新約 やはり俺の青春ラブコメは間違っている SAO篇 (gakinaga)
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予告

打ち切りから帰ってきました!!
えっと初めに言っときますと、アンチでもなし奉仕部潰しとかないので!!
それだけは言っておきます!!
上記でよければこれからお願いします!!


 

 

ソートアートオンライン略してSAO 1人の天才的ゲームデザイナーによって作られた世界初のVRMMORPG

2022年、ユーザーによるベータテストを経て、正式サービスが開始され、約1万人のユーザーは完全なる仮想空間

を謳歌していた。本来なら自らの体を動かし戦うというナーヴギアのシステムを最大限体感させるべくソードスキルという

必殺技とそれを扱うための無数の武器類が設定されている。また戦闘用以外のスキルも多数用意され、

ゲーム内で過ごすことができる。まさにゲーマーにとっても俺にとっても夢の桃源郷だった。

 

 

 

 

そのはずだった・・・。

 

「ログアウトボタンがない?」

 

「私の世界へようこそ」

 

1万人ログインしていたSAOは1人のゲームマスターいやマッドサイエンティスト茅場明彦によってただのゲームからデスゲームと化かした。

 

 

クリア条件は100層すべてクリア

 

HPが0となった瞬間は死を意味する

 

これはゲームであっても、遊びではない。

 

「これにてチュートリアルを終了する。健闘を祈る。」

 

選択肢は二つ

 

自らを強化し最前線にたち、ゲームクリアを目指す。

 

もしくは

 

圏内に留まりゲーム攻略を待つ。

 

 

「私は知人が死ぬなんて耐えられないわ」

 

「私とゆきのんだけ置いて死なないでね」

 

「回復するまで俺たちが支えるぜ」

 

「おいおい、この程度で死ぬのか?ハチマン」

 

「俺は守れる力が欲しい。みんなを守れる力が」

 

「この世界では負けたくないの」

 

「みんなで生きて帰ろうね」

 

「こんな所で死ぬつもりか!!」

 

「八幡よ、我と共に立て!!」

 

「行くぞ、ハチ!!」

 

新約 やはり俺の青春ラブコメは間違っている。 SAO篇

 

こうして俺達のデスゲームは始まったのだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

中川 「ありゃりゃ、まさかの連載復活・・。」

比企谷「一体何をどうしたらこんな事になった・・。」

和人 「まあまあ、そう言うな。待っててくれている人もいるかもしれないしさあ?なあ」

比企谷「アホか、人気ねえから。打ち切ったんだろうが・。」

和人 「いや、おれは作者がネタ切れだから打ち切ったって聞いたぞ」

比企谷「そんなの建前に決まってるだろ?」

和人 「建前?」

比企谷「人気ないから打ち切ったらかっこ悪いだろ?だから正当な理由が必要なんだよ。大人あるあるだ」

和人 「聞きたくなかった・・。そんな大人事情聴きたくなかった・・。」

中川 「いやいやお前ら違う違う!!!そんな理由じゃねえよ!!」

比・和「「は?」」

中川 「本当はな、打ち切りじゃなくてな、『俺達の戦いはこれからだ!!』とか『これからが俺たちの戦いだ!!』みたいなエンド狙ってたんだけどな?ちょっと閲覧数があれしてあれしちゃってあーなって打ち切りになったんだよ」

比企谷「いやほんとんどあれしか言ってないんだけど・・。」

和人 「ていうか最初の二つなんて完全にあれだよな・・。ジャンプでよくある打ち切りエンドだよな・・。」

中川 「うっ・・・。まっまあ、色々とあったんだよ・・。」

比企谷「こいつ、ごまかしやがったよ・・。色々とか言って片づけやがった・・。」

中川 「大人の階段のぼるのにはこういう事だって必要なんだよ。良かったな?新しい知識増えて」

和人 「そんな知識聞きたくねえよ・・・。ていうか真司、関西弁ていう設定は?」

中川 「お前な、今までの会話で察しろよ・。馬鹿なの?死ぬの?」

和人 「死なねえよ・・。」

比企谷「テコ入れだよテコ入れ」

和人 「テコ入れ?」

中川 「その通りだよ~~~!!ヒキタニ君」

比企谷「おい、今のわざと言っただろ!!」

中川 「前作と同じじゃあ進歩ないってアンチコメわいちゃうだろ?だから設定など色々変えたんだよ」

比企谷「あんま変わってなくね?」

中川 「変わっただろ、こうやって作者が変な関西弁を書かなくて悩みどころが減っただろ?」

和人 「全く進歩してねえじゃねえか!!どこが変化だよ!!」

中川 「後はこんなぐだぐだトークにSAOキャラがちゃんと入っているとか」

和人 「それ当たり前だから!!クロスオーバーを何だと思ってんだ!!てか再開1話目でこんな感じなんでいいのか?」

比企谷「おい和人、お前何を勘違いしているしらんが、本編ないぞ?」

和人 「えっ、何言ってんの?」

中川 「いやだから、今日は予告だけだぞ」

和人 「はっ!?何で?」

中川 「まずは予告で読者釣らねえとこれからもたねえし、俺たちのモチベがもたねえし」

和人 「何、ぶっちゃけてるわけ!!ていうかまじで予告だけ!!いいの!?」

比企谷「お前、前作から何も学んでないな?こういうぐだぐだトークは大体字稼ぎに決まってんだろ?」

中川 「さっすが、比企谷!!学習能力がずば抜けているだけある!!」

比企谷「嬉しくね・・・。」

中川 「まあまあ、どこかのハーレム野郎と違って、ちゃんと学習している事に関心だわ」

和人 「お前こそ、学習って意味辞書で調べてこい・・。バカ野郎。こんなんでいいの・・、」

比企谷「いいんだよ・・。ほとんどのクロスもこんな感じだろ?」

和人 「そんなわけあるか!!」

中川 「そうそうというわけで、このクロスはこんなグダグダな感じでやっていくので・・。」

比企谷「それでも読んでくれる人は」

一同 「「「宜しくおないしゃす!!」」」

 




というわけでやはり俺がSAOにいるのは間違っている。改訂版と言う形で帰ってきました!!これからもよろしくお願いします。


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第1話

何か意見感想あればお願いします。
今回はキリトとか出てません。以上です。


ソードアートオンラインβ版 発表2日前

 

とある研究室

 

ここは大きな研究機関と言ってもいいだろう。

時刻は3時半に差し掛かっていた。

ドアにはナーブギア研究室と書かれていた。

暗い研究室の中に、一台のパソコンの光が部屋を照らしていた。

そして、そのパソコンの目の前には一人の男が座っていた。

キーボードを叩く音が響き渡る中、男は不敵な笑みでこう呟いていた。

 

「ふふふ、これで遂に完成した。」

 

男は立ち上がり、近くにあった大きなパソコンのような装置に手を当てて

 

「さて諸君たち、精々私を楽しませてくれよ」

 

そう言って、男は立ち上がり、暗闇の中に消えていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ようやくこの時が来た。

俺こと比企谷八幡はこの日を待ちわびていたのだ。

11月6日 遂にβ版を経て、SAOソードアート・オンライン正式サービス開始日がとうとうやってきたのだ。 

ベットに寝っ転びながら、宅配便で先ほど送られた大きな箱を見ていた。

 

「よっやああああああ!!」

 

こんなにも叫んだのはいつぶりだろうか・・。

昔、黒マントを羽織って叫んだあの日が・・違う違う。

いけない。余りもの喜びで変な黒歴史まで思い出すところだった。

まあ、こんな感じで朝からかなりハイテンションの俺なのだが、そのせいでお袋には病院に行くことを勧められ小町からはゴミを見るような目で見られ・・。

あれ、目から汗が・・・。

とりあえず箱の中からナーブギアなどを取り出した。

 

ナーブギア

 

天才科学者 茅場昌彦によって開発された世界初の「フルダイブ」が可能なV技術を用いられたマシンだ。

 

「お兄ちゃん、朝からうるさいよ・・。何かあったの・・。他人に迷惑かかるからやめて」

 

ハイテンションでナーブギアのセットをしていた為か声が大きかったのか知らないが、かなり不機嫌な小町がおられるではないか?

 

「お兄ちゃん、また車に轢かれたんだって・・。どうして人は寄ってこないのに、車は寄ってくるのかね?」

「うるせえ、俺だって知りてえよ・・。」

 

そうここは病室の中。

昨日、俺は車に轢かれたのだ。それも轢かれそうになった猫を助けようとして・・。

もう俺って何で車にこんない好かれているんだろう(棒)

 

「ありゃ、お兄ちゃんバイクにでも乗るの?」

「あ、これか?こいつはゲーム機みたいなもんだ。ヘルメットではないぞ」

 

実は言うと、このナーブギアは俺が直接買ったものではない。

轢かれた車に乗っていたは、このゲームの製作者である茅場昌彦であった。

そしてお詫びとして、このゲーム機を貰ったわけだが・・・。

それを小町に説明しても、『あー、何か最近はやっている奴?』とか返って来ず・・。

挙句は手には『お兄ちゃん、ゲームはいいんだけど、ちゃんと人とコミケーション取らなきゃダメだよ』と言われてしまい

癒しの妹にメンタルゴリゴリ削られたのであった。後、小町よ。コミュニケーションな?コミケーションって何だよ・・。

コミケと何かするの?そんなどうでもいい事を考えていた。

 

「全く、心配したんだからね?あっ今の小町的にポイント高い!!」

「最後のがなければいいんだけどな・・。」

 

まあ、急いで病室に入って来たようだし。汗も結構かいていたのを見ると、本当に心配したんだろうな・・。

一応、手を小町の頭にポンッとのせ、撫でながら言った。

 

「悪いな、心配かけて。もう大丈夫だぞ。小町もお兄ちゃんを見習って事故に気を付けるんだぞ?おっ今のも八幡的にポイント高いよな?」

「何それ?お兄ちゃんシスコン?」

 

変な目線で俺を見てくるも、撫でられるのはまんざらでもないらしく、手を振り落とすことはなかった。

その後、小町は帰って行った。いい妹を持ったものだ。やはり小町には変な馬に引っかからないようにせねば!!

近くのテーブルに置いてあった雑誌を手に取り、パラパラとめくりながら、眺めた。

 

「さて、久しぶり戻るとしますか・・・。あそこへ」

 

そう言い、ぱたんっと閉じ、元の場所に戻した。

ゲームにログインする前に引っかかるフレーズがあった。

雑誌の中にはこう書かれていた。

 

『これはゲームであって、遊びではない』

 

また茅場さんが俺の前から去る際言った

 

『楽しみにしたまえ』

 

あまりその意味を考えず、俺はナーブギアを被り横たわり、呟いた。

 

 

 

 

「リンクスタート」

 

 

 

それの本当の意味を知るのは、その後だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アバターは普通の顔にしておくか・・。

さすがにゲームで『うわあ、あいつ眼腐ってね』とか『ゾンビだあああああ!!』とか言われたくないしな・・。

ほら、仮想世界だし・・。夢ぐらい見てもいいよね!!

プレーヤー名はβと同じでいいや・・。

 

『hachiman』

 

全ての設定を終えると、《Welcome to Sword Art Online!》と表示された。

目を開けると、周りにはプレーヤーたちは交差するように歩いており、現実とはかなり違う世界が広がっていた。

まじでクオリティーたけーな、オイ・・・。

さすがは天才によって作られた世界、リアルすぎて仮想に見えないぞ・・。

何と言うか凄いとしか言いようがない。

 

とりあえずそのまま突っ立ているわけにもいかないため、俺はまず武器屋に向かい武器、他にも回復ポーションも購入をした。

久しぶりのログインの為、ひとまずモブと対戦するとしますか・・。

近くにいたイノシシのモブに石を投げつけて、挑発した。

すると、イノシシは物凄い勢いでこちらに突進してきた。

俺は先ほど購入した剣を構え、イノシシに向かって走って行った。

 

残念ながら力づくで倒す程腕力がない為、俺はイノシシの突進を一度かわした。

特攻してくる者は、いきなり交わされると、急には方向転換は出来ない。

だから隙が出来、倒せる瞬間を作り出すことができる。

それは上半身しかない物体が突進してくる某ホラー映画で実証済みだ。

それを利用して、俺は交わして背後を取り、剣でそいつを3連続切り付けた。

何度か繰り返すと、モブは青いエフェクトとなり粉々になった。

剣を鞘に納めると、背後から拍手が聞こえてきた。

 

「さすがは、灰かぶりの剣士様。見事な太刀筋だ。」

 

振り返ると、そいつは近くにある塀の上に座っていた。

 

「高みの見物かよ・・。さすがはエリート剣士様のやる事は違げーや。」

「おいおい、俺がエリートだったら、お前は天空の勇者になっちまうぞ?」

「残念ながら、勇者と言う程のスペックは持ち合わせてはいないんだがな・・。」

 

軽々しく話しかけてくる男。

俺はこの男を知っている。

こいつの実名は知らないが、プレーヤー名はシンジである。

日本刀を好み、腰に差している。

嘗て俺がβテストでプレーしていた時、何故か俺に付きまとってきたのだ。

俺がとあるクエストをやろうとすると、そいつは教えてもないのに、いきなり俺の目の前に現れたり・・。

俺がそいつを巻こうと、煙幕で逃げても、捕まったり・・・。

まあ俗にいうストーカーって奴なのだが・・。

 

「何で、お前がここに居るんだよ・・。プレーヤー名も顔も変えたんだぞ・・。」

「甘いな?俺がその程度の変更で分からないとでも?お前は人ゴミを嫌い、単独で行動する、更に片手剣を好む事を知っていれば、お前を見つけるなんぞ朝飯前さ?」

「恐えーよ・・。」

「それと俺はストーカーじゃない。ただの観察者だ。」

 

それって同じじゃないですかね?

ていうか人の心勝手に読まないでくれます?

 

「まあいい、ハチマン。俺と付き合え」

「いや、俺そう言う趣味とかないから・・。」

「俺だってそんな趣味ねえわ!!意味深な事言ってんじゃねえよ!!これだから腐った目は・・。」

「腐った目関係なくね?」

 

とりあえず一日中こいつとレベリングした。

ソードスキルってやっぱいいな・・・。

ある程度モーション溜めると後は自動的に技を出してくれる。

何か必殺技撃ってる感覚で少しテンションが上がるのだ。

シンジに至っては

 

「卍解!!俺の一撃受け止めてみやがれ!!」

 

と言ったり

 

「ぎゃははは、俺の剣に勝とうなんざ百年早い!!」

 

とかやってて、すごく痛い・・・。

見てて、遠ざかりたくなるほどな・・。

材木座と仲良くなれそうなほど痛い・・。

まあ、中二病発症中だから、俺は暖かい目線で見ることした。

 

レベルがそこそこ上がった所でそろそろ切り上げるとするか・・。

 

「おい、シンジ。俺はそろそろ切り上げるわ」

「おいおい、もう帰るのかよ?」

「俺には小町が待っているからな。」

「うわあ・・・。お前、今の顔を鏡で自分で見てみろよ、シスコン」

「シスコンじゃねえよ・・・。」

 

そう断じて俺はシスコンじゃない!!

小町がちょっと好きなだけだからな?

大丈夫だ、問題ない。

と自己完結させて、メニューをいじるのだが・・。

 

あれ・・。

ログアウトボタンがねえぞ・・・。

 

「なあ、ログアウトボタンがねえんだけど・・。」

 

そう言うと、シンジは俺を馬鹿にするような表情で俺を見て笑いながら言った。

 

「お前、目は終わってると思っていたが、ついには頭までいかれたか」

「お前は一々罵倒しないと気が済まないのか・・。」

「そんなもん、メニュー見ればあるに決まってんだろ・・?」

「だったら確かめてみろよ・・。」

「お前な、いくらボッチだからって機械がお前をはぶるわけ・・・。ありゃない・・。」

「ほらな?」

 

おい、さっきまで罵倒しておいてその反応は如何なものかと思うんだが・。

まあ、そんな事は置いておき、ログアウトが出来ないなんて今後の運営にとって大問題だ。

ログアウトできないゲームなんて普通はあり得ないし、こんな壮大なシステムを作ってるのに、ログアウト機能を忘れるはずがない。

仮にあったとしても一度サーバーを停止してプレイヤー全員を強制ログアウトすれば万事解決するはずなのだが・・・。

 

なぜ運営はこの事をアナウンスしないのか・・。

いや、出来ないのか・・。もしくはこれ自体が本来の仕様でだったり・・。

やめだ・・。いくら考えても仕方ない。ログアウトできるまで待つか・・。

嫌な予感が的中しなければいいんだが・・。

そんな事を思いながら、奥から鐘の音が鳴り響く中、俺たちは白い光に包まれ消えた。

えっこれ大丈夫なんだよね・・・。




次回 俺達のデスゲームはこうして始まったのだ。

『ようこそ私の世界へ』

『俺のジャンプがあああああ!!』

『おいおい、まじかよ』

『よろしくな、お前ら』 


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第2話

何か気が向いたので、出してみました。
この作品は作者の自己満足で成り立っています。
だから、あまり同じ系列の他作品を比べられても困ります。
カオスでグダグダですが、それでよければ、どうぞ!!


和人  「SAO、別名ソードアートオンライン

天才科学者 茅場昌彦によって作られた世界初のVRMMORPG。

遂にβ版経て、配信開始した。そして、多くのプレーヤーが始まりの街で騒いでおり、圏外ではモブを狩っていた。

しかし、突如ログイン出来なくなってしまった。さてこれから彼らはどうなってしまうのか?勇者キリトはどう挑むのか」ドラゴンボールBGM

中・比 「「あらすじ長げえええええよ!!」」トビゲリ

和人  「ぶはああ」

中川  「もう、いい加減にしろよ!!何でDB式あらすじやってんだよ!!長いんだよ!!いらいらすんだよ!!」

和人  「だって仕方ないだろ!!俺前回全く出番なかったんだぞ!!キリトのキも出てないんだぞ!別にいいんじゃんアバンぐらい読ませてくれたって!!」

比企谷 「どんだけ、出番欲しいんだよ・・。ていうか元々、作者どちらかって言うと俺ガイルファンだから諦めろ」

和人  「諦められるかよ!!クロスだぞ!!クラインみたいなモブなら別にいいけど、何で主人公の俺が出てないんだよ!!」

比企谷 「今こいつから主人公とは思えない発言したんだけど・・。仲間をモブ扱いで切り捨てたぞ・・・。」

中川  「お前、いいがかりはよせよ?ちゃんと出番ならあったぞ?お前作者なめてんの?」

和人  「はっ?」

比企谷 「居たっけ?」

中川  「ほんじゃあ、振り返ってみよう」

 

目を開けると、周りにはプレーヤーたちと黒の剣士は交差するように歩いており、現実とはかなり違う世界が広がっていた。

 

中川  「ほらな、出番はちゃんと」

和人  「ねえええよおおおお!!」トビゲリ

中川  「ぶはああ」

和人  「完全にこれ前回の文じゃん!!それに絶対黒の剣士とかなかったよな!!今入れたよな」

比企谷 「お前な、プレーヤーたちにもお前だって含まれてるんだから納得しろよ」

和人  「出来るかあああ!!完全に俺モブ扱いじゃん、主人公から蹴り落されてるじゃん」

中川  「はい、というわけで」

比企谷 「本編どうぞ」

和人  「俺を無視するなあああ!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

白い光に包まれた俺たち、最初はログアウト出来たのかと思いきや、気づいたら始まりの街に俺たちはいた。

 

始まりの街 プレイヤーがログインして一番初めに訪れる、その名の通り、始まりの街。

 

そこに俺たちは強制転移された。

周りをよく見回すと、人がどんどん転移されてきていた。

何かのイベントか・・・。

 

奥からは

 

「一体、どうなってやがる?」

「何なの、どうなっているの?」

 

など、不安そうな顔をしながら、騒いでいる人たちがいた。

とりあえず、状況を把握したい・・・。

ひとまず、後ろに居たシンジに話しかける事にした。

 

「おい、シンジ、こいつは一体・・・?」

「・・・・・・。」

 

呼びかけても、返事が無かった。

まるで屍のようだ・・。

だんまり決め込むシンジにイラついた俺は大声で叫んだ。

 

「おい、シンジ!!」

 

それに気づいたシンジははっとして、俺を方を向き

 

「あ・・あ、悪い悪い。ぼおーとしてたわ・・。」

「お前な・・・。どうしたんだ?冷や汗凄いぞ・・。」

「そっそうか?気にするな。」

 

一体、シンジが何を考えていたのか、分からなかった。

だが、これ以上詮索はしなかった。人には誰しも聞かれたくない事だってあるしな?

決して聞く自信が無いわけじゃないからね?ハチマンウソツカナイ。

すると突然頭上に赤く《warning》って奴が出た・・・。何敵ボスが出て来るの?

やがて、それがこの広場上空をドーム状に包み込んだ。

そこにフードを被った巨大な人が現れた。

それと同時に周囲が一段と騒がしくなった。どうやらあれはゲームマスターらしい。

するとフードを被った巨大な人(ゲームマスター)が喋りだした。

 

『プレイヤー諸君 私の世界へようこそ。』

 

私の世界だと・・。という事このゲーム責任者か?

その巨体はさらに続けた。

 

『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ。』

 

かやば あきひこ・・・。えっ茅場ってあの茅場晶彦だよな。このゲームを作った。

という事はここで謝罪からのログアウトって事かな。

にしてもかなり手の込んだ謝罪会見だな。まあ、野〇村みたいにならなければいいけどな・・。

 

「本物かよ・・。」

 

「凄い手が込んでるな・・。」

 

周りもおそらくいきなりの開発者の登場に驚いているようだ。それもそうだ茅場晶彦は滅多に公の場に顔を出さないので有名である。

しかしなぜ出て来たのか・・。もしかして今回の不手際いの謝罪かオープニングセレモニーみたいなやつか?これ

 

『プレイヤー諸君はすでにメインメニューにあるログアウトボタンが消滅していることに気付いてきると思う。

しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これはゲームの不具合ではなく、《ソードアート・オンライン》本来の仕様である』

 

「仕様だと・・・。」

 

となりにいるクラインは状況を理解できていない様だ。

それはそうだ。俺も全く呑み込めていない。

 

とりあえずこっから要点だけ纏めよう!!

えっとまずクリアするまで出られないよ!!

そして外部からナーブギア外そうとしたら、死んじゃうよ!!

あとHP0になったら死んじゃうから、復活の呪文とか教会でセーブデータ保存とかないから、気を付けてね☆

 

最初ははったりだと思っていたが、キリト曰く原理的に脳を焼切る事は不可能では無いらしい。

その証拠に実際に213人もの犠牲者がすでに出てしまっている。

 

要するにふふふざざざざけるるるるななななな!!

おい、小町と戸塚にに会えねえじゃねーか!!

もし仮に自分のHPが0なったら・・・。

そんな事を考えてしまい、俺は寒気が走った。

同じく奉仕部での日々の記憶を頭の中で思い浮かべ、死んだら現実には帰れないんだよな・・。

いや、そんな事を考えるのは良そう・・。

最大の問題は・・・。

 

「クリア・・・。第100層できるわけねえだろ!!」

 

そう、第100層までクリアしないといけないらしい・・。

確かキリト曰く2ヶ月で第8層までだったよな・・・。

これ無理ゲーじゃね・・。

周りを見回すと自分が置かれている状況を理解できていない奴がたくさんいた。

まあ、無理もない。恐らくシンジもパニックになって

 

「明日はジャンプの発売日があああああああああああああ!!」

 

・・・・・・。自分の命より週刊雑誌を気にしている奴初めて見たわ・・・。

何でだろうか?こんなアホでも冷静にさせくれんだな・・。

うん、、全くもって褒めて言葉になってないが・・。

さて、どうしたものか・・。

そんな事を考えていると、茅場晶彦は更に続けた。

 

『それでは、最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。

証拠のアイテムストレージに、私からのプレゼントを用意してある。確認してくれ給え』

 

それ聞いて、俺はアイテムストレージを確認すると、《手鏡》が入っていた。

すると周囲がどんどん眩しきなって行った。

そして俺もその光に包まれていった。

周囲を見回すと、何も起こってなかった。ていうか茅場は何がしたかったんだ。

俺は手に持っていた鏡をのぞきこんだ。

ほうほう、俺の顔が映っているなあ・・・・。

あれ、これアバタ―の顔と全然違うような・・・。

むしろ見慣れた顔と言うか・・・・。

ていうか現実の顔じゃねーか・・。

顔を上げると、見知らないイケメンが一瞬こっちを見て驚いた顔して

 

「お前、誰?」

「いや、お前こそ誰だよ?」

 

奥では、『お前がキリト(クライン)!?』と叫ぶのが聞こえてきた。

ちょっと待て頭を整理しろ。アバタ―の顔が通常の顔に戻ってる事は・・・。

まさか・・・・。

 

「「お前 シンジ(ハチマン)かああああ!!」」

 

お互い完全にこえがかぶった

やっぱりか・・・。

それにしても、一体何が起きてやがるんだ・・。

すると肩を叩かれた気がしたため、後ろを振り返るとシンジが驚いた顔で俺の顔を見ていた。

 

「何だよ・・・。」

「おっお前、目怪我してんぞ?」

「はっ?」

「いや、目が何か濁ってるていうか、何ていうか大丈夫か、眼科行った方がいいんじゃねえの?」

「この目は元からデフォだ、むしろこの状況でそんな事言っている場合、お前こそ病院にその脳みそ見て貰ったらどうだ?」

「いや今はやめておくわ。どうやら奴さん病院にもいかせてはくれないらしいからな・・・。」

 

そう言うと、フード男の方を見ながら言った。

フード男は、一瞬騒がしくなくなると、つづけた。

 

『諸君は今なぜと思っているだろ。なぜソートアートオンライン及びナーブギア開発者の茅場晶彦はこんな事をしたのか?

私の目的は既に達成せられている。この世界を創り出し観賞するために私はソートアートオンラインを創った。』

 

そして自称茅場晶彦は一泊置いてさらに続けた。

 

『そして今、全ては達成せしめられた。以上でソードアートオンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。』

『プレーヤー諸君の健闘を祈る』

 

そういってフード男がきえていき、一瞬にして辺りを覆っていた赤いなにかは消えた。

しばらく沈黙が続き、1人の叫び声をきっかけに辺りは一層騒がしくなった。

 

「ふざけるなああああ!!ここから出せええええええ!!」

 

「殺す気かよおおおおお!!」

 

「嫌ああああ!!帰してえええええ!!」

 

ちっ、ここでちんたらしている暇もないよな・・。

俺はシンジと目を合わせた。

どうやらベータ時代を体験した俺達だからこそできる判断だろう・・。

正直ここに居る初心者に構っている余裕はない。

俺達は早速街を出て、門を潜り抜け、圏外へ飛び出した。

そしてお互い剣を抜き、背中を合わせた。

圏外に出れば、もうそこは戦場だ。

いくつかモブがポップしてこちらに向かってきた。

その様子を見たシンジは俺に聞いてきた。

 

「さて、どうしたものかね・・?ただ遊びに来たはずが、いつの間にかこうなっちまってやがる」

「どうもこうもねえよ・・。ここを強行突破するだけだ・・。俺はここで死ぬつもりなんかない・・。」

 

『フフフ、貴方らしいわね。』

『ヒッキー、また学校で会おうね』

『八幡、お大事に』

『お兄ちゃん、ちゃんと帰ってこないとポイント没収だよ?』

 

俺だって帰るべき場所がある。

こんな所で死ぬつもりなんかない。

背中合わせになっている状態だが、シンジも恐らく考えていることは同じだ。

 

「そうかい、じゃあ俺も同じだ・・・。いいかハチマン、眼前の敵のだけをぶった切れ、お前が死なない限り、俺も死なねえ・・。だから」

「「それまで死ぬな(死ぬんじゃねえぞ)」」

 

俺達は駆け出した。

モブを狩りながら、前へ進んでいく。

これからどのような事が起ころうとしているかは俺には分からない。

だからこそ、絶対生き残ってやる。

こうして俺たちのデスゲームは始まったのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれから何分経っただろうか。周囲は先ほどより一層騒がしくなった。

茅場昌彦は、嘘をついていない。初めから本当のことを言ってたのだ。

だとすれば、HPが全て無くなれば、俺は死ぬのか・・。

そして茅場の言う事が正しければ、こんな所で俺は止まっているわけにはいかない。

俺は、クラインの手を取り、とりあえず建物の陰まで走った。

状況をあまり把握していないクラインは少し戸惑っている様子だった。

それは、そうだ。俺だって正直まだ動揺している。

だが、そんな事を言ってる場合でないのは確かだ。

俺はゆっくり深呼吸してからクラインに話しかけた。

 

「よく聞け。俺はすぐに次の村へ向かう。お前らも一緒に来い」

 

このゲームで生き残るには、経験値やアイテムをどれだけ得られるかが勝負だ。

恐らく他のβテスターもそれを狙って動き始めているに違いない。

 

「あいつの言う事が本当なら、この世界で生き抜くにはひたすら自分を強化しなくちゃならない。そして俺たちが得られる金や経験値は限られている。始まりの街周辺の狩場は

すぐに他のプレーヤに狩りつくされるだろう。効率よく稼ぐには今のうちに次の村を拠点にした方がいい。俺は道も危険ポイントも全部知っているからレベル1でも安全に辿り着ける。」

 

本来ならソロである俺は、もうすでに街を出ているはずだった。

でも出来なかった。クラインを置いていく事が俺にはできなかった。

クラインは一瞬驚いた顔をしたが、少し申し訳なさそうな顔をした。

 

「でもよ・・。俺は他のゲームで得た奴らと徹夜で並んでこのソフトを買ったんだよ・・。あいつら置いてなんか行けねえよ。」

 

俺は迷った。本当のことを言えば、クライン含めて彼らを連れて行きたかった。

しかし、初心者が集まりすぎれば、どうなるかなんて分かりきっている。

だが、どうにかしようと俺は必死に頭を働かせようとした。

 

「わりい・・・。お前にこれ以上世話になる訳には行けねーし。だから気にしねえで次の村行ってくれ」

 

クラインは笑いながら言った。だがどこか違和感がある笑顔だった。

その言葉を聞いた俺は、そうかじゃあここで別れようと言い、クラインに背を向けて前に進もうとした。

すると背後からクラインで大声で叫んだ。

 

「キリト!!お前意外とかわいい顔してんな!!結構好みだぜ!!」

「クライン、お前もその野武士面の方が十倍に似合ってるぞ!!」

 

一度振り返って俺はそう言って、前へ走り出そうとした。

だが、一歩一歩前に出す足が重く感じ、終いには立ち止まってしまった。

一度振り返るものの、そこにクラインの姿はもうなかった。

俺は、そのまま走り出した。

決して逃げてるわけではない。

だけど、罪悪感が俺を引きづっていた。

それでも、俺は走り続けた。

そしてこの日を後悔しないために、心に決めた。

 

絶対、この世界で生き残ってみせる

 

こうして俺のデスゲームは幕をあげた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「教えて、しんちゃん先生!!」

「は~~い、教えてしんちゃんんで~~す。別にクレヨンとか工藤とか付かないので間違えないように。まずGAKINAGAさんから質問です」

「全くSAOキャラ出て来ません・・・。冒頭であんな振りしといて全く出せませんでした。どの面下げてハーメルンに投稿していけばいいか分かりません。どうすればいいですか?」

「知るか、はい次」ぽい

「ま人さんからの質問で~~~す」

「これってハチマン無双的な奴っすか?タグにHachimanしちゃったりしますか?」

「そもそも皆さん、別にるろうに剣心とか三國無双とかそんなゴールド聖闘士を目指している作品ではありません。何でこうなっているかと言うと、作者がこれやったら面白くね?どやって感じで誕生したので、そういうのはあるかもしれないし、ないかもしれません。まあ、そんな感じです。分からない人は分からなくてもいいと思います。ぶっちゃけっ自分も分かってないので・・・。はい以上教えてしんちゃんでした。」

 




次回 俺の周りにはろくな奴はいない。


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第3話 

久々の投稿ってやっぱ緊張しますよね。
投稿暦ざっと一年なのに、何故かソワソワするなんでだろうね・・・。
というわけで本編どうぞ!!


 

[chapter1:やはり比企谷八幡にはろくな出会いがない]

 

『プレイヤー諸君はすでにメインメニューにあるログアウトボタンが消滅していることに気付いてきると思う。

しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これはゲームの不具合ではなく、《ソードアート・オンライン》本来の仕様である』

『そして今、全ては達成せしめられた。以上でソードアートオンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。』

『プレーヤー諸君の健闘を祈る』

あれは夢では無かった。あの悪夢からほぼ2週間経とうとしている。犠牲者は1000人を超えようとしていた。

情報によれば、大量のβテスターが亡くなっているらしい。

恐らく、情報変更でもあったのだろうと言われているのだが・・。

それには気を付けながら、俺たちは取りあえず、ひたすらレベル上げした。

現在俺はレベル11であり、武器は片手剣 スキルスロットは一応《片手剣》、《探索》、《隠蔽》を取得した。

いや、別に人に見つかりたくないとかじゃないからな・・。そもそも俺探す奴なんていなかっただけだからな!!

ハチマンウソツカナイ!!

 

 

犠牲者は日々増えていく一方だが・・・・。

 

 

未だ第1層は誰もクリアできていない。

 

 

 

 

 

 

俺達は、始まりの街を去り、次の村であるホルンカ村近くの宿屋に泊っていた。

互い別々の部屋に宿泊している。

窓から差し込んでくる日光、周りを見渡しても現実と何も変わらない。

むしろ区別何てできないほど、似すぎている。

しかし、これは全て茅場晶彦によって創られた『偽物』なのである。

現実では俺は恐らくこうやってずっと眠っているのだろう・・。

小町とか戸塚とか元気にやっているだろうか・・。

雪ノ下は、こんな状態の俺でも恐らく罵倒してそうだな・・。

ていうか、あいつに感情何てあったっけ・・・。

由比ガ浜は帰ったら、色々と言われそうだな・・・。

材木座は・・・・。そんな奴しらん・・・。

平塚先生は、戻ってるまでに結婚相手が見つかっていれば、幸いです・・。

てか本当誰かもらってやれよ・・・。

ベットから起き上がった俺は鏡を見た。ここにうつっている俺は本物なのか偽物なのか?

そんなどうでもいい事を考えながら、俺は装備整え、フードを被り、外に出た。

そしていつも通り俺は攻略に向かうのであった。

 

さすがはホルンカには、たくさんではないが、何人かすでにプレーヤーがいた。

恐らく、彼はβテスターの連中だろう。情報を持ってなければ、ここには来ないだろうからな・・。

何故、俺たちはこの町に来たかというと、単純だ。敵が一番少ないルートをたどれば、ここにたどり着くからだ。

つまり、俺にとっては、一番最適なルートなのだ。

シンジは、武器やポーションの調達に出かけて居ない為、俺は一人で行動している。

まあ、本来なら宿に籠っている俺がめずらしく外に出ているのには訳がある。

それは、情報収集だ。そうこの世界は情報で勝敗を喫する。

βテスターによる攻略が第8層までだったといえ、それまでの情報つまりイベントやアイテムなどの情報は確実に分かっているはずだ。

まあ、自分で一つ一つ探すというのが、定石であり、ゲームの醍醐味と言われてはいるのだろうが、正直今の俺では確実に死ぬ。

自分の命が懸かっている状態で、下手な行動はできない。となると、俺のやれる事は二つに絞られる。

一つ目は、俺が掲示板に共有サイト擬きをでっち上げ、そこに情報提供の暁には報酬があると釣る。

勿論、報酬なんてあるわけもないし、責任追及されても管理人は匿名だから、俺がやったとは分からない。だが、これにはデメリットが一つ。

そもそも掲示板を開いたところで誰も書いてくれないという事だ。

二つ目は、情報屋に、聞く。こいつはシンジからの情報だが、この世界には、なんと情報を金で売るブローカーがいるのだ。

何それ、俺もなりたいんだけど・・・。だって情報売れば、バカ儲け出来るんだろ。

あ、情報入手できるような相手なんていなかった・・・。

ボッチのばっか野郎!!くそ・・。俺のアイデンティティーが仇になるとは・・。

 

「やあ久しぶり、βテスト振りだね?」

 

にしても、情報どうやって集めようか考えても仕方ないよな・・・。

 

「あは、それはわざと無視しているのか?それとも構ってほしく無視しているのか?」

 

あー、今日は歩き回って疲れたし・・・。

帰って寝よう。うん。

これは決して惰眠むさぼるわけではない。

人間だれしも睡眠は重要だというしな。

腹が減っては戦が出来ないのであれば、睡眠なくして戦はできないはずだ。

よし、俺はベットに寝る。誰に言われようが、俺は寝るんだ!!

「よし帰ろう」

「おいおい、帰っちゃうの?ハチマン君?」

 

ちっ、無視してたんだけどな・・。名前を呼ばれてしまっては無視できねえじゃねえか・・・。

本来こいつの職ならば、頼りたいところだが、正直頼りたくない・・。

一番、関わりたくない奴にまるで遭ったかのように大きなため息をした。

 

「何その溜息、いいかハチマン。君はわざと溜息をして俺に関わるなと思ってはいるが、実は君が俺に情報教えて欲しいとも思っている。

だけど君は俺の事が嫌いすぎて、近づくどころか話しかけたくもない。よって黙り込むんだ。どうだね?」

「そうか、それなら一つ訂正しろ。嫌いすぎてじゃなくて死ぬほど嫌いに変換しとけ」

 

こういう面倒な場合は俺の日常物凄く稀だ。

基本的に絡んでくる奴なんてこいつかシンジか材木座ぐらいだ。

この三人以外は基本はなすどころか、関係すらない。

だが、こういう場面は相手に嫌悪の意思を見せれば、きまづくなって確実に去っていく。

よって、ハチマンはそいつを全力で睨んだ。

 

「うわう、怖いな?そんな睨まないでよ・・・。」

 

攻撃は外れたようだ・・・。

どうやら、こいつに精神攻撃は聞かないらしい。

 

「ハハハハハ、全く、君は面白いね。今まで俺が見てきた人間でもかなり異質な存在だよ。」

「帰る」

「まあ待てよ。この俺が無償で情報を渡すと言っているんだぜ。悪い話ではないだろ」

 

大抵こういうのは、罠だ。いい話なんて存在

 

「今君は俺がいい話なんて存在するはずがないって思ったな。(・∀・)イイネ!!いいよーそういう懐疑的な所」

 

うぜえ・・・。半端なくうざい。ただこれ以上の抵抗は無駄な体力を使うばかりであり、帰ろうとしたところで意味がない。

押しても引いても無理なら諦めろがモットーである俺は潔く抵抗をやめたのであった。

 

「なんだ、手短に終わらせろ」

 

いつも通り面倒くさそうな態度で、いう。

自称情報屋と唄っているこいつは、まるで上から目線で、嘲笑うかのような笑みで答えた。

 

「ああ、君ならそう言ってくれると思ってたよ。」

 

これが、SAOに来て、俺と情報屋ラビの初の会話だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[chapter2:桐ケ谷和人は仲間を見つける]

 

ホルンカにたどり着いた俺だが、とあるクエストを受けていた。

実は、これはβテスターでしか知らない情報なのだが、ここら辺は大量のリトルペネントがホップする。

初心者からしたら、何でそんな危ない所に行くのかと思うっかもしれない。確かに圏内つまりモンスターが全くホップしない所に居れば、少なくとも命だけあるかもしれない。

だけど、それは命を大事にすることは可能だけど、クリアする事は出来ない。クリアをするには、闘う必要がある。命が懸かっても圏外に出ないといけないんだ。

そして、闘って勝つには、レベルアップもそうだがスキルの習得そしてアイテムと武器の調達が必要となってくる。

勿論レベルアップには、経験値が必要となってくる。そして、その経験値を得るには、情報が必要なのだ。

つまり、NPCのクエストやイベントなどを知っている元βテスターが今一番有利なのだ。

村の奥へ行くにつれ、暗くなってくるものの、木の葉っぱの間から零れる光がかろうじて俺の視界を明るくした。

今回のクエストは、NPCクエストであり、≪アニール≫という武器が報酬としてもらえるらしい。

設定としては、ある村人の娘が重病になってしまった為、治療薬の材料として≪リトルペネントの胚珠≫が必要らしい。

よって、それを村人に持って行けば、クエストは初めてクリアできる。まあ、よくあるRPGゲームみたいなもんだ。

そして、SAOでは、こういうイベントは多く存在する。こういうイベントは数が限られているから、早い者勝ちになってしまう。

だから、こういうクエストは、今のうちにやってしまう必要がある。

どんなモンスターが出るのか、少しワクワクしている反面、この世界に来て、不安がないかと言われると、そうでもない。

実際に、死者は出始めているらしい。まあ、いい。βテストで何回かやったんだ。パターンも頭に入っている。

このクエストでは、ひたすらポップしてくるリトルペネントをただ倒していく。ただずっと倒しているわけではない。

恐らく、倒していく最中に、1%以下の確率で口の上に大きな花を咲かせたリトルペネントが現れる。

そいつを倒すことが出来れば、クエストクリア同然なんだ。もしかして1%の確率を気にしてる人もいるだろうが、実はひたすらリトルペネントを倒し続けることで

見つかる確率が各段に上がるんだ。だから、そこまで難しいクエストではない。ただ注意すべき点が一つ。

それが、丸い実をつけたリトルペネンだ。これを攻撃してしまうと、広範囲から仲間を呼び寄せてしまう。

それさえ、注意していれば、後は簡単だ。そう思いながら、俺はリトルペネントをポリゴンにかえしていった。

一通り、自分の周りに群がっていた敵を駆除した俺は、次の集団を探す事にした。

 

「あの・・・・。」

「さてと、次はどこに行けば?」

「あのおおお!!」

「うわあ、誰だ?」

 

情報を頭で整理していたため、全くもって気づかなかった。

 

「すっすいません・・。驚かせるつもりはなかったんです・・・。」

「いや、俺こそ・・・過剰反応しすぎた・・・。」

 

驚いた。正直、何人かβテスターがホルンカにたどり着いてもおかしくはないくらいの時間は経ってはいるが、

ここまで来ているプレーヤーがいるとは、想定外だ。

そして、恐らくここまで早い時間でこれたという事は、この人は俺と同じなのか?

「そっその・・よければ、一緒にクエスト受けませんか?」

 

一瞬、考え込んだ。正直言って、このままひたすら倒していっても時間がかってしまう。

人手が増えれば、時間短縮にはつながるけど・・。

 

「え、これ一人用だと思うんだけど・・。」

 

そう、確かにものによってはパーティ全体が報酬をもらえるクエストもあるけど、このクエストは違った。

 

「知ってるよ、でもこれって《花つき》はノーマルを狩れば狩るほど出現率が高くなるんだろ?だったら、

二人でやれば更に高くなるんじゃない。それに最初に獲得したアイテムは君に譲るよ、ただその後出てくるまで手伝ってほしいから、それでいいか?」

「ああ、それで・・・頼む・・・」

 

多分、どこかしら罪悪感がまだ残っていたんだと思う。あの日クラインを置いて行った俺に、人と組むという事が許されるのだろうかと・・。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[chapter3:それはまるでジャンプの主人公ヒーローのようだった。]

 

ちなみに余談だが、そいつの名前は『コペル』というらしい。俺と同じ元ベータテスターだ。

その後は、リトルペネントの集団を見つけては、闘うの連続だった。

さすがは、元βテスターなだけある。ソードスキルの使い方から敵との間合いなどを熟知している。

コペルがタゲをとり、俺が弱点をついて倒していくことをつづけた。

ただ、ここで問題が発生した。あれから一時間は経っただろうか、100体以上のリトルペネントを倒しているのだろう。

それでも《花つき》は出てこなかった。正直言って体力が消耗し始めており、限界に近づいてきた。

 

「なかなか出てこないな」

「ああ、もしかしたらβ時代から出現率が変更されているんだろうな」

 

ライフゲージを見れば、赤色になっており、時間的にも一旦街へ戻っていいと思えた。

基本的に、SAOではライフゲージ制度であり、まあこの世界ではHPバーともいうが、とにかく、これが無くなる、つまり0になった瞬間、ゲームオバーだ。

敵からダメージを喰らえば、ライフゲージは減っていく。HPバーの示す色によって、自分がどれくらいHPが残っているかが大まかにわかる。

八割がた残っていれば緑、半分に差し掛かると黄色、そしてほとんどない場合は赤色とバーの色が表示される。

すでに俺もコペルもHPはわずか、ここまで倒して出ないとなると、諦めるしかないか・・。

そう思っていた。俺は剣をしまい、ホルンカに戻ろうとしたその時、コペルが驚いたような目をしていた。

どうやら、何か発見したらしい。まさかと思い、振り返ったら、そこには花を咲かせたリトルペネントが立っていた。

気付けば、俺たちは目を合わせ、剣を抜き駆け出していた。そして全力で近づき、振り下ろそうとした瞬間、

 

「キリト待てえええええええええええ」

 

コペルの一言で、俺の剣は止まった。

一旦、敵から距離を置くために、離れた。

そして背後を振り向いた。その時のコペルの顔から焦りのせいか表情がこわばっていた。

 

「何で、止めるんだ?」

 

そう言うと、コペルは俺を止めた理由の正体に指さした。

そこには、≪実≫のリトルペネントが居た。

その≪実≫をわずかでも傷つければ、すぐに破裂して臭い煙をまき散らす。

それだけならまだいいのだが、最悪なことにその煙がほかのリトルペネントを呼び寄せるのだ。

どうする・・・。元ベータ時代を体験している俺達なら、倒す事は出来なくもない。

だが、慢心一つで、戦況は変わるものだ・・・。その≪実≫を誤って切ってしまえば、死ぬ可能性は更に高くなる。

 

「ボクが≪実≫のタゲを取る。だからキリトは≪花つき≫をその間に倒してくれ」

「分かった」

 

俺は、剣を握りしめ駆け出した。

そして、自分の持つベータ時代での経験をもとに、敵をどんどん切り倒していった。

相手を動きに合わせ、刀を振るっていく。

気付けば、周囲は青いポリゴンがいっぱいだった。

そして、落ちていた≪リトルペネントの胚珠≫を拾い上げた。

未だ、戦い続けているコペルの元に向かおうとした時だった。

一瞬の違和感を感じたのは、このころからだった。

いや、もっと前からあったのかもしれない。コペルの事だ。

別に誰かとクエストをこなしたことがない為、不慣れだったとか、そういうのではない。

彼に背中を預けた以上、無駄な詮索もしたくなかったから、敢えて気にしないことにした。

普通に考えれば、こんなクエストに二人で挑むことは異例なのだ・・・。

頭の中でよぎった疑念を振り払い、俺はコペルの元に向かった。そして、彼に声をかけた。

 

「おい、コペル、こっちはもう・。」

「ごめん・・・・。キリト」

「はっ?」

 

コペルは、俺が戻ってきたタイミングで相手にしていた実付きのリトルペネントの実を持っていた剣で切り刻んだ。

そして、≪実≫が破裂したことを確認すると、森の中へ走って行った。

コペルの後を俺は、急いで追いかけようとしたが、気づけば、リトルペネントの集団に囲まれていた。

 

「くっそ・・・。きりがない・・。」

 

正直言って、β時代からソロでやってはいたものの、やはりきつくなってきた。

そして、目の前にいる敵を一通り倒し、これでようやく終わったっと・・。そう思っていた。

一瞬安堵してしまった時、気が抜けてしまい、俺は勢いよく前に飛ばされていた。

後ろを振り返れば、まだ生き残っていた敵が数匹立ちはだかっていた。

倒そうと、立ち上がったが、手にあったはずの剣がなかった。

恐らく、先ほどの攻撃でどこかに飛ばされてしまったのだろう・・。

このまま行けば、俺は死ぬのか・・。死ぬのか・・。こんなところで・・。

直葉、母さん、父さん・・。死ねない・・。こんなところで俺は死ぬわけには行かないんだ・・。

気が付けば、急いで起き上がり落とした剣を取りに戻ろうとした。

 

頼む、間に合ってくれ・・。

剣に手が届いた瞬間、後ろからパリーンと砕ける音がした。

 

「さて、ギリギリセーフってところかな?」

 

誰の声だ?一瞬俺は思考を巡らせた。ここに居るのは、俺とコペルだけのはずだ。

ただ、この高い声は、コペルの物ではない。俺の、その正体を確認すべく振り返ると

 

「大丈夫か、あんた?まあ見た感じ、生きてはいるみたいだな」

「あんたは誰だ?」

 

おかしいとは思わなかったが

 

「そうだな、一言でいうなら、ジャンプの主人公とでも呼んでくれ」

 

手にした日本刀を肩に当てて、怯えもなく満面の笑みをしたその男の堂々と俺の前に立っていた。

その姿は、まるでヒーローだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[chapter4:シンジは彼を気になっている。]

 

あの後、俺はとある奴の言われた通りの場所にきて、クエストをこなそうとしたんだが・・・。

クエストおろかキリトというイケメン少年を救ったわけだが・・・。どうやら、この少年もクエストを受けに来たんだろう・・・。

本来なら、夜通しで狩り続けようと思ったが、俺の気が変わった。

とりあえず、俺は一旦街に戻って、ハチマンの生存も確認しようと思った。ついであいつにも報告しておきたいしな・・。

そして帰り際、キリトにも何があったのか話だけでも聞こうと思った。

ただ、本人もかなり疲弊していた為、近くの木にもたれかかり、休憩していた。

今まで何をして、何があったのかを詳しく聞いた。

 

「なるほどね。片手剣がもらえるクエストかあ・・。知らんかったな」

「ああ、そう言えばさっきは助けてくれてありがとうな」

「いや、気にするな。まさかクエストをやろうと思ったら、リトルペネントの大群に囲まれてるのを見つけてな」

 

そうなのだ。本当に偶然だったのだ。

まあ、俺としては正直クエストをやりたかったが、半分の目的は達成したから良しとしよう。

キリトは少しワクワクとした表情ていうか、全身から効果音が聞こえてくるんだけど・・。

 

「にしても、あんた強いんだな?」ワクワク

「実は、俺には超能力が・・。」

「あるわけないだろ!!SAOだぞ!!」

「ちっ、空気よめよ、キリトくん・・。助けなきゃよかったぜ」

「今、ジャンプの主人公とは思えない台詞言ったよ!!この人」

 

はあ、テンションだだ下がりだぜ・・。

まあ、先ほどよりかは元気そうになったみたいだし・・。

 

「まあいい。そんな事によりだな。俺の言いたい事分かってるな」

「ああ・・・。」

 

やはり分かってはいたみたいだな・・。

正直ここに来て初ケースだからな・・。

 

「そいつは紛れもなく『MPK』だ」

 

そう言うと、キリトは黙り込んでしまった。

まさか思いもしなかっただろうな、先ほどまでは一緒に戦っていた仲間が自分を殺そうとしたんだから・・。

『MPK』モンスタープレーヤーキルという長ったらしい名前はついているが、簡単に言えば殺人だ。

この世界には、法もモラルも倫理などは、基本的にはない。なんなら無法地帯と言っても過言ではない。

だから、いずれこういう事も起こるだろうとは思っていたが、こんなに早く起こるとはな・・。

 

「なあ、そいつは・・・。」

 

そいつとは、恐らくキリトが一緒に戦い、そしてキリトを殺そうとしたコペルと言う奴の事だろう・・。

答えようとした瞬間、口から言葉を発する事が出来なかった。

まるで、金縛りにあったかのようだった・・。

黙っていても、キリトはただ俺の目を見つめていた。

 

「・・・・・。」

「・・・・・。」

 

正直に言って、答えていいのか?躊躇した。ここで黙っていて、こいつにいいのか?

たとえ殺されそうになったとはいえ、こいつはそいつの事を大切な仲間だとおもっていたはずだ・・。

だけど、ここで黙っている事を俺は何故か許せなかった。

それにここで言わなくともいずれは真実を知ることになるのだろう・・。

偽って、取り繕っても、化けの皮はいずれはがれてしまう・・。

そんなものに意味がない。そう言えばあいつそんな事言ってたっけな・・。

 

「そいつは死んだよ・・・。」

 

ほんと、真実とは残酷だ・・・。

そんな酷く、悲しい真実を俺は彼に突き付けていた。

 

「そうか・・。」

 

彼はその一言だけ言って黙り込んでしまった。

複雑な気持ちでいっぱいだったのかもしれない。

彼に殺されかけたというコペルへの失望そして守れなかったという自分への失望

 

「そう言えば、こんなもんが落ちてたな」

 

ストレージからシンジが取り出したのは、コペルが装備していた盾と剣だった。

キリトはそれを受け取ると、近くにあった丘に突き刺した。

そして、しばらくそれを見つめると、シンジのほうに向きなおった。

その顔は未だ真っすぐだった。そして迷いのない目をしていたの言うまでもなかった。

 

「この後、どうするんだ?キリト」

「とりあえず、このクエストを終わらせる。今後の事はまた考えるさ」

「そうか・・。ほなここで別れよう。俺もやることあるしな」

 

シンジもホルンカにさえたどり着けば、後は大丈夫だろうと思った。

それよりも他の連中の事も気になっていた。だからキリトとは暫く別行動をしようかと考えた時にふと思い出した。

盾なしのソードマンの噂を・・・。β時代にソロで狩っていたプレーヤー。

最近とあるプレーヤーから得た情報を元にあることを思いついた。

多分これは詭弁だ・・・。どこか昔の自分を自己投影して放っておけなかった自分がどこかに居た気がした。

 

「おい、キリト・・・。お前、ボス攻略に興味ない?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[chapter5:それでも桐ケ谷和人は戦い続ける]

 

「おい、キリト・・・。お前、ボス攻略に興味ない?」

 

そう言われた時は、少しうれしかった。だけどどこか断ろうとしている自分が居た。

確かに、いずれはボス攻略には参加したいと思っていたし。

いずれはボスの部屋も見つかると思っている。

だから、断る理由はない・・。そのはずだった。

それでも躊躇している自分が居た。β時代を経験しているため、足を引っ張ることはない。

それでも、コペルのように自分をPKしようとするのではないか・・。

そして、自分はシンジの事を本当に守れるのか・・・。

一見矛盾している二つの思いが込みあがった。

更に、クラインを見捨てた俺に彼と戦う資格はあるのだろうか・・。

 

「もしも、コペルの事を気にしているのか?」

「・・・・。」

 

何も返すことが出来なかった。これまではずっとソロを続けていた。

誰も頼ってこなかった。頼る相手が居なかったのだ。

そのせいか、守るべき人が居なかったのかもしれない・・・。

コペルの死は、自業自得であり、むしろ俺を殺そうとしたのだから当然なのかもしれない。

それでも守りたかった・・。クラインを連れてきても守れることを証明したい自分が居たのだと思う。

言葉にしようと深く考えていた俺の頭をシンジはポンと手をのせた。

 

「はああ、別に俺の事を信じろとは言わねえし・・。別に無理して来いとは言わねえ・・。だけど、死んだ奴を思っているなら、一つだけ言ってやる。生きろ、生きてそいつの分まで生き延びろ!!もう死んだ奴には何も出来ねえんだよ!!生きている俺たちが出来ることなんざ皆無みたいなもんだ!!だからせめてそいつの分まで生きて現実に帰ろうぜ」

「ああ・・・。」

 

ほんとだ・・。シンジの言う通りだ・・・。

死んだ奴にできる事なんてない・・。

だからと言って、何もしないわけにもいかない。

 

「もしも、二度とこんなことになりたくなければ、方法は一つだ・・。」

「強くなれ、キリト」

 

シンジは力強く言った。

その言葉に俺は触発されて気がした

 

だから

 

だから

 

だから俺はそれでも戦い続けるのだと思う。

 

きっといつか守りたい人を守れるために・・。




次回 赤ずきんをリアルにやってみてもやっぱ俺って敗者ですか?

何か意見感想(誹謗中傷のぞいて)であれば、ウェルカムです!!
というより、よろしくお願いします。


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第4話

最近、なんかネタが思いつかず、SAおプログレッシブの漫画を見てしまい、オリジナル展開じゃなくね?とか思いつつ、無理やりオリキャラぶち込むというね・・。まあ何が言いたいかって?ネタ募集してます♡
というわけで本編どうぞ!!


平塚   「いやあ、ついに4話目とは!!ハハハ。一度は打ち切りだと思ったが、よく耐えたな!!ハハハ」

ハチマン 「いや、あの・・・。」

平塚   「どうしたんだ?比企谷」

シンジ  「すいません・・。何してんすか?」

平塚   「いや、これから冒険が始まるんだ。さぞかし、私の出番も増えるだろう!!」

ハチマン 「あ・・・。」

シンジ  「うん・・・。」グスッ

平塚   「どうした二人とも!!何で喜ばない?」

ハチマン 「あの、平塚先生。すごく盛り上がっている所申し訳ないんですけど・・。」

シンジ  「その、あんた出番ないよ・・・。」

平塚   「え?」

ハチマン 「いや、確かに俺ガイルキャラとSAOキャラの出番でクレーム来たけど・・・。」

シンジ  「先生、ついにモブキャラどころか出番ないです。」

平塚   「ははは、比企谷、冗談だろ?」

ハチマン 「いや、本当です・・。」

平塚   「比企谷、とりあえず一発殴らせろ」

ハチマン 「グハッ・・。理不尽すぎっる・・・。」バタ

シンジ  「ちょっと、おっ落ち着いて下さいって・・。まあまあ」

平塚   「主役みたいな感じで出ているお前に言われたくないんだよおおお!!くそ、二期ではいい感じに目だってたじゃん!!何でここでは出番がないのだ!!」

シンジ  「いや、仕方ないじゃないですか?俺ガイルキャラとSAOキャラで多いんですよ?」

平塚   「自来也みたいな師匠キャラでいい感じに死ぬ作戦を狙ってたのに・・・。(涙)」

シンジ  「涙流しながら、何とんでもない事言ってんだ、あんたは!!」

平塚   「もういいよ・・。結婚できないし、彼氏できなし、出番ないし・・・。何を目標に生きていけば・・。くっ」

シンジ  「いや、たいした悩みじゃないですよね?明らかに貴方の願望ですよね?」

平塚   「ちっ、もっと、金を貢げばよかったのか・・・。くっ」

シンジ  「くっ、じゃねえよ!!金貢ぐ前にその考えをなんとかしろ!!」

ハチマン 「仕方ねえよ、この前も、生徒に『先生、子供居ませんよね』とか言われて完全にメンタル持ってかれてたからな・・。」

平塚   「ぐふ・・・。」バタリ

シンジ  「何で、お前当たり前のように復活してるわけ?」

ハチマン 「あの人のパンチは何度も喰らってるからな。なるべく腹に力入れとけば、衝撃は干渉される」

シンジ  「そう言えば、ハチマン。」

ハチマン 「どうした?」

シンジ  「ここまできてあれなんだが・・。この人誰?」

平塚   「ぐはっ・・。」

ハチマン 「はっ?お前今まで知らないのに、会話してたのか?」

シンジ  「だって、しょうがないだろ?スタンバイしてたら、いきなり殴りだすわ、暴れ出すわ、終いには何か語りだすわ・・。突っ込みで手一杯だわ!!」

ハチマン 「あの人は、俺の担任だ。」

シンジ  「????ワンモアタイムプリーズ?」

ハチマン 「何で、そこ英語?いや、あの人一応俺たちのクラスの担任だ。」

シンジ  「は?あの暴力振るい、更に出番を求めだす大人と思えない人が担任?」

平塚   「ぐふ・・・。うううう・・。」

ハチマン 「不本意だが、そう言う事になるなあ・・・。」

平塚   「もうおうち帰る・・・。(洪水)」

シンジ  「あ~あ、帰っちゃったよ・・・。どうすんのこれ?」

ハチマン 「それなら問題ない。作者から手紙をもらってる」

シンジ  「手紙?」

ハチマン 「あ、読み上げるぞ」

作者   『本文、出来てないから、とりあえずよろ。テヘ』

シンジ  「テヘじゃねええよ!!いや、読めてたけどさ!!前作から何一つとも変わってねえじゃねえか!!」

キリト  「前作が気になる方は、やはり俺がSAOにいるのは間違っているで検索検索!!」

シンジ  「お前もちゃっかり入り込んでるんじゃねえ!!」

キリト  「ぐふ・・・。もっもう少し出番を・・・。」チーン

シンジ  「ったく、どいつもこいつも出番出番言いやがって・・。」

ハチマン 「それなら、お前も出番削るか?」

シンジ  「いやあ、やっぱ出番があるっていいな、あははっはは!!」

ハチマン 「うわあ・・・。」

シンジ  「そっそんな眼で見るなよなあ?ヒキタニ」

ハチマン 「名前間違ってるし・・。」

シンジ  「にしても、新約ってなんだよ・・。路線変えちゃうわけ?そうだよな?そうしないとわざわざ新シリーズとして書くなんて事しないもんな」

キリト  「そういうな、シンジ。本来なら、かき続けてもいいんだけど、作者がなんか設定を気にしないといけなんだぞ?」

シンジ  「だから、何で当たり前のように復活してんだよ・・。」

ハチマン 「そう言えば、前作はキリトの陰すごく薄かったもんな・・・。主役というかモブだったもんな・・・。」

キリト  「おっ俺だって・・・。俺だって・・・。主役なのに・・・。」

シンジ  「どんだけ主役になりたいんだよ!!お前は!?恐いわ!!おい、どうすんだよ収集付かなくなってきたぞ!!」

ハチマン 「はい、というわけで、こんな感じでやっていくので、これからもよろしくお願いします。」

シンジ  「勝手にしめるなああ!!」

 

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[chapter1:その少女は失望する 前編]

 

希望も無い絶望しかない状況とは正にこの事なのだろう。

このデスゲームが始まってから、ただひたすらラビに連れてこられた迷宮区でmobを狩っていた。

特に理由や目的はなかった。むしろ何をすればいいかが分からなかった。

なぜなら、私のそばには私を導いてくれる案内人なんていなかったから。

向こうでは、私は世間でいう「エリート」一家の令嬢だった。

親から言われた通りに物事をこなしてきてきた。それは自分の向上心でやったというよりは、ただ親に認められたい、失望されたくないという気持ちがそうさせた。

おかげで、成績は常にトップを保っており、自分で言うのもあれだけれど、私は容貌も良かった故、周囲からも好意的にみられていた。

勿論、親は喜んでくれた。しかし、それは娘の成長ではなく、恐らく自分の敷いたレール通り私が走ってくれている事に対する喜びなのだろう。

そんな事は分かっていた。分かっていたけど、私にはそうするしかなかった。なぜなら私はそれしか手段がなかったから。

そんな境遇に私は耐えられなくなった。

だから兄にナーブギアを借りてこのゲームにログインした。

SAOに希望をのせて、少しでも現実から逃げたくなった。

しかし、そんな希望すら裏切られた。茅場晶彦と思われる人物が一瞬でデスゲームに変えてしまった。

100層の攻略なんて無理に決まっている。誰がどう考えてもそう思うだろう。

ただ呆然と立つことしかできなかった。あまりにも無力だった。

私は、腰に差していたレイピアを片手にひたすら敵を倒しながら、ただひたすら歩き続けた。

もしもここで狩り続ける理由があるとするなら、多分ラビと言う人の言う通りになりたくなかったんだと思う・・。

後は、こんな偽物の世界に負けたくなかった。ただそんな理由で私はずっとここまで闘い続けた。

 

 

こんな事をして意味なんてない、そんな事は分かっていた。

多分、周りの人も自分の事しか考えてない。だから私を止めてくれる人、助けてくれる人なんていないだろう。

3日3晩ずっとこれを続けてきたせいか。頭がくらくらしてきて意識が朦朧とし始め、私はそのまま倒れた。

このまま私は死んじゃうのかな・・・?

でも、これだけやれば、初心者にしては上等だったんじゃないかな・・・。

 

「ったく、ラビの奴。面倒な仕事押し付けやがって・・。おい、生きてるか?」

 

そんな声が聞こえた気がしたが、私の意識は完全遠のいていた。

 

「おっおい?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

人生はトラブルが付き物。

よく聞く格言だがこれは時、場面によって解釈はさまざまである。

例えば、某ジャンプハーレム系漫画では、トラブルと言う名のラキスケが多発している。

これを災難と呼ぶのであれば、ほとんどモテナイ系男子に対する侮辱である。

更に言えば、非モテ男子ボッチである俺は、そんなラキスケみたいなトラブルなど期待しない。期待するだけ無駄である事を知っているのだ。だから非モテ三原則【(希望を)持たず、(心の隙を)作らず、(甘い話を)持ち込ませず】を心に刻んで生きている。そして、そう言う男子が本当に実在するならば、俺は心の中でそいつに唱えるのであった。

永久に爆発してくれ・・・。ラビにある事を頼まれた俺は、それを達成すべくここを徘徊している。

 

「さて、どうしたものか・・。」

 

それはさておき、目の前にプレーヤーが倒れています・・。

性格に言えば、俺の目の前で丁度倒れなさいました・・。

そしてよりによって噂の赤フードそしてSAOでも数少ない女性プレーヤーと来た・・・。

もう完全にどう見ても赤フードですよね・・。脇には細剣が落ちているし・・・。

どう見ても、これ依頼主が言っていた捜索対象の特徴に一致していますね・・。

それどころか、否定できる要素皆無・・・。

 

いや、諦めるな!!俺はここで賢明な捜索はしたものの、見つかりませんでしたと言って帰宅する作戦を必ず決行するんだ!!

と言いたいところだが・・・。あれだな、ここで帰宅すれば、取引は不履行となり、俺の損が被る・・・。

押しても引いても無理なら諦めろがモットーの俺は無力にも諦める事にした。

まあ捜索できたのはいいものの、一つ問題がある。それはフードの人まさかの女子&年下(仮)・・・。

(仮)っていいよな・・・。後で間違っていても分かりませんでしたって言い訳が出来る。

なんと素晴らしい言い訳だ。ついでならば、万が一見つかった時の言い訳も欲しいレベル。

いくらなんでも、倒れている少女襲っているとか言われたら一たまりもない・・・。

だって考えてみろよ?赤ずきんポジにこのフードの人、じゃあ狼ポジは誰だ?

まあ、これを他人が見れば、俺は完全に狼ポジで刑務所行きチケットは予約済みといった展開かあ・・。

理不尽すぎる・・。喰ってもないのに、理由が怪しそうだからって言われたら、布団に籠ってなく自信がある。

いやあ、懐かしいな・・。女の子の近くに居ただけで、補導されたあの日・・・。

あれれ、回想おっかしいなあ・・・。

と言った感じで、ずっと考えてはいるのだが、まじでどうする。

さて、ポケモン方式で選択肢を挙げてみよう

 

戦う →補導

 

助ける→補導ばいプレーヤー

 

逃げる→補導ばいラビ

 

いやこれ詰んでません?

ここまで過程を簡単に話すと、ラビに2000コル支払う代わりに赤フードを救出せよと言われ今に至る。

あれ、情報を貰うって言われなかったのかって?ふん、大丈夫だ、問題ない。そっちの情報はシンジが向かってるからだ。正直見つけたのは、全然いいのだが、この後どうすればいいのかが分からず、非常に困ってる・・・。

いやこれが男なら、まだ百歩譲ってOKだろうが、女の子だぞ・・。

これ俺じゃなければ、この人は・・うんやめよう。倫理コードひっかかりそうだから

正直今すぐ素通りして帰りたいんだけど・・・。

最終的に、近くに安全圏がありましたので、そこに放置して帰ることにしました。

冷たいなとか目が腐っているなとか言ったやつは甘いな・・・。

この件に関してはあいつに根回しする事にした。これに関しては俺が出来る案件ではない。

ほら、適材適所っていうだろ。人には向き不向きが必ず存在する。よって向いてないのであれば、やらないのがベスト。

無理してやっても成果が上がられなければ意味がない社会において、こういう努力は空虚と等しい。

だって、考えてみろ・・もし彼女が目を覚めて、俺の顔を見たらどうするか?

間違いなくて『おまわりさん、この人です』ルートまっしぐら。

俺ってもしかして警察に人気なのかな?好かれすぎじゃね?

というわけで、決して見捨てたわけではない。ハチマンウソツカナイ。

それにこの人とは、恐らくかかわりは今後一切ないだろうしな・・。

だとすれば、関わる理由もなくなった。

ここまでやれば、俺の仕事は完了だ。

まあ、徒歩5分圏内に安全圏内があるし、大丈夫だろ・・・。あれ、これフラグ?

ラビには任務完了の報告を通達して、俺はフードの人をとりあえず近くあった安全圏内に運んだ。

 

 

勿論、いつもはそいつに情報料をぶんどられている分、俺は情報料として高く売った。

まあ、まさかこいつと長い付き合いになることなるとは到底想像すらできなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

死ぬとは、どういう感じなんだろう・・。

死んでしまえば、一体私という存在はどうなっちゃうんだろう・・。

無となって消えていっていくのかな?

それとも、宗教の世界でいう天国という場所に行けるのだろうか?

分からない未知の領域に踏み込むことになるのだろう・・。

もう悔いはない。最期まで戦い切ったんだ・・。

私は、目を開いた。目を開けば、さっきの洞窟の同じような色の壁にもたれていた。

あれ、私死んだの?でも私が倒れた洞窟によく似ている。

とりあえず、状況を把握するためにキョロキョロ見渡した。

 

「お、漸く起きたナ」

「うわああああああ」

 

いきなり横から声をかけられた私は、驚き焦って声の主から遠ざかった。

 

「ありゃ、びっくりさせちゃっタ?悪いネ。怪しい者じゃないから、その剣を下げてくれると嬉しいかナ?」

 

その声の主は、私と同じくらいの身長で、薄い茶色のフードを被っていた。

反射的に、近くにおいてあった剣を拾い、その人に向けていた。

 

「えっと、すいません・・・。」

「いやいや、いいんだヨ。それにしてもハッチーよく運んでこれたナ・・。」

 

最後は小声で何を言っているのかは、分からなかったけど・・。

手を一度ギュッと握った。手に力が入るのを感じた私は、生きているのかな?

状況的に考えて、この人に、もしかしたら助けて貰ったのかな?

「あの、もしかして貴方が助けてくれたのですか?」

「いや、オレッチはとある奴に頼まれてここに来たんダ。君が倒れているから面倒みてくれってナ?」

「はあ・・・」

「後、オレッチはアルゴっていうんだ。≪情報屋≫をやってル。」

 

そう言うと、アルゴさんは満面の笑みで私を見て言った。

まるで、楽しそうに生きているかのようだった・・。

この人も≪情報屋≫なんだ・・。一応、情報屋は情報の売買で収益を得ているらしい。

それだけじゃない。公利だと、思われる情報は拡散できるし。伏せたい情報も伏せる事だった可能。

この世界では影響力が大きい存在なのかもしれない。

そう言えば、あの人も・・・もしかしたら、情報屋さんも知っているかもしれない。

そう思った私は、訊いてみる事にした。

 

「へえ、ラビと言う人もそう言えば≪情報屋≫って言ってましたね」

「ラビ・・・・?」

 

情報屋さんはしかめた表情をして、少し考える仕草した後、私の方を見て言った。

 

「聞いたことなくないけド・・。一応聞いてもいいカ?」

「凄く嫌な人でしたけど・・・・。」

「その話詳しく聞かせてくれないカ?」

 

私は、全て話した。今までの経緯を細かに説明した。

そう、私がここまでくることになった原因であるラビとの出会いについて

 

to be continue

 




次回 第6話 

「やあ、もしかして君が噂のフードかい?」

「情報屋としてプレーヤーを守るのは、当然だからナ」

「お前いつから居たんだよ・・。」

「第一フロアボスの部屋が見つかった」

「楽しかったぜ」


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第5話

お久しぶりです。相変わらず低クオリティでお届けしてます!!
それでも、読んでくださるなら是非読んで下さい!!


[chapter:少女は絶望する 後編]

 

人生の終わりを考えた事はありますか?

まあ、考えたことなんてないよね?

大体、そんな瞬間、普通の生き方していたら、考える日なんて来るはずなんてない。

私は、ただの女子中学生。そうだったはずだった。

普通に生きて、お母さんの言う通りに順調にやってきた。

そのつもりだったのに、何でこうなっちゃったんだろう・・。

何で、私は今戦っているのだろう。

何で、私はこんなに苦しんでいるのだろう・・・。

自問しても答えは返ってくるはずがなかった。

今日は、大切な模試だったはずなのに・・・。

こんなところで、期待を裏切るわけには行かないの・・。

先ほど、噂話で西の洞窟の奥に、≪隠しログアウトスポット≫があるととある男性プレーヤーから聞いた。

噂話と言われれば、そうなのかもしれない。もしかしたら、誤った情報なのかもしれない。

それでも、そんな信憑性のない情報にすがってでも、このゲームを出たかった。

そうしないと、私の立場が・・。また母さんを失望させちゃうから・・。

ただひたすら私は、暗い洞窟を走り続けた。

 

「やあ、もしかして君が噂のフードかい?」

「・・・・・。貴方は誰?」

 

ふと声をかけられて、私は声が聞こえた方向へレイピアを構えた。

 

「おっと、モンスターに向けるならまだいいにしろ、[[rb:人間 > ・・]]にそれを向けるのは、どうかな?」

 

その人は、不敵な笑みで私に言った。身長は170くらいかしら。体形は細目だった。

私と同じフードを羽織っているものの、顔は隠していなかった。

確かに、武器は装備してはいなさそうだし。武器を構えるのも失礼よね。

だけど、それほど心の底ではこの男を信用できていなかった。

 

「誰?」

「まあ、そう警戒しないでよ。そうだね?名乗るとするなら、ラビとでもしとこうかな?」

「ラビ、そんな名前あるわけないでしょ」

 

ラビなんて名前、有り得るはずがない。

ここは日本よ。見た目は外国人でもないし。

すると、彼は、笑い出した。何で、笑っているのかは分からなかったけど、これだけは分かる。

彼が異常である事ぐらいは。

 

「なるほど、そう言う事か。君もしかして初心者?」

「ええ、それがどうしたの」

「いや、びっくりしたよ。噂では洞窟にこもり電光石火のごとく敵を倒しまくるフードって聞いたから、僕は初めβテスターだと思ってたけど・・。」

 

彼の態度に、イラついてきた私は、彼に怒りの一言を浴びせようとした。

 

「・・・・。あなた」

「もしかして、今私を馬鹿にしていると思った?まさか?君は僕の予想大きく超えたんだよ!!βテスターでもないのに、ここで勇敢と戦っているんだ!!

でもねここで僕から一つアドバイスしておくよ。そんな戦い方してたら、いつか限界が来るんじゃないの?」

「貴方には、関係ないのよ。倒せれば、何でもいい。≪隠しログアウトスポット≫に早く行きたいの!!早く帰らなきゃいけないの・・。」

「へえ、≪隠しログアウトスポット≫ねえ・・・。君は本当にそんなあると思ってるの?」

 

すぐに反論はできなかった。何故なら、自分でも確証は得られなかったから・・。

でも、すがるしかなかった。希望を見出すためには、そうであるというしかなかったのだ。

 

「あるわよ・・。だって情報屋の鼠って人が流したって言ってたもの」

「そうだね、これからいう言葉は君にとって面白い事実を知るとともに絶望を知ることになるだろうよ」

 

何を言いたいのか、分からなかった。

そして、意地悪そうな笑顔で言った。

 

「そうだね、まずは残念ながら、≪隠しログアウトスポット≫なんて存在しないよ」

「えっ・・・。」

 

今、何て言った・・・。≪隠しログアウトスポット≫がない・・。

嘘よ・・。だって有名な情報屋が流しているなら、嘘なはずない。

本当は分かっていたのかもしれない。それが真実でないという事を。

でも、認めたくなかった。それを認めてしまうと、自分の今まで人生を無駄にしてしまう事になるから。

認めるわけにはいかなかったのだ。それでも、『真実とは残酷だ』というのは、本当なのかもしれない。

そのラビという男はさらにつづけた。

 

「そして、その噂を流したのは、僕だからね?」

「はっ?」

「何で?って思った?そうだね、それに対する答えは君には理解不能かもしれない。

単純に言うと、現実に帰る為なら、死ぬ気で戦って、こうやって事実を突きつけられて絶望している君の顔が見たかったかな?」

 

言っている意味が分からなかった。

今まで、自分は何のために、ここまで戦ってきたんだろう・・。

 

「そうだね?誤解招きかねないから、正確に言わせてもらうと、さっき君が男性プレーヤーから得た情報は、僕が個人的にそう教えるよう指示した。」

 

嘘っと心の中で思ってしまった。

実は、その情報すべては、街で会った男性プレーヤーに聞いたものだった。

優しそうな人だったから、そのまま飲み込んでしまった・・。

まさか、そう言うよう指示されていたと誰が思うだろうか・・?

 

「いやあ、面白いデータが取れて良かったよ・・・。さて、もう現実には帰れない・・。それで君はどうするの?」

「どうしようもないわよ・・・。」

「方法はなくもない。ボス部屋の攻略に参加するという選択肢はないのかい?」

「ないわよ!!だって100層よ!!クリア何て無理に決まっているじゃない!!」

「へええ・・・じゃあ、このまま君は死ぬのかい?」

 

一瞬、動揺していたのだろう・・。返す言葉すら思いつかなかった。

それでも、この人にこの人だけには、言われっぱなしは嫌だった私は、こう答えた。

 

「別にいつか死ぬなら、ここで死んでも問題ないわ」

「へえ・・・。まるで自殺志願者だね・・。」

「自殺志願者なんかじゃない。ただ私はこの世界に負けたくないの・・。自分が満足するまで戦うの・・・。」

「フフフ、君の健闘に敬意を表して、一ついい情報を教えておこう。この先には、手ごわいモンスターうじゃうじゃ居る・・。そこなら君の望むような狩ができる。ついてきな」

 

その人は、背を向けて歩き出した。ここで、ついて行きたくないという思いもあったが、体が勝手に動いていた・・。

彼の思い通りになりなくなかったからかもしれない・・。この世界そして彼の言う事だけには負けたくない。そう思えた。

今まで走り続けた疲れそして、家に帰るという目標を失った絶望で重くなった体を私はただ引き釣りながら歩いていた。

そして、心にあることを一つ決めた。それは、せめて死ぬ前に果たしたい事だった。

それさえ果たせれば、死ねると思った自分が居たのだ・・。

 

 

[chapter:少女は再び立ち上がる]

 

ここまでの顛末を全て話し終えると、アルゴさんは更に情報を求めてきた。

はじめは、何で詳しく聞いてきたのかが分からなかったけど・・・。

実は、ラビのやり口で被害に遭っていプレーヤーが多いそうだ。

どうやら、アルゴさんはその情報屋を探していたらしい。

その話を聞くと、真剣な表情で考え始めた。そしてメニューを開き、パパッといじると、私の方に向き直った。

 

「貴重な情報、ありがとうナ。」

「いえいえ、アルゴさんに助け貰ったお礼にでもと思って・・。」

「あんたの名前聞いていいカ?」

「結城明日奈です。」

 

そう言うと、アルゴさんは焦った表情をしていた。

どうやら、この世界では実名は禁句だそうだ。お互いにプレーヤーネームで呼び合うらしい。

つまり私の名前は『結城明日奈』でなく『アスナ』になってしまう。

一応初歩的な情報を教えてもらった。

それなり仲良くなったのか、分からないけど、アルゴさんには『アーちゃん』と呼ばれるようになった。

今までそう言う呼び方されたことなかった私は、少し照れ臭かった。

最後に、アルゴさんは私に一冊の冊子を渡した。

そして、苦笑いで私に言った。

 

「アーちゃんがこれからどうするかは知らないけド。これ役に立つと思うから、大事に使ってくレ」

「はい、ありがとうございます。あの・・・いくらですか?」

 

冊子とはいえ、それなりの厚みはあった。恐らくアルゴさんが作り上げたものなのだろう。

ここで、情報はとても貴重だと言ってたし・・。さすがに無料で貰うのは、虫がいい話だと思った私は、いくら聞くと、アルゴさんは私の肩に手をのせて言った。

 

「今回、タダにしてあげるヨ。オレッチのせいで巻き込まれた同然だしネ」

 

そういうと、アルゴさんは急いでどこかに行ってしまった。

『オレッチのせいで』という言葉に違和感があったが、あまりにも急いで行った為、引き留めなかった。

とりあえず、受け取った冊子を読むことにした。その表紙を見ると、そこにはSAO第一層攻略本と綴られていた。

ページをめくると、私の知らない情報がびっしり記載されていた。一通り、記載されていた情報を読み、頭で整理していった。

とても分かりやすく、詳しく書かれていた為、アルゴさんの努力に感動してしまった。

私の剣についてのソードスキルはおおまかに頭に入れた私は再び立ち上がった。

本の裏も最後に確認すると、情報屋『鼠』と書かれていた。

アルゴさんって・・・・。そう言う事なのね・・・。

どうして彼女は私に謝罪したのか、その理由が分かって安心した。

更に『P.S. アーちゃんまた会おうネ。後ハッチーにはお礼言っとくんだヨ』と書かれていた。

私もまた時間があれば、お話してみたいと思っていたので、少しうれしかった。

ハッチーって人が誰なのか?そういえば、倒れる前に声をかけられたような・・。

また聞けばいいかな。ああいう時間も悪くないなと思いながら洞窟の出口に向かって歩き始めた。

 

 

 

さき程から視線感じるんだけど、気のせいかしら・・・。

後ろを振り返っても誰もいなかった。気のせいだと思った私は洞窟の外へ出ていった。

 

もう少しがんばってみようかなと心の中で重いながら

 

 

 

[chapter:2人の情報屋は犬猿の仲である]

 

出会いとは素晴らしいものだ。何かしら新しい発見がある。

発見して、また新しい何かを見つけたがる。それが僕なのだ。

ボク事、情報屋ラビは、裏情報屋でもあり、表ではでっち上げのプレーヤーで動いている。

基本的には、僕の持ちうる情報を依頼者に教え、報酬を得るの連続だが、捜索の依頼があれば、可能な手で調べ上げる。

そう言う仕事をしている。そして、僕にはある趣味いや楽しみがあるんだ。

そうだね、一般的言えば、人間観察というのかな?

勿論、その観察対象は一つ。人間だ。まあここではプレーヤーの事を指す。

NPCでもモンスターでもない僕は人間に興味があるんだ。

後、昔尊敬していた人が人間観察が得意だったのが、影響なんだけどね

 

そうだ、僕の観察はただ見ているわけではない。正確に言うと、人間関係において生じる爆薬もしくは、その人間自身が持つ爆薬がどう破裂するかを見ることだ。

人間とは、行動ではパターン化されてはいるものの、実際に思考は異なっていることが多い。

一つの要素で大きく揺れ動くんだ。中には予想通り過ぎてつまらない物もあるけど・・。

それでも僕の予想を遥かに超えてくる人間がいるんだ。

だから、僕はやめられないんだ。人間は面白く、興味深くて、不思議な存在なのだ。

彼らの思考が、特定の状況いや窮地に陥ったこの世界でどう動くかを見るのが、とても楽しみなんだ。

洞窟で出会ったフードの細剣は、あそこでは見殺しするにはもったいないからな・・。今日は特別サービスを施しておいた。

 

まあそのことはいい。何故なら、また僕にとって興味深い出来事が起きた。僕が一番尊敬する大先輩である情報屋『鼠』が僕の事務所に足を運んできた。

はじめ彼は、僕を見ると、キッと猫でもにらみつけるまるで鼠のような眼差しで見てきた。

さて、今日はどんな面白い事が起きるんだろうな・・。

楽しみだなあ・・・。

 

sideout

 

ここは、情報屋ラビの事務所。薄汚れた机そして部屋自体明るくなく暗かった。

暗闇の奥で、フードを被った二人が対峙していた。

片方は、身長はそこまで高くなく、もう片方は情報屋ラビだった。

身長が低い方は、ラビを睨んでいた。それを見てラビは言った。

 

「これはこれは、僕が慕うかの有名な情報屋≪鼠≫じゃありませんか?こんな未熟者の事務所にわざわざ足を運んでいただいて光栄だねえ。今日は一体何の御用時で」

 

ラビは、そいつを鼠と呼んだ。そして、鼠は同じく情報屋のようだ。

 

「へえ、君が問題児情報屋ラビカ。悪事を犯すプレーヤーにも金さえ払えば、どんな情報も教えてしまウ。β時代から有名だもんナ」

「へえ、良く調べてるようですね・・。」

「相手の事は、よく調べてから対面するようにしてるからナ」

「それなら、まだ情報不足ですよ」

 

すると、ストレージから短剣を取り出して、鼠に向けた。

 

「こう見えて、僕は身辺には敏感でね・・。あまり派手にやられると、現実に帰れなくなりますよ」

「フン・・。オレッチを殺せば、どうなるかも分かっているよナ?計算が出来ない男でない事ぐらい分かるゾ」

 

そう言うと、ラビは手の上で軽快に遊ばさせて短剣をしまった。

短剣の扱いから、鼠は彼が、単なる情報屋でない事は確信した。

そして鼠もこれ以上の長居は自分の素性を曝す事になると考え、用事を早く終わらせることにした。

 

「まあいイ。実は、オレッチの名前を借りて≪隠しログアウトスポット≫があるとほらを吹いたニセモノがいるらしイ」

「へえ、それは大変ですね」

「それだけじゃなイ。そのせいで今SAOでの犠牲者が増えているんダ。」

「まさか、僕を疑っているんですか?」

「さあな、ただ被害者は口を揃えてこう言っているらしイ。『黒いフード被った男に騙された』とナ」

「つまり、僕がその『黒フード』で、そこらへんにいるプレーヤーたちに貴方の名前を使って嘘の情報を流し、騙された人たちで犠牲者を出してしまった。

確かに面白い話ですねえ。」

 

確かにラビは、基本的に黒いフードを被っている。『黒フードのラビ』という名を知らない人は少ないほどに・・。

ただここに来る前から、引っかかる点はあったのだ。確かにラビは黒いフードを装着しているが、これも有名な話だが、彼は一度もフードを頭にかぶらないのだ。

しかし、被害者は口を揃って、間違いなくフードは被っていたと、証言している。そして去る際に、ラビと言う名を敢えて記憶の中に残すように・・。

 

ラビという奴は、知らないような口調で話し続けるも、どこかわざとらしく感じた。

鼠は畳みかけるように話をつづけた。

何故なら、何よりの証拠を持っていたからだ。

 

「お前、アーちゃんに手をかけようとしたのが、何よりの証拠だ。お前のせいでアーちゃん死に」

「はいはい、確かに鼠先輩の言うように、僕が例の情報をそのフードの少女に教えたの認めます。」

 

認めただト・・。心の中で、驚いた。

鼠は、こいつが確信犯であり、全ての元凶はラビと言う一人の男だと思っていた。

だから、彼が持つ言葉の操りで最後までしらを切るのではないかと思っていた。

分からなくなった。こいつが本当に何をしたいのかが・・。

人を情報と言う道具で貶め、混乱させ、最終的には死へ至らしめようとする。

それを観察することを楽しむ。それが情報屋ラビだとベータ時代から聞く。

ただし、情報に関して、信憑性はかなり高く、色んな人から重宝されてきた。

裏をかこうとも、読めない人間。それがラビの本質なのかもしれない。

 

「ただ、他の連中にはそのような情報は一切渡してません。」

 

ラビは両手を挙げ、無罪を主張するかのようにアピールした。

だが、鼠は信用できなかった。

 

「ほう、証明できるのカ・・・?」

「もしも僕が本当に彼女を例の手で殺そうとしたのであれば、僕は救済の手を出したりしなかったと思うけどなあ。」

 

その一言で、一気に繋がった。

何故、彼が彼女を助けたのか?

何故、いつもは攻略に行かない彼が、洞窟に居たのか

 

「まさカ・・・。ハッチーを呼んだのハ?」

「正解・・。そして僕が彼女に教えたのは安全圏がかなり近い場所だ。彼女が死にかけたのは、それを知らなかったからでしょうね」

「・・・・・。」

 

彼に言われてみれば、確かに間違ってはなく、筋は通ってはいた。

ハチが彼女の安全圏にすぐに移動させることが出来たわけも、彼女が倒れてても生きていたわけも・・。

鼠が言葉を返すことをやめたのを確認したラビは、ホットした表情で言った。

 

「ようやく、分かってくれましたか?情報屋ラビは人を殺すような悪人ではない事を宣言しておきますよ。」

 

その言葉は決して嘘ではない・・。

ただ、その言葉からは暖かさや優しさは感じられなかった。

淡々と言葉を並べているようにしか鼠には見えなかった。

少し顔に影がかかった表情でラビは更に言った。

 

「ただ・・・・・・・自殺志願者を止めるほど善人ではないけれど・・・」

「そうカ、でも、これ以上変な真似したら、黒鉄牢に送るゾ」

「そうですね・・。これ以上疑われるのは癪なので、協力しましょう。万が一、何か分かれば、お教えいたします。」

「信用できるのカ?」

「信用できないなら、先輩が二重で確認すればいい」

 

これ以上は、無駄だと思った鼠は、ラビに忠告だけして、去って行った。

急に、姿を消したため、≪隠蔽≫というスキルを使ったのだろう。それも熟練度かなり高い。

その様子を見て、ラビは口角を釣り上げて呟いた。

 

「楽しかったぜ・・。先輩」

 

彼は、窓から見えた月を見ながらいつも通り意地悪そうな表情で嗤った。

ただどこか寂しそうに見えたのは気にせいなのかもしれない・・。

 

 

[chapter:比企谷八幡はやはり優しい]

 

とりあえず、フードの人が洞窟の外から出た事を確認すると、俺はアルゴの奴にメッセージを送った。

おい、お前帰ったんじゃねえのかよって思ったやつもいると思うが・・・・。

これには訳があったんだよ・・・。アルゴから帰ろうとした瞬間、メッセージで脅迫文がきたのだ。

とてもシンプルな内容だった。『ハッチー帰ったら、これ一斉にばらしちゃうよ?』

怖いんだけど・・。もはや素の状態で語りかけられているようで恐い・・・。

更に、記録結晶でばっちり俺がフードの人運ぶところ撮られてました・・・。

何、あいつ完全に見てたのかよ・・・。これストーカーか!?何かすごい寒気してきた・・・・。

まあ、主な内容はフードの人が無事外に出るまで見守れと言った感じの内容だったから、良かったのだが・・。

それでも、恐い・・・。

 

「鼠もそうだが、お前も律儀だな・・・。」

「なっ・・・。」

 

いきなり声をかけられ、咄嗟に振り返った。

まあ声からして、一人しかいない。

 

「お前いつから居たんだよ・・。シンジ」

「そうだな。お前があのフード少女を運んでいるときからだな」

「それなら早く言えよ・・・。」

 

危うく、目撃者が居ないと思っていたんだが・・・。

よりによって見られたくない奴に見られていた・・。

 

「ちなみにあの時の写真を売ったのは、俺」

 

こいつ・・・。ムカつく・・。

何がムカつくって?Vサインで勝ち誇った顔をされてるからだよ・・。

個人情報保護法お願い仕事して!!っと言いたいところだが・・。

この無法地帯ともいえるアインクラッドにそれは無理な話なのだろう・・。

それでも、許さん・・。

それにしても、本来ならこいつはこんな所に居ないはずだ・・。

 

「この野郎・・・。お前クエストこなしに行ったんじゃなかったのか?」

「そのはずだったんだがな・・。ちょっとあってな・・。後でお前にも話す」

「そうか・・・。」

「ほんじゃ、帰りますか・・。あ、そういや、丁度うまそう飯屋見つけたんだったー、でも一人行くのは正直あれだしなーーどーしようかーなー」

 

突然、棒読み感満載な台詞を吐き出すシンジだが・・。

いつだって超クールな俺は、騙されない。

これは俺が奢らされると結末が見えてる。

人から施しを受けるつもりはないが、人に奢るつもりなど毛頭ない・・。

 

「いや、いいよ・・・。俺疲れたから宿に帰りたいし・・。」

「つれないな・・。いいから、来いって・・。時には腐った植物にも光合成は必要だぞ?」

「もう夜だぞ・・・。後、腐った植物ってなんだよ・・。」

「じゃあ、目と根が腐っているグール」

「変わってねえよ!!」

 

さっきから、俺にダメージしか与えてこないんだけど・・・。

何なの・・。俺のハート壊したいの・・。

ちなみにだが、ハートはガラスではなくダイヤモンド級を誇る俺だが、ダイヤモンドは引っ掻き傷に対して強いだけであって、

ハンマーでガツンとやると実は割れやすいのである。ダイヤモンドは砕けないと言ったな。あれは嘘だ

シンジは、思いっきり溜息をつき、言った。

 

「俺の奢りだから、そこに気にしなくていいぞ。」

「はあ、お前が?おごり?」

「とりあえず、会わせたい奴が居るのと・・・。」

 

ふざけた表情から一変したシンジの口から恐らくいずれ出てくるだろう単語が出てきた。

 

「遂に、第一フロアボスが見つかったらしい。」

 

そろそろ、見つかっておかしくないとは思っていたからな。

ベータ時代を経験した人間によって発見されたのだろう・・。

第一回攻略会議が≪トールバーナ≫で始まるらしい。

 

「遂に、始まるか」

 

俺達の物語はようやく第ニフェーズに移るのであった。




意見や感想あれば、お願いします!!
次回にご期待あれ


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