FAIRYTAIL 火竜の軌跡 (SKーYM)
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第一章 はじまり
1話 火竜の帰還


ゼレフと和解し共にアクノロギアと戦い勝利と同時にこの世を去ってしまった。そう思い込んでいたナツは真っ白な空間に1人立っていた。

「ここどこだ?」

訳がわからないナツはその空間を歩き回る。すると突然一つの影が現れた。

「やあナツ」

目の前に現れたのはナツ自身の兄ゼレフ・ドラグニルだ。

「兄ちゃん...ここはどこなんだ?」

ナツは周りをキョロキョロしながらゼレフに聞く。

「もう、僕のことを兄と読んでくれるんだねナツ、ありがとう。」

そう言ってゼレフは頭を下げる。

「ギルドの仲間を傷つけた罪は重い。ホントなら兄ちゃんも倒さないと行けないけど...それを俺は出来ねぇ。どんなに腐っても家族の縁は切らねぇんだ。」

ナツの言葉を聞き、ゼレフは涙を流す。彼は長い時をナツの為に費やした。そして、魔法の理を侵したことによりアンクセラム神に呪いをかけられた。命を尊く思えば思うほど命を奪ってしまう恐ろしい呪いだ。そしてその呪いはそれだけでなく彼の命も不老不死という形で死ぬよりも辛いものを見せられてきたのだ。それでもナツのことを思っているゼレフにナツも考えたのだ。

「ナツ、ここはね世界の狭間っていう所なんだ。君は死んだけど死んでない。そういう魂がうろつく空間だよ。」

「その空間になんで俺と兄ちゃんがいるんだ?」

なにを言いたいのかさっぱり分からないナツはもどかしい様だ。

「まあ、簡潔に言うとね、君と僕は時を遡るんだ。」

「遡る?」

「もう1度アクノロギアを倒すために1から始めるんだ。つまり、僕達はX777年に行ってまた実力をつけてアクノロギアと戦うんだ。」

 

ゼレフのいっていることはこうだ。

1.X777年に時を遡る

2.今までと同じ行動をしながら今以上の実力をつける

3.アクノロギアを倒す

「なんか簡単すぎんな、ほんとに勝てんのか?」

「うん、僕とナツ、そしてイシュガルを代表とするギルド達がいれば必ず勝てる。ナツ、君はもうENDなんかじゃない。れっきとした人なんだ。だからもう君は悪魔か竜かで悩むことは無い。それじゃあそろそろ行こうか。僕はあっちの世界にいったら当分は会えないと思う。僕が残した負の遺産を回収に行かないと。」

ナツはうなづき、ゼレフが祈りをささげるように合掌をする、すると真っ白の空間は消え、真っ暗になった。

ナツの意識が朦朧とする中、ゼレフの声が聞こえる。

「あっちの世界に行くのはナツ、僕、そして4人の滅竜魔導士、そしてその属性を教わるドラゴンたちだ。姿は見えなくても君の中にイグニールはいる、会話もできるから困ったときは聞くといい。」

 

 

 

 

 

そして意識が暗転した。

 

 

 

 

 

X777年、ナツは意識がはっきりすると周りには草原が地平線の彼方まで広がっていた。

「ここは…イグニールがいなくなった時の場所…」

ナツはそのまま腕を見ると違和感を感じた。

手が小さくなっているのだ。慌てて水溜りに顔を映す。

「おお・・・」

ナツは少年に戻っていた。前回のような筋肉は無く細い筋肉が体を覆っている。

「ほんとに戻ってきたんだな。」

『そうだぞナツ。』

頭の中に声が聞こえる。

「この声…まさか!」

『心を落ち着かせるのだ。そしてゆっくりと目を閉じてみるのだ。』

「スー、ハー…」

ナツは目をゆっくりと閉じた。

目の前にはナツの育て親、炎竜王イグニールがいたのだ。

「と、とうちゃん…」

『久しぶりだなナツ。一年ぶりか?』

「ああ、イグニール。俺これからもっと強くなるぜ!俺達がアクノロギアを倒すから!だから俺!イグニールにずっとここで俺を見てほしいんだ!」

ナツははしゃぎながらイグニールに未来を語った。その光景を見てイグニールは優しくナツに微笑む。

『そうかそうか、分かった。俺はお前の中でずっと見守っておる、約束にひとつ魔法を教えてやろう。』

イグニールは腕に炎を流し、地面に思い切り叩きつける。するとナツの空間なのに大地のようなものが二つに分かれて火を噴いていた。

「すっげー!!流石イグニール!なんて魔法なんだ!?」

ナツは子供の目をしてキラキラとイグニールに聞く。

「これは炎竜王の崩刃という、お前が修行した炎竜王の崩拳と同じくらいの実力を必要とするがその分強いぞ、そしてこの技はまだ未完成だということもいっておこう。」

ナツは首をかしげながら未完成の意味を聞いた。

『この魔法は完成がそれぞれ違ってそれを完成させるのはお前なのだよ、この魔法は滅竜奥儀の元とでも思えばよい。』

「おう!分かった!見てろよ!俺がイグニールを超えるんだ!」

ナツは笑顔でイグニールに叫んだ。

『さて、そろそろ俺は眠りに着くとしよう。ナツ、これから先まだまだ足りないものが増えていく、そのときお前は俺を思い出すんだ。そうすれば俺はお前のためになんでもしてやろう。そして俺が何もできないときは家族と愛するものを頼るのだ。今のゼレフは昔の俺の友人であるお前の兄、ゼレフ・ドラグニルだ。黒魔導士なんかじゃあ無い。だからナツ、お前を大切に思っているもの達の為に強くなるんだぞ!』

イグニールの声が薄れていく。暫くしてナツは目を開け、フッと笑った。

「わーてるよ、イグニール。俺はギルドのため、兄ちゃんのために戦う。愛してる人ってのはわかんねーけど強くなるぜ!よーし!出発だー!」

ナツは大きく足を踏み出した走った。




続きは閲覧状況を見て評価がよければかきます。
感想などを参考にして書いてくつもりですので宜しくお願いします。感想がない限り上手くかける自身がないのでお願いします。


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2話 火竜の咆哮

こんなにも早く感想が来るとは思ってなかったので嬉しいです!週何回か投稿する予定ですので宜しくお願いします。


よっ!俺ナツ・ドラグニル!

イグニールが眠ってから1年位がたった!

その間だ俺はイグニールと約束した通り炎竜王の崩刃を出すための修行をハコベ山に潜ってしているんだ!

最初は俺の力がどこまで戻ったか確認するために色々と試した!そんで今できんのが

火竜の鉄拳

火竜の翼撃

火竜の咆哮

火竜の砕牙

火竜の握撃

火竜の剣角

の6つと後は新しく覚えた

火竜の剛拳だ。

やっぱり子供の体だと滅竜奥義を使うのは無理そうだった。でもイグニールから教えてもらった炎竜王の崩刃はこの体でもできそうだ。流石はイグニール。俺が子供の体でも大丈夫なようにしているみたいだしすげーな!

そして俺はその修行をしながらハコベ山のサル、バルカンの肉を食っていた。

「この肉不味いからなるべく食いたくないんだよなー」

もう少しでフェアリーテイルに入れるし我慢我慢...

「坊主、こんなとこで何をしておるんだ?」

後ろから年寄りの声が聞こえる。

「修行!鍛えて倒したい奴がいるんだ!だから篭って修行してんだ!」

俺は後ろを向かず肉を貪り食う。

「ほっほっほ、修行とな、じゃあお主、ワシがマスターをやっているギルドに来ないか?お前さんと同じ位の奴が沢山おるぞ?」

「無理無理!悪いけど俺はもう入るつもりのギルドを見つけてんだ!」

肉を食べ終わって寝っ転がって目を閉じる。

「ほぉ、お前さんが入ろうとしてる所とな、いいギルドなのか?」

「ああ!仲間想いで家族って呼べるギルドなんだ!だから俺、絶対そこに入るんだ!フェアリーテイルに!」

俺は堂々と叫ぶ。

「ほうほう!お前さん、ワシの顔を見てみぃ。フェアリーテイルを知ってるのならな。」

俺は目を開けで起き上がる。そしてその老人を見る。

俺よりも小さな体。しかし大きな印象を与える老人を俺は知っていた。

「ああー!!!」

叫んで指を指す。

「そうじゃ、ワシの名はマカロフ・ドレアー。フェアリーテイル3代目マスターじゃ。」

マカロフは俺を見ながらにやっとした。

「そーゆーことでお前さん。フェアリーテイルに来るんじゃろ?案内してやろう。また愉快になるぞぃ。」

マカロフはそう言って歩き出した。

「まっ待ってくれよー!」

荷物を瞬時にまとめてじっちゃんのあとを追った。

 

 

 

 

ハコベ山から降りて俺とじっちゃんはマグノリアに来た。

「そう言えばお前さんの名前聞いてなかったな。」

突然じっちゃんは俺の方に振り返る。

「俺はナツ!ナツ・ドラグニル!火の滅竜魔法を使うんだ!」

叫びながら俺はじっちゃんを見る。するとじっちゃんは微笑んで

「ナツか、滅竜魔法とは珍しい魔法を使うのう。いいかナツ、フェアリーテイルは仲間のことは断じて上っ面だけじゃない。ワシらは家族なんだ、家族は心に空いた穴を埋めてくれる所。これからお前さんも仲間想いの人に育ってくれ...」

じっちゃんの言葉を聞いて俺の顔はたぶん笑顔だったと思う。

「ああ!まかせとけ!俺どんどん強くなって仲間を守れるようになるからさ!見ててくれよ!」

 

俺とじっちゃんはフェアリーテイルの中に入ってった。

 

 

 

「マスターおかえり。その子供は?」

髭がないこのおっちゃんよく見たらマカオだ!

「今日から入る家族だ。ナツ・ドラグニルという。」

「よろしく!!」

「ほぉーまたいい子供を連れてきたな!ナツ、俺はマカオ、ここの連中は荒っぽいがみんな仲がいいからな、気楽にして行けや。」

そういって俺の頭をなでる。何やらもどかしい気分になる。

「それじゃあナツ、お前さんがフェアリーテイルの一員である証、ギルドマークを入れるぞぃ。どこか入れて欲しい場所はあるか?」

「じゃあ俺はここに入れる!」

右肩をじっちゃんの方に出すとそこにギルドマークが付けられた。これで俺もやっとフェアリーテイルだ!

「お?じーさん。そいつ誰だ?」

後ろを向くとそこには俺と同じ位のギルドメンバー、グレイ・フルバスターがいた。

「おお、グレイ。今日から入るナツだ。仲良くな。」

「あいよ。所でナツ、お前強いか?」

「ああ!俺スッゲーつえぇぞ!」

手に炎を出して答える。

「なら勝負だ!行くぞナツ!」

「こいグレイ!」

 

 

続く...?



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3話 火竜の鉄拳

「じゃーこれより魔法を使ったナツ・グレイの勝負を始めるぞぃ。制限時間は10分。それでは初めぃ!」

ナツとグレイは互いに前に飛び出す。

「行くぞナツ!アイスメイク...ハンマー!」

突然ナツの頭上から巨大な大槌が降ってくる。

「火竜の鉄拳!」

ナツは大槌を火の魔法でぶん殴り粉々に砕いた。

「火竜の翼撃!」

腕に炎を纏いグレイに向かって翼撃をぶつける。風が砂を撒き散らし砂煙が出来る。

砂煙が晴れるとグレイとナツの間には大きな氷の結晶が張られていた。

「アイスメイクシールド...」

「そんなのありかぁ!?」

「今度はこっちだ!アイスメイクキャノン!」

グレイの周りに氷の大砲が現れる。

「発射!」

大砲からは大きなガレキがナツに目掛けて飛んできた。

「うわあああ!」

ナツにそのガレキが何回もぶつかる。

「ってーな!お返しだ!火竜の咆哮!」

口から出てくる高熱の炎がグレイと周りを焼き尽くす。

「あっちあっち!アイスゲイザー!」

グレイの魔法で周りの炎が凍りつく。

「そろそろ決めるぞ!グレイ!」

「勝つのは俺だ!ナツ!」

互いに向かいあって飛びかかる。

「炎竜王の崩拳!」

「氷魔零ノ太刀!」

大きな爆発と共に周りが吹き飛ぶ。

辺りの草原一帯が荒地へと変わっていた。

「そこまで!この勝負引き分け!」

マカロフの声がかかり、勝負は終わった。

「くっそーもう少しあれば勝てたのによー。」

「アホ抜かせ。俺が勝ってたぜ。」

「んだよ」

「んだとコラ」

ナツとグレイは互いに睨み合って喧嘩している。

 

「これこれそこまでにせんか!」

マカロフが腕を大きくしてナツとグレイを叩く。

「「いってー!!」」

同時に頭を抑えながら叫ぶ。

 

その1方...

「すげーなあのナツってやつ!あいつらの中でいちばん強いグレイと引き分けだなんてよ!」

「ああ!エルザやミラでも適わなかったのにな!」

そう大人組のマカオとワカバが話す。それをナツは聞いて驚いていた。

(グレイがエルザたちより強いだって!?確かにあいつは前より強い。それに滅悪魔法を覚えていた。どーゆー事なんだ?)

ナツは思考を張り巡らせながら考えた。するとグレイの方から声がかかる。

「なぁナツ。お前のその魔法、誰に教えてもらったんだ?」

滅竜魔法のことを知らないらしい。それを聞いたナツはすこしがっかりしながら話す。

「俺のとうちゃんだ!イグニールってドラゴンなんだぜ!滅竜魔法って言うんだ!」

そういった時周りがシーンと静まり返った。

「ド、ドラゴン!?お前そんな奴に教えてもらったのか!?」

「そんな奴ってなんだよ!お前こそ誰に教えてもらったんだよ!」

そう。これがいちばん気になったのだ。グレイは前回だと冥府の門タルタロスとの戦いで父から授かったものだ。それもEND、俺を倒すために。

「俺はウルっていうすっげーつえぇ師匠に教えてもらったんだ!まぁ、教えてもらったのは造形魔法だけだけど...この氷魔零ノ太刀は滅悪魔法。悪魔を倒すための魔法は俺の親父から教えてもらったんだ。」

グレイの父、シルバー・フルバスターから教えてもらったのは確定のようだ。

「そうなのかー。なあなあ俺、とうちゃん。イグニールを探してんだけどもしかしてお前も探してんのか?」

「あ?んなわけねーよ。俺の親父もお袋も故郷で暮らしてるぜ。この魔法も強くなるために覚えたんだからな。ウルは聖十大魔道の序列6位なんだぜ!」

ナツは色々とこの世界と前の世界は違うようだと考えた。

グレイの両親は生きてるし、師匠のウルも生きている。どうやらこの世界は前の世界よりも優しく、温かみのある世界だということにナツはまだ気づけなかったのだ。

「まーいいや。なあナツ。俺の他に何人か同い年の奴らがいんだけどよ、今は仕事にでていねーんだ。帰ってきたら紹介してやるよ!」

「おお!楽しみだな!ならそいつらとも勝負だー!!」

ナツは大声を上げながらグレイとギルドに入っていった。

 



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4話 火竜の号声

ナツがフェアリーテイルに入ってから数日がたった頃2人の女の子がギルドに入ってきた。

「今戻った。マスターはおられるか?」

「あっつー。ここ暑すぎだろ!グレイ冷やしてくれ!」

ナツは肉を貪りながらグレイと話している。

「へー。お前S級魔導士目指してんのかー。」

「ああ、マスターに認められた奴以外なれねーんだぜ。お前も受けてみるか?」

「おお!受けれんのか!?ならなるぞ!S級になるんだー!!」

「まだ受けれねぇよちゃんと仕事をこなしてかないとな」

「チェー」

…とナツとグレイは話しながら飯を食ってると2人の女の子がきた。

「おい、グレイここ涼しくしてくれよー。暑くてやってらんないわー」

「あー?めんどくせぇよー」

「所でグレイ、そいつは誰だ?」

「?ああナツのことか。こいつは...」

グレイが説明をしようとするとナツは立ち上がって叫んだ。

「俺はナツ・ドラグニル!最近入ったんだ!宜しくな!」

「お、おう...」

1人の女の子が引く声が聞こえた。

「ふむ。威勢がいいな、私はエルザ・スカーレット。グレイとは同い年の換装の魔法を使う。よろしく頼む。」

この女エルザ・スカーレット。赤い髪が特徴の凛々しい聖騎士のようだ。

「あたしはミラジェーン・ストラウス。ミラって呼んでくれ。あたしはテイクオーバーって魔法のサタンソウルって魔法をつかうんだ。宜しくな」

この女ミラジェーン。すこし荒々しい見た目はヘタレ野郎などを近づけさせないくらいだ。

「そんな仲良くしていいのかよ。エルザもミラも、ナツはグレイと勝負して引き分けだったんだぜ。」

「そうそう。勝負とかした方がいーんじゃねーの?」

マカオとワカバはそう言ってると2人は目を丸くしてナツとグレイを見る。

「ほんとかグレイ?」

「嘘ついてねーだろーな」

2人とも信じられないという顔をしてグレイに詰め寄った。

「ああ、ホントの話さ。もしかしたら俺よりもつぇーんじゃねーのか。お前らと勝負しても決着が着くのは早いと思うぜ。」

「ならナツ。私と勝負しろ。お前の実力見てみたくなった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

「これよりナツ・ドラグニル対エルザ・スカーレットの勝負を始める!ルールは特になし!戦闘不能になった方が負け!始めい!」

『換装!炎帝の鎧!』

エルザの服が突如赤い禍々しい鎧へと変わった。

「行くぞナツ!」

「こいエルザ!」

ナツは拳に炎を纏ってエルザに接近する。

『火竜の鉄拳!』

ナツの拳がエルザの大剣と衝突する。

「くっ!はああああ!!」

ナツの拳を押し返そうと力が入る。

「甘いぜエルザ!」

「なに!?」

ナツは数メートル後ろに下がって魔法を発動する。

『いくぜ!火竜の....咆哮!!!』

ナツの口から灼熱の炎が吐き出される。エルザは体を縮めて灼熱に耐える。

「なにぃ!?」

咆哮が止んだ途端。エルザが突っ込んでナツを空へと弾いた。

『これで終わりだ!換装!飛翔の鎧!』

エルザは素早さが上がる鎧を身にまとい、ナツを多段に攻撃する。

「ぐあああ!!」

ナツはなす術なくエルザの攻撃を耐えた。

「私の勝ちだ!」

ナツの腹を思い切り叩き、地面に叩きつけた。

 

 

 

 

 

 

しかし

 

 

 

 

 

「残念!俺の勝ちだエルザ!」

ナツは全く無傷のように立ち上がり魔法を放つ。

 

「滅竜奥義零!紅蓮爆炎刃!」

 

 

爆発的な炎の刃がエルザに向かって放たれた。

そして空は夕方を見せるかのように赤くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エルザ戦闘不能!勝者ナツ・ドラグニル!」

 

 

 

歓声と共にナツが大声を上げた。

「いよっしゃああああーー!!!」

 

余談だが某雑誌出版社はナツの声はマグノリア全体に響いたと語っていた。

 



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5話 火竜と悪魔と氷と機械

よっ!ナツだ!

さっきエルザに使った魔法は滅竜奥義の魔力を弱くした滅竜奥義零ってのだ!これならこの体でも簡単に使えるんだぜ!でもこの魔法よりも炎竜王の崩拳の方が強いんだ!まあイグニールの炎竜王を引き継いだ魔法だからな!

「くっ...完敗だ...」

エルザは悔しながら負けたことを引きずってるようだ。

「さあーて次はミラかー?」

「よーし、ナツ!やるか!?」

「じゃーすこし休憩したらまた勝負をするぞぃ、ナツ、ミラ程々にしとけ。やりすぎるとさっきみたいに事件になっては叶わないからのう...」

マカロフは周りを見渡しながら言う。

ナツも周りを見ると草原がまた荒れ果てていた。

「ったく、ナツ。やりすぎだぞ」

「んだよグレイ、お前とやった時だってこんな感じだったぞ!」

正論を言われてぐうの音でないグレイは目をそらす。

「おい、めェそらしてんじゃねーよ」

ナツとグレイの会話が続くなか大きな爆発音がマグノリアの西側に響いた。

「なにごとじゃ!?」

マカロフはそう言って走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

爆発がした場所に着くと巨大なドラゴンが街を襲っていた。

「ドラゴン!?」

「いや違う!ドラゴンの形をした機械だ!」

よく見ると所々にてっぱんの後が見える。

「誰か乗ってるぞ!」

そう聞こえてきてナツ達はドラゴンの顔を見る。

「いやー楽しいねぇ!どうだい!私が開発した魔法機械、ドラゴノアは!こいつは本物のドラゴンより遥かに強く人を殺す事ができるぞ!」

乗っていたのは若い女だった。

グレイ達はそれを見ながらどう戦術を立てるのかを考えている。

 

 

 

 

 

そこに一つの影がでてくる。

 

 

 

「へぇー!じゃあ悪魔にはどうだい?テイクオーバー、サタンソウル!」

ミラが機械の中心に飛び魔法を発動する。

しかし、その機械には傷一つ付いてなかった。

いや、無かったのではなく、ついた途端高熱で傷が消えたのだ。

「なに!?」

「このドラゴノアは火の魔法を操るドラゴンなのさ!歴代のドラゴンの中でもこいつより強いドラゴンなんていないのさ!」

「んなわけあるかよ!そんな装甲すぐに引っぺがしてやらァ!アイスメイク...シルバー」

ドラゴノアの体が凍りついた。

「無駄無駄!このドラゴノアは高熱と火を使うって言ったろ?そんな氷なんざすぐに溶けちまうよ!」

『シュー』と音を鳴らし氷をとかした...はずだった。

何分経っても氷は溶ける気配が無かった。

「くそ!なんだよこれ!」

「俺の、親父の魔法を舐めんなよ。ミラ今なら行けるぞ!」

「分かってるよ!」

グレイの後ろからミラが飛び出してドラゴノアの腹部に魔法を放つ。

「イビルエクスプロージョン!」

闇魔法が腹部に数10回と当たり、中心に穴が出来上がった。

「よし!ナツ!いけ!」

「おう!」

今度はナツが飛び出し、ドラゴノアの顔、操縦席に立つ。

「よぉー誰だかしらんけど、歴代のドラゴンより強いっていってたよな?」

「そうだ!私が開発したドラゴノアはどのドラゴンも凌駕する!」

「じゃーてめぇはドラゴンを見たってこどだよな?」

「ああ見たさ!だけどそんなのよりも私が作ったこのドラゴノアの方が遥かに強いね!」

「じゃー俺がこれを壊したら死ぬよりも辛いことをするけどいいか?」

「はっ!そんなことできるわけないだろ!」

「現にいま腹ぶっ壊れてるぞ。」

「え?」

女は見ていなかったのか壊れたことにすら気づかなかったらしい。

「じゃーそろそろいーか。あ、俺の魔法は火だけどこいつ壊すぞ。」

そう言ってナツは拳に炎を纏った。

『炎竜王の...崩刃!』

イグニール直伝の魔法を初めて使った。形は違うがイグニールとナツの違いはイグニールは言わば尻尾をイメージしたものでナツのは3つに広がるイメージでまるで妖精の尻尾のようだ。

 

 

 

 

 

 

『ドーン...』

 

 

 

 

大きな爆発と共に爆風が巻き起こる。

 

 

 

ドラゴノアは跡形もなく消え失せていた。

 

 

続く!



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6話 火竜と星

6話 火竜と星

 

機械竜ドラゴノアを倒し、犯人は死ぬよりも辛い評議員の集う場所、エラにて無期懲役をくらった。そして2年程の時が経った。

ナツ、グレイはエルザと共に仕事に行っていた。

「なーエルザー。俺ら今日の仕事きーてねーんだけどよー。」

ナツはマグノリアの駅でグレイと共に不貞腐れて聞いていた。

「そうだぞエルザ、 俺とナツを連れてきた理由ってなんだよ。」

グレイもエルザに聞くがエルザは一向と現れて無いのだ。

「エルザーまだ来ねえのかなぁ」

「俺帰ろーかなー。あいつあと1じかんは来なそうなきがするぜ。」

「確かになー。あー早く他の仕事行きてーなー。」

そしてナツとグレイは愚痴を言いながら結局エルザがくるまで小1時間ほど待ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナツ、グレイ。待たせたな。」

エルザが大荷物でやって来た。

「「おせーよ!」」

壮大なツッコミを入れてエルザに叫ぶ。

「そうだぞエルザ、いくらなんでも待たせ過ぎだ。」

 

 

そう言ってエルザの後ろから出てくるのは

 

 

 

 

 

 

「す、すまん。仕事のこととはいえ、待たせすぎてしまったな、ジェラール。」

 

 

 

この男ジェラール・フェルナンデス。

前の世界では幼少期のころからゼレフの亡霊、悪魔の心臓(グリモアハート)のウルティアによって騙され続けたが今回の世界ではウルティアはウルの元で暮らし、ジェラールとエルザは楽園の塔から逃げてきたのだ。

 

 

 

 

 

「ジェラール!いるなら無理矢理連れてこいよ!」

「そうだそうだ!エルザに甘すぎるぞ!」

ナツとグレイはジェラールにまで文句を言うと

「すまない、だが、エルザがどうしてもと言うのでつい...」

「お、おいジェラール...」

ここでも相変わらずのようだ。

「んで、今日の仕事ってなんだよ。1ヵ月続く仕事っていってたよな?」

「ああ、今回はいまマグノリアに来ている令嬢を護衛する仕事だ。一月かけてアカリファまで馬車の周りを護衛する。いいな?」

「ああ」

「おう!」

ナツとグレイは快く返事し、ジェラールも

「さて、そろそろ行こうか、お嬢様が待ってるぞ」

そう言ってナツ達はマグノリアのカルディア大聖堂に向かった。

その途中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁジェラール。兄ちゃんて今どこにいるか分かるか?」

「手紙によると今はアルバレスにいるそうだ。どうやらオーガストとブランディッシュを探してるようだ。」

「へぇー兄ちゃんも大変だなー。」

「それはそうとナツ、今日の護衛の事だが大丈夫か?」

「護衛?ああ、あいつの記憶が無くても俺は大丈夫だ。あいつはあいつだ。今もこれからも。」

 

 

 

何を隠そうジェラールはゼレフ、ナツと共に前の世界の記憶を持っているのだ。ジェラールが言うに記憶を持ってるのは何人かいると言う話もきいてるそうだ。

 

 

 

 

「ナツ、グレイ、ジェラール、もうあちらの方は準備万端のようだ。」

エルザが大聖堂の中から出てきてその後ろにエルザと同じ位の背の女の子が出てきた。

「こちらが一月ハートフィリア家の護衛をさせて頂くフェアリーテイルの魔導士です。」

「ふむ、さすが聖十大魔道の序列5位マカロフ殿のギルドだ。いい者達が揃ってるようだ。」

「あらあなた。いつかは娘もお世話になるんですよ。それにこの子達なら必ず仲良くして貰えると思いますよ。」

女の子の奥から2人の男女が出てきた。

「ありがとうございます。ジュード様、レイラ様。」

そこにはハートフィリア財閥の当主ジュード・ハートフィリア。その妻レイラ・ハートフィリアが立っていた。そして...

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして!ルーシィ・ハートフィリアです!フェアリーテイルの皆さん私もいつかフェアリーテイルに入るのでよろしくお願いします!」

 

 

 

ナツとジェラールは少し頭を殴られた気分になった。しかし記憶が無いことは重々知っていたためすぐに切り替える。

「おう!俺はフェアリーテイルの魔導士、ナツ・ドラグニル!ルーシィ様、よろしくな!」

「俺はグレイ・フルバスター。ナツとは...親友だ。よろしくな」

「ジェラール・フェルナンデス。これからよろしくお願いします。ルーシィ様、ジュード様、レイラ様。」

 

 

「まあまあそんなに固くならないでね?私達はそのように畏まって欲しくてあなた達を選んだ訳じゃないから。ね?あなた。」

レイラは微笑みながらナツ達を見つめジュードにも聞く。

「ああ、マカロフ殿には色々と助け合ってきているんだ。第3の親だと思って接してくれ。それを私達も望んでいる。特にルーシィには敬語を使わずに接して欲しい。同い年なんだからね」

「うん!私のことはルーシィって呼んで!」

ふとナツの頭にハルジオンで出会った記憶が蘇る。

「ほんっと...変わんねーな..,」 ボソッ

「ナツなんか言ったか?」

「いや、何も。じゃールーシィって呼ばせて貰うな!」

「ああ、それなら言わばルーシィも私達の家族だ。なんでも言ってくれ。」

「ルーシィ。俺たちはハートフィリア家を必ずアカリファまで連れていく。約束だ。」

ナツ、グレイ、エルザ、ジェラールはルーシィと手を握った。

 

 

 

 

「...うん!」

 

 

 

 

 

 

 

ナツはルーシィを見つめていると目があった。

「...ニコッ」

ルーシィがナツに微笑んだのは気の所為だろうか

 

 

続く!



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7話 火竜の声

フェアリーテイルの魔導士、ナツ、グレイ、エルザ、ジェラール。

仕事でハートフィリア家をマグノリアからアカリファまで護衛としてジュード、レイラ、ルーシィに会う。しかしルーシィは前回の記憶が...?

「ジュード殿、今日はここで休まれてはいかがでしょうか?」

何十キロか進み、夜が近づいていく中、エルザからの提案だ。

「そうだな、今日はここらで休むとしよう。」

「では私達は食事の準備のお手伝いをさせていただきます。」

「あら、助かるわ。ありがとう」

「いえ、これも仕事ですので」

「ならグレイ君、ジェラール君。少し資料の整理を手伝って欲しいのだが」

「了解しました。」

エルザはレイラの元に、グレイ、ジェラールはジュードと共に馬車の中に入る。

「なーエルザ、俺は何すりゃいい?」

「そうだな...なら牧を...」

「ああ待って。」

エルザの指示を止めレイラがナツに

「お暇でしたらルーシィを見ててくれないかしら?」

「お、おっす。」

ナツはルーシィを探しに草原の方へ行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナツside

 

ルーシィ...ほんとに記憶ねーのかな...兄ちゃんやジェラールの他にも前の記憶があるってんならルーシィにもあってもいいじゃねぇか。

「ルーシィ」

俺は星を眺めているルーシィに声を掛ける。

「あ、ナツ!どうしたの?」

無邪気な顔で俺を見つめる。その顔は前の世界と変わらない愛しい笑顔だった。

「いやー暇だからよールーシィのとこに来た!」

「なによそれー。ねぇねぇナツってフェアリーテイルの魔導士の中でも強いの?」

「ああ!強いぞ!今はグレイとS級魔導士になるために仕事やってんだ!ラクサスはもうS級だけどいつか超えてやるんだ!」

そうルーシィに告げるとルーシィは嬉しそうに笑う。

「凄いね、ナツは」

しかしすこし寂しくそう答えるルーシィ。なにかがおかしい。

 

 

 

 

 

 

「ねぇナツ。最近ね、夢を見るんだ。」

突如ルーシィが話始める俺はその顔を見た時前のルーシィと姿が重なった。

「この国が無くなる夢、でもそれを阻止する人たち、でもねどんな人かは分からない。その変わり一つだけ分かるのはフェアリーテイルの紋章を付けている事だったの。」

「俺たちの?」

「うん、手にフェアリーテイルの紋章を入れてる人は国を滅ぼすための扉をまたべつの紋章を刻んだ人だったの。夢なのにきちんと見えるのは不思議じゃない?」

 

 

たぶんその記憶はフィオーレ王国の時の扉エクリプスの事だろう。

ただ夢でこんなに曖昧なのはほんとに夢を見たって事だろう。夢ならルーシィの記憶に俺たちはいない。ただ前の世界の事が映し出されてる訳だ。

だから俺はこのままにすることにした。記憶があるって確証は無いのだし

 

「ふーん。でも不思議じゃねーと思うぞ。夢ってのは自分が見たいのとは違ったりするからな。気にしなくてもいいと思うぞ。」

ルーシィには悪いけどあんまり俺が前の世界の記憶を持ってることは口外しては行けない。

 

 

 

 

 

ルーシィ

 

 

 

ごめんな

 

 

 

 

 

「ナツ、食事の準備が出来たぞ。」

エルザから声が掛かる。

「よし!飯だ!ルーシィ、行こうぜ!」

俺は手を差し伸べる。

「...!うん!」

 

星が輝く空の下、フェアリーテイルはこれからもおとぎ話は続く。

 



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8話 火竜の別れ

ハートフィリア家のアカリファまで護衛の依頼はもうすぐ終わろうとていた。

 

「ジュードさん、アカリファが見えてきたました。」

ジェラールはすこし前を歩いてる状態で1番最初にアカリファを目に付けた。

「そうか、フェアリーテイルのみんなありがとう。君たちのお陰で無事にここまで辿り着く事ができた。」

ジュードは深々と頭を下げる。

「い、いえ、これも仕事でありますから」

エルザはジュードの深々と下げられた頭をすぐに上げさせようと口が走る。

「いいえ、あなた達は私達の家族当然よ。短い間だったけど楽しい時間だったわ。それにナツくん、ルーシィと遊んでくれてありがとう。退屈しない旅だったわ。」

レイラはナツの頭に手をやって微笑む。

「俺も楽しかった!でもな、ルーシィの母ちゃん!頭を撫でるのはやめろー!!!俺は12歳だぞー!!!」

ナツの必死の叫びに一同は笑いあった。

おそらく次に会えるのは5年後だろう。そうナツとルーシィが初めてあった場所、ハルジオンにてまた再開出来るはずだ。

 

そしてアカリファに着き、別れの時がきた。

 

 

 

 

 

「それでは我々はここで失礼します。」

エルザの声を聞き、ジュードとレイラ、ルーシィはナツ達をみる。

「フェアリーテイルの魔道士諸君ありがとう。私達もここで新しい事業ができそうだ。」

「ええ、それに今度は私達が助けていく番ですからね」

「いえ、それには及びま....」

エルザが否定するが

「もう!こういう時は素直に聞きなさい!」

レイラの声がすこし強めに響く。

その声に同様してエルザも頷く。

「みんなありがとう!私も大きくなったらフェアリーテイルに入るんだ!その時は宜しくね!」

ルーシィの笑顔にみんなが「ああ」と返事をする。

 

そしてナツ達はレイラ達が用意した魔動四輪に乗り込む。余談だがナツはトロイアをゼレフから教えてもらい、乗り物酔いが無くなった。

 

 

 

「ナツ!」

 

出発する時ルーシィから声がかかる。

 

「なんだルーシィ?」

「あ、あのね!私ナツの事、大好きだよ!」

「?ああ!俺も大好きだぞ!ルーシィ!」

「私達もルーシィの事が大好きだぞ?」

「おう、もう俺たちは仲間だ!そうだろジェラール?」

「ああ、当たり前だ。少しの時間といえど俺達はもう仲間なんだからな。」

一瞬ジェラールの目がナツの方を向くが気づかなかった。

 

「だから待っててね!必ずフェアリーテイルに入るから!」

「!ああ!待ってるぞルーシィ!ギルドに入ったら仕事いこうな!」

 

ナツは手を差し伸べ、その手をルーシィは弾く。

『パァン!』

大きな音が鳴ってハイタッチの状態になった。

「またな!ルーシィ!」

「またね!ナツ!」

 

 

そしてナツ達はアカリファからマグノリアへ戻るのだった。

 

 

 

ナツ達が帰って少し。

「ルーシィ、ナツ君にはあなたの気持ちは上手く伝わらなかった見たいね...でも大...」

そういってルーシィを慰めようとするレイラだったがルーシィの目は輝いていた。

「大丈夫!また会えるもん!絶対フェアリーテイルに入るんだ!」

ルーシィは満面の笑で両親に告げる。

その笑顔を見たからかレイラとジュードは安心してアカリファの宿に入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~マグノリア~

 

アカリファからそれぞれ交代して飛ばして通常1ヵ月の距離を半日で帰ってきてしまったナツ1行、ギルドに入ると何やら騒がしかった。

 

 

「よぉナツ、エルザ、グレイ、ジェラール。1年ぶりだな」

手を上げて挨拶をする者。

「ギルダーツ!!」

 

 

この男、ギルダーツ・クライヴ。フェアリーテイル最強の魔導士だ。

「ギルダーツ!今回のクエストは早く終わったんだな!」

ナツが走ってギルダーツの元へ行く。

「いや、今回はクエストを中断して来たんだ。」

「どうしてだ?」

「まあ、今から分かるからマスターの話を聞いとけ。」

そう言うとギルドの上から声が聞こえる。

 

 

「ガキども!今年も時が来た!これからS級魔導士試験を受ける者を発表するぞい!」

そういうとマカロフは1枚の紙を広げる

「今年の挑戦者は...なんと3人じゃ!」

試験を受ける人数は年によって変わるが毎年1人や2人で3人と言うのは極めて珍しかった。

「おお!俺呼ばれねーかな!」

「まあじーさんの話聞いてみようぜ」

「誰になるのだろうな」

ナツ、グレイ、エルザは話ながらマカロフの発表を待つ。

 

 

「それでは発表する!1人目は....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレイ・フルバスター!」

 

 

「よっしゃー!!!」

 

「次!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェラール・フェルナンデス!」

 

 

 

 

 

「お、俺がS級魔導士試験に...?」

 

 

 

 

「最後は...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナツ・ドラグニル!」

 

 

「来たーーーー!!!ぜってーS級になってやる!」

 

 

「1ヶ月後、ここで試験の内容を発表する!それまでに鍛えてこぉい!」

 

 

 

 

次回、S級魔導士試験!ナツ、グレイ、ジェラールの挑戦!

 

続く!



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9話 火竜の猫

S級試験を受けることが決まって2週間後、ナツは家の周りで特訓をしていた。

「炎竜王の崩刃!」

腕に炎竜王の炎を纏い、岩に叩き付ける。

今はこの魔法を自由自在に使えるよう威力のコントロールをしている。

だが

『ドォ....ン....』

全く威力が下がらないのだ、ナツはうめきながら仰向けに倒れる。

「くっそー!やっぱイグニールの炎はコントロールがしづれぇなー」

青い空を見上げて風を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

すると空から何かが降ってきた。

 

 

 

 

「何だあれ?」

 

 

 

 

ナツはその物体をキャッチするとハッと気づく。

 

「これって...」

 

 

ナツはギルドに走った。

 

 

 

 

 

「じーちゃん!」

ギルドのマスターマカロフの元に駆け寄る。

「どうしたナツ、今日は修行じゃなかったのか?」

「してたらこんなの降ってきたんだ!」

ナツは目の前に差し出す。

「これは...卵か?」

ナツの身長の3分の1の大きさの卵がナツの手元にあった。

 

 

 

「ふむ、何かの卵かのう。してナツそれをどうするんじゃ?調理して欲しいのかノ?」

「ちげぇよ!この卵孵したいんだ!だからどこかいい部屋ねーかな!」

 

 

 

「なるほどなるほど、生命の誕生をその目で見てみたいと言うことか、いいじゃろういい家を依頼してやろうてはないか。リサーナ!仕事をたのんでも良いか?報酬は10万Jewelじゃ」

「話は聞いてたよー!そういうことなら報酬なしでも大丈夫ですよマスター!私も卵孵るの見てみたいですし!」

 

この女リサーナ・ストラウス。テイクオーバー、アニマルソウルを使う。

 

「リサーナ飯はどうするんだ?」

「大丈夫だよお兄ちゃん。ナツもいるから何とかするよ!」

この男エルフマン・ストラウス、テイクオーバー、ビーストソウルを使う。ミラジェーンの弟でリサーナの兄である。

「でもどうやってやるんだ?」

 

 

 

諸事情(早く続きが書きたいので)によりハッピーが孵化する寸前まで割愛w

 

 

 

 

 

 

「そろそろ孵るぞ!」

ナツの声と同時に卵が光り出す。

「なにが生まれてくるんだろうな」

「鳥じゃねぇのか?」

そういってグレイとミラが話す。そして卵が割れた。

 

 

「...あい!」

青い体をした子猫が顔をだして羽をだし弱々しく飛んでナツの膝に座る。

「「「..........可愛いーー!!」」」

一斉に声出し、猫を見る。

「?」

子猫は分からないのか首を傾げてみんなを見ている。するとナツが子猫を抱き上げ、

「よぉ!俺ナツ!俺とリサーナがお前を孵したんだぞ!」

そういって笑顔で子猫を見る

「あい!」

子猫は分かっているのか笑顔で返事をナツに返す。

「ナツ、この子の名前何にするの?」

リサーナが聞いてきて

「こいつを見た時ピンと来たんだ!空を飛んで青いから幸せを呼ぶ青い鳥から幸せをとってハッピーだ!」

「ハッピーか、いい名前だな。」

「ああ、幸せを呼ぶ青い猫、このギルドに幸せを続かせる猫といってもいいだろう。」

グレイ、エルザはナツに同意したのか頷いて答えた。

「ハッピー!今日からお前の名前はハッピーだ!よろしくな!」

「あい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして3年後。

 

ナツ、グレイ、ジェラールはS級魔導士試験に見事受かり、まさにハッピーは幸せを運ぶ猫としてギルドの家族としてナツと仕事に行っている。

 

 

その1年後、エルザ、ミラジェーンがS級魔導士試験に挑み、合格し、フェアリーテイルには新しく5人のS級魔導士が誕生した。

 

 

 

そして今、一つの絶望と呼ばれていた者、1人の青年がフェアリーテイルに足を運んでいた。

 

 

 

 

「ナツ....やっと会えるね...」

 

 

マグノリアの前でそう呟いた。



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10話 火竜と家族

こんにちはこんばんは、SKYMです。
次回から今までのFAIRYTAILのシナリオに沿って書いていきますがとりあえず設定をここで確認。そして784年に行っている間の設定を書きたいと思います。

このSSでは
ナツが強化
グレイの強化
ナツ、ジェラールの逆行でジェラールはエルザと共にフェアリーテイルに所属しています。
そして過去にルーシィとその家族とあった事があります。
グレイ、ルーシィの家族は生きています。

そしてリサーナの事ですが残念ながらエドラスに言ってしまいます。この作品はナツルーなのでナツリサ好きな方には申し訳ありません。

今回はあの有名な2人が出てきます。

それではどうぞ!



ナツとグレイ、ジェラール、エルザ、ミラがS級魔導士になって1年後。とある人物がフェアリーテイルの前に来ていた。

「ナツ、久しぶりに会えるね....」

そういって中に入ってった。

 

 

 

 

「フェアリーテイルへようこそ!」

カウンターには最近看板娘になったミラジェーン・ストラウスが立っていた。

「あの、フェアリーテイルに所属している人にナツっているかな。」

「ナツですか?それならそろそろ来ると思いますが...」

ミラはそう言うと飲み物を差し出す。

「とりあえず飲み物でも飲んで待ってはいかがでしょう。ナツの事なので必ず来ますよ。」

「おーす!今日も仕事いくぞ!ハッピー!」

「ほら噂をすれば。」

 

青年は後ろを向くとナツがギルドに走ってやって来た。

 

「ありがとう。それじゃあナツに会ってきます。」

「ええ、行ってらっしゃい。」

 

 

 

 

 

 

青年は椅子から立ち上がりナツの元まで歩く。

 

 

「ナツ」

青年はナツの名前を呼ぶ

 

「あぁー?」

ナツは誰なのか分からずに青年の顔を見ると驚愕した。

 

 

 

「久しぶりだね。ナツ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「に、兄ちゃん!!」

 

 

ナツの元に来たのはナツの実の兄、ゼレフ・ドラグニルだった。

 

 

ギルド内の全員が固まる。それはクエストから帰ってきていたギルダーツやマスターのマカロフまでもが。

 

「ああ、君の兄だよ。」

 

「「「「「「なんだってー!!

」」」」」」

 

ギルド内に多くの声が聞こえた。

 

「相変わらず愉快なギルドだね。だからフェアリーテイルは面白い。」

「に、兄ちゃん!どうしてここに!?とりあえず家に行くぞ!」

 

ナツはゼレフの腕を掴んで家に走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄ちゃん!どうしてここにいるんだ!?」

家につく途端ナツは大声でゼレフを問い詰める。

「ひと段落着いたからね。ナツの顔が見たくなったのさ。現に今グレイの家族やジェラールだって今ここにいるからこそ、デリオラやウルの事が無かったんだよ。あ、後、ナツに頼みがあるんだけどいいかな?」

ゼレフは立場が分かっていないのかナツに今度は質問する。

「お、おぉ。なんだよ」

ナツもナツでいいらしい。

 

 

「僕もフェアリーテイルに入りたいんだ。」

 

 

ナツは驚愕の目でゼレフを見る。

ナツは頭の中で

 

(兄ちゃんがフェアリーテイルに!?でも兄ちゃん、ゼレフは前の世界でフェアリーテイルのみんなを傷つけた...でも兄ちゃんは今まで自分のために動いたのではなく、俺たちを思って時を渡ろうとしたり、こうやってデリオラとかを食い止めてたんだ。なら...)

 

 

 

ナツは静かに呟く。

 

 

 

 

「じゃあなんでフェアリーテイルに入るんだ?」

1番の疑問。それでもナツには分かっているのに。

「君を、君が今まで歩んだ道を僕も歩きたいんだ。だから頼むよ。メイビスともまたやり直したいんだ。」

 

ナツとゼレフに沈黙が生まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....てことでこれが俺の兄ちゃんゼレフ・ドラグニルだ。」

フェアリーテイルの中で仲間に発表する。

「ゼレフ?あの黒魔道士ゼレフか?」

ギルダーツは驚きながら聞く。しかし

「ううん。僕はゼレフ・ドラグニル。黒魔道士じゃないよ」

ナツとゼレフ、ジェラールの間で決めた事だ。

もう今のゼレフに前の世界の様な不老不死はない。だからもう黒魔道士ゼレフでは無いのだ。しかし、もう、と言っても信用できるか分からないから黒魔道士ゼレフとゼレフ・ドラグニルは全くの別人として考えることを決めたのだ。

 

「ふーん。ナツと違って大人しめな感じだな。」

「そうそう。ナツのお兄ちゃんにしては落ち着き過ぎてるもんね。」

「いや!こいつの目は強い目だ....漢だ!」

いや違うだろ

そんなツッコミがきこえてくる。

 

「たしかに似てないかもねでもこれを見ればわかると思うよ。」

ゼレフは黒い炎をだす。

「なっ!」

「これはナツと同じ...」

「いや、ちげぇよ!これは...」

「これはね、黒炎と言って僕とナツの父、イグニールから教えてもらった滅竜魔法と僕の属性を混ぜた魔法だよ。」

ゼレフはそういって炎を消す。ギルドのみんなは声が出ないようだ。

 

「そういう事だ!兄ちゃんの事、宜しくな!」

 

ナツは笑顔でグレイ達に言う。

 

「ああ、ナツの兄なら私達の友で仲間だ。よろしく頼むゼレフ。」

エルザがゼレフと握手した。

 

「よーし!ナツの兄、ゼレフ・ドラグニルが入ったことだし、ガキども宴じゃーー!!!」

 

「「「「「「おおーーー!!!」」」」」」

 

マカロフの声がと共にギルドが騒がしくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼレフがフェアリーテイルに入り、その夜。ギルド内は静かになり、そこら中で寝ていた。

 

「ふふっナツの友達は愉快で楽しいね。こんないいところを僕は無くそうとしていたんだね....ナツに、メイビスに止めて貰ってほんとによかったよ。お陰で僕は愛されることを思い出せたし愛という本性を知ることが出来たよ。ありがとう。」

ゼレフは1人で起きギルドのカウンターで飲み物を飲む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると何やら暖かいものが近づいてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここはほんとにいいところだよ。そうだね?メイビス。」

ゼレフが後ろを向くと初代フェアリーテイルマスターメイビス・ヴァーミリオンがいた。

「そうですねゼレフ。私も嬉しいですよ。あなたを本気で愛せることを。」

「そうだね、でも君がここにいるのはなぜだい?君がここにいるのは肉体ではなく思念体。君は初代マスターのはずだろう?」

「はい、初代マスターです!しかし私は時を超えるためあの結晶で生きながらえているのです。ですがその代わり結晶から出ると2度と戻れませんし、ゼレフ同様ナツ達と一緒に歳をとっていくのです。」

ゼレフはその言葉を聞くと口角が上がった。

「なら、君を結晶から出せばきちんと体ごと愛せるんだね?」

イタズラをした子供のように笑うゼレフに対し、メイビスは見る見るうちに顔を真っ赤にしていく。

 

「ななななななななににいいってててるんですか!たしかにそうですけど順序ってものがあるでしょう!」

「え?今更かい?僕達は愛し合ったでしょ?キスもしたのに?」

「それでもです!私はもっとゼレフと冒険がしたいんですよ!」

(やっぱりメイビスは可愛いなぁ。どっちかっていうと妖精よりも兎が合ってる気もするなぁ)

そうゼレフは考えてると目の前にはメイビスの顔が鼻と鼻がくっつくほど近くにいた。

「なにを考えてるんですか。」

「メイビスが妖精じゃなくてウサギじゃないかなと思ったんだ...っよ!」

 

ゼレフはメイビスに飛び掛り抱きつく。

 

「ちょ?え?どうして触れるんですか!?」

 

「今僕が結晶を壊したから思念体と肉体が交代したんだよ。」

「そんなのありですか!?」

「ありだよ。だからいま出来てる。メイビス...」

ゼレフは深く唇をメイビスの唇に吸い付く。

「ゼレフ...」

 

とろーんとした顔でメイビスはゼレフを見る。

 

 

 

 

緩急のついた音はあけがたまで続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして784年。ハルジオンに1人の少女がいた。

 

「やっと会える...,.はやく来て。〇〇!!!」

少女の声は夜風に乗って飛んでいった。

 



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第二章 ナツの冒険録
11話 火竜と星霊の使い手


784年、17歳になったナツはハッピーを連れてハルジオンの港に来ていた。

「やっと着いたな。」

「あい、ナツがオイラで飛べば一瞬だったです。」

ハッピーは少し不貞腐れながらナツに文句をいう。

「まーいいじゃねぇかたまには列車でも」

ナツとハッピーは街へ歩きだした。

 

 

 

 

 

 

 

「すいませーん。ここにホワイトボギーのゲートの鍵ありますか?」

彼女、ルーシィ・ハートフィリア。5年前ナツ達と仲良くなった少女だ。

「あぁ、これだね?」

「そうそうこれこれ!おいくら?」

「20000Jewel。」

「....おいくらかしら?」

「だから20000Jewel」

ルーシィはムキになって

「ほんとーは、おいくらかしら?素敵なおじ.....キャァ!!」

 

突如後ろに引っ張られて誰かに担がれている。

 

「ほれじっちゃん!20000Jewel!貰ってくぞ!んじゃなー!」

少年はルーシィを担いで店を出ていった。

「..,いったい何だったんだか...」

店主はそう呟いて突っ立っていた。

 

 

そしてハルジオンの町外れにルーシィとその少年はいた。

 

 

 

「ふぅ、ここならいいだろ!」

少年はそういってルーシィを下ろした。

「よっ!ルーシィ!5年ぶりだな!」

「ナ、ナツ?」

ナツは手を上げてルーシィに挨拶をした。

「ジェラールから話は聞いてるぞ、記憶戻ったんだってな。」

「うん、でも5年ぶりだからナツが今くらいの背なのは久しぶりだなー。」

「そうかー?」

「そうよ!」

ナツとルーシィは久々の会話に華を咲かせていた。

「てかなんであそこで私を連れていったのよ!」

「あぁー、早くルーシィに会いたかったから。」

案外さっぱりと答えるナツに対し、ルーシィは少し顔が赤くなった。そしてナツに抱きつく。

 

 

 

 

 

 

「5年前は言えなかったけど...おかえり...ナツ。」

「ああ、ただいま。」

ナツはアクノロギアと戦いゼレフが死んだのと同時に消えてしまった。ルーシィは自分が書き換えたENDの書が消えるのをみて、ナツが存在することを確認したがその数分後にはナツが消えていたのだ。

「会いたかったよナツ。どうしてあの時いなくなっちゃったの?」

ルーシィがずっと言いたかった疑問だ。

それにはナツは答えることが出来ない。

「今はまだ言えねーけどいつか話す。だから待っててくれ。」

「うん...」

ルーシィは返事をして一つ思い出した。

「そう言えばニセサラマンダー!あいつはどうなったの!?」

「ああ、ここに来る途中で評議員に渡したぞ。ちゃんとボコボコにしたからな!」

ナツは笑顔で答え、ルーシィはそれを聞いて笑い出す。

 

 

「じゃあいくか!フェアリーテイルへ!」

 

「....うん!」

 

 

 

 

ナツ、ルーシィは歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナツ!おいらを忘れないでよ!」

「あ、忘れてた」

「あはははは...」

ハッピーを置いてきたことを忘れて行こうとしてしまったナツはハッピーに魚を大量にあげたとさ。



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12話 火竜とギルド

フェアリーテイルの前にナツ、ルーシィ、ハッピーが到着する。

「ようこそ!フェアリーテイルへ!」

ハッピーがルーシィに紹介する。

「じゃあはいろーぜ!」

ナツ達はギルドに入るとカウンターまで向かった。

「おかえりナツ、ハッピー。」

「お帰りなさい。」

「ナツ、そちらの子は?」

カウンターにはゼレフ、メイビス、ミラがバーテンダーと売り子をやっている。

「おうミラ、ハルジオンでフェアリーテイルに入りたいっていうルーシィだ。」

ナツはルーシィを前に出してミラに見せる。

 

「ルーシィ...。あ!5年前にナツ達が護衛して仲良くなった子ね!」

ミラは理解したのかすぐに答える。

「え?ナツ、ルーシィにあった事あるの?」

ハッピーが驚いてナツに聞く。

「ああそうだぞ、ハッピーはまだ生まれて無かったな。」

ナツ達が話していると2階から声が聞こえる。

「ルーシィだって?」

ルーシィが上を見上げるすると黒髪の青年が顔を出していた。

「おーグレイ、帰ってたのかー」

グレイが2階から飛び降りる。

「まあな、じーさんから頼まれた仕事をな。にしてもルーシィ久しぶりだな、ジュードさん達は元気か?」

「グレイも久しぶり!パパとママも元気よ!最近は評議会からの資料とかもまとめてて忙しい見たい。」

ルーシィの親、ジュードとレイラはハートフィリア鉄道を知り合いに明け渡し、アカリファで仲良く評議員の仕事をしているみたいだ。しかし鉄道を明け渡してもお金は増える1方らしく、ルーシィに3割ほど渡して残りは銀行に入れてるらしい、資産はおよそ兆を軽く超えるほどらしいと聞いた。

「まあ、立って話すのも何だし座ったらどうだい?」

「そうです!今日はルーシィの歓迎祝いと言うことで...」

「「宴だー!!!」」

ナツとグレイが叫ぶのと同時にギルドに歓喜の声が上がった。

 

 

 

 

 

 

宴も終わり、家族のいる仲間達は帰り、ギルドにはゼレフとメイビス、ルーシィ、ナツが残っていた。ハッピーは先に眠いと言って家に帰った。

「ルーシィ、あれからちゃんと話して無かったけどハッピーからなんか聞いてたか?」

ナツは真面目な顔をしてルーシィに聞く。

「ううん、ナツがENDだったて言うことしか。」

それを聞くとナツとゼレフは少し苦笑いをする。

「ご、ごめんね。でもナツはもうENDじゃないんだよね?」

「そうですね。ゼレフと私のアンクセラム神の呪いが解け、どうしてかは分かりませんがナツはENDではなく、1人の人間、ナツ・ドラグニルとしてここに今生きています。」

メイビスが曖昧な部分を教えてくれた。

ルーシィはそれを聞いて胸をなで下ろす。

「ルーシィ、君を随分と苦しめてしまった。すまなかった。許して欲しいなど甘いことは言わないよ」

ゼレフは深々とルーシィに頭を下げる。それをみたルーシィは慌てて

「う、ううん!ゼレフはナツと初代のためにやった事なんだよね?」

「ああ、兄ちゃんは俺たち、もちろん兄ちゃんも含めて幸せにするためにやった事なんだ。俺はそれをスゲェ事って思える」

「ナツ....ありがとう....」

ゼレフは1粒の涙をゆっくりとこぼした。

 

 

 

 

「ルーシィ、俺たちがいなくなってから起きたことを教えてくれないか?」

 

続く。



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13話 火竜のいない世界

突如ナツがルーシィたちの元から姿を消し、ナツを探して周りを見渡すがどこにもナツの姿も気配もなく、ルーシィ、ハッピー、グレイは涙を流した。

「ナツゥ....」

ハッピーはナツを呼びながらルーシィの腕の中で眠りに着いた。

この戦いが始まってからハッピーは一睡もせずにナツの隣にいたのだ。それを知っているルーシィはハッピーの頭を撫でる。

「くそ....こんなことになるんなら喧嘩とかしてる場合じゃなかった...ナツ...帰って来てくれ....」

グレイもナツとは喧嘩ばっかしていたがそれを含めて認めあっていたのだろう。

「でも...終わったんだよね...?」

 

ルーシィの言葉にグレイは答えない。

 

いや、答えられないのだ。まだギルドには帰ってもないし、仲間とも合流していない。ましてやあの黒竜アクノロギアもこの世界にいるのだ。終わったとは思えない。

 

 

 

そして突然視界が白くなり気がつくと前のルーシィの家、ハートフィリア家の部屋にいた。

 

何が起こったのかはわからなかったが、段々と記憶が蘇ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

「こんな感じで私もなにが何だかって感じで...記憶が戻ったのは3年前、まさかナツ達ともうあってるなんてね..」

 

その話を聞いたナツは沈黙をしていてそれをゼレフとメイビスは

「大丈夫ですよ。今はルーシィもナツもいます。だから今は前を向いていきましょう?」

「そうだよナツ。メイビスの言うとおりだ。それにイグニールとも約束しただろう?未来を語って生きるって。それが今だよ。なにかあった時は今はギルドだけじゃない僕達もいるんだ。だから安心してほしい。」

メイビスとゼレフの言葉を心に受け止め、ゆっくりと目を開けた。

「そうだな...俺も前より強くなってるんだ。大丈夫だよな!」

ナツは元気よく炎を吐き立ち上がる。

 

 

すると天井の木に接触し周りに火が広がる。

 

 

「「「「「あ」」」」」

 

「ナ、ナツのばかぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

ルーシィの叫びがギルドの中で響き渡った。

 

「わ、わりいわりい!」

 

「もー開け!宝瓶宮の扉!アクエリアス!」

 

ルーシィの精霊、アクエリアスが現れてナツの炎を消火した。

 

「サンキュールーシィ。」

 

「全く。私がいなかったら危なかったわよ!」

「そうだな、ルーシィがいないとダメだ。」

「...なによ、その言い方。」

「言葉の通りだよ。」

 

「やれやれ、ナツも無意識の様だね。」

 

「逆にあなたは気づき過ぎですっ!」

メイビスの言葉に今度はゼレフが反応し、ニッコリとメイビスを見る。

 

「じゃあ今日も寝かさないゾっ」

 

どっかで聞いたことある口調...

 

続く!



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14話 火竜の強化合宿!

「強化合宿?」

首をかしげる兄ゼレフにファイアパスタを食べながらナツが説明する。

「じっちゃんがな、最近討伐系のクエストが多くなってきたからギルド全体の能力を上げるらしいんだ...ごちそうさま。」

「へぇ、マスターもいろいろと考えているんだね。合宿っていうからにはギルド内ではないんだろう?」

「そのとおりじゃよ。おぬしもカンが鋭いのうゼレフ。」

酒を飲みながら歩いてきたマスター・マカロフ。隣にはオレンジジュースをもった初代マスター・メイビス・ヴァーミリオンもいた。

「合宿先はクローバーの町ですよ。ギルドマスターの定例会会場でもあるので、それに今回の合宿は3つのギルド合同合宿となっています。」

グビっと酒を流し込み、マカロフから説明が本格的に始まった。

「いいかガキ共、今回合宿に参加するからには本気でやるぞい!じゃが皆の場合、何を修行するかわからん奴もおるからな、なので今回はFAIRYTAILのS級魔道士が講師に付く。

では今から初代が割り振ったチームを発表する!」

「呼ばれた方たちは人からまりになってください。」

ザワザワしているギルドが一瞬にして静かになる、さすが初代といったところか。

 

 

『...で』

 

 

メンバーが決まった。

 

エルザチーム

カナ・アルベローナ

レビィ・マクガーデン

 

ジェラールチーム

フリード

ビックスロー

 

グレイチーム

エバーグリーン

ルーシィ

 

ラクサスチーム

エルフマン

ワカバ

 

ミラチーム

ジェット

ドロイ

 

ナツチーム

マカオ

ゼレフ

 

 

「では明日の正午にギルド集合じゃ!遅刻するでないぞ!」

マカロフの一言で終わり、またどんちゃん騒ぎが始まる。

 

「兄ちゃん俺のチームかー、あんまり、特訓できないかもな。」

「だめだよナツ、君はしっかりマカオについてあげないと。」

するとナツとゼレフのもとにマカオがやってくる。

「ナツ、頼みがあんだけどよ、俺の息子、ロメオも連れて行ってもいいか?えらくナツのこと気に入ってるみたいでよ」

「全然いいぞ!確かロメオも火を使えるんだったな。」

頭をかいてマカオが照れ臭そうに語る。

「ロメオの奴、ナツと同じで火を使う魔法にあこがれたみたいでな、練習して手のひらいっぱいに火を出せるようになったから特訓させてやりたいと思ってな。」

「へぇ、ロメオ君やるね、さすがナツにあこがれた子だね、やる気が感じられる。」

なるほどというというようにゼレフが笑う。

「確かにロメオの特訓もだけど今回はマカオ、お前の特訓でもあるんだからな。この前のバルカンを200は余裕で倒せるように鍛えてやるよ!」

ナツが『ニッ』と笑って言うがマカオは結構顔が引きつっていた。

 

 

 

 



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15話 火竜の強化合宿!その2

―クローバーの町―

 

「うっぷ...きもちわりぃ...」

列車から出てきたナツは酔いながら地面に突っ伏す。

滅竜魔導士特有の乗り物酔いである。

「こ、これはさすがに来るものがあるね...」

竜の力を得たゼレフも同様に列車で酔ったようだ。

「それでは合宿所に行きましょうか。」

ナツとゼレフを置いてエルザたちは合宿所へ向かう

「そういや合同って言ってたけどどのギルドが来るんだ?」

「まあ焦るでないぞグレイ。この合宿所にそれぞれのギルドが到着している用じゃからな。」

 

 

 

フェアリーテイルのメンバーが合宿所に着くとそこには

「お、きたな。」

「久しぶりだな!ナツさん!」

剣咬の虎(セイバートゥース)のスティング・ユークリフとローグ・チェーニがいた。

「スティング‼ローグ‼」

「この世界では初対面のスティングとローグも『前の世界の記憶』をもっているみたいだね。ということはここに来たのも」

「もちろんアクノロギアを倒すためだ。」

2人の力強いセリフと眼差しは炎竜王のように荒々しく燃えていた。

「ナツさん、俺たちが今回ここに来た理由は2つある。」

魔力を解放した、スティングとローグは滅竜魔導士が所有している最強形態、『ドラゴンフォース』へと体がうろこ状へと変化した。

「まず一つ目は俺たち自身のナツさんとの特訓。」

「2つ目はこのドラゴンフォースの力を自由自在に引き出すことだ。」

第三世代滅竜魔導士が使えるドラゴンフォースはいわば、身体強化のようなもので、実際は第一世代のドラゴンフォースよりも力が劣ってしまうのだ。

「俺たちのドラゴンフォースは体内にあるラクリマによって引き出すことができるけど、その分力を最大限に使用できないことなんだ。」

「そうなのか!だから大魔闘演舞の時俺と戦っても力が完全じゃなかったのか!」

納得したようにナツの脳が合点する。

「え?ナツさんそのことを知ってて行ったんじゃなかったのか?」

「たぶんナツはドラゴンを殺した力に対していったんじゃないのかい?ナツははっきり言ってそこまで頭はよくないからね」

驚いた顔をしているスティングに、ナツに対してきつめの言葉がゼレフの口から出る。

「ひど!」

目を白くさせてびっくりするナツ。

「ま、まあつまりそのラクリマが力を制御してたから俺たちは本来のドラゴンフォースの力をすべて引き出せなかった。」

「理由は力を制御できない体内のラクリマが破壊され、俺たちの力がなくなるからなんだけどな。しかし…」

そこまで言ったローグはゼレフのほうを見る。

「破壊せずに体内のラクリマを滅竜因子と融合させることによってリミッターを外すことができるんだ。」

「その融合をするために俺たちはいまここにいる。つっても実際ナツさんへの特訓と俺自身がナツさんに会いたかっただけなんだけどな。」

ケラケラ笑いながらスティングは空に咆哮を放った。

「まずは俺たちとの戦闘訓練‼…の前にほかのギルドにもあいさつ行こうぜ、ナツさん。」

「おお!燃えてきたぁ!」

 

 

 



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15話 火竜の強化合宿!その3

お久!
ほぼ一年投稿してなかったですね。私も仕事を退職しましていろいろなことに手がつくようになったので未消化だった「火竜の軌跡」の投稿を再開しようと思って今回投稿させていただきます。
そしてご指摘があったのですが、チラシの裏にて同じタイトルで乗っていたことがわかりましたが、気にせず(というか変える必要性はないと感じた)そのままこのタイトルで続けさせてもらいます。
基本的にチラシの裏ってみないんで…。
そういうことで15話大変お待たせ致しました。
どうぞ!


「さて、それじゃナツ。君にはマカオさんと炎だけの勝負をしてもらうよ。その間に僕はロメオ君に炎の制御を教えるから。」

ゼレフの提案に賛成し、ナツはマカオに炎を出すよう言った。

「マカオ、それじゃ兄ちゃんから言われたメニューをやるぞ。さっき聞いていたとは思うけどまずは俺と純粋な炎の勝負だ!」

「だがよぉナツ。俺の炎は出力とかじゃなくてただ消えにくいだけだぜ?それで勝負とか言っても無理だと思うんだけどよぉ」

マカオの疑問にはゼレフに書いてもらったことを説明する。

「えーと兄ちゃんの説明だと、『マカオの紫の炎は風とか水じゃ消えることがないから、その特性を使って魔物退治用の炎、守勢用の炎として活躍できる。ただ今の魔力じゃ出力が圧倒的に足りないことから、魔力の器を広くするためにより強い炎を出せる魔物を想定して魔力を出し切る。使いきれば使いきるほど魔力の器は増えるため枯渇と満タンの状態を繰り返して無理やり器を大きくする』…だってさ」

その説明を聞いたマカオはぽかんとしてナツを見つめている。その抜けた顔に炎を吐く

「マカオ聞いてたのかぁ!?」

「あっち!い、いやさ、あのナツが兄貴のゼレフの説明を読んでるだけでも成長したんだなぁって思ってよ。最初はあんなにちびだったのになぁ」

そういうとマカオは自分の膝くらいに手を当てて昔のナツの身長を再現する。

「ま、俺だって成長するってことだろ!いいからやるぞ!ロメオにいいとこ見せんだろ?」

「おう、よろしく頼むぜ!って兄貴に行っといてくれや」

「俺が相手するんだろぉ!?」

「うがー」と口から炎を出しながらナツは叫んだ。

 

 

 

「それじゃ、ロメオ君。まずは魔力の出し方から教えるね。君の胸、心臓にあたるところに手を当ててみて」

「う、うん…こう?」

一方ゼレフとロメオの二人はロメオに魔力の流れを感じ取る修行を行っていた。

「そう、そのまま鼓動を聞くんだ。その鼓動を手に持ってくるイメージをして」

「…なんだか手が熱くなってきた。」

「そう、それが魔力だ。うん。やっぱり君は筋がいい。これは将来いい魔導士になれるかも」

ゼレフの言葉で顔を赤くして笑うロメオは無邪気な子供でかわいかったとゼレフがメイビスに話すのだった。

「さ、次はその魔力で炎を出してみよう。まずはイメージ、君のイメージした炎はどんな炎だい?」

「えっと…おれのはナツ兄みたいに暖かくてでも力強い感じで…やさしい炎。」

イメージを言葉にするとロメオの手からオレンジの炎がろうそくのように出現した。

「いいね、じゃあその炎を大きくしてみよう。そう、そのまま包み込むようなイメージで魔力を段々手に流し込むんだ。」

段々オレンジの炎は大きくなり、ロメオの手のひらサイズにまで大きくなった。

「ゼレフにいちゃん…息がしにくく…」

「よし、じゃあ今度は魔力を体から外に追い出すように力を抜いて、そうすれば魔力の流れは止まるよ」

ロメオの体から力が抜けると同時に手のひらの炎も消えた。

「うん、初めて炎を出したみたいだけど上手だったよ。まだ手のひらくらいの大きさの炎だけど、毎日寝る前や、暇なときにやってみるといい。早く強くなりたいんだったら魔力を出し切るように心がけて炎を手に宿すんだ。目標は顔の大きさくらいに炎が出せるようになったらかな、さあ今日はこれくらいにしておこう。しっかり休んで魔力を回復することも大切だよ。よく食べてよく寝てよく動く。明日は肉弾戦の練習をナツとしてもらうからね。」

そういってロメオの頭をなでる。

どうやらナツのほうも終わったのか、マカオを背負ってナツがやってきた。

「兄ちゃん、こっちも終わったぞ。」

「ナツ兄…父ちゃん大丈夫?」

「ん?おう、大丈夫だぞロメオ。マカオはな、ロメオが馬鹿にされないように強くなって見せるって言ってたからさ、心配すんなよ。」

ゼレフ同様ナツも優しくロメオの頭をなでた。

 

 

 

そして遠くからメイビスとルーシィがそれを見て羨ましがっていたのをかの酒豪姉貴が見ており、ギルドの連中に広まったのは言うまでもなかっ。



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16話 火竜の竜覚醒

うぃっす、今回も投稿するっす


ナツとゼレフがコンボルト親子の修行を終わらせた後はスティングによるナツのドラゴンフォース覚醒の修行になる。

「じゃあナツさん。まず俺のドラゴンフォースを見てくれ。」

スティングはドラゴーンフォースの状態になるとオーラを放出し始める。

「俺とローグのドラゴンフォースはラクリマを経由しているから発動しやすいんだ。だけどその分ナツさんやガジルさんのドラゴンフォースには天と地の差がある。まあそこは俺たちの課題だからいいけど、俺がドラゴンフォースになったのはナツさんにドラゴンフォースの感覚を覚えてもらうため。」

そのままドラゴンフォースをとくと懐から手のひらよりも小さいラクリマを取り出した。

「これなんだ?」

ナツの疑問にはゼレフが答えた。

「ドラゴンの力を宿したラクリマだよ。属性は炎だね。」

「これは巨人族の里にいる守護竜アトラスフレイムの力を込めてもらったラクリマだ。ナツさんの父親…イグニールのことを説明したら喜んで協力をしてくれたよ。」

「おっちゃんがか‼元気にしてたか?」

「ドラゴンは記憶を残してるみたいでナツさんのことも覚えていたよ。いつか会いに行ってあげてくれ。っと、話がそれたな、このラクリマを使ってナツさんにドラゴンフォースの力を貸す。そんでその時の感覚を覚えてもらう。覚えたらその感覚を引き出して魔力を高める。そうすればドラゴンフォースの覚醒ができるはずだ。」

「よーし!やってみるぞ!」

スティングが持っているラクリマに手をかざす。そしてスティングはラクリマを持ちながらドラゴンフォースを発動すると、目に見えて魔力がラクリマに流れる。そのラクリマからナツに魔力が流れていくと、ナツのドラゴンフォースが発動した。

「なんかムズムズしてきた。」

「そのまま魔力を上げてみてくれ」

ナツが徐々に魔力を上げると周りの温度が急激に上がった。

「じゃあその状態を保ってラクリマを離してくれ。」

ナツからラクリマが離れると一段と温度が増した。

「この感覚か…よし!火竜の…咆哮!!」

上に向かって炎のブレスが飛ぶ。その威力は莫大に上がり、暗い夜を昼間かと思うほどの炎が出現した。

「さすがだぜナツさん。ただこれでラクリマと俺の役目は終わりだ。あとは感覚を覚えたナツさんならできるはずだ。」

「おう!ありがとうなスティング‼…ところでローグは?」

「ローグは参加しなかったギルドのファントム・ロードに行って同じことをガジルさんにやってると思う。」

「何ぃ!?ぐぬぬ…ガジルには負けねえぞ!!!」

ナツは鼻息を荒くしてドラゴンフォースの修行をするのだった。



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17話 双竜の挑戦

合宿2日目、マカオとロメオは昨日と同じメニューをこなした後、ナツとロメオは肉弾戦、つまりは格闘を使った修行を行っている。

ちなみにマカオは昨日と同様魔力を使い切って倒れている。

 

一方ゼレフはスティングとファントムから戻ってきたローグに体内のラクリマと肉体を融合させることに集中していた。

 

「まずは君たちのラクリマに自分の魔力を込めるんだ。確かホワイトドライブとシャドウドライブだったかな、その容量で魔力を上げながらラクリマに流すんだ。」

「…えっと…こんな感じすかね?」

スティングはホワイトドライブの一歩手前で止めた状態でゼレフに聞く。

「うーん…ちょっと魔力の流れが急すぎるかな。あ、ローグ君はいい感じだね。」

「何ぃ!?」とスティングが驚いてローグを見ると勝ち誇った顔でスティングに

「俺のほうが覚えは早かったようだな、スティング」

見事に煽ってきたのだ。それに腹が立ったのか、ムキになりながら魔力の流れを感じ始めた。

「うん、いいね、その状態を保ったままラクリマが体内で溶ける感じをイメージするんだ。ラクリマの結晶が全身にいきわたるように…」

段々体内への意識が深まっていくスティングたちは沈黙した状態で目をつむっていた。

「そのまま…溶け切ったのを感じたら一気に魔力を上げて、今度はドラゴンフォースのイメージだ。」

「ムムム…ハァ!…うわ!」

「ヌゥ⁉」

双竜ははじかれたように体が起き上がった。

「うーん、失敗したようだね…。まあ初めてじゃそこまで行くこと自体が珍しいから焦らなくても大丈夫。さ、もう一度。」

ゼレフの合掌で双竜は再度挑戦し始めた。

 

 

 

「いいかロメオ、マカオとロメオの炎の特性は違うのはわかってるか?」

ロメオはわからないと首を振った。

「マカオの炎は『消えない』だ。どんなに水をかけられてもどんな強い風が吹いても消えない、それがマカオの炎だ。

そんでロメオの炎は『調和』だ。どんな魔力でも炎で包み込み、ロメオ自身の魔力に変えてくれる。それがロメオの炎だ。兄ちゃん曰く、結構珍しいんだってよ!」

「そうなのか!これなら俺、ナツ兄みたいにS級魔導士になれるかなぁ!」

目を輝かせながらロメオはナツを見つめる。そしてそれにこたえるようにナツは笑顔で

「おう!お前なら絶対なれるさ!けどそれにはまずはでっかくなんねえとな!」

「うん!俺ナツ兄みたいにでっかくなってS級魔導士になるんだ!」

ナツとロメオはまた格闘法を練習し始めた。

 

 

 

 

「ナツーこっちのかまどもお願い―」

ミラの声につられてナツはかまどに火を入れる。

「これでいいか?」

「うん!大丈夫!ありがとうナツ、おかげで助かっちゃった。」

今日はミラが合宿メンバーにカレーをふるまうことになったのだ。

ライスとカレーをエルフマンの5倍はある鉄鍋に入っている。なぜこんなに多いのかは、怪獣の肉1体分を余裕で平らげるほどの腹を持つ魔導士が5人もいるのだ。それなら仕方ないというようにこのような大きな鉄なべを用意したのだ。

 

案の定ナツ達全員が腹いっぱいになってちょうど食べつくした。

ルーシィたちはその光景を引きつった顔で見ていたようだった。



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18話 停滞

合宿3日目、マカオとロメオは相変わらずで、ナツはドラゴンフォース覚醒の修行を行っていた。

しかし、うまくいかないのか自力でドラゴンフォースの力を引っ張り出そうとするが、全く反応ないのだ。ゼレフにも不明で、ナツ自身も頭の上にクエスチョンマークを浮かばせている。

「やっぱりできないな…僕にもわからないなんて…これは研究のし甲斐があるなぁ。ナツ、一度中断だ。これ以上無理やり引き上げようとすると魔力枯渇状態になる。」

ゼレフの言葉に反応して中断しゼレフのもとへ足を運ぶ。ムスッとした顔でナツはぼやき始める

「大丈夫だろ、そんなに俺弱くねえぞ」

「だめだよナツ、君は体を大事にしないといけないよ。心配ばかりかけちゃいけないことだってあるんだ。こんな時くらいは兄の言うことに従わないと。」

「何でだよ!兄ちゃんだって最近無理して初代と遊んでんじゃねーか!」

ゼレフの笑顔が引きつる。

「…ナツ。なんでそれを知ってるんだい?」

「見たから」

口をあんぐりと開けてゼレフは固まった。その後。

「ナツ、人には見られたくないものだってあるんだよ…じゃあ今日はエルザにたっぷりしごいてもらうといい。」

指を鳴らすとナツの後ろにフックのようなものが空中に出現して、ナツの首根っこをつかんだ。

「グえ!」

カエルがつぶされたような声とともにナツが空中につらされて温泉まで連れてかれた。

 

 

 

~女子風呂~

一方ルーシィたちは修行の疲れを癒すために温泉でくつろいでいた。

ルーシィ、エルザ、レビィ、カナ、ミラの5人が会話に花を咲かせている。

「んー!合宿もあと3日‼折り返し地点も過ぎたねぇ」

手を上に伸ばしながらルーシィは「あ”あ”~」という色気もくそもない声を出してぐったりしている。

「ああ、私たちのメンバーも初日と比べて2倍以上は魔力は上がったぞ。」

エルザのチームも順調なようだ。

「ただ、純粋な魔力量を上げても使えなければ意味ないからな、しっかりコントロールして初めて自分の力にしたといえる。」

「そういえばルーちゃん。ナツもなんかものすごい力を使う練習してるんだっけ?」

レビィの質問に顔を引きつらせながらルーシィは

「う、うん。ドラゴンフォースっていう力を自由自在に引き出せる練習をしているんだって。」

「へー。ルーシィ異様にナツのこと知ってるよねぇ、もしかしてこれだったりするわけ?」

カナは小指を立ててサインする。

「ち、違うから!ナツとはそんなんじゃないから!」

「あらそうなの?でも確かにルーシィとナツってお似合いだと思うのよね。」

ルーシィはこの時、前の世界のナツのお宝騒動を思い出した。

(あの時もミラさんのせいで急に意識いだしちゃったのよね…)

「い、いかんぞ!そういうことはしっかり相手と話し合ってだな…」

エルザは頬を赤らめて静止し始めた。

ただ、忘れてはいけない。恰好の獲物はルーシィだけではないのだ。

「そうは言いつつエルザはジェラールとどうなの?ほらほら、お姉さんに話してみなさい?」

悪乗りしだしたのかカナはじわりじわりとエルザのほうに向かっていく。

「なにも!なにもない!私とジェラールはそういうのではなく…」

「でもいっつもクエストはジェラールと一緒に行ってるけどねえ、まるでアルザック達を見てるように思うんだけどなぁ!」

にこにこしながらミラも近づいてくる。

「い、いやそんなことは…」

段々後がなくなってきたエルザに助け船を出そうとすると

「ほらほら、そろそろ温泉しまっちゃうしでよ『のわあああああああ!!!??』っ!?」

大きな水しぶきとともに大きな物体が大声を上げて落ちてきた。

「⁉誰だ!」

エルザがすかさず剣を換装して具現化させる。

「あい・・・」

落ちてきたのは先ほどゼレフに空の旅へ連れてかれたナツであった。

「ナツ⁉」

「おー?なんだナツ、堂々とした除きだなぁ?」

「そんなんじゃねーよ!」

すかさず突っ込むナツ、ルーシィはつこっむナツを見て新鮮さを感じていた。

「なんだナツか。なら大丈夫だろう。そろそろ風呂も閉まってしまうし、どれ、背中を流してやろう。ほらこっちにこい」

ハッと我に返ったルーシィは天に叫ぶように

「ダメ――――!!!」

と大声を出した。

 



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19話 成長の記録

温泉につかり終わったルーシィたちは、ナツ達のいる部屋で今後の予定を立てていた。

 

「今日が終わって、残り3日。成果のほうを聞きたくてな。」

エルザの提案に乗ったナツ、ゼレフ、ジェラール、グレイにそれぞれ聞くことになった。

「俺のほうはルーシィがもう少し魔力を上げないといけないな、星霊魔法は1体を召喚するのに魔力を大量に使っちまう見てぇだから魔力の回転と枯渇、回復を繰り返してこのまま行う予定だ。エバーグリーンは魔法の精度を上げることに集中といったところだ。」

グレイはしっかりメンバーを見て、改善点を上げていく。その光景を見てルーシィも少しは感心を示したようだ。

「そのまましっかり見てやってくれ。なぁ?ルーシィ」

「うん。もっと魔力を上げて最低でも3人は召喚できるようにしたい!」

ルーシィも負けんといった感じで鼻息を鳴らしている。

「ではジェラールのほうはどうだ?」

「俺の方では特に改善点は見つからなかった。ただ、フリードもビックスローも魔法の精度はいいが威力があまりない、だから根本的な魔力量よりも使用する魔力を増やして威力を上げることに時間を使うことにした。」

「雷神衆も協力になっていくな…。では私の方だが、カナはカードを変換する速度を上げる修行を行っている。レヴィは…知識だな、レヴィの強さは力ではなく知であることだ。ならその知識を増やすために評議員から『借りた』書物を読んでもらっている。」

「あれは最高だよ!私も知らなかったことがいっぱい書いてある!」

エルザと言えばスパルタなイメージが多いが、今回は改善しなくてはいけないことや、長所を伸ばすことに専念したようだ。ちなみに修行しているときおエルザは仙人のような恰好に換装している…付け髭付けて。

「ではナツの…いや、実質ゼレフのほうは?」

「僕の方ではコンボルト親子に魔法の特訓かな、マカオさんはスパルタでナツと炎の肉弾戦、ロメオ君は魔法の制御とナツとの近接戦闘を軸にやってるよ。」

ナツは思い切り腹を出してハッピーと寝ているが…まあ気にしてはいけない。

「ナツも変わったよね!前にギルドに入りたての時は頭よさそうだったのに、今じゃこんなにバカみたいに寝て…」

誉め言葉のつもりだろうからあまり気にはしないが全員噴き出しそうになっていた。

 

 

「皆に関してはそのくらいか、では明日からも残っていることだしそろそろ…」

「ちょっと待って!」

エルザが解散の合図を出そうとしたが、レヴィに止められた。エルザ達が不思議に思いレヴィを見つめるとレヴィはナツとゼレフを見ていた。

「ねえ、ナツとゼレフはドラゴンに魔法を教えてもらったんだよね?評議員の書にも滅竜魔法『ドラゴンスレイヤー』のことは極秘扱いされてたんだけど、どういうこと?」

一瞬ゼレフは口を固まらせる。

「そうだ、俺も気になっていたんだ。ドラゴンスレイヤーっていう魔導士について。」

「確かに私も気になるな。」

「おいらも‼」

いつの間にか起きていたハッピーも気になりだして手を上げる。

「そうだね、ちょっと長くなるけど話してもいいかもね。僕とナツの魔法について…」

 



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20話 滅竜魔法-ドラゴンスレイヤー-

「僕とナツはドラゴン、それも炎の竜王、『炎竜王イグニール』に育てられたんだ。ただし血はつながってない。僕とナツは拾われたからね。僕とナツは生きていくためには無力だった。そんな僕たちに力と読み書きを教えてくれた。そして7年前、イグニールは姿を消していた。もちろん僕とナツもそれぞれ違う場所でいなくなっていたんだ。

 

これが僕とナツの話」

 

ゼレフは少し寂しげな表情で語った。

(本当のことでないにしろ、ナツのことは事実だからね、今はそれで我慢しておくれ。2人とも)

目で語ったのか同じ事情を知るルーシィとジェラールは静かにうなづいた。

 

「さて、じゃあ本題のドラゴンスレイヤーについてだね。

 

ドラゴンスレイヤーとは名の通り竜を狩る魔法、失われた魔法だ。人にはそれぞれ特化した属性というのを持っている。ただ扱えないわけじゃない。グレイ、君もそうだろう?」

「ああ、俺は魔法自体は氷がメインだからな、使えるようにウルに教えてもらったからな。親父も滅悪魔法を持っていても氷自体はウルに教えてもらったようだし。」

「そう、そこだ。僕たちは使える魔法に特化した属性を持ってはいてもそれ以外の魔法を強くできないといった理を持たない。ただ失われた魔法には属性を教えることしかできない。そしてそれを自分独自で編み出すことはできないんだ。この世界には失われた魔法。この場合は滅する魔法と言っておこうか。滅する魔法は伝授することでしか人が手にすることができない魔法だ。そしてなぜ滅竜魔法だけが極秘か。それは滅竜魔法を使えることのできる人間の魔力の底にある種ができる。それが滅竜魔法の種、竜の種だ。その種がない限り滅竜魔法を使うことができないんだ。ただしこれが厄介なものでね、この種を持った人間はいつか竜になってしまうんだ。この魔法を最初に受け入れた滅竜魔法の母、『アイリーン・ベルセリオン』によって発覚した。その後滅竜魔法は厄介な魔法として知られ、300年前に撲滅した。まあ正確には撲滅はしていないんだけどね。

そして僕とナツはイグニールから滅竜魔法を教わった。そしてある人のおかげでその種から竜化することはないように処置してくれたのさ。」

 

 

ゼレフの話が終わったころには時計の針が合わさった時間になっていた。

「さ!これで滅竜魔法に関してはわかったよね?」

「う、うん。ありがとう」

「ああ、じゃあそろそろ寝ようか、明日もみんなハードだよ?」

 

そうして全員が眠りにつき始める。

 

 

 

 

・・・・

「…ナツ起きてたね?」

「…うっせー、俺だって気になって寝れなかったんだ。」

「なら今度イグニールと僕の話をしてあげるよ。気になってるんだろう?」

「ほんとか!なら頼むな!兄ちゃん!」

 



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