艦これ~案内人提督になる~ (楽一)
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プロローグ

やっちまったぜ。まだどれも完結していないのに増えていく未完結の作品だらけ。
早いとこ執筆しないと・・・・・
でも艦これ最高!そして膨らむ妄想!これをいかに発散するかはやはりこれが一番だと思う!


 西暦20××年

 突如として世界の海に現れた謎の生命体。彼ら、いや彼女らは人形を模しているものの、その圧倒的な戦力、物量をもって世界の海を次々と飲み込んでいった。

 かくいう日本の海もその脅威に常に脅かされていた。

 この事態を重く見た日本政府は自衛隊、在日米軍等を使い討伐令を下した。また、現状の自衛隊では対処の遅れが目立ったことにより、憲法を改正。日本国防軍(陸海空それぞれの自衛隊をもとに編成。防衛省を解体し陸海空それぞれの軍省)を設立。対応の速度を見直し対処した。

 が、その圧倒的な戦力は当時最先端の技術を持った米軍、量を持った中国軍、質を使った自日本国防軍ですら歯が立たなかった。

 その敵の名は深海棲艦。武装は最先端とは言えないものの、こちら側、つまり人間側の攻撃を無力化する能力を持ち、武装の種類と、機動性、大きさなどにより人間側の兵力を上回っていた。

 

 

 しかし、そんなあるときに一筋の光が差し込んだ。

 

 艦娘。

 

 第二次世界大戦前から終戦にかけてまで活躍した世界各国の海軍の艦名を受け継いだ少女が登場したのだ。

 その少女の保有する、またこれも当時彼女たちの兵器は唯一無二として深海棲姫に有効と分かり、世界は次第に反攻に打って出た。

 

 

 

葵「・・・・・で、なんだ? この小説風の報告書は?」

 

 ここは私がいる世界。騎士世界の地球、AKU本部が置かれている鈴宮市。現在私は管理局の業務を離れ騎士団の総帥としての職務に当たっていた。

 

 そして目の前にいるのは地上部隊総督如月京と、海上部隊総督水無月翡翠だ。

 

京「この地球に関してお前はどういう状況下におかれているかを知っているか?」

 

葵「は? この報告書通りじゃないのか? それにこの場合内政干渉だろ」

 

 騎士団は無論、現在では管理局においても厳しくその辺は法を作り一線を引いている。

 

翡「まぁ、そう思うのも仕方ないわね。ただし「【不の物】か?」ご明察」

 

 その法律にも例外はある。その一つが【不の者】である。

だが、おかしい。【不の者】に関しての報告ならそうだが、この報告書に関しては深海棲艦の情報しかない。ましてや、

 

葵「深海棲艦だったか? こちら側と一切接点がないようにも見えるが? ましてや【不の者】がでていない」

 

京「それに関しては新しい報告書が上がってきた。これだ」

 

葵「?」

 

 そういわれ手渡された報告書を受け取り、続きを見てみると、

 

 

 

 

 

 この状態を重く見た国連は、艦娘の確認を多くしている、日米英独伊仏を中心とした海軍、つまり人間側の連合軍(以降人類軍)はこの少女たちの力を使用し深海側の軍(以降深海軍)との戦いにおいて反攻策戦に打って出て次第に勢力を戻していった。

 が、ある一定時期を境に力が拮抗し始め、互いに膠着状態が続きていた。

 そんな時第三勢力が加わった。その勢力によってこの地球において勢力が三分化し、深海軍、人類軍もその対応に追われた。

 制海権においてもどの勢力が確保することもできず膠着状態が保たれていた。

 

 

 

 

 

葵「この膠着状態をさらに悪化させた第三勢力というのが」

 

翡翠「あたり。【不の者】ってわけ」

 

京「そこでこいつらがどうしてこの世界に出たかという理由においての前説明だが」

 【不の者】のにおいては恐らく、ミッドにおける零始戦争の際に逃げた残党がこの世界に逃げ込んだ可能性が大である。また、ISの世界で発見されたが、元の世界、つまりこちら側の世界のもいる可能性が出てきたのである。

 

翡翠「つぎにこの世界のことについても触れておくわね。京お願い」

 

そういって京は深海軍と艦娘の艦種に関して資料を取り出した。

 

 大雑把に説明するならばどちらも大まかには一緒であり、戦艦系、空母系、重巡系、軽巡系、駆逐系、潜水系といったものに分類されていた。

 

葵「大戦時に逆戻りした感じだな」

 

翡翠「さらにいうのであればイージス艦やミサイル搭載艦などといったものははっきり言って皆無といっていい」

 

葵「人型の海上戦闘要員が出てきたためか?」

 

 単純に考えてほしい。海を自由自在に走れ、速度も破壊力も自分たち、つまり現存の艦隊と同じぐらい。ならどちらが優勢に出るか。小さければ小さいほど的を絞るのは難しい。かつ、自分たちは図体のでかい軍艦。相手にとってみれば都合のいい的だ。結果、最新鋭イージス艦とはいえ、戦場では図体のでかいただの的扱いだ。

 

京「日本でも海軍、海上自衛隊はほぼ護衛艦を放棄。といっても修復が不可能に等しい艦だけだけど。残したイージス艦や、空母も輸送任務の護衛任務のおまけだ。その任務でさえ今は危うい」

 

 つまり、海上自衛隊は艦娘によって力を保っているわけか。

 

葵「陸と空は?」

 

翡翠「陸軍は海岸警備、空軍も同様だ。何せ戦闘機においては大規模海上輸送できる空母が出撃できないのだから遠洋任務、それに伴う航空支援は無理だろ」

 

 そういってキセルから口を話したまっていた煙を吐き出す。

 

京「陸軍も同様だ。大型輸送機なら不可能ではないが海の比ではない。さらに揚陸艦も護衛がいなければただの的だ」

 

 結果何が何でもシーレーンの奪還がなされなければならないか。

 

葵「なら聞く。現状は?」

 

 私がそういうと、二人とも目をこれでもかというぐらい開いていた。

 

京「ど、どういう意味だ?」

 

葵「いや、今ので大まかに分かった」

 

翡翠「ほぉ、言うじゃないか。ちなみに予想を聞かせてもらってもいいかい?」

 

 理由は簡単だ。まず私が管理局に出向している間は、familysに一任している。つまりこれは事前報告ではなく、京と翡翠、そして龍牙を含めた11人で判断したもの、つまり事後報告になるというわけだ。

 

翡翠「さすがね。それでこそ総帥」

 

 安心したのか、はたまた当然といったかのような表情をした彼女と。

 

京「いやはや、参った、参った」

 

 そういって今日は降参といい、説明を再開させた。

 

京「現状では三極状態といったが実際は人類軍が反攻作戦を再開させた」

 

葵「理由はこちらが手を差し伸べたのか?」

 

京「あぁ、実は―――」

 

 そこからの説明はこうだ。

 

 こちら側、つまり騎士団がこの戦いに賛成する理由は、主に【不の者】の出現によりこちらの原因が出てきた。艦娘の攻撃は確かに深海軍に対し、現状戦力(イージス艦や戦闘機などの攻撃)では通じなかった攻撃も与えるようにはなった。が、それが、【不の者】に対しては別だった。傷はつけられるものの撃破には至らない程度しか与えられないのだ。

 

 そのため騎士団が技術、といっても弾丸や砲弾などの軍需供給を行う条約をあちら側の日本と結んだ。(騎日軍需供給並びに技術供給条約:略称―騎日軍需条約)

 

 それを行うことで優勢に出始めた日本。だが、ここであることが視察に向かった騎士の目に留まった。

 

葵「深海棲艦化?」

 

 艦娘は撃沈、ようは殺されたりすれば怨念や悔いつまるところの後悔などが原因で深海棲艦になるケースが生まれた。それを阻止防止するために、騎士団は日本政府に対し条約締結時に艦娘を人類と平等に扱うという条件を明記させたのである。だが、その視察の際それに抵触するケースがあるということ、つまり、

 

葵「条約違反?」

 

翡翠「そう。艦娘と言われても彼女たちも要は人と同じように感情もあり、血も流れる。生存もすれば逆に死にもする。そのためにこの条約締結をきっかけに絶対に反攻作戦に出るのは目に見えていたのよ」

 

 結果過労させることもある。それは彼女たちを人として、生きとし生ける者とみていないということだ。彼女たちの死を何とも思わないとなると、彼女たちの死にも悲しまない。となれば、

 

葵「再び彼女たちが深海棲艦になる可能性もある」

 

 それだけでなく深海棲艦の根本は艦娘であり、沈んでいった船の怨念や、恨みといった負の意思だ。となれば、深海棲艦の増殖にもなれば、同時に【不の者】の増殖にもつながる。結果今は優勢に出ている人類軍だが、人類軍以外の勢力が拡大する可能性が出てきているのだ。

 

翡翠「条約第一条、艦娘と人類の平等。武器供給に当たってこれを絶対厳守を言い渡したってわけ。また罰則として与えたすべての武器、弾薬、知識、設計図を没収。並びにこれを大義名分とし艦娘すべてを騎士団の一員としたんだが」

 

 だが、それを守れていない。

 

京「そのため戦力増強と、そちらの制海権奪還のために出向という名目で俺たち三人を向かわせるという判断が出たわけだ」

 

葵「ちなみにだ。エクスとルミルは長期メンテナンス中だ」

 

京「つまり今回はお前の素の魔法のみしか使用できないというわけか」

 

葵「そうなるな。なるほどな。ちなみにこちらかの援助は?」

 

京「内密にだが、すでに宇宙(そら)は制圧した。龍牙と竜也をはじめ月面基地創設と、コロニーの何基かを派遣、そしてもらう予定の鎮守府にもすでに地下基地、海底基地を建造している。向かうごろには完了できるし、第二、六、十連合艦隊はいつでも出撃は可能だ」

 

葵「なるほど。では向かうとしようか」

 そういって我等三人は騎士団の制服を身にまとい艦娘、艦これの世界に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葵「あと、これは・・・・・なのはたちには?」

 

京・翡翠「「あ・・・・・」」

 

葵「え?!」

 

京「ま、まぁ彼女たちが来たらま、まずいんじゃないか?」

 

翡翠「だ、だな。あ、あっちには艦娘、つまり女性しかいないし」

 

葵「!? おい、まさか、私たちの役職はそれを指揮するのか!?」

 

京「な、何とかなるだろ・・・・・たぶん」

 

翡翠「そ、そうね。それにこれは戦争よ? 彼女たちに見せるべきではないわ」

 

 そうは言うが、彼女たちのほうが戦争より怖いんだよ。うん。

 

 そういって冷や汗をだらだら流しながら我等は向かった。

 

 

 

 締まらんな・・・・

 

 

 

 



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第一話

プロローグから結構時間がたってた。
書き終えたはいいが結構多文に矛盾点が多いと思いますが、気にしないでいただけると幸いです。
ではどうぞ!


 

第一話

 

 

葵「現状日本の正式国名は?」

 

京「大日本皇国だ。そして自衛隊も正式に軍となった」

 

葵「ほぉ。で、トップは防衛相か、首相か?」

 

翡翠「表向きはね。軍事関係は九重元老院がメインね」

 

葵「管理局でいう三提督か?」

 

翡翠「たとえじゃなくまんまそれよ。いい人たち、とでもいいべきか、よく時世を判断できる人たちよ。陸海空の総帥、元帥、副元帥が一堂に会する会議の別称よ。まぁその人たちですら下の把握は難しいみたいよ」

 

 よくよく聞くと、海軍のほうは提督、つまり艦娘たちを指揮する司令官が不足しており、志願制を導入。数は確保できても彼女たち目当てというものもいたりして、結構ざるのところがあるらしい。まぁ今では減少に至るらしいが。

 

京「ついたみたいだな」

 

 目の前にあるのは木製で重工かつ、装飾鮮やかな扉。それを開ける音もまた緊張感を生むが、なんともあの方々を前にするよりかははるかに楽だ。

 

 

SIDE九重元老院 海軍総帥高野五十六

 

 

 広い大会議室ぐらいの部屋に円卓が置かれ、九人の陸海空の上位三人が座っていた。そして、一人がしきりに上座のほうと、出入り口、周りを見渡していた。

彼の名前は高野五十六。現在海軍総帥の座に座るもの。事実海軍大臣といっても過言ではない。

隣にいる歴戦の雄は、あごひげをしきりに触っている老人が元帥の高杉英作。 そしてもう一人隣に座るが、副元帥の大石蔵良。

 

五十六(今回はなぜか久しぶり元老院が開かれるといわれてきたが、珍しく三部(陸海空)とも緊張しておる。なんでも日騎条約に従ってあちら側の人間をこちらに出向させるとのことらしいが・・・・。まぁ要因はもう一つあるのだろうが・・・・)

 

 そういって一席だけ天幕が下ろされ姿が見えんようにできている重厚なつくりの席をちらほら見る五十六。

 

五十六(あの方が来られるほどの者か)

 そうみていると、ついにその時が来た。重厚な音を立て扉が開かれると、そこに立っていたのはまだ成人したてのようにも見える男女。

 しかし、見た目に反し彼らが反するオーラは幾戦の戦場を駆け抜けてきた戦士であった。

 

五十六(若いのにもかかわらずなんという雰囲気を出すのだ。他の奴らも若干圧されておる)

 

 そういう彼も若干苦虫を噛み潰したような顔をした。

 

神無月「お初にお目にかかる。全騎士連合から派遣された神無月葵だ」

 

如月「右に同じく、如月京だ」

 

水無月「同じく水無月翡翠よ」

 

五十六(向こうは向こうで余裕綽々だな。あの女性将校なんか煙管なんか吸うほどか)

 

 そして三人は自己紹介が終了すると、空いていた席に座る。

 

五十六「さて、そちらも自己紹介したことだし、こちらもするか」

 

 そういって海軍側、つまり高野、高杉、大石がしたのち、空軍側も行い始めた。

 

三ツ田「三ツ田元、階級は総帥だ」

 

 白髪に黒髪がまだいくつか混じった髪の男性、さらにその両隣となりも海陸よりもまだいくつか若い男性がついていた。

 

大西「大西良治だ。元帥をしている」

 

東「東(あずま)正明じゃ。階級副元帥」

 

 そして陸軍は体もよい締まりようだった。

 

大高「大高弥三郎と申します。陸軍総帥を務めております」

 

桂「桂虎五郎。元帥」

 

熊谷「熊谷直。副元帥だ」

 

 そして、五十六が口を開きはじめた。

 

五十六「さて、そちらの情報部にお渡しした資料のように現在こちらの日欧米を中心とした連合国軍は現在深海棲艦に制海権を奪われ、シーレーンは完全に崩壊しております」

 

 そしてなぜそのようなことになったかの説明をし始めた。

 

神無月「では、現存する陸海空の艦娘を除く戦力は?」

 

大高「・・・・・うむ」

 

 そういってそれぞれの総帥連中は大きく溜息を吐いた。

 

三ツ田「神無月殿。一つお伺いしたい。貴殿は情報で海軍がほぼ現代戦力を放棄したというのはご存知か?」

 

神無月「はい。深海棲艦の小回りでは艦艇は役に立たないためと」

 

 そしてそれに返答したのが以外にも空軍、陸軍であった。

 

大西「現存する戦力は貴殿らが思っているよりもずっと退化している」

 

如月「退化? 進化ではなく?」

 

桂「弱みをあまり教えたくなかったのだが、直接こられてしまっては仕方がないので口を開くがGPSつまり、各国の軍事衛星も第三勢力が現れたと同時に破壊された」

 

 その衝撃的な情報に三人も驚いていた。

 

如月「なぜそのような情報を黙っていた!?」

 

神無月「空軍は・・・では」

 

東「あぁ米国側もF-22は無論、こちらのADTも飛ばない。同然ドローンなどもだ。時代もレシプロ機、もしくはジェット戦闘機に突入したときの時代物になってしまった」

 

大西「ミサイルも熱源センサー等はまだ使えるが、衛星を利用した装置は使い物にならないため無線式、しかも距離はそんなに離れられない。不幸中の幸いは弾丸やエンジンは第二次大戦中と比べればはるかに優れているがな」

 

神無月「(それでも圧倒的に落ちる。つまりイージス艦もトマホーク、VLSの使用ができなくなっている。図体のでかい駆逐艦というわけか・・・・)陸軍は?」

 

大高「二軍と比べればまだかわいいほうです。単純にレーダー機能のみにはなりますが、それ以外は質を落とさなくて済みました。だが、目を潰されたことには変わりない」

 

 全軍ともに近代戦の放棄を止む得なくされたということになった。

 

五十六「それだけではない」

 

神無月「どういう意味です?」

 

五十六「深海側か、第三側かはわからないが、あなた方は種子島をご存知ですな?」

 

 種子島。つまりJAXAの宇宙センターである。

 

神無月「なるほど。そこからの攻撃か」

 

五十六「海側は――な。だが、各国もバカではない。内陸部、日本なら群馬、長野に新たに建築したが、航空爆撃機、さらには大気圏を突破前に確実に破壊される。施設自体はどこも健在だが、新たな目を作ろうにもあっけなく破壊される」

 

 そのため現在戦力でどうにかするしかないというわけだ。

 

 

SIDEOUT

 

 

 思っていたよりも状態が悪化していることに思わず驚いた。海上戦力は想像通りだったが、まさか衛星まで使えないとは。

 

葵「(イージス艦は無論、航空戦力も無駄、それどころか陸上の対空兵器も無意味か)京」

 

京「あぁ。話は分かった。で、実際俺たちはどこへ派遣されるんだ?」

 

 そういって高野は席を立ち、日本領の地図を広げた。

 

高野「まず、北、南、南西を守っていただきたい」

 

翡翠「北? 北海道かい。でもあそこは「単冠だ」はぁ!?」

 

京「まて、単冠はたしか北方四島だろ!? あそこはロシアが占拠しているのじゃ・・・・まさか」

 

大高「その通り。ロシアが海を放棄した。もともと海上戦力が豊かとはいいがたい国だ。それに加えて深海棲艦と第三勢力の圧倒的な戦力差ともなれば千島と北方四島なんぞ放棄して保身に走ったわけだ。こんな形で日ロ平和条約が締結されるとはな」

 

 馬鹿か。だがこちらから見ればありがたい話だ。

 

京「わかった。単冠には俺が行こう」

 

翡翠「じゃあ西には私か行きましょ」

 

 となると残された南か。

 

三ツ田「ちなみにだが、お前らあっちでは階級は何だったんだ?」

 

 一応私が准将、二人が大佐として置いた。

 

高野「うむ。まだ間に合うが、慣れるという意味でどうだ? 今から海軍学校に通ってみないか?」

 

 確かに情報を得るためには必要か。

 

高野「ただし! 階級は少佐になるが」

 

 まぁ構わんだろ。

 

 それを了承し、我々は用意された宿舎に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とまぁそんなこんなで一年は経つ。

 

 え? 早いって? いつものことだろ。学生時代といってもすでに経験済みのことや、旧海戦方法などの復習とそれを用いた近代海戦。

 

 どれもが時代遅れといっても過言ではない。それを論破した時や、新たな戦法を導入した時の方法を教えた時の教官の顔と言ったら。

 

 まぁそれで一年で飛び級し、さらに卒業だ。本来なら、一か月でもよかったんだがな。

 

高野「あっという間だな」

 

 そして三人は海軍総帥室に呼び出された。目の前にいるのは総帥高野、隣には元帥の高杉、副元帥の大石がいた。

 

葵「で、我々は今後どのように動いたらいいんだ?」

 

高野「まぁそう焦るな。ある方よりお前さんらの階級章が渡される」

 

 そういって隣の部屋をちらちらとみる高野。そっちに行けと?

 

 二人とアイコンタクトをとり、その部屋への入り口を開ける。

 

 そしてそこにいたのはまだ年端もいかないような感じの女の子。だが、巫女服に身を包み、そのオーラというか、まとう空気は只者ではない。そして、

 

葵(菊の家紋・・・・・なんとまぁ)

 

???「ようこそおいでくださいました。神無月様、いえ、月之宮様とおっしゃればよろしいでしょうか」

 

葵「ほぉ」

 

 その言葉を聞いた京と、翡翠が己の得物を具現し、前に出た。

 

京「貴様! それをどこで!!?」

 

翡翠「応えようによってはあんたを殺さねばいけないんだけどねぇ?」

 

 怒りをあらわに叫ぶ京、静かさの中に怒気を宿した声で静かに言う翡翠。だが、それよりも海軍の連中も後ろで拳銃を取り出すが、

 

???「控えよ。このお方に銃口を向けることならぬ」

 

高野「し、しか「下げよ!」・・・・御意」

 

 さすが鶴の一声か。しかしまぁ、

 

葵「大きくなられましたな。三年ぶりですかな?」

 

???「はい」

 

 そういってたれ布を上げると、そこからは吸い込まれそうなほど黒い瞳に、黒い宝石かと思わせるほど怖いほど美しい黒髪。しかしそれに反し、あどけなさも残す少女。

 

葵「お久しゅうございます。玖珂(くが)様」

 

玖「おやめください月之宮様。わたくしめごときに。我らが天照の祖であり、この国の祖であるあなた様にそのように言われると恥ずかしいです」

 

大石「・・・・・・は?」

 

高杉「祖だと・・・・・月之宮? ・・・・まさか」

 

高野「四聖神が一柱というのか!?」

 

 まぁ予想外のことがあったため高野たちには一通り自分たちの素性を説明し、協力体制と同時にそちらの闇の排除を行うためと説明した。

 

高野「申し訳ありませんでした!」

 

葵「別に構わん。ちなみに何だが、なぜ玖珂が?」

 

 玖珂。ここまで来たら説明は不要だろうが、この国において畏れ多い御方である。ちなみにお住まいは首都東京であり御城にお住まいだ。

 

玖珂「はい。これをあなた様方に」

 

 そういって渡されたのは海軍の制服と階級章。だがよくよく見ると。

 

翡翠「桜じゃないのかい?」

 

 そう。従来旧帝国軍でも自衛隊でも、そして現存の海軍でも階級章は日本では主に桜の花をあしらっている。だがこれは、

 

京「菊。なるほどな」

 

玖珂「はい。あなた様方は海軍の中でも特別な組織、わたしくし、帝の直下部隊として存在します。ですので一回り上の階級の権限を与えられます。少佐なら少将まで行けます」

 

 そして彼女は笑顔で、我々の発言はわたくしの発言とも付け加えた。

 

玖珂「表面上はどこの鎮守府とも装飾は変わりありませんが、権限、発言力等は帝の発言です。ですので桜ではなく、菊を採用させていただきました」

 

 皇室をバックにつければ何かと便利だな。あとはもう一つほしいな。

 

葵「一つ注文を付けてもいいでしょうか?」

 

高野「おいおい、これ以上さらに注文を付けるのか!?」

 

葵「簡単です。錦を三ついただけないでしょうか?」

 

高野・大石・高杉「「はぁ?!」」」

 

葵「一つ言っておきます。それは常時掲げるのではなく、念には念をという考えです。恐らく」

 

 そういうと、高野もピンときたのか。

 

高野「なるほど、そういうことか」

 

大石「総長。何か思い当たる節でも?」

 

高野「いや、たしかにこの方々に対しては持っていたほうがいいかもなと思ってな。というのも―――」

 

 簡単に説明すると、錦というのはその旗イコール帝を意味する。その旗を掲げている勢力、または組織に敵対するということは帝に弓引くことになる。つまり、

 

高杉「海軍の闇部分が知らずに騎士団に弓引くということは、騎士団と日本を敵に回すということか」

 

大石「それも朝敵という最悪のレッテルを張ってだ」

 

高野「は、ははっ。あなたも人が悪い」

 

葵「だから念には念をといったではありませんか」

 

 その後、帝は新しく赴任する大使との面会があるとのことでこの場を去った。そしてこれから赴任する泊地について、そして現状の説明、初期艦を選ぶようになった。といっても直接会うのではなく、あくまでも書類上にはなるが。

 

葵「全員駆逐艦だが・・・・・ある意味犯罪だよな」

 

 翡翠と京に聞こえるように言った。なにせ全員が全員小学生中高学年程度の少女なのだ。

 

 書類にあった名前を見ると、吹雪型一番艦『吹雪』、同五番艦『叢雲』、綾波型九番艦『漣』、暁型四番艦『雷』、白露型六番艦『五月雨』の五人だった。

 

 その書類を見た、翡翠はまるで品定めをするように見ていた。

 

京「・・・・・あれは得物を狙っている眼だな」

 

葵「仕方ないだろ。この仕事はあいつにとっては天職だ」

 

 その目を見た瞬間大石副元帥がこちらに来て、あの目についてやはり気になるところがあったみたいだ。

 

大石「少しいいか?」

 

葵「あのバカの目ですか?」

 

大石「あ、あぁ。艦娘とはいえ人だ。だが、まるで」

 

 まぁ言わんとしていることはわかる。そのため、まぁ、何だ。つまり。

 

葵「翡翠はレズといいますか、ユリといいますか。かわいいものがあったらぺろりと食べちゃう癖がありまして」

 

大石「・・・・そっちか。彼女はそっちだったのか・・・・」

 

京「狙ってました?」

 

大石「いやそれはないな。私にも妻がいる。そうではなく、これから恐らく艦娘も多くなる。その辺で危惧してな」

 

葵「大丈夫でしょう。彼女も相手が嫌がることはしません。これは保証します。ただ」

 

京「合意のもとだと底知らずになりますが」

 

 そして数分後、

 

京「ふむ。雷だな」

 

 ほぉそっちに行ったか。てっきり漣に行くと思ったが。

 

京「葵の言いたいこともわかるが、あの話を聞くとな」

 

 彼が言うあの話とは旧帝国軍の工藤俊作中佐のスラバヤ沖のことだろ。

 

京「彼女がもしあの雷なら、敵をも助けるという意味も理解してくれると思う」

 

 なるほどな。

 

翡翠「私は叢雲にするよ」

 

京・葵「「え!?」」

 

翡翠「なんだいその声は?!」

 

葵「いや、だってな」

 

京「あ、あぁ」

 

 翡翠の性格だ。てっきり五月雨か漣にすると思ってたが・・・・。ちょっと変わった性格ということはそれに付け込んで漣を翡翠のペースに合わせるという手もあるし、五月雨はどじっこという。つまり翡翠にとってかっこうの獲物だ。それが、ツンデレ? の叢雲を選ぶとは。

 

翡翠「私にデレさせればいい」 

 

 その話を聞いて私と京の背筋がぞくっとした。

 

京「ち、ちなみに葵はどうするんだ? といってもお前のことだ」

 

葵「あぁむろん吹雪だ」

 

 まじめで努力家。それを聞いたとき、この子だと思った。

 

 その後、もう一つプレゼントがあるといって高野は軍港に向かった。そこにあったのは、

 

葵「おいおい、これって」

 

京「イージス艦」

 

翡翠「それもこれって最新鋭じゃないかい」

 

 しののめ型ミサイル護衛艦一番艦しののめ、二番艦なぐも、三番艦やくもの三隻であった。

 

大石「今すぐというわけにはいかんが、武装などを整えたのちに各泊地に派遣する予定だ」

 

京「いいのかこれ!?」

 

高野「使い道がない以上どうすることもできん。だが、あなた方ならこれを有効に使ってやれると思ってな」

 

 そういって護衛艦を見る高野の目にはどこかさみし気に移った。それは自分らが前線に出ることを許されず、代わりに前線に出るのが、まだ年端もいかない女性に任せるしかないという責任と罪悪感からであった。

 

葵「ありがたくいただこう。で、我々はどうすればいいんだ?」

 

高杉「それならもうすぐ来るだろう」

 

 そういって高杉元帥の目を追うと、そこには三機のC-1がいた。

 

高杉「こう言っては何だが、安全高度をとり離着陸でき、かつ今すぐ用意できるのがあれだけでな」

 

葵「まぁ用意しただけでもありがたいか」

 

 三人はそれぞれの行き先のに乗り目的地に向かう。

 

 そして、それぞれを乗せた機体は徐々に陸との距離を開け三人の目的地に向け飛び立った。

 




兵器やそれらのシステムに関してはそれほど詳しくはないです。自分なりの解釈です。


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第二話

まだ艦娘の口調をとらえくれない・・・これは難しいぞ。
あ、あとちなみに春イベ終わりましたね。何とか新艦娘全員ドロップしました!


 

 

第二話

 

 

 

 

 私の乗った輸送機は問題なく飛びったった。そう飛び立ったのだ。

 

 

 

葵「なぜ台風の暴風圏内にいるのだ!!!!?」

 

 気象庁は何やってるんだ!?

 

操縦士「衛星が使えない以上仕方ないだろ!」

 

葵「富士山気象台が復活したって聞いたが!?」

 

操縦士「・・・・・」

 

葵「黙るなよ!?」

 

 つまり予報を無視した強行突破を行えというのか?!

 

副操縦士「これ以上の侵入は無理だ! 降下用意!!」

 

葵「・・・・・は?」

 

 副操縦士がそういうと貨物扉が大きく口を開ける。すると、猛烈な風と水しぶきが体にぶつかる。

 

葵「冗談だろ!? 降下しろといってもパラシュートも何も「降下準備ようし!」って待て!?」

 

 だが、それを遮るように勝手に進められた降下準備に戸惑いながらもいつの間にか背負わされたパラシュートがその状態を加速させられた。

 

葵「下には誰が!?」

 

操縦士「健闘を祈る!!」

 

葵「って待てい!?」

 

 すると、パラシュートに備えられた後付け噴射装置が働き体が勝手に前に行き、

 

葵「嘘だろ!!?」

 

 嵐の中へ姿を消した。

 

 

SIDE吹雪

 

 

 こんにちは! 特型駆逐艦一番艦吹雪です! よろしくお願いします!

 

 今日は昨日台風の影響で本来この鎮守府に着任する予定だった司令官が着任する予定となっています。鎮守府も被害はあまりなかったけど、波が荒れた成果漂着物がいくつかあります。

 

 さて、そんな鎮守府ですが海軍の管轄下というのもあって軍港に併設されています。

 

 建物はこの執務室がある本館。この建物の中には会議室(小中大それぞれが一部屋ずつ)、入渠ドッグ、ドッグとは別に大浴場、食堂があります。

 

 そして別館としては艦種別の寮がありますが、まだ空き部屋だらけです。そのうち満室にしたいな。

 

 あと、工廠ですね。新しい艦娘を作るための建造ドッグ。私たちの偽装の開発する開発室が併設されてます。

 

 あとは倉庫ですね。資材などがあります。もちろん食料ことは別です。

 

 時計を見ると、そろそろ、提督が来る時間ですね。私はお迎えに行くため、提督が来る予定の空港に向かいましたが、

 

吹雪「あれ? おかしいな。司令官今日着任する予定なんだけどな?」

 

 横須賀の日本空軍基地からたぶん来てるはずなんだけどな?

 

吹雪「あ! そっか本土のほうに今台風行っちゃってるからそれで遅れてるんだ! なぁんだ。じゃあ明日かな」

 

 

 

 

――翌日

 

吹雪「え? 来てない?」

 

受付「はい。島の鎮守府に来る予定の新しい提督は来てませんね」

 

 あれ? 何かあったのかな。書類の遅れ?

 

 

 

 

――さらに翌日

 

吹雪「え!? きょ、今日もですか!?」

 

受付「え、えぇ。いちど海軍省に聞いてみたほうがよろしいのでは?」

 

吹雪「え、えぇ、そ、そうですね」

 

 でも艦娘にはそのような権利はないからなぁ。

 

 

 

 

――さらにさらに翌日

 

 も、もう来てるよね。さすがに五日も経てば・・・・

 

受付「・・・・・」

 

吹雪「あ、あの」

 

受付「え、えっと」

 

吹雪「う、嘘ですよね」

 

 そういうと受付の女性の方は目をそらし、下を見た姿を見て。

 

吹雪「orz」

 

 

 

 

 

 その後、鎮守府に戻り、誰もいない執務室に入った。

 

吹雪「何かあったのかな。もしかして、わたしに問題が!?」

 

 もし、もしわたしに原因があったのならどうなるのかな? 新しい秘書艦と交代!? つ、つつつつまり、わ、わたしは・・・・

 

吹雪「か、解体!?」

 

 そんな!!!?

 

 ど、どうすればこの汚名を返上できるのかな!?

 勝手に変な方向に志向が傾き、変な方向へ向かっているわたしにあるものが目に入る。

 

吹雪「工廠・・・・・建造だ!」

 

 建造ドックは4つある。ということは四人までなら開発が可能。

 

 わたしは自然と足が工廠に向かっていた。

 

 そこには私と一緒に働く仲間、妖精さんがいました。

 

妖精A「あれ? ふぶきさん?」

 

妖精B「ていとくは、まだ?」

 

吹雪「うん。そうなんだけど・・・」

 

 そして、私は事情を説明すると、

 

妖精C「そういうことですか。ちょっとおまちを」

 

 そういうと、ある妖精さんは部屋の奥のほうへ行く。しばらくたつと、

 

???「どうかされましたか? あら、吹雪さん」

 

???「ん? あ、ほんとだ。どうかした?」

 

 そこには黒い長い髪に、眼鏡をかけた女性。常任秘書艦軽巡大淀さんと、ピンクの長い髪の女性、工作艦明石さんがいた。

 

吹雪「あ、あの実は・・・・」

 

 ここに来た経緯を二人に話すと、

大淀「ん~。どうでしょう。いくら提督が来ないからといってそれはないかと思いますが」

 

 大淀さんが言うには、本来ここに来るはずの提督が任を外されたのなら、代役が来るはず。もしくは先の台風で日程調整の変更があったのでは。という仮定だ。

 

明石「あたしもそう思うな。でも建造には賛成かな」

 

吹雪「え?」

 

大淀「ですが、勝手に建造は「まぁ聞いて」えぇ」

 

 明石さんが言うには現状もしここに深海棲艦がきて対応できるとしたら、私だけしか対応できないのが現状。実際艤装があるのもわたしだけだし。

 

 駆逐艦相手なら難しくはないけど、空母、戦艦、最悪重巡になると難しい。

明石「それに最初のメンバーが多かったら提督も満足するんじゃない?」

 

 そういって明石さんは大淀さんのほうを見る。

 

大淀「はぁ、つまり言い訳は私が考えろと?」

 

明石「あったりぃ! さすが鎮守府の頭脳!」

 

大淀「仕方ありませんね。明石の言うことにも一理あります。では、吹雪さん。ドッグに入れる資材はどうしますか?」

 

 そうですね。

 

吹雪「一番と二番は初期数値のままで。三番と四番は・・・・三番を40/3/60/3で。四番は40/3/80/3でお願いします」

 

明石「お、戦艦狙いだね! 了解! 仕事だよ!」

 

妖精さんズ『がってんしょうち!!!』

 

 明石さんの号令のもと妖精さんたちが動き出す。

 

 完了予定時間は一番と二番がともに22分。うん駆逐艦だね。よかった。友達になれるかな。

 

 あと三番と四番は・・・・・あれ? この時間って。

 

大淀「五時間・・・・・・長門型ですね」

 

 

 

 提督さん。あなたのお出迎えはすごいことになりそうです。

 

 

 



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第三話

あけましておめでとうございます
約一年ぶりか・・・・やっと投稿できました。



 

 

第三話

 

 

SIDE吹雪

 

 

 昨日も司令官は来ませんでした。もしかしたらと思ったんですが、本当わたしたち・・・・

 

???「あら、どうしたの。こんなところで?」

 

 後ろを振り返ると、茶髪にショートヘアーで、お姉さんってつい言いたくなるその言葉使いをする女性はここに一人しかいない。

 

吹雪「陸奥さん」

 

 日本が誇るビックセブンと呼ばれた戦艦の一人。陸奥さんだ。

 

陸奥「私も驚いちゃった。ドッグから出ても執務室に行っても提督にいないから吹雪ちゃんが提督さんなのかなって」

 

吹雪「あはは・・・・そんな重責は担えませんよ」

 

 陸奥さん。冗談でもきついですよ。でも本当に来ないのかな。

 

???「それはないだろ」

 

 声のほうを見ると、陸奥さんと同じ格好だけど黒髪のロングヘアー。そして日本が誇るもう一人のビックセブンであり連合艦隊の旗艦も務めた戦艦。

 

吹雪「長門さん・・・・」

 

 陸奥さんがお姉さんなら、長門さんは姐さんかな。

 

長門「何か失礼なこと考えていないか?」

 

吹雪「!?(ぶんぶん)」

 

 わたしは急いで首を横に振る。

 

 あ! そうだ。

 

吹雪「今日は確か食堂の方が来るんですよね」

 

 そう。今日はようやく食堂担当の給量艦が来る日なのだ。

 

長門「そうだ。大淀が迎えに行ったからもうじき戻ってくると思うが」

 

 すると、車が止まる音がした。なんでも大淀さんはこちらに来る前に本土で車の免許を取得しているらしい。

 

大淀「戻りました。こちらが給糧艦の」

 

間宮「間宮です。よろしくお願いします」

 

伊良湖「伊良湖です。よ、よろしくお願いします!」

 

 きれいなおじきをされたので、こちらもそれに返す。そして、

 

吹雪「あの、大淀さん。それで・・・・」

 

大淀「・・・・・」

 

 大淀さんは無言で首を振る。やっぱり、

 

間宮「あ、あの、みなさん」

 

 すると間宮さんは海のほうを指さし顔が真っ青になっていた。

 

吹雪「!?」

 

 そこにいたのは黒く長い髪に、白い肌。それは間違いなく、

 

長門「な!? 深海棲艦だと!?」

 

 わたしたちは急いで臨戦態勢をとる。こうなったらわた「こ、ここは鎮守府でいいのか?」あれ? 声が・・・・男性?

 

???「あ・・・だ、誰か水を・・・・・」

 

 すると、海風が吹き髪の毛がどこへやら・・・・今頃の深海棲艦は脱毛症が流行ってるのかな・・・・

 

大淀「違いますよ! あれ海藻です!」

 

 よく見ると白い肌と思われて物は海軍の軍服・・・・ってことは!?

 

陸奥「あ、あなた提督なの?」

 

提督「あ、あぁ。すまないが話をする前にシャワーと水、あと軽く口に含むものをいただいていいか・・・三日三晩、いやもっとだな。不眠不休で泳いてきたもので」

 

 

 

 

 

 えぇええええええええ!!?

 

 

 

 

SIDEOUT

 

 

 あのあと駆逐艦吹雪の案内で浴場に案内され軽くシャワーを浴び、潮を流す。

 

葵「ふぅ。ひどい目にあった」

 

 台風の中の強行突破からのスカイダイビング。どういった教導を行っていたのだ。あとで高野と三ツ田に伝えておくか。

 

 浴場から出ておかれていた制服にそでを通し、食堂に向かう。そこにいたのは小学生ぐらいだろうか、吹雪と同じ少女が二人。片方は薄い黄色がかった髪の女の子。片方は黒の髪を三つ編みにしていた。二人の共通点は同じ制服を着ていた点だ。

 

 そして茶髪のショートヘアーと黒のロングヘアーの女性。この二入りも同じ服といっていいのだろうか。かなり露出が激しいような。

 

 そして割烹着を着た女性が二人。たしか五日から一週間遅れてくるはずだった給糧艦の間宮と伊良湖・・・・・ということは私はそれほど遅れていたのか。

 

???「あ、提督」

 

 眼鏡をかけた黒髪ロングヘアーの女性。確か確か常任秘書艦の大淀だったか。

 

 隣にはピンクの髪の女性。確か工作艦の明石だったな。

 

葵「まず皆に謝罪する。本来なら着任は約一週間ほど前だったにもかかわらず遅れて申し訳ない」

 

 そういって頭を下げ今回の失態に対して詫びる。

 

吹雪「し、司令官!? 頭をあげてください! わたしたちのような艦娘に・・・・」

 

茶髪の女性「ここの提督って変わり者なの?(ひそひそ)」

 

大淀「い、いえ。訓練校を主席で尚且つ飛び級で卒業されたと(ひそひそ)」

 

黒髪の女性「主席だと。ん? 訓練校というのは海軍のだよな(ひそひそ)」

 

大淀「は、はい。そうだと(ひそひそ)あ。て、提督。一つ聞いても?」

 

葵「なんだ?」

 

大淀「提督は海軍の所属なのですか?」

 

葵「そうだが。どうしt「では、階級章がなぜ桜ではなく菊なのでしょうか?」む」

 

 そこに気づくとはさすがだな。

 

葵「ふむ。それもまとめて説明しよう。まず自己紹介だ。南方鎮守の提督を拝命した。神無月葵だ。階級は大佐。所属は海軍だが出向という形である」

 

吹雪「出向?!」

 

明石「では、どこの・・・・」

 

葵「騎日軍需条約は知っているか?」

 

明石「えっと・・・・・大淀パス!」

 

大淀「はぁ。みなさん私たちの敵は深海棲艦だけでなくアンノウンも含まれていることはご存知ですよね?」

 

 それを合図に大淀による解説が始まる。ざっくりいうと冒頭で説明させていただいたことだ。アンノウン。おそらくこちら側でいう【不の者】のことをさしているのだろう。

 

吹雪「えっと確か日本と騎士団という別世界の組織との軍事同盟ですよね?」

 

葵「その騎士団から派遣されたんだよ。階級上は大佐だが発言力、与えられた権力は一回り上まで行く」

 

大淀「つまり大将級の権限を・・・・」

 

 といっても当分は彼女たちの力が必要だな。

 

葵「ちなみに君たちに聞きたいんだが」

 

吹雪「は、はい!」

 

葵「書類上では吹雪、大淀、明石、そして遅れてくる間宮、伊良湖が配置されるということだったんだが・・・・そこの四名は誰だ?」

 

 そう。さっきから気になっていたそこの四人。初期配置という艦娘のリストの中にも一切入っていない。

 

長門「む。そうだったな。私は長門型一番艦長門だ」

 

葵「は?」

 

 長門? あのビックセブンの一角を担いかつ連合艦隊旗艦であり終戦まで残った戦艦の?

 

陸奥「私は陸奥。長門型二番艦のね」 

 

葵「え?」

 

 陸奥だって? 長門型のあの? ビックセブンの?

 

時雨「僕は時雨。白露型二番艦の時雨。よろしく提督」

 

葵「・・・・」

 

 時雨といえば呉の雪風、佐世保の時雨と並んで称された武勲艦じゃないか。

 

夕立「夕立は白露型四番艦夕立! 提督さんよろしくっぽい!」

 

 ソロモンの悪魔といわれ、さらには功労でいうのであれば先に述べた時雨、雪風をしのぐともいわれている艦である。

 

葵「・・・・・」

 

 私は思わず頭を抱えていた。なぜそんな武勲艦や後世にも名を継がれるほどの艦がここに? 何プレッシャーを与えたいの? え? 先のパラシュート降下も嫌がらせ?

 

吹雪「あ、あの提督・・・・」

 

葵「な、何だ」

 

吹雪「も、申し訳ありませんでした!!」

 

 はい?

 

葵「なぜ君が謝るんだ?」

 

吹雪「じ、実は」

 

 吹雪の話を聞くと私の着任が遅れ自分が何か悪いことを起こしたのではないのかと思い、存在しない汚名を返上するために彼女たちを建造したとこのこと。

 

 その後、大淀からも建造報告書を確認した。

 

葵「ちなみにこれは報告したのか?」

 

大淀「いえ、まだです」

 

 大淀には私が着任した今日に日付を変えて提出するようにと伝えた。

 

大淀「で、ですがそれでは!?」

 

葵「書類偽造。確かにそうだろうな。だが、艦娘が上司の許可なく建造を行った。これを行った場合吹雪はよくて退役、下手をすれば解体処分だ」

 

吹雪「か、覚悟は「覚悟を決めるのはまだ先だ。勝手に決めるな」はぁ」

 

葵「君たちは兵器ではない。兵士だ」

 

夕立「どういうことっぽい?」

 

時雨「さぁ。でも意味合い的には一緒じゃないのかい?」

 

葵「まったく意味は違う。兵器は物、つまり銃や刀といった物だ。だが兵士は人だ。軍人といったほうがもっとわかりやすいか」

 

陸奥「私たちを人と扱うの? あなたは」

 

葵「人としては扱えんだろ」

 

長門「なっ!? 先ほどの言は嘘だというのか!」

 

葵「嘘ではない。訓練校の講義の中で聞いたが君たちは腕がなくなろうが、足がなくなろうが入渠を行えば元に戻ると聞いた。実際その映像も見た」

 

明石「そ、それは」

 

葵「それにそれほどの大きなけがをしながらも高速修復材を使えば一瞬にして治る。そのような存在を『人』としては扱えんだろ」

 

大淀「提督・・・・あなたはやはり「だが、対等な立場ではあるだろうな」え? 今なんと?」

 

葵「私は思う。君たちのようなものを『人』もっと言うのであれば『ホモサピエンス』から分かれた新たな人類種として区別すべきではないだろうか。そのうえで平等な立場とし権利を与えるべきではないだろうかと」

 

 同じ生きとし生ける者ならなぜ差別をされる必要があろうか。特に彼女たちは我々が本来担うべき前線に出て銃を持ち、軍艦を操縦し戦うべき場所に送られているのだ。これほど年端もいかない若い女性にだ。

 

葵「私の仕事は君たちを勝たせる戦をさせるために来たのではない。私がここに来た理由は君たちが生きて帰ってくるこの場所に無事に帰ってきてもらうために、負けない戦に持ち込むために来たのだ」

 

 それを聞いた彼女たちはあっけにとられていた。

 

吹雪(こ、こんな提督初めて見たよ)

 

長門(これほどまでにまっすぐな目を見たのは初めだ)

 

陸奥(まっすぐな目。でも、同時に何か経験した目ね。それこそ今私たちが行っているような)

 

時雨(初めてだな。この人についていこうと決めた人のところにきたのは)

 

夕立「提督さんかっこいいっぽい!」

 

大淀(私もいずれこの人の指揮で動いてみたい)

 

明石(あなたのためなら無茶でもなんでも押し通してみます)

 

間宮(この方の疲れをいやせるなら。私にしかできない仕事を!)

 

伊良湖「あなたについていきます。最後まで!」

 

 

 

 

 

 

 

 今ここに誓おう! 君たちを、そしてこれからここに来る艦娘のために!

 

 

 

 

 

 ここに来る艦娘をだれ一人失うことなくこの戦を終戦に導いて見せると!

 

 

 

 

 

 




ちなみに作者の最初に手に入れた戦艦は伊勢と山城でした。
長門は7回目だったかな、陸奥はその途中で建造しました。
駆逐艦は時雨、夕立でした。

一番驚いたのが建造でデイリー任務で建造したら全部同じ時間だったので高速建造したら。暁型が一発でそろったこと。



あれには本当に驚いた・・・・



ちなみに投稿が遅れた理由は活動報告にてご連絡します。


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第五話

 

 

 

第五話

 

 

 

 さて、遅ればせながら現在の我が鎮守府の戦力を整理しよう。※改二がないものは全員改。

 

 戦艦は現在長門(改二)、陸奥。

 

 正規空母は赤城、加賀、飛龍(改二)、蒼龍(改二)。

 

 軽空母は鳳翔、瑞鳳。

 

 重巡が古鷹、加古。

 

 軽巡は大淀、天龍、龍田(改二)、長良、名取、五十鈴(改二)、由良(改二)。

 

 駆逐艦は吹雪(改二)、陽炎、不知火、黒潮、島風、暁(改二)、響(ヴェールヌイ)、雷、電、白露、時雨(改二)、村雨(改二)、夕立(改二)、五月雨、涼風。

 

 工作艦は明石。

 

葵「さて、練度は十分か」

 

 執務室である海域地図を広げ作戦を練っていると、

 

大淀「提督。どうされました」

 

葵「ん? なに。それそれリベンジと行こうかと思ってな」

 

 我が鎮守府は発足当初ある程度戦闘経験が必要と思い鎮守府海域をこれでもかというぐらい周回、警備警戒を行った。おかげで軽巡、駆逐艦の練度も上がり、さらに新たな艦娘を迎え入れることもできた。

 

 だが、沖ノ島海域の解放作戦で苦戦を虐げられていた。

 

葵「あれは想定外だったな」

 

 当初は警戒をし長門、陸奥を入れさらに迎えた赤城、そして吹雪、夕立、時雨をで満を持して出撃した。だが、

 

葵「コースがだいぶずれた上に燃料の消費、敵との遭遇による弾薬の消費が想定より多かったためか」

 

 結果的に致命傷を与えることはできなかった。

 

 まず最深部であろう場所とその手前。敵側が今までは空母と戦艦が一緒にいても別行動をすることはなかった。

しかし今回は別行動をされ、最深部手前で航空戦にて赤城が小破、そして最深部で中破ときた。甲板をやられては赤城でも艦載機を出すことは不可能だ。さらに最深部では戦艦の集中砲撃とこちら側の偵察機の離陸が不可能である手前偵察がおろそかになってしまった。

 

葵「まぁそのあとは考えたんだが」

 

大淀「建造にて空母と駆逐艦、重巡を中心としたことですね。あの時はなぜ? と思いましたよ」

 

 理由はいたって簡単。航路が不明確なら明確にすればいい。なら数をこなすために艦娘を建造。その際に駆逐、重巡、軽巡、軽空母を狙って行ったのだが、その際加賀を中心に二航戦も建造できたのは幸運としか言いようがないだろう。

そして重巡を混ぜた編成を行い、威力偵察をし、さらに敵の勢いをそぐため敵補給基地を奪還。偵察機からの情報でもだいぶ敵が弱っていると見た。

 

葵「第一艦隊に出撃命令。場所は沖ノ島海域。前回のリベンジと行こうじゃないか!」

 

 大淀は敬礼をしたのち放送のマイクを入れ、前回のメンバーを招集した。

 

葵「で、今回は私も一緒に出ようかと思い」

 

全員『・・・・・・は?』

 

葵「最近体が鈍ってな」

 

長門「・・・・・提督、相手は深海棲艦ですよ?」

 

葵「あぁ。知ってる」

 

陸奥「砲撃してくるのよ?」

 

葵「だろうな」

 

吹雪「魚雷も打ってくんですよ!?」

 

葵「駆逐艦タイプならそうだろう」

 

赤城「空から攻撃してくるんですよ!?」

 

葵「うん。最深部手前には空母タイプがいたな」

 

時雨「・・・・そもそも距離があるだけど」

 

葵「問題ない」

 

夕立「ていとくあたまおかしいぽい?」

 

葵「遠回しにバカにしてるか?」

 

 まぁ反対の声を押し切りさぁ出撃と思ったら・

 

加賀「提督が出ると聞いて」

 

葵「そうだが、何か問題が」

 

 加賀の隣には古鷹と加古がいた。

 

古鷹「せめて護衛を!」

 

加古「提督がいなきゃ私たちだめだもんね~」

 

 そういうものか?

 

葵「まぁいい。なら加賀、古鷹、加古。三人を私の護衛につける」

 

 

 

 

 

 

 

 だが、私は一つ失念をしていた。何かというと、艦隊編成はなぜ一つの艦隊に六隻のみと誰が決めた? ということだ。

 何が言いたいかというと。

 

 

 

 

 

 

 

 

長門「提督よ」

 

葵「はい。何でしょう?」

 

長門「敵だな」

 

葵「そうだな」

 

 目の前に見える敵はざっと数えただけでも20隻はいた。

 

古鷹「て、っててててて提督!? ど、どうしましょ!?」

 

葵「ん? まぁ大丈夫だろ」

 

夕立「お、終わったぽい・・・・」

 

時雨「ここが僕たちの墓場かな・・・・」

 

吹雪「さ、最後まで頑張りましょ!!」

 

陸奥「そうね。こんなところで死ねないわ!」

 

赤城「一航戦の誇り・・・・捨てるわけには!」

 

加賀「胸が高鳴ります!」

 

 いやいや、なぜみな戦闘準備入ってる!?

 

加古「ん? 提督、なんか考えてることみんなと違うのか?」

 

葵「まぁな。とりあえず」

 

 そういって一つのピストルを取り出す。ただこれは普通の銃とは違う。何が違うとかというと。

 

―――パシュウ

 

 上空に銃口を向け引き金を引くと、そこから飛び出したのは鉛玉ではなく、赤く燃える玉。そう信号弾だ。

 

 すると、二隻こちらに白旗を掲げ接近する深海棲艦いた。

 

 クラスは空母ヲ級と戦艦ル級というものに分類される二人だ。

 

葵「さて、手紙を読んでくれて何より――とこたえたほうがいいのか?」

 

 その時艦娘たちは全員が「?」を頭に浮かべているように見えた。

 

タ「ソチラガ停戦シタイトイッテキタカラナ」

 

ヲ「オ前タチガ優勢ナノニナゼ?」

 

艦娘「停戦!?」

 

葵「そうだ。我々が真に戦うべき相手はただ一つ」

 

 その言葉に深海側も目をつむり深く考え始めた。

 

タ「奴ラカ。アノ黒イ悪魔ドモ」

 

葵「共通の敵がいるのであれば手を取り、戦うべきではないか?」

 

 その言葉に今度こそ深海側も目を見開き驚いていた。

 

葵「こうやって話を聞いてくれている。それだけでも来た甲斐はあった」

 

 そして、こちらの考えを伝える。

 

 人間と深海が手を組み対【不の者】で戦闘を組む。

 

 勝利した暁には深海側と人間側ですみわけを行い共存する道を条約として明記する。

 

ヲ「コレヲ人間ガ守ルトイウ保障ハ?」

 

葵「少なくともないだろうな。だが」

 

 

 

 私は守る。

 

 

 

 

 その言葉を聞いた二人は少し待てと言い残し、仲間の元に戻った。

 

長門「提督?! どういうつもりだ!?」

 

葵「どうもこうも、こういうことだが?」

 

加賀「あきれました。彼女たちと私たちは敵です」

 

 確かにそうだ。だが、

 

葵「【不の者】と戦うことになるなら現戦力では太刀打ちできないからな」

 

 要は二方向、深海側と【不の者】に戦力を二分しなければならない。それはつまり決定打を打つことはできない。なら、

 

吹雪「停戦し協力したほうが早い」

 

 さてはて吉と出るか凶と出るか。

 

 そうこうしているうちに、

 

葵「ん? 何やら動きがあるな」

 

 私がつぶやいた一言に艦娘たちも一斉に深海側のほうに視線を向ける。そして、そこから現れた一人の深海棲艦に艦娘たちが息をのんだ。

 

長門「港湾・・・棲姫・・・」

 

 ヲ級やタ級よりも背が高く、何より目を引いたのはその手であった。

 

吹雪「おっきい・・・・」

 

時雨「うん」

 

夕立「ぽい~~~」

 

 うむ。大きい。私より身長が高いのか・・・

 

 ほかの深海棲艦とは明らかに違う。頭にある一本の角もそうだが、大きさ、武装、すべてにおいて戦艦タ級、空母ヲ級とも違う。

 

駆逐艦ズ「何食べたらあそこまでおっきいおっぱいになるんだろ・・・・」

 

葵(そっち!?)

 

 彼女たちは自分たちの胸をぺたぺたと触るが、私は何も見なかったことにした。

 

葵「話を聞いてくれてありがとう」

 

港湾「デモ、受ケ入レタワケジャナイ」

 

 そりゃそうだ。優勢に立っているということはそれだけ彼女たちの仲間を我々は討ってきたというわけだ。

 

葵「こちらとしては力ずくでも受けいれてほしいもんだが」

 

港湾「デハ、何故ソウシナイ?」

 

葵「それは停戦の先にある和平には結びつかない。むしろ逆の服従か屈服だ。そしてその先にあるのは再び戦だ」

 

 だから力ではなく話し合いでけりをつけたいのだ。

 

港湾「講和? ワタシタチガカ?」

 

葵「そうだ。我々には口がある。そして互いに通じる言葉がある。何のために? 話し合うためだ。拳を振り上げ勢いよく振り下ろす前に、言葉にて解決するのが先決だ。拳は最終的な解決方法に過ぎない。まぁ解決になるかどうかはさておきだが。それに―――」

 

 

 

 

 

 

 これを拒めばお前らは奴らの腹の中だぞ。

 

 

 

 

 

 

 

深海「!?」

 

艦娘「?」

 

 その言葉に深海側が反応した。つまりその場面に遭遇し、奴らの食事のシーンを見たということだ。

 

港湾「・・・・・オ前ハ、ドコマデ知ッテイル?」

 

葵「すべてだ。お前たちが、艦娘たちが、こちらの人類がアンノウンと呼んでいる者たちがどういうものか。そして、あちらさんは戦闘準備が出来上がっているようだが?」

 

 そういって視線を水平線しか見えないほうに視線を打つ。だが、

 

加賀「!? 敵影を確認しました。数は・・・・1隻」

 

長門「なに!? 艦種は!?」

 

加賀「・・・・これは・・・アンノウン!?」

 

港湾「ヲ級! 艦載機ヲ!」

 

葵「やめておけ。玉の無駄遣いだ」

 

 私は港湾の攻撃指示を取りやめさせ、一歩前に出る。そして、

 

葵「闇に染まりし子らよ。その闘志を燃やせ、その忠誠を見せよ、その力を見せつけよ」

 

古鷹「提督? な、なにを?」

 

タ級「!? ナンダソノ者タチハ!?」

 

 水面下に魔法陣が展開しそこから中世ヨーロッパの騎士甲冑を身にまとった兵士たちが次々と横に整列をし始める。

 

葵「殴殺せよ」

 

 まぁ威力偵察なんだが。

 

長門「て、提督あれは!?」

 

吹雪「い、今なにもないところから?!」

 

葵「魔法だよ」

 

夕立「提督さんが・・・・魔法使い?」

 

時雨「・・・・・冗談だよね?」

 

 連れてきた艦娘たちはもちろんだが、深海側もあまり信用してないようだな。まぁそれよりもあちらはどうなっているやら。

 

葵「持って20秒。さて、どれだけの力―――げっ」

 

 騎士の視線で見て分かったこと。それはあちらも艦娘たち同様、いやそれ以上の力を持っている。飛行甲板らしきものから飛び立つ艦載機は明らかにレシプロ機ではなくジェット機、そして艦砲までも備えていた。

 

葵「冗談だろ。チッ・・・・」

 

 すぐに私は軍帽を隣にいた吹雪に渡した。

 

吹雪「え?」

 

葵「持ってろ」

 

吹雪「は、はい///」

 

 

 

SIDE吹雪

 

 

 私は、いや、私たちは今目の前で起こったことに処理が追い付けていけません。

 

 提督が、言葉を終えると水面から禍々しいほど黒く染まった騎士が剣と盾を携え私たちの前に忽然と現れたのです。

 

 深海側もあまりにも急な展開で驚いていましたが、提督だけが当然と言わんばかりに命令を下し騎士たちはそれに従って行動を起こしました。

 

 提督はそれを『魔法』といっていました。

 

 でも提督の顔が急に苛立ち始めたかと思うと、すぐに共学に変わりました。そして軍帽を私に預けると、

提督「持ってろ」

 普段しない命令で私にそれを渡してきました。でもその顔はこんな時に不謹慎ですけど、その目線はまっすぐで、さりげなく私たちよりも前に出ていました。それは艦娘も、深海側よりも前に。その先には当然敵がいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 でもその行動が、その一つ一つの動きでわかるんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな行動が私をドキッとさせるんです。そして、

 

 

 

 

 

 

 

 本当にこの人は私たちを守ってくれるんだって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDEOUT

 

 



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