僕は提督で海に出る (旅の物見666)
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1〜3話

『着任』

 

桜が舞う季節。

 

とある島に

 

とても寂れた鎮守府に

 

短い銀髪に水色と金色の虹彩異色の眼をした精悍な顔つきの青年が訪れる。

 

青年

「今日からここが僕の…家?いや仕事場?…まぁいいや。

どんな人と出会えるかな」

 

〜移動後〜

 

青年

「・・・・・」

 

少女

「どうされたんです提督。

そんな今すぐ帰りたいけど帰っても特に楽しい事がない

サラリーマンみたいな顔して」

 

青年

「その例えはやめてくれないか。

帰る気もないし帰っても楽しいことはあるから。

後着任早々その言葉は如何なものかと僕は思うんだが…。

では自己紹介だ、僕はアラン、それ以外は特に言うことはない」

 

少女

「じゃあ秋雲さんは秋雲さんだ、よろしくー」

 

アラン

「じゃあ…一応着任してる艦を読み上げる。

いたら返事を、秋雲」

 

秋雲

「いるよー」

 

アラン

「以上」

 

秋雲.アラン

「・・・・」

 

秋雲.アラン

「一人ッ(‼︎)⁉︎」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『早々に』

 

アラン

「まぁ…うん。仕方ない、まずは君だけで暫く戦ってみようか。

因みにだがまごう事なく君が秘書艦だからね?」

 

秋雲

「わかってますよー。てな訳でこれが資料ですはい」

 

アラン

「ふーん…今行けるのは正面海域だけか。なら行こうか」

 

秋雲

「じゃあ秋雲さん行ってきますね……、ってなんで提督席を立つんですか?」

 

アラン

「ん?提督が戦ってはいけないのか?」

 

秋雲

「いやいやいや。相手は深海棲艦ですし…提督がいくら強くても…」

 

1-1攻略後

アランMVP

秋雲 被弾無し

 

秋雲

「何で⁉︎」

 

アラン

「中々にスリリングじゃないか。この調子で行こう」

 

秋雲

「まってまって。提督は何者⁉︎なんで水上歩けるの⁉︎なんで深海棲艦とやりあえんの⁉︎むしろなんで強いの⁉︎」

 

アラン

「ヒ・ミ・ツ。かっこハート」

 

秋雲

「すごくイラっときたんで一発とは言わず十発ぐらい撃ち込んで構いませんか」

 

アラン

「ははは!やれるものなら来るがいい。僕は帰投する」

 

秋雲

「逃げた!足早すぎ!」

 

その後二人だけで鎮守府海域を制圧した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『戦力』

 

アラン

「秋雲、この鎮守府に足りないものはなんだ」

 

秋雲

「全部」

 

アラン

「間違ってないから否定ができない。まずは戦力を強化することにしてどうやったら強化出来るかを調べたんだ、どうやら建造という戦力補給の仕方があるらしいね」

 

秋雲

「ですね。建造以外にも装備開発や練度上げ(レベリング)なんかでも戦力は上げられるよ。

それより提督、なんで、誕生日プレゼントを貰ったけどすごく要らないもので貰った手前嫌な顔するわけにもいかず複雑な笑顔を見せるみたいな表情してるの?」

 

アラン

「微妙すぎる例え方を止めようか秋雲。

調べたんだ、この鎮守府内を。

そしてわかったことが一つ、建造所がない」

 

秋雲

「ですね」

 

〜一瞬の静寂〜

 

アラン

「君は知っていたんだね?」

 

秋雲

「秘書艦だからね」

 

アラン

「…どうやって人を集めればいいんだ」

 

秋雲

「ドロップを狙ってみたら?」

 

アラン

「ドロップ…」

 

秋雲

「艦娘救出作戦みたいなもんだよ」

 

アラン

「なるほど、つまりは”捕まってしまっている秋雲を秋雲と一緒に助けに行ってまた別の秋雲を秋雲二人と一緒に助けに行く”みたいな事だな」

 

秋雲

「地味に間違ってるようで間違ってないから何ともいえない」

 

アラン

「じゃあ次回はなんか狙ってみよう」

 

秋雲心の声

「次回…?」



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4〜6話

『戦力弐』

 

アラン

「てな訳で第二戦力がうちに来ました」

 

龍驤

「龍驤や。よろしくなー」

 

秋雲

「待って、秋雲さん全く理解できない。

てな訳でってどうゆう訳⁈」

 

アラン

「いやー。上に掛け合ったらポンと出してくれたよー」

 

龍驤

「うちが言うのもあれやが、ようお堅い上を説得できたもんやな」

 

アラン

「ちょっと突っついただけさー」

 

〜アラン回想〜

 

アラン

「ここが上層部の部屋かぁ…さて準備と参りましょう」

 

〜青年準備中〜

 

上層部その1

「貴様何者だ。ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ」

 

女性

「え、あ…はい!その…知ってます」

 

上層部その2

「ならば速やかに帰るべきだな」

 

女性

「は、話を聞いてもらえませんか?」

 

上層部その1

「ならん。部外者の話を聞いている時間は我々には無いんでな」

 

女性

「そんな…そしたら私、兄にこっ酷く叱られてしまいます…シクシク…」

 

上層部その2

「お、おい、泣くやつがあるか。

わかった、話だけは聞いてやる、だが内容によっては期待するんじゃあ無いぞ」

 

女性

「あ、ありがとうございます!

それで…兄というのは沖浜鎮守府に着任したアランというもので、私はエリンと言います。

それで…『君にとっても重要な任務を言い渡す。戦力を何隻…まぁ一隻でも構わないが連れてこい。でなければ二十四時間海に沈めるからね』って…なので…お願い…ひっく…します…シクシク…」

 

上層部その1

「わ、わかった、泣くんじゃ無いお嬢さん。

他のメンバーにも掛け合ってみるから…な?」

 

上層部その2

「すでに無線越しに許可が出たぞ」

 

上層部その1

「お前仕事早いな、じゃあ俺らは資料取ってくるからここで待っててくれ」

 

二人は退席

 

エリン?

「ちょろいなぁ…もう少し泣き落としに強い面子を集めるべきじゃあ無いの?ま、いいや。次はもう少しまともにやろーっと。女性体も疲れるしー」

 

〜アラン回想終わり〜

 

アラン心の声

「なんてやった事…話せるはずもないよねー」

 

龍驤

「んじゃあま、今日から宜しゅう頼むわ”秋雲せんせ”」

 

秋雲

「はいよー…まっ、気楽にいこうや。提督がこんなんだしね」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『告白』

 

アラン

「で、なんで君たちだと思う?」

 

秋雲

「…えっと…何が?」

 

アラン

「何故君らがこの鎮守府にいるかという事だ」

 

龍驤

「そんなん決まってるやろ。たまたまそうなったんや」

 

アラン(作者代理)

「私は龍驤と秋雲が好きだから君たちにしたんだ(イケヴォ)」

 

秋雲.龍驤

「ロマンのへったくれもない告白をどうもありがとう。そしてど突いても構わないかな」

 

アラン

「辛辣すぎないかね。あ、因みに僕が提督で毎回話しに出てるのは僕がオリジナルキャラクターであり一番動かしやすいからだってさ」

 

龍驤

「一体なんの話をしてるんやあんたは。

おりじなるきゃらくたー?動かしやすい?

なんのこっちゃ」

 

アラン

「秋雲、君は漫画をよく描いてるときいた」

 

秋雲

「私は描いてないです。描いてたとしてもそれは秋雲さんじゃない秋雲さんです」

 

アラン

「そして君がとある作品を基にしたいわゆる二次創作を手がけたとしよう」

 

秋雲

「話聞いてる?」

 

アラン

「しかし、描き上げた後にこのキャラクターはこんな話し方や言動はしないなどと言われたら君はどう思う」

 

秋雲

「凹みますけどまずは人の話を聞くところから始めるべきじゃないですかね」

 

アラン(作者代理)

「その通りだ、そうなるから文句の言われないオリジナルキャラクターは動かしやすくて助かる。実際辛辣だった時もあったからね‼︎因に今回の僕はボケもツッコミもシリアスもできる万能タイプだ」

 

龍驤

「この提督いつもこんなんなん?」

 

秋雲

「冷静な時は冷静なんだけどねー…」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『演習』

 

アラン

「さて、次の作戦だが…あぁぁぁ⁉︎」

 

龍驤

「大変や!窓をぶち割って豆腐の角が提督の後頭部に刺さりおった!」

 

秋雲

「誰かに説明するが如くの説明口調ありがとう!

しかもこれ、ただの豆腐の角じゃなくて鉄製の豆腐の角です!」

 

アラン

「一ついいかな。そこ重要じゃないよね…えぇぇ⁉︎」

 

龍驤

「なんてこっちゃ⁉︎立ち上がろうとした提督にまた何か刺さりおった⁉︎」

 

秋雲

「これは…パンツ⁉︎パンツです!しかもこれ、生暖かいので誰かの脱ぎたてですよ」

 

アラン

「二ついいかな?

まず脱ぎたてのパンツはいらないし、パンツは刺さるもんじゃなあぁぁ⁈」

 

龍驤

三度(みたび)刺さった!窓の外を確認しようとした提督のひたいにカタパルトが刺さった!」

 

秋雲

「しかもこれ…ただのカタパルトです!」

 

アラン

「3ついいかな?まず、ただのカタパルトなら報告いらないよね?そして何故カタパルトが飛んでくるんだい?最後にギャグパートだからといって僕が死なないとか思ってないよね?」

 

秋雲.龍驤

「・・・・」

 

アラン

「黙秘するのやめていただけませんか?…さて、そろそろ死に目を見せに行かないとね」

 

秋雲

「あぁ…提督がすれ違いざまに幼女にありとあらゆる暴言を吐かれた上げく殴る蹴るの理不尽をくらい、怒りのあまり殴りにかかりたいけど公衆の面前があるため怒りをこらえながら笑顔で大人にそんな事をしちゃいけないよと言った瞬間に誘拐だと叫ばれ警察を呼ばれた時の様な引きつった笑みだ」

 

アラン

「その微妙な例え本当にやめてくれないか」

 

龍驤

「でも誰がやってるか心当たりはあるかいな?」

 

アラン

「今日演習がある事をすっかり忘れていたんだよ」

 

秋雲.龍驤

「演…習…」

 

〜青年少女移動中〜

 

利根

「うわー…大丈夫かのー。カタパルトが不調のせいで飛んでってしまったが…」

 

吹雪

「大丈夫でしょうか…強風にあおられてパンツが飛んでってしまいました」

 

蒼龍

「大丈夫かなー。わざと投げたら窓ガラス割っちゃったけど豆腐の角が刺さってないといんだけど」

 

時雨

「利根さんのカタパルト不調はいつもだけど今回のはフライング機能でも付いていたのかい?

吹雪ちゃんは一体何を心配しているんだ?

まずは君の(頭の)心配をしたほうがいい

蒼龍さんに関してはあからさまに故意でしかないから僕はもうツッコまない」

 

卯月

「あぁ。とうとう時雨がツッコミを放棄したぴょん」

 

卯月、時雨の脇を豪速球で何かが飛んでいく

 

蒼龍 撃沈

「アガッ⁈」

 

吹雪 撃沈

「パンツッ⁉︎」

 

利根 撃沈

「痛いッ⁉︎」

 

卯月

「だ、誰だぴょん⁉︎」

 

アラン

「んー…三隻沈めてまぁ良しって所かなぁ…命中度が下がってないだけ良かった良かった」

 

龍驤

「物を投げつけただけで艦娘を撃沈まで追い込むとかどないな投力しとんねん」

 

卯月

「あ、今日の演習相手!卑怯だぴょん!奇襲だなんて」

 

アラン

「既に演習は始まってるのだよ」

 

卯月、敵のHPバーを確認

 

秋雲 無傷

 

龍驤 無傷

 

アラン 大破

 

卯月

「なんで提督さんのHPが減ってるぴょん⁉︎ま、まぁ、この卯月とシグちゃんにかかれば二隻程度余裕…」

 

時雨

「(白旗パタパタ)」

 

卯月

「時雨裏切ったぴょん⁉︎」

 

アラン

「さぁ。龍さん秋さん、やっておしまい」

 

〜演習終了〜

 

卯月

「次会った時は覚えてろー!ぴょん!」

 

アラン

「はーっはっは!二度とくるな!」

 

秋雲

「いやー…嵐の様な方々でしたねー」

 

アラン

「被害は甚大だよ、主に僕がね。

さ、なんでかもう夕方近くだし、帰って夕食にでもしよう」

 

秋雲

「今日はオムライスがいいねー」

 

アラン

「わかったわかった、作ってやるから君はドッグにいってなさい」

 

秋雲

「はーい」

 

龍驤心の声

「なんや…さっきの演習。えらい秋雲せんせの挙動がおかしな様に見えたが…気のせいか?」

 

アラン

「うーん。

にしても珍しいなー、秋雲が小破なんて。

ま、いいや。龍驤、君は何が食べたい?…龍驤?ぼーっとしてどうしたんだい?」

 

龍驤

「ん?あ、あぁ。いや、なんでもないで。

うちもオムライスでかまへんよ」

 

アラン

「じゃあ決まりだな」

 

夕暮れの鎮守府は何かを語る

 

 

かもしれない

 



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7〜9話

練度上げ(レベリング)

 

アラン

「じゃあちょっと南西諸島海域の制圧がてら龍驤の練度を上げてこようと思います」

 

龍驤

「ちょい待ち。その仕事、荷が重すぎるんとちゃうか?」

 

アラン

「大丈夫大丈夫。何のために僕が一緒に行くと思ってるの?僕が君のそばにいる限り沈ませたりしないよ。

てな訳で、秋雲は遠征よろしくー」

 

秋雲

「やっぱり人手不足が否めないね。わかった、いってくるよ」

 

〜海に出撃中〜

 

龍驤

「あかんあかん‼︎ひとりじゃ捌ききれへん!提督もなんか手伝ってや!」

 

アラン

「僕が手伝うとMVPを取りかねないんでな!

僕は庇って受け流す事だけをさせていただこう!

頑張れ龍驤」

 

龍驤

「絶対後でしばいたる。覚悟しときや」

 

この後めちゃくちゃ攻略した。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『疑問』

 

アラン

「いやぁ。凄かったなー、龍驤は無事かい?疲れてない?」

 

龍驤

「喧嘩売っとんのかい君は、見ての通り無事ですが疲労はマッハやでもう動く気力すらあらへん」

 

アラン

「そっか、じゃあ…よっと」

 

龍驤

「うぁ⁉︎ちょっ!君、何しとるん!」

 

アラン

「見ての通りおんぶですが何か?

疲れているのなら僕が足になるさ。

君は寝るなりなんなりするといいよ」

 

龍驤

「そーかそーか、じゃ、お言葉話に甘えさせてもらうわ」

 

〜暫くして〜

 

龍驤

「なぁ提督?」

 

アラン

「何だい?」

 

龍驤

「秋雲せんせの事やけどな?あの人戦闘の時の挙動、おかしくなかったか?」

 

アラン

「…例えば?」

 

龍驤

「かわせるはずの攻撃を体では完璧に避けようとしてるんが意識的に当たったりしてる感じがあるんよ。

逆もまたしかり、当てられる攻撃を自然な流れで外したりしよって」

 

アラン

「ふーん…でもそれは僕に話す事ではないね。

彼女(あきぐも)に話す事だと思うよ」

 

龍驤

「う…、ま、まぁそうやったな。今度また聞いてみるわ」

 

アラン

「僕も聞いていいかな?」

 

龍驤

「何や?スリーサイズの事以外やったらええで」

 

アラン

「何でわざわざスリーサイズと言う単語を出したかなぁ…自沈確定だよそれ?」

 

龍驤

「うるっさいわ。ちょっとしたお茶目やろお茶目!」

 

アラン心の声

「お茶目と自虐は違うと思うんだ…」

 

アラン

「それで聞きたいことはさ。

何で龍驤は秋雲の事を秋雲”せんせ”って呼ぶんだい?」

 

龍驤

「確かに変やな、何でやろ?」

 

アラン

「…君にもわからないのかい?」

 

龍驤

「そやなぁ、まぁ、いつか思い出したら話たるわ」

 

アラン

「やれやれ…秘密の多い鎮守府だ事で…」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『弱点』

 

アラン

「・・・」

 

秋雲

「どうされました提督?

上司と飲み会に誘われて飲めないと言っているのに強引に圧力をかけられ飲まざるおえなくなったけど嫌な顔が出来ない新入社員みたいな表情して」

 

アラン

「例えは微妙だけど大体間違ってはいないのは確かだ。君達はお酒はいける口かい?」

 

秋雲

「いけなくはない」

 

龍驤

「右に同じ」

 

アラン

「そうか…じゃあ…」

 

〜青年取り出し中〜

 

アラン

「これを君達にあげよう」

 

龍驤

「獺祭…八海山…十四代。ほー…これまたけったい人気のある三本やな」

 

アラン

「実を言うとね、お兄さん極度の下戸でさ。

お酒は9割ぐらい水で薄めても飲めないくらいなんだ。

で、このお酒は僕を可愛がってくれるお爺ちゃん提督から貰ったんだけど…飲めないし捨てるのも勿体無いしで処理に困ってたんだ」

 

秋雲

「じゃあ何で貰ってきたんですか」

 

アラン

「今に思えば軽率な行動だったよ…」

 

龍驤

「じゃ、ありがたく頂戴するとするわ。

秋雲せんせは何を飲むん?うちは残ったんでええで」

 

秋雲

「獺祭」

 

アラン

「即答とはたまげたなぁ…」

 

龍驤

「じゃ、うちは残り二本を貰いますわ」

 

〜少女退出〜

 

アラン

「オチは⁉︎」

 

ないです



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10〜12話

『改装』

 

アラン

「そろそろ改装するべきだと思うんだ」

 

龍驤

「……誰を?」

 

アラン

「改造じゃないからね、改装だからね?

この鎮守府って古めかしいじゃない?

というより古すぎて機能してない物がいくつか存在するんだけどさ」

 

秋雲

「確かに、秋雲さんが使ってる部屋も至る所床抜け凄いからなー」

 

龍驤

「でもここってそないな資金あるんか?」

 

アラン

「モチのロン。僕持ちだから何の心配がいらない!後そろそろ裏の森とか開拓してなんか施設作りたいよね」

 

龍驤

「なんか鉄腕○ッシュみたいやな」

 

アラン

「へー…改装のついでに家具もつけてくれるんだ凄いねー。その辺自由に決められる見たいだけどなんかある?」

 

秋雲

「秋雲さんは仕事机がほしーなー。後は絵描き道具」

 

龍驤

「うちは特には何もないな。あー…でもベッドだけは堪忍な、うち、布団やないと眠れん」

 

アラン

「はいはーい…じゃあ後は食堂をこんな感じで…僕の部屋はこんなもんか…あー…うん。まぁ大丈夫、じゃあ発注しちゃうねー」

 

〜発注中〜

 

秋雲

「提督の顔がホクホクしてる」

 

アラン

「思った以上に経費が浮いたからどっか遊びに行かない?」

 

龍驤

「唐突な上に仕事ほっぽらかしたらいかんで」

 

アラン

「仕事早々に片しすぎて暇を持て余してるのに何を言っているんだね君は。で、どうにも一回壊しますって話なんで荷物を一旦まとめますか」

 

秋雲

「え?でもこの島に鎮守府以外の建物なんて存在したっけ」

 

アラン

「存在するんだなぁそれが…」

 

〜青年少女荷物まとめて移動中〜

 

秋雲

「これ?」

 

龍驤

「うちには鎮守府より古ぼけた小屋しか見えんなー」

 

アラン

「何やら二人の冷ややかな目が辛辣だけど仕方がないんだよー。てか僕も驚きだね、倉庫だったのかな?」

 

秋雲

「うわっ。埃だらけだよ、まずは掃除からしないと使いもんにならないねこれ」

 

アラン

「そうだろうと思って人手を借りてきた」

 

時雨

「時雨です」

 

榛名

「榛名です」

 

松風

「松風だ」

 

龍驤

「どっから借りてきたんこの子ら」

 

アラン

「この前の演習相手の関ノ浜鎮守府とお爺ちゃん提督のところから真面目そうな子だけ借りてきました。でないと作業が進まなくなるからね」

 

時雨.榛名.松風

「賢明な判断だと思います」

 

秋雲

「他の鎮守府ってどんな人がいるんですか…いえ、聞かないでおきますが」

 

アラン

「さーさ、始めますよー」

 

その後夜までには間に合った

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『背丈』

 

改装工事ちょっと前の話

 

龍驤

「なんや提督。うちと秋雲せんせをジッと見よって」

 

アラン

「んー…?いやね。秋雲って本当に駆逐艦なのかなぁって、寧ろ龍驤の方がくちく…」

 

龍驤

「それ以上言ったら爆雷食らわすで。

…まぁ…そうやね。確かに他の子らよりかは高い気ぃしないでもないなぁ。昨日来てくれた時雨よりは高かったもんな」

 

秋雲

「160はありますよこれでも」

 

スレンダァァァ(効果音)

 

龍驤.アラン

「お前の様な駆逐がいるか!」

 

秋雲

「えぇ…そんな気にする様な事ですかねー」

 

このマンガチックな話の身長

アラン 170

秋雲 160

龍驤 140(靴含めず)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『記憶』

 

改装工事が始まった初日の夜

 

アラン

「…龍驤。起きているんだろう?」

 

龍驤

「ようわかったなー…頑張って寝ようとしてたんやけど」

 

アラン

「はは、君の寝息だけ少し不規則だったからね、それと…いつもと違うから寝れないのかい?」

 

龍驤

「暗殺者かいな君は…。まぁ、そうやなぁ、昨日までとは違って君もおるし秋雲せんせもいる。

だから少し不思議なんやろなぁ」

 

アラン

「よかったら僕の話に付き合ってよ」

 

龍驤

「ええで、お酒飲みながら語り合おうや、この前貰った奴が手ェつけずに残っとるからな」

 

アラン

「僕が飲めないの知ってるだろう?」

 

龍驤

「だから君はお酌する側やで(ニッ)」

 

アラン

「あぁ…そういう」

 

〜青年お酌中〜

 

龍驤

「いやぁ…いいね。美味しいわぁ…」

 

アラン

「突然なんだけどさ…こんなことを君に聞くのもなんなんだが。

君はどこからどこまでの記憶があるんだい?」

 

龍驤

「そう来たかぁ…。うーん…うちは気づいたらとある鎮守府の造船所におったねー、よう覚えてるよ。

あの提督さんの怪訝そうな顔をなー…。

でも、それでもうちはな、龍驤であって、あの提督さんについていくっていう気持ちがその時には何故かあったんよ。」

 

アラン

「…コンピュータのプログラムみたいだね」

 

龍驤

「あー…割と間違ってないのかもしれんなぁ。

ほんでまぁ…いっちょやってやりますかー、なんて気持ちだったけど、そこには既に空母が数隻、軽空も居てうちは特に必要なかったんやろなー。

任務も来ず、ずーっと待機のまんまや。

ほんで暫く経ってな、そろそろ艦の断捨離が始まってくるんよ。

うちもそん中にはいっとったんやな、うち以外は既に解体もしくは近代化に回されたよ。

そんな時、君からの戦力が足りないっていう言伝が来てな?

うちが行くことになったってわけ」

 

アラン

「何その提督、超ど畜生じゃん」

 

龍驤

「自分の胸に手ェ当ててよう考えや、そっくりそのままブーメランやで?

(龍驤が来てから永遠と提督同伴の元龍驤単騎で練度上げ)

 

…まぁ。君のおかげでうちはこうして楽しくやってるし、練度もそこそこいい感じになったし、まだ数日やけんど、そこそこいい暮らしはしてますわ」

 

アラン

「そっか…」

 

アラン心の声

「追求してはならないこともある…か。

彼女(あきぐも)は一体どんな記憶があるんだろう」

 

春の月光が二人を照らし続けた



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13〜15話

『配属』

 

アラン

「実は既にネタ切れだったりする」

 

秋雲

「なんの話ですか?」

 

アラン

「いや、こっちの話だから気にしなくていいよ。

それでなんだけどさ、はいこれ」

 

秋雲

「なんですこれ?」

 

アラン

「配属されてくる艦のリスト、忘れてるかもしれないけど君秘書艦だからね?」

 

秋雲

「なになに…沖浜(おきのはま)鎮守府に配属、天龍型一番艦天龍…のみですね」

 

アラン

「のみだねぇ…、うちはいつになったら六艦編成できるのかね」

 

秋雲

「秋雲さんに聞かれてもなぁ…。そう言えば龍驤

は?」

 

アラン

「二日酔いで使い物になりません」

 

秋雲

「あ〜…だからさっき潮風を浴びに行ったんだ」

 

アラン

「で、そろそろ着く頃なんだけど遅いなー…」

 

〜少し遡ること時間指定ないからね

 

天龍

「ふふ…怖いか」

 

「くぁー」

 

天龍

「そうか怖いか。で、ここどこだかわかるか?」

 

「くぁー」

 

”沖浜の森で迷って居た”

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『釣り』

 

龍驤

「う…。昨日はついつい飲みすぎてしもうたな…。

あー…頭がガンガンするー…。

こんな時は釣りでもして気を紛らわそ」

 

〜10分後

 

龍驤

「さんま…季節外れにも程があるな。まぁええけど…」

 

〜30分後

 

龍驤

「長靴やな。典型的な外れパターンや」

 

〜一時間後

 

龍驤

「ロ…級?」

 

ロ級

「ピチピチピチ」

 

龍驤

「…」そっとバケツに入れてそっと蓋をする

 

〜一時間と半分後

 

龍驤

「駆逐…」

 

水鬼

「オノレ オノレェ…もぐもぐ」

 

龍驤

「…」すっと横に座らせる

 

〜60分と3600秒後

 

龍驤

「…」

 

天龍

「…ふ…ふ…怖い…か?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『報告』

 

アラン

「あ、おかえりー。りゅ、う…」

 

龍驤(右肩に天龍、左に水鬼を抱えながらバケツを所持)

 

アラン

「どうしたのそれ」

 

龍驤

「釣った」

 

アラン

「オーケー。天龍以外はリリースしてきなさい、お兄さん怒らないから」

 

水鬼

「釣ったからには責任を持って育てなさいって親に習わなかったの⁉︎」

 

アラン

「それ君が言っちゃうかー…」

 

秋雲.龍驤心の声

「ちゃんと喋れるんだ」

 

アラン

「で、そこな天龍は今まで何をしていたのかね」

 

天龍

「森で迷ってたんだよ文句あるか」

 

アラン

「文句はないけど言いたいことはある。

なんで港があるのに反対側に行ったんだよ!」

 

天龍

「それって文句じゃないのかよ…。

仕方ねぇだろー…羅針盤が壊れててよー」

 

龍驤

「まぁ、無事だったんやしええんやないの?」

 

アラン

「まぁ…それもそうか、じゃあ正式に…こほん。

ようこそ天龍、沖浜鎮守府へ。

あー…今は改装工事中で暫くここだけど我慢してね?」

 

天龍

「あぁ!よろしくな提督さん」

 

水鬼

「ねぇねぇ!私は私は?」

 

龍驤

「君は立場というものを理解すべきだと思う」

 

秋雲

「秋雲さん達とは敵同士だからこそ怪しいって気しか…」

 

アラン

「ん?あ、はい、君も来るのね。お兄さんは別に構わないけど」

 

水鬼

「やったー」

 

龍驤.秋雲心の声

「なんて軽率な行動」

 

アラン

「とりあえず君はロ級を連れて今すぐに塩を落としてきなさい。ついでに天龍もだ」

 

水鬼

「つまりは風呂だね!がってん!」

 

天龍

「はいはいーっと…」

 

秋雲.龍驤心の声

「しかもサメ(ロ級)まで入ってる⁉︎」

 

賑やかになった?沖浜鎮守府。

果たして明日はどっちにあるのか

 



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16〜18話+小ネタ

『小ネタ』(落ちないよ)

 

とある鎮守府の朝

 

天龍

「大変だ!俺の電探が秋刀魚になってる!」

 

龍驤

「大変や!うちの甲板が海苔巻きになってる!」

 

秋雲

「大変!秋雲さんの12.7cm連装砲が竹輪になってる!」

 

アラン

「それはひょっとしてギャグで言っているのか?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『いつもの』

 

アラン

「じゃ、龍驤と秋雲は遠征よろしく。

僕は天龍とサメとミズキを連れて北方海域に行って来るんで」

 

秋雲

「今回ばかりは秋雲さん達も必要じゃない?

北方海域は強いって噂だし…。

後ミズキっていつの間に名付けたんですか」

 

龍驤

「せやで提督。まだ着任したての天龍とミズキ…とサメはきついんやないか?」

 

アラン

「だからこそだよね。

ほらよく言わない?

地獄の道も一歩からって」

 

秋雲.龍驤

「言わないしそれは棺桶に自らをシュートしてエキサイティングしてるだけだよ」

 

天龍

「俺はいいぜ。早く強くなりたいしな」

 

水鬼

「ミズキもそれでいいよ」

 

アラン

「じゃあ決まりだな」

 

秋雲.龍驤心の声

「あぁ…。また犠牲者が増えた」

 

〜青年少女移動中

 

アラン

「そう言えばミズキもサメも深海棲艦だけどいいの?」

 

水鬼

「え?何が?」(容赦無く深海棲艦を沈めている)

 

アラン

「大丈夫そうだね。天龍は…あ」

 

天龍

「おらおらっ!天龍様のお通りだッ!」

 

一人で突っ込んで背後からの砲撃に気づかない天龍

 

水鬼

「天さん危ない」

 

天龍

「⁉︎」

 

間一髪もなく、余裕でアランが砲弾を斬り刻む。

 

アラン

「天龍、先走るのはいいが充分慎重に行動すべきだ。

まぁ、僕がいるぶんには構わないがね。

…聞いているかね?天龍」

 

天龍

「カッケーッ!なぁなぁ!今のどうやったらできんだよ!俺にも教えてくれよ!」

 

アラン

「…そう期待されたような眼差しを向けられてもなぁ…。うーん…じゃあ後で教えられるようなことは教えてあげるよ。できるかは君次第だけどね」

 

水鬼

「ねぇ提督さん。この出撃っていつに終わるの?」

 

アラン

「制圧するまでかな」サラッ

 

水鬼.天龍

「鬼」

 

この後めちゃくちゃ攻略した

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『隠し事』

 

秋雲

「んー…」

 

アラン

「どうしたんだい秋雲?そんな唸って」

 

秋雲

「ん?んー…」

 

アラン

「秋雲?」

 

秋雲

「あっ‼︎動かないで、立たないで、息しないで」

 

アラン

「流れる様に辛辣な言葉が最後に飛んできたんだけど僕君に何かしたかい⁉︎」

 

秋雲

「あ、ごめんごめん。ちょっとした勢いで言っちゃった。

でも動かないでねー、後少しだから」

 

アラン

「んー…秋雲はあれかい?絵を描くのが好きなのかい?」

 

秋雲

「さぁ?秋雲さんにもわからないなー」

 

アラン

「わからない?」

 

秋雲

「そ、わからない。本当に描くのが好きなのかどうなのか、ただ何となく描いてるだけなのかもしれないしね。秋雲さんはね、すこーし他の()らとは違うんだって事はバラしとくよ」

 

アラン

「でもその先は秘密って事だろう?」

 

秋雲

「よくお分かりで」

 

アラン

「君は気づかれてないと思ってるみたいだけど僕には隠せないよ」

 

秋雲

「何のことかな?」

 

アラン

練度(レベル)の事だよ。

君は既に(カンスト)しているんだろう?」

 

秋雲

「…バレた?」

 

アラン

「天龍はまだ気づかないけど龍驤は既に勘付いてるよ、動きが変だってね。

因みに僕は君を見た初めからわかったよ、君は何かを隠してるって」

 

秋雲

「秋雲さん上手くやってるつもりだったんだけどなぁ…。初めてだね、バレちゃうの」

 

アラン

「はは、お互い様だよ。

僕は君の隠し事は追求しない、君が話すまで僕は待ってる。だからいつか話してよ、君の面白い話をさ」

 

秋雲

「その笑みの裏は悪意しかないと秋雲さんは思うんだけどねー。

はい、出来上がり〜♪秋雲さん作提督肖像画」

 

アラン

「上手なんだけど…僕ヒゲ生えてないからね?」

 

秋雲

「ははは!」

 

今日も鎮守府(現在は小屋)では楽しげな笑い声が聞こえてきます。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『天龍』

 

アラン

「天龍移動に関する調査報告書…。

””赤丘(せきのおか)鎮守府にて建造、運用されていた艦娘。

ほぼ初期の頃から鎮守府に貢献してきた艦であったが故に、仲間を多く見送ってきた。

そして、ある事がきっかけとなり天龍は赤丘鎮守府でクーデターを起こす事になる。

長門、金剛、球磨三名による取り押さえで被害は最小限のものとなった。

工房での整備の後、二度とこの様な事ができない様細工をした上で送り出す事にする””…か。

恐らく細工ってのは記憶の消去か。

あの爺さん、こんなもんを僕に送りつけてきて何がしたいのかねぇ…」

 

アランが見つめる窓の外では天龍と水鬼が鬼ごっこをしており秋雲と龍驤はその様子を釣りをしながら見てる光景があった。

 

アラン

「それに、要所要所にぼかしを入れてるしさ。

…ま、この鎮守府は曰く付きって事かな。

秋雲も、龍驤も、天龍も…そして僕もだね」

 

天龍

「提督!そいつ捕まえてくれ!ミズキ!俺の電探を返せ!」

 

水鬼

「やーだ☆」

 

アラン

「あはは。賑やかだねー」

 

賑やかな時はいずれ…

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 



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小話二つと小話19〜21話

『裏話」

 

アラン

「なんか諸々足りないよね」

 

秋雲

「急にどうしたんですか」

 

アラン

「いや、なんか、無理に面白くしようとして滑る芸人みたいな気分になってるのが事実」

 

秋雲

「はい?」

 

アラン

「てな訳でギャグパート行ってみよう!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『もうダメかも知れない』

 

龍驤

「どないせぇちゅうねん」

 

秋雲

「あれは秋雲さんには無理。

もう修復が…」

 

龍驤

「うちが思うにピークは演習したところまでだったと思うよ?」

 

秋雲

「龍驤までメタ発言を始めたら秋雲さんもうツッコミきれないよ?」

 

アラン

「因みにもうネタがないよ!」

 

秋雲

「急に会話に割り込まないでください」

 

アラン

「ここの秋雲さん段々辛辣になって来てない⁈」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『電探』

 

天龍

「ミズキー。俺の電探しらねぇ?」

 

水鬼

「し、知らないなー」

 

天龍

「そうか、何処に置いたっけなぁ…」

 

〜少女相談中

 

水鬼

「てな訳で遊んでたら天さんの電探壊しちゃったんでどうしたらいっすか」

 

秋雲

「じゃあこれあげるよ」

 

水鬼

「あ、秋ちゃんの目からハイライトが消えたッ!」

 

秋刀魚を入手しました

 

〜少女相談中

 

水鬼

「てな訳で以下略」

 

龍驤

「え、うーん…じゃあこれあげるわ」

 

水鬼

「さっすが龍ちゃん。張る胸は無いけど頼りになるぅ」

 

龍驤

「(イラッ)」

 

接着剤を入手しました

 

〜少女相談中

 

水鬼

「以下略」

 

アラン

「その前になんでボロボロなのか聞いていい?」

 

水鬼

「色々あったんだよ」

 

アラン

「あ、そう…。でもなぁ…あ、じゃあこれあげるよ」

 

水鬼

「これは…?」

 

アラン

「じゃあ頑張ってね」

 

LED小型懐中電灯を入手しました

 

〜少女奮闘中

 

次の朝

 

天龍

「て〜い〜と〜く〜?俺の電探をしらねぇか?」

 

天龍の頭部には秋刀魚と懐中電灯が接着剤で止められたものが、接着剤で頭部に貼り付けられていた。

 

アラン

「龍驤、ミズキは?」

 

龍驤

「逃げたで」

 

アラン

「秋雲は?」

 

龍驤

「昨日から行方知れず。逃げたね」

 

アラン

「よし、僕らもずらかるぞッ☆」

 

天龍

「逃すかぁッ!」

 

アラン

「イッタァァァイッ⁈」

 

電探は元に戻った

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『ドッペルゲンガー』

 

天龍

「ドッペルゲンガーって知ってるか?」

 

龍驤

「知っとるよー。同じ自分が存在して出会わなくてもそれが出ただけで死ぬーって奴やろ?

でもどうしてそんな話を今?」

 

天龍

「いや、それが事実なら俺らってどうなんだろうなーって」

 

龍驤

「…知らなくてもいい事は…あるんやで?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『続ドッペルゲンガー』

 

天龍

「ドッペルゲンガーって知ってるか?」

 

秋雲

「ん?知ってるよ。自分を見たら死ぬって奴でしょ?

そんなん迷信みたいなものだから秋雲さんは信じて無いなー」

 

天龍

「じゃああれ見てもか?」

 

秋雲

「え?」

 

秋雲が振り返るとそこにはもう一人の秋雲が…

 

秋雲

「ギャァァァッ⁈⁈」

 

秋雲?

「イッターイ‼︎なんでさ!なんで殴るのさ!」

 

秋雲

「私、死すべし慈悲はない」

 

秋雲?

「あ、ダメだこれ!天龍止めて!秋雲止めて!」

 

〜少女制御中

 

秋雲?

「まさかドッキリ系に弱いとはねー」

 

天龍

「((爆笑))」

 

秋雲

「貴方は誰ですか!秋雲さんとおんなじ姿おんなじ声をして!」

 

秋雲?

「僕だよ僕。提督ですー」

 

パッと元に戻る提督

 

秋雲

「変装の類ですか?」

 

アラン

「まぁねー。僕の18番♪」

 

秋雲

「上手でしたけど謎が一つ。背丈はどうやって合わせたんですか」

 

アラン

「黙秘する」

 

天龍

「(爆笑)」

 

秋雲.アラン

「いつまでツボってんだよッ‼︎」

 

終わり

 



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22〜24話

作者がウケると思ったシリーズ


『理由』

 

秋雲

「秋雲さんね。思ったことがあるんだ」

 

水鬼

「何?」

 

秋雲

「ミズキみたいに分かり合え…あぁ…えっと。

まぁ分かり合えてるようなものかな?

そんな艦も深海側にも居るのにさ、何で秋雲さん達は戦うんだろうって」

 

水鬼

「それに理由は必要?」

 

秋雲

「うーん。必要じゃないといえば必要じゃないし、気になるといえば気になるからねー。

だって分かり合えるなら、仲良くできるなら、私達は戦わなくて、それこそまがい物じゃない平和が来るんだよ?」

 

水鬼

「じゃあミズキが答えてあげる」

 

秋雲の前に一歩踏み出したミズキ

 

水鬼

「艦娘が存在するから私達も存在するんだよ」

 

秋雲

「ふーん…そっか」

 

水鬼

「あれれ?思ったより反応薄い」

 

秋雲

「大方想像どうりって奴さ、秋雲さんはねー、こう見えて色々見て色々考えたりもしたんだよ?」

 

水鬼

「じゃあ聞く必要ないじゃん、私達はコインの裏表。

どっちに返ってもどっちかが表面に出るだけ、どちらかが無くなったら…両方なくなるんだよ。

それなら理由はただ一つ」

 

秋雲

「どちらかが無くなるまで戦うしかないってやつだね」

 

水鬼

「わかってるじゃーん♪じゃあこの話は終わり!鎮守府(仮)まで競争しよ。よーいドン!」

 

秋雲

「あ、ずるっ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『任務』

 

アラン

「出来上がりました新鎮守府、そして新たな任務が来ました。はいこれ」

 

秋雲

「鎮守府紹介はしないんだ」

 

アラン

「だって変わらないし、造船所は相変わらずないし、工房もないし。注文したのに妖精さん建て忘れちゃうし」

 

龍驤

「んで…任務ってのは…、あー…これを任務とは言わない」

 

〜少女青年移動中

 

桜が満開の中、どんちゃん騒ぎの宴が始まっていた。

 

アラン

「というわけでだ、今回の任務は関ノ浜鎮守府と西山鎮守府との合同花見の任務だそうです」

 

アランのひたいに艦載機が突き刺さる

 

龍驤

「あぁ⁉︎提督が⁉︎」

 

水鬼

「すっごーい!ミズキちょっと見て来るね。天さんも一緒にさ」

 

天龍

「あ、おい、まてよ」

 

天龍、ミズキ離脱

 

お爺

「ほっほっほ。まだまだ警戒心というものが足りんな」

 

アラン

「艦載機が急に突き刺さって来るとかどうやって警戒しろというのです西山提督」

 

西山提督

「それもそうじゃなぁ〜。久々にあったんじゃ、飲まんかね?」

 

アラン

「飲めないんで遠慮します」

 

西山提督

「そうかそうか、ほれ、酒じゃ」

 

アラン

「人の話を聞いてください」

 

秋雲

「それ自分にブーメランです提督」

 

アラン

「ところで関ノ浜提督は?」

 

西山提督

「あそこじゃな」

 

見る先には見るも無残にボロボロの関ノ浜提督が居た。

 

アラン

「なんかあったんですね」

 

〜数分前

 

金剛

「ヘ〜〜イテイトクゥ〜〜。飲んでますかぁ〜〜?」

 

関ノ浜提督

「酒くさっ⁉︎誰だ、金剛をここまでにしたのは⁉︎お父さん怒らないから手を挙げなさい」

 

深雪.卯月.那智(挙手)

 

関ノ浜提督

「よしお前ら後で比叡カレーの刑な」

 

深雪.卯月.那智

「なんでさ⁉︎」

 

金剛

「テイトクゥ〜!私を無視しないでくだサーイ」

 

真後ろから首をボキッと

 

深雪

「あぁ!たんまたんま!姉御たんまッ!」

 

卯月

「今変な音がしたぴょんゴキって」

 

那智

「おかしいやつをなくしたな」

 

深雪が止めに入ろうとするも近くにあった艤装をつまづき、偶然にも砲弾が発射され関ノ浜提督へとシュートされる

 

深雪

「すまねぇ提督。仇はいつかとるぜぃ…」

 

卯月

「あいつ自らとどめさしといて何言ってるぴょん。

ほら、ダメコンだぴょん、提督はこれで治るかもしれない」

 

卯月が近くにあった何かを投げつけると爆発を艤装引き起こしたのだった

 

卯月

「さらば提督、忘れないぴょん」

 

那智

「ダメコンと手榴弾を間違えるか普通。

むしろ何故この場に手榴弾が…」

 

あきつ丸

「すり替えて置いたであります!」

 

那智

「あぁ…西山のおばか丸か…納得だな」

 

あきつ丸

「なんですと⁉︎それは聞き捨てならないであります」

 

金剛

「テイトクゥ〜起きてくださ〜い」

(6万4千馬力のハグ)

 

那智

「やるというなら相手してやるぞ?ただし酒でな」

 

深雪

「ストップ!ストップ!ミシミシいってるって」

 

あきつ丸

「上等であります!やってやりますとも」

 

その様子を眺める時雨

 

時雨

「君達に失望しきったよ…」

 

松風

「…お互い辛いね」

 

松風が見る方向には

朝風の泥酔、春風の変態行為、川内の夜戦騒ぎ、

那珂ちゃんのライブが。

 

時雨

「…所属は違えど苦労人はいるんだね…」

 

松風

「そうだね…」

 

〜現在

 

西山提督

「てな訳じゃ」

 

秋雲.アラン.龍驤

「ひでぇ話」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『続花見』

 

関ノ浜提督

「死ぬかと思ったぜ」

 

アラン

「ギャグじゃなかったら死んでるよ」

 

関ノ浜提督

「間違いないね。で?調子はどうよ」

 

アラン

「艦載機が突き刺さって来る以外は何ともないよ」

 

関ノ浜提督

「わりぃな、利根には後で言っとくぜ。

で、まだ数人でやってんのかよ」

 

アラン

「数人でやらざるおえない状況なんです文句ありますか⁉︎」

 

関ノ浜提督

「なんかすまん…、ま、まぁ、本土から戦力支給の許可は出たんだろう?」

 

アラン

「…(何とも表現しがたい驚きの顔)」

 

関ノ浜提督

「あ、あれ?」

 

アラン

「初耳だな。西山提督は知ってたのか?」

 

西山提督

「すまん。資料送るのを忘れとったわ(笑)」

 

アラン

「しっかりしてくれよ爺さん…」

 

最上

「西山提督!大変だ!というか助けてくれ!春風が…止まらないんだ!」

 

西山提督

「しかたないのぉ〜」

 

テクテクと歩いていく西山提督

 

アラン

「どこの艦隊も賑やかなのは変わらないってやつか」

 

関ノ浜提督

「あぁ、うるさくもにぎやかは良いことd…」

 

関ノ浜提督には豆腐の角が、アランにはカタパルトが後頭部に突き刺さり倒れる

 

秋雲

「花見ってこんな死人が出るようなもんだっけ」



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25〜27話

『桜の樹の下で』

 

ワイワイガヤガヤと楽しげな雑音の中

 

秋雲は一人桜の樹の下に座る

 

その時桜の後ろ、つまりは秋雲の反対側から声をかけられた

 

女性

「よう、調子はどうよ」

 

秋雲

「なんだ、君も居たんだね隼鷹」

 

隼鷹

「ありゃ?てっきり私がいるのを知ってそこに座ったんだと思ったんだけどなぁ」

 

秋雲

「誰が好き好んで酒臭くて絡みが悪い君のそばに近づくんだい?」

 

隼鷹

「言ってくれるぜぃ。で、決まったのか?」

 

秋雲

「うん、決まったよ。秋雲さんはこれで後悔はない」

 

隼鷹

「オッケー、ならこれどうぞ。作戦がうまくいくお守りってやーつ」

 

隼鷹が立ち去るような足音の後

 

秋雲は隼鷹がいた場所を除く

 

そこには任務書類が置かれていた

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『警戒』

 

関ノ浜提督

「気をつけろよ?」

 

アラン

「なんだよ、藪から棒に」

 

関ノ浜提督

「噂程度だから信憑性があるわけじゃないが…、どうにも上の連中はお前が気に食わんらしい。

それと同時にお前が配属された沖浜島には何か上が隠したがってる秘密があるって噂だ」

 

アラン

「なんだよそれ、じゃあ聞くがなんでそんな場所に僕が配属になったんだい?」

 

関ノ浜提督

「そこは俺が知る範疇じゃない。

上の連中がお前ごと何かを葬ろうとしているのか。

上とは別に誰かがお前を抑止力としてそこに配置しているのか。俺にはわからん、だからこそお前はより警戒を怠るべきじゃないんだ」

 

アラン

「…なるほどねー。大丈夫だよ関提督」

 

関提督

「何が大丈夫なんだよ。後面倒だからって名称縮めやがったな」

 

アラン

「僕は強いし、何より彼女たちがいる。

絶対に僕は殺されないし彼女たちも沈まない。

これは決定事項だからね」

 

関提督

「…(ため息)。お前は時たま何を言っているかわからん時があるな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『任務』

 

新品の椅子に座り足を組み、窓の外を暇そうに眺める提督に秋雲は書類を渡した。

 

秋雲

「次の任務らしいですよ」

 

アラン

「ん?あぁ、ありがとう。輸送任務…ん?僕にもなんか来てるね。

うわぁ…提督会合とか行きたくないね。

行かなくちゃいけないんだろうけど…じゃあ後で編成考えとくよ」

 

秋雲

「考えるほどここには艦が居ませんよ」

 

アラン

「今から来るのさ」

 

部屋の扉がノックされる

 

アラン

「タイミングが良いね。入ると良い」

 

山城

「扶桑型2番艦…山城」

 

長月

「睦月型8番艦。長月だ」

 

アラン

「僕は提督のアラン。よろしくね、二人は違う所属だったね?まぁここの皆そんなもんだからよろしくしてやってくれ」

 

長月

「あぁ。駆逐艦だとおもって侮るなよ?

こうみえてできる方なんだ」

 

アラン

「頼もしいね、じゃあ早速任務が来たことだし行って…」

 

山城

「…提督。私は降りて構わないかしら」

 

アラン

「おやなぜ?」

 

山城

「それは…」

 

アラン

「まぁいいよ。君がここに来た理由も僕は知ってるし、嫌がるのを嫌々連れ出すほど畜生じゃないしね。じゃあ留守を頼むよ?」

 

山城は何も言わず部屋を出て行く

 

長月

「そんなんでいいのか提督」

 

アラン

「はは、いんだよ。ここはそれなりに自由だからね、さて、旗艦は秋雲に任せて、龍驤、長月、天龍、ミズキで…ロ級も一応連れてっといて。誤射は気をつけてね」

 

秋雲

「はいよー、じゃあ。長月行こうか皆んなを集めよう」

 

長月、秋雲退出

 

アラン

「さて、僕も時間だし行かなきゃね」

 

白シャツの上に黒コートを羽織り、夜の鎮守府を後にする。



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28〜30話

脳内では再生できるのに文章力が足りない


『扉』

 

その建物はとても大きく厳格な雰囲気を醸し出して居た。

 

建物の入り口に近づくと男性が声をかけて来る

 

男性

「アラン提督殿ですね?こちらへ」

 

アランは男性の後につき建物内を歩いて行く

 

アラン

「無駄に広いねぇ…迷ってしまいそうだ」

 

男性

「大丈夫ですよ。こう見えて実は造りは凄く単純で地図を一度見れば大体はわかります」

 

アラン

「見るまでは迷うって事だね」

 

男性

「おっと、一本とられましたな」

 

そんな話をしているとどうやら到着したようだ

 

アラン

「ありがとう。君は持ち場に着くといい、他の提督も来るんだろう?」

 

男性

「そうですね。何か困りごとがあればいつでもどうぞ。それでは」

 

といい、去って行く。

 

アランはガチャリと扉を開け中に入る

 

アラン

「…いったい何の真似だろうか」

 

ギィ…バタンと背後のドアが自然に閉じる

 

上層

「見てもらえればわかる通りだが?」

 

アラン

「僕には十人強の人物が僕に向かって銃の照準を合わせてるようにしか見えないのだが…」

 

上層

「まさにその通りだな、ではさよならだ」

 

アラン

「一切話なしかッ⁉︎」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『物体』

 

暗く月明かりしかない夜の海、五人の艦娘と1匹のサメが陣形を組みつつ進んで居た

 

天龍

「にしても拍子抜けだよなぁ、運ぶもんがこんなちっせぇ箱のみとはよ」

 

天龍は小脇に抱えた箱を中身を確認するように少し揺らす

 

龍驤

「あんま揺らすのはいかんで、壊れ物やったら何文句言われるかわかったもんやない」

 

天龍

「んだよ、俺が持ってちゃ不安か?ならほらよっ」

 

天龍は長月に箱を投げる

 

長月

「おっと…危ない」

 

天龍

「へへ、ナーイスキャッチ」

 

龍驤

「だから危ないてゆうてるやろ⁈全く…」

 

長月が箱を脇に抱えようとした時、横からミズキが顔を覗かせる

 

長月

「わわっ⁉︎びっくりした…君かミズキ」

 

水鬼

「あ、まだ慣れてないから驚くよね。

ちょっとその箱見してくれないかな?」

 

長月

「ん?あぁ」

 

ミズキは長月の持つ箱に顔を近づける

 

ミズキ

「やっぱり…」

 

長月

「やっぱり?」

 

水鬼

「うん、この箱から何か音がするんだ。

ローさんも聞こえてるんだって」

 

長月

「ん?私には何も聞こえないが…」

 

長月はハッと何かに気づく

 

長月

「まずい!この箱はッ‼︎」

 

長月は誰も居ない海面へと箱を投げつける

 

それと同時に箱は爆発し水面に沈む

 

天龍

「おいおい、時限爆弾とか洒落んなってねぇな…」

 

龍驤

「よく天龍が投げた時点で爆発せぇへんかったなー」

 

長月

「呑気な事を言ってる場合じゃない‼︎今すぐにでも撤退するだ‼︎」

 

天龍

「だとしてもこりゃ厳しいぜ」

 

長月

「なっ…ま、まさか⁈」

 

天龍

「俺の電探ならよーく見えるぜぇ?

あっちらこっちらに敵がいるって事がなぁ」

 

秋雲

「どうやらその箱、ジャミング機能つきだったみたいだね。秋雲さんにも今ようやく見えたよ」

 

彼女達の周りには無数の深海棲艦が取り囲んで居た。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『敵襲』

 

長月

「なんて数だ…」

 

天龍

「腕がなる…って言いたいところだがこの状況はちょっと弱気になるな」

 

秋雲

「総員撤退、この敵の一部を崩して突破するよ。

龍驤は戦えるのかな?」

 

敵からの砲撃が開始される

 

龍驤

「普通なら無理やな。

せやけど今のうちに積まれてるもんはあの提督が魔改造施したもんや。夜戦でもなんでも出来るで」

 

秋雲

「じゃあ空は任せたよ〜」

 

秋雲、天龍、長月が敵が少ない所に突っ込んでいく

 

天龍

「オラオラどいたどいたッ!」

 

長月

「こんなことになるなんてね…‼︎」

 

龍驤

「いくでー!皆頑張ってやー!」

 

艦載機の展開と共に敵の艦載機もやってくる

 

ミズキ、ローさんは龍驤の護衛として周りを固めつつ前進して行く。

 

両者混戦になると言わずもがな、分断が発生してしまう

 

天龍

「んなっ‼︎やろー、やるじゃねえか」

 

長月

「まずい…各個撃破か、何としても外側に出なければ」

 

雨の様に弾丸が飛び交い、魚雷も絶えることなく放たれる。

 

そんな状況が数十分、ついに最初に被弾したのは天龍だった。

 

天龍

「いってっぇなぁ畜生‼︎左腕が動かねぇ、持ってかれたな」

 

次には長月、続いて龍驤も

 

しかし、天龍並び長月が最初に敵の外側に出ることに成功し

 

ミズキ、龍驤、ローさんも遅れてやってくる

 

龍驤

「皆んな無事…やないな、見てわかるわ。さ、早いとこ撤退せな!」

 

ミズキ

「待って‼︎まだ秋ちゃんが来てないよ‼︎助けに行かなきゃ‼︎」

 

ローさん

「無茶を言うんでねぇ。あんな中に飛び込んだら格好の餌だ」

 

長月

「あんた喋れたの⁈」

 

天龍

「ちッ!龍驤達は撤退して居てくれ。

俺が秋雲を引っ張ってくる」

 

龍驤

「一人で行くなんて無茶や!ローさんも言っとるように餌になるだけや」

 

長月

「私がおかしいのか⁈なんで喋ったことに誰も突っ込まないんだ⁉︎」

 

天龍

「見捨てろってか?んなもん願い下げだ!忘れたわけじゃねぇだろうな!提督が出撃の際に言ってた言葉を」

 

龍驤

「保身と仲間、生還を第一にやろ!知っとるわ!だからうちらも一緒に行く、それじゃダメなんか⁉︎」

 

天龍

「…なら、離れんなよ!さっきみたいに分断だけは避けるんだ」

 

天龍、龍驤続いてミズキ、ローさん、そして長月が最後尾に並び続いていく



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31.32話

『仲間』

 

様々な雑音がなる海上。

 

分断された秋雲は一人水面に浮かんでいた

 

秋雲

「…ようやく…かな?」

 

砲弾の直撃を何度も受け

 

機銃もそれなりに受けた

 

これなら

 

これならようやく…

 

秋…秋…

 

秋雲心の声

「あぁ…呼んでる…皆…」

 

秋雲の体は自然にゆっくりと海面から下がっていく感覚だ

 

秋雲…秋雲

 

秋雲心の声

「…今いくよ」

 

秋雲は苦しみより悔しいより、笑顔で沈んで…

 

秋雲

「いか…ない?」

 

アラン

「秋雲!秋雲!」

 

秋雲

「て、提督ゥ⁉︎」

 

アラン

「あ、元気だね⁉︎あはは、いやぁ間に合った。

これでも僕負傷してるから辛いんだよ?

で?秋雲、今の気持ちはどうだい?」

 

秋雲

「苦痛」

 

アラン

「あっははは!苦痛かぁ!良いね、 僕が嬉々として喜ぶ感想をありがとう。では、もう少しその苦痛を味わってもらう事になるが問題はあるかね?いや、ないね!君が答える権利は今はない!」

 

龍驤

「提督!今はそないな話しとる前にはよう逃げるで!」

 

アラン

「あぁ、そうだね。自らの被害を顧みず仲間を助けにいく、実に素晴らしく面白い。

実に王道の様だがまたそれも僕は好きだ。

ではミズキ、秋雲を頼むよ?」

 

水鬼

「は、はい」

 

アラン

「天龍、君は左腕をやられている様だが行けるかい?」

 

天龍

「問題ないぜ」

 

アラン

「よろしい、なら僕と一緒に斬り込むよ。

龍驤、君は艦載機がボロボロの様だが戦えるかい?」

 

龍驤

「こんな時の為のとっておきがある、まだいけるで」

 

アラン

「ならば引き継ぎ空は頼むよ?

長月、ロ級。君達はしんがりを頼めるかな?」

 

長月

「任せろ」

 

アラン

「では、我ら沖浜艦隊!帰投開始だ‼︎」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『秋雲』

 

龍驤、ミズキ、秋雲は提督の部屋に椅子に座り提督が資料を読み終わるのを待っていた。

 

アラン

「さて、あの事件から数日が経ち。

皆無事にとは行かず負傷はあるにしても全員帰還」

 

アランは手元の資料をパサリと机に置いてパチパチと笑顔で手を叩く

 

アラン

「素晴らしい事だ、実に素晴らしい」

 

そして、目の前の椅子に座る秋雲や他の艦娘を見る。

 

アラン

「さて、僕が迂闊だった事も一つの原因だが、これは完全に罠だった。それに関して誰も異論はないね?」

 

皆答えない

 

アラン

「ここで疑問が浮かんでくるはずだ。誰が何故?とね、そこで一番に疑われるのは…」

 

水鬼

「違う!ミズキ知らないよ!」

 

アラン

「あぁ、勿論だ。君は知らないしロ級も知らないだろう。疑われるのは君達だが、実際はそうじゃない。

僕はもう答えを知った上で話してるんだ。

 

なぁ?秋雲?」

 

秋雲は一瞬ピクリと身を震わせた、アランの笑みが崩れ冷徹で鋭い目を秋雲へと向けたからだ。

 

アラン

「僕は君がした事は許せない、何よりも仲間を道連れにしようとしたことがね?」

 

秋雲

「…ごめん…なさい」

 

アラン

「謝る前にまずは君の全てを話すべきだよ、ただし、僕は君の答えを聞いた上でも辻褄が合わない事への疑問が消えないけどね。

君はあの事件の時に沈みたかった、そうじゃないのかな?」

 

秋雲

「その通りだよ…、ほんと…提督はどこまで知ってるのか怖くなるよ。

じゃあ…話そうか、秋雲さんの事。

秋雲さんはね、上が隠したがっている物の試作一号なんだよ」

 

龍驤

「試作…?」

 

秋雲

「そ、要はプロトタイプって奴。

ようやく原型になったものだよ。」

 

アラン

「艦娘の…か」

 

秋雲

「そ、”生きた人間を利用した”艦娘製造のね。

艦娘ってのは大戦が起きてた頃から研究され続けてたんだ、何とかして戦力を増やせないかとね。

だけど、秋雲さんが完成したのは全てが終わった後。

秋雲さんも記憶なんてあるわけもなし、あるとしたらそうだなー…どんな風に秋雲(わたし)が沈んだかと言うのぐらいかな。

その後も計画が進められたけど秋雲さん以外はうまく行かずじまいでね、遂には頓挫したのさ」

 

ミズキ

「そ、そのうまく行かなかった人達って…どうなったの?」

 

秋雲

「当たり前のように死んだよ、そして”失敗作”は海へと捨てられた…この頃からかな、深海棲艦と呼ばれる存在が現れ始めたのは。

そして、今度は人ではなく機械での作成が始まった。

ガイノイドといったかな?

こちらは上手く行ったようで直ぐに開発が進んで一時期はそれで対応してたよ。

秋雲さんも驚いたね本当によく人間のように動いて喋ってるをだもん、だけどそれだけじゃ物足りなかったのか…それとも資材の問題か、次は人間を一から作り出したんだよ」

 

アラン

「ホムンクルスの様に聞こえるがそれとはまた別なのかい?」

 

秋雲

「同じ解釈でも変わらないかなー。

ただし小さい人間って訳じゃないからね。

まぁ…そっちも良好、私が作られた時より技術がより進んだのか、物が違うからなのかは今やどっちでもいい事。

そして同じ艦娘が何人も出来上がり、これが建造艦として現れる事もしばしば。

秋雲さんはね、こんなのを何年何十年とあちこちで見てきたよ、目の前で沈んでく仲間、造られても直ぐに破棄当然の様に素材に変えられる子たちも見てきた。

いっぱいいっぱいだったよ正直、私は唯一成功した人間をベースにした艦娘だからね。

上は棄てるに棄てられなかったんだろうね、秋雲さんはこの島に派遣もとい流されされたんだ。

ここまでが秋雲さんの話、以上だよ」

 

アラン

「なるほどね、凄く興味深いものだ。

まずその話は誰までが知っているんだい」

 

秋雲

「世の提督も民間人も開発に関わった人間以外知らないだろうねー。人間を使った、なんて話が漏れたらおおごと間違いなしだからね」

 

アラン

「だからこそ上は秘密を知られるとまずいと僕を殺しにかかってきたわけか。

君が沈もうとした理由は…色々見てきたからだろうが…」

 

秋雲

「そうだね、解体もしてくれないし沈ませてもくれなかったよ」

 

アラン

「じゃあ何故このタイミングで?」

 

秋雲

「あれは秋雲さんも想定してなかったんだよ、計画では秋雲さん以外に被害は出ないはずだった」

 

アラン

「長月が捨てたあの箱だね?長月の話によれば…深海棲艦にしか聞こえない波数を放って呼び寄せる機会だったみたいだが…それも計画のうちかい?」

 

秋雲

「強い敵が数匹引き寄せるだけのものだったはずだけどねー…」

 

アラン

「聞けば聞くほど身勝手と言うのもあるし…辻褄が合わなさすぎるのが難点だ。

じゃ、まぁここらで一旦処罰を決めますか」

 

秋雲

「処罰…」

 

アラン

「残念だが、お咎めなしなんて上手い話はないんでね。処罰内容は以下の通り、”生き続ける”と言う一点のみだ」

 

秋雲

「本当に人の話を聞いてない人ですね…。

それが秋雲さんにとっての”苦痛”なのに」

 

アラン

「残念だけど僕は善人じゃない。

君の”苦痛”を望むものだ諦めたほうがいい」

 

龍驤

「ほんま…わけのわからん二人やなー」

 

ミズキ

「なんで二人とも笑ってるんだろうね」

 

辻褄が合わなくても

 

奇妙な信頼でも

 

今が一番の時もある



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33.34話

『片腕』

 

アラン

「やぁ、気分はどうだい?」

 

天龍

「悪くねぇよ、どちらか言ったらあんたのすまなそうな顔を見てる方がよっぽど気分が悪いぜ」

 

アラン

「はは…、言ってくれるな。

実際君の左腕は僕のミスだ」

 

天龍の左腕は肩から先がなくなっている。

 

天龍

「あんたのせいじゃねえさ、俺が旧型だから壊れやすいってだけだ。秋雲も話してたろ、今の艦娘は2種類が存在するのを、だけど前の旧型は製造されることも無く、数は減っていってる。

俺はなそんなかの残りなんだ」

 

アラン

「話の元はミズキからか、いつかは知っておいて欲しかったから問題はないけど…。

君の腕はスペアも無く、修理はきかない…か」

 

天龍

「そうゆうことだ、四肢がなくなる以外の傷なら修復はきくんだ。それだけでも十分さ、俺らはガラクタみたいなもんだよ」

 

アラン

「…ガラクタ…」

 

〜女性

「私はガラクタなんです。だから…」

 

天龍

「そうだ、だからよ。

壊れるまで使ってくれや」

 

〜女性

「壊れるまで貴方に仕えます。

それが…」

 

天龍〜女性

「それが俺(私)が存在する意味だ(なんです)」

 

アラン

「…はは。僕はあまり好きじゃないなぁ…その言葉は」

 

天龍

「なんだよ、せっかくいい話風に言ったのに…ってあれ?なんで泣いてんだよ」

 

アラン

「あ?あぁ…泣いていたか。

いや、すまない、どうやら無意識だったようだ。

…昔、君と似たような事を言った子がいてね、その子は僕の為に一人戦って…帰ってこなかったよ。

君にはそうなって欲しくはないんだ、少なくとも僕がいる間はね…」

 

天龍

「あんたも大概変だよなぁ、まぁ…精々俺がクーデター起こさないような提督であってくれよ?」

 

アラン

「善処するよ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『護りたかったもの』

 

長月

「山城、入るよ」

 

山城

「……なんかよう?」

 

長月

「君に出撃命令が出たぞ、今すぐ準備して来いってさ」

 

山城

「…提督に伝えて、私は行かないって」

 

長月

「はぁ…、噂には聞いていたがここまでとはな。

私もいささか苛立ちを覚える」

 

山城

「…勝手に苛立ってれば…」

 

長月

「泣き虫戦艦がよく言うよ、いや、泣いてないから弱虫か。

君が背負った名はなんだ‼︎戦艦だろう⁉︎山城だろう⁉︎」

 

山城

「貴方にはわからないのよ、私の気持ちなんて。

恐怖しかない戦場に…貴方達とは違うのよ。

恐怖がない貴方達とは…」

 

長月は部屋の隅に座っていた山城の胸ぐらをぐっと掴んだ

 

長月

「いいか?間違えるなよ、私は恐怖がないわけじゃない。いつ沈むかわかったものじゃないしな、だが!それが!私達が生まれた意味だ!存在する理由だ!わかるか!」

 

山城

「わかってる…だから…だから嫌なのよ。

目の前で…私を庇って沈んだ子が…私が出撃して、同じような事になるのが嫌なの!護れなかった…護ってもらった…その気持ちはわかるわけない」

 

長月

「…以前にお前と同じように言った姉が居てな。

そいつは最終的に自ら解体を志願したよ。

だがあんたはまだ、救えるんだこんな私でも、姉が救えなかった私でも、あんたは…まだ恐怖と戦える」

 

山城

「そんなの…あんたの勝手でしょう…私は…」

 

長月

「後悔してるんだろう、あの事件の時…何故自分がついて行かなかったのかと、もしかしたら何か変わったかもしれないのにと、それは…君に希望がある証だ」

 

山城

「…」

 

長月

「…すまない、あまり柄じゃないことはしないほうがよかったな…。

提督には話を…」

 

山城

「待ちなさい…。私も行くわ」

 

長月はその言葉を聞いてそっと微笑んだ




どうやったらもう少しシリアスにできるのか。
はたまたギャグができるのか…


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