化物陰陽師の暗殺教室 (乃上 新耶)
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転級の時間

これは、人にもなれず、化物にもなれず、守ることも、望んだものさえ手に入れることができなかった少年の物語

 

そんな少年が地球を脅かす本物の化物と出会い、人とのふれあいを感じていく話_____

 

 

 

 

 

 

 

少年は何を見て、何を感じ、何を思うのか

物語の始まり始まり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、なんでこのような場所に呼ばれているかわかるかな?草凪(くさなぎ)シルヴィオ君」

 

「はてさて、心当たりがございませんね浅野學峯学園長?」

 

 

 

 

 

さて、僕こと主人公の草凪シルヴィオです。

只今学園長室に連れてこられております。

正直めっちゃ怖い、だって、学園長からただならぬオーラみたいなものが見えるから!

 

 

そのあたりはまぁおいておいても構わないんだけどね。

正直に言うと、この人は底が知れないという意味でかなり怖い。

顔には笑顔でもかなり乾いており、とても子供に向けるような笑顔ではない

 

僕の自己紹介はまた今度にして、今は学園長との話だ。

 

 

 

「君は肝心のテストの日に遅刻して、あまつさえすべて受けていないそうだね」

 

「確かにそうですね。あの日はちょうど学校自体を休もうかとも思っていましたよ」

 

「それは残念だ。せっかく見込み点が入っていたかもしれないのにそのチャンスを棒に振るなんて」

 

「回りくどいのはなしにしませんか?さっさと本代を言ってもらって帰りたいんですよ」

 

「おっと、それは失礼。では単刀直入に言おう

君はE組行きだ」

 

「そうですか。それでは失礼します」

 

 

 

 

勢いと流れを利用して、そのまま僕は立ち去る

ようやく抜け出せたことへの安堵感と緊張感がなくなってついついため息がこぼれてしまう。

 

 

 

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ところ変わって今はA組教室。

 

ただ単に荷物を取りに来ただけなのにもかかわらず、アホ共が群がってくる

 

 

「やぁ草凪君、君E組行きなんだってね〜」

「せいぜい頑張って戻ってきな」

 

蔑んだ目で僕の事を見てくる薄汚れた存在(バカ共)

僕はこいつらの事が嫌いだ

見てるだけで吐き気がする。

 

だからこんな所にいなくてせいせいする。

 

そう思って、荷物をまとめて教室を出て、家に帰る。

 

誰も帰らない時間帯のため、独りぼっちで歩いて近い家まで帰る。

 

 

 

 

とはいかず簡単に適当に買い物と朝一から呼び出されていたのでその分の買い食い、後はゲームセンターにでも寄って適当な機種をプレイして楽しんでいた。

 

 

 

 

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をんなこんなした後にようやく家に帰りついた僕はまずはじめに重たい鞄を下し、制服から動きやすい服装に変える。

 

簡単に行ってしまえばジャージを着ただけだ。

そして着替え終わった後にすることは決まっている。

 

僕は一人暮らしだ。

 

家は親の名義で買ったものだが、僕に親はいない。

何より、僕にとって家族というものが存在しない。

 

ここら辺は置いておこう。

また語る機会はあるだろう。

 

 

どうでもいい話にいきなり反れてしまったが今からやるのはトレーニングだ。

 

一般の人がやる筋トレもするが、僕がやるのはさらに多く、柔軟体操、筋トレ、フリーランニング、そのあとに人目に付かない場所で特別な特訓をするのが僕の日課でもある。

 

まずは家の中でざっと柔軟体操をした後に筋トレを済ませる。

そのあとは家を出て近くにある山を目指す。

一応は私有地であるが、僕のものだから気にする必要もない。

 

 

山の中に入った後は決まっている。

息が上がって体がいうことをきかなくなるまでひたすら走る、跳ぶの繰り返しだ。

 

 

木を伝い、岩を飛び越え、枯れ葉だらけの地面をひた走る、走る、走る。

 

そうしてぶっ倒れるまで走り続けた後はゆっくり息を整えながら体の中に意識を集中する。

 

そこからは特別な特訓を日が暮れるまで続けた。

 

 

 

 

ゆっくり走りながら家に帰りつけば、家の前に見知らぬ車が止まっている。

 

そして玄関前にも見知らぬスーツ姿の男女の二人組。

流石にこんな時間に訪問とは珍しいので裏口から入るわけでもなく二人に話しかける。

 

「あの、家に何か用でしょうか?」

 

すると、髪を逆立てた男が口を開く。

 

「あぁ、君が明日からE組に入ることになった草凪シルヴィオ君か?」

 

「はい、そうですが、あなたがたは?」

 

「俺は防衛省の烏間という」

 

「同じく防衛省の園川です」

 

 

烏間さんの後ろの園川さんは丁寧なお辞儀をしてくるが、そんな堅苦しいことされても僕はかなりテンパるだけなのでやめろください!

 

まぁ、そいったどうでもいいことは置いておくとして、この二人が来たのは要約すると「月を爆破した超生物がいてそいつが担任してるし、お前たちいちばん近くだから殺してくんない?」といったものだった。

 

何それ面白そうだと思ったのはここだけの話だ。

 

その案件を僕は二つ返事で了承したのだった。

 

「最後に質問や注文については受け付けるが?」

 

「質問のほうは自分の目で見て確認することにしますから大丈夫です

ですが、そうですね。

注文については一つ作ってほしい武器があります」

 

そういって、僕は少しだけ席をはずす。

 

2分ほどして戻った時には僕の手には三振りの刀が。

 

「この三本と同じ重さで同じ形の刀を作ってください」

 

なんでもその超生物とやらは普通の鉛や鉄製の武器では傷つかず、特殊な武器でないと傷つけることができないそうだ。

 

 

「わかった、少しあずからせてもらうぞ」

 

「どうぞどうぞ。ただし、持って行くからには重心も全く同じでないと納得しませんよ?」

 

「分かった、開発部にはそう言っておこう」

 

 

ちょっとだけプレッシャーをかけてその日は終わった。

 

そのまま飯を食って、風呂に入り、眠りに就こうというところで明日から会う超生物にとてつもなく興味をひかれている自分に気がついた。

 

(やっぱり、自分より強いかもしれない(・・・・・・・・・・・・)相手に興奮してしまうのは仕方がないよな)

 

そんなことを思いながら、期待に胸を膨らませながら眠りに就いたのだった。

 

 

それが僕の人生とこれから起こる試練(僕が化物になる)の分岐点だとは知らずに。

 

 

 

 




どうもはじめまして!

乃上新耶です!

処女作ですが見切り発車ではありません!
不定期でも一応はちゃんと完結させるつもりです。

よかったら温かい目で見守ってくださると嬉しいです。








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模擬戦の時間


皆様、長らくお待たせいたしましたm(_ _)m

まさか既に18名もお気に入り登録して頂けるとはカタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ
誠にありがたい限りでございます!


感想を下さった5名様も含め、この話が終わるまでお付き合い頂けると幸いです。

ではでは、まえがきが長くなりすぎるのもよくないと思うので、このへんで。

それでは、化物陰陽師の暗殺教室、第2話でございます!!


 

 

 

さてさて、皆さんこんにちは

待ってないかもしれませんが草凪です。

 

今日からぼくはE組に行くことになったため絶賛遅刻しながら校舎裏の1キロ離れている旧校舎に向かっております。

 

なぜ遅刻したかって?

わくわくしすぎて寝れなかったのもあるけど本校舎にいつも行ってたのがギリギリだったからだよ!

 

おかげで周りにいるのは走りながら行っている本校舎の生徒たちしかいない。

 

僕は遅刻が確定しているから普通にのんびり行っている。

そりゃそうだ。

僕は元々が真面目という訳では無いのだから。

 

 

 

そして、本校舎を通り過ぎ、1キロもある山道を通っている。

多分五分の四くらいのところまで来て、いきなり突風がふきあれ、正面に何か大きく、重たいものが落ちるような音がする。

 

 

「初めましてですねぇ、草凪シルヴィオ君?」

 

「初めましてモンスター(殺せんせー)

 

「なんだかルビが逆な気がしますけど!?」

 

「やめろ、メタいこと言うな」

 

 

油断も隙もあったもんじゃねぇ。

まぁ、向こうから来たのはいいことだ。

観察する時間が増えるからな。

観察大事、超大事。

 

 

そうして、職員室へ行き、露出だらけのビッチ臭漂う女教師と、烏間さん改め烏間先生にも挨拶し、今は教室の前にいる。

呼ばれたら入ってくるようにと言われて。

 

しばらく待ってると、けたたましいガスガンの発砲音が聞こえてきた。

 

それもほんの2分足らずで終わり、最後に僕が呼ばれた。

 

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〜渚side〜

 

新しい仲間、皆は時期もあって暗殺者の生徒なのではとワクワクしたりしていた。

 

けれど、入ってきたのは僕達も名前も顔も誰もが知る人物だった。

 

 

 

部活に入ることはないけど、テストの成績は必ずトップ。

オマケにクォーターなので顔の造形が良いため、どのクラスでもモテモテだった。そんなほぼ完璧な人物。

 

 

「草凪くん!?」

 

思わず僕は叫んでしまった。

僕をいじめてくる人たちから救ってくれたこともある人物の名を。

 

 

 

────────────────────────────────────────────────────

 

 

〜シルヴィオside〜

 

 

「潮田渚、とにかく座れ」

 

僕はたったそれだけを言い、潮田を座らせた。

 

殺せんせーが黒板に僕の名前を書き、それに続くように自己紹介をする。

 

「草凪シルヴィオです。

一時的な体調不良のため、このクラスに落ちてきたが、お前達と僕とじゃ色々とかけ離れているからな。

このモンスターを殺したあとはA組に戻ってお前達を蔑んでやるさ」

 

わざとらしいさげすんだ笑顔も作ってこれを言った。

正直に言おう。

 

めっちゃ怖い!!

すっごい怖い!!

 

自分でやっといてなんだけどコレは本当に怖い。

ちなみになぜこんなことをするかと言えば、端的に言えばやる気を引き出させるというのが一つ目。

 

二つ目は僕に近寄らせないための牽制というのもある。

 

 

だが、本当はちゃんと仲良くしたい思いだってあるが、コレは押し殺さなくてはいけない感情だから⋯

 

 

「実に独創的な自己紹介ですねぇ草凪くん。

そんな君でもみんなと仲良くしてほしいんですが⋯」

 

「黙ってろモンスター」

 

物凄く失礼なことを言いながら一番後ろの中庭側の窓際の席に座る。

 

日向ぼっこ出来て気持ちいい⋯zzz。

 

 

気がつけば夕方だった。

それも5限目。

 

本格的に寝すぎた。

 

皆は体育にでも行ったのか教室には一人もいない。

 

 

中庭へ移動すれば、皆がそれぞれナイフを片手に烏間先生に立ち向かっていっている。

 

だが、それでもつい先日まで自衛隊の教官をしていただけあって動きに無駄がなく、みんなのナイフにはカスリすらしない。

 

「やっと来たか」

 

「遅れてすみません」

 

「構わない。

今から君の実力を図るためにも少し模擬戦闘をしてもらう。

相手は俺が努めよう」

 

「それはいいですけど、本気でやってくださいね」

 

ニッコリとした笑顔で言う。

そして、ナイフを取り出し、

 

「それでははじめ!」

 

いつの間にか来ていたタコの合図で僕は走り出す。

 

烏間先生はただ立っているだけ。

そこに僕は拳を出す。

流石に躱されるが、そのまましゃがむと同時に烏間先生の後ろに飛ぶ。

たとえどれほど動体視力が良くても、視界の外にいきなり行かれれば誰でも戸惑いはする。

 

案の定視界から僕を見失った烏間先生は周りを見だす。

 

けれども、僕を見つけることは出来ない。

それは何故か。

僕自身が隠形(おんぎょう)をしているから。

 

まず、隠形とは何かを説明しよう。

人の盲点に入り、視認しにくくなるといったもの。

 

簡単に言ってしまえば目の前にいても見えないのだ。

カゲプロの目を隠す蛇と同じようなものだと思えばいい。(分からない方はGoogle先生に聞いてください)

 

 

だから、目の前にいても気づかない。

そのまま手刀を首に当て、烏間先生が気づき、模擬戦は終了。

 

僕の勝ちで終わった。

 

 

 

 



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己の時間

いやー、割と早く書き上がりました

そして、お気に入り登録者がなんと26名もされていて私は感激してしまいました!!
ありがとうございます(^^♪

それでは、まえがきもこの辺にして、化物陰陽師の暗殺教室、第3話の始まりです!!


模擬戦が終わってから僕はE組の人達に囲まれていた。

こんな言い方をすれば誤解をする方もいるかもしれないけどただ単に皆興味津々で質問攻めをされているだけだ。

 

 

「スゲェな!!あれってどうやったんだ?」

 

「縮地と呼ばれる古武術の技術を僕なりにアレンジしたやつだよ」

 

「何で烏間先生はお前いるのに気づかなかったんだよ」

 

「それは知らないよ」

 

それを言ってしまえば僕の''秘密''がバレてしまうことにもなる。

そうなれば、僕は望みもしない孤独を味わう事になる。

それだけは嫌だ。

だから、どれ程仲が良かったとしても僕は誰にもこの''秘密''は話す気は無い!

 

さて、こんなに囲まれるのは苦手なので早々に抜けさせてもらおう。

 

 

「もう疲れたから休ませて」

 

そう言って僕は輪の中から抜けて木陰に行く。

それからは、体育が終わるまでずっと見学していた。

 

────────────────────────────────────────────

 

 

~渚side~

 

 

 

草凪君が見学してる間、皆は体育にいつも以上に熱心に取り組んでいるように見えた。

 

彼の動きは多分、烏間先生の後ろに行くまで誰も気づかなかったと思う。

 

それほどまでに彼の動きが早かったんだ。

草凪君は縮地って技法を使ったって言ってたけど、それ以外にもありそうな気がする。

 

僕じゃ、到底敵わない場所にいる気がする。

 

多分、皆もそうだと思う。

いきなり現れたA組の人から殺せんせーを殺そうとしてるんだから慌てたり焦ったりする人もいると思う。

だからこそ、あんなに熱心にやっているんだろう。

 

 

けど、僕は現実を見せられた気がした。

草凪君は勉強も出来るし、運動だって出来るんだって見せつけられた気がしたんだ。

もしかしたら、そういうのもあるのかな。

僕がこんなに落ち着いて周りを見られるのは。

 

 

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~草凪side~

 

 

体育の時間が終わると、烏間先生が近づいてきた。

 

「あの時、俺は君が突然目の前に現れていつの間にかナイフを当てられていたようにしか思えなかった。

一体、どうやって俺に当てたんだ?」

 

やっぱり聞かれるよね〜

そりゃわけも分からない間にやられてるんだもん。

 

「烏間先生が見落としていたんじゃないですか?」

 

とりあえずは濁してみる。

烏間先生は納得していないような、腑に落ちないような顔をして離れていった。

 

でもね、許してください。

今のご時世、僕の様な異物は隠れ潜むしか無いんですよ。

例えば占い師や霊能者ならまだ他の国では許される。

けどね、僕の血筋はあまり公にはできないんですよ。

僕の様な"滅ぼされ、朧気にしか伝えられていない家''はね。

 

 

何時頃からか、僕は周りとは違う、人間でも、ペットでも無い何かが見えるようになっていた。

 

何故かは分からない。

分からないけど、それが当たり前になってた。

その頃にはもう両親も他界していて生きる術は自分で見つけるしか無かった。

だから、僕は"そういう事"に精通すると思えば全て調べた。

 

誰からも教わることはなく、自分ひとりで全て試行錯誤してきた。

 

そうして出来たスタイルが今の僕のスタイルだ。

 

僕のスタイルは僕の秘密の力を最大限に引き出しながら戦うというものだ。

 

僕はただの消された家の子孫というのも調べていく中で分かったことだ。

 

そうであれば、僕はなるべく秘密裏に動かなくてはならない。

けれど、僕1人では限界があるのも確かだった。

だから僕は、政府に直接掛け合ったりもしていた。

 

己の力の一端を見せるだけであっさりと信用し、自分たちの為に役立てようと模索しながら僕の事を隠し、僕の要求はほとんど叶えてくれた。

 

だからこそ、家もあるし、お金だって困ったことは無い。

ただ一つ言うならば、僕を道具として見ている節があることだろう。

 

僕は人の心も読むことが出来るというのに、それを知らず僕を兵器と見ていたり、道具として見ていることをバレていないと考えてる脳無しの政治家たちに吐き気がする。

 

ただの一"陰陽師"ごときに、それほどの価値があるとは思えないけど、それでも僕は、今僕の守りたいモノのために全力で戦うだけだ。

 

僕の過去は血塗られている。

恐らく、暗殺者のイリーナ先生よりも。

 

 

 




ここまで見てくださってありがとうございますo(_ _)o ペコリ
本当、これに関しては自分でも何が書きたかったか分かりません(;^ω^)
多分色々濁しながらシルヴィオの事を知って欲しかっただけですね(^ω^;);););)

それでは、また次回も見てくださると作者はとても喜びます!!
感想などもどしどし待っております!
どうぞこれからも化物陰陽師の暗殺教室を宜しくお願いしますm(_ _)m


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決闘の時間

なんだか最近調子いいなーとかかなり調子に乗り始めている乃上です。

でも本当にこんなに早く書き上がるとは正直思ってもいませんでしたよ!

僕プロットなんてものも作ってないのでいつもそのまま書いて投稿なのでクオリティとかも酷いものですけどね(;^ω^)

では、今回も長くなりそうなので前書きはこのあたりにして、化物陰陽師の暗殺教室第4話の始まりです!!


何かを守りたかった。

何かを救いたかった。

そのための力だったはずなのに・・・

 

 

 

__________________________________________________________________________________

 

 

 

~シルヴィオside~

 

 

さて、少しだけ過去のことも語ったことだし。

過去の話は今回は置いておいて、皆の進み具合はどうかなと思った時にはすでに鐘が鳴っていた。

 

 

戻って体操服から制服に着替え、教室に戻ってHRの準備をする。

 

その時になって烏間先生から呼び出された。

また聞き出そうとするわけではないよな・・・

 

 

 

「先ほど届いたばかりだそうだ。

これを使ってどうするかは君次第だ。だが、その時にはちゃんとした本気を見せてもらうぞ」

 

 

バレていたのがかなり衝撃的すぎて驚いてしまった。

人間としては確かに全力でも、全霊を尽くした本気を出していないのは間違いないからだ。

本当にこの人は何者なんだか。

 

 

「分かりました。では、後できちんとお見せしますよ。

よく見ておかないと、二度と見られませんからきちんと見ていてくださいね。」

 

そう言って僕は職員室を去る。

 

その手には三振りの刀があった。

 

二本は小太刀、一本は侍が腰に穿いているような長い刀。

間違いなく、転級が決まった時に注文していた三振りの刀だった。

 

 

それを手に、僕は教室へ戻る。

 

初めの決戦のために。

地球を破壊しようと目論む化物を殺すために。

世界を守るために。

二度と、己の過ちを繰り返さないために。

 

 

 

 

教室に戻った僕が最初にしたことは――――――――

 

 

「殺せんせー、僕と決闘をしてください」

 

 

ただの自殺行為と変わらない行為だった。

 

僕はそれだけのためにこの場所に来たわけではない。

ただ単に居場所がほしかったのもあるが、それ以上に僕は、この椚ヶ丘中学園の生徒皆を守るという呪いを自分自身に架している。

 

それはなぜか。

二度と同じ過ちを繰り返さないためだ。

 

 

「いいでしょう、そう簡単には殺されませんよぉ~?

ヌルフフフフフフフフフ」

 

そう言って顔を緑と黄色の縞模様に変えてニヤけている。

簡単にいえば、僕のことをナメている。

 

そうやってナメてくれればナメてくれるだけ僕はやりやすい。

 

だってそうだろう。

簡単に言ってしまえば、殺せんせーは油断してくれていると言い換えてもいいのだから。

 

「場所はどこでするのでしょうか?」

 

「グラウンドの真ん中です。

ルールは先生が決めてください」

 

僕は一足先に行って待つことにした。

 

 

 

 

__________________________________________________________________

 

 

グラウンドの真ん中で、僕とモンスターは対峙したまま話す。

 

「さて、草凪君。いつでもいいですよ。」

 

相も変わらず縞模様に顔を変え、こちらをナメきっている。

 

「分かりました。

それでは、僕が使用するのはこの長い刀1振りのみです。」

 

「それだけで先生を殺せると?

ヌルフフフフ、甘いですねぇ〜」

 

「甘いかどうかはあんたが決めればいい、けれど、僕の何も知らないあなたは確実に追い詰めることは出来ますから。」

 

そう言って、小太刀の二振りは地面へ置き、腰には一振りだけになった刀。

その刀を抜剣、構えもなく、右手で持ち、ダラリと下ろす。

 

ただ立っているだけで、僕はまだ何もしない。

否、してはいるが、誰にもわからない。

 

目を閉じ、自分の中にあるものを意識する。

ガチャリと重たい扉が開くような音がする。

周りから見た僕の目は血のように紅く染まって見えることだろう。

これが僕の本気。

体に普通の人には出ない力を纏わせることで、僕の身体能力は人間を超える。

目を開き、紅に染まる目を見せる。

全ての能力が上昇し、動体視力など、全てにおいて向上した僕の感覚を使って、殺せんせーの動きを見る。

 

ただ油断なく構える訳では無いらしい。

自分では気が付かないかもしれないが、足と思わしき触手が動いていない。

 

力を入れているのであろう。

だけど、今の僕なら!!

 

殺せんせーはギョッとした。

それはそうだ。

人間とは思えない早さで僕が接近して足の触手を二本切り飛ばしたのだから。

 

だから、僕は追撃をする。

更に手の触手を二本切り飛ばす。

この時に先生は空中に逃げ、切り飛ばされた部分を再生させる。

 

でも、空だからって関係ないよ。

 

続いて僕の背中から翼が現れる。

制服を破き、白い、大きな翼が。

 

だけど、僕は構わずに空を駆け、殺せんせーに向かって刀を振るう。

 

制空権がどちらにあるかは分からない。

速度では叶わなくてもそれを出させなけばいいだけの話なのだから。

 

殺せんせーはじわじわと追い詰められていく。

 

遂に殺せんせーを叩き落とした。

トドメを刺そうと僕は畳み掛け用としたが、

 

「ゴフッ!?」

 

僕の体が許してくれなかった。

 

僕は血を吐き、倒れ込み、背中の翼も消えてしまい、動くことが出来なくなってしまった。

 

あぁ、目が霞む。

力が入らない。

瞼も重いや・・・

少しだけ、休むとしよう。

 

そう思い、僕は目を閉じた。

 

 




いやー、相変わらず短い!!
ここまでお付き合いいただいてありがとうございます!!
今のところ、私は殺せんせーの生存ルートか死亡ルートを変えずにそのままにしようか迷っているのですが、どちらの方がよろしいでしょうか?

後ほど活動報告にてアンケートを取りたいと思いますので、よろしければご協力お願い致しますm(_ _)m


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心配の時間

サブタイトルが思い浮かばない⋯。

そんなわけで、現在職場で執筆しております。←おい

まぁ、そんな些細なことはどうでもよくて、また長くなる前に!

化物陰陽師の暗殺教室、第5話です!!


 

 

 

 

 

「殺せんせー!!」

 

皆は一斉に駆け出した。

 

初めは僕も含めて皆唖然としていた。

それはそうだ。

人間とは思えない速さで殺せんせーに近づき、触手を合計6本破壊してるんだから。

 

おまけに、人間が空を飛んだ。

これはありえない話しだったのに、草凪君は飛んだ。

一点の穢れのない、澄み切った白い翼で。

 

だからこそ、唖然としていた。

同時に有り得ないとも、怖いとも。

 

殺せんせーはいずれ誰かが殺さなくちゃいけない。

けど、その誰かは僕たちの中の誰かだと思っていた。

にもかかわらず、草凪君は新しく入ってきて初日に殺せんせーをあそこまで追い詰めた。

 

そのことに対しての恐怖と焦燥を皆どこかで抱えながら見守っていた。

 

そして、殺せんせーが叩き落とされ、草凪君がトドメを刺そうとしたのだろう。

刀を突き出した体制で降りてきた。

 

その瞬間、

 

「ゴフッ」

 

突然、バランスを崩し、殺せんせーから離れて落ちていった。

血を吐きながら。

 

殺せんせーはまだ生きている。

息は上がっているが、それでも草凪君から切られた触手は全て再生していた。

 

 

僕ホッと息をついたが、その直後に草凪君を見ると、みんな含めて蒼白になる。

 

「ゲホッゴホッゴプッ」

 

大量の血を吐き、倒れた草凪君がいたからだ。

 

「皆さん、草凪君を急いで保健室へ運んでください。

先生も後で行きますから」

 

そう言った殺せんせーも慌てている。

磯貝君と前原君が急いで運んでいく。

 

保健室に行く頃には草凪君の吐血は無くなっていた。

 

その変わり、グッタリとして、まるで死んでるみたいに眠っている。

 

「すまなかった。俺が本気を出せなどと言わなければ、こんなことにはならなかったはずだ」

 

「今謝るのは私たちではなりません烏間先生。

そう言う相手は草凪君に対してです。

ですが、二度と生徒に危険な真似をさせないようにしてください」

 

外ではそんなやり取りが聞こえる。

 

多分烏間先生が草凪君に何か言ったからああなったと思ったのだろう。

 

皆お通夜みたいな雰囲気だ。

とても暗い。

多分僕も同じ顔だと思う。

人が血を吐くところなんて、誰も見たことがないはずだ。

そういったことから僕も皆も暗かった。

 

~翌日~

 

 

昨日の殺せんせーと草凪君の対決の翌日、僕達はまだ暗いままだった。

 

「草凪、大丈夫なのかな?」

 

ふと呟いたのはクラスのムードメーカーの一人である磯貝君だ。

 

「でもさ、あんな殺せんせーにも引かないどころかむしろ押してたようなバケモノじみた奴だから案外ピンピンしてるんじゃねぇの?」

 

逆にあっけらかんとしてるのはもう1人のムードメーカーの前原君。

 

「そうだとしてもあんなに血を吐いてたんだよ?

心配にもなるさ」

 

中村さんもいつもの元気さが嘘のように消えている。

そんな時────────────。

 

 

「暗い、重い、辛気臭い、なんだこの教室は。

そんなんだからE組はE組のままなんだ」

 

話題に出ていた人物が。

皆が心配して、誰もが気にかけていた人物が憎まれ口を叩きながら、しかし元気そうに教室に入ってきた。

 

「草凪君!?

体は大丈夫なの!?」

 

「潮田渚、お前はうるさいな。

僕はお前達と違って鍛え方が違う

むしろ心配するだけ損だと思え。気が楽になるぞ」

 

「そんなこと出来ないし、心配くらいするよ。

クラスメイトなんだから」

 

草凪君は相変わらず憎まれ口のままだったけどそれでもやっぱり無事だったのは嬉しい。

 

みんなの空気も大分軽くなっている。

 

「草凪君、お昼休みになったら職員室に来てください。

大事な話がありますので」

 

どこから現れたか分からない殺せんせーが少し怒り気味で草凪君を呼ぶ。

怒っている証拠に顔が赤になっている。

 

「自分の命を大事にしろとか言うつもりなら行かないね。

自分がしてることがどういうことなのか考えてからものを言えよ殺せんせー(モンスター)

 

「ぐぬぬ⋯」

 

何も言い返せなくなった殺せんせーは結局は諦めたようだった。

 

 

なんで君はそんなに独りでいようとしてるの?

草凪君⋯

 

 

~シルヴィオside~

 

昨日、僕が無茶な殺し方をしていたせいで僕の体が悲鳴をあげた。

 

結果として血を吐き、倒れてそのまま今まで寝ていたということだ。

 

教室に入ってモンスターが来た時に何やら説教をしたかった様なので、己を見つめかえそうとさせた。

たった一言言っただけで引っ込みやがったからしらけたけど。

 

まぁそんなことよりも、またもや取り囲まれている。

何故だ(真顔)

 

「昨日のやつあれが本気なんだろ?

草凪すげぇじゃん!!」

 

「縮地だっけ? あれって烏間先生とした時より速かったけどどうやるんだよ?」

 

ワイワイと僕の周りで質問会みたいになっている。

けど、今回は丁寧に答えるつもりなどない。

 

「悪いけど、昨日のことは話す気にはならない。

悪いけど、話すことは無いよ」

 

「いいえ、君は私を殺すことが出来なかった。

従って、私は君にいうことを聞かせる権利がありますねぇ」

 

 

いつも通りのニヤニヤした顔のまま、顔の模様を縞々に変えてタコが言い放つ。

 

正直、話すなら長くなるが⋯。

 

「僕のことを話すなら、2時間目まで潰れることになりますよ?」

 

「構いません」

 

即答されてしまった。

こうなってしまっては仕方がない。

僕の過去から話し始めるしかない。

 

 

「長くなるけど、聞きたくないやつは聞かなくていいし、眠くなったら寝るといい。

昨日の速さとか全部話すなら過去から話し始めた方が理解しやすいだろう」

 

「それでも僕は、僕達は知りたいんだ。

草凪君のこと、全く知らないから」

 

 

まだそんな甘いことを言う潮田渚。

しかし、こんなに純粋な目をされたら僕は話さないなどという選択はない。

 

 

「はぁ⋯。

仕方ない。

⋯⋯あれは、丁度四年前、僕達がまだ小学生の頃の話だ」

 

 

僕は話し始めた。

僕の嫌な記憶を。

僕の血塗られた過去を。

僕の最大の罪を──────────────。

 

 

 

 

 




さぁさぁ、ようやく5話ですよ!

てか、もう5話まで更新したにも関わらずストーリーが全然進まない_l ̄l●lll

それでも、最後までは書こうと思うので、皆様お付き合いいただけると嬉しい限りでございます!!

良ければ感想、アンケートどちらも受け付けておりますので、よろしければ書いてくださると発狂しないまでも喜びますww

次回はシルヴィオの過去を書いていきます。
どんな過去があるのかwkwk

というわけで、また次話でお会いしましょう!!


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過去の時間(襲名編)

さてさて、ただ今私、仕事で出張に行ってまして、その帰りのバスの中で書いておりますはい。

前のように仕事しながら書くだなんてことは一切してませんからね!!
全然ホワイトなゾーンですよね!?

とかどうでもいい茶番とリアルの話は置いておいて、今回はシルヴィオの過去の話を三部構成で書いていこうと思います。


それでは、第一部、化物陰陽師の暗殺教室、第6話
襲名編の始まりじゃああああああああ!!


これはまだ、幼き日の少年の物語。

少年の罪。

少年の苦難。

少年の忘れされない過去である。

 

────────────────────────────────

 

 

「ね〜ね〜、お母さん。

神様っているの?」

 

「もちろんいるよ〜」

 

「なら、なんで神様は皆に優しくないの?」

 

「それはね、皆に優しくしてたら神様も疲れちゃうの。

だから神様は見守ってくれるのよ」

 

「そっか〜、疲れちゃうなら仕方ないね!

なら、僕は一つだけのお願い以外しない!!」

 

「あら、どんなお願いするの?」

 

「僕が皆を守るの!

この前隕石が落ちてきてみんな困ったでしょ?」

 

「そうね」

 

「だから、そういう人たちを僕が守れる力を貰えるようにお願いするの!」

 

 

この親子の会話。

何気ない会話が少年の運命を狂わせた。

 

────────────────────────────

 

 

 

僕が小学校の六年生に上がった時だった。

その時から予兆はあった。

人がいないにもかかわらず、どこからか視線を感じるようになり、今までわからなかったところでさえ、まるでふと思い出したかのように頭に浮かぶ。

 

そんな今まで起きなかったことがいきなり始まった。

 

それらに慣れると、今度は視界の端に影が見えたりしていた。

 

中学に上がった頃には、普通の人と幽霊との見分けがつかないくらいにはっきりとしたものになってきていた。

 

夏になると、突然母親からどこかへと誘われた。

 

行き先も告げられず、車に乗り、1時間かからないくらいでようやく降ろされた。

 

 

「ここに連れてきたかったのよ。

どう? 綺麗でしょ」

 

 

周りの景色は木ばかり、遠くを見ると海が見えた。

 

僕はとある神社に来ていたらしい。

 

そして、母親は語り出した。

自分の事と、僕に冠することを。

 

 

「まずシルヴィオ、貴方最近なにかに怖がってない?」

 

 

「怖がってはないよ、ただ最近よく分からないものを見たりするくらいかな。

多分疲れてるんだと思う。」

 

 

「疲れてるのは間違ってないけど、貴方の見えているものは全部現実よ」

 

 

「え?どういうこと?」

 

 

「私にも見えるの。

それ、幽霊とか、妖怪とかそういったのもだから」

 

 

それを聞いた瞬間、背中にぞわぞわと悪寒が走った。

今まで見ていたものは非科学的なもので、僕が苦手としていたものだから。

 

 

「それに、今のシルヴィオなら神様と話すこともできるかもしれない。

だから、私はここに連れてきたのよ」

 

 

「何のために?」

 

 

そう言っていると、いつの間にか社に着いてしまっていたらしい。

 

母親は社に手を出し、半身になり、僕に見るように促す。

 

そちらを見ながら、僕に伝える。

 

 

「あの方からお話があるそうよ」

 

 

と、そう告げて、すぐに姿勢を正し、母親は一礼した。

 

僕は目を疑った。

 

 

 

目の前にいたのは絶世の美女、しかし、その身体は光を放ち、僕を見て微笑んでいた。

 

 

「シルヴィオ、挨拶なさい」

 

 

僕は慌てて腰を折って挨拶する。

 

 

「く、草凪シルヴィオと申します!!」

 

 

その瞬間、突然体が重たくなった。

思わず片膝をつき、両手をついて、目の前の神々しいまでの女性に目を向ける。

 

 

『コレを片膝で済ませますか』

 

 

透き通った声が僕の頭に響いた。

てか、両手ついてる時点で片膝ではない。

 

横を見ると、母親は今にも身体をはいつくばらせんとする勢いで、まるで土下座の形になっている。

 

 

『貴方と同じ重さを彼女は受けているのですよ』

 

 

再び頭に響いた声に軽い怒りを感じた。

 

 

「なら、母にかけている分も僕が受けます。

僕はまだ立っていられる重さですから」

 

 

そう言って、ゆっくりとだが僕は立ち上がった。

目の前の女性は微笑を浮かべていた顔を驚きに変え、少し狼狽えていた。

 

何故だか分からないが、僕にかかっていた重さがその瞬間に嘘のように消え失せた。

 

 

『貴方は聞いていた以上に馬鹿なのですね』

 

「いきなり失礼だな!?」

 

 

当然のように馬鹿にされて驚くよね普通。

そして、そのまま女性の話は続く。

 

『ここに呼んだのは他でもありません、貴方に事実を伝えるためです。

貴方は現世(うつつよ)常夜(とこよ)の世界へと来てしまったのです。

それも、あまりにも大きすぎる力を持って』

 

「まさか、この子に既に()を与える気ではありませんよね?」

 

『そのまさかです。

貴方の素質を十二分に受け継いでなおあまりある力の持ち主になるでしょう』

 

「そんな⋯。

まだ名を与えるには早すぎます!!

どうかお考え直し下さい!!

月読命(つくよみ)様!!」

 

 

その名は聞いたことがあった。

昔から神話、伝記、伝承など、古い文献には興味があり、その中の日本の神話に出てくる伊邪那岐(いざなぎ)から生まれた3柱の神の1柱であり、月を象徴し、夜を司る神様だったはずだ。

 

そして、なおも講義する母親をかるく受け流し、再び僕を見据えて問いかけてくる月読命。

 

 

『貴方に問います。

貴方は力を欲しますか?』

 

「皆を守れる力なら」

 

『宜しい。

ならば受け取りなさい。

貴方の名を、新たなる道を。

常夜ではつねに今与えた名を名乗りなさい』

 

 

僕の目の前に差し出された光の玉。

僕の中に入るなり、僕の頭には数多の術の使い方。そして、常夜で過ごす上での僕の名前が浮かび上がっては頭の片隅に追いやられる。

 

正直、頭が一気に情報を得すぎて中学1年生のキャパシティはオーバー寸前だった。

 

母親は何やら悲しそうに、憂うように、その瞳に涙を溜めながら、僕を見ていた。

 

 

『今日はこのあたりにしておきましょうか。

流石にシルヴィオも疲れたでしょうし、整理が着くまでは療養することを勧めますよ』

 

 

そう言って、月読命はどこかへと消えてしまった。

母親は泣き崩れてしまい、僕にはどうすることも出来ず、ただただ親を慰めることしか出来なかった。

 

 

それから一月経った時、両親は、僕の目の前で僕の手の中で冷たい肉塊と成り果てていた。

 

 

 

 




というわけで、どうでしたか?
かなりブルーな話のままで終わってしまいました。
ちなみに、襲名編と言っても、独自設定が多数出てきただけで読者の方もさぞ分かりづらいであろうことは充分承知しております。

ですが!!
この話はあくまでも第2部、第3部につなげるための伏線の意味も込めて書いてとります。

襲名編にはじまり、成長編、昇格編と三つ用意しておりますが、何せ私はプロットを作らず、そのまましてきているので、なかなか筆が進みません。
なので、また長く間を開けることになりますが、どうか見捨てないでね!!


というわけで、皆様ここ待て読んでくださりありがとうございますm(_ _)m

また次回お会いいたしましょう!!


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過去の時間(成長編)

どうもどうもおはこんばんにちは!

乃上です!

今回はなんと!
またもや会社で書いております(仕事どうした)

予定よりも早くついてしまって会社のパソコンを使って投稿しておりますwww

まぁ、そんな私事は置いておいて、毎度毎度お気づきの方もいるとは思いますが、私の小説の書き方は話によって全く異なっております。
それが読みずらい、わかりづらいと思うのであればブラウザバックをどうぞ。

それでは、化物陰陽師の暗殺教室第7話の始まりです!


 

 

 

 

親がいなくなった時、やった事は多かった。

遺産目当ての親戚たちから離れ、遺産で一人暮らしをし始め、とにかく自分の力のコントロールに勤しんだ。

 

莫大だった遺産で山を買い、山の中で修業したりしていた。

 

 

厳密にはまず、街中でも出来るのが人のオーラ、霊力等を見ていくと言ったものであるが、山でしていたのは術の構築や改変などの僕の力を最大限引き出すための鍛練だった。

 

 

その後、ちゃんとコントロール出来あるようになった時には中学2年の夏頃だった。

 

気づいたのが、僕はほかの人よりも多大な霊力を持って生まれていたということだ。

 

 

それに気づき、普通の5倍の霊力を術に込めて発すれば、

あら不思議、なんと常夜でしか発動しなかった術が現世でも発動できることがわかった。

 

 

それを政府のお偉いさんの前で早速使った。

 

え?どうやったかって?

目を盗んでに決まってるじゃないか。

 

まぁ、その後の僕の立ち位置は政府に力を貸す代わりに、僕の要望をできるだけ受けろと言っただけで僕の要求は8割まかり通るようになっていた。

 

もちろん、政府もただ脅される形ではかわいそうということで、僕が秘密裏に組織を作り、その中で妖怪や鬼と言った者達が現世で何かをする前に片付けるということで釣り合っている。

 

 

給料も出ているから願ったり叶ったりだったし。

 

 

お陰で、金銭面に困ることは無かったけど、それでも親戚たちから追い回されることには変わりがないから僕の所に護衛を派遣するって話も出たりした。

けど、それは僕が窮屈だからと断ったけどね。

 

 

貯金?

1億はあったかな。使うことないし。あっても困らないし。だからと言って誰かに譲ってやる気もないけど。

 

 

そんなだから僕の体は時々動かなくなることが起こった。

 

 

小学生からの多大なストレスと一人暮らしで適当なご飯を取ったりしていたための起立性調節障害という、成長期特有のものだったらしいけど、それでも僕は霊力に頼って身体を無理やり動かす方法なんかも見つけていった。

 

おかげで強くなることが出来た。

 

 

でも、それは技術であって心ではなかった。

 

ある日、僕は成仏させる仕事に赴いた時だった。

 

怯えながらもこちらに歩み寄ろうとする少女にあった。

 

何かがわからなかった僕は彼女も同じだろうと成仏させようとしたのだ。

だが、

 

 

『ま、待って!』

 

なぜだか待ったをかけられてしまって、突き出した手が固まってしまった。

 

これが歯車が壊れた瞬間。

 

僕はいつしか、その少女と話すようになり、そして惹かれた。

 

他愛もない話をするのが楽しかった。

同じくらいで亡くなってはいるが、それでも彼女の前であれば、年相応の態度でいられた。

 

 

けれど、それも長くは続かなかった。

 

 

 

『ねぇ、シルヴィオ君』

 

「何?」

 

『私、何だか最近楽しいの!』

 

 

初めは自分と同じように話しているのが楽しいと思っていた。

だけど、現実は残酷だった。

 

 

『シルヴィオ君と話していても楽しいけど、一緒にしたら楽しそうな事を見つけたの!!』

 

 

彼女は狂ったように笑いながらそう告げていた。

さも楽しげに、僕をその大きなクリクリとした目は僕に向けられ、僕は少し後ずさる。

 

 

『どうして逃げるの?

私はいつもと違うお遊びをしようって言ってるだけよ?

どうして?ねえどうしテ?』

 

 

語尾がおかしいことに気がついた。

背けていた目を彼女に戻せば、

 

 

(そよぎ)⋯」

 

 

僕の口からは掠れながらも彼女の名が微かに零れる。

 

梵と呼ばれた少女は、

全身が黒い靄のような者が覆われていき、顔も朧気、しかして血のように真っ赤に光る双眸だけは霞むことは微塵もなかった。

 

 

『ネぇ、あそボ?

まタ、いッシょ二』

 

 

段々と、彼女の声は人間のものではなくなっていった。

声とともに体も。

そして、ここ────────。

 

 

『苦しイ⋯』

 

 

ハッとした。

心まで侵食されてるものだと思った。

しかし、完全にはされていない。

 

助けたい。

 

純粋にそれだけを思った。

その一心で、浄化にあたろうとした時に、また梵はいった。

たった一言。

むごくて、残酷な一言を。

 

『殺して』

 

と、黒く染まり、今まさに喰われようとしている時に、僕に対してその言葉を放った。

 

その顔は優しく微笑んでいて、とても儚げな笑顔だった。

美しかった。

 

ずっと、ずっと願いを言わない子だった。

やっと自分の願いを言ったのはとてつもなく残酷なもの。

けれど、僕は彼女の意思を尊重しようと、霊力で刀を作り出した。

 

 

「とても、痛いじゃ済まされないほど苦しいと思うよ?」

 

『あナタなラ、悔イは無イ』

 

 

なおも微笑みつつ、両手を広げ、早く早くと急かすように見つめる。

僕は刀を振り下ろした。

彼女を切った。

消えていく靄、薄れゆく梵。

最後には、声も聞こえなかった。

けれど、その口は確かに、

 

 

『ありがとう、大好きだよ』

 

 

と言っていた。

 

僕は涙を流した。

声をからして叫んだ。

 

後から知ったが、梵は唆されて、そのように堕とされたらしい。

 

僕は、この現象を闇堕ちと呼称。

僕のチームにも、厳重に警戒するよう呼びかけるとともに、対策のために家に篭った。

 

そして、至った結論が。

僕には悪霊化仕掛けているものを救う手立てが無い。

 

だから、その時は必ず僕が梵にしたように、霊力で作った刀で

 

 

殺す(・・)

 

 

そのために、本物の刀を見るために刀を買ったり、術式開発するためにいろいろと考えた。

 

 

梵の死から二週間で僕は、人を殺すのに特化した術式をいくつも開発してしまった。

 

その後、僕のチームは防衛省特殊対策本部と呼ばれるようになり、僕はそこの本部長を任され、世間には秘匿され、特殊対策本部の存在を知っているもの自体がほとんどいないものとなった。

 

 

その時、僕の中にも細やかではあるが、変化があった。

 

 

白い翼が僕の背中に出るようになった。

「アンジェロ・ディ・コンフィーネ」と唱えるだけでだ。

これにも立派に意味はある。

イタリア語で「境界の天使」だそうだ。

 

この言葉がなすことがどういう意味かは分からない。

 

だけど、僕はそのほうがいいと思っている。

確かに、僕は現世と常夜の狭間、つまりは境界にいるのだ。

だが、天使とはなぜなのだろうと思っている。

 

そして、翼が出るようになって僕の中で何かがいる感覚にとらわれることもしばしばあったが、結局何もなかったので放っておいている。

 

この先で、どうなるかがわからないまま。

 

僕の名前は草凪シルヴィオ、常夜での名は埜又ノ御子(やまたのみこ)

 

その生涯を捧げることを誓った愚かな少年の名である。

 

 

 

 

 




さぁ、いかがでしたでしょうか。

このシルヴィオ君の過去が赤裸々になってきておりますが、このままでは終わりません!
この後もまだまだ秘密がたくさん隠れております上に、シルヴィオ君はまだすべてを話す気にはなっておりません。


ここまで言えば皆様お分かりになりますね?
そう!シルヴィオ君は全部の秘密を打ち明ける気はないのです。
なのでまだまだ続きます。

こんな調子ですが、どうか皆様見捨てないでくださるとうれしいです。

それではまた、8話の昇格編でお会いしましょう! 


See You Next Time!


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過去の時間(変貌編)

大変申し訳ございません!!
言い訳させていただくと、リアルでゴタゴタ続きな上にいきなりけ生活環境、仕事環境が変わり、なれるために必死であったためにこちらに手が出せませんでした。

決して忘れてるとかではありません


未だに見てくれる方がいらっしゃるかは分かりませんか、急いで書いた上、リハビリ発信でとてつもなく短いですが、どうか見捨てないでください(土下座)
では、結局三部では終わりませんでしたが、これからもちまちまと更新していくのでよろしくお願いします

それでは化物陰陽師の暗殺教室第8話です!!


僕が本部長になってしばらく経ったが、それでもやはり子供がしている事。

 

大人達に殆どを任せていたりはする。

 

金銭管理、出張先、その他のことも含め、僕は僕の右腕である(あさひ) 駿一(しゅんいち)に任せるようにした。

 

 

ただし、僕は新人研修などの実際に動くことは僕が教えたりしていた。

 

けれど、あくまでも基盤となる知識と簡単な術の使い方だけで、悪霊化した者の対処の仕方は教えていない。

 

当たり前だ。

僕の周りで死者を出すのはこの僕自身でも許さない。

 

悪霊化の観測も出来るようになった。

 

その後、僕に変化が訪れたのは今年に入ってからだった。

僕が研究していた陰陽術、それを使って2〜3ヵ月も経っていたのだけど、僕の体には数多の呪詛が混ざりあっているようになった。

 

これのせいで体調を崩し易くなり、僕は少し病気がちになった。

それともう一つの変化。

 

時々、瞳の色がほのかに赤くなる事が時々あるようになった。

それも、その時は決まって頭がボーッとしてしまう。

特に女性を見るとなりやすいということが分かった。

 

それが続いたある日、

 

「本部長、闇落ちの気配を感知致しました。

まだ進行度で言えばまだ余裕で間に合いますが⋯」

 

タイミングが悪かった。

たまたま僕に報告に来てくれた部下が女性だった。

ただそれだけだった。

なのに⋯。

 

「逃げろ!!

扉を閉めて今すぐ立ち去れ!!」

 

そう叫んで、僕は体を抱きしめた。

理由がハッキリしたのはたまたまだった。

部下が入ってきたからこそ分かった。

だから、僕が何をしようとしているか分からない部下は、僕の以上に心配してくれているのも分かっている。

それでも今はいらないお節介だった。

 

「逃げろ!!

僕が抑え込めるうちに!!

早く!!!!」

 

彼女は顔を青くし、僕を見つめながら動かない。

 

この時、僕を襲っていた異変はただの渇き。

ただただ、目の前の女の首を噛みつき、滴る血を啜ることが頭から離れない。

だからこそ、その欲求を叶えてはいけない。

僕がもし、そんなことをしてしまえば恐らくはこの組織は瓦解してしまう。

そんな恐怖もあった。

 

僕が自分で築き上げ、僕が育てたような、言わば子供のような、そんな感覚だったのだから。

その組織を崩すわけには行かなかった。

 

 

しかし、

 

「何を言ってるんですか!!

このボンボン子供(クソガキ)が!!」

 

バキッといい音を出して僕は殴られていた。

その瞬間、今まで抑えていたのが馬鹿らしく感じるくらいに僕を蝕んでいた吸血衝動がさっぱりと消え去った。

 

「そんなに私達は頼りないですか?」

 

ふと、彼女が呟いた言葉が僕の胸に刺さった。

 

彼女を見やると今も尚、顔が青く、手足が震え、更にはキレイな顔立ちが今はぐしゃぐしゃになって目尻には頑張ってこらえているであろう雫があった。

 




ここまで読んでくださりありがとうございます!

これからも期間は悪とは思いますがこれからも化物陰陽師の暗殺教室を読んでくださると嬉しいです。

感想も是非!


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