星が堕ちた花畑 (ARice アリス)
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よるのたんけん!

 

 

【隣国巨大衛星打ち上げ!星座のひとつとなるか!】

 

 

【昭和最大の稲作被害!!】

 

 

【琥珀の産出地!化石発掘も!夏場のおすすめ穴場!】

 

 

 

 

 

【平成最大の豪雨災害により村避難、村解体を決断】

 

【海外新型流行の恐れ、空港備え】

 

 

【村民は今!村長の死から29年】

 

 

 

 

 

【23:46 Lv<///| 】

 

「撮影済みです…」

 

 

 

「どれどれ、おー。規定値越えて、今日は雨が降ったから女王も活発なのかねえ」

 

 

■■さん、離婚したって」

 

 

「こんな仕事してりゃあな…」

 

「無駄話は止せ…!」

 

 

 

「現地着、えー…23・47ですね」

 

 

 

 

【現地職員■■■氏と接触】

 

 

「あー、いひひッ!!」

 

 

「平気ですか?■■さん」

 

「おい!」

 

■■、彼女たちは?」

 

 

「ええ、とても元気ですけけッ」

 

 

「医療班、抗体はどうだ?見てみろ…」

 

 

「正常値、ですね」

 

 

「彼女たちにちゅうしゃをうったあと、いたくなーいって、いい、いいい、いってもらってえ」

 

■■、止せ、引継ぎだ。」

 

 

「は、はは、勘弁してくれ…」

 

「良く務めた!…■■の自宅でビールでも飲んで休め」

 

 

「…そう、します」

 

 

 

 

■■■氏をトラックで回収、内部へ侵入するため、防護服着】

 

 

 

「愛娘の顔さえ見れなくなったそうだ…」

 

 

■■■で教育経験のある連中を入れてるそうだが…」

 

 

「喜び勇んで入った■■は今や彼女たちだ」

 

 

「やべっ」

 

 

 

 

 

■■村入室 現地協力員■■■■さんへ】

 

 

■■さん、今日は夜遅くまで」

 

「あー、構わん、他の連中は寝静まっとる。勿論じゃが静かにな」

 

 

 

【花畑中心地まで所要時間■■■秒、女王感染者■■氏接触】

 

 

「夜中まで照らしてこん人もまあ、眠れんわ」

 

 

「申し訳ありません、ですが調査と治療法の模索が急がれますから」

 

 

「ああ、そういうんじゃなよ、来てくれたおかげで屋根まで作ってくれたよ■■さん」

 

「うちのがすまんね」

 

 

「仕事ですから」

 

 

 

 

■■村学校校庭へクレーンにてカーゴ入庫 一時中断も即座に再開】

 

 

 

「これで二か月分は有ります」

 

「除花まで申し訳ない」

 

「こちらこそすまんねえ」

 

 

「いえ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「わー、すっごくでっかい機械!お兄ちゃん!どこから来たの?」

 

 

 

「よ■■!下がっとき!」

 

 

「はーい…」

 

 

「今の方は…」

 

 

「ガキん頃隣の悪ガキ仲間じゃった■■■じゃ。孫が欲しかった、言うとったからのお」

 

「止めますね」

 

 

「頼む」

 

 

 

 

【帰還、ゲート付近、彼女たちが集まる】

 

 

 

 

 

 

■■さん、ありがとうございました」

 

 

「構わん。雑誌までもらってすまんねえ」

 

 

「いえ、地名などは削られているので」

 

 

「うん、違うよ」

 

 

■■、行くぞ」

 

 

 

「それはどうした」

 

「花輪だそうです」

 

「そうか」

 

 

 

 

 

【ゲート封鎖 ロック固定確認】

 

 

「引継ぎ頼む」

 

 

 

「了解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この動画、どうです?」

 

 

 

「どうしたじゃないですよ!この前の攻撃で流出したファイルの中に有ったんですよ」

 

「連中高値で渋るもんでそれで」

 

 

 

 

「あ、ちょっと!支払いはいつも通り頼みますよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『朝、九時ごろ雑居■■ビル、職業雑誌記者の■■さんの遺体が』

 

 

『以前から記事の内容の中に…』

 

 

『恨みを持った個人の犯行とみて』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日から、俺は連中の言う『花畑』を目指す。それまでこの動画を取る」

 

 

 

 

金髪、黒碧眼の混ざったオッドアイの体格の良い男はカメラを持ちながら車庫へ向かった

 

 

 

 

 

ワンボックスカーの車のドアを閉め、車を車庫から走らせる

 

 

次には高速道路の車窓が映っていた

 

 

 

 

 

 

 

「星ノ村…そこに俺のルーツがある…」

 

 

 

 

 

車体が、がたん、と大きく揺れた




特定の団体や人を指すものではありません


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二話

【北西へと高速を走行している途中、 IC (インターチェンジ)で通行止めの為下道を通る】

 

「こんな時に限って、航空機の落下物だとさ…」

 

「幸先が悪いな」

 

 

 

「予定のルートは無しか」

 

 

【国道村30km範囲地点 用意させたパスを見せて様子見】

 

 

「検問…か」

 

『窓を開けてもらえますか?』

 

 

 

『申し訳ありません、この先。

 崖崩れの為、通行止めになって居まして。

 国道からではなく山道の許可を頂いた地元の方ではなくては通れないんですよ』

 

「あー、はい。これなんですけど、山道は何処からでしょうか」

 

「拝借します」

 

 

 

『おーい、審査機器どこだー?』

 

 

『バスの中だ』

 

 

「すみません、少々お待ちを」

 

片割れの男が取り出したのはテイザーガン(電気銃)

 

「ちっ、呑気におねんねしな。」

 

車を切り返そうとして、パチパチという電気ショックの音で私の意識は途絶えた

 

 

 

 

――――………。……。

 

 

 

……さん……。

 

 

 

 

かあさん、かあさん。

 

 

 

『いつも、記憶に現れる母の姿は不明瞭だ。』

 

 

 

 

ン、悪いねえ、いつも

 

 

 

『母さんはいつも暴力を受けていた、誰かしらに』

 

 

 

母さんは悪くないよ!あいつらが悪いんだ!

 

 

 

そうかい、でもね。心配だよ、アンタはアタシと比べて■ズつきや■いから

 

 

かあさんだって叩かれたら痛いだろ!

 

 

ふふ、可愛いわが子だよ

 

『撫でられたハハノ手は、冷たくも、熱く痛みを発するたんこぶにはそれでよかった』

 

 

 

今晩はなーに?

 

 

そうだねえ………。   ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふたつの光が迫ってきて

 

 

 

雨が、降っていた。

 

 

 

 

 

ん、ム。

 

サルグツワに両親指、足に結束バンド、どうやらここは

 

 

 

 

「わりいなあ、アンタのことは付けさせてもらってたんだ」

 

俺と彼らはトラックの中、座っている。

 

 

ガスマスクの男が…三人、一人は軍人らしい横合いには一人は柄が悪い武装した男だ

 

 

目の前にはプレートアーマーにガスマスク、白衣の男そいつは目が充血し、マスクの呼気も不規則だ

 

何やら太い針を腕に刺されているそれはおよそ小型発電エンジンほどの大きさの機材につながれていた

 

それと映し出される数値をまじまじと研究者然とした男は

 

「ふむ、フムフム、規定値より、おお!素晴らしい…」

 

 

興味なさげに小銃を肩に担ぎ、横目で黙認していた男は

 

「どうだい、こいつは」

なんとなしに語り掛けたのだろう

 

 

「検体XXX378と類似点が見られる。」

 

 

「男性体だってぇ?今まで感染が拡がっていても、おかしくないじゃないか」

 

粗野に見えて一応感染生物学の知識はあるようだ

 

 

「ワクチンの構成に彼の脳組織を採取させてもらえばいいだけだ、長年の悩みも…」

 

 

長年の悩み…こいつら、何の話を…ともかく、このトラックの行き先は…

 

 

 

 

 

《もりのおくふかくに、アリスと沙耶のすむもりがあるの。そこに私たちは向かっているんだよ。》

 

 

 

 

数値(・・)急上昇している(・・・・・・・)…塗材散布しろ!男を塗りたくれ!」

 

 

 

 

三人の男はこの目の前に浮いて現れた少女の何かしらにマズイことでもあるのだろうか

 

 

「ん、ンン?ボンベが出ない!」

どの塗布剤とやらのボンベにしても内容量が出ないようだ

 

『「隊長…不味いです。首が…ねじれ、」』

 

その運転手の男のつぶやきが山道を走る煩いエンジン音からやけに聞き取れると

 

男の首が水袋が簡単にはじけるように水音と共に破裂し

 

ばしゃあ、と前後ガラスがやけに激しくどす黒い血液をまき散らした

 

 

 

 

 

 

 

《待ってるから》

 

 

 

 

 

 

 

 

少女は赤く光る眼を残光に移し姿はぼやけた

 

 

 

 

無人運転であろう車は。何者かの操作で最後にブレーキがかかり停車した

 

運転席の死体から研究員の男はひどく興奮して何やら血液を採取したりしていて

 

 

軍人の男が運転を変わった

 

 



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竹花は新たに芽吹く ep01

 

竹の花は長いスパンで咲き誇り、簡単に散るらしい。

 

その様は不老長寿への欲望を抱かせる者や刹那を感じ取る者など様々だ

 

 

「笹がこんなとこまで」

 

「除草剤も効果なし、素手で触るのも地雷処理だしなあ。除去作業には火炎放射器を使っておるよ。」

 

「周りには大丈夫なんですか?」

 

「あそこらになると。ほら。」指さした先には

 

枯れ木、いや。燃え残った炭となった荒涼な荒れ地が山の中腹に川沿いに続いている。

 

村に近づくと更に歩く。高速具は付けたままで口は外してもらった

 

 

きゅいーんと線量計が音を立ててきききーききーと何かの値を記す針が右端で揺れている。

 

「ご機嫌だねえ。

 

「供物さえ与えれば、いや、どうなるやら分からん。」

 

「本国初の地球外惑星有人探査船それの今の姿が」あれだ。と塗布スプレーで軍人の男が指し示した先には

 

 

 

筒状の肉塊が触手のように蠢いていた。

 

おぞましい

 

 

その周囲には下座により祈りをささげる子供たち。

 

それぞれの頭の上にはいびつな肉が形作った花が咲いていた。

 

 

胞子を蒔いている。

 

 

 

「犬型の化物が時折咥えてあそこに刺していく」

 

 

”いのりをささげるもの ”のひとりが首を噛まれながら引き摺って肉触手の筒をデコレーションしてゆく

 

 

 

「雌花には雄花の花粉が必要だ。私たちはこの偽粉をつかい、あれに撒いて誤魔化していた」

 

 

だがどうだ、君があの映像を視界に居れた時点でもう、我々人類はもはやなすすべなく。

 

 

ああ、怒張している!君の献血のおかげで世界の終わりを防ぐことができるかどうかはわからないが。

 

あの肉のオブジェが君を求め震えているさまを見せられればこれはもう我々に打つ術はなく

 

ああ!祈りを!

 

 

 

「あいつは昨日までは大分まともな方だったんだがな。なまじっか頭が切れるもんだから」

指で頭を打つしぐさをすると

 

「おぞましい。」

 

 

「あんた、行くんだな?」

 

 

「精々現人類を頼むよ。」

 

 

俺は肉塊に包まれると発泡するように溶けていった

 

 

小さなビルほどある巨大な肉の筒の中は光に包まれていた

 

俺と対峙しているのは胴体につける位置を変えた人間のような模倣品

 

 

『エ"エ"エエエエエエゲケ"ェェッェッェェェェェェェェェェェェ』

 

とぐるりと身体をうねうねとひねりながら叫ぶと

 

右腕と左足を足のように右足と頭を前足のように使い俺の周囲を駆け回る

 

背中にいつの間にかあった鉄パイプのようなものを手に持ち。

 

タイミングを合わせて振り下ろし左腕を破壊。

 

その異形は花粉で出来ていたのか黄色い花粉が周囲に散っていった。

 

俺の肌に張り付き。巨大な腕が筒の一部から生えると俺を手づかみにして俺の身体から

植根がいたるところから生えて行く

 

 

 

 

――――――

 

 

男はもはやガスマスクを脱いだ。

 

「この山くらいか、死滅する範囲は」

 

赤黒い噴煙を肉筒の下方から噴き出している。

 

白人系であった男の顔もパラパラと筋組織を剥がれて行く

 

「あばよ、エイリアン」

 

噴煙は勢いを増し

 

それは宙を目指し遠くへ遠くへ飛んでいった

 

 

――――――

 

「現在都心では新型のウイルスが蔓延しており。」

 

 

 

 

「クラブのバーの総勢120名がクラスター感染によりその晩で死者となりました」

 

 

 

「ワクチンの目途は立っておりません。ご自宅に個別に部屋に入るなどの自身を身を守る行動を行っていただきます。よう、お願い申し上げます。」

 

 

 

 

「「よう」」

 

 

 

「「だれか生きているかー?」」

 

 

 

「「生きていたら練馬の救護所跡で待ってる。集合所があるから。そこで生活」」

 

 

「「しているからさ」」

 

 

「「待ってる…」」

 

 

 

 

 

『あの島に我々ジャーナリストが近づくのは30年ぶりです』

 

 

 

『おい!何だあれは!クジラじゃないぞ!!……!…………………~ー……

 

 

 

――――――

 

 

『なんだ、このカメラは。動くぞ?』

 

 

『資料にまとめて置こう』

 

 

『非合法に入ろうとした輩が沖合でβタイプにやられたんだろ』

 

 

 

『部隊長。民間のものと思しきカメラ製品を発見しました。』

 

『判った23番キャンプへ回せ。』

 

『馬鹿どもが…』

 

 

 

 

―――――――

 

 

 

『瓶底の眼鏡の太っちょジョナスがFPFをやるそうです12』

 

[lol]

 

[ウケル!]

 

いいね!6

 

 

はあ、全然動画が伸びないぞ

 

芸者ガールのズラ被ってみたけどウケルって言ってくれたのは友達のコメントだし…

 

 

ゴーストが時折窓からこちらを見ている気がするから今日はポップコーンをヘソで食べてみようかな?

 

笑い顔がカワイイからやってしまうんだが。

 

最近体臭がバイト先で"花の匂いがする"って評判だけど

 

 

グッドなゴーストなのかもしれないな いいね! ほら!チャーミング!

 

 

 

「次の…ニュースです。畜産牧場で大規模な牛の集団感染が発見されました」

 

 

 



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