ようこそ実力至上主義の教室へ 【捻くれ者の主人公】 (修羅シュラ)
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ようこそ実力至上主義の教室へ編
ようこそ夢のような学校生活へ


ちょっとなんかダラダラして書いてるので温かい目でご覧ください。


俺は社会から逃げるために高校生になった。

ある目的を果たすために、俺はその目的を果たすためならどんなことでもしよう。もう泥はかかりまくって、もう自分が誰かもわからなくなった。こんな俺でもやることはある。俺はある目的のためにこの高度育成高等学校に入った。

そして、俺は入学式の日にある人物と会うために校門前にいた。

そいつと確実に会えるために8時半登校のところを俺は7時半に待っていた。俺は時間を潰すために校門の前で本を読んでいた。

読んでる本が4分の1ぐらい読み終えるとその人物は来た。

でもそいつの隣には超がつくほどの美少女が一緒にいた。

黒髪を腰までなびかせ凜とした顔つきでそいつと一緒に歩いていた。

俺が待っていた人物は俺を見つけた瞬間歩いていた足を止めこちらを凝視していた。

 

「よう、久しぶりだな」

 

「なぜお前がこの学校に」

 

俺は普通に話しかけるとそいつは半分嫌そうな半分嬉しそうな顔でこちらを見ていた。

俺が待っていた人物。それは綾小路清隆。いわゆる俺の幼馴染ということにしておこう。

 

「なぜって...まあいい歩きながら話そう」

 

「そうだな。遅刻してしまうからな」

 

「あら私を忘れないでくれるかしら」

 

美少女はこちらを見ながら言い放った。

別に忘れてたわけじゃないけど、こいつ邪魔だな。まあいきなり邪魔なんて言い出したら怒られそうだからやらないけど。

俺と綾小路と見知らぬ美少女と一緒に同じ方角へ歩き出した。

 

俺たちは指定された教室へ向かった。俺と綾小路は一緒のクラスだった。

俺は綾小路と一緒に教室へ入り自分のネームプレートがある場所に座ったオレは一番廊下側の一番後ろで清隆は窓側近くの後ろの方の席だった。真反対だなと思いながらオレはホームルームが始まるのを本を読んで待った。

 

******

 

オレ綾小路清隆は前に太った少年に話しかけようか迷っていた。もちろんオレも高校生なので友達は欲しい。けど勇気が出せずにいた。

いきなり話しかけたら困るだろうしな。いや、気付いた時には敵に囲まれ、孤立させられてる可能性は大いにある。だったら自分から、いや返り討ちにさせるかも。

あかん、負のスパイラルや。

と考え込んでるうちに太った少年は別のクラスメイトに話しかけられていた。

自分の不甲斐なさに猛省した。思わず深いため息をついた。

 

「入学早々随分と重たいため息ね。私もあなたとの再会にため息をつきたいところだわ」

 

「同じクラスだったんだな」

 

話しかけて来たのはバスで隣に座り、八幡と一緒に登校したやつだ。

オレはこんな可愛い子が隣の席に座り学校生活が送れるのかと思うと少しドキドキした。

オレは自己紹介をして、隣の女も自己紹介をして来た。

名前は堀北鈴音と言うらしい。

オレはそんなこんなしていると始業を告げるチャイムが鳴った。

ほぼ同時に、スーツを着た一人の女性が教室へと入ってくる。

 

「えー新入生諸君。私はDクラスを担当することになった茶柱佐枝だ。普段は日本史を担当している。この学校にはクラス替えが存在しない。卒業までの3年間、私が担任となる。よろしく」

 

自己紹介を終えるとこの学校の話になった。

この学校のルールは肉親であっても学校の許可なく連絡は取れない。

許可なく学校の外に出るのは固く禁じられている。

ただしその反面生徒が苦労しないような施設はたくさんある。カラオケ、カフェ、映画館などの小さな町が形成されている。

そしてSシステム。

学生証カードにクレジットカードのようなものが付いており、学校内に、おいてこのポイントをで買えないものはないと言う。

しかも毎月1日に平等に10万ポイントが支給される。1ポイント1円の価値がある。

こんな裏がありそうな高校は初めてだと感じた。

 

「以上だ。質問はないか?......なら良い学生ライフを」

 

茶柱先生が出て行ったあと教室内は大騒ぎになった。

まあ1ヶ月に10万の小遣いが貰えるんだもんな。そりゃ騒ぐな。

みんなが騒ぐ中一人が自己紹介をしようと提案をし、自己紹介タイムが始まった。オレは友達を増やしたいので教室に残り赤髪の不良のやつや堀北とあとは八幡も教室を出て行った。

そしてオレの自己紹介は失敗に終わりフォローしてくれたやつに心の中で感謝した。

 

******

 

俺たちは入学式が終わり自由行動になった。俺は綾小路と一緒にコンビニに向かっていた。

 

「おい。八幡お前なんでこっちに来たんだ」

 

「お前、言わなきゃわからないか?前から言ってるだろ専業主夫志望だって。なんで専業主夫志望の俺が働かないといけないんだよ」

 

「いつも通りのお前だな。お前はあいつに信頼されたんだろ?」

 

「お前もだろ?こっち来やがって」

 

俺は綾小路とこんな変な話をしながらいた。

 

「......またしても嫌な偶然ね」

 

コンビニに入ると偶然にもまた美少女がいた。

やっぱり運命かな?俺告白して振られて孤独の高校生活送っちゃうよ!やっぱり振られちゃうのかよ

 

「そんなに警戒するなよ。と言うか、堀北もコンビニに用事だったのか」

 

綾小路もコンビニの商品を順番に見ていた。

俺も何か買うかと思い、チラチラ商品を見ていた。

 

「ええ、少しね。必要なものを買いに来たの」

 

堀北という女性はシャンプーなど必要なものを買っていた。

 

「あと気がかりなのは友達のいなそうな綾小路くんなのに、友達がいたなんてね」

 

こちらに目もくれず商品を見ていた堀北が言ってきた。

綾小路の見た目って友達できなそうに見えるのk......。いや見えるなこいつボッチぽい。

 

「あぁ昔馴染みの縁でな。俺だけ下の名前で呼ぶ中だ」

 

綾小路もカップラーメンを見ながら言っていた。お前らは夫婦か。

 

「それあなた嫌われてるんじゃない?」

 

綾小路はハッとした顔でカップラーメンを下に落とした。

おっといい線をついてきますね。

 

「えっと俺は綾小路と腐れ縁の比企谷八幡だ。よろしく」

 

一応話をすり替えようと答える。

 

「いえ、よろしくするつもりはないわ。まあ一応名乗っておくわね。堀北鈴音よ」

 

こうして俺は堀北と出会いそして清隆とも出会った。

ここからこの学校の実力至上主義なものになっていくなんて思ってもいなかった。

てかよろしくしてくれないのかよ。

 



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この学校の日常

なかなか俺が好きな3巻まで行かないな。
2巻飛ばそうか迷ってる作者です。すいません。
まあ書いてもいいかなレベルなので、書かずに時間があったら番外編で描くかもしれません。


世界は平等ではない。そう思わないだろうか。みんなはどう思ってるかは知らないが俺ははっきりと思っている。この世は平等ではない。

平等じゃないと言えるのは人間がそもそも一人一人違う個性を持っているからだ。才能や地位などたくさんあるが人それぞれ違う。平等というのは人が作り出した理想の言葉だ。人間は平等ではない。だから世界は平等を求めている。もしこの世界の人間が平等だとしたら世界はどんな風になるんだろう。きっとつまらない日常になるんだろう。だけどつまらなくても俺はその日常が.........平等が欲しい。

 

******

 

堀北鈴音はすぐにスタスタ帰ってしまい俺と綾小路は一緒に寮に向かっていた。寮に着くと寮というよりマンションに近いものだった。

寮に入ると俺たちは受付に行きカードキーとマニュアルをもらった。

俺のカードキーには407と記入されていて綾小路は401と記入されていた。

マニュアルは二人とも同じもののようだ。歩きながらそんなことをしているとエレベーターについた。

エレベーターは立派な作りでモニターもついていた。エレベーターの中に入るとなかなか広いもので二人だけだと広すぎて一人で乗ってる感じだった。

 

「ゴミ出しの日や時間 騒音に気をつけること水の使いすぎや無駄な電気の使用を控えること。電気代やガス代も基本的に制限がないのか...てっきりポイントからかと思っていた」

 

綾小路が一人でマニュアルを読みだした。何だ病気かと思ったぞ。

 

「まあ電気代やガス代はあまり使いすぎたら先生に注意されたりするんじゃないか?わからんけども」

 

俺はちょっとした疑問を口に出した。

綾小路は「あぁそうかもな」と返事し、4階にあっという間に着いた。

綾小路は401で俺は407というなかなか近い距離にあった。

綾小路は401に入り俺は407に入った。入るとちょっといい一人暮らしができるぐらいのスペースがあった。

俺はベットに飛び込み今日起きたことを整理した。

本当にこの学校やりすぎじゃないか?なぜこの学校がこんなにすごいんだ?毎月10万のお小遣い。カフェやカラオケそしてショッピングモールがあるなどのすごい施設。小さな街みたいなものだ。唯一この学校のデメリットといえば外の奴らと連絡が一切取れないことだ。

でもそれをかき消すほどのメリットが豊富すぎる。この学校はどうなっている。

 

******

 

こんなに設備がいいんだから学校の授業ぐらいは手を抜いているのかと思っていたがそんなことはなかった。昼休みになるとみんなは一気に友達を誘い食堂へ向かって言った。チラリと綾小路と堀北の方見ると何やら二人は話してるようだった。

何だ綾小路にも友達いるじゃねぇかよ。よかったな。

あいつには友達がいるようだし、俺は食堂へ向かおう。

綾小路が待ってくれ!とでも言うかのような顔をして俺を見ていたが、堀北がいるからいいだろ。と思い無視して食堂へ向かった。

 

******

くそ、八幡のやつ少し待ってくれてもいいじゃないか。オレは一人で飯食うんだぞ。一緒に食べてくれても......。

 

「哀れね」

 

堀北は捨て言葉を残し去って行った。

哀れなのかオレはいや哀れだな友達もできずにこんなところでうじうじしてるなんて哀れすぎて何もいえん。

オレはコンビニでパンを買おうと外へ出た。

 

******

 

コンビニから帰ると堀北が一人で飯を食べていた。

黙っていれば美人なのに。

話しかけづらいのでオレはコンビニで買ってきたメロンパンを口に入れた。

食べ始めようとした瞬間に校内放送が流れた。内容は部活紹介らしい。部活に入りたい奴は体育館に来いと言うことだ。

部活には興味なかったオレだがこれが最後の友達作りだと考えた。

しかしオレは一人で行く勇気がないので身近にいるクラスメイトに...

 

「わたしは行かないわよ」

 

「まだ何も言ってないだろ」

 

堀北は感づいているようだった。オレの目的に。

けどここで諦めるわけにも行かず堀北に再度頼むことにした。

 

「なあ堀北は部活入りたくないのか?」

 

「興味がないわ」

 

まあ興味なさそうだもんな。堀北は部活やってない代わりに他の経験があるのか?

 

「なにか失礼な事考えなかった?」

 

「お前が想像してる失礼な事ってどんな......ゲフッ!?」

 

堀北の拳がオレの腹に当たった。

 

「次からはあなたを指導するときは暴力にしようと思うわ」

 

クソッ普通にこいつの力普通に強かったぞ。

オレが悶えてる時に放送がかかった。生徒会の紹介もあると言う放送だった。

やっぱりこの学校も生徒会はあるのか。生徒会って言ってもどれくらいの地位があるんだろうか、ちょっと気になるな。

 

「ねぇ綾小路くん。少しなら付き合ってもいいわよ」

 

******

 

こうしてオレは部活紹介に行くことができた。部活紹介はひどく賑わっておりスクランブル交差点のより賑わっていた。

堀北と距離を取りながらブラブラ歩いていると。オレの耳から聞こえてきたのは生徒会の紹介だった。

生徒会の紹介が始まると堀北の顔がすぐに変わった。まるで憧れる人を見るように生徒会長らしき人を見ていた。

しかも何だ?急に静かに...

 

「私は生徒会長を務めている堀北 学と言います。生徒会もまた上級生の卒業に伴い一年生から立候補者を募ることになっています。特別、立候補に資格は必要ありませんが。もしも生徒会へ立候補を考えているのならば部活動の所属は避けていただくようお願いします。それから私たち生徒会は甘いものではありません。甘い考えで立候補すると当選することはおろか学校に汚点を残すでしょう」

 

「我が校の生徒会は起立を変えるだけの権利と使命が学園側に認められると期待されている。そのことを理解できるもののみ歓迎しよう」

 

生徒会長の威圧はすごいものだった。

この会場にいる全ての生物を硬直させるほどのプレッシャーだったな。あと堀北の様子なんだったんだ。

オレは堀北と別れ寮に戻っているところだった。

 

「あ、綾小路くん」

 

可愛らしい声でオレのことを読んだのはもちろん堀北じゃなくあの櫛田桔梗だった。

 

「良かった綾小路くんのこと待ってたんだよ。ちょっと話がしたくって、少しいいかな?」

 

櫛田は微笑みながら俺に問いかけてきた。

 

******

 

「ってことなんだよ」

 

俺は綾小路の話を教室で聞いていた。

綾小路の話をまとめると、櫛田に堀北と仲良くなりたいから仲を取り持ってくれないかと持ちかけられ、徐々に友達になる作戦でやったが結果は失敗し櫛田はストレートに申し込んだがあっけなく却下されたと言うことか。

ふむ、やっぱり堀北は俺と似ているな。やっぱり運命かな。

てか養ってくれないかな?

 

「けど櫛田がそんなに堀北に執着する理由が全員と友達となりたいからだけか?俺は少し疑問を持っているぞ」

 

「それはオレも同感だ櫛田は本当に友達を作りたいだけなのか?それとも...」

 

すると俺たちに声をかけてきた奴がいた。

 

「おーい綾小路!え、えーっと、ヒ、ヒキタニ!一緒にプール行こうぜ!!」

 

めちゃくちゃテンションが高い池に声をかけられた。

おい。てかヒキタニって誰だよ。この学校にはそんなやついないぞ。

てかプールそんなに好きなのか?いや女子の水着が目的か。こいつ人一倍女子のこと見てるんもんな。だからテンション高いのか。

 

俺と綾小路は断る理由もなく池について行った。綾小路はなぜか嬉しそうだった。あーそんなに友達欲しかったのか。哀れ綾小路。

 

******

 

プールはめちゃくちゃデカく長かった。これ学校のプールか?と疑問を持つぐらいにでかい。

俺はプールに感心していると、池がフンフンと鼻息を荒くして女子を待っていた。おいおいこいつマジでヤバいぞ。俺が女子だったらこいつには近づかないでおこうと志すぞ。

 

「うわ〜凄い広さ、中学のプールなんかよりもずっとおっきいや」

 

そんな声が女子から聞こえる。池と山内がさらに興奮し出した。おいおいお前ら、女子好きすぎだろ。俺はまあ興味がない、と言うと嘘になるが、そこまで意識して見ようとも思わない。あまり目立たずに、この学校生活を送るために、社会のつまはじきになってはいけない。池と山内が女子の水着に興奮していると。

 

「二人とも何やってるの?楽しそうだね!」

 

二人の間を破るように櫛田が顔をのぞかせた。

 

「く、くくく、櫛田ちゃん!?」

 

二人は動揺したようでぺたりと音を立てて座り込んだ。

おいおい。まあ動揺するのも無理もないか。

池と山内は普通に櫛田の胸やお尻を見ていた。

おいおい。何やってんだお前ら、どさくさに紛れて胸見てんのか。

俺もつい乳トンの法則とやらで、自然と向いてしまうが、それを避ける。

綾小路は外を見て、まるで世界平和って素晴らしいとか考えてるような顔をしていた。

 

「何を黄昏ているの?」

 

堀北は綾小路に向かってそう告げた危ねぇ。これほどモブでよかったと思ったことがないぜ。

俺はそろそろプールの授業が始まりそうだったので準備運動を始めた。しばらく準備運動をしていると堀北が近づいてきた。なんだ、俺何もしてないよね!?

堀北はまじまじと俺の全身を見ていた。なんだよ、いやヤバいな。絶対これ聞かれるぞ。

 

「比企谷くん。あなた、綾小路くんの幼馴染よね?運動してたの?」

 

「運動なんてしてないぞ、一般的な体よりもガタイがいいだけだろ。そこまでガタイがいいとは言えないと思うがな」

 

「一般的な人よりもガタイがあったとしても筋肉の発達は普通じゃないわよ。綾小路くんみたいね。しかもこのキズ...」

 

堀北は俺に右胸にあるキズを触ろうと手を伸ばした。

 

「それには触れないでくれ」

 

「!?.........ごめんなさい」

 

少し反省したように手を下ろした。

 

「いや別に大丈夫だ。それと筋肉のことは、俺の親父がプロテインを俺に飲ませてたから、こんなに発達してったんだよ」

 

「お前ら〜集合しろー」

 

こんな会話をしていると先生が集合をかけた。

見学者以外はみんな先生のもとに集まり始めた。

 

「見学者は16人か。随分と多いようだが、まあいいか」

 

絶対サボりもいるだろうが、そこまで先生は追求せずに始めた。

 

「準備体操をしたらお前たちの実力を見たい。競争をしてもらうぞ」

 

俺たちは準備運動が終わり次第、水に慣れるために、一本軽く流してから、競争が始まった。

 

「1位になった生徒は、俺から特別ボーナス、5000ポイントを支給しよう。一番遅いやつは、逆に補習だぞ」

 

競争は50M自由形である。女子は人数が少ないため5人2組にわけ一番タイムが早い奴が優勝となる。男子はタイムが早かった上位5人で決勝だと言う。

俺は水泳は好きな方だ。なので俺はどうしようか迷っていた。ここで本気を出すか出すまいか。5000ポイント......かちょっと興味があるんだよな。ポイントはいくつあってもいいからな。

 

「八幡、お前やるのか?」

 

綾小路が真顔で聞いてきた。まあこいつはいつも真顔だけど。

 

「あぁどうするか迷ってるが上位5人には残るつもりだ」

 

「そうか。気をつけろよ」

 

目が語っていた、やり過ぎるなと、力を出し過ぎるなと。

お前に心配されるほど俺は甘くはない。

 

「わかってるさ」

 

女子のレースは堀北が相当早いタイムをだしたが小野寺という水泳部が一位だった。

そして男子の番だ。

俺は3コースで須藤が1コース、綾小路が2コースだった。

とりあえず須藤についていければ余裕か。そんなことを考えながらスタート台に飛び出した。

俺と須藤はものすごいスピードで泳ぎきった。俺がついてきたことが意外だったようで驚いていた。

 

「二人ともすごいな。同着で25秒切っているぞ」

 

綾小路は36秒ぐらいだった。まあ最下位ではなかったらしい。

 

「お前ら水泳部に入らないか?練習すれば全国行けるぞ」

 

「いえそんなめんどいことはしたくありません」

 

「まあ俺はバスケ一筋なんで。水泳は遊びっすよ」

 

俺と須藤は多分確定的に5位の決勝戦に出ただろう。

あとは平田やあのチャラ男、高円寺が俺らよりもタイムを2秒も早くゴールしていた。しかも高円寺は全然本気で泳いだとは思えない。

俺は決勝戦の5人に選ばれたので少しワクワクしながらスタートラインについた。

なぜか知らんが綾小路は池に絡まれていた。何やってんだか。

 

 

 

 

 




******

「クソッ!」

水泳の結果高円寺が1位に終わった。須藤は2位でその結果に不満なのかで更衣室でロッカーを殴っていた。
俺はというと最下位で幕を閉じた。しかも反則で終わりだ。

俺、高円寺、須藤は快調にスタートを切ったが、高円寺のスピードは異常で俺と須藤をぐんぐん突き放して行った。しかし俺は、高円寺の泳ぎを見て興奮したのか、俺も高円寺を追い越そうと、少し泳ぎをキレを入れだした。須藤とも差が開きだし、25Mのターンの時、俺と高円寺の、デットヒートだった。ターンを俺と高円寺は快調にきめて、壁に脚をつけ、思いっきり蹴り出した。高円寺も俺を全く気にしていなかったようだが、水中でニカッと笑い出しスピードを上げた。俺は高円寺の強さを垣間見た気がした。俺は水をかいていた手を止め、溺れるように水中に沈んだ。あまり深くない学校のプールはすぐに足がついた。
途中で立ったため俺は反則で負けだ。




とりあえず次回は中間テストを挑むまでのところまで書くかなと思ってる。




.........文字数多くなったな。


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不良品のクラス

前に見てくれていた人たちもうわけございません。
比企谷八幡に変えました。俺ガイルがやっぱり好きで八幡を出して見たくなってしまいました。

注意 一人称が俺の時は八幡の視点
一人称がオレの時は清隆視点ですのでよろしくお願いします。


4月の中旬俺はいつものように、食堂で観察を続けていた。

1番の疑問だったのは、毎月10万ポイント振り込まれているのに、一クラスいやニクラス分の生徒が無料の山菜定食を食べているのだ。普通に金遣いが荒いのかと思ったがこの人数はおかしい。やっぱりこの学校は何かある。俺はコミュ障の力を振り絞り山菜定食を食べている一人の生徒に近づいた。

 

「あ、あの少しいいでしゅか?」

 

はい、お約束のように噛みました!もうこういうのでやめたくなるよね。そのまま走って立ち去ってやろうかな。

 

「うわ!?......お、おう」

 

男の生徒はこちらに振り返りすごく驚いたあと平然にしていた。

はい、そんなにビビりますかね?ちょっと傷つきますよ。泣いちゃいますよ。

 

「あの俺1年D組のマイケルって言うんですけど、ちょっと質問していいですか?」

 

「マ、マイケル?その顔でか?日本人じゃないのか?」

 

「はい、日本人じゃないです」

 

「そ、そうか。で、マイケル何が聞きたい。けど俺はそこまでお人好しじゃないからな。めんどくさい説明とかだったら答えないからな」

 

男の人は目の前にある山菜定食を食べ始めた。

俺はと言うと自分で名乗ったマイケルに吹き出しそうになっていた。

 

「それは承知の上です。とりあえず質問してもよろしいでしょうか?この学校はなんなんですか?」

 

男の生徒は山菜定食を食べていた手を止めた。ビンゴか。

 

「それはめんどくさい質問に入るな。すまないなマイケル帰って......」

 

「ねぇ?先輩、山菜定食美味しいですか?もし俺の予想が正しければ、山菜定食しか食べられないんですよね?ポイントがなくて。なぜポイントがないのか知りません。けど今の自分ポイントありますよ」

 

俺は先輩の言葉に割り込むように会話を切り出した。

コミュ障の俺がこんなに喋れるなんて成長したな〜。

 

「......いくら払う?」

 

「5000ポイントでどうだ?」

 

「......いや、5000ポイントはもらうが、俺とのある契約を結んでくれ、そうしたら話してやる」

 

まあ、5000ポイントだけで話してくれるほど甘くない学校とわかっただけでもよしとするか。なんの契約を結んでくるのか、けど後悔するなよ。俺と契約を結ぶということは悪魔と契約するということだからな。

 

******

 

小テスト。そう今日俺たちは小テストを受けている。

問題は実に簡単で中学生の基礎問題ぐらいの問題で標準レベルの人でも軽く高得点を狙える問題だった。

俺はカリカリ進めていき、残り3問になった。残り3問はどう見ても難しい問題だった。先輩の言ってた通りだったな。

高一で解ける問題じゃない。

どうするか、解くか?それとも解かずに空白にするか?

うーんどうするか、小町ちゃーん助けてよー。

 

******

 

小テストが終わり、放課後になった。

俺は学園で買ったラノベで暇を潰していた。てかこのすばとかいう小説面白いな。アニメ化したらしいから今度見てみるか。

綾小路は友達と遊びに行ったらしいが俺は行かなかった。てか誘われてもめんどくさいし、行かないし。べ、別に寂しいとか思ってないんだからね!

 

******

 

そしてみんなは青春を謳歌していった。彼女を作ったやつや、彼女を必死に作ろうとするもの。こういうのを青春というんだろうか。

けど肝心のこの主人公の俺は目が腐っているし、根暗なため。青春を謳歌するのではなく、孤独を謳歌していた。

うん、やっぱり一人最高、最強。

しかもこの学校は月の初めの日に10万もらえるし、自分の金じゃないから、普通の高校生よりも贅沢に謳歌できるというものだ。

でも待って欲しい、人に奢ったり、相手にプレゼントするよりも自分のためにお金を使ったほうがいいと思う。

俺が中学生の時、お小遣いを貯めて相手の誕生日の日に、プレゼントを渡した。けど相手は「え?.........なんで私の誕生日知ってるの?......あ、いや、あ、ありがとう」って言ってきた。

プレゼントを受け取ってもらったあと俺は自分の布団で悶えた。

ってことになっちまうぞお前ら。

結論。青春を謳歌すると自分も火傷してしまう。

 

完璧な論文を考えながら俺は教室に入った。月初めのためみんな喜んで、騒いでいると思っていたが、辛気臭い顔をしながら騒いでいた。

うん。まあそうだよな。うちのクラスはな。

俺は綾小路の方に近づき、一応なにがあったか聞いてみた。

 

「あ、八幡か。今みんな騒いでいるのは月初めなのに10万ポイントが入ってないって騒いでるんだ」

 

まあ予想通りだな。

俺はポイントを確認しようと生徒手帳を見ていた。するとどういうことか何も振り込まれていなかった。

先輩の言葉だと「月初めの日絶対にクラスの奴が騒ぐ、それは振り込まれてるポイントの量が少ないからだ」

ポイントの量が少ないではなく俺らのクラスの場合は「ゼロ」

あーやばいな。俺らのクラスやらかしすぎだろ。まあ授業中なんてすごかったもんな。みんな遊び放題。こどもの国だった。

しばらくすると先生が教室に入ってきた。

 

「先生!ポイントが振り込まれてないんですが!」

 

山内が手を挙げながら先生に聞いた。

まあこのクラスのアホどもは聞くだろうな。

 

「いや、今月のポイントは振り込まれた。お前達のクラスだけ忘れられたわけでも、遅れてるわけでもない」

 

茶柱先生は無表情のまま言ってきた。

ん、なるほど生徒にわかるように、説明してくれてるな。

 

「え?......でも......なぁ?」

 

ほとんどの生徒はこの謎に気づいてなくざわざわし始めている。

いやお前ら気づけ、このくらい気づかなくてどうする。

 

「お前達は本当に愚かだな」

 

この一言でみんなは喋るのをやめた。

 

「遅刻欠席合わせて98回、授業中の私語や携帯を触った回数391回。ひと月で随分やらかしたものだ。

この学校はクラスの成績がポイントに反映される。その結果、お前らは振り込まれるはずの、10万ポイントを全てを吐き出した

入学式で説明した通りこの学校は実力で生徒を測る。そして今回のお前達の評価は0だった。

段々理解してきたか?お前達がなぜDクラスに選ばれたのか。

つまりDクラスは落ちこぼれが集まる最後の砦...お前達は不良品ってことだ」

 

茶柱先生は淡々と喋って言った。まあ先輩の言う通りだったしか言えないな。

そしてクラスポイントはDクラスは0ポイント。これは歴代のDクラスにもなかったと言う。だから先輩はポイントが少なくなるって言ったんだな。ポイントがなくなるとは思ってないわけだ。

その後先日の小テストの結果も張り出された。

中間期末で一科目でも赤点をとったら退学らしく、今回の赤点組はさすがに焦っていた。

 

******

 

「比企谷、ちょっと話がある来い」

 

俺は茶柱先生に無理やり呼ばれ、渋々教室から出ることにした。

なんなんですかね?あの俺教室から出たら死ぬ病気持ってるんですけど。あ、プールも行ったし食堂もあったから通じねぇわ

ついていくと物置みたいな部屋に連れてこられた。

 

「ここで待っていろ。音を出したり、移動したりしたら即退学にする」

 

「は?」

 

「次はないからな」

 

俺はこんな横暴なことを聞いて声を出さずにはいられなかった。

なになに?音を出したり移動したら退学だと?まあずっとボケーっとしてるのは得意分野だけどな!

俺はしばらく何もせずボケーっと待ち続けることにした。

この部屋せめぇな。

 

******

 

あ、ありのままを話すぜ!

俺はなぜが物置みたいな部屋の隣にある。わけのわからん部屋で茶柱先生、堀北鈴音、そして俺というわけのわからんメンバーで話していた。

俺はボケーっとしているはずだったが、隣の部屋にあの孤高の美少女、堀北がきた。

堀北は先生に物申してるようで、テストの点も面接も完璧なはずなのになぜ自分がDクラスなのかと言っていた。けど茶柱先生がいうには学力に優れたものが優秀なクラスに入れるわけではないという。

堀北は不満足そうに出て行きそうになった。

すると茶柱先生はこう告げた。

 

「あともう二人お前に関係がある人物を呼んでいたんだった」

 

二人?あと一人俺の他にも呼び出されたやついるのか。可哀想に

え?てかこの状況で出るの?マジで?この空気に入ってこれる人ってクズマさんぐらいじゃね?いやあのクズマさんでも行かないな。クズマさんだったらなんとか出ないように考えるよな。

俺もグズ谷八幡になります。逃げなきゃ!

 

「出てこなきゃ退学にするぞ」

 

なんて横暴なんだ!てか何この漫画展開!でも漫画ってなんで右から左に読むんだろうね。左ページが1ページ目だったら左から右だったのかしらん?

俺は渋々物置みたいな部屋から出て堀北と茶柱先生にご対面した。もう一人の呼び出しされた人物は...。

 

「いつまで待たせれば気が済むんスかね」

 

綾小路だった。

こいつ何やらかしたんだ?こいつが何かやらかすなんて思いつかないな......。

 

「それでは失礼します」

 

正体が俺たちと気づいた瞬間にもう帰ろうとしていた。

ひどすぎるこの子。俺には興味がないの?運命だと思ったのに。

てかキモいな俺

 

「堀北帰ってもいいがこれを聞いておけばAクラスに上がれる近道かもしれんぞ」

 

「少しだけ話を聞きましょう」

 

切り替え早いな。そんなにAクラス行きたいのかよ。まあえーかんじやな。はい、キモい俺!

 

「本当に面白い生徒だなお前達は。綾小路お前はテストの入試テスト全て50点。小テストも50点......これが意味するものがわかるか?」

 

「偶然って怖いスね」

 

綾小路は表情も変えず声色も変えずあくまで冷静に答えた。

いい答えだ。少しでも表情や声色を変えてしまうとすぐに嘘だとバレてしまう。メンタリスト、ダ○ゴみたいに鋭い人なら一瞬でわかってしまう。

 

綾小路あくまで偶然、全てが偶然だと言った。けど堀北も茶柱先生も全く信じる気はない。見ていればわかる。まあもちろん俺も偶然だとは思ってちゃいない。

けど俺は50点にせず少し優秀な生徒並みにテストを解いたから点数もまばらのはずだし、小テストも最後の3問も1問しか解かずに空白で出した。だから俺の点数だけじゃ俺が清隆みたいに才能を隠してるみたいには見えないはずだ。けどなぜ俺は呼ばれた。

 

「そして比企谷八幡。お前はこの学年の生徒でただ一人お前がやったことがある。お前は疑問を疑問のままにせず、先輩に聞くという方法をとった。これを行なったのはお前ただ一人だ」

 

そのことかよ。いや先生ストーカーですか?怖いんですけどなんで知ってるの?てか俺がマイケルって言ったことも知ってるの?それ聞かれてたら恥ずかしいよ!

 

「いやそれは、先生が回りくどい言い方が気になったというか、裏があるように感じたんですよ。けど、先生に聞いたところで、教えてくれないと思ったので、先輩に聞くことにしました。まあ、先輩に聞いたところであまり効果はなかったんですけどね。節約するぐらいしか」

 

堀北は驚いているようだったが茶柱先生も綾小路も全く表情を変えず、こちらを見ていた。コミュ障にこんなに喋らせないでね。結構メンタルきてるからね。

 

「私の言い回しは、完璧なはずだったんだがな。あの優秀な堀北さえも気づかなかったんだ。比企谷の洞察力は、高いものだと評価できるがな。まあ綾小路は、気づいてたかもしれないが」

 

「いや気づかないですよ。八幡はもともと捻くれてて、根暗で、目が腐ってるから洞察力にはかけてるんですよ」

 

「おい、目が腐ってるは余計だろ」

 

「確かに目が腐ってるわね。ゾンビみたいだわ」

 

「ねえ?普通にここは俺を褒めるところじゃないの?なんで逆に傷つけられてるの?」

 

クソなんなんだこいつら。堀北はドSだからいじってくるとは思ったが綾小路までにもいじられるとか終わってるぞ。

 

「堀北、もしかしたらお前よりも、比企谷や綾小路の方が優秀かもしれないぞ」

 

******

 

「ねえ、ゾン...比企谷くん」

 

「おいお前一瞬ゾンビって言おうとしただろ?」

 

俺たちは先生から解放され、教室に帰っているところだった。

こいつほんとひどいやつだ。まあゾンビって不死身ぽいもんな。いわゆる俺長生きできる人ってとらえてもいいかな?

 

「あなた一体何者なの?」

 

「比企谷八幡。ただの探偵さ」

 

「え?ちょっと何言ってるのかわからないわ」

 

堀北くん。君は名探偵コ○ンを知らないのか?



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勉強と兄妹のセットは何かしらエロいハプニングが起こったりするものだ

誤字報告ありがとうございます。
にわかがでいますね。また一から原作読み返そうと思います。(読みたいだけ)

みなさんに募集なんですが、由比ヶ浜とか雪ノ下とか俺ガイルキャラ出したほうがいいですかね?

雪ノ下はAクラスに配属できるから入れやすいですが。由比ヶ浜は絶対Dクラスだから早めに入れないといけないんだよな〜。
感想で言ってくれれば入れるかもしれません。俺ガイルで入れたいキャラがいれば募集します。


「さてそろそろ職員会議だ。ここは閉めるから三人とも出ろ」

 

茶柱先生は俺ら三人を追いやった。

俺はショックだった。なぜショックだと言うと、堀北にコ○ンが通じなかったからだ。

マジか絶対知ってると思ってドヤ顔で言っちゃったよ!恥ずかしすぎる!早く帰りたい!

 

「待って」

 

俺はステルスヒッキーを使って帰ろうとしたが堀北に止められてしまった。

俺のことが見えるのか!貴様何者だ!

 

「あなた何者なの?特に綾小路くん、さっきの点数本当に偶然なの?」

 

「偶然だって言ってるだろ」

 

「まあそういうことにしておいてあげるわ」

 

堀北はまるで信じていないようだった。てか綾小路アホすぎないか?なんで全部50点にしたんだよ。点数まばらにしとかないと怪しまれるだろうが。まさかこれを狙っていた?いや、そんなわけがない。こいつは事なかれ主義だ。目立つことをしたくないはずだ。

 

「そしてあなたたちに協力してもらいたいの」

 

「は?協力?」

 

「そうよ比企谷くん。私はAクラスに上がりたい。そのために協力してもらいたいの」

 

は?何言ってんだこいつ。

 

「ほう、それで俺にどんなメリットがあるんだ?」

 

俺は今思っていることを口にした。全くそうだ。人間は自分にあるメリットを絶対に求める。俺は特にメリットがなければ動かない人間だ。メリットがあるから動くこれは正当な理由でもある。

けど動かないといけないパターンもある。それは、動かないと自分がデメリットになるパターンだ。例えば、弱みを握られていて「私の言う通りにしないとこれをバラす」っとなるパターンがある。

けど俺は堀北には極力関わっていないし。弱みを握られないようにしている。だから俺には動く理由もない。

 

「そうね、けど動かなかったらあなたに災いが起こるわ」

 

何その占い師みたいな言葉。あなた占い師になれるかもよ。詐欺してそうだもん。

けどあれだよな。バーナム効果っていうやつ知らなかったら、全員占い信じるんじゃないかって思うんだが。知らない奴に言うけど、バーナム効果っていうのは、簡単にいうと、誰にでも当てはまることを言って、自分の考えてることが当たってる!って思わせる錯覚みたいなものだ。誰に説明してるんだよ。

 

「なんだ災いって?」

 

多分脅しだろうが聞いてみた。

べ、別に怖くなって聞いたんじゃないんだからね!

 

「あなた先輩にこの学校のこと聞いた唯一の人物よね。もしあなたがDクラスのみんなに言っていれば回避できたこともあったかもしれない。けどあなたはそれを言わなかった。これがどういう意味がわかる?」

 

「わかりました!手伝わせていただきます!」

 

俺はゾンビから堀北の犬に昇格した!

昇格じゃなく降格だなこれ。

 

******

 

「で、なんであなたがいるのかしら?」

 

「え、えっと。私も赤点取る可能性あるし、勉強しておこうかなーって」

 

俺は堀北の命令通り、今回の中間テストで赤点を取るであろう人物を三人呼ぶことを命じられた。その三人は池、山内、須藤。

けど俺なんか人脈がない。なのでキヨえもんに頼みなんとかしてもらう事にしたがキヨえもんは誘ったが断られたため、人脈が世界に届くんじゃないかレベルの櫛田に頼る事にしたらしい。

そして櫛田も堀北と仲良くなるために勉強会に参加しているって感じだな。まあ一応綾小路も一緒にいる。

 

「わかったわ」

 

「ありがと!」

 

堀北は諦めたように言った。

まあそんな憂鬱そうな顔をするな堀北さんよ。

まあ、俺の予想では勉強会はすぐに終わる事になる。

 

「とりあえず、テストで出る範囲をまとめてみたわ。2週間しかないから撤退して取り組むわよ」

 

「チッ、んなことやってられっか」

 

須藤は不機嫌そうに言った。

まあそうだろうな。おまえならそう言うと思った。

 

「まあまあ、みんなもう少し頑張ってみようよ」

 

櫛田が須藤達やる気がない三人をなだめる。

予想通りすぎて、さすがに俺もキモくなってきたぞ。

櫛田は須藤に勉強を教えるが、須藤は中学生の基礎中の基礎レベルの問題もわからず、櫛田も困っていた。

 

「あまりに無知......無能すぎるわ」

 

それを見かねた堀北が口を挟んだ。

 

「うっせぇな。おまえには関係ないだろ。勉強なんてするくらいなら、バスケのプロ目指した方がいいぜ」

 

「バスケットに関しても、本当に苦しい部分は勉強のように逃げてきたんでしょう?練習も真面目にやってると思えないわ」

 

須藤はその発言にムカついたのか、立ち上がり堀北の胸ぐらを掴んだ。え?大丈夫?それセクハラにならない?

 

「テメェ.........」

 

「今すぐ勉強をいいえ学校をやめるべきよ。愚か者ね」

 

須藤は胸ぐらを離し机に出していた、教科書や筆箱などをバッグにしまった。

 

「はっ、上等だよ。やめてやるこんなもん。わざわざ部活を休んできたのに完全に時間の無駄だったぜ!」

 

そして須藤は帰って行った。

これを聞いていた池も山内も賛同するように帰って行った。

ほらな、勉強会は10分もかからず終わったな。ほんと予想通りだったな。

 

「堀北さん、こんなんじゃ誰も一緒に勉強なんてしてくれないよ............じゃあね三人とも」

 

そして櫛田が帰った。

俺もため息をついてから、堀北に別れを言って帰った。

あ、綾小路も一緒にいたんだったな。わりい、普通に忘れてたわ。

 

******

 

「どこだよ櫛田のやつ」

 

俺は一応綾小路が頼んだ事だが勉強会なんか開いたのは俺と堀北だし、代表して俺が櫛田に謝りに行こうとする最中だった。

もう暗くなってるし寮かなと思った矢先、櫛田が校舎に入っていくのを見かけた。

ん?あれ櫛田か?なんでこんな時間に校舎なんかに。俺はついて行こうと、櫛田の後をつけて行った。これ池とか山内に見られたら絶対殺されるパターンだからな。気をつけないとな

 

******

 

櫛田は階段を登っていた。俺も階段を登っていた。

てかどこまでいくんだよ。この先は屋上だったはずだな。

俺はポケットの中である操作をして櫛田を追っていった。

 

「あーーーーーウザい」

 

俺がもう少しで櫛田に追いつく、ところでこの声が聞こえた。

ん?櫛田?いや櫛田がこんなこと言うか?けどここには俺と櫛田しかいない。まさか、本当に櫛田?

 

「マジでウザい、ムカつく!死ねばいいのに......。自分が可愛いと思ってお高くとまりやがって。あんたみたいな性格の女が勉強なんて教えられるわけないっつーの」

 

これは櫛田だ。櫛田しかいない。櫛田は本当は裏の顔があったのか、表の櫛田はみんなからも愛されるマスコットみたいな女の子だが、裏の櫛田は性格が悪い女になっているなんて誰が想像できただろうか。

これをみんなが知ったら幻滅するな。

 

「ほんっと最悪最悪最悪最悪!堀北ウザい!堀北ウザい!ほんっとウザい!」

 

最後の言葉を発すると同時に屋上へ続くドアを蹴った。

櫛田はやばいと思ったのか、後ろを振り返った。

あ、見つかった。やばい逃げるか?いや逃げても呼び出されて同じだ。逆にやばいかもしれないしな。ここは素直に受け入れよう。死ぬのを

 

「.........ここで何してるの?」

 

「いや、まあ今回のことで櫛田には悪いことしたから勉強会を開いた代表として謝りに行こうと思ったんだが......」

 

俺は正直に話すことにした。逆に嘘をつけば後々大変なことになりそうだし、嘘をついても状況は変わらないだろう。

 

「今の......聞いた?」

 

「今のってなんだ?よくわからないが」

 

「ふーん、そう。今聞いたこと他の人にバラしたら容赦しないから」

 

櫛田は俺の方にどんどん近づいてくる。

てか話しかけよ。誤魔化したんだが問答無用ってやつか。まるで主人公が女の子の着替えを除いて正当な理由があるのに殴られるパターンだなぁ。俺主人公気質なのかも!

 

「だからなんのことだ。今聞いたことって」

 

「もし話したら、あんたにレイプされそうになったって言いふらしてやるから」

 

「は?それ冤罪だぞ」

 

おい、マジで冤罪じゃん。謝ろうとして君を追いかけてきたのになんで俺君に貶められてるの?あー、これは電車で冤罪の被害あった人の気持ちがわかるわ。櫛田さんよ、俺はそれでもやっていない。

 

「大丈夫冤罪じゃないから」

 

すると櫛田は俺の手を握り、俺の手を自分の胸に当てた。

は?マジかよ。俺は初めて触った胸を堪能することはできず、ただただ呆然していた。

 

******

 

「昨日の音声本当なのか?合成とかじゃないのか?」

 

「なんでわざわざ合成音声使うんだよ。実際にひがいにあったわ」

 

「そうか、情報提供サンキューな。これは後々使えるかもしれないしな」

 

俺は次の日の朝綾小路と朝早く電話をしていた。

俺が櫛田を追いかける際に綾小路に電話をしていた。ポケットの中では通話中の自分の携帯があったというわけだ。

で昨日の夜聞いたものを今話してるってわけだ。なんで俺朝早くに男と電話してるんだよ。あー小町と電話したいな〜。

 

「んじゃそういうことだから」

 

俺は通話を切り、携帯をポケットの中にいれた。

俺は飲み物を買おうとエレベーターに乗り一階に行くつもりで1階のボタンを押した。

どうするかな、勉強会なんて堀北が変わらないと無理だろう。

もちろん須藤たちにも問題はある。けど一番の問題は堀北だ。

はぁとため息をつき、ふとエレベーター内にあるモニターを見た。そのモニターは1階に防犯カメラが付いておりその映像をエレベーター内で見れるものだ。エレベーター内のモニターで写っていたのは堀北が寮を出るところだった

ん?堀北?噂をしたらホニャララってやつか、まあ噂はしてないけど。

俺は一階についたら堀北についていくことにした。てかなんで俺は隠れてんだよ。

 

堀北は外に出て、そして寮の裏手に行った。てかなんでそんなとこ行くの?一応追いかけなくても良かったが昨日の櫛田のこともあるので気になって尾行した。

 

「ここまで追ってくるとはな」

 

この声は堀北じゃなかった。

ん?堀北は誰かを追っていたってことか?堀北の好きな人とか?だとしたらストーカー気質あるぞ堀北さん。

 

「もうあの頃の私とは違います。追いつくために来ました。兄さん」

 

堀北の兄貴?堀北に兄貴なんていたのか。まさかこいつ、ブラコンか?

 

「追いつく、か.........鈴音お前Dクラスか。お前は今だ自分の欠点に気づいていない。三年前と変わらないな」

 

「それは何かの間違いです。すぐにAクラスに上がってみせます」

 

堀北は俺たちにみせたことない姿を俺に晒していた。いやこれは電話するか?いや、いいこれは必要ないことだ。俺だけで十分だな。

 

「無理だな。この学校はお前が考えてるより甘いところではない」

 

そう言ったのは堀北の兄であり、そしてみんなが知っている生徒会長だった。

生徒会長が堀北の兄?マジか!でも確かに似てるな

 

「絶対に......絶対にたどり着きます」

 

「聞き分けのない妹だ」

 

堀北兄は堀北妹の手首を握り壁に押し付けた。

おい!これR18になっちゃうよ!?いいのね!?

 

「に、兄さん...私は......」

 

「お前のせいで恥をかくのはこの俺だ。いますがこの学校を去れ」

 

「私は...絶対にAクラスに」

 

「愚かだな本当に」

 

そういうと堀北兄は下がコンクリートなのを知っているのに武道の技を使い堀北妹を宙に舞いあげた。

くそ!こんなことならR18とか言ってないでさっさと突っ込むべきだった!

俺は堀北妹が投げられる直前に堀北兄の手首をつかむことに成功した。

 

「おい、あぶねぇだろ。本当に投げようとすんなよ。お前それでも兄貴かよ」

 

「ひ、比企谷くん!」

 

「何だお前は」

 

なんだかんだと聞かれたら、教えてあげるのが世の情け。世界の破壊を防ぐため!世界の妹を救うため!小町の愛を貫く!八幡!あ、俺四人もいないわ。

 

「まあとりあえず、その手を話せよ」

 

「それはこちらのセリフだ」

 

「やめて、比企谷くん」

 

堀北は弱々しい声で言った。俺は堀北の弱々しい声に意表を突かれた。そんな声をするもんだから離してしまった。

堀北のそんな声初めて聞いたな。

 

すると堀北兄はここぞとばかりに右手で裏拳を飛ばして来た。俺は気がつくのが遅くかわすことができない。

なので俺はかわす選択肢を捨て、手で受け止める選択肢に変更した。飛んでくる裏拳を顔面に当たらないように右腕をL字型にしてガードした。なかなか強烈な裏拳だ。一般人だったら一撃で伸びてたな。

そしてそのまま堀北兄は回し蹴りをしてきた。俺はここで当たっておこうと考えたが、さっきよりもスピードが早いので考えよりも先に体が動いてしまった。俺はしゃがんでかわし、カウンターとして腹に一撃入れようと拳を繰り出した。だが堀北兄は俺の拳を右腕で何とか止めていた。

 

「なかなかやるな。しかもこの威力一般人だったら一撃で伸びてたな」

 

「それはこっちのセリフだ。こっちが何もしてこないと思ったら好き勝手しやがって」

 

マジで危なかった。思わず反撃してしまったが堀北兄さんが強くてよかった!お兄様!マジで感謝します!

 

「けど俺の動きについてこれるとは、何か習っていたのか?」

 

「......何も習っていないさ、動体視力には自信があるから動きを読んで攻撃しただけだ。」

 

「ふっ。まあそういうことにしておこう。鈴音お前に友達がいたとは驚きだ」

 

「彼はただのクラスメイトです」

 

堀北は動揺しているのか、いつもみたいに流ちょうに喋っていなかった。

 

「相変わらず孤高と孤独を履き違えてるようだな。比企谷だったか、お前がいれば少しは面白くなるのかもしれんな。上のクラスに上がりたければ死に物狂いで足掻け。それしか方法はない」

 

と言って去ってしまった。

怖かったな。お兄様、もっと優しくしてくださってもよかったのに。

堀北は疲れたのかずずずっと壁に背をつけそそまま座り込んでしまった。

まあ堀北は見れてばわかったがブラコンだったもんな。そりゃ兄貴に嫌われたらショックだろうな。これは声かけず帰るか。

 

「待って」

 

堀北に声をかけられた。うへぇ、これは長くなりそうだ。




オレは八幡との電話が終わった後、メッセージがきていたのでそれを開いた。
内容は堀北を無視しようぜとかいうメッセージだった。まああれだけコケにされたら怒ると思っていたがそれほど怒っていたとは予想外だ。
俺はその返事に「櫛田がこの話聞いたら嫌われるな。ワラ」っと送ってベットにぽいっと捨てた。
その後、ピンコン、ピンコンうるさかったが無視をして飲み物を買おうと部屋を出た。

******

綾小路視点でした。次回は綾小路が八幡が戦ってる現場を見ているのか?そうではなくすれ違いしているのか?どっちなんだい!っていう感じです。雪ノ下入れるのは簡単なんですけど、堀北と雪ノ下が似すぎてどうなるかわからんですよね。
感想でよろしくお願いします


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比企谷八幡は堀北の弱点を見抜く、そして綾小路とは...

更新遅れてすいません。
バイトが忙しく、そして学生なので勉強をしていました。
謝罪も終わったことですし、本編をどうぞ。



「待って」

 

「何だ?早くしないとさっき買ったマッカンがぬるくなる」

 

今日はちょっと暑いほうだからマッカンは冷えてる方がうまい。でもまあ、前に買ったグラスに氷を入れて飲むから冷えたまますぐ飲めるからただの帰りたい言い訳なんだけどな

 

「そんなのグラスに氷を入れればいいじゃない」

 

こいつエスパーか。ポケ○ンでエスパータイプ好きだけどよ、サイコブースト強かったよなーあれ

 

「あなた何者なの?」

 

「だから言ってるだろ。比企谷八幡探偵だって」

 

「本当に何言ってるかわからないわ」

 

堀北は真顔で首を傾げていた。

あ、そうだったこいつにはこれ通じないんだったな。

俺は頭をボリボリ書いてから口を開いた

 

「まあ、なんだある家庭の事情で喧嘩には慣れてるって言った方がいいか」

 

俺は正直に答えることにした。でも堀北はまだ納得していないようで

しかめっ面をしていた。

 

「話はこんだけか?もう帰っていいか?」

 

「いえ、ダメよ。まだ話があるの」

 

まだダメなのか。俺は圧倒的な嫌な顔が出ていたと思う。

普通に嫌なんだけど、てか絶対なんか面倒ごと俺もやることになるでしょ?

 

「あなたはそれなりに頭も冴えてるし、運動もできる。だから私がAクラスに上がるために協力して」

 

堀北は真顔でこんなことを言ってきた。

こいつほんとに何言ってんだ?Aクラスになるために協力しろだと?まず俺はAクラスにも興味もないし、それ以前に上のクラスに上がることだってどうでもいい。ただ平穏に、平和に暮らしたいだけだ。

 

「断る。じゃあ」

 

俺は堀北にもう極力関わらないと決めた。

俺の会社に無益な仕事をどんどん仕事を送りつけてくる社員みたいだ。そんな社員誰が雇うか

 

「ちょ、ちょっと!」

 

堀北は俺の袖を引っ張って俺を引き止めてきた。

堀北の顔は下を向いていて見れなかったがきっと慣れないことをして顔を赤くしてるんだろうと思った。いや、こいつはしないな。

そう言うのは可愛い女子がやる......いやこいつも可愛い女子だったな許してやる。

 

「なんだまだ話があるのか」

 

「え、ええそうよ。最後まで私の話を聞いてくれる」

 

堀北は俺に上のクラスに上がるとどんなメリットがあるか合理的に説明してきた。

あーめんどくせぇ。もうそんな説明があったところで絶対に協力しないぞ。

俺は話を半分聞き流していると、俺のポケットがピンっという音とともに振動がした。俺は堀北の話の途中だが一応見ることにした。

えーっと、誰からのメッセージだ?

・・・・・・は?嘘だろ。

俺はそのメッセージを見て思考が停止した。マジかこいつ。あいつがこんなメッセージ送るなんて......。まああいつなりの考えがあるんだろう。俺も堀北は気になっていたしな。協力するのも悪くない。

べ、別に堀北の方が好きとかそういう意味じゃないんだからね!!

 

「わかった、わかった。協力してやる」

 

「え?本当に?」

 

「するって言ってるだろ」

 

「そ、そう。何かあったの?」

 

「いや別に」

 

メッセージをもう一度見ると、もう一つ送信されているメッセージがあった。

あーあとあれも言うのかよ。めんどくせぇな。

 

「あー協力する前に一つ言っておきたいことがある」

 

「なに?」

 

俺は一つため息をついてから口を開く。

 

「お前、前になんで私がDクラスに配属されたって茶柱先生に聞いていたよな?」

 

「えぇ、それがなに?」

 

堀北は表情を一切変えずに答えた。

こえぇー。まじこえぇーこんなのと話せっていうのかよ!怖すぎるよ!

けど俺はやるべきことがあるからな、あー働きたくねぇ。

 

「けれど俺は、お前がDクラスに配属されてもおかしくないと俺は思ったぞ」

 

「え?」

 

堀北は驚きを隠せない表情をしていた。

俺に見せたことない表情パート2見れたな!

けれどそんな顔は終わり俺を睨んでいた。

うわっ、めっちゃ怒ってんじゃん。そんなに怒るの?ドMなら喜ぶかもしれんが俺は全く俺しかないぞ

 

「その理由を教えてもらえる?」

 

俺は一つ咳払いをしてから話を始めることにした。

 

「まず、俺が堀北をDクラスにふさわしいと思ったかというと、勉強会の時だ。いやもっと前にもあったが今回のことで確信ができたな」

 

「勉強会?あの時は私が悪い言動をしてるとは思ってないわ。私はただ本音をぶつけただけよ」

 

堀北は睨んだまま表情を変えず答えた。

 

「まあ、聞け。俺はそこには同意する。けどお前には苛立ちがあったように感じたが気のせいか?」

 

堀北はなにも喋らないので俺は続けることにした。

 

「茶柱先生にお前は不良品だと言われた時からお前の態度は怒りと不満で溢れていたと俺は思う。問おう。今回の赤点組の勉強どうするんだ?」

 

「勉強会なんてやるだけ無駄だったわ。しかも遅刻や私語などのマイナスは0以下にならないと先生は言ってたわ。むしろ赤点組をこのテストで切り捨てられる」

 

「はぁ〜お前、本当にそう思ってんのか?」

 

俺は深いため息をついて言った。

堀北はその言動にイラついたのかさっきよりも目つきが鋭くなっていた。

 

「Aクラスに上がるには退学者を出してはいけないなどの条件があるかもしれないぞ。あとこれはある先輩が言ってたんだが特別試験というものがこの学校にはあるらしい、その時に生徒が一人でもかけてると辛いと言っていた」

 

俺は堀北を見ると堀北は目を伏せていた。

 

「お前の見た目からそして話してみて完璧ぽいところがあるが欠点といえば、他人を知りもせず足手まといだと決めつけて、見下しているところだ。お前が弱くみていたアリでもそのアリは人を殺せるほどの猛毒を持っているかもしれないぞ」

 

堀北は言葉に詰まったのかなにも答えることはできず。ずっと俯いたままだった。

 

「まあそんなところだ。まだあるかもしれないが、俺にはまだわからん。で、どうするんだ勉強会」

 

「......あなたの言葉には説得力があったわ。私の悪いところがあったかもしれないわね。正直あなたのことも見下してたわ」

 

「そうか、まあ洞察力が高いだけだから実力者とは言えないからな」

 

そして堀北は顔を上げ前のように凛々しい顔でこう言った。

 

「やるわ、勉強会。そしてあなたにも手伝ってもらうわよ」

 

「まあな、協力するって言ったしな」

 

すると堀北らしくもない行動をしていた。

それは手を出し握手をしようとしていた。

俺は一瞬手に画鋲でも貼り付けてるのか?っと思ったがなにもついていないので安心して握手することができた。

 

「契約成立ね」

 

初めて堀北が笑っているところを見た。

俺に見せたことない顔パート3だった。

そうそう人は変わらないと思ったが堀北は少し成長したと思えた。

 

「けれどあなたに借りを作ってしまったわね」

 

「借りってもんじゃないだろ。ただ単に俺が教えただけだ」

 

「いえ、あなたに借りを作っているとなにをされるかわかったもんじゃないわ」

 

「ねぇ?俺をどんな人物だと思ってるの?」

 

前言撤回。こいつ変わってねぇ

 

「まあなんかお礼してくれんならまあいいけど、で?なにしてくれるの?」

 

「そうね............。なら今日は土曜日だし、日曜日にこの学校を回らない?私まだ行ったことない場所があるから、あなたも同行させてあげようと思うのだけれど、どう?」

 

「まて、なんでそれがお礼なんだ。施設回るだけだろ?おかしいだろお前の基準」

 

「こんな美少女と回れるのだからあなたにとってはいい思い出になるでしょ?」

 

おい、こいつ自分で自分のこと美少女って言ったぞ。自画自賛しすぎだろ。まあ確かに美人だけどな、自分の性格知った方がいいぞ。

しかし、俺も学校はいつか回ろうと思っていたから、まあいいかなと思った。まあ本音を言えば一人で行きたいんだが、ここで断っておくと、毎回借りを返そうとしてくると思うから、さっさと済ませた方がいい。

 

「まあ、そうだな。回るか」

 

「え、ええ。否定しないってことは美少女とは思ってくれてるみたいね」

 

堀北は少し動揺したのか、驚いているようだった。

まあ美少女だもんな。性格やばいけど

 

「まあな。で明日何時に回るんだ?」

 

「そうね、9時なんてどうかしら」

 

「おいお前早すぎないかその時間」

 

「比企谷くん、あなた何時に起きてるの?休日だからと言って起きるのを遅くしたりすると、生活ホルモンの分泌の周期が崩れたりするわよ」

 

え?なんか哲学的な話が始まったぞ。

てか表情変えずによく淡々と続けられるな。

 

「わかった、わかった。それで9時でいいんだな?」

 

「ええ、待ってるわ」

 

俺は堀北と約束したあと、堀北はさっさと寮に戻ると思ったが寮には向かわずに逆方向に歩いて行った。

てかあいつ寮に帰らないのかよ。用事あったのか。

まあ俺も帰るとしますかね。

俺は歩きながらこんなことを考えていた。

明日堀北と二人きりでどこか行くんだよな?言っておくけど、人生初のデートじゃないからね!うちの可愛い可愛いマイエンジェル小町ちゃんがいるから!

すると寮にある自動ドアの前に綾小路がいた。

 

「んでさっきのはなんの真似だ?」

 

俺は綾小路に問う。そう、あのメールの送信者は清隆だったのだ。

メールの内容はこうだ。

 

1、堀北の提案を受け入れろ。

2、堀北の弱点を教えてやれ。

 

この二文だけだった。俺はこいつからこんな積極的なメールが来るとは思っていなかったため驚いている。

 

「お前ならわかるだろ」

 

綾小路は俺の目をしっかり見て言った。

 

俺は一つため息をしてから、口を開く。

 

「まず、お前が何かしらの理由でクラスに貢献しないといけない形になった場合、堀北を手駒として使い自分は目立たないように裏に潜む。そして一番の理由は俺に堀北の弱点を説明したことにあった。堀北が自分の弱点を知らないと、戦力にもならない、だから説明させた。さらにお前は裏の裏の支配者になろうとしてんだな?俺がクラスにいる連中を手駒として使い、綾小路が俺を手駒として使う。だいたいあってるか?」

 

「あぁ、100点満点だ」

 

綾小路は俺の回答を聞いてから、寮のオートロックを開け、俺と一緒にエレベーターに乗った。

そして1階.、2階と上昇して言った。そして4階。

俺と清隆は降り、それぞれの部屋に入ろうとした。

けど清隆には言っておきたいことがあった。

 

「綾小路」

 

「なんだ」

 

「俺はお前より頭が回らない。完璧の回答を出せるかどうかわからない。けどお前に持っていない、俺だけが持っている武器でお前を倒す。俺がいつまでもお前の手駒だと思うなよ?」

 

俺はそれだけを告げると自分の部屋に入っていった。綾小路の方を横目で見ると、珍しく笑っているのを見た。

 

「あとこれだけは言っておく、お前のことが嫌いだ」

 

綾小路はドアを閉め部屋に帰っていった。さて最後の言葉は綾小路はどう思ったんだろうか?




一気に長く書くか、それともちょこちょこ更新するかどっちがいいかな?まあ適当にやっていきますわーあはははは!

よう実アニメそろそろ面白くなる、無人島編きますね。
まあまだ暴力事件編だけどww佐倉が可愛い瞬間見れますね。
あと佐倉は八幡に助けてもらうか、清隆に助けてもらうか迷ってます。
ではまた。


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比企谷八幡と堀北鈴音はやっぱりいがみ合う

はい。
すいません。遅れました。ごめんなさい。
オープンキャンパスに行ってました。大学ってすげーわって改めて思いました。
そして18日から28までおばあちゃんの家に行きます。更新できるように頑張ります。
ちなみに香川です。


はい。そして次の日。起きて時計を見ると、9時でした!

僕は遅刻しました!もう行かなくていいかな?

けどそんなことを堀北がさせることもなく、俺の部屋にチャイムが鳴った。あー終わった。

 

******

 

「それで何か言うことある?」

 

「はい。申し訳ございませんでした」

 

俺たちはもう寮の前にいて、堀北にも説教を受けていた。

堀北はてっきり制服で来ると思ったが、以外にも私服だった。

無地のシャツを着て、その上に赤色のカーディガンを着ている。そしてチェック柄のスカートを履き、靴下はハイニーソにしていた。

普通に可愛い服装だった。てかオシャレだ。

俺はというと普通にパーカーを着てジーパンを履いてるだけだ。オシャレじゃないとか言うなよ。これこそ一番着やすく安定の服装だろ。

てか俺説教受けてるんだったな

 

「まあ許してあげる。ほら時間もないんだしさっさと行くわよ」

 

堀北はスタスタと歩いていってしまった。

俺も堀北の歩幅に合わせようと小走りで堀北に向かっていった。

 

******

 

どでかい煙突!男と女と描かれた暖簾!そうここは銭湯だ!

俺はちっちゃい頃にお風○の王様ってところに行ったことはあるが、銭湯は実質始めてだ。テンションが上がらない俺も結構上がっている。

 

「銭湯好きなの?」

 

「ん?あぁ、まあな俺も日本人ってことだな」

 

「死体がお風呂好きなのね」

 

おい、こいつほんと一言余計だな。

しかもこいつの発言本音だから余計傷つくんだよ。

 

「それじゃあ次行くわよ」

 

「え?入っていかないのか?」

 

「何を言ってるの?銭湯に入りに来たわけじゃないのよ。施設を周りに来たのよ」

 

まあ、そりゃそうだが入ってからでもいいじゃないか。

まあ今度一人で入りに行くか

 

******

 

俺たちは今ショッピングモールに出かけている。ショッピングモールにはファンションやフードコートやちょっとしたゲーセンやおもちゃなどが売っていた。ここのショッピングモールでもらら○ーとみたいな施設なんだな。

俺たちは色々回った。ゲーセン、カラオケ、ボーリング、映画。娯楽施設を主に見て回った。決して俺たちが行きたいっていうわけじゃない。お前らにわかるように言ってやる堀北がこんな女の子らしいと思うか?

 

「比企谷くん、なんで今鼻で笑ったのかしら?」

 

「いや、なんでもない」

 

堀北は鋭い目で俺のことを見ていたが、俺はすぐに目をそらした。

危ない危ない。こいつは勘が鋭いんだったな。

俺らはショッピングモールも回り終わったので3階から1階に降りて帰るところだ。俺的には朝から何も食べてないのでフードコートなんか食べたかったが、堀北が帰るわよ、と言ったため俺らは帰ることになっている。

そして俺は少し堀北に聞きたいことがあった。

 

「なあ堀北」

 

「何?」

 

堀北はこちらを向かずスタスタと歩いて1階に向かうエスカレーターまで歩いていた。

 

「お前櫛田となんかあったのか?」

 

「え?」

 

堀北は今日初めての動揺していた。

そう俺はずっと気になっていた。櫛田、あいつには裏の顔があった。なんとなくわかっていたが、堀北を特に嫌っているそれは理由があるんじゃないかと思っている。堀北が櫛田に何かしたとも思えない、となると櫛田が何かしたと推測する。まあ、ほっといてもいいんだが何か胸に残る。まあ、あいつが俺に危害を加えるようなら潰すが。

 

「それはどういう意味?」

 

堀北の顔はもう動揺なんてしておらず、無表情で俺の方を見ていた。

あまり俺の方を見ないで欲しいです。なんか見透かされてるようで怖いです。

 

「普通にだ、お前櫛田のことになると嫌がるからな。なんかあんのかなと思っただけだ」

 

俺らはエスカレーターに着き2階へと降りて行った。

俺が前、堀北が後ろ立った。俺は堀北の方を向いてるのも恥ずかしいので俺は前を向いて話してくれるのを待っていた。

そして、エスカレーターに乗って残り半分の時に口を開いた。

 

「ねぇ比企谷くん。あなたは人から嫌なオーラを放たれてるのにその人を好きで入れる?」

 

俺らは2階に着きそのまま隣にあるエスカレーターで1階まで降りる。配置はさっきと一緒だ。

 

「ん?あー、それは俺の場合ならそいつとなるべく関わりたくないな。結果的には好きではいれないな」

 

俺も答えて1階に二人とも降りた。

そして出口まで歩いていく。

 

「そう、それと同じ感情よ」

 

「櫛田にお前が何かしたのか?」

 

堀北は下を向いて話そうとは......いや話したくないんだろう。

俺にも話したくない過去の1つや2つある。

それを無理やり聞くほど鬼畜でもない。

 

「いやいい、話したくないなら話さなくていい」

 

「あまりこれは話したくないものだから」

 

俺は少し驚いていた。

堀北も人間らしいところも持っていたなんて!

 

******

 

「なあ堀北、そろそろ解散にしないか?」

 

俺たちはほとんどの施設を回ったし、帰ろうとしていたところだった。時刻は17時何も食べてない俺は本当に腹が減っていた。

堀北は俺に拷問してるのかと思った。いや、いつでも拷問してますか!

 

「そうねここら辺でいいかしら」

 

堀北はわけがわからんことを呟いて、寮に帰る時にあるベンチに座り、バックから何やら青い布にくるまった四角い物をを出してきた。

なんだ!何が出てくる?怖い。爆弾か?

しかし中身は意外にも弁当、しかもなかなか大きい。俺への当てつけか?ひどい、ひどすぎる。

俺も見せつけられるぐらいなら帰ろうとした時。

 

「ちょ、ちょっとどこ行くの?」

 

「ん?いやお前俺に見せつけて弁当食べるんだろ?ならどっかで食べてから帰るわ」

 

俺は恨めしそうに堀北を見てから帰ろうとしたら堀北に袖を掴まれてしまった。堀北はなれないことして恥ずかしいのか顔を下に向けていた。

あぁデジャブ感がすごいな前にあったなこういうの、なんだっけ?

しばらくすると顔を上げた。堀北の顔はほんのりと赤くて目をこちらに合わせていなかった。

 

「......比企谷くん。一応学校内を動き回ると思って多めに作ってしまったのだけれど、あなたもよかったら食べていく?」

 

堀北の以外の言葉に俺はどうな顔をしていたのかもわからない、けど摩訶不思議なものを見る顔で見ていたと思う。

あの堀北が一緒に食べるだと?嘘だろ、明日は雪でも降るんじゃないか?いや、毒が入ってるともありえるな。「秘密を知られたからにはただではおかさない」とかありそう。

俺が弁当とにらめっこしていると堀北は先ほどの青い布を取り出し弁当に包もうとしていた。

 

「そう、そんなに疑うなら食べなくていいわ。借りを返すためにわざわざ作ったのに」

 

堀北が怒っている!

しかも最後の方の「かり」って言うのはかろうじて聞こえたがその後の言葉は聞こえなかった。刈り上げ?いや違う、カツアゲか!

 

「あ、いや俺も腹減ってるしな、堀北がその弁当残したらもったいないしな。......だから食べてもいいか?」

 

俺は頭をかきながらそう答えた。

照れくさかったんだろう。あーだから小町ちゃんに捻デレって言われんのか。小町ちゃん勝手に変な称号つけないでね。

すると堀北は少しホッとしたような顔をして、弁当を開けた。

俺も立って食べるのも失礼だし、わざわざベンチにスペースを空けてくらてるし、これは座ってもいいのか?いいよね?座るよ!

左から堀北、弁当様、俺と言う順番に座っている。

弁当様の中身はサンドウィッチだった。ざっと8個くらい入っている。しかし、卵焼きとか普通の弁当だと思ったがまさかサンドウィッチとは。いや嬉しいよ。美味しそうだし

 

「いただきます」

 

「い、いただきます」

 

堀北の後に続いて俺も言う。

どれどれ味はどうかな?俺は一番近くにあったサンドウィッチをとり食べた。

おおぉ、う、うめぇ。なんじゃこりゃ。やっぱり兄様に作るために磨いてるのかしらん?さすがブラコン。

俺は腹が減っていたのか、手を休めることはなかった。

おおぉ、こっちはハムと卵か、うめぇ。こっちは?こっちはハムとレタス。うめぇ

休まず食べているとサンドウィッチが喉に詰まってしまいむせてしまった。

 

「ちょっと、何やっているの?少しは落ち着いて食べられないの?」

 

堀北がやーいお茶のペットボトルをくれると、急いで流し込むように飲んだ。

ぷはぁぁ!あぶねぇ死ぬところだった。死んで、アクアかエリス様にあって異世界転生してたわ。......異世界転生したいなぁ。

 

「ありがとな、お茶」

 

「いえ、それはいいのだけれど。......いえ、代わりと言ってはなんだけれど、少し教えてくれないかしら?」

 

「なんだ?」

 

俺は4つ目のレタスと卵のサンドウィッチに手をつけた。

 

「綾小路くんって何者なの?」

 

堀北はサンドウィッチを食べるのをやめていて俺の方をしっかり見ていた。

そうきたか、まあ教えることはないんだけどな。けど綾小路にはムカついてるからな、一つ言っておくか。

 

「本人の了承がない限り喋れないがこれだけは言っておく。間違いなくDクラスで一番の不良品は綾小路だ」

 

俺はそれだけ伝え、サンドウィッチをまた食べ進めた。

てかうめぇなこれほんと。みんなも堀北のサンドウィッチ食べるときは1つ目に食べたハムと卵のサンドウィッチをオススメするよ!

 

「それはどういう意味?」

 

「さあな」

 

堀北は考えようとしていたが、多分回答にはつかないだろう。

あいつは特殊だ、あいつが手に塩をかけて作り出した最高傑作。

そして俺は......。

 

******

 

18時

俺たちはサンドウィッチを食べてベンチで座っていたのだが。急に俺は堀北にお茶をくれたお礼をしたくなり、自動販売機に向かっていった。なんで急にいったかというと、別に気まずくなって逃げてきたわけではない。俺は善人なのでお礼を仕返そうと思っただけだ。

ちなみにサンドウィッチを6個食べました。堀北さんちょっと怒ってました。

 

「どうすっかな。まあマッカンでいいか。うまいし」

 

俺は自動販売機でお金を入れ、マッカンを2つ買って堀北のところに歩いて向かった。

すると堀北が座っていたベンチに男が3人ほど集まっていた。

堀北は目をつぶり鬱陶しそうにしていて、男が「な?いこうぜぇ」とか言っていた。

はぁどこにでもナンパっているもんだな。

俺は漫画のような主人公ではない。漫画の主人公なら彼氏のフリをして助けに行くんだが、俺はそんなことはできない。だから......。

 

「なあ、いいじゃんかよ!遊ぼうぜ!」

 

「ちょっとだけ俺たちに付き合ってくれればいいからよ」

 

「な?な?行こうぜ」

 

男は堀北を強引に引っ張って行こうとしたら、堀北は目を開け綺麗な背負い投げを決めたのだった。

 

「がはぁ」

 

堀北の近くにあるのはベンチ。なので堀北が背負い投げした場所にはベンチがあり、相手はベンチに叩きつけられていた。

投げられた相手は気絶していて、ピクリとも動かない。

 

「こ、このアマ!!」

 

「やめろ!こんなところで手を出したらこいつには負ける。多分こいつには武道の嗜みがある。しかしこいつは俺たちに暴力を振るったんだ。どうゆうことかわかるか?」

 

「私に脅しが効くと思っているの?」

 

堀北は初めて口を開いた。途中からだから初めてかどうかわからないが、多分初めてだろうと思った。

 

「証拠はねぇんだ。ただ一方的に暴力を振るわれたと言えばどうなるかわかるか?」

 

「馬鹿ね、そんなの無理に決まってるじゃない、そこにはカメラ......「先輩方」え?」

 

俺はやっと声を出すことにできた。

堀北がナンパされてるところを見て、ステルスヒッキーを使い堀北の後ろにある茂みに隠れて、チャンスを待っていた。

 

「なんだお前?こいつの彼女とかか?」

 

「いやそんなんじゃないっスよ。まあクラスメイトです」

 

「んで?クラスメイトが何の用だよ」

 

ナンパ野郎は少し警戒してるのか、2人共俺のことをずっと睨んでいる。

 

「いや、いい話を持ってきたんですよ」

 

「いい話だと?」

 

「そうなんっスよ。俺、今の現場をカメラでずっと取っていたので、事を大きくするのはやめた方がいいかと」

 

俺は目の前で携帯を取り出し動画を再生させた。

バッチリこいつらがナンパして、引っ張っていこうとしているところが取れた。

 

「チッ!逃げるぞお前ら」

 

ナンパ野郎は気絶した奴らを連れて逃げていった。

ふぅ、怖かったぁぁ。堀北が反撃しなかったら、俺が堀北を連れ去るっていう作戦だったからな、よかった堀北が反撃してくれて!

 

「別に助けてくれなくてもよかったのに、そこにカメラもあったから学校問題になったとしてもあの人たちが罰せられるだけだもの」

 

「助けたつもりはねぇよ。マッカンがぬるくなっちゃうから早く渡したかっただけだ。ほら、さっきくれたお茶の代わりにマッカンのお礼だ」

 

俺はどかっとベンチに座り、堀北にマッカンをポイって投げた。堀北は運動神経が良いため軽々キャッチしていた。

俺は正直な事を口にした。別に堀北を助けるためじゃない。自分のためだ。

もし学校問題になったとする、そして前に先輩が言っていた裁判が起こったりする。その時にカメラだけの証言で勝てるとは100%と言い難い、カメラの位置も遠いため音声が入っているかどうかもわからない。そして男3人が堀北を囲んでいるため、男3人がどんな事をしているのかもわからない。そして一方的に投げたとなってもおかしくはないはずだ。それで堀北に退学されては困る。堀北は実際使える、こいつがいなくなると優秀な駒が消えてしまう。

 

確か俺は駒という言い方は嫌いなんだったな。やっぱり俺もあいつのせいでおかしくなってきてるのか。

 

「そう、ならお礼はいらないわね」

 

「あぁ、別にお礼なんて求めてない」

 

俺は正直に答えて、マッカンを開けた。

いや、やっぱりマッカンはうめぇ、サンドウィッチと一緒に食べたかったぜ!絶対相性抜群だったのにな。

 

「あとこのマックスコーヒーだけれど」

 

「あぁ、それうまいだろ?俺の一番好きな飲み物だ」

 

「前に飲んだのだけれど、このコーヒー甘すぎて飲めたもんじゃないわ」

 

堀北くん、全面戦争を始めようか。

 




めっちゃ長くなりました。
ここまで読んでくれてありがとう!

次回は中間テストまでの終わりまで書こうかな。
んで次回の次回はちょっと2巻はちょくちょくいらない要素をカットしていく予定だぜ!佐倉を八幡で助ける予定だす。

あと言っておくけど、軽井沢は清隆が助ける予定です。
まあ八幡が助けてもいいけど八幡ハーレムしすぎじゃね?笑


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中間テスト前とその後

中間テストは雑に書きました。
すいません!早く無人島編いきたいのです!すいません

後更新遅れてすいません!


「お兄ちゃん!もう高校て決めてるんでしょ?どこにいくの?」

 

「まだ小町には早いよ。俺も早いとは思ってるけど」

 

「いいでしょ?どこにいくの!?」

 

「まあいいよ。俺はな総......高......に行こうと......」

 

******

 

「ん、はあ」

 

俺は小さなあくびをしながらベットを出た。

懐かしい夢だったな。確か俺が小六の時だっけな。俺もあの時は素直で優しい子だったな。

まあ今も素直で優しい自分が大好きだけどテヘ!

制服に着替え、俺は学校に向かった。

今日は中間テストみんな実力を出せるといいな。

 

遡る事2週間前、俺と堀北はテスト勉強をどうにかして須藤たちに受けさせられないか考えていた。

あるにはある。けど俺がこんな事をしたくないというのがあるからあまりやりたくない方法だ。

俺が考えてる作戦としては、櫛田を使う。櫛田は人気がある生徒で池や山内にデートをしてやるとか言われたらすぐ勉強してくれるだろう。

けど櫛田に頼まなければならない。あの黒い櫛田を見た後にこんな事を頼めるだろうか?なのであまり俺は櫛田とは接触せずにこの学園生活を送りたいものだ。

なので可能性が薄いプランBに変える。失敗すれば3人は赤点で退学。

成功すれば、赤点回避。さあゲームを始めよう。

あ、最近ノゲノラの映画見たけど泣いちゃったわ!

 

******

 

俺は1週間前になるまで待った。

人は締め切り日やテストの日が近づくと焦る傾向にある。もちろん完璧にできてる人は焦る必要がないが、あの3人は焦っている事だろう。もしかしたらなんとかなるだろうとか思っているはずだろう。

だがなんとかなるなんて保証は一つもないし、何よりこの高校は厳しい。一つでも赤点を取ると退学、それは相当焦るだろう。

勉強になることなら退学前のあいつらならやるだろうというなんの確証もない根拠もないことだが、久しぶりにかけてみようと思っている。

 

「堀北、問題できてるな?」

 

「ええ、けど大丈夫?」

 

「あぁ、なんとかしてみせるわ」

 

「いえ、そうではなくて、勉強を誘うのを失敗したらあなたは私に殴られるけど大丈夫っていう意味だったのだけれど」

 

こいつ、俺を殴る気でいるのか、マジかこいつ。

何が何でも成功させてみせるわ、泣きついてでも。

 

******

 

「なあ、なあ!どうする!須藤!山内!」

 

「いやどうするって言っても、ま、まあ俺は余裕だけどな」

 

「嘘つけよ!お前までさっきまでヤベェとか言ってたじゃねぇかよ!はあ、こんなことなら堀北の言ってた勉強会断らなきゃよかったかな?」

 

「うるせぇな、一夜づけとかでなんとかなんだろ」

 

「そ、そ、そうだよな?信じるぞ!須藤!」

 

「いや、無理だろ、常識的に考えてみろ。この高校に一夜漬けが通じると思うか?」

 

「お前はヒキタニ」

 

俺は堀北にこう伝えた「お前は問題だけを作っていればいい。あとは俺に任せておけ」となんかイケメンのようなセリフでむず痒い。

けど今は順調と言えるべきだ。第一段階は須藤たちを誘えるかどうかにかかっている。俺の技量の見せ所だ。いや、技量なんてないんだけどね。わかってるよボッチだし。あと俺の名前ヒキタニじゃないから

 

「なんだ?お前まで堀北みたいに馬鹿にしてきたのか?」

 

池が少し俺の嫌な相手を見るように睨んできた。

 

「まあ聞け、俺は提案してきたんだ」

 

「提案?」

 

山内は訳が分からなそうに首を傾げていた。

 

「あぁ、提案って言っても急激に頭が良くなるものじゃない」

 

「じゃあなんだっていいてんだよ?」

 

須藤は俺の回りくどいい言い方にイライラしているようだった。

 

「俺の提案を飲めば赤点を確実に回避できるだ」

 

「「「なに!?」」」

 

******

 

「おい、ヒキタニ、これどうやって解くんだ?」

 

「あーそれはXを代入してだな」

 

俺らはついに勉強会をすることになった。

図書室で堀北が作った問題を俺たちは解いている。

須藤は基礎中の基礎問題ができない。けどだからと言ってこいつは記憶力は悪いわけではない。こいつは真面目に勉強をしてこなかっただけに思える。バスケだってすごい努力して、根気よくバスケを続けてこなければならない。だからこいつはやる気になれば、勉強だってできるはずだと俺は思う。

池と山内は知らん。

 

「とりあえず、公式を頭に叩き込んで、それに数を代入すればなんとかできるぞ。俺も昔数学は苦手だったがちゃんと克服したぞ」

 

池と山内と須藤が俺を摩訶不思議な人物のように俺のことを見ていた。え?なに?なんで俺をそんな風に見るの?

 

「い、いや〜意外だな。ヒキタニが勉強できるなんて、俺たちみたいにバカグループだと思ったわ」

 

池が頭をかきながら言った。

おいこいつぶん殴ってもいいか?

 

「まあ、勉強っていうのは暗記だからな。国語とか英語とか数学とか暗記じゃないって言ってるやついるが、全部暗記すれば100点とれる。けど俺たちは残り1週間しかない、100点なんて到底不可能だし、むしろ赤点の可能性が大いにある」

 

「おい!さっき言ってたこととちげーぞ!」

 

山内が大きく叫ぶ。

おいここ図書室だそ。てかめっちゃ注目してるから叫ばないでお願いします。

 

「けど、このテスト集をある程度解けるようになれば余裕で赤点は回避できる。それは約束する」

 

「まあ、他に方法ないんだしお前に従ってやるよ。あとこれどうやって解くんだ?」

 

須藤はシャーペンをテストにトントンしながら聞いてきた。

俺と池と山内と須藤の勉強会が始まった。

働きたくないなぁ〜

 

******

 

テストまで残り1日となった。

1週間前からやっていた勉強会もなかなかいい感じで進んでいる。

授業が午前授業だったので俺は自分の部屋でくつろいでいた。

スマホをいじっていると俺に一通のメールが送られてきた。

お、きたか。ポイント振り込んでおかないとな。

俺は前に食堂であった、解明先輩にポイントを振り込んだ。

そして振り込んだあと俺は須藤に電話をかけた。

 

「あ?なんだ?」

 

須藤はめんどくさそうに俺の電話に返事した。

お前いつも電話かかってきた時、こんな声出してんのか?だからヤンキーって言われるんだよ。いやヤンキーだこいつは

 

「須藤、勉強会するぞ。俺の部屋に池と山内を連れて来てくれ」

 

「それはいいが、図書室じゃないのか?」

 

「図書室はダメだ、理由はあとで話す。とにかく来てくれ」

 

「あぁ、わったよ」

 

そして俺と須藤の通話は切れた。

んで堀北にメッセージ送ってと。あとは須藤たちを待つだけか。

 

******

 

「お、お、お前!?マジかよ!?」

池が大きく声をあげる

うるさい、ご近所に迷惑だろ。つば飛んでるし、ふざけんな。

 

「あぁマジだ」

 

「じゃあ前の勉強会はなんだったんだよ!?」

 

山内も大きく声をあげる

別に無駄にはなっていない。今回の件が成功しなかったらさっきした勉強は生かされるし、今後もこの方法を使えるとは限らない。決して無駄ではない。

 

「まあとりあえずこれは他言無用だ。話したりするなよ。あと自分の部屋と俺の部屋以外で勉強するな。間違えてもテストの日に持ってくるなよ」

 

「お、おう」

 

須藤は一枚の紙を見ながら、情けなく答えていた。

まあ無理もない。これが「中間テストの問題」だ。なんて言われたら情けない声も出すものだ。

 

******

 

そしてテスト当日。

俺たちは答案用紙が配られた。先生の始めの合図で答案を裏から表に返す。そしてテストと対面した。

そしてテストの問題は前に須藤たちに配った答案と同じだった。

須藤と池と山内は驚いた表情をしていた。

お、ちゃんと暗記したんだな。一か八かの賭けだったが成功してよかったなお前ら。

 

******

 

全てが成功してテストは終わった。

テストの点数を掲示板に出された時。俺たちは点数がやたら高かった。俺は全教科90点台で、須藤、山内、池は点数はまばらだが60点以下がなかった。

 

「で、なんで俺はまたここにいるんですかね?」

 

「さあ、なんでだろうな?」

 

先生はタバコを吸いながら答えた。

俺がどこにいるかというと前に堀北と先生と俺と話した場所である。あ、あと清隆もいたね。

 

「比企谷、お前はどんな手を使った?」

 

「どんな手って言われても須藤たちに勉強を教えただけですけど」

 

茶柱先生はため息をつきながら、手をひたいに当てた。

あれ?そんなに嫌ですかね?僕と喋るの?泣いちゃいますよ

 

「ほう、よく一週間で教えられたな。お前の説明力には魔法がかっているのか?それとも元々答えを知っていたか?」

 

「それ魔法じゃないでしょ」

 

「まあ、どんな手を使ったかわからなかったがとりあえずはおめでとうと言っておこうか」

 

「は、はあ、あ、ありがとうございます」

 

なんで先生は俺におめでとうと言ったのかわからなかったがとりあえず返事をしていた。

あれだよな、友達に「ありがとう」って言われて「え?なんでありがとうなの?」とか言ってしまうと相手も嫌な気持ちになるよな?あれ?ならないのか?俺なったんだけど。あとこれ実体験じゃないよ?

 

「まあお前ならこのクラスを変えられるかもな」

 

「そんな褒めないでくださいよ。うっかり惚れそうになる」

 

「ふ、私はお前の行動が気になって仕方がない。私はお前に惚れているのかもしれんな」

 

「は?」

 

何言ってんのこの人?なんでいきなり告白宣言してるの?

俺があたふたしていると先生はまた笑い出した。

 

「はははははっ!貴様は本当に面白いな。これが裏の姿なのかそれとも表の姿なのかはかろうとしたんだけどな」

 

「.........裏も表もありませんよ。これがうっかり本気にしそうになった男です」

 

くっそ、はめられた。これが誘導尋問ってやつか、うまいな。

けど裏も表もないんだよな俺は。ただ裏でこそこそしてるだけだ

夜はごそごそしてるけど。

 

「もう出て行っていいぞ」

 

先生の退出許可が出たため俺は部屋を出た。けどしかし外で待っていた人物がいた。

仁王立ちをして俺のことを鋭い目つきで見ていた、堀北がいた。

 

「なんだ?先生なら中にいるぞ」

 

「茶柱先生には用はないわ。あなたに用があるの」

 

「お、おうそうか」

 

まさか俺か?とは思っていたけど本当に俺とは。

なんか緊張します。

 

「このメールの真相教えてくれるかしら?」

 

堀北は俺が送った写真付きのメールを見せてきた。

俺が堀北に送ったメールはこうだ。

 

須藤たちに中間テストの問題をあげたから大丈夫だ。

一応堀北にもあげとくが、自分以外の人に見せるなよ。

 

っと書いて中間テストの問題の写真を撮って送っといた。

俺はてっきりこのメールだけでわかる文章だと思っていたが、わからなかったのか?俺の説明が悪かったのか?

 

「えーっとな。まず問題は先輩からもらったんだ。先輩から小テストをもらった時前にやった小テストと全く同じ問題だった。だから中間テストも同じじゃないかと思って先輩からもらったっていうわけだ」

 

「けどそれが全く同じとは限らないでしょ?」

 

「あぁ、だから賭けだったんだ」

 

「じゃあ須藤くんたちをどうやってやる気にさせたの?」

 

俺らは歩きながら話していた。寮に向かって歩き出している。

 

「須藤たちをやる気にさせたのは俺じゃないぞ。俺はちょっとしたきっかけを与えただけだ」

 

「......そういうことね。答えは時間ってことね」

 

「そうだ。で、中間テストの問題は外にもらすなという意味はわかるか?」

 

堀北は歩きながら手をあごに当て考え始めた。

 

「......先生にバレる危険性があったから?」

 

「よくわかったな。その通りだもし先生とかにバレたら問題を変えられてしまう可能性があっからな」

 

俺は説明が終わり堀北が納得したところで目的の場所に着いた。

俺は本当は寮に向かっているわけじゃなく、ある店に向かっていた。

その店はめんくいという場所でとんこつラーメンのお店だ。

ここはずっと前から来たかったので今日来てみたのだ。

 

「なにここ?」

 

「とんこつラーメンのお店だ。俺はここで食ってくから」

 

「......あなたここで食べていくの?」

 

なんで同じこと繰り返したの?食べてくって言ったよね?あれ?聞いてなかった?

 

「そう。なら私が奢ってあげるわよ」

 

「......どういう吹き回しだ。怖いぞ、あと怖い」

 

「人のお礼は素直に受け取っておかないと損するわよ」

 

堀北はとんこつラーメン屋の扉を開け、入っていた。

ねえ?話聞いてる?怖いって言ってんの

俺も入らないわけにはいかないから俺も入っていった。

 

******

 

俺はラーメンを堀北に奢ってもらったあと、本当に寮に向かっていた。

 

「舌に味が残る味だったな」

 

「何言ってるのかわからないわ」

 

「まあ、うまかったっていう意味だ」

 

「最初からそういえばいいのよ」

 

「あ、あぁ」

 

なんで俺怒られてるみたいな感じになってるの?おかしいでしょ。

 

「てかなんで奢ってくれたんだよ」

 

俺は一番疑問になってることを聞いてみた。

なんで奢ってくれたんだ?俺なんかしたっけ?前のお礼はサンドウィッチで返してもらったしな。説明のお礼とかか?もっと違うことか?

 

「須藤くんたちに退学させなかったお礼よ」

 

堀北はこっちを一切向かず、真顔で言い放った。

なるほど、そっちか。別に堀北も問題作ってくれたし、五分五分だと思っていたが、まさかお礼されるとは思ってはなかったな。

そして寮に着いた。しかし会話は終わっていたので一言も喋ることなく俺たちはエレベーターに乗った。

そして俺は4階に着いた。

 

「じゃあ俺ここだから」

 

「ええ、さようなら」

 

「ああ、じゃあな」

 

エレベーターが閉まる直前に「また明日」と聞こえた。

聞き間違いだったんだろうか?うん、そうに違いない。

こんな終わり方もいいなと思った。

 




******

八幡の作戦は確実性が高いな。
オレは一応作戦は考えた。それは八幡が会った先輩から小テストと中間テストをもらい、須藤たちにあげるという作戦を教えたが、まさかあそこまで先生にバレないように厳重にするのか。
あそこまで確実にすると堀北に疑われないか?
いや、そうじゃないあいつの目的は......

******

佐倉を助けるのは八幡かな。


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櫛田桔梗は何か目的を持っている

中間テストも終わり、夏が近づいてきた。

うちの学校は施設がいいのでクーラーをガンガンに聞かせた状態で勉学に励むことができる。

俺、比企谷八幡はの日常は中間テストが終わってからの日常がループしていた。わかりやすく言うと、まず登校する時になぜか堀北が起こしに来てくれて、俺はめんどくさいなぁなんて考えながら登校して、授業中は居眠りをしないように頑張っていて、昼休みは一人で校舎裏の日陰で食べて、放課後には須藤と池と山内に遊びに誘われるが俺は断り、部屋で本を読むという生活を中間テスト終わって二週間ほどこんな生活を送っていた。

今考えると堀北が起こしに来てくれるのって、俺のこと......。

はい嘘です。堀北がすごい勢いでこちらを睨んでいます。なんで俺の心読めたんだよ。

 

******

 

オレはなかなか充実した日々を送っていた。

前にやった勉強会に、須藤と池と山内がいたので勉強会仲間としてオレも遊びに誘われていた。

しかし今日、友だ...遊び仲間である、須藤が暴力事件を起こしたらしい。そして、須藤、池、山内、堀北、櫛田、八幡がオレの部屋に(勝手に)集まり、須藤から状況説明をしてもらっていた。

簡単に説明すると、須藤はバスケ部の奴らに呼び出されて、殴られそうになったから殴った。正当防衛だと言い張ってる。

 

「......って言うわけなんだよ!オレは無実だ!先にやってきたのはあいつらの方だ!だから俺の無実を証明するために手伝ってくれよ!」

 

「あ、だからポイント俺らもらえなかったのか!」

 

池も気づいたらしく、驚いた口調で発した。

朝のLHRで茶柱先生が含みがある言い方で、ポイントの話をしていた。前回の中間テストで少しだけクラスポイントが入ったのでプライベートポイントも入るはずだがDクラスはなぜか入らなかった。

その理由は須藤にあったということだ。

 

「俺はあいつらにはめられたんだ!!」

 

声を大きくあげて、俺の部屋にいる連中に訴えていた。

 

「愚かね」

 

「ああ?」

 

堀北が小さくそう告げると須藤は堀北に威圧をかけて、池と山内は堀北のことを嫌そうに見ていた。まだ須藤は堀北のことを嫌ってたのか

 

「日頃の行いが悪いからこうなるのよ。日々何事にも意識を持って生活してる人ならこんなことにはならなかったはず。けどあなたはどう?暴力事件を起こしてもおかしくない生徒でしょ?それでいざ事件が起きたら助けてくれなんて虫が良すぎるんじゃないかしら?」

 

「ック......」

 

須藤は堀北に図星を突かれたため、何も言い返せなくなりうつむいていた。

オレはそれには同感だ。須藤が日頃真面目で意識を持って生活していれば、暴力事件が起きながったはずだ。もし何者かの行為的な犯行でも、行動に問題がない生徒を暴力事件に巻き込むよりも問題ある生徒を巻き込んだ方が成功率は高いはず、もし行為的な犯行だったら須藤の日頃の行いのせいで招いた失態とも言えるだろう。

 

「......お前は!いつもそうやって見下して!!お前の方が頭いいからって調子乗んなよ!!」

 

須藤はキレたらしく堀北の胸ぐらを掴んでいた。

池も山内も堀北が嫌いなため、止める気は無い様子だ。

櫛田はあたふたしてる様子を見せてるが、止められないようだ。

じゃあここはオレが止めるしか無いのか......。

 

「おい、そこらへんにしとけ須藤」

 

「おい!ヒキタニ!!離せ!!」

 

オレが止めようと思った矢先、八幡が須藤を止めてしまった。

 

「おいくそ女!!てめぇいい加減にしろよ!」

 

「その発言そのままお返しするわ。あなた今Dクラスを危機におとしめているのよ。あなたのせいでせっかく取り戻したクラスポイントがなくなるかもしれないのよ。いい加減にして欲しいのはこっちの方よ」

 

堀北は須藤にキレているのを関係なしに須藤を正論で攻め立てる。

須藤はいっそうキレだしていて、八幡が須藤を解放したら勢いよくぶん殴りそうなぐらいキレている。

 

「須藤落ち着け、言っとくけど中間テストでお前らを助けたの堀北だからな」

 

「「「は!?」」」

 

八幡の発言で須藤は動きを止めた。

 

「中間テストの問題集を作ったのも、中間テストの答えをくれたのも全部堀北がやってくれたんだぞ。俺は堀北に従ってただけだ」

 

「ちょ、ちょっとあなた何「というわけなんだ。まずは怒るんじゃなくて話を聞いておくことも大事だと思うぞ。須藤のせいでこうなったのも事実なんだ」

 

堀北が何か言いかけたがその前に八幡は声を重ねて聞こえなくした。

堀北は八幡を鋭くみつめているが、八幡はわざと堀北から視線を外していた。

 

「ほ、ほんとかよヒキタニ?」

 

「ほんとだ。俺がやったことなら俺の手柄にするだろ」

 

池が恐る恐る聞いてみると八幡は肯定した。

まあ池も山内も須藤やれやれ状態だったし、いきなりそんなこと言われたら困るわな。

ここから誰一人喋ることはなく、お通夜のような空気がながらていた。仕方ないここはオレが......

 

「あー、まあとりあえず須藤ははめられたんだよな?」

 

「あ、おお」

 

「だったら目撃者がいるかもしれないぞ。目撃者を探すために明日とかに聞いて回った方がいいんじゃないか?」

 

「う、うん!!そうだね!私も協力するからね、須藤くんの無実を証明しようね!」

 

「お、おう!須藤の無実を証明するぞ!!おーー!」

 

櫛田に続いて山内が盛り上げたあと、ざわざわと騒ぎだした。

そして作戦会議も終わったため、解散となってみんなは帰っていった。あ、カードキー回収するの忘れてた

 

******

 

俺は清隆の部屋を出ると同じ階だけど自販でマッカンを買おうと思ったので一階に向かうことにした。この寮には三台のエレベーターがあるので須藤たちの方には乗らず須藤たちが上に行くのを見送った。グッパイ〜〜フォーエバ〜〜。

池たちが騒いでいたが気のせいだろう。さて俺はマッカンを買いに行きますか。

 

「比企谷くん♡」

 

「え?おおお!?」

 

声をかけられた方を振り向くとそこには櫛田がいた。

いつからそこに!?てか須藤たちと一緒に上に行かなかったのか?

 

「うん!私も下で飲み物買おうと思ってたし」

 

「お、おうそうか」

 

ナチュラルに俺の心読まないでね

俺は櫛田が苦手だ。

櫛田には表の櫛田と裏の櫛田がある。それを知ってるのは俺と清隆だけだと思うが、俺みたいに目撃した人やもともと知ってる人もいるかもしれない。

櫛田は何か掴めない。堀北が嫌いな理由、なぜ嫌いな堀北に近づくのか、そしてどっちが本物の櫛田なんだ?櫛田の真の目的はこの三つに隠されてる。こいつは敵か?味方か?

 

「比企谷くん?エレベーターきたよ」

 

「え?あ、ああ」

 

俺と櫛田はエレベーターに乗り込んだ。そして閉ボタンを押して一階に行こうとした時、人影が見えたので開ボタンを押して人を入れようとした。

 

「どうも」

 

「あ、はい、え?」

 

乗ってきた人はまさかの堀北だった。

おいおいなんだ?今日はやけに女の子と一緒にいるじゃないか俺。まさか主人公気質に目覚めたか?はい嘘です。モブです。

 

「比企谷くんどこに行くの、あなた今日私と約束があるって言ってたでしょ?」

 

「は?え?」

 

俺は堀北に無理やりエレベーターから降ろされて、櫛田はあっけにとられたように下に降りて行った。

俺堀北と約束なんてしてないんだけど、まさかのデートのお誘いですか?嫉妬しちゃいましたか?

 

「何か不愉快なことを考えてるわね」

 

「はい、ごめんなさい」

 

******

 

「んで?なんで俺の部屋にお前がいるんだよ」

 

「そ、それは」

 

あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!

俺は堀北に無理やり連れてかれると、まさかの俺の部屋だった。なぜか俺の部屋なのに、早く入ってと言われ俺が堀北の部屋に遊びに行ってる感じになっていた。

ねえ?そこ俺の部屋でしょ?なんで君の部屋みたいになってんの?

そして現在

 

「なんだよ、俺の部屋来てなんかあんのか?」

 

「......須藤くんの事件についてよ」

 

「お前、今思いついたろ」

 

「そんなことないわ」

 

お前だんだんキャラ崩壊してきてるけど大丈夫か?

俺が心の中で心配していると堀北は俺のベットに座ってこう言った。

 

「須藤くんの話どう思う?」

 

「あー須藤が暴力事件起こしたって話か?」

 

堀北は無言で頷いて肯定した。

 

「まあ、俺には関係ない話だな。けどこれで俺のプライベートポイントが下がるのは嫌だしな」

 

「堀北はどうすんだ?」

「そうね、以前の私だったらあなたの話を聞かなかったら手伝わなかったかもしれない。けどいまの私は自分のために動こうと思うわ」

 

「おぉ、成長したんだな」

 

いまの言葉に堀北はイラっとしたようで俺の方を睨んでいた。

 

「プライドは捨てきれてないが、妥協するようにはなったんだな」

 

「プライドなんて持ってないわ。さっきの言葉は私の信念よ」

 

いや、それってプライドだろ。

 

******

 

俺は堀北と明日から調査すると言われ部屋から出て行った。てか明日でいいだろ、なんで俺の部屋来たんだよ。

俺はさっきから行こうてしてた自動販売機に階段で向かった。

するとそこには自動販売機の隣のベンチで午前の紅茶を飲んでいた櫛田がいた。

うわ、櫛田だ、嫌だな。彼氏待ってんのか?いやこっち見てニコニコしてるから俺のこと待ってんだよな?これで俺無視されたら泣いちゃうよ。いやまあ櫛田苦手だからいいけど。

 

「比企谷くん!」

 

「お、おお。櫛田かまだいたのか」

 

「うん!ちょっと話さない?」

 

櫛田は上目遣いで俺に尋ねた。

その上目遣いずるいです。断れるわけないじゃないですか。

 

少し歩くと海が見えた。改めてこの海を見るとこの学校は隔離されてるんだなと思う。

 

「ねえ、比企谷くん、私さ...「そういうのはやめてくれないか?」え?」

 

「えーっとどうゆうことかな?」

 

櫛田は首を傾げて困った顔をしていた。

 

「ここには誰にもいないんだし、本音でいいだろ。ここまで連れて来たにも何か意味があるんだろ?表の櫛田だと俺は思うように容量がつかめない」

 

「.........ヘぇ〜比企谷くんって面白いこと言うんだね」

 

目を細めて、薄気味悪く笑っていた。

街灯がチカチカ電気が切れかけていてより一層不気味に感じた。

俺は覚悟はしていたがこの櫛田を見ていた俺はゴクリと唾を飲み込んだ。

 

「じゃあ私のお願い聞いてくれる?」

 




よし次は佐倉様を召喚させよう。

メモデフに今ハマっています。
ギルド作って1人しかいないとかめっちゃ悲しい


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櫛田の目的と天使と悪魔

「ねえ?私のお願い聞いてくれないかな?」

 

櫛田にそう言われた途端心臓がピクリと動いたのを感じられた。

俺は櫛田にバレないように鼻で大きく息を吸った。

 

「なんだ?」

 

俺はこう一言櫛田に投げかける。

不安を悟られないようにただ静かに、冷酷に。

 

「堀北さんを退学にさせる方法を一緒に考えてくれないかな?」

 

「............は?」

 

俺は一瞬こいつが何を言ってるのか理解できなかった。

刹那、櫛田が俺の目の前にいるのがわかった。

反応が一瞬遅れ、一歩下がり攻撃態勢をとる。

 

「そんな警戒しなくていいよ〜ただ堀北さんを退学にさせる手伝いをしてくれたらいいから」

 

その言葉で表面だけは攻撃態勢をやめる。

けど意識は半分櫛田の目的を聞く耳と何が起こっても攻撃態勢を取れるようにしている。

 

「馬鹿かお前。なんで俺がそんなことに手伝わないといけない」

 

「ん?だってテストとか須藤くんに教えたのって比企谷くんだよね?」

 

「いや、だから言ってるだろ。堀北が全部「ううん。堀北さんじゃないよ私わかってるよ。全部比企谷くんの指示だって」.........。」

 

何も答えることができなかった。全部見透かされてるような気がしたからだ。こいつはリア充なだけあって、話題のふりや会話の組み立てなどリア充になるための言葉遣いは俺よりも上だと踏んでいる。

だが人を退学させるほどの材料を一人で調達できるだろうか、櫛田ならなんとか頭の回らない奴らならできそうだが堀北や優秀な奴は追い込むことはできたとしても、退学までにはできないだろう。

それを読んで俺に相談して来たってわけか。

 

「じゃあ一つ聞かせてくれ。なんでお前はそこまで堀北を退学にしたい?」

 

「んー。まだ比企谷くんから協力のオーケーをもらってないからあんまり答えたくないけど。一つ言うなら私の過去を知るものだから?」

 

なんで疑問系なんだよ。

そうかこいつは過去を知っているから、自分のことを知っているから追い出したいと、なるほどな。もともとこいつは堀北を嫌いには思っていたがまさか退学させるほど嫌いだとは思っていなかった。けど今納得いったこいつは嫌いなんじゃなく、ただ自分の過去を知っているから。まあ嫌いっていうのも過去を知ったから余計嫌いになったんだろうけどな。

 

「そうか、大体は読めた。けど俺は手伝わない」

 

櫛田がピクリと動いたのを見逃さなかった。

けど動揺が少ない。手伝ってはくれないと思ってはいたのか。

 

「話がそれだけなら俺は帰るけど」

 

「ううん。話は終わってないよ。あなたが肯定してくれないと前にあった制服のこと先生に言って退学にしてもらうって考えてるから」

 

そう来たか。まあ櫛田の表情には負けてないっていう顔ががあったからな。

 

「まあ、それでもいいが。お前はいいのか?」

 

「なに?私の本性を学校中にバラすって?あははは!無理無理。あなたみたいなぼっちが誰も信じてくれるわけないでしょ?」

 

「ああ、お前の言った通り、口だけなら冗談だと思われるはずだ」

 

「へー。なんかあるんだ?」

 

「まあな、これなんだかわかるか?」

 

俺はポケットに入っていたスマホを出した。

俺のスマホは黒い画面が映っていた。よく目を凝らしたとしてもなにも見えない。

 

「これはな、お前の音声が入ってるんだよ。聞きたいか?」

 

櫛田は肯定も否定もしなかった。ただただ俺をずっと見つめてるだけだった。

まあなにも言わなくても流すけどな。俺は一回画面をタッチして下に再生ボタン、上に動画の分数や飛ばしたりできるものが出てくる。

俺は再生ボタンを押す

 

『あー堀北うざい.........』

 

この一つの言葉でわかったであろう。

そう、電話したと同時に録音をしていた。電話するときに録音機能っていうのがある。それを使い櫛田の行為を録音していた。

 

「な、に、これ?」

 

櫛田はすごく驚いてるようで口を手で押さえながら後ろに後退して行った。

櫛田は今なにを思ってるだろう、絶望?怒り?それとも妥当策を考えてるのだろうか?

けどもう遅い、もうお前は終わってたんだよ。

 

「チェックメイトだ櫛田」

 

「ッッ!」

 

櫛田は悔しそうに奥歯を噛みしめる。

 

「まあ、これは別にバラす気はない。今まで通り生活してくれ」

 

俺はめんどくさいことにならないようにさっさと帰ろうとした。

 

「......して」

 

「は?」

 

「どうして、私に手伝ってくれないの?堀北に振り回されてうんざりしてるんじゃないの?」

 

俺は回答に迷った。うんざりしてると言ったらうんざりしてるのかもしれない。もういい加減にしてくれって思ってるのかもしれない。けど俺はなぜか堀北を手伝ってしまう。これはなんでだろう。

いやわかっていたんだ。けど恥ずかしいから口に出さなかっただけだ。

 

「まあうんざりしていないと言うと嘘になる。けど俺は案外堀北のことも気に入っていたのかもしれないと言うのが本音だ」

 

この発言をした時後ろにある茂みが少し動いた気がした。風か?

 

「......このドM」

 

その吐きゼリフはマジで許さないぞお前。

 

******

 

学校に来ると明らかに堀北の態度がおかしかった。

作戦会議をすると言っておきながら堀北はなぜか作戦会議をしないし、堀北に声をかけるとなぜか前よりもひどく罵倒されるし、散々な目にあっていた。

 

「なあ、堀北俺なんかしたか?」

 

「別になにもしてないとも言い切れないけれど、あなたは私には直接なにもしてないわ」

 

「なにその言い回し?なぞなぞ?ナゾナゾ博士なのあなたは」

 

堀北に最後の言葉は無視され、昼食を食べていた。

あ、今は昼休みですよ!授業中喋ったらコンパスで刺されますからね!綾小路が

堀北は俺の方がチラチラ見ていたような気がしたけど堀北の方を向くとなにもなかったかのようにご飯を食べている。

しかもなんか顔が赤いような気がする。

俺は大きなため息をつくと、買ってあったパンを食べ始めると、堀北の視線がより一層鋭くなったのを感じ取れた。なんでちょっと怒ってんだよ。パン食べたらダメなのかよ。

 

******

 

時は放課後。

先生のホームルームが終わればみんなは自由になれる。

しかし楽しい放課後のはずが、先生の説明でみんなは憂鬱になるのだった。

その説明とはポイントが貰えるかどうかわからないというものだった。その説明にみんなは知っていたはずだかやっぱり憂鬱さを隠せなかった。けどそれを踏まえなぜもらえないのか説明をされることになった。CクラスとDクラスが暴力事件を起こしたからであると説明された。そのことを聞くとざわめきが絶えなかった。俺はその説明をされた時あることに気づいた、目撃者だ。

このクラスに目撃者がいた。その名前は.........なんだっけ?

 

******

 

「比企谷くん、目撃者を見つけたわ」

 

「マジか?」

 

堀北も見つけいたようだが俺は知らないふりをしておく、そうすると堀北の実力がわかると思ったからだ。

決して名前がわからなかったからじゃないよ!ほんとだよ!

 

「ええ、佐倉愛理。彼女先生の説明の時ずっと下を向いていたもの。多分彼女で間違いないわ」

 

「そうか、まあ堀北がそういうなら間違いないんだろうけどな」

 

「そうね、なら事情聴取といきましょうか」

 

「お、おいちょっと待てって」

 

堀北が佐倉さん?っね言う人に尋問じゃなかった事情聴取をしようとしていたが、俺は堀北の腕を取り止めた。

 

「な、なにするの?セクハラで訴えるわよ」

 

「ち、ちげーよ!普通に待てってことだよ!」

 

堀北の反応がいつもより驚いているのと赤くなっているのはともかく俺の作戦を告げることにした。

 

「なあ、じんも...事情聴取する前に事件現場に行かないか?」

 

「ちょっと、じんもの続きが気になるのだけど」

 

俺は堀北の発言を無視して向かうことにした。

 

******

 

「堀北どう思う?ここは」

 

「そうね、カメラもない、人もあまり来ない。暴力事件を起こすなら適当な場所ね」

 

「そうだな。何か妥当策はあるか?」

 

「策?この現場で思いつく策ってこと?」

 

「ああ、お前なら気づけると思うぞ」

 

頑張れ堀北、応援してるぞ!

堀北は顎に手をやり考え出した。2、3分そうやっても回答が出てきそうになかった。

 

「いやもういいぞ、考えなくて。とりあえず帰るか」

 

「え、ええ。その言い方ムカつくわね」

 

俺たちは寮に戻ろうとすると、階段の途中で佐倉にあった。

佐倉はびっくりしたのか「ひゃぁい!」とか言う声をあげて尻餅をついた。

 

「えーっと悪いな」

 

俺はつい妹の小町にやるように手を差し伸べてしまった。

俺がう、やべと思い手を引こうとすると佐倉は手を取ってくれた。

うわぁ天使や天使が現れたぞ。こんな俺に手を取ってくれるなんて

堀北が性犯罪者を見つけたようにすごい勢いで睨んでいたが佐倉の行動に癒されていたからどうでもいい

 

「あ、ありがとうございます」

 

「あ、ああ」

 

佐倉は下をうつむきながらスカートについたホコリをはらっていた。

 

「そろそろ手を「そろそろ手を離してもいいんじゃない?」

 

佐倉が発言したその瞬間に堀北が合わせるように言った。

いやなんで重ねたんだよ。

 

「あなた、暴力事件の目撃者?」

 

堀北が間髪入れずに聞いてきた。

 

「し、知らないです」

 

すると天...佐倉は走って行ってしまった。

ああ、天使が去っていく。俺は一言佐倉に言うことがあった。

 

「佐倉、なんかあったら堀北に相談してくれていいからな。堀北が怖かったら俺でもいいけどな!」

 

俺は謎のテンションで佐倉に告げた。

けど佐倉はなにも言わずに去って行った。

ふう、いい仕事した。これにて仕事終わり!

 

「ねえ、比企谷くん、ちょっと話したいことがあるのだけれど」

 

堀北が今までで一番俺のことを睨んでいた。まだ仕事は終わらないようだ。




今MF文庫のイベントに並んでます。
4時間くらい並んでるので書いていました。
一緒に並んでる人がいるかもしれません。これを読んでちょっとは暇を潰せたらいいなと思います。ではまた!


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一之瀬帆波はお人好しすぎる

はい遅れてすみません。
でもアニメもいいところまでいってますね。次回でついに最終回ですね。僕的にはここから面白くなるのにーって感じなんですけどね。
正直坂柳がいるから体育祭までやるかと思ってました。
あとあとがきでちょっとしたお知らせを入れるので本編をお読み次第ご確認ください。


世界はなんて理不尽なんだろうと思わないだろうか。

この世界は力のあるものに蹂躙され、弱きものは力のあるものに支配され続ける。

もうこんな惨めな思いはしたくない、支配されたくないと思う。

 

 

ーーーだったら力のあるものになればいいーーー

 

 

そう思ったのはいつ頃だろうか。いつから俺は変わったのだろうか。未だにわからない。正解が見つからないまま、出口を見つけさまよってる亡霊のように、いつまでもいつまでも彷徨い続けないといけないのだろうか。いつになったらこの苦しみから解放されるのだろうか。

俺はまた変われるのだろうか

 

******

 

 

俺たちは佐倉と別れたあと寮に戻ろうとすると、後ろから声がかかった。

 

「あれ?君達ここでなにしてるの?」

 

振り向くとピンク色で腰まである髪でスタイルも良く顔立ちもいい女の子がそこには立っていた。

なんだ今日はやけに女性運がいいらしい、天使ともあったしな!

 

「あ、もしかしてDクラスの人?」

 

「そうだけれど何か?」

 

Dクラスと言われバカにされたと勘違いしたのか堀北はご立腹だった。

 

「あ、もしかして怒ってる?ごめんねそんなつもりじゃなかったんだけど」

 

「そう、話はそれだけなら私たちは行くけれど」

 

って言いながらもう歩いてるじゃねぇかよ。

少しくらい待ってやってもいいと思うけどな。あ、言っとくけど別にこの可愛い女の子と関わりたいとかそんなことは思ってないからな!

 

「あ、待ってよ!君達がここに来たのってあの事件のことだよね?」

 

「それが何か?」

 

「その話詳しく聞かせてくれないかな?状況によれば協力するからさ」

 

「「は?」」

 

俺と堀北は同じタイミングで声を出してしまった。

いやこいつなんで俺らを手伝うんだよ。てか俺と今回「は?」しか言ってないんだけど、どうゆうこと?

 

******

 

「なるほど、そういうことか」

 

謎の少女が納得したところで俺と堀北はこの少女がどんな答えを出すのか気になっていた。

 

「うん!なら君達に協力しようかな!」

 

「......えっと、お前そんな簡単に決めていいのか?俺らが嘘をついてるとかって考えなかったのか?」

 

けど謎の少女は首を傾げ口を開いた。

 

「え?嘘をついてるの?」

 

「いやついてはいないが」

 

「なら、そっちを手伝うよ!困ってる人を見捨てられないもん」

 

「お、おう。そうか」

 

この謎の少女の気迫に負けて、頷いてしまった。

堀北は俺を見てため息をついていた。すいませんね、こんな俺で

 

「あ、あと私の名前は一之瀬帆波、今日からよろしく!」

 

あーこれあれだ。俺がいないうちにこの人が解決してるパターンぽいな。俺いらないね!

 

******

 

朝、俺は4時起きしてしまい寝ようにも寝られずに暇を潰そうと久しぶりにジョギングに行った。

学校のジャージが近くにあったので、それを私服の上に来て、靴を履いて足のつま先をトントンとしてから寮を出た。

夏がもうすぐ来るのかと実感させるような暑さと明るさだった。

まだ4時なのに明るくそしてちょっと暑かった。なんでこんな時期にジョギングしようと思ったんだろ〜っとちょっと後悔しながら走る。

 

10キロくらい走っただろうか、寮を大きく離れ海沿いを走っていた。10キロも走ってもこの学校の半分もジョギングしていない。この学校広すぎんだろ。と改めて思うまあ千葉の方が広いけどね!

なんて考えながら走っていた。そろそろ帰って学校の準備しないとヤバイのでショッピングモールが見えてから引き返して帰ることにした。

 

寮も見えて来たところで俺は時間を確認した、まだ4時半ぐらいだった。こう見えて俺はジョギングには自信がある。だから合計20キロ走ったとしても息はあまり切らしていない

汗が出るのは仕方がないとして、タオルで拭いながら寮の前までついた。

 

「あれ?比企谷くん?」

 

左側から声をかけらたので見てみると俺と同じように汗を拭っている一之瀬だった。一之瀬もジョギングなのか息を切らしながら歩いてこっちに近寄って来た。近い近い近いいい匂い近い。

 

「おぉ、一之瀬か。おひゃ...」

 

普通に噛んでしまった。多分俺の顔は真っ赤になっていることだろう。

 

「あははは、なにその挨拶おはよう!」

 

いや、俺なりの挨拶じゃないんです。ただ噛んだだけなんです。

 

「比企谷くんはなにしてたの?私と同じくジョギング?」

 

「あぁ、まあな」

 

「どのくらい走ったの?」

 

「んーまあ1キロくらいだ」

 

「へーなかなか、走ったね」

 

さすがに20キロというと自慢ぽくなってしまうから真実は伏せておいた。ヤバイ話すことがなくなったぞ、俺のヒキペディアをみると自虐ネタをした方がいいと俺に訴えている。した方がいいのか?いや無理だな。「え?あ、あははは〜」って顔を引きつりながら笑うことだろう。てかもう帰りたい。

俺がなにか話すべきなのか?と悶々していると一之瀬は何かもじもじし出していた。

俺がなんだ?と思い見ていると一之瀬は口を開いた。

 

「え、えーっとね比企谷くんにお願いがあるの」

 

「うわー嫌な予感がする」

 

やべ口に出しちまった。

 

「私の彼氏になってくれない?」

 

「ふぁ?」

 

******

 

「私、千尋ちゃんって子に告白されるみたいなの」

 

俺と一之瀬は一度寮に戻り制服に着替え、待ち合わせして学校に向かっている途中だ。

あーそういうことですか、わかってましたよ。

てか女の子に告白されるのか?百合なのかなんだ百合なのか

 

「で、俺に彼氏の役をしてくれと」

 

「そう!そうなんだよ!お願いできないかな?」

 

一之瀬は少し声を荒げながら答えた。

まあ、俺たちのことを手伝ってくれるんだしそれくらいならやってあげてもいいがでも本当に邪魔していいのか?告白って勇気いる行為だし、俺だって何度も味わっている。

俺が彼氏役を引き受けたらその女の子は俺に嫌悪感を抱く、まだそれならいいが一之瀬まで一緒に嫌悪感を抱いては欲しくはない。

 

「わかった。俺たちのこと手伝ってくれるんだしそれくらいのことはする」

 

「え?ほんと!ありがとう!」

 

一之瀬は俺の前に立ち俺の腕を掴みブンブン振ってきた。

俺は手柔らか!とか思わず無心でいた。

 

******

 

そして時は放課後。

一之瀬と一緒に校舎裏に来た。一之瀬は告白されると知ってそわそわしているらしい。しかも断る気でいるからなおさら緊張しているだろう。

 

「一之瀬、ちょっとトイレ行って来てもいいか?」

 

「え?あ、うん。早めにお願いね」

 

俺は走りながら一之瀬に手をこうを見せながらフリフリして駆け足でトイレに向かった。

まあいっちょやりますか。

 

******

 

まだ比企谷くんがトイレから帰ってこない。お腹が痛いんだろうか、早くしないと千尋ちゃんが来てしまう。

 

「帆波ちゃん!ごめん待たせちゃって」

 

千尋ちゃんだ。息を切らしながらこちらに走って来た。

来てしまった、比企谷くん早く。

 

「え、えっとね話っていうのは「おーお前らちょっと付き合えよ」え?」

 

千尋ちゃんの言葉を遮ったのは比企谷くんだった。比企谷くんはもともと...ううん前よりもまた気を悪くして、チンピラ感を出していた。

でもなんでそんなことしてるの?

 

「え、なんですか!?あなた!」

 

千尋ちゃんは声を荒げる。私はわからないことが多すぎてなにも喋ることができなかった。

 

「お前ら俺に付き合えって言ってんだよ」

 

比企谷くんと私は目があった。なにを訴えたのかがわかった。自分を犠牲にしてこの告白を無しにしようとしてるんだ。

私はこの作戦に気付いた時にはもう遅かった。比企谷くんの作戦になるしかなくなってしまった。

 

「君、そんなこと言っていいの?ここにはカメラがあるし私たちが訴えれば君は退学になるかもよ」

 

自分で言ってて吐き気がした。私は困ってる人がいたら絶対に助けるそう思っていつも生活している。けど今はどうだろう。私を助けるために自分を犠牲にしている彼の作戦に乗っている。こんな助け方あんまりだ。けど吐き気と同時に胸があったかくなった。他人を助けるために自分を助けるなんてまさにヒーローだ。

比企谷くんは舌打ちをして帰って言った。

 

「とりあえず帰ろっか。それで千尋ちゃん話ってなに?」

 

「ううん、なんでもない!帰ろ!」

 

こうなることを読んでいたのだ。ほんと比企谷くんって最低なヒーローだね。

 

******

 

「ふーキッツいな」

 

第一声がこれだった。寮に着きベットに横になっていた。

実際やると思っていてもきつかった。これで一之瀬や千尋って言う人からは嫌われただろう。まあそれでもいいが、一之瀬とは協力関係を結んでいるため、顔を合わせないといけないからきついのかもしれない。でも一之瀬はよく俺に合わせてくれたな。俺の行動を無駄にするべきではないと思ったのだろうか。

そうだとしたらとんだお人好しだ。

寝るかと思い右側を向いて寝ようとしたら俺の携帯が震えた。

多分堀北の電話だと思い携帯を見てみると、まさかの櫛田からの電話だった。出るのをためらったが、出てしまうのが俺なんですね。優しい八幡!キャー抱いてー!

 

「もしもし」

 

『もしもし?比企谷くん?今からけやきモールに来れる?すぐ来てね。バイバイ』

 

「おい!ちょっ」

 

勝手に切られてしまったマジかこいつ。まあ俺は櫛田の本性知ってるからそっけない対応しても大丈夫なんて思ったんだろう。

しかも行かないと俺の指紋がついた制服のやつをネタにして退学にさせようとするかもしれない。

はぁ行くしかないか。

 

******

 

けやきモールに着いて俺は櫛田に電話をかける。

3コールぐらいでプツっという音が聞こえ電話に出たことがわかった。

 

「着いたんだけどどこいけばいい?」

 

『えーっとね、比企谷くん電化製品売り場まで来れる?よろしくね』

 

で、やって来たぜ!電化製品売り場!って言っても櫛田に無理やり連れて来られただけだけどな。

 

「ごめんね、急に呼び出しちゃって」

 

「ほんとだよ、ざけんな」っと言いたいところだがぐっと気持ちを抑えて深呼吸を一つした。

 

「んで要件はなんだよ」

 

「比企谷くんってカメラとか詳しい?」

 

「いや、別に詳しくはないぞ」

 

「あー、そうなんだ。だって佐倉さんごめんね」

 

え?佐倉さんいるの?マジで?あの天使がこんなとこにいるのか、もしかして運命とか、いや運命だろこれ!

 

「い、いえ全然大丈夫...です」

 

佐倉が顔を赤らめながら小さい声でボソボソっと喋った。

本当はざけんなとか思ってなかったからね。いやー櫛田さんマジありがとうございます!

で、なんでカメラ?佐倉はカメラを買いたいのか?俺の疑問に櫛田は気づいたらしく説明しだした

 

「あ、私が佐倉さんのカメラを壊しちゃんだんだよだから修理に出そうと思って」

 

櫛田は頭をかきながら舌を出してテヘ!みたいな顔をしていた。

お前反省してんのか、てか、俺いらなくね?修理出すんでしょ?なんで俺連れて来たの?まあ佐倉に会えたからいいけど!

 

「じゃあ早速修理出そうぜ」

 

「う、うん」

 

佐倉はオドオドしながら電化製品の店員にカメラを差し出した。

俺と櫛田は少し離れて櫛田に聞きたいことがあったので櫛田と話し始める。

 

「なあ、なんで佐倉って伊達メガネつけてるんだ?」

 

「え?あれ伊達メガネなの?」

 

櫛田はちょっと驚いたように俺の方を見ていた。

あとちょっと近いです。

 

「あぁ、レンズに歪みがないからな」

 

「よくわかったね」

 

「洞察力には自信があるからな」

 

櫛田から視線を外し、佐倉の方を見てみると声は聞こえなかったが店員と櫛田は何かもめているようだった。

おい、佐倉になんかしてみろお前ぶっ○してやるぞ!

というような意気込みで俺は佐倉のもとに歩いて行った。

 

「先ほども言った通り電話番号と住所お願いします」

 

店員が佐倉に電話番号と住所を聞いていた。まあカメラの修理の連絡とか必要だけどあの気持ち悪さは異常だ。なんか吐息荒いし、興奮してるように見える。

佐倉もそのことに気づいているのかペンを持っている手が震えていた。

 

「あの、俺の住所でいいですか?」

 

「は?」

 

俺は佐倉からペンを取り上げ電話番号と住所を書いてあった。

 

「ちょ、ちょっと勝手なことは困るよ」

 

「え?なんでですか?これ僕のカメラなんですよ」

 

店員は戸惑っているようであたふたしていた。

 

「いや、君のじゃないでしょ」

 

「いや僕のですよ。じゃあ僕のじゃない証拠とかありますか?」

 

「うっ、それは」

 

俺は電話番号と住所を書き終わったので紙を店員の方に向けてペンごと返した。

 

「じゃあそういうことなんで、佐倉行くぞ」

 

「え!?う、うん」

 

俺は佐倉と一緒に電化製品売り場をでた。

いや怖くないけど、キモかったなー。

 

******

 

略させてもらうがその後佐倉から自分が目撃者だと言ってくれて、裁判に出る決意をしてくれた。

そして裁判の日が来た。

須藤、堀北、綾小路、俺の4人が裁判に出ることになっている。一応佐倉は途中から出る予定だ。

 

さあ、裁判を始めよう

 

 

 

 




本編をお読みいただきありがとうございます。
ちょっとしたお知らせというのはオリジナル展開を2つほど入れようと思ってます。
1つ目が裁判が終わった後に入れようと思ってます。まあ11話で書くんでお楽しみを(あんま期待しないでね)
2つ目はちょっと大きいオリジナル展開を入れようと思ってます。体育祭が終わった後かペーパーシャッフルが終わった後に入れようと思ってます。もしかしたらこの展開は原作でもするかもしれないのでそれはご了承を。
あと八幡が清隆を呼ぶ時の名前を綾小路に変えました。
ご了承を


あと俺ガイル12巻読みました。読み終わったあとガガガ文庫のイベントに行きました。
最後の方に渡さんがでて来て14巻で完結すると言ってました。
渡さんなんかエネルギッシュすぎてびっくりしました。
ぜひ12巻読んで見てください。最後の方がとても面白いです。12巻であそこの伏線を回収して来ました。最高でした鳥肌が止まりませんでした。ネタバレは控えたいと思います。聞きたい人は感想までー
ではまた



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目には目にを嘘には嘘を

最後にオリジナル展開入れます。


裁判が始まってからずいぶん時間が経った。

 

俺は心の中で裁判開始だとか言ってたけど裁判俺しないんだよなぁ。

堀北には参加するとは言っていたが俺にはやることがある。

まあやることやりますか。

 

数日前、櫛田に呼び出されカメラの修理を手伝いが終わり寮に帰り、寝ようとすると櫛田からまた電話がかかってきた。

 

「夜遅くごめんね、比企谷くん。ちょっと聞いて欲しいことがあって」

 

なんだ嫌な予感がすごくする。私の犬になってとかなら歓迎だけどな、あ、嘘だよ!

 

「いや、大丈夫だ。んでなんだ?要件は」

 

「前に佐倉ちゃんが伊達メガネしてるって言ってたでしょ?それでちょっと気になって調べて見たらWEBアイドルやってるみたいなの」

 

「なに!?それはどこ情報だ!なんて調べれば出てくる!?」

 

「え、えー。ちょっとキモい」

 

おいなんで、この瞬間裏の姿になるんだよ。

いやあれだよ、天使の写真集とか歌があるとか言ったら見に行くでしょ?それだよそれ。

 

「リンク送っとくから勝手に見れば?じゃあ」

 

それだけ伝える櫛田は切ってしまった。

櫛田だから送られてきたリンクを見ると眼鏡をつけずにポーズを決めている可愛らしい女性がいた。確かに佐倉だった。

下の方にコメントが付いており見て見ると、みんなかわいいーとかマジ天使!とか呟いていたが一つのコメントだけ行き過ぎなコメントを見つけた。『 いつも君を近くに感じるよ』『今日は一段と可愛かったね』『目があったこと気付いた?僕は気付いたよ」

 

 

『ほら、やっぱり神様はいたよ』

 

これ以降にもコメントがあったが胸糞悪くなりそれより下は見ないで電源を切った。どいつもこいつもうざいやつばっかだな、くそったれ。

 

******

 

裁判は綾小路に任せて、やることするか。

俺は歩いてけやきモールまで来た。そのまま寄り道もせず、電化製品売り場に向かう。

すると佐倉のカメラいじっている、店員がいた。前に佐倉と一緒にカメラの修理を出したときにキモかった店員だ。

こいつが犯人だということはコメントを見た瞬間わかった。

だからこそ、今ここで潰す。

 

「すいませーん。カメラって直りましたか?」

 

店員は俺の声でビクついて、こちらを驚いた表情で見ていた。

 

「あ、あーもう少しで直るんだけど、もうちょっと待ってもらえるかな?」

 

「まぁ、それはいいんスけど。......雫の写真探してるんですか?」

 

店員は雫という言葉を聞き、驚いたのかカメラを落としそうになり寸前でキャッチした。

雫というのは佐倉がやってるアイドル名だ。

 

「し、雫?誰かなそれは」

 

「冗談キツイっすね、このコメント書いたのあんたでしょ?」

 

俺はこいつが書いたと思うコメントを見せる。そう一つだけ異彩を放っていたコメントだ。

店員は声が出ずに口をパクパクしていた。否定をしようとしたがここまでバレていて、否定しようにも否定できなかったのだろう。

下を向いて、終わったとか考えてるのだろうか、でも証拠がなければこいつを追放することができないから、俺はある嘘をつく。

 

「あ、言っときますけどあなたのこと尊敬していますからね?」

 

「......は?」

 

店員は訳がわからないのかうつむいていた頭を上げ俺の方を凝視していた。

 

「あ、通報されるとか思っちゃいました?違いますよ俺はあんたのことを尊敬してここに来たんですよ」

 

ここから俺は店員に見せていたコメントの画面を消し、ある場所に電話かけてポケットに入れる。

店員は喋らないため会話を続ける。

 

「この情熱的な愛、まさにドラマみたいでとても感動したんですよ」

 

「ほ、ほう。君にも伝わるか」

 

こいつは調子を良くしたのか、あっさり自分が犯人だと認めた。

まだ足りない。この一文だけじゃダメだ。もっと追い込む必要がある。

 

「あの僕、雫さんと同じクラスメイトなんですけど、住所も知ってるんですよ。知りたいですか?」

 

「ほ、本当かね!?ぜ、ぜひ教えてくれ!」

 

俺は一枚の住所が書いた紙を取り出し、ひらひらさせる。

自分でこんなこと言って虫唾が走るが、こらえて話を続ける。

 

「でもまだあなたがさっき見せたコメントの人だとまだ信用できてないんですよね」

 

「な、何言ってんだ!!それは僕のコメントだ!ほ、ほら!僕が書いたって書いてるでしょ!?」

 

自分の携帯を慌てて取り出し自分が書いたものだと証拠を出して来た。これでこいつは終わりだ。そろそろチェックをかけるか

 

「ほんとですね、じゃあこの紙を渡しますよ」

 

「うおおおおぉぉぉぉ、やったやった!雫ちゃんの住所だ!!」

 

さすがにキモすぎる。こんなにキモい人物を初めて見たというくらいキモい。

しかし先ほどの歓喜が消え、焦りに変わっていったのがわかった。

 

「お、おいこ、これって本当に雫ちゃんの住所なのか!?」

 

「いえ、違いますよ。けやきモール、一階にあるサービスセンターですよ」

 

「どどどどどど、どういうことだ!!!」

 

この学校のサービスセンターは有能で、けやきモールのことならなんでも相談できる場所となっている。例えばカタログを持って来てこの商品を入荷してくれとか頼むと入荷してくれたりする。

もちろん店員についても相談可能だ。けやきモールにあるコンビニの店員の態度が悪いなどクレームをつけたりすることもできる。

だからこそサービスセンターに電話した。裁判が開始して、10分ほどだった時、サービスセンターに電話すると、証拠が欲しいと言われたため、俺はこうして電話をかけた。

 

「俺は一度もこれが雫ちゃんの住所だなんて言ってないぞ。ただ雫ちゃんの住所を知ってるって言っただけだ」

 

「俺を、騙したのか!!」

 

「まあ、結果的にそうなりますね」

 

店員は俺の方にカウンターから出て来て俺の方に来て俺の胸ぐらを掴んだ。

 

「お、お前、ふざけやがって!け、けど証拠はないんだ。俺がここを追放される心配はない」

 

俺はまだ理想を抱いているので、現実を突きつけるために胸ぐらを掴まれながらポケットに手を入れ携帯を取り出しスピーカーモードをオンにした。

 

「もしもし、で、結果はどうですか?」

 

『そうですね、決定的な証拠を手に入れたのでストーカー行為と認めましょう。今そちらに向かいますので、少々お待ちください。ご迷惑をおかけしまして申し訳ございません。今後ともけやきモールをよろしくお願いします』

 

それだけ告げて電話は切れた。

けやきモールをよろしくだと?けやきモールよりららぽーと作れ!ショッピングでもららぽーと、小腹が空いたらららぽーと、デートでもららぽーとなんだぞ!てかリア充は死ね。

店員は胸ぐらを離し、フラフラしながら後ろに下がっていった。

 

理想を抱いたまま溺死しろ。とはこのことだな。人間は理想を抱いてそこに向かい、目指し生きていくものだ。理想が叶わないものや、目の前で消えていったときの絶望は半端ないものだろう。だからこそ、目の前で失いたくないから、努力するものもいれば、人を蹴落とし目指すものもいるだろう。こいつは努力するものに入るのだが、努力する方向が間違っていたのだ。いや理想が間違っていた。

方向が違えど、破れていったときの行動は2つだ、絶望するか、新たなる理想を見つけるか。

 

「こ、この野郎!!!」

 

右手を上げて俺に殴りかかって来た。

俺はそれをひょいとかわし、相手の左手を掴み、その左手を後ろに回しそのまま上にあげる。相手の左腕は少しでもあげれば骨折するだろう場所まで持っていって止める。

 

「お前は努力する方向を間違えていたんだよ。俺はいつだって理想は変わらない。けど俺の性根はもう腐っている。それは治せない、お前のようにな、けどお前の理想には決定的な間違いがある」

 

【自分の欲望のためなのか、それとも人のためなのか】

 

「お前はどっちだったんだろうな。俺の理想は...」

 

そのまま話しながら左手を上にあげる。店員の左腕はミシミシ音をたてていることだろう。俺はそのまま...

 

「ダメ!!」

 

俺は横から来た飛んで来た人物に抱きとめられ腕を離す。

その時に黒スーツを来た人物が店員を連れていく。

俺は正気に戻る

ベェー、人の骨折ろうとしてたのかー、ベェー。

 

俺を止めた人物を見ると佐倉であった。

さすが天使!俺を止めてくれたのはやっぱり天使だったか!!

 

「だ、ダメだよ比企谷くん、そんなことしたら」

 

いきなり飛びついたことが恥ずかしかったのか、声がだんだん小さくなっていた。

 

「すまん、正気じゃなかった」

 

「けど、ありがとう。私を守るためにやってくれたんだね」

 

うわーなにこの笑顔、浄化されるぞまじで天に帰っちゃうぞ!

月に変わってお仕置きされちゃう!!

 

「最初は怖かったんだよ比企谷くん、あの人と手を折ろうとしてたから」

 

「いや、不安にさせたみたいで悪かった。てかいつ来たんだよこっち」

 

「えーっと比企谷くんが一枚の紙を出したところかな」

 

マジか、本当に悪いところ見せたな。

っとあと聞きたいことあったんだった。

 

「なあ、裁判どうなんだんだ?もう終わったのか?」

 

「そ、それなんだけどCクラスの人が裁判を取り消ししたらしいんだ」

 

「.........」

 

綾小路のやつうまくやったな。多分綾小路のやり方だと目には目を嘘には嘘を、って感じだろうな。

俺と似たような方法だな。

 

「そうか、佐倉が勇気を出して写真を出したおかげじゃないか?」

 

「え、わ、私なんか全然役になってないよ!ずっと足引っ張ってばっかだったし、もっと早く申し出ておけばよかったなんて今更後悔してるもん」

 

「いや、それでも助かったと思うぞ。俺が須藤の代わりにお礼を、ありがとう佐倉」

 

佐倉は顔を赤くしてフラフラして走って帰っていた。

え、天使さん帰っちゃんですか?サイゼでお茶とかしませんか?ほらサイゼにも天使いるし。

 

******

 

俺はそのまま寮に向かいすぐに寝ようと思ったが、堀北が寮の前に立っていた。

俺は会釈だけしてエントランスに入ろうとしたが、回り込まれた!

 

「ちょっと話があるんだけど付き合ってくれないかしら」

 

「......俺の部屋でいいか?もう疲れてるんだ」

 

「あなた、今までなにしていたの?まあ、いいわじゃあ行きましょうか」

 

ちょっとはためらいというのを覚えないのかお前は。

スキルポイント使って習得しろ

 

******

 

「で、話って」

 

「Aクラスに上がるための作戦会議よ」

 

堀北はいつも通りベットに座り話し出した。

てかそれ俺のベッド俺のベットに座っていいのは天使ともう一人のマイエンジェル小町ちゃんだけだから。

 

「前に先生が言っていたろ、2千万ポイント集めればいける」

 

「それは2つ目の方法よ。クラスポイントを集めてAクラスに上がる。それが真の実力者だと思うわ」

 

「なに言ってんだお前。どっちも狙うのが真の実力者だろうが、どちらか一つの可能性を捨てて真の実力者なんて言ってんじゃねぇ、プライベートポイントを集めながらクラスポイントも貯める。それが一番いい方法だろうが」

 

ヤベェつい熱くなってしまった。まあそれはいいか、茶柱先生が言っていたが2千万ポイントを集めてAクラスに上がった人物はいないという、けど無理ではない、それが重要である。

 

「じゃあ方法があるの?」

 

「まあ、あるにはある。三年間で貯められるかもしれない方法が......聞きたいか?」

 

今で出て一番ゲスい顔をしているような感じが出ていたので堀北がマジで引いてるのを見て俺は内心超傷ついたが話すことにしたが、堀北が口を開く。

 

「聞きたかったのだけれど、あなたはなぜここまでしてくれるの?」

 

堀北は真っ直ぐ俺の方を見て、真顔で答えた。

 

「あなたは、非協力的な態度をとりながら手伝ってくれる。私にヒントを与えるために現場に行って防犯カメラをつける作戦を思いつかせたのもなにが目的?本当にあなたは何がしたいの?」

 

堀北は一度も噛まずに俺に告げた。

多分俺の行動が気がかりなんだろう。相手の目的が見えない、だからこそ怖い、いや堀北場合は知りたいに分類されるのか。

俺は今思っていることを答える。

 

 

 

 

「ただの気まぐれだ」

 

 

 

 

俺はただ自分の願いのために、

 

******

 

「よかろう、申請を許可する。私が部活の顧問になろう、部室は2階の空き教室を使え」

 

「では行きましょうか、比企谷くん」

 

「ちょっと待て、俺入るなんて言ってないぞ」

 

「なに言ってるのあなたが提案したことでしょ?あなたが入ることは必然的じゃない」

 

俺は堀北にある提案をした。部活を作ること、そこでお金を取ること。なんかどこぞのヤクザみたいだがちょっと待って欲しい。

俺が提案したのは依頼を受けて、その依頼の難易度によってお金をもらうということだ、いわゆる解決部という感じだ。

 

「ほら行きましょう、比企谷くん。解決部を作りましょう」

 

「へいへい」

 

こいつはなにを言っても意見を変えないことがわかった。

俺は堀北の後をついて行きながらため息を吐いた。

 

あと言ってなかったな俺は、自分の欲望のためだ。

俺の理想はこれから先もずっと変わらないだろう。




夢を見た。
俺が目指していた総武高校に入り、交通事故にあい、ぼっち確定し、捻くれまくって先生に無理やり、なんだっけなんかあったような気がする。まあいいか今は俺のことが優先だ。俺は俺が大好きだからな!
もしかしたらまたこの夢を見るかもな。そうしたらちょっとメモをしておこう。

******

よしよし、次から無人島きたーー。やっとここまできましたぜ!みなさんお待たせしました!

まあ来週からテスト一週間前だから投稿できないかもだけどご了承ください!まあサボって投稿するかもだけど。

あとテスト期間中にFate見に行くんでよろしく!
では、また!


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無人島編
比企谷八幡と綾小路清隆は積極的にこの試験を攻略するそうです


めっちゃ遅れてすいません。


顔に当たる潮風、一面に広がる海、そして綺麗な水平線。

俺がどこにいるかというと、海の上、船に乗っていた。

夏休みに学校の合宿で二週間船で過ごすという生活が行われる。

まあこの一週間無人島でバカンスをし、一週間船で豪華に過ごすという最強のプランが立てられている。だがただ楽しむバカンスなものじゃないものじゃないがわかっている。二週間のうちどこか先輩が言っていた特別試験というものがあることがわかっている。

もう先輩とは迷惑になるので関わっていないが、だいたいどうなるかも予想済みだ。

そのことがわかるだけで憂鬱になる。

 

「はぁ、こんなうん十万の旅行がただの旅行の訳ないよなぁ〜」

 

こんなことを一人で呟きながらプールサイドではしゃぐ女子や男子がいた、くそ、リア充め砕け散れ。

そう思いながら、チラチラプールサイドをみて波風を楽しんでいた。べ、別に女の子と胸を見て喜んでる訳じゃないんだからね!!

 

この船にはマッカンがないため学校で買っておいた20本くらいのマッカンを飲みに行こうと部屋に帰るのだった。

 

******

 

『これより当学校が所有する島に到着します。生徒たちはジャージに着替え、特定の鞄と荷物をしっかりと確認した後、携帯も忘れずデッキに集合してください。それ以外の私物は持ち込みがないようにお願いします』

 

部屋でマッカンを飲んで満喫しているとそんな放送がかかる。

え?じゃあマッカン持ってけないの!?くそったれ授業め。

 

「じゃあこれよりAクラスから降りるてもらう。それから島に携帯の持ち込みは禁止だ」

 

じゃあ部屋に携帯置いてってもいいだろ。

Dクラスは最後に降りるため、日陰がない船の場所でところで待機をしている。

すると堀北が途中でDクラスに合流した。

俺は堀北を見た瞬間わかった。堀北が体調不良ということが一目でわかる。

 

「お前、大丈夫か?」

 

「なにが?」

 

堀北はいつもと変わらずに振舞っているが、実際辛いことは知っている。

 

「いやなにがって.........」

 

「なに?」

 

俺は体調不良ということを発言する前に少し考えたら、堀北はあんな性格だし、クラスのみんなの前で体調不良なんて言われたら堀北のプライドが傷つくんじゃないだろうか?一応、そのことはクラスのみんながいる前で発言するのは控えといた。

 

「いや、なんでもない」

 

「そう」

 

堀北はそう告げると腕を無意識にさすって少し寒そうにしていた。

 

「ねえ。何か妙よね、携帯没収とか私物持ち込み禁止とか何かやるのかしら」

 

「結構ハードなことやるんじゃないか?知らんけども」

 

俺はそれだけ言い残して、先に船から降りた。

 

******

 

「説明は以上だ。わからないことがある場合各担任の先生に聞くように」

 

簡単に説明するとこうだ。

AクラスからDクラスまで無人島で一週間過ごし、生き残るということだ。

食べ物も飲み物も自分たちで探してもいいが、それだけでは限度があるためカタログというものがある。そのカタログで支給されたクラスポイントを払えば、食用やら飲み物やらもらえる。

カタログにはいろんなものがある。食べ物や飲み物はもちろんだが、トイレやテントなど無人島で過ごすためにはなくてはならないものばかりある。これは利用するクラスがあるのかわからないが、水上バイクなどバーベキューセットなどもあった。

ただ無人島で過ごすだけでは面白くないとばかりに、最後に人物当てゲームみたいなものがある。俺らはDクラスだからABCクラスのリーダーを当てることになる。当たると50クラスポイントもらえ、外すと−50クラスポイントというなかなかギャンブルである。

一応エリアポイント見たいのはあるが、そこはあまり気にしなくていいだろう。

 

 

******

 

「ふざけないで男子には関係ないでしょ!」

 

「だったらどうすんだよ!一週間トイレ我慢するのかよ、絶対無理だろ」

 

今喧嘩しているのは池と篠原無人島で無料で支給された簡易式トイレをもらって騒いでいる。まあ俺たち男子なら簡易式トイレで全然我慢できるが、女子は流石に無理だろう。

けど、ポイントは節約したい男子どもだから仮設トイレを買うのは反対なんだと。

いや結構簡易式トイレめんどくさいぞ、いちいち片付けないといけないし、なんか嫌だし。

俺はぼっちだし俺が言ったところで「は?誰お前」と言われるのがオチだろう。大人しく隅っこに行ってクラスの決定を待とう。

俺はそう思い、日陰に入り、木にもたれかかり目をつぶった。

 

******

 

「......くん、......がやくん、比企谷くん」

 

声がすると俺はゆっくり目を開け状況を把握した。

あ、俺寝ちゃったのか。やばいな、みんな俺待ちなんじゃね?

あまりを見渡すと後ろに怒っている堀北がいるだけだった。

 

「......みんなは?」

 

恐る恐るそれだけを聞いてみた。

 

「先に行ったわ。もう水場のスポット見つけそこを拠点にしたらしいわ」

 

「お、おうそうか」

 

なんか怒ってくるのかなと思ったが怒る気は無い......

 

「ねえ、あなたこの試験舐めてるの?」

 

「すいませんでした」

 

******

 

俺は意識を覚醒させ、前を歩く堀北に付いて行った。あたりを見渡すともう夕方で、結構寝たんだなと思い少し罪悪感が出て来てしまった。

けどなんだかんだ言って堀北って優しいのか?なんだかんだ言っていいやつだしな。

 

「ねえ、どう思う。この試験」

 

堀北が歩くのをやめ、こんなことを呟いて来た。俺も堀北が歩くのをやめたため、俺も足を止めた。

 

「サバイバル試験だから、ぼっちの俺たちにはきつい試験だな」

 

「ぼっちだからと言ってきついことはないわ。一人で全部できるもの」

 

「いや、そういうことじゃない。ただ、クラスの奴らとコミニュケーションを取らないとダメだろ?それがきついっていう意味だ」

 

「ならコミニュケーション取らなきゃいいじゃない」

 

「いやそういうわけにはいかないだろ、お前それ......」

 

俺は続きを話そうと思ったが、堀北にヒントを与えることをやめといた。これをいうとまだ堀北は納得できなくなるかもしれない。納得するために、この試験を踏み台としないとならない、だからこそ。

 

「なに?」

 

不機嫌そうに言う堀北。

 

「いや、なんでもない。また今度教える」

 

俺はそれだけ伝え堀北に歩くように促した。

俺と堀北はまた歩き始めた。

さてどんな感じに終わらせますかね。働くのはきついけど。マッカン飲みたい。カタログにないかな〜。

 

******

 

世界は美しい。

そう思ってた。

あの頃の自分は世界は美しいと思ってた。

けどどこだって一緒だ。

人間の容姿や環境が違うだけで、ただ世界が広がってるだけ。

なにが美しいんだろう。

人間は欲望にまみれ、夢を追いかけ、邪魔するものがいたら蹴落とす。これのなにが美しいと思ったんだろうか。

昔の自分に問いかけるが、答えはない。

今はただ眠ろう。

 

******

 

昨日俺は堀北に連れられ、拠点に着き、真実を知った。俺はみんなに気づかれなかったんだと。そして堀北が夕方ぐらいに気づいて向かいに来てくれたんだと。

いや悲しくないよ、いやまったく...あれ目から汗が。

無人島試験2日目。

トイレも買いストレスの溜まりもなくなったところで、事件が起きた。綾小路が佐倉と一緒に探索したらしい、許さんぞ綾小路!

リーダーが堀北となり、スポットも抑えた。てか俺がいない方がいいんじゃね?あとは伊吹というCクラスの女子がなぜかうちの拠点にいるが、Cクラスの誰かに追い出されたんだろう。

 

そして俺と堀北はCクラスの偵察をしようとCクラスの拠点へ向かった。

 

「嘘でしょ......。こんなことってあり得る?」

 

俺たちが目にした光景はCクラスが浜辺で夏休みを満喫している姿だった。バーベキューや水上バイクなどで遊び、スナック菓子やドリンク、カタログにあった娯楽を全て買い取ったように思えるくらい充実していた。

俺と堀北が驚いていると一人の男子が走って来た。

 

「あの、龍園さんが呼んでます」

 

ここのリーダーか。俺は堀北にどうするとアイコンタクトを送ると堀北は「行きましょう」とつぶやき歩き出した。

 

「あなた、これはどうゆうつもりなの?」

 

堀北が水着姿のチェアーに寝そべり肌を焼く龍園に問いかける

 

「見ての通り俺たちは夏のバカンスを楽しんでるだけさ。つまり、この試験中お前らの敵にはなりようがないってことだ。わかるだろ?」

 

「敵以前の問題ね。ここに来た私たちがバカだったわ」

 

「バカなのはどっちだ?俺か?それともお前らか?」

 

龍園はにやけている顔をやめずに続ける。

 

「このクソ暑い無人島でサバイバルだと?100や200のクラスポイントなんて興味ないんだよ。お前らはそんな100や200のクラスポイントをもらうために飢えに耐え、暑さに耐えてるんだろ?想像するだけで笑えてくるな」

 

「俺は努力が大嫌いなんだよ。我慢?節約?冗談じゃない」

 

龍園はこういうやり方ということだ。こいつはまだ試験を諦めていない目だ。堀北は本気で呆れているが俺にはわかる。獲物を狙う獅子だ。俺は少し笑ってしまった。

 

「あぁ?なんでお前笑ってんだ?」

 

「いや、なんでもない。気にしないでくれ」

 

俺はそれだけ告げて帰っていた。さてさて、なるほどな眠れる獅子はいや、もうとっくに獅子になってるのか。

堀北になんで勝手に行くのと怒られました。

 

******

 

BクラスはDクラスの生活と似ていた。

けどさすがBクラスということで水を井戸から引き上げ、そして食料もポイントをなるべく使わず生活していた。

Aクラスの偵察をしようとしたが洞窟に住んでいる引きこもりらしく、ビニールを中を見させないようにしていた。引きこもり生活を見ようとしたがAクラスの葛城が妨害行為として先生に連絡すると言われ入るには入れなかった。

 

******

 

「イカロスの翼というのを知っているか?」

 

「はぁ、親父の言うことを無視して高く飛んだら死んだってやつですよね?」

 

「まあ、そんな感じだな」

 

無人島試験が始まる前俺と綾小路は茶柱先生に呼び出され、イカロスの翼の話をしている。

 

「昨日綾小路と比企谷を退学にしろと申し出があった」

 

「意味がわかりませんね」

 

俺と綾小路は多分わかっていたはずだ。しかし綾小路はそう答えた。

 

「でもあれですよね?この学校は外部からの申し出があったとしても守ってくれるんですよね?」

 

俺がそう聞くと茶柱先生はタバコを一本取り出し吸い出した。

 

「ああ、そうだなこの学校は外部からの申し出があったとしても本人の同意がなければ退学にはできない」

 

俺は少しホッとしたが茶柱先生はニヤニヤしていた。

 

「だが、私がお前達が問題を起こしたといって退学に追い詰めたらどうなる?」

 

「あんた本気で言ってるんですか?」

 

綾小路が眉間にしわを寄せ茶柱先生に問いかけた。

 

「ああ、退学にはなりたくなければAクラスに上がるのを協力しろ」

 

綾小路が話になりませんねとつぶやき帰ろうとした時俺は。

 

「ポーカーフェイスをあなたはしていたがやっぱりあなたはAクラスにどうしても上がりたい理由があるんですね?」

 

はあ、とひとつため息をして、こう答えた。

 

「わかりましたやりますよ」

 




まずは遅れてすいません。
世間話があるので書いていきます。

とりあえずよう実7巻出ましたね。
メロンブックスで買いました。ツイッターでも買いたんですが今までで一番面白いですね。手汗が止まらずに読んでました。

あとよう実のイベント当たりましたのでいって来ます。

あとFGOのイベント結構だるいので進めてません。
宮本武蔵が欲しすぎて50連ぐらい引いたんですけど星4一つも出ないってどう言うことですか?マジで発狂しそうでした。

あとはHF映画初日に見にいきました。
頭がおかしくなるほど面白かったです。ランサーの走り方に特に笑ってしまいました。今後どうなるのかとても楽しみです。

次の更新は早めにあげたいと思います。


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嵐の前の静けさ

なかなか投稿早くないですか!
もっと褒めてくれても良いですよ!


そう、奉仕部だ。夢の中の俺は奉仕部と言う部活に入っていた。

いつも辛辣ゥな言葉を吐いてくる美少女とアホな言葉を吐いてくるビッチ系美少女がいた気がする。

なんかたわいもない解決をしたり、文化祭の時に自分を犠牲にしたり、なんだかんだ言って奉仕部での居心地が良くなっていった。

でもなんかそのあとあった気がする、なんだっけな。また思い出したらメモしておこう。

 

******

 

朝起きてここがどこなのかわかるまでに1秒もかからなかった。なんせ3日目だもんね!

俺と綾小路は分担作業として、綾小路は朝点呼が終わったら誰にもバレないようにテントから抜け出した。

そして帰って来て情報を聞き出すところだった。

 

 

******

 

「で、どうだったんだ?」

 

俺が話を切り出す。みんなは夕食を食べていて、わいわい盛り上がってるところだが俺たちは木の実などを櫛田からもらってからみんなから離れていってテントが見える位置の森で木の実を食べながら質問した。

 

「あぁ、Aクラスには葛城派と坂柳という生徒派に分かれているようだ」

 

「葛城というやつは学校で見たことある。あのつるつるのやつだろ?」

 

坂柳って、あの坂柳か?まさか、いや。けど、そうだとしたら俺は会いに行かなくてはいけない。いやこのことは後で考えることにしよう。

 

「八幡、お前そんなこと言ったら櫛田とか佐倉とかに怒られるぞ」

 

え?佐倉に怒られるの?もう言うのやめとこ!

 

「まあ八幡の想像している人物で間違いない。そして葛城と坂柳の違いは、保守派と革新派ということだ」

 

木の実を食べきり、もう一つの実に手を伸ばしかじる。

すっかり日は落ち三日月が綺麗に見えている。

 

「葛城が保守派で坂柳が革新派か」

 

まさにトラ●プ大統領とオ●マ大統領みたいだな。

てか誰だしこいつら俺トラ●プとか知らないんだけど。

 

「Aクラスはどちらにつくかな。どっちにしろオレには関係ないことだ」

 

綾小路はその一言がとても重く、全てをなぎ倒す威圧を感じたのも無理はない。だって綾小路は全てをなぎ倒す力を持っているから......。

 

 

******

 

次の日の朝、女子の男子の呼ぶ声で起きた。

池とかが「なんだよー」っと身をよじって眠そうにみんなテントからでる。

すると名前のしらん女子が起こった表情でこちらを見ていた。え?誰この人。

 

「昨日軽井沢さんが誰かに下着が盗まれたみたいなのよ!」

 

お前じゃないんかい!と俺は叫びたかったが、叫ぶことが許されなかった。

平田が言うにはこのクラスはとってないと思っているらしい。だけど女子はそんな言葉は信用しないが唯一確かめる方法がある。そう持ち物確認と身体検査。

持ち物確認を先に行う。もちろん俺のバッグの中には入っていない。ていうか俺のバッグの中には見られたくないものがあるので隠しておく。すると池は渋々自分のバックを見ると、池には驚きの表情があった。あーあいつバックの中にあるのか。けど池がパンツを盗んだとしたら普通バックの中にパンツがあるだろうか、あと驚きの表情はしないだろうだが、演技という可能性もある。でもまあ、あのアホは演技なんてできないからな。

 

パンツが綾小路に押し付けられ綾小路がまだ助けてくれと訴えてくるが、俺は無視をして平田のチェックを終える。俺は一人から目を離さなかった。もともとこの事件が起こる前ずっと注意していた。俺が目を離さなかった人物とは伊吹である。

俺がこの事件の犯人が9割の確率で伊吹が犯人だと思っている。

ここで伊吹が犯人だと思った経緯を教えよう。

まず龍園のことがあった。龍園の近くにあった無線機、そして無線機のおかげでわかったことが2つ、龍園が獅子だということ、そして伊吹とつながっているということ。

綾小路にそれを伝えると、綾小路はあることをした。伊吹のバックを調べること調べるとデジカメが入っており、綾小路はデジカメが使えないよう、水で壊す。そして土に埋まっていた無線機。

伊吹たちは作戦は終盤に差し掛かっているが、終焉に向かってるとは龍園らは知らない。

 

そして俺たちは食料を取りに俺、堀北、佐倉、山内、綾小路、伊吹で向かうことにした。

2手に分かれて行動することを俺は進めて、俺と綾小路チームと堀北、佐倉、山内、伊吹ペアで動き始めた。

俺たち2人なのは山内を連れてこようとも思ったがあいつが渋ったため連れ出せなかった。くそ、佐倉を狙う気だな!許さん!

堀北たちが見えなくなってから俺は綾小路に話しかけた。

 

「よしやるか」

 

「おい、そんなやり方でいいのか?オレが言った山内に協力する方法の方が確実だと思うぞ」

 

俺と綾小路はあるものを持ち、歩きながら俺も答える。

 

「いやな、佐倉の連絡先を餌にして山内にやるなんて外道すぎるだろ。だったら俺の作戦の方がいい。あいつは熱も出てるし引っ掛かるだろ?」

 

綾小路はちょっと納得してないように見えたが、これ以上言っても無駄だとわかったのかこれ以上口に出さなかった。

てか、佐倉の連絡先なんかを山内になんかに渡したくないからな!まあ、俺も持ってないけど!!

 

「よし、ついたな、じゃあ網をはれここで仕掛けるぞ」

 

俺たちは川に着いたため持っている網を広げて、獲物を捕まえる。

 

「どっちの意味の仕掛けるという意味だ?」

 

綾小路はわかってるだろうに、俺に改めて問いを投げた。

 

「どっちも、だろ?」

 

******

 

オレたち二人が待っていると堀北たちのグループが来た。八幡が言った通りに川で魚を捕まえるつもりだろう。こちらにはまだ気づいていないようで、ちょっと小細工した網を持ち獲物を待つ。

水の流れが少し速いため持つのがきつくなってきた。

 

「おい、そろそろやるぞ」

 

オレはコクリと頷いて、肯定の意味をする。

堀北がこちらに気づいたようだ。オレ達はその様子に驚きたるんでいた網を思いっきり引っ張る。そうすることによって八幡のジャージが網に張り付いているため、水を大きくすくうことができる。そして、ジャージを深く土の下に潜らせておいたので、網の真正面にいた堀北は大きく水と泥がかかる。

 

「すまん堀北、きたのに驚いて水をかけちまった」

 

オレが川で尻もちついていたので、立ち上がりながら言う。

 

「許さないわ」

 

堀北はいつも通り、いやいつもよりご立腹らしい。オレと八幡は硬直して動けない。近づいたら殴られると思ったからだ。

 

「堀北すまん。悪気はないんだ、とにかくシャワーで...」

 

と言おうとした八幡はシャワーで、から先をいうのをやめた。なぜならシャワーはめちゃくちゃ混んでいるからだ。

 

「いいわ、川で泥を落とすから。けど後でこの仕返しはするわ」

 

堀北がスタスタ川の上流の方へ歩いて行った。

オレたちが食料の確保に行く前に堀北にカードを見せてもらっていた。それも伊吹が見ているだろう。

そのためオレたちから仕掛ける準備は整っている。さあ、ここらでゲームは終わりにしよう。

 

******

 

俺は朝点呼をしてからステルスヒッキーを発動し、そしてテントのいらない部分を破り、顔に巻く、これは俺の顔を見られないようにだ。そしてこんなことがあろうかと、ジャージの裏に貼っておいた服を着る。俺ら1年生が着る服は赤のジャージ、同じサイズだが、1つ余っているジャージを洗濯機で黒く染め上げたものである。

それを着て、ある事件を起こそうと思う。

この事件を起こすことを知っているのは綾小路、平田、そして茶柱先生だけだ。

 

「じゃあ誘導頼む」

 

俺が平田に頼むと少し心配そうな顔をしてから、去っていった。

 

「本当にやるんだな?」

 

綾小路がいつもと変わらない表情で聞いてくる。こいつは何いってんだか。わかってるだろうに俺の性格を。

 

「なあ、サッカーで俺たちのチームが1点取って相手は得点を取っていない。残り1分で決着がつくという状況で、俺たちはどうすると思う?」

 

綾小路は訳がわからん俺の質問に答えた。

 

「そりゃこのまま逃げ切って勝つだけさ」

 

俺はニヤリと顔を歪めて顔に巻いてあったテントのかけらをきつく顔に巻き直す。

 

「俺ならもう一点得点を狙いに行く」

 

それだけ伝え俺は歩きだす。そろそろ雨が降りそうだ。嵐の前の静けさ、か。




次回破壊と決着がタイトルになります。
八幡がこれから何をするのか、楽しみですね。

FGOの宮本武蔵だいぶ前に終わりましたが、めっちゃ欲しくて引きまくったら星4も出ずに終わりました。
イシュタルのガチャも引いて見ましたが結果は礼装星5だけ。マジでガチャ渋すぎぃぃぃぃ。
最近運が悪すぎて自分を呪い殺しそう。


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破壊と決着

テスト勉強だるいんでサイゼリヤにいるときに書きました。

バトル、バトル、バトルなんで、頭脳戦は期待しないでください。

そしてそして、堀北が............!?


オレと平田、池、山内、須藤が島の探索という名目で島を歩く。

森の中はジメジメしていて嫌な感じだ。

 

「なぁ、ここら辺何かあんのかよ?」

 

池がボソッと呟いた。

それもそうだ、島探索といういわゆるあまり意味のない行為をしているため、不満も出てくるはずだ。

 

「もしかしたら、スポットとかあるかもしれないよ?それを見つけることができたらポイントも入るんだし、頑張ろうよ!」

 

平田が笑いながら池に話しかける。平田のモテる理由がわかった気がする。

オレたちがテントが見えなくなったところぐらいで、ある一人の黒い服を着た男が、何かを持って立っていた。こちらにはまだ気づいていないようだ。

 

「あ?なんだあいつ?」

 

一番はじめに声を出したのは、須藤だった。

その声で気づいたのか、黒い服を着た男はこちらを見た。見たときに見えたものが、軽井沢のパンツだった。

 

「おい!あいつが持ってんのって!軽井沢のパンツじゃねぇのか?」

 

池がそのことを発したおかげで、みんなが気づく。

そして須藤や池や山内が黒い男に視線を向ける。もちろん好意的な視線ではなく、敵意である。

 

「よっし、俺が話を聞いてみるぜ」

 

そして須藤は歩き出す。池と山内も須藤について行く。

 

「ちょ、ちょっと!危ないよ!慎重に「んだぁよ!俺らが疑いかけられてんだぜ?こいつを連れて行けば無実を証明できるじゃねぇか!」.........それはそうだけど」

 

平田が止めるが須藤たちはいうことを聞かずズカズカ進んで行く。

そして須藤が黒い男の胸ぐらを掴み、威圧を放つ。

 

「おい、これ軽井沢のパンツだよな?なんでお前がぁぁっ!」

 

言い切る前に黒い男は、須藤の顎を殴り、気絶させる。

そのまま、地面に崩れ落ちて行く。

一瞬だった、男が放つ一撃は視界に捉えることができなかった。そのため、池と山内が気づいたら倒れてる須藤に驚愕している。

 

「お、おい!やばいんじゃねぇか!こいっっっっっがぁ!?」

 

男が喋りすぎる池に左足でジャンプ、跳躍をしそのまま、右足を池の首に落とす。黒い男の右足はサッカーでシュートをするように筋肉を使い、叩き落としていた。そのため物理法則にもとづいた足の重さと力が込められた右足が叩き落とされたことになる。

ほんとに運動神経がこいつはいいようだ。

山内が半端後ろに下がるがあまりにも遅すぎた。

そのままそいつは後ろにいた山内を左に振り返り、そのまま肘でエルボーを食らわせる。山内も気絶、そう、オレと平田以外全員気絶したのである。全員気絶するまで、実に10秒しかかからなかった。

 

そしてそのまま森の中へ、Dクラスのテントの方に向かって歩いて行く。

 

「ほんとにこれで良かったのかな?」

 

平田がボソッと呟く、平田の拳には赤い血が滲んでいた。多分嫌だったけど完全に否定できなかったんだろう。それほど、もどかしさを感じていたはずだ。

 

「まあ、オレにはこの意見はいいものだと思った。これをすることで、伊吹にパンツ事件を押し付けるんじゃなく、パンツを取ったのはDクラスの誰かから、この学校の誰かに変わったんだからな」

 

そうオレが呟くと、平田はそうか、そうだよな、と呟いていた。一体平田の過去はどんなものだったか知らないが、なにかあったのだろうとわかった。

お前の計画はこれでいいか?須藤たちの処理はオレがやっておく、あとは任せたぞ。黒い服の男、いや八幡。

 

******

 

俺はトイレから帰ってくるふりをして、トイレから出てくる。

アリバイ工作はする必要はない、自由行動だったため一人一人の行動をみんなは知らないからだ。

黒いジャージは持参していたバックに入れ、木の上に乗せておいた。これで見つかることはないだろう。

そして、テントから声が聞こえる。

 

「火事よ!水を持ってきて!」

 

そんな声が聞こえたため、俺は走ってテントに向かう。

もちろん俺が驚くはずもない。黒いジャージの格好をしてマニュアルを燃やしたからだ。誰かに見られただろうが、逆にそれが完璧なものである。鎮火したことにより、犯人探しが始まる。

そして一つの仮説がでる。

 

「もしかして燃やしたのって、Cクラスの伊吹さんとか?」

 

そしてここから火は鎮火したはずなのに、Dクラスの火が燃える。

みんなが口々に伊吹が犯人扱いをしている。

 

「いや、それは違うと思うよ」

 

そう声を出したのは、平田だった。

須藤をかばいながら歩き、綾小路が池と山内をかばいながら歩く。

須藤と山内と池は怪我をしている。誰にやられたか言うまでもない、俺だ。

 

「さっきよ、黒い男がいたんだけどよ、そいつが犯人だと思うぞ」

 

須藤が顎をさすりながら答える。

 

「誰よ!黒い男って!それって伊吹さんとかじゃないの!?」

 

誰かが声を上げる。そのことにより、ますます火が燃え上がる。

 

「いや、体格的に男だった。しかも軽井沢のパンツも持ってたぞ」

 

「え?嘘!?」

 

軽井沢が大きく声を上げる、そして女子たちの火も鎮火したようだ。それはそうだろう。Dクラスの男子がとったと断言していたのだから。

俺はその言葉を聞いて、また森の中に入る。さあ、今度こそ終わらせよう。伊吹!

 

******

 

私は走っていた、頭がクラクラする、体も悲鳴をあげている。調子が悪い中、伊吹さんを追いかける。そして「見つけた」と小さく呟いた。

 

「やあ、堀北さんだっけ?」

 

「私のカード返してくれないかしら」

 

そんなことを言ったとしても返してくれないのは知っている。ただ事実確認ために聞いた。すると伊吹さんはフッと小さく笑い、口を開く。

 

「さぁ?カード?なんのこと?」

 

「最後の忠告よ。カードを返して」

 

「なら調べれば?」

 

伊吹がバックを床に置き、両手を上げる。私は警戒しながら伊吹さんに近づいていく。

すると宙返り蹴りを食らわせにかかってきた。私は食らう寸前のところでガードしかわす。でも伊吹さんの蹴りは止まらない。私を仕留めようと一撃、一撃攻撃を重ねていく。私は寸前のところでかわし、ガードしていく、かわす時に泥だらけになったりするが、そんなのは気にしてられない。すると伊吹さんの蹴りはやみ、私は警戒心をとかずに息を整える。激しく動いたせいで、私の体が疲労感と暑さが襲いかかってくる。

 

「ここで頑張った褒美だ。キーカードを持っていたのは私だ」

 

驚きは全くない。知っていたから、はぁ、はぁと息を切らしながら、慎重に距離を詰めていく、時間が経てばもっときつくなる。ここらで決着を.......!

 

「あっっ!?」

 

気付いた時には遅かった。伊吹さんの蹴りは私のお腹に当たる寸前で、防ぐ暇も、かわす暇もなかった。

 

「ぐぅっっ!!」

 

伊吹さんの足の裏の蹴りがお腹に見事クリーンヒットする。

そのまま耐えきれず、倒れてしまう。もう立つ気力も今の一撃で削がれ、意識だけが起きている状態だった。このまま気絶すればどんなに良かったことか。

 

「じゃあこれは貰っていくね〜」

 

伊吹さんがキーカードを見せびらしながら去ろうとしていた。目をつぶろうと思ったが、自分がカードをとられた事実と伊吹さんに負けた事実により、目が離すことができなかった。むしろ意識がそっちに釘付けだった。

 

そして、誰か、と助けを求めたのは初めてだった。そんな感情が出てくるなんて、驚きで泣きたくなった。

 

誰か

 

お願い。

 

.........比企谷くん

 

******

 

ひょっと俺は伊吹が見せびらかしていた。キーカードを取ってしまう。そのまま歩き、倒れている堀北のところに行く。そして堀北を背に伊吹と向き合う。いや、だって取ってください!って言ってるんだろ?取ってあげなきゃダメだろ。

堀北は見事に伊吹にやられてしまったようだ。風邪なので仕方ない。伊吹はなかなか武道の嗜みがあるようだ。

 

「あんた!!」

 

伊吹が声を荒げる。当然だ、キーカードをとられたんだからな。

そのまま伊吹が飛び蹴りをしてくるが、そんな遅い攻撃に当たるほど馬鹿じゃない。俺はひょいとかわし、伊吹は体制を立て直し、飛び蹴りを何回もしてくる。それもひょい、ひょいかわし、相手の体力が切れるのを待つ、飛び蹴りを5回ほどしたところで近距離に入り、蹴りで攻めてくる。蹴りで足りないのか、拳を使い攻めてくる。

まあ、そうだよな。あの麦わら海賊団のコックさんじゃあるまいしな。拳で!だよな。

そして伊吹は息が上がり一歩後ろに下がり、体制を整える。

 

「おい、堀北、大丈夫か?」

 

俺はその隙に相手に背を向け堀北の手を無理やりとり、無理やり起こす。堀北は今の戦いを見ていたようで口をあんぐりしているが、それは気にしない。相手に背を向けたため、隙ありとばかりに伊吹が飛び蹴りを放ってくる。その瞬間、振り向き、相手の右足のすねを右手で掴み、そのまま下に叩きつける。

 

「がっっっ!?」

 

その声とともに俺は堀北をお姫様抱っこし、遠くへ離れる。

そして大きな木の下におく、俺もとっさにこんな行動をため、恥ずかしさが後からやってくる。

 

「..........比企谷くん、............どうして?」

 

堀北はお姫様抱っこされたことに、頬を赤らめてるのか、風邪で赤らめてるのかわからなかったが、それよりもという感じに声が出ていた。

あまり理解していないようだ。俺がなぜ伊吹が犯人だとわかったのか、これから何をするのかは後で話すとしよう。

ただこれだけは伝えておく。

 

「理解するのは後からでもいい、ただ、今は、眠っておけ。あとは俺に任せとけ」

 

俺は無表情なまま堀北の頭をくしゃりと撫でて、伊吹と向き合う。やっと伊吹は立つことができ、息を荒げていた。

じゃあ答え合わせといこう。

 

******

 

比企谷くんは私の頭をくしゃりと撫でて行った。

昔は助けなんていらない、一人でなんとかなる。私は一人でも大丈夫だと、信じていた。頭を整理する。そして理解した。

一人でなんとかなる、と思っていたのは信念でも、理解していたことでもない。ただのうぬぼれだった。自分ならできると、理屈もなしに、ただうぬぼれていただけだった。

その事実に泣きたくなるのを抑えて、私が一度も経験することがないだろうと思っていた気持ちの事実に気がつく。

助けを求めた。そう、私は助けを求めた。兄さんでもない。そう、比企谷くんに、誰かといったが心の奥では、きっと助けてくれるとしても比企谷くんだと理解していた自分に驚いている。

そして、本当に比企谷くんがきて、この状況を打破してくれた。なぜ伊吹さんが犯人だとわかったことも、キーカードがとられたことをなぜ知っているのかも、どうでもいい。ただただ、今の私が抱いているこの気持ちの方が重要だ。

あぁ、わかった。私は............。

 

 

 

 

 

恋をしているんだ。

 

 

 

 

 

 




まさか!?と思ってないでしょうね。皆さんは。

もうこうなるかと予想してたでしょ?

次回謎を明かします。なぜ八幡がこんな行動をしたのか、この行動をして得られるものを!

あと堀北の解釈などはただの作者の考えに過ぎないので、原作読んで「ここ!ちげぇじゃねぇーかぁ!!」と怒鳴るのはやめてください。

............フリじゃないですよ!?

あとTwitter作ったので、よろしければフォローお願いします!
@syurasyura1113


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堀北鈴音の想いと比企谷八幡は次なる戦いへ

堀北の思考が今回の三分の一占めています。まあ見なくても大丈夫です。俺が思う堀北の思考なので原作を読んで?「はぁ?こいつ何言ってんだよカスかよ!」っていうのはやめてください。お願いします!

次回で無人島編完結となります。そして無人島編が終わったら、船の中での【恋する乙女の堀北!ドキッ!ドキッ!不器用なデート!】をお送りしたいと思ってます。八幡をデートに誘う回を書きたいと思ってます。ここで堀北の可愛さを存分に出せたらいいなと思っております。


私は恋というものを経験なんかしたことはなかった。

恋とは私とは無縁の関係で、ずっと兄さんの姿を追い続けるのかなとそう思い続けていた。実際兄さんには憧れる。幼少期の頃はいわゆるなんでもできるお兄ちゃんといったところで、小さい頃の目標で今でも目標にしている。けど、これは恋とは違うと思っていた。昔は恋と錯覚したこともあったが、今なら断言できる。恋ではないと、そして私は比企谷くんに恋していると............。

 

比企谷くんを気になり始めたのは、水泳のときだった。水泳で胸の傷や、筋肉の発達。高校生としては筋肉量が多い気がしたが、私の見間違いかもしれない、しかし胸の傷。あの傷はなんなのだろう。まるで拷問を受けたような............。いえ、今はいいわ。そしてAクラスに上がるための協力関係を築いた。

 

そしてだんだん比企谷くんのスゴさがわかった気がする。テストのこともそう、須藤くんの事件もそう。全部知らん顔で、功績なんて全くいらないように感じた。そんなやり方が今思い返せば、いやではなかった。逆に好きだった。自分の功績のおかげで勝った!など言う人は中学の時でたくさん見てきた。そして、それを見るたびに嫌悪感を抱いた。だからそんなやり方が好きだった。誰だって認められることは喜ぶはず、けど私は兄さんだけでいい。話が脱線してしまった。

 

そして私に大きな事件が起こる。櫛田さんと比企谷くんが夜一緒にいるところを見た。私はすぐさま草むらに隠れた。私が隠れた草むらの場所が遠かったのか、まだ話が聞こえたない。そして聞こえたのは、

 

「どうして、私に手伝ってくれないの?堀北に振り回されてうんざりしてんじゃないの?」

 

その言葉が聞こえた瞬間、またこれか、と納得してしまった。またこれと言うのは、中学の時陰口を言われると言うことは、しょっちゅうあった。比企谷くんも櫛田さんもそう言う人物だと思ってしまった。けど比企谷くんは、違かった。

 

「まあうんざりしていないと言うと嘘になる。けど俺は案外堀北のことも気に入っていたのかもしれないと言うのが本音だ」

 

私はこの一言が聞こえた瞬間に、自分の脳みそが、グワンと揺れた気がした。こんなことは言われたことはなかった。人間はいい方向に進むなら、嘘の一つでも言っておくものだが比企谷くんは嘘を言っている気がしなかった。なんの根拠話もないけど、そんな気がした。これが大きな事件だ。

 

そこから比企谷くんのことを気になり始めたことは言うまでもない。部活を作って、それで無人島で助けてくれた。

そして気づいてしまった。

 

生まれて初めての恋をしたことに。

 

******

 

「そう怒るな。俺にも事情があってお前を軽く下に叩きつけたんだ。あまり痛くなかったろ?」

 

「はぁ、はぁ............」

 

伊吹は息を切らしているようで、手を膝において体で呼吸しているようだった。俺はというと、あまり体力を使わなかったので息はきらしておらずそのまま平然に立っている。堀北はというと顔を先ほどよりも赤くしてボーっとしている。まあ俺にはそれが都合がいいからいいけどな。

 

「二つほど、お前にお願いがある」

 

「何が目的?」

 

俺の言葉のせいで伊吹に警戒させてしまった。

 

「一つ目は大したことじゃない。お前らのボスに合わせろ」

 

「はぁ!?」

 

「悪いなこっちも急ぎの用事なんだ。早めに案内を頼む」

 

伊吹は警戒しながら、口を開く。

 

「嫌だと言ったら?」

 

「そのまま帰る」

 

俺は伊吹の答えに即答した。そりゃそうだ、合わせてくれないというならば、会うのは難しいだろう。こんな広い無人島を探すなんて無謀以外に何がある。

 

「いいよ、案内してやるよ」

 

なぜかわからんが、案内してくれるようだ。まあ案内しなかったらしなかったらで、こっちにも考えがあったんだがまあいいか。

 

「堀北、あとでそっちに行くから少し遅れる」

 

俺は堀北に遠回しにメッセージを送る。これが堀北に伝わらなくても、綾小路が伝えてくれるだろう。

俺と伊吹はもっと中心の方へ歩いて行った。

 

******

 

「おい、龍園来てやったぞ」

 

伊吹が大きく声を出すと茂みから、不潔そうな格好で出て来た男。そう龍園だった。

 

「呼んでねぇ客も来ているようだな。誰に断って呼んだ?」

 

俺は龍園と伊吹が喋っている中で、周りを見渡した。すると見覚えのないスキンヘッド頭がいた。

 

「おい、そこにいるのは誰だ?」

 

俺は龍園や伊吹から警戒をとかずに、スキンヘッドのやつに問いかけた。するとそいつはゆっくり奥の茂みから出てきた。

 

「誰だこいつは。龍園なんで俺の知らない客を呼んだ」

 

「俺だって呼んでねぇ。伊吹が勝手に連れてきただけだろ」

 

俺の目の前では、そっぽ向いている伊吹と苛立っている龍園と俺に警戒をとかないスキンヘッドがいる。

そして伊吹が俺に問いかける。

 

「で、ここに来て何がしたかったの?」

 

「いや別にな、敗北者の顔を見てやろうと思ってな」

 

俺は腐った目がより引き立つようにより悪質に、より悪党に見えるように振る舞った。

 

「敗北者ぁ?笑わさんじゃねぇよ。どっちが敗北者だぁ?」

 

「お前だよ。えっと名前なんだっけ?」

 

その言葉にイラついたのか、龍園は今でも襲いかかってくる気満々だ。

 

「あとスキンヘッド。お前は邪魔だから帰っていいぞ。Cクラスのボスザルにまんまとはめられた野郎は帰って結構だ」

 

「なに?」

 

これで俺の評価は最低になったことは確実だが、俺にもやるべきことがある。カラカラに乾いた喉を誰にもバレないようにゴクリと音を立てる。

 

「お前あれだろ?DクラスとBクラスのリーダーを教えてくれとかそこのやつに頼んで、交換条件としてポイントを支払うみたいな条約にしたんだろ?」

 

図星だったようで、スキンヘッドの顔が強張る。やっぱりか、だったら俺の仮説はあってるようだな。

 

「どうした?図星か?」

 

俺はさっきより口調もゲスい声を出す。結構きついものがあるなこれも。

 

「おい、葛城一応カードは見せたんだ。契約は無効はないよなぁ?まあ多分リーダーは鈴音じゃなくなったけどなぁ。あととっとと消えろ。お前が聞き耳立ててないかどうか調べるために伊吹もお前と同行させる。」

 

龍園は葛城にカードを投げつけながらそう言った。

なぜ俺が伊吹から奪い取ったカードキーを龍園が持っているのかというと、伊吹を下に叩きつけた時に、立った時に見えるように伊吹の方に投げ捨てて置いた。それで、伊吹は龍園と合流した時に渡したんだろう。

そして葛城と伊吹は森の奥まで消えて行った。

 

「で、なんだよ。二人きりにして、なんかあんのかよ?」

 

「クククッ!お前ほんとおもしれぇなぁ!俺をここまで本気にさせるなんてお前ぐらいだぜ」

 

「まあ、俺は全く本気は出してないけどな」

 

「次だ、次の特別試験でお前を潰してやるよ」

 

龍園は俺に指差して、そんなことを言った。まあ龍園は負けっぱなしは趣味じゃねぇ!!って言う、十文字くんみたいなタイプなのでこんなことを言ってくるだろうなとは思った。

けど俺は構わずに少し笑いながら、ゲスい声で口を開く。

 

「やってみろ」

 

俺は次なる戦いへ準備を進めないといけないな。

そう思いながら俺と龍園は背中を向けながら逆方向へ帰っていった。

 

******

 

「堀北ちょっと移動するぞ。歩けるか?」

 

オレは堀北に声をかけ、立つように促す。

 

「ん、比企谷くん?」

 

「悪かったなオレは八幡じゃない」

 

堀北は八幡じゃなくオレだということに気づいて心なしかガッカリしているようだ。

 

「綾小路くん?」

 

「ああ、ちょっと移動するが、歩けるか?」

 

「ちょっと待って、比企谷くんは?なぜあなたが?」

 

堀北は混乱しているようで、立つと早々にオレに寄りかかったようだ。これは熱のふらつきだろうか、それとも安堵だろうかオレにはわからないが、歩きながら説明したほうがよさそうだ。

 

「時間がないんで、歩きながら説明するぞ。八幡は『あとでそっちに行くから遅れる』そう言ったんだろ?この意味に含まれるのは、『お前は船に戻ってリタイアしろ、あとは俺がなんとかする』っていう意味だ」

 

雨が降っていたので、足場が悪い場所を歩きながら進んで行く、オレは堀北の腕を持ちバランスをとりながら進んで行く。

ちょっとカッコつけて八幡の言葉を変えてしまったが、まあ大丈夫だろう。あとで処理するのは八幡だし。

 

「ちょっと待って、比企谷くんは私にリタイアしろと言っているの?」

 

「あぁ、オレもそうするべきだと思う。その体調のまま続けるのは無理だろ」

 

堀北はオレに掴まれている、腕を振り払って一人で立って見たがすぐにバランスを崩し倒れそうになるところをオレが支える。

 

「おい、無理するな。あと八幡からの伝言だ。『お前はもう無理するな、あとは俺がやっておく』だ、そうだ」

 

こんなことは一言も言ってながったが、オレがそう告げると。堀北は「そう、比企谷くんがそういうなら」とか言いながら先ほどよりも顔を赤らめながらそう答えた。

 

「とりあえず先生のところに向かうがいいか?もう少し歩くぞ」

 

「ええ、これ以上比企谷くんに迷惑をかけるわけにはいかないから」

 

堀北はオレが見てない間に相当強くなったようだ。何があったか知らないが、これなら使えそうだ。

 

 

 






FGOで、エレシュキガルうちのカルデアに来てくれました。クリスマスイベントをとても回っています。え?エレシュキガルに何万課金したかって?4万だよ!安いよ!


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これから比企谷八幡がすること

ごめんなさい。遅れましたね。バイトやって、部活して結構忙しくてこんな風になりました。



長くも短い無人島生活が終わりの時を迎える。

 

「ただいま試験結果の集計をしております。しばらくお待ちください。試験は終わりましたので、飲み物やトイレを希望する方は休憩所までお越しください」

 

このアナウンスがかかった瞬間みんなは蜂の子を散らすように休憩所に向かっていった。俺も喉が渇いたし向かうか、と心の中でつぶやき向かっていく。

すると後ろから須藤から声がかかり、休憩所に向かいながら話していく。

 

「なあ、ヒキタニって堀北とどんな関係なんだよ」

 

須藤に怒っている様子はなく、ただ俺の回答を待っているようだった。

 

「別に、クラスメイトってだけだろ。堀北とはクラスメイトってだけの安いつながりだ」

 

須藤はふーんっと言ってから、納得いかないような顔で俺の方をまた見てきた。なんだよ、ホモなのかお前、あれか、俺に惚れてるから、堀北に嫉妬しているんだな!こんな想像している俺気持ち悪すぎ。

あとヒキタニくんって子はこのクラスにいませんよ。

 

「比企谷くん、須藤くん。お疲れ様。あと綾小路くんも」

 

平田からジュースが入っている紙コップを2つもらった。須藤に渡そうと後ろに振り向くと、綾小路がいつの間にかいた。なんだお前びっくりさせんな。お前忍者の末裔か?全然気づかなかった。っていう風に俺は須藤にジュースを一つあげて、綾小路には気づかないフリをしてもう一つは俺が飲んだ。綾小路は「あっ、」っとか言ってるがいいだろう。

綾小路はジュースをもらえなかったため、また平田が持ってきたジュースを受け取り平田と須藤と話しているようだ。まあ俺には関係ない話だからジュースを飲みながら離れていく、休憩所を見渡すとほとんどの生徒が集まり談笑していた。Dクラスの人たちもなんとなく表情が柔らかくなった気がした。

 

「おい、ゾンビ野郎」

 

俺が心の中で誰がゾンビだ!って叫びながら振り向くとジュースを飲みながら俺に話しかける龍園が立っていた。

 

「お、おう。なんかようか?」

 

「とぼけんじゃねぇ、この試験お前のクラスは何位だと思うんだ?」

 

龍園は笑うこともせず、俺のことをじっと見つめて、ジュースを飲んでいるだけだった。

正直なところ、表舞台、というのはみんなから認められる実力者の中に入るべきか迷っている。わかりやすくいうと、みんなが知っている実力者は龍園や葛城や一之瀬こういう奴らが今度の特別試験でも名前が浮上してくるだろう。その中の一人に入るか迷っているというところだ。

実際、入りたくはない。だって絶対絡まれるじゃん?因縁とかつけられるじゃん?てか目立つし。でもDクラスは今回一位に君臨することは間違いない。ここで誰が実力者なのか示さないといけなくなる。そうしないと、綾小路が疑われる可能性があるからだ。だったら堀北よりも俺の方がいい。俺の夢のためならなんでもする。

だかどうしようか、ここらで綾小路に相談するべきだったな。

 

「おい、ゾンビ無視してんじゃねぇよ」

 

「............実際のところ、お前らは今回負ける。100%と断言してもいい」

 

「クッククククッ!まあな今回Dクラスのリーダーが合ってない場合俺たちの負けだ。けど俺は自信あるぜ今回のリーダー当てはよ」

 

どこからその自信がきてるのかは知らないがなぜか自信があるらしい。えぇ、どうなってんの?それこれでリーダー当てられたらもう俺死ぬわ。

 

「一年生の諸君」

 

このアナウンスがかかった瞬間みんなが静かになる。

談笑していた人たちはまた顔を強張らせ、緊張が走る。ふぇぇ怖いよ。ここからまた二週間無人島試験やるとか言われたらどうしよう!

 

「この一週間、君たちの特別試験の取り組みを見させてもらった。真面目に取り組んだもの、工夫をし取り組んだもの、いずれにせよ、素晴らしい試験結果だった」

 

このアナウンスのお陰で俺も含めて、大勢の人が安堵したことだろう。ふぅ、よかったぁ。これ以上やったら死んじゃうところだった。

 

「ではこれより、特別試験の結果を発表していきたいと思う」

 

ここで大きな緊張が走ったのがわかった。龍園はいつも通り笑みを浮かべて、結果を待っているのがわかる。俺が一番最初に目についたのは綾小路の顔だ。まるで興味がなさそうに、先生の方を見つめていた。俺はその顔を見て無意識に睨んでいた。

 

「第4位」

 

その言葉を告げると同時に俺の頭の中にはドラムロールが聞こえてきた。うん、普通聞こえるよね。なんかめっちゃ頭の中でなってるよ。

 

「Cクラス0ポイント」

 

龍園は驚いた表情をしながら「なんだと?」っと呟いていた。予想どうりだな、と心の中で少し安堵してから結果を待つ。

 

「テメェ何しやがった?」

 

俺はそれを無視し、先生から目線をいや、綾小路から視線を外すことができなかった。

 

「続いて3位はAクラスの120ポイント、2位はBクラスの140ポイントだ」

 

この順位を聞いた瞬間どよめきが起こる。Dクラスの連中も、他の連中も想像すらしていなかっただろう。

 

「そして1位のDクラスは............225ポイントだ。以上で結果発表を終わる」

 

一旦硬直したのは、噛んだわけでもない。そう、先生方も想像すらしていなかったクラスが1位に上がることが、驚きのことだったんだろう。

 

休憩所ではAクラスは葛城は責められ、Dクラスは興奮の最中、平田が説明するとみんなに言い聞かせ、船に戻って行く。俺もその列に続いて行くが、龍園に肩を掴まれ行くことができなかった。

 

「俺の推理は完璧なはずだった。けど外した、お前何をした。比企谷八幡」

 

「いや、お前がただ外したんだ。俺が何かしたわけじゃない。お前の失態だ龍園」

 

龍園の手を振り払い、そのまま歩いて行く。まあ、お前の推理はあっていたさ、途中までだが。

 

******

 

この後はお察しの通り、堀北に全部丸投げ作戦だが、綾小路のせいで、全てがおかしくなった。

 

「すげーじゃん!!堀北さん!!まじ天才じゃん!!」

 

「いや、ちょっと待って、何がどうなってる............」

 

堀北の言葉を遮り賞賛の声が、堀北に飛びまくる。

けど綾小路が............。

 

「ちょっといいか?本当に堀北だけなのか?誰かと作戦を立てていたような気がしたが」

 

おい!綾小路!やめろ!!少し表舞台に立とうかなと思ったけど、堀北のあの姿を見てやめたんだよ!え?みんなからすごーいって集られるんでしょ?きついよ、ぼっちの俺にキツすぎる仕打ちだよ?

俺は堀北の方をちらりと見た。俺がどんな表情で堀北を見ていたか、覚えていないが、相当面白い顔をしていたんだろう。だって

 

「............そうね、私だけの力じゃないわ」

 

だって。

 

「そこにいる比企谷くんといっしょに勝ったのだから」

 

堀北がクスリと微笑むんだもの。

 

******

 

「さて全て説明してもらうわよ」

 

「いや、説明する気ではいたんだが、お前のせいで説明する気が失せたんだよなぁ」

 

俺と堀北は船の上にある、お洒落なカフェの場所で堀北はカフェラテ、俺はブラックのコーヒーに砂糖を少々入れ、飲んでいる。

堀北があの発言をしてから、俺は質問責めということをされた。ぼっちの俺にはそれはもう、キツく。曖昧に答えを返しといて、疲れたから寝るという風に部屋に帰った。すると案の定堀北から連絡が来て、今に至るというわけだ。質問責めされてる時に綾小路が羨ましそうな目でみていたのは今でも謎のままだが。

 

「まず俺が目をつけたのはスポット探しなんかじゃないし、ましてやクラスポイントを節約することでもない。リーダー当てクイズだったんだ」

 

「けどクラスポイントを節約することは大切なんじゃない?」

 

「大切ではあるが、重要なのはそこじゃない。龍園のように節約なんて言葉を捨てて、戦意喪失させたように見せかけて、リーダー当てクイズを誰よりも得点して、勝とうとしていたぞ」

 

「え?龍園くんが?でも龍園くんのクラスは最下位だったじゃない」

 

堀北は少し驚いたようで、けど結果を思い出した時には、表情は戻っていた。まあ龍園は、葛城との契約を結ぶことが重要だったんだけどな。

 

「まあ、そこら辺はあとで話す。話を戻すぞ。途中で俺らは龍園のいるクラスCクラスに行っただろ?その時に伊吹はスパイだってことがわかったんだよ。お前にカードを見せてくれと言ったのも、お前に水と泥をかけたのも全部は俺の作戦だったんだよ」

 

「ちょっと待って!伊吹さんが犯人だってわかったということも、私を使ったことも作戦の一部だったってこと?」

 

「そういうことだ」

 

堀北には少し罪悪感があったが、いざとなれば、俺のDOGEZAを見せてやるさ!

 

「そう。なんで伊吹さんが犯人だとわかったの?」

 

あれ?あんま怒らないのか?普通だったら「私を使ったこと、高くつくわよ」とか言ってキレそうだけど、そんなことないのか?

 

「龍園の目」

 

「は?」

 

堀北は納得いかないという顔で、俺のことを何言ってんだこいつみたいな目で見ていた。

実際目を見ただけで、龍園の闘志は読めた。まだ諦めてない、一発逆転を狙ってるってな。そして、無防備に置かれた無線機。それが何よりの証拠だった。龍園はCクラスのやつを誰も信じない。それがやつの弱点だった。

 

「で、お前を使うことで伊吹をおびき寄せることができた。まずカードキーを見せることで堀北が持っていることをわからせる。そして、お前に泥をかけることによって、カードキーを奪う隙が見つかる。そして、堀北が追いかけ、俺が追いかけるという方向になったんだ。まあ、なんだ、騙して悪かったな」

 

堀北ははぁとため息をこぼしてから、少し微笑んでからこう言った。

 

「私を使ったことは高くつくけれど、けれどあなたが何もしなければ、私はどこかできっと失態をしていたかもしれない。仲間という存在が必要だったことに気づかなかったかもしれない」

 

堀北は顔を赤らめて、何やらモジモジしているようだった。やめろそんな顔をするな、うっかり惚れてお前に告白して振られたらどうする!てか振られちゃうのかよ。

一つ堀北は咳払いをして、口を開く。

 

「........................ありがとう」

 

「は?」

 

「もう行くわ。お会計はあなたが払っといて、私を使ったツケとして」

 

ガタッと立ち上がると、早歩き程度で自室に戻って行った。はっきりとは堀北の顔は見えてなかったが、なんだか顔を先ほどよりも赤くしていた気がした。

 

******

 

「先生、ここにいたんですか」

 

俺は堀北と話したあと、先生にメールされていたことに気づき、小走り程度に目的地に向かって行く。

目的地周辺に着くと、俺は小走りをやめ、歩いて向かって行く。綾小路が、こっちに歩いてきたが、無視して俺は先生のところに向かって行く。

 

「遅かったな、比企谷」

 

タバコをふかしながら、こちらをちらりと見て話した。

 

「すいません。少し遅刻しました」

 

「............まあ、いいだろう。まずはご苦労だった」

 

今の沈黙はなんだったんだ?と疑問に思ったが、そこまで気にすることじゃないと思い無視した。

 

「そんなことはどうでもいいです。俺の約束覚えてますか?」

 

「あぁ、覚えているとも、伊吹の件だろ?あの件についてはこちらも進めている。Cクラスの教師からもなんとか許可を得た」

 

なんとかという部分が苦労したんだなとわかるが、許可を得てくれていたらしい。

 

「じゃあこっちがポイントを貯めるだけと言うことですか?」

 

「そう言うことになる」

 

「いくら用意すればいいですか?」

 

こちらをちらりとも見ていなかった先生が吸いきったタバコを携帯用灰皿に入れ、俺の目を見てしっかりこう言った。

 

「100万ポイントだ」




とりあえず、原作で綾小路がやった作戦は八幡には示しました。けれど最後の文を場所を見ればわかるとは思うんですけど、まだ謎が残っています。なぜ八幡は須藤たちを殴ったのか、伊吹に何をしようとしているのか、わかるはずですのでそれはデート編の時か、その次に話すかは未定ですが、話したいと思っています。今からやることは原作では不可能なことかもしれないですが、そこは大目にみてください。






FGO福袋引きました、ギルガメッシュでした。
邪ンヌが欲しかったですが、まあ、よしとしましょう。
スカサハピックアップ無課金で貯めまくって50連引きましたが、星4が1体しか出ませんでした。ガチャ渋すぎぃ


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船上編
ダンスパーティー開催


最初、プールの話を書こうと思ったんですけど、なんか内容が薄いなと思ったんで全部書き直していたらこんなに日にちがたってました。申し訳ないです。そのかわり文字数が今までで一番多いので見てください。


「はぁ、やっぱり一人だと落ち着く」

 

これがぼっちの特性なんだろうか、周りの人に合わせなくて良い、常に自分のためだけに動けるという最強のスタイルである。

やっぱりぼっちは最高、最強だな。

一人でフッと笑いながら本を読んでいく、波の音は心地よく、本を読むには最適だと思った。

そんなことを思った矢先だった。ドアを叩く音が聞こえた。言うまでもない、そう俺がいるこの部屋だ。

(居留守を使おう)

そう至った経緯は邪魔されたくない、というのはあるがそれよりも、うんざりしている。綾小路と堀北が起こした一件で俺の評価が一変した。いや決して自惚れているわけじゃない。まあ今の自分は好きだけどね!

 

******

 

10分ほどたっただろうか。そろそろいいか、と思い部屋から出ると、目の前のソファで本を読みながら座っている堀北がいた。

読んでる本は「存在の耐えられない軽さ」

普通の恋愛小説よりは哲学的で、人の価値観の中での重さと軽さの判断基準に疑問を投げかけてくる一般的には見ない小説。

堀北が恋愛小説なんて読むなんて意外だな。てっきりミステリーとか読んでるかと思ったが。

 

「やっぱり居留守だったのね」

 

「あ」

 

思い出した。小説なんかにつられている場合じゃなかった。

 

******

 

夏休み。いつからかあっただろうか?え?五十年前?とか思ってしまうほどの昔からあるものである。昔はクーラーとかがなく、夏に勉強できないため、夏休みというものができた。

だから今の俺たちには必要ないものであり、廃止される可能性があるものである。

だか待ってほしい。夏休みは、学校でも経験できないこともできるのである。昼夜逆転など学校生活がある中で、きっとできないことであろう。あとは日本一周など海外に出かけたりなど、いそがしい学校がない日だから行けることだ。あとは............、えー、ま、まあ、あとはなんかあるだろう。

 

******

 

『高度育成高等学校のみなさま。今日の18時から大ホールで催しを行いますので、参加できる方がいましたら是非、大ホールへお越しください』

 

俺と堀北が言い争ってると(堀北が怒り、俺が謝るという一方的な討論)そんなアナウンスが流れた。

また特別試験とか言わないよな?そうだとしたら、なにこの社畜みたいな高校。

 

「これ、なんだと思う?」

 

堀北が椅子のから俺に呼びかける。俺はベットに寝転がりスマホをいじっていた。

 

「さあな、参加は自由なんだろ?行きたければ行けばいいんじゃねぇか?」

 

「そう、ならあなたも行くわよ」

 

「いや、俺は行かないぞ。これから予定あるし」

 

それに驚いたらしいく、目を大きく開いて、俺のことを見つめていた。いや、あの堀北さん。その反応は失礼ですよ。

 

「そ、そう。い、一応聞いておくわ。なんの予定があるの?」

 

なんか堀北のまぶたがピクピクしているが、気のせいだろう。

 

「いや、えーっとあれだよ。読書っていう大切な行為をしないと行けない」

 

「え、あ、そう」

 

堀北が少し安堵しみたいだが、何かわからなかった。

てか読書いいんだ。とっさの言い訳だったからなにも思いつかず、読書って言ったんだけど。

堀北は自分が何か気づいたみたいに頬を叩き、咳払い一つしてこう言った。

 

「読書はいつでもできるでしょう。とりあえず行ってみましょう」

 

「は?お前俺の話聞いてたか?俺はどく、グェ、おい!引っ張んな」

 

******

 

大ホールに着くと、人はいなく、後ろの廊下にもいなかった。ここにきたみんなは中に入っているのだろうか?あ、途中で帰るの諦めました!

 

「お待ちしておりました。比企谷八幡様と堀北鈴音様ですね」

 

タキシードを着た男の従業員が俺たちに話しかける。あとは、赤いチャイナドレスのようなものを着た、女の従業員さんが出てきた。

てか女の従業員さん、そんな露出しちゃって大丈夫?あ、いやチラチラ見てないからね、堀北さん。こっちをジト目で見ないでね。

 

「ええ」

 

「ではこちらに」

 

女の従業員さんが、そう唱えると従業員の二人は振り返り、大ホールの中に入って行く。

 

「俺たちも行くか」

 

「そうね」

 

俺と堀北はそう答え、着いて行く。

俺は従業員の背中を睨みつけながら、歩いて行く。

 

******

 

「では比企谷様はこちらへ」

 

「堀北様はこちらへ」

 

従業員は俺たちをわけ、俺は男の従業員について行き、堀北は女の方へ着いて行った。

大ホールの中、メインホールに入る前に個室みたいな部屋に入って行く。そしてあったものは、オシャレに身を包む、一年生の姿だった。

なんだこりゃ、こんなのパーティだぞ?これって本当に特別試験とかないのか?いや、みんな警戒してるな。これが特別試験なんじゃないかって。警戒してるため、人数は多く、緊張しているのがよくわかった。

 

「ではこちらの服にお着替えください」

 

俺はビニールに入ったタキシードを受け取り、カーテンがある着替え室に疑問を抱きながら入る。

まずはビニールを破る。ビニールに小細工がないか調べる。そのあとタキシードを取り出し、上から下まで見て行く。これ絶対高いやつだぞ。そして、ポケットも何もない。小細工はなしっと。

俺はさっさと着替え、カーテンを開ける。

 

「比企谷様、こちらを」

 

渡されたものはメガネだ。俺は視力は別に悪い方でもないし、メガネは必要としてない。まだ、全員に配るメガネならわかるが、全員じゃない。

 

「いや、自分目は悪くないので」

 

「こちらはあの方からのプレゼントです」

 

「あの方?」

 

俺はとりあえず胸ポケットにしまい、従業員が指を指している、メインホールの方を見る。すると、白ワインだろうか、それをちょびっと口にしている、茶柱先生がいた。茶柱先生は紫色のドレスを着て、あまり露出が少ない、ドレスを着ていた。

 

「あの人何考えてんだ?」

 

「私共にはわかりかねます。あの方からの依頼ですので」

 

メガネには細工はない、俺へのプレゼントだろうか?俺はわからずとりあえず、メガネをつけ、茶柱先生がいるメインホールに入る。

てか伊達メガネかよ。

 

メインホールは豪華な食事や飲み物までが並び男はタキシード、女の子は種類は色々あったが、どれもドレスというものだ。

奥にはオーケストラの演奏が行われている。妙にリアルだなと思っていたらこれだったのか。

堀北はまだ着替え中だろう。ドレスに着替えるにはなかなかの時間がかかる。その間に茶柱先生に会う。

 

「おお、比企谷やはり来たか、似合っているぞメガネとタキシード」

 

「何が目的ですか?あとこれは何ですか?」

 

「目的か、そんなものはないと言おう。ただのプレゼントだ、頑張った礼だと思って受け取っておけ、あとこれは何だ?だっけか?」

 

茶柱先生は白ワインをゴクリと飲んでからこう言った。てか先生、何杯お酒飲んでるんだよ、ざっと10杯は軽く超えてるだろ?。グラスの量でわかった。数えると10個以上はあるだろう。てかどんだけ飲んでるんだよ。

 

「ただの催しだ。ありがたく、頂戴しとけ、私はそろそろ帰る。あとは楽しんでおけ」

 

いつも通り、威厳のある歩き方で帰って行く。俺はそれを見送るとどうするかと悩んだ。このまま帰っていいが、帰ったら帰ったで堀北にキレられるだろう。適当に飲み物でも飲んで、時間を潰そう。

 

******

 

10分ほどたっただろうか?俺がウロウロしているとなぜか、ざわざわ周りの人が騒ぎ出す。え?俺の比企谷菌が悪さしてますかね?

すると一人の女性が、話しかけてくる。

 

「あ、あの。Dクラスの比企谷くんですよね?」

 

「いえ、違います」

 

俺はさっさと、飲み物を持って早足で逃げて行く。あのやろう、噂を広げやがったな!龍園!

 

「はっ!くっしゅん!あぁ?誰か噂してんのか?」

 

「あんたのことを噂する人なんてたくさんいるって」

 

俺はさっさと逃げて、人があまり少ないところに行く。ふぅ、ここまでくれば大丈夫だろ。

 

「あれ?比企谷くん?」

 

「いえ!違います!」

 

クッソここにもいんのかよ!さっさと逃げて、いや!違うこれは天使だ!!

 

「え!すいません!人違いでした」

 

「いや、悪い嘘ついた。俺だ、比企谷だ」

 

「そ、そうだよね?よかったぁ人違いしたかと思った

 

俺が会ったのは、天使もとい佐倉と出会った。

佐倉は赤いドレスを着ていて、比較的露出が控えめな服を着ていた。

 

「佐倉なんでここに来たんだ?」

 

「え、えーっとね。前みたいな試験があったら大変だなぁって思ってこっちに来たの、でもよかったぁ比企谷に会えて」

 

俺も嬉しいよ!佐倉!

俺は佐倉にこの試験は何もない、ただの催しだと伝える。なぜそうわかったか、先生がないというのならないのだろう。それが大きな理由になる。

 

「そ、そうなんだ、焦って来ちゃって髪がボサボサになったないかな?」

 

佐倉は髪がボサボサになったないかどうか手で確認している。

佐倉は「あ」っと言ったので佐倉はどこか見ていた。そこを見てみると、奥で踊っている人たちがいた。社交ダンスだろうか、よくわからないが、スポットライトが当たって楽しそうに優雅に踊っていた。決して踊りが綺麗とは言えないが、本当に楽しいそうに踊っている。

 

「もしかして、踊りたいとか............か?」

 

俺は勇気を振り絞り、そんなことを言った。いや、これチャンスじゃね?と思い、申し込んだが、どうなんだろうか、俺の顔を火照っていて、どんな顔しているかわからない。

 

「い、いや!そんなことないけど!?あの、その、えーっと........................踊ってくれるんですか?」

 

「お、おう」

 

俺と佐倉は距離を保ちつつ、奥に歩いていく。

一年前の俺なら味わうことができなかったこの気持ち。なんだろうか、これが青春と言えるものなんだろうか。

奥に着くと周りの従業員が寄ってきて、是非踊ってくださいと言わんばかりに俺と佐倉にステージに上がらせる。

 

「わ、わたし、社交ダンスとか踊ったことないから、その............」

 

んもぅ!可愛いなぁ!佐倉は!

 

「まあ、俺は少しそういう嗜みはあるから、俺の動きに合わせてくれれば、大丈夫だとは思う。まあ、無理はすんな」

 

「う、うん!頑張るね!」

 

「少しコツを言うとしたら、歩くときは脚の付け根と一緒に骨盤も意識して左右に軽く振りながら脚を交互に前に振り出して歩くことと。ダンスの音楽を繰り返し何度も聞いて、リズムを覚えればなんとかなる。あとは俺に合わせてくれ」

 

そう言ってダンスが始まった。

 

******

 

「比企谷くん、どこにいるのかしら」

 

私は赤いドレスに身を包み。ジュースを持ちながら、周りを見渡していた。

 

「もしかして帰った?」

 

可能性はある。あの人はすごくめんどくさがりやで、一人でいるのが好きな人。比企谷くんに無理やりここまで連れてきたのだから、可能性はあるはずだわ。

はぁ、とため息をついてから今後のことを考えてみた。特別試験がもうないと言うのならば、私はまだ比企谷くんを誘うチャンスが来る。もし特別試験が来たとしても、夏休みは船の上だけじゃなく、あと1ヶ月ぐらいは残ってるはず。そこでも誘うチャンスはまだまだある。

 

誘う、比企谷くんを誘う........................。無理。そんなことを考えただけで頭がショートする。なら電話、いや多分発信できないだろう。だったら、メールで?無理だ。送信できない。一番可能性があるとしたら、直接言ってしまうこと。なんとか勢いで言ってしまえるかもしれない。そして何をしようかなんだけど............

 

「あ」

 

ステージの奥で踊っている人たちがいるわね。あれ確か、腐った目がわからないけれど、メガネをかけているのは比企谷くん?一緒に踊っているのは、佐倉さんだわ................................................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしようかしら?

今まで沸いたことがない感情が私を襲った。

 

『嫉妬心』

 

******

 

ゾクッと背筋が凍ったが、今はそんな余裕はない。佐倉と社交ダンスを踊ったのだ。こんな幸福な男はこの世にはいないだろう!うん、そうに違いない!!

 

「ありがとう。比企谷くん。私なんかと踊ってくれて」

 

「いや!むしろありがとうって言うか!あのいや、こちらこそ、ありがとう」

 

「私そろそろ帰るね」

 

「お、おう」

 

まじか、もう帰ってしまうのか。天使よ帰らないでくれ、てかあれ?俺なんか用事あった気がするんだけど気のせいだっけ?

 

「あの!比企谷くん!!今日はありがとう!」

 

と言い残して、走り去ってしまった。

よし、俺も幸福に満たされたし、帰るか。

 

「比企谷くん!」

 

そんな明るい声で話しかけてきたのは、櫛田桔梗だった。

櫛田は水色のドレスを着て、足や胸上部を露出していて、周りの男子たちに見られてるようだった。多分櫛田は気づいているんだろうが、ここで睨みを利かせたり、嫌な顔なんかすれば、信頼が落ちることは間違いない。だからこそ、こんな服を着て、好感度をあげる対応にしたんだと確信できる。

 

「なんかようか?」

 

「あそこで、堀北さんが比企谷くんのことすごい睨んでるけどなんかした?」

 

え?あ!?堀北のことすっかり忘れてた!!

櫛田が指を指している方向を見てみると、ジュースにストローをさし、ポコポコさせながら鋭い目つきでこっちを見ていた。

櫛田がため息をつき、呆れたようにこちらを見ていた。

 

「はぁ、比企谷くん。あなた、あれでしょ?堀北さんほっといて、佐倉さんと踊ってたとかでしょ?」

 

「うっ」

 

「はぁぁ」

 

「だったらさ、私の案に乗ってみない?」

 

「え?」

 

******

 

櫛田から聞いた案は全く乗り気がしなかった。まだ土下座した方が、許してくれるような気がした。まじでこの案やるの?

 

「なに?」

 

俺が近づくと堀北は態度を変えずに、ジュースをポコポコさせていた。てかそんなふくれっ面でやるとめっちゃかわ、............そんなことより。

 

「え、えっと堀北。あの、」

 

「...........」

 

俺は深呼吸して、覚悟を決める。まあ、この事態を招いたのは俺だ。俺が解決しないといけないな。てか放置してたら小町に「お兄ちゃんのヘタレ!バカ!ボケナス!八幡!」てか、八幡は悪口じゃねぇ。

 

「堀北、俺と踊ってくれませんか?」

 

「え?」

 

うわぁぁ死にてぇ!!なにやってんだ俺!!まじで恥ずかしすぎる!

てかこれで断られたらほんとにこのまま海に飛び込む気がする。

 

「........................っ、くっ、べ、別にあなたがどうしてもと言うならば踊ってあげてもいいわ」

 

「ふぁ?」

 

予想外すぎて、変な声が出てしまった。俺は鈍感主人公とは違い、むしろ言うなら敏感主人公だ。けれど堀北のこの態度は解せない。俺のことを仲間だと認めているからこそのテレなのか?それとも、いやそれはない。そんなことを思い、どれだけ黒歴史を作ったと思っている。

後ろを振り返ると櫛田がガッツポーズをしながら「よかったね!」と口パクだけで伝えてきた。

そして櫛田は俺の方に近づき、周りのみんなに聞こえないようにすれ違いざまに、冷淡な声で伝える。

 

「これは貸しだよ。比企谷くん」

 

******

 

堀北と踊り終わって、帰ろうとした時、堀北に呼び止められ、生暖かい風が吹く中、船の上部に移動する。周囲には夜のため誰もおらず俺らだけだ。堀北は船の手すりにつかまり、夜の海の景色を見ているようだった。堀北の綺麗な黒髪が風と一緒になびいている。

俺は堀北の3歩くらい後ろで景色を楽しんでいる。

 

「ねぇ、比企谷くん。恋ってどう思う?」

 

「はぁ?」

 

俺は唐突な質問に疑問を抱いてしまった。そりゃそうだろ。恋なんて無縁の堀北が、恋の質問をしてくるんだぞ?ありえねぇ。

 

「突然どうした?」

 

「い、いいから答えなさいよ。恋って悪いことだと思う?いいことだと思う?」

 

「............それは人それぞれだが、俺は別に悪いことじゃないと思うぞ」

 

堀北の肩がピクリと動く。意外だろ?俺がこんなことを言うなんて、俺だって驚きさ。

 

「恋って、好きな時にできて、嫌な時にできるって言うわけじゃねぇだろ。ガンのように突然突発的に起こる。恋がしたことないやつでも、何度もしているやつも、恋っていうのはするかもしれない。ガンができるやつのように、当然できずにそのまま死ぬやつもいる」

 

堀北がこちらを見ていた。堀北は少し、ほんの少しだけ顔が赤かった気がする。俺は堀北を避けるように後ろを振り向き、頬をかきながら話を続けた。

 

「だから、もし恋っていうのをしているのなら、大切にした方がいいのかもな。その気持ちがきっとお前を変えてくれるのかもしれないしな」

 

俺が、話を終えるとしばし沈黙が起きた。やばい、なんで俺こんなこと言ってんだよ。なんかここにきてから恥ずかしいことばっか起きてる気がする。

 

「そう、別に私は恋なんてしていないけれどね」

 

「おい、じゃあなんで俺にそんな話をさせたんだよ」

 

俺がそう尋ねると、堀北は俺が見てきた中での最高の笑顔で、こう答えた。

 

「さぁ?何故かしらね?」

 

今夜は星が綺麗だ。




「ねえ?比企谷くん、夏休みってこの船が止まっても、続くわよね?」

「続かなかったら俺はこの学校を呪う」

「なら、船が止まったなら............そ、その」

「なんだよ」

「プール。というものがあるわよね?」

「あぁ、夏休みだからめっちゃ混んでるっていう人がゴミのように集まる場所か」

「私もその意見には同感だわ。コホン、そうじゃなくて、そ、その人が集まる場所に行って見たいのよ」

「はぁ?俺は行かないぞ」

「へぇ、そんなこと言っていいのかしら?」

「お前なんかキャラ変わってきてないか?」

「私はいつでもこんなものでしょ?変なこと言わないで、私まだほっとかれたの怒っているのだけれど」

「うっ」

「................」

「なら決まりね。また今度連絡するわ。おやすみなさい」

そう伝えて曲がり角までは平然と歩く。曲がり角を曲がった瞬間、立ち止まり、壁に手をつく、はぁ、はぁと息を整えて調子を戻す。
夏休みはまだ始まったばかり、そして私の恋も始まったばかり。初めてする恋。私は失敗ばかりするのだと思うのだけれど、泥沼を必死で歩いていくことを決めた。きっと苦しくてたまらないのだろう、きっと悲しい思いもするのだろう。けれど、恋をするのは理由はいらない。恋をして、なにか得ることができるだろうか、それはまだわからない。だって、まだ始まったばかりなのだから。

******

はい、これだけじゃ足りないので夏休み編プール編も追加です。まだどんな内容にするのか決めてませんが、人狼ゲームを終えたら書きたいと思います。
今回で、決めました。毎週土曜日の夜の方に出したいと思います。文字数少なくなったりするかもしれませんが、やりたいと思います。
23時59分ぐらいに出したいと思います。

Fate100階までクリアして、高難易度のゲーマーオタクを倒しました。エレシュキガル、マーリン、マーリンで余裕ですね。エレシュキガル強スギィ。
インフェルノがほしくて単発引きまくったら、金時当たりました。いらねぇぇ


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比企谷八幡の過去の序章と新たな試験

うわぁぁぁぁぁぁぁごめんよー、普通に土曜日か日曜日に出すって宣言してて初日からこれはやばすぎる。大丈夫さ、次回は必ず土日に出すさ!













うん、多分ね。


「お父さんとお母さんに捨てられた?」

 

「そうだ。これからは私たちが比企谷八幡と比企谷小町を預かることになった」

 

家に帰るとわけもわからず、自分たちが暮らしていた家を全て差し押さえさせられ、混乱しているところに黒いスーツの人に小町と一緒に連れてこられた。俺はあと一週間で中学生に、小町は小学5年生になる時だった。

 

「お前にはホワイトルームに入ってもらう。けどお前だけは特別だ。こういう実験台も欲しかったのでね、君を使わせてもらうよ。なに心配はいらない小町は君に少し利用するだけだ」

 

「ちょ、ちょっと待ってください。混乱しすぎてわけがわからなくて、ホワイトルーム?小町を利用する?な、なに言ってんですか?」

 

すると俺の左ほほに激痛が走った。尻餅をつき、左ほほをさする。泣きそうだった。まだ俺も社会も知らず、捻くれてもおらず、純粋だったころ。痛かったとにかく悲しくて、痛かった。

 

「二度は言わん。一度で覚えろ。これからずっとお前にはホワイトルームにいてもらう。俺の指示は絶対だ。破ったら罰を与える」

 

「罰?」

 

「小町に痛い目にあってもらう」

 

俺はその言葉を聞いた瞬間、立ち上がり、その男に突進した。これには黙ってるわけにもいかない。

 

「小町は!小町には手を出さないでくれ!俺がなんでもするから!」

 

そいつは俺のことを受け止めて、軽く投げた。

背中に激痛が起こる。顔を上げ、そいつの方を見る。

 

「ふん、お前が指示にちゃんと的確に従うなら、罰は与えない。だからしっかり俺の言うことを聞くんだな、お前は特別だ。ホワイトルームの中でも特別だ。お前には普通の学校に行ってもらう」

 

まず俺にはホワイトルームがなんなのかもわからずにいたので、こいつがなにをしゃべっているのか全く理解することができない。

 

「喜べ、比企谷八幡。うまくいけば、お前は優秀な逸材になるぞ」

 

ここから俺の絶望が始まるのは言うまでもない。

 

******

 

「嫌な夢だ、なんだってこんな夢を見るんだ」

 

俺は船の揺れと、悪夢のせいで目がさめる。

ふぁ、と一つあくびをしてからポットにお湯を入れる。そして沸騰したら止めて、コーヒーをマグカップに入れ、お湯を注ぐ。

 

「匂いはいいけどなぁ、苦いんだよな。まるで人生みたいだ」

 

「おはよう比企谷くん、コーヒー飲んでるのかい?」

 

平田がベットから起き、俺に問いかける。別にビックリなんてしてないからね!

 

「............まあな、こういう時は苦いもの飲むのが一番なんだよ」

 

「こういう時?」

 

「気にすんな。一人言だ」

 

まあ、いつも一人ですけど!テヘ!

遅くなったが、俺が寝ている部屋の人たちは四人いて俺、平田、綾小路、幸村の四人だ。本当は高円寺がいるのだが、あいつはいつもフラフラしていて、ここの班入ってるって言えんのかどうか分からん。

平田と綾小路がいるが、二人が何か喋っているようなので、俺は部屋から久しぶりに出たいと思う。おぉ、なんかこんなこと言ってると引きこもりみたいな感じがするから不思議。これでコンビニとか行って、異世界に行っちゃんでしょ?

 

俺はコーヒーを飲んでから部屋を出る。

コンビニに出かけようと思い、さっさと歩く。

 

******

 

コンビニで本を立ち読みしているとキーンという音がなる。コンビニ買い物に出ていた連中もその音がコンビニ内に響く。

キーンという音は学校の緊急連絡みたいなものだ。マナーモードにしていても流れるものなので、緊急性があることがわかる。

俺がメールを確認しようとポケットに突っ込むと同時に、アナウンスがなる。

 

『生徒の皆さんにご連絡いたします。先程全ての生徒に学校からの連絡事項を記載したメールを送信いたしました。各自の携帯で確認して、その指示に従ってください』

 

「あの、ひ、比企谷くん。さっき言ってたやつって、今届いたメールのことだよね?」

 

俺の名前が呼ばれるので、後ろを振り向くと、俺にダンスホールで話しかけてきた松下千秋いつも、佐藤とかあと誰だっけ。あー池と喧嘩してた篠原か、とかと一緒にいる人物だった気がする。やたらと俺に絡んでくるな。

無視するわけにはいかず、ちらりと後ろを見ながら答える。

 

「............確か松下だっけ?」

 

「そうそう!松下千秋。覚えててくれたんだ。嬉しいなぁー」

 

このふわっとした感じは平田の彼女の軽井沢に似ている気がした。あと名前覚えてられてるとすごい嬉しいよな。俺なんて小学校なんてカエルだし、中学なんて名前すら覚えてもらってなかったからな。

 

「で、さーこれなんだろうね」

 

「............特別試験じゃないか?」

 

メールを確認するとやはり特別試験と記載されていた。

『各自指定された部屋に指定された時間に集合してください。本日20時40分までに2階204号室にお越しください。所要時間は20分ほどですので、お手洗いなどは済ませた上、携帯はマナーモードか電源をお切りください』

 

「メールの内容は一緒なのか?」

 

あのアナウンスは何かおかしかった。メールなんてしなくてもアナウンスで放送することで済むことだ、いや繰り返し見たいと言うのならば、無人島の特別試験の時でもメールで送信しているはずだ。

 

「え?どうだろー私は19時からって書いてるけど」

 

「俺は20時40分だった」

 

「え?時間二人とも違うの?」

 

「そうみたいだな」

 

すると、俺の携帯に着信音が鳴る。松下にすまんと言ってからコンビニを出る。

 

「もしもし」

 

『私よ堀北』

 

「兄の方か」

 

『ふざけないで』

 

「で、何の用だ」

 

『さっきのメールの内容一緒なのか疑問だったの、内容は?』

 

「20時40分に2階の204号室だ」

 

『同じ内容ね』

 

堀北が肯定したと言うことは堀北も同じ時間と言うことだ。偶然なのか、それとも必然的だったのかわからないが一緒のものだと言うことか。

俺らの通話はそこで切れた。俺は部屋に戻ってある人に連絡した。

 

「比企谷だが、メール見たか?」

 

『あぁ、特別試験って記載されてたな」

 

「お前、何時集合って書かれてた?」

 

『18時40分だ』

 

「そうか、わかった。お前の説明が終わったら近くのカフェで待ち合わせしよう」

 

『とりあえずそこに行けばいいんだな?もうオレは204号室に向かうからまた後でな』

 

プツリと電話が切れ、俺も部屋に向かう。今回の特別試験は、なんか変な事に巻き込まれそうだ。

 

******

 

「というわけなんだ」

 

綾小路から聞いた説明からよると

 

一年生全員を干支になぞらえた12のグループに分け、そのグループ内での試験を行う。そして今回の目的は『シンキング』らしい。

各クラスから数人が集められ、ゲームをするということだ。

ゲームの内容をまとめると

 

○まず優待者というのがものが存在する。

○明日から4日後の午前9時まで

○1日に二度1時間の話し合いを行うこと。

○話し合いの内容は何でも良い。

○試験回答は試験終了後、午後9時半〜午後10時までの間のみ優待者が誰だったかの答えを受け付ける。

○自身が配属された干支のグループ以外への回答は全て無効とする。

○最終日の午後11時に全生徒にメールを一斉送信する。

 

そしてこのゲームには4通りの結果しか存在しない。

 

1、優待者および優待者の所属するクラスメイトを除全員の回答が再開していた場合、グループ全員にプライベートポイントを支給する。優待者は100万プライベートポイント。

2、優待者および所属するクラスメイトを除く全員の答えで、一人でも未回答や不正解があった場合、優待者には50万プライベートポイントを支給する。

3、優待者以外の者が、試験終了を待たずに学校に告げ正解していた場合。クラスポイント50を得ると同時に、正解者にプライベートポイントを50万支給する。また優待者は見抜かれたペナルティとして、逆にマイナス50クラスポイントのペナルティを受ける。(優待者と同じクラスメイトのものが正解したとしても、そのまま試験は続行する。

4、優待者以外の者が、試験終了後を待たずに学校に告げ不正解だった場合。間違えた生徒の所属するクラスはクラスポイントマイナス50。優待者は50万プライベートポイントを得ると同時に、クラスポイント50を得る。答えを間違えた時点で試験は終了となる。(優待者と同じクラスのものが不正解した場合、答えを受け付けない)

 

まあ簡単にまとめると、グループ全体で優待者を共有できるか、裏切り者が出るかどうかだ。

まあ大半は裏切り者になるだろうが。

 

「俺には酷な話だな。人狼ゲームとか存在自体は知ってたが、ぼっちだからやる相手いなかったし」

 

「あー、オレもそうだ」

 

「ま、とりあえず俺も行ってくるわ、なんかあったらメールくれ」

 

「わかった。いやこの試験で近々依頼のメールを送る。頼んだぞ八幡」

 

俺はその言葉を無視して立ち上がる、あったかいコーヒーがもう冷たくなっていて、喉に通すと嫌な感じが背筋にゾクゾク伝わった。

クソ、嫌な気分だ。

 

******

 

20時30分2階に行ってみると、10人ほど人がいた。俺が知っているやつで言えば、葛城、龍園、堀北、櫛田、平田ぐらいだ。後は知らん、俺みたいにみんな存在感薄いのかしらん?

けどこのメンツ見ただけで、あぁそうか、ここは各クラスのリーダーシップにかけていているか、頭が相当キレるやつしかいないグループなんだろう、と思った。

しかし一ノ瀬は存在しないんだな、どこに配属されたんだ?普通ここに配属されてもおかしくない存在なのにな。

 

「あ?誰かと思えば比企谷じゃねぇか。テメェもこの時間だったのか」

 

いきなり話しかけんなよ。友達だと思っちゃったろ。まあ、こんな友達こっちから願い下げだけどな。

 

「あー、龍園か、久しぶりだな」

 

俺はなんとなく素っ気なく返す。

 

「ずいぶん無愛想じゃねぇか俺がせっかく話しかけてやってるのによ。目もずいぶんと腐ってるみたいだしよ」

 

「この目は前からこんなもんだ」

 

「無駄話はそこまでだ。お前ら入れ」

 

先生が扉を開けて言うと、みんなが指定された部屋に入って行く、俺と龍園は別室だが、別れる前に龍園が立ち止まった。

 

「せいぜい俺を楽しませてくれよ。比企谷八幡」

 

堀北に「龍園くんと何か因縁でもつけられた?」と小声で聞いてくるが俺は苦笑いして、部屋に入るのだった。

 

 




FGOのバレンタインイベント始まりましたね。全くやる気が起きませんが、みんなからチョコもらいたいので頑張ってます。特に清姫は見たい。今んとこエレちゃんがとても可愛かったです。皆さん持ってるならぜひ見たくだせぇ。

さて次回は............あ、忘れてた前々回の100万ポイントの謎解けてませんでしたね。まあ、それは次回ということで、ここで明かしたらなんか繋がらないので、次回はちゃんと明かすことができます!
土曜日の夜をぜひチャックしてね!
次回は試験1日目と解決部の依頼です!
何を依頼されるのかはお楽しみということで。


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試験開始と比企谷八幡の依頼

午前8時。そろそろ、優待者が発表される時にいた。

俺と堀北と綾小路でカフェでコーヒーを飲みながら、メールを待つ。

 

「こちらとしては優待者が私たちのクラスにいた方がいいわね」

 

「オレたちのグールプにも優待者が欲しいところだな」

 

そう、このゲームの肝は優待者がクラスにいるかいないかだ。

いた方がどのグループも有利になることは確実だ。

優待者がいると、バレないように作戦を立てたり、優待者を騙したりすることができるのもその一つだ。簡単に言うと、優待者がいると真実を突き通すこともできるが、嘘で塗り固めることもできる。

逆に優待者がいないと、探すための対策をしなければならない。探すためには、真実を見極めることが必要だからだ。対策を取ろうにも、優待者がいるグールプの方がたくさん対策を立てられるからな。だからこそ、Dクラスのところにたくさん優待者が欲しいところだ。

 

そしてメールが届く。

俺の内容は優待者ではないというメールだった。

 

「オレの方はダメだったぞ、そっちは?」

 

「私も優待者ではないわね」

 

「俺も違う」

 

みんなでメールの見せ合いっこをすると俺と堀北は同じ内容だが、綾小路だけ少し違ったが、グールプの違いというところだろう。

平田と櫛田にメールは来ただろうか?兎グループは綾小路に少し任せるとして、龍のグールプはめんどくさい奴らばかりなので、手がかかりそうだ、特に龍園とか、龍園とか龍園とか。

 

******

 

俺たちはそのまま朝飯に入った。

俺と綾小路はそこまで重いものを食べたくないので、サンドウィッチを、堀北はコーヒーとホットケーキを頼んでいた。

 

「綾小路くんの方はどうなの?何か対策はあるの?」

 

「どうだろうな、俺はあまり考えてないな。幸村とかがいるからそこらへんが作戦を練ってくれそうだな」

 

「あなた人任せばかりにしていいの?確かあなた、実力隠している可能性はあったわよね?」

 

「あの50点の話か?あれはものすごく稀に起こる偶然だ」

 

「確か兎グループには一之瀬さんもいたわよね?結構強敵が紛れ込んでいるのね」

 

「まあな、そこら辺はなんとかするさ」

 

今思うことでもないけど、俺って空気すぎないか?

 

「比企谷くん、あなたが思う龍グループで一番気をつけないといけない人って誰?」

 

「龍園」

 

「即答なのね」

 

まあ、あいつほど気をつけないといけないやつはいない。多分ああいう人種は、殺すか道連れかしか選ばないんだろうなと思う。

だからこそ道連れにされないように、注意しないといけない。

 

「葛城くんとかはどうなの?あの人も相当優秀だと思うけど」

 

「まあ、優秀は優秀だが、警戒までには及ばないな」

 

葛城は龍園の真の思惑に気付かず、行動した。たしかに龍園と組めばいい成績を収められるかもしれないが、龍園と組む際もっと慎重になるべきだったな。

 

「あとこれも聞きたいのだけれど、今のメールを見て、不自然な一文がない?この厳正な............」

 

俺はそこまで言いかけたところで堀北のホットケーキにフォークをさす。堀北はそれにビックリしたようで会話を止めた。

 

「いい天気だな鈴音、今日もゾンビ野郎とお食事か?」

 

「気安く名前を呼ばないで、龍園くん。あと猫を被っていた伊吹さん」

 

「............」

 

伊吹は堀北に挑発されたが、それを押し殺す表情が顔に出ていた。

俺は龍園とあまり関わりたくないので、俺はこう告げる

 

「とりあえず龍園、飯の邪魔だ」

 

「おー怖いなぁ。じゃあ邪魔しないように帰るぜ。またな鈴音」

 

「名前で呼ばないで」

 

龍園は俺の言葉に気づいたのか、そのまま去って行った。

伊吹も龍園の後ろをついていこうとするが、俺が伊吹の肩を掴みこう言った。

 

「あとで話がある。21時に展望台テラスに来てくれ」

 

伊吹は一度俺の方を見たが、そのまま龍園の方に去って行った。

 

「比企谷くん、伊吹さんと随分と仲良くなったのね」

 

「は?いや、仲良くなってないぞ。クラスにも仲良いやついないのに、他クラスにできると思うか?」

 

「............それもムカつくわね。コホン、てか比企谷くん。ホットケーキどうするの?」

 

「は?............あ」

 

そうだ会話を止めるために、フォークを刺したんだった。

堀北はなぜかそれに結構怒っていて、ここのお会計を俺がすることになった。あと堀北はパフェを追加で頼んだ。

 

******

 

俺たちは円卓の騎士のように丸いテーブルに一人づつ席についていく。クラスはクラスで固まるように、俺は堀北や櫛田や平田の近くに座り、試験が開始されるのを待つ。

平田と櫛田は何やら話しているようで、取り込み中だ。周りを見ると喋っている人や、試験を静かに待つ人。などがいた葛城は後者で龍園はニヤニヤしているが、後者なのか?

 

『ではこれより1回目のグループディスカッションを開始します』

 

簡潔なアナウンスで、1回目が始まった。

まず動いたのが平田だった。

 

「まずみんなで自己紹介をしようよ。みんな知らない人も多いだろうからさ............」

 

「お前、勝手に仕切ってんじゃねぇよ。自己紹介?くだらねぇ、今の時間は優待者をあぶり出す、時間だろ?それともお前のクラスに優待者がいるのか?」

 

「それは答えられないけど、自己紹介はしとくべきなんじゃないかな。あぶり出すにも、名前は知っといて損はないだろうし」

 

「最初に名前は説明されただろうが、それ以上必要ねぇよ」

 

平田と龍園が言い合ってる時に堀北は口を出さず静かにしたり、櫛田はオロオロしたりしてる。多分櫛田は演技だろうけど。

 

「さて始めるか」

 

龍園が、声を上げると龍園の方にみんなは注目する。

 

「俺は結果1を狙う。だから優待者手を挙げろ」

 

龍園の言葉は衝撃だった。結果3を狙うと思っていたが、まさか1を狙うとは思ってなかった。

もちろん手をあげるやつはいない。手を上げたとしてもメリットがないからだ。

 

「そうか、なら仕方ねぇ。俺が見つけ出して、最後にみんなに教えてやるよ。結果を楽しみにしてるんだな」

 

龍園はそう告げると、黙り出し、観察に移行するのだった。その後に平田が自己紹介をし出したりした。みんなするので結果的に俺もすることになった。ぼっちにはひどい行為だ。平田許さん。

その後に平田が仕切ったりしたりする中、龍園は周りを観察しているだけだ。

そのまま1時間の時が過ぎる。

アナウンスが流れ自由にして良いらしのでそのまま俺は本を読んでいたのを閉じ、立って出て行く。俺は本を読んでいる間にも、どう攻略するか考えていたが、もし櫛田や平田が優待者なら攻略する方法は変わってくる。だか、いる可能性は低いと思った方がいいな。

少し眠くなってきたので、夜まで眠ることにした。

 

******

 

時刻は21時に差し掛かった。俺は展望台テラスでマックスコーヒー飲みながら伊吹を待つ。

展望台テラスのドアが開くと伊吹がそこにいた。

 

「で、話って何?」

 

「少し長くなるから、これやるよ」

 

「何これ?」

 

俺はマックスコーヒーを投げる。缶を下からや上からいろいろな見方で見つめている。

 

「毒は入ってねぇよ」

 

「わかってるわよ」

 

プシュっと音を立てて、ゴクッと一口飲んでいた。最初は「あまっ」っと言っていたが気に入ったようで、ゴクゴク飲んでいた。

 

「で、話って?」

 

「それは私が話そう」

 

出てきたのは、茶柱先生だ。伊吹が出てきたドアから出てくる。先生にもマックスコーヒーを投げる。先生は真顔でそのままあける。ゴクッと一口飲んで、口を開く。

 

「率直に言うと、比企谷八幡はお前を買いたいそうだ」

 

「はぁぁぁ!?」

 

伊吹の絶叫が夜空に響く。




ちゃんと書けましたね!
偉い偉いと自分を褒めました。

活動報告見てもらえるとありがたいです。


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伊吹と解決部始動。

テストが終わり、すごく遅くなってしまいました。
テストが終わっただらけのせいなのか、明日でいいか、と思いダラダラしてたらこんなことになりました。
なので今日出すことができます。文字数が少ないですが、ご覧ください。


「何言ってんのあんた」

 

まあ、当然だよなぁ。普通言うよなぁ、まあ俺もそんな状況になったら普通そう言う対応するわ。

先生はマックスコーヒーとタバコを吸いながら伊吹にこう語りかける。

 

「Cクラスの担任の許可は取っておいた、結構骨が折れたがなあとはお前の同意一つでCクラスをやめ、こちらのDクラスに入ることができる」

 

「ちょっと待って、なんで私を引き入れたいのかはあとでにして、100万ポイントでクラスを移動できるってなんか安すぎないか?」

 

確かに客観的に見ればAクラスに上がるのに1000万かかるところを、Dクラスに入れると100万は安い気がしなくもない。けど伊吹が聞きたいのは、そんなことが可能なのか、と言うことだ。

一人いないとペナルティやAクラスに上がれないなどあるかもしれない。しかし、ペナルティはあるかもしれないが、Aクラスに上がらないと言うことはないだろう。

もっとも伊吹が聞きたいのは、引き入れた理由の方だと思うが。

 

「あぁ、可能だ。所属していた担任の許可と本人の同意とポイントさえあればの話だがな、もちろんクラスによっては変わってくる、例えばBクラスからDクラスなどはポイントはもっと必要だ」

 

「そんなことが............」

 

伊吹が驚きの表情を見せる。先生は何も変わらずタバコをふかし、コーヒーは飲みおわったようだ。

 

「けど、私が聞きたいのはこんなことじゃない。なぜ私を引き入れるの、比企谷八幡」

 

俺に鋭い眼差しが俺に刺さる。先生は興味があるのか、テラスから自分の部屋に戻ろうとはしなかった。興味がないことなら、要件が終わり次第帰るはずだろうが、先生がここにいると言うことは興味があると言うことだ。

 

「俺はAクラスに上がる予定がある。Aクラスに上がって成し遂げることがある。けど俺一人じゃ限度がある。確実に勝つためにお前が必要だったんだ」

 

「はぁ、なるほど私と戦っ......私の動きを見てスパイにはもってこいだとそう言いたいのか?けどお前のお気に入りの堀北がいるじゃないか、あいつも熱じゃなければわたしといい勝負したと思うけどね」

 

戦うって言うのが茶柱先生にバレたら大変だと思ったんだろう。まあ、茶柱先生に元々白状しているがな、俺らが戦ったことは丸わかりだけどな。

 

「堀北は俺が扱うには難しいんだよ。じゃじゃ馬ってやつだ」

 

「私は扱いやすいと?そう言いたいの?」

 

伊吹は怒っているようで、俺のことをにらんでいた。

伊吹を引き入れたい本当の理由は他にあるのだが、これを喋るとバカにされる可能性があるので言いたくない。本当の理由は至極簡単で俺のただの欲求を満たすために引き入れる。だからこそあまり言いたくはない。

 

「あんた、本当の理由言わないなら私は許可は絶対に出さないよ。私の運命を預けることでもある。それを本当の理由も明かさないやつなんかについてはいけない」

 

本当の理由を隠してるって気づいてるみたいだな。

しかし伊吹の意見は、ごもっともな意見だ、CクラスからDクラスに変わると言うことは、運命をDクラスに預けると言っても過言ではない。Dクラスの仲間が使えないのだったら、Cクラスの方が良かったとなる。そうならないように伊吹は見極めているんだ。

 

「てかあんた、私を扱うって言ったけどあんたのクラスって堀北いたよね?あいつの方が扱いやすいんじゃないの?」

 

伊吹は堀北のことを敵対視しているのか、鼻をフンっとやっていた。

 

「堀北は俺たちのリーダー格だ、扱うとかって言う人種じゃねぇんだよ。てかあんな奴を扱ってたら俺の身が持たん」

 

マジであいつを扱ったりしたら俺は多分物理的に死ぬぞ。

 

「納得してくれたか?お前を勧誘する理由」

 

「ふーん、とりあえずわかった。私を誘う理由は、私を誘って、私にスパイさせるってことでいいのね?」

 

「まあ、そうだ」

 

確かに、本当の理由は別にあるが嘘はついていない。実際こちらのクラスに入ったらスパイ活動はさせる気だし、俺の相方として近くにいてもらうことになる。いわゆる俺の奉仕活動してもらうことになる。

いや、エロい意味じゃないからね?

 

「それなら嫌だね。私は誰かに扱われるっていうのは一番嫌いなんだ。龍園に扱われているのは、Aクラスに上がるための仕方ない行動さ。龍園は大嫌いな奴だけど、実力は認めてる。けどあんたは一度龍園をまぐれで出し抜いただけに過ぎない。それだけじゃ実力は認めない」

 

伊吹は龍園のことは嫌っているが、実力は認めてるっていうことか、だから別に扱われることに対しては嫌悪感を抱くが、実力があるからこそ、使われてると見たほうがいいか。

なら俺が提案する内容は決まった。

 

「なら今回の試験で龍園に勝てば俺のこと認めてくれるか?」

 

「はぁ?」

 

先生はフッと小馬鹿にしたように笑い。伊吹はこちらを見て呆れていた。俺はいたって冷静だ。伊吹から信用を得るなら、龍園を倒し、俺に信用を得てもらうしかない。

 

「それで手を打ってくれるか?」

 

伊吹は俺の目を見て考える。その言葉が嘘偽りがないか確認しているのだろう。人間は疑心暗鬼になりやすい生き物だ。騙された数だけ人を疑う。

 

「わかった。けどそれだけじゃ足りない。私は嘘をついている人間にはついて行きたくないからね。私を引き入れる本当の理由教えてもらうよ」

 

伊吹は見抜いていたようだ。伊吹を利用するという言葉は嘘ではない。本当に利用するだろう。しかし、本当の理由がそこにあるわけじゃないことを見抜いていた。

 

「わかった。龍園を倒した時には教えると約束する」

 

こうして伊吹と俺との契約が済んだ。

 

******

 

2日目も3日目も順調に過ぎて行く。

龍園は何もしないまま観察に没頭し、平田と他の愉快な仲間たちは平田がしきり、話し合いなどをしている。もちろん櫛田も参加しているが、堀北は意外にも参加していた。俺はというと本を読み、作戦を立てているが、いつ実行するかと悩んでいるところだ。

 

そして3日目の会議が終わると同時に平田が俺に声をかけてきた。若干気まずそうな顔で。俺に話しかけるのが嫌なんですかね?これだからリア充はほんと砕け散れ。

 

「比企谷くん、ちょっといいかな?少し時間かかるんだけど何も言わずに僕についてきてくれないかい?」

 

ちょっとじゃねぇじゃねぇか。ちょっとっていう定義ってなんだろうな。

 

「まあ、暇だがいいが」

 

「ありがとう。じゃあ行こうか」

 

ここから俺がもっと苦悩することになるのは、1時間後のことである。

俺だけじゃなく、俺と堀北を巻き込む。解決部の一つの依頼のせいで2つもこなさなければならなくなった。ほんと社畜だよな俺って。

 

 

 




次回解決部の依頼を明かします。


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解決部への依頼と行動開始

二週間ぶりです。
原付の免許取れました!!とても嬉しかったです。


平田に連れて来られたのは、自動販売機の横にあるベンチだった。

ここは人通りも少なく、今俺たちの周りには誰もいない。

 

「比企谷くん、堀北さん。頼みがあるんだ」

 

「それは解決部への依頼ということでよろしいかしら?」

 

「うん。君たち、解決部への依頼なんだ」

 

平田はいつもより表情が険しくなっていた。

平田はこういう頼み事はしない主義だと俺は思っていたがどうやら違ったみたいだ。リーダー的な存在である人で頼み事をしない人には2通りのパターンがある。1つはプライドが高いこと、例えばあのエリート戦士の王子。プライドが高いゆえに、頼み事もしないし、一緒に戦ったりもしない。彼のプライドを勝るような出来事があった時、プライド捨て、助けを求めるのだろう。

2つ目としては、陰ながら頑張る人だ。ただ頼るというよりもそいつが有能すぎるのだ。陰で一人でやっていても、有能すぎるゆえに、頼ることを知らない。

平田はどちらかというと下の人物だと思っていたが、頼る時は頼る。一緒に解決していくスタイルなんだろう。だからこそ慕われる存在であることができる。

まあ意識してないんだろうけどな。

 

「で?依頼は?」

 

俺は話を進めようと、平田に声をかける。

 

「うん。それなんだけど、彼女から説明してもらった方がいいかな」

 

平田が後ろを向くと、俺たちも合わせてそちらに向く。影から出てきたのは、軽井沢恵。平田の彼女だった。

あーなるほど彼女と彼女かけていたのね!面白いね!

 

******

 

「私実は昔いじめられていたの」

 

軽井沢の事実は俺らに衝撃を与えるものになった。あのオラオラでキャピキャピな存在であった軽井沢がいじめにあっていたとは昔はどうだったかは知らんが、いじめを受けた影響でこの性格が出たと言っても過言ではない。

 

「そう、それで私たちにどうして欲しいの?いじめの解消?」

 

「まあ、それもあるけど二度といじめられないようにしてもらいたいなぁーなんて」

 

「それは不可能ね。いじめられ子というレッテルを貼られた以上。解消したところで些細なきっかけや、複数人また連れていじめられるだけよ。表面上に出てこなかったとしても、裏では陰口はされるわ。いじめは解消はできるけどレッテルは剥がせない」

 

堀北が言うことは確かにそうなのだ。解消はできてもレッテルは剥がせない。本人が満足ならそれでいいのだが、いじめをなくすことはできないと堀北は断言している。

軽井沢はうつむき苦しい顔をしていた。いじめられるのはほんとつらいって俺もわかってる。小学生の時はヒキガエルってあだ名つけられてたしな。

 

「じゃあどうしたらいいのよ!!」

 

軽井沢はひどく感情的になっていた。苛立ちというより、焦りだろう。いじめが始まれば、苦痛な日々が始まるとわかっているから焦っている。ということは............。

 

「なあ、軽井沢。今いじめられそうなのか?」

 

「............」

 

軽井沢は苦しい表情をし、こちらを見ない。肯定と捉えていいのだろう。

 

「髪の毛引っ張られたりはした」

 

「そうか」

 

で、でたぁ〜THEいじめの始まりというやつですね!はいはい知ってますよ。ここから水かけられたり、机に落書きされたりするんだね!!仲間がいないと何もできないフレンズなんだね!

 

「解消する方法というか、解決する方法なら考えてやる」

 

「ほんと!?」

 

これ以上ないくらい、軽井沢はキラキラしていた。おっふ、そんな僕の手を掴まないでくれますかね?これで惚れてしまっても知りませんよ!

 

「で、報酬の件なのだけれど」

 

堀北が口を挟む、ビジネス関係なら堀北に任せるべきだろう。まあ、その報酬を足しにして伊吹を買うけど。

 

「これからもいじめが起こったら助けてくれるっていう条件付きなら、このゲームが終わったら今持っているポイント全部渡す」

 

思ったよりも、高額なポイントをもらえそうだ。

まさかここまでもらえるとは思っていなかった堀北が軽く引いている。堀北は俺の目を見て、軽井沢に向き直る。

 

「交渉成立ね」

 

これでウサギグループは軽井沢が優待者ということが判明した。

そしてみんなが帰った後平田を呼び止めある話を聞く、

 

「Dクラスにいる優待者全部教えてくれ」

 

******

 

そして最終日1日前、俺たち龍グループはある行動を起こす。

 

「今日この日に勝ちを決めるぞ」

 

「わかった。ターゲットはあの人でいいんだね?」

 

「ええ、間違いないわ。早速行動しましょう」

 

俺、平田、堀北が一か八かの勝負に挑む。

 

******

 

俺はAクラスの的場信二

葛城グループではなく、もう一つの坂柳のグループだ。

龍グループにいるが、優待者が全くわからない。優待者を見つけるゲーム、洞察力には自信があったが、これが全く通じないとは、隙を見て観察するがわからない。クッソ!何か良い手はないのか!

もう相手のミスを信じてやるしかないぞ、クッソどうすればいいんだよ。もういっそ、当てずっぽに。

渡り廊下を渡っている途中話し声が聞こえる。

 

「そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?私たちのクラスの優待者」

 

「そう、だね。僕たちもそろそろ行動しないといけないし、教えるよ」

 

Dクラスの平田と堀北だ。周りを気にしながら会話をしている、ギリギリ会話は聞こえるが相手を気にしている声だった。

今の内容、Dクラスに優待者がいるってことか?いや信じるべきではない。なりより確証がない。人通りが少ない場所とはいえ、この会話だけで判断するわけにはいかない。

 

「優待者は」

 

「待って!」

 

平田が話そうとした瞬間堀北が止める。クッソ!気づかれたか!?

 

「盗聴されたら困るわ。スマホに名前を書いて見せて」

 

「なるほどわかったよ」

 

本当に優待者がDクラスにいるのか!?いやスマホに書かれたら曲がりがどの先にいるとはいえ見えな............いや見える。曲がり角ではぶつかることを恐れてミラーがある。それを見れば!

ミラーに目を向け、スマホの画面を盗み見る。画面に書かれていたのは、【比企谷八幡】と書かれたメモだった。

よし、これで坂柳さんに貢献できるぞ!

 

そうして俺は比企谷八幡とメールを送った。




そして次回は解決編です。
何がどうなってるかは予想がつくと思いますが、解決編出しますよ。

FGO2部きますね。
一応石を貯めて待ってますよ。アナスタシアを得るために!
あと最近プリンセスコネクト というゲームもやっています。クランを作ったので、入りたい方は是非入ってください。クランバトルが終わったらあとがきに載せます。


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全ての理由が明かされる時

一ヶ月ぶりです。次の話を書く時に、相当の時間をかけてしまいました。最後の最後までこの理由でいいのかな?みんな納得してくれるかな?と悩んでいたら一ヶ月過ぎていました。
結局、この話はみんなに理解されるかわかりませんが、ただこの作品の人たちが一歩先へ進むための話だと思ってくれれば幸いです。批判なコメントは控えてもらえると嬉しいです。理解してくれる人が少ないんだろうなぁ〜と自信なさげに思いながら前書きを書いております。一人でも理解してくれればと思います。八幡の性格が少し変わってるかも知れませんが、ご了承を。
長くなりました本編へどうぞ


深夜2時。オレは平田に呼び出され、廊下に来ていた。

廊下に出て、少し歩くと軽井沢がジャージ姿で立っていた。

軽井沢はオレが来ることが嫌そうで、すごい顔に出ていた。

 

「綾小路くんは軽井沢さんが真鍋さんたちと揉めていた話は把握している?」

 

昨日の会議を行った時に、軽井沢が真鍋たちにいじめられているところを見た。あれはいじめなのかどうか確信はできないが、他人から見ればあれはいじめだ。

 

「それなりにはな」

 

「軽井沢さんが言うには、彼女たちに言いがかりをつけられたらしいんだ。それで人気のないところに連れていかれて、暴力を振るわれる寸前だったんだ」

 

「それは知っている、幸村と一緒に見てたからな」

 

「そっか」

 

平田は考えるような仕草をした。平田は考えた後軽井沢の方をしっかりと見た。

 

「軽井沢さん、理由はわかったよ。だから、真鍋さんたちに仕返ししたいなんて言ったんだね」

 

「なんで言っちゃうわけ............」

 

オレに聞かれるのが嫌だったようで、少し怒りを抱えたように平田を見ていた。

 

「軽井沢さん、目には目をの精神は僕にはないんだよ。知ってるでしょ?」

 

平田はそのまま続けて言葉にする。

 

「これから一緒に考えよう。どうすれば真鍋さんたちと仲良くなれるのか」

 

「無理に決まってるでしょ、あたしは一方的に恨まれてるんだから。わかってよ!............」

 

オレは一方的とは違うだろと、口を挟みたかったが、あまり怒りを買うべきではないと、思ったので口を出さずにいた。

そのまま、平田と口論が続いていく、平田と軽井沢が彼女ではないと、わかった。

軽井沢と平田が話す中、平田は冷静に話を続けているが、軽井沢は守ってくれないと悟ると激情し、帰ろうとしていた。

オレは軽井沢に近寄り、耳打ちで助けてやることができるかもしれないぞ、呟いた。

 

******

 

「で、代わりに助けてくれるの?」

 

「いやオレが助けるわけじゃない、オレの友達が助ける」

 

オレがやってもいいが、知恵を出すのは八幡で、行動するのはオレと言うことをわからせないといけない。

 

「友達って誰?」

 

「比企谷八幡と堀北鈴音だ。今この二人は解決部って言う部活をやってるだろ?」

 

「うん、それは知ってる。校内の誰もが知ってるんじゃない?」

 

堀北がポイントを使い、校内中に告知していたからな、知らない奴はいないと思う。そのおかげで、ポイントが結構もらってるとかもらってないとか。

 

「で、なんであんたは私に優しくしてくれるわけ?すごい怖いんだけど」

 

当然の疑問だ。クラスの人といっても、こちらにとっても全くメリットはない。ポイントが入るわけでもないし、オレにとっての見返りは期待できないものだとわかる。

 

「オレにも事情というものがあるんだ」

 

「何?事情って?」

 

「オレは無人島の時に比企谷八幡に借りを作ってるんだ」

 

この発言は嘘だが、なぜこんな嘘をつくかというと軽井沢に安心させるためだ。こちらにメリットがあまりない協力に乗ってくれる人はごくわずかと言ってもいいだろう。だが、こちらにメリットを作ればお互いにwin-winの関係を築ける。

 

「借り?」

 

「ああ、借りを返すために解決部に一人依頼人を連れてこいと言われてるからな」

 

「へぇーそうなんだ。でその解決部って実績はあるの?」

 

「実績なんてお前がよく知ってるだろう。無人島の一番活躍していたのがDクラスの比企谷八幡と堀北鈴音だ」

 

軽井沢は少し考えるような仕草をとる。

無人島戦でDクラスが勝利したのは比企谷八幡と堀北鈴音の協力がなければ敗北していただろう。あれもこれも実際作戦を立てたのは八幡だが、オレも作戦を立ててあげたが、八幡に任せることにした。

けど今回無人島戦は無駄が多すぎた。須藤たちを殴る必要もなかったし、伊吹が犯人だと分からせたままで良かったはずだ。

けど、そうしなかったのは八幡だ。八幡はまだ無駄な私情が入っているようだ。無駄な私情は弱点になると教えたはずだがな。

 

「条件はクリアしたはずだが、今回お前はいじめを解決させるためにいくら払う?」

 

「当然決まってる。いじめを解決してくれるなら私は............」

 

******

 

軽井沢から依頼をもらった後、俺は平田を呼び止めDクラスの優待者はだれかと尋ねた。

 

「少し、話そうか」

 

平田に連れてこられたのは俺らの部屋だった。そこには綾小路がいたが、幸村や高円寺はいなかった。

 

「以前僕と綾小路くん、そして軽井沢さんと話したことがあった。その時の内容が軽井沢さんの頼みを解決することだったんだ。けど僕だけじゃ助けきれないから比企谷くんと堀北さんが解決部をやってるって聞いてね。それを頼みに来たんだ」

 

平田の言ってることは大半はわかったが、一つわからないことがある。なぜそこに綾小路がいた?それは俺にはわからない。

 

「オレがそこにいたのは、軽井沢がいじめられてる現場を見たからだ。軽井沢が彼氏である平田に相談するんじゃないかと思ったからそこの現場に居合わせたわけだ」

 

おい、なんで心の中読むんだよ。エスパーかな?堀北みたいになんで君も読み取れるのかな?

 

「なるほどな、プライドが高い軽井沢がいじめを俺たちに告白して、解決しろなんて、なんかあると思っていたがこのことだったのか」

 

プライドが高いものは自分の心を素直に明かさないものだ。堀北だって、プライドが高いため、カードキーを盗まれたことを、俺にしか喋ってないし、自分の失敗は自分で埋めようとする癖がある。けど軽井沢の場合少し違ったようだ。プライドが高いというより、怯えていると言った感情の方が近いだろう。カースト上位に立ったのも、傍若無人な態度なのも、全ていじめられないことを意識していたのかもしれない。

 

「そうか、依頼はわかった。ポイントを全部振り込んでくれるってことはあいつが優待者ってことでいいんだな?」

 

堀北があなたの手持ちがいくらかは知らないけれど、私たちの方がデメリットが高いんじゃない?と嫌がっていたが、俺は現在持ってる手持ちのポイントじゃなく、今回の試験で手に入るポイントも全てやると伝えてるのだとわかった。

平田は周りをキョロキョロしていたが、ここには盗聴器がないことは調べていたので大丈夫だ。と思いながら返答を待った。

 

「そう、だね。軽井沢さんは優待者の一人だよ」

 

「わかった作戦を練るからじゃあ俺はここで」

 

はっはっは、リア充と話してると寿命か減るのでな!ここで帰らしてもらうでござる。

 

******

 

「でオレをこんなところに呼んでどうしたんだ」

 

綾小路をカフェに呼び、俺はあることを頼もうとした。

 

「軽井沢と兎グループの件今回はそれをお前に頼もうと思う」

 

「え?」

 

綾小路は心底嫌そうな顔をしたが、俺も働くの嫌だもん、これ以上働いたらまじ社畜社畜すぎてJKと付き合わないとダメになっちゃう。29才とJKみたいに。

 

「オレはあまり表沙汰には出ない方がいいとオレは思っているんだが」

 

「流石に俺は二人いないからな、龍グループのことでいっぱいだ。しかも今から作戦考えるからな、平田から優待者さっき聞いたし、さっき考えた作戦が全部パーになったんだよ」

 

先程櫛田が優待者だと聞いて、さっきまで考えていた作戦がパーになった。クソ、櫛田の野郎!教えてくれてもいいじゃねぇか。

 

「櫛田なら何か考えてるんじゃないか?と言いたいところだが、あの件があるから慎重に考えた方がいいんだよな」

 

櫛田には堀北を何としても退学にしたいという意思があった。俺を巻き込んでまで堀北を退学にしたいらしい。それを他言する気は無いが、櫛田の思いがどこまで本気なのかわからんが、他クラス、例えば龍園と組んでいたりしたら、最悪のケースだ。

 

「だから兎グループといじめの件はお前に任せる」

 

「ポイントはどうするんだ」

 

「もちろん俺がもらう。解決部が請け負ったものだしな」

 

「オレが解決するのにか?」

 

「あれだよあれ、部下の手柄なのに、自分の手柄にしてしまう上司を思い浮かべろ。それだそれ」

 

「うわぁ、嫌な上司だな」

 

******

 

最終日の3日前、俺は自分の部屋に堀北と平田を集め作戦を説明する。まあ平田の部屋でもあるけど

 

「何か作戦を思いついたのね」

 

堀北が部屋に付属している椅子に座り、平田は座布団を敷いて、待っていた。

櫛田が優待者の場合最悪の事態、龍園の宣言通り、1のルート。全員がポイントをもらえるルートになるかもしれない。それを避けるには櫛田を味方につけるのが一番いいが、こちらに堀北や事実上櫛田にとっては嫌な存在、俺というものがいる。けれど1のルートを狙うのならば最終日まで待たなければいけない。そこが唯一の欠点と言える。ならばやることは一つ。先に答えてしまえばいい。

 

「ハッタリをかます」

 

「ハッタリ?嘘をつくってことね?ちょっと作戦の内容が思いつかないのだけれどしっかり説明してもらえる?」

 

堀北がイラッとしたみたいで足を組み替え、少し冷たく言い放った。いやまあいつも冷たいんですけどね。

 

「龍園が優待者を見つけてしまう前に、俺たちが先にやってしまうってことだ」

 

「先にやると言っても櫛田さんが優待者なのに、Dクラスの人が先にメールを送信したとしても、無効になるだけと書いてあったけど」

 

平田が疑問を俺にぶつける。

 

「確かにそうだ。俺らが優待者が櫛田だとメールで送ったとしても無効になるだけだ。そうじゃない、相手にハッタリを教える」

 

二人はまだピンときてないようなので、そのまま続けて答える。

 

「例えば、比企谷八幡が優待者ですよ、と他クラスの奴が確信を得たら、自分のクラスのためにメールを送るだろ?そういう風に仕向けるんだよ」

 

「なるほどね、確かに一番確実性がある作戦だけれど、普通確信を得られないんじゃないかしら?優待者のメールはコピーもできない、言葉で発したところでリスクがある、行動を取れるとは思えないけれど」

 

「そうだね、堀北さんの言う通りだね、確信を得るって言うのは簡単そうで難しいんだよ」

 

「確かに難しい、けど心理的につけば結末はころっと変わる」

 

例えば、昔男子たちにはめらた、嘘のラブレターを律儀に待ったりして、普通なら悪口言われてもあまり傷つかない俺だが、今回ばかりは傷ついた。もうほんと、学校行きたくないって心底思った。

 

「葛城派と坂柳派というのは知ってるか?」

 

「えーっと確かあれだよね、Aクラスが2つに分かれてて対立しているって奴だよね」

 

「へー、そう、Aクラスが今対立してるなんてね」

 

「まあ、そんな感じだ。龍グループにいる的場って知ってるか?あれは坂柳派の一人の人物だ。前に葛城と喧嘩していたからな。そいつを利用する。坂柳派は革新的な行動をするので、無人島で失敗した、葛城を潰すためなら、この優待者探しでいい成績を収めるほかはない。そこを狙って潰す」

 

坂柳派のグループは葛城を潰すため、3ルートを取りたいだろう。最終日の前というのは、なんでも焦るもので、テスト勉強をしていなければ、その日にすがりつくものもいるだろう。そこを狙い、あまり確実性が少ない方法であるが、これで行くしかない。

そう平田と堀北に説明すると。

 

「なるほどね、けれどどうするの?ただの話し合いだけでは、回答しないと思うけれど」

 

「まあ、そこらへんは考えてある。作戦を今から伝える」

 

******

 

結果発表の朝、堀北を待たずに伊吹を呼び出し、屋上でまつ。

的場は作戦通り俺に投票したようだな。成功する確率は低いと思っていたが、それほど切迫詰まっていたのだなと納得した。

 

「で、話って?まさかまんまと龍園にやられてきた?」

 

「あと1分でメールが届く。その結果を見てもらいたくてな」

 

妙に自信がある俺に驚いていたが、結果発表の時間になった瞬間携帯を見る。結果は思惑通り4のルートを辿ったようだ。

伊吹は結果を見て驚いたようで、手が震えていた。

 

「あんた、何したの?」

 

「何したって、結果を見せただけだが」

 

「あんたが龍園に勝ったってこと?」

 

「まあ、そういうことになる」

 

まあ、龍園をただ出し抜いただけですけどね。多分龍園も後で突っかかってきそうだ。早く逃げないと。

 

「結果はわかっただろう?俺との契約はどうするんだ?」

 

伊吹は下をしばらく向いていた。決して悲しそうな表情はしていない、ただ考えているのだろう。そして決意を決めたように俺の顔を見る。

 

「でもあんたから私を引き抜く本当の理由を聞いてない」

 

あぁ、そうだった!教える約束だったもんな!えぇ、嫌なんですけど。けどまあ、見抜かれた俺が悪いんだよなぁ、腐った目をより濁らせて俺は渋々答える。

 

「............俺には妹がいるんだ。比企谷小町っていう。お前がその子と似てるからだ」

 

「はぁ?」

 

くぅぅぅ、だから言いたくなかったんだ!恥ずかしい、羞恥心に顔を赤くする。

俺には小町という妹がいる。性格は似てはいないが、容姿は小町に似てると言ってもいいだろう。小町は友達はいるし、俺とはだいぶ違う性格の持ち主だ。けれど俺の唯一の家族でもある。いつも一緒にいた。けれどホワイトルームにまた囚われれば、小町が変わってしまうかもしれない。今は守ってあげられる俺がいない。ホワイトルームに閉じ込められれば最後、俺の小町が変わってしまうかもしれない。

伊吹はお世辞にも性格が良いとは言えない。根は確かにいい奴だと俺は思うが、友達は作らない方だと思うし、根暗な方だと思う。多分俺は小町と伊吹を重ねてしまっているのだ。

 

「本気で言ってんの?」

 

「............」

 

マジもマジ、大真面目である。だから言ったろ?本当の理由は至極簡単で、つまらない理由だって、ただの自己満足であり、気持ち悪いただの俺の願望であると、俺は理解している。けれど頭よりも体が行動してしまった。無人島で綾小路が立てた、作戦を行わなかったのも、伊吹をDクラスのパンツを盗んだ犯人にしないためである。

 

「はぁ、本気みたいだね。何?その気持ち悪い願望をの私に押し付けたかったの?」

 

「ぐぅの根も出ないとはこのことだな」

 

伊吹は、ふん、と鼻で笑い、俯く。

少しの間うつむいたあと、顔を上げる

 

「けど........................私はその気持ち悪い願望よりも龍園の方が嫌いだ」

 

「は?」

 

「だからDクラスに行ってやってもいい。お前なら任せてもいい」

 

まさかオーケーと出るとは思わなかったため、今回のイベントは予想外の連続だ。

俺の妹の愛が伝わったのかしらん?

 

「私は龍園の指示とは言え、無人島の時、私はDクラスを裏切った。堀北を私が倒した時、お前は堀北を守った。それは自分のためなのかもしれないが、事実堀北を守った。そして勝利へと導いた。私は結果さえ良ければそれでいい、お前は癪だけど、いい奴の感じがする。堀北を守ったのも、お前の意思を感じた」

 

確かに堀北を守ったのは、俺だが、考えすぎだ。俺はいい奴じゃない。正義のヒーローでもなければ、悪でもない。正義のヒーローなんて、人が存在するからこその正義のヒーローだ。人が思っている正義のヒーローはそれぞれ違う。身近な人であれば、憧れの存在の人でもある。思う人がいなければ、正義のヒーローでもなんでもない。伊吹は俺を過信評価しすぎている。俺は自分が好きだ、だからこそ、小町を守るために行動する。小町を助けたいと思うのも、ただ小町が痛い思いをするのを俺が見たくないからだ、俺の心が痛いからだ。

人が行動するときは自分の私情で動いている。人を助けたいとか、そんなのは建前で、結局は自分が良くなる方向へ行動してるだけだ。

 

「買いかぶりすぎだ。俺は自分が好きだから自分のために動いてるだけだ」

 

「ふん、どうだかな。けどその理屈でいくと私はあんたについて行くよ。自分のためにね」

 

伊吹が始めて笑った。それが恥ずかしかったのか、「あんまりこっち見んな」と言っていたのは照れ隠しだったんだろうか。

 

******

 

そして、二週間の合宿は終わり、夏休みの後半へと入って行く。




どうだったでしょうか?僕が伊吹を引き入れる設定を思いついたのはテレビアニメを見てる時です。
テレビアニメを見てると、性格は全く違うと言ってもいいくらい、違いますが、容姿は小町に似てる!と思ったのがきっかけです。
けれど八幡と小町はホワイトルームにいる設定になっていますので、小町がホワイトルームで生活していたら、もしかしたら、伊吹みたいな性格になってしまうんではないかと、思ったからです。
八幡はそこの部分を何となく理解し、体が勝手に動き、伊吹を引き入れてしまった。という感じです。
まあ、なんかごちゃごちゃしている気がしますが、ここが僕が一番書きたかった本編へ続く序章でもあります。この後は堀北とのプールの話を書きます。

そして体育祭へと向かいたいと思います。伊吹はまだ引き入れることはできませんが、(お金がないので、引き入れることができないが)体育祭が始まります。体育祭では龍園が打倒八幡を掲げ、CクラスとDクラスの直接対決が始まる予定です。そこらへんをどう書くかはわからないですが、お楽しみを。
次回の堀北のプール編をいつ書くかは未定ですが、早めにかけるようにします。どんな感じでイチャイチャするのかも、全く考えておりません。いい感じに出来上がるように頑張ります。これからも「ようこそ実力至上主義の教室へ【捻くれ者の主人公】」をどうぞよろしくお願いします。


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