに瑠璃くん?」

 

 ドキッと心臓が跳ねた。

 

 俺はつい目を逸らし顔を隠す。

 

 「何でもない」

 

 「ん?そう?それじゃ…私は千歌ちゃん家に帰ろうかな!」

 

 「そ…そうか…気を付けろよ」

 

 顔を見られてないから大丈夫だろう。

 

 今の俺はもしかしたら、日の出よりも赤いのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ただいま」

 

 「おかえりなさい!お風呂溜まってるわよ」

 

 家に帰ると母さんが朝ごはんの支度をしている。

 

 おかずを見ると3人分だ。

 

 俺と母さんと親父の分だろう。

 

 「ご飯どうする?お父さんいるし…お部屋で食べる?」

 

 気をつかってくれている母さん。

 

 だけどもう昔の俺じゃない。

 

 「ううん、母さん達といっしょに食べるよ。いつもありがとう」

 

 「!……ううん!それならいいのよ!」

 

 俺は着替えるために脱衣場に向かう途中、母さんに頼む事を思い出した。

 

 曜と話をしたあとの帰りに思いついた事だ。

 

 「母さん、後でお願いがあるんだけどいいかな?」

 

 「?ええ…大丈夫よ」

 

 気持ちを切り替える為にあるお願いをした。

 

 

 

 

 

 

 

 ヨーソロー!渡辺曜であります!

 

 スクールアイドルAqoursの練習の真っ最中です!

 

 「水分補給忘れないでね?」

 

 「あ、ありがとう梨子ちゃん」

 

 梨子ちゃんは、後ろから飲み物を渡してくれた。

 

 梨子ちゃんは今回のラブライブ予選に参加出来ない事が今日の朝わかった。

 

 どうやらピアノのコンクールと重なってしまい、皆に言いずらかったのだと思う。

 

 そんな中、千歌ちゃんがそれに気付き後押しをしたのだろう。

 

 「曜ちゃんもゴメンね…相談出来なくて…」

 

 「え?ううん!気にしないでよ!」

 

 私は梨子ちゃんから貰った飲み物を飲む。

 

 すると遠くから声が聞こえた。

 

 声の方を見ると。

 

 「しっかり声出せ!!よーいドン!」

 

 「「「「しゃー!!」」」」

 

 砂浜で走る男子達だ。

 

 全員、背中には水泳部と書かれたシャツを来ている。

 

 「浦男の水泳部だ」

 

 「え?…凄い気合いね」

 

 「もうすぐで全国大会だからね、部員一同気合いが入るんだよ」

 

 私は自然に瑠璃くんを探していた。

 

 けど…あれ?瑠璃くんが見当たらない?

 

 剛センパイは見つけたんだけど…。

 

 「声が足らないですよ!!気合いいれていきましょう!!」

 

 「「「しゃーー!!」」」

 

 瑠璃くんが鼓舞してる声がする。

 

 何処だろう…。

 

 すると、1人の部員がこちらに近づいてきた。

 

 ……あれ?瑠璃くん!?

 

 「お疲れ曜、Aqoursも練習か…暑い中お互い大変だな」

 

 「お…お疲れ様…どうしたの?その髪」

 

 そこに居たのは、少し長めの髪をバッサリと切った瑠璃くんだった。

 

 「少し気持ちの切り替えと自分に喝を入れる為にな……どうだ?似合うか?母さんにやってもらってな」

 

 子供のような笑顔をしながらと頬をかく瑠璃くん。

 

 少し幼さが出たように見えるが凄くカッコいい

 

 「か…カッコいい!!…と思うよ」

 

 「そ…そうか?曜に言われると嬉しいな」

 

 何だか少し気まずい雰囲気が流れる。

 

 隣にいた梨子ちゃんはいつの間にか消えてるし!

 

 え〜と…何か話題を…。

 

 「…親父に認めてもらうのはやっぱり、諦めきれないんだよ。けど曜の言う通りきっかけは、変えたよ」

 

 瑠璃くんが口を開き始める。

 

 「俺さ曜の応援が好きだ」

 

 「…………………………ええ!?」

 

 いきなりの告白に驚きを隠せない。

 

 けど…それで瑠璃くんの悩みが取れたなら嬉しいな。

 

 「これからもさ…俺の事を応援してくれるか?」

 

 「うん!もちろん!」

 

 「ありがと!さてと俺は練習に戻るよ、練習頑張れよ」

 

 瑠璃くんはその場を走ってさって行った。

 

 私の顔はいまとてつもなく熱い。

 

 可能であれば海に飛び込んで冷やしたいくらいだ。

 

 しかし、走り去って行く瑠璃くんも、耳が少し赤かったのはきっと、気の所為だろう。

 

 私は自分にそう言い聞かせ、Aqoursの練習を再開した。

 

 





お久しぶりです!カイザウルスです!

とりあえず何とか仕事の内定を頂いた為、一段落しました!後は卒業あるのみ!!
少しずつ更新スピードを上げていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m


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