魔法少女育成計画 Legacys (鹿縁)
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1.◇苦羅羅

これは魔法少女育成計画の二次創作です。

ライトノベル板の原作スレにて生まれた16人の魔法少女を題材に、それっぽいものができないかな、という試みによるものです。
空想・妄想・つじつま合わせ・書いてる人の記憶力の都合により原作設定とは矛盾が生じる場合があるかもしれません。御了承ください。

今の所原作1、2巻分の文章を完結させるほどのパワーはありませんが、大まかなストーリーは妄想し終わっておりますので、続きが書けなくなったら設定とあらすじを投下して締めようと思っています。

(時系列は2017年5月24日現在、QUEENS以降の設定となっております)


◇苦羅羅

 

 黄色いテープの張り巡らされた正門を前に、苦羅羅(くらら)は苦々しい溜息をついた。

 封鎖された大きな門は当然のことながら一般人には直視することもできない。何重にもかけられた認識阻害と忌避想起の魔法によって、「何だかよくわからないけど近付きたくない」という場所だと思うように仕向けられている。その手の魔法に対する心得のある苦羅羅でさえ、気を抜けば見失ってしまいそうになるほどだ。

 かつてプク・プックの居城だった屋敷は監査部の手によって天井裏から床下の埃一つに至るまで調べ尽くされ、今は許可のない人員の立ち入りを禁じられている。残念であり当然でもあることに、苦羅羅に正式な許可など与えられてはいない。

 苦羅羅は中国武術の拳法家のような衣装を纏った魔法少女だ。前を横向きに並んだ紐で留めた青い上衣から、大きくスリットの入った同色のスカートが続いている。戦闘時には無手か、黒い長杖を持って戦うのが常である。そういう意味では、杖術家でもあるかもしれない。

 優秀なフリーランスの傭兵として名高く、また義に反する依頼は決して受けないという硬派な姿勢がいくらかの敵対者とそれなりのファンを作る職業魔法少女。それが、二年前までの苦羅羅の立場だった。

 今ではどうか。プク派の不審な動きに関する調査という重要だが単純な依頼に失敗し、あまつさえつい先日までプク派の手先として魔法少女の存亡に関わる凶悪事件に手を貸していた愚かな敗残者。あるいは、哀れな反逆者だ。

 門の奥に見える、屋敷の輪郭が目に入る。あの庭の中を、プク・プックと配下の魔法少女たちと一緒に遊び回っていた記憶が蘇る。

 プク・プックの洗脳に浸っていた頃のことを思い出すと怖気が走った。物音一つ立てずに潜んでいた茂みから「プクの知らない子の音がするよ?」と魔法少女の水準から言っても異常な聴力で存在を看破され、逃走しようとしたものの失敗し、羽交い絞めにされたまま目と目を合わせて小さく微笑まれただけで闘志のすべてが抜け落ちた。時が経つにつれてプク・プックに対する根拠のない親愛は増殖し、彼女の一挙手一投足を見逃さずに眺めることだけが何よりも優先すべき事項となった。

 先日の動乱では戦闘に秀でた魔法少女として認識されていたこともあり、装置の奪還を目指す者達を迎撃する役目を負って戦場に出た。不幸中の幸いか、多少の負傷はしたものの命に係わるような大怪我をすることはなくプク・プックの死によって動乱は鎮圧されたが、失った物は大きかった。

 第一に屈辱があった。磨き上げた技量と信念を容易く捻じ伏せられたことも。非道を成す魔法少女を討つ孤高の存在として密かに共感と憧れを抱いていた「魔法少女狩り」までもがプク・プックの手に落ち、その指揮下で戦わされていたことも。たった数名で要塞の中心部にまで乗り込み、数多の障害を打ち払って大義を成した魔法少女たちと相対しながら、尊敬と共に肩を並べるどころか無様な憎しみだけを抱えて殴りかかったことも。

 治療中に病室でじっとしていると、自暴自棄になって自決すら考えたこともあったがそれはやめた。生き長らえた後で命を棄てるなど逃げでしかない。だが、だからといってこれから何をすればいいのかもわからない。

 全ての元凶となったこの屋敷に来れば何か思い立つだろうかと考えて訪れてみたが、屈辱と惨めさが増しただけだった。暗澹とした気分に足取りが重くなりながら、嫌な思い出の詰まった屋敷に背を向ける。

 そこで初めて、いつからか自分の後ろに傘を差した真っ白な魔法少女が立っていたことに気付いた。そいつは言った。

 

「あなたの汚名、返上したくはありませんか?」

 

 



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2.◇シースルーララ

◇シースルーララ

 

「あんたの名誉、挽回したくはない?」

 

 何が楽しいのか、ドリンクバーのメロンソーダをストローで啜りながらその魔法少女は満面の笑顔を浮かべてそう言った。

 緑のジャージをへその辺りまで豪快にチャックを下げ、内側に着込んだ小中学生が着ていそうな体操服が丸見えになっている。なんと胸に縫い付けられたゼッケンには名前が書いてある。『さいころん』。5(ファイブ)サイコロン。魔法少女はそう名乗った。

 おおよそララの知っている魔法少女のキラキラした衣装とはかけ離れていたが、どこか余裕のある態度でへらへらと笑っているサイコロンの容貌は勿論、身長は小柄ながらも体操服越しに浮き出た体のラインもだらしのない格好をそういう着こなしなのではと錯覚させるほどに強烈なメリハリがある。第一、緑の髪を四箇所で結っている日本人などいるはずがない。

 対するシースルーララも、魔法の端末に胡散臭い「会わないか」という連絡を寄越した相手に変身前の姿で会うリスクは侵したくなかった。だから今このファミレスのテーブル席はだらしないジャージ姿の美少女と雨も降っていないのに半透明のレインコートに長靴を履いたクリーム色の金髪の少女、といういささか奇怪な組み合わせに占領されている。にもかかわらず、恐らくは過剰に整った容姿に目を惹かれたと思われる視線がチラチラと向けられる以外に、二人はさほど目立ってはいなかった。

「ま、ここは天下のT区電気街のど真ん中だからね。二人組の美女がコスプレしてるぐらいじゃ珍しくもない。変身したまま顔合わせするにはうってつけだろ?」

 ララが周囲に落ち着かない視線を向けていたのに気付かれたのか、サイコロンは安心させるような口調で言った。確かに、街中で会おうと言われたのはララにとっても重要な判断基準だった。いくら切羽詰っていたとはいえ、どう考えても闇討ちまっしぐらな廃工場で会おうと誘われていたら、一も二もなく自宅に引き籠って震えていただろう。

 それでもやはり自分自身臆病だという自覚のあるララが勇気を振り絞って見知らぬ他人の誘いに乗ったのは、これを逃したらもうチャンスはないのではないかという危機感からだった。裏切り者。犯罪者。無職。前科持ちニート兼ひきこもり予備軍。そんな気弱なララが背負うには重すぎる十字架が、背中にのしかかり続けている。日本の法律でも魔法の国の法でもララが監獄に入れられることこそないが、社会復帰をせずに針のむしろのような生活を続けていくのはもう明らかに限界だった。

「あ、あ、あの」

 意を決して、ララはジャージ姿の魔法少女に向かって口を開く。まだお互いの自己紹介ぐらいしか済ませていない内に、サイコロンがいきなり言い放った台詞が先程のアレだ。キャッチフレーズか何かのつもりなのかもしれないが、ララには無用な混乱を与えただけだった。だが、ララとしてもこのまま何もせずに家に帰るというわけにはいかない。

「サ、サイコロンさんは、どういう人なんですか? 名誉を挽回する、って……?」

 ああ、とようやく乗り気になった交渉相手に気を良くしたように、サイコロンが笑顔を浮かべた。実際にはずっと笑いっぱなしだったが、より楽しそうになった。

「『元プク派助け合いの会』、通称互助会。そーゆーのがあるんだよ。何百人だか何千人だかもっとだかいたプク派の連中が、この前の事件で一気に宿無しになっちゃったからね。どうにかしなきゃってことで、監査やら人事やらに任せっきりじゃなくて自分達で再就職と社会復帰を助け合おう、ってことでそーゆーのができたわけ」

「も、元プク派……っていうことは、サイコロンさんもプク派の魔法少女だったんですか?」

「そーいうことになるかな。今となってはちょっぴし不本意だけどね」

 うひひ、とサイコロンが笑った。元プク派と聞いて、ララは自分の中の警戒心が薄らいでいくのを感じた。単純なものだが、何の共通項もないよりはマシだ。たとえ全貌を誰も把握していない大派閥の、顔を合わせたこともないような相手であったとしても、立場が同じなら少しは共感もしやすくなる。

「サイコロンさんも、その、プク様は悪い人だったって、思ってますか……?」

「うん? あ、ララちゃんは今でもプク・プックのこと結構信じてる系?」

「いえ、あの、わからないんです。私は普通に勧誘されてプク派に入って、だんだんとプク様に仕える喜びを感じるようになって。た、確かに事件の後プク様を尊敬する気持ちはほとんど無くなったような気もします。でも、どこまでが魔法の効果で、どこまでが自分の本当の気持ちだったのか……。プク様がやろうとしたことはとっても怖いことで、止めなきゃいけなかった、っていうのはわかるんです。でも、プク様がいなくなったって聞いて、すごく悲しくなったのも本当で……」

 俯いて唇を噛み締め、今にも嗚咽を零しそうな調子でララはこの数週間の間抱えて来た想いを吐露した。さほど多くはない元プク派の友人はプク・プックの洗脳に晒されていたことに怒りを表明したり、あっさりと切り替えて再就職のために奮闘している者がほとんどだ。その中でララだけが未だに己の感情の折り合わせがつかず、一歩も前に進めないでいる。プク派にいた頃は楽だった。稀に姿を見せるプク・プックに会えばどんな悩みも消し飛んだし、そのお願いを聞いていれば衣食住は保障された。けれど、もうプク・プックはいない。頼ることはできない。

 ララの言葉を聞いて、ふんふんとわざとらしく相槌を打っていたサイコロンは、聞き終わるとまたすぐに満面の笑顔を取り戻した。馴れ馴れしくララの肩に手をかけ、

「だーいじょーぶ! 互助会にいるのは積極的に元気もりもりでやっていこうって子ばっかじゃない。あんたみたいに悩んだままどうしたらいいかわからないって子も沢山いる。それでも何とか前を向いて、今自分にできることを探して行こう。そういう感じの団体なんだ、ウチはさ」

 と励ました。その姿勢に迷いなどは一片たりとも見当たらない。今自分にできることを探す、という意味では、これこそが彼女にとって今自分がやるべきことなのだろう。

 迷いなく、やりたいと思うことを見つけていける強さと逞しさ。羨ましいな、と思った。そして、この人についていけば何か変われるかもしれない、とも。

 結局未だに他人に依存することでしか生き方を見い出せないという自らの欠点を自覚しないまま、ララは既に互助会に身を寄せることを半ば決心していた。

「あ、あの、ところで。メールに書いてあった、汚名返上、名誉挽回するための起死回生の計画! っていうのは何なんでしょうか? ボランティアとか、ゴミ拾いみたいな地道な活動とかじゃあ……」

「あれね! あれはもっと派手でドカーンって感じの、一気に私達互助会、ひいては元プク派の信頼を回復させる一大イベントなんだよ。その名も」

 よくぞ聞いてくれましたとばかりににやにやを五割増しにして、サイコロンは衣装の一部らしいスクールバッグからA4サイズのポスターを取り出し、ララに差し出した。

 つられて目をやったララが、そこに大きく印字されていた言葉を読み上げる。

 

「『プク・プック その大いなる遺産発掘計画』?」

 



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3.◇海の賢者ハルミ

◇海の賢者ハルミ

 

 かんかんかん! とやかましい音を立てて、そこかしこで魔法のピッケルが振り下ろされていた。金槌とノミを持つ者や、そっと布を当てて壁の中から現れたゴミなのかお宝なのかわからない何かを磨いている者もいる。その全員が麗しい顔立ちの魔法少女だ。作業用ライトで照らされた薄暗い発掘場が似合う者は少なかったが、みな精力的に働いていた。

「みんな真面目だねぇ」

 他人事のようにのほほんとした呟きが思わず漏れて、おっといけない、と口を塞ぐ。誰にも聞かれていなかったかと胸を撫で下ろした所で、一人の魔法少女がくっくっと喉を鳴らして振り返った。

「そりゃ、ここで成果を出せなきゃ一生燻ったままの可能性の方が高いんだからな。お前さんみたいに暢気にしてる奴は、阿呆かよっぽどの大物だぜ?」

 燃えるような赤い髪をツインテールにした、少女というよりは大人の色香を漂わせる魔法少女だった。確かゴーアウト=フォールと言ったか。ライダースーツを思わせるジャケットと存在感のある瞳でなにかと目立っているので、特に関わりはないもののいつの間にか名前を覚えていた。

「んじゃ、わたしは阿呆の方ですね。大物なんかになったって仕事が増えるだけですし? あー仕事せずに食っちゃ寝してられる生活がしたいですー」

「筋金入りだね、お前さん。よくもまぁここまで来たもんだ」

 くっくっと肩を揺らしてゴーアウト=フォールが笑う。自分は働き者だが、他人にはそれを強制しない。むしろ自由にやらせることを好んでいる。好感の持てるタイプだった。人の上に立って長く、また豊富な経験を柔軟な発想で生かすことのできる上司だ。もっともこの場では階級などどこにもないが、きっとかつてはそれなりの地位にいたのだろう。

「引き籠ってニートやるより、大企業に入って社内ニートになる方が楽ができる。それがわたしの経験則です。長いものに巻かれろ、巻かれた上で怠けろ。最大限効率的に非効率な人生を歩むためには、積極的な消極性が大事なのですよ」

 知った風な口を利いて、にやりと口端を上げてみる。狙い通り、ゴーアウト=フォールは一瞬呆けたような顔をした後で噴き出し、腹を抱えて爆笑した。処世術が上手いだけの不真面目系クズとしては、有能な上司のツボを突くスキルは最優先で磨いておくべきだ。人心掌握だとか何だとかは面倒なのでやらないが、先輩に面白がられ、後輩に甘える。人間の形をしたナマケモノに生まれついたからには、いじめっ子だろうが殺人鬼だろうが問答無用で好かれる技術を持たねば生きてはいけない。

 昭和のオヤジに聞かれたら拳骨の雨が降り注いで性根を叩き直されそうなゆとり思想の極みだが、そう育ってしまったからには仕方がない。配られたカードで勝負していくのが知的生命としての矜持である。

「おいそこ、何をサボっている」

 凛と張った声が近くで響き、ぎくりとして振り向く。しかし言葉の矛先は笑いの余韻を堪えて震えるゴーアウト=フォールとハルミではなかった。テールコートを几帳面に着こなし、腰には儀礼用のサーベルを履いた近世の貴族のような装い。発掘計画で現場監督の役割を担っている、ノーブル・ベスティアーノ伯爵だ。マニッシュな衣装と怜悧な瞳で相対しているのは、猫耳としっぽと肉球のついたグローブを嵌めた、コスプレ感満載の魔法少女だ。叱られても怠そうな目つきを変えずに洞窟の壁に背を預け、いかにも不届き者という雰囲気がある。一応は最低限の仕事をしている風を装ってサボるハルミとは、また違ったタイプだ。

「だってぇ、ここ思ったよりぜーんぜん退屈にゃんだもん。ちまちま壁を掘ったり穴を掘ったりさ。もっとこう、一気に吹っ飛ばしちゃった方が早いんじゃにゃい?」

「貴様は……スコティッシュ・ボマーだったな。固有魔法は爆発する自分の分身を出すこと。その能力で遺産を跡形もなく吹き飛ばすつもりだったのか? 我々の未来は発掘した遺産がどれだけ有用かに掛かっているというのに?」

「勧誘の時はジャージの人にそうしていいにゃって言われたもーん」

 ハルミでさえ苦手なほど堅物のノーブル伯爵と、ハルミ以上に周りの視線を気にせずごろごろと寝転がっているスコティッシュ・ボマー。相性が最悪なのは誰の目にも明らかだった。

「まぁまぁまぁ」

 そこに割って入ったのが、虎柄の着ぐるみパジャマを着た中性的な顔の魔法少女だった。背丈が低く髪をボーイッシュなショートカットにしていることもあって、少年のようにも見える。彼女は一触即発のノーブル伯爵のスコティッシュ・ボマーの間に入り、それぞれの顔を見た。

「事件のことで世間から色々言われて、やさぐれた傷がまだ癒えてない子も多いんですから。最初は思い通りにいかなくてふてくされたりもしますって。これからですこれから。じゃないですか、ノーブル伯爵? ね? キミもほら、ボクの顔に免じてちょっとだけお仕事しようよ。ほら、ネコ科のよしみで」

 虎柄パジャマの魔法少女は、子供っぽい外見とは裏腹にそれぞれの立場に合わせてユーモアも交えて二人を宥めた。不承不承、ではあったが説得されたノーブル伯爵とスコティッシュ・ボマーが矛を収める。

「とらこ、か……ふん、まぁいい。私に与えられているのは監督権だけで、懲罰までは行えないからな。だが覚えておけよ。今の我々には、無駄飯食らいを飼っておく余裕などはないのだ」

「しょうがにゃいなぁ、ネコ科のよしみだもんねー。しばらくは働いてあげるけど、ずっとつまんないままだったら丸ごと吹っ飛ばしちゃうから。ふーんだ」

 それぞれの捨て台詞を残して、ノーブル伯爵とスコティッシュ・ボマーは元の作業へと戻って行った。洞窟の発掘場に満ちていた緊張感が弛緩し、数十人の魔法少女達が自分の持ち場へと引き返していく。

「やるじゃん、お前さん。さっきの仲裁は見事なもんだったよ」

 ピッケルを担いで天然の壁面に向かいながら、さりげなくゴーアウト=フォールが虎柄のパジャマの隣に立って称賛を送った。会話をしているとバレずにサボりやすくなるという経験則を活かし、ハルミもその隣に加わる。

「ほんとですよ。あんな両極端な二人を同時に宥めるなんてなかなかできることじゃありません。流石はとらこさん。いえ、とら兄様とでもお呼びしましょーか」

「アハハ。ボクとキミ達、初対面だよね? ま、ゴーアウト=フォールさんのことは前から知ってたけど。とらこでいいよ。キミは?」

「海の賢者ハルミです。魔法少女名を考える時にたまたま晴海埠頭の近くにいたのでそんな感じに」

「なにそれ面白い。適当すぎ!」

「お、楽しそうだなお前さん達。アタシだけ仲間外れは嫌だぜ?」

 ワイワイと盛り上がる喧噪に包まれて、ハルミは二人ほど頼れる友達が増えたことを嬉しく思った。下心はあるが、久方ぶりの気の置けなそうな話し相手を見つけて純粋に喜ぶことだってあるのだ、ナマケモノでも。

 



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登場人物一覧

1.5サイコロン

等身が低いが胸は大きい。ジャージ姿で、だらしなく開いたチャックから体操服が覗いている。緑色の髪を四箇所で結んでいる。いつも体育座りの姿勢で、手の中で三つのサイコロを転がしている。

 

「殺し合いに巻き込まれないよ」

 

2.マジカル☆ぺーちゃん

精緻な人形のように完璧な容貌。腰までの黒髪を頭で一度リング状に編み込んでから垂らしたロングヘア。黙っているとどこか神秘的な雰囲気があり近寄り難いが、朗らかな笑顔を浮かべる。半透明の羽が背中に生えた、妖精のような衣装。

 

「魔法のアイテムを作れるよ」

 

3.ゴーアウト=フォール

長身で無駄のない体つきをした燃えるような赤い髪をツインテールにした女性。ライダースーツを思わせる濃い紺のジャケットと黒のパンツルック。ナックルダスターとしても機能する、金属飾りのついた指出しのレザーグローブを手に嵌めている。

 

「重力を自由自在に操るよ」

 

4.とらこ

ショートカットの黒髪。中性的な顔立ちで、少年のようにも見える。一人称は「ボク」。虎の着ぐるみをモチーフにしたワンピースのパジャマ姿。

 

「国からお金を貰えるよ」

 

5.リバーシア

お嬢様チックなフリルのついたスカートと高級な生地のワンピース。ゆるやかな白い髪を肩に流し、装飾としての小振りな洋傘を差している。全体として色調は純白に統一されている。

 

「なんでも逆転しちゃうよ」

 

6.シースルーララ

ポンチョ型のレインコートを羽織り、水色のミニスカートと長靴を履いている。レインコートのフードは外し、肩口までで揃えたクリーム色の金髪が見えている。おどおどした態度の巨乳。

 

「誰も気にしないよ」

 

7.ハニカミにこりん

その名に反して滅多にはにかまない。フリルの大量についたパステルカラーのドレスという正統な魔法少女らしい衣装。頭にスマイルマークの缶バッジを留めた、鈍くくすんだ白髪の持ち主。

 

「まわりを幸せにするよ」

 

8.ノーブル・ベスティアーノ伯爵

白く縁取りされた襟を立たせたテールコートを着こなし、腰には儀礼用のサーベルを佩いた近世の貴族のような装い。切れ長の怜悧な眼差しから、容姿の整った男性のような印象を与えることもある。

 

「卑怯な行いは許さないよ」

 

9.ゾディオ

簡素な貫頭衣を、よくわからない紫や濃緑色や赤黒い染みで隈なく汚している。目の下には深い隈があり、白い髪もほつれてところどころ茶ばんでいる。左右の瞳はそれぞれ真紅と水色のオッドアイ。破滅的な美しさで、凶暴に笑う。

 

「不死身のゾンビだよ」

 

10.マーメロウ

水に浸ると下半身が尾びれに変わるマーメイド。青みがかった白髪で、水中に潜ると水に馴染んで髪が半ばから透明になったように見える。紺色の瞳。両腕に装飾の彫り込まれた銀の腕輪を嵌めている他、耳にも雫型の銀のイヤリングをつけている。

 

「声が響いたものを自由自在に操るよ」

 

11.スコティッシュ・ボマー

白い髪の隙間から猫耳を生やした中学生程度の体躯の魔法少女。デフォルメされた猫の手を模したグローブには大きな肉球がついている。腰の下から猫科の尻尾が生え、首には鈴付きの首輪をつけている。

 

「爆発する自分の分身を出せるよ」

 

12.海の賢者ハルミ

青い髪をセミロングに伸ばして片側で纏めたサイドテール、右手の薬指に金の指輪を嵌めている。金縁の蒼のマントを纏い、内側にはフリルシャツ。胸元まである大きめの、紋章が描かれた盾を武器に持つ。朱色の瞳はいつも暢気そうに半眼になっている。

 

「見えたものを固くしちゃうよ」

 

13.苦羅羅

中国武術の拳法家のような衣装を纏った魔法少女。前を横向きに並んだ紐で留めた青い上衣から、大きくスリットの入った同色のスカートが続いている。戦闘時には無手か、黒い長杖を持って戦う。生真面目な顔つき。長めの黒髪を垂らしている。

 

「辛いことを乗り越えるよ」

 

14.ブラインドイット

身体のラインが隠れるゆったりとした服のような布を被った幼い魔法少女。癖の強いミディアムショートカットの銀髪。ゆったりとしているが布地の面積は少なく、数枚の布がズレれば色んな所が露わになってしまう危うさがある。

 

「幽霊みたいな体になれるよ」

 

15.コジロー

黒い髪を長く伸ばして毛先を切り揃えた袴姿。革のブーツを履いており、背中には鞘に入った太刀を紐で背負っている。

 

「必殺のツバメ返しが使えるよ」

 

16.ばらずきんちゃん

童話の赤ずきんがモチーフの衣装で、フード付きの赤いローブの下にドイツの女性的な民族衣装が覗いている。腰前にレースのついたハーフエプロンを巻き、腕には薔薇とワインの入った小籠を下げている。自然な茶髪と牧歌的であどけない顔立ち。

 

「困ったことは狼が解決してくれるよ」

 



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4.◇ハニカミにこりん

 

◇ハニカミにこりん

 

 波の打ち寄せる洞窟と海面の境界は、白砂が堆積して小規模な入り江を形成していた。海蝕洞であるこの名も無き洞窟は、かつての地殻変動により海中から引き揚げられたのだと言う。今は満潮でこれだ。洞窟ごと水に沈められる心配はない。

 海風が吹いて、頭のスマイルバッジがカタカタと揺れる。天気は晴天。水平線の向こうにかすかに見える島々を除けば、視界を遮る物は何もない。いっそ映画の一本でも撮れそうなロケーションだった。いつかテレビで見たカプリ島の青の洞窟を思い出す。リゾート地並みの景勝で、仕事内容はろくでもない。つまり文句無しの百点満点だ。ずっとこんな仕事ばかりならいいのにと思う。

 素足が岩肌を擦る音が聞こえた。現れた顔を確認し、汚れきった雑巾より酷い衣装を確認し、他に尾行者の類がいないかどうかを確認する。問題はなさそうだ。だが同僚の無能を危惧するばかりでなく、同僚に牙を剥かれる心配もしなくてはならない。信用も信頼もできない相手。とんでもない仕事仲間もいたものだが、今回の仕事には彼女が不可欠なのだからしかたがない。

「こんにちは、ゾディオ。異常はなかった?」

「ハッ、くそつまんねーことにな。退屈でしにそうだぜ。不死身だっつーのによ。ん、ああいやそうだ、猫みてーなやつがんなこと言って暴れたがってたな。いっそ暴れてくれりゃあよかったんだ。暇つぶしにもならねーとか、マジつかえねー」

 簡素な貫頭衣を紫や濃緑色や赤黒い色の染みで隙間なく塗り潰した悪趣味な現代アートのような服を着て、白髪をほつれさせながらこちらも薄汚れてところどころ茶ばんでいる魔法少女。それがゾディオだ。肌は血色が悪く目の下には深い隈があり、肉食獣のように歯を剥いて嗤う。魔法少女というよりは魔女とか美貌を羨んで呪われ落ちぶれたかつての美姫といった風体である。

「猫みたいな魔法少女。スコティッシュ・ボマーかな。そう、暴れたがっていたの。確かにサイコロンからの報告でも衝動的な性格とあったかも。対応を考えておくわ」

「どーでもいーんだよんなことは。それよりさっさとあたしに暴れさせろ。こんなせまっ苦しい洞窟にいたんじゃ体がくさっちまうぜ。ゾンビだけにな、ギャハハハハハ!」

 体を逸らしてけたたましく嗤うゾディオに、品性というものは欠片も見当たらない。理性も指示を無視して暴れ出さないギリギリのラインと言った所だ。にこりんにとっては別荘でも建てられたらと夢想するほどの立地でも、彼女にはその魅力が伝わらないらしい。

 にこりんはフリルのついたパステルカラーのいかにも魔法少女らしいコスチュームのまま小学生程度の腰を折って、丹念に頼み込む姿勢を取った。

「ごめんなさい、ゾディオ。まだ元プク派の魔法少女達がこの状況に慣れていないから。状況適応力を測るにしても、混乱は最小限に抑えたいの。だから、もう少しだけあなたの出番は待ってくれる? その時が来たら、あなたには誰よりも活躍して貰うから」

「ケッ、んなおためごかしがあたしにきくと思うか。だがまぁ、一応はてめーも仲間ってことになってる。もうすこしぐらいは我慢をしてやってもいい。で、あたしはあとどれくらい待てばいい?」

「そうね、三日。あと三日で、あなたが存分に戦える舞台を用意してあげるわ」

「いったな、チビ。もし一日でも遅れるようなら、まずはてめーの首から噛みちぎってやる」

 毒々しい真紅と水色の両眼でにこりんを睨みつけ、ゾディオは再び洞窟へと引き返した。その背に向けて、答えなどは期待せずににこりんは告げる。

 

「すべては、我らがシェヌ・オスク・バル・メルの御名のために」

 

 それと少しの個人的な趣味のために。

 敬虔な信徒を思わせる宣誓にも、小声でつけくわえた内容にも反応することなく、ゾディオはくだらなさそうに一度だけ鼻を鳴らして去っていった。

 

 



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魔法少女育成計画 Legacys 設定資料集

えっとすみません、思った以上に速攻でエタりました。
半年以上も放置しておいて何ですが、スレの方で話題が出たのでこれを機に設定を公開して完結としたいと思います。

以下、整理し直した全体の設定になります。


【用語集】

 

・『元プク派助け合いの会』

 元プク派の魔法少女のうち、有望株を選抜して派閥に取り込むため、オスク派が裏で糸を引いて結成された互助会。表向きの目的は元プク派魔法少女の社会復帰だが、潜入した様々な勢力の魔法少女の思惑が渦巻いている。

 

・『プク・プック その大いなる遺産発掘計画』

 潜入したオスク派が主導し、設定された会場で起きる(人為的な)トラブルやアクシデントへの対応力から、引き抜く価値のある魔法少女を選抜するために立てられた計画。ここで言う『大いなる遺産』とは、有望な元プク派魔法少女という人材そのものを指していた。結果的にはトラブルをコントロールしきれず、オスク派にも少なからず被害が出た。また、生き残った有望な元プク派魔法少女も半分ほどを革命派に横取りされた。

 

・カスパ派

 オスク派が元プク派魔法少女の引き抜きを目論んでいることを嗅ぎつけ、横槍を入れつつあわよくば横取りできないかと数名の魔法少女を派遣し潜入させた。

 

・革命派

 吉岡=変態=ピティ・フレデリカ率いる一派。あるいは初代ラピス・ラズリーヌ率いる一派。

 一般的には魔法の国へのクーデターを目論む革命勢力全般を指す。

 今回は上記の二つの革命派が、それぞれの目的で配下の魔法少女を潜入させていた。

 

 

【展開設定】

元プク派の魔法少女が『元プク派助け合いの会』、通称互助会に勧誘される

→互助会では『プク・プック その大いなる遺産発掘計画』が進められている

→謎めいたトラップや暗号も突破し、少しずつ遺産の発掘が進められていく

→遺産の発掘が完了する間近、突如コジローがゾンビ魔法少女となって周囲に襲いかかる

→ゾンビ魔法少女は瞬く間に増殖する。洞窟は封鎖されて脱出不可能となっている

→マジカル☆ぺーちゃんがオスク派の魔法使いであり、首謀者であることが判明

→生存者の魔法少女たちはどうにかゾンビ魔法少女を撃退し、一定数が安全を確保する

→首謀者であるマジカル☆ぺーちゃんは計画の終了を宣言しようとするが、リバーシアにより死亡

→革命派のリバーシアはより確実にオスク派の目的を妨害するため、魔法少女を全滅させようとする

→生存者たちがリバーシアと戦い、犠牲を出しながらもリバーシアを倒す

→オスク派、革命派がわずかな生存者を回収し、事態は収束する

 

 

【人物裏設定】

 

1.5(ファイブ)サイコロン

 オスク派と内通し、互助会を結成した『主催者』側の元プク派魔法少女。

 魔法の効果で殺し合いには巻き込まれないが、逃亡を試みてハニカミにこりんの魔法により廃人化。

 そのままふらふらと崖から転落し、殺し合いですらない「事故死」によって死亡。

 

2.マジカル☆ぺーちゃん

 本名はディ・ペリパ・ローングリム。今回の黒幕枠。

 正体は魔法少女ではなく、魔法使い。オスク派。

 プク・プックの遺産=元プク派魔法少女の引き抜き計画の立案者である。

 魔法少女として潜入し、最も近くから『選抜』の様子を観察していた。

 様々な魔法のアイテムを作り出す技能に長けており、強制的に変身を解除させるなどの強力なアイテムも所持していたが、革命派魔法少女やカスパ派という想定外の敵に対応しきれずに不意を打たれ死亡。

 

3.ゴーアウト=フォール

 監査部門に所属する魔法少女。

 厳密にはプク派というわけではなくプク・プックの洗脳の影響も薄かったが、

 監査部門から互助会の実態調査のため元プク派を名乗らされて派遣された。

 重力を操る強力な魔法少女だったが、リバーシアにより重力を逆転させられて圧死。

 

4.とらこ

 カスパ派から派遣され、潜入していた魔法少女。

 財務に明るく、魔法を応用してデイトレードで高い収益を挙げることができる。

 遺産計画の財務的な側面を調査するために派遣された。

 計算能力を生かして空間を分析することで戦闘にも対応できるが、リバーシアが流れを制御して送り込んだゾンビ魔法少女の物量の前には成す術がなく死亡。

 

5.リバーシア

 革命派、すなわち変態の手先として潜入。今回の裏ボス枠。

 最初期から潜り込み、オスク派への二重スパイとして『主催者』側となり互助会の結成段階から関わっていた。主な目的は、オスク派の目的の妨害。

 表と裏を裏返す魔法により、重力の向きを逆転させたり全身の皮膚を裏返したりすることが可能。

 ゾディオを殺害し、制御不能となったゾンビ魔法少女が暴れ回る混沌とした状況を生み出して遺産計画の参加者を全滅させることでオスク派の目的を妨害しようとする。しかし、最終的には結束した生き残りの魔法少女たちにより撃破され、死亡。

 変態はもとよりリバーシアを捨て駒として利用しており、戦闘後に首尾よくハルミを回収した。

 

6.シースルーララ

 元プク派の気弱な魔法少女。他者からの認識を減衰させる魔法を使う。

 ようは石ころ帽子。存在感がなくなる、実質上のステルス状態。

 戦闘への適性は低いため、早々に死亡しゾンビ魔法少女となる。

 

7.ハニカミにこりん

 オスク派から派遣された魔法少女。外見年齢が幼い。

 ヤバい任務を好むという悪趣味な嗜好を持ち、嬉々としてゾディオの殺戮を支援する。

 相手に強制的に多幸感を与える魔法は、痛み止めや精神安定にも使えるが、

 強く使用すればドラッグのODのように相手の精神を焼き切って廃人化させる。

 遺産計画においてマジカル☆ぺーちゃんを補佐し、ゾディオを支援するサポート役の頭脳派。主人やゾディオの死を隠れ蓑に一人脱出しようとしたが、革命派のブラインドイットに補足され、オスク派の戦力を削ぐために殺害される。

 

8.ノーブル・ベスティアーノ伯爵

 気位の高い元プク派魔法少女。比較的地位の高い職業魔法少女でもあったため、

 復権を目指して意欲的に参加し、後発勢でありながら『主催者』側として参加していた。

 しかし遺産計画の真の目的は知らされず、オスク派にいいように利用されていた。

 戦闘能力は高いため中盤まで生き残るが、そのプライドの高さが災いし死亡。

 強力なゾンビ魔法少女として生存者に襲いかかることになる。

 

9.ゾディオ

 魔法少女すらゾンビに変える魔法を使う、今回の表ボス枠。

 オスク派の魔法少女であり、殺戮と暴れることを好む凶暴な性格。

 遺産計画の『トラブル』の主体として派遣された。

 大量のゾンビ魔法少女を操り暴虐の限りを尽くしていたが、リバーシアにより全身の皮膚や臓器を裏返されて死亡。ゾンビ魔法少女の群れはコントロールを失い暴走を始める。

 

10.マーメロウ

 カスパ派から派遣された魔法少女。

 歌声を響かせた物体への干渉力を持つ、汎用性の高い魔法を持つ。

 魔法少女に歌を聞かせれば動きを封じ、岩に響かせれば崩落させ、水に響かせれば濁流を生む。

 とらこと組んで遺産計画の調査と横取りを目指していたが、とらこがゾンビ魔法少女により死亡。

 危険だと判断して水中に潜伏していたが、リバーシアがとらこの仇だとわかり思わず攻撃。

 反撃され自身は死亡するものの、リバーシアに隙を作り撃破に大きく貢献した。

 

11.スコティッシュ・ボマー

 元プク派魔法少女。魔法は強力だが、素行不良。

 ゾディオの展開したゾンビ魔法少女の群れを突破し、黒幕であるマジカル☆ぺーちゃんの下まで辿り着く。オスク派に自分を取り立てるよう求め、さもなくば爆破すると脅迫するが、態度が悪く採用できないとして魔法のアイテムで強制的に変身を解除される。

 生身のままゾディオの操るゾンビ魔法少女に囲まれ、死亡。 

 

12.海の賢者ハルミ

 元プク派魔法少女で、本体は女子大生。

 怠け者だがスペックは高く、物体の強度を上げる魔法は戦闘にも有用。

 ゴーアウト=フォールらと共にゾンビ魔法少女の群れから生き延びたが、

 リバーシアによりゴーアウト=フォールが殺害されたのを目撃して激昂。

 ばらずきんちゃんらと共にリバーシア撃破を目指して戦い、生存する。

 洞窟の崩壊の中で変態によって回収され、革命派へ。

 

13.苦羅羅

 元プク派魔法少女。さらにその前は仁義を重んじる傭兵。

 魔法は自身の受けたダメージを一時的に無視するもので、魔法が発動している最中は致命傷を受けたとしても死亡せず、欠損しなければ行動にも支障はない。ただし頭部を破壊されるなどして魔法が中断されればダメージは反映される。また、ダメージそのものが消えてなくなるわけではないため、戦闘後には治療が必要。

 性格上ゾンビ魔法少女から生存者を守ろうと奮闘する。終盤まで生存しばらずきんちゃん、ハルミらと共にリバーシア撃破を目指すが、壮絶な死闘の末、頭部を破壊されて魔法を解除され死亡。しかし己の目指す在り方に殉じ、満足して死んでいった。

 

14.ブラインドイット

 革命派のうち、ラズリーヌ一派に属する魔法少女。

 物理無効の霊体に似た状態に変化する魔法を使う。

 最後まで正体を露見させずに元プク派魔法少女と共に行動し、生存。

 ラズリーヌ一派へ情報を持ち返る。

 

15.コジロー

 元プク派魔法少女。本体は歴女。

 プク・プックの事件により魔法少女としての職を失い、歴史オタ活動のための金策として訪れた。

 ゾディオによって一番最初にゾンビ魔法少女にされ、死亡。

 

16.ばらずきんちゃん

 元プク派魔法少女であり、隠れ魔王塾生。身体能力のスペックが高い。

 心配性の自分の性格を直すために魔王塾に入塾していた。

 もともとはやる気が出る程度の魔法だったが、遺産計画での強い恐怖により魔法が進化。

 『狼』という戦闘用の別人格を生み出した。

 非常に強力な戦闘技能を持つ『狼』に肉体の主導権を受け渡すことで、魔王塾生上位者レベルの戦闘能力を持つようになる。ゾディオ戦、リバーシア戦を経て最後まで生存し、オスク派に回収される。

 




待ってくださった方は申し訳ありません。ひとえに作者の継続力のなさによるものです。
ひとまずはこんなところで、ご容赦ください。


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