携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 (幕の内)
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第一章:幻想郷での生活
プロローグ


俺の名前は木戸真聡(きどまさとし)

中学生になった頃に不治の病にかかり余命は1年と宣告された

その時は悲しみと死への恐怖に打ちひしがれていたが、後悔はしないよう精一杯生きようと決め、その甲斐もあり今日までで4年生きることが出来た

それは大切な家族と友人に励まされたからここまで生きてこられた

そして自分が大好きなゲーム、「ポケットモンスター」という存在も大きかった

 

 

・・・でもとうとう命が尽きる時が来てしまったらしい

 

傍から見たら短い生涯を終えた不幸な少年と思われるだろう

でも自分は家族や友達に支えられ、宣告された余命よりもずっと長く生きてこれた

幸せを感じることは十分にできた

 

 

でもやりたいことはたくさんあった

後悔しないように生きてきたつもりだったけど、やっぱりそう簡単にはなくならないらしい

もし生まれ変われたら自分はその時は何をしようかな・・・

 

 

そう考えていると次第に意識は無くなっていき、俺の一生は終わりを告げた・・

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

もう一度生きてみたいかい?・・・

 

 

誰なんだ?死んだはずじゃ・・・

 

どうなんだい?・・・

 

 

そりゃ生きたいさ。今度は自由に楽しく・・・

 

 

たとえ世界が違ったとしても?・・・

 

 

かまわないさ。俺にとって生きていられることが幸せなんだから・・・

 

 

それでは君の好きなものの力を宿してあげる・・・

 

 

好きなものの力?・・・

 

言ったらわかるさ。そしていろんな特典もあげよう。でもどうするかは君次第だ   よ・・・

 

 

さあ君はまた生きてみるのかい?

それとももうここで終わりにするのかい?

 

いきなり、得体のしれない謎の声にまた生きてみないかとか好きなものの力とか言われて正直困惑している

不安がないと言ったらうそになる・・・

 

でもだからこそ生きてみたい

自分がこれからどうなるかはわからないけど、それでも俺は・・・

 

ああ、もちろん。やってくれ!!

 

と声を大きくしていった

 

 

じゃあ行ってらっしゃい

 

そして忘れないで

 

自分の命を育てることができるのは自分自身だけであることを・・・

 

 

 

 

 

俺は大きな光に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・そして目を覚ますと

 

「ここは森?」

 

見覚えのない森ときれいな湖があった。

自分の周りを触ってみる

すると自分は赤緑の主人公が来ているような服装をしていた

そして何よりもこれまでの闘病生活を送っていた自分の体とは思えないほど、今の自分は力で満ちていた。そして近くには主人公が持つようなバックがあった。どうやら中身も入っているらしい。

 

「ん?なんか説明書のようなものが入ってる

 ・・・とりあえず読んでみるか。」

 

こうして俺の異世界での生活は幕を上げたのであった

 




今までは読む専門でしたが
一度書いて見たくなってとうとう更新してしまいました
まだ慣れないことも多く不定期ながら頑張って描いていこうと思います


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少年の能力

タイトル通り主人公の説明が中心です


見たことのない森で目覚めた少年、木戸真聡はバッグに入っていた説明書のようなものを手にとり、読み始めようとしたが・・・

 

「あれ?何も書いてない」

 

中は白紙で一文字も文字が書かれていなかった。途方に暮れていると

 

「あの謎の声が言っていた俺の好きなものの力って何だろう」

 

とつぶやいた。すると・・・

    君の好きなものはなんだった?

 

白紙のページにいきなり文字が浮かび上がったのだ

真聡は驚愕したが、すぐにその文字に従い考えてみた。父さん、母さん、それと友人のAとBにC・・・と考えを巡らせていくとやがて自分はポケモンが好きだったことが頭をよぎる。するとページがピカッと光り始めた。このときに真聡は自分がもらった力ってもしかして・・・そう思っていると

 

さあ、イメージしてごらん。その力を持つ存在を

 

と新たな文字が浮かび上がる。そして真聡は頭に浮かぶ自分の好きなポケモンを考え始める。そしてポケモンと言ったらやっぱり・・・

 

「ピカチュウ」

と頭でイメージする。すると自分の体に不思議な力が宿り始めた。外見に変化は特にないが、体の内から強力な電気が全身を駆け巡っているように感じた。

近くに5メートルほどの岩があった。そこに狙いを定めて力を込める。すると体から電撃がバチバチとあふれ出す。そして

 

「ピッカー・・・チュウーーーーーー!」

 

とせっかくだから鳴き声も真似して「10まんボルト」を放つ。放たれた電撃は岩へと向かい直撃する。そして

 

ドッカーン!

 

と大きな爆発をおこし、煙が立ちこもる。しばらく経ち、煙が晴れ始めると岩は跡形もなく破壊され、周りの雑草が黒く焦げ、地面が少し抉れていた

 

その威力には正直驚かされた。現実的に考えたら10万ボルトの電撃が生身の人間に直撃したら確実に死ぬだろう。あれはマサラ人であるサトシだからこそ平気なのだ。そもそもポケモンは図鑑を見ると、伝説じゃないポケモンであってもすさまじい能力を持っているものがたくさんいる。しかしポケモンの世界の人間たちはそんなポケモンたちとモンスターボールの存在しない頃から共存していたことがわかっている。なかにはポケモンたちに混ざり、武装して戦争までしていたほどだ。またナツメやゴジカのように超能力やゲンやアーロンの波導など特殊な力を扱えるものもいる。そう考えればポケモンの世界の人間たちの身体能力は現世の人間より高いのは案外自然なことなのかもしれない。そう考えながら今度は違うポケモンになりたくなり

 

「今度はリザードンだ」

とリザードンをイメージしたが

 

「・・・あれ?」

 

いくらイメージしても先ほどと違ってまるで力が宿ったような気がしない。そう思っているとまたページが光り出し

 

強い力を引き出すには自分自身が強くならなければいけない

自分に過ぎた力はやがて身を滅ぼす

 

と文章が新たに浮かび上がった

 

「つまり今の自分ではリザードンのような最終化形やそれに匹敵する強力なポケモンの力は扱えないということか。ましてや伝説級のポケモンなんて絶対できないだろうな」

 

とつぶやく。そのあと今度はヒトカゲをイメージすると今度は炎の力が宿った。試しに「ひのこ」を放ってみるとちゃんと技が発生した。

でももっと多くのポケモンの力を扱えるようになりたい。そのためにもしっかり修行を積まないといけないなと彼は思った

 

バッグの中を更に見てみると中には木の実や薬などポケモンで出てくるアイテムがたくさんあった。どうやらバッグの入れ口に入る大きさの物ならいくらでも入る超性能らしい。流石ポケモンの世界の科学力である。さらに探るとこんなものがあった

 

「これは・・・もしかしてフーパの・・・」

 

中にはフーパが使うリングに酷似したアイテムがあった。のどが乾いたので試しに水が欲しいと思いリングの中に手を突っ込む。すると中から「おいしいみず」が出てきたのだ。正直タダ飲みしたようで少し後ろめたいが有り難くいただいた。味は今までで飲んだ水の中で一番おいしかった。

 

「うまく使えばいろんなことができるかもな」

 

と思いつつ、ひとまずそれをバッグに戻す

 

気が付けばもう夕方だ。流石に得体のしれない森で夜を迎えるのはまずい。早く人が住む民家か町や村を見つけなければ。そう思い荷物を片付けて立ち上がると、突然木の陰から気配を感じる。刹那、自分でも信じられないほどのスピードで反射的にその場を離れる。するとさっきいた場所に何かがいた。警戒しつつ注意深く見ると長そでの白いブラウスと黒いワンピースと赤いリボンを頭につけた、金髪のショートヘアーの幼い少女がそこにいた

 




フーパのリング・・・今作のオリジナルアイテム。現世とポケモンの世界、幻想郷内なら大抵のものは取りだせる。ただし肉や魚などの食材を除いて人間や妖怪、ポケモンなどの生き物は召還できない。また自分がリングの中に入ることもできない






2話目投稿です。いざ自分が小説を書くとなるとなかなか難しいですが頑張っていく所存です


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人ならざる者との初めての遭遇

記念すべき?この小説の初登場を飾る東方キャラ、ルーミアが出てきます


ザァーザァーと風が吹く音を除いて今少年と謎の少女との間に深い沈黙が支配していた

真聡は注意深く少女を観察する

 

(見た目はあどけなさを持ったかわいらしい少女だな。俺はロリコンなんかじゃないけど正直ここまで可愛い少女は見たことはない。ただ・・)

 

この子の持つ気配は人間のそれとは違う。どこか異質で危険な雰囲気がする。そう思っていると

 

「ねぇ、あなたは人里に住んでいる人間なの?」

 

と少女は聞いてきた。緊張はしたがここは正直に

「俺は人里の場所は知らない。ここがどこで何という場所なのかすらわからないんだ」

と応答して

 

「ふーん」

 

と彼女は言った

 

(とりあえず人里というからには恐らく人間が住んでいるんだろう・・・。ここはひとつ場所の方向だけでも聞いてみるか)

 

と彼は意を決して訪ねてみる

 

「俺はその人里という場所に行きたいんだ。方向だけでいいからは教えてくれないかな?」

 

すると

 

「ここから南東に行けばあるわよ」

 

と方向を指さしながら教えてくれた。本当かどうかはわからないが何も手がかりがなく闇雲に行くよりはマシだ。それに飛行できるポケモンの力で空を飛び上空から見ればわかるはず。尤もまだ試したことがないのだが。とりあえず俺はお礼を言い、その場を立ち去ろうとした。すると

 

「あなたってもしかして外来人なの?」

 

と聞いてきた。外来人とはどういうことかはわからないが

 

「少なくとも俺はここに来たことは今日までない。だから君の言う通り俺は外来人なんだろうな」

 

と答える。

 

「そーなのかー」

 

とどこか間の抜けた受け答えをした。すると突然雰囲気が変わり

 

「じゃあ目の前にいるのは取って食べれる人類なのね」

 

といった直後彼女はとびかかってきた。何とか交わしたが彼女は獲物を狙う獣のように赤い瞳をこちらに向ける。おそらく彼女は人食いなのだろうとこの時悟った

その後彼女から逃げ切るために相手の追跡を交わしながら走っていく。この時俺はあることに気づく。それは自分の身体能力が格段に良くなっていることだ。元気な時でもこんなに動けたことはなかった。そしてある仮説を立てる

 

「俺が目を覚めた時に力が満ちるような感覚はただ単に健康になっただけではないんじゃ・・・」

 

という思考に至った。そして俺はさらに力を込めて全速力で走ってみた。するとすごいスピードで走れた。アニメでサトシが「こうそくいどう」を発動した時のように。そしてその時、自分の身体能力はマサラ人をはじめとしたポケモンの住人クラスにまで強化されたということに気づいたのである。このままいけば逃げ切れるかもと振り向かずに全速力で走った。・・・だがそれがいけなかった。突然後ろが光り出し、振り向くと光弾が俺に迫ってきた。

 

「何だこれ?クソッ」

 

とっさに横にとび直撃は避けれたが爆風で少し吹き飛び、近くに木にぶつかってしまう

痛みをこらえて目を開けると、先ほどの少女が空中に浮いてこちらを見ていた

 

「ねえあなた本当に人間なの?私が飛んで弾幕を打たないと追いつけないだなんて。こんな人間は初めてだわ。・・・まあだからこそますます食べてみたいんだけど」

 

少女は恐ろしげに言う。とてもではないがあの幼い姿からは想像がつかないほどに

真聡は

 

「このままじゃ俺は食われて彼女の胃袋の中で一生を終えることになってしまう。せっかくまた生きることができたのに、こんなにあっさり一生を終わるなんて絶対嫌だ。」

 

こうなるとやることは一つ。それは彼女と戦うことだ。まともにやればいくらマサラ人並の身体能力を手にしても、喧嘩もまともにしたことがない自分じゃ到底勝てない。だが自分には与えられた能力がある。さっき修行して強くなることは決めたばかりではないかと自分に言い聞かせる

 

「どうするの?このままたべちゃってもいいのかしら?」

 

という問いに俺は立ち上がり、そして

 

「俺はこんなところで簡単に食われるような人間ではないよ」

 

と言い真聡はピカチュウをイメージする。そしてバリバリと電気が周りにあふれ出した

 

(正直人生初の戦いがこんな相手だとは思わなかったな)

 

戦闘経験はろくになく負ければ死が待っている状況ではあるが、今まで味わったことのない謎の高揚感に体が支配されていることを感じた。具体的な理由はよくわからない。しかしこれだけはわかった。それは闘病生活の時の自分では絶対に味わえなかった

 

敵と戦うという

今までにできなかったことの一つを今やろうとしている

 

ということである。その高揚感に呼応するようにエネルギーがますます強くなり、彼は生き延びるため、そして強くなるために未知なる敵に戦いを挑むのだった

        




ルーミアは一応二次創作でよく見る「~なのだ~」という口調ではなく、原作を意識した口調にしたつもりですが、いかがだったでしょうか。次は初めてバトル描写を書くので緊張していますが精一杯書こうと思います。
よければご指摘や感想をコメントしていただけると嬉しいです


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VS宵闇の妖怪

初のバトルです


「でんきショック!」

 

とまずは小手調べに電気タイプの基本技である「でんきショック」を少女に放った。しかしそれは簡単に避けられてしまう

 

(やっぱりそうなるか・・・)

 

ゲームでは「でんきショック」の命中率は100%であり、「かげぶんしん」や「すなかけ」などで技の命中率に影響を与えない限りは必ず命中する技だ

しかしこれは実戦であり相手はその場で突っ立ってる筈もなく、攻撃が来れば相手は回避行動に出る。そんなのは生物なら誰しもとる当たり前の行動である。実戦のポケモンバトルとはゲーム本編ではなくアニメの方なのだ。故に交代読みなどゲームの対戦でのテクニックはほとんど役に立たないものが多いだろう。

しかしメリットもある。それは・・・

 

「でんきショック」

 

すかさず躱した方向に同じ技を連続で放つ

そう、実戦ではターン制なんて存在せず技を連発して放つというゲームでやったらバランス崩壊クラスの所業を行えるのだ。そして地形を利用することもできる。ここは湖のほとりでその左側には高い木々が生い茂っている。そうなるととっさの回避には木が邪魔になりむかず、それなら広いスペースが使える右側に避けるのではないかとあらかじめ予想しており、その予想が当たり、少女の回避が少し遅れ、直撃とまではいかないものの放った電撃は彼女の右側に命中した

 

「ウッ」

 

ダメージは与えられたようである。電気で体がすこし痺れているようだ

 

「言ったろ?簡単に食われるような人間ではないよって」

 

と少女に言った。すると

 

「ふふ。人間で能力を持っているのは博麗の巫女以外だとあなたが久しぶりね」

 

というとすかさず赤い光弾をいくつも放つ。さらに青い光弾と緑の光弾をそれぞれ違う軌道でばらまくように放ってきた。ピカチュウの力のおかげなのかスピードが上がっており、最初は驚き、素人臭い慣れない動きながらも何とか躱していく。そしてこちらも電撃で応戦するが、躱されたり弾幕に阻まれたりしてなかなか当たらない。そうしていると少女は何かを取り出し叫ぶ

 

夜符「ナイトバード」

 

すると最初は青、次に緑といった順で光弾が半円を描くように弾幕となり襲い掛かってくる。真聡はこんなに鮮やかな攻撃を見たことがなく、一瞬見惚れてしまう。しかし弾幕は容赦なく彼に迫ってくる。最初は何とか躱していたがとうとう被弾してしまう

 

「ぐわ!」

 

命中したことでダメージを負ってしまう。しかし弾幕はまだ迫ってくる

 

(これじゃ埒があかない、使えるかはわからないけどやってみるか)

 

真聡は「じゅうでん」を発動した。本来は卵技なのだが、どうやら宿しているポケモンの覚えられる技なら使用出来るようだ。「じゅうでん」は次に放つ電気タイプの技の威力を上昇させる効果がある。そしてすかさず

 

「10まんボルト!」

 

岩に放った時よりもさらに強力な電撃になり弾幕を全て相殺した。これにより少女の周りはがら空きになり、相手に隙が出来る。ゲームでは次のターンでしか効果がないため需要があまりない技だが、ターン制がない実戦ではゲームとは違った使い方が出来る様だ。何にせよこのチャンスを見逃す手はない

 

「でんこうせっか」

 

名前の通り正に電光石火のスピードで少女に一気に近づきタックルを決める。だが威力不足。だからさらに攻撃をするために力をためる。すると光輝く銀色のエネルギー体が発生して

 

「アイアンテール!」

「カハッ」

 

と叫ぶと同時にそれを相手にぶつけて地面に叩きつける。そしてすかさず「10まんボルト」で追撃した

 

ドッカーーン!!

 

「じゅうでん」したときほどの威力はないものの、それでも「でんきショック」の倍以上の威力。かなりのダメージが入ったはずだ。これ以上は深追いするべきじゃないと判断し、地面に着地すると同時にその場を離れ逃走しようとした。しかしその直後黒い闇が自分の周りを包んだ

 

「これは一体?」

 

真聡は困惑したが冷静に「フラッシュ」を発動して明かりをつけようとする。しかし本来は暗闇を照らすはずなのにいくら発動しても一向に明るくならない

「私の産み出す闇は光を通さない」

とあの少女の声がすると同時に光弾が真聡に直撃する

 

「ぐっ」

 

痛みが彼に走るが次々と弾幕が出現してさらに被弾していく。しかし暗闇で光弾がどこから来るかわからない

 

「まずは体勢を立て直さないと。「ほうでん」!」

 

すると電撃が全方向にドーム状に広がり弾幕を相殺する。「10まんボルト」よりも威力は少し劣るが全方向を攻撃できるという利点がある

しかし弾幕はさらに続く。このままではジリ貧になり、いずれやられてしまう。真聡は必死に考える

 

(何か策はないか・・・・・・・・そうだ!こいつの能力なら)

 

今度は別のポケモンをイメージしてピカチュウから乗り換える

イメージしたポケモンはオンバットである。オンバットは真っ暗な洞窟に住むポケモンであり現実の蝙蝠と同じように超音波で周りを感知することが出来る。真聡は超音波を使い弾幕の位置を感知して躱していく。ある程度躱しているとあることに気づく。それは弾幕にしろ少女本人の動きにしろ、かなりデタラメであてずっぽうでなのだ。時々自分に攻撃が来るがそれでも攻撃の方向がなかなか直撃へとつながらないため簡単に躱せる。どうやら使用者本人にも居場所が察知できないらしい。相手も音や臭いである程度はわかるようだが、それでも精度は自分の方が上。ならば形勢は逆転したも同然。真聡は弾幕を躱しながら少しずつではあるが確実に少女に近づく。そして大きく息を吸い「ハイパーボイス」を少女の至近距離で放った

 

「ッ-------!!!!!!!!!」

 

凄まじい大声による振動が周りの木々は揺れ中には倒れるものもあり、大地と大気を震わせた。流石に相手も気絶したようで闇は消えていく。そしてそのまま空を飛び、逃げ出した。夢中で気づかなかったが自分は今空を飛んでいた。人生で初めての経験の連続で正直頭が追い付かない。しかし自分はこの戦いに勝利したのは確かである。真聡は本当に自分がやったのかが信じられないような気もしたが、今の勝利の喜びを目一杯感じながら、もう日が落ちかけている大空を飛ぶのであった

 




バトル描写を書くのは楽しいですが同時に難しいですね


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人里にて

~上空~

 

今俺はオンバットの能力を使って森の上空を飛行している。とりあえずあの少女が言っていた方向に向かっているのだが・・

 

「もうほとんど夜だ。早く人里を見つけないと・・・ん?もしかしてあれか?」

 

ようやく人が住んでいそうな集落を見つける。少女の言っていた方角で間違いはなかったようだ。ひとまず安堵し、迷わず人里へ向かった

 

 

 

 

~人里の周辺~

 

いきなり空から来たら不審がられるかもしれないので、人がいない少し離れた場所に着地した。そしてそのまま人里に入った。もうすっかり夜になっていたが街灯には明かりが灯って明るかった。周りの建物や住人の服装もひと昔前の日本のような雰囲気が漂っていた。そのせいか今の自分の格好はかなり珍しいようで周りからじろじろ見られている視線を感じた。そう思っていると突然めまいがした

 

(!?)

 

そして膝を地面に着き、そのまま崩れるように地面に倒れてしまう。どうやら生まれて初めての戦闘の影響で体力を相当消耗していたようだ。しかも先ほどの戦いで相手の攻撃によって少し傷を負っている。立ち上がろうとするものの力が入らず、そのまま意識を失ってしまった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~??~

 

目が覚めると自分は布団の中にいた。内装は和風で下には畳が敷いてある。どうやら生き倒れになった自分を誰かが介抱してくれたらしい。傷口も治療してくれたようで包帯が巻かれていた。傷はまだ少し痛むが体力はだいぶ回復していた。近くに自分のバックが置かれていた。真聡はそこからオレンの実を取り出し食べた

 

(初めてだけど甘くて美味しい。みかんに近いけどあれよりもさらに甘みがあるな)

 

しかも食べると体力が回復し、傷も癒えてきた。もう一つ食べながら

 

(まずは自分を介抱してくれた人にお礼を言わないとな)

 

と思っていると、ふすまが突然開いた。

 

「・・・・あっ、目が覚めたようだな。体調はどうだ?」

 

すると女性が現れた。容姿は青みがかかった長い銀髪にワンピースのような青い服を着ている。ここだけの話だがかなりの美人である。そう思いながら訪ねてみる

 

「あの、あなたが俺を介抱してくれたんですか?」

「いや周りにいた住人達が倒れている君を介抱してくれているところに私が通り

かかってそのまま私の家に君を運んだんだ」

(じゃあ後でその人たちにもお礼を言わないとな)

 

そう思いながら何にせよ助けてくれた恩人であることには変わりはない。だから俺は精一杯の感謝の気持ちを込めてお礼を言った。女性は「気にするな」と笑ってくれた

 

「私は上白沢慧音。人里で寺子屋を開き教師をやっているものだ。ところで君は傷も負っていたし、ここ最近では見ない顔だけど一体どうしたんだ?」

 

と女性は自己紹介をしたあと俺に訪ねてきた。この人は慧音という名前のようだ。とりあえず俺は自己紹介とここまでの経緯を正直に話した

 

    少年説明中・・・・

 

説明が終わったあと、慧音という少し黙った後に女性はこういった

 

「事情は分かった。そして真聡君でいいのかな?やはり君は外来人なんだな」

 

と言ってきた。それに対して俺は

 

「あの時に俺を襲ってきたやつも言っていましたが外来人というのは一体何なのでしょうか?そしてこの世界についても教えてくださいませんか?」

 

慧音さんはしばらく間を置いたあと

 

「ここは幻想郷と言って妖怪や妖精、神などの外の世界で忘れ去られた者たちが集う場所だ。そして君みたいに外の世界から来た者のことを外来人というんだ」

 

と答えてくれた。そして「幻想郷」という言葉でピーンときた。自分が現世にいたときに友人が好きだったゲームに、確かそういう言う名前の世界のゲームがあったことを思い出した。そのゲームについて教えてくれたのはだいぶ前のことになるが、そういえばこの女性も昨日出くわした少女もその時に見せてもらったキャラクターの中でいたような気がした。

そして俺はこの世界は幻想郷、つまり『東方project』の世界であることに気づいたのである

 




慧音の口調はこれでよかったのでしょうか?


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これからのこと

~慧音宅~

 

(「東方project」か。あれは確かシューティングゲームだったっけ。だからあの少女は弾幕で攻撃してきたのか。直接攻撃もあったけど)

 

俺は思考にふけっていた。この世界のことやこれからどうしていくのかを。慧音さんはあの後朝食を作ってくれて、そのあと部屋に運んできてきてくれた。献立はご飯とみそ汁、そして焼き魚と漬物という実に日本的な朝食だ。味に関しては文句なしでとてもおいしかった。思えば自分は現世ではずっと病院で入院生活をしており、末期には食欲がまるでなく、ろくに食べ物を食べていなかった。だから今は少し怪我をしているものの基本的には健康な状態でまともな食事をするのは久しぶりだった。何というか久しぶりに人間らしい食事をさせてもらい、もちろんそれも慧音にきちんと伝えお礼も言った。そして慧音さんは優しく微笑んでくれた。人ともろくに会話ができていなかったからこういった何気ないことがとてもありがたく思えた。本当に慧音さんと介抱してくれた人達には感謝の念でいっぱいだ

 

(でもいつまでもここでお世話になるわけにもいかないしな。流石に若い女性一人の家に男が住むというのもあれだし・・・。一応住む場所なら用意できる可能性はある。できるだけ人里の近くにあの技が使えそうな場所があるといいんだけど・・・。でももう一つ問題がある)

 

それは今自分の手持ちにお金がないのだ。流石に借りるわけにもいかないし、どちらにせよ自分でお金を用意しないと生活できない。働き口を探すのはもちろんだが、その前に出来れば物を売って自分にある程度の資金を作っておきたい。売るものなら木の実など一応ある。ただこれはすべて異世界の物でありそんなものを買ってくれる店があるのかということである。

 

そうこうしていると慧音さんがやってきてこれからどうするのかと聞いてきた。俺はこれからのことについての考えを慧音さんに話した

 

「~というわけでして、まずそういった異世界の物でも買ってくれる店ってどこかにありますか?」

「それなら香霖堂がいいと思うぞ」

「香霖堂?」

「あそこは幻想郷で唯一外から来たものの売買をやっている店だ。あそこは人里の外だが距離はそこまで遠くなくて比較的安全だし、おそらく買ってくれると思う」

(そんな店もあるのか。何にせよこれでひとまずお金は何とかなりそうだ)

「しかし住む場所は用意できるというのはどういうことなんだ?」

 

まあ確かにお金はないのに住む場所は用意できるというのは少しおかしいのかもしれない

 

「俺の能力で住むスペースを作れる技があるんです。まあこれは実際に見た方が早いかと」

「ほう。ここまでたどり着いて、しかも宵闇の人食い妖怪を倒したという話からただ者ではないとは思っていたが真聡君にも何か能力があるんだな。どういった能力なんだ?」

「俺はポケモンの能力を宿すことが出来る能力を持っているんです」

「ポケモン?」

「『ポケットモンスター』と言って外の世界で絶大な人気があるゲームがありまして、それに出てくるポケモンというモンスターの能力を使うことが出来るんです。まだ未熟でぜんぜん使いこなせていませんが」

「ゲーム?というのは」

「まあ小説とかの類のものというか、その中で出てくる妖獣?のようなものの能力が使えるんです」

「ふーむ。完全には理解できないが、なかなか興味深いな」

 

とりあえずある程度は伝わったようだ。俺はもう一つ気になることがあったので訪ねてみた

 

「一つお聞きしたいのですが、俺に襲ってきた妖怪は内部だと光も通さない特殊な闇を作り出してきたのですが、ほかにもそういった能力を持つ存在もいるんですか?」

「妖怪や妖精などにはそれぞれ特殊な能力を持っているものが多い。人間にも能力を持っている者もいる。それは生まれつきかそれともあることがきっかけで能力を手に入れたなど様々だがな。ちなみに私は歴史を喰う程度の能力だ」

「歴史を喰う?」

「まあ簡単に言うと歴史で語られていることをなかったことにすることが出来るんだ。なかったことにするだけであって、過去の出来事を消滅させるというわけではないけどな」

「そんな凄そうな能力なのになぜ程度の能力なんですか?」

「『程度の能力』というとそれしかできないように捉えられることが多いが、そうではなく性質は様々ではあるけどそういったことが出来るという解釈のことが多い。まあこれは本人の自己申告によるものなのだがな」

 

どうやら俺が住んでいた世界での程度という言葉とのニュアンスが違うようだ。少なくとも能力名のことだけしか出来ないということではなさそうだ

 

そうこうしていると、起きる時間が遅めだったのもあってもう日が沈みそうになっていた。慧音さんに遅いから泊って行けと薦められそれに甘えることにした。夕食も用意してくれて味はもちろんおいしかった

 

 

 

~香霖堂への道中~

 

次の日、慧音さんは道がわからないだろうし今日は休日だからということで香霖堂まで案内してくれた。行く途中人里の住人にも会い、挨拶とそして俺を介抱してくれた人にはお礼も言った。先生と言って慧音さんに挨拶してくる子供たちもいた。おそらく寺子屋の生徒なのだろう。慧音さんは周りからも慕われているらしい。

 

(本当にこの人はとてもいい人だし面倒見もいい。いつかちゃんと恩返しをしないといけないな・・・)

 

そう思いながら慧音さんの案内についていくと瓦屋根で入り口はドアの一軒屋が見えてきた。「香霖堂」と書かれた看板もある。そのまま案内に従って店に入っていった

 

「いらっしゃい」

 

と中には店主と思われる眼鏡をかけた白髪の男性が声をかけてきた。その端に黒い三角帽子をかぶった魔女風の格好をした金髪の少女もいた

 




一応書き終わった後に誤字がないかチェックをしていますが見逃してしまうところがありますね。気を付けないと


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香霖堂での出会い

~香霖堂~

 

「やあ、君がここに来るとは珍しいね。何をお求めかな?」

「いや私は特に用はないんだが、後ろにいる彼が売りたいものがあるらしい」

と慧音さんが言った後店主と思われる男性が俺を見た。とりあえず俺は自己紹介をした

 

「初めまして、木戸真敏と申します。一昨日に外の世界から流れ着いたものです」

「ということは君は外来人なんだね?」

「はい、そうです」

「そうなんだ。じゃあ僕からも自己紹介をしておこうか。僕は森近霖之助。この店の店主をやっているものだ。よろしくね」

 

とこんな具合に互いの自己紹介をした。遠くから少女が俺をじっと見ているけど、まずは自分の目的を霖之助さんに話した。

 

   ~少年説明中~

 

「なるほど。だからうちの店に来たんだね。僕は外の世界に物をよく拾いに行っているんだ。だから君の持っている異世界の物にはとても興味があるよ。早速見せてくれるかい?」

「はい。え~とまずはこれらの木の実なんですが・・・」

 

自分はバッグからオレンの実、クラボの実、モモンの実など10種類ほどの木の実を見せる。霖之助さんもそうだが慧音さんも興味深そうに木の実を見つめていた。

 

「まずこの青いミカンのような木の実はオレンの実と言います。味は甘く、そして人間やポケモンの体力を回復する効果があります。子供が風邪をひいたときにはリンゴの代わりにこれを吸ったものを飲ませたりするようです。(これはアニメで出てきたことだけどな)」

「ほう。異世界にはこんな木の実があるのか」

 

と慧音さんはつぶやいていた。俺は引き続き別の木の実を説明する

 

「で、このさくらんぼみたいな木の実は・・・」

「へえ。このモモンの実という木の実には解毒作用があるのか。しかも即効性が高くて強力な毒でも効くんだね」

「え?ご存知なんですか?まだ説明してないのに名前どころか効果まで言い当てるなんて・・・」

「あっごめんごめん。どれも興味深くてつい調べてしまってね。僕は『道具の名前と用途がわかる程度の能力』を持ってるんだ。僕は見たことがない物でもその名前と用途がわかるんだ。 まあわかるのはそれだけで使用方法はわからないんだけどね」

「そうなんですか」

 

(どうやら霖之助さんもただの店の店主ではないらしい。まあこれで説明する手間が省けたかな)

 

「この梨みたいなのと緑色のイチゴは何なんだ?」

 

前言撤回。慧音さんも興味をもったらしく結局説明がいるらしい。俺は木の実以外の道具も出してみようかなと思い、床に置いていたバッグから中身を取り出そうとするが

 

「この輪っかみたいのは何だ?」

 

といつの間にかさっきまでこちらを見ていた少女がいつの間にかフーパのリングを持ち出していた。

 

「コラ魔理沙。勝手に他人の物を持つんじゃないよ」

「ほかにも全然溶けない氷や何かの種とかいっぱいあるぜ」

「えーとこの子は?」

「この子は霧雨魔理沙。僕がここを開業する前に修行していた道具屋の娘で幼馴染なんだ。年は離れてるしまだ子供だけどね」

「もう!子ども扱いするなよな」

「子ども扱いするなって、最近やっと10代を超えたくらいじゃないか」

「あ~。レディーの年齢に触れるのは失礼なんだぜ」

 

なんとまあ急ににぎやかになったものだ。まあそのすきに俺はリングを魔理沙という子から取り上げる

 

「あっ。勝手にとるなよ」

「とるなと言ってもこれは俺のだし、第一これは売る気はないよ」

 

この時俺は思い出した。

(この子は確かこのゲームの主人公だったよな。確か巫女さんのキャラとのダブル主人公なんだっけ。でも少女とはいっても、やけに幼な過ぎる気がする)

そう思いながらこの魔理沙という子に

 

「・・・代わりにこれをあげるから勘弁して」

「なんだこれ?」

「これはしあわせタマゴといってな。持っていると早く成長できるんだ。君は強くなりたいんじゃないか?きっと役に立つから」

「本当か?霖之助どうなんだ?」

「どれどれ・・・。うん、どうやら本当に成長の促進を助けてくれる効果があるアイテムみたいだよ」

「本当か?」

「ああ。本当だよ」

「じゃあありがたくいただいとくぜ」

 

と言って魔理沙はおとなしくなってくれた。俺は引き続き道具を霖之助さんに差し出した。

 

   ~少年取引中~

 

結果として俺はかなりの収入を得た。木の実とかゲームだと10円なのに、種類にもよるけど一つ200円で買ってくれるものもあった。まあ確かにあの効果で10円は安いかもしれないけど。何にせよ、とりあえず資金が出来た。

 

「こんなに買っていただきありがとうございます。今度はここに置いてあるものもじっくり見させてもらいますね。」

「僕もいろいろ珍しい物が手に入ってうれしかったよ。またいつでもきてくれ」

「じゃあな~真聡。あとこの卵ありがとうな~」

 

俺は別れの挨拶をし、香霖堂を後にした。後々に魔理沙とはいろいろありそうだなとおもいながら・・

 

 

~人里周辺~

 

「それで住む場所はあったのか?」

「はい。香霖堂に行く途中に丁度いい場所がありました。」

 

運よく人里から歩いて2分ほどの場所にあってよかった。 俺は早速そこに向かう。向かった先は大きな岩山だった。

「こんなところで住むのか?」

「はい。まあ見ててください」

 

そして俺はジグザグマをイメージする。そして小さな穴に向かって

 

「ひみつのちから!」

 

ピカッと光った後ズズズと音がする。やがて人が入れるくらいの穴が出来た。俺と慧音さんは早速中に入ってみる

 

「な!?あの岩山の中はこうなっていたのか?」

 

「ひみつのちから」によって人一人が住むのに十分な生活空間ができた。ちょっとしたアパートが出来たようだ。何故か明かりもついてあり、パソコンまであった

 

「これなら確かに住めるが。ここは人里に近いから妖怪はめったにこないとは思うが、注意しろよ。ダメな時は私の相談してくれ」

「はい。その時は宜しくお願いします」

 

そろそろ夕方だし別れないとなと思いながら。俺はお礼として慧音さんに木の実をいくつかあげた

 

「すまないな。こんなにもらってしまって」

「いえいえ。慧音さんには本当にお世話になりましたから。それとこれをどうぞ」

 

俺は慧音さんにあるものを渡した。

 

「これは花?見たことのない花だけどどうして私に?」

「それはグラシデアの花と言います。ポケモンの世界には感謝の気持ちを伝える時に贈る花なんです。本来は誕生日や記念日に渡すんですけどね。まあその・・こんなものしか浮かばなかったのですが俺なりにその・・・感謝の気持ちのしるしにということで・・・受け取ってくれますか?」

 

女性に花なんてあげたことがないから正直かなり照れ臭く恥ずかしかった。でも・・

「・・・ありがとう。これは大切に家に飾っておくな」

 

と少しはにかみながら微笑んでくれた。

(・・・贈ってよかったかな)

 

こうして俺は慧音さんと別れ、俺は新しい自分の住処に戻るのだった

 




この小説の時間軸は紅魔郷が始まる数年前になります


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人里巡りと情報収集

需要があるかはわかりませんがあとがきで作中に登場したポケモンについて作者視点も加えて軽い紹介を入れてみようと思います


~秘密基地~

 

新しい自分の住居に家具を設置しようとしている。

え?家具なんて持ってるの?という指摘が来そうだが、俺も何故かあるパソコンで何もないだろうなと思って起動したら、なんと自分がプレイしていたサファイアで自分の秘密基地においていたグッズがそのままあったのだ。しかもご丁寧なことに苦労してバトルタワーで勝ち抜いて手に入れた盾やコンテスト全部門制覇でもらえるガラスのオブジェまであった。そもそもどうして異世界なのにパソコンの転送機能が使えるのかはわからないが、この際気にしないことにする。

内装には絨毯とテーブル、他にも音が鳴るマットやベットに照明や数々のイスとぬいぐるみ等と、とりあえず部屋の間取りに合うように置いて見た。テレビもあったけどさすがに番組を見ることは出来ないらしい。

・・・とりあえずこんなところか。でもそのうちここで何か使えそうなものを手に入れたらインテリアに加えてみようと思う。そのあとは木の実を使った簡単な食事を作って寝た

 

 

~人里~

 

 

朝起きて軽い朝食をとった後、俺はしばらく能力の特訓をしていた。それをキリがいいところで終えて、今は人里に出かけている。まず人里には何があるのかを知りたいし必要なものを買ったり、働き口を探そうとしていた。

 

ここには多くの店があった。八百屋に肉屋。雑貨屋に定食屋、居酒屋。甘味処などたくさんあった。俺は肉や野菜や洗濯等の生活道具を買っていく。香霖堂であらかじめ同府や木の実を売ってお金にしておいてよかったと思う。

引き続き探索してしているとこんな店を見つけた。

 

(「鈴奈庵」。中の様子からして本屋かな?何か幻想郷についてもっと詳しいことが書かれている本とかないかな?)

と思い、俺は店の中に入った。

 

~鈴奈庵~

 

この店は貸本もやっているらしい。とりあえず幻想郷について何か情報が書かれている本がないか探す。するとある一つの本が目に留まる。その本の題名は「幻想郷縁起」とあった。 

俺はその本を開いてみると最初のページに「素敵な貴方に安全な幻想郷ライフを。」と書かれていた。とりあえずそのまま読み進めてみると幻想郷についていろいろなことが書いてあった。幻想郷に住む妖怪や妖精などの能力や危険性、幻想郷の地理にその特徴や危険性など詳しく書かれていた。妖怪の項目に俺が戦った妖怪、ルーミアもいた。他にも半人半妖もいるようで、霖之助さんと慧音さんがそうらしい。見た目は完全に人間と変わらないのにわからないものだなと思った。とにかく情報が多い。俺はひとまずこの本を借りてみることにした。店主さんは気の良さそうな男性で、隣にまだかなり幼い頭に鈴をつけた飴色の髪をした女の子もいた。俺は貸出料を支払い、この期間までに返すようにいわれその店を後にした。

 

~昼下がり~

 

俺は定食屋で昼食をとり、今その店から出たところである。値段も安いし味もなかなかのものだった。

 

(とりあえず生活に必要な道具は手に入れたし、情報も確保出来そうだ。あとは働き口だな)

 

そう思いながら働き口を求めて歩いていると掲示板を見つける。そこにはこんな張り紙があった。

「自警団求む」

どうやら人里を警備する組織らしい。訓練もあるようだ。

 

(自警団か・・・。どのみち俺は能力を更に磨くためにも修行しようと思っていたし、ちょうどいいかもな。どうせなら俺の能力は人の役に立てるように使いたいし)

 

よし。と思った後、俺は早速自警団の募集をしている本部に向かい入団を希望した。ところが・・・

 

「駄目だ駄目だ。お前みたいなガキじゃ話にならん」

 

と髭を生やした頑固そうな男の自警団の人が言う。

 

「そんな。入れてください。俺は立派に戦えます。年だって16ですよ。」

「ガキじゃねえか。これは子供の遊びじゃないんだ。家に帰って勉強でもしてろ」

(くそ。頑固おやじめ)

 

いくら言っても入れそうもないしここはあきらめて他を探すか。そう思っていると突然向こうから悲鳴が聞こえてきた

 

「キャー!!」  「妖怪だ逃げろ!!」

「妖怪だと?今すぐ撃退に向かえ!」

 

どうやら妖怪が現れて住人を襲っているらしい。周りがあわただしくなる。俺は逃げる人達に対して逆走しながら現場に急いで向かった。

 

~人里の外れ~

 

ここでは今妖怪が人を襲っていた。狼のような獣型の妖怪と一つ目鬼のような大柄の妖怪が人里を襲っていた。どうやら獲物に飢えていてとうとう人里に獲物を求めてやってきたらしい。人々は悲鳴を上げて逃げていたがその中に逃げ遅れた二人組がいた。一人はお付きと思われる中年の男性、もう一人は着物を着て花飾りを頭につけている紫色の髪をした少女だった。

 

「阿求様お逃げください!!」

 

と男性は持っている槍で一つ目の妖怪を必死にくい止めて阿求という名前の少女を逃がそうとしていた。武術にはかなり覚えがあるようだ。しかしその隙に獣型の妖怪が少女に襲い掛かった。少女も必死に逃げるがどんどん差が縮まる。そして妖怪は少女にとびかかった。もう駄目だと少女は死を覚悟し目を閉じる・・・

 

ところがいくら待っても何も起こらない。不審に思い少女は恐る恐る目を開けてみると、獣の妖怪はまるで何かに締め付けられているように苦しそうな顔をしながら空中で止まっていた。そしてどこからか誰かが叫んだ。

 

「サイコキネシス!!」 ギリギリリィ、ヒューン・・・ドッゴーン!

 

すると締め付けが強くなり、そして近くにある大岩に向かってすさまじい勢いでたたきつけられた。すると次の瞬間少女と男性は一瞬で姿を消してしまい。対峙していた一つ目妖怪は困惑した様子だった

 

「きゃ」「これは一体!?」

 

二人は突然妖怪から離れた場所に現れた。

 

「ふう。何とか間に合ったな。今朝エスパータイプのポケモン、ケーシィの特訓しといてよかった」

「「!?」」

 

二人の近くにはとある少年・・・木戸真聡がそこにいた。

 

「さあ二人は早く安全な場所へ。俺は・・・こいつらを倒します!」

 

そうして俺はヨロヨロになりながらもなんとか立ち上がる獣妖怪と俺に狙いを定めた一つ目妖怪と対峙するのだった

 

 




ポケモン紹介


ピカチュウ NO.025    タイプ:でんき

ポケモンの代名詞といえるほどの看板キャラクターであり、サトシの永遠のパートナー。初登場から20年たった今もなお絶大な人気をほこり、ポケモンを知らない人でもピカチュウは知っているという方はたくさんいるだろう。ほっぺたに電気袋を持っており、思いっきり放電した電撃は雷にも匹敵する。「でんきだま」を持たせるとすべての技の威力が二倍になり第六世代まではそれを親に持たせて育て屋に預けて孵化させると専用技「ボルテッカー」を覚えた個体が手に入る。七世代では教え技になった。また専用Zワザを二つ持っていたり、ORASでは特殊な技を覚えた「おきがえピカチュウ」などもいる


オンバット NO.714    タイプ:ドラゴン・ひこう

暗い洞窟に住み、耳から超音波を放つ。超音波は20万ヘルツにもおよびレスラーでもこれを浴びると目を回して立っていられなくなってしまう。アニメではXYでサトシの手持ちポケモンとなって登場。最初は泣き虫だったが徐々に成長し、超音波で洞窟を探ったりもしている。のちにオンバーンに進化した。ちなみに最弱のドラゴンと言われているヌメラより種族値が低かったりする


ヒトカゲ  NO.004    タイプ:ほのお

ポケットモンスターシリーズ最初の炎タイプの御三家。しっぽの炎は生命力を表しており、元気だと炎は燃え盛るが、弱っていると炎は弱くなってしまう。水にぬれても簡単に消えたりはしないようだ。出演作のカントー地方のジムリーダーは一人目は岩タイプ使いのタケシ、二人目は水タイプ使いのカスミと苦手なタイプを相手にしないといけないため非常に辛い戦いをすることになる


ジグザグマ NO.263    タイプ:ノーマル

コラッタやビッパなどの序盤のノーマルタイプ枠のポケモン。名前の通り草むらをジグザグと歩いているらしい。戦闘中にたまに道具を拾ってくる特性「ものひろい」にお世話になった方はきっと多いはず。ちなみに「ひみつのちから」を作中で使わせたのは作者が覚えさせていたため。秘伝技も多く覚える


ケーシィ  NO.063    タイプ:エスパー

一日に18時間も寝ているポケモン。しかしその間でも様々な超能力を扱い、気配を感じたらテレポートで逃げる性質を持つ。レベルアップではテレポートしか覚えないため捕まえるのに苦労する。しかし技マシンなどを使えば多くの技を取得でき、能力も高いためリトルカップでの使用は多い





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妖怪退治

少し短めです


今人里の外れは騒然としていた。先ほど少年に助けられた二人組は言われた通り妖怪から離れていた。その時

「阿求、大丈夫か!?」

「あっ慧音さん。私は大丈夫です。柴もこの通り無事です」

「そうか、よかった。お前と柴さんが逃げ遅れていると聞いて急いできたんだ。今はどうなっているんだ?」

『今対峙している少年が不思議な力で助けてくれたのです。あの少年が助けに来なければ阿求様は・・・。くっ私が不甲斐ないばかりに』

 

とお付きの柴という名前の男はかなり悔やんでいる様子だった。阿求は

 

「そんな。あなたは私を助けようと必死に戦てくれて・・・」

 

そこに慧音が割って入り

 

「不思議な力を持った少年?まさか・・」

 

と言って人込みをかき分けて最前列に向かった。そこには・・・

 

 

~人里の外れの広場~

 

俺は今二体の妖怪と対峙している。獣の妖怪はもう瀕死寸前だが、一つ目の妖怪は槍である程度はダメージを与えたようだがあまり堪えていないようだ。俺はとりあえず二体の妖怪に言い放つ

 

「このまま戦って死ぬことになりたくないのなら、さっさと逃げろ。もちろん人里に二度と立ち入らないのが条件だが」

 

しかし二体とも依然として変わらず殺気をむき出しにしたままだ。そしてしばらくしたら二体同時に俺にとびかかった。一つ目妖怪は大きな腕を振り下ろし、獣型は爪と牙で引き裂こうと飛びかかる。

しかしその先にはだれもおらず、つかんだ手ごたえすらなかった二体は振り向くといつの間にか真聡が後ろにいたことに気づき、また攻撃を加えるが

 

「・・・テレポート」

 

とまた姿を消し、別の場所に現れる。ゲームでは野生の戦闘に対して強制離脱するだけの技で対人戦では全く役に立たない技である。しかし実戦で使えば一瞬で姿を消し、別の場所に移動できるため攻撃を回避するのにはうってつけの技へと変貌する。

 

しばらくかく乱して俺は再び獣の妖怪に「サイコキネシス」を放ち、今度は一つ目の妖怪へととばす。そしてそのまま先ほどたたきつけた大岩に一つ目の妖怪ごとたたきつける。

ドッゴーと大きな音がしたあと、俺はさらに強めて押し付ける。するととうとう大岩は崩れて地面に吹き飛ばされた。

 

「ギャオーーーー」

 

獣の妖怪は断末魔を上げて息絶えた。一つ目の妖怪も岩と妖怪に挟まれるような状態になり大きなダメージ受けて弱っていた。しかしもう歯止めが利かないのか、懲りずにまた俺に突っ込んでくる。そして大きな腕を俺に振り下ろした。しかしその腕は少年に受け止められていた。妖怪は目を疑った。人間相手に力で自分の腕を止められたことが信じられなかった。さらにそのあと少年は妖怪の体を両手でつかんで持ち上げたのだ

 

「体重は400キロ弱ってところなのかな?これを軽々と持ち上げられるのだからワンリキーの腕力ってすごいな」

 

真聡はケーシィからワンリキーへと変えていた。ワンリキーは体は赤ちゃん並みの大きさだが、大人を100人投げ飛ばすほどの怪力の持ち主だ。一人当たりの体重が60キロと仮定すると100人で6トンほどになり、これは一人で大人の象を持ち上げるようなものだ。6トンに比べれば400キロ弱などあまりにも軽い。

 

そして俺は持ち上げた妖怪を地面に思いっきりたたきつけた。そしてそのあと今度は真上に思いっきり投げ飛ばした。この妖怪は空を飛べず空中ではなす術がない。上に上がりきった後は重力に従って地面に真っ逆さまに落ちてくる。その間に俺は一回深く呼吸して腕に力を込める。そして

 

「ばくれつパンチ!!」

 

と叫びながら落ちてきた妖怪に渾身のパンチを放つ。その拳は妖怪の顔面をとらえ、一瞬メキメキと音を立てるとそのあとは近くの森まで吹き飛んだ。木をなぎ倒しながら妖怪は吹き飛んでいき、やがて勢いが止まり、地面に倒れ動かなくなった。

 

戦闘が終わり、ひと段落つけようとしたら、ワァーーーーー!!と歓声が上がった。

 

「ありがとう!」「すげー妖怪を殴り倒しやがった!!」「何者なんだあいつ!?」 

 

などと周りは騒然としていた。こんなふうに周りから騒がれたことがないので困惑するが、とりあえず俺は賞賛の声に対して手を振りながら先ほど助けた二人組がいる場所に足を運んだ。

 

 

 

 

~人里上空~

「へえ~人間が妖怪を倒すとは。ここ最近大したネタがなかったのでこれはちょうどいいネタが転がってきましたね~」

と上空から今の戦闘を見ていたものがいた。しかし隠れてみていたのはその一人だけではなかった

 

 

 

 

~???~

「・・・・木戸真敏。彼はいったい何者なのかしら?」

 




ワンリキー  NO.66   タイプ:かくとう

鍛えるのが大好きでどんなに鍛えても痛くならない特別な筋肉の持ち主。いろんな格闘技をマスターしており大人100人を投げ飛ばすほどの怪力を持っている。金銀クリスタルではコガネシティのデパートでケーシィかスリープと交換してもらえる。ニックネームは「きんにく」。ちなみにメスである。コガネシティのジムリーダーアカネ戦の救済処置として出されたポケモンと思われる。


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謝罪と取材

妖怪を二体倒し、俺はさっきの二人組に会いに行った。二人組の近くには慧音さんもいた。すると少女が俺にお礼を言った。

 

「先程は助けていただき本当にありがとうございました。あのままでは私は今頃妖怪の餌になっておりました」

『貴殿の名は慧音殿から聞きました。真聡殿、阿求様を助けていていただき誠にかたじけなく存じます』

『私からも礼を言わせてくれ。私の大切な知人を助けてくれて本当にありがとう」

 

と慧音さんまでお礼を言ってきた。この少女とは知り合いのようだ。少女の身なりからすると名家の令嬢だろうか

 

「いえいえ当然のことをしたまでですよ。とにかく無事で何よりです。そういえばあの時は言えませんでしたがお怪我はありませんでしたか?」

「ご心配なく。私たちは大丈夫です」

 

まあとにかく二人とも無事のようで何よりだ。

 

「申し遅れました。私は稗田阿求と申します」

『私はお付きの柴真棋士(しばまきし)と申します」

 

と挨拶をしてきた。そのとき

 

「稗田阿求・・・てことはまさかこの本の著者は貴方なんですか?」

と言いながら鈴奈庵で借りた「幻想郷縁起」をとりだした。すると

 

「はい。拙著ながら私が書いたものです。」

「そうなんですか」

 

正直驚いた。まだすべて読んだわけではないが、パッと見てもあの本は非常に鮮明に書かれていた。それをこんな幼い子が書いたというのだから驚きだ。

 

それからしばらく雑談をした。、阿求の家系は代々幻想郷の妖怪についてなどを「幻想郷縁起」に編纂しているらしい。阿求はその当主の九代目に当たるそうで、なんと千年以上前から転生を繰り返しているらしい。やはりこの子もただ者ではなかったようだ。それと慧音さん曰く寺子屋の資料の大半は稗田家が纏めたものを使っているらしく、そこから親交があるとのことだ。

 

そうこう話していると突然男性の声が聞こえてきた。振り返るとさっき俺を追い出した自警団の男性だった

 

「君は木戸真敏君、だったね」

「はい。そうですけど」

すると、男性は深々と頭を下げてこういった。

 

「先ほどはガキだの子供の遊びじゃないなど無礼な発言ばかりして本当にすまなかった。君がいなければ稗田の家のご令嬢を失うところだったし、狙われたのが他の市民であっても多くの犠牲が出かねなかった。あれだけ無礼な発言をしといて今更手のひらを反すようなものだが、どうか自警団に入ってくれないだろうか?君が入れば大変心強い。どうか、頼む」

 

と俺に謝罪をし、自警団に入ってくれないかと頼んできた。正直あの時はむかついたし、あの時とは言葉遣いが変わっていて少し困惑している。しかし謝罪の態度には誠意を感じられた。それに阿求さんだけではなく人里の住人のことも気にかけていた。だから俺は少しの間考えたが・・・

 

「わかりました。俺でよければお力になりましょう」

「そうかね。先ほどは本当にすまなかった。そして本当にありがとう」

 

こうして俺は自警団に入ることになった。俺は阿求と柴さん、慧音さんに別れの言葉を言い、早速本部で入隊手続きをするために戻ろうとすると・・・

 

「あの~ちょっといいですか?」

といきなり女性の声が上空から聞こえた。すると白い半袖のシャツと赤い山伏帽子をかぶった女性が空から降りて現れた。後ろには黒い翼がついていた。

 

「あの。何かご用ですか?」

「私は「文々。新聞」を出版しております、新聞記者の射命丸文と申します。」

 

この人は・・・いやおそらく妖怪、それも烏天狗だろう。幻想郷では天狗たちが主に報道を担当していると書いてあったはずだ。そして個人で新聞を発行しているらしい。

となるともしかして・・・

 

「単刀直入に申します。よろしければあなたのこと取材させてもらってもよろしいですか?」

 

やっぱりか。しかしインタビューなんてしたことがない。それに新聞に掲載されるだろうし、あまり自警団の方を待たせるわけにも・・・

 

「時間はそこまで取りませんからどうか!」

 

と俺に迫ってくる。先程の男性に聞いてみたが別に構わないとのことだ。

・・・・まあいっか。

 

「じゃあ少しだけなら」

「そうこなくては!ありがとうございます。ではまずお名前から・・・」

 

そのあと約20分近くにわたる取材が行われた。そのあと文さんはすごいスピードで空を飛んで行った。・・・ピジョットとどっちが早いのだろうか?

 

そのあと俺は入団の申し込みをした。こうして俺は自警団の一員となったのである

 




今回登場した柴真棋士さんは自分が即興で作ったオリキャラです。
ちなみに名前の由来はカントー四天王のシバとノモセジムのジムリーダーのマキシを組み合わせただけです。理由はこの人はかなり武芸には秀でているという設定で格闘家系のキャラからとりました。


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自警団に入団してからの日々

もうすぐこの章も終わりを迎え、東方本編へと移行していきます


俺は入団手続きを済ませた後、勤務内容の説明を受けた。明日から早速仕事が始まる。自警団本部を出て自宅に帰ろうとすると柴さんが俺に声をかけてきた。助けてくれたお礼に夕食に招待してくれるとのことだ。俺はご厚意に甘えて阿求さんの家に向かうことにした。

 

~稗田家~

 

(うわ~。立派なお屋敷・・・)

 

そこは人里にある建物の中でも一際大きく立派だった。柴さんに案内されて中に入ると召使の人がやってきた。そして大広間に連れていかれ、そこには阿求さんが座って待っていた。

 

「ようこそお越しくださいました。拙い食事ですがどうぞ、ご遠慮なくお召し上がり下さい」

 

と笑顔で迎えてくれた。食事は拙いなんてとんでもなく、非常に豪勢なものだった。正直いいのかなと思いながらも、せっかく用意してくれたものを食べないわけにもいかないのでありがたくいただいた。どの料理もとてもおいしかった。

 

食事を済ませたあと、俺は阿求さんと柴さんたちと雑談をした。俺の能力や俺が住んでいた外の世界のこと、そしてこれからのことなどたくさん話した。その日は阿求さんのご厚意で一泊した。

 

 

次の日に朝食をごちそうになっているときに柴さんから新聞をもらった。新聞の記事は昨日のこととインタビューの内容が一面を大きく飾っていた。見出しは

「最近現れた外来人。人里を救う」と大きく書かれていて正直かなり照れ臭かった。

そのあと俺は阿求さんと別れ、早速自警団の仕事に向かった。

 

 

自警団の仕事は人里の見回りと入り口の警備が主な仕事だ。それと定期的に訓練を受ける。俺はマサラ人の身体能力を手に入れたのもあり、単純な体力測定ではダントツでトップだった。しかし戦闘訓練では別だ。俺は戦闘経験はまだ二回しかないし、勝てたのも能力のおかげだ。技の技量などは隊長たちの方が優れている。だからそこでは散々だった。俺は早朝と空いている時間帯には能力と自身の修行を行った。武術に関しては人里で一・二位を争うと名高い柴さんにお願いして、時々稽古してもらった。

 

そんな毎日を俺は過ごしていく

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ある時には慧音さんが開いている寺子屋の警備を任された時期もあった。子供たちも新聞で知ったのか俺に集まってきて、時々一緒に遊んであげた。授業風景も見たが寝てしまって怒られている子もいた

・・・正直慧音さんの授業はかなり長いうえに難解で寝てしまうのは仕方ないかもと思ったのは本人には内緒だ

それと宿題を忘れた子には容赦なく頭突きがかまされていた。音からして非常に痛そうだった。俺が住んいた現世でやったら虐待で訴えられるんじゃないか?と少し思った。とはいえ何だかんだ生徒たちには慕われてはいるようだ

 

 

 

 

とある夏の日。今日の夜は夏祭りでありその警備をすることになった。みんな楽しそうに祭りを楽しんでいた。途中慧音さんと阿求さんが自警団のみんなに差し入れをもって来てくれた。二人とも浴衣を着ていてとてもよく似合っていた。正直俺も遊びたい。そう思っていると叫び声が聞こえた。どうやら祭りの日の人混みを利用してスリをする不届きものが現れたらしい。しかし俺が近くにいたのが運の尽き。俺はソーナノの力を借り、特性かげふみで逃げる犯人の動きを封じた。そのあと犯人は俺に殴りかかってきたが、能力を使うまでもなくパンチ一発で相手はKOし、犯人を取り押さえて無事解決した。そのあと花火が上がった。見たのは何年ぶりだろうか。それはとてもきれいだった

 

 

 

 

とある冬の日。人里に大雪が降って大量に積もった。人里の人たちは雪かきで大変そうだった。それを見かねて俺は能力を使ってポワルンに変身して「にほんばれ」を発動した。みるみる雪は溶けていって人々に感謝された。しかし問題もあった。それは人里にある雪を全部溶かしたせいで雪遊びができなくなってしまい、子供たちを怒らせてしまったことだ。中には泣いてる子もいた。そこで俺は降らしていい場所のみに雪を降らして積もらせた。やり方は「あまごい」の雲の大きさをコントロールしてそれに「れいとうビーム」を放ち雲を凍らせて雨ではなく雪が降るようにしたり、弱めに「こなゆき」を放って雪だまりを作った。子供たちは機嫌を取り戻してくれたようで無邪気に遊んでいた。しばらく見ていると子供たちに誘われて、ちょっとのつもりで一緒に雪合戦をしていたら長く遊んでしまい、それを上司に見られて怒られてしまったのもまあ一つの思い出になった。

 

 

 

ある時にはまた人里の近くで妖怪が現れた。今度は鱗を持った大きな亀のような妖怪と人型の小さな妖怪が4体だった。人型の妖怪は他の自警団のみんなと団結して能力なしで倒した。しかし亀の妖怪は手強く甲羅は鉄のように硬かった。俺は能力を発動させた。俺は修行の甲斐があって変身できるポケモンの種類が増え、第三進化するポケモンのうちの第二進化形体までのポケモンの能力はすべて使えるようになっていた。俺はメタングの力を借りて「メタルクロー」で攻撃した。亀も甲羅で受けようとしたがその甲羅はあっけなく切り裂かれ絹のようになってしまった。そしてやわらかい中身に「しねんのずつき」で攻撃して倒した。このときもまたどこからか射命丸さんが見ていたようでその時の様子を写真付きで記事にされた。見てる暇があるなら少しは手伝えよと思った

 

 

他にも忘年会や正月、また別の妖怪の退治などいろんなことがあった。

 

 

そして俺は自警団に入ってから2年以上の時が流れた。

そしてある日突然異変がおこった・・・

 




ソーナノ   NO.360    タイプ:エスパー

ソーナンスの進化前のポケモン。甘い果物が好物で仲間とおしくらまんじゅうをしてカウンターを繰り出す訓練を行うらしい。覚える技は「はねる」と「あまえる」と「アンコール」、そして「カウンター」、「ミラーコート」、「みちづれ」、「しんぴのまもり」と合計7種類で自分から攻撃する技は一つも覚えない。ただしソーナンスを扱ううえで重要な「アンコール」を取得させるにはソーナノから進化させるしか手段がない。ちなみにポケモン不思議のダンジョンシリーズのみ「たいあたり」を覚えている


ポワルン   NO.351    タイプ:ノーマル

天候によって姿を変えるポケモン。気温や湿度によって細胞が変化するらしい。専用のとくせい「てんきや」により図鑑通り天候によって姿が変わりタイプも変わる。日差しが強いと炎タイプ、雨だと水タイプ、あられだと氷タイプになる。ただし砂嵐だけ変化しない


メタング   NO.375    タイプ:はがね・エスパー

ダンバルが進化した姿。二体のダンバルが合体した姿らしくそれによりサイコパワーは倍になった。両手の爪は分厚い鉄板を絹のように引き裂くほどの切れ味を持ち、ジェット機と衝突しても傷付かない頑強なボディを兼ね備えている。また時速100キロで空を飛び、ノズパスを追い詰めるらしい


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紅き霧の異変に轟く龍星

この章はここで終わりです。
ちょっとやりすぎたとは思いますけど、ラストは派手にしました。
イメージはモ〇ハンのバ〇ファ〇クの技を更に早くて強力にした感じといえばわかりやすいかと


「おはようございます。木戸隊長」

「ああ。おはよう」

 

入団してから二年以上の時が経った。そして俺の功績が認められ隊長にまで昇進した。異例のスピード出世らしい。しかし部下のほとんどが自分より年上なため、それに命令をし、指示を出すのには最初は慣れなかったが今は少し慣れてきた。とはいえ普段は自警団のみんなと仲良くやっている

 

今日も見回りと門番の仕事をこなしながら時々部下に指示をする。人里の人たちとも打ち解け楽しく過ごしている。毎日同じようなことの繰り返しだが、とても充実した日々だ。そして俺は今日も仕事を終えた後、食事をして自宅で眠るのだった

 

翌朝の早朝。俺は日課である修行を行う。今日は非番だから長くできるなと思いながら外に出る。しかし俺の目の前に広がる光景は・・・

 

「何だこりゃ!?空が紅い?」

 

空はまるで血のように紅い霧により、空が紅くなっており、日の光が遮断されていた。それにこの霧は妖気を帯びている。自分は平気だが普通の人がこんな物を吸ったら・・・

俺は急いで人里へ向かった。

 

 

~人里~

 

人里に行くとやはり人々は体調を崩していた。この霧のせいで外出も敵わない。それにまだ幼い子供やお年寄り、今病気を患っている人までも容赦なく襲った。これが原因で病人はさらに体調をこじらせてしまう事態に陥った。このままだと最悪死んでしまいかねない。俺はベイリーフとラッキーの力を借り、「アロマセラピー」と「いやしのはどう」で回復しまわった。そしてこの異変を黙ってみているわけにはいかないと強く思った

 

(この霧は幻想郷中に及んでいる。これだけのことをやる相手となるとかなりの力を持っているんだろう。少なくとも俺が今まで退治した妖怪よりも遥かに強いのは確かだ。)

 

俺は一旦自宅へ戻り、道具の準備をする。そしてそれを終えて外に出て扉の鍵を閉める

(だが関係ない。幻想郷では時々妖怪などが異変を起こすことがあるのは本でわかっていた。俺はいつもこうした異変に備えて毎日の修行を欠かさなかった。そしてその力を使うのは今この瞬間(とき)だ」

 

俺はとあるポケモンをイメージして空高く飛翔した。しかしそのスピードはすさまじく、あっという間に高度2000メートルほどまで飛翔する。そして

「きりばらい」

と技を唱えた後、空を切り裂く。すると赤い霧はみるみる晴れていく。しかしさすがに幻想郷全域には晴らすのは及ばない。俺はそのまま超高速で幻想郷中を飛び回り、「きりばらい」を数回発動する。晴らしたとしても元凶を倒さなければもとには戻らない。それくらいはわかっていた。しかし一時的ではあるが霧が晴れたおかげでどこから霧が沸いたのかが分かった。発生源はどうやら霧の湖の畔に立っている紅い洋館のようだ。

 

(あれは新聞でも取り上げられていたけど、最近現れたという洋館か。俺も怪しいとは思っていたが・・・)

 

とにかくこんな真似をして黙っておくわけにもいかない。主を倒さないとおそらく止まらないし、そうなるとあの館の住人との接触は避けられない。ならば

 

「一つ、派手な挨拶をかまして宣戦布告といこうか」

 

俺は修行の末にとうとう一般のポケモンならすべて力を宿すことができるようになった。しかし強力なポケモンほど自身の体力を多く削ってしまうというリスクがあることに修行中に気づいた。しかし派手に宣戦布告を決めるからには出し惜しみはしない。

 

俺は今カイリューの力を宿し、再び大空を高速で飛び回る。カイリューは地球を16時間で一周する脅威の飛行速度を持つ。ポケモンの地球はどれほどの大きさなのかは知らないが確実に音速は超えていた。そして最高時速に達した時、俺はさらに上昇し、高高度から紅魔館付近を一直線に急降下した。隼は急降下した際の速度は時速300キロを大きく超えるほどのスピードを出す。では音速越えの速度を出せるポケモンが急降下したらどれほどの速度になるのだろうか?斜め下に急降下しているので、垂直ほどではなくても恐るべきスピードが出ているのは間違いない。そしてそれと同時に膨大なドラゴンタイプのエネルギーを纏う。そして強烈な「ドラゴンダイブ」が完成した

 

ゴオ・・・・・・・キィーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

 

ほんの一瞬の出来事だがその急降下をするさまは、正に天から落ちる流星のようだった。

 

ズッドォーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

 

それは紅い館の門前付近に激突した。すさまじい衝撃波が館周辺の森と霧の湖を飲み込んだ。館は大きく揺れて窓ガラスはすべて割れ、門は衝撃波で破壊された。

 

衝撃波が止み、土煙が大きく上がったがそれはすぐに何かが掻き消した。そこには巨大なクレーターが出来た。その中心には

 

「イタタ・・・。流石にやりすぎたかな?とりあえずちょっと「はねやすめ」っと」

 

これの首謀者は少し怪我をしたがそれは瞬時に回復した。そして・・・

 

「さあて。挨拶もしたことだし・・・」

 

「いっちょ、異変解決といきますか!!」

 

こうして初の異変への場へと歩むのだった

 

 




ベイリーフ   NO.153  タイプ:くさ

金、銀、クリスタルの草タイプの御三家のチコリータが進化した姿。首の周りからスパイシーな香りを出し、それを嗅いだ人は元気になるらしい。アニメポケモンのサトシの手持ちにも登場して愛情表現として「たいあたり」、のちに「のしかかり」へと進化した


ラッキー    NO.113  タイプ:ノーマル

けがをしたポケモンを見つけると、持っている卵を分け与えてくれる優しいポケモン。卵はとてもおいしいらしい。生息数は少ないが、捕まえたトレーナーに幸せをもたらすと言われている。すさまじいHPの持ち主で進化前のポケモンのとくぼうとぼうぎょを1.5倍にする「しんかのきせき」を持たせたときの特殊耐久はすさまじい。またアニメではよくポケモンセンターでジョーイさんの助手をしていることが多い


カイリュー  NO.149  タイプ:ドラゴン・ひこう

ドラゴンタイプのポケモンの元祖にして元祖600族。海の化身と言われており、地球を16時間で一周するほどの脅威の飛行速度を持つ。(現実の地球の大きさで計算すると約マッハ2.5にもなる)知能は人間並みにあり、世界のどこかにカイリューたちだけが住む島があると言われている。おぼれている人を見つけたら助けてくれる優しいポケモンだが、もしカイリューの逆鱗に触れてしまうとすべてを壊しつくすまで大暴れするらしい。
四天王ワタルのパートナーとしても有名。何故か本来覚えられないはずの「バリアー」を覚えていたり、レベル55で進化するはずなのにレベル50以下の個体が三匹もいたときがあった


何とかこの章は終了しました。少しずつでも閲覧数とお気に入りの数が増えると素直にうれしいです
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木戸真敏の設定集(第一章まで)

今作の主人公の正敏の設定です


木戸真敏(きど まさとし)

 

(年齢)

 18

 

(性別)

 男

 

(職業)

自警団隊長

 

(能力)

ポケモンの力を宿す程度の能力

 

(服装)

戦闘時では赤、緑の主人公が来ていた服と同じような服を着ている。

 

(容姿)

サンムーンのレッドに近い顔立ち。幻想郷にやってきた当初では細身だったが、修行の末、筋肉質で引き締まった体つきになった

 

(人物)

まじめで礼儀正しい性格。普段は落ち着いていて口数は多い方ではないが、時々派手なことをやらかそうとしたりして、はっちゃける時がある。

幼いころからポケモンが大好きで、ポケモンに関しては非常に深い知識を持つ。頭の回転は速く戦闘では力で押すより、作戦を立てたり相手を観察して考察するなど頭を使うタイプ。

東方projectに関しては知ってはいるが、昔友人に見せてもらっただけのおぼろげな記憶からの知識しかない。現世では不治の病で若くして亡くなる。それにより長く生きたくても生きられない辛さを知っているため、命を軽々しく奪ったり、思ったりするものには容赦がなくなることがある。妖怪に対しても悪さをしなければ何もしないし、逃げる敵に追い打ちをすることはない。また後悔しないように何事にも全力でやり、努力も怠らないように努めている

 

(能力)

ポケモンの力を体に宿すことが出来る。宿したポケモンの技や特性や、ポケモン図鑑で書かれている個々の能力を使用することが出来る。幻想郷に来た当初は第一進化形のポケモンしか力を宿せなかったが、現在は伝説、幻のポケモン以外の一般ポケモンなら、すべてのポケモンを宿すことが出来る様になるまでに成長した。しかし強力なポケモンであるほど自身の体力を多く減少してしまう欠点がある。

技に関してはレベル技はもちろん教え技や卵技など、宿したポケモンの覚えられるワザならどれでも使えて、技の数制限は特に決まってない。特性に関しても隠れ特性を含めて自由に変換可能。現在はメガシンカとZワザは使用できない

素の身体能力はスーパーマサラ人並になった

 

(その他)

技の効果はゲームとは仕様が異なる技も存在する

<例>

◦テレポートはゲームでは戦闘から離脱するだけだったが、今作では自由に瞬時に移動でき、回避にも使える技になる

◦リフレクターは打撃や霊夢の封魔針や咲夜のナイフなど物理的なダメージを与える弾幕にも作用する。ひかりのかべは普通の弾幕やレーザーに作用。低威力なら無効化できる

◦バトンタッチは次に宿したポケモンに能力変化を引き継げる

◦技のエフェクトはゲームのシリーズごとやアニメ描写など、それぞれ違う作品のエフェクトになることもある

◦技を自身の能力や別の技で変化をつけることも可能

 

道具も使用可能で原作とは少し違う用途になるものが出る可能性もあり

 

この他にも例外は出る場合があるが、それは本編で紹介する予定

 

 

 



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第二章:紅魔郷編
開戦


俺はクレーターの真ん中から早速目の前の紅い館へと歩き出す・・・が

 

ザッパーン!!

!?

 

どうやら先ほどの一撃で出来たクレーターが予想以上に大きく、霧の湖にも及んでしまったらしい。そして湖から大量の水が入ってきて俺に押し寄せてきた

俺はとりあえず無言で空を飛んで逃げた。上空から見ると広範囲にわたって木々が吹き飛んで更地化しておりクレーターの大きさは数百メートルにも及んでいる。

 

「うーんこれはさすがにやりすぎたな・・・まさかここまでの威力がでるとは」

 

カイリューのこうげき種族値はバンギラスと同じである。バンギラスは片腕だけで山を粉砕し地響きを起こすほどのパワーを持つとされているポケモンだ。あれと数値上は同じだからといってカイリューも素でそれほどの怪力があるというわけではないとは思うが、それに匹敵する破壊力は出せるのかもしれないと思った。

そもそもこうげき種族値の数値が=力ということではないだろう。デオキシスとかあのほっそい腕でバンギラスを超えるほどの怪力が素であるとは思えない。俺が思うにこうげき種族値とは、物理的なダメージを与える技の威力を強くする力を引き出す力の強さを表しているのではないかと考える

 

すばやさもまたそうだ。カイリューは音速を凌駕する飛行速度を出せる設定だが、すばやさの種族値は並程度だ。先ほど飛び回って気づいたが、最高速に達するには少し時間がかかったし、方向転換もかなり大きめに曲がらないといけない。おそらく戦闘に関しては最高速度まで出すのはかなり難しく急な方向転換は出来ない。それなら最高速は劣っても瞬発力が高く、瞬時に方向転換できる方がおそらく役に立つはずだ。少なくともすばやさ=最高速度ではないのは間違いないだろう

そんなことを考えながら俺は館の扉前に向かう

 

 

~紅魔館の扉前~

 

改めてみると本当に真っ赤だ。赤は目に悪い色だと聞いたことがあるが、この館を見るとそれもわかるような気がする。気になるのはこの館はあまり被害が大きくないことだ。直接はやらなかったとは言え衝撃波はまともに受けたはず。門とその壁は消し飛んだのに窓ガラスが割れたくらいの被害だ。クレーターも門を境に途切れているし、庭も多少荒れていたが、門のおかげもあり外と比べれば被害はかなり少なかった

 

(おそらく館全体に結界を張っていたんだろうけど、館を覆う大きさの結界を瞬時で張れるのだろうか。あらかじめから張っていたことも考えられるが、もしかしたらこうなることがわかっていて(・・・・・・・・・・・・)結界を張ったという線も幻想郷ではあるのかもしれない。いずれにせよ気が抜けないな)

 

そして俺は館の扉を開けた

すると次の瞬間何者かが俺の前に蹴りかかってきた。俺はとっさに腕を交差して相手の飛び蹴りをガードする。そして俺は一旦扉から離れ、広い庭の中心まで下がる。そして俺に蹴りかかった者が話しかけてくる

 

「あなたですね。いきなり空から降ってきてここまでの被害を出したのは」

 

見た目は淡い緑色のチャイナドレスに近い中華風の服を着た、赤いストレートヘアーの女性だった

 

「お嬢様の支持通り館の中にいなかったらどうなっていたか・・・」

(お嬢様とはここの主だろうか。やはり予めこうなることがわかっていたのか)

 

「せっかく私が育てていた花畑の花まで滅茶苦茶にして許しませんよ!」

「それは悪いことをしたな。実際やった本人である俺も正直やりすぎたとは思うよ。だがなんの目的があるのかは知らないが、幻想郷中にこんな霧を出したのはお前たちだ。そのせいで人里では多くの人たちが苦しんでいる。今すぐにこの霧を出すのをやめろ。そうすれば謝罪でもこの館の修復でもなんでもしてやるさ」

 

と俺は言い返す

 

「そうはいきません。門は無くなってしまいましたけど、私はこの紅魔館の門番としてお嬢様のところに行かせるわけにはいきません。侵入者は排除させてもらいます!」

 

やはりというか早速戦うことになるようだ

 

(さっきの蹴りからして、この人はおそらく武芸に優れておりそれは相当のものだ。カイリューのままでもいいが、こっちも接近戦で勝負してみるか)

 

そして俺は相手も中華風なのもあってか、こっちもそれに近いポケモン、コジョンドの力を宿した。

 

「はあああああああああ」

「おおおおおおおおおお」

 

そしてほぼ同時にお互いが動き出し蹴りを放つ。そしてそれはぶつかり合う。威力は互角。しばらく拮抗し、そして弾かれるようにお互いが距離をとった。

 

こうして俺の異変解決による初めての戦いが幕を開けた

 




紅魔郷編がスタートです
今回出てきたこうげきとすばやさの考え方はあくまで私個人の考え方なのであしからず

それと今回はチルノと大妖精、ルーミアの出番はありませんがいずれはちゃんと出します


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VS紅美鈴

異変では初戦闘だというのにちょっとふざけています。
まあやってる本人はまじめなんですが


~紅魔館・庭~

 

「私の蹴りと互角とは・・・。あなたは普通の人間ではありませんね。何者なんですか?」

「俺は木戸真聡。人里で自警団隊長をやっているものだ」

「では私も名乗っておきましょうか。私の名は紅美鈴。この紅魔館の門番を務めているものです。お嬢様に近づけないためあなたはここで倒れてもらいます」

 

すると彼女は何かを取り出し叫ぶ

 

(弾幕か!)

虹符「彩虹の風鈴」!

 

すると名前の通り虹のように円を描きながら迫ってくる。俺はコジョンドのスピードとしなやかな動きを生かして交わし

 

「こちらも遠距離技と行こうか。「スピードスター」!」

 

俺は星形のエネルギー弾を何発も弾幕風に放つ。相手もそれを回避しようとするが

 

 

「!!これは追尾弾幕」

 

そう「スピードスター」は相手をどこまでも追尾する。しかし威力は低いので相手の弾幕で簡単に相殺される。しかし・・・

 

「!?しまった!」

 

俺の狙いは相手に近づくこと。「スピードスター」は囮のようなものだ。俺はすかさず「とびひざげり」をした

「クッ」

 

相手は回避できないと悟り腕でガードする。しかし勢いのついた蹴りは強力な威力を生み出し体制を崩す。

 

「おおおおおおおお!!」

 

俺はその隙を見逃さずの連続攻撃を仕掛ける。そして相手に「はっけい」をお見舞いした

 

「カハ」

 

相手の腹に命中して吹き飛んだ。しかし空中で宙返りしてすぐに体制を立て直す。しかしそれは想定内。俺は瞬時に近づいて攻撃を繰り返すが

 

「いい攻めですが。私を甘く見ないでください」

 

しかし相手も俺の攻撃をかわして拳打をくらわす

 

「ウッ」

 

しかし俺も負けじと反撃する。そして両者の蹴りと拳打の応酬となった

 

ドカ、バキ!ガッ、ボカ!

 

しばらくは拮抗していたが徐々に相手に押され始める。俺もコジョンドやルカリオなどで修業はしてきたが、相手は相当長く修練を積んできたようだ。経験とそして技の一つ一つの質の差は歴然だった。

 

(このままだとまずいな。一旦距離をとるしか)

 

しかし相手はなかなかそうはさせてくれない。何とかチャンスを見つけるまで俺は粘った。そして相手が蹴りを繰り出す瞬間にしゃがむそして起き上がる反動を利用して

 

とんぼがえり(サマーソルト)!」

 

俺は某格ゲーの軍人の得意技のような蹴りを繰り出す。え?パクんなって?

細かいことは気にするな。そもそもサマーソルトとはとんぼ返りという意味なんだし

 

そして俺はそのまま一旦距離を置いた

 

しかしそうしたところで相手には弾幕がある

 

幻符「華想夢葛」!

 

今度は青色の弾幕が俺を襲う。おれも「スピードスター」や「めざめるパワー」、「いわなだれ」などで応戦するがさすがにコジョンドでは分が悪い。俺はここでジャラランガにチェンジした。

 

「スケイルノイズ」!

 

強烈な音波が前方を広範囲に広がり相手の弾幕を全て相殺する。その隙に俺は「りゅうのまい」で自身の能力を上昇させる。そしてさらに「ふるいたてる」を使った

 

彩符「極彩颱風」!

 

今度はまた虹色の弾幕を放つ。しかし球の動きは複雑で数も多い。俺は何とか交わしていく。そして俺は再び「スケイルノイズ」を放つ。「ふるいたてる」によりとくこうは上昇しており先ほどより威力は高い。弾幕を消し去る。弾幕により威力は弱まっているが攻撃は美鈴にヒットしダメージを与える。そして俺は再び接近戦に打って出た

 

「ドラゴンクロー」や「かわらわり」などで攻め立てる

 

しかし美鈴も負けじと応戦してくる。「りゅうのまい」によりスピードは増してはいるが手数はあちらの方が上。時々ダメージが入る。そのたびに痛みが大きくなる。「スケイルノイズ」は強力だがぼうぎょを一段階下げてしまう。二回使って二段階ダウンの状態なのでコジョンドの倍近くの防御力を持つジャラランガでもきつかった。しかし「りゅうのまい」によりこうげきも上がっている。一撃の威力ではこっちの方が勝っていた。それをいかして何とか相手の体制を崩す。そして名前をパクっているけどこの際気にせず、懐に飛び込み

 

スカイアッパー(昇竜拳)!!」

 

某格ゲーの必殺技をスカイアッパーで再現して放つ。その威力で紅魔館全域に衝撃波が発生して地形が変わってしまった

 

美鈴は天高くふき飛び、そして落下してくる。しかし俺はそれを受け止めた。

流石に気を失ったらしい。俺はひとまず館の中に入り壁際に寝かせた

そしてそのあとすごいキズぐすりで傷と体力を回復させた。とはいえ薬も数に限りがあるし使うチャンスがいつもあるとは限らない。気を付けないとな

そして俺は美鈴の方を向き

 

「正直なところを言うと接近戦ではお前の方が勝っていたよ。まともにやればこちらがやられていただろう。だが俺は初戦でいきなり負けるわけにはいかないんでな」

 

そう言い残し、俺は館の内部へと進む。しかししばらく進むと後方から

 

「おーい。真聡!!」

 

と声がする。振り向くとそこには・・・

 

「魔理沙!?」

 

霧雨魔理沙がそこにいたのであった

 




コジョンド    NO.620   タイプ:かくとう

コジョフーの進化形。腕には長い体毛があり、それを振り回す。両手で放つ連続攻撃は目にも止まらない速さで脅威。こうげきが高く「とびひざげり」の威力は強力。また意外ととくこうもあり「はどうだん」も使えたりする


ジャラランガ   NO.784  タイプ:ドラゴン・かくとう

アローラ地方の600族。弱いポケモンには一切手を付けず、気配を感じるとしっぽの鱗を鳴らして音を立てて自分の存在を教える。弱いポケモンはこれで逃げていくという。鱗は固く攻防一体であり、かつてはその鱗で武器や日用品に加工されて使われていたらしい。アッパーカットが必殺技でそれによる衝撃で周りの地形は変わってしまうほどの威力がある。ただゲームではかくとうタイプの技のレパートリーにあまり恵まれていなかったりする。専用技は強力だが使うとぼうぎょが一段階下がってしまうドラゴンタイプの技「スケイルノイズ」

美鈴が格闘系キャラなので元現世出身というのも含めて某格ゲーの技を入れてしまいました。次からはまじめです(多分)
それと霊夢はもう少し後から登場する予定です


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紅魔館での戦い

なんか主人公がどんどんもの壊しているような気がしてきた


~紅魔館・エントランス~

 

「お前も来たのか」

『まあな。お前があの門番と戦っているところも遠くから見てたぜ。それにしても最後は派手にやったな。その前の空からの攻撃もお前だろ?』

「ああ、そうだ」

『あの時この館に行く途中に妖精に邪魔されていて戦ってたんだけどさ、お前のせいで私は衝撃波に巻き込まれかけたんだぞ。すぐに気づいて急いで離れたけど、危うくどこかに吹き飛ばされるところだったぜ』

「一応予め館周辺を見渡して誰もいないか確認していたんだがな・・・。予想以上に威力が出てしまった。すまなかったな」

『まあいいぜ。おかげで妖精たちはほとんど逃げ遅れて吹っ飛んでったしな。おかげでそれ以降は楽に行けたぜ』

 

魔理沙は俺が初めて香霖堂で出会って以来もたまに会っていた。俺があげた「しあわせたまご」は効果があったようでみるみる成長していき、魔理沙も感謝してくれた。自信家で生意気なやつだが、根はまっすぐでいつも隠れて努力して己を高めていることは知っている。時々弾幕を撃ってもらって弾幕に慣れる訓練をしたり、彼女の特訓にも付き合ったりした。何というか腐れ縁というか戦友といった仲だ

 

「博麗の巫女はどうした?来てないのか?」

『さあ?私は見なかったけど。あいつのことだ、多分めんどくさがってなかなか来ないんだろ』

「それでいいのかよ・・」

『まああいつもこのまま黙ってみていることはないだろうし、そのうち来るさ。それより今は・・・』

「ああ、そうだな」

 

しばらく話していると、ここに住んでいる妖精たちがいっぱい来た。目的は言うまでもなく俺たちを排除することだろう。

「とりあえずこいつらを片付けるぞ!」

『おう!』

 

魔理沙は素早く放棄に乗って飛行し、俺はジバコイルの力を借りて戦闘する

魔理沙はショットやレーザー。俺は「ミラーショット」や「マグネットボム」などで蹴散らしていく。こいつらは弱く、俺も魔理沙も余裕で倒せる。しかしいかんせん数が多すぎる。やられてもどんどん出てくるしこのままだときりがないし、やられることはなくても消耗が多くなる。俺たちはこの先にいる異変の首謀者やその部下たちと戦わないといけないのだから無駄に消耗したくはない。そこで

 

「ラスターカノン!」

 

俺はマスタースパークほどではないが太くて強力な銀色のレーザーで一気に薙ぎ払った。そして

 

「魔理沙!一旦屋敷の外に出ていてくれないか。一気に倒す。追いかけてくる敵はお前が処理して、なるべく外に出さないでくれ」

『わかったぜ』

 

魔理沙は俺の言う通り一旦屋敷の外に出た。何人かは追いかけていたけど俺と比べればはるかに数は少ない。俺は敵の中心にもぐりこみそして力を込める

 

「ほうでん!」

バリバリバリバリバリィーーーー

 

俺は体から膨大な電撃を全方向に解き放った。それは広いエントランスにいる妖精たちをたやすく呑み込み一気に殲滅した。魔理沙をいったん外に出させたのは電撃に巻き込まれないようにするためだ

 

『おお!一気に片付いたな。ちょっと熱いけど』

 

その威力と範囲でエントランスは黒焦げになり、階段も破壊された。中心部では電熱で床が融解してしまったところもあった。とにかくここは片付いた。俺は魔理沙と共に奥に進んだ

 

道中にまた妖精たちや毛玉のようなものが襲ってきたが難なく蹴散らし、先に進む。そうしていると俺はある違和感を覚えた

 

(ここの館は確かに大きいがさすがに広すぎる。何か特殊な能力を持っている奴がいるのかもな)

 

そうしていると広いホールにたどり着いた。パーティー会場か何かだろうか?

 

『広いわりに誰もいないな。怪しいぜ』

 

確かにこれだけ広ければ敵が一人や二人いてもいいはずだ。誰もいないということは・・・そうしていると次の瞬間

 

「魔理沙!危ない!」

 

突然現れた人影を発見する。魔理沙を狙っていたようでナイフを正確無比に投げつけてきた。俺は素早くナイフの進行方向に向かい、そして「ラスターカノン」で攻撃した

 

ドッカーン!

 

何者かがいた場所は破壊されて大穴が出来た。そこには紅い空が見える。しかし手ごたえがない。回避されたようだ。そしてその人影はようやく正体を明かす。髪はみつあみをした銀髪のボブカット。そして来ている服装からしておそらくこの館のメイドだ。しかしあのナイフ投げの精度からしてただ者ではない

 

「あなた方ですか。どれほど破壊すれば気が済むのかしら」

『言っておくが、外の被害も、門番との戦いに出来た庭の被害もエントランスを焼き尽くしたのも私の隣にいるこいつだぜ』

「お前はここのメイドか?」

「ええ。この紅魔館のメイド長を務めております十六夜咲夜と申します。以後お見知りおきを。ご用件は・・・言わなくてもいいですわね」

「ああ。今すぐにこの赤い霧を止めろ。そうすればここでもうおしまい。あとは館の修復でも何でもするさ」

「メイドである私だけでは決められませんわ」

「じゃあここの主に会わせろ」

「生憎ですがわが主、レミリア・スカーレットお嬢様に合わせるわけにはいけません。代わりにこの私がお相手し、殲滅させていただきますわ!」

 

すると素早く大量のナイフを投げてきた。その技術は非常に洗練されている。敵ながら見事な腕だ。しかし俺も魔理沙もなんとか交わしていく。そしてどこからともなく大量のナイフの弾幕が襲ってくる。それに俺たちも応戦する。しばらく避けていると俺は魔理沙にこういった

 

「こいつは俺が相手をする。隙を作るからお前は急いで先に進め。ちゃんとサポートもする」

『わかったぜ。だけどあいつは相当厄介そうな相手だ。気をつけろよ』

「ああ、もちろんだ。お前も気をつけてな。」

 

そして改めて敵に向き

 

「フラッシュ!」

 

俺は強烈な光を放った。それで相手は目がくらんだようだ

 

その隙に魔理沙は先に進もうとする

 

「行かせると思いですか?」

 

当然それを阻止するためにナイフの弾幕を放つ。しかし

キン、キン!

 

それは魔理沙を覆っていたバリアに防がれる。フラッシュで目をくらませた隙に魔理沙に「リフレクター」を張っておいたのだ。あれくらいの威力なら簡単に防げる。そして俺はすかさず攻撃する。交わされるがそのころには魔理沙の姿は見えなくなっていた

 

「やってくれましたわね。あなたはやはりただの人間ではないようで」

「それはお互い様だろ?御託はいい。この木戸真敏。引き受けたからにはお前を倒させてもらうぞ」

「いいですよ。私のナイフ捌きをとくとご覧くださいませ。そしてあなたを排除させてもらいます」

 

こうして両者は負けるわけにはいかない戦いが始まるのであった

 




ジバコイル   NO.462   タイプ:でんき・はがね

第四世代になって新たに判明したレアコイルの進化形。テンガン山や電気石の洞穴など各世代ごとの特定の場所でレアコイルをレベルアップすると進化する。とくこうの高さは電気タイプの中でもトップクラス。強力な磁力を持っていたり回電波を発信しながら電波を受信していたりしているようだ。また見た目が似ているからか、飛んでいるジバコイルをUFOと間違われることが多いらしい



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VS十六夜咲夜

~???~

「にぎやかになったものだわ。でもたまにはこんな日もいいかもね」

 

と、とある個室に一人の少女がまぶく。「きりばらい」で払われた空もすでに紅く染まっており、それを眺めてる

 

「窓が割られてしまったけど、まあこうして風に当たりぱなしというのも悪くないわ」

 

そして紅茶を少し飲む。今日のは格別においしく感じるような気がした

 

「どこまで楽しませてくれるのかしらね。人間の魔女と博麗の巫女、そして・・・私たちと同じく外の世界からやってきた人間よ」

 

そういいながら少女はまた優雅に紅茶を飲むのだった

 

 

~ホール~

 

奇術「幻惑ミスディレクション」!

 

その号令と共に大量の紅い苦無のような弾幕が放たれる。俺はそれをかわして「ラスターカノン」で攻撃する。数は多いが威力はこっちが上。それをたやすく呑み込み敵に突き進むが

 

「ちっ。またか!」

 

しかしまたしても手ごたえがない。しかも放って間もないのに全く別の方向からナイフの弾幕が襲ってくる。応戦して何とか凌ぐがそれでもかなり厳しい

 

(どうやっているのかわからないが、こいつ瞬間移動してやがる。テレポートかと思ったけどどこか違和感がある。しかも普通に投げてきたはずなのにナイフが一本から10数本にまで同時に増えている。これは一体?)

 

「ふふ。どうですか?降参します?」

「誰がするかよ!」

 

俺は「マグネットボム」と「ミラーショット」を操作して弾幕を作り出す。だがやはり交わされる。「マグネットボム」は自動追尾する技なのにいきなり消えて対象を見失ったしまう

 

「これはどうですか?」

幻惑「ジャック・ザ・ルビドレ」

 

今度はやや大きめの紅い弾幕がばらまかれる。俺はそれを「10万ボルト」で相殺していく。そしてその隙に俺は咲夜に接近する。しかし一瞬謎の違和感が体を支配する。

すると次の瞬間大量のナイフが襲い掛かる。そしてを俺は全身をナイフに刺されてしまう。そして俺はハリネズミのようになった

 

「ふう。終わったわね」

 

と少し安堵する・・・が次の瞬間

 

ヒューン、ドーン!

 

突然別の方向から銀色のエネルギー弾が飛んできた。そしてそれは咲夜に命中し、吹き飛ばされる。とっさに動いて直撃はしなかったがそれでもダメージはしっかり入った

 

「へへ、まずは一本だな」

「うっ、あなたは全身を刺されたはずじゃ・・・」

「よく見ろよ」

「!?これは!」

 

刺されたのはただのぬいぐるみ。真聡は「みがわり」を発動したのである。そしてそれに視線がいっているうちに素早く別の方向に逃れたのである

 

「目には目をってね。ナイフがいきなり来るのは予測できたしな」

 

「・・・・」

 

するとまた姿を消す。そして別の場所から

 

「これは申し訳ございませんでしたわね。少し甘く見すぎていたようで」

 

すると再びナイフの弾幕を放つが激しさは増す一方。しかしそれでも交わすのは大して難しくはなかった

 

(さて、まずは一本取ったけどこれからどうするかな。まだ能力の正体はわからずじまいだしな・・・・・まあ一応見当はついては来たが、とりあえずこいつの能力を使うか)

 

そして俺ジバコイルから別のあるポケモンの力を借りる。そしてその能力を使ってしばらく探る。すると答えが見えたのだ

 

(なるほど・・・そういうことか)

 

そうこうしていると咲夜がまた弾幕を放つ

 

幻世「ザ・ワールド」!

 

俺は突っ込んでいくが、一瞬にして俺の周りを大量のナイフが阻む・・・と思われたが

 

「芸がないですわね。そう何度もかかりませんよ」

 

とすぐに俺の姿を見つける。別の場所から俺は咲夜に突っ込んでくる。咲夜は冷静に瞬間移動を発動して別の場所に移動されるが

 

「テレポート」

シュン

「え?」

しかしその先にはすでに俺がいた。そして俺はある技をかけてそして再び「テレポート」で離れる。そしてこういった

 

「お前の能力はもうどんなのかわかっている。もうお前の能力は通じないし今の技をかけたられた時点でもうこの勝負は終わりだ」

「それはどういうことかしら?」

「直に分かる」

「っ、戯言を!」

 

普段の丁寧な口調からずれ始める。そして彼女は放つ

 

メイド秘技「殺人ドール」!

 

最初に青と赤の大量のナイフの弾幕が大量にばら撒かれる。そして今度は一瞬で大量の緑色のナイフが現れる俺はそれを回避したり「リフレクター」で防ぐ

 

ある程度経つとと更に青と赤のナイフが現れる。そして緑のナイフの弾幕が来る・・・はずだった

 

ドッカーン!

 

突如紫色の大爆発が発生する。そして咲夜は力なく空から落下してきた。だがそれを俺は「ねんりき」で受け止めて地面におろした。先に進もうとするとボロボロになりながらも咲夜は口を開いた。

 

「どう・・して・時をと・・め・・た・・のに攻撃が来るの・・よ」

俺は足を止めて咲夜に語る

 

「ネイティオと言ってね。過去と未来を見ることが出来るポケモンがいるんだ。俺はお前の過去を見てその能力に気づいた。お前が時を止めている間に移動していることもナイフを回収していることもな。そして俺は未来を見る能力でお前が時を止めているところに「みらいよち」をかけたのさ」

「なんで・・時間を止めて・・いるのに・・見えるのよ」

「過去とは過ぎ去った出来事、未来はこれから起きる出来事のことだ。

お前が時を止めようともそれは時間が止まったという過去と未来の出来事でしかない。

つまり時を止めても過去と未来に起こる出来事というのは変わらないのさ。故にたとえ時が止まっていても過去と未来のことである以上見ることが出来るというわけ」

 

と説明する。それを聞き終えると咲夜は気を失った。

 

(まあ俺にあのポケモンの力が使えればもっと簡単だったんだろうけどな。尤もそのポケモンの力は強力すぎるのが欠点だが)と少しだけ思った

 

「さて魔理沙を追いかけるか」

 

と言い、俺は空中を飛んで移動した。

 

 

~???~

 

「はあ、はあ・・・ちっ」

「あはは、もう終わりなの?もう少し遊ぼうよ」

 

この館のどこかでは、今一人窮地に立たされている少女がいた

 




ネイティオ    NO.178   タイプ:エスパー・ひこう

「トゥートゥー」という独特で特徴的な鳴き声をするポケモン。普段は太陽を見つめてじっとしている。そして過去と未来を見渡す能力を持ち、右目は未来、左目は過去を見ることが出来ると言われている。それ故にこれからの未来でおこる恐ろしいことにおびえているらしい。また神の使いとして崇拝する地域もあるようだ


鳴き声と見た目でネタにされがちですけど、何気に凄い能力を持ってますよねコイツ


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紅魔館の秘密

紅魔郷も佳境に入ってきました


~紅魔館上空~

 

「うわ~。実際に近くで見ると本当に派手にやってくれたわね」

 

その声の主はほかでもない博麗の巫女こと、博麗霊夢だった。

彼女は博麗神社の巫女であり、妖怪退治と異変解決のスペシャリストである。異変がおきたらそれを解決するために現場へ向かうのだが、今回は出発するのが遅れた。元々めんどくさがりのところもあるのだが今回はわけがあった

 

(紫に呼び出されてスキマから様子を見ていて、魔理沙からも強いことは聞いていたけどここまでとはね。

・・・まだ紫が言っていたように幻想郷に仇なす者かはわからないけど)

 

そう思いながら、彼女は紅魔館に乗り込むのだった

 

~紅魔館・廊下~

 

俺は今廊下を突き進んでいた。どういうわけか妨害がない。ネイティオの能力で過去を見てみるとどうやら魔理沙が蹴散らしていたようだ。そうしていると破壊された扉があった。おそらく魔理沙によるものだろう。俺はとりあえずその部屋に入った

 

~図書館~

 

「こりゃ凄いな。こんなにたくさんの本を見たのは初めてだ」

 

中には膨大な数の本があり、本棚だけでも数十メートルはあった。書斎というより図書館といった方がいいだろう。俺はとりあえず散策する。本には見たこともない字で書かれた魔導書のようなものや現世でも見たことのある本など様々だ。漫画まであった。しばらく歩いているとかなり荒れ果てた場所があった。少し焦げている。おそらく魔理沙が誰かと戦った跡だろう。すると近くに人影を見つける。とりあえず近づいて話しかけようとすると、その人影はこちらを振り向き目が合った。見た目は紅いロングヘアーの女性だ。見た目は悪魔っぽい。しかしその女性は俺を見つけたとたん固まってしまったようだ。しかししばらくすると

 

「ま、また侵入者ですか!?うう、パチュリー様は魔理沙とかいう魔女との戦いに敗れてしまってもう戦えませんし、やっぱり私が・・・」

(とりあえず魔理沙は勝ったんだな)

「ああ、俺は別に挑んでこないものには手を出さないからさ、いったん落ち着いてくれないか?」

「そ、そんなこと言って私を倒すおつもりでしょう?この小悪魔、我が主パチュリー・ノーレッジ様の為なら力は弱くても全力でお守り・・・」

「だから。心配しなくても挑んでこなければ俺は何もしないってば!」

(やれやれどうしたものか)

 

そう思っていると

 

「うう、いったいどうしたのよ小悪魔」

「パチュリー様!?来てはなりません。この人間は私が倒しますから!さあ覚悟し・・ってあれ?き、消えた?」

「お前がパチュリーさんか?」

「「!?」」

 

俺は小悪魔という人がパチュリーという人の方を向いている隙に「テレポート」で別の場所に移動したのだ。パチュリーという人は薄紫色の服を着ていて、三日月の飾りがついたドアキャップのようなものはかぶっていた。

 

「俺は木戸真敏。人里で自警団の隊長をやっているものだ。俺は確かにこの霧の異変を解決しにここに乗り込んできたけど、戦えないものにとどめを刺したりはしない。ひとまず話くらいは聞いてくれないか?」

「・・・・いいわよ。どちらにしろ今の状態だとあなたには勝てそうもないし」

 

どうやらわかってくれたようだ。そして俺は質問をする

 

「俺が聞きたいことは二つだ。一つはお前の主はなんでこのような異変をおこしたのか、二つ目はそいつは今どこにいるのかだ」

 

しばらく黙っていたが彼女は質問に応じた

 

「この館の主のレミィは吸血鬼でね、太陽の光が苦手なの。だから幻想郷を紅い霧で覆って太陽の光をさえぎってしまおうとしたの。そうすれば昼でも騒げるんじゃないかって言っていたわ」

「・・・そうか」

 

理由はわかった。しかしそれはなんとも自分勝手な理由だった。俺は静かに怒りを覚える

 

「それとレミィは上の階にいるわよ」

 

俺は魔理沙を追いかけるために過去を見て地下へと続く道に向かったが、やはり上に行く道がありそこにいるらしい。何にせよ、この館の主にきつい灸を据えてやらないといけない。魔理沙はきっと大丈夫だろう

 

「わかった。場所を教えてくれてありがとう」

 

そう言った後、来た道を戻り上へ向かおうとすると突如ズズズと地響きがした。

 

(今のは下からした。まさか魔理沙に何かあったのか?)

「あの、パチュリー様これってまさか」

「・・・ええ。まずいことになったわね」

「どういうことだ?」

「ここから更に地下の部屋にはね、吸血鬼でレミィの妹がいるのよ」

「もう一人だと?」

 

(まさかもう一人いるとはな。だが妙だ。どうして姉妹なのに姉は上階の部屋にいて妹は地下にいるんだ?日光が苦手でも家の中なら過ごせるはずだが)

「いったいどうしてここから更に地下の部屋に実の妹がいるんだ?」

 

と俺は聞いてみた。

 

「レミィの妹のフランことフランドール・スカーレットはあまりに危険な能力を持っていてね、だいたい495年かしら?地下に閉じ込めていたの」

「よ、495年もだと!?」

 

(500年近くも解禁してたのかよ。それが姉のすることなのか?)

 

「もう一つだけ質問する。その妹の能力っていったいどんな能力なんだ?」

「それは・・・」

 

~地下の部屋~

 

「あはははは。それそれ~」

 

フランは凄まじい弾幕を放ってくる。

 

(クソ、こいつはマジでやばいぜ。このままじゃやられてしまう!)

 

魔理沙は必死に抵抗してきたがもう体力も魔力も限界だった。魔理沙はここで賭けに出ることにした。

 

(一か八かだがこれしかない!)

 

魔理沙はミニ八卦炉をフランに向けて構えた。そして渾身の一撃を放つ

 

「くらえ!恋符「マスタースパーク」!!!」

 

そして強烈な極太のレーザーを放った。そのレーザーはフランを弾幕ごと飲み込んだ

 

「はあ、はあ・・・どうだ!」

 

そのレーザーは的確にヒットした。しかし・・・

 

「フフフ。今のは結構効いたよ。でもここまでみたいね」

 

確かにダメージを与えたが倒すには至らず。そして無情にも魔理沙の魔力はもう限界を迎えた

 

「あはは。きゅっとして・・・」

「まずい!!」

「ドカーン!」

 

すると魔理沙の後ろにあった扉が突然木端微塵になった。

 

「あれれ逃げちゃった。でも次はどうかな?」

 

それは魔理沙を狙っていたが間一髪で避けれた。しかしもう体力も限界寸前。正に絶体絶命のピンチだ

 

「クソ!こんなところで!」

 

魔理沙は悔しそうな表情を浮かべる。しかし次の瞬間、突然魔理沙に不思議な光に包まれた。まるで何かから守るように

そしてフランは能力をまた再び使おうとしていた。ところが

 

「あ、あれ?嘘!?なんで?どうしてあいつの目が捉えられないの?」

 

フランは突然自分の能力が使えなくなってひどく困惑した。すると奥から

 

「ふう。何とか間に合ったか」

「「!?」」

 

すると扉から木戸真敏が現れた。

 

「真聡!」

「無事でよかったよ。大丈夫か?」

 

魔理沙は自分の友人の声を聴き喜ぶ。そして俺はフランの方を向いた

「よう。お前がフランドール・スカーレットだな」

「あんたね?いったい何をしたの?」

「俺の「おまじない」が効いたんじゃないか?」

 

そう俺はあの後パチュリーから能力について聞いたのだ。フランの能力はあらゆる物質を破壊することが出来るという恐ろしい能力だ。その原理は物質には「目」という一番緊張している部分があり、フランはそれを自分の手の中に移動させて直接握りつぶして破壊することが出来るようだ

この時俺はあることを考え付く。その「目」とはいわばあらゆる物質の核となる部分であり、それが物質の急所なのではないかと。そこで俺はネイティオが覚える、攻撃が急所に当たらなくなる技「おまじない」を魔理沙にかけたのだ。もちろん自分にもかけてある。うまく効いてくれてよかった。しかし知らないものからすればふざけた回答だと思われるだろう。そして案の定

 

「ふざけないで!!お前なんて壊れちゃえ!!!」

 

と激高し、猛スピードで俺に突っ込みパンチを仕掛けようとしてきた

 

ガシッ

「!?」

「痛えな。流石は吸血鬼といったところか?」

 

しかし俺はそれを片手で受け止める。人間が吸血鬼のパンチを力で受け止めるなど不可能だ。たとえマサラ人であったとしてもだ。俺は「おまじない」をかけた後、あらかじめネイティオからバンギラスの能力に変えていたのだ。そして俺は拳にあくタイプのエネルギーを纏い「しっぺがえし」で攻撃した

 

ボカッ

 

フランはすさまじい勢いで吹き飛ばされる。俺はすかさず

 

「ストーンエッジ!!」   ズッガーン!!

 

地面から巨大な岩の槍がフランを下から突き上げる。そして上に吹き飛んだところを

 

「あくのはどう!!」  ゴオオオオ・ドカーン!!

 

手から膨大な黒い波動を放ち正確にヒットさせた。ゲームではできない三連コンボが見事に決まった。しかしこれでは倒せない。それくらいはわかっていた。だから一切の油断をせずに魔理沙にあるものを渡した

 

「これは?」

「それは「ぼうじんゴーグル」お前はそれをしてここから出ろ!」

 

そしてバンギラスのとくせい「すなおこし」を発動させる。部屋の中ですさまじい砂嵐が吹き荒れる

 

「まだ倒れちゃいないんだろ?こい!今度は俺が相手だ!!」

 

砂嵐の向こうで立ち上がる人影を見据え。俺は身構えた

 




バンギラス     NO.248    タイプ:いわ・あく

金銀クリスタルで登場した第二の600族。片腕を動かすだけで山を破壊し、地響きを起こすとてつもないパワーを秘めたポケモン。地響きを起こして歩くだけでも大きな山も崩れだすらしい。ふてぶてしい性格で周りの被害を気にしないポケモンで、自分の住処を作るために山を破壊したり、川を埋め立てるため、そのたびに地図を書き直さないといけないとのこと。おまけに頑丈な体に任せて強敵を求めてさすらう習性もあるので、もはや歩く天災ともいえるポケモンである。進化前のヨーギラスは山一つ分の土を食べ、サナギラスもあちこち飛び跳ねて山を壊すため、ポケモンの世界は大丈夫なのか気になるものである


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悪魔の妹との会話

砂嵐が荒れ狂う中、二人の戦いは激化していった。

 

禁忌「クランベリートラップ」

 

俺の周りを魔法陣が縦横に移動し俺を狙って弾幕が放たれる。俺はそれを躱していき、「あくのはどう」や「いわなだれ」で攻撃していく。フランもまたそれを回避したり弾幕で相殺していく

一見は一進一退の攻防に見えるが実際はフランの方が不利だった。理由は今起きている砂嵐だ。砂嵐は少しずつではあるが確実に体力を奪い、更に特性「すながくれ」ほどではなくても目をくらませることが出来た。俺はそれを活かしながらとうとうフランに被弾させる。

 

「うう、こんのお、壊れちゃえ!!!」

 

すると弾幕の数も速度も上がっていく、正直これはかなり厳しい。しかしそれでも俺は何とか躱していきできるだけ接近する。そして

 

「うおおおおおおおお!!」

 

なんと強引に一直線に突っ込んできたのだ。弾幕なんてお構いなしというように。実際何発か被弾しているがさしてダメージは入らなかった。それは砂嵐のもう一つの恩恵によるものだ。砂嵐はいわ、じめん、はがねタイプのポケモンならダメージを受けない。しかしいわタイプのポケモンには砂嵐は鎧となりとくぼうを1.5倍にする効果を持つのである。かなり危険ではあるが俺はそれにかけて突っ込む。これにはフランもひるんだ。そしてその隙に接近し、フランに「かみくだく」をお見舞いした

 

「う・うわあああああああ!!」

 

牙の形をした強力なあくタイプのエネルギーが直撃してフランは悲鳴を上げる。そしてそのまま地面にたたきつけてさらに足にエネルギーを込めて

 

「今の破壊衝動しかないお前では俺は倒せん!!「じしん」!!」

 

俺はフランを踏みつけて、「じしん」のエネルギーを直接叩き込んだ。すさまじい地震のエネルギーは地下を揺らし、やがてフランのいた部屋を崩壊させた

 

 

~紅魔館・庭~

 

ボコッ

 

俺は地下から穴を掘って脱出した。フランも担いである。かなり乱暴ではあるがこれでも加減はしている。部屋の周りには「リフレクター」を何層も張っておいた。崩すのはあくまでフランのいた部屋だけ、それ以外の被害を最小限にするためである。

 

フランは今はボロボロであり、完全に気を失っていた。しかし俺は彼女を「げんきのかけら」と「かいふくのくすり」で回復させた。吸血鬼特有の再生力もあり、しばらくするとフランは目を覚ました

 

「うう、私は一体・・・」

「目が覚めたか?」

「!?」

 

フランは驚いていた。そして同時に恐怖を感じていた

 

「そう怖がるなって。手荒な真似はしたけど手当てしたのは俺だ」

「・・・私は負けちゃったんだよ・・・ね」

「まあな。いったろ?あのままでは俺を倒せないぞって」

「どうして・・・私を助けたの?」

「お前と少し話をしてみたかったからだ。しかしお前は狂気に飲まれていた。だから一度お前を倒して正気に戻さないと話せそうもなかったんでね。手荒な真似をして悪かったな」

 

フランは驚いていた。こんなことを言う者に会ったことがなかったからだ

 

「なあフラン、君は一体どうしたいんだ?このままだと一生あの暗い地下の部屋の中で過ごすことになるぞ。それでもいいのか?」

「私は・・・・」

 

フランは思い出していた。もうずいぶん昔のことではあるけど、姉のレミリアと仲良く過ごしていた時のことを。そして突然わけもわからず地下に閉じ込められてしまったことも

 

「本当は私も外に出て、お姉さまや咲夜たちみんなと話したりしたいよ。でも私のせいで大事なものも壊してしまうのが怖くて・・・」

 

と正直に語った。俺はしばらく黙った後・・

 

「・・・少しはわがままを言ってみた方がいいんじゃないか?」

「え!?」

「お前の能力は確かに危険極まりない物だ。だけどな、そういった能力がどうとか関係なく、自分が直したいことは自分で行動していかないといけない。なぜなら自分のことは自分自身が行動をすることでしか直せないからだ」

 

そして俺は続ける

 

「でも自分だけでは限界はある。誰かに頼らないといけないこともある。そういう時は自分で自分がどう思っているのかを相手に伝えないとダメなんだ。自分で伝えない限り誰もお前には協力してくれない。たとえ実の姉でもな。そして君は決して悪い子ではない。なぜなら君は大切な人を壊したくないと思っているからさ。本当に悪い者ならそうは思わないと思うけど?」

 

フランはただ黙って聞いていた。そして再び驚いていた。自分のことについてここまで考えてくれている人にはもうずっと会っていなかったからである。そして・・・

 

「さて、俺はそろそろ異変を解決するためにお前の姉のところに向かうとするかな」

 

俺は立ち上がり、レミリアのところへ向かおうとする。すると

 

「ま、待ってよ!私も・・・私もお姉さまのところに行く!そしてお姉さまに自分のしたいことを話したいの!!」

 

と言ってきた。俺はニッと笑い

 

「じゃあついてくるか?」

「う・・うん!!」

(まあどっちにしろフランの部屋は今は完全に崩壊しているしな)

 

そしてフランは俺についてきた。その道中で

 

「そういえばお兄ちゃんの名前はなんていうの?」

「そういえば名乗ってなかったな。俺は木戸真聡。人里の自警団の隊長をしている」

「私フラン。フランドール・スカーレット。よろしくね真聡お兄ちゃん!!」

(お兄ちゃんか・・・)

 

俺は弟も妹もいなかったから、そう呼ばれたのは初めてだった。そしてその時のフランの笑顔はかわいらしい邪気のない少女そのものだった

 

 

~紅魔館・最上階の部屋~

 

「ふふ、さすがは博麗の巫女言ったところかしら」

「あんたも主だけあって少しはやるじゃない」

 

今は正に博麗の巫女こと、博麗霊夢はこの異変の首謀者、レミリア・スカーレットと激しい戦いを繰り広げていた。両者一歩も譲らない互角の攻防だった

 

「でもそろそろ終わらせるわよ」

「あら、私が吸血鬼であることをわかっていっているのかしら?」

「吸血鬼だろうと神だろうと邪魔するものは蹴散らすまでよ!!」

 

そして両者は大技を放とうとし始める。しかし・・・

 

「あくのはどう」!!

「「!?」」

 

突然二人の間を阻むように、漆黒の波動が放たれる

そして入り口からある人物が現れる

 

「戦いの最中に邪魔をしてしまって申し訳ない。お前がこの館の主レミリア・スカーレットで間違いないな?」

「ええ、そうよ。せっかくの楽しい時間を邪魔してどういうつもりかしら?」

「お前の妹が言いたいことがあるそうだ」

「!?。フランがここに!?」

 

そう言って俺は下がり、そしてフランが前に出てきた

 

「お、お姉さま・・・

 




紅魔郷編も残り少なくなってきました
フランは一旦倒させましたが、再戦はあるのでそれを楽しみにして頂くと嬉しいです


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フランの決意、姉妹の愛

紅魔郷編もいよいよクライマックスに移行していきます


「お姉さま。私は・・・」

「フラン。部屋でじっとしてなさいって言ったわよね?どうしてここにいるのかしら?」

 

レミリアはフランをにらみつけていた。その眼光にフランは思わずひるむ。そのせいで思わず迷いが生じ始める

 

ふと後ろを向いた。そこには腕を組んで今の現状をじっとみている真聡がいた。

そして道中で言われたことを思い出す・・・

 

 

~数分前~

 

「・・・不安なのか?フラン」

「へ!?そ、そんなことないよ!」

「無理するなよ。さっきから滅茶苦茶不安そうな表情してるじゃないか」

「・・・・・・うん、やっぱり怖い。またあの部屋に閉じ込められたりとかお姉さまたちに何かあったらと思うと・・」

 

しばらく沈黙が続く。しばらくして真敏は口を開く

 

「フラン。さっき自分を直したいときにはどうしないといけないって俺は言った?」

「自分で行動するだったよね?」

「そうだな。だがそれにはあるものに勝たないといけないんだ。そのあるものってなにかわかるか?」

「え?え~と?お姉さま?それとも真聡お兄ちゃん?」

「違う。他人に勝つのは二の次だ。一番はな、自分に勝つことだ」

「え?自分に?自分を攻撃しないとダメなの?」

「強さというのはな、力が強いとか、動きが速いとかだけではないぞ。君はさ、大切な人たちでも壊していく自分を許せるの?その相手がたった一人のお姉ちゃんであっても」

「そ・そんな自分なんていやだ!!私の手でお姉さまたちを壊すことなんて絶対・・」

「・・・ほら、許せないんだろ?そんな自分を」

「あっ」

「じゃあ、まずそれに勝って見せろ。自分は絶対に大事なものを壊さない。そんな自分なんかに負けないんだぞって。」

「!」

「そうすれば君はきっといい方向に向かえる。だから自分が出来ないとすぐに決めつけるな。それが出来ればきっと自分の狂気にだって負けることはないさ」

 

 

~紅魔館・最上階~

 

(さあフラン。言ってごらん)

 

「・・・私は・・・」

 

数秒沈黙が続くが

 

「私はもっと自由にしたい。パチュリーや咲夜、美鈴、小悪魔、正敏お兄ちゃんにそしてお姉さまともっと遊んだりお話したいの!!!」

 

と本音を思いっきり叫んだ。レミリアも驚いたようだ。しばらく経ち・・・

 

「その後ろにいる人間にそそのかされたのかしら?姉である私の言うことよりも人間風情の方を聞くというの?」

「違う!!私はお姉さまたちが心配するほど弱くなんかない!!!私はなんでも壊しちゃう自分にだって負けない!!!」

「・・・そう。いいわ!ならお仕置きしてあげる!!」

 

レミリアは力をためて深紅の巨大な槍を生み出す

でもフランは全く臆さない。そして巨大な炎の剣を生み出し。それを振りかぶってレミリアに挑みかかった

 

ドーーン!!!

 

両者の武器がぶつかり合う。威力は互角だ。

レミリアは内心驚いていた。今のフランは凛とした迷いのない紅い瞳で、狂気に全く飲まれていないからだ。その様子は客観的に見ても誇り高い吸血鬼の気迫だった

 

カーン!!、キキン、バリバリバリ!!

 

二人は壮絶な空中戦を繰り広げていた。俺はそれをじっと見守る。

 

(それでいいんだよ。フラン・・・)

 

そう思いながら姉妹の戦いを見ていると・・・

 

「・・・ねえ?私がいるってことわかってる?」

「あ・・・(いけね。完全に頭になかった)」

 

博麗霊夢が俺に話しかけてきたのである。俺はすっかり忘れていた。

 

「ああ・・・初めましてだな。博麗の巫女殿。俺は木戸真敏。人里の自警団の隊長だ」

「ええ、話は魔理沙とかから聞いているわ。あとその呼び方は好きじゃないから霊夢でいいわ」

「そうか」

 

魔理沙から話は聞いてはいたけどなんとも不思議な雰囲気を持つ人だなと思った

 

「いったいどういうつもりなのかしら?あの姉妹の仲をどうにかしようだなんて」

「はは。何となくさ。495年も閉じ込められたってことには絶対何かありそうだし気になっただけ。それにこうした方が後々のことを考えてもいいかなと思ってさ」

「ふーん」

「まあとにかく今は見物と行こうじゃないか。霊夢」

 

しばらくは互角だったが徐々にレミリアが押してきた。純粋な破壊力が上でも戦闘の経験値はレミリアの方がはるかに上である。そうなるのも仕方ないだろう。でもフランは諦めていなかった。そしてその闘志は今もなお、狂気に飲まれることなく燃え盛っていた

そしてレミリアもどこか楽しそうだった

「はああああああああああああ!!!」

「たああああああああああああ!!!」

 

両者は己の武器に魔力を限界まで込める。そして・・・

 

バリバリバリバリ!!!!

メキメキメキメキ!!

 

ぶつかりあったエネルギーにより、壁と天井ににひびが入り始める

 

「これは・・」

「ああ。そうだな・・・逃げるぞ!!霊夢!!」

 

俺たちは急いで館を脱出した。そして・・・

 

ドッゴーーーン!!!

 

案の定、紅魔館は爆発と共に天井と壁が破壊された。そして煙が立ち込めた

 

煙が晴れてくるとそこでは姉妹が宙に浮き向き合っていた。二人の様子を見るとわずかにレミリアの方が後ずさり、そしてわずかだがダメージを負っている様だった。そして

 

「ふふふ。強くなったわね、フラン。まさか姉である私に押し勝つなんて・・・」

「お姉さま・・・」

「でもね、これだけはわかって欲しいの。私はフランが憎くてこんな目に合わせたんじゃない。あなたのためを思ってなのよ」

「え?」

「フランはまだ生まれたばかりだったけど、私たち吸血鬼はかつてひどい迫害を受けていたの。人間を殺すことなんて造作もないことだけど。数だけは多いからね

フランにはこんな目には合わせたくなかったし、そしてフランは本当は優しいことは知っているわ。だからもし自分で大切なものを壊してしまったら深い心の傷を作りかねない。だから仕方なくそうするしかなかったの・・・」

「・・・・・」

フランは黙って聞いていた

 

「でもそれは私の独りよがりな考えだった。妹であるフランは自分に立ち向かえたのに、私は逃げてばかりだったわ。・・・情けないお姉さまでごめんなさいね」

「お姉さま・・・」

 

フランは泣いていた。しかしそれは悲しみではなく喜びの涙だった。そして二人は抱き合った

 

その姿は人間とも変わらない姉妹愛の姿だった。俺と霊夢はその様子を何もせずに見守っていた

 

「フラン聞いて、今空に紅い霧が覆っているけどこれは太陽の光を遮断してくれるの。つまりあなたはいつでも外で遊べるってわけ」

「本当なの!?お姉さま!!」

「ええ、本当よ。ただしそれには・・・」

 

レミリアが振り向くと真敏と霊夢が近づいていた

 

「よかったなフラン。また仲直りできて。本当はこのまま美しい姉妹愛を見て終わりたいところだが・・・」

「そうよ。この霧は迷惑なのよ!今すぐに消してもらうわよ!!」

「というわけでだフラン。悪いがそれを阻止させてもらう。俺も人里を守るものとして見過ごすわけにはいかないんでな」

 

するとレミリアが

 

「ふふ、木戸真聡。お前には感謝はしているわ。でもね、日の光を遮断することはこの地は我が手中に治めたも同然。それを阻止されるわけにはいかないわ。二人とも倒させてもらうわよ!!」

「えへへ。真聡お兄ちゃん。さっきの私のままとは思わないでね。今度は私が絶対に勝つんだから!!!」

「さあこの幻想郷をかけて決戦といきましょう」

 

二人ともは俺と霊夢をしっかりと見据えて対峙する

 

「そういうわけだ霊夢。ここは共同戦線といこうか」

「はあ、まったく本当にめんどくさいことばかり続くわね・・・

でも仕方ないわね。博麗の巫女として退治させてもらうわよ!!」

 

俺はあるポケモンの力を借りて空を飛ぶ。そして

 

「さあ。勝負だフラン!レミリア!」

 

こうしてこの異変の最終決戦が始まった

 

 



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幻想郷をかけた激闘

今までより一番長いです


神罰「幼きデーモンロード」!

 

レミリアが叫ぶと紅いレーザーが取り囲むように放たれそして青い弾幕が花開くように広がっていく。俺はそれを空を飛んで交わしていくが、レーザーに阻まれてなかなか前に進めない。しばらくしたらレーザーは消えるが、また違う形で再び展開される。

しかしそのレーザーが消えたとき、その一瞬は手薄になる。俺はその瞬間に

 

「かえんほうしゃ」

 

俺は拳から強力な灼熱の炎を放つ。青い弾幕を焼き払い、レミリアに襲い掛かる

更に霊夢からも弾幕が発射される

 

「そうはさせないよ」

禁忌「カゴメカゴメ」

 

するとレミリアを守るように黄緑色の弾幕が壁になり「かえんほうしゃ」と弾幕から守る。そして弾幕が俺に迫る

 

「くっ「まもる」」

 

避けられないと判断して「まもる」でしばらくの間防ぐ

その間弾幕は俺を囲み、更にレミリアのレーザーまで加わってろくに動けず、「まもる」が切れた後は回避に専念せざるを得なくなる

 

「ありがとう。フラン」

「えへへ」

 

何だかんだ流石は姉妹。見事なコンビーネーションだ。

 

「このままだとまずいな。霊夢、何とかこれを崩す。出来れば広範囲を攻撃する技で頼む」

「わかったわ」

「じゃあいくぞ!「ねっぷう」」!

散霊「夢想封印 寂」!

 

俺は前方を広範囲に焼き尽くす灼熱の旋風を

霊夢は大量の札と赤い弾幕を放つ

 

それは姉妹の弾幕とぶつかり合い、大爆発が起こる

 

ドカーン!!

 

するとあたりに爆煙が発生する。すると先に霊夢が接近してきた。レミリアはグングニルを、フランはレーヴァテインを出して迎え撃つ

 

すると遅れて俺も煙の中から飛び出した。俺は煙の中で「つるぎのまい」を発動させていたのだ。俺の今宿しているポケモンはリザードンだ。そのままでは物理攻撃力が不安なため、俺は何とか隙を作りこうげきを上げていたのだ

 

「ニトロチャージ」

 

俺は炎を纏って突っ込みタックルを決める。威力は控えめだが攻撃が上がっている分ダメージもしっかり入る。更に素早さを上昇させる効果がある技なのだ

 

 

霊夢は強力な霊力を纏い、さらに人間離れした体術とお祓い棒でレミリアと互角以上に張り合う

 

「吸血鬼に張り合うなんてやるじゃない。流石は博麗の巫女といったところかしら」

「それはどうも」

霊夢はレミリアとの一騎打ちに発展する

 

一方俺は「ドラゴンクロー」や「ほのおのキバ」などでフランに接近戦を挑んでいた

フランも負けじと迎え撃つ

 

「たあああああ!!」

「おらああああ!!」

 

しばらくは互角だがやはりパワーはフランの方が上。まともにやるとこちらが不利だ。そこで俺は「ドラゴンテール」を放つ。これは防がれるが相手を後退させる効果があるため、これにより距離が取れた。そしてすかさず「かえんほうしゃ」で攻撃する

 

「甘いよ」

 

しかしフランはレーヴァテインで受け止める。炎同士の押し合いになるがフランはうまくさばき、炎の軌道を変えた。俺は上昇したスピードを生かして突っ込む。フランは回避のために素早く上昇する。しかし俺は瞬時に機動を変えてフランに近づき

 

「!?」

「スマブラ式:そらをとぶ!」

ドカ

 

 

「そらをとぶ」はゲーム本編では1ターン上空に飛び、次のターンで急降下して攻撃する技だ。しかし俺は大乱闘スマッシュブラザーズのリザードンが使用する、上昇の勢いを活かしてタックルする技の「そらをとぶ」を発動したのである。それはフランを捉え、見事にヒットする

 

「う~。流石真聡お兄ちゃんだね。でもこれはどうかしら」

禁忌「フォーオブアカインド」

「!?これは」

 

なんとフランが四人に分身したのだ。そして俺に同時で弾幕を放ってきた

 

「クソ、そんなのありかよ」

 

フランが四人に増えて4対1の状態になってしまう.これにはさすがに苦戦する

 

「まとめて攻撃してやる。「ねっぷう」!」

 

俺は「ねっぷう」で分身ごと一気に倒そうとする。分身たちの弾幕で迎え撃ち、技の押し合いになるが・・・

 

「!?」

「くらえ」

 

分身のうちの一人が俺に近づいて弾幕で攻撃してきたのだ。突然の攻撃に反応が遅れ一発被弾する

 

「クゥ」

 

俺はダメージを受ける。その隙に残りの分身たちが接近戦を挑むものと弾幕を放つものと別れて攻撃してきた。俺は急いで移動する

 

(このままじゃ埒が明かない。ここは本体を攻撃して一気に仕留めた方がいいかもしれない。何とか本物がわかれば・・・)

 

ここで俺は今こそあれの出番かもしれないと思った。それは1年半前・・・

 

 

~1年半前~

 

俺は修行中にあることを思いついたのだ。今俺はマサラ人並の身体能力。つまりポケモンの世界の住人の力を宿しているのだ。そしてポケモンの世界には特殊な力を持つ人がいることを思い出す

 

(もしかしたら俺も修行したら身に着けられるかも。サトシだってわずかだけど波導を使う描写が映画であった。魔理沙も人間なのにもかかわらず魔力を手にしている。俺にだってもしかしたら・・・)

 

そして修行の合間に波導の特訓をしてみた。とはいえやり方がよくわからないので、まずリオルで波導とはどういうものかの理解から始めた。滝に打たれたり、静かな場所で瞑想したりいろいろなことをした

 

~1年後~

 

俺はとうとうリオルの進化形のルカリオの力を宿すことが出来る様になった。これでより理解が深められるのではないかと思って期待した。まだ素の状態では使えなかった。弾幕戦は空中戦が主体であり、ルカリオは飛行できない。だから素の状態か他のポケモンの力を宿すときにも使えるようになればグッと戦略の幅が広がる。何年かかっても習得してやる。そう決意し、他の能力も含めて修行に励んだ

 

 

~現在~

 

(最近やっとつかんできたんだ。修行を欠かしたことはない。絶対に出来る!)

 

俺はそう信じ、集中する。この時の俺は異様に静かに感じた

 

(大気の動き・・・水のせせらぎ・・・森と風のざわめき・・・・・・・・・・・・!!)

 

すると何かを感じ取った。霊夢とレミリアの波動、完全ではないが弾幕の力も感じる。

・・・そしてフランの四つの分身のうち一つだけ強い波導を感じた

 

「見えた!」

 

俺は一気に分身たちに突っ込む。当然反撃してくる。しかし分身には目もくれず攻撃をかわしながら本物に一直線に突き進む。そして「ニトロチャージ」と比べ物にならない巨大な炎を身に纏う

 

「フレアドライブ!!!」

「!?」

 

凄まじい炎は弾幕を蹴散らし、フランに強烈な灼熱のタックルをくらわせた

 

ドッカーーン!!

 

周囲は爆炎に包まれる。本体に大きなダメージを受けた影響で維持が出来なくなったのか分身達は消滅した

 

「ウッ、いっつ」

 

「フレアドライブ」は強力だが、こちらにもダメージが来る諸刃の剣だ。俺に少しダメージを負ってしまう

しかしフランにも大きなダメージが入ったし、厄介な分身が消えた。でも

 

「ハァ、ハァ、まさか本物をみやぶるなんてやっぱりすごいや」

 

賞賛の言葉はあれど、まだあきらめる気はないという気迫がまだ彼女にはあった

 

「ふふ、本当に成長したわね。姉としても誇らしいわ」

 

レミリアがフランに声をかける。あちらも壮絶な激戦があったのだろう。霊夢もレミリアもダメージを負っていた。

 

「でもそろそろ終わりにしましょう。フランいける?」

「もちろんよ。お姉さま!!」

 

二人は魔法陣を発動して

 

  「紅色の幻想郷」!

禁断「スターボウブレイク」!

 

レミリアは大きな青い光弾と小さいが大量の紅い光弾が弾幕を展開する

フランは赤、黄、緑、青と色とりどりの大量の光弾を放つ

 

「こっちも迎え撃つわよ」

「ああ!」

 

神技「八方龍殺陣」!

「ブラストバーン」!

 

 

霊夢は膨大な数の札と弾幕を一気に放ち

俺は炎タイプ御三家のみが使える炎の究極技と呼ばれる技を放つ

 

両者の大技が激突する。力は拮抗していた。一瞬も気が抜けない。しかし

 

(!?)

 

なんとさっき消滅したはずの分身が一つだけ残っていたのだ

(そんな。確かに消えたはずじゃ。まさか、一つだけ残していたというのか?)

 

(ずるいかもしれないけど、これが私なりに思いついた作戦)

「・・・・真下がガラ空きだよ!」

 

そしてわずかに残った力を使い俺に攻撃してきた。力が弱いため威力は低いがそのせいで力が一瞬弱まり均衡が破られてしまう

 

「まずい、二重結界!!」

霊夢は素早く結界を張って防御するが・・・

 

(しまった)

 

そう「ブラストバーン」は強力ゆえに反動があり、数秒動けない。その数秒が命取りになった

 

「っ、真聡!!」

 

慌てて俺にも結界を張ろうとするが咄嗟にやった分強度が弱い。

 

ビキビキビキ

 

少しずつひびが入っていき

 

!! 

 

俺は光に包まれた・・・

 




最後はポケスペの名台詞を入れてみました。
尤もあれは「ガラ空き()!」ですが


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決着の時

ドォーーーーーン・・・

 

大爆発による爆風が紅い空を覆う

そしてその中から俺は落ちた

 

(このまま水に落ちたらまずい。何とかあの小島に・・・)

 

俺は力を振り絞り宙に浮く、そして徐々に降下して小島に着陸した。大ダメージを受けてしまい、俺はそのまま倒れてしまう

 

「ウッ、ハアハア・・・やって・・くれるじゃない」

 

霊夢は何とか結界が持ち堪えたおかげで直撃は避けれたが、霊力を大幅に削ってしまった

 

(最初の方で防御結界のようなものを張っていたから、防御手段は持っていると思っていたけど、甘かったわ・・・。霊力も消耗してしまったし、これは本当に・・・)

 

まだ戦えはするもののかなり厳しい状況に陥ってしまった

それでもこの戦いには負けられない。そう奮い立たせながら再び宙に浮き、二人の前に向かうのだった

 

 

~紅魔館前~

 

「クソ!何をやってるんだ私は!」

 

と悔しそうな声を上げる少女がいた。魔理沙である。フランとの戦いに敗れ、魔力を完全に消費してしまった今の状態だと空を飛ぶことさえままならない

 

「私は何のためにここまで修行してきたんだ・・・」

 

己の無力さをただただ悔やむ。今に出来ることは霊夢と真敏を信じることしかできなかった

 

 

~霧の湖の小島~

 

「・・・してやられたな。まさか分身を作る魔力を残しておくとは・・・」

俺は紅い空を地べたで大の字になって見つめながらつぶやく

 

「バックは爆発でどこか遠くにとばされてしまった。あの時とっさにバッグに手を入れて、とったオボンのみが一つだけ」

 

しかし食べないよりはマシだと考え、それを食べて体力が少し回復した。でもなかなか立ち上がれない。相手も消耗しきってはいるとはいえ、2対1だ。いくら霊夢でも限界がある。だからなんとしても立ち上がらないといけない

だから俺は最後の力を振り絞り、リザードンのあの能力(・・・・)にすべてを賭けた

 

~上空~

 

「はあ、はあ・・・」

 

霊夢も懸命に戦ったがやはり人間であることには変わらない。攻撃にはどうしても霊力が必要であり、霊力を纏わなければ妖怪相手にはダメージを与えるのは難しい。そうなると素の身体能力で人間を遥かに上回る吸血鬼の二人の方が有利なのだ

 

「あなたとあの男は本当によくやったわ。でももうここで終わりにしましょう」

 

そしてレミリアとフランは弾幕を展開しようと魔法陣を出す

 

(万事休すかしら)

 

霊夢は今、正に絶体絶命だった

 

その時・・・

 

 

ピカ!!ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

すると後ろにとてつもない熱気が発生してそれは巨大な火柱となり、雲を突き抜けて登っていく。あまりの熱気に霧の湖が茹で上がり蒸発し始める

 

「な、なにあれ?」

「これは・・まさか!?」

「おおおおおおおおおおおおおお!!」

 

すると真聡は火柱から飛び出した。彼は最後の切り札とも言っていい力。リザードンをはじめとした歴代炎タイプの御三家のとくせい「もうか」を発動したのだ。ピンチの時にしか発動しないが、炎タイプの技の威力が上昇する特性である

 

「すまん心配かけたな」

「あんた、それは一体?」

「その話はあとだ。今はまずこの勝負を決めるぞ!!」

 

そして俺はスカーレット姉妹を見据え

 

「フラン、さっきの作戦は見事だったぜ。 完全に出し抜かれた。でももう一つ教えてやる。勝負は相手が完全に倒れるまでは油断するなということをな」

「ふふふ、本当にどこまでも楽しませてくれるわね。だからこそ・・・」

「この勝負は負けないんだから!!!」

 

すると二人は強烈な弾幕を同時に展開するが

 

「今までとはわけが違うぞ。「かえんほうしゃ」!!」

「「「!????」」」

 

すると今までとは比べ物にならない強力な「かえんほうしゃ」が放たれた。それは二人の弾幕をたやすく呑み込み焼き尽くしながら迫る。二人は間一髪で回避するが

 

「ウッ」

「あ・熱い!」

 

あまりの炎の温度で直撃しなくてもすさまじい熱気を肌で感じたのだ。その様子には霊夢も驚いていた

 

(まだこれほどの力を持っていたなんて、この男一体・・・)

 

一方ではレミリアは空中で

(このままやりあっては余計な消耗を増やすだけかも。ならば!)

 

 

「フラン!こうなったら今持てる力を最大まで高めて強烈な一撃を同時に放つわよ。いい?」

「わかったわ、お姉さま!!」

 

すでに夜は更けっていて紅い月が上っており、しかも満月。吸血鬼の力が最も強くなる時だ

 

「「はあああああああああ!!」」

 

レミリアはグングニルを、フランはレーヴァテインに膨大な魔力を込める。先程紅魔館で二人がぶつけ合った時よりもさらに強力な力を持っていた

 

「相手は一気に勝負をつける気らしいな」

「そうなるとやることは一つね」

 

そして俺はさらに炎の力をため込み、霊夢は最後の力を振り絞り霊力を最大まで引き出す

 

両者の最大限の力が今ぶつかり合おうとしていた。そしてこれが最後の一撃となるだろう

 

そして・・・

神槍「スピア・ザ・グングニル!!!」

禁忌「レーヴァテイン!!!」

 

そしてほぼ同時に

「猛火のブラストバーン!!!」

霊符「夢想封印!!!」

 

極限まで威力が強くなった槍と炎の剣と色とりどりの巨大な霊力弾の数々と超巨大な火炎がぶつかり合った

その衝撃と熱気は紅魔館はおろか霧の湖を全域すら余裕で飲み込むほどだった。今度は小細工なしの力と力のぶつかり合いだった

 

ズズズズズズ

 

どちらが勝ってもおかしくはない勝負。その勝敗の行方は誰にも予想できない

 

(くう、なんて威力だ。こっちも最強の一撃を放ってるというのに・・・

でも俺は負けるわけにはいかない。絶対に)

 

「勝つんだああああああ!!!」

 

するとそれに呼応するかのように炎の力は強まり、色も青白い炎へと変わった。更に巨大化し霊夢の夢想封印すら取り込み始める

 

「!?」

 

そして少しずつ押していき、やがて・・・

 

ズッ・・・ドオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!

 

両者の力の激突の末、四人の力が混ざり合った超巨大な青白い灼熱の炎が立ち昇っていった

 




リザードン   NO.6   タイプ:ほのお・ひこう

元祖初代炎タイプ御三家の最終進化形。全ポケモンの中でも知名度と人気はトップクラスであり、炎タイプのポケモンを代表すると言ってもいいだろう
口から吐く灼熱の炎はあらゆるものを溶かし、苦しい戦いを経験した個体ほど温度は高くなると言われている。しかし自分より弱いポケモンに炎を吐くことはしない誇り高い習性を持つ。高度1400メートルまで飛べるが初代赤・緑・青ではなぜか「そらをとぶ」を覚えられなかったが黄色版からはちゃんと覚えるようになった。第七世代ではサンムーンのみでは手に入らないのにも関わらず、ライドギアで「そらをとぶ」と同じ役割を持つ「リザードンフライト」のポケモンとして登場している。ちなみにその個体では図鑑に登録されない


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戦いの果てと修復

異変は解決しましたが、今回は復興作業が始まります
一応調べましたが、細かい点に関してはご了承ください


「う、んん・・・」

 

俺は気が付いたら自宅のベッドにいた。とりあえずは生きているらしい

体に包帯が巻かれている。痛みはまだ少しあったが体は動かすことは問題なくできた

そうしていると

 

「あっ真聡!目が覚めたのか」

「よかったぁ。心配していたんですよ」

「真聡殿、目が覚めてよかった!」

「皆さん・・・」

 

すると慧音さんと阿求さん、柴さんが一斉にこちらに来た

どうやら俺の手当てをしてくれたらしい。またお世話になってしまったな。どうやら3日も寝ていたらしい。しばらくして俺は尋ねた

 

「異変はどうなったんですか?」

「解決したよ。紅い霧はすっかり晴れたよ」

「おかげで人里の皆様も体調を取り戻しましたわ」

「真聡殿あっぱれでしたぞ」

 

解決はしたらしい。でもそれより聞きたいことがあった

 

「霊夢と魔理沙、それとレミリアとフランをはじめとした紅魔館の住人たちはどうなりました?」

「大丈夫だ。全員生きている。霊夢とあの吸血鬼の姉妹も意識を失ってしばらく治療されていたけど、時期に目を覚ましそうだ」

「よかった」

 

無事なようでよかったと思った。ただ・・・

 

「あの・・・もしかして紅魔館周辺って・・・」

「・・・うん、完全に地形が変わってしまったよ」

(やっぱりかーーーー!!)

 

案の定というか、やはり滅茶苦茶になってしまったらしい。とりあえず今日はその話を聞いて・・・

 

 

~3日後~

 

俺はほとんど回復して外にも出れるようになった。医者も俺の回復力には相当驚いていた

マサラ人の超人ぷりとポケモンの道具の効果だろうか。とりあえず俺は霧の湖の方へと向かう

 

~霧の湖~

 

「うわぁ・・・話には聞いていたけど想像以上に酷いことになったな・・・」

 

その光景は本当に悲惨なことになっていた

周辺の森はほぼ消滅して焦土になっており、湖の水も完全になくなっていた。おそらく蒸発してしまったのだろう。そして最後は湖の中心部辺りで技が激突したのだが、霧の湖よりも大きな穴の巨大なクレーターが出来た。あれは技の威力+4人のエネルギーが衝突した爆発によるものだろう。あの日は、地面が溶けてマグマのようになってしまい、灼熱地獄化していたらしい。それは妖怪たちの総出の消火活動と雨を降らせる能力を持つ妖怪がいたらしくて、何とか消火できたらしい。俺たちはその時に倒れていたところを慧音さんたちが救ってくれたとのことだ。それと俺のバッグは運よく人里の方に飛んで行って見つけられたようだ

 

いずれにせよ、人里を救うはずが多大な被害を生んでしまった。このままでは申し訳が立たないし、罪悪感に苛まれる。何とかしなくては。その前に自警団の長期休暇をお願いしないとな

 

 

まずは地形を戻さないといけない。人里に戻って地質学の本と埋め立て作業について書かれた本と幻想郷の地理が書かれた本を借りてきた。そしてそれを参考に、カバルドンとバンバドロの力で「すなあらし」と「いわなだれ」、「どろかけ」などでかつての幻想郷の霧の湖に合うように形を形成していく。水は放出する必要はないのでひたすら埋めていく。ある程度埋めたら今度は数々の山へと向かい、バンギラスの力で少しだけ崩し、山にある土砂をそれぞれの山から運んでいく。足りない量は少しフーパのリングから取り寄せた。あとはそれを使って埋めていく。毎日1日中働いたがそれでも20日以上かかった。まあそれでも早いのだろうが。とりあえず形は何とか出来た

 

 

次は水だ。水を作ること自体はさして難しくないが、下手にしたら水が染み込んでいき、埋立地がもろくなるかもしれない。だから湖の周りには岩を多めにして土砂も念入りに敷き詰めていった。その作業が終わればいよいよ水を入れる。俺はペリッパーの力を借りとくせい「あめふらし」で雨を霧の湖の上空にだけ降らしていく。そしてしばらくは軽く「みずでっぽう」で水を増やしていく作業を数日行う。ある程度溜まり、土砂の確認をした後に雨と「なみのり」で一気に増やした。もちろん真水だ。あらかじめ確認したので大丈夫

 

 

最後は植林だ。まずはバンバドロの「たがやす」で土を形成していく。そして人里やフーパのリングから木の種や植物の種をあらかた撒いていった。しかしこのままでは元に戻るには何年もの年月がかかる。そこでポケモンの世界にある肥料をリングで調達した。「ぐんぐんこやし」、「とんでもこやし」を混ぜて土に撒いていく。少々臭いが我慢しよう。しばらくしたらもう芽が出てきた。流石ポケモンの世界の肥料である。ある程度は間引きも必要になっていくので、重なってるところは抜いていき、抜いたものは芽が少ないところに植えてできるだけ再利用を心掛けた。また、種を植えて調節もしていった。そしていよいよ最後の作業だ。俺はメガニウムの力を宿して片っ端から息を吐いていく。すると植物は枯れた植物も含めてどんどん成長し蘇り始めた。そして今度はフシギバナの力で「ねをはる」と「つるのムチ」で植物を縛っていく。そしてあらかじめ雨でうんと水をやっておき、今度は「にほんばれ」を発動する。そして伝わせた根と蔓を通して「せいちょう」と「こうごうせい」を発動する。すると植物は肥料と水と日光の力も加わりどんどん大きくなっていった。この作業を繰り返していき・・・

 

 

「出来たーーーー!!」

 

50日近くかかったが、何とかほぼ元に戻った。現実だとすさまじい速さだろう。途中人里の人たちやなんと紅魔館の人たちまで手伝ってくれた。美鈴さんは花を育てていたので知識はあったし、咲夜さんは時間操作のおかげで植物を急成長させてくれて予定より大幅に早く済んだ。本人曰く時間を戻すことは出来ないらしく、それができていればと言っていたがそれでも十二分に活躍してくれて本当に助かった。そして2度とこんなことにならないように固く誓った。正直もうこんなきつい作業はごめんだ。リアルマ〇ンク〇フトは大変だ。でもまあこれはこれで楽しかったけどな。伝説のポケモンの力が使えるようになればもっと早くて楽にできるだろう。万一のことも考えて、必ず習得しようという新たな目標が出来た

 

 

そしてある日

 

「え?博麗神社で宴会?」

「そうだぜ」

 

なんでも幻想郷では異変が解決したらそれを祝って宴会をやるのがお決まりらしい

 

「でもいいのか?今回俺もかなり被害出したし」

「いいんだって。紅魔館のやつらも来るんだしさ。まあ水に流そうというような感じだぜ」

 

まあせっかくの機会だし参加するか。そう決めて仕事が終わると俺は早速向かった

 




カバルドン  NO.450   タイプ:じめん

ヒポポタスの進化形。大きな口でのかみつきは自動車をつぶしてしまう威力。また口を広げることで自身の強さのアピールをしているらしい。意外と怒りっぽいらしく、体内で貯めた砂を穴から吹き上げて巨大な竜巻を生み出して敵を攻撃する。とくせいは天候をすなあらしにする「すなおこし」。優秀な補助技を多く覚えるので同じ特性のバンギラスとは違った使い方ができる。ちなみにオスは黄色っぽい色をしているがメスは黒い体をしている


バンバドロ   NO.750   タイプ:じめん

体重は920キロあり数あるポケモンの中でもトップクラスに重い。ポケモンは見た目の割に体重が軽い設定の場合が多いのだがこれはモチーフに近い重さである。あまり足は速くないが力が強く、10トン以上の重さの荷物を引っ張って三日三晩走り続けることが出来る。精神力も強くてピンチになっても逃げたりせず、泥を固めた強烈な蹴りをくらわせて返り討ちにする。ただアスファルトに穴をあけてしまうことがあるため、アローラ地方では通ってはいけない場所も存在するらしい。ライドギアポケモンの一つでデコボコした道を進むことが出来る


ペリッパー  NO.279   タイプ:みず・ひこう

キャモメの進化形。大きなくちばしにポケモンのタマゴや小さいポケモンを運んで空を飛ぶポケモン。配達もしており、ポケモン不思議のダンジョンでは手紙の配達役として登場している。第七世代では天候を雨にするとくせい「あめふらし」が追加され、とくこうも強化された


メガニウム   NO.154   タイプ:くさ

ジョウト地方の草タイプの御三家、チコリータの最終進化形。花びらから発散する香りは争う心を静めるという。吐き出す息には枯れた草木を蘇らせる力が秘められている。しかしゲームの性能面ではかなり扱いが難しく、残念ながら歴代御三家最弱候補になってしまっている


フシギバナ   NO.3    タイプ:くさ・どく

初代草御三家、フシギダネの最終進化形。太陽の光をエネルギーに変換するため夏の方が強くなる。雨が降ってもそれを栄養にする。そうなると背中の花も色鮮やかになり、争う心を静める香りを出す。その匂いに誘われてポケモンが集まってくるらしい。第六世代ではメガシンカを手に入れメガフシギバナになることが出来る様になった


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異変後の宴会

次で紅魔郷編も終わりの予定です


~博麗神社~

 

「それでは異変解決を祝って・・・乾杯ーーー!!」

『『乾杯!!』』

 

と魔理沙が音頭をとって宴会が始まった。俺は用意された食事を食べながら酒を少しずつ飲んでいく。このお酒はなかなかおいしい。水が違うのだろうか

 

それにしてもこの宴会の光景は異様なものだ。なんせ周りが女性ばかりで男は俺しかいない。しかもどう見ても酒を飲んで良い年齢ではない少女が俺よりもがばがば飲んでいるのは少し唖然とする。妖怪とかは実年齢がかなり長いのでまだしも、魔理沙と霊夢はさすがにどうなんだと思った。かくいう俺も18で年齢的には未成年だ。しかし飲んだのはこの年になってからだし、世界的に見れば18歳からの国の方が多いからまあいいかと思って飲んでいる。最近は慣れておいしさがわかるようになってきた。強さに関しては初めて飲んだ時も特に酔わなかったため、少なくとも下戸ではないようだ

そうやってしばらく飲んでいると

 

「真聡お兄ちゃ~ん」

「おおフラン。来てたのか」

 

フランが俺のところにやってきた。最近だとレミリアの許可があれば外出していいようになった。あの異変で紅魔館も消滅してしまい、何とか残っていた地下を拠点にしばらくの間過ごしていたらしい。しかし図書館は本がほとんど倒れていて戻すのが大変だったらしいが

 

そのあと俺が地形の整備が完了した後に再び再建作業が始まり、今だと7割方元に戻ったようだ。俺も水と植林の合間に材料を提供したりした

 

「元気だったか?前には作業を手伝ってくれてありがとうな」

「いいよ別に」

 

フランはレミリア曰く以前と比べて明るくなり、能力も制御できるようになって不安定だった情緒も安定し始めたらしい。姉妹仲も良好な様子

 

「レミリアは?」

「あそこで咲夜と一緒に霊夢と話してるよ」

「そうか」

「妹様ここにおられたのですか。真聡さんも」

「あっどうも」

 

すると美鈴さんがやってきた。今日はレミリアが特別に門番の仕事を休みにしてくれたとのことだ

 

「真聡さんがくれた肥料は本当にすごい効果ですね。あっという間に育ってしまいました。中には見たことがない色をした花が生えてきましたよ」

「あ~そういえば「とんでもこやし」も混ぜたんだっけ」

 

「とんでもこやし」は「びっくりこやし、ぐんぐんこやし、たわわこやし」の三つの効果がすべてあるもので、「びっくりこやし」は木の実に突然変異が起こる確率が上がる効果がある。おそらくその効果で突然変異が起こったのだろう。そうなるとあの森の木々の中にもでてくるかもな

 

「そうだ。よければこれらの木の実を育ててはどうです?」

「木の実ですか・・・うわ~いろんな種類がありますね。どれも見たことない物ばかりです」

「この桃みたいなのは何?」

「これはモモンのみという種類で甘くて更に強力な解毒作用のある実で・・・」

 

としばらく木の実の特徴を説明していった。二人とも興味深そうに聞いていた。俺も普段は近くの空き地で育てている

 

木の実をいくつか差し上げて、二人としばらく話していると

 

「うい~。のんでるか~」

「お前飲みすぎだろ」

 

すると魔理沙が酔っ払って俺に話しかけてきた

 

「たくっ、それじゃ明日は二日酔い間違いなしだな」

「いいじゃんか~。宴会なんだし~お前はまじめすぎるんだぜ」

「お前が不真面目すぎるんだろ」

 

この見た目でこんなに酔っぱらっているやつは現世ではまず見ないだろう。まあここではこれといった法律がないのだが

 

「しっかしよくあそこまで戻したよな。正直驚いたぜ」

「まあ、自分がやったことには責任を持たないとな」

 

と酒を少し飲んで

 

「俺は自警団の隊長だし、一応正義を掲げているつもりだ。でも正義のためだからと言って、自分のせいで起こした被害を放置していいものではないと思うんだ。それだと示しがつかないだろ?罪悪感にも苛まれるしさ。だから俺の持てるすべての力を使って修復したまでさ。俺の持論だが、破壊することは簡単だが修復はそれに比べると大変だ。だから強大な力とは破壊だけでなく再生の力も合わさって真の強大な力だと思う」

 

と少し間を置き

 

「まあたとえ世界征服をしようとするような悪人でもいざとなれば、ある程度は修復作業はすると思うよ。世界征服しようとしても征服する世界が壊れてしまっては意味がないからな」

「ふーん・・・」

 

とまあこんな感じに語った

 

「まあさ。お前はそれをやり切ったんだしさ。今くらいは飲めよ!」

「・・・そうだな。じゃあついでくれ!」

 

こうして再び楽しい酒盛りが始まる

 

「・・・・・・」

 

しかしこの時俺は外野から今の話を聞いている者がいたことに気づかなかった

 

 

 

~深夜~

 

宴会もようやくお開きになった。何だかんだいって、いろんな人と話をすることが出来て楽しかった。おかげで思った以上に酔ってしまった。明日は休日で本当に助かった

 

「真聡」

「おう、レミリア。どうした?」

 

するとレミリアが話かけてきた

 

「あまりガラじゃないけどお礼を言いに来たのよ」

「お礼?」

「・・・私は長い間フランを閉じ込めてきたわ。フランを守るためにね・・・

でも私は姉なのに大切な妹に正面から挑めなかった。我ながら情けない姉よね・・」

「・・・」

「でもあなたは真正面から戦い、話してフランの心の闇を払うきっかけを作ってくれた。それには本当に感謝しているわ。だから紅魔館が直ったら時々フランに会いに来てくれないかしら?歓迎するわ」

「レミリア・・・」

 

レミリアは真剣な眼差しで俺にそう語った。俺はそれに

 

「ああ、もちろんそうさせてもらうよ。・・・それとさレミリア。お前ら吸血鬼の寿命はとても長いんだろ?だったらフランをないがしろにした年月以上の年月を接してあげなよ」

「ええ。わかっているわ。ありがとう」

 

そう言って俺たちは握手をした

 

「私もあなたが来た時には門を通しますからね。あと木の実をくれてありがとうございます」

「私からも歓迎するわ。妹様も喜びますし。・・・ただ遊ぶときは館を壊さないようにお願いします。」

「ははは・・・もちろんですよ・・」

 

今度はそうしないようにしようと改めて誓った

フランは疲れて寝てしまったらしく、美鈴さんにおんぶされていた

 

「じゃあな、フラン。またいつか遊びに行くからな」

 

と言って頭を軽く撫でた。その時フランは笑っていた

こうして俺は紅魔館一行を見送った。ちなみにパチュリーと小悪魔はきてなかった

 

「さあ~て。俺も帰るか」と思ってケーシィで「テレポート」をして帰ろうとすると

 

「ちょっといいかしら?」

 

後ろから女性の声がしたので振り返った

容姿は長い金髪にリボンがいくつか結ばれていて紫色のドレスを着た女性だった。その雰囲気は妖艶な魅力を持つがそれと同時に得体のしれない力を感じる。ただ者ではない

 

「初めまして。私は八雲紫ともうしますわ。木戸真聡ですよね?」

 

俺はまた一悶着ありそうな予感を感じた

 




チェックはしていますが誤字がいくつか出てしまうときがありますね。注意せねば


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幻想郷の賢者との対話

最後は短いです


~博麗神社・境内~

 

(八雲紫・・・。「幻想郷縁起」であったけど、確かこの幻想郷を創設した賢者とも呼ばれる最古参の妖怪だったな・・・)

「・・・何の御用でしょうか?」

 

しばらく沈黙が続く。そしてこの妖怪の得体のしれなさに俺は内心緊張していた

 

「私が聞きたいことは一つだけよ。あなたは一体何者なの?」

 

と聞いてきた。そして続けて

 

「私はこの幻想郷を覆う結界の管理をしているわ。そしてたまに外界から外来人が来ることがあることも知っているし、来たこともわかるわ。・・・しかしあなたは私が気づかぬ間にこの地に現れた。しかも大抵の外来人は人里にたどり着く前に妖怪に食い殺されるけど、あなたはこの地に現れたときから特別な力を持ち、妖怪から逃れるどころか倒してしまった。しかも素の身体能力も普通の人間を遥かに凌駕する。そして今回の異変で吸血鬼を倒し、更に地形の修復までやってのけた。こんな人間は前例がないわ。もう一度聞くけどあなたは本当に何者なの?」

 

どうやら俺のことについて聞いてきたようだ。しかしどう答えたらよいものか。俺はなんでポケモンの能力を手に入れて、そしてこの幻想郷に来たのかも分からないし、だれがやったかもわからない。ただ言えることは

 

「俺はかつては外の世界で住んでいました。そして俺は病で死んだ。わかるのはそれだけです。この力をくれた者も、幻想郷に来た理由も俺には何一つわかりません」

 

そう答えるしかなかったし、これが俺の正直な答えだ。それ以上もそれ以下でもない

 

そしてまたしばらくの間沈黙が続いた。この時は異様に時の流れが遅く感じた

 

ヒュウ~、ザザザザァ・・・

 

夜風とそれにたなびく森の音だけが聞こえた

 

「・・・もう一つだけ聞いておくわ。あなたが魔理沙たちに言ったあの言葉に偽りはないのかしら?」

 

少し黙っていたが、俺はそのあと改めて八雲紫の目を見据え

 

「もちろんです。あれには嘘偽りは一つもありません。何ならこの幻想郷には閻魔がいると聞きますので、今からその閻魔に尋問してもらっても構いません」

 

としっかり答えた

 

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

 

お互いしばらく黙り込むが・・・

 

「・・・わかったわ。今は貴方を善人と認め何もしない。ただしこれだけは覚えておいて。私は誰よりもこの幻想郷を愛している者だと自負しているわ。だからもしあなたが幻想郷に仇なすものと分かればその時は容赦しない。それだけはよく覚えておきなさい」

 

そう言うといきなり空間から切れ目が出来た。中には目玉がたくさん見えた。おそらくあれが本に書かれていた「スキマ」というものだろう。そして八雲紫はその中に入り消えていった

 

「ふぅ・・・」

 

と思わずため息をついた。なんとも得体のしれない相手だった

 

「すっかり酔いが覚めたな・・・」

 

そうつぶやき、俺は今度こそ「テレポート」で自宅に戻っていった

 

 

 

 

今回の異変で木戸真敏の名は幻想郷中に轟き名を知られるようになった。

そして彼は「幻想郷録起」にこのように記された

 

 

 

名前: 木戸真聡

 

種族    : 人間(外界基準)

二つ名   : 妖獣の力を宿す人里の守り人

能力    : ポケモンの力を宿す程度の能力 

       (ポケモンとは妖獣のようなもの)

危険度   :  低

人間友好度 :  高

主な活動場所: 人里 (自警団隊長)

 

 

そして彼の幻想郷での生活はこれからも続いていく・・・

 




何とか紅魔郷編は無事に書き終えました。
次は日常回も少し挟んでから、妖々夢編も書いていこうと思います

執筆から二週間ほど経ちましたが、思ったよりも閲覧数やお気に入り数が増えてきてうれしい限りです。感想は大歓迎ですのでいつでもどうぞ

そしてこれからもよろしくお願いいたします


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休章
紅魔館への道中。妖精二人組との出会い


紅魔郷で登場しなかったチルノと大妖精が登場します
まあチルノがメインで大ちゃんはチョイ役程度ですが


~自宅~

 

「ふあ~。よく寝たな」

 

今日は休日だ。とりあえず日課である朝の修行を行おうと思う。俺は顔を洗い着替えて外に出た。そして外に建てたポストの中を見る。中には普段通り新聞があったが

 

「ん?招待状?」

 

今日はもう一枚手紙があった。その内容は紅魔館からのだった。紅魔館の再建が終わったのでまた来てほしいとのことだ

 

「今日は暇だし、行ってみるか」

 

そして俺は朝の修行を今日は短めに終わらせ、朝食を食べて紅魔館へ向かった

 

~霧の湖~

 

「テレポート」を使ってもよかったのだがあんまり早く来すぎるのもあれなので、湖までは飛行して、それからは歩いていくことにした

 

「ここまで戻すのは大変だったな・・・」

 

紅霧異変の被害から元に戻すために復興作業に没頭していた時期があったが、自分でもよくあの世紀末な状態からここまで戻したよな・・・と思っていた。妖精も戻ってきているらしい。そんなことを思いながら進んでいると

 

「おっと」

 

突然弾幕が飛んできた。しかも冷たい。これは・・氷?

 

「あたいの弾幕を避けるとはやるわね」

「チルノちゃんいきなり何てことするのよ」

 

すると二人組の少女が出てきた。一人は青い髪と服で氷の羽を持ち、もう一人は黄色いリボンをした緑色の髪でサイドテールをした少女だ。この子にも羽がある

 

「君たちはもしかして妖精?」

「あたいはさいきょーの妖精チルノだ!!こっちはあたいの友達の大ちゃん」

「ど・どうも。一応大妖精という名前です」

 

やっぱり妖精のようだ。あまり道草をくうわけにもいかないので

 

「俺はちょっと行かなきゃいけない場所があるんだ。悪いけど手短に頼むよ」

「あんたのことを天狗の新聞で見たよ。アタイたちの縄張りをよくも滅茶苦茶にしてくれたわね。あたいがやっつけてやる!!」

(うっ、それに関してはぐうの音も出ない・・・)

「くらえ!氷符「アイシクルフォール(easy)」

 

と言って氷の弾幕を放ってくるが・・・

 

(これ正面に立って動かなければいいんじゃ・・・)

 

案の定当たらない。まあとりあえず終わるまで待った

 

「あたいの弾幕を避けるなんてやるわね!」

(何もしてないけどな・・・)

「まだまだ行くわよ!雹符「ヘイルストーム」!!」

「おっと」

 

今度は氷の弾幕を大量に散らばせてきた。でもまあこれも簡単に避けられる

 

「くう~これならどうだ!!凍符「パーフェクトフリーズ!!」」

 

すると色とりどりの弾幕を放ってきた。しかししばらくしたら

 

カッキーン

 

弾幕がすべて凍り付く。そして青い弾幕を放った後、凍った弾幕が動き出して俺を襲う

 

(妖精は人間以下らしいし、実際紅魔館にいた妖精は数は多いけど一人一人はすごく弱かった。でもこのチルノという子は妖精なのにも関わらず冷気を操り、弾幕をたった一人で行ってる。確かに妖精の中では最強なのかもしれない)

 

俺はあるポケモンの力を宿し

 

「じゃあ俺なりの冷気の使い方をさせてもらおうかな」

 

すると俺の周りに強力な冷気が流れ出す。その冷気で周りが凍り始めている。そして俺は巨大な氷の壁をいくつも出して弾幕を防ぐ

 

「!?」

 

更にあられが降り始める。とくせい「ゆきふらし」によるものだ。俺が宿したのはアマルルガである。本来のとくせいは「フリーズスキン」なのだが修行の成果で夢特性まで扱えるようになったのだ。しばらくして、俺は指を鳴らした

 

パリーン

 

指を鳴らすとともに氷の壁は砕け散る。そしてチルノに指を向けて

 

「れいとうビーム!!」

 

すると指先から強烈な冷凍エネルギーを持ったビームを放った。なんかポーズが魔〇光〇砲みたいになったが気にしない。しかし俺は当てずにチルノにかすめるように放った。その冷気でどんどん周りの物が凍り付く。しかしこれ以上はやりすぎなので途中から上に曲げた。そして「れいとうビーム」はどこかに向かって消えていった。これも修行の成果である。ポケスペのワタルほどではないがある程度ならビームを曲げてコントロールできるようになった

 

「どうだい?俺もなかなかやるものだろう?」

「す・凄い・・」

「・・・お前なかなかやるな。このあたいが冷気の使い方で驚かされるなんて」

 

しばらく黙ってからこう言った

 

「今日はここまでにしてやる。でも忘れないでよね。次はもっと強くなってあんたを驚かせてやる!!」

 

そう言ってどこかに飛び去って行った

 

「あっ待ってよ、チルノちゃーん。えっとその・・じゃあこれで」

 

とお辞儀して大妖精はチルノの後を追って去っていった

 

「やれやれどうにかここはどいてもらったけど、リベンジを宣言されちゃたな・・・

まあでもなかなか面白そうな子だったし、次会うときが楽しみかな」

 

そう言って俺は凍った場所は溶かして、今度こそ紅魔館へ向かう。予想以上に時間をくったのでそれからはポケモンの力で飛行して移動した

 

 

~紅魔館前~

 

「おお!本当に元通りになったんだな」

 

紅魔館は元通りに修復されていた。相変わらず紅くて目に少々悪いが、立派に立っていた

 

「あっ真聡さん。来てくれたんですね」

「こんにちは」

 

美鈴さんが俺に気づいて話しかけてきた

 

「お待ちしてましたよ。どうぞお入りになってください」

「じゃあお邪魔しますね」

 

と言って入ろうとするが

 

「ヘックシュ!!」

 

と美鈴さんはくしゃみをした

 

「ああすみません。さっき急にあられが降ってきたものでちょっと冷えてしまって」

「ああ・・・」

 

あの時は二の舞を防ぐために加減していたんだが。これは申し訳ないことをした

 

「すみませんでした。ちょっとチルノという妖精に襲われてしまってその時にちょっと。よければこれを・・・」

 

俺はチイラの実とおいしいみずを差し出す

 

「ありがとうございます。うわっ、か、辛い!・・・あれ?でもそれに負けないくらい甘い。不思議な味です」

「少しは温まりましたか?」

「はい、おかげさまで」

「よかった。この実も差し上げますのでよければ育ててください」

「ありがとうございます」

 

そうして今度こそ紅魔館に入ったのだった

 




アマルルガ   NO.699   タイプ:いわ・こおり

竜脚類の恐竜の一種アマルガサウルスがモデルと思われるポケモン。ひし形の結晶からマイナス150度の冷気を放って敵を氷漬けにする。また瞬間的に氷の壁を作り、敵の攻撃から身を守ることもできる。特性はノーマルタイプの技をこおりタイプの技にして威力を1.2倍にする「フリーズスキン」でありそこから放たれる「ハイパーボイス」や「はかいこうせん」の威力は強烈。また夢特性はユキノオーと同じ天候をあられにする特性の「ゆきふらし」である


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紅魔館訪問①

~紅魔館・エントランス~

 

「お邪魔しまーす。木戸真聡です。誰かいませんかー?」

 

中に入っても誰もいなかったのでとりあえず大声で呼びかける。しばらく待っていると

 

「あ、あの木戸真聡様ですね?」

「そうだけど」

「ようこそお越しくださいました」

 

ここで働く妖精メイドが出てきた。咲夜さんから聞いたけどここは妖精がメイドの仕事の手伝いをしているらしい

 

「俺はどうすれば」

「そうですね・・・。地下の図書館に向かわれてはいかがでしょう?そこでお待ちいただいてる間に私がお嬢様たちに伝えておきますので、木戸様はこの子の案内についていってください」

「ささ。こちらへどうぞ」

 

いつの間にか別の妖精メイドが現れていた。俺はその妖精の案内についていき、図書館へ向かった

 

 

~図書館~

 

「相変わらず凄い数の本だな」

 

あの時の異変でも見たが、凄い本の数に圧倒される。あの後本がほとんど本棚から出ていて片付けが大変だったらしい。しかし本はほとんど無事だったようだ。その理由はパチュリーさんが出る前に一応結界を張っておいたことと、本自体もちょっとやそっとでは傷つかないようになっているとのことである

 

「あ、いらっしゃったんですね、真聡さん」

「・・・久しぶりね」

 

机で本を読んでいるパチュリーさんとその隣には小悪魔さんがいて俺に気づいて挨拶をしてくれた

 

「お久しぶりです。あの異変以来ですね」

 

と俺は応えた

 

「レミリアたちはどこに?」

「ちょっと野暮用があるらしいわ。しばらくしたら来ると思うからここで待ってなさい。本も勝手に盗まなければ読んでいいから」

「わかりました。本か・・・」

 

俺はお言葉に甘えて読ませてもらうことにした。主に魔導書らしきものが多かった。それは正直俺には読めそうにない

しかし外の本もかなりあり、漫画もあった。俺は懐かしくてつい立ち読みをしてしまう

 

(懐かしいな。この漫画好きだったなあ。おっかなり古いジ〇ンプがあるぞ。「ド〇ゴンボ〇ル」、「ス〇ムダ〇ク」、「ダ〇の大〇険」、「ジョ〇」・・今見るとすげえ豪華なラインナップだな・・・)

(「ワ〇ピース」はあれからこんなことになってたのかよ。これの最終回はどうなんだろうな・・・)

 

といろいろな漫画を夢中になって読んでいた。その気になれば「フーパのリング」で手に入れられるのだが、泥棒しているようで気が引ける。復興の時に肥料とかも取り寄せたけど、ちょっと後ろめたかった。そうしていると・・・

 

ガサゴソ

 

「ん?なんか物音がするな」

 

俺は本をもとあった場所に戻してその音がする方へ向かう。そこには・・・

 

「・・・何やってんだお前?」

「!?」

 

そこには魔理沙がいた

 

「お前もここに呼ばれてきたのか?」

「おう。そうだぜ」

「証拠は?俺は知らせの手紙がきたから来たのだが?」

「今持ってないんだぜ」

「美鈴さんに見せなきゃ入れないはずだが?」

「え~とそれは」

「あとその後ろにある大きな袋はなんだ?」

「そ・それは・・だな・・」

 

明らかに挙動不審だ。こいつまさか・・・

 

「あんただったのね。犯人は」

「パチュリーさん」

 

するとパチュリーさんと小悪魔さんが後ろに立っていた

 

「ここのとこ、本が妙に減ってたのよ。犯人はあんただったのね。その袋にある本を返してもらうわよ。もちろん盗んだ本もね」

「窃盗罪でちょっと自警団本部で話を聞かせてもらおうか?」

 

魔理沙は滝のように汗が出ていた

 

「これは借りてるだけだぜ」

「許可は取ったのか?勝手に借りたら泥棒と同じだぞ。それと借りたからには返すのが常識だがいつ返すんだ?」

「それはな・・・私が死んだら返すぜ!!」

 

すると煙玉のようなもので煙幕を出して逃げ出した。しかしそれが読めない俺ではなく・・・

 

「とおせんぼう」

「へへ。ざまあみ・・!?な、なんだこれ!?」

 

魔理沙は見えない力でそれ以上前に進めなくなっていた。俺はダイノーズの力を宿しておいたのだ

 

「じゅうりょく」

ズン!!

 

すると強力な重力で飛行を封じられる

 

「とどめの「でんじは」」

「ぎにゃああああ!!」

 

とどめに「でんじは」で痺れさせて拘束した。そして俺は袋から本を取り出し、そして「フーパのリング」で盗んだ本も取り返してパチュリーさんに返した

 

「窃盗罪の罪でちょっと自警団本部に来てもらうぞ」

「あれは人里の管轄下で・・・」

「泥棒は泥棒だアホ!ちょっと連行してきますのでしばしお待ちを」

「わかったわ」

「よろしくお願いします」

 

そして俺は魔理沙を連行して人里へ「テレポート」した

 

 

~15分後~

 

「どうもお待たせしました。」

 

俺は用を済ませて「テレポート」で帰ってきた

既にレミリア、フラン、咲夜もその場に来ていた

 

「いらっしゃい。よく来てくれたわね」

「お出迎えが出来なくて申し訳ございませんでした。遅ればせながらようこそ。我が紅魔館へ」

「真聡お兄ちゃんいらっしゃーい」

 

と出迎えてくれた

 

こうして門番の美鈴さんと妖精メイドを除いた紅魔館の住人がこの場に揃った

 




ダイノーズ  NO.476   タイプ:いわ・はがね

ノズパスの進化形。ジバコイルと同じくテンガン山や電気石の洞窟などの特定の場所でレベルアップさせると進化する。強力な磁力を放っており、近くの家電製品は使い物にならなくなってしまう。また磁力でチビノーズと呼ばれる三つのユニットを自在に操り敵を仕留める。それと見た目がどことなく某配管工に似ていると言われている。ちなみに髭のような部分は砂鉄の塊である


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紅魔館訪問②。そしてもう一つの出会い

ひとまず終わりです。ちょっと意外なキャラを出してみました


~図書館~

 

俺は今図書館でテーブルに座っている。するとレミリアが

 

「図書館の泥棒を捕まえたそうじゃない」

「あの後魔理沙さんはどうなったんです?」

 

という小悪魔の問いに対して俺は

 

「一応所長さんのところに届けて説教してもらってます。あの人の説教は長いからきっと相当絞られるでしょうね」

「そう」

「でもあいつなかなか懲りないからな~。また盗まれたときは言ってくださいよ。いつでも取り返してあげますので」

「その時はお願いするわね」

「あの~そういえばあの時使っていた黄金の輪っかは何なんでしょうか?」

「そういえばあの時それを使って取り返していたわね」

 

どうやらこの「フーパのリング」が気になるようだ

 

「これは「フーパのリング」と言う代物です。フーパっていう時空を歪めてこのリングからなんでも取り出すポケモンがいまして、これはそのリングを模して造られたようです。本物よりは力が弱いですが」

「そのフーパというのは何かしら?それとポケモンって・・・」

「・・・・!!そういえば確か・・・」

 

パチュリーさんは立ち上がり、ある本をとってきた

 

「ポケモンってもしかして、これのこと?」

「あ!そうです。それのことです」

 

パチュリーさんは初代ポケモンの赤・緑の攻略本を持ってきた

 

「ポケットモンスター・・・。つまり真聡はこの妖獣のようなものの力を扱えるのね」

「そうですね」

「真聡お兄ちゃん。このネズミみたいのは何?」

「それはピカチュウというポケモンで・・・」

 

俺はしばらくポケモンについていろいろなことを話した。タイプ、モンスターボール、どんなポケモンがいるのかなどを用意された紅茶を飲みながらひと通り話した

 

~少年説明中~

 

「なるほど。そういうのがあるのね」

「まあこれもほんの氷山の一角にすぎませんがね」

「ねえねえお兄ちゃん。そろそろフランと遊ぼうよ」

「おう。そうだな。何して遊ぶか?」

「弾幕ごっこ!!」

「わかった」

 

と言って俺はそれを了承する

 

「あの真聡様、あまり被害は・・・」

「わかってますよ。ちゃんと部屋の周りに「リフレクター」と「ひかりのかべ」を何重にも張っておきますから」

「その「リフレクター」と「ひかりのかべ」というのは?」

「結界のようなものです」

 

そう言って俺は新しいフランの部屋に向かった

地下ではあるが前よりも格段に明るくなっており、広さも十分だ

 

「準備完了だ!さあこいフラン!!」

「よーし。いっくよー!!」

 

こうしてしばらく修行を兼ねた弾幕ごっこが始まった・・・

 

 

~3時間後~

 

「ふう。腕を上げたじゃないか。フラン」

「お兄ちゃんもね。あ~楽しかった」

 

所々傷ついてはいるが修復できる範囲だし、フランもだいぶコントロールが出来る様になっていた。しばらく片付けていると

 

「真聡様。よければ夕食を召し上がっていきませんか?もうすぐ夕食時ですし」

「いいんですか?じゃあいただきます」

「私おなかペコペコ~」

 

俺とフランは汚れを落とした後、食堂へ向かった

 

~食堂~

 

「おいしいです!!」

「それはよかったですわ」

「うちのメイド長の料理の腕は確かなものでしょう?」

 

咲夜さんの夕食をいただいたが、どれもこれも実に美味い。肉の焼き加減、野菜の新鮮さやうまみを損なわずに生かされており、煮具合など文句のつけようがなかった。中でも驚いたのは

 

「これは俺が上げた木の実を使ったんですね!!」

「はい。木の実を使ったグリル、ソテーなどを作ってみました。辛い木の実はよい香辛料として使っております。クラボの実は唐辛子とは違う辛みがあってまた違う使い方ができますね」

「よければその調味料のレシピだけでも教えてくれませんか?」

「いいですよ」

 

こうして俺は料理に舌鼓を打ちながら堪能させてもらった。俺も一応料理はするけど、新たな使い方を発見できて勉強になった。最後はデザートにカイスやモモンなどを使ったパフェまで出てきた

 

こうして俺はすっかりごちそうになって、そのあと人里に戻ることにした

 

「今日はありがとうございました」

 

するとフランたちが

 

「いいのよ。こっちもいろんな話が聞けて楽しかったわよ」

「あのポケモンというのはずっと気になっていたからよかったわ」

「またお越しくださいね」

「あなたなら門をお通ししますので、いつでもどうぞ」

「図書館の本を取り返していただいてありがとうございました」

「真聡お兄ちゃん。またフランと遊んでね。次会うまでにはもっと強くなってるからね」

 

それぞれの見送りの言葉をもらい俺は人里へと帰っていった

 

 

 

~人里前~

 

「さ~てもう遅くなったしさっさと帰って寝るか」

 

と思って自宅へ歩いていくと

 

「・・・ん?」

 

~草むら~

 

「ウフフきたきた。よーしもう少しで来るぞ~」

 

草むらから誰かが真聡を狙っていた。何かを持って構えていた

 

「よ~し、せーのっ驚けーーーーーー!!」

 

といきなり少女が飛び出してくるが・・・

 

シュン・・

「え!?ちょっと、き・消えちゃった?」

「君何やってるの?」

「うっうわああああああ!!」

 

俺はあの時まだ少ししか感じられないが、波導で誰かがいることを察していた。俺はカクレオンの力を宿してあらかじめ「かげぶんしん」で分身を作って、そのあと透明化してこっそり後ろに回り込んだのである

 

「うう~うまくいくと思ったのに~。まさかこのわちきが驚かされるなんて・・・」

「ごめんごめん。ところで君はこんなところで何してたの?」

 

見た目は水色のショートボブに唐笠お化けのように一つ目と長い舌のある大きな紫色の傘を持っているオッドアイの少女だった。しばらくしていると

 

グゥ~

「おなかすいたな~」

 

どうやら空腹らしい

 

「よかったら飯食ってくかい?簡単なものでよければだが」

「いいの!?わ~い」

 

それを聞いたら元気になった。なんか面白そうな子だなと思った

 

 

~自宅~

 

「ふう。ご馳走様。おいしかったよ」

「お粗末様」

 

食べたらすっかり元気になった。この子は多々良小傘という妖怪で人を驚かすことが生きがいらしい。驚かせるとおなかが膨れるとのことだ

 

「最近では人里の人間たちも慣れてきちゃってなかなか驚かなくなったのよね~」

「そうか」

「特に前の紅い異変で恐怖に対してだいぶ耐性が付いたみたいで、ますます驚く人間の数が減っちゃったのよね。あの時は衝撃波に巻き込まれかけるし・・・」

「そ、そう・・・」

 

それに触れられると正直いつも後ろめたくなる

 

「ねえ?何かいい方法とかないかな?」

「う~んそうだな・・」

 

とりあえずしばらく一緒に考えてあげた。何かないだろうか・・・

 

「もう少しパターン増やしてみたら?あればかりじゃ飽きられそうだしさ」

「パターンかぁ・・・」

 

こうしてその夜はその話を始め、いろんな話で盛り上がっていた

 

 

~翌朝~

 

「う、うう~ん」

「よう!おはよう!昨日は寝れた?今朝食作ってるから待ってろ」

 

俺は朝食を作ってやり一緒に食べた。そのあと俺は仕事で出るのでそこで別れることにした

 

「あまり力になってあげられなくてゴメンな」

「ううん。いいの。ご飯はおいしかったし、あんなに人としゃべったのは久しぶりで楽しかった。ここまで私のことを一緒に考えてくれた人間は初めてだったよ」

 

と嬉しそうに語っていた

 

「真聡さん。わちきこう見えても鍛冶仕事がすごく得意でそれで生計を立ててるんだ。もし鍛冶仕事をしてほしかったら言いに来てね。真聡さんなら歓迎するよ」

「そうなんだ。じゃあその時はお願いするね。小傘」

 

人里に近づき

 

「じゃあ小傘。元気でな」

「うん。それと言い忘れたけど、昨日霊たちがここ周辺で何かやっていたのを見たんだ。だから気を付けてね」

「そうか。ありがとうな」

 

こうして俺と小傘は別れた。話してみるとなかなかいい子だった

 

(それにしてもここ周辺で霊たちが何かやってるのか。気になるな・・・)

 

ヒュウ~

 

と冷たい風が吹き始める

 

(もう春が近いというのにまだ寒いな)

 

しかしこれが異変の予兆だということをこの時はまだ知らなかった・・・

 




カクレオン   NO.352  タイプ:ノーマル

色を変色させて周りの景色と同化して、透明になれるポケモン。ヒマワキシティでは透明になって主人公を通せんぼしており、ダイゴから「デボンスコープ」で正体を見破り、倒すか捕まえないと先に進めないイベントがある。特性は受けた技のタイプによって自身のタイプをその技のタイプになる専用特性の「へんしょく」
ポケダンシリーズでは店の店主役として登場する。ダンジョン内でも店を開いて売っている時があり、そこに置いてあるアイテムのお金を支払うと購入できる。ただし泥棒すると常に4倍速状態で何匹も集団で一気に襲ってくる。滅茶苦茶強いので泥棒はしない方が無難。しかしうまくそのフロアを脱出すると盗んだものはタダで手に入る


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第三章:妖々夢編
終わらぬ冬


妖々夢編スタートです
キャラの登場の順番が逆になってしまっています


今はもう4月の半ばであり桜がそろそろ散る頃だろう

しかし誰も花見をしてないし、桜が咲いているところすら今年は誰も見ていない

なぜなら未だに春は来ず、それどころか大雪が降る冬真っ盛りなのだから・・・

 

~人里~

 

人里にも冬の脅威が容赦なく襲っていた。そして俺はあることを思い出す

 

「前に小傘が言っていたけど霊たちがしていたことと関係がありそうだな」

 

俺は雪と寒さに苦しむ人々の為に「にほんばれ」で定期的に雪を溶かし、温めている。しかし俺一人だと限界があるし、一向に冬が終わる気配がない

 

「これは間違いなく異変だな。よ~し!!」

 

俺は準備を始める。理由はもちろんこの異変を解決するためだ。出る前に「にほんばれ」の効果を長くさせる「あついいわ」を多く設置して俺は出陣する

 

「まずは調査と聞き込みだな」

 

こうして俺は異変解決へと向かうのだった

 

 

~上空~

 

俺は今フリージオの力を宿して飛行している。上空から手掛かりを探そうとしており、この天候では氷タイプのポケモンで行く方がいいと思ったからだ。今は雪が降っていて白銀の景色だった

 

「まず手掛かりを見つけないとな」

 

しばらく飛んでいると一人の女性を発見する

 

「あの人に聞いてみるか。そこの方~すみませーん」

 

と呼び止める。女性は振り向き立ち止まってくれた

 

「何かご用かしら?」

「あのすみませんがこの異変について何かご存知なことがありませんか?ほんの少しでもいいので」

「・・・それはどうしてそんなことを聞くのかしら?」

「このいつまでも止まない冬をどうにか止めたいからですよ」

「そう・・・」

 

しばらく女性は黙っていた。すると

「私はレティ・ホワイトロック。・・・冬の妖怪よ」

「!?」

 

突如攻撃してきたので素早く回避した

 

「黒幕はおまえか?」

「さあね?ただ私は今の冬を満喫したい。それだけよ!!」

寒符「リンガリングコールド」

 

すると水色の大きめの光弾を中心に横にある小さな弾幕が横に広がっていく弾幕を展開してきた

 

俺はそれを素早く動いて交していく

 

「げんしのちから」

 

俺は特殊な力で岩を操り攻撃する。しかし相手も冬の妖怪だけあって今はパワーアップしているようでこれは交される。しかしすかさず「こおりのつぶて」で攻撃していく。弾速が速く、透明で雪に分かりにくいのもあってついに被弾させる

 

「グッやるわね。ならこれはどうかしら?」

白符「アンデュションレイ」

 

するとレーザがレティの周りをいくつも集回した後そのまま直進して、周りに白い米粒のような弾幕がばらまかれる。俺はしばらく交していたがここで

 

「オーロラベール」

「これは!?」

 

すると周りにオーロラが現れるそして

 

ドカ

 

と爆発音が響いた

 

「命中したのかしら?」

 

と思って不振に思い始める。しかし次の瞬間

 

ジャラララ

「!?」

ガッチーン!!

 

「うう。これは氷の鎖?」

 

俺はあの時わざと弾幕をくらったのだ。しかしそれは爆発を利用して少しだけ体温を上がらせて体を水蒸気に変化させただけである。フリージオはとくぼうが高く、更にあられや雪が降っているときに発動できる「オーロラガード」でガードしていたためダメージはほぼ無いといってよかった。そして水蒸気になっている隙にフリージオの能力である氷の鎖で縛ったのだ。鎖はかなり頑丈だし、氷を凍らすことは不可能。勝負ありである

 

「さあ。本当に黒幕ならさっさとこの冬を止めてもらおうか」

「ふふ。ごめんなさい。残念ながら私はこの異変の黒幕じゃないわ。ただ私は冬の妖怪だから、もう少し満喫していたかったのよ」

 

と言ってきた

 

「冬が来たらいずれは春が来るもの。それをどうにかしようという気はないわ」

「・・・・」

(どうやら本当に黒幕ではないらしい。この場でうそを言っているようにも思えない)

 

俺は鎖を解こうとしたが

 

「コラーお前。レティに何してるんだ!!」

 

といきなり後ろから声がした振り向くと

 

「おまえ。チルノか?久しぶりだな」

「あー!あの時の人間。レティに一体何してるのよ!!」

「あーちょっと戦ってて少々尋問を」

「いい機会だわ。今はあたいにとって絶好の天候。あれから修行だってしたんだから今度こそやっつけてやる!!」

 

どうやら今度はチルノと戦うことになったようだ。しかし前にリベンジ宣言されてしまったしここは受けることにした。俺は地上に降り立ち、あの時と同じくアマルルガの力を宿す

 

「いいだろう。お前が本当に強くなったのか確かめさせてもらおうか」

 

俺は力を込めると雪はますます激しくなり、猛吹雪になった。

こうしてチルノのリベンジマッチが今始まろうとしたのであった

 




フリージオ  NO.615  タイプ:こおり

とくせい「ふゆう」を持つ氷タイプのポケモン。体温が上がると水蒸気になって姿を消す。氷の結晶で出来た鎖で相手をからめとってマイナス100度の冷気で凍らせて仕留める
とくぼうがとても高いが素早さもなかなかのもの


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氷のリベンジマッチ

ポケモンの最新作が発表されて今から凄く楽しみです
ネクロズマがソルガレオとルナアーラのアーマーみたいになって合体するとは驚きですね


猛吹雪が吹き荒れる中チルノはリベンジマッチを俺に挑んできた

 

「まずは俺からいくぞ」

「げんしのちから」

 

俺は先ほどレティに放ったのと同じ技を放つ。ただし今度はタイプが一致しており密度も威力も更に優れている。いくつもの大岩がチルノに迫る。しかし

 

「あたいをなめるなよ!!

凍符「パーフェクトフリーズ」!!

カッキーン!!

「何!?」

 

何と俺が「げんしのちから」でとばした岩を一つも残らず凍結させてしまったのだ。更に岩が凍って出来た落下してくる氷塊と一緒に弾幕で一気に攻めてくる

 

「くっ」

 

俺は「ロックカット」で素早さを上げて「オーロラビーム」で薙ぎ払いながら対応していく。なんとかその場は回避するがいくら冬でパワーアップしているとはいえ、ここまで腕を上げていたことには驚いた

 

「やるじゃないか。じゃあこれはどうかな?」

「サイコキネシス」

 

俺は落ちてきた氷塊を「サイコキネシス」で浮かせてチルノにぶつけようとする。これなら凍らされる心配はない

 

「くっなんのー!」

 

チルノはそれをきれいに交わしながら、一つ一つ確実に通常弾幕で氷塊を相殺していく

 

「ではこれでどうかな?」

 

俺は残った氷塊を天へと放り込む。そして雪雲を操り

 

「ゆきなだれ」

 

局所的に雪雲から雪の塊を無数に降らす。更に落ちてきた雪だまりを「サイコキネシス」で操り、上下同時攻撃を行う

 

「クソー負けるか!!」

霜符「フロストコラムス」!!

 

チルノは全方向に大量の氷の弾幕で迎え撃った。しかし威力不足でなかなか相殺しきれない。しかしそれでも懸命に回避していく

 

(チルノあんた・・・)

 

レティもこれには驚いているようだ

 

(まだ一か月ほどだというのに本当に成長したな。ならば!)

 

俺は人差し指に強力な冷凍エネルギーを貯め始める。あの時にチルノに放ったあの技で攻撃するつもりである。しかしチルノもそれに気づき、力を貯め始める

 

(また別の弾幕か?とにかく放つとするか)

「「れいとうビーム」!!」

 

俺は「れいとうビーム」を全力で発射した。今度はあの時と違って的確にチルノを狙った。すると

 

「これがあたいの秘密兵器だ」

冷符「瞬間冷凍ビーム」!!

「!?」

 

なんとチルノも氷のビームを発射してきたのだ。これにはさすがに驚愕した

 

(こいつ。俺の技を自分なりで編み出して模倣したのか!?)

 

二つの氷のビームは激突する。その衝撃で大気ごと周りの木々が凍結する

 

ドッカーン!!

 

両者の技は激突の末に相殺された。冷たい冷気の爆発が起こる

しばらくしたら冷気の煙は晴れて

 

「どうだ!!驚いたか!!さいきょーのあたいならこんなのちょっと修行すればできるのよ!!」

 

と高らかに言ってきた

 

「・・・ああ。そうだな。凄いぜチルノ!!本当に驚かされたよ!!」

 

と俺は素直に言った

 

「ならば俺も最高の一撃で迎え撃ってやろう」

 

両手を構えてエネルギーを貯める。すると

 

ゴゴゴゴゴゴゴ、ビュオオオオオーーーー!!

 

「れいとうビーム」とは比べ物にならない更に強烈な冷気が周りに集まった。その影響ですさまじい地鳴りとブリザードが発生して荒れ狂う。チルノは一瞬ひるむが、負けじと力を貯める。両者の全力の一撃がぶつかり合おうとしていた

 

「これが全力だ!!「氷のはかいこうせん」!!」

冷符「瞬間冷凍ビーム・フルパワー」!!

 

お互いの全力の力がぶつかり合った。チルノはフルパワーを込めて、前よりもさらに強力な威力のビームを発射した。

しかし・・・

 

「!?」

「うおおおおおお!!」

 

「はかいこうせん」は本来はノーマルタイプの技だ。しかしアマルルガのとくせい「フリーズスキン」の効果により、こおりタイプとなり更に威力を上げる効果もあるのだ。それによる極太の光線はしばらく拮抗していたがやがてチルノのビームを飲み込んだのである・・・

 

~数十秒後~

 

「ふう。少々やりすぎたかな。予想以上に強くなっていて、楽しくてついやってしまったな」

 

チルノは上空にいたので上空に放ったのだが、それが近くの山に当たってしまい、それは巨大な氷山に変わってしまった。正直発射した本人の俺も驚いた。チルノは近くで気絶していた。俺はそれを抱える

 

「惜しかったわね」

 

とレティさんが俺に話しかけてきた

 

「ええ。まさかあそこまで成長しているとは驚きましたよ。これは俺ももうかうかしていられないな」

「チルノは私が預かります。友人なので」

「そうですか」

 

俺はチルノをレティさんに預けた。そして俺は板を二枚とペンを取り出して板にあることを書いた

 

「この者は異変には無関係である。   木戸真敏」

 

「これは?」

「それはあなた方がこの異変には関係ないということを記したものです。もし霊夢や魔理沙など他に異変を調査している人が来たらそれを見せてください。無関係なものをこれ以上巻き込むわけにもいかないのでね」

「そう。ふふ優しいのね。ありがたくいただくわ」

 

そうして笑顔で受け取ってくれた

 

「一つ教えておくわ。最近霊が何かしていることには知っているかしら?」

「ええ。俺の友人が教えてくれました」

「私もそれを見てね。そのあとに霊たちは空高く昇って行ったのを見たの。私は冥界が怪しいんじゃないかとにらんでるわ」

「冥界か・・・。「幻想郷縁起」にも書いてあったな」

 

幻想郷には冥界があり、そこには霊たちがたくさんいるらしい。これはいい情報を聞いたと思った

 

「情報提供感謝します。では俺はこれで・・・」

「ええ。頑張りなさいね」

「はい。それとチルノが起きたら、「君はあの時から相当強くなって驚いた。またいつか会おう」って言っておいてください。」

「わかったわ。それじゃあね」

 

こうして二人はどこかに飛び去って行った

 

「さてと冥界か。まずはそこに行かないと。よーしこいつの出番だ」

 

俺はヨノワールの力を宿した。図鑑では霊界と書いてあるが死後の世界であることは冥界と共通する。もしかしたらそれで直接いけるかもしれないと思ったのだ

 

「物は試しだな。それ!!」

ブーン・・・

 

すると空間に謎の入り口が出来た。俺はそこに入ってみた

 

~冥界~

 

「ここは・・・」

 

そこは霊がいっぱい彷徨う不気味な場所だった。そしてしばらく行くと非常に長い階段が続いていた

 

「行ってみよう」

 

俺はその階段の先を目指して進むのだった

 




ヨノワール   NO.477   タイプ:ゴースト

サマヨールに「れいかいのぬの」を持たせて通信交換することで進化する。あの世とこの世を行き来して、自分の体に行き場を失った魂を霊界に連れて行くと言われている。頭のアンテナで霊界から電波を受信しており、その指示を受けて人を霊界に連れて行くこともあるという恐ろしいポケモン
「ポケモン不思議のダンジョン。時・闇・空の探検隊」にも登場している。物腰柔らかく、知識が豊富な優秀な探検家を装っていたが、その正体は未来から来た闇のディアルガの部下。未来を救うために活動していたジュプトルを捉え、更に主人公とパートナーも未来に連れていき処刑しようとした。その後終盤で対決して見事倒し、最後はジュプトルに道連れにされて未来へと帰っていった。空の探検隊にはその後の行く末のエピソードがある。もし機会があれば是非やってみていただきたい



ステージとばしちゃいましたけど、このままいきます


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冥界の道中

~冥界~

 

俺は今階段に沿って進んでいる。途中で妖精たちが俺に襲い掛かってくるが

 

「シャドーパンチ」  ドッゴーン

「あくのはどう」  ゴオオオ・ドカーン

 

といったように次々と蹴散らしていく。しばらく進んでいくとあるものを見つける

 

「空間に歪みから桜が飛んできている?」

 

その穴から桜の花びらが入ってきている。そして上を見上げると屋敷のようなものが見えた。どうやら犯人はここにいるらしい

 

「犯人の居場所は確定したな。なら急いで向かうとしよう」

 

俺は再び前に進もうとするが

 

「待ちなさーい!!」

 

と誰かが俺に待てと要求してきた。とりあえず俺が振り返るとそこには赤いベストのようなものを着ており、薄い茶色のショートヘアーの少女だった

 

「あの。何か・・・」

 

と言おうとしたらいきなり攻撃してきた

 

「あんたは絶対許さない!!」

鍵霊「ベーゼンドルファー神奏」!!

 

すると赤と黄色の弾幕がそれぞれ違う方向に大量に発射された。妙に力が入っていて、俺に恨みがあるようだが

 

「待ってくれ!!せめて話くらいはしてくれーー」

と大声で呼びかけるが一向に聞く耳に持たないようだ。このままじゃ埒が明かない

 

仕方なく俺は回避行動をやめて

 

「あやしいひかり」

 

俺は謎の光を放つ。相手はそれにひるむが

 

「何・・これ・・」

 

すると相手は様子がおかしくなる。どうやら効いてきたらしい。すると滅茶苦茶な方向に弾幕を放ってとうとう自爆してしまう。そして

 

「かげうち」ドゴ

「カハ」

 

 

俺は腹部に攻撃して気絶させた。しばらくすると俺はネイティオの力を宿した。そして少女のの頭に触れて過去を見た

 

「・・・そういうことか」

 

どうやらこの少女は三人姉妹であって紅魔館の近くの廃洋館に住んでいたらしい。俺も修復作業をしているときに発見して、爆発の範囲内で周りが更地だったのに、なぜかその館はしっかり残っており、不思議に思っていたことを思い出した。この廃洋館は三姉妹にとってとても大切なものだったらしい。あの時の爆発に飲まれかけたときに、三姉妹達は協力して必死に守ろうとしていたようだ。しかしその途中で姉二人は弱っていたこの子をかばって、何とか屋敷は守り切ったが、二人は大けがを負ってしまったようだ。そして新聞で俺の存在を知り、比較的軽傷だったこの子は傷が癒えたら俺に復讐を果たそうとしていたらしい

 

「これじゃ恨まれても仕方ないか・・・」

 

しかしこの異変は早く戻さないと大変なことになってしまいかねない。過去を見るのと同時に未来も見たが、このままだと大変なことになるようだ。とはいえこの子たちの償いもしないといけないのも事実で俺は非常に悩んだ

 

長考した末、俺はこの子のポケットに手紙を書いて入れた

 

「この異変は早く終わらせなくてはならず、償いを後回しにしてしまうことをお許しください。この異変が解決したらすぐにそちらの屋敷に向かいます  木戸真聡」

 

俺はそのあと安全な場所にある近くの木に寝かせて、先に進む。本当はすぐに償うべきなのだろうが、幻想郷そのものが危機に陥ってしまっては償う以前の話になってしまう。今は異変解決の方を優先することにした

 

 

~道中~

 

俺は立ちふさがる敵を次々と蹴散らしながらひたすら進む。だんだん攻撃が激しくはなるが大した問題ではない。やがて広い場所に出た。周りには大量の桜の木があり咲き誇っていた。そして中央には巨大な木があった。どうやらあそこに春が集まっているようだ。俺はエルレイドの力を宿して進む。なぜそれにしたかというと

 

ビュン

フゥ・・・

「何!?消えた!?」

「スマブラ式・かげぶんしん」  ドカ

「ガハ!」

 

俺は誰かが襲ってくることを事前に分かっていた。俺はエルレイドの敵の思考を敏感にキャッチする能力と自分の波動で相手の位置を察知していたのだ。そして俺は絶妙なタイミングでスマブラにあるカウンター式の「かげぶんしん」を発動させたのだ。本来はルカリオの技だが修行して他の格闘ポケモンにも使えるように訓練したのである。俺は強烈なカウンターで敵を蹴り飛ばした。そしてすかさず追撃する

 

「サイコカッター!!」

 

俺はサイコパワーの斬撃を飛んで行った方向に放った。斬撃は岩や木を切り裂きながら進んでいって、やがて消えていった。しかし相手はギリギリ回避したようだ

すると黒いリボンをした白髪のボブカットをした少女が現れた。長さが違う二本の刀を携えており、白いお化けのようなものが彼女の周りを周回していた

 

「言っておくが先に仕掛けようとしたのはお前だ。辻斬りをするのならこんな風に返り討ちに合うリスクが伴うことを考えておくべきだぞ」

「くっ。やはり噂通りただ者ではないようですね。木戸真聡!」

「へえ俺も有名になったものだな」

 

彼女は刀を抜いて構えた

 

「私は白玉楼の剣術指南役兼庭師の魂魄妖夢。我が主の幽々様の命によりここを通すわけにはいきません」

「その幽々子という人がこの異変の首謀者か。どっちにしろここで戦うしかないらしいな」

 

俺は腕をブレードに変化させて構える

そして周りは緊迫した雰囲気に包まれた

 

 




エルレイド   NO.475 タイプ:エスパー・かくとう

キルリアのオスを「めざめのいし」を使って進化した姿。居合いの名手であり、肘を伸ばして刀のように変化させて戦う。また相手の考えを敏感にキャッチする能力を持ち、相手より先に攻撃することが可能らしい。エルレイドの登場でメスはサーナイト、オスはエルレイドというイメージが強くなった


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VS魂魄妖夢

かなりハイペースですが、展開はどんどん進んでおります


~白玉楼前広場~

 

ヒュウウウ・・・・

 

今は緊迫した雰囲気に包まれていた。それは居合の達人同士が対峙しているかのような状況である。両者とも相手の出方をうかがっていた

 

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 

・・・・・・・・・・カツン

どこからか小石が風にとばされて何かにぶつかる音がした。その刹那

 

ガキィーーーン!!

 

両者の斬撃がぶつかり合う。そして

 

「はあああああああ」

「おおおおおおおお」

ガキィ、キィーン、ガガガガガガ!!

 

激しい剣技の猛襲。そしてぶつかり合った。両者は今のところ互角である。しかし

 

「!?」

「リーフブレード!!」

「クッ」

 

俺はエルレイドの能力と自身の波導を組み合わせて、相手よりわずかだが先に攻撃していた。相手もそれに反応して捌く腕も大したものだが、ほんの少しづつ俺が押していく

 

(一端距離をとって)

 

妖夢は距離をとり

 

餓王剣「餓鬼十王の報い」

 

すると彼女が横一文字の斬撃を放つとそこから青い光弾が大量に表れて弾幕となった。俺は「リーフブレード」で捌き、「サイコカッター」で応戦しながら回避していく

そしてタイミングを見計らって

 

「こっちも反撃だ「サイコショック」!!」

ドドドドドド!!

 

俺は念じると妖夢の周りに念波を実体化して生み出して出来た礫を大量に生み出し一斉に放った。一つ一つは小さいが全方位を囲み、弾速が非常に速い。エルレイドではそこまで威力が出ないが、それでも牽制には十分だった

 

「クッ。はああああああ」

 

しかし速い剣閃と素早い身のこなしで対応していく。この子は相当な鍛錬を積んできたようだ

しばらくすると、妖夢がこちらに突っ込んでくる。俺はそれを受け止めた後攻撃する

 

「れんぞくぎり」

ガキィ

「その程度はどうってことないですよ!!」

 

と余裕で防がれるが

 

「れんぞくぎり」!

ガキィーン

「!?」

 

妖夢は驚いた。同じ技なのに威力が倍増したからだ。この技の神髄は名の通り連続で攻撃することで真価を発揮する

 

「れんぞくぎり」!!

三撃目。そして最大威力の

「れんぞくぎり」!!!

グウワキィーーン!!

 

最大威力となりで最初の一撃の威力の四倍になった。そこから猛攻を仕掛ける。強烈な威力となった斬撃を連続で繰り出されてはさすがの妖夢も手が持たなくなり始める

 

(このままじゃ私の腕どころか刀も折られかねない。でも)

 

「なめるなーー」

「!?」

 

するとそれを捌き、渾身の一閃を仕掛けてきた。俺は急いで「テレポート」を発動して距離をとったが、少し切られてしまった

 

(くっ、あっぶねえ。あと一瞬でも遅かったら大ダメージを受けるところだった。やはり純粋な剣術では鍛錬の差であちらの方が上手か。俺だって毎日鍛錬を積んできたが剣術に特化してきたわけじゃないからな・・・)

 

獄神剣「業風神閃斬」

 

すると大きめの青い弾幕が大量に迫ってくる。俺はそれを回避していくが次の瞬間、妖夢はまた放たれた青い弾幕を自ら斬って赤と紫の大量の弾幕へと変化させた

 

(こんなこともできるのか!)

 

俺はそれでも対応して避けていく、しかしそれは囮であり、ある技を仕掛けようとしていた

 

「!!まずい。「まもる」!」

人符「現世斬」!!

 

間一髪だった。目にも止まらぬすさまじい速度で動いて切りかかってきたのだ。しかし彼女はさらに技をつなげる

 

人神剣「俗諦常住」

 

後ろに回り横一文字に一閃すると弾幕が発生し、更に俺の後ろに回り紅い弾幕を放ってきて左右同時攻撃を仕掛けてきた

前後の弾幕に気を配らなければならず、さすがに苦戦する。俺は「サイコショック」の実体念波を自分の周りに発生させて、自分の周辺に発射して相殺させた。いわゆる防御の型というべきだろうか。すると妖夢は再びためを作り出す。俺はすかさず

 

「かげうち」

ドカカカカ

「がっ」

 

俺は妖夢の背後の影から攻撃した。思わぬところからの攻撃でもろにくらってしまう。相手の体勢が崩れた今しかないと思い、「テレポート」で一気に近づきこちらも少しためてから大技を放とうとする。

妖夢もまたそれに気づいて大技を仕掛けようと身構える

俺が放つ技は「インファイト」。本来は拳や蹴りを交えた猛攻を行う技だが、エルレイドの状態ではそれを両手の刀で行う。俺はそれを名付けてこう呼んだ

 

「インファイト・斬!!」

人鬼「未来永劫斬」!!

ヒュン・・・・

ズババババババババババババ・・・

 

両者の姿がほぼ同時に姿が一瞬で消えた後に、すさまじい速さと数の斬撃が一瞬で飛び交った。そして

 

ズッバーン!!

ズザァァァ・・・

 

お互いに最後の強烈な一閃を放ち、地面を少し滑ったのちにピタリと止まった

 

ザァァァァァァ・・・

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

 

風により桜の花びらが舞う中、二人は一言も喋らなかった。しかししばらくして

 

・・・・・ドサ

「・・・ふう」

 

勝者は木戸真聡。妖夢はゆっくりと倒れた。しかし刀は決して手放してはいなかった

技の威力も速さも互角だった。しかし妖夢は「かげうち」により体勢が崩れたのが原因で、わずかに技の出が遅れてしまった。その一瞬が差を生んだのである

 

俺はそのあと少し地面に座った。緊張の一戦が終えて、糸が切れたように崩れ落ちてしまったのだ。俺はしばらくボーとした後、端においていたバックを「ねんりき」でこちらに運び、木の実と薬で傷の手当を行った。ここまですべて強力な最終進化形の力を宿してきたので体力をかなり削ってしまっていたのである。俺はカゴの実を口に含み、少しだけ「ねむる」で体力を回復させた。

そしてしばらくして

 

「さあ~て。もうこれ以上休んではいられないし、行くとするか」

 

俺は立ち上がり、この異変を起こした首謀者の元へと向かったのであった

 




インファイトはテラキオンとかパンチもキックも出来そうもないポケモンも使うので、手の刀で攻撃を行うエルレイドは剣の乱舞のように猛攻をしそうなので作中のようにしてみました


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VS西行寺幽々子

ラスボスの幽々子戦です。でも倒しても、もう少し続きます
もちろん自機組の出番もあります


~冥界・道中~

 

「はあ~。まさか冥界に行くことになるとはね」

「たくっ。お前がめんどくさがってなかなか出ないから、もうほとんどの敵がやられちまってるじゃないか」

「あいつは行くのが早すぎるのよ。まあ余計な戦闘しなくて済むから助かるけど」

 

現在遅れて霊夢と魔理沙が冥界に到着してやってきた。そしてもう一人

 

「真聡さんのおかげでスムーズに来れて助かったわ。霊夢も見習ったら?あといきなり冬妖怪を攻撃しだしたときは、流石にあれはどうかと思ったわ」

「いちいち聞いてられないわよ」

「おまえな・・。まああいつはお人よしだからな」

「あと、まだあまり信用していないわよ。咲夜。仮にでも前の異変に関わったやつなんだし」

 

今回は新たに紅魔館のメイド長の十六夜咲夜も来ていた。燃料が尽きそうになり、レミリアの命で異変を解決に来たのだ。偶然三人とも最初にレティを訪ねに向かっていた。先に霊夢と魔理沙がたどり着き、咲夜はその様子を近くで見ていたのだ。そしてそのあと声をかけて同行しているのである

しばらく進むと・・・

 

「おっ広い場所に出たぜ」

「そうね。でも・・・」

「立ちはだかろうとしてくる敵もいるみたいね。尤ももう戦うまでもなさそうだけど」

 

それは先ほど真聡と妖夢が戦っていた場所である。斬撃による跡や飛び散った土砂、周りも倒れていたり切られている木々があった。しかし妖夢は目を覚まし、何とか立ち上がって三人を迎え撃とうとしていた

 

「はあ、はあ・・。こ・・これ以上侵入者を・・通・すわけにはいきません」

「おいおい、無理するなよ。ボロボロだぞお前」

「悪いけど私たちは先に進まないといけないわ。立ちふさがるのなら叩き潰すけどどうするの?」

 

そうこうしていると

 

「!!あれは」

 

咲夜が何かを見つける。何かがものすごいスピードで空を飛び回っており、やがて空が光り始める

 

「うそでしょ!?」

「お、おい!空から隕石みたいなのが大量に降ってきたぜ!!しかもそのまま飛んでるやつも急降下しようとしてるぞ」

「まずい。二重結界!!」

 

そして四人の周りに結界を張った。そしてその数秒後強烈な衝撃波が襲うことになる

 

 

~真聡がたどり着いた頃~

 

「やっぱり冥界となると死霊ばかりだな。まあ俺はゴーストタイプのポケモンの力を宿せるから多少は楽しめるが」

「そうね。人間なのにどういうわけか同じ霊の力も多少感じるわ。しかも外にある結界からではなくてその霊の力の一種でここに直接来てしまうのだから驚いたわ」

「・・・お前がこの異変の首謀者の西行寺幽々子か?」

「ええそうよ。あなたの活躍は聞いているわ。木戸真聡」

「単刀直入に言うぞ。今すぐに春を集めることをやめろ。あの木を満開にしてはならない」

「!?どうしてそんなことが言えるのかしら?西行妖を満開にするためにしているとは言った覚えはないのだけれど」

「西行妖・・・それがあの木の名前か。俺は未来を見ることが出来るのでね、少し見させてもらった。そしたら幻想郷は今の異変より更に凶悪な危険に襲われる未来が見えた。滅んでしまうほどのな・・」

「そんな妄言を信じるとでも?」

「妄言と取るかはお前の自由だ。でもこれは真実。俺はその真実に従うだけ。そして何よりも人里や幻想郷での友人たちを守るために戦うだけだ!!」

「・・・・・・」

 

しばらく黙りこんでいたが俺は口を開く

 

「悪いが時間がない」

「そのようね。でもそれは私も同じかもね」

 

「幻想郷を危機から守るためにお前を止めるぞ、西行寺幽々子!!」

「この冥界の地で本物の死霊になるがいいわ、妖獣を宿らす人間よ!!」

 

こうして最後の戦いの火ぶたが切って落とされた

 

 

亡郷「亡我郷 -自尽-」

 

すると、黄緑、水色、黄色の弾幕に赤いレーザーが同時に放たれる。俺はカイリューの力を宿して回避していく。

 

「りゅうのはどう」

 

俺はエネルギーを貯めて巨大なドラゴンの形をした波導を発射する。しかし弾幕が濃くて途中で相殺されてしまうが。それでもまた発射していく。そしてその一つがとうとう幽々子を捉えようとしたがいきなり扇子が光り、それは防がれてしまう

 

「霊力でバリアのようにして防いだか」

「ふふ、甘いわよ」

 

そしてまたスペルカードを取り出す

 

亡舞「生者必滅の理 -魔境-」

 

すると青い弾幕が大量に表れる。俺はそれをかわすが

 

「!?これは」

 

すると今度は大きな青い弾幕が一斉に俺を追尾してきたのだ。俺は必死で回避したり相殺するがとうとう被弾してしまう

 

(くっ。今までの弾幕使いの中だとこの人が一番強いな)

「あらあらここまでかしら?」

 

しかし弾幕はどんどん濃くなって襲ってくる。隠れ特性の「マルチスケイル」のおかげでそこまでダメージは大きくないが、それは傷が全快している時のみ。回復手段はあるが、そう簡単にさせてもらえるとは思えない

 

(ならば接近戦ならどうかな?)

 

俺は周囲を飛びながら一瞬の隙間を探す。それを見極めるために集中する。そして

 

「今だ!!「しんそく」!」

 

俺は姿が見えなくなるほどの超高速で一瞬の隙間を一直線に突っ込む

 

「!?」

「おおお「ドラゴンクロー」!!」

ガキーン

 

幽々子は慌てて扇子で受け止めるがパワーが違いすぎる。故に一撃で弾き飛ばされてしまう。俺はすかさず「りゅうのはどう」を至近距離で叩き込んだ

 

ドッカーン!!

 

巨大な爆発が発生する。これは的確に入った。俺はその隙に「はねやすめ」で回復と更に「りゅうのまい」で強化した

 

「くう、やるわね。ちょっと甘く見すぎてたわ。ここまで強いとわね」

「ならば今すぐこの戦いをやめて、春を戻してくれないか?事態は急を要する」

 

西行妖はすでに8割を超えて9割に達しようとしていた。このままでは本当にまずい

 

「悪いけどそうはいかないわ。ここは全力で行かせてもらう」

 

桜符「完全なる墨染めの桜 -開花-」

 

すると桃色の弾幕や青白い丸い弾幕が現れる。大きさは小さいがその代わり数は半端じゃなかった。俺は交していくが徐々にかすり始める。しかも幽々子の前に巨大な扇子が立ちふさがる。強度は先ほどとは比べ物にならないほどだ。かといって接近戦で破壊しようとしても、その間に弾幕に被弾してしまうだろう。おそらく「げきりん」や「はかいこうせん」でも時間がかかるだろうし、例え壊せてもリスクが大きすぎる技だ。こうなるとやることは一つ

 

「強烈な一撃で一瞬で粉砕すること。それが出来るのはあれしかない」

 

そう。それは紅魔郷の時に放った。流星のように突撃する「ドラゴンダイブ」だ。しかしそれでも足りるかわからない。だから俺はその強化版を叩き込むことにした。俺はまず

 

「ぼうふう」!!

 

巨大な暴風で一気に吹き飛ばす。俺はその隙に強烈なエネルギーを貯めて天空に放った。そして俺は天を舞う。更に「しんそく」を発動させる。これにより一気に最高速度以上のスピードを出すことが出来た。姿はもはや見えず、ソニックブームが発生する。そして

 

カッ!!

 

と真っ黒な冥界の空が光る。すると

 

「!?」

ゴォォォォォォォ

 

天から隕石が大量に降り注いできたのだ。正確には隕石並の威力を持った巨大なエネルギー体の集まりなのだが

 

「りゅうせいぐん」からの~

 

俺は猛烈な勢いで天へと昇り、そして急降下した。そして周りの隕石を取り込みながら、どんどんドラゴンエネルギーを増大させた

 

「これが俺の全力だ!!」

「名付けて「流星のドラゴンダイブ」!!!」

 

俺は周りの隕石と共に巨大なエネルギー体となり猛烈な勢いで突撃した。そのエネルギーは幽々子の弾幕をたやすく蹴散らしそして

 

「いっけーーーー!!!」

ピキピキピキ

 

そしてあっという間に結界は破壊されていき

 

パリーーーン!!

「!?」

 

そして凄まじい衝撃波と轟音が冥界中に響いた・・・

 




最後のドラゴンダイブはポケモントレッタの「ガリョウテンセイ」を参考にして作ってみました。(ポケモントレッタでは小さな隕石がいくつも降ってきます)
ポケモントレッタはやったこと無くて動画のみですが、エフェクトは気に入っているものが多くて参考にしてみたいと思います。基本的にポケダンやポッ拳などの要素も取り入れていく予定です


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VS西行妖

今回はやや短めです


~冥界~

 

「ふう。何とか撃破したか。しっかしこれもまた想像以上の威力が出たな。直撃は避けたし、地面には激突せずにしたというのに衝撃波だけでこれか・・・」

 

俺はあの時、扇子の結界を破壊した後は勢いを急速に緩め、地面には激突せずに急上昇させた。スピードが乗っていて難しかったが冥界の地面への直撃は避けれた。さもないとこの白玉楼を階段のある場所まで丸ごと消滅しかねないからだ。山を片腕一本で破壊する怪力を持つポケモンと同等のこうげきだ。以前考察したように純粋な腕力ではそこまでなくとも、それに匹敵する破壊力を出せるかもしれないのである。腕力と破壊力は別の話なのだから

 

しかしそれでも衝撃波だけで周辺の木はほとんど吹き飛び、大地が抉れてしまっていた。おまけに「りゅうせいぐん」であちらこちらに大きなクレーターが出来てしまった

 

「こりゃまた修復作業かな・・・伝説のポケモンの力が使えればいいのだが」

 

これでも一応出来なくはないところまでは強くはなれた。ただそれを宿すにはかなり時間がかかる上に宿せる時間はごくわずか。体力の消費も激しい。禁止伝説クラスは宿したことがないがもっと難しいだろう。正にここぞというときの切り札なのだ

 

「さてと」

 

俺は西行妖の元に向かった。改めてみると本当に不気味な桜だ。いくら直撃しなかったとはいえ、ほんの少し傷を負っただけで平然と立っていた

俺はネイティオになり、過去を見ようと手に触れる

 

「くっ。す・・凄い力」

 

手に触れた瞬間禍々しい妖気が伝わってくる。気を抜いたら倒れてしまいそうだ。しかし俺は何とか過去を見ることが出来た。そして分かったのである。この妖怪桜に封じられているものは

 

「西行寺幽々子本人の亡骸・・・」

 

と思っていると・・

 

ズズズズズズズズ

「!?こ・これは!!」

 

なんと西行妖が倒れた幽々子に取り憑き始めたのだ。そしてたまっていた力を放出するように木の根まで動き始める。そして俺を捉えようとし始めた

 

「まずい!「テレポート」!!」

 

俺は急いで離脱した。しかし根がすぐに追いかけてきた。俺はリザードンの力を宿して「かえんほうしゃ」で焼き払った。しかししばらくしたらまたすぐに再生する

 

「このままじゃやばい、どうすればいいんだ!?」

 

すると

 

「おーい真聡!!」

「!、魔理沙!!霊夢に咲夜も!!」

 

すると霊夢と魔理沙、そして咲夜がやってきた。これはありがたい

 

「無事だったか」

「まあな。だけど今は・・」

「・・・相当やばいことになっているようね」

 

西行妖は見る見るうちに力を付け始める。このままでは幽々子の亡骸が解放されて「死」の力があふれ出てしまう。そうなれば幻想郷にまで広がって死の世界になってしまう

 

「とにかく止めるぞ!!」

「おう!」

「「わかったわ!!」」

 

俺たちはいっせいに西行妖を攻撃した

 

「だいもんじ」!!

「夢想封印・集」!!

「ノンディレクショナルレーザー」!!

「ジャックザリッパー」!!

 

しばらくは押していくが根を破壊してもまた再生する。しかも本体には大量の根と桜の結界でなかなかダメージが通らない

 

「このままじゃ埒が明かない。私が根を一気に破壊するから、お前らは本体を一気に攻撃してくれ!!」

「「「わかった(わ)」」」!!!

 

「これでもくらいな!「マスタースパーク」」!!

 

魔理沙は極太のレーザーを発射した。あれから修行をしてきて威力は格段に上がっていた。そして根と結界を一気に破壊した

「今だ!!」

「オーバーヒート」!!

「二重結界」!!

「殺人ドール」!!

ドッカーン!!

 

三人の渾身の一撃が本体に直撃した。黒い煙が立ちこもる。俺は下がったとくこうを直すために「スペシャルアップ」で回復した。ダメージは確実に通ったが・・

 

「くそ!!まだ足りないか!!」

 

それでもまだまだ余裕を持っていた。しかし俺たちはあきらめずに攻撃するが

 

(このままじゃ先にこちらが消耗しきってやられてしまう・・・)

 

そうしていると

 

「はあああああ!!」

ズバババババ!!

 

妖夢が現れて根を一斉に切ったのだ

 

「お前は!!」

「私も助太刀します。それに私だけではないですよ!!」

「何!?」

結界「夢と現の呪」

 

すると大量の弾幕がどこからともなく発射された

 

「あなたは・・」

「紫!!」

 

そこに現れたのは八雲紫だった

 



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「死」に相対するは「生」。そして・・・

異変は解決しましたが、今作は原作とは違う展開を迎えることになります


~白玉楼~

 

俺たちは西行妖の暴走を止めるために必死で応戦していた。そしてその途中に妖夢とそして妖怪の賢者、八雲紫が姿を現した

 

「紫!?あんたどうしてここに?」

「幻想郷の危機ですもの。管理者である私が動くのは当然でしょう?。それに幽々子は私の古くからの大切な友人なのよ。助けないわけにはいかないわ」

 

どうやら味方らしい。とにかく今の状況はまずい。だからこの援軍は本当にありがたい

 

「しかし西行妖はますます力を付け始めているわ。あれは私ですら手が出せないほどの代物。このままでは本当にまずいわね・・・」

「・・・だったら俺に一つ策があるのですが。聞いてくれますか?」

「あんた何か方法があるの?」

「まあな。とはいってもまだ宿したことがない力だし、やるには時間がかかってしまうがな。でもこの力ならきっと止められる」

「・・・それは本当なのかしら?」

「はい!」

「失敗は絶対に許されない状況だけど、それでもやれるのかしら?」

「それは承知です。だからこそ俺は必ずやって見せます!!」

 

俺は紫さんの目をしっかりと見て答えた

 

「・・・どれくらいの時間が必要かしら?」

「15・・いや10分だけお願いします」

「・・・わかったわ。藍!、橙!」

「「はっ!」」

 

すると隙間から九尾の狐のような女性と化け猫のような少女が現れた

 

「西行妖を止めるわよ。援護して!!」

「「わかりました!!」」

 

こうして俺は一旦離脱し。そして俺はまず体力を回復するために、カゴの実を口に入れて「ねむる」で回復させる。そしてすぐに目を覚まし、早く力を宿すために能力を限界まで上げた。そして俺は目を閉じ、力を集中させる

 

(集中しろ・・・・・)

 

しかし幻想郷の存命がかかっており、失敗は許されない。それ故にどうしても不安と焦りが出てしまう。それは簡単になくせるものではない。時間も刻々と迫る

しかし・・・

 

(俺は現世では家族や友達といった大切な人たちに助けられているばかりで、力になってあげられることがなかった・・・)

 

(でも俺は力を授かって、この幻想郷でまた生きることが出来た。そしてこの世界でも大切な人たちと出会ってきた。守ることのできる力と守るべき人たちに出会えた。その為に俺は強くなろうとしてきた。だから俺は・・・)

 

俺は一回深呼吸して叫んだ

 

「だから俺は今こそ守りたいと思う人たちを人たちを守って見せる」!!

 

すると全身にすさまじいエネルギーが駆け巡り始める。今までとは比べ物にならない力を感じる。気を抜いたら倒れてしまいそうなほどの

 

しかしそれでも俺は念じ続ける。精神を集中させる。そして

 

「俺に力を!!」

ピカァァァーーー!!

 

俺は光に包まれた・・・

 

 

~side霊夢たち~

 

『「反魂蝶 -満開-」』

 

力は強まりほぼ満開になってきた。そして桜自体も弾幕で攻撃し始める

必死で止めてはいるが、なかなか暴走は収まらない

 

「クソ!!なんて桜だ!!」

「ここまで攻撃してもなお力を持ち続けるなんて・・」

「うだうだと言ってないで今は踏ん張るのよ!!真聡の言っていたことを信じるしか・・・」

(でももうすぐ10分。間に合うのかしら・・・)

 

そうしていると後ろから強烈な光が差した。しかしそれはどこか優しく、そして力を与えてくれるようだった。そして実際に

 

「力が本当にみなぎってくる?」

「傷も疲れも回復していく!?」

「・・・待たせたな」

「「!?」」

 

振り向くとそこには神々しい光を纏った真聡がそこにいた

 

 

~side真聡~

 

(これが伝説のポケモンの力か。やっぱり他とは比べ物にならないほど、消耗が激しいな)

 

でも俺は前に進む。すると

 

「西行妖の力が弱まっていっている!?」

 

と普段は冷静な紫が驚いていた

西行妖は真聡が近づくにつれてどんどん根が離れていく。この光を恐れる様に

彼の宿したポケモンの名はゼルネアス。生命を司るポケモンであり、他の生物に生命を与える力を持つ伝説のポケモンである。このポケモンの持つ膨大な生命の力は西行妖の死の力を弱めていく

そして俺は手にゼルネアスの角のような七色の光を放つ槍を手に産み出した。そして俺はそれを西行妖に突き刺した

 

「ぎゃああああああああああ!!!」

 

断末魔のような声がしてきて死の力がどんどん弱まっていく。しかしやりすぎてはならない。幽々子を生き返らせるわけにはいかないし、下手したら生命の力があふれて冥界そのものが変わってしまいかねない。だから力を極限まで弱めて槍を抜く。そして

 

「今です!封印を!!」

「「わかったわ!!」」

 

そして最後は紫と霊夢が西行妖を封印した。こうして西行妖の暴走は止まったのであった・・・

 

 

 

~5日後~

 

「う、うーん。私は一体・・・」

「幽々子様!!よかったです!!」

 

と妖夢は幽々子に抱き着いた。あの後幽々子は解放されて何とか無事だった。あと少しで取り込まれる寸前だったが何とか助かったのだ。そのあと5日ほど眠っていた

 

「本当によかったわ幽々子。心配したのよ」

「紫・・・私は一体・・・」

「あなたは西行妖に取り込まれそうになっていたのよ」

「私が?・・・」

 

そうしていると

 

「目が覚めたようですね。幽々子さん」

「あなたは真聡」

 

あの後は俺も力をほとんど使い果たして倒れてしまった。しかしマサラ人の回復力ゆえなのか丸1日眠って、そして十分休んだら元気を取り戻し、そのあとは壊してしまったところの修復作業を行っていた。紅霧異変の時と比べれば、被害は遥かに少ない。今回は冥界の地なので地上とは勝手が違い苦労したが、ゴーストタイプのポケモンの力と霊たちにも協力してもらって何とかほぼ元に戻すことが出来た。俺はその作業から戻ってきたのだ。そしてあの後何が起こったのかを紫さんと妖夢と一緒に話した

 

「そう・・・二人には迷惑をかけたわね」

「本当よ。危うく幻想郷が大変なことになるところだったわ。冬で冬眠が長引いて気づくのが遅くなってしまった私にも落ち度はあるけど」

「冬眠するんですか?」

 

とまあこんな感じに話は進んでいく

 

「まさかあの桜に封印されているのは自分自身だったとはね・・・」

 

と幽々子はお茶を一杯飲んでつぶやく

 

「でも私には生前の記憶はないのよね・・・どうして私の亡骸で封印したのかということも・・・」

 

とどこか寂しそうな表情だった

 

「幽々子。それは・・」

「あなたが望むのなら、それを見せてあげることが出来ますよ」

「「「!?」」」

 

俺の発言に幽々子だけではなく、紫と妖夢も驚いていた

 

「本当にそんなことが出来るのかしら?」

「ええ。少しだけ時間をくだされば」

「あなた、またあのときの異変で使用した力と同等の力を使う気じゃ・・・」

「大丈夫です。あれよりは力は弱いですから。さてどうしますか?」

 

しばらく考えていたが、幽々子はゆっくりと頷いた

 

~白玉楼・庭~

 

俺はまた能力を限界まで上げて念じる。苦労したものの、それでもゼルネアスよりは力が弱いためか今度は5分ほどで完了した

俺は時渡りをすることができるポケモン、セレビィの力を宿した。あらかじめネイティオで過去を見ておいたのである程度は年代の特定ができたが、確実にするために幽々子さんのことを生前から知っているという紫さんから年代を聞いた

 

「ではいきますよ。3・2・1・時渡り開始!!」

 

俺は幽々子さんと紫さんと妖夢と一緒に時を渡った

 

 

~生前の幽々子がいた時代~

 

「驚いたわ。本当にここは過去の世界・・時を渡ることすらできるなんて・・・」

「こんなことも出来るんですか?」

「これが私が生きていたころの時代・・・」

 

俺たちは今上空にいた。何とか成功したようだ

 

「あれが生前の幽々子ね。そしてあれがまだ妖怪桜になっていない頃の西行妖・・・」

 

まだ妖怪桜になっていない頃の西行妖の周りには多くの人が集まっていた。そしてその一番前には幽々子。そして桜の木の下で幽々子さんの父親が横たわって死んでいた

 

「申し訳ありませんが、力が持たなくなる前に少しずつ先に移動していきます」

 

そして少しずつ先に進んでいく

紫さんの話によると幽々子さんの父親は「歌聖」と呼ばれるほどの人物だったらしい。そして本人の望みで満開の桜の木の下で息を引き取ったようだ。しかし彼は多くの人に慕われていたようで彼の後を追うように次々と桜の木の下で死んでいった。しかし桜は死んでいった者たちの生気を吸い取っていき、やがて妖怪桜へと変貌してしまったのだ

 

そして生前の幽々子自身も「死霊を操る程度の能力」を持っていた。しかしその桜の影響でいつしか「死を操る程度の能力」になり、桜の木と同じく人を簡単に死に誘える力を手にしてしまったのである。そして自身の能力と父親が愛した桜が人の命を奪う妖怪になり果ててしまっていることを嘆き、そして

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

彼女は桜の木の下で自らの命を絶ち西行妖を封印したのである。しばらくした後、紫さんがやってきて安らかな顔をして眠る幽々子さんを悲しげに見ていた・・・

 

そして俺たちは元の時代に戻るのだった

 




原作では幽々子自身は正体を知らずに終わりますが、
「ロードオブヴァーミリオンIII」の幽々子さん参戦でZUN氏の書き下ろしイラストで趣味が「自分の死体の保存」と書かれていたそうです。
そこから幽々子はいずれ死体の正体を知ったのではないかと思って、今作ではセレビィの能力を使って実際に過去の幽々子を見せてみるという展開にしてみました


ゼルネアス   NO.716  タイプ:フェアリー

カロス地方に伝わる伝説のポケモン。生命を司るポケモンであり頭の角が七色に輝くとき、生物に永遠の命を与えると言われている。樹木の姿で1000年眠って復活するという。イベルタルの力で命を吸い取られて石化した生物を蘇らせられるのは現状ではこのポケモンだけである
とくせいの「フェアリーオーラ」はフェアリータイプの技の威力を上げる効果があり、アニメでは生命を与える力があるという設定がある。またフェアリータイプのポケモンしか言葉がわからない。専用技の「ジオコントロール」は2ターンかかるが、とくこうととくぼうとすばやさが二段階上昇する強力な技。タメ技のターンを短縮する道具の「パワフルハーブ」を持たせると1ターンで強化出来てすさまじい強さを発揮する


セレビィ    NO.251  タイプ:くさ・エスパー

ジョウト地方の幻のポケモン。森の神様として祀られている。時渡りと呼ばれる過去と未来を自在に移動する能力を持つ。平和な時代にだけ訪れて、セレビィが現れると森の草木は生い茂ると言われている。セレビィが姿を現す限りは明るい未来が待っているらしい
映画でも二度登場している。またポケダンシリーズでは救助隊では最難関ダンジョンの「きよらかなもり」の最深部にいる。話しかけると仲間になる。探検隊では色違いのピンク色のセレビィがストーリーに登場している。更に超ポケダンでは通常色と含めて二種類登場する




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長き冬の終わり

妖々夢編もこれで終わりです


異変は解決して俺は本業の自警団の仕事に戻ることにした

白銀の世界だったのが噓のように雪はすっかり解けてなくなり、色とりどりの花と青々とした緑の大地が広がり始める。そして春と言ったら忘れてはいけないのは桜だ。もうすっかり咲き誇り花見を始めるところも増えてきた。俺も宴会に呼ばれている

しかしその前に俺は行くところがあった。それは・・・

 

~廃洋館~

 

「ここだったな」

 

俺は今プリズムリバーさん三姉妹の住む廃洋館にやってきた

あの時は異変の解決を優先せざるを得ない状況であり、解決したら向かうと書いた手紙を渡して後回しにせざるを得なかった。今日はその謝罪に来たのである

 

扉の前に来て、俺はノックをした

 

「木戸真聡です。約束通り、この屋敷に来ました」

 

と言った。するとひとりでにドアが開き、俺は中に入った

中に進んでいくと広間への扉があった。俺はそれを開くと

 

「ようこそお越しいただきました!!」

「私たちは」

「幻想郷で演奏を奏でる」

「「「プリズムリバー楽団でーす」」」!!!

「・・・・・・・・・え?」

(あれ?ちょっと待った。俺謝罪に来たんだよな。で俺はもっと険悪な雰囲気を想定してきたつもりだったんだが、これは一体?)

 

予想外の対応に俺は今混乱している。大けがを負ったと聞くので治療用のキズぐすりなども多めに用意してきたのだが・・・

 

「あ~えーと、手紙に書いた約束通り、ここにやってきたんだけど」

「いらっしゃーい。やっぱりあんたには私たちが見えるんだね。まあそこに座ってよ」

 

 

とりあえず俺は用意されたソファに座った

 

「そういえば名乗ってなかったわね。私はこの三姉妹の末っ子のリリカ・プリズムリバーよ」

「木戸真聡だ。で、お二人がリリカさんのお姉さま方で間違いないですか?」

「・・・ええそうよ。私は長女のルナサ・プリズムリバー」

「そして私が次女のメルラン・プリズムリバーでーす!!よろしくね!!」

「よ、よろしく」

(長女のルナサはかなりおとなしい人だというのに次女のメルランは対照的にずいぶん明るい人だな)

 

そう思いながら俺は

 

「以前の紅霧異変の時にお二人には大けがを負わせてしまったそうで。その節は本当に申し訳ございませんでした」

 

と俺は頭を下げて謝罪した

 

「・・・別に気にしてないわよ」

「リリカにいろいろ聞かされたようだけど、私たちはそこまで気にしてないわよ」

 

どうやら特に怒ってはいないようだ。なんか拍子抜けだがまあ元気そうでよかった

 

「でもさ私は特に姉さんたちのことについては話してないよ。どうやって知ったの?」

 

とリリカが聞いてきた。俺はどうやって知ったかを説明した

 

~少年説明中~

 

「なるほど。あなたにはそんな能力があるのね」

「過去と未来を見ることが出来るなんてすごい!!新聞でも書いてあったけどあなたって相当凄い人間なのね」

「今回の異変も解決しちゃったし、普通に勝負しても勝てそうもなかったわね」

「でもあなたが私たちを思って復讐に出るとわね。普段はめんどくさがってなかなか自分からはしないくせに」

「それは私も思ったわ・・・」

「///そ・そりゃ姉さんたちを大けがさせてしばらく動けなくなったのは事実だし、姉さんたちがいなくなったら困るし///」

「・・・ふふ。あんたもそういうところがあるのね」

「もう!可愛いところもあるじゃないの~」

「ちょ、ちょっとからかわないでよ///」

 

なんだかとても仲の良さそうな姉妹だ。性格は違ってもどこか通じ合うところがあるんだろう

 

「この館はあなた方にとってとても大切なもののようですが、それはどうしてですか?良ければでいいので」

「あ~それはね・・・」

 

この後この館のことについて話してくれた。かつてはもう一人妹がいたらしく、彼女は自分たちを生み出した人らしい。名前はレイラ・プリズムリバーという人で四姉妹の父親であるプリズムリバー伯爵が偶然手に入れたマジックアイテムのせいで一家が崩壊し、姉妹はそれぞれ別々に生きていたらしい。しかしプリズムリバー家の屋敷に残ったレイラはマジックアイテムの力を借りて三人の姉を模した騒霊を生み出し、それが現在のプリズムリバー三姉妹とのことだ。そのあとは幻想郷に屋敷ごと流れ着き、三人はレイラの困難を何度も助けていき、そしてレイラは天寿を全うしたらしい。しかしレイラ亡き後も何故か消えずに、そのあとは「騒霊らしく騒がしく生きよう」ということで楽器を習得して楽団を結成して今に至るということのようだ

そのあとも俺たちはいろんなことを話した。俺も次第に砕けた言葉遣いになっていった

 

「そうそう私たち、宴会に呼ばれて演奏するから期待していてね」

「そうか。それは楽しみだな」

「・・・・・・・・」

「ルナサ姉さん。どうしたの?」

「・・・真聡さん。あなたいろんなポケモンとかいう妖獣の力が扱えるのよね?」

「まあな」

「何か音楽が出来るやつとかいる?」

「え!?」

(音楽の能力か・・・まあいるにはいるが)

 

俺は試しにコロトックの力を宿して、適当にメロディを作って奏でた。全然楽器を弾いたことがなかったがコロトックの能力のおかげで即興でも丁寧に弾けた

 

「凄いじゃない!これは使えるわ!!」

「ねえ、よければ今度の宴会で一緒に演奏してみない?」

「え~でも演奏とか俺やったことないしな・・」

 

と俺は断ろうとしたが、するとリリカが

 

「あなた私たちに謝罪に来たのよね?」

「そうだけど?」

「じゃあその罪滅ぼしということでさ、今回だけでもいいから出てよ。これで済むのならすごく都合がいいことだと思うんだけどな~♪」

(痛いところついてきたな・・・なかなかの策士だ。でもまあこのまま何もしないのもあれだし)

「わかった。協力するよ」

 

というわけで俺は姉妹と一緒に仕事が終わったら洋館にやってきて練習した

 

~博麗神社~

 

今日は快晴で絶好のお花見日和だ。桜が満開で多くの人が博麗神社に多くの人が集まる。俺が誘って人里の人たちもやってきた。普段は全然人が来ない博麗神社に人が急にいっぱい来てお賽銭も入れてくれるので霊夢は非常に上機嫌だ。そして・・・

 

「皆様こんにちは!今回も呼ばれてきましたプリズムリバー楽団でーす。そして私は次女のメルランでーす!!」

『ワアアアアアアアアア!!!』

 

プリズムリバーにはファンクラブもあるらしく、熱狂的なファンの人たちもいて会場は盛り上がっている

 

「リリカでーす!そして今回はゲスト奏者としてこの方にも演奏してもらいまーす!!」

「それでは紹介します。今回のゲスト奏者の・・・」

「木戸真聡です!!経験は浅いですが、精一杯演奏させていただきますのでよろしくお願いします!!」

 

そして演奏を開始した。俺の役目はルナサとコロトックの弦楽器のように腕を交差させて音を出す能力を利用したデュエットや自在にメロディーを奏でられる鳴き声を利用したメロディーづくりを担当した。会場は盛り上がり大盛況となった

 

「お疲れ様ーーー!!」

「お疲れ様です。うまくいってましたか?」

「ばっちりだよ」

「それはよかった」

 

緊張したけど途中からは楽しくなっていき、最後までしっかりと役をこなしたつもりだ

 

「音楽というのも悪くないかもね」

「またよかったら一緒に演奏してくれるかしら?」

「ああ。時間が空いている時ならいいよ」

 

こうして俺はたまに協力することになり、仮としてメンバーの一員となった

そのあとは俺も花見を楽しんだ。人々はようやく来た春を心から楽しんでおり、実に楽しい花見だった

やがてお開きになり、俺は自警団でもあるので人々の警護にあたった。それが終わって博麗神社で片づけを手伝っていると

 

「ちょっといいかしら?」

「あっ、幽々子さん。何かご用ですか?」

「少しお話していいかしら?」

「はい。いいですけど」

 

俺は霊夢にも許可をもらって幽々子さんの話をすることにした

 

「今回の異変のことは本当にごめんなさい。危うく幻想郷を滅ぼすところだった。あなたの忠告を無視したばかりにあんなことに」

「まあここが幻想郷といっても、いきなり俺が見た未来を信じろと言われても難しいでしょう。しかし今はこうして花見が出来たんだし、よかったじゃないですか」

「そうね。今日は楽しかったわ。あなたの演奏もとてもよかったわよ」

「ありがとうございます」

 

風が吹いてきた。満開の桜も次第に散っていく。しばらくすると幽々子さんが口を開いた

 

「あなたには心から感謝するわ。私を助けてくれたこと、そして私を過去に連れていって真実を見せてくれたことも」

「・・・・助けたのは霊夢と紫さん、魔理沙に咲夜に妖夢、紫さんの部下の二人の協力がないと出来ませんでしたよ。その人たちにもお礼を言ってあげてください」

「ふふ。あなたは本当に優しくて律儀な殿方ね・・・本当にどうもありがとう」

 

幽々子さんは微笑みながらそう言った。気のせいか、生前の幽々子さんの面影が見えた気がした

 

こうして長い冬の異変は終わり、そして春もまた次第に桜と共に終わりを迎えようとするのだった

 




コロトック   NO.402  タイプ:むし

シンオウ地法の序盤虫ポケモン。ナイフのような腕を交差させて音を出す。鳴き声は変幻自在でいろんなメロディーを奏でることが出来る。その鳴き声を利用して競い合わせる鳴き比べという遊びを楽しむ村もあるらしい。ポケモンの中でも屈指の音楽要素が強いポケモンと言えるだろう



妖々夢編はこれで終わりです。次回からはしばらく日常系や萃夢想も少し入れようと思います。連載開始から3週間ほど経ちましたが、閲覧数や感想、評価も増えてきてうれしい限りです。これからも頑張っていく所存ですのでどうぞよろしくお願いします


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休章&萃夢想
スペルカード作成


凄く今更ですが、スペカ作ります
今作では異変時では基本的にガチバトルでいくことが多いです
まあ異変によっては弾幕ごっこもありますが



本日は快晴

 

「春ですよー」

 

と春告精のリリーホワイトがそう告げながら飛び回る今日この頃。桜は散り始めてはいるがまだまだ春真っ盛りだ。今日俺は霊夢に呼ばれて博麗神社に向かっていた

 

~博麗神社~

 

「来たぞ霊夢」

「来たわね。まあこっちにいらっしゃい」

「よう。真聡」

「魔理沙!お前も呼ばれて来ていたのか?」

「いや。暇だったからちょっと遊びに来ているだけだぜ」

 

境内には霊夢と魔理沙がいた。今日は霊夢から俺に話があるらしい

 

「で、俺に一体何の用だ?」

「あんたにはこれを作ってもらうわよ」

「これは札か?」

「スペルカードよ。真聡には弾幕を作ってもらうわ」

 

俺は束になった何も字が書いてないお札をもらった

 

「どうしてこんなものを?」

「これまでは相手がだいたい本気で殺しにかかってきたから、なんでもありの実戦での勝負だったけど本来はこれで争うのよ」

「何のためだ?」

「双方ともの被害を最小限にするためよ。特にあんたは被害出しすぎなのよ。湖周辺を消滅させるわ、氷山が出来るわとか。まああんたはちゃんと責任とって元に戻したからまだいいけど」

「大妖怪だって好き好んで怪我したくないからな。これはかなり都合がいいんだぜ。まあこれも当たり所が悪いと死に至る時があるけどな」

「うーむ。まあそれでもリスクは大きく減らせるわけだな。修復作業も大変だし、いいかもな」

「そういうわけでさっさと作りなさい」

「どうすればいいんだ?」

「念じればできるわ。あんたが思うイメージの弾幕を念じればいい」

「わかった」

 

そうして俺は札を持って念じる。そしてとりあえず10枚ほど作った

 

「とりあえずこんなところかな」

「早かったわね」

「そうか?」

「なあ真聡。早速ちょっとやってみないか?お前とは弾幕ごっこやるのは初めてだし、やってみたかったんだ」

「そうだな。じゃあお願いするよ。手加減なしで構わんぞ」

「へへと当然だぜ」

「じゃあまずルールも説明するからちゃんと聞いてね」

「わかった」

 

そして俺はルールの説明を受けた

 

「じゃあとりあえず、スペカ三枚でやらないか?」

「わかった。さてどれにするか・・・」

 

俺と魔理沙はその中でそれぞれ選んで決めた

 

 

~博麗神社・裏の広場~

 

「それじゃ行くぜ。まずは私からだ」

魔符「ミルキーウェイ」

 

すると大量の星形の弾幕が発射された。そして横からも小さめの緑と黄色の弾幕が迫る。しかしこれくらいなら慣れたものでしっかり回避していく

 

「今度はこちらからいくぞ」

 

大炎符「だいもんじ」

 

俺は今はリザードンで戦っている。ちなみにショットの代わりとして「ひのこ」を使用している。俺は力を込めて庭を覆うほどの巨大な大の字型の火炎を放つ。そして俺はさらに炎を火の竜をかたどった形で火球に近い感じで放つ。更に「だいもんじ」自体からも小さな炎の弾幕が出てくる

 

「おっと。これはなかなか凄いな」

 

しかし魔理沙は慣れたようにうまく回避していく。彼女もこれまでいろいろな敵と戦ってきたのだからまあ当然か

 

しばらくしたらスペルブレイクされてしまった。そしてしばらくはショットの撃ち合いになるが決定打にはならない

 

「今度はこちらからだ」

実念符「サイコショック」

 

俺は今度はサーナイトの力を宿して「サイコショック」をより弾幕風にアレンジして放つ。そして俺は更に

 

「!?なんだこりゃ。何かに吸い込まれてる!?」

 

俺はサーナイトの力を使って米粒程度の極小のブラックホールを放った。とはいえ全力でやったら相当力を消耗してしまうし、もっとひどいことになるから相当小さくした。それにスペルカード使用で吸引力も本来のものと比べれば弱い。これは実質サーナイト時専用に近かった

 

一つ一つは小さく、まっすぐしかいかないが、密度はかなり濃くて弾速は非常に速い。そしてブラックホールの吸引力もあり、魔理沙はうまく回避していったがとうとう被弾する

 

「くっ、やるじゃないか。流石真聡だぜ。だけどなめるなよ!!」

 

しかしそれからは全く当たらない。もうパターンをつかんだというのか。これも日ごろの努力の末の力なのだろうか

 

「今度はこちらの番だ」

儀符「オーレリーズサン」

 

すると魔理沙の周りに赤、青、緑、黄の四つの球体から大量の弾幕が放たれる。四つの球体はそれぞれの動きをしていろんな角度から発射される。密度もなかなか。しかし当たるほどのものではない、と思っていたが

 

「!?」

「へへ。こんなことも出来るんだぜ」

 

球体からいきなりレーザーが発射されたのだ。慌てて回避したが、回避する場所もある程度予測していたようで、光弾とレーザーの波状攻撃にとうとう被弾してしまう

 

「ちっ。やられたな。いつの間にかそんな技を習得していたとはな。(実戦でも頼りになりそうな技だ)」

 

そのあとは何とか回避する。そしてお互い最後の一枚となる

 

「さあ決着付けようぜ!」

「おう!」

魔理沙はおそらくあの技を使うだろう。俺はナッシーにチェンジする。魔理沙はミニ八卦炉を構えていた

「パワー勝負と行こうぜ!!」

「望むところだ!!」

 

俺はスペルを発動する。そして「にほんばれ」を発動して日差しを強くさせた

 

「くらえ!恋符・・・

「いくぞ!陽光符・・

 

「マスタースパーク」!!

「ソーラービーム」!!

 

両者の極太光線が発射された。激突して弾幕ごっことは言え強烈な衝撃波が発生する

 

「いっけーーーー!!!」

「負けるかーーー!!!」

 

お互いのスペルの威力は互角。そしてスペル発動時間が迫ってくる。そして・・・

 

ドッカァーン!!

 

ぶつかり合ったエネルギーはやがて爆発した。爆炎が晴れてくると二人とも立っていた

 

「この勝負は・・・」

「ああ、引き分けってところだな」

 

お互いスペルは使い切り、勝敗は引き分けという結果に終わった

 

「実に楽しかったぞ。強くなったな」

「こっちこそ楽しかったぜ。でも次は勝つぜ!!」

 

と互いの健闘を讃え合った。俺も実戦ばかりで弾幕ごっこはしたことがなかったが実に楽しかった。これで終わればよかったのだが・・・

 

「「・・・・・・」」

「あんたらねえ。いくら弾幕ごっことは言ってもこのありさまはないんじゃないかしら?」

「あーえっとそれは」

「ちょっと力を入れすぎた。すまん」

 

最後の激突で裏庭はすっかり滅茶苦茶になってしまった。そして当然・・・

「ちゃんと修復が済むまで帰るんじゃないわよ!!」

「「すみませんでした」」

 

俺たちはしばらく鬼巫女と化した霊夢に怒られたのだった

 




サーナイト   NO.282  タイプ:エスパー・フェアリー

サーナイトの最終進化形。心優しくとてもトレーナー思いのポケモン。未来を予知することが出来る。そしてトレーナーを守る時に最大パワーのサイコパワーを発揮。その力は小型ではあるが、空間を捻じ曲げてブラックホールを出現させるほどの力を持つ。野生の生態は図鑑に全く書かれておらず、かなり人間に依存したポケモンのようだ
第七世代ではフェアリータイプが追加された。ポケモンの中でも特に女性的な容姿のためか人気は高い

ナッシー   NO.103  タイプ:くさ・エスパー

タマタマにリーフのいしを使うと進化するポケモン。実の一つ一つに顔がありそれぞれ意思がある。あるく熱帯林と呼ばれている。十分に育つと頭のどれか一つが落ちて、タマタマになるらしい。第七世代ではリュージョンフォーム、またはアローラの姿と呼ばれる個体が登場。タイプはくさ・ドラゴンとなり、初めて見た方はその見た目のインパクトに度肝を抜かれたことだろう。ちなみにアローラ地方の住人はこれこそが本来の姿だと誇らしげらしい



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木戸真聡のスペルカード紹介

せっかくなので主人公のスペルカードを紹介しておきます


大炎符「だいもんじ」

 

力を貯めて巨大な大の字型の火炎を発射する。炎は空中を回り続け、そこから小型の火球がたくさん放たれる。また本人からも火球や炎の竜の形をした炎が放たれる

 

 

実念符「サイコショック」

 

サイコパワーを実体化させて大量の礫を発射する。直進しか飛ばず球も小さいが、数は多くて、特に弾速が非常に速い。サーナイト時では小型ブラックホールがついてきて、その吸引力で相手を邪魔する

 

 

陽光符「ソーラービーム」

 

太陽のエネルギーの極太のレーザーを発射する。フィールドは日差しが強い状態になりある程度連射可能。威力重視の技である

 

 

攻防雷「カウンターシールド」

 

その場を回転して「10万ボルト」を放つ。不規則であり、攻撃と防御を兼ね備えた攻防一体の技。元ネタはDP編でサトシが編み出した戦法。更に時折全方位を一気に焼き尽くす「ほうでん」をしたり、上空から小型の「かみなり」も大量に降ってくる

 

 

荒波符「なみのり」

 

地面から超巨大な津波を発生させて一気に飲み込む。また波は一定時間経つとまた来て、更に自身は泳いで移動して「うずしお」を飛ばしたり、強烈な極太の水流を発射する技「ハイドロポンプ」も放つ。泳いでる間水中から撃ってくることもある

 

 

霊雹符「シロガネ山の亡霊」

 

天候をあられにして自身は強制的にユキメノコに変化する。最初に巨大な「シャドーボール」を作って上空に発射する。そしてそれを分裂させてゆっくりと落ちてくる。自身はとくせい「ゆきがくれ」を利用して亡霊のように現れながら、「こおりのつぶて」や「れいとうビーム」で攻撃する。ときどき「あやしいひかり」で亡霊を演出して相手を惑わせる

 

 

妖精符「マジカルシャイン」

 

強烈な光を放ち、そして妖精をかたどった弾幕を発射する。時折空から「ムーンフォース」が放たれる

 

 

風潮符「ぼうふう」

 

強力な暴風をいくつも発生させる。更に「エアスラッシュ」や「エアカッター」をばら撒いて風に乗せていろんな方向に放たれる。「エアカッター」は威力は低いが範囲攻撃に優れる

 

 

破壊符「四色はかいこうせん」

 

「ソーラービーム」よりさらに強力な極太の光線を発射する。発射すると数秒動けなくなるのでリスキーだが威力は抜群。種類は四種類で通常版、フリーズスキン版、スカイスキン版、フェアリースキン版の四つである。通常版は地面にあたると超ポケダンのように広範囲を飲み込む大爆発が発生する。フリーズ版は周りから冷気が発生して近くにいると凍ってしまう。また地面に撃って巨大な氷の障壁を生み出す攻防一体型。スカイ版は巨大な鳥の形をしており、範囲も広い。更に強力な風が発生して相手の動きを阻害する。フェアリー版は威力は実は一番強力だったりする。周りに星形の弾幕や妖精型の弾幕も発生する

 

 

龍星撃「流星のドラゴンダイブ」

 

耐久スペル。「りゅうせいぐん」で天空から大量の隕石を召還する。更にエネルギーを放って流星型エネルギー弾も降ってくる。更に一部の隕石を取り込み、高度から急降下した超スピードの「ドラゴンダイブ」で突っ込んでくる。一発の威力は今のところ最強である

 

 

 

 




とりあえず今のところこんな感じです。これからもいろいろできると思います


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最近人里でやっていること

今回は主人公の最近の日常を描いてます


今日も平和な幻想郷。俺は普段と変わらず人里の警護の仕事にあたる

しかし最近はちょっとした副業で収益を得ている。それは・・・

 

「モモン、オレン、クラボ、カゴ・・・はい。今月の仕入れ分です」

「あいよ。じゃあこれ代金ね」

「フムフム・・・確かに頂戴しました。いつも購入してくれてありがとうございます」

「いやいや、こっちこそ。お前さんが育てた木の実は本当によく売れているよ。おかげで前よりも繁盛して助かるよ」

「それはよかった」

 

今、俺が育てた木の実を八百屋さんが買ってくれている。きっかけはたまたま香霖堂で見つけて、食べてみたらおいしくて様々な便利な効果があって気に入ったらしい。霖之助さんからこれを売った人物が誰かを聞いて、そして俺に訪ねてきた。そしてうちの店の商品にしたいから売ってくれないか?と誘われたのだ。俺はそれを了承し、1週間ごとに届けてあげて、月一で代金をいただいている。木の実は許可をとって畑を貸してもらい、そこで育てている。ポケモンの木の実は成長が非常に速いのでそう簡単には収穫量が底をつくことはない。育てるのも水をやればいいだけなので楽だ。これがなかなかいい収入となっている。更に

 

「いらっしゃい、真聡さん。注文の木の実とポロックはあるかしら?」

「はいここにちゃんと」

「はいはい・・・・うんありがとう。じゃあこれ代金ね」

「どうも」

 

俺は製菓店にも売っている。菓子の材料や最近はポフィンの材料として買ってくれている。元々は八百屋さんとの話がついた後に初めからバックにあったポロックキットと、フーパのリングで取り出したポフィン用の鍋でポロックとポフィンを作って、それを製菓店に勧めてみたのが始まりだ

ポフィンのレシピをメモして自分で作れるようにすると、小傘に頼んで同じ形の鍋をいくつかを作ってもらった。得意というだけあって素人目で見ても見事な出来栄えだった。ちなみにリングで取り寄せたものは元の世界にリングを伝わせて戻した

 

今では店の人にもポフィンのレシピを教えてあげて、店でも作られている。ポロックキットは量産できなかったので、俺が作って店に売っている。どちらも好評で店の新たな名物となっているそうだ

 

これにより俺には結構な収入が入るようになった。現世だと副業は禁止とかでもめるが、人里にはそんな決まりがなくて自由にできるのだ

 

そんな生活を送りながら今日も仕事している。自警団での仕事は主に警護だが、たまに部下や新任の訓練の監督をしている

 

「そこ!てれっとするな。あと少しだから頑張れ!!」

「はっはい!!」

 

最初はみんな素人同然ではあるが、熱心に指導していく末に強くなっていく様子を見るのはなかなか悪くない。時には俺自身も学べることもある。俺より年上の者も結構多くて、初めの頃は戸惑うこともあったが、今ではだいぶ板についてきたと思う

また・・・

 

 

「はーい。皆さん!本日もお集まりいただき、どうもありがとうございます!!」

「本日はこの人も参加してまーす!!」

「どーも!皆さん!木戸真聡です。盛り上がっていきましょう!!!」

 

たまにプリズムリバー楽団の活動に参加している。俺自身も結構楽しんでやっている。プリズムリバー三姉妹には楽団そのもののファンクラブもあるが、個人のものもある。最近では何と俺個人のファンクラブまで出来た。まさか俺のファンクラブが出来るなんて思いもしなかったので、かなり照れ臭いが悪い気分ではない。最近ではこんなこともしたときもあった

 

「少女は森をテクテクと歩いていました・・」

チャンチャチャラララン♪チャララ~

 

「いつの間にか暗い森の奥に迷い込んでしまいました・・・」

チャランチャラン・・・チャランチャラン・・・ピロッロロロロピ・ロロロ・・・

 

「少女を助けてくれたおばあさんは実は恐ろしい悪い魔女で、少女を食べてしまおうとしていました・・・」

デー・デン!デー・デン!・・ヒュ~ドロ~・・

 

「しかしそこに勇敢な若者が現れ、魔女に戦いを挑みました」

チャッチャー、チャララララーン!チャチャチャチャーン!チャチャチャチャッチャラーン!

 

「こうして少女は若者といつまでも楽しく暮らしましたとさ」

チャラララララ・・・チャ・チャ・チャ・チャーーーン!!!

 

『パチパチパチパチ』

 

一体何をしているかだって?俺はある人物にコロトックの自由にメロディーを作れる能力を買われて、人形劇のBGMを担当していたのだ。その頼んだ人物とは

 

「お疲れ様。あなたのメロディーは大好評だったわよ」

「それはよかったです。アリスさん」

 

この人はアリス・マーガトロイド。金髪でヘアバンドのような赤いリボンをしており、青いワンピースのようなノースリーブを着ていて、まるで西洋人形のような容姿をしている魔法の森に棲む魔法使いだ。人間とは友好的であり、こうしてたまに子供たちに人形劇を披露している時がある。俺がプリズムリバーのライブでいろんなメロディーを自在に操っているところに目を付けたとのことだ

 

「魔理沙から聞きましたけど、お知り合いだそうですね」

「一応ね。まああんまり相性が良くないと私は思うけど」

「そうなんですか?」

 

魔理沙とは知り合いらしくて、春雪異変の時も魔理沙にあっていたらしい

 

とまあこんなふうに適当に話す。紅茶とクッキーもごちそうになったけどどれもおいしかった。それとアリスさんの周りを飛んでいる人形は上海人形というらしい

時折「シャンハーイ」とかいう鳴き声のような声を発する。何故かたまに「バカジャネーノ」とかいうときがある。もう一つ蓬莱人形もいる。こちらは「ホラーイ」という声を発する

しばらくした後

 

「またお願いできるかしら?」

「いいですよ。仕事があるのでいつでもとはいきませんが、空いている時ならお力になります」

「そう。じゃあその時はよろしく頼むわね」

「はい。あと今日は霧が深いので帰り道はお気をつけて」

「ええそうするわ。じゃあ今日は本当にありがとうね」

 

そうして俺はアリスさんを見送った

 

(それにしてもこの霧なんか変だ。何か違和感を感じる・・・)

 

そう思いはしたが、その日はそこまで気に留めなかった

しかしそれは異変の予兆であるのはまだ知らなかった

 




次は萃夢想をしますけど、そこまで長くはなりません


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妖霧の異変の犯人

過程をめっちゃすっ飛ばします


もう桜の桃色も深い緑色へと染まり始めていた。しかし異常な事態が起こっていた。それは

 

「ふう~お疲れ様!!」

「最近よく呼ばれることが多いよねー」

「仕事が増えて収入が増えるのはいいけど、こうも宴会ばかりだとさすがに疲れるわ」

「お疲れ様。疲れたときに良い甘めのポフィンでも食うか?」

「「ありがとう!!」」

「いただくわね」

 

 

今プリズムリバー楽団は大忙しである。ここ最近お花見という名の宴会が頻繁に行われているのだ。しかしいくらなんでも続きすぎる。幻想郷に来て数年経つがこんなに頻繁に行われたことはないし、ある年限定に起こるとかいう話も聞いたことがない。しかも何故か妖気が高まっている

 

「まさかこれは・・・」

 

 

~博麗神社~

 

「おかしいわね」

「何がだ?」

 

博麗神社の境内に霊夢と魔理沙がいた。霊夢は持ち前の勘で今起きている現状に違和感を感じていた

 

「最近宴会が頻繁にありすぎるし、それにやるたびに妖気がどんどん強くなっているわ。これはもしかして・・」

「異変なのか?」

「ええ。・・・私の勘ではこの霧が怪しいと思うのよね」

「その通りだ霊夢。勘だけでここまで見抜くとはさすがは博麗の巫女といったところだな」

「!?」

「真聡!?」

 

俺は空からやってきた。そして俺はゆっくりと着地する

 

「その通りだって・・・まさか犯人はあんたなの!?」

「違う。そうじゃなくてこの異変の原因はこの霧自体だということだ」

「どういうことなんだ?」

 

俺はテッカニンの力を宿して二人にこう告げた

 

「正確に言うと犯人が霧を発生させて異変を起こしているのではない。この霧が犯人そのものなんだ」

「「!?」」

ヒュン・・・

 

俺の姿は一瞬で消えた。テレポートなどの瞬間移動の類ではない。これは純粋な速さによるものだ

 

「きりばらい」

 

すると俺は目に映らぬほどの超スピードで幻想郷中を飛び回り、「きりばらい」で霧を払っていく。特性により更に速度が上がり、ほんの数秒で幻想郷を取り巻く霧を博麗神社を除いて払った

そして俺は境内に戻り、別のポケモンの力を宿す

宿したポケモンの名はルカリオ。そのあと俺はこう叫んだ

 

「お前の正体はもう「みやぶ(る)」っている。姿を表してもらうぞ!」

 

俺は腕に青く輝く波導を集める。そして

 

「はどうだん!!」

 

波導のエネルギーの塊を霧の中心部に向かって発射する。すると何かに命中した

 

「!?」

「な、なんだ!?」

「この異変の犯人さ」

 

爆煙とともに霧も晴れ始める。するとその中から人影が現れた

 

「くう・・。まさかこんなにあっさりバレるだなんて。噂以上にでたらめな能力を持つ人間だねぇ」

「「!?」」

 

すると薄茶色のロングヘアーに紅い瞳。そして頭に長い二本の角が特徴的な少女が出てきた。見た目はかなり幼い

 

「何だこいつは!?」

「なるほど。確かに犯人は霧そのものだったわね」

「お前がこの異変の元凶で間違いないな?いったい何を企んでいるんだ?俺のことを知っているようだが」

 

しばらくすると

 

「あんたはもう幻想郷中に名が轟いているよ、木戸真敏。私の古い友人は多分あんたと戦いたがっているだろうねぇ」

「そうか。で、お前の目的はなんだ?」

「まず名乗っておこうか。私の名前は伊吹萃香、昔は妖怪の山に住んでいた鬼さ」

(鬼か。だから角が生えているわけか)

 

そして萃香は話を続ける

 

「今年はあの異変のせいで春が極端に短くなったでしょ?あたしは宴会が好きでねぇ、あの異変で花見の回数が減ったことに不満があったのよ。それと私たち鬼は酒が大好きだからねぇ、派手に宴会でもすれば外にいるかつての仲間らも戻ってくるかもしれないと思ってやったの。ま、失敗だったけどね。まさか博麗の巫女の力が障害になると思わなかったわ」

「それはどういうことなのよ。私はそんな能力を使った覚えはないわ」

「あんたの自覚がないだけ。まさか私の「人攫い」の力が幻想郷の住人に通用しないとわね。まっ別に恨んだりはしないけどね。心配しないでいいよ。私たち鬼は嘘をつくのは嫌いだからね」

 

彼女の目的はわかった。あとはこのままで済めばいいのだが

 

「ではもうこの異変を起こすのを止めてくれないか?これ以上やらないのなら何もしない」

「・・・いいよ。バレてしまったんなら仕方ないしね。宴会はそれなりに楽しんだし」

「そうか」

 

これで済むのならそれが一番と安堵していたのだが

 

「ただし条件が二つある」

「・・・なんだ?」

「まずどうしてこの異変の犯人は霧そのものだと思ったのかを説明してもらおうか」

「私も気になるぜ」

「教えてくれるかしら?」

「いいだろう」

 

 

俺は少し間を置いた後に説明を始める

 

「俺自身も持っているが、今宿しているルカリオというポケモンには波導という力を扱える」

「波導?」

「波導とはすべての物質が持つ固有の振動のことだ。気やオーラのようなものと言えばわかりやすいだろう。波導が扱えれば視覚の有無に関係なく物の存在を感知することが出来る。そして一つ一つそれは微妙に異なる。木には木の、岩には岩の、霊夢には霊夢の、そして俺には俺の波導があってそれぞれ違う。俺は霧が出ているところを徹底的に周って波導を調べたんだ。そして気づいたのさ。どの霧にも同じ波導があるということにな」

「・・・・」

「波導はそれぞれ異なるもの。何日かかけて調べたがすべて同じだった。そうなると答えは一つだ。犯人は自分自身が霧になることが出来る能力を持つだろうとな」

「「「・・・・・・」」」

 

俺の話を三人とも黙って聞いていた。そして更に続ける

 

「波導には強弱がある。そして今日の霧の中で一番強かったのはこの神社だ。おそらくお前の目や脳にあたるところがそこにいたんだろう。今日はこの神社で宴会だったからな。そして俺はテッカニンの超スピードを利用して「きりばらい」で博麗神社を除いた霧を一瞬ですべて払った。自分の体を霧にしたのなら相手に一か所を除いて霧を払われてしまえば、残った一か所に自分の体を集めざるを得なくなる。その後俺は相手の正体を見破ることで本来実体のない幽霊にも物理的なダメージを当てられる技、「みやぶる」を発動した。そしてお前の波導が特に集まったところに向けて攻撃した。以上だ」

「いやー参った!おみそれしたよ」

「・・・お前本当に何なんだよ」

「紅霧異変の時に一瞬だけ見たけど、フランの分身の中にある本体を見破っていたけど、もしかしてその力だったの?」

「その通りだ」

 

三者三様の感想が述べられる

 

「さて一つ目は果たしたぞ。二つ目は何だ?」

「・・・もうわかってるんじゃないの?」

「・・・俺と戦うことか?」

「その通り!!私ら鬼は酒と同じくらい勝負が大好きなのさ。私もずっと前から戦ってみたかったんだよねぇ。でもあんたは人里で働いているから、妖怪である私だとなかなか行きにくかったのよ」

 

萃香はひょうたんに入っている酒をグイッと飲む。そして

 

「だからこの勝負受けてもらうよ。もちろん弾幕ごっこじゃない実戦でね」

「・・・・場所を変えてもいいか?ここでやるわけにはいかないだろう」

「ああいいよ。要求を呑んでくれるのならね」

「あんた相手は鬼よ。実戦で大丈夫なの?」

「俺は弾幕ごっこよりも実戦の経験の方がずっと多いし、その方が得意だ」

「・・・本当に大丈夫なのか?」

「お前が心配するとは珍しいな」

「///うるせえ!たまにはあるんだよ!!」

「・・・ありがとうな。だが心配は無用だ。お前はここでゆっくりしてな」

 

と魔理沙を見て言った

 

「さて行くとしようか」

「わかった。さっさと連れててもらおうか」

「よし。「テレポート」」

 

俺と萃香は一瞬で姿を消した

 

~とある平原~

 

「ここならいいだろう」

 

そこは妖怪があまりいない平原だった。ここなら暴れても大丈夫だろう

 

「さあて。ここ最近幻想郷を騒がせる人間の力をとくと味わわせてもらおうか」

 

人間と鬼との決闘の幕が今開こうとしていた

 




テッカニン  NO.291  タイプ:むし・ひこう

あらゆるポケモンの中でもスピードフォルムのデオキシスを除いてすばやさが最も高いポケモン。更に1ターンごとにすばやさが一段階上昇するとくせい「かそく」を持っているため、実質一番すばやさが高いポケモンと言えるだろう。そのスピードは速すぎて姿が見えないほどであり、鳴き声しかしないので、長い間透明なポケモンと言われていた。虫らしく樹液が好物。上手に育てないということを聞かずに大声で泣き続けるのでトレーナーの腕が試されるポケモンらしい


ルカリオ   NO.448  タイプ:かくとう・はがね

映画「波導の勇者ルカリオ」で一般ポケモンにして初めて映画の主役を飾ったポケモン。アニメやゲームでも出番は多く、知名度は高い。あらゆる物質に存在する波導という力を操ることが出来るポケモン。それを利用して見えない相手の姿を見たり、一キロ先にいる相手の考えや種類を読み取ることができる。進化前のリオルの頃でも波導を扱えるが、ルカリオと違って読み取ることしかできない
大乱闘スマッシュブラザーズでも登場している。ダメージを受けるほど波導の力が強くなり、攻撃力が上がるという固有の特徴を持つ。ちなみに映画とスマブラでは「波導( ・)」だが、ゲームとアニメでは「波動( ・)」となっている



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VS伊吹萃香

萃香戦です。萃夢想はシューティングとはまた違うので少し手間取りました


~とある平原~

 

「さーてやろうか!」

 

と萃香は腕を鳴らして殴りかかるが

 

「バレットパンチ」

「!?」

ドドドドドド

 

目にも止まらぬ、正に弾丸の如きスピードの拳が萃香の腹にヒットする。が

 

「速さには驚かされたけど、重みが足らないね」

(威力が低い技とはいえ、直撃したのにあまり効いた様子はないか・・。流石は鬼といったところか)

 

でも今のはほんの小手調べ。俺はまた一気に近づき、拳を突き出す

 

ドカ

「ふん!軽いね、この程度」

 

と余裕で受ける。でも俺は懲りずに二撃繰り出す

 

ドカッドカ!

「!?」

 

萃香は違和感を覚え始める。殴るたびに拳が重くなっていくからだ

 

ドゴ!!

「!!ちっ」

 

これ以上受けるべきではないと判断して距離を置く萃香。しかしそれは波導で読み取っており、萃香の腹に「はっけい」を打ち込んだ

 

「カハ」

 

スマブラのルカリオのように強烈な波導の衝撃波をもろにくらった。しかも

 

「攻撃する度に拳が強力になる技か。面白い技を持っているねぇ」

「ほう。気づいていたか」

 

最初の連撃の正体は「グロウパンチ」である。技名のグロウは成長するという意味の英語。威力が低いが、一撃当てるたびに攻撃力が上昇する技だ

 

「でもその程度で鬼である私を倒せると思わないでよね」

 

符の壱「戸隠山投げ」

 

すると、どこからからか岩が集まってやがて巨石となった。それを軽々と片手で持ち上げて、投げつけてきた。俺はそれを向かい打つ

 

「おお、「はどうだん」!!」

「!?」

 

すると真聡は先ほど博麗神社で発射されたものよりも更に大きな「はどうだん」が放ったのだ。そして岩と「はどうだん」はぶつかり合って相殺と思いきや・・・

 

ドッカーン!!

 

破壊した後も萃香に迫ってきたのだ。慌てて回避しようとするが、追尾機能もあるこの技をかわすには至らずに命中した

 

「そっちこそ、その程度で俺を倒せると思わないことだな」

「っ、やってくれるじゃない!」

(あの時はルカリオの波導だけで放ったからな)

 

俺は修行中にあることに気づいた。俺は波導を習得して以来も毎日鍛錬したおかげで、ますます洗練された。いろいろなポケモンの力でも自分自身の波導が使えるということは、戦闘をより有利にすることが出来た

では元から波導を操ることが出来るポケモンを宿した場合はどうだろうか?その答えはルカリオが持つ波導の力に自分の波導が付加されるということだ。ルカリオと比べれば自分は半分ほどだが、50%でも足せば150%の力を発揮できる

そしてポケモンの能力も洗練すればするほど強くなる。レベルアップのようなものだ。その中でもルカリオの力を宿した時は、洗練してさらに強力になったルカリオの波導に自分自身が成長した波導の力も加えられる

 

つまりルカリオを宿すと「自分自身の成長」が最も強く反映されるのだ

 

ルカリオの波導に自分自身の波導を加えた一撃は凄まじいものとなる

 

「はああああああ!!」

ズドドドドドド

 

俺はド〇ゴンボ〇ルのベ〇ータお得意のグミ撃ち、もとい連続エネルギー弾の要領で「はどうだん」を連射した。威力と追尾性能は劣るが、その代わり弾速が非常に速くなり、連射が利くようになる。更に自分の波導を合わせることで、一つ一つが不一致「はどうだん」くらいの威力は出せた。俺の猛攻は凄まじく萃香もかなり苦戦しているようだ

 

「ちい。鬱陶しい技だね。ならこれはどうかな?」

 

符の弐「坤軸の大鬼」

 

すると萃香は上空に飛んでいった。俺は上空を警戒して待つ。すると

 

「!?、やばい」

 

ドッスーン!!

 

すると上空から巨大化した萃香が降ってきて踏みつぶそうとしてきたのだ。回避できたが、もしくらったらペチャンコになってしまうだろう。クレーターも出来ている。そして絶え間なく跳躍を続けて連続で踏みつけようとしてくる

 

ドスーン!ドスーン!ドッスン!

 

平原は穴ぼこだらけになっていく、でももう慣れた

 

ドッスーン!!ヒュン・・・

「本家スマブラ式・かげぶんしん」

ドゴオ

「カハ」

 

妖々夢の時はエルレイドで行ったが、今回は本家のルカリオで行うカウンター式の「かげぶんしん」がうまくヒットした。そしてそれをくらって体勢が崩れた萃香に「とびひざげり」を叩き込んだ

単純な威力では「インファイト」をも上回る一撃に、萃香は大きなダメージを受けた。しかしさすがは妖怪、いや鬼といったところかタフネスは凄まじく、まだまだ倒れそうもない

 

「これは本気でやらないとまずいね」

鬼神「ミッシングパープルパワー」

「!?」

 

すると萃香が巨大化した上に弾幕まで放ってきたのだ。そして萃香自身もパンチとキックの応酬が始める

 

ズシーン。ズッドーン!!

「くそ!!」

 

俺は「しんそく」を駆使して敵をかく乱する作戦に打って出る。相手も目に映すことも困難な神速の速度には手を焼いているようだ。そして少しずつではあるが着実にダメージを与えていく

 

「地上に関しては天狗よりも早い。厄介な技だ。じゃあこれならどうかな?

符の参「追儺返しブラックホール」

ギュオオオオオーー

 

するとブラックホールが発生する。強烈な吸引力で機動力が大幅に低下してしまい、弾幕が直撃してしまう

 

「くそ!「まもる」!」

 

俺は「まもる」で何とか凌いでいくがこれではいつか破られる。俺は一旦エルレイドに替えて「テレポート」で上空へ移動する。そして落下時の重力、更にブラックホールの吸引力を利用した「インファイト・斬」を叩き込む

 

ズバババババ・・・・

 

凄まじい斬撃の乱舞が襲い掛かる。とにかく俺は攻めて攻めて攻めまくった。萃香もこれには防御体勢をとるが・・・

 

「ふふ、こんなに楽しい戦いは久しぶりだよ。だが」

 

萃香は力ずくで跳ね除けて、俺は空中に投げ出される。萃香の巨大な拳が迫る

 

「まずい!」

 

俺は「テレポート」で地上に脱出する。そしてもう一度ルカリオに戻り

 

「きんぞくおん」

ギギギーーーー

 

強烈な金属音が萃香にの耳に響き、彼女は思わず耳をふさいだ。これによりとくぼうが二段階下がった。そして

 

「おおおおおお!!「はどうだん」!!」

 

俺は限界まで波導を溜めて、最高の威力の「はどうだん」を発射した。その大きさは巨大化した萃香の拳にも勝るとも劣らない大きさだ

 

「いい一撃だけどね・・・なめるなぁーーー」

四天王奥義「三歩壊廃」

 

すると萃香は渾身の力を込めたパンチを叩き込んだ。しばらく拮抗したがやがて押し負ける。そして

 

ズッドォーーーーーーーーン!!!!

 

とてつもない轟音が鳴り響く。あまりの威力で平原は大きく陥没してしまった

 

ゴオオオオオオオオオ・・・

「終わったね。殺すのは惜しい相手だったが、全力の勝負の末のことだ。仕方がない」

 

と言って去ろうとしたが

 

「・・・・待てよ」

「!?そんな!あれを直撃してどうやって耐えたんだ?」

「気合で「こらえる」を発動してギリギリ踏みとどまったのさ・・・」

 

俺は命中する直前に「こらえる」を発動させてギリギリで踏みとどまった。だがはっきり言ってもう虫の息。次に攻撃をくらったら今度こそお終いだ

 

「その状態にまで戦う気概は認めるが、もうお前に勝ち目はない。素直に負けを認めれば命は取らんこともないよ」

「・・・・・・・・・・」

 

正直俺はどうしてここまでして立つのかがよくわからなかった。でもしばらく経つにつれて、その答えがわかった気がした

 

「・・・俺は現世でたくさんの悔いを残して死んでしまった。しかしどういうわけかまた生きることが出来て、新たな力を授かった・・・」

 

傷だらけで苦しいが、俺は言った

 

「あの時とは違って、俺には力がある。お前を倒すことだってできる力もな。まだやれることがあるのにやらないで後悔するよりは・・・・」

 

「やって後悔した方がマシだ」

「・・・たとえ死んだとしてもか」

「死ぬのは一度経験している。やれることやった末の結果ならまだいいさ」

 

俺は大きく息を吸う

 

「覚悟しろよ!!俺の全力はまだまだこんなものじゃない!!!」

 

するとそれに呼応したかのように

 

ゴオオオオオオオオオ!!

「!?」

 

俺の体の周りに膨大な波導の力があふれ出した

 



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波導は我にあり

俺は今膨大な波導があふれ出し、色も青から青紫に近くなっていた。俺はすかさず発射した

 

「はどうだん」!!

「!?」

 

さきほどのフルパワーで発射したものよりも、更に巨大な「はどうだん」になっていた。それに一瞬ひるみ、回避が遅れて直撃する

 

ドッカーン!!!

「ぐあ」

ズッズン

 

大ダメージを受けて膝を地につけてしまう

 

「まだこんな力を隠し持っていたとはねぇ」

 

この現象の正体は、スマブラのルカリオが持つ能力によるものである。その内容はダメージを受ければ受けるほど、波導が強くなり攻撃力が上昇するという能力だ。俺はそれを実現することに成功したのだ

しかし、スマブラは場外に吹っ飛ばされさえしなければいくらダメージを受けても(ルールをHP制にしなければ)大丈夫だが、今回は違う。俺は今はHPが残り1と言ってもいい状態だ。つまり一撃でもくらえばアウトなのだ

 

(勝つには敵の攻撃をかわし、そして大技で一気に仕留めるしかない!!)

 

俺は全神経を集中して身構える。萃香は再び猛攻を仕掛けてきた

 

ドゴ!ズゥ~ン!!ドドドドド

「・・・・・・・」

 

俺は敵の攻撃を確実に交わしていく。そしてグミ撃ちの要領で「はどうだん」を連射した

 

ズドドドドドドドドォーーー!!

弾速と数も格段に上がっているうえに一つ一つが一致「はどうだん」クラスの威力になっていた。俺の凄まじい猛攻には流石の萃香も弱り始めるが、反撃もしてきた

 

鬼火「超高密度燐禍術」

 

すると大量の火球が降り注いできた。凄まじい熱量を持ち、地面に激突してもしばらくバウンドする。ただでさえルカリオは炎が苦手なのにこれはまずい。尤も一撃でもくらえないのだが。しかし

 

「この程度では倒せないし、攻撃の手は緩まんぞ」

 

俺は溶岩弾をほとんど見ずに避けながら、萃香に猛攻を続けた。見えなくても波導があれば位置はわかる。俺は波導のみで動きを感知しているのだ。回避に使う分、波導の量は少し減るが、避けながらも猛攻をし続けられるという大きな利点がある。しかし同時に気力と体力の消耗も激しくなるという欠点もある。そこで俺は一旦わざと攻撃を緩めて、回避を優先させた。何とかチャンスを見極めて、攻撃に使う波導を少しでも消耗を抑えるためだ

 

「虫の息なのにここまで出来るとはね。本当にあんた最高だよ!!」

 

「『百万同一鬼』」!!

 

すると萃香の周りに大玉の弾幕が発生して、あれに大量の弾幕が放たれる。

 

俺は何とか交わし、連続はどうだんなどで相殺していくがこれ以上はいずれ命中してしまう。そこで俺は捨て身に出る

 

ドッカーン!!

 

俺は弾幕をわざとくらった。しかしただくらったのではない。もう一度「こらえる」を発動させたのだ

 

「ぐあああああああ」

 

ただでさえ虫の息なのにダメージを無理やりこらえたのだ。激痛が全身に走って倒れそうだ。でも倒れるわけにはいかない。俺はわざと受けて弾幕の隙間を体で張って作って前進するのが目的だ。そして俺は「しんそく」で一気に近づき

 

ドッ「うおおおおお!!」メキメキメキメキ

「きしかいせい」!!!!!!」

 

ゴオオオオオン!!

 

限界まで強まった波導を乗せた渾身の拳打をお見舞いした。その威力は巨大化した萃香の巨躯を大きく吹き飛ばすほどの威力だ

 

ドッスーン!!

 

ついに萃香の巨躯が地に伏した。でも萃香は何とか立ち上がる。だがそれも想定内のこと。策とはいくつも用意しておくものだ。とはいえ選択肢はもう一つしかない。俺はあの技にすべてをかけることにした

 

ドォ!!

 

俺は大地を力強く蹴り、萃香の眼前の高さまで跳躍した。そして波導を込める

 

ピカァァーーーー

 

青紫に近い色をした膨大な波導が両手に集中する。俺が放とうとしているのは俺の波導の修行の集大成ともいえる技。最後の切り札である。しかし萃香も回避は無理だと判断して、先ほどの四天王の奥義を繰り出そうとする

 

ズゥーン!ドッスーン!!ガラガラガラガラ

 

一歩、そして二歩と大地を踏みしめる。大地はどんどん陥没し始める。そう、先程のはほんの一撃目の技に過ぎなかった。この技の神髄は三歩目

そしてお互いの全力の一撃がぶつかり合おうとした

 

「波導の力を見よ!!!」

「これで終いだ!!」

ズッ

 

ほんの一瞬だが、時が止まったかのように周りは静寂した。・・・ような気がした

 

「はどうのあらし」!!!!

四天王奥義「三歩壊廃」!!!!

「「はあああああああああああああ」」

 

正真正銘の全力の一撃が激突した。力は完全に互角だった。お互い体力は限界寸前、最後は気力の勝負である

 

「負けるかあああああああああ!!!!!」

「勝つのは私だああああああああ!!!!!」

 

技の激突で周りの木々も大地も吹き飛ばされていく。その範囲もどんどん広がっていった

しかし

 

ブッシュ!!

 

「うあ・・・」

 

先程の傷が開き始める。これ以上やるといずれ死ぬ。かといってこのまま押し負けても確実に死ぬ。活路は一つ。この押し合いに勝つことだけだ。俺は必死に考える。まだかけられるものは何があるのかを

 

「ダメージを受けて限界にまで高まった波導、自分自身の波導、己の全集中力、あるとすれば・・・・」

 

あるとすれば自分自身の波導の力の強化。つまりルカリオに持つピンチの時ほど強くなる力が自分自身にもあるかどうかだ。・・いやそれも違うのかもしれない。それは

 

(・・・なんとしても勝って生き残ろうとする気持ち・・・)

 

もうこれくらいしかなかった。人は良く根性論と精神論を出して無理やり物事を成し遂げさせようとさせる。でもそれだけになってはいけない。実際、根性だけでは何も変えられない。精神論でなんでも何とかなるのなら、俺はそもそもこの地に来ていないはずだ。死にたいなんて一度も思ったことがないからだ。現世では少しでも長生きしてやると思い続けたし、治ることも目指していた。でも結局病気は治らず死んでしまった。だから精神論や根性論は非科学的なただの幻想なのかもしれない・・・

 

・・・でもそれ以外に何があるというんだ?俺はやれるだけのことは全部やったつもりだ。能力による波導。己の波導。もっとうまくやることは出来たかもしれない。もっとうまくやれば、隙を見つけて「めいそう」や「つるぎのまい」とかで積んでいけたかもしれない。そもそもこんな力の押し合いにするべきではなかったのかもしれない

 

だけど俺はこの道を選んだ。そして今この瞬間にかけられることはやった

もうやれることは一つしかない。幻想であっても、嘘ッパチであったとしても・・・

 

「最後は気持ちを全力で込めるしかないんだよおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

すると・・・

 

ビカアアアアアアア!!!

「!?な、何!?」

 

俺の気持ちに答えたのか波導がさらに強く濃くなっていった。気にせいか俺自身にも波導とは違う色の光があふれ出したようだった

 

まるで「メガシンカ」の時の光のように・・・

 

ズドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

 

俺の放つ「はどうのあらし」はついに萃香の巨拳の一撃を撃ち破った。そして萃香の巨躯が地面にたたきつけられる。そして

 

ガラガラガラガラガラガラガラ・・・・・ドオーーーーーーン!!

 

そのまま大地を貫通して、幻想郷にあるという地底まで貫き、底の見えない巨大な穴が出来た。萃香は地の底まで吹き飛ばされていた

 

そしてかろうじて地面に着地すると俺は一言だけ言った

 

「波導は我にあり」

 

そういった後、すべての力を出し尽くしたのが原因で完全に意識を失って倒れた

 




今作での特徴

「波導補正」

大乱闘スマッシュブラザーズにおいてルカリオが持つ固有の能力。本来のものとは違い、今作ではHPが1でMAXになるとする。「しんりょく」、「もうか」、「げきりゅう」、「むしのしらせ」に似ているが、最大HPがどれだけ減っているかで攻撃力が変化する

例:最大HPの半分まで減った場合はMAX時の上昇値の半分上昇する


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危険な善良な人間

思ったより長くなりましたが、この章もこれで終わりです


~地底~

 

「うう・・んー?どこだここは?」

 

伊吹萃香はあの戦いの後は意識を失って倒れた。そして今は誰かが助けてくれたらしくて、今まで布団の中で寝ていた。しかしその部屋はどこか覚えがあった

 

「・・・この部屋は見たことがある気がするな。もしかして・・・」

「よう!やっと起きたか」

 

すると萃香にとっては懐かしい声がしてきた。振り向くと

 

「ふふ。あんたに助けられるとわねぇ・・」

「私もまさかあんなところで会うとは思わなかったさ、萃香」

「そうだね。・・・久しぶりだね、勇儀」

 

萃香に話しかけてきた妖怪の名は星熊勇儀。地底に住んでいる鬼である。かつて萃香と共に「山の四天王」と呼ばれており、彼女はその一人である。萃香は「技の萃香」と呼ばれているのに対し、彼女は「力の勇儀」と呼ばれている。長い金髪に黄色い星のマークがある一本の赤い角が特徴的である

 

「しっかし驚いたよ。夜なのに上から大きな振動がしてきて、最後はぶっとい青い光線みたいなのが地上から突き破ってきて、そのあと大爆発が起きたからな。それで現場に行ったらでっかい穴が出来ていて、その真ん中にお前が倒れていたからたまげたよ」

「はは。本気で戦うのは久しぶりだったとはいえ、まさかあそこまで強いとはねぇ。で、その相手の名は・・・」

「ああ、いいよいいよ。相手は大体察しが付くさ。最近地上を騒がせている人間だろ?木戸真聡とかいう」

「ああそいつだよ」

 

すると勇儀はどこからか「鬼殺し」と書かれた酒瓶を持ってきた。そして盃に酒を入れて萃香に渡した

 

「まあ飲めよ」

「おお、悪いね」

 

お互い久しぶりの再会を祝うのも兼ねて乾杯した。そして大きな盃一杯に入った酒を豪快に飲んだ

 

「ぷはぁー。しっかしまさかお前がやられるとはな。負けるなんていったいいつぶりのことだ?」

「さあね~?もう覚えてないわ」

 

酒を飲みながら二人は語る

 

「・・・あんたは相変わらずのようだねぇ。絶対戦いたがってるでしょ?」

「まあな。最近できた弾幕ごっこではなくて、鬼のお前との実戦で勝ったんだ。そこまで強い人間なんて聞いたことがないからねぇ。是非とも戦ってみたいねぇ!!」

 

と嬉々として勇儀は語った。しかし

 

「お前は随分暗いな。負けるのはそんなに嫌だったか?」

「いや。私も久しぶりに血が燃え滾るようないい戦いをさせてもらったよ。それに関しては特にいうことはない。ただ・・」

「ただ、なんなんだ?」

 

萃香は盃の酒を一口飲んで言った

 

「紫があいつを一体どう見ているのかが少し気になるのさ」

「紫って、あの八雲紫かい?」

「ああ」

 

少し間を置いた後に語りだす

 

「あいつは幻想郷を何よりも大切にしている。そして人に忘れ去られた存在である妖怪や神たちの楽園を生み出し、更に妖怪の存在に必要不可欠な人間とうまく調和をとっている。そして大抵の人間は妖怪にはまず勝てず、そして恐れるようにした。だから私ら妖怪は存在できているんだ」

「・・・・・」

「だがあいつは突然外の世界からやってきたということ以外は謎だ。そして強力な力を持っており、多くの異変を解決していった。吸血鬼を倒して且つ兄弟仲を和解させたり、紫でも手が出せないほど強大な妖力を持った西行妖の暴走を止めて、そして今回は鬼である私に実戦で倒してしまった」

 

萃香は瓶から酒を杯に注いで、そしてまた一口飲んでいった

 

「そのせいで人間たちに絶大な信頼を得てしまった。あの男なら何とかしてくれるという信頼をね。そうなると人は妖怪を恐れなくなる可能性もある。そうなると」

「私たち妖怪の存続に関わってくることになりかねない、というわけだな。要は幻想郷のパワーバランスが崩れ始めているのかもしれないと」

「そういうことよ」

 

しばらくの沈黙が続いたが、萃香はまた口を開く

 

「でもあの男はおそらく妖怪をむやみに殺すようなやつじゃない。性格は至って善人だ。事実幻想郷の危機から救った。だからこそ紫は余計に質が悪いと感じてそうだなと思ったのさ」

「なるほどな」

 

勇儀は盃の酒を豪快に一気飲みした

 

 

~人里~

 

あれから俺は今度は5日も寝ていたらしい。しかし今ではケガはもうほぼ治った。そしてようやく仕事に復帰し始めると、人々にまた騒がれた。「文々。新聞」にでかでかとそのことで一面を飾ったらしい。しかも写真付きでだ。いくら戦闘に集中していたとはいえ波導をもってしても気づかないとは。あの天狗もかなり神出鬼没だなと思った

まあ何にせよ、ようやく平和が戻ったわけである。俺は今日も普段と変わらない日常を過ごしていくのだった

 

しかし、また新たな異変が来るまではそう長くはなかった・・・

 




連載開始から一か月経とうとしてきましたが、閲覧数や感想とお気に入りが増えていって本当に嬉しい限りです。まだまだ誤字など至らない点が多々ありますが、読んでくださる皆様のためにこれからも頑張っていこうと思います


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第四章:永夜抄編+??
偽物の月


永夜抄編スタートです


妖霧異変から数カ月経ち、秋を迎えていた。今日は満月だ。しかしどういうわけか妖怪の動きが活発になっており、ここ最近は襲撃してきた妖怪を撃退することが頻繁になっていた。そのせいもあって今日は夜勤であり、俺は今人里周辺を見回っている

 

「・・・?あれは?」

 

すると俺の頭上に空を飛んで移動し始めている人影を見た。こんな時間に誰かがどこかに向かうのを怪しく思い、俺は後をつけることにした

 

 

~人里の外れ~

 

俺は気づかれないようにカクレオンで透明化して追いかけていった。しばらく追いかけていると下に降りていったのが見えた。俺は恐る恐る近づいていくと・・・

 

「あれは・・・慧音さん!?」

 

人影の正体は慧音さんだったのだ。俺は何事かと思って声をかけることにした

 

「こんなところでいったい何をしてるんですか?もう深夜ですし」

「!?な、なんだ真聡か。君こそどうしてここに?」

「空を飛ぶ影が見えてちょっと不審に思って追いかけて来たんですよ。それで一体ここで何をしようとしているんです?」

「ああ、それはな・・・」

 

と説明してくれた。どうやら最近月の様子がおかしくて、それに危機感を抱いて人里を守るために歴史を食べて隠そうとしているらしい。歴史を食べるとそういうことも出来るのかと感心した

 

「じゃあ最近の妖怪が襲撃してくるのも・・・」

「ああ、おそらくな」

 

そして俺はブラッキーの力を宿してしばらくじっとした。すると俺は光を放つが

 

(!?確かに違和感がある。それによく見たらかけているし、何よりも普段の月よりもさらに強い力がある)

「・・・これは確かにただ事じゃありませんね」

「月の力に影響を及ぼす妖怪はたくさんいるからな。万一のことを考えて人里を隠そうとしていたんだ」

 

とにかくこの人には異変には関係がないようだ。まあこの人がそんなことをするとは考えられないが・・

 

「何かこの異変に心当たりとかありますか?些細なことでいいので」

「・・・あるにはある」

「!?それは?」

「ここの先にある迷いの竹林に「永遠亭」という建物がある。妹紅という私の友人と因縁関係があってな、その相手が月にいた姫なんだ」

「月にいた姫!?」

 

俺は驚いた。まさか幻想郷に月の姫までいたとは。ていうか月に生物っていたのか。でも確かにその人たちが怪しい

 

「わかりました。ちょっとそこに行ってきます」

 

と言ってさっそく準備をしようと意気込むが

 

「待て!あそこは一度は言ったらなかなか出られないと呼ばれている場所だぞ」

「「テレポート」あるのでいつでも帰れますよ」

「そうだとしても、目的の場所まで行くのも大変だろう」

「あっそうか」

 

そうなると困ったな。波導を駆使すれば着かないこともないかもしれないけど、時間がかかるし消耗が激しくなる。俺はどうしたものかと考えていると

 

「妹紅に会ってみたらどうだ?あの子は迷いの竹林の構造を熟知しているから、その子を頼ればいい」

「なるほど」

「出会ったら私の友人だと言って、事情を話せばわかってくれるはずだ。ただ・・」

「ただ?」

「さっき言ったようにあの子はその屋敷の姫とは因縁がある。素直に連れていてくれるかどうか・・・」

「うーん。まあ何とかしてみますよ」

 

そのあと容姿の特徴や今はどこにいるかという検討などを聞いた

 

「いろいろ教えてくださってありがとうございます」

「気にしないでくれ。でもあの月のせいで妖怪の力や凶暴性が上がっているものもいるから、気を付けてくれよ」

「わかりました。ではこれで」

 

俺はテレポートして一旦自宅に戻った

 

~迷いの竹林前

 

準備が終わり、所長にも事情を話して許可をもらい、そしてこの竹林の前に来た。竹は非常に長く力強く伸びており、霧が出ている。確かに迷いそうな感じだ

 

とにかく妹紅という人を探さないと、俺は波導を駆使して何とか探していく、しばらくすると

 

「誰かの波導をキャッチしたぞ!!行ってみるか」

 

俺は波導を頼りに進んでいく。するとそこには

 

「・・・屋台?」

 

するとそこには何故か屋台があった。営業はしてないようだが、とりあえず主人らしき人に話しかけた

 

「あのーすみません」

 

と話しかけるが何も反応しない。しばらくすると

 

「ふふ。まさかこんな時間に人間が来るとは思わなかったわ」

 

と言った後いきなり弾幕で攻撃してきた。俺はたやすくかわす

 

「どうやら一戦やるしかないらしいな」

 

そして俺はスペルカードを構えて弾幕ごっこを始めようとした

 




ブラッキー   NO.197   タイプ:あく

イーブィが夜の間になつかせた状態でレベルアップさせると進化する。月の波動を体に浴びると輪っかの模様が輝き、不思議な力に目覚めるらしい。またこれは相手の威嚇にもなっているようで、興奮状態の時も光る。また毒性の汗を持っていてそれで身を守るという。イーブィの進化形の中でも随一の耐久力を持つ


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闇夜の竹林に轟く大轟音

また被害出しちゃう系主人公


~迷いの竹林~

 

毒符「毒蛾の鱗粉」

 

青白い光弾が5、6個出た後に紫色の弾幕がいくつも出てきた。しかしこんなのはもう慣れっこ。楽々避けていく

大炎符「だいもんじ」と言いかけたがここは竹林。下手にしたら火事になっちゃうのでこれはパス。代わりに

 

実念符「サイコショック」

 

俺はサーナイトになり、一気に実体化したサイコパワーの礫を一気に形成して攻撃した

 

ドドドドド

ギュォォォ

 

凄まじい弾幕の猛攻とブラックホールの吸引力の同時併用で敵を攻めたてる。そしてあっけなく相手は被弾した

 

「痛~なにこれ。人間なのに弾幕撃ってくるなんて・・・」

「もう終わりにするか?俺はただ人の居場所を尋ねたいだけなのだが」

「ふん。なめないでよね。鳥目にしてあげる!!」

 

夜雀「真夜中のコーラスマスター」

「!?これは」

 

すると俺の視界が急に悪くなった。遠くが真っ暗で何も見えない。まるで鳥目になったかのように

 

「なるほど、鳥目ってそういうことか。でもまあ」

 

俺は問題なく弾幕を華麗にかわしていく。これには彼女も

 

「うそ!?なんであんなに自由に動けているの!?」

 

視界を奪ったところで俺には波導がある。全くの無意味とまでは言わないけど、俺にとっては全然脅威ではない

 

妖精符「マジカルシャイン」

 

そして俺は光と共に妖精をかたどった弾幕を大量に放つ。必死にかわしていたが

 

「え!?」

ドーーーン!!

 

このスペルに含まれている「ムーンフォース」が直撃して勝負はついた。しかも偽の月の方が本物よりも強力な魔力を持つせいか、威力が上がっていた

 

「さてと。また地道に探すとするか」

 

と言って進もうとすると

 

「♪~♪~」

「!?な、なんだこれ・・」

 

すると突然俺の感覚が狂い始める。どうやら直撃は免れていてまだ倒し切れてはいなかったようで、俺に何かしたらしい

 

(どうやら彼女が歌っている歌が原因らしいな・・・でも残念!)

 

俺はバクオングの力を宿して、とくせい「ぼうおん」を発動させた

 

「・・・ふう。元に戻ったな」

「な・なんで!?確かに効いていたのに、どうしてもう平気になってるの?」

 

とくせい「ぼうおん」のおかげで今の俺に音系の攻撃は効かない。そして

 

「お前は弾幕ごっこでのルール外のことをしたからな。こっちもお返しさせてもらう」

 

俺は大きく息を吸って「ばくおんぱ」を発動した

 

「チェストオオオオオオオオオオオ!!!!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

某ピンクの悪魔のマイクのように大声を発した。あまりの大轟音に竹林はどんどん吹っ飛び、マグニチュード8か下手したら9の地震に匹敵するくらい、地面が揺れて地形が変わっていく。多分某ピンク玉のマイクやガキ大将の歌にも勝るとも劣らないパワーを発揮しただろう

 

「うーん。つい「ばくおんぱ」にしちゃったけど「ハイパーボイス」でよかったかも・・」

 

周りの竹は吹っ飛び、地面も滅茶苦茶になっていた。ミスティアは完全に伸びていた

 

「確か遠吠えで10キロ先まで届くんだっけ。音系最強の技だとどれくらいの距離まで届くんだろ・・・。人里までいってしまったかな・・・」

 

俺は冷や汗をかきながらつぶやいた

 

「これも結構な禁じ手かもな・・・。気を付けよう」

 

しかしこの竹林の異常性もわかった。広範囲の竹が吹き飛んだのに、またすぐに生え始めていた。やはりこの竹林には特殊な力を持っているらしい。そして俺は再び波導を発動して移動しようとすると

 

「お前だな!!さっきの声の主は!!」

「!!」

 

するとどこからか一人の女性が現れた。長い白髪に大きな紅いリボン一つに小さいリボンが複数ついている。またもんぺのような服装をしていた。この姿を見たときにピンときた。先程の慧音さんの言っていた特徴と一致したのだ

 

(間違いない。じゃあこの人が)

 

「返答次第では今すぐに灰になってもらう・・」

「あっあの、すみません。あなたが慧音さんのご友人の妹紅さんですか?」

「!?なんで私の名前を知っているんだ?慧音のことも知っているようだけど・・・。お前何者だ?」

「はい。それはですね・・・」

 

~少年説明中~

 

「ふーん。なるほどそういうことか」

「はい。迷惑かけといてあれなんですが、行きだけで構わないので案内してくれますか?」

「帰りは大丈夫なのか?」

「一度行ったことさえあれば「テレポート」でいつでも行き帰り出来ますから大丈夫です」

「そんなことが出来るのか?」

「試してみますか?」

 

俺は「テレポート」で人里まで一旦戻った。ついでに案の定人里の人を起こしてしまったようなので、俺はロゼリアで「くさぶえ」を吹いて回って眠らせた。幸い揺れまでは届いて無いようでよかった。そして俺は先程いた場所まで「テレポート」で戻った

 

「どうです?」

「ああ。驚いたよ。新聞や慧音からも数々の不思議な技を持っているって聞いていたけど、本当なんだな」

「それで、案内の方は・・・」

「いいよ。案内くらいなら。さっきのでどんな奴かと思ってたけど、悪い奴じゃなさそうだし」

「ありがとうございます!!」

 

こうして俺は妹紅さんと無事に会うことが出来た。そして俺は妹紅さんの案内についていくのだった

 




バクオング  NO.295   タイプ:ノーマル

ゴニョニョの最終進化形。体中の穴から空気を吸い込んで大声を発する。遠吠えは10キロ先まで届き、音の振動で地震を起こすほどの凄まじい声である。ただしこれは戦うときのみのようだ。また仲間とのコミュニケーションの手段でもある


ロゼリア   NO.315   タイプ:くさ・どく

両手に鼻を持つポケモン。たまに珍しい花を咲かせている個体もいるらしい。香はリラックスさせたり、敵を油断させる効果があり、香りが強いと元気な証拠であるとのこと。しかし猛毒の棘を持っており、不用意に花をつかもうとするとそれで反撃してくるらしい
第三世代では進化しないポケモンであったが、第四世代では進化形のロズレイドが登場した


永夜抄はペアで進みますけど、主人公はまさかの永夜抄のEXボスと一緒になりました


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それぞれの動き

超どうでもいいことですが、休章&萃夢想編の投稿した曜日が綺麗に
軍歌の「月月火水木金金」になっていてちょっと笑いました
なんで学生が知ってんだって感じかもしれませんが

あと章の名前を変えました


~永遠亭~

 

木戸真聡が藤原妹紅と合流した頃

 

「うう、みんな無事かしら?」

「は・・はい。な・何・とか・・」

「ウサ~」

「し・死ぬかと思ったわ・・・私、死なないけど」

 

先程、木戸真聡が発動した「ばくおんぱ」は永遠亭にも直撃していた。おかげでかなりの被害を受けていた

 

「外の兎達もだけど、妖精も妖怪もみんな伸びちまったウサ」

「外の竹林もほとんど吹き飛ばされてしまいましたし、地面も滅茶苦茶になっちゃいました」

「いつもより竹の再生を早めないといけないわね・・」

「部屋の中も滅茶苦茶よ。いったい誰の仕業かしら」

「おそらくだけど、例の外来人じゃないかしら。様々な力を扱うと聞いていたし」

 

部屋の中も振動で散らかっていた

 

「・・・とにかくここに誰かが迫っているのは間違いないわ。片づけは後にして今は姫様の居場所を隠すわよ」

「「はい」」

 

こうして永遠亭の住人たちは準備に取り掛かり始めた

 

 

~迷いの竹林~(魔理沙&アリス)

 

「おーいアリス。生きてるかー?」

「何とかね」

 

魔理沙たちは真聡よりも早く調査に向かっていた。敵を倒しながら進んでいく途中に「ばくおんぱ」に巻き込まれたのである。アリスが咄嗟に防御魔法を唱えたおかげで事なきを得た

 

「いったい誰の仕業かしら?」

「十中八九、真聡だろうな。こんなデタラメな力をだしそうなのは。あいつ普段は真面目なくせにやるときはかなり滅茶苦茶だよな~」

「まあでもほら、妖怪も妖精もみんな伸びてるしチャンスじゃない。竹がみんな吹き飛んで視界が良くなったし」

「まあな。でも」

「ええ。竹がもう成長し始めてる。やっぱり変な場所だわ」

「視界がいいうちにさっさと行こうぜ」

「そうね」

 

と言いながらしばらく進むと

 

「ん?」

「どうしたの魔理沙?」

「あれは・・霊夢!?」

 

 

~迷いの竹林~(霊夢&紫)

 

ブーン

 

竹林の中に一つの空間の裂け目が出来た。それは八雲紫によるスキマと呼ばれるものだった。その中から人が出てきた

 

「あーもー、死ぬかと思ったわ。絶対あいつの仕業よ。見つけたらとっちめてやるわ!!」

「あの時咄嗟にスキマに入れてあげた私に感謝の言葉の一つもないのかしら?」

「それには感謝しているわ。ありがと」

「どういたしまして」

 

彼女たちもまた同じく異変の解決に向かっていた。「ばくおんぱ」が来た時、紫が霊夢と一緒にスキマに入れたため無事だった

 

 

「とにかく進みましょう。多分そろそろ目的地よ」

「そうね。視界もよくなったしね」

 

こうして二人はまた進む。すると

「ん?あれは」

「あら」

「ま、魔理沙!?」

 

 

~迷いの竹林~(合流)

 

「なんで魔理沙がここにいるのよ」

「お前こそ!!」

 

偶然にも霊夢と魔理沙は合流する形になったのだ

 

「何しに来たのよ!」

「いつも通り、妖怪退治だ。月が変だからな」

「気づいたのは私だけどね」

「アリス!!あんたまで」

 

と一気に騒がしくなる

 

「霊夢。早くしないと夜が明けてしまうわよ」

「そ・それはわかっているけど・・」

「え?あ!!お前は八雲紫か?」

「ええそうよ」

「そうか。そういうことか!」

「どうしたの魔理沙?」

「この異変の犯人はお前たちだったんだな!!」

「はあ!?」

 

魔理沙のとんでもない発言に全員が戦慄する

 

「何馬鹿なこと言ってるのよ!?」

「八雲紫はあらゆる境界をいじれるからな。それで月をおかしくしたんだぜ」

「馬鹿なこと言わないでよ!!あんたこそ普段仲が悪いアリスとどうしてつるんでるのかしら?何かあるんじゃないの?」

「私はなにもしてないぜ!!」

 

二人の言い合いが始まり、アリスと紫はあきれながらそれを見ていた

 

「こうなったら、勝負だ霊夢!!」

「仕方ないわね。あんたであろうと邪魔ものは叩き潰すまでよ!!」

「望むところだぜ!!」

 

そして二人は宙に浮いて、決闘に勃発した。二人の不毛な戦いがしばらく続くのだった

 

 

~迷いの竹林~(真聡&妹紅)

 

「驚いたな。もう竹林がほぼ元に戻るなんて」

「普段はここまで早くないけどな。あいつの能力だろうな」

「あいつとは?」

「お前が探しているやつのことさ」

 

俺は妹紅さんの案内についていっていた。敵はほとんど伸びているので安全に進んでいた

 

「ここは注意していけよ、と普段は言うところなんだが、今回は必要なさそうだ」

「なぜです?」

「見てみなよ」

 

するとあちこちに穴がいっぱいあった。更に何かの残骸がたくさん落ちていた

 

「これは?」

「あの屋敷にはてゐていういたずら好きなやつがいてな。ここら一帯には落とし穴とかの罠がいっぱいあるんだ。でもお前が地面を揺らしたおかげで、落とし穴は姿を現して罠も竹が吹っ飛んだと同時に全部壊れたようなんだ。そういうところでは感謝していてるよ」

「あははは・・・そうなんですか・・・」

 

なんだか微妙な感じだがまあ良しとする。しばらく進むと

 

ドカーン!!

 

とそう遠くないところから聞こえてきた

 

「何だ?」

「さあな。すでにドンパチやっているのかもな。あともう少しで着くぞ」

「そうですか」

 

こうして俺は進んでいく

 

 

役者は揃い始めていった。しかし誰にも予測できなかったことがあった

今起こっている異変も近年稀にみる大きな異変ではあるが、後にそれを遥かに凌ぐほどの異変になることを

 




残りの二組も出番は用意する予定なので悪しからず


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永遠亭の住人の策略

休日くらいは最低2話くらいは投稿したいですね


~永遠亭前~

 

「少しは腕を上げたじゃない、魔理沙」

「お前もな」

 

勘違いによる決闘はしばらく続いていた。二人の戦況はほぼ互角だった。しかし突然

 

ブーン

「きゃ!」

「うわ!」

 

二人はスキマに飲まれた

 

「もう何なのよ。紫!!」

「そうだぜ!!今いいところなんだったんだぜ!!」

「不毛な争いをしている暇はないわ。ほらこれを見なさい」

 

「これは・・」

「こんなところに屋敷があったのかよ」

「ええ。この中に異変の真犯人がいるわ」

 

目の前には屋敷があった。紫とアリスが二人が戦っている間に発見したのだ

 

「今回の異変の犯人はここにいるそうなのよ、魔理沙」

「本当か!?」

「そうみたいね。とりあえず今は休戦するわよ。味方は多い方がいいし」

「仕方ないな」

 

そして四人は中に入って進んでいった。すると

 

「お前たちだね!!ここを荒らしに来たやつは!!」

 

すると兎耳のピンクの半袖ワンピースを着た少女が現れた。更に周りに「ばくおんぱ」から何とか起き上がった妖精と妖怪が大量に現れて、更に式神も加わって周りを取り囲んだ

 

「何だこいつら?」

「ここは戦うしかなさそうね」

「とにかく邪魔者は蹴散らすわよ!いい?あんたたち!!」

「・・・・そうね」

 

 

こうしてしばらく交戦が続いた。しかしこれは永遠亭の住人による策略であることにまだ四人ともまだ気づいてなかった

 

~しばらく経った後~

 

「着いたぞ。ここが永遠亭だ」

「ここが・・・」

 

俺は妹紅さんの案内により、ようやく永遠亭に辿り着いた。見た目は伝統的な昔の日本のお屋敷といったところだ。しかしどういうわけか新築同様と錯覚するほど古びた様子がない不思議な雰囲気がする建物だ。何にせよ行くこと自体が困難な場所にここまでスムーズに来れたのは妹紅さんのおかげだ

 

「ここまで連れて行っていただいてありがとうございました」

「ああいいよ別に。でも気を付けていけよ。ここの連中は厄介なのが多いからな」

「はい。ありがとうございました」

 

こうして俺は妹紅さんと別れた。俺は中へと進む。すると誰かが倒れていた

 

「うさ耳の女の子だ。気を失ってるけど、たぶん霊夢たちにやられたんだろうな」

 

とりあえず中に入れて端の方に寝かせて俺は先に進もうとしたが

 

(・・・待てよ・・相手もおそらく何らかの策を凝らしてくるはずだ。この子もおそらくその作戦のうちだろう)

「今は気絶しているし、ちょっと過去を見せてもらうか」

 

俺は彼女の頭に触れてネイティオの力で過去を見てみた

 

「・・・なるほどな」

 

過去を見た結果、どうやらこの子は誘導要因のような役目があったようだ。そして俺は壁に突っ込むとすり抜けて別の道を発見した。この少女はてゐという子のようだが、もう一人うどんげという人は幻覚とかを作れるようで、その能力で本物の道を隠したのだ。そして更に気づかれにくくするためにてゐを筆頭に大量の式神と妖精や妖怪を向かわせて、相手に注目を隠し通路の方に向けないようにしていたらしい

 

「過去を見ておいてよかったな。危うく相手の策にまんまとかかるところだった」

 

俺はついでに未来も見ておこうかなと思って少し覗いた。すると・・

 

「!?な・なんだこれは!?」

 

映ったものはとんでもない光景だった。マグマと化した灼熱の大地、天から数えきれないほど雷や隕石。そして光線のような何かまで降ってくる。そして幻想郷が次々に消えていく・・・まさに世界の終わりと言っても過言ではないほどだった

 

「いったい何なんだこれは!?」

 

俺はさらに詳しく未来を見ようとするが、見えるのはその光景だけ。普段よりも強い力を持つ何かが、俺の干渉を拒むようだった

 

「いったいいつの未来なんだ?こんなことにはならないように注意しないと・・・」

 

俺はとんでもない量の冷や汗をかきながらも今は先に進むしかなかった。こんな未来が来ないことを祈りながら・・・

 

 

~永遠亭・内部~

 

「もう少しで封印が完了するわ。敵がうまく策にハマってくれてよかったわ。流石私の師匠。見事な采配ね」

 

ここの住人の一人である鈴仙・優曇華院・イナバ、通称うどんげは今ここの主人である月の姫、蓬莱山輝夜がいる場所に近づけないようにするために入り口を封印していた。封印完了まであともう少しというところまできた

 

「このまま何もないといいんだけど・・・」

「残念だがそうはいかないみたいだな」

「!?」

 

振り向くとそこには人間の男性、木戸真聡がそこに立っていた

 

「危うくお前の師匠とやらの策にハマるところだったよ」

「くっ。気づかれたようね」

「この異変を解決するためにここに来た。悪いけどそこを通してもらえるかな?」

「そうはいかないわ!師匠に任されたし、姫様に近づかせるわけにはいかない!!」

「仕方ないな・・・。悪いけど力ずくでもそこを通してもらうよ!!」

 

相手はスペルカードなしで弾幕を放ってきた。どうやら実戦で勝負する気のようだ。俺も身構えて鈴仙を迎え撃とうとした。お互いの弾幕が激しくぶつかり合い、戦いの火ぶたが切って落とされた

 

この後に起こるかもしれない未来のことを今は忘れて・・・

 



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狂気の瞳、そして破滅へ・・・

うどんげがひどい目にあっていますが、ご了承ください
うどんげファンの方々すみません

そしてこれから永夜抄とは全く別の大異変へと発展していきます


~永夜抄内部~

 

幻波「赤眼催眠(マインドブローイング)」

 

このスペルは弾幕を広範囲にばら撒き、彼女の能力による狂気の瞳により弾幕を見えなくさせ、その後にいきなり出てきて相手をかく乱させるというものだが

 

「・・・・・・」

 

俺は目を瞑り、波導を駆使してかわしていく。流石に自分の波導だけ使って完全に目を瞑って戦うのは不安があるので、今はルカリオの力を宿して更に精度を上げている。俺はやがて「連続はどうだん」で攻撃する。相手は左に飛んで避けるが

 

「ラスターカノン」!!

ドカーン

 

俺はそれすら見越していて絶妙なタイミングで「ラスターカノン」を発射した。相手もなかなか戦闘センスがある様で直撃は避けたが、ダメージはしっかり入った

 

「くっ。目を瞑っているのにまるで動きが鈍ってなくて、しかも的確な攻撃が出来るなんて」

 

(幻覚を利用して本物の道を隠す時点で永遠亭の住人の中で幻覚を操り、それを駆使して戦うものがいるのは想像がつくからな。幻覚は相手の視覚に作用する。ならば目を瞑ればいい。単純な方法だが、それが一番効果的だろう)

 

狂視「狂視調律(イリュージョンシーカー)」

 

これは大量の弾幕が壁のように並び、そして上下を移動して敵を追い詰める技だ。こちらも幻覚を駆使するが、単純に弾幕としても強力な技だ。俺は弾幕の動きを見極めてかわしたり、「ボーンラッシュ」で生み出した棒を振り回して弾いていく。こちらも「連続はどうだん」、「ラスターカノン」、「タメはどうだん」で応戦していく。一進一退の攻防だが、しばらくしてまたうどんげは被弾する

 

「がはっ。くう、やはりあなたは噂通り、相当強いようね」

「ならばここで降参してくれないか?」

「悪いけどそうはいかないわ。それに直にあなたが使っている能力も役に立たなくなるわよ」

「何!?」

 

そのセリフには思わず動揺する。ハッタリだといいのだが、おそらくそうではない。俺は警戒しつつ波導で相手の思考を読むことにした。が、

 

(何だ?相手の思考が読めない。それに何か違和感が・・・)

 

散符「真実の月(インビジブルフルムーン」

 

これは大量の光弾を波紋状に広げてそれを全て焼失させた後にまた再び拡散させる技である。これもうどんげの目によるものだが・・・

 

(なんだ?どんどん波導で捉えきれな・・)

 

すると俺は直撃してしまう

 

「があ!!・・・・た、大気の波がおかしくなって波導が伝わりにくくなっているだと!?」

「やはりそういうことだったのね」

 

~回想~

 

「うどんげ。ちょっといいかしら?」

「はい。何でしょうか?」

「私の予想だけど、おそらく例に外来人は正しい道を見つけてくると思うの」

「そうなると私は戦うことになりますね」

「ええ。そしてこんな情報があるの。波導という力を操ってそれで目に映らない物でも自由に感知できるみたい。そうなるとあなたの幻覚攻撃は通用しないと思うわ」

「じゃあどうすれば!?ここは真っ向勝負しか」

「いいえ。それよりいい方法があるわ。あなたの能力の神髄はあらゆる波長を操ることにあるわ。だからね・・・」

 

~現在~

 

「あなたはその力で読み取るというのならその流れをいじればいいのよ。大気の波長を狂わせたけどそれが正解のようね!!」

「!?」

 

そして容赦なく弾幕が迫る。もう波導は滅茶苦茶になって使い物にならない

 

(ちっ。これじゃ目を瞑っても意味がないな)

 

俺は仕方なく目を開いた。しかし

 

「それを待ってたわ!!」

ギラ!!

「!?。ぐ、ああああああ」

(し、しまった!!)

 

俺が目を開けた瞬間にうどんげの目を見てしまった。そしてうどんげはすかさず狂気の光を叩き込んだのだ。俺の感覚や精神が狂い始める。相手は初めから能力で俺を狂わせて自滅を誘っていたのだ。そしてどんどん弾幕が命中してダメージを受け続ける

 

(まずい!!ここは離脱しないと)

 

俺は「テレポート」を発動させようとするが発動しない

 

「無駄よ。師匠はその情報は知っていた。だから予め瞬間移動がつけないようにする特殊な結界を張っていたの」

「なん・・・だと・・・」

「そのまま狂気に呑まれて倒されなさい!!」

 

更に光を強めて俺は余計狂い始める。苦しみながら技を乱発するが無駄だった。しかし俺はその時頭の中にあるものが浮かんだ。それは俺がネイティオの力で見た未来の光景だ。そして俺に悪寒が走る

 

(まさか・・そう・・いうこ・・となのか!?)

 

俺は全身で恐怖が走り必死に叫ぶ

 

「止めろおおおお!!お、れは・・このままかえるか・ら頼む」

「同情を誘っても無駄よ!!」

「ち、違う!!こ・この・・ままじゃ・・お前も、あ、あぶな、い・・。幻想・・郷・こわ・・したくないんだああああ!!」

 

しかしその叫びも虚しく相手は解いてくれなかった。そしてこれこそが後に起こる大異変の引き金になったのだ

 

「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

ドッカーーーーン!!

「きゃあ!!」

 

俺はいつの間にか「じばく」が使えるポケモンになっており、爆発した。そして俺はそのまま意識を失った

 

「痛た・・まさか自爆するなんて。でもこれで邪魔者は消えたわ。これで私の役目も終わったわね」

 

と嬉々として喜んでいた。しかし

 

「・・・・・・・・・」

「⁉まだ立てるの!!しつこいわね!これで止めよ!!」

 

うどんげは光を収束させてレーザーを放つ構えをして、俺の心臓に狙いを定めた。そして発射された。しかし

 

ガキィィン!!

「!?」

 

それは謎の力で弾かれた。そして真聡の様子がおかしくなっていた。まるで闇のようなオーラを宿し、胸にはオレンジ色の禍々しい宝石のようなものがついていた。うどんげは体が動かなくなっていた。これまでに味わったことがないほどの圧倒的な恐怖が全身を硬直させた。そして

 

ギラ、、ブン!!

「!?」

 

うどんげは咄嗟に後ろに下がったが、よけきれず腹に命中した。そして遥か彼方へ吹き飛んでいった・・・

 

~永遠亭~

 

「くっ。こいつは厄介ね」

「ああ、ここまでの妖力を持ってるやつは会ったことがないぜ」

今は八意永琳との交戦中である。2対1だというのに苦戦していた。一方アリスと紫はこの状況に苦渋の表情をしていた

 

「最悪だわ。まんまと策にはめられた」

「大量の妖精たちが来た時に少し違和感を感じていたのだけど、これは大失態ね」

 

四人とも永琳の策にはまって偽物の道を通ってしまったのだ

 

(万が一私がやられてももう封印はおそらく済んでいるし、姫様のいた場所に誰かが来た感覚はない。うどんげがうまくやったようね)

 

策は全て思い通りにいき、余裕に満ち溢れていた。逆に四人にとって最悪の状況だった。しかし・・・

 

ピキピキピキピキ

『!?』

バッキーン!!

 

「な、何!?」

「そんな、封印も結界も全て破られた!?」

 

突然結界にひびが入りすべて木端微塵に破壊された。そして

 

ヒューン・・・ドサ!!

 

「!?う・うどんげ!?」

 

うどんげがボロボロになって吹っ飛んできた。もう死にそうなほど危険な状態だった

 

「うどんげ!何があったの?しっかりして!!」

 

普段は冷静沈着な彼女もさすがに取り乱した。そしてうどんげはこう言った

 

「す・・・すみま・・せん・・・。とんでもな・・い・・バケ・・・モノをよ・・んでしまい・・ました・。」

「何ですって!?」

 

するとこの場にいる全員が途轍もない悪寒と恐怖を感じ取った

 

「に・・・げ、て・・・」

「!?うどんげ?うどんげーーー」

 

うどんげはそのまま倒れてしまった。そして奥からその張本人が現れた。途轍もなく禍々しく、そして圧倒的な「プレッシャー」が全員を襲った

 

その姿は大まかには真聡だったが、黒くどす黒い狂気と暗黒のオーラに包まれて、胸にある宝石の輝きは見るだけで狂いそうな光だった

 

真聡はなってしまったんだ。狂気に呑まれて自我を失い、そしてあるポケモンを宿してしまった・・・

 

それはポケモン不思議のダンジョンの探検隊に登場した闇に染まって凶暴化した神

 

『闇のディアルガ』だった・・・

 

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

禍々しい咆哮は大地と大気、時空すら揺るがした

 

破滅の「時の歯車」は刻々と回り始めていくのだった・・・

 




ディアルガ  NO.483  タイプ:はがね・ドラゴン

シンオウ地方に伝わる神と呼ばれし伝説のポケモン。全てを創造したと言われているアルセウスによって生み出されたポケモン。ディアルガの誕生により、時間の流れが生まれ、対をなすポケモンのパルキアと共にアルセウスの世界創生の補佐をしたと言われている。セレビィと同じく時間移動もできるがその力はセレビィを遥かに凌ぐ(実際ポケダンでセレビィの時渡りを簡単に破る描写がある)
本編では赤い鎖によって異次元から呼び出されて、危うく既存の世界が消滅しかける事態になってしまった。数あるポケモンの中でも極めて強大な力を持っている存在と言えるだろう
ポケモン不思議のダンジョンの探検隊では未来に起きた星の停止により凶暴化した闇のディアルガが登場した。見た目も皮膚の色は更に濃い青になり、宝石と千もオレンジ色になっている。もはや時間を守護する本能しか残っていない。しかし本来は慈悲深いポケモンであり、歴史の改変によって消滅した主人公を蘇らせてくれた


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破滅の時の歯車

主人公がラスボスみたいになってきます


空はまるで時空が壊れたかのように禍々しく、闇に包まれていた

 

「お、おい。こいつ真聡だ・よな?」

「・・・私に聞かないでよ。何がどうなってるのか私にも理解できていないんだから・・・」

「本当にあの真聡なの?」

「なんてことなの・・・」

 

今目の前にいるのは木戸真聡の形をした何かだった。しかし完全に自我を失い、暴走していた

彼は手をかざした。すると手に強烈なエネルギーが溜まり始める

 

『!?』

「!!みんな避けて!!」

ズッドーオオオオン!!

 

すると極太の銀色のレーザーが発射された。全員急いで避けたが、その衝撃だけで吹き飛ばされる

 

シュウウウウウ・・・

「あ・あぶねぇ・・・」

「何なの、この威力・・・」

 

放たれたあとは地平線の彼方までずっと抉られて更地になっていた。恐るべき威力で全員背筋が凍り付く。しかし

 

ギュオオオオオ

「う・嘘だろ!?」

「さっきのを連発する気!?」

 

そして再び発射される。しかも

 

「なっ!!」

 

あろうことかそれを薙ぎ払ってきたのだ。全員必死に回避したが、迷いの竹林はほぼ消滅してしまった。全員上空に逃げたが・・・

 

「!?また来るわよ」

「急いで離れて!!」

 

そして俺はまたそれを薙ぎ払った。これほどのエネルギーを誇る技をたやすく連発してくることに全員驚愕していた。しかし彼にとっては造作もなかった。なぜならこれは鋼タイプのポケモンをはじめとした多くのポケモンが使える、ただの「ラスターカノン」なのだから・・・

 

「グオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

またすさまじい咆哮が鳴り響く。そして胸の宝石が光り出した。すると

 

ゴォオオオオオオ

「何だ!?」

「う、嘘でしょ・・・」

「い・隕石!!」

「しかもあんなにたくさん!?」

 

天から大量の隕石が降り注ぐ。これは「りゅうせいぐん」だが、他のドラゴンタイプが行うエネルギーによる擬似的なものではない。本物の隕石を次元の狭間から召還して落としてきたのだ

 

ズッドォーーーン!!ズズズズドオオオン!!!

『うわあああああああああ』

 

大量の隕石が降り注ぐ。あらゆる場所に落ちて、地形はもはや完全に原型を止めてなかった。巨大なクレーターがたくさんできて、陥没して地底が露出しているところまであった

 

「このままじゃ幻想郷は・・・」

「ええ。完全に滅亡するわね」

(やはりあの男は始末するべきだった!!)

「!?」

 

八雲紫は今まで見せたこともないほどの憎悪の表情だった。自分が何よりも愛する地を一瞬で滅茶苦茶にしたのだから

 

そして紫はスキマ移動して強力なスキマレーザーで攻撃した。しかし大して効いた様子はなかった

 

「貴様を生かした私が馬鹿だったわ。さっさと消え去りなさい!!」

 

紫は自身の能力で消滅させようとするが

 

「!?」

 

すると突然攻撃がたくさん来た。「はどうだん」、「きあいだま」、「ラスターカノン」、「りゅうのはどう」を咲夜のザ・ワールドの要領で時を止めて大量に放ち、一気に攻撃してきたのだ

 

ドッカアアアアアアン!!

 

エネルギーがぶつかり合って大爆発が起きた。それは紅魔異変のものを遥かに凌ぐ規模と威力だった

 

「ハア、ハア。危なかったわ」

 

間一髪でスキマに逃げ込み、上空に移動して事なきを得た紫だった。と思われたが

 

ドッ

『・・え!?』

ゴォーーーーン!!キィーーーーーン・・・ズドーーーーーン!!

「ゆ・紫ーーーー!!」

 

突如後ろから現れて「アイアンテール」で紫を攻撃したのだ。すさまじい勢いで吹き飛ばされて大きなクレーターが出来る。紫はかろうじて一命を取り止めていたが・・・

 

ギュオオオオ・・

『!?』

 

しかし容赦なく止めを刺そうと「ラスターカノン」を発射しようとしていた

 

「させるか!魔砲「ファイナルマスタースパーク」!!」

 

魔理沙は「マスタースパーク」を超える威力の技を発射した。しかし相手もすぐに向きを変えて迎え撃つ

 

ドオオオオオオン!!

 

二つの光線はぶつかり合うが・・・

 

「くう。なんて威力だ」

 

魔理沙はどんどん押されていっていた。しかし

 

神霊「夢想封印・瞬」!!

魔操「リターンイナニメトス」!!

 

霊夢とアリスも加勢して迎え撃つ。しかしそれでも拮抗が限界だった。そして徐々に押され始める。しかし

 

紅魔「スカーレットデビル」!!

幻葬「夜霧の幻影殺人鬼」!!

死蝶「華胥の永眠」!!

人鬼「未来永劫斬」!!

すると真聡の後ろからレミリア、咲夜、幽々子、妖夢が現れて攻撃してきた。体勢が崩れてダメージを受けたことが原因で押し合いでの力が弱まり、攻撃が直撃する

 

ドォーン!!

 

これにはさすがに大ダメージを受けたようだが・・・

 

「グオオオオオオ!!!」

 

まだまだ戦うことに関しては問題なかった

 

「ちっ。あれだけ攻撃してもまだピンピンしているなんて」

「あれが、本当に真聡さんなんでしょうか?」

「まるで別人だわ・・」

「・・・・・真聡・・・」

 

四人ともそれぞれの気持ちを吐露する。更に

 

「永琳!!ここはこの者たちと共闘するわよ。じゃないとこの世界は滅ぼされるわ!!」

「はい!!姫様!!」

「私も加わっていいか?」

「!?妹紅。あなたも来たの?」

「こんな状況で指を咥えてみてられるかよ」

「私にも手伝わせてくれ!・・・真聡、私は君を・・・」

 

蓬莱山輝夜と八意永琳も共闘することを決めた。更に藤原妹紅と上白沢慧音も加わった

次の瞬間、真聡の姿は消えて

 

「来るぞ!!」

 

するとまた時間を止めてで攻撃してきた。しかも先ほどよりも遥かに攻撃が激しい。先程の四つの技に加えて「かみなり」、「だいもんじ」、「パワージェム」、更に隕石までも加わった。その超火力ザ・ワールドによる猛攻を全員必死に対応していくが、一つ一つがくらったら致命傷か、最悪即死レベルの威力で大苦戦する。一方地上では

 

「紫様!!しっかりしてください!!」

「紫様!!」

「う、うう」

 

地上では式神の藍と橙が必死に紫を助けようとしていた

 

「クソ!!よくも紫様を!!」

 

二人は主を一撃でここまでの傷を負わせた相手に向けての憎しみと内心恐怖を抱いていた

他のメンバーは必死に暴走を止めるために戦う。しかし今までのこともただの余興に過ぎなかった。真の力はまだ発揮してはいなかったのだ。そしてそれを今発動し始めたのである

 

ズズズズズズズズズズズズズズズズ・・・・

 




今でもハチャメチャですけど、次回は更にカオスになります

ちなみに今回の「りゅうせいぐん」もポケモントレッタのものを参考にしています。ハイパークラスのレックウザが使用していますよ。次元に穴を開けて隕石を召還する感じなのでディアルガとかのシンオウ伝説にピッタリだと思って採用しています


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光速の流星

さらにパワーアップしていきます


今幻想郷に大きな揺れが起こっている。大地も空も時空すらも・・・

 

「何だこの揺れは!?」

「何かはわからないけど、やばいのは確かね。何として止めるわよ!!」

「「ええ!!」」

 

ギュイ~ン・・・・・

 

「何だこの揺れは!?」

「何かはわからないけど、やばいのは確かね。何としても止めるわよ!!」

「「ええ!!」」

 

『・・・・・え?』

 

全員違和感を覚え始めた。それは無意識に全く同じやり取りを二回していたということに

 

「どうなってるの!?」

「おそらくあの男の影響ね。時間の流れが滅茶苦茶になっているんだわ」

ドッカァーン!!!

「今度は何!?」

「あ、あれは!!」

 

なんと妖怪の山が突然大噴火したのである。火山灰と噴煙が立ち昇る

 

「どうして急に噴火したのよ!?」

「あれもあいつの影響ね。過去か未来かはわからないけど」

 

妖怪の山が噴火した時の時間軸に山だけがタイムスリップしたのである。火山は限りなく猛っていた。更に噴煙から火山雷が発生して荒れ狂った

 

「これ以上やらせるか!!」

 

妹紅が突っ込んでいった。しかし瞬時に攻撃が妹紅を襲い、直撃するが

 

「!?」

「死なないんだよ。不老不死だからなぁ!!」

蓬莱「凱風快晴-フジヤマヴォルケイノ」!!!

 

するとまるで火山の爆発のような巨大な炎が襲い掛かった。真聡はそれに飲み込まれたが

 

「・・・・・」

「ちっ。防ぎやがったか」

 

「まもる」でダメージを防がれる。そして「ドラゴンクロー」で切り裂いた。妹紅はバラバラに引き裂かれるが、不死身なのですぐに復活する・・・筈だった

 

「何だと!?」

「嘘!?どうして再生しないのよ!!」

「まさか・・」

 

そう。妹紅をバラバラにした状態でその肉体だけ時を止められたのだ。意識はあるが、攻撃すらできなくなってしまう。そして更にばらばらに引き裂かれる

 

「ぐあああああ!!」

「妹紅!!」

「やつには不死の力すら意味がないらしいわね」

パッ

『!?』

 

すると真聡が咲夜の時間止めの瞬間移動の要領で、少女たちのど真ん中にいきなり現れて「りゅうのはどう」で薙ぎ払ってきた。しかし全員これはかわす。なおも攻撃を続けるがそれでもかわしていく。そして霊夢が突っ込んで放つ

 

「夢想天生」!!

 

霊夢の究極奥義が発動する。あらゆるものからの干渉を許さない無敵の奥義だ。その弾幕は真聡に直撃する

 

「今よ!!」

「ブレイジングスター」!!

「デフレーションワールド」!!

「待宵反射衛星斬」!!

「グランギニョル座の怪人」!!

「スカーレットディスティニー」!!

「西行寺無余涅槃」!!

「日出づる国の天子」!!

「天綱蜘綱捕蝶の法」!!

「蓬莱の樹海」!!

 

全員のラストワードを一斉に放った。もはや回避は不可能である

 

「グオオオオオオオオオオ!!!!」

 

しかし相手も必死の猛攻で迎え撃つが物量が違いすぎる。どんどん被弾していき、完全に防戦一方になった。少女たちは勝利を確信した。だが現実は非情だった・・・

 

パッ!!と弾幕が全て一瞬で消えたと思いきや、全員がいつの間にか位置が変わっていた。否、正確には戻っていたのだ。そして胸の宝石が光り出すと・・・

 

『!?』

 

何と少女たちが放った弾幕がすべて自分たちに向かって来たのだ。そう初めから真聡の狙いはそれだった。相手に大技を撃たせて、ある程度経ったら巻き戻しを利用して弾幕を消し、場所を変えさせて、そして過去の時間から発射された弾幕を引き出して、一網打尽にするつもりだったのだ。自分たちが生み出した回避不可能な同時攻撃が今は放った本人たちに牙を剝いたのである。霊夢は「夢想天生」により影響を受けていないが、他の少女たちは策にはまってタコ殴り状態だった。更にダメ押しとしてこんな技も披露してきた

 

「また来るわ!」

 

霊夢が叫ぶと天から隕石が再び降ってくる。しかも今までで一番数が多かった。霊夢はそれを防ぐためにとびっきり丈夫な結界を張るが・・

 

ヒュンドォーーーン!!

 

いきなり何かが落ちてきて今までの隕石を遥かに凌ぐ強烈な衝撃波が轟いた

 

「何なの今のは。空から光線のようなものが・・・」

 

何が何だか戸惑う一同の中で咲夜は呟いた

 

「ま・まさか。私がナイフを時間の流れを早めることで、ナイフの速度を上げる様に、あいつは隕石の速度を速めているというの!?」

「い、隕石の速度を上げるだと」

 

ピカッ

 

「あ、危ない!!」

 

ヒュン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『!?』

ズドドドドドドドドドドドーン!!!!!!!!!

 

光速にも迫る速度の隕石の雨が降り注ぎ、結界はあっという間に砕け散った。彼女たちの意識はここで消えていった・・・

 

~数分後~

 

「グオオオオオオオオオオ!!」

 

禍々しい雄たけびが響き渡る。そして幻想郷は完全に崩壊して、幻想郷を覆っていた結界が破壊され始めて、時空ごと少しずつ消滅していった

 

もはや消滅も時間の問題。しかし

 

「・・・・・」

 

尚も立ち上がり、やってくる少女たちがいた

 




実はを言うとこれでもかなり抑えてたりしています


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時の咆哮

今回は短めです


幻想郷は完全に崩壊して、すでに消滅へと向かっていたが・・・

 

『・・・・・』

「!?」

 

しかし尚も立ち上がるものもいた。光速の流星が降り注いだとき、蓬莱人の二人が自身の不死の力と月の秘術で攻撃を防いだのだ。しかし完全には防ぐことは出来なかったし、代償に彼女たちは力を使い尽くしてしまった。不死身であっても痛みは感じるし、疲れはする。決して永久に戦い続けられるわけではないのだ。何故生かしたのか?それは少しでも戦えるものを残すことと最後まで希望を捨てないこと。そして異変への償いの意味も込めてである

一人目は慧音だった。すでにボロボロになっており、瀕死寸前だった

 

「ま、真聡・・・」

「グオオオオオオオオオオ!!!」

 

響き渡る咆哮だけで意識を失い倒れそうだった。あまりの「プレッシャー」により、真聡の前にいるだけで力を失いそうなほどだ。しかし、それでも慧音は臆さずに真聡を見て言った

 

「君は・・こんな男ではないだろう?」

「・・・・・・」

「君はいつも誰かのために必死に戦って人間たちだけではなく、妖怪や妖精にすら仲良くなり、助けることが出来る人だったはずだ!!」

「・・・・・・」

「覚えているか?初めて出会った頃、君は私に花をくれたよな?あの、時は嬉しかったんだぞ!!・・・阿求と真棋士さんも助けてくれた、人里の人たちが苦しんでいる時はいつも進んで多くの人を助けてくれた・・・」

「・・・・・・」

「私はそんな君が好きだった・・・今の狂気に呑まれて、すべてを破壊する君なんて・・私は・・・」

 

慧音の瞳には涙が零れていた。そして

 

「そうだぜ!!」

 

今度は魔理沙が言った

 

「お前はもっと強いはずだろ!!ひねくれ者の私にも気にかけてくれて、修行にも付き合ってくれた・・」

 

魔理沙も泣いていた。そして初めて会った時の俺が渡した「しあわせのたまご」を取り出して言った

 

「狂気なんかに・・なんかに・・・負けてんじゃねえよ!!!」

「グア、グ・グオオオオオオオオオオ!!」

 

明らかに様子が変わっていた。今までと比べてどこか悲しみを持ち苦しんでいた

 

「あまりガラじゃないけどねぇ・・・」

 

すると今度はレミリアが出てきた

 

「あなたには本当に感謝しているのよ!!今まで自分はフランの問題に立ち向かえてなかった。あなたがフランの心を開かせたからまた再び「姉妹」になれた!!・・・なのに、敵にかけられたとはいえ、あんたが狂気に負けっぱなしのせいでまたその関係を失いそうになったじゃない!!・・私を・・私を失望させないで!!」

 

言葉には怒りが込められていた。しかしその中には悲しみも混じっていた。そして幽々子も言った

 

「あなたは私に真実を見せてくれた。紫は危険な人間だと言っていたけど、あなたはもっと強くて優しい人間だったはずよ、真聡・・・」

 

悲しそうな声だった

 

「グ・・・アアアアアアアア!!」

 

真聡はエネルギーを溜めて「りゅうのはどう」で止めを刺そうとした。もう全員限界で回避行動すらままならなかった

 

「いけない!!」

 

霊夢も起き上がって結界を張ろうとするが間に合わず、「りゅうのはどう」は発射された・・・ただしまったく違う方向にでだった

 

「グオオオオオオオオオオ!!!!」

ドカン!ズドォーン!!

『!?』

 

すると滅茶苦茶に暴れだした。まるで自分の中の何かに抗うように、自身に攻撃を向けたりなどして自ら傷をつけ始める

 

「グオオオオオオオーーーン!!!」

 

(・・・・イ、ヤだ・・・キヅツ・・ケタ・・クない!!ミンナ・・モ、セ・カイも・・・壊したくない!!)

 

その目にはいつの間にか涙が溢れ出していた

 

(大切な人たちを…失いたくないんだああああ!!」!!!)

 

するとまた宝石が光りだす

 

ピカァ・・・・・

 

しかしそれは先程までの禍々しいオレンジ色の光ではなかった

青くて何処か優しい、神々しい青い光だった

 

ゴゴゴゴゴゴ・・・カッチ・コッチ・・・

 

すると後ろに6つの歯車が現れた。その歯車が動く姿はまるで世界そのものの時間を刻んでいるようだった

そして宝石が強く光り出し・・・

 

『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!』

 

また激しく咆哮をする。しかしそれは禍々しいものではなく、神秘的で厳格な雰囲気を持った咆哮だった。そして歯車も光だして回転が速くなった

 

『『!?』』

キュィィィィィィィィィィィィィィィィィィン・・・・・

 

少女たちは青白い光に包まれた

 

『グオオオオオオオオオオオオオオオオオ‥

 

(俺はこの世界を絶対に・・・・・)

 

「ときのほうこう」が幻想郷中を時空を超えて光とともに響いていった

 




書いていて思いますが、人物の会話シーンを書くのは難しいとつくづく痛感します
「もっとうまく書ければな・・・」と思う今日この頃です


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長き夜の終わりと伸し掛かる孤独の罪悪感

永夜抄編は今回で終わりです。後半は別物の異変になりましたが


~???~

 

(・・・・俺は・・一体・・・)

 

「あなたはもっと強くて優しい人間だったはずよ」

 

(・・幽々子・・さん)

 

「あなたがフランの心を開かせてくれた再び「姉妹」になれた!!・・・・私を失望させないで!!」

 

(・・レミ・・リア・・・)

 

「狂気なんかに・・なんかに・・・負けてんじゃねえよ!!!」

 

(・・魔理沙・・)

 

「君はいつも誰かのために必死に戦って人間たちだけではなく、妖怪や妖精とすら仲良くなり、助けることが出来る人だったはずだ!!!」

「私はそんな君が好きだった・・・今の狂気に呑まれて、すべてを破壊する君なんて・・・私は・・・」

 

(・・慧音・さん・・・)

 

そのあとに映ったのは真聡自身が行った、残虐行為だった

時を止めて光線や、竜の形をした波動、闘気のエネルギー弾・・・爪で相手を引き裂くところ・・・そして光速の流星の雨・・・

滅びゆく幻想郷と自らの手で友を傷つけていく自身の姿が写っていた

そして先程自分の頭によぎってきた、こんな姿の俺に対する大切な人たちの悲壮な叫び声が聞こえてきた

 

(嫌だ・・こんな未来なんて絶対に嫌だ・・・)

 

(俺の手で大切な世界と人たちを失うなんて嫌だ・・)

 

(・・・もっといっしょにいたい・・)

 

 

なぜならその人たちは俺にとって大切な人たちだから・・・

 

そして俺はまた光に呑まれていった

 

 

~永遠亭~

 

(・・・ここは・・?)

 

目の前には俺が意識を手放す最後に見たもの。それはうどんげとの戦いの場面だった

俺は今、相手の狂気の瞳を見て狂気に呑まれそうになっていた

 

(このままで絶対に終わらせない。何かこれを打破する術があるはずだ。もう二度とあんな真似を繰り返してたまるか!!!)

 

俺は必死に考えていく。あの惨劇を繰り返さないためにも何としてもこの術から逃れる方法を

そしてあることを思い付く

 

(そうだ俺は今「テレポート」で逃れるためにサーナイトになっていたはずだ。確かこのポケモンはあの技が使えたはず)

 

俺はあることを思い付いた。相手は俺の精神を操って狂気に陥れようとしている。それは俺の精神に直接干渉しているのだ。つまりこちらも逆にそれをやり返せばいいのではないかと思ったのだ。効くかはわからないけどやるしかない

 

(くらえ!!)

「シンクロノイズ!!」

「!?」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

「っ、きゃああああああ!!」

 

真聡の精神に干渉してくるうどんげに対して強烈な音波が雄たけびのようになり、それがうどんげの能力を跳ね返してダメージを与えた。すると真聡の体は光に包まれる

 

ピカアアアアアアアアアア・・・・・

(これは!?)

 

それはかつて自分がなった狂気の神のものではなかった。真聡は今本来のディアルガの力を宿したのだ

 

「っ!!・・・・・・・・・・」

 

あの時のような禍々しい物ではなく、神々しい光と厳格で圧倒的な威圧感を纏っていた。それにはうどんげは完全にひるんでしまっていた。そして俺は力を込めると胸にある宝石が強く光った

 

ピキ、ピキピキピキピキ

 

結界が壊れ始める。そして紫たちによって止められていた夜も動き始めていった。そして俺は叫んだ

 

「はあああああああああああああああああ!!!」

ピキピキピキ・・・パッリーン!!!

 

すると幻想郷を覆っていた永遠亭にかけられていた特殊な能力と、永琳による幻想郷を密室していた結界ごと破壊した。その力を目の当たりにしてうどんげは何もできなくなって腰を抜かしていた

そして幻想郷の空に映っていた偽の月は消え去った。そして照らすのは本物の満月だった。しかしそれもやがて沈み始めて遠くから朝日が昇り、照らそうとしていた

 

「終わっ・・・・・た・・・」

 

そして朝日の光に包まれて俺は倒れた

 

 

 

~人里~

 

あれから俺は今度は一週間も眠っていたらしい。そんなに死闘をしたはずがないと思うけど、どうしてそうなったのか聞かれた。これによりどうやら幻想郷が滅びかけていたことの記憶はないようだ。目が覚めると慧音さん、魔理沙、レミリア、幽々子さんたちが俺を心配して来てくれたらしい

 

その時俺の目から無意識に大粒の涙があふれだした。突然涙を流したことに周りは混乱していた。俺自身もである。しかしその時俺はこう思っていたのだろう

 

みんなが俺の目の前に今しっかり存在していて、本当によかったと・・・

 

 

今回の異変の真相を霊夢から聞かせてもらった。それは永遠亭には月の姫である蓬莱山輝夜と月から脱走した鈴仙がいて、その二人を匿っていた。そして月からの死者の迎が来ないようにするために偽物の月と入れ替えて、月と幻想郷の往来を遮断していたらしい。しかし実はを言うと異変を大きくしたのは霊夢たちであり、真相を突き止めるために夜を止めていたらしい。つまり永遠亭の住人と幻想郷の住人の両方に否があったのだ。しかし最後は俺が結界も止まった夜も全て打ち破って解決したらしい。また、もともと幻想郷そのものが結界に覆われていたので、月の使者は初めから来ることが出来なかったようだ。これにより両勢力ともに和解して事なきを得たらしい。今回の異変は近年稀に見る大異変であるから内密にするように霊夢から釘を刺された

 

こうして異変は解決して、幻想郷は普段と変わらない日常を取り戻すのだった

 

しかし、ただ一人だけは普段と違った。その人物は木戸真聡である

それは真聡自身が危うく幻想郷を滅ぼしかけたことはしっかり記憶に残っていることだ。今回はただ単に運がよかっただけである。今回の異変で自分には幻想郷を滅ぼす力があることを思い知らされた。普段通りに戻ったとはいえ、自分は重い罪を犯したことには変わりはない

 

周りが自分の罪を知らないということは決していいことばかりではない。傲慢な考えだとは思うが、その罪を犯した自分に手を差し伸べてくれる者も相談にのってくれる者いないということだ

 

つまりそれは罪悪感を全て自分の胸の内に全てしまい、自分自身でどうにかするしかないということなのである・・・

 

 




永夜抄編は終了です。後半はまるで別物の異変になりましたが、無事に描き切れてよかったです

まだまだ文章力不足ではありますが、読んでくださる皆様のためにも精進していこうと思っています


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第五章:花映塚編
咲き誇る花々。そして旅立ち


花映塚編です


永夜異変から半年ほどの月日が流れて幻想郷にまた春が訪れた。今年は去年会った春雪異変のように春が来ないなんてことはなく、桜が鮮やかに咲き誇っていた・・・

 

しかしそれは桜だけではなかった。ヒマワリ、菊、桔梗と言った春には咲かないはずの季節外れの花が一斉に咲き誇っていたのだ。きれいな光景だが、これは本当に大丈夫なのだろうかと疑問に持つものも少なからずいた。そして木戸真聡もその一人だった

 

「・・・・原因はこいつらか」

 

俺は手に何かを持っていた。それは魂だけとなった存在、霊であった。俺はヨノワールの力を宿してとりあえず捕まえておいた。どうやらこいつらが花に取り憑いているのが原因らしい

 

「とりあえずちょっと幽々子さんのところに行って聞いてみるか」

 

俺はヨノワールの力で冥界に直接向かった

 

 

~白玉楼~

 

「・・・というわけでここに連れて来たんですけど、もしかして冥界に異変が起こっているのではないかと思ってきたわけなんですが」

「いいえ。冥界には特に異変は起こってないわよ」

「そうですか」

 

効いたところ、どうやら冥界には特に異変は起こっていないようだ

 

「となると、どうして霊が花に取り憑いているんだろう?」

 

と何気なく言った。すると

 

「それはおそらく地獄からだと思うわ」

「地獄に?」

「ええ。ここを除いたらあとはあそこくらいでしょうし」

「なるほど」

「それにこれは60年に一度には起こる異変なのよ」

「そうなんですか!?」

「ええ。それは・・・

 

幽々子さんの話によると60年に一度、外界の幽霊が大量発生して死神の仕事の許容範囲を超えることがあるらしい。そして霊たちは花に憑依して花が咲き乱れる現象を起こすそうだ。それに乗じて自然の化身である妖精たちもお祭り騒ぎになって活発化するようだ。でもいずれは死神たちがすべて処理をして放置していても解決するらしい。特に大きな異変でなくてよかったと思った

 

「それを聞いて安心しましたよ。じゃあ俺はこれで」

 

と言って立ち去ろうとしたが

 

「・・・一つ聞いていいかしら?」

「何でしょうか?」

「あなたどうしてそんなにつらそうな顔をしているのかしら?あの時の異変以来ずっとよ?」

「・・・・きっと疲れがたまっているんですよ。御心配には及びません」

「・・・・・そう」

「ではこれで」

 

そして俺は今度こそ立ち去った

 

「・・・あのときどうして泣いていたのかしらね・・・」

 

~とある広場~

 

俺は今、日課の修行を行ってきた。今日は普段より短めにしようとしたつもりだったが、一向に気持ちが落ち着かず、結局長くやってしまう

 

(・・・俺はこれからどうしていくべきなんだろうか)

 

俺には今、迷いがあった。永夜異変では危うく幻想郷を消滅させる事態に陥ったことがあれからも頭から離れなかった。元通りの日常には戻ったが、それは本当に運が良かっただけだったことに過ぎない。慧音さん、魔理沙、レミリア、幽々子さんの呼びかけがないともう俺はあのまま滅ぼし、この世界は存在しなかっただろう

 

(このまま俺は消えるべきなのか・・・)

 

俺は空に浮かぶ月をしばらく眺めていた

 

(違う。そんなことをしても結局周りを悲しませて迷惑をかけるだけだ。自意識過剰な思考なのかもしれないけど、いずれにしろ根本的な解決には多分ならない)

 

しばらく考え込んだ末に俺は・・・

 

~自警団本部~

 

「え?数日でいいから休ませてほしいだと!?」

「はい」

 

翌日、俺は所長にしばらくの数日間でいいので休ませてくれないかと頼んでいる

 

「それは一体どうしてかね?今まで君は異変の時以外では一度も休んではおらんというのに」

「・・・実は少し思うところがありまして、数日間だけ考える時間が欲しいんです。わがままは重々承知ですが、しかしこのままでは一向に改善しそうにないのです」

「・・・・・」

「どうか、お願いします」

 

俺は深々と頭を下げて懇願した。所長はしばらく黙っていたが

 

「ちゃんと幻想郷にはいるのかね?」

「は、はい。そうですが」

「・・・・・・」

 

すると所長はこう言った

 

「君は我が自警団が始まって以来極めて優秀な存在だ。我々としても君が万全でないと少々不安だ」

「・・・・」

「だから最大で一週間だけ休みを与えよう」

「え?いいんですか?」

「構わん。部下たちもここ最近の君の様子を心配していたし、私もそうだった。君がそう思うのならしばらくの間、君の自由にしてみるといい」

「所長・・・」

「ただし、もし人里に大いなる危機が襲ってきたらすぐに駆け付けてくれ。それだけは守ってくれないか?」

「も・もちろんです!!」

 

そして俺はまた頭を下げて

 

「ありがとうございます」

 

と精一杯の感謝の気持ちを込めてお礼を言った

 

 

~自宅~

 

ガチャ

「これで良し」

 

翌日俺は旅の準備をして、扉の鍵を閉めた。準備は万端である

 

(一週間では足りないかもしれないし、こんなことをしても意味がないのかもしれないけど・・・)

 

そう思いはしたが、俺は歩みを進める。

 

何が待っているのかはわからないけど、今の自分の迷いを断ち切れる何かが見つけられることを信じて彼は旅に出るのだった

 




花映塚をベースにしていますが、基本的に主人公の心の旅に近い感じです
幽々子は長く生きていて冥界の管理者なので、この異変の真相を知っていたということにしました



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一日目:幽霊集めと再会の面々

花映塚にはキャラごとに四字熟語か格言が用意されているので、うちの主人公は
「千変万化」にしておきます

ポケモンは現在802種類ですが直に1000を超えるでしょうね。何年後になることやら


~霧の湖~

 

俺は旅に出た。しかし一応行先というか目的は決めておいた。それはこの異変を起こしている霊たちを集めることだ。あらかた集めて死神に出会ったら引き取ってもらおうというものである。しかし霊はたくさんいるから、普通に連れていくと集めれば集めるほど大所帯になるし、第一逃げてしまう。そこで俺はこんなものを作ってみた

 

「20人ほど手に入れたな。さっさとこの袋にしまおう」

 

俺は手に持っている袋に入れた。その道具は俺は「れいかいのふくろ」と名付けた。俺は本来はサマヨールを進化させる道具であり「れいかいのぬの」で作ったものである。俺はサマヨールを宿した状態で布を縫い合わせて袋を作った。そしてゴーストタイプとサマヨール自身の能力を込めて作ると、魂や霊ならいくらでも入れられる袋が出来上がった。どうもその袋の中はちょっとした霊界になっているらしい。俺はとりあえず見かけたらその袋に入れていった。しかし幽々子さんが言っていたけど本当にたくさんいて大変だなと思った

 

今俺は霧の湖の上空を飛んでいる。相変わらず霧が立ち昇っている。一年ほど前に元に戻したが、ちゃんと今でも特に問題は起こってないようで何よりである。するとやがて花が集中している場所を見つける。俺は一旦地上に降りて霊を探した

 

「ひい、ふう、みい・・30人か結構いたな」

 

と俺は袋に入れる。すると人影が見えたそこには

 

「あ、あなたは・・・」

「君は・・大妖精、だったよね?」

「はい。覚えていてくれてうれしいです」

「久しぶりだな」

 

俺は大妖精と出会った。会ったのは随分前だが、向こうも覚えてくれていたようだ

 

「何してるんですか?」

「ん?ちょっと旅してるんだ。そのついでに霊を集めている」

「霊をですか?」

「ああ。ここ最近いろんな花が咲き出しただろ?それはどうやら霊たちのせいらしい」

「そうだったんですか」

「まあほっといても大丈夫らしいけどな。まあせっかく旅を始めたんだし、いつまでも彷徨っているのは哀れだからな。死神と出会えたら渡すつもりだ」

 

とまあこんな感じで雑談を続けていると。人影がまた見えた

 

「大ちゃん誰と話してるの?って、あーお前は!!」

「よう!久しぶりだなチルノ!!」

 

するとチルノがやってきた。相変わらず元気そうである。続いて三人やってきた

 

「チルノ、知ってるの?その人間?」

「うん!あたいのしゅくてきだ」

「まあそんなとこかな。俺は木戸真敏。よろしくな」

「リグルです。リグル・ナイトバグといいます」

 

すると初対面の少女と出会った。緑色のショートボブに昆虫の触角のようなものが頭についていた。虫の妖怪だろうか?服装は白いブラウスと外側は黒く、内側は赤いマントをしていた。すると遅れて残りの二人がやってくるが

 

「「あー!!あんた(あなた)は!!」」

「ん?」

 

すると二人の少女が俺を指さして叫んだ。すると俺は二人のことを思い出した

 

「えーと君は永夜異変の時の子と、この湖で出会った闇を操る妖怪だね?」

「ええそうよ」

「あんたには恨みがあるわ!!」

「「よくも私を」」

「「ひどい目に合わせてくれたわね!!(主に耳)」」

「・・・そういえばそうだったな」

 

そうだ。二人とも音の攻撃で止めを刺したんだった。あとどっちも視界を奪うから能力も似ているなと思った

 

「この恨み」

「晴らさずに置くべきかーーーー!!」

「!?」

 

すると二人掛かりで俺に弾幕を撃ってきた

 

「覚悟しなさい!!」

 

するとルーミアは俺を闇に包んできたが

 

「待って!!そいつの視界を奪っても意味ないわよ!!」

「え?」ピチューン!!

 

俺は水で作ったショットをルーミアに命中させた

 

「くっ鳥符「ミステリアスソング」!!

 

視界を奪っても意味はないのはわかってはいるので弾幕で攻めたてようとしたが・・・

 

「君たちは津波というものを見たことあるかい?」

荒波符「なみのり」!!

 

するとルーミアの作った闇ごと飲み込むほどの巨大な津波が発生した

 

「うわ!!」

「きゃあ!!」

 

二人は急いで上空に逃げて何とか回避したが

 

「あれ?」

「あいつはどこに?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオ・・・

 

「何あれ!?」

 

すると湖を覆い尽くさん程の巨大な渦潮が発生。しかもそれが水面から浮かび上がってくる。更に津波も尚も荒れ狂う。そして俺は水面や渦の中を高速で泳いでいた。俺はエンペルトの力を宿していたのだ

 

「アクアジェット」

 

俺は水を纏って更に高速で水中を移動する。今の光景には戦っている二人はもちろん、戦いを見ている三人も驚いていた

 

「!!??」

「前に会った時もすごかったけど、今度はもっと凄い」

「あの人本当に人間なの?」

 

この連続攻撃で撹乱していき、とどめに膨大な水のエネルギーを溜める。そして

 

「ハイドロポンプ!!」

バッシュウウウウ!!

「!?」

「きゃあああ」

ピチューン

 

もはやビームと見間違うほどの極太の強烈な水流が二人を飲み込んだ

 

 

~夕方~

 

「う~ん・・・」

「あたしたちは一体・・・?」

「あっ、気づいたんだね」

 

とリグルがルーミアとミスティアに声をかけた

 

「あの後どうなったの?」

「そこを見たらわかるよ」

「「!?」」

 

二人の目の前には

 

「くそーーー!!当たれーー!!」

「おっと。危ない危ない」

「がんばれチルノちゃーん!!」

 

目の前にはチルノが真聡と弾幕ごっこで修行しているところだった

 

凍符「コールドディヴィニティー」

霊雹符「シロガネ山の亡霊」

 

チルノは大量の氷柱の弾幕で攻撃していく

対して真聡は巨大影の玉を上空に落とした後に分解させて落としてくる。自身で発生させたあられに身を隠しながら氷の弾幕とレーザーで攻めたてる。チルノは懸命に抗ったが最後は後ろから弾幕をくらってしまった

 

ピチューン

「くそ~。また負けた~!」

「はは。でも前よりも更に腕を上げていたぞ。あの時みたいな激しい冬でもないのに更に強力になっていて驚いたよ」

「お疲れチルノちゃん」

 

とまあこんなふうに仲良くやっていた。ルーミアとミスティアも復讐は諦めた。どうやっても自分たちでは勝てそうもないからである

俺は霊を見つけ次第、どんどん回収した。それと同時にみんなと交流を深めていった

 

 

~夜~

 

「うまい!!」

「そうだろ?ミスティアの料理はうまいんだ!!」

「どんどん食べてね~」

 

今はみんなで仲良くミスティアの屋台で料理をご馳走になった。ミスティアの料理はおいしいとチルノたちから聞いていたけど、確かにどれもとてもおいしい料理だ。特にこの八目鰻という幻想郷に生息する鰻のような生物の串焼きは絶品だった

 

「これならまた食べに来たいな。もちろんお金を払ってでもな」

「ありがとう。うちは夜のはやってるいるからいつでもどうぞ」

「そうさせてもらうよ」

 

見た目は子供なのに酒飲んでいる光景は少々奇妙ではあるが、もう慣れた光景だ。ミスティアやルーミア、リグルと言った子たちとも更に打ち解けて楽しく飲み明かした。俺たちは最後まで料理と酒と雑談を堪能した

 

「ご馳走様。実に美味かったよ」

「お粗末様」

「じゃあ私たちはこれで」

「じゃあね?真聡。いつか必ず倒してやる!!」

「はは。ああ期待している」

 

こうして俺たちは別れた。俺は適当な岩場で「ひみつのちから」を発動して空洞を作った。引っ越すわけではないので寝袋だけ敷いた

 

「今日は楽しかったな。こんなに笑ったのはいつぶりだろうか・・・」

 

今日は久しぶりによく笑った一日だったし、酒も料理も実においしかった。今日はいい一日だった

こんな世界を壊さないためにも俺はこの悩みを解決してみせると心に決めて、俺は眠るのだった

 




サマヨール   NO.356  タイプ:ゴースト

ヨマワルの進化形。体の中身は空洞で人魂が一つだけ燃えていると考えられているらしいが、まだ誰も確かめたことがない。口を開けるとブラックホールのようになんでも吸い込んでしまい、吸い込まれるとどうなるかは謎である。「しんかのきせき」を持たせると強力な耐久力を発揮できる


エンペルト   NO.395  タイプ:みず・はがね

シンオウ地方の水タイプの御三家、ポッチャマの最終進化形。タイプに鋼タイプが追加された。ジェットスキーに匹敵する速度で泳ぎ、翼の縁は流氷を両断するほど鋭い。無駄な争いはしないが群れの安全を脅かすものには容赦しない。嘴から伸びている角は強さの象徴で、一番大きい個体が群れのリーダーらしい。とくこうは水と鋼タイプの中でもトップクラスの火力を持つ


れいかいのふくろ

今作のオリジナルアイテム。「れいかいのぬの」をサマヨールとゴーストタイプの力を込めながら縫って袋にしたもの。霊や魂をたくさん入れることが出来る。中はちょっとした霊界のようになっているようだ


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二日目:三姉妹とのソロ作成と霊の話

今回はプリズムリバー三姉妹が登場しますけど、そこまで絡んでは来ないです


~霧の湖~

 

朝、俺は目を覚まし、朝食をとった後に俺は外に出た。今日はどこに行こうかと考えていると

 

「おや?」

 

途中で人影を見つけた。その正体は・・

 

「おーい!リリカ!」

「ん?あっ、真聡!おはよう」

 

丁度リリカが空を飛んで移動していたのを見かけた

 

「おはよう。いったい一人でどこに行くんだい?」

「えーと。ちょっと音のネタ探しに」

「ネタ探し?」

「うん。最近花々が咲き誇っているでしょ?だからいい音のネタがないかなと思っているの。私のソロライブ用のね」

「ソロライブか」

「姉さんたちには内緒で行ってるの。まだ見つかってないはず」

「あ~残念だけどそうはいかないようだよ。ほら後ろに」

「え?」

 

リリカの後ろにはすでに二人の姉が来ていた

 

「こっそりついていってみれば」

「そういうことだったのね」

「あちゃーバレてたかー」

 

どうやらすぐに気づいてつけていたみたいだ

 

「でも確かに今ならいろいろなネタを見つけられそうな気もするわね。姉さん」

「そうね。私も探してみようかしら」

「ねえ。真聡も私たちのメンバーよね?」

「まあ一応な」

「じゃあみんなでネタを探して夕方になったら未完成でいいから、自分が作った演奏を披露するってどう?」

「うーん・・・」

(まあ暇だし)

「いいよ」

「決まりね」

 

というわけで今日はメンバー個人の新曲づくりに参加することになった。俺たち四人は一旦ばらけた

 

 

~とある森~

 

「一杯花が咲いてるな」

 

この異変のせいで大量の花が咲いていた。見たこともない花もあった

 

「やっぱせっかくだから花を題材にしたいな」

 

と考え、俺は一旦紅魔館に向かい、パチュリーさんに花の図鑑を借りていった。俺は花には詳しくないのでこれを使うことにした。とりあえずいろいろ探してみる。ついでに霊を回収ながら。するときれいなピンク色の花が咲いた木を見つけた

 

「これは椿・・・いや、サザンカだな」

 

どうやらサザンカの花が咲く木のようだ。本来は冬に咲く花だが、今回の異変で咲いたようだ。ここにも霊たちがいた。しかし一つだけ様子がおかしい霊がいた

 

「いったいどうしたんです?」

「!?私に話しかけてるんですか?」

 

ゴーストタイプのポケモンの力を宿したおかげで話すことが出来た。話してみると、他の霊たちは死んだことすら自覚していないのに、この霊は自分が死んでいることに自覚していた。こんなこともあるんだなと思った

 

「で、あなたは他の霊たちの真似をしてこのサザンカの木に憑依したと」

「はい。私はてっきりこのまま死神に連れていかれると思っていましたが、見たことのない場所に出て、他の霊たちの真似をしてみたら咲いたんです」

「なるほど」

 

声からしてどうやら女性らしい。その霊は俺に話す

 

「私この花好きなんです」

「どうしてです?」

「華そのものも好きなんですが、花言葉が好きなんですよ。ご存知ないですか?」

「いいえ。存じ上げません。花には詳しくないものでして」

「花言葉は「ひたむき」と「困難に打ち勝つ」というものなんですよ」

「困難に打ち勝つ・・・」

 

その言葉に俺の心に響いた

 

「過酷な冬の中でも美しく咲くということからだそうです」

「・・・いい花言葉ですね」

 

それから俺は霊としゃべった。生前この人は結婚していて、腹の中には子供がいたらしい。しかし子供のころから病弱な人だったらしい。それが原因で容体が急変して、出産はかなり危険だったらしい。でもせっかくの新たな命をつぶしたくないという想いから懸命に頑張って出産に臨んだらしい。子供は無事に生まれたけど、この人はそのまま亡くなってしまったらしい

 

「私は小さいころから体が弱かったのでいろいろと困難が続きました。でも私は病弱だからと言ってそれを理由に自分を弱い人間であろうとはしたくはなかったんです。だから私なりですが、精一杯努力して言ったつもりです。就職して、愛する夫に出会って、そして子供が出来た。子供が出来たときは本当にうれしかったんです」

「・・・・・・」

 

俺はそれを黙って聞いていた。その霊は続ける

 

「でも今度は私たちの子供の命に関わる事態になりました。でも私はどうしても我が子を見殺しには出来ませんでした。ですからこの命が尽きても必ず産んで見せようと決めたんです」

「・・・そうだったんですか」

 

「でもそれは我儘なだけだったのかもしれません。夫の〇〇さんを置いてしまったし、私の子も母親の顔も愛情も知らずに生まれてしまったことには心を痛ませています・・・」

 

魂だけで顔もわからないが、悲しそうな表情をしているんだろうなというのは容易に想像できた

 

「ですから、せめて私の子はこのサザンカの花言葉のように困難に打ち勝つ強い子に育つことを祈るばかりです」

「そうですか」

 

しばらくお互い黙ったままだった。しばらくして

 

「お話を聞いてくださってありがとうございます。最後にこうして人と話が出来て嬉しかったです」

「こちらこそ。話を聞かせていただいてうれしい限りです」

 

そして俺はこの霊に言った

 

「あなたのお子さんと旦那さんはきっとたくましく生きていきますよ。子供はあなたの顔を知らなくても旦那さんはあなたの奮闘と想いの強さをしかと見ていたはずです。お子さんにもきっといつか大きくなったら伝えてくれますよ。私も陰ながらあなたのご家族の幸せを願っています」

「・・・ありがとうございます」

 

こうしてこの霊も袋にしまった

 

そして俺はすぐに作曲を始めた

 

 

~夕方~

 

「それじゃそれぞれの曲を演奏させてもらうわよ」

「「「おーーー!!」」」

 

まずはリリカが披露した。彼女は鍵盤楽器で無邪気で楽しそうな感じの音楽を作った。どことなくお調子者の彼女らしい面が出ていた気がした

 

続いてメルラン。得意の管楽器を使ったメロディーだ。明るい彼女にピッタリな感じのメロディーが流れる。演奏している彼女も楽しそうだった

 

そして今度はルナサだ。他の二人とは違ってバイオリンを使ったシックで落ち着いたメロディーだ。流石は長女にしてリーダーだけあって完成度は高いと感じだった

 

そしていよいよ俺の出番だ。俺はサザンカの「困難に打ち勝つ」と「ひたむきさ」をテーマにしてメロディーを作った。そして今日であった霊のイメージものせた。演奏が終わると三人とも拍手で讃えてくれた。せっかくなので今日出会った霊にも聞いてもらった。その霊は嬉しそうに聞いてくれていた気がした

 

 

「いやー、四人ともなかなかの力作が出来たわね」

「ソロとか久しぶりだったけど、楽しかったわ」

「そうね。今日はなかなかいい一日だったわ。真聡の曲もとてもよかったわよ」

「ありがとう。今度もっと精度を上げて演奏してみようかな」

「じゃあ今度呼ばれたら、それぞれソロで演奏を披露してみようか」

 

そのあと俺は事情を伝えて、パチュリーさんに借りた本を返した後、今日は洋館に泊めてもらった

ベッドで寝転がって俺は「今日もいい一日だったな」と心から思った

 




今回の話を作るにあたって、あらかじめ色々な花を調べた末に私が今の主人公にはこれがいいかもと思ってサザンカを選びました


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三日目:妖怪の山

花映塚には出てきませんけど、今回は妖怪の山に向かいます

閲覧数10000を超えて、お気に入りも100人を突破して本当にうれしいです。読んでくださった皆様には本当に感謝です


朝起きて朝食をとった後に、午前中は三人と打ち合わせや練習をして過ごした。昨日作ったソロ曲も更にいい仕上がりになっていった。そして正午を少し過ぎたのち

 

「それじゃあまたな」

「ええ」

「またねー!」

「またよろしくね」

 

俺は三姉妹と別れを告げて、また再び旅立った。俺は今は山の方を目指していた。あっちは一度も言ったことがないからだ。俺はのんびりと空を飛んで向かった。すると一際大きな山を見つけた

 

「あそこにするか。そろそろ昼時だ」

 

俺はあの山の頂上で昼食をとることにした

 

 

~妖怪の山~

 

「ここにするか」

 

俺は頂上付近に座って昼食をとっている。なかなかにいい景色だ。今回の異変で花々が咲き誇っていた。せっかくだしここの霊も回収していくことにした。しかしここは山だから種類は多いし、道も険しい。もうすでに100は軽く超えていた。しばらくすると

 

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

 

人里では見ないくらいの大きさの妖怪が俺に襲い掛かってきた。でも狙われていたのは波導で把握していた。俺は空を飛んでそいつをつかんで持ち上げた

 

グオウ!?

 

1トン以上はあったけど、ウォーグルの力を宿しているので楽に持ち上げられた。俺はそのまま急上昇して

 

「フリーフォール」

 

そのまま猛烈な勢いで急降下して妖怪を地面に叩きつけた

ドッゴォーン!!

 

周辺が大きく揺れた。これでも手加減して殺さない程度にはしている。今は気絶しているが直に目を覚ますだろう。俺は再び探索と霊集めを再開した。しかし5分も経たないうちに俺は大勢に囲まれてしまった

 

「ここで何をしている!」

「何が目的なのか話してもらうぞ」

 

思いっきり敵対心を俺に向けてきた。そういえばここに住んでいる妖怪である天狗たちは仲間意識が強くてよそ者には容赦しないって「幻想郷縁起」に書いてあったことを思い出した

 

「ちょっと旅の途中にここに寄って昼食をとっていただけです。あと霊の回収をしていました」

「霊の回収?貴様は死神なのか?」

「いえ、違いますが・・・」

 

俺は今していることを一通り話した

 

「ですから俺は別にこの山を荒らしたりはしません。今すぐ立ち去れというのなら今すぐに立ち去ります」

「しばし待て」

 

しばらくの間俺はここに待機させられた。上司に連絡をしているようだ

 

「お前に害がないことはわかった。いま天魔様からの伝達が来たが、しばらくは入山を許可するそうだ。ただし監視下の元でな」

「わかりました」

 

こうして俺は監視されてはいるが、入山の許可は出た。とりあえず俺はしばらく霊集めを続行した。しかし一日ではさすがに全部は終わらず今日のところはここで帰ろうと思っていたところに

 

「あやや。本当にあなたが来ていたんですね」

「文さん」

 

射命丸文が俺の元にやってきた

 

「天魔様から聞きましたけど、霊を集めているそうで」

「はい。最初俺が花に霊が取り憑いていることに気づきまして、幽々子さんから真相を聞いたんです。丁度旅をすることにしていて、ここには来たことなかったのでここに寄ったんです」

「そうだったんですか」

 

俺は文さんとしばらく話した

 

「60年に一度くらいにこの異変は起こりますけどそういうことだったんですね。特に害はないので気にしませんでしたし、新聞のネタにするほどでもなかったのですが」

「ええ。では俺はそろそろ戻ります」

 

と言って戻ろうとしたが

 

「ちょっと待ってください」

「何でしょうか?」

「一つお願いがあります」

「何でしょうか?」

「私と弾幕ごっこで手合わせを願えませんか?」

「!?」

 

急に予想外なことを言ってきて俺は戸惑った

 

「あなたは今や幻想郷中に名前を轟かせる方です。人里の人間たちにとっては博麗の巫女をも遥かに上回る信頼されています。実際多くの難事件を解決していきましたし」

「それが何か?」

「ですから一度確かめてみたいんですよ。あなたの実力がどれほどなのかを」

「・・・・・」

「申し訳ないですが、この勝負は受けてもらいますよ」

「・・・わかりました」

 

こうして俺は弾幕ごっこを受けることにした

 

~九天の滝~

 

近くには大きな滝が流れておりその川上に来ている。広くてなかなかいい場所だ

 

「準備はいいですか」

「ええ。先手はお譲りします」

(とりあえず小手調べといくか)

 

大炎符「だいもんじ」

 

俺は巨大な大の字型の火炎を発射した。そして俺自身も火竜の形をした弾幕と「ひのこ」を応用した高速の火球を連発する。しかし文はそれを難なく避けていく

 

岐符「サルタクロス」

 

大量の白い光弾が放射状に広がったと思いきや突然跳ね返って襲ってくる。そしてやがてそれは止まってゆっくりと俺に迫り、その間にまた最初の弾幕が放たれた。しかし、俺も軌道をすぐに見破ってかわしていく

 

「さすがにこれでは駄目みたいですね」

 

すると文は扇子を使い、風を放つ。そして幻想郷最速と呼ばれるスピードで移動してくる

 

「ならばこちらも速さで挑むか」

 

俺はピジョットの力を宿した。音速の倍の速度で移動する驚異的な飛行速度に、さらに「おいかぜ」でスピードを上げて「かぜおこし」を応用した風の弾幕で迎え撃つ

 

「あの文様と速度で張り合うとは」

「噂には聞いていたが本当に奴は人間なのか?」

 

いつの間にか周りには天狗たちが観戦に来ていた

 

(っ・・この私と飛行速度で張り合うなど天魔様くらいしかいなかったのに、つくづくとんでもない人間ね)

 

風神「二百十日」

 

すると自身を覆いつくすほどの木の葉のような大量の光弾が周りを高速で飛び回る。更に竜巻も放ってくる

 

(やはり手ごわいな。ならば)

荒波符「なみのり」

 

俺はエンぺルトにチェンジして大津波で迎え撃つ。津波は弾幕を飲み込むがそれは風と弾幕で押し切られる。俺は「アクアジェット」で移動しながら竜巻に合わせて「うずしお」を発生させた。これを地上に浮き上がらせるのでいわば水の竜巻と言ったところか。文の苛烈な弾幕を搔い潜り、「ハイドロポンプ」を発射した。そしてとうとう弾幕の障壁を撃ち破った

 

「くっ」

 

文は素早く退散する。そして俺は水流に乗って空中に飛び出してピジョットにチェンジして放つ

 

風潮符「ぼうふう」

 

すると強烈な暴風により巨大な竜巻を発生させる。更にそれに乗りながら「エアスラッシュ」と「エアカッター」で攻め立てる。更に「でんこうせっか」で超高速移動をしていく

 

「こちらも本気で行きますよ」

 

「無双風神」

 

すると文も超高速で移動して、凄まじい勢いで大量の光弾を放ってくる。その速度は凄まじく赤い流星が大空を飛び回る様だった。更に彼女も巨大な竜巻を生み出す。二つの風と速さの激突はスペルカードによる弾幕ごっことはいえ、周りがすべて暴風で吹き飛んでいった

 

(この技で決める!!)

 

俺は文さんの高速移動と真正面から迎え撃つ。お互いがすれ違うと

 

ボウ!!

「!?これは!!」

 

なんと俺が通り過ぎたところにやや小さめの竜巻が発生したのだ。高速移動中のため急な方向転換が出来ずに、その風に巻き込まれてしまう。これは俺がとあるモンスターゲームのモーションをもとに編み出した技だ。目に映らない電光石火の速度で動くと同時に暴風を発動させて竜巻を設置させたのだ。実戦においては電光石火の突進にあたればそれでよし、外しても風が邪魔をする二段構えの技なのだ

 

俺はそれを見逃さずに

 

「とどめだ!」

 

破壊符「四色はかいこうせん」

 

俺はとどめに極太の破壊の光線を放つ

 

「やれやれ。本当に恐ろしい人間ですね・・・」

ピチューン

 

文はなす術もなく被弾した

 

「ふう。さっきは危なかったな」

 

文さんは俺とすれ違った時に風の弾幕を放っていたのだ。あとほんの数センチずれていたら直撃してこちらが負けていただろう。非常に手ごわい相手だったが何とか勝利を収めた

 

正直なことを言うと「トリックルーム」と「じゅうりょく」で一気に有利になることも考えてはいたが、あくまで今回は弾幕ごっこ。俺は補助技による勝利よりも、攻撃技で勝利を収めたかったのである

しばらくすると文は起き上がり

 

「いやー久しぶりに全力でやりましたけど、やはりお強いですね」

「いやいや。あなたは本当に手ごわかったです。楽しかったですよ」

「見事であるぞ。木戸真聡よ。噂に聞いていたが、弾幕ごっことはいえ文を倒すとはな」

「天魔様!?いらしていたんですか?」

「この方が?」

 

どうやら天狗たちのボスである天魔が俺たちの弾幕ごっこを観戦しに来ていたようだ

 

「彼の戦いぷりは私も見てみたかったのでな。私も来たんだ」

「そうだったんですか」

 

俺はその様子を見ながら立ち去ろうとしたが

 

「あーちょっと待ちなさい」

「何ですか?」

「もう暗いし、今日はここで止まっていかないか?酒でも飲んで話を聞かせてもらおうじゃないか」

「え!?天魔様。部外者ですけどいいんですか?」

「かまわん。久しぶりに楽しい物を見せてくれたからな、その礼じゃ」

「俺は構いませんが。いいんですか?」

「いいと言っておる」

「・・・じゃあお言葉に甘えて」

 

というわけで俺は今日は天狗の住処で一泊することになった。酒を飲んでいくうちに他の天狗たちと仲良くなっていき、天魔にも気に入ってもらった。普段の宴会とはまた違った楽しい宴会だった

 




ウォーグル   NO.628   タイプ:ノーマル・ひこう

イッシュ地方に生息するワシボンの進化形。レベル54まで育てないといけないので、入手するには苦労する。大きなワシの姿をしている。力は強く自動車をつかんだまま大空を舞うことが出来る。死さえ恐れない非常に勇猛なポケモンで、仲間の為なら傷つくこともためらわない。傷が多いほど仲間のウォーグルたちから尊敬されるらしい。太古のアローラ地方の人々は空の勇者と呼んで尊敬していた。かつて住処を脅かした人間たちに一丸になって抗ったという記録もあるらしい


ピジョット   NO.18   タイプ:ノーマル・ひこう

初代序盤鳥ポケモンのポッポの最終進化形。飛行速度はマッハ2という驚異的な飛行能力を持つ。1000メートル上空からでもはねるコイキングを見ることが出来る視力を持ち、力いっぱい羽ばたけば大木をしならす強風を生み出す。羽は美しい光沢をもち、その美しさに魅せられて育てるトレーナーも少なくないらしい。第6世代ではメガシンカを獲得した
アニメでもサトシの手持ちとして登場したが、と誅森の仲間を守るために群れに残って聡と別れた。この時に「用が済んだら帰ってくる」と言われているが未だに再登場していない


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四日目:永遠亭と毒人形

今は花映塚編の中盤と言ったところです


~天狗の里~

 

「ちと飲みすぎたかな。少し二日酔い気味だ」

 

昨日は盛大に酒を飲んだので少し二日酔いをしていた。とはいえ、そこまで酷くはない。旅に出ること自体は特に問題なかった。起きるのも結構遅くなってしまった。あまりおいてもらうのも迷惑だし、ここはさっさと出ることにした

 

「じゃあ俺はこれで。昨日はお世話になりました」

「こっちこそ昨日は楽しかったぞ。お前が弾いていた曲はなかなかのものじゃった。お前は今後も入山を許可するから、また気が向いたら来るがよい」

「はい。ありがとうございました」

 

こうして俺は天魔さんや他の天狗達に別れの挨拶をして、旅立った

 

 

~上空~

 

「今日はどこに行こうかな」

 

俺は少し人里が気になったので、俺は人里に向かった

 

~人里~

 

人里は相も変わらず賑やかだったが・・・

 

「ん?あの人だかりは」

 

俺はそこに降り立つとそこは大騒ぎになっていた。どうやら老人が歩いていると突然容体が急変して道端に倒れてしまったようだ。いくらなんでも病気はキズぐすりの類では直すのは難しい。そこで俺はこの人を永遠亭に連れて行くことにした。永夜抄以降はコソコソ隠れる必要がなくなったので、人里に薬を売ったり、治療しに来ているらしい。半年ほど経つが評判はかなりいいようだ。そして俺はテレポートで老人を連れて向かった

 

~永遠亭~

 

 

ガラガラ

「すみませーん!!誰かいますか?急患なんですー!!」

 

俺は中に入って中にいる住人を呼んだ。すると永琳さんがやってきた

 

「あら真聡君じゃない」

「あっ、どうも。人里の道端でこの人が突然倒れていたので連れてきました。人里の人たちが応急処置をしても反応しないそうで危険な状態なんです」

「わかったわ。早くこちらに」

 

俺は診察室に運んだ

 

「どうです?」

「これは相当危険な状態ね。今すぐ手術にかかるわ。それと悪いけど、うどんげを呼んできてくれるかしら?今薬草を取りに行ってるのよ。お願いできる?」

「わかりました」

 

俺は外に出て鈴仙を探しに行った

 

 

~迷いの竹林~

 

俺は波導を頼りに探していく。しばらく探していると

 

「おっと危ない」

 

波導で落とし穴を発見した。よく見たらたくさんある

 

「たく。しょうがないな」

俺はルカリオで「サイコキネシス」を発動して罠を片っ端から壊していく。そうしていると

 

「ちょっと何をしているウサ!」

 

するとてゐがやってきた

 

「まったくまたこんなに罠作って。いたずらはほどほどにしろと前にも言ったろ?何十個しかけてるんだよ!」

 

あれからたまに鈴仙らが人里で薬を売って来るのもあって交流はあった

 

「余計なお世話ウサ。これ作るのも結構大変なんだってのに」

「その労力をもっと役に立つことに使えよ」

 

としばらく言い合いになるが

 

「おっと。こんなことしている場合じゃなかった。鈴仙がどこにいるか知らないか?永琳さんに連れてくるように頼まれているんだ」

「え?鈴仙?確かあっちにいたけど」

「そうか。ありがとう」

 

俺は早速教えてくれた方向に向かった

 

「ふふふ。たまには仕返しをしないとね。本当はでたらめな方角だとは知らずに・・・」

 

と言っていたが

 

「ほう。やはりそうだったか・・・」

「!?」

 

いつの間にか真聡がてゐの後ろにいた。逃げようとしたが「サイコキネシス」で動きを封じられる

 

「波導には、ある程度人の考えも見えるんだよ。一応お前が教えた方向に向かった後に君に強く波導をはなっておいたが。案の定これか」

「う~」

「さあ本当のことを教えろ!」

「知らない知らない。これは本当だってば!!」

 

しばらく波導で確かめたがどうやら嘘はついてはいないらしい。仕方なく俺は「サイコキネシス」を解いた

 

「たく。俺は波導が使えて嘘じゃないことが分かったけど、あんまり嘘ばかり吐いていたらいざってときに周りに信用されなくなるぞ!!」

 

とてゐを叱った

 

「あと急患が出たんだ。お前も戻って永琳さんを手伝ってやれ。お前の人を幸運にする能力はこういった時に使うべきなんじゃないのか?」

 

そう言って俺は探索を続行した

 

「ふう。全くあの人間には本当に敵わないウサ。私の方が遥かに長く生きているというのに」

 

そういいながら、彼女は言われた通りに永遠亭に戻っていった

 

真聡はしばらく探索を続けていると

 

「!?見つけた!でも何かと戦っているのか?」

 

俺はようやく見つけたが、鈴仙は何者かと戦っているらしい。俺は急いで向かった

 

~無明の丘~

 

「くっ。何なのよ!こいつ」

「久しぶりに誰かと出会ったけど、なかなか楽しいものね」

 

推薦は無明の丘で出会った。メディスン・メランコリーとの戦闘を行っていた。大量に咲いているスズランを見つけて積んでいるところに遭遇したようだ。純粋な実力では彼女の方が上なのだが、メディスンは毒を操る力を持っており、彼女が発する毒ガスで普段よりも力が出せないでいたのだ

 

「うっ気分が悪くなってきた」

「楽しかったけど、ここで終わりのようね」

 

と言って止めを刺すために毒液を飛ばしてきた。しかし

 

「しんぴのまもり」

「「!?」」

 

すると鈴仙に不思議なベールが包んで毒を防いだ。そして鈴仙の手に真聡が触れて

 

「テレポート」

「!?」

 

二人はその場から消えた

 

~永遠亭~

 

「大丈夫か?」

「ま、真聡さん!?どうしてここに?」

「今日人里で急に倒れた人を連れてきてな、永琳さんから君を連れ戻すように言われたんだ。それよりお前毒にだいぶやられているようだな。ほらモモンの実だ」

「ありがとうございます。・・・ふう」

「楽になったか?」

「はい。おかげさまで。急患なんですよね。服に毒がついていると困るので今すぐ着替えて向かいます」

「そうか。かなり危険な状態だから頑張れよ。念のために服の消毒も兼ねて「アロマセラピー」もしておこう」

 

そして俺は鈴仙に「アロマセラピー」をかけて鈴仙を見送った。そしてまた「テレポート」を発動する

 

~無明の丘~

 

「よう。待たせたな」

「あなたはさっきの」

「退屈なんじゃないか?少し相手をしてやろうと思ってな」

 

本当は万一の場合に備えてあらかじめおとなしくさせようと思ったのだ。どうもこの異変で毒素を持つ鈴蘭が増えて、毒素が強まって少し狂乱状態になっていた。周りに被害を及ばないようにするためである

 

メディスンは毒を発生させるが「しんぴのまもり」で防がれてしまう

 

「!?」

「今の俺に毒は効かない。悪いけど大人しくなってもらうよ」

 

俺は今宿しているポケモンであるフーディンの力で実念符「サイコショック」を発動した

 

ドドドドドドドドドド

 

実体化したサイコエネルギーの礫が一斉に襲い掛かる。サーナイトと違ってブラックホールはないが、これは威力で勝る。更にこれにはフーディンの持つ圧倒的な頭脳の力が加わる。IQ5000を超えると言われている頭脳によって強烈なサイコパワーを生み、威力の上昇と礫の一つ一つを一瞬で把握して正確無比な操作をすることが出来る。更に演算能力で相手の行先をかなりの精度で予測することも出来る。いうなればフーディンが放つものは純粋に弾幕そのものの精度を極限まで上げる力があると言っていいだろう。そして

 

「きゃああああ」

ズドドドドドドド!!!

ピピチューン!!

 

メディスンはあっさり気絶した。そのあとメディスンを遠くに移動させた。そして俺はあるポケモンの力を宿そうとした。修行により、このクラスなら30秒もかからずに宿すことが出来るようになった。俺はシェイミの力を宿し、そして無明の丘中の毒素を一斉に吸収する

 

「うう。気持ち悪」

 

毒素を吸い取るから気分が悪いが、毒素はあらかた吸い取った。そして

 

「シードフレア!!」

ピカッ

 

するとあたりは緑色の光と衝撃波に包まれる。余計なエネルギーは空に向かって放った。突如緑色の巨大な光の柱が発生して、明日の新聞に載るのは別の話である。そして光が止むと

 

「ふう。完了っと」

 

周りの異常な毒素は消えて、鈴蘭も正常な状態に戻った。そして更に豊かな花畑を生みだした。何とグラシデアの花まで咲いてしまった。俺はここにいる霊たちを回収して、メディスンを花畑の真ん中に寝かせてその場を去った

 

 

~永遠亭~

 

俺は戻ると手術は無事に成功したようだ。しばらくは入院が必要だけど、回復には向かうだろうとのことだ

それを聞いて俺は立ち去ろうとしたが、永琳さんがもう遅いし、今日のお礼ということで泊めてくれた。ここ最近誰かの家に泊まってばかりだなと思いながらも、ありがたくお言葉に甘えさせてもらった

 

永琳さんとてゐに鈴仙、更に輝夜さんともいろいろ話した。何故かテレビゲームがあってそれで遊んだりもした。久しぶりにやったので、だいぶ腕落ちたなーと痛感したが、みんなとやると楽しかった

 

しかし彼には一つ気になることがあった。それは無明の丘にいる間に誰かが俺を見ていたことだ。しかも相当強力な力を持つ者だ。それが少し気がかりだったが、俺は今を楽しく過ごした

 

これから激闘が続くことを知らずに・・・

 




フーディン   NO.65  タイプ:エスパー

ユンゲラーを通信交換することで進化して手に入るポケモン。知能指数は5000という途轍もない頭脳の持ち主で世界のすべての出来事を全て把握していると言われている。人類最高の知能指数を持ったと言われているジョン・フォン・ノイマンが300と言われているので如何にフーディンがぶっ飛んだ数値であることわかるだろう。その頭脳によりあらゆる超能力を扱うことが出来、目を閉じて感覚が研ぎ澄まされたときは最高の力を発揮する。半面筋力は非常に弱く、首だけでは大きくなった頭を支えられないので超能力で支えているらしい。第六世代ではメガシンカを獲得した


シェイミ   NO.492  タイプ:くさ(ランドフォルム時)

劇場版「ギラティナと氷空の花束シェイミ」で登場した幻のポケモン。大気の毒素を分解して、荒れ果てた大地を一瞬で花畑にする力を持つ。花畑の中で暮らしており、体を丸めると花のように見えるため気づかれないらしい。人に抱きしめられて感謝の気持ちを感じると体にある花が開くという。グラシデアの花を使うとスカイフォルムにフォルムチェンジする。タイプも新たにひこうタイプが追加される。特性は「てんのめぐみ」になりアタッカー寄りの能力になる。ただし夜になるか、氷状態になると元の姿に戻ってしまう。尤も後者の状況を引き出すのはゲームだと非常に難しいが。グラシデアの花が咲く季節では感謝の心を届けるために飛び立つらしい






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五日目:花の妖怪

今回はあのドSなお方の登場です


「昨日はお世話になりました。楽しかったです」

「それはよかったわ。私たちこそあなたには世話になったわ。ありがとう。患者さんの治療は責任をもってするから安心して」

「はい。よろしくお願い致します」

「真聡さん、昨日は助けていただきありがとうございました」

「いやいや気にしなくていいよ。てゐ。お前は嘘は控えるんだぞ」

「わかったウサ」

「本当にそうしてよ。すぐあんたは嘘つくんだから」

「また気が向いたら来て頂戴ね。私も昨日は楽しかったから」

「そうさせてもらいますね。ではまた」

 

こうして俺は永遠亭の住人たちに別れを告げた。俺はテレポートで竹林を抜け出してまた適当な場所に向かった

 

~上空~

 

俺は空を飛んでどこに行くかをぼんやりと考えていた。霊たちももう1000人を超えていた。もうそろそろ死神に出会えないかなと思った。そう思っていると

 

「あれは。ヒマワリ畑?」

 

すると眩しいほどに黄色に鮮やかに輝く場所を見つけた。おそらく「幻想郷縁起」に載っていた「太陽の畑」だろう。あそこには強力な古参の妖怪がいるらしいので注意しようと思いながら、そちらへ向かった

 

~太陽の畑~

 

「それにしても凄い数のヒマワリだな。しかもこれは霊がついたとかではなくて、元からこれのようだから驚きだ」

 

俺は今太陽の畑の上を飛行している。どこを見てもヒマワリでいっぱいである。しかし所々に霊がいる。そいつらはすべて捕まえて先に進んでいく。しばらくすると草原が広がった広い場所に着いた。どうやら花畑を抜けたようだ。しばらく進んでいくと突然弾幕が俺に向かって放たれた

 

「うわ!!」

 

何とかかわしたが、その先には人影がいた

 

(まさかあの人が)

 

俺はテレポートで脱出を図るが、謎の結界で防がれてしまう。どうやらいつの間にか結界が張られていたようだ

 

「あなたの情報は聞いているわ。だからそれが出来ないようにさせてもらったわ」

「一体俺に何の用ですか?風見幽香」

「あら。名前を知っていたとはね」

 

目の前にはこの太陽の畑に良く出没するという妖怪、風見幽香がいた。癖のある緑色の髪に深紅の瞳、白のカッターシャツに紅いロングスカートを着ており、見た目は麗しい。しかし強い力を持つ妖怪に興味を持っていて、花を荒らすものは一切の容赦はしないという危険な妖怪である

 

「花を荒らしたつもりはありませんが」

「そうね。でもそこまで知ってるのなら、別の理由は気づいているのではないかしら?」

「・・・俺と戦うことか?」

「わかっているじゃない。あなたは幻想郷中に名前が轟いているわ。数々の敵を撃ち破り、異変を解決した人間としてね」

 

一息おいて彼女は言った

 

「だからね、あなたと戦ってみたいとずっと思っていたのよ。普段は弾幕ごっこで済ますけどあなたとは本気で戦ってみたいわ・・・。だからこちらも全力でいかせてもらうわよ!!」

 

すると容赦のない弾幕を放ってきた。明らかにスペカの威力ではない。こうなったらこちらも全力で挑むしかないようだ。俺はボーマンダの力を宿して弾幕をかわしていき、「ドラゴンダイブ」で突っ込んだ

 

ドゴーーーーン!!

 

幽香は傘で受け止めるが、技の威力を受けきれずに、後退させされる。そして一気に近づいて「ドラゴンクロー」でも猛攻を仕掛けた

 

ガキィ!!ドゴォ、キィーン!!

 

両者は接近戦になる。傘をは思えない程の強度を持つ傘で幽香は攻撃を受け止めながら拳打や蹴りを加えて迎え撃つ。真聡も「ドラゴンクロー」を中心に時折「はがねのつばさ」と「しねんのずつき」で攻めたてる。両者は互角の争いだった。しばらくすると俺は得意の戦法を行う。敵の傘の攻撃をかわして

 

「ドラゴンテール」!!

ドカ!!

 

幽香に「ドラゴンテール」が炸裂して、後ろに吹き飛ばされる。そして力を溜めて

 

「はかいこうせん」!!

ゴオオオオオ・・・ドッカーーーーーーーーーン!!!!

 

容赦なく「はかいこうせん」で攻撃した。スペルカードではない本気の一撃で放った「はかいこうせん」の威力は前方を更地にして、大爆発を起こしてキノコ雲が発生する。しかし相手は相当強力な結界を張っていたようで、結界に直接当てたわけではないが、この爆風と衝撃波では壊れなかった。あわよくばこのまま逃亡も考えたがそうはいかないようだ。現に・・・

 

「ふふ、流石だわ。想像以上の強さね。久しぶりに思いっきり楽しめる相手が来たわ」

 

しかし幽香は防御結界を張っていたようでさほど効いていなかった。これは相当手ごわい相手だとすぐに分かった。俺は舞を舞った。「りゅうのまい」である

 

「踊ると強くなるのかしら?」

「さあ・・・ね!!」

ビュン!グワキィーン!!

「くっ」

 

更に高くなったパワーとスピードで一気に攻める。幽香はだんだん押され始める

 

「ふふ、この私が接近戦で手こずるなんてね。でもなめるなぁ!!」

「!?」

ドカ!!

 

幽香は俺に隙を狙って殴りかかってきた。腕を交差して防御したが、想像以上に重い一撃だった

 

花符「幻想郷の開花」

 

すると空中にも関わらず花が咲いて、弾幕として俺に襲い掛かる

 

「だいもんじ」!!

 

俺は巨大な炎を放って迎え撃つ。しかし物量は相手の方が上だった。今度は「りゅうのはどう」も混ぜて攻撃するが結果は大して変わらない。しばらくすると幽香が傘に力を溜め始める

 

(!?まずい!!)

「元祖マスタースパーク」

「まもる」!!

 

すると極太のレーザーが放たれた。「まもる」で何とか防いだが、威力は魔理沙のものよりはるかに強力だった

 

(今回は遠距離も近距離も強力なうえに戦闘の経験も豊富だ。これは今までで一番手ごわい相手かもな)

 

そう思いながら俺は幽香に対峙するのだった

 




ボーマンダ    NO.373  タイプ:ドラゴン・ひこう

ホウエン地方の600族のポケモン。進化前のタツベエとコモルーの頃かあ空を飛びたいと思い続けた末に突然変異して翼が生えた。その嬉しさのあまり炎を吐いて喜んでいるという。非常に凶暴なポケモンでもあり、一度怒ると山を炎で焼き払い、爪ですべてを破壊しまわって手が付けられなくなる。メガシンカも獲得している


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六日目:漸くの出会い

後半になっていきます


今俺は風見幽香との激しい戦闘を繰り広げていた。今のところは接近戦では俺、遠距離戦では幽香さんが優勢だった。しかしこのままでは埒が明かないし、弾幕で少しづつ被弾し始めてダメージが蓄積していた。俺は自分で編み出したある技に打って出た

 

「ハイドロポンプ!!」

 

ボーマンダがタマゴ技で習得する高圧水流を放つ技を発射した。しかしある程度は光弾を貫通しても途中で相殺されてただの水しぶきに変わってしまう。しかしそれでもひたすら連射した

 

「芸がないわね。さっきからそればかりだけど、どうしても私を濡らしたいのかしら?」

 

と言っていたが、幽香は少し違和感を覚えていた。幽香は再び「マスタースパーク」を発動しようとするが、途中で幽香の体に異変が起こる

 

「ガ・ガフ!!こ・これはまさか、毒!?」

 

上手くいったようだ。俺はあの「ハイドロポンプ」に猛毒にする技「どくどく」を混ぜておいたのだ。「どくどく」はコイキングなどの一部の技マシンの技が使えないポケモンを除けばすべてのポケモンが覚えられる非常に汎用性が高い技なのだ。どくタイプに限らず、弱点とするくさとフェアリータイプも例外ではない。毒とは無縁のポケモンでも使える謎の技なのだが、俺はおそらくほとんどのポケモンには扱える量には差があっても、体内に何かしらの毒を形成しているのではないかと思ったのだ。そこで俺は水タイプの技に猛毒液を混ぜた技を編み出したのだ。さっきのはいわゆる「猛毒のハイドロポンプ」である。俺は少しだけ威力を弱めて、光弾と相殺させた。そしてそれを水しぶきに変えて地上と幽香に降らすことで、広範囲に毒水を雨のように降らせて、相手を確実に毒に侵すことが出来るのだ。直接当てるのと比べて即効性に欠けるが、少しずつでも塵も積もれば毒の量は確実に蓄積して、体を犯し続ける。相手は毒で動きが鈍った。俺はここぞとばかりに大技を仕掛ける

 

「りゅうせいぐん!!」

「そして「流星のドラゴンダイブ」!!」

 

俺は大量の隕石エネルギーを落として更にそれを纏って「流星のドラゴンダイブ」で攻撃した。カイリューより速度が劣るが、その代わり、パワーは少し上回り、ボーマンダが持つ強力な爪を使うことで鋭さが加わる。俺は全力で攻撃した

 

ズッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンン!!!!

 

以前妖々夢で使った時は直撃させなかったが、今回は直撃させた。手を抜いたら絶対に勝てない相手だったからだ。その破壊力は紅魔郷で使った時のものを遥かに凌ぐ威力だった。結界もこれには耐えきれずに破壊された。しかし、結界の外で被害はほとんどなかった。おそらく太陽の花畑に被害が及ばないようにするためだろう。この結界があったという理由も大きかった

 

俺は今のうちに逃走を図った。これ以上やると双方の被害は大きくなる一方だ。これでは死なないだろうし、おそらく自身に防御結界のようなものを張っていただろう。俺は大急ぎで退散する。そして案の定

 

「ツインスパーク」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

「!?」

 

なんと「マスタースパーク」を二つ同時に放ってきたのだ。俺は慌てて地面に急降下して回避する。そしてすぐにフーディンに代えて「テレポート」で脱出した。たとえ防御結界を張ったとしても相当なダメージが入ったのにもかかわらず、あんな大技をすぐに放ったのには驚きだ。俺の考えは正しかったようだ。あのまま続ければ幻想郷そのものが危なくなりそうだなとつくづく思った

 

「・・・・・・・ふう・・・」

 

幽香は俺が避けたことは当然気づいていた。真聡の予想通り防御結界を張っていたが、甚大なダメージを受けてはいた。しかし彼女はまだ戦える状態だった

 

「逃げられちゃったか・・・」

 

そして少し物足りない表情をしながら帰っていった

 

 

~魔法の森~

 

俺はあそこからかなり離れている霧の湖付近の魔法の森にテレポートをした。俺は簡易基地を作り、キズぐすりで傷を治療して、木の実とあらかじめ作っておいた料理を食べた。そして「おいしいみず」を飲んで今日は休むことにした

 

翌日俺は昼間まで休んでから出発した。もちろん行先は太陽の畑とは別の方向だ。俺は今日も霊を見つけたら回収をしながら上空を移動する。するとやがて今度は彼岸花に覆われた場所を見つけた

 

 

~再思の道~

 

周りは彼岸花の赤でいっぱいだった。なんだかどこか物悲しい雰囲気がする場所だ。しかし不思議と生きる気力が湧いてくる場所でもあった。この彼岸花の力なのだろうか。とりあえずここにいる霊たちも捕まえながら進んでいく。しばらくすると誰かが寝ているのを発見する

 

「グーグー・・ZZZ・・・・」

「・・・寝てるな」

 

するとそこには赤髪のツインテールをした女性がいた。服装は半袖で腰巻をした青い着物のようなロングスカートを着ていた。そばには大きな鎌があった。この時ふと思った。ゴーストタイプに似た力を感じており、この鎌からしてもしやと思った。俺は体を揺さぶって起こそうとするが起きない。俺は仕方なくフシギバナになって「なやみのタネ」を発射した。すると

 

「ハッ!!あれ?急に全然眠くならなくなったような」

「あのーすみません」

「うわ!!驚かさないでおくれよ」

 

と言ってその人は起き出した。どうやら眠気は一気に吹き飛んだらしい

 

「一つお聞きしたいのですが、あなたは死神ですか?」

「ああそうだけど。お前さんはあたいに何の用があるんだい?」

 

俺はようやく死神と出会うことが出来たのだった

 

 




幽香は別に異変に関わっているというわけでもないので、被害が広がるのを防いだり、消耗を減らすためにここは撤退させました


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魂の返還。閻魔の説法

昨日と一昨日は忙しくて、投稿できずにすみませんでした
たまに更新がない日があるかもしれませんが失踪はしません


~再思の道~

 

今俺はようやく死神と出会うことが出来た。出会って死神の名は小野塚小町という方だそうだ

 

「じゃあお前さんは集めた霊をあたいら死神に届けに来たってことかい?」

「はい。これがその霊達が入っている袋です」

 

俺は小町さんにそれを渡す

 

「多分1500は入っていると思います」

「1500もかい!?」

「はい」

 

小町さんは死神の特有の能力で大まかではあるが、数え切ったらしい

 

「本当にいるとはねえ。いやーこれは助かるよ。この時期は広い範囲にいっぱい来てあたいら死神は大変なんだよね~」

(その割にはこの人寝ていたけどな・・・)

 

とりあえず無事に死神に会えて、魂を渡すことが出来た。あと「れいかいのふくろ」は小町さんに差し上げた。また取り寄せて作ればいいだけだし。小町さんも便利な袋が手に入ったと大喜びしていた

 

「じゃあ後はこれをあたいがちゃんと送っておくね」

「よろしくお願します」

「しかし、あんたは人間なのに凄いよ。よかったら死神の仕事に就いてみないかい?」

「はは。遠慮しておきますよ。まだ生きてやることがたくさんあるのでね。それではこれで」

 

俺は小町さんと別れようとしたが

 

「お待ちなさい、人間。いや木戸真聡」

 

すると後ろから誰かが声をかけてきた。振り向くと

 

「し・四季様!?いらしていたんですか?」

「四季様?」

「あたいの上司にしてこの幻想郷を担当する閻魔様だよ」

「閻魔様?この方が?」

 

何とここで閻魔様が現れた。正直俺にイメージとは非常にかけ離れていたが、しかし彼女からあふれる力は凄まじいものだった

 

「四季様。この男に用があるようですが、一体なぜ?」

「・・・ここでは少しあれです。小町、あなたの能力で三途の川の岸に連れて行きなさい」

「三途の川の岸にですか?いったいなぜ?」

「早くしなさい。さっき寝ていた罰を与えますよ」

「りょ・了解しました!!」

 

すると小町さんの能力で三途の川の岸に移動した

 

 

~三途の川・岸~

 

小町さんの能力であっという間についた。この人もテレポートの類が使えるようだ

 

「それで、私に何の御用でしょうか?閻魔様?」

 

とはいうものの、俺は何となく内容は察していた

 

「私は貴方に言いたいことがあってきました。あなたは人間なのに少し、いやあまりにも力を持ちすぎています」

「・・・・・・」

 

予想通りだった。そして閻魔は話を続けて俺は黙って耳を傾ける

 

「古来より人間は妖怪よりも弱い存在。幻想郷では最も力が強い存在でなくてはならない。だからこそ妖怪や妖精がここで生活することが出来る」

「・・・・・・・・」

「しかし、貴方はそれを逸脱し過ぎている。吸血鬼や鬼にも真正面から挑んで勝利を収め、紫でも手出しができない西行妖の力ですら弱めて見せた。更にあなたは人里に住む妖怪たち以外とも友好関係を築き、まるで恐れていない。こんな人間は今まででも前例がありません」

「・・・・・」

「そしてそれでもまだマシなのです。私には感じます。世界を終焉へと導く大陸の化身、始まりへと還す大海の化身、天空を統べる星の守護神たる龍神。時空を創造した神々に、世界中を焼き滅ぼす炎と雷の力を秘めた龍、また生命を破壊したり反対に蘇らせる・・・他にもまだあるようですが、いずれも神々にも匹敵する力を持った存在の力を宿すことが出来る。そしてこれでも貴方はまだ発展途上。末恐ろしいものです。実際一度幻想郷を滅ぼしかけましたしね」

「・・・やはり閻魔様にはあの時のこともご存知なのですね」

「ええもちろんです。時間を巻き戻したとしても、犯した罪は消えません」

「それは承知しています。私もあの時の罪から逃れる気はありません」

「貴方の本質は善人そのもの。善行を積んでいるのも事実です。しかし罪も大きすぎる。このままでは間違いなく地獄行きです。しかも相当重い場所に」

「・・・・・・・・」

 

と閻魔様から直々に言われた。俺はしばらく黙った後に言った

 

「では俺はどうすればいいんですか?」

「もう二度と幻想郷にどんな危機が襲おうとしても立ち向かわずにいること。そして普通の人間として過ごす。それだけです」

「・・・・・・・・」

 

俺はしばらく黙り込んだ。正直どれも正論だし、俺は罪を犯しすぎている。それはわかっていた。しかし

 

「ですが、私はこれからも人里やみんなを守るために力をふるう気です」

「なぜですか!?今の話が理解できなかったというのですか」

「いえ。理解はしています。しかし私はこれからも人里の人々たちをはじめとした人達を守るために戦うと言っているんです。私は現世では不治の病で家族や友人たちをはじめとした多くの大切な人たちに迷惑をかけてばかりでした。その人たちが大変なことになっても俺は何もできなかった。言葉すらまともに出せなかった」

 

しばらく黙ったが俺は口を開く

 

「しかし俺にはどういうわけか、また再び生きることが出来て更に力も授かった。確かに危険なところもあるが、人を守る力も持つ。それが私の持つ「ポケットモンスター」という力。ここには現世での人たちはいませんが、せっかくまた授かった命と力。俺は守るべき者たちを守るために使わせてもらいます!!」

「貴方は己の危険性と危機をよく理解していないようですね。罪からは逃れられませんし、このままだと地獄行きですよ!!」

「先ほど申しましたが、俺は逃れる気はありません!!生きているものたちの償いは自分が生きていないと出来ない。俺は自分の命が尽きるその日までは危機が迫ったら戦います。そしたら地獄にでも何でも行きましょう!!」

「もはやあなたには何を言っても無駄なようですね。いいでしょう。ならばこの私が直々に貴方を地獄に連れて行ってあげましょう」

 

すると強烈な気があふれ出した。周りの風景も変わり始め、結界が張られる。小町さんはすでに結界の外に出ていったようだ。おそらくこの閻魔を倒さない限りは「テレポート」をしても逃れられないだろう

 

「貴方はどうあがいても「黒」です。覚悟なさい!!」

「「黒」ですか。ならば私は「白」といきましょうか」

 

俺は今はどういうわけか力が溢れてすぐに使えるようになっていた。精神状況も関係するのだろうか?俺は力を込めると

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

「!?」

 

するとこの結界の中を超高温の巨大な炎が覆い始める。それは地獄の灼熱地獄をも凌駕しかねないほどに

俺は閻魔相手に抗うことになった

 

自分の中にある「理想」と「真実」を信じて

 

 

 



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VS四季映姫

映姫戦です


~四季映姫の結界~

 

幻想郷の閻魔の四季映姫の張った結界の中では超高温の炎が立ち込めていた。その圧倒的な熱気に彼女も堪えていた

 

「くう。なんて熱量何ですか。おそらくそれが先ほど私が言った神々に匹敵する力の一つですね」

「相手は閻魔様だ。使うには十分値すると思いますが、過大評価でしたか?」

「馬鹿言わないでください。この程度で勝った気にはならないように」

 

すると相手はショットのような強力な弾幕を放ってきた。俺も「ひのこ」で迎え撃つが

 

パァン!!

「「!?」」

 

小さな炎だがショットを掻き消して映姫に向かっていく

 

「くっ」

ゴオオオオオオオオオオ!!

 

笏では弾いて防御した。すると弾かれた炎が地面に着弾するとそれは一瞬で巨大火柱へと変わっていった

 

(おいおい「ひのこ」でこれかよ!?これじゃマジでダ〇の大〇険のバ〇ン様の真似ができるぞ)

「・・・今のは「だいもんじ」ではない・・・「ひのこ」だ・・・なんてね」

「っ・・・」

 

これには映姫も驚いているようだ。あんな小さな炎がショットとはいえあっさりかき消されたのだから、無理もないかもしれない

 

(やはり設定どおりにすると伝説って滅茶苦茶やばいんだな。西行妖の時も「マジカルシャイン」なんか使ってたらやばいことになってそうだ)

 

すると映姫の表情が一変する

 

「やはりあなたは危険すぎます。力づくでも地獄に送ってあげます!!」

虚言「タン・オブ・ウルフ」

 

すると大量の青白い光弾を一斉に放つ

 

「りゅうのはどう」

 

俺は対抗して巨大な竜の形をした波動で攻撃した。威力はディアルガのものと勝るとも劣らぬ威力だ。両者の技は激突して大爆発が起こる。俺は波導で相手の位置を特定して「ひのこ」を連発する

 

ドドドドドドドドドド!!

キーン!!カキィキーン!!

 

映姫は笏を使って弾いていく。周りは巨大な火柱が何十本も立ち昇っていた。俺は力を溜めて

 

「かえんほうしゃ!!」

ボオオオオオオオオオオ!!

「!?」

 

すると巨大な灼熱の炎を相手に放つ。リザードンのものとは比べ物にならない威力と範囲だ。映姫は急いで回避するが避けきれずにダメージを受ける

 

「く、あああああああ!!!」

 

あまりの温度で悲鳴を上げる。しかし俺は容赦なく強力な技で反撃する。すると俺の頭上に巨大な火球が出来た。それは見ただけですさまじいエネルギーだ。そしてそれを振り落とす

 

「クロスフレイム!!」

 

映姫よりも何十倍も大きな火球が迫る。映姫は弾幕だけでは掻き消せないと悟り、自分の笏に力を込めて迎え撃つ。しばらく拮抗するが少しずつ映姫の笏が貫こうとしていく。しかし俺は一切の容赦はしない

 

ゴロゴロゴロゴロ!!

「!?」

 

すると周りは一変して空には雷雲が包みこみ、巨大な雷が雨のように降り注ぐ。俺はレシラムと対をなすポケモン、ゼクロムの力を宿したのである。そして俺は「クロスサンダー」を発動する。するとその巨大な電撃は「クロスフレイム」を取り込み始める。この技の真骨頂は「クロスフレイム」または「クロスサンダー」を放った後に発動することにある。それを放った後に出すと威力が倍増するのだ

 

バリバリバリ!!!!!

 

俺は「クロスフレイム」を取り込んだ巨大な炎と電気のエネルギー体となって映姫に突撃した。そのあまりの威力に映姫は押し負ける。そして

 

ズッドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンン!!!!!!

 

一瞬世界が白くなったのちに、結界内全てをエネルギーが包み込んだ。小町は遠くからその様子を見ていて

 

「四季様ーーーーーーーーーー!!!」

 

と叫んでいた。それといつの間にか霊夢と魔理沙がやってきていた

 

「またあいつ派手に暴れてるな」

「まったくあんなの結界がなかったら割とマジで幻想郷が消し飛びかねないわよ。それを見越して放ってんでしょうけど」

 

地面は完全に原型を留めてなかった。もはやただの巨大クレーターと化していた。しかし気は抜いてはいない。大丈夫だと見越しはしていたが、結界は破壊されていない。所々にひびが入っているだけだ。そして今も尚消えてないのは彼女がまだ戦える状態にあるのに他ならないのである。そして

 

「さすがと言ったところでしょうけど、まだまだ甘いですよ」

 

これを直撃して尚も立ち上がるだけでもさすがは閻魔というところか。しかしすでにボロボロだった

 

「これ以上やれば閻魔であるあなたと言えどもタダでは済まない。もう止めた方が賢明ですよ」

「まだこんなものではない。少し癪に障りますが、この力を使います」

 

すると映姫は何かを唱え始める。すると周りが一瞬光った。俺はよくわからず疑問に思っていると

 

ゴオオオオオオオオ

「!?」

 

何と突然「りゅうのはどう」が俺に迫ってきたのだ。俺も「りゅうのはどう」を放って相殺する

 

「誰だ!!」

 

俺は思わず叫んだ。何者かの突然の攻撃に叫んだ。すると俺は驚くべきものが目に映った

 

「あれは・・俺!?」

 

爆風の向こうにはなんと俺自身がいた

 

審判「浄瑠璃審判-木戸真聡-」

「今のあなた自身に裁かれなさい」

 

「ドラゴンクロー」

「!?」

 

俺は俺自身から放たれた爪の一撃を何とかわす。しかもゼクロムの力を宿しているようだ。俺は一旦離れて、この技で映姫もろとも焼き払おうとした

 

「あおいほのお!!」

 

青く輝く超高温の炎を発射した。「クロスサンダー」を付加した「クロスフレイム」を除けばレシラムの最強の技だ。「クロスフレイム」だと相手に利用されかねないのでこちらを採用した。しかし相手も最強の技で迎え撃ってきた

 

「らいげき」

 

膨大な雷エネルギーを身に纏って突撃してきた。両者の大技が激しくぶつかり合った。威力は互角。完全に拮抗状態だった。ただし

 

審判「十王裁判」

 

今は2対1。映姫は大量の光弾とレーザーを放つ。映姫は自身の技を放ってきたのだ。伝説のポケモンの最強の技に閻魔の技が加わってしまえば、さすがに押し負け

 

(まずい!!)

ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

 

俺は攻撃をくらってしまった・・・

 




レシラム   NO.643 タイプ:ほのお・ドラゴン

イッシュ地方に伝わる伝説のポケモン。しっぽの炎が燃える時には圧倒的な熱量を誇る。その力は水分を一瞬で蒸発させて、挙句の果てには世界中の大気に干渉して世界中の天候を変え、世界を燃やし尽くしてしまうと言われている。かつてイッシュ地方を二人の兄弟の兄に仕えていたらしい。真実を求める者に力を貸すが、善の心がない者は容赦なく焼き殺してしまうという。兄弟通しの戦争でゼクロムと激突した末に兄弟は過ちに気づいて、戦いは収束した。しかし、その子孫がまた同じ過ちをしようとしたことには激怒してゼクロムと共にイッシュ地方を焼き尽くしたと言われている

ゼクロム  NO.644  タイプ:でんき・ドラゴン

レシラムと対をなす伝説のポケモン。しっぽは発電機であり、膨大な電気を生み出す。レシラムと同じく世界を焼き尽くして滅ぼすことが出来ると言われている。雷雲に身を隠して空を移動する。理想を追い求める者を補佐するが、理想を全く持たない人間には容赦なく牙を剥く。かつては弟に仕えていた。あとはレシラムの紹介で書かれたことと同じく、イッシュ地方を焼き滅ぼした後に姿を消した。この二体はかつては一匹のドラゴンだったらしい


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影も形も名前もない伝説の存在

~四季映姫の結界~

 

ゼクロムの最強の技と映姫のスペルによって、彼女の張った結界の内部はさらに荒れ果て、底の見えないクレーターが出来てしまった。結界はもう限界寸前だった

 

「終わったようですね。少々卑怯かもしれませんがこれが裁きです」

 

と言っていたが

 

「ああ。確かになかなか汚い真似してくれたじゃないか」

「!?」

「こごえるせかい」!!

ピキ!ピキピキピキピキ・・ガッキー――ン!!

 

するとそこから声がした後に結界内を一瞬で凍り尽くした。穴も分厚い氷によって埋まり、氷の大地になった

 

「・・・まだ立ち上がりますか」

「ああ。こんなところではまだ終わらないよ。お前が油断している間にぐっすり「ねむ(る)」って全快さ」

 

すると俺の傷は確かに治っていた。俺は攻撃をくらった後にクレーターのそこで「ねむる」で回復していたのだ。そして俺はイッシュ地方に伝わるもう一つの伝説のドラゴンポケモン、キュレムを宿していた

 

「れいとうビーム!!」

 

俺はすかさず、俺の分身に「れいとうビーム」で攻撃した。アマルルガのものを遥かに凌駕する威力だ。相手も咄嗟に「りゅうのはどう」で反撃するが、相殺しきれず命中した

 

「ぐあああああああああああ!!」

 

威力は弱まったが、弱点のタイプの技。ましてやキュレム冷気の一撃となるとタダでは済まなかった

 

「くっ。しつこいですね。でもあなたのコピーはこんなものではありませんよ」

「!?レシラムにもなれるのか」

 

映姫は結界を再び張り直した

俺のコピーはゼクロムでは分が悪いと判断したのかレシラムに代えた。そして「かえんほうしゃ」で反撃してきた。俺は「れいとうビーム」で迎え撃つが、今度は俺が押され始める

 

「まずい!!」

 

俺はうまく軌道を逸らすことが出来たが、俺の生み出した氷は一瞬で蒸発してしまった。遠距離戦ではレシラムの方がパワーが上だ。しかし反対に接近戦はゼクロムの方がパワーが上。そもそもキュレムはレシラムとゼクロムよりも少し力が弱い。ある意味当然かもしれない。しかしキュレムの真骨頂は別のところにある

 

ピカーーーーーーー!!ゴオオオオオオオオ!!

「!?」

 

俺は光に包まれた後に膨大な炎に包まれた。肉体はレシラムと同じようになる。俺は体に楔を付けていた。そう。その姿こそ、レシラムの力を持ったキュレム、ホワイトキュレムだった。周りには強烈な炎と冷気の力に包まれる

 

「れいとうビーム!!」

 

俺は先ほどよりもさらに強力になった「れいとうビーム」を発射した。相手も「かえんほうしゃ」で迎え撃ったが、しばらくすると炎を撃ち破った。慌てて回避して直撃は避けたが、ダメージは確実に受けていた

 

「ぐうううううううう・・・・」

 

俺は苦しみ始めていたが、俺は分身を消すために力を溜めに入った

 

「くっ!」審判「ギルティ・オワ・ノットギルティ」

 

映姫は赤、青、紫のレーザーと赤と青の大玉の光弾を大量に放つが、俺はためを完了した。そして

 

「コールドフレア!!」

 

俺はレシラムの超高温の火炎とキュレムの極低温の冷気が組み合わさった凍てつく火炎を放った。その一撃は映姫の弾幕を焼き、そして凍てつかせていき映姫のスペルを軽々と粉砕していく。しかし俺のコピーも黙ってはいなかった

 

ピカーーーーーーー!!バリバリバリバリバリ!!

「!?」

 

俺の分身はキュレムのもう一つの力を使っていたのだ。それはゼクロムの力を宿したブラックキュレム。しかもどういうわけか溜め技の溜めの時間をなくす「パワフルハーブ」を使った。そして今度は超巨大な氷のエネルギー体にゼクロムの雷を付加した大技、「フリーズボルト」で迎え撃ってきた

 

・・・ドオオオオオオオオオオオオオオン!!

 

凍てつく火炎と、極低温の冷気を纏った巨大な雷のエネルギー体がぶつかり合って凄まじい爆発が起きた。俺のところでは燃える氷が、コピーには稲妻が轟く氷の大地となった

 

一見は互角に見えるかもしれないが、相手はキュレムから変身することが出来るし、力は互角だ。しかし映姫がいるので2対1の状況。不利なのは依然として変わらなかった。道具を使用したところで相手もしてくるだろうし、展開は変わらないだろう。こうなるとベタだけど勝つ方法は一つ。相手は「今の俺」。ならば本物の「俺」が今の俺であるコピーの「俺」を超えるしかない。しかしそれを成すのはそうたやすいことではないし、精神論だけではどうにもならないだろう。あるとすれば・・・

 

(あのポケモンの可能性に賭けるしかない。でも影も形もないポケモン。名前もわからない。わかるのは存在したという記述だけ。それに負担も相当大きいはずだ・・・・でも)

 

俺はホワイトキュレムから解除した。そしてレシラムの力を「ホワイトストーン」に。ゼクロムの力を「ブラックストーン」に変えた。そしてそれを「いでんしのくさび」の中央にして置いた

 

「どうしました?大人しく地獄に行くことを決めたのですか?」

「まさか。あなたのような閻魔にはついていくなんて、絶対にゴメンだね。諦めるなどもっての外だ!!」

 

俺は別のポケモンに変わった。そして力を宿して二つの剣を生みだした。一つは聖剣士が得意とする「せいなるつるぎ」、そしてもう一つは覚悟を決めた若駒が扱う「しんぴのつるぎ」。俺は今ケルディオの力をその身に宿す

 

(しばらくはこの状態で行くしかなさそうだ。禁止伝説だと力が持たない。しかし並の伝説では歯が立たない。ならばせめて二つの剣を使って戦うしかない!!)

 

俺は二つの剣を構えて、二人に立ち向かう

 

「はああああああああ!!!」

 

ザン!!ドドドドドドド!!

 

俺は二つの剣を振り落として強烈な斬撃を放った。二人は素早く回避した

 

そのあとは激闘だった。相手の放つ冷気と雷と炎と閻魔の弾幕を掻い潜り、水と聖剣の力で立ち向かった。映画でもやっていた、水の噴射を利用しての空中移動も使ったが、直ぐに凍らされるか、蒸発されるのがオチだった。それでも懸命に向かっていき、剣で相手を切りつけたり、映姫の笏とつばぜり合いになったりした。だが、状況は好転しなかった

 

「はあ・・・はあ」

「ここまで足掻いたのは誉めてあげますけど、これで終わりです」

 

映姫は無慈悲に俺を地獄へ連れていこうとする。最早万事休すか。と思っていたが

 

カアアアアと俺が置いていた「いでんしのくさび」と「ホワイトストーン」と「ブラックストーン」が光始める。その光は白と黒が混ざった灰色。否、神々しい銀色に輝いていた

 

「あれは!?」

「どうやら間に合ったらしいな」

 

俺は直ぐにそれを手にかざす。しかし出来るかどうかはわからないが、この状況を打破するにはこれに懸けるしかない。だから俺は叫ぶ

 

「来い!今こそ姿を表し、俺に宿れ!古の伝説の龍よ!」

 

すると「いでんしのくさび」から光が放たれ、俺に直撃した

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

「ぐうう・・・」

 

全身にとてつもない力が溢れだす。ただでさえ満身創痍な今の状態には非常にキツかった。しかし俺は最後の力を振り絞って堪える

 

「おおおおおおおおおおお!!」

 

俺は銀色の光に包まれた。しばらく経った後にその姿を表した。

 

その龍はかつては一匹のドラゴンだったが、「真実」と「理想」を司る伝説と、そして脱け殻からは2体の遺伝子を持つ「虚無」のドラゴンが生まれた。もう分裂してからどれ程の時が経ったのかはわからないが、かつての伝説の存在が今ここに甦ったのだった

 

絶大な力を持つ伝説の存在が

 

 




キュレム NO.646 タイプ:こおり・ドラゴン

イッシュ地方の伝説のポケモン。極低温の冷気を操り、回りを雪と氷で多い尽くすが、制御が効かず、自身を凍らせてしまうことがある。失った体を真実と理想で埋めてくれる英雄を待つという。このポケモンは一体のドラゴンがレシラムとゼクロムに別れたとき、その残った脱け殻から生まれたポケモンなのである。「いでんしのくさび」を使うことでレシラムを取り込んだホワイトキュレム。ゼクロムを取り込んだブラックキュレムに変身する。アニメではゼクロムとレシラムの遺伝子を持つため、任意のタイミングで自由に変身することが出来る

ケルディオ NO.647 タイプ:みす・かくとう

聖剣士と呼ばれる、コバルオン、テラキオン、ビリジオンの弟子にして後継者となるポケモン。足から水を噴射することで水面を移動する。映画ではその勢いを使って某配管工のポンプと同じ要領で宙に浮いていた。専用技の「しんぴのつるぎ」を覚えていると覚悟の姿と呼ばれる姿に変わる。ちなみに「せいなるつるぎ」も覚える


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「真理」を司る覇者の龍

オリポケ登場です。まあ一応存在自体は確認されていますが、前回のタイトル通り、名前も影も形もない存在です

それと今回は短めです


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

「あ・あれは一体・・」

「!?」

 

俺は今までで誰も見たこともないポケモンを宿したのだ。宿したのはレシラム、ゼクロムが合体して、いや本来の姿を取り戻した伝説のモンスターだ。更にどうやら抜け殻から生まれたキュレムの力まで取り込んで更に強力になったようだ。一か八かだったけど成功して本当によかったと思う。俺の周りには三体の力とそしてこいつ自身のドラゴンタイプの力が混ざった強烈なエネルギーがあふれていた。

 

(凄い力を感じる。あの三体の力がすべて感じるし、一つ一つがそれ以上にすら感じる。・・・・名前はどうしよかな・・)

 

そう思っていると俺のコピーが「フリーズボルト」を発動した。しかも「パワフルハーブ」も使ってきた。しかし俺も「パワフルハーブ」を使い

 

「「!?」」

「コールドフレア」!!

 

俺はすかさず「コールドフレア」で迎え撃った。両者の技はぶつかり合ったが

 

「!?」

「はああああああああ!!!」

 

あっという間に俺の「コールドフレア」がコピーの「フリーズボルト」を押し切った

 

ビュボアアアアアーーー!!

 

凍てつく火炎がコピーを飲み込んだ。威力は格段に上昇していた。コピーは何とか耐えていたが、俺は次は膨大な雷エネルギーを纏って

 

「らいげき!!」

「!?」

 

バリバリバリドーーーーン!!!

 

今度はゼクロムの大技を放った。威力もゼクロムのものよりも上だった。コピーは直撃は避けたものの、余波だけでも大きく吹き飛ばされてしまった。そして周りの結界も崩壊寸前になった

 

「くっ。木戸真聡!貴方は本当に何者なの?」

 

流石の閻魔である映姫も驚きを隠せない。そして俺は口を開いた

 

「貴方にはもう勝ち目ははない。今俺を地獄に送らないというのならここで終わりにしますけど」

「ふざけないでください。あなたは危険すぎるんですよ。力ずくでも」

 

そうは言うものの映姫は内心では怯んでいた。真聡の後ろにとてつもない力と威圧感を持った銀色のドラゴンがいて、自分をにらみつけているかのように感じたからだ。しかし彼女にも閻魔としてのプライドがあり、退くことを許さなかった。彼女は今までよりも更に強力な結界を張る。そして今の俺のコピーを発動させようとしたが

 

「あおいほのお」

「!?」

 

有無も言わさず灼熱の青い火炎で焼き払った。そんなことは波導で、いやそれを使うまでもなくお見通しだった。そして

 

「!?か・鏡が」

「やはりな」

 

俺はコピーをする際には謎の鏡を使っていることに気づいていた。俺はそれを熱で溶かしたのだ

 

「さああ。そろそろ堪忍したらどうだ?」

「くっ」

「・・・しそうもないな。ならば・・・」

 

俺は力を開放する。すると混沌とした四つの強烈なエネルギーが凄まじい勢いで一斉にあふれ出した。そのパワーは

 

パキパキ・・・パ・キーン!!

「!?」

 

それはさらに頑丈にしたはずの結界まで破壊してしまった。映姫は驚愕はしたが、自身の力を限界まで高めてコピーも起こして最大まで力を溜めさせた。俺は技名を考えていた

 

審判「ラストジャッジメント」!!

「フリーズボルト」!!

 

二人は最高の威力の技を解き放った。そして俺も迎え撃つ。俺はこの技を名付けて

 

「マスターノヴァ!!」

「「!?」」

ズッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

 

それは一瞬だった。世界を滅ぼしかねない力を持つポケモンのエネルギーが限界までたまって解放された超極太の一撃だった。それは二人をあっという間に飲み込んでいった。放たれたエネルギーは地獄に到達しそうだった。このままじゃ地獄は消滅しかねない。だから俺はあらかじめ放ってすぐに上に行くようにしていた。そしてそれはどこまでも伸び、やがて地球を突き抜けた。そして周りを焼き、凍てつかせ、破壊していきながら遥か彼方へ消えていった

 

周りはすっかり荒れ果ててしまった。曲げたとはいえ、三途の川は原型がないし、周りも全て吹き飛んでしまった。おそらく地獄にも多少被害が出ただろう。しかし俺はこの力には破壊だけではないことを感じて念じる。するとそのエネルギーはあふれ出し

 

パアアアアアアアアア・・・

 

俺から放たれたエネルギーが荒れ果て場所を瞬時に戻してしまった。原理はわからないけど、このポケモンには途轍もない力を秘めているようだ

 

その時俺はこのポケモンに名前を付けた。こいつの名前は・・・

 

「(ゼクシレム)・・・これでいくか」

 




ゼクシレム   NO.???   タイプ:ドラゴン

今作オリジナルのポケモン。レシラム、ゼクロムが合体した古にいた本来の姿のドラゴン。更に抜け殻であったキュレムの力を取り込んで更に強力になった。神々しい銀色のボディーを持つ。三体の技を全て使える上に、更に強力な威力を持つ。しっぽには炎と雷、氷の力と自身の持つ膨大なドラゴンタイプの力が混ざった強烈なエネルギーが溢れ出している。その力は世界を滅ぼしかねない強力なエネルギーを持つが、荒れ果てた地をもとに戻す力も兼ね備えている。彼は真の英雄にのみ姿を現し、「真理」を司るいう

とくせい  「マスターフォース」

とくせい「かたやぶり」の効果に加え、ほのお、でんき、こおり、ドラゴンタイプの技が2倍になる

「マスターノヴァ」  タイプ:ドラゴン  威力:200 命中:95

限界まで溜めた四つの属性を解き放つ。これにはやけど、まひ、こおりをどれかそれぞれ50%の確率で引き起こす。一言でいうと超凄い「トライアタック」である。ただし代償として、とくこう、こうげきが二段階ダウンしてしまう。ちなみにフェアリータイプを貫通する

種族値

HP   125
こうげき 190
ぼうぎょ 95
とくこう 190
とくぼう 95
すばやさ 115
合計   810

名前はゼクロムとレシラムとキュレムを混ぜただけです
司るものを「真理」という設定にしたのは単純にレシラムの「真実」とゼクロムの「理想」のかしら文字を合わせてピッタリだと思ってこれにしました


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七日目:自分のしたいこととは

花映塚編は今回で終わりです


~自宅~

 

俺はあの後ケーシィ―で「テレポート」をして自宅へ戻った。そして家に入り、ドアを閉めた瞬間、俺は糸が切れた人形のように倒れて眠ってしまった。禁止伝説級のポケモンをあれだけ使えばそうなるだろう。俺は多分泥のようになっていただろう

そして気が付けばまた夜だった。自宅に辿り着いたのも夜だったが、おそらく俺は丸一日眠っていたのだろう。一応「ねむる」を使っていたので傷はほとんど癒えていた。丸一日ではあるが、これでも今までの激闘の会った後の睡眠時間の中ではかなり短い。俺もそれだけ強くなれたということなのだろうか

 

「・・・・・・・・・」

 

俺はとりあえず外に出ていった

 

 

~霧の湖~

 

俺は何となくここに来ていた。俺はこの小島の上でふと考える

 

(思えば自分の幻想郷での生活が始まったのはこの場所だったなあ。初めの頃は慣れない戦闘が来て間もない頃から始まって困惑してたのも懐かしい)

 

(それからはいろいろあった。自警団に入って人里の警備や大雪を溶かしたり、子供たちと遊んであげたり、木の実やポフィン、ポロックの提供などもした。そして異変にも立ち会った。紅霧異変、春雪異変、妖霧異変、永夜異変あと今回のもそうなのかな?壊してしまった場所を修復したりもしたな。何度も一歩間違えたら死んでいそうなこともあったけ・・・)

 

もうこの世界に移り住んで4年が経とうとしていた。もうそろそろ二十歳だ。時が経つのは早いものだと痛感する。そして俺は今回の旅で得たものは・・・

 

(俺が俺らしく生きるには誰かを助け、そしてそのために強くなる。やはりこれだろうな)

 

永夜異変の時のように確かに俺はこの世界を滅ぼしかねない力を持っている。今回宿したイッシュの伝説のドラゴン3体とゼクシレムにもそれが出来るだろう。あの閻魔が言っていたように俺は危険な存在であるというのは違いない

 

だが、恐れずに向き合えば正しい道も見つかる。だれも見たことのないポケモンの力を使うことが出来たのは伝説のポケモンに向き合えたからだと思う。理想論ではある。だけど危険な力から逃げたって、いずれその力がまた暴走することがあるかもしれない。過去にもしもはないが、未来には大いにある。たとえ未来が見えても完璧に防げるとは限らない。実際永夜異変の時も事前に来ることはわかっていても防げなかった。それを無くし、制御できるようにするためには自分自身がそれに向き合うしかない

 

まだまだ分からないことは多い。メガシンカやZワザだって残っている。俺はそれらのことももっともっと知りたい。そしてまだまだ強くなっていきたい。多くの人を守れるように

 

俺はかつては人に守られてばかりだった。なんでこの世界に来てしまったのかは未だにわからない

でも俺はこの与えられた力を大切にしたい

死ぬはずだったのがまた生き返り、そして大いなる力を授かった

普通ではありえないことが起こったのだ。ならば俺は自分のしたいことに使いたい。そのしたいこととは

 

「大切な人たちを守るという現世の自分では出来なかったことをすること」

 

それが自分なんだと、この旅で気づいたのである

 

すると東の空から朝日が昇り始める。俺はそれをじっと見つめていた

 

「綺麗だな・・・」

 

朝日は何度も見たけど今日のは格段に美しく感じた。自分で言ってて非常に恥ずかしいが、俺の心に抱えていた闇に光が差したかのように感じた

 

俺はしばらく見つめた後に、俺は自宅に戻った。俺がもらった休みは今日で終わりだ。いつまでも我儘をしているわけにもいかない。俺は普段行っている自分の今すべきことをするために支度にかかる。それと途中で魔理沙と霊夢が来た。昨日の戦いを見ていたようで、霊夢から「あんた幻想郷をぶっ壊す気なの!!」と怒られた。どうやら結界もちょっとぶっ壊してしまったらしい。一応閻魔を殺さないために威力は調整したのだが、俺はまだまだのようだ

 

 

~自警団本部~

 

「君の悩みは晴れたかね?」

「はい、おかげさまで。この一週間自分のわがままを聞いていただき、ありがとうございました」

「まあ人生そういうときが誰にでもある。尤も君は我々よりもさらに深い理由だろうけどね」

「いえいえそんなことは」

 

俺はしばらく所長にお礼と仕事を復帰することを伝えに言った。俺の悩みが晴れた様子を嬉しそうに聞いてくれた。本当にこの人には感謝だ。「最初は俺はガキだから入るな」とか言われてたのになと心の中で少し思った

 

「それでは本官は仕事に復帰させていただきます」

「うむ。頑張ってくれよ。君は人里中の人たちに頼りにされている大切な人材だからな。存分にその腕を振るってくれたまえ」

「了解しました!」

 

そして俺は仕事に入る。またいつものように人里の見回りをし、部下の訓練の指導をし、木の実と支給してあげたりする日常がまた始まる。そしてそんな日常を守るために俺は更に強くなっていくことを誓うのだった

 

それが自分の生きる道なのだと言い聞かせて・・・

 

 

一方地獄では大騒ぎになっていた。閻魔が人間にやられたからである。もちろん死んではいないが

それと最後の攻撃の余波によって地獄の奥地に新たな場所が出来た。絶対零度の世界にある超高温の炎と超電圧の雷。そしてドラゴンエネルギーによる謎の怪現象。コキュートスの遥かに上を行く場所になった。以後そこは新しい地獄として利用することになり、緊急の会議の末に木戸真聡が死んだら、そこの管理者になってもらうことが決まったのだそうな

 

 

 




花映塚編は終わりです。正直言うと花映塚で登場するキャラが登場する別のイベントと化しましたが、無事に書き終えました

今回はオリジナルアイテムについにポケモンまで出しましたけどいかがだったでしょうか?閲覧数も10000を超え、お気に入りも100を突破して本当に嬉しいです。まだまだ続きますので、暇の時にでも皆様に読んでいただければ幸いです


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木戸真聡の設定集(第五章まで)

ここで主人公の現状の設定を入れておきます


木戸真聡(きどまさとし)

 

(年齢)

 19(もうすぐ20)

 

(性別)

 男

 

(種族)

 人間(スーパ―マサラ人クラス(最近超え始めているかも?))

 

(職業)

 自警団隊長、プリズムリバー楽団のメンバー(不定期)、副業で木の実栽培とポロックとポフィンづくり

 

(能力)

 ポケモンの力を宿す程度の能力

 

(容姿)

 以前よりも背が少し伸びて、体つきもよりがっしりして筋肉質になった

 

(好きな食べ物)

 そば・白米・焼き魚・甘口のポフィン(辛いのも好き)

 

(苦手な食べ物)

 レバー・苦くて渋いポフィン

 

(特技)

 波導を扱うこと、探索

 

(モットー)

 不言実行

 

(人物)

性格は温厚で真面目でお人よし。言葉遣いも目上の人には礼儀正しい。しかし妖怪の友人には砕けた言葉遣いをする場合もある。現世で不治の病にかかっており、自分はその人たちに何もしてあげられなかったので、この世界に来てからは自分がそれをしていくことに努めている。一度死んだ経験を持つからなのか、後悔しないために何事も全力で行い、修行で自分を高めていくことを忘れない。同じく努力して強くなっていった魔理沙とは一緒に修行することもある。性格は正反対に近いが、気が合う仲である

幼いころからポケモンが好きでその知識は非常に深くて豊富。それを活かした戦法をとったり、時には自分なりにアレンジしていくことも多い。漫画とゲームも好きだったので、そこからヒントを得て生みだすこともしばしば

永夜異変の時に自身の力で幻想郷を滅ぼしかける事態となった上に、四季映姫と出会う前は誰もそのことを知る者がいないため、だれにも相談も出来ずに思い悩んでいた。しかし自分と向き合い、多くの妖怪たちと交流していくにつれて自分のしたいことは何かを見つけることが出来た。今日も彼は人里の人を始め、多くの者を守るために努めていく

 

(能力)

ポケットモンスターの力を宿すことが出来る。最近はついに伝説のポケモンも宿すことが可能になった。強力なポケモンほど体力の消費が激しくなる欠点はあるものの、徐々に負担も減っていった。まだメガシンカとZワザは使用できない。現在では幻想郷最強クラスの存在として知られており、大妖怪を含めた多くの妖怪たちが注目している

 

(オリジナル技)

 

とんぼがえり(サマーソルト)

某有名格闘ゲームの軍人が得意とする蹴り技を参考にしたもの。更に後ろに後退することも出来る。最近は「ダブルサマーソルト」や「サマーソルトエクスプロージョン」なども開発中

 

スカイアッパー(昇竜拳)

いうまでもなく、超有名格闘ゲームの必殺技を「スカイアッパー」で再現したもの。現在は「昇竜裂破」や「真・昇竜拳」なども開発しているらしい

 

「スマブラ式・そらをとぶ」

元ネタはスマブラのリザードンの「そらをとぶ」。急降下する力ではなく、上昇する勢いを利用した技

 

「スマブラ式・かげぶんしん」

元ネタはスマブラのルカリオの「かげぶんしん」。相手が分身を攻撃したところを素早くカウンター蹴りを決める

 

「インファイト・斬」

エルレイドなどの刃物が使うポケモンが扱う技。一瞬姿が消えて猛烈な数の斬撃で一気に切り付ける技

 

「流星のドラゴンダイブ」

ポケモントレッタの「ガリョウテンセイ」を参考にした技。天から流星を呼び寄せてそれを降らせて、更にそれを一部取り込むことで強烈な威力のドラゴンダイブである。真聡の得意技の一つ

 

「ザ・ワールド」

ディアルガの時の専用技。時間を止めて様々な技を繰り出して攻撃する。咲夜のものとは威力も規模も桁違いであり、ぶつかり合わせることで大爆発を発生させるという戦法も出来る

 

「巻き戻し」

こちらもディアルガ専用。時間を巻き戻して相手の技を再び出現させる技。相手が必殺技を放つほど脅威となる

 

「光速のりゅうせいぐん」

隕石の周りだけ時間を早めることで光速に達する隕石を降らせる。速さも威力も絶大な技

 

「電光石風」

「でんこうせっか」で目に映らないほどの速さで動いたのちにその軌跡上に竜巻を出現させる技。かわしても今度は竜巻が待っている二段構えの技

 

「猛毒のハイドロポンプ」

ほぼすべてのポケモンが「どくどく」を使えるところからヒントを得て編み出した技。水流と共に毒液を混ぜて猛毒の水流で攻撃する

 

「マスターノヴァ」

ゼクシレム専用の技。世界を焼き尽くす炎と雷と全てを凍てつかせる冷気を加えて、更にドラゴンタイプのエネルギーを一つにした大技。破壊力は随一で下手に放つと本当に世界を滅ぼしかねない大技

 

(オリジナルアイテム)

 

「フーパのリング」

フーパのリングを模した道具。現世とポケモン世界と幻想郷内なら大抵のものを取り寄せられる。ただし生物は取り寄せられない

 

「れいかいのふくろ」

「れいかいのぬの」でゴーストタイプの力を込めながら作った袋。中身はちょっとした霊界になっており、大量の例をしまうことが出来る。現在は小野塚小町に差し上げた

 

「???」

最初からバックに入っていた謎の本。最初は白紙だったが、徐々に文字が現れ始める。最近はこれまで真聡がやったことが記録帳のように書かれている。そして花映塚が終わると、このような文字が出てきた

 

「あなたがその力を強くし、つながりを強くすればするほど、やがてそれは自分自身の力となる」

 

 

 

 

 



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第六章:風神録編
博麗神社存続の危機?


風神録編スタートです
今回はかなり長い間放置されていたとある設定がここで発揮されます


あれからは平和が続いていた。妖怪も俺がいることに恐れをなして人里に来ることはめっきり減った。来たとしても俺の姿を見たら即退散していく。木の実の栽培は順調だった。訓練生もだんだん強くなっていき、今じゃ仕事を任せられる者も増えてきた。おかげで修行もやりやすいものである。最近はこんなことに挑戦していた。それは

 

「うーん。やはり難しいな。一応できたけどどれも弱いポケモンの力でしかできないな」

 

俺は今とある修行をしていた。きっかけは最初からバックに入っていた謎の本だ。そこにこんなことが書かれていた

 

「あなたがその力を強くし、つながりを強くすればするほど、やがてそれは自分自身の力となる」

 

これにはしばらく困惑した。いったいこれが何を意味するのだろうかと

何日かして、俺はフーディンの頭脳で考えてみた。それで導き出した答えは

 

「ポケモンの力を宿す必要もなく、力を発動できるのではないか」と

 

つまりどういうことなのかというと、俺は今までポケモンの力を宿すことによってその能力が使えていた。例えば空を飛ぶには空が飛べるポケモンの力を宿せばいいし、別の見方をするとそのポケモンの力を宿さなければ、俺は空を飛べないということである

しかし、もしかすると修行していくにつれていちいち力を宿さなくても能力使えるのではないかと思ったのだ。先程の例えを引用すると、俺はいちいち宿すポケモンの力を借りる必要もなく、素の状態で使うことが可能なのではないかということだ

それが出来る様になれば更に無限の可能性が広がる。例えば、テッカニンの飛行速度を素で行い、バンギラスの剛腕で攻撃する。そんなことできるかもしれないと思ったのだ。そして俺は早速修行を開始した。長い間の修行により、弱いポケモンなら素の状態で使えるようになった。しかしまだ不完全だし、本家よりは弱かった。とはいえ、これを極めれば大きな可能性が出てくる。何とか会得しようと今日も修行である

 

「ふう。ひとまずここまでにしておくか」

 

と俺は休む。この修行は長くやっているが、なかなかうまくいかない。思うにあの本に書かれていた「つながりを強くする」とはポケモンの一種類ずつの力を洗練させ、より理解することだと思うのだ。それには長い修業が必要だし、種類によって差がある。これはかなり難しい修行だ。でもやりがいはある。俺はしばらく休んだ後にまた修行を開始する。こんなふうに毎日を過ごしていった

 

~人里~

 

仕事中にこんなことを話している人たちがいた

 

「お前知ってるか?最近神社が出来たらしいよ」

「博麗神社じゃなくて?」

「ああ。なんでも妖怪の山に突然神社が現れたんだってよ」

「本当かよ」

(ふーん。新しい神社ねえ)

 

俺は気になったのでピクシーの力を宿して、その聴力で聞いてみた。盗み聞ぎしていて気が引けるが、気になるものは仕方ない。個人情報とか話し出したら、すぐに解除するつもりだ。とりあえず俺はまた耳を傾ける

 

「そこには妖怪の山にあるらしんだ」

「妖怪の山ってあの天狗が治めているという山だろ?」

「ああ。だから天狗たちも不審がっているらしい。あそこは排他的だからな」

「でもその神社が天狗たちに認められたら行ってみたい気もするな。博麗神社は最近妖怪が出歩いていてちょっとおっかねえし」

「そもそもあそこの巫女は自分が仕えている神のことすら知らないみたいだからな」

「それって巫女としてどうなんだよ・・・」

 

とこんなふうに話していた。そのあとは関係ない雑談だったので俺は能力を解除した。しかしあの人たちが話していたように確かに巫女がそんなことでは駄目だろう。博麗神社は幻想郷にとっても大事な場所なのだ。あいつは天才ではあるが、それにかまけていろいろサボりすぎている。いくら優れた才能があっても何も努力しないと宝の持ち腐れ。それに巫女としての能力の才能と神社を上手に発展させる才能は別だ。霊夢は天賦の才能を持っているが、決してそれはあらゆることに精通できる万能な才能というわけではないのだ

 

「仕事が終わったらちょっと霊夢に言いに行くか」

 

そう思い、俺は残りの仕事をこなした

 

~博麗神社~

 

俺は仕事が終わった後に博麗神社に向かった。すると霊夢は少し考え事をしていた

 

「よう。霊夢」

「あ、真聡。どうしてここに?」

「ちょっと言いたいことがあってな。お前最近神社はどうなんだ?今日人里で妖怪の山に新しい神社が出来たと聞いたぞ。ただでさえ参拝客が少ないんだ。下手したらこの神社潰れるぞ。それではどうかと思ってな」

「わかっているわよ。流石に今回は何もしないわけにはいかないと思っているわ。だけど一つ気になることがあるのよ」

「なんだ?」

「実はさっき見ない顔の巫女が来たの」

「何?」

「なんでもこの神社はその妖怪の山に出来た神社に譲り渡せって言いに来たのよ」

「何だって!?じゃああっちは本気でつぶしに来てんのかよ」

「そうみたいね」

 

どういうわけかその神社にとっては、博麗神社は邪魔な存在らしい。これは本当にまずいことになった

 

「で?これからどうするんだ?」

「明日その神社に向かうわ」

「そうか。では俺はここで去るとしようか。今回はお前自身の問題だしな」

「しかしあの緑髪の巫女は何だったのかしらね。カエルの髪飾りをしていたけど」

「・・・・・・」

「ん?どうしたの?」

(緑色の髪にカエルの髪飾り・・・)

 

俺はこの言葉に引っかかった。実は今とんでもないことが起きているのではないかと思い始めているのだ

 

「・・・なあ。少しじっとしてくれないか?ちょっとネイティオの過去を見る力でお前の記憶からどんな奴が来たのか知りたい」

「い、いいけど・・・」

 

俺は霊夢の額に指を置いて過去を見た。するとそこに映っていたのは

 

「・・・嘘だろ?本当に!?」

「どうしたのよ?」

「・・・・気が変わった。俺も同行させてくれないか?」

「え!?なんで?」

「ちょっと気になることがあってな。それに俺は以前あの山の主の天魔と仲良くなって、俺は自由に訪れることが出来るんだ。あそこはかなり排他的だからな。俺についていけば少なくとも天狗相手にはスムーズに行くことが出来る。悪い話ではないはずだ」

「・・・どうして急についていく気になったかはわからないけど、私としても利点があるわ。じゃあこちらこそお願いするわね」

「ああ。わかった」

 

こうして俺は妖怪の山にある神社を目指していくことになった

 

俺は今驚いている。何故なら現世の人間が本当にこの世界のキャラになろうとしているかもしれないのだ。こんなことはあり得るのだろうか?少なくとも俺は会ってみたい。4年以上ぶりに現世での知り合いに会えるかもしれないからだ

 

「本当にお前なのか?・・・早苗」

 

 

 




ピクシー   NO.36  タイプ:フェアリー

ピッピにつきのいしを使うことによって進化した姿。聴力に優れていて1キロ離れたところに落ちた針の音を聞き分けられるほどである。それ故か静かな山奥に住んでおり、めったに人前では姿を現さない。翼を使ってスキップをしていて、水面を歩くことも可能。月夜には湖で遊んでいるらしい。第五世代まではノーマルタイプだったが、第六世代からは妖精ポケモンだからかフェアリータイプに変更された


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妖怪の山の神社を探して

翌日俺は霊夢と合流して、早速妖怪の山へと向かった場所までは知らないので俺たちは一緒に行動して探した。本来ならばらける方が早いかもしれないが、霊夢は俺と違って入山を許可されていない。おそらく直に来るだろうし、ばらけるとかえって面倒くさくなる。だから霊夢は俺についていく形にしている。そしてしばらくしたら案の定

 

「何者だお前たち・・ってあなたは」

「やあ。久しぶりだね椛」

 

出てきたのは犬走椛だった。大きな剣と紅葉が描かれた盾を持っている白狼天狗である。以前の宴会で知り合い、お互い見回りや警備など似たような仕事をしているので、気が合って友人になった

 

「真聡さん。どうしてここに?」

「ちょっと調査に来たんだよ。最近この山に出来たという神社にね」

「ああ、あそこですか」

 

そのあとは事情を説明した。それと霊夢に関しては俺の目が届く場所以外にはいかせないし、監視もするからという条件で連れていくことを許可してくれないかと頼んだ。そしてしばらく待たされた後に許可が下りた

 

「あの神社はここから更に上にあります。以前文さんと弾幕ごっこをしていた場所の川上に沿っていけば着くかと」

「そうか。ありがとう。手間をとらせて悪かったね」

 

そうして白狼天狗たちは帰っていった。まあおそらく遠くから何人かは監視しているだろうけどね

 

「さあ行こうか」

「本当にここの天狗たちと親交があったのね。後あんたどうして文と弾幕ごっこしてたの?」

「俺の強さを知りたいからだってさ。その時ここを治める天魔さんが見に来ていてな、それから宴会に誘われて天狗たちとは仲良くなったんだ。天魔さんにも気に入られたしな」

「あんた本当にいろんなことしてるわね」

「ただの成り行きさ。でもお前も人里の人たちとも積極的に交流して、参拝客を増やす努力はするべきだと思うぞ」

 

しばらく雑談をした後に俺たちは向かった。テレポートをしてもいいんだが、あれは行ったことがある場所じゃないといけない。この山は範囲が広くて、あの時は霊も一日では全て集まらなかったし、あとは天狗たちの里くらいしか行っていない。もう少しここの地理も知りたいし、俺は普通に飛んで探すことにした

 

 

~玄武の沢~

 

ザアアアアアアアアアア・・・

 

しばらく移動していると大きな滝を見つけた。この滝を昇っていけばいいだろう。そう思っていたのだが

 

「姿は見えなくてもそこに誰かがいるのはわかっている。大人しく出てきてくれないかな?」

「何?誰かいるの?」

「ああ。あそこの岩場にな」

 

そして俺は能力の練習も兼ねて、自力で「でんきショック」を発動しようとしていると

 

「わああ。待った待った降参だよ。まさか光学迷彩をしていてバレるとは」

 

すると透明な状態から人影が現れた。カクレオンのように透明化する代物らしい。でも波導の前では通用しない。あともしかしたら「デボンスコープ」でも見つけられるかもしれない

 

「君は?」

「私は河城にとり。ここに住む河童だよ。あんたは木戸真聡でしょ?天狗様たちからも聞いているよ」

「そうか」

「しかも後ろには博麗の巫女までいるんだねえ」

「で?なんであんたは私たちを付けてたわけ?」

「ここじゃ人間はめったにこないからね。しかも博麗の巫女に今話題の人間まで来たんだから興味があったのさ。そっちこそ、どうしてこの山に来たのかい?」

「最近ここに現れた神社の調査に来ただけだ。別にここを荒らしに来たとかじゃない」

「あ~最近できたらしいわね。私らこの山に住む妖怪たちはみんな不審がってたよ」

「そうか。じゃ俺たちはそろそろ行くな」

 

と言って先に進もうとするが

 

「ちょっと待ってくれ」

「何だい?」

「新聞であったんだけどさ、あんたって変わった機械を持っているらしいね」

「例えば?」

「人里で売られているポフィンという菓子は機械を使っているそうじゃないか。ちょっと見せてくれない?私たち河童はそういうのに目がないんだ」

「うーん」

 

河童が機械に精通しているのは「幻想郷縁起」で書かれていて知っている。しかし初対面で渡していいものかと思ったが、最悪フーパのリングで取り返せばいいかと考えてここは渡した

 

「へえ~これがそうか。フムフムなるほどねー。でもこれなら何とか作れるかもな」

 

このセリフに俺は考えが出た

 

「作れるって本当か?」

「うん。かなり高度な技術で出来ているけど作れないこともないと思うよ」

「じゃあ報酬は払うからさ、よければ生産してくれないか?」

「どうして?」

「それは一つしかないからポロックは数が少なくてよく売り切れになるんだよ。でも人里では誰もそれを作ることが出来ないからね。長い間その問題は解決してなかったんだ。君が良ければでいいからお願いできないか?」

「いいよ」

「ちょっとあんたいいの?妖怪に頼んで」

「一応私たちは人間には友好的な種族だよ。ちゃんと約束は守るさ」

「まあ最悪の場合は取り返せばいいし、ちょっと試してみようと思ってね。まあとにかく頼んだよ。しばらくしたらそこに行くから」

 

ということでにとりにポロックキットを預けて生産してもらうことになった。河童の技術力には興味があったし、お手並み拝見と行くことにした

そして俺は滝を昇っていく。せっかくだから俺は「たきのぼり」で移動した。その様子には霊夢も遠くから見ていたにとりも驚いていたようだ。たまに妖精がいたずらしようとしてきたが、俺がタックルしたり、霊夢が大半を蹴散らしてくれた。まあ仕掛けてきたのはあっちだしいいよね?

 

そうして俺たちは登り切り、神社を目指した。俺の記憶が正しければ、その神社の名前は

 

「守矢神社だったな。もし本当にそうだったら懐かしいんだがな・・」

 



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現世での出会いの思い出

本当は神社を見つけるまでを二部構成にするつもりだったんですけど、なかなかいい出来にならなかったのでやめました。ごめんなさい
後登場しなかったキャラもちゃんといずれは登場させます


~九天の滝~

 

俺と霊夢は滝を越えて川上に沿って進んでいく。すると

 

「あっみて!あれは」

「・・・ああ。おそらくあれが」

 

すると階段を発見した。かなり長いが頂上には鳥居が見えた。間違いなくあれが

 

「とにかく行くわよ」

「おう」

 

霊夢は神社の存続のために、そして俺は友の再会のためにひた進む。途中から妖怪や妖精が襲ってきた。殺生はしないようにと霊夢に言い、進んでいく。霊夢は許可をもらってないから論外だし、俺はもらっているけど、あまりに被害を出したら天狗たちを怒らせてしまいかねない。それは避けたいので気絶程度に留めて置いた

 

そして俺たちはついに神社に辿り着いた

 

 

~守矢神社~

 

「ここがあの巫女がいる神社ね。ふーん立派なところではあるじゃない」

「・・・・・・・・・・・」

 

俺は今驚愕していた。なぜなら目の前の建物には見覚えがあるからだ。俺が現世でまだ元気だったころ、よく遊びに来ていた神社にそっくり、いやそのものだったのだ

 

(じゃあ、本当にここは守矢神社なのか?でもあり得るのか?現世に生活していた人間がゲームのキャラそのものになるだなんて。じゃああいつは本当に・・・)

 

とし・・・・真聡!!」

「は!?」

「まったくどうしたのよ。急に黙り込んで。何かあったの?」

「・・・あっ!すまない」

「しっかりしなさいよね!とりあえず私はあっちを探すからあんたは反対方向を探して」

「わかった」

 

俺は霊夢の反対方向を探した。俺は周りを見回しながらここにいる住人を探す。建物そのものはやはり見覚えがあるものばかりだ。幼いころ俺はここでよく遊んでいた。俺は10年前、早苗と出会った時の記憶を思い出す

 

~10年前~

 

俺は普通の小学生男子だった。昼休みが終わって教室に戻ろうとしている時だ。どこか騒がしいところがある。ちょっと様子を見に行ってみると

 

「やめてください!!」

「うるさい!このみどり頭!!」

 

どうやらいじめっ子がいじめているらしい。男子3人がかりで女子1人をいじめている。周りから見れば非常に情けない姿である

 

「おまえが髪をみどり色にしているのが悪いんだろ!!」

「ちがうもん!!これは生まれつきで・・」

「うそつきおんな!!だったらこうしてやる!!」

 

するといじめグループの一人が黒の絵の具を取り出す。どうやらそれで無理矢理髪を黒くしようとしているようだ。他の子供たちもいけないとは分かってはいるようだが、怖がっていけないようだ。リーダーは多分ガキ大将かなんかだろう。周りの子よりも体格が大きい。まあ俺よりは小さいけどね!!

 

「こら!!お前ら何やってるんだ!!」

「「「!?」」」

 

いきなりでかい声で話しかけられて驚いているようだ。しかも自分たちよりも一回り大きい子供にである。俺はいじめっ子が持っていた絵の具を取り上げる

 

「あ!何すんだよ」

「何すんだよじゃない!!お前これで何をしようとしていた!!」

「だってこいつだけかみのけの色がぜんぜんちがって・・・」

「だからと言って他の子の髪の毛に絵の具を塗ることをしていいと思ってるのか!!君たちはこれがいいことだとでも思ってるのか!!」

 

と厳しくしかった。しばらくすると先生が来た。どうやら他の子が呼びに来たらしい。その後その三人は連れていかれた。そして

 

「大丈夫?」

「ぐず。だ、だいじょうぶでず」

 

と泣きながらお礼を言ってくれた。とりあえず先生が来るまでは一緒にいてあげた。その時はそれで終わったのだが

 

~空き地~

 

「あーたまには他の場所で遊びたいな」

「そうだな。何かあるっけ?」

「そういえば真聡お前2年の女子がいじめられていたのを助けたんだって?やるじゃん」

「へん!ちょっとガツンと言っただけだぜ」

 

というふうに友達と遊んでいた。すると

 

「あ、あの・・・」

「ん?」

 

するとあのときに助けた女の子が俺に話しかけてきた

 

「君はあの時の。どうしたの?」

「その・・おうちに帰ろうとしていたらみかけたから、またちゃんとおれいを言いたくなったの。そのお兄ちゃん!助けてくれてありがとう!!」

 

と恥ずかしがりながらも笑顔でお礼を言ってくれた

 

「はは。どういたしまして」

 

と俺は気が付いたら頭を撫でてあげていた。それには照れ臭そうだった

 

「あとわたしのおうちは神社なんです。よかったら来てくれませんか?」

「へえ君の家って神社なんだ。こいつらもつれてきていいか?」

「うん。いいよ」

 

というわけで俺は友達を連れて彼女の案内で神社に辿り着いた。それが守矢神社だった

 

「わあすっげえ」

「こんなところに神社があったんだな」

「あ、そうだまだお兄ちゃんたちのおなまえを聞いてなかった。わたしは東風谷早苗です」

「早苗ちゃんだね。俺は木戸真聡ていうんだ。よろしくな」

「うん。よろしくね!真聡お兄ちゃん!!」

「おいおいまだ俺たちは言ってないぞ~」

 

そのあとはここにきてよく遊んでいた。運がいいことに俺の友達の妹が早苗と同じクラスであって、友達がその子を連れて来て一緒に遊んでいくうちに仲良くなって友達になったようだ。いじめっ子たちも先生にこっぴどく怒られて、相手の親まで来て謝罪しに来たらしい。これに懲りたのか、もうすっかりいじめはしなくなったらしい

 

これが俺と早苗が出会った経緯である

 

 

 

 




この章はおそらく今までで一番バトル描写がないと思います


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現世の別れと幻想の地での再会

今回は今までで一番長いです


~守矢神社~

 

俺は再び探索を続ける。誰かがいるかなと思いながら。しかし俺のことを知っている者が見れば俺は今おかしくなったと思うだろう。何故なら俺には波導がある。それを使えば人の居場所なんてもっと簡単にわかるはずだからだ。しかし俺は今はそれすら頭になかった。今は何となく自分の素の力で見つけたい。そう思っていたのかもしれない。尤も今となってはそれも素の力なのだが

 

しばらく進んでいると窓があった。そこを少し覗くと見覚えのあるロボットのおもちゃがあった。それを見た時俺は確信に近い物を感じた

早苗はここにいるのだと・・・

 

 

~回想~

 

早苗と仲良くなってから一年が過ぎた。今日は友達と遊ぶ約束で神社に来ていたのだが、まだだれも来ていなかった。そうしていると

 

「あ、真聡お兄ちゃんいらっしゃい」

「やあ早苗。最近どうだい?」

「友達もいっぱいできたし、毎日楽しいよ!!」

 

と笑顔で言ってきた。おれは「そうか」と答えた。一年前は少し暗かったが、最近は本来の明るい性格が戻ってきたようである。最近じゃなんとラブレターまで来たらしい。最近の小学生はませてるなと思った。・・・自分も小学生なんだが

 

「そのロボットまた持っているね。お気に入りなんだな」

「うん。私ロボットとか好きなの!!でもやっぱり女の子が持ってちゃおかしいかな?」

「そんなことないよ。早苗がロボットが好きなおかげで男子の友達だって出来たんだし、女子の友達もいるんだろ?男子女子両方とも仲良くできるって結構凄いことだと思うよ」

「えへへ。そうかな?」

 

この子は少し変わった女の子だった。性格は女の子らしいのだが、興味があるものは年頃の女子が夢中になるものより、ロボットや戦隊ものとかの男子が好きそうなものの方が好きな子だった。前にそれを彼女から聞いた後に「男子にはその話をしてみたら?」とアドバイスをした。するとそれが功を奏したようで男子たちとも仲良くすることが出来た。女子の友達も出来たみたいだ。俺の役目もここまでかなと思っていたのだが、この子は今でも「真聡お兄ちゃん」と呼んで慕ってくれている。まあ俺には兄弟がいないから悪い気分ではないのだが、遠くから大声で俺に声をかけてくる時があり、周りのやつらから茶化されるのはちょっと困った。俺も年頃の男子だしな。まあそれでも突き放したりするようなことはしなかったけどね。俺にとっても早苗は大切な友達の一人なのだから

 

「それとさ?ポケモンの最新作が出るって知ってる?」

「知ってるよ!!私もお父さんとお母さんいお願いするんだ」

「そうか。俺も小遣いはたいて買うつもりだ。そしたら一緒にやろうぜ」

「うん!!」

 

早苗はポケモンも好きだった。たまに対戦や交換とかをして遊んだ。早苗もアニメを見ていた

 

こうした毎日が楽しかった。このままずっと続けばなと思った。でも学年は違うけど、早苗とは仲良くやっていきたいと思っていた。しかし、現実は非情なものだった・・・

 

俺が中学生になって間もないころに帰りに早苗とばったり会った

 

「よっ!早苗」

「あっ!真聡お兄ちゃん!」

「その呼び方そろそろやめにしないか?この年だし」

「うーんそうですね。じゃあ真聡さん?」

「ん~まあそんなとこかな」

「って、あれ?顔色が悪いですよ。体調悪いんですか?」

「まあちょっとな。そんなに気にすることじゃな・・・!?」

 

すると急に目眩がしだした。そして同時に吐き気と高熱にさらされる。体が全く言うことを聞かずにそのまま倒れてしまった

 

「お兄ちゃん!!真聡お兄ちゃん!!誰か!救急車を!!真聡お兄ちゃんを助けて!!」

 

早苗が泣きそうな声になりながら叫ぶ様子を聞きがら俺は意識を失った

 

後日、医者から俺は原因不明の病に侵されていることを告げられた。今までに例がない病気なため、正しい治療方法がわからないようだ。わかるのは相当危険な病気であり、余命は一年と宣告されたときは目の前が真っ暗になった

 

病室にいたとき、母さんが別の部屋で泣いていることに気づいた。しかし俺は涙が全くでなかった。人間度が過ぎたショックに立ち会うと涙が出なくなるものなのかもしれない。俺はただただ絶望した。もう何もする気が起きない。あるのは悲しみと絶望と死への恐怖、そして何よりも度を越えたショックによって引き起こされた虚無感だった

 

俺は病室で無気力に過ごすことが一カ月続いた。しかしある時ドアをノックする音が聞こえた。俺は入る許可を出すとそこには

 

「・・早苗」

「久しぶりだね。真聡お兄ちゃん・・・」

 

早苗が俺の病室に訪ねてきたのだ。しかし入ったはいいが、まるで話が続かない。つい最近まではあんなにペラペラ喋っていたというのに。すると俺に初めて涙があふれてきた

 

悔しかった。どうして俺はこんな目に合わないといけないんだと思った。俺は中学になっても同級生の友達はもちろん早苗とも仲良くしていたかった。なのにどうして!!すると早苗は俺の手を握っていった

 

「私信じてますからね!!真聡お兄ちゃんは病気になんか負けないって思ってるし、そんなことにはさせませんから!」

 

泣きながら俺にそう語りかけてきた。俺は一カ月間たまっていた涙が全て溢れ出していた気がした。お互いワンワン泣いていた。そして俺は絶対に治って見せると誓った

 

それからは病室にいながらも俺は精一杯生きようと努力した。日記を付けたりもしていた。何をしたらいいかはわからない。でも気分が暗いままでは駄目だというのは何となくわかっていた

他の友達も見舞いに来てくれた。みんな俺のことを心配していたようだ。こいつらともまた楽しく過ごすために俺は希望は捨てなかった。すると宣告されていた1年をたやすくすぎることが出来た。気力はまだあった。俺は希望を持ちながら過ごしていた。次に語ることはそんなある日のことだ

 

「なあ。お前が持っているファイルに描かれたキャラってなんだ?」

「これか?これはな。「東方project」ていうシューティングゲームに出てくるキャラなんだ。名前は博麗霊夢だ。このゲームの主人公なんだぜ」

「へえ、シューティングかあ」

「これには結構シリーズが出てるんだぜ。俺が一番びっくりしたのはこれなんだ」

「なんだ?」

「このキャラ見てみろよ」

 

するとスマホの画像で見せてくれた。そこには

 

「このキャラ早苗にそっくりだな」

「そっくりも何もなんと同姓同名なんだぜ」

「マジで!?じゃあこのキャラは東風谷早苗っていうのか?」

「ああ。しかも巫女さんで神社も守矢神社っていうんだ」

「その作者がパクったんじゃないか?」

「いや、そうではないらしい。早苗ちゃんのことがで知られたときはネット上で大騒ぎになったんだよ。でも原作者のZUN氏も知らなかったと言ってひどく困惑していたらしい。それにこれは本人の前には言いにくいことだけど、あの神社って相当古くてボロイだろ?地元に住んでいる俺たちも早苗ちゃんが教えてくれなきゃ気づかなかったくらいの場所だからな。名前も早苗ちゃんから言われないとわからなかったし、これが発覚したのってこのキャラが初登場した年から数年経ってわかったことだしな。俺もこのゲームにハマったのは最近だし」

「世の中って不思議なことがあるもんだな」

「もしかしたら本当に幻想郷に言って巫女さんになるかもな。早苗ちゃんも興味を持って最近やり出してるし」

「へえ~」

 

とまあこんなふうに話していた。本当に幻想郷に行くとか、そこで巫女になるとかは冗談で喋っていた。まあ正直に言うとあまり覚えてはいない。俺は普段の何気ない会話の一つだと思っていたからだ

 

そして三年後俺は容体が急変して、しゃべることすらままならなくなってしまった。どんどん痩せこけて死へと向かっているのがわかる。両親は毎日来ていたけど、なんと早苗まで来てくれた。もうなんて言っているのかもよくわからない。ただ手をずっと握って見つめていた。わかっていたのはそれだけだった

 

そしてそれから間もなくして俺は現世を去り、幻想郷に旅立つのであった

 

 

~現在~

 

俺は一通り思い出して思った。あの時はただの偶然と思って気に留めなかったけど、やっぱりあれは出来すぎていた。こんなことがあり得るのかはわからない。現世で生きていた人間がゲームのキャラクターになるということだなんて。そうしてひどく困惑していると

 

ドッカーン!!

 

霊夢が言った方向に爆発音がした。おそらく誰かと接触して戦っているんだろう。俺はすぐに向かった。そこにはかつての現世の友人がいるのかもしれないのだから。俺は夢中で走った。鼓動が早まるのを感じる。なんだか時間がえらく長く感じた。そしてやがて現場に辿り着く。そこには

 

「くっ。流石は東方の主人公ですね。やっぱり強いです!!」

「あんたこそ初めてだってのにどうして私の弾幕の法則を全て見切ってるのよ!!いったい何者なの?」

 

案の定、霊夢は弾幕ごっこで戦っていた。そしてその相手は紛れもなく東風谷早苗だった

 

「はは。世の中って本当に不思議だよ。「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものだ」

 

俺は茫然としていた。普通ではありえないことが目の前に起こっているのだから。しばらく見守っていたが、弾幕のパターンを知っているくらいで勝てるほど霊夢は甘い相手ではない。まだまだ戦闘には不慣れな感じだ。そしてしばらくして早苗は被弾して勝負はついた。それを見届けると俺はそっと近寄って声をかけた

 

「どうだい?お前が知っているゲームの主人公、博麗霊夢は強いだろ?・・・・・早苗」

「え?あんたこの女知ってるの?」

「・・・・・・え?嘘!?そんな!!こ、こん・・な・ことって・・・」

 

その時俺は思い出した。あの時〇〇から早苗は「奇跡」を操ることが出来ると教えてもらったことを。現世で生きていた人間がゲームのキャラに本当になる。普通じゃありえない。しかしそれは今ここで確かに現実になった。これはもしかするとあいつの「奇跡」の力が引き起こしたことなのだろうか?そして俺が幻想郷に来たこともまたそれなのだろうか。でも今はそんなことはどうでもよかった。何故なら今は

 

「久しぶりだな。俺を覚えているか?」

「は・・・はい。・・忘れる、わ・け・・ないです!!だっであなたは、わたじの・・大切な恩人の・・ぐず!!」

 

また会うことが出来たのだから・・・

 

「そうか・・・。はは。俺はまた会えてうれしいよ!早苗!!」

「はい!!私もです!!・・真聡お兄ちゃぁぁぁぁぁん!!」

 

すると早苗はなんと俺に抱き着いてきた。俺は戸惑うが、おそらく霊夢が今一番困惑しているだろう

だけどしばらくすると喜びの方が強くなった

 

そして俺もいつの間にか早苗を抱きしめ返していた

 




二次創作では早苗さんが現世で主人公と知り合いだったり、ゲームのキャラを知っているという設定が多いですが、今作の早苗さんはなんと東方のことも知っています

果たして自分にうまく扱えるのか非常に不安ですが、頑張っていこうと思います


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交渉

花映塚編で妖怪の山に言って天狗と知り合いにさせたのはぶっちゃけ今回の話のためです


~守矢神社~

 

現世での友の早苗とまたこうして巡り合うことが出来た。早苗が抱き着いてきて俺も嬉しくて抱きしめていたが、しばらくするとだんだん恥ずかしくなってきた。俺は離そうとしようとしたが、早苗は抱き着いたまま号泣して離れない

 

(・・・とりあえず泣き止むまでこうしてやるか)

 

としばらく泣き止むまで待った。やがて落ち着いたようで早苗はこう言った

 

「夢みたいです。またあなたと出会えるなんて・・・夢じゃないですよね?」

「ああ、夢じゃない。これは現実だよ」

 

そう言って俺は昔のように頭を撫でていた。早苗はもうそんな年でもないのにな

 

「!?///えへへ///そうみたいですね・・」

 

早苗は少し驚いていたが、撫でられてうれしくも照れ臭いようだった。しばらく見つめ合っていると

 

「・・・あんたたちさ。私もここにいるってことわかってる?」

「「!?///」」

 

霊夢が顔を赤らめながらそう言ってきた。俺たちは霊夢が近くにいたことをすっかり忘れてしまったようだ。俺たち二人とも顔が茹蛸のようにの真っ赤になってしまった。しかし更に追い打ちをかける事態になる

 

「あと、早苗だっけ?あんたの仕えている神の二人も後ろから見てるわよ」

「「!?」」

 

後ろを振り向くと大きなしめ縄を背にしていた赤い装束を着た紫色の髪のショートヘアーの女性と金髪でカエルを模したかのような帽子を被った見た目は幼い少女がいた

 

「おやおや、いきなり抱き着くとはうちの風祝はなかなか大胆だねえ」

「あの時のボウズがここにいるとはねえ。本当に生きていると何が起こるかわからないもんだよ」

「「/////////////」」

 

二人ともニヤニヤしながら見ていた。俺は未だかつてないほど赤面した。早苗も顔が更に赤くなっていた

 

~守矢神社・広間~

 

俺と霊夢は守矢神社の中に招かれた。そして互いに自己紹介を済ませた。紫色の髪をした女性は八坂神奈子さん、カエルのような被り物をした女性は洩矢諏訪子さんというようだ。二人とも外に世界にいた神なのだそうだ

 

「で?お前たちはどうしてここに?」

「俺は霊夢から話を聞いてもしやと思ってきました」

「私はその巫女に神社を譲り渡せと言われたのよ。そもそもあんたたちはどうしてこの山に来たのかしら?」

「それはな、私たちは信仰が欲しかったからだ」

「信仰ですか?」

 

そしてそれから神奈子さんは俺たちに話した。昔の人間たちは困ったことがあると神様を頼っていた。神々はその信仰によって強い力を発揮することが出来るらしい。しかし現代では科学の発達により、人間たちは怪奇現象だと思っていた原因を解き明かし、恐れなくなった。それは神々に対する信仰が減ることを意味していた。信仰がなくなったら神様はいずれ消えてしまう。しかし現代では信仰を集めることは非常に難しい。だからこの幻想郷に引っ越して妖怪たちの信仰を得ようとしているらしい。博麗神社を譲渡させようとしたのは、それを押さえれば幻想郷の人間の信仰も押さえられると考えたからなのだそうだ

 

聞いたところ切実な理由だし、実際俺も現世では特に神を信じていなかった。少し極端かもしれないが、現世では宗教による問題が世界中で起こっている。悪質な新宗教やテロ事件・・・正直現世ではあまりいいように捉えられていない節がある

 

しかし博麗神社は幻想郷において非常に重要な場所だ。譲り渡すわけにはいかないだろう。そうしていると早苗はこう言った

 

「だったら私たちの神社の分社を博麗神社においてはどうでしょうか?そうすればだいぶ信仰心は回復すると思いますし、博麗神社にも人が来るようになるんじゃないでしょうか?」

「なるほど」

「うん。いいかもしれないな。それならどっちかを潰さずに済むし。これならどうだ?霊夢」

「うーん。まあそれくらいなら」

「決まりだね」

「大体霊夢も霊夢だしな。普段からもっとまじめにしていれば・・」

「あーも!わかってるわよ。流石に今回は反省したわ」

 

早苗の提案により、両神社の争いは収束した。しかしもう一つ問題がある

 

「神奈子さん、諏訪子さん。この山はどういう場所かはご存知でしょうか?」

「いやよくは知らない」

「天狗がやたら多いことは気づいているけど。遠くから監視しているようだし」

「ここは妖怪の山と言いまして・・・」

 

俺は二人にここは天魔という天狗の長が治めている場所であることを教えた。しばらくそれに付け加えをしながら教えた後にこう言った

 

「このままでは天狗たちがあなた方を追い出そうとして攻めてくるかもしれません。下手に抵抗したら最悪戦争になって、信仰どころじゃますますなくなります。ですからここは天魔さんたちと会談をして受け入れてもらうようにすることが一番だと思います。俺は天魔さんとは知り合いですから、会談をしてくれるように頼んでみます」

「お前はこの山の天狗の長と知り合いなのか?」

「はい。前に天狗たちと宴会して仲良くなりました」

「じゃあすまないが、天魔に話してくれないか?決まったらすぐに向かう」

「わかりました」

 

そしてその後俺は天魔さんにこのことを伝えに言った。俺が同行することを条件に天魔さんは了承してくれた。そして俺は三人を連れて会談を開くことになった。会談中は俺は席を外した。受け入れてもらえるかどうかは神奈子さんたち次第だ。うまくいくことを願って俺は待った。そして早苗が最初に出てきた

 

「どうだった?」

「・・・・」

「え?」

 

早苗は冴えない表情をしていた。まさかうまくいかなかったのかと俺は不安な思いが募っていたが

 

「うまくいきましたー!」

 

すると「ペカー」という擬音が付きそうなほど笑顔になって俺に言った。どうやら受け入れてもらえたらしい

 

「・・・たく。お前ってやつは」

「ふふふ。心配しすぎですよ」

 

というふうに俺は早苗と話していた。その様子を遅れて出てきた神奈子と諏訪子が見ていた

 

「なあ、諏訪子よ。どう思うかい?」

「・・・いいんじゃない?あの子が幼いころしか見てないけど、昔からいい子だったし今回のことでも私たちに最良の道に導いてくれたしね。性格も良さそうだし」

「それにあの男には途轍もない力を感じる。八百万の神々に肩を並べるかそれ以上の力すら感じるほどのな」

「確かにね。まあでもあいつには大きな借りが出来たね。・・・いいや違うか」

「ああ。あの男は他に人間とは違う早苗を受け入れて、本来の明るさを取り戻してくれた。早苗は私たちにとって家族同然の大切な存在。真聡はもっと前からの私たちの恩人だ」

「・・・あの子久しぶりにあんなに笑ったね」

「・・・そうだな」

 

二人は仲良く話している二人の様子をじっと見つめていた

 

かくして、異変は無事に収束した。ケガ人は妖精と野良妖怪くらいでいずれも死んでいないし、数も少ない。これまでの真聡が関わった異変で一番被害が少なかった

 

そして恒例の宴会が開かれようとするのだった

 



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妖怪の山での宴会

やはり疲れている時や調子に乗っているとに誤字が多くなってしまいますね。本当にお恥ずかしい。
その度に誤字修正を報告してくださる方、本当にありがとうございます
そしてすみません


~守矢神社~

 

今回の異変の宴会は親善を深めるのも兼ねて、守矢神社で行うことになった

俺もポロックとポフィンを持っていった。材料も最高の物を使用している。俺も宴会の準備を手伝っていた

 

「おーい。酒樽はどこに置くんだ?」

「それはひとまず宴会場の端に置いておいてください」

「わかった」

 

俺は能力の修行も兼ねて「サイコキネシス」を使って持っていく。すると

 

「お前は本当に変わった力を使うんだな」

「あ!神奈子さん」

 

神奈子さんは俺の様子を見て聞いてきた

 

「確かポケモンとかいうものの力を使うんだろ?早苗が幼いころに確かやっていたというくらいしか記憶がなくて詳しくないのだが」

「はい。そうです」

「お前の活躍は天魔から聞いたぞ。数々の異変をその力で解決していって、今じゃ幻想郷の中で最強ともいわれているそうだな」

「いや、そんな。大したことないですよ」

「ふふ。そう謙遜するな。聞くところによるとお前は自警団をやっているそうだな」

「はい」

「どうして入団したんだ?」

「ご存知だと思いますけど、俺は現世では不治の病にかかって、家族や友人、そして早苗にも迷惑ばかりかけていました。しかし俺はどういうわけか、こうして力を授かってまた生きることが出来た。だから今度は俺が人々を守れる存在になりたい。そう思って入団しました」

「・・・そうか」

「とはいえ、最初は俺もまだ幼かったので、ガキが来るところじゃないと追い出されかけたんですけどね」

 

としばらく神奈子さんと雑談していた。そして

 

「おーい。神奈子、真聡。客が来たよ~」

「わかりました!では俺はこれで」

 

そしてまた準備を再開する。小一時間経つ間にどんどん人が入ってきた

 

「よう!真聡!来たぜ」

「よく来たな。まあゆっくりしていけ」

「わあ!凄いよく来てくださいました。魔理沙にも会えるだなんて!!」

「あれ?私、お前に名前言ったっけ?」

「!?え、あ・いや真聡さんから聞いたので。は・初めまして魔理沙さん。私は守矢神社の風祝の東風谷早苗と申します」

「ああ、よろしく。こいつが真聡の彼女という早苗か」

「ブッ!お・お前何言ってんだ!!」

「違うのか?」

「違えよ!!俺の現世にいたときの友達だよ!!」

「・・・そう言う割には顔が赤くなってるな」

「っ・・・///うるせえ!!さっさと席に行け!!」

「へいへ~い」

 

そして俺は再び作業に戻っていく。一方早苗は

 

「友達・・・です・・か」

 

何処か残念そうな声で呟いていた

 

~宴会場~

 

「・・・というわけで今日からここで生活することになった。これからもよろしく頼む」

 

と神奈子さんが言った後に諏訪子さんが音頭をとる

 

「それじゃあ皆さん。乾杯!!」

『かんぱーい」

 

こうして宴会が始まった。主に天狗が多かったが、所々に河童や中には神様もいた。俺が酒を飲んでいると女性が話しかけてきた

 

「あなたが木戸真聡なのよね?」

「ええそうですけど」

 

するとオレンジ色のエプロンにぶどうが付いた帽子を被った女性が声をかけてきた

 

「私は秋穣子。これでも一応豊穣を司る神なのよ」

「あっそうなんですか。それで豊穣様が俺に何か御用ですか?」

「あなたが幻想郷に珍しい木の実を持ってきて、栽培しているのは知っているの。それで作ったポフィンとポロックというお菓子はどちらもおいしかったわ。しかも解毒や眠気覚ましなどの効果がある種類もあるそうじゃない。だからちょっと興味がわいたのよ」

「そうですか。ちょっと待ってくださいね」

 

俺がバックから木の実を数種類取り出し、それぞれの名前や効果を教えていった。しばらくすると

 

「穣子。ここにいたのね」

「あっ姉さん」

「この方は?」

「あ!あなたって木戸真聡ね。私は穣子の姉の秋静葉よ。私は紅葉を司る神なの」

 

すると穣子さんの姉の静葉さんがやってきた。この人も木の実には興味があったらしく俺の説明を興味深そうに聞いていた。しばらく話していると

 

「それにしても、貴方が発祥というポフィンとポロックっておいしいわね。甘いだけじゃなくて、辛いものや苦いもの、時には渋いものや酸っぱいものもあって楽しいわ」

「いやーどーも。実を言いますとポロックは河童のにとりというやつに生産してもらったんですよ」

「そうなの?」

「はい」

 

~玄武の沢~

 

今から数時間前に、俺はにとりの住処に言って様子を見に来た

 

「にとり。機械の方は出来たかい?」

「うん。見なよ」

「!?す・凄い!!3日も経ってないのにで10台も作ったの?」

「うん。思ったよりは簡単だったんだ。しかもそれだけじゃない。ちょっと改良させてもらったよ」

「!?本当に?」

 

すると従来の三分の一のスピードで出来上がった。しかも数も前より多いことに驚いた

 

「凄いよ!!想像以上だよ!!これは報酬を多く出さないとな。いくらだ?」

「〇〇円かな」

「え?そんなに安くていいのか?」

「私としても、別世界の興味深い物に触れられてよかったよ。その礼も兼ねてだ」

「そうか。ありがとうな」

 

量産化に成功した上に改良もされた。にとりには感謝である。それと実は玄武の沢に行く途中である神様と出会った。その人の名は鍵山雛。エメラルドグリーンの髪にフリルが付いた赤いドレスを着た女性だ。彼女は厄神で厄が人間たちにいかないように貯めこんでいるらしい

 

「あなたの厄もとっておいたわ」

「本当ですか?ありがとうございます」

「あなたが私に近づいて、多くの厄を持っていましたが。無事に行けそうです」

「そうですか。ありがとうございます」

 

彼女の発するどす黒いオーラは厄であり、いつもぐるぐる回っている。とにかく厄をとってくれたし、感謝である

 

そうこうしている間に宴会はどんどん進んだ。後半はみんな酔いながらにぎやかに交流していった。早苗も初酒を飲んでいたが、酒はちょっと弱いらしい

 

天魔さんとも話した。どうやら神奈子さんとは気が合うようだ。二人とも酒は強いようである

 

文と椛にも会った。椛とは世間話を、そして文はまあらしいというか、俺と早苗たちの関係を細かく取材してきた。

こんな時でもよくやるよと俺は思った

 

しばらくこんなふうに騒いだ末に自然とお開きになった

 



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思い出の語らい

風神録編は今回で終わりです。本当にバトル要素が限りなく0に近いですが、次章からはバンバン登場させる予定ですのでお楽しみに


~守矢神社~

 

「う~」

「やれやれ。大丈夫か?早苗」

「う・な・何とか・・・」

 

早苗は酒を飲んで少し気分が悪くなっているようだ。初めて飲んだらしいから仕方がないだろう。俺も初めて宴会で飲んだ後はこんな感じになっていたものだ。とはいえ早苗は俺よりもかなり弱いようだが

 

「ほら「おいしいみず」だ。ポケモンの世界産のはなかなか効くぞ」

「あ、ありがとうございます・・・ふう、名前通り本当においしいですね」

「お前はしばらくそこで休んでいろ。俺は平気だからさ」

「うう・・すみません」

 

俺はこの後帰っていく者たちの応対と片づけを行った。しばらくすると「おいしいみず」が効いたのか、体調がよくなってきたようで早苗も手伝ってくれた

 

時計の針はもうすぐ12時を越えそうになる。俺はすぐに戻ろうとしたが

 

「待ちなよ。真聡」

「何ですか?諏訪子さん、神奈子さん」

「今日はここに泊まっていきなさい」

「ええ!?しかし女性三人の中に男一人いるのは。それに「テレポート」ですぐに帰れますし」

「そう遠慮するな。私たちはお前が幼いころから知っている。せっかく巡り合ったんだ。しばらくバタバタしていたし、積もる話があると思うし」

「客間くらいはあるし、遠慮しなくていいよ。早苗もいいよね?」

「はい。かまわないですよ」

「・・・じゃあお言葉に甘えて。一泊お世話になります」

「そうしなさい。客間を案内してあげよう」

「まあそのうち一泊じゃなくなるかもしれないけどね。あんたたちが一緒になれば」

「「/////!?//////」」

「おやおや、赤くなってしまって、純情だねえ」

「こら、諏訪子。からかうのもそこまでだ」

「ふふ、ごめんごめん」

(たく。酔いが少し覚めてしまったよ)

 

早苗の様子もちらっと見たが、彼女も赤くなっていた。

 

その後俺は客間に案内された。そして俺は何となく外を眺めて、いつの間にか縁側に来ていた。月は三日月。夜風が心地よく感じた。しばらくそうしていると早苗がやってきた

 

「ここで何しているんですか?」

「おお。早苗。ちょっと酔い覚ましも兼ねて休んでたんだ」

「そうですか・・・・・私も隣にいていいですか?」

「え?・・まあかまわないけど」

 

すると早苗が俺の隣に座ってきた。そういえば幼いころ、遊び疲れた後はこんなふうに座っていたことを思い出す

 

あれから何年もの年月が経った。俺が不治の病にかかってからは病院で生活していたからだ。だからこうして隣り合って座ることは随分久しぶりで少しぎこちない

 

しかし一番の原因は別だ。それはお互いすっかり大きくなったことである。早苗は幼いころから可愛い子ではあった。しかし今は体つきはもう大人の女性と変わらない。あの時の面影は色濃く残ってはいるが、身長は伸びて、顔だちも整っており、細身ながら胸も豊満に成長していた。要は一言で言うなら

 

「綺麗になったな・・・早苗」

「へ!?/////」

「ハッ!!」

(しまった!!口に出てしまった!!)

「「/////////////」」

 

お互いまた顔を赤くなった。非常に気まずい雰囲気である。俺はどうしたものかと非常に悩んだ。これからなんて話せばいいかわからないし、かといってすぐに退散しようとしたらそれはそれで雰囲気が悪くなる気がする。どうしたらと思っていると

 

「////真聡お兄ちゃんだって昔よりずっとたくましくなって素敵な人になっていますよ」

「え!?そ、そうかな?///」

「・・・はい///」

 

すると早苗は更に俺に近寄ってきて、手をつないできた。それには驚いたが、悪い気分・・いや心地いい気分になった。少し照れ臭いが。しばらくそういった雰囲気が続いた。そして俺は口を開く

 

「あれからさ。お前はどうしていたんだ?」

「・・・私はあの後」

 

この後俺たちはお互いあれからどんなことがあったかを語った。早苗は高校三年までは現世で過ごしていたけど、神社の信仰はどんどん落ち始めていったそうだ。そして彼女は言った。それは俺が死ぬ少し前に眠っていた力が目覚めたという

 

「真敏さんがなくなる前に私はどういうことか、力が目覚めて神奈子様と諏訪子様の姿がはっきり見えるようになって話すことも出来るようになったんです。小さい頃から稀に朧気ながら見えた時がありましたが、あそこまではっきりしたのは初めてでした」

 

俺は黙って聞いていた。そして

 

「その時確信しました。私は「東方project」の「東風谷早苗」何だって。普通じゃとても信じられないことですけど、現実として受け止めるしかありませんでした」

「そうだったんだ・・・」

「ですから私は貴方を救うために祈ったんです」

「!?どういうことだ?」

「私には奇跡を操る程度の能力があります。ですから私の能力であなたを救うことが出来るかもしれないと思ったんです。しかし大きい奇跡ほど長い詠唱が必要です。私は毎日祈り続けました。奇跡が起こることを・・・でも結局私では救えなかった。あの時は本当に悲しかったです」

「・・・そうだったのか。辛い思いをさせてしまったな」

 

私は思ったままのことを言った。しかし

 

(じゃあ俺が生き返ったのってもしかしてこの子のお陰なのか!?でも仮にそのお陰で甦ったとしても、どうしておれは幻想郷にきて、そしてポケモンの力を授かったんだ?そこまで早苗が思っていたとは思えないし)

 

俺は非常に混乱していた。こんなことがあり得るのであるのだろうかと

 

「だから私は真敏さんと再会したときは困惑しました。一体どういうことなんだろうと・・・ですが」

 

早苗は俺の真正面を向いて

 

「どういう形であれ、またあなたに会うことが出来た。最初こそ戸惑いましたけど、そのあとは喜びでいっぱいあふれてきました。住む世界は変わりましたけど、また一緒に話したりしてくれますか?」

「・・・・・そんなの」

 

その問いの答えに迷うなんてことがあるはずもなかった

 

「当たり前じゃないか。俺も早苗に会えて本当に嬉しかった。だからこれからもよろしくな」

「はい!!」

 

そのあとは俺が幻想郷に来てからの話をしていった

 

どうして俺がここにきて、早苗が本当にゲームのキャラクターとして生きていくようになったのかはわからない。俺が考えたように本当に早苗が起こした「奇跡」なのかもしれない。少なくとも何も影響がなかったとは思えないと俺は思う

 

今は精一杯喜ぶことが一番だと俺は言い聞かせ、この奇跡を存分に味わうのであった

 

 

 

 

 

 




慣れないシチュエーションを書くことって難しいと痛感いたしました


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休章:裂空の訪問者編と緋想天編
修行と隕石と・・・


今回はオリジナルの展開になります


~守矢神社・裏~

 

異変が終わって一週間が過ぎた。現在守矢神社は信仰を集めるために奮闘しているようだ。今日は俺の仕事は休日。なので今守矢神社で早苗の志願もあり、弾幕ごっこの特訓をしていた

 

秘術「グレイソーマタージ」

 

早苗がそう宣言すると、星の形をした弾幕の線がいくつか出来てやがてそれは拡散して弾幕を形成していく。しかし俺は軽々とかわしていく

 

「それでは当たらないよ。今度はこっちからといこうか

 

大炎符「だいもんじ」

 

俺は小手調べに良く使うこのスペルを発動した。とはいえ並のスペルよりずっと難しくしたつもりだが。巨大な大の字型の火炎から放たれる無数の火球。更に俺自身から放つ火球と火龍の形の弾幕が一気に襲い掛かる

 

「うわわわ」

 

早苗は素人臭いおぼつかない動きだが、何とかかわしている。やがて何とかスペルブレイクに成功した。しかし俺はすかさず

 

実念符「サイコショック」

 

俺は実体化したサイコパワーの礫を形成して一気に発射した。今回はサーナイトで行っているため、小型ブラックホール付きだ。早苗は必死にかわしていくが

 

ピチューン!!

 

吸引力もあってやがて被弾した。とりあえず今回も俺の圧勝という結果で終わった

 

「いたた・・・」

「大丈夫か?今「いやしのはどう」をかけるから」

 

おれは「いやしのはどう」で傷を治してあげた

 

「ふう。ありがとうございます。やはりお強いですね。全然かないません」

「まあこれでもいろいろと異変を解決してきたんでな。まあ俺の場合はほとんど実戦だったけど」

「ええ、聞いています。あなたから貸してもらった新刊の「幻想郷縁起」にもしっかり書かれてましたから」

 

俺は早苗についこの間発行された最新の「幻想郷縁起」を早苗に渡した。理由は早苗がぼろを出すことを控えさせるためだ。早苗は幻想郷、「東方project」のことを知っているイレギュラーな存在だ。怪しまれてはまずいのであらかじめ「これを読んで知りました」ということにしておいた方がいいと思ったのだ。それに早苗には課題がある。それは

 

「お前はまず素の力を上げないとだめだ。以前霊夢と戦ってある程度善戦できたのは霊夢の弾幕のパターンを知っていたからだ。だが、二次元のゲームと違ってここは三次元の現実だから違うし、当たり前のことだがゲームと現実は違う。それに俺みたいにデータのない相手とも戦わないといけない場面がこの先来るだろう。だからそういった状況でも対応できるようにしておかないといけない。わかるな?」

「はい。私もこれからどんどん異変に関わるようになっていくようですし、もっと強くなった方がいいと思います。ですからもう一度お願いします」

「その意気だ。いくぞ!!」

「はい!!」

 

そのあとも修行が続いた。それと近接戦闘についても教えてあげた。主に戦闘の技を教える。更により実戦的にするため組手もさせた。流石に俺自身の体や能力で早苗を殴るなんてマネはしたくないので、俺は当たっても痛くない柔らかい綿で出来た人形に、俺がゴーストタイプの力で憑依して俺が攻撃してくるからどうするのかというような感じの方法で修行させた

 

俺は普段は自警団の仕事をしているため、一週間おきになることが多いのだが、彼女も一人の時には神奈子さんと諏訪子さんにもお願いして修行しているようだ。その甲斐もあって元々早苗は突出した才能の持ち主なので、三カ月以上経つとだいぶ戦闘に慣れてきていた

 

攻防雷「カウンターシールド」

 

俺はその場を回転して雷を周囲にまき散らした攻防一体の攻撃を繰り出す。更に上から小型の「かみなり」に時折「ほうでん」で全方位を一気に焼き尽くす攻撃をする。今回はだいぶ本気で行ってはいるが、早苗はこれを華麗に避けていく。時折弾幕で相殺をしたり、近接戦の修行で身に着けた体捌きを応用した動きも使ってかわしていく

 

秘術「一子相伝の弾幕」

 

早苗は「グレイソ―マタージ」強化版ともいえる弾幕を放って攻撃してくる。かなり技の精度も上がっているし、更に自身の風を操る力で小型の竜巻を発生してくるようになった。俺もこれにはだいぶ苦戦するが、回避には成功した

 

「よし、今日は耐久スペルを放つぞ。耐えてみろ!!」

龍星撃「流星のドラゴンダイブ」!!

 

すると俺は隕石を模したエネルギーを空を覆うほど大量に放つ。そして俺は隕石の一部を取り込んで強力になった「ドラゴンダイブ」の猛攻を行った

 

(見た目は魔理沙の「ブレイジングスター」に似ているけど、あれよりもさらにやばそうな気がします。「りゅうせいぐん」の隕石を取り込んで「ドラゴンダイブ」を強力にするとは・・・。ゲームでは出来ない方法です)

 

時間がたてばたつほど苛烈になるエネルギー弾幕のうえに更に速度が違う。3分の2ほどまでは粘ったが、最後は隕石に阻まれて動けず、「ドラゴンダイブ」に飲み込まれていった

 

「くう・・あとちょっとだったのに・・・」

「はは。でも初見でよくここまでよく粘れたよ。強くなったじゃないか。早苗」

「だといいのですが」

 

本当に成長したなとつくづく思う。才能もあるが、ここまでまっすぐに努力してきた結果だろう。だから俺もやりがいがあるというものだ

 

もう時間も遅くなる俺は早苗に別れを告げて戻ろうとすると

 

「!?あれは!!」

 

すると空から何かが降ってくる。おそらくあれは隕石。かなり大きい。あのままでは紅魔館に激突してしまうだろう。俺は急いで破壊しようとするが

 

「大丈夫です。あれはフランドールが破壊しますから」

「何?」

 

すると突然爆発して木端微塵になった

 

「あれは知っていたのか?」

「はい。あれは儚月抄であるんですけど、犯人は不明ですが隕石が紅魔館に落ちてくるという事件が起こったんです。でもあのようにフランドールが能力で破壊しますから問題ないんです」

「そうなんだ。やっぱりあいつの能力は怖いな。「おまじない」がなければヤバかったわ」

「「幻想郷縁起」でフランドールの能力を無効化したってありましたけど「おまじない」の力だったんですか。急所にあたらなくなる技でしたね」

「まあな。とにかくこれで終わってよかった。じゃあ今度こそ俺はこれで」

「はい」

 

と言って帰ろうとしたが

 

ドッカーン!!

「「!?」」

 

何といきなり紅魔館が極太の光線に薙ぎ払われて木端微塵に破壊されてしまったのだ。その被害は光線の発射された方向の前方を広範囲に吹き飛ばして、核爆発のような爆発が発生した

 

「なっ!!」

「そんな!!こんな展開はない筈ですよ!!」

「!なんだ!?」

 

俺は波導で察知した。何か恐ろしい力を持った存在がこちらに来る。あと数秒だ

 

「早苗!!」

 

俺は早苗の前に立ち塞がって

 

「ファストガード」!!

 

すると何者かが一瞬でここまできて反撃してきた。早すぎて全く見えなかった。その衝撃波で周りの地形はかわり、木々は吹き飛ばされた

 

「大丈夫か!?早苗!!」

「はい。大丈夫です。それにしても一体何が・・・」

 

するとその張本人が俺の前に姿を現した

俺たちはその犯人の名前知っていた。それ故に驚きで動揺を隠せない

 

「そんな・・・どうして・・・」

「なん・・で・・」

 

その姿は異形だった。ひものような触手にオレンジと青の体。そして体の中心に水晶体を持っており、宇宙人のような姿をしていた。それは知っている者からすれば見間違う筈がないだろう。それは

 

「なんでデオキシスがここにいるんだよ!!!」

「・・・・・・・」

 

この世界には存在しないはずの存在・・・ポケモンがここに現れたのだった

 

 

 




まさかのあいつが登場です。次回はバトルになります


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VSデオキシス

デオキシス戦です


~守矢神社外れ~

 

「・・・・・・・・」

 

今俺はデオキシスと対峙していた。おそらくあの隕石とともにやってきたんだろう。しかし何故この世界に現れて、しかも俺のところに迷いなくやってきたのか。そもそもなぜ俺を狙うのかがわからなかった。とにかくこいつが俺に敵意を持っているのは確かだ

 

「早苗。お前は今すぐここから離れろ」

「そんな!!あなたを一人にするわけには」

「気持ちは嬉しいけどお前も見ただろ。極太の光線を放ち、更にあそこから一瞬でここに来るスピード。しかも過去を見たけどあれでノーマルフォルムだ。他の形態だとどうなるか想像もつかない。流石にお前ではまだ力不足だ。頼むわかってくれ!!」

「・・・わかりました。・・・気を付けてくださいね!!」

「ああ!」

(こんな言い方してしまって悪いけど、わかってくれ)

 

そしてデオキシスは戦闘態勢になった。すると大量の「シャドーボール」や「でんじほう」などのエネルギー弾が放たれた。俺は早苗と話している間に力を溜めていた。そしてあるポケモンの力を宿す。そして早苗をテレポートで離脱させた。そしてこちらも「シャドーボール」をマシンガンのように高速連射する「シャドーマシンガン」で攻撃した。俺の宿したのは元祖禁止伝説級のポケモン、ミュウツーである

 

 

両者の技の激突であちこちに大爆発が発生して地形が変わり始める

 

(このままじゃ妖怪の山が持ちそうもないな。ここは場所を変えよう)

 

俺は「テレポート」でデオキシスと一緒にある場所に向かった

 

 

~とある平原~

 

「ここならいいだろう」

 

ここは以前、伊吹萃香と激闘をした場所だ。ここなら人里や妖怪の山とも離れているし、妖怪もほとんどいない

 

「さあ。覚悟しろよ!!」

「*?>?<*‘+‘‘‘‘@@@!!!」

 

何を言っているのかわからないが「掛かって来い」とでも言っているのだろうか。何にせよここで倒す

 

「サイコキネシス」!!

「!!!!」

 

するとデオキシスも放ち、両者のサイコパワーが激突する

 

「はあああああああ!!!」

「!!!!!!!!!!!」

 

威力は互角。そのぶつかり合いで大地は抉れ、大岩が浮遊しだして木々が吹き飛んでいく。完全に拮抗状態となりお互い埒が明かないと判断してサイコパワーの方向を逸らした。その衝撃波で遥か彼方の物が吹き飛ばされる

 

「いくぞ!「サイキックスプーン」!!」

「!?」

 

俺はポケスペのミュウツーが使っていた念で生み出した特大のスプーンを生みだして反撃した。俺はこれを「サイキックスプーン」と名付けた

 

ドコ!!ブオン!!・・・ドカーン!!

 

抜群の威力を持つ近接戦の要となる技。更にこれを応用して振ると同時に「サイコウェーブ」のような念力波を発射できるようにした。それによって遠距離にも対応できるようにした。しかしデオキシスは素早い。ノーマルでもミュウツーをも上回るほどだ。そのスピードで華麗にかわしていく。更にその合間に相手も「シャドーマシンガン」を使ってきた。おそらく俺のを見て学習して習得したのだろう。しかし俺はスプーンを使って弾いたり、時には打ち返す。やがてデオキシスに一発跳ね返って被弾する。俺はここぞと思ってテレポートで移動してスプーンを振って吹き飛ばした。そして吹き飛んだところをまた殴るというド〇ゴンボ〇ルのような連撃を放とうとしたが、その一撃は受け流されてしまう

 

「!?」

「ドゴォーン」!!

 

俺は上空に殴り飛ばされた。どうやら「カウンター」で反撃したようだ。しかもいつの間にかディフェンスフォルムに変化していたのだ。持ち前の防御能力で敵の攻撃をいなし、「カウンター」を決めたのだ。ディフェンスフォルムの時は何というか体が超高度であるとかのように硬いのではなく、自由に変化できる肉体を利用して衝撃を受け流したり、吸収するという感じだった。俺は体勢を取り戻して、迎え撃とうとすると

 

「いないだ」

ヒュン・・・ドドドドドドドドド!!!

「カハ」

 

振り向いたときは姿は見えず、次の瞬間には強烈な連撃をくらった。おそらく「しんそく」だろう。しかし早い。あまりにも早すぎて姿どころか自分が攻撃されたことすらわからなかった。しかし息つく間もなく反撃してくる

 

ドドドドドド!!

「ガハ!!くっ「バリア」!!」

 

俺は全身に「バリア」を張って防御する。しかしデオキシスの打撃とエネルギー弾などによる苛烈な攻撃を仕掛けてくる。おそらく今はスピードフォルムだろう。全く目に映らない速度は恐ろしいものだった。正直文さんよりずっと早かった。だが

 

「サイキックトルネード!!」

 

俺はポケスペのミュウツーが行っていたサイコウェーブによる巨大な竜巻を生みだした。これも独自に名前を付けた技だ。映画でのミュウツーは軽く指を振るだけで天候を操作して大嵐を生みだせた。これくらいは朝飯前だ。流石に飛びづらくなったようでスピードは落ち、やがて竜巻に巻き込まれる。そして更に竜巻の威力を上げてその圧力でねじ切ろうとした。しかしデオキシスは竜巻を上回る速度を「しんそく」で出して脱出した。しかし

 

「くらえ!!」

「!?」

 

しかしそれを波導を使って予測しており、ぬけ出した瞬間に「テレポート」で移動して思いっきりスプーンで叩きつけた。そしてデオキシスは吹き飛ばされて竜巻の根元まで飛んでいった。俺は竜巻の力を更に加える。それは大嵐が一つに圧縮されたような巨大なものだ。大地は大きく抉れている。もはや風、いや嵐の領域を超えかねない風力だ。俺は全く手をゆるませずの攻撃し続けるが

 

カッ!!

「!?」

 

ゴオオオオオオオオオ!!

 

何と相手は巨大竜巻を操っている念力波に抵抗してきた。そして自身の竜巻を生み出す。しかもそれは驚くことに自分よりもはるかに強いエネルギーだった。ミュウツーをも上回るサイコパワー。これはつまり

 

「アタックフォルムか!!」

 

デオキシスはミュウツーをも上回るパワーを出す。俺はどんどん押されていった

 

「ちっ」

 

俺は「テレポート」で遠くへと抜け出した。下手すれば今度は自分が竜巻に飲み込まれてしまうからだ。しかしそれがいけなかった。俺は今大きなミスをしてしまったのだ

 

竜巻は均衡が崩れたことにより、抑えられ続けたエネルギーが行き場を失って放出される。それは巨大ハリケーンと化して強烈なダウンバーストを引き起こした

 

「まずい!!」

 

このままでは人里や妖怪の山までいってしまう。そうなると甚大な被害が出ることは想像に難しくない

 

俺は周辺に巨大なバリアを張って、更にサイコパワーで押し返そうとした。しかし威力もだが範囲も広すぎる。止めるのに大苦戦した

 

「うおおおおおおおおおおおおおお」

 

必死で抑えるこもうとするが、あろうことかデオキシスは更に威力を強めてくる。デオキシスにとってこの幻想郷がどうなろうと知ったことではないし、呼吸が出来ないほどの風圧でも宇宙で活動できるポケモンなので呼吸を必要としていない。状況は最悪だった

 

「くそ!!このままじゃ」

「諦めるんじゃないよ」

「!?」

 

するといつの間にか神奈子さんが現れた

 

すると加奈子さんの手が輝きだす。すると風がみるみる弱まり始めた

 

「お前が起こしたものは大した威力の風だ。でも風に関しては私の方が数段上だよ」

 

これが神力というものだろうか。膨大な風の力を霧散させた

 

「す・凄い!!」

 

全盛期よりも力が衰えたとはいえ、流石は風を司る軍神というところだろうか

 

「ありがとうございます。俺の判断ミスで危うく・・・」

「気にするな。やつは相当な力を持っている。仕方はないさ。それに」

「私たちは真聡にはいろいろ恩があるからね」

「諏訪子さんも!!」

 

するといつの間にか諏訪子さんもいた。そして二人は俺にこういった

 

「お前は幼いころから一人で物事を背負いすぎる」

「!?」

「大切な人を守りたい気持ちはわかるけど、時には他人に頼ることも必要だよ」

「・・・・・」

「責任を感じているんならあいつを倒すことを考えろ。あいつは相当な力を持っている。このまま放っておいたら幻想郷は滅茶苦茶になる」

「私たちが衝撃を抑え込んでいるから、真聡はあいつを倒してみせなよ。心配しないで。全盛期より衰えたとは言え、まだまだ並の神には負けないよ」

「お二人とも・・・」

 

するとデオキシスは俺をにらみつけてきた。強烈な「プレッシャー」を感じる。しかし俺は全く恐れずに対峙する。そして

 

「ありがとうございます」

ヒュン・・・

「!?」

「シャドーボール!!」

 

俺はテレポートで一気に近づいて、ゼロ距離で最大まで強めた特大の「シャドーボール」を叩き込んだ。相手は瞬時にディフェンスフォルムになったが、これはかなり効いたようだ

 

そして俺はその隙に「めいそう」を積んだ

 

(ここまでされたら負けるわけにはいかない!!)

 

俺も「プレッシャー」を全開して迎え撃つ

デオキシスも当然起き上がる

 

そして戦いの第二ラウンドが今始まろうとしていた

 




デオキシス  NO.386  タイプ:エスパー

宇宙から来た幻のポケモン。宇宙のウイルスのDNAが突然変異して誕生したらしい。胸の水晶体は脳の役目を持ち、そこからレーザーを放つことが出来る。また映画では水晶だけの状態になっても、時間はかかるが再生するようだ。ポケモン史上初のフォルムチェンジを持ったポケモン。普段の姿であるノーマルフォルム、圧倒的な攻撃性能を持つアタックフォルム、防御性能に優れたディフェンスフォルム、禅ポケモン最高のすばやさを持つスピードフォルムの四つの形態がある。ゲームでは隕石に触れると変化するが、アニメでは自由にフォルムチェンジすることが出来る。それを活かして状況に合わせて使い分けて戦うようだ。ORASではエピソードデルタにてメガレックウザによって破壊した巨大隕石に引っ付いており、そのままバトルに突入する。幻のポケモンが正式でストーリー上で手に入れることが出来る様になった初めてのポケモンである


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キーストーン

今回もオリジナル要素が展開されます


今はデオキシスとの戦いを繰り広げていた。周りは神奈子さんと諏訪子さんによる結界が張られていた

 

デオキシスは三つのフォルムを巧みに使い分けて攻めたててくる。しかし欠点がある。フォルムごとで長所はずば抜けているが、短所もまたずば抜けているだ。例えば、アタックフォルムでは防御面、ディフェンスフォルムは攻撃面、スピードは他の能力が低い。一つの個としての総合能力ではこちらが上だ。つまりミュウツーは高性能の万能型と言ったところだろう。今はスピードフォルムになっている。俺はそこで

 

「トリックルーム」

 

すると特殊な空間が発生する。この中では素早さが逆転して、スピードでは劣る俺の方が早く動ける。俺はすかさず「サイキックスプーン」による猛攻で攻める

 

しばらく受け続けてるとデオキシスはディフェンスフォルムで防御態勢をとる。ディフェンスフォルムではスピードが大幅に落ちて、あちらの方が早くなる。すると「どくどく」で猛毒にしてこようとしてくるが俺は波導による先読みでかわす。トリックルームは早さが逆転するだけでかわせなくなるわけではではない。そして再び「トリックルーム」を発動して元に戻した。そうなると今は俺の方が早い。俺は一気に近づいてフルパワーの「シャドーマシンガン」を至近距離で叩き込んだ

 

「めいそう」でとくこうが上がっており、弱点のタイプの技を至近距離でくらえば大ダメージは必須だった。そしてとどめに

 

「はかいこうせん!!」

 

ズッドオオオオオオオオオオオン

 

極太の光線が相手を飲み込んだ。手ごたえも確かだ。しかし突如紫色の光が発生する

 

「あれは!!」

 

デオキシスはアタックフォルムになっていた。そしてこの凄まじいエネルギーは間違いなくデオキシス専用技にしてエスパータイプ最強の技、「サイコブースト」だろう。かわしてもこいつの威力なら結界が破壊されかねない。それにこの技は使うととくこうが二段階下がるが、相手に当てないとそれは起こらない。なので

 

(二人とも持ち堪えてくれることを信じるしかない!!)

「‘‘*。@@、・#$%&#”!!」

 

するとデオキシスは「サイコブースト」を発射した

 

ズッガアアアアアアアアアアアアアアン!!

 

一瞬紫色の光に包まれて、極大のエネルギー体が発射された。それは俺が発射した「はかいこうせん」とぶつかり合ったら、俺のはあっさりかき消されたであろうほどの威力だ。俺はそれに飲み込まれた

 

「くっなんて威力だ!!」

「持ち堪えるんだよ、神奈子!!あいつならきっと大丈夫だ!!」

「わかっている!!」

 

二人は力を合わせて懸命に抑え込む。そして結界の向きを変えて上にエネルギーをいなすことで何とか防ぎきることに成功した。しかし真聡はこれを直撃してしまった。こうかはいまひとつとはいえ、くらえばひとたまりもない。しかし

 

「!?」

 

デオキシスが見たのは人形だった。それは「みがわり」の人形だ。しばらくしたら消し炭になっていったが

 

「シャドーボール!!」

「!?」

 

ズドーン!!

 

俺はデオキシスにフルパワーの「シャドーボール」を発射した。今はアタックフォルムで防御面がずば抜けて低い状態。その状態でくらったのだ。今までよりもはるかにダメージが多いだろう。あちらも「シャドーボール」で反撃してくるが、「とくこう」が二段階下がっていて威力も大したことがなく、簡単に弾いた。デオキシスは「じこさいせい」をしようとするが

 

「サイコキネシス!!」

 

そんなことはさせまいと「サイコキネシス」でデオキシスを拘束して思いっきり地面に叩きつけた。そしてそれを上空に打ち上げた

 

「これで終わりだ!!」

 

俺はミュウツーの専用技で止めを刺す

 

「サイコブレイク!!」

 

すると「サイコショック」よりも更に強力な実体化した念波の礫がデオキシスの全方向を取り囲んで発射された。そしてとどめに特大の実体念波のエネルギー体を生みだして発射した

 

ドッカアアアアアアアアアアアアアアアン!!

 

空一面を覆い尽くし、幻想郷を揺るがす巨大な爆発が起こった

 

「やったか?」

 

と思わずフラグが経つ定番のフレーズを言ってしまったが、油断は一切しなかった。しかしそれは杞憂で終わったようだ。デオキシスの水晶体が落ちてきたからだ。おそらく肉体は消滅したのだろう。しかし水晶体があればいずれは復活する。何にせよ、俺はこの勝負に勝利を収めたのである。しかし・・・

 

ピカアアア!!!

「!?」

 

すると空に七色の光が立ち昇る。俺は上空に上がるとそれは紅魔館の跡地からだった。それは隕石からの光だった

 

「馬鹿な!!フランの能力で木端微塵になったはずじゃ」

 

しかしいつの間にか元の形に戻っていた。その光には何となく見覚えがあった。あれはメガシンカの時に輝く光と同じだった

 

(まさかあれはキーストーン!?)

 

するとその光は俺に向かってきた。光に当たるとミュウツーの力を失った。代わりに体力も傷も回復しだした。そして俺には別のポケモンの力が宿り始めた

 

黄金の粒子を身に纏い、幻想郷中を巨大な乱気流が発生する。そして俺は萌葱色の光で輝いていた。これは間違いなくあのポケモンの力だった

 

すると別のところにも光が落ちた。どうやらそれはデオキシスの水晶体に落ちたようだ。すると肉体は再生され、新たな姿に変わっていく。それは誰も見たことのないデオキシスの新形態だった

 

それはデオキシスのような異形の体だった。まるで3つのフォルムが一つになったかのような姿だった。デオキシスがキーストーンの力を取り込んだ姿。「パーフェクトフォルム」とでもいうのだろうか

 

すると俺のいる高さまで浮上してきた。そして「はかいこうせん」を放とうとしていた。俺も「はかいこうせん」で迎え撃った

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

 

二つの極太の破壊光線がぶつかり合って凄まじい衝撃波が起こった。何とか神奈子と諏訪子が押さえているが、もしなかったらどうなっていたかは想像したくもない。すでに八雲紫も動いており、霊夢と式神の藍と橙と共に幻想郷を覆う結界を強化していた

 

そしてやがてデオキシスは宇宙へと飛んでいった。しかし放っておけば必ず災いが起こる。俺も大急ぎで追いかけていった。二人はロケットを遥かに凌ぐ速度だった

 

 




エピソードデルタでメガレックウザVSデオキシスがありましたけど、デオキシスには何も強化がなかったので、今作では強化させてみました。次回は宇宙でバトルです


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天空を司る龍神vs覚醒のDNA

初の宇宙での対決です。今回の戦いはエピソードデルタのさらに上の戦いて感じでしょうか


~宇宙~

 

俺は今メガレックウザの力を宿していた。今までメガシンカは成功しなかったのに、あのキーストーンと思われる隕石の力で今メガレックウザの力を宿すことが出来た。宇宙空間だというのに巨大な乱気流、「デルタストリーム」が発生していた。宇宙には大気がないので普通は天候を操ることは出来ない。正にメガレックウザだからこそできる芸当と言ってもいいだろう

 

しかしデオキシスにも異変がおきた。本来は存在しないはずの新たなフォルムを手に入れたのだ。そしてデオキシスは周りにオーロラのようなものを纏っていた。それは小さな星雲のようなものに見えた。外見の特徴は主にアタックフォルムとスピードフォルムが主でディフェンスフォルムの特徴はそれらに比べるとかなり少ない。おそらくあのオーロラがディフェンスフォルムの防御力の役目を持っているのではないかと仮定した

 

両者は途轍もない力を手に入れた。今は宇宙空間。戦えるのはほぼ俺だけと言ってもいいだろう。生まれて初めて見る宇宙とそれから見る地球、そして月があった。じっくり鑑賞したいが、今はそんなことを言ってられる状況ではなかった。なぜなら今にも相手は俺に攻撃を仕掛けようとしているのだから。そしてお互いの姿は一瞬で見えなくなり

 

ドガガガガガガガガガガーン!!

 

両者は「しんそく」を発動した。速度と手数はあちらが上回るが、こちらは風と一撃の重みで勝っていた。両者とも一瞬の合間にほぼ攻撃を捌いていた

 

「おおおおおおおおおおおおお!!」

「”#%‘‘@@&#%&’$&‘!!」

 

お互い雄たけびのようなものを上げる。宇宙では音がないはずだが、俺のメガレックウザの生み出す大気の影響で音が出るようになったのだろう

 

相手は「れいとうビーム」を発射した。しかし俺の「デルタストリーム」の力で威力は半減しており速度も遅くなっていたので簡単に避けれた。俺はお返しとばかりに「りゅうのはどう」を放った。その威力は今までの中で一番強力なものだった。巨大なドラゴンの形の波導が迫るが、それをたやすく避けて「サイコショック」で反撃してきた一つ一つが小型の隕石並の大きさで速度も非常に速い。しかし俺は「りゅうのはどう」を全体に放って相殺した。攻撃の速度も桁違いだった。爆煙が生まれて視界が悪くなる。そしてデオキシスは爆煙の向こうから「しんそく」で反撃してくるが

 

ブォン・・・

「!?」

ドドドドドドドドドド!!ズバーン!!

 

俺はスマブラルカリオのカウンター式の「かげぶんしん」を発動した。今やもう「かげぶんしん」が使えるポケモンなら全て使用できるようになった。そしてカウンターの「しんそく」にとどめに「ドラゴンクロー」で切り裂いたが、あのオーロラの力で威力を吸収されてあまり大きなダメージが入らなかった。しかも

 

「う・・・やはり一筋縄じゃいかないか」

 

時折、相手も「しんそく」でカウンターの要領で反撃してきた。アタックフォルムの攻撃力とディフェンスフォルムの防御力、そしてスピードフォルムのスピードを兼ね備えた形態の力は伊達ではない

 

俺は生み出した大気を操作して巨大な竜巻をいくつも生みだした。宇宙に竜巻という普通はあり得ない世にも不思議な光景だが、それを行えるのが伝説のポケモンなのだ。ついでに雷も発生させた。相手も超能力で操って対抗しようとするが、簡単に阻止される。天候の操作にかけては俺の方が遥かに上手だ。相手もそれを悟ったのか。「サイコキネシス」で強引に破壊してきた。俺は竜巻の流れに乗って「しんそく」を発動して回転する。そしていくつもの竜巻を一つにして超巨大竜巻へと還元させた。デオキシスはそれに呑まれて閉じ込められる

 

俺はそのなかに飛び込んで連続攻撃を決める。竜巻から飛び出して閉じ込めているデオキシスを攻撃する。攻撃したらすぐに竜巻に戻り、身を隠すヒットアンドアウェイで攻め立てる。単純だが、抜群の効果だった

 

しかしデオキシスも黙っていない。デオキシスはオーロラを混ぜた堅固なバリアを身に纏い、更にスピードフォルムのスピードで竜巻の流れに沿って移動し始めた。そして俺の後ろに回り込んでバリアを纏ったタックルを決めた。堅固なバリアに超スピード、更にアタックフォルムのパワーが合わさった一撃の威力は凄まじく俺は吹き飛ばされた。その吹き飛ばされた先は・・・

 

~月面~

 

「く・・・ってここは!?」

 

どうやら俺は月まで飛ばされたらしい。やはり三つのフォルムが組み合わさった力は怖ろしい。欠点がまるでない。俺は急いで「りゅうのまい」を発動した。そして次の瞬間デオキシスは俺に攻撃してきた

 

ドォーーーン!

 

俺は腕を交差させて防御したが、相当な威力だ。パワーとスピードが兼ね備えた一撃は単純に強力だ

 

でも俺も黙ってはいない。俺はお返しに「ドラゴンテール」で攻撃した

 

ドゴオオオ!

 

デオキシスは月面まで吹き飛ばされる。俺はすかさず「じしん」で追撃するが、かわされる。そして「サイコショック」で反撃してくるが、俺はこれをかわしていく

 

ドカーン!!ゴオオオオ・・・ビュオオオオオ!!!ドドドドドドドドドド

 

それからは接戦が続いた。超高速で移動して光線、暴風、冷気、雷などが入り乱れる大混戦となった。月が次々とクレーターが出来、地割れが起こる。一部に留まらず、月中で暴れまわった。やがて隕石まで降ってきた。どうやらデオキシスが超能力でどこかの小惑星を移動させていたらしい。俺はかわしたり、攻撃で破壊したりして応戦した。更にこちらも「りゅうせいぐん」で反撃した

 

お互いの隕石が雨のように降り注ぐ。まさにこの世の終わりのような状況だった。戦いの影響で月中にメガレックウが生み出す乱気流とデオキシスのオーロラが出ていた。やがて戦っているといつの間にか不思議な場所に着いた。なんと月なのに海があるのだ。しかもここは元から大気があるという不思議な場所だ

 

(ここは一体?月にこんな場所があったのか?・・・そういえば永琳さんたちって月から来たと言っていたな。ということはここがその故郷なのか?)

 

すると俺に悪寒が走る。風の力だが、相当嫌な風だ。こちらに向かってくるのを感じる。俺はその方角に強烈な気流を発生させた。案の定俺たちに向かってきたが、気流の力は強くてどんどん押し返してやがて打ち消した。デオキシスも超能力とバリアでうまく凌いだようだ。しかしここで思いもよらない暴挙に出る

 

「!?おい!!嘘だろ!!」

 

なんとあいつは風が吹いてきた方向に「はかいこうせん」を発射したのだ。止めようとしたがもう遅かった。しかし

 

ズバン!!

「「!?」」

 

極太の光線は何かに真っ二つにされた。おそらく月の住人には光線でも斬ることが出来る力を持つ者がいるのだろう。だがデオキシスはくいっと触手を動かしてなんと分裂した光線を二つとも曲げた。そして

 

ドッカアアアアアアアアアン!!

 

流石にこれは相手も予想できなかったようで直撃したらしい。大きなキノコ雲が出ていた。俺はただでさえデオキシス相手に手を焼いているのにいるのに月の人まで相手にしたらたまったものじゃない。俺はデオキシスを「ドラゴンテール」で月の外まで吹き飛ばした。それ以降はデオキシスも攻撃するべきではないと判断してそれからは攻撃しなかった

 

戦いは再び宇宙空間で行うことになる

 

~宇宙空間~

 

しばらくまた乱戦が続いた。お互い体力は限界になって。最後の勝負に出ることになる

 

デオキシスは再び「サイコブースト」を放とうとする。しかも先の物よりもさらに強力で且つ、フルパワーでだオーロラの光はさらに強くなり、膨大なサイコパワーの影響で周りが歪み始める

 

対して俺も大技の構えをした。それに呼応するように「デルタストリーム」はどんどん強くなり、一つにしなっていく。そしてメガレックウザの黄金の粒子の光と萌黄色の輝きが混ざって乱気流も染まっていく。その威力は世界を滅ぼす規模の超巨大隕石を軽々と破壊するメガレックウザの必殺技である

 

そしれお互いの全力の一撃を一気に解き放った

 

@#”%&$‘(サイコブースト)!!」

「ガリョウテンセイ!!」

 

両者の最高の一撃が今この宇宙で激突したのである

 

その行く末は・・・

 




次回でデオキシス戦は終わりです。パーフェクトフォルムの解説はまた次回でします


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激突の果てに得る力

これにてデオキシス戦は終了です


~月~

 

話は少し前に遡る・・・

 

「何だあれは!?」

「宇宙なのに竜巻が発生しているだと!?」

「とてつもなく動きが早いあの生物は・・・」

 

月の都は大騒ぎになっていた。突如頂上的な戦いが繰り広げられたからだ。月人や玉兎達も大慌てである

 

「月に異常な乱気流発生。竜巻や雷や吹雪発生!!」

「オーロラも見えます。しかも地球のものとは全く異質なもののようです」

「一体何なのだ!!この者たちは!!」

 

と月の都のリーダーである綿月依姫は苦言を呈する。突然起こった現象に戸惑っているのである

 

「あの時落とした隕石にあれほどの物があったなんてね」

「お姉さまが地上のものが酒を盗んだ報復に落としたものですか?」

「ええそうよ」

(でもおかしいわ。私が呼び出したのは普通の小惑星で特別な力は一切感じなかった。誰かがすり替えたというのかしら?八雲紫ではそんなことはおそらく無理だし、あの地を誰よりも愛しているものが、隕石を止めるのならまだしもすり替えるなんてことはしないはず・・・これは一体?)

ビー!ビー!

「大変です!!あいつらの影響で結界が一部破壊されて、静かの海周辺に現れました!!」

「!?」

「何だと!!」

 

彼らの戦いの影響でとうとう結界の一部が破壊されてしまったのだ

 

「全員戦闘準備を!!依姫、行くわよ!!」

「もちろんです!!」

 

こうしてここのリーダーである姉妹を筆頭に進む

 

~静かの海周辺~

 

ドドドドドドドド!!ビュオオオオオ!!

ピッシャーン!!ドッカーン!!

 

目の前には正に異常な光景だった。竜巻、吹雪、雷などのいくつもの異常気象に謎のオーロラ。そして姿もまともに見えないほどの速度で戦っていた

 

「制裁をしてあげましょうか。月の最新兵器のこの「森を一瞬で素粒子レベルで浄化する風を起こす扇子」でね」

 

ブン!!ビュオオオオオ!!

 

豊姫が扇子を振ると浄化の風が暴風となって突き進む

 

ゴオオオオオオオオオオオオ!!

 

だが、相手はそれを感知して巨大台風並みの風力を持つ気流で一気に吹き飛ばした。もう一つの方も特殊な力で跳ね返す

 

「・・・・・・・」

「これを退けるとは・・・」

 

すると遥か彼方から極太の光線が向かってくる。今度は依姫が

 

「光を斬ることは水を切ることよりずっと容易い」

 

と言って光線を一刀両断した。しかし分裂した光線はいきなり向きを変える

 

「何!?」

「しま・・」

 

ドッカアアアアアアアアアアアン!!

 

予想外の展開に対応が遅れて光線は直撃した。都も一部破壊されてしまった

 

「くっ・・・おのれ!!」

「!?」

 

しかし直後に騒動の原因の一人がもう一人を月の外まで龍の尾のようなエネルギー体で吹き飛ばした。それ以降は一向に手を出しては来なかった

 

ズッドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

 

 

それから戦いは宇宙空間で激化し、そして両者に莫大なエネルギーが発生する。やがてその二つはぶつかり合った

 

~現在~

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

お互いの大技が激突する。周囲は萌黄色に輝く途轍もない乱気流とデオキシスのオーロラの光が混ざった膨大なサイコエネルギーが周囲に向かっていく。それは地球も月も揺るがすかのようなものだった

 

(ぐうううううううう。なんて威力だ・・・)

 

今は拮抗しているが、このままでは俺の方が危なかった。何故なら俺はミュウツーで激闘をした後にレックウザでもやばいのに、今のおれはメガレックウザの力を宿している。今までメガシンカをしたことがないのに、いきなり今見つかっている者の中では頂点と言ってもいい存在の力だ。体力の消費は半端じゃない

 

(力があるうちに一気に決めないと負ける・・・!!)

 

このとき俺は不思議な力を感じた。何というか人々の祈りのような力だった

 

ま・るな!!・・せ!!・・・る・じゃ・・わよ!!

 

負けるな!!倒せ!!負けるんじゃないわよ!!

 

(聞こえる・・・みんなの声が・・・)

 

私は今は貴方に祈ることしか出来ません・・・。でもたとえ祈ることしか出来なくても、私はそれを全力でやるまでです・・

 

(早苗か?)

 

ここに戻ったら私は少しでもあなたの力になれる様になって見せます!!

だから必ず・・・・勝って下さい!!

 

(!?)

 

すると不思議な力が湧いてきた。祈りにはどんな力があるかはわからない。でもかつて地球に危機が訪れたときに、1000年も前の感謝を忘れずにその恩人に古代人たちは祈った。そしてその龍神はそれに応え、さらなる力を手に入れて人々とポケモン、そして世界を救った

 

そして今の俺にもそれを感じる

 

(俺のことを信じて祈るものがいるのならば、自分はそれに全力で応えて見せる!!)

 

すると乱気流は萌黄色の光がさらに濃くなり、七色に輝き始める

 

「!?」

 

それはどんどん大きくなっていく。まるでキーストーンのように

メガシンカとは本来は人とポケモンとの絆が大きな原動力だ。でなければあまりに強い力に制御が利かなくなって暴走する場合がある。それを制するのもまた絆の力なのだ。目に見えないものではあるが、その力は決して馬鹿に出来ないのである

 

そして巨大な彗星のようになったエネルギーはデオキシスの「サイコブースト」を貫き始める。そして

 

「いっけーーーーーーーーーー!!!!」

「!?」

 

ズッガアアアアアアアアアアアアアアアン!!

 

真聡の、いや人々の祈りが詰まった「ガリョウテンセイ」は「サイコブースト」ごと貫いたのであった

 

見事だ・・・

 

(!?何か声が!!)

 

そしてしばらくの間、宇宙で七色の超巨大な暴風が吹き荒れるのだった

 

やがてそれが晴れる頃、倒れたデオキシスが宙に浮かんでいるのが見えた。しかし次の瞬間それは突然姿を変えて七色の輝きを持つ石になった

 

「これはキーストーン!?それにこれは」

 

その正体はキーストーンだった。更にその上にどういうわけかメガリングがあった。俺はそれを腕にはめる

しかしこのメガストーンの塊は一向にそのままだ。しかし俺はあることを考え付く

 

(まさか・・・そういうことなのか?俺は今レックウザだから・・・)

 

俺はそれにかぶりついた。するとそれを口の中に入れた。味は何というか不思議な味だった。でもうまいかまずいかと言えばうまい。俺はいつの間にかそれをバリバリ食べ始めた。普通は異常な光景だが、レックウザは隕石をくらうポケモンでもある。そもそもキーストーン自体がかつて地球に落ちてきた隕石なのだ

俺は全部食べ終わると体が光り出す。それは凄まじい力を与え、更にケガも消耗した体力も一瞬で回復する

 

「これは!!」

 

すると七色の光が幻想郷と月に降り注ぐ。するとどういうわけか荒れ果てた地形が元通りになった。これもその力なのだろうか

 

そして俺は幻想郷へと戻っていく。着いたら早苗や神奈子さんと諏訪子さんをはじめとした人が俺を迎えてくれた。なんと紅魔館も元通りになったらしい

 

そして俺は気づいた。おそらく俺はキーストーンを食べたおかげでメガシンカが使えるようになったのだろうと

 

 




デオキシス・パーフェクトフォルム

今作のデオキシスのオリジナルフォルム。デオキシスがキーストーンの力を取り込んでパワーアップした姿。三つのフォルムの長所を全て取り入れて弱点をなくした最強の形態。周りに星雲のような特殊なオーロラを身に纏い、あらゆる攻撃を吸収して弱めてくれる。攻守ともに正にパーフェクトな強さを持つ

特性 ネビュラオーロラ

あらゆる攻撃のダメージを3分の1にする



種族値

HP    50
こうげき 180
ぼうぎょ 55
とくこう 180
ぼうぎょ 55
すばやさ 180 


そしてついに主人公はメガシンカが可能になりました。これから更に戦力の幅が広がっていくと思います




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災いの感知

章のタイトルを改めました。今回は緋想天もやります
この章もポケモンの力が炸裂です


デオキシスを倒してまた再び幻想郷に平和が戻った

 

俺はいつものように人里で自警団の仕事をし、木の実を育てる。にとりが量産したポロックキットは店だけでなく民衆にも広がった。今となってはすっかり人気の商品で名物、いや一つの家庭の味になりつつあった。木の実の調合次第で味がいろいろ変わるため、個人個人の好みがわかれるからだ。最近俺から木の実を買って畑で育てる人も増えてきた。そして俺はいつものように時間が出来たら修行である。最近は早苗との訓練にも付き合っている。前よりも俄然が出ているようでみるみる成長している。そして俺は今新たな課題に向き合っている。それは

 

「メガシンカ!!」

キュイイイイイイイイン

「ふう、成功だ」

 

俺は新たにメガシンカの特訓をしている。どうやらレックウザと同じ理論で俺には体内でキーストーンがあるから「~ナイト」とかは必要としないようだ。そしてその状態での修業を行っている。最近はパルキアの空間操作能力で生み出した修行部屋で特訓している。その気になればディアルガの力も使って精〇と〇の部屋のような部屋を作れるのだがそこまではしていない。代わりに壊れてもしばらくしたら時間が巻き戻って、元に戻るようにはしたけど。そんな場所で今日も修行である。今日はこのポケモンを試した

 

「つじぎり」

ザン!!

 

黒い闇の刃で切り裂くと前方を大地ごと両断した。これがメガシンカの力である。俺が宿しているのはメガアブソルである。いつ使うかわからないのでいろんなポケモンを宿して修行している。メガシンカは強力ゆえに制御が利かなくなって暴走したら大変なことになる。アニメでもコルニのルカリオがその力を制御できずに暴走していた。図鑑を見ても例えばメガギャラドスは「全てを焼き尽くす破壊の本能しか残ってない」やメガルカリオも「戦いぶりは非情の一言」と言ったように凶暴になるケースも結構多い

一歩間違えれば危険な力にもなりかねないこの力を制御できるようにするには修行あるのみだ。今日はメガアブソルで特訓している。しかし突然俺の脳裏に不吉な予感がした

 

「!?博麗神社が大地震にあっているだと!!」

 

博麗神社に大地震によって崩壊している様子が映し出された。おそらく今宿しているメガアブソルの力だろう。メガシンカしても進化前本来の力もしっかりあるのだろう。気になるのはそれが博麗神社のみに起こったということだ。自然で起こる地震ではこんなに局地的に来ることはまずあり得ないだろう。そうなるとこれは人為的なものなのだろうか。いずれにせよ俺は博麗神社へと向かった

 

 

~博麗神社~

 

俺はすぐに「テレポート」で博麗神社に向かった。すると他にも誰かがいた。魔理沙ではない。全く違う格好をしていた

 

「だからあんた何なのよ!!」

「ですからこの先ここで大地震が来るのでそれを伝えに来たんです」

「初対面のやつにいきなりそう言われても困るわよ!!だったらあんたを・・・」

「おい!霊夢どうしたんだ?」

「あっ!真聡」

 

どうやらもめているようだ。とりあえず何なのか聞いてみる

 

「いきなりこの永江衣玖というやつが私に大地震が来るから注意しろって言ってくるのよ!!」

「何!?」

 

なんとこの人も同じ理由で来たとは驚きだ。とりあえず俺も霊夢に言った

 

「霊夢。実は俺もそのことを伝えるためにここに来たんだ」

「何ですって!?」

「!?」

 

霊夢も隣にいる永江という女性も驚いているらしい

 

「それは本当なの?」

「ああ。修行中にたまたま災いを察知するポケモンの力を借りて修行していてな。そのことに気づいて知らせに来たんだ」

「本当に!?」

「ああ。ところであなたもどうして気づいたんですか?そもそもあなたは何者なんですか?」

「私は永江衣玖。展開に住む竜宮の使いです」

「竜宮の使い!?」

 

そして彼女の話を聞いた。彼女は「空気を読む程度の能力」というのを持っており、普段はその力を使って初めて会う人の輪でも簡単になじむことが出来るらしい。しかしその応用で緋色の雲の空気を読むことで地震発生を予測することで地震が来ることが分かったらしい。最初はこの博麗神社を選んだという

 

しかしここで疑問が残った。何故最初にという言葉を使うのかだ。俺が見たのは博麗神社のみに起こる局地的なものだ。それなら博麗神社だけに直行するだけでいいはずだ。ということはこの後別の場所にもいく予定なのではないだろうか?そしてそれは局地的に起こることまでは気づいていないという推理になる

 

そして俺がそのことについて聞くと案の定彼女はそこまではわかっていなかった

 

「ということは誰かが大地震を起こそうとしているわけね」

「そうなるな。心当たりはあるか?」

「確か守矢神社の神は坤を司るとかいう神がいたわよね。もしかして・・・」

「おいおい。諏訪子さんを疑うんじゃないよ。お前とは分社を置くことで問題は片付いたろ?今更お前の神社を壊そうと考えるか?」

「でも私が知っている奴だとそれくらいよ」

「まあ待てって・・・どこ行くんですか?衣玖さん」

「!?」

「あっ!いつの間に!!」

 

俺はどこかへ去ろうとする彼女を見つけていった

 

「私の役目は終わりましたし・・・」

「まあそういわないでくださいって。あなたにも聞きたいですからね。正直に答えてくださいね・・・嘘は通じませんよ・・・!!」

 

俺はメガアブソルが持つ相手を威圧するオーラを相手に叩き込んだ。そして漆黒のあくタイプのエネルギーを纏った刃を少しだけみせた。嘘をついたらどうなるかという警告も兼ねてだ。脅迫のようだが、これが一番効果的だ

 

「・・・あなたが言う人為的なものというのにピンと来たんです。おそらく総領娘様の仕業だと」

「総領娘?」

「どういうことか説明してもらうわよ!!」

 

そして彼女はおとなしく白状した。どうやら天界に比那名居天子という人がいてその人は「大地を操る程度の能力」で地震を起こせるらしい。局地的なものであってもだ。彼女は俺の話を聞いて彼女だと思ったらしい。そして居場所も彼女から聞いた。まあ半分は霊夢からの脅迫に近いが

 

「じゃあ行こうか」

「ええ。どういうつもりか知らないけどとっちめてやるわ!!」

「まあまだ犯人が確定したわけではないがな・・・」

(まあでもほぼ間違いなさそうだが)

 

こうして俺たちは天界へと向かうのだった

 

 

 

 




アブソル   NO.359  タイプ:あく

ホウエン地方に住むあくタイプのポケモン。地震や津波などの災害を察知すること能力を持つポケモン。めったに山のふもとに降りてこないが、災害の度に人前に姿を現したため災いを呼ぶポケモンと勘違いされてしまい忌み嫌われていた。しかし実際は災害を察知して人間たちに知らせるために来ていたことが最近分かった。性質は穏やかで寿命は100年を超えるらしい。アニメで映画も含めて初期からよく登場していたので伝説のポケモンと勘違いする人が多かったという。(作者もそれの一人だった)
第六世代でメガシンカを獲得した。メガシンカの時は羽のようなものが生える。空は飛べないが、メガシンカのエネルギーで逆立つ体毛を羽をばたかせることによって相手を威圧するオーラを迸らせるという


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メガシンカの力

メガシンカ無双


~天界~

 

「ここが天界か」

「まったくどういうつもりで私の神社でこんな真似をしようとするのかしら」

 

霊夢はかなりお怒りのようだ。まあ無理もないだろう。比那名居天子とはいったいどんな奴なのやら。そうしていると目的地が見えてきた

 

「誰かいるな」

「比那名居天子ってあんたかしら?」

 

するとその少女は振り向いた。容姿は長い青色の髪に深紅の瞳をしている。黒い帽子にも桃二つ付いているのが特徴的だった

 

「ええそうよ。こんなに早く来るとは思わなかったけど。博麗の巫女」

「なんでこんな真似をしようとしたのかしら?」

「理由?それは単純に暇だったからよ。天界は暇なんだもの」

「は?」

「何ですって!?」

「地震でも起こせばあんたは異変だと思って確実に出てくると思ったのよ。まあ結局そうする前にバレちゃったようだけど」

 

俺は正直絶句した。こんな身勝手な理由で地震を起こすとは心底呆れる。相当傲慢で我儘な女らしい

 

「霊夢・・・」

「ええ。久しぶりに本気で怒ったわよ。叩き潰してあげるから覚悟しなさい!!」

 

霊夢は完全に戦闘態勢に入る。しかし

 

「だけどね。本当の目的は博麗の巫女ではなくて後ろにいる人間、木戸真聡を呼ぶことなのよ」

「!!何だと?」

「あんたのことは知っているわ。数々の異変を解決していった。人間。様々な妖獣の能力を使っていく人間だってね。閻魔や宇宙からの侵略者まで倒したそうね。おまけに視界を奪われてもまるで問題なく動けたり、未来を見たりもするようね。だからわざわざこんな大掛かりのことをしたのよ。そうなればなるほどあんたは駆けつけるとね」

「「・・・・・」」

「まあ博麗の巫女だけでもよかったんだけどね。でも私の期待通りだったわ」

「・・・一つ聞くが、お前それで霊夢がもし大けがでもしたらどうする気だったんだ?」

「んー?まあその程度だったってことかしら」

「ほかに誰かがいてそれがなくなったとしたらどうする気だ?」

「別に知ったことじゃないわ。その時は運が悪かっただけって話」

「・・・・・・・そうか」

 

どうやら相当なものらしい。流石に怒りも湧いてくる

 

「・・・霊夢、悪いけどここは俺に任せてくれないか?」

「・・・ええ。今回は譲ってあげるわ」

「あら。そっちの人間がやるようね」

 

すると天子は要石に乗ってやってくる

 

「形式は何だ?弾幕ごっこか?それとも実戦か?」

「そうね。ここは実戦でお願いするわ。鬼や閻魔相手に実戦で勝つと聞くからね」

「そうか」

「・・・あんた後悔するんじゃないわよ。あんた程度が真聡に実戦で勝とうなんて無謀よ」

「ふん。天人を舐めないことね。能を誇れば功を喪うだろう。お前はどれほどの力を持っていたとしても人間であることを自覚せよ」

「別に人間であることを止める気はないがな」

 

斯くして俺と天子の戦いが始まった

 

すると天子はもっている剣のようなもので斬撃を放ってきた。しかしこれは簡単に避ける。しばらく連撃してくるが、素人に近い剣閃だ。その程度

 

ヒュン・・・ザン!!

「!?」

「ふいうち」

 

相手が剣を振りかぶった瞬間に超高速で移動して不意の一撃を放った。メガアブソルの力を試したのだ。そしてふき飛んだところを「あくのはどう」で飲み込んだ

 

ドッカーン!!

 

俺の反撃は鮮やかに決まった。しかし

 

「ふふ、やるわね・・・」

「・・・頑丈だな」

 

天子はダメージは負ったものの余裕で耐えて見せた

 

(まあメガシンカの練習相手にはなるかもな)

地符「不譲土壌の剣」

 

すると天子は剣を地面に突き刺す。すると大地が盛り上げってきた俺はそれを素早く動いてでかわしていく。俺は今度はこのポケモンの力を使った。今度はエルレイド、しかもメガシンカしたメガエルレイドである。俺は腕のブレードで接近戦に持ち込む

 

ガッキーンキンキン!!

 

剣技の戦いになるが、剣術にかけては俺の方が上。所々で俺は切り裂いていく。しかしこれくらいではまだ効果は薄いらしい。しかもこの持っている剣も変だ。攻撃を受け止めるだけで妙にダメージが大きい

 

「ふふ。これは「緋想の剣」と言ってね。相手の気質を見破ることによって弱点を突くことが出来るの。一太刀でもくらったら一溜まりもないわよ」

「なるほど。確かに厄介な剣だ」

「これで切り裂いてやるわ」

剣技「気炎万丈の剣」

 

するとその剣を使って滅多切りにしようとしてきた。剣閃は早い。しかしただ早いだけだ

 

「あまり俺を舐めるなよ。「真・インファイト・斬!!」

 

すると俺は姿は一瞬で消えて

 

ズバババババババババババババババズッザン!!

「がは!!」

 

メガシンカにより、速さもパワーも前のものよりも桁違いに上がっていた。その圧倒的な速さと手数、そして一つ一つが並の妖怪では一撃で倒せるほどの威力を持った剣技だった。これには天子も大きなダメージを受ける

 

「くう・・・」

「ふん。この程度の剣技じゃ、妖夢と戦ったらあっという間に斬られるぞ」

 

これに耐えるのは流石は天人と言ったところか。しかしこいつはただ単に能力にかまけているだけ。いくら強い装備を持っていても本人の技量が伴わなければ存分に力を発揮できない。そんな至極当たり前のことだった

 

「どうすんだ?これ以上抵抗する気かい?」

「まだまだ・・・」

 

何とか立ち上がるが、もうだいぶボロボロだった。すると今度は天から要石が降り注いできた

 

要石「天地開闢プレス」

 

すると天子はそれに乗って特大の要石江押し潰そうとしてくる。更に他の小さな要石が降り注ぐ

 

ドスン!!ドッスーン!!ズッシーン!!!

 

要石の波状攻撃が続く。これをかわしながら次のことを考える

 

「次はこいつかな」

 

すると俺はついに天子の特大の要石に潰された

 

「あはははははは!!天人を舐めるからそうなるのよ!!」

 

と高らかに笑うが

 

ピキ・・ボッカーン!!

「え!?」

 

すると突然天子の乗っている要石が粉々に砕け散った。そして辺りに砂嵐が発生する。いきなりのことで天子はそのままバランスを崩して落下する。そして

 

「じしん」

ドッズズズズズズガァーン!!

 

拳の一撃に地震のエネルギーをのせた強烈な一撃をくらって吹き飛んだ。俺が今宿しているのはメガバンギラスだ。ただでさえ吸血鬼のフランの全力のパンチを軽々受け止め、片腕だけで山を粉砕するほどのパワーの持ち主だ。それがメガシンカした時のパワーなど想像もつかない。この大きさの要石程度なら軽々と破壊できる。それをまともにくらえばひとたまりもないだろう。しかし

 

「やれやれ。タフさだけはずば抜けているな」

「・・・・・」

 

それでも立った。彼女の持つプライドがそうさせたのだろうか。彼女としても信じられないのだろう。自信満々で挑んでおきながらコテンパンに蹂躙されているのだから。しかもいくら強い力を持つとは言え、人間相手にだ。今まで散々見下していた存在にここまでされてプライドが許さないらしい。そして彼女は緋想の剣を構える

 

「こうなったらこれですべて消し飛ばしてやるわ!!」

 

すると剣に膨大な気が集まり出す。あれを撃ちだすつもりなのだろう

 

「気」か。ならばこちらもこの技で仕留めるか

 

俺はまた違うポケモンを宿す。それは

 

ゴオオオオオオオオオオオオオ!!

 

俺はメガルカリオを宿した。すると以前萃香と戦った時のものと比べ物にならないほどの波導があふれだした

 

「全人類の緋想天!!」

 

すると天子の緋想の剣から超高密度の気の集まりを超高速で極太の赤いレーザーのようにして撃ちだした。あれをくらえばひとたまりもないだろう

しかし俺はあの技で迎え撃とうとする

メガシンカしたことによるパワー、洗練されたルカリオの力と己の波導。それを全て一つにした大技

 

「はどうのあらし!!」

「!?」

 

すると超極太の波導を解き放った。大きさも威力も別格であり、「全人類の緋想天」を容易く押し出した。そしてそのまま天子はなすすべなく飲み込まれた。だがこれでもかなり加減した。流石に死んでしまったら困るからな

 

「まあ。いいメガシンカの練習相手にはなったよ。しかしたぶん霊夢とやっても同じ結果だろうよ。次からは修行をし、もっと広い視野を得るのだな」

 

そう言って倒れた天子に「いやしのはどう」をかけてあげて、そのまま霊夢と共に帰るのだった

 

 




天子がひたすら蹂躙されてしまいました。天子ファンの方々はすみませんでした


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第七章:地霊殿編
地底の異変


地霊殿編スタートです


~守矢神社~

 

比那名居天子が起こそうとした異変は木戸真聡によって、事前に阻止された。あれから天子も懲りて悪さをしなくなったようで、真面目に天人としての勉学と修行に勤しんでいると衣玖さんから聞いた。俺は割とトラウマになっているらしい

 

それからはまた平和が続き、今は冬となり、雪が降るようになった。今日は早苗との修行中。最近は新しいスペルも作った

 

地符「だいちのちから」

 

すると地面にひびが入ってマグマが噴出してそれが弾幕となる。俺からは「マッドショット」で作った弾幕を発射していく。更に「ふんか」を発動して正に火山の噴火のような巨大なマグマの柱が発生する。そして天に打ちあがったマグマは火山弾となって降り注いだ。しかも噴煙によって視界を悪くする効果もある

 

「くっ・・・・」

 

早苗はそれをかわしていく。視界が悪くなっても八方向から来る弾幕を冷静にかわしていき、時にはお祓い棒で弾くという芸当もやってのけていた

 

奇跡「ミラクルフルーツ」

 

最近生みだした新しいスペルだ。赤い弾幕を周囲に8つ浮かべてそれを放射状に一斉に拡散させるスペルだ。更にそれを途中風を起こして相手の動きを阻害したり、操ることもしている。最近は自分で新たなスペルを生み出している。更に自身のスペルの精度を上げたり、本人曰く原作にはないものも作っているらしい。事実この風の操作は自分なりに作ったオリジナルとのことだ

 

最近は人々に頼まれて妖怪を退治することもしている。俺が忙しい時にたまにやってくれているところを見たことある。彼女もだいぶ馴染んだらしい。最近の目標はこの幻想郷に慣れることだと言っていた。そしてこういっていた

 

「うふふ。ここでの挨拶の仕方を学びました」

「この幻想郷では常識に囚われてはいけないのですね!」

 

という感じで妙に自信満々に言っていた。まあ確かにその通りではあるのだが

 

「・・・確かにそうだが、非常識になれということではないと思うぞ」

 

と忠告しておいた。まあここに馴染んでいるようで何よりだ。強くなってきているし俺にとっても嬉しい限りだ。ある程度済んだら俺たちは休憩した

 

「ほい。「おいしいみず」で作った暖かい緑茶だ」

「ありがとうございます。ふう・・・やっぱり冬には緑茶ですね」

「全くだな」

 

修行の後のお茶は実に美味い。今は冬だから暖かい茶は最高だ。ちなみに俺は最近小傘に頼んで水筒を作ってもらった。前に早苗は小傘と会ったことがある。この二人は相性が良いらしくてかなり仲がいい。しかし何故か早苗が小傘を弄ることが多くなっている。少しSに目覚めてないか?・・・まあ現世でも遊んでいるうちに割とこんな感じの性格だったなとも思えてきた

 

そんなこんなのいつも通りの一日・・・ではなくて、今日ははちょっと違う

 

「はい。これが俺からの誕生日祝いだ。受け取ってくれ」

「え!?覚えていてくれたんですか?ありがとうございます!!」

「なあに、早苗も俺のときにくれたからな。俺からもしないとって思ったまでさ」

「開けていいですか?」

「うん。いいぞ」

「じゃあ開けますね・・・・これは!!」

 

今日は早苗の誕生日である。俺が誕生日の時、幻想郷に来てからは言ってないのに覚えていてくれてプレゼントをくれたのだ。ちなみにそのプレゼントの中身は俺は冬生まれだったのもあって手編みのマフラーだった。色は緑色で彼女らしいと言えばそうだった。現世でも一度作ってくれたのだが、その時はあまりうまくなくて不格好ですぐにほどけてしまった。だからそのリベンジということでまた挑戦したらしい。あの後から今度はうまくなってやると思って練習していたらしい。まあその次の誕生日に俺が倒れてそれどころではなくなってしまったが。「こんなものですみません」と言っていたが、俺にとってはすごく嬉しかった。その時「あの時のも作ってくれて嬉しかったんだよ」と言ったら少し照れていた。そして俺が渡したのは

 

「マフラーですか!!もしかしてこれって・・・」

「ああ、手編みだ」

 

俺も手編みのマフラーに挑戦した。俺はこういうのがうまそうなアリスさんに頼んで作り方を教わった。何回か失敗したのもあったけど、練習していくうちに無事に完成した。何とかいい色に仕上がったと思う。ちなみに色は俺が好きな色の青だ

 

「どうかな?うまくできてるか?」

「ええ!!とてもよくできてますよ!!」

 

と言って早苗はマフラーをかけた。結構似合っていると俺は素直に言った。早苗も嬉しそうだった

 

こうしてプレゼントも無事渡し終える。そしてそろそろまた修行に戻ろうとしたら

 

「おーい!真聡!!」

「魔理沙!!」

「魔理沙さん!!」

 

すると魔理沙がここにやってきた。何やら慌てているらしい

 

「どうした?」

「大変だ!!博麗神社で突然温泉が湧いたんだけど、その間欠泉から大量の霊がいっぱい出てきて、人里にうろついているらしい。私はたまたま人里にいて、自警団の所長から守矢神社にいるだろうから連れてきてくれと頼れたんだ」

「何だと!?そうかそれはご苦労だったな魔理沙。すぐに向かうとしよう。早苗ここから先は今度な」

「いえ、私も行きます。様子を見ておきたいので」

「そうか。じゃあ行くぞ!」

 

こうして俺はすぐに魔理沙と共に「テレポート」で向かった

「・・・・・・・・」

 

~人里~

 

すると本当に霊があふれて人里にも来ていた。しかし幸いにも大人しい霊たちで、また作った「れいかいのふくろ」に入れていった。触ったところ前の物とは少し違う気がする。とりあえず数は減らせたけど、穴から次々現れて大変らしい。大人しいのが救いなのだがとはいえ気になる出来事である。騒動が終わると早苗は俺と二人で話したいことがあると言ってきた。俺は時間が出来たときに話を聞いた

 

「どうしたんだ?」

「・・・実は今回の出来事は神奈子様と諏訪子様が原因なんです」

「何だと!?」

 

話を聞くと原作では神奈子さんと諏訪子さんが信仰獲得の一環として、「幻想郷エネルギー革命計画」というものを始めることにしたらしい。それは霊烏路空という地獄にいる烏の妖怪に太陽を司る神、ヤタガラスの力を与えたらしい。それは核エネルギーを操る力でそれを制御装置として核融合を実用化、そしてそのご利益にして一気に信仰を得ようとしたらしい

 

何というか今回ばかりは擁護出来ない浅はかな理由だ。早苗は反対して表面上はしないと言っていたが、訪問している日にどうやら術により、一日中眠らされていて気づかない間に力を与えていたのではないだろうかとのことだ。自分の不甲斐なさを恥じていたが、ここで言っても仕方がない。まずはその空というやつの暴走を止めないといけない。なんでも過剰な力を持ったことが原因で地上を火の海にしようとしているらしい。何としても止めなくてはならない

 

(しかし「核」か。厄介だな。勝てる手段はまああるけど・・・)

 

と不安を抱きながらも俺は早速準備して地底に向かおうとする。それと早苗も自分に責任を感じているようで一緒に行くとのことだ。しかし感づかれたことが二人にバレたら連れ戻されるだろう。だから今すぐに向かいたいとのことだ

 

そういうわけで今回の異変は早苗と共に向かうのだった。早苗にとっては初の異変解決だが、今後のことも考えていい機会だと思う

 

こうして俺と早苗は地底に向かうのだった

 

 

 

 




地霊殿では時期の二人に支援キャラがいますが、今作では早苗にその役目をやってもらうことになりました。今作の早苗はゲームキャラの自分の扱いのことも知っているので、原作と比べてかなり常識的なキャラになるかもしれません



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地上から追われた妖怪

今俺と早苗は地底に向かっている。今何しているのかって?それは「あなをほる」をしているのだ。俺はイワークの穴掘り能力を素で行うことに成功した。最近第二進化形くらいまでは素で使用できるようになった。そして人も妖怪もいない平原で穴を掘り始めた。何故場所を選ぶ必要があるかというとイワークは時速80キロで地中を進めるからだ。現世の掘削機の速度で時速4キロ弱くらいである。それの20倍以上のスピードで掘ったらどうなるだろうか?答えは簡単だ。図鑑でも書かれているように地面が揺れて大災害になる可能性からである。だから場所を選んだのだ。かといってスピードを緩めたら穴を掘ってショートカットする意味がないというのもある。早苗も妖怪の山の入り口は知らないようだ。そうこうしながら掘り進めていくと

 

ボッコ!!「着いたぞ!!」

 

無事に到着。そこからの地面までの距離が10メートルくらいだ。俺たちはそこに降り立って進んだ。更にジバコイルの力で宙に浮き、「フラッシュ」で明るくして進んだ。波導の力も発動させておけば更に安全に進めるだろう

 

「こういう奇襲を仕掛けてくるやつがいるしな!」

「え!?」

 

俺は一旦地上に降りた。すると何かが落ちてきた。ルカリオの力を宿して「ボーンラッシュ」をバットのように構える。そして

 

カッキーン!!

 

という感じに「ボーンラッシュ」の骨を振りぬいた。そして遥か彼方へと飛んでいく。更におまけに「しんくうは」を放った。理由は糸につるされていることもわかっていたからだ。糸が前にのびきる前に真空の刃が糸を斬る。そしてそのままどこかに飛んでいった

 

「よし」

「さすがですね」

 

とりあえず追い払ったので俺たちは先に進む。途中妖怪や普通の妖精やゾンビのような妖精が襲ってくる。俺と早苗はそれを蹴散らしながら進んでいく。俺は電撃や光線で蹴散らしていく。早苗もすでにこの程度の雑魚相手では問題なく倒せるようで余裕を持っていた。ペアを組んで敵を倒しながら道中を進んだのは紅霧異変で魔理沙と組んで以来だ。あの後は一人だし、一緒に行っても敵がいなかった。だからちょっと新鮮だったし、十分戦力になっていた。しばらく進むと

 

「これは蜘蛛の巣か?いやにデカいな」

「うーん・・・!?真聡さん!!上!!」

「!!おっと」

 

するといきなり弾幕が発射された。俺は素早く避けた

 

「ふう。油断したな。ありがとう早苗」

「いいえ。・・・どうやら敵のようですよ」

「そうだな」

 

すると目の前に人影を見つける

 

「あんたたちだね?ここに侵入してきた人間は」

「そういうおまえは誰だ?」

 

すると金髪のお団子頭に茶色いリボンをした少女が現れた。服装は茶色を基調にしている

 

「私は黒谷ヤマメ。この地底に住む妖怪、土蜘蛛だよ」

「いったい何の用だ?」

「どうしたもこうしたも突然キスメが向こうから吹っ飛んできたことに気になったんだよ。さっき地面が揺れていたけどそれもあんたたちでしょ?」

 

どうやらさっき襲ってきたやつは妖怪だったようだ。キスメはまだ気絶している

 

「まあ、地上から穴を掘ってきたからな。そのキスメっていう妖怪も先に上から落ちてきて奇襲をかけてきたから対応しただけだ。別にここを荒らしに来たわけじゃない」

「じゃあどうして人間がここに来たのよ」

 

とりあえず早苗と一緒に事情を話した。俺たちの目的や今何が起ころうとしているのかを。すると結構話が分かる妖怪だった。多分普通に人間と話しても仲良くなれる性格をしているのだろう。ただ・・・

 

「お前病気を操ることが出来るのか?」

「うん。でも今は押さえているから大丈夫だよ。でもあんたが来た時には一応軽い病原菌を撒いておいたけど、全然効いてないね。どうしてだい?」

「あー多分それは俺は今はがねタイプのジバコイルを宿しているからだろうな」

「はがねタイプ?ジバコイル?」

「ジバコイルというのはポケモンの名前の一種だ。はがねタイプは属性の一つなんだけど毒の攻撃は効かないんだ。多分これのおかげで平気なんだと思う」

「ポケモン・・・って!!ちょっと後ろの人間の子が!!」

「!?おい!!早苗!!」

「うう・・・」

 

どうやらキスメの病原菌が体に侵入したらしい。俺は慌ててラムの実を食べさせて、更に「いやしのはどう」を使った。そして最後に「しんぴのまもり」で病原菌が感染しないようにした。まだ症状が浅かったのもあってすぐに全快した

 

「ふう。助かりました」

「すまないね」

「まあいいよ。君は悪い妖怪ではなさそうだし」

「私もそう思います」

「そう言ってくれるとありがたいねえ」

 

更にヤマメから話を聞くと霊があふれた理由は知らないとのことだ。しかし最近この先にある旧都という場所の温度が上がり始めているらしい。おそらくそれが今回の異変に関係があるんじゃないかということだ。それと

 

「あとポケモンという言葉で思い出したけど、あんた自警団に所属しているという木戸真聡で間違いないね?」

「まあな」

「だったら気を付けた方がいい。旧都に住んでいる星熊勇儀という鬼がいるんだけど、そいつがあんたと戦うことを楽しみにしていたよ。急ぐのなら会わないようにした方がいいよ」

「鬼もいるのか」

「うん。あそこにはいっぱい住んでいるよ。でも勇儀は別格だけどね。あんたが倒した萃香と同格だからね」

「マジかよ」

 

それは結構大変だ。あの時よりずっと強くなっていると自覚しているが、さすがに萃香と同格の相手だと確実に体力を消費する。気を付けないとなと思った

 

「じゃあ俺は先に進むな。いろいろ教えてくれてありがとう」

「いいよ。私を恐れることも嫌悪感を持つこともなく話す人間なんて今じゃいないからね。私も喋れて楽しかったよ」

「そう言ってもらえると嬉しいよ」

 

こうして俺はヤマメとキスメと別れた

 

「やれやれ変わった人間もいるんだねえ。でもあの真聡というやつは噂通り様々な技を使うんだな」

 

そしてまた蹴散らしながら地下を奥へ奥へと進むのだった

 

 

 

 



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風祝VS橋姫

今回は早苗が戦います。早苗は自分でいろいろ改良して今作オリジナルの性能になっています


~地底~

 

道中に襲ってくる敵を蹴散らしていながら順調に進んでいく。だんだん広くなってなっていき、やがて大きな空洞に辿り着いた。すると遠くから明かりが見えた

 

「あれがヤマメが言っていた旧都か。結構大きいな。人里くらいはありそうだ」

「あそこは旧地獄ともいうんです」

「旧地獄?」

「はい。それは・・」

 

早苗の話によるとここはかつては本物の地獄だった場所らしい。しかし閻魔が地獄のスリム化をするためにこの場所は地獄から切り離されたそうだ。だから旧地獄と呼ぶのだそうだ。その中心に灼熱地獄跡があり、お空というやつはそこで暴れているのだという。すると橋が見えてきた。俺は渡ろうとするが

 

「待ってください」

 

と早苗が俺を呼び止めた。あそこには水橋パルスィという橋姫と呼ばれる女神がいるらしい。なんでも橋を守護する存在らしくて本人は嫉妬心を操り、嫉妬が本人の力となるらしい。能力がなくとも嫉妬深いため、ここは迂回して別の場所から旧都に入ろうと提案してきた。しかしどうやらそううまくはいかないらしい

 

「あんたたちそこで何してるの?」

「ああ。見つかっちゃいましたね・・・」

 

すると金髪のショートボブで緑色の瞳、そしてエルフみたいなとがった耳が特徴的な女性が現れた

 

「えーとあなたがパルスィさんですか?」

「ええそうよ。誰かと一緒に来るなんて妬ましい」

「え?」

(なんかいきなり妬ましいって言ったけど・・・まあとにかく)

 

俺たちは軽い自己紹介とここに来た目的を丁寧に話した。全てを話し終えると彼女はこういった

 

「事情は分かったわ。でも通すわけにはいかない」

「なんでだ?」

 

しばらく言い合いになる。個人的には無駄な消費はしたくないし、できれば穏便に済ませたいのだが

 

「通りたければ弾幕ごっこで私に勝つことね」

「・・・・そうか」

 

無理矢理突破する手段もあるにはあるが、この人はしつこく追いかけてきそうだ。ならばここは勝負に勝って認めさせた方が最良の選択か。交渉はダメそうだし

 

「よし分かった。じゃあ俺が・・・」

「待ってください」

「何だ早苗?」

「ここは私に任せてくれませんか?」

「お前に?」

「はい。私も腕試ししたいですし、真聡さんに頼りきりってわけにもいきません。それに今回の異変の主犯を倒すにはあなたの力が必要ですから、ここは私に任せてくれませんか?」

(確かに相手は核を使うらしいし、その方がいいかもな)

「わかった。じゃあ頼むぞ早苗」

「はい!!」

 

そして早苗はパルスィの前に対峙する

 

「仲がいい、信頼し合っている・・・妬ましい!!」

 

するとパルスィに緑色の邪悪なオーラが出てきた。しかし早苗は全くひるまずに対峙する

 

「妖怪相手にひるまないなんて、妬ましい!!」

 

花咲翁「シロの灰」

「これはルナティックの弾幕!!」

 

すると緑色の大玉と中くらいの光弾が飛んだあとに桜の花を模した弾幕が出来上がる。そしてまた緑色の光弾が来てまた桜の弾幕が出来るのだが、厄介なことに花の弾幕はしばらくの間残ったままなのだ。つまり下手に動いたらそれに囲まれて移動範囲が狭まるし、障害になってしまうということだ。つまり先を読んだ動きが必要ということになる

 

(幸い弾幕はそこまで速くはないし、軌道は直線。冷静に見極めれば)

 

早苗は弾幕の動きを見極め、回避できるスペースを常に確保するようにかわしていく。そして難なくかわし切り、スペルブレイクしてみせた

 

「お返しです!」

奇跡「客星の明るすぎる夜」

 

すると早苗の前方に大きな青い光弾が出来る。そして回転しながら青いレーザー上の弾幕をばら撒いていく。更に途中からまた光弾が増えてそこからもレーザー弾幕が放たれた。しかも途中で向きを変えてくるものもあった。この弾幕をパルスィは避けてはいたが、とうとう被弾する

 

ピチューン!!

「まずは一本です!!」

「う・・・人間のくせに妬ましいわね」

 

そしてパルスィはまたスペルを取り出す

 

舌切雀「大きな葛籠と小さな葛籠」

(これは確か分身するスペルですね)

 

するとパルスィが二人に分身した。一人は大きな緑色の光弾、もう一人は大量の小さい白い弾幕を放射状に発射された。しかし早苗はこれで対抗する

 

開海「モーゼの軌跡」

 

するとパルスィを挟むように大海のような水の塊が波のように凹凸する。更に自身からも弾幕を発射していく。これにより、パルスィの分身は飲み込まれてしまう。これパルスィも早苗を狙って弾幕を発射しながら避けていく。しかし早苗は

 

ゴポポッ!!

「!?」

「あれは!!」

 

すると波から波紋が広がって水の弾幕となって向かっていく。正体はポケモンの技の「みずのはどう」である。縦と横からの同時攻撃にはパルスィも苦しいようだ。しかしこのスペルはこれで終わりではない。早苗は移動していくと波が引き始めた場所があった。しかしパルスィは行かなかった。弾幕の対応に追われていたのと出来たスペースにも激しい弾幕があったからだ。しかし次の瞬間

 

「え?」

ザッパーン!!

ピチューン

 

突然波が閉じてしまった。突然のことで対応できずになす術なく飲み込まれてしまった。これはあの時スペースに逃げないといけなかったのだ。実際さっきまで空いていた場所は水に飲み込まれていない。おそらくこれは旧約聖書のモーゼの軌跡の結末をイメージしたのだろう。イスラエルの民が渡り切ったあと、モーゼは奇跡を止めた。そして追ってきたエジプト兵は全員海に呑まれて溺死してしまったという場面だ。パルスィはいわばそのエジプト兵と同じ。哀れにも大海に飲み込まれてしまったのだ。弾幕ごっことはいえ海に突然挟まれたらダメージは大きく、そのまま気を失った

 

こうしてこの弾幕ごっこは早苗の完勝に終わった。早苗は笑顔で俺にピースしてきた

 

「やるじゃないか」

 

早苗の成長をしかと見せてもらった。俺は親指を立てて賞賛したのであった

 

 

 




解説し忘れていたポケモンを一斉に紹介します

イワーク  NO.95  タイプ:いわ・じめん

岩でできた蛇のような姿をしているポケモン。地中に住んでいて時速80キロの速さで掘り進む。それが影響で地鳴りがおこる。地中のいろんな硬い物質を取り込んで体をさらに頑丈にしていき、やがて体の成分が変化して黒いダイヤモンドのようになる。年を取るほど体は丸みを帯びていくらしい

ミュウツー  NO.150  タイプ:エスパー

元祖禁止伝説級のポケモン。ミュウの遺伝子から人によって生み出されたポケモン。しかしあまりの凶暴性と力から研究所を脱出してしまった。高い知能と凄まじい超能力を持つがそれ故か優しい心を持たず、その圧倒的な戦闘能力で敵を打ちのめすしか考えなくなった。普段はいつでも最大限のパワーが出せるように洞窟の奥深くで少しも動かずに力を溜めているらしい
ポケモン初の映画「ミュウツーの逆襲」の主役である。凶暴な面はなく、人から作り出した自身の存在の意味に自問自答していくポケモンである。最強のポケモンの名に恥じない力を持っており、指を振るだけで大嵐を生みだし、高速具月でも何十匹のケンタロスの群れを一斉に浮き上がらせ、巨大な湖の水を表層ごとテレポートさせるといった正に怪物と呼ぶにふさわしいだろう
ポケスペで登場した際は「サイコウェーブ」で作った巨大竜巻や鋭利なスプーンのような武器を生みだしたりしている
メガシンカはXとYの二つを持ち、Xはかくとうタイプが付加される


レックウザ  NO.384  タイプ:ドラゴン・ひこう

天空を司る伝説のポケモン。何億年もオゾン層の中で生息していて、地上に降りることはまずない。カイオーガとグラードンが激突した際に現れ二体の争いを静めた。普段は空気中の塵と水を食べているらしい
ORASにて新たに隕石を喰らう設定が加わり、それによってたまってエネルギーでメガシンカすることが出来る。そいてレックウザはメガシンカポケモンたちの始祖であることが判明した。メガシンカすると体の文様が龍のひげのようになって黄金に輝く。その粒子の濃さを調節することで天候を自在に操ることが出来る。メガレックウザ固有のとくせい「デルタストリーム」はひこうタイプの弱点を半減させる力を持つ乱気流を発生させる。その力により、カイオーガとグラードンのゲンシカイキの力を奪い取ったという。専用技の「ガリョウテンセイ」を放つときは体をまっすぐ伸ばして、髭と尾をつないでΔ型の形になる。その破壊力は世界を滅ぼすほどの巨大隕石を一撃で粉砕する威力である。ちなみに研究員曰くその大きさは直径10キロメートルほどらしい。現実だと恐竜を滅ぼしたとされる隕石の大きさクラスである


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地霊殿へ

「とりあえずここに寝かせておくか」

「そうですね」

 

俺は気を失ったパルスィを橋のところに寝かせて、「いやしのはどう」をかけた。そしてそのまま先に進む。しかし避けないといけない存在がある。それは星熊勇儀だ。萃香と同格の相手と戦えば消耗が激しくなる。だから会わないように注意して進む。ここでも波導は便利だ。強いものほど波導の力は強い。だから強い波導に注意すればいいのだ。早苗からも勇儀より強いものはいないとのことだし、これでいいだろう

 

「・・・おっと!弾幕ごっこの光で気づいて大量の波導がこちらに向かってくるな」

「とりあえず安全なルートをお願いします」

「ああ」

 

俺たちはその集団を避けて先に進んだ。出来るだけ住人がいない場所を進んでいく。少しずつではあるが確実に先に進み、そして西洋風の大きな建物を見つけた

 

「あれか?早苗」

「はい。おそらく」

 

そして俺たちは早速中に入っていった

 

 

~橋~

 

「ちきしょう。いるのは倒れているパルスィさんだけか」

「弾幕ごっこをしている奴は確かに人間の臭いだったんだが」

 

橋には鬼たちが集まっていた。橋での弾幕ごっこの光に気づいて集まってきたのである。しかしそこに着いた頃には気を失っているパルスィを除いてだれもいなかった

 

「うう・・」

「おい!パルスィさんが目を覚ましたぞ!!」

「大丈夫ですかい?」

「え、ええ・・・」

「よう。パルスィ!派手にやられたようだな」

「!姐さん!!」

「勇儀・・・」

 

すると赤い一本角が特徴的な女性が現れた。彼女こそ星熊勇儀である

 

「誰にやられたんだい?」

「東風谷早苗とかいう巫女によ。人間のくせにこの私に完勝するなんて妬ましいわ」

「他に誰かいたか?」

「ええいたわよ。あんたが会いたがっていた人間が、確かに木戸真聡と名乗っていたわ」

「・・・そうか」

 

すると盃の酒を一杯飲んだ

 

「木戸真聡って・・・」

「あの萃香さんを倒したとかいう人間か!?」

「でまかせということは?」

「いやおれは萃香さんから話を聞いた。俺たち鬼は嘘が嫌いだからな。萃香さんも同様だ」

「なんでも吸血鬼や死霊、更に閻魔まで倒してしまったって話だぜ」

 

ザワザワ・・・

 

その名前を聞いて鬼たちはざわついた。すると勇儀は

 

「フフフ、ついに来たか!!」

 

すると勇儀の目は一気に好戦的になった。今までずっと戦ってみたい相手がついに来たことに興奮が収まらないようだ。その様子に鬼たちは怯む

 

「でもあの人間はあんたと戦うことは避けているようよ。異変のために消耗を避けたいみたい」

「だったら探すまでだ」

「お前ら!!そいつを探しな!!」

「「へい!!」」

 

こうして鬼たちは一斉に散らばっていった

 

「まあ行先は見当がつくけどねえ」

 

と勇儀は不敵に笑うのだった

 

 

~地霊殿~

 

「紅魔館以外だと洋館はここくらいだな。いやプリズムリバーの住む洋館もあるな。いずれにせよここでは珍しい」

「そうですね。そういえば私も演奏聞きましたけどよかったです。後ファンクラブにも入りましたよ!!・・・もちろんあなたのをです」

「あ~そうだったな。・・・ありがとな」

 

まあこんな雑談を挟みながら進む。中には広い庭があった。それと様々な種類の動物たちでいっぱいだった

 

「ここにはいっぱい動物がいるな」

「ええ。ここの主はペット好きなんです」

「そうなんだ」

「はい。その人は古明地さとりという妖怪で心を読むことが・・・!!いけない!!」

「急にどうした?」

 

すると早苗は慌て始めた

 

「すみません。ちょっとお願いがあるんです」

「何だ?」

「真聡さんの波導で強い力を感じたら教えてください。そしたら急いで離れますので」

「何故だ?」

「・・・すみません。それは言えないんです」

「心を読まれるとそんなにまずいのか?」

「はい・・・」

 

どうやらただ事ではないらしい

 

(心を読むか・・・そうだ!)

「俺にいい考えがある」

「何ですか?」

「ちょっと待ってろ・・・よし!これで心が読めないはずだ」

「え!?一体何をしたんですか?」

「ふふ。それはな・・・」

 

 

~side古明地さとり~

 

「さとりさま。誰かがここに来たようですよ」

「そう。一体何の用なのかしら・・・いや答えは明確ですね」

 

おそらく灼熱地獄の異常現象のせいだろう。その後姿を見つけたペットに案内された

 

「あれがここに来た人間たちね・・・うそ!?あの二人の心が読めない!?」

「あなたがここの主ですね?」

 

すると男性の方が私に話しかけてきた。確かあの人間は・・・

 

 

~side真聡&早苗~

 

「あの様子だとどうやらうまくいったようだな」

「凄いです!!本当に能力を使い分けているんですね」

「まあな」

「どうしてあなたたちの心が読めないのですか?」

「さあな。そう簡単には教えられません」

 

ここで説明するとしよう。俺が今やっていることは、うどんげとの戦いを思い出して浮かんだ策だ。心を読むとは相手の精神に直接干渉することに他ならない。早苗が言うには過去の記憶から読み取って過去のスペルカードで攻撃してくるという芸当も出来るらしい。そこで俺は微弱な「シンクロノイズ」を発生させることで相手の精神に直接伝わる音波で相手の精神への侵入を妨害しているのだ。簡単に言えば精神干渉の防護壁のようなものを生みだしたのだ

 

そもそもなぜこれをする必要があるのかというと、それは早苗がこの世界のことを知っていて、しかもそのキャラクターそのものだからだ。「幻想郷縁起」を読ませて知っていることにしたが、心を読まれてしまえば簡単にそれがバレてしまう。まだ相手が信頼できると判明してない以上、下手にそれを知らせるわけにはいかないのである。早苗が俺に教えなかった理由は、もし教えたら俺はそれをどうしても意識してしまう。そうなると結局バレてしまうからだ

 

何にせよ策は成功した。あとは交渉だ

 

「俺たちは何もここを荒らしに来たのではありません。しかしここも危険が及ぶから来たんです」

 

そして二人で説明した。しかし

 

「あなたにそんな得体のしれない力がある以上、そう簡単に信じられません!!出ていってもらいます!!」

「・・・普通は心を読めない状態で人は話すのですよ」

「うるさい!!」

 

どうやら冷静さを失っているらしい。心が読めないことにこれほどまで不安に駆られるのだろうか。しかしどうやらまだ別の人物がいるようだ

 

「そこの柱にいる君は何者だい?」

「「!?」」

 

すると突然別の少女が現れた。それをさとりは

 

「ただいま。お姉ちゃん」

「こいし!!」

 

さて、どうなることやら

 

 



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古明地姉妹

また早苗が戦いますが、戦闘描写はあまりありません


~地霊殿・庭~

 

すると薄い緑色のセミロングに緑の瞳、黄色いリボンが巻かれた黒い帽子に黄色い服に緑のスカートを着ている。そしてさとりと同じような眼玉を持った少女がいた

 

「さっきからつけてたようだけど、君は?」

「・・・やっぱりバレてたんだね」

「こいしの能力まで・・・」

「君は姿をくらます能力が使えるんだね」

「うん。「無意識を操る程度」の能力を持っているの」

「無意識?」

 

その後説明してくれた。その能力は相手の無意識を操ることで気配を完全に消して認識できなくなる。まるでそこらへんに落ちている小石のようなものとしか認識されないらしい。これを利用すれば。戦闘でも相手に完勝することが出来る恐ろしい能力だ

 

しかし俺の波導には通用しない。波導は生物である限り、常に発し続けるオーラである。妖怪だって生き物。他人の無意識を操って姿は消せても波導は消すことは出来ない。彼女にとって俺は天敵ともいえるだろう

 

「本当に波導って便利ですね」

「波導っていうんだね。そのちから」

「まあな」

 

としばらく和気藹々と話していたら・・・

 

「おっと」

「きゃ!!」

「ちょっとお姉ちゃん!!」

 

するとさとりは弾幕を放ってきた。そして狂ったようにこう言った

 

「やはりあなたは危険ですね。消えなさい!!」

 

するとなんと突っ込んできて殴りかかろうとしてきた。俺はじっとしているが

 

ボカ!!

「あう・・・」

 

すると早苗が横から強烈なキックを決めた。霊力を纏った強力な蹴りでさとりはふきとんだ

 

「ナイス!!体術の威力も上がっているな」

「ええ」

 

しかしまた立ち上がる。まだ狂ったような様子だ。すると早苗は

 

「そんなんじゃ真聡さんに傷一つ付けられませんよ!!代わりに私が目を覚ましてあげます」

 

すると早苗はさとりに挑みかかった。俺はそこから離れて様子を見守る。するとこいしに俺は言った

 

「どうする?このままお姉ちゃんを助けるの?それとも俺に戦いを挑むのか?」

「ううん。挑まないよ。お姉ちゃん私にまで弾幕撃ってきたし、あのお姉ちゃんのいう通り目を覚ましてもらった方がいいと思う。それにお兄ちゃんには弾幕ごっこでも実戦でも勝てる気がしないもの。お兄ちゃんが戦うところも遠くから見てたし」

「そうか」

 

こいしは俺の戦いを今まで何度か見ていたらしい。紅魔異変に、萃香との戦い、映姫との戦いなども見ていたらしい。そしてその実力を目の当たりにして、自分では勝てないと悟ったのだそうだ

 

「せっかくだからお兄ちゃんには教えてあげるよ。私がどうして無意識を操るようになったのかをね」

 

俺は彼女の話を黙って聞いた。この子もかつてはさとりと同じく覚妖怪で心を読むことが出来たようだ。しかしその力のせいで周りから嫌われていることを知って、サードアイと呼ばれる読心を司る目を閉じて封印したと語った。そのせいで心を閉ざし、無意識を操る力を得たという

 

「だからお姉ちゃんの能力でも私の心は読めないの」

「そうなんだな」

「うん。お姉ちゃんにとって私以外では二人が初めて出会った心が読めない生き物なの」

「なるほど。それで混乱しているのか」

 

今のところ早苗と張り合っているが、ほとんど早苗の一方的な蹂躙だった。相手の心を読むことを利用した戦術が一切使えないし、接近戦を挑んでも彼女自体苦手のようでしかも冷静さを失っている。対して早苗は冷静に対処していき、弾幕を確実に被弾させていく。接近戦になっても真聡との修行で素人臭い動きはもうなかった。拳をいなし蹴りや正拳でカウンターを決めたりしてダメージを与えていく。どんどんダメージが蓄積していき弱っていく

 

「はあ・・はあ・・、人間相手にここまで」

 

さとりは地底ではかなりの実力者である。彼女の知り合いと言えば逆らうものはまずいないという。普段は冷静で物腰柔らかい。相手の心を読んで過去の技も容易く再現できる力もある。たとえその能力を封じられてもここまで弱い存在ではなかった。しかし能力どころか冷静さも欠けてしまい、もう強者の面は見る影もなかった

 

脳符「ブレインフィンガープリント!!」

 

すると緑色の光弾を放ってくる。途中大玉も放ってくるが途中で消滅する。そしてしばらくすると爆発を起こして攻撃するというものだ。早苗は咄嗟に結界を生みだして防御する。最初は驚いていたが、種がわかれば恐れるに足らないようで以降は全く当たらなくなった。そして

 

「この風で目を覚ましてあげます!!」

大奇跡「八坂の神風!」

 

すると巨大な暴風が発動する。そし大量の弾幕が螺旋状に放たれる。それは正に神の風と呼ぶにふさわしい。庭からとび出し、地底の天井まで風が立ち昇った。やがて風が止むと、それに飲み込まれたさとりが無残にも倒れていた。もう完全に意識を失っていた。だが死んではいない。しかし次の瞬間地上に降りて来た早苗の前に真聡がいきなり現れた

 

「・・・手を出さないんじゃなかったのかい?」

「いつの間に!!」

「あ・・・・」

 

俺は早苗に無意識で近づいて攻撃しようとしたこいしをバンギラスの怪力で受けとめていた。どうやら無意識の行動だったようだ

 

「ごめんね、お兄ちゃん、お姉ちゃん。私無意識に・・・」

「それだけお前は姉を慕っているってこと。そうだろ?」

「うん。お姉ちゃんは普段は優しくていつも私を心配してくれるの」

「そうか」

 

とりあえずこいしに寝室へと連れて行ってもらい、「いやしのがどう」で回復させた。しばらく経てば目を覚ますだろう。そしてこいしから奥の灼熱地獄跡への道の入り口に連れて行ってもらった。すると

 

「はあ、はあ」

 

入り口に誰かがいた

 

「あ、お燐」

「!!こいしさま!!帰って来たんですね。それと後ろにいる人間は・・・」

「俺は木戸真聡」

「東風谷早苗です」

「俺たちは・・・」

 

お燐という猫のような妖怪に目的と今までの経緯を話した

 

「そんなことが」

「お燐。お空はどうなの?」

「もう手が付けられなくなって困っているんです。このままじゃ・・・」

「とりあえず案内してくれないか?このままでは本当にまずそうだ」

 

こうして俺は異変の首謀者の元へ向かうのだった

 

 



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灼熱地獄の恒星

いよいよお空戦です


~灼熱地獄跡~

 

「こりゃ熱いな」

「そう言う割にはそんなに堪えてなさそうだよね、あんた」

「まあな」

 

俺は今リザードンの力を宿して最深部へ向かっている。ポケダンで炎タイプのポケモンは普通にマグマの床でも歩ける。この世界のマグマも例外ではないようだ。まあ流石に少し熱いが、大した問題ではない

向かう途中でお燐が話しをしていたのだが、地上に霊を送ったのは彼女であることが分かった。しかしそれには悪気があってしたのではなく、理由があった。それはお空の影響で地上に噴出した間欠泉に霊を混ぜて送り込むことで異変を地上に伝えて助けを求めようとしていたからだ。それとさとりに話したらお空が処罰を受けることを恐れたという理由もあるようだ。しかしやってきたのは人間だから本来なら実力を試すために戦うつもりだったらしい

 

だが俺の名前を知るや否や戦うことを止めたようだ。俺の名前は地底でも轟いており、試す必要がないと悟ったらしい。それに下手したら自分が殺されそうだとのこと

 

早苗もついていこうとしたが、俺は留守番をさせた。今回は危険だからである

やがて陸地へとたどり着いた。そしてそこに異変の張本人、霊烏路空がいた

 

「あはははははは!!せかいせいふくだーーー!!」

 

すると狂ったかのように炎を巻き散らかしてきた。それに伴って灼熱地獄の炎はどんどん強くなっていく

 

「お空ーーー!!止めな!!」

「あっお燐!!それと・・人間さん?」

「お前が霊烏路空だな?」

 

俺は霊烏路空ことお空と対峙する。容姿は白のブラウスに黒いスカート、長い黒髪に緑色にリボンをしている。しかし異様なところがある。黒い羽は彼女が烏の妖怪だからよいのだが、右足には金属の塊のようなものが纏わりついている。右腕には大砲のような筒があり、胸には大きな深紅の目玉がついていた

 

「単刀直入に言うぞ。今すぐその力を使うのを止めろ!さもないと地上も地底も大変なことになる」

「こんなところまで来てもらって心苦しいんだけど、間欠泉はもう止まらないわ。遅い・・・遅すぎたわ」

「何だと?」

「間欠泉はこの熱を地上に逃がすためのだけの穴なの。私は究極の力を手にしてしまった。その力を使う度に間欠泉が湧くの。だから止められないわ」

「そんなことをしたら地底の住人にも被害が及ぶと言っているだろう?お前の大切な主人や親友が死んでもいいのか?」

「そんなことにはさせないわよ。もしかしてあなた私を脅しているのかしら?」

「違う!!これは警告だ!!このままではお前は一生取り返しがつかないことになりかねないんだぞ!!」

「お空!!馬鹿なことは止めな!!」

「だから地上に新しい灼熱地獄を作って住処を増やす。それだけよ」

 

どうやらいきなり自身に強大な力を手に入れたせいで思考も暴走しているようだ。親友であるお燐の声さえも届かない。こうなったら

 

「お燐。俺はこいつを止めるからお前は早く地霊殿に戻れ!!」

「あんた正気なの!?いくらあんたでもあれを止め・・」

「テレポート!!」

ヒュン!!

 

俺はお燐を地霊殿まで転移させた。とにかくコイツを止めるしかない

 

「この力の前に灰塵になるがいいわ!!」

核熱「核反応制御不能」

 

するとあたりを埋め尽くすほどの特大の弾幕が発生する。まるで小さな太陽が弾幕となっているかのようだ

 

「たく。技名からしてこのままじゃまずそうだ!!」

 

俺はとりあえず回避に専念した。しかし熱量が半端ないうえにかわすのも大変だ。俺はメガボーマンダの力を宿した。その圧倒的な飛行能力でかわしていく。そして

 

「りゅうのはどう!!」

 

俺はドラゴン型の波動を発射した。しかし球が大きくてなかなかお空本人に当たらない。何発か打てば破壊できるがまた別のが発射される。しかしそれでも粘り強く攻撃した結果

 

ドッカーン!!

「うう・・」

 

遂に命中した。すると弾幕が消えだした。まだ使えるようになっても間もないうえに、エネルギーを多く使うため一度集中力が切らされると隙が大きいようだ。俺はこれを逃すまいと

 

「すてみタックル!!」

 

俺は超高速で突進した。とくせいのおかげで威力も上がっており、メガボーマンダのパワーも手伝って凄まじい威力となった。弾幕を切り裂きながらお空に突撃した

 

・・・ヒュン・・・ズッバーン!!!

「がは!!」

 

弾幕ごとお空を切り裂き、余波だけで近くの岩が真っ二つになった。メガボーマンダはその翼で行く手にあるものを全て切り裂くという。「血に濡れた三日月」という厨二くさい異名も持っているようだ。しかし

 

「ぐう・・・これはとんでもない異物だわ。排除してあげる!!」

 

ダメージは大きいようだが、それでもまだ元気だった。加減はしたのだが、まさかここまで元気とは。八咫烏の力が影響しているのだろうか?何にせよこれは少し予想外だった。ここで仕留めるつもりだったのだから

 

「ちい。甘く見てたか」

爆符「ペタフレア!!」

 

すると大量の恒星のような弾幕が放たれた。俺は何とか回避していくが、数が多い。そしてとうとう被弾する

 

「ぐう・・あ・熱い」

 

ドラゴンタイプのボーマンダのおかげで効果はいまひとつだったが、それでもかなりのダメージを受けてしまった。しかしそれでも立ち上がる

 

「ひとまず「はねやすめ」っと」

 

俺は素早く回復した。しかしその間でも弾幕は迫る。俺は大急ぎで回避した。相変わらずガンガン来るがだんだん慣れてきた。しかし今の俺はさっきのダメージの影響でやけど状態だ。普通なら持っている「やけどなおし」で治すのだが、ここで少し賭けに出た

 

「ハイパーボイス!!」

 

俺はひこうタイプとなった強烈な音波で攻撃した。強烈な音波で弾幕を破壊することも出来るが、一番は相手の聴覚を刺激することが出来る。これで集中力を乱すのが狙いだ。しかもここは洞窟で音がよく反響する

 

「う・・うるさーい!!」

 

するとお空は滅茶苦茶に撃ちだした。そのおかげで精度が悪くなって隙間が出来てきた。俺はそれを見逃さまいと突っ込んだ。そして

 

「おおおお!!「からげんき」!!」

ドッゴオオオン

「ぐはああ」

 

やけど状態でしかもスカイスキンの力が加わった渾身の一撃がお空に直撃してお空は岩肌に叩きつけられた。そしてその隙を見逃さずに別のポケモンの力を借りた。それはメガオニゴーリである

 

「ちい。氷タイプにはやはりこの環境はきつすぎるな。でもこれでおしまい」

 

俺は手に膨大な冷気のエネルギーを溜めた。メガオニゴーリの特性は「フリーズスキン」。その力が加わったこの技を放つ

 

「氷のはかいこうせん!!」

ビュゴアアアアアアアア!!!!

 

同じ特性であるアマルルガを遥かに凌ぐ絶大な冷凍エネルギーが発射された。それはお空に直撃した

 

ガッキーーーーーン!!

 

その衝撃波と共に灼熱地獄はいっせいに凍り始める。そしてやがて灼熱地獄跡は一転してコキュートスと化したのだった。お空は氷漬けになっていた。俺は一応動けるようになった後にあられも降らしておいた。念には念をということだ。それに別に芯まで凍らしたわけではない。ほっといてもいずれは溶けて元通りになる。たとえ凍らしてしまったとしても元に戻せる。というかお空を回収したら元通りにするつもりだ。俺は「かいふくのくすり」で傷とやけどを治した

 

(これで済んで良かった。とりあえず「テレポート」で彼女を転移させるとするか)

 

全てが終わったとこの時は思っていた。しかし

 

ドッゴーン!!

「!?」

 

なんとお空は氷を砕いて飛び出してきた。俺は反射的に「テレポート」で距離をおいた

 

「キケン!キケン!!キケン!!!スベテハイニシテケシテヤル!!!!」

 

どうやら完全に自我を失い、暴走し始めたようだ。そして周りの氷も一瞬で解けて

 

「サブタレイニアンサン」

 

するとお空の周りに核の炎が集まってくる。そしてお空は太陽そのものになってしまった。その影響で引力が発生して引き寄せられる。更に

 

焔星「十凶星」

 

お空の周りに一回り小さな恒星が10発放たれた。それらはお空を中心に公転する惑星のように周りをまわり始める。更に「ペタフレア」で攻撃してきた。この極悪な弾幕に流石に手を焼いた。このままじゃ本当にすべてを破壊してしまうし、おそらく最後は自分自身を滅ぼしてしまうだろう。そして俺は心の中で思ったのだ

 

(やはりこいつの力を使うしかないか・・・)

 




オニゴーリ  NO.362  タイプ:こおり

ユキワラシの進化形。岩のような体に氷の鎧で覆ったポケモン。冷気の扱いに長けており、水分を凍らせて自由に形を変えたり、相手を瞬間的に凍らせて捕食するようだ。そのせいでオニゴーリの周りにはダイヤモンドダストが発生するらしい
ORASでメガシンカを獲得した。とくせいはノーマルタイプの技を氷タイプにして威力を上げるフリーズスキンとなる。常に吹雪を吐いており、メガシンカによる過剰なエネルギーにより、顎が外れてしまった。それで「かみくだく」できるのだろうかという疑問があるが気にしないようにしよう。きっとアニメの「かみつく」みたいに牙のエフェクトが出るのだろうと作者は解釈しておくとする


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核を上回る力

閲覧数が20000を突破しました

読んでいただいた皆様には本当に感謝です。これからもよろしくお願いします。


~地霊殿~

 

「あの人間はどうなってるんだろうねえ。いくらなんでもあれを止められるのかい?」

「あのお兄ちゃんならきっと大丈夫だよ。私が前に見た時よりもきっともっともっと強くなっているよ」

「でも相手は神の炎、核を操るやつでしょ?」

「・・・神なんてあの人にはたくさんいますよ」

「え!?それってどういう?」

「少なくとも世界を滅ぼしかねない力を持つ存在も宿せるんですよ。大丈夫です。あの人ならきっとすべてを救って帰ってきます」

 

全く心配していないというと嘘になるが、それよりも真聡を信じる気持ちの方が強かった。ただそれだけである

 

 

~灼熱地獄跡~

 

「ナゼ・・・ダ?ドウシ・・・テ・・・?」

「・・・・」

 

今、灼熱地獄跡は得体のしれない黒い物質に包まれていた。見るだけで吸い込まれて闇、いやそれ以上かもしれない気持ち悪い黒い物質が覆っていた。お空の生み出していた恒星はすべて消えていた。さらにお空はボロボロになっていた。話はほんの数分遡る

 

~数分前~

 

「アハハハ!!スベテキエテシマエ!!」

 

太陽そのものとなったお空に周りを飛び交う恒星と核の弾幕。力は完全に暴走していた。正に絶体絶命のピンチ・・・なのだが、真聡は冷静だった

 

「お前は究極の力と言ったな?核融合を自在で操る。大したものだ」

「ナラサッサトモエテシマエ!!」

 

お空はさらに力を強めて恒星を一斉に俺に向けてきた。お空は完全に勝ったと確信していて有頂天になっていた。もはや自分はだれにも止められないと

 

「・・・闇のディアルガになったときの俺を見ているようだよ。これ以上君を暴れさせるわけにはいかない・・・だから全力でいかせてもらう。そしてこの世にはさらに上のエネルギーがあることを教えてやるよ」

 

すると俺から突然黒い物質が全身からあふれ出した。それはあっという間に灼熱地獄を覆い尽くした。そして俺はサッカーボールくらいの大きさの黒い球体を投げつけた。お空の放つ特大の核の弾幕と比べれば遥かに小さい。お空は悪あがきだと思って気にせず攻撃した。数多の核の弾幕が俺に近づいてきた。しかし次の瞬間

 

ピカ!!

「エ・・・・」

 

目の前が白い光に包まれた・・・

 

~現在~

 

お空は訳がわからず混乱していた。なぜなら自分の自慢の核の弾幕に向かって小さな黒い球を投げつけてきたと思った次の瞬間大爆発して自分はそれに飲み込まれたのだから。そしていつの間にか自分は足場の前に横たわっているのだ。しかも自身が纏っていた太陽も消えてボロボロになっていた

 

「オマエ・・・イッタ・・イナニ・・ヲ・・シタ」

 

目の前には無傷の真聡。ただし黒い塊を纏っていた

 

「反物質って知ってるかい?」

「!?」

 

反物質とはある物質の質量と角運動量は同じだが、電荷などの性質が真逆の物質である。宇宙の始まりにも深く関わっている物質だ。そしてそれを物質とくっつけるとそれの衝突によって消滅する現象を対消滅という

対消滅の力は凄まじく一円玉くらいの大きさの物を対消滅させるだけで広島の原爆の3倍くらいの威力を発揮する。核融合は得られるエネルギーは物質の質量の1000分の1しか出せないが、反物質はほぼ100%そのまま利用できる。しかもこれは環境にもやさしく放射能の類は一切出ない。正に核融合をも超える夢のエネルギーと言える

 

しかし現実での運用は極めて難しい。まず物質に触れただけで対消滅するという性質上、あらゆる物質に触れないようにするために全く物質が混じってない超真空に強力な磁場を発生して浮かばせ続けるということをしないといけない。燃料の確保も制御も極めて難しいうえに1グラム生みだすのに数兆円もの莫大な費用が必要だ。そして1キロ作っても史上最大の水爆は超えられない。はっきり言って今の人間の科学力で扱えるような代物ではないのだ

 

しかしそれを自由自在に生み出すことが出来る反物質を司る神がポケモンにはいる。それはギラティナである

かつてはディアルガとパルキアと共に生まれその二匹と互角の力を持っていた。ディアルガは時間を、パルキアは空間を生みだし、アルセウスの宇宙創造に手助けしていた。ではギラティナの役目は何だろうか?それは一言で言うと表世界との調和を図る存在である。世界が誕生した頃はまだ時空が不安定で時空の歪みが生じていたらしい。それを裏側から修復する役目を担っていたと言われている。しかし暴れ者であり、アルセウスたちの怒りを買ってこの世の裏側の世界である「破れた世界」に追放されてしまったのだ。推測だが、おそらくその反物質の力によってあらゆるものを消滅させてしまったのが原因ではないかと俺は考えている

 

何にせよこれだけは言える。俺は今その反物質を好き勝手生成できる力を持っているのだ。だからあらかじめ反物質で作ったシールドを張っておいたのだ。さもなければ今頃地底、いや幻想郷そのものが吹っ飛んでしまっていることだろう。それにしても普通に張っても対消滅が発生しないのは不思議だが、それが出来るのが伝説のポケモンなのかもしれない

 

お空は投げた反物質に触れていなかった核の弾幕と自身の太陽のおかげで助かったが、もう戦える状態ではなかった。しかしまだ抵抗しようと必死だった。無敵と思い込んだ自分がここまであっけなくにやられたのが信じられないのだろう

 

「・・・仕方がない」

「エ?」

ドゴ!!

「・・・かげうち」

ドサ・・・

 

最後は影からの軽い一撃で気を失わせた。そして俺はお空を背負ってゆっくりと上昇して戻っていった。そしてこれは数あるポケモンの中でも最高レベルの禁忌と言える力だと思った。というより禁止伝説は基本的にほとんどが普段の使用を制限せざるを得ない力だ。これらは大抵世界を滅ぼしかねないし、滅ぼさなくても摂理を変えてしまいかねないのだ。俺は改めて伝説の恐ろしさが身に染みたのであった

 




ギラティナ  NO.487  タイプ:ゴースト・ドラゴン

シンオウ地方に伝わる神と呼ばれし伝説のポケモン。アルセウスにより、ディアルガとパルキアと共に誕生した。二体と拮抗する強大な力を持つ。しかし暴れ者故に敗れた世界に追放されてしまった。現在はそこから静かに世界を見守っているという
歴史から消された黒歴史的な存在で文献がほとんど残っていなかった。わずかに残っているものによると世界が誕生した頃まだ時空が安定しておらず、歪みが発生していたようで、ギラティナはそれを裏側から修復する役割を担っていたらしい。また反物質を司る存在であることがHGSSで判明した
二つのフォルムを持っており、一つ目はアナザーフォルム、もう一つははっきんだまを持たせることによって使用出来るオリジンフォルムの二種類である。破れた世界は時間が存在せず、空間も重力も不安定で常識が通用しない世界である。またギラティナは破れた世界そのもののような存在でギラティナの感情によって敗れた世界と現実世界に歪みが広がってしまう。表の世界とは表裏一体であり、ギラティナが暴れて破れた世界にあるものが破壊されるとバランスが崩壊して現実世界にも影響が出てしまう


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謝罪

これにて地霊殿編は終了です


~地霊殿~

 

ギィ・・・

 

「!?」

「よ、よかった。無事だったんですね!!」

「ああ!!心配かけたな」

 

早苗は嬉しそうに俺に駈け寄ってきた。信じてる気持ちの方が何倍も強かったけど、やっぱり心配はしていた。だからこうして無事に帰ってきてくれて心底嬉しかった

 

「信じられない・・・あの状態のお空を倒しちゃうなんて・・・」

「なあに、死んじゃいない。今すぐ傷を治してあげて寝かせれば回復するさ。傷は薬で回復させたから大丈夫だ」

「とにかく運びましょう」

 

そして俺は寝室にお空を運んだ。今はぐっすりと深く眠っていた。しばらくするとさとりが目を覚ましてやってきた

 

「先ほどは失礼いたしました。それとお空を助けていただいて本当にありがとうございました」

「いいですよ、別に。多少手荒い真似をしましたが、そこは了承を願いたい」

「謝らないでください。今回は主である私のミスですし。任せきりにせずにもっとお空とお燐と接していれば」

「そう悲観になさらないでください。元はと言えば私の仕えるニ柱の神が原因ですし」

 

と早苗は言った。後であの二人に謝罪をさせなければ。あの二人が元凶なんだ。もちろん説教も

今は一応「シンクロノイズ」の防護壁を張っている。しかし俺はさとりに言った

 

「先ほどは手荒な真似をしてすみませんでした。しかしそう簡単に真実を教えるわけにはいかなかったんです」

「?」

「今から他心通を防御する技を解きましょう。早苗ともあらかじめ相談した末に決めたことですのでご心配なく」

 

実は技をかける前にしばらく早苗と話し合っていた。早苗は了承することを決めた

 

「他言は一切しないことを約束してください。いいですね?」

「・・・はい。わかりました」

 

さとりは一つ返事で了承した。この二人に迷惑をかけたのにこうして真実を見せてくれると言ってくれたからだ。ここまで慈悲深い行為を破るわけにはいかない。それと半分は恐怖によるものだった。自分と真聡とでは力量の差がありすぎる。どうやっても勝てない相手だということを悟っていた。さとりにとっては半分命令だった

 

そして俺は技を解いて心を読ませてあげた。これなら声が漏れて他の相手に広がることはない。それでも聞けそうなのは紫くらいだし、彼女はおそらく知っているだろう。とにかくしばらくの間読ませてあげた

 

「・・・事情は分かりました」

「そうですか。もう一度聞きますが先程の約束は守っていただけますね?」

「もちろんです」

(あなた相手には逆らう気がしないわよ。尤も彼は破っても殺す気はないようですが)

 

その後はしばらく雑談をした。さとりは普段はあらかじめ心を読んで言わんとすることを先に言うことが多いのだが、今回はそれをしないようにした

 

「あなた方は本当に仲がいいのですね」

「そうですか?」

「はい。お互いの心を読んでも何一つの嘘も曇りもない。うらやましい限りですよ」

「そうですか」

「なんか照れくさいな」

「あの時あなたが言っていた通り、心が読めなくてもよい信頼関係を築けるように努力します。私のたった一人妹であるこいしのためにも」

「そうですか」

(スカーレット姉妹みたいだな。こちらも姉妹仲がいいんだな)

「そう言ってもらえると嬉しいです」

「!!・・・やはり勝手に心を覗かれるのはあまりいい気分がしないかな」

「あっすみません」

「ふふふ」

 

 

しばらくした後、俺たちは一旦地上へと戻るのだった。行先はもちろん・・・

 

 

~守矢神社~

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

「「・・・・・・・・」」

「・・・さて。俺が言わんとすることはわかりますね」

「もちろん私のこともです」

「「はい」」

 

俺は今守矢の二柱に説教をしていた。早苗は笑顔ではあるが後ろには阿修羅が見えるくらい凄いオーラが漂っていた。俺は再びギラティナの力を宿した。二人の周りは黒い物質が漂っており、オリジンフォルムの触手のような巨大な6本の爪を二人に突き立てていた。逃がす気もないという意味の警告のためだ

 

「あなた方は一体何を考えてるんですか?」

「私はちゃんと忠告もしたはずで了承もしましたよね?」

「いやその・・」

「これでも幻想郷のためを思ってだな・・・」

「それであのまま暴走したらどうする気だったんですか?」

「どう責任とるつもりだったのです?」

「もちろん二人で抑えるさ」

「本当だよ!!」

「「・・・・・・・・・・・・・」」

「今度こんな真似したらこの神社ごと消し飛ばしますよ」

「私も巫女をやめさせていただきますからね」

「「すみませんでした」」

 

翌日俺は地霊殿に二人を連れて謝罪させた。もちろんDO・GE・ZAでな。もはや威厳も糞もないが自業自得だ。同情の余地はない。あの後お空は目を覚ましたようで神奈子から力を授かったことはすっかり忘れてしまっていた。元から頭があまりよくないらしく、すぐ物事を忘れてしまうらしい。しかし大切なことは決して忘れない。主人のさとり、妹のこいし、親友のお燐や地霊殿や地底の仲間たちなどだ。そして自分の過ちも覚えていた。改心したようである。ただ俺は少々ではあるが、トラウマの対象になったらしい。だが話してみると素直でいい子だった

 

その後話し合いでお空は守矢の二柱が計画していた通り、核融合研究施設である「間欠泉地下センター」にて仕事をしてもらうことになった。ただし守矢の二柱が関わっていることは一切公開せずに、あくまで必要な時のみの支持とそれ以外は雑用でもしてもらうことを条件にした。こんなことで信仰を集めないようにするためだ。当然二人にもそれを公表しないように注意した(脅した)。二人とも快く?了承した

 

その後は恒例の楽しい宴会が始まった。地霊殿のみんなと仲良くなっていき、すっかり馴染んだ。こうしてこの異変は幕を閉じたのであった

 

 

~旧都~

 

「いいんですかい?このままで」

「いいんだって。宴会を邪魔するほど私は無粋じゃない。今は止めておくさ。今はな」

 

勇儀には最初から行先はわかっていた。地底が危ないことは気づいていたのだ。故にあえて地霊殿への捜索はさせなかった。今はとりあえずやめておくことにしたのである。ただしあくまで今はだが・・・

 

 

~太陽の畑~

 

「最近暇ねえ」

 

風見幽香はふとまぶいた。そして新聞をちらっと見た。真聡の活躍がまた報道されたのだ

 

「・・・そうだわ。こいつがいたわね」

 

と幽香は傘を片手に不敵に微笑むのだった

 

~??~

 

「いいの?紫。今回は私が異変時なのに一切関わらなかったけど」

「いいのよ。今回だけね。改めて真聡の実力を見るのが目的だったし」

(それにしても核融合すらあっさり蹴散らすとはね・・・あの人間ならもしかして・・・)

 

それぞれのたくらみが幻想郷に交差するのだった

 




はい。最後は不穏な感じで終わりましたね。これらは次の章で行う予定です

小説の執筆を始めて2か月になりますが、再生数もコメントも評価者も増えてきて本当に嬉しいですし、励みになります。これからも物語を執筆して投稿していこうと思います。暇なときにでも読んでくださると幸いです
これからもどうぞよろしくお願いいたします


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戦章:強敵たちとの戦い編
意外な来客


バトルがメインの章になります。ガチバトルが主です


人里は今日も平和だ。俺は普段通りの警備の仕事をしている

実のところを言うと所長に昇進しないかという話が何回もあった。しかし俺は断ったのだ。理由は所長になると自由に行動しにくくなるからだ。これは所長になるとどうしても本部にいる時間が主になってしまう。それにもしもの事態になったら真っ先に動くわけにもいかない。所長が本部にいないことが多いという状況を作るべきではないだろう。だから俺は比較的自由に動ける今の地位に落ち着いている。その代わり所長に条件があった。それは有事の際には所長と同等以上の権利を持たせ、町中を指示せよということだ。要は有事には臨時所長というわけだ。それならいいかと思って了承した

 

木の実の栽培も盛んになった。最近では新しい品種を作り出す試みをするものが増えてきた。モモンの甘みとクラボの辛さを混ぜたものや苦いラムを甘みが非常に強いカイスで甘くして、しかもラムの状態異常回復をさらに改良したものなどが誕生した。他にも様々な日用品にも導入されている。ポケスペのカガリが木の実で様々なものを作っていたのと同じようなものだろう。今人里では木の実の更なる発展に力を注いでいた。最近では妖怪たちにも広がり、河童たちの間でも話題になっているという

 

プリズムリバー楽団の活動も参加している。最近は歌とダンスも取り入れている。それを担当するのは俺だ。どうやっているのかというとそれはメロエッタの力を宿しているのだ。ボイスフォルムの美声にステップフォルムの華麗なダンスで客を盛り上げらせる。最近は花形のスターになった。ただそのせいで三姉妹の影が薄くなり出しているようで、彼女たちもいろいろと試行錯誤中とのことだ。まあ基本的に三人と一緒に仲良くやっているけどな

 

そして普段の修行も欠かしていない。最近はとうとう精〇と〇の部屋もどきを完成させた。しかし原作みたいに酸素が薄いとか気温の変化が激しい、重力が通常の10倍などは全てなくしている。しかし特殊な環境にしたい場合は俺が自由に作っている。そこで様々な修行を行う毎日だ。しかし俺だけではない。最初は早苗と魔理沙にここで修行させてほしいと頼まれて快く提供した。最近は紅魔館組や妖夢にあの霊夢などまでやってくるようになり出した。俺はそれぞれ独自の空間を作り出しているのだ。まあ強くなることは大切だしいいだろう。ちなみに時間軸が違うので元の時間軸に戻るときに寿命の残りが短くなってしまうという問題を解決するために頑張って部屋から出る際、強化した力はそのままで寿命の消費は入る前と同じになるようにする特殊な空間を完成させた。妖怪ならともかく人間には死活問題だからな

 

俺自身は基礎訓練を中心に行った。能力や技の威力の強化や制御に応用、新技開発、メガシンカ、複合応力の強化などを行っている。また自身の身体能力や波導の強化も行っている。最近では素でもルカリオくらいの波動が出せるようになった。伝説のポケモンを宿したときによる体力の消耗も減り、今では瞬時に発動できるようになった

 

そんな毎日が続いていった

 

 

~守矢神社~

 

今日は守矢神社の手伝いだ。それと一応ニ柱の監視もしている。何だかんだ信仰は増え続けているようで全盛期の力を取り戻しつつあった。早苗の成長を温かく見守っているようで、たまに修行部屋に来ることもあった。地底での間欠泉センターの様子も良好のようで、お空も力を制御することが出来る様になったようだ

今日も平和に終わると思っていると・・・

 

「すみません!真聡さんはいませんか?」

「おや、文さん」

 

すると射命丸文が神社にやってきた。かなり慌てているようだ

 

「どうしたんですか?」

「すみませんが、天狗の里まで来てくれませんか?あなたに会いに来た方がいるんです」

「俺にですか?」

 

誰かが俺を尋ねに天狗の里に現れたらしい。とりあえず俺はそこへ向かった

 

~天狗の里~

 

里に着くと天狗たちは緊張した様子だった。おびえている者もいた。一体何事だろうと思っていると

 

「来てくれたか。真聡よ」

「おお。来た来た」

「天魔さん。それと・・あなたはどなたですか?」

「お前さんとは初多面だったね。私は星熊勇儀。地底に住む鬼さ」

「あなたがですか!?」

 

何とそこには星熊勇儀がいた。妖怪の山では上位関係が厳しい。そして天狗たちの上司にあたるのがかつてこの山を治めていた鬼たちなのだ。しかも勇儀はその中でも特に強い山の四天王の一人だ。天狗たちが緊張しているのはそのためだろう。天魔さんからの話によると椛さんの千里眼で俺を探して文さんが迎えに行ったというところのようだ

 

「俺に用があるとのことですが、いかがなされましたか?」

 

まあ目的はすでに分かっていた

 

「もうわかっているだろ?あんたと戦いに来たんだよ」

 

やはりか。まあ彼女の正体を聞いた時点で分かっていた

 

「異変の時は我慢してあげたけど、もう我慢できないんだよ。これでもだいぶ気を長くしたつもりなんだよ。力ずくでも受けてもらうよ」

 

完全に戦闘モードになっていた。その威圧感で他の天狗たちも思わずひるむ。俺も少し圧倒されていた

 

「いいでしょう。しかしここでは場所が悪いです。この山で戦って荒らすわけにもいかないでしょう。ですから別の場所に移動してもらいますけど、よろしいですね?」

「ああ。場所くらいどこでもかまわないよ」

「わかりました。・・・では」

 

俺と勇儀はテレポートで移動した

 




メロエッタ   NO.648  タイプ:ノーマル・エスパー

第五世代に登場した幻のポケモン。メロエッタの奏でる旋律には周りのポケモンを喜ばせたり、悲しませたりなど感情を自在に操る力がある。このポケモンにインスピレーションを受けて生まれた名曲は多いらしい。普段はボイスフォルムと呼ばれる形態だが、専用技の「いにしえのうた」を使うとステップフォルムに変化し、タイプもエスパーからかくとうタイプになる
映画では「キュレムVS聖剣士ケルディオ」と同時上映された「メロエッタのキラキラリサイタル」で初登場した。アニメ本編ではしばらくの間サトシ一行と同行するという幻のポケモンの中でも破格の扱いを受けている


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VS星熊勇儀

星熊勇儀戦です


~名もなき平原~

 

俺たちはまたいつもの平原に向かった。最近では人や妖怪たちに決闘の聖地と呼ばれている場所でもある。勇儀も「やっぱりここか」とつぶやいていた

 

「さあて、じゃあやろうじゃないか」

ポキッゴキッ

 

勇儀は腕を鳴らす。ようやく戦いたかった相手と戦えて心底嬉しいようだ。俺にとっても修行の成果を試す絶好の相手だ。俺も全力で挑むことにした

 

「いくぞ!!」

 

すると勇儀はものすごい速さで飛び出して殴りかかってきた。俺はバンギラスの力を宿して受け止める

 

ドゴォーーン!!

「くっ」

 

受け止めることは出来たが想像以上の重さだった

 

「んんんんんんん・・・」

「むむむむむむむ・・・」

 

お互い押し合いになった。両者の力は互角だった。やがてお互いは弾けるように離れて距離をとった

 

「あくのはどう」

 

俺は腕から漆黒の波動を放った。更に「ストーンエッジ」と「いわなだれ」で攻め立てる。上から巨石の雨、下からは巨大な鋭利な岩が出現した。「あくのはどう」による薙ぎ払い攻撃もあった。どれも修行の成果により、威力と精度が格段に上がっていた

 

「はっ!!やるねえ」

 

しかし勇儀も負けてはいない。素早い動きでかわして巨石を次々と砕き割り、弾幕で攻め立てていった。俺はとくせいを発動させた。辺りは砂嵐となり俺は別のポケモンに変えた

 

フ・・・

「消えただ」

「ドラゴンクロー」

「!?」

ズバア!!

 

俺は砂嵐を利用して姿を隠し、高速で動いて攻撃した。俺の宿した力はガブリアス。レートでも人気な強ポケだ。レートでは隠れとくせいの「さめはだ」が主流だが、今は本来のとくせいの「すながくれ」で砂に隠れながら音速を遥かに凌駕する速度で攻撃した。修行のおかげで音速を凌駕する速度で移動することが可能になった。砂嵐に身を隠し、超高速での連続攻撃は勇儀を大いに苦戦させた。姿が見えないのでは攻撃の狙いが定まらないし、そもそも動きが早すぎて攻撃を当てるのが困難だ。しかし

 

「舐めるなあ!!」

ブオン!!

「!?」

 

何と拳による風圧で砂嵐を掻き消してしまったのだ。これにはさすがに驚愕した。そしてこちらが攻撃のために接近していることは見抜いており、カウンターの要領で強烈なパンチを俺に放ってきた

 

「がは!!」

ドッカーン

 

俺は殴られて遠くへ吹き飛ばされた。咄嗟に体をひねって直撃は避けたが、ダメージは大きかった

 

(くっ。こりゃ萃香さんよりも上かもしれない。技の萃香に対して力の勇儀と呼ばれているらしいけど、それに恥じないパワーだ)

 

でもこれくらいでは倒れない。俺は大地を叩きつけて「じしん」を発動した。大地のエネルギーが揺れとなって襲い掛かる。勇儀はこれを飛んで回避するが俺は素早く移動した。あまり威力は出ないが「りゅうのはどう」や「だいもんじ」で攻め立てる

 

「その程度!!」

 

勇儀は弾幕と更に殴って掻き消した。素手で掻き消したのは驚いたが、これはあくまで牽制だ。俺は再び接近戦に持ち込む。パワーアップしたとはいえガブリアスだと単純な力ではやはり勇儀の方が上だろう。だから俺は速度を最大まで出して突っ込む。勇儀も迎え撃ってきた。そしてお互いの攻撃がぶつかり合った。そしてお互いがすれ違うと

 

「ぐああああああ!!!」

 

すると勇儀が苦しみだした。俺は「じしん」を勇儀に直接当てたのだ。殴ると同時に地震のエネルギーによる揺れが体に伝わる。これは二〇の極みを参考にさせてもらった。元から直接「じしん」を叩き込む技は編み出していだが、それを更に昇華させたのだ。殴ると地震の揺れを同時に発動させて一瞬で何重もの衝撃を相手に叩き込んだのだ。これには勇儀も大ダメージを受けたようだ

 

「く。やるねえ!!想像以上だ」

 

だが勇儀は倒れる気配がなかった。それどころかますます闘志が燃え滾っていた。鬼特有の気迫が周りのフィールドを揺るがした

 

「いよいよ本気というわけですか。ならば全力で応えさせてもらいますよ」

「望むところだ!!」

 

戦いは激化していく。大地を揺るがすどころか消し飛びかねないほどだ。俺は様々な技で攻め立て、勇儀は弾幕と拳や蹴りでの猛ラッシュで迎え撃つが、両者ともに決定打には至らなかった

 

(こうなったらこいつの出番だな)

 

俺は別のあるポケモンを宿した。おそらくだが、設定上は接近戦なら最強クラスのポケモンの力だ

 

「ストーンエッジ」

「そんなもの!!」

 

俺は「ストーンエッジ」を放つが勇儀は避けることすらせずに殴り壊しながらつき進んできた。接近戦なら好都合だ。勇儀はパンチを繰り出してきた。俺はそれを体で受け止める

 

「ビルドアップ!!」

 

強化された筋肉によって生まれた防御力は勇儀の拳をも防いで見せた。そしてその隙に技を叩き込む。これはとある技を参考・・・否、そのままパクった技だ。たぶんこいつくらいしかできないだろう。その名も

 

「125連釘パンチ!!」

「!?」

俺が殴りつけた瞬間

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッゴオーン!!

 

俺はト〇コの必殺技、「釘パンチ」で攻撃した。俺が宿したのはカイリキーだ。カイリキーは2秒間で1000発ものパンチを放つことが出来るポケモンだ。つまり4本の腕一つにつき、1000÷2÷4で125発のパンチを打ち込むことが出来る。それを更に昇華させて「釘パンチ」の領域にまでにしたのだ。流石の勇儀も大ダメージを受けたようだ。しかしそれでも立ち上がる。ボロボロだというのに気迫と闘志はますます強くなっていた

 

「はああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

勇儀は鬼の四天王の力のオーラのようなものをまき散らした

 

「サア。モットワタシヲタノシマセテクレ!!」

(ここまでしても尚もこの闘志。これはいよいよあれを実戦で使うときが来たようだな)

 

俺は更なる秘策を発動させることを決めたのだった

 




ガブリアス  NO.445  タイプ:ドラゴン・じめん

第4世代で登場した600族のポケモン。翼を折りたたむことでジェット機のようになり、ジェット戦闘機並の速度で大空を飛び回ることが出来る。頭の二つのトッキはセンサーの役目を持ち、はるか先の獲物の様子がわかるらしい。またきめの細かい鱗は空気抵抗を減らす役割を持っているという
メガシンカするとスピードは落ちるがパワーはさらに上昇する。鎌状になった腕はメガシンカによる過剰なエネルギーによって溶けてしまってできたもののようだ。それを振るい、大地を微塵切りにしてしまうほどのパワーを持つ
シロナの切り札としても有名なポケモンで、その強さで苦戦した方もきっと多かったことだろう


カイリキーは次回で行います


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共鳴する力

今回はとある要素を入れてみました


~名もなき平原~

 

「イクゾ!!」

 

すると勇儀がとびかかってきてパンチを放ってきた。俺はそれをギリギリでかわす。しかし

 

ドゴ―ン!!

(ただのパンチでコレかよ)

 

パンチの衝撃波で前方の森や大岩が粉砕されてしまった。衝撃でこれとなると実際にくらうと半端じゃないダメージになるだろう。しかしチャンスは出来て俺はコンボをつなげることにした。俺は勇儀の足をつかみ、高速でジャイアントスイングのように回転した。そして地面に思いっきり投げ飛ばした

 

「じごくぐるま」

バアーーン!!

 

つかんだものを地平線の彼方まで投げ飛ばす怪力を使っての投げ技を決めた。今ので大きなクレーターが出来上がる。しかし更に追撃を開始する。俺は叩きつけた勇儀を持って上に放り投げる。そしてカイリキーの二本の腕が俺の一本の片腕に宿っているため、先ほどの倍の「250連釘パンチ」を右腕で行う。そして一瞬遅れて「250連釘パンチ」を左腕で叩き込む。そして最後に両腕を突き出してとどめの攻撃を決める

 

「500連ツイン釘パンチ!!」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・

 

合計1000発の猛ラッシュが勇儀に直撃した。素のパワーも片腕で山を動かせるほどの怪力。それの合計1000発のパンチはひとたまりもないだろう。しかし

 

「ガアアアアアアアアアアアアア!!!」

「何!?」

 

なんとそれを受けている途中なのにもかかわらず力ずくで跳ね返した。そして猛烈なパンチをしてこようとしてきたため、俺は咄嗟に腕を交差して「ビルドアップ」をした

 

ズッガア―――ン!!

 

俺は平原から遥かに離れた名もない山にまで吹き飛ばされた。何とか立ち上がれたが、ダメージは半端じゃなかった

 

「ガハ・・・くそ、なんて力に防御力だ」

 

おそらくあれが完全に本気の状態なのだろう。彼女には「怪力乱神を持つ程度の能力」を持つと以前早苗に教えてもらった。「怪力乱神」とは人知を超えた存在や現象のことを指す言葉である。具体的にどういう能力なのかはわからないが、今はそれをフルに使っている状態なのだろう。推測だが、勇儀は修行している。それと久しぶりの全力の戦いで自分の本来の能力を取り戻した感じがした。何にせよ俺はあれを発動することを決めた

 

そうこうするうちにもうパンチが迫る。ものの数秒でここまで来たのだ。言っちゃ悪いが文さんよりもはるかに速かった。だから俺は一気に決めることにした。

 

ズッガーン!!

 

パンチが俺に直撃する。その余波で周りの後ろの山が吹き飛んでしまった。しかし次の瞬間七色の光が輝き始めた。俺は今の攻撃を受け止めていた

メガシンカの昇華版であり派生版ともいえる力。その名も

 

「共鳴バースト!!」

 

「共鳴バースト」とはポッ拳で登場したパワーアップのことである。俺と宿したポケモンを100%を越えて共鳴することで絶大な力を手にすることが出来る。使えるポケモンは限られてはいるが、メガシンカと違った強力な力である。更に「バーストアタック」という超強力な大技を放つことも出来るのだ

しかしこれには欠点がある。通常のメガシンカは戦闘が終わるまで発動できるが、これは時間制限がある。つまり俺はこれが続く間に一気に決着をつけることにしたのだ

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

「ガアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

勇儀と俺とも壮絶な殴り合いが始まった。勇儀はスピードで圧倒的に勝るが、俺は波導をフルに使って予測して対応する。反射神経もずば抜けて強化されていた。もはや弾幕の「だ」ではなく「打撃」の「だ」の文字しかない肉弾戦オンリーの戦いになった

 

ドカ!!バキ―!!ズガアーン!!ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

激しい殴り合いで周りの地形がどんどん変わっていく。森も山も砕け散っていき、地底にまで貫通した穴までできた。壮絶な殴り合いの末、お互いがボロボロになった

 

すると勇儀が大技の構えを放つ

 

ズーーン!!

 

一歩目。周りの大地が陥没し、そして大量の弾幕が張られる

 

ズッドーン!!

 

二歩目。更に陥没して張られた弾幕の外側に更に弾幕が張られる

 

これには見覚えがあった。それは以前萃香との死闘の時の最後の大技に似ている。おそらく次の一歩で大技が飛んでくると直感で分かった。俺は拳を天へと掲げる。すると拳が光り輝いた。そして渾身の力を込めて身構えた

 

「来る!!」

ズッガア―ン!!

 

三歩目。するとあたりを覆うほどの超巨大な光弾が出現した。それはまるで勇儀の拳が巨大化したようだった。それが勇儀のパンチと共に俺に放たれた。俺もそれを迎え撃つ

 

四天王奥義「三歩必殺!!」

バーストアタック「爆裂ラッシュ!!」

 

そしてお互いのお技がぶつかり合った

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

勇儀の拳とそのエネルギーが詰まった弾幕と共鳴バーストの力が詰まった拳の猛襲が激突した。その衝撃は幻想郷中に響き渡る

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

威力は互角だ。しかしこれではまだ足りない。俺はさらに力を加えようとする。それはまた勇儀も同じだった

 

「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

「おおお!!「1000連ツイン釘パンチ!!!」

 

更に高ぶった両者の大技が激突した。そしてしばらくしたのちに光に包まれた

 

 

~数分後~

 

技の激突が終わった後、周りの地形は完全に更地になっていた。山すら消し飛んでいた

そして勝者は・・・

 

「・・・・・ふう」

 

真聡だった。俺はどこかの拳王のように拳を天に掲げていた。死んではいないけどな。周囲には結界が張られていた。おそらく紫や霊夢あたりが張っておいたのだろう

 

「一応あの平原にもいざってときのためにしばらくしたら元通りになるとように特殊な空間を張っておいたけど、被害はそれ以上に及んだらしい・・・・また怒られるな・・・・後で元に戻さないと」

(しかし今の体力ではとても禁止伝説を宿せるほどの余裕はない。まだまだ修行の余地があるな)

 

そう思いながら俺は意識を手放して倒れた。ただし「ねむる」で体力の回復を図りながらである

 

こうしてまた一つ幻想郷の歴史に刻まれた。この激闘は長く語り継がれるのであった

 




カイリキー  NO.68   タイプ:かくとう

ゴーリキーを通信交換することで進化するポケモン。名前通り途轍もない怪力の持ち主で腕一本で山を動かし、つかんだものを地平線の彼方にまで投げ飛ばすという。あらゆる格闘技をマスターしており、四本の腕をすべて使ったパンチは2秒間で1000発という接近戦では凄まじい強さを持つ。ただし細かい作業は得意でなく、四本の腕が絡まってしまうらしい。強者に出会うと気持ちが昂る性格
ネタポケとしても人気が高い。ポッ拳でもルカリオと共に登場した
ポケモンSMではライドポケモンの一匹として登場。「かいりき」で大岩を動かすことが出来る。ちなみに主人公をお姫様抱っこして移動する


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激闘はまた続いていく

今回はあの世界に向かって戦います


俺はしばらく「ねむる」をした後に体力も傷も完全に回復した。自分で言うのもなんだが、凄まじい回復力だ。前はここまでの戦いをしたら数日眠っていたのに成長したものだと俺は思った

その後俺は倒れている勇儀に「まんたんのくすり」を使って回復させた。その後ディアルガの力で元通りに戻した。当然霊夢にも怒られた。あのまま結界を張っていなかったら大変なことになっていたとのことだ。俺は倒れている勇儀を地底の旧都にある自宅まで運んだ。そしてまたいつか宴会の時にでも会いましょうと伝えておくようにと鬼たちに言って俺は帰っていった

 

そしてあれから一週間たった。また文々。新聞の記事を飾った。見出しには「鬼の四天王を倒す!彼に限界はないのか?」というものだった

思えば俺は仕事をしながらも毎日修行に明け暮れていた。いろんなことがあったものだ。最初はルーミアから始まり、そこら辺の妖怪、吸血鬼に死霊、月人や鬼や閻魔など様々な相手と激しい戦いをしてきた。その度に俺は強くなってますます修行にも精を出してきた。そして最終進化形のポケモンや伝説のポケモン、メガシンカに共鳴バースト、数々の漫画やゲームの技を再現した技たち。いろいろな力を手にしてきた

 

そしてたくさんの友人も出来た。かつて現世でいた大切な友人とも巡り合えた。それもまた俺を強くしてきたのも間違いなかった

 

「俺は大切な人を守ることが出来るようになったのかな・・・」

 

でも慢心はしないようにした。こうなったらどこまでも強くなってみたい。ここは幻想郷。どんな強敵がやってくるかわからない。それに見てみたい気がするのだ。強くなった果てを。我ながらどこかの戦闘民族みたいな考えになってきた気がするが、やることはちゃんとやる。今日も仕事をするのであった

 

しかし戦いはまた始まろうとしていた

 

ズッドオーン!!

「!?」

「キャー」

「何だ!?何が起こった!?」

「これは!!」

 

突然近くの山が消し飛んで更地になったのだ。何者の仕業なのか。俺は部下たちに市民をいったん博麗神社に避難するように伝えた。そして俺が見てくると伝えて現場へと向かった

 

~更地~

 

山はすっかり消えていた。とりあえず俺は一通り調査したが何も見つからない。波導も使ったが犯人はわからなかった。ならば最後の手段としてネイティオの過去を見る能力を使用した。そして過去を見てみると

 

「これは!!風見幽香!?」

 

そこには風見幽香が映っていた。どうやら彼女がこの山を破壊したらしい。普通の人間どころか妖怪すら気絶してしまいそうなほどの威圧感を出していた。「いったい何が目的で?」と思ったその時

 

「!?な、なんだ!?」

 

周りの空間が歪み始める。そして周りの景色が別物になっていった

 

 

~夢幻世界~

 

俺は見たこともない世界についてしまった。周りは暗いがまるで星空のよう所々が輝いていた。俺はとりあえずパルキアの力で脱出しようとしたが

 

「・・・何の御用ですか?」

 

すると後ろに2人の人影が現れた。一人は長い金髪で彼女の身長よりも大きそうな翼を持った少女。もう一人は赤い服に大きな白い帽子に死神を思わせる大きな鎌を持った少女がいた。二人とも人外であることもだが、ただ者でないことも一目で分かった。それに・・・

 

「どうやらあと二人いるようですね。隠れてないで出てきたらどうです?」

「「!?」」

 

すると前の二人も少し驚いた様子だった。そしてどこからともなく声がした

 

「あらあら。私たちに気づくとわね」

 

すると金髪のショートヘアーに赤いリボンをした大きな純白の翼を持った少女が現れた。しかし俺が言ったのは二人だ。そのもう一人は

 

ブォン!!ヒュン

「!?」

 

もう一人は突然姿を現して背後から攻撃してきた。しかしそれを「かげぶんしん」でかわす。その後俺はルカリオの力を宿し、相手は弾幕を放ってきた。威力も密度も凄まじいが、俺は「ボーンラッシュ」で弾丸を弾きながらかわしていく。そしてグミ撃ちの要領で「はどうだん」を連発する。しかし相手もそれを躱したり、弾幕で相殺していく。そして相手はレーザーを放とうとしていた。俺も「はどうだん」を連射型からため型にして迎え撃つ

 

ドッカーン!!

 

技が激突して爆風が発生する。しかし俺はそれを「しんくうは」で払った。別にこのまま波導を活かして攻撃してもよいのだが、まずは話をしたい。それに残りの三人の警戒しなければいけないのもあった。今のところはどうやら何もしてこないようだが・・・

 

「こら夢月!!私がせっかく我慢しているのに勝手に戦わないでよ。あいつからも言われてるでしょ?」

「ごめん姐さん、つい。しかし噂通りやるじゃない」

「もう一度聞きますが、あなた方は俺に一体何の用があるのですか?」

「えーとそれはねえ」

「あなたをおびき寄せるためよ」

「あらあらお出ましね」

「!?あなたは」

 

すると風見幽香が現れた。髪が長くなっているが間違いなかった

 

「久しぶりね。木戸真聡」

「幻想郷で山を一つ破壊したのは俺をおびき寄せるためだったんですか?何のために?」

 

まあ予想はついてはいるが、一応聞いてみた

 

「決まっているでしょう」

 

するとレーザーを放とうとしてきた。しかしそれは読んでいた。おれは「ラスターカノン」で迎え撃った

 

ドカーン!!

 

すると爆煙が発生するが俺は一気に突っ込んだ。そして映姫戦でも使用したケルディオの力を宿して「しんぴのつるぎ」を縦に切り裂いた。しかし紙一重でかわして傘で攻撃してきた。俺は「せいなるつるぎ」を生みだして、それを地面に突き立てて防御した。その一撃だけでも威力はすさまじかった。そして俺は聖剣の二刀流で果敢に挑みかかる。幽香も傘でそれを迎え撃つ

 

ガキーン!!キーン!!

 

しばらく互角の打ち合いが続く。そして俺は力を込めてそれを交差して✖を描いた斬撃を飛ばした。しかし幽香も魔力を込めて傘の威力を強めた強烈な一撃で相殺した

 

ドッカーン!!

 

衝撃波は周りを揺るがした。そして俺は一旦距離を置いた

 

「こういうことよ。あの時はお互い痛み分けという形で戦いを中断してそれ以降はしばらく我慢していたけど、もう暇だし戦いたくてうずうずしているの。だから今度こそ決着をつけるわよ!!」

 

どうやらやるしかないらしい。俺は少しの間目を瞑った後ににらみつけた。了承の意味を込めてだ

それに幽香はにやりと不敵な笑みを浮かべるのだった

 

 




幽香は旧作で夢幻世界にいる設定なので使ってみました


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修行によって生まれた蹂躙

一応幽香の容姿は旧作と同じで髪が長いです
あと幽香ファンの方はあまり見ない方がいいかも


「ハイドロポンプ!!」

 

俺は手始めに光線の如き勢いで極太の水流を発射した。しかし幽香はそれを躱す。そして傘を開いて弾幕を大量に放ってきた。白い光弾は星の形をした黄色い弾幕がばらまかれる。俺はそれを躱しながら剣での攻撃を行う。時折から「ハイドロポンプ」や「きあいだま」で遠距離攻撃をする。そして「アクアジェット」での高速移動攻撃を加えていく。しかし幽香はそれをいなしていく。正に一進一退の互角の攻防だ

 

(ここはあの技を使うか)

 

俺は再び接近戦を仕掛けるが

 

「遅い!!」

 

幽香は魔力を込めた傘を振り回した。魔力がこもった一撃は凄まじいが俺は

 

ユラァァ・・・

「!?」

 

俺はそれを流れるような動きでかわす。幽香は傘の猛攻を繰り出す。しかし俺は流れる水のように流麗にかわしていく。時に穏やかに、時には激しく、緩急自在の動きを見せる。これはとある漫画の御庭〇衆の御頭の技を取り入れた回避術だ。「かげぶんしん」や「アクアジェット」を複雑に組み合わせて応用させて、更に波導を組み合わせた動きだ。そしてもちろんあの技も習得済みだ。緩急自在な流れる流水が激流になるような高速の剣技

 

「回転剣舞六連!!」

ズバア!!

「ガハ!!」

 

本来は刀と脇差の中間くらいの長さの小太刀で行う技だが、俺はこの二つの剣でこの技を完成させてみせた二刀流の剣技である。やたらジャ〇プの作品の技が多いが、現世では愛読誌だったし、昔の作品も読んでいたのだ。そこからの受けた影響力は強い。何にせよ6撃すべて的確に入った。いくら幽香でもただでは済まないだろう

 

「やってくれるじゃない」

「あの時よりもさらに強くなっている。それだけですよ」

「ふふ、そう。嬉しいわっね!!」

 

するとさらに強力になった傘の一撃が放たれる。地面に叩きつけた拍子で地面が割れて衝撃波が飛んできた。俺はそれを剣を交差させて防ぐが、完全に防ぎきれずに空中に移動した。その後膨大な数の白い光弾が埋め尽くした。その密度も速度も前に戦った時の物と比べ物にならない。いよいよ本気というわけだろうか。俺はサイドステップや飛翔や剣で弾いたりして躱していく。やがて幽香が俺の周囲を取り囲むように弾幕を放ってきた。そして傘を俺に向けて構える。すると凄まじいエネルギーが溢れ出した。俺は瞬時にあの技だと悟った。しかし俺も黙ってはいない。俺は二つの剣を天にかざした。すると強い光が幻想世界を照らす

 

「おおおおおおおおおおお!!!!」

 

天に掲げた二つの剣は合わさってやがて一つになり始める。そして巨大な一つの剣となった。「せいなるつるぎ」と「しんぴのつるぎ」を合体させた一つの剣、俺は「しんぴのせいけん」と名付けた。両方の剣が使えるケルディオならではの技であり、まさに次世代の大技だと俺は思う。そして俺は幽香が放たれた「マスタースパーク」にその巨大な剣を突き立てた

 

「はああああああああああああああああああああああああああ!!」

「!?」

 

俺はそれを押し切って地上から飛び上がりながら切り裂いた。そしてこれを思いっきり振り下ろした。動きは某ピンクの悪魔の「ファイナルカッター」が元だ。しかしおそらく威力は比べ物にならない。例えるならあれを「ウルトラソード」で行ったと言えばわかりやすいだろう。超巨大な斬撃が幽香に襲い掛かった。幽香もこれは慌てて回避するしかなかった

 

ズッバアアアアアアアン!!!

 

斬撃は地平線の彼方に消えていった。その直線状は底が見えないほどの大穴が開いていた。くらえば真っ二つとか言うレベルではない。さすがの幽香も少し冷や汗を搔いていた

 

「はああああ!!」

ブオン!!

 

俺は横へと薙ぎ払うが飛んで躱される。威力は絶大だが、武器が巨大だとどうしても技の方が制限されてしまうし、懐に飛び込まれてしまうと弱いという弱点がある。これでは駄目だと悟った俺は別のポケモンに変えた。俺が新たに宿したのはメガスピアーだ。今度は槍とレイピアの中間のような突きがメインの武器を装備した

 

ヒュン・・・ヒュンヒュン!!

 

俺は圧倒的なスピードと機動力で相手の弾幕を躱していく。新たに丸い使い魔のような白い物体が加わり弾幕を放ってくる。更に分身して弾幕や「マスタースパーク」を放ってきた。しかし俺はものともせずに躱していく。使い魔は一瞬のスキをついて「とどめばり」で破壊した。これによって同時にこうげきを上昇させていった。二ついたが両方とも倒した。そして猛スピードで弾幕の隙間を潜っていき、しばらくしたら「こうそくいどう」で一瞬で間合いを詰めた。普通の状態でも大妖怪の目でさえまともに追えない速度で移動するのだから、それが「こうそくいどう」したときの速さはもはや目視不可能だった。そして超スピードの突きの応酬で攻め立てた

 

ズバババババ!!

 

メガスピアーは完全な接近戦専門の進化だ。とくこうをすばやさとこうげきに注いで逆に下がり、防御面は一切上がっていない超とがった性能だ。しかしそれをフルに活かした接近戦は脅威の一言だ。飛行能力を活かし、前からでなく側面は頭上、背面からあらゆる角度から絶え間なく攻めることが出来る。幽香も必死で防御するが、防御しきれず少しずつ掠り始める。これが幽香でなかったら全身を貫かれてハチの巣になっているだろう。しかしメガスピアーの神髄はもう一つある。それは

 

「ガフ!!」

 

幽香は口から血を吐いた。そう猛毒である。スピアーは元から針に強力な毒を持っている。それがメガシンカによってさらにパワーアップしている。掠っただけでも確実に毒が体に浸透していく。すると消耗が激しくなるうえにどんどん体が弱っていく。幽香の体が言うことを聞かなくなる。すぐにでも解毒するか防御結界を張りたいのだが、真聡はそれをさせない

 

誤算だった。真聡は想像以上に強くなっていたのだ。あまりに蹂躙ぶりに周りのギャラリーも唖然としていた

 

そして幽香はいつの間にか真聡がいなくなっていることに気づいた。しかし次の瞬間衝撃が走る

 

「真下がガラ空きだ!」

「ダブルとんぼがえり(サマーソルト)

ドドカ!!

 

超高速の二連蹴りが幽香に炸裂した。そして打ちあがったところを素早く後ろに回り込んで

 

一突き

ザク!!

側面から二突き目

ザクウ!!

正面から三突き目

ザックウ!!

そして

ズバババババババババババババババババババババババババ

全身を襲う絶え間のない突きの猛襲。そして

ザッシュウウ・・・「終わりだ」・・・

 

止めの一突きを腹に決めたのだった

 

全身を貫かれたうえに猛毒が体に浸透している。勝敗は決した。幽香は完全に意識を失っていた

妖怪は物理攻撃には極端に強い。ハチの巣にしても幽香ほどの大妖怪なら再生する。しかしその分精神力が弱い。今回の戦いはおそらく精神的にも来たはずだ。プライドをズタボロにされたに違いない。一番の原因は修行を欠いたことだろう。真聡は日々の修行と戦いで日進月歩で成長していく。幽香はそれを怠っていた。強敵との戦いが久しぶりだったのもあるかもしれないが、なんにせよそれがここまでの大きな差を生んだのは間違いないだろう

 

俺も鬼ではない。幽香に「かいふくのくすり」を使ってあげた。解毒されて出血は収まり、傷はふさがれていく。流石はポケモンの世界の道具と言ったところか

 

薬を使った後、俺はそのまま元の世界に帰ろうとした。誰も俺に攻撃する気はないらしい

そして俺は元の世界へと帰っていくのだった

 

こうして誰にも語られることのない戦いは終わった

 




スピアー   NO.15  タイプ:むし・どく

元祖序盤虫ポケの一種。猛スピードで飛び回り腕の二本と針とお尻の針にある強力な毒で敵を仕留める。現実の蜂のように集団で襲ってくることもあるお尻の針が一番強力な毒を持つらしい。長らく弱いポケモンだったが、ORASにてメガシンカを獲得した。こうげきとすばやさ一辺倒の強化という見た目通りとがった性能になった
アニメでは悪役になることが多いが、「ライコウ 雷の伝説」などで活躍することもたまにある
ポケモンスペシャルではサカキ愛用のポケモンとして登場する。ゲームでの性能が嘘のように滅茶苦茶強い。高速移動でデオキシスを追い詰めたりもしているが、一番はイエロー編のワタル戦の時に溶岩を余裕で耐える泡のバリアを「ダブルニードル」でうち破ったシーンが印象的だろう。「真下がガラ空きだ!」


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クリスタルの導き

かなり強引ですけど、今回はとある力を手に入れ、ある場所へ行くことになります


~人里~

 

俺は幻想世界から人里まで空間をつなげて脱出に成功した。思ったよりは体力を消耗することはなかったし、ダメージはゼロと言ってよかった。幽香は回復はしてあげたけどあくまで外的なダメージだけ。精神力などの内的なダメージまでは回復できない。あれでヘタレになったり、反省したりするとは思わないが、少なくとも俺に挑むことは当分ないだろう。俺は人里の人たちに脅威は去ったことを伝えた。そして更地になった山を戻した後、俺は営業を再会した定食屋で夕食を食べて自宅に戻っていった。俺はゆっくりと「ねむる」で体力を回復するのだった

 

 

~その夜~

 

何故か俺は途中で目を覚ました。もう一度寝ようと思ったが、寝付けない。仕方なく俺は外に出た。今日は満月で月が光輝いていた。俺はせっかくだから月見を楽しむことにした。俺はしばらくボーッと見ていた。体力は完全に回復していた。これもポケモンとマサラ人の力の恩恵なのだろうか?

 

「修行するかな」

 

暇なので俺は修行部屋で修行することにした。しかしその行き先は・・・

 

「・・・海?」

 

 

~静かの海~

 

ザザア・・・

 

俺はいつの間にか海に来ていた。それはとても静かで綺麗な海だった。しかしこの海には生物の波導をまるで感じなかった。綺麗ではあるが、どこか異質な海だ

 

「幻想郷には海はないはずだけど・・・」

 

そう思いながら俺はしばらくその海の上を飛んで移動した。そしてその時に気が付いた。星があまりにも近すぎること、そして地球が見えたことだ

 

「まさか・・・ここは月なのか?」

 

俺はあることを思い出す。あれはデオキシスと戦った時のことだ。戦いの最中に月で海を見つけたのだ。地球がすぐ近くにあるし、確定であろう。俺は急いで脱出しようとしたが、どういうわけかそれをしなかった。何かに引き寄せられるようだった。そして俺は直感した。この海の先に何かがあると

 

俺は操られたかのように進むのだった。どこまでも静かな海。しかしまるで生命を感じない。良く言えばとてつもなく清涼な海。悪く言えば生命を生むことも持つこともないただの塩水のたまり場である。やがて俺は海を抜けて月の大地に辿り着いた。するとやがて巨大な透明な物体を見つける

 

「これは・・・クリスタル?」

 

そこには大きなクリスタルがあった。それはとても美しく輝いていた。俺はその美しさにすっかり魅了された。そしていつの間にか手を伸ばしていた。まるでこのクリスタルに呼ばれていたかのように。そして触れた瞬間

 

ピカアアアアアア!!!

「!?これは!!」

 

するとクリスタルの光が強くなった。七色・・・いやそれ以上の数の色の光が輝き始める。そしていつの間にか「Z」の文字が浮かび上がっていた。そして俺は悟った。このクリスタルの正体は

 

「Zクリスタル・・・!!」

 

そうこれは巨大なZクリスタルの塊だった。炎、水、草・・・様々な属性の力を宿した光が差した

 

「もしかしてこれが俺を呼んだのか?」

 

と俺はつぶやいた。しかし次の瞬間俺は取り囲まれた。見ると全員ウサ耳を付けて、武器を構えている。おそらく鈴仙と同じ種族。更にそれと別の男性の兵士も遅れてやってきた。どうやら俺がここに来たことが気づかれたらしい。俺はとりあえず両手を上げた

 

「貴様!!何者だ!!」

「どこから侵入を。それにクリスタルが!!」

 

玉兎達が騒ぎ出す。とりあえず俺は弁明する

 

「勝手に入ったことは申し訳ない。しかし俺は何者かに突然ここに連れられたんだ」

「嘘をつくな!!この汚らしい地上人め!!」

「地上人が汚いだと!?」

 

そう言えば早苗に教えてもらったことがある。月に住む者たちは戯れを極端に嫌う種族であると。それは自分たちが生命であることを否定する考え方だ。俺には理解できないし、したくもない。こいつらもまた生命を持つものだというのに滑稽な話である。そうは思いながらも俺は抵抗はせずに大人しくしていた

 

「思い出したぞ!!貴様はあの時の!!」

 

デオキシスとの戦いのことだろう。するとやがて二人の人影が現れた。一人は扇子を持ち長い金髪にリボンが付いた帽子を被っている。もう一人は刀を装備して長い紫の髪を黄色いリボンでポニーテールにした二人の女性だった。姿も雰囲気も違うが、どこか似ている部分も感じる。そして相当な力を持つことも分かった。特に紫髪の方は怖ろしく強い。それとどこか自分と似た力を感じた

 

「また来たのですか。地上に住む不浄なる者が来ることが許される場所ではありませんよ」

「二度もこの絶対の聖地に来るとはな。龍神の力を操る不浄の者よ」

 

明らかな高圧的な態度に内心虫唾が走ったがぐっとこらえた

 

「まさかあなたが触れたせいでこのクリスタルが不浄な戯れの力を宿すようになるとは思いませんでしたわ」

「全くです」

「・・・Zクリスタルのことですか?」

「お前に答える義理はない!!」

「まあまあ依姫。たまには答えるのも一興ではないかしら?いいでしょうたまには地上の者に教えて差し上げましょう。これはね。あなたがここで戦った直後に突然現れたものなの。美しく輝くこの物体は私も気に入りましてね。そのまま取っておくことにしましたの。でも残念ながらこれは破棄しないといけませんわ。あなたのせいで汚らしい戯れであふれてしまいましたもの」

「ならばそれを私に下さいませんか?私もその不浄な地に住むものです。私のせいでもありますし、一緒にいなくなって一石二鳥かと。もともと私はすぐに去るつもりです」

「・・・・・」

 

すると扇子を持った方がしばらく考え事をし始める

 

「残念ですがあなたに差し上げるものは何もありませんわ。この戯れで満ちたクリスタルでもね」

「それは何故でしょうか?あなたはそれを破棄するのでしょう?戯れにまみれたものは戯れにあふれた大地にあるのが摂理かと。それに本来はここの物ではない筈ですが」

「口答えをするな不浄な者よ!!ここは絶対の聖地。貴様のような汚れたものが来る場所ではない。発言権などこれ以上あると思うな!!」

 

不浄、汚れた。さっきからそればかりだ。流石に腹が立ってきた

 

「どうしてそこまで生命を否定できるのですか?あなた方もまた一つの生きとし生ける命を持つものでありましょう」

「我々を同じにするな!!」

「ではなぜ怒るのですか?本当にあなた方が生命を持たない者としたらそんな感情は存在しない筈ですが!!命亡き者には感情というものはないと思いますがね」

「だ・・黙れ!!」

 

この程度で怒るとはたかが知れている。まだ扇子を持っている方がそれらしい。尤も彼女も静かに怒りの感情を持っているようだが

 

「愚かな人。我々を侮辱したからには覚悟することね」

 

すると扇子を俺に向けた。しかし

 

「!?これは!!」

 

豊姫の持っていた扇子はと綺麗な花柄のものに変わっていた

 

「どうですか?人里の立派なブランドなんですよ」

「こんなものはいりませんわ」

 

とバキッと折った

 

「では私も」

ゴオオオオオオオオオオ!!

「!?」

 

俺は豊姫の持っていた扇子を奪い取っていた。否、正確にはすり替えていた。「トリック」で俺の持っているものとすり替えたのである。バレないように豊姫が俺に向ける瞬間を狙って発動したのである。そして俺はそれを燃やした

 

「あなたは私の贈り物を壊した。ならば私が壊しても文句はありませんよね?」

「・・・・・」

「己・・・不浄の民のくせにどこまでも我々を侮辱するか!!」

「・・・常に生命を侮辱し続けているあなた方には言われたくはありませんよ」

 

もはや交渉は役に立たない。はっきり言ってこいつらの態度はトサカにきた。Zクリスタルをこいつらの手で破壊されるわけにもいかない

 

(ならばやってやろうじゃないか!!そしてこいつらに生命あるものの力を思い知らせてやろう!!)

 

こうして今までの中で最強の相手との戦いが始まったのだった

 

 



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VS綿月姉妹

相手が相手なので伝説の出番が増えます


俺は月の人に単騎で挑むことになった。しかし俺は今多くの兵と玉兎に囲まれている。これでは動きづらい

 

(まずは周りを蹴散らすか。もはやこいつらに情けはいらないだろう)

 

俺は久しぶりのこいつの力を宿した。今度は超全力でいくことにする。あの時よりも数段パワーアップしたこの技を放つ。それはバクオングであり

 

「ばくおんぱ」

「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAああああああああああああ!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

 

それは永夜異変でも放った技だ。あの時よりもパワーアップしており、揺れはマグニチュード10以上、範囲も50キロ以上にわたる大轟音で攻撃する。音の領域を超えており、ちょっとした核兵器並だ。単純な音の衝撃波でも遥か彼方に吹っ飛ばされる

 

「ぐう・・この!!」

すると依姫が俺に攻撃をしてきた。強力な炎の龍が現れた。しかし狙いはこれだった

 

(くらえ!!俺が改良したもう一つの型を!!)

 

すると俺は音波を圧縮して姉妹のいる方向のみに絞った。今までのが拡散型ならこれは集中型だ。広範囲ではなくなるが、威力と打つ方向の射程が長くなる。いうなれば音のレーザーのようなものだ。それは龍を容易く貫いた。しかしここで倒せるほど甘い相手ではない。豊姫が空間を操って掻き消した。そして俺は反射的に「まもる」を発動した

 

ゴオオオオオオオオオオ!!

 

案の定それを俺に跳ね返してきた。「まもる」を発動して正解だった。ああなると最早「ぼうおん」でも防ぎきれないのだ。でもこれで取り囲んでいた兵たちは全滅したようだ。予備の軍隊にも直撃したようでほぼ全滅だった。建物もかなり倒壊したらしい

 

「まあ周りを蹴散らしただけでも上出来かな」

「くう。耳が壊れるかと思いましたわ」

 

どうやらあちらは特殊な術で回避したらしい

 

「まあこれで晴れて俺とあなた方姉妹との一騎打ちってわけだ」

 

そして俺は剣を構える。すると依姫は剣を大地に突き立てた。祇園様の力により地面から大量の剣が突き出てくる。俺は出てくる剣を波導とネイティオの右目だけ宿して回避していく。波導と未来を見る力が組み合わさったときの回避力は凄まじいものである。そして剣が地面から出る一瞬前に「アクアジェット」で高速移動して抜けた。相手がキャンセルできないタイミングで出れば相手を攪乱できるのだ。俺はそのまま突っ込む

 

「石土毘古神よ」

依姫は土と岩を司る神の力を宿して分厚い大地の障壁を生みだした。しかしそんなのお構いなしで

 

「せいなるつるぎ・剛」

ドッゴー―ン!!

「!?」

「おおおおおお!!」

ドカア!!

 

俺は力で障壁を一撃で破壊して、そのまま依姫に突進して吹き飛ばした。これはテラキオンの力によるもの。そのパワーを生かした力技である。更に

 

「せいなるつるぎ・柔」

 

今度はビリジオンの力だ。ビリジオンの素早くしなやかな動きから放つ乱舞で攻撃する。波導と組み合わせれば抜群の回避力を持つ。俺はそれで攻め立てるが

 

「私がいることを忘れていないかしら?」

 

すると後ろから豊姫の攻撃が来る。おそらく兵器の一種であろうレーザーだ。俺はそれに気づいて飛んで躱す。しかし地面に着地した頃に依姫が突っ込んでいた。姉の攻撃を絶妙のタイミングで躱し、そのまま俺が体勢が崩れたところを斬りかかったのだ。相当お互いを信頼し合っていないと出来ない芸当だ。流石は姉妹というところか。でもそれは想定の範囲内だ

 

「せいなるつるぎ・護」

 

これはコバルオンの力だ。あらゆる攻撃を耐え忍ぶ護りの型だ。俺はそれを受け止めて押し返してみせた。そして俺は「しんぴのつるぎ」を取り出して

 

「インファイト・聖斬」

 

これは二つの聖剣を使った超高速剣術だ。俺は一瞬で姿を消した猛烈な乱舞を仕掛ける

 

ガキキキキキキキキキ・・!!

 

しかし依姫はこれを殆ど捌いてみせた。しかも

 

「ぐ・・」

 

何とカウンターとして一閃を的確に入れてきたのだ。直撃は避けたが、ダメージは負った。この女は単純な武術でも恐ろしく強い。それを感じさせられた。だが

 

「・・・刀傷などいつ以来でしょうか」

 

どうやらこちらも一撃だけ入ったらしい。まあ今は相打ちと言ったところか。しかし今度は姉の豊姫からの攻撃が来る。空間を扱った縦横無尽の攻撃は手を焼いた。レーザーや飛び出してくる剣や槍などの猛攻にはさすがに手を焼いた。しかもこの武器は神器の類だ。一つ一つが強力で防御するのも一苦労だ。更に依姫の攻撃まで加わった

 

(このままじゃじり貧だ。ならば!!)

 

ザン!!

「!?」

 

俺は出てきた武器を空間ごと切り裂いた。そして桃色の光が放たれると

 

「うそ!?空間を操れない!!」

「何ですって!?」

 

豊姫は突然空間を操ることが出来なくなったのだ。何かの術だろうか?いや違う。これは単純に自分よりも強い空間の力によって干渉することが出来なくなったのだ。彼女は月と地上をつなげる術が使える数少ない存在だ。その中でも彼女は非常に突出しているほど強い力を持つのだ。それを上回る力となるとこのポケモンくらいしかいないだろう

 

「・・・・・・・・」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

 

桃色の光を放ちながら圧倒的な威圧感を放ってくる真聡がいた。宿したポケモンの名はパルキア。空間を創造した神である。いくら豊姫でも空間そのものの創設者には敵わないのだ。これで彼女の力は大きく弱まっただろう

 

「反撃開始だ」

 

すると無数の空間の穴が生まれた。そこから「はどうだん」、「りゅうのはどう」、「ハイドロポンプ」、「かみなり」などの攻撃が一斉に放たれた。姉妹はそれに対抗しようとする。しかし

 

ヒュン・・「何!?」

ドーン!!

 

思うような方向に進めずに攻撃が直撃したのだ。答えはパルキアの力で空間を操り、滅茶苦茶な方向にしか進めないようにしたのだ。つまり自分が前に進もうとしても元の場所に戻されたり、まったく別の方向にある場所に進んでしまったりするのだ。技も同様で。光弾が右側を通ったかと思いきやいきなり消えて上から飛んでくるなどでたらめな方向に進む。どんなふうに進むかは俺しかわからない。さらに隕石まで降らした。もちろん

 

ゴオオオオオオ!!

「!?上からではなく下からもくるだと!?」

 

俺は隕石を地面から出したりした。空間を歪めて重力の方向もでたらめになっている。速度はそのままで全方向から来る隕石の雨は驚異的だ。ディアルガとはまた違った使い方である。依姫は空間を切り裂いて進もうとするが、いくら切り裂いても瞬時にまた別の法則の空間が生まれる。切っても切ってもキリがなかった

しかしそれよりも豊姫はさらにまずいことになった。能力が使えない以上兵器や術や自身の動きで対処するしかないが、依姫と違って自分自身の動きはそこまで優れておらず防戦一方だった。そして所々で攻撃が被弾してしまう。お互い何とかここを出ようとするが出られない。俺は空間を新たに創造して二人を閉じ込めているのだ

豊姫とパルキアの決定的な違いは空間そのものを創造できるか否だ。彼女はあくまで操るしかできない。パルキアのように空間そのものを無から創造するという芸当は出来ない。空間に関しては完全に俺の方が上位互換だった

 

そして俺の腕は桃色に輝いた。俺は自分が作った空間の中で逃げ惑う哀れな二人に大技で蹴散らしてやろうと思ったのだ。放つは神の大技。依姫の物とはわけが違う

 

「あくうせつだん!!」

 

俺は腕をあらゆる方向に振りまくった。そして空間がズレて、ひびが入り始める。そして

 

パッリーン!!

 

とひび割れた空間がガラスのように飛び散った。そしてその影響による凄まじい衝撃波が月ごと姉妹を襲った

 

「ふう。流石に疲れたな」

 

とまぶいたものの、まだ戦闘体勢は緩めていなかった。何故なら

 

「ハア・・・ハア・・・己!!よくも姉上を!!」

 

依姫は立っていたからだ。どうやら何かしらの技で威力を限界まで弱めたらしい。姉の方を助けたかったがそれは叶わなかったようだ。豊姫も抗いはしたが、依姫と違って基礎体力をがあまり鍛えていなかったのが災いして、今はもはや戦闘が出来る状態ではなかった。何にせよこれで敵は一人減った

 

「これで一騎打ちだ。さあ、決着を付けようじゃないか」

 

こうして俺は依姫と一騎打ちになったのである

 

 




テラキオン  NO.639  タイプ:いわ・かくとう

聖剣士と呼ばれるポケモンの一種。パワーに優れており、道をふさぐ障害物を破壊する役割を持つ。巨大な城壁をも一撃で破壊する突進力を持って、ポケモンたちを守った。映画では豪快で気さくな頼れる兄貴分と言ったところである。ケルディオに「相手から絶対に目を離してはならない」ことを説いた
BW2で22番道路に現れてアクロマから「今あなたの目の前で存在感を放つ・・」というセリフがある


ビリジオン  NO.640  タイプ:くさ・かくとう

聖剣士の一種。聖剣士の中で一番スリムな体系をしている。素早い身のこなしで火の粉からポケモンたちを守ったという。映画では危機に陥っても表情一つ変えない冷静な性格をしている。ケルディオに「一番の敵は自分自身の恐怖心であること」を説いた
マグナゲートではメインストーリーで登場する。みんなから好かれるが、心からは信頼しておらず友達は作らないようにしていた。しかし主人公との出会いから少しずつ改心していく。序盤からステータスが高く非常に頼りになる


コバルオン  NO.638  タイプ:はがね・かくとう

聖剣士の一種にしてリーダー格。鋼の体と心を持つ冷静沈着なポケモン。人にらみで凶暴なポケモンを黙らせて従えてしまう。その統率力でポケモンたちを導いていく役目があった。映画でも冷静沈着な性格。ケルディオ曰く言っていることは難しいが一番確信をついているとのこと。ケルディオに「敗北してもそこから何を学ぶかが大切である」と説いた
BWでは残りの聖剣士と遭遇するために最初に会わないといけない

総評

聖剣士はかつて人間の戦争に巻き込まれたポケモンたちを救い、それが終わった後三体で人間たちをその圧倒的な力で蹴散らして戦争を止めさせたという過去を持つ。そのせいで人間を信じてはいないようだ


パルキア  NO.484  タイプ:みず・ドラゴン

シンオウ地方に伝わる神と呼ばれしポケモン。空間を司ると言われており、パルキアの誕生によって空間が誕生したという。ディアルガと共にアルセウスの宇宙創成を手助けした。遠くの場所や異空間に自在に移動したり、映画では町を丸ごと異空間に放りこんだりしている。普段は空間の狭間に住んでいるらしい。彼の呼吸によって空間は安定するという
ポケモン不思議のダンジョンでは一人称が「オレ」でやや粗暴な性格をしている。そのせいかDQキアなどと呼ばれてしまう。しかしちゃっかり最後は時空ホールに逃げようとしたダークライにとどめを刺したりしている


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はじまりのうみ

~月面~

 

戦える敵は残りは依姫のみになった。俺は頭上で見下ろす

 

(くっ・・・地上の者にこれほどの力を持つものがいるとは。姉上まで)

 

依姫は内心相当焦っていた。それもそうだろう。自分たちが見下していた存在にここまで無双されたのだから。しかしだからこそ目の前にいる存在を心底許せなかった。剣を天へと掲げ

 

「建御雷神よ!!」

 

すると空が光り始める。すると雷雲がないにもかかわらず巨大な雷が落ちてきた。しかし真聡は空間を操作して依姫に向かって落とさせた。しかし

 

「はあああああああ!!」

「!?ちっ」

ヒュン・・・

 

その雷は囮だった。依姫の狙いは雷で俺の注意をひいてその隙に俺を空間ごと切り裂くつもりだったのだ。しかも建御雷神の稲妻が宿った剣で更に威力を上げてきたのだ。俺は空間を操作して「テレポート」で避けた

 

これは妖夢から聞いた話だが、剣士は30年修行すれば雨を、50年なら空気を、そして200年なら時を斬ることが出来るようになると妖夢の師であり、祖父の妖忌という人が言っていたという。それが本当だとすれば依姫は時を斬れるようになるまで修行したのだろう。それなら空間を斬って見せたことにも納得は行く。「あくうせつだん」とは比較にならないが、それでも厄介なのは変わらない。今のままだと少し分が悪いかもしれない

 

「雷ならこちらはこいつで対抗するか」

 

俺はレシラムの力を宿して「クロスフレイム」を発射した。巨大な火球が依姫に迫る

 

「落ちよ!!」

バリバリバリ!!!

 

水神の力でも一瞬で水が蒸発すると悟り、雷で相殺した。しかし建御雷神の雷でも相殺どまりということには驚いていた

 

「愛宕様の火よ!!」

 

すると依姫は刀に炎をともした。さしずめ志〇雄〇の「終の秘剣 火産霊神(カグツチ)」のようだった。しかしこの炎は本物の火之迦具槌神(ヒノカグツチノカミ)の炎である。愛宕様とはカグツチのことである。ならば俺も最強の炎で迎え撃つことにした

 

「はあああああ!!!」

「あおいほのお!!!」

 

依姫が刀を振り下ろすと前方を一面を空まで覆うほどの超巨大な火柱になった。そして同様に俺の放った炎は同じくらいの大きさの青き火柱になった。日本神話に中でもっとも有名な神を殺した炎と世界そのものを焼き尽くすことが出来る伝説のドラゴンの炎がぶつかり合った。威力は完全に互角だった。やがて青い炎と真っ赤な炎が混ざり合った炎が天高く昇っていった

火柱が収まった後も月中が炎上していた。しかしそれは突然の豪雨に消されてしまう。

 

シュウ・・・ザアアアアアアアアアアア!!

「何だ!?」

 

突然の豪雨。火が消えたことで蒸気が出て視界が白くなる。しかし次の瞬間青い光が輝きだした。そして次の瞬間

 

ドオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

豪雨はさらに激しくなった。しかし最早豪雨の域ではなく滝、いや海がそのまま天から落ちてくるような途轍もない水量の雨が降り始めた。周りはあっという間に水がたまり海のようになった。そしてやがて大津波や渦潮、竜巻がいくつも発生した。その豪雨の向こうに真聡はいた。サファイアのような紺碧の光に黄色く光り輝いていた。俺はひとたび暴れれば大陸を海に沈め、世界を始まりに還す海を司る伝説のポケモンの本来の力を取り戻した姿、ゲンシカイオーガの力を宿した

 

「まるで太古の海そのものと対峙しているようですね・・・」

 

依姫は結界を張って対峙していた。結界を張らないとこのまま雨だけで溺死しかねないからだ。そして真聡から極太の高水圧の水流を発射した。水タイプの中でも最強ともいえる存在の「ハイドロポンプ」の威力は絶大だ。しかもそれにこの雨が加わって途轍もない威力になった。

 

ザッバア――――!!

 

海を底ごと割ってしまった。回避には成功するがその威力には冷や汗を掻いていた。反撃に出ようするが真聡の姿は見えなかった。すると

 

「上か!!」

「アクアテール!!」

ドッゴオオ!!

 

俺は空から一気に水の力を纏ったしっぽの形をしたエネルギー体を振り下ろした。依姫は剣で受け止めるが、海そのものが迫ってきたような衝撃に耐えきれなかった

 

「くっ」

 

依姫は何とかそれを捌いて受け流した。そして俺は再び空を飛ぶ。映画では普通に飛んでいたけど、どうやらカイオーガは雨などの大気の水分を泳いでいるらしい。そこから「れいとうビーム」や「かみなり」、「なみのり」や「うずしお」で攻めたてた。凄まじい猛攻を掻い潜っていくが、時々被弾していった

 

(海である以上雷は有効なはず)

「建御雷神よ。其の雷で焼き払い給え!!」

ピカッ・・・ズッドーン!!

 

依姫から神の雷が真聡を捉えて落ちた。一瞬で海が蒸発するほどの凄まじい威力だ。しかし

 

ドオオオオオオオ!!

 

豪雨は一向に止まず、また海となった。すると海中が光り出した。一つは水で生み出した青いベールのようなもの、もう一つは

 

(ううう・・流石にきつかったかな)

 

それは能力上昇の光だった。俺はあらかじめ「めいそう」を発動しておいたのだ。幸いにもとくしゅ技扱いのようでゲンシカイオーガの極めて高いとくぼうも手伝って割と余裕で耐えることができたのだ。そのあと「アクアリング」で回復を図っていた。依姫は再び反撃しようとするが、それより先に俺は「ハイドロポンプ」を発射した

 

ズッドオオオオオオオオオオオオオオオ!!

「!?」

 

「めいそう」にはとくこうも上昇する力がある。高まった特殊攻撃の力から放たれた「ハイドロポンプ」は更に恐るべき威力となった。速度も範囲も威力も上昇していた。依姫は切ろうとしたが、勢いが強すぎて防ぎきれないと判断して躱した。そして俺は大技を出そうとしていた

 

「!?これは!!」

 

周りに大量の水球が発生した。それは海、雨粒、波などから所かまわず大量に現れた

 

「くらえ!!「こんげんのはどう」!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

すると水球の一つ一つが青く輝く水の光線となって襲い掛かってきた。依姫は八方から来る膨大な数の水のレーザーに飲み込まれた。水の力はすごいものであり、圧縮して高出力で出せば金属を容易く両断することが出来る。実際「ウォータージェット」という水を圧縮して噴き出して金属を切断する機械が現実でも使用されている。それをビームの如き速度でしかもそれをあらゆるところから放たれれば依姫といえどもひとたまりもなかった。しかしそれでも耐え凌いで見せた。切ることも避けることも出来ないと悟った彼女は

 

「はあああああああああああ!!」

バリバリバリバリ!!

「!?」

 

依姫は自分の体そのものを建御雷神の雷と化して瞬時に蒸発させて防いだ。ダメージは負ったが何とか耐え凌いだ。そして再び雷を落とそうとした。しかもそれと同時に自分自身で切りかかろうとしたのだ

 

(これはまずいな)

 

そう思うと同時に雷の刃が振り落とされた

 

ゴロゴロゴロゴロドッカ――――――ン!!

 

稲光が灯り、電気が周り一面に放電した。しかし

 

「・・・・・」

「何!!」

 

俺はそれを受け止めた。俺は今度はあるポケモンに変えたのだ

あらゆる水分を一瞬で蒸発させたかと思いきや、今度は灼熱のマグマと太陽光が地上を支配し、灼熱の終焉の大地へと変えた。今度はカイオーガと対を成す大地を司る伝説のポケモン

 

ゲンシグラードンをその身に宿すのだった

 

 




カイオーガ   NO.382  タイプ:みず

ホウエン地方に伝わる超古代ポケモン。大波と大雨を生み出す能力で海を生みだしたと言われている。干ばつで苦しむ人々を救ったという話もある。長年にわたり自然エネルギーを巡ってグラードンと死闘を繰り広げた末に海底で眠りについた。アクア団は海を広げるために利用しようと企んでいた。ORASでは世界をあるべき姿へと戻し、ポケモンたちにとっての理想郷を作ろうとした。しかしカイオーガはあまりにも強い力を持っており、理想郷を生み出すどころか世界そのものを滅ぼしかける力を持つためアクア団でも制御不能になってしまう
ORASで新たにゲンシカイキにより本来の力を取り戻した姿、ゲンシカイオーガが登場した。専用特性の「はじまりのうみ」はほのおタイプの使用が出来なくなり、普通の天候変化技では変えることが出来ない。あふれるエネルギーは海水となって出てきて一泳ぎするだけで海を広げることができるらしい。世界中の大陸を海に沈め、始まりに還すという


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姉妹の罠

無理矢理ではありますが、ピンチです

それとあとがきで原作に登場しない八百万の神の解説も軽く入れておきます


月面は今度はマグマの海となっていた。それは地球が出来た頃の状態を連想させる光景だった。正に原始の大地と言ったところだろう

 

「今度は大地の化身ですか・・・」

弥都波能売神(ミヅハノメカミ)よ!!」

 

すると依姫は水神であるミヅハノメカミを降ろして膨大な水流でマグマを消そうとしたが

 

ジュウ・・・

「・・・やはりだめですか」

 

あまりの温度で水が大気中で一瞬で蒸発してしまった。驚くべきことにこれは天候によるものだった。水は高温で蒸発するが、それが大気中でしかも天候によるもので起こったのだ。これを世界規模でされてはあらゆる生物が死に絶えるであろう。「おわりのだいち」と呼ぶにふさわしい力である

 

「だいちのちから」

 

ズズズズズズズズドォーーーン!!

 

するとマグマの海が揺れて巨大な柱となった。しかもそれが何十本も立ち昇った。更に大地を操作して噴火のような攻撃を行った。立ち昇るマグマと共に打ちあがった火山弾がやがて隕石のようになって雨のように大量に降り注いだ。地獄絵図と言ってもいい光景だった。依姫は飛行しながら躱していく。俺は「ソーラービーム」や「いわなだれ」、「ストーンエッジ」も混ぜていく。「ソーラービーム」は直接やっても切られるだけなので曲げて操作しながら反撃した。しかし何とか近づきたい。そこで

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

大地を盛り上げて高さを調整した。そして依姫のすぐ近くでマグマ柱を発生させた。しかしこれは簡単にかわされる。本当の狙いはここからだ

 

ざっぱ!!

「!?」

「おおおおおお!!」

 

俺は立ち昇るマグマ柱に乗って上に移動した。「たきのぼり」ならぬ「マグマのぼり」とでもいうのだろうか。そして俺は上から拳を叩きつけた

 

ズッズ―ン!!

「ぐう・・がは!!」

 

俺は依姫に「じしん」をお見舞いした。俺が編み出した相手を殴ると同時に地震の振動をぶつける攻撃が炸裂した。しかもそれをゲンシグラードンで行うのだから威力は半端なものではなかった。依姫はマグマの海に吹き飛ばされていった。しかしただ落とすだけでは駄目だ。おそらくカグツチにでもなってマグマの海でも大丈夫にするとかいろいろ策があるだろう。だから俺はこの大技につなげた

 

「だんがいのつるぎ!!」

ズズズ・・・ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!

 

俺は大地の力を無数の巨大な剣へと変えた。マグマの海から無数の巨大な大地の剣が襲い掛かる。そしてとどめに大地の力を全て集めたような超巨大な大地の剣で攻撃した

 

ズッガ――――ン!!

 

止めを刺して依姫はついに倒れて動かなくなった。この勝負は俺の勝利で終わった。このままにして帰ってしまいたいくらいだが、月は地球にとっても重要な存在だ。このままにしたら表の月にも何かしら影響を受けそうなので俺はひとまず元に戻した。この時こう思う人がいるのではないだろうか。ここまで月を滅茶苦茶にしてZクリスタルは無事なのかと。心配ご無用。パルキアを宿している時にクリスタルは異空間に取り込んでおいたのだ。だから傷一つ付いていない。確認もしたが大丈夫だ

 

「さてととりあえず元に戻したしこのまま帰るとするか。これで灸をすえられただろう」

 

と言って幻想郷に帰ろうとした・・・・・が

 

ザク!!

「!?」

ザクザクザク!!

「ぐああああああああああ!!!」

 

何と突然異空間から剣が現れたのだ。異空間によるものだと波導では見切れずに直撃してしまった。そしてまた剣が迫ろうとしてきた

 

「く・・・「とける」」

 

俺は急いで「とける」を使って液状化することで突き刺さった剣から抜け出せた。しかし神剣によるものでパルキアの力を宿していた時にくらったとはいえ、ダメージが大きかった

 

「ふふ・・・まんまとかかりましたわね」

「詰めが甘かったようだな戯れた地上の者よ」

「何・・・!?」

 

そこには綿月姉妹が姿を現していた

 

「何故だ!?波導でも確認したが、二人とも確かに戦闘不能になっていたのに」

「確かめたのは私を倒した直後だけでしょう?私はね、一応いざってときのために常にある薬を持っているの」

「それは私の神降ろしで生み出した薬の神、蛤貝姫(ウムギヒメ)の薬だ」

「私が意識がギリギリの時に飲んで体力を回復させたのよ。そしてあなたがあの厄介な空間神の力を解除した時に異空間からこっそり見ていたわ。そして依姫には悪いけど敢えて決着がつくまで待っていたわ。私の自慢の妹を倒すとは敵ながらあっぱれでした。しかし倒したとしてもあなたは何かしら大きな消耗はするはずです。それを一番させるには依姫に勝つ瞬間までです。そしてやられてしまった依姫を薬で復活させましたの」

「くう・・・そういうことか。確かに詰めが甘かった」

 

俺はそう思いながら「じこさいせい」で傷を回復させようとするが

 

「回復しないだと!?」

「念には念をということでいかなる治癒の力を掻き消す呪いがある神器を使いましたの」

「ちい。抜かりなしか」

 

これは一気に形勢が危うくなった。かなりのダメージを受けてしまった上に回復も出来ない。しかも相手は全快。これはつらい状況になった

 

「さあ潔くこの地で往ね!!」

「我ら相手にここまで戦ったお前の実力は認めよう。だがこれで終わりだ!!」

「ちくしょう・・・不覚だ!!」

 

しかしまだ戦う力は残っている。まだまだ倒すことだってできるはずだ。しかしこの出血ではいずれ力尽きる。だから俺は短時間で二人とも倒すしかない俺は再びパルキアの力を使おうとするが

 

「何!?」

「もう一つ仕掛けておきましたわ。私にとっての天敵ともいえるその力を抑え込みましたの。依姫と一緒にね」

「封印の一種のようなものだ。その力さえ使えなくすれば姉上も存分に戦えるのでな」

「ちい。悪知恵が働くやつらだよ」

(こうなるとこいつらを倒さないと帰ることも難しいというわけか・・・)

 

でも必ず生きて帰って見せると俺は強く誓うのだった

 




グラードン   NO.383  タイプ:じめん

ホウエン地方に伝わる超古代ポケモン。大陸を生みだした大地の化身と言われているポケモン。大地を盛り上げて大陸を広げ、光と熱で水を蒸発させることが出来る。それによって洪水で苦しむ人々を助けたこともあるらしい。カイオーガとの自然エネルギーをめぐる戦いを長年繰り広げていた。その後は地底で眠っていた。目覚めると火山が噴火するという。マグマ団に大地を広げるために狙われる。ORASでは大地を広げることで人類を発展させることが目的である。しかしあまりにも強い力で世界中の生物が死滅しかねない事態になってしまう
ORASで本来の姿を取り戻した姿、ゲンシグラードンとなった。タイプは新たにほのおタイプが加わった。とくせい「おわりのだいち」はあまりの熱で水タイプの技を大気中で瞬時で蒸発させてしようが出来なくなってしまう。これは通常の天候変化では変えることが出来ない。あふれ出るエネルギーがマグマとして溢れ出てきて歩き回るだけで大陸が広がるという。あらゆる水分を蒸発させ、あらゆる生物が死に絶え世界を終焉へと導くと言われている


弥都波能売神(ミヅハノメカミ)

日本を代表する水神様。カグツチのよって陰部をやけどして苦しんでいたイザナミの尿から和久産巣日神(ワクムスビ)(五穀・養蚕の神)と共に誕生したという


蛤貝姫(ウムギヒメ)

薬を司る女神。大国主命が兄の八十神に殺されてしまったところを蘇生させた。その薬は貝殻を削って粉にしたものを母乳に見立てた蛤の白い汁で溶いて作ったものである

ウムギヒメはスクナヒコノカミと迷いましたけど薬の伝承があるのは前者なのでそっちにしました




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巡り合うことで生まれる力と輝きは八百万をも超える

これにて決着です


~月面~

 

ズドドドドドドドドド!!

 

綿月姉妹は俺に苛烈な攻撃を仕掛けていた。空間操作能力を取り戻した豊姫による大量の神器の雨、そして依姫は火雷神(ホイノイカズチノカミ)による雷とそれが変化してできた7頭の火竜で攻撃してきた。俺はそれをかわしていく、何とか倒す方法を考えた末にこのポケモンの力を使うことにした。俺は「えんまく」で視界を奪った

 

「姑息な!!」

シャラアア

 

依姫は刀で煙幕を一瞬で切り払った。しかし真聡の姿はどこにもいない。すると豊姫が

 

「やれやれ本当に小癪な真似をしてくれるわね」

「ええ。全くで・・・!?がは」

ドゴ―ン!!

 

何と突然豊姫が依姫の腹部を殴りつけたのだ。依姫は遥か彼方に吹き飛ばされる。しかし空間の穴からまたパンチが飛んできて上へと吹き飛ばし、そしてその軌跡上にワープで移動して待ち受けていた豊姫が「ハ〇クス〇ッシュ」の要領で両手を握って殴りつけた

 

ドッカーン!!

「ガフ!!き・貴様・・・まさか・・」

「依姫!!大丈夫!?」

「姉上!!」

 

そこには豊姫がいた。しかしこの場にはなんと豊姫が二人いたのだ。しかし偽物も正体もすぐに分かった

 

「まさか私に化けるなんてね・・・汚らわしい地上人に自分の肉体が使われて不愉快極まりないわね」

「しかしこいつ姉上の能力まで使えるとは・・・」(それに姉上にあそこまでの怪力が使えるはずは)

「おほほほほほ!!どうですかな?」

 

俺は豊姫に「へんしん」をしたのだ。「えんまく」を使った直後に豊姫を「テレポート」ではるか遠くに移動させたのだ。少しでも時間を稼ぐために「テレポート」した先にも「えんまく」をしておいた。そしてコピーした能力で依姫を油断させて奇襲したのだ。作戦は成功した

 

「どこまでも侮辱してくれるわね。今すぐ消え失せなさい!!」

 

豊姫は相当頭に来たようで大量の神器で攻撃してきた。俺も同じ攻撃をするが、だんだん押されていく。それもそのはずだ。現実でも高度な技であるほど本物以上の力にするのは至難の業だ。だから俺は

 

バリバリバリ!!ブーン・・ドドドドドドドドドドドド!!!

「「!?」」

 

神器が一斉に電撃が走り出す。そして磁力によって豊姫のものまで浮かんでしまい、やがて電気を纏った。これはジバコイルの力である。そして磁力と電撃を組み合わせて神器をレールガンのように高速で発射した。しかもそれをマシンガンのように連続で発射したのだ。

 

「!?」

「馬鹿な!!姉上はこんな力は持たない筈!!」

 

謎の本に書かれていた「あなたがその力を強くし、つながりを強くすればするほどその力は自分自身の力となる」という文字の意味は鍛え上げれば素の状態でもポケモンの力が使えるという意味だった。初めの頃は進化前しか出来なかったが、最近はとうとう最終進化形までなら素で使えるようになった。俺は今ジバコイルの力を使っている。ちなみに先程はバンギラスの怪力を使ったのだ。とはいえ本物より少し威力が低いのだが

これはどうやら俺自身の精神力によるもののようで肉体を変えてもある程度は使用が可能らしい。一種の憑依のようなもののようだ

 

俺は豊姫の能力にポケモンの力を合わせた攻撃をした。これによって総合力は互角となったが、姉妹も連携して攻めてくる。雷と火竜と弾幕がぶつかり合った。正直なことを言うとやはりこれでは倒すことが難しかった。だから俺は変身を解除して別のポケモンの力を宿した

 

そして一頭の火竜が俺に迫ってきた。しかし俺はそれを黄金のリングを出してその輪の中に入れてしまった

 

「何!?」

 

驚いているようだ。空間操作にかけてはパルキアよりもずっと劣るが、物を取り出したり、呼び出すことにかけてはそれをも凌ぐポケモン。フーパの力を宿したのだ。俺はそのリングにすべての火竜を神器ごと取り込んだ。しかし姉妹はそれでも手を緩めず攻めたてるが

 

「おーでーまーしー!!」

ボオオオオオオオ!!ズドドドドド!!

「「!?」」

 

そして別のリングから先ほど取り込んだ二人の攻撃を呼び出したのだ。高密度の弾幕と化した攻撃が姉妹を襲う。しかし二人とも全くひるまず連携して凌いでいく。瞬く間にこれを突破するだろう。しかし俺は最初からそれで二人を倒すことを狙ってはいなかった。これは囮。もし当たったら儲けものだ程度の反撃だった。本当の狙いは

 

「おでまし~!!」

「え?」

ブオーン!!

 

豊姫の姿が突然消えた。それに依姫は戸惑う。すると俺は独特の構えから暗黒のオーラを拳に纏った。これは俺のパクり技シリーズの一つ。すると真聡の目の前にリングが出現し、そこから豊姫が出てきた。そして

 

 

「魔神拳!!」

「がは」

ドッゴーン!!

 

俺はスマブラの某魔王が使う必殺の拳を豊姫に放った。フーパで行った理由は単純に魔神つながりである。すると次に依姫の上にリングが出現した。依姫はすぐにそれに気づいて剣で対応しようとする。しかし依姫は直後に何かを察して剣を捨てた

 

ヒューン!ドカ!!

 

リングから現れたのは「魔神拳」で殴り飛ばされた豊姫だった。もしそのまま飛んできたものを斬ろうとするものなら依姫は自分自身の手で姉を斬ってしまうところだった。かといって避ければ地面に激突してしまう。反応は遅れたが、依姫はふきとんできた姉を受け止めることに成功した。しかし剣を離してしまったのは運の尽きだった。俺は二人を「サイコキネシス」で浮かせた後に下からリングを出現させて、そこから巨大な拳で上に殴り飛ばした。そしてその先には6つの黄金のリングが待ち構えていた。そしてそこから魔神の拳のような暗黒のエネルギーが一斉に放たれた。「いじげんラッシュ」である

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ・・・

 

俺はジョ〇のような掛け声で連続で殴って殴って殴りまくった。しかし依姫もお返しとばかりに日本神話で怪力を司る神、天手力男命(アメノタヂカラオ)を降ろしてその力が宿った怪力の拳で迎え撃った。そして〆に6つの拳を一つにした巨大な拳のアッパーを、依姫は力を最大まで込めた拳を振り下ろした

 

ドッゴーン!!

 

依姫は次で終わらせようとした。降ろしたのは日本神話の最高神、天照大御神を降ろした。そしてその力による極光で浄化し尽くそうと考えたのだ。強烈な光が月を照らす。しかし

 

「ジオコントロール」ビカアアア!!!

 

俺も光を放つ。それは七色に輝く生命の光だった。俺は今度はゼルネアスの力を宿す。最高神の白い極光と生命を司る存在の伝説のポケモンの七色の光が月を覆った

豊姫はまずいと感じてまた薬を使用しようとしたが

 

「うそ!!つかえない!?」

「同じ轍は踏まないさ」

 

俺はあらかじめ道具の使用をできなくする「さしおさえ」をしておいたのだ。これで全快はもうできないだろう

 

「お前たちは俺たち地上に生きる者を穢れたものと言ったな。でもね、これを見てどう思うだろうか?お前たちの嫌う戯れ・・・「生命」の力は本当に汚らわしいのか?」

「「・・・・」」

「俺は何よりも美しいと思うね。数々の命がふれあい、ぶつかり合った結果でここまでの奇跡を生んだ。それは星、そして宇宙も同じことだ」

 

すると月が大きく輝きだす

 

「なっ何なの!?」

「月があの男に呼応して光っているのか!?」

「・・・ムーンフォース」

 

「ムーンフォース」は月の力を借りて攻撃する技。そしてここはその月であり、更に伝説のポケモンであるゼルネアスの力もあって普段のものよりさらに強いエネルギーが生まれた

「ジオコントロール」と「フェアリーオーラ」による生命の力、そして月の民が絶対の浄土と言い張る月の力。この二つの力が今一つになった

 

「これで終わりだーーー!!」

 

七色に輝く光は天照大御神の極光をも飲み込んでいった。そして幻想郷と現世の地球からでもその時の七色の光を放った月を見ることが出来たという

 

最後は皮肉なものだった。自分たちが否定し続けた生命の力だけではなく、絶対の浄土と信じ続けた月そのものの力によって倒されたのだから

 

そして彼らの記憶に深く刻まれたことだろう。最高神の極光をも超越する輝きが生命には秘められているということを

 




フーパ  NO.720  タイプ:エスパー・あく

空間を歪めるリングであらゆるものを離れた場所へ飛ばしたり、テレポートしたり、財宝などを集めたりするトラブルメーカー。財宝欲しさに城ごと引き抜いて奪い去ったという伝説も残されている。またその力を使って伝説のポケモンをも召還することが出来る。ORASではエンディング後で現れる伝説のポケモンたちはこのリングらしきものから登場する。普段は力を封じられた姿である戒められし姿でタイプはエスパー・ゴーストタイプだが、封じられた姿を取り戻した解き放たれし姿になると体は巨大になり、タイプはエスパー・あくになる。アニメでも極めて高い戦闘能力を持つようである。六本のリングと巨大な手を自在に操る


天手力男命(アメノタヂカラオ)

腕力や筋肉を象徴する力の神様。高天原一の力持ちである。天照大御神が天岩戸に引き籠ったことが原因で高天原が闇に包まれてしまった時の神々の会議をしたときの重鎮の一人。宴会が盛り上がっていることに気になりだした天照大御神の腕を引いて外に出した。そのあとは岩に縄を締めて二度と入れないようにした。これが神社でよくある「しめ縄」のルーツである


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傍観者たち

この章も終わりです


~月面~

 

今俺は月面から地球を見ている。それはきっと多くの人が望むことの一つではないだろうか。そこから見える地球は青く美しかった。正直俺にとっては生命にあふれた地球の方がこの穴ぼこだらけの殺風景な月よりもずっと美しいと思う。俺は何となく月の都を散歩していた。先程の七色の光で全員やられたらしくて気絶している。あの姉妹も今度こそ完全に倒れ伏していた。月の都はほぼ壊滅と言ってもいい状態だった

 

しばらくすると俺はZクリスタルを異空間から出した。そして今度こそそれを取り込んだ。すると俺の体にさらなる力が宿ったのだ。それは間違いなくZワザの力だった。こうして俺はZワザの使用が可能になったのだった。そして俺は幻想郷へと帰るのだった

 

 

~???~

 

「月の都をたった一人で壊滅させるとは。本当に強くなったものね」

「まったくね。何といってもあの閉鎖的で生命のくせにそれを否定して他の世界を馬鹿にしてる月人をあそこまで叩きのめしてくれて実に愉快だわ。しかも最後はその生命と浄土と言い張る月の力で止めを刺したところが良かったわね。あなたも気分がスッとしたんじゃない?」

「ええ。おかげさまでね。・・・あなたと戦う日もそう遠くはないんじゃないですか?」

「・・・・・・」

「もう少しと言ったところなのかしら、〇□?」

「ああ。我と戦えるようになるまではもう少しだけ強くなってもらう必要がある。そしてその域に達した時、我は異変を起こしてあいつをおびき寄せるつもりだ」

「そう・・・」

「近々月に襲撃するつもりでしたが、もうする必要はありませんね」

「そうだな」

「そういえば幻想郷の賢者はちゃんと見たのかしらん?」

「見たようだぞ。我がスキマを覗いて確認した」

「そうですか」

「さて。どこまで強くなるかしらね」

「それを授けるに値するまでにあのものは強くなれるでしょうか?」

「我の目に狂いがなければな・・・」

(まあその心配はなさそうだがな)

 

~スキマ空間~

 

「・・・・・」

「まさか本当に月の都をたった一人で壊滅させるとは」

「・・・薄々感じてはいたけど、とうとうここまでの実力を手にするとはね・・・」

「いかがなさいますか?紫様」

「どうするも何もしたくても何もできないわ。第一次と第二次ともに惨敗で終わった相手を壊滅させた相手にどうやれば勝つことが出来るというのよ」

「幸いにも善人であるのが救いでしょうか」

「そうね・・・だからこそ余計に質が悪くもあるわ・・・それにとうとうあの方も動き出すかもしれないわ。なんでも古い友人と出会ったという話よ」

「あの方がですか・・・」

「ええ、でも今は何もしないとおっしゃっていたけどね・・・・いったい何をなさるのかしら・・・龍神様」

 

 

~自宅~

 

俺はしばらく眠っていた。幸いにも今日は休日だったのが救いである。今度はZワザの特訓を開始することを決めた

 

(それにしてもどうしてあのZクリスタルは俺を呼んだんだろう?そもそもどうして月に・・・)

 

俺は外を見ながら物思いにふける

 

思えばこの感じは前からずっとあった。あの謎の本もそうだし、それが一番強く感じたのはデオキシスの時だった。あの時倒したあとに「見事だ・・・」と威厳たっぷりの声が聞こえた。今回のZクリスタルもそうなのかもしれない。そして

 

(その存在が俺を幻想郷に生まれさせ、この力を授けた張本人である可能性が極めて高そうだ。・・・・いつかその存在に出会うことが出来るのだろうか・・・)

 

何となくではあるけどこのまま修行を続けることが必要な気がする。メガシンカにZクリスタル、あの本だってそうだ。共通点は俺に新たな力を与えることだった。きっとこれは俺にもっともっと強くなってもらうためのものだと俺は感じる。だから

 

「・・・今日も元気に修行するとするか」

「おーい!!」

「真聡さーん!!」

「おお!魔理沙!!早苗!!」

「今日も使わせてもらうぜ」

「私は成果を見ていただけませんか?」

「ああ。いいとも」

 

だから今日も修行をする。大切な人たちを守るためにも・・・

 




今回はバトルが中心の回でした。次回からはまた原作の異変を解決していきます。まあもう主人公もですが、周りも相当強くなっているのでそこまで苦戦することはなさそうです。ですからまたオリジナルの展開をする予定です

今回は一応最終章への伏線というか、それを匂わせる話になりました。あともう少し続けていく予定です


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木戸真聡設定集(戦章まで)

設定集です。以前の設定集で書いたものと被る項目は書いていません


木戸真聡(きどまさとし)

 

 

(年齢)

 20

 

性別、種族、職業、能力、容姿、食べ物の好き嫌い、特技、モットーは第五章と同じ

 

 

(人物)

 

実力はすでに幻想郷の中で最強と言ってもよいほどの強大な力を持つが、それ以外は一癖も二癖もある幻想郷の住人の中でもトップクラスの常識人である。困っている者は放っておけないお人よし。まじめで温厚な性格で礼儀正しい。基本的には争い事は好まないが、戦うこと自体は好きでそれ以上に今よりももっと強くなっていくことを快感に感じている。しかしそれはあくまでも大切な人たちを守るためであり、それを私利私欲のためだけには使うことはない。悪さをしない限りは妖怪でも攻撃しないし、その悪事がよほどの物ではない限り殺しはしない

修行を常に怠らずに励む努力家。最近は「精〇と〇の部屋」もどきを作って修行している。しかしそこを使いたい者が現れれば快く提供してくれる。現世では病で幼くして亡くなっている。本人が強くなりたい理由はせっかく力を授かってまた生きることが出来たのだから、現世でできなかった大切な人たちを守るということをしたいからである。東風谷早苗とは現世にいたときから親友である。再会した時は喜び合った。彼女の特訓に付き合ったりあと何かと気にかけている。ぶっちゃけ相思相愛の仲である

幼いころからの生粋のポケモン好きでその知識は豊富。また自分なりでアレンジしたり、ゲームや漫画の技を再現することもしばしばある

守矢神社の東風谷早苗とは現世の頃からの友人。再会した時はお互いとても喜んでいた。その後も数々の強敵を打倒してついに月民を撃破する実力を身につけた

 

 

(能力)

ポケモンの力を宿すことが出来る。現在は伝説のポケモンの力も使用できるようになり、更にデオキシスを倒した後にメガシンカ、月人に勝った後はZ技の使用も出来る様になった。通常のポケモンくらいなら消耗はほぼなくなり、伝説のポケモンの使用も連続で宿すことが出来るようになった。更に素の状態で伝説とメガシンカポケモン以外のポケモンの力を使えるようになった。ただし技までは使えない。またメガシンカを派生させてポッ拳の共鳴バーストとバーストアタックの使用も可能

 

 

(オリジナル・再現技)

 

「シャドーマシンガン」

スマブラのミュウツーの投げ技のように「シャドーボール」をマシンガンのように高速連射する

 

 

「サイキックスプーン」

ポケスペのミュウツーの技を再現したもの。超能力で生み出した鋭利なスプーンのような武器。更にそれを振って「サイコウェーブ」のような念力波を飛ばすことが出来る

 

 

「サイキックトルネード」

こちらもポケスペの技を再現したもの。サイコウェーブで生み出した超巨大な竜巻を生みだしてその圧力で敵をねじ切ろうとする技

 

「真・インファイト・斬」

メガエルレイドで使う「インファイト・斬」の強化版

 

 

地符「だいちのちから」

スペルカードの一つ。大地にひびが入ってそこから噴き出すマグマの弾幕で攻撃する。更に「マッドショット」による高速弾幕に「ふんか」によるマグマ柱と火山弾で攻撃する。更に噴煙で相手の視界を奪うことも出来る

 

 

「じしん」(直接)

地震の揺れを相手に直接叩き込む技。イメージで言うと「二〇の極〇」と白〇げのグ〇グラの実を合わせたようなもの

 

 

「釘パンチ」

ト〇コの「釘パンチ」をカイリキーで再現した技。現在125連、250連まで出来る。両手でやる「ツイン釘パンチ」は500連と1000連が登場している

 

 

「回転剣舞六連」

る〇うに剣〇の四〇森蒼〇の技を再現したもの。超高速の六連撃で斬りつける

 

 

「しんぴのせいけん」

「せいなるつるぎ」と「しんぴのつるぎ」を一つの巨大な剣にしたもの。斬撃の威力は絶大で地平線の彼方に底が見えない谷が出来るほどの威力

 

 

「ダブルとんぼがえり(サマーソルト)

某格ゲーのガ〇ルの技の再現。超高速の2連サマーソルトキックで攻撃する

 

 

「せいなるつるぎ・剛」

テラキオンの力を宿した「せいなるつるぎ」。猛烈な勢いで突進して敵を吹き飛ばす力技

 

 

「せいなるつるぎ・柔」

ビリジオンの力を宿した「せいなるつるぎ」。しなやかな動きで敵の攻撃をいなしながら攻める

 

 

「せいなるつるぎ・護」

コバルオンの力を宿した「せいなるつるぎ」。守りに特化して隙を作ったり、カウンターで攻撃する守り重視の技

 

 

「魔神拳」

スマブラのガノンドルフの必殺技を再現したもの。基本的にフーパ専用の技

 



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第八章:星蓮船編
大空に浮かぶ未確認飛行物体


遅れてすみません。今週は忙しくてなかなか投稿できませんでした。これからも毎日投稿が難しい場合もあると思いますが、失踪はしません
早いもので今回で100話目に到達しました。ここまで頑張ってこれたのは読んでくださる皆様のおかげです。これからも頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します。


~工房~

 

カンッカン!!!

「おーい。小傘~いるか~」

「あっ!真聡さん」

「俺の頼んだものは出来ているか?」

「あーあれね。出来てるよ」

 

俺は今小傘の工房に来ていた。彼女は鍛冶が非常に得意であり、それで生計を立てているらしい。実を言うと俺は小傘にあるものを作ってもらうことを頼んでいたのだ。どうやらそれが出来たらしい。頼んだのはナイフが100本に刀が50本、槍が10本である

 

「相当の量を注文したというのに一本一本が見事な出来栄えだな」

「そんなにたくさん注文が来て驚いたけど、真聡さんには恩がたくさんあるから腕によりをかけて作ったんだ」

 

小傘は俺に出会った後、新しい生き方を模索している。なんでもたまたま「メ〇ー・ポピ〇ズ」の原作本を見つけて傘で空を飛ぶベビーシッターというものにピンと来て、これからは道具が人間に合わせた生き方をしてみてはいいのではないかと思ったらしい。そして〇リー・ポ〇ンズを真似て小傘もベビーシッターをやっているらしい。泣いている子供はあやし、笑っている子供は泣かせてまわっている。子供受けは結構いいらしい。しかし親から見れば変質者だし、妖怪でもあるから追い出そうと思って手配書まで出したらしい。そして俺に退治の依頼が来たのである。行ってみるとその正体は小傘で事情を聴いた後、人里の人たちの誤解を解いてあげた。その後いろいろ気にかけてあげて、工房の改装を手伝ったりしてあげたのだ。今は人里の人たちにも無害な妖怪として受け入れられつつあるようだ

 

「いいってことさ。お前が危険性のない妖怪であることは俺が理解しているからな」

「う~それはそれでちょっと複雑ね」

 

しばらく雑談をした後、俺はナイフに細工を施した。そしてナイフは半分バッグに入れ、残りは全て異空間に放りこんだ。そのあとは雑談をしばらくしていた。そろそろ頼まれた鍋を渡しに戻ろうとすると

 

「!?これは!!」

「えっ!?何あれ?」

 

すると突然何かが宙に浮いてきたのだ。その形は俺は知っている。それは間違いなくUFOだった。俺は少し驚いた

 

「UFOか・・・」

 

俺は現世にいたときからUFOは割と信じていた。本当に円盤型の飛行物体に乗っているかはともかく、宇宙には地球以外にも生物はいるだろうし、文明を持った生物がいてもおかしくないとは思うのだ。不思議な現象やレーダーなどからすぐに離れることも割と自然な気もするのだ。地球はここ数十年でやっと月に行った程度。しかしそいつらは誰も知らないような他所の星からやってきたのだから地球より遥かに高度な文明を持つ筈だ。そうなればレーダーにかからない技術を持っていても案外違和感がないと個人的に思うのである

まあそんな個人的な考察はともかくここは幻想郷。月に文明があったのだからUFOが出てもおかしくはないと思う。しかし次の瞬間

 

「!?」

「攻撃してきたよ!!」

 

 

しばらくすると弾幕を放ってきた。俺は早速試し打ちを兼ねてナイフを投げつけた。それはあっさり命中して撃墜したのだが、それは何と破片のようなものに変わってしまった。俺は怪しく思って「みやぶる」を使って他のUFOを見てみると、俺は今度は小傘に作ってもらったナイフを投げて迎撃した。爆散しないようにするために貫かず刺さったままにするようにした。するとナイフが刺さったUFOは別の物体に変わっていた。小傘も応戦してくれた。しばらくすると俺たちは全てのUFOを撃墜させた。撃墜したものはみんな何かの破片のようなものになっていた。

 

「終わったな」

「ふう・・一体なんだったんだろう」

「あまりよくないことであるのは確かだろうな」

 

俺は残った破片を調べた。どこか不思議な力を感じる代物だったがそれ以上はよくわからなかった。俺はそこでネイティオの過去の目でそれを調べてみることにした。すると少女の姿が浮かんできた。黒髪のショートヘアーに黒いワンピースに胸に赤いリボンがあって、背中にある赤い鎌のような赤い三本の羽と矢のような形をした青い三本の羽のようなものが印象的な容姿だった。どうやらこいつが破片に何か細工をしていたようだ。俺はその犯人を召還することにした。どうやるかはズバリ、フーパの力である。見た目も名前もわからないものは無理だが、容姿がわかればが召還可能のようだ。俺はその犯人は召還した

 

「おーでーまーしー!!」

 

するとリングが光り出した。するとそのリングからあの少女が姿を現したのだ

 

「な・・なんだ!?」

「お前がこの騒動の犯人だな?」

「!?」

 

すると少女は俺の姿を見ると

 

「何すんだよ!!」

 

と言って持っている槍で突き刺そうとするが。俺はそれを余裕で受け止めた。彼女は力ずくで俺を槍から手を離させそうとしたが、微動だにしない。魔神の腕力の前では勇儀や萃香レベルでもないと単純な腕力では抜け出せない。分が悪いと感じ槍から手を放して離れようとするが、俺はすかさず「サイコキネシス」で拘束した。そしてそのまま宙に浮かべ

 

「手荒な真似はしたくはない。大人しく事情を話せばそれでお終いだ」

「っ・・・・」

 

最高レベルの「サイコキネシス」に拘束されてしまえばもはやどうしようもないし、真聡の後ろに魔神のようなオーラが出ていた。彼女は正にそれににらみつけられており、その圧倒的な威圧感の前に思わず恐怖する。そして大人しく降参して事情を話すのだった

 

この子の名前は封獣ぬえというらしい。かつて人間たちにいたずらしていたのだが、正体がバレて地底に封じられてしまい、長らくそこに住んでいたらしい。しかし以前の地底の異変で間欠泉と共にどさくさに紛れて脱出したという。そのあとムラサという地底からの知り合いが人間の僧侶を復活させようとしていることを聞いてそれに必要な「飛倉の破片」に決まった姿がなく、見た人の知識で変わるようになるという「正体不明の種」を付けたものをばら撒いて邪魔をしようとしていたらしい。それからまた尋問を続けていたが

 

「ま、真聡さん上見て!!」

「・・・!?なんだあれは!?」

 

すると上空に空を飛ぶ巨大な船を見つけた。しばらくするとおそらくあれがさっき言っていた人間の僧侶を復活させようとしている奴らじゃないかとぬえは言った。そしておそらく中にはムラサという妖怪もいるだろうとのことだ

 

「行ってみる価値はありそうだな」

 

そこで俺は一旦ぬえを異空間に放りこんだ。そして小傘と別れた後、そのまま空を飛ぶ巨船を目指して進むのだった

 




いきなりEXボスに出会っていきましたね


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聴衆

先週友人と「君に決めた」を見に行きました。20周年に相応しい作品だったと思います


~上空~

 

俺は今謎の空飛ぶ巨大船に向かった。UFOの犯人を捕まえたおかげで邪魔するものはいなくなった。あと少しで船に到着する

 

(こんな巨大な船を浮かせるとはな。仮にぬえの話が本当で僧侶を復活させることが目的だとしてもこんな巨大な船が必要なんだろうか?それとあの破片は何のために・・・)

 

そんなことを考えながら俺は船の甲板に降り立った

 

 

~飛行船・甲板~

 

「とりあえず誰かいるはずだから探すとするか」

 

俺はしばらく波導を頼りに探すことにした。僧侶を助けようとする連中ではあるが、妖怪だ。話が分かるものだといいのだがと思いながら進む。波導で感知したところ4人いた。たった四人で動かせるものなのかと思ったがエンジンとかの類はないし、霊力や妖力とかで動かしているのかもしれない。だが、実のところそのうち一人に周りとは性質の違う波導があった。まあひとまずそれは置いておいた。4人とも丁度一か所に集まっているようだ。やがて人影を見つけた確かに4人いた。とりあえずここは堂々と声をかけた

 

「あなた方がこの船の船員で間違いないですね?」

「「「「!?」」」」

「し・侵入者!?」

 

いきなりで驚いたらしい。まあ無理もないだろう。そもそもこんな巨大な船にたった四人しかいないのだ。ス〇ークとかじゃなくても潜入は簡単だろう。するとそのうちのリーダーと思わしき女性が口を開いた。容姿は金髪のショートでオレンジ色の蓮のような髪飾りで何というか虎を思わせる感じだった

 

「一体何の御用ですか?」

「いきなり大空にこんな巨大な船が飛んでいたので調査に来たんですよ。あなた方は一体何が目的なのかを聞きたいのです。悪さをするためならばこちらとしてもそれなりの対処をしないといけませんがどうなんでしょうか?」

 

と答えた。そしてその後

 

「それとこの中でムラサという妖怪はいますか?」

「「「!?」」」

「わ・私だけど・・・」

 

するとセーラー服のような服を着た少女が名乗り出た。身の丈以上ある大きな錨を持っていた。俺はその後リングを取り出してそしてその中から先ほど異空間に閉じ込めたぬえを呼び出した

 

「え!?」

「ぬ・ぬえ!?」

 

その光景には四人とも驚いていた。何故なら何の変哲もない輪っかからいきなり妖怪が現れたのだから無理もない

 

「ここに来る前に「飛倉の破片」とかいうものに細工をしてばら撒いていた犯人を捕まえました。そして彼女からムラサという妖怪が僧侶を復活させようとしていることを聞いたんですよ。お聞きしますがそれで間違いありませんね?」

「え、ええ」

 

どうやら本当だったようだ。となると別に悪さをするためではなさそうである。しかし

 

「なあムラサ。どうして人間の僧侶なんてよみがえらせようとするんだよ?あたしらを封印したのはその人間どもだぞ」

「確かにそうだけど聖は違うわ。私たちにとって聖は大恩人なのよ」

「どういうことなんだよ」

 

とぬえが聞き返した。俺としても事情を知りたいので「話してくれないか?」と頼んだ

 

話によるとその僧侶の名前は聖白蓮というらしい。かつて命蓮という伝説の僧侶がいた。彼女は命蓮の姉であり、彼から法力を学んでいた。しかしその命蓮が死んで彼女は死を極端に恐れて魔力と妖力にも手を染めて若返りの力を手に入れて若返ったという。表向きは人々から妖怪退治を依頼されて信頼されていたが、裏では妖力を維持するために妖怪たちを助けていたらしい。しかし妖怪たちが不当な迫害を受けていることを知っていくうちに妖力を維持するためだけではなく、本心から妖怪たちを助けてあげたいと思うようになったようだ。ムラサたちはその時に助けられた妖怪たちであるとのこと。しかしそれが人々にバレて彼女は魔界に封印され、ムラサ達も地底に封印されてしまったのである

先程俺に話しかけてきた女性は寅丸星という方でそのあとは妖怪であることを隠して毘沙門天として寺に留まっていたが、何百年の時が流れて寺はすっかり荒廃してしまったらしい。しかしぬえと同じく間欠泉によってムラサ達は復活して再会。そしてそれから聖を開放することを決行したとのことだ

そして聖は妖怪も人間も平等に扱う人物であり、妖怪たちにとってもいい存在であることが分かった。それを聞いてぬえは後悔したようで謝罪していた

 

「事情は分かりました。どうやら君たちは悪さをしないようだから安心しましたよ。ここで会ったのも何かの縁です。俺もよければその復活に協力させていただけますか?」

「え?いいんですか?」

「構いませんよ。あなた方はどうやら悪い妖怪ではないようですし。それとぬえから聞きましたけどこの破片が必要なんですよね?」

「はい」

「でもそれだけじゃまだ足りないわね」

 

と今度はセミロングの空色の髪をした尼さんのような人が話し出した。近くにピンク色の雲みたいな老人男性がいた。しかし腕と顔だけで胴体らしい部分がない。どうやら謎の波動の正体はこれによるものらしい

 

「ナズーリンの方はどうですか?」

「残念だけどあまり集まらなかっったよ。あちこちに飛び回って集めるのが大変でね」

「そうですか」

 

どうやらナズーリンとかいうグレーのセミロングに深紅の瞳をしたねずみのような少女も「飛倉の破片」を集めていたらしいが成果は乏しいようだ。そこで俺は

 

「じゃあ今からそれをここに集めますよ」

 

と言った後おれはバックから「フーパのリング」を取り出した。そして「飛倉の破片」を取り寄せるように念じたすると中から大量の「飛倉の破片」が出てきた。ぬえの能力はすでに解除されているようでただの破片に戻っていた

 

「す、すごい!!」

「あたしもさっきあれに閉じこめられたんだよな・・・」

 

厳密にいうとそれは違う。俺が今使ったのは最初からあったアイテムの方だ。フーパの力でもいいのだが、フーパは幻のポケモンで戦闘能力も禁止伝説に匹敵する。だから体力の消費がちょっと激しいのだ。アイテムの方なら体力は使わないし、生物じゃなければ大丈夫なのだ。だから基本的に俺はこちらの方を使う

 

「これでどうですか?」

「これだけあればもう十分です。本当にありがとうございます。そういえばまだお名前をお聞きしていませんでしたね」

「そうでしたね。これは失礼しました。俺は木戸真聡というものです」

「その名前知ってる!!こいつがそうか!!最近騒がせている人間って」

「月人も倒して今では幻想郷最強と名高いという・・・」

「そんな凄い方だったんですか」

「いやいやそんなお恥ずかしい」

 

その後ここにいる妖怪たちと話しているうちに彼女たちと馴染んでいった。しばらくするとムラサこと村紗水蜜が慌てた様子でやってきた

 

「今こっちに3人ほど向かってきてるよ!!」

「何ですって!?」

 

と周りがどよめき始める。しかし俺はその向かってくる者たちが誰なのかは大体想像がついていた。だから俺は

 

「じゃあ俺が行ってきますよ。多分俺の知り合いでしょうからね」

 

そう言って俺は外に出た。すると案の定、ここに向かってきたのは霊夢と魔理沙と早苗だった。俺は空を飛んで近づいていき

 

「おーい!!」

「あっあれは」

「真聡じゃないか」

「やっぱり来ていたんですね」

 

俺たちは合流したが、霊夢が

 

「なんで船から出てきたのかしら?まさかあんたがこの異変の首謀者なの?」

「そんなわけないだろ。それにこの船にいる妖怪たちは悪さをするつもりはないようだよ」

「どういうことなんだぜ」

「それはな・・・」

 

俺は三人に事情を説明した。早苗は知っているようだが、知らないふりをして神奈子たちに言われて一応やってきたというところのようだ。それを聞いて霊夢は

 

「なんだ。せっかく宝船だと思って期待していたのに」

「お前な・・・」

 

なんというか彼女らしい動機だ。本当にこいつは巫女なんだろうかとつくづく思う。それを知って霊夢は帰ろうとしたが

 

「なあ真聡。一つ頼みごとがあるんだけどいいか?」

「何だ?」

「せっかく今こうして対峙する形になったんだし、ちょっと弾幕ごっこの相手をしてくれないか?」

「何だって?」

 

何と魔理沙が弾幕ごっこがしたいと言い出したのだ。予想外の要望に少し困惑する

 

「あんたそいつ私たちを圧倒したあの依姫を姉ごと倒したのよ。わかってるの?」

「もちろんだ。私も勝てるとは思ってないぜ。でも前に戦って引き分けに終わったし、私だって真聡の修行部屋で強くなったつもりだ。だからお前とどうしてもまた戦いたいんだぜ」

 

いつになく真剣な眼差しで俺に言ってきた。こうなれば俺も引くような真似は出来ない

 

「いいだろう。あの時の決着をつけようじゃないか」

「!!・・・へへ。ありがとうな」

 

霊夢と早苗はその場を離れて見守ることにした。そして今久しぶりの魔理沙との弾幕ごっこが始まろうとするのだった

 



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VS霧雨魔理沙

久しぶりの弾幕ごっこです
まあ最終的にはその規模ではありませんがあくまで弾幕ごっこですのであしからず


~上空~

 

「先手は俺からといこうか」

実念符「サイコショック」

ズドドドドドドドドドド!!!

 

まずは俺が最もよく使う弾幕と言っていいスペルを放った。しかし前よりも弾幕の威力、速度、精度も桁違いに上がっている。しかし魔理沙はそれを巧みな動きで躱していく。パターンそのものは変わってはいないとはいえこれを軽々と躱すとは。飛行速度も音速並かそれ以上だ

 

天儀「オーレリーズソーラーシステム」

 

すると魔理沙から複数の球体からレーザーで攻撃する「オーレリーズサン」の強化版を放ってきた。密度も濃ゆく弾速も早い。しかしこの程度では当たるとは思わないでいただきたい

 

ヒョイ・・・ヒュン!!

(強化版だっていうのにまるで当たらないな・・・。まあ想定内だけどな)

「こっちも新スペルといこうか」

剣舞「つるぎのまい」

 

すると俺は「しんぴのつるぎ」と「せいなるつるぎ」の二刀流となった。そして舞うように動きながら斬撃を飛ばしていく。変則的な動きから様々な斬撃が時に激しい突きや時に回転しながら斬りつけたりなどしていく

 

「くっ」

 

弾幕そのものは「サイコショック」よりも密度は薄いが、その分弾幕の種類が豊富だ。それは絶え間なく変則的に行ってくるので苦戦した。しかし魔理沙だって修行をし、いろいろな戦いを経験してきた。すぐに動きを見切り始める

 

(やるな)

「これはどうだ!!」

邪恋「実りやすいマスタースパーク!!」

 

すると凄まじいエネルギーが魔理沙の八卦炉に集まり始める。チャージに時間はかかるようだが、その代わりに溜めている間に細長いレーザーが大量に放たれる。それによって相手の動きを邪魔して放たれる極太のレーザーに当てやすくしているのだ

 

「くらえ!!」

 

チャージが終わってついに発射される。溜めた分威力も太さも通常の「マスタースパーク」よりもはるかに上回っていた。おそらく「マスタースパーク」自体の威力も以前よりも格段に上がっているのだろう。更に星形の弾幕も大量にばら撒いてきた

 

「ちい。厄介だな」

 

超極太の光線に大量の星形の弾幕の応酬は流石に手こずった。何とかかわし切ったがまた第二射を発射する気のようだ。最初の細いレーザーは太くなり星形の弾幕は継続して残っていた。より確実に相手に当てるための工夫なのだろう。俺は魔理沙の成長に感心していた

 

(じゃあこちらもパワーで攻めるとするか)

 

秘剣「しんぴのせいけん」

 

すると俺は「しんぴのつるぎ」と「せいなるつるぎ」を一つにした巨大な剣へと変化させた。それを薙ぎ払いや縦に振りぬいていき、周りの星の弾幕を全て切り裂いていく。魔理沙は驚愕したがチャージは完了していた。魔理沙は躊躇なく発射した。先程よりもさらに強力になっていた。しかし真聡も剣の力を最大まで引き出して迎え撃った

 

ドオオオオオオオオオオオオオオン!!!

 

凄まじい衝撃波と光が空を覆った。それはぬえたちの乗っている飛行船も揺るがしていた

 

「はあああああああああああああああああああああああああ!!!」

「いっけーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

激しいつばぜり合いの末に

 

ドッカァーン!!!!

 

辺り一面が爆風に飲み込まれた。各々結界を使って防御はしたが、それでも衝撃は凄まじいものだった。やがて爆煙が晴れていった。すると二人とも立っていた。魔理沙はだいぶ力を使って少しふらついてはいるがしっかり前を見据えていた

 

「強くなったな。前にやった時とは比べ物にならないよ」

「・・・そりゃどうもなんだぜ」

 

と純粋に賞賛していた。しかし魔理沙と比べてまだ余裕たっぷりだった。それには魔理沙も苦笑いだった

 

(こっちは結構きついっていうのに・・・やっぱ強いなあいつは)

 

能力に恵まれているというのもある。しかし彼はそれにかまけることなく常に鍛え高めていった末に得た強さでもある。それは魔理沙自身もよく知っていたし、認めていた

 

しかしだからこそ勝ちたい。せめて爪跡くらいは残したい。だからこんなことを提案した

 

「正直これ以上長く戦うのはキツイ。だから私の全力の一撃を放つぜ。いいか?」

「・・・分かった。ならば俺も全力で迎え撃とう」

 

そして魔理沙は八卦炉にエネルギーを溜めた。魔理沙が放つの永夜抄のラストワードを更に高めた技だ

対して真聡は強力なエネルギーを持ったオーラを纏った。使うのは月で手に入れたあの力だ

 

「いくぞ!!全力全開!!」

 

するとオーラはさらに強くなった。そして謎のポーズをとる。その様子を見ている早苗は察していた

 

(あれをやるんですね・・・)

「ちょっと早苗!!やばそうだから離れるわよ。それと結界も張って」

「は、はい!!」

 

飛行船にいる者たちも遠くに離脱し、宝力で強力な結界を張った。弾幕ごっことはいえ凄まじいエネルギーのぶつかり合いになるのは予想できていた。だからそれぞれ防御姿勢をとる

 

「いくぞ!!」

ギュイ――――――――――――ン!!

 

すると魔理沙は大空を「ブレイジングスター」のように八卦炉で飛び回った。その様は正に天を翔る彗星だった。そしてさらに力を強めていく。そして真聡も

 

「はああああああああああああああああ」

ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

すると真聡は超巨大な炎を塊になった。例えるなら太陽そのものになったお空の時のようなものだろうか。そして魔理沙は最大にまでなったエネルギーを纏って突撃してきた。真聡もまたそれを迎え撃つ。放とうとするのはZワザ。これはそれの物理型のものだ。そして超巨大な火炎となって魔理沙に向かって突進した

 

「サングレイザー!!」

炎Z「ダイナミックフルフレイム!!」

 

二つの巨大なエネルギーはぶつかり合い

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

 

と弾幕ごっことは思えないほどの衝撃が走った。そして周りは凄まじい光に包まれたのだった

 

~数分後~

 

「いたたた・・・・」

「弾幕ごっこでこれって二人ともなんて技編み出してるのやら・・・」

 

あくまで弾幕ごっこ用なので殺傷力は本家よりも遥かに下がる。とはいえ弾幕ごっこでも下手をすれば死ぬ。これはそれに十分値すると言っていいだろう

 

しばらくすると爆炎は急に晴れた。そしてその中心には魔理沙をお姫様抱っこしている真聡がいた。魔理沙は力を使い切って気を失っていた。対して真聡は依然として平気な顔をしていた。とはいえダメージはかなり入ったようで魔理沙も含めて傷は回復させていた

 

「最後の実にいい一撃だったよ。お前が成長した強さ、しかと見せてもらった」

 

とつぶやく

 

気を失っている魔理沙の表情はどこか満足気なのであった

 



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魔界

今回もオリジナル展開になります


~聖輦船・甲板~

 

「それじゃ魔界に向かうわよ!!」

「わかった」

「りょうかーい!!」

「・・・なんで私まで」

「まあいいじゃないですか。せっかくこの船に乗り込んだんですし」

 

俺たちは飛行船で魔界へ向かおうとしていた。それとこの船の名前は聖輦船というらしい。俺はこの人たちに協力することにした。霊夢と早苗も協力してくれた(霊夢は渋々と言ったところだが)。魔理沙は「まんたんのくすり」で傷を治した後に「テレポート」で魔理沙の自宅に送ってベットに寝かせた。そして船はやがて魔界の入り口を通って魔界に向かうのだった

 

 

~魔界~

 

「ここが魔界か」

「空気の悪いところですね」

「う・・・妖怪である私ですら気持ち悪いよ」

 

魔界は何というか不快な土地だった。真っ黒な空に不気味な森。よく見たら悪魔の顔みたいになっていて今にも動き出しそうだ。歪な形をした頭蓋骨や毒々しい沼やマグマの川も見えた

 

「魔界って本当に「魔界〇」の背景みたいなんだな」

「ええ。ゲームだけかなと思ってましたけど実際にあんな感じなんですね」

「二人は魔界に行ったことがあるの?」

「いや。ないけど?」

「えっと・・・その、おとぎ話とかで出てくる魔界の光景みたいだなあって思っただけですよ」

「?そう・・」

 

そんなことを話しているのもつかの間。俺は大量の波動を感知した。そして

 

「うわあ・・・これはこれは」

「完全に囲まれたわね」

 

すると大量の魔物が聖輦船を取り囲んでいた。小さな羽が付いた悪魔やどことなくレッ〇アリー〇ーみたいなちょっと大きめのもの。ワイバーンのような飛行するドラゴンや骨の怪物などいっぱいいた。こいつらは自分たちの縄張りに侵入してきたことに腹を立てて襲ってきたようだ。おまけに新鮮な肉にもありつけると言った魂胆だろう。話し合いが通じそうな相手ではないし、ここは蹴散らすしかないようである

 

「やるしかないか」

「そのようですね。みなさん!!これくらいでは私たちの大恩人である聖の救出をあきらめたりしませんね?」

「もちろんだよ、ご主人」

「ええ、私たちの恩人を助けるためだもの」

「姉さんのためにここはやるわよ!!雲山!!」

「コク・・・」

「まあ私も迷惑かけちゃったしこれくらいやってやりますか」

 

みんなやる気は十分のようだ。霊夢と早苗も協力を決意した

 

「さあ行きますよ!!」

『おーーー!!!』

 

掛け声と共に聖輦船の船員たちが先陣を切った

 

宝塔「レディアントトレジャーガン!!」

 

まずは星が宝塔から全方位に青いレーザーを放った後にそのレーザーを這うように曲がったレーザーが発射される。そしてそのあと大量の弾幕になっていった

 

「行くわよムラサ!雲山!」

「うん!」

 

潰滅「天上天下連続フック!!」

湊符「幽霊船永久停泊!!」

 

するとムラサと一輪が弾幕を展開する。一輪は相棒である入道の雲山を操り巨大な拳の連続フックを、ムラサは周囲に巨大な錨の形をした弾幕を放つ。二人とも非常に豪快な弾幕であり、それに見合う強力な攻撃である。しかしそれを潜り抜けて二人に攻撃しようと魔物たちは迫る。しかし次の瞬間二人は姿を消した

 

「ギャウ?」

 

魔物たちは急に姿を見失って混乱した。そして次の瞬間

 

捜符「ゴールドディレクター」

 

すると今度はナズーリンから黄色いレーザーが放たれた。そして更に今度は別のところで魔物たちが悲鳴を上げ、そして爆発した。見えないところからの攻撃で魔物たちはパニックになっていた

 

「へへ。どうだい?私の能力は」

 

これはぬえの能力によるものだった。彼女の「正体不明にする程度の能力」により彼女を認知できなくしているのだ。波導が使える俺はどこにいるかはすぐにわかるが、わからないものにとっては脅威の能力と言えるだろう

 

「なかなかやるな」

「私たちも負けてられませんね!!」

 

そして俺と早苗と霊夢も魔物を蹴散らしていった

 

しかし敵の数が尋常じゃないほど多く、いくら倒してもキリがない。このままではこちらがじり貧になる。そこで俺は全員船に移動させて周りに「リフレクター」と「ひかりのかべ」を何重にも張った堅固なバリアを船ごと張った

 

「「だいちのちから」、続いて「ふんえん」」

 

俺はメガバクーダの力を宿して地面に着地した。そしてそこから魔物を一気に攻撃した。そして「だいちのちから」によって生まれた地割れが光り出し、地面が揺れ始める。そして

 

ピキピキピキピキ!!

「ふんか!!」

ズッガア―ン!!!

 

天高く超巨大なマグマの柱が立ち昇った。バクーダはもともと摂氏一万度のマグマを生みだすポケモン。メガシンカと俺自身の修行の成果によって温度は数十万度に達して最早マグマの域は完全に超えている。まあ元からマグマの温度ではないのだが。更にそこから巨大な火山弾となって天からいくつも落ちてきた。船には当てないようにしているし、ちゃんと堅固なバリアーを張ってあるから乗員を含めてダメージはなかった

しばらくすると別のところからも噴出して、マグマ柱と火山弾の雨が魔物たちを襲った

 

ドーーン!!ズドドーーン!!

 

魔物たちは次々倒されていった。しかし炎を操る魔物は体の中にある耐性のおかげかギリギリで生き残る者がいた。それ以外にも中級、上級ぽい者たちも生き残りはいた。逃げていった魔物が大半だが、群れの上司からの命令なのか無理矢理連れ戻されたりまた新たな仲間を連れて来た。しかし俺はまた攻撃に移る

 

ヒュン・・・ズガア!!

「「!?」」

 

いつの間にか遠くにいた下級らしき小型の魔物が攻撃を喰らって下に落ちていった。しかも

 

ドカ!!ズバア!!

 

一体、また一体と倒されていく。しばらくすると

 

ビュゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

猛烈な暴風が発生する。そしてやがて巨大な竜巻へと変わっていった。真聡が宿したのはメガピジョット。元からマッハ2の速度で飛べるピジョットがメガシンカにより更に早くなり、「でんこうせっか」で更に早く移動していた。そして以前文さんとの弾幕ごっこで繰り出した超高速移動からの竜巻を生み出す「電光石風」で次々と蹴散らしていく。ある程度数を増やしたらパワーを込めた「ぼうふう」で超巨大な竜巻を生み出していった

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

魔物たちを木々や瓦礫などと一緒に吹き飛ばされて、やがてその圧力で潰されていった。しかも先程の「ふんか」によってできたマグマも浮き上がっていき、それで燃えていく魔物もいた。さらに「かぜおこし」を応用した風の弾丸もばら撒いていった。メガピジョットは巨木を一撃でへし折る突風をただの羽ばたきで生み出す。その攻撃も魔物を倒すには十分だった。真聡は「おいかぜ」と「こうそくいどう」でますますスピードを上げていき、更に竜巻が増えていった

 

この大自然の天災ともいえる超常的な光景に船にいる妖怪組はただただ唖然としていた。大して霊夢と早苗は落ち着いていて互いに船に結界を張って待機していた。付き合いの頻度によるものなのだろうか。唖然としている妖怪組に霊夢は

 

「言っとくけどこれでも多分手加減しているし、さらに強力な力もあるわよ」

 

と言っておいた。妖怪組は今日ほど味方でよかったと思ったことはなかったと全員が心の中で思ったという

 

 

~魔界・上空~

 

「目的地まではどれくらいなんだい?」

「あともう少しだと思います」

「いよいよか・・・」

 

魔物たちを撃退して船はひたすら前進していた。どうやらあと少しのようだ。しかし次の瞬間

 

ズドドドドドドドドドドドド!!

「サイコキネシス!!」

 

すると突然剣が大量に降り注いだ。俺はそれを全て「サイコキネシス」で止めた。するとどこからか女性が現れた

 

「あなたですね。魔界で大暴れしてあそこの魔物たちを壊滅させたのは」

「・・・まあそうですけど」

「ていうかあんた誰よ!!」

 

容姿は長い金髪にエプロンの下に赤い半袖のメイド服を着ていた

 

(ちょっとやりすぎたかな・・・いややりすぎたか。これはまたひと悶着ありそうだな・・・)

 

そう心の中で思うのだった

 




バクーダ    NO.323   タイプ:ほのお・じめん

火山の火口で生活するポケモン。起こったら背中のこぶからマグマを出して噴火する。10年周期で大噴火を起こすらしくその原因の研究が進められている。マグマの温度は1万度に達する。ちなみにこれは太陽の表面温度や地球の内核よりも高い温度である。果たしてこれはマグマと言えるのか個人的に疑問である
メガシンカすると体毛が増殖して足は覆われ、二つのこぶは一つになって小さな火山の形をしている。とくせいは「ちからずく」に変化する


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VS夢子

まさかの旧作キャラ登場です。せっかく魔界に来たので登場させたかった
そして今回もまたオリジナル展開になります


~聖輦船~

 

「私の名前は夢子。我が魔界の主、神綺様に使えるメイドよ」

「そうですか」

 

俺は今夢子というメイドさんと対峙していた。そして相当の強者のようだ。なんせ少数とはいえこちらは雲山を含めて9人いるというのにたったひとりで来たのだ。相当強いに違いない

 

「あなた方は魔界を滅茶苦茶にした。それ相応の代償を払ってもらいます」

 

と殺気を放ってきた

 

「ならば他の奴らだけは許してくれないか?今回の被害の原因はほぼ100%俺のせいだ。俺たちは最初から魔界を荒らしたり侵略をする気もない。せめてこの方々の目的だけは果たさせてくれないか?処罰を受けるのは俺だけで十分なはずだ」

「では何が目的なのかしら?」

「魔界に封印されている私たちの恩人、聖白蓮を解放するためです」

「・・・あの封印されている魔女ですか」

「その目的を果たさせてはくれませんか?それが済んだら処罰は受けます」

「・・・・・・残念だけどそれは無理よ」

「何故です?」

「そもそも無断で魔界に来ること自体が大罪。この者たちもあなたほどではなくても魔物たちを倒していき荒らしていった・・・残念ですがあなた方はここで死んでもらいます!!」

 

するとあたり一面から大きな剣が大量に現れた。それらが雨のように大量に降り注いだ。しかし俺はそれを「サイコキネシス」で受け止めて夢子に跳ね返した。しかし夢子は表情一つ変えずに冷静に対処した

 

「シャドーマシンガン」

ドドドドドドドドドドドド!!

 

俺はマシンガンの如き高速で大量に連射した。しかしそれも剣で払われる。しかしこれはもともと牽制。俺は「テレポート」で更に後方に移動した。夢子は俺から標的を変えて船にいる者たちを狙おうとするが

 

「サイドチェンジ」

「!?」

 

俺は夢子との場所を入れ替えた。夢子は聖輦船からかなり離れてしまった。そして俺は船を進行方向に向かって「テレポート」させた。聖さんがいる場所に送りたいところだが、さすがに行ったこともない場所には「テレポート」出来ない。だからせめて目視で見える最大限までの距離にまで移動させた。そして

 

「あいつは俺がくい止めるから先へと向かえ!!」

 

そう言い残し、夢子の元へと向かった

 

「待たせたな」

「やってくれますね」

「罪を犯しておいて悪いけどここを通すわけにはいかない」

「ならさっさとあなたを倒すまでです」

 

そしてまた大量の剣が放たれる。しかし

 

ガキキーン!!

「!?」

「まさかここで役に立つとはな」

 

すると俺に周りにも大量のナイフと剣が空を舞っていた。小傘に作ってもらった特製の武器だ。俺はそれを全て「サイコキネシス」で浮かばせて操作しているのだ

 

「行け!!」

 

ズドドドドドドドドドドドド!!!

 

一斉に夢子に向かってナイフと剣を発射した。夢子もお返しとばかりに放つ

 

ガキキキキキキィ!!

 

数では俺の方が劣るが、その代わり一つ一つを正確に操作して応戦する。俺は今メガフーディンの力を宿らせている。元々知能指数が5000を超える頭脳を持つポケモンだ。それがメガシンカによりサイコパワーと共に格段にパワーアップしている。その頭脳で一つ一つを正確に把握し、精密な操作を可能とする。更に「サイコショック」も混ぜて数を補う。しかし夢子も赤い光弾を大量に発射していく。一進一退の攻防である

 

キンキンキン!!

 

しばらく撃ち合いが続いていくが

 

ピキピキ・・・パッキーン!!

「な!?」

 

なんと夢子の剣が折れてしまったのだ。そして次第に折れてくるものが増え始めてきた。対して俺のはひび一つ入っていない。そして弾幕を突破して夢子に襲い掛かる弾幕が増え始めてきた

 

「くう!!」

 

夢子は咄嗟に結界を張って防御姿勢に入る。かなりの硬度を誇るが守りに入った故に攻撃が手薄になりいつの間にか大量の武器に囲まれた。そして武器が夢子に集中したため今度はメガミュウツーYの力を宿した。そして夢子への攻撃に加え、一方で俺は腕に電撃を込める。そしてたまり切ったら夢子に「かみなり」を放った

 

ピカ!!ゴロゴロゴロ!!

 

夢子に巨大な雷が直撃する。しかしそれでも夢子の結界はひび一つ付かない。しかし本当の狙いは武器に雷の電力を纏わせるためだ。そしてすかさず「サイコキネシス」を全ての武器に向かって全力で放った。そうこれは某ビリビリ中学生を参考にして作ったもの。しかしあれと違って大量にある。電力も抜群だ。あとは「サイコキネシス」で一気に撃ちだした

 

ズドドドドドドドドドドドド------ン!!

 

凄まじい威力のレールガンが雨のように放たれるその威力でとうとう結界にひびが入り始める

 

「!!」

「いっけーー!!」

バッキーン!!

 

遂に結界が破られた。そして夢子にレールガンが襲い掛かる。しかし

 

「なめるな!!」

 

しかし夢子は膨大な魔力を一斉に解き放った。ただ単に守っていただけではないらしく、反撃に転じたときのための魔力を溜め込んでいたらしい。最初から守りに徹するふりをしてその間に魔力を溜めていたのだ。しかしまさか破られるとは思ってはおらず威力不足だった。そして威力は大幅に下がったものの真聡の攻撃が夢子に直撃した

 

「ぐう・・・」

 

夢子は血を吐き倒れそうだった。かなりの数の武器がささってしまっていた

 

「どうして私の剣より、貴方の武器の方が強いのよ・・・」

「まあ素材にはこだわったからな」

 

実のところあの武器たちは全てレジギガスの力で生み出した金属で出来たものなのだ。レジギガスに作られたポケモン、レジスチルは特殊なマグマによって生み出された存在である。俺は地底の灼熱地獄の奥地へとこっそり向かってレジギガスの力でそれを完成させたのだ。その物質はあらゆる金属よりも固く、しかも伸縮性にも優れた超物質である。それを小傘の鍛冶の技術によって生み出されたものだ。更に実はあの時自宅へと送っていてディアルガの力で生み出した時間の流れがものすごく速い部屋の大地の奥深くに埋めておいたのだ。そこは時間の流れが極端に速い。俺が今まで向かっている間に何十億年も経っていたらしい。元々レジスチルは何万年ものの長い年月の間、地下の圧力で鍛え上げて作られた存在だ。何十億年も鍛えればその強度は計り知れない。正に究極の物質で生み出した剣やナイフと槍と言えるだろう

 

「もう終わりにしないか?そうすれば俺は素直に罰を受けるけど」

「・・・・」

 

夢子は黙ったまま動かなかった。俺は仕方なくまずはディアルガで時間を巻き戻して元に戻そうとしていた。しかし次の瞬間

 

ドオオオオオオオオオオオオオオ!!

「!?な・なんだ!?」

 

すると夢子が強大な魔力に包まれた。そして一言こういった

 

「この手は最終手段でしたけど神綺様の御力を借りさせていただきます!!」

 

すると腕に何かの紋章が浮かんでいた。夢子は主にして自分と魔界そのものを生みだした女神、神綺の魔力をその身に宿らせたのだ。依姫の神降ろしに近いものだが、あれよりもさらに強力なものだった。そして剣を縦に振るいだした。俺は咄嗟に「テレポート」で避けた

 

ズッバーン!!

 

一振りで魔界の大地が切れてしまった。その軌跡上の森と山は消えて底が見えない谷が出来ていた

 

「あいつらに当たってないだろうな・・・」

 

と心配したが、今はそんな暇はないらしい

 

「いきます・・・」

 

夢子は俺にそう言い放つのだった

今ここで魔界史上最大クラスの戦いが始まろうとしていた

 



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魔界での戦い

今作は使えるものはいろいろ使っていく方針です


~聖輦船組side~

 

「着きました!!」

「あれが・・聖白蓮ね・・・」

 

星輦船に乗っている者たちはついに聖白蓮が封印されている場所に辿り着いた。そしてついに発見したのである。琥珀のような結晶の中に彼女はいた。その周りにはお札と鎖で締め付けられていて眠っているようだった

 

「長い間待たせてしまいましたね聖。今解放しますからね」

 

と星が封印されている聖の前に向かう。そして集めた飛倉の破片を取り出し、そして宝塔を掲げる。そして何らかの呪文を唱え始めたすると宝塔と飛倉のかけらが光り始める。そしてお札が一枚、二枚と剥がれていく

 

バキ―ン!バキバキ・・・

 

今度は鎖にひびが入ってきて壊れていき、やがてとうとう結晶にもひびが入り始める。残りの者たちは固唾をのんで見守っていた

 

ピキピキピキピキ!!!

 

結晶のひびがどんどん広がっていく。そして

 

パッリーン!!

 

結晶は遂に砕け散った。そして強い光が差し込み目がくらんだ。そして光が収まった後恐る恐る目を開いていくと

 

「・・・ん・・ここは・・」

「聖!!目が覚めたんですね!!わ・・私が誰かわかりますか?」

 

星の声は少し震えていた。しばらくの間沈黙が続いたが

 

「・・・ええ。忘れるわけないじゃないですか・・・星」

「!?ひ・・・聖!!」

「!!あらあら」

 

その言葉を聞いて感極まり、星は聖に抱き着いていた。そして残りの妖怪組の者たちも聖に我先にと向かっていった。もちろん聖もそれを温かく迎えていた。およそ千年の時を経た再会はその者たちにとって感極まるものだった。その様子を霊夢、早苗、ぬえは後ろから見守っていた

 

「みなさん。本当にありがとう・・・ところでそちらにいる方々は?」

「途中から聖の救出に協力してくれたんです」

「そうですか。この子たちがどうもお世話になりました」

 

と聖は深々と頭を下げて礼を言った

 

「いえいえ、私たちは特に何も」

「まあ乗り掛かった舟ってところよ」

「私は・・・ちょっと迷惑かけちゃったしね・・・」

「それと姐さん。実はもう一人いるんだよ」

「もう一人ですか?その方は今どこに?」

「えっと・・・それは」

「!?皆さん危ない!!」

「「え!?」」

 

すると突然後ろから上空にいる彼女たちすら覆い尽くすほどの超巨大な斬撃が迫ってきた。聖はそれにいち早く気づいたが、回避は間に合わないと悟り、自分を助けに来てくれた大切な仲間たちをを守るために斬撃に立ち向かった

 

超人「聖白蓮!!」

 

すると一瞬姿が消えるほどの猛スピードで移動して大量の弾幕を斬撃に向かって一転集中させる。そしてパワーアップした身体能力と膨大な魔力を乗せた強烈な正拳を放った

 

ドッゴーーーン!!

 

その一撃は斬撃を相殺させることに成功した。彼女は大魔法使いと呼ばれ、中でも身体能力向上を得意とする。その魔術を使った時の聖は非常に強いのである。蘇って間もないのにこの力。妖怪組はもちろん霊夢と早苗も驚いていた

 

「皆さん。大丈夫ですか?」

「あ・・はい!!」

「ねえ!空を見て!!」

「こ、これは!!」

 

すると空は黒みがかった紫色のような深い霧が魔界を覆い始めてきた。聖は全員に急いで聖輦船に戻るように指示した。そして自身の法力で結界を作り出した

 

「ふう・・・何とか間に合いました」

「何なのよこれは!!」

「おそらくレミリアが起こした赤い霧と同じようなものね・・・でも」

 

そう、それはあの時の物よりも遥かに強大な魔力を持った霧だった。聖が一早く気づいてみんなを船に乗せ、結界を張らなければ全員体に異常が起こったことだろう。そしてこの原因はほぼ間違いなく

 

「夢子とかいうメイドの仕業ね」

「でもここまでの力があるとは思えませんでしたよ。きっと何らかの手を」

「そうでしょうね。真聡は多分大丈夫だと思うけど・・・」

「その方がもう一人の協力者ですか?」

「うん。正直ここまでこれたのは真聡さんのおかげです」

「そうですか・・・みなさん!!」

「はい!!」

 

こうして彼女たちは戦いの渦中へと向かうのだった

 

 

~真聡side~

 

「おっと・・私としたことが。魔界を荒らすなと言っておいて自分が荒らしたら示しがつきませんわね」

 

すると夢子は広範囲にわたって堅固な結界を生み出して周りを覆った。空はすっかり魔力の霧で浸食されている。普通の人間はおろか妖怪でも吸いすぎればあっという間に死に至るだろう。レミリアも似たような霧を生みだしていたが、その魔力は遥かに上回っていた。これが魔界を創造した神の力というべきか

 

「さあ準備は整いました・・・さっさと終わらせましょう」

 

そしてまた剣を振るった。今度は本気であり先ほどよりもさらに強力だ。俺は武器を全て俺の間に集めて盾のようにして受け止めた

 

ガッキー―――――ン!!!

「くっ」

 

これでも全くひびが入らないのは流石というほどの強度だが、それを受け止めたときの衝撃だけでもすさまじかった。俺はメガミュウツーYを宿したままもう一度レールガンを発射した。夢子も剣の一つ一つに膨大な魔力を纏わせてそれを迎え撃ってきた

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガ!!!

 

威力は互角。しかし手数は夢子の方が多くてこちらの方が不利だった。俺は「テレポート」で後ろに周りこみ、「サイキックスプーン」で夢子を攻撃した。夢子はそれに瞬時に反応して剣で受け止める

 

ガッキーン!!

 

メガシンカによってパワーアップしたスプーンだが、彼女は全く動かなかった。接近戦は不利と判断し、遠距離戦に打って出た

 

「サイコキネシス!!」

 

俺はメガシンカでパワーアップした凄まじい「サイコキネシス」を叩き込んだ。余波だけで大地がめくりあがるほどの威力だ。しかし夢子はそれすら受け止めて見せた。それには驚愕したが、俺は「サイコキネシス」をさらに強めて押し切ろうとした。しばらく拮抗していたが、夢子は後ろから大量に弾幕を発射してきた。俺はそれをテレポートで躱すが夢子はすかさず斬撃を連続で放ってきた。それは結界内の大地と山を容易く切断していった。しかし結界は一向に壊れる気配はなかった。くらえばただでは済まないことが容易にわかる

 

「サイキックストーム」

 

俺はポケスペでもあった念力の巨大な竜巻をいくつも生みだした。そして「サイコブレイク」との同時攻撃で攻め立てる。対して夢子はそれを光弾を回避しながら剣で切り裂いたりレーザーや弾幕で反撃してくる。俺は移動しながらある技を発動する

 

「はあ!!」

 

すると地面が光り始める。そしてそこから大量のレーザーが発射された。下からの突然の攻撃に夢子は一瞬戸惑ったがそれを冷静に対処していく。そしてやがて俺の姿を見つけて夢子は剣で切り裂いた。しかし

 

ドドドドドド!!

「ぐは!!?」

 

すると切ったものからいきなりエネルギー弾が発射されたのだ。いきなりのことでさすがに対応できずに被弾する。そしてその隙に下から極太の紫のレーザーで攻撃した

 

ド――――――ン!!

「これもなかなか使えるな」

 

今はなった三つの攻撃はゲーム本編では存在しない技だ。しかしオリジナルでもないし、ミュウツー自身が放っていた攻撃ではあった。これはポケモンの外伝に当たる作品の一つ「ポケモンレンジャー 光の軌跡」にて登場するミュウツーの攻撃を再現したものなのだ。外伝であってもミュウツーであることは変わらないからきっとできると考えて修行した結果遂に完成させたのである。実戦で使うのは初めてだったが、うまくハマったようだ。しかもそれをメガシンカで行うのだから威力は絶大なはずだった

 

「くう・・・油断しました」

 

しかし夢子はまだまだ余裕で戦えそうだった。もうあの手は通じないだろう。俺は今度はYからXに変えて挑んだ俺は「サイキックスプーン」で攻撃する。夢子は受け止めたが今度は接近戦特化のタイプであり強引に押し切って吹き飛ばす。そして俺は勝負に出る

 

「共鳴バースト!!」

 

俺は強力なオーラに包まれる。そしてさらにパワーアップした状態での猛攻を仕掛ける。勝負に出たのは早く終わらせるためもあるがもう一つはこの霧のせいでもあった。俺は少しずつではあるが体に浸食されていた。このままではどうなるかわからないし少なくとも俺にとって不利な状態になる確率が高い。だから一気に勝負をつけたかったのだ

 

「オラオラオラ!!」

ドカ!!バキ!!

 

凄まじい接近戦が繰り広げられる。しかし共鳴バーストの時間切れも刻々と迫ってきた。俺は一気に決めるために強烈なサマーソルトキックを決める

 

ドッゴーン!!

 

そいて相手を念力で拘束する。そしてありったけのサイコパワーを拳に込める。俺はバーストアタックで一気に勝負を決めようとした

 

「サイコディザスター!!!」

 

俺は渾身の一撃を叩き込もうと超高速で突撃する。しかし

 

「甘いわよ」

「!?」

 

なんと夢子は拘束から脱出していたのだ。そして夢子の前に膨大な魔力が渦巻いていた。これは自身の魔力に加え、霧の魔力を自身に集めて収束させているのである。そして溜め込んだ魔力を一気に解放した

 

「!?」

ドオオオオオオン!!

 

俺は「サイコディザスタ―」で迎え撃った。しかし周りの霧の影響でどんどん威力が上がっていた。そしてとうとう俺は押し返されてしまい

 

「うわあああああああああああ!!」

 

俺はそれに飲み込まれてしまった

 

 

~数分後~

 

結界を張っていた範囲は完全に消滅していた。結界も崩壊寸前にまで追い詰められていた。結界自体も魔力の霧によって強化していたのだが、ここまでの威力が出るとは夢子も思ってはいなかったらしい。すると遠くで聖輦船が見えた。それを見て彼女は

 

「さて、今度はあの者たちを始末せねば」

 

夢子は標的を聖輦船に変えてそこから斬撃を放とうとした

 

ズッガーン!!!

「!?」

 

突然後ろから爆発が起こった

そしてそこから途轍もない暗黒のオーラが出てきて魔界の空に立ち昇るのであった

 



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闇の力

ポケモンコロシアムの物とは多分少し違うと思いますけど今回であの力を手に入れます

バトル描写は書いていて楽しいですが、難しいですね。うまく書けているのだろうかと不安です。後旧作キャラは技の名前がないのが地味に大変です


~聖輦船side~

 

今聖輦船は真聡を救出するために向かっていた。その時だ

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

「くっ」

 

すると強烈な衝撃波が飛んできた。それは巨大な聖輦船も吹き飛ばされそうなほどであった。聖は結界の強度を更に強め、他の者たちも協力していた。何とかこれを防ぎきるとボロボロの結界を見つける

 

「これは!!」

「結界の内部は酷いことになっているわね・・・」

「おそらくあの結界がなければ私たちも巻き込まれていたでしょう・・・」

「真聡さんは!?」

「・・・・そんな」

「どうしたんだムラサ?」

「今望遠鏡で見たけど・・・さっきのメイドがこっちを見てる」

『!?』

「そんな・・」

「真聡さん・・・」

 

と意気消沈していたが次の瞬間また異常事態が起こる

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

『!?』

「何だよあれ!?」

 

すると遠くから黒いオーラ―が煙のように立ち込める。それは正に漆黒の闇と呼ぶにふさわしいほどの禍々しさだった。そしてその奥には一人の人影があった。それを見て早苗は

 

「まさかあの力を・・・」

 

そう思ったのもつかの間。早苗たちは次の瞬間には魔界から姿を消していた

 

~夢子side~

 

私はこの人間の侵入者を倒した。その強さは人間とは思えないほどの途轍もない強さだった。私も神綺様の力を借りなければ歯が立たなかった。最後の一撃も直撃したらお終いだったことでしょう。策がはまって本当によかった

そして遠くから先ほどの空飛ぶ船を見つけた。私はまだ力は十分残っていたし、向かってくるというのなら排除するまで。と思いさっさと撃退しようと思った。しかしそう思った矢先、突然後ろから暗黒のオーラが立ちこもり始めたのだ

 

「これは一体!?まさか!!」

 

するとその中から人影があった。体は漆黒に染まり方からオレンジ色の結晶のようなものが光り輝いていた。それは闇と殺意の塊とも言ってよかった。そしてどこからか魔力の霧の力を感じた

 

「まさか!!あの霧の力を吸収したというの!?」

 

 

~真聡side~

 

「ウウウ・・アアア」

(何とかうまくいったか・・)

 

~回想~

 

俺はあの爆発に飲まれたとき「まもる」を発動したしかし咄嗟にやったもので通常よりも遥かに弱く、あっという間に破られてダメージを負ってしまった。しかし「サイコディザスタ―」の威力でだいぶ弱められたのもあって何とか生きていた

 

敗因は勝負を急ぎすぎたことだ。いくらこちらが不利でももっと柔軟に考えていればああはならなかったかもしれない。まだまだ修行が足りない証拠だ。とはいえこの霧は本当に厄介だったのは事実だ。この邪悪な霧をどうにかできれば、それを利用できたら、と地面に倒れながら思っていた。その時である。ミュウツーにはもう一つの姿があることを思い出した。しかしこれはかなり危険である。また闇のディアルガの時と同じく自我のない暴走状態が再来しかねない。でもこの力も手にしたいという欲が心の中に出てしまっているのだ。すでにあの魔力の霧は全身に浸食していて他のポケモンではまともに戦えないだろう。ならば

 

(ゲームでもちゃんと操作できるんだ。おそらくコントロールできないこともないはず。ならばそれに賭けてみてもいいかもしれない。闇は決して悪ではない。そもそも光と闇に善悪なんてものはないはずだ。だから俺は・・)

 

俺は立ち上がり、力を振り絞る

 

(それすら俺の力にしてみせる!!)

 

そう思って俺はその霧を吸収した。途轍もない吐き気と頭痛に苛まれ始める。全身が痛い。でもこのままではどっちみち死ぬし、他のみんなを救う可能性すらなくなりかねない。他のポケモンの力もまともに宿せない状態。だから俺はこれに賭けたのだ

 

「う・・・ああああああああああああああああああああ!!」

 

俺は力を解き放つのだった

 

 

~現在~

 

そして結果は成功した。俺はポッ拳で登場するポケモンの一つ、ダークミュウツーの力を宿すことに成功したのだ。かなり危険な作戦だったが、魔力の霧も克服できたし、なんとか自分の力にすることが出来る様になった

しかしいずれにしろ早めに決着をつけないといけないのも事実だ。克服したとはいえ、長く浴びすぎればどうなってしまうかわからなかった。今は何とか自我を保てて入るがそれがいつ無くなるかわからない。だから早く夢子を倒し、この霧を止めなければいけないのも事実だった

 

(まずはあいつらを逃がさないと)

 

俺は夢子に巨大なエネルギー弾を発射した。夢子はそれを防ごうとするが、想像以上の威力で吹き飛ばされてしまう。俺はその隙に聖輦船を幻想郷へと「テレポート」させた。巻き込むわけにはいかないからだ。それが済むと俺は夢子に接近した。俺は「サイコウェーブ」で生み出した禍々しいオレンジ色の巨大な剣を生み出して斬りつけようとした。夢子は吹き飛ばされたが、すぐに立ち直り剣で迎え撃った

 

グワキ――――ン!!!

「!?」

 

すると凄まじい衝撃波が飛びまわった。その後互いに剣をぶつけ合う

 

ガキ!!キィーン!!

 

互角の展開だった。しかし俺はダークミュウツー特有のパワーで押しだした。そしてすかさず地面からオレンジ色の中に紫と緑がDNAの二重らせん構造になった柱を生みだした。夢子はそれに飲み込まれる。そして俺は武器を呼び出し、暗黒の雷をそれに纏わせる。そしてそれをレールガンとして一斉に発射した。夢子も剣を放って応戦するが真聡のものは先ほどよりも威力が上がっており、押し負けて直撃した

 

「がは!!」

 

夢子は大きなダメージを負った。今まではこの霧の力も借りていたのは自分だけだというのに今は相手もそれをしている。そして自分よりも遥かに上の存在の神綺の魔力を宿し続けて体力に限界が来ていた。夢子としても早く決着をつけないといけなかった

 

「サイコキネシス!!」

 

俺は強烈な念力を夢子に放つ。しかし夢子はそれを真正面から極太のレーザーで迎え撃って相殺した。そして夢子の姿が変わり出した。髪は金髪から銀髪に変わり瞳は更に深紅に輝きだした。夢子は最後の力を振り絞って真聡に迎え撃つことにしたようだ。そして剣を振るって斬撃を放つ。速さも威力も桁違いに上がっていた。俺も長くは戦えない以上全力で挑むしかない。だから俺も共鳴バーストを発動した

 

「おおおおおおおおおお!!」

「はあああああああああ!!」

 

それから凄まじいエネルギーのぶつかり合いになった。剣戟、光線などのぶつかり合いが目まぐるしく繰り広げられていた。二人の速度は音速なんて目じゃないほどの速度で動き回っていた。攻撃がぶつかる度に大地や山が崩壊していく。一応お互いが結界をさらに強力にして範囲も広げたがそれも長続きはしそうになかった

 

「サイコブレイク!!」

「なんの!!」

 

強烈な超能力の弾丸、いや戦車砲くらいありそうなものを大量に放つがそれでも夢子は対応してみせた。お互い体力は限界寸前だった。だから俺はこの技で勝負をつけることにした

 

俺はあっという間に雲を突き抜けてパワーを溜めた。そして同時に霧と闇の力を吸収した。数あるポケモンの技の中でも一番やばい描写であるこの技。でも勝つにはこれしかなかった

対する夢子も己の中にある魔力を全て剣に込めた。すると天へと貫く巨大な剣になった。もう自分がどうなろうとも覚悟して迎え撃つ

 

そして俺はエネルギーを溜め込んで超巨大な暗黒のエネルギー体が完成した。俺はそれを全力で振り下ろした

そいて夢子も最大パワーで剣を突き立てた

 

「ダークエンドノヴァ!!」

「これで終わりです!!」

 

お互いの渾身の一撃がぶつかり合う。その衝撃は想像を絶するものであり、音もなくただただ漆黒の光に包まれるのだった

 




なんか今作だと普通のミュウツーは割とかませになっている気がしますけど、私はミュウツーは大好きです


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闇との付き合い

今回で星蓮船編は終了です


~聖輦船~

 

「・・・・・・・」

「・・・そんなにそわそわしなくても多分大丈夫よ。あいつのことだもの。どうせまたびっくり進化して帰ってくるわよ」

「それもあるんですけど・・・」

「何かあるの?」

「あの黒い闇の力を纏っていたことですか?」

「「!?」」

 

早苗が真聡を心配していると聖が今早苗が言おうとしていることを述べた

 

「気づいてたんですか?」

「あれほどの力です。一目で危険な力だとわかります。しかもあの霧の力だけではなく全く別の力が混ざっていました。あくまで私の推測ですが、あの霧が真聡さんの内に秘めていたその全く違う力を呼び覚ましたような感じがしました」

 

聖の推測はおそらく正解だと早苗は思った。彼の宿すポケモンは「ポケットモンスター」というゲームのシリーズに出てくるモンスターのことだ。本編はRPG式なのだが、時折それの外伝とでもいうような作品が生み出される。ポケモンを捕まえるのではなく一時的に力を借りる「ポケモンレンジャー」、ダンジョンを攻略する「ポケモン不思議のダンジョン」等がそうである。そしてその中の一つで「ポケモンコロシアム」というものがある。それは基本操作は本編と同じだが、ある違いがある。それは相手のポケモンをモンスターボールで奪うことが出来るというものだ。これはどのシリーズにも存在しない独自のシステムである。しかし盗むのは普通のポケモンではなく、心を閉ざして戦闘マシーンと化してしまったポケモン限定である。そしてそのポケモンたちはダーク技と呼ばれる特殊な属性の技を扱うのである。主人公はそれを相手から奪って回収し、そして心を開かせて元に戻すリバイブと呼ばれることをするのだ。聖の言うその秘められていた力とは間違いなくそれだろうと早苗は思った。外伝であってもポケモンはポケモンであり、そのシリーズの一つであることは変わらないし、それもまたポケモンの力ではある。だからそれが使えたということはあり得ない話ではない

しかしあれは相当危険な力である。しかも真聡の物は普通の物よりさらに強力だと早苗は直感でそう思った。あれほどの物を持つとしたらそれは3種類ある。一つはもはやリバイブ不可能とまで言われるほど邪悪なダークポケモンとなった「ダークルギア」、ポケモン不思議のダンジョンで登場した「闇のディアルガ」、そしてポッ拳で登場した「ダークミュウツー」、あれほどの力を持つのはこの三体のどれかだろう。いずれにしろあの力を宿しては普通では正気を保つのは相当難しいはずだ。例えあの夢子に勝てても元に戻るのだろうかと早苗は非常に気がかりだった。そう思っていると

 

「・・!?おい!あれ見ろよ!!!」

「どうしたの?ぬえ・・ってあれは!!」

『!?』

 

すると空に小さな黒い渦が発生する。全員警戒体勢をしていた。しかししばらくするとその渦から何かが出てきた。それは人間の形をしていた。その正体は

 

「!!真聡さん!!」

『本当!?』

 

そこから真聡が降って船に落ちてきた。早苗たちは大慌てで向かい受け止めた。真聡はボロボロの状態で気を失っていた。まだ息はあるが危険な状態だ。早苗たちは治癒の術などで応急処置をしながら永遠亭へと向かうのだった

 

 

~魔界~

 

「はあ・・・」

 

魔界にどこからかため息が聞こえてきた。銀髪にサイドテールをしており赤いローブのような服を着用している女性が宙に浮いていた。悪魔のような6枚の翼も特徴的だ。ため息の主はこの女性だった

 

「やれやれ。まさかここまで派手にやっちゃうなんてね・・・修復が大変だわ」

 

先程の真聡と夢子の最大の大技の激突により周囲に張っていた結界は完全に破壊されて、そのままあらゆるものが広範囲にわたって消滅してしまったのだ。魔界は非常に広大な世界だ。無限大ともいわれるほどで少なくとも幻想郷はおろか地球よりもずっと広い世界であるらしい。しかしいくら広いとはいえここまで広範囲に破壊されればたまったものではなかった。被害は地球の半分以上が跡形もなく消滅したくらいの規模らしい。そんな無限大の世界を生みだしたこの魔界の神、神綺とはいえ流石に今回は困っていた

 

「まあ夢子ちゃんの成長も見れたしよかったかしらね。私の力をあそこまで扱えるとは大したものだわ」

 

夢子はあの衝撃に飲まれたところを間一髪で救い出したのだ。あのままでは消滅してしまっただろう。夢子は神綺によって生み出された存在だが、大切な部下だった。だから神綺としても失うわけにはいかなかった。今は神綺の住む城で治療を受けている

 

「あの人間は直前でワープして魔界(ここ)から脱出したようね。かなりの深手を負ったでしょうけどおそらく生きているでしょう」

 

神綺は消滅した世界を戻すための作業を始めようとした。ちなみに消滅した地域にいた魔物たちはこうなることはある程度予想していたのですべて回収して避難させていた。あの短時間で行えるのは流石は魔界を創造した存在というところだろうか

 

「○□から聞いてはいたけど本当にデタラメな力を持つほどまで成長したわね。いつかあれを授けるために呼び寄せると言っていたけどどうなるのかしらね・・・」

 

そう思いながら神綺は修復を作業を始めるのだった

 

 

~永遠亭~

 

「うう・・・・」

 

俺は目を覚ました。そこは何かの部屋だった。体は動かそうにもまだうまくは動けない

 

(何とか生きてかえってこれたな。多分ここは永遠亭だろう)

 

するとふと隣を見ると早苗がいた。どうやら俺を心配して付きっ切りで俺のそばにいてくれたようだ。今は隣のベンチで寝ている

 

(また心配かけちゃったな・・・後で詫びを言わないと)

 

すると俺はある異変に気付く。それは手の甲に黒い紋章のようなものが出ていたのだ。俺はそれを見て自分はダークポケモンの力も扱えるようになったのだと悟った

 

(これもまた修行が必要か・・・)

 

俺は禁断の力を手にしてしまったのかもしれない。最後まで自我は保つことは出来たが力のコントロールはまだうまくできていなかったし、気を抜けばいつ正気を失ってもおかしくなかった正直なところ後悔の念も少しあった。

 

でも今更帰ることは出来ない。自分が選んだ道だ。ならば受け入れ、それに立ち向かい己の力にするしかない。どんなものでも正の部分である光と悪の部分である闇の部分はある。正義とは立場を変えればいくらでも変わる。普通のポケモンでも命を奪うことは十分に可能だ。それが本来は正しい力であったとしてもだ

 

そしてしばらくすると早苗は俺が目覚めたことに気づいて喜んでいた。涙も混じっていた

 

今はただ休んでいよう。闇の部分であってもそれもまた一つのポケモン。俺はそれすら光に変え、己の力とすることを決意するのだった

 




途中で忙しくなり投稿が途切れてしまったこともありましたが、星蓮船編は終了です。まだまだ未熟な点がいっぱいありますが最後まで書ききってやろうと思います
読んでくださる皆様には本当に感謝です。感想等もいつでも待っています


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木戸真聡の能力設定

今回は能力についての設定を書いていきます


木戸真聡

 

能力名:ポケモンを宿す程度の能力

 

 

(概要)

基本的にはポケモンの力を自身に宿らせる能力である。幻想郷に訪れたときは進化前のポケモンしか宿せなかったが現在はある一匹を除いて全ての種類の力を宿せるようになった。強力なポケモンほど自身の体力の消費が激しくなるという欠点を持つが、現在は修行の末にその負担は減っていった

 

 

個別の能力解説

 

(通常)

上記に描かれた通り強力なポケモンほど体力の消耗が激しくなる。伝説級のポケモンの力は消費が非常に激しい。自身の成長が伴ってなければ気を失ったり、敵味方関係なく攻撃する暴走状態になる恐れがある

 

 

(波導)

映画でアーロンなどの波導使いがいるので自分も使えるのではないかと思い立ち、一年以上の修行の末に習得した能力。非常に便利な能力で探索にも使え、戦闘にも相手の行動を先読みすることが出来る。特に姿をくらませたり、透明化する相手には滅法強く、実質それらの能力を無効化することが出来る。ただし鈴仙など大気の波長を乱されると正常に捉えることが出来ないという欠点もある。現在は素で小さな「はどうだん」を打てるくらいにはなった。またルカリオの力を宿らせるとルカリオの波導に自分の波導を上乗せしてさらに強力にすることが出来る

 

(複合能力)

主人公が最初から持っていた謎の本に「あなたがその力を強くし、つながりを強くすればするほど、やがてそれは自分自身の力となる」という文章から得た能力。要するにポケモンの力を宿してない素の状態でも能力が使えるようになることである。これにより別のポケモンを宿していても他のポケモンの力を使用することが出来る様になる。例えばバンギラスの状態でポニータの跳躍力が使えると言ったことが可能である。ただしその力は本物よりも弱いことが大半である。しかしその力を高めていけば本物に限りなく近い力を得ることは出来る。うまくいけばそれすら越えられるかも?しかし伝説のポケモンの力は流石に不可能

 

 

(メガシンカ)

デオキシスとの戦いに勝利した時に手に入れた力。〇〇ナイトと言った道具は必要とせずレックウザと同じように体内に宿ったエネルギーでメガシンカをする。凄まじい戦闘能力を発揮することができ、一般のポケモンのメガシンカは準伝説級かそれ以上の力を発揮することが出来る。当然体力の消耗が激しいので注意が必要。体力が続く限りは種類を変えて何回でも使用することが出来る

 

 

(共鳴バースト)

ポッ拳で登場した能力。主人公はメガシンカの力を応用して編み出した亜種ともいえる能力。種類は限られるがメガシンカに匹敵する力を手にすることが出来る。またその状態なら超強力なバーストアタックを発動することが出来る。威力はZ技に匹敵する。ただしメガシンカと違って時間制限があるという弱点がある

 

 

(Zワザ)

月での戦いを制した末に手に入れた力。これもメガシンカと同じように体内にその力が宿っているため、クリスタルを必要としない。ポーズをとって超強力な大技を発動する。溜めが必要だが一応タイプを変えて連続使用は可能。ただしメガシンカと共鳴バーストとの併用はできない。こちらも体力の消費が激しい

 

 

(ダーク化)

元ネタはポケモンコロシアムのダークポケモン。魔界で神綺の魔力を纏った夢子との激闘で得た力である。夢子が生み出した魔力の霧を吸収してその力を呼び覚ました。この時すでに相当強くなっていたためダーク化しても自我を保つことは出来たが、気を抜くと暴走する危険がある力である。闇の力に耐性が付き、聖なる力にも大きなダメージを与えられるが、逆に聖なる力に弱くもなってしまう諸刃の剣である。またこの時は攻撃力は著しく上昇する分耐久力が低くなってしまうことが多い。他の作品を使ってわかりやすく言えば某格闘ゲームにある殺〇の波動と言ったところだろうか

 

 

(オマージュ技)

主人公はもともと現世にいたのでその世界の漫画とゲームの知識がある。そこからヒントを得てポケモンの技と能力で再現したものである。そこからとった技は実戦でも使えるレベルにまで昇華している。使える力は貪欲に取り入れていくのが主人公のやり方である。本人曰く現在で一番強力なのは釘パンチであるとのこと

 

 

 

(全く関係のないどうでもいいおまけ情報)

主人公の名前の由来はオーキド博士とサトシを混ぜて生みだした。最初は「希戸雄(きどお)聡」という案があったが、個人的に安直だと思っていろいろ考えた末に現在の名前になった

 

 




こうしてみると主人公は強くなったなと思います


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混章:三つの異変編
美鈴の夢の中


非想天則、ダブルスポイラー、妖精大戦争を小出しにした章になります


~修行部屋~

 

「おお!!ダークラッシュ!!」

ドッゴーン!!

 

俺はしばらくして永遠亭を退院した。今はすっかり完治して今はダーク化のコントロールの修行をしている。癖はあるが強力な力である。だいぶコントロールが出来る様になったが、気を抜くと危ないのは相変わらずだ。ダークポケモンはたまに「ハイパー状態」、もしくは「リバース状態」になってしまうことがある。「ハイパー状態」はダーク技が強力になるが、コントロールが効かず自我を完全に失ってしまい、「リバース状態」だと自傷し始めてしまう。その時はトレーナーから呼びかけてもらうと元に戻るが、俺の場合は一人でも何とかしなくてはならない。そうならないために慣れる必要があるのだ。今はまだ未熟で実戦にはまだ使えないのが現状である

 

「ふう・・・そろそろ休むか」

 

俺は修行部屋から出て休もうとした。すると

 

「真聡さん。ちょっといいかかしら?」

「おお、咲夜さん」

 

咲夜さんが俺に話しかけてきた。普段もたまに修行部屋にレミリアとフランたちと一緒にやってくる。この部屋のおかげでフランは能力をほぼ完全にコントロールすることが可能になったとのことだ

 

「何かご用ですか?」

「ええ。実はちょっと厄介な問題があって、お嬢様の命で貴方に相談に来たのよ」

「厄介な問題というと?」

「うちの門番の様子がおかしいのよ」

「美鈴さんがですか?」

 

美鈴さんは普段は門番の仕事をしているが、時間があるときはここで修行しに来る時がある。でも割とよく寝ちゃってその度に咲夜さんのナイフのお仕置きがあるのがお決まりだ。しかし今回はかなり深刻らしい

 

「あなたがくれたカゴの実とラムの実で一時的に目を覚ますけど寝ぼけていて目が覚めている自覚がないようなの。そして数分後には寝てしまうの繰り返しで困ってるのよ」

「それは確かに変ですね・・・とりあえず現場に案内してください」

「助かるわ」

 

こうして俺は紅魔館へと向かうのだった

 

 

~紅魔館~

 

俺は紅魔館についた。部屋に案内されると寝ている美鈴さんがいた。しばらくするとレミリアとパチュリーが入ってきた

 

「グーグー・・ホアチャー!!覚悟しろ・・・」

「・・・確かに変ですね」

「さっきからずっとこの調子よ」

「三日前に私に訳の分からないことを言ってから一日だけ臨時休暇をもらうといきなり言い出したのよ。そして次の日に戻って来たんだけど、それからはずっとこんな感じなの」

「訳の分からないこと?」

 

レミリアの発言に疑問を感じて質問をしてみると、なんでも朝に巨大な人影を見たらしくそして「太歳星君に違いない」と言って全妖怪と協力して戦うべきだと言い出したようだ。太歳星君というのは中国に伝わる祟り神のことらしい。眠気を覚ます道具を使ってもダメとなると

 

「直接彼女の夢に入るしかないでしょうね」

「!?そんなことが可能なんですか?」

「ええ、できますとも」

「・・・真聡に尋ねろと言って正解だったでしょ?咲夜」

「はい。まあ真聡さんなら出来てもおかしくはないわね」

「多分大抵の無茶な要求はその気になればできると思うわよ」

「他にも誰か行きますか?」

「私も行かせてくれないかしら?美鈴を叩き起こしてあげたいし」

「私も頼むわ。夢の世界というのにも興味があるしね。パチェは?」

「わたしはいいわ」

「じゃあ決まりですね」

 

俺はスリープの力を宿す。ポケダンで悪夢で目覚めなくなったルリリを救うためにスリープの力を借りてルリリの夢の中に入る場面がある。それをここでやろうとしているのだ

 

「じゃあ行きますよ」

「はい」

「おねがいするわ」

「では」

 

俺は念じだすと紫色のオーラに包まれる。そしてそのまま夢の世界へと向かった

 

 

~夢の中~

 

「成功しました」

「本当に入れたわね」

「これが美鈴が見ているゆ・・」

ズッズーーン!!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

『!?』

「地震!?」

 

すると突然大きな地震が発生した。どうやらただ事じゃないらしい。俺たちは揺れのした方へ進むと今度は電撃が発生した。どうやら何かが放電しているらしい。するとやがて美鈴を発見した

 

「美鈴!!」

「!!咲夜さん、お嬢様と真聡さんまで!!今ちょっと取り込み中でして・・・」

「そのようね」

「・・・えらいデカいな」

 

美鈴の目の前には巨大なナマズがいた。どうやらこいつと戦っていたらしい

 

「あっはっは。まさか応援がくるとは思わなかったのお」

「しゃ、しゃべった!!」

「そりゃわしは長い時を生きているからのお」

「美鈴さんの夢の中に入って一体何のつもりだ?」

「え?夢の中?」

「あなたはここは夢なのよ。でもあなたは一向に目が覚めないし、目覚めてもすぐに寝ちゃうから夢の中に入ったのよ」

「・・・ええ!?そうだったんですか?」

『・・・・・・・・』

「まあただ単に暇つぶしよ。わしもたまには・・・暴れたいからのお」

 

すると地震を起こし、上から大量の落石が降り注ぐ。しかしそれを全員躱していく。その後ナマズは飛んで地震で攻撃して来ようとした。俺も他のみんなも飛んで衝撃波を躱す

 

「とりあえずこれでもくらいなさい!!」

神槍「スピアザグングニル!!」

 

するとレミリアから巨大な槍が放たれる。紅霧異変の時のを遥かに凌ぐほど強力になっていた。その槍は大ナマズに直撃する

 

「ぐおおおおおお!!」

「まだまだ行くわよ!!」

光速「Cリコシェ」

 

すると高速で何かか飛び回る。そしてしばらくすると大ナマズにナイフが直撃した

 

「くう・・なかなかやるようじゃのう・・だが舐めるな!!」

バリバリバリ!!ドーン!!

 

すると大規模な放電攻撃と地震と落石が襲い掛かった。だが直後膨大な黒い波動が大ナマズを飲み込んだ

 

「ここは夢の中だしちょっと派手に暴れようか・・・」

 

すると周りの空間が暗くなった。俺は悪夢を見せる幻のポケモンダークライの力を宿したのだ

 

「今の夢の主導権は俺。お前に悪夢を見せてやろうか」

 

すると周りから巨大な黒い腕が大ナマズを襲い掛かる。ナマズは抵抗するが、結局捕まりその腕から「あくのはどう」を連発される

 

「グハ!!お・・おのれ!!」

「悪いけどさっさと終わらせてもらうぞ。共鳴バースト!!」

 

俺はさらに苛烈な攻撃を大ナマズに仕掛ける。今は夢の中でダークライはめっぽう強くなる。地上を崩壊させるという大ナマズであっても抗えず、完全な蹂躙劇になってしまう。レミリアたちは安全な結界にいてもらっている。その様子をゆっくり眺めていた

 

「お前が何者か知らないけどこれで終わりだ」

「無限エクリプス!!!」

 

すると俺の後ろに新月が現れる。そして額縁のようなものから更に巨大な黒い腕が一斉に大ナマズに襲い掛かった。その腕たちは大ナマズを一瞬で飲み込み抵抗すら許さない。そして俺は超巨大な黒い闇の塊となる。それはまるで恐怖の大魔王や悪魔王のようなものだった。そして黒い球体の中に大ナマズは閉じ込められて、それを超巨大な両腕がつかんで強烈な波動を叩き込む。本当は別の方法で止めを刺すのだが、俺はあえてとどめは刺さない。そして美鈴にこういった

 

「ことの発端はあなたです。ですからけじめをつけるのも兼ねてあなたが止めを刺してください」

「!!・・・わかりました!!」

 

すると美鈴を結界から出させた。そして美鈴は拳にありったけの気を集中させて

 

華符「彩光蓮華嘗!!!」

 

すると超高速で大ナマズに渾身の掌底をぶち込んだ。次の瞬間大ナマズは全身から七色の眩しい光が差し込んで

 

ドッカーン!!!

 

体内から気が大爆発した。この一撃にはさすがに堪え

 

「見事じゃ・・・ガフ!!」

 

大ナマズは光の粒子となって消え失せた。そして俺たちは元の世界へと戻るのだった

 

 

~紅魔館~

 

「このたびはご迷惑をおかけしました・・・」

「全くよ。面倒な事態にしてくれちゃって!!」

「すみませんでした・・・」

 

その後美鈴は咲夜とレミリアの説教を受けていた。とりあえず元には戻ったようだ。それにしてもあの大ナマズは本当になんだったんだろうか・・・

 

「でも巨大な影を見たのは本当なんです」

「どこで見たのかしら?」

「妖怪の山の方でした」

「妖怪の山か・・・」

 

見たところ美鈴は嘘を言ってるようには見えない。そのあとこんな事態になったし、何かが起こっているのかもしれない

 

「行ってみようかな・・・」

 

俺は次に何をするべきかを考えるのであった

 

 




スリープ   NO.96   タイプ:エスパー

夢を食べる伝説の生物バクの子孫と言われており、ムンナとムシャーナと祖先が共通しているのではないかと考えれているらしい。楽しい夢が好物だが、悪い夢はおいしくないようで食べ過ぎるとおなかを壊す。鼻をひくひくさせるとどんな夢を見ているかわかり、なつくと一番おいしかった夢を見せてくれる時があるという
ポケモン不思議のダンジョン時・闇・空では悪党として登場。お宝を手に入れようとしたが、スリープでは入れないほど小さな穴なのでルリリを攫ってとってこらせようとした。主人公たちに懲らしめられたは反省して修行の山にこもっていた。そしてルリリが悪夢で目覚めないのを救うためにスリープに会いに行き、罪滅ぼしを兼ねて主人公たちをルリリの見ている夢の中に送り込むために一役買ってくれる


ダークライ   NO.491   タイプ:あく

新月の夜に活動し、人々やポケモンに恐ろしい悪夢を見せる幻のポケモン。BW2ではそれによってなくなってしまった幽霊が登場している。しかしダークライ自体は自分から襲うような凶悪なポケモンではなく大人しい性質。しかしコントロールが効かないようである。ダークライは悪夢を見せることは望んでいないようで孤独に生きているらしい
映画ではディアルガとパルキアの襲来をいち早く察知して町の人々やポケモンたちを救おうと奮闘する。「ポケモンレンジャーバトナージ」では人々の悪い心を吸収して水晶に補完する能力を持つ。それに宿った悪い心を利用されて操られてしまう。しかし本来は悪いポケモンではないようで恩返しとして空間を操り、一瞬で遠く離れた海に悪人を引きずり込むような芸当もしている
ポケモン不思議のダンジョン時・闇・空でも登場し、こちらは闇の世界にしようと企てるという完全な悪役である
アニメでもたびたび登場しており、特にポケモンリーグでタクトが使っていたことが印象に残るだろう。その強さは圧倒的でサトシのヘラクロス、コータス、フカマルをあっさり倒し、ジュカインでようやく戦闘不能にできた。それまでは誰にも倒されなかったようである


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影の正体

美鈴を目覚めさせることに成功したあと、詫びとも兼ねて夕食をご馳走になった。異変を解決するためにすぐに妖怪の山に向かってもよかったのだが、美鈴が見たのは早朝と言っていたので、それまで待ってみてもいいかもしれないと思った。だからお言葉に甘えて夕食をいただきついでに夜明けまで居させてもらった。夕食を食べたらすぐに風呂を入って寝た。吸血鬼って風呂は大丈夫なのかと疑問に思って聞いたけど流水じゃないから大丈夫らしい

そしてもう夜明けまでわずかの時刻になった。俺は外に出てレミリアに礼を言って別れた。そしてやがて太陽が東から昇り始める。するとどういうわけか霧が出ていた。夏だというのに朝霧が出るのだろうかと疑問に思い始める。そして妖怪の山を見ると

 

「あれは!!」

 

すると確かに巨大な影を見つけた。霧のせいもあって揺らめいているが確かにあった。俺は「テレポート」で妖怪の山に直行した

 

 

~妖怪の山~

 

俺はそのままピジョットの力で高速で飛行していく。その影の正体を突き止めるために。そして飛行していくうちに違和感を覚える。それはまず波導で感じることが出来ないこと、そしてこの霧が妙に暑いのだ。まるで蒸気のようだった。そして俺は大空を飛んでいくとついにその物体を見つけた

 

「何だこれは!?」

 

すると目の前には巨大なロボットがあったのだ。大きさはざっと100メートルくらいはあった。見た目はガ〇ダムとかではなくマ〇ン〇ーZみたいな古いロボットアニメで出てきそうなものだった。とりあえず俺は周囲を飛んで観察してみる。どうやら蒸気はこいつから出ているらしい。すると突然

 

ブオン!!

「うお!!」

 

何と突然右腕でパンチしてきたのだ。俺は何とか回避に成功する。しかもこいつには波導が存在しないのでいきなり来ると困るのだ。そうしていると今度は左手が来た。俺は腕だけカイリキーの力を宿し

 

「250連釘パンチ!!」

ドドドドドドドドドドドド!!!

 

巨大ロボットはあっさりそれで力負けして腕は破壊された。すると中から膨大な水蒸気が出始める。この時俺は直感で嫌な予感を感じた。俺はミュウツーの力を変えてロボットを急いで上空に転移させて、瞬時に頑強なバリアーをロボット全体を覆うように張った。すると

 

バーーーーーーーーン!!!!

 

するとロボットは大爆発を起こした。蒸気機関車は上記の圧力を利用してピストンを動かして走る。ではあれほどの巨大な物体のエネルギー源が蒸気なら途轍もない蒸気圧がかかっているはずだ。それを無理やり破壊したら溜めていた蒸気が一気にあふれて大爆発が起こってしまうのだ。我ながら馬鹿なことをしたものだと思ったが時すでに遅しでバリアーで被害を止めるしかなかった。強烈な衝撃だったが何とか防ぎきった

 

「ふう・・何とか被害はあのロボットだけで済んだな」

 

ミュウツーにしたのはあいつならあの大きさでも転移は大丈夫だろうと思ったからだ。実際映画でキロ単位の大きさの湖の水を全て転移させるという芸当を見せているし、100メートルくらいの物体を上空にやるくらいは大丈夫だと踏んだのだ。そしてバリアーで防いで周りの被害はなし。何とかすべて丸く収まったようだ

 

と思われたが・・・

 

「あんた・・・何てことしてくれたのよ・・」

「へ?・・・す、諏訪子さん?」

 

途轍もない殺気が俺を飲み込んだ・・・どうやらちょっとやらかしてしまったらしい

 

「いいからこっちに来なさい・・・ね?」

「は・・はい・・」

 

 

~河童のドック~

 

「えーと・・たまたま動作テストをしている時に俺が通りかかってしまったと」

「ああ。まさか上空に誰かいるとは気づかなくてね」

「であのロボとはアドバルーンで未来水妖バザーの目玉として作り出していただけで別に異変を起こす気はなかったというわけですね」

「ああ、その通りだよ」

「・・・・・・」

 

真相はわかったがあれは木っ端微塵になってしまった。こうなると申し訳が立たない。今回はどう考えても俺が悪い。なので

 

「時間巻き戻し!!」

 

俺はディアルガの能力で時間を巻き戻してなかったことにした

 

 

~妖怪の山~

 

「ふう・・とりあえず元に戻ったな」

 

俺は先ほどの時間まで戻した。非想天則は元通りになっていた。この手段は出来るだけやりたくないのだが、今回はロボットを直すためにも致し方なし。俺はとりあえずまた観察をしていると

 

「あっ真聡さん」

「何だあんたも見つけたのか」

「早苗、諏訪子さんも」

 

しばらくしていると早苗と諏訪子さんがやってきた。俺は巨大な影を見たのでその正体を暴きに来たと言った。そして今河童のドックに向かうところだから来ないか?と言われたので俺はそうするとした

 

 

~河童のドック~

 

俺は諏訪子さんとにとりをはじめとした河童たちに非想天則からの説明を聞いた。これは先ほどまでと同じだが、気になることがあった。すると先に早苗が言い出した

 

「中身を空っぽにして何も思考しないようにした意味って何ですか?」

「それはね、付喪神化を防ぐためなんだよ」

「なるほど。だから思考を持たないようにしたというわけですか。ここは現世と違って幻想郷ですから意味のある行動を続けると思考が生まれる。そうなるとやがてが意思が生まれて付喪神になってしまうと」

「その通り。あんな大きなものが付喪神になったら困るからね」

 

真相は何もかもわかった。どうやら自分の取り越し苦労に終わったようである

その後いろいろと見学させてもらった。いろいろな未来的な道具がいっぱいあって興味深かった。特に早苗は大興奮していた。そういえば現世でもロボットアニメとかが好きだったな

 

 

その後未来水妖バザーを開かれ、俺はそこの警備員として一緒に働くことになった。商品は現代的な機械や河童らしく尻子玉もあった。誰のものなのか気になったが聞かないことにした。そして更にポロックキットの最新型まで売ってあった。しかもなんとポフィンが作れるようになり、ジュースや薬品まで作れるようになるまで進化させている。河童の技術力はすごいものである。バザーには人間も妖怪もたくさん訪れた。妖怪が人を食べないように厳重に警備した。妖怪たちも俺には逆らってはならないと自覚しているようで何もしなかった

目玉の非想天則は大好評だった。子供はもちろん大人や妖怪も魅了していた。でもどうやら妖怪たちにとってはそれだけではないらしい

諏訪子さんが教えてくれたが妖怪たちはそこから無我の境地について学ぶものがあるのではないかと言っていた。人形は悟っているのか?そして人を捨てることが悟りにつながるのか?人間よりも遥かに長い年月を生きる妖怪たちにとっては確かに学ぶことがたくさんあったようである

 

そしてバザーは大盛況に終わったのであった

 

・・・また一つ俺だけが知る罪が増えるのとともに

 




今回は珍しく主人公だけ悪いことをしてしまいました

それと主人公の一人であるチルノは登場しませんでしたが、妖怪大戦争で活躍させますのでご了承を


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ダブルスポイラー

ダブルスポイラーは一話完結になります
それと閲覧数が3万超えました。読んでくださった皆様には感謝です


本日も平和な幻想郷であった。最近は特に大きな事件も起こらず普段通りの日常が続く木戸真聡にとってはありがたいことである

しかしそれをあまり良しとしないものも中にはいるのが常。そして今回は二人のスポイラーが日々弾幕ごっこを挑んで取材をしていた

 

「だーかーらー!新聞勧誘はお断りと言ってるでしょ!!」

 

そう言って超巨大な「新聞勧誘お断り!」と霊夢の写真付きで書かれた超巨大なポスターのようなものが発射されてやがてそれが消滅して弾幕と化した。しかし

 

「そんなこと言わずに~私のジャーナリストとしての意地があるんです。弾幕をとらせてもらいますよ!!」

パシャ!!

 

とカメラのシャッター音と共にその映った範囲の弾幕は消滅する

 

「変なカメラ使って!!」

 

この特殊なカメラのせいで本気の弾幕でも回避されてしまう。そのあと霊夢は

 

「これでどうかしら?」

夢符「夢想亜空穴」

 

すると霊夢は瞬間移動を繰り返しながら高速でタックルをしてくる。それと同時に弾幕を放つ非常に苛烈な攻撃をしてきた。これにはさすがの射命丸も被弾してしまう

 

「くっさすがは霊夢さんですね・・・」

 

しかし彼女はそれでも諦めずに撮り続けた。これがジャーナリストとしての意地なのだろうか。そして何とか凌ぎきり、十分写真を取った後、持ち前の飛行高速移動で一目散に逃げだした

 

「あ!!こら待ちなさい!!」

 

といって追いかけたが、結局は逃げられてしまうのだった

 

 

~妖怪の山~

 

「くう~先を越されたわ!!とうとう博麗の巫女までやってしまうなんて」

 

文の執筆している文々。新聞を読んで悔しがる天狗が一人いた。彼女の名は姫海棠はたて。「花果子念報」という新聞を執筆している天狗であり、射命丸文のライバルである。彼女は「念写をする程度の能力」を使ってガラケーの形をしたカメラにキーワードを打ち込むとそれにちなんだ写真が見つかるというもので、わざわざ外に行かないで済むのだ。しかしそれ故に写真はどこかで見たことのあるものばかりで新鮮味に欠けるため人気はあまり出ていないのが現状だ。そんな彼女は文と対抗するため自身も行動を起こし、文と同じく弾幕を撮影しまわっていた。しかし今回はその中でも特ダネの一つともいえる博麗の巫女こと博麗霊夢の写真を先を越されてしまったのだ。はたても妖怪の山に住む巫女、東風谷早苗の写真を撮ることに成功したが、文は既に霧雨魔理沙の分も写真を撮っていた。彼女も秘かに狙ってはいたが先を越される。しかしまだもう一つ、最上級の特ダネが残っていた

 

「こうなったらあの人間に会いに行くしかないわね。いざってときのためにあの人間の勤務時間は調査しておいて助かったわ。流石に勤務中で人里内でさせるわけにもいかないし」

 

そしてその時はもう迫っていた。はたては大急ぎでその人物に会いに行くのだった

 

 

~自宅前~

 

俺は今日の勤務を終えて自宅に戻ってきた。今日も平和な一日だった。俺は夕食を食べて少し修行してさっさと寝るかと思っていたのだが

 

「はあ・・・とうとう来たか」

 

俺は向きを変えて軽めの「はどうだん」を発射した。放った相手は突然の攻撃で慌てていたが

 

パシャ!! 

 

シャッター音が鳴り響くと同時に「はどうだん」は消滅してしまった。一種の力試しとして発射したのだが、とりあえず最低限の力量はあるらしい

 

「今のってあなたが持つ波導よね?音をたてないように真後ろから来たというのにあっさり気づくなんて」

「お前ははたてという名前の天狗だったよね?」

「あら。どうして知っているのかしら?初対面のはずだけど」

「早苗から聞いたよ。弾幕の写真を撮って回ってるそうじゃないか」

「そこまで知っているなら話は早いわ。さあ!!ネタとして取らせてもらうわよ!!」

取材「姫海棠はたての練習取材」

 

するとはたての周りの大量の青い弾幕が放たれる。密度はなかなかだが躱すことは難しくないが、はたてはガラケーをこちらに向ける。俺は急いで回避行動をとる。またシャッター音が鳴ったがはたての弾幕は消滅しなかった

 

(相手の弾幕は消滅させるけど自分の物は出来ないようになっているのか・・・厄介だな)

 

まあでも逆を言えばそれに頼りっきりな面があるともいえる。おれはスペルカードを取り出し

 

次元乱撃「いじげんラッシュ」

 

これはフーパの能力を使用したものだ。6つのリングから巨大な拳の猛ラッシュに小型の「サイコショック」、「あくのはどう」の猛襲を仕掛けるスペルだ。リングはいろんなところへと移動し続け、常にあらゆる角度を警戒する必要のある弾幕だ

 

「うわわわ。なんて弾幕放って来るのよ!!さすがは幻想郷最強と謳われるだけあるってわけ!?」

(まあゲームでは必中技とまで呼ばれている技だし、それにいろいろ魔改造したものだからね。まあ弾幕ごっこ用にちゃんと避けれるようにはしていてパターン化はしているし)

 

しかし初見なら今の霊夢や魔理沙クラスでもないと攻略は難しいレベルには仕上げてはいる。そう簡単にクリア出来たら面白くないし、手加減用もあるけど今回は状況が状況なのでやや本気にしている。それに今回はおまけを一つだけつけている

 

「さしおさえ」

 

と俺が宣言すると同時にはたては紫色のオーラのようなものに包まれた。はたては気味悪がっていたが、この弾幕の前に集中力を切らしたら当たりに行くようなものなので、気にするのを止めて取材を続行した。しかし弾幕はどんどん激しくなってついに追い詰められる。はたては回避も兼ねてカメラで写真を撮ろうとしたが

 

「えっうそ!?カメラが動かない!!」

「よそ見していいのか?」

「はっ!しまっ・・キャー!!」

ピチューン!!

 

はたては敢え無く被弾した。そしてさらに苛烈な攻撃を対処できず、二回、三回と被弾して弾幕ごっこは終了した。俺は「さしおさえ」ではたてのカメラの使用を禁止したのだ。こういう道具だよりの相手には抜群の効果を発揮する。豊姫との戦いにも貢献した技だ。でも今回は弾幕ごっこのためちゃんと宣言はした。ルール違反はしていないはずである。制限系は暗くして視界を奪ったり時を止めていたりするんだし大丈夫だろう。その後俺ははたてに「いやしのはどう」をかけて傷を治した

 

「うう・・・やはり一筋縄ではいかないようね。カメラの使用まで封じられるなんて・・・」

「まあそう簡単にさせるほど甘くはないさ・・・もう一人いるようですが」

「・・・まさか」

「あやや、やっぱりバレてますか。能力で周りの空気を斬って伝わりにくくしましたのに」

「逆を言えばその方向に何者かがいるということくらいはわかるんじゃないか?」

「あ~なるほど」

「やっぱりあんたも狙っていたのね」

「ふふふ。まだまだ青いわね。私がわざと遅れたのはあんたが挑むのを待っていたんですから」

「え?それはどういう・・」

「なるほどそういうことか。これは迂闊だったな」

「はっ!ま・まさかあんた私が弾幕ごっこしている時に放たれる弾幕を影から撮影してたってこと!?」

「正解でーす。まあ実際にやって目の前で撮る方がいいんですけど、真聡さん相手じゃ至難の技なのでね。うまくいったわ。それに別のいいネタを手にいれたしね。視点を変えることも大切だと改めて学んだわ」

「うう・・・」

「普段家に引き籠って念写に頼ってばかりだからこうなるのよ」

「何ですって!!あんたも被写体はいいけど肝心の記事が酷いじゃない!!取材を活かすには推敲を重ねた記事が必要なのよ」

「記事の内容など、事件の質の前ではふきとんでしまう。本当に興味を惹く記事は、写真と見出しだけでほぼ9割の人は満足するのが現実よ」

「それでは記事を書く意味がないじゃない」

「記事で意味があるのは文字数くらいね。字数が規模を表すバロメーターなの」

「ふん、文はそんなんだからいつまで経っても・・・」

「喧嘩は他所でやってくれ」

ヒュン・・・

 

俺は二人を「テレポート」で妖怪の山に送った。自宅の前で騒がれても迷惑なだけだ

 

「やれやれ困ったものだよ。まあ今回は文さんの作戦勝ちかな」

 

そうつぶやきながら家に戻るのだった

 

次の日、文々。新聞が掲載されてきた。何か妙に売れるのが早い。俺はとりあえず手に入れて読んでみると俺の弾幕の写真が載っていた。しかもよく見たらご丁寧にはたてさんのスカートの中身がばっちり写っていた

 

「視点を変えることも大切とはそういうことか・・・抜け目ないなあ」

 

きっと今頃妖怪の山は二人の言い争いが起こっていることだろう。そしてはたてはますます文への対抗意識を持つに違いない

二人の対抗新聞同士(ダブルスポイラー)の争いはこれからも続きそうである

 

 




まあダブルスポイラー自体普段の日常と変わりませんからね。一話完結にしました


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氷の師弟

妖精大戦争編です


「あたいを弟子にしてください!!」

「えーと・・・」

 

いきなりだが突然チルノにこんなことを言われてしまった。どうしてこんなことを言いだしたのかはよくわからない。だが話を聞く限りどうやら決闘を申し込んだらしくてどうしても勝ちたいとのことだ

 

「どうして俺なんだい?」

「うん。強くなるには強い人の弟子になるのがいいんじゃないかなと大ちゃんに言われたの。そうなるとあたいが知っている中で一番強いのは真聡だからだ」

「なるほど・・・」

 

まあチルノはポテンシャルはあると思う。妖精は人間よりも弱いと言われているが単純な戦闘能力だけで絞ればチルノは例外と言っていいだろう

 

「最近俺の修行部屋でこっそり修行していたのはそのためか」

「え!?知ってたの?」

「まあな」

 

理由はよくわからないけど真剣な眼差しで迫ってきた。よほどの相手なのだろうか

 

「決闘直前まででいいからお願い!!」

「・・・・・」

 

まあ俺にとってもいい刺激になるかもしれない。これでも一応自警団で新入りの育成もしていて他人に指導する経験は積んでいるつもりだ。ここは一つ胸を貸してあげるとするか

 

「いいぞ。でも時間があまりないようだから厳しくするからな。いいな?」

「!!うん!!」

 

こうして突如師弟関係が生まれたのだった

 

 

~修行部屋~

 

俺とチルノは修行部屋へと向かった。ここなら存分に暴れても問題ないし、時間の流れも外よりはるかに早いため早く強くなるにはうってつけだ

 

「まずはお前の実力を見る必要がある。準備はいいか?」

「あたいはいつでも戦えるよ!!」

「よし。では全力でかかってこい!!」

「いくよ!!」

 

チルノは冷気を放出する。チルノとは花映塚で弾幕ごっこをしたのが最後だが、その時と比べて格段に冷気が強くなっていた

 

氷符「アイシクルマシンガン」

ドドドドドド!!

 

すると氷をマシンガンのように高速で連射してきた。俺はマシンガンにはマシンガンとユキメノコで「シャドーマシンガン」で相殺した。そして今度はお返しというように「こおりのつぶて」をマシンガンのように高速で発射した。速度も威力もチルノの物より上だったが、チルノは躱していく。技の回避も前よりもうまくなっていた。しかし次第に追い詰められていったが

 

氷符「ソードフリーザー」

 

チルノは氷の剣を生みだした。そして躱せないと判断した弾幕を切り裂いていった

 

(こんなことも出来るようになったのか)

 

とチルノの成長に感心していた。しばらく互角の攻防が続く。俺はチルノの放つ弾幕を躱していき、チルノも氷の剣を使いながら回避していった。しばらくすると今度はメガオニゴーリに変えた

 

「れいとうビーム!!」

 

すると俺は強烈な冷凍エネルギーの光線を発射した。メガシンカのパワーと積み重ねた修行の成果により、太さも威力も前にチルノと戦ったものより格段に威力が上がっていた。しかしチルノも

 

冷符「瞬間冷凍ビーム!!」

 

春雪異変の時に俺を驚かせた攻撃をしてきた。威力も更に洗練されていた。両者の光線はぶつかり合って押し合いになる。しかし威力は真聡の方が上でチルノは徐々に押されていく

 

「これでどうだ!!」

「!?」

 

すると地面に強力な冷気を送り込んだ。すると巨大な冷気の壁が生まれたのだ。これは以前俺が見せた氷の障壁である。そして俺の「れいとうビーム」で更に巨大になっていった。しかしそれだけでは終わらなかった

 

ズズズズズズズズズ・・・

「これは!!」

 

すると巨大な氷山と化した氷の障壁が浮き始めた。チルノは己の限界まで力を出し切ってこの氷塊を操り浮き上がらせたのだ。そしてそれを振りかぶって超巨大なハンマーと化した

 

「くらえ!!」

超氷塊「アルティメットクラッシャー!!!」

 

本来は氷塊「グレートクラッシャー」という技名なのだが、今のはその規模を凌駕する。故に更に強力な威力になったという意味でこう名付けたのだろう

 

(まさかここまで強くなってるとはな・・・本当に驚かせてくれるよ)

「はああああああああああああああああ!!!」

 

俺は膨大な冷気を纏いだす。そして真聡もまた凄まじい冷凍エネルギーの塊となった。これはとくせい「フリーズスキン」によってこおりタイプの技とかしてさらに強力になった技だ。俺は最大パワーで迎え撃った

 

「氷のギガインパクト!!!」

ドッカーン!!

 

両者の全力の一撃が激突した

 

 

~数時間後~

 

「・・・うう」

「目が覚めたか?」

「あたいはいったい・・・!!痛たた」

「無理するな。さっきの戦いで力を使いすぎたせいで今のお前はろくに動けないよ。外よりも時間の流れが速いところで休ませているから治る頃でも一日も経ってないから安心して寝ていろ」

「・・・わかった」

 

最後の衝突は最初の方は拮抗していた。しかしチルノは限界を超えた力を使ったのが原因で完全にスタミナ切れを起こしてしまったのだ。そのせいで急激に威力が弱まって氷塊は砕け散ってしまい、そのまま俺の攻撃に飲み込まれた。俺は気絶したチルノをベットに運んで「いやしのはどう」などで回復してあげた。そのあとチルノはまたぐっすり寝てしまった

 

 

次の日、チルノの力は回復して元気に動き回れるようになった。妖精は自然がある限りまた復活するため、回復が早いようである。しかも周りを氷で出来た部屋にしておいたのもあって更に早い回復速度をもたらしたようだ

 

「久しぶりに戦ったが相当強くなったな。俺も結構焦ったぞ」

「へへへ。あたいはさいきょーだもの、当然よ」

「ていうか本当に修行する必要があるのか?相手はそんなに強いわけ?」

「いや一人一人はあたいで倒せるんだけど三人で来ると厄介なの。それにあたい以外でも、この湖周辺に住む妖精はみんな強くなってるんだ」

「・・・なるほど」

 

チルノが言う通り近年妖精たちが強くなる傾向が出始めている。原因は元をたどれば俺のせいである

というのも霧の湖周辺は紅霧異変で一度消滅して焦土になってしまった。今は伝説のポケモンの力が使えてディアルガの巻き戻しですぐに元通りに出来るのだが、当時は使えなかったため様々なポケモンの力と道具で修復した。その時この土地はポケモンの力で生み出したものが大半を占めるせいか自然のエネルギーが強いらしい。草タイプなど動いたりするにもかかわらず植物と同じように光合成を行うと言ったようにポケモンには強い自然のエネルギーが宿っている場合が多い。木々もポケモンの力で急激に成長させたものが多く、普通の木よりも強いエネルギーを溜め込んでいるという話である

更に土がポケモンの世界の肥料を使ったおかげで土の質が格段に良くなって植物がさらに成長し、独自の進化をするものが出てきた。しかもその約1年後に起こった花映塚の異変の時に本来は季節外れの花は霊がいなくなった途端すぐに枯れるはずなのに、その土のおかげで何と何種類かはそのまま咲き続けてしまったのだ。そして現在ではたった数年で以前の物よりも遥かに強い立派な森になったのだ

 

妖精は自然エネルギーが強いほど力が強くなる種族である。近年の森の成長のおかげで妖精たちは力を付け始め、最近では妖怪が妖精に倒されたという話も出始めたのだ。下級の妖精でもレーザーをぶっ放してくる者も中にはいるそうだ

 

(となるとこのまま修行してやるべきなのだろうか?でもチルノも俺と同様貪欲に修行した結果ここまで強くなったわけだしそれを踏みにじるのもな・・・)

 

とかなり悩んだ。しかし

 

「あたいはもう大丈夫だからビシビシ鍛えてよ!!」

 

と純粋な目で見つめてきた。俺はその熱意に負けて

 

(まあその時はその時。今は弟子の熱意に応えてあげるとするか)

「よし!!では始めるぞ!!」

「うん!!」

 

俺はその熱意に応えることにして修行が始まるのだった

 

~~~~~~~~~~~~~

 

「いいかまずは基礎体力を鍛え上げるぞ。お前は昨日の戦いでスタミナに不安があることが分かったはずだ。まずはランニングからだ。サボったら周回を増やすからな」

「わかった!!」

 

~~~~~~~~~~~~~

 

 

「うう・・・熱い」

 

今俺たちは俺が作ったマグマが煮えたぎる灼熱の部屋に案内した

 

「手っ取り早く強くなるには自分の弱点に抵抗する力を身に着けることだ」

 

そして俺はマグマに「れいとうビーム」を発射する。するとたちまち凍り付き氷の世界へと変わった

 

「おお!!!」

「お前にとっても不利な環境下でも強い力を発揮できるようになれば何でもない環境ならさらに強い力を得られるはずだ」

「なるほど~。よーしやるぞ!!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

「今回はコントロールの特訓だ。いくら威力を上げても当たらなければ意味がないし、この前みたいにガス欠になって自滅してしまう。強弱を自在にコントロールできるようにすることも重要だ」

「なるほど」

「まずはあの高速で動く的に当てて見せろ!!」

「わかった」

 

カッキーン!!

 

「よし。ではこれはどうかな?」

「くっ、早いよ~」

「よーく動きを見るんだ。相手を観察することも大切だ」

 

 

師匠の真聡、弟子のチルノの師弟関係による修行はしばらくの間続くのだった

 



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チルノの戦い①

さほど重要な点ではない気もしますが一つ補足しておきます。妖精大戦争では弱い存在であるチルノの主観から見た光景のため激しく見えるだけという設定ですが、今作では前回に描かれた通り妖精たちの力が強くなっているので本当に激しい弾幕を撃ってくるという設定になります


~真聡の自宅前~

 

「いよいよだな」

「はい!!」

「お前は前よりもさらに強くなったと自覚して言い。いつも通り自信をもって挑め」

「はい!!師匠!!」

「じゃあ行ってこい!!」

「はい!!と言いたいんだけど一つだけお願いを聞いてくれない?」

「何だ?」

「実は・・・」

 

 

~霧の湖~

 

「さあ妖精たち準備はいいかしら?」

「いよいよ人里に襲撃する時が来たわ」

「力が前よりもパワーアップした私たちならいけるわ!!」

 

今霧の湖には大勢の妖精たちがいた。ことの発端は光の三妖精の一人サニーミルクによるものである。今年の正月に妖精たちが一致団結して大戦争を起こす初夢を見たのだ。それを見たときサニーはそれを実行したくなったのだ。最近は森が成長して力が以前よりはるかに強くなっている。今まで妖精たちを馬鹿にしてきた人間たちに思い知らせてやろうと考えたのだ。そしてその後同じく三妖精で仲間でもあるルナチャイルドとスターサファイアと共にそれを決行することにしたのだ。しかし妖精は気ままな種族で普通にやっては従わせることは難しい。だから並の妖精たちよりも強い力を持つ自分たちで妖精たちを力でねじ伏せて従えることにしたのである。今は機は熟したと言わんばかりに人里に総攻撃を仕掛けようとしているのである。しかしそれに異論を唱える者がいた。その者は厄介と判断して妖精たちに厳重に警備をするように言った。もし妙な手を使おうとするものなら攻撃してよいと命じて

 

(やっぱりこんなの無謀だよ・・・)

 

そう思う妖精の正体は大妖精だ。彼女はこの計画は実に無謀だとわかっていた。いくら自分たち妖精の力が強くなっているとはいえあの霊夢や魔理沙たちを敵に回しては勝つことは難しい。それでもまだ多勢という武器を活かしてねじ伏せることも出来るかもしれない。しかしそうはさせてくれない人間がいる。それは人里の自警団の隊長を務める人間、木戸真聡の存在だ。あの人間を敵に回せばこの程度の軍勢はあっという間に殲滅されるだろう。それにあの人間の強さを彼女は他の妖精達よりも知っていた。以前この湖を消しとばしたのはあの人間であり、またこの森を強くしたきっかけとなったのもあの人間であるということを

 

(チルノちゃんと戦ってその成長を褒めてくれていたけど、きっとぜんぜん本気を出してない。あの時あの人は炎の力でこの湖を消しとばした。でもチルノちゃんと戦うときは一度も使わなかった。それどころか同じ氷の力で応対していた。本当ならチルノちゃんの苦手な炎の力で一瞬で勝負をつけることが出来るはずなのに・・・多分チルノちゃんに合わせてくれただけだよ)

 

そう判断できた妖精は彼女だけだった。妖精は基本的に頭が悪い。物事をすぐに忘れてしまうものが多い。それに力が強くなったことによる高揚感で舞い上がって冷静な判断が出来なくなているのだ。大妖精は瞬間移動する能力がある。それで真聡たちに知らせたかったのだが、四六時中見張りがあって下手に動けない。初めは彼女も抵抗したのだが、その時はチルノと一緒ではなくやられてしまった。後にチルノが助けようとしてくれたのだが、3対1では敵わず追い払われてしまった。だから最後のアドバイスとしてチルノに叫んだのだ。「強くなりたいのなら強い人に教えてもらった方がいいんじゃないかな?」と。そうすればきっとチルノは真聡を選ぶと、そしてあの人なら協力してくれて、事情も分かってくれると考えたのだ。そうしているとリーダーのサニーミルクは言った

 

「行くわよ!!人里へ向けて出陣!!」

『オ―――――!!!』

 

そして妖精たちが一斉に進行した。すると

 

「待てーーー!!」

『!?』

「む?何者かしら?」

「あ!!あれは!!」

 

すると妖精たちの目の前にチルノが現れたのだ

 

「やい!!この間はよくもあたいの家を壊してくれたわね!!それと大ちゃんを返せ!!」

「チルノちゃん!!」

「あれは協力を求めようとしただけよ。力でねじ伏せるのはサニーのアイデアだけどね」

「協力ってあたい達妖精で人間を恐怖に陥れることでしょ!!第一他人の家壊しといて協力するやつがどこにいるのよ!!!」

「じゃああんたの協力なんていらないわ。この数の妖精たち相手にあなた一人で抗えるのかしら?」

「ふん!!あたいを舐めないでよね。以前と比べてもっともっと強くなったんだから!!!」

「その余裕がいつまで続くかしら?」

「それにあたいは頭があまりよくないけどこれだけはわかる。人里に襲撃したところであたいの師匠にあんたたちなんてあっという間に全滅するよ。そして・・・」

 

するとチルノは身構える

 

「今のあたいを倒せないのなら師匠なんて夢のまた夢なんだよ!!」

「生意気ね」

「炎弾が撃てる妖精たち!!やってしまいなさい!!」

 

すると炎の弾幕を発射できる妖精たちに命じて炎弾を発射された。一つ一つはさして大きくないが、数は多くてスキマはほとんどなかった。しかしチルノは恐れず前に出て冷気を溜め始める。するとその余波だけでチルノのいる場所を中心に霧の湖の水がどんどん凍りつき始める

 

「はああああああ!!!」

『!?』

 

するとチルノは冷気を一気に放出した。するとなんと炎弾は全て凍結して落下してしまったのだ。それと同時に湖が全て凍り付いてしまった

 

「な!?」

「嘘でしょ!?」

「スペルカードでもないのにあの量の炎弾を全て凍結させたですって!?」

 

これには驚きを隠せなかった。以前チルノが攻めてきたときこの炎弾で追い払ったのだ。「パーフェクトフリーズ」でも使わないと炎弾は凍結することが出来ずに多勢に押されて撤退を余儀なくされてしまった。しかし今のチルノは妖精が放つ程度の温度の炎なら凍結して無力化できるようになったのだ

 

「こんな炎、師匠の作った灼熱地獄の部屋と比べたら屁でもない!!」

「くっ!!」

「さあ、覚悟しろ!!」

 

そしてチルノは単騎で妖精の大群に挑みかかった

 

「相手はたった一人よ!!やってしまえ!!」

「あの~」

「何の用?」

「大妖精が突然出てきた輪っかに吸い込まれて消えてしまいました」

「何ですって!?」

「よそ見していていいのかな?」

「!?」

凍符「瞬間冷凍ビーム!!」

 

ビカーーー!!

 

すると前よりも更にパワーアップした氷の光線を発射した。しかも三方向に拡散させて薙ぎ払った。命中した妖精は一瞬で凍りつき戦闘不能になった。今のでかなりの数の妖精が倒された

 

チルノの快進撃が今始まる

 

 




主人公の修行によって普通のアイスバリアでも妖精が放つ程度の炎弾なら凍らせることが出来るようになりました。原作よりも格段にパワーアップしています


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チルノの戦い②

今チルノは1000を軽く超える数の妖精に対してたった一人で戦っていた。傍から見ればチルノの方が圧倒的に不利だろう。数に差がありすぎる。しかし今は妖精の大群の方が狼狽していた。今ので300人ほどの妖精が一撃で倒されてしまったのだから

 

「嘘でしょ!?」

「たった数カ月にあれほど強くなったっていうの?」

 

狼狽するリーダーの光の三妖精を気にもせず、チルノは妖精の大群に果敢に立ち向かう。氷塊をマシンガンのように連続で放って蹴散らしていた

 

 

~霧の湖の外れ~

 

「なかなかやるようになったな」

「・・・凄い」

 

大妖精は今の光景を見て驚いていた。自分の親友があれほどまで強く、そして勇ましい姿に茫然としていた

チルノが戦場に向かう前に真聡に頼んだことは大妖精の救出だった。自分の力で大妖精を巻き込んでしまっては元も子もないからということだ。俺はそれを了承し、フーパの力で大妖精を救出した。俺は今遠くからチルノの戦いぶりを眺めていた。ちなみに現在は霧の湖周辺の空間を操作して外から侵入できないようにした。理由は二つある。一つ目は被害を外に出さないようにするため。もう一つはチルノの戦いを誰にも邪魔させないようにするためだ。湖が凍り付いたら異変だと思って霊夢あたりが駆けつけてくる可能性が高い。だから入れないようにしたのだ。この空間には紫でも入れないくらい強力な力で作ったのでまず侵入できる者はいないだろう。ちなみに霧の湖の近くにある紅魔館の連中と廃洋館に住むプリズムリバー三姉妹にこのことは伝えておいて了承済みだ

 

「さて弟子の成長ぶりを見守るとするか」

 

俺は今回は傍観に徹し、その様子を見守るのだった

 

 

~霧の湖~

 

氷符「アイシクルマシンガン」

ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

氷塊をマシンガンのように連射する。速度は本物のマシンガン並かそれ以上で躱すのは困難だった。妖精たちはそれに被弾して次々に数を減らしていく

妖精達は負けじと普通の弾幕では駄目と悟り、レーザーや炎弾で攻撃してくるがすべて躱されるか、凍らされて無効化した。冷気も強力になっているが、基礎身体能力も高くなっていた。巧みな体捌きで躱してどんどん前進してくる。しかしそこで終わるほど妖精たちも弱くはなかった

 

「今よ!!」

「!?」

 

するといきなり横や真上から妖精の大群が押し寄せてきた。今まで周りの自然と同化して姿を消していたのだ。更にサニーミルクの光を屈折させる能力で妖精たちの姿が見えないようにし、更にルナチャイルドの消音能力で更に気づかれにくくしたのだ。そして炎弾を一斉に発射する。チルノは氷のバリアーを生み出して防御した。氷は分厚くなかなか破壊できない。しかしチルノを防戦一方にすることに出来て勝機到来と三妖精は思っていた。しかし

 

ドッパーン!!シュウウウウウウ~~

 

すると氷はいきなり水に変化し、炎に触れたため蒸気が発生して辺りが白い煙に包まれて視界が悪くなってチルノの姿を見失う。チルノはもともと能力の扱いがなかなか器用であり、魚を凍らせつつも内部には水を残すと言ったことも出来る。それを真聡との修行により更に洗練させて氷をコントロールして水に戻すことも出来る様になったのだ

 

「どこに行った!?」

 

サニーミルクが慌てだすが、次の瞬間スターサファイアが叫ぶ

 

「まずいよ。あいつ大群の中に紛れ込んでる!!」

「「!?」」

 

彼女の探知能力で居場所を探知したが、既に遅かった

 

吹氷「アイストルネード!!」

ビュゴオオオオオオオオオオオオ!!!

 

 

すると妖精の大群から巨大な氷の竜巻が発生して妖精たちはそれに巻き込まれる。三妖精は慌てて離れるが

 

「きゃあああ!!助けて!いやあああああああああ」

 

その中の一人であるスターサファイアが逃げ遅れて竜巻に飲み込まれた。そしてそれが止むとサファイアは他の妖精と同じように氷漬けになっていた

 

「スター!!」

「くう・・スターがやられちゃった」

 

主力の一人を失い、指揮力が低下する。そして竜巻から逃れた妖精たちもチルノに恐れをなしてみんな逃げ出してしまった。もともと力で従わせた関係。いくら妖精が頭が悪いと言われても三妖精よりも強い力を持つことくらいはわかる。その力を目の当たりにすれば我が身可愛さで一目散に逃げていった。ちなみにいうと異空間の内部からなら出られるようにはしてある

 

「あっ!!ちょっと!!」

「どこへいくのよー!!」

 

あれだけいた妖精たちは今は氷漬けになっている妖精を除いて、彼女二人だけになってしまった

 

「さあお前たちもここまでだ。痛い目にあいたくなければ、降参しろ!!」

「うう・・・」

「どうするのよ。これ本当にまずいって。スターもやられちゃったし・・・」

 

しばらくサニーは考えていたが

 

「怯むんじゃないの!!むしろ数が減って思う存分に戦えるようになったわ。あんたなんかに負けてたまるもんですか!!どんな手を使ったとしても勝てば官軍よ!!」

「負ければ賊軍。私たちは負けるわけにはいかない!!・・・だけど」

 

しかしルナチャイルドの戦意はほとんどなく、サニーももはや空元気だった

 

「スリー(一人いないけど)フェアリーズ!!」

 

二人はやけくそと言っていい感じで二人で弾幕を同時に放った。しかし本来の物と違って一人かけているうえにルナチャイルドは既に戦意を喪失しかけている。しかし彼女たちも最後のあがきとして自身の能力で虚像を見せて化かし、弾幕の音も消した。しかしチルノは避ける様子もなく腕を組んだままだった

 

「残念だったね。お前らとあたいでは・・・」

 

するとチルノは膨大な冷気を溜める。そして

 

「格が違うんだよ!!」

凍符「パーフェクトフリーズ!!」

 

するとカラフルな弾幕が大量に放たれた後に強力な冷気を発射した。それは弾幕ごと二人を凍り付かせた。そして凍った弾幕が時間差で動き出し凍って動けない二人に襲い掛かった

 

ドッカーン!!パキパキパキパキ!!!

 

すると空間内はあっという間に氷が覆って氷の大地になった。そこには無数の巨大な氷柱がそびえ立っていた。そして湖の中心にある一際大きな氷柱の上に立ち

 

「あたいは自分よりも弱い人里の人間たちを滅ぼすような真似はしない。だけどこれだけは覚えておけ!!」

 

チルノは大きく息を吸った

 

「あたいは幻想郷で最強の妖精、チルノだーーーーーー!!!!」

 

と高らかに宣言するのだった。その様子を見て調子に乗りすぎるなよとは思いつつもまあこれくらいはいいかと思って見守っていた

 

こうして妖精たちの戦争はチルノの圧勝で幕を下ろす・・・筈だった

 

「へえ、なかなかやるようになったじゃないか」

「!あんたは!!」

「よう!!」

 

一方異空間の外で俺も驚いていた。何と魔理沙がいきなり現れたからだ

 

「なんで魔理沙がここに?」

「いや暇だったから何となくこの湖に来たんだけどさ、そしたら大量の妖精がいたからちょっと様子を見ていたんだぜ。そしたらお前が現れてその一騎当千ぷりを眺めてたんだ」

 

どうやら俺が異空間を張る前に魔理沙はその内部にいたらしい。そして森から様子を見ていたようである

 

「いや最後の技は焦ったぜ。慌てて魔法結界で防御して無事だったけどな」

「それで何の用なの?」

「なーに、見てたらお前がまさかここまで強くなっていることに興味がわいてさ。ちょっと久しぶりに私と勝負してみないか?その様子じゃ物足りないようだし・・・どうだ?」

 

魔理沙はチルノに勝負をしないかと誘ってきた。それを聞いてチルノは

 

「ふふふ・・・いいよ!!魔理沙の言う通り簡単に終わりすぎて物足りなかったんだ。今までとは違うってことを思い知らせてやる!!」

 

魔理沙がチルノに興味を示し、勝負をしかけてくるという意外な展開となった

 

さっきまでの戦いはほんの序章であり、まるでこれからが本当の戦いであるというように・・・

 

 



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チルノの戦いEX

これにてこの章は終了です


「これは面白くなってきたな」

 

と俺は呟く。今前の話はピクシーの聴力で遠くから聞いていた。その時は異空間を解除していたのだが、また張りなおすことにした

 

「さあどこまでやれるかな・・・」

 

と俺はまた見守ることにした

 

 

~霧の湖~

 

「先手は譲ってやる。さあこい!!」

「じゃあ遠慮なくいくぞ」

氷塊「アイシクルマシンガン」

 

チルノはスペルを発動した。チルノも相手が相手なので全力で発射し、威力も弾数も速度も飛躍的に上昇していた。しかし魔理沙はそれを華麗にかわしていく

 

「だいぶ前に戦った時のものとは比べ物にならないな。でも強くなったのは私も同じなんだぜ」

儀符「オーレリーズサン」

 

すると魔理沙は七つの球体を生み出してエネルギー弾やレーザーで反撃する。このスペルは真聡も見たことはある。しかしあの時は4つだったが今のは7つになって虹色になっていた。しかもエネルギー弾もレーザーの威力も格段に上がっていた。これはチルノにはきついかと思っていたが

 

「何の!これくらい!!」

 

チルノはこれに対応してみせた。小さな体を活かして上手にかわしていく。しかし魔理沙も球体を操作し、じわじわと追い詰めていく。そしてここぞというタイミングで一斉にレーザーを発射した。七つのレーザーがチルノに迫るが

 

「はあああああああ!!!」

パッキーン!!

「!?」

 

何とレーザーは見事に凍り付いたのだ。これには魔理沙も俺も驚きを隠せない

 

「ふふん。そう来るだろうと思って冷気を溜めておいたのよ。周りの湖は既に凍っていて気づかなかったようね」

 

どうやら回避しながら冷気を温存して溜めていたのだ。それにしてもついにレーザーまで凍らせてみせるとは

 

「やるじゃないか!!仕留めるつもりで放ったんだけど舐めていたぜ」

 

しかし魔理沙はまだ余裕の表情でむしろ楽しんですらいた。そしてまたチルノは技を繰り出す。チルノは空に冷気を放ち

 

「これはどうだ!!雪崩符「ゆきなだれ!!」」

ドドドドドドドドドドド!!!

 

すると空から大量の雪の塊が降り注いできた。真聡は驚いていた。これはポケモンの技つまり俺の技だ。春雪異変の時に使用した技なのだが、チルノはこの技までもマスターしたらしい。更にチルノ自身からも攻撃が来て上と横からの弾幕に流石に手を焼いていた

 

「ならばこっちはこれだ!!」

光符「アースライトレイ!!」

 

すると魔理沙は高速で何かをばら撒き始めた。するとその投げたものから太いレーザーが下から上へと放たれた。そのレーザーは雪を破壊すると同時に雪雲を払いのけて見せた。これは魔理沙が作り出したマジックアイテムである。そしてそれが止むと続けてもう一つ発動する

 

恋符「マスタースパーク!!」

 

魔理沙の代名詞ともいえるスペルを発動した。威力はかつて魔理沙と戦った時に見た「ファイナルマスタースパーク」をも超えるほどだった。聖蓮船で真聡と弾幕ごっこをしたが、あれからさらに熱心に修行してさらに強くなったようだ。チルノは「パーフェクトフリーズ」で凍らせようとするが威力が強すぎて凍らせきれず、せいぜい減速するのが限界だった。そしてとうとう被弾する

 

ピチューン!!

「くう・・・」

「確かに前よりも強くなったけど、強くなっているおはお前だけじゃないんだぜ?・・・まだやるか?」

「・・・もちろんだ!!まだまだーーー!!!」

 

そしてまた再び弾幕ごっこが始まる。チルノは懸命に立ち向かったが、魔理沙にはグレイズすらできなかった。チルノもあれからは被弾することはなかったがそれでもギリギリで体力も限界が来ていた

 

「はあ・・はあ・・」

「あれからグレイズはしても一発も当たらず躱しきったのは大したものだぜ。「ブレイジングスター」まで躱しきるとは思わなかった」

「・・・」

 

これ以上戦っても勝ち目はないと悟り、チルノは自身の持つ最高の技で決着をつけることにした

 

「これがあたいが師匠との修行も加えた集大成の技だ!くらえ!!」

「!?」

星氷龍「メテオアイスドラゴンキック!!!」

 

するとチルノは天に「瞬間冷凍ビーム」を発射した。すると空から氷の塊、いやエネルギーの塊が降ってきた。それはまるで氷の隕石のようだった。しかしこれだけでは終わらない。チルノは全身に膨大な冷気のエネルギーを身に纏い始めた。そしてそれは巨大な氷のドラゴンと化したのである。そう、それは真聡の得意技である「流星のドラゴンダイブ」をもとにしたものだ。チルノは自身のスペルの一つである冷体「スーパーアイスキック」を昇華させて完成させたのだ。そして氷のドラゴンとなったチルノは一旦天に昇った後に猛スピードで落下してきた。氷の流星を取り込んで超巨大な氷のドラゴンと化したチルノの渾身の蹴りを発動した。魔理沙はそれをにやりと笑いながら八卦炉を構えて迎え撃った

 

魔砲「ファイナルマスタースパーク!!!」

 

すると超極太の光線が発射された。両者の全力の一撃がぶつかり合う

 

「いっけーーーーーーーーーーーーー!!!」

「貫け―ーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

チルノは光線を何としても凍結させて撃ち破ろうとする。そしてさらに力を強めるとレーザーは凍り付き始めた。チルノはこれならいけると内心では思っていた。しかし

 

「強くなったお前が正直ここまでの力を持っているとは思わなかったぜ・・・でもな・・」

 

そして魔理沙は大きく息を吸って言った

 

「まだまだお前には負けられないんだぜ!!」

 

それに呼応してレーザーはより凄まじい威力になった。チルノの凍らせた部分がどんどん破られていく

 

「・・・あーあ、今のアタイなら勝てると思ったのにな・・・」

 

ピチューン!!

 

チルノはレーザーに飲み込まれて被弾したのだった

 

 

~~~~~~~~~~

 

勝負が終わった後、俺は滅茶苦茶になった霧の湖を元に戻した。ディアルガの力が使えるようになって本当に楽になったものである

 

「いいところまではいったと思うが、さすがにまだ勝てなかったか」

「当たり前だ!私に勝とうなんて10年早いんだぜ」

 

いまチルノは気絶しているが、その顔は満足気な表情だった

 

「とはいっても本気でかからないと勝てなかったぜ。こりゃ私もうかうかしていられないな」

「だがお前もあれからさらに強くなっていたじゃないか」

「まあな。いつかお前も倒してやるからな!!」

「ならば俺もさらに強くなるまでさ」

 

そしてチルノは大妖精に預け、魔理沙と別れた。またいつも通りの夜に戻ったのである

 

三妖精をはじめとした妖精たちも戦意は失せてまたいつも通りいたずらをしていく種族に戻っていく。そしてチルノは魔理沙には敗れはしたものの幻想郷で最強の妖精として名が轟いたのは確かなのだった

 




もうこの小説を書いて三カ月の月日が経ちますが、まだまだ頑張りますのでよろしくお願いします


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第八章:神霊廟編+??
幻想郷中に現れた霊


しばらくの間開けてしまってすみませんでした。この頃忙しく話の流れもなかなか浮かばず書けずじまいでした。ようやくまとまってきたのでまた書いていきます


カキ―ン!!キキ――ン!!

 

今、木戸真聡の修行部屋で刀同士の鍔迫り合いの音がこだまする。真聡は今とある人物に対決を申し込まれてそれに応じて戦っているのだ。その相手とは・・・

 

「腕を上げたな!!妖夢!!」

「・・・そちらこそ」

 

俺が今相手をしているのは魂魄妖夢である。彼女もよくこの修行部屋で修行に来ていた。今日はその成果を試すためなのか俺に勝負を申し込んできたのである。俺はそれに応じて今戦っているのだ。妖夢の二本の刀に対し、真聡はメガエルレイドの力を宿して応戦している。傍から見れば一見は互角の攻防だった。しかし

 

(もう軽く一時間は激しい戦いを続けているのに、真聡さんはまるで消耗していない。こっちもまだ戦うことには問題はありませんが、このままじゃこちらが消耗しきってしまう)

 

妖夢の消耗はかなり多かった。大して真聡は全然消耗していない。このままでは駄目だと判断して全力の猛攻で一気に倒すことにしたのだ

 

断霊剣「成仏得脱斬!!」

 

すると妖夢が刀を振るうと巨大な桃色の剣気の柱が発生した。これが何十本も出てくるのだが、真聡は余裕で回避していく。でもこれは想定内だった。妖夢はそれに加え目に映らないほどの速度で移動する

 

「おっと」

ガキーン!!

 

妖夢はもともと射命丸文ですら目で追えないほどの速度で移動できる。しかしそれはためが必要であり距離も短かった。しかし修行の末に溜めはほとんどいらなくなり、距離も長くなった。そこからの連続攻撃は驚異の一言である。剣気の柱と超高速移動からの剣戟で一気に攻めてくる妖夢。しかしそれでも真聡は全て防いで見せる

 

(くっ・・・これでも届かないなんて)

 

妖夢はそれでも攻撃を続けて真聡を斬りつけるが

 

フワア・・

「!?」

「そら!!」

 

真聡は幽香戦でも披露した流水の動きで躱す。妖夢から見たらまるで水を切ったようにすり抜けたと錯覚した。そして妖夢にカウンターを決めた。妖夢は咄嗟に体をひねって直撃は避けれたがダメージはしっかり入っていた

 

「速度も技の鋭さも前と比べ物にならないし、大したものだよ。でも速いだけじゃ勝てない。それにまっすぐすぎていくら早く動けても読まれやすい」

 

と妖夢に言った。しかし妖夢はそれでも諦めずに俺に相対した。そして今度はタメに入る。妖夢は大技を仕掛ける。真聡もまた大技で迎え撃つ

 

人鬼「未来永劫斬!!」

「インファイト・斬!!」

 

春雪異変でもぶつかり合った二つの技。しかし互いにあの時のものを遥かに凌駕する一撃だった

 

ズバババババ―――ン!!!!

 

今回は互角だった。しかし真聡はすぐに切り返して「サイコカッター」を放った。巨大な斬撃となって妖夢に迫る。しかし妖夢はそれをいなし

 

(これで決める!!)

空観剣「六根清浄斬!!」

 

すると妖夢は超高速で移動して真聡を取り囲み、無数の斬撃を放った。しかし真聡もエネルギーを溜めて身構える

 

「大回転切り!!」

 

俺は緑の勇者のオマージュ技で応戦した。超高速の回転攻撃はやがて巨大な斬撃の竜巻のようになって妖夢の攻撃を受け止めた。しかし妖夢は果敢に攻めていき、真聡は一切気が抜けなかった。しかし勝敗が決する時はそう遠くはなかった

 

ド―――――ン!!

 

妖夢は弾かれて吹き飛ばされた。長時間の戦闘と大技の連続で限界を迎えていたのだ。受け身を取ってすぐに臨戦体勢を取るが、既に刀を目の前に突きつけられていた。こうなってはもう勝ち目はなく

 

「・・・参りました」

「なかなか楽しかったぞ」

 

妖夢は降参するのであった

 

「ほら。とりあえずこれでも飲んでいなよ」

「ありがとうございます」

 

俺は妖夢に体力回復の効果が非常に高い独自で作った特製の「きのみジュース」を差し出した。それと同時に「いやしのはどう」を妖夢にかけて傷と体力を回復させた

 

「ふう・・・やっぱりお強いですね。流石閻魔や月人を倒したお方というところでしょうか」

「いやいや。以前よりはるかに強くなっていて俺もかなり苦戦したよ。冗談抜きで純粋な剣術で絞れば今まででも一番手強かったさ」

「だといいのですが・・・」

 

この言葉には偽りもなかったし、正直最後は結構危なかった。もし妖夢に体力が十分にあったらおそらく押し負けていたのはこっちだろう。本当に強くなったものだと感心していた

 

「話は変わりますけど、ここ最近現れている神霊は何なんでしょうか」

 

幻想郷の季節は今は春だった。桜が咲き誇り暖かい風が吹いていく。しかし最近大量の霊が出現したり消えたりしている。人里の人たちは不気味がって、せっかく桜は満開なのに花見に行けずに困っていた。妖夢の話によると冥界にも現れているとのことで近々調査に向かおうと思っているらしい。久しぶりに異変解決に乗り込むので、その前に修行した自分の強さを確かめたくて真聡に挑んできたのである

 

「だったら命蓮寺の裏にある墓場に行くといいぞ」

「そうなんですか?」

「ああ、俺は霊たちとしゃべれるし声も聴けるからな」

 

俺はゴーストタイプの力を宿せるため霊の類のものとは会話ができる。神霊でも可能である。神霊は人々の祈りから生まれたもので同じ霊でも幽霊とは別物なのだが、それでも会話そのものは可能らしい

 

「なんでもそこで聖人が復活するらしくてな。自分たちの欲をかなえてもらおうと集まっているらしい」

「・・・わかりました。情報の提供に感謝します」

 

妖夢は有力な情報をに入れてお礼を言った。そしてしばらくした後妖夢は一旦は白玉楼に帰っていった。しかし内心疑問が妖夢にあった

 

(どうしてそこまでの情報を知りながら何もしないのでしょうか・・・普段なら率先して異変解決へと向かいそうなのに・・・)

 

 

~修行部屋~

 

「・・・まあたまには傍観を決め込むのもいいのかもな」

 

俺は今回は傍観に徹することにした。早苗からも教えてもらったが、今回この異変では特に害があるものではないとのことだ。それならば俺が出なくてもいいのではないかと思ったのだ

この世界は「東方project」というゲームの中の世界であり俺はその世界の登場人物ではない。いうなればイレギュラーな存在であり、今までの異変だって本来なら霊夢たちが解決していることなのだ。ならばそれに従うのもいいかもしれないと思ったのである。それに主人公である魔理沙は最近滅茶苦茶強くなったし、俺と同じく現世で生きていた早苗も相当強くなっていた。それはあの修行嫌いの霊夢も焦って修行するようになったほどだ。まあそのおかげで霊夢もさらに強くなったわけなのだが

 

何にせよ今回は俺の出る幕はないかなと思い、俺は本業である人里の警備に打ち込むのであった

 

 

しかしイレギュラーな存在はイレギュラー事態を引き起こす可能性があることを今は誰も知らない

 

 




次回は霊夢たちの視点になります


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墓場にいる者たち

一週間ほどまた開けてしまってすみません。これから更新頻度がばらつきますけど小説は書き続けていくのでどうかご了承を


~墓地~

 

「うわー!!助けてー!!」

ドカーン!!ドドドドドドドドドドド!!

 

命蓮寺の近くには墓地がある。そこには神霊が大量発生していた

しかし今はそれだけではない。一人の少女の声と爆発音が響き渡っていた。その声の主は・・・

 

「ちょっと!!わちきはただ単に退治の依頼をしただけで悪さはしてないのに~」

 

 

その声の主は多々良小傘である。墓地には人間を不安に掻き立てさせれてくれる場所であり、人を驚かすのを生業にする小傘にとっては絶好の場所だった。そのため彼女はこの墓地が出来てからはよく通っていた。ところがとある存在によって抵抗虚しく墓地を追い出されてしまい困り果てていた。小傘はお世話になっている命蓮寺の面々に相談に行こうとしていたところに霊夢と魔理沙に出会ったのだ。彼女は異変解決を生業にしていることは知っているため、ここを占拠している妖怪の退治を依頼したのである。しかし

 

「妖怪が妖怪を退治してくれなんて滑稽だし、ちょっと怪しいじゃない。まあ妖怪を見たらとりあえず退治が一番よね」

「そんな理不尽な~!!」

 

・・・頼んだ相手が悪かった。それに尽きる状況であった。一方魔理沙の方は

 

「うう・・・あんまりだあ~」

「真聡が教えてくれた「ジョ〇の奇妙な冒〇」という漫画になんかそれと似たようなセリフがあったな」

 

魔理沙は墓地に入ったところに彼女の目の前に倒れている犬のような耳としっぽが特徴的な山彦の妖怪の幽谷響子である。彼女はもともと山に住んでいたが、最近は命蓮寺に入門している。普段は命蓮寺の参道でそうじをしていて、やってきた人間に元気よく挨拶して襲っている。そんないつものような感じで挨拶をする。しかしその声があまりに大きいためうるさいなと魔理沙が言ったのを快く思わず挑みかかったのだ。しかし真聡の部屋修行と積み重なった戦闘経験により洗練された強さを持つ魔理沙に敵う筈もなくあっという間に瞬殺された

ちなみに余談だが魔理沙は今でも紅魔館の図書館に通っている。最近では本を借りるときはちゃんとパチュリーに申告してちゃんと期日通りに返却している。何故ならパチュリーよりもはるかにこわーい存在がいるし、盗んでもしばらくしたらすぐに取り返されてしまうので盗んでも無駄なのだ。その張本人である真聡に漫画をいろいろ紹介してもらったことがあって結構読んでいるのだ。そのため結構漫画には詳しいのである

 

「さあ!!そろそろやられなさい!!」

「いやーー!!」

「おいおい霊夢、そこら辺にしとけって・・」

 

と魔理沙が言っても全く聞く耳に持たない霊夢。しかししばらくすると横から

 

ガキーン!!

「!?」

「ふう・・全く」

「あっお前は」

 

小傘に弾幕が直撃する寸前に横から結界が張られて小傘の身を守った。それをしたのは東風谷早苗である

 

「ちょっと!邪魔しないでよ!!まさかあんたもグルなの?」

「違いますよ。でもあんまりにも霊夢さんが理不尽な真似をするので不憫に思って助けたまでです」

「早苗さ~ん!!」

 

彼女は小傘とは面識があった。真聡が小傘の友人で会ったことがきっかけで話だし仲良くなっていた。小傘は助けてくれた早苗に感謝の気持ちも混ざりつつ泣きつくのだった

 

「妖怪だからと言ってすぐに退治してはだめだと思いますよ」

「だっていろいろ聞くのがめんどくさいし、さっさとやった方が楽じゃない」

「はあ・・」

 

早苗は知っていた。原作では自分も小傘を退治しにかかることも。しかし現実で自分が実際にやることは妖怪が相手だとは言え、特に悪さをする妖怪ではないもの相手にはするべきではない。そう思うため彼女はしないのである。それと真聡ならこんな真似はしないだろうと思うし、彼からの影響も強かった

それと同時にこの異変の真相も知っていた。本来なら解決に行く必要がない異変だ。しかし異変解決を実際に体験した方がいいと思い、それをすることが生業だと思うので向かったのだった

 

「まあいっか。正直こいつはそんなことしそうもないし、見逃してやるわ。手がかりはつかめたし」

「やれやれ」

「た・・助かった~」

 

命拾いしたことに小傘はほっとした

 

「ところでその墓地を占領したやつってどういうやつなんだ?」

「えーとそれは・・・」

「みーつけーたぞー」

『!?』

 

すると後ろから間の抜けた声がしてきた。彼女は宮古芳香。赤い中華風の服を着ておでこにお札が張られた少女でありが、その正体は中国版のゾンビ、キョンシーである。それを裏付けるかのように両腕を前に突き出してピョンピョン飛び跳ねている

 

「ちーかよーるなー!これから先はお前たちが入っていい場所ではない」

「何かあるようだな」

「何を守っているのかしら?」

「えーと・・・・なんだっけ?」

『・・・・・・』

「・・・あ!そうだ!!霊廟を守るためにいるんだった!!」

「・・・脳みそ腐ってるんじゃないかおまえ?」

「腐っても戦士(キョンシー)だ」

「あ・・腐っていたか」

「とーにかーく!ここは通さないぞ!!」

「小傘さん。あなたが言っていたのって・・・」

「うん、あいつだよ。気を付けて!あいつ異常なまでに力が強いし、何よりもこの墓地に漂う霊を食べて体力を回復することができるわ。わちきはそれに競り負けてしまったの」

「そりゃ厄介だな」

「なんでもいいわよ。それなら回復が追い付かないほどのダメージを与えるまで。今回は止めるんじゃないわよ!」

「わかってますよ」

「深き眠りから覚めたこの力で我々の仲間になるがいい!!」

毒爪「死なない殺人鬼」

 

彼女が爪で振るうとそこから大量の紫色の苦無型の弾幕が放たれる。これには毒があって命中すれば命の危機だ。しかし霊夢は表情一つ変えずに躱していく。そして大量のお札による攻撃を芳香に浴びせる。動きが遅いため簡単に命中する。しかし皮膚が固いうえに痛みを感じない体のためダメージはさほどない。芳香は余裕だと思っていたが、霊夢は少し力を込めてまたお札の弾幕を放つ。すると膨大な数と速度と霊力によって威力が上がってダメージが出始めていた。痛みを感じないことは強みでもあるが同時に弱点でもある。何故なら

 

ミシ・・・バキバキ!!

(なんだ?普段よりも動きにくく・・・)

「さっさとやられなさい」

ドドドドドドドドドドド!!!

ガク「!?」

 

痛みとは自身の体に危険を伝える信号であり、その信号がないということは自分の肉体に異常が起きたとしてもそれに気づくことが出来ないのだ。そうなるとこれ以上ダメージを受けてはいけない部位にも痛みを感じないことをいいことに攻撃を受け続けてしまう。そうなると痛みを感じなくても肉体の損傷そのものはどんどん出始めてやがて動かなくなってしまう。彼女はいつの間にか身動きが取れなくなってしまった。彼女は自身の頑丈さと痛みを知らない代わりに動きが非常に鈍重であるため逃げることは簡単だ。それは見方を変えれば回避に向いていないのだ

 

(まずい)

 

流石に芳香も自身の危険を感じて神霊を食べて回復しようとするが結界に阻まれて食べることが出来ない

 

「あの妖怪の忠告が役に立ったわね。そこには感謝するわ」

 

そしてとどめを刺そうと霊夢は霊力を込め始めて

 

霊符「夢想封印」

 

霊夢の十八番ともいえる弾幕を放った。魔理沙と早苗はそれを一目見ただけで分かった

 

「何だかんだあいつも強くなってるんだな」

「ですね」

 

自身の才能と面倒くさがりな性格によって以前は修行は碌にしなかった。しかし最近真聡を筆頭に周りがどんどん強くなっていき出した。腐っても彼女は異変解決を生業にする博麗の巫女。流石にこのままではいけないと焦り出して修行をし始めたのだ。それによって霊夢もまた強くなったのである

 

ド―――――――ン!!

「やーらーれーた―!!」

「悪いけどあんたじゃ相手にならないのよ」

 

キョンシーである芳香をいとも容易く撃破したのであった。そしてしばらく調査すると地下へと続く抜け穴を発見した。一行はその中に入って突き進むのだった

 

しかしその間にも異常(イレギュラー)な存在の姿は徐々に姿を現そうとするのだった。しかしそれは霊夢たちではなかった

 




今作では早苗が東方を知っているためか原作と比べるとかなり常識人です


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イレギュラーによる異変

約二か月の間放置してすみませんでした
多忙とスランプが重なりなかなか書けませんでしたが、また再開していきます


~人里~

 

ザアアアアアアアアアアアアア!!!

 

現在幻想郷では強烈な嵐が吹き荒れていた。風はあらゆるものを吹き飛ばさんと荒れ狂い、すべてを水に流してしまうかのように豪雨が降り注いでいた

 

ピカ!!ゴロゴロゴロゴロロ!!!!

 

しばらくすると巨大な雷が発生して幻想郷を青白く照らし、鼓膜を切り裂くかの如き雷鳴が響き渡る

 

ここ数年稀に見る悪天候だった。既に人里の住人はほとんど外に出ておらず、中には家が倒壊する、またはしかけており大勢を入れることが出来る命蓮寺や阿求邸に避難している者もいた。今外出しているのは困っている者の救助や建物の補強などに努める自警団の団員だけだった。そしてもちろんこの男が中心となっていた

 

「・・・明らかに普通じゃないな」

 

木戸真俊は空を見上げてそう呟く

 

(今起こっていることがもし「東方project」において起こる出来事であるなら早苗は前もって必ず俺に伝えるはずだ。これは描かれなかった偶然によるものなのか、あるいは・・・)

 

何らかの異常(イレギュラー)な存在によっておこったものなのか、ということである。真聡はかつてデオキシスの襲来を経験していることからその可能性も十分あり得るのだ。思い過ごしであることを切に願うのだが

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・ドーン!!

 

それは願いはあっという間に潰えるのであった

 

 

 

~夢殿大祀廟の洞窟~

 

時は少し遡る

霊夢たち一行は墓地で地下に続く道を発見し、その先に広がる洞窟を突き進んでいた。その途中彼女たちは魂魄妖夢と合流した。目的は同じであったため今は四人だ。多くの神霊や妖精が立ち塞がるが、今の四人には遊び相手にもならないほど実力の差があり、数十体で束になっても数秒で全滅していき快調に前へと進む

 

そして今

 

「そんなの当たりませんよ!!」

「あらあら掠る気配すらしないだなんて」

 

洞窟を進んでいると奥から女性が現れた。彼女の名は霍青蛾。仙人を名乗っており、簪を付けた水色の神に半袖のワンピースに羽衣を纏っている。彼女曰く地上で戦った宮古芳香は彼女の手によって蘇った存在で手先であるとのことだ。それが倒されてしまったため、それを晴らすということで彼女たちに弾幕ごっこをけしかけたのである。相手は早苗が担当し、残りの三人は取り囲む神霊を排除しながら、戦いの様子を見守っていた

 

戦況は早苗が圧倒している状態である。彼女は芳香を呼び寄せ二人掛かりで挑んできたが、早苗はそれをまるでものともしなかった。芳香はあの後大量の神霊を吸収してパワーアップしているのにも関わらずだ。芳香を倒したことから普通の人間ではないことはわかっていたが、これほどの強さであるとは思っていなかった

 

開海「モーゼの軌跡」

 

彼女はスペルカードを発動させて一気に勝負を着けにかかった。二人を取り囲む巨大な大津波が発生して底から弾幕が発射される。二人はギリギリで躱していくがこのスペルは原作と違ってそれだけではない

 

「え!?」

ドドドドドドド

 

突然大波が閉じ始める。青蛾はいち早く安全地帯を発見して回避に成功するが、芳香は動きが鈍重なため間に合わず大海に飲み込まれてしまった。彼女は救出に向かおうとしたが、向かえば確実に自分も飲み込まれてしまうのは明白だった。そして

 

「これで終わりです!!」

「ここまでのようね・・・」

 

早苗は隙をついて止めを刺しにかかる。青蛾は敗北を悟り潔く受け入れようと目を瞑るのだった

 

しかし次の瞬間

 

ドドドドドドドドドドドドドド!!!

『!?』

 

突如、途轍もないエネルギーが津波のように洞窟から押し寄せてきたのだ。それは弾幕ごっこ用で威力が低いとはいえ、早苗の弾幕をあっという間に消滅させながら迫ってきた

 

「くっ、「二重結界」!!」

 

霊夢はすかさず強力な結界を張ってこの場にいる全員を守護した。そしてそのエネルギーはそれに弾かれながらも突き進んだ

 

 

~人里~

 

「おお!!」

 

そのころ真俊は人里に「ひかりのかべ」と「リフレクター」をさらに強力にして混ぜた巨大なバリアーを張っていた。何故なら地下から突然すさまじいエネルギーが墓地から迫ってきたからだ。彼はそれにいち早く気づき、食い止めていた。しばらくするとそれは止み、露散していった。人里は無事だったが、墓地は完全に吹き飛んでしまった。凄まじい熱だったようで地面が赤熱、あるいはガラス化していた。しかし何故か所々水浸しになっているところもあった。ちなみにバリアを張る前に発見した犬のような耳をした妖怪、響子を救出しておいた。完全に気を失ってはいるが無事である。安心する暇もなくしばらくすると

 

グオオオオオオオオオオオオ!!!!

 

穴から何かの咆哮らしき音が聞こえた。するとそれに呼応して今度は大地が震え始める。そしてそれは次の瞬間地面からマグマが噴出し始めた

 

「まずい」

 

真聡はパルキアの力を発動させて人里を空間事切り取って異空間へと放り込んだ。こうでもしないと守り切れないと判断したのだ

今現在の幻想郷は大混乱だった。各々の方法でこの異常事態に対応し、中でも守矢神社にいる諏訪子は大地を操って地震、そして噴火を押さえつけていた

 

「どうやら俺の出番らしいな」

 

真聡は異空間にいる人里の住人たちや他の幻想郷の住人たちに呼びかけた後、すぐに霊夢たちの元へ向かうのだった

 

 

~洞窟~

 

一方そのころ

 

「うう・・危なかったわ。あと少しで結界を破られそうだったわ」

 

霊夢たちは青蛾と芳香含めて無事だった。霊夢はかなりギリギリではあったが、防ぎきった

 

「おい!この先にいる主は一体何をしようとしてるんだ!!」

 

魔理沙は青蛾たちを問い詰めた。しかし当の本人は

 

「こんなこと、あの方は絶対するはずがないわ。一体何が起こっているの?」

 

と明らかに狼狽えていた。どうやら彼女の想像もつかないことが起こったらしい

 

「とにかく先に進みましょう!!このままじゃ絶対にまずいことになります」

 

妖夢はそう叫び一行は新たに青蛾と芳香を加えて先へと進んだ。そして大きな穴を見つけた。正確にはそこには巨大な扉があったのだが、跡形もなく破壊されていた。そしてその先はというと

 

「そんな・・・嘘でしょ・・・」

 

青蛾は唖然として膝を地面についてしまった。目の前にあるのはただの更地。本来なら夢殿大祀廟という巨大な建物が建っていたはずだった。しかし今は跡形もなかった。そしてそれを知らない霊夢たちから見ても明らかに異常な光景であることは明確である

 

(こんなのおかしいです!!こんなことあるはずが・・・)

 

早苗は自分が見てきた原作に起きていなかった展開に混乱していた。すると霊夢が何かを見つける

 

「・・・!!誰か戦っているわ!!」

 

その視線の先には三人ほどの人影

 

そして三人には何かが対峙しているのだった

 




久しぶりに書きましたが、やっぱり小説を書くことって難しいです
楽しくもありますがね


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3体の伝説

また二か月ほど空いてしまいましたが続きです。
とはいえ今回は回想が中心でそこまで進展はしませんが、次回からはバトル回になっていきます。


~夢殿大祀廟・跡地~

 

焼き尽くされた大地、あるいは強力な熱でガラス化してしていた。しかしその光景の中には強力な水圧によって抉られた跡がある湿った大地があるという凡そ不釣り合いな状態の個所もあった。

その奥に三人の人影とそれに相対する三つの影。人影の方は既に全身傷や火傷等の傷だらけの様相、対する三つの影の者達は傷を覆うどころか息切れすらしていない。

そして相対する人影、そしてそれを遠くから見ている霊夢たちにも凄まじい「プレッシャー」を放っていた。

 

「また・・・またあちらの世界の存在が私たちを脅かそうというのですか?」

 

早苗はその者たちを知っていた。以前天空より落ちてきた星から現れ、襲撃した訪問者と同じ世界に住む存在であることを

 

それは・・・

 

 

 

~回想~

 

「ふう・・・いっぱい来ますな、太子様」

「そうですね」

 

惨状になる数十分前、夢殿大祀廟には膨大な数の神霊が聖人を訪ねるために漂っていた。それらが空を覆う光景はまるで夜空に輝く満点の星空のようである。神霊たちの目的はとある聖人に願いを叶えてもらう為である。

 

「まだ太子様が復活なさってからまだ間もないないというのにずいぶん集まってきたわね」

「これも太子様の持つ徳の高さ故であろう」

 

その名は「豊聴耳神子」

かつてこの世に生を受けていた時、人はなぜ死ぬ運命にあることに疑問を持っていた。後に彼女を訪ねて来た邪仙霍青蛾から不老不死になることが可能であるという道教のことを知る。一度は退けたが、青蛾の提案により再び手を出し不老死の研究を進めた。最終的に彼女に深い中世を持っていた物部布都を仙一度死ぬことで不老不死となって甦る秘術「尸解仙」を行い成功、それに安心して自らも秘術を施し眠りについた。

 

彼女は表向きには仏教を広めており道教はそれの裏側の存在、彼女にとっては仏教は道教を隠すための存在に過ぎなかった。彼女は仏教はいずれ廃れると思っていたが、その思惑は外れ仏教は日本中に拡大。そして仏教の同士たちは彼女の思惑を見抜き封印。それから約1400年ものの歳月が流れるのであった。

 

そして彼女の存在は忘れ去られ、いつの間にか幻想郷に流れついたのであった。だがその真上に建った妖怪寺、命蓮寺の住職の聖白蓮は危険視して抑え込んでいた。しかし彼女の力をもってしても抑えきれず、ついに長い時を経て復活したのである。夢殿大祠廟に集まってきた神霊たちは復活した彼女の高い特に惹かれてやってきたのであり、彼女たちが作為的に行ったわけではないのである。

 

まだ目覚めて間もないが、彼女は「十人の話を同時に聞くことが出来る程度の能力」を使い、彼らの願いを聞いていた。まだ少し寝ぼけてはいるものの彼女は完全に復活を遂げることが出来た。彼女使える物部布都と蘇我屠自古も上機嫌だった。

 

しかしそれはすぐに一変する

 

屠自古が空を見上げると

 

「!?」

「どうした屠自子?何をそんなにぼうっと・・・!?」

 

上を見ると空がどんどん黒くなり始めていた。神子も二人のそばに駈け寄り天井を見上げる。その時には上空は完全に黒い闇が空を覆い尽くしていた。雨雲でもなく、黒い瘴気のような何かだった。一目見ただけで誰が見ても不吉なことが起こると思うに違いない。そしてそれが起こるのは一瞬だった。

 

「神霊たちの様子がおかしい」

「神霊たちが黒い闇に染まり出しているのか?」

 

神霊たちはこの謎の黒い闇の影響で次々と黒い魂になっていった。突然のことに戸惑う三人。この異常事態を起こした元凶を探そうとする。しかしその直後

 

バリバリド―――ン!!

ゴオオオオオオオオオ!!

『うわああああああ!!』

 

すると突然夢殿大祠廟に巨大な雷が落ちる。そして炎上した。しかもその時に発生した炎は意思があるかのように猛々しく燃え盛る。三人は早急に脱出した。だが次の瞬間

 

ザアアアアアアアアアア!!

 

すると空から強烈な雨が暴風と共に降り注ぐ。それは炎上していた夢殿大祠廟を見る見るうちに消火していった。一瞬で状況が一変し、三人は唖然としていた。だがそうしていたのはほんの一瞬のことだった。

 

三人の前方に三つの獣のような影が現れた。

一つは荒々しい雷を、一つは燃え盛る業火を、一つは凄まじい勢いの水流を纏っていた。それら次の瞬間には一つの膨大なエネルギーとなり解き放たれようとしていた。

 

「太子様!!」

「っ!!」

 

三人は急いで結界を張った。それも全力でである。そして・・・

 

ゴオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

三つの力は解き放たれた。

 

 

 

 

「うう・・」

「だ・・大丈夫ですか?太子様」

「一体・・・何なのよ・・・」

 

三人は傷つきながらもなんとか耐え忍んだ。だが目の前はついさっきまでの光景と激変していた。

夢殿大祠廟は完全に消滅し、仙界は黒い闇に覆われ、大地は無残な状態になっていた。そしてそれを引き起こした三匹は目の前に立っている。

 

一匹は虎のような姿をしており、紫色の雨雲のような体毛を持っていた

その隣は獅子のような堂々とした風貌で火山の噴煙のような体毛を纏っている

そして最後の一匹は三匹とは打って変わり、すらっとした豹を思わせる細身の体格で紫色のたてがみと白い二本の尾をたなびかせていた

 

三匹はいづれもすさまじい「プレッシャー」を放っていた。そのオーラに三人は気圧されかけていた。だが三匹とも様子がおかしいことに神子は気づく

 

「・・・三匹の欲が全く見えない」

 

その三匹には思考が全く見えなかった。神子はあらゆるものの欲望を読むことが出来るが、三匹にはそれがまるでない。まるで黒い闇が心を覆い隠しているかのような感覚を感じたのだ。

しかし神子が感じたのはそれだけではなかった。

 

「更に五個別の欲が」

『え?』

 

振り向くとそこには彼女たちがよく知る人物が、そして見知らぬ四人の人物がこちらに向かっていた。

 

そして今・・・

 

「早苗。あんたあいつらのことを知っているの?」

「ええ。あの三匹は・・・」

 

それは以前真聡が激闘を繰り広げたデオキシスと同じ世界に住む伝説。

ライコウ、エンテイ、スイクンと呼ばれるポケモン達だった。

 

彼女たちの壮絶な戦いの火蓋は間もなく切って落とされることだろう。

そしてその様子を深い闇の中から何かが見下ろしていることにはまだ誰も気づいていない。




正体は三犬ことエンテイ、スイクン、ライコウでした。
ライコウはいいとして他の二体はどういう要素からなのかというと、エンテイは火山の噴火と大地から出るマグマです。これは図鑑にある「吠えるとどこかの火山が噴火する」というところからです。一応描写に前回に雄たけびからマグマが噴出だす描写にしたのはそのためだったからです。まあわかりにくいとは思いますが。
一番悩んだのはスイクンでしたが、ポケモンレンジャーで「嵐を巻き起こして水浸しにしてしまえ」とラスボスが言っていたことを思い出してそれを採用して嵐を起こさせてみました。それと三犬が生まれたときの話で火事になった塔を消した雨の力を授かったというところからも来ています。


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雷の皇帝

時間が出来たのでまた投稿します。
神子たちの口調はこれでいいのか少し心配です。


儀符「オーレリーズサン」!!

 

魔理沙はこのスペルを発動し、三体を攻撃した。放たれる3つのレーザーは的確に相手を捉える。しかし三体は素早い動きで華麗に躱した。

しかし彼女の目的は当てることではなく

 

「それじゃあ先言った通り」

「分かれて戦うわよ!!」

『はい!!』

 

異変の解決に向かった四人とキズが回復した神霊廟にいた四人。合わせて八人がそれぞれ三手に分かれて三体の撃破に向かう。これは先ほど決めた作戦である。

 

 

~回想~

 

「あなたたちは・・・?」

「あんたらが起こした異変を解決に来た者達よ。・・・まあ今はそんなことを言ってられないでしょうけど」

「あいつらがこれを引き起こしたのか?」

「ええ。間違いなく」

「獣のようですけど、でも明らかに普通じゃないことは確かですね・・・」

 

彼女たちが話している様子は三体は攻撃をすることもなくじっと見ていた。だがそれだけでもこの三体からはすさまじい「プレッシャー」を放っており、霊夢たちは緊張せざるを得ない。それは正に強者の風格だった。

 

「・・・戦うのか?」

「面倒だけどそうするしかないわ。このまま放置すれば間違いなく幻想郷は大変なことになる。あの三体はそれほどの相手よ」

 

と魔理沙と霊夢、そして言葉は出さなくとも早苗と妖夢も考えは同じだった。

 

「私たちも一緒に戦わせてくれませんか?」

 

すると神子が霊夢たちにこう声をかけた。

 

「私たちにも原因はわかりませんが、このまま放っておくわけにはいかないことは明白です。微力ながら協力させてほしいのです。いいですよね?三人とも」

「太子様がそうおっしゃるのなら」

「もちろん私もだ。せっかくこうして蘇ったというのにあっという間に我らの世界と夢殿大祀廟を破壊されたことは許すわけにはいかん」

「この者たちの実力は確かのようですし、私も共闘すべきかと」

 

四人は共闘を持ちかけてきた。未だ霊夢たちは(早苗を除いて)この四人の素性はわからず、正直なことを言えば信用していいのか疑わしい。しかし今はそうとも言っていられない事態に陥っていた。

 

「そちらの緑色の方」

「私ですか?」

「失礼ですが、私の能力で探ったところあの三体のことを知っているようですね」

「!?」

「本当なのか?早苗!!」

 

早苗の考えは神子の能力で筒抜けになっていた。しかし今は

 

「・・・事情は後で話します。それより私の考えなのですが、三手に分かれて・・・」

 

早苗は7人に作戦を話す。とはいえそれは三手に分かれて一対多数で戦うという単純なものなのだが。しかし早苗は三匹のことは知っている。その情報をもとに誰があの中の三匹の中でどれを相手にするのかや、弱点などを手身近に説明した。その後早苗は真聡からもらった「かいふくのくすり」で四人のダメージを回復させた。

 

一方、三匹は依然として見つめるだけだった。いつ挑んできてもいいように身構えながら、自分たちに挑んでくる挑戦者たちが戦いを挑んでくることをじっと待ちながら

そして

 

「じゃあ、私のスペルで三匹を引き離すぜ。後はいいな?」

 

そして冒頭に至る。

 

結果は成功。お互いの距離はだいぶ離れた。そしてそれぞれの戦いの幕が開かれたのである。

 

~~~~~~~~

 

バリバリバリ!!

ゴロゴロゴロ・・・ドーン!!

天霊「雨の磐舟よ天へ昇れ」

仙符「日出ずる処の天子」

 

この場は上空に闇の瘴気だけではなく黒い雷雲も大空を覆い尽くしている。

その場にいるのは早苗、神子、布都の三人。相対するは雷の化身ライコウである。ライコウは上空の雷雲と自身の持つたてがみから無数の雷を放ってきた。三人は弾幕を放つが雷によって遮られる上に雷のスピードを宿すと謳われる圧倒的なスピードでことごとく躱される。際限なく放たれる凄まじい猛攻は接近すら許されなかった。

 

「きゃあ!!」

「大丈夫ですか?布都」

「ええ何とか。しかし攻撃があまりにも苛烈すぎる。威力も屠自古のものを遥かに上回る威力の雷をこうも連発されるとなると・・・」

「埒があきませんね」

 

このままでは早苗たちがどんどん追い詰められて雷の餌食になることは目に見えている。直撃すれば一瞬で灰塵に帰すだろう。しかしライコウの方もなかなか命中しないことに業を煮やしたのか、今までとは違う行動に出ようとしていた。

 

ヒュン・・・ズバン!!

「うっ」

「!!太子様!!」

 

ライコウは「でんこうせっか」で姿が見えなくなるほどの速度で一気に接近し、神子を爪でひっかいたのだ。このライコウには何故か能力が通用しない。それ故の完全な予想外の行動に対応できず、もろにくらってしまったのだ。倒れたところをライコウはすかさず牙に雷を纏い「かみなりのキバ」で神子を引き裂き、焼き殺そうとした。

 

「そうはさせません!!」

秘法「九字刺し」

 

早苗はスペルを発動させて縦と横にレーザ-を放って網目のようにして神子の上に発動した。ライコウは突然のことで避けられず、レーザーの網に直撃して爆風によって吹き飛ばされる。

 

「これでもくらうがよい!!炎符「廃仏の炎風」!!」

 

この機を逃さまいと布都は炎の弾幕をライコウに放つ。弾幕は命中し、ライコウは炎に包まれるが

 

グオオオオオオオオオオオオ!!!

バリバリバリドーン!!

「うわ!」

 

ライコウはそれを容易く電撃で吹き飛ばして見せた。そして布都に向かって「チャージビーム」で反撃してきたのである。間一髪で躱したものの今の絶好のチャンスをあまり活かすことが出来なかったのはかなり痛い。

 

「くっなんて奴だ。我の炎を受けてもまるで応えんとは」

 

と悔しそうな表情をしていた。しかしその後

 

「だがそこの巫女よ。太子様の危機を救ってくれたことには礼を言うぞ」

「ええ、助かりました。ありがとう」

「いえいえ」

 

とりあえず一旦仕切り直しというところになった。しかし現状はこちら側が圧倒的に不利だった。地面は雷によって穴だらけであり、高熱によってガラス化したり煙が出ている個所だらけになった。しかしその時早苗はあることを思い付いた。

 

「そうだ!!あの、私に考えがあるのですが・・・」

 

早苗は二人に概要だけ伝える。攻撃を躱しながらだったが、神子の能力のおかげもありすんなりと伝わった。そして早苗は早速行動に移る。

 

秘法「九字刺し」

 

早苗はもう一度先程のスペルを発動する。更に

 

開海「モーゼの軌跡」!!」

 

早苗はライコウの両側に膨大な水量の水の障壁を生み出してライコウを閉じ込めた。上にはレーザーの網、左右は巨大な津波の壁。ライコウは完全に閉じ込められた。そしてレーザーの網と大波から容赦なく大量の弾幕が放たれた。

 

だがライコウはそれすらもこざかしい真似をとでもいうように電撃を溜め始める。そして膨大な量の電撃を「ほうでん」として解き放った。

 

シュゥゥゥゥゥ・・・

 

弾幕は一撃で破壊され、大波は一瞬で蒸発してしまった。それによって水蒸気が発生して視界が悪くなるが大した問題ではなかった。

だがそれは・・・

 

熱龍「火焔龍脈」!!」

 

布都は先ほどよりもさらに強力な炎の弾幕をは放つ。そして

 

ボッカアアアアアアアアアアン!!!

 

突然すさまじい大爆発が発生した。それは広範囲を吹き飛ばし、凄まじい衝撃波が襲った。

 

「おお!!」

「これは一体・・・?」

「ふふふ・・・真面目に理科の授業を受けていた甲斐がありました。」

 

と早苗は少し得意気になっていた。

 

「電気分解」

中学生辺りで理科で習うことだろう。電気分解とは水に電圧をかけることによって水は酸化還元反応を起こすことである。この反応が起こると陽極には酸化反応により酸素が、陰極では還元反応により水素が発生する。先程早苗が発動した開海「モーゼの軌跡」によって膨大な水が発生。それをライコウの「ほうでん」をしたことにより水は電気分解されてライコウの周りには膨大な量の水素が発生していたのだ。それを布都の炎の弾幕により水素が反応し、大爆発が起こったのだ。おまけに酸素も発生していたので炎の温度がかなり上がっていた。先程の弾幕は早苗が思い付いた罠だったのである。

 

早苗達は早苗が弾幕を放った後に大急ぎでライコウから離れ、そして布都が弾幕を放った後にフルパワーで結界を張って爆発を凌いだのである。

 

「実に見事な作戦だったぞ」

「これは間違いなく効いているはずです」

「ええ。ですが・・・」

 

爆発による煙が晴れていく。爆発の中心にはライコウがいた。咄嗟に「ひかりのかべ」を張って威力は軽減したものの、それでも大きなダメージを受けていた。しかし・・・

 

グオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

バリバリバリバリバリバリ!!!!

『っ!!!!』

 

ライコウはそれでも倒れなかった。それどころか今のことで堪忍袋の緒が切れ、雷は咆哮と共にますます猛っていた。その咆哮は空気を歪め、大地を揺るがすほど猛々しかった。

 

「奴め。まだこれほどの力を」

「でも確実に弱ってはいるはずです。」

「ええ。そして今こそ」

 

早苗は身構える。ライコウを次こそ倒すために・・・

 

 




ライコウ  NO.243   タイプ:でんき

ジョウト地方に伝わる伝説のポケモン。かつては名もない一つのポケモンでカネの塔の火災によって死んでしまった。しかしそれを哀れんだホウオウによってエンテイとスイクンと共に蘇るとともに塔に落ちた雷の力を司るようになったと言われている。
体内に宿したエネルギーを電撃として出しながら大地を駆け回る荒々しいポケモン。背中の紫色のたてがみのようなものは雨雲であり、そこかどんな時であっても雷を撃ちだすことが出来る。雷のスピードを宿しており、その遠吠えは落雷の空気を震わせ、大地を揺るがすと言われている。


ずいぶん久しぶりにこのポケモンの解説を書いたなと思いました。


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炎の帝王

タイトルはエンテイのことですけど前半はライコウパートのお話です。
だいぶ話が浮かんできたので時間があるうちに書いています。とはいえ来週の平日はちょっと忙しいのでまた間が空くと思いますが、休日には何とか更新したいところです。


グオオオオオオオオオオオオオ!!!

バリバリドーーン!!

 

雄たけびを上げながら「しんそく」で超高速移動をしながら更に威力の高まった雷を乱発する。「しんそく」はゲームでは配信でしか手に入らない特別な色違いのライコウでしか覚えていないのだが、リアルでは知ったことかというように使用してくる。

 

神子と布都が弾幕を放っても早すぎて当たらず、妨害するための弾幕も電撃で相殺されてしまう。雷の如き激しさと速さで大地を駆け回るライコウの強さは凄まじい。更にライコウは雷を集約して極太の光線へと昇華させた「でんじほう」で薙ぎ払ってきた。それは空気を震わせ、焼き尽くすほどの威力だった。

 

だが早苗には秘策があった。それはある技がライコウには有効だったからだ。

 

大奇跡「洩矢の神脈」!!

 

早苗のスペルの中で「大奇跡 八坂の神風」というスペルがある。これは彼女の仕える八坂神奈子の力を元にしたスペルである。そのほかにも早苗は風を扱ったものが多かった。しかし現在彼女は現人神になって信仰が移ったため二人との境界線が曖昧になっているが、本来は神奈子、そして洩矢諏訪子の力を借りることで奇跡を起こす能力なのだ。今発動したのは諏訪子の力を借りた神奈子と対を成す大地の力を宿したスペルである。早苗がスペルを発動させると大地が震え出した。

 

ズズズズズズズズズズズズズズズ!!!

 

大地のエネルギーを纏った激しい振動はライコウの行動を鈍らせた。そして更に

 

ズッガア――ン!!!ドドドドド

 

大地は地割れを起こしマグマが噴き出し始める。そして地割れから大地のエネルギーを纏った大量の弾幕がライコウに襲い掛かる。

 

グオオオオオ!?

 

伝説のポケモンであったとして弱点とするタイプは存在する。ライコウはでんきタイプであり大地のエネルギーを持つ技、すなわちじめんタイプの攻撃は非常に有効だったのである。

 

ライコウはたまらず「でんじふゆう」で揺れだけでも回避しようとするが

 

「そうはさせぬぞ!!」

「大火の改新」!!

 

布都は自身の持つ最高の威力を持つスペルをライコウに発動。灼熱の炎の渦がライコウを飲み込んだ。ライコウは「ほうでん」で吹き飛ばそうとするが突然眩しい光が頭上から差し込んできた。

 

「太子様今です!!!」

!?

 

ライコウのさらに上に光り輝く剣と化した勺を振りかざしている神子がいた。

 

「詔を承けては必ず慎め」

ズバアアア―――ン!!

 

光り輝く巨大な剣の斬撃がライコウを上から切り裂いた。流石のライコウも大きなダメージを受けて地に落ちていく。そして待ち構えていたかのように早苗がライコウが落下する場所に力を集中させて

 

「これでとどめです!!」

ズッド――――――――――――ン!!

 

一点に集約した大地のエネルギーを巨大な光の柱と化してライコウに解き放つのだった。

 

 

~~~~~~~~~~

 

場面が変わってある一組とポケモンの戦いが繰り広げられていた。

十数本の火柱が天へとそびえ立ち、地面からはマグマが噴き出し、灼熱の熱風が辺りを包み込んでいた。その中心にエンテイが立っていた。威風堂々と灼熱の火炎を操る姿は正に炎の帝王と呼ぶに相応しかった。

 

「くそ!!まるで近づけないぜ。霊夢に結界を張ってもらっているのになんつう暑さだよ」

「文句言っている暇はないわ!!このままじゃこっちが倒れてしまうわ」

 

この場の温度はとても人間、いや並の生物ではとても生きていられないほどの温度だった。おそらく魔理沙の箒、いや彼女たちが着ている服もあっという間に燃え尽きてしまうだろう。霊夢の発動した結界で何とかこの場にとどまっていられる状況だった。しかしそれでもですさまじい熱さであり、霊夢と魔理沙の体力を着実に蝕んでいた。

 

「まずあの火柱を突破しないとね。魔理沙!!」

「任せろ!!でもお前能力であれすり抜けられるんじゃないか?」

「そういうのは奥の手として取っておくのよ。あれ疲れるし。・・・それに」

(なんか引っかかるのよねえ)

 

霊夢は持ち前の勘で何かを察していた。この三匹を倒してもまだ何かあるかもしれないということを。そうなると今自分が持っている霊力をこの戦いで使い切っていいものなのかと迷っていた。出し惜しみするほどの余裕がない敵が今相手であったとしてもだ。

 

「とにかく!!今はさっさとやりなさい!!」

「はあ・・・まっお前に言われなくてもそろそろしていたと思うけどな!!」

 

魔理沙は八卦炉を構えて彼女の代名詞ともいえるあのスペルを発動する

 

恋符「マスタースパーク」!!

 

八卦炉から放った極太のレーザーはエンテイの火柱を貫いた。そしてそのままエンテイに襲い掛かる。

だがエンテイはそれを素早く回避して「かえんほうしゃ」で焼き払ってくる。

 

「それくらいなら当たらないわよ!!」

 

霊夢はエンテイの放つ灼熱の火炎を華麗に躱していく。そして同時に霊力による弾幕を的確に連射して反撃する。霊夢の天性の勘も手伝った相手の動きを読んだ弾幕はエンテイに被弾していく。エンテイは自ら炎を纏って霊夢に突進していくが

 

「そこらへんは気を付けな」

ドドドドドドドドドド!!

!?

 

すると下から何十本のレーザーが発射されてエンテイに襲い掛かった。魔理沙は霊夢が戦っている間に光符「アースライトレイ」を発動しており、レーザーを発射する物体をばら撒いていたのだ。それに怯んだエンテイを今度は霊夢の代名詞と言えるスペルを放つ。

 

霊符「夢想封印」!!

 

霊夢から色鮮やかな弾幕が一斉に放たれた

 

バーーーーン!!

 

弾幕はエンテイに直撃して鮮やかな色をした爆発が発生した。

 

「おー!!さすが霊夢!!また腕上げたじゃないか」

「あんたねえ。あんたがばらまいた奴からのレーザーが私に当たらないかとか考えなかったの?」

「ん?お前なら勘で何とかなるだろ?実際うまくいったし」

「あのねえ」

 

なんだかんだこの二人の付き合いは長い。彼女たちだって何度も異変解決に携わっていくうちに次第に何らかの信頼関係は出来ているのだ。

二人とも実力は高まっており、弾幕の技術の威力も格段に上がっていた。エンテイに大きなダメージを確実に与えていた。

 

グオオオオオオオオオオオオオオオ!!

ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

だがこれで倒れるほどエンテイは甘い相手ではない。彼自身も二人を強敵だと認めたのか炎はますます熱く燃え盛っていた。

 

「いよいよ本気出してきたな」

「そうね。でもまあ・・・」

 

しかし二人もこれで倒れる相手だとは思っていない。本当の戦いはまだこれからであることはわかっていた。

 

「こっちも全力で決めるわよ!!」

「おう!!もちろんだぜ!!」

 

本気を出してきたエンテイに二人は臆せず立ち向かっていくのだった。

 

 




エンテイ   NO.244  タイプ:ほのお

ジョウト地方に伝わる伝説のポケモン。名もなきポケモンがライコウ、スイクンと共に塔を焼いた炎の力を授かって甦って誕生したポケモン。
マグマの情熱を体に宿すと言われており、みなぎる力を押さえきれず全てを焼き尽くす炎を噴き上げながら大地を駆け回る。エンテイが吠えると火山が噴火すると言われている。長い間炎タイプの技に恵まれない不遇な時代がゲームでは続いたが、第六世代からホウオウの専用技である「せいなるほのお」を習得したことによりかつての汚名は消えていったと言える。
劇場版ポケモンの「結晶塔の帝王 ENTEI」で登場。三犬の中で唯一主役を担った。


早苗のスペルは今作のオリジナルです。諏訪子をリスペクトした大地のスペルがあってもいいんじゃないかと思って考えたスペルです。
エンテイは初代ポケモンレンジャーをイメージした感じにしています。初代のポケモンレンジャーは難しくてラスボスのエンテイに苦戦したなと書きながら思いました。


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炎の帝王 その2

書いていくうちに予想以上に長くなったので今回はエンテイオンリーです。


今現在霊夢と魔理沙はエンテイとの激しい戦闘をしていた。エンテイは二人を自分の脅威となる敵だと判断したかのように先ほどよりもさらに温度の上がった灼熱の炎を自在に操ってくる。更に

 

「ちい!!あいつを取り巻いている炎は厄介だな」

 

魔理沙はそう呟く。エンテイの周りに10個の炎が取り巻いていた。大きさは小さいながらその分凝縮された炎のエネルギーを持っているらしく、霊夢と魔理沙の弾幕を防いでいた。灼熱の火柱も合わさりその守りは堅牢の一言。更に「ふんえん」で空から火球が降り注ぎ、灼熱の煙で目くらましをしてくる。魔理沙が「マスタースパーク」で一時的に煙を吹き飛ばしてもエンテイには当たらず、またすぐに噴煙はエンテイを覆い隠す。そこから自在に移動して「かえんほうしゃ」と「だいもんじ」を放ってきた。

 

霊夢と魔理沙にとって火口ポケモンという名の通りまるで巨大な火山そのものを相手にしているようなものだった。二人とも直撃はしていないものの、どんどん体力は奪われている。このままでは二人の肉体は灼熱の炎によって灰燼に帰すの時間の問題である。

 

「マスパを撃っても当たらないし、すぐに噴煙が覆ってしまう。これじゃあ私の魔力は持たないぜ」

「こうなったらあれで直接あいつを倒すしかないわね」

 

すると霊夢は目を瞑る。すると霊夢の周りに8つの陰陽玉が周囲に展開される。これこそが霊夢の奥義「夢想天生」である。

 

「久しぶりに見たな。その技」

「どんな攻撃でも効かなければ意味はないわ!!」

 

霊夢はそのままエンテイに向かっていく。魔理沙は弾幕を放ちながら霊夢を援護する。

 

「夢想天生」は霊夢の能力の「空を飛ぶ程度の能力」を応用した技である。

 

「空を飛ぶ」

一見するとある程度強い力を持ったものなら多くの幻想郷の住人が飛行能力を持っているため、あまり大した能力ではないように思うだろう。しかしこの能力の真の強さはあらゆるものから浮く(・・)ことである。それは重力も、いかなる重圧も脅しも通用しない。あらゆる存在から浮くことで彼女にはあらゆる攻撃を無効化する。つまり無敵になるである。霊夢自身もこの技には絶対の自信を持っていた。

 

思惑通り霊夢にはエンテイのいかなる攻撃を通さなかった。火炎も火球も何もかも・・・

 

だがこれには思わぬ盲点があることを彼女は生れて初めて気づく

 

「しくじったわ。これじゃあいつの居場所が・・・」

 

今の霊夢は実体のない不透明な透明人間のようなもの。いかなるものでも彼女には触れられずすり抜けていく。

 

しかしそれはあくまでもすり抜ける(・・・・・)だけである。

確かに今の霊夢に弾幕を直撃させても効果はなくすり抜ける。しかし相手が弾幕を止めるかは相手の意思によるものであり、霊夢からは攻撃そのものを止めさせられるわけではない。つまり攻撃が効かなくても攻撃そのものを打ち消せるわけではないのである。

そして行動そのものは霊夢の判断によるもの。彼女に炎が包まれていれば彼女の視界に映るのは炎、水なら水である。いま彼女を覆うのは広範囲に及ぶ灼熱の炎とそして噴煙(・・)

霊夢の目には四方八方噴煙しか見えず、エンテイの姿は目に映ってはいなかった。

 

要するに霊夢は攻撃を無効化してはいるもののエンテイの居場所がわからず肝心の攻撃に転じることが出来ずにいたのである。

 

相手は霊力を持ってはいない上に彼女には真聡の波導のように目に映らなくても相手を感知する能力は持っていない。エンテイに攻撃するには彼女自身がエンテイの姿を捉えるしかないのだ。彼女は天性の勘を持っているためいづれはエンテイの姿を捉え攻撃することは出来るかもしれない。しかし彼女の直感で今感じたことは・・・

 

「まずい!!魔理沙が!!」

 

すると霊夢は七色に輝く鮮やかな炎に噴煙と共に包まれる。

 

一方・・・

 

「何だよあれ!!」

 

すると噴煙の中から七色に輝く炎が出始めていた。噴煙はその影響で七色に染まっていく。

これは本来エンテイを蘇らせたホウオウが使える火炎。エンテイはその炎をホウオウから授かっていた。そして噴煙の中から七色の炎が集まり

 

ゴオオオオオオオオオオオオオ!!!

「!?」

 

するとエンテイは「せいなるほのお」をその身に纏って魔理沙に突撃してきた。魔理沙はそれに向かって急いで「マスタースパーク」を発射した。しかし不意を突かれた上に膨大な聖なる火炎の前には通用せずあっという間に打ち消されてしまう。

 

「くっ!!」

 

魔理沙は体を逸らし、反動を利用してその場から離れた。あと一歩判断が遅ければ魔理沙の肉体は跡形もなく消滅していたに違いない。その威力に流石の魔理沙も戦慄する。

 

しかし躱したところをエンテイはすかさず火柱で魔理沙を捉えようとする。魔理沙は弾幕を放ちながら必死に回避していくが防戦一方。霊夢は急いでこの噴煙から脱出しようとするが七色に輝く噴煙は霊夢の視界を奪い、そして際限無く放たれて逃がさない。霊夢は七色の噴煙の檻に閉じ込めらていた。かといって霊夢にはこの噴煙を吹き飛ばすほどの強力な攻撃を持っていない。しかも聖なる炎のおかげで並の弾幕では一瞬にして消滅してしまう。

 

二人は正に絶体絶命。しかし今エンテイに攻撃することが出来るのは魔理沙だけだった。

 

(いくら何でもこれほどの力を持った炎をずっと維持し続けることは多分出来ない筈。あまり私のガラじゃないが今は耐えてみせるぜ)

 

エンテイは怒涛の攻撃を行っていくがなんとか耐え忍ぶ。灼熱の突進や火柱に飲み込まれかけてもただただ必死に回避していく。ほんの数秒でも魔理沙にとっては非常に長く死と隣り合わせの濃密な時間だった。

 

そしてしばらくしてついにその時は来る

 

グウウ・・・

 

エンテイの放つ「せいなるほのお」は少しずつだが明らかに弱り出していた。いくら「せいなるほのお」が使えたとしても所詮は授かって手にしたもの。本来の使い手であるホウオウと比べて威力は劣るし、何よりもそれが体内に宿している容量の差は歴然だった。流石のエンテイと言えども本来の使い手ではないためか限界が来だしていた。

 

魔理沙は遂に好機が来たと感じ八卦炉をエンテイに構える。魔理沙はこの時のために八卦炉に少しづつ魔力を溜めており、いつでも発射できるようにしていた。

 

「星符「ドラゴンメテオ」!!」

 

魔理沙はエンテイの上から強烈な威力の極太の光線を発射する。エンテイは「せいなるほのお」を集約させて迎え撃つが先ほどと違って相殺に止まりだった。

 

「魔符「スターダストレヴァリエ」!!」

 

魔理沙は大量の星形の弾幕を形成してエンテイに放つ。しかしエンテイもこのままでは終わらず灼熱の火炎を駆使して応戦し、魔理沙の弾幕がその身に被弾することはなかった。しかし次の瞬間

 

ドッゴオ!!

!?

 

エンテイの腹から凄まじい霊力を纏った重たい衝撃が走る。

 

「私がいることを忘れないでほしいわね」

 

その攻撃をしたのは霊夢である。霊夢を取り囲んでいた噴煙は魔理沙の奮闘によって弱まり出しており、霊夢は既に脱出していた。エンテイは魔理沙に気を取られたあまり霊夢の接近に気づかなかった。そして炎は止み魔理沙の星形の弾幕がエンテイに襲い掛かる。

 

「たく・・・遅いぜ霊夢」

「あんたこそさっさと仕留めなさいよ・・・でもまあよくやったと思うわ」

 

と霊夢は素直じゃないながらも魔理沙を称賛する。魔理沙も悪い気分はしなかった。

 

「さあ止めを刺すわよ!!」

「おう!!」

 

二人は最大の攻撃でエンテイに解き放つ

 

「夢想天生!!」

「魔砲「ファイナルマスタースパーク」!!」

 

二人の大技は一つとなってエンテイに襲い掛かる。エンテイも力を振り絞ってありったけの力を込めた「せいなるほのお」で対抗するが

 

「はあああああああ!!!」

「いっけえええええ!!!」

 

次第に二人の弾幕がエンテイの炎を押し出していく

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

そしてエンテイを守っている炎を消し去りながらエンテイは光に飲み込まれるのだった。

 

 




エンテイだけ妙に長くなったうえに強くなったような気が
まあ三犬の中で唯一の専用技持ちだし、霊夢と魔理沙のコンビで挑むからということで

周りを囲む10個の炎もポケモンレンジャーからです。なんかエンテイは防御力が高い感じになったなと思います。そして「せいなるほのお」のエフェクトはどのシリーズを見てもとくしゅ技にしか見えないなと思います


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水の君主

スイクン戦です。


今、仙界では三つの戦いが繰り広げられていた。

 

ある場所では黒い空と共に雷雲が立ち込め、雷が暴風雨のごとく降り注ぎ、雷鳴が轟いていた。

別の場所ではいくつもの火柱と陽炎が立ち込めるすさまじい熱気に包まれていた。

 

この二つの光景を遠目から見ただけでも尋常ではない激しい戦いが起こっていることは一目瞭然だろう。

 

だが最後の一つは・・・・

 

「・・・・・・・・・」

ヒュウウウウウウウウウ・・・・・

『・・・・・・・・・』

 

最後の一つは他の二つと違い、時折北風が吹く程度しかなくほぼ静寂に包まれていた。傍から見ると他の二つの光景と比べると見劣りするだろう。

 

しかし、少なくとも今戦いを繰り広げようとする当時者たちは違った。そのあまりの静寂は残りの二つとは違う緊張感が走り、青蛾と屠自古、そして妖夢はまだ反撃には出れずにいた。対して三人を相対するスイクンは三人は静かに見据えている。それだけでも凄まじい威圧感を放ち、その姿は静寂なる水の君主というかのような姿だった。

 

ヒュウウウウウウウウウ・・・・

 

北風はまた吹いていく。この戦いの場を支配する静寂は三人にとってまるで永遠に続くのではないかと思うほどだった。だが戦いの火蓋は唐突に訪れる。

 

ビュゴオオオオオオオオオオ!!!!!

 

北風は激しい「ふぶき」へと変わる。その冷気は大地をみるみる凍結させ、三人を飲み込もうと迫る。

 

「はあああ!!」

ズバア!!

 

一閃。妖夢は刀を抜き放ち真空の刃で迫りくる「ふぶき」を切り払う。これにはスイクンは少し驚いたが、顔色はまるで変わっていなかった。そして今度は

 

ズッドオオオオオオオ!!!

『!?』

 

今度は大地から凄まじい水圧の水柱がいくつも発生する。三人は何とか回避していくが、水柱はますます増え続け追い詰めていく。

 

「くっ、邪符「グーフンイエグイ」」

 

青蛾はスイクンに向かって相手を追い回す弾幕を発射する。弾幕はスイクンを取り囲むが

 

カキ――ン!!

「!?うそでしょ!?」

 

スイクンは自身を「ミラーコート」で包み込み、そして弾幕を反射させた。弾幕は「ミラーコート」の効果で威力が増加し、今度は青蛾を追い回す。青蛾はそれを何とか回避しようとするが

 

ドゴオ!!

「ガハ!!」

 

スイクンは水柱の勢いと共に青蛾に「たきのぼり」をくらわせ、上空へ吹き飛ばす。そしてそのまま上空に跳躍していき口に膨大な水のエネルギーを集約して「ハイドロポンプ」を発射しようとしていた。

 

「そうはさせるか!!」

 

すると屠自古は手に電撃を溜めて天にかざす。すると・・・

 

バリバリ!!ド――――ン!!

 

すると天から雷が落ち、それはスイクンに直撃した。スイクンはみずタイプのポケモン。電撃である雷は効果的な攻撃だった。しかし・・

 

バッシュ―――――ン!!!

『!?』

 

しかしスイクンはそれをもろともせず、標的を屠自古に変えて「ハイドロポンプ」を発射した。遠くから見るとビームと見間違うほどの集約されたすさまじい速度で放たれた水流が屠自古に迫る。

 

「人鬼「未来永劫斬」!!」

 

すると妖夢が屠自古の前に現れ「ハイドロポンプ」を切り裂こうとする。しかし水流の勢いは凄まじくどんどん押し返される。

 

「くっ!!」

ズッパアアアアアアアアアン!!!ズドドドオオオ!!

 

妖夢は何とか「ハイドロポンプ」の軌道を逸らすことに成功する。水流はそのまま地面へと向かっていく。当たった個所は両断され、その後天高く水柱が立ち昇った。

 

「お二人とも大丈夫ですか?」

「ああ。助かった」

「私も危ないところでしたわ。あの水流がもし直撃したら・・・」

(正直ギリギリだった・・・)

 

青蛾は錬丹により自身の体を鋼以上の硬度にすることができ、「たきのぼり」は何とか耐えることが出来た。しかし「ハイドロポンプ」は別。あれが直撃したら肉体はバラバラに引き裂かれてしまったことだろう。妖夢も逸らすことが出来なかったらそうなっていたことだろう。

 

「あいつは今どうですか?」

「あの巫女の言う通り確かに雷は効くようだが・・・あれくらいではあいつには威力不足か」

 

屠自古の雷はスイクンには確かに効果的ではあったものの、あれくらいでは通じんぞとでもいうようにスイクンは余裕で耐え、麻痺すらしていなかった。三人は改めてスイクンは途轍もない強敵だと認識する。

 

「臆してばかりではいけません!!」

 

妖夢は目にも止まらぬ速さでスイクンに迫る。スイクンは水柱と氷柱、「バブルこうせん」で応戦するがそれを華麗に回避していく。やがて距離はつまり妖夢はスイクンに切りかかる。

 

ズバア!!

!?

 

斬撃はスイクンを的確にとらえた。妖夢は続けて攻撃しようとするが

 

ヒュン・・・スカ

「何!?」

 

だがスイクンは華麗なステップをしたかと思えば妖夢の斬撃はすり抜けて空を切る。妖夢は訳も分からず驚くが、そのあと後ろから「れいとうビーム」を発射してくる。妖夢は何とか回避し、また斬りつけるがすり抜けて当たらない。

 

「まさかこの獣、体を液体化させて無効化しているのですか?」

 

スイクンはステップと同時に自身を水へと変化させて斬撃をすり抜けていたのだ。いくら妖夢が斬っても結果は同じだった。しかしその様子を見て

 

「ならば私の電撃で攻撃するのみだ!!」

 

すると屠自古はまた電撃を溜めてスイクンに攻撃を仕掛けようとした。液体化しても電撃なら通用すると考えたのだ。スイクンは妖夢に集中しており、確実に命中させられると確信していた。だが・・・

 

ピカ!!ビビビ――――――!!!

「え・・・」

 

しかし背後からオーロラのような鮮やかな色をした光が差したと同時に「オーロラビーム」が発射される。屠自古は完全に不意を突かれて対応できなかった

 

「危ない!!」

 

すると青蛾は弾幕を展開して、相殺しようとする。しかし咄嗟に出した物で威力は低くて相殺できず

 

ド―――ン!!

「きゃああ!!」

「!?青蛾!!」

 

直撃は免れたものの青蛾は衝撃で大きく吹き飛ばされた。予想外の攻撃で三人は混乱する。そして気が付くと

 

「三体に・・・分身している!?」

 

するとなんとスイクンはニ体の分身を作っていたのである。合計で三体。そのうちの一つが屠自古に攻撃していたのである。そう思っているうちに今度はもう一体の方が二人に「オーロラビーム」を発射する。

 

「うわ!!」

「分身には分身です。魂符「幽明の苦輪」」

 

すると妖夢は分身を生み出して対抗する。しかしただでさえ手強いスイクンが三体も現れるとなるとその強さは驚異の一言だった。三人はスイクンの猛攻に何とか耐えていくがとうとう屠自古が水柱に被弾してしまう。

 

「うう・・・」

「屠自古!!くう・・降霊「死人タンキ―」!!」

 

青蛾はスイクンに向かってスペルカードを発動して反撃に出るが、スイクンはまた「ミラーコート」で反射しようとする。しかし次の瞬間

 

ズバン!!シュウウウウ・・・

「その結界は物理的な攻撃は跳ね返せないようですね」

 

妖夢がスイクンを斬りつける。これは分身だったものの数は減らすことは出来た。続いてもう一体の分身も斬りつけることに成功するが、その直後に本体のスイクンが光り出す。そして倒れている屠自古に今度こそ仕留めるために再び「ハイドロポンプ」を発射した。

 

ズッドッオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

 

先程よりもさらに威力が上がっていた。先程の光は「めいそう」であり、威力を上げることで軌道を逸らすことすらさせずに止めを刺そうとしたのである。青蛾の弾幕も容易く貫通し、凄まじい勢いで突き進む。

 

しかし妖夢はその水流の前に再び立ち塞がる。そして妖夢は刀を構え、「ハイドロポンプ」をただじっと見つめていた。

 

(今こそ修行の成果を試すとき!!私だって強くなったのですから!!!)

 

妖夢は水流をじっと見つめる。その間の時間はほんの刹那の時だった。しかしそれでも妖夢はじっと水の動きを見ていた。水の流れを、飛沫を、何もかもを、

 

そして後ほんのわずかまで迫った瞬間

「(見えた!!)はああああああ!!!」

スパアアアア!!!

!?

 

一閃。

妖夢は「ハイドロポンプ」を一刀両断したのである。これにはさすがのスイクンも驚愕の顔を隠せない。

 

(真聡さんの修行部屋で誰よりも鍛えてきたのです)

 

水を斬ることは光を斬ることよりも難しいという。以前までは妖夢はまだその域には達していなかったし、本来なら何十年の修行が必要だった。だが妖夢はそれを短期間で会得した。

 

しかしこれはあくまでも現実の時間(・・・・・)の流れにおいてである。

 

妖夢は確かに何十年分の修行はしたのである。しかし実際はたったの数年しか時は経っていない。

これを可能としたのは真聡の作った精〇と時〇部屋と同じ効果を持つ修行部屋によるものである。この部屋の効果で短期間での剣の極意の習得を可能にしたのである。

 

妖夢は水を斬る極意を会得したのである。とはいえ先ほどまではまだ不完全であり最初は失敗に終わったが、極限の状況の中で遂にそれを完全にものにしてみせたのだ。

 

「さあ・・決着をつけましょう!!」

 

妖夢はまた刀を構えてスイクンを見据える。その瞳にはまるで迷いが見られなかった。

 

スイクンは一瞬怯みかけたが、すぐに平静を取り戻し本気で迎え撃とうと身構える。

 

決着の時は刻々と迫っていた。

 




予想以上に長くなりましたが、次回で三犬戦は決着します。まあもちろんこれだけでは終わりませんが。

スイクンの攻撃はこれまたポケモンレンジャーを参考にしています。三体に分身する描写は初代ポケモンレンジャーで見せた攻撃方法です。現実ではゲームと同じようにコマンドバトルというのは出来ませんから、アニメやポッ拳などのポケモンが自由に動き回って行動する描写がある方がとても参考になります。

解説は次回に回します。


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