最近の小学生が大学生時代の俺よりもしっかりしている件について (全裸羊ローブ)
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最近の小学生が大学生時代の俺よりもしっかりしている件について

貴方の小学生の頃を思い出して下さい。


俺には前世の記憶があるらしい。

何故らしいのかと言えばそんな感じの記憶があるからだ。

経験したことのない筈の記憶を鮮明に覚えているというのは何とも奇妙なことであり夢ではないか?と思うが、何故か自分自身が夢ではないと確信している。

 

しかし、俺の前世って普通のサラリーマンかと思えば超絶ブラック企業で過労死したんだっけ……

思い出したくもない、ようやく就職した職場が人間関係が壊滅的で新入社員1年目の時点で残業360時間超えるとか…

しかも残業代とかつかないし……

 

そして30歳を待たずして俺は脳内出血で死亡した。

労働基準法まるで無視だったからな俺の死んだせいでたぶん告発とかされてるだろう。むしろされてろ。

 

そんなまるで思い出したくもない前世の記憶を鮮明に思い出すきっかけになったのは、幼稚園の時にブランコで立ち漕ぎしながら飛び降りて体勢を崩して地面にそのまま頭をぶつけて救急車に運ばれたからだ。

 

目が覚めたら親が心配してて泣いていたけど、その後にすげー怒られた。

 

「バカだバカだとは思ってたけど、本当に気を付けなさいよ!?私達が守ってあげられる事にも限界があるんだからね!」

 

という言葉には正直な話グサッと心に突きつけられた気持ちだった。

 

昨日まで「犬のうんこだー!うんこだ、うんこ!」って、はしゃいでいた自分が途轍もなく恥ずかしい。

 

いやまぁ、幼稚園児の頭がちょっとおかしい子供ってそんなんだったし、前世の時のそん時の俺なんてカメラ向けられてたら自分の恥部を全力で見せに行ってたから……まぁうん、普通だわ普通。

 

というかそう思わないとやってられないからね!

 

それにしても我ながら無茶したと思う。

中学生の子達がそういう遊びしててマネしたくなってやったんだけど、足がもつれてそのまま地面にシュウゥゥゥウト!!

どっかのツクダさんオリジナルの勢いでゴールした。

母親は主婦友達とお喋りに夢中で気づかなかったらしい。

子供から目を離すのは止めようね、俺みたいなのがいるから……いや本当にすんません。以後このような事がないように気を付けたいと思いますので、お尻をペンペンするのは本当に勘弁して下さい。

いや、腫れてるから!猿の尻位に真っ赤に腫れてるからぁぁぁ!これ以上はらめぇぇぇぇぇぇ……

 

しかし、何で幼稚園児なのにこんなにはっきりした思考回路できるんだろう?これも前世の記憶のおかげなのか?

 

尻を保冷材で冷やしながら思い出している限りでは、幼稚園児の時は積み木とか粘土で遊びたい、先生のオッパイ揉みたい、友達の兄貴のゲームしてる姿を見てスゲー、幼稚園でうんこしたらウンコマンになるから家に帰ってからじゃないと出来ないetc……

 

そんな感じで手先が器用じゃなく大まかな事しかできなくてピンクの悪魔ぐらいしか粘土で作れないし、粘土を口に咥えてオェって吐きそうになるし、考える事は殆どエッチィことと遊ぶことだったのに……

 

うん。

 

やっぱり、小さい頃の俺って頭の悪いガキ代表じゃね?

……まぁ良いか!

 

そんな尻を痛めた日の晩、検査して何事もなかったからそのまま退院した。

状況を整理してみると、前世の記憶に引っ張られたのか思考が大人よりになってしまったみたいだ。

まぁでも身体は子供なんでピーマンすげー苦手なんだけどね。

 

舌の味覚も子供に戻ったみたいだし、ビールとか今飲んでも不味くて仕方ない、親父に飲んでみても良いかと聞いてみるとこっそり舐めさせてもらったけどゲロ苦い。

苦くて堪らん。

 

そして母親にそれがバレてビールを取られて親父が涙目になってる……正直すまんかった。

いや、ビールとか興味本位でも飲んじゃダメなの分かってるよ?でも舐める位でそんなに指をポキポキ鳴らさなくてもよろしいのではないでしょうか?そんなに手首もコキコキさせなくても良いのではないでしょうか?

……手首コキコキって卑らしいな……

 

え?何で僕の赤くヒリヒリしている可愛いらしいオケツを丸出しにしているのですか母さま?

いやいやもう流石にオケツが2つに割れてしまう位に痛めてしまってますけど?

あれ何でそんなに怒ってるの?いや今日の事をまるっきり反省してないなら身体で思い知らせるのが親の務めだって?

……ら、らめぇぇぇぇぇぇ!!!

 

 

 

氷枕のに尻を乗せなえずきながら今後の事を考えたが、結局のところ前世の知識はあるけどさ、それを使って良い事があるかなんて分からないし、小さい頃から勉強出来て神童とか呼ばれたりでもしたら高校生ぐらいになったら勉強付いて行けなくなって社会的に挫折を喰らってそうな感じがしてならないんだわ。

 

なら俺はゆっくり普通の子供として成長する事に決めた。今度はコミュニケーション能力を上げまくってなんとかホワイト企業に就職する事が目標である。

実際にコミュニケーション能力って社会に出てから思うがめちゃくちゃ大事なんだよなぁ…… 

はぁ……頑張って育てようと思う次第です、いやマジで。

それと母親は怒らない様にしよう。もう流石にこんな尻になるのは嫌だわ。

 

そんなこんなで前までやってた行動を出来るだけ無理のない範囲でしながら勉強もチラホラしつつ私立の小学校にお受験して主席の8つ下ぐらいの成績で合格した。

 

そしてその頃にはブランコは撤去されてしまったらしい……

いやはや何と言っていいのか分からんが本当にすまんかったと思ってる。

ブランコとかシーソーとか何か回転するジャングルジムみたいな奴とかは危険だから撤去されまくってて悲しくなるなぁ……

 

 

さて、そんなこんなで小学3年生になった俺の思ったことでも少し語ろうか。いやそんなに皆が聞きたいような話でもないしむしろ俺がこのクラスになってから思っているだけなんだけど。

 

「アンタ達将来のことについて考えてる?」

 

と放課後の帰り道で金髪の女の子が友達に言うそう訳である。

授業で将来の夢というテーマが道徳であったのでまぁ普通の会話の流れ。

まぁこの歳の女の子ならばケーキ屋さんとか花屋さんとかそういう感じの事が出てくるのが俺の頃は普通だった。

 

「そうだね、私は家業を継がなくちゃいけないのもあるし、理系の大学に進学しようと思ってるよ」

 

「そうなの?私はとりあえず海外の大学で単位を取らなくちゃいけないのよねぇ……日本の大学よりも欧米諸国の方が良いって父から言われてるし、確かにうちの会社って海外企業とも繋がりがある関係上必要な事でしょうからね……」

 

うん、この話を聞いていたら最低でも高校生辺りの会話だと思うじゃん?

でもこいつら小学3年生なんだよね。

そういう大人みたいな会話を当たり前の様に行うのだこの二人。

 

いやいや、いくら前世の記憶的なものがある俺だとしてもこの会話は異常と思う訳よ。

 

俺が小学生の時の会話で将来の話とか思い出した時に「大金持ちになりたい」とか「スポーツ選手になりたい」とか漠然とした答えしかなかったし、そんな将来的なモノを考えて大学の何学部に行きたいとか言う言葉なんて出てこねえよ。

てかその当時は大学って中学の次に進むと思ってたし、そもそも学部の意味を知らなかったわ!

 

家を継がなきゃいけないとかもそんな事考えてた奴なんて小学3、4年でいなかった。

例えいたとしても、家業を継ぐために何していいのか分からなくて困るのが普通じゃねぇの?

家の手伝いしたり、両親や先生に聞いてみて「いっぱい勉強することだよ!」とか言われたりするもんじゃねぇの?

 

何なの?時代が変わって小学生がワープ進化して、そんなまともな話するようになっちゃったの?

 

大体俺なんか小学3年生の時なんかの夢は「でっかくなる三分間しか活動できない宇宙人」とかだぜ?

まだサンタクロースとかちょっと信じてた時だぜ?

 

「私はまだ分かんないかなぁ……」

 

そう!それだよ!お前が正しいよ高町!!コイツ等の頭が発達し過ぎててるだけだよ!

 

「なのは……あんたね、未来なんてすぐ来るのよ?小学生の時ぐらいになりたいもの決めておかないと後々になりたいものが決まった時に大変よ?」

 

「そうだね、将来的な事も考えて中学に入る前には決めておいた方がいいと思うよ?」

 

え?

お前等マジでそんな事思ってんの?

俺なんか高校の時も成績で漠然と大学行った人間もいるのにそんな事言っちゃうの?

全く興味もないけど学力と学費と通学時間とか考慮して決めた俺の立場なくない?

 

そりゃ高校卒業する前には将来何になりたいからどこの専門学校行くとか、大学の何学部行くとか言うやつはたくさんいたよ?でもお前等まだ小学生じゃん!

 

というか一回社会人経験した俺ですらまだ具体的には考えてないのに……

いやそれは俺が悪いんだけどさ、夏休みの宿題とかって提出期限を一回過ぎてから出す派だったんだよね。

 

「先生、宿題持ってくるの忘れたので明日出します」

って何回誤魔化したか、いや多分誤魔化せてないと思うけどね。

 

まぁそれは置いといて小学生ってカレー味のうんこかうんこ味のカレーどっちを食べる?とかで真剣に話するくらいの年頃じゃん!

 

雪とか降ったら授業中でも窓際に走りだして「すげーすげー、雪合戦しようぜ!」とか言う年頃じゃねーの?

「バリア張ったから無効です」「バリア貫通するビームだからお前が鬼ですー」とか屁理屈言ったり言われたりして泣いたり怒ったりする年頃じゃねーの?

 

何なの俺の小学生時代の偏差値が低過ぎたの?

何なの?俺がおかしいの?もしかして俺ってファンタジーな世界に来ちゃったの?

 

こんな子供がしっかりしてる世界なんてあり得ないって。

いや本当に俺みたいならまだ分かるけどさ、そうじゃないならコイツら相当天才だぞ?

 

「私の家、喫茶店してるからそこのお手伝いしてるくらいだからなぁ、お母さんが喜んでくれると嬉しいし……でもアリサちゃんもすずかちゃんも凄いなぁ。将来の事なんかまだ全然分からないや」

 

ぅぅ、高町…お前すげーよ、家の手伝いしてるだけでも偉いよ!

俺なんかお駄賃目当てで風呂洗ったり食器洗いしてるぐらいなのに……

 

「もう……私たちが色々教えてあげるから頑張りましょうね?」

 

「うん、ありがとう!」

 

いや限界だわ!喋りたくて突っ込みたくて限界だわ!

いいや話させて貰うぞぉ!

 

「だぁああああ!お前等何なの?さっきから難しい事並べやがって本当に小学生か!?」

 

「あんた急に出て来て何よ!?」

 

その辺についてはすまんと思ってるが話させて貰うぞ!

 

「お前等の考え方に間違いはねぇ!だけどお前等は小学生だろうが、小学生の中学年なんて将来の事なんか普通考えないの!考えたとしてももっと漠然としたものでそれをどうやってなれるかを真剣に考えて図書館で調べたり親や先生に聞くもんなんだよ!」

 

「え、え?何?高松君だよね?急に何?」

 

紫色の髪の毛してるお嬢ちゃんも俺の話を聞いてもらうぞ!

 

「だから高町にそれを押し付けるなっての!大体将来の事なんざ大人になっても分からないし、夢なんてコロコロ変わるのが普通なんだよ俺らの年齢は!

だから一個の事だけで決めつけるとあとあとになって他になりたいものがあっても選択肢が狭まるんだよ!

成りたいものがこの年齢の内に決まるのは良い事に違いないが、選択肢を狭めて良い事なんか一つもない!

いいか?小学生は無限の可能性を秘めてる。それは何にでも興味を持つし興味を持ったらその事でフルパワーで突っ込むからだ。

お前等の考え方を押し付けるような事は辞めておけ、友達だから心配とかは分からんでもないが……

いや俺にはあんまり分からんけど、それでも悩むのは成長してるから悩むんだ手助けは良いけど強要は絶対にダメ!分かったかこの偽物小学生共!!」

 

何かとりあえず言いたい事を言ってスッキリしてきてしまった。

 

「高松くん?」

 

「そもそも何でアンタにそんな事を言われなくちゃ行けない訳!?」

 

金髪さんが怒ってらっしゃる……

いやだってね限界だったもん。昔の俺が全否定されてるみたいで……

 

「お前等が年齢の割に枯れている会話をしていたから気になっただけだよーだ。べぇー」

 

「いやアンタの方が大人っぽい……というかジジくさいわよ?でもガキ臭いわねそれは……!!イライラする」

 

と金髪の少女は怒っている。それで良いんだよ。気にくわない事は感情を表に出してそれを相手によって使い分けて行く事が成長に繋がる訳だからな!

うんうん。

 

「イライラするって言われて凄い頷いてるんだけど何コイツ……」

 

いやぁまぁ正直あんまり知らない奴にこんな事を言われたら怒るのは当然だよなぁ。

まぁ心の片隅にでも残ってくれたらそれで良いんだよね。

とりあえず言い過ぎたのもあるし素直に謝っておくか。

 

「いや俺の考え方を押し付けるようなマネしてすまんかったな。爆発しちまったわ。あんまりにも小学生らしくないこと言うもんだから……」

 

じゃあ帰るか晩飯何かなぁ……

と思っていると金髪に肩を掴まれた。何でじゃ?

 

「高松だっけ?そういえば普段ふざけてばっかなのに学年6位なんですってね。先生から聞いたわ」

 

まぁそこそこ勉強できた方が良いって分かってるし、こんなん言ってみたらチートだから別に自慢にもならん。というか自慢したら自分が惨めになるだけだしね。

 

「へぇー学年6位なんて凄いんだね高松君」

 

「え、6位の子ってアリサちゃんの言ってたあの子の事?」

 

うん?何やら雲行きが怪しくなってきたような……

 

「そう一番簡単な物だけわざと間違えるって先生がいつも嘆いていたあの6位の子よすずか」

 

確かにケアレスミスしておっちょこちょいのイメージをつけたかったから仕方ない。

 

「確か間違えて球の体積求める問題出したのを正解した子がいるって……」

 

あっ、そういや何かおかしいなぁ……でもコレ習ったよなぁ小学生の時ってこんなの習ってたっけ?

って感じで解いた奴だわ。

公式とかわざわざ使って求めたわ。でもπとか小学生の段階で使ってないから3,14で計算してややこしかった奴だわ。

 

「そうよ球の体積なんて中学生じゃないとやらない問題を解けるアンタ……一体何者な訳?」

 

 

「そういえば意外と成績いいもんね高松君」

 

高町がそう感心した様子で言ってくれるが割りとどうでも良い。

 

そもそもの話、前世の記憶なんて持っているせいかは分からんが感覚的には孫みたいな彼女等の会話とか間違ってると思わん限り特に何も言う気もないわ。

 

「父さんがたまに教えてくれるんだ。球が出て来たから中学生になったらこんな勉強するんだぞーって感じでね」

 

ふ、小娘を欺く事など造作もないわ!

 

「ふーん、熱心なお父上みたいね」

 

「お父上って……言葉のチョイスがお嬢様過ぎだわ。別にフォーマルな場面じゃないんだからお父さんで良いと思うぞ?使い分けも大切だからな」

 

「……あんた本当にあの高松?」

 

何故信じていない……

いや確かに普段から「うんこ、うんこ!」とか言って大便行ったりするけどさ。レッテル「うんこまん」になってるけどさ何が悪い生理現象だから仕方ないじゃろ!

 

「別に何でも良くね?俺は小学生だし、お前らも無限の可能性を秘めた小学生。無限の可能性を一つに絞るから成功する訳でもないし、その一つに絞った可能性が壁にぶつかった時の反動も大きい訳だし、別に壁を登らなくても回って迂回できると思わね?

その時に迂回できるには他の可能性が必要な訳よ。

夢に向かって一直線でも良いけどさ、夢に向かうまでの回り道も夢に繋がってるんだから気長に一緒に見つけてあげてねって話がしたかったんだわ」

 

夢があれば偉いのか?

そうじゃないだろ。

 

夢があればそれは良いことだ。

 

でも夢を諦めるというリスクも転がってるんだ。

野球選手を目指した男の子が絶対になれないんだと悟る時の絶望感のように…

 

夢を叶えるには早く準備した方がいいがそれだけではダメだ。

夢は必ず叶うなんて事はあり得ない。

 

何が起こるか分からないのが人生だ。俺もまさか前世の記憶があるなんて思ってもなかったしなぁ……

 

「んじゃ高町、バニングス、月村

また明日学校でな!バイビー」

 

うんうん、良いこと言ったと自分でも思っ……ぐふ!誰かに首ねっこ掴まれてるんだけど!

 

「ふん、アンタは意外と面白い事言うじゃない。確かに筋は通ってるわね」

 

「気持ちが篭ってたね」

 

「先生とかのお話みたいだったよ!」

 

なんだよ!

俺の用件終わったから家に帰って「おっかさんと一緒」とか「ひとりでもできるや!」見たいんだけど……

「そんなに言うならアンタの夢を教えなさいよ!私達ばかりでズルいと思わないの?」

 

うんうんと頷く小学生3人組、なんだお前らズッコケしそうな感じがするな。小学生の時に読んでるから余計にそのネタ思い付くわ。

でも確かにズルいっちゃズルいかな?

まぁ現状の俺の叶う訳がない夢でも言ってやるか。

 

「魔法使いから卒業したい」

 

うん、合計40年近く童貞とかマジで嫌なんだわ。

俺のこの発言が全ての始まりである事を俺はまだ知らない。

 

 




最近のアニメとか漫画みて多々思う事を書いてみた。
まだ「お前んちお化け屋敷!」とか言う高学年なら分かるんだけどね……
まぁ今の小学生と昔の小学生を比べてみたらネットで情報が何でも入る時代だから確かに大人になるスピードも速くなるんだろうけどさ、それでも書いて見たかったので書かせて頂きました。
多分続編はない


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最近の小学生が今の俺よりも空気を読める件について

続いた。


「魔法使いを卒業したい」

そう言った瞬間に二方向から冷たい目線を浴びせられた。

 

「魔法使いってアンタ……」

「いやそれはないよね……」

 

勿論浴びせられたのはバニングスと月村な訳である。高町は「へぇー」って感じで見てた。

そこで「ほぇー」って言わないのがまだまだ修行が足りないところだな。そんな事では魔法少女にはなれないぞ!

とまぁくだらない事を考えているが、無論俺は魔法なんて使える訳がない。

むしろ空気を凍らすという意味でのエターナルブリザード的なのは使えはするが……

 

「実際問題そうなんだから仕方なくね?そもそも魔法って英語でマジックとも言う訳だし、マジックって手品っていう意味じゃん?だから否定されてもねぇ……」

 

完全に屁理屈である。

 

日本において魔法という発言を出す時は凄い不思議だなという意味や不可能だと思われる事が出来た時に「魔法みたい」という発言するのが一般的だ。

 

逆にマジックっというと手品であったり油性ペンの事であったり、野球の優勝までの勝利数だったりまさに色々ある訳だからこっちの方は融通が聴く。マジシャンになりたいというのと魔法使いになりたいというのでどっちが痛いかは一目瞭然だしね。

 

「まぁアンタが言いたくないなら深追いはしないわよ……確かに言ってる事に納得した部分も多少はあるし」

 

ですしおすしって感じですかね?

説教みたいな話をしてこんなにあっさり受け入られったけな?小学3年生の時の俺って……いやないな。むしろ反抗しかしてなかった記憶がある。そして母親に殴られた記憶しかない。

今じゃ教師や親が子供を殴るとかいうのは悪という風潮だけど昔は悪いことをしたならそれ相応の罰を与えられて当然だったからなぁ……

 

例えばの話、門限が20時の中学生が日を跨いで朝帰りしてきたとしよう。

それは怒られて当然な訳だ。心配を掛けているし何か事故に巻き込まれたとか思って親は気が気じゃないのだから。

 

「アンタって只の馬鹿だと思ってたけど面白いわね」

 

そりゃどうも。でも小学生男子って俺の時はこんな感じだったしなぁ……

日直の時とかの「お父さん、お母さんに感謝して手を合わせましょう。頂きます」とか友達で「お父さん、お母さんは怒ってばかりで感謝したくないけど手を合わせましょう。頂きます」とか帰り道にふざけて言ってる様なアホな事ばかりしてたしな。

何かこういうアホな事をしているのも昔を思い出して楽しいからなぁ……

 

「まぁ良いや、とりあえず酷い事も言ったかもしれないけどさお前ら友達……っていうか親友なんだろ?ならお節介かもしれんけど仲良くしろよ?別に喧嘩するなと言わんし、寧ろした方が良いけどな」

 

「え?何で喧嘩した方が良いの?」

 

高町が不思議そうに言ってきた。まぁ親とか先生の立場なら喧嘩なんかしない方が良いと言うに決まってるし、その方が無難だしな。

でも無難が正しい訳じゃない。

 

「喧嘩って言うのはお互いに譲れない部分があるからする訳なのは分かるかな?」

 

「まぁ確かにそうね……」

 

「うんまぁね……」

 

なんかバニングスと月村がお互いを見てるけど何かあったのか?

まぁ別に良いか、その辺を詮索する気なんざ全くないし蒸し返すのも良くないだろうし。

 

「先生とか親がよく言う譲り合いとかも勿論大事なんだけど、だからと言って仲良くなる為には譲りっぱなしだと自分の意見が通らなくなるんだよ。例えば自分の物を他人に取られて気分が良い奴とかいる訳ないだろう?」

 

「ぐっ……あんたまさか知ってて言ってる?」

「まぁまぁアリサちゃん高松君の話を最後まで聞こう?」

 

なんじゃ?この感じだとおんなじ様な事をしたのか?

なら尚更言っておいた方が良いか。

 

「消しゴム貸すにしても好きな子の名前書いてたりするおまじないがあるから貸したくないのに、消しゴムを貸さないからって怒る奴もいるからな、女子とか特にそういうおまじないとか流行ってるから分かるんじゃね?」

 

小学生から高校生、ていうか大学生までそういう事をしてる奴いた位だからなぁ……

 

「え?そういうのあるの?おまじないとかより自分を磨く方がよっぽど建設的じゃないの?」

 

「男の子を好きになったことないから分かんないかなぁ」

 

「にゃはは……わたしも分かんないかな」

 

マジかよ!?好きな子とかいないの?気になる子とか存在もしないの!?

好きな子のリコーダーとか吹いてみたいとか思ってた事もあった俺が異常なの?

なの?なの?なのーーーー!?

 

あかんコイツ等と話していると小学生時代の俺がいかに変態だったかを再確認してしまう。

もういいや本題に移ろうこれ本当にSAN値ごっそり削られるわ。

 

「分からないなら例えを変えると、自分が大切にしてるぬいぐるみ?いやお前等がそんな女の子らしい物持ってなさそうだな……」

 

「アンタも大概失礼よね」

 

だって俺の知ってる小学生の女の子じゃないもんバニングスとか月村とか特に。

そう思っていると月村のカチューシャが目に入った。あー、これなら分かるかな。

 

「なら月村のカチューシャをバニングスが気になってちょっとみせてって言ったとしよう。月村はコレがとっても気に入ってて誰にも貸したくないし、もしかしたら壊されるかも知れないから貸したくないのに、バニングスはカチューシャ位、別に見せてくれたって良いじゃん!って思うだろ?」

 

「いやアンタ本当知ってるでしょ!?傷口抉られてるから本当に辞めて」

 

「高松君、アリサちゃんも反省してるからね?許してあげて」

 

「高松君、アリサちゃんも本当に反省してるから蒸し返すのは良くないと思うの」

 

「へ?蒸し返すって何の話をしてんの?大体お前等と同じクラスになったのって今年からだから蒸し返すも何もないと思うんだけど?」

 

 

なにこれもしかしてピンポイントで俺の言ってる事したって認識で良い訳?

あー、ならその反応になってもおかしいないか。

 

「あー知らなかったとはいえ蒸し返して悪かったな、普通に例え話をしたかっただけだから許してくれバニングス」

 

こっちに非があるとは全く思わないが謝罪するべきだから人生の先輩としての行動をみせておこう。

今は同い年だけど、同い年の時なら確実に全てにおいて負けてるけどな!

 

「なら何でその配役になるのよ!」

 

「自分の言動を考えてみろ例え話は例えられてもおかしくない人材にしないと意味がないだろうが」

 

「うぐぐぐ……」

 

バニングスが悔しそうに俺を睨み付けてる。

あかん、思ってた事をゲロってしまった。普通の女の子なら泣いてるわ反省、反省。

 

「まぁそれで喧嘩になったとしよう。端から見たらくだらない事で喧嘩してると思われるけど自分達が譲れないから喧嘩した訳だろ?なら別にそれが悪い事では決してない訳だし、バニングスはそれがいけない事だって分かったのも喧嘩したからだろ?なら喧嘩はしても良いんだよ、その代わり意地になるのはダメだからな?

その時は自分の意見だけが正しいって思ってるかも知れないから難しいかもしれんけど頑固になってるってことは間違ってるもしくは良くない事だからな」

 

よくあるからな自分が正しいと思ってても間違ってるって事なんて。特に小学生時代とかならよくある話だからなぁ……

給食の大きいオカズとか休んでた子の分を多目に入れて食べて「ジャンケンしなくちゃいけないでしょ!?なんで勝手に食べるの!」って先生に言われた時は余ってるなら良いじゃんとか思ってたけど、他の友達がそれをやってる時に俺も食べたいのに……せめてジャンケンしろよ!とか思ったからなぁ……

 

「まぁこの他にも親友が心配だから何か困ってる事ないか?って聞いて何もないって言われて、明らかに何かあるって場合があるんだが、こういう時の喧嘩はOKだと個人的には思ってる。だって心配さてる奴が悪いからな、相談したくない事があってもそれがその親友に解決できない事だとしても心配させてる事には変わりないからな。この辺はまぁ大人でも難しいから聞き流してくれても良いけど」

 

何か俺の話を真剣な眼差しで三人共聞いてるんだが……いや別に俺が全部が全部正しい訳じゃないし一部の意見なんだから「ほぇー」ぐらいの感覚で聞いて欲しいんだけど。

 

「とまぁ偉そうに言ったけどこんな感じだわな。親しいからこそ喧嘩して相手の事をよく知れば良いんじゃね?って感じかな。まぁ喧嘩しろって言っても殴り合いしろって事じゃなくてどうしても譲れないなら喧嘩しろって事だから。自分が悪いならそりゃ謝れよバニングス」

 

「だから何で私になるのよ!?」

 

いやバニングスって何か取っつきやすいから……

思わずバニングスから眼を離してしまった。小学生女子に睨まれるのは勘弁なのだ。精神的にキツイんだよね……

 

アレ?なんかイタチっぽいのがケガしてね?

そう思ってそのイタチに駆け寄った。

 

「ありゃコイツ結構なケガしてやがんな……消毒液はランドセルのどこにしまってたっけかな」

 

「アンタ、何で消毒液とか持ってんのよ」

 

「いやまぁ女子力高いから俺って」

 

簡単に言えば小学生男子の友達は直ぐに転ぶし擦り傷が絶えない。

バイ菌とか入るとよくないからまぁその辺は持ってる。コレが前世の記憶持ちのチートである。

そして絆創膏は朝のヒーロータイムとその後番組の女の子が好きそうなヒロイン?の奴だ。

コレがあると絆創膏しても喜びまくるからな。

 

「さてと消毒は完了したけど、動物の治療は流石に専門家じゃないとお手上げだからな……この辺って動物病院あったっけか?」

 

「あ、それならなのは知ってるよ!」

 

「おう、なら悪いんだけど案内してくれるか?まぁ料金的な問題もあるから診てくれるかは分からんけど小学生女子3人もいりゃ診てくれんだろう多分」

 

「アンタってゲスいわね……もしお金が掛かるようなら私が払うわよこのフェレット可哀想だしね」

 

「そうだよ、ワタシもお金そんなに今ないけどお姉ちゃんに言えば出してくれると思うし大丈夫だと思うよ」

 

「そうだよそれに動物さんが病気やケガしてたら診てくれるのが動物病院だから大丈夫だと思うの」

 

いや金とか自分で働いてもないのに出すとか言うなやとか思ってしまったわ。

お金を一円稼ぐのって大変って事は流石に分からないし相手も商売だからなぁ……

 

そんなこんなで病院に行ってなんとか無料で診て貰えた。

良かったねぇ。んじゃまた明日!ってな事になりその日の夜に『僕の声が聞こえませんか?』

って声が聴こえたが『夜は静かにね』って言って寝た。

そして夜中になんか五月蝿いから腹立ってうるさい奴に向かって殴ったらなんか消えた。そんときに高町がコスプレしてる姿が見えた様な気がしたけど気にしなかった。

 

なんかその次の日に高町が訳の分からん事を言ってたけどあんまり覚えてなかったから気にしなかった。

 

それが全ての始まりで俺のホワイト企業に就職及び、魔法使い卒業の夢を叶える事ができなくなるという終わりでもあった。

 

 

 

 

「高松君って小学生の時から大人っぽかったよね」

 

「うん?お前等の方がよっぽどだったぞ?それよりも高町は夢が見つかって良かったな」

 

「まぁあの頃に高松君と会って色々な可能性見つかって良かったと思うの、アリサちゃんとすずかちゃんとも喧嘩したけどちゃんと仲直りできたのはあの時の高松君の言葉があったからと思ってるよ」

 

「まぁ参考になって良かったわ、俺の夢はもう叶わなくなったけどな……」

 

「にゃははは……」

 

まさか魔法使いを卒業しようと宣言した次の日に魔法使いになって、更にそれが就職の特技になるなんて誰が想像できようか……

 

「それにしたってテスタロッサの保護した子供にしても昔のバニングスにしても最近の小学生は今の俺よりもしっかりしてんなぁ……」

 

まぁそんな子供が何故か俺を慕ってくれてんのは多分大人だけど、精神年齢近いからだと思うけど……

そう思ってるいると非常用のサイレンが鳴り響いた。

 

「まぁ小学生が小学生らしい暮らしをする為に大人が頑張りますかぁ」

 

それじゃ大人の責任を果たしますかね。

 

 




後は続いても原作キャラside側の話になります。


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