裏方のお仕事 (きりきり)
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裏方のお仕事

ドラゴンボールを読み直して、気になる点で妄想していたら浮かんできたお話。
メモ程度に書いていたら、なにやら止まらなくなってしまった。
メイン戦士とか、一切でません。
初投稿です、よろしくお願いします。


「どうしてこうなった?」

 

 そうつぶやき始めたのは年の頃が10歳の男の子。土木建築の重機を操ってむごく掘り返された荒れ地の整地作業をしている。

 

 そもそもの始まりはよくある”転生”というお話だった。神様に会ったこともなければ事故死した記憶などもなく、気づけば赤ん坊として一才を迎えていた。

 現世での自分はどうやら孤児らしい。小さい頃、教会の前にかごに入れられて放置されていたそうだ。名前や身元を示すものは何もなく、でっかいカゴにバスタオルで包まれていたらしい。孤児院としての活動もしているから、たぶんここに置かれたんだろう。そのまま孤児院で育つ事になった。

 しかし俺の親は何を思ってココに置いていったのか。なんせこの教会は山間部にあり、周辺には五件しか家がない。それも全部農家だ。車で20kmほどいった所に大都市があるらしいが、山間の道を縫っていくので片道で5時間はかかる陸の孤島である。

 つまり俺の親は、その道を延々とやってきて教会に子供を置き、そのまま帰って行くという苦行を行った訳だ。近隣農家の皆さんは、みんな顔見知りなので子供を捨てる以前に、子供が出来ていたら即判明する。

 これを理解した時、我が親の思考回路が全くわからなかった。もしかしたら大都市出身でここの事を知ったのかもしれないが、ばれないように捨てるなら他にもあるだろうと思う。

 

 まぁそんな所だが、実はここの教会兼孤児院の人数は、なんと二人だ。神父兼孤児院の院長と、俺の二人だけ。4,5年前はもう少しいたらしいんだが、みんなある程度育ったら大都市まで送ってもらって自活しているらしい。奨学金制度とか整っているので、全寮制な学校探してはいるとか。

 うん、ここ学校どころか店もないもんね。電気だけはかろうじて来ているが、ガスとかプロパンだし。水道も住居近くにある貯水池からのくみ上げ+蒸留して使うとかどんな所だよ。

 だが、電話があれば困らなかった。カプセルという通販があって、ドローンで宅配してくれる。最初はカプセルをポイッと捨てていくだけなんで何事かと思ったよ。院長がそれを受け取って開くと、中から結構な量の雑貨なんかが出てくる。

 そこで思ったのが「ここ、前世と同じ地球じゃない」って。

 カプセル開くと質量無視して出てくるとか、どんなモンスターボールだよっ! ここはよくある二次小説の世界へと転生かっ! とテンションが上がった。そして院長に地理なんかが書いてある地図を見せてもらった。そしてポケモン世界じゃないことはわかった。ホウエン地方とか探したけど無かったよ……

 

 そしてやはり前世と同じ地図でもなかった。たまに院長先生が「地球と太陽はあれだけ離れているのに、なんでこんなに暑いんだ……」とかふざけた事を言っていたので、そのまま前世と同じ世界だと信じていたんだ。  地図にはアメリカとか日本とか、そういったものがなかった。なんとなくは似ているんだけどなぁ。手抜きされた世界地図のような感じだ。

 ただ、なんとなく見覚えのある地名はあった。そこがどんな所だったのかは不明だ。記憶が結構曖昧になっている所もあるしなぁ。

 院長先生が教えてくた所によると、ここは西の都が一番近いらしい。一応、この教会も西の都に所属しているので、ピザの宅配圏内に入っているとか。どんだけカプセルって謎技術が蔓延しているんだ……

 実は10歳まで、この教会近くから移動する事はほとんどなかった。山の中だと思っていたし、小学校に通うか? と院長先生に聞かれたが、もう一度小学生をやるのは御免被ると、特に必要を感じなかったからだ。言葉も何故か日本語とか英語が通じたし、知らない言葉もあったけどそれは院長先生が教えてくれたしなぁ。こんな事なら通っておけばよかった。地理とかも変わっていないと思って全然習っていなかった。失敗したなぁ。

 

 さて、ここに10歳で人生に失敗した俺がいる。……なんで昔の俺は小学校に通うことを選択しなかったんだっ……! 学力さえあれば学歴とか関係ない所だと思ってたんだよっ、周りは畑とか山しかないからさぁ! ついでにおっちゃん達の学歴が、この世界では上位の学校を出ているのを聞いてびっくりしたさっ。こんな外れで農家をやっているのは、自分達で改良した作物の育成実験も兼ねてとか、そんなんわからんわっ!「小卒もしてないの? っぷぷ」とか笑われる未来しか浮かばない……

 それが判明してから、農家のおっちゃんとか院長先生捕まえて、将来の潰しが聞く職業を聞きまくった。孤児院出身の他の子も同じようなことを小さい頃からしていたらしい。そのあたりは院長先生が将来の事を考えて、子供達の危機感をあおった結果らしい。俺の時は大人びているから、そのあたりも何か考えがあるのだろうと放置した、と。

 そして聞きまくった結果、一つの職業が判明した。

 

「環境回復士」

 

 国家資格であり、かなりの高給取り。少し前までは最難関の資格だったが、最近は職業に必要なサポートAIの充実と、圧倒的人手不足からかなりの規制緩和を行ったらしい。

 

「まぁ、こいつになったら食いっぱぐれはないな! 景気が悪くなる事はほとんどないらしいし、よく高級ホテルに泊まっているのを見かけるぞ。……かわりにずっと放浪中のようなものだが(ボソッ)」

「よし、おっちゃん。俺、それになるよ」(聞こえてない)

 

 試験対策本を通販で取り寄せ、周囲の助けを借りながら受験勉強。そして院長に連れられて、試験会場のある西の都に初めて行く事になった。

 目の前に広がるのは、前世の都市圏を少し未来っぽくした街並み。違うとわかっていても、やっぱり前世の未来なんじゃないかと思ってしまう位、何か記憶に引っかかる。

 試験は通年通して受付をしており、申し込みをしたら即座に試験。個室に連れられて試験開始。地理を把握しているのか、共通言語を話せるのか、世界の交通ルールの把握とかそんな感じの内容だった。量も少なく予習さえしておけば問題なく受かるだろう。

 ペーパーテスト終了後、実技試験の前に受付の人と雑談をしてみる事にした。だって、こんな簡単な試験が以前は最難関って落とし穴がありそうでさ。

 

「試験の難易度? あー、それは難しい部分をサポートAIに任せる事ができるようになったからよ」

 受付のお姉さんは、気さくに答えてくれた。

「環境回復士って、元の生態系まで含めて回復するお仕事でしょ? だから植物学から生物学まで含めて理解しないといけなかったんだけど、そういった人は学者さんを目指すからねぇ。なら学者さんに必要知識をインストールしたサポートAIを作ってもらって、地形復元をする作業員を確保すればいいって事になったのよ。あ、土木作業員とは違うのよ、そのあたりはわかっていると思うけど、いつどこで”突発性破壊”が起こるかわからないから、その辺りが各個人の成績にもなり、AIにも予測不可能なのよねぇ」

 

 そう、環境回復士のお仕事内容というのは、突発的におこる原因不明の環境破壊について、元の生態系を含めた回復を行う職業なのだ。

 突発的環境破壊は、かなり昔から頻繁に起こっている災害なんだそうだ。原因不明で地震でも津波でなく、ひとけのない所に突然破壊された跡が見つかることが多いという通り魔的災害だ。もちろん被害者もたまに出ており、運良く生き延びた人に聞いても「何もわからない」と怯えたように答える事が多い。そういった被害者を宥めて応急処置し、病院へと搬送するのも環境回復士の仕事である。

 

 さて脳内回想は終了して、実技の重機操縦をしますか。

 この資格に合格すると、自分専用の移動トレーラー・重機・サポートAIを国が売ってくれる。担保なしでお金を貸してくれたりもする手厚い状態だ。そして重機とサポートAIは全部共通規格で決められている。移動先で故障する事もあり、そういった時にすぐに修理できるような規格化を進めた結果だそうだ。こだわって自己責任で改造している人も普通にいるとは聞いているが、ペイントで外観を変えるくらいが普通らしい。

 それで肝心の操縦なんだが、ゲームコントローラーのようなものだった。教本に書いてある通りなんだが、実際に動かしてみるとゲームセンターの可動型筐体にのっているような感じだな。かなり動かしやすい。つまり問題なく試験は合格。これで俺も晴れて環境回復士となった訳だ。

 

「合格おめでとうございます。これで資格を取得が完了しましたが、まだ実際にお仕事をされる訳にはいかない事はご存じかと思います」

「まぁ、そこは教本にも書いてありましたし、どこかの協会に所属するか自分で保証金を積み立てるかって話しですよね?」

 

 資格発行の受付のお姉さんと話をしながら色々な手続きをする。

 考えてみれば当たり前だけど重機などの購入の他にも、実作業をする場合はどっかの管理団体のようなものに所属する必要があるのだ。理由としては保証金みたいなものが必要な訳だ。作業先で事故を起こして何かを壊したりした場合などの保証金を積み立てないと、怖くて作業させられないという事だし。

 

「それで近くの協会にどんなものがあるのかという話になるのですが、ここだとカプセルコーポレーション一択ですね」

「……え?」

「もちろん知っているとは思うけど、この地区だと完全に独占状態でねぇ。ホイポイカプセルがないと仕事にならない位だし」

「……なんか聞いたことがあるような」

「世界的な大企業よ? 天才ブリーフ博士の作った企業。学校でもならったでしょ?」

「はははっ……(ここってドラゴンボールの世界かよっ!)」

 

 それからの事はよく覚えていない。気づくと重機購入やら、所属協会への申請書など全部手続きが終わって孤児院の部屋に戻ってきていた。

 衝撃的な事実が発覚した訳だが、月がある事を考えると原作開始前なんだろうか。いや、まぁ俺みたいな普通のやつは近寄りたくもないが、地球人全体で死亡フラグが立っている世界だ。逆に考えると、どうしようもない。つまり目先のお金稼ぎが最重要となる。

 環境回復士は給料がもらえる仕事じゃない。作業に対する出来高制だ。新人は先輩から現場に呼ばれて作業するタイプがほとんどだ。その場合はまぁ給料は普通にもらえるよりも少なくなる。バイト先にヘルプで呼ばれるようなもので正社員扱いは現場をしきる先輩という構図だ。

 なんでこんな風になるのかというと、作業現場を新人が探すのは、ものすごく難しい。先輩方はそれぞれの情報網を持っていたり、ダウジングや占いで決めているという話しを聞くくらいだ。下っ端として現場を体験しつつ、そういったノウハウを学ばなければならない。

 

 ここで閃くものがあった。

「もしかして突発性環境破壊って、武道の達人達の暴れた跡じゃね?」

 原作が開始されてなくても、レッドリボン軍とかピラフ一味とか鶴仙人一味が暴れていれば、そこが現場になるんじゃないか、と。

 原作でどこら辺りだったかまで描写があったかは覚えていないが、なんとなく登場人物の名前は覚えている。チャパ王とかサタンとかは環境破壊を起こせるような達人とも思えない。

 しかし殺し屋一味の近くで作業すれば巻き添えを食う可能性は高いしなぁ。もしかして亀仙人がまだ修行している最中かもしれないし、その辺りを追っていけばなんとかなるかも。

 さらにいえばZ戦士が大暴れする頃には、大規模な環境破壊が頻繁に起こるはずっ! それまでに資金を貯めて人を雇えるようにしておけばっ!

 

 夢が広がりまくる

 

 金銭的なウハウハを目指して”危険”の2文字に気づかなかった過去の俺を殴り飛ばしたい。

 突発性環境破壊が起こりやすい所に目をつけ現場目指して到着した途端、目の前に広がるのは殺人現場だった。

 

「……桃白白じゃん!」

 

 どこかの武道家との戦いが目の前で繰り広げられ、最後に桃白白のドドン波が炸裂。環境破壊と殺人が同時に起こっていた。

 

「そこの木陰にいるのは、そのまま死にたいのか? 殺してほしければ1億ゼニー用意しろ」

 Oh……すっかりばれていらっしゃる。頭の中身を高速回転しつつ、身の保身を図るしかない!

 

「いや~~、これほどの達人同士の果たし合い(、、、、、)を邪魔してはいけないかと身を潜めておりました。高度な技の応酬で何が起きたのかよくわかりませんでしたが……」

「おぅ坊主、なかなか見る目があるな。しかしこんな密林近くに一人で何をしていた? まさか俺をつけていたとか、いやそんな気配を感じないほど俺様は鈍くない……」

 

 なにか考え込んでいる桃白白を尻目に、冷や汗の止まらない体を叱咤しなんとか口を動かそうとする。

 

「俺、通りすがりの環境回復士なんっすよ~~。まだ成り立てなんで一山当てようとさまよっていたら爆音が響いてきたもんで、ちょっと気になって」

 

 ゴマすりだろうが何だろうが「命大事に」で俺はやり過ごす気マンマンだ。

 

「ん? 坊主、お前”環境回復士”なのか。良いところに来たな、俺様もちょうど後釜を探していた所だ(ニヤリ)」

 

 え、なんすか。嫌な予感が止まらないんですが。

 桃白白様の行くところ、突発性環境破壊が良く起こる?

 前にも専属に近い奴がいて、色々と食事の準備もしてくれた?

 あ、そうですか。私はそろそろ移動しy

 いや、待って。襟首掴まないで。苦しいから。

 で、殺しa、果たし合いを見届けたと桃白白様のレコーダーに記録を入れてくれたら、突発性環境破壊の現場を教えてくれる?

 拒否権はなしですか、そうですか。

 

 ……すでに亡くなった前任者はクズだったようだ。

 というか、俺がその後釜にされそうだが、ぶっちゃけ逃げられる気がしない。

 ……桃白白が孫悟空にやられるまでは、俺が後釜とか。

 

 

 急いでくれ悟空ーーーーーーーー!

 

 

 

 10歳にして、大金を稼ぐ新人が現れたと業界で噂になったのは直ぐのことだった。

 

 




内容がなんとなく説明書きっぽいのは、この話をプロローグ的に書いたからです。

最初に書いたものはもう少し長めの話でして、途中まで書いてから我に返りました。
「メモ的に書いたけど、結末考えてない」
あの破壊された環境の驚異の回復力を見て、ぜったい誰か直して無いと有り得ないと思ったのが最初です。

川とか消し飛んでいたら、生態系めちゃくちゃだろ。これ、人類的にも不味いから国家規模で対応しているはず。
って思考からです。 


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その後……?

やはりなんとなく想像が広がってしまった。
これDBなんだろうか。

推敲してないので、後で訂正するかも。
勢いだけで書いてます。


「いいか小僧、良く聞いておけ。俺様がただで教える事なんてほとんどないからな」

 

 そう話しつつ、俺の手足を手に持った棒で動かして武道を指導しているのは桃白白。最初にあった頃からすでに4年もの月日が流れていた。出会いから今までの間で後悔する事がいっぱいあった。何があったのか簡単に説明しよう。

 

 まず”後任”というのが何を指すのか漠然としたものしか把握していなかったが、裏社会で言う”始末屋”と呼ばれるものとやる事は一緒だった。

 

1.桃白白が果たし合いをする。

 桃白白の出番が来ることなんて、実はあまりない。それ以外は他のものでなんとかなってしまうからだ。出番が来るのは町中で、ガッチガチに警護が固められている奴か、強い奴かの二種類だ。そして町中での暗殺に俺の出番はない。なんせビルが壊れたって、俺には関係ないしねっ!

 

2.果たし合い途中に俺が通りかかる。

 偶然が多い? そんな事はいいんだよっ! なんせ誰も見ていないんだから。

 そう、俺は私物のビデオを抱えて自然環境を撮影していた結果、果たし合い現場に偶然(、、)通りかかり、結果をビデオに収めてしまう。

 

3.何故か破壊されている自然環境を見つける。

 うん、実は果たし合いでもそれほど自然は荒れていなかった。実は桃白白の強さは、かなりものらしい。よく考えたら悟空も一度負けていたような気がする。そんな達人と良い勝負をするような人間がホイホイいるわけないな、うん。

 そこで俺の何処に出番があるのかというと、桃白白が訓練という名目で自然を荒らすんだ、ほんと。だってこれがないとその後の大事な仕事が出来ないからね。

 

4.自然環境の修復を開始する。

 うん、土が掘り返されているし木々も折れている。そして現場報告するカメラからは写らない位置に、倒れた何かがあるね、うん。動物の死体のようだけど。

 自然環境を修復する時に、動物の死体があれば問題の無い場所に埋めてしまう。そのまま腐らせると疫病とか発生するし。いやー、なんか黒い仕事の気がするなぁ! まぁでも仕方ないよね、死にたくないし。

 

 こんな感じで4年間を過ごしていたが、実は俺は桃白白を嫌いになれなかった。かなりの悪人ではあるし、自分が強くなるために周りに迷惑をかけることを厭わない。ものすごく困った奴だった。だが、本人の性格が漫画で見たものと少し違う気がする。「良い子ちゃんを嫌う」ような性格だったと思ったんだが、本質はどうでも良いと思っている感じだった。暗殺対象は、ほとんどが敵対組織の幹部とか用心棒とかだ。まれに町中で買い物をして「支払いだ」と言いつつ殺してしまう。

 関係ない他人が殺されてしまった、次は俺が善意で殺されるんじゃないかと怯えたが、しばらくすると実は殺された人間が悪人だった、というが情報屋経由で分かったりする。

 最初にそこに気づいたのは、周囲の人間の態度だった。目の前で殺人が起きたのだから、当然周囲は怯える。だが、次の日とかに様子見に伺うと、周囲にいた人間の表情が明るくなっている。話をなんとなく聞いてみると「あいつがいなくなってよかった」とか「もっと早く○んでくれれば良かったのに」という話を聞いた。それ以上は話をしてくれなかったが、自腹で情報屋にお金を払うと、裏でえげつない借金取り立てをしていたとか、奴隷売買をしていたという事がゴロゴロと出てくる。

 え、もしかして桃白白ってツンデレ? いや、でも警官とも容赦なく闘っているし。……あれ? 確かに重傷は負わせたが、殺したことあったか?

 

 まぁ他にも「飯を用意しろ」と言われてインスタントを揃えたらぶっ飛ばされたり「強いと言われる奴を探せ」と言われて探しても(やはり悪人で強い奴。善人を連れてくる気にはなれなかった)既に殺されていた人間で、役立たずとぶっ飛ばされたりした。が、何故か殺されはしなかった。

 そして2年はたった頃だろうか。とある町の住民全員、女子供を含めて虐殺する仕事が舞い込んできたらしい。どんな内容かは知らないが、町のほとんどで火の手が上がり、住人全員が死亡していた。付近の山の中腹も吹き飛んでいるほどの暴れっぷりだったらしい。

 この町の復興は俺の仕事じゃないが、先輩からのヘルプでその山の修復に行っていたのでどんな有様だったのかは知っている。確かに赤ん坊に至るまで殺されており、殺戮してまわる桃白白が映像に映っていたらしい。

 

 その夜、近頃桃白白が拠点としているアジトに食事を運びに行く仕事があった。別に連絡があったわけじゃないが、そういった仕事があった後は「酒を普段より多めに持ってこい」と言われる事が多々あったので、その習慣通りにしただけだ。

 そして視線の先には、月を眺めながら小高い丘の上で酒を飲む桃白白がいた。

 いつもなら無駄に元気で偉そうな態度の桃白白だが、その日は無口に飲んでいるだけだった。

 

 その事件の2年の間に、俺の心境も変化していた。伊達に2年も事件の後片付けをしていた訳じゃない。何かが村にあったのだろう、そう考えた俺は独自に調べてみた。半年位調べても何も分からず、その事件から桃白白の悪名はさらに轟いていた。

 「やっぱりあいつは悪人だった、それでいいじゃないか」と考えることは良くあったが、俺の中の何かが「それでは駄目だ」と訴えていた。自分の目で見た事と、自分の頭で考えて判断する。そうして生きていかないと、フィクションの世界として「そういうもんだった」と流されて、何も考えない阿呆になってしまうだろうという恐怖もあった。

 

 1年経過した頃、俺は辺境の村付近で仕事をしていた。これは桃白白に呼ばれたわけじゃなく、本当にたまたま見つけてしまった突発性環境破壊だった。久しぶりに何も考えず一人で作業を始めていた。落ち着いて桃白白について自分がどう思っているか考えてみようと思っていたからだ。

 ココはドラゴンボールの世界らしいというのは既に理解していたが、そこにいる俺はどうなんだろう? という事だ。この世界の人間として生きているのかどうか、しっかりと見つめ直したかった。桃白白の行動を見ていてますますそう考えてしまった。

 漫画では、人の死ぬ場面はあっさりと流されていた気がする。大規模破壊の所は特にそうだ。人が死んだ描写が極端になかったから気にならなかったというのも大きいだろう。だが、よく考えるとナメック星では全員殺されているし、地球人も街ごとよく滅ぼされていたはずだ。描写としては別世界の悟空が心臓病で死んでしまう所なんかは、絶滅寸前だった気がする。

 つまり俺の覚悟が足りなかったのだろう。描写がないだけで、漫画の世界だろうと現実と変わらず理不尽な事が多々ある世界だと言うことだ。そして漫画の中で語られていない事もある、そういった事だと思う。

 そこまで考えると、気分が落ち着いてきた。……色々考えて直接桃白白に聞いた方が早いだろうという結論もでた。早速、直接連絡を取ってみるか。

 

「桃白白様? 今、よろしいでしょうか。少しおたずねしたいことが……」

「ん? なんだ、誰か殺したい相手でもいるのか。もう割引期間は過ぎたぞ?」

 

 どうやら今は機嫌が良いようだ。そのくらいは分かるくらいの付き合いになっている。まぁ”様”付けは外せない。……まだ死にたくないし。機嫌が良いなら、聞くチャンスとしては今だろうか。

 

「いえ、そうではなく少し伺いたいことがありまして。少々時間をとっていただけないでしょうか」

「うむ、今は仕事はないからな。旨い料理を用意すれば会いに行ってやろう」

「ありがとうございます、では現在、X43295、Y22156、Z21187で仕事しているの「まて」……はい?」

「そこで”仕事”をしているだと?」

 

 なんだ? 急に怖い声に……

 

「は、はい。たまたま見つけたので一人で仕事をしていますが」

「今すぐ、そこから離れろっ! いいな、とりあえず西の街へ向かえっ! 東へは絶対にいくなよ、俺も直ぐに」

 

 そこまで聞いたところで、爆発音が辺りに響いた。気づくと重機の中で振り回され、前後不覚になっていた。

 重機ごと回転しているようで何回転も転がり、ようやく止まったときは全身が打ち身だらけで頭からは血が流れていた。

 

「いたた……いったい何が……。うわ、ドアが完全に歪んでるよっ」

 

 運転席の周囲にある強化ガラスはほとんどひびが入り、一面は完全に割れて無くなっていた。危険地帯での作業が多いので、よほどじゃ無い限りは罅も入らないはずのガラスだ。それだけじゃなく運転席のドアなんて車がぶつかった程度では傷もはらないはずなのに歪んで開かなくなっている。

 

「う、不発弾でも掘り当てたか? とりあえず窓かでも脱出できそうだな」

 

 運転席に備え付けられている非常バックを取り出し、割れた窓から慌てて外に出る。そこで見たのは遠くから武器を抱えて走ってくる女性と子供達だった。どっからどうみてもその先にある村人達であり、生活感満載の格好で武器を持って走ってくる。シュールな光景だが、さすがに危機感を煽られた俺は慌てて身を翻す。

 

「いったいなんなんだよ、これ! こいつのフレームが歪むような衝撃なんて、なんなんだよ…… つか、もしかして今攻撃を受けたの? ロケットランチャーでも持ち出さないと無理だろこれ」

 

 走って逃げてはいたが、直ぐに追いつかれた。当然だ、突然の衝撃で振り回され衝撃を受けていきなり走って逃げられるような人間なんて、訓練を受けない限り無理だろう。後ろを振り返ると厳しい表情を浮かべた女性や子供が手に持った武器をこちらに向けている。

 

「え、なに……いったいなにが……」

 

 立て続けに起こった様々な出来事に混乱し、理解が追いつかない。分かることは武器を持った人間に追い立てられ、囲まれている事だ。身動きするたびに銃口が動き、撃たれそうな気がして動けなくなる。

 しばらくすると迷彩柄の軍服を着た男達が、人々の後ろからやってくるのが見えた。その男達は人垣の前に出てくると、こちらを見下しながら口を開いた。

 

「おまえ、装備は環境回復士だが、どこのスパイだ?」

「……え?」

「とぼけても無駄だ。お前が組織の縄張り周辺をその重機で飛び回っていたことはわかっている」

「いや、なんのことかさっぱりっ!」

「……ふん、まだとぼけるならそれでもいい。あとは荷物を漁ればわかるだろう。こいつは始末しておけ。ちょうど良い訓練になるだろう」

 

 こちらの言い分を最初から聞く気が無かったのか、会話にならない会話を終えると軍服の男達は元の場所に戻っていった。女性や子供達の中で、ひときわ偉そうな女性が指示を出し始める。

 

「久しぶりに獲物がかかったから、今回は子供達に殺させるよっ。ほら前に出て並んで!」

 

 俺は殺されるのか? 未だに事態も把握できない状況で、せっかくの第二の人生をこれで終わらせられるのか? 俺は縛られている訳でも拘束されているわけでもない。逃げるなら速く逃げないとっ。

 震える足を叱咤して立ち上がろうとしたときに、目の前で地面が爆発した。地面が爆発する前に、何かが空から落ちてきたようにも見えたが、いまは土埃が酷くて分からない。逃げるならいましかないっ! 慌てて近くにある重機の陰に隠れようと立ち上がった瞬間、首根っこを誰かに捕まれた。土埃をすかして見えたのは、中華風衣装をまとった姿だった。

 

「まったく、少し離れているだけで死にかけているとは思わなかったぞ? まぁいい。俺様は腹が減ってきてな。早速飯を用意しろ。早くせんと殺すぞ」

 

 何事もなかったかのような普段通りの桃白白だった。色々な意味で泣けてくる。訳も分からずに殺されそうになって、助かったと思ったら「殺すぞ」と脅される。俺の平和はいったい……

 

 遠い目になってしまった俺をよそに、周囲の出来事はどんどんと進んでいたようだ。

 

「また侵入者だ、殺せっ!」

「ん、俺様に勝てるつもりか? 食前の運動にはちょうど良いだろう」

 

 空気を読んだのか無視したのか先ほどの女性が声を張り上げ、桃白白は俺を後ろに放り投げて女性に向き直る。こんな時だからか、桃白白の背中が大きく見える。

 

「さて、本来なら一人1億ゼニーもらう所だが、今日は軽いストレッチ相手になってもらうとして、特別に只で相手になってやろう」

「撃てっ!」

 

 女性のかけ声で子供達が手に持っている拳銃が、一斉に火を噴く。が、俺はそれが無駄な行為だと知っている。ずっと”決闘”を見てきた俺からすれば自殺行為以外の何者にも見えない。予想通り桃白白の手が見えなくなるくらいぶれて、気づくと弾は全て受け止められている。

 

「金なら受け取るが、こんなもの食い物にもならん。返すぞ」

 

 次の瞬間、桃白白の手の中から弾が機関銃のように発射され、その全ては正確に子供達の眉間に吸い込まれていった。この後は説明するまでもなく”桃白白無双”という言葉が脳裏に浮かぶだけだった。

 桃白白はその場にいる女子供を全て殺した。応援にきた軍服姿の男達も全て殺した。残ったのは俺の周囲にある残骸と死体のみだった。

 

「まだ飯が出来ていないのか、そんなに死にたいのか?」

 

 桃白白はいつのまにか俺の目の前にいて、後ろに手を組み見下している。まぁあの強さでは、そんな格好でさえ隙にもならない。

 

「も、申し訳ありません。……流石に腰が抜けまして。それに機材もめちゃめちゃに……」

「む? そうか、ならこの機材は捨てておけ。あの団体(協会)に依頼しても、ここまで回収には絶対にこないだろうしな。臆病者どもめ」

「は? 何故ですか?」

「あそこに見える村は、反政府ゲリラの拠点として裏では有名なのだ。もしかしてお前は知らなかったのか?」

「まぁいい。なら俺様が都近くまで連れて行ってやるから、急いで飯を作れよ」

 

 鼻を鳴らしながら、詰まらなそうに告げる目の前のオヤジ。こいつ、戦闘力がインフレする世界では雑魚なみにしか思えないが、よくよく考えると十分強者なんだよなぁ~。

 そんな事を考えている俺の襟首をひょいとつかみ上げ、ここまで乗ってきたと思われる丸太を放り投げた。そして勢いそのままに飛び乗る。そんな事をすれば当然、

 

「のどがっ! のどが閉まってますっ! 苦しい!!」

 

 

 無事に西の都近くまで戻ってきた俺は、桃白白()の言うとおりに機材を用意して食事の準備をし、満足してもらってから別れた。

 

 それから数日、俺は今回の事件について考えていた。あの反政府村は確かに有名で、ちょっと調べれば俺でもわかる位に有名だった。村丸ごとのゲリラ住民であり、殺人も厭わない教育をされている組織であり、その周辺には近づかないように協会から警告さえ出ている始末だった。

 今回、桃白白がかなりの勢力を削っていたが、それは裏の世界でかなり有名になっていた。また女子供を虐殺する冷酷無比の殺し屋(、、、)として。

 もしかして桃白白の過去の噂なんかも、こういった事ではなかったのか。今回は食事云々という形で助けてもらったが、本当は単に助けてくれただけじゃないのか。

 心の中に桃白白への嫌悪感を持って過ごしていた俺だったが、気づくと嫌いになれなくなっていた。横暴ではあるし、俺様状態で奴隷のような扱いは変わっていないと思う。だが、理不尽な事はされていないようにも思う。世間一般から見たら理不尽そのものだが、どうも桃白白の中にあるルールでは首尾一貫している印象を受ける。

 

 まぁ、だからと言ってこれはないんじゃないだろうか。

 

「ほら、クズ! 腕が下がってきているだろうか。もっと腕を上げてしっかりと拳を握れ! 早くしないと殺すぞ」

「た、桃白白様! もう無理ですっ! 俺は作業員であって武術家じゃないんですよっ!」

「……そういってお前は殺されかけたんだろうが。俺様がたまたま近くを通りかかる事なんか、滅多にない幸運なんだ。そんなものを当てにしないで、自力で俺様の所に飯を作りに来れるくらい強くなってもらわねば、我が下僕として相応しくないっ!」

 

 ……このおっさん、実はツンデレだろ。というか、その前に武術の訓練で死ぬ。死ねる……

 

「さぼっていると、そのままこの拳を打ち込むぞっ!」

「か、勘弁してくださーーい!」

 




想像の中でも、まだ原作が始まらない……まぁいいか。


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助ける?助けない?

ようやく原作開始


 いつも通りの荒らされた大地を前に、たき火とコーヒーと満天の夜空を楽しんでいる。

 珍しく周囲に生物の死体がないので、焦って仕事をする必要がないのも楽しめる理由だろう。

 

 そんな中、純粋にコーヒーを楽しめないでいるのはいわゆる「原作」が始まった事が原因だった。

 原作開始の始まりを感知することは、それ程難しくはない。天下一武道会の名簿をみるか、月が無くなったら開始と思えばよい。

 生まれた直後の介入なんてする気はないし、実は原作介入をする気はさらさら無かった。前から考えていた事だが、うまく行くことが分かっているのに邪魔をするなんて正気じゃない。

 サイヤ人に生まれて戦闘力がカンストするならともかく、一般人ならヤジロベーでもギリギリだろう。あいつもチートなみなキャラだとは思うけど。

 

 話がズレた。ようは月が壊れたのだ。念の為天下一武道会の優勝者も確認した。ついでに知らない名前もないか確認した。生まれ変わりが俺一人しかいないと思うほど甘くはない。

 というか桃白白様に、その辺りの甘さは徹底的に鍛え直された。

 ……話を戻して、結局俺はあのツンデレじじぃ(桃白白様)に生きていて欲しいと思っている訳だ。かなり命を助けて貰ったし、世話になったしなぁ。レッドリボンからの勧誘が鬱陶しいと言っていたから、そろそろ話を切り出さないと悟空に倒されて、ロボットみたいになってしまう。

 覚悟を決めて呼び出そう。俺自身の為に。

 

「ふん、何のようだ小僧。……ん?今日は飯の用意をしていないではないか、殺すぞ貴様」

 

 呼び出された桃白白様は不機嫌そうにこちらを見ている。

 そりゃそうだ。今までは俺がお世話になっているお礼も含めて、毎回食事など振る舞っていたしな。

 しかし今日は駄目だ。話の持っていきかたで、俺の命はこの場で終わる可能性高いし。

 

「桃白白様……とても言いづらいのですが、その事です。実はお力をお借りしたいのです」

 

 というか、なんで俺モジモジしてるんだろう。

 いや、個人的に殺人依頼とかしたことないし、こっちから頼み事したことないから、なんか緊張しちゃって。うわぁ、横目でみた桃白白様「お、おぅ」とか言ってらっしゃる。

 早めに真意を伝えないと、意味深な誤解をされそうだ。

 

「実はですね、こんな事が出来るようになっちゃいまして……」

 

 目の前で武空術を実演してみせた。

 他の気の技も実演してみせた。

 桃白白はコンランしている!

 

 実はカリン塔に登ってカリン様に会いました。あれさ、事前情報合ったら難しくないよね。空を飛んではいけないとルールになっているが、ハーネスとかロープもって登山体制で挑んだら、二日で登れました。夜?きちんとロープで固定して寝袋で寝たよ。

 で、桃白白様の訓練により基礎の出来ていた私は、なんとか一年で超神水をゲットしました。その一年で月が壊れたのは予想外でした。悟空とニアミスだったね。

 余談だけど、カリン様が混乱していた。あの方心読むからね。俺目線の桃白白様!って感じで語っていたら「え、あいつ実はシャイなの?」とか驚いていたし。そのうち非公式な桃白白様ファンクラブできないだろうか。

 

 ちなみに本物の超神水も飲んだ。よく生きていた俺!ここまでして、ようやく桃白白様を救う話の始まりだからなぁ。命を懸ける覚悟は出来てる。

 

「俺はお世話になった人には元気でいてほしい、助けられるだけじゃなくて助けたいと思っていました。……頑張った結果、力はなんとか手に入れたのですが使い方がわかりません。教えてください!」

 

 まぁこんなのは建前だと見抜かれるだろう、なんせ武道を鍛えたのは自分だからな。ただこの甘えを許して、どうやって力を手に入れたのか探り出そうとするのが桃白白様。

 生意気といって殺そうとするのが、その他悪党。さす桃格が違う。予想通り許し……あれ……桃白白様、その手の光るものは何でしょう?

 

「うん、これか。これはどどんぱという技だが、まあそこまで強くなった小僧なら死なんだろう。いやな、一年ほど呼び出しても捕まらずに何をしていたのか聞こうと思ったら強くなっていた。……これは体に聞くしかないだろう?」

 

 命懸けで考えた作戦なんです、手加減をとか言えないし!

 あぁ神様、明日の朝日が拝めますように。

 

 朝までのお話の結果、一年ほど専属で鍛えてくれる事になった。レッドリボン軍のお仕事は正式にお断りとなった。

 やっぱり仮弟子に自分より強くなられたのはショックだったみたいで震えていたし。

 

 良かった、ほんとーによかった。たぶんだけどここで話を変えても、原作への影響は少ないだろうしカリン塔へ登るように誘導するしかないか。

 

 まぁ俺無双はここでおしまい。カリン様にも言われた。俺の強さの才能はここまでなんだって。命がけで限界突破の超神水飲んで、ここがゴール。これ以上はなしなんだと。

 

 それを聞いて桃白白様、カリン塔に凄い勢いで登っていった。慌てて追いかけたけどついた途端、桃白白様に突き落とされた。酷い。

 もう一度上って漸く着いた頃には話は終わっていたようで、桃白白様は寝ていた。

 

 カリン様に呼ばれてすみっこにいったら笑いながら何があったか話してくれた。

「父親みたいな心配ばかりしておったぞ。体に異常はないのかとか。才能の限界とか言われて落ち込んだらどうする、とかの」

 

 やっぱりただのツンデレじじぃだったろう?桃白白様の限界はまだまだ先っぽいから、生き残るまで頑張って貰おう。私はあとはのんびり暮らすだけだし。




実は桃白白様のテーマソングはクイーンのFat Bottomed Girlsだと思う。

唐突に湧き上がる意欲によって出来ている作品です。
打ち切り御免にて、期待しないでください。


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