幻想郷に入った少年の日常 (モリリン)
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第1章 幻想郷
幻想郷に入った少年


初めましてモリリンです。

処女作ということで書かせていただきました。

なるべく早めに更新していきたいと思っています。

楽しんでいただければ幸いです。

それではどうぞ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここはどこだ?」

 

音街恭弥は小さく呟いた。

 

「なんで目が覚めたら木に囲まれているんだ??」

 

恭弥の周りには大きな木やキノコがたくさんある場所にいた。空は明るいが木に囲まれているから少し薄暗く感じる。それに少し気分が悪くなって来た。

恭弥は自分が目を覚ます前の事を思い出そうとしていた。

 

「確か、コンビニで夜食を買ってオールしてゲームしようと思ったら急に眠たくなってそのまま寝ちまったんだよな?それがなんでこんなことになってるんだ??」

 

恭弥はそう呟きながら辺りを見回した。

 

「しかし、本当になんもねぇなー、、、。ま、考えてもしゃーねーしとりあえず歩くか。気分もあんま良くねぇしな。」

 

そう言って立ち上がり森の中をひたすら歩き回った。そうしていると一軒の家を見つけた。

 

「まさかこんなところに家があるなんてなー、おーい、誰かいませんかー?」

 

そう言ってドアを叩いてみたけれど、出てくる気配がない。

 

「はぁー、誰もいねぇのか、どーすっかなー、あんまり長居はしたくねえんだけどとりあえずあたあるくかなー。」

 

「あら?誰かしら?もしかして外来人?」

 

家の前で困っていると不意に声をかけられ振り向いてみるとそこには金髪の美しい女性がいた。突然のことにびっくりしてとっさに声がでなかった。それほど美しかったからだ。

 

「外来人ってのはよくわからんが、気づいたらこの森にいて、彷徨っていたら偶然この家を見つけて誰もいないから途方に暮れていたところだ。俺は音街恭弥。君の名前は?」

 

「アリス・マーガトロイドよ。そしてこの子は上海って言うの。よろしくね。」

 

「シャンハーイ!」

 

「人形が喋った!?」

 

突然人形が喋り出したことに驚いていると、人形は勝手に動いてこちらに手を差し出して来た。

 

「握手したいってさ。」

 

「シャンハーイ!」

 

「お、おう、よろしくな!上海!」

 

「シャンハーイ♪」

 

「ふふ、気に入られたみたいね。」

 

上海は恭弥の周りをずっと飛んでいる。

 

「それはよかった。ところでここはどこなんだ?俺のいた世界とは違うのか?

 

「ええ、多分そうよ。あなたは外の世界から来た、こっちの世界では外来人と呼ばれているわ。そしてこの世界は幻想郷と呼ばれる忘れられた妖怪や、そのほかにも様々な者たちが来る世界よ。ここまでは大丈夫?」

 

「ああ、なんとかな。続けてくれ。」

嘘です。整理が追いついていません。

 

「この幻想郷には外の世界とこっちの世界を分けるために結界が張られているの。その結界がたまに歪むことがあって、そのせいで、外の世界の人間がこの幻想郷にきちゃったりするの。多分そのせいであなたはこの幻想郷にきたんだと思うわ。」

 

つまり、その結界の歪みのせいでこっちにきちゃったわけだ。

 

「なるほどね、この世界のことはわかった。じゃあここはどこなんだ?森のようだけどなんだか薄気味悪いし。」

 

「ここは魔法の森と言われる場所よ。私もこの森に住んでいるのよ。ここの家も住んでいる人がいるけど、今はいないようね。」

 

「うーん、元の世界にはどうやったら帰れるんだ?」

 

「博麗の巫女と呼ばれる人に頼めば元の世界帰れるわよ。もちろん、ここに残るという選択肢もあるわ、それは貴方が決めることだけどね。」

 

「その博麗の巫女ってのはどこに行けば会えるんだ?」

 

「ここから遠いところに博麗神社という場所に住んでいるわ、よかったら案内するわよ?」

 

「ほんとか!それは助かる!けど遠いんだろ?大丈夫なのか?」

 

「平気よ、飛んで行けば早く着くわ。」

 

えっ、、、。まてまて

 

「あんたも飛べるのかよ!もしかしてここの住人はみんな飛べるのか?」

 

「全員ってわけじゃないけど飛べる人は飛べるわよ。」

 

なんじゃそら、どこの竜の玉を集める世界だよ、と思いながらふと思ったことを聞いてみた。

 

「俺も飛べるようになるのか?」

 

「わからないけど、頑張ればできると思うわよ?この世界に残るのならだけどね。」

 

まじか!?まさか空を飛べる時がくるなんて思わなかったわ。

 

「そっかー、ちなみにどうやって飛んでるんだ?」

 

「私は魔女だから魔力を使って飛んでいるわ、貴方は人間だから霊力を使って飛ぶのが普通ね。」

 

霊力?ブ○ーチかなんかか?

 

「自分の中に流れている霊力を感じて、出す感じね。まぁ今はまだ無理だと思うわ。さ、それじゃあ行きましょうか、落としちゃったらごめんね。」

 

「え、、、?」

 

手を掴まれたかと思うと、スッと自分の足が地面から離れて宙を浮いたかと思うと、一気にスピードが上がり、俺は恐怖のあまり気を失ってしまった・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうだったでしょうか、上手く書けていたら嬉しいです。

悪いところなどは是非是非コメントなどで教えてください。

それではまた次回に!!



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選択と決断

どうもモリリンです。

これからこんな時間の投稿が多くなると思いますがよろしくお願いします。
今回は少し恭弥の過去がわかります。
それでわどうぞ!


少し昔のことを思い出していた。

学校でいじめられ、家に引きこもる生活を送っていた自分は、とうとう親にも見捨てられて、親のスネをかじり行きていく日々に慣れてしまった自分は現実を捨て、画面の中に生きた。

 

自分でもわかっていた。どれだけ最低な事をしているか、頑張ればやり直せていたんじゃないか、そう思っていても逃げてしまう、イジメと言う理由(いいわけ)を使って、、、。

 

そして、そんな日々が続いた中、この幻想郷に突然やってきた、、、。

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと見慣れない天井があった。ゆっくりと起き上がると、布団がかけられていた。辺りを見回すと少し古めだが手入れが行き届いた木材の壁、ガタガタいいそうな(ふすま)がある。

 

「ここはどこだ??」

 

そう言いながらこれまでのことを必死に思い出した。

 

「確かアリスに腕を掴まれて空を飛んだと思ったら急スピードで地面から離れて、、、そっから記憶がないってことは気を失っちゃったんだな、、、、。」

 

「ええそうよ、びっくりしたわ、アリスが来たと思ったら誰かを背負ってて気を失ってるなんて驚かない方がすごいわよ。」

 

「、、、っ!?」

 

後ろの方から急に声がして驚いて振り返ると、赤と白の脇が出ている巫女服を着た美少女がいた。

 

「貴方が博麗の巫女、、、ですか?」

 

「敬語じゃなくていいわよ。私は博麗 霊夢(はくれい れいむ)。霊夢でいいわ。貴方は?」

 

「俺は音街 恭弥《おとまち きょうや》。よろしくな。」

 

「ええ、よろしく。ちょっと待っててね、今アリスを呼んでくるから。」

 

「ああ、わかった。」

 

そう言うと霊夢は廊下に消えていった。しばらくしてアリスがやってきた。

 

「恭弥!起きたのね?大丈夫?どこか痛いとことかある?」

 

「ああ、大丈夫だよ、心配かけてごめんな。」

 

「いえ、私こそごめんなさい、早く飛びすぎたわ、、、。」

 

2人が謝罪をしていると、霊夢が。

 

「はいはい、終わったことはもういいの!それより恭弥。」

 

真剣な顔つきになって恭弥を見つめた。

 

「アリスから聞いたわ、貴方、外来人なんでしょ?どーするの?戻りたいの?それともこの世界で生きるの?」

 

「・・・・・。」

 

恭弥は考えた、元の世界に戻ってあの生活をもう一度送るのか、それともこの世界で新しくゼロから始めて行くのか。

 

 

「、、、、俺、残るよ、この世界で生きたい。」

 

そう言うとアリスは驚いたような顔をしてこちらを見ていた。霊夢は表情一つ崩さない。すると霊夢が

 

「、、、わかったわ。貴方が選んだ道を私がとやかく言う権利はないわ。」

 

「ああ、ありがとう。」

 

 

「けど貴方、一体どこに住むの?場所は決めているの?」

 

「あっ、、、。」

 

そういや何にも決めてなかったな、どーしよ、知り合いなんているわけないしなー、、、。

 

「しょーがないわね、私の友達に家を作ることができる子がいるの、そいつに頼んでみるわ。」

 

「ほんとか!たすかる!」

 

まさか家を作ってもらえるなんて思いもしなかった。本当に嬉しいや。

 

「家ができるまではこの神社でゆっくりするといいわ。じゃあ私は早速頼みにいってくるわね。」

 

そう言うと霊夢は部屋から出ていった。

 

「私もそろそろ帰るわ。じゃあ恭弥、また会いましょうね。」

 

「ああ、ありがとうなアリス。」

 

そういってアリスも出ていき部屋の中は俺1人になった。

 

「さて、どんな生活が待っているかな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は少し短いと思います。
楽しんでくれたら幸いです。
間違い、訂正、質問などしていただければ幸いです。
では、また次回に、、、。


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能力の覚醒

どうもモリリンです。
今回は主人公の能力が明らかになります
今回はアリス視点、霊夢視点、そして恭弥視点で書かせていただきます。
それではどうぞ!


〜アリスside〜

 

上海と一緒に魔理沙の家に向かっていた。もうすぐ着くところで聞き覚えのない声が聞こえてきた。

 

「はぁー、誰もいねえのか、どうすっかなー、あんまり長居はしたくねぇんだけど、とりあえず辺りを歩くかなー。」

 

あら?魔理沙の家の前に誰かいるわね、もしかして泥棒か何かしら。もしそうだったら容赦はしないわ。

 

近づいてよく見てみると見慣れない服装をした男性が立っていた。

そこで私は声をかけてみた。

 

「あら?貴方は誰かしら?もしかして外来人?」

 

男はばっと振り返ってこちらを見た。顔はそこそこで、体格も普通の男だった。

 

話してみるとやはり彼は外来人だった。私はこの世界がどんな場所で、ここはどこなのか彼に教えた。そしてビックリすることに上海が会ってまもない彼をえらく気に入ったのだ。そして彼も上海を気味悪がらずに普通に接してくれた。そこがとても嬉しかった。

 

そして彼と仲良くなれたらいいな、、、。そう思い始めた。

 

彼を博麗神社に連れて行こうと決めた時、少し残念に思ったけどそれも仕方ないと思った。飛ぶ時に彼の腕を掴んだ時、少しドキドキしながら、そして彼を意識しないように、早く行こうと思い急いで博麗神社まで飛んで行った。

 

「はぁーー、やっと着いたー!恭弥ー、着いたわ、、、よ、、。」

 

もう少しで着くというところで恭弥の方を向いてみると、恭弥はぐったりと意識を失っていた、、、、。

 

〜霊夢side〜

 

「はぁー、平和でいいわねー。」

 

霊夢は縁側で茶を飲んでいた。空を眺め、足をぶらぶらさせながら。

 

「こういったゆっくりした時間って大切よねー。」

 

そう言ってお茶をすする。はぁー、と息を吐きながらまた空を眺めた。すると向こうの空から段々と人影が見えてきた。よくみるとそれはアリスだった。

 

「あら?アリスじゃない。どうしたのかしら、誰かを抱えてるようだけど、、、。はぁ、またなんか厄介ごとかしら、めんどくさいわねー。」

 

そう言って待っているとアリスが降りてきて早口に言った。

 

「霊夢!すまないんだけど彼を寝かしてくれないかしら、私が早く飛んじゃって気絶しちゃったの!お願い!」

 

「とりあえず落ち着いて、アリス。わかったわよ、こっちに彼を運んできてちょうだい。お布団をだすわ。」

 

「ありがとう、霊夢!」

 

そう言ってアリスは急いで部屋に入り彼を寝かした。それからアリスにここまでのことを聞いた。彼は外来人で、ここにきて元の世界に帰るか決めにきたと聞いた。

 

「まぁ、起きてから本人に聞きましょう。お茶、入れてくるわ。」

 

「ええ、ありがとう霊夢。」

 

そう言ってアリスは少しそわそわしながら彼が起きるのを待っていた。

 

(アリスがあんなに気にするなんてね、何かあったのかしら?)

 

そう思いながらお茶を入れるべくその場を離れ、アリスにお茶を渡して彼が起きるのを待った。

 

彼が起きてから、アリスを呼んで彼に残るかを聞いた。すると帰るかと思ったら彼は残ると言った。彼が何を考え、悩み、結果残ることを決めたのかは、わからないが彼が決めたことに私がどーこー言うことではないと思った。ただ、、、。

 

「けど貴方、一体どこに住むの?場所は決めているの?」

 

「あっ、、、。」

 

やっぱりね、そうだと思ったわ。しょーがないわ、私が萃香やにとりな頼んでみましょ。はぁ、めんどくさいわねー。家がない間はここに住ませておきましょ、色々してもらわなくちゃ。

 

家はどうするかを言い、その間ここに住めばいい、そう言って私はにとりと萃香を探しに言った。

 

〜恭弥side〜

 

住む家ができるまで、博麗神社の家事、洗濯など様々なことをしていた。時間が空けば霊夢から霊力の使い方を教わっていた。

 

「いい?霊力ってのは人間なら誰でもあるものよ。自分の体の中にある霊力を感じてそれを外に出す感じよ。まぁまずは霊力を感じることからね。目を瞑って、集中して、、、。」

 

感じろって言われてもなー。取り敢えずやってみっか!自分の中の力を感じる、、、、、、おっ?この感じか?これを出すイメージで、、、。

 

「はっっ!!」

 

すると恭弥を中心にとてつもない衝撃波が霊夢を襲った。

 

「えっ、、、?うそ、、何この力、、、。」

 

霊夢は少しあとずさりながら両目を見開いてこちらをみていた。しばらくして衝撃波は収まり恭弥は霊夢にこう言った、、、。

 

「えっ、、、?何これ、、、。」

 

「いや、知らないわよ!貴方一体何者なの!」

 

「いや、俺にも何がなんだか、、、。」

 

「はぁ、、、こんな時に紫がいてくれればいいのに、、、。」

 

「はーい!呼ばれて飛び出てゆっかりーん!!」

 

急に何もなかった空間に亀裂が入りそのスキマから人が出て来た。

 

「えっ?」

 

「やっぱり出たわね。ねぇ紫、彼本当に人間なの?あの霊力は人間のそれじゃなかったわ。」

 

「ええ、彼は正真正銘、人間よ。この世界に来て彼、能力に目覚めたみたいね。」

 

「えっと、、、だれですか?」

 

「私は八雲 紫《やくも ゆかり》。紫って呼んでね。この幻想郷の創造者で管理者よ。ようこそ幻想郷に。歓迎するわ、音街恭弥君♪」

 

そう言って紫はニッコリと笑った。

 

「あ、ああ、よろしくな、紫。」

 

「ねぇ、紫、恭弥がもう能力に目覚めているって本当なの?幾ら何でも早すぎよ?」

 

「ええ、私もそう思ったわ。けど確かに目覚めているわ。」

 

「なぁ、能力ってなんだ?よくわからんのだが。」

 

そう言うと紫が説明してくれた。

 

「能力っていうのはこの世界ではとても重要で霊夢や私も能力を持っているわ。私は「スキマを操る程度の能力」、霊夢は空を飛ぶ程度の能力よ。」

 

えっ?何それ、2人ともチート級なんだけど、しかもそんな能力を他にも持っている人がいるの、、、恐ろしや幻想郷。

 

「でもこの世界では人間と妖怪が共存して生きているから、能力、ましてや妖怪と人間じゃ妖怪が圧倒的に強く、均衡(きんこう)が保たれなくなるわ。そこで私が考えたのが「弾幕ごっこ」っていう決闘方法よ。霊力、妖力、神力、能力を使って弾幕を作って相手に当てたら勝ちっていうものよ。もちろん死なないようになっているし、これなら人間と妖怪が平等になれるってわけよ。」

 

なるほどな、よく考えられたものだ。

 

「そして貴方の能力だけど、「なんでもモノにする程度の能力」よ、簡単に言えば貴方がしようと思えばなんでもできるわ、それも、最大限の力で。まさにチートね。」

 

、、、すげぇな俺、まさかそんな能力に目覚めるなんて。

 

「まぁ、この世界のルールを守ってくれれば何も言わないわ、では、改めてもう一度、ようこそ幻想郷へ!

 

「ああ、これからよろしくな!!」

 

 

それから、霊夢との練習の日々が続いた。

そしてついに俺の家が完成した。




少し長くなりましたがどうだったでしょうか。
主人公の能力はとりあえずチートにしたいと思い、悩んだ末、なんでもモノにするという答えに行き着きました。
少し強引だったかもしれませんが引き続きみていただければ幸いです。
次回はとうとう家の完成です。
ではまた次回に!


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ここは夢を見れる宿

とても長い間投稿できず申し訳ありませんでした。
これからも頑張っていきたいと思います。ぜひよろしくお願いします。


博麗神社に住んでから数週間がたったある日のこと。

 

「恭弥ー、あなたの家が完成したから今から行くわよ。」

 

「お、本当か?今行く。」

 

居間でゴロゴロしていた俺は素早く着替えると霊夢と一緒に人里まで飛んで行った。

 

「俺の家どうだった?俺的にはあまり広すぎないほうがいいんだが、、、。」

 

「そうなの?まぁ見てのお楽しみにしておいたら?」

 

「それもそうだな、早くみてーなー。」

 

1LDKとかかな?などと、期待を膨らませながらこれから住む家のことを考えた。

 

人里に着くと歩いて家まで向かった。するとあまりこの辺では似つかわしくない大きな屋敷が見えてきた。

 

「大きな屋敷だなー、一体誰が住んでいるんだ?」

 

「誰っていうか、ここがあなたの家よ?」

 

「、、、は?マジで言ってんのか?」

 

マジか、ここまで大きな家に一人で住むなんて寂しくて死んじまうわ。

 

「あんたにはここで温泉宿を開いてもらうわ。どうせ働くところとか無いんだしいいでしょ?」

 

「まぁ、働くところが見つかったのはいいんだが俺一人で出来るものなのか?」

 

「そこは安心していいわよ、人里の何人かが手伝ってくれるそうだから。もちろん私も暇だったら手伝うわ。」

 

「それは助かる。じゃあ早速中に案内してくれ。」

 

「いえ、私はここまでよ。中にこの家を作ってくれた人がいるから、その二人に中はお願いしてるわ。」

 

「そっか、ありがとうな霊夢。」

 

「どういたしまして。じゃ、またね、たまには博麗神社に来なさいよ。茶ぐらい出してあげるわ。」

 

「おう、じゃ、またな。」

 

そう言うと霊夢は博麗神社に向かって飛んで行った。

 

「じゃ、俺もそろそろ入るかな。」

 

そう言って中に入ると二人の少女がいた。

 

「、、、え?」

 

もしかしてこの子たちが作ったのか?幻想郷すげぇー、、、。

 

そう思いながら二人の少女をもう一度見た。一人は大きなツノと瓢箪が特徴の女の子。もう一人は大きなリュックが特徴の女の子。顔はどちらも可愛い顔をしている。

 

「え?ってなんだい、同志よ!作ったのは正真正銘あたしたちだよ!」

 

「あ、あぁ、すまん。まさかこんなに小さい子たちが作っただなんて考えられなくってさ。」

 

「まぁいいよ、ここに来たばっかりだしね。これからよろしくね。私は河城にとり、ニトリって呼んでね。よろしくね。」

 

「あぁ、よろしくな。俺は」

 

そう言って握手を交わした。

 

「そんでこっちが、、、。」

 

「伊吹萃香だ、よろしくな。ところであんた強いでしょ?あたしと弾幕勝負しよーよ。」

 

「あ、あぁ、またいつかな。」

 

「お、言ったね?鬼に嘘ついたらダメだからね。」

 

萃香はニッコリと笑った。それとは反対ににとりは深くため息をついた。

 

「まぁ、とりあえず中を案内するよ。ついて来て。」

 

そう言ってにとりは歩き出した。その後を恭弥と萃香はついて行った。それからは大きな温泉を見たり、100人入っても大丈夫そうな大広間や多くの客部屋に案内された。それを全て見終わった後に恭弥が

 

「だいたいのことはわかった。これからここでこの温泉宿を開けばいいんだな。」

 

「そーゆうこと。また河童のみんなで来るから待っててねー。じゃまたね恭弥ー。」

 

「あぁ、ありがとうなにとり。」

 

にとりに手を振って見送った後、萃香を見て

 

「萃香はどうするんだ?」

 

「まぁ、明日はここで宴会があるし今日は帰ることにするよ。」

 

「え?ここで宴会するのか?」

 

「霊夢から聞いていないの?」

 

まさか博麗神社に住んでいて霊夢から聞いていないことがあるなんて思わなかった。すると萃香が「あんたの歓迎会をするんだよ」と言った。俺がメインなのになんで俺が知らないんだよ!!そんな気持ちを自分の中に抑えてふと、気になったことを聞いた。

 

「じゃあ食材とかどうしたらいいんだ?まだ何も無いんじゃないか?」

 

「食材は参加するみんながテキトーに持って来るから安心して。宿にも少し食材は置いてあるよ。ところで恭弥は酒飲めるかい?」

 

お酒はまだ飲めない年の恭弥は親に無理やり飲まされた時のことを思い出した。意外と酒に強く、勢いに任せて飲み続けていると倒れて病院に運ばれたことがある。まぁ、ある程度は飲めるので

 

「まぁ、少しは飲める。」

 

「そーかい、そりゃよかった。うまい酒を持って行くよ。まぁ、それはそれとして。」

 

萃香は瓢箪の酒を一口飲み、獰猛な笑みを浮かべた。

 

「明日、弾幕勝負しようよ。ね?」

 

今まで霊夢としかしたことがなかったから自分がどこまでできるのか気になった。

 

「あぁ、いいぜ。俺も少し楽しみだ。」

 

「よし!じゃあ明日の午前中に行くから準備してなよー!」

 

そう言って萃香は走り出した。明日が楽しみと言わんばかりの笑顔で。萃香を見送った後何もすることがなくなった。

 

「さてと、これからどーするかなー。」

 

何をしようか迷っていると後ろから声をかけられた。

 

「恭弥。久しぶり。」

 

振り向くとそこにはアリスと上海がいた。

 

「アリス、それに上海も久しぶり。今日はどうしたんだ?」

 

「恭弥の家ができたって聞いて見に来たの、それにしてもデカイわね。」

 

「あぁ、温泉宿を開くことになったんだ。萃香とにとりに作ってもらったんだ」

 

 

「そーなの。よかったじゃない。頑張ってね。」

 

「おう!」

 

「ところでこの温泉宿の名前はなんなの?」

 

「そういや考えてなかったなー。どーしよっかなー。」

 

うーん、どーしようか。自分がこれから宿で客をもてなして過ごして行く自分を思い描きどうしていきたいのかを考えた。

 

「、、、夢見郷。」

 

ポツリとでた言葉はアリスの耳に届いた。

 

「夢見郷?」

 

「あぁ、決めた。今日からこの宿の名前は夢見郷だ。来る客にいい夢を見れるような場所にしたいっていう子供みたいな発想だけどな。そういう意味でつけた。どうかな?」

 

「ええ、とてもいいと思うわ。ね?上海。」

 

「シャンハーイ!」

 

「よし、じゃあ今日からここは夢見郷だ!!」

 

そう言ってこれから住む宿、夢見郷を見上げる。これから始まる生活に期待を膨らませながら。

 

 

 

 




どうでしたでしょうか。次は様々な人達が登場します。ぜひお楽しみに!


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始まる宴会、出会いの夜(前編)

どうもモリリンです。
前回で色々な人が出ると言いましたが次回になりそうです。
今回は前編と後編に分けています。
ではどうぞ!


朝起きると見知らぬ天井が見える。ふと体を起こすと自分の部屋だと認識できた。早くこの生活にならなければと思いながら台所へ行き朝食の準備をする。元の世界では料理に少しハマっていた時期があったためそれなりに自信はある。米を炊き、魚を焼いて味噌汁を作った。それなりの出来に満足していると、

 

「おーい!恭弥ー!迎えに来てやったぞー!」

 

玄関の方から萃香の声が聞こえて来た。早ずぎるだろうと思いながら玄関へと向かった。玄関を開けると萃香が蔓延の笑みで立っていた。

 

「お、やっと来たな。じゃあ行こっか。弾幕勝負するのにいい場所があるんだー。」

 

「おいおい待てって。俺まだ朝ごはんを食べてないんだが。」

 

「えー。そんなん後でにしろって。私も食べてないんだからさー。」

 

「なら食っていけよ。ちょうど朝ごはんを作ったところだ。お前もぶんもすぐに作るから、な?食べてからにしよーぜ?」

 

萃香は不服そうな顔で

 

「うーん、まぁいっか、じゃあお邪魔しまーす。」

 

そう言って萃香は靴を綺麗に脱いで中に入っていった。後に続いて恭弥も入って行き、台所で萃香のぶんの魚を焼いた。ご飯と味噌汁は少し多めに作っておいたからそれを出した。

 

「ほらよ、できたぜ。しっかり食えよ。」

 

「おう!サンキューな。んじゃいただきまーす!」

 

萃香は魚を一口食べて「うまーーい!!」と言いながらアニメのようにガツガツ食べていく。やがておかわり!とお椀を突き出して来てた。

 

「よく食べるなー。そんなに腹が減っていたのなら食べてから来たらよかったじゃないか。」

 

「それもそーなんだけど、恭弥との勝負が楽しみでさ。ちょっと早めに来ちゃった。」

 

そんなに楽しみにしてくれているとは思わず少し照れた。すると萃香が魚の骨を残し全てを平らげてご馳走様でした、と言った。少し遅れて恭弥もご馳走様でしたと言った。お皿を片付けるために皿を集め台所へ行き皿を洗い終わると、

 

「よし、じゃあ恭弥、行こっか!」

 

「おう、、、で、結局どこにいくんだ?」

 

「人里から少し離れた場所にとっても広い場所があるんだ、あんまし人もこないだろーし、そこでやろうと思うんだけどいいかい?」

 

「あぁ、いいぜ、じゃあ行こうか。」

 

そう言って萃香の後をついて行った。人里を離れて数十分したくらいで急に広い場所にでた。

 

「よし、着いた。じゃ、ここでしよっか。」

 

「わかった。スペルカードは何枚だ?」

 

「んー、じゃあ二枚で。」

 

「オッケー。」

 

萃香と向かい合い、戦いが始まろうとしていた。。すると萃香が。

 

「まぁ、スペルカードって言っても私は肉弾戦が得意なんだけどね。」

 

「奇遇だな、俺もだよ。」

 

そう言って恭弥は姿勢を低くして構えを取り霊力を上げる。霊力の大きさに驚いた萃香が

 

「なに、この霊力、霊夢と同じ、いやそれ以上、恭弥!あんた本当に幻想郷に来たばっかの人間!?」

 

「一様な、だけど霊力を放出するより自分が纏って戦う方が向いているらしい。」

 

霊夢との訓練中、能力のおかげで弾を作り出し放つことはすぐにできるようになったがどうも弾幕を考えて作るのが苦手であまりできなかった俺は放つのではなく自分に霊力を纏わせて自信を強化して戦うスタイルを選んだ。そのおかげで霊夢にもたまに弾幕勝負に勝てるようになってきている。スペルカードは昔見ていたアニメや漫画の技を少しアレンジして作っている。

 

「じゃあ萃香、始めようか!」

 

「いいね、恭弥、私も燃えてきた!いくよ!」

 

その言葉と同時に萃香は地面を思いっきり蹴って距離を詰めてきた。恭弥も地を蹴り距離を詰める。やがて拳と拳がぶつかり、衝撃波が生まれた。萃香はすかさずパンチを繰り返し恭弥を攻める。そのパンチを恭弥はかわし、時に避けてを繰り返した。

 

「ほらほら、防戦一方じゃないか!どんどんいくよ!!」

 

萃香の連打は止まらない。むしろどんどん激しくなっていく。一発一発が重く、これ以上は耐えられそうにない。

 

「なら俺も攻めさせてもらうぜ!!」

 

恭弥は萃香の足払いをして萃香の体制を崩した。少し宙に浮いた萃香のお腹に手を添えて大きく息を吸う。ゆっくりと自分の霊力を手に集中させて、全ての筋肉を使って放つ、肉弾戦奥義。

 

「魔弾!!!」

 

瞬間、萃香の体は遠くに吹っ飛んだ。がはっ、と肺の中の空気を全て出された萃香は少しの間息ができなくなっていた。

 

「はぁ、はぁ、な、何が起こったんだ?」

 

萃香は自分が何をされたかまだわかっていなかった。手を添えられた後何をされたのかわからなかった。

 

「俺の肉弾戦で出せる大技ってところだ。どうだ?立てるか?」

 

「あぁ、一様ね、それにしても強いね、私の負けだわ。これ以上やっても勝ち目が見えてこないや。」

 

「いや、萃香もすごかったぜ?あれ以上は持ちこたえれそうになかった。」

 

「よく言うよ。あーあ、負けたのは霊夢以来だよ。やっぱり悔しいねー。」

 

そう言って萃香は笑う。清々しそうな笑顔で。

 

「そういや恭弥ってなんの能力持ってるの?」

 

「なんでもモノにする程度の能力だよ。」

 

「ひゃー、そりゃすごい能力で。」

 

そう言って服に付いている汚れを払って、

 

「また勝負しようね、恭弥。次は勝つ!!」

 

「あぁ!望むところだ!」

 

そう言って握手を交わした。

 

「じゃあまた、今夜の宴会でねー。鬼のみんなも呼んでくるからねー。」

 

そう言って萃香は走って行った。恭弥は見送った後自分の家に戻り、温泉に入った。それから今夜の宴会を楽しみに時間が経つのをゆっくり待った、、、。

 

 

〜午後5時頃〜

 

ふわぁーー、とあくびをしながら大広間で宴会の準備をする。机をだしたり、台所で料理を作ったりしていた。すると玄関からコンコン、と誰かがノックする音が聞こえた。小走りで向かうとそこには霊夢が立っていた。

 

「久しぶりね、恭弥。ごめんね、宴会のこと言っていないで。」

 

そう言って霊夢は少し顔を曇らせた。

 

「別にいいよ、それより早いな、準備か?」

 

「ええ、そうよ、、、ん?なんかいい匂いがするわね。もしかしてなんか作ってるの?」

 

「あぁ、なんか作っておこうと思ってな。まぁ、とりあえず上がりなよ。」

 

「ええ、お邪魔様するわ。」

 

霊夢は中に入って、スリッパに履き替えて、一緒に宴会の準備を手伝ってくれた。一時間後、ほとんどの準備を終えた頃、とうとうみんなが集まって来た。いつの間にか大広間は多くの人が集まった。知っている顔もちらほらあるが、知らない顔の方が多かった。すると霊夢が

 

「じゃ、そろそろ宴会を始めるわよーーー!!「

 

「「「「「はーーーーーーい!!」」」」」

 

大人数が一気に声を張り上げる。地震が起きたんじゃないかというほどの揺れを感じた気がした。

 

「じゃ、主役に一言言ってもらって、乾杯するわよー。」

 

すると霊夢は俺に飲み物を持たせ前に出させる。

 

「えーっと、俺のために宴会を開いてくれてありがとう。今夜は楽しんで泊まってってくれ。じゃ、かんぱーーい!!」

 

「「「「「かんぱーーーーーーい!!」」」」」

 

掛け声とともに一斉にみんなが飲み始めた。今日の夜は長そうだ。

 

 

 




どうでしたでしょうか?初めての戦闘シーンでうまく書けたかわかりません。間違いやアドバイスなど、コメントしてくださるとありがたいです。ではまた次回!


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始まる宴会、出会いの夜(後編)

どうもモリリンです。また投稿が遅くなり申し訳ありません。
今回は前の続きということで宴会での新たな出会いを描かせていただきました。本当はもっといらんだ人達を出したかったのですができませんでした。また、これからの登場に期待してください!


宴会が始まり早速賑やかになってくる。どこに行こうかと周りを見渡すと萃香がこちらに手を振っていた。

 

「おーい、恭弥ー、こっちきなよ。」

 

萃香のところへ行くと他の鬼がチラホラいた。「あれが萃香を倒したっていう外来人か。」「あまり強そうじゃねぇな。」などと聞こえてくる。

 

「ほら、座りなよ恭弥、 今日は飲むよー!」

 

そう言って瓢箪を一気に自分の口に運ぶ。ゴクッゴクッと聞こえてくるぐらいのいい飲みっぷりだった。やがてぷはぁー、サイコーと声を上げる。恭弥も近くにあった酒を少し飲んだ。久しぶりに飲んだが、やはりまだなれず、程々にしておこうと思った。すると萃香が。

 

「あ、やっと来た。ちょっと遅いんじゃない?」

 

萃香が声をかけた方を見ると、おでこ辺りに大きな一本のツノが生えており、右手には大きな盃を持っていた。

 

「悪い悪い、少し道に迷っちまってさ。ん?あんたが萃香に勝ったって言う音街恭弥かい?私は星熊勇儀って言うんだ。よろしくね。」

 

そう言って恭弥の隣に座った。

 

「ねぇ、恭弥、萃香の次は私と勝負しようよ。いい戦いが出来そうだ。」

 

鬼は戦いが好きなのか?などと思いながら「あぁ、いいよ。」と返した。勇儀はやった!と言って盃をグイッと飲んだ。

 

「ところで恭弥、この温泉はいつ開くんだい?」

 

萃香がそんなことを聞いてきた。確かに、ちゃんと決めていなかったな。そんなことを思いながら周りを見渡すとドンチャン騒ぎであちこち散らかっている。

 

「これは、明日からは無理そうだな。せめて明後日からにするよ。」

 

「おっけー、じゃあその時に行かせてもらうよ。」

 

「あぁ、ぜひ来てくれ。歓迎するよ。」

 

そのあとは萃香と勇儀と他愛もない話をしながら、少しずつ酒を飲んでいると霊夢がこちらに手を振りながら大声で

 

「恭弥ー!こっちにも来てよー!合わせたい人がいるのー。」

 

「わかった!すぐ行くよ。じゃ、またな萃香、勇儀。」

 

そう言って二人のもとを離れて霊夢のところへ行った。霊夢のところには見知らぬ二人がいた。

 

「あなたが恭弥ね。初めまして。私の名前はレミリア・スカーレットよ。レミリアって呼んで。」

 

レミリアという少女は見た目は幼女だが、気品に溢れていた。背中からは黒い翼がはえていて、人間ではないとすぐにわかった。

 

「あぁ、よろしくレミリア。そっちの人は?」

 

そう言ってレミリアのななめうしろに立っている女性を見た。綺麗な銀髪にメイドの格好をしている。なんとも仕事ができそうな感じだった。

 

「私は紅魔館でメイドをしている十六夜咲夜と申します。気軽に咲夜とお呼びください恭弥様。」

 

そう言って綺麗なお辞儀をする。

 

「様なんてつけなくていいよ。普通に恭弥って呼んでくれるとありがたい。」

 

「わかりました。ではこれから恭弥と呼ばせていただきます。」

 

恭弥は咲夜の敬語がなくなり、友達のように話せたらいいな、と思った。時間が解決してくれるだろうと思っているとレミリアが

 

「ねぇ恭弥、いつか紅魔館に来てくれないかしら?貴方とゆっくりとお茶をしたいのだけど。」

 

「あぁ、別に構わないよ。けれどこの宿のこともあるからまた時間ができれば行くよ。」

 

「そう言ってもらえると助かるわ。私もこの宿の温泉を入るのが楽しみだから開店日に来るわね。紅魔館のみんなを連れて来るわ。」

 

そう言って笑顔で去っていった。咲夜もこちらに一礼してレミリアの後を追う。レミリアたちは挨拶に来ただけだったのだろう。

 

「ほんと、幻想郷にはいろんな人がいるな。」

 

まぁ人というか種族というか。この世界は新しいことばかりでこれからが楽しみだと思った。

 

「じゃあ恭弥、この宴会はあんたが主役なんだから楽しみなさいよ?私もそこらへんにいるからまた来てよね。」

 

「おう!ありがとな霊夢。お前も楽しめよ。」

 

そう言って霊夢は魔理沙たちのところに行った。

 

「さてと、次はどこに行こうかな。お?あれはニトリだな。周りにいるのは同じカッパか?」

 

ニトリを見つけてそこへ歩き出す。ニトリはカッパたちと何やらよくわからない話をしている。

 

「STAP細胞は、、、あります!!」

 

はいアウトー。それは言っちゃダメだろう。ていうかそんなメタイ小説だったか?ていうかこんなこと言ってる時点でもうメタイわ。

 

「だからー、あるんだってば!!、、、ん?やあ、恭弥楽しんでるかい?」

 

「あぁ、おかげさまでな。てかなんの話してんだよ。」

 

「人類の可能性を仲間と話し合ってるのさ。恭弥はあると思うかい?」

 

「いや、ないだろ。」

 

そういうとニトリは、笑顔で

 

「だよねー、あったら革命的だけど見つかってないしねー。」

 

「いや、さっきあるって言ってたじゃないか。」

 

「あれは昔誰かが言っていたから言ってみただけだよ。」

 

「そうか、ならもうにどと言うなよ。わかったな?」

 

「わ、わかったよ、、、。」

 

恭弥の圧力で冷や汗をかきながらニトリは答えた。するとニトリの近くにいたカッパがこちらに手招いて来た。そちらに行くどガッと肩を組まれて強制的に座らされた。するとカッパが耳元で

 

「おい、恭弥とやら、あんたここの宿主なんだろ?カッパの漢として頼みがある。」

 

真剣な顔で言ってはいるが、何やら嫌な予感がする。

 

「いいか、よく聞けよ。頼みっていうのはだな、、、

 

 

 

女湯にのぞき穴を作って欲しいんだ!!」

 

まぁ、予想はできていた。温泉での漢の頼みなんて覗きとかそんなんだからな。

 

「もちろんタダとは言わねぇ。これでどうだ?」

 

そう言ってカッパの懐から出して来たのはこの世界ではないと思っていた漢の必需品と言っていい、いわゆるアレな本だ。それを見た恭弥は

 

「おい、お前、これをどこで?」

 

恭弥はそういったことにかんして興味が無いわけではない。むしろ好きといっていい。

 

「外の世界のものがたまに流れて来るときがあるんだ。これは俺らの川で唯一見つからずに俺らに流れて来た、宝物だ。こいつをやるからのぞき穴を作って欲しい、作ってくれるだけでいいんだ。お前ならこの気持ちわかるだろ?」

 

こいつらの気持ちは痛いほどわかる。だが問題が一つ。

 

「いいだろう。ただし一ついっておきたい。」

 

「なんだ?」

 

「もし見つかってみろ、、、お前ら確実に死ぬぞ。」

 

この世界の女性は皆恐ろしく強い。そりゃもうやばい。もし見つかったらもう二度とここには来れないだろう。するとカッパ達はフッと笑って言った。

 

「見れるなら、どうなっても構わねぇ、どうなってもいいほど俺らは夢が見たい。」

 

そう言ってみんなは覚悟を決めた漢の目になった。もう帰ってこれないと悟った兵士のような顔つきだった。

 

「、、、わかった。明後日までに作っておこう。ただし!俺のことは一切他言無用だ。これを守れるならその任務、必ず遂行してみせよう。」

 

するとカッパは希望に満ちた顔で

 

「やっぱりあんたはわかるやつだ!!わかった。お前のことは一切言わない。約束だ。恭弥、酒を持て、カッパを代表して兄弟の盃をかわそう。俺の名前は河上浄伍(かわかみ じょうご)、よろしくな。」

 

そう言って浄伍と恭弥は腕を組んで酒を飲んだ。周りのカッパが大騒ぎになっている。すると鬼の漢達もやって来て

 

「話はカッパから聞いた。我々鬼も恭弥と盃を交わしたい。私は鬼の漢代表、鬼丸角吉(おにまる かくきち)カクって呼んでくだされ。」

 

そう言ってカクとも盃を交わした。人間、カッパ、鬼の3種族の同盟(漢のみ)が今できた。なんとも奇妙だが、こいつらとは腐れ縁になりそうだ。

 

 

外は真っ暗な闇になり静けさだけが残っている。少し外の空気を吸いたくて外に出でてきた。中ではまだどんちゃん騒ぎが続いている。

 

「ふぅ、おい、そろそろ出て来てもいいんじゃねえか。」

 

自分の横、ないもいない空間に話しかける。するとその空間がパックリと割れ、無数の目が見える空間から紫が出て来た。

 

「、、、なんで気づいたの?誰にも気づかれたことがないのだけど?」

 

「俺の周りに気で円を描いた結界のようなものを張っていたんだ。円に入ると反応するようになっているんだよ。あんたは外を見るために少し隙間を空けているだろ?そこから出ている妖力を感じ取っただけだよ。」

 

それを聞いた紫は大きく目を見開きやがてふぅ、とため息をはくと

 

「やっぱりあなた、凄いわね。私、貴方にどんどん惹かれていってる自分がいるわ。」

 

そう言って隙間から出てきた。すると紫は酒を持っていた。

 

「ちょっと一杯、付き合ってくれる?」

 

「あぁ。いいよ。」

 

紫から一杯もらい乾杯する。クイっと飲むと紫が

 

「どう?幻想郷は、面白い所でしょ?」

 

「ああ、とっても面白い所だよ。外にはないものがいっぱいある。ここにきて本当に良かった。この世界は紫がつくったんだろ?人間と妖怪の共存する世界を作るなんてとても凄いことだと思う。きっとこれまでとても苦しいこと、悲しいことがあったと思う。それでもこの世界を作るために必死だったと思う。本当にすげえよ。」

 

すると紫はこちらの顔をじーっとみてボンッと顔を真っ赤にした。

 

「そ、そうかしら、、。そんなに言われると照れるわね、、、。」

 

なかなか見れないであろう紫の照れるところを見て恭弥はどきっとした。恭弥も顔を赤くしながら

 

「ま、まぁ、これからよろしく頼むよ、紫。」

 

「ええ、改めてようこそ、幻想郷へ。」

 

そう言って紫はそろそろ帰ると言ってスキマの中に消えて言った。恭弥は外から騒ぎのする自分の宿を見つめた。これから始まる生活の中でどれほどの出会いがあるのか、それはまだわからない。ただ、これから先の出会いはきっとかけがえのないものになる。そんな確信を持てる思いを胸に恭弥は喧騒が鳴り止まない光の中へ入っていく、、、。

 

 




どうでしたでしょうか。次回は少しの続きの話と開店準備の話を書こうと思います。誤字や間違い、アドバイスなどコメントしていただければ嬉しいです。ではまた次回!!


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式神と漢の約束

どうもモリリンです。今回は早めに投稿ができ、嬉しく思います。今回は前の話にあった漢との約束を守るため、試行錯誤をする話と温泉宿開店のために頑張るお話となっています。ではどうぞ!


宴会は朝まで続いた。ほとんどの人は寝ていたが、まだ酒を飲んで話し合っている。恭弥は明日も忙しいので早めに寝ていた。朝起きて見ると会場はもう床が見えなほど空き瓶や空になった皿がいっぱいあった。みんなが起きると役割を決めてせっせと片付けを始めた。人数が人数なので片付けはすぐに終わった。終わるとみんなはまた明日来ると言って帰って行った。みんなを見送って自分の家に入って自分の部屋に戻ろうとすると紫ともう一人がお茶を飲みながらちょこんと座っていた。なんでいるのかわからず恭弥は言った。

 

「なんで勝手に人の部屋に上がってるんだよ。」

 

「それについてはごめんなさい。少し貴方にお話があるのよ。」

 

なんだろうと思いながら紫の前に座る。

 

「明日からこの夢見郷を開くための準備をしないといけないからなるべく手短でたのむな。」

 

「約束はできないけど善処するわ。じゃあ、話に入るけど、その前に藍を紹介するわ。私をサポートしてくれる優秀な式神なのよ。」

 

そう言って紫は藍を見る。それにつられて恭弥も藍を見る。少し短い金髪の神に九つの美しい尻尾。一本一本が三日月のように輝いていて見とれてしまう。触りたい!と言う衝動と戦っていると

 

「八雲 藍(やくも らん)だ。君のことは紫様から聞いている。外来人で能力持ち、しかもとてつもない霊力を持っているそうじゃないか。紫様に頼まれて君に教えることがある。」

 

「俺に教えること?一体なんなんだ?」

 

一体なんだろうと思い藍に聞くと代わりに紫が答えた。

 

「いくら周りの人達が手伝ってくれるからと言って限界があるわ。そこで、貴方一人で宿を開けるようにするの。そうすれば周りの人も手伝わなくていいし、スムーズに営業できるってわけよ。」

 

「そんな方法があるのか!?ぜひ教えてくれ!」

 

「それを藍から教えてもらいなさい。貴方の能力と霊力があればすぐにできるわ。」

 

藍の方に顔を向けると真剣な顔で

 

「ただし、悪用することは許さんぞ。わかっているな。」

 

威圧的なこえで藍は言った。少し妖力が溢れていることからもし悪用すればどうなるかがすぐにわかった。

 

「あぁ、約束するよ。絶対に悪用しない。」

 

こちらも真剣な眼差しで答える。

 

「よしならば教えよう。私が今から教えるのは式神に関すること全てだ。まず式神と言うのはだな、、、。」

 

そう言って、藍の式神授業が始まる。本当に簡単に言うなら結○師に出て来る後片付けなどをしてくれるあれだ。(わかる奴にはわかる)他に藍みたいな妖獣に式が付いたものも式神と呼ばれるそうだ。まぁ、妖獣なんてそうそういるもんじゃあないだろうし、簡単な○界師の式神にしようかな。そんなことを考えながら30分で授業は終わった。

 

「、、、と言うことだ。どうだ?わかったか?」

 

「あぁ、ありがとうな藍。よくわかったよ。早速やって見る。」

 

過去にみたアニメを思い出しながら紙に四角の模様を書く。目を瞑り、姿カタチを頭の中に描く。霊力を紙に集中させ、手から放つ。

 

「いでよ!式神!!」

 

ボフンと煙を出して現れたのは思い描いた通りの姿カタチをの式神だった。顔には黒い四角が描かれている。小さいが力持ちでなんでもできる式神だ。それをみた藍が。

 

「ほう、凄いな、もうここまでできるのか。やはり恭弥の能力は凄いな。」

 

ちょんちょんと式神を突きながらそんなことを言う。その言葉に少し照れた恭弥は頭をぽりぽりとかいている。すると紫が

 

「これで難なく宿を開けるわね。じゃあ私は明日を楽しみにして、今日は帰るわね。じゃあね恭弥。また明日。」

 

そう言って紫はスキマを出した。

 

「それでは恭弥、また会いましょう。今度はゆっくりとこさせてもらいますね。」

 

「あぁ、待ってるぜ。また来てくれよな。」

 

そう言うと紫と藍はスキマの中に入って消えて言った。

 

「さて、ひとまず式神を作っていきますかね。」

 

紙を作って式神を作るのを繰り返して30人の式神ができた。みんなそこらへんの妖怪には負けないほどの霊力をつぎ込んで作った。

 

「あとは俺がいない間、こいつらを任せられる奴がいるな。」

 

そう言って作ったのは執事のカッコをした美青年だった。ありったけの霊力を作ったから相当強くなっているはずだ。弾幕ごっこもできる。名前だが執事と言ったらセバスチャンだろうと思いセバスチャンにした。

 

「よし、セバスチャン、そいつらの指示はまかせる。明日までにこの夢見郷を開けるようにしてくれ。あと男子風呂の方は俺がするから誰も入れるな。いいな。」

 

「はっ!わかりました。恭弥様。」

 

そう言って周りの式神に指示を出していく。手際が良くスムーズに手分けして掃除や準備をしてくれている。自分の作った式神に満足しながら恭弥は男子風呂へと足をすすめた。

 

恭弥が男子風呂を掃除すると言ったのは昨日の宴会であった約束を果たすためだ。ただ穴を開けるだけでは気づかれるだろう。だからそれぞれの種族に見やすく、かつバレない穴を考えた。カッパたちには女湯と男湯をつなぐ通路を繋ぎ、温泉の中から見てもらう。鬼には壁に穴を開け、結界でカモフラージュしてあっちからは見えないけどこちらなら見れる穴を作った。ただ、結界がばれてしまえばそれで終わりだ。まぁ、それはもう知らん。一時間ちょっとで穴を作り結界を張った。あとはあいつらに頑張ってもらうしかないな。俺は見ないけどな、、、見ないけどな!

 

秘密の穴を作ったあと、他の場所の点検をして回った。セバスチャンのおかげでとても早くに終わることができた。式神には何部屋か貸してそこで寝て、また明日働いてもらう。さて、明日も忙しくなる早く風呂に入って寝よう。浮き立つ心を鎮めるように静かに瞼を閉じた。

 

 

 




どうでしたでしょうか。少し前の話より短くなりました。
次回はようやく夢見郷の開店です。そして男たちは夢を見れるのか!!
それではまた。


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