美少女な妹いるけど文句ある? (ainex)
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開かない扉と俺の妹。

コンコン、と俺は自室のとある部屋をノックする。ノックしたものの中からは応答がない。聞こえてくるのはゲームの電子音だけである。

 

「おい!飯ドアの前にといとくからな!」

 

俺は少し大きめな声でそう言ってため息をつきながらその部屋の前を後にする。

 

俺の家には開かない扉がある、まぁ、開かないと言っても夜中になるとちょくちょく開いたりするのだが……。

そしてその開かない扉の部屋の宿主は我が家の妹である。

 

突然だが、我が妹は引きこもりである。まぁ、引きこもりと言っても学校にはしっかり行っているのだが。

我が妹は美少女である。引きこもりが美少女であるが故に両親は本当に心配している。

 

とにかく何が言いたいのかと言うと……我が妹の兄佐倉 胚芽は、と言うか俺は妹を凄く心配している。

 

 

××××××××××××××

 

 

現在俺はリビングで夕食を食べている、夕食の席に在席しているのは母、父、そして俺である、夕食の席に妹はいない。妹が今の状態、引きこもりになったのは俺が高校2年生になり、妹が高校1年生になった頃である。最初は両親も遂に反抗期が来たか!とか言って少しはしゃいでいたのだがいざ引きこもりが1ヶ月続くとさすがに両親も心配し始めて開かない部屋、もとい妹の部屋に入ろうと試みる。結果は言うまでもなく失敗、そして妹が引きこもり初めてから今が丁度2ヶ月目だ。

 

「小麦、大丈夫かしら?」

「あぁ、心配だな。」

「「はぁ、」」

 

両親は最近これしか喋らない。心なしか顔は少しやつれているように見えた。まぁ、母は家事をこなし、父はしっかりと働くのでまだ大丈夫だとは思うのだが。ちなみに小麦とはここ、佐倉家の妹の名前である。俺の名前が胚芽で妹の名前が小麦。俺は小学生の頃初めてこの名前の意味を知った時は両親を少しばかり恨んだ。と言うかネーミングセンス無さすぎだろ、と落胆した。

 

「まぁまぁ、そんなに心配するなって。そのうち小麦も出てくるだろ。」

「「はぁ、」」

 

俺はいつもと同じ言葉を両親に返す。すると両親は俺の言葉にため息で返す。

ため息を付きたいのは俺もだっての。

 

こうして佐倉家の夕食が終わる。俺は今日の夜に決行する作戦の為に早めに風呂に入って妹が部屋から出てくるであろう夜中を自室で待っていることにした。

 

××××××××××××××××

 

 

現時刻深夜2時半、この時間はいつも妹が開かずの間から出てくる時間だ。俺は自室の扉に耳を当て妹が出てくるのを待っていた。

 

開かない扉と俺の部屋は同じ2階にある。そして開かない扉は俺の部屋の向かい側だ。妹は部屋から出るといつも1階に向かうので俺は何をしているのか全く分からない。まぁ、多分と言うか確実につまみ食いだろうな、朝冷蔵庫開けると俺のプリンとか無くなってるし。

 

そのまま暫く待っていると開かない扉が開かれる音がした。それと同時に足音が2階に響く、足音からするとどうやら俺の想像通り1階へとむかっているようだ。

 

「よし、いくか。」

 

俺は気合を入れ直し自室の扉を静かに開けた。

 

どうやら妹はリビングにいるらしく、リビングからは妹が冷蔵庫をあさる音が聞こえる。俺は妹に会うためにリビングに入る、扉を開いた

 

「おい、小麦そこでなに、して、」

 

俺は言葉を失った、何故なら妹の小麦は口周りに赤い血の様なものをべっとりと付け今日の夕食の余りであるミートソーススパゲティを手を使わずまるで犬のように貪っていたからだ。ん?あぁ血じゃ無くてミートソースか。

 

「ん?あ、36日ぶりのお兄ちゃんだ、久しぶりー」

「お、おう!久しぶりだな!ってちがう!」

 

妹は俺に見られたことをまるで気にしていない様子で普通に話しかけられたので思わず俺も普通に言葉を返してしまった。

 

「もう、うるさいな、こっちは食事中だよ?」

「とりあえず口をふけ!それとちゃんと手を使って食え!」

 

妹の小麦は藍色の髪を面倒くさそうに掻きむしり食べ終わったスパゲティの皿を台所に置く。

 

「全く、お兄ちゃん久しぶりにあった妹に説教ってどうなの?」

「あ、あぁ、すまん。って違うから!話聞いて!」

 

俺は何だかんだで妹に弱い。と言うのも過去に色々あったのだが、まぁこの話は別の機会にするとしよう。

 

「とりあえずここに座れ!」

「はいはい、今行きますよーっと」

 

妹はだるそうに俺に言われたら場所へと移動し始める、そして妹が座った事を確認してから俺は腕を組んで妹を厳しい眼差しで見つめる。

 

「とりあえず、何でこうなった?」

 

俺は疑問を投げかける。

 

「いやいや、ただ腹減ったから降りてきただけだっての。」

「そう言う事じゃなくて!何で引きこもり見たいな感じになったってこと!」

「あーそういう事ね、理由は簡単だよ。ただ単に気分的な問題。」

 

俺はまたも言葉を失ってしまった。

 

「き、気分ってなんだ!お前は気分で自分の時間を無駄にしてんのか!?」

「うるさいよ、お母さん達が起きちゃうじゃん。」

「その心配より今のお前の状態を心配しろ!」

 

状態?と言って自分の格好を確認する妹。

 

「そう言う事じゃなくて!お前の今の生活が両親を心配させてんだよ!」

「え?でも小麦はちゃんと学校にはいってるよー?何か問題あるの?」

 

小麦は何を言っているのか分からない、と言った表情で首を傾げる。その仕草は美少女と言う属性も相まってか凄く魅力的だった。

 

っていかんいかん何妹に魅力を感じてんだ!今はコイツを説教しなくては!

 

「お前が両親に顔を出さないから二人共スゲー心配してんだぞ!」

「あーなるほど。じゃあ今顔だしてくるね?」

「さっきの起こしちゃうから静かにって言った気遣いはどこにいった!?」

「もう!じゃあ結局何を言いたいの?何も無いなら小麦部屋にもどるよ?」

 

どうやら小麦はご立腹らしい。……俺、そんなに怒らせることしたかな?

 

「わかった!じゃあ明日の朝飯にはちゃんと顔を出せよ?」

「んー顔出せばいいんでしょ。じゃあね!」

 

小麦はそう言うとドンドンと足音を大きくして2階へ上がっていった。

だからさっきまでの気遣いはどこに言ったんだ。と言うかこんなに騒いでるのに起きない両親も両親だな。

俺はそう思いながら自室へと向かいリビングを後にした。その後自室に戻った俺はベットに潜り込むとものの数秒で眠りに落ちた。

 

 

×××××××××××××

 

 

昨日のことも会ってか割と寝不足気味の俺は起きてすぐに冷たい水で目を覚まそうと思い風呂場件洗面所へと向かうことにした。部屋を出て妹の部屋に耳を済ますとまだゲーム特有の電子音がなったいたのでまだ部屋にいるのかと思い少しガッカリしながら洗面所がある1階へと目を擦りながら向かった。

 

てかもうそろそろ学校に行く時間なのにゲームやってて大丈夫なのかよ。俺は一階の洗面所の扉を欠伸をしながら開ける、

 

「あ…………。」

「ひゃ!…………。」

 

扉を開けるとそこには全裸の小麦がいた。

 

「お、お、お、」

「わ、悪い!悪気があった訳では!」

「お兄ちゃんのスケベ!!!!」

「グフぅ!」

 

俺は小麦に思いっきりビンタされた。

まぁ、俺が悪いからなんにも言えないんだけどさ。

ちなみに小麦はその後も顔を赤くしてわなわなと震えていた。

薄れていく意識の中で俺は怒ってる小麦も可愛いなぁーと思ってしまった。こりゃシスコンだな。

 

「………………。モグモグ」

「あ、あのう、こ、小麦さん?」

 

現在俺はリビングで朝食を食べている。今朝の朝食のメンバーは母、父、俺、そして一切言葉を発しない妹の小麦だ。心なしか両親は、いや、確実に両親は機嫌がいい。さっきから両親の笑顔がとまらない!

 

「今朝のことは悪かったって!俺もお前の部屋からゲームの音が聞こえてたからまだ部屋にいると思ってだな、」

「………………。モグモグ」

 

佐倉 小麦は口を開かない。両親は笑顔が止まらない。

 

「本当にごめんって!何でもするから!」

「………………。モグモグ」

 

すると小麦は箸を置いてこちらに顔を向け、口を開く。小麦の顔は笑顔だ。だが目の奥は全く笑っていない。

 

「お兄ちゃん?」

「は、はい?」

「キモイ。」

 

俺は朝から妹に物理的に傷つけられ、精神的に傷つけられた。尚その間も両親は笑顔が止まらなかった。

 

おい!あんたら絶対人でなしだろ!!

 

 

×××××××××××××××

 

 

朝食の後何とか妹に許して貰った俺は久しぶりに妹と一緒に登校していた。しかし妹は耳にイヤホンを突っ込んでいるため言葉を交わす暇さえない。

 

「………………。」

「はぁ、」

 

折角久しぶりに一緒に登校するのに会話一つもしないって、随分嫌われたもんだな。

 

すると前から手を振りながら走ってくる人物に気がついた。どうやら女の子らしく、俺の知り合いではないと気づく。はて?俺の知り合いじゃないとしたら……あぁ、小麦の友達か。

 

「こーむぎーん!おはよう!」

 

走ってきた少女は赤い髪の毛を短く切りそろえ、制服をきちんと着ていて、靴はよく見る運動靴。いかにもアウトドアが似合いそうな少女だ。インドア派の俺にとっては朝から走るとか考えられん。

小麦は少女を見ると付けていたイヤホンを外してさっきまでの不機嫌な顔は見間違いだったのかと思うほどの笑顔を見せる。

 

「もう、そのあだ名は止めてって言ったじゃん!若葉。」

 

若葉、というのはこの子の名前らしく呼ばれた少女は元気よくごめん、と謝る。てかこむぎんて、フッ。

 

「あれ?その隣のお兄さんは噂のこむぎんのお兄ちゃん?」

「ん?あぁそうだよ、俺が小麦の兄の佐倉 胚芽です。それで噂って?」

 

俺ってそんなに噂される様な人だっけ?

 

「もちろんですよ!こむぎんったら学校っでは大体お兄さんのこと、」

「わあぁあ!止めてって!早く学校いこ!」

 

若葉ちゃんが言い切る前に小麦が慌てて話題を逸らす、ふーん?小麦が俺のことをね。

 

「あ、若葉ちゃん。うちの妹を宜しくね、」

「はい!任されました!」

 

若葉ちゃんは俺に敬礼みたいな事をしてから周り右して方向を帰る。

何かこの子真面目過ぎて逆に面白いな。

 

「お、お兄ちゃんも後でね!」

「おーう、気をつけて学校いけよ?こむぎん。」

「そ、その名前で呼ぶなー!」

 

照れた顔も可愛いではないか。流石は我が妹、学校でもモテるってよく聞くしな。

 

そんなことを思いながら遠くに見える2人の少女の背中を見送り俺はまた学校に向けて歩き出した。

 

「そしてやはり妹と言うのはいいものだと思う胚芽であった。」

「ってうわぁ!いきなり後ろから喋るなよ!」

「悪い悪い、全く可愛い妹を持つお兄ちゃんってのは最高だな!」

「そんなんでもねーよ。修司」

 

この男は大麦 修司俺の1番の親友でクラスメイトだ。赤い髪を少し長めに伸ばし人懐っこい笑顔が特徴の奴だ。

 

「それにしても小麦にも友達いたんだな。」

「そりゃいるだろ!うちの若葉も世話になってるしな。」

 

ん?うちの若葉だって?

 

「は?お前って一人っ子じゃなかったの?」

「いやいや、誰もそんなこと言ってないから。」

「いやいや、妹いるとも聞いてないから!」

「あーそーだったな。」

 

大麦修司の妹って言うことはあの若葉ちゃんは大麦 若葉って名前になるのか!?親のネーミングに悪意感じるよ!

 

「あ、お前今大麦若葉になるのか?とかおもっただろ?」

「な、なぜそれを!」

「大体お前の顔見てればわかるっての!」

 

そう言いながら俺の頭に軽くチョップを食らわす修司。

 

「本人の前でそれ言うなよ?結構気にしてる見たいだからさ。」

「さすがに俺もそこまで人でなしじゃねーよ。」

「んま、そーだわな。さっさと学校いこーぜ?遅刻しちまうし。」

 

腕時計を見てみるともう8時を過ぎていた。でもここから学校まではそんなに遠くは無いのでまだ余裕がある。

 

「そーだな、んじゃいくか。」

 

そう言って俺は背伸びをしてから修司と共に学校へ向かうのであった。

 

 

 




これは作者の妄想です。可愛い妹っていいよね。

評価、感想などしていただければ嬉しいです。


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昼休みサバイバル。

 

 

 

 

あれから修司と俺は少し余裕を持って登校した。自分の教室にはいり自分の席に座った俺は少し違和感を感じた。

 

(……あれ?何かクラスの男子に睨まれてる気がする。)

 

気のせいでしょうか?先程から男子達の目線が凄いです、それはもう目線だけで人を殺せるほどに。

 

「おい、お前なんかしたのか?」

 

荷物を自分の席に置いた修司は俺にそう言ってきた。

 

「いや?特に心当たりはないけど。」

 

俺は睨まれる様なことをした覚えはない!

 

「いや、んな理由あるか。何もねーのにこんなに睨まねって。」

「それもそうだよな。」

 

今日の教室、メチャクチャいずらいんだけど。

 

「何かねーのか?今日変わったこととかよ?」

「んー変わったことっていってもな、妹と一緒に登校したくらいじゃないか?」

 

俺がそう言うと修司はいきなり携帯を見始める、そしてなにかを見つけたのか修司はやれやれ、と言った顔で携帯の画面を俺に見せつける。

 

「理由はこれだな、」

「理由って、ゲッ。」

 

修司の携帯の画面を見るとそこにはSNSのタイムラインに俺が朝可愛い女の子と一緒に登校していた。と言う目撃情報が投稿されていて、その投稿に対しての返信と言うか妬みや憎悪などがこれでもか、と言うほどタイムラインに溢れていた。

 

「可愛い妹を持つ兄は大変だな。」

 

修司か俺を同情するかのような目でみつめる。

 

「そりゃないぜぇ。どうにかなんないかな?」

「どうにかってもこの投稿はお前が美少女と一緒に登校してたって奴だろ?」

「んま、そう書かれているしな。」

「つまり、ここの男子はお前と小麦ちゃんの関係を知らないからこうなってんだろ?」

「なるほど!じゃあ!」

「ああ、小麦ちゃんは俺の妹何だって言えば済む話だろ。」

 

流石は修司だ、頼りになるぜ、んじゃ早速実行しますか。

 

俺は皆の視線が集まるように教卓の前に立ちワンテンポ置いてから言葉を発した。

 

「皆!俺が朝一緒に登校してた美少女ってのは正真正銘血の繋がった俺の妹なんだ!」

 

一瞬教室に静寂が走る。そして男子たちは口を揃えて言葉を紡ぐ、

 

「「「「「「「だからどうした!!!」」」」」」

「いや!まって!これって結構大事なことだよね!?」

 

それからクラスに再び静寂が戻るのは担任の先生が教室に来て怒鳴り散らすまでだった。

 

 

 

×××××××××××××××

 

 

 

「はぁ、」

 

俺はため息を漏らす。その理由は昼休みに売店に行こうとしたら他のクラス達から質問攻めにあっていざそれが終わり売店に行ったらもう既に完売だったからだ。

 

「まぁまぁ、そんなに落ち込むなって。」

 

そう言いながら修司は売店でゲットした胚芽パンを頬張る。

くそ、嫌味か!しかも俺の前で胚芽パンくってんじゃねー!

 

「はぁ、今日は昼飯なしか……。」

 

我慢しようにも俺の体はとても正直で腹の虫の大合唱が始まっている。俺達が今いるのは昼時は人が集まる中庭なので俺の腹の音が周りに聞こえていて恥ずかしい。

すると修司は入口の方に指を指し口を開く

 

「ん?おい胚芽?あれ小麦ちゃんじゃねーか?」

 

修司が指を指した先を見てみると藍色の髪の美少女が中庭の入口からこちらの様子を伺っていた。

うん、あれは絶対に小麦だな。

 

「確かにそうだな、どうしたんだろ?俺ちょっといってくるわ。」

「あぁ、ってまた変な噂がたっても知らんからな?」

 

修司が言った言葉を俺は余り気にしないで中庭の入口にいる我が妹の方へ足を進める。

 

「おーい小麦?何してんだ?」

「あ、ひゃい、って、お兄ちゃんか。」

「なんだ、そのガッカリした感じわよ、俺で悪かったな!」

「もーそんなに怒んないでよ、お兄ちゃんのこと探してたんだから。」

 

なに?小麦が俺の事をさがしてただと?

 

「な、なんのようで探してたんだ?」

「うんとさ、今日私、弁当もって来たんだけどさ、若葉が今日から売店のメニューを全部攻略するって言って結局弁当食べなかったんだ。だから、えと、これ、…………あげる。」

 

その言葉の後にヒョイっと出されたのは可愛らしい袋に入れられた弁当であった。ま、マジか、渡りに船とはこの事だぜ。

 

「ほ、ホントか!実は今日昼飯食べ損ねてやばかったんだよ!有難く貰っとく!」

「う、うん。小麦が作ったやつだから味は保証し無いけどね。」

 

しかも妹の手作り弁当だなんて!お兄ちゃん幸せものだぜ。

 

「そんなんきにしないって!俺は小麦が作ってくれたものは何でも美味しく感じる体質だから!」

「そ、そんな恥ずかしいこといわいでよ。お兄ちゃんってばシスコンだね。」

「ほっとけ!妹を可愛がらない兄などいるわけない!」

「そ、それじゃ!若葉待たせてるから小麦行くね?」

「おう!じゃあな!」

 

俺がそう言うと小麦は足早にどこかに言ってしまった。

フッ、小麦のヤツ照れ屋さんだな。

俺は小麦から貰った弁当を大事に抱きしめながらハイテンションでスキップしながら修司の方に戻っていく。

 

「しゅーじー!妹から弁当貰ったよ!」

「あ、あぁ、そりゃ良かったな、だけどお前なぁ、」

 

そう言うと修司は言葉を濁しながら辺りを見回し始めた。

 

(……殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。)

 

俺も見てみるとそこには異常なめつきをした男子達が俺を殺意のこもった眼差しで見つめていた。

 

「ね、ねぇ、修司?」

「なんだ?胚芽」

「とりあえず中庭からでよっか。」

「それは同感だ、この空気の中飯を食う度胸は俺にはない。」

 

俺と修司は恐る恐る一種の地獄とかした中庭を後にした。

 

 

×××××××××××××××××××

 

 

 

中庭を後にした俺と修司が向かった先は中庭の次に人気があるスポット、屋上だった。あいにく今日は人が少ないようで俺と修司は適当な場所に腰を下ろし昼飯を食べる事にした。

 

「にしても小麦ちゃんが作った弁当か、少し興味あるな。」

「実は俺も小麦の手料理食べるの初めてなんだよな。」

「おお、そりゃあ尚更期待が増すな!早く開けろよ!」

 

修司は早く早くと言って急かしてくる。てかお前は自分の飯を食うことに専念しろよ。

 

「じゃ、じゃああけるぞ。」

「お、おう。」

 

俺は弁当の包を解き恐る恐る蓋をあける。するとそこに広がっていたのは………………

 

「これって手料理と言えるのかな?」

「いーや、これは手料理という名の詐欺が詰め込まれた弁当だ。」

 

…………弁当箱の殆どが冷凍食品の冷凍食品詰め合わせ弁当でした。

 

「いや!まだだ修司弁当箱はまだ後1層のこっている!」

「いやいや、どう考えても白米だろ。」

「嫌だ!俺は絶対に認めん!」

 

俺は半ば投げやりになりながら蓋をあける、

 

「おお、タダの白米じゃないぞ?」

 

蓋をあけてそこに広がっていたのは白米の上に振りかけが掛けられただけの白米だった。

 

「チクショー!!!!」

 

その後屋上で俺は泣きながら弁当を平らげました。

 

尚、屋上でご飯を食べていた女子からは変な目で見られていました。

 

 

×××××××××××××××××

 

 

 

小麦の手作り弁当?を食べ終えて屋上を後にした俺達は次の授業の準備をするために教室へと向かっていた。

 

「はぁ、期待した俺がばかだったぜ。」

 

よく良く考えて見ると家ではゲームばかりやっている少女が手作り弁当などを作れる訳がないと気づいた俺は割とショックを受けている。

 

「そんなに落ち込むなよ。俺の妹も、いや、さすがに弁当を冷凍食品で全部埋めたりはしないがそこまで料理出来る訳じゃないって。」

「それでも、期待が大かった分ショックも大きいよ。」

 

ちなみに修司には小麦が家では引きこもっていることは伝えていない。と言うか伝えられるはずが無い、これは我が家のトップシークレットである。

 

「ま、まぁ、そんなもんだよな。お互い妹を持っているもの通しだその気持ちは少なからずわかる。」

「なんだ?修司も今の俺みたいな経験あるの?」

 

すると修司は苦虫をかみ潰した様な表情で窓の外を見る。

あれ、何か闇が深そうだ。

 

「あの時は本当に酷かったぜ。」

「ごめん、聞かないでおく。」

「あぁ、そうしてくれると助かる。余り思い出したくないからな。」

 

どうやら、冷凍食品よりも酷い弁当だったようだ。

 

「ん?何だか俺達の教室が騒がしいな。」

「確かに何だか騒がしいね?どうしたんだろ?」

 

俺達は騒ぎの原因を突き止めるべく教室へと足を踏み入れた。中に入ってみるとクラスの人たちは俺を見るなり殺意を向けた眼差しで俺を睨見始めた。

あれ?何か嫌な予感が……

どうやらこの騒ぎの原因は1人の女子が俺の机に手紙を置いていった事が原因らしく俺の机を囲むようにして皆群がっていた。

 

佐倉 胚芽、殺意に押しつぶされてしまいそうです。

 

俺が手紙を手に取るとクラスの連中は目線で開けろと訴えかけてくる。何でそんなに興味津々なんだよ!

 

「胚芽、これは開けた方が早いな。」

「そ、そうみたいだね。」

 

俺は恐る恐る手紙を取り出し中身を取り出す。その内容は至ってシンプルで伝えたいことがあるから放課後屋上に来てくださいと言う種のいわゆるラブレターと言うやつだ。

 

「あ、あれ?何だか教室に負のオーラが……」

「胚芽!逃げろ!こいつら嫉妬に狂ってお前を始末する気だ!」

「な、なんでこうなるのぉー!」

 

その後俺は昼休みの終わりを告げる鐘がなるまで校内全体をクラスの男子全員と鬼ごっこする事になったのは言うまでもない。

 

尚、このクラスの男子達全員から逃げる鬼ごっこは学校の伝説になった。




さーて、さすがにヒロイン妹だけではモチベ上がらないので増やします。ちなみにヒロインの詳細は決まっておりません

評価、感想などして頂けるとモチベの上昇に繋がります。


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放課後サバイバル。(妹も一緒)

俺、佐倉 胚芽は現在………………………………………………………………………………………………絶賛逃走中である。

 

事の発端は俺の机に置かれた1通のラブレター。これがモテない非リア男子達の起爆剤となり俺は昼休みに終わったと思われた地獄の校内鬼ごっこを再び体験している。手紙には放課後に屋上で待っていると書かれており今がその放課後である、さてどうしたものか。とりあえず俺は助けを求めるために唯一の親友に電話をかける。頼むでてくれぇ!

 

『大丈夫か!?お前今どこにいる?』

「たすけてくれぇ!」

『と、とりあえず落ち着け!今どこにいるんだ?』

「い、今は一階の音楽室だ!」

『わかった!とりあえずそこに向かうからそれまでまってろ!』

 

そう言うと電話がきれる。頼りになるぜ、修司さん。これ程君を偉大に思ったことは無い!

 

それから二分たった後に修司と俺は無事に合流した。

 

「と、とにかく、状況を整理しよう。お前はラブレターを貰った、内容は放課後屋上に来て、という内容。そしてそれを知ったクラスの男子共の嫉妬が爆発してお前を始末するために絶賛鬼ごっこ中、と言ったところだな。」

「そ、そんな感じだ!」

「よし、これは俺だけでは解決出来ない問題だ。応援を呼ぼう」

「お、応援、だと。」

 

現在俺はクラスの男子から狙われている、その原動力は多分嫉妬。しかし嫉妬しているのはクラスの男子だけではない。この学校のほぼ全ての男子が今は俺の敵だ。奴らは群れを成して襲ってくる、こういう時の団結力だけは誰にも負けないであろう。つまり、応援何て呼べるはずが無い。

 

「修司、それはさすがに無理あるよ、下手にほかの人に喋ってその情報が奴らに伝わったら……。」

「大丈夫だ。俺らには頼りになる女神達がいるだろう?」

 

は!その手があったか!俺と修司は顔を見合わせて同時にスマホを起動し女神達に電話をかける。

 

「「どうしたの?お兄ちゃん?」修兄?」

「「頼む!助けてくれ!」」

 

俺達は女神達に助けて貰うために音楽室に来てもらう様にしてもらった。

 

 

 

×××××××××××××××××

 

 

 

女神達と無事合流出来た俺達は事の発端を詳しく説明した。そして我が妹は何故かご立腹である。

 

「はぁ、お兄ちゃん……………死ねば良いのに」

「酷くないか!?」

「全く修兄も大変だね?」

「そうだろう?」

 

何故だ!何故同じ妹でもこうも対応が違う!昼休みの時はあんなに可愛いかったじゃないか!

 

「………………なんで小麦がお兄ちゃんの告白される手伝いしなきゃいけないんだよ。」

 

「ん?何か言ったか?小麦。」

「何でもない!お兄ちゃん何てクラスの人達に血祭りにされればいいんだ!」

「そんな無慈悲な!」

 

どうやら我が女神、もとい妹は相当ご立腹らしい。何故だ、俺が何をしたって言うんだよ!

 

「頼む!そこを何とか!クラスの連中を少しだけで良いから足止めして欲しいんだ!」

「ふーん、それで?」

「え?それでって、」

「それは分かったけどお兄ちゃんはその、こ、告白の、返事。どうするの?」

 

はて?何で小麦はそんなこと聞くんだろう。そんなに皆俺の恋愛事情に興味があるのか。

 

「んー返事はnoかな?」

 

そう俺が言った瞬間に小麦が胸を撫で下ろした。

 

「そ、そっか……。ヨカッタ」

「ん?何て言ったんだ?」

「な、何でもない!」

 

いきなりどうしたのやら。ん?そう言えばさっきから修司と若葉ちゃんの声が聞こえないな?

俺は不思議に思い修司と若葉ちゃんの方を向く

 

「「……………………。ニヤニヤ」」

 

すると2人は気持ち悪い顔でニヤニヤしていた。

 

「な、なんだよ。」

「いやーちょっと感動したと言うか……ニヤニヤ」

「本当にこむぎんはお兄さんのことが好きなんだね………ニヤニヤ」

 

う、うわぁ、うぜぇ、この兄妹うぜぇー。

 

「べ、別に好きってわけじゃ……」

「え!?お兄ちゃんの事嫌いなのか!」

 

嘘だ!そんな事俺は絶対に認めないぞ!

 

「そ、その話はまた今度!と、とりあえず手伝うって何をすればいいの?」

「もーこむぎんったら照れ屋何だから………ニヤニヤ」

「全くだぜ、小麦ちゃんも素直になればいいのに……ニヤニヤ」

「もう!この兄妹なんなの!」

 

それは俺も同感である。……後で修司を殴っとくか。

 

「あ、わりわり、ついな。んで作戦何だがこの作成の要は…………小麦ちゃんだ」

 

さっきまでのニヤついた顔から一気に真面目顔になった修司はそう言った、切り替えはやすぎだろ。

 

「こ、小麦がですか!?」

「おーこむぎん重役だな!」

「ま、そんなに難しい事じゃないさ。要はクラスの馬鹿どもの注目を集めてくれればいい。」

「注目を集める?どうやってですか?」

 

「…………そりゃもちろんパンツを……」

「だらっしゃー!」

 

馬鹿野郎!俺の妹に何させようとしてやがる!

 

「いってーな。別にパンツぐらい、」

「……ジー」

「い、良いわけないよな!そりゃそうだ!」

「しゅ、修司さんって変態何ですか?」

「修兄最低!死ね!変態!ち〇カス野郎!」

「うるせぇ!誰だって美少女のパンツには興味あんだろうが!」

 

コラ!花のJKがそんな事いっちゃいけません!後修司!確かに美少女のパンツは誰でも興味あるが俺の妹を使うでない!

 

「はぁ、話が進まないから兄妹喧嘩は後にしてくれよ………。」

「お兄ちゃん、小麦帰って良いかな?早く帰ってゲームやりたいんだけど……。」

「俺も帰って早く寝たいよ。」

 

それから二分位はずっと言い争っていた大麦兄妹でした。てか小麦の本音ダダ漏れ過ぎる。

 

 

〜~〜しばらくお待ち下さい〜~〜

 

 

「修兄、家に帰ったら覚えておいてね。」

「肝に命じておきます」

 

結局若葉ちゃんにズタボロにされた修司お兄ちゃん、やっぱりお兄ちゃんってのは妹には勝てないんだな、うんうん。

 

「それで?結局どうすんだよ修司。」

「出来ればやりたくないが、仕方ない俺が囮になる。」

「了解。」

「早いなおい!」

 

だってさ?ねぇ?

 

「んでどういう風に囮になるんだ?」

「んむ、それはだな……」

 

修司の言う囮作戦とは要は修司が俺に変装して小麦と一緒に歩いてクラスの男子達を騙す、と言った実に簡単なものだった。んー本当に上手くいくのかな?

 

「こ、小麦は修司さんと一緒に歩くだけでいいんですよね?」

「あぁ、今回だけの仮お兄ちゃんだ、任せておけ。」

「「…………ジー。」」

「何もしねーから!」

 

随分と時間を取られたがようやく俺達は音楽室を出て作戦を実行する事にした。

 

 

 

×××××××××××××××

 

 

 

 

「おい、本当に上手くいくの?」

「任せておけって。演劇部からカツラと小型無線機を拝借して来たからバッチリだ!」

「修兄、こむぎんに変な事したら埋めるからね。」

「恐ろしいこと言うな!」

「修司、小麦に変な事したら若葉ちゃんにエロ本の隠し場所を教える。」

「それだけはやめてくれ!?」

「ふーん、こむぎんのお兄さん!後でちょっとお話、いいですか?」

「おうよ、任せておけ。」

「二人揃って俺をどうしたいんだ!」

 

ん?勿論苦痛を味わって欲しいだけさ!

 

「あ、あのーそろそろ。」

「あ、すまない、小麦ちゃん、作戦通り頼んだぞ。」

「わ、分かりました。」

「ねー修兄?ところで若葉は何をすればいいの?」

「えと、そう!お前は遊撃手だ!」

「ゆーげきしゅ?何それ?」

「はぁ、もう適当にしろ。」

 

なかなか修司も苦労してるみたいだな。

 

「じゃあここからは別行動だ。………………全員、生きて帰れ。」

 

修司のそのテンションはなんなの。しかもちゃっかり小麦も目がキラキラしてるし。

 

「胚芽、とりあえずクラスの奴らが俺たちに気づいたら若葉がお前に伝える、それまでお前は待機だ。」

「アイアイサー。」

「小麦ちゃんも演技よろしくたのんだよ?」

「ラジャー!」

「お、おう。」

 

小麦よ、段々キャラの皮が剥がれてきてるぞ……。

 

「んで若葉は伝言役、頼んだぞ?」

「合点承知の助!」

「はぁ。」

 

若葉ちゃんは………………いつも通りか。

 

こうして俺達の、放課後だよ?屋上に行こう、作戦が始まる。

 

本当に大丈夫かな?

 

 




何かこういうドタバタした青春送ってみたいですね。結局新ヒロインは出せずじまい、次こそは出せたらいいですね?(疑問形)


評価と感想は大好物です。どんどん下さい、厳しい指摘もありです、


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妹が出来ました。

バイクで転んだ所が非常に痛いです。右手が思うように動かせません。泣きたい、


放課後とは学校の終わった学生達の夢と希望だ。そう、夢と希望出なくてはならないのだ。それなのに今俺は、

 

「……………………ゴクリ。」

 

非常に緊張しながら放課後を過ごしている。

 

 

『あーマイクテス、マイクテス、皆聞こえるか?』

 

右耳から修司の声が聞こえる、と言うのも小型無線機が演劇部にあったらしく人数分拝借したらしい。

てか今更だけど何で演劇部に小型無線機何てあるの?

 

「あぁ、バッチリ聞こえる。」

 

『若葉も聞こえてるよ!』

『こ、小麦も聞こえてます!』

 

『よし、準備は全部整った!さぁ、パーリーの時間だお前ら!』

 

「お、おー。」

『『おー!』』

 

やばい、こいつらのテンションについていけない……。

 

『こちら修司!目的との距離はおよそ60m!小麦大佐!突撃許可を!』

『宜しい、突撃だ!』

 

おいおい小麦大丈夫かよ、ゲームに毒されすぎだぞ。

 

『……あれ?てか無線機あるなら若葉の役割なくない?』

 

俺は聞かないことにした、うんそれが1番いい。

 

ふと廊下を見ると小麦と修司が仲良さそうに歩いている。だがそれは変装を知っている俺だからだ。クラスの奴らには決してバレやしないだろう…………

 

「おい!修司のヤツ俺達の小麦ちゃんと歩いてやがるぞ!」

「「「な、なんだと!!!」」」

 

……と思っていた時期が俺にもありました。

速攻バレてんじゃん!修司のあの自信は何だったの!あと俺達、じゃなくて俺の小麦だから!

 

『悪い!作戦失敗だ!後は何とかしてくれ!』

「そんな無茶苦茶な!」

『お兄ちゃん、後はよろしく。……それと、後でお話聞かせてね?』

「お、おう。」

 

うぅ、何だか寒気が……

 

「いけぇ!お前ら!俺達の小麦ちゃんに手を出す奴は全員敵だ!ぶち殺せ!」

「「「「おおー!」」」」

 

『うわぁ!何でこうな…………ズザザ、』

 

おや?通信が途切れたようだ、しかしナイスだ修司。作戦は失敗したが目標は達成だ!

クラスのヤツらは修司を追いかけてどこかに行ってしまった。んーでも少し悪い気がするから後でジュースでも奢ってやるか。

 

「……そんじゃ行きますか。」

 

俺は誰もいなくなった放課後の静かな廊下を1人でゆっくりと歩き屋上へと向かった。

 

 

 

×××××××××××××××××

 

 

 

「はぁ、この向こうに手紙の差し出し主がいるのか。」

 

俺は今屋上に通じる扉の前に立ち尽くしている。まぁ、要はビビっている。

だってさ!今までこんなことないから緊張するじゃん!するよね?

 

「……おし!」

 

俺は自分の両頬を手のひらで叩いて気合をいれる。いけ!男佐倉 胚芽!お前の気合をみせてやれ!

 

俺は震える両手を抑えながら屋上の扉を開ける。

 

「あ、あのー誰かいます…………か、」

 

俺は一瞬息をすることを忘れた。何故ならそこにいたのは紛うことなき美少女だったからだ。顔はどことなくまだ幼さがあるが、ショートカットの銀色の髪は春の風に吹かれ、より魅力を倍増させていた。そして……デカイ、何がとは言わないが。

 

「あ、随分おそかったですね?待ってましたよ…………お兄様。」

「ご、こめん。クラスの人たちにおいかけられて、ってお兄様!?」

 

待て待て!俺こんな美少女を妹に持った覚えないぞ!あ、いや確かに小麦は美少女だけど。

 

「えーと、もしかして誰かと勘違いしてる?」

「いいえ?私は高校2年で佐倉 小麦を妹に持つ佐倉 胚芽さんに用事があるのです。」

「あ、そか。んで要件って何かな?」

 

あ、何かオチが見えたぞ。これ俺に興味あるとかじゃ無くて、

 

「はい、私小麦ちゃんと姉妹になるのでその報告のためにこんな手紙を出したんです。」

 

俺の妹に近づくために俺に近づいたパターンやないかい!

ってえぇ!姉妹!?

 

「いやいやいや!ちょっと待て!姉妹になるってどういう……」

「あ、ご心配には及びません、もう既に手続きは終わっておりますので。」

 

なんで!なにあのクソ両親!何勝手に書類に判子押しちゃってんの!?てか俺そんな事一言も聞いてないんだけど?

 

「そ、そうはいっても、えと、」

「胡桃です。」

「く、胡桃ちゃんの両親は何て言ってんだよ!」

「胚芽兄様と仲良く出来るなら許すって言ってました。」

 

なんでだよ!俺こんな美少女の両親と接点とか全くないんですけど!

 

「そう言う事なのでお兄様?今日からお世話になります。」

「え?あ、はい。」

 

この真相は後々両親に問い詰めよう。うん、そうしましょう。

 

「ところでお兄様?後ろでなにやらあなたを睨んでる人たちがいますけど、何かしたんですか?」

「え?」

 

俺は胡桃に言われて恐る恐る振り返る。

 

「「「「「佐倉、胚芽、抹殺、する、ベシ。」」」」」

『ズザ、ザ…………胚芽!すまん。そっちに向かわせちまった!』

 

あぁ、今まで楽しかったな。………………恨んでやる、修司。

 

「「「「殺、殺、害、害、抹殺、抹殺。」」」」

「あはは、胡桃ちゃんのお兄ちゃんは今現在持って現世から退場します。」

 

俺は震える目で胡桃ちゃんをみる。

 

「心配しないで下さい、応援は呼んでますよ?」

「え?」

 

胡桃ちゃんがそう言った瞬間屋上の扉が勢いよく開け放たれた。

 

「おらぁ!アンタら修兄の友達に何してくれとんだ!」

 

と、同時に入ってきたのは本作戦でまだ1度も活躍していない少女。

 

「「「「げ!やべぇぞ!アイツうちの学校の裏番、大麦 若葉アネキだ!」」」」

「フルネームで呼ぶな!!」

 

若葉ちゃんが入ってくると今まで平静を失っていたクラスの連中は途端に正気に戻り一目散に逃げてしまった。

若葉ちゃんって謎だな。

 

「クスクス、」

 

それを見て笑っている新しい妹?胡桃ちゃんはもっと謎だ。

 

 

 

××××××××××××

 

 

 

屋上での一幕が終わり本作戦は一応成功?を収めた。ちなみに結局修司はボコボコにされたらしい。哀れなこの後で若葉ちゃんにしごかれるなんて、そんなこんなで俺は今胡桃ちゃんと一緒に帰宅している。

 

「じゃあお兄様、帰りましょうか?」

「あの、帰るってやっぱり俺の家、だよな?」

「勿論ですよ?」

 

胡桃ちゃんは迷いなくそう答える、はぁ、何だか面倒くさくなりそうだな、小麦1人でも手が焼けるのに。

 

「あれ?そう言えば小麦どこいったんだ?」

「確かにそうですね、電話して見ればどうでしょうか、お兄様。」

「あ、う、うん。」

 

お兄様って言い方慣れないな。

そう思いながら俺はスマホを取り出してみるとメールが2件入っていた。一つは差出人小麦で二つ目は修司からだった。

 

「んー小麦は先に帰ってるらしい。」

「はぁ、そうですか。せっかくお姉ちゃんと一緒に帰れると思ったのに。」

「…………。」

 

もう何も言うまい、と心に誓った俺であった。

ちなみに修司からのメールはなにやら意味のわからない内容で今日見たものは忘れろ、と言う1文だけ書かれていた。

 

 

 

××××××××××××××

 

 

 

「ただいまー。」

「お、お邪魔します。」

 

何で胡桃ちゃんが緊張してるんだ。さっきは堂々としてた癖に。

 

「あらぁーおかえりなさい2人とも。と言うかもう胚芽君胡桃ちゃんとあってたのね?」

 

何だか久しぶりに母親の元気な声を聞いた気がする。グス、な、涙何てでてないんからね。

 

「あぁ、ちょっと、たっぷりあってな。」

「あらそぅ、小麦ちゃんなら先に帰ってるわよ、ささ、胡桃ちゃんもあがってあがって!」

「し、失礼します。」

「もう、そんなに緊張しなくていいのよ?今日から胡桃ちゃんは佐倉家の家族なんだから。」

 

何か普通に家族とか言っちゃってるし!もはや聞く気も失せたし!はぁ、小麦に後で話し聞かせてって言われたからいくか。

 

「んじゃ、俺小麦に用事あるから2階上がってるわ。」

「あらそう?夕食の準備出来たら呼ぶから小麦ちゃんと一緒に降りてきてね?」

「んーわかったー。」

「ではお兄様、後で。」

「おーよ。」

 

母さんと胡桃ちゃんと別れて2階へと上がる、はぁ、何か今日はやけに疲れたな。

そんなこんなで小麦の部屋の前。

 

「…………ゴクリ。」

 

何でこんなに緊張してるんだよ。大丈夫だ佐倉 胚芽、俺は何もしてない、あ、いや。新しい妹は連れてきちゃったけど……。

 

「コンコン…………入るぞーってうわ!」

 

小麦の部屋に入ると何故か電気は付けていなくて真っ暗だった。なら俺は何に驚いたかと言うと、それは真っ暗な部屋の中で小麦が部屋の真ん中で仁王立ちしていたからだ。

 

「な、何してるんだ?」

「別に?んで、どうだったの?」

 

何だか真っ暗でよく見えないが小麦から紫色のオーラみたいなのが出てるようにみえるんだが……

 

「あ、いやーそのだな。告白はされなかったんだが……」

「え?そ、そうだったんだ……。」

 

途端に小麦の背後から出ていた紫色のオーラが消える。

 

「だけど、あの、なんと言いますか……。」

「え?告白されてないなら何言われたの?」

「……聞きたいか?」

 

なかなか言い出せないぜ、告白はされてないが代わりに妹が出来たなんて……。

 

「……そんなに言い難い事なの?」

 

はい!再び小麦の背後から紫色のオーラが発生!しかもさっきより何か濃いようなきがするんだけど!?

 

「言い難いって言うか、信じられない話といいますか……」

「早くいって。」

「い、妹が、で、出来ました。」

 

「は?」

 

その瞬間の小麦の顔を俺は忘れることはないであろう。

 

「えーと、そ、そう言うことなんで。」

「いや、ちょっと理解できないんだけど。」

 

そりゃそうだろうよ!俺だって今日知ったし!

 

「そ、それについては同感だ、実は俺も詳しい話は……」

「妹が出来たってそういうキャラの子に好かれたってこと?」

「いや、違うくてだな。その、本当にきっちり書類上この佐倉家の家族になった、らしい。」

「………………。」

 

小麦は口を開かない、俺は冷や汗が止まらない。このお互い沈黙の状況を先に覆したのは何かを思い出したかのような小麦だった。

 

「…………まさか、」

「ん?ど、どうした?」

「その子の名前、もしかして胡桃って子じゃ……」

「あ、あぁ!その通りだ!」

「……この前言ってたこと本当だったんだ。」

「え?何か知ってんのか?」

「いや、別に、とりあえずわかったよ。」

 

そう言うと小麦はお気に入りの椅子に座りヘッドホンを付けゲームをし始めた。なんだよ、めちゃくちゃ気になるじゃねーか。

 

「あ、小麦、もうちょいで夕食出来るらしいから準備しとけよ?」

 

すると小麦は後ろをむいたまま手を上げて返事をした。ちゃんとしてくれよ……

そして俺は妹の部屋を後にした。

 

その後俺は自分の部屋で着替えを済ませて夕食が出来るのをベットの上で本を読みながら待っていることにした。ちなみに読んでいる本はラノベの妹者である。まぁ、話としてはある日主人公に3人の妹が出来て振り回される。と言った話である、てかどことなく今の俺の状況に似てるな。まぁ、3人じゃなくて2人だけどさ。あれ?これフラグじゃね?

 

「そんなまさかな。」

 

そんな事考えていると母親から夕食が出来たとのメールが来たので俺は読んでいた本を閉じて1階に向かうことにした。

 

 

 

×××××××××××××

 

 

 

 

現在佐倉家では夕食を食べている。メンバーは母、父、小麦、俺、そして、胡桃ちゃんである。母と父は何故か俺と胡桃ちゃんを見てはニヤニヤしている、そしてそれを見た小麦は少し不機嫌である。何だか居心地悪いな。

 

「ゴホン、えー今日から新しい家族の1員の佐倉 胡桃ちゃんだ。胚芽と小麦も仲良くしてやってくれ。」

 

珍しく寡黙な父が口を開く、小麦はまだ不機嫌だ。ちなみに今日の夕食はハンバーグでナイフとフォークが置いてある。

 

「今日からお世話になります、佐倉 胡桃です。皆さん仲良くしてくれると嬉しいです。」

「あ、ちなみに胡桃ちゃんの部屋はまだ片付けてないから少しの間胚芽君はリビングで寝て頂戴ね?」

「りょ、了解」

 

何気この母親酷くないか。いや、別に文句はないけどさ!ないけどさ!

 

「それじゃ食べるとしようか、頂きます。」

「「「「頂きます。」」」」

 

その後我が家の夕食は何事も無くおわ

 

「あ、それと皆に言い忘れてたけど今度また新しい家族が増えるから!」

 

るはずが無かった。

 

「「え、ぇええええぇぇええ!」」

 

俺と小麦は珍しく息ぴったりであった。

 

 




はぁ、妹が欲しい。


評価、感想など貰えると怪我の治りが早まるかもしれません。


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新しい家族。

だいぶ右手が動くようになったのでリハビリも兼ねてぱぱっと書きました。読みにくいかもです。


新しい家族が増える。俺はその言葉にとても動揺していた。タダでさえ胡桃ちゃんと言う新しい家族が増えまたこれ以上増えるのかと思うと少し億劫だ。まぁ、少しだけどんな人かは気になるが。

 

「はぁ、あの両親なにがしたいのやら。」

 

俺は湯船に溜まったお湯を手のひらですくい顔をジャブジャブと洗って考えることを放棄した。

 

「とりあえず今の問題から解決していくか。」

 

 

 

 

×××××××××××

 

 

 

 

 

「おーい小麦、風呂空いたぞー。」

「んー後で入るー。」

 

俺が風呂から上がると小麦は珍しくリビングにいて携帯ゲーム機で遊んでいた。

って部屋から出てもやることは一緒なのかよ。

 

「あの、では私が先に入ってもいいでしょうか?」

「あ、あぁ、それじゃ先に胡桃ちゃんどうぞ。」

「すいません。お姉ちゃん、先に入りますね?」

「お、お姉ちゃんって呼ぶな!」

 

小麦の言葉を胡桃ちゃんは気にしないで風呂場に向かう。

何かこうして見ると小麦と胡桃ちゃん本当の姉妹みたいだな、いや、姉妹になったんだけどさ。

 

「ぐぬぬぬぬぬぬ……。」

 

尚、等の小麦はまるで威嚇している犬の様な表情で風呂場に続く扉を睨んでいた。うむうむ、その表情も可愛いぞ小麦。

 

「てか何でお前は今日自分の部屋じゃ無くてリビングにいるんだ?」

「い、いちゃだめなの?」

「いや、別にダメとは言ってないけど、」

「ふん!ばーかばーか!」

 

何なんだ?コイツ胡桃ちゃん家に来てからなんか変だぞ?

 

「よいしょっと。」

 

俺は小麦の座っているソファーの隣に腰掛ける。

 

「な、何で隣に座るのさ!」

「別にいいじゃん、たまに小麦を可愛がってあげようとおもってな。」

「そ、そんなこと別にたのんで、うにゃー。」

「うんうん、よしよし。」

 

俺は小麦を撫でてやる。と言うのも小麦は幼い頃から頭を撫でられるのが好きなのだ。どんなに怒っていてもこれをやるだけで小麦は機嫌が治る。

 

「や、やめてよ!もう子供じゃないんだから!」

「俺にとっちゃまだまだ可愛い子供だ!」

 

それから胡桃ちゃんがお風呂から上がるまで俺の小麦を撫で撫でするのは続いた。

 

 

「お風呂上がりました、って、何でお姉ちゃんがこんな猫のように脱力してるんですか?」

「あ、いや色々あってな。小麦風呂空いたぞ?」

「ふにゃーい」

 

やばいやりすぎたな。久しぶりに小麦を撫でたら楽しすぎて歯止めが聞かなくなったぜ。

 

「お兄様、何だか変態っぽいですね。」

「妹を愛でないお兄ちゃんなどいるはずが無い!」

 

小麦はフラフラな足取りで風呂場に入っていった。

 

「……何だか妬けますね。」

「ん?なんて?」

「いいえ、何でもありませんよ。」

 

そう言うと胡桃ちゃんはさっきまで小麦が座っていた所に座った。すなわち俺の隣に。

 

「隣失礼します。」

「お、おう。」

 

胡桃は湯上りと薄いパジャマという事もありとても色っぽい。

この子本当に小麦と同い年か?なんというかヤバすぎる。

 

「あ、お兄様、もし宜しかったら私も撫でて貰えませんか?」

「え?お、おらがですか?」

「なんで一人称がおらになってるんですか……。」

「あ、いやそのだな。だって胡桃ちゃんは小麦と近づきたくてこんなことしたんだろ?なのに俺が胡桃ちゃんを撫でるってのは……」

「い、嫌なんですか?私を撫でるのは……」

 

胡桃ちゃんは泣きそうな顔をし上目遣いで俺を見つめてくる。

うっ、その顔反則だろ。

 

「い、嫌じゃない。むしろ撫でたい。」

「で、ではどうぞ。」

 

胡桃ちゃんは俺の肩に頭を乗せ早く撫でるように促す。

ち、近い!これ俺の理性は持つのか!?

 

「し、失礼します!」

 

俺は恐る恐る胡桃ちゃんの頭に手を乗せ撫で撫でをする、

 

「…………。」

 

俺が撫でている間胡桃ちゃんは終始無言。あれ?気に食わなかったかな?

 

「あ、あの、嫌なら止めるけど……」

「続けてください。」

「え?あ、いやその。」

「続けてください。」

「あ、はい。」

 

何だろ、嬉しいのかな?胡桃ちゃんって何考えてるか分からんし、まるで本当に猫だな。

ソファーに座って俺が胡桃ちゃんに頭を撫で撫でしている図。しかもかなりの密着度でこれは何も知らない人から見たらまさにカップルに見えるだろう。まぁ、実際は妹なんだけど。

 

「もう大丈夫ですよ、お兄様。」

「あ、そうか。どうだったかな?俺の撫で撫では。」

「んーそうですね、30点と言ったところでしょうか?」

 

なかなか厳しい判定ですね。俺撫で撫で歴15年よ?いや、小麦にしかしてないんだけどさ。

 

「き、きびしいね。」

「まぁ、そんな所でしょう。でもなかなか気持ちのいいものですね。機会があればまたお願いしたい程に。」

「ま、まぁ、機会があればね!あ、そうだ、コーヒー飲む?」

「すいませんお兄様、では頂きます。」

「ん、了解。」

 

俺はコーヒーを入れるためキッチンに向かう。そしてマグカップを二つ取り出して袋からコーヒーを二つ取り出す。ちなみに我が家ではドリップコーヒーが主流だ。と言ってもコーヒーを飲むのはほとんど俺なので結局は俺の好みであるが……。そしてヤカンに水を入れて沸騰するのを待つ。俺はふとリビングにいる胡桃ちゃんに目をやるとさっき俺が撫で撫でしていた所を触って下を向いていた。あれ、やっぱり気に食わなかったのかな?

 

「と言うか明日は土曜日か、忙しくて忘れてたな。」

 

俺は掛けられていたカレンダーに目をやり明日の予定をどうするか悩む。そうしていると火に掛けておいた水が沸騰しているみたいなので俺は火を止めマグカップ二つにドリップコーヒーのセットをセットしゆっくりとヤカンのお湯をマグカップに注ぐ。

んーなんとも言えないこのコーヒーの香りがたまんないぜ。

俺は出来上がったコーヒーをリビングで待つ胡桃ちゃんに持っていく。

 

「はい、お待たせ。」

「あ、ありがとうございます。」

「いえいえ、熱いから気をつけてね?」

「アツッ、」

 

言わんこっちゃない。そりゃ出来立てのコーヒーは熱いに決まってるんだが。胡桃ちゃん案外おっちょこちょいなのかな?

 

「す、すいません。私猫舌なので。」

「あ、そうなんだ。なら言ってくれれば良かったのに。」

「いえ、わざわざお兄様が入れてくださるのにそんな事言えません。」

 

胡桃ちゃんまだ気を使ってるみたいだな。まぁ、仕方ないか。今日来たばかりだもんな。

 

「そんなに気を使わなくてもいいんだよ?」

「え?」

「だって胡桃ちゃんはもう俺達の家族なんだから。」

「は、はわわわわぁ……。」

「だから一応俺も、お兄ちゃん?なんだから胡桃ちゃんももっと俺に甘えてくれてもいいんだよ?」

「…………プシュー」

 

あれ?いきなり胡桃ちゃんの顔が赤くなったぞ?どうしたんだろ。もしかして、熱!?

 

「だ、大丈夫胡桃ちゃん!顔が赤いよ?もしかして熱あるんじゃ!」

「あ、い、いえ!問題にゃい、です!」

「口が回らないほど熱あるのか!ちょっとおでこ出してみろ!」

 

俺は胡桃ちゃんの前髪を上げて自分のおでこを胡桃ちゃんのおでこに合わせ熱を確かめる。

 

「は、はわわわわぁ…………プシュー」

「な!もっと熱上がったぞ!大丈夫か!」

「だ、大丈夫ですから、あの、少し離れて貰えると……」

 

胡桃ちゃんに言われて初めて気づく。

 

「あ、あ!ご、ごめん!気づかなくて!」

「い、いえ!私も、少し悪いので。」

 

すると胡桃ちゃんは顔を赤くして顔を背けてしまった。あーやばい。怒らせちゃったかな?

 

「わ、私もう寝ますね!」

「お、おう!それがいい!明日は休日だからゆっくり休めよ!」

「は、はい!おやすみなさい!お兄様。」

 

そうして胡桃ちゃんはリビングからでて2階の寝室へと上がって言った。

 

「ふ、ふぅー。何だか俺まで顔赤いきがする…………」

 

あれ?何だかいきなり部屋が暗くなったような……。

 

「……お兄ちゃん。」

 

な、何故だろう、愛くるしい妹の声のはずなのに体の震えがとまらん。

俺は恐る恐る声のした方へ振り返る。

 

「な、なにかな?ひぃ!」

 

そこに立っていたのは佐倉 小麦という名の鬼であった。

 

 

 

×××××××××××××××××

 

 

 

「お兄ちゃんってやっぱり変態なんだね。」

「ご、ごめんなさい。」

 

あの後俺は小麦にめっちゃ謝った、と言うか現在進行形で土下座してる。ね、熱測ろうとしただけじゃないか!小麦にも小さい頃やったし!

 

「お兄ちゃん、年頃の女の子におでこくっつけるなんて犯罪だよ?…………私ならともかく。」

「さ、最後何て言ったんだ?」

「う、うるさい!とにかく、ちゃんと反省してる?」

「し、してます。めちゃくちゃしてます。」

「じゃ、じゃあ反省の代わりにあ、明日、ちょっと付き合って。」

 

俺が顔を上げると頬を少し染め恥ずかしそうに言う小麦がいた。

そうだ。これこそが俺の小麦!さっきの悪魔は小麦な理由ないじゃないか!全く笑わせてくれるぜ!

 

「あー明日はちょっと家でダラダラしたい……」

「あ?」

「……何て思ってません、予定ゼロです。」

「うん!よろしい!じゃあ明日朝の四時起きね!」

「な、何でそんな早いの!?」

「明日は小麦がやりたいゲームの発売日なの!だから一緒にいこ?」

 

どうやら休日に休めると思った俺は間違っていたらしい。

 

「返事は?」

「は、はい。」

 

仕方ない、明日は可愛い妹に付き合ってやるとしよう。てかせめて五時起きにしてくれないかな……。

 

「あ、お兄ちゃん今せめて五時起きにしてくれないかな?って思った?」

「ま、全くそんな事おもってましぇん!」

 

やっぱり俺は妹に弱い。

 

 

 

 




はぁ、ちなみに筆者の住んでいる所では桜が満開です。今頃カップル達はデートでもしてるんでしょうか?けっ、強風で花びらが散れば良いのに。(非リアの妬み)


評価、感想してくれたらリア充たちが爆発するかも知れません。


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妹達とゲーム。前編

何か長くなりそうだったんで一旦切りました。


~~~とあるゲーム屋の前~~~

 

 

「なぁ、新しいゲームの発売日ってこんなに並ぶもんなのか?」

「勿論!しかも待望の俺エロシリーズなら尚更だよ!」

 

今俺はゲーム屋の前に出来ている長蛇の列に妹の小麦と並んでいる。と言うのも昨日の夜色々あって今日妹の買い物につきあっているのだ。ちなみに現時刻4時半、眠過ぎて倒れてしまいそうだ。何で小麦はこんなに元気なんだ。

 

「そのシリーズが何なのかは知らんが皆来るの早すぎないか?」

「そりゃそうだよ!皆この日を待っていたんだから!」

「スゲー熱意だな、その熱意を他のことに回せよ……。」

 

ちなみにさっき小麦に聞いたのだが俺エロというのは「俺の妹がこんなにエロいはずが無い。」の略でゲーマーの中では割と有名な作品らしい。てかタイトルからやばい臭いプンプンするんだが……。

 

「家に帰ったら徹夜でやるぞー!」

「ちゃんと飯は食えよ?」

「もー分かってるってば!お兄ちゃん心配しすぎ!」

「うるせ、はぁ、」

 

何故俺がため息を付いたかと言うとこの長蛇の列の長さ故だ。俺達が早朝4時半ぐらいに付いたというのに並んでみると俺達は前から12番目だ、先頭の人何時からならんでんだよ……。

 

「ため息着くと幸せが逃げるよ?」

「大丈夫だ。俺の幸せは小麦がいるだけで成立する、」

「そ、そんな恥ずかしいことこんな所で言わないでよ!」

 

「「「「ジー……」」」」

 

やばい、今度は街中で鬼ごっこが始まりそうだ。

 

 

 

×××××××××××××

 

 

 

 

「やった!案外早めにゲット出来た!」

「よかったな。」

 

それからおよそ4時間待ってようやく小麦のお目当てのものが手に入った。外で何もしないで4時間待つとかただの苦痛だったぜ。

 

「さっさと帰ろー!」

「はぁ、何か時間を無駄に使った気分……。」

「そんな事言わないの!あ、コンビニ寄ってもいい?」

「どーぞ。」

 

そういい小麦はコンビニに入っていく、ちなみに俺は外で待機だ。俺は眠気と疲れを押し出すように背伸びをする。すると何故か視線を感じその視線を感じた方へと目を向ける。

 

「…………なんだあいつ……。」

 

見てみると電信柱の後ろに隠れて俺をチラチラと見ている女の子がいた。赤い髪の毛をツインテールでまとめなかなかの美少女だと思われる。

てか、あれで隠れているつもりなんだろうか……。

 

「お、おーい。なにしてるんだ?」

「うぇ、ひゃ!」

 

あれ?俺なんかした?

俺が声をかけると女の子は驚いたのか逃げてしまった。

 

「一体何だったんだ?」

「ん?どうかしたのお兄ちゃん?」

「あ、そのだな、さっき俺のことをチラチラ見てる人がいたんだよ。」

「んー気のせいじゃない?はやくいこ!」

「お、おう、そうだな。」

 

俺は赤毛のツインテールの少女のことを少し気にしながら家路についた。

ちなみに小麦のコンビニの袋をみると飲み物3本に栄養補助食を3箱ぐらい入っていた。おい、まんま引きこもりの買い物じゃないか……。

 

 

 

 

×××××××××××××××

 

 

 

 

「たっだいまー!」

「ただいまーって今日は母さんも父さんもいないんだったな。」

「あれ?そうだっけ?」

「昨日夕食の時にいってただろ。」

 

ちなみに両親は今日胡桃ちゃんに必要な生活用品を買いに言っている。

 

「あ、おかえりなさいお姉ちゃんとお兄様。」

「ゲッ、みるくかよ。」

「名前逆に読むなよ。ただいま!あれ?胡桃ちゃん買い物について行かなかったの?」

 

胡桃ちゃんに必要なもの買いに行くのに胡桃ちゃん連れていかなくていいのかよ。

 

「はい、必要なものは大体家から運んできて貰ってますから後は細々としたものだけです。」

「あ、そうなのか。なら胡桃ちゃんが家にいるのも納得だ。」

「すいません、私がいると嫌な気分になるかも知れませんが。」

「そ、そんなことないよ!胡桃ちゃんみたいな可愛い妹がいると嫌な気分になんてなるはずないから!」

「そ、そうですか……プシュー」

 

あれ?何か胡桃ちゃんの顔が赤い、もしかして……

 

「あれ?やっぱり風邪?顔赤いけど……」

「は、はわわ!な、なんでもありません!心配しなくて結構ですから!」

 

何でそんなに慌てるんだろ、俺に心配されると不快なのかな?う、自分で言っといて傷つくな。

 

「……お兄ちゃん?」

「な、なんでしょう、小麦さん。」

「……昨日のこと反省してるの?」

「べ、別に今はおでこくっ付けたりしてないだろ!」

「もう!そう言う事じゃないの!」

 

何でこんなに小麦は怒ってるんだ?やっぱり胡桃ちゃんが来てからコイツ何かおかしいな。

 

「クス、ほんとにお兄様とお姉ちゃんは仲いいんですね?」

「あぁ!勿論だとも!」

「お、お姉ちゃんって言うな!」

 

その後も少しだけこの騒ぎは続いた。

 

 

 

×××××××××××××××××

 

 

 

 

「…………。」

 

現在俺は自分の部屋にいる。と言ってもここはまだ胡桃ちゃんが新しい部屋の代わりに使っている部屋なのだが。ちなみにメンバーは俺、小麦、胡桃ちゃん。あれ?何でこうなった?

 

「お兄ちゃん!さっさとゲームやろ!」

「何で俺も一緒なの……。」

「別にいいじゃないですかお兄様、たまにはゲームもいいかもですよ?」

「な、なんでみるくがそれを言うのよ!」

「だから、名前逆にするなって。」

 

何故こうなったのかと言うとあの後俺がリビングでくつろいでいると小麦がいきなりリビングに入ってきて今朝買ったゲームを一緒にやろう!と言ってきたのだ。俺は渋々了解し小麦の部屋にはいり、ゲームを起動するとどうやら本体が壊れているらしく本体がディスク読み込まない。

そこでどこから現れたのか胡桃ちゃんが登場して何故か持っている本体でみんなでやろう!と提案、そして、今に至るのだ。

 

「と、とりあえずスタートするわよ!」

「はい、お姉ちゃん。」

「だから、お姉ちゃんってよぶなー!」

「……もう早くしてくれ。」

 

朝早く起きてゲームを買いに行き、帰ってきたら妹たちとゲームをプレイするとか、折角の俺の休日やすめねーじゃねーか。

 

「よし、やるわよ!」

 

小麦が本体にディスクを入れボタンを押すと華やかしい音楽と共にオープニングが流れる。ふーん、なかなか凝ってるんだな。

 

「うわぁー!すごい!素晴らしいわ!このグラフィック!前回よりも全然バージョンアップされてる!」

「こういうのは初めてですがなかなか面白そうですね。」

 

2人は画面を食い入るように見て目をキラキラさせている。うんうん、こうしているとただの可愛い妹なんだがな。てかオープニングで感動しすぎだろ!早くしろよ!

 

 

しばらくするとオープニングが終わったのかスタート画面になる。スタート画面には「俺の妹がこんなにエロいはずが無い。」と書かれており小麦は目をキラキラさせ、胡桃ちゃんは若干引いていた。まぁ、それが普通の反応だろうな。

 

「あのな、もしかしてこのゲームって……」

「ん?どしたの?」

「エロゲーって奴か?」

「へ?そうだよ?言ってなかったっけ?」

「お、お姉ちゃんそんなハレンチなものを……」

「お、お前な……」

「う、うるさい!え、エロゲーって言ってもこれは普通よりソフトにした健全なエロゲーなの!」

 

健全なエロゲーって、何か矛盾してないか……。

そんなこんなで俺と胡桃ちゃんは小麦にいい感じに言いくるめられて渋々エロゲーをプレイすることになったんだが……てかよくよく考えたら妹と一緒に妹系のエロゲーやるってなかなかカオスじゃないか?

 

「えと、まずは名前だね、っとこれでいいか。」

「ちょっと待てい!」

「何?お兄ちゃん。」

「何って主人公の名前を俺の名前にするんじゃない!」

 

妹の入力した画面をみるとフルネームで佐倉 胚芽と入力されていた。やめろ!何かリアルだから!顔赤くなっちゃうから!!

 

「もう、うるさいな、んじゃこれでいいや、」

「おいおい、」

「お兄様?この大麦 修司って誰なんですか?」

「俺の友達だ……。」

 

コイツ、まぁまだいいか。でも修司にも妹いるから何かリアルだな、いや、いっか。そういえば修司家に帰ってからどうなったのかな?後で連絡して見るか。

 

「よし!それじゃ今度こそスタート!」

「おー!」

「お、おー」

 

何か胡桃ちゃんまでノリノリなんだが、やっぱり女子のテンションって少しついていけないな。

すると画面から音声が流れる。

 

『俺の名前は大麦 修司!このエロイカ学園に入学した新1年生だ!』

 

おい、エロイカ学園ってネーミングやばいだろ。

 

『これから俺の高校生活が始まるのか!楽しみだ!』

そう言いながらあなたはエロイカ学園の校門を潜る。

 

そこで一旦小麦が一時停止する。

 

「ねぇお兄ちゃん。名前変えていいかな?」

「た、たしかに。」

「2人ともどうしたんですか?」

 

俺と小麦は笑いを堪えるために体を震わせる。なんというか、知り合いをゲームの主人公の名前にするととにかくやばい。

 

 

~~~~~~~~~~~

 

「ハックション!う~風邪か?」

「あれ?修兄バカは風邪ひかないはずなんだけど。」

「う、うるせーわい!」

 

~~~~~~~~~~~

 

 

 

その後俺達は結局主人公の名前を俺の名前にしてからゲームを1から始めることにした。くそ、結局こうなるのかよ。

 

 




妹と妹萌のエロゲーやるってシチュエーション1回経験してみたい。(切実)

評価、感想してくれたら皆さんに可愛い妹ができます(嘘)


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妹達とゲーム。後編

何だか思っていたより短くなりました。いいえ、作者がいいアイディアを思いつかなかったせいです。


 

『俺の名前は佐倉 胚芽!このエロイカ学園に入学した新1年生だ!これから新しい生活が始まるのか!楽しみだな!』

あなたはこの学園の校門を期待に膨らませ校門をくぐった。

 

ポチ!!

 

俺はゲームを一時停止にする。

 

「もうなに?お兄ちゃん。」

「どうかしたんですか?」

「いや、ちょっと気持ち悪くなって来た。」

 

何なんだこの佐倉 胚芽は、こんなの俺じゃねーし!てかこれ妹ものだよね?何で新1年生でストーリーが始まんだよ!

 

「画面酔いしたの?お兄ちゃんって案外弱いんだね。」

「お兄様、気分が悪いなら横になりますか?」

「あ、いや、その気持ち悪いじゃなくてだな……。」

 

生理的に無理っていうかさ!わかるよね?おれだけじゃないよね!?

 

「もう、うるさい!」

 

ポチ

 

こうしてまた地獄の時間がはじまった。……泣きたい。

 

 

『はぁ、家にいる引きこもりの妹達は大丈夫かな?高校も楽しみだけどそれ以上に妹達が心配だ。』

 

ここで選択肢が登場

 

1、『やっぱり妹達が心配だ!一旦家に帰ろう!』

 

2、『いや、アイツらなら大丈夫か。信じて学校に行こう!』

 

3、『んま、どうでもいいや、それより新しい女だぜ!ぶひひ、』

 

おい、1もどうかと思うけど3はもっと酷いな。人格変わりすぎだろ。

 

「どうするんだ?小麦」

「これは勿論1よ!」

「いいえ、ちょっと待って下さい!ここは2にするべきです!」

 

まぁ、そうなるわな。この2人の意見が合うわけ無いし。

 

「いいや!絶対1!」

「いくらお姉ちゃんでもこれは譲れません!2です!」

「はぁ、んじゃ間取って3にする?」

「「絶対だめ!」」

 

そこは息ぴったりだな、てか妹達ってひきこもりの妹複数人いるのか?その家庭結構やばくない?この主人公絶対苦労してるな……。

 

「じゃあここは正々堂々ジャンケンよ!」

「望むところです!」

 

俺は妹達のジャンケンを暖かい目で見守っていた。結局勝ったのは胡桃ちゃんで選択肢は2になった。

 

「ぐぬぬぬぬぬ!」

「ここの選択肢は絶対2で正解です。今帰ったら絶対妹達の引きこもりが悪化しますから!」

 

んま、胡桃ちゃんの言ってる事は正しいかもな。当の小麦はめちゃくちゃ悔しがってるけど。

 

『いや、アイツらなら大丈夫か、信じて学校に行こう!』

こうしてあなたは家で引きこもっている天使達を信じて学校に向かうことを決意した。

 

ここでシーンが切り替わって場所は入学式。

 

『うーやっぱり心配だな俺がこうしているうちにもし家に強盗がはいったらどうしよう。』

 

この主人公心配性過ぎるだろ。どんだけ妹達好きなんだよ。んま、そう言ってる俺も人のこといえないけどさ、でもここまで酷くはないな。

 

「この主人公の心配具合お兄ちゃんに似てる。」

「確かにそう言われればそうですね。」

「嘘つけ!俺はここまで酷くないぞ!」

「「……ジー」」

 

ち、違う!断じて俺はここまで酷くない!酷くない、はず、だよな?

 

『んーやっぱり心配だ!でも今は入学式だし……どうしよ。』

ここでまたもや選択肢。

 

1、『どうしても心配だ!やっぱりうちに戻ろう!』

 

2、『いや、でも俺は信じる!このまま入学式にいよう!』

 

3、『うわぁー入学式だっり!うちに帰ってアニメみてーわ。』

 

どの選択肢も極端すぎだろ。んまやっぱりこの選択肢でも意見は割れるな。

 

「今度こそ1よ!可愛い妹達が待ってるわ!」

「いいえ!今度も2です!本当に妹が大事なら信じて待つことも愛情の一つです!」

「はぁ、もう3でよくね?」

「「絶対だめ!」」

 

デスヨネー、もう選択肢の度にこれだとエンディングまでの道のりが遠いな。結局この選択肢もジャンケンで決め勝ったのは胡桃ちゃんで2を選択することになった。小麦ジャンケン弱すぎだろ。

 

「うがああぁぁああ!」

「ふふん、お姉ちゃんジャンケン弱いんですね?」

「頼むから仲良くプレイしてくれ。」

 

ちなみに選択肢2を押した時何故かその後に本当にこれにしますか?と画面に表示されて、俺は頭に?マークを浮かべた。

 

この時俺達は知らななかった。何故この時もう1度選択の機会が与えられたのかを。この後に待っている壮絶な光景を。

 

『んー入学式も終わったから早くうちに帰ろう!』

 

その後入学式も終わり教室では恒例の連絡先の交換合戦が繰り広げられていた。このイベントって必ずあるよね。でもとりあえず全員と連絡先交換するんだけど後で特に連絡する要件も無くて結局消すんだよ。あれ?これ俺だけかな?

 

するとまたまた選択肢。

 

1、『さぁ早く帰ろう!我が愛しのエンジェルたちが待っている!』

 

2、『いや、先に夕飯の食材買ってからうちに帰るか。』

 

3、『とりあえず可愛い女の子の連絡先だけ聞いてゲーセンにたまろ。』

 

相変わらず3の選択肢のゲスいこと。制作会社どんな気持ちで作ったんだ?病んでるんじゃね?

 

「ここは絶対に1ね。」

 

ふふんという顔の小麦。

 

「いいえ、ここも2です。しっかり家のことをこなしてこそ真のお兄ちゃんです。」

 

当然、という顔の胡桃ちゃん。

 

「もう、だるいから全部3でいいよ……」

 

もはや面倒くさくて考える事を放棄している俺。

 

「「もう黙ってて!」」

 

そして息ぴったりの姉妹。はぁ、もう寝たいんだけど。

結局この選択肢も2を選ぶことになった。

 

『今日の夕飯はカレーでいいかな?妹達は全員カレー好きだし。』

あなたはカレーに使う食材を手に取り悩む

 

ここで選択肢。もうめんどくせぇ!

 

1、『とりあえずニンジン。』

 

2、『とりあえずジャガイモ。』

 

3、『とりあえずビール。』

 

1と2はどっちも入れろ!そして3を考えたやつは死ね!

 

何だかんだで買い物も終わり遂にやって来た帰宅の時。

 

「はぁ、ここまで来るのに時間かかったわ、アンタのせいだからね!」

「何を言いますか。これでこそ真のお兄ちゃんです。私には分かりますこの主人公のお兄ちゃん力は1万です。」

 

胡桃ちゃんはまるで某アニメの戦闘力を測るものの真似をしてそう言う。

 

「はぁ、もういいわ、ここまで来たらもうこっちのものよ!」

「ま、結局私の勝ちはゆるぎませんけどね?」

「う、うるさい!」

「とりあえずはよ進めろ。」

 

そして、シーンは進み場所は家の扉のまえ。

 

『はぁ、何だかんであっという間だったな、早く妹たちに会いたい!』

そう言うとあなたは勢いよく扉をあける。

 

ようやくか、俺はそう思って安心して画面を見つめる。しかし扉を開けそこに待っていたのは…………

 

 

 

…………何故か裸エプロンの3人の妹。

 

「え、ええええええええ!なんで!」

「こ、この展開は斬新だわ!」

「は、はわわわ!は、ハレンチです!」

 

俺は絶叫し、小麦は画面に食い入るように見入っている。そして胡桃ちゃんは顔を両手で隠し顔を背ける。そしてシーンは動き出す、

 

『『『お帰り!お兄ちゃん!』』』

『おう!ただいま!その格好はどうしたんだ?』

 

そこでいきなり画面が暗くなる。ん?どうしたんだ?

 

『お兄ちゃん、何でもっと早く帰ってこなかったの?』

と、一人目の妹。

『お兄ちゃん、私たちのこと嫌いなの?』

と、二人目の妹。

『お兄ちゃん、……………………』

と三人目の妹。あれ?何だか怪しい雰囲気だな。すると画面が明るくなる、そこに広がっていたのは………………包丁片手に今にも襲いかかってきそうな妹三人衆。あれ?このゲーム何かおかしくね?

『『『…………死んで?』』』

 

その後は玄関に何故か落ちてグシャグシャになったトマトと主人公の悲鳴が画面に写っていた。、

 

badend。

 

「「「……………………。」」」

 

俺達3人は終始無言だった。その後皆静かに立ち上がり部屋を出ていったのである。そして部屋を出て一言。

 

「「「…………な、なんでぇええぇぇぇえええええ!」」」

 

この絶叫は隣の家にも聞こえたらしい。ちなみに後でちゃんと謝りました。

こうして俺達のプレイした「俺の妹がこんなにエロいはずが無い。」が終わる。

 

余談だが、後でこの俺エロの攻略サイトを見てみると選択肢で1以外選択し続けると妹達に殺されbadendになる、と書いてあった。なんだこのゲーム。クソすぎるだろ、制作したヤツ出てこい!

 

 

 

 

 

 

 




誰がエロゲーやったらエロいシーンがあるといった!?ま、ただ単純にエロ描写苦手なだけなんですけど。(小言)
この妹達とゲームする話案外楽しいのでまた出そうと思います。

評価、感想をしてくれないと包丁を持った妹が襲ってくるかも……(嘘)


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妹達とゲーム2。前編

結局連続でゲームネタ書きました、でも今回はボードゲームです。


現在俺と小麦と胡桃ちゃんは自宅のリビングにいる、しかし会話は無い。それもそうだろう、あんなクソゲーやった後でハイテンションでいれるわけないです。

 

「「「………………。」」」

 

うわ、めっちゃ気まずい、佐倉家最大の気まずさだよ。心なしか皆顔がひきつってるよ。

 

「……お、おい、とりあえず昼飯にしようか。」

「……お兄ちゃんあんなの見た後にご飯食べる気になるの?」

「……さすがに私も固形物は喉を通らなそうです……。」

 

だ、だよな。確かにそうだ、あんなの見た後で飯食べるとか正気じゃない。俺よ、選択を間違えるな。何かかんがえろ!この気まずさを吹き飛ばす名案を!

俺は無い脳みそをこねくり回して考えた、しかし俺程度の奴にそんな名案考えつくはずもなく俺は天を仰いだ。

 

「お兄ちゃんさっきから何してるの?」

「いや、少し考え事をだな……。」

「お兄様、もしかしてこの気まづい雰囲気を打開する策をお考えですか?」

「な、なぜそれを!?」

 

胡桃ちゃんいらない所でかんがするどすぎるぜぇ……。

 

「お兄様の事なら何でもわかっていますから。」

「ンぐぐぐぐ……。」

得意げに鼻を鳴らす胡桃ちゃん、それをどこか悔しそうな目で睨む小麦。うん、もはや気まづい空気悪化してないか?

 

「そ、そうか、とりあえずその策ってのはどういうやつなんだ?」

「とりあえず昼食を食べてからのお楽しみにしましょう。」

「うげぇ、結局昼食たべるの。 」

「勿論ですよお姉ちゃん!あんなレゴブロック見たいなものだけでは栄養が偏ってしまいますから!」

 

ちなみに胡桃ちゃんが言ったレゴブロックみたいなものと言うのは朝に小麦がコンビニで買ったカロリーゲット、と言うゲーマー御用達の栄養補助食品である。

 

「か、カロゲをバカにするつもり!カロゲは私に夢と希望をくれた最高のご飯なのよ!」

「はいはい、……お兄様?今日のお昼は私が作りますから冷蔵庫のもの勝手に使ってもいいですか?」

「お、おう、勝手に使ってもいいぞ!それにしても胡桃ちゃん料理出来るのか?」

「む、失礼ですねお兄様、私これでも元の家では朝昼晩全部つくってたんですからね?」

「む、無視しないでよ!」

 

マジか胡桃ちゃん料理出来んのか!こりゃどっかの冷凍食品妹と違ってポイント高いぞ!

 

「そりゃ期待できる。んじゃ悪いけど胡桃ちゃん、頼む!」

「はい、任せて下さい!」

「だから無視しないでって!」

 

胡桃ちゃんは期待してくださいと言った感じで胸を張って俺を見る。

むむ、タダでさえでかいのにそんな事したらはち切れるぞ。何がとは言わんがな。

 

「……うぅうぅうううぅぅぅううう!」

 

尚小麦は胸に手を当てて胡桃ちゃんのを恨めしそうに見ていた。

気にするな小麦、お前は小さい訳ではない!胡桃ちゃんがデカすぎるだけなんだ!ほんとに何がとは言わないけど。

 

「……お兄ちゃんのバカ。」

 

 

 

××××××××××××

 

 

 

その後胡桃ちゃんの料理(めちゃくちゃ美味しかった)で満腹になった俺達3人は腹を抱えて椅子に座り込んでいた。

 

「ふーめちゃくちゃ美味しいな。」

「む、悔しいけど美味しいと認めてあげる!」

「お前は何様だ。」

 

ビシ!と強めに小麦の頭を叩く、お前はまず冷凍食品で弁当を埋めることをやめろ!

 

「お2人ともお粗末さまでした。2人に美味しいと言われたら作った甲斐があったものです。」

「いや、マジで美味しかったよ。下手すれば家の母さんより上手いかも。」

「確かにそうかもね。下手すれば、下手すればだけどね!」

「だから何でお前は対抗しようとしてんだよ。」

「黙っててお兄ちゃん!女には譲れないものがあるの!」

 

もう放っておこう、何かめんどくさいし。

 

「あ、所でさっき胡桃ちゃんがいってたやつってなんなんだ?」

 

俺は台所で洗い物をする胡桃ちゃんに話しかける

 

「そう言えばそんなこといってましたね。すっかり忘れてました、テヘ」

 

いやいや、テヘじゃないから。

 

 

それから洗い物を終えた胡桃ちゃんは急ぎ足で2階に上がっていった。んー何を持ってくるつもりなんだ?……変なものじゃないといいけど。

 

「お待たせしました。」

 

すると胡桃ちゃんは小脇に何かを抱えてリビングに入ってきた。

 

「みるく何持ってきたの?」

「お前まだその名前でよんでんだな……」

「はいお姉ちゃん、これは……妹と共に回る人生ゲームです!」

「え?なにそれ、嫌な予感しかしないんですけど。」

「妹と共に回る人生ゲーム、だと……。」

「あら、お兄様このゲームを知ってるんですか?」

「いや、知らん。」

 

すいません言いたかっただけです。反省はしてません。

この後妹たちに白い目で見られたのは言うまでもないだろう。

 

 

 

×××××××××××××

 

 

 

説明しよう!妹と共に回る人生ゲームとは普通の人生ゲームのスタート時主人公1人でスタートからスタート時を主人公と妹に置き換えただけのゲームである。(説明書参考)

 

なんだこれ、クソゲーの匂いがプンプンするんだが……

 

「では始めましょう!」

「ほんとにやるの?」

「勿論ですお姉ちゃん!」

「はぁ、もうお姉ちゃんって呼ぶなって言うのも疲れたよ。」

「ではこむぎんと呼びましょうか?」

「……お姉ちゃんでお願いします。」

 

小麦、胡桃ちゃんに弱いな。

 

「と、とりあえずやろうか、文句つけるのはやってからにしよう。」

「それもそうね、終わったらボロクソに罵倒してあげるから。」

 

あ、もう罵倒するのは決定事項なのね……。

とりあえず妹と共に回る人生ゲームスタート!

 

「んーとルールは普通の人生ゲームとあまり変わんないのよね?」

「はい、とりあえずは普通の人生ゲームだと思ってプレイして見ればいいかと」

「よくこんなの発売されたな……。」

「これは発売されてませんよ?元の両親から貰ったものです。」

 

え、胡桃ちゃんの両親って何やってる人なの。

 

「そ、そっか、じゃあまず俺からスタートで。」

 

そう言って俺はルレーレットを回す。そして止まったのは5の数字、俺は妹を載せた車のコマを5進める。そして止まった先は……

 

「……妹を拾った、妹が1人増える。ってなんだこれ!」

 

妹を拾ったってどういう意味じゃこら!

 

「ふふ、ある意味お兄様らしいですね。」

「お兄ちゃんゲームでも妹増やしたの?変態。」

「別に増やしたくて増やした訳じゃないから!」

「まあまあ、次は私の番ですね。それ、」

 

そう言ってまたルーレットは回り始める、そして止まったのは6の数字、俺よりも一つ上か。

 

「妹が駄々をこねた、1回休み、ですね。」

「もはや、意味が不明だな。」

「もういいからさっさと終わらせよ、えい、」

 

小麦がルーレットを回す、そして止まったのは2の数字、どれどれ内容は……

 

「……妹がゲームにハマって引きこもりになった。2回休み……か。これまんま小麦だな。」

「う、うるさい!」

「これはお姉ちゃんにピッタリなマスですね。」

「どういう意味よ!」

「はいはい、んじゃ次俺な、」

 

止まった数字は5の数字、どれどれ……

 

「財布を忘れた、スタートに戻る、もっと早く気づけよ!」

「もう、おっちょこちょい何ですねお兄様。」

「ばーか!バチが当たったんだよ!」

 

んぐぐ、何だかこのゲームはストレスが貯まるな、ってまた俺か。

俺はまたルーレットを回す、止まった先はまたまた5、って

 

「また妹が増えたじゃねーか!」

「お兄様まだ増やしたりなかったのですか。」

「やっぱりお兄ちゃんは変態だね。」

「誤解だー!」

 

 

 

 

 

 

 




途中経過、胚芽、妹3人、小麦、妹1人(引きこもり中)、胡桃、妹1人(駄々こね中)
次回は割と長めに書こうと思ってます。

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