原作ブレイク上等!! 逆襲のオリ主 (オルフィーナ)
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第0部 魔界編
いきなりですか!! VSラスボス ☆1
「そこの女、この魔界で天界装備を身に纏って堂々としているとはいい度胸だ!!」
突如この場所に放り出された私に向って声を掛けて来たのは、圧倒的なプレッシャーを纏った魔族の男でした。
私の装備は、男が言う様にとにかく目立ちます。まずは剣ですが、切られた者を滅する様な存在感を放つ
魔界のど真ん中でそんな格好をしていれば、いやでも目立ちます。
この男・・・・・どこかで見た覚えがあるのですが、中々思い出せません。そんな事を考え込んでいたのですが、その隙に相手は容赦なく攻撃を仕掛けて来ました。その一撃には、通常ではありえないレベルの闘気が込められています。破滅的なエネルギーの奔流が、私に迫って来ます。咄嗟に
油断していて良い相手では無さそうです。一撃に込められている力が否応なしに、死を予感させられます。本気で行かなくては、あっと言う間にぬっ殺されてしまうでしょう。とりあえず今は相手の正体の事は忘れて、戦闘に専念する事にします。
-------------------戦闘描写は作者の
「やるな・・・余とここまで戦える者など、魔界広しと言えどもそうはいないであろうな!!」
そう言いながらも戦闘態勢を崩さないこの男からは、途方も無い魔力の高まりを感じました。次の一手で、この勝負を決めに掛かって来ているのは明白でしょう。
先程の戦闘で男が火炎系の呪文を好んで使用していた事から、
(この男たしかに見覚えがあるが・・・・・・思い出せませんね)
私も急いで呪文の準備を始め、火炎呪文を選択しました。(ここで何か別系統の魔法をぶつけたら、私的に負けた気がするんですよね)
お互いの呪文は空中で激突し、均衡状態を保っています。威力はまったくの互角の様です。本来であれば追撃を行うべきなのですが、男の呪文を見てあっけにとられてしまいました。私はその光景に思わず『・・・・・あれは、カイザーフェニックス』と呟いていました。
「呪文に名前など付けた事などなかったが、なかなか良い名前だな。これからそう呼ぶことにしよう」男はそう言ってこちらに話し掛けて来たのですが、私はそれどころではありませんでした。
最初に確認しておけば良かったのですが、そうも言っていられません。不自然にならない様に自分の名前を名乗って、男の名前を聞き出す事にします。男は思ったよりあっさりと名前を教えてくれましたが、やっぱり大魔王バーン様でした。しかもよりにもよって、凍れる時間の秘法によって肉体の時間を止めてしまう前の
ドラクエの世界って事は解っていたが、よりによってダイの大冒険の世界だったとは夢にも思いませんでした。よりによってあのバーン様と一騎打ちするなんて・・・・・・・どこまでかき回す気ですか
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VSラスボス・・まさかの勧誘!?
事の始まりは、私が事故死したことから始まります。
私の意見など無視して、話は進んで行きます。手始めに、肉体の再構成から始まりました。
魔力や身体能力も、とんでもないレベルで付加されている様です。次に、戦闘知識を
こんな戦闘マシーンを作って、逆襲されないと思っているんでしょうか?と心の中で思っていたら「それが面白いのだよ・・・・・蛆虫の足掻きがな」と言ってご満悦の様子でした。
こんな感じで、改造人間のフルコースを食らったあげく、魔界に
しかも私にはちゃんと
そんな私を尻目にバーン様は、明らかに私との戦闘を楽しんでいる雰囲気です。こっちは正に命がけ・・・メラガイアーとメラゾーマが威力的に同じなんて、何てデタラメな魔法力なんでしょう。しかも向こうは、タメが要らない様です。このまま戦い続ければ、確実に死にますね・・・・
そんな風に悩んでいるとバーン様の態度が一転し、圧倒的威圧感がこもった口調で話し掛けて来ました。「ある程度強いのは見ただけで分かったが、戦闘をして見て改めて思った。お前程の
こうなったらバーン側に付くのも面白いかもです。この状況に追い込んでくれた
そんな事を思っている間にも、バーン様の演説は続いています。「神々が憎い! 我らを冷遇し地上の人間どもにのみ平穏を与えた奴らの愚挙が許せぬっ!! ならば我が・・我々が神を倒すのみ!!・・・我が元に来いリーゼロッテよ!!!」
大魔王自らのガチスカウトです。私にも思う所が多々あるので、質問の返事次第ではスカウトされる事にしましょう。『さて、未来の大魔王様、部下になった私にどんな
あっさりと了解を得られた事に一瞬あっけに取られた様ですが、ニヤァと笑ってバーン様はこう仰いました。「我が友と言うのはどうだ?」と・・・今度は私があっけに取られる番でした。思わず私は笑い出してしまいました。『面白い・・・面白いですよ大魔王・・・そうか・・・・そう来ましたか・・・・・・・・あはっ・・・あは・・・・流石は大魔王バーン・・・・・・・・アレとは器が違いますね。』
この後、リーゼロッテ(バーン様に長いなと言われ)通称リーゼが、ダイの大冒険の世界にデビューする事になったのでした。
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ならば同士になれ!!・・つい乗っちゃった♪
あれから3000年の時が経ちました。魔族でもない私は寿命で死ぬかもと思っていましたが、まったく年老いる事はありませんでした。逆に年々とレベルアップが続き、とうとう大魔王様を上回る強さを手に入れてしまったのです。
今や我らのバーン様は、魔界に広大な領地を確保しており、魔界の3大巨頭の一人に数えられる程になりました。私も若干ながらお手伝いをさせて頂きました。(バーン様曰く、あれが若干かと苦笑されてしまいました)そんなこんなで、ある程度の地盤固めが終わったバーン様は、原作通りに凍れる時間の秘法で力を温存し始めました。
2000年程前に、「大魔王様のお言葉は全てに優先する」で有名なミストが新規加入して来ました。バーン様の肉体を預かる任に付いたミストの活躍には、目を見張る物があります。戦って良し、計略を用いても良し、領地を治めても良しとその活躍っぷりは、魔界全土にも勇名を轟かせています。彼の活躍なくしては、現在の魔王軍はなかったかもしれません。
そんな彼に私は《リーゼ様》と呼ばれ尊敬されています。恐らく修行に次ぐ修行で、とうとうバーン様に追いつき追い越した事が、私への高評価に繋がっているのでしょう。
私は今迄の自分の生い立ちや、原作知識の事などをバーン様とミストにだけは話してあります。もちろんバーン様が負ける事やミストが消滅する流れは、全力で回避する方向です。それだけではなく、バランやダイを仲間に引き込んで、戦力増強を行なう事も視野に入れています。
どこまで味方にするかで、方向性が変わって来るでしょう。現在バーン様と共に、計画を練っているところです。ミストは皆殺しにしたい様ですが、私とバーン様は天界殲滅という野望があるので、信頼できる戦力は多い方が良いと考えています。
更に1000年が経過しました。私が加入し歴史を変革したせいで、大魔王軍の戦力は大幅にアップしました。信頼出来る幹部も増え、原作程度の戦力は問題にならなくなっています。超魔生物化したハドラークラスならそれこそ、私の部下(私にも直属の部隊と部下が出来ました)にも数名います。
私の部隊を結成するに当たって、素質のある魔族を魔界全土よりスカウトして来ました。その精鋭達に鬼の様な修行(どこぞの帝国の魔導大尉さんもドン引きレベルで!!)を課した結果、私の部隊だけでも、勇者パーティを殲滅出来る程度の戦力を確保するに至っています。完全に原作ブレイクな状態ですが、天界殲滅を目標としているので仕方がない事でしょう。
そんなある日の事です。魔界3巨頭の一角である冥竜王ヴェルザーが、バランに討伐されるイベントが発生しました。もうそんな時期かと思っていましたが、しばらく経って奴がバーン様の元にやって来ました。お約束通りのやり取りを経て、物騒な死神を飼って見るのも一興だとバーン様が仰いました。(バーン様も中々の役者っぷりですね)
《キルバーンが陣営に加わりました》
バーン陣営は天界決戦の為、本来の戦力を隠して来ました。そんな事はまったく知らないキルバーンの待遇ですが、ガチ武闘派集団の中に放り込みました。本気でやれば、そこそこ使える駒になるでしょう。奴も持ち前の図々しさで、頑張っている様です。
状況に慣れて来て、若干の余裕が出来たからでしょう。なにやらコソコソと動き回っている気配がします。変な事を企まないとも限りませんので、私は奴に釘を刺す事にしました。私の部隊を全員集めて、全力でプレッシャー掛けさせました。
そして『あんなヌルイ環境では、物足りないでしょう?私の部隊に入れてあげようか♪』と問いかけました。キルバーンは表面上は平静を保って、「ちょっと僕の趣味じゃないですね」などどふざけていますが、それが見せ掛けである事は、私にはバレバレです。(なにせ
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原作開始前
あれから幾ばくの時が流れました。魔王ハドラーが、カール王国に戦争をふっかける時期になり、アバン先生が打倒ハドラーに向け旅立って行きました。
勇者/アバン 戦士/ロカ 僧侶/レイラ 魔法使い/マトリフ 魔法剣士/リズと言う編成になりました。
本来であれば4名パーティだったが、強引に5名に変更(ちょっとしたブレイク)して冒険を繰り広げました。無論最初から、パーティだった訳ではありません。打倒魔王を目指し、最初はアバンとロカが旅に出ました。戦力不足を痛感したころを見計らって、私が売り込みを掛けました。その後、レイラやマトリフが加入し5人パーティとなったのです。色々な出来事があり、最終的にアバン・ストラッシュや無刀陣を完成させ、ハドラーを討つ事に成功しました。
ここで問題になるのが、凍れる時間の秘法が不発に終わる件です。失敗する事は解っていますが、これがないと原作が進まないので放置することにしました。これらの苦難を乗り越えちゃっかり、アバン・ストラッシュを会得して二人でダブル・ストラッシュをハドラーに決めたり、
バーン様は、結局ハドラーを復活させる事にした様です。あまり原作を変化させすぎると、今後の展開が読めなくなると考えている様です。最後の部分を多少変化させるぐらいが、丁度良いと仰っていました。
予定通りハドラーは力を取り戻す為、しばらく休眠する事になりました。世界に束の間の平和が訪れましたが、アバンはフローラ姫とくっ付かず旅に出てしまいました。(なにかしらの予感があったのでしょうか?)
私は原作を先取りする形で、原作開始前のデルムリン島に遊びに来ています。そこで未来の勇者であるダイ少年と、面識を得る事に成功します。仲良くなったので、流派・技名を誤魔化して、今の内に《大地斬》と《海波斬》を仕込んでおきました。これで、テムジン一派の邪魔をする事ぐらいは出来るでしょう。
この後、レオナ王女を救う事に成功したダイ少年は、パプニカ王国の依頼でやって来た《勇者の家庭教師》アバンに師事する事になり、そして原作が開始される事となります。
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第1部 デルムリン島編
勇者の家庭教師!!
ついに原作が開始され、世界中の各都市でモンスター達が暴れ出しました。人々は、魔王が復活した事を否応なしに知る事になったのでした。
天界殲滅作戦の準備も6割程終了したので、息抜きにそろそろ原作が始まるであろう、デルムリン島にこっそり観光しに行こうと思います。もちろん姿を見せずに、こっそりと見ているだけですが・・・・
南海の孤島であるデルムリン島でも、普段は大人しい怪物達が凶暴化し、破壊のかぎりを尽くしています。ダイ少年も突然凶暴化したモンスターに、手を焼いている様ですね。何故かゴメちゃんだけは凶暴化をまぬがれ、ダイ少年に付き従って飛び回っています。
ダイ少年の育ての親である、ブラス老も凶暴化しかけていましたが、精神力で何とか耐えている状態です。ダイ少年に逃げる様に勧めるブラス老と、「そんなの勇者のする事じゃないよ!!」と拒否するダイ少年でした。そんな時、赤い服を着た剣士風の男と、魔法使いの服装をした少年が島に訪れました。
ぶっちゃけ、アバンとポップなんですけどね。アバンは突然物凄い勢いで、剣で地面を掘りながら突進し、モンスターを跳ね飛ばしながら進んで行きます。剣で描いた魔法陣が完成し、アバンお得意の
凶暴化したモンスターも魔王の意思から解放され、表情にも普段の穏やかさが戻ってきました。「これは奇跡か!?」などと感心し、男に何者かと問いかけるブラス老に、アバンは懐から取り出した巻物を見せ付けました。(これさえ無ければ、大した男なんだけど・・・・・・・・・・)
勇者の育成ならおまかせ!!
この道15年のベテラン
アバン・デ・ジュニアール三世
※ 魔法使い・僧侶も一流に育てあげます
“ 私に連絡下さいドウゾヨロシク ”
あいかわらず、この男のセンスは壊滅的ですね。昔は自分の能力を誤魔化す為、わざと演じているかと思っていました。冒険が進むにつれ、実はこれがこの男の素だと理解した時の事を思い出し、思わず笑いがこみ上げて来ました。
アバンは、ブラス老の質問に「ま、ひらたくいえば家庭教師ですな」と気楽に答えました。予想の斜め上を行かれてしまった、ダイ少年とブラス老は「はぁ!?」と答えるのが精一杯の様です。アバンのターンは、まだ続き「正義を守り悪を砕く正義の使徒! 勇者・賢者・魔法使い・・!! 彼らを育て上げ、超一流の戦士へと導くのが私の仕事なのですっ!!」とノリノリで説明しています。
そこで思い出したかの様に、二人に弟子であるポップの紹介をしました。ブラス老はアバンの名をどこかで聞いた事がある様ですが、思い出せずにいる感じです。アバンはこの島以外が、どんな事になっているのか簡単に二人に説明しました。
ダイ少年は、レオナ姫やロモス王が心配な様子です。アバンはパプニカ王家から頼まれて、未来の勇者であるダイ少年を、真の勇者として育てて欲しいと依頼された事を説明しました。その最中の事です。
ガーゴイルは島の結界のせいで、中に入れない様です。アバンはポップを指名し、軽く捻る様にと指令をだします。「俺一人でですかぁーーー」などと言っていますが、ポップも案外と乗り気の様です。
ブラス老は少年なのに、強力な魔法を扱える事に感心している様です。(もしかしたら、教えたアバンに感心しているのかも知れません)ですがこのまま進まないのが、ポップクオリティです。もう一匹のガーゴイルの放った
その隙にガーゴイルはポップに向って、剣を振り下ろしました。間一髪のところでダイ少年が、カバーに入り相手の剣をナイフで受け止める事に成功します。ガーゴイルとダイ少年の斬り合いが続いていますが、間合いの問題からガーゴイルに軍配が上がる様です。
ですが、ダイ少年には私が教えた《波斬り》があります。離れた所からでも攻撃出来る技なので、間合いの問題を気にせず、攻撃が行なえます。技を放った途端に、あっと言う間にガーゴイルは真っ二つになりました。おまけに後ろの海まで切り裂いた威力に、さすがのアバンもビックリした様子です。技が自分の《海波斬》とそっくりな事に思わず、アバンはダイ少年に問いかけていました。
ダイ少年は無邪気に「ちょっと前に、島にやってきたお姉さんに教えてもらったんだ!」と答え、ブラス老が補足する様に、「光輝く剣を持った、凄腕の女剣士でしたじゃ。名前はロッテ殿と言っておったかのぅ」とアバンに説明していますが、アバンは何事か考えている様子でした。
ブラス老が不審に思い、アバンに向って「アバン殿どうかしたのかのぅ」と話かけました。そこで気が付いたのか、アバンは正気に戻った様に「何でもありません」と言ってダイ少年に向って、「その女性に他に何か、教わったのかい?」と聞いています。
ダイ少年は、「うん!」と言って近くに在った大岩に向って、《岩石切り》と言って、ナイフで斬りつけました。大岩は轟音とともに、真っ二つに切断されていました。それを見たポップは、開いた口がふさがらないと言った感じで、大口を開けています。
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ダイ 特訓!!! ☆2
《
本来であれば、未来の勇者たるダイ少年とて苦戦を免れない修行法です。背中に40kgの重りを背負って、島を一周から始まり、畑を耕したり素振りの訓練をしたりといった基礎的な訓練(牛乳配達はしませんよ♪)から魔法の習得、モンスターの生態を学んだりといった授業を経て、1日の終わりに80kgの重りに変更して島をダッシュで一周して終わりといったことが行なわれる予定でしたが、私が教えた時にアバンがやりそうな事は仕込み済みです。
特訓の目標として、大岩に斬りかかり岩を切断する(1日目)海を剣圧だけで割る(2日目)はすでにクリアしているので、剣術や格闘と言った部分や、魔法講義など原作より濃密な修行がなされました。その結果この段階でダイ少年は、メラやヒャドと言った基礎的な魔法を習得する事が出来ています。
今後の展開上、多少原作より有利に働く事でしょう。もしかしたら、アバン流刀殺法の中で至難とされている空の技《空裂斬》も早期に覚えられるかもしれないですね。ポップが隠れて見守る中、アバンとダイ少年が木刀を使った訓練をしています。ダイ少年の上達具合にはさすがのアバンもタジタジです。打ち合う中で、とうとう両手を使わされてしまいました。
アバンは弟子の上達具合にホクホクの様子で、「私のスーパーな必殺技です。一日も早くマスターして下さいね・・!?」と言って奥義であるアバンストラッシュをダイ少年に向けて放ちました。
ダイ少年は数十メートル程ぶっとばされて、隠れて見ていたポップに抱き止められました。「先生・・無茶しすぎですよ。いきなり奥義なんて!!」とポップはアバンに、詰め寄っています。アバンはとぼけた口調で、「ポップ居たのですか??ダイ君が心配なら貴方も
アバンが話題を変える様に、ポップに向ってこう言いました。「ちょうどダイ君に、対魔法戦闘を教えたいと思っていたところです」と言ってアバンは、自分に向って
アバンに向って巨大な火の玉が襲い掛かって来ましたが、《海波斬》で火の玉を切り裂いて無効化しました。「ざっとこんなカンジですね♪」と言ってダイ少年にもやって見る様に促しました。ダイ少年も、
その様子に、諦め顔のポップは、ダイ少年に向って
「ポップさん、手加減して呪文のランク落とさなくて大丈夫だよ」とその発言を聞いていた私は、口止めを忘れていた事に今更気づいたのでした。
ポップは不審な顔をして、「ポップって呼び捨てで、かまわないよ。おれもダイと呼ばせてもらおう」と言い更に「別に俺は手加減なんかしていない・・・・・《メラゾーマ》は火炎系最強呪文だ」とポップ言い、授業で習っただろう的な感じで、ダイ少年を見ています。
「えっ、火炎系最強って
「お姉さんのあの呪文に慣れたら、《メラ》も《メラゾーマ》も一緒だよ」と、今までの常識をブチ壊すダイ少年の斜め上の発言に、ポップは心底驚いている様子です。アバンは何か思いついたのか、ダイ少年に質問をしました。
「ロッテさんでしたか!?教えてもらったダイ君を見ていれば解りますが、相当な剣士の様ですね。しかもポップより遥かに強力な魔法の使い手なのですか?」アバンは自らの疑問を解決する為に、魔法に詳しく現場を見ていそうなブラス老に話かけた。
「残念ながらわしは、ロッテ殿が魔法を使っていたところを見たことがないのじゃ」と返事をし、ダイ少年がお姉さんは「スペシャルな魔法だから、ダイ少年だけに見せてあげる♡」って言ってた事を思い出し、アバンにそう伝えた。横からチャチャを入れる様にポップが「《スペシャルな魔法》とか表現がなんか、先生みたいですね」といって面白がっています。
「その女性について、何か覚えていることはありませんか?」アバンはポップの発言をスルーして、ブラスとダイ少年に話かけました。その時、遠くの方から雷が落ちたような音が、数回聞こえて来ました。ただ事でない様子に会話を中断して、辺りを窺うアバンとダイ少年でしたが遠くの方から、ものすごい勢いで迫ってくる物体に気が付きました。(とうとう奴が来るタイミングになった様です。)
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魔王の出現・・・!?
アバンの話が始まる少し前の事です。私は直接見てはいませんが、たしかこんな場面が原作にあったはずです。デルムリン島の近くで魚を獲っていた漁師二人が、急に天候が悪化した事から帰るか漁を続けるのかで話し合っていました。魚が捕れていない事から続行しようと言う漁師と、引き返そうと言う漁師がふと隣を見ると黒いフードを被った何かが海の上に立っています。
「海の上に・・・に人間がっ・・・!!!」そんな呻き声に気がついた黒フードは、ニタァと笑って「この島か・・探したぞ!」と言いながら島に向って何かの魔法を発射・・・漁師は巻き込まれて、海の藻屑(原作にそんな描写はありません!)といったのが流れだったはずです。
可哀想な漁師(だからそんな話はないんだってば!!)の話は置いておいて、原作ではアバンが
今回は修行が原作より進んでいることもあって、
本題に戻りますが、現在の状況としてはハドラーがデルムリン島を発見♪→なにかしらの魔法で攻撃した→マホカトールで弾かれる→強制的に結界に侵入→目的の人物を探して島を徘徊→アバン達と対峙といった場面が今現在となります。
「クックックッ・・・貴様の魔法陣にはなかなか骨を折らされたぞ!!」いきなりやって来た謎の存在、不確定名称《黒フードの男》(命名:私)がアバンに向って話しかけています。ダイ少年やポップから見れば、正体不明の黒フードが空に浮かんでいるといったところですが、アバンには当然のごとく見覚えがありました。
アバンは、ある程度予想していたのでしょう。意外に冷静に相手に話しかけています。「やはり復活していたか・・・魔王!・・・・魔王ハドラー!!」そんな二人を目の前にして、ダイやポップはいきなり魔王が現れた事にビックリしている様子です。
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ハドラーの正体・・!!
ブラス老は、魔王と呼ばれた男を観察しているようです。この中でアバンの次に魔王について知っているのは、旧魔王軍に所属していた鬼面導師ブラスなのです。(おそらくパワーが段違いだとか、若いとか、生命力を感じるとか思っていることでしょう)
ブラス達の事など眼中に無いような様子のハドラーは、目の前の男にのみ注意を払っているの様です。「久しいな・・・我が宿敵・・勇者アバンよ!」思ったより静かな口調と声に、私は違和感を感じました。
本来であればここで、俺の野望を邪魔したとか屈辱は忘れんとか、ちっちゃいことを言ってアバンと言い合いになっていた気がするのですが何か様子が変です。
「かつての俺は、貴様ら人間の力を軽視していた。何の戦略もなしに、力押しでどうにかなると思いこんでいたのだ。その結果、お前達の歴史書通り俺の敗北に終わった!・・それはいい!!しかしその結果、人間共は増長し、魔物を駆逐し自然を破壊した。人間の王国は当時の理想を忘れ、王国内部は腐敗し、この島の様に都合の悪い人や魔物を辺境に押しやった!!これが貧民を生んだ歴史である!!」(・・・あれれ・・・まったく私の知らない方向に話が・・・・)
アバンも自分が知っている短気で粗暴な男ではなく、どこか知的な感じすら漂わせるハドラーに動揺を隠せない様子である。
ハドラーの演説はまだ続いています。「ここに至って俺は人類と魔物が今後、絶対に戦争を繰り返さないようにすべきだと確信したのである!!それが貴様に倒された俺が、復活し貴様に相対している理由でもある。本来であれば俺を倒した貴様に敬意を表して、滅んでおくべきであったのだが・・・人間の増長振りに我慢ならん!! おそらく貴様はまた俺の敵に回るだろう。だから宣言しておく勇者アバンよ!!」
一旦セリフを切ってからハドラーは、その身から威厳や誇りといった前世ではありえない雰囲気を纏いながらこう宣言した。
「我が魔王軍は、全世界の王国に対して宣戦を布告する!!」・・・・・・・・誇り高き魔族の王がそこに居た。
「貴様程の男が意見を変えるとは思えんが、念の為に聞いておこう」とハドラーは言い、アバンに先程の話に協力する気がないか返答を求めました。案の定アバンの答えはNOでしたが、最後にこう呟いていました。「言いたい事は解らなくはないが、人間はそれだけではないのですよ」
「残念だが・・・これも必然か!」ハドラーは、言葉とは裏腹に断られた事に嬉しそうな表情をしていました。「やはり勇者はこうあるべきだな!もはや何も言うまい!!」そう言って戦闘態勢に入るハドラーとアバンですが、私には言いたいことがありました。(ハドラーキャラ変わりすぎww)
「では前回の戦い続きといこうか・・・・前回は俺の敗北で終わったが、今回はどうかな?」そう言いつつも、自らの勝ちは揺るがないと感じさせるだけの何かが、今のハドラーにはあった。「貴様は老い、俺は若返った・・・頼りになる仲間はなく、周りには守るべき生徒がいるだけだ」ハドラーは若干悲しそうな表情で「それでも俺は、貴様と教え子をこの世より葬り去らねばならぬのだ!せめて我が手であの世に行くが良い!!」
そのセリフと共に戦闘が開始された。ハドラーが、様子見とばかりに放った
「悲しいなアバンよ!技術や威力は昔以上だが、今の貴様には何としても相手を倒すという気迫が足りない!」そう言ってハドラーも
「凄まじい威力だ・・・・以前戦った時よりもはるかに強くなっている・・・!なぜだ!?」
そう呟くアバンにハドラーはこう言いました。「貴様に倒された後、俺は
「何物だ!?そいつは・・・!!」アバンは思わず、そう叫んでいました。ハドラーはアバンの問いに、こう答えました。「大魔王バーン・・・貴様に敗れ、死の世界をさまよっていた俺を蘇生させて下さった、偉大なる魔界の神だ!!」
そして、アバン達が予想もしていない事が、ハドラーの口から発せられました。「バーン様に忠誠を誓った俺は、
「今の俺は魔王ではない!・・・
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対決!!ハドラー対アバン
絶句しているアバンに対しハドラーは追討ちのごとく、更なる事実(ハドラーはそう思っている)を語ります。「大魔王バーン様こそ、我が主君にして全知全能の魔界の神!その軍勢はかつての魔王軍とは比較にならんほど強大だ!!」と言いアバンに向け更にこう言い放ちました。
「そしてバーン様は、慎重な御方だ。人間の中でも
ハドラーも未練を断ち切る様に、戦闘態勢を取りました。「貴様を葬るのに生半可な呪文では、足りないだろう!?」そう言って両腕に魔力を集中し始めました。アバンもその魔力量から危険を感じ取ったのか、奥義であるアバンストラッシュの構えを取っています。二人の溜めが終わった瞬間に、攻撃が始まりました。
アバンストラッシュ!
お互いが放った一撃は、大半の部分が相殺された様です。されなかった部分が、二人にダメージを与えた様です。アバンの攻撃はハドラーの肉体に多少の損傷を与えましたが、それほどの効果的とは言えない様子です。逆にアバンの方は体から煙が立っており、全体的にダメージが深いのは誰の目にも明らかでした。
そのことでポップに止められていたダイ少年の我慢が限界に達したのか、二人の間に割って入りました。ダイ少年はハドラーに向って「今度は俺が相手だ!!」と言って、レオナ王女から貰ったパプニカのナイフで、攻撃を仕掛けます。思った以上の攻撃にハドラーは若干ビックリした様子ですが、冷静に対応しています。
ハドラーが防御に回って、ダイ少年を観察しています。そして、ダメージで動けないアバンに向ってこう話掛けました。「アバンよ、おそろしい逸材を見つけたものだな! あと数年修行すれば俺を倒せたかもしれんが、だからこそ生かして返す訳にはいかないな!!」と言ってダイ少年に向って、
アバンはダイ少年に逃げる様に言っていますが、集中状態に入った彼にはまったく聞こえていない様です。二人の溜めが完了し、先程の光景が再現されます。
アバンストラッシュ!!
ダイ少年の一撃はハドラーの肉体に小さくない傷を残しましたが、致命傷とまではいかなかった様です。対してハドラーの一撃は、ダイ少年に多少ダメージを与えたに過ぎなかったのですが、これを予期していたのかハドラーは間髪いれずに、第二撃を放つ準備を開始しています。
「油断したなアバンの弟子よ!!」そう言ってハドラーは、
このままでは直撃をもらい、大ダメージを受けることは間違いありません。とはいえ今のダイ少年には、防ぐ手段はありませんでした。あわや直撃かと思った瞬間、アバンが身を挺してダイ少年を庇ったのでした。
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アバンのしるし 前編
庇ったアバンは、その場に倒れまったく動けない様子です。何とか意識はある様ですが、体が思った様に動かないといった感じです。「先生!!」と言って慌てて駆けつけて来たダイ少年が、
「我ながらベリーナイスタイミングでしたね・・・!」アバンはダイ少年の危機を救えたことに満足しているようですが、ダイ少年は今にも泣き出しそうな表情でアバンにこう問いかけます。
「先生大丈夫?
「フフフ・・そりゃ痛いですけど、痛がっている場合じゃありませんからね」と答え、まるでダメージを受けて無い様に立ち上がりました。(相当なやせ我慢ですねあれは・・・)立ち上がったアバンは、ハドラーと対峙する為に正面に立ちました。ハドラーと対峙しつつ、アバンはダイ少年とポップに話かけます。
「奴のパワーは、かつて魔王だった時以上・・! しかもその上には大魔王がひかえてるというんですからね・・・!!」二人を見渡しながら、アバンの話はまだ続きます。
「敵は私の想像を遥かに上回る存在でした。今の我々の戦力では勝てません・・!! だからこそ奴だけは・・魔軍司令ハドラーだけは、私がこの場で倒します。!!」
そんなやり取りを黙って見守っているハドラーに向ってアバンは「待たせましたね」と短く言いハドラーも「気にするな! どちらにせよ、師弟共々葬ることには変わりはないのだからな!!」と言って戦闘体勢を取ります(そんなセリフとはうらはらに、残念そうな表情を浮かべていると感じたのは私の穿ち過ぎでしょうか?)
「あの子達は、人類の希望です。ここで潰させる訳にはいきませんよ!!」と言ってアバンは、
《アストロン》の効果で、そこに居たダイ少年やポップ、ブラス老やゴメちゃん(この二人は最初から居たが空気化してしまっていた)が次々と鋼鉄と化して行きます。ダイ少年が「先生・・!おれも・・・!」などと言っていますが、呪文の効果により鋼鉄化していきました。
そうしてアバンは「これでみんな安全です。私の最後の戦いを見守っていて下さい・・」と言い胸から宝石の様な物を取り出しました。ポップが「アバンのしるし・・・卒業の証・・!!」と言って絶句しています。
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アバンのしるし 後編
そうしてアバンは二人に、最後の別れの言葉を掛けていきます。まずダイ少年の目の前に立って「ダイ君、貴方は素晴らしい素質に恵まれています。修行が途中で中断してしまったのは残念ですが、この先もし《お姉さん》に会うことがあったら、修行をしてもらって下さい。更なる高みに達することが出来るでしょう。貴方なら立派な《勇者》に成れることは私が保証しますよ・・」と言ってアバンのしるしを、ダイ少年に首に掛けました。(やっぱり私だとバレましたか!?。あなたの
次ぎにポップの前に来ましたがポップが「いやだ・・・いやだよ!!そんなのいらないよ・・」と言っています。流石のアバンも困り顔です。更にポップは「勝てないって解っている相手に、なんでそんなムチャするんだよ・・・」最後の方は嗚咽になっていましたが、意味は通じたのでしょう。
アバンはポップに「勝てない相手だからこそ・・・命をかける必要があるのです。それにねポップ、やはり修業で得た力というのは他人のために使うものだと私は思います。たぶん私の力はこの日のために・・・あなたたちを守るために神様からさずかったのでしょう・・いつかあなたにも必ずわかる日がきます。だからその時の為にこれをあずけておきましょう・・」と言ってポップにもアバンのしるしを掛けてあげています。
そうしてアバンは最後に「とは言え、二人はまだ仮免中といったところです。そんなに感動してもらっちゃこまりますよ。これからもブリバリ努力してくれないと、それにふさわしい勇者になれませんからね!」と
そして、通りざまにブラス老に向って何か言っていますが、この位置からは聞こえません(内容が多少気になりますね・・)この間、ハドラーは無言のままアバン達の様子を窺っています。そうして別れが済んだタイミングで、アバンに声を掛けます。
「別れは済んだか、勇者アバンよ!」その返答とばかりに「何があったか知りませんが、あの時の魔王とはまったくの別人ですね・・・」と感慨深げにアバンは、ハドラーに向けて話しかけます。対するハドラーというと、特に気にした様子もなく「たいして変わらんよ! 結局お前を殺した後に、弟子もあの世に送ろうとしている外道よ!」と自嘲気味に返すハドラーでした。
しかし、アバンは「貴方には、15年前には感じなかった凄みの様なものを感じます。ここで止めなければ、人類すべてに最悪な結果になる予感が・・・被害が最小限の内に、貴方は命にかえても私が倒します!!」
そう言ってアバンは、ハドラーに向けて猛攻を仕掛けます。15年前よりかなり鋭さを増した太刀筋で、連撃を繰り出します。正直思った以上にアバンの一撃、一撃にパワーが乗っており、昔のハドラーなら瞬殺出来るのではといった感じです。(はっきり言って何があった・・勇者アバン)
対するハドラーは、そんなアバンのパワーアップにも十分に対応出来ています。アバンも研鑽を怠っていなかった様(どんな修行をしたのですか!?)ですが、ハドラーのパワーアップが上回っており、両者の差が思った以上に開いてしまった様です。
肉体スペックに差がついてしまったとしても、以前の小物っぷりまるだしの田舎魔王(我ながら酷い言い様ですね)でしたら勝負はもう少し、接戦になったかもしれません。ですが今のハドラーには、そういった要素はまるで感じられません。あくまで冷静に対応している様子がここからでも窺えます。
アバンの攻勢に若干の疲れが見えて来たところで、今度はハドラーが猛攻を仕掛けます。アバンも何とか耐え忍んでいますが、捌き切れず細かいダメージが蓄積していきます。そして何度捌いたか忘れたころに、猛攻に耐え切れなくなったか、体勢を大きく崩してしまいました。
とうとうハドラーに向け、致命的な隙を作ってしまったアバンでしたが、それ自体が誘いだったのです。ハドラーが好機と見たのか、大きな一撃を放って来ました。自らの命を囮としてようやっと、ハドラーとの間合いを零距離まで誘導する事に成功しました。
完璧なタイミングでした。流石のハドラーも意表を突かれ、自ら放った一撃を止める事が出来ません。そうしてアバンは、自らの生命エネルギーを爆発力に転化し相手に叩きつける呪文である《メガンテ》をハドラーに直撃させることに成功しました。
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ダイ激怒!!!
アバンの命がけの
そんな感傷は置いておいて、最後の瞬間にアバンが何か呟いた様に聞こえました。しかし、ここからではうまく聞き取れませんでした。非常に気になるところですが、現場が物凄いことになっており、それどころではありません。周囲を物凄い爆風が吹き荒れ、破壊力の凄さが伺いしれます。
ダイ少年とポップ達は呆然としており、状況が理解出来ていない様子です。しかし表情から、アバンの死はおぼろげながら感じている様にも窺えます。
「先生が・・先生が命をかけて守ってくれたのに・・なんにもできなかったなんて・・・!」ダイ少年が呆然とした表情で、言葉を搾り出す様に呟いたのが聞こえてきました。その後、瓦礫の下から多少のダメージは負った様ですが、比較的軽症らしいハドラーが這い出て来ました。
「見事な散り際であったわ!勇者アバンよ!!」そう言いつつハドラーは、爆心地を見つめています。ですがその行為もわずかな時間のことで、己の任務を思い出したのかダイ少年達に方に近寄っていきます。歩きながらハドラーは、
本来であれば魔法を使った戦闘の場合、使う魔法の威力と、
しかしハドラーは、それを無視して限界ギリギリまで魔力をチャージして、確実にダイ少年達を葬り去ることを選択した様です。もちろん
本来であれば、「俺の
ですが、このハドラーは私の知っている三流魔王とはレヴェルが違います。油断や驕りといったマイナス面をどこかに置き忘れてきたのか、詰将棋の様に確実に止めを刺しに来ています。これでは流石のダイ少年でも形勢は不利ですが、この物語での主人公補正とも言うべき
これで、DEAD ENDフラグは回避できそうです。(ダイ少年には日記を書く趣味はないようですが)・・・・・話がまた脇道に逸れてしまいました。
結果だけ言えば、原作より自力がアップしているダイ少年のストラッシュ(竜闘気版)がハドラーをぶっ飛ばし、キメラの翼を使って離脱すると言った流れは変わらなかった様です。仮定は変わっても結果は集束すると言うことなのでしょうか。
私も今頃海に漂っているであろうアバンを回収して、離脱することにしましょう。回収後浜辺にでも置いておけば、弟子達の旅立ちを見届けながら修行の旅に出ることでしょう。私が改良・強化した
私にもやることが出来ました。魔界に一旦帰還し、今回のことをバーン様に聞いてみることにしましょう。今回の相違が、
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大冒険への旅立ち!!
side ハドラー
ようやっと鬼岩城までたどりついたが、思ったより手ひどくやられてしまった。流石は勇者ダイといったところだろうか!?何年前になるだろうか??前世ではただのサラリマーンであったはずだが、気がついたらこのとんでもなく死亡フラグ満載なダイの大冒険の世界に迷い込んでしまっていた。
正直いってやってらんねーと思った。この世界での最初の記憶が、アバンによって止めを刺される瞬間っていうのが、情けなくて笑えてくる。その後、魔界の神?大魔王??だかに命を助けられたが、しばらく力を蓄える為に眠りについていた。起きたら起きたで、世界征服をしなくてはならないらしい。
残念なことに原作を読んでおらず、話自体まったく分からなかった。登場人物だけなんとなく記憶していたが、どんな物語なのかはさっぱりだった。とにかく魔軍司令といった地位を拝命してしまったからには、魔王軍とやらを指揮して、世界征服とやらをなしとげなくてはならないと思う。
一応復活させてくれた恩義もあることだし、義理を返すまでは働かなくてはならないと思う。恩返しの一環でデルムリン島に遠征したのですが、ギタギタにやられてしまった訳です。ダイから見れば師匠の仇な訳ですからこれから合うたびに、攻撃が相当ハードになりそうで気が重いです。
まぁなんとなくの記憶で、アバンがラストっぽいところで登場していたので最終的には問題はないと思いたい。問題があるとすれば、名前を知っていてもハドラーの性格まで知りはしないということです。なんとなくそれっぽいセリフを言っておけば、旧知の相手でもごまかせるかなぁー?なんて思ったが、アバンにはかなり怪しまれてしまった。
そんなことを考えながら、両腕切断を修復中です。それで治るんだから、魔族って便利な体に出来ていますね。そうこうしていると、あの方から通信が入りました。
「手ひどくやられたな・・・ハドラー」と相手はそう言ってきたので、私はいつもの様にハドラーっぽい口調でこう返答します。「申し訳ございません大魔王様。お見ぐるしい姿をお見せしてしまいまして・・・・」そう言って恐縮してるっぽい演技を交えて話すと「まぁ気にやむことはない。勇者アバンを葬った功績を考えれば、名誉の負傷というところであろう・・・・」そう言っている大魔王様は、機嫌が宜しい様だ。
バーン様からの通信が終わったのは良いが、これからの方針を決めなくてはならない。「かつて成し遂げられなかった世界征服の夢をかなえるがよい」などとバーン様は言っていたけど、別に世界征服なんて興味ないんです。ですが、正体がばれない程度には動かないといけない訳ですし・・・さてどうしたもんだろうか?
とりあえず何をするのにも情報は必要と思うので、世界各地に放っている悪魔の目玉にダイを捜索させよう。あとは報告を待つだけにしておいて・・・・・魔王軍自体は規定戦略に従って、各軍団長がすでに各王国に侵攻中なので今更俺が出るまでもない。ダイ達を発見したら、その地域担当の軍団長に、命令を送って倒してもらおう。
なんとなく、主人公補正の掛かっている勇者ダイの肥やしになりそうな気もする。適当なところで、やられたふりでもして戦線離脱するのも手かもしれない。とりあえず、ある程度成果を残し恩を返したら真剣に考えよう。
そんな事を考えていたら、ダイ発見の報告があった。マジ目玉優秀!! ロモス王国外縁部ということは担当は《獣王クロコダイン》か・・・・・昔ながらの武人肌で、実力はあるが真っ直ぐすぎるのが玉に瑕といったところだ。やっぱりダイの踏み台1号決定な気がする。こうなったら、掟破りの開幕ド○グ・スレイブならぬ開幕《竜騎将バラン》でも投入してみようか?
でも彼は激戦区であるカール王国に出撃中だし、むやみに動かすと大魔王様の不審を買う恐れがある。やっぱり現状維持しかないか・・・・・クロコダインにはぜひとも頑張ってもらおう。
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第2部 ロモス王国編
魔の森のマァム
side ダイ
おれの名はダイ。大魔王を倒す為、ポップと共にデルムリン島を旅立ってから数日が過ぎた。ロモスの王様なら、レオナのいるパプニカの場所も知っているはずだと思い、ロモス王国を目指していた。レオナなら事情を話せば、協力してくれると思う。
デルムリン島から比較的近いこともあり、《偽勇者事件》の時にキメラに乗って、ロモスの王様がいる城に行ったことがあった。今回も簡単に行けるかと思ったが、実際はというとポップと二人で迷子になってしまった。
行けども行けども森ばかりで、正直こまりはててしまっていたんだ。そんな時に向こう側から悲鳴が聞こえてきたので、ポップと一緒に悲鳴のした方向に向って走った。そうしたら小さな女の子が、モンスターに襲われているのが見えたのでおれとポップで撃退したんだ。
モンスターを全部やっつけて、女の子に話を聞こうとしていたら、どうやら一匹仕留め損ねていたらしい。完全に背後に回られ、逆におれ達がピンチになってしまった。
そんな時、向こうの方からやってきた火の玉がモンスターに命中した。一瞬お姉さんかな!?と思ったけれど、あの人が放った火炎呪文だったら、今頃あのモンスターは塵一つ残っていないと思う。実際はというと、火の玉が命中したモンスターは思ったより元気そうに逃げていった。
後ろから現れたのは、ピンクの髪をした女の人で、右手に見たこともない武器っぽいものを持っていた。女の子が嬉しそうに《マァムお姉ちゃん》と呼んで抱きついている。女の子が事情を説明すると、女の人に無茶苦茶感謝されたが、こちらも助けてもらったのでお互い様だと思う。
この時、ポップと女の人で多少の言い合いになって、ポップが間違って女の人の胸を触ってしまった。報復に平手打ちをくらってしまったポップであったが、後にこのことが影響してくるなんてこの時点では考えもしなかった。
お互いに自己紹介をした(ポップの分はおれがしておいた)女の人の名前はマァムと言い、この先のネイル村の住人だそうだ。マァムはここが《魔の森》と呼ばれる場所で、モンスターが徘徊していること、複雑な地形で迷路の様になっていることを教えてくれた。マァムの住んでいネイル村は近くにあり、そこに泊まっていけばと言ってくれた。
出会った時に揉めたのが尾を引いていて、このまま王宮に行こうとポップが強引におれを引きずっていってしまった。「意地でもぬけてやるからなーーー!!」と気合が入っているポップだったが、結局何時間も彷徨うはめになり、やっぱり村に泊めてもらったほうが良かったなぁとしみじみと思った。
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獣王!!クロコダイン
side ハドラー
クロコダインに連絡を入れる為、悪魔の目玉に回線を繋ぐ様に命令を出した。この世界の通信手段として、人間は書簡を馬車や船といった交通手段を利用して送るか、頑張っても魔法使いがルーラを使って届けるのが最速であろう。魔王軍はどうしているかというと、悪魔の目玉を利用してリアルタイム通信が可能となっている。こと情報の共有と言った点においては、圧倒的有利な状況と言えるだろう。
呼びかけてしばらくすると、クロコダインの声が聞こえてきた。そこで本題に入る前に、ロモス王国攻略の現状を報告してもらったが、予想どおり獣王にヤル気が感じられなかった。弱兵ばかりだと侮っていて、部下にまかせっきりだそうだ。俺は心の中で《やれやれだぜ》と思いながら本題を切り出した。
ダイの抹殺を指示し姿を悪魔の目玉で見せたら、こんなガキの相手をさせるのか?とか冗談も程があるだろう?などと大いに笑われてしまった。前から思っていたが、魔族とかモンスターとかいう方々は人間を馬鹿にする風潮がある様だ。戦う相手を侮って、一銭の得にもならないだろうと俺は思うのだが・・・・・・
人間を外見や行動で決め付けることの危険性について、クロコダインにダイに付けられた傷を見せて注意喚起を行なった。獣王も話を聞く気につれ、最初のバカ笑いしていた表情から真剣な表情へと変わっていった。
ここぞとばかりにダイの実力を存分にアピールして、クロコダインの殺ル気を煽りまくった。その結果、獣王のテンションはうなぎ登りで、ダイ討伐を引き受けてくれた。くれぐれも油断しない様に言い聞かせたが、どうせどこかで失敗するであろう。
魔王軍には6つの軍団があり、モンスターはタイプに合わせて各軍団に配属される。獣王クロコダインが軍団長を務める《百獣魔団》には獣系のモンスターが配備されているが、作戦や計略といった頭脳労働を担当出来るモンスターは配備されていない。そのことも俺の不安を増大させている要因の一つと言えよう。
魔軍司令としては、頭の痛いところではある。下手にモンスターの配置をいじれば、各軍団長の反発を買う可能性がある。この状況を打破する手段を色々と考えて見るが、原作の展開や詳しい人物像が解らない為、迂闊に人員を動かせない状況だ。
さらに自分自身(ハドラー氏)のことも分からないのも問題である。そういった改革や、今後の展開を見通して行動する人物(魔族)なのかも定かではない。次善策を用意したいところだけれど、これ以上余計なことをしても悪化する可能性がある。ここは獣王殿に期待して、あえて放置(現状維持)することにしよう。
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獣王のおたけび!!
side ダイ
ポップに引きずられて森を徘徊していたんだけど、ライオンヘッドに遭遇してしまった。さすがは魔の森っていうだけあって、かなり強力なモンスターだ。切れ目無く
そんな時にどこからともなく、おたけびがが聞こえてきた。ものすごい
その声を聞いたライオンヘッドは、おびえて縮こまってしまった。この声の主はこいつより断然強いってことだ。おれにはプレッシャーの主が段々と近づいて来るのが分かった!!そうこうしていると
先生の命を奪ったハドラーの部下だったら、容赦はいらない。全力で倒すのみだ!!ポップが先制攻撃とばかりに
すごい!!パワーだけだったらハドラーより上かもしれない・・・・・おれはてっきりこっちの体勢が整わない内に追撃してくると思っていたが、クロコダインにそんな様子はなかった。「各々が得意とする技においては、ハドラーどのを上回る力があるから軍団長を任せられている」と得意げに話している。そんな中、ポップと連携してあいつを倒す策を考えていたが、いつのまにかに隣にいたはずのポップの姿がなかった・・・・・・・・・・・・そりゃないよポップ(´_`。)グスン
こうなったら一人でも戦うしかない!アバン先生やお姉さんに教わった剣技を今こそ見せてやる!!クロコダインは見た目からして堅そうだったので、まずは≪大地斬≫で様子を見てみることにした。命中はしたが予想通り、クロコダインの皮膚に浅い傷をつけるのがやっとだった。
「そ、その技は・・・・」クロコダインは自分の肉体がナイフで傷つけられたのが信じられないのか、思わずといった感じで呻いていた。「アバン流刀殺法《大地斬》だ!!」と答えてやった。
「昔、魔王であったハドラーどのを倒した勇者の技か・・・・」クロコダインは妙に納得した表情で、改めて戦闘体勢をとった。こちらも傷を与えはしたが、余裕がある訳ではない。クロコダイン相手に、レオナからもらったナイフが一振りだけというのが不安なところだ。
せめてお姉さんが訓練の時に貸してくれた剣があれば良かったんだけど・・・・なんでも鍛冶屋になった友人が、作ってくれた大切な剣だと言っていた。すごい威力だったので、きっとかなり腕の良い職人さんだと思う。
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集え!!アバンの使徒
side ポップ
どうやら俺達は見張られているらしく、悪魔の目玉らしき姿がちらりと見えた。どうせハドラーの手先だろうし、ダイの現在の実力を探るために、あのワニのおっさんを送り込んで来たんだろう。まともにやって勝てるかどうか分からないぐらいあのおっさんは強い。
かませ犬ってレベルじゃない!!くそったれ・・・・・そう思った時に俺の中である奇策が浮かんだ。思考を進めてみると案外面白い手かもしれない。
あの時・・・デルムリン島で、ハドラーのプレッシャーに負けて何も出来なかった屈辱を返す良い機会だ!幸い仕込みの必要性も殆どなく、やられた方はムカツク良い手だ!!そうと決まればさっそく実行だ!俺はおっさんの攻撃に合わせて、ダイの意識が逸れた一瞬の隙をついて逃亡を開始した。
これでおっさんやハドラーは俺が臆病風に吹かれて逃亡した様に見えるだろう。タイミングを見計らって横合いから殴りつけてやろう。まぁダイがやっつけてくれた方が一番良いんだろうけど・・・・・
一時離脱してタイミングを窺がっていると、さっき逃亡したライオンヘッドが襲い掛かってきやがった。今、お前の相手をしている暇はないんだ!!しかし、呪文で倒そうにもこいつはかなり素早さがあり、なかなか呪文を唱える隙がない。逃げながらどうしたものかと考えていたらあの女が、向こう側からやってきてモンスターを引き受けてくれた。
正直助かったが、問題はあの女だ。一撃でモンスターを倒してしまった。逆らわない方が身の為かもしれない・・・・・さっきのことも謝っておこう。こっちの事情を説明しようとしたら、まだ生きていたライオンヘッドが怒りの
女もそれに気が付いた様で、何か筒状の道具で、攻撃したと思ったらまるで
二度目ということもあり、女の怒りは頂点に達した様だ。あまりの怒りに、説得と事情説明を諦め逃亡することを選択した。謝罪と説得に掛ける時間がおしいので、ことが終わったら思い存分怒られることにしようと思う・・・・・・オレハイキノコレルノカ
side マァム
あの失礼な男を追って森を進んでいたら、もう一人の少年がワニ男にやられそうになっていた。遠くから見ていた感じでは、少年は麻痺系の攻撃を受けたみたい。若干距離はあるが、
よかった!なんとか間に合ったみたい。しかし、あの男はこんな少年を一人にしてどこをほっつき歩いているのか・・・・・こんど会ったらOHANASHIとOSHIOKIをしないといけないわね。そんなことは今は置いといて、戦いの形勢は少年に不利のようね・・・・あの斧、
「あの斧をなんとかしないとね」・・・・思わずそう呟いてしまったが、この状況を打破する方法を思いついた。今迄どんなモンスターに襲われてても使わなかった、《切り札》を切ることにした。お父さんとお母さんの昔の仲間の人が、何年か前に村に立ち寄った際に込めてもらった
ワニ男が攻撃のモーションに入った瞬間に、私は
私が撃ったのと同じタイミングで、別方向からも呪文が放たれていたのが見え、そっちを見たらあの男が困った顔をしていた。どうやら考えていたことは一緒らしく、タイミングもかぶったらしい。
狙い通りに命中しワニ男が凍ってしまった。あまりの効果(武器が凍って使えなくなるぐらいを期待していた)に若干引いてしまったが、チャンスには変わらないので私は少年に向かって合図を送った。少年も一瞬呆然としながらも見事に攻撃を当てて、ワニ男の片方の目を潰すことに成功する。
ワニ男も不利を悟ったのか、恨みごとを言いながら逃亡していった。その引き際はいっそ見事というしかないわね。私は少年達と合流して、得意呪文である
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アバン!!我らが師
side ザボエラ
キーヒヒィようやっとついたわい。ここがデルムリン島とかいう田舎の島か・・・・ほほぅ!これがアバンが張った結界か・・・じゃがこんなものこの妖魔司教ザボエラに掛かればどうといったこともないわい。
おったおった貴様がブラスとかいう鬼面道士じゃな!!キヒヒヒヒヒヒ・・・・・!!!奴もようやっとワシの強大な魔力に気が付きおったか!「この島はアバンどのが残してくれた魔法陣で守られているはず!」とかいっておる。無礼にもこのワシに向って「お・・お前は」とかいっておるが、ワシは寛大しゃからな!!無知なるやからの多少の無礼は許してやるわい。
「ワシの名は妖魔司教ザボエラ!!大魔王六軍団のひとつ・・妖魔士団の軍団長じゃ」慈悲の心で、奴の質問に答えてやった。さっさとの島に来た目的を果たして帰るとしよう。元はといえば、あの単細胞が何も考えずに行動したのが、そもそも悪いのじゃ・・・・
side ダイ
マァムと一緒に村に着いたら、ゴメちゃんが出迎えてくれた。マァムから俺たちの荷物に紛れて入っていたと聞いた時にはビックリした。ゴメちゃんと戯れていたら、向こうから女性が一人歩いてくるのが見えた。マァムがお母さんと呼んでいる。正直知識としては知っているが、お母さんがどういったものかは理解していない。
マァムはおばさんに、俺達がアバン先生の弟子であると伝えると嬉しそうな顔をしていた。話を聞くとおばさんも昔、アバン先生と一緒に冒険に出ていたことがあるらしい。死んでしまったが、おじさんも一緒に旅をしていたとマァムが教えてくれた。
ということはマァムは《えりーと》ということらしい。お姉さんが「えりーとは爆発しろ」とか「逝けめん死ね」とか訳の分からないことを呟いていた時に、説明してくれた条件にマァムはあてはまりそうだ。そんなことを考えていたら、おばさんが「アバン様はお元気ですか?」などと聞いてきた。
思わず「そりゃあピンピンしてます!!」と力強く返答してしまった。色々と話しているうちに、話の展開でそのまま村に泊まっていく話になってしまった。本当はボロが出る前に立ち去りたかったんだけど・・・・こんな時にポップが元気だったら、うまく誤魔化してくれたんだけど・・・・(マァムにとっちめられて、機能停止中)
そのあとマァムと会話した際に、アバン先生の話やあの変わった武器の話をしてくれた。理屈はわかんないけど、あの筒に呪文を封じこめることが出来るらしい。その場の話で、いくつかの呪文を入れてあげたら大変喜ばれた。今は基本的な呪文しか使えないが、契約は結構な数が出来たので、そのうち使用出来る様になると思う。
お姉さんの様に、
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第3の仲間!!
仕事が忙しすぎる><
side クロコダイン
ぬぉぉぉぉぉ!!不覚・・・不覚だぁ!いかに強敵といえども、あのような小僧一人にしてやられるとは・・・・・・あのへんてこな武器で、一瞬動きを止められたとはいえ片目を持っていかれるとは!!なんたる不覚!なんたる体たらくだ!!
オレが物に八つ当たりをしていると、どこからともなく声が聞こえてきた。「キィヒヒヒヒーー荒れておるなクロコダインよ」そんな声が聞こえてきたが、オレのアジトに簡単に侵入してくるとは・・・・何奴だ!!
「ウヒョヒョヒョヒョウ・・まぁ無理もないわな、たかだか数人のガキ供にそのような無様な傷を負わされてはのぅ・・・」
そう言って姿を見せたのは《妖魔司教》ザボエラ!!オレと同じ軍団長で、《妖魔士団》を率いる男だ。オレはこの男が大嫌いだ。なんといっても性格が姑息すぎる。知恵者であるのは間違いないのだが、どうも性格があわん!さらに気に食わないのが、なぜこの男がここにいるのかだ!この男に訪問される理由が思い浮かばんし、浮かびたくもない!!
「折角お前さんに、策を授けてやろうと思って出向いてやったのに嫌な顔しなさんな」そう言ってくるザボエラにオレは思わず怒鳴っていた。「どうせいつもの姑息な策だろう!なぜオレが貴様の薄汚い策などに頼らねばならんのだ!!」
何時もだったらそこまでは言わないのだが、オレも小僧にやられて機嫌が悪かった。そんなオレに追討ちを掛ける様に奴が「いい勉強になっただろぅ・・・奴ら人間を馬鹿にするのは結構だが、侮ってやられていたのでは話にならんのぅ」と言いやがった!!!
いつもの奴なら「ウヒョヒョ」とか言って場を濁すのが精々だろうが、今日に限ってここまでオレのことをここまでコケにするとは・・・・ここでいっそ始末してやろうかと半ば本気で考えていたら、更にオレの神経を逆撫でする様なことをほざきやがった。
「のぅ
あまりにいつもの奴とは違いすぎて思わず圧倒され、口を出せずにいると更に奴の話は続いた。「なぁ《獣王》よ、今の魔王軍に人間共に
「人間を馬鹿にしくさった奴らに、ワシの策を飲ますのは至難の技じゃて・・・・・まぁお前さんもワシの策を受け入れる気になったら《悪魔の目玉》で連絡を寄越すがよい」オレが呆然としていると、ザボエラは言いたいことだけ言ってあっさりと帰ってしまった。
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危機迫るロモス
side マァム
用事があってダイ達の部屋の前まで来たら、部屋の中からダイとポップの話が聞こえてきた。聞く気はなかったんだけど、耳に入ってしまいどうしたものかと思っていたら、二人の話が不穏な方向へと進んでいった。完全にタイミングを逃してしまった私は、ただ二人の会話を聞くことしか出来なかった。
聞かなければ良かった。アバン先生が死んだなんて・・・・・二人はアバン先生の意思を継ぎ、魔王軍を阻止する為に旅を始めたことをその時初めて知った。そんな二人をほっとけない気持ちで一杯だが、私にはこの村を守る使命がある。私の生まれ故郷であり、父さんが眠るネイルの村を・・・・・・・
そうしてとうとう私の心が決まらないまま、ダイ達が村から旅立つ日がやってきてしまった。一緒に付いて行って力になってあげたい。でも村が心配・・・揺れ動く私の心を見透かした様にお母さんが、ダイ達について行く様に進めてくれた。おかげで踏ん切りがついて、私はダイ達とロモス王城に向って旅の第一歩を踏み出したのであった。
side ポップ
マァムが一緒に着いて来ることになった。旅の仲間が増えるのは良い事だが、あの凶暴な性格はなんとかならないものか・・・・そんなことを考えながら歩いていたが、いっこうに王城に着く気配はなかった。マァムの道案内が悪いんじゃないかと言ってみたら、『敵に見つからない様に、わざと遠回りをしているのよ!!』と怒られてしまった。本当に凶暴な女だ!
そんなやり取りをしていたら、ようやっと森を抜けロモスの城下町を見渡せる所までたどり着いた。見た感じあと一時間も歩けば何とか町に入れるだろう。本当に長かった・・・結局2時間歩いて、ようやっと王城にたどり着いたところで、衛兵に止められてしまい明日来いと言われた。何とか交渉して入れてもらおうとしたが、頭の固い連中には通用しなかった。(覚えとけ!コンチキショウ共め!!)
仕方がなく今日は宿屋に泊まって、明日出直してやることにした。宿屋に着いてすぐに、ダイが価格交渉を始めた。値段交渉の結果、格安料金にしてもらったらしい。このクラスの宿で5ゴールドとは悪くない感じだと思い、ダイも中々やるもんだなと感心した。とても孤島でモンスター達と生活していた人間とは思えないが、頼もしいかぎりだ。
宿屋の主人の話だとこの宿には、魔王軍と戦っている《勇者様御一行》が泊まっているらしい。ダイは興味深々な様子であり、マァムが止める間もなく速攻部屋に押しかけていった。おれが追いついた時には、ドアを猛烈な勢いで叩いていた。どうやら相手にされなかったらしく、意地になっている様だ。戦闘になると物凄いが、そういった所は年相応なお子様だなぁと思う。
勇者様?がとうとう我慢出来なくなったのかドアを開けてどなってきたが、どうやらダイの知り合い?だったらしい。結論から言うと、こいつらはニセ勇者だった。ダイに話を聞くと、勇者と言うより小悪党といった言葉がピッタリな感じだ。ゴメちゃんを捕まえて一攫千金を狙ったらしいが、ダイにコテンパンにやられ、大金より小金を稼ぐ方へ方針を転換したらしい。
ダイ曰く、中々の強さらしい。城の用心棒でもすれば、金も稼げるのにと思いそう言って見たら、楽をして《廃城荒らし・格下モンスターばかりを討伐・適当な魔法を兵士に教えて高い授業料を取る等々》金を稼ぎたいと言うことらしい・・・・ダメだこいつら早くなんとかしないと!!
そんなこんなで夜が更けていった。翌日、モンスターの雄たけびで目が覚めることとなるが、魔王軍との戦いがあれほどの激戦になるとは、当時のおれ達に知る由もなかった。
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百獣総進撃!!
side クロコダイン
もうオレには後が無い・・・小僧達の実力を知るハドラー殿やザボエラはともかく、少数の人間に苦戦していると知ったら他の軍団長達に何を言われるか、分かったものではないわ。あいつらが騒げば、ことの次第が大魔王バーン様の耳に入り、軍団長解任も十分にありうる事態だ。
いまからオレは鬼とならねばならん・・・!武人としての誇りも・・意地も・・すべて勝利あってのもの・・!!
オレは配下のモンスター達に総攻撃を命じた。本来であればロモス王国なんぞ、手を抜いていても吹き飛んでしまうぐらい貧弱な相手だ。百獣魔団での総攻撃なんぞ弱いものいじめ以外の何物でもないが、オレに傷を負わせるほどの相手だ。これを機に全力で殲滅してやるぐらいで丁度良いだろう・・・もうオレには後がないのだから・・・
side リーゼ
さて久しぶりの登場です。今日はロモス王国の奮戦ぶりを見学に来ました。勇者パーティーVSクロコダイン・ザボエラ連合軍の戦いの行方が、王国存亡の鍵となるでしょう。もう一つのポイントは、実はこのロモスという王国には、隠棲している伝説の魔女がイルのです。
ロモス王国には遥か昔からこんな話があります。大人が悪さをした子供を躾けるのに『悪いことをしていたら《
まぁあの気まぐれやさんが人間に手を貸すかは解りませんが、介入して来た場合クロコダインはワニのステーキになってしまうかもしれません。なにせ彼女を初めて見た時、とある男と対戦中だったのですが、相手が放った
そんな昔話はともかくとして、宿屋を飛び出してモンスターを追って行くダイ少年が見えました。遅れて飛び出してきたマァムをこっそり見送りながら、今回のターゲットであるポップとの接触を開始しましょう。
どうせ臆病風に吹かれたポッブが尻込みしている間に、マァムが「先生から何をおそわったの!!」とか「命をかけて先生の仇討ちをしようとしていると思っていたわ!!」とか「もう頼ったりしないわ・・・アンタなんて最低よ!もう顔も見たくないわ!!!」などとポップを抉るセリフの連弾を叩き込んだ後でしょう。
そこで彼と接触して戦の女神の様に、やさしい近所のお姉さんの様に、そして大人の女性の様に振舞い最終的に戦いに赴く様に仕向けましょう。(ただ甘やかすだけではいけないのが、難しいところですが・・・)
マァムは彼の操縦法がまだ分かっていないのでしょう。彼の強さは《勇気》・・・・何度も傷つき、凹み、臆病風に拭かれ、挫折を繰り返しながらも前に進む《勇気》・・・それがポップの本質なのです。今はへっぽこですが、幾度の挫折を繰り返しながら成長して《大魔道士》となるのですから、今の内に知り合いになっておいた方が良いでしょう・・・・なるべく恩を売った状態がベストですね。(私もどんどんと外道になっていきますね・・)
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外伝 おそらく使われないお話シリーズ
ある空間での出来事・・・アバンVSキルバーン?
side アバン
「ようこそ勇者アバン! 僕のオリジナルの亜空間へようこそ」そう言って出迎えたのは、先程まで戦っていた死神キルバーンだ。戦闘前とは雰囲気が変わっており、とてもこれから戦闘をしようとする気配はない。しかし、奴は人間を騙すことを得意としている魔族であり油断は出来ない。
「ここでの出来事は、たとえ大魔王バーンとて見ることは出来ない亜空間であることを最初に宣言しておこう!」そう言ってから奴は私に向って話し掛けてきた。
「君を知ったその日から、君とのデートを心待ちにしていたんだ。まずは紅茶を一杯どうだい?地上産の最高級茶葉を用意したんだ」周りを良く見るとすでにティーセットと豪華なテーブルが配置されており、本気でお茶会を行なおうとしている様にも見える。
「貴様とじゃれあうつもりはない!」そう言って様子を窺ってみたが、キルバーンは平然としてこう言い放った。「尊敬には値するが、丸腰の相手に向って一方的に攻撃を仕掛けるなんて君には出来ないだろう?」そう言って、お茶の用意を始めるキルバーン・・・・その様子から何かしらの提案があるのかもしれないと、私は警戒しながらもテーブルに座ることにした。
「流石はあの大魔王バーンが警戒する、地上屈指の切れ者アバン!」満足そうに呟くキルバーンに、馴れ合うつもりはないので、早く話をする様に催促する。奴はおもむろに話を始めた。
「君達人間は僕のことをどのぐらい知っている??」あまりの質問に私は、困惑しながらこう答えた。「魔王軍のNO.3で、血も涙もない冷血漢。自分の愉悦の為なら、人間の命なんて虫同然と考えている人類の敵。コソコソと動き回るのが大好きで、自分では決して動かない卑怯者」私は相手の反応を見る為、あえて怒らせる様なセリフを並べてみた。最後にキルバーンを挑発する様に「まだ必要ですか?」と付け加えた。
「君の認識には大きな間違いがある。もちろん性格の事じゃないよ!」そういって、してやったりと言った風のキルバーンであったが、更に話は進む。「間違いその1・・・僕は魔王軍においてNO.3なんかじゃない。人間風に言うと、せいぜい上の下ぐらいの位置にいる。」
思わずどう答えて良いのか解らなかった・・・・・・奴はそんな雰囲気を察した様に更に「魔王軍の本当の戦力は・・・解りやすく言うと、今のハドラー君でようやっと軍団長クラスといったところでしかない」正直何を言われたのか理解出来ない。話を聞いたり、見たりした超魔生物となったハドラーのレベルは、そんな生易しいものではないはずだ!!
間違いなく、敵に回せば大苦戦を免れない、最強の一角であると思っていた。それが、軍団長クラスでしかないと・・・キルバーンの真意が理解出来ないが、ここで取り乱しても状況が良くなる訳でもない。せめて出来るだけ情報を持ち帰り、今後に繋げるべきであろうと思い話の続きを促がした。
「実はここまでの話は、やっかいではあるが致命的な問題ではないと僕は思っている。今回は大魔王も本気じゃない・・・・戦力の大半を温存しており、君達と戦って損害を出すつもりはない。精々君達が力を合わせれば、苦戦するであろうが大魔王の目の前までは、恐らくたどり着ける程度の戦力しか出さないと思っている。」
「その証拠に僕程度が、NO.3だと思われているんだからね」そう言いつつ奴にしては真剣な口調で、私に向って取引を持ちかけてきた。「一時的で良いから、君達と手を組みたい・・・・間違いその2に当たるが、僕も好きこのんで人間達に嫌われるキャラを演じてた訳じゃない・・・・仕方がなくやっていたんだ!」
思わず反論をしようとして、口を開きかけたところに奴がすかさずセリフを被せてきた。「君達にも言い分があると思う。僕は君達が僕と手を組み易い様に、人間達がギリギリ妥協出来る範囲に悪事は押さえてきたつもりだ。外見上は惨たらしく見えたり、おちょくったり、罠に掛けたりもした。しかし僕のせいで人間が死なない様に、細心の注意を払ってきたつもりだ。・・・何せ僕も監視されていて、死神キルバーンとしての演技をするしかなかったんだ。」
私は奴の事など信頼に価するとは思っていない。だが奴が我々人間に何を求めているのかだけは、聞いてみる必要性があると感じていた。
「肝心な取引内容はなんです?」
そう言って先を促がすと奴は「誰にも邪魔されずに戦いたい御方がいるんだ。・・・・闇よりもなお暗き
「その口調だと敗れるのが前提に聞こえるのですが、それでも良いのですか?」思わずあまりに斜め上な内容に、普段の口調に戻ってしまったが、それほどに衝撃的な話でした。
キルバーンは満足そうに頷くと「今回が唯一のチャンスなんだ。普段であれば、彼女に心酔している魔界の猛者達が彼女をガードしているんだ。だが今回は、そんな部下達を誰も連れて来てはいない。一人一人がハドラー君をも上回る魔界の実力者達・・・・本来であれば彼女に手を出す前に、彼らに始末されてしまうだろう」そう言って自嘲気味に話すキルバーン。私は無粋ではあるとは思いましたが、何故そこまでして戦いたいのか聞いて見ることにしました。
「ある時から僕は、リーゼ様に認めてもらいたいと思う様になった。だが人間風で言えば、大魔王の片腕と部下A 女王陛下と兵士A。おそらく視界にすら満足に入っていないと思う。であるならせめて武人として評価されればと思い、修行に励んだ。そして実力を隠しつつ、彼女と相対する機会を待った。悔しいが、全力を出しても彼女の部下一人に勝つのがやっとだと思う。僕はリーゼ様に敵として相対したいんだ。勝つのは100%無理だが、敵として戦いたい。君達への報酬は、そうだね・・・・・・僕の命を削って稼いだ僅かな時間ってのはどうだい?おそらくは5分・・10分は持たないかな」
こちらにとっては特に不利になる内容ではない。むしろ強敵を一人引き受けてくれるのだからありがたい話ではある。しかし私は若干だが、奴が不憫に思ってしまった。奴はおそらく自分の感情に気が付いてないのだろうが、その感情は人間で言うところの・・・・・・・・これ以上は無粋か・・・・
「そうそう、手付けがわりと言ったらなんだけど、リーゼ様の本名は《リーゼ
ですがリーゼ
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まさか俺が・・・・☆3
ダイ大の二次小説書いてたらいつの間にかに寝堕ちして夢でも見てるなんてチャチな状況ではなく、夢でも見てるんだろって頬を抓って「いたぁい」なんて冗談やってる場合じゃないヤヴァイ状況に俺は陥っている。何かほっぺたがいつもより柔らかいし、胸に見慣れないメロンがついてるし・・・・何がヤヴァイって声をだしてみたら聞こえる声が、○由実さんですよ!スノー■△○□で守護者統括様ですよ!!あの色っぽいボイスでおれがしゃべってるよーー!!って感動に浸ってたら遠くから男の声がするので振り返って見た。
「そこの女、この魔界で天界装備を身に纏って堂々としているとはいい度胸だ!!」
なにやらどこかで聞いた事があるようなセリフとともに、圧倒的なプレッシャーを纏った魔族の男が姿を現した。
【あっこれマズイやつだ】と思い逃げようと思ったが、一瞬考えたのがイケナカッタのか男の接近を許していた。これが噂に聞く《大魔王からは逃げれない!》かーーーーーーーーー!?
もしかして俺の今の装備って、男が言う様に天界装備なのか?認めたくはないが俺の予想が正しければ、
なんか状況が読めてきた気が・・・けっして、けっして認めたくもないのだが・・・ああそうですか・・どうせ事故で憑依でTSでオカルトで神の
魔界のど真ん中でそんな格好をしていればいやでも目立つが、
目の前にいる男ですが、さっきまで誰なのか分かっていたはずなのですが思い出せません。男について考え込んでいたのですが、その隙に相手は容赦なく攻撃を仕掛けて来ました。
【くそ逝けメン野郎がぁ! 問答無用かよ!!】と思いつつそのセリフの言語化に失敗した私ですが、攻撃は待ってはくれません。男の一撃は通常ではありえないレベルの闘気が込められていることを本能で感じ取り、恐怖で身が竦む思いでした。破滅的なエネルギーの奔流が、私に迫って来ます。咄嗟に
さっきの一撃で、私の中でなにやらスイッチがONになった感覚がします。先程の恐怖は薄れていき、逆に強敵に対する高揚感らしき感覚が身を支配していきます。(この人戦闘民族だったけか?)とりあえず生き残る為には戦うしかない様です。戦い方は体が覚えている感じがしますし、戦闘に関する知識はどういう訳か次々と頭の中に思い浮かべることが出来る様なので、実際に戦闘が出来るのかは度胸の問題です。
度胸の問題も先程から戦いたいといった感覚に汚染され始めているので、戦闘する分には問題なさそうです。ですが闘うことが出来るといっても、油断していて良い相手では無さそうです。一撃に込められている力が否応なしに、死を予感させられます。本気で行かなくては、あっと言う間にぬっ殺されてしまうでしょう。とりあえず今は相手の正体の事は忘れて戦闘に専念する事にしましょう。
-------------------戦闘描写は作者の
「やるな・・・余とここまで戦える者など、魔界広しと言えどもそうはいないであろうな!!」
そう言いながらも戦闘態勢を崩さないこの男からは、途方も無い魔力の高まりを感じました。次の一手で、この勝負を決めに掛かって来ているのは明白でしょう。
先程の戦闘で男が火炎系の呪文を好んで使用していた事から、
(この男たしかに見覚えがあるが・・・・・・思い出せませんね)
私も急いで呪文の準備を始め、火炎呪文を選択しました。(ここで何か別系統の魔法をぶつけたら、私的に負けた気がするんですよね)
お互いの呪文は空中で激突し、均衡状態を保っています。威力はまったくの互角の様です。本来であれば追撃を行うべきなのですが、男の呪文を見てあっけにとられてしまいました。私はその光景に思わず『・・・・・あれは、カイザーフェニックス』と呟いていました。
「呪文に名前など付けた事などなかったが、なかなか良い名前だな。これからそう呼ぶことにしよう」男はそう言ってこちらに話し掛けて来たのですが、私はそれどころではありませんでした。
前提条件がクリアされてフラグ回収が済んだのか、一部忘れていたことを思いだせそうです。男のことを思いだせてきたので、不自然にならない様に自分の名前を名乗って確認の為、名前を聞き出す事にします。男は思ったよりあっさりと名前を教えてくれましたが、やっぱり大魔王バーン様でした。しかもよりにもよって、凍れる時間の秘法によって肉体の時間を止めてしまう前の
これから私は大魔王バーンに勧誘されて魔王軍に仲間入りだった気がするが、あまり先の事は思い出せない様にされている気がする。その内に神の意思に汚染され、違和感すら感じなくなってしまうのだろう。願わくば初期目標である神殺しを成就させ、この状況をぶっ壊すことに成功することを切に願う。
お久しぶりです。
まだ死んでいませんでしたが仕事が忙しく、気力が死んでいました。
ちょっと気力が沸いたので一本投稿しました。
本編はまた気力が湧いたら投稿します。
あ、こんなのあったけか程度で思っていただけたら幸いです。
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