ハイスクールD×S×G (汰灘 勇一)
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プロローグ

「これでいいのですか?」

 

「ああ、問題ない」

 

 何もない空間で美しい一人の女性とチャラそうな男性が会話していた。

 

「・・・・・・この特典だと世界が変わるかもしれませんよ?」

 

「はっ別に良いだろ変態に変わって主人公になってヒロイン達を救ってやるんだから」

 

「はあっ・・・・・・ではどうぞ転生してください」

 

 呆れた女性は男性の足下に魔方陣を展開させる。男性は消えていった。

 

 

「はああああああっ! たっく! あんのエロボケ爺! 私に自分のミスを押しつけやがって! これで世界が変わったらどうするのよ!」

 

 女性・・・・・・女神は文句をたれる。この女神、上司のミスを押しつけられたかわいそうな女神なのだ。

 

「だけど、どうしよう・・・・・・このままだと、あのくそ転生者のせいで原作が無茶苦茶になるわね。下手したら元の主人公をいじめて排除しそうだし・・・・・・赤龍帝の籠手以外の戦闘手段を何かしら用意しないと・・・・・・うん?」

 

 女神が悩んでいると、十五の光の魂が女神の周りを飛ぶ。

 

 その光の魂達を見て女神は驚く。

 

「貴方達、行ってくれるのですね・・・・・・本来なら英雄になるべきはずだった男の元に。私達の不始末を貴方達に押しつけてしまい、すいません。彼のことを、お願いします」

 

 女神は光の魂達に頭を下げると、光の魂達は頷いた。

 

 先ほどの魔方陣と同じ魔方陣を展開してその魔方陣を数百の光の魂達が通って行った。

 

「英雄達よ。どうか、彼を導いてください・・・・・・」

 

 女神は彼らに託したその世界の希望を・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ? 何か数が多かった気が・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その世界、ハイスクールD×Dの世界は変わった。赤龍帝になるはずだった兵藤一誠は転生者により、神器を取られてしまった。しかし、それだけではない。兵藤一誠に備わった新しい力に引き寄せられたのか、原作にはいないある化け物が世界に誕生してしまったのだ・・・・・・

 

 

 

 

『ジリリリリリリ!』

 

 

 深夜の駒王町博物館に警報が鳴り響く。

 

 強盗団が展示してある金銀財宝を奪っていった・・・・・・わけではなかった。

 

『おい、さっさと運べ! 奴らが来る前にずらかるぞ!』

 

 博物館から物を盗んでいたのは人間ではなかった。それは影のような黒い体に青い双眼、胸の骨のような模様が特徴的な眼魔・アサルトと呼ばれる化け物だ。

 

 五体の眼魔・アサルトは、アサルトと似たのっぺらぼうの様な化け物、眼魔・コマンドと呼ばれる戦闘員のポジションの怪人、三十体ほどと古い刀などの武器に絵などの美術品を運び出していた。

 

 そんなアサルトとコマンドに指示を出しているのは肩に燕を乗せた片手が刀になっている刀眼魔、長い槍を持ち、槍のような兜をかぶった槍眼魔。この二体はアサルトより上の位の眼魔である。

 

『・・・・・・ったく偉そうにしやがって!』

 

『強化体だからって!』

 

『今に見てろよ! これがあれば俺達だって!』

 

 アサルトは運んでいる宝の中から古い刀を取り出して眺める。

 

 今回盗んだ物は眼魔達のある計画に必要な物だった。

 

 盗む物も盗んであとは逃げるだけ・・・・・・だが、そうは問屋が卸さなかった。

 

 突然、どこからか歌が聞こえてきた。眼魔達はどこから歌が聞こえてきたか辺りを見渡した。そんな眼魔達に向かって巨大な剣が落ちてきた。

 

『ヌルッ!?』

 

 その巨大な剣に斬られた十体の眼魔・コマンドは消滅していく。

 

『っ! 何者だ!』

 

 刀眼魔は今の攻撃がどこからか放たれたのか探した。

 

 すると、博物館の屋上に九人の人影が・・・・・・

 

「私達は!」

 

「・・・・・・究極の救世主!」

 

「宇宙戦隊、キュウレンジャー! デース!」

 

 九人の内の三人がポーズを取る。

 

「何やってんだ! てめえら!」

 

 すると、赤と白のボディースーツを着て頭に大きなヘッドギア、スカート状のリアアーマーを装備した女の子がポーズを取った三人に拳骨をお見舞いする。

 

「あたっ!?」

 

「・・・・・・痛い」

 

「デデース!?」

 

 三人は拳骨の痛みで頭を押さえて座り込む。

 

「・・・・・・ちょうど、九人なのでいいかな~って思って」

 

「バカか」

 

「あははっ・・・・・・」

 

 拳骨を喰らった三人の内の一人、オレンジと白のボディースーツに白と金色の籠手、日本のアンテナのようなヘッドギアにマフラーに金色の脚甲を装備した女の子が言い訳をする。

 

 そんな言い訳を聞いて呆れる先ほどの赤い女の子。紫と白のボディースーツを着た女の子は苦笑いをしている。

 

「立花、雪音、小日向。今は戦闘に集中しろ」

 

「漫才なら後にしなさい」

 

「ほら、切歌と調も立って」

 

 青と白のボディースーツと刀を持った女性が、注意をして白銀色のボディースーツを着た顔立ちが似ている二人は殴られたピンクと白のボディースーツの女の子と緑と白のボディースーツの女の子を立たせる。

 

『貴様ら、もしかして奏者か!』

 

「ああ、そうだ・・・・・・みんな、やっこさんは待ちかねて居るみたいだ。そろそろ行こう!」

 

 槍眼魔はしびれをきらし、立花と呼ばれた女の子と似たボディースーツを着た女性がみんなに呼びかける。

 

 眼魔に奏者と呼ばれた彼女たちはそれぞれ武器を構えた。

 

 立花と呼ばれた女の子はファイティングポーズを取って、雪音と呼ばれた女の子はクロスボウのような銃を構える。小日向と呼ばれた女の子は鉄扇を、調と呼ばれた少女は円形の鋸とヨーヨー。切歌と呼ばれた少女は鎌を構え、白銀のボディースーツの姉と思われる女性は籠手から剣を生成する。青と白のボディースーツの女性は刀を構え直して、最後にオレンジと白のボディースーツの女性は大きな槍を構える。

 

『貴様らの相手はこいつらだ!』

 

 槍眼魔と刀眼魔は眼魔眼魂を大量に投げる。すると、眼魔・コマンドが生成される。その数、百体。

 

 少女達は眼魔・コマンドの群れに向かって飛び降りる。

 

 

 戦闘BGM 絶刀・天羽々斬

 

 青と白のボディースーツの女性は歌いながら刀で眼魔・コマンドを切り裂いていく。

 

 逆羅刹

 

 突然彼女は逆立ちをしてそのまま横回転をして脚部にあるブレードを展開して周囲の眼魔・コマンドを切り裂く。

 

「鉛玉のバーゲンセールだ!」

 

 BILLION MAIDEN

 

 雪音と呼ばれた女の子は手に持っているクロスボウが変形した4問の3連ガトリング砲から弾丸を一斉掃射する。

 

 ガトリング砲から放たれた弾丸は眼魔・コマンドの体を風穴だらけにする・

 

「うおりゃああっ!」

 

 立花と呼ばれた女の子は眼魔・コマンドを殴り飛ばしていく。そして、眼魔・コマンドが運ぼうとした盗難品の一部を回収する。

 

「やったあっ!」

 

 回収できたことを喜んだが、彼女の後ろにはナイフを持った眼魔・コマンドがいた。眼魔・コマンドは彼女にナイフを振り下ろそうとした・・・・・・が巨大な槍で弾かれる。

 

「油断するな響!」

 

「すいません、奏さん!」

 

 槍を持つ女性・・・・・・奏は彼女を叱咤する。

 

 

 

「背中は任せてマリア姉さん!」

 

「ええ、頼りにしてるわよセレナ!」

 

 

 白銀の剣を構えて姉妹が背中合わせで戦う。マリアと呼ばれた姉が蛇腹剣で眼魔・コマンドを切り裂いて、セレナと呼ばれた妹が剣を振るうと白銀の剣が空中を舞い、眼魔・コマンドを貫いていく。

 

「・・・・・・行くよ切ちゃん」

 

「はいです!」

 

「「お前達の運、ためしてやる(デス)!」」

 

 切歌と調の二人の少女は眼魔・コマンドに向けて言い放つ。

 

 切歌は肩のブースターを点火してスピードを上げ、鎌で眼魔・コマンドを切り裂く。

 

 

 α式 百輪廻

 

 調は武器の鋸から小型の鋸を大量に射出して攻撃していった。

 

「みんな、あまり暴れて展示品を壊さないでね! 特に響!」

 

 小日向と呼ばれた女の子は武器の鉄扇を広げて鏡の様にしてビームを放ち、眼魔・コマンドを焼き払っていく。

 

『おいおい、何だよあいつら強いぞ!』

 

『このままじゃ、全滅ジャね?』

 

『さっさと、眼魔ホールを繋げえええっ!』

 

 次々と眼魔・コマンドがやられていくのを見て眼魔・アサルト達は焦って紋章を書いている。

 

『っ! 出来た! おらっ! 逃げるぞ!』

 

 紋章を書き終わり、移動用の特殊空間を作りアサルトと数体のコマンドは盗難品を運んで逃げた。

 

『・・・・・・貴様らのような強者と戦いたいが、今回は任務を優先しないとな。また今度戦おう!』

 

 刀眼魔は盗難品が運び終わったのを確認し、戦えないことを残念そうにしながら紋章をくぐろうとする。

 

「待ちなさい!」

 

 マリアは蛇腹剣を刀眼魔に向けて振るうが、刀眼魔は当たる直前に紋章をくぐり終える。

 

 刀眼魔と槍眼魔、眼魔・アサルトと盗難品を運んでいたコマンドには逃げられてしまった。

 

 戦闘を終えた女性達は片付けを始める。

 

「・・・・・・すいません、司令。逃げられてしまいました。展示品も殆どが奪われてしまい、一部しか回収できませんでした。はい、すみません」

 

 青と白のボディースーツの女性は電話で報告する。

 

「みんな、司令があとの処理は処理班に任せて撤退するようにだそうよ」

 

「分かったわ。切歌達は明日も学校だから早く寝ないとね」

 

「「「ああっ!!」」」

 

 学校と聞いて切歌と調、響の三人は何かを思いだしたのか思いっきり叫んだ。

 

「ど、どうしたの?」

 

「「「宿題忘れてた・・・・・・」」」

 

 ものすごく大事なことなのかと思っていたが、大した事ではなくみんなずっこけてしまう。

 

「何だそんなことかよ」

 

「今日は徹夜だね」

 

「「「ひええええ~!」」」

 

 夜の博物館に三人の悲鳴が響く。

 

 果たして彼女たちは何者なのか、眼魔の目的とは何か、この世界はどうなってしまっているのか、謎は深まるばかりである。 




初めての人は初めまして。作者の米田です。

今回は前々から書いてみたかったハイスクールD×D×戦姫絶唱シンフォギアのクロスオーバー作品を書いてみました。

今年はシンフォギアAXZとXDがあるので書いてみたくなりました

仮面ライダーゴーストは自分の趣味です

奏さん、セレナ生存で未来さんも奏者です。

次回はイッセーもでます!


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第一話「未覚醒の眼」

最初に言っておきます。

くそ長いです。

一万超えちゃったよ・・・・・・


『こんなやつらのために、これ以上誰かの涙は見たくない! みんなに笑顔でいてほしいんです! だから見ててください! 俺の、変身!』

 

 

 ある男はみんなの笑顔を守るために戦った。

 

『俺は戦う! 人の為に、アギトの為に!』

 

 ある男は神々の戦いに巻き込まれた人々を守るために戦った。

 

『俺は人を守るためにライダーになったんだ・・・・・・だったら、ライダーを守ったっていい!』

 

 ある男は願いを叶えるための戦いの中、全てを守るために戦った。

 

『知ってるか? 夢ってのはな、時々スッゲー熱くなって、時々スッゲー切なくなるらしいぜ・・・・・・俺には夢がない。けど、守ることは出来る!』

 

 ある男は人々の夢を守る夢の守り人となって戦った。

 

『俺は運命と闘う! そして、勝ってみせる! お前は・・・・・・人間達の中で生き続けろ』

 

 ある男は世界の運命と友を救うために自分を犠牲にして両方を救った。

 

『心だけは強く鍛えておかないと、自分に負けちまうじゃないか』

 

 ある男は身と心を常に鍛え、二人の少年を導いた。

 

『同じ道を行くのはただの仲間にすぎない。別々の道を共に立っていけるのは友達だ』

 

 ある男は友共に強敵を撃破し、別々の道を進んだ。

 

『悪いけど、時は消させない』

 

 ある男はみんなの過ごす時間を守るために戦った。

 

『僕は生きてみたいんだ。人間とかファンガイアとかじゃなくて。僕は僕として、変身!』

 

 ある男は人が奏でる音楽を守るため、そして、人とファンガイアの共存を実現するために戦った。

 

 

『通りすがりの仮面ライダーだ。よく覚えておけ!』

 

 ある男は世界を巡り、世界を破壊し、世界を救う。今も、自分の居場所を探して旅を続けている。

 

 

『俺達はこの町の涙を払う二色のハンカチ・・・・・・』

 

『行こう翔太郎』

 

『ああ、行くぜ』

 

『『さあ、お前の罪を数えろ!』』

 

 ある男達は町を泣かせる悪を懲らしめるために戦った。

 

『手が届くのに、手を伸ばさなかったら、死ぬほど後悔する。それが嫌だから手を伸ばすんだ』

 

 ある男は自分の欲望を見つけるために戦い、それを手に入れた。

 

『仮面ライダーフォーゼ! タイマン張らせて貰うぜ!』

 

 ある男は戦った敵とも友達になろうとした。

 

『さあ、ショータイムだ!』

 

 ある男は絶望を希望に変えるため、希望を守るために戦った。

 

『ここからは俺のステージだ!』

 

 ある男は世界と人類を守るために戦い、変身した。

 

『怪物ども、ひとっ走り付き合えよ!』

 

 ある男は止まったエンジンをかけてベルト(相棒)と共に機械生命体と戦った。

 

『俺は俺を信じる!』

 

 高校生ぐらいの少年は腰に両手をかざして、一つ目のお化けの様なベルトを装着して、目玉の様な物のボタンを押してベルトに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

『変身!』

 

『開眼! オレ!』

 

 少年は全身を黒いスーツに包まれた状態になって、ベルトのトリガーを押す。

 

 すると、ベルトから服のお化けが飛び出し、少年の周りを飛び、黒いスーツの少年はそれを纏った。

 

『レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

 ベルトから流れた音声と共に少年の姿はオレンジの顔に黒い瞳、剣のように鋭い角。そして、パーカーを羽織った姿に変身した。

 

『ゴーストだけど、命、燃やすぜ!』

 

 少年はベルトから剣を出し、何かに立ち向かっていった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピピピピピッ!

 

 鳴り響く目覚ましを止めて俺は起きる。

 

「・・・・・・またあの夢か」

 

 頭をかきながらパジャマからジャージに着替える。

 

 俺の名は兵藤一誠。あることを除けばスケベなただの高校生だ。

 

 さっきのは二年前から見続けている不思議な夢。仮面を付けた戦士が異形の怪物と戦う夢。

 

 殆どの戦士が見たことがない戦士だが、一人だけ、見たことがある戦士がいた。

 

 仮面ライダードライブ。

 

 三年前、機械生命体ロイミュードから人類を守るために戦った英雄。警視庁の刑事、泊進之介が変身した姿。特状課の仲間、それに仮面ライダーマッハ、仮面ライダーチェイサーと共にロイミュードを撲滅した。

 

 ロイミュードが撲滅されてからは変身システムは封印されたと聞いている。

 

 そんな仮面ライダードライブが出てきた夢・・・・・・もしかして、他の仮面の戦士も仮面ライダー?

 

「・・・・・・それにあの戦士の使う道具・・・・・・」

 

 目玉の様な物で変身した戦士。あれは・・・・・・

 

「っ! 急がないと! ジョギングしないと!」

 

 俺は慌てて部屋から出て階段を駆け下りて家を出る・・・・・・前に・・・・・・

 

「じいちゃん、ジョギング行ってきます!」

 

 俺はじいちゃんの・・・・・・天空寺タケルじいちゃんの仏壇に手を合わせてジョギングに行く。

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく、家の近くをジョギングしてから俺は家から少し離れた公園に向かう。

 

 そして、近くの自販機でジュースを二本買ってある電柱の近くまで来る。

 

 そこには花が供えられていた。俺は持っていたジュースの一本をそこに置いた。

 

『お兄ちゃん、今日も来てくれたの?』

 

「・・・・・・やっぱり、まだそこにいたのか」

 

 声がして振り返るとそこには頭部が血まみれな小学校三年生から四年生ぐらいの少年がいた。

 

『うん・・・・・・あっ、お兄ちゃん。僕をひき逃げした犯人を捕まえてくれてありがとう』

 

「気にしなくていいよ。俺はお前が見てた車のナンバープレートを伝えただけだ」

 

『それでもありがとう。誰も僕の声が聞こえなくてお兄ちゃんだけが僕の声を聞いてくれたんだから』

 

 誰も聞こえない。何故ならこの少年はすでに死んでいるからだ。つまり、幽霊である。

 

 よく見ると、少年の体は少し透けている。

 

「それはまあ、相性もあるからな。波長が合わないと見たり聞いたり出来ないから」

 

『そうだね・・・・・・・』

 

「だけど、お前まだこの公園にいるのか? お前が死んでから一週間は経つけど、犯人は捕まえたし、何が未練なんだ?」

 

 この少年は一週間前にひき逃げにあって死んでしまったのだ。次の日、俺はこの公園を通り、この少年に出会った。そして、少年が最後に見た車のナンバープレートの番号を俺が警察に伝えて犯人は捕まった。犯人は飲酒運転をしていてそれがばれるのが怖くて逃げたそうだ。

 

 犯人は捕まっただけど、まだこの少年は成仏できていない。

 

 この少年はこの場所から動けない。場所に縛れれている。いわゆる地縛霊という奴だ。

 

 このままこの場所に居るといつかは悪霊になってしまう。そうなると、俺の手には負えない。

 

『う、うん・・・・・・・』

 

「もしかして、両親を置いていくのが心残りなんじゃないか?」

 

 自分が居なくなったらお父さんとお母さんが悲しむ。そんな思いが少年にはあるのかもしれない。

 

「いいか、坊主。お前の姿はな、お父さんとお母さんには見えないんだぞ。お前が見えている俺が特殊なんだ。それにお前はここから動けないんだし、会いに行くことも出来ない」

 

『そうだね・・・・・・』

 

 俺はあえて厳しく言う。ここで本当のことを言わないとこいつのためにならないからな。

 

「・・・・・・だから待っててやれ。先に天国に行ってお母さん達が来たら笑顔で迎えてやれ」

 

『うん・・・・・・』

 

 少年は俺に言われて頷く。すると、少年の体は金色に輝いて光の粒子となっていく。

 

 ・・・・・・成仏する気になったか。

 

『お兄ちゃん。今までありがとう。お話ししてて楽しかったよ』

 

「気にするな。これは俺が好きでやってたことだ。これくらいしか、俺に出来ることはないからな」

 

『それでもありがとう・・・・・・・最後に一つだけお願いがあるんだけど良いかな?』

 

「良いけど、何だ?」

 

『お父さんとねお母さんにね。僕はお父さんとお母さんの子供に生まれてきて幸せだったよって伝えてくれる?』

 

「・・・・・・会ったらな伝えておいてやるよ」

 

 少年は俺が願いを聞いてやると泣きながらも笑顔を向けた。そして、光の粒子となって消えていった。

 

「いったか・・・・・・」

 

 俺は空を見上げた。・・・・・・許してくれ、こんな方法でしかお前を救ってやれない俺を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 名前  兵藤一誠

 

 職業  駒王学園高等部二年生

 

 髪の色 茶色

 

 瞳の色 茶色

 

 特技  『幽霊が見える』

 

 

 俺は物心ついた頃から幽霊が見えた。最初は生きている人間と区別がつかなくて、誰もいない所に話しかけたりして両親に心配された。

 

 タケルじいちゃんはそんな俺を理解してくれた。じいちゃんにも幽霊が見えていてじいちゃんの家系は代々幽霊が見える家系なのだが、じいちゃんの娘、俺の母さんには幽霊が見える能力はないみたいだ。

 

 じいちゃんは幽霊が見えることを人に話してはいけないと言われた。人は自分と違う異物を排除しようとする傾向がある。

 

 ・・・・・・まあ、違うことでいじめられてはいたんだよな。

 

 今は俺が幽霊が見えることは信頼できる友達と幼なじみにしか話していない。

 

「さてと、そろそろ帰るか・・・・・・」

 

 俺は空き缶をゴミ箱に捨てて家に帰ろうとした。

 

「おやっ? イッセー殿?」

 

 名前を呼ばれて振り返るとそこには緑色の袈裟を着たお坊さんが・・・・・・

 

「御成さん、おはようございます」

 

 俺はお坊さん、御成さんに頭を下げる。

 

 彼は御成さん。祖父が住職をしていた大天空寺のお坊さんで、今は住職代理をしている。

 

「おはようございます。イッセー殿は今日も少年の所に?」

 

「ええ、さっき、彼は天国に旅立ちました」

 

「そうですか、それは良かった」

 

「御成さんもあの子に会いに来てくれたんですか?」

 

「はい。念仏をと思いましたが、必要なかったですな。よくやりました。流石、イッセー殿。タケル殿の自慢の孫ですな」

 

 少年が成仏したと聞いて喜んで俺を御成さんは褒めてくれるが、あまり俺は喜べなかった。

 

「・・・・・・俺は大した事はしてないです。あの子の話を聞いてあげただけであの子を完全に救うことは出来なかったです」

 

 俺は幽霊に触れたり話したり出来るだけで、某高校生死神の様に刀で成仏させたり除霊することは出来ない。だから悪霊にでもなると手が出せない。 じいちゃんは成仏させたり除霊することが出来た。

 

 じいちゃんは住職をしながらもゴーストハンターとして悪い幽霊を退治していた。俺もじいちゃんに憧れていてゴーストハンターになろうと思っていたが、ゴーストハンターとしての技術を教わる前にじいちゃんは二年前になくなった。

 

「・・・・・・それは違いますぞ。イッセー殿」

 

「えっ?」

 

「確かに、イッセー殿はタケル殿に比べたら未熟者です。ですが、イッセー殿は幽霊を見ることが出来て話が出来ます。拙僧はまだまだ未熟者で見ることも出来ません。話を聞いてくれるだけでも気持ちがラクになり、未練が無くなっていくでしょう。イッセー殿は幽霊の心を救っているのです。ですからイッセー殿は胸を張ってください。ご自分を卑下になさらないでください」

 

「御成さん・・・・・・」

 

 御成さんの言葉に俺の心でもやもやしていた物がすっきりしたように感じた。

 

「ありがとうございます。何か気持ちがラクになりました」

 

「どういたしまして。これからも何かあったら大天空寺に。相談に乗りますぞ」

 

「はい!」

 

「では、そろそろお帰りなさい。学校に遅刻しますぞ」

 

「やべっ! 御成さん、さようなら!」

 

 俺は御成さんに頭を下げて走り出す。

 

 

「タケル殿、イッセー殿は立派に育ちましたぞ」

 

 御成は誰も聞いていないが空に向けてつぶやいた。

 

 

 

 

 

「ただいま!」

 

 俺は玄関を開けて勢いよく家に入る。

 

「お帰り」

 

「お帰りなさいイッセー。シャワー浴びてご飯食べなさい」

 

 帰ると台所では母さんが朝ご飯を作っていて、リビングではソファーに座りながらニュースを見ている鳥の羽の様な髪型をした女性、天羽奏、奏姉がいた。

 

「ありがとう母さん。あと、おはよう奏姉」

 

 俺は母さんに礼を言って奏姉に挨拶をしてシャワーを浴びる。

 

 奏姉は俺が小さい頃、父さんと母さんが引き取って家に来た。何でも仲が良かった友達が事故でなくなって引き取ったとか。

 

 奏姉はいじめられた俺を助けてくれた。そして、励ましてくれた。

 

 本人には内緒だけど、奏姉は俺の初恋の人だ。

 

 

 シャワーを浴びた俺は制服に着替えて朝食を取る。

 

 今日の朝ご飯はご飯に味噌汁。鮭の塩焼きだ

 

『次のニュースです。今日の午前零時ごろ、駒王町の博物館に強盗が侵入しました、強盗は特別展示会場にある世界の偉人展の展示品を盗み、今も逃走中です』

 

「まじか・・・・・・結構楽しみにしてたんだけど、中止かな」

 

 ニュースを見て軽くショックを受ける。

 

『芸能ニュースです。先日、武道館でのライブを行うことを発表したトリニティウイング。ファンはかなり熱狂しています』

 

 次のニュースで芸能関係のニュースになり、そのニュースの映像には奏姉の姿が。

 

 奏姉は親友の風鳴翼、マリア・カデンツァヴナ・イブの二人と共にアイドルユニット、トリニティウイングをやっている。

 

 二人とは昔からの知り合いで俺は二人のことをそれぞれ翼姉、マリア姉と呼んでいる。

 

「おー盛り上がってるな。あ、イッセーこのライブのチケットやるから響達と来いよ」

 

「ありがとう奏姉」

 

 トリニティウイングのライブのチケットは直ぐに完売するからなかなか買えなくて困っている。休日から販売する奴なら徹夜で並んで買うんだけど、平日だと学校あるからなー。

 

 そういえば、土曜日に新曲発売だったな。CD買わないと。

 

「にゃ~」

 

 すると、黒い猫。飼い猫のクロが俺の脚にすり寄ってきた。

 

「どうしたクロ? お前も朝ご飯か?」

 

 俺はクロを抱きかかえる。

 

 クロは二年前、怪我してるところを俺が保護してそのまま飼うことになった猫だ。俺によくなついていて時々一緒に寝ている。

 

 ・・・・・・あの戦士達の夢もよく見るんだけど、クロが来てから誰か分からない美人な女の人の胸に顔を埋めている夢を見るんだよな。

 

「イッセー、学校に行かなくて良いのか?」

 

「あっ、やばっ!」

 

 俺はクロを降ろして慌ててご飯を食べて、母さんが作ってくれた弁当を鞄に入れて、歯を磨く。

 

「じいちゃん、行ってきます!」

 

 俺はまたじいちゃんの仏壇に手を合わせる。そして、じいちゃんに貰った俺の大切な宝物。宮本武蔵の刀の鍔に紐を通して作ったペンダントを首にかける。

 

「母さん、奏姉、クロ、行ってきます!」

 

 そして俺は家を出て学校に向かう。

 

 家を出て少しすると、見慣れた二人組を見つけた。

 

「おはよう、響、未来!」

 

 俺は幼なじみの内の二人、元気いっぱいって感じの立花響、大人しめのみんなのストッパー、小日向未来。二人とも俺の大切な幼なじみだ。二人とは小学校に入った頃、いじめられている二人を助けて知り合った。そこから仲良くなって小中高一緒だ。

 

「おはようイッセー」

 

「おはよう。今日遅かったね。どうしたの?」

 

 二人とも挨拶を返してくれたけど、未来が心配してくる。

 

 普段は俺ももう少し早くて二人と一緒に登校している。

 

「ああ、ちょっとお話しが長くなってな」

 

「それって幽霊との?」

 

 未来は話しをしていたと言っただけでだいたい分かったようだ。響と未来は俺が幽霊を見える事を知っている。他にも奏姉とマリア姉、翼姉も知ってる。他にも知ってる人はあと八人いる。

 

「そうだな。なんとか成仏させることが出来て良かったよ」

 

 空を見ながらさっきのことを思い出してしまった。御成さんのおかげでだいぶ楽になったけどな。

 

「えいっ!」

 

 すると、突然響が抱きついてきた。抱きついてきたため、響の柔らかいおっぱいが当たってしまう。

 

「ひ、響さん!? な、何をしてるんでしょうか!?」

 

「響! 何をしてるの!?」

 

 俺と未来は狼狽えて取り乱す。何で、抱きつくの!?

 

「ちょっと落ち着いた?」

 

「えっ?」

 

 響の言ってることが分からなかった。何が落ち着くんだ?

 

「イッセー、ちょっと辛そうだったから抱きついたら落ち着くかな~って」

 

「辛そうってそんなに?」

 

「うん」

 

「まだまだやりきってないって感じ」

 

 やりきってないか・・・・・・御成さんに相談に乗って吹っ切れたと思ったんだけどな。

 

「イッセー、私達は幽霊を見ることが出来ないけど、イッセーの力にはなることは出来る」

 

「だから、自分だけで背負わないで。私達を頼って」

 

「響・・・・・・未来、ありがとうな」

 

 背負わないで頼る。御成さんにも最後、相談してくれって言われたな。

 

「良いってお礼を言わなくて。さっ、学校に行こう!」

 

「・・・・・・その前にいつまで響は抱きついてるの?」

 

 学校に行こうと俺の腕を引っ張る響を未来はジト目でにらむ。

 

「うーん? 学校に着くまで?」

 

「疑問系!? そんなにくっついてたらイッセーの迷惑でしょ!?」

 

「えーそんなことないよ。イッセー、私にくっつかれるの嫌?」

 

 響は涙目の上目遣いで俺のことを見てくる。うっ・・・・・・そんな目で見るのやめてください。あと、おっぱいはもっと押しつけてください。

 

「い、イヤジャナイヨ」

 

「・・・・・・イッセー、鼻の下が伸びてるよ?」

 

 目をそらして答える俺をにらむ未来。・・・・・・スケベでごめんなさい。

 

「未来も抱きつけばいいのに。片方空いてるよ?」

 

 響は空いている俺の左腕を指さす。・・・・・・あの焚きつけないでください。

 

「ううっ・・・・・・えいっ!」

 

 意を決したのか未来は顔を真っ赤にして左腕に抱きついてくる。って未来さん!?

 

「ちょっ未来さん?!」

 

「ひ、響に比べたら小さいけど、私だってあるんだからね・・・・・・」

 

 恥ずかしそうにする未来・・・・・・可愛いな。

 

「え、ええと・・・・・・」

 

「さてと、学校へGO!」

 

 反応に困ってる内に響に引っ張られて学校に向かう。

 

 えっちょっ、ダレカタスケテー!

 

 

 

 

 

 結局二人が抱きついたまま、学校の近くまで来てしまった。

 

 ・・・・・・周りの視線がとても怖いです。男子から嫉妬や羨ましそうな恨みを込めた黒いオーラが視線が俺に注がれてるんです。

 

「あの~二人ともそろそろ離れて・・・・・・」

 

「「嫌!」」

 

「ですよね~」

 

 離れて欲しいことを伝えたけど、拒否されてしまった。

 

 このまま教室に行くのかなー。

 

「イッセー先輩おはようデース!」

 

「ドボルベルク!?」

 

 すると、誰かがいきなり誰かが抱きついて変な声を出してしまった。

 

 ・・・・・・誰かは独特な語尾で分かった。

 

「お、おはよう切歌・・・・・・」

 

「デスデース!」

 

 ちょっとむせながら俺も挨拶をする。

 

 俺に勢いよく抱きついてきたのは暁切歌。あともう一人いる俺と響達の後輩である。

 

「・・・・・・切ちゃん、急ぎすぎ。おはようございます。イッセー先輩。響先輩、未来先輩」

 

「おはよう、イッセー君。響、未来」

 

「おはよう、調。セレナ」

 

 切歌に遅れて黒髪のツインテールの少女、俺の後輩の一人である月読調と俺と響達の同級生桃色の髪の少女、マリア・カデンツァヴナ・イブの妹のセレナ・カデンツァヴナ・イブがやってくる。

 

 切歌と調は小学校中学年ぐらいの時に知り合った。転校してきた二人の面倒を見ていたらなつかれた。

 

 マリア姉とセレナともこの時知り合った。

 

「おはよう切歌ちゃん、調ちゃん。セレナ」

 

「おはよう。切歌、調、セレナ」

 

 響と未来の二人もあいさつをする。

 

「・・・・・・で、何で切ちゃんはイッセー先輩の背中に抱きついてるの?」

 

「それは響先輩と未来先輩が抱きついてるのを見て羨ましくなったからデース」

 

「・・・・・・成る程」

 

「ははは・・・・・・」

 

 何で抱きついたか切歌は説明するそれに調は納得して、セレナは苦笑いをする。

 

「ったく、朝から騒がしいぞお前ら」

 

 呆れたような顔をした銀髪の少女が近づいてくる。

 

「あ、おはようクリス」

 

「おはようクリスちゃーん!」

 

 俺と響は近づいてきた銀髪の少女、雪音クリスにあいさつをする・・・・・・と同時にクリスに殴られた。

 

「「あだっ!?」」

 

「お前ら学校ではあたしは先輩なんだから敬えって何度もいってんだろ! いい加減、呼び捨てとちゃん付けはやめろ!」

 

 呼び捨てにされて怒るクリス。・・・・・・でもなあ、付き合い長いし。小さい頃から呼び捨てだったから今更変えるのはなー。

 

「良いじゃん。俺とクリスの仲なんだし」

 

「だから呼び捨てにすんじゃねえよ! このバカイッセー!」

 

ブチ切れたクリスが俺にヘッドロックをかましてくる。

 

い、痛い痛い! 痛いけど……クリスのでかいおっぱいが当たって気持ちいい!

 

やばい。あまりの気持ちよさに鼻血が……

 

「ちょっ! クリス先輩! 今すぐイッセー先輩を離したほうがいいデス!」

 

「……先輩のデカパイでイッセー先輩の顔面パイズリしてて鼻血が出そう」

 

「っ! っ〜!」

 

切歌と調に指摘されて気がついたクリスは顔を真っ赤にして俺を殴り飛ばす。……理不尽だ。

 

 

 

 

 

俺を殴り飛ばした後、クリスはダッシュで自分の教室に向かった。俺も起き上がり、響達と教室に向かう。

 

 

「おはよう〜」

 

「イッセー!」

 

「死ねー!」

 

教室に入るとハゲとメガネ、俺の親友である松田と元浜が殴りかかってきた。

 

俺はそれを避けてカウンターパンチを二人におみまいする。

 

「「そげぶ!?」」

 

「相変わらずだなお前ら。少しは学習しろよ」

 

「うるせー!」

 

「おまえばっかモテやがって!」

 

 二人は良い奴なんだけど、響達といると何故か襲ってくる。

 

 ちなみに二人は俺が幽霊を見える事を知っている。それでも俺のことを差別したりしない。良い奴だ。

 

「モテるって俺はモテてる訳じゃないし、響達はただの幼なじみだし」

 

「・・・・・・お前、本当に鈍感だな」

 

「響ちゃん達が可愛そうだぜ」

 

 あれ? 何で松田と元浜は呆れてるんだ?

 

「まあ、良い。今日はお宝を持ってきたぜ!」

 

 すると、松田は鞄から卑猥な本やDVDを机にぶちまける。

 

「ひっ・・・・・・」

 

 それを見ていたクラスメイトは悲鳴を上げる。

 

 まあ、あんなの見たらなー。

 

「みるな、コレは俺達の楽しみだ!」

 

「さあ、イッセー見ようぜ!」

 

 二人はコレを俺に見せようとしたが・・・・・・。

 

「イッセーミナイヨネ。ガッコウデヒワイナコトハダメダヨ」

 

 未来がハイライトが消えた眼で俺を見て強い力で掴んでるんです。

 

 未来は俺が学校で卑猥なことをしないように見張ってるんだ。スケベな俺には辛いことだ。

 

「いや、俺はこっちの方が良いかな」

 

 俺は鞄から世界偉人録という、世界の偉人について書いてある本を取り出す。この本は昔じいちゃんが俺に宮本武蔵の刀の鍔と一緒にくれたんだ。まあ、小さい俺では読めないところが多かったけど、じいちゃんに読んで貰った。

 

 じいちゃんが聞かせてくれた英雄達の話に俺は心を躍らせた。

 

「お前、本当に好きだよな」

 

「ああ、俺はいつか英雄達のように命を燃やし尽くして生ききってみたい。それが俺の夢だ」

 

 じいちゃんは言っていた。英雄は命を燃やし尽くして生ききった人なんだと。

 

「おいおい、俺達の夢はハーレム王になることだろ?」

 

「そうだな。その前にこの女子が多いこの駒王学園に・・・・・・」

 

 俺達が夢というか、野望について話していると、チャイムが鳴り、HRが始まった。

 

 

 じいちゃんから貰った宝物は世界偉人録と宮本武蔵の刀の鍔だけではない。

 

 二年前、じいちゃんは亡くなったんだけど、亡くなる一ヶ月前の俺の誕生日に白い目玉のような物をくれた。

 

 これは夢に出てきた幽霊を纏った戦士が持っている物によく似ている。じいちゃんはいつかコレが必要になると言って渡したんだけど、横にあるスイッチを押しても何も反応しない。どうすれば、これは使えるんだ?

 

 

 そういえば、じいちゃんが亡くなってからだなあの夢を見るようになったのも。

 

 

 

 

 

 

 時は流れ、放課後、俺は鞄に教科書を詰めて帰る支度をする。

 

「おいイッセー」

 

 帰ろうとしたら松田が話しかけてきた。どうしたんだ?

 

「良い場所を見つけたんだけどさ、覗きにいかね? 剣道場の所の更衣室近くなんだ」

 

 覗きの誘いだった。・・・・・・昔の俺だったら乗るんだけど。

 

「いや、遠慮する。前にも言ったけどさ・・・・・・・」

 

「分かってるって。雪音先輩達にばれたらやばいんだろ。一応誘っただけだから気にするな」

 

 クリス達にばれたらやばい。それは俺が中学生になって少しした頃、女子の更衣室を覗いてそれが翼姉、クリス、未来にばれてお話し、いや、OHANASIを受けた。あの時の三人はまじで怖かった。

 

「じゃあ、俺は帰るわ」

 

 鞄を手に取り、教室を出ようとドアへ向かおうとしたとき、廊下から殺気を含めた視線を感じた。

 

 廊下には見た目は黒髪イケメンな奴が俺をにらんでいた。

 

 あいつの名前は瓢箪天性。こいつとも幼小中高から一緒の奴なんだが、仲は良くない。というか、こいつに俺は幼稚園の時にいじめられていた。幼なじみ一号のイリナがいた頃はイリナに助けて貰ったりしていた。イリナが居なくなってからはさらにいじめが酷くなったが、じいちゃんに宮本武蔵の刀の鍔を貰ってこんな奴に負けるかと思うようになり、反抗するようになっていじめはなくなった。

 

 あと、セレナはあることが原因で天性のことが嫌いだ。

 

「・・・・・・また隣の瓢箪がお前のことをにらんでる。お前、何であいつに嫌われてるんだ?」

 

「知るか。興味ないし。お前も行かなくていいのか?」

 

「そうだった。おい、元浜! 行くぞ、俺達の理想郷!」

 

 松田と元浜は覗きをしに、剣道場の方へ向かう。

 

 そういえば、最近あの辺の見回りを生徒会が強化しているって匙と由良が言っていたな。・・・・・・二人とも、無茶するなよ。

 

 俺は親友二人に合掌をして教室を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ! 赤龍帝の籠手を奪ったのになんであいつの周りにはあんなに美少女が集まるんだよ!」

 

 瓢箪天性は嘆いた。彼こそ、兵藤一誠が手に入れるはずであった赤龍帝の籠手を奪って転生した転生者なのである。

 

「つうか瓢箪天性とか巫山戯てんのか。どんだけ名前付けるセンスがねえんだよ。兵藤一誠の兄弟に転生するかと思ったらまさかの違う家族の子供として生まれるとかありえねえだろ・・・・・・」

 

 彼は自分の名前に不満を言ってるが、彼が転生するときに兵藤一誠の兄として転生とか頼まなかった彼の落ち度である。

 

「いや、もうこのさい名前はどうでも良い! 兵藤一誠の周りにいる美少女達は何者だ! あいつら、原作には居なかったぞ! それにイリナも俺の物にしようとしたが、俺の物にならないし! しかも、一誠のことをいじめぬいて自殺に追い込もうとしても邪魔するし・・・・・・どうなってるんだよ!」

 

 どうやら、彼は兵藤一誠の周りに美少女達が居るのが気にくわないようだ。

 

 兵藤一誠がモテるのは、彼の人となりが関係しているのだが瓢箪天性はそれに気がつかない。

 

 しかし、こいつのやり方は汚すぎる。吐き気がするほどに。

 

「ふふふ、まあ、良い。もうすぐ原作が始まる。原作が始まればレイナーレが俺を殺しに来るはずだ。そうすればリアス・グレモリーが俺を転生させる。赤龍帝であるこの俺を! ただの人間で! 無能で無価値の兵藤一誠に何て見向きもしない! 悪魔になれば俺は強くなれる! そうすればイリナも! あいつの周りにいる女達も俺の物だ! 俺こそが主人公だ! ハハハハハハハハハハハッ!」

 

「ママーあのおじちゃんどうしたの?」

 

「しっ、見ちゃいけません!」

 

 狂ったように笑う瓢箪天性は子供に指を指されてそのお母さんには不審者扱いされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうしてこうなったんだ相棒』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いな響達・・・・・・」

 

 俺は校門で響達を待っていた。今日はお好み焼きやのふらわーにみんなで行く予定だったんだけど、響達は先生に呼び出しを受けて俺は校門で待ってることになった。

 

「暇だしニュースを・・・・・・」

 

 スマホで愛読しているニュースサイト、OREジャーナルを開いて読む。

 

「何々・・・・・・駒王町の博物館の強盗、犯人は幽霊か? 監視カメラに犯人の姿は映らず、展示品が宙を飛ぶ! か・・・・・・普通なら馬鹿馬鹿しいと思うところだけど、幽霊とか見えちゃうからな・・・・・・今度、調査してみるか」

 

 記事を読んで俺は少し、興味をそそられた。悪霊の仕業かどうか確かめるか。この記事を書いたのは・・・・・・城戸真司さんか。どんな人なんだろ?

 

『『ギャーッ!』』

 

 すると、剣道場の方から聞いたことがある声が悲鳴として聞こえる。・・・・・・二人とも、強く生きろ。

 

「あ、あの、兵藤一誠君だよね?」

 

「うん?」

 

 名前を呼ばれて振り返るとそこには黒髪の清楚なお嬢様という感じの綺麗な女の子がいた。

 

 ・・・・・・誰だろう。見たことのない制服を着てるし、こんな綺麗な女の子と知り合っていたら覚えてないわけはないと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「告白された!?」」」」

 

「「むぐうっ!?」」

 

「響、切歌!? 大丈夫か!?」

 

 響達と合流した後、ふらわーに行って、お好み焼きを喰いながら何があったか説明していたら響と切歌がお好み焼きをのどに詰まらせた!

 

 俺は慌てて二人に水を飲ませる。・・・・・・これで対処法あってるかな?

 

 

「ぷはあっ!」

 

「死ぬかと思ったデス!」

 

「まったく、慌てて食べるからだ」

 

「それでなにがあったんですかイッセー先輩」

 

 何とか生還した二人に安心して、調が何を合ったか詳しく聞いてきた。

 

「ああ、見知らぬ女子高生に付き合ってくれって言われた。それだけだけど」

 

「な、何て答えたの?」

 

「ん? 断ったよ。何も知らない子といきなり付き合えないし」

 

 あの後、俺は謎の黒髪美少女・・・・・・天野夕麻って言ったか。夕麻ちゃんに告白された。だけど、俺は夕麻ちゃんのことを何も知らないいきなり恋人になるのは出来ないと答えた。

 

「そ、そうなんだ。良かった・・・・・・」

 

「あ、でも今度の土曜日、デートすることになった」

 

 ピキッ・・・・・・

 

 交際を断ったことに何故か未来はほっとして、デートすることになったことを伝えると、響達は持っている箸をへし折った。え?

 

「・・・・・・どういうことイッセー君」

 

 セレナが怖い顔で聞いてくる。

 

「いや、なら一度だけでもデートにってかなり必死に頼まれてな・・・・・・って何でみんな不機嫌なんだよ」

 

「「「「「「知らない!」」」」」」

 

 不機嫌になっている理由を聞くと、みんなお好み焼きをやけ食いしていく。・・・・・・何で?

 

 

 

 

 この時の俺はそのデートが俺の運命を変えることになるなんて思っても居なかった。




どうも、作者の米田です。

シンフォギアのキャラの口調、これで良かったかなと不安になりながら書いてました。

イッセーの幽霊が見える設定は唐突に思いついて使いました。この設定が最後まで残るか・・・・・・

イッセーと奏者達の関係は幼なじみで、イリナが外国に言った後に知り合いました。

みんなイッセーに惚れています。・・・・・・ただ、年上三人組の奏、翼マリアがどうして好きになったかまだ思いついてません

明後日のエグゼイドが楽しみです。貴利矢さん復活!? しかもクロノスの仲間!?

貴利矢さんはエグゼイドでかなり好きなキャラです。まあ、最初は嫌いでしたが、ギリギリチャンバラの回で好きになりました。

エムを奮い立たせての協力プレイ。これからエムの相棒として一緒に戦っていくかなと期待したらゲンム ゾンビゲーマーに・・・・・・社長ぜってえ許せねえ!と思いましたね

貴利矢さんが残したデータで作ったガシャットとドライバーでゲンムを倒した時は嬉しかったですね。

社長が死んだときはざまあとか思いましたが、ポッピーを身を挺して守った時は社長、格好いいじゃねえか・・・・・・と思ってしまう自分は何なんでしょうか



次回予告です

「ねえ、イッセー君・・・・・・最後に一つ良いかな?」

「俺は、俺を信じる!」

『開眼! オレ!』

次回、「開眼! オレ!』ご期待ください


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第二話「開眼! 俺!」

更新しました。

今回も割と長いです。これでも削ったんですけどね。デートのやり取りとか。

何でいつも長くなるんだろう。


『ひっく、ぐすっ・・・・・・おじいちゃん』

 

『おや、どうしたんだイッセー? またいじめられたのか?』

 

『うん・・・・・・何で天成君は僕をいじめるんだろ?』

 

『うーんそれは本人聞かないと分からないが、これだけは言える。イッセー、そんないじめに負けてはダメだ』

 

『でも・・・・・・』

 

『いいかい、イッセーが好きな英雄達もどんな苦しいことがあっても最後まで生き抜いた。彼らのようにイッセー、お前もどんな逆境にも負けない強い男になれ』

 

『強い男・・・・・・』

 

『そうだ。これをイッセーにあげよう』

 

『これは何?』

 

『これは宮本武蔵が使っていた刀の鍔だ。きっとお前を守ってくれる。お前の力になってくれる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  土曜日、俺は待ち合わせの時間の十分前に待ち合わせの場所に来た。すると、夕麻ちゃんも俺のあとにやってきた。

 

「ごめん、イッセー君、まった?」

 

「いいや、今来たところさ。気にしないで」

 

 少し話しをして俺達はデートに行く。

 

 デートの内容は普通だった。

 

アクセサリー店でアクセサリーを見たり、洋服を見たりしてすごした。

 

夕麻ちゃんは ペットショップで子猫に夢中になった。

 

時は過ぎ、夕暮れ。公園に行こうと夕麻ちゃんに言われて公園に向かう。……途中、ふらわーの前を通ったら、ふらわーからドス黒いオーラが流れてるのが見えた。

 

そして公園につく。

 

「イッセー君。今日はありがとう。楽しかったよ」

 

「どういたしまして。俺も楽しかった」

 

「最後にお願いがあるんだけど良いかな?」

 

お願い……何だろう。

 

「ああ、良いよ。何かな」

 

「……逃げて」

 

逃げて? どういうことだと聞こうとした時、殺気を感じて一歩下がると、俺の立っていた場所に槍が突き刺さる。

 

……どういうことだ?

 

「チッ避けられたか」

 

木の陰から槍を持ち、槍のような兜を被った化け物と両肩に燕を乗せて片手が剣になっている化け物が現れた。

 

な、何だ? あいつらのオーラから幽霊っぽいけど。あんな幽霊、見たことない!

 

「堕天使レイナーレ! 何故、そいつを殺さない! そいつを殺せば貴様にも眼魔の力を与えられるんだぞ!」

 

「堕天使? どういうこと?」

 

夕麻ちゃんはどう見ても人間……

 

「イッセー君……ごめんね」

 

夕麻ちゃんは俺に謝ると体を光が包み、背中から黒い翼が生えて服がボンテージに……そして光を集め、光の槍に変える。

 

「そうだ! 殺せ! こいつは我々の障害になる!」

 

夕麻ちゃんは光の槍を投げた……槍を持った怪物に向けて。

 

「なっ!?」

 

「ふん!」

 

 光の槍は刀の怪物が弾いて槍の怪物には当たらなかった。

 

「貴様、どういうつもりだ! 我々を裏切るのか!」

 

「ええ、そうよ。私はここ一週間、彼を監視していた。彼は事故で亡くなった少年を救ってその子のために泣けるとても優しくて良い人よ」

 

……あの時のことを見てたのか。

 

「そんな下らん理由でそいつを助けるのか」

 

「所詮は堕ちた天使ということか。ならまず、貴様を葬ろう!」

 

「イッセー君、彼奴らは私が抑えるからそのうちに逃げて。あなたの幼馴染ならあなたを守ることができるから」

 

「ま、待って!」

 

夕麻ちゃんは光の槍を持って翼を羽ばたかせて眼魔と名乗った怪物達に向かっていく。

 

無茶だ! 夕麻ちゃんも堕天使みたいだけど、相手は二人、数では不利だ。

 

光の槍で槍の眼魔を突こうとするが、刀の眼魔の刀に弾かれる。槍の眼魔は、夕麻ちゃんに槍を突き刺そうとしたが、夕麻ちゃんはそれをよけるが、刀の眼魔に蹴り飛ばされる。

 

「がはっ!」

 

「ふん、貴様は愚かだ。素直に我々に従えば良かったものを。貴様を殺した後、あの小僧も殺してやるから安心しろ」

 

槍の眼魔は夕麻ちゃんに向けて槍を突こうとした。

 

俺は走り出してジャンプして槍の眼魔に飛び蹴りを放つ。

 

「うおりゃあああっ!」

 

「はっ? ぐああっ!」

 

俺のことなんて気にしてなかった槍の眼魔は不意を突かれ、吹っ飛び、刀の眼魔を巻き込む。

 

吹っ飛んだ時、槍を離したため、俺はそれを拾い、眼魔達に向けて夕麻ちゃんをかばうように立つ。

 

「貴様! まだ逃げてなかったのか!」

 

「イッセー君、何で……」

 

眼魔と夕麻ちゃんは俺が逃げていなかったことに驚いていた。

 

「ごめん夕麻ちゃん、弱い俺は逃げるのが正解なんだと思う。だけど、女の子が戦ってるのに男の俺が逃げるなんて英雄以前に男として最低だ! 俺はそんな最低な男になりたくない!」

 

「ふん、貴様は愚かだ。だが、貴様の生き様、嫌いではない!」

 

 刀の眼魔は刀を構えて俺に向かってくる。俺は槍を勢いよくつく。

 

「貴様! 俺の槍を返せ!」

 

 槍の眼魔は奪われた槍を取り返そうと襲いかかってきた。俺は避けて脚を出して槍の眼魔の脚にかけて転ばせる。

 

「ぐあっ!」

 

「俺の事を忘れるな!」

 

 刀眼魔は刀を振り下ろす。俺は槍で受け止める。

 

「がら空きだ!」

 

 剣を防ぐことに気を取られて空いていた脇を槍の眼魔に蹴り飛ばされて吹っ飛んでしまった。

 

「がはっ!」

 

 吹っ飛んだ俺は木にぶつかり、咳き込み、槍を堕としてしまう。

 

「俺の槍!」

 

 槍の眼魔は自分の槍に飛びついた。

 

 刀の眼魔は俺の首に刀を添える。

 

「貴様は人間のくせによくやった。だが、ここまでだ。貴様はここで死ぬ。それで終わりだ」

 

 刀の眼魔は冷酷な声で俺に告げる。

 

 ここで終わりか・・・・・・

 

「はっ・・・・・・ここまでか」

 

「・・・・・・何が可笑しい」

 

「俺はまだ死ねない! まだ命を燃やし尽くしてない! 俺はこの命がつきるその時まで生ききってやる! 俺が憧れた英雄達のように!」

 

 そう、俺は誓ったんだ! じいちゃんに! どんな逆境にも最後まで抗い、命を燃やした英雄のようになるって!

 

 すると、俺の胸元から強烈な光が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセーが眼魔達と遭遇する少し前、ふらわーにて・・・・・・

 

「「ガツガツガツムシャムシャムシャ!」」

 

 黒いオーラを出しながらものすごい勢いでお好み焼きを平らげている響と切歌がいた。

 

「ふふふっ・・・・・・ダメだよ響。そんなに勢いよく食べたらまたのどに詰まらせるよ?」

 

「・・・・・・切ちゃんも落ち着いて」

 

 そんな二人を見てニコニコしてる未来と調であるが、二人とも目は笑っていらず、黒いオーラを出している。

 

 クリスとセレナの二人も黒いオーラを出していて周りのお客さんも近づかない。唯一、ふらわーのおばちゃんはにこやかに響達を見ていた。

 

「これが・・・・・・」

 

「落ち着いてられるかデス!」

 

 二人は勢いよく立ち上がり、皿をひっくり返そうになる。

 

「何でイッセーは初めて会った女の子とデートしてるの!」

 

「付き合いの長い私達はまだデートしてないんデスよ!」

 

「まあ、それはそうだね」

 

 イッセーがデートをしてることが不満な響と切歌にセレナは同意する。

 

 ここにいる響、未来、セレナ、クリス、切歌と調はイッセーに惚れている。他にもここにはいないが、翼とマリア、奏の三人もイッセーに惚れているのだ。イッセー本人は気がついていないが・・・・・・、

 

「先輩もイッセーがデートするって聞いて泣きそうになっていたな」

 

「奏さんも不機嫌そうにしてた」

 

「マリア姉さんは『狼狽えるな!』って言ってたけど、脚が生まれたての子鹿のように震えてた・・・・・・」

 

「そのあと、マリアはタンスの角に足の小指をぶつけてたデス」

 

「・・・・・・塩と間違えて角砂糖入れてた」

 

 響達は翼達の反応を思い出していた。

 

「まあ、アタシはそんなことどうでもいいけどな」

 

 クリスは備え付けられている砂糖が入ってる箱から砂糖を出して自分の飲み物に入れる。

 

「クリス先輩、コーラに砂糖を入れるんデスか?」

 

「はっ?」

 

 クリスは自分の飲み物を確認する。・・・・・・コーヒーではなく、コーラだ。

 

「何でコーラが・・・・・・」

 

「それは先輩が頼んだからデス。やっぱり先輩もイッセー先輩のことを気にして・・・・・・」

 

「そういえば、切歌、お前甘いの好きだったよな! これやるよ!」

 

 哀れ切歌、余計なことを言った為、砂糖がたくさん入ったコーラを飲まされてしまう。

 

「がふっ!」

 

「切ちゃ~ん!!」

 

 切歌は口から何かを吹き出してぶっ倒れて調が駆け寄る。

 

 コントのようなやり取りをしていると、響達の持つ通信機に通信が入る。

 

『みんな、聞こえるか?』

 

「師匠? どうしました?」

 

 響は自分たち以外のお客に聞こえないように小声で話す。

 

『君たちは今どこにいる?』

 

「ええと、ふらわーですけど、それがどうしたんですか?

 

『ああ、実はその近くの公園に眼魔と堕天使が現れた。堕天使は恐らく、はぐれだと思われるが、場合によっては倒してくれ』

 

「あそこの公園ですね。分かりました」

 

 響は場所を把握して答える。クリス達はお金を払ったり、皿を片付けたり、切歌を起こそうとしたりしていた。

 

『頼む。そうだ、急いだ方が良い。その場所にはイッセー君がいるからな』

 

「「「「「「はい!? はいいいいいいいいいっ!?」」」」」」

 

 響達は一瞬呆けて、驚いた。気絶した切歌も復活するぐらい驚いていた。

 

「な、何でイッセーがそこに!?」

 

「そんな大事なこと、何で先にいわねえんだよ!」

 

「イッセー先輩を傷つける奴らはKillデス!」

 

「切りちゃん怖い・・・・・・」

 

 イッセーが現場に居ることを知った響、クリス、切歌と調はふらわーを飛び出して公園に向かう。

 

「ちょっとみんな!」

 

「置いていかないで!」

 

 四人に遅れて未来とセレナもふらわーを出て公園に向かう。

 

 

 公園に着いた響達はすぐにイッセーを見つけた。

 

 女の堕天使が一人、地面に倒れていて、この前逃がした槍の眼魔と刀の眼魔が居た。刀の眼魔はイッセーに刀を突きつけていた。

 

「や、やばい! クリスちゃん、切歌ちゃんに調ちゃん! 行くよ!」

 

 響達は聖唱を唱えて、シンフォギアを纏おうとした、その時だった。

 

 イッセーの言葉と共に彼女たちの視界は白で塗りつぶされた。

 

「これは・・・」

 

 イッセーは驚いた。自身から放たれていた光もそうだが、祖父から貰った、あの眼を模したアイテムもまるで呼応するかのように光輝いていたからだ。

 

 すると胸の光はアイテム―眼魂に吸収され、白のみだった配色から黒と白で彩られた姿に変わり、最後に目のような模様が加わった。

 そう、イッセーの覚悟と魂に共鳴した眼魂が戦う力を得た姿-オレゴースト眼魂に進化したのだ。

 

「もしかして・・・」

 

 イッセーは夢で見た青年と同じように腰に手を翳すと、オレンジの炎と共に中央にある目を思わせる装飾が特徴的なベルト―ゴーストドライバーが出現し、装着される。

 

 そのまま眼魂のスイッチを押すとGの文字が現れて起動状態となってドライバーに装填し、バックルの右側にあるレバー―デトネイトトリガーを引く。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミーナ! バッチリミーナ!〉

 

「ぐぁっ⁉」

 

 するとドライバーから黒を基調としたオレンジのパーカーを着た幽霊-オレゴーストが召喚され、光のせいで視力が回復しきってない刀の眼魔を吹き飛ばすと、ある言葉と共にトリガーを押し込んだ。

 

「変身!」

 

開眼! オレ!〉

 

〈レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ! ゴースト!〉

 

〈ゴーゴーゴーゴー!〉

 

 その瞬間、光に包まれたイッセーは黒い体の所々に骨をイメージしたであろうオレンジのラインと胸元に刻まれた目と人魂を掛け合わせたような紋章、そして銀色のフルフェイスで覆われた頭部が特徴的な素体形態‐トランジェントになり、オレゴーストを纏うと大きな黒い複眼と波打つ刃のような角を持つ橙の仮面が装着された。

 

 イッセーが変身した戦士はフードを脱ぐと、名乗る。

 

「俺はゴースト! 仮面ライダーゴースト! 命、燃やすぜ!」

 

 イッセーは名乗りを上げて眼魔へと立ち向かう。

 

「イッセー君・・・・・・覚醒したんだ」

 

「うん・・・・・・・あれ? 誰かイッセーにベルトの使い方、教えたっけ?」

 

「さあ?」

 

 響は遅れてきたセレナと未来と共に首をかしげた。

 

 

 

 

 

 

 俺はベルトから剣を取り出し眼魔に立ち向かう。

 

「変身したからと言って我らに勝てるはずはない!」

 

 刀眼魔は俺に刀を振り下ろすが、剣で受け止めて跳ね返してそのまま剣を振り下ろした。

 

 剣は火花をあげて刀眼魔にダメージを与える。

 

「俺を忘れるな!」

 

 槍の眼魔が突進してきたが、俺は地面を蹴り、空中に浮かんで避ける。

 

「何!?」

 

 空中に浮かんが事に槍の眼魔は驚いていた。

 

 浮かんだまま俺は剣を眼魔達にふるってダメージを与えていく。

 

「くっ! 卑怯な!」

 

 悔しそうにやり眼魔は喚く。卑怯か・・・・・・・なら降りるか。

 

 俺はひらりと地面に着地する。

 

「ふははっ! バカめ! 死ねえ!」

 

 槍眼魔は槍を構えて突進してくる・・・・・・こいつは突進することしかできないのか?

 

 あと、死ぬのはお前だ!

 

「これで終わりだ!」

 

 俺はもう一度、ベルトのレバーを引く。

 

『大開眼! オレ! オメガドライブ!』

 

「命・・・・・・燃やすぜ!」

 

 俺の背後に巨大な眼の紋章が出現して、印を結ぶと右脚にエネルギーが溜まっていき、浮かび上がり、槍眼魔にキックを放つ。

 

「ぐあああっ!」

 

 キックを受けた槍眼魔は黒い肉体とパーカーと分離してそれぞれが爆発する。爆発したパーカーからは槍と目玉のようなアイテム・・・・・・俺の持ってるのより禍々しいけど、似てるな。その目玉のようなアイテムも爆発して壊れる。

 

「やるな・・・・・・ならこれはどうだ!」

 

 刀の眼魔は大量の目玉のアイテムを投げ捨てる。

 

 すると、真っ黒な怪人が大量に出てくる。何だろうあれ・・・・・・もしかして、特撮で言う雑魚戦闘員的な怪人なのか?

 

 真っ黒な怪人達はナイフを振って俺に襲いかかってきた。俺はベルトからまた剣を出して怪人達を切り伏せていく。

 

「いくら強くとも数には勝てない」

 

「どうかな! 武藏は百人相手に戦ったんだ! 俺にだって・・・・・・」

 

「お前は武藏ではない!」

 

「ぐあっ!」

 

 刀眼魔に斬られて、俺は倒れる。

 

 ・・・・・・確かに俺は武藏ではない。だけど!

 

「負けられない! 俺は守るんだ! 夕麻ちゃんを! みんなを守るために戦うんだ!」

 

 俺は武蔵の刀の鍔を握りながら立ち上がる。すると、鍔が赤く光る。

 

「ど、どうしたんだこれ!?」

 

『きたきたー! おいお前、今すぐ紋章を描け!』

 

「な、何だ!? 一つ目のお化け!?」

 

 とつぜん、俺の背後から一つ目の小さなお化けが出てきた。なんだこいつ!?

 

『いいから俺の言うとおりにしろ! この鈍感坊主!』

 

 一つ目のお化けは急いでいるのか、俺を罵倒する。・・・・・・こいつ、響と声が似てるな。まあ、どうでも良いか。

 

 紋章ってあれで良いのか?

 

 俺は眼の形をした紋章を武藏の刀に向けて描く。

 

 すると、赤い煙と共に、赤い両腕が刀のようなパーカーのお化けが誕生した。・・・・・・頭に刀が刺さってるけど大丈夫かな?

 

『こいつは英雄のゴーストだ! お前の力になるから存分に使え!』

 

 一つ目のお化けが説明する。英雄のゴースト? って言うことはあれは宮本武蔵!?

 

「成る程な。武藏さん! 俺に力を貸してくれ!」

 

 俺が頼むと武藏さん(?)は頷き、俺のベルトに吸い込まれていく。すると、ベルトから赤い目玉のアイテムが生まれた。

 

『それは英雄の眼魂だ。その眼魂をベルトに装填しろ!』

 

 眼魂っていうのかこのアイテム・・・・・・

 

 俺はベルトに入っていた眼魂を取る。すると、羽織っていたオレンジのパーカーが霧散して黒いのっぺらぼうなじょうたいに戻る。そして、武藏の眼魂を装填する。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミーナ! バッチリミーナ!〉

 

 

 すると、先ほどの赤い刀のお化け・・・・・・武藏さんがベルトから出てきて俺の周りを飛んで刀眼魔と戦闘員を吹っ飛ばす。

 

『開眼! 武蔵! 決闘! ズバッと! 超剣豪!』

 

 トリガーを引くと、武藏さんが俺に覆い被さり、仮面ライダーゴースト、ムサシ魂にフォームチェンジする。

 

 剣もふたつに分かれて二刀流になる。

 

「いいな、天下無双! 掛かってこい!」

 

「いけっ!」

 

 戦闘用BGM 我ら思う故に我らアリ

 

 刀眼魔の指示で俺に群がってくる戦闘員達を刀で切り伏せていく。切られた戦闘員達は黒い血のような物を吹き出しながら消滅していき、あっという間に戦闘員を全て倒した。

 

「貴様、やるな!」

 

「あとはお前だけだ!」

 

 刀眼魔と俺は武器を構えて、機を伺った。

 

 近くの木から一枚の葉っぱが地面に落ちたとき、俺と刀眼魔は動き出した。

 

「はあっ!」

 

「せいっ!」

 

 俺の剣と刀眼魔の刀がぶつかり、火花が散る。刀眼魔の刀を片方の剣で防ぎ、俺は一撃ずつ入れていき、刀眼魔は後ろに後退する。

 

『剣をベルトにかざしてアイコンタクトだ!』

 

「えっと、こうかな?」

 

『大開眼! ガンガンミナー! ガンガンミナー! ガンガンミナー! ガンガンミナー!』

 

 一つ目お化けに言われるまま、剣についている眼の紋章をベルトにかざす。すると、赤い眼の紋章が俺の体をする抜けて現れた。

 

 剣は赤いエネルギーを纏い、眼魔に一閃を入れて、眼魔の刀を弾き剣についているトリガーを引く。

 

『オメガスラッシュ!』

 

 そして、二つの剣を刀眼魔に振り下ろす。

 

『ぐっ、見事だ・・・・・・出来れば貴様と正々堂々と戦いたかった・・・・・・ぐああああっ!』

 

 刀眼魔のパーカーゴーストと体は霧散して、一降りの長い刀が地面に落ちる。 

 

「ふう~何とか勝てた・・・・・・」

 

『オヤスミー』

 

 俺はベルトから眼魂を取り出し、カバーを閉じると変身が解除される。

 

 さてと、夕麻ちゃんから事情を聞かないと・・・・・・

 

『お前、堕天使に事情を聞く前にあいつらどうするんだ?』

 

「うん?」

 

「「「「「「イッセー(君)(先輩)!」」」」」」

 

 すると、響達が駆け寄ってきた。

 

 え? 何で響達が!? もしかして、見られた?

 

「あ、ええと、これはだな・・・・・・・」

 

「イッセー、仮面ライダーゴーストに覚醒したんだね!」

 

「えっ? 響達、コレのこと知ってるのか? 知ってるなら説明してくれ!」

 

「説明をするのは良いんだけど・・・・・・ごめんねイッセー君」

 

 俺の変身していた姿を知ってるみたいだから、詳しく聞こうとしたらセレナに謝られる。何故?

 

 すると、公園の入り口の方からサングラスに黒いスーツをきた男の人たちが俺達を取り囲んだ。そして、未来が俺の手に頑丈そうな手錠をかける。・・・・・・え?

 

「えええええええええっ!?」

 

「ごめんなさいデスイッセー先輩」

 

「・・・・・・貴方達を連行します」

 

「何で!?」

 

 俺と夕麻ちゃんは黒服の男達に車に連れ込まれてどこかに連れ去られてしまう。だ、誰か助けて-!!

 

 その時、俺はある物を堕としたことを気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・どうやら激しい戦闘があったみたいね」

 

 イッセー達が連れ去られてから少し経ったころ、一人の紅い髪の女性が公園にやってきた。

 

「何があったのかしたら・・・・・・あら、これは・・・・・・」

 

 女性はある物に気がつき、それを拾った。

 

 それは駒王学園の生徒手帳で顔写真と名前が入っていた。

 

「どうやら面白くなりそうね」

 

 女性はふふふと笑った。




今回はイッセーの初変身と初戦闘です。戦闘シーンがうまく書けたかかなり不安です。

シンフォギアAXZの放送やシンフォギアXDの配信が近くなり、かなりテンションが高いです。

あとはエグゼイドが面白すぎます。貴利矢さん、早く絵夢の元に返ってきてください。正宗の所にいるのも演技ですよね? プロトガシャットが目的なんですよね

変神パッドとプロトガシャットセットは予約するつもりです

プロトマイティアクションオリジンは並ぼうかな・・・・・・


次回予告です。

 黒服男達に連れ去られたイッセーはどこにつれて行かれるのか・・・・・・

「ようこそ、特異災害対策機動武二課に!」

「わしか? ワシは仙人じゃ!」

「拙僧もお手伝いしますぞイッセー殿!」

「イッセー、私はあなたを戦士と認めない」

次回「特異災害対策機動部二課」



あと、今後、オリジナルアイコンやアイコンの音声を募集したり、アンケートを採ることがあるので、その時は皆様のお力をお貸しください


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第三話「特異災害対策二課」

やっと更新できました。

シンフォギアXDがかなり面白いです。

イベントのガチャで奏さんと翼さんのXDモードが手に入ってかなり嬉しかったですね

昨日、神の恵みセットを買うために早起きしてかなり眠いですね・・・・・・


 どうも、兵藤一誠です・・・・・・眼魔との戦いが終わった後、MIBのような黒服グラサンの人達に拉致られました。

 

 車に乗せられて移動してしばらく移動すると止まった。そこは駒王町学園のすぐ近くにある図書館だった。

 

 響、セレナ、未来にクリス、切歌と調を先頭に黒服の男達に連れられて俺達は関係者以外立ち入り禁止と張り紙が貼ってある場所に行き、入っていく。

 

 エレベーターの前につくと響が振り返る。

 

「みなさん、ここまでで大丈夫です。ここからは私達が彼と彼女を連れて行きます」

 

 響に言われて黒服の男達は退出した・・・・・・響、すげえな。

 

 俺達はエレベーターに乗る。響はパネルに手をかざした後に階数を指定する。行く階は・・・・・・B90?

 

「あっ、二人とも何かに掴まっていた方が良いよ」

 

「「はい?」」

 

 俺の近くにいたセレナが俺と夕麻ちゃんに忠告してくる。何で掴まっていた方が良いんだ?

 

 響達も、近くの手すりに掴まる。・・・・・・掴まった方が良いんだな。

 

 俺と夕麻ちゃんも近くの手すりを掴む。すると、エレベーターがものすごい速さで下に降りていく。

 

「きゃっ!?」

 

 夕麻ちゃんは速さに驚いて倒れそうになる。

 

 俺は夕麻ちゃんの手を掴んで倒れないように俺の方に引き寄せて抱きしめる。

 

「ひゃん!?」

 

 抱き寄せた夕麻ちゃんから変な声が聞こえた。大丈夫かな?

 

 夕麻ちゃんを抱きしめたまま、目的の階についた。

 

「ふ~、ついたか・・・・・・うん? どうしたんだみんな?」

 

 ようやく止まってかいた汗を拭いているとみんなはジト眼で俺をにらんでる。

 

「・・・・・・いつまで夕麻ちゃんを抱きしめてるのかな?」

 

「あっ・・・・・・」

 

 未来に指摘されて腕の中を見ると、夕麻ちゃんが茹で蛸のように顔を真っ赤にしている。

 

「ごめん。きつく閉めすぎたか?」

 

「う、ううん! 大丈夫! だから気にしないで!」

 

「そうか・・・・・・なら良いんだけど」

 

 俺は夕麻ちゃんを離す。夕麻ちゃんは頬を押さえる。

 

「ねえ、早く行かないと司令が待ってるよ?」

 

「そうだね! 行こう! イッセーと天野さんはついてきて!」

 

 未来に言われて響は目的を思い出して、歩き出す。・・・・・・響ってたまにこう、抜けてるところがあるんだけど、大丈夫なのか?

 

 あと、未来は司令って言っていたけど、軍隊か何かか? あまり詳しいことは知らないけど。

 

 少し歩くと、大きな扉の前で響は止まる。ここが目的の場所なのか?

 

「二人とも、ここに二人を会わせたい人がいるか・・・・・・気をつけて」

 

 何故か響は今まで見たことないくらいの真面目な顔をする。未来達の方を見ても、みんな真剣な表情をしてる・・・・・・何、ここにいる人ってやばい人なの? 危険じゃないよね!?

 

 聞きたいけど、何か聞ける状況じゃないので、俺は意を決して扉を開けた。すると・・・・・・

 

 パンパンと火薬が破裂する音が聞こえた。えっ!? 銃撃!?

 

「ようこそ特異災害対策機動部二課に!」

 

「「えっ?」」

 

 どこかで聞いたことがある声と共に紙吹雪と紙テープが俺達に降りかかる。

 

 へっ? 何コレ? クラッカー?

 

 俺達が連れてこられた部屋はとても広い部屋で『ようこそ、特異災害対策機動部二課へ!』と書かれたボードや並べられたテーブルには唐揚げなどの料理が載っている。

 

 そして、マジシャンが使うようなシルクハットをかぶったがたいの良いよく知ってる人が・・・・・・

 

「って、弦十郎さん何やってるんですか!?」

 

 その人は風鳴弦十郎さん、翼姉の叔父さんで、昔からの知り合いである。そんな弦十郎さんがなんでここに!?

 

 クリス達は笑いをこらえていた。・・・・・・みんな、知っていた?

 

「やあ、イッセー君。俺はここの司令をしているんだ。よろしくな!」

 

「まじっすか・・・・・・」

 

 弦十郎さんは笑顔で言ってくる。・・・・・・この人、ただ者ではないっていつも思ってたけど、秘密の組織の司令をやっていたんだ・・・・・・

 

「私は出来る女と評判の櫻井良子。よろしくね」

 

「あっ、こちらこそよろしくお願いします!」

 

 ロングヘアーをアップにした白衣と眼鏡が特徴的な女性が自己紹介してきたので、俺も頭を下げる。

 

「君と夕麻君を連れて来て貰ったのは他でもない。君たちに協力を要請したいんだ」

 

「協力・・・・・・?」

 

 そこで俺の脳裏に俺を襲ってきたお化けのような怪物・・・・・・眼魔と俺の変身した姿、仮面ライダーゴーストの姿が・・・・・・

 

「そうだ、弦十郎さん! 眼魔って何なんですか!? 俺の変身したあの姿は一体!」

 

「おいおい、イッセー、そんなにいっぺんに聞くなよ、おっさんも答えられねえだろ。コレ飲んで落ち着け」

 

「ありがとう奏姉・・・・・・って奏姉!? 何でここにいるの!?」

 

 奏姉が飲み物を持ってきてくれたが、俺はここに奏姉が居ることに驚く。

 

「奏だけじゃないわ」

 

「マリア姉も!? 二人とも、今日は仕事じゃ・・・・・・」

 

 マリア姉も現れて俺はさらに驚く。二人とも、翼姉と一緒に雑誌のインタビューを受けてたはず・・・・・・

 

「イッセーが眼魔に襲われたって聞いてインタビューを受け終わったアタシ達が先に駆けつけたんだ。翼はまだインタビューが終わってなかったから遅れてくる」

 

「そうなんだ・・・・・・」

 

「では、一つずつ説明しよう。君を襲った怪物、眼魔は幽霊とは似て非なる者・・・・・・眼魔は異世界からの侵略者だ」

 

「異世界ですか・・・・・・」

 

 異世界と聞いて普通は信じないと思うが信じるしかなかった。幽霊だっているんだし、異世界があっても可笑しくはない。

 

「彼らはこの眼魔眼魂と呼ばれるものに魂を宿し、眼魔の姿になるのだ」

 

 弦十郎さんは割れている先ほどの眼魂を見せる。成る程・・・・・・眼魂に魂を宿して怪物に・・・・・・うん?

 

「あの、弦十郎さん、二つほど気になることが・・・・・・」

 

「うん? 何だ?」

 

「眼魂に魂を宿しているって事は彼らも人間の様な別の姿があるのですか? あと、何で俺の変身するゴーストの眼魂と眼魔の眼魂が似ているんですか? もしかして俺の仮面ライダーの力って眼魔と同じルーツ?」

 

 俺は変身道具の眼魂が眼魔の眼魂が似てることに不審に思った。ネットで、仮面ライダードライブとロイミュードの動力源は同じものという噂を聞いたことがある。もしかしたら、俺の変身システムも眼魔のシステムと同じものなのではないかと思ったのだ。

 

「それは・・・・・・」

 

「それはワシが説明しよう」

 

 弦十郎さんが説明しようとしたとき、扉が開いて派手な服を着た白髪のおっさんが入って来た。

 

 誰だこのおっさん? あと、どうでもいいが、あの髪はヅラだな。

 

「ええと、あなたは?」

 

「ワシか? ワシの名はイーディス。みなには仙人と・・・・・・「みんなにはおっちゃんって呼ばれてる私達の協力者だよ」響ちゃんワシが話してるんだけど」

 

 おっさんの名前はイーディスか。響に遮られて少し凹んでるけど。

 

「なら、おっちゃん、教えてくれ。何で眼魔とゴーストの変身システムは似てるんだ?」

 

「お前も、その呼び方なのね・・・・・・何で似てるかって? それは眼魔のシステムを作ったのがワシで、そのシステムを応用してライダーシステムを作ったからじゃ!」

 

「はい?」

 

 俺は予想外な答えが来て一瞬、思考が停止した。

 

 眼魔のシステムを作った? ってことは最近できたのか眼魔って?

 

「始まりは弥生時代・・・・・・ある国の王はある存在とコンタクトを取り、新たな世界に旅立ち、楽園を作ろうとした」

 

「えっ!? 弥生時代!? そんな昔・・・・・・うん? そんな時代から生きてるってもしかして・・・・・・」

 

「そうじゃ・・・・・・ワシは眼魔じゃ!」

 

 おっちゃんのさらなる事実に驚く。

 

 おっちゃんの体は消えて・・・・・・カツラが落ちて禍々しい眼魔眼魂が浮かんでいる。

 

「ええっ!?」

 

 俺はおっちゃんが眼魔だったことに驚く。

 

 何で眼魔が眼魔と敵対する組織に力を貸してるんだ?

 

「ワシがなんで弦十郎達に力を貸しているか疑問なんじゃろ? それはすまんが、説明するのは少し待ってくれ。ワシが、何故眼魔システムを作ったことから説明する。我々眼魔が移住した世界は酷い世界でな。生身の体では生きていけない世界じゃった。だからワシはある存在に力を借りて肉体を保存し、魂を眼魂というアバターを使い生きることを余儀なくされた」

 

 眼魂の状態から人間の姿に戻るおっちゃん。なお、堕としたカツラには気がついてない。

 

「成る程。それで住みやすい俺達の世界を侵略し始めたんですか?」

 

「まあ、そんなところじゃ。ワシは眼魔世界を支配する王であり、友であった男の命令で人間世界の調査に向かった。調査に向かったとき、ある男に出会った」

 

「ある男ですか?」

 

「ああ、そいつはワシら眼魔の世界と人間の世界をつなぐ門を守る一族の者で名は天空寺 龍・・・・・・イッセー、お前のご先祖様じゃ」

 

 ・・・・・・俺のご先祖様がおっちゃんに出会っていたのか。

 

「ワシはお前のご先祖様に人間の可能性、人間のすばらしさを聞き、この世界を眼魔達から守るため、力を貸そうと決めたのだ。そして、ワシが開発した眼魔と戦うための力・・・・・・仮面ライダーゴーストじゃ」

 

「そうだったんですか・・・・・・」

 

「そうじゃ。ワシはワシの意見に賛同した者達を連れて人間界に転移してゴーストと共に戦った。だが、ワシらでは奴らを完全には倒せず、奴らがこちらの世界に来ないように門を封印することで精一杯じゃった。だから、ワシは眼魔がまた現れたとき戦う事が出来るように天空寺の一族の者にゴーストドライバーと、変身に必要なオレゴースト眼魂を受け継がせるシステムを作って天空寺の一族は代々、眼魔と戦ってきたのじゃ」

 

「成る程。それで俺がベルトと眼魂を受けついだってことですか」

 

 おっちゃんの説明に俺は納得した。母さんは一人っ子でじいちゃんが亡くなって天空寺の血を受け継ぐのは俺と母さんだけだと聞いている。

 

「おっちゃん、じゃあ、この英雄の眼魂は?」

 

 俺は武蔵の眼魂を見せて質問する。

 

 仮面ライダーゴーストの誕生については分かったけど、英雄の眼魂は何で生まれたんだ?

 

「英雄の眼魂はタケルが提案したんじゃ」

 

「えっ? じいちゃんが?」

 

「ああ。眼魔も段々と強くなり、オレゴースト眼魂の力だけでは倒せなくなった。だからタケルは英雄達の力を借りる事を思いついた。そして、ワシらは英雄の眼魂を集めることにしたんじゃ。英雄の眼魂はたくさんある。じゃが、その中でも特別な眼魂が十五コある。イッセー、武蔵の眼魂には番号が入ってないか?」

 

じいちゃんが英雄の眼魂を作ることを提案したなんて・・・・・・。

 

 おっちゃんに言われてムサシ眼魂を見ると確かに01と入っている。

 

「ああ、入ってるよ」

 

「ムサシの眼魂のように番号がある十五コの眼魂を集めると何でも願いが叶うんじゃ!」

 

「何でも願いが叶う・・・・・・ですか」

 

 願いが叶うとか何か眉唾物だな。

 

「そうだ。タケルはその英雄の眼魂を集めているなか、死んだんじゃ」

 

「じゃあ、やっぱりじいちゃんは仮面ライダーゴーストとして戦って・・・・・・うん? なあ、おっちゃん、じいちゃんが死んだ後は誰が戦っていたんだ?」

 

 じいちゃんが仮面ライダーゴーストとして戦っていたことは分かった。だけど、じいちゃんの死んだ後、誰が戦っていたんだ。ゴーストは俺が受け継いだ力。だから、俺以外に仮面ライダーゴーストにはなれないはず。もしかして、ゴースト以外の仮面ライダーが居るのか?

 

「ああ、それは響ちゃん達が戦っていたんじゃ」

 

「えっ? 響達が? じゃあ、響達も仮面ライダー?」

 

「いや、彼女たちはシンフォギア装者じゃ」

 

「シンフォギア装者?」

 

 響達も仮面ライダーと思ったけど、違うみたいだけど、シンフォギアって

 

「シンフォギアについては私が説明するわよー」

 

 すると、ずっと黙っていた了子さんが口を開く。

 

「何て言ったってシンフォギアシステムを開発したのはこの私、出来る女、櫻井了子よ!」

 

「えっ了子さんが作ったんですか!?」

 

「そうよ。私が提唱した櫻井理論に基づき、開発した聖遺物の欠片から生み出されたFG式回天特機装束の名称よ」

 

「聖遺物?」

 

「ええ、今では異端技術と言われるもので・・・・・・イッセー君、ガングニールって聞いたことない?」

 

 色々と聞いたことのないことの単語が多いな。

 

 ガングニールって確か・・・・・・

 

「グングニルの姉妹槍ですよね? オーディンの使う槍で、砕けたため、グングニルを使ったとか」

 

「あら? 詳しいわね」

 

「ええ、俺はゲームが好きで・・・・・・俺のやっていたゲームに出てきたので」

 

 イリナが引っ越して、響達と出会うまでは一人で遊んでいたため、ゲームは大の得意でよくゲーム大会に出場して優勝していて誰からか天才ゲーマーIと呼ばれるようになってしまった。そこまで言われるほどではないのに・・・・・・

 

「そのガングニールのかけら作ったのが奏ちゃんと響ちゃんが使うシンフォギアなのよ」

 

 了子さんがそう言うと、奏姉と響は首にかけているペンダントを見せる。あれがシンフォギア?

 

「聖唱という歌を唱えることで、聖遺物が起動してそのエネルギーからシンフォギアを形成して鎧となるの」

 

「歌ですか・・・・・・」

 

「ええ、シンフォギアを起動するには歌が必要なの」

 

「要するに・・・・・・戦うカラオケマシーンですか?」

 

 了子さんの説明を聞いてだいたい分かったので、簡潔に纏めてみた。

 

なんか、仮面ライダーより量産出来そうだな

 

「だいたいそんな感じねー。だけど、誰もがシンフォギアを纏える訳じゃないの」

 

「えっ? そうなんですか?」

 

「ええ、そうよ。誰でも纏えたら装者量産し放題よ、そしたら仮面ライダーがいらなくなるし。ええとね、シンフォギアを纏うには二つ、条件があるの。一つは女性であること。何でかは私も分からないわ。二つ目は適合率が合わないとシンフォギアを纏うことが出来ないのよ」

 

「俺達はシンファギアと適合した者を適合者と呼んでいるんだ。その適合者はなかなか居ない」

 

「成る程・・・・・・」

 

 了子さんの言うとおり、シンフォギアを纏えることが出来る人がたくさんいたら仮面ライダーは必要なくなってしまう。

 

 ってか、適合者ってそのまんまだな。

 

「俺達、二課に所属している適合者は九人、翼に奏、マリア君にセレナ君、響君と未来君にクリス君。それに切歌君と調君だ」

 

「やっぱり、みんな適合者だったんですか・・・・・・うん? 適合者ってなかなか見つからないんですよね? 何で九人も・・・・・・」

 

「ああ、それはだな。天空寺の一族に仕える一族の娘である翼、響君と未来君の適合数を調べてみたら適合していて、他の六人は・・・・・・」

 

「あたしは家族を眼魔に家族をぶっ殺されて、保護されたとき、復讐のために力を求めたら適合してたんだ」

 

「私とセレナ、切歌に調は孤児院の出身で、その孤児院の院長であるマムが二課の関係者で、孤児院にいる子に適合検査したら適合したからなの」

 

「アタシは音楽家のパパとママと旅行に行ったら戦争に巻き込まれて・・・・・・アタシは国連に保護されて日本に戻ってアタシに目を付けていた二課に保護されて適合検査したら適合してたんだよ」

 

「えっ? ちょっ、ちょっと待って、あまりの情報量とツッコミどころで脳細胞がパンクしそう・・・・・・天空寺に仕える一族って何!? マリア姉たちって孤児院出身なの!? 奏姉とクリスの過去がそんなヘビーだったの!? 俺、聞いてない!」

 

 展開の速さに頭がついていけず、頭を押さえる。・・・・・・これ、夢じゃないよな、

 

『だって、聞かれてないし』

 

「聞けるか!」

 

 みんなの答えに俺は思わず、ちゃぶ台をひっくり返しそうになった。・・・・・・ちゃぶ台がないけど、気分がね!

 

「・・・・・・話しを戻そう。眼魔のコアである眼魂は仮面ライダーとシンフォギアでしか破壊できない。イッセー君、君に協力を要請したい。頼む、君の力を貸してくれないか? 眼魔を倒すには君の力が必要なんだ」

 

「俺は・・・・・・」

 

 俺はどうしたい? 正直、天空寺の一族に代々受け継がれてきたこととか知らないし分からない。眼魔と戦って大けがをしたり、死ぬかも知らない。死ぬのは怖い。ここで断ることも出来るだろう。だけど、英雄なら・・・・・・夢の中の戦士ならどうしただろうか。

 

 ・・・・・・こうするかな。

 

「戦います。眼魔のせいで誰かが傷ついたり、悲しんだりするの見たくない。だから俺は戦います。仮面ライダーとして、一人の男として!」

 

 響達は今までずっと戦ってきたんだ。それなのに俺が戦わないなんてあり得ない。俺は戦いたい、響達と一緒に戦ってみんなを眼魔達から守りたい!

 

「ありがとう。そして、すまない・・・・・・大人の俺達がしっかりしていれば、君たち子供を戦わせずにすんだものを・・・・・・」

 

「謝らないでください弦十郎さん。俺は誰かに強制されたから戦うんじゃありません。俺は俺の意志で戦うんです」

 

 弦十郎さんは謝ってくるけど、この道は俺が選んだんだ。誰かが悪いわけじゃない。

 

「イッセー、ワシからも質問してもよいか?」

 

「何ですか?」

 

「お主は何故、仮面ライダーゴーストの力を使いこなした? 本来ならユルセンが現れて力の説明をする手筈になっている。なのにお主は説明無しで戦えていた?」

 

「ええと……」

 

 おっちゃんは俺が何で戦えたか聞いてきた。うーん、夢で見たからなんだけど、信用してくれるかな?

 

「実は夢を見たんです」

 

「夢?」

 

「はい、あの白い眼魂を貰ってから夢で仮面を付けた戦士達の夢を見るんです。その中に、俺が変身したゴーストがいて・・・・・・それでだいたいベルトの使い方が分かったんです。これっておっちゃんが組み込んだシステムじゃないの?」

 

「いや、ワシは知らん。そんなシステムを組み込んだ覚えはない」

 

 俺は話を聞いておっちゃんが組み込んだシステムか何かだと思ってたけど、どうやら違うみたいだ。じゃあ、あれは何だったんだ?

 

「まあ、その夢については今後調べるとして・・・・・・天野夕麻君、君にも協力を要請したい」

 

「え? 私ですか?」

 

 突然名前を呼ばれてきょとんとする夕麻ちゃん。

 

「ああ、眼魔は堕天使と組んでいる出来るなら堕天使である君の力を貸して欲しい」

 

「ええと、私はかまいませんが・・・・・・」

 

「そうか。アザゼルには俺が話を付けておく」

 

「えっ!? アザゼル様とお知り合いなんですか!?」

 

 アザゼルという名前が出てきて驚く夕麻ちゃん。アザゼルって確か聖書に出てくるよな? 堕天使のリーダーだっけ?

 

「んまあ、色々あってな・・・・・・腐れ縁というか何というか」

 

 弦十郎さんは苦虫を噛み潰したような顔になっている。何があったんだろう?

 

「おっちゃん、ユルセンって?」

 

「俺様のことだ!」

 

 ユルセンについて聞こうとしたら、公園に出てきた一つ目お化けが出てきた。

 

「あ、お前がユルセンか」

 

「おうっ! お前を助けてやるから感謝しろよ!」

 

「こいつはワシの分身、ユルセンじゃ! お前のサポート役じゃ」

 

 サポート役ですか。まあ、毒舌だけど、役には立つかな?

 

 ・・・・・・あれ? そう言えば了子さんの姿が見えないな。

 

 すると、扉が開いた。了子さんかな・・・・・・?

 

「英雄に愛され~英雄を愛した男~ドクター・・・・・・ヴェルッ!?」

 

 そこに現れたのは了子さんではなく白銀の髪の男性・・・・・・なのだが、男性は現れた瞬間、切歌の跳び蹴りを受けて吹っ飛び、さらに調はドアにロックをかける。

 

「ナイスデス調!」

 

「・・・・・・切ちゃんもグッジョブ!」

 

「いやいや、何してるの二人とも!?」

 

「貴様ら! 何するんじゃ!」

 

 俺は二人の謎の行動に思わずツッコミを入れる。蹴り飛ばされた人はすぐに復活してドアを開けてやってきた。

 

「いや、みんなに見せちゃいけないと思ったデス」

 

「・・・・・・全身にモザイクをかけるレベル」

 

「OK、お前ら、僕に喧嘩売ってるんだな・・・・・・その喧嘩買ってやる! 表に出やがれ!」

 

「望むところデス! ぶったKillデス!」

 

「最強コンビに敵はない・・・・・・!」

 

 男性はぶち切れて切歌と調と喧嘩をし始めた・・・・・・何なのこの人。

 

「・・・・・・なあ、マリア姉、あの蹴飛ばされてた人、誰なの?」

 

「・・・・・・あの人は、ドクターウェル。二課の協力者よ」

 

「通称HMSだ」

 

「HMS?」

 

 俺の疑問にはマリア姉とクリスが答えてくれるけど、HMSって何?

 

「変態マッドサイエンティスト」

 

「ああ、成る程・・・・・・」

 

「誰が変態だ! 後お前も納得するな!」

 

 すると、二人と喧嘩していた男性・・・・・・ドクターウェルはこっちに来た。

 

 切歌と調? あの二人はセレナに説教を受けてます。

 

「兵藤一誠って言ったな。お前は英雄に憧れているらしいな」

 

「え、ええ・・・・・・そうですけど、あなたもですか?」

 

 ドクターウェルは英雄について尋ねてくる。さっき、言ってたことを踏まえて、この人も英雄に憧れているのかな?

 

「なら、お前にとって英雄とは何だ?」

 

「えっ?」 

 

「英雄っとは飽くなき夢を見、誰かに夢を見せる者! 犠牲を出してでも世界を救い、民を導く者のことだ!」

 

 ドクターウェルは英雄について力説する。・・・・・・確かにそれも一つの英雄の形なんだろうけど。

 

「俺は、そうは思いません。英雄とは命を燃やし尽くして生ききった人だと俺は思ってます」

 

「ふぅーんそうか。それが君にとっての英雄か。まっ、良いんじゃないのか? 人の考えは人それぞれだし~僕が間違っていたらお前が、お前が間違っていたら私が止める。それで良いんじゃねえか」

 

「えっ? あっはい・・・・・・」

 

 意外にもまともな答えが来て、俺は呆ける。この人は俺の意見を否定するのかなと思っていたんだけどな。

 

「ドクターウェルがまともなことを言ったデス」

 

「・・・・・・明日は雪?」

 

「・・・・・・お前ら、ちょっと面かせよ!」[

 

「いい加減にしなさい!」

 

 また喧嘩をしようとした三人にセレナはハリセンを振って叩く。

 

 ・・・・・・痛そう。

 

「さあ、アカリちゃん自己紹介しなさい! 仮面ライダーゴーストがいるんだから!」

 

「りょ、了子さん! 私、まだ研究の・・・・・・」

 

 すると、了子さんは一人の女性を連れて来た。その人はショートカットで白衣を着ていた。

 

「了子さん、その人は?」

 

「この子は月村アカリちゃん。私の優秀な助手よ! アカリちゃん、あの子は兵藤一誠君。仮面ライダーゴーストよ!」

 

「初めまして。月村アカリよ、よろしくね」

 

「兵藤一誠です。よろしくお願いします」

 

 俺は自己紹介をしてアカリさんと握手する。

 

「イッセー君、実はあともう一人協力者が居るんだ」

 

「もう一人ですか?」

 

「ああ、君も知ってる・・・・・・」

 

「イッセー殿! 拙僧も力を貸しますぞ!」

 

 すると、扉が開いて御成さんが現れた。な、何で御成さんが!?

 

「お、御成さん!? 何で!?」

 

「拙僧はタケル殿に頼まれていたのです。イッセー殿が仮面ライダーゴーストに覚醒したら手助けするようにと・・・・・・なので拙僧はこんな物を用意しましたぞ!」

 

 そう言って御成さんはどこからか立てかけるタイプの看板を取り出す。

 

 えーと、何々? 超常現象研究所?

 

「御成さん、超常現象研究所って何ですか?」

 

「それは町で起きた奇っ怪な現象や事件を捜査することですぞ」

 

「我々も眼魔の調査はするが、そんなにおおっぴらに調査はできんからな。表向きの部署として使わせて貰うのさ」

 

「そうだったんですか・・・・・・よろしくお願いします。御成さん!」

 

「お任せください!」

 

 御成さんは強く、自分の胸を叩く。かなり自信がありそう。

 

「うむ、では改めて、君たちを歓迎・・・・・・」

 

「司令、待ってください」

 

 弦十郎さんが喋ろうとしたとき、ライダースーツを着た女性が・・・・・・翼姉が部屋に張ってきてそれを遮る。

 

 そのまま、翼姉は弦十郎さんのそばまで移動する。

 

「戻ったか翼」

 

「はい。司令、私はイッセーが戦闘に加わることには反対です」

 

 翼姉は冷静に弦十郎さんに告げる。えっ? 俺が戦闘に加わるのは反対?

 

「ど、どういう意味だよ翼姉!」

 

「イッセー君、落ち着いてくれ。翼、説明してくれ」

 

「はい、私達はずっと共に戦ってきてコンビネーションもほぼ完璧です。ですが、そんな私達の中に素人のイッセーが入って来たらコンビネーションも崩れますし、何よりも戦闘でも邪魔になります」

 

「お、おい! 先輩、それは言い過ぎじゃあねえか?」

 

「雪音、あなたは黙ってなさい。イッセー、あなたは弱いし、甘すぎる。そんな甘さは戦場では枷にしかならない・・・・・・」

 

 翼姉は容赦なく、俺の不要性を訴える。

 

 そんな容赦ない翼をクリスはなだめようとするが、はねのけられてしまった。

 

「イッセー、私はあなたを戦士とは認めない」

 

 ・・・・・・確かに、俺は弱くてまだまだ未熟だ。そこは翼姉の言うとおりだ。だけど俺だって!

 

「翼姉、それでも俺はみんなと一緒に戦いたい! みんなの力になりたいんだ!」

 

「そう・・・・・・なら、イッセー私と戦いなさい」

 

 俺は俺の思いを翼姉に伝えたけど、翼姉は俺に指を突きつけて言い放った。

 

 えっ!? 何で!? 何で戦うんだよ!




シンフォギアAXZ、GXほどではないですが、一話はかなりぶっ飛んでましたね。

カリオストロが意外にいけた・・・・・・あれで男性声優とはあまり信じられなかったです。

今回、イッセーは色々な出会いをしました、その出会いでイッセーはどう成長していくのだろうか・・・・・・

次回予告です

『イッセー、あなたの負けよ、降伏しなさい』

『俺が諦めない限り、負けではない!』

『バカ野郎! 彼を殺す気か!』

『・・・・・・俺、知ってるから』

次回は翼と戦う事になったイッセー、果たして彼は勝つことが出来るのか? そして、翼の真意とは?


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第四話「防人の意地と男の意地」

XDのピックアップガチャでイグナイトマリアさんが一度に二枚きた。

・・・・・・クリスちゃんの星5とメモリアル欲しいなー


 翼姉と戦う事になった俺は翼姉と共に先ほどいた司令室より深いところにあるトレーニングルームへと移動する。

 

 このトレーニングルームはシンフォギア装者九人が本気で戦っても壊れない頑丈さを持っているらしい。

 

「では、始めましょうか」

 

『Imyuteus amenohabakiri tron』

 

 翼姉は赤いネックレスを取り出して、何かをつぶやいた。・・・・・・これが聖唱なのか?

 

 聖証を唱えたと同時に服が爆ぜて・・・・・・って!

 

「ぶっ!」

 

 翼姉の服は分解されて全裸になり、青と白のボディースーツを纏い、脚にはブレードに似た甲脚がセットされ他にもアーマーが装備されていって耳の辺りには大きなヘッドホンのようなパーツが装備された

 

 俺は鼻を押さえる。・・・・・・ばれないと良いな。翼姉の裸を見て鼻血が出そうになったって

 

「? どうしたのイッセー? 早く変身しなさい」

 

 翼姉は変身しない俺を見て怪訝に思ったのか首をかしげる。

 

 うん・・・・・・気づいてないのか。普段からこうなのか、もう慣れてしまって疑問に思わないのか?

 

「あ、ああ、変身するよ」

 

 俺は腰に手をかざす。

 

 

イッセーは腰に手をかざし、炎と共にゴーストドライバーを出現させて、カバーを開けて、懐から取り出したムサシの眼魂のスイッチを入れて、眼の部分を01と書かれた数字の絵柄に変えてベルトに装填して、トリガーを引いた。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉

 

 すると、赤い羽織を模したパーカー、ムサシゴーストが召喚されて、イッセーの周りをぐるぐると回る。

 

「変身!」

 

『開眼!』 

 

『ムサシ! 決闘! ズバッと! 超剣豪!』

 

 光と共にイッセーの体はゴーストの素体、トランジェストになり、ムサシゴーストを纏い、仮面ライダーゴースト ムサシ魂に変身した。

 

「命・・・・・・燃やすぜ!」

 

「風鳴翼、推して参る!」

 

 ゴーストはドライバーからガンガンセイバーを取り出す。取り出すと同時にガンガンセイバーは縦に割れて太刀と小太刀の二刀流になり、構える。

 

 翼も甲脚から柄らしき物を排出してそれを掴む。すると、柄は剣へと変化した。

 

 

翼は跳躍してゴーストとの距離を詰めてアームドギアである剣を振るう。ゴーストはガンガンセイバーで応戦するが、防ぐだけで精一杯だ。

 

「どうしたの? 防いでるだけでは私には勝てない!」

 

「ウオオッ!」

 

ゴーストは太刀で翼の剣を弾き、小太刀を翼に振り下ろすが、翼は後ろに飛んで回避する。

 

千ノ落涙

 

翼は空間から大量の剣を具現化してゴーストに向けて射出する。

 

「ちょっ! 嘘だろ!?」

 

ゴーストは必死に避けるが、避けきれないタメ、ガンガンセイバーで弾くが捌ききれず、剣はゴーストの体を切り裂き、倒れこむ。

 

「ぐっ……」

 

「どうしたの? これで終わり?」

 

「っ……まだた!」

 

痛みで呻くゴーストに対して挑発する翼。

 

ゴーストは、痛みに耐えて立ち上がる。

 

「なら、これはどう?」

 

翼は甲脚から柄を取り出し、小太刀にしてゴーストに向けて投げる。

 

「この程度なら!」

 

ゴーストは小太刀を弾いて、小太刀はゴーストの後ろの地面に刺さる。

 

「今度はこっちの番だ!」

 

ガンガンセイバーをドライバーにかざして必殺技を放とうとしたが、出来なかった。

 

「っ! 動かない!?」

 

影縫い

 

ゴーストの影に小太刀が刺さり、動けなくなっていたのだ。

 

「……これで、終わりよ」

 

蒼ノ一閃

 

翼はアームドギアを大剣に変えて青い斬撃をゴーストに向けて放つ。

 

影縫いのせいで、動くことが出来ず、モロに蒼ノ一閃を受けてしまい吹っ飛んだ。

 

「ぐああああっ!」

 

『OYASMIー』

 

吹っ飛んだゴーストは地面をゴロゴロと転がり、ドライバーから眼魂が落ちて変身が強制的に解除される。

 

変身が解除されて、ゴーストからイッセーに姿は戻る。イッセーの体は切り傷だらけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩やりすぎだろ! イッセー、ボロボロじゃねえか!」

 

クリス達は司令室から翼とイッセーの戦いを見ていた。

 

戦いは翼がイッセーを圧倒していて、もう、勝負はついたも同然だ。

 

「あいつ……全然力を出してないじゃないか」

 

「はあっ!? 奏! 何処を見てんだよ! イッセー、ボロボロだろ!」

 

イッセーがボロボロなのに冷静な奏に興奮してるクリスが突っかかる。

 

「落ち着きなさいクリス。私たちが戦うには何が必要?」

 

「そりゃあ、歌……っ!」

 

興奮してるクリスをマリアは落ち着かせて、あることをクリスに尋ねて、それを答えるときに気が付いた。

 

翼は歌っていないのだ。装者達は歌うことで力を発揮するのだ。

 

「でも、何で翼先輩はこんなことをするんデスか?」

 

「イッセーに戦って欲しくないんだろ。イッセーは優しすぎるからって」

 

「でも・・・・・・他にも方法が・・・・・・」

 

「不器用なんだよ翼は・・・・・・だから、あんな方法しかできない。昔から変わらないなあいつは・・・・・・」

 

 翼のやり方に納得がいかない切歌と調に対して、奏は落ち着いて翼のやり方を最後まで見届けようとしている。

 

 調達の様に納得がいってない人物が・・・・・・翼の叔父である弦十郎だ。翼は自分が嫌われることでイッセーを守ろうとしているが、この方法では翼が傷ついてしまう。イッセーも、喜ばないだろう。

 

 二人を止めようと席を立とうとした、弦十郎。だが、彼を止める人がいた。

 

「待つんじゃ、弦十郎」

 

「イーディスさん・・・・・・」

 

 その人は二課の協力者でゴーストドライバーの開発者のイーディスだった。

 

 何故、彼は止めるのか。

 

「あれはイッセーの試練なんじゃ。あの程度の試練を乗り越えられんようなら、この先戦えんよ」

 

「そうそうあれは二人の問題よ。私達が口を挟んで良い物じゃないわよ」

 

「了子君もか・・・・・・」

 

「それに・・・・・・彼はそんなことをしても納得しないわよ」

 

 了子の視線の先には立ち上がろうとするイッセーの姿が・・・・・・。

 

 

 

 

 

 目の前にいるイッセーはボロボロだ。私がやったのだ。

 

 私はイッセーには戦って欲しくなかったのだ。・・・・・・彼は優しすぎる。見知らぬ幽霊を救おうと奔走し、見知らぬ幽霊の為に泣ける男なんだ・・・・・・

 

 イッセーが戦いに参加し、その優しさを敵に利用され、そのせいで仲間を失ったら・・・・・・彼は立ち直れないほどの心の傷を負うだろう。だから、引き返せる今なら・・・・・・彼が戦う事を恐れ、眼魂を捨てれば普通の生活に戻れる。

 

 だから、私はイッセーと戦う・・・・・・嫌われても良い、避けられても罵倒されても良い。彼が戦う事を放棄して普通の高校生に戻れれば。

 

 ・・・・・・もう、立たないでイッセー、これ以上あなたを傷つけたくはない。だから・・・・・・諦めて。

 

 だけど、そんな願いは通じなかった。地面に手をつきながらも、イッセーは立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・まだ、立ち上がるの? あなたの負けなのは明白よ。諦めなさい」

 

「まだだ・・・・・・俺が負けたと思わない限り、負けてなんかない!」

 

 イッセーは立ち上がると、オレ眼魂を取り出して、スイッチを押して起動状態にしてドライバーに装填して、トリガーを引く。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉

 

 ドライバーから、オレンジのパーカーを着たオレゴーストが召喚され、イッセーの周りを踊りながら飛ぶ。イッセーはそれを尻目にドライバーのトリガーを押し込んだ。

 

「変身!」

 

〈開眼! オレ!〉

 

〈覚悟! ゴ・ゴ・ゴ! ゴースト!〉

 

〈ゴーゴーゴーゴー!〉

 

 イッセーの体はトランジェストに変化し、オレゴーストを纏って、仮面ライダーゴーストへと変身した。

 

 ゴーストはフードを脱ぎ、ガンガンセイバーを構える。

 

「命・・・・・・燃やすぜ!」

 

「・・・・・・あなたの意志が折れないなら、その意志をへし折るまで戦い続ける!」

 

 戦闘BGM 絶刀・天羽々斬

 

 天ノ逆鱗

 

 翼は歌を歌いながら、空中へ飛び上がり、刀を投げて巨大化させ、スラクターと併せてゴーストに向けて蹴り飛ばす。

 

『バカ野郎! 彼を殺す気か!』

 

『イッセー! 逃げて!』

 

 弦十郎は翼に叫び、響はゴーストに逃げるように叫ぶが、ゴーストは逃げなかった。

 

 ゴーストはガンガンセイバーをベルトにかざして、アイコンタクトをする。

 

『大開眼! ガンガンミナー! ガンガンミナー! ガンガンミナー! ガンガンミナー!』

 

「俺は俺を信じる!」

 

 ガンガンセイバーはオレンジ色のオーレを纏って輝く。その状態で翼の放った巨大な剣とぶつかり、激しく火花を散らす。

 

「はあああっ!」

 

「うおおおおっ!」

 

『オメガブレイク!』

 

 ゴーストはガンガンセイバーのトリガーを引く。ガンガンセイバーは巨大な剣を粉々に粉砕した。

 

「きゃああっ!」

 

 衝撃で翼の纏うシンフォギアは解除されてしまい、このままでは地面に落下して大けがを負ってしまう。

 

「っ! 翼姉!」

 

 ゴーストは飛び上がって翼をお姫様抱っこで受け止める。

 

「ふえっ!? な、何をするの! 離しなさい!」

 

 お姫様抱っこをされた翼は顔を真っ赤にして暴れる。暴れる翼の腕と脚がゴーストの体に当たる。

 

「いたたっ・・・・・・翼姉! 腕が当たって痛い!」

 

 全身が傷だらけのため、ゴーストは悲鳴を上げる。

 

「あっ・・・・・・ごめん」

 

 翼はおとなしくなり、ゴーストは地面に着地して変身を解除する。

 

「ふー」

 

「・・・・・・イッセー、何で、あなたは戦いをやめなかったの? 普通なら、あそこで諦める」

 

「うーん、意地があったからかな?」

 

「意地?」

 

 翼に理由を聞かれてイッセーは考えた。自分があそこまでボロボロになっても諦めなかったのか。

 

「うん、翼姉に譲れない物があったように、俺にも譲れない男の意地があったんだよ。もう、翼姉達だけを戦わせたくない。今度は俺が翼姉達を守りたいって言う、俺のちっぽけな意地が俺を支えて戦っていたんだよ」

 

「・・・・・・イッセー、あなたは甘い甘すぎる!」

 

「あー、うん。自覚はしてるよ。だけど、その甘さが俺の強さなんだと思う。それにそう言う翼姉も甘いよ。俺と戦ったのは、おおかた、俺を戦わせまいとしたんだろ?」

 

「・・・・・・そんなことあなたに分かるわけ、ないでしょ?」

 

「・・・・・・分かるさ。俺は何年も翼姉の幼なじみをしてるから。翼姉は、不器用なくせに強がる優しい、俺の幼なじみだよ」

 

 イッセーは翼を抱きしめて頭を撫でながら優しく言い聞かせる。

 

 すると、イッセーが砕いた大剣のかけらが光り始めた。

 

 それはムサシ眼魂を生み出したときの武藏の刀の鍔のような光だ。

 

「これはもしかして・・・・・・」

 

 イッセーは大剣のかけらを手に取り、眼の紋章を描く。すると、青と白の煙と共に両手が剣で翼の纏うシンフォギアのような柄のパーカーのゴーストが誕生して、イッセーの腰にあるドライバーに吸い込まれて青と白の眼魂が生成された。

 

 その眼魂には『SG01 AMENOHABAKIRI』と書かれていた。

 

「これは・・・・・・シンフォギアの眼魂? だが、イーディス殿はシンフォギアの眼魂があるなど・・・・・・」

 

「あーごめん。翼姉、もう疲れたから・・・・・・」

 

 眼魂について疑問を持った翼だが、何かを言いかけたイッセーの方に意識を向けると、イッセーは翼に倒れ込んできた。

 

「っ!? イッセー!?」

 

 倒れ込んだイッセーに翼は慌ててイッセーの呼吸を確認する。

 

 イッセーからは規則正しい呼吸音が・・・・・・どうやら、疲れて眠っているだけのようだ。

 

 初めての眼魔との戦いからの連戦で疲れが溜まっていたのだろう。

 

『至急彼をメディカルルームへ!』

 

 弦十郎は部下に指示を飛ばす。

 

「イッセー、お疲れ様・・・・・・あなたの勝ちよ」

 

 翼は眠っているイッセーを優しく撫でる。




今回は今までで一番短いかも。

今回は翼とイッセーの戦いでしたが、どうでしたか? 翼さんは色々、不器用なのです

次回予告です

『イッセー君、君にコレを』

『ワシからもプレゼントじゃ!』

『・・・・・・ごめんなさい、イッセー』

『謝らないでくれ母さん』

次回、『母の願い、子の決意』


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第五話「母の願い、子の決意」

イーディス、死す


 翼姉との戦いが終わって俺は疲れて眠ってしまったらしく、約1時間後ぐらいに目が覚めた。

 

 目が覚めたのは良かったが、その後俺が目を覚ましたことに気がついた響と切歌が突っ込んできて起き上がりで踏ん張れなかった俺は勢いで後頭部を壁にぶつけて気絶した。

 

 気がついたときは未来とマリア姉に響と切歌が説教を受けていた。

 

 その後、弦十郎さんと翼姉がやってきてさきほどの戦いで翼姉がやり過ぎたことを謝罪してきた。

 

 俺は気にしてないって笑って許したけど、翼姉はそれじゃだめだとものすごい気迫で迫ってきたけどね。

 

 それで翼姉を落ち着かせた後、弦十郎さんは半日は安静にしてなさいと言ってきた。俺は平気へっちゃらだったんだけど・・・・・・みんな安静にしろって言うからベッドの上で安静にしていることに・・・・・・

 

 取りあえず、暇だったから奏姉に家に置いてあるゲームを取りに行ってもらったんだけど・・・・・・何故か翼姉がまたやってきた。ナース服で・・・・・・

 

 どうやら、奏姉に何か変なことを吹き込まれたらしくて、ナース服を着た状態で俺に跨ろうとして、俺は必死に止めていたら、間が悪く、クリスが入って来て、現状を見て勘違いをしてしまったみたいでシンフォギアを纏ってミサイルを放とうとしてみんなで必死に止めた・・・・・・

 

 そのあと、ゲームを持ってきた奏姉共々、クリスと翼姉はマリア姉に連行されて響と切歌と一緒にマリアと未来に説教を受けていたみたい。

 

 俺もセレナと調からこの世界の裏事情を聞いた。悪魔や天使、堕天使のこと、悪魔が人間を転生させるのに使う悪魔の駒の事、悪魔が行うレーティングゲームのこと。人間が神から与えられる神器、その神器の中でも神を殺せるかもしれないと言われている神滅具。

 

 だいたいのことが分かった。色々な問題とかもな・・・・・・悪魔は無理矢理人間を転生させることもあるらしく、そんな経緯で悪魔になった転生悪魔は主の元から離れてはぐれ悪魔になり、人間を襲っているとか・・・・・・

 

 レーティングゲームには興味があるけど、無理矢理悪魔にするのは許せないな。

 

 ・・・・・・俺達が住んでいる地域を管理している悪魔のグレモリー家は眷属に情愛があるみたいでまともみたいだけどね。って、グレモリーって事はリアス先輩だよな。

 

 セレナと調による特別授業のあとはゲームをしてすごした。プレイしたゲームは特に好きなゲームである、流星コーポレーションが開発したゲーム、マイティアクションX、爆走バイクにドレミファビートだ。

 

 マイティアクションXはお菓子の国を舞台にした主人公のマイティがお菓子を食べてパワーアップして敵を倒すゲームだ。

 

 爆走バイクはモータスを相手にして破壊、妨害何でもありのレースゲームだ。

 

 ドレミファビートは音ゲーだ。

 

 色々な面白いゲームがあるけど、特に好きなのはこの三つで、その中でもさらに好きなのはマイティアクションX。これには色々な思い出がある。

 

 取りあえず、消灯時間までやっていて、消灯時間になったら寝た。

 

 そして、次の日もご飯を食べるときとトイレ行く以外はゲームをして過ごした。

 

 午後に入って、俺は昨日翼姉と戦ったトレーニングルームに呼び出されて、俺はアル作業をして、司令室に向かう。

 

「イッセー君、例の物は?」

 

「ええ、できました」

 

 司令室に入るなり、弦十郎さんに聞かれて俺は天羽々斬以外の新しく生成した六つのシンフォギア眼魂を見せる。

 

 大剣のかけらから天羽々斬のシンフォギア眼魂を生成したことから、おっちゃんは、もしかしたらと、他のシンフォギア眼魂を作ることが出来るのではないかと思い、眼魂を生み出せる物を用意したのだ。

 

 ガングニールは奏姉の持つ槍の欠片、イチイバルは生成したアームドギア、アガートラームは作り出した短剣、イガリマはアームドギアの鎌の欠片、シュルシャガナは発射した鋸、神獣鏡は展開するミラーデバイスから眼魂を生成した。

 

「なあ、おっちゃん、本当にシンフォギア眼魂は作る予定なんてなかったのか?」

 

「ああ、ワシが作ったのは基本形態の眼魂と英雄の眼魂だけじゃ。シンフォギアの眼魂を作る気なんてこれっぽっちもなかったよーん」

 

 おっちゃんは手でアガートラムの眼魂を弄りながら巫山戯て答える。

 

 ・・・・・・おっちゃんも知らない眼魂、コレは一体何だったんだ?

 

「・・・・・・もしかしたら、これがタケルの言っていた可能性なのかもしれんな」

 

「えっ? おっちゃん、今なんて・・・・・・」

 

「イッセー君、君に渡す物がある」

 

 何かをつぶやいたおっちゃんに聞こうとしたら弦十郎さんに遮られた、弦十郎さんは持っていたアタッシュケースの中身を見せる。

 

 そのアタッシュケースの中に入っていたのは・・・・・・眼魂?

 

「これは俺達が集めた眼魂だ。残念ながら十五コの眼魂ではないが、君の力になると思う。だから、受け取って欲しい」

 

 ケースの中に入っていたのは、カメハメハ大王、ダーウィン、一休、シモ・ヘイヘの眼魂だった。

 

「ありがとうございます。弦十郎さん。ありがたく、使わせていただきます」

 

「ワシからもプレゼントじゃ! あれを見ろ!」

 

 おっちゃんは後ろを指を指す。すると、地面がスライドして赤と白のバイク、Honda CRF250Ⅹが出てきた。

 

「イッセー、お前は確か、免許を持っていたな?」

 

「はい、バイクを買おうと思ってバイトしてました」

 

「なら、コレを使え! こいつには仮面ライダーに変身して乗ると・・・・・・特別な事が起きるんじゃ!」

 

 テンションが高いままおっちゃんは話す。特別な事って何だろう?

 

「特別な事って何だよおっちゃん」

 

「それは乗ってみてからのお楽しみじゃ!」

 

「じゃあ、ありがたくいただくよおっちゃん」

 

 俺はおっちゃんから鍵を受け取る。これが俺のバイクか・・・・・・。

 

 何か、翼姉がキラキラした目で俺の持つバイクを見ている。

 

「他にもお前に役立つアイテムを制作しているから待っておれ!」

 

「分かったよおっちゃん。そういえば、響達は眼魔が見えるけど、幽霊も見えるのか?」

 

「いや、見えるのは眼魔だけじゃ。眼魔が見えるのも聖遺物のおかげじゃな」

 

「成る程・・・・・・」

 

 おっちゃんの説明に納得する。クリスと切歌は幽霊苦手だから見えたら大変だろうし。

 

「な、なあ・・・・・・ここに幽霊は居るのか?」

 

 すると、クリスは顔を青くして聞いてくる。・・・・・・・ちょっとからかうか。

 

「ああ、クリスの背後に・・・・・・」

 

「いやああああっ!」

 

 俺の嘘を信じたクリスは俺に飛びついてきた。その時、クリスの胸は俺の顔にあたり、きつく抱きしめられる。

 

 かなり柔らかい・・・・・・

 

「く、クリス、冗談だから! だから離して!」

 

「んだよ・・・・・・驚かすなよ」

 

 俺が冗談と伝えると、クリスは安心してはなれる。

 

 ・・・・・・うん、クリスの背後には居ない。だけど、この部屋には三人ほどの幽霊が居る。

 

「幽霊ならここにいるよん!」

 

「わきゃああっ!」

 

 突然背後に現れたおっちゃんにクリスは裏拳をたたき込む。おっちゃんは崩れ落ちる。

 

 大丈夫かおっちゃん?

 

「いつものことだから気にしなくて良いわよイッセー」

 

 おっちゃんのことを心配していると、マリア姉が耳打ちしてきた。いつものことなんだあれ・・・・・・

 

「さて、俺達の話はコレで終わりだ。イッセー君、君は家に戻りなさい。お母さんも心配してる」

 

「えっ? でも・・・・・・」

 

 弦十郎さんは俺に帰るように言うけど、眼魔が現れたら・・・・・・

 

 すると、弦十郎さんは俺の肩に両手を添える。

 

「心配するな。眼魔が現れたら君に知らせる。だから、今は家に帰ってお母さんを安心させてあげなさい」

 

「・・・・・・分かりました」

 

「じゃあ、一緒に帰るぞ〜イッセー」

 

弦十郎さんの言うことを聞いて俺は素直に帰ることにしたんだけど、奏姉が抱きついてきた。柔らかい感触が!

 

みんなの視線が痛い。特に翼姉と調の視線が!

 

「か、奏姉!?」

 

「んだよ。家同じなんだから良いだろ? それとも、あたしと一緒に帰るの嫌なのか?」

 

「嫌じゃないけど……」

 

「なら、帰るぞ!」

 

奏姉は俺の服を掴んで引っ張っていく。服伸びるからやめてー!

 

「良いなぁ奏さん」

 

誰かが呟いた。

 

 

 

 

免許を取って初めての運転は緊張と、背中に押し付けられた胸の感触でドキドキしてよく覚えてない。

 

 

家に帰ってくると、リビングで母さんが真剣な表情をしている。

 

弦十郎さんからの俺が仮面ライダーゴーストに変身したことを聞いたんだな。

 

「イッセー。あなた、仮面ライダーになったのね」

 

「うん。眼魔に襲われて覚醒したんだ」

 

「そう・・・・・・ごめんなさい。イッセー」

 

「えっ?」

 

 母さんは俺に謝ってきた。・・・・・・何で?

 

「私がお父さんの力を受け継いでいたらあなたを戦わせずにすんだのに・・・・・・ごめんなさいイッセー」

 

 泣きながら謝る母さん。

 

 そうか・・・・・・母さんにはじいちゃんの力を受け継げなかった。だからそのせいで俺が戦う事になったと思っているんだ。

 

「謝らないでくれ母さん」

 

「えっ?」

 

「俺は天空寺の宿命とか知らないし、誰かに強制されたから戦う訳じゃない。これは俺が選んだことなんだ。奏姉達だけを戦わせたくない。俺も、みんなと一緒に戦いたいんだ」

 

 これは弦十郎さんにも言われたことだけど、俺は俺の道を自分で選んだんだ。

 

「イッセー・・・・・・いつの間にかこんなに立派になったのね」

 

「おばさん、イッセーのことは私達がちゃんとサポートするからさ任せてくんないか?」

 

「ええ、気をつけてね。イッセー、きっと無茶するから」

 

「ああ、分かってる。昔から無茶する奴だし」

 

「ちょっ、二人とも酷くない!?」

 

「「あははははっ!」」

 

 俺は俺のことを好き勝手言う二人に文句を言う。すると二人は楽しそうに笑う。可笑しいかな・・・・・・まあ、母さんが笑ってくれて良かったけど。

 

「イッセー、あなたに渡す物があるわ」

 

「俺に?」

 

「ええ」

 

 母さんはそう言うと、一つの箱を取り出して俺に渡す。

 

「母さん、これは?」

 

「これはあなたのお祖父ちゃんがあなたが仮面ライダーに覚醒して戦う覚悟を決めたときに、渡してくれって言われてたのよ」

 

「じいちゃんが?」

 

 俺はその箱を受け取る。中身は何だ? かなり軽いけど・・・・・・

 

 その箱を持って俺は自分の部屋に行き、箱を開けた。

 

「これは・・・・・・」

 

 箱の中には三つの眼魂が入っていた。眼魂はエジソン、ロビンフッド、ニュートンの三つでその三つには番号が入っており、エジソンは02,ロビンフッドは03、ニュートンは04だ。

 

 眼魂の下には手紙が・・・・・・俺は、その手紙を開いてみた。

 

 

『イッセーへ、この手紙を読んでいるということは俺は死んでいるんだろう。そして、俺の力を受け継いで仮面ライダーゴーストになったということだろう。まずは、謝らせてくれ。すまない、お前に仮面ライダーとしての運命を背負わせてしまって。俺には英雄の眼魂を十五個全てを集めることは出来なかった。だが、イッセー、お前になら出来るはずだ。お前と仲間達ならどんな運命も乗り越えられる。イッセー、英雄の心を学び、英雄の思いをつないでくれ。俺が集めた英雄の眼魂を託す。頼んだぞ、未来の英雄、仮面ライダーゴースト、兵藤一誠!』

 

「じいちゃん・・・・・・ありがとう。大切に使うよ。じいちゃんが託してくれた力を・・・・・・そして、みんなを守ってみせる。英雄達と共に・・・・・・」

 

 俺はじいちゃんの書いた手紙と三つの眼魂を抱きしめる。

 

 じいちゃんに託された思いを胸に、俺は戦ってみせる。

 

 でも、英雄の心を学び、英雄の思いをつなぐってどういう事だ?

 

「イッセー、おばさんが風呂沸いたから入ってくれだってよ」

 

「あー分かった」

 

 手紙に書かれていることを気にしてると、部屋に奏姉が入って来た。風呂か・・・・・・いったん頭をリフレッシュさせるか・・・・・・

 

 って・・・・・・何故か俺の服を掴む奏姉。

 

「何してんの奏姉」

 

「んー久しぶりに一緒に入ろうぜ」

 

「はあっ!?」

 

 一緒に風呂に入ろうと誘う奏姉。久しぶりって、何年も前の話だよ!

 

「いや、もう俺達子供じゃないんだから・・・・・・」

 

「じゃあ、レッツゴー!」

 

「人の話を聞いて-!」

 

 奏姉は俺の話しを無視して引きずって風呂場に連れて行く。

 

 何があったかは・・・・・・言わないでおく。




今回はイッセーの戦力補充回ですね。

今日は奏さんの誕生日や。めでたいな。

次回予告です

『天才ゲーマーのゲームプレイ、見せてやる』

『あなたを歓迎するわ悪魔としてね・・・・・・』

『あんた達に力を貸すのは別に良いけど、あいつだけには力は貸せない』

『俺は認めないぞ! 絞りかす風情がオリ主である俺の邪魔をするな!』

『さて、試運転と行くか』

『カイガン! アガートラーム!』


『これが俺のッ! 正義の拳だッ!』

次回「オカルト研究部」

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第六話「オカルト研究部」

水着ガチャでクリスの水着が2枚当たったー


 奏姉に引きずられて風呂に入り、その後ベッドにまでついてきて一緒に寝た。・・・・・・朝起きたら抱きしめられてて顔を奏姉の胸を埋める形になった。

 

 抜け出すのが大変だったぜ。その後、思いっきりクロに引っかかれた。・・・・・・何で?

 

 朝の訓練を終えた俺は響達と登校して、左腕にクリスが抱きついて、右腕にセレナ。背中に調が張り付いている。

 

「・・・・・・なあ、何で二人とも抱きついてるんだ。調も張り付くんだよ」

 

「んだよ、文句あんのかよ」

 

「んー、響達が抱きついていたのが羨ましかったから?」

 

「・・・・・・背中が開いてたから」

 

「そうか・・・・・・拒否権は?」

 

『ない!』

 

 理由が分かった俺は拒否権を聞くがあっさり否定される。

 

「そうか・・・・・・」

 

 別に良いんだけど、腕に柔らかい固まりが四つ押しつけられ照るんだけど・・・・・・背中には何も感じないけど。

 

「・・・・・・」

 

「痛い痛い調、首を絞めるな!」

 

「何か、失礼なことを言ってない・・・・・・」

 

 調が俺の首を絞める。俺の心を読んだのか?

 

 とりあえず、このまま学校に行くか・・・・・・

 

「待てい!」

 

 すると、真っ黒な黒い衣装、FFF団の衣装みたいな感じのやつらが三十人ぐらい俺達を取り囲む。

 

「何だ、お前達」

 

「俺達は駒王学園のリア充を撲滅する・・・・・・」

 

「リア充撲滅隊!」

 

 黒装束の奴らはポージングを取る。リア充撲滅隊か・・・・・・

 

「俺は別にリア充じゃ・・・・・・」

 

「いや、どっからどこを見てもリア充だろ!?」

 

「何人も美少女を侍らせやがって!」

 

 リア充撲滅隊は血の涙を流している。いや、響達は俺の幼なじみなだけなんだけど。

 

「で、俺をどうする気なんだ? 全員で俺をリンチする気か? ・・・・・・それならこっちも手加減せずに、戦うけど」

 

「い、いや・・・・・・我々も暴力は好かん。だから、これで勝負だ!」

 

 俺は殺気を込めた視線をリア充撲滅隊の一人に向ける。たぶん、戦う事になってもここにいる奴らなら何とかなりそうだけど。

 

 リア充撲滅隊は一つのゲームを取り出した。そのゲームはマックス大乱闘! マキシマムバトル!

 

 流星コーポレーションが発売した最大九十九人の敵と戦うことが出来る大乱闘ゲームだ。

 

「貴様がゲームが得意だと言うことは調べ済みだ!」

 

「なら、貴様が得意なもんでこてんぱんにしてやる!」

 

「成る程ね。ゲーマーとして、その勝負、受けて立つぜ!」

 

 俺は三人に離れて貰い、鞄からゲーム機とゲームガシャットを取り出して電源を入れる。

 

「・・・・・・天才ゲーマーIのゲームプレイ、見せてやるぜ!」

 

 ゲームが起動され、通信プレイが始まる。

 

 敵の数は三十人。レベルは平均で80前後か・・・・・・このゲームの最大レベルは特殊なクエストをやらない限り、99だ。まあ、高い方だな。

 

「どうだ! 我々は貴様を倒すためにやりこんだのだ!」

 

「いくら貴様でもこの人数には勝てんだろう!」

 

「我々の勝利は確実だ!」

 

 ・・・・・・あいつらは勝てると思い舞い上がってる。うーん、なんかなー。

 

「戦っても居ないのに勝てるとか思い上がりすぎだぜ・・・・・・」

 

「はははっ気にならんな。貴様はここで死ぬのだ!」

 

 ゲームが始まり、一体の敵キャラが俺に向かって突っ込んできた。・・・・・・相手のレベルも確認しないで突っ込むなよ。

 

 俺はボタンを動かして攻撃を避けて殴り飛ばすと、敵キャラのHPはゼロとなり、ゲームオーバーになった。

 

「はあっ!?」

 

「瞬殺!」

 

「どういうことだよ!」

 

 仲間のキャラが瞬殺されてリア充撲滅隊に同様が見える。

 

「言い忘れたけど、俺のレベルは100だ。お前達とはレベルが違うんだよ」

 

「レベル100だと!? そこに到達するには鬼畜なクエストをクリアしないといけないはず・・・・・・まさか!?」

 

「そうだ。俺が唯一、特別クエストをノーダメでクリアした天才ゲーマーIだ!」

 

 このゲームは最終クエストをクリアすると、レベル100になるアイテムをゲットできる特殊なクエスト、レベル99のラスボス級の敵キャラを九十九体倒さないといけないのだ。

 

 そんな鬼畜なクエストをクリアできるプレイヤーは誰もいなかった。俺を除いて・・・・・・

 

「お前達の世界はここで終わりだ!」

 

「あー、イッセー、スイッチ入っちゃった」

 

 学校があるため、俺は早くけりを付けようとコマンド入力をして、必殺技を発動する。

 

 俺の操るゲームキャラはブラックホールを生成して、それを敵の大群の方へ投げる。

 

 ブラックホールは敵キャラ達を吸い込み、ゲームオーバーにしていく。

 

「ふはははははっ、人がまるでゴミのようだ!」

 

 挑んできたプレイヤーをゲームオーバーにしていくのを見て楽しくて思わず、笑ってしまった。

 

 

 

 

 あの後、もう二度と人の恋路を邪魔しないことを誓わせて、解散させた。

 

 取りあえず、学校に向かった。・・・・・・クリスとセレナと調は先ほどのポジションに戻り、響と未来、切歌もくっついてきた。もう、何も言わない・・・・・・

 

 学校に到着すると、リアス・グレモリー先輩と・・・・・・瓢箪天性がいた。

 

 天性が居ることに気がつくと響達は俺の後ろに隠れる。

 

 天性も俺のことをにらんでくるが、俺は気にしない。

 

「クリス、おはよう」

 

 グレモリー先輩はクリスに気がついたのか近づいて挨拶をする。そういえば、二人とも同じクラスで仲が良いらしいな。

 

「おう、おはようリアス」

 

「響さん達もおはよう」

 

「おはようございます、リアスさん」

 

「おはようデース!」

 

「・・・・・・おはようございます」

 

 響達もあいさつをする。・・・・・・あれ? 響達とも顔見知りなんだ。

 

「おはよう。クリス、放課後、兵藤君を借りても良い? 彼に色々聞きたいことがあるのよ」

 

「まあ、イッセーがいいなら良いんじゃないか・・・・・・」

 

「はい、俺はかまいませんよ」

 

「ありがとう。あと、兵藤君、コレを落としたわね。悪いと思っているけど、中身を見させて貰ったわ」

 

 グレモリー先輩はクリスに許可を求める。俺としても問題はないし、話を聞きたいとも思っていた。

 

 先輩は俺に生徒手帳を渡す。あー! あれ、いつの間にか落としてたんだよな。

 

「ありがとうございます。いつの間にか無くしてて困ったんですよ」

 

「どういたしまして。ではイッセー君、放課後に使いの者を出すから放課後にね」

 

 グレモリー先輩はウィンクして、校舎に向かう。天性は俺のことを睨んで校舎に向かう。

 

 

 

 

 放課後、帰る用意をして先輩からの使いの者を待っていると、金髪の学校一のイケメン、木場祐斗がやってきた。

 

「兵藤君、いるかい?」

 

「おう、木場。ここだ」

 

 俺のことを探してキョロキョロする木場に俺は声をかける。

 

「部長の使いで来たんだ。立花さん達も一緒についてきてくれる?」

 

「分かった」

 

「了解!」

 

 俺達は木場の後に続いて教室を出る。そして、校舎の裏手にある旧校舎に向かった。途中、切歌と調と合流した。クリスは遅れて来るみたいだが。

 

 ・・・・・・この旧校舎って時々幽霊が現れるんだよな。現れるたびに交渉をしてるよ・・・・・・

 

 校舎の中に入り、二階に上がり、さらに奥の部屋に向かう。

 

 俺達の目的の部屋には『オカルト研究部』と書かれているプレートがかけてあった。

 

 ・・・・・・グレモリー先輩はこの部の部長さんなのね。ってか、嫌なオーラがこの部屋から出てるな。

 

「部長、兵藤一誠君を連れて来ました」

 

「ええっ、入ってちょうだい」

 

 木場が部室の中に声をかけると、先輩が許可を出したので、部屋の中に入る。

 

 部屋に入ると部屋中に怪しい文字やら魔方陣が描かれていた。・・・・・・これに幽霊が引き寄せられているのか?

 

 あとはソファーがいくつか、デスクがいくつかある。

 

 そのソファーに座ってる一人の女の子に見覚えがあった。

 

「よう、白音ちゃん、何で芋羊羹食ってんだ?」

 

 その子は塔城白音ちゃんだ。一年生で、ロリ顔、小柄な体型で小学生に間違えられることがあるとか・・・・・・

 

 俺は白音ちゃん・・・・・・というか、一年生の生徒の殆どと顔見知りである。

 

 発端は四月の最初頃、ある一年生の女の子が幽霊に取り憑かれているのが見えた。俺は除霊をすることは出来ないけど、取り憑かれている人と幽霊のつながりを切ることは出来るので、つながりを切り、幽霊と話し合いをして成仏してもらった。つながりの切り方だけはじいちゃんに教わっていた。

 

 それから何故か『兵藤先輩に悩み事を相談すると何とかしてくれる』という噂が流れてしまい、相談してくる後輩達が続出して、何とかなる範囲で相談に乗っている。白音ちゃんも俺の所に悩みを相談しに着て話を聞いたのだ。まあ、悩みを解決できてないんだけどね。

 

「・・・・・・芋長の芋羊羹を食べて身体を大きくします」

 

「いや、それ、ボーゾックだけだからな! 大きくなるのも巨大化だからな!」

 

 思わず、突っ込んでしまう。白音ちゃんも見てたのか!? カーレンジャー!

 

「白音、また会ったデース!」

 

「・・・・・・やっほ-」

 

「・・・・・・二人も食べる?」

 

 ちなみに、切歌と調と白音は仲が良い友達である。

 

 すると、シャワーが流れる音が聞こえる。・・・・・・何でシャワーがあるんだ?

 

「部長、どうぞ」

 

「ありがとう朱乃」

 

 カーテンの向こうから別の女性の声が聞こえた。

 

 カーテンが開くと、制服姿の部長と・・・・・・・黒髪ポニーテールの女性が・・・・・・確か、この学園のアイドル、姫島朱乃さん?

 

「あらあら、初めまして、姫島朱乃と申します」

 

「あ、どうも。兵藤一誠です。よろしくお願いします」

 

「あら、あなたが。クリスちゃんから話はよく聞いてますわ」

 

「クリスからですか? どんな風に?」

 

 姫島先輩がクリスから俺のことを聞いていることに少し驚きがあった。クリスは俺の事を何て話したんだ?

 

「イッセーとどこに行ったとか、イッセーのここがいいとか・・・・・・」

 

「余計なことを言うなああアアアッ!」

 

「へぶっ!?」

 

 姫島先輩からクリスの話した内容を聞こうとしたら、ドアが勢いよく開いてクリスが入って来た。

 

 その時、ドアの所にいた瓢箪がドアにぶち当たり、壁にめり込む。・・・・・・姿が見えないかと思ったらそこにいたのか瓢箪。

 

「朱乃! お前はあること無いこと言うんじゃねえ! イッセー、あたしが話してたのは手の掛かる弟分が居るって話しだけだからな! 本当にそれだけだからな!」

 

 クリスは顔を真っ赤にして言う。確かにクリスが俺の事を褒めたりするのはあまり想像できないな。

 

「ああ、分かってるよ。クリスが俺の事を褒めるわけないだろうし」

 

「それはそれで何かむかつく・・・・・・」

 

 俺が答えるとクリスは不満そうにする。同意したのに何故不機嫌になるし。

 

「はいはい、クリス、痴話げんかなら後にしなさい」

 

「どこを見たら痴話げんかだと判断できるんだよ!」

 

 グレモリー先輩は手を叩き、場を落ち着かせようとしたが、クリスには逆効果のようだった。

 

「兵藤君、私達オカルト研究部はあなたを歓迎するわ・・・・・・悪魔としてね」

 

 グレモリー先輩は微笑む。それはまさしく悪魔の微笑み・・・・・・

 

 

 

 

「粗茶ですわ」

 

「ありがとうございます」

 

 ソファーに座った俺に姫島先輩はお茶を淹れてくれた。手に取り、一飲み。

 

「おいしいです」

 

「あらあら、ありがとうございます」

 

 素直な感想を述べると嬉しそうにする姫島先輩。

 

 ・・・・・・クリスもこんな風に素直に喜んで欲しいもんだ。

 

「何か言ったか?」

 

「いえ、何も」

 

 何かを感じ取ったのか、クリスがこちらを睨む。

 

 何でクリス達は俺が考えていることが分かるんだよ・・・・・・何年も一緒に過ごしてる幼なじみだからか?

 

「朱乃、あなたも私の隣に座りなさい」

 

「はい、部長」

 

 グレモリー先輩に言われて、姫島先輩はグレモリー先輩の隣に座る。

 

 ソファーに座っているのはグレモリー先輩、姫島先輩、白音ちゃん。俺の右隣に響、左隣に未来で、木場と瓢箪はグレモリー先輩の後ろの方でパイプ椅子に座っている。セレナとクリス、切歌と調も俺の後ろでパイプ椅子に座っている。

 

 姫島先輩の背後に、先輩に似た女性が・・・・・・

 

 その女性は唇に人差し指を置く。内緒にしてくれって事か。

 

「では、始めましょうか。兵藤君、あの日、何があったのか聞かせてもらえないかしら。私が駆けつけた頃にはもう、戦闘は終わっていたの」

 

「分かりました。未来、グレモリー先輩に話しても構わないよな?」

 

「うん、弦十郎さんには許可もらってるから」

 

 グレモリー先輩に土曜日のことを聞かれて未来に話して良いか一応、許可を取るが、あっさりと許可が取れた。

 

 流石、未来、仕事が早い。

 

「では、土曜日、俺はある女の子とデートしました。デートの終盤、あの公園で眼魔に襲われました。女の子は堕天使で、眼魔と一緒に俺を殺そうとするはずでしたが、女の子は眼魔達を裏切り、俺を守るために戦いました。その子がピンチになり、俺はとっさに眼魔を蹴り飛ばし、眼魔と戦いましたが、力の差が圧倒的で、死にそうでした。だけど、俺は諦めなかった。そんな時、コレが覚醒したんです」

 

 俺は懐からオレゴースト眼魂を取り出して、テーブルに置いてグレモリー先輩達に見せる。

 

「眼魂が覚醒して、俺は仮面ライダーゴーストに変身して眼魔を撃破しました」

 

「成る程・・・・・・あなたが伝説の戦士、仮面ライダーゴーストだったのね」

 

「・・・・・・グレモリー先輩は仮面ライダーゴーストの事はご存じだったんですか?」

 

 俺は悪魔が仮面ライダーゴーストを知っていることに驚いた。

 

「もちろんよ。悪魔や天使、堕天使と言った異形の存在が破壊できない眼魔のコアを破壊できる伝説の戦士の一人だから。今となってはシンフォギアシステムが存在しているけどね」

 

「そうだったんですか」

 

「ちょ、ちょっと待ってください部長! 眼魔って何ですか!? シンフォギアも初めて聞きましたし、仮面ライダーなんて存在するはずはないです!」

 

 俺はグレモリー先輩の先輩に納得したが、瓢箪は納得していない。

 

 それなら存在するはずはないと言うはずがない。現に、仮面ライダードライブがいるんだから。

 

「天性、あなたには話してなかったわね。この世界とは別の世界があってそこには眼魔と呼ばれる幽霊みたいな怪物が居るの。その眼魔を完全に倒せるのが、仮面ライダーとシンフォギアなの」

 

「なっ・・・・・・」

 

 グレモリー先輩の説明を聞いて驚いたのか、開いた口がふさがらない天性。

 

「これであなたの状況は分かったわ・・・・・・あなたに言いたいことがあるのだけれど、良いかしら?」

 

「え? あ、はい」

 

「・・・・・・ごめんなさい」

 

 すると、グレモリー先輩は何か俺にに向けて深々と頭を下げた。

 

「ちょっ、どうしたんですか!?」

 

「部長! こんな奴に頭を下げなくても良いですよ!」

 

 グレモリー先輩が頭を下げたことに俺と瓢箪は驚く。瓢箪は響達に軽く睨まれている。

 

「あなたとあと、天性も私の管理がちゃんと出来たらあなたたちは死なずにすんだのに・・・・・・全部私のせいだわ・・・・・・」

 

「あー、そのことですか。俺はそんな気にしてないですよ。ゴーストに覚醒して撃退しましたし」

 

「いや、気にしろよ・・・・・・」

 

 俺が気にしてないと伝えると、クリスが突っ込む。まあ、そうだよな。

 

「そうよ。もっとあなたは気にするべきよ」

 

「そう言われても・・・・・・これが俺ですし」

 

 俺は頭をかく。

 

「そういえば、天性は悪魔なんですか? 響達にはグレモリー先輩の眷属は姫島先輩と、木場、白音ちゃんと後一人、一年生の子がいるってことしか聞いていないんですけど」

 

「彼は土曜日に眷属になったの。駒は兵士で数は八個なの」

 

「俺は神滅具、赤龍帝の籠手の使い手だ! 何も力を持ってないお前とは違う!」

 

「ほうっ・・・・・・」

 

 瓢箪がその身に赤龍帝の籠手を宿してることに少し驚き、興味が出た。

 

 使い手によっては神をも殺せる神滅具が目の前にあるのだから。

 

 だけど、何も力を持ってないか・・・・・・まだ、俺の事を仮面ライダーだと信じられないのかこいつ。

 

「はあっ・・・・・・自分に自信を持ちすぎるのが難点ね。ねえ、兵藤君、提案があるんだけど良いかしら?」

 

「いいですけど」

 

「あなた、悪魔にならない?」

 

 何と、グレモリー先輩は俺を悪魔に勧誘してきた。

 

「ちょっ、リアス先輩!?」

 

「分かってるわ響さん。兵藤君、コレは強制ではないわ。嫌なら断って良いのよ?」

 

「俺は・・・・・・悪魔になりません。今は人間の可能性を信じてみたいんです」

 

 俺を悪魔に勧誘したグレモリー先輩に響が突っかかる。

 

「そう・・・・・・なら、あなたの力を貸してくれないかしら。この町の住民を守るため、眼魔を倒すことが出来る貴方達の力が必要なの」

 

 そう言ってグレモリー先輩はまた頭を下げる。

 

「分かりました・・・・・・貴方達に力を貸すのは構いません。だけど、瓢箪だけには力を貸しません」

 

「あん!? 何だとコラ!」

 

「天性、落ち着きなさい。それは何故かしら」

 

「許せないんですよ。そいつが響達にしていたことがだから俺はそいつとは絶対組めない!」

 

「・・・・・・分かったわ。その条件で良いわ。ねえ、オカルト研究部に入らない? その方がお互い連携しやすいと思うのだけれど」

 

 グレモリー先輩は俺の意志を尊重してくれる。ありがたいことだよ。

 

 そういえば、グレモリー先輩とマリア姉の声って似てるな。

 

「分かりました。入部します。ただ、二課の方を優先にしてもよろしいですか?」

 

「ええ、構わないわ」

 

「ちょっと待ってください部長! こいつはただの人間なんですよ! 部長のありがたい申し入れを断った不届き者を部活にいれるんですか!?」

 

「うるさいぞ瓢箪野郎。この部の部長はグレモリー先輩だぞ。お前なんかが決めることじゃないぞ」

 

 俺は流石に切れかかる。何でこいつは俺にこんなに突っかかるんだ?

 

「うるさい! 俺は認めないぞ! 絞りかす風情がオリ主である俺の邪魔をするな!」

 

『っ!』

 

 瓢箪の発言に響達は立ち上がり、戦闘態勢に入ろうとする。

 

「オリ主だが、何だか知らないけど、俺の事が気にくわないなら、戦って白黒付けようぜ」

 

「ああ、良いぜ! 俺が勝ったらお前の周りにいる女達は俺が貰うぜ!」

 

 ・・・・・・あっ? 今、何て言った?

 

 勝負をけしかけたのは俺だけどさ。

 

「天性! 何を言ってるの訂正・・・・・・」

 

「巫山戯るな。響達は誰の物でもねえ!」

 

 グレモリー先輩が瓢箪の発言を訂正させようとしたが、その前に俺が切れた。響達を物扱いするなんて許せねえ!

 

「お前は俺を滾らせた! 最初に言っておくが、お前が勝てる確率は0%だ!」

 

「はっ、言ってろ! お前は俺が倒す!」

 

 俺と瓢箪は戦うために旧校舎の外へ移動する。

 

 

「・・・・・・ごめんねクリス」

 

「んだよリアス。お前が謝ることしたか?」

 

「いえ、私の眷属が貴方達に失礼なことを言って・・・・・・」

 

「あーあれか。あれ、別にお前のせいじゃないだろ?」

 

「でも、私がちゃんと教育してないせいで・・・・・・」

 

「アタシ達は気にしてねえよ。それに、あんな悪魔になったばっかの豆もやしのようなやつにイッセーは負けねえよ」

 

「・・・・・・彼のこと、信頼してるのね」

 

「まあな。あいつは戦い初めて数日しか経ってないけど、負けねえよ。あいつはアタシの・・・・・・英雄だからな」

 

 

 

 

 

 

 

 旧校舎に出た俺達は戦う準備をした。姫島先輩が結界を張ってくれたおかげで心置きなく戦える。

 

「ふふふ、お前をやっと痛めつけられるぜ」

 

「・・・・・・俺もお前を殴られる機会が来て嬉しいぜ瓢箪!」

 

「はっ、お前の攻撃なんか当たるかよ!」

 

 瓢箪は腕を天に掲げて叫ぶ。

 

赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)!」

 

 翠の光と共に赤い籠手が瓢箪の左腕に装備される。

 

 あれが赤龍帝の籠手か・・・・・・どんな戦いが出来るのか・・・・・・心が躍るな!

 

「じゃあ、見せてやるぜ、俺の力を」

 

 俺は腰に手をかざす。するとオレンジの炎と共に一つ目小僧の様なベルト、ゴーストドライバーが出現する。

 

そして、オレゴースト眼魂を取り出し、スイッチを押してGの文字が現れる起動状態にしてドライバーに装填してトリガーを引いた。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉

 

「なあっ!」

 

 ドライバーから黒を基調としたオレンジのパーカーを着た幽霊ーオレゴーストが召喚されて俺の周りを踊り始める。

 

 そして、トリガーを押し込む

 

「何だよこいつ!」

 

「変身!」

 

〈カイガン! オレ!〉

 

〈レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ! ゴースト!〉

 

〈ゴーゴーゴーゴー!〉

 

 その瞬間、俺は黒い身体の所々に骨をイメージしたオレンジのラインと胸元に眼と人魂を掛け合わせたような紋章が描かれて、銀色のフルフェイスで覆われた頭部が特徴的な素体形態‐トランジェントになり、オレゴーストを纏うと大きな黒い複眼と波打つ刃のような角を持つ橙の仮面が装着された。

 

 

 俺はパーカーを脱いで叫ぶ。

 

「俺の名はゴースト! 仮面ライダーゴースト! 命、燃やすぜ!」

 

 俺はガンガンセイバーを取り出して構える。

 

 

 

 仮面ライダーゴーストに変身したイッセーを見た瓢箪天性は困惑していた。兵藤一誠が手にするはずの赤龍帝の籠手は自分が奪ったはずなのに・・・・・・

 

(何だよあれ・・・・・・本当に仮面ライダーなのか? だけど、あんな仮面ライダー、見たことないぞ!?)

 

 さらに自分の知らない仮面ライダーに驚いている。彼が転生する前に住んでいた世界にも仮面ライダーは存在していた。だが、仮面ライダーゴーストと言う仮面ライダーはまだ放送されていなかった。

 

「はっ! 姿を変えたところで俺には勝てないぜ!」

 

『Boost!』

 

 赤龍帝の籠手の能力は10秒ごとに力を二倍にする倍加能力。

 

 効果そのものには制限はないが、使い手のキャパシティを超えるとリバウンドで強烈な負担が掛かる。

 

「はははははっ、これで俺の力は十秒ごとに二倍になる! お前に勝ち目はないぜえええええっ! 俺の最強の力を喰らえ!」

 

 瓢箪は高笑いをしながら手に魔力を溜めて放とうとした。

 

『Burst』

 

 その音声と共に倍加は解除されて、瓢箪は倒れ込む。

 

「「はっ?」」

 

 イッセーと瓢箪は何が起きたのか分からなかった。使用者のキャパシティを超えたため、倍加が解除されたのだ。

 

 どうやら、瓢箪は一回の倍加にしか耐えられないようだ。

 

「おい、ドライグ! どういう事だ! 一回しか倍加してないのに解除されたぞ!」

 

『ふん、貴様がその程度の存在だと言うことだ』

 

「俺がその程度だと!? なら、左腕を対価に禁手化しろ! 十秒であいつを倒す!」

 

『左腕で禁手化? はっ、左腕程度で禁手化なんてできねえよ。どうしても十秒間禁手化したいなら、お前の身体全てを対価にして十秒だな』

 

「はあっ!? 全身で十秒とか割に合わないだろ!?」

 

『嫌なら、良いんだぞ。俺が貴様に力を貸す道理はないからな』

 

「くっ・・・・・・何でだよ! 俺はあんなおっぱいドラゴンと違って優秀なのに!」

 

『貴様が優秀? 笑わせるな。相棒と貴様では月とすっぽん。いや、ゴジラとアメーバーほどの違うわ!』

 

「っ! 分かった! お前の力なんて借りない! 俺の力であいつを倒す!」

 

 瓢箪は籠手に宿る二天龍のドライグに抗議するが、ドライグは悪びれた様子は見えず、口論になり、会話を終える。

 

「どうやら、ドラゴンとは仲が良くないみたいだな」

 

「はっ、あんな蜥蜴野郎の力なんか借りなくてもお前を倒せるぜ!」

 

「はーお前は外れだな・・・・・・萎えるぜ。お前に赤龍帝の籠手は宝の持ち腐れ。猫に小判。いや・・・・・・お前には豚に真珠がお似合いかな」

 

「誰が豚だゴラアアアアアアアアアッ!」

 

 イッセーは瓢箪とドライグの仲の悪さに呆れてしまう。瓢箪は強がるが、イッセーの安い挑発に乗って、ぶち切れて突っ込む。

 

 イッセー・・・・・・ゴーストは空中に飛んで避ける。

 

「なっ!? 飛べるのかよ!」

 

「ははははははっ、俺に攻撃できるかな?」

 

「なめるな!」

 

 ゴーストが飛んだことに瓢箪は驚くが、魔力を弾丸にして放つ。

 

 そんな攻撃をゴーストは空中をユラユラと不規則な動きで飛んで避ける。その姿はまさに幽霊(ゴースト)

 

「くっ・・・・・・何で当たらないんだよ!」

 

「ほらほらほら、当ててご覧よ最強(笑)さん」

 

「うるせえっ!」

 

 攻撃が当たらないことに苛立つ瓢箪をゴーストはおちょくり、さらに苛立つ瓢箪は狙いを付けず、魔力弾を大量に放つ、だが、全て避けられてしまう。

 

 魔力の無駄遣いである。

 

「鬼さんこちら、手の鳴る方へ!」

 

「おらああああああっ!」

 

 ゴーストは巫山戯て手を叩き、瓢箪を挑発して、瓢箪は魔力弾を放ち、それもゴーストはひらりと避ける。

 

 空中で一回転したゴーストは瓢箪の頭に着地する。

 

「なっ! 人の頭に汚い脚で踏むな! どけろ!」

 

「おやおや、ちょうど良い、踏み台があると思ったら瓢箪だったか」

 

「っ・・・・・・テメエ、いい加減にしろよ!」

 

 瓢箪は自分を踏みつけたゴーストに顔を真っ赤にして切れた。

 

 一方、ゴーストは落胆していた。

 

 最初は神滅具を使うと言うから、どんな戦いになるか心を踊らせていたのだが、いざ、戦いが始まれば何のこともない、あいつはろくに神滅具を使いこなせない外れだったのだから。

 

「もう、飽きたな・・・・・・お前と戦っていても時間の無駄だ。せめて、試運転の相手になってもらうか」

 

 ゴーストは白銀の眼魂、『SG06 airget-lamh』と書かれている眼魂を取り出して、スイッチを押して中央にSG、その周りに06と書かれている起動状態に変化させて、オレゴースト眼魂を取り出して、ドライバーに装填して、トリガーを押し込む。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉

 

 すると、オレゴーストのパーカーが霧散してドライバーから王女様が付けるようなティアラを頭に付けて左腕に大きな籠手、右腕には短剣を持ったパーカーゴーストが現れて、ゴーストの周りをぐるぐると回る。

 

「マリア姉! セレナ! キレのいいやつ、頼みます!」

 

『カイガン! アガートラーム! 貫け正義! それが聖剣!』

 

アガートラームパーカーゴーストはゴーストに覆い被さり、ゴーストは籠手と短剣がマイクの上で交差したようなマスクと左腕に籠手を全身をマリアのシンフォギアに似た白銀の鎧を纏っている。

 

仮面ライダーゴースト アガートラーム魂にタイプチェンジしたのだ。

 

「俺はゴースト、銀の左腕が悪を討つ!」

 

ゴーストは左腕を突き出して名乗る。

 

「っ! な、何だよ……その姿は」

 

ゴースト アガートラーム魂の姿を見て瓢箪は本能的に恐怖を感じて後ずさりをする。

 

「何だ? 俺のことが怖いのか?」

 

「誰がお前なんか怖がるかよ!

 

「そうか。なら、遠慮しないぜ!」

 

ゴーストは左腕の籠手から小太刀を引き抜いて周囲に展開して、瓢箪に向けて放出した。

 

大量の小太刀が、瓢箪を襲う。

 

『INFINITE † CRIME』

 

「うわああああっ!」

 

瓢箪は慌てて避けるが、一本の小太刀が頬を掠り、一本の線ができてそこから煙が発生する。

 

「ギャアアアアッ! 痛い! な、何だよこれ!」

 

「あー、言い忘れてたけど、シンフォギア眼魂は聖遺物であるシンフォギアの力を使っている。聖遺物は悪魔の身を焼くから気をつけろよ」

 

「な、何だよそれ……」

 

「どうした? 降参しても良いんだぜ? その代わり、今までお前がやってきたことを泣いて謝るならな」

 

「誰が……謝るかよ……」

 

「なら、後悔するなよ」

 

痛みに悶える瓢箪にゴーストは降参するように促すが、瓢箪はそれを断る。

 

ゴーストは小太刀を振り、空中の小太刀を操り瓢箪に小太刀が向かって放たれる。

 

瓢箪は小太刀の動きを目で追って、後ろに飛んで避ける。その時、ゴーストから視線を外してしまう。

 

ゴーストは跳躍して一気に近づき左腕で、瓢箪の顔面をぶん殴る。

 

「吹っ飛べ!」

 

「ベムラッ!?」

 

ぶん殴られた瓢箪は勢いで吹っ飛んで結界にぶつかり崩れ落ちる。

 

ゴーストは瓢箪が気絶していることを確認して変身を解除する。

 

『オヤスミー』

 

「ふう〜終わったぜ。グレモリー先輩、俺の勝ちで良いですよね?」

 

「ええ、構わないわ。私の眷属が失礼なことをしてごめんなさいね。あとでお詫びの品を送るわ」

 

「いえ、気にしないでください。俺はあいつをぶん殴られただけで充分ですから♩」

 

眷属の非礼を詫びるリアスに対してイッセーは清々しい笑顔で答える。

 

「そう。あと、これからはイッセーと呼んで良いかしら?」

 

「構いませんよ。俺も部長と呼びますね」

 

「ええ。構わないわ。イッセー、後処理は任せてちょうだい。あの子にもお灸を据えないといけないし」

 

リアスがそういうと、背後には鞭を持ってニコニコした朱乃がいる。

 

……何をする気だろう。

 

「分かりました。あとはお任せします」

 

イッセーは頭を下げ、響達の元に向かう。

 

「勝ったぜ、みんな」

 

「良かったねイッセー君」

 

「ああ、セレナのおかげで勝てたぜありがとうな」

 

「そんな……私は何もしてないよ……」

 

イッセーにありがとうと言われて顔を真っ赤にするセレナであった。

 

「おい、そこ、イチャついてないで帰るぞ」

 

二人のやりとりを見てクリスはムッとしてる。

 

「べ、別にイチャついてないよ!」

 

セレナは顔を真っ赤にして否定する。

 

「ねえ、このあとふらわーに行こうよ」

 

「良いね。響の奢りで」

 

「うえっ!?」

 

ふらわーに行くことを提案したら奢らせられることになった響。

 

「……さすが先輩。太っ腹」

 

「ゴチになるデース!」

 

「ひええ……」

 

響は顔を青くしていく。彼女は今月、ピンチなのである。

 

「じゃあ、行くか」

 

イッセー達はふらわーに向かう。

 

「ちょっと待ってー!」

 

財布がピンチな響を連れて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼みましたよ、泊ちゃん」

 

「任せてください本願寺参事官」




今回はリアス達との出会いと瓢箪との戦いでしたが、どうでしたか?

アガートラームの名乗りはもう一つあったりして


バンダイは俺の財布を殺しにかかってる……

次回予告

『調べてもらえますか?』

『君、ちょっと良いかな?』

『あなたはもしかして!』

『久しぶりだな泊進之介』

『俺もあなたと同じ、仮面ライダーです!』

『例え、変身できなくても、俺は仮面ライダードライブだ!』

その男、刑事で仮面ライダー!

『俺はみんなと並んで戦えるようになりたい! だから走り続ける! トップギアで!』

『警官! 正義感! タイヤコウカン!』

次回『何故、幽霊と刑事はなぜ出会ったのか?』

なお、活動報告のアンケートはまだ募集してます


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第七話「何故、幽霊と刑事はなぜ出会ったのか?」

レジェンドライダー編、ドライブ!

すいません、前回書き忘れましたが、アガートラーム魂のマスクのデザインですが、籠手と短剣がマイクの上でクロスした感じです

スマホの充電するところが壊れて充電できない・・・・・・

シンフォギアXDとFGO、戦国アスカ零ができない・・・・・・


 東京都、警視庁の参事官室。そこでは本願寺純参事官が、ある男を待っていた。

 

 すると、ドアをノックする音が聞こえる。

 

「どうぞ、入ってきてください」

 

「失礼します」

 

 ドアを開けて一人の長身のイケメン男性が入って来た。

 

「およびですか、本願寺参事官」

 

「待っていましたよ泊巡査部長。どうぞ、座ってください」

 

 そう、部屋に入ってきたのはかつて、警視庁 特状課に所属して数々の機械生命体犯罪を解決して機械生命体ロイミュードを撲滅した仮面ライダーの内の一人、仮面ライダードライブこと、泊進ノ介巡査部長である。

 

「分かりました。失礼します」

 

 進ノ介は頭を下げて備え付けられているソファに座る。

 

「早速ですが、泊ちゃん、あなたにある事件の捜査を頼みたいんです。駒王町の博物館強盗事件、知っていますか?」

 

 本願寺参事官も座り、用件を伝える。

 

「はい。確か、歴史上の偉人にまつわる物が盗まれたって・・・・・・確か、犯人はまだ捕まってないはずです。でも、参事官、管轄が違いますよね? 何で俺に捜査を?」

 

「それはこれを見てください」

 

 管轄が違う事件を調べさせようとすることに疑問に思う進ノ介に本願寺参事官はノートパソコンを開いて進ノ介に見せる。

 

 パソコンはある動画を映していた。

 

 それは夜の博物館で、警報を聞いた警備員達が展示場に向かっているときの映像。ドアを開け、展示室に入った警備員達だが、警備員の一人が突然吹っ飛んで壁にぶつかった。

 

 他の警備員達は何が起きたのか分からず、混乱した。その隙に一人、また一人と警備員達は吹き飛ばされていく。

 

「これは・・・・・・」

 

「そうです。泊ちゃんがネオシェードの事件の時、泊ちゃんを襲った眼魔と呼ばれる怪物と状況が似ているんですよ」

 

 そう、それは三年前、ロイミュードを撲滅した後に起きたネオシェードと言うテロ組織の残党を逮捕しようとしたときに現れた目に見えない怪物、眼魔という化け物と遭遇した。

 

 本願寺参事官は駒王町博物館強盗事件にも、眼魔が関わっていると睨んでいるのだ。

 

「成る程。だから、眼魔と関わりがある俺が選ばれたと」

 

「そうです。ですが、調べるのには注意した方が良さそうです。何か得体の知らない組織が関わっているかもしれません」

 

「どういうことですか?」

 

「実は、捜査本部を解散させて、事件の捜査を終了しろと政府が圧力が掛けたらしいです」

 

「政府が? 何故・・・・・・」

 

「分かりません。だけど、底知れない闇があるのかもしれません。もしかしたら、かなり危険な仕事になるかもしれません。それでもやりますか?」

 

 本願寺参事官はもう一度、聞く。進ノ介は一瞬、考えるが、直ぐに答える。

 

「やります。もしかしたら彼にも会えるかもしれないので」

 

「仮面ライダーゴーストですか?」

 

「はい。眼魔が関係していると言うことは、彼も居るはずです」

 

「分かりました。所轄には私が話を付けますので、お願いしますよ泊ちゃん」

 

 決意した進ノ介に本願寺参事官は頭を下げる。

 

 

 

 

 

「すみません、現さん。俺に付き合って貰って」

 

「気にすんな! 俺も暇だったしな!」

 

 本願寺参事官の命を受けた進ノ介は警視庁捜査一課 警部である追田 現八朗が運転する車で駒王町に向かっていた。

 

「しかし、不思議だよな。あれから三年経って現れるなんて」

 

「そうですね。眼魔は何を企んでいるんでしょうか」

 

「・・・・・・実はよう、進ノ介。お前には言ってなかったけど、実は前にお前のであった仮面ライダーゴーストに出会ってるんだ」

 

「え?」

 

 現さんの告白に進ノ介は驚く。

 

「108の事件、覚えてるよな?」

 

「ええ、忘れたくても忘れられません」

 

「あの時、108の所にお前を行かせるために未来のロイミュードを足止めしている時、現れてロイミュードを撃破したんだ」

 

「そうだったんですか・・・・・・」

 

 あの時、仮面ライダーゴーストが戦っていたことを知る進ノ介。

 

「これと、何か関係があるのか・・・・・・」

 

 進ノ介はポケットからR16 DRIVEと書かれている目玉のアイテム。眼魂だ。

 

 一週間前、突然、進ノ介のデスクに現れたのだ。何故、現れたのかは分からない。

 

「駒王町、何が起きているんだ?」

 

「鬼がでるか蛇が出るかだな」

 

 駒王町に向かう彼らを待ち受けるのは果たして何なのだろうか。

 

 

 

「・・・・・・あれから一週間か」

 

 俺は眼魔と初めて戦ったあの公園にやってきている。

 

 仮面ライダーゴーストになってから一週間経った。あれから不可思議研究所に依頼が来て捜査したり、はぐれ悪魔を討伐したり、眼魔を倒したりした。

 

 眼魂も一つ回収した。ウィリアム・テルの眼魂だ。十五個の眼魂ではなかったけど。

 

「何とか、仮面ライダーとして戦えてるかな。そういえば、この公園って俺が小さい頃、一人で遊んでいた公園だな」

 

 今更だが、俺は昔のことを思い出した。

 

 イリナが外国に引っ越した後、遊ぶ友達が居なかった俺はこの公園で一人でゲームをして過ごしていた。そんな中、一人の年下の子と知り合った。その子もゲームが好きで、一緒にゲームをやったり、二人で新しいゲームを考えたりした。

 

 一ヶ月ぐらい、一緒に遊んでいたのだが、その子も遠いところに引っ越さなければならなくなった。その子は思い出にその子の親が開発している最新のゲーム機とそのゲーム機で遊ぶゲーム『MIGHTY ACTION X』と書かれた黒いゲームガシャットと言われている、ゲームソフトを貰った。モノクロだったけど、面白かった。

 

 数ヶ月前、流星コーポレーションから『MIGHTY ACTION X』が発売されている。恐らく、彼女は会社関係者の娘だったんだろう。

 

今もあの黒いゲームガシャットは持ち歩いている。お守りとして。

 

 だけど、このゲームガシャット市販のガシャットとどこか違うんだよな。気のせいかな?

 

「君、ちょっといいかな?」

 

 俺は鞄からゲームガシャットを取り出して眺めていると、声をかけられて後ろを振り返る。すると、そこにはスーツを着た男性が二人いた。

 

 一人は長身のイケメン男性、一人は気むずかしそうな男性。二人とも、どこか、歴戦の戦士と思える覇気を感じる。

 

 俺は警戒して、何時でも逃げられるようにする。イケメンの方の男性はどこかで見たことある気がするけど・・・・・・

 

「あっ、俺達は怪しい者じゃないよ。警視庁 特殊犯罪捜査第4班 班長 泊進ノ介だ。よろしく」

 

「警視庁捜査一課 警部 追田現八朗だ。よろしくなボウズ」

 

 二人は警戒している俺に黒い手帳、警察手帳を見せてくれた。・・・・・・警察・・・・・・泊進ノ介・・・・・・はっ!

 

「あなたはもしかして、仮面ライダードライブの泊進ノ介さんですか!?」

 

「そ、そうだけど・・・・・・」

 

「俺、仮面ライダーの大ファンなんです! サインお願いしても良いですか!?」

 

「い、良いよ・・・・・・」

 

 泊さんは俺の気迫に押されながらも了承してくれて、俺が出した手帳にサインを書いてくれた。

 

「ありがとうございます! 俺、兵藤一誠と言います。ところで、何で警視庁の刑事さん達がここに? 管轄が違いますよね?」

 

「実は、こっちで起きた事件が東京で起きた事件と似ていて調べているんだ? 協力してくれるかい?」

 

「ええ、俺が出来る範囲なら」

 

「この前、博物館で起きた強盗事件で何か知ってることはあるかい?」

 

「っ・・・・・・」

 

 サインを書いて貰った手帳をしまいながら泊さんに聞くと、泊さんは博物館の強盗事件について聞いてくる。あれは眼魔が関わっていた事件・・・・・・泊さんも眼魔のことを調べているのか?

 

「その様子、何知ってるね。話してくれるか?」

 

「ええとですね・・・・・・」

 

 泊さんは俺の様子が変わったことで突っ込んで質問してくる。

 

 だが、そんな時、地面に火花が散る。

 

「っ!? 狙撃!?」

 

「どこから・・・・・・っ!」

 

 どこから銃弾が飛んだのか探っていると、寒気が・・・・・・

 

「ふふふふっ・・・・・・久しぶりだな。泊進ノ介」

 

「っ! この声! まさか!」

 

 声と共にコブラの形をした胸に001と書かれた骨の機械の生命体、ロイミュード001だ。

 

「何故、お前がここにいるロイミュード001、いや! フリーズ!」

 

 泊さんはロイミュード01に向けて激高する。

 

 何でそんなに、激高しているんだ?

 

 だけど、ロイミュードは全部泊さん達に撲滅させられたはず、ということは・・・・・・

 

「おいおい、進ノ介。ホイコーロ・・・・・・・じゃなかったロイミュードなんてどこにも居ないぞ?」

 

「現さんあそこに見えるでしょ!?」

 

「泊さん、あいつはロイミュードじゃないです! そうだろ! 眼魔!」

 

 追田警部が001の姿が見えてないことに泊さんは驚いている。普通の人間である追田警部に見えてないと言うことは、あれはロイミュードでないと言うことは眼魔だと言うことだ。何で泊さんに見えているのかは分からないけど、それしかありえない。

 

「イッセー君、君は何で眼魔のことを・・・・・・」

 

「その少年の言う通りだ。私はロイミュードであってロイミュードではない。言うなれば、ロイミュード眼魔とでも名乗ろうか・・・・・・はあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 ロイミュード眼魔が力を込めると、素体である姿から鬼のような姿、進化体、フリーズロイミュードへ姿を変える。

 

「素体とした眼魔だと、進化体が限界か・・・・・・まあ、今の君たちにならこれで十分か」

 

「おいおい、何がどうなってるんだよ進ノ介、イッセー!」

 

「追田警部! これを!」

 

 眼魔の姿が見えずに困惑している追田警部に俺はニュートン眼魂を投げて渡す。・・・・・・あいつの身体が馴染む前に倒さないと!

 

「うおおっ! 何だコレ!? 何でロイミュードいるんだよ! また蘇ったのか!?」

 

「ニュートン眼魂!? イッセー君、君が何でそれを!?」

 

 眼魂を受け取った追田警部はロイミュードの姿を見て驚いている。泊さんは俺がニュートン眼魂を持っていたことに驚いている。泊さんはニュートン眼魂の事を知っているのか?

 

「とにかく、イッセー君、君はここから逃げろ! 俺達が時間を稼ぐだから・・・・・・」

 

「一般人の俺は逃げろ! ですか・・・・・・すいません、それはできないですね」

 

 拳銃を取り出して、フリーズロイミュード眼魔に向ける泊さんの前に俺は立つ。

 

「俺はあなたと同じ、仮面ライダーだから!」

 

 俺は腰に手をかざし、オレンジの炎と共にゴーストドライバーを出現させ、オレゴースト眼魂のスイッチを押して起動状態にしてベルトに装填する。そして、印を結ぶような動作をしてトリガーを引く。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉

 

 ドライバーから黒とオレンジのお化け、オレパーカーゴーストが召喚されて俺の周りをぐるぐると回る。俺は取りがーを押し込み、叫ぶ。

 

「変身!」

 

〈カイガン! オレ!〉

 

〈レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ! ゴースト!〉

 

〈ゴーゴーゴーゴー!〉

 

 俺の身体は黒い素体、トランジェントとなり、オレゴーストを纏って仮面ライダーゴーストへと変身した。

 

「ええっ!? ベルトから幽霊が出てきて、それを纏って変身した!?」

 

「君が・・・・・・」

 

「俺はゴースト、仮面ライダーゴースト! 命、燃やすぜ!」

 

 俺はガンガンセイバーをドライバーから取り出して、フリーズロイミュード眼魔へと向かう。

 

 

 

「はあっ!」

 

「ふっ!」

 

 ゴーストはフリーズロイミュード眼魔にガンガンセイバーを振り下ろすが、防がれてしまう。

 

「君の力はこの程度かい? こちらも反撃させて貰うよ!」

 

 フリーズロイミュード眼魔は零距離で氷の固まりを放つ。ゴーストは避けることが出来ずに、吹っ飛んでしまう。

 

「ぐっ・・・・・・エジソンさん!」

 

 吹っ飛ばされたゴーストはドライバーのオレゴースト眼魂を取り出して、代わりに白色と黄色の眼魂、エジソン眼魂を装填してトリガーを引く。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉

 

 オレゴーストは霧散して白と黄色の、頭にアンテナを付け半袖タイプのパーカーに手が電球を半分にしたような手で、黄色と銀色のエジソンゴーストが現れて、フリーズロイミュード眼魔に体当たりを喰らわせる。

 

「ぐっ・・・・・・」

 

 少しひるんだ隙に、ゴーストはレバーを押し込む。

 

『カイガン! エジソン! エレキ! ヒラメキ! 発明王!』

 

 トランジェントはエジソンゴーストを纏い、エジソン魂にフォームチェンジする。それと同時に、ガンガンセイバーを組み替えて、ガンガンセイバーガンモードに変形させる。

 

「ほう、英雄の力か・・・・・・いいだろう。見せてもらおうか。英雄の力を」

 

「はっ!」

 

 ゴーストはガンガンセイバー・ガンモードをフリーズロイミュード眼魔に向けて発砲する。フリーズロイミュード眼魔は銃弾をバリアーで防ぐ。

 

「その程度か、英雄の力は」

 

「なめるな!」

 

 ゴーストはガンガンセイバー・ガンモードをドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー! ガンガンミナー! ガンガンミナー! ガンガンミナー!』

 

 ガンモードの銃口に紋章が出現してゴーストはトリガーを引く、強力な電気エネルギーの弾丸を放つ。

 

『オメガシュート!』

 

「ぐっぐあああっ!」

 

 フリーズロイミュード眼魔は避けようとせず、弾丸が当たり、爆発が起きる。

 

「っ・・・・・・どうだ」

 

 ゴーストは寒さで身体を震えさせながら言う。

 

「ふはははははっ! 意外にやるではないか。仮面ライダーゴースト!」

 

 爆発が晴れるとそこには無傷のフリーズロイミュード眼魔がいた。

 

「なっ無傷だと!?」

 

「次はこちらの番だ!」

 

 フリーズロイミュード眼魔が両腕を広げると吹雪が起こり、ゴーストを凍らせる。

 

「ぐっああああっ!」

 

「イッセー君!」

 

「どうした? 貴様の力はこの程度か?」

 

「まだだ・・・・・・翼姉! 力を貸してくれ!」

 

 自分の方が強く優位な状況にいるので余裕そうなフリーズロイミュード眼魔。それに対して、ゴーストは白と青色の眼魂を取り出して、エジソン眼魂と交換して、ベルトのトリガーを引く。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉

 

 エジソンパーカーゴーストが氷と共に霧散してベルトから青と白の、両手が剣で頭の部分に大きなヘッドギアを付けたようなアメノハバキリパーカーゴーストがゴーストの周りを飛ぶ。

 

『カイガン! アメノハバキリ! その身は剣! 防人の歌!』

 

 トリガーを押し込み、トランジェントはアメノハバキリパーカーゴーストを纏って、マスクは剣とマイクがクロスしたような柄で、風鳴翼の纏う、天ノ羽斬によく似た姿、仮面ライダーゴースト・アメノハバキリ魂にフォームチェンジした。

 

「仮面ライダーゴースト、推して参る!」

 

 ゴーストは甲脚からアームドギアの柄を排出してそれを掴み、一降りの刀にして自慢のスピードで一気に近づき、刀を振るう。

 

「早いね・・・・・・だが、眼で追えない速さではない」

 

 かなりの速さで斬りかかるが、全て避けられてしまう。なら・・・・・・これだ!

 

 ゴーストは甲脚から小太刀を取り出して、フリーズロイミュード眼魔の影に向けて投げる。

 

「どこを見て投げている。巫山戯ているなら終わりに・・・・・・っ!」

 

 フリーズロイミュード眼魔は何事もなかったように動こうとしたが、動けなかった。

 

『影縫い』

 

 影に小太刀を投げて相手の動きを封じる技だ。

 

 なお、模擬戦の後に見よう見まねでこれを再現したこと翼がかなり凹んでいた。

 

「これで決める!」

 

『風輪火斬』

 

 ゴーストはもう一つ、刀を創り出し、もう一本の刀を柄で連結させて、炎を纏わせて印を結び、拘束で滑空してフリーズロイミュード眼魔を切り伏せようとした。

 

「よっしゃああっ! いけっ! イッセー!」

 

 これで倒せると思った追田警部は喜んだ。だが、甘かった。

 

「成る程・・・・・・それなりに強いが、まだまだだ。はああああっ!」

 

 フリーズロイミュード眼魔が力を込めると、全身から吹雪が発生して影に刺さっていた刀を粉々に砕き、ゴーストを吹き飛ばす。

 

「ぐああああっ!」

 

 ゴーストは木にぶつかり、崩れ落ちる。

 

「ふふふ、君もここまでのようだね・・・・・・」

 

(っ・・・・・・ダメだ痛いし、寒いし・・・・・・もう、限界だ。ごめん、みんな、俺、もう立ち上がれないかも・・・・・・)

 

 勝ちを確信して笑いながら近づくフリーズロイミュード眼魔。ゴーストは限界が来たのか、立ち上がろうとしない。

 

「ふふふふっ・・・・・・・ぐっ!」

 

 フリーズロイミュード眼魔の脚を一発の弾丸が止めた。

 

 泊進ノ介が拳銃を構えながら、ゴーストを庇うようにして、追田警部もゴーストに近づく。

 

「おい、大丈夫かイッセー! しっかりしろ!」

 

「追田警部・・・・・・泊さん・・・・・・どうして・・・・・・」

 

「どうしてって当たり前だろ! 市民を守るのが俺達の仕事だ! 仮面ライダーだろうと、お前も俺達が守る市民の一人だ!」

 

 進ノ介は拳銃を発砲しながら叫ぶ。

 

「だけど・・・・・・貴方達が、勝てる相手では・・・・・・」

 

「その少年の言うとおりだ。変身能力を失った君では私を倒すことはおろか、戦う事はできんよ」

 

「確かにベルトさんがいない今、俺は仮面ライダードライブにはなれない! だけど、ベルトさんがいなくても! 例え、変身できなくても、俺は仮面ライダードライブだ!」

 

 進ノ介は揺るぎのない決意を込めた目をフリーズロイミュード眼魔に向けながら、拳銃を構える。

 

「変身できなくても仮面ライダー・・・・・・」

 

「その目だ・・・・・・その目こそ、私に屈辱を与え、それを乗り越えることで超進化へと導く!」

 

 フリーズロイミュード眼魔は顔をかきむしり、両手に力を込めて鋭い氷柱を進ノ介に向けて放つ。進ノ介は逃げようとせず、拳銃を構える。

 

「うおおおっ!」

 

 ゴーストは力を振り絞り、進ノ介の前に立ち、氷柱を刀で切り伏せる。

 

「っ!? イッセー君!?」

 

「貴様、何故、立ち上がる? 貴様は弱い人間だ! 力の差も分からないほどおろかなのか!?」

 

「確かに俺は弱い! だから俺は強くなる! 俺はみんなと並んで戦えるようになりたい! だから走り続ける! トップギアで!」

 

 強くなるためにゴーストは立ち上がる。変身できなくても悪に立ち向かう、進ノ介のように強くなるために。

 

 すると、進ノ介の胸の部分が光り出した。進ノ介がスーツの胸に手を入れるとドライブの眼魂が光り輝いていた。

 

「これは・・・・・・そうか! イッセー君、これを!」

 

 何かを察した進ノ介はドライブの眼魂をイッセーに投げ渡す。

 

「っ! どうして泊さんがコレを!?」

 

「俺の・・・・・・俺達の力を使ってくれ! そして走り続けるんだ!」

 

「っ・・・・・・! はい!」

 

 ゴーストはアメノハバキリ眼魂を取り出して、ドライブ眼魂を装填する。

 

〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉

 

 アメノハバキリパーカーゴーストが霧散して、ベルトからドライブとよく似たパーカーゴーストが飛び出して、フリーズロイミュード眼魔を弾き飛ばす。

 

「ぬおおおおっ! お化け! ドライブのお化けだ!」

 

 ドライブパーカーゴーストが召喚されて驚いている追田警部を尻目に、ゴーストはトリガーを押し込む

 

『カイガン! ドライブ! 警官! 正義感! タイヤコウカン!』

 

 ドライブパーカーゴーストを纏い、ゴーストは仮面ライダードライブによく似た仮面ライダーゴースト・ドライブ魂にフォームチェンジした。

 

 フォームチェンジすると同時に、ハンドルについた剣、ハンドル剣とドアの形をしたドア銃を装備する。

 

「ひとっ走り付き合えよ! あれ? 身体が勝手に・・・・・・まあ、良いか!」

 

 叫んだ後、ゴーストはドア銃を発砲しながら近づいてハンドル剣で斬りつける。

 

 斬りつけた後、カーブして、ドア銃を発砲、ハンドル剣を振り下ろしてダメージを与えていく。

 

「くっ! 貴様、その姿!」

 

「俺もよく分からないけど、これはあんたを倒すための力だってことが分かるぜ・・・・・・これで終わりだ!」

 

 ゴーストの姿に驚くフリーズロイミュード眼魔。ゴーストはベルトのレバーを引いて押し込む。

 

『ダイカイガン! ドライブ! オメガドライブ!』

 

「はあああっ!」

 

 すると、どこからか、ドライブの乗る車、トライドロンが現れて周囲を高速旋回してトライドロンとフリーズロイミュード眼魔を交互に蹴りつけて反射・加速しながら連続蹴りをたたき込む。

 

「ぐああああっ!」

 

 フリーズロイミュード眼魔は倒れて爆発する。

 

『オヤスミー』

 

「やったなイッセー!」

 

「ナイスドライブだったぞ!」

 

「追田警部・・・・・・泊さん、ありがとうございます。二人のおかげで勝つことが出来ました」

 

 フリーズロイミュード眼魔を倒して、変身を解除してイッセーに戻ったら二人が駆け寄ってきた。

 

「何を言っているんだ。あいつを倒したのは君だ。礼を言うのはこちらのほうだ。三年前、俺は君のおかげで命を救われた。そのおかげで霧子も助けることが出来た」

 

「俺からも礼を言わせてくれ。お前のおかげで未来のロイミュードを倒せた。ありがとうな」

 

「えっ? 何のことですか? 俺、お二人と初めて会いましたよ?」

 

 二人にお礼を言われて心当たりのないイッセーは困惑している。二人も、困惑しているイッセーを不思議に思う。

 

「三年前、ネオシェードの事件で眼魔を倒したのは君じゃないのか?」

 

「あー、多分それ、俺のじいちゃんです。俺はじいちゃんから仮面ライダーゴーストの力を受け継いだんです。だから、たぶん泊さんが出会った仮面ライダーゴーストはじいちゃんだと思います」

 

「そうだったんだ。そのお祖父さんは?」

 

 進ノ介は祖父のことをイッセーに聞くが、イッセーは首を横に振る。その事で、彼の祖父がすでに無くなっていることを知る。

 

「ごめん、気に触ることを言って」

 

「いえ、気にしないでください。あの・・・・・・俺の上司を呼んでも良いですか? 眼魔と戦う組織に俺は所属しているんです」

 

「眼魔と戦う組織があるんだ。分かった。そちらの事情も気になるし」

 

 イッセーの提案で対策二課の面々を呼ぶことになったその時・・・・・・

 

「これで勝ったと思わない方が良いぞ泊進ノ介、兵藤一誠・・・・・・」

 

『っ!』

 

 ふらふらと倒れそうになりながらも立ち上がるフリーズロイミュード眼魔。

 

「やつらは我々ロイミュードを眼魔の技術を使って復活させようとしている。そうなれば貴様らに勝ち目があるかどうか・・・・・・」

 

「ロイミュードを復活!? そいつらは何者だ!?」

 

「・・・・・・怪人の活躍の影にいる存在。君たち仮面ライダーと因縁のある相手、アクセルが詳しいことを知っているのではないか?」

 

「それって・・・・・・」

 

「個人的には君たちの活躍を期待しているよ。私達の力が利用されるのも癪だからね・・・・・・」

 

 フリーズロイミュード眼魔はそう言い残すと、倒れて今度こそ、爆発して死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「もう、何で一人で無茶するの!?」

 

「私達が来るまで何で待てなかった!?」

 

「私達も仲間なんだから頼って!」

 

「無茶するのは響だけで十分だよ!」

 

「ご、ごめん・・・・・・わりと緊急事態だったから」

 

 フリーズロイミュード眼魔を倒し終わり、少しすると、イッセー君の仲間がやってきた。今はイッセー君は九人ぐらいの美少女に囲まれている。

 

「あいつ、かなりもてるな」

 

「そうですね。修羅場になりそうです」

 

 俺は現さんとイッセー君達を見てのんきに言っているけど、今はそんなのんきにしてられる状況でない。

 

「あいつらを見てると特状課にいる時を思い出すぜ。狭かったけど、楽しかったな」

 

「・・・・・・もしかしたら特状課の再編成しないといけないですね」

 

「だな。また、ロイミュードが復活するなら俺達の出番だよな」

 

 今回の事件で眼魔としてロイミュードが復活するかもしれないといけないことが分かった。しかも、眼魔は眼魂を持つ者しか見えない。大変なことになりそうだ。だから二課と警察の協力捜査も視野に入れないと行けないかもしれません。

 

「・・・・・・ベルトさん、平和な世界はまだまだ遠いぜ」

 

『何を迷っているんだ進ノ介。君は君らしく走り続けたらいい。START YOUR ENGINE!!』

 

「っ! ベルトさん!?」

 

「どうした進ノ介?」

 

 突然、ベルトさんの声が聞こえて周りを見るけど、ベルトさんの姿形はどこにもない。幻聴か・・・・・・

 

「いえ、何でもないです」

 

 俺は苦笑いして誤魔化す。

 

 そうだ。俺が変身できなくても、あいつらに対抗する力が、希望があるんだ。俺達は彼らのサポートをすれば良いんだ。そうだろ? ベルトさん。

 

 

 この時、俺はイッセーの持つドライブ眼魂が微かに動いたことに気がつかなかった。

 

 

「あっ、泊さん、これは・・・・・・」

 

 戦いが終わって俺はドライブ眼魂を返そうとした。

 

「いや、それは君が持っててくれ。走り続けるんだろ? なら、俺達の力が必要なはずだ。頑張れよ、後輩!」

 

「っ! はい!」

 

「これから俺達、警察もお前達と協力する事があるかもしれねえからよろしくなイッセー。俺の事は現さんでいいぜ!」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

 俺は泊さんと現さんの激励がとても嬉しかった。

 

 別れ際に泊さんとはラインを、現さんとはメアドを交換した。

 

 泊さんはツッコミが欲しいんだよってどこか遠い目して言ってたけど、どういう意味だろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フリーズロイミュード眼魔が撃破されて、二課の面々が来る前、爆発したフリーズロイミュード眼魔の身体から一つの眼魂が飛び出て近くに駐めてあった白い車の窓を通り、中に入る。

 

 眼魂は白いスーツを着た男性の手に落ちる。

 

「ご苦労様です。良いデータがとれました」

 

 白いスーツの男性はアタッシュケースに眼魂・・・・・・フリーズロイミュード眼魔眼魂をしまう。アタッシュケースの中には似たような眼魔眼魂が幾つも入っていた。

 

 白いスーツの男性はスマホを取り出して電話をする。

 

「実験の結果は良好です。眼魔の技術を利用した怪人の復活は研究の対象にもってこいだと判断できます。これからも投資を続けるべきです。はい・・・・・・引き続き、ロイミュードの眼魔眼魂を集めます。000、002、003、004、005、006に009の幹部級ロイミュードの眼魔眼魂はまだ誕生していませんが、回収する所存です。では、失礼します」

 

 白いスーツの男性は報告を終えると電話を切る。

 

「我々への資金援助は継続ですか? 財団X」

 

「ええ、これからのあなたの研究成果に期待しますよ西園寺さん」

 

 白いスーツの男性、財団Xの構成員は黒い帽子に眼鏡の男性に答える。

 

 財団Xとは様々な機関に資金援助する財団組織であり、兵器を開発する組織である。

 

「しかし、もう少し、データが欲しいところです」

 

「なら、私に考えがあります。任せてもらえますか?」

 

 構成員が悩むが、西園寺が構成員のもつアタッシュケースの中から一つの眼魂、『RV 007 SWORD』と書かれた眼魔眼魂を取り出して気味の悪い笑顔を見せる。

 

 彼らは一体何を企んでいるのか・・・・・・・




今回はレジェンドライダー編ドライブでしたが、どうでしたか?

泊さんや現さん、本願寺参事官などのドライブの登場人物がちゃんと書けたか不安です。

今回書きませんでしたが、泊さんと現さんの二人の嫁についてトークしたりする予定もありました。


今後もレジェンドライダー編はやっていきます。まだ平成ライダーの内、半分ほどしか思いついていませんが・・・・・・

次回予告

『写真の彼女を保護すれば良いんですね?』

『はうっ!』

『天才ゲーマーIのゲームプレイ、見せてやるぜ!』

『あれが欲しいのか?』

『アーシアは渡さない! 変身!』

『カイガン! ガングニール!』

次回『聖女と黒き戦槍』


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第八話「聖女と烈槍 ガングニール」

限定解除の未来と調がでないー


 ロイミュード眼魔事件から一週間後、弦十郎さんに呼ばれた俺は二課の司令室に来ている。

 

「はぐれ堕天使達の目的が分かった。奴らの目的は彼女だ」

 

 弦十郎さんがそう言うと、モニターに金髪の美少女が写る。彼女が堕天使の目的?

 

「正確には彼女の神器、聖女の微笑みだ。対象の傷を治すとても珍しい神器だ。堕天使達は彼女から神器を抜き出そうとしている。それがレイナーレいや・・・・・・夕麻君からの情報だ」

 

「質問です。神器を抜き出したら彼女はどうなりますか?」

 

「死ぬな・・・・・・」

 

「そうですか・・・・・・」

 

 神器を手に入れるために彼女の命を奪う・・・・・・堕天使は人の命をなんだと思ってるんだ!

 

 あ、いや・・・・・・夕麻ちゃんはやさしいし、他の堕天使にも優しい人もいるんだろうな。

 

「眼魔が何を目的に堕天使に力を貸してるかは分からん。だが、彼女を見捨てることなどできん! 眼魔とはぐれ堕天使の討伐、並びに彼女の保護を最優先事項とする!」

 

 弦十郎さんの号令で俺たちは解散する。

 

 

 

 二課の本部から出た俺は響と未来と共に行動している。俺一人だとまた無茶をするだろうって

 

「こんな可愛い子の命を奪おうとするなんて許せないよね~」

 

「そうだね」

 

「だけど・・・・・・簡単に見つかるか?」

 

 弦十郎さんの話ではこの町に来ているらしいが、この町も広いからそう簡単に見つから・・・・・・

 

『はうっ!』

 

 派手にこけているシスターの制服を着ている金髪美少女がいた。

 

 もしかしてこの子・・・・・・。

 

「ええと、大丈夫ですか?」

 

 俺は彼女に近づき、手を差し出す。

 

『あ、ありがとうございます。私は、アーシア・アルジェントと申します。あなたのお名前は?』

 

 彼女は俺の手を取り、立ち上がり、話しかけてくる。名前を言って、お礼を言ってるのは分かった。だけど、俺も英語、そんなに詳しくは話せないからなー

 

「未来、英語分かるか?」

 

「うーん、私もイッセーと同じくらいだよ。響は全然出来ないと思うけどね」

 

「そうだな。全然だめだよな」

 

「二人とも酷くない!?」

 

 俺と未来は響の成績を思い出してため息をついて、響は抗議してくる。

 

 抗議されてもな・・・・・・

 

「お前、英語いつも赤点取りかけてるだろ? そうじゃなかったときあった?」

 

「ええと・・・・・・それより、あの子と会話できるようにしないと・・・・・・ええと、確か・・・・・・」

 

 まずいと思ったのか、話題を変えようと鞄の中に手を入れて何かを探す響。

 

「ほんやくこんにゃく~お味噌味~」

 

「ていっ!」

 

 ドラえもん風に鞄からこんにゃくを取り出した響はハリセンを持った未来に叩かれた。・・・・・・どこから出したそのハリセン。

 

 叩かれた衝撃で響が持っていたこんにゃくはどこかに吹っ飛んだ。

 

「いたっ!」

 

「響みたいなお馬鹿さんがドラえもんにはなれません」

 

「なる気ないよ~酷いな未来は~。せっかく、このためにこんにゃくをいつも鞄に入れてるのに・・・・・・」

 

「このためだけに鞄にこんにゃく入れてるのかよ。驚きなんだけど」

 

 ハリセンで叩かれた頭をさする響。俺はこのボケのために鞄にこんにゃくをずっと入れてた響に呆れてしまう。

 

「翻訳アイテムはこっちでしょ」

 

 そういうと未来はイヤホン型のアイテムを取り出して金髪の美少女、アーシア・アルジェントに渡す。

 

 あれはなんだ?

 

「これはイヤホン型全自動翻訳機。春二に自分の話した言語を相手が分かる言語に自動翻訳するアイテムだよ」

 

「グロンギ語、古代アンデット語、古代ファンガイア語、フェムシェンム語、それにオンドゥル語も翻訳できる優れものなんだ」

 

「凄いな一つ、可笑しいのが混ざってる気がするけど」

 

「ちなみに、これは了子さんが片手間で作ったんだよ」

 

「片手間で!?」

 

 イヤホン型のアイテムの効果に驚いたが、これを片手間で作った了子さんの事でさらに驚く。

 

 こんな凄い物を片手間に作るって了子さんは何者なんだ?

 

「取りあえず、今はアーシアさんと会話できるようにしないと」

 

 未来はイヤホン型全自動翻訳機をアーシアに付けて、俺達も翻訳機を付ける。

 

「ええと、私達の言葉、わかる?」

 

「はい、分かります! これは何ですか?」

 

 未来が確認すると、アーシアは不思議に思ったのか、イヤホン型翻訳機を指さす。まあ、気になるよな。

 

「これは日本が開発した最新の翻訳機だよ。これが日本語を君が話す言語に、君が話したことを日本語に翻訳するんだ」

 

「そうなんですか! 流石日本です! こんなにすごい機械があるなんて」

 

「そう・・・・・・だな。俺の名前は兵藤一誠。みんなからはイッセーって呼ばれている。よろしくな」

 

 俺の説明にアーシアは感動している。これは販売してるものじゃないんだけど、それを説明するとややこしくなりそうなので苦笑いして自己紹介して誤魔化す。

 

「私は立花響。よろしくねアーシアちゃん!」

 

「私は小日向未来。よろしく、アーシア」

 

「イッセーさんに、響さん、それに未来さんですね。よろしくお願いします」

 

 響と未来も自己紹介して、アーシアは律儀に頭を下げる。あ、この子良い子だな

 

「それでアーシア、何か聞きたいことあったみたいだけど、何かな?」

 

「あ、はい・・・・・・ここの教会に行きたいんですけど・・・・・・」

 

 何か聞いてきたことを思い出した俺はアーシアに聞くと、この町の地図を見せて、教会を指さす。

 

 ここって・・・・・・確か何年も前から廃教会になっていて、地元でもかなり有名な心霊スポット。実際に、礼がよく集まるホットなスポットって知り合いの幽霊が言っていた。

 

「アーシア、君にとって気の毒な話しだけど、その教会は誰もいない廃教会なんだ」

 

「えっ? そうなんですか?」

 

「そうなんだよ。最近、シスターを騙す詐欺が流行って居るみたいで、政府や日本の神社、お寺に騙されたシスターが居たら保護するように通達があったんだ」

 

「そうだったんですか・・・・・・私はどうしたらいいでしょうか・・・・・・」

 

 俺はアーシアを保護するために、嘘を言って、教会に行かせないようにしようとした。おそらく、あの廃教会には堕天使や眼魔が潜伏しているはずだ。

 

 しかし、アーシアは俺の嘘を疑いもせず、信じ切っている。純粋なのは良いことだと思うんだけど、彼女の将来が心配だ。

 

「それは・・・・・・俺のじいちゃんの家に来ないか? じいちゃんの家はお寺でそこがダメなら政府関係者が君を保護するよ」

 

「・・・・・・いいんでしょうか。異教徒の私が日本のお寺に入って」

 

「大丈夫だって、人間困ったときは助け合わないと。困った人を助ける。それがキリスト教の教えじゃないのかな?」

 

「それでは・・・・・・お邪魔します」

 

「ああ。響、未来、俺は司令に連絡するからアーシアを見ていてくれ」

 

 断ろうとするアーシアを何とか説得すると、了承してくれたので、俺は三人から離れて弦十郎さんに報告を入れる。

 

「弦十郎さん、アーシア・アルジェント、保護しました」

 

「そうかご苦労。二課に連れてきてくれ・・・・・・と言いたいんだが、実は日本神話勢との交渉がまだ終わってなくて彼女を二課に入れることが出来ないんだ」

 

「あー元教会の人間を簡単に入れるわけにいかないんですね」

 

「すまない。交渉は三時間、いや二時間で終わらせるから彼女を守りつつ、暇つぶしていてくれないか?」

 

「分かりました。では二時間後ぐらいにまた連絡します。では、失礼します」

 

 弦十郎さんの頼みを聞いて俺は電話を切って三人の元に戻る。

 

「イッセー、師匠は何て?」

 

「準備があるから2時間ほど、どこかで暇つぶししててくれってさ」

 

「そう・・・・・・じゃあ、どうしようか・・・・・・」

 

『ぐきゅるるる・・・・・・』

 

「はうっ!」

 

 俺達は二時間をどう過ごすか話し合おうとしたとき、腹が鳴る音が聞こえてアーシアは顔を真っ赤にしている。

 

 ・・・・・・アーシア、腹減ってるのか?

 

「あー響、未来。腹減ったからハンバーガー屋行こうぜ。ちょっと用事を思い出したから」

 

「いいねーどこのお店?」

 

「駅前のミャックだ」

 

「あそこね。アーシアちゃんもいいよね?」

 

「えっ?は、はい・・・・・・」

 

 だいたいの目的地を決めて俺達は移動を開始する。アーシア、ハンバーガー気に入ってくれると良いけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴェアアアアアアッ! どこだ! どこにいるんだアーシア・アルジェント!!」

 

 瓢箪天性は顔にガーゼを張って、叫びながら町を徘徊していた。アガートラーム魂で殴られた傷がまだ治っていないのだ。

 

 彼は焦っている。何故か知らないが、塔城小猫の名前が白音で、イッセーの周りにいる一年生の女子二人とイッセーの膝の上を取り合っている。姫島朱乃はイッセーに興味を持ち、イッセーに身体を密着して慌てるクリスの反応を見て楽しんでいる。

 

 リアスもイッセーと積極的にコミュニケーションを取っている。木場さえもイッセーと修行したりと仲良くしていてオカルト研究部に彼の居場所がないのだ。

 

 なので、せめてアーシアだけでも自分の物にしようとしてるのだ

 

「俺はオリ主なんだ! 赤龍帝の籠手を宿した最強の主人公だ! 絞りかすなんかには負けねえ! アーシアをゲットして巻き返す。俺こそ真の主人公だ! ブハハハハハハッ!」

 

 

 狂ったように笑う瓢箪を見て周りの人は後ずさりして、何人かはスマホから110番をかけようとしている。

 

 瓢箪はゾンビのような動きで町中を徘徊している。その目は焦点が合わず、足下も、目の前の物すら見えていない。

 

「俺こそが主人公だアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! ヴェアハハハハハハハハハハハハハッ・・・・・・ヴェアッ!?」

 

足元を見てなかったことが災いしたのか、道端に落ちていたこんにゃくを踏み、滑って後頭部を強打して気絶した。

 

さらに、瓢箪が踏んだこんにゃくは空中を舞って瓢箪の口に入った。どこかのウニ頭の不幸な主人公並みに不幸である。

 

 

 

 

 

「あうっ・・・・・・」

 

 駅前のハンバーガー店に来た俺達、響と未来はメニューを決めて、席を取って貰っている。俺も注文する物は決まっていて、あとはアーシアだけなのだが、こういう経験がないのか、メニューを決められない。

 

「アーシア、どれが食べたい?」

 

 見かねた俺はアーシアに近づいて、サポートすることに。

 

「え、ええとこれです・・・・・・」

 

 俺に言われてアーシアはメニューを指さす。ふむふむ。

 

「店員さん、チーズバーガーセットが一つ、フィッシュバーガーセットが一つ。ダブルチーズバーガーセットが一つ。あと、ジュージューバーガーコラボセットを一つお願いします」

 

「かしこまりましたー!」

 

 俺が注文をして、アーシアと共にハンバーガーが出来るのを待った。

 

 ちなみに、チーズバーガーセットがアーシアで、フィッシュバーガーセットが未来でダブルチーズバーガーセットが響だ。

 

 俺がこの店を選んだのも、流星コーポレーションが発売したハンバーガーが大好きなモンスターバガモンの注文通りにハンバーガーを作り、バガモンを笑顔にするゲーム、ジュージューバーガーとコラボしたジュージューバーガーコラボセットが目的でこのセットには、ジュージューバーガーで仕える特殊レシピがついてくる。

 

 待ってる間、暇なので、少し、アーシアの方を見ていると、十字架の他にも何かを首からかけている。

 

「アーシア、その首からかけているのは?」

 

「これですか? これはナイチンゲール様が戦場で助けた兵隊さんから貰った手作りの天使の彫り物です。ナイチンゲール様は私の憧れなんです」

 

 アーシアは俺にその彫り物を見せてくれた。ナイチンゲールさんゆかりのものか。

 

「アーシアにとってナイチンゲールさんは憧れの存在なんだな」

 

「はいっ!」

 

 雑談をしていると、ハンバーガーができあがる。 

 

 そして、注文したハンバーガーが出来て席まで運ぶ。響達は広場が見える窓際の席にいた

 

「襲いよイッセー!」

 

「悪い悪い。ほら、お前の分だよ」

 

 来るのが遅れてぶーたれる響にダブルチーズバーガーセットを渡す。

 

「イッセー、ご苦労様」

 

「ん、大した事じゃないから」

 

 ねぎらってくれた未来にもフィッシュバーガーセットを渡す。

 

 ふと、視線を窓の外に向けると、何かイベントをやっていた。

 

『みんなー、今日はバガモンと一緒にハンバーガーを作ろう!』

 

『みんなで美味しいハンバーガーを作るンガー!』

 

 外では司会のお姉さんとハンバーガーみたいなキャラ、ジュージューバーガーのキャラクターバガモンが子供達とハンバーガーを作っていた。そういえば、子供向けのイベント、バガモンとハンバーガーを作ろうってイベントがあるってチラシに書いてあったな。

 

 しかし、あのバガモン、リアルだけど、着ぐるみなのか?

 

 

「イッセー、どうしたの?」

 

 窓の外をボーッと見ていると響が心配してきた。

 

 未来はハンバーガーの食べ方が分からなくて苦戦しているアーシアに食べ方を教えて助けている。

 

「いや、何でもないよ。これからどうする? 食べ終わった後にも一時間ぐらいは時間あるし」

 

「うーん、ゲームセンター行かない? アーシアちゃん、そう言う経験ないっていうから」

 

「そうか・・・・・・ならアーシア、遊ぶぞ」

 

「ふあい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天才ゲーマーのゲームプレイ、見せてやるぜ!」

 

 俺が操るレースマシーンは相手に差を付けてゴールする。

 

『すげえ、新記録更新だ!』

 

『あいつ、何もんだ!?』

 

『もしかして、あいつは天才ゲーマーI!?』

 

「すごいですイッセーさん!」

 

 俺のゲームプレイに周りのギャラリーやアーシアは驚いていた。

 

 ハンバーガーを食べ終えた俺達は駅前のゲームセンターに来ていた。

 

 俺はレーシングゲームをしていて、アーシアはそれを見ていて、響はパンチングマシーンをしていて未来が響の監視をしている。

 

「ふう、さてと、アーシアもやるか・・・・・・あれ?」

 

 アーシアの姿が見えないので探すとクレーンゲームの所で見つけた。

 

 あれは人気キャラのラッチュウくんのぬいぐるが・・・・・・あれが欲しいのかな。

 

「アーシア、取ってあげようか?」

 

「え? 良いんですか?」

 

 俺はコインを投入して、アームを動かしてラッチュウ君を掴んで取り出し口まで落とす。

 

「ほい」

 

「ありがとうございます! 大切にしますねイッセーさん!」

 

 俺がぬいぐるみを渡すとアーシアは笑顔になる。その笑顔はまるで太陽のように輝いていた。

 

 あー、この笑顔が見えただけで十分だな。

 

「うおおおっ!」

 

『うおっ!? 女の子が思いっきりパンチングマシーンを殴った!?』

 

『壊れないかあれ!?』

 

「ていっ!」

 

「ぐふっ!?」

 

 響が何故か思いっきりパンチングマシーンを本気で殴って壊そうとしたので未来に思いっきりハリセンで殴られた。

 

 その後、俺は他のクレーンゲームで好きなゲームであるマイティアクションXのゲームキャラ、マイティのジュージューバーガーコラボグッズがあったため、全種類一つずつゲットした。

 

 

 

 

 

 

 そして、一時間後、弦十郎さんから許可が取れたと連絡が入り、俺達は特異災害対策二課へと向かう。ただ、図書館まで行くと時間が掛かるから、駅近くの公園にある基地に繋がる特殊な通路、シューターを使って向かうことに。

 

 アーシアには知り合いの会社の新製品と嘘をついた。簡単に信じてしまい、彼女の将来が心配になった。

 

 シューターの場所まで行こうとしたとき、目の前で男の子が転んで怪我をしたのか泣き出した。

 

「ちょっと待っててください」

 

 アーシアはそう言って男の子に近づき、手をかざす。すると彼女の手が淡く緑色に輝き、男の子の怪我が瞬く間に治った。

 

 あれがアーシアの神器か。

 

「はい、コレで治りましたよ。男の子なんですから、こんな事で泣いてはいけませんよ?」

 

「ありがとうお姉ちゃん!」

 

 男の子はアーシアにお礼を言って走っていく。

 

「アーシア、その力・・・・・・」

 

「はい、治癒の力です・・・・・・神様からいただいた素敵な物です」

 

 アーシアは微笑みながら言うけど、どこか悲しそうだった。

 

 少し、話そうと、近くにあったベンチに座り、話を聞いた。

 

 アーシアは小さな頃、発現したこの力で聖女と崇められるようになったこと。だけど、傷ついた悪魔を治したことで魔女と罵られて教会を追い出されたこと

 

「私がいけないんです。私がダメダメだからきっと、神様は私に試練を与えたのです。だからもっと修行しないと・・・・・・」

 

 アーシアは涙を流しながら言う。

 

 ・・・・・・何でだよ。傷ついてる人を放っておけない優しいアーシアを見捨てるんだよ。神様は何でこんな酷いことが出来るんだよ!

 

「私、夢があるんです。友達を作って一緒にお花を買ったり、本を買ったりたくさんおしゃべりして」

 

「なら、俺と友達にならないか?」

 

「えっ?」

 

 俺はアーシアの手を取って言う。

 

 神様がこの子を救わないなら、俺が助ける。

 

「俺で良いなら何でも付き合うよ。花や本を買いに行こう。そうだ。映画やカラオケに行ったりしよう。アーシアの行きたいところにつれて行ってやる!」

 

「私なんかがイッセーさんの友達になって良いんですか?」

 

「ああ、俺がなりたいんだ! だから、俺と友達になってくれ、アーシア!」

 

「俺だけじゃないでしょイッセー、私達とも友達になろう!」

 

「そうね。私もアーシアと友達になりたいな」

 

 俺の思いを伝えると、響と未来も笑顔で手を差し出し、友達になろうとした。

 

 アーシアは差し出された手を取ろうとしたその時・・・・・・・

 

「ここにいたか、探したぞ。アーシア」

 

 コートを着た一人の男性が現れた。・・・・・・堕天使か?

 

「ドーナシーク様・・・・・・」

 

 アーシアは怯えていた。あいつの名はドーナシークか。

 

「お前は我々の計画に必要不可欠。来て貰おうか」

 

「私は・・・・・・」

 

「悪いけど、アーシアはつれて行かせない。アーシアは俺達が守る!」

 

「何だ、貴様は人間風情が図に乗るなよ!」

 

 ドーナシークは怒り、光の槍を構える。俺達の正体を知らないのか?

 

「イッセーさん・・・・・・」

 

「大丈夫だ。アーシアのことは俺達が守る。行くぞ、響、未来!」

 

「うん!」

 

「任して!」

 

 俺は腰に手をかざしてゴーストドライバーを出現させる。懐からオレゴースト眼魂を取り出して起動状態にしてカバーを外し装填して、カバーを閉じてトリガーを引く。

 

『アーイ!』

 

『バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

ドライバーからオレパーカーゴーストが召喚されて俺の周りを飛び回る。

 

 

「変身!」

 

『開眼! オレ!』

 

『レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

  俺の身体は黒い素体、トランジェントに姿を変えてパーカーゴーストを纏い仮面ライダーゴーストに変身した。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

 響が聖唱を唱えると服は分解され、オレンジと白のボディースーツに白と金色の籠手、二本のアンテナのようなヘッドギアにマフラーに金色の脚甲を装備した。

 

「Rei shen shou jing rei zizzl」

 

 未来が聖唱を唱えると白と紫のボディースーツに姿を変えて頭には動物の牙のようなヘッドギアを纏い、鋭い脚甲、それに鉄扇を掴んで構える。

 

「イッセーさん、響さん、未来さんその姿は?」

 

「アーシア、この姿のことはまた今度説明するよ。今はそれどころじゃないから。響、アーシアを守っていてくれ。未来、俺が堕天使の相手をするから援護を頼む」

 

「「了解!」」

 

 変身した俺達の姿を見たアーシアは驚き、その説明は後回しにしてもらう。急遽、俺が響と未来に指示を出した。二人は俺の指示に従ってくれる。

 

「貴様ら、仮面ライダーと装者か!」

 

「そうだ。この町の平和を乱す、お前達を倒す!」

 

「ふっ! なら、お前達の相手はこいつらだ!」

 

 俺達の正体を知ってドーナシークは驚いたが、直ぐに冷静になり、大量の眼魔眼魂を投げる。それにより、大量の眼魔コマンドが誕生した。

 

「命、燃やすぜ!」

 

 俺はベルトからガンガンセイバーを取り出して、眼魔・コマンドの群れに突っ込んでいった。

 

 

 

「はあっ!」

 

「えいっ!」

 

 ゴーストはガンガンセイバーで眼魔・コマンドを切り伏せて、未来が援護で鉄扇から紫色のビームを放ち、眼魔・コマンドを焼き払っていく。

 

「ていっ! セヤアアッ!」

 

 響は響で近づいてくる眼魔・コマンドを殴り飛ばしていく。

 

「これで終わ・・・・・・ぐあああっ!」

 

 ゴーストはドーナシークに向かって飛んでガンガンセイバーを振り下ろすが、背中に激しい痛みを感じて落ちてしまう。

 

 ・・・・・・今の攻撃はどこから・・・・・・

 

「どうやら、お困りのようだな堕天使。俺が力を貸そうか」

 

「ああ、仮面ライダー達の相手を頼む。私は・・・・・・彼女を回収して戻る」

 

 すると、林の方から一体の眼魔が現れた。そいつは、赤い髪にインディアン風の衣装に身を包んだ身体から斧を生やした眼魔、斧眼魔だった。

 

 斧眼魔が現れたことを確認したドーナシークは手に魔力を集める。

 

「きゃっ!?」

 

 すると、アーシアの悲鳴が聞こえて振り返ると、アーシアが消えていた。どういうことだ?

 

「アーシアならここだぞ!」

 

 ドーナシークの叫びで振り返ると、アーシアはドーナシークの腕の中にいた。どうなっているんだ?

 

「もしかして、転移魔法!?」

 

「その通りだ。斧眼魔、後は頼んだぞ」

 

 ドーナシークは斧眼魔にこの場を任せて撤退しようとしていた。

 

「巫山戯るな! アーシアを返せええええええっ!」

 

 ゴーストはガンガンセイバーをドーナシークへ振り下ろしてアーシアを取り返そうとするが、斧眼魔に遮られる。

 

「悪いな。奴らを守るのも依頼の一つ何でね」

 

「邪魔をするな!」

 

 ゴーストは白と黄色の眼魂を取り出して、ドライバーに装填してトリガーを引く。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

 ドライバーから黒色のパーカーゴーストが飛び出て、ゴーストを見下ろしている。

 

『開眼! ガングニール!』

 

『君と私! つなぐ拳!』

 

 ゴーストがトリガーを押し込むとゴーストは、ゴースト・ガングニール魂にフォームチェンジしたのだが、その姿は奏の姿や響の姿とは似ても似つかなかった。

 

「黒い・・・・・・ガングニール?」

 

 ゴーストの姿を見て響は思わずつぶやく。

 

 響の言うとおり、ゴーストのガングニールは黒く染まっていた。まるで怒りのような負の感情で心を失ってしまったようだ。

 

 色の他にも、違いはあった。イッセーの纏うガングニール魂は、マントを羽織っていた。

 

「ウオオオッ!」

 

「させるか!」

 

 ゴーストは雄叫びを上げて飛んで逃げようとするドーナシーク追いかけようとするが、斧眼魔に遮られる。

 

 斧眼魔は斧を投げるがゴーストはマントで防ぐ。

 

「どけええええええっ!」

 

 ゴーストは腕の籠手を合体させてアームドギアの槍を形成する。

 

『HORIZON†SPEAR』

 

 アームドギアの槍の先端が割れて高出力のビームを放つ。斧眼魔はバリアーを作り防ぎ、爆発が起こって土煙が起こり何も見えなくなる。

 

 土煙が晴れたときには誰もそこには居なかった。

 

「どこだ! アーシア! アーシアアアアアアアアアッ!」

 

 ゴーストの叫びが公園に響いた。

 

 

 

 

 

 

『あれが兵藤一誠・・・・・・仮面ライダーゴーストか」

 

『まったく、短絡的で醜く愚かだ。だから愛おしい。後先考えずに突っ込む。まるであなたみたいですね』

 

『ほんと、見てられませんわ。彼は本当に仮面ライダーなのかしら』

 

『だが、友の為にあそこまで熱くなれる。見所はあるさ、お前はどう思う・・・・・・』

 

 ゴーストを見ている四つの影が・・・・・・それは目玉のようだった。

 

 この影達は何者なのか・・・・・・




やっと更新できました。

リアルの仕事とシンフォギアXDのイベントが忙しくて更新が遅れました。

申し訳ないです。

次回予告です

『何であんな戦い方をしたの!』

『君は待機だ』

『俺はどうしたら・・・・・・』

『お前にとって彼女は何だ』

『困った人を助ける。それが人間のルールではないのか?』

『認めるさ、お前は泊進之介と現さんが認めた男だ』

次回「決めるぜ覚悟!」

『考えるのはやめた! ジーッとしててもドーにもならねえ!』



注 某ウルトラマンとは関係ありません



あと、この作品は心を持った機械龍さんの作品、彼の者は赤き龍を纏わず、神となるとコラボさせて貰っています。

こんな作品とコラボしてくださった心を持った機械龍さんには感謝しても仕切れません。

ありがとうございます。


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第九話「決めるぜ覚悟!」

平成ジェネレーションfinalのオリキャス豪華過ぎて夢かと疑ってしまった


 パシィィン!

 

 二課の司令室で乾いた音が響く。マリア姉が俺の頬を叩いたのだ。

 

「何であんな戦い方をしたの!」

 

 マリア姉は俺が公園で戦ったときの行動を非難していた。

 

 俺はアーシアを取り返すことだけを考えて周りを見ていなかったもっと冷静に戦っていれば結果は違ったはずだ!

 

「ごめん・・・・・・マリア姉」

 

「戦いに私情を挟むなんて戦士として失格だわ!」

 

「マリア、その言い過ぎだぞ! 今は過去のことを悔やんでいる場合ではないはずだ!」

 

 俺を責めるマリア姉を翼姉が止める。

 

「翼の言うとおりだ。今、俺達がすることはこれからどうするか対策を練ることだ。アーシア・アルジェント救出作戦を実行するために」

 

 弦十郎さんは翼姉の意見に賛成して纏める。

 

「だが、マリア君の言うことももっともだ。イッセー君、君はしばらく自宅で待機していなさい。今の君は冷静に判断が出来ないだろうから」

 

「分かりました・・・・・・失礼しました」

 

 俺は弦十郎さんに頭を下げて司令室を後にして家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 家に帰った俺はベッドに倒れ込む。

 

「・・・・・・何がアーシアを守だよ。守れてねえじゃんかよ。女の子一人守れないで何が仮面ライダーだよ! 俺は仮面ライダー失格だ・・・・・・」

 

 俺は自分の無力さを痛感している。俺は慢心していたのかもしれない。何度も眼魔を倒して自分でも強くなったと思い込んでいたのかもしれない。

 

「俺はどうしたらいいですか泊さん・・・・・・」

 

 ドライブの眼魂を持ちながら眺める。すると、目の前に突然、四つの眼魂が現れた。赤と金色の眼魂、緑と金色の眼魂、黒と金色の眼魂、紫と銀色の眼魂だ。

 

 何だろうこの眼魂達見たことがないけど・・・・・・っ!

 

 俺の身体は光に包まれて眼魂に吸収された。

 

 

 

 

「っ・・・・・・ここは?」

 

 気がつくと、俺はどこかの廃工場らしき所にいた。

 

 ここはもしかして、眼魂の中?

 

 辺りを見渡すが、誰もいない。

 

『お前は何是彼女を助けようとする』

 

「えっ?」

 

 すると、誰もいないのに声が聞こえた。

 

 姿が見えない・・・・・・幽霊か? いや、幽霊なら俺は見えるはずだけど・・・・・・待てよ。さっき、俺は眼魂に吸い込まれた。と言うことはここは眼魂の中?

 

 この声は英雄の声?

 

『お前とあのシスターは今日、出会ったばかりの赤の他人だ。なのにお前は何故、そこまで彼女にこだわる』

 

『あなたを突き動かすのは仮面ライダーとしての使命ですか? それとも、特異災害対策二課のメンバーとしての義務ですか?』

 

『もしかして、彼女の事が好きなんですの? なら、諦めなさい。あなたの周りには魅力的な女の子が居るじゃない』

 

 さらに三人分の声が聞こえる。最初の一人を会わせた三人が男性、最後の一人の声は女性だ。四人の英雄?

 

 俺がアーシアを助けたい理由・・・・・・人々を守るのが仮面ライダーの使命だから? 彼女を保護することが特異災害対策二課のメンバーとしての仕事だから? アーシアのことが好きだから? いや・・・・・・

 

「違う! 俺がアーシアを助けたいのはアーシアの笑顔を取り戻したいんだ!」

 

『『『『っ!?』』』』

 

「使命とか義務とか仕事とかそんなのは関係ない! 俺はアーシアの笑顔がまた見たい! ただそれだけだ!」

 

 俺がアーシアを助けたかったのは仮面ライダーとしてではなくてただ一人の男として、兵藤一誠として助けたかったのかもしれない。

 

『ぶっははははははっ! 成る程、お前はやはり面白い男だ! 兵藤一誠!』

 

『進ノ介が認めただけはある』

 

『非常識で直線的で愚かですが……何故でしょう。嫌いにはなれませんね』

 

『それが、あなたの彼女に対する愛・・・・・・ですね』

 

 すると、どこからか四つの眼魂が現れて人の姿に変わった。

 

 金と赤の眼魂は赤のコートを着たガタイの良いイケメンに、紫と銀色の眼魂は紫色のライダースーツを着たイケメンに、金と緑の眼魂は眼鏡をかけた神経質っぽいような男性になり、金と黒の眼魂は黒色のドレスを着た綺麗な女性に姿を変えた・・・・・・って!

 

「仮面ライダーチェイサーこと、チェイスさんに・・・・・・能見荘!? 何で眼魂に!?」

 

 俺は驚いた。亡くなったはずの仮面ライダーチェイサーこと、チェイスさんと、泊さん達特状課を陥れようとしたロイミュードの能見が居ることに驚いた。

 

 眼鏡をかけた男、能見はずっこけてずり落ちた眼鏡を治す。

 

『ずいぶんと懐かしい名前で呼ばれましたね・・・・・・』

 

『俺達は泊進之介が認めてからお前のことをずっと見ていた。お前を見極めるために』

 

『私たち、ロイミュードの力を貸すのにふさわしいのかと』

 

「ロイミュード・・・・・・あなたたちも?」

 

『ああ・・・・・・コレが俺達の姿だ』

 

 すると、チェイスさん以外の三人の身体はオレンジのエネルギーを纏い、姿を変えた。いや、元の姿に戻ったと言うべきか。

 

 赤いコートを着た人は身体が金色の鬼のような姿に、能見は脳みそが丸見えな賢者のような姿に、黒色のドレスを着た女性は金色をベースにした赤い触手を肩に装備している姿になった。

 

「脳みそが丸見えだから能見荘ってセンスな・・・・・・」

 

『だまらっしゃい!』

 

 俺が思ったことを言うと、ブレンさんはすねてそっぽを向く。あ、気にしてるんだ。

 

「変身」

 

『シグナルバイク!』

 

 チェイスさんは青と銀色のベルト、マッハドライバー炎に黒と紫の小さなバイク、シグナルチェイサーを装填して押し込む。

 

『ライダー!』

 

『チェイサー!』

 

 チェイスさんの体を紫の車輪が覆って白銀と紫、黒の仮面ライダー、仮面ライダーチェイサーに変身した。

 

『俺の名は、ハート、ロイミュードのリーダーだ』

 

『私の名はブレン! ロイミュードの頭脳!』

 

『私の名はメディック、ロイミュードの紅一点で回復担当ですわ』

 

『俺はチェイス。生きとし生けるものを守る戦士、仮面ライダーチェイサー!』

 

 四人は名乗った。すげえ・・・・・・・仮面ライダーチェイサーはかっこいいけど、三体のロイミュードも神みたいな神々しさを感じた。

 

 

『お前に俺達の力貸そう』

 

「俺の事を認めてくれるんですか?」

 

『認めるさ・・・・・・泊進ノ介と現さんが認めた男だからな』

 

『困った人を助ける。それが人間のルールではないのか?』

 

 ハートさんとチェイスさんは俺の肩に手を置いて、優しく言ってくれる。すると、俺は光に包まれて意識を失う。

 

 

 

 気がつくと、俺は自分の部屋にいた。俺の手には四つの眼魂が・・・・・・ありがとうございます。ハートさん、ブレンさん、チェイスさん、メディックさん。

 

「もう考えるのはやめた! ジーッとしてても、ドーにもならない!」

 

 眼魂を握りしめて俺は部屋を飛び出してヘルメットをかぶり、バイクに乗って廃教会に向かおうとした。

 

「やっぱり、行くんだねイッセー」

 

 呼ばれて振り返ると、そこには響、未来、セレナに切歌と調、クリスと翼姉と奏姉にマリア姉のシンフォギアメンバーと、夕麻ちゃんにオカルト研究部の木場と白音ちゃんがいた。

 

「ああ・・・・・・ごめん、やっぱり、俺はアーシアを助けたいんだ。例え、二課の命令に逆らう事になったとしても」

 

「それなんだけど、司令からイッセー君に伝えたいことがあるんだって」

 

「弦十郎さんが?」

 

 セレナに言われて俺は弦十郎さんに電話をかける。

 

『イッセー君か』

 

「弦十郎さん、すいません俺・・・・・・」

 

『アーシア君を助けたいんだろ。なら、君の好きなようにしなさい』

 

「いいんですか?」

 

『ああ、構わない! 子供のやりたいことをフォローする、それが大人の仕事だ!』

 

 俺のわがままを弦十郎さんは受け入れてくれた。やっぱり、弦十郎さんには敵わないな。

 

「ありがとうございます。失礼します」

 

 俺は弦十郎さんにお礼を言って電話を切る。

 

「私達も戦うよイッセー」

 

「アーシアは私にとっても友達だよ」

 

「私に頼ってよイッセー君」

 

「アタシ達もアーシアさんと友達になりたいです!」

 

「右に同じ」

 

「後輩が困ってんだ。アタシも力貸してやるよ」

 

「これが先輩の風を吹かせる者の果たすべき使命だ」

 

「困りごとならアタシも力になるぜ」

 

「その・・・・・・さっきは殴ってごめんなさいね」

 

「用事があって部長と朱乃さんは居ないけど、僕たちが力を貸すよ」

 

「イッセー先輩もオカルト研究部の仲間です・・・・・・」

 

 みんなが俺の力になろうとしてくれている。

 

「ありがとうみんな・・・・・・みんなの力、貸してくれ!」

 

 俺は仲間達の力でアーシアを助けてみせる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あそこが眼魔達が居る廃教会か・・・・・・」

 

 俺達は離れたところで廃教会の様子をうかがっていた。緒川さん率いる調査部の方達が仕入れた情報を照らし合わせて作戦を決めた。

 

 まず、翼姉、奏姉、マリア姉に木場の四人が騒ぎを起こして、眼魔達を揺動して貰い、その隙に俺達が廃教会に潜入するという作戦だ。

 

 ちなみに俺と響達シンフォギア装者は変身していて、何時でも動ける。

 

「じゃあ、みんな、作戦通りに・・・・・・」

 

『ぐあああっ!』

 

 すると、廃教会から誰かが投げ出される。

 

 それは瓢箪だった・・・・・・あっ、忘れてた。

 

『侵入者だ!』

 

『者ども、であえであえ!』

 

 そして、廃教会から眼魔コマンドやエクソシストが大量に出てきた。

 

「ああっ! あいつのせいで作戦が台無しです!」

 

「瓢箪死すべし」

 

「へえ、あいつが・・・・・・ぶっ殺して良いかしら」

 

 切歌と調が悪態をつく。マリア姉、あんなくず、殺さなくて良いから。

 

「ごめん、イッセー君、うちの瓢箪君が」

 

「いいよ、あいつをアガードラーム魂で百発ぐらい殴っとくから」

 

 気にすんなと木場には言っておく。取りあえず、あいつらを蹴散らして廃教会に潜入しないと。

 

「メディックさん、早速使わせていただきます」

 

 俺はオレゴースト眼魂をドライバーから取り出して金と黒色の眼魂、メディック眼魂を装填してトリガーを引く。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

『カイガン! メディック!』

 

『女神に愛を、超進化!』

 

 ドライバーからはメディックにそっくりなパーカーゴーストが現れる。メディックと違い、色が金色ではなくて白を基調としている。

 

 ゴーストはメディックパーカーゴースト纏い、仮面ライダーゴースト メディック魂に変身する。

 

「はあっ!」

 

 ゴーストが手を振ると、触手が鞭のように動き、眼魔コマンドを叩き、眼魔コマンドから眼魂をえぐり出す。

 

『うわああっ・・・・・・』

 

 俺の戦い方を見て何故かみんな引いてる。

 

 だけど、まだまだ眼魔やエクソシストが居るな。

 

「イッセー、先に行きなさい」

 

「良いのかマリア姉」

 

 すると、マリア姉が先に行くように促す。

 

「ええ、ここは私に任せて先に行きなさい!」

 

「姉さん、それフラグゥ!」

 

「ふえっ?」

 

 盛大にフラグを立てるマリア姉にセレナはツッコミを入れる。マリア姉は理解してないのか不思議そうに首をかしげる。

 

 いや、可愛いけど・・・・・・

 

「セレナ、マリアの思いを無駄にしてはいけないデス」

 

「・・・・・・惜しい人を亡くした」

 

「いや、二人とも、姉さん死んでないからね!?」

 

 ぼける切歌と調にも突っ込むセレナ、大変だな・・・・・・

 

「私達も居るから安心しろ」

 

「ほらほら、行った行った」

 

「作戦通り僕達も残るよイッセー君」

 

「悪いな。翼姉、奏姉、木場。マリア姉を頼む」

 

 三人にマリア姉のことを任して俺達は廃教会に向けて走る。

 

「ぐえっぐえっ!」

 

 走るとき、何かを踏んだ感触があったけど、気のせいか!

 

 待ってろよアーシア! 絶対に助けるからな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別編 セレナ・カデンツァヴナ・イブ誕生日記念

 

 そこは燃えるどこかの研究所・・・・・・白い化け物に立ち向かう少女の姿があれは・・・・・・小さいセレナ?

 

『私、歌うよマリア姉さん』

 

『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl』

 

 歌を歌うことでセレナのエネルギーは増大した。

 

『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl』

 

 歌い終わるとセレナから放たれたエネルギーで周りのものを吹き飛ばした。

 

 そして、セレナは崩れた瓦礫に巻き込まれて・・・・・・

 

 

「セレナっ!」

 

 気がつくと、俺はベッドで寝ていた。

 

「どうしたのイッセー君・・・・・・」

 

 すると、隣でねていたセレナが眠そうに目をこすりながら起きた。

 

「いや、怖い夢を見ただけだから気にするな」

 

「そうなの? 私もなの」

 

「えっ?」

 

 俺はセレナも怖い夢を見ていた事に驚いた。

 

「ねえ、イッセー君・・・・・・私が死んだらどうする」

 

「そんなの決まってる。セレナが死なないように俺がセレナを守るさ。絶対にセレナを死なせない」

 

 不安そうにするセレナを後ろから抱きしめる。

 

俺はみんなを守りたい。大切な人達を、愛する人達を守りたいんだ。誰も失いたくない。だから、誰も失わないためにもみんなで強くなりたい。

 

「ふふ、ありがとう。なんか幸せすぎてバチが当たりそう」

 

「これぐらい良いだろ? 今日はセレナの誕生日なんだしさ。もっと欲張って良いんじゃないか」

 

寄りかかってくるセレナの頭を撫でながら俺は言う。

 

「じゃあ、キスしてイッセー君」

 

「お安い御用です。お姫様」

 

俺はセレナに顔を近づけて優しくキスをした。

 

柔らかいな……

 

「大好きだよイッセー君」

 

「俺もだよセレナ」

 

 

生まれてきてくれてありがとうセレナ。ハッピーバースデー!




今回はイッセーの覚悟と、ハート達の出会い、如何だったでしょうか?

セレナの誕生日記念の奴は思いついたので書きました。一応、今の話の先の未来の出来事です

次回予告です

「サババの刃は何でも切り刻むデス!」

「ちょ、レイナーレ様!? 冗談っすよー」

「華麗で強力で素晴らしい毒をどうぞ!」

「吹っ飛べ!」

「弱点が分かりましたぞイッセー殿!」

「ガイガン!ロビンフット!」

次回「全てを射抜く狩人の弓」


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第十話「全てを射貫く狩人の弓」

シンフォギアライブ2018当選したぜー!

やったぜ狂い咲きー!

ペンライトどうしよう・・・・・・

ラブライブサンシャイン二期もあり、楽しみがつきないこの頃


「待ってたっすよ~」

 

 廃教会に入ると、金髪のゴスロリ少女と蒼い髪の女性が居た。この気配、堕天使か!

 

 俺達はすぐ戦えるように身構える。

 

「ちょっと待ってみんな! 二人は敵じゃないから!」

 

 すると、夕麻ちゃんが慌てて止める。

 

 敵じゃないってどういう事?

 

「彼女たちは私の部下で・・・・・・白状すると、私達はドーナシークを監視するためにアザゼル様に派遣されたの」

 

「えっ? そうなの?」

 

「うん・・・・・・二人には私が抜けた後も色々と情報を流して貰っていたの」

 

 意外な事実に驚く。よく今までばれなかったな・・・・・・

 

「ドナーシークが意外に間抜けで助かったわ・・・・・・」

 

「そうすっねー。あっ、あの茶髪の人がレイナーレ様の思いび・・・・・・」

 

 夕麻ちゃんが頭を押さえていると、金髪のゴスロリ少女が何か言おうとしたが、夕麻ちゃんに顔面を掴まれて止まる。

 

「何余計なことを言おうとしてるのかしらミッテルト・・・・・・」

 

 ハイライトが消えた眼でミッテルトという名前の金髪のゴスロリ少女に話す夕麻ちゃん。怖いです。

 

「い、嫌だな~レイナーレ様冗談ですって・・・・・・」

 

「今の私は天野夕麻よ。イッセー君、ちょっと、このことOHANASIがあるから先に行っててくれる?」

 

「あ、ああ・・・・・・」

 

 夕麻ちゃんは凄い笑顔で言ってくる。その笑顔の迫力のすごさに頷くしかなかった。

 

「ちょっ、カラワーナ助け・・・・・・いや、レイナーレ様、お尻叩かな・・・・・・」

 

 物陰に移動する二人。その後、ミッテルトちゃんの悲鳴が聞こえる。

 

「すいません、私の仲間が」

 

「いえ、お互い大変ですね」

 

 カラワーナさんが申し訳なさそうに謝ってくる。

 

 すると、地下へと続くであろう階段から眼魔とエクソシストが現れた。いったい、何体この廃教会にいるんだよ!

 

『はあ、まるでゴキブリのようですね。イッセー、私の力を使いなさい』

 

「分かりました。ブレンさん、お力お借りします」

 

 俺はドライバーにブレン眼魂を装填して、トリガーを押し込む。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

『カイガン! ブレン!』

 

『嫉妬を超える! 冴える頭脳!』

 

 ドライバーからはブレンとよく似たパーカーゴーストが現れる。メディックパーカーゴースト同様に色が違った。このブレンパーカーゴーストの色は緑色だった。

 

 ゴーストはブレンパーカーゴーストを纏い、仮面ライダーゴースト ブレン魂にフォームチェンジした。

 

『華麗で強力で素晴らしい毒をどうぞ!』

 

「はあっ!」

 

 ゴーストの腕から緑色の液体が発射されて眼魔コマンドに掛かり、溶けていく。

 

 どうやら強力な毒液のようだ。

 

『まったくあなたの攻撃は汚いですね。あなたの眼鏡のように』

 

『黙りなさい! この腹黒女!』

 

『なんですってこの脳筋眼鏡!』

 

 メディックさんとブレンさんは眼魂の状態で喧嘩を始める。メディックさんは俺にこんこんとぶつかってきて、ブレンさんもぐいぐいと、ベルトに入ったまま動いてる。ぴょん吉のごとく。

 

「あの、すいませんお二人とも、今戦闘中なので喧嘩は控えてください」

 

『はははっ、相変わらず仲が良いな二人とも』

 

「ハートさんには仲がよく見えますか?」

 

『安心しろ。あいつらはいつもこんな感じだ』

 

「チェイスさん、いつもこんな感じなんですか!?」

 

 何か色々とツッコミが追いつかない。誰かツッコんでくれ。

 

 それにまだまだ敵はいるし、どうすればいいかな。

 

「ここは私達に!」

 

「任せるデス!」

 

 調と切歌が前に出る。二人が戦うのか?

 

「切歌、調。二人だけでこの数は・・・・・・」

 

「それなら私も残るよ」

 

「・・・・・・私も残ります」

 

 二人だけに任せるのは気が引けていたところにセレナと白音ちゃんも残ると言ってくれた。

 

「良いのか?」

 

「うん、この二人にはお目付役が必要だろうし」

 

「・・・・・・だから、先輩達は先に行ってください」

 

 それでも二人は残ることを選んだ。話してる最中、白音ちゃんは近くにあったでかい椅子を投げている。流石戦車、凄いパワーだ。

 

「サババの刃は何でも切り刻むデス!」

 

「心配しないで、イッセー先輩は自分の目的の事を考えて!」

 

「・・・・・・分かった。任せるよ」

 

 俺も折れて、四人に任せることにした。なら、俺は先に進まないと。

 

「・・・・・・ザババーズ、レディー」

 

「ゴー! デース!」

 

「私、ザババ関係ないんだけど・・・・・・」

 

「・・・・・・私もです」

 

 眼魔コマンド達に突っ込む切歌と調を見て呆れるセレナと白音ちゃん。・・・・・・がんばってくれ

 

「じゃあ、俺達も行くぞ。響、未来、クリス」

 

 俺はブレンさんの毒液で床を溶かして、下に続く穴を作って四人で飛び降りて着地する。

 

 ふむ、地下一階にいた敵も上にいるセレナ達と戦うために上に・・・・・・っ!

 

 殺気を感じて避けると、俺達が居たところに光の銃弾が放たれた。

 

 なんだこれは・・・・・・

 

「侵入者ご一行ご案内-!」

 

 白髪頭の神父服を着た男が光の剣を振り下ろしてきた。こいつ、エクソシスト?

 

「俺は神父~汚い悪魔をぶった切る神父ひゃっはあっ!」

 

 ・・・・・・いや、変人だ。

 

「白髪頭の奴は変な奴しか居ないのかよ!」

 

 クリスが叫ぶ。俺はお年寄りに失礼と言おうとしたが、クリスがいう白髪頭はうん、ウェル博士のことだな。否定できん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぶえっくしょん!」

 

「ちょっ、汚いわね!」

 

 二課の研究室で研究をしていたウェル博士はくしゃみをする。

 

「風邪でも引いたかなぁ・・・・・・」

 

「いや、誰かが悪口を言ってるんでしょ?」

 

「はあ? 英雄の僕が・・・・・・」

 

「悪口を言われないと思った?」

 

「否定できない・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「さあさあ、あなた方の首、頂戴しましょうかああっ!」

 

「くっ!」

 

 白髪神父は俺に向けて光の剣を何度も振り下ろす。ブレンさんはトリッキーな戦い方が得意なんだよな・・・・・・だから真っ正面の戦いは苦手みたい。

 

 眼魂を交換できれば!

 

「隙ありっ!」

 

 一瞬、視線を外してしまったために、隙が出来て、その隙を狙った神父の攻撃、避けられない!

 

「させないよ」

 

「これでもくらえ!」

 

「あぶなっ!?」

 

 すると、未来の鉄扇が光の剣を受け止めてクリスが、ハンドガンを放ち、白髪頭の神父は慌てて下がって避ける。

 

「すまない、二人とも!」

 

「イッセー、ここはアタシ達に任せて先に行け! 元々アタシ達はお前を先に行かせるためにここにいるんだ! 遠慮しないでアーシアを助けてこい!」

 

「ああ、任せる!」

 

「行かせるか!」

 

 白髪の神父は大量の眼魔眼魂を投げて眼魔コマンドを生成する。俺はそれを気にせず、ベルトの眼魂を変えてトリガーを引く。

 

「ハートさん!」

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

『カイガン! ハート!』

 

『ライバル! 喜び! 超進化!』

 

 ドライバーからハートにそっくりな赤いパーカーゴーストが召喚されてゴーストはそれを纏い、仮面ライダーゴースト ハート魂に変身して邪魔になる眼魔コマンドを殴り飛ばして道を造り、アーシアの居る場所を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、あいつも行ったことだし、こっからはアタシ達のステージだ!」

 

 イッセーが行ったのを確認してアタシはアームドギアの銃を構える。

 

「あーあ、一人逃げられちゃいましたかーまあいいや。美女が三人、両手に花ですねー切り刻んだらさぞ、綺麗でしょうね!」

 

 白髪の神父は剣で切りつけてくるけど、アタシは銃で受け止める。

 

「お前に聞きたいことがある」

 

「あん?」

 

「最近、悪魔を召喚した人間を惨殺している神父ってのはお前か?」

 

 アタシは気になっていたことを聞いた。

 

 リアスから最近、悪魔を召喚した人間が惨殺されるという事件を聞いていて、犯人は目撃情報から白髪の神父だと言うことしか分かっていなかった。

 

「んーそうだよー悪魔を召喚するなんて重罪ジャン! そんな悪い子はお仕置きしなきゃ!」

 

「そうか・・・・・・なら、容赦なく戦える!」

 

 アタシは銃を二丁のハンドガンにして構え直す。

 

 

 根性の腐った相手なら遠慮はいらねえ!

 

 白髪神父の頭に向けて銃弾を放つが、避けられる。

 

「クリスちゃん!?」

 

「響、未来! 悪いけど、こいつの相手はアタシだ! 神様が許そうが仏様が許そうが、お前の腐った根性はアタシ様が許さねえっ!」

 

「面白そうだねー! 受けて立つよパッギンの姉ちゃん!」

 

 白髪の神父はアタシの挑発に乗り、飛びかかってくる。剣を振り下ろすが銃で受け止めて弾く。そして、白髪神父の腹を思いっきり蹴り飛ばす。

 

「くっ・・・・・・銃は接近戦が苦手じゃ・・・・・・」

 

「アタシは特別なんだよ!」

 

 おっさんの持ってる映画やイッセーの持ってる特撮で銃でも接近戦出来る方法を学んだんだよ!

 

「これで終わりだ!」

 

 ミサイルを創り出して白髪の神父に向けて放とうとする。

 

「ちょっ、待ってぶっぱなつならその大っきなおっぱいミサイルで・・・・・・」

 

「吹っ飛べ!! この変態!!」

 

「ぶおおおおおおっ!」

 

 アタシはミサイルを白髪神父に向けて発射する。

 

 発射されたミサイルは白髪神父にぶち当たり、そのまま、イッセーが開けた穴を通って上に飛んでいき、天井を突き破り、空でキラリと輝いた。

 

「ばいばいきーん!」

 

 白髪神父の叫び声が聞こえた。何故ばいきんまん?

 

 

 

 

「今のは・・・・・・」

 

「何デスか!?」

 

「クリスさんのミサイル?」

 

「・・・・・・私もいつか先輩好みのあんなロケットおっぱいに・・・・・・」

 

「レイナーレ様・・・・・・もう許して・・・・・・」

 

「まだよ。あと千回!」

 

「ひぃー!」

 

 一階部分で戦っていた調達四人は下から発射されたミサイルに驚いた。ミサイルの先端に人がいたような気がするが気のせいだろう・・・・・・

 

 白音と調はある瞬間、いつもより力をだせたり、俊敏に動けたようだが、同時にバカにされたように錯覚した。

 

 なお、ミッテルトはそんなことを考える余裕はなく、夕麻に尻を叩かれていた。

 

「「私達もいつか!」」

 

 

 

「あれは雪音のミサイルか!」

 

「おー、派手にやったなー」

 

「・・・・・・あれ、建物壊れないかしら」

 

「あははは・・・・・・」

 

 翼は一目で分かり、奏はのんきそうに、マリアは建物の心配をして木場は苦笑いをしてしまう。

 

 白髪の神父・・・・・・フリード・セルゼンは装者達に名前を知られることなく、夜空に輝く花火となった・・・・・・

 

 

 

 

 

「クリスちゃーん、やり過ぎだよ-」

 

 ミサイルを発射したことについて文句を言う響。やり過ぎたとは思ってねえ。

 

 眼魔コマンドは白髪神父がミサイルで吹っ飛ばされた状況を理解できていないのか、上を見てぽかーんとしてる。

 

 ちなみに、一階と外のはぐれエクソシストや眼魔コマンド達もぽかーんとしていた。

 

「・・・・・・アタシの胸を触って良いのはイッセーだけなんだよ」

 

「? クリスちゃん、何か言った?」

 

「な、何でもねえ! さっさと残りの眼魔コマンド倒すぞお前ら!」

 

 ぽつりと誰にも聞こえないようにつぶやいたつもりが、響には聞こえていた。

 

 何でこのバカは耳が良いんだよ!

 

 アタシは慌てて言い訳して眼魔コマンドに向けてガトリングを構える。

 

 

 

 

「クリスももっと素直になればいいのに・・・・・・」

 

 

 

 

 

「うおらっ!」

 

 俺はハートさんの力で扉を殴って部屋の中に侵入する。・・・・・・部屋の中にいるのは斧の眼魔とドーナシークか。

 

 それ以外に神父や堕天使、眼魔が居ないところを見ると、みんなの方に出払っちゃったみたいだな。

 

「なっ・・・・・・一人来てしまったか」

 

 ドーナシークが驚いているが、はっきり言うとどうでも良い。アーシアは・・・・・・いた。

 

 俺は十字架に貼り付けにされたアーシアを発見した。

 

「アーシアアアアアアアアッ!」

 

「イッセーさん・・・・・・?」

 

 俺はアーシアを助けるために走り出した。俺の声で気がついたのか、俺の方を向くアーシア。

 

「させるか!」

 

「がっ!」

 

 斧眼魔が俺を掴み、地面に叩きつける。こいつ! 邪魔するな!

 

「お前の相手はこの俺様だ! ふんっ!」

 

 斧を床に叩きつきて床を割って俺を落として、斧眼魔も後を追って降りる。

 

「くそっ! なら早くお前を倒してアーシアを助ける!」

 

「そうか、なら急がないとやばいぞ~もうすぐ、あの子の神器は取り出されるぞ」

 

「なっ! なら急がせて貰うぜ!」

 

 アーシアの神器の摘出の儀式完了まで時間が無いことを知って、俺は斧眼魔に殴りかかる。

 

「甘い!」

 

 斧眼魔はひらりと避けて斧を振り下ろして、俺の身体を傷つける。

 

 俺はそれでも拳を突き出して斧眼魔を殴り飛ばす。そして、片手にエネルギーを溜めてそれを斧眼魔に向けて投げる。

 

「ぐおっ! おらっ!」

 

 斧眼魔の身体に火花が散る。俺はもう一度エネルギー弾を放とうとするが、赤いバリアーを張って防がれてしまった。

 

「くっ!」

 

 斧眼魔はバリアーを張りながら斧を投げてくる。どうすれば・・・・・・

 

『イッセー、俺を使え』

 

「えっ?」

 

 するとどこからか声が聞こえた。

 

 今のはもしかして・・・・・・俺は懐の眼魂を取り出す。

 

 見ると、ロビンフッドの眼魂が光っていた。

 

「・・・・・・分かりました。ロビンフッドさん、お力、お借りします!」

 

 俺はハート眼魂を取り出して、ロビンフッド眼魂を装填してトリガーを引いて押し込んだ。

 

『バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

『カイガン! ロビンフッド!』

 

『ハロー! アロー! 森で会おう!』

 

 ドライバーから緑色のパーカーゴーストが出現して、それを纏い、弓矢のような顔をした頭部左側には羽の様な黄色いオブジェクトをつけた戦士、仮面ライダーゴースト・ロビンフッド魂に変身した。

 

 

 そして、黒電話型のサポートメカ、コンドルデンワーが飛んできて、ガンガンセイバー・ブレードモードと合体してガンガンセイバー・アローモードに変形して構える。

 

「ハアッ!」

 

 俺は弓を引いて、矢を放つ。斧眼魔は避けず、バリアで防ぎ斧を投げる。

 

 投げてくる斧は動きを目で追って避けたり、放った矢で撃ち落とす。

 

 この繰り返しじゃ、いつまで経っても倒すことが出来ない。何かいい手はないのか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でも良い! 攻略に必要な鍵を見つけるんだ! 無敵の楯など無い! 何かしら弱点があるはずだ!」

 

 司令室ではゴーストと斧眼魔の戦いを見て、何か役に立つ者はないかと、オペレーター達が慌ただしく探している。

 

 そんな中、ある人物がある映像を凝視していた。

 

「藤尭殿、すいませんが、あの眼魔が斧を投げる時を流していただけないでしょうか」

 

「えっ? 分かりました」

 

 オペレーターの藤尭は御成に言われて斧眼魔が斧を投げる時をもう一度 見ると、確証する。

 

「弱点が分かりましたぞ! イッセー殿!」

 

 御成はゴーストに通信を入れる。

 

 

 

 

『弱点が分かりましたぞ! イッセー殿!』

 

「えっ? 何ですか御成さん!?」

 

 いきなり通信が入って来て弦十郎さんかと思ったが、御成さんだった。

 

『斧を投げる瞬間、隙間が出来ますぞ!』

 

「えっ?」

 

 言われてみると、確かに、斧を投げる瞬間に隙間が出来ていた。それなら・・・・・・!

 

「よし!」

 

 俺はガンガンセイバー・アローモードをドライバーにかざしてアイコンタクトする。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー! ガンガンミナー!』

 

「命・・・・・・燃やすぜ!」

 

『オメガストライク!』

 

 トリガーを引くことで強化されたエネルギーの矢が斧眼魔を捉えて、隙間を通り、斧眼魔を射貫いて斧眼魔はパーカーと分離して爆発した。

 

 地面に斧が落ちる。

 

 

「やった・・・・・・勝てた」

 

『さすがですぞイッセー殿!』

 

「いえ、御成さんのアドバイスのおかげです。ありがとうございます。ぐっ・・・・・・」

 

 俺は御成さんにお礼を言う。御成さんのアドバイスが無かったら倒すのにもっと時間が掛かったかもしれない。

 

 斧眼魔を倒して俺は身体を押さえる。避けたと思ったけど、かなり、斧が当たっていたみたいだな。痛みが今頃になって襲ってきた。

 

『大丈夫か、イッセー君? 動けないならあとは響達に・・・・・・』

 

「俺は大丈夫です弦十郎さん。今は早くアーシアを助けないと時間が無いんです!」

 

『・・・・・・分かった。だが、無茶はするなよ』

 

「はい!」

 

 弦十郎さんは心配するけど、俺はまだ止まれない。止まっちゃいけないんだ!

 

「アーシア、待ってろよ。今、助けるからな・・・・・・」

 

 俺は痛む身体を引きずりながら上を目指し、階段を上る。




今回の話しはいかがだったでしょうか?

ブレン魂とハート魂、ロビンフッド魂の活躍はどうだったでしょうか?

次回予告です

『これで私は究極の堕天使だ!』

『生きるのを・・・・・・諦めるな!』

『チェイスさん、ひとっ走り付き合ってください!』

『アーシアの運命は俺が変える!』

『何なんだよ! お前は一体何者なんだ! 何が目的だ!』

『これから倒される者に名乗る名はない・・・・・・』

『カイガン! チェイサー!』

『ダチは宝! ズーットチェイサー!』

次回「断罪する追跡者」


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第十一話「断罪する追跡者」

 斧眼魔との戦闘で負った傷の痛みを抱えながら階段を上り、扉を開けて中に入る。

 

「ほう、斧眼魔を倒したかだが・・・・・・時間切れだ」

 

「イヤアアアアアアアッ!」

 

 アーシアの身体から緑の球体が飛び出してドーナシークの中に入っていく。

 

「ふはははははっ! これで私は究極の堕天使だ!」

 

「貴様アアアアッ!」

 

 狂ったように笑うドーナシークに俺はガンガンセイバーを振り下ろそうとしたが、ドーナシークに止められてしまった。

 

「お前の相手はこいつらだ」

 

 ドーナシークは片手をあげるとどこからか眼魔コマンドとエクソシスト達が現れる。まだいたのか!

 

 眼魔コマンド達が邪魔でアーシアの元にいけない!

 

「イッセー伏せろ!」

 

「っ!」

 

 俺を呼ぶ声が聞こえたからその通りに伏せると、大量の槍と剣、鋸が眼魔コマンド達を貫き、切り裂いた。

 

「みんな!」

 

 槍が飛んできた方向にはみんなの姿があった。みんな、倒す敵を倒してきたんだな。

 

「ここは私達に任せて」

 

「先輩は早くアーシアさんを連れて逃げるデス!」

 

「すまない!」

 

「イッセー!」

 

 後輩二人に言われて、俺は駆ける。それと同時にクリスがアーシアの腕に絡みついていた鎖をアーシアを傷つけないように打ち抜いた。

 

 アーシアを縛る物がなくなり、落ちる瞬間、俺が滑り込み、受け止めた。

 

「イッセーさん・・・・・・」

 

 アーシアは弱々しく俺の名を呼ぶ。・・・・・・何でアーシアがこんなめに・・・・・・

 

 俺は走って地下を抜け出し、地上を目指した。

 

 

 

 

『オヤスミー』

 

 一階に着いた俺はアーシアをゆっくりと地面に降ろして変身を解除する。何とか耐えてきたけど、体中の痛みが・・・・・・

 

 すると、アーシアは手を伸ばして俺の頬を優しく撫でる。

 

「アーシア・・・・・・」

 

「私のために・・・・・・こんなに傷だらけになってすみません・・・・・・」

 

「謝るな! これは俺が選んで起きたことだ! だから謝らないでくれ・・・・・・」

 

「・・・・・・私にあの力があればイッセーさんの傷を治せるのに・・・・・・」

 

 アーシアは俺が傷だらけのことを気にしている。俺はアーシアの手を握って安心させようとする

 

「大丈夫だって! こんなのはかすり傷だ!」

 

「・・・・・・イッセーさん、私は幸せでした・・・・・・イッセーさんや響さんと未来さんに出会えて、ハンバーガーを食べてゲームセンターで遊んで楽しかったです・・・・・・最後に良い思い出が出来ました」

 

「最後なんて言うな! まだだ! これからだ! これから色んな場所に連れて行ってやる! カラオケ! 遊園地! 映画館! 水族館! 動物園! まだまだ楽しいことはこの世界にたくさんあるんだ! それにまだ紹介したい人達が居るんだ! アーシアときっと仲良くなれる! だから・・・・・・目を開けてくれ・・・・・・生きるのを諦めるな!」

 

「ありがとうございます・・・・・・イッセーさん・・・・・・」

 

「アーシアッ!」

 

アーシアは弱々しく呟き、目を閉じて力尽きた……

 

……何でだよ。何でアーシアが死なないといけないんだ。あんなに優しい子が死なないといけないんだ! 何で神様はこんな子を見捨てたんだよ!

 

 俺は地面に拳を叩きつけた。すると、アーシアの持つ天使の彫り物が光り出した。これは・・・・・・もしかしたら!

 

 天使の彫り物に向けて印を結ぶと、光と彫り物が分離して白いナース服のようなパーカーゴーストが誕生した。これがナイチンゲールゴースト・・・・・・ナイチンゲールさんなら!

 

「ナイチンゲールさん! お願いです! この子を、アーシアを助けてください! この子は優しい子なんです! あなたのように傷ついた人を助けたいと願っているんです!」

 

 俺はナイチンゲールさんに向けて叫ぶ。戦場の天使と言われたナイチンゲールさんならもしかしたら・・・・・・

 

 だけど、ナイチンゲールさんは首を振る。

 

『それはできません・・・・・・私は死んだ人を生き返させることはできません』

 

「・・・・・・そうですか」

 

『ですが・・・・・・リアス・グレモリーなら生き返させることができるかもしれません。悪魔として。それでも彼女を蘇らせようと思いますか?』

 

「・・・・・・はい。例え悪魔になっても俺はアーシアに生きてて欲しいです。俺のエゴでも俺はアーシアの笑顔を取り戻したいです!」

 

『そうですか・・・・・・なら、彼女の魂は私が守ります。天国に行こうが地獄に行こうが私が引き戻して治療します・だから、あなたはあの堕天使から神器を取り返してください。転生するためには神器が必要不可欠です』

 

 そういうとナイチンゲールさんは眼魂になり、アーシアの身体の中に入っていった。

 

「お願いします、ナイチンゲールさん」

 

「ふははははっ! 死んだか! 捨て駒にしてはよくやった。見ろ! 貴様の仲間にやられた傷も癒えた!」

 

 笑いながらドーナシークがやってきた。奴の身体の傷は消えていった。

 

「・・・・・・黙れよ三下」

 

「あっ?」

 

「それはアーシアの力だ! 返せ!」

 

 思わず叫んでしまった。あの力はアーシアの物だ。傷ついた人を助けようと願った女の子の力なんだ!

 

 そんなアーシアから神器を奪ったこいつは許せねえ!

 

『イッセー、落ち着け。怒りに呑まれてはダメだ。熱くなりすぎるな』

 

 すると、チェイスさんが俺のそばに現れて落ち着かせる。

 

「分かってます。チェイスさん、力を・・・・・・いえ、ひとっ走り付き合ってください!」

 

『ああ、付き合おう』

 

「ドーナシーク、お前は俺が・・・・・・俺達が倒す!」

 

 俺は懐からチェイサー眼魂を取り出して構える。

 

 

 

 

「イッセー!」

 

 ドーナシークを逃がしたマリア達は眼魔・コマンド達を倒してイッセーの元に向かって、追いついた。だが、彼女たちが目の前に広がった光景はドーナシークと対峙するイッセーと倒れてぴくりとも動かないアーシアだった。

 

「そんな・・・・・・」

 

「間に合わなかったの!?」

 

 響と未来はアーシアが死んだことにショックを受けていた。装者の中で二人はアーシアと仲が良かった二人にはかなりショックなのだ。

 

「私を倒す? ふははははっ戯れ言を! 究極の堕天使となった私の力を見せよう!」

 

『ソードロイミュード!』

 

 ドーナシークは懐から眼魔眼魂を取り出してスイッチを押して、手を押すと腰に眼魔達が付けている目玉の様なベルトが現れて眼魔眼魂を取り込み、両腕に兼のついた赤い化け物、ソードロイミュード・・・・・・いや、ソードロイミュード眼魔に姿を変えた。

 

『ふははははははっ! どうだ! 私は眼魔の力を手に入れた! どんな傷も治す治癒の力と眼魔の力を手に入れた私こそが究極の堕天使だ! ふんっ!』

 

 ドーナシークは地面に手を叩きつけると、周りの動きが遅くなった。重加速を起こしたのだ。

 

「これって・・・・・・」

 

「どんよりデース!」

 

「イッセー! 逃げなさい!」

 

 マリア達は重加速で動けないながらもイッセーを気遣う。

 

「究極ね・・・・・・この程度で究極って笑わせるね」

 

 だが、イッセーはそんなことをお構いなしに肩をすくめる。

 

「なっ! 何故貴様はどんよりの中で動ける!」

 

「うん? それは俺がドライブの眼魂を持ってるからだろ。おそらく、ドライブの眼魂にはドンよりを無効化する力があるんだろう。さて・・・・・・今度は俺達の番だ」

 

 イッセーはドライブの眼魂を見せて、紫と銀色の眼魂を構える。

 

 それと同時にイッセーの横に紫色のライダースーツを着た青年が現れた。青年の身体は透けていた。

 

「デデデデース!? あれはお化けですか!?」

 

「いえ、あれは英雄・・・・・・」

 

 切歌は透けている青年を見て幽霊と怯えるが、マリアは彼のことを知っていた。彼は人々を守るために戦った戦士の一人・・・・・・

 

「アーシアの運命は俺が変える!」

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

 イッセーは眼魂のスイッチを押してドライバーに装填する。青年の動きもイッセーとシンクロして動く。

 

 ドライバーからは仮面ライダーチェイサーによく似たパーカーが飛び出てイッセーの周りを飛んでいる。

 

 ベルトのトリガーを押し込むと、イッセーの姿はトランジェストに変わり、パーカーゴーストを纏ったと同時に幽霊の青年もイッセーと一体化した。

 

『カイガン! チェイサー! ダチは宝! ズーットチェイサー!』

 

 パーカーを羽織ったトランジェストは仮面ライダーチェイサーによく似た姿、仮面ライダーゴースト・チェイサー魂へと変身した。

 

「な、何だ貴様は・・・・・・」

 

 ドーナシークは怯えていた。何故怯えているのか彼は自分でも理解できていなかった、だが、怖い。それだけは分かる。

 

 彼は知らなかった。自分の変身してるソードロイミュードはかつて、仮面ライダーチェイサーと戦い負けているのだ。しかも初戦闘で。

 

「これから倒される者に名乗る名はない・・・・・・」

 

「巫山戯るな!」

 

 ゴーストは名乗らず、ドーナシークは切れて腕についているソードを振り下ろすが、ゴーストはそれを避けて拳をたたき込む。

 

「ふっ!」

 

「がっ!」

 

 ドーナシークは負けじとソードを振り下ろすが、また避けられてしまう。

 

 ドーナシークの攻撃を避け続けるゴーストはベルトに手をかざす。すると、大きな信号機のような形をした斧が出てくる。

 

『シンゴウアックス!』

 

 

「はあっ!」

 

 ゴーストはシンゴウアックスを振り下ろすと、ドーナシークの身体から火花が散り、ドーナシークはよろめく。

 

「どうした。究極の堕天使の力とはそんなものか」

 

「なめるな!」

 

 挑発するようなことを言うゴーストに向かって大量の眼魔眼魂を投げるドーナシーク。すると、大量の眼魔・コマンドが誕生する。 自分だけでは勝てないので数の力で圧倒しようとしている

 

「ふははははっ! いくら貴様が強かろうがこの数には勝てん! 行け!」

 

 眼魔・コマンドはワラワラとゴーストに向かっていく。

 

「はあっ・・・・・・」

 

 ゴーストはシグナルランディングパネルにドライバーから出したシグナルチェイサーを装填してシンゴウアックスを立てて、エネルギーを充填する。

 

『マッテローヨ! マッテローヨ!』

 

「ハアッ!」 

 

 シンゴウアックスにエネルギーを充填している間、向かってくる眼魔・コマンドをドライバーから取り出したブレイクガンナーをガンモードにして銃弾を放ち、眼魔・コマンドを牽制する。

 

『イッテイーヨ!』

 

 エネルギーを充填し終えたシンゴウアックスをゴーストはつかみ、トリガーを引いた。

 

『フルスロットル! チェイサー!』

 

 刃のブレイクエッジがエネルギーを纏い、それを眼魔・コマンド向けて振るう。振るう前、横断歩道のような形をしたエネルギーが眼魔・コマンドの動きを封じて纏めて全員切り伏せた。

 

 眼魔・コマンドは爆発して粉々になった。

 

「なっ・・・・・・! 一撃で!?」

 

「残りは貴様だけだな」

 

 一撃で全ての眼魔・コマンドが倒されたことにドーナシークは狼狽えている。

 

 だが、ゴーストには関係ない。ドライバーのトリガーに手を伸ばそうとした。

 

「なっ!? ま、待て! 私についてくれば貴様の望む者を与える! 金! 地位! 女! 何でもくれてやる!だから・・・・・・」

 

「遺言はそれだけか?」

 

 殺されると思ったドーナシークは必死に命乞いをするが、ゴーストは聞く耳を持たない。ドライバーのトリガーを押し込む。

 

『ダイカイガン! チェイサー! オメガドライブ!』

 

 右脚にエネルギーを溜めてゴーストは飛び上がり、チェイサーエンドを放つ。

 

「はあああああっ!」

 

「ぐああああっ!」

 

 チェイサーエンドを喰らったドーナシークは爆発して、ゴーストは着地する。その手には緑色の光が・・・・・・

 

 

 

 

『オヤスミー』

 

 俺は眼魂を取り出して変身を解除した。手にはアーシアの神器が・・・・・・これでアーシアを蘇らせることが出来る。

 

「イッセー!」

 

 すると、マリア姉達が走ってきた。そういえば、ドーナシークが倒されたからどんよりが解除されたのか。

 

「みんな・・・・・・」

 

 みんなと話そうとしたとき、赤い魔方陣が現れる。あれは・・・・・・グレモリー家の紋章?

 

 魔方陣からは部長と朱乃先輩が現れた。

 

「部長・・・・・・あの・・・・・・」

 

「分かってるわイッセー。この子が例のシスターね・・・・・・祐斗から話は聞いてるの」

 

「なら・・・・・・!」

 

 木場から話を聞いているのなら話は早い。アーシアを!

 

「ええ、この子を悪魔に転生するわ」

 

「っ! ありがとうございます!」

 

「・・・・・・勘違いしないでね。この子は私の力になる。そう判断したから転生させるの。だから、あなたが借りを感じることはないわ」

 

 お礼を言おうとしたが断れる。俺を気遣ってくれてるのか?

 

 部長は紅いチェスの駒を取り出して悪魔に転生する準備をする。さてと、俺は・・・・・・

 

「ひっく・・・・・・ぐすっ」

 

 隣を見ると、ミッテルトちゃんが泣いていた。どうやら先ほどまでずっと夕麻ちゃんに尻を叩かれていたみたい。

 

 俺の戦闘してる中でも続いたとか・・・・・・何やってんだか。

 

「ええと、大丈夫? アメちゃん、なめる?」

 

「ありがとうっす・・・・・・」

 

 可愛そうだったので、糖分補給のために持ち歩いているアメちゃんをあげると、受け取ってなめる。これで元気が出ると良いな。

 

「ふうっ、こっちは終わったわ」

 

 俺がミッテルトちゃんと話してる間に悪魔の転生儀式が終わったみたいだ

 

アーシアの胸の上のチェスの駒が消えると同時にアーシアの体からナイチンゲールさんが出てきた。

 

『あなたの活躍、見事でしたよ。さすが、仮面ライダーゴースト、これからの活躍、期待しています』

 

 ナイチンゲールさんはドライバーに吸い込まれて眼魂になる。

 

「ナイチンゲールさん、お疲れ様です」

 

「う・・・・・・うーん・・・・・・」

 

 俺はナイチンゲール眼魂に頭を下げてお礼を言うと、ちょうど、アーシアが目を覚ました。

 

 眼魂を仕舞ってアーシアを抱き起こす。

 

「イッセーさん?」

 

「お帰り。アーシア」

 

「は、はい・・・・・・あの、イッセーさん、いったいどうなってるんですか?」

 

 アーシアは何がどうなってるのか分からないようだ。まあ、そうだよな。

 

「ああ、これは・・・・・・」

 

「二人とも、感動の再会の所悪いけど、今は避難するわよ。どこかの誰かさんのぶっ放したミサイルのせいでこの教会が崩れそうなの」

 

 部長は申し訳なさそうに言う。どこかの誰かさん・・・・・・

 

 みんなクリスを見る。クリスは申し訳なさそうに視線をそらす。

 

「みんな、魔方陣の中に入って」

 

 俺達は部長の創り出した魔方陣の中に入って廃教会から転移した。その直ぐ後、廃教会は崩れ去った。

 

 後に教会から来た二人の戦士が来てみたら拠点になるはずだった教会が無くて途方に暮れるのはまた別の話。

 

 

「あれ? 何か忘れているような・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセー達が去ってから少しした頃、瓦礫の山が崩れて・・・・・・。

 

「ふうっ!」

 

 そこからすすで真っ黒になって髪がアフロになったフリードが出てきた。

 

「いやー、死ぬかと思った。アフロになったら死なないってギャグマンガのオチって本当だったんだなーさて、アジト無くなったし・・・・・・帰ろ」

 

 フリードはきびすを返してすたすたと帰って行く。

 

「ぐえっ!?」

 

「うん? 今、何に踏んだか? まあ、どうでもいいかなー」

 

 途中、何か踏んだように感じたが、気にせず帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 廃教会から離れた場所にトランクケースを持った眼鏡をかけた男性と、白いスーツの男性が立っていた。すると、眼鏡の男性の手にソードロイミュード眼魔眼魂が飛んできた。

 

「感謝しますドーナシークさん、あなたのおかげで良いデータが取ることが出来ました」

 

「しかし、ロイミュードの眼魂が四つも向こうに行ったことは誤算でしたね・・・・・・どうしましょうか」

 

「なら私に力を貸していただけませんか」

 

 眼鏡の男性と白い服の男性が今回の実験の成果について話し合っていると、暗闇から腰にLの文字みたいのようなベルトを着けた銀色の戦士が現れた。ベルトにはDと書かれたメモリみたいなのが刺さっていた。

 

「おやっ、何故あなたがこの町にいるのですか? あなたの担当は風都ですよね。ディストピア」

 

「ええ・・・・・・しかし、私にある目的がありまして、それには貴方達眼魔の技術があれば確実に成功するので、是非とも力を借りたい。それに貴方達にとっても悪い話しではありません。成功したあかつきには怪人眼魔の素材を提供いたします。手始めにまずコレを」

 

 ディストピアと呼ばれた仮面の戦士はどこからか杖と帽子を取り出して眼鏡の男性に渡す。

 

「これは・・・・・・?」

 

「これは風都を恐怖に陥れたドーパントの遺留品です。コレでドーパント眼魔を誕生させて見てください。面白くなりそうですよ」

 

 ディストピアは楽しそうに笑う。彼がもたらした物が呼ぶのは希望か絶望か・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京某所

 

 満月で照らされた夜、牛の頭に身体が人間の異形の存在、ミノタウロスが走っている。時折、後ろを振り返る。

 

 何かに追いかけられて怯えているようだ。

 

 何度か後ろを振り返り、誰もいないことを確認してミノタウロスは安心したのか胸をなで下ろす。

 

 

 だが、彼に絶望が訪れる。

 

 カツン・・・・・・カツン・・・・・・と何かが近づいてきた。

 

「っ!」

 

 ミノタウロスはその足音に怯え出す。ミノタウロスの身体にノイズが走り出す。

 

 月に照らされてそれは姿を現した。

 

 それは腰にマゼンダと蛍光グリーンのカラーリングのベルトが巻き付いていて、ゲーム機のようにカセットを入れるスロットがある。そのうちの一つには紫のゲームカセットが刺さっていた。

 

 黒を基調としたトゲトゲした髪のような頭部、さらに顔には大きなゴーグルを付けていた。ボディも黒と紫、さらに胸にはライフゲージのようなものがある。腕には紫のパッド型のゲーム機みたいな物を装備している。それにも白いカセットが刺さっている。

 

 ベルトを着けたそれはまるで仮面ライダーであった。

 

「何なんだよ! お前は一体何者なんだ! 何が目的だ!」

 

「・・・・・・」

 

『ガッシューン!』

 

『ガシャット! キメワザ!』

 

 ミノタウロスは怯えて叫ぶが黒い仮面ライダーは何も答えない。ベルトから紫のゲームカセットを取り出して腰についているホルダーにセットしてボタンを押す。

 

『MIGHTY CRITICAL STRIKE!!』

 

 右脚にエネルギーが溜まり、黒い仮面ライダーは飛び上がり、蹴りをミノタウロスに向けて放つ。

 

「ぐああああっ!」

 

 跳び蹴りを喰らったミノタウロスは爆発して肉片となる。

 

『会心の一発!』

 

 ミノタウロスが爆発した後、オレンジ色のデータのようなものが出てきて、それを黒い仮面ライダーの腕のパッドの機械で回収してそれを眺める。白いカセットも紫の光を放つ。

 

「ふふふふふっ・・・・・・」

 

 黒い仮面ライダーは嬉しそうに笑っている。そんな仮面ライダーをビルの上から見下ろしている青年が居た。

 

「ったく、ゲンムの奴。無茶して『レーザー』と『ワッフル』それにミオに怒られても知らないぞ・・・・・・早くお前とゲームがしたいぜ。なあ、イッセー」

 

 青年はそう言い残すと、身体をオレンジ色のデータにしてその場から消えた。

 

 果たして、この黒い仮面ライダーと青年は何者なのか・・・・・・

 

 

 See you Next game




やっと更新できました!

仕事が忙しかったり、他の小説を書いたりしていてなかなか更新できませんでした。

三月の三日にシンフォギアライブに行くのですが、初めてのライブで色々不安です・・・・・・

次回予告です



『ヴラド・スカーレットが使者、鬼崎 陽太郎、ただいま参上しました』

『あなたを連行します』

『お願いします陽太郎君』

『司令、現場には何も異常はありません』

『転生者、瓢箪天性だな・・・・・・その魂、狩らせて貰う』

『何で人間が眼魔を!』

『電王・・・・・・?』

『いや、違う。僕は・・・・・・』


『仮面ライダー隷汽、鬼崎 陽太郎……渾沌の夢に沈もう……』

次回『渾沌と狂宴をもたらす煉獄の覇者』

『ヴェハハハハハッ! これで邪魔する奴は居なくなった! すべて私の計画通り!』

『英雄と絆をつなぐ戦士よ! 君は九人の歌の女神、それに九人の海の女神も攻略できるかなぁっ!』



次回は悪維持さんとのコラボ編です。

次回は何時更新できるか分かりません


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第十二話「渾沌と狂宴をもたらす煉獄の覇者」

どうもみなさんお久しぶりです米田です。

今回は悪意持参の煉獄の義姉弟とのコラボストーリーです。陽太郎らしさを出せてるかかなり不安です

では、最新話、どうぞ


「だから! 仕事の量減らせっていってんだろ! この禿神!」

 

 真っ白の宮殿にて一人の女性が叫ぶ。その女性の前にはつるっ禿の神と呼ばれたおっさんがいた。

 

「貴様! 主神にそんな口の利き方をするのか!? 敬う気持ちはないのか!?」

 

「ねえよ! あんたのせいで私達がどんだけ迷惑被ってると思ってるのよ! あんたがありえない量の仕事やあんたのミスを押し付けられたせいで何人もぶっ倒れてるんだよ! 私達を過労死させるつもりか!」

 

女性、いや女神の背後には禿げ神に抗議する同僚の姿が……

 

女神や同僚達は目の下にクマを作っていた。どうやら何日も寝ていないそうだ。

 

「貴様ら……!」

 

「そこまでです」

 

禿げ神は顔を真っ赤にして女神に掴み掛かろうとしたその時、宮殿の扉が開いて、白いワイシャツの上にボタンをかけていない学ランを着て、黒いズボンを履いている青年が眼魔コマンドを引き連れてやってきた。

 

「き、貴様は・・・・・・!」

 

 青年の姿を見て禿神は怯えていた。青年の名は鬼崎陽太郎。ヴラド・スカーレットの部下であり転生した世界で問題を起こした転生者を処刑する転生者ハンターとして有名である。

 

「ヴラド・スカーレット様の使者、鬼崎陽太郎。ただいま参上しました」

 

「何故、お前がここにいる!」

 

「ここにいるあなたの部下の方々があなたの行ってきた不正や違法行為について告発してきたので、あなたを連行しに来ました」

 

「ぐっ・・・・・・」

 

 禿神は自分の部下を睨むが、部下達はそっぽを向いて無視する。

 

「あなたを転生法違反、並びに労働基準法違反の罪で連行します」

 

「し、知らん! ワシは知らん! それは部下の・・・・・・」

 

「良い訳は後ほど聞きます。連れて行きなさい」

 

 陽太郎は聞く耳を持たずに眼魔コマンド達に禿神を連れていかせる。そんな彼に女神は近づく。

 

「陽太郎君、お疲れ様です」

 

「いえ、コレも仕事ですから・・・・・・すいません、この許可書に許可のサインをください」

 

 陽太郎は一枚の紙を女神に渡して、女神はそれを眼に通して一通り確認する。

 

「ああ、瓢箪天性の処刑許可書だね。良いよ許可する。というか、お願いするね。そいつはあの禿神のミスで死んで私が管理していたハイスクールD×Dの世界に禿神が転生させた存在だから。赤龍帝の籠手が欲しいって無茶なお願いしたせいでこの世界はハイスクールD×Dの世界と仮面ライダー、シンフォギアとさらに二つの世界・・・・・・まあ、その二つの世界は世界観は一緒だけど世代が違うんだよね・・・・・・」

 

「成る程・・・・・・」

 

「あの神はさらにミスして女の子を一人殺してしまってこの世界に転生させてしまったの。そのこはハイスクールD×Dの事は知らなくて、ただ特撮が好きな普通の女の子だったんだけどね・・・・・・めっちゃ良い子なのよ」

 

「その子の事はかなり詳しそうですね」

 

「ああ、たまに特撮のことについて熱く語り合ってるのよ。彼女、かなりの特オタでね。彼女の特典も仮面ライダー関係だったしね。彼女は幼少期にイッセー君と面識あるしね」

 

「そうなんですか・・・・・・しかし、この世界には二人も転生者がいるんですね」

 

 陽太郎は女神から資料を受け取って拝見している。

 

「いや正確に言うと、二人と一頭だよ」

 

「一頭?」

 

「うん。彼はこの世界が生まれた被害者の一人だね。『あいつら』がこの世界で復活して彼の世界の主人公は無くなってしまったからね」

 

「・・・・・・他の世界を侵略したのですね『あいつら』は」

 

「そうだよ。それで何故かこの世界に転生していた・・・・・・」

 

「そういうことだね・・・・・・さてと、これで準備完了。このチケットを使えばゴーストイッセーがいる世界にいけるよ」

 

 陽太郎と話しをしながら書類作業を終えた女神は一枚のチケットを陽太郎に渡す。

 

「ありがとうございます」

 

「言っておくけど、瓢箪天性以外は処刑することは今回は認めないからね。リアス・グレモリー達も転生者に洗脳されたわけではないから」

 

「分かりました・・・・・・ただ、その世界の兵藤一誠と戦ってもいいですか? 彼の力量を量りたいので」

 

「・・・・・・やり過ぎないのなら」

 

「分かりました。では、失礼しました」

 

 兵藤一誠と戦う事の許可を貰った陽太郎は微笑んで女神に礼をして宮殿を後にする。

 

 そして、幽霊電車に乗り込みゴーストイッセーがいる世界を目指す。

 

 

 

 それから数分後、駒王山に幽霊電車が到着して、陽太郎は部下である刀眼魔、青竜刀眼魔、斧眼魔、ガトリング眼魔を引き連れて降りてきた。

 

「さあ・・・・・・狩りの時間だ」

 

 陽太郎は笑いながら獲物がいる場所に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「弦十郎さん、今、現場に到着しましたが特に異常はありません」

 

 陽太郎が駒王山について数分後、イッセーと翼、奏とマリア、クリスの五人が二課からの司令で高麗雄宇山にやってきたが、何も異常を見つけられなかった。

 

『そうか・・・・・・念のためもう少し調査してくれ』

 

「分かりました」

 

 弦十郎の指示でイッセー達はもうしばらく調査することにした。

 

「そういえば・・・・・・立花達の姿が見えないが」

 

「あー響と切歌と調が宿題終わっていないから未来とセレナがサボらないか監視してるんだ」

 

「そ。そうか……」

 

響達がいないことを気にした翼はイッセーから事情を聞いて何とも言えない顔をする。

 

「調査が終わったら差し入れを持って様子を見に行こうか」

 

「おっ、良いねえ。じゃあ、帰りも後ろ乗せてくれよイッセー」

 

「か、奏姉⁉︎」

 

すると、奏がイッセーの左腕に抱きついてイッセーのは真っ赤になる。

 

「ちょっと……何してるのよ奏⁉︎」

 

「くっ付き過ぎだぞ!」

 

「別に良いだろ。アタシとイッセーの仲だし」

 

イッセーに抱きついてきた奏にマリアとクリスは抗議する。奏は特に気にしてはいない。

 

「たまには後ろを譲りなさい!」

 

「お前ばっか相乗りしてんなよ!」

 

二人ともイッセーの後ろに乗りたいようだ。イッセーは気がついてないようだが。

 

「くっ……馬があることで遅れを取るとは……」

 

翼も悔しがるが、意味がわからない。

 

 

『みんな! すぐにポイントAー3の廃工場に急行してくれ!』

 

「どうしたんですか、弦十郎さん?」

 

『リアス君たちが眼魔に襲われている! 何者かが眼魔を使役してれようだ!』

 

「っ! 分かりました! 至急、向かいます!」

 

弦十郎からの連絡を受けて廃工場に向かうイッセー達。

 

 

 

「ここにはぐれ悪魔がいるらしいわ」

 

イッセー達が連絡を受ける前、悪魔の仕事で廃工場を住処にしているはぐれ悪魔を討伐しにリアス達がやって来た。

 

「では、私達が戦うのでアーシアちゃんと瓢箪君は下がって見ていてください」

 

「は、はい!」

 

「うぃっす……」

 

 朱乃の指示にアーシアは素直に、瓢箪は不服そうにしている。

 

 廃工場内を進んでいると、何かがこちらに向かっているのを感じた。

 

「っ! 止まりなさい!」

 

「た、助けてくれ!」

 

 リアスは朱乃達に止まるように指示する。そして彼女たちの前に人型のはぐれ悪魔が現れた。はぐれ悪魔は何かに怯えてるようだ。

 

「ぎゃあっ!?」

 

 だが、はぐれ悪魔は頭を打ち抜かれて塵となって消滅した。

 

「な、何なの一体・・・・・・」

 

 突然の出来事に何がどうなっているか理解できなかった。誰がはぐれ悪魔を倒したのだろうか。

 

 すると、コツン・・・・・・コツンと誰かが歩いてくる音が聞こえた。

 

 そして、暗闇から竜の頭のような物がついた杖を持った青年が現れた。

 

 リアスは一人前に出て青年と向かい合う。

 

「私の名前はリアス・グレモリー。魔王サーゼクス・ルシファーの妹であり、この地域を管理している者よ。あなたがあのはぐれ悪魔を倒してくれたの?」

 

「ええ、そうです。仕事でここに来たらたまたま遭遇したので」

 

「そう、なら、お礼を言わせてくれる?」

 

「いえ、あくまで仕事なので・・・・・・それにここにいたおかげでターゲットを見つけられました」

 

 リアスははぐれ悪魔を倒した青年を警戒していると、青年はにこやかにしながら話した。そして、杖をある人物に向ける。

 

「転生者、瓢箪天性、君を狩らせて貰う」

 

どこからか、刀眼魔、斧眼魔、青龍刀眼魔、ガトリング眼魔、眼魔コマンドが現れる。

 

「なっ⁉︎ が、眼魔!?」

 

「瓢箪天性は俺がやる。お前たちはリアス・グレモリー達の足止めをしろ」

 

『はっ!』

 

陽太郎の指示で眼魔コマンド達はリアス達に群がり、瓢箪は陽太郎に顔を掴まれてリアス達と引き剝がさせられた。

 

「朱乃! 私と祐斗が時間を稼ぐから二課に応援を要請して! 祐斗は私と眼魔の相手を、白音はアーシアを守りなさい!」

 

「はい!」

 

リアスの指示のもと、朱乃は二課に通信を入れて祐斗は魔剣で眼魔コマンドを切り裂くが、コアを破壊できないので肉体が再生してしまう。

 

「吹き飛びなさい!」

 

リアスが滅びの魔力を放つと眼魔コマンドはコアごと破壊できるが、数が多すぎる。

 

「えいっ」

 

白音の拳で眼魔コマンド達は吹き飛ぶが、祐斗同様、コアを破壊することは出来ない。

 

「がっ! ぐあっ!」

 

「ほらほら! どうしたんだい? オリ主の力ってこんなものか? この程度で最強を自称するなんて笑えるね」

 

瓢箪は陽太郎に腹を思いっきり蹴られて蹲ったところに髪の毛を掴まれて、顔面を殴られたり、膝蹴りを食らっている。

 

「はあ……つまらない。つまらなさすぎる! こんなにも手応えがないなんて思わなかったよ。これでは武器も使う必要ないね」

 

「舐めるなぁぁぁっ!」

 

キレた瓢箪が赤龍帝の籠手を出現させて突っ込んでくるが、陽太郎はそれを避けて、首に手刀を叩き込む。

 

瓢箪は悲鳴も上げることができずに倒れこんだ。

 

「なんだこの程度……か、はぁ~ がっかりだ、がっかりだよ!誰か僕の心を満たしてくれる人は居ないのかな!?」

 

 陽太郎は倒れ込んでいる背中を何度も何度も踏みつける。満たされぬいらだちをぶつけるかのように。

 

「あー・・・・・・もういいや」

 

 そう言って地面に転がる瓢箪を蹴飛ばして瓦礫の山まで飛ばす。

 

「もうお前に用はない。消えろ」

 

 陽太郎は杖を瓦礫の山に向けてトリガーを引こうとした。

 

「ライダー・・・・・・ブレイク!」

 

 トリガーを引こうとしたその時、廃工場の壁をゴーストライカーで突き破って仮面ライダーゴーストが現れた。

 

「はあっ!」

 

「うおりゃっ!」

 

「喰らいやがれ!」

 

「はああっ!」

 

『STAR DUST ∞ FOTON』

 

『千ノ落涙』

 

『QUEEN's INFEAND』

 

『INFINITE † CRIME』

 

 さらに突き破られた壁から無数の槍、無数の刀。そして大量のエネルギーの弓矢と大量の短剣が眼魔コマンド達を貫いていく。

 

 それはシンフォギアを纏った奏、翼、クリスにマリアだった。

 

「イッセー! それに奏さんに翼さん、クリスにマリアさん!」

 

「遅れてごめんみんな! ・・・・・・で、あなたが姫島先輩が言っていた眼魔を操っている人間か・・・・・・何で人間が眼魔を?」

 

 ゴーストは陽太郎と対峙する。

 

「やっと来たか・・・・・・兵藤一誠。いや・・・・・・仮面ライダーゴースト」

 

「俺の事を知っているのか?」

 

「ああ・・・・・・君と一度戦ってみたかったんだ。さて、装者のみなさんにはこいつらの相手をして貰おうか」

 

 陽太郎が片手をあげると、青竜刀眼魔と刀眼魔、ガトリング眼魔、斧眼魔が現れた。

 

『数はちょうど四対四・・・・・・』

 

「良いぜ、相手になってやる」

 

 奏達は眼魔達と共に工場を飛び出していき、残ったのは陽太郎とゴーストとグレモリー眷属の面々だ。

 

「さあ、始めようか」

 

 そして、陽太郎は懐からベルトとパスのような物を取り出して、ベルトを腰に装着する。

 

 イッセーにはそのベルトに見覚えがあった。

 

 陽太郎はベルトについている一番目のボタンを押す。すると、ベルトからはおどろおどろしいメロディーが流れて、右手にパスをイッセーに見せつけるかのように持ち、横にのばし、手首を返す。そして、パスをベルトにかざした。

 

「変、身・・・・・・」

 

『PHANTOM FROM』

 

 音声と共に陽太郎の姿は銀色の姿になり、青黒い炎が次々と身体にまとわりつき、ディープブルーの鎧となり、左腕には連結器と海賊のかぎ爪をもした籠手が装着されていて、白いマフラーを首に巻いて頭蓋骨のようなものが眼前まで移動して、形状を整えて仮面となる。

 

「電王・・・・・・?」

 

「いや、違う。僕は・・・・・・」

 

 イッセーはその仮面ライダーに見覚えがあった。あの夢に出てきた電王という仮面ライダーと似ていた。だが、微妙に違う。

 

 

「仮面ライダー隷汽、鬼崎 陽太郎……渾沌の夢に沈もう……』

 

 陽太郎、いや、仮面ライダー隷汽は名乗ると、杖を構える。

 

 

 

 

 

 

 

『戦闘用BGM 君ト云ウ音奏デ尽キルマデ』

 

『STAR DUST ∞ FOTON』

 

 奏が投げた無数の槍が青竜刀眼魔に襲いかかるが、青竜刀眼魔は青竜刀を回転させて槍を弾いていく。

 

 そして、槍と青竜刀のぶつかり合いが起きる。

 

『どうした! 装者の力とはこんな物か!』

 

「なら、これはどうだ!」

 

『LAST∞METEOR』

 

 槍を頭上でドリルのように旋回させて振り下ろすと、 巨大な竜巻が暴れ狂い青竜刀眼魔を空中に吹き飛ばす。

 

『ぬおおおおおっ!』

 

「これで終わりだ!」

 

 奏は槍を力一杯に投げて、青竜刀眼魔は槍に貫かれて爆発した。

 

「やったぜ!」

 

 

 

 

 

 

「風鳴翼! 推して参る!」

 

『こい!」

 

『戦闘用BGM月煌ノ剣』

 

 眼にも止まらない速さで刀を振るう翼だが、刀眼魔は刀の動きを目で追って防ぐ。

 

 翼と刀眼魔の刀がぶつかり合い、火花が散る。

 

「せいっ!」

 

「ぐっ!」

 

 最初は互角であったが、速さは翼の方が上でどんどん刀眼魔は推されていく。

 

『なら、秘技で!』

 

 刀眼魔は後ろに飛んで背中に燕の翼をはやして、空に飛んだ。

 

「秘技か・・・・・・なら、こちらも奥義で応えよう!」

 

 翼はもう一本刀を創り出して柄をつなぎ合わせて双刃刀に変形させて炎を纏わせる。

 

『秘剣燕返し!』

 

『風輪火斬』

 

 刀眼魔は翼に向かって飛び、翼も高速移動で近づきながら剣を振り回して炎の円を作り、すれ違いざまにお互い斬撃を繰り出す。

 

 そして、二人とも着地して・・・・・・

 

『ぐっ・・・・・・見事だ』

 

 刀眼魔が膝をついて倒れて爆発した。

 

「あなたの剣も見事だった・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『戦闘用BGM TRUST HEART』

 

『BILLION MAIDEN』

 

「喰らいやがれ!」

 

『ぬおおおおっ!』

 

 クリスは両腕の計四問のガトリングが超連射で銃弾を放ち、ガトリング眼魔も両腕のガトリングで応戦するが数が・・・・・・

 

「持ってけダブルだ!」

 

 さらにクリスはミサイルを二発発射した。

 

『ちょっ、そんなのあり・・・・・・ぎゃああっ!』

 

 ガトリング眼魔はミサイルと銃弾のアメを浴びて爆発した・・・・・・合掌。

 

 

 

 

『戦闘用BGM Stand up! Ready!』

 

『INFINITE † CRIME』

 

 マリアは歌いながら大量の短剣を斧眼魔に向けて投げるが、バリアで防がれてしまう。

 

『ふはははははっ! 無駄だ! 俺に貴様の攻撃など当たらん!』

 

 攻撃が当たらないことで安心しているのか余裕そうな斧眼魔は高笑いする。

 

 マリアは攻撃が当たらなくても攻撃を続ける。

 

『おのれ・・・・・・まだ分からんのか・・・・・・俺の攻撃を喰らえ!』

 

 斧眼魔はバリアーの中から斧を大量に投げる。マリアはそれを走って避ける。

 

『ふははははっ! 避けることしかできんのか!』

 

 大量の斧を投げながら斧眼魔は自分の勝利を確信した。

 

「はあっ!」

 

『がっ!』

 

 マリアは斧を投げた瞬間に出来た隙間に短剣を投げて、その短剣が斧眼魔に突き刺さる。

 

「悪いわね。あなたのその技、もう見切ってるの」

 

 さらにマリアは手で操作して大量の短剣を斧眼魔に突き刺して、斧眼魔は爆発した

 

「ふうっ・・・・・・」

 

「そっちは終わったかマリア?」

 

「アタシ達は終わったぞ」

 

「ええ、こっちも終わった所よ」

 

 一息ついていると、マリアの元に眼魔を倒した翼達がやってきた。

 

 マリアは笑顔で翼達を迎える。

 

「さて、イッセーの方に応援でも行くか」

 

「いや、あっちももう終わってるんじゃ・・・・・・」

 

「ぐあああっ!」

 

『オヤスミー』

 

 この後どうするか話し合っていると、工場の壁を突き破り、イッセーが飛んできた。地面に転がり変身が解除されてしまった。

 

「なっ・・・・・・」

 

「何で・・・・・・」

 

 マリア達は驚いた。まだ経験が少ないがそれなり強敵と戦っているイッセーが吹っ飛ばされたのだ。陽太郎は何者なのだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセーが吹っ飛ばされる前・・・・・・

 

「ウィリアム・テルさん!」

 

 廃工場内でゴーストは隷汽と戦っていた。ゴーストは懐から草色の眼魂を取り出して、オレゴースト眼魂と交換してベルトに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

 すると、ベルトからロビンフッドに似たパーカーゴーストが飛び出してきた。ロビンフッドパーカーゴーストと違ってアンテナのような物が二つあり、ベルトのような物が無くて長袖である。

 

『カイガン! ウィリアム・テル!』

 

『射貫く! 打ち抜く! リンゴと悪!』

 

 ゴーストはウィリアム・テルパーカーゴーストを身に纏い、仮面ライダーゴースト ウィリアム・テル魂に変身した。

 

 すると、どこからか草色のカモメ、カモメスピーカーが飛んできて、スピーカーになりガンガンセイバー・ガンモードの銃口に合体してガンガンセイバー・クロスボウモードになる。

 

「はあっ!」

 

「ふんっ!」

 

 ゴーストはボウガンモードのトリガーを引いてボウガンの矢を放つ。だが、隷汽は杖で弾いてしまう。

 

 何度も何度も放つが、結果は同じだ。

 

「ぐっ! ならこれはどうだ!」

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー! ガンガンミナー!』

 

 ガンガンセイバーをベルトにかざしてアイコンタクトして必殺技を放つ

 

『オメガシューティング!』

 

 ボウガンから頭と両腕と両脚を打ち抜くべく矢を放つ。

 

「・・・・・・はっ!」

 

「なっ!」

 

 隷汽は杖を振って無数の竜巻を創り出して、ボウガンの矢を全て弾いてしまいそのままゴーストも弾き飛ばしてしまう。

 

「ぐあっ!」

 

「・・・・・・何だ? 君の力はこんな物か?」

 

 吹き飛ばされたゴーストは地面に転がり、そんなゴーストを軽蔑するように隷汽は眺める。

 

「まだだ・・・・・・マリア姉! セレナ! 力を貸してくれ!」

 

 ゴーストは立ち上がり、アガートラーム眼魂を取り出して、ウィリアム・テル眼魂と交換する。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

 ウィリアム・テルパーカーゴーストが霧散して、ベルトからアガートラームパーカーゴーストが飛び出してくる。

 

『カイガン! アガートラーム! 貫け正義! それが聖剣!』

 

 アガートラームパーカーゴーストを身に纏い、仮面ライダーゴースト アガートラーム魂に変身して左腕の籠手から短剣を取り出して、無数の短剣を操り、駆ける。

 

「うおおおっ!」

 

 無数の短剣が隷汽を襲うが、隷汽は杖で弾いて避けようとしない。それでもゴーストは諦めず、隷汽に瞬時に近づき、左腕の籠手で思いっきり殴る。

 

「・・・・・・どうした? これだけ?」

 

 隷汽は片手で受け止めて握りつぶすように力を込める。

 

「ぐっ・・・・・・! こい!」

 

 ゴーストは右腕で短剣を操作して隷汽に向けて短剣を飛ばす。隷汽は左手を離して後ろに飛んで避ける。

 

「これなら!」

 

『EMPRESS REBELLION!』

 

 今度は隷汽に蛇腹剣を向けて振り下ろす。隷汽は落胆したのかのように肩を落として変身に使ったパスをベルトにかざした。

 

『FULL CHARGE!』

 

 隷汽は杖を長銃状態にしてドラゴンをかたどったエネルギー砲をゴーストに向けて放ち、ゴーストは吹き飛ばされて壁を突き破った。

 

 

 

 

 

「ぐっ・・・・・・!」

 

「まだ、立とうとするのかい? 無駄だよ。君がいくら立ち上がろうと僕には勝てない。諦めなよ」

 

 隷汽の技を受けて変身解除されたイッセーは立ち上がろうとするが、立ち上がることが出来ない。

 

 そんなイッセーに一歩一歩近づく隷汽。

 

「まだだ・・・・・・俺はみんなを守るんだ・・・・・・」

 

「みんなを守る・・・・・・ね。こんな弱いのによくそんなことが言えるね」

 

 隷汽はそう言ってイッセーの背中を踏みつける。

 

「ぐあっ!」

 

「てめえっ! その脚をどけろ!」

 

 イッセーの背中を踏みつけている隷汽に向けて銃を向けて発砲するが、隷汽は片手でそれを弾く。

 

「なっ・・・・・・」

 

「今、彼と話してるところなんだ。じゃましないでくれるかな」

 

 隷汽は指を鳴らすと大量の眼魔コマンドが現れてクリス達装者と吹っ飛ばされたイッセーを追ってきたリアス達を囲む。

 

「っ! 邪魔よ!」

 

「イッセー!」

 

 イッセーに近づこうにも眼魔コマンドを何度倒してもそのたびにまた眼魔コマンドが現れる。

 

「あの屑に比べたら君は確かに強いけど、歴戦の仮面ライダー達に比べたらまだまだ。僕の知る仮面ライダーゴーストの方が偉人の力を使いこなしてた。僕の知る仮面ライダーはシンフォギアの力を使いこなしていた。君が身に纏ってる力は何だ? 見かけだけの張りぼてなのか? 君には期待していたんだけどな・・・・・・」

 

 隷汽はイッセーを蹴って仰向けにして背を向ける。

 

「さっさと仮面ライダーの力を捨てて普通の生活に戻りな。今の君はいずれ来るであろう戦いできっと足手まといになる」

 

「・・・・・・待て」

 

 去ろうとする隷汽をイッセーは引き留め立とうとする。

 

「まだ諦めないのかい? 君と俺の力の差は歴然だよ。諦めなよ」

 

「確かに俺は弱い・・・・・・そんなのは分かる。だけど、俺は諦めない! どんな困難にもあらがい命を燃やし続けた歴戦の英雄達の様に俺もこの命が燃え尽きるその時まで立ってみせる!」

 

 イッセーは身体が震えながらも立ち上がる。

 

「強がりを。今にも倒れてしまいそうなのに・・・・・・呆れたよ。何故そこまで立とうとする」

 

「強がって悪いか・・・・・・惚れた人達の前で無様な姿を見せたくないのが男ってもんだろ」

 

 ちらりと奏とマリア、翼とクリスを見てオレンジの眼魂を取り出してベルトに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

 ベルトからガングニールに似たガングニールパーカーゴーストが出現して、イッセーの周りを踊るように飛び、イッセーは印を結ぶような動きをしてベルトのトリガーを押し込む。

 

『カイガン! ガングニール! 君と私、繋ぐ拳!』

 

 ゴーストはガングニールパーカーゴーストを纏い、仮面ライダーゴーストガングニール魂へと変身した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マリアさん、翼さん、奏さん、クリスさんの四名、眼魔コマンドの妨害でイッセー君に近づけません!」

 

「なら、響君達を向かわせろ!」

 

 二課の本部で司令室では職員達が慌てていた。イッセーが今にも隷汽にとどめを刺されそうになっている。

 

「なんなら俺が・・・・・・」

 

「ダメです! 司令に何かあったら二課はどうなるんですか!」

 

「ぐっだが・・・・・・」

 

「っ! 司令! かなりの高いフォニックゲインを確認コレは・・・・・・」

 

 司令である弦十郎は自らが出動してイッセーを助けに行こうとしたが友里に止められてしまう。そして、藤尭がモニターに映るアウフヴァッヘン波形を確認した、そのアウフヴァッヘン波形は・・・・・・

 

「ガングニール・・・・・・だと!?」

 

 

 立花響と天羽奏と似たアウフヴァッヘン波形、ガングニールの物だった。

 

 

 

 

 

「繋ぐぜ、絆!」

 

 ゴーストは拳を構えて隷汽に肉薄する。

 

『戦闘用BGM 私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ 兵藤一誠version』

 

 歌いながらゴーストは何度も殴る隷汽は避け続ける。

 

「この曲……響の?」

 

 隷汽は殴ってきたゴーストの右手を掴み殴ろうとするが、その前にゴーストに蹴り飛ばされてしまう。

 

「なっ!」

 

「ハアアアッ!」

 

 ゴーストに蹴り飛ばされるとは思わなかった隷汽は一瞬、戸惑い、ゴーストは隷汽を殴ろうと右手を突き出したが、隷汽に掴まれて瓦礫の山に投げられてしまい、砂埃で何も見えなくなる。

 

「少しはやるようになったじゃないか。それでも僕には……っ!」

 

 砂埃の中から大きな槍が飛び出してきて隷汽は、咄嗟に右手で槍を掴んで後ろに何歩か後ずさるが、何とか止まる。

 

「流石にこれは驚いたよ。だけどこの程度で僕は……」

 

「ウオオオオッ!」

 

『ダイカイガン! ガングニール! オメガドライブ!!』

 

 砂埃の中からゴーストが飛び出してきて、ベルトのトリガーを引いてオレンジの紋章を通り、右手の籠手のジェネレーターを高速回転させてブースターを点火して槍の石突を殴りブースターのパワーで突き進む。

 

『我流 激槍突破!』

 

「ぐううううっ!」

 

 隷汽は両手で止めようとしたが、止められず、そのまま押し切られて壁まで押し切られて壁にぶつかりやっと止まった。

 

「はあ……はあ……これなら……」

 

 ゴーストは肩で息しながら何とか立っていた。自分に残された力全てをぶつけたこの一撃なら……

 

 だが、その希望はあっさりと砕けた。

 

「……両手で受け止めきれなかったのは流石に予想外だったよ。そんなボロボロの状態で良くやったと思うよ」

 

「嘘だろ・・・・・・」

 

「今度はこっちの番だよ」

 

 隷汽は無傷で立っていた。その事実にゴーストは絶望に打ちひしがれる。そして、隷汽は槍を捨てベルトにパスをかざす。

 

『FULL CHARGE!』

 

「くそっ!」

 

『ダイカイガン! ガングニール! オメガドライブ!

 

 隷汽の左腕の白い籠手は青黒い炎を纏い、ゴーストに近づき拳を振るう。対してゴーストも右手にオレンジのオーラを纏い、迎え撃とうと拳を振るう。

 

 だが、ゴーストの拳は空を切り、隷汽の拳がゴーストの腹に入り、ゴーストは吹っ飛び、地面に何度もバウンドする。

 

『オヤスミー』

 

「がっ!」

 

 ゴーストのベルトから眼魂が飛び出て、イッセーの姿に戻り、イッセーは気を失ってしまった。

 

「イッセー!」

 

 イッセーが気絶したと同時に眼魔コマンドが消えて、マリア達はイッセーに駆け寄ろうとした。

 

 だが、彼女たちより先にイッセーに近づく奴が居た。

 

「ははははっ! チャーンス! 消えろ絞りかす!」

 

 瓦礫の山から飛び出した瓢箪が魔力を溜めながらイッセーを殺そうと襲いかかる。

 

「消えるのは君だよ」

 

 だが、襲いかかる前にイッセーとの間に割って入った隷汽が回し蹴りで瓢箪を蹴り飛ばし、瓢箪は瓦礫の山に舞い戻った。

 

「イッセー、大丈夫!?」

 

「アーシア! すぐに治療して!」

 

「はい!」

 

 そして、マリア達が駆け寄ってきて、瓢箪のことなど無視して、イッセーの治療を始める。

 

 そんな彼女たちに対して隷汽は頭を下げた。

 

「すまない。やりすぎた。少し、力量を量るだけのつもりだったんだけど・・・・・・」

 

「・・・・・・あなたの目的は何なの? 何でイッセーの力量を量ろうとしたの?」

 

 怒りをこらえながらマリアは隷汽に質問する。どうして彼がこんな事をしたのか聞こうとした。

 

「彼には強くなって貰わないといけないんですよ。あいつらとあの組織と戦うためには強くならないといけないからね・・・・・・コレを彼に」

 

 隷汽は懐からブランクゴースト眼魂に自分の力を込めて隷汽ゴースト眼魂を創り出してそれをマリアに渡して背を向ける。

 

「そうだ。彼に伝言を頼むよ。次に会うときにはもっと強くなっていてくれよと」

 

 隷汽はそう言い残して幽霊電車を出現させて乗り込み、廃工場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を覚ました俺はメディカルルームから抜け出して司令室に向かった。

 

「イッセー君、もう大丈夫なのかい」

 

「はい、アーシアとメディックさん、ナイチンゲールさんのおかげで怪我も治りました」

 

 司令室に入ると弦十郎さんが傷について心配してくれる。さらにマリア姉達や駆けつけた響達も駆け寄ってくる。

 

「イッセー! もう無茶しすぎだよ!」

 

「心配したデスよ!」

 

「・・・・・・無茶しちゃダメ」

 

 響達にもみくちゃにされる・・・・・・って、誰か、今、尻に触らなかったか!?

 

「ところで仮面ライダー隷汽はどうなったんですか?」

 

「ああ、彼は幽霊電車と云えばいいか。奇妙な乗り物を乗った後消息がつかめていない」

 

「そうですか・・・・・・」

 

「彼についてはもう少し調査するつもりだから、何か分かるまで待っててくれ」

 

 弦十郎さんは申し訳なさそうに頭を下げる。いや、さっきのことだし、事後処理とかで忙しかっただろうし気絶してた俺はとやかく言えないな。

 

「分かりました・・・・・・あの、弦十郎さんに頼みたいことがあります」

 

「ん? 何だ?」

 

「俺を、鍛えてください」

 

 俺は弦十郎さんに頭を下げて頼む。

 

「それは・・・・・・どうしてだい?」

 

「弦十郎さんは戦ったことがない響を戦えるように鍛えた師匠と聞いています。今日の戦いで俺はまだまだ未熟だと云うことを痛感しました。眼魔も何時強い敵が現れるか分かりません。それに、今度あの仮面ライダーと戦う事になったら次こそ勝って話を聞きたいんです。あの人・・・・・・悪い人じゃない。そんな気がするので」

 

「・・・・・・君の思いは分かった。だが、修行はかなり厳しいものになる。それでも、いいのか?」

 

 弦十郎さんは腕を組み、いったん目を閉じて考えて俺に聞いてくる。厳しい? 上等だ。

 

「はい、お願いします! 強くなるためならどんな厳しい修行でも耐えてみせます! だから、お願いします!」

 

「分かった! ならまずは映画を見るぞ!」

 

「はい! ・・・・・・・・・えっ?」

 

 なお、イッセーは後に別の異世界からやってきたある人物に負けることになるが、それは別の話・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりやり過ぎだよ陽太郎君・・・・・・」

 

 神殿で仕事をしていた女神はイッセーの世界の様子を映しているテレビを見ていた。

 

 予想通りの結果にため息をついてしまう。

 

「・・・・・・経験の差があるから仕方ないけどさ。まあ、今回のことでイッセーも危機感を覚えて前に進めるだろうし・・・・・・それより」

 

 女神は自分の座ってた席を立って椅子を撫でながらにやりと嫌らしく笑った。

 

「フフフフフフッ、ヴェアッハハハハハハハ! あの禿駄神を失脚させ、この神殿の実権を握るそれこそが私の真の目的ィッ! まあ、あの禿駄神が私の趣味の観賞用のハイスクールD×Dの世界に自分のミスで死なせて転生者を送り込んだことは予想外だったが・・・・・・しかも二度も。だが、それも些細な物。全ては私の計画通り!」

 

 そして、机の上にある十八人分の資料を手にとってみる。

 

「さあ、奏者に好かれ、英雄と絆を築く者よ・・・・・君は・九人の歌の女神と九人の海の女神を攻略することが出来るかなあっ・・・・・・ヴェハハハハハッ!」

 

 狂ったように女神は笑い続ける。しばらく笑い続けると、疲れたのか真顔に戻って落ち着いた。

 

「さあて、檀黎斗神ごっこはもう終わりだ。仕事を早く終わらせないと・・・・・・今日は宴会だから」

 

 女神は椅子に座り直して書類を片付けていく。そして、ある書類を見つけて手を止める。

 

「ふふふっ・・・・・・新しいガシャット。新しいライダー、期待してるよミオちゃん」

 

 女神は微笑み仕事を再開する。

 

 その紙にはこう書かれていた。

 

『NEW GASHAT   NEW RIDER』

 

『SPIRITUAL TALOT  仮面ライダー??????』

 

『LOVELOVE LIVE  仮面ライダー??』

 

『KIRAKIRA SWEETS 仮面ライダー????』

 

『HUWAHUWA FARM  仮面ライダー???』

 

『SURVIVAL RUNNER  仮面ライダー????』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 冥界のある施設。ここは問題を起こした悪魔を更生する施設。

 

「ぎやああああああっ!」

 

「「「「「「「「「「にょっにょっにょっにょっにょっにょっにょっにょっ!」」」」」」」」」」

 

 そこでは瓢箪が無数の猫耳を付けた筋肉ムッキムッキの魔法少女の格好をした男から追いかけられていた。

 

「何で冥界にこんなミルたんが居るんだよーーーーーーー! ・・・・・・ギャアアアアアアアアアアアッ!」

 

 瓢箪の悲鳴が冥界で木霊する。




「この施設に入ってから魔法力を得て心身ともに強くなったにょ。この前、変な壁に囲まれた異世界に行って、農家の人達を襲ってる何チャラブロスっていうギアの化け物を倒したにょっ! これはその時の戦利品にょッ! 君もこの施設に入って魔法少女になろう!」

紫の銃とボトルのような者を見せるミルたんであった。

悪魔更生施設『ミルたん地獄』なお、地獄と書いてヘブンとよむ。

どんな不良悪魔も更生させる事が出来る施設。なお、見た目と性格が変わっても当施設は一切責任は取りません



最新話、如何だったでしょうか?

敗北したイッセー、この敗北はきっとイッセーにとって良い経験になると思います。

最近、FGOやシンフォギアXDやっていて更新が遅れました。FGOでジャンヌとアキレウスと槍玉藻きたので育成大変で・・・・・・

あと、シンフォギアライブメチャクチャ楽しかったです。次回も行きたいですね

次回予告です。

夕麻「きゃあああっ!」

??「イッセー君、くれぐれも翼のことを頼んだぞ」

???「もう、お父さん、つーちゃんのこと心配しすぎよ」

アーシア「イッセーさん、大変です!」

ある部屋をみて慌てるアーシア

イッセー「あー、これいつものことだから」

調「イッセー、あーん・・・・・・」

マリア「こっちもおいしいわよ」

二人に挟まれるイッセー

切歌「気持ちいいデース!」

ご満悦な切歌

セレナ「マリア姉さーん!」

翼「奏-!」

クリス「せんぱーい!」

次々と倒れる奏者達。

イッセー「いやいや、この姿、どんな需要があるんだよ!」

血で染まる風鳴邸

響「目が全然笑ってない!」

恐怖する響

未来「もっと触ってイッセー・・・・・・」

おねだりする未来。

イッセー「・・・・・・なんてこった」


次回「王様ゲーム」


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