World trigger〜Strawberry grim reaper〜 (鵺鵠とも)
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設定
〜キャラ設定〜
名前:黒崎 一護
年齢:18歳
所属チーム:なし
ポジション:アタッカー
メイントリガー
弧月・旋空・バッグワーム・シールド
サブトリガー
スコーピオン・アステロイド・SECRET・SECRET
パラメーター
攻撃:18
防御・援護:7
機動:11
技術:8
射程:2
指揮:1
特殊戦術:2
トリオン:48
TOTAL:97
〜簡単な概要〜
浦原喜助により拉致られ、連行される途中でボーダーの簡単な説明を受けて、ボーダー入隊試験に放り込まれる。戦闘訓練でいきなり目立ち、緑川、黒江、木虎、村上のとよくソロランク戦を行った。その当時の1人1人の平均は、緑川、黒江、木虎の3人は10:0。村上は、8:2。最高で7:3。
B級に上がった現在では初期の4人に加え、米屋がランク戦に挑むようになった。米屋は、最初の10本勝負で7:3を出して以来、最高でも9:1止まりになってしまった。
いづれ近いうちにアタッカーランキングの上位組がやってくる…。
今、住んでいるところは玉狛支部。一護と同じく住み込みの林藤支部長、陽太郎、迅、レイジさんとはそれなりに仲良くやっている。林藤支部長とは色々な話を、陽太郎とは遊んだり、雷神丸を連れて散歩を、レイジさんとは筋トレしたり、ご飯を作ったり、食べに行ったりしている。迅とは……特に何にもない。たまに暗躍を手伝わされたり?
たまに泊まり込む宇佐美と小南とは上とほぼ同様。ただ、この2人はまだ描写されていないが、時々、買い物に一護を連行したりする。
残った鳥丸は、最近、鳥丸の妹弟の世話をしに家まで遊びに行っている。妹弟たちからの懐かれ度はすでにMAX状態。
トリガーのセットの時、シールドは必須だと言われたはずなのだが、「どうせ使わねぇしいらねぇよ」と言ったため1つだけ外して別のトリガーを加えた。(メインの方のシールドは宇佐美に強制的にそのままにされた。)
戦い方は死神の時とあまり変わらず、素早い動きと数々の戦いで身につけた刀さばきで相手を圧倒していくスタイル。※ちなみに、千年血戦篇は終わっているため完現術を会得するために鍛え上げた身体は今なお健在。そのためトリガーを使った時の身体能力はチート並。
〜今まで出会ったキャラの一護の印象を質問(女子)〜
小南:え?いちご?まぁまぁ良いんじゃない?とりまるみたいに嘘つかないし、私のワガママになんだかんだ付き合ってくれるし、優しいわね。…はぁ?!べ、別に好意なんてないわよ!ただちょっと気になるだけよ…///
宇佐美:えー?一護くんをどう思うかって?すごくやさしーよ?なんだかんだ面倒見イイしねー。あ、あと、寝顔が可愛い…!( ồωồ)و グッ!
木虎:黒崎先輩ですか?見た目に反して優しい方ですね。稽古つけて下さいと頼んだら快く引き受けてくれますし、終わった後にいらないと断ってはいるのですがいつも飲み物を奢ってもらいます…。本当にありがとうございます。…烏丸先輩と比べたら?…そんなの比べられませんよ!!
黒江:一護先輩は、私の憧れであり目標です。あれほどカッコよくて優しい人を私は知りません。一護先輩を好きかどうかですか?もちろん好きですよ。
加古さん:一護くんねぇ…。見た目も性格もボーダーの中じゃトップクラスよね。それに化け物じみた強さも持ってるときたわ。イニシャルにKついてるからうちの隊に欲しいんだけど毎回断られちゃうのよね…どうしようかしら。
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本編
黒崎一護 ①
お久しぶりの方はお久しぶりです。
初めましての方は初めまして。
いつまで続くか分からないものをまた書き始めてしまいました。
よろしくお願いします!
「ボーダー本部長 忍田 真史だ。君たちの入隊を歓迎する───。」
くっそ…!あのゲタ帽子め…深い説明もなくこんな訳の分からねぇ所に連れてきやがって…!次会ったらぶん殴ってやる!ついでにあの自称実力派エリートもぶん殴ってやる。
漂うオーラだけでキレていることが分かるオレンジ色の髪をした青年、黒崎一護。周りの人間がそれに気づき、ビビっていることに彼は全く気が付かない。
そんなことはまぁお構い無しにボーダーの入隊試験は進んでいく。
「改めて
嵐山による説明を一応聞き、最初の訓練である仮想戦闘ができる部屋へ移動する。訓練用のネイバーとやらを倒すという単純なものであった。
浦原さんに軽く資料を見せてもらった時も思ったけど、このネイバーをもっと可愛げのある感じにしたら兎みてぇでルキアが喜びそうなのにな。
と、どうでもいい事を考えていると既に何人か戦闘訓練が終わっていた。
『2号室 終了 記録11秒』
おぉ?あのちっこいツインテールのやつが11秒か。結構速い方なんじゃねぇのか?よく知らねぇけど。
それから、9秒、4秒、と速いタイムが出て、遂に一護の順番が回ってきた。
確か浦原さんによると、この弧月ってのが1番人気で使いやすいみたいだな。まぁ俺たち死神からするとそうかもしれねぇな。さて、始めるか…!
『3号室 用意 始め!』
───それはほんの一瞬。一護の手にある弧月が、舞い散る桜の花びらを1枚1枚斬っていくように動いたかと思うと、ネイバーが正面からブツ切りに斬られていた。
『3号室 終了 記録0.8秒』
「うっし…!こんなもんか」
もちろん一護はこのくらいが普通だと思っているが、その他の隊員はみんな、「……は?」と開いた口が塞がらない状態である。そんな中1番最初にその状態から復帰した嵐山が、君は何かやっていたのか?と聞いた。
「そうっすね…やってたって言えばやってたっすね」
と、どこか懐かしむように一護は答えた。
「本当に凄いな…過去最高記録だよ。たぶんA級1位の太刀川さんと遜色ないほどの太刀筋だったよ」
「お、おう…その太刀川さんが誰か分かんねぇけど、褒めてんだよな」
その後も軽く喋って次の訓練に進んでいった。
地形踏破訓練、隠密行動訓練、探知追跡訓練を行い、地形踏破は、1位。隠密行動、探知追跡は、9位だった。死神になっている状態でも隠密は苦手だったし、探知に置いては得意ではなかったため、妥当な順位ではあった。
B級とやらに上がるには4000ポイント集めないといけないとのことで、今はC級ランク戦ロビーにいる。
「ここで戦ってポイントを集めりゃランクが上がっていくのか…。わかりやすくていいな」
すると、後ろから中学生ぐらいの少年がやって来た。
「ねぇ、お兄さんランク戦やろーよ!」
「おういいぜ、丁度俺も誰かとやってみようと思ってたとこなんだよ」
そして2人はブースに入り、お互いを選び光に包まれると目の前には住宅地が広がっていた。
中途半端な終わり方ですがここで切らせていただきます。基本1000文字ちょっとで投稿しようと思っているので。
次回は、中学生ぐらいの少年 VSタンポポ頭の青年
です。
では、また次の話数で。
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黒崎一護 ②
ここからは余談ですが、ラブライブ!サンシャイン!!の声優さんたちのニコ生見てて改めて声優ってスゲェなと思いましたねぇ…。
あ、では、本編どうぞ!
『対戦ステージ「市街地A」C級ランク戦 開始』
選ばれたステージは、市街地A。ランク戦で1番よく使われ、攻撃手、射手にとっては有利で狙撃手には不利なステージとされている。
そんなステージへ光に包まれながら転送された2人。転送先は、周りにビルが建ち並び、歩道橋なども設置されている道路だった。お互いの距離は約15メートル程。
「そうだ、お兄さん名前は?」
「黒崎一護だ。お前は?」
「緑川駿だよ。よろしく」
簡単な挨拶を済ませると緑川はスコーピオンを、一護は弧月を構える。そこには静かで乾いた空気が漂っていた。
その空気の中、先に動き出したのは緑川。左右に動きながら走り出し、スコーピオンを振るう。それを一護は動じることなく後ろに下がりながら軽くいなしていく。
さらに、緑川の攻撃の速度はどんどんと上がっていき、それに比例して一護の反応速度も上がっていっていた。
しかし、枝刃、もぐら爪、今使える技術を使っても1度も攻撃が当てることが出来ないことにイライラして段々と荒っぽい雑な攻撃になっていった。
普段滅多にしない受け太刀をしている一護は、いなす強さを上げ、緑川のバランスをずらして横に一閃───。緑川の上半身と、下半身が綺麗に分かれると再び光に包まれ緊急脱出していった。
『ランク戦 終了 勝者 黒崎一護』
圧倒的な力の差を見せつけられた緑川。そもそもスコーピオンと弧月を同時に振るって同等かそれ以上の剣速というのが既におかしい。そして、一護は本気を出してはいなかった。
「…くそーやっぱり勝てないかー…」
「まだ中学生ぐらいなんだから気にすんな。おめぇはまだ伸びるだろうからな」
そう言うと緑川は一護という新しい目標のように強くなるため、色んなやつとランク戦をしに走って行った。
いやー…アイツまぁまぁ強かったな…。帰るか…。えっと…どこ行きゃいいんだっけな…。確か玉狛支部?だっけか、はぁ…探しに行くか。
* * * * * *
いや、玉狛支部着いたけどよ…本部と違って何ていうかちっさくてボロっちぃな。お、水の上に建ってるじゃねぇか、スゲェな。まぁいいや、さっさ入ってゆっくりするか。
「ちわーす」
扉を開けるとそこには───カピバラとその上に乗っている子供がいた。
「お?しんいりか…」
いやまぁ新入りっちゃ新入りだが、なんだこいつ…カピバラ?それになんだこのガキは。その時、2階からバタバタと足音がしてきて
「え?あれ、もしかして黒崎一護くん?もうそんな時間なの?ちょっと待ってね!」
とメガネを掛けた少女が言い、再びバタバタとどこかの部屋に入っていった。
何だかあの人忙しそうだな…そう感じた今日この頃だった。
よし!やっと書けた…。戦闘描写は本当に難しいですよ…前作のよりはマシだと思いたいです(切実)
次回は、玉狛支部中心のお話ですかね。多分。
では、また次の話数で!
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玉狛支部 ①
書きたいですけどアレですね恋愛模様とか書いてて恥ずかしくなりそうです…。
まぁいずれ書くとして本編どうぞ!
「いやいや、黒崎くんが今日来る事は聞いてたんだけどね〜バタバタしててごめんね?あ、はいどら焼き」
少し広い応接室に案内され目の前の机の上にはどら焼きが置いてある。そう言えば、何でここに行けと言われたんだっけか。詳しくは知らねぇんだよな。
「あ、アタシ宇佐美 栞、16歳よろしくね!」
「おう、よろしくな。ところでよ俺がここに来ることについてなんて言われてたんだ?」
「えっとね〜ここに住み込むって聞いてたよ、黒崎くんのお父さんから」
は?ここに何だって?住み込む?聞いてねぇよ。あんの髭だるまめ…本人の許可もなく勝手に色々しやがって…!この仕事終わったら育美さんの持ってるガムテであの髭全部引っこ抜いてやる…!
「……じゃあ荷物とか持ってこねぇとな」
「あ、荷物はもう部屋に置いてあるよ」
「はぁ?!またあの髭だるまか!あのヤローがやりやがったのか!」
「…う、うん…そうだよ」
唯でさえガラの悪い顔をしている一護が、青筋を浮かび上がらせながら口元がヒクヒク動いている。それはそれはもう完全にブチギレていた。流石に宇佐美も怖かったのか返事に少し詰まってしまった。
「あ、わりィ怖がらせちまったか…」
「い、いや…大丈夫だよ!たぶん…」
初対面でこれはヤバいと深く反省する一護。場の空気もだいぶ悪くなってしまったしどうしようかと考えていると廊下の方からドタバタとひどい足音が近付いてきて、扉を乱暴にぶち開けられた。
「あたしのどら焼きがない!!誰が食べたの!!」
……なんかうるせぇのが来た…。どら焼きっつったら目の前に出されてるこれだよな。
「さてはまたおまえか!?おまえが食べたのか!?」
「むにゃむにゃ……たしかなまんぞく……」
「おまえだな━━━!!?」
カピバラの上で寝ていたガキが逆さに持ち上げられ怒鳴られている。なのにまだ寝ているのか。ガキのくせに神経が図太いな。
「ごめーんこなみ、今お客さんに出しちゃった」
「はぁ!?」
「また買ってくるから〜」
「あたしは今食べたいの!!」
ったく…
「ほら、お前」
「なによ」
「これ食わねぇからやるよ」
そう言ってどら焼きを差し出すと1度一護の顔を見てどら焼きを取って食べた。
「あんふぁ、見かけによらじゅ、いいやちゅじゃないふぉ」
「うるせぇ、それにちゃんと食ってからしゃべろ」
こいつも何だかんだガキみてぇだな。こういうのをなんて言うんだけか…。餌付け?
「…んぐっ、あんた見かけによらずいいやつね」
「もう1回言うんじゃねぇよ」
そんな会話をしていると再び廊下の方から複数の足音が近づいてきて扉が開いた。
「なんだなんだ騒がしいと思ったらまた静かになったぞ」
「それは珍しいっすね」
2人の男が入ってきた。
UA1000突破!嬉しいっすね!
これを書いている途中で超えていたのでスパートがかかりましたね。記念みたいなのをしたいなとは思うんですがこの作品では少し難しいなと思うのでしない予定です。すいません。いずれできたらいいなと思います。
次回は、多分もう少し玉狛の話だと思います!
では、また次の話数で!
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玉狛支部 ②
新たに部屋に入ってきたのは髪がもさもさしている男とガタイのいい男だった。
「あ、ちょうど玉狛第一が揃ったし紹介するね。このすぐダマされちゃう子が小南 桐絵 16歳」
「そんなことないわよ!」
「はいはい次、こっちのもさもさした男前が烏丸 京介 15歳」
「もさもさした男前です。よろしくお願いします」
「そしてこっちの落ち着いた筋肉が木崎 レイジ 20歳」
「落ち着いた筋肉……?それ人間か?」
小南より烏丸の方が年上に見えんだけど…精神年齢がそのまま表面に出てんだろうな…なんかギャーギャー言ってるし。スルーされてっけど。木崎さんは、チャド見てぇな人だな見た目ゴツいし、優しそうな人だし。色は黒くねぇけど。
「じゃあ次は黒崎くん、自己紹介お願い!」
「おう、黒崎 一護 18歳。なんか今日からここに住み込むことになったからよろしくな」
「よろしく」
「宜しくお願いします」
「はぁ!?住み込むってなんなのよ!」
「まぁまぁこなみ、落ち着いて」
おーおー、小南は俺が住み込むことに反対らしいな。俺も賛成したつもりはねぇけど。
「ここに来るってことは強いんでしょうね!うちの支部に弱いやつはいらないんだけど」
「あ?」
なんだこいつ相当自分に自信があるみてぇだな。でもまぁ迅が玉狛支部は少数精鋭でなんたらかんたらって言ってたから本当のことなんだろう。しかも遠まわしに強けりゃ住み込んでもいいって言ってるしよ…。
「えっとね…黒崎くんは最初の仮想戦闘訓練で0.8秒をたたき出してるよ」
「はぁ!?訓練用トリガーで0.8秒?!こいつバケモンじゃないの!あんたの使ってるトリガーは?!」
「あ?弧月だけど」
「……バケモンだわ…」
こいつ…ギャーギャー叫んだり、急に真面目になったり、百面相か何かかよ。そんで騙されやすいんだろ?そりゃあみんなダマしていじろうとするわな。
「あんた、あたしと勝負しなさい!10本勝負であたしに勝ち越せたらなんかしてあげるわ」
「ぜってぇしたくねぇ。初めてトリガーってのを使って疲れてんだ。今は勘弁してくれ…あと腹減った」
「そう…」
「まぁここに住むんだ、いつでも勝負は出来るだろ」
「そ、そうね!……あ〜なんだかあたしもお腹空いてきたわ〜」
よし、口車?簡単に乗ったな。てか、飯どうするか…
「じゃあ、黒崎の歓迎を込めて少し贅沢なもんでも作るか」
「お!おむらいすか?かれーか?」
「カレーならあたしが作るわよ!」
「小南先輩、こないだもカレー作って食べたじゃないですか。レパートリー増やしてください」
「なんだとー!!」
なんかまたギャーギャー騒ぎ始めたな…。まぁ空座町にいた時とそこは変わんねぇな。うし、飯食ったら寝て、明日からランク上げにでも行きますか。
ちなみにプチ歓迎会に出てきた木崎さんの飯は、めちゃくちゃ美味かった。
UAがもうすぐで2000にいきそうで、すごく嬉しいです!
あ、あと活動報告のほうにちょっとしたことを書いてあるのでそちらも見てみて下さい。
では、次の話数で!
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宇佐美 栞 ①
玉狛支部でのプチ歓迎会から2日後、一護はポイントが4000を超え、過去最短でB級に上がった。相手は主に緑川、黒江、木虎、時々村上の4人。もちろんその他の隊員ともランク戦はしたが、中心的には上の4人だった。
感想としては、4人ともそこそこ強かった。特に村上は、6本目から勝ちにくくなっていくためかなり手こずった。緑川はすばしっこいし、木虎は賢いのかいろんな策を練ってくるし、黒江に至っては一護の真似をしてきた。
挙げ句の果てに黒江は、一護に弟子入りを希望したが、人を特訓するほど教えるのは上手くないという理由で断った。
そして、今は玉狛支部で、宇佐美のトリガー説明の準備をどら焼きを食べながら待っている。きっとまた小南のなんだろうなと思いながら。
「ごめんね!ちょっと手間取っちゃって!」
「大丈夫だ、気にすんな」
「ありがと!じゃあ早速だけどトリガーの説明をするね」
そう言って宇佐美は持ってきた箱からトリガーホルダーを取り出しその中を見せてきた。
「これがトリガーホルダーの中身だよ」
中にある8つのチップにトリガーをセットして戦うらしい。上のチップ4つが利き手用で、下のチップが反対の手用だと。何でもトリガーは結構種類があるみてぇで、組み合わせ次第で色々できるらしい。複雑なことはあんま分かんねぇけど。
「とりあえず、シールドとバックワームは必須トリガーだからセットしとくね」
「お、おう」
「あ、メイントリガーが弧月なら旋空もセットしなきゃね」
「お、おう?」
…正直、宇佐美が何を言っているのかさっぱりわからん。分かるのは今、弧月、旋空、シールド、バックワームの4つがセットしてあるみてぇだからあとセット出来るのは4つってことぐれぇだな。
「んじゃ、あと‘’3つ‘’適当に選んじゃって!」
「ん?3つ?4つじゃねぇの?」
「えっとね、シールドはメインとサブで2つセットするんだー」
「マジか…てか、シールドとかいるのか?武器で防げねぇのか?」
「弧月、スコーピオン、レイガストは防げるけど、その他はシールドがないと流石にキツイかな」
へぇ〜そんなもんなのか…。まぁいいか、とりあえずあと3つ選ぶか…。
「なぁ、なんかビームみてぇなトリガーってねぇか?」
「あるよ〜黒崎くんならアステロイドか、メテオラだね、威力高めだし」
「1点に集中させたらどっちが威力高ぇの?」
「う〜ん…アステロイドかなぁ〜メテオラも強いけど、広範囲の爆発弾みたいなものだからね〜」
なら、メテオラの方が近いのか?チマチマしたのはめんどくせぇからいいか。ラストは適当に選んでっと…。……うしっ!決まった!後はセットしてもらって、試すだけか…。誰かいたっけか…
……そうだ、小南に相手してもらおう。
サブタイ栞ちゃんだけど実質、トリガー回だった…。
まぁ一護のトリガーセットが決まる回だったから許してもらえると幸いですかね…。それにちゃんとした栞ちゃん回もいつか出るはず!!
とまぁ次は小南との模擬戦ですね!
では、次の話数で!
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小南 桐絵 ①
い、いや、ふ、不定期投稿だし?
こ、こんなもんですよ?
い、今までが早すぎたんデスヨ…
…はい、すいません。遅れました。
次はもうちょい早く出せたらと思い続けます。
では、どうぞ!
なんとかトリガーセットも終わったし、小南への連絡もしてもらったし、なんかすることねぇかなぁ…。
「なぁ宇佐美、なんかすることねぇか?」
「んー…特にないかなぁ〜 あ、こなみ来るまでひまなんでしょ〜」
「んなっ!なんでわかったんだよ…」
「なんとなくだよ〜」
なんとなくというか、完全に顔に出ていたのだ。むしろ分からない方がおかしいし、こちらが分からないと思っているのもおかしいレベルである。
本当にすることがない一護はソファで、うとうとし始め、2分後には寝てしまっていた。
「ありゃありゃ…全く…そんな所で寝たら風邪ひきますよ〜っと」
一護が寝ていることに気が付いて別部屋からブランケットを持ってきて、かけてあげた。
「いつもは眉間に皺が寄ってるのに寝てる時は結構可愛い顔してるなぁ…そうだ、写真取っちゃおっと!」
いずれその写真が一部のボーダー女子内で人気になり、出回っていくことになるとは、もちろん一護は知る由もない。
* * * * *
「ふぁ〜あ……いつの間にか寝てたのか…ん?ブランケット?」
俺が寝てる間に誰かがかけてくれたみてぇだな。まぁ小南と陽太郎以外のヤツらだろうな確実に。あー…まだちょっとねみぃな…てか、今何時だ…よ…。
「あ〜ら、おはよう。い・ち・ご!!」
「……おう。時計見えねぇ。邪魔」
「あ、ごめん…。 じゃないわよ!何時間待たせるのよ!もう2時間以上は待ったんじゃない?!」
見ただけで怒ってるってのがビシビシ伝わんだけどよ、怒り方がガキっぽすぎんだろ。後、怒り顔面白過ぎ。自重しろ。
「わりーわりーオメェが来るまで横になってたらいつの間にか寝てたみてぇだな」
「寝てたみてぇだな…じゃないわよ!」
「てかよ、ここに着いて、俺が寝てんのに気づいた時に起こしたらよかったじゃねぇか。そしたら待たねぇでよかったのによ」
「そ、そんなの…あんたの寝顔が…ゴニョゴニョ…///」
小南は少し顔を赤らめ、俯きながらボソボソと呟く。
なんとも普通の乙女のようである。
「あ?何言ってんだ、はっきり言えよ」
「と、とにかく早く戦いなさいっ!準備はうさみにしてもらったからさっさと来なさいよ!」
ったく、おめぇが来るまで寝てただけなのになんであんなキレてんだよ。はぁ…さっさと終わらせっか。
* * * * *
やっとあいつと戦える!ここらでギャフンと言わせとかないと…!舐められたまんまでいられるか!
トレーニングルームにお互いが入り、戦闘が始まった瞬間───
───あたしの視界がいつもより低い位置に下がっていった。
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小南 桐絵 ②
明日もテストなのに…テス勉しろって話ですよね全く。
パパッと書いたものなので誤字脱字があるかもしれません。もしあればすみません。
では、どうぞ!
…え?なんでこんなに視界が下にあるの?
いや、考えたらわかるけどあまりにも人間離れしすぎてる…。まさか、あたしの”視界にすら入らない”なんて…。
「ちょっ…待ちなさいよ!」
「あ?なんだよ、ちゃんとしてやっただろ?」
「やり直しよ!やり直し!あんなのマグレに決まってるわ!」
「はぁ…めんどくせぇな…ったく、じゃあ構えろ」
なんだかんだ相手をする優しい一護。そして、言われた通り双月を構える素直な小南。
場の空気は渇き、震えているように感じられる。そんな中、先に動き出したのは小南。後手に回っても勝ち目がないと悟ったのか、手数の多さで勝負しようと試みた。
小南の実力はボーダーでもトップクラスであり、アタッカーランキング4位という強者である。その小南による攻撃は、荒々しくも正確な舞のようで圧倒されるものなのだが、相手は一護。ことごとく受け流され、いなされ、弾かれる。
今のまんまじゃこっちが無駄に疲れるだけ…さっさと片付ける!
《コネクターON》
両手にある双月が1つの大きな戦斧となる。
「はぁ!?なんだよそれ!」
「あたしのトリガーに決まってるじゃ…ない!」
「んなもん分かってるつーの!ぐっ…」
双月という名の戦斧を身体全体で横一閃に振り回した。それを一護は弧月で受け止めようとするが、想像以上の威力で、壁際まで吹き飛ばされた。
「…弧月、折れちまったじゃねぇかよ…どうすっかな…」
「それなら新しく作り直せるわよ」
「お?そうなのか…。うおっ、マジだ。んじゃ、仕切り直しといくか」
弧月を新しく作り直し、一護は再び構えをとる。そんな一護から発せられる雰囲気が少し変わったのを感じ取った小南は、再度神経を張り巡らせた。
「いくぜ…」
そしてまた───小南の視界から一護が消えた。
「っ!?」
「…旋空弧月」
突如、小南の真上から放たれた4つの旋空は、一直線に向かっていく。双月でガードしようとしてもあまりにも速すぎる旋空は一撃も止められなかった。
* * * * *
「あんたホントに何者なのよ?多分、太刀川よりも強いわよ」
「あーそれ最初の訓練で嵐山ってのにも言われたぜ。その太刀川ってのはそんなに強ぇのか?」
「一応ボーダーランキング1位よ。まぁあたしの方が強いけどね!」
「いや、おめぇさっき俺に負けたじゃねぇか」
「うっさいわね!次は絶対勝つんだから!また相手しなさいよね!」
「わーたわーた、また今度相手してやっから落ち着け」
ったく…なんでコイツはこんなにガキっぽいだよ…まだ陽太郎の方がマシだわ。でもまぁ退屈はしねぇな。
「ねぇ、一護。お腹空いた。なんか作りなさいよ」
「はぁ?んなもん自分で作れよ。……あ、わりぃなんか適当に作ってくるわ」
「あ、って何よ!どうせカレーしか作れませんよ!フンッ!」
何ともまぁ微笑ましい光景である。
その後一護は、簡単な食べ物を作ってそれを食べた小南は満足そうにしていた。
* * * * *
───それにしても、さっきの模擬戦の時、一護の周りに見えた水色のオーラみたいなのは何だったのかしら…
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黒崎一護 ③
「イッチー先輩!早く戦ってよー!」
「一護先輩、相手してください。」
「お?一護か!ちょうどいいや、バトろうぜ!」
「あ!一護!あんた、なにあたしから逃げてんのよ!早く相手しなさいよ!」
………お前ら、うるせぇ…。ここもあっちも戦闘狂だらけだな…。はぁ…めんどくせぇ。あと、小南うるせぇ。
玉狛帰れ。
「おめぇらうるせぇ、落ち着け」
本部になんとなく遊びに来た一護。するとすぐに、緑川、黒江、米屋、何故か小南、その他大勢がワラワラと湧いてきた。
「イッチー先輩〜取り敢えず俺と戦ってよー」
「いいけどよ、おめぇこれ以上ポイント減っていいのか?」
「今日こそ勝つからいいんだよ!」
「分かった分かった、相手してやっからブース入っとけ。すぐ行くから」
よっしゃー!!と叫びながらブースに入っていく元気な子犬の様な緑川を見ながら暖かい目で見守るギャラリー達という謎の光景がそこにはあった。なんとも不思議な光景である。
はぁ…サクッと終わらせっか。
* * * * *
「うわぁぁぁ!また負けた!」
いつも通りサクッと負けて地団駄を踏む緑川。もう、毎度恒例のことになりつつある。
「…ついでだ、俺の相手したいやつ全員まとめてかかってこい。一気に相手してやる。あ、小南は帰れ。後で相手してやっから」
こうして一護VSボーダー隊員12名の大掛かりな対戦が始まった───。
「え?あれ、あたしは?無視するなぁ!!」
うっせぇ小南。はったおすぞボケ。
* * * * *
「うへぇ〜…一護強過ぎ!俺たち12人を1人で相手取って5分未満で蹴散らすとかマジでやべぇわ」
結果としては一護が圧勝だった。あのA級の米屋でさえ一撃も与えることが出来なかった。幻踊弧月も初見で見切り、周りのシューターが放つバイパーやハウンドも、うまい具合に打ち消したり、もはや人間業ではなかった。きっと人型ネイバーであっても完全に打ち消すことは難しいはず。
「イッチー先輩〜どうやったらそんなに強くなれるの?」
「それは私も知りたいです。教えて下さい」
どうやったら強くなれるか聞いてみる中学生組の緑川と黒江。それに、それな!と便乗する槍バカ。
「うちの木崎さんも言ってたけどよ、まずはトリガー無しで身体鍛えるのがいいんじゃねぇの?技術うんぬんは二の次だろ」
まぁ、俺は大した技術教えられねぇけどな。場数踏んで踏みまくって身に付いたものだし。あ〜でも、身体鍛えるつっても黒江は女子だしな…う~ん…
「っしゃー!よねやん先輩取り敢えずなんか鍛えに行こうよ!」
「オッケ〜。でもよ、具体的に何すんだよ?」
うにゃうにゃ言いながらブースを出ていくバカ2人。なんとも愉快である。それに伴って他のギャラリーもぞろぞろと帰っていく。黒江は再度一護に弟子にして欲しいと頼むが断られ、トボトボと帰っていく。
そんな黒江の悲しそうな後ろ姿を見て、大した事は本当に教えられる気はしないが弟子にしようかと思い始めた。
「ねぇ…あたしは?放ったらかしなの?」
んだよ、まだ居たのかよ小南…。早めに自立しとかねぇとオチ要因にされても俺は知らねぇからな。ったく…
「おい小南、玉狛帰るぞ」
「……うん。」
この時の2人を見たものは口々に仲の良さそうな兄妹の様だったと物語る。
そろそろイチャイチャさせないと…
うっ…頭が…
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那須 玲 ①
Happy Birthdayです!
さぁ、テストも爆死し満身創痍の私めですが、チマチマ頑張って書いていきたいと思います。
では、どうぞ!
あの一護VS12名のボーダー隊員によって行われた模擬戦から3日後。再びふらっと本部に遊びに行った一護。玉狛に居れば小南と烏丸の相手をしたり、木崎にトリガーの実験を手伝ってもらったりと、充実はしているのだが他の人を相手に取るのもいいと林藤さんに言われたためここに来た。
「さすがに今日は、こないだみてぇにやるのはしんどいんだよなぁ…でも、あのバカどもいつもブースにいるらしいしな…」
憂鬱だ…とボヤきながらブースへの通路を歩いていると少し遠くにフラつきながら壁に沿って歩く少女が目にはいった。
あいつすげぇフラフラしながら歩いてっけど大丈夫なのか?…いや、だいぶヤバそうだな。
「おい、あんたフラフラしてっけど大丈夫か?」
あまりにも危なっかしかったため声をかけてみると・・・
「……っ!」
いきなり後ろから声をかけたのがいけなかったのか、その少女は膝から崩れ落ちた。
「おいっ!大丈夫か!」
崩れ落ちる少女を支えるため急いで身体を動かした。
一護自身びっくりするほどの速さがでたが、そのおかげで無事に少女を支えることが出来た。
えっと…この後どうしよ。どっか静かに休めるとこ近くにねぇかな…。ラウンジでもいいが、あそこは人が多いからゆっくりは休めねぇし。しゃーねぇ。玉狛連れてくか。
色々考えた結果、玉狛に連れていくことにした一護は、倒れた少女をおんぶし、揺らさないように連れていった。
────先ほど一護がいた場所には、奪われて使えなくなっていたはずのあの淡い光がチカチカと光っていた。
* * * * *
「…う、うぅん…」
あれ?ここはどこだろう?知らない所だなぁ。あ、そういえばさっき、倒れそうになった時に誰かに支えてもらったような、もらわなかったような…。その人が寝かせてくれたのかしら。あ…くまちゃんに連絡入れとかないと…
「お、起きたか。具合は大丈夫か?」
ドアが開けられ、入ってきたのはオレンジ色の髪をした見た目がヤンキーっぽい男子。でも、影浦くんよりは怖くないかな。だって瞳がとても優しそうだから。
「えぇ、だいぶいいわ。ありがとう」
「そうか、でも、もうちょい寝とけよ。おめぇ見た感じ身体弱そうだから安静にな」
あぁ…やっぱり見た目からもう、身体が弱いのがバレるほどなんだ…。はぁ、トリガーがあればまだ楽なんだけどなぁ…。
トリガーを家に忘れなきゃ良かったなぁ…と少し後悔していると、一護は那須に近づき熱を測るためデコどうしをくっつけた。
「え…///」
「だいぶ熱は下がってきたな。んじゃ、なんか軽く飯作ってくっから横になっとけよ」
そう言って部屋を出た一護だが、今の那須の頭の中は先ほどの熱を測っていた時のことでいっぱいいっぱいだった。
…顔、近かったなぁ。それに、何なのかしらこの胸の鼓動は…。最初に顔を見た時からトクトクなってたけど、近づかれた時、もっと激しくなってた。もしかして、これが───
─── 一目惚れって言うものなのかしら。
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那須 玲 ②
那須が、1人で色々考え事をしているなか、一護は台所でなにを作ろうかと冷蔵庫を開けながら考えていた。
最初は卵がゆでも作ろうかと思っていたが、冷蔵庫の中にピンポイントで卵が無かったし、栄養面を考えて、ポトフを作ろうという結論に至った。
「うっし、パパッと作って持ってくか」
そして一護は冷蔵庫から人参、ジャガイモ、キャベツ、ウインナー、ついでにたまたまあったベーコンを取り出し、慣れた手つきで食べやすい大きさに切って種類ごとにボールに分けた。
続いて鍋を取り出しオリーブオイルを入れ、最初にベーコンを炒め始める。その後、人参とジャガイモを先に入れて、ちょっと炒めてからキャベツを入れた。
火がベーコンや野菜に通ったところで、具材が隠れるぐらいまで水、ローリエを入れて時間短縮のため最初から強火にし、後で中火、弱火に強さを下げる。そして、弱火にしたタイミングで固形のコンソメを入れて煮込んでいく。
そして、完成するちょっと前に残りの食材、ウインナーを入れ、そこからひと煮立ちさせてポトフの完成。食器棚から小さめの皿を取り出し、そこへポトフをつぐ。
よし、結構うまく作れたと思うけど、あいつの口に合うかどうか分かんねぇな…。
その後、使った鍋や包丁、まな板などの道具類をパパッと洗い片付け、ポトフの入った皿をお盆にのせ那須のいる部屋へと持っていく。
部屋の前に着き、中へ入っていく。
「具合大丈夫か?取り敢えずポトフ作ってきたから食えそうなら食えよ。食えそうになかったら残してもいいからな」
ベッドの近くの小さめの机の上にお盆を置いて部屋を出ようとする一護。
また1人になるのが嫌だったのか、那須は顔を少し赤らめながらジャスタウェイ(爆弾)発言を投下した。
「あ、あの…出来ればでいいんですけど、た、食べさせてください…///」
「……は?!お前、自分が何言ってんのかわかってんのか?」
「え…だめ、ですか?」
少し瞳をうるわせて上目遣いでお願いをする那須。初めて上目遣いというのをやってみたが、なんてあざとい。あざとかわいい。
いや、ダメっていうか恥ずかしいんだよ。…んだよその顔は。あざと過ぎんだろ。あー、…ったく、しゃーねぇな。
少しの葛藤の末、椅子に腰をかけ、皿とスプーンを手に持つ。そして、スプーンでスープを掬う。
「ほれ、口開けろ」
「……っ///」
恥ずかしそうに美味しそうに食べる那須。その恥ずかしさが一護にもガンガン伝わって伝染しそうになる。
彼女はまるで雛鳥の様に控えめに口を開けて待っている。病人だからしょうがないと割り切った一護は、皿のポトフが無くなるまで食べさせ続けた。
「あ、あのとてもおいしかったです。ありがとうございました///」
「あぁ、別に俺がやりてぇと思ってやった事だから気にすんな」
んじゃ、片付けてくるわ。と言い部屋を出た一護。
その後ろ姿をじっと見つめる。
うん。やっぱりそうだ。私はまだあの人の名前も知らないけど、それでもたぶん好きなんだ。
見た目はちょっと怖いけど、とても優しくて温かい人。
もし、何か1つ願いが叶うなら、私は────
───少しでも彼の中で大切な存在になって欲しいって思うな…。
…だめ、かしら?
ダメじゃないです!(食い気味)
なんでしょう。那須さんヤバイっすね。ホントやばい。
語彙力クソになるほどやばい。
書いてて恥ずかしくなりました…
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黒江 双葉 ①
ふ、不定期更新ですし?まぁ…うん…。
…すいませんでした!!
今回はタイトル通り黒江ちゃん回なのですが、1年前の加古隊のランクをBにするかAにするか未だ迷っています。どっかのタイミングでそこだけ編集するかもしれません。ご了承ください。
あと、こっちで久しぶりに書いたんでどんな感じで書いてたか忘れたんですけどそこも暖かい目で見てください…。
では、どうぞ!
ガキンガキンと重く鈍い音が訓練室に響きわたる。その音を奏でるのは、最近B級に上がり、さらには新しく作られた加古隊に入った黒江双葉と、ボーダーに入って未だ無敗の最強のタンポポ頭、黒崎一護の2人だ。
隊に入ったことで仲間に迷惑をかけたくないと黒江が一護に模擬戦をして欲しいと頼み込んでから、1時間ずっと戦っていた。そして今は、スタミナと集中力が切れてしまい黒江が膝をついた。
「くっ…!」
「もうだいぶ、ぶっ続けでやってるからよ、そろそろ休憩しようぜ?さすがにきついわ」
「……はい…」
一護が前を黒江がその少し後ろを歩き、訓練室を後にした。
*****
「ほら2人とも」
手にジュースを持って現れたのは加古隊隊長、加古望。彼女は一護と黒江の模擬戦を1時間飽きずにずっと見ていた。
「…ありがとうございます…」
「お、サンキュー加古さん」
「いいのよ、面白いもの見せてもらったしね」
そうかよ。と聞き流しながらペットボトルのふたを開け、グビグビと水を飲む。それに対し、黒江はふたも開けず、ずっと下を向いていた。
「どうした?」「双葉、どうしたの?」
「…………」
「「…??」」
一体どうしたのかと2人で顔を見合わせていると、ポツリと言葉をこぼした。
「どうやったら…そんなに、強くなれるんですか…」
その言葉には焦りと妬みがこもっていた。幼馴染の緑川も同じ時期に草壁隊に入り、そこで着々と腕を上げていくの見てのことだろう。
どうやったらって言われてもな…特別何かしたわけでもねぇし…。なんかあっかな…。
「そうねー私はいろんな人と戦って強くなったって感じかしら?黒崎くんは?」
「そうっすね…俺もいろんな場数踏んで、仲間と一緒に強くなったって感じっすね」
「………」
黒江は何も反応をしない。
「それ以外ってんなら多分、覚悟がねぇんだよ」
「…覚悟、ですか?」
「あぁ。おめェの剣には焦りしか写ってねぇ。戦いに必要なのは───
”躱すのなら斬らせない。誰かを守るなら死なせない。攻撃するなら斬る!”
───そんな風な覚悟だ」
そう浦原さんに教わった。戦いの基本だと。覚悟のねぇ1振りと、覚悟のある1振りとじゃ重さが全然違ってくる。多分、それは戦いだけに限らねぇ。何をするにおいても覚悟ってのは必要になってくる。
「覚悟なんて…わかんないですよ…」
「別に覚悟じゃなくてもいい。憧れとか目標とかでもいいんだ。それがあるのとないのとじゃ全然違ぇからな」
一護の言葉を隣で座って聞いていた加古は、確かにそうだなと思っていた。しかし、自分より年下で、ボーダーにも入ったばかりの一護がどうしてそんな深い言葉を話せるのか、改めて一護に興味を持った。
「まぁ、これは俺に戦い方の基礎を教えてくれた人の言葉なんだけどな」
少し微笑みながら言う一護は、黒江にとって思わず目をつぶってしまうほどに眩しかった。あまりにも遠くに存在しているにも関わらずだ。
いつか、絶対にこの人と同じ所に立ちたい。
いつか、この人に勝ちたい。
そして、もしもピンチの時は1番に助けたい。
黒江は、そう心に誓った。
その誓いは、すでに表情に現れていた。誓いの内容まではさすがに分からないが、何かを決心したことだけは一護と加古に伝わったようだ。
「んじゃ、あと少し続きやるか!」
「はい…!」
再び一護と黒江の師弟コンビは訓練室へと入っていく。そんな後ろ姿を加古は少し羨ましそうに眺めていた。
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Small Lonely Moon And Big Orange Moon
今回はサブタイをBLEACHっぽくしてみました。サブタイの意味は適当に解釈して頂いてOKです。
なんか…語りが入ってしまった…あれ?ここはワートリの小説だよな?あれれ?ラブライブ…うっ、頭が…
あの日の夜、私は戦いの師匠に会った。その時の師匠の姿は今までに見たことないような服装をしていて、不思議な形をした2つの刀を持っていた。
目の前にいた胸に穴の空いたネイバーには似ても似つかない化け物を一瞬で片付けてしまった。そう”一瞬”で。あんなに小さな刀を振るっただけなのに剣圧の余波がビシビシと伝わって来た。
あの時の私の憧れの人はとてつもなく怖かった。
手を伸ばせば触れるほどに近くにいるのに、恐ろしいほど遠くにいた。
お前はあの場所に、あの人の隣に立つことは絶対に出来ないと言われているようだった────。
*****
B級に上がって5度目の防衛任務で、初の夜の時間帯の任務。先輩達に色々大丈夫なのかと心配されたけど早めに慣れていた方がいいと押し切ってきた。
「双葉〜本当に大丈夫なの?」
「大丈夫です」
「全くも〜頑固なんだから…」
私は大丈夫なのに、そんなに心配そうな顔をしなくても…。
「そんなに頑固だと黒崎くんに相手してもらえなくなるわよ?」
「っ…!」
「それは困るでしょう?」
「……はい…一護先輩に手合わせをしてもらえなくなるのはとても困ります」
「あら…そういう意味じゃないのだけどねぇ…まぁいいわ。任務に集中するわよ」
「…?はい…!」
そういう意味じゃないってどういう意味なんだろう…?分からないけどとりあえず今は防衛任務に集中しないと…!
『加古さん、双葉ちゃん!西エリア4-6にネイバー出現!区画の情報送ります』
「ありがと。それじゃあ双葉、行くわよ」
「はい…!」
*****
その後すぐにネイバーの出現地点へと行き、倒した。
ネイバーが被害を出す前に倒したことで気が緩んだ時、私たちの目の前に”化け物”が現れた。
〝グオォォォォォォォッッ!!〟
「「っ…!?」」
現れたのはネイバーだった。しかし、そのネイバーの胸にはポッカリと穴が空き、顔の部分には仮面のような物が形成されようとしていた。
「…杏。あのネイバーは何なの…?」
『私にも分かりません…。ただ、今までのネイバーよりも明らかに危険ということしか…』
「そう…分かったわ。じゃあ、あのネイバーもどきもさっさと片付けるわよ」
「はい!」
結果としてはボロボロだった。加古さんのフルアタックハウンドも私の旋空弧月も全く歯が立たなかった。しっかり全ての攻撃は当たっているはずなのにあの化け物は何事も無かったかのように暴れ続ける。もう、私も加古さんも攻撃するほどのトリオンがなくなってしまった。
言うなれば絶体絶命。ベイルアウトぐらいしか逃げ道はない。でも逃げればここ一帯の人々が死んでしまう。
どうしたらいいんだろうと考え、観察した。
「ねぇ双葉。あの化け物、仮面だけ無傷じゃない?」
「そう…ですね。でもなんでですか?」
「知らないわ。あくまで予想だけど、あの仮面は壊されたくないんじゃないかしら」
「じゃあ…」
「そうね。残ったトリオンかき集めてあの仮面壊すわよ」
そうして化け物と私たちがお互いに駆け出したその瞬間、空から1つの小さな刀が落ちてきた。
「よう、大丈夫か?」
それと同時に私の師匠も落ちてきた。Xの刺繍がところどころに入っている黒い着物に、落ちてきた小さい刀とは別にもう1本の刀が背中にかかっていた。いつも見ている姿とは全く違う師匠の姿。とてつもなく怖かった。
「え、えぇ…。ギリギリってとこね」
「…このくらい大丈夫です」
「……はぁ、強がって見せるところはどっちも同じだな」
見破られてしまいました。まぁ、これだけボロボロなら流石に分かりますよね。
「んじゃアイツすぐ倒してくっからそこで待ってろ」
「ちょ…黒崎くん!」
私たちの目の前から化け物の懐へと一瞬で移動し、いつの間にか手に持っていた小さな刀を構えこう言い、振り上げた。
「月牙天衝」
振り上げたなんて表現をしたけれど実際のところ、それを見たわけじゃない。化け物が上空に飛び上がり消滅したからそういう表現を使った。化け物が消滅しても小さな刀から放たれた斬撃は月へと飛んでいった。
「…………。」
化け物を倒したというのに一護先輩は暗い顔で考え事をしていたように見えた。少ししか見えなかったけどその顔はすごく怖かった。
すぐに表情を崩し私たちに笑いかけて、「帰ろうぜ」と近づいて座り込んでいた私たちを立たせてくれた。
その姿はいったい何なのか、その力は何なのか聞きたかった。聞きたかったけど、聞く勇気がなかった。聞いてしまえば何かが崩れ落ちてしまうと思ってしまったから。
あ、加古隊のオペレーター、名前とプロフィールしか出てないので、原作で出てきたら書き換えたいと思います。
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加古 望 ①
毎度の如く言いますが、お久しぶりです。
今回ここで言うことは1つです。
…福岡ファンミ行きたかったっ…!
「やっと見つけたわよ、黒崎くん」
「うげっ…加古さん…」
あの不思議な仮面をつけたネイバーが出た日から3日。ボーダー内でずっと黒崎くんを探していた。あの時のネイバーと黒崎くんの姿のことを聞くために。今日は本当に運が良かった。たまたま買い物をしてる時に見つけることが出来たから。
黒崎くんは黒崎くんで見つからないように上手く逃げ隠れしてたみたいね。今も見つかっちまったって顔してるもの。このまますぐにでもあの日のことを聞いてしまいたいけれど、黒崎くんも買い物中みたいだし…。
「そうね…せっかくだしこのまま一緒に買い物しない?」
「…は?」
根掘り葉掘り色々聞かれるだろうと身構えてた黒崎くんは何言ってんだこいつみたいな顔して私を見つめている。こんな騒がしい道中で聞くほど私は馬鹿じゃないわ。お互いの買い物を済ませてからゆっくり聞くに決まってんじゃない。
「さ、行きましょ?」
「え?…は?」
なんだか何か言いたげな表情をしていたけれどそんなのは知らないわ。一応私の方が年上だし、ボーダーでは先輩だし。
そんな言い訳を頭の中で言いながら黒崎くんの腕を掴み、無理やり引っ張って買い物もとい、デートに付き合わせた。
〜〜〜〜〜
お互いの買い物も終わり喫茶店で軽く休憩。私は洋服を買いにお店をまわった。途中黒崎くんを着せ替え人形みたいにして遊んだのはとても楽しかったわ。それに元がいいから本気で服をあわせたら物凄くカッコいいのよね…。思わず写真撮っちゃった。
黒崎くんは玉狛支部のおつかいと、妹ちゃん達用に何か探してたみたい。双葉とか緑川くんの扱いを見ててお兄ちゃんっぽいなって思ってたけど本当にそうだと初めて知ったわ。
なんだか買い物中、冗談で「デートみたいね」言ってたのが恥ずかしくなるくらいそれっぽいのだけど、そんな雰囲気はここまで。そろそろ本題に入りましょ。
「さて、一段落ついたことだし、あの時の仮面のネイバーと黒崎くんの姿について話してくれる?」
それから黒崎くんの姿もとい死神という存在、幽霊には2種類いて、死んでなお成仏出来ずに現世を彷徨う整と現世で悪いことをする虚。黒崎くんの言う死神はその2種類の幽霊を成仏させたりするバランサーの役割を果たしていると。
‘’それが黒崎くんの世界の話。‘’
私たちの住んでいるここではそんな話聞いたことも見たこともない。つまり、本来は死神や虚なんてのはこちら側にはいないのだ。
しかし、虚のようなものが出始めたということで原因を調査、解決するために黒崎くんが何らかの方法でこちらの世界にやって来た、という事らしい。信じ難い話だけどあんなネイバーと黒崎くんをみたら信じざるを得ないわね。
それと、仮面をつけたネイバーに関してはまだなんとも言えないらしい。虚単体なら何度もこちらで見たけどネイバーと虚が合体しかけているのは初めてみたとも言っていた。そのへんは浦原さんという黒崎くんをこちらの世界に送った人が調べているらしい。
「色々一気に喋ったけど、どうっすか」
「一応要点だけは掴んだわ。…でもこれって言ってもいいことなの?」
「信頼できる人には言っていいみたいっす。ボーダー本部長達やレイジさん、迅、鳥丸には言ってますし」
「そう…」
〜〜〜〜〜
その後も色々と話したが、すでに夕方になり、今日はここでお開きになった。それと同時に何かあったらしく、黒崎くんは荷物を持って走って帰っていた。その姿を見届け私も帰宅しようと歩き始める。
その帰り道、話の中で黒崎くんの言っていた言葉が頭をよぎる。虚がこっちに出た原因の調査、解決をするために来たということは、それが終わればもとの世界に帰るということではないか。
双葉は黒崎くんを2つの意味で心底好いている。片方の思いは本人も気づいてないみたいだけど。だからこそ、このことを伝えるべきか否か頭を抱えて悩み続けた。
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太刀川 慶 ①
鵺鵠ともです。
本当にすいませんでした!
今回はサブタイの通りボーダー界のヤベー奴がでます。
最近、めちゃくちゃ強いやつがボーダーに入ったらしい。なんでも、村上にハーフタイム込みで平均8:2で勝つと聞いた。さらにその村上よりも
そいつの特徴は、短いオレンジ色の髪の毛に、ヤンキーみたいな見た目のやつ。背は高めでガタイはまぁまぁいいんだと。なんだそれ。ヤンキーみたいっていうかヤンキーじゃねぇか。
ランク戦室に入ってそんな特徴のやつを探そうと辺りを見回していると大きな人だかりがあった。その中には緑川、黒江、木虎、米屋、あとあれは…村上か。ん?小南もいるのか。あいつが居るなんて珍しい。
お、誰かが俺に気付いたみたいだな周りのC級が騒ぎ出したな。あ、小南と村上が気付いたな。
「げっ…太刀川…」
「あ、太刀川さん、久しぶりです」
「おう。てか、何だこの人だかりは?なんかやってんのか?」
「そうですね…とりあえずあれ、見てください」
村上の指示通りスクリーンの方に目を向けると、噂のオレンジ髪のやつと影浦の個人ランク戦が行われていた。今のところの状態としては影浦には1・2・5本目の勝ち点以外が上げられていないみたいで、今ちょうど9本目が行われ始めている。
まさか村上、小南に飽き足らずあの影浦までもを圧倒しているこのオレンジ髪はマジで何なんだ…。太刀筋を見た感じは特別、剣道や剣術してたやつの動きじゃないことはすぐに分かる。だが、相手を倒すために動きが洗練されているのはなんでだ?
「なぁ村上、あいつなんかやってたとか聞いたことあるか?」
「いや…特別なにかやってたことはないみたいです。強いて言うなら、いろんな部活を回ってたり、バイトで色々やってたって本人が」
「小南はなんか聞いてねぇか?」
「特にないわ。…いや」
「ん、どうした?」
「別にいちごと直接関係あるかわかんないんだけど、ボスがいちごとホロウ?とか死神?とか訳わかんないこと話してたのよね…」
「…なんだそのホロウとか死神って」
「知らないわよ」
…そういえば本部長が隊員の申し込み過ぎたけど1人突っ込むから少し忙しいってなんか言ってたな…。たぶんその1人が小南が言うイチゴっていうやつなんだろうな。
お、ちょうど試合も終わったみてぇだな。ほぉ…あの影浦に7:3か…。たしかあいつ不意打ちとか効かねぇみたいなサイドエフェクト持ってたから純粋な実力で勝ったんだよな…。
少ししてイチゴと影浦がブースから出てくるとランク戦室は大盛り上がり。片方は困り果て、片方は不機嫌に。
ここで火に油を注ぐかのようにお餅大好きマンが言葉を発する。
「よぉ、影浦ボロ負けじゃねぇか」
「…うるせぇよ」
「それと、お前がイチゴってやつでいいんだよな」
「あぁ、そうだけど…あんたは?」
「太刀川慶だ。よろしくな」
「俺は黒崎一護。よろしく」
見た感じまだ全然疲れてなさそうだな。よし。
「唐突で悪いが俺ともやってくれねぇか」
またランク戦室はザワつく。なんたってあの
「あぁ…別にいいぜ」
この後、一護の休憩を含めて1時間後に最強と最強がぶつかり合う。
影浦くんごめん…なんか噛ませ犬みたいだよね…
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太刀川 慶 ②
今回、サブタイと内容がちょっとアレかもしれないですけど…温かい目で見ていただけると嬉しいです。
「浦原…貴様またか…」
「そんなあからさまに嫌そうな顔しなくてもいいじゃないスか…さすがに傷つくッスよ…
「でもまぁアタシが来たおかげで、あの仮面をつけたネイバーを倒すことができる人が1人増えたことになるんスよ?」
あ〜ぁ…また城戸さんが頭痛そうにしてるよ。でもまぁ何よりも1番大変なのは今から隊員登録をねじ込む忍田本部長なんだよなぁ。
「もちろんこの人も黒崎サンと同じで強いですけど城戸サンが考えるようなことにはなりませんし、そもそもそんなこと興味もないっスよ」
うおっ…ほんとこの人軽い口調の癖して、辛口だよな…。まぁあちらはあちらで大変なんだろうけど。
「正直こちらとしても迷ったんス。でも黒崎サンも1人じゃバタバタして大変でしょうし、こちらとしてもそちらとしても早く解決するに越したことはないでしょう」
「……ならば、今回の交換条件はなんだ」
「そうッスね…あぁ〜…それはまた今度来たときでいいっスか」
「また来るのか…」
またそんなあからさまな顔しなくてもいいじゃない城戸さん…。それにしても浦原さんが連れてきたこの子、えらく綺麗だけど表情があんまりないなぁ…。木虎でもこんな無表情じゃないよな。
「あ、そうだ林藤サン、最近黒崎サンはどんな感じスか?」
「うちの支部では仲良くやってるし、本部に行けば戦闘狂達に大人気だよ」
「だったらなによりっス。あ、そうだ今日はちょっと玉狛支部にお邪魔するんでよろしくっス」
……お?
「ちょっと黒崎サンに用がありまして」
「別に俺に許可取らなくても自由に出入りしていいぞ」
「すいませんっス」
今日は一段と賑やかになりそうだな。宇佐美に連絡しとくか。
*****
…おいおい、お互いバニラの状態で9戦して、6-3かよ…。噂には聞いてたけどかなり強えな…。だが、それにしてもちょっとおかしな所があるな。
こいつ、なんでいつも基本的に平均で3本負けてるんだ?さっき小南に聞いた情報だと村上、小南、迅も平均2、3本はいつも勝てるらしいし。そんで、俺も今3本は取った。……こいつは偶然じゃなさそうだな。
「おいイチゴ。お前まさかとは思うけど手ぇ抜いてねぇか?」
「別に手を抜いてるつもりはねぇよ。ただ、トリオン消費の調節を覚えてるだけだ」
─俺、燃費悪ぃからよ。戦いながら調節の仕方覚えてんだよ。気に障ったんならわりぃな。
「じゃあ、本気出してくれよ。ラストだから別にセーブする必要もねぇだろ?」
「あぁ、別にいいぜ」
了承の言葉と同時に、さっきまでスコーピオンと孤月の二刀流で戦っていた一護はスコーピオンを消して獲物を孤月だけに戻す。
そこから先、太刀川自身もロビーで観ている者達にも脳裏に焼き付いて離れないほどの記憶を打ち付ける。
その場から瞬間移動したように距離を詰める一護は、移動した勢いのまま切り込んでいく。驚きはしたがなんとか食らいついて防ぎ、突き放した。
「…おいおい、急にギア上げるじゃねぇの」
「アンタが本気で来いって言うからだろっ!」
再び目の前から姿が消え、身構えるが攻撃が飛んで来ない。不思議に思い辺りを見回すと上の方から水色に輝く何かを発見した。それはどんどん規模を広げ、大きな影を作る。
流石に直撃を避けるため、メインの孤月を消してグラスホッパーで移動しようとした時、目の前に一護が現れた。
「逃がさねぇよ!旋空弧月!」
「ちっ…!」
シールドを出して防御をするも攻撃を少し受けて後退させられたため再び、影の範囲内に戻ってしまった。一護もいつの間にか目の前からいなくなってしまうが、上の方から声が聞こえてきた。
「これで終いだ!旋空弧月!!」
大きなアステロイドに斬撃が重なりあったものが太刀川目掛けて放たれ、為す術なく負けてしまった。
*****
あの太刀川慶に7-3でラスト10戦目に至っては完勝。その事実はロビーでそのランク戦を見ていた者達は皆等しく同じことを思った。
──どれだけ努力しても黒崎一護を超えることは無理だと。
そんなことを思っているとブースから一護と太刀川が戻ってきた。
「なんだお前!めちゃくちゃ強えーじゃねぇか!」
「あんたもな」
ここでもブースにいた者達は同じことを思った。あ、目付けられた…、と。
太刀川は久しぶりに自分より強いやつと戦って気持ちが高ぶっているのかもう1戦しようと話しかけようとした時、あるものに遮られてしまった。
「あ、いたいた。黒崎サーン」
「ここに来るなんて珍しいっすね」
「今回の問題の協力者を連れてくるのと黒崎サンにちょっと用があって来たんスよ」
「ってな訳だ。おら、小南帰るぞ」
そして、奇妙なゲタ帽子を含む3人はボーダー本部をあとにした。
*****
「んで、用ってなんなんだ?」
「前、日番谷隊長や阿散井副隊長達がしていたように限定霊印を施そうかと思いまして」
「もしかして…」
「そのもしかしてっス。黒崎サンの霊圧にあてられて最近、虚が大量出現してるんスよ。だから限定霊印とある方を連れてきたんス」
「なるほど…んじゃそのある方って誰なんだ?」
「それは秘密っスよ」
「うっぜーなその顔…」
「ヒドイっスねー…傷つくッスよ…」
そして、限定霊印の施術が行われる。鎖骨の下の所に表れた花の名前は〖カランコエ〗。
花言葉は──〖あなたを守る〗。
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