憑依物語(仮) (KE.)
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憑依、しました?

どうも初めまして、KE.ことケイです。
他の作品(といっても1つですが)に全くヤル気が起きず、他の作品に手を出してみることにしました。
つまりはこの二次小説です。

基本、私の趣味と妄想が入れ混じった小説なので期待をすると大損する確率が大です。
それでも読んで下さる方は、どうもありがとうございます。

感想は大歓迎ですので、どんな些細なことでも書きこんで下されば良いなーと思っております。
 



 

「兄さん!」

 

 

 

……拝啓、天国のお母様。

どうやら“私”は“俺”になったようです。

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

事の起こりは、私が超限定発売苺ミルク蜂蜜プリン(50個まで)を買おうと家を出た時でした。

いきなり車が(まるで狙ったように)私に突っ込んで来たのです。

 

私は車に轢かれ、意識を失いました。

 

そして目が覚めると見知らぬ場所に立っていたのです。

事情が分からず混乱している耳に入ってきた言葉は「兄さん!」という声。

思わず振り向くと、そこにはどこか見覚えのある子供が私に駆け寄ってきました。

 

「ジェ、ラー…ル?」

 

混乱している私から出てきた言葉。

 

青い髪に、右頬の刺青。

まさに私が好きだった“フェアリーテイル”のジェラールと瓜二つでした。

 

そのまま呆然とジェラールを凝視していると、きょとりとした顔と目が合いました。

 

「どうしたの?ジーク兄さん」

 

………なるほど、理解しました。

どうやら私はジェラールの兄に成り代わってしまったようです。正確には憑依、でしょうか?

原作にはジェラールの兄なんて存在しないので、言葉として表現するのは中々に難しいですね。

 

そんなことを頭の片隅で思いながら、私は目の前にいるジェラールに笑いかけた。

 

「いえ、なんでもありませんよ」

 

本当は世界規模クラスでなんでもあるのだが、ジェラールを心配させる訳にはいきません。

と、私は混乱しながらも自然にそう考えたのと同時に違和感を覚えた。

 

いくら好きなキャラだとはいえ、どうしてこんなにも気にかけることが出来るのだろうか?

これが他の二次小説の如く、神様の介入やら何やらがあるならまだしも、私は死んだと思ったら何時の間にかココに立っていたのだ。

 

「(もしかして…)」

 

ふと自分が何者なのかを再び認識した。今の"私"はジークレインなのだと。

意識していませんでしたが、どうやら"兄"としての記憶が私の深層心理にしっかりと根付いているようですね。

だから無意識に、私はジェラールの兄として物事を考えているのでしょう。

 

唯一有難いのは性格ですね。元々の"私"を男にしたようなので、繕ったり演技する必要はなさそうです。

そこは"ジーク"に感謝しておきましょう。

 

「変な兄さん」

「………」

 

私はジェラールの言葉に曖昧な笑顔を浮かべ、くしゃりと柔らかい髪を撫でました。

謝罪と、初めましての意味をこめて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………ところで、私はこれからどうすればいいのでしょう…?

男の体になってしまった弊害もあるのですが。

ちょっと品が無いですが、下のこととかも含めて。

 

 

 




書いてみると意外にやってしまった感が苛めないです。
多分修正すると思いますが悪しからず。ということで。



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未来への布石

皆様お久しぶりです。KE.ことケイです。

2話を見て下さっているということは、1話を読んで下さったのですね。
ありがとうございます!

さて、突然で本当に申し訳ないのですが、ネタがありません。
ネタが無さ過ぎて試作用に作った2話と3話を無理矢理繋げてみました。
途中で話の脈絡がなくて「は?なんでこうなってんの?」と思うかもしれません。

修正は必ずするので見逃して下さい切実に。
 



 

「………」

 

朝起きると、私に寄り添って寝ているジェラールが視界に映りました。

原作ではジェラールの小さい頃の描写といったら楽園の塔建設の時でしたからね…。

まさか捨て子だったとは思っていませんでしたよ。

 

「ん…っ」

「!」

 

小さい声を漏らし、寝返りをうつジェラールの身体からパサリと毛布代わりの布がずり落ちた。

それを拾い、再びジェラールに掛け直す。

私は一人っ子でしたからね……弟がいるというのは新鮮で良いものです。

 

ジェラールの横顔を見ながら、私はこの世界の原作を思い出していた。

 

「楽園の塔、ですか」

 

このまま原作通りに進めば、ジェラールは……。

ギリッと音を立てて手を握り締める。

 

「(させない。絶対にジェラールは守ってみせる)」

 

そのためには“力”が必要です。

大切な家族を護れるほどの、大きな力が。

 

手っ取り早いのは魔法ですね。

エルザが魔法を覚えた瞬間、楽園の塔を制圧するほどの力を手に入れたのですから。

残された時間は多くありません。

“使いこなす”までいかなくとも“使える”ようにはしたい。

 

「(もし失敗したら、その時は…)」

 

私はジェラールを見つめ、浮かび上がった未来に首を振った。

その未来を、かき消すように。

 

 

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

「七つの星に裁かれよ、七聖剣(グラン・シャリオ)!」

 

人里離れた森の中、煌めく七つの光が1つの木へと降り注ぐ。

木はメリメリと幹を割り、大きな音を立てて崩れ落ちた。

 

「……及第点、といったところでしょうか?」

 

長い蒼髪を揺らしながら、ツカツカと木の側に近付くジークレイン。

始めてにしては上出来ですね。などと呟きながら周りを軽く見渡した。

 

現在、ジークは一人で魔法の修行をしていた。

勿論このことは実の弟であるジェラールにさえ内緒にしている。

理由はただ単純に1人で練習したかったのと、

 

「“ライディン”」

 

自分が知っている“他の世界の魔法”を使ってみたかったからだ。

 

現代の知識がある“私”にとっては、それが唯一無二のアドバンテージですからね。

試さないという手はありません。

 

一応自分が知っている限りの魔法を使ってみましたが、全く問題はなし。

要はイメージですから、私の魔力が尽きない限り失敗は無い。ということですね。

本当に便利ですよ。

 

「っと、いけません。早く帰らないと」

 

この光景をジェラールに見せるわけにはいきませんからね。

 

ジークはくるりと踵を返し、急いでジェラールの所へと向かった。

黒コゲになった巨木に、見向きもしないで。

 

 

 




やっちったぜ☆



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分岐する未来

最近、自己紹介がマンネリ化してきてるなぁと感じているKE.ことケイです。

今回はネタとか宇宙の塵にして趣味全☆開でカキコしました。
誹謗?中傷?そんなの知らねぇでございますよ。

 



 

《ジェラールSide》

 

「は、なせ…っ!」

 

ジーク兄さんが用事でいない時、知らない男がやって来て俺の腕を掴んできた。

周りにも同じような服を着た奴等が何人もいて、逃げられないことを暗に示していた。

 

「(クソッ!なんなんだコイツ等!)」

 

大人と子供では有り過ぎる腕力の差。

痛いほどに掴まれた腕が離される気配は無い。

オマケにこちらは体力的にも限界がある。

気を張っていないと倒れそうなほどだ。

 

「離せ!……ぐっ!」

「大人しくしろ!!」

 

大きく抵抗しようとすると何処からか飛んでくる鞭。

倒れると無理やり立たされ、殴る蹴るの暴力が始まる。

痛くて、痛くて、痛くて。

飛びそうになる意識の中で、俺はぼんやりと地面に落ちる血を眺めた。

 

「やっと大人しくなったか?」

「奴隷のクセに手間取らせやがって!」

「(ど、れい……?)」

 

ジャラリと音を響かせ、冷たくて重いモノが俺の両手首に嵌められた。

それが枷だと知った瞬間、体内の血が一気に冷めていくのを感じた。

 

「(連れて行かれる…?嫌だ、兄さん!)」

 

最後の抵抗とばかりに暴れようとしたが、ぐったりとした身体は俺の言うことを聞かなかった。

どうして、俺はただ……兄さんと一緒にいれれば、それで……それだけで…ッ!!

もう兄さんに会えなくなるなんて、俺は…!

 

「(兄さん!!)」

 

ドゴォッ!!

 

「が、ぁッ!」

「何だこのガキ!!」

 

硬い音が鳴り、俺を抱えていた奴が倒れた。

宙に投げ出された俺は地面にぶつかる覚悟で目を閉じたが、感じたのは優しい包容だった。

その暖かさに、じわりと目尻に涙が浮かぶ。

 

「に、さん…!」

「ごめんなさい。間に合わなくて」

「にいさん、兄さん…っ!」

 

違う、違うよ。

兄さんはちゃんと間に合ってくれた。

俺を助けてくれた。

 

「ジェラール」

「にい…さん……」

 

名前を呼ばれて気が抜けたのか、俺は眠るように気を失った。

 

 

《ジェラールSide 了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて」

 

気絶するように眠ったジェラールを静かに地面に寝かせ、奴隷商人共に向き合う。

全く、ジェラールをこんな目に合わせるなんて兄として失格ですね。

 

まぁ今はそれより、

 

「私の大切な弟に手を出して、無事に済むなんて思わないで下さいね?」

 

ごきりと手を鳴らし、威圧するようにゆっくりと歩を進める。

じりじりと煮え切らない歩みに刺激されたのか、私から一番近い奴が考えも無しに突っ込んで来た。

 

「うおぉおおおぉぉぉおぉ!!!」

「大地の咆哮。其は怒れる地竜の双牙」

 

“グランドダッシャー”

 

地面が割れ、その隙間から鋭い刃と化した大地が敵に喰らいつく。

ザシュッという音が響き、ボタボタと地面に赤い水溜りを作る。

生死などどうでも良いと考える私は、随分と怒っているようだ。

 

「ひ…っ!」

「うわあぁあぁぁ!!」

 

仲間の姿を見て悲鳴をあげる者、動けなくなる者、逃げようとする者。

私はそれら全員を捕まえ、最初の男と同じようにしてやった。

勿論、血を浴びるなんてドジな真似はしない。

そんな穢らわしいモノを服に付けたくし、何よりジェラールの目を汚したくない。

 

こんな奴等の血を見るのは、私だけで十分だ。

 

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

 

奴隷商人共に一生消えることのない傷痕(トラウマ)を植え付けた私は、ジェラールの側に膝をついた。

 

「……万物に宿りし生命の息吹よ、此処に」

 

“リザレクション”

 

身体中に痛々しい痕を残しているジェラールに、治癒魔法をかける。

青褪めた様な顔に血行が戻ったのを確認すると同時に、私はゆっくりと息を吐いた。

あぁ、良かった。本当に。

 

「ジェラール」

 

顔にかかった前髪を払い、静かに微笑む。

その顔はこの場に似合わぬほど穏やかだ。

 

ジークはジェラールを優しく抱き締めると、最後とばかりに魔力を紡いだ。

 

「二つの点は一つの点に。星幽界の守護者よ、我をかの場所へと導き給え」

 

“ルーラ”

 

淡い光が二人を包み込み、空へと消えた。

 

 

 




たった一言だけ言わせて貰おう。楽しかった以上。」

ぶっちゃけ詠唱とか好きですが何か?
今のところ、使う予定の詠唱は↓

・ドラクエ
・テイルズ
・FF
・スレイヤーズ
・カノン王国聖戦記
・タクティクスオウガ
・ソードワールド
・BLEACHの鬼道

の内のどれかから選んで使います。
今回のグランドダッシャーとリザレクションはテイルズ、ルーラはドラクエです。
前話のライディンもドラクエ使用です。

他にもこの作品の詠唱をして欲しい!という希望がありましたら感想にてお書き下さい。
使える場面がありましたら採用します。
詠唱が無くても大丈夫です。KE.が勝手に詠唱を作りますので。

オリジナル詠唱もOKです。
技名、詠唱、効果を感想にてお書き下されば採用させて頂きます。
 


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手負い

フェアリーテイルの漫画を買おうかどうか迷っているKE.ことケイです。
漫画持ってないんですよねー。友人に借りて一度読んだきりなんですよねー。
原作に入るのはまだ先ですが、どうしましょうかねー。

いっそのことアニメ沿いでも良いですかね?
うんうん。そうしましょう。


 

《???Side》

 

ドサリッ!

 

「?(何だ?)」

 

何かが倒れるような音が外から聞こえ、オレは思わず首を傾げた。

疑問に思ってギルドの扉を開ければ、ゴツリと固い何かが当たった。

 

「あ?……ッ!おい!大丈夫か!?」

 

そこには、同じ顔の二人組が倒れていた。

髪の長い方は下の奴を護るように倒れているが……魔力が微力すぎる。

このまま放っとけば死ぬぞ!!

 

「おい!しっかりしろ!!」

「グレイ、どうした?」

「人が倒れてんだよ!」

「何!?」

 

俺の言葉に反応した数人が倒れている2人を中に運んだ。

同じ顔に同じ髪色、そして左右対称にある命紋(フェイト)……。

明らかに兄弟だと分かる。むしろ似過ぎだろ。

 

「う…っ」

「!」

 

髪の短い奴は眉間に皺を寄せ、苦しそうに唸り声をあげる。

そして、そいつはゆっくりと目を開いた。

 

《???Side 了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!」

 

意識を浮かび上がらせたジェラールは見知らぬ天井に目を見開き、勢い良く上半身を起こした。

 

ここはドコだ!?

俺はあの時……、…ッ!そうだ、兄さんは!?

 

「兄さん…!」

 

周りを見回したジェラールは覚束ない足取りでジークの側へと寄り添う。

覗きこんだ顔色は青白く、手は冷たい。

 

「…俺の、所為だ」

 

兄さんがこんなことになったのは全部、俺がいたから…!!

俺さえいなければ、兄さんは…!

 

握りしめた掌には爪が食いこみ、ブツリと生々しい音が聞こえる。

 

「なぁ、」

「!!」

 

ジェラールは掛けられた声にバッと振り向き、まるでジークを護るかのように立つ。

その強すぎるほどの警戒心は、ともすれば殺気と間違えられるほどに鋭い。

現に、近くにいた何人かは顔を硬くした。

 

「まず最初に言っとくが、俺達は敵じゃない」

「………」

 

グレイの言葉に、ジェラールは無言の答えを返す。

目がすでに“信用できない”と語っている。

 

「(手負いの獣みたいな奴だな……)」

 

いや、実際に“兄”が危険な状態ならこの反応は当たり前か。

そもそも、コイツも何でここにいるのか分かって無いんじゃないか?

あまりにも警戒心が強すぎる。

 

「(どうしたもんか…)」

「ジェラール…?」

 

困ったような顔をするグレイ。

一触即発のような緊迫した雰囲気の中、静かな声が空気を揺らした。

 

「ッ、兄さん!」

 

身体全身から出されていた警戒心は成りを潜め、ジェラールはジークに抱きついた。

 

「ふふっ。無事で、良かったです」

「ごめんなさい。俺の、俺なんかの所為で…!」

「ジェラール」

 

ジークはジェラールの言葉にピクリと反応し、少し怒ったようにジェラールの両肩を掴んだ。

 

「ぁ、ごめ…なさ…」

「“なんか”なんて言わないで下さい」

「え?」

「貴方は私にとって唯一無二の大切な弟です。それを卑下するなんて、例え貴方であっても許しません」

 

そう言い切ると、ジークはジェラールの目尻に溜まった涙を拭った。

怒っている雰囲気などすでに無く、いつもの優しい笑顔を浮かべるジーク。

 

「私は謝罪よりも聞きたい言葉があるのですが?」

「……ありがとう、兄さん」

「どういたしまして」

 

そこでようやく、ジェラールも笑顔を見せた。

 

 

 

 




なんか大きいイベントやりたいなぁ。
日常のほのぼのとした雰囲気も好きだけど、戦闘の殺伐とした雰囲気とかも好きなんですよねー。


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