色々規格外な提督と元ブラック鎮守府 (薪音)
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プロローグ
着任前日


 ただ、ブラック鎮守府に着任するssが書きたかった。
 スキルは少し独自解釈したりします。ご了承ください。


大本営のある一室

 

「コンコンコン」

 

 その部屋の中に3回のノック音が響く。

 

?「入れ」

?「失礼します」

 

 そうして扉が開く。

 

?「失礼するなら帰っていいぞ」

?「失礼しました」

?「まてまて、…全くジョークが通じないな」

?「ジョークにジョークで返したまでだ」

?「急にタメ口に変わったな…」

?「それより読者のために名前言わなくていいんですか?」

?「読者?なんの事だ?」

?「気にするな」

?「アッハイ」

?「にち大将さんはなんの用で俺を呼んだんですかねぇ」

にち「階級俺の方上なんですけど、紅音(あかね)中将?あとあだ名で呼ぶなと何回言ったらわかってくれるんですか?」

紅音「知らん」

にち「…」

紅音「大将さん早く本題に入ってどうぞ」

にち「先生と話したらきりがないからな…じゃあ座ってどうぞ」

紅音「にちも俺の事あだ名で呼んでるじゃぁないかぁ」

にち「ジョジョ風に喋んなくていいから座れ」

 

 そう言われ紅音と呼ばれた男性は大将と向かい合わせになるようソファーに腰掛ける。

 

にち「それじゃ本題といこう」

紅音「はよはよ」

にち「…この前ある鎮守府を摘発したんだが

紅音「そこがブラック鎮守府だったんですねわかります」

にち「それでなんd

紅音「そこに何人かの提督を行かせたんだが全員一日で帰ってきたと」

にち「だかr

紅音「俺にそこに着任しろとなるほど」

にち「なんで分かるんだよ…」

紅音「そんなのよくあるssじゃないですかヤダー」

にち「まあ話がはやk

紅音「お断りしますぜ」

にち「なんでや」

紅音「俺も暇じゃないn

にち「先生の実家にある同人誌、フィギュア、ゲーム機及びその他もろもろのアニメグッツ全部すt

紅音「なんだろうな!突然行きたくなってきたな!!」

にち「それでいい」

紅音「覚えてろよ」小声

にち「なんか言った?」

紅音「なんでもないっす」

 

 紅音は右手で顔を覆う。

 

にち「それでなんだが」

紅音「はい」

にち「行くの明日」

紅音「ファ」

にち「んで流石に可哀想と元帥となったので」

紅音「…」

にち「先生、何人か艦娘持ってたでしょ?」

紅音「4人いるよ」

にち「連れていってええで」

紅音「ホンマかいなにち!?」

にち「あなたはどこぞの探偵ですか?連れてっていいよ」

紅音「んで要件終わり?」

にち「おう」

紅音「失礼したぜ」

にち「入ってくる時とだいぶ変わったな」

 

廊下にて

 

紅音(連れてっていいと言われても1人確実に寝てる方いる件)

 

 そう思いながら廊下を歩いていると

 

?「紅音ではないか!」

紅音「ん?あぁ利根かちょうどいい所に」

利根「?」

紅音「他の3人知らないか?」

利根「川内なら部屋で寝てるじゃろうが、他はわからんのぉ」

紅音「そうか…じゃあ他の2人見つけたら俺の部屋来るように言ってくれるか?あと利根もな」

利根「わかったのじゃ」

紅音「それじゃ俺は川内起こして来るから頼んだぞ」

 

 そう言うと2人は別れた。

 

紅音(ぶっちゃけスキル使えば大体の位置わかるんだがいいや)

紅音(確かこのあたりに)

 

 紅音は廊下の壁を触ると

 

紅音(『未知変える塀』)サプライズポケット

 

そこに突然扉が現れる。

 

紅音「お邪魔するぜい」

川内「スヤスヤ」

紅音(『闇夜に肘鉄砲』)ダークエルボー

 

 明るかった部屋が真っ暗になる。

 

川内「夜!?夜戦!」

紅音(解除)

 

 部屋が再び明るくなる。

 

紅音「やあ」

川内「あれ?まだ昼じゃん」

紅音「おーい?」

川内「あれ?なんで紅音いるの?」

紅音「今用事で全員俺の部屋に集めてるんです」

川内「そうなの?後できかs「おら行くぞ」

 

 紅音は川内の引きずるようにして部屋を後にする。

 

 

 

 

紅音の部屋

 

川内「まだ誰もいないじゃん」

紅音「キング・クリムゾン使えればあっと言う間ですよ」

川内「あれ数10秒じゃなかったっけ?」

紅音「んだっけ」

川内「てかそれに似た技使えるじゃん」

紅音「そうだったな。それでは数時間後に会おう」

紅音(『時感作用』)タイムバニー

 

 

 

 

2時間後

 

紅音「楽でいいな」

川内「こっちはかなり待ったよ」

 

 紅音が川内と少し喋っていると

 

扉「バァァァン!!!」

紅音「すごい豪快な扉の開け方ですね。扉が泣いてますよ?」

利根「なんじゃと!?それはすまん事をしたのぉ」

紅音「利根よ冗談だ」

利根「のっただけじゃ」

?「あの私この後お姉様とお茶会が」

紅音「喜べ比叡、当分本営の金剛とは会えないぞ」

?「それはどういう事でしょうか?」

紅音「今から説明するから海風含めて全員適当な所に腰掛けろ」

4人「はい」

 

 全員がソフォーに腰掛ける。

 

  比

  机 利   扉

  海

 

 

紅音「んじゃあ集めたわけを簡単に説明しよう」

紅音「ゼロから始めるブラック鎮守府生活。我ながら完璧な説明だな」

4人「えっ」

紅音「やっぱそうなるよね。知ってた」

比叡「その鎮守府には金剛お姉さまいますか?」

紅音「ちょっと待てな(ペラッ)…いるな良かったな比叡!」

比叡「はい!」

利根「お主は相変わらずじゃな…吾輩からも質問があるのじゃが」

紅音「なんじゃらほい」

利根「なぜ紅音が提督になるのじゃ?」

紅音「一応俺海軍の中将ですしおすし。あと人材不足じゃないですかね?詳しい事はシラナイト」

利根「ふむ…それで出発はいつじゃ?」

紅音「明日」

利根「わかったのじゃ」

紅音「4人も行くんですよ?」

川内「え?当たり前でしょ」

3人「…」コクッ

紅音(思ってた反応と違う)

海風「どこの鎮守府でしょうか?」

紅音「えっとねぇ…佐世保っすね。本土にある鎮守府がブラックなのはやばいでしょこれ」

海風「わかりました」

紅音「質問はもう無いかな?…ないなら解散、明日のマルハチマルマル俺の部屋集合で。川内遅刻すんなよ」

川内「流石にしないよ…多分」

紅音「遅刻したらおいてく」

川内「」

紅音「はい解散解散」

 

 そして全員が部屋を出て行くと紅音が

 

紅音「急すぎでしょ明日とか」

 

ため息まじりでそう呟く。




オリキャラ紹介
斎間 成城(さいま なるき)23歳 大将 男 横須賀鎮守府の提督 あだ名はにち
顔はイケメンというより男らしい顔 体格:筋肉質で骨太 身長:178cm
頭脳明晰 艦娘達からの信頼もあつい
その圧倒的な指揮能力などの高さから海軍1の策士と言われている。異例の若さで大将まで上り詰めた。

月乃 紅音(つきの あかね)23歳 中将 男 佐世保鎮守府の提督になる予定 あだ名は先生
顔:中性的 目は薄い赤色 髪は毛先に行くほど濃い赤色 体格:細いが筋肉質 身長:182cm
頭脳は普通だが身体能力や動体視力が高い。その他にもスキルというのが使える。戦場に出れば姫級ですら寄せ付けない圧倒的な戦闘能力を持っているためあれやこれやしてる内に中将になった。一部からは阿修羅と言われている。艦娘達からは憧れと羨望のまなざしで見られる(一部を除く)。

運動能力:アラレちゃん級
身体能力及び動体視力:アーカード級
生命力:両津勘吉級
能力:安心院なじみのスキル全て

紅音をキャラで例えるとこんな感じです。もはやチートを通り越したなにかです。

これはssなのだろうか?


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艦娘達の心を開く編
提督は上空から


次の日

 

 今は本営から佐世保鎮守府へ向かう装甲車の中。しかしそこには2人ほど姿が見えない。

 

利根「結局川内は寝坊じゃな」

海風「予想はしてましたけどね…」

比叡「それを結局待つ紅音も紅音ですけどね」

利根「全く、提督として着任するあやつが遅れるのはどうかと思うがのぉ」

海風「でも今回もあれで行くんじゃないですかね?」

利根「確かにあれで行けば遅れはしないがのぉ…」

比叡「やめてほしいですよね」

利根「制服をあずけてった所を見るとやるんじゃろうなぁ」

2人「ははは」苦笑い

 

 その上空、高度約2000m付近を飛んでいるチヌーク内

 

紅音「あと少しで目的地だぜ川内」

川内「今回もこれかぁ…まぁ、いいんだけど」

紅音「着地に失敗すんなよ」

 

 そこには装甲車には乗っていなかった2人の姿があった。しかし2人の服装は変わっていた。紅音は白色の将校の服ではなく黒色の戦闘服を着ており手には、黒色のタクティカルグローブをつけている。川内も普段の忍者を彷彿させる服から紅音と同じ服装に変わっている。

 

紅音「つくまでもうちょい時間あるから今回の落下地点を説明しよう」

川内(嫌な予感しかしない)

紅音「どうやら正面入口の上に結構大きいステンドガラスがあるらしい」

川内「えっ」

紅音「そこから、ダイナミック着任します」

川内「いやまぁ…いくつか質問があるんですけども」

紅音「なんでも言って。ちゃんと聞くから」

川内「あるらしいって言ったけどさ、ないかもしれないって事?」(よくそんな昔のアニメのセリフ覚えてるよね)

紅音「写真見た感じあったからきっと大丈夫だ」

川内「それいつの写真?」

紅音「に、2か月前」

川内「なんとも言えない」

紅音「無かったら俺が壁を斬るから問題ナッシング」

川内「問題しかないよ!?」

紅音「質問は終わりですか?」

川内「まだ」

紅音「ラストで」

川内「そのガラス割っていいの?」

紅音「どのみち割れるからイイんじゃないかな」

川内「攻撃される前提なのか…」

紅音「この手の鎮守府で攻撃されなかったためし無い件」

川内「そうですねはい」

紅音「あと」

川内「?」

紅音「心開かせる系のスキル使うなって言われたから」

川内「アッハイ」

紅音「じゃあ得物の準備しますかね」

 

 紅音はそう言うと武器などが入っている箱を開け、そこから1本の打刀と2本の忍刀を取り出す。

 

紅音「ほい川内」

川内「ありがと」

 

 川内に2本の忍刀を手渡す。

 

紅音「自分の身は自分で守れよ?」

川内「わかってるって」

川内「…いつ見ても紅音のその刀はすごいよね。鞘にさしててもわかるよ」

紅音「そりゃあ俺のスキルで作った数ある日本刀の中でも最高傑作ですからね。川内の忍刀も最高とはいかなくても傑作中の傑作ですよ?」

川内「わかってるよ」

 

 そんな事を喋っているとハッチが開く。

 

紅音「お?もうそろそろか」

川内「オートパイロットてこういう時便利だよね」

紅音「全くだ」

 

 2人はハッチの方に歩いていき、そして

 

紅音「パラシュート無しのスカイダイビングとシャレこもうぜ!」

川内「紐無しバンジーみたいに言わないでよ」

 

飛び降りた。

 

 

空中

 

紅音「多分途中で3人抜いただろうからな。3人の到着はまだだな」

川内「それまでに終わりるといいね」

紅音「終わるさ」

 

 

 

 

佐世保鎮守府

 

?「新しい提督が来るまであと30分といったところか」

?「昨日の打ち合わせどうりでいいんでしょう?」

?「あぁ、この鎮守府の最高戦力をもってして新しい提督を殺害する」

?「もう数人は配置についたわよ」

?「ふむ…それでは私も配置につくとするかな」

 

 

 

 

空中

 

紅音「1000mきった所かな?」

川内「さっきと比べてだいぶ地面が近いね」

紅音「そりゃそうだ、1000mも落ちたんだからな」

川内「そろそろスキル使った方いいんじゃない?」

紅音「そうだな」

紅音(『風の吹くまま』)ウィンドウショッキング

 

 2人の足に風がまとわりつく様に発生して落下が止まる。

 

川内「昔から言ってるけどチート過ぎるよね」

紅音「俺もそう思う」

川内「羨ましいよ」

紅音「俺はお前が羨ましいよ」

川内「…失言だったね」

紅音「大丈夫だ気にしてない」

川内「…」

紅音「ふむ…写真の通りステンドガラスがあるな。心の準備はok?」

川内「いつでも」

紅音「突撃いたしましょう!」

 

 そう言うと足にまとわりついていた風から強風が発生しドンドン加速していく」

 

紅音「5、4、3、2、1、今!」バッ

川内「…」バッ

 

 その声と同時に両手を顔の前でクロスし、足を曲げ、風が消え、ガラスに突撃する。

 

「ガシャァァァァン!!!」

 

 

 

 

 

ほんの少し時をさかのぼり鎮守府

 

?「少し配置につくのが早かったな…だが提督が予定より早くつく可能性もあるからな」

?「張り切りすぎるのも良くないぞ?」

?「わかってる」

 

 

 

 

そして現在

 

紅音(oh…予想してたけど殺す気満々じゃないですかヤダー)

川内(結構本気できてるじゃん)

紅音(ふむ、どうやらこの鎮守府の主力は全員いるようだな…あれやるか)

 

 そしてその2人は立ち上がりそして

 

紅音「ただいまをもってこの鎮守府に着任した月乃 紅音だ!詳しい事は後で食堂に集めるためその時に話す!!解散!!!」

川内(これで解散してくれるとありがたいんだけど…)

 

 一瞬なにが起こったかわからなかった艦娘達だが、紅音の大声で正気に戻り

 

?「そ、総員撃ち方始め!」

 

一斉に砲がこちらを向き

 

川内(ですよね)

紅音「やはり無理か」

「ドォンドォンドォンドォン!!!」

 

無数の砲弾が2人目掛けて放たれる。

 

紅音「なんだ?同じ艦娘である川内にも攻撃するのか?」

 

紅音が少しドスの聞いた声そう言う。そして

 

紅音「川内後ろに隠れてろ」

川内「うん」

 

紅音(『健脚の抜き足』+『多手多様』+『血は水よりも薄い』対象は砲弾だ)レッグウォーカー+アロットオブハンド+ウォータージェットメス

 

 紅音は居合の形になり刀を抜く。そうすると全ての砲弾のみ粉々に斬れる。

 

紅音「川内もういいぞ」

川内「なんだかんだ言って守ってくれるよね」

紅音「うるさい」

?「ど、どういうことだ」

紅音「お前長門だな?本営にも居たからわかる。それにここは大和型とIowaもいたな。まあその全員が今攻撃してきたんだが…」

長門「ッ!」チラッ

?「「…」」コクッ

 

 長門がある一角に視線を送る。そして

 

?「悪いけど死んでもらうっぽい!」

?「君には死んでもらうよ」

 

2人の艦娘がナイフを手に猛スピードで走ってくる。しかしこの時長門達は1つ見逃していた。既に紅音が抜刀している事を。

 

紅音「今のを見てかかってくる度胸は買おう。川内しゃがめ」

川内「…」スッ

紅音(『八刀身』+『悪化傷』)ヘッドエッジ+クリティカルキット

 

 紅音は振り向き、2人の艦娘に向けて刀をふると刀が伸びる。そして2人にかすり傷を負わせる。

 

?「痛いっぽいぃぃぃ!?」

?「ッゥ!?」

 

 しかし2人はその場にしゃがみこむ。これが悪化傷の効果。どんなかすり傷も致命傷になるスキル。

 

紅音「お前らは夕立と時雨だな?すぐに入渠してこい」

夕立「仕方ないっぽい」

時雨「…」ギロッ

紅音(睨まれるのは結構来るものがある)

 

 2人はその場を後にした。

 

紅音「じゃあさっき言ったとおり解散してくれると嬉しいんですが」

長門「断る」

紅音「oh」

 

 その時だった

 

?「何をしてるんですかあなた達?」

長門「お、大淀」

大淀「提督への攻撃は反逆罪ですよ?今回は見逃しますから解散してください」

長門「大淀がそこまで言うのなら仕方ない…解散だ!」

 

 長門がそう言うと大淀と紅音、川内を除く全員がその場を去った。去り際に全員が紅音の事を睨みながら去っていった。

 

紅音「俺のガラスのハートが粉砕されそう」

川内「紅音のガラスは強化ガラスでしょ?」

紅音「まあな。それより大淀さんさっきは助かりましたありがとうございます」

大淀「いえいえ、紅音さん方にはお世話になっていましたから」

紅音「まさかここの大淀さんが元本営の大淀さんだったとは…。最近姿見ないと思ってたんですよね」

大淀「ふふふ。今思ったのですが他の3方は?」

紅音「あと10分位で来ると思いますよ」

大淀「あぁ、2人は上から来たんですか」

紅音「よくわかりましたね」

大淀「あれを見れば大体は分かりますよ」

 

 大淀は割れたステンドガラスを見てそう言う。

 

紅音「後で掃除しときます」

大淀「よろしくお願いします」

川内「いつまでここに居るの?」

紅音「3人がつくまで話していよう」

 

 そして紅音達は3人がつくまでここで話していたという。

 




 改二が実装されている艦娘は改二ですが長門は改です。

 会話が多いと書きやすい。


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着任初日-食堂-

 3人と合流した後、大淀の案内で執務室の前まで来たのだが

 

紅音「ここは中世の貴族の部屋かなにかですか?」

大淀「い、一応執務室です」

紅音「oh」

 

執務室の扉は見事に装飾されており、いくつか宝石が埋め込まれている。

 

紅音「この扉外して宝石だけ売りましょうかね?」

大淀「鎮守府の予算額の倍近くになりますよ」

紅音「今の予算額だと鎮守府の修理代でなくなりそうだからな…」

比叡「と、とりあえず入りましょう」

 

 そう言うと比叡が扉を開ける。そうすると再び目を疑う光景が目に入る。

 

4人「…」

大淀「ははは」苦笑い

 

 白と金色の壁に、家具も同じく白色と所々に金色がある家具の数々。そしてその中でも特に目に入るのは

 

利根「なんで暖炉があるのじゃ」

 

壁にある暖炉だった。

 

紅音「…」スタスタ

 

 紅音は無言で部屋に入り電話をとる。そうするとどこかに電話する。

 

紅音「にちか?」

にち『先生かどうした?』

紅音「本営にある俺の部屋の家具持ってきてくれ」

にち『なぜに?』

紅音「佐世保鎮守府の執務室は中世の貴族の部屋だったよ」

にち『そういう事か…ちょっと考えさせてくれ』

紅音「わかった」

にち『あいつらを説得するのか…命の危険があるんだが…』超小声

紅音「なにか言ったか?」

にち『いや何でもない、まあ頑張るよ』

紅音「?」

にち『早くても明日だな』

紅音「わかった」

にち『んじゃな』

紅音「おう」

 

 そうして電話を終了する。

 

川内「家具はいつ届くって?」

紅音「早くても明日だってよ」

川内「じゃあ今日はこの部屋のままかぁ…」

4人「ハァ」

大淀「?確かに執務室にはふさわしくないですが良いじゃないですか」

海風「違うんですよ大淀さん」

比叡「その…私たち育ちがあまり良くなくてですね」

利根「こういう部屋は落ち着かんのじゃ」

紅音「まぁ、そう言う事だ」

大淀「?紅音さんは分かるとして、なぜ艦娘である4人が?」

 

 大淀の疑問は最もだろう。艦娘は本来工廠で妖精さんによって作られるか、海域でのドロップのみだ。育つのは鎮守府であり、鎮守府が貧しいなんとことは0に等しい。しかしそれは今、現在の話だ。

 

大淀(もしかして言ってはいけない事言っちゃいましたか?)

紅音「…大淀はいつ艦娘として生まれた?」

大淀「約3年前です」

紅音「なら知らないのも無理はないな」

大淀「?」

紅音「それより鎮守府を案内してくれないか?」

利根「そうじゃな、着任したからには部屋の場所などを知らないといけないからの」

大淀「分かりました」

紅音「あぁ、大淀さん案内する前に1つしてほしい事があるんだけど」

大淀「なんでしょうか?」

 

 紅音は部屋にあった時計を見て

 

紅音「夕飯の時間に艦娘達を食堂に集まるように放送してください」

大淀「確かに着任挨拶しないといけませんからね…分かりました」

紅音「ありがとうございます」

 

 

 

 

放送後

 

大淀「それでは案内しますのでついて来てください」

4人「了解」

紅音「まずはどこに?」

大淀「近い順から行くので、会議室、資料室、トレーニングルーム、食堂、工廠ですかね。その間にも色々ありますけど主要施設だけでいいですか?」

紅音「はい」

川内(今の時刻はちょうど昼時…食堂でなにもない事を祈ろう)

紅音(食堂に行く時間がいつになるかだな問題は…)

利根(最初の3つは問題じゃないんだがのぉ…)

比叡(実質食堂が1番最初ですよねこれ?)

海風(最初の3つ説明するところないですからね…)

大淀「紅音さんと川内さんは何時までその服装なんですか?」

紅音「俺はこのまま」

川内「着替えてくる」

 

 

 

 

5分後

 

川内「着替え終わったよ」

紅音「それでは案内よろしくお願いします」

大淀「紅音さん、せめて制服羽織ってください」

紅音「了解です」

 

 大淀にそう言われ服には手を通さずに羽織る。

 

紅音「行きましょう」

大淀「ハァ…分かりました」

 

 大淀は案内を開始した。

 

 

 

 

15分後

 

大淀「次が食堂ですね」

紅音「分かりました」

紅音(1時10分…なんとも言えない)

 

 そして少しあるき食堂が見えてきた。

 

利根「かなりボロボロのようじゃが…」

比叡「扉で中の様子は見えませんね」

紅音「結構声するんだけども」

川内「ドンマイ…」

海風「でも食堂の現状を見るのは大切ですよ?」

紅音「そうだが、流石にこの数で入るのは多くないか?」

利根「じゃあ誰を連れて行くのじゃ?」

紅音「実際俺1人で行くのがいいんだが、ガラス突き破る時に川内と一緒に来たからな。ここは川内を連れて行く」

大淀「あの私は?」

紅音「大淀さんはここで待っていてください。少しでも艦娘達の素の反応を見る場合、大淀さんが居ると見れないかもしれないので」

大淀「分かりました」

紅音「行くぞ川内」

川内「了解っと」

紅音「4人は見えない所に居ろよ?」

4人「了解」

 

 そう言うと4人は距離をとった。そして紅音がドアノブに手をかける。

 

「ガチャッ」

 

扉があく。

 艦娘達の視線が一気に紅音の方に来る。

 

紅音(想像以上に居たんだが)

 

 食堂内には20人ほどの艦娘達が居り、全員が食事の手を止めこちらを見ている。紅音が前にいるため川内はまだ見えていないようだ。

 

紅音(普通に入るか)

 

 紅音は食堂内に入りその後に川内も続く。そして紅音と共に入ってきた川内にも視線が送られる。そしてちらほらこんな小声だが喋り声が聞こえてきた。

 

?「あれ川内型の川内さんじゃない?」

?「なんで新しい提督らしき人といるのかな?」

?「きっと弱みを握られてるのです」

?「かわいそうに…助けてあげるべきよ」

紅音(やばい泣きそう)

 

 紅音は知らなかった。この時後ろの川内が艦娘達を睨んでおり、一部の艦娘がその目に震えていたことに。

 

紅音(確か本営と同じで給糧艦の2人と鳳翔さんが作ってるはずだよな?渡された資料を見た感じだと)

 

 紅音と川内はどんな食事なのか見るために調理場兼配給場に向かう。

 

紅音(まぁ、予想はつくんですけど)

川内(この手の鎮守府だと食事は…)

 

 2人は目的の場所についた。

 

紅音「すみません」

 

 そう言うと1人の女性が出てきた。

 

?「あ、…新しい司令官の方ですね…?何用でしょうか…?)

紅音(あの元気な間宮さんもこうなるのか…)

紅音「食事をしたいんですけど」

間宮「え?でも人間である司令官さんは燃料や弾丸などの資材食べれるんですか?」

紅音&川内(やっぱりね)

紅音「…」チラッ

川内「…」コクッ

紅音「じゃあ2つください」

間宮「え?え?」

紅音「あの〜?間宮さん?」

間宮「えっあっはい!」

紅音「2つください」

間宮「分かりました。すぐお持ちします」

 

 そして間宮は調理場へ向かっていった。

 

紅音(後ろが少し騒がしくなってる気がするのは気のせいだろうか)

川内「紅音無茶しすぎだよ?私ならまだしも」

紅音「1度食ってみたかったんだ」

川内「はぁ」

 

 2人が喋っていると2つのおぼんを持って間宮さんが出てきた。

 

間宮「お待たせしました」

紅音「ありがとうございます」

 

 紅音は間宮さんからおぼんを2つ受け取り何があるのか見る。

 

紅音(燃料のスープに弾薬6つか。それが川内の方も同じか)

紅音「川内どこに座る?」

川内「どこでもいいよ」

紅音「1番困る返答をありがとう」

紅音(じゃあどこに座ろうかね)

 

 紅音が周りを見て座れそうな所を探していると。

 

川内「あそこに座ろうよ」

紅音「どこでもいいんじゃ…なるほど、あそこに座るか」

 

 そこには1人の艦娘が座っており、こちらを見てお辞儀をしていた。

 そして2人はその艦娘の座っている席まで来て腰掛け、おぼんをテーブルに置く。

 

紅音「君は神通だね?」

川内「久しぶり神通」

神通「はい私が神通です。お久しぶりです姉さん」

 

 その艦娘は川内型2番型の神通。川内の妹にあたる。

 

川内「なんで神通こっち見てお辞儀したの?」

神通「あれは一応お誘いのつもりですけど…」

紅音「なんで誘ったの?」

神通「今回の提督は信用できそうだったので…」

紅音(信頼じゃなくて信用か…まぁ、そりゃそうか)

川内「なんでそう思ったの?」

神通「入って来た時に提督の事を悪く言ってた艦娘を睨んだ時と…」

紅音「え?睨んでたの?」

川内「うっうん、まぁね」

紅音「」

川内「つ、続きは?」

神通「この食事を頼んだ時と、その後2人が話してるのを見て決断しました」

川内「よかったじゃん紅音」

紅音「そうだな」

紅音「じゃあ食事するか」

 

 そう言うと2人は手を合わせ、いただきますと言い食事を始める。

 

川内(紅音どうやって食べるんだろう?)

 

 川内はそう思い燃料を飲みながら横を見ると。

 

「ゴクゴクゴク」

 

 上を向き燃料を一気飲みしている紅音の姿だった。

 

紅音(やばいなぁ…これは思った以上に来るなぁ)

川内「!?」

艦娘達「!?」

紅音「ふぅ…」

 

 紅音はスキルを一切使わずに燃料を飲み干した。艦娘達はさっきより騒がしくなっており、川内は紅音がスキルを使っていない事に気づき青ざめていた。

 

紅音(やばいぞぉ…流石にきついなぁ…)

 

 紅音は今度は弾薬を3つずつ掴み粉々にして粉薬の様に飲む。

 

紅音(早く…食べ…て…回復…しねえ…と)

 

 そして最後の弾薬も粉薬のようにして飲む。

 

紅音(『蘇生組織』+『頭薬物』)リピーターキッチュ+ハードラックストア

 

 紅音は蘇生組織により死んだ細胞やダメージをうけた臓器の蘇生を開始する。さらに頭薬物は本来毒薬物を司るスキルだがそれを上手い事使い体に入った毒を消した。

 

紅音(流石に死ぬかとおもっt…)

 

 紅音は隣から悪寒を感じ川内の方を向く。

 

川内「…」ハイライトオフ

紅音(目に光がない…これはやばい…めっちゃ怒られる)

 

 川内は残っていた資材をすぐに食べ、おぼんを間宮さんに渡し、紅音を引きずりながら食堂を出ていった。

 

艦娘達(なんだったんだ…)

神通「ふふふ」

 

 

 

 

廊下

 

 そこでは紅音が正座をして川内に怒られている姿があり、それを聞いた利根たちも参加し、紅音を叱っていた。

 

紅音「でもですね、一応ちゃんとした理由がですね」

川内「なに?言ってみて?」

紅音「本来あいう時は俺が艦娘達から食べてる資材を捨てるように言って、俺が料理をふるまうのが普通だと思うけど」

利根「そうじゃな」

紅音「俺はそれダメだと思うんだよね」

比叡「なんででしょうか?」

紅音「まずここの艦娘達はあれが食事だと完全に思ってると思うんだ。それをいきなり捨てろって言われて見たことない料理が出てきたら、俺が艦娘だったら確実に食わない」

海風「?」

紅音「そうだな…わかりやくす言うと。和食でも洋食でもどっちでもいいから食べてたとするだろ?それを1度も見たことない人間が急に来て、今食ってるの捨てろ、て言われたらどう思う?」

比叡「なに言ってるんだろう?と思います」

紅音「そして捨てたら1度も見たことない民族料理が出てくるわけだ」

川内「見た目にもよるけど確かに食べないね…」

利根「じゃあこの艦娘達はずっと資材を食べるのかの?」

紅音「なんのために昼ではなく、夕飯の時に集めたと思う?」

4人「?」

紅音「…まず俺が昼飯を食堂で食べたのは何10人もの艦娘達が見たんだ。そして夕飯の時に、昼は俺がご飯食べさせてもらったから今日の夕飯はお礼にと俺が作った。といえば自然な形で艦娘達の前に料理が出せるだろう?」

利根「なるほどのぉ…だが毒などを疑って食べない艦娘も出ると思うがのぉ」

紅音「それは大丈夫だ。確実に食べてくれる艦娘が大淀と神通の他にもう1人いる」

大淀「明石ですね」

利根「なぜ明石なのじゃ?」

紅音「工廠に行けばわかる」

紅音「説教は終わりかな?」

川内「うん、もういいよ」

 

 紅音は立ち上がる。

 

大淀「じゃあ工廠に向かいましょう」

 

 6人は工廠に向かっていった。




 料理を最初っからふるまうなどのssは見たことありますが、資材を食べたssって作者は見たことないですね。次回は工廠と着任挨拶です。


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着任初日-工廠と着任あいさつ-

 工廠へ向かう途中で不意に紅音が口を開く。

 

紅音「憲兵居なくね?」

利根「確かに先程から見ないのぉ」

大淀「もしかして紅音さん元帥殿から聞いてないんですか?」

紅音「あの爺さんからは資料渡されただけで何も聞いてないですね」

大淀「はぁ…じゃあ私が言われた事をいいますね」

紅音「お願いします」

大淀「紅音が着任するんじゃから憲兵いらないじゃろう。ということです」

紅音「いいのかそれで…」

大淀「陛下と総理も許可したそうですよ」

紅音「信頼されすぎてて怖い」

海風「信頼されてないよりは良いじゃないですか」

紅音「そうだけども…」

 

 そんな事を喋っていると工廠が見えてくる。

 

紅音「これまた…」

紅音「M〇でも格納されてるのかな?」

 

 そこには、〇Sでも格納されているんじゃないかと言う位大きい工廠があった。

 

川内(明石だったらやりそうで怖い)

 

 工廠を見ると異常に大きい搬入口の他に人が入る様に扉もあることに気づく。

 

大淀「あそこから入ります」

 

 6人がその扉に近づくと

 

「カシャン」

 

と音と共に開く。

 

紅音(自動ドアなのか…)

利根「改造しすぎじゃろう…」

大淀「前までは普通だったんですけどね」

 

 6人が中に入ると、中には建造や開発、改修などをする機械の他に見たことない機械がいくつも並んでいる。

 

川内「ここだけ未来行き過ぎじゃないかな…?」

 

 川内がそう言った時だ

 

?「「「イー!」」」

 

 3人?が上から奇襲を仕掛けてくる。

 

紅音(『知識の方向』)プロットファイト

 

 全員が紅音のみに奇襲したもの、スキルで攻撃を読まれよけられる。

 

紅音(明石に会いに来ると毎回こうだな…)

 

 紅音は3人?と対峙する。

 

?「イー!」

 

 1人が紅音に向けて右ストレートを放ってくる。

 

紅音「ふん」

 

 紅音はそれを受け止め、腕を引き寄せ付け、

 

紅音(『五感性』)クリティカルファイブ

 

顎にアッパーを叩き込む。1人はその場に倒れこむ。

 

紅音(悪いが視覚を奪わせてもらった)

 

 五感性は相手を殴ることに五感を1つずつ奪うスキル。

 

?「「イー!」」

紅音「今度は2人まとめてか」

 

 1人は紅音を掴みかかってくる。もう1人は紅音の後ろに回り攻撃を仕掛けてくる。

 

紅音(『手回し蹴り』)スピンオフセット

 

 掴みかかってきた1人の顎を蹴り上げ、そのまま後ろに回転しもう1人の脳天をける。

 

紅音「まだまだだな」

?「ありゃりゃ、負けちゃいましたか」

紅音「毎回思うが、こいつらの服装直さないのか?明石」

明石「いいじゃないですか!ショッ〇ーですよ!〇ョッカー!」

紅音「名前を出すんじゃない」

明石「でも人造人間じゃないですよ?人工知能詰んだロボットです」

紅音「そっちのほうがすごいと思う」(なんたってロボットなのに五感あるんだからな)

明石「ふふん、で要件はなんですか?」

紅音「あれやりたんだが…ある?」

明石「ありますよ」

紅音「明日やりたいんだが…」

明石「大丈夫ですよ!いつも整備してますから!」

紅音「それじゃ明日取りに来る」

明石「分かりました」

 

 2人がそんな会話をしていると

 

利根「お主もしや大本営の明石ではないか?」

明石「え?そうですよ?」

利根「どうしてここにいるんじゃ…」

明石「あれ?聞いてないんですか?」

海風「何も聞いてないです」

大淀「私が説明します」

大淀「元々にここに所属していた大淀や明石は交代になったんです」

比叡「交代ですか?」

大淀「厳密に言いますと、提督が変わると私や明石と言った大本営から送られる艦娘は入れ替わるんです」

海風「そうだったんですか…」

利根「初耳じゃな」

明石「提督が変わるなんて滅多にないですからね。初耳なのは当然でしょう」

紅音「話変わるが明石」

明石「なんですか?」

紅音「この鎮守府に今食材あるか?」

明石「それなんですが…ないんですよね」

紅音「じゃあ買ってこないとダメか…」

 

 本来最低限の食材は大本営から送られてくるが、こういったブラック鎮守府ではそれすらも横領する提督がいる。

 

明石「買いに行くなら街に行くしかないですよ?」

紅音「行くしかないだろ」

明石「行くなら軍服はやめて、私服で行くことをおすすめしますよ」

紅音「最初っからそのつもりだ」

紅音(住民からの評判が怖いなぁ)

明石「行くならバイクありますよ」

5人(嫌な予感しかしない)

利根「どんなバイクじゃ?」

明石「ついて来てください」

 

 6人は明石についていくと

 

明石「これです!」

紅音「こんな事だと思ってたよ…」

明石「新サイ〇ロン号ですよ!」

川内「普通の乗り物ないの?」

明石「一応ありますよ」

 

 再び明石についていくと、今度は布のようなもので覆われているバイクが出てくる。

 

紅音&川内(ん?この形…)

明石「まだ未完成なんですけどね…」

 

 明石はそう言いながら布を一気に取る。

 

紅音&川内「こ、これは」

 

 銀色を主体としたバイクでところところが緑色に光っている。形で言えばスポーツよりだろうか?

 

明石「詳しい描写がなかったので最高時速とかは適当に設定しちゃいました。馬力はわからないです」

紅音「どういうことだ…」

明石「最高速度多分マッハ行きます」

紅音「俺を殺す気か?!」

明石「これが嫌ならさっきのになりますよ?」

紅音「えぇ」

明石「ちなみにこちら色々イジったので少し見てくださいよ」

 

 明石はそう言いながらバイクにまたがる。そして

 

「ブォォォォォォン!!!ブォォン!ブォン!」

明石「どうですかこのエンジン音!」

紅音「ただただうるさい」

比叡「うるさいですね」

利根「もう少し静かにできんのかの?」

川内「なんか違う」

海風「確かに大きい音ですね…」

大淀「エンジン止めてください」ニッコリ

明石「目が笑ってませんよ!?」

大淀「止 め て く だ さ い」

明石「はい…」

紅音「歩って行くわ」

利根「そうじゃな」

紅音「じゃあ着替えて門集合で。大淀さんは鎮守府に残っていてください」

大淀「分かりました」

 

 

 

 

30分後

 

紅音(遅ない?)

 

 紅音は着替えを10分もかからずに終わらせ門に来ていた。かれこれ20分近く待っている。

 

紅音(確かに何分後とか言わなかったけど…)スマホ取り出し

紅音(まだ2時過ぎか)

 

 紅音はスマホを取り出し現在時刻を確認する。

 

紅音(ゲームでもしてようかな)

 

 そう思いスマホをいじっていると。

 

利根「待たせたの」

紅音「自覚あるのか…」

利根「こういう時は、待ってないと言うのが普通じゃろう?」

紅音「そう言う物か?」

利根「そういうものじゃ」

紅音「よくわからんな」

 

 

 

 

 

更に10分後

 

紅音「やっと全員揃ったか」

利根「行こうぞ紅音」

紅音「そうだな」

 

 

 

 

近くの街

 

紅音「買いすぎたかな?」

川内「こんなもんじゃない?」

紅音「帰ったらクッキングタイムですよ」

比叡「気合!入れて!作ります!」

紅音「頑張ってくれ」

海風「少し疲れました」

紅音「そうだな…どっかで休憩するか」

 

 紅音は周りを見渡す。

 

紅音(喫茶店にドーナッツ屋、ふむ?スイーツの食べ放題の店もあるのか…この後大量の料理作るために動くからな、ある程度食べても問題ないが…)

利根「喫茶店でいいのではないか?」

紅音「お前コーヒー飲めないだろうに」

利根「砂糖を入れれば飲めるぞ!」

紅音「そう言う俺もブラックは飲めないのだがな」

川内「私は休憩出来ればどこでもいいよ」

海風「私もどこでも大丈夫です」

比叡「本人がどこでもと言ってますから喫茶店でいいんじゃないですか?」

紅音「そうだな…それじゃ喫茶店で休憩するか」

 

 

 

 

喫茶店内

 

利根「ここのチョコケーキ絶品じゃな!」

海風「チーズケーキも美味しいですよ」

比叡「紅茶おいし」

川内「コーヒーもおいし」

紅音(すっごい店主ニコニコしてるんですけど…)

紅音「あっホットケーキうま」

紅音(ん?今の店主の機嫌だったらそれとなく鎮守府の評判聞けるのでは?)

 

 紅音はソファー席から立ち上がりカウンターの方に行く。

 

紅音「すみません」

店主「なんでしょうか?」

紅音「最近こちらに越してきたんですが、この近くに鎮守府あるじゃないですか?どんな鎮守府か聞きたいんですけど」

店主「どんなとは?」

紅音「評判とか噂ですかね」

店主「そうですね…最近は提督が変わったらしくてわかんないですね…」

紅音「わかりました」(前提督の事を聞くと逆に怪しまれるな)

紅音「先に会計済ませてもらっていいですか?」

店主「2350円です」

 

 

 

 

会計を済ませ、鎮守府に帰還後。

 

紅音「やべぇ!ゆっくりしすぎた!」

 

 現在時刻は4時。夕飯の時間まで3時間。佐世保鎮守府に所属している艦娘の数は112人。

 

紅音「食事はバイキング形式にするぞ。大和型と空母が居るから少し怖いが…」

 

 食堂には今、あの3人はいないため今の内に作るしかない。

 

紅音「俺はデザートと主菜を担当する。川内と利根は主食、海風と比叡は副菜を担当してもらう。行動開始!」

紅音(『心分身』)ニーズペーパー

 

 紅音が2人に増える。そして各々が料理を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2時間と40分後

 

5人「ハァーハァー」

 

 5人は椅子に腰をかけて全員肩で息をしていた。

 

川内「つ、疲れた…」

紅音「この後お前らもあいさつするんだぞぉ…?」

利根「少し休みたいのぉ…」

比叡&海風「…」チーン

紅音「2名ほど撃沈してるんだが…」

利根「エプロンのままでいいのじゃないか?」

紅音「それは流石にあかんで」

川内「後10分…」

紅音「これで来なかったら泣ける」

利根「来るじゃろう」

紅音「着替えてくる…」

川内「この撃沈してる2人は私と利根で担いでくよ」

紅音「じゃあまた数分後」

 

 

 執務室

 

紅音「やっぱりこの服装が1番だぜ」黒い戦闘服に黒いタクティカルグローブ

大淀「せめて羽織ってください」

紅音「アッハイ」

大淀「先に行った明石からの連絡だと艦娘来てるらしいですよ」

紅音(料理はテーブルにのってるけど見えないようにしてるから大丈夫なはず)

大淀「そろそろ向かいましょう」

紅音「了解」

 

2人は執務室を出る。

 

 

 

 

食堂前

 

紅音「誰から入るの?」

5人「えっ?」

紅音「えっ?」

紅音「いや、俺はてっきり大淀さんが最初に入ってその次に俺、後は適当にかと…」

大淀「確かにそれもありですね」

海風「あと5分ですよ?」

大淀「じゃあそれで行きましょう」

 

 大淀が食堂の扉を開けて入っていく。

 

紅音(あれ?かなり集まってる)

 

 紅音が入ると食堂にいる艦娘全員の視線が紅音に向けられる。

 ほとんどの艦娘が紅音の顔を見て睨みつけている中、一部の艦娘が紅音の羽織っている軍服を見て目を見開いている。

 

(ンん!?)

(なんであの勲章が!?)

(何もんだあいつ…!?)

 

 紅音の軍服には数々の勲章がありその勲章のほとんどが、姫や鬼、レ級と言った深海棲艦の中でも特別な深海棲艦を倒した場合に授与される勲章がいくつもあった。その中でも特に異質な存在感を出している勲章それが〈大勲位菊花大綬章〉。

 

紅音(視線がすごい…胃が痛くなるよ全く)

 

 扉から入ってきた6人が艦娘達の前にでて大淀が喋りだす。

 

大淀「今から今日着任した新しい提督と4名の艦娘からの着任あいさつをおこないます」

5人(なぜか緊張してきた)

大淀「まずは提督お願いします」

紅音「はい」

 

 紅音が大淀と入れ替えあるようにして、マイクをもらい前に出る。

 

紅音「既に俺の事を見てる艦娘もいるだろうけど自己紹介はしてないと思うから、軽く自己紹介するわ。名前は月乃 紅音、階級は一応中将で23歳。まぁ、よろしく」

大淀「…えっ?終わりですか!?」

紅音「他になんか言った方いいですかね?」

大淀「なにか…こう」

紅音「なんでしょう?」

大淀「一言なにか」

紅音「そうですね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アニメや漫画、ゲームが好きです。あっ特撮とか映画も好きですよ」

紅音(どうよ?)

 

 紅音が大淀達の方を見ると、大淀と利根は顔を手で覆って呆れており、川内と比叡は吹きそうになっており、海風は「あはは」的な笑顔でこっちを見ていた。

 

紅音(あれ?俺おかしい事言ったかな?)

 

 紅音が艦娘達の方を見直すと、数人の艦娘が目を輝かせて紅音を見ていた。

 

大淀「紅音さん終わっていいですよ…」

紅音「わかりました」

 

 その後の4人は何事もなく自己紹介を終わる。

 

大淀「最後に提督から一言あるそうです」

 

 再び紅音前に出る。

 

紅音「夕飯はこっちで用意したからそれを食べてもらいたい」

 

 そう言うと明石の謎技術により見えなくなっていた料理の数々が出てくる。

 

紅音「毒とか疑うなら無理に食べてもらわなくていい。そのために資材も置いておいた。俺からは以上だ」

大淀「それでは各々食べ始めて構いません」

 

 最初は動かなかった艦娘達だが明石と大淀が食べ始めた事により、食べ始める艦娘が増えていった。

 

神通「あの、姉さん」

川内「ん?」

神通「ご一緒に食べませんか?」

川内「いい?紅音?」

紅音「いちいち俺に聞くな。行ってこい」

川内「じゃあ神通行こっ」

神通「はい姉さん」

 

 それぞれが姉妹艦と一緒に食事をとるのは紅音が所持している艦娘も例外ではなくそれぞれが姉妹と食事をとるなか、紅音は異変に気づく。

 

紅音「金剛型がいない…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お↓ま↑け↓

 

?「ご主人様!ガ〇ダム知ってますか!?」

紅音「あぁ」

?「好きなMSなんですか!?」

紅音「ヅ〇」

?「お前なんでその勲章もってんだ!?」

紅音「授与さr

?「好きな映画なn

紅音「ブラックh

?「好きな戦t

?「好きな仮面らいd

?「ゲームなにすk

 

 紅音は質問攻めにあっていた。




 ここの明石はアニメと特撮スキーです。本人曰く「私のはショッカ〇じゃなくてアッカーです」だそうです。

 銀色のバイク分かる人はすぐわかると思います。この提督の一言は自分で書いてて「ふっ」ってなりました。


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ヒーローショー前編

 サブタイトルからただよう茶番臭。


 次の日の午前4時。

 

紅音「ねみっ」

 

 紅音は執務室に敷いた布団で目が覚める。

 

紅音「布団の魔力が…」

 

 紅音はそんな事を言いながらゆっくり布団から起き上がり、布団をたたむ。

 

紅音「いつぶりだよこんなに早起きしたの…」

 

 歯を磨き、顔を洗いいつもの服装になりカロリーメイト片手に執務室を出る。

 

紅音「カロリーメイトはチョコ味が個人的に1番だな」もぐもぐ

 

 カロリーメイトを食べながら目的地の1つである資料室に入る。資料室には今までの出撃内容や任務、遠征などの資料を見るためだ。

 

紅音(戦艦の出撃に関する資料はこの辺だな)

 

 前提督はかなり几帳面だったらしく艦種別々にしかも姉妹艦ごとに資料が分けられている。その中で、紅音が手にしたのは金剛型の出撃内容について書かれている資料だった。紅音はカロリーメイトのゴミをポケットにつっこみ資料を開く。

 

紅音「…」ペラ…ペラ…ペラ

紅音(最後の出撃はちょうど2か月前…金剛、榛名、霧島のみでの出撃。出撃海域は…サーモン海域か。レ級の居る海域か、その他にも空母もいたはずだが…そこに戦艦オンリーで出撃とは生存の可能性は極めて低いな…)

 

 紅音は資料を棚に戻し、資料室を後にする。

 

紅音(次は工廠か)

 

 紅音は工廠へ向かう。

 

 

 

 

工廠

 

 昨日同様3人を葬り、明石と喋っている。

 

明石「あれの準備は出来ましたよ」

紅音「じゃあグランドに設営しよう」

明石「ステージの設営はもう終わらせましたよ♪」

紅音「自分が好きなものをやるときは準備いいな」

明石「紅音のやるショーは迫力が違いますからね!」

紅音「駆逐艦に評判いいからなあれ…駆逐艦の心を開くのはこれでいけるだろう」

明石(軽巡や重巡、戦艦の一部にも評判いいですけどね)

紅音「試すからベルト持ってきてくれ」

明石「少々お持ちください」

 

 

 

 

5分後

 

明石「持ってきました!」

 

 そう言いながら紅音に1つのベルトを渡す。

 

紅音「じゃあやるか」

明石(ワクワク)

紅音「変身…!」

紅音「とぉう!」

 

 紅音はそう言うと上にジャンプすると、ベルトから白、黄色、白、青、赤の色が出てきて、そして紅音は上空で1度回転し着地する。

 

紅音「ほんとどうやって作ったんだ…」

明石「気合と根性で」

紅音「そうか…」

 

 紅音の姿は変わり、赤色に手袋とブーツにスカーフ、ブラックのマスクを被っている。仮面ライダ〇ストロンガー以降に出てくる仮面ラ〇ダー2号の姿になっていた。

 

紅音「準備運動したいんだが」

明石「アッカーでいいですか?」

紅音「なんでもいいぞ」

明石「ちょっとついて来てください」

 

 明石について行くと工廠の地下に進んでいく。

 

紅音「なんで地下あるんですかね」

明石「作りたいものが色々あるんですよ」

紅音「頼むからMSは作らないでくれよ」

明石「エ〇ァはいいんですか?!」

紅音「違うそうじゃない」

明石「アク〇リオンですか?」

紅音「作ったらぶっ壊すぞ」

明石「〇グラム」

紅音「確かにカッコイイけどねダグ〇ム」

明石「じゃあいいんですか?!」

紅音「いい訳無いだろ」

 

 そうこうしてる内に

 

明石「目的地につきましたよ!」

紅音「えぇ」

 

そこにはヒーロー特撮で定番の採掘場があった。

 

明石「大変でしたよ」

紅音「地下に空がある…だと?」

明石「映像ですよ?」

紅音「知ってるよ!」

明石「じゃあ下に降りて待っててください」

紅音「うっす」

 

 紅音が1番下に行くとスピーカーから明石が喋ってくる。

 

明石『アッカー50人位でいいですか?』

紅音「構わん」

明石『じゃあやりますね』

 

 そう言うと壁の一部が開き何十人ものアッカーが出てきてこちらに向かってくる。

 

明石『ちなみに今6時になるところですよ〜』

紅音「了解」

紅音(家具の受け取りは川内達に任せてるから問題ないな)

 

 紅音はそう考えながら拳を構える。このスーツを着ている時は明石の謎技術によりスキルが封じ込まれるものの、元々が化物なので問題はない。

 紅音は左右に少し揺れており、両足は肩の位置まで開いている。

 

アッカーA(以下アA)「イー!」

 

 最初の1人が紅音に向かって駆けてくる。

 

紅音「…」ザッ

 

 次の瞬間アッカーの視界から一瞬紅音の姿が消え、アAの目前には紅音の膝があった。

 

アA「イー!?」

 

 アAは飛び膝蹴りが顔面に直撃し、かなり後方に飛び他のアッカー達にあたる。

 

紅音「2号は力の2号とも言われたんだぜ?」

アBCD「イー!」

 

 

 

 

10分後

 

紅音「もう終わりか?」

明石『50人いたんですけどね…』

紅音「怪人みたいなのいないんですかね?」

明石『いますけど、ショーで出したいんですよ』

紅音「じゃあもっと骨のある奴は?」

明石『いますけど…』

紅音「じゃあそれで出してくれ」

明石『仕方ないですね』

明石『少々お待ちください』

紅音「了解」

 

 

数分後

 

明石『準備できましたよ』

紅音「いつでもいいぜ」

 

 さっきとは別の壁が開く。そこから出てきたのは

 

紅音「明石…あとで工廠検査するからな…」

明石『紅音が骨のある奴出せって言ったんじゃないですか!』

紅音「話は後でするから、スキル使える様にできるか?」

明石『出来ますよ。時間かかりますが』

紅音「使える様にしたら今回の事は不問にしよう」

明石『5分で終わらせます!』

紅音(5分か…)

 

服装は黒ずくめで、頭の上半分がガラスの様になっており脳が見える。

 

紅音(明石本気出したら深海棲艦全滅させられるんじゃねえのかこれ?)

 

 紅音と壁から出てきたそれは対峙している。

 

紅音「悪いが明らかにハカ〇ダーのあんたがこれ以上出るとタグ追加しないといけないんでな…ここで退場してもらうぜ!」

 

 紅音は先程同様に飛び膝蹴りを放つ

 

紅音「マジか」

?「…」

 

が敵は難なくそれを左手で受け止める。

 紅音は右左右と拳を放ちつつ蹴りも放つが

 

紅音「その見た目は伊達じゃないのね…」

 

全て避けるかいなされる。

 

?「…」グッ

紅音「ッ!」

 

 敵は紅音と同じ構えをとる。

 

紅音(まだですかね…)

?「…」

 

 敵も紅音同様に拳と蹴りを放ってくるがマシンガンを1m先から撃たれても見切れる紅音の動体視力をもってすれば避けるのは難しいことではない。

 

明石『使える様にしましたよ!』

紅音「ok!」

 

 紅音はそれを聞くと大きく後ろに飛び退く。

 

紅音「悪いがさよならの時間だ」

紅音(『間違いなく放火』+『怠るの墓』)エキジビションマッチ+サボタージュビーム

 

 紅音は手を合わせるとそれを徐々に開いていく。そうするとそこに火の玉が出来ていた。その火の玉は赤から青に変わってゆき大きさがバスケットボールサイズまでなると眩い光が火の玉を覆う。

 

紅音「…」スッ

?「?」

 

 紅音をそれを構え投げる。そうすると

 

紅音「ふぅ」

 

その火の玉は光の速さで敵の方へ投げられ通った所にあった物は全て蒸発した。

・間違いなく放火 火を司るスキル

・怠る墓 光を司るスキル

 

明石『結構自信作だったんですけどね…』

紅音「スキルが使えなかったらきつかったな」

明石『強すぎですよ』

紅音「まぁな…今何時だ?」

明石『もう7時ですね』

紅音「じゃあ9時頃にショー開始するか」

明石『放送しときますね』

紅音「頼んだ」

明石『じゃあ上に戻りますか?』

紅音「そうするよ」

 

 

 

 

 

工廠

 

明石「食堂に食べに行くんですか?」

紅音「ん?あぁ、昨日3人に言われて許可したから今日から人の食べ物もメニューに追加されるんだっけ」

明石「そうですよ」

紅音「でも俺カロリーメイト食べたからいいや」

明石「はぁ、そうですか」

紅音「じゃあ9時前にまた会おう」

 

 そう言うと紅音は工廠を後にした。

 

執務室

 

紅音「家具来たのか」

利根「今から模様替えじゃ」

紅音「8時50分まで暇だからな俺もやろう」

比叡「それなら早く終わりそうですね」

紅音「比叡少し話があるから来てくれ」

比叡「?わかりました」

 

 

廊下

 

比叡「話とはなんでしょうか?」

紅音「金剛達の事なんだが、最後の任務が2か月前のサーモン海域への出撃だった」

比叡「そうですか」

紅音「明日サーモン海域に俺が行ってみる」

比叡「お願いします」

紅音「んじゃ、模様替えの手伝いに行こう」

 

 

 

 

1時間20分後 グランド

 

明石「もう少しで機材の準備終わりますよ」

紅音「じゃあ配線チェックしてくる」

明石「わかりました」

大淀「ほんとにやってたんだすね…」

明石「本営に居たときは夕張に手伝ってもらってたんですけどね」

大淀「この鎮守府の夕張さんは装備開発専門ですからね」

明石「大本営の夕張異動できないんですかね」

大淀「紅音さんに言ってみてわ?」

明石「いくら紅音でも無理じゃないですかね」

紅音「何がだ?」

大淀「明石がですね、大本営の夕張移動できないですかね。だそうです」

紅音「一応じいさんに進言してみるか」

明石「ほんとうですか!」

紅音「期待しないほうがいいぞ」

明石「わかってますよ」

紅音「あと15分か」

大淀「大本営でやってた時は何人位来てたんですか?」

明石「駆逐艦は全員来てましたね確か」

紅音「軽巡とか重巡、戦艦も何人か来てたな」

大淀「結構人気だったんですね」

紅音「俺はただ戦ってただけなんだがな」

明石「迫力がすごいんですよ。寸止めじゃなくて当ててるんですから、しかも全力の」

紅音「ロボットだから別にいいだろ」

明石「いいですけど、あれやると著しく私の戦力が低下するんですよね」

紅音「戦力ってなんだよ…」

明石「一応アッカーの力は最低でも総合格闘技のヘビー級チャンピオンクラスで俊敏さはフライ級チャンピオンクラスなんですよ?体力は無限に近いですけどね」

紅音「最低でもそれなんだ」

大淀「1番上などんな化物なんですか…」

明石「アッカーの最上はそうですね…力はゴリラ、俊敏さはチンパンジー、足の速さはチータークラスですかね」

紅音「それで体力はほぼ無限か…」

明石「はい」

紅音「どんな化物だよ…」

明石「あなたがそれを言うんですか」

紅音「俺を基準にしたら艦娘ですら一般人になるぞ」

明石「説得力が違いますね」

紅音「まぁ、どんな敵が来るか楽しみにしてるよ」

明石「今回の怪人は強いですよ?」

紅音「なに?ン・ダ〇バ・ゼバでも出すの?」

明石「…」

紅音「えっ」

明石「楽しみにしててくださいね」

紅音「せめて昭和ライダーと戦ったの出して下さいよ?」

大淀(全く話についていけない)

明石「あっあと7分ですよ」

紅音「じゃあもう何人か来ててもおかしくないな。少し見てくる」

 

 紅音はそう言うと少し客席のある方を覗く。

 

紅音「あれ?全員来てる?」

紅音(いやまぁ、昨日特撮とかアニメ、ゲームの話で盛り上がった漣、望月、夕張と他の駆逐艦も分かるとして、まさか他の艦娘も全員くるとは…)

明石「どうですか?」

紅音「全員来てる」

明石「これは張り切って行かないとだめですね」

紅音「俺はただ戦うだけでいいんだよね?」

明石「そうですね。最初は怪人が喋って登場して、2号のセリフとかは先程付けてもらったマイクが言ってくれるので。せめて振り付けはして欲しいですね」

紅音「何時も通りやれと」

明石「そう言う事です」

大淀「あと3分ですよ」

明石「私と大淀は最初喋るのでそれでは。あっ戦闘時のBGM妖精さん選曲なので」*戦闘時のBGMは皆様のご想像にお任せします

 

 

 

 

明石と大淀がステージで喋ってる時舞台裏

 

紅音「ほどよく緊張」シュッシュッシュッ

 

 紅音はシャドーボクシングで最後の準備運動をしていた。

 

 

 

 

明石と大淀が喋り終わり間もなく怪人達が出てくるところになっていた。

 

紅音「今回の怪人は期待していいのかな?」

明石「もちろんですとも」

紅音「毎回言ってるよね」

明石「今回こそは」

 

 そんな会話をしていると

 

アABCDE「イー!」

 

明石「あっ出てきたみたいですね」

紅音「もうすぐか」

 

 そしてすぐに

 

明石「あと15秒ですよ」

紅音「了解」

 

そして

 

紅音「そこまでだショッカー」声は一文字隼人

紅音(まだ怪人はいないのか)

 

 紅音がベルトを腰につけ出てくる。数人の艦娘は既に目が輝いてるが、このヒーローショーの見所はまだここではない。

 

アA「イー!」

 

 アッカーの1人が低い姿勢で目にも止まらない速さで紅音にタックルを仕掛けてくる。

 

紅音「…」ガシ

アA「イッ!」

紅音「フンッ!」

 

 アッカーAの頭を両腕で抑え膝蹴りを3回放ち、そして

 

紅音「とう!」

 

両手を話前蹴りを腹部に放つ。

 

アA「イー!」

 

 アッカーAが後方に飛ぶ。そして

 

紅音「…変身…!」

紅音「とぉう!」

 

 先程同様に上空にジャンプし、ベルトから様々な色が出、一度回転し着地する。

 

紅音「こい、ショッカー…!」




 比叡だったら一緒にサーモン海域行くといいそうですが、なぜ言わなかったのかは後で分かります。
 あくまでショーなので甘く見てください。





 タグ追加すべきか迷ってる作者です。


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ヒーローショー後編

 今回はいつもより短いです。あと少しシリアス?。
 タグ追加しました。


紅音「こい、ショッカー…!」

アBC「イー!」

 

 アBが紅音に向けて右ストレートを放ってくる

 

紅音「ふっ!」ガシッ

 

紅音はその右手を掴み反時計回りで回り、アBの後ろに居たアCにアBを投げる。

 

アBC「イー!」

 

 2人はもの凄い音を上げて衝突し、数m飛び倒れる。

 

紅音「…」ダッ

アD「イッ!」

 

 アDとの距離を一気につめ、人でいう喉仏のあるところに、左ジャブを叩き込む。

 

アD「イィ…!」

 

 そして喉を抑え前のめりなり、顔が下を見たときに鼻めがけてアッパーを叩き込む。

 

紅音「次」

 

 アDはアッパーをくらい上に少し飛び、その場に倒れこむ。

 

アE「イ、イー!」

 

 アEは紅音の脇腹目掛けて横蹴りを放つ

 

紅音「…」ガシッ

アE「イッ!」

紅音「ふんっ!!」ブンッ

 

 紅音はその足を掴み、そのまま自分の後ろに地面に叩きつける。

 

アE「い、いー…」バタ

 

 アEはそのまま動かなくなる。

 

明石(そろそろですね)

 

 その時だった

 

「ブオォォォォォン!」

 

紅音「ッ!?」

 

 バイクの音のする方を向くと。

 

?「ギー!」

 

 バイクからそれは降り既に近くまで近づいていた。

 

紅音(ショッカーライダーNo.1か…)

No.1「ギー!」

紅音「くっ!」

 

 No.1は紅音の顔にハイキックは放つが後ろに仰け反り紙一重で回避する。

 

紅音(流石にいいキレだな)

 

 紅音はそのまま後ろにバク転しつつ蹴りを放つ

 

No.1「ギー!」

 

No.1も同じく後ろにバク転し回避する。

 

紅音「…」

No.1「ギー!」

 

 お互い目にも止まらない拳と蹴りを放ち、お互いの拳と蹴りが衝突するたびに爆発音に近い音がグラウンドに響き渡る。

 艦娘達は一部をのぞいてかなり盛り上がっているが、一部はこれが死闘であるという事に気づき息を飲んで見ている。

 

No.1「ギー!」スッ

紅音「ッ!」

 

 No.1は右手を伸ばし指先を紅音の方に向ける。そして「バァン!バァン!バァン!」指からロケット弾が発射される。紅音はそれは瞬時にしゃがみ回避する。そして

 

紅音「…」ガシッ

No.1「ギッ!?」

 

 紅音はNo.1が伸ばした右手を掴み無理やり背負投をする」

 

「ゴキッ!」

紅音「ふっ!」

No.1「ギィ!」

 

 無理やり背負投をしたためNo.1の右肘が外れ、地面に叩きつけられる。しかし紅音も変な体勢から背負投をしたためバランスをくずし、追撃はできず、No.1は立ち上がる。

 

No.1「ギー!」

紅音「…」

 

 紅音は構えを変え、蜘蛛の様に四足歩行の様な体勢になりそこから

 

紅音「…」ビュッ

No.1「ギッ!?」

 

一気にスピードを上げNo.1の腰に手を回し

 

紅音「ふんっ!」

No.1「ギィィ!?」

 

ブリッジの様な姿勢になり、No.1の顔面を地面に思いっきり叩きつける。

 そしてNo.1が倒れている内に紅音は、No.1の両足を掴み回転し、放り投げる。

 

No.1「ギィィ…!」

 

 No.1はなんとか立ち上がる。その時

 

紅音「ライダァァァァァ!キィック!!」

 

いつの間にか上空にジャンプしていた紅音放たれたライダーキックがNo.1に直撃し

 

No.1「ギーーーー!」

「ボォォォォ!!」

 

後ろに数m飛び爆発する。

 そして明石と大淀が出てきてショーの終わりを告げる。その後数分はステージで雑談し、閉会の言葉を言おうとすると、1人の艦娘が手を上げる。

 

大淀「青葉さんどうしたんですか?」

青葉「写真を撮りたいです!」

 

 青葉がそう言うと周りの艦娘も撮りたいと言ってきた。駆逐艦が多いが。

 

明石「あ〜じゃあ20分位撮影会しましょうか?」

大淀「いいんじゃないですか?」

紅音「俺はやってもやらなくてもいい」

明石「じゃあやりましょう!」

紅音(汗かいてないから大丈夫なはず…)

 

 

 

 

 その後、撮影会で主に駆逐艦と軽巡、その他の艦種も数人いたが何人とも撮影し、ある戦艦はポーズきめてる駆逐艦をたくさん撮ってたね誰とは言わないが。一部の艦娘には今度格闘技教えてくれ、と言われて結局紅音が折れ今度教える事になったりした。

 その後は何事もなくショーは皆解散した後は、ステージなどの後片付けをし、気づいたらお昼を回っていた。

 

明石「もうお昼ですよ」

紅音「もうそんなにたったのか」

明石「良かったら今から食堂行きません?」

紅音「ん?別にかまわないが」

 

 紅音がそう言い終わると同時に先に戻っていた大淀が走ってこちらに向かってきていた。

 

紅音「どうしたんですか大淀さん?」

大淀「ハァ…ハァ…げ、元帥殿からお電話です。なんでも急ぎの用だとか」

紅音「あのじいさんが?」

大淀「はい、今執務室の電話でお待ちになられています」

紅音「悪い明石、用が入ったからまた今度な」

明石「あ、わかりました」

 

 紅音はそう言うと執務室へ走っていった。

 

大淀「明石ごめんなさいね」

明石「元帥からの電話じゃ仕方ありませんよ…」

大淀「紅音さんには今度私から言ってきますね」

明石「自分で言うので大丈夫です」

 

 

 

 

執務室

 

紅音「お電話かわりました紅音です」

元帥『久しぶりじゃの紅音』

紅音「元帥殿もお元気そうで」

元帥『はっはっは…早速だが本題に入るぞ』

紅音「だいだい予想はついていますが」

元帥『現在ショートランド泊地とラバウル基地、ブイン基地が壊滅状態なのじゃよ』

紅音「戦線が後退する規模の被害ですよそれ…」

元帥『だからこそ君にお願いがあるんだ』

紅音「元帥殿が1中将にお願いですか…」

元帥『現場に行って戦線を保ってもらいたい。あわよくばその元凶を倒してもらいたいのだが』

紅音「倒せと言われても姿がわからないままでは…」

元帥『見た目はレ級じゃよ…』

紅音「ただのレ級なわけないですよね?」

元帥『…艦装が2つ生えているレ級じゃしかも水陸両用の新型じゃ』

紅音「いいですよ。ちょうどその辺りの海域に用があったので」

元帥『恩に着る…用はこれで終わりじゃ、それじゃの』

 

 そう言うと元帥は電話をきった。

 

紅音「…」

 

 紅音は無言で電話を置く。

 

紅音「ふふふ」

紅音「ハハハハハハ」

紅音「楽しみだなぁ」

 

 紅音は口を隠すようにして笑っていた。

 

紅音「昼もカロリーメイトでいいかな」

 

 紅音は机を開け、カロリーメイトを取り出して食べ始める。

 

紅音(出発は明日でいいかな)

紅音(泊地と基地を合計3つも壊滅させたレ級か…胸がおどるね)

 

 

 

 

工廠の地下

 

明石「ハカイダーさ〜ん生きてますか〜?」

ハカイダー「…」

明石「ありゃ、結構損傷してますね」

明石「修理するのでついて来てください」

ハカイダー「…」コクッ




ハカイダー(明石制作)
 ハカイダーという名前だが、性能は全体的に3倍になってる。
 異常性「完成(ジ エンド)」 を使える。認識した他者の能力・才能・技術を「本来の持ち主より昇華・完成させた形で」行使できる、という『異常性(アブノーマル)』。




 紅音は実は戦闘狂です。前編で一応戦闘狂の伏線?を弾いてました。ハカイダーも同じく完成の伏線?弾いてました。


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紅音の生物スキル

 サーモン海域へ向かう途中の海上にて。

 

紅音(1人で行く予定だったんだがな…)

天龍「あと何時間で目的地なんだ?」

紅音「このまま行けば2時間しない位だな」

 

 それは昨日、紅音が「流石に提督になった以上黙って行くわけには行かないだろう」と言うことで食堂で明日ショートランドへ向かう事を伝えると、数名の艦娘が同行すると行ったため最初は断っていた紅音だったが最終的に折れて現在、不知火、天龍、木曽、長門となぜか青葉の5人が同行していた。

 

青葉(誰も提督が海上を走ってる事につっこまないんでしょうか?)

木曽「お前どうやって海上を走ってるんだ?」

青葉(ナイスです木曽さん!)

紅音「俺に言ってるのか?」

木曽「走ってるのはお前以外にいないだろ」

紅音「確かにそうだな」

木曽「それでどうやって走ってるんだ?」

紅音「簡単な話だ、秒速約30m近くで走れば理論上それで走れる」

青葉「簡単に言ってますけど人間技じゃないですよそれ…」

紅音「紅音人間辞めるってよ」

天龍「人間やめたら信用してやるよ」

紅音「え?マジで言ってる?」

木曽「そうだな、不知火と青葉はある程度信用したらしいが、俺含めた3人はまだ信用したわけじゃない」

紅音「じゃあなんで来たんだ…」

木曽「お前の戦い方を見たかったんでな」

紅音「そうか」

木曽「まあ、人間辞めない限り信用はせんよ」

紅音(これは遠まわしにお前の事は信用しないと言っているのか)

紅音「ふむ、しかしそんな事だったら早く言ってもらいたかったな…」

木曽「なに?」

紅音「人間辞めればいいんだろ?」

木曽「本気で言ってるのか?」

紅音「天龍と木曽2人共さっきの言葉忘れるなよ?」

紅音(少し痛いからあまりやりたくないのだが、これで信用されるなら安いものだ)

紅音(『獣柔な姿勢』+『轆轤首』+『喉が殻々』+『無垢な牙』+『同異角』+『目から鱗が出落ち』+『一心胴体』+『一将功成りて万骨萌える』+『蛸は身を食う』+『朽ち橋を叩いて渡れ』+『腹幌鰭腫』+『舌火になる』)

 

「ゴキゴキメキゴキゴキゴキメキメキ」

 

 紅音はそんな音を出しながら徐々に形が人間のそれとは変わっていく。巨大になっていくにつて体を青い鱗が覆い、牙がはえ、角がはえ、体が蛇の様になり数分後そこには

 

紅音?「人間ヲ辞メタト思ウガ?」

艦娘達「なっ…」

 

まるでウガリット神話に出てくるリヴァイアサンの様な姿に変わっていた。しかし艦娘達は目の前でおこった事についての頭の整理追いつかずにいた。

 

紅音?「ドウシタ?」

木曽「だ、誰だ?」

紅音?「失礼ダナ、俺ダ紅音ダ」

天龍「そんなわけあるか!」

紅音「ハァ」ヒョイ

天龍「なっ!?」

 

 紅音は口先で天龍の襟を器用に咥えると頭を上に振り、そのまま投げて頭に乗せる。

 

紅音「疑ウナラショートランドニ連レテ行ケバイイダロウ?オ前ラモ乗れ」

 

 そう言いながら紅音は顔を半分海水に入れる。しかしそれでも艦娘の身長より大きい。

 

長門「乗れと言われても手を伸ばしても届かないぞ…」

紅音「仕方ナイ」

 

 紅音はヒゲの様な物を長門と木曽に巻きつけ頭の上に乗せる。そして最後に不知火と青葉を乗せる。

 

紅音(『防衛爪』)

『防衛爪』結界を張るスキル

紅音「行クゾ」

 

 紅音はそう言うと水中に潜る。長門達の乗っている所には結界を張ったため水が入ることはない。

 

長門「この姿のままで行って大丈夫なのか?」

紅音「ショートランド泊地ノ艦娘ハコノ姿ヲ見タコトアルカラ問題ナイ」

長門「ならいいんだ」

 

 その時少し先にカ級とヨ級の部隊がある事に気づく。

 

木曽「どうするんだ?」

紅音「耳フサイデロ」

 

 長門達が耳をふさぐと

 

紅音「ゴアァァァァァ!!!!!」

 

紅音は耳をつんざく雄叫びを上げ、口を開けたまま潜水艦の部隊に一直線で向かい、そして

 

カ級&ヨ級「!?」

紅音「…」バクン

 

口を閉じてカ級とヨ級を一口で食べる。

 

艦娘達「…」

紅音「木曽、天龍コレデ信用スルノダロウ?」

天龍「まああれだ…人間じゃないと分かったからなうんそうだな」

木曽「そ、そうだな」

紅音「フム、モウソロソロデショートランド泊地ダ」

青葉「早くないですか?」

紅音「さっきより速いからな」

 

 そして紅音は浮上する。

 

「ザバァァァァン」

紅音「コレハコッ酷クヤラレテルナ」

 

 まだ1km近くあるが泊地がボロボロなのは分かる。

 

紅音「…」キョロキョロ

不知火「どうかしたんですか?」

紅音「敵ガイナイカノ確認ダ…ドウヤライナイヨウダナ」

長門「む?泊地の生存艦娘がこっちに気づいたようだぞ」

紅音「ソレデハ泊地ニ行クカ」

 

 紅音が少し動いただけで泊地に到着した。

 

紅音(『人間』)

 

 紅音は元の形に戻る。

 

紅音「ふぅ、到着っと」

木曽「お前の本当の姿はどっちなんだ…?」

紅音「この世には知らない方がいい事があるんですよ?」

木曽「分かった…」

?「久しぶりだね紅音」

紅音「久しぶり、ヴェールヌイ」(以下響)

響「紅音が艦娘を連れてくるなんて珍しいね」

紅音「半分勝手について来た様なものだ」

響「?」

紅音「残ってる艦娘は響だけか?」

響「そうだね。まともに動けるのは私だけだよ」

紅音「本営の命令で増援に来たのは俺たちだけじゃないだろ?」

響「紅音以外は来る途中で例のレ級に阻まれてこれてないんだ」

紅音「そうか…」

響「ついて来て。司令官が待ってるよ」

紅音「生きてたのか」

響「無傷ではないけどね」

 

 響についていき、建物内に入ると

 

紅音(鉄の臭いが充満してるな)

響「5人はここに残った方いいと思うよ」

長門「血ぐらい見慣れているぞ」

響「ついてくるかは君たちの自由だけどね」

 

 そして角を曲がると

 

紅音「バケツはどうした?」

響「残り1つだけさ、最初に高速修復材が保管されている倉庫が攻撃されてね」

紅音「その1つを薄めて点滴として使っているのか」

響「そうだよ。だから実質0だね」

 

 そこには医務室だけではたりず、廊下にまで出ている怪我をしている艦娘達の姿だった。ほとんどが目に包帯をしており片手または片足がない状態だった。所々からはうめき声に似た声を発しているものや介錯を求めるものさえいた。

 

紅音「レ級の大体の場所は割れてるのか?」

響「一応候補は3箇所までしぼられてるね」

 

 そんな中を2人は顔色1つ変えず通っていく。しかし5人は青ざめており口を手で覆っている。

 

響「そろそろ執務室だよ」

紅音「そうか」

 

 そして執務室の前につく。響が3回ノックすると中から「どうぞ」という声が聞こえ、響が扉を開ける。

 

?「おひさ」

紅音「久しぶりアーニャ」

アーニャ「何時までそのあだ名なんですか」

紅音「にちも言ってるじゃないか」

アーニャ「そのあだ名だと勘違いされるんですよ。私純日本人なんですよ?」

紅音「昔お主が少し厨二病だったときに言ってた名前じゃん」

アーニャ「昔の黒歴史を掘り起こさないでほしいんですけど!?」

紅音「なんだっけ?アーニャ・ブr「ストップ!」

アーニャ「本題に入ろう」

紅音「ういっす」

アーニャ「話聞いてると思うけど一応3箇所までしぼりました」

響「地図だよ」

 

 そう言って響は地図を持ってくる。

 

アーニャ「この泊地からガダルカナル島までの間にいくつか島があるでしょ?」

紅音「そうだな」

アーニャ「まずこの1番大きい島は除いて、ちょうどその隣にいくつかの島が集まってる所があってそこのこの大きい島と中位の島に挟まれる形で1つの島が候補の1つ」

紅音「他の2箇所は?」

アーニャ「そっちは他の2つの基地の管轄の付近だからいけないんだよね」

紅音「こんな時まで管轄気にしてんのか…」

アーニャ「まぁ、仕方ないよ」

紅音「俺について来た5人はここの護衛につかせる。俺が戦う時に邪魔だからな」

アーニャ「それは助かるよ。動けるのが響1人だけだったからね」

紅音「よく響だけでもったな」

アーニャ「2日前までは動ける艦娘はまだ半分近く居たからね」

紅音「夜襲にでもあったか」

アーニャ「よくわかったね」

紅音「それぐらいしか考えられないだろう」

アーニャ「あれは冗談抜きで死を覚悟したよ」

紅音「…そうか」

アーニャ「あとなにか聞きたい事ある?」

紅音「艦装が2つ生えてると聞いたがほんとか?」

アーニャ「ホントだよ、性能は2倍どころじゃないけどね」

紅音「それは楽しみだ」

アーニャ「あいかわらずだねぇ」

紅音「じゃあもう行くわ」

アーニャ「遊び過ぎないようにね」

 

 それを聞くと紅音は執務室を出る。そして来た道を戻る。

 

紅音「お前らなんでグロ耐性ないのに来たんだ?予想はしてただろう?」

 

 紅音は建物の外にいた5人にそういう

 

長門「予想はしてたがまさかあんなにだとは思わなかったんだ…」

紅音「お前らは泊地の防衛をしていてくれ」

木曽「ことw「は?」」ビクッ

紅音「はっきり言うがお前らに来られたら足手まといなんだよ。それにあの位で気分が悪くなる様な奴なんて論外だ。どうしても来たいなら構わないが命の保証はしないし俺はお前らを守らない」

5人「…」

紅音「ここの提督に聞けば場所は聞けるんじゃないか?自殺願望があるならこればいい。俺はもう行く」

 

 紅音は5人の間を通るときに1度止まり

 

紅音「あっ執務室行くのにはあそこ通るしかないから」

 

そう言い終わると海域に出撃する。




新城 瑠夏(あらぎ るか)23歳 少将 女 ショートランド泊地の提督 あだ名はアーニャ
ノーメイクでも美人と評判 フレームが赤色の眼鏡をしている 体格:細身 身長:168cm 髪&目:ちょい茶色 黒色
にちや紅音と違いこれと言って突出した才能は無いが超努力家。艦娘からの信頼もかなり厚い。レ級の夜襲により左目がほぼ失明する。

 5人にきつく言ったのは紅音なりの優しさなのかもしれない…。




 最近大判焼きが食べたい作者です。


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最強と最凶

 提督が強い回


 目的地の島に行く途中の海上にて

 

ル級「ハ、ハナセ!」

紅音「聞きたい事があるんだが」

 

紅音は途中で接敵したル級の艦隊を壊滅させ現在ル級の首を右手で締めてつつ持ち上げている。

 

ル級「ナンダ?!」

紅音「2ヶ月ほど前この海域に金剛型の3人が来なかったか?」

ル級「自分ハ一月前ニコノ海域ニ配属サレタカラワカラナイ」

紅音「じゃあこの先に艦装が2つ生えたレ級はいるか?」

ル級「ソ、ソレハ言エン!」

紅音「そうか」グググ

ル級「ッ!」

 

 紅音の首を絞める手に徐々に力が入ってくる。

 

ル級「ワ、ワカッタ!」

紅音「…」スッ

ル級「ゴホッゴホッ…確カニコノ先ノ島ニ貴様ガ言ッタレ級ハ居ル…コレデイイダロウ!?」

紅音「それがわかっただけで十分だ」

 

 紅音はそう言い右手を離す。

 

ル級(助カッタ…)

紅音「喋ってくれたお礼だ一瞬で楽にしてやる」

ル級「エッ…」

 

 紅音は海面に膝をついていたル級の頭をサッカーボールをキックするように蹴ると頭が消し飛ぶ。頭のなくなったル級は徐々に沈んでいく。

 

?「イヒヒヒヒ」

紅音「そっちから出てきてくれるとは」

レ級「強イナオ前!」

紅音(ほんとに2つあるな…)

レ級「少シ俺ト遊ベ」

紅音「死なない程度に遊んでやるよ」

レ級「キシシシ」

 

 レ級が笑うと右の艦装の主砲が紅音に放たれる。

 

紅音「キャッチボールか?」

 

 しかし紅音は放たれた3つの砲弾の2つをキャッチし、1つを蹴り返す。

 

レ級「強イ強イ!」

紅音「…」

 

 レ級は蹴り返された砲弾を左の艦装を盾にするかのようにして防御する。紅音はキャッチした砲弾をレ級に投げ返す。

 

レ級「コレハ少シキイタゾ!」

紅音「ちゃんとキャッチしろよ…」

レ級「キシシシ」

 

 レ級が笑うと今度は魚雷が発射され、左の主砲も放たれた。

 

紅音「本当の魚雷の使い方教えてやるよ」

 

 紅音は砲弾をしゃがんで回避し、大量に放たれた魚雷の中でも前にある魚雷を掴み、爆発する前にレ級に投げつけ、他の魚雷は上空にジャンプして回避する。

 

レ級「ッゥ…」

紅音(魚雷をうけても小破しないか…)

レ級「遊ビハ終ワリ」

紅音「そっちから言ってきて今度は急に終わり宣言か」

レ級「死ネ!」

 

 そう言うと副砲と対空砲を放つ

 

紅音「怖い怖い」

 

しかし紅音はその弾幕を全て避ける。

 

レ級「キシシシ」

 

 レ級が不気味に笑うと紅音の下の水中から口を開けたレ級の左の艦装が出てくる

 

紅音「長さも調節できるのか」

 

紅音はそれをバク宙し、後ろに退避することにより回避し

 

紅音(『健脚の抜き足』+『二重走』+『大爆傷』)レッグウォーカー+ツインランナー+ダイナマイトスマイル

健脚の抜き足 居合のスキル

二重走 一振りで二回斬るスキル

大爆傷 斬ったら爆発するスキル

 

 紅音は鞘から刀を抜き放ち目の前のレ級の艦装に斬りかかる。

 

「ボォン!ボォン!」

左艦装「ガァァァァァ!」

レ級「!?」

 

 左の艦装は斬られた所が爆発し、雄叫びを上げる。

 

紅音(『定滅多標的』)メタジャンクション

定滅多標的 滅多切りのスキル

 

 紅音は大爆傷を発動したまま定滅多標的を発動し、左の艦装を滅多切りにする。斬られた時のダメージと爆発のダメージにより左の艦装の雄叫びは徐々に力なくなってくる。その時

 

紅音「…」

レ級「クラエ!」

 

レ級の艦載機と右の艦装の主砲と副砲、魚雷が紅音に向かってくる。

 

紅音(確かに性能は2倍どころじゃなさそうだな)

 

 レ級の艦載機の今見えるだけでも正規空母5隻近くの数だ。しかし紅音は

 

紅音「こんな物か…」

レ級「ナニ?」

紅音「期待した俺が馬鹿だったな…」

 

その数を見ても動じるどころか拍子抜けした様子だった。

 

紅音「これ以上遊んでも時間の無駄だ、終わらせてもらう」

紅音(『水肢体』)ウォーターボディスラム

水肢体 水を司るスキル

 

 そう言うと水が針の様になりレ級の放った砲弾、魚雷、艦載機に襲いかかると一瞬にして全て撃破した。

 

レ級「ナ、ナ…」

紅音「はぁ…期待しすぎるのもダメだな…」

 

 紅音がそう言うと針の様に尖った水が水中から出てきて、レ級に次々と突き刺さる。

 

レ級「アガッカ、ァァ…」

紅音「…」

 

 最後にレ級の喉に突き刺さるとレ級は絶命した。

 

紅音(解除)

 

 紅音が全スキルを解除するとレ級は水面に叩きつけられる。

 

紅音「…」ヒョイ

 

 レ級が沈む前に紅音はレ級を肩に担ぎ、泊地に戻る。

 

 

 

 

泊地

 

響「おかえり紅音」

紅音「ただいま響」

響「今回は楽しめたかい?」

紅音「全く」ドサッ

 

 紅音は担いでいたレ級を地面に雑に下ろす。

 

紅音(『行進する死体』)マーチングバッド

行進する死体 死体を操るスキル

レ級「…」ムクリ

紅音「増援の邪魔をしてる深海棲艦を殲滅してこい」

レ級「…」コクッ

 

 レ級は頷くと海域に出撃していった。

 

紅音「これで俺が帰っても増援が到着して戦線も後退せずに済むだろう」

響「ありがたいよ」

紅音「5人は何してる?」

響「何度か執務室に行こうとしたけど結局ダメだったよ。その辺りで座ってるんじゃないかな?」

紅音「そうか」

響「帰るなら1度司令官に報告してくれよ」

紅音「了解っと」

 

 2人は執務室のある建物に入っていく。

 

 

 

 

執務室

 

アーニャ「今回の深海棲艦はどうだった?」

紅音「響にも似たこと聞かれたが拍子抜けだったな」

アーニャ「どうやったらそんなに強くなるのか聞きたいね」

紅音「お前には無理だ」

アーニャ「分かってますよ。どうせ運動音痴ですからね!」

響「よくあんなに運動できないのに軍に入れたの方気になるよ」

アーニャ「気合と根性で意外となんとかなるものですよ」

紅音「あと人の何倍も努力してるのを教官が気づいてたからな」

響「司令官は努力家だからね」

紅音&響「ハハハハ」

アーニャ「何がおかしいの!?」

アーニャ「はぁ…頭痛い」

響「風邪かい?」

紅音「ソレハタイヘンダー」

アーニャ「すごい棒読みだね!?」

紅音「ナンノコトダカ」

アーニャ「疲れた…」

紅音「じゃあ俺は仕事終わったから帰るわ」

アーニャ「じゃあね」

響「外まで見送るよ」

 

 そう言うと2人は執務室を後にする。

 

 

 

 

建物の外

 

紅音「お前ら帰るぞ」

5人「了解…」

響「じゃあね」

紅音「じゃあな響」

 

 別れの言葉を言うと紅音達は海域に出ていった。

 

紅音(結局金剛型に関する情報は収穫なしか…今度は鎮守府内の隠し部屋を探してみるか…そうなると俺や川内達だけだと時間がかなりかかるな。帰ったら電話してみるか)

 

 紅音はそんな事を考えながら鎮守府へ帰っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 佐世保鎮守府へ帰還した紅音は元帥に電話していた。

 

紅音「例のレ級は倒した後に傀儡兵にし、増援の艦隊を邪魔してる深海棲艦の殲滅を命令しました」

元帥『ご苦労じゃったな』

紅音「頼みがあるのですがよろしいでしょうか?」

元帥『わしの頼みごとも聞いてもらったからの。いいぞ』

紅音「憲兵を派遣してもらいたいのですが」

元帥『それはのぉ…』

紅音「その憲兵を指名したいのですがよろしいでしょうか?」

元帥『まぁ、いいじゃろう』

紅音「蒼音(そうね)と千斗(せんと)さんなのですが」

元帥『ふむ、確かにその2人なら大臣殿も許可してくれるじゃろう』

紅音「ありがとうございます」

元帥『今日中に進言してみよう。早ければ明日か明後日じゃろう』

紅音「わかりました」(毎回思うが行動が早いな)

元帥『用件が終わったのであればきるぞ?』

紅音「はい。それでは」ガチャ

 

 そう言うと受話器を置く。

 

紅音「ふぅ…」スマホ取り出し

 

 紅音は地図アプリで周辺のアニメグッズが売っている場所を探す。

 

紅音「メロンな本屋がない…だと…!?」

 

 お探しのショップはなかったようだ。

 

紅音「それなら局留めで…あっ局留めできなくなったんだった…」

紅音「流石に鎮守府で受け取るわけには…」

紅音「いやいっその事鎮守府の住所で…」

大淀「絶対にやめてください」

紅音「お、大淀さんいたんですか」

大淀「電話が終わった頃から」

紅音「どうやら俺の言葉は口に出ていたようですね」

大淀「ええ、そりゃもうバリバリ」ニッコリ

紅音「素晴らしい笑顔ですね」立ち上がり

大淀「逃がしませんよ?」

紅音「逃げてみせます」

 

 そう言うと紅音は大淀さん目掛けて走って行き、大淀さんの上をジャンプして執務室の扉をいきよいよく開ける

 

紅音「クレイモア!?」

 

扉の先にはクレイモア地雷が設置されていた。

 

紅音「ッ!」

 

 紅音は瞬時に扉を閉めるとその後にクレイモアが爆発する。

 

紅音(扉に鉄板が挟まれてよk…ハッ!)

 

 紅音は後ろの殺気に気づき振り向く。

 

紅音「…」ジリジリ

大淀「…」ジリジリ

 

 お互いが間合いを確認するかの様に少しずつ距離をつめる。

 

大淀「…」バッ

 

 大淀さんが距離を詰めると同時に

 

紅音「ッ」ズザザァ

 

紅音はスライディングをして股抜けをする。

 

大淀「しまっ」

 

 紅音はそのまま立ち上がる動作をせずに執務室の窓にダイブする。

 

「ガシャァァァァン!」

紅音(大淀さんもクレイモア使ったからね仕方ないね)

 

 紅音はそのまま建物の外に脱出する。

 

紅音(とりあえず困った時は工廠裏と相場が決まってる)

 

 紅音はそのまま工廠の方へと走り去っていく。

 

紅音(結局今日の夜飯もカロリーメイトかな?明石にいったらカップ麺あたり出してくれないかな…)

 

 そんな事を考えていた時だった

 

大淀『提督を捕まえ執務室に連行した方には間宮券を差し上げます。もう一度繰り返します…』

 

 大淀さんの放送がなる。

 

紅音(嘘…だろ…?)

 

 艦娘寮の方が騒がしくなるのが聞こえてくる。現在時刻は15時過ぎ、海域に出撃している艦娘は0。112人の艦娘vs紅音の逃走中が始まった。




 せんとさん?いえ、知らない子ですね。
 次回は逃走回ですかね。










 金曜日の仕事帰りゲーセンが異様に目に入ったので「久々に行こうかな」と思いなぜかよって。艦これacを初めてやって気づいたら2万近く使ってた作者です。


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師匠と妹

 逃走回と言ったな…あれは半分嘘だ。逃走回は前半だけですほんとすみません。


 絶賛逃走中の紅音視点

 

紅音(大淀さんそこまでするか…?)

 

 紅音は最初に向かっていた工廠裏に隠れている。

 

紅音(この調子だとここに捜索の手が回るのも時間の問題だな…さてどこに隠れたものか…)

 

 そんな事を考えていると

 

「ブゥゥゥゥン!」

紅音(あれは彩雲か!?)

?「見つけましたよ提督!」

紅音「赤城さんか…」

赤城「間宮券のためにおとなしく捕まってくれないですか?」

紅音「ボーキ300でどうだ?」

赤城「うっ…」

紅音「500…」

赤城「うぅ…」

紅音「800…」

赤城「…だ、第一次攻撃隊、発艦して下さい!」

紅音「ダメか!」

 

 赤城が矢を放ちそれが無数の艦上戦闘機となり紅音に向かってくる。

 

紅音「ッ」クル

 

 紅音は工廠の壁がある後ろに走り

 

赤城「なっ!?」

 

ジャンプで工廠の屋根に上る…が

 

紅音「戦闘機は追ってくるか…」

 

赤城の放った戦闘機達はそのまま追ってくる。

 

「ガガガガガガガガ!!」

 

 20mm機関砲が放たれる。

 

紅音(『『骨肉標本』)ファミリーサンプル

骨肉標本 外骨格のスキル

 

 紅音は20mm機関砲をなんとか防ぐが強化外骨格ではないため多少のダメージを受ける。

 

紅音(この場合は正当防衛にはいるよな…?)

紅音(『弾が降ろうと銃が降ろうと』)ウェザーガン

弾が降ろうと銃が降ろうと 空から弾丸降らせるスキル

 

 空から降ってきた弾丸が赤城の攻撃隊を一瞬にして無力化する。

 

「ブォォォォォン!」

紅音「赤城の第二次攻撃隊と別の空母の攻撃隊か!?」

紅音(『育った成銃』+『救いの反動』)グロウイングアニマル+レスキューハンド

育った成銃 肉体を銃にするスキル

救いの反動 無反動のスキル

 

 紅音は両腕をミニガンの様な物に変え

 

「バリリリリリリリリリ!!!」

 

攻撃隊に放つと次々と撃破していく。しかし

 

紅音(デカイ音上げすぎたな…)

 

他の艦種も集まりだしてる。しかも艦装を展開して。

 

紅音(あれ?確保を口実に殺しに来てる気ガス)

「ドォン!ドォン!ドォン!」

紅音「ッ!」

紅音(『拙速動物』+ 『銃凍砲違反』+『弾爪の麗人』)スピードマップ+コールドスリリング+レディギタリスト

拙速動物 弾速調整のスキル(光速)

銃凍砲違反 銃身冷却のスキル

弾爪の麗人 弾丸補充のスキル

 

 紅音は左手を戦闘機、右手を砲弾に放つが砲弾はいくつか抜けてくる。

 

紅音「これぐらいなら」

 

 紅音は抜けてきた砲弾を避けつつ発砲を続ける。紅音はスキルを解除せずにずっと使ってるため両腕のミニガンが戻ることもオーバーヒートになることも弾切れになることもない。なおかつ反動がない。

 

紅音(このままじゃキリがないな…)

「ガガ、ガガ」

紅音(ジャムか!?」

紅音(全スキル解除)

 

 一瞬の隙に艦載機と艦娘達の砲撃が紅音に迫る。

 

紅音(このクラスのスキルは使いたくないんだがなぁ…仕方ない)

紅音「ザ〇ワールド!!!」(『時感作用』)タイムバニー

時間作用 時を操るスキル

紅音「1度は言ってみたい言葉8位」

 

 その言葉と同時に紅音以外の時が止まる。

 

紅音「某キャラと違う所は俺が解除するまで永遠に止まってることだな。そう何時間、何年、何十年、何百年だろうとね」

紅音「怖いスキルだぜ全く」

紅音「でもこの内に隠れても同じことの繰り返しだ。それならばここで終われせればいい」

 

 紅音はそう言いながら自分の使えるスキルの中でも強い方に分類しているスキルを使う。

 

紅音(『歴史的かなり違い』)イニシャライズヒストリー

歴史かなり違い 歴史を変えるスキル

紅音「…歴史の改変終了だな」

紅音「さて執務室に戻って時動かすか…」

紅音「…おそらく読んでいる方の中に『そのスキル使えば深海棲艦との戦い無かったことにできるんじゃ…』と思った方いるでしょう?確かに無かった事にできますが色々めんどくさい事になるのでしませんよ」

 

 紅音はそんな1人ごとを言いながら執務室へ戻る。

 

 

 

 

執務室

 

紅音「そして時は動き出すってな」(解除)

 

 解除と同時に扉や窓など損傷していた所は直っており艦装を展開していた艦娘も艦装を展開しておらず雑談している。

 

紅音「何事も無かったな…今日も平和だ」

大淀「海域に行けば平和とは真逆ですよ」

紅音「確かにな」

紅音(今回も改変は成功だな)

 

 その後はいつも通り何事もなく1日は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

紅音「…」ソワソワ

紅音「…」ウロチョロウロチョロ

川内「どうしたの紅音?」

紅音「いやちょっとな」

川内「?」

紅音「…」チラッ

時計「10時ですよ」

紅音「ちょっと正門行ってくる」

川内「う、うん」

 

 紅音はそう言うと刀を持って執務室を出る。

 

 

 

 

正門

 

紅音(鎮守府の建物の全てには結界を張ったから流れ弾とかが行っても傷1つつかない…はず)

紅音(あの人の事だ…多分)

 

 その時だった

 

紅音「ッ!」カチャ

 

紅音の前方から青白く光っている砲弾が飛んでくる。紅音はそれを斬らず上空に弾く、その直後

 

?「ふん!」

紅音「グッ…!」

 

 横から張り手が来るが紅音はなんとかそれを刀で防ぐが

 

紅音「がぁ!?」

 

横に吹き飛び地面を何度か転がり立ち上がるがそれと同時に再び砲弾が来る。

 

紅音「ぬぉぉぉ!」

 

 先程と同様に上空に弾くも

 

?「はぁ!」

 

今度は張り手が紅音の腹部に直撃し、紅音は何10mも吹き飛ぶ。

 

紅音(臓器のいくつかにダメージ入ったなこりゃ)

 

 そう思った瞬間に砲弾が目前まで迫る

 

紅音「!?」

 

紅音はなんとか両手を顔の前でクロスし防御するが再び吹き飛び、飛んだ先には

 

?「ふっ!」

紅音「ぬぉぉ!」

 

先程の人が居た。紅音は体を無理やり回転させ張り手を刀で防御するも

 

「ミシミシ」

 

紅音の刀ではなく骨がきしむ音がする。

 

紅音「ッ!」バッ

 

 紅音は刀を手放し地面に着地するも

 

?「…」ヒュン

紅音「がぁ!?」

 

脇腹に蹴りが直撃する。

 

紅音(相変わらずスキル使わないと勝てないなぁ)

 

 紅音はそう思いながら空中で回転し着地する。

 

?「久しいな紅音」

紅音「お久しぶりです師匠」

?「その呼び方はやめろと言っているだろう?」

紅音「しかしですね師匠」

?「千斗で構わんと言っているのに…」

 

 千斗と言った男性は頭をおさえヤレヤレといった感じだ。

 

千斗「しかし紅音に指名された時はびっくりしたぞ」

紅音「なぜでしょうか?」

千斗「紅音の力があれば鎮守府の1つや2つ難なく守れるだろう?」

紅音「それは過大評価ですよ」

千斗「そうか?…来たか」

 

 千斗がそう言うと6m近くある壁を1人の少女が飛び越えて現れる。

 

?「お兄…久しぶり…」

紅音「久しぶり蒼(あお)」

蒼音「…」テクテク

 

 蒼音は紅音の隣に立つ。

 

千斗「蒼は紅音に指名されたときはかなり喜んでおったぞ」

 

 千斗は笑いながらそう言う。紅音がチラッと蒼音を見ると雪の様に白い肌が少し赤くなっていた。

 

紅音「大淀さんに既に放送してもらっているので、このまま食堂へ言ってあいさつをしてもらっていいでしょうか?」

千斗「わしは構わん」

蒼音「…いいよ」

紅音「じゃあついて来てください」

 

 そう言うと紅音は歩き出すが蒼音は横から離れない。

 

紅音(マズイ…このまま行けばあらぬ誤解を受けるかもしれんぞ。俺に妹が居るのを知ってる艦娘は明石と大淀さんだけだからな…)

紅音(しかしここで引き離すと蒼を悲しませる可能性が大…ええいここは仕方ない!蒼の方大切だからなこのまま行こう)

蒼音「どう…したの…?」

紅音「何でもない気にするな」

千斗(相変わらず仲いいな)

紅音(なんだろう師匠に心の声が聞かれた気がした…)

 

 そうして3人は食堂へと向かっていった。

 

 

 

 

食堂前

 

紅音「じゃあ入りますよ」

 

 そう言うと紅音が扉を開ける。

 

紅音(3種類の視線を感じる…1つは敵意これはまぁ仕方ない。2つめは凄い冷たい視線が敵意とは違う視線が。3つめ2人の服装見てビックリしてる視線だね。これも仕方ない。蒼その格好もうやめていいって言ってるんだけどな…)

 

 紅音はそう思いながら艦娘達の前に行きマイクをとり喋りだす。

 

紅音「放送でもう聞いてると思うけど今日から、この鎮守府に配属された2人の憲兵の挨拶をします。じゃあまずしsy…千斗さんどうぞ」

 

 そういい千斗にマイクを渡す。

 

千斗「平城 千斗(なら せんと)と言う者だ。階級は陸軍憲兵大尉。呼び方はなんでもいいぞ。以上」

紅音「じゃあ次は蒼…行ける?」

蒼音「…」コクッ

蒼音「月乃…蒼音(つきの そうね)…階級は…少尉…」ペコ

紅音「これで紹介は終わりだから自己解散で」

 

 そう言うと紅音達3人は食堂を出る。

 

紅音「2人の部屋に案内しますね」

千斗「寮ではないのか?」

紅音「2人で寮を使うと大きすぎますから妖精さんに頼んで部屋を作ってもらったんです」

千斗「確かにそうだな」

 

 しばらく歩くと。

 

紅音「ここが執務室で、ここから歩いて3分程で到着します」

 

 

 

3分後

 

紅音「ここです」

 

 提督の私室の隣に2つの部屋がある。 私室   部屋   部屋   

 

紅音「部屋は2人で話し合って決めてください。部屋の広さは8畳程のフローリングです。畳に変えたいなどの場合は執務室の大淀さんか自分に直接言ってください」

蒼音「わかった…」

千斗(部屋は決まってるようなものだが…少しいじるとするか)

紅音「自分は執務室に戻りますね」

 

 そう言うと紅音は執務室へ向かう。

 

千斗「…じゃあ真ん中の部屋に」チラッ

蒼音「…」シーン

千斗「は蒼音だな」

蒼音「…」パァァ

千斗「それでいいか?」

蒼音「うん…」

 

 2人は決まった自分の部屋へと入っていく。




 平城 千斗(なら せんと)36歳 憲兵大尉 男 佐世保鎮守府の憲兵 

 顔は年を感じさせないカッコ良さ スキンヘッドで褐色肌 体格:動ける筋肉 身長:188cm
 紅音と蒼音からは師匠と呼ばれている スキルを使っていな紅音を圧倒出来るぐらいに強い。接近戦のスキルを使っても簡単には倒せない人 甚兵を常に着ている本人曰く「動きやすい」だそう。
 憲兵大佐に一気に昇進出来るらしいがめんどくさいからしていない。紅音と蒼音を自分が24歳の時に…。

 月乃 蒼音(つきの そうね)18歳 憲兵少尉 女 佐世保鎮守府の憲兵 紅音からは蒼(あお)と呼ばれている。
 色白で青色の目をしている ツインテール 体格:細身 少し筋肉質 身長:176cm
 スキルを使っていな紅音とはほぼ互角で戦える。紅音と千斗以外に下の名前を呼ばれるのは極端に嫌う。艦娘があまり好きじゃない。紅音と千斗が赤紙によって招集された時に自らの意思で軍に入る。黒いマントのようなコートの様なものを羽織っており、前が開いており上半身はそれと黒い下着のみ。下半身は黒いショートパンツに膝近くまであるブーツをはいている本人曰く「お兄が…好きな…キャラの…格好だから…」らしい。
紅音は「昔この格好になった蒼を褒めまくってた俺をぶん殴りたい」と言ってる。


 蒼音は少し難ありですね。一応この2名は最初っから出したかったけど登場が無理矢理感バリバリ出てますね。多分レギュラーオリキャラはこれが最後ですね。






 艦これacは野口バキュームと思った作者です。


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金剛型捜索1

 今回は今まででほとんど無かったシリアス回(だと思う)


 その日の夜

 

紅音(今日は2人が来た以外特に無かったな)

紅音(いや、今日もかな)

紅音(はぁ、艦娘の心を開かせるのどうすればいいんだか…)

紅音(時刻はもうすぐで0時か…金剛型の捜索は明日からだな)

紅音(大淀さんも寮に帰したし俺もそろそろ私室に行くか)

 

 紅音はそう思い執務室の電気を消し、私室へ向け薄暗い廊下を歩く。

 

紅音(ん?蒼まだ起きてるのか?)

 

 私室のある所まで来ると蒼音の部屋の扉の下の隙間から光がもれている事に気づく。

 

「コンコンコン」

紅音「蒼、入るぞ」

 

 紅音はそう言うと扉を開ける。

 

蒼音「お兄…どう…したの…?」

紅音「もう少しで日が変わるから早く寝ろと言いに来たんだが」

蒼音「うん…わかった…」

紅音「んじゃおやすみ蒼」

蒼音「おやすみ…お兄…」

紅音「あぁ、寝るときは鍵かけとけよ」

 

 紅音は最後にそう言うと扉を閉め、私室へと入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒼音視点

 

 紅音が来た後

 

蒼音(そろ…そろ…寝よう)

 

 蒼音はそう思いノートを閉じペンを置く。そして紅音に言われたとおり鍵を閉め、電気を消しベッドに入る。

 

蒼音「…」

 

 蒼音は首にかけていたロケットペンダントを開けると1枚の写真と見間違えるほどの超精密で小さな絵が入っている。絵には1人の男の子と1人の幼い女の子が絵描かれている。

 

蒼音「…」ツー

蒼音「…!」ゴシゴシ

 

 蒼音の頬を一粒の涙が流れ、蒼音はそれに気づき手で涙を拭き取る。

 

蒼音(寝よう…)

 

 蒼音はペンダントを閉じ、目を閉じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝

 

紅音(私室で寝るのは初めてだなそういえば…)

 

 紅音は朝の準備を終え、部屋を出ると。

 

紅音「おはよう蒼」

蒼音「おはよう…お兄…」

紅音「今から食堂に行くが一緒に行くか?」

蒼音「…」コクッ

 

 2人は並んで食堂へ向かう。

 

 

 

 

食堂

 

蒼音(いつからだろう…)

紅音「間宮さん注文いいですか?」

間宮「何にしますか?」

紅音「和食Aお願いできますか?」

間宮「わかりました」

蒼音(お兄が…)

紅音「蒼は何にする?…蒼?」

蒼音(お兄が…こw…)

紅音「蒼!」

蒼音「え、あ…なに…?」

紅音「いや、蒼は何食べるんだ?」

蒼音「お兄…と…同じの…」

間宮「じゃあ少しお持ちくださいね」

 

 間宮さんはそう言うと調理場に行く。

 

紅音「どうした蒼?体調でも悪いのか?」

蒼音「大…丈夫…」

紅音「無理するなよ?」

蒼音「うん…」

 

 

 

 

数分後

 

間宮「お待たせいたしました」

紅音「いえいえ、ありがとうございます」

 

 紅音はそう言い2つのおぼんを受け取る。

 

千斗「2人ともおはよう」

紅音「おはようございます師匠」

蒼音「おはよう…ございます…師匠…」

千斗「もうそれでいいよ…所で2人も今から朝食か?」

紅音「はい」

蒼音「師匠も…一緒に…」

千斗「紅音がいいなら構わんが」

紅音「自分はいいですよ。久しぶりに3人で食べましょう」

数人の艦娘(誘いにくい)

紅音「自分達は席を確保しておきますね」

千斗「すまないな」

紅音「いえ、それでは席を確保してきますね」

 

 紅音と蒼音は席を確保するためにその場を離れ、千斗も間宮さんの所へ向かう。

 

紅音「蒼はここが良いとかあるか?」

蒼音「どこでも…いい…よ」

紅音「ふむ…じゃあここでいいか」

 

 紅音が言ったところは1番奥端にある席。紅音はそこに腰掛け蒼音は紅音の隣に腰掛ける。

 その少したった後に千斗が紅音と向かい合う様に腰掛け、3人で「いただきます」と言い食べ始める。

 

千斗「それにしても3人で食べるなんていつぶりだ?」

蒼音「お兄が…海軍に…移籍…した後から…だから…」

紅音「3年?程でしょうか」

千斗「そう考えると結構軍にいるんだな」

紅音「あの時から生き残ってる軍人は少ないでしょうね」

 

 そんな会話を紅音達はしている。近くの艦娘は聞き耳をたたている。

 

千斗「昔は今ほど平和じゃなかったからな」

紅音「深海棲艦の空襲は日常でしたからね」

千斗「今、軍に入るには18歳以上だが艦娘が登場するまでは10歳以上に下げられていたからな」

蒼音(その…おかげで…入れた…)

紅音「15歳以上は男女関係なく赤紙の対象でしたけどね」

千斗「紅音に赤紙が来たのは17の時だったな」

紅音「師匠の赤紙も自分のと一緒に来ましたね」

千斗「そうだったな」

紅音「…話は変わりますがこの後2人共執務室へ来れますか?」

千斗「行けるぞ」

蒼音「行ける…」

紅音「じゃあ食事が終わったら来てください」

 

 そう言うと紅音は「ごちそうさまでした」と言い、「先に失礼します」そう言うと席をたつ。

 

千斗「相変わらず食べるのも早いな」

蒼音「…昔…の…名残り」

 

 蒼音もその後すぐに食べ終わり紅音同様に言い席をたつ。

 

千斗(昔の名残り…か)

千斗(あれから12年もたつのにな…)

 

 千斗そう思いながら箸を進める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が来た執務室

 

紅音「本題だけ言いますね。金剛型3人の捜索を手伝ってもらいたんです」

千斗「それはいいが目星をついているのか?」

紅音「入った時に気づいたと思いますが」

 

 紅音はそう言い執務室に唯一ある本棚の本を一冊傾けると

 

「ゴゴゴゴ」

 

と音と共に本棚が移動し、階段が出てくる。

 

紅音「最初は川内達にも手伝ってもらおうと思ったのですが」

千斗「接近戦の練度がまだ高くないと」

紅音「はい。前提督に加担していた憲兵のほとんどが確保されたのですが8名確保されていません。相手は腐っても憲兵です。接近戦の練度は川内達よりあちらの方上でしょう」

千斗「確かに全員居るかは分からないが何人かはいるだろうな」

紅音「元帥からは、憲兵が居た場合無力化しても構わない。手段は問わない、との事です」

千斗「少し準備してきても構わないか?」

紅音「はい。蒼は準備いいのか?」

蒼音「うん…」

 

 千斗は準備のために執務室を出る。

 

紅音「じゃあ蒼に渡すものがある」

 

 紅音はそう言うと机の引き出しから2丁の拳銃といくつかのマガジン、ナイフを取り出す。

 

紅音「蒼の武器は地下じゃあまり使えないからな。M1911A1カスタムモデル(以下ガバメント)とCQCナイフだ。どっちも俺のスキルで作った物で整備は明石がやってるからジャムもおきにくいだろう」

蒼音「ありが…とう…」

紅音「蒼は師匠が来たら来てくれ。俺は先に行ってる」

 

 そう言うと武器を蒼音に渡し、紅音も引き出しからガバメント1丁とナイフ1つ、そしてスカルバラクラバを取り出し被る。僅かに見える赤い瞳が不気味さを増幅させている。

 

紅音「後でな」

 

 そう言い階段をおりてゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隠し通路

 

紅音(やはり執務室の壁が以上に分厚かったのはこの階段のせいか)

 

 少しおりると階段が終わりハシゴが出てくるが

 

紅音「…」タンッ

 

紅音は足首を使い僅かにジャンプして落下していく。

 

紅音(『風の吹くまま』)ウィンドウショッキング

風の吹くまま 風を司るスキル

 

 紅音は着任時にやった時の様に足に風をまとわりつかせ音を出さずに着地する。

 

紅音(やはり人の気配がするな)

 

 紅音は右手にガバメントを構え左手にナイフを持つ。

 

紅音(恐らく勘付かれたな…)

 

 紅音がそう思いながら進むと

 

?「動くな」

紅音「遅い」

 

 角からライフルで武装した男が出てくるが紅音は男の攻撃の焦点をずらすため、斜に構えて一気に躙り寄る。

 

?「なっ!?」

紅音(こんな狭い所で長物を使うとは…)

 

 紅音は自分のガバメントのハンドガード部分で敵の右手を押さえ込み、ライフルの銃口が反対側に向くようそのまま押し上げ、同時に自分の左足を男の右足に掛け、そのまま押すと簡単にバランスを崩し倒れる。

 

紅音「動くな。大声をあげても撃つ」

?「…」

 

 紅音は男が倒れた時に手放したライフルを自分の後ろに蹴る。

 

紅音「お前本当に憲兵か?」

憲兵A「そ、そうだ」

紅音「その割には格闘が出来ないだけでなく狭い所で長物を使っていたようだが?あの距離じゃ銃よりナイフや格闘の方が早いのは知っているだろう?」

憲兵A「そんなの一部の奴だけだ。大体の奴は銃口を向けられると動けなくなるんだ」

紅音「まあいい。元帥からは無力化しても構わないと言われてるんでな」

憲兵A「ま、まってくれ」

紅音「なんだ?懺悔ならあの世でするんだな」

憲兵A「まっ「パシュ」」バタ

紅音「1名無力化っと」

紅音(全員がこの程度だったら拍子抜けもいいところだ…)

 

 紅音はそう思いながら奥へ進んでいく。




*銃なんてどうでもいい人は見ない事をおすすめします
M1911A1カスタムモデル サイレンサー装備 反動抑制 ここまでは紅音がいじった部分 以下明石がある物を参考にしいじった部分
・フィーリングランプが磨き上げられている。(給弾不良がかなり起こりにくい)
・スライドが強化スライドに変更されている。スライドとフレームの噛み合わせにもガタがない。
・フレームのフロントストラップ部分にはチェッカリングが施してあり、手に食いつき滑ることがない。
・サイトが3ドットタイプに変更されており、フロントサイトが大型で視認性が高い。
・ハンマーがリングハンマーに変更されている。(コッキングの操作性を上げ、ハンマーダウンの速度も確保するため)
・グリップセイフティもリングハンマーに合わせ加工してある。グリップセイフティの機能をキャンセルしている。
・サムセイフティ、スライドストップが延長してある。
・トリガーガードの付け根を削る事によりハイグリップで握れる。
・トリガーはロングタイプに変更。トリガープルが通常より軽くなっている。
・マガジン導入部を広げる事によりマガジン交換がスムーズに行える。
・マガジンキャッチボタンを低くする事により誤動作を起きにくくしている。
・メインスプリングハウンジも、握りこむためにフラットタイプに変更。
・ステッピングを施している。
・スライド全部にはコッキングセレーションを追加する事により緊急時の装弾、排莢が行われやすい。

 明石が何を参考にしたかわかった人はそこそこ居ると思います。何を参考にしたかは次回の前書きで書きます(忘れてなかったら)









 喫煙者が悪いとは思わないよルールに従って吸ってる人もいますからね。ただねポイ捨てはアカンでと思った作者です。


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金剛型捜索2

 前回のガバメントはMGS3にてEVEがスネークに渡したものです。
 これからもいくつか銃が出てきますが紅音が使う銃は後書きにてその度に簡単な説明を書きます(改造した場合は長くなります)


紅音(2個目の角…)

銃口「…」チラッチラ

紅音(こいつら殺る気あるのか…?)

 

 左へ曲がる角から銃口が見え隠れしているのを見てガバメントをホルスターにしまいナイフを右手に持ち帰る。

 

紅音「…」

 

 紅音はクラウチングスタートの姿勢をとり

 

紅音「ごきげんよう」

憲兵BC「!?」

 

一気に曲がり角まで行き、壁を蹴りまず手前の憲兵Bの喉仏へ渾身の左ストレートを放ち喉仏を潰す。そしてそのまま回転するかの様にして憲兵Cの喉にナイフを突き刺し抜く。

 

「パシュ、パシュ」

 

 ホルスターから抜いたガバメントで2名の頭を撃つ。

 

紅音「ほぉ、最近の憲兵はこんな銃も装備しているのか」

 

 紅音は2名が装備していたFN P90を見てそう呟く。

 

紅音「しかしまぁ」

 

 紅音は通路の先に目をやると地下牢に目が行く。

 

紅音「こりゃまた大層なもの作ったことで」

憲兵B「…」ピクッ

「パシュ、パシュ」

紅音「なんで45口径頭にくらって生きてんだよ」

 

 紅音は指が微かに動いた憲兵の頭に今度は2発放つ。

 

紅音「ダブルタップは弾余計に使うから9mmじゃなくて45口径にしたんだがな」リロード

紅音「いや、3回撃ったからダブルタップではないか?」

 

 そう言いながらいくつもある牢を1つ1つ見ていく。

 

紅音「使われた跡があるが誰も居ねえな」

 

 そうして最後の牢を見ると

 

紅音「確か…霧島だったかな?」

 

1人の女性が倒れている。

 

「バン!」

 

 紅音は鍵のかかっていた牢の出入口を蹴破り中に入る。

 

紅音(息はあるが意識を失ってるか)

霧島「うっ…」

紅音「おい」

霧島「…?」

紅音「動けるか?」

霧島「!?」

 

 霧島は立ち上がらず腕を使い後ろに下がる。

 

紅音(この格好だからね仕方ないね)

紅音「この後2人組が来るからその2人に保護してもらえ」

 

 紅音はそう言うと牢から出て先にある鉄の扉も蹴り破り先に進む。

 

霧島(何者だったんでしょうか?)

 

 

 

 

紅音視点

 

紅音「なんだ全員いたのか」

「ババババババババ!」

 

 ライフルから放たれた弾丸が紅音にあたる…が

 

紅音「頭を狙え頭を」

憲兵達「!?」

紅音「フルオートが悪いとは言わないが頭が狙えないならセミオートを使って確実に頭を狙うんだな」

憲兵D「な、なっ…」

「パシュ、パシュ、パシュ、パシュ」

 

 ガバメントから放たれた弾丸は1人を残して全員の頭に命中した。

 

紅音「私は憲兵長のあなたに用があるんですよ。後ろの牢屋に居る金剛型は今後ろから来ている2名が保護するので」

憲兵長「クソが!」

 

 憲兵長が左手で殴りかかってくる。紅音は体を右にずらしながら左手で相手の手をかわし同時に憲兵長の左手にナイフのセレーションを引っかけ、自分の方に引き込む。

 

憲兵長「ッ!」

 

 憲兵長は抵抗するため体を反射的に引いて踏ん張る。憲兵長の戻る力を利用して紅音が前に出る。と、同時に憲兵長の右足に自分の左足を引っかけ、憲兵長の体のバランスを崩す。紅音は前に出る自然な力を利用しながら、憲兵長の顎に当て身を喰らわす

 

憲兵長「ガハッ!?」

紅音「ここの憲兵は訓練不足だな」

 

 憲兵長は後ろに倒れ気を失う。

 

紅音「はぁ…2人を呼んだ意味なかったんじゃないかな…」

 

 紅音は牢に居る金剛と榛名に目をやる。

 

「バン!」

紅音「逃げるなら逃げればいい。まぁこの後2人組が来るはずだからその2人に保護してもらうのも1つだ」

 

 紅音はそう言うと憲兵長を肩に担ぎ部屋を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

憲兵長「うぅ…」

紅音「遅いお目覚めだこと」

憲兵長「な、何者だ貴様!」

紅音「あなたはどうやら格闘が出来ないだけじゃなくて状況判断も出来ないんですか?」

憲兵長「何をいっt…!?」

 

 憲兵長は周りを見渡すと何に使うか分からない器具がおぞましい量ある事に気づき、自分が鉄製の椅子に縛られている事に気づく。

 

憲兵長「貴様こんな事しt…ヒッ」

紅音「どうしました憲兵長殿?」

 

 憲兵長は目の前に居る全身黒ずくめの人間の目を見て恐怖した。

 

憲兵長(こ、この目…殺しをしてきた人間の目だ)

 

 薄い赤色の瞳。普通の人が見れば綺麗だと思うだろう。しかしその目には間違いなく光がない。薄く暗い瞳。

 

紅音「あなたにはあやまってもらいたいんですよ」

憲兵長「あ、あやまるだと?」

紅音「本来は以前の提督にもやりたかったんですがね。あいにくその方は捕まってしまってね」

憲兵長「何を言って…」

紅音「私はね人を痛めつけるのが好きなんですよ」

 

 紅音は木で出来た椅子に腰掛け、足を組みながらそう言う。

 

紅音「別に私はブラック鎮守府なんかどうでもいい。艦娘に暴力をふる?休憩をさせない?兵器として扱う?結構だ、部下をどう使うかは上司の自由だ」

憲兵長「だ、だから何を…」

紅音「謝罪は建前ですよ」

憲兵長「…」

紅音「でもですね。痛めつける人間としない人間は分けてるんですよ。する人間はあなたの様な人間のクズですよ」

憲兵長「…」ガタガタ

紅音「ふふふ…ハハハハハハハハハ!」

憲兵長「ヒッ…!」ビクッ

紅音「器具を使ってもいいんですが、どうですか?あなた方が艦娘にやった事を追体験してみますか?」ニヤァ

 

 僅かに出ている目が細くなる。バラクバごしにでもニヤついているのが分かる。

 

紅音「まぁ、あなたには拒否権はないんですがね」

 

 紅音はそう言うと椅子から立ち上がり憲兵長に近寄り、憲兵長のおでこに人差し指の先をつけ耳元に顔を近づけ

 

紅音「Good night」

紅音(『幻の幻覚』+『夢人』+『眠気ざまし』)ファンタジーイリュージョン+ビッグハームドリーマー+ネームケイト・ザ・マシンガン

幻の幻覚 幻を司るスキル

夢人 夢を司るスキル

眠気ざまし 催眠のスキル

憲兵長「…」ガクッ

紅音「あぁ、1つ言い忘れてました。私人間を精神的に追い詰めるのも好きなんですよ」

 

 紅音はそう言うと部屋を出る。

 

紅音「あぁ…あいつが目覚めるのが遅くてこんな時間になってしまいました」

紅音「…走れば食堂が閉じる前に間に合うか」

 

 紅音はそう思い食堂へ向けて走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20時過ぎの執務室

 

紅音「俺がこの鎮守府の新しい提督の月乃 紅音よろしく」

金剛「ヨロシクオネガイシマース!」

榛名「よろしくお願い致します」

霧島「よろしくお願いします」

紅音「お、おう」

金剛「どうしたネ提督!」

紅音「いや、信用されてるようでびっくりしたわ」

榛名「提督は榛名達の命の恩人ですから」

霧島「救って頂い方を信用するのは普通の事かと」

紅音「実際救ったのは俺じゃなくて蒼と師匠だと思うんだが」

榛名「憲兵を倒してくれた提督も同じです」

紅音「まぁ、用件終わったらから帰ってどうぞ」

 

 そう言うと霧島が金剛を半分引きずりながら出ていき最後に榛名が出ていった。

 

紅音「大淀さんもそろそろ帰っていいですよ」

大淀「それではお先に失礼しますね」

紅音「お疲れ〜」

 

 大淀は出る前一礼して帰る。

 

紅音「…」ガチャ

 

 紅音は鎮守府内電話を手に取り

 

明石『こちら工廠です』

紅音「今から行きたいんだがまだ閉めてないか?」

明石『紅音!?開いてますよ!』

紅音「んじゃ今から行くから」

明石『分かりました!お待ちしてます!」ガチャ

紅音「元気いいな」

 

 紅音はそう思いながら電話を置き今度は別の電話を取りある番号に電話すると。

 

?『紅音さんからとは珍しい事もありますね』

紅音「調べて欲しい事があるんだが」

?『なんでしょう?』

紅音「佐世保鎮守府の前提督の事をな」

?『それはいいですけど一応理由を聞かないと』

紅音「憲兵共が装備していた銃がA16a1とFN P90だったからな。前提督がなんかしてたのは間違いないだろうとな」

?『分かりました。期限とかあります?』

紅音「今年中」

?『気長にお待ちくださいね』

紅音「んじゃな」ガチャ

 

 紅音は電話をきり置くと立ち上がり工廠へ向かう。




 紅音多重人格&サイコパス説。説なので決まった訳じゃないですよ。











 コンビニのブリトーにハマってる作者です。


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2倍速

 タイトルで分かった人居たらいいセンスです。今回少し短いです。


 次の日の駆逐艦寮にある教室にて。

 

紅音「眠い」

長門「人を呼んだと思って来てみたら第一声がそれか…」

木曽「お前はなんで俺達を呼んだんだ?」

紅音「格闘教えろや、て言ったのそっちじゃないですか」

天龍「じゃあ教えてくれるのか?」

紅音「教える気が無かったら呼んでないと思うよ」

紅音「ただし、教えるのは格闘じゃなくて地上での戦いな。それでも良いなら教えてあげましょう」

不知火「どういう事でしょうか?」

紅音「見た方早い。HEY!Akashi!」

明石「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」

紅音「例の物を」

明石「こちらに」

 

 明石はそう言うと4つのケースを紅音に渡す。

 

紅音「今から名前呼ぶから取りに来いよ〜」

不知火(先生でしょうか?)

紅音「シラヌイ=サン」

不知火「はい」

紅音「テンリュウ=サン」

天龍「おう」

紅音「キッソ=サン」

木曽「普通に呼べ」

紅音「大きい7さん」

長門「もはや名前ですらないんだが」

紅音「じゃあ皆さんケース開けてくださいな」

ケース「ゴーマーダーレー」

天龍「なんだこれ?」

紅音「アサルトなライフル」

木曽「この小さいのはなんだ?」

紅音「手の銃」

不知火「なぜこれを?」

紅音「地上での戦いには必需品」

明石「でも今回使うのはケースの右下にあるファイティングナイフです」

紅音「教えてもらいたい方はグラウンドにGO」

明石「そこで詳しい説明しますので」

紅音「ケースごと持ってこいよ」

 

 そう言うと2人は教室から出て行く。

 

 

 

 

 数分後のグラウンド

 

紅音「じゃあ明石説明よろしく」

明石「分かりました」

 

 グラウンドには4人全員来ていた。

 

明石「今回やるのはそのナイフを使って4対1で紅音と戦ってもらいます。皆さんはその刃がついたものを使ってもらいますが紅音はゴム製のナイフを使います」

 

 明石がそう言うと紅音がゴム製のナイフをシースから取り出して曲げてみせる。

 

明石「使っていいのはそのナイフと格闘ですが砂などは使ってもいいですよ。制限時間は無制限。全員が行動不能になった側の負けです。場所はグラウンドのみ。質問ありますか?」

不知火「なぜ提督はゴム製なんでしょうか?」

紅音「ハンデ」

長門「ハンデだと?」

紅音「まだ死にたくないだろう?」

長門「後悔するなよ」

明石「それ以外に質問ありますか?…無いようなら準備が終わり次第始めます」

 

 そう言うと各々の開始地点に移動する。そして

 

明石「各自の最大の能力を発揮して戦ってくださいね。それでは開始!」

 

戦いの火蓋が切って落とされた

 

紅音(2人2人で別れて挟み撃ちにする気かな?)

 

 4人は2人ずつに別れ紅音の横へ回るように歩を進める。

 

紅音(木曽と天龍が要注意で不知火も中々に手強いな…長門はナイフ向きじゃないな)

 

 4人は既にナイフを構えているが紅音はまだナイフを構えずその場にしゃがみ砂をポケットに入れ、立ち上がる。

 

不知火&木曽「…」ザッ

 

 同時に右から不知火、左から木曽が紅音へ駆けてくる。

 木曽より速く不知火が紅音に迫る…が

 

紅音「…」バッ

 

ポケット入れていた左手を出し、不知火の方で手を開く。

 

不知火「!?」

 

 不知火の目と口に砂が入り、足が止まる。

 

木曽「なっ!?」

 

 木曽はそれを見て驚愕するが足を止めずそのまま紅音の内股にある動脈へナイフを突き込む

 

「ダン!」

 

もナイフは空を斬る。

 

長門「木曽後ろだ!」

木曽「ッ!?」

「ボキィ!ゴキュウゥ」

 

 紅音の放った拳が人間の心臓のある部分に直撃し、

 

「キュイン!」

 

その強すぎる威力により衝撃波が発生し高音と共に木曽は数10…下手したら100m近く後方に飛ぶ。

 

紅音「スゥ」

 

 紅音の拳からは湯気の様な物が発生している。

 

紅音(かなり手加減したんだがな…)

明石「木曽さんは戦闘不能により脱落です」

天龍「化物かよ…?」

不知火「…」

不知火(勝てる気がしませんね)

 

 不知火は紅音から目を離さずジリジリと後ろへ下がる。

 

紅音「…」

「ダン!」

不知火(見えない!?)

「ダァァァァン!」

 

 紅音は不知火へ肩でタックルする。先ほどと同じく衝撃波が発生し数10m飛びさらに数10m転がり止まる。これにより不知火も脱落した。

 

紅音「悪いがCQCはそんなに得意じゃないんだよ」

天龍「ッ!」

紅音「大振りはNGだぞ」

天龍(なんであたらねえ!?)

 

 天龍はナイフで紅音になんども斬りかかるが紅音はなんなくそれを避ける。

 

紅音「ナイフはなにも1撃必殺ってわけじゃない」

天龍「なに?!」

 

 紅音はシースからゴム製のナイフを取り出す。

 

紅音「浅くても」

天龍「クッ!」

紅音「何度でも斬ればいい」

天龍「熱!?」

 

 思わず天龍は後ろへバランスを崩す。

 

「ダン!」

天龍「しまっ…!」

 

 天龍の腹部に張り手が直撃し、数m後ろに居た長門を巻き込むさらに後ろへ飛ぶ。

 

長門「くぅ…」

紅音「最後まで残ったプレゼントだ…少し本気で行ってやる」

長門「なに?」

紅音(スキルの応用技)

紅音(Time alter―double accel)『時感作用』+『防衛爪』

時間作用 時を操るスキル

防衛爪 結界を張るスキル

 

 紅音があるキャラの技を見て真似た技。自分の体内に結界を張り、自分の時間のみ倍速化させる。紅音はこの他にもスキルを応用し、キャラの技に似たものを使える。

 

長門「…!?」

「ダン!」

 

 何10mも離れていた紅音が急に目の前に現れ、そのまま腹部に拳をくらい4人は全員戦闘不能となり紅音が勝利する。

 

紅音「明石!」

明石「はい!」

紅音「ドックに連れてくから不知火と木曽持ってくれ」

明石「分かりました」

 

 紅音は天龍と長門、ケースを持ちドッグへ向かう。

 

 

 

 

 

ドッグ

 

紅音「流石にこれ以上は入れんからな。すまないが後は頼む。バケツ使っていいから。俺は外で待ってる」

明石「分かりました」

 

 そう言うと紅音は外に出る。その少し後に。

 

明石「入渠終わりましたよ」

紅音「んじゃ教室に戻るぞ」

木曽「あの技はなんだ?」

紅音「教室で言う」

長門「あの距離をどうやって一瞬で詰めた?」

紅音「教室で説明すっる」

天龍「そのナイフゴム製だよな?」

紅音「教室で説明すると何回言ったらいいんですか?」

 

 そうこうしてる内に駆逐艦寮にある教室についた。

 

紅音「んじゃ木曽の質問から。あの技は八極拳の金剛八式の衝捶と川掌と言う技。んで踏み込みが震脚ってやつ。まぁ、自己流に色々変えてるから細かく言うのはまた今度」

紅音「次は長門の質問。あれはゲームの世界で言うチートコマンドだからあれ自体は覚えられない」

紅音「天龍の質問の答えは簡単に言うとただの技量。あれ位になるまでは教える…覚える気があるならな」

紅音「最初は基礎体力と基礎筋力を今の何倍にもする。訓練は明日から開始する。質問があるなら執務室に来てどうぞ。今日は解散。また明日今日と同じ時間にここ集合な」

 

 そう言うと紅音と明石は教室から出て行く。

 




 詠唱する必要あるのかって?無いです(真顔)
 八極拳とTime alter…強い(確信)










 執筆中のおともは午後の紅茶の作者です。


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最強は伊達じゃない

 今回は紅音がどれほどチートか分かる回です。


 14時過ぎ

 

PC「多聞丸、見ててくれた?」

紅音「…」カチッカチッ

PC「かすり傷程度なんだけどな…」

 

 教室から出てきて数時間がたった執務室にて紅音は自前のPCでゲームをしている。執務をサボってる訳ではなくちゃんと執務を終わらせ、ゲームをしている。

 

大淀「一応まだ執務の時間ですよ?」

紅音「書類は全て終わらせましたよ?」

大淀「艦隊運用というものがですね…」

紅音「艦娘が出撃するより俺が出た方速いです」

大淀「じゃあ出撃してください」

紅音「この前海域に出て今月中に出す戦果は出しましたよ」

大淀「そうですけど…」

「ドタドタ」

紅音「大淀さん扉開けておいてくれますか?」

大淀「分かりました」

「ドタドタ!」

明石「紅音大変です!」

紅音「面倒事は嫌なんですが」

明石「話をひとまず聞いてください!」

紅音「なんでしょう?」

明石「ハカイダーがいなくなったんです!」

紅音「は?」

明石「だからハカイダーがいなくなったんです!」

紅音「うん、それは分かった。俺が聞きたいのはハカイダーは俺が倒したよね?」

明石「あの程度で倒せる訳がないでしょ」フフン

紅音「確かにそれは胸を張っていいことだが…」

明石「とりあえず来てください!」

紅音「今、艦k…ゲーム中なんですけど」

明石「ゲームの方大切なんですか!?」

紅音「あぁ」

明石「即答…」

紅音「夏イベに備えてるんだよ!」

明石「なんですか夏イベって?!」

紅音「こっちの話だ」

明石「はぁぁぁ…」

紅音「そっちの問題なんだからアッカー達を使ってなんとかせい」

明石「アッカー達でなんとか出来ると思うんですか?」

紅音「出来たらここに来てねえだろ」

明石「じゃあ少しは手伝ってくださいよ」

紅音「分かった分かった。鎮守府内は探しとくから」

明石「ちゃんと探しておいてくださいね」

紅音「OK牧場」

明石「いつの時代ですか…」

紅音「用が終わったなら…カエレ!」

明石「見つけたら言ってくださいね」

 

 そう言うと明石は執務室を去る。

 

紅音「大淀さん扉閉めてください」

大淀「分かりました」

 

 そう言うと大淀は扉を閉め、鍵もつける。紅音は窓を1つ開ける。

 

紅音「艦装展開」

 

 紅音の左肩に飛行甲板が現れ、他にも矢筒と何本もの矢、弓、そして頭にハチマキが現れる。

 

大淀「飛龍さんはお元気です?」

紅音「最近帰れてないんだよな…」

大淀「帰ってさしあげたらどうですか?」

紅音「有給とれるかな…」

大淀「とれないんですか?」

紅音「1日とか2日ならとれるんだが3、4日はないとだからな」

 

 紅音はそう言いながら矢筒から矢を1本取り出し

 

紅音「彩雲の妖精さん頼んだよ〜」

 

矢を放ちそれが数機に別れて飛んでいく。紅音は艦装を解除する。

 

紅音「一回元帥に電話して有給とれるか聞いてみるか…」

大淀「元帥が許可しても大臣などの許可が必要ですからね」

紅音「静岡は遠いよ…」

大淀「行きで14時間位かかりますね」

紅音「電話するか…」

 

 紅音は電話をとり、電話をかける。

 

紅音「元帥ですか?」

元帥『何用じゃ?』

紅音「有給をとりたいんですが…」

元帥『何日じゃ?』

紅音「4日ほどなんですが」

元帥『理由を聞こう』

紅音「静岡に行きたいんですが」

元帥『理由は分かった。わしはいいんじゃが…掛け合ってみよう』

紅音「分かりました。それでは」(望み薄いなこれ)

 

 そう言い電話をきる。

 

紅音「休暇もなければ有給もとれないとはとんだブラック企業だぜ全く」

大淀「じゃあ鍵開けますね」ガチャッ

紅音「じゃあゲームのつづ「ドタドタドタ」はぁ」

「バァーン!」

金剛「ヘーイ!テイトクゥー!!」

紅音「なんでしょうか」

金剛「ティータイムネ!」

紅音「ん?あぁ、3時か」

 

 紅音が時計を見た隙に

 

紅音「準備速すぎて草生える」

夕張「草刈り機通ります!」

紅音「どこから湧いて出た夕張」

夕張「偶然近くを寄ったので」

金剛「夕張も一緒に飲むネ!」

夕張「それではお言葉にあまえて」

 

 全員が席に腰掛け、紅茶を飲み始める。

 

紅音「久々に紅茶飲んだな…」ズズズ

夕張「そうなんですか?」

紅音「緑茶の方が好きなんだ」

紅音(飛龍の影響でもあるんだがな)

夕張「提督はどこに住んでるんですか?」

紅音「ここ」

夕張「違うそうじゃない」

紅音「じゃあどういう事でしょう?」

夕張「中将にもなると家の1つや2つあるでしょ?」

紅音「凄い偏見だぞそれ…」

夕張「あるんですか?ないんですか?」

紅音「一応あるが…」

夕張「という事は提督は結婚済み…?」

金剛「…」ピクッ

扉の向こう「…」ピクッ

紅音(あれ?俺はめられた?)

紅音(まぁ、隠す様な事じゃないか)

紅音「してr…ムゴォ!?」

大淀「それ以上は駄目です紅音さん…!」超小声

 

 大淀は咄嗟に紅音の口を手で覆い紅音の耳元でそう言う。

 

金剛&夕張「?」

大淀「紅音さんは結婚してませんよ?ね、紅音さん?」

紅音「あ、あぁ、してないぞ」

夕張「じゃあなんで家m「ボォーン!」!?」

妖精『見つけましたよ』無線

紅音「なんで爆発音…」

妖精『アッカー達が戦闘中です』

紅音「終わりそうか?」

妖精『アッカーの敗北で終わりますね』

紅音「はぁ…場所は?」

妖精『ボーキサイト倉庫の後ろです』

紅音「んじゃ今から行くわ」

妖精『分かりました。通信終わり』

紅音「悪いが急用が入った」

 

 紅音はそういい立ち上がり執務室から出る。

 

 

 

 

倉庫裏

 

ハカイダー「…」

紅音「数日ぶりですね」

ハカイダー「…」ギュッ

 

 ハカイダーと紅音は構える。

 

紅音「タグにあるだろ?提督最強とな」

ハカイダー「?」

紅音「絶対に負けれない戦いがここにある」

「ダン!」

ハカイダー「!?」

「ガァァァン!」

 

 紅音の拳がハカイダーの腹部に直撃し、ハカイダーが後方に吹っ飛ぶ。

 

ハカイダー「…」

紅音「なんてこったい」

「ダン!」

紅音「ッ!?」

 

 紅音はハカイダーの拳をなんとかガードする。

 

紅音(…なるほどな)

紅音(恐らく見た技術や能力を本人よりうまく使うことができるって所か…)

紅音(同じ技は通用しないな)

「ダン!」

紅音「ッ!」

 

 再びハカイダーの拳が紅音へ放たれるも紅音はそれを避ける。

 

紅音(初見殺しで機械にも有効な攻撃…)

紅音(変に強力なスキルを使って倒せなかった場合かなり大変なことになるしな…)

 

 紅音は攻撃を避けているが後ろの壁などは風圧で破壊されいてく。

 

紅音「そろそろいい加減に…せんかい!」

 

 紅音のアッパーがハカイダーに直撃する。

 

紅音「もう手段は選ばん…」

 

 紅音は右手の人差し指と中指をピンと立たせる。そして

 

紅音「結!」

 

 ハカイダーを薄い青色の正四角形が囲い

 

紅音「滅!」

 

それが爆発する…も

 

紅音「化物が…」

ハカイダー「…」

 

 ハカイダーはかすり傷程度しかくらっていなかった。

 

「ダン!」

 

 ハカイダーが視界から消え、紅音の後ろに現れる。

 

紅音「艦装展開」

「ガキィィン!」

ハカイダー「…」

紅音(ふぅ、流石にダメージは入らないか)

紅音「少し話をしよう」

ハカイダー「?」

紅音「俺はスキルと言うものを1京2858兆519億6763万3865個保有している」

紅音「その中でよく使うスキルが約600個なんだが」

紅音「そのスキルの中に次元をこえる事の出来るスキルと相手の能力を奪う事の出来るスキルがあるんだ」

紅音「俺はアニメや漫画、ゲームが好きなんだ」

ハカイダー「?」

紅音「その気になればお前のその能力を奪う事も出来る…アニメのキャラの能力もな」

紅音「死なないキャラの能力を奪えば死ななくなる」

紅音「簡単に言うと約1京のスキル+無数のキャラの能力を保有している」

紅音「前回のfateつながりでもう1つfateから」

 

 紅音がそう言うと紅音の後ろに黄金に輝く魔法陣の様なものがいくつも出現する。

 

紅音「王の財宝」(ゲート・オブ・バビロン)

ハカイダー「!?」

紅音「ギルガメッシュの能力を奪った時に使えるようになった。なぜかバビロニアの宝物庫と、それに繋がる鍵剣に繋がってるんだなこれが」

 

 そう言うとそこから無数の剣や槍、斧などが出てくる。そして全てがハカイダーへ向けて放たれる。凄まじい爆音と共にハカイダーに直撃する。

 

ハカイダー「…」ギギギ

ハカイダー「…」バタン

ハカイダー「…」ギギ…ギ…

紅音「最強は伊達じゃないんだよ」

紅音(『鹵獲膜』)ロブカーテン

鹵獲膜 スキル(能力)を強奪するスキル

紅音「俺は主人公には向いてない」

 

 紅音はハカイダーの完成を奪いハカイダーを肩に担ぎ工廠へ向かう。

 

 

 

 

工廠

 

紅音「三〇屋で〜す」

 

 紅音は扉を蹴破り入る。

 

明石「壊さないでくださいよ」

紅音「依頼のハカイダーですよ」

明石「確保してくれたんですか」

紅音「鎮守府を破壊されかねないからね」

明石「さっきの爆発音はなんですか…?」

紅音「戦闘音」

明石「どうでしたかハカイダーさんの実力?」

紅音「確かに強い…強いがそれだけだな」

明石「どういうことでしょう?」

紅音「ハカイダー自身が自分の能力に振り回されて本来の強さを出しきれてない」

紅音「あぁ、あと倉庫の方に修理妖精さん派遣しておいて」

 

 紅音はハカイダーを置くと工廠をさる。

 

紅音「艦装展開」

紅音「妖精さん戻ってこ〜い」

「ブロロロロ」

 

 彩雲が甲板に着地し、矢に戻る。戻った矢を矢筒に入れて艦装を解除する。

 

紅音「執務室に戻って艦これの続きをしなければ…」

 

 紅音は執務室に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

スピーカー「こ〜んなみ〜らい〜♪」

大淀「なに聴いてるんですか…」

紅音「Prism Sympathy」

大淀「なんで執務室で聞くんですか…」

紅音「防音だから」

大淀「私が迷惑なんですけど」

紅音「退室してもらって大丈夫ですよ」

大淀「はぁ」

紅音「あっ終わった」ゴソゴソ

「コトッ」

大淀「落ちましたよ」

紅音「え?あっちょま!」

〈ヤンデレCD Re:birth ~ヤンデレの女〇子に死ぬほど愛されて眠れないCD4~〉バァァァン!

大淀「」

紅音「oh]




 紅音の艦装は、艦娘の艦装を展開する能力を本人の了承を得て手に入れたため奪ったよりもらったに近いです。



















 激辛のもの食べると本当に腹痛くなるのを最近身をもって知った作者です。


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酒の肴

 艦娘の心開く編と書いておきながら何もしないタイトル詐欺ならぬ章名詐欺(?)
 本格的なほのぼのは次の章です。


夜の執務室

 

紅音「そろそろ限界じゃないんすかね?」

隼鷹「提督こそ限界じゃないのかい?」

紅音「樽の1つや2つで酔うほど弱くねえわ」

青葉(なんでそんなに飲めるんですかね…)

 

 それは数時間前にさかのぼる。

 

スピーカー「トロア!なんで裏切りやがった!?」

紅音「…」

スピーカー「人違いだ、俺はトロアじゃない」

 

 紅音が執務室でアニメを鑑賞しながらお酒を飲んでいた時に。

 

「バン!」

紅音「普通に開けれないんですかね」

隼鷹「酒の匂いがする」

紅音「飲みます?」

隼鷹「もちろん!」

 

 青葉は途中で記事のネタがどうたらとかで現在に至る。

 

紅音「所であなたは提督は嫌いじゃないんですか?」

隼鷹「んあ?酒が飲める奴に悪い奴はいないからな!」

紅音「変わってますね」

隼鷹「んじゃさ、私からも聞きたい事あるんだけど」

紅音「なんでしょう?」

隼鷹「なんで提督になったのさ?」

紅音「上からの命令」

隼鷹「そうじゃなくてなぁ…」

青葉「なぜ海軍に入った理由ですか?」

隼鷹「そう!それだ!なんで提督は海軍に入ったの?」

紅音「異動でだ」

青葉「じゃあ元は陸か空のどちらかですか?」

紅音「陸」

隼鷹「酒の肴に陸軍に居た時の話聞かせてよ」

紅音「例えば?」

隼鷹「う〜ん?所属してた部隊とか?」

青葉「それ気になります」(良い記事のネタが聞けそうですし)

紅音「部隊のなんの話だよ」

青葉「なにが任務の部隊に居たんですか?」

紅音「深海棲艦に占拠された島とかの奪還が任務の部隊」

隼鷹「そんな部隊あったのか?」

青葉「噂程度でなら聞いた事ありますね」

隼鷹「でもそう言う部隊の名前ってかっこいいんだろ?」

紅音「特殊作戦郡01部隊」

青葉「想像してたのと違いますね…」

紅音「どんなの想像してたんだよ…」

青葉「デルタフォースみたいなのを…それか対深海棲艦〜〜部隊みたいなのを」

紅音「デルタフォースも正しくは第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊だぞ?んで対深海棲艦部隊だったらこの戦いが終わったらそのまま解散になるぞ」

青葉「確かにそうですね…」

隼鷹「でもさ艦娘が居なかった訳でしょ?大変だったんじゃない?」

紅音「そうでもない」

 

数年前の島奪還作戦時

 

「バババ!バババ!」

仲間A「よく女子供(深海棲艦)が殺せるな!」

紅音「簡単さ!動きがのろいからな!」

仲間B「フルメタルジャケットのシーンの真似しなくていいですから!ちゃんと戦闘に集中してください!」

紅音「怒ってばっかだとシワが増えるぜ?」

仲間B「殺されたいんですか?」

紅音「いいよ!来いよ!」

仲間C「今、戦闘中だぞお前ら!?」

 

 

 

 

紅音「って事があったな」

青葉「戦場でなにしてるんですか…」

隼鷹「面白そうな奴らだねぇ」

紅音「全員面白い奴だぞ」

隼鷹「全員現役なのかい?」

紅音「何人かは退役したな」

青葉「その言い方だと隊員は全員生き残ったんですか?」

紅音「俺の部隊の奴らは運良く全員生き残ったぜ」

青葉「戦場であの余裕っぷりですからね…」

隼鷹「提督がいつもその服装なのはその時の名残りかい?」

紅音「これは動きやすいから着てるだけだ」

青葉「常に手袋してますけどなんでですか?」

紅音「質問ばっかだな…まぁ、いいが。いつでも殴る時に手を傷めない様にだなこれは。他に意味はないな」

青葉「じゃあ手袋外しても大丈夫なんですか?」

紅音「問題ない。外そうか?」

青葉「是非!」

紅音「OK」

 

 紅音は手袋を右手から外していく。そして左手の手袋を外すと

 

青葉「司令官…それ…」

紅音「ん?あぁ、これか?見ての通り結婚指輪だが?」

 

その薬指には銀色に輝く指輪がはめてあった。

 

青葉「それ金剛さんとかの前じゃ見せない方いいですよ」

紅音「そういえば金剛と紅茶飲んでる時に夕張に結婚してるか的な事聞かれてしてると言おうとしたら大淀さんに口抑えられたな…」

隼鷹「大淀が居なかったら修羅場になってたよ…それ」

紅音「?」

青葉「てか、2人とも何時まで飲んでるんですか!?」

紅音「そんなに飲んでたか?」

青葉「樽がさっきの何倍もからになってますよ!?」

隼鷹「はっはっは!提督が良い飲みっぷりだからこっちも思わず飲んじまうよ!」

紅音「しかし俺も今日用事があるからな。今日はお開きにしよう」

隼鷹「なんだい?もう終りかい?」

紅音「飲み足りないなら酒いくつか持ってくか?」

隼鷹「いや、遠慮しとくよ。そんじゃ私は帰るわ」

青葉「じゃあ私も」

紅音「早く寝ろよ」

 

 2人が執務室から出るのを見計るように執務室の電話が鳴る。

 

紅音「もしもし」

?『この前の言われた件の情報手に入れましたよ』

紅音「まだ1日位しかたってませんよ?」

?『私の情報収集能力は世界一ですよ?』

紅音「それはいつも聞いてる。それで日時と時間は?」

?『今そちらに向かってるので朝方には着くと思うので…今日予定ありますか?』

紅音「艦娘の数人を訓練する以外に予定はないな」

?『それじゃメールを送るのでその時間にそこに来てくださいね』

紅音「了解」

?『それでは』

紅音「あぁ」

 

 電話がきれたと同時に紅音の携帯にメールが届く。

 

紅音(ここか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

紅音「ごきげんよう」

長門「何をするんだ?」

紅音「第一回目の訓練の前にやることがあるのでついて来てください」

 

 紅音はそう言うとグラウンドの一角に行く。

 

不知火「提督、これは?」

 

 そこには高さ5m、長さ10m、厚さ5m程の石の壁が作られていた。

 

紅音「まぁ見とけ」

 

 紅音は地面に置かれていた長さが1m程の鉄の棒を取ると

 

紅音「ほいっ」

 

石の壁目掛けて一直線に投げると石の壁を貫通する。

 

紅音「とまぁ、これを出来る様になるまでずっと筋力と体力作り」

紅音「…てのは冗談で川内や〜」

川内「なに?」ザッ

4人「!?」

紅音「これをこう」

川内「あぁ、なるほど」

 

 川内も鉄の棒をとり石の壁に投げると貫通はしないが全て刺さる。

 

紅音「せめてこれぐらいになるまでは筋力と体力作り」

明石「これが内容です」

紅音「川内は戻っていいぞ」

川内「おっけ」ドロン

天龍「…この内容であんなになるのか?」

紅音「このメニューだけだったら100年位かかるぞ」

木曽「じゃあなぜこの内容なんだ?」

紅音「徐々に筋力と体力を作るため。別に自分でトレーニングしても構わんがオーバーワークにならない程度にやれよ」

不知火「分かりました」

紅音「悪いが俺は急用が入ったから今日の訓練は明石と海風が見てくれる」

長門「海風は駆逐艦だぞ?」

紅音「駆逐艦だと思って甘く見てると痛い目見るぞ」

紅音「んじゃ後は頼んだぞ2人とも」

明石「お任せ下さい!」

海風「分かりました」

木曽(あいつの艦娘はアサシンかなにかなのか?)

 

 

 

 

佐世保市内

 

紅音(地味に遠い)

 

 紅音は私服に着替えメールに書いてあった場所に向かっている。服装はジーンズに黒色のVネックのTシャツ、灰色のワークキャップそしてマスク。

 

紅音(ここか)

店員「いらっしゃいませ〜」

店員「お一人様ですか?」

紅音「待ち合わせです」

店員「お名前を聞いてもよろしいでしょうか?」

紅音「月無 紅羽です」(つきむ あかば)

店員「少々お待ちください…部屋番号36になります」

紅音「分かりました」

 

 

 

 

 

 

「コンコンコン」

?「どうぞ」

紅音「失礼します」

?「お久しぶりですね紅音さん」

紅音「俺は佐世保鎮守府のあなたにはほぼ毎日会ってますけどね」

?「ふふふ。それでこちらが調べた情報になります」

紅音「ありがとうございます」

 

 紅音は情報の書かれた資料も貰うと1枚1枚見始める。

 

紅音「武器商人ですか…」

?「在日米軍や自衛隊が解散になった時に一時期銃などの兵器が裏のルートで相当数出回った時に手に入れた方々が武器商人として売ってる様ですね」

紅音「その武器商人がブラック鎮守府の提督とかを相手に取引してると」

?「その通りです」

紅音「…なるほど、今日にした理由はこれですか」

?「はい」

紅音「と言う事は全員来てるんですね」

?「皆さん来てますがその辺で遊んでると思いますよ」

紅音「今日は鎮守府に帰るのが遅くなりそうだな…」

?「物は全て持って来ましたよ」

紅音「分かりました。…今思ったのですが青葉はここにはいないんですね」

?「下見に行ってますよ」

紅音「分かりました」

?「せっかくカラオケに来たんです。少し歌って行ったらどうですか?」

紅音「そうですね。カラオケに来たので少し歌って行きますかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方のホテルの一室にて

 

青葉「情報だとこの4方をコンテナに囲まれているここで密談があるのかと」

?「2人が手に入れた情報なら間違いないわよ〜」

?「2人はいつも通り後方支援に努めとくれ。奇襲をかけるのは私と龍田、紅音で十分だ」

?「私も居ますよ」

紅音「大鳳はいつも通り狙撃に集中してくれ」

龍田「ふふふ。久しぶりの仕事だわ〜」

青葉「相手は武器商人ですの手練の護衛が何人もついてると思いますので一応注意してくださいね」

紅音「ボスは生きて捕らえて軍のお偉いさんに渡すか」

龍田「分かったわ〜」

紅音「心配だ」

?「同感だ」

龍田「失礼ねぇ。陸軍からの付き合いじゃない」

紅音&?「だから余計に心配なんだよ」

青葉「…武器商人の取り締まりには政府も困ってるので多少暴れても問題ないでしょう」

紅音「じゃあ港を吹き飛ばそうかね」

?「これから毎日、港を吹き飛ばそうぜ」

?「やめてくださいね」ニッコリ

紅音&?「すみませんでした」

青葉「私達はここから通信で支援するので4人はそろそろ狩りに行ってください」

4人「…」ピクッ

紅音「狩りだ」

?「狩りか」

龍田「狩りだわ」

大鳳「狩りです」

4人「フフフ」

?「完全にスイッチ入っちゃたわね」

青葉「いつもの事じゃないですか」

青葉「早く車に行ってください」

 

 4人は部屋から出て車へ向かう。




 Wガンダムもう何年、何十年前ですよね。1番好きなガンダムシリーズは08小隊です。










 


 毎回この最後になんか書いてるけど「なんで書いてるんだろう?」と思った作者です。


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狩り

 服装ですが全員黒色の戦闘服です。
 今回はちょっと短いです。


 夜の港湾にて

 紅音視点

 

「バババ!バババ!バババ!」

紅音「遅い遅い!」バラクラバ着用 銃:Mk.23 Mod.0

護衛A「!?」

護衛B「なんで弾丸を避けれるんだこいつ!?」

護衛C「ダメだ!他の護衛とも連絡が取れねえ!」

紅音「戦闘中によそ見か?」

護衛C「しまっ」

「バシュン」

 

 紅音は港湾の1角にて護衛の3人と戦闘を繰り広げている。1人は今、脱落したが。

 

紅音「こんなものか?」ギロッ

護衛A「ひぃ…!」

護衛B「く、糞がァ!」

紅音「馬鹿め」

 

 護衛の1人が紅音へ発砲するがあえて紅音は弾の方へ走り最低限の動きのみでそれを全て避け、護衛の下顎に銃口をつけ発砲する。

 

「バシュン」

護衛B「…」バタッ

護衛A「ッ!」

「ババババババ!」

 

 護衛の放った弾丸は命中する…が

 

紅音「なに仲間撃ってるんだ?」

護衛A「なっ!」

 

紅音は護衛Bを盾にして弾丸を防ぎ、護衛Aへ投げる。

 

紅音「憲兵よりはいい動きだったぜ」

「バシュン」

 

 倒れた護衛Aの腹部を右足で踏みながら眉間を撃ち抜く。

 

紅音「次だ次」

 

 紅音はその場を後にする。

 

 

 

 

龍田視点

 

「ババババババババババ!」

「カキキキキキキキキン!」

龍田「んふふ〜」顔の下半分のみマスク装着

 

 龍田は放たれた弾丸を槍を回転させて全てはじく。

 

龍田「今度はこっちのばんよぉ」

「バン!」

護衛A「消え…」

龍田「後ろよぉ」

護衛A「なっ!」

「フォン!」

護衛A「カァッ」

 

 龍田の突きが護衛Aの心臓を貫く。

 

護衛B「うっうあぁぁぁ!」

龍田「あらあら、敵前逃亡はいけないわぁ〜」

 

 龍田は槍を構え護衛Bへ投げる。

 

護衛B「あっあっあぁ…」

 

 槍は護衛Bの心臓を貫き護衛Bは数歩歩き倒れる。

 

護衛C「くらえ!」ガチャ

「…バスン…」

龍田「鷹、ナイスだわぁ〜」

大鳳『少しは鹿残してくださよ…』

龍田「自分で探したら〜?」

大鳳『見つけても弾着時間をふまえるとその前に殺られてるんですよ』

龍田「まぁ、頑張りなさいなぁ〜」

大鳳『なんで狙撃ポイントが300m離れたここしかないんですか…』

龍田「狙撃の事は分からないわぁ」

 

 龍田は護衛Bに刺さっていた槍を抜いてその場を去る。

 

 

 

 

?視点

 

護衛A「暇だなぁ」

護衛B「全くだ」

護衛A「襲撃なんか今までなかったんだから警備とかしなくていいのになぁ」

護衛C「愚痴ってないで集中しろ」

護衛B「真面目だな、お前は」

?「あぁ、全くだ」黒色のホッケーマスク

3人「!?」

護衛A「誰だ貴様!」

?「悪いが名乗る程の名前はあいにく持ち合わせていなくてな」

護衛A「なんだと?」

?「そうだな…それではとりあえず日向と名乗っておこう」

護衛B「要件はなんだ?」

日向「先程貴様らが言っていた事をやりに来たんだよ」

3人「?」

日向「襲撃だ」

 

 日向はそれと同時に居合で手前に居る護衛Aの脇腹から肩からぬける様にして斬る。

 

護衛B「なっ!?」

日向「…」

 

 今度はそのまま護衛Bの首元から腰からぬける様にして斬る。

 

護衛C「ッ!」カチャ

日向「遅い」

 

 更に今度は護衛Cを銃ごと真っ二つに斬る。

 

日向「他愛ない」スチャ

 

 日向は赤く光っている太刀を鞘に収め、その場を去る。

 

 

 

 

 

大鳳視点

 

大鳳「…」素顔 赤外線遮断スーツを来ている

 

 大鳳は紅音達の居る港湾から約300m離れた所から愛銃L115A3に装備しているバイポットを広げシュミット&ベンダーの5-25x56スコープから港湾の様子を見ている。

 

大鳳「所定の位置にトロフィー発見。おくれ」

青葉『鷹、了解。そのまま待機。おくれ』

大鳳「待機。了解。通信終り」

大鳳(暇です。護衛の鹿は全部狩られましたし…)

大鳳(まぁ、待つのには慣れてるんですけど)

 

 大鳳はターゲットの頭をいつでも撃ち抜ける様にしたまま伏せて構えている。

 

 

 

 

紅音視点

 

紅音「おばんです」

ボス「い、いくらだ!?」

紅音「は?」

ボス「いくらで見逃してくれる!?」

紅音「いやぁ、あなたかませキャラ達を束ねてるかませボスの鏡ですよ」

紅音「あぁ、でも安心してください。別に私達はあなたを捕まえて取って食おうって訳じゃないので」

ボス「達…?」

「ドォォォン!」

ボス「!?」

紅音「はぁ、もう」

日向「もう確保したのか」

龍田「はやいわねぇ」

 

 日向がコンテナを斬って、龍田がそれを蹴り飛ばして紅音と合流する。コンテナは紅音の上空を通って海に落ちる。

 

紅音「とりあえずご同行いただけますか?」

「バシュン」

 

 紅音はボスの顔の横の地面に発砲する。

 

ボス「わ、わk…」ガクッ

 

 龍田がボスの首に睡眠薬を注射し、麻袋を被せ、手足を縛ると近くに車が止まる。

 

大鳳「速く乗ってください。戻りますよ」

紅音「ハイエース万能」

 

 3人はボスを車に入れ、車に乗り込む。

 

 

 

 

車内にて

 

紅音「めっちゃ通知来てるんだが…」

龍田「浮気かしらぁ〜?」

紅音「する訳ないでしょう」

龍田「知ってるわよ〜」

日向「じゃあ誰からだ?」

紅音「爺さんから」

日向「なにやらかしたんだ?」

紅音「いや多分休みの電話だと思う…少し静かにしてくれ」

 

 紅音はそういい電話をかける。

 

元帥『何回電話したと思ってるんだ』

紅音「12回ですね。ストーカーですか?」

元帥『そうだとしたら?』

紅音「龍田、少し青葉に電話してくれ」

元帥『冗談じゃから!』

紅音「知ってます。それで何用ですか?」

元帥『有給の事じゃ』

紅音「無理だったんですね。しっt『とれた』ふぁ!?」

龍田「急に大声上げないでほしいわぁ」

紅音「すまない」

紅音「それでいつからですか?」

元帥『明日からの4日間だ』

紅音「分かりました」

紅音「あぁ、それと」

元帥『なんじゃ?』

紅音「武器商人を捕らえたので身柄を渡したいのですが」

元帥『む?分かった。場所はメールで送ってくれ』

紅音「分かりました」

元帥『それじゃの』

 

 そうして電話がきれる。しかし紅音はそのまま電話する。

 

?『なんでしょうか?』

紅音「さっきの電話傍受して聞いてましたよね?」

?『聞いてましたよ』

紅音「全部持ってきたと言ってましたが」

?『BMW R1200 GS ADVENTUREですね?ホテルの地下駐車場にとめてありますよ』

紅音「ありがとうございます!」

?『戻ってきたら鍵取りに来てくださいね』

紅音「はい」

?『それではまた』

 

 電話がきれる。

 

紅音「やったぜ」

龍田「メールは送っておいたわぁ」

紅音「すまない」

龍田「別にいいわよぉ」

日向「その様子だと休みとれたようだな」

紅音「あぁ。今年の運使い果たしたな…まぁ、いいが」

大鳳「提督が鎮守府を4日も留守にするとかいいんですかね」

紅音「川内達と師匠、蒼が居るから万が一深海棲艦の大艦隊が攻めて来ても問題ない」

日向「そう言う事をフラグというのだぞ?」

紅音「そんなフラグへし折ってやんよ」

大鳳「凄い勢いでフラグがたてられて行きますね」

紅音「大丈夫だ問題ない…はず」

龍田「心配だわぁ」

紅音「それ以上なんか言ったらシャイニングフィンガーと言う名のアイアンクロー食らわせるぞ」

龍田「出来るのかしらぁ〜?」

紅音「よろしい、ならば戦争だ」

龍田「ふふふ」ゴゴゴ

紅音「ははは」ゴゴゴ

大鳳「車内で暴れないでください!!」

龍田「…命拾いしたわねぇ」

紅音「そっちこそ」

龍田「なんですって?」ゴゴゴ

紅音「あぁ?」ゴゴゴ

大鳳「…」ニッコニコ

龍田「…」

紅音「…」

日向(触らぬ神に祟りなしとはよく言ったものだ)

 

 そうこうしてる内にホテルにつく。




武器紹介及び簡単な人物紹介

日向 裏太刀の達人 太刀の高周波ブレード 太刀は無銘だが名刀 玉鋼と高周波の反応により色が赤く変わっている 刀身自体は太刀そのままで、柄に機構を仕込むことで高周波ブレード仕様に改造されている

龍田 槍及び槍投げの達人 倒した深海棲艦の部品を使って作った槍を使っている 槍の色は真っ黒 深海棲艦の連合艦隊を槍1本で壊滅させた事がある

大鳳 狙撃の達人 3kmの狙撃に何度も成功したことがある 愛銃はL115A3(サプレッサー、スコープ、バイポット装備) 使用弾は338ラプアマグナム 実は部隊内で2番目に恐れられている

青葉 潜入及び情報収集の達人 主に通信担当まれにメディックとして作戦に参加するCQCも少し出来る

? ?

Mk.23 Mod.0(サプレッサー装備)
 1言で言うとH&K社の傑作銃。以下説明
・最大で15,122発、最低でも6,027発での無故障連続射撃に成功。
・フルメタルジャケット+強装弾である.45ACP+Pを使用できる。
・泥や砂を被る、凍結や油切れといった悪条件下でも正常に作動する。
・約20mの水深の海水に2時間放置しても正常作動。錆の出にくい素材・処理を採用。
・銃口にネジが切ってあり、サプレッサーの装着も簡単。
・競技銃に迫る精密性を実現。3万発射撃後も性能を維持。
・可視光/不可視光レーザーサイトや可視光フラッシュライトが内蔵されたLAMの着脱するためのレールをフレームに持ち、トリガーガードにもLAM固定用ネジ穴が存在。
欠点
・重い
・大きい
・高い
企画内の大きさだがサブには大きすぎる。紅音には関係のないこと。

スペック

重量         
マガジン無しで1.2Kg

全長
245mm(マズルアタッチメントなし)

口径
.45口径 .45ACP+Pの使用が可能

 説明終り。


 恐らく次回から一時的に新章です。紅音の使う銃は大体こんな感じで説明します。
 龍田さんの槍の形はゲイ・ボルグの色を真っ黒にしたものと想像してください。 









 小説を投稿し始めて前よりタイピングが気持ち速くなった作者です。


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番外編 平和なひと時
わさび


 この章は平和です。あと私服は皆様の想像にお任せします(時期は初夏です)


 時刻は丁度9時を過ぎた頃のあるPAにて。天気は曇り一つない晴れ模様。

 

紅音「…大人2名なんですけども…はい…和室の離れは空いてますか?…じゃあ…はいそこでお願いします…3泊4日です…はい…はい、じゃあお願いします…はい、それでは」

 

 紅音はR1200GS(オーシャン・ブルー・メタリック・マット)を夜通走らせていたので休憩もかねて電話をかけていた。

 

紅音「あと1時間って所か…疲れた」ベンチに座り、生茶飲みながら

紅音「ふぅ…そろそろ出発するか」

 

 紅音はヘルメットを被りベンチから立ち上がる。鍵を差し込みエンジンをかける。

 

「キュオッオッオン」

「ブォォン、ブォォン、ブォォン…!」

 

 紅音は足でバイクを後退させ目的地へ向けて出発する。

 

 

 

 

数十分後

 

紅音「…」チラッ

看板〈富士宮市 出口500m先〉

 

 紅音の手に力が入る。そしてすぐに出口が見える。

 出口を抜け、下道へと切り替える。

 

紅音「…」

 

 紅音は市街地からとは逆の方へ進む。しばらくして建物が少なくなり始め、そのかわりに自然が増えていく。

 

紅音「…」カチッ

 

 家1つ見えなくなってしばらく経つと森の中に続く車1台がやっと通れる位の細い道が現れる。紅音は右のウインカーつけてその道へ入る。

 整備されている細い道を数分進むと1軒のログハウスが見えてくる。

 

「ブォォン…」

 

 紅音はバイクを停め、ヘルメットをとり、バイクをおりる。紅音はバイクについてる右のサイドケースを開けて超厳重に梱包されている日本酒を取り出す。

 

紅音「…」

 

 ログハウスは駐車場から石階段を数段上る必要がある。紅音は駐車場からログハウスを1度見上げ、階段を上り始める。

 

紅音「…」ガチャ

 

 紅音は階段を上り終わり、玄関を開けるとすぐにリビングが目に入る。ぱっと見は誰も居ない。紅音は靴を脱ぎリビングをぬけキッチンへ向かうと

 

「ドタドタドタ!」

 

後ろから足音が近づいてくる。そして

 

?「紅音〜!!!」ダキッ

紅音「うおっ」

 

後ろからおもいっきり抱きつかれ、前に少しバランスを崩すもすぐに体制を立て直す。

 

?「おかえり。紅音」抱きついたまま

紅音「あぁ、ただいま。飛龍」

 

 紅音は微笑みながらそう言う。

 

飛龍「今回は何日居れるの?」

紅音「4日かな」

飛龍「よっかぁ〜?」

紅音「ごめんな」

飛龍「仕方ないよ。提督だもんね…!」

紅音「ほんとごめん…」

飛龍「いいよいいよ。それよりさ!ほら、準備!準備!」

紅音「そうだな。飛龍は準備終わったのか?」

飛龍「もちろん!」

紅音「すぐ準備終わらせるから待っててくれ」

 

 飛龍は紅音から離れ、紅音は日本酒をテーブルに置いて2階への階段を上り、部屋へ向かう。

 

 

 

 

数分後

 

 紅音はバイクに乗る時に着るプロテクターの入っているジャケットなどから私服に着替え、準備を終わらせる。そして1階へ戻る。

 

飛龍「準備終わった?」

紅音「終わったぞ」

飛龍「じゃあ、行くよ」

 

 飛龍は紅音の右手を掴み、少し足早に玄関へ向い外に出る。

 

紅音「こんな速く歩ったら転ぶぞ」

飛龍「大丈夫だっt」ガッ

紅音「言わんこっちゃない…」

 

 紅音は飛龍が地面にぶつかる前に掴んでいた腕を掴み返し自分の方に引き寄せる。

 

飛龍「えへへ。ありがとう」

紅音「どういたしまして」ハァ

紅音「ちょっと掴まってろ」

飛龍「え?…ってえぇぇぇ!?」

 

 紅音は飛龍と自分の準備物を肩に下げ、飛龍をお姫様だっこする。そして駐車場まで一気にジャンプして行く。

 

紅音「到着」

飛龍「一言なにか言って欲しかったな」

紅音「ごめんごめん」

飛龍「謝る気ないでしょ!?」

紅音「まぁまぁ。ほら降りた降りた」

飛龍「全くもぉ」

 

 紅音は飛龍を下ろす。そして車の鍵を開け、トランクに荷物を入れ、運転席に乗る。飛龍は助手席に乗る。(車はcx-5のスノーフレイクホワイトパールマイカ)

 

飛龍「目的地は?」

紅音「伊豆半島の河津町」

飛龍「宿は?」

紅音「ついてからのお楽しみ」

飛龍「りょ〜かい」

紅音「シートベルしてくださいな」

 

 シートベルをするのを見てから紅音は車を発進させる。

 

飛龍「何時間ぐらいかかるの?」

紅音「ん〜?そうだな…3時間ぐらいかな?到着は13時過ぎかなぁ」

飛龍「じゃあさ、途中でなにか食べてこうよ!」

紅音「いいぞ。なにか食べたいのあるか?」

飛龍「そうだなぁ…伊豆ってなにが名産だっけ?」

紅音「干物かわさびかなぁ」

飛龍「じゃあ、わさび関連のものを食べよう」

紅音「了解っと」

飛龍「んふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12時過ぎ

 

紅音「どこか、駐車場に停めて歩くで」

飛龍「りょ〜かい」

 

 少したちコインパーキングに車を停め、2人で散策していると

 

飛龍「ここで食べようよ」

紅音「おっけ」

 

飛龍がお昼を食べる店を見つけた。

 

店員「「いらっしゃいませ〜」」

店員A「お座敷へどうぞ」

 

 と言われ2人はお座敷に案内される。

 

店員A「お茶です。お水がよければ言ってくださいね」

紅音&飛龍「分かりました」

飛龍「なに食べようかな〜」

 

 飛龍が壁に貼られているメニューを見ながらそう言う。

 

紅音(ん?あれ?ここもしや…)

 

 紅音は壁にかけらているサインに目が行く。

 

紅音(ここゴローさん来た所じゃん!)

紅音(じゃあ、なに頼むかは決まった様なものだな)

飛龍「紅音は決まった?」

紅音「あぁ、決まった」

飛龍「じゃあ呼ぶね?すみませ〜ん」

店員A「はい!お決まりになりましたか?」

飛龍「わさびそば1つください」

紅音「あとわさび丼1つください」

店員A「わさびそば1つとわさび丼1つですね。かしこまりました」

店員A「わさびそばとわさび丼1つずつ〜」

店員B「はい。わさびそば、わさび丼1つずつ〜」

 

 店員が厨房に行く。

 

飛龍「楽しみだね」

紅音「そうだな」

紅音(わさびチューブで代用したのとどれほど違うのか…)

飛龍「そう言えばここから宿は近いの?」

紅音「10数分でつくと思う」

飛龍「それなら先に宿にチェックインした方良かったんじゃない?」

紅音「確かにそうだな…」

 

 そんな会話をしいていると。

 

店員A「はい。わさびです。茎を取り除いて、頭のほうからおろしながらお待ちください。おろすときは、まあるく」

紅音「分かりました」

 

 店員は再び厨房へ向かう。

 

「ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ」

飛龍「これってどれぐらいやればいいの?」

紅音「自分のお好みでいいと思う」

飛龍「じゃあ、これぐらいでいいかな」

紅音「俺も終わるか」

飛龍「ん〜♪いい匂い♪」

紅音「確かにな」

店員A「お待たせいたしました。わさびそばとわさび丼です。それではごゆっくり」

飛龍「わぁ、美味しそう!いただきま〜す」

紅音「いただきます」

飛龍「ん〜♪おいしいね紅音」

紅音「あぁ、そうだな」

 

 飛龍が満面の笑みでそう言い、紅音は微笑んで言う。

 

飛龍「少しわさび弱いかな…?」

紅音「入れたらいいじゃん」

飛龍「そうだね」おろしたわさび全部入れ

紅音「ばっ!?」

飛龍「?」

紅音「どうなっても知らんぞ…」

飛龍「??」そばすすり

飛龍「!!?」

飛龍「ン〜〜〜〜〜〜〜!」

紅音「知ってた」

 

 飛龍は目をつぶり両手で拳をつくり、腕を脇腹につけて腕を上下に振ってる。

 

紅音「確か深呼吸すれば落ち着くんじゃなかったけ」

飛龍「そうなの?」

紅音「あ、あぁ」

 

 飛龍が涙目の上目遣いで聞き返してくる。

 

紅音(今のは破壊力がやばかった…)

飛龍「…」スーハースーハー

紅音「落ち着いたか?」

飛龍「うん。なんとか」

紅音「それはよかった」

紅音「全部食べれるか?」

飛龍「う、うん」

紅音「無理するなよ…」

 

 

 

 

数分後

 

紅音&飛龍「ごちそうさまでした」

紅音「大丈夫か…?」

飛龍「なんとか…」

紅音「入れすぎなんですよ」

飛龍「最初ツーンって来なかったから行けるかな〜と」

紅音「はぁ」

飛龍「じゃあ、次行こ!」

紅音「そうだな」

 

 紅音は会計を済ませ飛龍を連れて店を出る。車に戻る前に飛龍の提案で少し散策する事になった。




 飛龍は元艦娘なので食べる量は普通です。
 飛龍って仕事以外だとこんな感じだと思うんですよね。













 もし紅音が退役して飛龍と暮らしていたら?的なssを番外編か新しい連載で書きたくなった作者です。


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深海棲艦大規模侵攻
予言


 皆さんの言いたい事は分かります。理由は後書きにて書いております。


 有給が終わり三日後。場所は鎮守府のグラウンド。天気は雲一つない晴天。

 紅音はいつも通りゲームをしてる...訳ではなく。

 

紅音「......」

 

 鎮守府の敷地内に生えている木の下で昼寝をしていた。

 

紅音「......1人での昼寝は寂しいものだ」

紅音「大本営に居た頃は球磨と加古の3人で良く昼寝をしていたんだがな」

 

 あくびをしながら立ち上がり、工廠の方へ向かう。

 

紅音「それよりも...ちとマズイなぁ」スマホ取り出し

紅音「......にちか」

成城『どうした先生?』

紅音「緊急事態だ。明日...時間は10時頃に深海棲艦の大規模侵攻が始まる」

成城『規模は?』

紅音「日本全土を全て囲む位だ」

成城『佐世保から何人出せる?』

紅音「俺を含んでも9人...10人が限界だな。精神的に。後は明石の兵士も出動させる」

成城『分かった。すぐに元帥に連絡する。そっちにはこっちから数人増援で送る』

紅音「了解。それじゃ」ピッ

 

 紅音のスキルの1つ真実八百。それは予言のスキル。紅音の場合は夢で数時間後〜3日後までに起こる、災害規模の事を夢の中で紙芝居の様に見る事が出来る。

 

紅音「明石! 明石は居るか!!」

明石「どうしたんですか? そんなに声を荒らげて」

紅音「緊急事態だ。『鎧』は使えるか?」

明石「え、ええ。いつでも使えますけど。どうしたんですか?」

紅音「明日の10時頃に深海棲艦の大規模侵攻が始まる。明石の兵も出せるだけ出してくれ」

明石「わ、分かりました!」(とうとう密かに開発していたあれが使える!)

紅音「川内!」

川内「どうしたの? そんな大声出して」シュタッ

紅音「訳は後で話す。長門、木曽、天龍、不知火、神通。後は海風と利根、比叡を執務室に集めてくれ」

川内「OK」サッ

明石「『鎧』持ってきましたよ」

 

 筋肉の鎧をまとったアッカーが、重そうに黒革で出来た手持ちタイプのトランクケースを持ってくる。

 

「ドォォォォン...!」

 

 地面に置かれたケースはコンクリートの地面に少し亀裂入れる。

 

紅音「すまないな」

 

 紅音はそれを軽々と持ち上げ、工廠を後にする。

 

 

 

 

 大本営はかなり慌ただしくなっていた。

 そんな中、1つの部屋は他の部屋等と違い全く緊張感がない部屋がある。その部屋は作戦会議室と書かれてある。

 

成城「全員来たか?」

?「第一艦隊は全員来たクマ」

?「第二艦隊も全員来たかも!」

?「ふわぁ〜〜。んぁ? あぁ、第三艦隊も全員来てるよぉ〜」

?「第四艦隊がいっちば〜んに来たんだから!」

日向「第01特殊作戦群。隊長と紅音以外は全員は集合済みだ」

龍田「隊長から言伝があるわ〜。『話は聞いていますので進めていいですよ』だそうよ〜」

成城「そうか。では話を進める前にまずは紹介する方達が居る。入ってきてください」

 

 成城がそう言うと出入り口から緑のアーマーに身を包んだ兵士が20名程入ってくる。10人10人で2列に並んだ兵士達の中から隊長と思われる人物が出てくる。

 

隊長「第02特殊作戦群及び第03特殊作戦群。一時的に海軍の指揮下に入ります」

龍田「あら〜、懐かしい人たちね〜」

隊長「お、お久しぶりです」

 

 第02〜第03特殊作戦群は第01程ではないが人外の巣窟と言われている部隊だ。しかし01は1人1人が一騎当千と言われる部隊だが、02〜03の一般兵士の戦闘力はイ級1体を倒せる位しかない。隊長クラスでもホ級をギリギリ倒せる程しかない。

 

?「戦力になるクマ?」

成城「居ないよりはマシだと考えてくれ」

?「分かったクマ」

?「古鷹から聞くからさ。それじゃダメ?」

成城「ダメ」

?「りょ〜かい」

隊長(これが最強とうたわれる大本営の艦娘達なのか?)

成城「それでは本題に入る」

 

 

 

 

 場所は変わり佐世保鎮守府。

 

紅音「と言う事なんすね」

川内「久しぶりに夜戦が出来る〜!」

利根「腕が鳴るのぉ」

紅音「俺は明日の朝、すぐに出る」

海風「分かりました」

比叡「作戦は〜?」

紅音「見敵必殺」

比叡「作戦じゃない...」

紅音「じゃあ解散! 明日死ぬかもしれんぞ! 悔いのない様に過ごせよ」

木曽「お前は死なないだろうがな」

紅音「そうとも限らんぞ?」

不知火「それはどういう...」

紅音「解散だ! 解散!」

 

 そう言うと執務室から続々と艦娘達が出て行く。

 

紅音「あぁ、神通」

神通「なんでしょうか?」

紅音「これやるよ」ポイッ

神通「え、あの。これは?」

紅音「俺の愛刀だ。刀は使えるだろう?」

神通「使えますが...」

紅音「ならやるよ。俺にはもう使えん」

神通「もう?」

紅音「解散だ解散」

神通「し、失礼しました」ペコッ

 

 神通は頭を下げて執務室から出て行く。

 

紅音「......なにも俺は無敗と言う訳じゃないんだがな」

紅音「さてと増援は誰が来るかな」

 

 紅音はケースを取ると執務室を後にする。

 

 

 

 

 工廠の地下にて。

 

明石「妖精さん。テストの方どうですか?」

妖精A「この調子だと明日には使えるよ」

 

 工廠の地下に広がる広大な空間。そこでは明石と20人以上の妖精達が忙しなく働いている。

 

「ズゥン...ズゥン...ズゥン...」

 

 そしてその広大な空間に居る1体の巨大な人型の何かを、明石は見上げて確認する。




 まず平和なひと時の続きを待っていた方、申し訳ごさいませんでした。それでは理由を説明します。
 「ブラック鎮守府の艦娘達とほのぼの(戦闘あり)生活を目指す」とあらすじにあるのに、ブラック鎮守府の艦娘が1人も出てこない紅音の休日を本編の1部としていいものかと思ったためです。そしてこの日あたりから平和なひと時2話の執筆速度が格段に遅くなり、「このままでは投稿は今年の終わりになってしまう」と思い始め、平和なひと時を「番外編」とする事にしました。しかし平和なひと時の続きを投稿しない訳ではありません。番外編として投稿していきます。
 最後にもう一度。平和なひと時の続きを楽しみにしていた方、大変申し訳ございませんでした。


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覚悟完了!

 今回はキャラ崩壊に入るか入らないか分からないキャラ崩壊があります。


 次の日。まだ少し薄暗い中、紅音は工廠へと向かっていた。

 

紅音「おじゃまっ」

「シーン」

紅音「やっぱまだ起きてねえか」

 

 本来は工廠の奥に置かれているバイクが出入り口の近くに置かれている。そのバイクは以前紅音が街に行くと言った時に明石が最後に見せたスポーツタイプのバイクだ。

 

紅音「確かあの後、色々変えたと言ってたが......」

 

 そんな事を言いながら手押しで工廠を出ると。

 

不知火「指令」

紅音「? 不知火かおはよう」

不知火「おはようございます。指令は一足早く出撃するのですよね?」

紅音「あぁ」

不知火「それならば不知火もご一緒させてください」

紅音「それは構わんが。大淀さんとかに言ったか?」

不知火「手紙を置いてきました」

紅音「そうか。じゃあ後ろに乗って」

不知火「分かりました」

 

 不知火が乗ったのを確認するとエンジンをかける。

 

「キュオォォォォォン!」

紅音(静かになったか?)

紅音「振り落とされないようにしっかり捕まってろよ」

 

 そう言うとバイクは海上へ向けて発進する。

 バイクの速度は10m走っただけで1000kmを超える。

 

紅音(すげえ加速性能だな)

不知火「......!!?」

紅音「不知火! 背中に貼り付け!」

不知火「わ、分かりました」

 

 不知火は紅音の背中に密着する。

 

紅音(! 針が揺れたか)

 

 針の揺れと同時にショックコーン(衝撃波)が発生し、そのすぐに各所にあった黒色のラインがライトグリーンに光りだす。

 

紅音(ラインが光り出したら確か時速5000kmを突破した証拠だっけ? 全く......俺じゃなかったら死んじまうぜ)

 

 バイクはそのまま海上へ飛び出し、海上を何事もなく走行する。

 

不知火(スピード出しすぎじゃないですか!?)

紅音(もう目的地見えてきたな)

紅音「しっかり掴まってろよ!」

不知火「は、はい!」

紅音(これ止まるよな......?)

 

 そう思いながらブレーキをかけると。

 

バイク「急ブレーキヲ確認」

紅音「ふぁっ?」

 

 バイクの前部分が開き噴射口が現れる。

 

紅音「! 不知火頭下げろ!」

不知火「えっ?」

紅音「速く!」

不知火「は、はい!」

 

 不知火が頭を下げたすぐに。

 

「ゴオォォォォォォォォォォ!!」

紅音「ッ!?」

 

 ジェット噴射が開始されると紅音は凄まじいGに襲われる。

 

バイク「水上走行モードに切り替えます」

紅音「お、おう」

 

 バイクの速度は一気に時速40kmになる。

 

紅音「不知火、大丈夫か?」

不知火「少し目眩がしますが大丈夫です」

紅音「目眩がするのは大丈夫とは言わんぞ」

 

 

 

 

 その頃の工廠の地下では。

 

妖精A「KT-J2cの最終チェック急げ!」

妖精A「KT-J2cの武装の方はどうなってる!?」

妖精B「武装の方も最終チェックに入りました!」

妖精A「防衛担当! 報告がまだだぞ!」

妖精C「佐世保市内には既に対空レーザーを張り巡らせています! 外部からなら蚊1匹どころかダニの侵入も許しません! 住民の避難は既に完了しています!」

妖精D「主任! 大淀さんから連絡です!」

妖精A「了解した!」

大淀『主任ですか?』

妖精A「どうしましたか?」

大淀『鎮守府の防衛は大丈夫なので外に回してください』

妖精A「了解しました」

大淀「それでは」プツッ

妖精A「鎮守府の防衛はいらないそうだ! 都市等の防衛に回せ!」

妖精C「了解!」

 

 工廠の地下では主任なる妖精を中心に慌ただしく動いている。

 

「ダン!ダン!ダン!」

 

 地下の広大な空間を疾走するKT-J2cと言われるている人型。

 

妖精E『操縦の方はどうですか?』

明石「少し操縦しにくいですが、慣れれば大丈夫でしょう......!」

 

 KT-J2cは大きくジャンプし、空中で数回回転し着地する。

 

妖精達「お〜」パチパチパチ

 

 

 

 

 紅音と不知火の2人は、合流地点である椛島の砂浜に到着した。

 

不知火「大本営の増援の方々は何時頃来ますかね」

紅音「う〜ん......人によっちゃもうk......来たな」バシッ

 

 ライフル弾の如く飛んで来た刀をキャッチすると

 

?「いっちば〜ん!」

 

砂浜に衝撃と共に砂煙が舞う。

 

?「あれ?」

紅音「残念。3番目だ」ポイッ

?「ま〜じか〜」キャッチ

不知火「白露さん?」

白露「あっ佐世保の不知火だね! 私は大本営第4艦隊旗艦白露! よろしくね!」

不知火「よろしくお願いします」

 

 白露は不知火の手を握り「ブンブン」と握手する。

 

紅音「後は何人来る?」

白露「後3人かな?」

紅音「3人も来れば十分だな」

?「おまたせ〜」

紅音「北上か」

北上「そうだよ〜」

不知火「あ、あの」

3人「?」

不知火「白露さんと北上さん艦装は?」

白露「艦装なんていらないよ! この足があれば走れるからね!」

北上「そーそー。それに足の方が小回りがきくしね」

 

 そして2人は「それに武器だって」と言って白露は真っ白い鞘に入った日本刀(打刀)を突き出す。北上は後ろ腰から木製ストックのソードオフショットガンを2丁手に取る。勿論両方とも、深海棲艦に効くように改造されている。

 

紅音「いやぁ〜頼もしい」

不知火「指令は?」

紅音「俺はこれだよ」ケース指差し

不知火「?」

紅音「戦いが始まってからのお楽しみだ」

 

 紅音が言い終わると同時に。

 

川内「皆来るの速くない!?」

紅音「長門達は?」

利根「そこでくたびれておるわ」

紅音「じゃあ佐世保の戦力は全員来たのか」

「ドゴォン!」

紅音「普通に来れないのかお前らは......」

「ガラガラ」

 

 砂浜の後ろにあった崖は崩壊し、土煙の中からその張本人が出てくる。

 

足柄「大本営第3艦隊所属足柄よ!」

翔鶴「大本営第4艦隊所属翔鶴です......」ガクッ

 

 足柄が脇に抱えていた翔鶴は挨拶と共に気絶する。

 

紅音「成仏しろよ翔鶴」

翔鶴「勝手に殺さないでください!」

紅音「まぁそれは置いといてだ。決める事がある」

佐世保艦娘「?」

大本営艦娘&川内達「......」

紅音「俺は前線に来た時点で一介の兵士に過ぎない。そうなったらやる事は1つだ.......隊長を決める必要があるな?」

「ドゴオォォォォォォォン!」

 

 その言葉と同時に砂浜が......島全体が揺れ、海が荒れる。

 

利根「今回は吾輩じゃな」

 

 その原因は大本営艦娘と川内達、紅音が今の一瞬で拳をぶつけ合った事が原因だ。しかしすぐに海はいつも通りの海に戻る。

 

利根「作戦は簡単じゃ、見敵必殺。それだけじゃ」

北上「いいねぇ。しびれるねぇ」

川内「やっせん♪やっせん♪」

足柄「戦場が、勝利が私を呼んでいるわ!」

白露「私がいっちばん敵を倒すんだから!」

翔鶴「お、お〜」

佐世保艦娘「」

 

 そして数時間が経ち10時になる。

 

紅音「団体客のご到着だ」

 

 海を埋め尽くす深海棲艦。それを見て佐世保艦娘達は息を飲む。しかし紅音達は。

 

川内「夜戦まで......(深海棲艦が)もつかな?」

紅音「ふんっ楽しませてくれよ。深海棲艦!」ニヤッ

比叡「久しぶりの戦いなんです。すぐに全滅しないで下さいね」

白露「私がいっば〜ん最初に突撃するんだから!」

利根「お客様じゃ、最高のおもてなしをするとするかの」

 

 利根の言葉と同時に9人は海上へ駆け出す。少し遅れて艦装を展開した佐世保艦娘も海上をかける。

 

白露「いっちば〜ん!」

紅音(相変わらず速いな)

紅音「久しぶりの装着だ」

 

 紅音は持っていたケースを前方へ投げ、

 

紅音「瞬着!」

 

それに拳を突きつけながらそう叫ぶ。

 紅音を一瞬光が覆う。

 そして

 

紅音「覚悟完了!」

 

真紅の鎧を身にまとった紅音が姿を現す。




スピード特化型強化外骨格「暴風」
ひたいの文字:「神風」
最高速度:マッハ30(それに紅音の身体能力がプラスされる)
着装者生命維持装置:40日→60日
宿る魂:不明
固有武装:不明

 アカシウムなる明石オリジナルの物質で作られており水爆が直撃しても傷1つ付かない(中身が無事かは別)
  見た目は覚醒式強化外骨格「雷電」に非常に似ているが、背中に刀がない。その他にも指先の武装を全て無くしているが、その代わり衝撃噴出孔がかなり増えている。


KT-J2c

詳細不明 


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開戦

 今日は2話投稿です。


紅音「お先」

白露「あっ!」

 

 紅音は噴出孔を背中と足裏から噴出し、驚異的なスピードで深海棲艦に突っ込んでいく。

 

紅音「流星!」

 

 その掛け声と共に噴出が増す。そして1度上空に急上昇したかと思うと

 

「バシャアァァァァァァァァン!!」

 

深海棲艦達の群れの中に流星如く急降下する。

 紅音が着水した所の近くにいた深海棲艦は衝撃によって吹き飛ぶ。紅音はもう1度上空に飛び、深海棲艦を指差しながらこう言う。

 

紅音「深海棲艦に告ぐ!!!」

深海棲艦達「!?」

紅音「降伏は無駄だ。生きたければ全力で抵抗しろ!!!」

 

 勇敢な主人公達(深海棲艦達)がラスボス(紅音)に挑む姿に見えないこともない。

 

紅音「行くぞ。懺悔はすませたか!」

 

 自分の拳同士をぶつけた紅音は再び深海棲艦達に突撃していく。

 

 

 

 

 一方紅音と共に先陣をきった艦娘達はと言うと。

 

足柄「退きなさい! 雑魚に興味は無いのよ!」

 

 足柄の一撃で深海棲艦が8人近く吹き飛んで行く。

 

北上「......」ニッ

 

 北上は深海棲艦達の中を縦横無尽に走り回りながら、SBSで次々と深海棲艦を葬っていく。

 

翔鶴「一撃......多殺!」

 

 翔鶴の放った矢は光を発しながら次々と深海棲艦の肉を吹き飛ばしていく。

 

白露「......」目つぶり

「ドォン! ドォン! ドォン!」

白露「!」カッ

 

 目を開いた白露は砲弾と砲弾の間を縫う様に進んで行き、

 

「スンッ」

 

刀で深海棲艦の首を的確に切り落としていく。

 

「ドォン! ドォン! ドォン! ドォン!」

 

 無数の砲弾が川内に降りかかる。しかし

 

ル級(コイツ......砲弾ヲ踏ミ台二!?)

川内「そんな遅い砲弾が」

ル級「!?」ゾッ

川内「当たる訳ないでしょ?」

 

川内は砲弾等を踏み台にしながら深海棲艦達の命を刈り取っていく。

 

海風「......」

ヲ級「ヒィッ」

「ボトボトボト」

ネ級(ナ、何ヲシテルンダ?!)

 

 海風を狙った攻撃や近づいた者は全員細切れにされている。

 

ネ級(! ア、アレハ糸ォォォォォ......)

 

 ネ級の体が細切れにされる。

 

利根「鋼線術は怖いのぉ」

「ドォン!」

利根「ふん!」

 

 利根は飛んできた砲弾を殴り飛ばす。

 

利根「無駄じゃ。吾輩の体は鋼鉄以上じゃなから」

利根「どれ。吾輩も本腰を入れるとするかの」

「バシャアァァァァン!」

 

 海面を殴りつけると水飛沫が発生する。

 

利根「ハァァァァァァァァ!」

チ級「!?」

 

 間合いを詰めた利根の一撃でチ級の上半身が消し飛ぶ。後ろに居た深海棲艦達の体もろとも。

 

利根「死にたい奴からかかってくるのじゃ」

 

 利根は深海棲艦に向かって手のひらを上に向けて手首を上下に動かす。

 

比叡「はぁ!」

 

 比叡は他の8人と違いインパクトのある戦いをする訳ではない。砲弾は避けるか近くの深海棲艦を盾にして防ぎ、手刀と蹴り技を基本として戦っている。しかしただの手刀と蹴りではない。

 

比叡「私は周りの方々の様に派手な戦いは出来ませんが!」

比叡「私の手刀と蹴り技は鋼鉄をも断ちますよ......!」

 

 そしてその戦いを見る佐世保艦娘。

 

長門「」

木曽「」

天龍「」

不知火「凄いですね」

神通「......」

紅音〈フハハハハハハ!

木曽「これじゃどっちが敵か分からんな」

 

 一方紅音は

 

紅音「さぁどうした! 私を止める者は居ないのか!」

 

深海棲艦の群れの中心部で暴れてた。

 

「バシャアァァァン!」

紅音「潜水艦の攻撃か! こざかしい!」

 

 噴射孔で加速した拳を海面にぶつけると

 

紅音「そこかぁ!」

 

海底まで穴があく。

 

紅音「捕まえたぞ」

カ級「」

 

 水が戻る前に海面に戻った紅音は

 

紅音「鳥になって来い!」

 

カ級を遥か上空にぶん投げた。

 

紅音「貴様らの頭は腰抜けだなぁ!」←一応提督

紅音「頭に伝えな! お前の首と胴体がおさらばするのは」

紅音「時間の問題だとなぁ!!」

 

 九州方面を攻撃に来た深海棲艦はたった10数名の兵によって進行が完全に停止している。

 

「ボォォォォォォォン!!」 

紅音「カァッ!?」

 

 紅音の居た所に巨大な水柱が立つ。しかし

 

紅音「トマホークか。お前らがこっちの兵器を使える事を忘れてたぜ」

「ガァン!」自分の拳ぶつけ

紅音「そんなんじゃ傷1つ付かねえぞ!」

 

鎧どころか中身も無傷のようだ。

 

紅音「むっ、鎖か」ジャラジャラ

紅音「無駄ぁ!」

 

 紅音は自信にまとわり付いていた鎖を引きちぎる。

 

紅音「スキルは必要ねえ。キャラの能力もいらん。貴様らを葬るのにはこの鎧だけで十分すぎるわぁ!」

 

 その時

 

足柄「雑魚しか居ないじゃない!」

 

深海棲艦を吹き飛ばしながらここまでやって来た足柄と合流する。

 

紅音「おっ足柄さんか」

足柄「あら。まだこんな所で道草食ってたの?」

紅音「こいつらは俺の獲物なんで」

足柄「それは丁度良かったわ。雑魚を相手にするの疲れてきてたのよ」

 

 足柄はそう言うと深海棲艦の上を走りながら更に奥へ向かう。

 

紅音「さてと」

深海棲艦達「!?」

紅音「俺もいつまでもこんな所に居る訳にもいかんのよ」

紅音「......そろそろ終わらせてもらうぞ」

紅音「猪突猛進!」

 

 その声と同時に噴出孔から衝撃波が発生する。

 

紅音「噴出孔最大出力!」

 

 紅音の後ろに居た深海棲艦達が海面もろとも吹き飛んでいく。

 

紅音「歯ぁ食いしばれ!」

 

 紅音が消えたと同時に紅音の正面に1本の道が出来ていく。

 しばらく経った時。

 

?「ゴアァァァァァァァァ!」

紅音「逆噴射!」

 

 急停止すると

 

?「グゴアァァァァァァ!」

紅音「ッ!」

 

何者かの拳が紅音に襲いかかるが、紅音はバク転し回避する。

 

紅音「お前は戦艦水鬼の艦装か!?」

艦装「ゴオォォォォォォ......!」

紅音「ご主人様が居ないようだが?」

 

 紅音はキックボクシングの構えをとる。

 

紅音「まぁいい。丁度肩が温まって来たところだ!」

 

 2人?の周りから深海棲艦が逃げていく。

 

紅音「中ボス戦と行こうか......!」




 深海棲艦が可哀想になるレベル


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紅い流星

戦水艦装「ガアァァァァァ!」

紅音「遅い!」

 

 後ろに飛び退き回避をこころみる......が

 

紅音「!?」

潜水棲姫「......」足つかみ

紅音「しまっ」

「ドオォォォォォォン!」

紅音「ッゥ!?」

 

足を掴まれた事により回避が出来ず艦装の拳が次々と紅音を襲う。

 

紅音「こざかしいぞ!」

 

 噴出孔を使い潜水棲姫を引きずりながら艦装へタックルし、そのまま上空へ急上昇する。

 

潜水棲姫「!!?」

 

 雲を突き抜けさらに上へ上へ上がっていく。そして地球が球体である事が確認できる高さまで来る。成層圏と言われる所だ。

 

紅音「時速80kmで水にぶつかると水はコンクリートの硬さに変わるらしいぞ?」

 

 紅音は重力に従う様に下へ落ち始める。

 

紅音「じゃあマッハ30でぶつかったらどうなるんだろうな!」

 

 全ての噴射孔を使いあっという間にマッハ30に達するが、落下によりさらに加速していく。

 

潜水棲姫「熱イ......熱イ!? 燃エル様二熱イ!!」

紅音「燃える様じゃねぇ! すぐに燃えるぞ!」

 

 その言葉が終わると2人を炎が覆う。

 

潜水棲姫「アアアアアアアアアアア!?」

紅音「もう水浴びれぞ! 激痛を伴うがな!」

 

 程なくして2人は爆音と共に海面と激突する。

 

紅音「くぅ......流石に効くぜ......」

 

 紅音はすぐに海上へ出てくるが、潜水棲姫は2度と浮上してくる事はなかった。しかし紅音も全くの無傷と言うわけでは無いのか、少しふらついている様に見える。

 

紅音「これは少し......厳しいかな?」

戦艦水鬼「......」

南方棲鬼「......」

空母棲鬼「......」

重巡棲姫「......」

装甲空母鬼「......」

 

 顔を上げた紅音が見たものはこちらを睨みつける4人の鬼級と1人の姫級。そしてそれを取り囲む様に無数に存在するeliteとflagshipクラスのイロハ級。まさしく「絶望」が目の前に広がっている。

 

紅音「だがな。こういう窮地に陥るのは初めてじゃないんでね!」

 

 絶望と対峙する紅音。

 

 

 

 

 その頃工廠の地下は。

 

妖精A「発進、準備」

妖精F「発進準備」

妖精G「第一ロックボルト外せ!」

妖精F「回路確認、ブリッジ移動開始」

妖精G「第二ロックボルト外せ!」

妖精F「第一拘束具、除去」

妖精H「同じく、第二拘束具除去」

妖精F「一番から十五番までの、安全装置を解除」

妖精I「解除確認、現在KT-J2cの状況はフリー」

妖精G「外部電源、充電完了」

妖精J「外部電源接続、異状なし」

妖精D「了解、KT-J2c改めケニアントロプス、射出口へ 進路クリア、オールグリーン」

妖精J「発進準備完了」

明石「いつでも行けます」

妖精A「了解しました。ケニアントロプス発進!」

 

 鎮守府のグラウンド。

 

妖精達「危ないので近づかないでくださ〜い」

「ザワザワ」

 

 妖精達が艦娘が近づかない様に働いている。

 そして

 

「ビービービー!」

 

と言う音と共にグラウンドに巨大な正四角形の穴が現れる。

 

「ガシャン!」

「ゴオォォォォォォォ!」

「ガァン!」

艦娘達「!?」

 

 ケニアントロプスがとうとう姿を現す。

 

妖精A「最終安全装置解除、ケニアントロプス、リフトオフ!」

「ガン!」

「ズゥン......!」

 

 大地に降りたケニアントロプスにより地面が揺れる。

 

明石「こちら明石。これより佐世保全域の防衛にあたります!」

 

 ケニアントロプスの細長いモノアイが赤く光る。

 

 

 

 

 一方窮地に陥った紅音。

 

紅音「クッ!」

 

 艦載機による攻撃とそれを回避したあと的確に狙ってくるイロハ級に苦戦をしいられていた。

 

紅音(スキルを使うか? しかし攻撃系のスキルの全体攻撃は極端すぎて川内達も確実に巻き込んでしまう......)

紅音(キャラの能力は同じだ。少数の人数と戦う能力と集団を相手にする能力の差が極端すぎる)

紅音(噴射孔での突撃は圧倒的な格下しか殺せない。鬼や姫に突撃しても吹き飛ぶだけで、たいしたダメージも入らないだろう......)

紅音(てか、ここに主戦力全員集合してるんじゃないか?)

紅音「ッ!」

 

 艦載機の機銃攻撃を避けていく。そして避けた先にイロハ級による雷撃と砲撃が放たれる。

 

「ドォォン」

紅音「ナァッ!?」

 

 紅音の頭に砲弾が直撃し、一瞬動きが止まる。それを見逃す深海棲艦では無い。今まで高みの見物をしていた鬼や姫も次々と攻撃を放つ。

 

紅音「ガァ......」ガクッ

 

 紅音が膝から崩れ落ちるが不思議と沈まない。

 そして姫と鬼、イロハ級が次々と止めを刺すために攻撃を放つ。砲弾と艦載機が空を埋め尽くし、海面を隙間なく魚雷が紅音に迫る。

 

紅音「ッゥ......」

 

 紅音は何とか前のめりながら立ち上がる。

 

紅音「ガハッ」吐血

 

 兜の外に吐血した血が出る。

 

「ドオォォォォォォォン!!」

 

 紅音が居たところに先ほどの何倍もある水柱が立つ。

 

紅音「......」シュウゥゥゥゥゥ

 

 紅音が前に倒れ様とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅音「......油断したな」

 

 唸るような声でそう言った紅音は倒れる寸前に右足を前に出し、

 

紅音「噴出孔最大出力!」

 

深海棲艦の一瞬の隙をついた紅音はイロハ級を無視し1番手前に居た重巡棲姫の顔を鷲掴みにして上空に飛ぶ。

 

重巡棲姫「......!」ジタバタ

紅音「噴出孔」

 

 噴出孔が手のひらに現れる。

 

紅音「最大出力」

 

 衝撃と共に重巡棲姫の頭部が消失する。

 紅音に攻撃を仕掛けようとする深海棲艦。

 

紅音「さっきの攻撃のおかげで肩こりがほぐれたぜ」

 

 紅音に襲いかかる無数の砲弾......だが

 

紅音「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

全ての砲弾を拳で粉砕する。

 

紅音「ロシアのとある空挺軍にはこういう言葉がある。Побеждает сильнейший」

深海棲艦「?」

紅音「意味は」

 

 紅音の姿が消える。

 

紅音「最強の者が勝つ。だ」

装甲空母鬼「!?」

 

 装甲空母鬼は紅音に反撃をする暇もなく、背後から心臓を握りつぶされる。

 

紅音「深海棲艦や艦娘の心臓は人間の心臓と同じ役割をしているのは知っている。まぁ、深海棲艦と艦娘の場合は燃料だがな」

戦水艦装「ゴアァァァァァ!」

紅音「遅せぇよ」

戦艦水鬼「!?」

 

 紅音は戦艦水鬼の艦装の腕の上に乗る。

 

紅音「だが最後に勝敗を分かつのは」

戦水艦装「ゴガアァァァァァ!」

 

 艦装が紅音を腕から振り落とす。

 

紅音「場数の差だぁ!」

「ダァン!」

戦水艦装「ゴガッ!?」

 

 艦装の腹部を紅音の拳が貫き、腹部に巨大な穴が出来る。

 それを見たイロハ級が攻撃をしかようとするが。

 

紅音「雑魚は引っ込んでろォ!!!」

イロハ級「!?」ビクッ

紅音「さぁ、残るは貴様ら2人だけだ。どこからでも来い」

空母棲姫「ッ!」

 

 発艦させようと空母棲姫は艦装の口を開ける。

 

紅音「敵の目の前で弱点を晒すか!」

 

 口を開けた瞬間、紅音は口の中に入り、

 

紅音「噴射孔!」

 

手にひらの噴射孔を口の中で次々と放っていく。

 

空母棲姫「グゥゥ......!」

「ガチン!」

 

 口を閉める......が

 

紅音「この程度じゃ俺を閉じ込める事は出来んぞ」

 

歯を粉砕し、舌の様な物を引き抜いて出てくる。

 

空母棲姫「アァ......アア」口パクパク

紅音「艦装の口と本体の口は連動しているのか」

 

 しばらくすると空母棲姫は沈んでいく。

 

紅音「ゴホッ!」吐血

紅音(流石に無茶が過ぎたぜ)

南方棲鬼「ソンナ状態デ私二勝テルカナ?」

紅音「あぁ、問題ないさ。逆にこれぐらいのハンデがあった方面白い」

南方棲鬼「ソノ余裕......ドコマデ持ツカナ!」

 

 砲撃は通じないと思った南方棲鬼は紅音との距離を一気に詰め、拳や蹴りを次々と放っていく。

 

紅音「クッ!」

南方棲鬼「貴様サッキ勝敗ヲ分カツノハ場数ダト言ッタナ?」

紅音「それがどうした?」

南方棲鬼「ナラバコノ勝負貰ッタゾ!」

紅音「そうかね?」

南方棲鬼「ソウサ! 私ハ最初期カラ生キ残ッテイルカラナ!」

紅音「それはご苦労なこって」

 

 紅音は南方棲鬼のラッシュを何とか全てさばいている。

 

紅音「噴射k」

南方棲鬼「サセン!」

紅音「ッ!」

 

 噴射孔を使おうとすると南方棲鬼のラッシュが一層激しくなる。

 

南方棲鬼「本気ヲ出シタラドウダ!?」

紅音「お前こそそれが本気か? 怪我人にかすりもしないそれが本気ですかぁ? そんなんで良く最初期から今まで生きてこられましたねぇ? あ、そうか! 部下たちの後ろでデカい顔してるだけですもねぇ! 自分の所に敵が辿り着く前に部下が倒してくれますもんねぇ? だから今まで生きてこられたんですもんねぇ!」

南方棲鬼「ダ、黙レェェェェ!」

 

 南方棲鬼が拳を大きく後ろに引く。

 

紅音「図星かよ......」

 

 しかし、その一瞬の隙に紅音の蹴りが南方棲鬼の頭を吹き飛ばす。

 

紅音「さぁ、残るはお前らだけだ」

イロハ級「ヒッ!」ビクッ

紅音「どいつから死にたい? 相手になってやるよ」

 

 紅音は拳を鳴らしながら深海棲艦の方へ歩んでいく。




ケニアントロプス(KT-J2c)
全長:65m(鎧装着時は70mを超える)

見た目はMGS5:TPPに出てくるサヘラントロプスに『外見』だけ似ている。
本体は中の人工筋肉で出来た真っ黒い人間の形をした物で、外は鎧に過ぎない。しかし本体には口も耳もなく、目の様な物があるだけ。コックピットは心臓部にある。

鎧には背中と足裏にバーニアがついている。その他にもレールガンが標準装備されており、他にも様々な機能がついている。宇宙空間でも一応活動できる。勿論アカシウムで出来ている。

本体はひたすらに身軽。走れば最高光速(鎧を装着するとマッハ25程)。ジャンプすれば最高800mまで行ける。衝撃吸収能力が非常に高いおかげで、どんな高さから落ちてもダメージはほぼ通らないとか。しかし攻撃に対する防御力は皆無。



 KTはケニアントロプスのケとトの事。J2cは明石と命名される前の明石の事。




 紅音視点は今回で一旦終了です。


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スキルと言う名の呪い

 紅音視点は一時的に終わると言ったな......あれは半分嘘だ。最後本の少し紅音視点なだけです。


 大本営艦娘達と紅音及び艦娘が暴れている中、佐世保の艦娘達も長門を中心に奮闘していた。

 

長門「ッ砲弾が無くなったか」

 

 しかし艦装を使い攻撃している佐世保艦娘達の砲弾はつきかけていた。本来は砲弾がつきれば見てるぐらいしか出来ないはずだが

 

不知火「問題ありません。砲弾が無くなるのは分かっていた事です。その時の用意はしてきてますから」

神通「私も昨日頂いた刀があるので、それで戦いを続行します」

 

 不知火は胸のシースからファイティングナイフを取り出す。このナイフは明石制作でFGEIと言われる持ち方以外なら全てに対応している。神通は昨日、紅音からさずかった刀で居合の型になる。

 

長門「私もどれほど筋肉が付いたのか気になるのでな。今からは殴りに行こう」

木曽「フッ面白い。俺たちも刀で行くか」

天龍「たくっ......仕方ねえなぁ」

 

 長門、木曽、天龍も接近戦の用意を完了させる。

 

不知火「......」

 

 不知火は手始めにホ級との間合いを詰め、まず左の前腕でホ級の首を圧迫し、ナイフを心臓に突き刺し腹部に前蹴りを放ち、ナイフを抜き一瞬手を離して、そして左手でナイフを逆手持ちで回収しそのまま回転してホ級の喉を斬る。

 

不知火「中々の切れ味ですね」

不知火(しかし司令や川内さん達は凄いですね。司令は普段ゲームばかりしてますが、たまに老兵の様な歴戦の軍人の様な風格を出しますし、何よりあらゆる重火器の扱いは一流、そして体術や拳法といった物も全て達人のそれです。いくら特殊作戦群に所属していたとしてもあれ程になるのでしょうか? 川内さん達もそうです。深海棲艦は既に現れて10年以上経っていますが、私たち艦娘は現れてまだ10年も経っていません。たった数年であれほどになるのでしょうか? まるで司令たちは何10年......何100年も戦場で戦っている気がして仕方ありません......これは気のせいなんでしょうか?)

 

 不知火がそんな事を考えている時だった

 

不知火「!?」

 

急に吹いた強風により、前にバランスを崩す。なんとか体勢を立て直して後ろを振り向く。

 

神通「!!?」

 

 神通はル級を居合で斬ろうとしたらしい。確かにル級を一刀両断されているが問題はその周りだ

 

長門「ど、どういう事だ......?」

 

斬られたのはル級だけでは無く、そのル級の横に居た深海棲艦とその後ろの深海棲艦が『全て』斬られているのだ。

 佐世保艦娘達がなにが起こったか理解出来ていな中、その刀の元保有者が何処からともなく姿を現す。

 

紅音「すまない神通」肩つかみ

神通「は、はい?!」ビクッ

紅音「その刀はだな......そのだな」頬掻き

神通「?」

紅音「全力で振るとだな、地球程度なら容易く斬れるんだ」

神通「はい?」

紅音「その刀には幾つかスキルを付与しててだな。そのスキルは渡すときに外したんだが、その中の効果で『斬れば斬る程切れ味が上がる』と『血をあびる程切れ味が上がる』的な効果のスキルがあってだな......」

神通「?」

紅音「その効果で上がった切れ味はスキル解除しても上がったままの事忘れてました」

神通「どういう事でしょう?」

紅音「全力で振っちゃダメって事です」

神通「」

紅音「すまない。俺の説明不足だ」

神通「い、いえ大丈夫です」

紅音「そう言って貰えると助かる」

 

 紅音はそう言うと噴出孔を使い移動する。

 

不知火「......?」ピッ

 

 不知火の目の下に何かが当たり、親指でそれを拭き取ると。

 

不知火(血......?)

 

 不知火は上を向く、しかし上には紅音が通っていった事以外変わったものはない。その紅音も残りの深海棲艦を倒すため、既に遠くに行ってしまったが。

 

 

 

 

 

 紅音視点。場所は海面に出ている岩の影。

 

紅音「しくったな......」

 

 右手で左肩を抑える様にすると、先ほどまであった左腕が風に吹かれた砂の様に消滅する。紅音は左腕を犠牲にして刀の威力を殺したのだ。しかしそこからは絶えず血が出続けている。既に出血多量で死んでいてもおかしくない量の血が出ている。

 

紅音「ッゥ!」

 

 紅音の顔に青筋が現れる。その時

 

「グシャァ」

 

不気味な音を立てて左腕が再生する。

 

紅音「......」

 

 スキルの中には幾つか紅音の意思に反し『自動』で発動するものと『常』に発動しているものがある。

 

驚異的な回復力のスキル『全治死』リカバリミンチ

 

 これが今、『自動』で発動したスキル。『自動』で発動するスキルと『常』に発動しているスキルはもはや1種の呪いと言ってもいいだろう。

 

紅音「鎧解除」

 

 先の一撃でボロボロになった暴風をケースに戻す。そしてこのケースは一応ケースとしても使えるため紅音はケースを開けて1つのボトルを手にてる。透明なボトルのラベルにはこう書かれている。

 

〈リタリン 錠剤)

 

 リタリンとは合法覚せい剤とも言われている物だ。紅音はそれの蓋を開けると水を飲むかの様に一気に口に含む。

 

「ボリボリ」

 

 リタリンを大量に摂取すると副作用で幻覚が見える。紅音は岩に寄りかかり、そのまま海面に座るかの様にする。

 

紅音「......」ボー

 

 しばらく空を見上げていた紅音だがすぐに周りの景色が変わる。

 紅音の周りの風景は海面から執務室の様な場所に変わる。しかしそこは大本営の自室でもなければ佐世保鎮守府の執務室でもない。

 

響(ヴェールヌイ)「どうしたんだい? ボーっとなんかして」

紅音「......響か」

響「? 今日の司令官は少しおかしいね」

紅音「少し......な。......響」

響「なんだい?」

紅音「ここは大本営ではないな......?」

響「本当にどうしたんだい? 熱でもあるんじゃないかい?」

紅音「答えてくれ」

響「? ここは

 

 

 

 

 

 

 

 

『ショートランド泊地』だよ」




 幻覚について調べると『過去の思いで』や『過去の嫌な事』を見る場合もあると書いてあるサイトがあったので。紅音の過去が明かされますが章をわける程長くないので明かされるのは極極一部です。


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深淵に染まる

 今回は少し鬱展開があるかも知れませんのでご注意を。


紅音「そうか......」

 

 紅音は椅子に深く腰掛ける。

 

紅音「はぁ」

響「珍しいね。司令官がため息なんて」

紅音(これはいつの記憶の幻覚だ......)

紅音「!」グラッ

 

 紅音の視界に一瞬アナログテレビの様な砂嵐が発生する。『全治死』が自動で発動した事により幻覚症状が治まり始めたのだ。

 

響「どうしたんだい司令官!?」駆け寄り

紅音「......」

響「司令官! 司令官!!」

 

 響の顔に黒い靄が発生する。幻覚は急速に治まり始め、現実の風景が混じり始める。

 

?「―う―たネ!」

?「何―だ?」

?「ど―し―ク―!?」

 

 扉から3人の艦娘が入ってくるが既に顔は認識出来ない。その後に続いて数人の艦娘も入ってくるが同じく認識できず、声すらも聞こえなくる。そしてここで紅音の視界には現実の光景、海面がうつる。

 

紅音「終わったか」立ち上がり

紅音「ウッ......!?」口抑え

「ポタ......ポタ......」

 

 抑えた手の指と指の間から血が海面に滴り落ちる。

 

紅音「くそっ」

 

 左手で自分の後ろ腰にある細長い長方形型のケースを取ろうとした時だ

 

紅音「ん?」

 

左足に違和感を覚える。まるで何かが自分の足を掴んでいるかのような。

 

?「テぇいとォクゥ?」

紅音「なっ!?」

 

 海色のボリュームのあるツインテールが目立つ女性が紅音の足にしがみつく様に居る。

 

紅音「い、五十鈴......?」

 

 しかし五十鈴の顔には本来あるはずの物がない......目だ。本来目があるはずの所には吸い込まれそうな闇があり、そこから黒色の液体が出ている。そして五十鈴は少し微笑みながら這い上がってくる。

 

五十鈴?「ヒさしブリねェ」

紅音「五十鈴......その目は......」

五十鈴?「コレはネ『あノ時』ニなクシたノよ。トってモ痛カッたわァ」

紅音「......!」

 

 紅音の右足にも同じ感覚が走る。

 

?「シレいカぁン......」

紅音「皐月......」

 

 皐月も五十鈴同様に両目がない。しかし違うところは、皐月は左腕が肩ごと無くなっており、断面は無理やり引きちがれたかのように粗い。そして皐月も這い上がってくる。

 

皐月?「寂しカッたンダ......海のソコハ」

紅音「左腕が......」

皐月?「コレかイ? 五十鈴とオナじさ。『アノ時』ニね」

五十鈴?「デモね。私タち、なニヲされテモ口をアケなかッタワ」

皐月?「ソウだよ。偉イでショ?」

紅音「そう......だな......」

皐月?「えへへ」

紅音「!?」

 

 紅音は後ろに大きくバランスを崩す。

 

紅音(この髪色!?)

 

 後ろにバランスを崩した時、後ろに居る人物であろう者の髪が顔の横に見える。

 

紅音「ビス......マルク?」

Bismarck?「......」

皐月?「ビスマルクさンは喋レなインだ」

 

 紅音の首はなぜか後ろへ回らない。しかし分かったことがあった。それはビスマルクの下半身が無い事をだ。そして五十鈴と皐月の2人が紅音の肩の位置に来ると同時に紅音は力なく海面に倒れる。

 

五十鈴?「テイトクもコッちに」

皐月?「おいデ」

 

 3人は急に本当の艦艇の様に重くなり、海中に紅音ごと、どんどん沈んでいく。

 

紅音(まずい......!)

 

 上に上がるため3人を離そうともがくも、紅音の怪力をもってしても3人は微動だにしない。

 

皐月?「皆マッてルかラ」

五十鈴?「テイトクをね」

 

 周りはだんだん日の光が届かなくなっていくため暗くなってくっる。

 

紅音(このままでは......!)

五十鈴?「フフフ」

皐月?「ヘヘッ」

紅音(モッてイ......カれ......ル......)

 

 

 

 

 

 合流地点の椛島の砂浜。あたりはすっかり暗くなっており砂浜には8人の人影が焚き火を囲んで存在する。

 

翔鶴「ダメですね。どこを探しても紅音さん本人は見つかりません」

利根「......そうか」

川内「......」

 

 川内の手には暴風が収納されているボロボロのケースが握られている。

 

海風「長門さん達には先に戻ってもらいましたが......」

足柄「私たちも、いつまでもここに居る訳にはいかないわね」

利根「う〜む......」

北上「大本営に増援を要請してみてもいいんじゃない? 紅音程の戦力がMAIとなったと知ったら大本営も黙ってはいないでしょ」

利根「......そうじゃのぉ」

 

 利根が顎を押さえて考える。その時

 

白露「えっ」

利根「むっどうしたんじゃ?」

白露「う、海が」

 

白露の発した言葉を聞き全員が海を見る。

 

利根「これは......」

翔鶴「これではまるで」

足柄「深海棲艦の支配海域ね......」

 

 先ほどまで普通の海だったものが一瞬で真紅に染まる。暗闇でもハッキリと分かる程の赤さだ。そしてそれと同時に大雨と雷が鳴り出し、海が荒れる。

 

川内「ッ!」

 

 川内はケースを置き忍者刀を抜き、構える。

 

比叡「どうしたんですか?」

川内「超がつく緊急事態が発生したわ」

海風「そのようですね」

利根「?」

川内「利根と比叡はショートランド泊地へ向かって今のこの状況を説明して来て......多分『響』が来てくれるから」

海風「白露姉さん達は大本営に戻って『K―――」

「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!」

 

 耳をつんざく様な何者かの雄叫びがこだまする。

 

川内「ここは私と海風が時間を稼ぐから! 早く行って!」

利根「う、うむ分かった」

白露「りょ、了解!」

 

 川内と海風以外はその場を去る。

 

川内「皆の足なら30分もせず往復出来ると思うけど......」

海風「私たちで何分稼げるか......」

 

 そして波間の間から1人の人物が見える。

 

川内「ッ......」

 

 ボロボロの黒色の戦闘服。そして独特の赤色のグラデーションががった髪の毛。目の色は普段の薄い赤では無く、深海棲艦の姫や鬼などによく見られる、赤色の瞳に変わっている紅音の姿がそこにはあった。




 実は利根と比叡はそこまでの重要キャラじゃないっぽい?

 次回は必然的に紅音VS川内&海風になりますね。川内と海風に勝機はあるんでしょうか......。海風が言おうとした人物は誰なんですかね(すっとぼけ)


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川内の策

 川内と海風は砂浜に居るが、2人から紅音に攻撃を仕掛けても不意打ちでもない限り返り討ちにあうのは明白だ。しかし砂浜のすぐ後ろは崖で砂浜自体もそこまで大きいわけでは無い。そのため何か大規模な攻撃が来れば2人が一気に殺られる可能性があるため、このまま固まって居るのは得策では無い。

 

川内「......」チラッ

海風「......」コクッ

 

 海風にアイコンタクトを送り、2人は同時に海上に走り出し、紅音を挟撃出来るように左右に別れる。

 

紅音?「......」

 

防御不可能のスキル『たどたどしい拳』ビギナーズハードラック

ダメージをキャンセルするスキル『毛頭に戻る』リバースカバー

相手の打撃を予測するスキル『知識の方向』プロットファイト

動体視力向上のスキル『誰かさんが転んだ』アイフォールダウン

殴るごとに相手の五感を奪うスキル『五感性』クリティカルファイブ

死角を消すスキル『開闢六十度の視界』モニターチェックフラッグ

限界を超えて戦うスキル『馬鹿者には限度がない』ピークアウトフール

一度浴びた攻撃は二度と浴びないスキル『免疫効果』ラーニングシステム

敵が武器を持っていると強くなるスキル『不利要塞拳』ピラミッドナックル

 

 紅音の姿が一瞬ブレたかと思うと姿が消える。

 

川内「ッ!」

 

 突如川内の前に現れた紅音は、4本指の貫手を放つ。川内は頬を僅かにかすめるがなんとか直撃はまぬがれる。しかしかすめた所からは僅かに血が出ている。

 

川内(スキルを使っている場合防御は意味をなさないしなぁ。回避に専念しないと)

 

 そのまま横に跳び紅音から距離をとる。

 

川内(攻撃を仕掛ければ返り討ちに合う、だからと言って回避ばかりしていると体力の差でやがて殺られる......手詰まりと言う訳じゃ無いけど少しきついなぁ)

紅音?「......」

 

後ろをとるスキル『背中這わせ』ラーニングバック

 

 川内の視界から紅音が前動作なく消える。

 

川内(ッ後ろ!?)

 

 後ろからの攻撃を高速で回転する事で受け流し、そのまま蹴りを紅音の横腹に放つ。

 

紅音?「......」

 

 紅音の瞳孔が縮瞳し、放たれた蹴りの上を跳び、回避する。

 

紅音?「!?」

 

 回避して着水したと同時に紅音の四肢が切断される。

 

海風「......」

 

 さらに海風はそのまま紅音に首を落とすも

 

紅音?「......」

 

切断された所はあっという間に回復する。

 

 

 

 

 

 ショートランド泊地近海

 

響「深海棲艦はもう居ない様だけど」

 

 響は今、丁度泊地近海の終わりの地点に来ている。そして屈み、正面の海水をすくう。

 

響「これはどう言う事かな?」

 

 すくい上げた海水は真っ赤に染まっている。そして赤い海水は響を境に深海棲艦支配海域と普通の海域で綺麗に分断されている。

 

響「少し......嫌な予感がするね」

 

 右手で帽子を整えた響は深海棲艦支配海域の海上を疾走する。

 

 

 

 

 あれから10分程経ち、川内と海風は岩礁の陰に身をひそめている。

 

川内「ハァ......ハァ......」

海風「かなりしみますから」

川内「おっけー......」

海風「それではやりますね」

川内「ッゥ!」

 

 川内は左腹部からはかなりの量の『血』が出ており、その部分の服は鮮血で染まっている。今はその傷口を海風が応急処置している。

 

海風「......」

 

 海風は慣れた手さばきで傷口を流水処置そして消毒を終える。

 

海風(傷はかなり深いですが、今回は紅音の手刀で逆に助かりましたね......)

海風「傷口はかなり綺麗に斬れているので縫いますね」

 

 そう言うとこれも慣れた手さばきで傷口を縫って行く。

 

海風「これで後は安静にしていればいいんですが......」

川内「それは少し難しいかな」チラッ

 

 2人を岩礁から僅かに顔を出して紅音の様子を確認する。紅音は近くの岩礁を片っ端から見て回っている。

 

川内「ここに居ても見つかるのは時間の問題だね」

海風「それならば移動しながら新しい岩礁に隠れていきましょう。少し動きますが戦うよりはマシだと思います」

川内「ごめんね。足引っ張っちゃって」

海風「そんな事はありませんよ。それより正気に戻ったら紅音になにかしてもらわないとですね」

川内「ふふっそうだね」

 

 海風は川内に肩を貸して慎重に次の岩礁に移動する。

 

川内「.......?」

川内「海風」

海風「どうしました?」

川内「紅音は多分身体能力強化系のスキルは使ってると思うんだけど」

海風「?」

川内「紅音のスキルの中には『人探し』系のスキルもある。それを使えば私たちを見つけるのも簡単なはず。だけど使っている素振りがない。なぜ?」

海風「!」

川内「多分『使わない』んじゃなく『使えない』んじゃないかな?」

海風「でも、どうして?」

川内「理由までは分からないけど、もしかして「「紅音じゃない......」」

 

 同じことを言った2人はお互いの顔を見て、声を出さないように笑う。

 

海風「そうなるとなぜスキルを使えるんでしょうか?」

川内「う〜ん......」

川内(以前あれに近い状態になった時は隠れる余裕なんか無かったしなぁ)

海風「そろそろ移動しましょう」

川内「了解」

 

 川内と海風は岩礁から岩礁へと移動し、川内の傷の悪化を最低限に抑え、増援が来るまでの時間を稼ぐ。

 

 

 

 

 大本営の夜の軍港に立つ1人の女性。

 

?「......北上遅いクマ」

 

 くせっ毛が目立つその女性は腕を組みながら水平線を見つめている。

 

?「HEY bear!」

?「熊じゃないクマ。何回言ったら分かるクマ」

?「oh Sorryネ」

?「なんの用クマ」

?「妖精さんから気になる話しを聞いたヨ」

?「?」

 

 今来た巫女服の様な服を来た女性は、くせっ毛の女性の耳に口を近づけ小声で話をする。そうするとくせっ毛の女性は眉をひそめ、少し険しい顔になる。

 

?「それは本当かクマ?」小声

?「分からないネ。でも、妖精さんの話しが本当だとするとマズイネ」小声

?「恐らく本当クマ」

?「『響』も出たらしいヨ」

?「......金剛は出撃するクマ?」

金剛「Of course。bearはどうするネ?」

?「熊じゃなぁぁ......出撃するクマ」

金剛「それならすぐに出撃するヨ」

?「あいつにはもう言ったクマ?」

金剛「もう待ってるネ」

?「分かったクマ。早いところ出撃するクマ」

 

 そう言うと2人の女性はその場を去る。

 

 

 

 

 

 岩礁の陰。

 

海風「マズイですね......」

川内「そうだね......」

 

 2人は岩礁を移動しながら身を隠していたが紅音はとうとう岩礁を次々と壊し始め、もう隠れる岩礁はほとんど無くなっている。残っている岩礁も身を隠せるほど大きくはない。そしていくら戦闘を避けていても海風はともかく、川内は深手を負っているため体力はみるみる減っていっている。

 

川内「......私が出て時間を稼ぐ」

海風「えっ」

川内「問題ないよ。策はあるからね」

海風「しかしその傷では......」

川内「海風」

海風「は、はい?」

川内「私を信じて」

海風「......分かりました」

 

 川内のまっすぐな瞳に負けた海風はそう返事をする。そして川内は海風に小声で策を説明する。

 

川内「じゃあ私は1、2、3と数えたら出るから隙をついてここから出て」

海風「分かりました」

川内「それじゃあ」

川内「1」

川内「2」

海風「......」ゴクッ

川内「3!」

紅音?「!」

 

 川内の声に反応した、紅音の注意は川内に向けられる。そして川内は負傷者とは思えない速さで海風の居る岩礁から離れ、紅音を離れた所に誘導する事に成功する。

 

川内(雨で火薬が湿気ってないといいんだけど......)

 

 川内は腕を使わずに前方回転を行い、回転と同時に紅音へ向けて手裏剣を投げる。

 

紅音?「!」

 

 川内の両手から投げられた2つの手裏剣は紅音の両肩に突き刺さり

 

「バァァァン!」

 

爆発する。




 川内の使った手裏剣は「火車手裏剣(火車剣)」と言うもので、中央に火薬が詰められており導火線に火をつけて投擲するものです。本来は敵自信より、敵が乗ってる馬などに投げる物です。
 手裏剣は正しくは「投げる(投擲)」では無く「打つ」が正しい表現らしいのですが、この小説では「投げる(投擲)」と表記します。

 川内の策とはなんなのでしょうかね? bearとかもう答えですよね。はい多分皆さんの予想は当たってます。


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夜戦王「川内」

 サブタイトルに関しては気にしないでください。


川内「......」

紅音?「......」

 

 草木も眠るウシミツ・アワー。荘厳なる海域は、壮絶な戦の開始点と化す!

 

川内「ハアァァァ!」

 

 海面を強く蹴った川内は紅音との距離を詰め、胸部に強力な拳を放つ。

 

紅音?「......」

 

 衝撃により心臓が停止した紅音は一瞬膝から落ちる。さらに追い打ちをかけるように、川内の正拳突きが紅音の顔に直撃し、後方に吹き飛ぶ。

 

紅音?「!」カッ

 

 意識が回復した紅音は空中で回転し、海面に着水する。

 

川内「『スキル』......発動」

 

夜を司るスキル『時間体』タイムアウト

 

 紅音のスキルは人に貸すことが可能であり、川内のスキルも紅音が貸しているスキルだ。以前の教訓から紅音は『数名』の艦娘にスキルを貸しており、もしもが発生したらそのスキルを使う事が許可されているのだ。

 川内のスキル『時間体』は夜にまつわるものだったら何でも司り、操れる。極端な話し夜で連想するもの人にもよると思うが『暗闇』『星』『月』などを少なくとも連想するだろう。『時間帯』はそれらを全て司る事の出来るスキルであり、『夜』においてこれ以上強いスキルはほとんどないだろう。

 

川内「......」

紅音?「!?」

 

 川内の姿が夜の闇にのまれる様に紅音の視界から消え去る。それだけではない

 

紅音?「??」

 

紅音の視界から星と月が消え、周りは暗闇に覆われる。

 

「ズシュッ」

紅音?「!?」

 

 紅音の胸部を何かが貫くが何も見えない。紅音を貫いたその正体は『闇』で作られた槍だ。しかし闇の中で闇で作られた槍が見えるはずがなく、紅音の視界からでは確認出来ないのだ。

 

紅音?「......」

 

 その後も無数の槍が紅音を突き刺す。

 

川内(やっぱり使えるスキルが極端に少ない......いつもの紅音だったらいくら暗闇でも普通に行動出来るし、この程度の攻撃じゃ致命傷にもならない。恐らく使えるスキルは近接向きのスキル数個と『全治死』ぐらい......『全治死』は確かに恐ろしいスキルだけどこのスキルは不死身じゃない。もう1つのスキルと合わさる事で本当の『全治死』になるからね)

 

紅音?「ッ......!」グググッ

 

 紅音は槍から抜け出そうとするがすぐに別の槍が飛んでくる。

 

ダメージをキャンセルするスキル『毛頭に戻る』リバースカバ

 

 これを発動する事でなんとか持ちこたえているがすぐに限界が来る。

 

紅音「!」

緊急避難のスキル『反射舞踊』ダンシングエスケープ

 

 このスキルを使うとどんな危機的状況でも避難する事ができる。そのため紅音は無数の槍から抜け出す事が出来る。

 

川内(スキルを使われた......どこに......)キョロキョロ

紅音?「......」

 

 川内がどこに居ようが関係ない。あるスキルを使えば確実に反撃出来るのだから。

 

やり返すスキル『反撃必殺』カウンタースナイプ

倍のダメージを受ける代わりに三倍のダメージを与えるスキル『壊死三倍化』トリプルンネクロティック

 

川内「なぁっ......?!」 

 

 無数の槍が川内の体を貫く。

 

川内「グゥゥ」グググッ

 

 口から大量の血が出てくる。川内は力を振り絞り後ろ腰にある長方形のケースに手を伸ばす。

 

川内(最後の切り札だけど......仕方ないね)

 

 ケースから1本の注射器を取り出し、それを首に注射する。

 

川内「かっ......た............」ニッ

 

 そこで川内の意識は途切れる。

 しかし次の瞬間

 

紅音?「!?」

 

『時間帯』が解除されたかと思うと川内を眩いばかりの光が覆う。

 

遺言を残すスキル『死んでなお健在』ダイイングメッセージ

 

 『死んでなお健在』は遺言を残し、それを実行するスキルだ。それがどんなむちゃぶりな遺言でも必ず実行される。例えばそれが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『紅音』を呼び出す事でもだ。

 

?「ごめんな川内」

紅音?「!?」

紅音「迷惑をかけちまってな」

 

 先ほどまで川内だけが居た所に突如として紅音が現れ、川内をお姫様抱っこの様に抱えている。

 

紅音(『巣食いの雨』)

生命を与えるスキル『巣食いの雨』ファフロッキーズ

川内「う、う〜ん」

川内「はっ!」ガバッ

 

 川内は何事もなかったように目覚め、傷も全て完治している。

 

紅音「お目覚めはどうだいお姫様?」

川内「あ、紅音?」

紅音「川内の遺言を聞いて海の底から舞い戻ってきたぜ」

川内「よ、よかっ――」ガクッ

紅音「川内?」

川内「スゥ......スゥ......」

紅音(傷は治っても疲れは取れなかったか......)

紅音「海風」

海風「はい」

紅音「川内を頼んだ」

海風「分かりました」

 

 そう言うと紅音は振り向く。

 

紅音「川内を可愛がってもらったお礼をしなくちゃぁなぁ......偽物」

偽紅音「ッ!」

 

 紅音の声には相当の怒気がこもっており顔もとても人にも見せられない様な顔になっている。

 

紅音「圧倒的な実力の差......思い知らせてやるよ」

偽紅音「!?」ビクッ

紅音「どうした? 来いよ。ご自慢のスキルを使ってなぁ」ニィッ

偽紅音「ッ!」

 

 偽紅音は『背中這わせ』を使い紅音の後ろへ回る。しかし

 

紅音「......」

偽紅音「!!」ジタバタ

 

偽紅音は顔を鷲掴みにされ、紅音の指先に徐々に力が入り「ミシミシ」と言う音が鳴る。

 

紅音「スキルを使えよ。俺はスキルを使わねぇ。さぁ、どうした?」

偽紅音「!」ガクガク

 

 紅音の目には光が無く、偽紅音はすぐに察した

 

「勝てない」

 

 スキルを使おうにもスキルを使うには一度頭の中で言わなければならない。しかしアイアンクローの激痛によりそんなもの考えなれない。

 

紅音「ふんっ」

 

 紅音は軽く腕を動かし、偽紅音を放り投げる。

 

偽紅音「......!」

 

 偽紅音は頭を抑え悶絶している。しかしすぐに顔を上げる。それは治ったからではなく、恐怖を感じた為に瞬発的に顔を上げたのだ。

 

紅音「今から始まるのは戦いじゃない......一方的な虐殺だ」

偽紅音「!!?!??!」ゾワッ

 

 偽紅音の本能が大音量で「逃げろ」、「殺される」と訴えてくる。しかし偽紅音の足は恐怖のあまりひどく震え、使い物にならない。

 紅音は一歩一歩確実に近づいてくる。

 

「ヒタッ」

 

 また一歩近づいてくる。偽紅音にはそれが嫌に遅く見え、それが余計に恐怖心を煽る。

 

紅音「......立て。楽に殺しては川内に示しが付かないだろうが」

 

 偽紅音の目には紅音が何か人ならざる何かに見えた。




 マジ怒な紅音さん。強い(確信)
 川内さんは無事死亡フラグ回収。そして復活。スキルは何でもありです。

 川内の使った注射器の中の液体には紅音のスキルが付与されています。そしてこれを注射する事でスキルが一定時間使えるようになる代物です。『死んでなお健在』の場合はスキルを使い終えるでの一定時間ではないです。


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笑う狂気

 本当は「設定集」の様なものと一緒に投稿したかったのですが、想像以上に執筆に手間取っておりまして......本編だけ先に投稿しました。


紅音「......」

偽紅音「ッ......!」

 

敵が強いほど強くなるスキル『髪展途上』マイインフレーション

殴られるほどやる気が出るスキル『胃袋叩き』ストイックブロ

殺意のスキル『どうして人を殺してはいけないの?』ヒットマンズアイデンティティ

 

 偽紅音の殺意が恐怖心を凌駕し、立ち上がる。その表情にもう、恐怖の色はない。

 

紅音「面白い......!」

偽紅音「!」

 

 偽紅音の左ストレートが紅音の顔に放たれるが、紅音はそれを回転する事で回避し、そのまま偽紅音の懐に入り込む。

 

紅音「ふんっ!」

 

 そのまま背負投げの型に入り、偽紅音を投げるが、偽紅音を海面に背中が当たる前に膝を曲げて足で着水する。そして逆に紅音を前方に投げる。

 

紅音(強いな)

 

 紅音は体を捻り、空中で回転して着水する。そして海面を強く蹴り、低い姿勢で突進して偽紅音の腰に手を回す。そしてバックドロップの要領で、偽紅音の顔面を海面に叩きつける。

 

偽紅音「ッゥ......」

 

 思わず偽紅音は顔を手で覆う。それを見逃す紅音では無い。紅音は高く飛び、着水と同人に偽紅音の首元に強力なチョップを放つと肩から鈍い音が鳴る

 さらに紅音は偽紅音の首を掴み、自分の少し後ろにあった岩礁めがけて投げる。岩礁は砕かれ、偽紅音はその後海上をバウンドし、立ち上がる。

 

紅音(頑丈だな)

偽紅音「......!」

 

 紅音は距離を詰め、ボクシングのワンツーを放つ。偽紅音はもちろん回避しようとするが紅音は偽紅音が回避しようとした瞬間、偽紅音の足に足をかけて後ろにバランスを崩させる。

 そして紅音は顔を鷲掴みにして後頭部を海面に叩きつけたかと思うと、今度はそのまま偽紅音を空中にブン投げ、紅音もそれを追うようにジャンプし、偽紅音の腹部に渾身の右ストレートを放つ。そうすると偽紅音はさらに上空へと吹っ飛ぶ。

 

偽紅音「ッ!」

光の剣のスキル『光率的刀身』ライトニングブレード

飛翔するスキル『闘士の翼賛』チアファイターズ

 

 偽紅音の右手に光で作られた刀が現れる。さらに偽紅音は空中を飛ぶようにして、海面に舞い戻ってくる。

 

紅音(なぜ倒れん......)

偽紅音「!」

紅音「クッ!」

 

 光の剣が紅音の頬をかすめる。

 

紅音(こいつ......スキル関係無しに強くなってるな)

 

 偽紅音の光の剣が紅音に次々と襲いかかる。紅音は直撃は避けているものの確実に傷は増えていく。

 

紅音「......クククッ」

偽紅音「?」

紅音「ハハハハハハハ!」

偽紅音「!?」

紅音「待っていたんだこんな戦いを!」

 

 大きく後ろへ跳んだ紅音は両腕を広げながらそう言う。

 

―――にするスキル『――――』

 

紅音「『こいつ』の力はスキルなんて甘いもんじゃ無いんだぜ?」

偽紅音「......」

一振りで二回斬るスキル『二重走』ツインランナー

第三の手で斬るスキル『剣士の禁じ手』マスターズタブー

三回斬れば対象のスキルを封じるスキル『三度目の消自棄』ハードフルカウント

 

 高速で放たれた剣は、紅音の両腕と首を切り落とす。

 

偽紅音「......!?」

 

 振り向くと目を疑う光景がそこには広がっていた。

 

紅音「クククッどうした? 殺せていないぞ?」

 

 スキルを使えなくし、首も切り落としたはずの紅音が何事も無かった様に立っている。

 

紅音「こいつは少しばかり力を持ちすぎてなぁ、もう人間なんてとっくに辞めてる様なもんなんだぜ?」

偽紅音「ッ!」

紅音「それにこいつが行ったのはアニメ、漫画の世界だけだと思ったらそれは大きな誤解だ」

紅音「まぁ、いい......戦おうではないか」ニヤァ

 

 海面ギリギリを飛行して間合いを詰めた偽紅音は、目にも止まらぬ速さで剣を振るう。だが

 

偽紅音「!?」

 

紅音の腕を首を足を切り落としても再生し続ける。スキルは封じてるはずなのにだ。そのさなかに紅音は偽紅音の顎を蹴り上げ、頭を吹き飛ばす。

 

偽紅音「ッ!」

 

 頭を回復させ、後ろに飛んだ偽紅音は自分の周りに数10個の光の剣を作り、それが光の線を残しながら紅音に襲いかかる。

 

紅音「素晴らしい! 素晴らしいぞ!!」

 

 紅音はそれを避けずに全て体で受ける。

 

紅音「カカッ貴様強いのだろう? 早く殺してみろ」

紅音「宣言しよう。俺は両手を広げ、ゆっくり歩こう。貴様の次の攻撃は決してよけない。さぁ、俺を殺してみろ」

 

 紅音は笑みを浮かべながら両手を広げ、ゆっくり、ゆっくりと偽紅音の方へ歩んでいく。

 

偽紅音「ッ!」

弾幕のスキル 『多銃結界』アタックライン

光の剣のスキル『光率的刀身』ライトニングブレード

空から弾丸を降らせるスキル『弾が降ろうと銃が降ろうと』ウェザーガン

 

 紅音の正面から無数の剣と砲弾や弾丸さらに上空からも無数の弾丸が紅音に向かって来る。

 

紅音「クククッハハハハハハハハハハ!」

偽紅音「!?」

 

 左腕は肩ごと無くなり、右腕も今にもちぎれそうな状態だ。体中には向こう側の景色が見える穴が無数に出来、そこからおびただしい量の血が出血している。まるで幽鬼の様な姿だ。しかし紅音にはどこか余裕がある。

 そして再び目を疑う光景を見ることになる。なんと体外に出た血が傷口に戻り、傷が癒えたのだ。

 

紅音「どんな人間にも表と裏ってのはあるものだろぉ?」

偽紅音「......」

 

 距離を詰めた偽紅音は目にも止まらない速さで突きを放ち、それは紅音の左目を貫く。しかし

 

「ガシッ」

 

紅音は光の剣を掴み

 

「バキンッ!」

偽紅音「!?」

 

粉砕したのだ。それも『光』の剣をだ。

 

紅音「今度はこちらの番だ」ニヤッ

紅音「国宝『リグル観音』」

 

 腕がまるで8本生えた様に見える程の速さで腕を動かした紅音は、次々と拳を放つ。そして偽紅音はそれを全てさばききれず、ほとんどの拳をまともに受け、後方に吹き飛ぶ。

 

紅音「さぁ、行くぞ! 楽しもうでは無いか!」

 

 前に跳んだ紅音はそのまま腰を捻り、腹部に回し蹴り放ちそのまま胸部に肘打ち、顎に掌打を流れる様な動作で行う。

 

偽紅音「ッゥ!」

 

 一瞬意識が飛びかけた偽紅音の胸部に両手で掌打を放つ。

 

偽紅音「カハァッ!?」

 

 衝撃がそもまま後ろに抜け、吹き飛ぶ。

 

紅音「まだ肩慣らしだ。まだたおr「ゴッ!」ッ―――」

 

 周りに鈍い音はこだまする。そして前に倒れる紅音の後ろから、銃の棍棒の様に持っている白髪の少女が現れる。さらに少女は銃を脇に避け、紅音を肩になんなく担ぐ。

 

偽紅音「?」

?「全く......紅音は手間をかかせてくれるね」

海風「お久しぶりです響」

響「やぁ、久しぶり海風。元気にしてたかい?」

利根「ハァ......ハァ......やっと追いついたのじゃ」

響「いい所に来たね。少し紅音を持っててくれ。私は偽物を『倒す』からさ」紅音渡し

 

 紅音を渡した響はスリングで脇に避けていた銃のセーフティを外し、ボルトを引き、偽紅音の方へ構える。

 

響「今度は私が相手だよ」

「バババババババババババババ!」

 

 銃口から放たれた弾丸が偽紅音に迫る。




 この章は次回でラストです。

 響のメインはAK-74と言う銃です。紅音が使う銃以外で登場した武器の説明は後日投稿する「設定集」の様なものに書きます。


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鉄拳ってレベルじゃねーぞ

少しシリアスあります


 迫る弾丸を難なく避ける偽紅音。

 

「カチッ」

偽紅音「!」

 

 AKの弾倉が空になったのを察した偽紅音は響に一直線で駆けてゆく。

 

響「やっぱり君は偽物だ」

 

 後ろ腰に付けていたホルスターから黒く巨大な拳銃を抜く。そこは偽紅音の死角となる所だ。

 

偽紅音「!?」

「バキン!」

 

 虚をつかれた偽紅音は避けえる間も無く、その弾丸が命中し顔半分が吹き飛ぶ。

 

偽紅音「!?」

響「君が深海棲艦の類なら、その傷を癒す事は不可能だよ」

偽紅音「......?」

響「その体で正体を確かめるといいさっ」

偽紅音「ッ!」

 

 再び放たれた弾丸を避けた偽紅音は海面を飛び、響に拳を放つ。

 

響「あたらんさ」

偽紅音「!」

 

 響は後ろに仰け反ると同時に拳銃を空高く投げ、そして拳を回避しそのまま両足で突き出された偽紅音の腕を掴み上半身を上げ、手を掴むと

 

「ゴキッ!」

偽紅音「ッ!?」

 

偽紅音の肘を曲げてはいけない方に曲げる。そして響は一瞬バランスを崩した瞬間に掴んでいた手を今度は海面につけ、

 

響「フッ!」

偽紅音「!?」

 

そのまま回転し偽紅音を後方に投げる。

 

偽紅音「ッ!」

響「......」パシ

 

 なんとか着水に成功した偽紅音が響の方へと視線を移す。しかし

 

響「......」

「バキン! バキン!」

偽紅音「!」

限界を超えて戦うスキル『馬鹿者には限度がない』ピークアウトフール

運動力学無視のスキル『非学者論に負けず』ドクターアゲインスト

 

 偽紅音は膝をついている状態から、無動作で横に移動する事で銃弾を回避する。さらに響との間合いを詰めるために立ち上がるが、速度が0から一気に最高速度へと加速する。

 

響「......」

 

 しかし響はそれを見切ったがあえて避けない。そして尋常では無い速度で放たれた拳が響の顔に当たると同時に、首を拳の速度以上で後ろに回転させる事で拳の威力を消すと言う化物じみた芸当をやってのける。

 

偽紅音「!?」

響「隙」

 

 一瞬動きが止まった偽紅音の顎を蹴り上げる。

 

偽紅音「ッゥ......」

 

 蹴り上げられたと同時に上に跳び、空中で数回回転し、響と距離をとる。

 

響「時間をかけてる場合じゃないんだよ。そろそろ

 

 

 

 

本気で行かせてもらうよ」

 

 その言葉と同時に響が一瞬何重にもぶれたかと思うと

 

偽紅音「!?」

 

偽紅音の顔面に激痛が走る。そしてそれと同時に後方に吹き飛ぶ。

 

偽紅音「!??!!?」

 

 偽紅音は顔に負った傷をスキルを使い治そうとする......が、傷は治る気配が無い。

 

響「私は川内や海風の様に甘く無いよ。紅音と同じ姿だからと言って手加減はしない」

偽紅音「ッ!」

響「さっきも言ったけど君が深海棲艦の類ならその傷は絶対に治らない。理由はかn......おっと。想像より速いな」

金剛「バアアアアニングゥ! ラアアアアブ!!」

 

 その大声と偽紅音の頭部に強烈な拳が直撃し、頭が弾け飛ぶ。

 

?「毎回の事だけど......どう殴ったらそうなるクマァ?」

金剛「私は普通に殴ってるだけデース!」

響「相変わず馬鹿力だね」

金剛「響! 久しぶりデース! 鍛え方が違いマース!」

偽紅音「ッゥ!」頭再生

防御不可能のスキル『たどたどしい拳』ビギナーズハードラック

乱れ撃ちのスキル『溜息呵成』ノンストップハウス

予想不可能な一撃のスキル『奇想憤慨』ミスアンガースタンド

 

 偽紅音の拳と蹴りが1番手前に居た金剛の身体へ機関銃の如く放たれる。しかし

 

偽紅音「......?」

 

手応えはある。だが、何かがおかしいと思い、攻撃を止める。

 

金剛「もう終わりデスカ?」

偽紅音「!?」

金剛「痛くも痒くもナイネ!」

「ズドォォン!」

 

 腹を抉るかの様に放たれた金剛の鉄拳は偽紅音の内蔵を破裂させ、さらに遥か後方の上空へと簡単に吹き飛ばす。

 

金剛「2人は下がってるネ。私1人で十二分過ぎマース」

響「回復のスキル発動してるから、それだけには気お付けてね」

金剛「所詮は回復デース。不死じゃないならno problemデース!」

 

 クラウチングスタートの姿勢になった金剛は水飛沫を上げながら、驚異的な加速をしながら走り出す。

 

響「2人が来たってことはもう1人は?」

?「あぁ、あいつは『そっちは貴様ら2人で問題ないだろう? 私は元凶を潰してくる』と言ったから途中で別れたクマ」

響「元凶? あぁ、道理で途中まであった視線が無くなったわけか」

?「多分そいつクマ」

 

 

 

 

 今から数分前にさかのぼる。響と偽紅音が戦っている所から数10km離れた海上にて。

 

ビスマルク?「......」

五十鈴?「......」

皐月?「......」

?「......」

 

 パイプを咥え、腕を組み、仁王立ちして3人と対峙している1人の女性。3人の顔には少しだが焦りの表情? らしきものが伺える。

 

?「堕ちたものだな」

五十鈴?「なンでスッて?」

?「ふっ。最近の死体は言葉も喋るのか? これは驚きだ」

五十鈴?「ッ!」

皐月?「落チ着いテ五十鈴さン。僕と五十鈴サんじゃどウ足掻いテも勝てなイ」

?「お喋りな死体共だ。死体はおとなしく土の中で寝てるんだな。いや、貴様らの場合は海底だな」

ビスマルク?「......」

 

 ビスマルク? は十字架の形をした剣を抜き、構える。

 

?「元戦友......いや、元家族だ。私の手で引導を渡してやろう」

「パキパキ」

ビスマルク「!」

 

 パイプを咥えた女性の足元から徐々に氷が広がっていく。

 

?「ハァー」白い息吐き

ビスマルク?「......」

?「なに、貴様らはどうせここで殺られるんだ。全員でかかって来い」

五十鈴?「ッ!」

皐月?「ココはビスマルクさん二任セよウ」

ビスマルク?「!」

 

 ビスマルク? は一気に距離を詰める。そして2人の間で激しい戦いが始まる......がそれはまた別のお話。

 

 

 

 

 そして時間は戻り、現在。

 

偽紅音「!?」

 

 金剛の拳の全てが必殺の一撃。それが息をする暇もなく偽紅音の身体を捉え、当たった所は次々とはじけ飛ぶ。それは偽紅音の回復力を遥かに上回っている。

 

金剛「もう終わりにさせてもらいマース!」

拳でスキル切り裂く『薄霧拳』スライスナックル

 

 連撃によりの偽紅音が使えるスキルが次々と切り裂かれ、使えなくなる。

 

金剛「これで終わりデース!」

 

 金剛の渾身の一撃が偽紅音の腹部に巨大な風穴を開ける。

 

偽紅音「......」ガクッ

 

 膝をついた偽紅音は徐々に海中へと沈んでいく。

 

金剛「他愛もないネ」

 

 金剛はそう言うと、自分が来た方向へと猛スピードで走り戻る。

 

 

 

 

 

紅音「......これはどういう状況」お姫様だっこされてる

利根「おぉ! 気がついたか!」紅音を抱え中

紅音「これは......礼を言った方が良い感じ?」

利根「礼は吾輩では無く今から来る者に言うのじゃな」

 

 軽く話すと利根は紅音を下ろす。

 

紅音「利根」

利根「なんじゃ」

紅音「タバコ持ってるか?」

利根「タバコか? ラッキ○ストライクならあるぞ」

紅音「それは勘弁だな」

利根「ハッハッハッ! 冗談じゃ! 吾輩は煙は吸わないから持っとらん」

紅音「そうだったな......持ってたかなぁ」

 

 紅音はそう言うと、ポケットに手を入れる。その時

 

海風「......」スッ

 

海風が指に挟んだタバコを紅音の口に近づける。

 

紅音「そう言えば持ってたな」

海風「はい。私は吸いませんが、戦地へ行く時は必ず持って行ってます」

紅音「取り敢えずありがたく吸わせてもらうぜ」

 

 口にタバコを咥えると、海風はZippoライターを片腕だけで点火させる。

 

紅音「スー......フー」

紅音「不味いねぇ相変わらず」

響「やぁ紅音」

紅音「来てたのか」

響「色々大変だったけどね」

紅音「?」

?「響だけじゃないクマー」

紅音「明日雪降るなこりゃ」

?「失礼だクマ」

紅音「もしかして第1艦隊全員集まったの? 今回の大規模侵攻」

?「一応集まったクマね」

紅音「横須賀方面楽そうだな」

?「すぐ終わったクマ」

紅音「ショーランドの方はどうだった?」

響「まぁまぁだね。有象無象がいくら集まっても一緒さ」

紅音「かっこいい事言いますね」

響「紅音も本気を出せば、すぐに終わるだろうに」

紅音「俺が本気出したら地球持たないだろーが」

響「そんな事言ってたらいつか足元すくわれるよ」

?「違いないクマ」

紅音「大丈夫だ、問題無い」

?「慢心しまくりだクマ」

紅音「なに、少し心にゆとりを持っていた方が良いってものさ」

?「ゆとりを取りすぎだクマ」

紅音「それよりさ」

?「?」

紅音「他に誰来てるよ?」

?「戦艦が2人来てるクマ」

紅音「逃げるか」

?「良い奴だったクマ」

響「骨は拾ってあげるよ」

利根「葬式にも出てやるぞ」

比叡「飛龍さんにも伝えておきますね」

紅音「これは酷い」

 

 その後、この辺の海域で鬼ごっこが起こったとか起こらなかったとか......。

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

艦娘A「なんだあいつは!?」

?「......」

艦娘B「は、泊地に連絡を!」

艦娘C「ダメです! 応答ありません!」

艦娘A「クソッ! 全速力で撤退すr「キャアアアアアア!」 C!」

 

 艦娘の1人がその巨大な蛇の様な艦装の口に挟まれたまま海面に何度もぶつけられる。

 

艦娘B「これ以上犠牲を出させる訳には行きません! 今のうちに......えっ」ガッ

「ゴキッ」

 

 艦娘の1人が今度は本体に首を360度回転させられ絶命する。

 

艦娘A「な、なんだ貴様は」

?「......私ハ代行者ニシテコノ戦イヲ終ワラセル調停者」

艦娘A「この戦いを終わらせる?」

?「全テノ艦娘、深海棲艦。ソシテ全テノ人類ヲ滅ボシコノ戦イ二終止符ヲウツ。ソレガ私ノ使命」

艦娘A「何を言って......!?」

 

 そいつが口を開けると青白いエネルギーの様な物が、口に集まる。そして

 

艦娘A「貴様は......本当に

 

 

 

 

レ級なのか?」

 

その言葉が終わると同時に、その艦娘の居た所とその遥か後ろにあったもの全てが『破壊』された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

明石「うわぁ......凄い事になってますね」

 

 佐世保鎮守府の正面海域に仁王立ちしている、ケニアントロプスに搭載されている望遠機能により紅音と偽紅音の戦いを高みの見物をしている明石。しかしケニアントロプスの足元は、紅音達の隙を見て抜けてきた深海棲艦の残骸が山の様になっている。

 

明石「この戦いのデータを分析、解析してケニアンちゃんに学習させればこの子はさらに高みへ行けます......!」

明石「いや、ケニアンちゃんだけじゃなく、私の部隊そのものがさらに強化されますね!」

明石「後は紅音にさえバレなければ......大丈夫。妖精さんにはお菓子で口封じしてます! 明石に隙はありません!」

 

 盛大なフラグを建設した明石であった。




 この度は投稿が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。遅くなった言い訳としましては最近リアルが忙しいからです。今年は仕事納めまで、忙しいのが続くので投稿頻度が下がるかと思います。申し訳ありません。









 次の章は再び艦娘の心を開くために紅音が頑張る章です。鬱展開等は少なくする予定ですが、予定ですのであしからず。
 あと設定集的なものは断念するかもしれません......その時は後書きにてお知らせしたいと思います。


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艦娘達の心を開く編その2
襲撃


 深海棲艦大規模侵攻から1週間が経過し、季節はもう少しで夏本番と言う頃。

 

時雨「ッ!」

夕立「当たれっぽい!」

紅音「まぁまぁ落ち着きなさんなお二方。粗茶とお団子位ならお出しできますよ?」

 

 ここは佐世保鎮守府のとある廊下。そこでは時雨と夕立がナイフで紅音に襲いかかっている光景が広がっている。

 

夕立「馬鹿にするなっぽい!」

紅音「私荒事は嫌いなんですよね」

時雨「嘘を!」

紅音「君達の中での俺のイメージどうなってるん?」

夕立「悪魔」

時雨「厄災」

紅音「イメージ最悪じゃん」

 

 紅音は2人の攻撃を踊るように回避している。

 

紅音「てかね2人とも。俺一応提督よ? 仮に俺殺しても2人とも解体されるよ?」

時雨「構わないさ。それで皆が開放されるならね」

夕立「夕立も同じっぽい!」

紅音「......自己犠牲は何も生まないぞ」

時雨「君に何が分かる?!」

紅音「2人の事は良く知ってるさ」

夕立「夕立達の事が分かるのは夕立達だけっぽい!」

紅音「そうかも......な......!」ピクッ

 

 紅音の視線が時雨と夕立、2人の少し後ろにある曲がり角へ向けられる。

 

紅音「2人共。落ち着こう。そうしよう。それがいい」

時雨「何を今更ッ!」

紅音「まだ、まだ間に合......わないかな」

 

 

 

 

 視点は変わって蒼音。

 

蒼音(お兄何処だろう......)

 

 少し俯きながら角を曲がろうとする。その時に顔を上げ、前を向く、そして視界に映るのものは。

 

時雨「ッ!」ナイフ振り

夕立「ぽい!」ナイフ振り

紅音「oh」

 

 紅音が襲われている光景が目に映る。

 

 

 

 

 視点は戻って紅音。

 

紅音(緊急事態発生。鎮守府崩壊の可能性大......とか思ってる場合じゃねーよ。マジヤベーよ)

 

 蒼音の手には青色の粒子の粒の様な物が集まり、形を成し出来た反りのない刀。Black Bladeが握られている。

 

紅音(ああなったら聞く耳持たないからなぁ......どうしたものか)

 

 その時

 

蒼音「......」シュッ

 

一瞬。ほんの僅かにブレたかと思うと紅音の視界から消える。

 

紅音「ええい!」

「ガキン!」

時雨夕立「!?」

 

 紅音は視界の端で捉えた、蒼音の姿から刀の軌道を予想し、そこにハイキックを放つ事で時雨、夕立への攻撃を阻止するも、履いていた左足のブーツの先端がアカシウム板を残して切られる。

 

紅音「落ち着け蒼!」

蒼音「落ち着いてる......!」

紅音「ッ!」

夕立時雨「!?!!?」

紅音「2人とも退いてろ!」

 

 決して軽くはない2連撃の蹴りが時雨と夕立の腹部に放たれ、後方に吹き飛ばされる。

 

紅音「まぁ落ち着け蒼。一度頭に血が上ると冷静さを失う......お前の悪い所だぞ」

蒼音「......」

 

 夕立時雨と蒼音の間に立つ紅音。

 

蒼音「邪魔......するなら......力ずくで......どける......大丈夫......少し......痛いだけ」

紅音「カモンベイベー、久々に稽古つけてやるよ」

 

 一瞬で紅音との間合いを詰め、突きを放つ。しかしその突きはそのあまりにも速い速度のせいで、空気を突き破りながら紅音に迫る。

 

「ドゴォォォォォォン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅音「と言う事が昨日あってだな」

明石「昨日の爆音はそれですか」

 

 紅音は工廠にあるアイテム屋にて明石とカウンター越しに話をしている。

 

紅音「いやー流石にやばかったよ。蒼強くなっててさあ」

明石「それで今日は何しに来たんですか? まさか妹自慢に来ただけじゃないですよね?」

紅音「いやね? 時雨と夕立の事なんだがね?」

明石「例の2人ですか。その2人がどうしたんですか?」

紅音「その2人中々の腕前なのよ」

明石「そうなんですか?」

紅音「俺の目に狂いがなければ」

明石「それで?」

紅音「長門達と一緒に訓練させようかなってね」

明石「あの2人が了承するとは思えませんが......」

紅音「フッこの俺が何の策も考えていないとでも?」

明石「はい」

紅音「泣くぞ?」

明石「泣かないでくださいよ。それで策ってなんですか?」

紅音「決闘」

明石「ん? 聞き間違いですかね......今決闘て聞こえたんですけど」

紅音「決闘と言ったのだよ明石君」

明石「それ多分策って言いませんよ」

紅音「でもさ? ほら? 良くあるじゃん? 決闘して絆を深める的なのさ」

明石「それは現実だと極々稀にしか起こらない現象ですよ」

紅音「極々稀にはあるんだな?」

明石「えっ」

紅音「俺はその極々稀に賭ける」

明石「中々のギャンブラーですね」

紅音「明石よ」

明石「はい?」

紅音「コロシアムかなんか作ってけろ」

明石「ェェ何でですか? 機械関連ならまだしもコロシアムはちょっと......」

紅音「明石よ」

明石「なんですか?」お茶飲み

紅音「コロシアム作ってくれたらロボットの事は無かった事にしてやろう」

明石「ブフッ!」お茶吹き出し

紅音「それでどうよ?」吹き出されたお茶回避

明石「な、なんで知ってるんですか!?」

紅音「俺に隠し事なんぞ百年早いわ......で、コロシアム作るの作らないの? どっちなんだい」

明石「つ、作ります......要望は何かありますか?」

紅音「俺と蒼が暴れても壊れない位頑丈なコロシアムを作って欲しいな」

明石「そんな頑丈な!?」

紅音「あなたに作れますかね?」

明石「い、いいですとも! 明石の名にかけてどんな事しても作ってみます! きっと作りますとも!」

紅音「それを聞きたかった」

明石「ちなみに期限は......」

紅音「3日後」

明石「労働基準法って知ってます?」

紅音「労働基準法? そんなの合ってないようなもんだろ」

明石「ブラック鎮守府反対」

紅音「一体いつから――――うちがブラックじゃないと錯覚していた?」

明石「なん......だと,,,,,,」

紅音「て事で頑張!」

 

 そう言うと紅音は颯爽とアイテム屋を後にした。

 

明石「......結局なんで隠してたのが分かったんのか聞きそびれてしまった」

明石「でも、作ると決まったなら全力で作りますよ!」

 

 ガッツポーズしながら明石はアイテム屋の奥へと消えてく。

 

 

 

 

 紅音は駆逐艦寮の廊下を歩っている。

 

紅音「ここか」

扉「時雨と夕立の部屋やで」

紅音「たのもー」

「コンコンコンコン」

紅音「おーい」

「......」

紅音「へーい」

「......」

紅音「居留守はよろしくないなぁ」

「......」

紅音「そう言えばさ俺って提督じゃん? 実はもしもの時のためにマスターキー持ってるんだよね」ゴソゴソ

「ガチャ」

時雨「何の用かな?」

紅音「やあ時雨君。夕立も居るかね?」

時雨「......夕立来て」

夕立「ぽい?」

時雨「それで要件は何かな?」

紅音「3日後暇?」

時雨「用事は無いね......それがどうしたの?」

紅音「決闘しようぜ」

時雨夕立「は?」

時雨「け、決闘?」

紅音「そう決闘」

時雨「......意図は?」

紅音「俺がやりたいから。俺を殺そうとするお前らにも悪くない話だろう?」

時雨「......」

夕立「いいっぽい」

時雨「夕立!?」

夕立「提督さんは決闘で殺されても文句は無いっぽい?」

紅音「無い」

夕立「それなら受けるっぽい」

時雨「ちょっ夕立!」

夕立「時雨は受けないっぽい?」

時雨「......」

夕立「時雨が受けなくても夕立は受けるっぽい。これで提督さんを殺せれば皆開放されるっぽい。それに」チラッ

紅音「?」

夕立「この提督さんとは一度全力で戦ってみたかったっぽい」

紅音「面白そうだ」ニッ

時雨「全く仕方ないね......それは僕も参加していいのかな?」

紅音「勿論だ。元々2対2でやるつもりだったからな」

時雨「それじゃあ、僕も参加するとするよ」

紅音「了解だ。ルールは後日説明で構わないか?」

時雨「いいよ」

夕立「構わないっぽい」

紅音「それじゃあまた後日」

夕立「ぽい」

「バタン」

 

 紅音は扉が閉まるをの見届けると、踵を返し、廊下を寮の玄関の方へと歩き出す。

 

紅音「どれ」スマホ取り出し

紅音「......あ、もしもし?」

?『紅音から電話なんて珍しいわね!』

紅音「結構な頻度で電話してる気がするが......まぁいいが。それで本題なんだが」

?『なにかしら?』

紅音「少し手伝ってもらい事があるんだが、今何処に居るよ?」

?『今? 今は中央アフリカに居るわ』

紅音「中央アフリカ? そんな所に行く様な仕事あったっけ?」

?『あったわよ! 深海棲艦を崇めてる武装勢力の殲滅の依頼よ。忘れたの?』

紅音「あぁあったなそんなの。じゃあその仕事終わってからでいいんだが」

?『?』

紅音「俺の武器を持って佐世保鎮守府に来てくれ。手伝って欲しい事があるんだ」

?『分かったわ。この程度の勢力なら2日で片付くから待ってて』

紅音「ああ。了解した。それじゃご武運を」

?『うん。それじゃ』電話切り

紅音「2日で終わるなら、こっちに着くのは何日後だ......?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ?

 

 

 

 

 ここは中央アフリカのとある市街地、その主要道路を走行するは1台のHMMWVことM998四輪駆動軽汎用車。その車内にて。

 

?「誰からだったのです?」

 

 HMMWVの座席数は4。その座席全てに黒色の戦闘服にスカルバラクラを着用した人物が腰掛けており、肩のワッペンには牙をむき出しにした狼の横顔が描けられている。

 その中で声を発した運転をしている人物は、先程まで電話をしていた助手席の人物へ喋りかける。

 

?「紅音からだったわ」

?「なんて言ってたのです?」

?「仕事が終わったら佐鎮に武器を持って来いって言ってたわ」

?「佐世保行くの? 訓練の時間減っちゃうなぁ」

 

 そう言うのは右後部座席で2挺の拳銃を指で回している人物だ。

 

?「安心して良いと思うわ。紅音が私達を呼ぶ位だから、それ相当の事のはずよ」

?「まぁ、それなら良いんだけどね」

?「......」

?「相変わらず〈ジャック〉は無口だね〜!」

?「......」ギロッ

?「怒るなって!」

?「怒ってない」

 

 その言うのは1人だけ戦闘服の上に黒色のロングコートの様なものを着ている左後部座席に腰掛けている人物だ。

 

?「お話もいいですが、そろそろお仕事の場所なのですよ」

?「依頼内容の確認をするわよ。依頼は〈深海棲艦を崇めている武装勢力の殲滅〉よ。おそらく深海棲艦が関わっている可能性があるわ。気を引き締めなさい」

?「ま、頑張ればいいって事でしょ?」

?「そうなのですが少し違うと思うのです......」

?「いつも、通り、やれば、いい......」

?「ジャックの言う通りよ! いつも通りやればいいのよ!」

?(少しは集中してもらいたいのです......)

 

 数時間後。この一帯は火が包み、悲鳴、銃声が鳴り響く『地獄』になったと言う。




 会話が多いと楽で良いですね。


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波乱の予感

 1日経った鎮守府の執務室にて。

 

紅音「ごきげんよう2人とも」

 

 現在執務室には紅音、蒼音と今入ってきた時雨、夕立の4人と色々と忙しい明石が居る。

 

明石「時雨さん、夕立さんの2人が来たので今回の決闘のルール説明を始めます」

時雨「その前に1ついいかな?」

明石「なんでしょうか?」

時雨「明石さんは提督側なのか艦娘側。どっちかについてるの?」

明石「えーとですね。私は公平を期すための審判的立ち位置です。そのためどちらも平等に扱います。それ以外に何か質問はありますか? ......無い様なのでルール説明を開始します」バインダーに視線移し

明石「まず今回の決闘は2対2で行います。武器の使用は鈍器、銃器他ありとあらゆる武器の使用を認めます。時雨さん夕立さんチームは、相手2人の息の根を止めれば勝ちとします。紅音チームは相手を降参させれば勝ちです。しかしこの時に息の根を止める事も認めますが、明らかに故意で息の根を止める行為はダメです」

時雨「質問」

明石「どうぞ」

時雨「最後のルールはこっちにも適用されるのかな?」

明石「いえ。時雨さんチームは全力で息の根を止めにかかってください」

時雨「もう1つ」

明石「なんですか?」

時雨「武器はありとあらゆる武器の使用を許可すると言ったけど、極端な話。核とか生物兵器。毒ガスとかでもいいの?」

明石「いいですよ。その人が武器と思っているのならば豆腐やはんぺん、六法全書。なんでもいいですよ」

時雨「分かったよ。ありがとう」

明石「時間は無制限とします。そして途中で私から〈サプライズ〉があります」

紅音「サプライズとな?」

明石「サプライズです」

紅音「ふむ」

明石「ルールは以上ですね」

夕立「思ったより少ないっぽい」

明石「シンプル・イズ・ベスト」

明石「決闘は明後日ですので各自練習やら何やらしてください。それでは私はコロシアム制作がありますのでこれで」

紅音「色々すまないな」

明石「本当です......」ドアノブに手をかけ

「ガチャ......バタン......」

時雨「それじゃ僕達もこれで」

紅音「おう」

 

 3人が執務室を出、残るは紅音と蒼音のみとなった。

 

紅音「どれ久しぶりに稽古するか! 昨日は事故みたいなもんだったしな」椅子立ち上がり

蒼音「うん......」壁から離れ

紅音「明石あたり地下借りるか。地上だと思う存分力出せないしな」

蒼音「......!」

 

 

 

 

 場所は移動して工廠の地下にある、採掘場を模様した空間

 

紅音「悪いな。まだ武器来てないからこれだけなんだ」ケース持ち

蒼音「大......丈夫......」

紅音「瞬着!」拳突き立て

蒼音「......」

 

 紅音の肉体に暴風が身にまとわれ、蒼音の右腕には刀、そして左腕には機関砲★Rock Cannonが現れる。

 

紅音「覚悟完了! 行くぞ!」

蒼音「!」

 

 足裏と背中にある噴出孔を使い驚異的な加速力で蒼音との間合いを詰めようとするが、機関砲から次々に青白い砲弾が放たれる。

 

紅音「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

 

 しかし次々と放たれる砲弾を、拳のラッシュで粉砕しながら突き進む。

 

紅音「チェストォォォォォ!」

「ドゴォォォン!

 

 片足を天高く上げ強烈なかかと落としを入れる。しかし蒼音は刀を盾にしてそれを防ぐも、かかと落としの威力は蒼音を通し、地面にクレーターを作り上げる。

 

「ギリギリ」

 

 暴風と刀が削り合う音が鳴る。

 

蒼音「ッ!」

 

 先に後ろに飛び抜き動き、かかと落としを空振りした紅音へ迫り喉元に神速の突きを放つ。

 

紅音「カァッ!?」

 

 直撃した紅音は後方へ吹き飛ぶ。それに追い打ちを掛けるため低い姿勢で間合いを詰める。

 

紅音「ゴホッゴホッ」

蒼音「......」ザッ

 

 いつの間にか大剣に変わった剣が、喉を抑えながら倒れている紅音へ振り落とされる。

 

紅音「クソッ!」

 

 咄嗟に前に飛び一命を取り留める。しかし

 

蒼音「......」

 

追撃の手を緩めない蒼音は紅音の上空から次々と砲弾を放つ。

 

紅音(まずい!)

 

 それを何とか横にローリングしながら紙一重で回避していく。

 

紅音「強いなぁもう!」

 

 紅音はあえて砲弾に直撃する事で吹き飛び、回転して体勢を立て直して着地する。

 

紅音(素の実力はほぼ同等。武器が充実してるぶん蒼が少し有利か)

「ドゴォン!」

紅音「グッ!」

 

 紅音に腹部に砲弾を直撃し、地面を数度バウンドし、転がる。

 

紅音「まいったねぇこれは」

 

 眼前に迫る無数の砲弾。

 

「ドォン! ドォン! ドォン! ドォン! ドォン!」

 

 その無数の砲弾が紅音へ次々と命中していく。

 

紅音「グ......ゥ......」

 

 膝から崩れるが、何とか倒れず膝立ちの状態になり息が徐々に荒くなって行く。

 

紅音「ハァハァハァハァ............フゥ。いやー強くなったな蒼」

蒼音「所詮......稽古......」地面に着地

紅音「いやいや強くなったぞ」

蒼音「でも......お兄......全然......実力......出して......ない」

紅音「出したくても武器今は暴風しか無いしなぁ」

蒼音「刀......わ......?」

紅音「刀か? 神通にあげた」

蒼音「え?」

紅音「え?」

蒼音「......そう」

紅音「? 取り敢えず地上に戻ろう。俺はこの後やりたい事あるからさ」

蒼音「うん......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わって大本営の工廠。

 

金剛「失礼するデース!」

?「金剛さんですか。どうしたんですか?」

金剛「提督からメッセージデース」

?「?」

金剛「『佐世保の明石が会いたがってるらしいから佐世保に行って来ていいよ』だそうデース」

?「そうですね......会いに行きましょうかね」

金剛「それじゃあ私は戻りマース」

?「あっありがとうございました」

 

 工廠から金剛が出て行くとその人物だけとなる。

 

?「さてっと。行くと決まった以上準備しますか」

 

 後ろで束ねた緑色の髪を揺らし、工廠の奥へと消えていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

 

 場所は戻って佐世保鎮守府。その遥か上空。

 

漣「うおー! 凄いですねご主人様!」

紅音「ソウカ?」

 

 黒色の神々しい巨大なドラゴンの姿になっている、紅音の頭に座っている2人の艦娘。

 

望月「想像以上にたけー」

紅音「マァ成層圏ダカラナ。落チタラ死ヌゾ」

漣「原型とどめてなさそうですね」

紅音「オッシ。ンジャ行クゾ」

 

 紅音はその巨体を宙返りさせると、下へと一直線で降下していく。

 

漣「キタコレェェェェェェェェ!!!」

望月「」チーン

 

 漣は手を上げて楽しんでいるが望月は半分気絶している。紅音がやっているのはジェットコースターもどきである。

 

漣「いやー楽しかったですご主人様!」

望月「」チーン

紅音「望月ハソウデハナカッタヨウダガ......」

 

 地上に迫った所で紅音は急停止し、その場でヘリのホバリングの様にとどまる。

 その後、望月の意識が戻ると今度は空の散歩をしたと言う。




 紅音は負けたわけでは無いです。そして最後、漣と望月はなんともないのはスキルのおかげです。
 次は決闘回です。結構荒れる予定です。


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決闘前編

 長くなりそうなので、前編後編で分けました。


 佐世保市内にあるとある山中。既にあたりは暗くなっており、明かりは月明かりのみとなっている。そんな山中に1機の大型ヘリ『CH-53E』通称スーパースタリオンが着地をこころみている。

 そしてスタリオンが着地するとハッチが開き、2人の黒色の戦闘服を身にまとった人物が3mはあるであろうか長方形の箱を引きずりながら降りてくる。

 

紅音「久しぶり2人とも」

?「......久しぶり」

?「ひっさしぶり!」

 

 紅音がその2人の人物と握手すると操縦士席と副操縦士席の扉が開き、さらに2人の人物が降りてくる。

 

紅音「お前らも久しぶりだな!」

?「お久しぶりなのです!」

?「もっと頼っていいのよ!」

紅音「2人は相変わらず元気だな」

?「お〜い。話すのもいいけど確認してよ」

紅音「ああ。悪いな」

 

 長方形の箱は「プシュー」と言う音と白い煙の様な物を出しながら開く。

 

紅音「......よし。全部あるな」

?「当たり前じゃない!」

紅音「武器を持って来てもらった後で申し訳ないが、4人にやってもらいたい事があるんだ」

4人「?」

 

 

 

 

 そして明後日。

 工廠の地下に作られた闘技場は東京ドームほどの大きさに観客席もあり、ドーム状の屋根は強化ガラスになっている。

 

青葉『レディィィィィィス アァァァァァン ジェントルメェェェェェン!!!!』

 

 青葉の熱の入った声がマイクとスピーカー越しに聞こえてくる。

 

青葉『とうとうこの日がやってまいりました! 提督&憲兵であり提督の実の妹VS時雨さん夕立さんの決闘!!』

青葉『司会はこの私、青葉と!!』

大淀『大淀と』

明石『明石でおおくりします』

青葉『それでは早速選手入場です! まずは時雨さん夕立さんチィィィィム!!』

 

 頑丈そうなゲードが「ゴゴゴ」と言う音を上げながらゆっくりと開いていく。

 

時雨「......」

夕立「......」

観客席「2人とも頑張って!」

観客席「ファイトォォォォ!!」

時雨「少し恥ずかしいね......」

夕立「ぽい......」

青葉『お次は提督チィィィィィム!!』

 

 同じく頑丈な扉がゆっくり開いてゆき、紅音と蒼音が入場してくる。

 

紅音「楽しめそうな決闘だ」ケース持ち

蒼音「......」

川内「がんばれー」

海風「応援してますよ!」

比叡「気合入れて頑張ってください!」

利根「頑張るのじゃー」

千斗「気楽になー」

紅音「こっちの応援やる気ねーな」

青葉『両者入場いたしました! 両者の間に火花が散っているのが見えそうです! 既に闘技場内の熱気はMAXをとうに超えています! まるで現代に蘇った中世のコロッセオのようだぁぁぁぁぁ!!』

大淀『青葉さん少し落ち着いてください......』

明石『私は3徹なので死にそうです』

紅音「大淀さん大変そうだな」

青葉『それでは両者位置に!』

 

 お互い闘技場の端と端に立つ。

 そして

 

青葉『決闘開始!!』

 

開始の号令がこだまする。

 

紅音「行くぞ蒼!」

蒼音「うん......」

 

 2人はその化物じみた身体能力をフルに使い、時雨達との間合いを詰める。そのさなか

 

紅音「暴風! お前の本当の姿見せてみろ!」

紅音「瞬着!!」

 

 ケースを前方に投擲し、拳を突き立てる。

 

紅音「覚悟完了!」

川内&海風「!?」

 

 本来丸腰のはずの暴風。しかし今の暴風は違う。背中には3mはあるであろう矛に、右腰にはそこそこの大きさの回転式拳銃。

 

紅音「ぶっ潰してやんよ!」

時雨夕立「ッ!」

 

 紅音は背中から矛を手に取ると夕立と時雨を叩き潰しにかかる。2人はそれぞれ左右に飛び何とか回避する。先ほどまで2人が居た所は大きく陥没している。

 

紅音「ショータイムだ」

夕立「......」

 

 

蒼音「......」

時雨「分断されたか......計算のうちさ」

 

 紅音VS夕立 蒼音VS時雨と言う構図が出来上がる。

 

紅音「さぁ楽しませてくれよ!」

夕立「かかって来いっぽい!」

 

 紅音が放った強烈な突きを夕立はダガーの刃で軌道を逸らし、刃を当てたまま紅音との間合いを詰めていく。

 

「ダァン!」

夕立「!」

 

 いつの間にか抜かれていた回転式拳銃から銃弾が放たれる。それを左手のダガーの突きで無力化を試みる。しかし

 

夕立「!?」

 

逆にダガーが粉砕される。夕立は弾丸が手に到達する前にダガーから手を離し横にローリングする。

 

紅音「馬鹿が!」

夕立「ぽい!?」

 

 いつの間にか矛と拳銃から手を離し上空に飛んでいた紅音が、噴出孔を使い強烈なかかと落としを夕立の肩に入れる。

 

紅音「オラオラオラオラオラオラオラ!!!」

 

 かかと落としで怯んだ夕立の体に容赦なく紅音の強烈なラッシュが放たれる。そのラッシュの速度は夕立に呼吸をさせる暇さえ与えない。

 

紅音「オラァ!」

 

 最後にみぞおちを狙った拳が夕立を吹き飛ばす。

 

紅音「さぁ立て。圧倒的な力の差を思い知らせてやろう」

夕立「ッゥ!」

 

 

 

 

時雨「くっ!」

蒼音「......」

 

 蒼音の脇腹を狙って蹴りを時雨と手と足で何とか防御するが横に吹き飛ぶ。

 時雨の両手にはナイフが握られているが、蒼音は丸腰だ。それ程までに蒼音は時雨を下に見ていると言う事だ。

 

時雨(強い......策もなし突っ込んだろ間違いなく返り討ちにあうだろうね)

時雨(武器と思っているならなんでもいい......いい事を聞いたね)

 

 時雨は何処からともなく取り出したグレネードのピンと抜き、蒼音に投擲する。

 

蒼音「......」

 

 しかしそんなものが効くはずもなく、蒼音は蹴り返すとグレネードは空中で爆発し砂煙が舞い上がる。

 

時雨「ッ!」

 

 再びグレネードを投擲する。

 

蒼音「無駄......」

 

 そう言い蹴り返そうとした時

 

蒼音「!?」

 

グレネードが消える。

 

「ボォォォォン!」

蒼音「ッ!?」

 

 再び現れたグレネードは蒼音のへその付近で爆発し、蒼音を少し後方に飛ばす。しかし蒼音にそこまでのダメージは入ってはいないが不意を突かれたためか右膝をついている。

 

時雨「僕はね......野球が好きなんだ」

蒼音「殺すッ......!」ギリッ

 

 

 

 

紅音「ほお、やるな時雨。蒼に一撃入れるとは」

夕立「ゴホッゴホッ」

 

 夕立は紅音と少し距離をとった所で腹を抑えながら咳き込んでいる。

 

紅音「どうだい。参ったと言ってもいいんだよ」

夕立「お断りっぽい!」

紅音「そうか......それは残念だ」

紅音「それじゃあ」

 

 矛が紅音の手へと飛んでくる。そしてそれをキャッチすると頭の上で回転させる。

 

紅音「死なない程度に痛めつけてやろう」

 

 矛先を夕立に向ける。

 

夕立「......フフ」

紅音「?」

夕立「アハハハハハハハ!」

紅音「......」

夕立「ソロモンの悪夢......」

紅音「なっ!?」

夕立「見せてあげる」

 

 一瞬で間合いを詰めた夕立の蹴りが紅音の顎を蹴り上げ、続いて両手に持っているダガーによる刺突が連続で行われる。

 

紅音「ククク......ハハハハハハハ!」

紅音「いいぞ! もっとだ!」

 

 矛を円を書くように回転させ夕立に攻撃するが、夕立はそれを上に飛んで回避し後ろに回転し着地する。

 

紅音「フハハハハハハハ!」

夕立「アハハハハハハハ!」

 

 混ぜるな危険がここに激突する。

 矛による強烈な突きが夕立に放たれる。しかしそれをしゃがむ事で回避し、顎が地面にぶつかるのではと言う低い姿勢のまま紅音との間合いを一瞬で詰め、そしてそのまま左のダガーをその低い姿勢から紅音の顔へ投擲するが、紅音は顔を横に寝かせる事で回避する。そして矛から手を離した紅音は矛が落ちるより速く裏拳を夕立へ放つも、夕立はこれをバク宙で回避する。そして矛を掴んだ紅音はそのままコマの様に高速で回転し横一戦をしかける。しかし夕立はそれを後ろに飛び抜き回避する。

 

紅音「Let's Dance」

 

 一気にお互いの間合いを詰めた2人の矛の突きとダガーの突きが衝撃波を発しながら衝突する。

 

 

 

 

時雨(と言ったはものの)

蒼音「殺す殺す殺す殺す殺す!」フル武装

時雨(劣勢なのは変わりないかな)

時雨(小手先だけの技術じゃ彼女はおろか提督すら殺せない)

時雨(降参させるより殺す方が簡単? フッ今回は逆だね)

蒼音「死ね」

時雨「ッ!」

 

 ひと呼吸もようせずに間合いを詰めた蒼音の大剣が時雨に振り落とされる。時雨は横に転がる事で辛うじてそれを回避し、ナイフを蒼音に投げるが簡単に弾かれる。

 

時雨(どうする、考えろ考えろ考えろ......)

時雨(さっきの技は使えない......まてよ......?)

 

 時雨はグレネードのピンを抜くと野球のアンダースローの()に投げる。蒼音はそれを大剣を横に振るう事で弾き飛ばす......はずだった。

 

蒼音「!?」

「ボォォォォン!」

 

 軌道を変えたグレネードは大剣の上に浮くことで避け、蒼音の顔面で爆発する。

 

時雨「大リーグボール3号、グレネード版って所かな」

蒼音「絶対......殺す」

時雨(顔面で爆発してもダメか......人間か疑わしいよ......)

 

 蒼音は上空に飛び上から砲弾の雨を降らす。

 

時雨「手癖は悪い方なんだ......」

 

 スカートの中から落ちたスモークグレネードは通常の数倍のスモークを出し、辺りを煙で埋めるが砲弾の爆風ですぐに掻き消える。しかし

 

時雨「ボールはね......回転をかけると砂煙を纏うだよ」

蒼音「ッ!」

「ボォン! ボォン! ボォン!」

 

 小型のボール型のグレネードは高速で回転する事でスモークを纏い、更に爆風が起爆剤と加速の原因となり蒼音のすぐ近くで爆発する。

 

時雨「野球が好きだと言っただろう?」

蒼音「......殺す」ゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

紅音「やるなぁ」

夕立「提督さんもね」

 

 2人は対峙したまま仁王立ちをしている。

 

紅音「だがな......俺はまだ実力の1%も出してないぞ」

夕立「それは......夕立も同じっぽい」

紅音「ふん......仕方がない」

夕立「?」

紅音「その1%を出してやろう」

 

怪獣になるスキル『獣柔な姿勢』ストライクビースト

狩猟本能増大のスキル『猛獣我利』モンスターベネフィット

何でも食べるスキル『喰吐期間』イートスイート

心臓を増やすスキル『多心房多心室』インフニティハート

牙を伸ばすスキル『無垢な牙』ファイティングファング

脳を増やすスキル『脳だらけ』プランナリア

筋肉増大のスキル『少年肉』ボーイミーツ

翼を生やすスキル『翼を砕砕』フェザーコンプレックス

角を生やすスキル『同異角』インターホーン

しっぽを生やすスキル『生えている』ミートテール

皮膚を鱗化するスキル『目から鱗が出落ち』トリノスケールアイポール

野生の勘のスキル『激野性』ワイルドダイエット

炎を吐くスキル『舌火になる』トークファイヤー

猛毒を吐くスキル『毒率骨格』ポイズンフレーム

 

紅音「抗エ」

「ゴキゴキボキゴキボキボキゴキゴキボキボキボキゴキゴキボキボキ!!!」

紅音「圧倒的ナ力二!」

 

 見る見るうちに姿形を変えた紅音は、2本の後ろ足で立ち、前足は腕を組むようにする巨大な黒色のドラゴンとなる。

 

夕立「ぽ......い......?」

紅音「サァ来イ......勇気ノアル小サキ者ヨ」

 

 地響きにすら思うその低い声が夕立に放たれる。その声と見た目を見て常人ならこう思うだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝てない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と。しかし夕立の口には笑が浮かぶ。

 

夕立「望むところっぽい」ニヤ

 

 紅音の口から数万度にも達する炎のブレスが吐かれる。しかし夕立は退くどころか

 

?「へぇ......」

 

炎の元へ己が出せる最高速度で駆けて生き、全ての力を足にこめ炎へ跳んで行く。

 

夕立「ッ!」

夕立「艦装展開!」

 

 夕立の体に艦装が現れる。そして素早く魚雷を3本3本ずつ両手の指に挟む。

 

夕立「ッゥ!」

 

 灼熱の炎に体が包まれ、艦装が徐々に溶けていくのが分かる。艦装と妖精の加護はこの炎の中では長くは続かない。

 だが、そんな事夕立には関係ない。

 

 

 一瞬

 ほんの一瞬

 呼吸をするために口を閉じようとする一瞬

 それが

 

夕立「チャンスっぽい!」

 

 口を閉じようとした紅音の口に、6本の魚雷夕立の渾身の力によってが投げ込まれる。そしてそれが

 

「ボォォォォォン!!」

 

閉じた口の中で炸裂する。




 夕立と時雨がかっこいいと書いてて思いました。


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決闘後編

紅音「......」

 

 口の中での爆発......並みの生物では間違いなく致命傷どころでは無いだろう。しかし

 

紅音「ヤルナ」ギョロ

 

紅音にとってこの程度の攻撃どうと言う事は無い。

 

紅音「明石!」

明石『は、はい!』

紅音「頑丈二作ッタンダロウナ!」

明石『勿論です!』

 

 その言葉を聞くと紅音は空中に羽ばたき、夕立を指差してこう言う。

 

紅音「予定変更ダ。少し本気(・・)デ行クゾ」

川内海風「えっ」

天使の輪を作るスキル『天輪現掌』ブロッケンフェノメノン

光を司るスキル『怠るの墓』サボタージュビーム

 

 紅音(ドラゴン)の頭上には天使の輪、そして背後には巨大な光の輪が出現する。

 

爆発を司るスキル『発破六重死』アハトアハトデッサン

夕立「ッ!」

 

 背後にある巨大な光の輪から照射された無数のビームは地面に当たると同時に爆発していく。

 

夕立「......!」

 

 そのビームの雨を夕立は、右へ左へ前へ後ろへと縦横無尽に動きビームを避ける。だが、紅音は追撃の手を緩めるどころかビームの数を増やしていく。

 

夕立「あっ」

 

 頭上で枝分かれしたしたビームは、夕立を確保する檻の様になって照射される。

 

紅音「終ワリダ」

 

 その言葉が終わると光の檻は爆発し、夕立を爆炎の中へ誘う。

 

夕立「グゥ......」

 

 そして爆風により吹き飛ばされた夕立の背中には艦装。そう、夕立は咄嗟の判断で中破の艦装を展開する事により、ダメージを最小限に抑えたのだ。

 しかしダメージを最小限に抑えただけであってそれ相応のダメージは受けている。

 

夕立「アアアアアアアア!!」

 

 地面を数回転がり着地した夕立は叫ぶ事により自らを奮い立たせ、その鋭い眼光を空中に浮遊している紅音へ向ける。

 

紅音「ソレデコソ」

「ドォォォン!」

 

 紅音の指先から放たれた光線は夕立へ放たれるが、それは夕立の目前で爆発する。

 

紅音「実力ヲ出シタ甲斐ガアル」

夕立「......」ギロ

 

 

 

 

明石(予想外な事態ですよこれは......まさかここまで実力を出すとは......)頭抱え

明石(とっくに決闘じゃ無いですよ......仕方ないですね。〈サプライズ〉を送りましょうか)

明石「妖精さん。例のを」小声

 

 明石は襟に仕込んでいた小型マイクにそう言う。

 

 

 

 

紅音「オ前ガマダ実力ヲ出シテイナイノナラバ......」

再生のスキル『蘇生組織』リピーターキッチュ

紅音「俺モモウ少シ実力ヲ出セル......!」

腕を増やすスキル『腕が鳴る』シンギンブマニュピレーター

「ゴキゴキゴキボキゴキボキボキ!」

栄養補給不要のスキル『絶飲絶食』コロリーオフペース

火を司るスキル『間違いなく放火』エキジビションマッチ

夕立「......」

 

 翼の他に腕が更に4本増え、計6本となった腕。その姿は神話に出てくる神と言われても疑わないだろう。

 

紅音「第2ラウンドト行コウカ」

 

 紅音の6個の拳に火に覆われ、その拳を夕立に振りかざす。

 

夕立「私も」

 

 最初の拳を大きく横に跳び回避する。

 

夕立「本気を出すっぽい」

「ゴォォォォォン!!」

紅音「何......ダト......?」

夕立「......」

 

 夕立は2撃目の拳をなんと両手で真正面から受け止めたのだ。自らの何10倍もある燃え盛る拳をだ。しかしその両手、両腕はこれでもかと言わんばかりに青筋が浮き出てる。

 

夕立「これ......だけっぽい......?」

紅音「フッ......」

紅音「ハハハハハハハハハハ!!」

 

 その声を聞いた紅音は、顔を手で覆いながら大声で笑い叫ぶ。そして

 

紅音「ドウヤラ俺ハオ前ヲ甘ク見テイタヨウダ」

紅音「コノ拳ヲ止メラレタノハ久シブリダ!」

紅音「殺サナイヨウニ......息ノ根ヲ止メ無イ様ニトドコカデストップヲカケテイタ」

紅音「コレデヤット......」

紅音「1%ヲ出セル」

暴走を司るスキル『情熱暴走』ハンドリングバーサーカー

 

紅音の全身を数10万度の炎が包み、目の色が赤から白へと変わる。

 

紅音「行クゾ夕立!」

夕立「!」ピクッ

 

 紅音の口から直視できない程眩い炎のブレスが吐かれる。その炎の温度はもはや『燃やす』を通り越して、『蒸発』させるの方が正しいだろう。そんな恐ろしい炎のブレスが夕立に吐かれる。

 

?「やりすぎですよ」

 

 何処からともなく現れたマントを羽織った人物は夕立を脇に抱えると、観客席へひとっ飛びする。

 

夕立「ぽ、ぽい?」

?「初めまして佐世保の夕立さん。私は通りすがり......と言う訳では無いんですが」

夕立「?」

夕張「大本営所属の夕張と言うものです」

 

 

 

 

時雨「ゴホッゴホッ」

蒼音「......」

 

 地面に背をついて倒れている時雨を蒼音は右足で胸を踏み、眼前に刀を付き当てている。

 

時雨「降参だよ。僕の負けだ」

蒼音「ふんっ」

時雨「それに......」

 

 時雨は倒れたまま視線を闘技場の中心へと向けられる。

 

時雨「あっちも終わったようだしね」

 

 

 

 

「ビー! ビー!」

 

 闘技場のある地下の更に下の空間。そこでは現在、けたたましいアラームと共に闘技場へのカタパルトが開き、サヘラントロプスが発進準備をしている。

 

明石(本来は紅音達と時雨さん達が協力して倒す。そして絆を深める手助けをする様だったんですが......)

明石(この場合はあの紅音を鎮めるために使うとしますか......頼みましたよ)

明石(量産型ケニアントロプス)

 

 

 

 

?「仕事よ」

?「誰が鎮めるのです?」

?「ジャックは別行動中だし、私はねぇ......2人のちどっかでしょ」

?「じゃあ私がするのです」

?「じゃあ頼んだわよ」

 

 

 

 

紅音「夕張カ」

夕張「お久しぶりですね」

紅音「邪魔ヲスルカ」

夕張「このままだと殺しちゃいそうなのでね」

紅音「ソウカ......ナラバ、貴様モ相手ダ」

夕張「丁度良かった......私も新しい私を試してみたかった所なんですよ!」

 

 そう言い終わると羽織っていたマントを一気に脱ぎ捨てると、左手を紅音と対峙する。しかし

 

?「暴れすぎなのです」シュッ

紅音「!?」

「ド!! ゴォォォォォン!!!」

 

突如紅音の胸部に強烈な1撃の発勁が放たれる。その発勁により紅音は後方に吹き飛ぶ。

 

「パラパラ」

?「......」シュッ

夕張「ありゃ......?」

明石(一体何が,,,,,,!?)

紅音「ゴフッ」

川内「ああそう言う」シュッ

海風「理解しました」シュッ

川内「青葉ー!」

青葉『な、何でしょうか?!』

川内「紅音は私と海風で何とかするから、取り合えず皆を解散させて!」

青葉『分かりました!』

 

 

 数分後

 

紅音「本当ニ申シ訳ナイ」正座

川内「1回戦いを楽しむと周りが見えなくなる。そこは兄妹少し似てるんだから......」

海風「後処理をする私達の身にもなってください......」

紅音「何モ言エマセン」

川内「この前もこの前でさ」クドクド

紅音「ハイ、反省シテマス......スミマセンデシタ」

海風「そのセリフを何回聞いた事か......」こめかみ抑え

紅音「ソノ、何カゴ所望ノモノガアレバ手配シマス......」

川内海風「休み(ですかね)」

紅音「善処シマス」

 

 

 

 

 その頃、闘技場の更に下では。

 

妖精A「量産型サヘラントロプスの発進まだか!」

妖精B「それが......」

妖精A「?」

妖精B「命令を聞かないとの通信が!」

妖精A「なんだと!?」

妖精A「どこの射出口だ?!」

妖精C「射出口B......鎮守府正面海域です!」

妖精A「即応部隊を送れ! なんとしても海上に出る前に止めるんだ!!」

妖精B「即応部隊......間に合いません!」

妖精A「現地部隊はどうした!」

妖精B「通信に応答しません!」

妖精A「クソッ!」

?「......」

 

 

 

 

紅音「ふぅ......」人間の姿に戻り

川内「溜息つきたいのはこっちだよ」

紅音「休みだな......OK。頑張る」

夕張「こんにちはー」

紅音「こんにちは」

夕張「いやー面白そうな事してましたね」

紅音「まぁ、色々あってな」

夕立「提督さん」

紅音「?」

夕立「最後は夕立の負けっぽい。もし仮にあのまま戦ってたら確実に夕立が死んでたっぽい」

紅音「ふむ......」

時雨「僕も降参だよ。あんな姿見せられたんじゃ戦う気力なんか無くなるよ」

紅音「そうか?」

時雨「提督、君は人間かい?」

紅音「難しい質問だな......まっそんなの気にすんな」

時雨「......」

紅音「取り合えず俺と蒼の勝ちで良いんだな?」

時雨「いいよ」

夕立「良いっぽい」

紅音「ふふっそれでは2人には」

夕立時雨「?」

紅音「明日から長門達と一緒に訓練を受けてもらう」

夕立「夕立もっと強くなれるっぽい?」

紅音「あぁ強くなれるぞ」

紅音(簡単な事じゃ無いけどな)

紅音「て事で解散」

時雨「随分軽いね......」

紅音「俺はやる事があるからね。バイ」

 

 そう言うと紅音は武器を回収して颯爽と闘技場を後にする。

 

紅音「ふむ......」

 

 口に火の付いたタバコを咥えた紅音は、空いてる手に持っているバインダーに視線を送っている。バインダーに挟まれている紙には、数名の艦娘の名前と顔写真が載っており、紅音はそれをめくって行くと途中で手の動きが止まる。

 

紅音「ふむ......」

紅音「少し......気になるな......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お     ま     け

 

 

 

利根「紅音よ!」

紅音「どうした!」

利根「最高に面白いネタを思いついたのじゃ」

紅音「ほう?」

利根「吾輩は利根である」

紅音「うん」

利根「名前はまだない」

紅音「......」

利根「......」ドヤァ

紅音「......」

利根「......?」

紅音「おまえは何を言っているんだ」




 一応次の話は書き終わってるので、明日も多分投稿出来ると思います。


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教育

 決闘から数日が経過した。それ以降、時雨や夕立から襲撃はされなくなったが、他のまだ提督と言う者に敵意がある艦娘からの襲撃が増した。しかし紅音はその持ち前の力でそれを危なげなく退ける日々が続いた。

 そんなある日。紅音は執務室でいつも通りゲームをしていると。

 

「バァァァァァン!!」

紅音「!?」

 

 執務室の扉が勢いよく開いた。

 

蒼音「......」ずかずか

紅音「ど、どうした......」

「ダァァン!」蒼音が机叩き

紅音「壊れるから机」

蒼音「......」

紅音「そ、それでどうした?」

蒼音「いつまで......」

紅音「いつまで?」

蒼音「いつまで......佐鎮の艦娘を好き勝手させておくの?」

紅音「ンンッ(口調が早い......つまりめっちゃ怒ってる)」

蒼音「答えて」

紅音「ほ、ほら物事には順序ってのg「ミシミシミシミシ......!」oh......」

 

 木製のデスクに蒼音の指が食い込んでいく。

 

紅音「取り合えず落ち着こ? あと机壊れr「ダァン!」うん......」

蒼音「上官の命令違反......上官への反逆行為......ましてや襲撃......全部軍規に反してる......!」

紅音「いや、少しぐらい見て見ぬ振りおn「ミシミシミシミシィ!」......」

蒼音「何回も見逃した......でも......仏の顔も三度まで......」

紅音「まぁね? 1回落ち着こう? 机壊れるから」

蒼音「......」ピキピキ

紅音「机の上に大事な書類とか、あとディスプレイとフィギュアとかも置いてあるからさ......壊されると」

蒼音「」ブチィィィッ!

「バリバリバリィ!!」

 

 蒼音が食い込んだ指に力を入れ、デスクを左右に引きちぎる。

 

蒼音「話を......聞け」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

紅音「はい」

蒼音「......3日」

紅音「3日?」

蒼音「明日から......3日の間......3日経ってもに現状のままだったら......艦娘全員営倉送り......」

紅音「せめて一週k「3日」イエス、マム!」

紅音「あ、あの、ちなみに川内達は......?」

蒼音「全......員......!」

紅音「了解しました」

 

 そう言うと蒼音は執務室を後にする。

 

紅音「軍法会議にしないあたり優しい」

紅音「えっ? てかこれ凄くね? 鉄板もろとも引きちぎってるんだけど......」引きちぎられたデスク見ながら

紅音「やっべ! こんな事言ってる場合じゃねえ!」

 

 紅音はそう言うと執務室を出、廊下を走る。

 

川内「紅音じゃん。どうしたのそんな慌てて」

紅音「川内よ......緊急事態だ」

川内「?」

 

 事情説明後

 

川内「えっそれ私達とばっちりじゃん......」

紅音「本当に申し訳ない」

川内「でもなんで1週間?」

紅音「,,,,,,」考えこみ

川内「?」

紅音「......」チラッ

紅音「まぁ川内ならどうせ後で知らせが来るだろう......」

川内「えっ何が?」

紅音「約2週間後、国連軍東アジア基地でとある作戦についての会議がある。その作戦内容はまだ言えないが、その事を踏まえて明日から1週間。本当は本腰を入れてこの問題を解決させる予定だったんだ」

川内「国連軍が介入する作戦?」

紅音「ああ。作戦概要を見たがかなり大規模な作戦だ。規模で言ったら昔あったオーストラリア奪還作戦程の規模はある」

川内「へぇ」

紅音「だからどうせこの問題を間もなく解決する気だったわけだ」

川内「その作戦の方が気になるんだけど......」

紅音「なに、どうせ川内達の所にも作戦計画書が来るだろ」

川内「多分ね......で、なんかあるの?」

紅音「問題を解決させる案か?」

川内「それ」

紅音「それはもうありますよ」

川内「なに?」

紅音「power of justice」

川内「ハァ......」

紅音「俺は昔、隊長にこんな事を言われた『力で躾ればいいのよ?」と......」

川内「Sの隊長は特殊だから......」

紅音「陸軍時代の時に戻る時が来た」

川内「こわっ」

紅音「何時から俺がホワイト鎮守府を経営すると錯覚していた?」

川内「まぁ......程々にね」

紅音「任せろ。生意気な艦娘共に俺流の教育ってのを見せてやるよ」

 

 そう言うと紅音は廊下を進む。

 数分後

 

紅音(1番最初の犠牲者は誰かな?)

「ドォォォン!!」

紅音「早速か」砲弾避け

?「Dammit!」

 

 紅音を廊下の奥から砲撃した人物は走り去ろうとする。しかし

 

紅音「......」ガシ

?「!?」

 

後頭部を紅音に掴まれる。

 

「ミシミシミシ!」

?「アッガガ......」

紅音「上官への反逆行為。アメリカでは許さてているのか? Iowa」

「ミシミシミシミシ!」

 

 頭蓋骨から軋む様な鈍い音が聞こえる。

 

Iowa「アッアッ......」

紅音「上官からの質問にも答えない。アメリカ海軍は鈍ってる様だな!」放り投げ

Iowa「ッ......!」ギロ

紅音「なんだその目は? 言いたい事があるなら口で言わんか!!!」

Iowa「!「ビリビリ

紅音「立て」

Iowa「?」

紅音「立てと言われたら立たんか!!!」

Iowa「sir!」立ち上がり、直立

紅音「sirだと? ふざけているのか!! ここは日本だ!! 日本語で答えんか!!!」詰め寄り

Iowa「OK!」

紅音「日本語で返事をしろ!!!!」

Iowa「Ye、分かりマした!」

紅音「なんだその喋り方は!! 貴様上官を舐めているな?」

Iowa「N、NO!」

紅音「了解した......貴様、両手を地面につけろ!!!」

 

 Iowaはすぐに両手を地面につけ、腕立て伏せの体勢になる。

 

紅音「精神注入棒じゃ無いだけマシだと思え! 俺が良いと言うまで続けろ!! 分かったか?!! 始め!!!!」

 

 数10分後の廊下。

 

駆逐艦s「」ガタガタガタガタ

紅音「どうした!! 腰が上がっていないぞ!!!」

Iowa「ガアアアアアアアア!!」

紅音「あと10回で終わるのを許可する!!!」

 

 数分後

 

Iowa「ガハッ」バタン

紅音「やれば出来るじゃないか」

Iowa「」

紅音「立てるか?」

Iowa「N......立てないわ」

紅音「掴まれ」手差しだし

Iowa「ありがとう......」

 

 Iowaは立ち上がるも、腕に力が入らず腕はフラフラしている。

 

紅音「誰が腕を動かせと言った!!」

Iowa「すみません!」直立不動

紅音「......そのままだ」

Iowa「?」

紅音「俺が戻ってくるまでここでずっと立ってろ!! 良いか?!! 動いたらもう一度腕立てさせるぞ!!!」

Iowa「了解しました!」

紅音「声が小さい!!! もう一度言え!!!!」 

Iowa「了解です!!!」

紅音「言ったな? それでは俺は行く。もう一度言う、動くなよ?」立ち去り

Iowa「......」

紅音「返事!!!!」

Iowa「了解!!!」

 

 紅音はそのまま立ち去る。

 そしてしばらく歩き、Iowaが見えない位置まで来ると。

 

紅音「喉痛てぇ」

紅音「おかしいなぁ、昔はこのぐらいじゃ痛くなかったんだがなぁ......歳かな」

漣「20代が何言ってるんですか」

紅音「いつの間に居たんだ......」

漣「ちょっと気になってですね!」

紅音「しかし足音1つ聞こえなかったぞ......」

漣「女性には秘密が沢山あるんですよ?」

紅音「......そうか」

漣「そうですよ」

紅音「......」

漣「......」

紅音「じゃっ俺もこの後色々やんないとだからな、じゃあな」

漣「ご健闘を〜」手ふり

 

 漣は紅音を後ろから見送る。

 

漣「そう......沢山ね......」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅音「......ふむ」

紅音「やはり俺に反発してる艦娘全員を教育してる時間は無いな......ここは反発してる奴らの首領をやるしかねぇ。短期決戦だ」

「バァァァン!」戦艦寮の扉開け

扶桑「!?」

紅音「扶桑さん扶桑さん」

扶桑「え、あ、はい。なんでしょうか?」

紅音「ちょっと大和型呼んできて」

扶桑「何故でしょうか?」

紅音「......」ニッコリ

扶桑「は、はひぃ!」ビクッ

 

 出入り口近くの休憩スペースで休んでいた扶桑は全力で走り、大和型の部屋へ向かう。

 そして数分が経ち。

 

大和「......」

武蔵「......」

扶桑「......」ビクビク

紅音「上官を待たせるとは良いご身分だな」

武蔵「上官だと? ふざけるな」

紅音「上官への口答え。良い度胸だ」詰め寄り

武蔵「なんだ?」

紅音「歯ぁ食いしばれ!」

「ドゴン!」

武蔵「カッハァ......!?」

 

 強烈な腹部への一撃を受けた武蔵は後方へと飛び、そのまま地面で腹部を抑え悶絶している。

 

紅音「良いか? 艦娘は兵器という立ち位置だ。基本的に大切にしていればこの程度の暴力許される。分かったか!!!」

武蔵「ッゥ」ギロ

紅音「その目気に食わんな」ズカズカ

 

 紅音は倒れている武蔵との距離を詰める。その時

 

大和「動かないでください」艦装展開

紅音「......そんなおもちゃで俺を殺せると思っているのか? それに今、ここで撃ったら貴様の妹も巻き添えを食らうぞ?」

大和「......」

紅音「それにな......」拳銃取り出し

大和「なっ!?」

紅音「こう言うのは脅しに使う物じゃねえんだよ」

「パンパンパン!」

 

 M9A1から放たれた弾丸は武蔵の右ふくらはぎに3発全て命中する。武蔵はあまりの激痛に声にならない悲鳴を上げる。その声と銃声を聞いた戦艦達が集まってくる。

 

紅音「安心しろ。艦娘が9mm口径程度で死ぬものか」

大和「ッ!」

紅音「馬鹿が......」

 

 大和は弓を引くように後ろにやった拳を紅音の顔めがけて放つ。しかし紅音は大和の手首を取り、攻撃線をかわすと同時に、大和の死角に直線的に踏み込んで行き、円く捌き同方向へ導き流する事で無力化し、体を捌きつつ崩し、反対の手を大和の手の甲にかぶせ、手首を返して肘関節を屈曲させ仰向けにして倒す。

 

大和「!??!?」

 

 大和程の高身長の持ち主が空中を円を書くよう舞い、地面に倒れる。あまりにも一瞬の出来事に頭の整理が追いつかない。

 

紅音「ふん」

「ザワザワ」

 

 戦艦達の騒ぎを聞きつけてか、他の空母や、重巡と言った別の艦種の艦娘も集まってきた。その中の提督に殺意や敵意を向けている艦娘達が艦装を展開し、建物の玄関の前に展開している。しかしそれは紅音にとって逆に都合が良かった。

 

紅音「丁度いい。予定変更だ。全員教育だ」

扶桑「」白目

大和「......」ガタガタガタ

武蔵「アガ......ガァ......」足抑え

紅音「扶桑完全にとばっちりなんだよなぁ......後で謝るか」

 

 そう言うと紅音は戦艦寮の外に出る。

 

紅音「よぉお前ら!」

艦娘達「!?」

紅音「獅子の子落としって知ってるか?! まぁ要するに厳しく接しろって事だ!!」

艦娘達「?」

紅音「スゥゥゥゥゥ......せいれぇぇぇぇぇぇぇつ!!!!!!!」

 

 野次馬や艦装を展開していた艦娘達が反射的に整列する。

 

紅音「今から3日と半日の間にお前らのその腐った性根を叩き直してやる!!!!!! 手始めに全員手を地面につけろ!!!!!!」

「ザワザワザワザワ」

「パン!」銃声

紅音「さっさと地面に手をつけろ!!!!!! さもなければ足に風穴開けてやるぞ!!!!!!」

 

 整列していた艦娘が全員腕立て伏せの体勢になる。

 

紅音「俺が良いと言うまで終わるんじゃねえぞ!!!!!! 分かったか!!!!!!」

「......」

紅音「返事!!!!!!!」

艦娘達「了解!!!!」

紅音「始め!!!!!!」

 

 その腕立て伏せはその後、4時間続いたと言う。




 教育はまだ続きます。


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サバイバルゲーム開催(訓練)

 広大に広がる森林。

 その一角でけたたましい銃撃音とその銃声にかき消されないようにか、悲鳴にも似た声で通信機に指示を飛ばす1人の艦娘の姿。

 

不知火「各員牽制射撃を行いつつ、現在の陣形を保ったまま約2km先の市街地を目指します!!」

 

 不知火が指揮するは自信含めた総勢28名の小隊。更に現在28人を4名ずつに分け、系7分隊が一定の間隔を保った状態で森林を市街地へ向けて駆けている。

 不知火の小隊を追撃するは歯を剥き出しにした狼の部隊章をつけた4人の中の1人とその者が指揮する同じエンブレムをつけ、黒色のバラクラバで顔を隠した数10名の部隊。

 

 

 

 

 数時間前

 

紅音「おはよう諸君」

 

 グラウンドにて佐世保の全艦娘が集合させられ、マイクを握って居る紅音へ視線を向けている。

 

紅音「昨日あんな事があって混乱してたり筋肉痛の者も居るかもしれんが、今は質問を一切受けつけない。明石、説明を」

明石「はい、と言う事で寝起きでやる気が無い紅音に変わって私こと明石が説明します」

「パチン!」

 

 明石が指パッチンをすると、明石の後ろから数字が表示されている巨大なモニターが地面からせり出してくる。

 

明石「約2週間後、国連軍東アジア基地で人類の存亡を賭けた1大作戦についての作戦会議が開催されます。作戦の内容は一般艦娘にはまだ言えない内容ですが、おそらくあなた達全員が経験した事のない規模の作戦です」

明石「そしてこの数字は作成会議の日にちまでの残り時間です」

明石「この作戦に参加するのは軍隊だけではありません。大手のPMC数社も参加する事が決定しています」

「ザワザワ......」

 

 『PMC』と言う単語に艦娘達に動揺が走る。

 

明石「......大規模な作戦ともなればPMCは勿論、民兵組織と協力する事もさほど珍しい事ではありません。それにこの作戦に参加予定の大手PMC4社はそれぞれ何度も大規模な軍事行動に参加、尚且つ深海棲艦を何度も倒していると言う実績を持っています」

明石「少し話題がそれたので戻りますが、皆さんどうやら過去の資料を見る限り大規模作戦に参加した経験が無いようですね」

明石「なので急ですが今から訓練をします。それも陸上戦闘の」

 

 そう言うとどこからともなく、大きめのボストンバックを持ったアッカー達が現れ、艦娘1人1人にバックを渡していく。

 

明石「そのバックの中には皆さんが使う装備一式が入っています。そして今から4小隊に別れてもらいます」

紅音「ここからは再び変わって俺が説明する。まずバックを開けてくれ」

 

 艦娘達は各々にバックを開けていく。

 

紅音「ワッペンがあるはずだ。ローマ数字で「Ⅰ」「Ⅱ」「Ⅲ」「Ⅳ」のどれかが縫われていると思うが、それは各員の部隊だ。小隊長については既に決めてある」

紅音「第Ⅰ小隊長不知火!」

不知火「は、はい!」

紅音「第Ⅱ小隊長木曽!」

木曽「了解だ」

紅音「第Ⅲ小隊長天龍!」

天龍「おう!」

紅音「第Ⅳ小隊長長門!」

長門「腕が鳴るな」

紅音「もう一度言うが、現在質問は受け付けない。質問がある者は後で来い」

 

 そう一度区切ると再び話し始める。

 

紅音「今から5時間各員に銃の使い方やCQC、CQB等の基礎を教える。他にも砂漠や森林、豪雪地帯様々な環境での戦い方を5時間で叩き込む。その後1つ実地訓練を踏まえたサバイバルゲームをしてもらう」

紅音「これだけ大所帯だと俺や川内、海風、利根、比叡5人では全員に教えるのは難しい。そこで今回俺の親しい者達を呼んだ。出てきてくれ」

 

 紅音の左右の時空が歪んだように感じると、50人近くの黒色の戦闘服にバラクラバで顔を隠した兵士が姿を現す。その様子を見て1人の艦娘が「光学迷彩......!?」と呟く。そしてその兵士達の前に居るスカルバラクラバの4名が隊長格である事は明白である。

 

紅音「紹介しよう。彼らは民間軍事会社『World War Security』と言う超大手のPMCが有する特殊私兵部隊『WOLFHOUND』だ」

紅音「まずお前らから見て俺の右隣に居るのが『ボルト』だ」

ボルト「よろしくなのです」ペコッ

紅音「その隣、ロングコートを着ているのが『ジャック』」

ジャック「......」

紅音「んで俺のすぐ左隣が『ライトニング』」

ライトニング「よろしくね!」

紅音「その隣が『フューリー』」

ヒューリー「これは訓練......になるのかな?」顎抑え

紅音「そして4人の指揮下の隊員達だ」

 

 後ろの隊員達は休めの姿勢を保ったまま視線を正面に固定している。

 馴染みのなる茶色の目から青い目、その他にも多種多様な目の色や肌の色を持った人種が集まっている事が僅かに空けられた視界を確保する部分から分かる。

 

紅音「彼らがこれから5時間の教官にしてその後のサバイバルゲームの対戦相手の内の1チームだ。手加減はするなと伝えてある、気を引き締めろ」

 

 

 

 

 その発言から時は進み冒頭に戻る。

 

ジャック「こちら、エイハブ......ポイントアルファに、誘導、成功」

ボルト『こちらクィークェグ。こちらも同様に狐をポイントアルファに誘導成功』

ライトニング『エイハブ、クィークェグ了解したわ。スターバックも同じく追い込みに成功』

ヒューリー『イシュメールだよ。こっちも成功』

ライトニング『それじゃあブラッド・スポーツと行きましょうか』

ボルト『格下相手でも油断はダメなのです』

ジャック「窮鼠、猫を、噛む......」

ライトニング『分かってるわよ。油断はしないわ』

ライトニング『......ポイントアルファ侵入まで秒読み。10、9』

ジャック「......」スッ

 

 ジャックが手を上げると各員がGPNVG-18と言われる四眼のナイトビジョンを展開する。

 

ライトニング『6、5』

ボルト『......』

ヒューリー『......』

ジャック「......」

ライトニング『3、2、1、状況開始! 状況開始!』

 

 

 

 

 とある強襲揚陸艦の甲板にて。

 

夕張「......時間ね」

明石「とんでもねぇ、待ってたんだ」

 

 揚陸艦のすぐ上空を無数のF/A-18E/F、F/A-18Cが編隊飛行しながら市街地へ向かっていく。その編隊が飛び去ると空母、揚陸艦からこれまた無数の兵員輸送ヘリ、ホバークラフトが発進する。

 

夕張「私もそろそろ行くわ」

明石「はい。お気をつけて」

 

 夕張は髪を靡かせながら後部ハッチからV-107に乗り込むと、すぐにヘリは飛び立つ。

 ヘリの小さな窓から見える『大艦隊』と言う言葉が相応しい海を覆い尽くす艦艇群。窓から見えるだけでも空母8隻、揚陸艦10隻強、駆逐艦と巡洋艦に至ってはもう数え切れない。そしてこの他にも倍近くの数が視界外に存在する。それを考えただけで思わず夕張は苦笑する。

 

明石「さぁ見せてあげましょうか。世界一のハイテク軍隊を」

 

 ゲームは始まったばかり。




 投稿が遅くなって本当に申し訳ない(某博士並み感)


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