ニセコイ~楽の双子の兄~ (式龍)
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第1話ハジマリ

                        1

黒い髪にをした一人の少年が料理をしていた。彼は一条紳(いちじょうしん)。そして紳の家は一般家庭ではない。

 

「よし、出来た!まぁまぁだがいいか?おい!お前ら楽を呼んできてくれ!」

 

「分かりやした紳坊っちゃん!」

 

紳が味見をして、近くにいた人達に言った。刺青が入った人達。そう、紳の家は『集英組』というここらでは結構有名なヤクザの家だ。父親がヤクザの組長だったので小さい時から弟の楽と育てられてきた。紳は今のところ次期組長候補なのだ。

 

「紳、おはよう」

 

「楽起きたか?飯だぞ!お前らも飯だぞ!」

 

楽は紳に挨拶をすると紳は皆の分を盛りながら楽に返した。大声で他のヤクザ達も呼んだ。するとヤクザ達はしばらくすると歩いて来た。すると喜んで飯を食べていた。美味いと言われると紳は少し笑顔になる。紳は顔は整っていて、スポーツもでき、勉強もできるし、料理が美味いと言う特徴を持っている。特に料理は料理店顔負けの料理をする。楽は顔は一般的で料理はそれなりにできるが、紳程ではない。

 

「それにしても紳の料理は美味いよな!」

 

「ありがとう楽。別にそんなんでもないんじゃないか?5つ星店には負けるぞ」

 

「比べる対象がおかしいわ!?」

 

ご飯を食べながらそんな雑談をかわしていると紳が

 

「洗い物終わったら遅刻するな。楽は先にいってもいいぞ!」

 

そう言って洗い物を急いで始める紳だったが、楽がとなりに来て手伝ってた。

 

「二人でやった方が早く終わるだろ?」

 

「全くお人好しだな、我が弟は!」

 

そう言って洗い物を二人で済ませた。すると後ろから紳と楽の父親が現れて

 

「紳に楽近ぇうちてめーらに大事な話があっから覚えときな」

 

「大事な」

 

「話?」

 

二人は父親の言葉に首をかしげながら言うと紳が腕時計を見ると

 

「ヤバイな遅刻するな!」

 

と若干焦りながら言うとヤクザの一人の竜が大声で

 

「直ぐにリムジンを用意しろ!!バカヤロウ15m級のだ!!」

 

「やめろー!!」

 

竜は15m級のリムジンを用意させようと大声でいい、楽はそれを止めようとしたが止まるはずもない。紳は何でもないかのようにしていた。

 

「おい!早く止めないと俺達の学校生活が!」

 

「いや、今さらだね」

 

紳に手伝えと言おうとしたが紳にそう返されガクっとしていた。

 

                      2

「では坊っちゃんらいってらしゃいやせ!」

 

『いってらしゃいやせ』

 

竜がそう言うと他のヤクザの連中も声を揃えて言った。楽はため息をついていたが紳はもうすでに諦めて開き直ることにしたのである。

 

「あ、坊っちゃん達、実ぁ最近見慣れねギャングどもウチ家の島荒らしはじめやして!気を付けてくだせぇ」

 

「あ、うん!ありがとう竜」

 

「勿体ねぇ言葉です!」

 

教えてくれた事にお礼を紳が言うと涙を流しながら言ってきた。楽は驚いて言った。

 

「はっ····ギャング!?」

 

「実ぁ昨日も耳を飛ばされちまって」

 

一人のヤクザが言うと楽は吹いた。紳は心配そうに

 

「大丈夫かい?」

 

「そんなぁ、紳坊ちゃんにしんされることはありやせん!」

 

「そう?じゃあいってくるよ!いくよ楽!」

 

楽は何か疲れているかのようだった。紳は楽の腕を引っ張て歩き出した。二人で歩いていた。楽は鍵穴がついたペンダントを回しながら歩いていた。

 

「あれ?紳のペンダントはどうしたんだ?」

 

「あー、忘れたな!まぁいいだろう」

 

このペンダントはとある約束をしたときのものだ。ザクシャインラブ(愛を永遠に)と言う意味が込められている。紳と楽は同じようなペンダントを持っている。二人は別の人との約束をした。

肌身離さずに持ってよう。鍵と錠が揃ったら中のものを取り出したら―――結婚しよう。

二人にとっては大切な物だ。そんな雑談を交わしているととある塀のところを歩いていると女の子が塀に上っていた。

 

「え?」

 

「うん?」

 

「げ!」

 

そしてその女の子にひざ蹴りをされた。主に紳が受けていた。



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第2話テンコウ

                 1

「ど、どうしたの!一条くん達」

 

教室に入ると黒髪の短髪の美人の小野寺小咲(おのでらこさき)が心配してきた。ちなみに楽が片思いしている人物だ。紳も小咲とは仲が良い。その為何回か相談を受けたてたりする。

 

「小咲は楽の手当てしてあげたら?」

 

「伸くんの方が酷いけど!?」

 

紳が気を聞かせて言うと小咲は突っ込んできた。まともに紳が食らった為、楽よりも怪我が酷い。

 

「あと、楽にも下の名前で呼んでやったら?」

 

「そ、そんなことできないよ!///」

 

ひとつ提案してあげたら、顔を真っ赤にして照れた。そんなやり取りをしていると楽が舞子集(まいこしゅう)に話していた。集は楽と紳の結構前から友達だ。若干変態っぽいところがある。

 

「はぁ、女通り魔にやられた!?バカいえよあそこの塀は2もあんだぞ!それを越えてひざ蹴りされたってどんな女の子だよ!」

 

「ほんとだって!なぁ紳」

 

「うん、まぁそうだけど···謝ってたし良いんじゃない?」

 

信じようとしない集に信用させるために紳に話を振ってきた。紳は女の子が謝っていたのを聞いていたので良いんじゃないかというと楽はあきれて言った。

 

「紳は相変わらずお人好しだよな!」

 

「お前にだけは言われたくねーよ!小咲、こいつの手当てもしてやれ!」

 

楽も結構どころじゃないお人好しなので紳は自分よりお人好しなので楽に言われて突っ込んだ。そしてそれを小咲にパスした。

 

「え?うん」

 

小咲に絆創膏を張られている楽は幸せそうな表情であった。

 

                   2

「今日から通う転校生を紹介します!入ってきて、桐崎さん」

 

このクラス担当の先生キョーコ先生と親しまれて呼ばれている。そして紹介された人物は金髪に赤いリボンをした美少女だった。

 

「初めまして!アメリカから転校してきた桐崎千棘です」

 

全員が千棘を見て綺麗だと感じたりした。千棘は続けて

 

「母が日本人で父がアメリカ人のハーフですが日本語はバッチリなのでみなさん気さくに話しかけてくださいね!」

 

そう言ってニッコリと笑うとクラスから歓喜の声が上がった。

 

「うおーかわいいい!」

 

「すっげー美人!!」

 

「足細ーい!!何あのスタイル!!」

 

などなどの声が上がった。キョーコ先生が千棘に

 

「じゃあ、適当に後ろの空いてる席に座って!」

 

「はい」

 

そう言って後ろの方へ千棘が向かうと楽と紳を見て、そして楽と紳は千棘を見て

 

「「あー」」

 

「うん?確かあのときの」

 

「お前はさっきの暴力女」

 

 

 

りょ

 

 

「ちょっと楽!さすがにそれはないんじゃんかな?女子に向かって」

 

「紳は優しすぎんだよ!つーかお前の方が酷い怪我どろ!何でこの暴力女に文句言わねーんだよ!」

 

「いやいやあのとき謝ってたし!ね」

 

「え?うんあのとき謝ったわよ!」

 

「あれが謝ったうちに入るか!」

 

「あの楽」

 

「何よ、少しぶつけただけで被害妄想激しいんじゃないの!」

 

「桐崎さん?」

 

「この猿女」

 

「誰が猿女よ!」

 

二人は口論して紳が止めようよしたが止まらずに千棘が楽を飛ばすタイミングで紳が楽を殴った体制をとる。

 

『え?』

 

皆何が起きたか分からない顔だ。紳が楽に向かって

 

「全く楽はダメじゃないか!女子に向かって猿女って誰々でも起こるぞ!」

 

「ああそうだよな、今紳が殴って飛ばしたんだよな!」

 

「そうよ、桐崎さんのはずないわよ」

 

紳が殴って飛ばしたと言うことになった。千棘も驚いて紳の事を見てきたので紳は

 

「ごめん!俺の弟が!」

 

と謝った。

 

                 3

「あのさっきはありがと」

 

「別に構わないよ!それよりはゴメンね!うちの駄弟が」

 

「ええ、良いわよ」

 

廊下で二人が喋っていると楽が

 

「何で皆俺が悪いってなてんだよ!」

 

と突っ込んできた。紳はそれを納めているとキョーコ先生が来て

 

「なになにお前ら知り合いだったの?ちょうどよかった」

 

「「は?」」

 

「何か嫌な予感がする!」

 

紳のよそは的中した。紳のとなりに千棘。その前に楽と言う組み合わせになった。

 

「何でこのモヤシの後ろなのよ!まぁ、優しそうな人の隣でよかった!」

 

「それはこっちの台詞だ!この猿女」

 

「はぁ、俺はこれを止めるのか?」



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第3話サガシモノ

                 1

「無い!無い!なーい」

 

「どうしたの?楽?」

 

突然楽が騒ぎ出したのを見て紳が聞くと焦った様子で言ってきた。

 

「あのペンダントがないんだよ!」

 

「う~ん、どこで落としたか覚えてる?」

 

焦った様子の楽に聞くとなにかを思い出したかのように千棘のところに向かった。そして千棘にそのペンダントを探すように言った。千棘の飛び蹴りのせいでどっかに言ったんだから探せと言うのが楽の言い分らしい。小咲にが何かあったのか心配してきていたが事情を説明した。そして千棘は探してあげる代わりに学校で話しかけるなといっていた。

 

「えっとちなみにえっと名前は」

 

「紳で良いよ。一条だと楽と分かりにくいだろう?」

 

「分かったわ!紳君は別よ!」

 

と言ってきた。言われたときはビックリしたがそのあとからも初日だったので紳が色々教えていた。

因みに紳と楽は飼育係なのだが、キョーコ先生に

 

「あ、桐崎は飼育係に入れといたから!」

 

「「は?」」

 

「マジで?」

 

紳はどうやら自分は厄日だと思っていた。飼育係の仕事は動物や植物の世話をすることだ。

 

「あ、これ楽がケガとか捨てて会ったものを拾ってきたやつだ!」

 

「は?これ全部?」

 

「ああ、全部!」

 

驚いていて千棘はポッカンと口を開けていた。暫くして千棘は植物の水やりだったがバケツを持ってきてかけた。

 

「っておい!桐崎さん!かけすぎ!」

 

楽は適量を調べて計りながらやっていた。

 

「「細っか!」」

 

千棘と紳は二人で突っ込んだ。量はこれからは紳がはかることになった。紳が計った餌を動物たちにあげ終わるとペンダント捜索を開始した。

 

                2

「桐崎さん!ごめんね!弟のペンダントを探すの手伝ってもらちゃって」

 

「あんたさ···本当にアイツと兄弟!?紳くん滅茶優しいじゃん!」

 

千棘は感激したように紳を見る。紳はそうかな?と言って首をかしげた。思い出したかのように言った。

 

「あ、そうだ!桐崎さん!俺と友達になってくれないか?」

 

「え?本当に?いいの?」

 

「いや、誘ってんのこっちだから···まぁ良いけど!」

 

こうして二人は友達になった。このあと二人で仲良く探した。小咲も楽の近くで探すの手伝っているのだ。

 

(紳くんどうしてこんなに優しいんだろう?少しドキドキする)

 

しばらく探しても見つからず、一週間が経過したある日千棘は

 

「ああ~もうやってられるかもうやってられるか!?」

 

「どうしたの?桐崎さん!」

 

「それがね」

 

千棘が愚痴を溢した。それも不機嫌そうに紳は首をかしげて聞いてきた。

 

「クラスの女子に聞かれたのよ!あのモヤシと付き合ってるのかって!」

 

「はぁ!?」

 

そう言うと楽が反応した。紳は楽に視線を向けた。

 

「そんな噂が流れてんのか?」

 

「俺とは噂流れないな?」

 

「お前の場合困ってたら迷わず助けるからじゃねーの?」

 

「そうかな?」

 

楽の噂が流れて自分の噂が流れないことに少し残念がっていた。と千棘は楽に

 

「もう一週間よ!?いいかげんあきらめなさいよ!!」

 

千棘はため息をつきながら言った。その時小咲が通りかかった。

 

「きっともう誰かが持ち去ったか、ごみと間違えて捨てたのね!」

 

「···んなのわかんねーだろ!それにあれは俺にとっては···」

 

「フン!大の男がたかがペンダントを失くしたぐらいで、あんたお気に入りのクマさん無くしたら夜も寝られないタイプ?」

 

千棘はうんざりしたように楽に言った。千棘は続けて楽に

 

「どーせ好きな子にもらったとかなんでしょーけど!あーいやだいやだ!昔のことをズルズル引きずって女々しいったらないわ」

 

それを聞いて楽は昔の女の子が思い浮かんで拳を強く握って叫ぶようにいった

 

「うるせぇーよ!だったらもう探さなくて良いからどっか行けよ!」

 

そういい終わるとポツポツと雨がふりはじめてきた。その場は静になり、千棘は立ち去った。紳は少し悲しげな顔をしながら千棘を追いかけた

 

                 3

「桐崎さん!」

 

「紳くん、どうしたの?」

 

後ろを振り向き千棘はさっき言った事を若干後悔したような表情をしていた。紳は少し笑って言った。

 

「話をしよう!」

 

そう言って紳は説明した。楽と自分の思い出を。千棘は紳も傷つけてしまった事にオロオロしていた。

 

「ご、ごめん!あ、その、そんなつもりじゃあ」

 

「大丈夫!分かってるから!それにたぶん楽の方が大切にしてると思うよ!楽はいつも持ち歩いていた。約束した日から忘れずにね!だから、多分楽の方が傷ついてる。別に謝るのは真っ正面から謝る以外にもあるよ」

 

「···手伝ってくれるの?」

 

「勿論!だって弟と友達のためならね!」

 

そう笑顔で言うと千棘は赤面した。その笑顔にキュンっときたのだ。

 

(なに今の!何かキュンって!ドキドキが止まらない!どうして!)

 

と悩んでる千棘をよそに紳は首をかしげていた。

 

                 4

千棘はペンダントを見つけ出して楽に投げて返したようだ。それで取り敢えずは仲直りができたはずだ。紳はこれからも友達でいようと思っているがこのあとにその関係が変わる。

 



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第4話ハナシアイ

                 1

「お、帰ってきたか紳と楽。ちょいとオレの部屋きな」

 

そう呼ばれて紳と楽は父親に呼ばれて部屋に行った。部屋は道場のような所だった。

 

「話って一体何なんだ?」

 

「今度大事な話するつたろ?思いの外早くことが動いてな」

 

「もしかして最近やって来たって言うギャングと関係あるのか?」

 

「感がいいな!当たりだ!ギャングとの全面戦争になりそうなのよ」

 

真剣に言う父親の言葉に紳は今の問題があるとするならと考えたらひとつしか思い浮かばなかったので言ったら父親は対して驚きもしない。紳の感は結構当たる為今さら驚くことじゃないのだ。

 

「全面戦争ってマジかよ!」

 

「出来れば避けたいね」

 

全面戦争と聞いて紳と楽は驚いた。紳は友達を巻き込みたくないと考えていたので避けられるものなら避けたいと思った。

 

「そこでだ!!この戦争を回避する方法がひとつだけあってな。しかもてめぇらにしか出来ねぇ事だ」

 

「オレらにしか」

 

「出来ないこと?まさかそのギャングのボスの娘と俺か楽のどちらかが恋人になれって?まぁ冗談だけど!」

 

「おう、相変わらず感がいいな!そのとおりだぞ!正確に言やフリだけどな!」

 

紳が冗談で言うとどうやら正解だったたらしい。紳は間抜けな声で

 

「は?」

 

「え?」

 

楽は驚いた声で言っていた。楽が

 

「冗談じゃねー!そんなもんできっか!」

 

「俺は別に構わないよ!」

 

楽は文句があるかのように言ったが紳は案外簡単に言った。父親が

 

「お、やってくれるか?」

 

「ああ、しょうがなくってやつだけどな。楽には好きな人がいるし、俺は別に好きなやつも付き合ってるやつもいないからな」

 

「お前、好きなやつがいるのか?」

 

「お、おい紳!ってかいいのかよ!」

 

「だから、しょうがなくってやつだよ。それとも楽が代わりにやる?···冗談だよ、オレがやるよ」

 

そうかそうかと言っていた。楽は好きなやつがいることを暴露されて焦っていた。そして本ようにいいのか?と聞くと紳が冗談を言うと真剣に考えたらため紳は楽に言った。

 

「よしじゃあ入ってくれ」

 

そう言うと紳と楽がえ?もう来てんの?と思った。

 

「だからまだやるって決めたわけじゃ」

 

「ん?」

 

「あれ?」

 

聞き慣れた声が聞こえた。紳と楽はどっかで聞いたなと思った。

 

「どちらともイケメンらしいよ」

 

「え!?いやいやでも」

 

「さぁ、こちらが恋人となる」

 

「「え」」

 

「うん、やっぱり?」

 

父親が開けるとそこには桐崎千棘がいた。紳は声を聞いて薄々分かっていた。

 

「此方がその桐崎千棘明日から3年間恋人同士になる。どちらがいいかな?」

 

「この人!」

 

千棘は紳の方へ迷わずに指で紳を指した。紳は苦笑いをしていた。

 

                 2

「桐崎さん、ギャングの娘だったのね!これで納得は言ったよ!」

 

「紳くんとそこのモヤシってヤクザの二代目候補って··」

 

「よろしく千棘さん!」

 

にっこり笑うと同時に爆発音がした。そこから眼鏡をかけた人物が現れた。その後ろからギャング達が現れた。

 

「クロード!」

 

「お嬢がさらわれたと言うのは本当だったのですね!ご安心下さい!この不肖クロードめがお迎えにあがりました」

 

「いや、さらわれてないから私···」

 

クロードはビーハイブの幹部の男。そして有らぬ誤解があるようだ。

 

「大丈夫ですか?組長(おやじ)

 

「おぅおぅビーハイブの幹部さん··こいつぁちょっとお痛が過ぎやしやせんか?」

 

竜が現れてその後ろにはヤクザ達が現れた。

 

「今までぁ手加減してやったけんど今度という今度は許さへんぞ」

 

「フン!お嬢にてを出したらどうなるか教えてやる猿共!」

 

そうお互いにビリビリさせていると紳が動いた。紳は竜に

 

「竜下がれ」

 

「しかし」

 

「何?俺の命令が聞けないの?」

 

命令しても下がらない竜に紳は声を殺気を出して言った。紳の殺気は異常で本気で出したら気絶する者だっている。

 

「は、はい!分かりやした!」

 

「さて、クロードさんでしたっけ?」

 

竜を下がらせると紳はクロードに近づき楽と千棘だけではなくヤクザやギャング達も緊張していると

 

「桐崎千棘さんとお付き合いさせていただいている一条紳です。以後お見知りおきを!」

 

『は?』

 

『え?』

 

『えええぇぇー!?』



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第5話シツモン

                 1

「ほ、本当なのですか?お嬢!」

 

「え、えぇそうよ」

 

クロード驚き千棘の方を向いて確認してきた。千棘は戸惑いながら返事を返した。千棘のお父さんと紳達のお父さんが二人で

 

「私達も」

 

「認めた仲だよ」

 

二人がそう言った。するとヤクザやギャング達から

 

「···うおー、そりゃすげー」

 

「坊っちゃんにも彼女ができたんスね!」

 

歓声が上がった。竜が紳に向かって

 

「いやーずっと心配してたんスよ!この歳になって彼女一人出来ねぇから」

 

「本当にめでてぇ!」

 

ヤクザとギャングは盛り上がっていた。クロードは泣いて

 

「お嬢もそんな年頃になっていたのですね!幼少より見守って来たお嬢が立派なレディに成長なされた···これを喜ばずして何がお嬢のクロードでしょう···」

 

膝をついて言った。千棘は戸惑っていた。戦争はおさまるようになろうとしていると楽が

 

「冗談だろ!紳もいいのかよ!こんなゴリラ女が彼女で」

 

「誰がゴリラ女よ!?って言うか紳君っと本当に兄弟!?」

 

千棘は楽を睨みながら言った。するとパンっと音がした。楽の後ろの木の壁に丸い穴があった。クロードが楽にピストルで打ったのだ。

 

「おい小僧!今のは聞き間違いか?事もあろうにお嬢をゴリラだと?···ケツに鉛玉をブチこまれてぇか?」

 

「おい!てめぇ坊っちゃんに何してとんじゃあ!坊っちゃんに手を出したらブっ殺すぞ!」

 

竜が刀で千棘の横の壁を切った。千棘は小さく悲鳴をあげた。

 

「ひっ!」

 

「おい楽!余計な事を言うなよ!」

 

「すまん!」

 

紳は楽に小声で少し怒りながら言った。楽は小声で謝った。

 

「ちっと怪しくないスかね?」

 

「会ってたった10日で恋人ってのも怪しいな!」

 

ヤクザやギャング達が疑い始めた。紳はため息をついてクロードに向かって言った。

 

「クロードさん弟の楽には話して無かったので驚いて言ってしまっただけなのですみません!」

 

と言って頭を下げた。千棘は覚悟を決めたかのように

 

「許してあげてクロード!私のダーリンが嘘をつくわけないでしょ?」

 

紳の腕にくっ付けるようにしていった。

 

                  2

「なぁ、お嬢ちゃん!それでどっちから告白したんですかい?」

 

「え、と···彼から「一目惚れです付き合って下さい」って····とか」

 

恥ずかしいようにそう言った。とかは小さく聞こえない声で言った。クロードはあやしそうに紳に聞いてきた。

 

「ところで私からひとつ質問があるのですが、お嬢の好きな音楽と食べ物はなんでしったけ?」

 

「音楽はクラシックで好きな食べ物はよく知らないな!」

 

「うっ、音楽があっている!しかし、食べ物は」

 

「最近付き合ったばっかりで音楽位しか聞かなかったんですよ」

 

音楽は正解されて、食べ物で攻めようとしたが紳に事前に封じられた。するとヤクザから千棘が質問された。

 

「最後にひとつだけいいスか?お二人はもうキスは済ませたんで?」

 

竜がそう言うとギャング達からもザワッっとした。千棘は顔を赤くしていた。紳は代わりに答えようとしていると

 

「し···ってするわけないでしょ···まだあって10日くらいしかたってないのに!」

 

楽と千棘は終わったと思ったがヤクザとギャングの反応は

 

『ブラボー』

 

歓声が上がるかというような感じで

 

「よかったス!もししたなんていってたら血を見るはめになりやした」



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