時空を駆ける二人の神 (シャイニングピッグEX)
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知らせは突然に

初めての方は初めまして。そうでない方はどうも。

ぜのぎんと申します。

シャイニングピッグ様からアカウントをお借りして書いている者です。

今まで光の戦士シリーズとして書いてきましたが、少し名前が長いので少し改訂しました。

それに、今作は安定しないのでシンプルにしてみました。

恐らく語彙力などは全く上がっていませんが、また宜しくお願い致します。

お知らせはこの小説かTwitterの@Magaxenoのアカウントでお知らせします。

では、本編へ参りましょう!


とある宇宙…誰も知らない時空の中…

 

巨大な要塞の中で悪の組織の幹部や首領達と宇宙人達が会議を開いていた。

 

「我々が今まで作戦を成功出来なかった理由…そう!それはズバリ!我々の作戦をことごとく邪魔して来たヒーローがいたからだ!」

 

その一人の人間の放った言葉に一同はうんうんと頷いていた。

 

「なら!我々の手でヒーローを消そうではないか!ヒーローの歴史を消そうではないか!」

 

「待て。………よ。」

 

「どうした?ジャーク将軍」

 

一人の人間は金色の肌を持ったクライシス帝国の将軍の一人、ジャーク将軍の方を向いた。

 

「我々は以前同じ作戦で失敗している。またそれを繰り返すと言うのか?」

 

「まあ話を聞いてよジャーク将軍、皆」

 

一人の人間はもう一度一同の方を向き直った。

 

「仮面ライダー1号はショッカーが作らなければ出来なかったんだろ?ウルトラマンはベムラーが地球に来なければ来なかった訳だろう?」

 

「そ、それはまあ…」

 

一同はざわつきながらも言われてみればと言う感じだった。

 

「だろ?だから最初から生まれなかったことにしたり、行かなかったことにすれば良いんだよ」

 

「だがそんな事簡単に出来るのか?ヒーローもそこまでバカではあるまい」

 

「そこもちゃんと考えてあるさ。少し前に何度か神様同士の戦いがあっただろ?そいつらは全員粉々に吹っ飛んだり消え去ったりして跡形も無くなった。けれどそいつらは良い細胞を持っていたんだ」

 

そう言って一人の人間は両手で抱える大きさの一つのカプセルを取り出した。

 

その中には一つの、ピンポン球程の大きさの球体が浮いていた。

 

「これは?」

 

一人の怪人が聞いた。

 

「これはその神様の細胞。吹き飛んだのを集めて、分けて保存しているんだ。一つにするとまた戻る、なんてことになれば失敗しちゃうからね。で、こいつの元の神様は何にも属さない、いわば存在が異物な訳よ。それで僕は[ゼノ細胞]と呼んでいる」

 

「ゼノ細胞…それが一体何に役立つのかね?」

 

「こいつはいわば神の細胞、そして異物な存在。言い換えればどんな物にも組み換えられる。どんな宇宙生物にも。勿論、人間や怪人も含めてね」

 

「ま、まさか!」

 

「やっぱりガッツ星人は頭がいいね。話が早くて助かるよ。そう、その通り。これを自分達や怪人、怪獣に取り込ませれば途端に怪獣や怪人は強くなってヒーローは倒せるって訳。使い方によっては取り込ませた本人を意のままに操る、なんてことも出来るんだ」

 

「つまりそれはライダーを倒すことも可能と言うことか!?」

「勿論。作戦さえ悪くなければ。そして邪魔者さえいなければ」

 

「フン…下らん。そんな物に頼るのならば己の肉体で決着を着けた方が良かろう!」

 

テンペラー星人が席を立とうとした時だった。

 

「まあまあ、よく考えてみてよ。ゼノ細胞を取り込めばウルトラマンタロウを倒すのも簡単だよ?ウルトラ六兄弟を倒すのも」

 

「…それは本当だろうな?」

 

「ああ、保証しよう」

 

そう言ってから一人の人間は一同の方をもう一度向き直った。

 

「他の皆も、僕と契約を結んで、一つの組織になってくれればいくらでもゼノ細胞を使って良いよ。怪人に組み込むもよし、自分に使うのもよし。好きな様に使っていいよ。既にその細胞のコピーはいくらでも取れる様になってるからさ、皆が取り合う必要も無い。どうだい?悪くないだろう?」

 

「ああ…!見事な作戦だ!これならば勝てるぞ!」

 

「ではここに、[クロニクルショッカー]の設立を宣言する!首領は私!ショッカー20世である!」

 

その声と共に戦闘員達は敬礼をし、宇宙人や怪人、怪獣達は雄叫びを上げた。

 

 

 

 

 

 

そして、時は流れ現在。

 

一人の女神がとある二人の神の元へと急いでいた。

 

余程大変な事なのか、その女神は辺りも気にせず全速力で二人の元へと飛んでいた。

 

そして、その二人はと言うと…

 

「…………」

 

「…………」

 

二人は部屋の中で将棋盤を挟んで睨み合っていた。

 

「……王手!」

 

緑の髪の女神が将棋の駒を指した。

 

「あー!また負けたぁぁー!」

 

青い長い髪の神が頭を抱えた。

 

「あんたそろそろ勝ちなさいよ…もう四十回目よ」

 

「四十一回目には何か変わるかもしれないじゃん!」

 

「その台詞も四十一回目よ」

女神はやれやれと言った感じで苦笑いをした。

 

「レイ様ーー!ユリ様ーー!いらっしゃいますか!」

 

すると先程の女神が扉を蹴破って二人の部屋に入ってきた。

 

「レイ様!ユリ様!あっユリ様!レイ様はどちらへ?」

 

女神は緑の髪の女神、ユリの方を向いて言った。

 

「…貴方の足元」

 

ユリは呆然とした顔をしながら女神の足元を指さした。

 

「えっ?あっ!」

 

女神の足元には長い青い髪の神、レイの頭が踏まれていた。

 

女神は慌てて足をレイから離した。

 

「いってててて…急にどうしたの」

 

レイは頭をおさえながら女神に話を聞いた。

 

「あ、そうでした!大変なんです!」

 

女神は二人に重大な知らせを告げた。

 

「ヒーローが消えた!?」

 

二人は口を合わせて言った。

 

「ウルトラマンも!?」

 

「仮面ライダーも!?」

 

「ええ、そうなんです。突然歴史が狂い出して、全ての世界、全てのヒーロー、ヒロインが消えてしまったんです!」

 

女神は慌てない様にゆっくりと喋った。

 

「で、そんで俺らに行ってこいと?」

 

「はい」

 

「偉い方々から直々に?」

 

「その通りです」

 

「なんて言うかこういう厄介事ってすぐウチに回ってくるわよね…」

 

「何度も何度もすみませんが…お願い致します」

 

女神はそう言って頭を下げた。

 

「良いわよ。いつも貴方にも世話になってるしね」

 

ユリはそう言って女神の頭を撫でた。

 

「いつも通りの長期休暇でいいぞ。どうせ俺らも長い間いなくなるだろうから」

 

レイも女神の頭を撫でた。

 

「それじゃ早速準備しましょ」

 

「ああ。こないだレイジから良いもの貰ったし、それを試したいと思ってたしな」

 

そう言って二人は赤と銀のブレスレットとエメラルドグリーンと銀のブレスレットを腕にはめ、その下にねじ込むようにして戦闘用の手袋をはめた。

 

「なんですか?それ」

 

「んー?内緒」

「後でレイジにでも聞いてみ」

 

「はぁ…」

 

「それじゃあ、行ってくる!」

 

「また帰ってきた時は宜しくね!」

 

そう言ってユリは境界を開き、その地球へと向かった。

 

「自分達の宇宙には影響が無いからって…結構重要な事なんですよ!?全く…いつもいつも」

 

 

 

「さてと…そろそろ着くか?」

 

「…いや、待って。時空間のどこかで誰かが助けを呼んでる!」

 

「早く行こう!」

 

「ええ!」

 

ユリはそう言ってその場所へとゲートを開いた。

 

 

 

 

「イーッ!」

 

「そらそらどうした!機動六課!」

 

一人の怪人がたくさんの戦闘員を率いて機動六課庁舎に攻め込んでいた。

 

「クッ…これでフェイトやなのはがいてくれりゃこんなやつら…!」

 

「ヴィータ!今はそんな事を言ってる場合じゃ…!」

 

「喰らえ!」

 

一人の怪人が蜘蛛のように糸を吐き出した。

 

「しまっ…!」

 

「シグナム!」

 

シグナムと呼ばれた女性はその蜘蛛の糸に捕まり、地面に落下した。

 

「うわあああ!」

 

「シグナム!」

 

『シグナム!』

 

ヴィータと呼ばれた女の子の通信の主からもシグナムの名前を叫んだ。

 

すると、一人の人間が青い髪を靡かせながら颯爽とシグナムをキャッチして着地した。

 

そして、シグナムをゆっくりと下ろし、もう一人の緑の髪の女性がシグナムに付いた糸を解いた。

 

「あ、ありがとう…」

 

二人はシグナムの方を見て頷き、怪人と戦闘員の方へ向かってゆっくりと歩き、ヴィータの横へと立った。

 

『な、なあヴィータ、その二人は知り合い?』

 

「い、いや、知りません。初めて見る顔です」

 

『ならどうやってここに来たんやろ?』

 

「それは私にも分かりません。どうしますか?主はやて」

 

「とりあえず様子見よ」

 

「はい」

ヴィータは通信の主、はやての指示に従って後退し、シグナムを介抱しに行った。

 

 

 

「なんだお前達は?殺されに来たのか?」

 

「殺されに来た?違うな」

 

「倒しに来た、って言ったら分かるかしら?」

 

「面白い冗談だ…やれ!」

 

怪人蜘蛛男の指示で戦闘員は奇声を上げながら二人に襲いかかった。

 

「変身!」

 

二人は同時に言って手首のブレスレットに手を掛け、その中からレイはウルトラマンが描かれた球体を、ユリは仮面ライダー1号が描かれた球体を出し、同時に指でスピンさせ、飛び上がった。

『METAMORPHOSE! FIRST ULTRA FIGHTER!』

 

『METAMORPHOSE! FIRST RIDER FIGHTER!』

 

球体は描かれたヒーローのオーラへと代わり、レイとユリにそのヒーローを象ったアーマーを纏い、着地した。

 

「その姿は…!」

 

「仮面ライダー1号!」

 

「初代ウルトラマン!」

 

そう言って二人はそのヒーローと同じファイティングポーズを構えた。

 

「姿が変わろうと同じだ!」

 

戦闘員はレイとユリに襲いかかった。

 

「行くぞ!」

 

レイは殴りかかってきた戦闘員の腕を掴んで動きを一瞬止めて顔を殴り、そして後ろから来た戦闘員を思い切り蹴り飛ばした。

 

ユリはナイフを持った戦闘員の襟首を掴んで背負い投げをし、その投げ倒した戦闘員を踏み台にして戦闘員達数人に飛び蹴りをくらわせた。

 

「確かにただ姿を変えただけでは無いようだな」

 

「そう言う事」

 

「さあ、さっさと観念してお縄に───」

 

「そうは行かんな。私も戦うとしよう」

 

蜘蛛男はゼノ細胞を体に取り出した。

 

「なんだあれは…!?」

 

「貴様を、貴様らを倒すための力だ!はあ!」

 

蜘蛛男はゼノ細胞を体の中に取り込み、自身を強化させた。

 

「はあああああ!」

 

すると、蜘蛛男の体に変化が起きた。

 

肌は鼠色のような灰色に変わり、頭部に二つ真ん丸な目玉が生成され、口は耳元まで裂けた。

 

「おお…!素晴らしい!これが力か!」

 

そう言って蜘蛛男は宇宙怪獣ベムラーの熱線を放った。

 

「おっと!」

 

「危ねぇ!」

 

二人は飛び上がってその熱線を避けた。

 

「ベムラーと蜘蛛男が合体して…スパイダーベムラーってところか!」

 

「クハハハハ!」

 

スパイダーベムラーは熱線を何度も何度も放った。

 

すると、一つの熱線がシグナム達の元に飛んでいった。

 

「!まずい!」

 

レイはシグナムの元まで急いだ。

 

『ULTRA SKILL! REBOUND BEAM WALL!』

 

レイはブレスレットをタッチして電子画面を出現させ、防御技のコマンドを打った。

 

そしてウルトラマンの防御技の一つであるリバウンド光線の壁を作成して熱線を防ぎ、掻き消したのを確認すると蜘蛛男に向かって行った。

 

「アイツら…もしかして…」

 

「ああ、もしかしたら…」

 

 

 

 

 

「ユリ!そろそろ決めないとまずい!」

 

「ラジャー!」

 

レイとユリは自分のブレスをタッチし、ブレスから出た電子画面に必殺技のコマンドを打った。

 

『ULTRA FINISH!』

 

『RIDER FINISH!』

 

「必殺!」

 

レイとユリは大きく飛び上がった。

 

『ULTRA SPACIUM SMASH!』

 

『FIRST RIDER KICK SMASH!』

 

レイとユリはキックの体制に入り、スパイダーベムラーへ向かってダブルキックを放った!

 

スペシウム光線の威力とライダーキックの威力を凝縮したそのキックはスパイダーベムラーの吐いた熱線を弾き、その体を貫通した!

 

「ぐあああああ!」

 

スパイダーベムラーは断末魔を上げながら爆発した。

 

それを見て残りの戦闘員も逃走した。

 

「あっ!…クソッ、取り逃した」

 

「でもあの人達は無事みたいよ。ほら」

 

ユリはヴィータ達のほうを顎で示し、レイはその方を向いた。

 

レイとユリは変身を解除し、ヴィータ達へ近寄った。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「怪我はない!?」

 

ユリとレイはしゃがみこんで二人の顔を見た。

 

「あ、ああ。とても無事とは言えないが…」

 

「擦り傷だ。こんなもん…ッ」

 

そう言うヴィータの腕からは血が大量に流れていた。

 

「やっぱり怪我してるじゃないか!ちょっと待ってて…」

 

レイは持っていた包帯を少し出して切り、その切った包帯をヴィータの腕にキツく巻き付け止血をした。

 

そして、消毒も施し、絆創膏を貼った。

 

「暫く待てば包帯を取っても大丈夫」

 

「お、おう。すまないな」

 

ヴィータはレイの方を見ながら礼を言った。

 

ユリもレイと同様にシグナムにも止血や消毒をした。

 

「二人とも立てる?」

 

「ええ、なんとか」

 

「ああ」

 

シグナムとヴィータはフラつきながらも立ち上がった。

 

「その…助けてくれてありがとな」

 

「礼を言われることじゃないよ」

 

「元々俺らの仕事だしな」

 

そう言って二人はニッコリと笑った。

 

「そうなんですか…立ち話もなんですし、中へ入って話しましょう。きっと我が主も会いたがってると思います」

 

「主?」

 

ユリは首を傾げた。

 

「まずは中へ入って下さい。主のいる司令室へお連れします」

 

そう言って二人はシグナムとヴィータについて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まずはここまでです。

二人が装備しているブレスレット。簡単に説明するとウルトラマンと仮面ライダーの能力が込められている球体が入っていて、戦う時には任意のヒーローの能力を使用して戦う、と言う風になります。

仮面ライダーのブレスレットとウルトラマンのブレスレット、これは二人とも両方装備しているのでウルトラマン二人、仮面ライダー二人と言うこともあれば片方ずつも勿論出来る訳で。

まだまだ能力はありますがそれはまた見ていく内に分かっていく予定です。

後はリクエストの件ですが、見たいアニメや特撮物を感想に入れてくれると有難いです。

こちらでもいくつか用意はしていますが流石に私だけでは足りないので色んな人から色んな案が欲しいですのでどんどんくれると嬉しいです。

もう一件は、出して欲しい仮面ライダー、ウルトラマン、そして二人のヒーロー選択の時に使用するヒーローの組み合わせをリクエストして欲しいです。

フュージョンファイトみたいに制約などはないので「あのヒーローとあのヒーローの夢の共演が見たい!」とか「あのヒーローとあのヒーローの能力を組み合わせるとかどう?」みたいな感じで送って頂けると嬉しいです!

リクエストは全て受け付けて登場させます!

これは絶対約束します!

ただ、私は仮面ライダーは初心者なので殆ど分かりません。

なのでこんな能力だよーとかも一緒に教えて頂けたら助かります。

それではまた次回!


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事の発端は

さあさやりましょう。

説明が少し足りなかったようなので改めて説明しますと、出して欲しいヒーローやアニメを書いてくれれば嬉しいです。

ヒーローの方は、出して欲しいヒーロー、またはヒーロー同士の組み合わせを書いてくれれば良い訳で。
例えばオーブ×エグゼイド、前回の様に1号×ウルトラマンのコンビや組み合わせを書いてください。
また、ウルトラヒーロー×ウルトラヒーロー、ライダー×ライダー、ウルトラヒーロー×ライダー、どれでも大丈夫です。

アニメの方は、アニメ単体でのリクエストでいいですが、要望があればヒーローや敵も出す予定です。

リクエストによってはアニメじゃないものでも出せる…かな?

勿論のこと、感想だけでも全然嬉しいです。

さて、長くなってしまいましたね。

それでは本編、どうぞ!


シグナムとヴィータの二人に連れられ、零と百合は機動六課庁舎へ入った。

 

中は全く人気が無く、閑古鳥が鳴くほど静まり返っていた。

 

「ここまで静かだとオバケでも出そうね」

 

「パーカー着てたら生き返るだろ」

 

「それは幽霊よ」

 

「どんな発想なんだよお前ら」

 

ヴィータは冷静に二人の会話にツッコミを入れた。

 

他愛も無い会話をしながら一行は中を進む。

 

そして、数分歩いていると一つの部屋の前に到着した。

 

その部屋の扉の上部に付けられたプレートには「司令室」と書かれていた。

 

「失礼します」

 

シグナムが扉をノックし、ノブを回して部屋の中へ入った。

 

「シグナム、ヴィータ、ただいま帰還───」

 

「二人ともぉぉ〜!」

 

二人が入るなりいきなり一人の女性がシグナムとヴィータに抱きついた。

 

「あ、主はやて…」

 

「気持ちは嬉しいけどよ…」

 

「?どうかしたん?」

 

「今はそんなことしてる状況じゃないってこと位分かってくれ」

 

「おっと、そうやったね」

 

そう言ってはやてと呼ばれた女性は二人から手を離した。

 

そして、女性は零と百合の方を見た。

 

「あんた達がシグナムとヴィータを助けてくれたん?」

 

「え、ええ」

 

「ほんまにありがとうな。あんた達が来てくれなかったら危なかったわ。ありがとう」

 

そう言って女性は二人の手を強く握った。

 

その手には大量の汗をかいており、どれだけ危なかったのかがよく分かる。

 

「いえいえ、私達も仕事で来たと言うか…」

 

「そうなん?まあ、色々話もあるやろうし、座って話そか」

 

そう言って女性はソファに案内し、机を挟んで二人に

らせた。

 

「まずは自己紹介と行こうか。私は八神はやて。ここ機動六課の課長や。で、剣を持った方がシグナム、ハンマーを持った方がヴィータや。一応役職はあるんやけど、人がいないんじゃどうしようもあらへんしな。それに覚えやすいやろ?」

 

「ええ、まあ」

 

「それじゃあこちらも自己紹介をしますね。私は柊百合。そしてこちらが柊零です」

「百合ちゃんに零ちゃんか。よろしゅうな」

 

「はい。宜しくお願いします」

 

二人は頭を下げた。

 

「二人は兄弟か何かなん?」

 

はやてはシグナムが持ってきたお茶を飲みながら聞いた。

 

「兄弟って言うか…夫婦ですね」

 

それを聞いてはやてはお茶を吹き出した。

 

「ふ、夫婦!?」

 

「少し前に結婚しただけで子供はいないんですがね」

 

「いやー、結婚してるだけでも羨ましいわぁ…あ、敬語は無理にせんでもええよ、堅苦しいのは苦手やろうしな」

 

はやては吹き出したお茶を拭きながら言った。

 

「あ、すいませんわざわざ」

 

「ええよええよ。どうせシグナムもタメ口やしな」

 

「うっ…」

 

部屋の隅でシグナムは少し縮こまった。

 

「で、本題に入ろか。この世界、いや、もしかしたら他の世界にも起きてるかも知れんこと。そして二人がここに来れたこと。事件の方は情報共有しないと対策も何も出来へんしな」

 

「そうね。それじゃあ最初は私達のことから話しましょう」

 

「まず、俺達は時空を超える力と境界を操る力を持っている。まあ、簡単に言えば過去や未来に行き来出来るし、世界と世界の間を行き来出来る力を持っているんだ」

 

「とりあえずここまでが前提として。で、何故ここに来れたかというのは私の境界を操る能力でここまで来た訳よ」

 

「となると、零ちゃん…零くんか。零君が時空を超える力を持ってるわけやね」

 

「ああ。で、ここに来た理由は、ここから出ていた救難信号を元にここまで来たらシグナムさん達がピンチだったから助けに来て今に至る」

 

「なるほどなるほど…ところで、さっきの蜘蛛みたいなやつと戦ってた時に使ってたそのブレスレット?でなんか装着してたけどあれは何やのん?」

 

はやては二人の手首に付いているブレスの方を見ながら言った。

 

「これ?これはヒーローブレスと言って、さっきの蜘蛛男、そしてその蜘蛛男が取り込んだ宇宙怪獣ベムラー。元々はそれを倒したヒーロー仮面ライダー1号とウルトラマンを初めとしたヒーロー達の力が詰まってるブレスレットよ」

 

百合と零はブレスレットを差し出しながら言った。

 

「ほぉ〜、じゃあさっきのもそれを使ってあいつを倒したんやね」

 

はやては興味深そうに二種類のブレスレットをまじまじと見つめた。

「しかし、救難信号か…シャマル辺りが出したかもしれねえな」

 

話を聞いていたヴィータが言った。

 

「そうかもしれんね。しかしシャマルもええ仕事してくれたわあ」

 

「シャマル?」

 

二人は首を傾げた。

 

「そう言えば紹介しとらんかったね。シャマルは医務官で、ここの健康管理を担ってるんよ。怪我したら治療して貰えるわ」

 

「へぇ〜」

 

「ま、怪我しないのが一番なんやけどな。で、話を戻すんやけど、ええか?」

 

「あ、うん」

 

百合は頷いた。

 

「こっちで起きたことを話すとしましょうか。ほんの数時間前、突然とある時間の中で異変が発生。どんどん歴史が書き換えられていって、危うくここも歴史改変の波に飲まれるところやった。けど、シグナムやシャマル、そして狼の獣人ザフィーラ達が咄嗟に機転をきかせてなんとかここだけは飲まれずに済んだんや」

 

「あれ?でも局員達は…?」

 

「アイツらは…歴史改変の波に飲まれちまって…今は安否確認もまともに出来ねえ」

 

ヴィータは悔しそうに拳を強く握った。

 

「おまけになのはちゃんやフェイトちゃんも居なくなったしな…」

 

「そう言えば高町なのはさんが機動六課の主戦力だったのよね。前に一度見たことあるわ」

 

「なるほど…まあ、とりあえずはここの歴史を修正すればいい訳だ」

 

「そう言う訳や。けどほんまに良かったわ。二人が何も使わず移動出来て」

 

「時間移動、空間移動は出来るが今はその装着も飲まれ何も無い。こちらからは打つ手段が無かったんだ」

 

「だから二人が来たことはほんま奇跡やで。もしかしたら文字通り全世界を救えるんやから」

 

「いやあ、まあ多分どちらにしても来ただろうしね」

 

「時空に異変が起きればすぐさま直しに行く。それが仕事だし」

 

「ほんまに頼もしいなぁ。けど、アイツらはまだ切り札を隠してると思うんや」

 

「切り札?」

 

 

 

 

 

 

「ショッカー20世、その切り札とは一体何なのだ?」

 

ジェネラルシャドウが聞いた。

 

「簡単に言えば転生者。その人達に少し動いてもらうよ」

「どういうことだ?」

 

「少し待ってね。…よいしょ」

 

20世は懐から一冊のライトノベルを取り出した。

 

「この小説の主人公に限らず、様々な世界には異世界への転生の小説が数多くある。そして、大抵は黒幕を倒し完結と言った内容が多い。まるで最初からその世界に来ることが運命付けられた様だ」

 

「それが一体どう関係するんだ?」

 

「そして勿論のこと、その主人公ではない誰かがその世界に行く世界線もある。しかし結末は変わらない。そいつ自身が新たな主人公となり、黒幕を倒す。話の筋としてはこれで良い。しかし、だ。本来来るべきはずの者では無いし、世界によっては迷い込んだ者を元の世界に返そうとする世界も決して少なくはない。それに私は目を付けた。」

 

「…そう言う事か」

 

「キリエル人も察しが早いね。やっぱり誘って正解だった。その本来の転生者とは違う転生者にゼノ細胞を埋め込み、下僕にする。そして、歴史を変えてもらってるんだ」

 

「なんと…!」

 

「勿論どちらに味方に着くわけでも無く、歴史改変をするために動き、悪が栄える世界へ変える。これが終わればまた別の世界へ行って歴史を変える。この繰り返しだ」

 

「しかし、もし邪魔が入ればどうするんだ?」

 

「そこも大丈夫。転生者に邪魔されたとしてもこちらはゼノ細胞で強化されている。そいつさえ始末すれば後は簡単なことだ」

「本当に天才じゃないか!」

 

「なあに、私とてこのゼノ細胞が無ければこのような計画は立てれぬよ」

すると、一人の戦闘員が20世に報告をしに来た。

 

「…何!蜘蛛男がやられた!?一体何者に?」

 

「それが、全員やられてしまって詳細は分からないとの事です」

 

「ふむ、そうか。いずれ相見える事になる。それまでは通常通り活動を続けろと言っておけ」

 

「了解しました!」

そう言って戦闘員はどこかに走っていった。

 

「今すぐ始末する訳にはいかんのか?」

 

「焦れば焦るほどこちらが不利になる。それに、下手に尻尾を握られてはこちらも上手く動けまい」

 

「それに、現地の悪にもゼノ細胞を埋め込んでいるのですよね?20世」

 

マリバロンが聞いた。

 

「勿論、その命令は下している。全世界を手にするのもそう遠くはない訳だ」

 

そう言って20世は高笑いをした。

 

 

 

 

 

 

「なるほどなぁ。本来有り得ない、異物の様な存在の転生者が敵に、か」

 

零はライトノベルを手に取りながら言った。

 

 

「これまで何度も異物反応はあったが、我々は一つの世界線として捉えてきた。まさかそれが仇になるとはな…」

 

「それに、大体の奴は神様から力を授かった様にとんでもない力を持っている。味方になっていれば頼もしいのは事実だ。だが、敵に回れば厄介なことこの上ない」

 

「そうなると、その転生者も合わせて倒さないと行けないんやねぇ」

「ふーむ、転生者は怪人や怪獣とは勝手が違うからな。まだそれに付いても対策を考えねえと」

 

「そうね。その為にもまずはここを修正しないと。手段を増やさない限りどうにもならないし」

 

「ああ」

 

百合の言葉に一同は頷いた。

 

「じゃあ、早速向かって貰ってええか?」

 

「ああ。待っていてくれ、八神さん」

 

「ちゃちゃっと直して来るわね!」

 

そう言って百合と零は時空間を開き、その中に飛び込んだ

 

「気をつけろよ〜!」

ヴィータの言葉に二人は手を振り、時空間の穴を閉じた。

 

「あっ、しまった」

「?どうかしましたか?」

 

「百合ちゃんの胸、揉むの忘れてた」

 

「そんな事言ってる場合か!/場合ですか!」

 

シグナムとヴィータは同時にツッコンだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

とりあえず設定の方は分かってくれたかな?

また分からない事があれば聞いてください。

Twitterの方でも聞いてくだされば答えます。

それではまた次回!


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始まりはいつも突然

さあさあやりましょう。

元祖リリカルなのは、内容は覚えてるけどセリフまでは全部思い出せないんだよね…

だから本編突入は次回になるかも。

そんなところで、始めましょう。


「で、ここの世界…魔法少女リリカルなのはの歴史はどんな物なんだ?」

 

時空間を移動しながらレイは百合に聞いた。

 

「ちょっと待ってね…ええと」

 

百合は懐からスマホを取り出して検索を始めた。

 

流石レイジと言うべきか、時空間や場所など関係なくインターネットが使える様になっているらしい。

 

「…あった。[魔法少女リリカルなのは]。これね」

 

百合はそのページが映ったスマホの画面をレイに見せた。

 

「元々は別世界から来たユーノと言う少年がジュエルシードって言うロストロギア、高度な魔法技術の遺産を高町なのはさん?なのはちゃん?の世界に落としてしまって、そのユーノと言う少年は負傷してフェレットに姿を変えたの。ここまでは分かった?」

 

「大体分かったけど…ジュエルシードを落としたのは何でなんだ?」

 

「確か…ユーノ曰く輸送船の事故だって言ってたけど、詳しい事まではよく分からないわ」

 

「なるほどなぁ〜」

 

零は頷きながら相槌を打った。

 

「で、なのはさんとその友人であるアリサさん、すずかさんがそのフェレット、つまりユーノを保護して動物病院に送り届けたんだけど、その日の夜に声が響いてそれを聞いたなのはさんが動物病院に向かうとユーノと怪物が対峙してて、ユーノが身につけてたレイジングハートって言う…まあ、所謂変身アイテムね。それをなのはさんに渡して、なのはさんはその力で変身し、怪物を倒す、と」

 

「ところで、その変身ってどんな感じなんだ?胸元に付けて雄叫びあげる感じ?」

 

「どっちかって言うと青い石を掲げて叫びそうな変身のしかたね」

 

「ほうほう。しかしレイジングハートってネーミング良いな」

 

「魔法の世界ってセンス良いのが多いわよね」

 

「ま、ダサくても困るしな」

 

「それもそうね。で、なのはさんはそのレイジングハートと共にジュエルシードを封印する戦いが始まるの。そのジュエルシードにはこれまた厄介な能力があって、周囲の物質が無機物有機物関わらずその者の抱いた願望を叶えてしまうのよ。例えば、小さな猫に取り付いて大きくなりたいという願望を叶えて、神社の社程の大きさにした事もあるの」

 

「そんな厄介なもん抱えてるならもう少し注意しろよ…」

 

ガクリとしながら零は言った。

 

「起きてしまったものを後悔しても今更遅いわよ。それに、この事故が無ければなのはさんの秘められた魔法の力を解き放つ事も無かった訳だし」

 

「しかし、事故が元で才能を開花させるとは…ウルトラマンと似てるな」

 

「まあお話もウルトラマンギンガに似てるかもね。私も一度全部観たことあるけど観た途端ウルトラマンギンガが一番最初に浮かんできたし」

 

「ウルトラマンギンガに似ている…と言う事はウルトラマンビクトリーみたいな人も?」

 

「勿論いるわ。それがフェイト・テスタロッサ・ハラオウンさん。彼女は元々プロジェクトF、別名F計画から産まれたの」

 

「F計画?」

 

「フェイトさんは元々、プレシア・テスタロッサと言う人の娘、アリシア・テスタロッサのクローン。それで、そのクローンに元のアリシアの記憶を定着させたの」

 

「でも一体何でそんなことを?娘が死んで悲しいのは分かるけどさ」

 

「プレシアの狙いは娘の完全再現。クローンなら肉体は完全に再生されるし、その肉体に娘の記憶を植え付ければ出来上がり…のはずだったんだけど、どうにも上手くいかなかった」

 

「上手くいかなかった?」

 

「ええ。クローンとは言え人間だもの。そこらの犬や猫とは違うわ。フェイトさんはアリシアとは違った人間として自覚をするのよ」

 

「つまり、どこまで記憶や身体が元と似ていてもただそっくりな別人になると?」

 

「そう言う事よ。勿論プレシアはその事に激怒し、フェイトと同様に生み出したエリオさんの事も失敗作呼ばわりしてるわ」

 

「酷い…生み出しておいて失敗作だなんて…」

 

「プレシアさんもジュエルシードを狙ってた様で、なのはに毎度毎度妨害されるフェイトをまるで奴隷の様に扱い、その罰は日に日に酷くなっていった。それに耐えかねたフェイトはプレシアを裏切り、なのはのパートナーとしてプレシアを共に退治。ま、当然の事と言えば当然の事かしら」

 

「まあ、そりゃあなぁ…プレシアは何故ジュエルシードを?」

 

「アルハザードと呼ばれる世界へ航行する事が目的だったみたい。でもそこは次元断層の中にあるし、正直私でも行けるかどうか分からない世界なの。それで、そこには時を操る秘術があって、プレシアは二十一個全てのジュエルシードを集めて次元震を起こそうとした、と言う訳。そこならばアリシアも蘇るし、二人の事も用済みになるしね」

 

「そう言う事だったのか…しかし、アルハザード…話には聞いたことあるけどまさか実在するなんてな」

 

「実際、アルハザードの遺児なんて人もいるみたいだしね」

 

「いつか行ってみたいな。そこに頼る事になるかもしれないけど」

 

「そうならないようにしないといけないわね」

 

「で、ビクトリーと似てるってことは、シェパードンの様に守護獣がいるのか?」

 

「ええ。アルフさんって言って、異世界の狼を元にした使い魔よ。アルフさんのお陰でなのはさんとフェイトさんのコンビが出来たと言っても過言ではないわね」

 

「そんな良いことを…あっ、これって…」

 

「零も気付いた様ね。ギンガとビクトリーが良いコンビになれたのもシェパードンがいたからこそよ。この二組、どこか似てるのかもね」

 

「そうだな。…ん?」

 

二人が話していると、一本の変わった電車が二人の遠くを走って行った。

 

「なんだあれ?」

「さあ…って言うかこんな所に電車なんてあったかしら…?」

 

その電車は時空間を抜け、どこかに消えていった。

 

そして、それを見送ると、過去へ繋がる穴を見つけた。

 

「あそこね!飛び込むわよ!」

 

「よーし!任務スタート!」

 

二人はその穴へ飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

一方、時を駆ける電車の中では…

 

「なあ、お前本当にヒーローか?」

 

「ヒーローにしては凄く変わった格好ダケド?」

 

「そんな、俺もヒーローですよ」

 

「でもその割には俺達が最後に倒したアイツとよく似てるんだよなぁ〜」

 

「決してアイツじゃないんだよな?」

 

「だから違いますって。他人の空似でしょう。それに、俺は銀河の流れ星ですから」

 

一人の風来坊が数人のイマジンと二人の人間を前にして言った。

 

「ま、俺達も時間を駆けるヒーローだからな!な!?」

 

一人のイマジンが他のイマジンの方を向いた。

 

「あっこのチャーハン美味し〜」

 

「うむ、中々美味い」

 

「てめえら人の話を聞きやがれ!ったく…ってかそれ俺のチャーハンじゃねえか!返しやがれ!」

 

そう言って赤いイマジンは二人のイマジンのいる席に急いだ。

 

「お騒がせしてすいませんね、ガイ様」

 

一人の老人紳士がイマジン達の方を見て苦笑いをしながら言った。

 

「いえいえ、こんなに騒がしいのも良いですよ」

 

風来坊は笑いながら手を振った。

 

「さて、皆様、そろそろ指定された時間に到着ですよ。第九十七世界線2004年に到着です」

 

その電車は零達も来ている世界に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

タイトルは無駄にしないスタイル。

では、また次回!

説明回だったけど許して!


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クライマックスは突然なの

さてと、やりますか…
この時期から最終回考えとけば後々楽だもんね


零と百合の二人は時空間を超え、[魔法少女リリカルなのは]の世界へ降り立った。

 

「ここか…」

 

「なんと言うか、何処と無く懐かしい感じがするわね」

 

二人がそう思うのも無理はないだろう。

 

人々はスマートフォンなどではなく、折り畳める携帯を使っている。

 

子供達も外で駆け回り、自転車で二人を追い越して行く子供もいた。

 

「さてと、こんなことしてる場合じゃないな」

 

「さっさとあの人達見つけないと、ね」

 

「しかしどうしたもんか…時間的に見ればもうなのはさんはあの場所にいるんだろ?」

 

「時空間、ね。まだ歴史改変には少し余裕があるし、アクションを起こされる前に行って防ぐのも良いけど、下手に敵に見つかったりしたらまずいし、改変前だから意味無いのよね」

 

「んー、そっかあ。じゃあ少し時間潰すか」

 

そう言って二人は歩き出した。

 

「とりあえず降りた地点も見て置かないと。ここは…」

 

零はメモ帳とペンを取り出し、辺りの建物をぐるっと見渡した。

 

「…よし、翠屋前、と」

 

零は目の前の喫茶店の名前と地点をメモし、メモ帳をしまった。

 

「じゃあ、そこで時間潰すか」

 

そう言って二人は翠屋の方を向いた。

 

 

 

 

 

一方、デンライナーも同じ時間に翠屋の後ろへ到着した。

 

「お待たせ致しました。二千四年十二月十日です」

 

「お疲れさんです、オーナー」

 

オーナーの声でデンライナーは停車し、ガイとモモタロス達は降車した。

 

「で、ここが異変の起きた場所なのか?ガイ」

 

「はい。ここが元凶かどうかは行ってみないと俺も分かりませんが」

 

「なんだ、はっきりしないね」

 

青いイマジン、ウラタロスがやれやれと言うような素振りをして見せた。

 

「まあまあ良いだろカメ公。さっさと探そうぜ」

 

そう言ってイマジン達は動きやすい様に人間の姿へ変わった。

 

「ねーねー!ちょっとお茶して行こーよー!」

 

「俺もちょっと喉が乾いたな」

 

「しょうがないですね、センパイ」

 

そう言って一同は店を回り込んで歩き、入口の方へ向かった。

 

すると、二人の人間を見つけた。

 

一同は一目でこの時代の人間じゃないことを見抜いた。

 

それにモモタロスとガイが向かって行き、二人の肩を掴んだ。

 

「おい、てめぇら!」

 

「…この時代の人間じゃないな?」

 

「ん?」

 

「え?」

 

零と百合は肩を掴まれ、後ろを振り向いた。

 

「あっ!ガイさん!」

 

「え!?な、何のこと!?」

 

零は見覚えのある顔を見て驚いた。

 

百合はいきなりの事で動揺した。

 

「ん?その顔…レイか!久しぶりだなぁ!元気にしてたか?」

 

「ええ!ガイさんも元気そうで何よりです!」

 

そう言って二人は握手を交わした。

 

「あれ?もしかしてガイお前、こいつらと知り合いか?」

 

ガイの近くにいた人が二人を指さして言った。

 

「はい、モモタロスさん。この二人は俺の知り合いの零と百合です」

 

ガイは二人をモモタロスに紹介した。

 

そして、百合もガイの事に気付き、慌てて挨拶をした。

 

ガイも百合に挨拶を返した。

 

「ところで、モモタロスって…」

 

二人はモモタロスと呼ばれた人の方を見た。

 

「ん?俺の事知ってんのか?」

 

モモタロスは二人の方を見た。

 

百合は目をキラキラ輝かせていた。

 

「俺、参上!の人?」

 

「おう!そうだ!」

 

モモタロスは自慢げに頷いた。

 

「やっぱりだ!零!生モモタロスよ!生モモタロス!」

 

百合は嬉しさのあまり零の肩を掴みながらぶんぶん揺らした。

 

「分かった、分かったから離しててててて」

 

あまりの揺れの激しさに零の言葉も思わず連続になってしまう。

 

「俺のファンなら悪い気はしねぇなぁ。おい!カメ公!クマ公!リョウタ!」

 

モモタロスの言葉で他の三人も来た。

 

「うおおおー!ウラタロス!キンタロス!リュウタロス!」

 

百合は大好きな四人が揃い、思わず叫んだ。

 

「僕達の事分かるの?嬉しいねえ」

 

「俺らも有名やなあ」

 

「ファンって本当にいるんだね〜!」

 

百合はイマジン達四人と握手を交わした。

 

「百合、盛り上がってるとこ悪いけどさ…」

 

「モモタロスさん、そろそろ時間です」

 

「おっと、そうだったそうだった。でも、本当にどうやって探すんだ?」

 

「それなら私に任せて。空間を行き来するのは得意だから」

 

そう言って百合は時空間へ繋がる穴を開いた。

 

「お前こんなこと出来んのか!?」

 

「凄いなぁ、初めて鯛を見た時くらいびっくりしたよ」

 

「なんでもええけどはよ行こか。お茶はまたその後や」

 

「ええ〜、しょーがない、さっさと終わらそー!モモタロス!」

 

「おうよ!」

 

そう言って一同は穴の中へ入った。

 

 

 

 

「ターゲット、発見」

 

ウラタロスは早速なのは達を発見した。

 

髪型や写真から見る限り本人である事は間違いないだろう。

 

「とりあえず今は様子を見ながら追いかけましょう」

 

「おうよ」

 

ガイの言葉に一同は頷き、気付かれないようにこっそり追いかけた。

 

クロノと呼ばれる少年の忠告を聞きながら穴に落ちないように気をつけた。

 

「ったく危なっかしいぜ」

 

「センパイが気を付けてれば問題ないですよ」

 

「そうやで、モモの字」

 

「うるせえ!俺がそう簡単に落ちるかってんだ!」

 

「でもそこ穴だよ?」

 

リュウタロスはモモタロスの足元を指さしながら言った。

 

「ん?あっ!だああああ!」

 

モモタロスは落ちる寸前で掴まり、それを一同は引き上げた。

 

「だから言ったやんけ」

 

「わ、悪かったぜ」

 

そして、一同は広場に着いた。

 

「こっからは俺に掴まって移動しましょう。オーブカリバー!」

 

ガイはオーブカリバーを掲げて浮かび上がり、一同はガイに掴まってゆっくりと上昇を始めた。

 

「やっぱり重いですね…」

 

「そうだな。よっ」

 

「ちょっとは軽くなれば良いのにねえ」

 

モモタロスやウラタロス達は追ってくるロボット達を片手であしらいながら喋っていた。

 

「おー、綺麗な花火やなぁ」

 

「あれくらいやってみたいねー」

 

キンタロスとリュウタロスはフェイトとなのはが出した魔法が巨大ロボットに直撃して爆発し、その爆発を眺めていた。

 

そして、一同はプレシアがいると思わしき広場に辿り着いた。

 

一同はしばらくの間、なのは達の決着を見守っていた。

 

「貴女が、私の母さんだから…!」

 

フェイトの言葉に、モモタロスやキンタロスは男泣きをしていた。

 

「泣けるで」

 

すると、次の瞬間、時空間の崩壊が始まった。

 

「そろそろだ!てめえら!準備はいいな!」

 

「おう!」

 

「任せて!」

 

「任せて下さい!」

 

予測した通り、敵の幹部らしき男がゼノ細胞を飛ばした。

 

男は零達に気付いたが、敵と見なさなかったのかすぐに消えた。

 

「あっ!待て!」

 

「今はこっちが先よ!」

 

「………!」

 

零は渋々プレシアの方を向いた。

 

ゼノ細胞はプレシアに埋め込まれた。

 

その次の瞬間、プレシアの目は赤く光り、アリシアが入ったカプセルを取り込み、身体から触手を伸ばしてフェイト達を捕らえるべく触手を伸ばした。

 

「うっ!?」

 

「きゃっ!」

 

なのはとフェイトはその触手に掴まり、プレシアは別の世界へと穴を開いてその中へ入っていった。

 

虚数空間に入り、二人は魔法を使えないまま一緒に別の世界へ飛ばされてしまった。

 

 

「ちっ!ダメだったか!ガイとえーっと、緑!!お前は戻って俺達を追うように言え!」

 

「は、はい!」

 

「分かったわ!」

 

「えーっと…長青!俺達はアイツを追うぞ!」

 

「長青!?は、はい!」

 

モモタロス達イマジンと零はプレシアを追い、穴へ飛び込んだ。

 

百合は境界の穴を開けてショートカットをし、デンライナーへ乗った。

 

「オーナー!俺はモモタロスさん達を探知します!百合はその場所へ誘導しますから!」

 

「は、はい!」

 

オーナーは急かされるままにデンライナーを走らせ、ガイはモモタロス達を探し、百合はモモタロスの居場所が分かるのを待った。

 

「……あった!第八十世界線地球!時間は同じだ!」

 

「はい!」

 

百合はデンライナーが入れる大きさのゲートを作り、デンライナーはそのゲートを潜ってその世界へと飛んだ。




今回はここまでです。

頑張れイマジン!頑張れオーブ!

ではまた次回!


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俺達、参上!

続き書きましょうか。

他のライダーについても色々調べないといけないからまちまちになっちゃうねしょうがないね。

しかし我ながら言うのもなんだけどゼノ細胞どんだけ優秀なんだろう

話が作りやすいのなんのって

「XENO」ってワード本当に使える

色んな意味で


零とモモタロス達イマジンはプレシアを追って穴を通り、ガイと百合はデンライナーで零達が行った世界に向かった。

 

デンライナーの中で、百合は気になった事を聞いた。

 

「そう言えばガイさんや電王達イマジンとデンライナーって何で消えてないの?報告に寄れば全ヒーローが消えたって聞いたんだけど」

 

「そう言えば何でですか?オーナー」

 

ガイと百合はオーナーの方を向いて聞いた。

 

「ガイ様の方は存じ上げておりませんが、私共は必死に歴史改変の波から逃げていたら偶然別の空間へ行けたのです。つまり、時空間へと」

オーナーはチャーハンを一口すくいながら言った。

 

「つまり頑張って逃げてたら偶然逃げ切れちゃったって訳?」

 

「そうなりますねえ」

 

そう言ってオーナーはチャーハンを頬張り、うんうんと頷いた。

 

「お二人もどーぞ!」

 

アルバイトの客室乗務員のナオミが二人にコーヒーを差し出した。

 

「お、ありがとな」

 

「あ、すみませんわざわざ」

 

二人はコーヒーを受け取り一口飲んだ。

 

「それで、ガイさんはなんか分かりそう?歴史改変から守られた理由」

 

「とは言われてもな…オーブカリバーでもそれは無理だしな。最初は地球に居なかったし、それで難を逃れたのかもな」

 

言われてみれば納得だ。

 

ガイとジャグラーの二人は地球ではないどこかの惑星で産まれた。

 

その事で奇跡的に歴史改変の影響を受けなかったのだろう。

 

「…と言うことはジャグラーさんも?」

 

「かもな。もしかしたらどこかで出会うだろう」

 

そう言ってガイはコーヒーを一口飲んだ。

 

 

 

零達一同はプレシアを追って、穴の中を飛んでいた。

 

「あっ、そうだ。おい長青!」

 

「零さんですよセンパイ」

 

「冷コー!お前も変身出来んのか?」

 

「んー、変身って言うか、ヒーローの力を使えるって言うか…」

 

「なるほど!」

 

「分かったんか?モモの字」

 

「分かんねえ!」

 

モモタロスの言葉で零達はその場でコケた。

 

「分かんないんなら聞かないでよモモタロス〜」

 

「うるせえ!戦えりゃ何だっていいんだ!」

 

「だからセンパイはバカだって言われるんですよ」

 

「んだとカメ公この野郎!」

 

「ほらほらその辺にしとき。そろそろ着くでぇ」

 

キンタロスの言葉で一同は穴から別の世界へ飛び降りた。

 

「プレシアはどこ行きおった?」

 

一同は辺りを見回した!

 

「あっ!何作ってやがんだあの野郎!」

 

モモタロスは上空を指差した。

 

「な…!」

 

「なんやあれ!?」

 

上空にはプレシアが浮かんでおり、なのは、フェイト、アリシアを元にして魔性生物を作り出そうとしていた。

 

「お前ら!早くあいつをどうにかするぞ!」

 

「ったくもうしょうがないですねぇ」

 

「俺達の強さにお前が泣いた!」

 

「お前倒してもいーよね?答えは聞かないから!」

 

そう言ってイマジン達はベルトを巻き、ライナーパスをベルトにかざした。

 

「変身!」

 

零も手首のブレスに手を掛け、ウルトラマンゼロのボールを選択して指でスピンさせた。

 

「METAMOR PHOSE! ULTRA ZERO FIGHTER!」

 

零もウルトラマンゼロを象ったアーマーを空中で纏って着地して立ち上がり、四人の電王とともに並び立った。

 

「お、お前中々カッコイイじゃねえか!それは何のヒーローだ?」

 

電王ソードフォームが零の身体を指差しながら言った。

 

「ウルトラマンゼロって言うヒーローです。詳しくは後でガイさんに聞いてくださいね」

 

「おう、分かった!ではでは改めて、コホン、俺!参上!」

 

ソードフォームはプロレスラーのパフォーマンスの様なポーズを取り、決め台詞を言った。

 

「いいか冷コー。俺達に前置きはねえ。いつも最初ッからクライマックスだぜ!」

 

「おう!」

 

ガンフォーム、ロッドフォーム、アックスフォームは強く返事をした。

 

すると、プレシアの元に現れていた転生者が姿を現した。

 

「やあ、零君。久しぶり」

 

その転生者は零達に向けて手を振った。

 

「なんだてめえは!俺達の邪魔をしに来たってのか!?」

 

ソードが転生者に怒号を飛ばした。

 

「僕のこと、覚えてる?」

 

転生者はソードの方を見向きもせず零の方を見ていた。

 

「無視してんじゃねえー!」

 

「お前は…!」

 

「フフフ…」

 

転生者はニヤつきながら零の方を見ていた。

 

「誰だっけ?」

 

「だーっ!」

 

転生者は空中でずっこけた。

 

それに釣られて電王達もずっこけた。

 

「ま、まさかボクが釣られるとはね…」

 

「と言うか零はなんで知らんのじゃ…」

 

電王達は立ち上がりながら言った。

 

「いや知らねえよ…真面目にどちら様?」

 

「ちったあ思い出す努力しろよ!ぐだつかせやがって!時間の無駄だろーが!」

 

転生者は早口で零にキレた。

 

「なんかよく分かんないけどすごく怒ってるね〜」

 

「あーもう改めて自己紹介するよ!小六の時に同じクラスになった飯原だよ!ほら、いつも小説読んでた!」

 

「あー、ちょっと待って、今思い出すから………」

 

そう言って零は腕を組んで考え出した。

 

「……………」

「……………」

「……………」

 

「…………おい、まだかよ」

 

「……………………あー、そう言えばいたねえ」

 

零は顔を上げて飯原の方を見ながら言った。

 

「何で棒読みなんだよ!」

 

飯原は空中で怒号を飛ばした。

 

「フン、だけどライトノベルを読み漁ってて良かったよ。欲しかった能力がいくらでも使えるんだからねぇ!さあ、プレシア!その魔性生物でアイツらを倒せ!」

 

飯原はプレシアに命令を下した。

 

「あーってめえ!きたねえぞ!てめえも戦いやがれ!」

 

ソードは飯原に指を差しながら言った。

 

「俺にはやることがまだあるんだよ。じゃあな、ウマシカ!」

 

そう言って飯原は消えた。

 

「この野郎…!ところでウマシカってなんだ?」

 

「馬鹿っちゅうこっちゃ」

 

アックスが答えた。

 

「あんんのやろおお〜!」

 

ソードは怒りで拳を震わせた。

 

「次会ったらぜってえぶっ潰す!まずはこいつらを倒すぞ!」

 

そう言ってソードが魔性生物達に走っていき、それに続いてロッドやアックス、ガンも走り出し、零もそれに着いていった。

 

魔性生物の目に光が宿り、一斉に雄叫びを挙げた。

 

ソード、ロッド、アックスは一斉に飛び上がり、ガンは紫の銃、リュウボルバーを構え、零も頭部に付いた二つの刃、ゼロスラッガーに手をかけた。

 

魔性生物は触手を伸ばし、三人の電王はその触手に飛び乗り、余計な触手を切り払いながら本体に向かって行った。

 

「行くぜ行くぜ行くぜぇ!」

 

ソードフォームは一気に駆け上がり魔性生物の頭部を思いっきりキンタロスォードで斬りかかった。

 

「はあ!」

 

ロッドフォームは魔性生物の目をめがけて六角形の刃が付いた槍、ウラタロッドを伸ばして突いた。

 

その痛みで魔性生物は悲鳴を挙げた。

 

「こんな大物を捌いたら何人前なんだろうねえ。ま、釣りたいのは中の女の子達なんだけど」

 

「とおあっ!」

 

アックスは大きく飛び上がり金色の斧、キンタロスアックスで魔性生物の片腕を斬り裂いて着地した。

 

「まだまだこんなもんやないでぇ!」

 

「行こう!リュウタロス!」

 

「うん!この一撃で行くよ!」

 

ガンと零はリュウボルバーの一撃とゼロスラッガーを放ち、

 

数本の触手を斬り裂いた。

 

「やるじゃねえか!リュウタ!」

 

「ボク達も負けられないね、センパイ」

 

「おうよ!クマ公も行けるか!?」

 

「いつでも行けるでぇ!」

 

そして、三人がライナーパスをベルトにかざそうとした時だった。

 

魔性生物は光弾を辺りに放ち、電王達を触手から撃ち落とした。

 

「ぐあーっ!」

 

「ぐぅっ!」

 

「ぬおあっ!」

 

電王達は尻餅をつきながらも急いで立ち上がった。

 

「俺達のクライマックスはまだ終わらねえぜ…ってあら?」

 

いつの間にか魔性生物は一つに合体し、巨大なゲル状の生物となっていた。

 

「なんじゃこりゃーッ!」

 

「とりあえず躱せっ!」

 

アックスがソードに向かって叫び、ソードは迫ってきた触手を前転して躱した。

 

その直後に重たい物が落とされたような音が響いた。

 

「クソッタレ!こんなんどうしろってんだ!」

 

ソードが何度も斬りかかっても魔性生物の身体をすり抜け、まるでダメージが入らない。

 

「物理攻撃はダメなんか…」

 

「困ったね」

 

「せめてあいつらさえ助け出せりゃ…!」

 

すると、空中に穴が開き、零達とプレシアはその穴の方を見た。

 

そこからデンライナーが出現し、猛スピードで魔性生物に向かって行った。

 

「あれは!?」

 

「デンライナーだと!?」

 

「一体誰が運転してるのぉ!?」

 

 

 

「たああああ!」

 

デンライナーの中では電王・ライナーフォームを象ったアーマーを装着した百合が操縦席であるバイクを走らせていた。

 

デンライナーは魔性生物に突撃し、中の三人をガイが引っ張り出してデンライナーの中に入れ、救出した。

 

「ふう…」

 

ガイはなのはとフェイトを客席に座らせ、アリシアが入ったカプセルを置いた。

 

 

デンライナーは電王達の停車し、そこからガイが飛び降りた。

 

「後は俺に任せて下さい」

 

そう言ってガイは懐からオーブリングと呼ばれる変身道具を取り出して起動させた。

 

「ウルトラマンさん!」

 

ガイはウルトラマンが描かれたカードを腰のカードホルダーから取り出し、オーブリングに読み込ませた。

 

『ウルトラマン!』

 

「ヘェッ!」

 

カードは青い光に変わり、その光はウルトラマンへと姿を変えた。

 

「ティガさん!」

 

ガイはウルトラマンティガが描かれたカードを取り出してオーブリングに読み込ませた。

 

『ウルトラマンティガ!』

 

「ヂャゥッ!」

 

カードは黄色い光へ変わり、光はウルトラマンティガへと姿を変えた。

 

「光の力、お借りします!」

 

『フュージョンアップ!』

 

ガイがオーブリングを掲げると共に二人のウルトラマンも拳を上げた。

 

その瞬間、ウルトラマン達の身体が光り、ガイの身体もウルトラマンオーブへと変わり、ウルトラマン達は光となってオーブへ同化した。

 

『ウルトラマンオーブ・スペシウムゼぺリオン!』

 

 

 

「な…な…!」

 

「おお…!」

 

「これは…!」

 

「すごーい!大きーい!」

 

電王達の前に巨大な光の戦士が紫色の光を放ちながら魔性生物の前に立ちはだかった。

 

「俺の名はオーブ。闇を照らして、悪を討つ!」

 

そう言ってオーブはファイティングポーズを取った。

 

「闇を照らして悪を討つ…カッコイイじゃねえか!オーブ!」

 

「後は任せて下さい、電王さん」

 

オーブは電王達の方を向いて頷きながら言い、魔性生物の方に向かって行った。

 

魔性生物は迫り来るオーブに触手を伸ばした。

 

オーブはそれを飛び上がって空中で回転しながら躱し、魔性生物を掴んで横に倒した。

 

そして触手を紫色の光輪、スペリオン光輪を手に持って切り裂き、魔性生物の下半身を上手いこと掴んで持ち上げ、投げ飛ばした。

 

「オーブフリーザー!」

 

オーブはティガの技である、ティガフリーザーと同じ様に手を重ね合わせ、魔性生物の頭部に凍結冷線を放って頭上で爆発させて魔性生物を凍らせた。

 

「先輩方!トドメ行きますよ!」

 

オーブは電王達を呼んだ。

 

「おう!行くぞお前ら!」

 

「言われなくても」

 

「分かっとるんじゃ」

 

「今度こそ倒させてもらうよ!」

 

「こいつで決めるぞ!」

 

『フルチャージ』

 

『ULTRA FINISHER!』

 

電王達はベルトにライナーパスをかざし、エネルギーを蓄えた。

 

零はウルトラマンゼロのボールをもう一度スピンさせ、腕にエネルギーを蓄えた。

 

オーブは腕にエネルギーを溜め始めた。

 

「行くぜ!俺の必殺技part1!」

 

「ハァァー!」

 

「ダイナミックチョップ!」

 

「でやぁぁー!」

 

『ULTRA ZERO SHOT !』

 

「スペリオン光線!」

 

オーブと零は腕を十字に組んで放つスペリオン光線とウルトラマンゼロのワイドゼロショットを模した光線を放ち、電王達はそれぞれの必殺技を放った。

 

魔性生物は四散し、跡形も無くなった。

 

魔力を保てなくなったのか、それともゼノ細胞の副作用なのか、プレシアは苦しみながら光となって消え去っていった。

 

そして、それと同時にオーブのカラータイマーが鳴り出した。

 

「お、おい、なんかピロピロ言ってんぞ?」

 

電王がオーブのカラータイマーを指さして言った。

 

「いえ、もう戦いは終わったので大丈夫ですよ」

 

そう言うとオーブは身体を光らせて縮み、ガイの姿に戻った。

 

「お前だったのか!オーブってのは!」

 

「はい。先輩方もお疲れさんです」

 

「お、おうよ」

 

そう言って電王達もベルトを外し、モモタロス達に戻った。

 

「とりあえず皆さん、なのはさん達を元の世界に戻さないと」

 

零がモモタロス達に言った。

 

「おっと、そうだな。百合坊は運転で疲れただろうから客席に座ってろ」

 

「は、はい」

 

そう言って一同はデンライナーに乗り込んだ。

 

モモタロスはもう一度電王に変身し、運転席のバイクに跨ってデンライナーを発車させた。

 

「おい、百合坊、あいつらの世界線に飛ばしてくれ」

 

「はい。てか百合坊!?」

 

百合はなのは達の世界線へ続くゲートを開き、デンライナーはその中へ入っていった。

 

 

「しかし驚きました!ガイさんが巨大ヒーローだったなんて!」

 

ナオミはガイの方を見ながら言った。

 

「俺だってそんなに強い訳じゃないですよ。それに、先輩方にはまだまだ…」

 

「でも、今回はガイ君がいなかったら負けてたよ」

 

「ああ、モモの字と違って頼りになるわ」

 

「ね!自信持ってガイ!」

 

そう言ってリュウタロスはガイの肩を叩いた。

 

「あ、ありがとうございます、リュウタロスさん」

 

すると、なのはとフェイトが目を覚ました。

 

「ん…ここは…?」

 

「…電車の中?」

 

「待ってな、もう少しで家に帰れるから。それまで少しの間辛抱だぜ、二人の小さな英雄さん」

 

そう言ってガイは二人の頭を撫でた。

 

「は、はい。ありがとうございます」

 

「なのはちゃんにフェイトちゃんだっけ?そのお兄さんに感謝しなよ。捕まった所を助けてくれたんだから」

 

ウラタロスはコーヒーを啜って二人に言った。

 

「はあ…ありがとうございます」

 

フェイトはガイの方を見て礼を言った。

 

「何、礼を言われるような事じゃないさ。その代わり、大きくなったら誰かを助けられる様になることだ」

 

ガイはそう言って微笑んだ。

 

「はい!」

 

「うん!」

 

二人は元気よく頷いた。

 

「ならよし。ラムネのお兄さんとの約束だ」

 

そう言ってガイはもう一度二人を撫でた。

 

「何かお飲みになりますか?」

 

ナオミは二人にメニューを差し出した。

 

「フェイトちゃんは何にする?」

 

「私は何でも良いよ。なのはは何にするの?」

 

「え〜っと、じゃあオレンジジュース」

 

「じゃあ私もそれで」

 

「オレンジジュース二つですね。少々お待ちください」

 

そう言ってナオミはジュースを作り始めた。

 

なのはは辺りをキョロキョロ見渡していた。

 

窓際でラムネを飲んでいるガイや運転と戦闘で疲れて寝ている零と百合、チェスをしているウラタロスとリュウタロス、いびきを立てて寝ているキンタロス…

 

「イマジン達が珍しいですか?なのは様」

 

オーナーはなのはに話しかけた。

 

「ああ、はい…ちょっと変わった姿をしてるな〜って」

 

「そのイマジンって、何ですか?」

 

フェイトも聞いた。

 

「イマジンと言うのは元々、人々の中に眠るイメージが具体化したようなものです。例えば、彼ら、モモタロスやウラタロス、キンタロスは童話の[ももたろう]や[うらしまたろう]、[きんたろう]に登場するキャラクターのイメージがそのまま現れてそれがイマジンになる、という訳です。モモタロスは野上良太郎という青年の中に眠る[ももたろう]の赤鬼のイメージが具現化したものです。お分かり頂けましたか?」

 

「はい。しかし、イマジンも人間と同じことをするんだなーって思って」

 

「イメージの産みの親が人間ですからね。人間と同じことをしても何ら不思議ではありません」

 

「へぇ〜…」

 

「はい、オレンジジュース二つです」

 

ナオミは二人にオレンジジュースを渡した。

 

「ありがとうございます」

 

「ありがとうございます。さ、飲も、フェイトちゃん」

 

「うん」

 

なのはとフェイトは同時にコップを持ち、オレンジジュースを飲み干した。

 

「…ぷはー!やっぱり終わった後のジュースは格別だね!フェイトちゃん!」

 

「うん…!いつもより美味しい!」

 

飲み終わったコップをテーブルに置き、なのはは窓から景色を眺めた。

 

外は真っ白で何も見えないと思ったが、すぐに白い空間から抜け出し、砂浜のような場所に出た。

 

「おっと、そろそろ到着のようですな。二千四年十二月二十四日に到着です」

 

オーナーの言葉と共にデンライナーはスピードを落とし、指定の時間に停車した。

 

「えっと、送って頂きありがとうございました!」

 

「短い時間でしたがありがとうございました」

 

「おっ、偉いねぇ。ちゃんと礼が言えるなんて」

 

「気を付けて帰れよ」

 

「はい!」

 

二人が扉を開けると、そこは二人がいなくなった直後の城だった。

 

「後は上手くやってくれよ、二人共」

 

「はーい!」

 

そう言ってデンライナーはドアを閉じ、再び発車した。

 

 

 

 

 

 

歴史を修正した事で未来も直り始めた。

 

「ん?」

 

「んお?」

 

ヴィータの横には成長したフェイトが現れ、はやての近くにはなのはが現れ、そして次々と機動六課の局員が戻ってきた。

 

「おー!なのはちゃんにフェイトちゃん!待っとったでー!」

 

「ただいま、はやてちゃん。おかえり、フェイトちゃん」

 

「なのはもおかえり」

 

機動六課のシステムも全て復旧し、完全に歴史が修正された。

 

デンライナーは元の時間へと列車を走らせていた。

 

 

 




今回はここまでです。

いやー、疲れた。

それではまた次回!


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旅立ちはいつも必然 どうせなら飛び回れ

さてさて、なのは編も落ち着いて、ええ。

これ書き終えたら本編見ないとね。

何の本編か?

それは本編を見てからのお楽しみ。

多分今回短くなる…かな?


[リリカルなのは]の世界の歴史改変を無事修正し、零達はデンライナーへ乗ってはやてのいる時間へ戻っていた。

 

はやて達はなのは達が本物かどうか確かめる為に色んな所を触り、それをヴィータに怒られていた。

 

すると、空に穴が開き、機動六課庁舎前にデンライナーが汽笛を鳴らしながら停車した。

 

「お、来た来た。来よったで二人共」

 

「?何が?」

 

「まあええからええから。見れば分かるって」

 

「見れば分かる?」

 

「少なくとも私には分かるで」

 

はやてはなのはとフェイトの服の袖を引っ張って走り出した。

 

「ちょ、ちょっと待ってはやてちゃん!」

 

「いくらなんでも突然だよう!」

 

三人は庁舎を抜け出してデンライナーの前で止まった。

 

「これは…」

 

「確か…デンライナー…」

 

なのはとフェイトの二人は驚いた様な表情でデンライナーを眺めた。

 

「なんではやてちゃんはこのデンライナーで私達が助けられたって分かったの?」

 

「あの時乗ったのは私達しか知らないはずだし、こうやって見せるのも初めてなのに…」

 

「そこは私の勘や。もしかしたら…ってな」

 

するとデンライナーのドアが開いた。

 

「ほら、この扉が開けば零君と百合ちゃんが───」

 

「よっと。おら、お前ら着いたぞ」

 

「はいはい、と」

 

「ねーねー、熊ちゃん起きないけどどうするー?」

 

「あのバカはほっとけ」

 

「起きとるわ、モモの字」

 

「起きてるんなら起きてるって言え!」

 

デンライナーの中から出てきたのは四人のカラフルな怪人だった。

 

「あれ…?」

 

「零君と百合ちゃん…増えた上に色も変わったんやなぁ。一体何があったん?」

 

はやては赤い怪人の顔を触りながら二人の方を見た。

 

「はやて…それモモタロスって人だよ…」

 

「俺を誰と勘違いしてやがんだこの野郎!」

 

モモタロスははやての手を荒々しく払い除けた。

 

「おやおや、暴力はいけませんよセンパイ」

 

倒れそうになったはやてをウラタロスが支えた。

 

「大丈夫ですか?」

 

ウラタロスははやてをお姫様抱っこする様に支えながらはやての顔を覗き込んだ。

 

「わ、私は大丈夫やで…」

 

「それなら良かった。…失敬、生き別れの姉さんとよく似ていたからつい…」

 

「カメ公もいつも通りだな」

 

すると、中からグレーのコートを着た一人の青年が降りてきた。

 

「あー、よく寝た…」

 

ガイは伸びをしながら欠伸をし、脱力した。

 

二人はガイの顔を見るやいなやそっちの方に駆けて行った。

 

「ラムネのお兄さん!」

 

二人は声を合わせて叫んだ。

 

「お、久しぶりだな。元気か?」

 

ガイは二人の顔を交互に見ながら言った。

 

「はい!お兄さんも元気そうで!」

 

「そいつは良かった。どう?俺との約束は守れてる?」

 

「ええ。その教えでここまで来られました」

 

フェイトは機動六課の庁舎の方を振り向いて言った。

 

「ちゃんと約束を守ってくれてて俺も嬉しいよ」

 

そう言ってガイはラムネを二本、二人に一本ずつ渡した。

 

「飲めよ、二人共。毎日お疲れさんです」

 

ガイは笑顔で二人に言った。

 

「…はい!」

 

二人は嬉しそうに返事をし、蓋を開けてラムネを飲んだ。

 

 

 

「あ、そやそや。零君と百合ちゃんはどこや?」

 

はやてはウラタロスに降ろされながら言った。

 

「冷コーと百合坊か?あいつらならデンライナーん中で寝てるぞ」

 

「運転やら戦いやらで疲れたんだって」

 

モモタロスとリュウタロスが親指と人差し指で二人がいる辺りを指さした。

 

零と百合はソファにもたれたりテーブルに伏せたりして眠っていた。

 

二人の近くにはラムネが二本置かれていた。

 

 

「そかそか。二人共お疲れさんやな」

 

「ところでさ、ラムネのお兄さん」

 

「ん?」

 

「赤い人に青い人、それに皆にちょっと相談があんねんけど、ええか?」

 

「あん?」

 

「ん?」

 

「え?」

 

「あ?」

 

「ここで話すのもあれやし、それにデンライナー?やっけ?の偉い人もいるんやったら連れてきてくれへんか?」

 

「あ、じゃあ僕連れてくるー」

 

そう言ってリュウタロスはオーナーと眠っていた二人を起こして連れ出した。

 

「んー…なんですかリュウタロスさん…」

 

「いーからいーから。早く早く〜」

 

リュウタロスは数分としない間に三人を連れて出てきた。

 

「全員揃ったな。ほないこか」

 

そう言ってはやては庁舎の方に案内し、一同は庁舎へ入った。

 

「カメ公先に言っとくが余計なことすんじゃねえぞ」

 

「時間ないんだしそんな事しませんって」

 

「なら良いんだけどよ」

 

そんな会話をしながら一同は進む。

 

通る人々のイマジンを見る目は、怖がる物もあれば興味津々に目を輝かせたりと様々だ。

 

そして、数分後に司令室に到着し、オーナーやモモタロスはソファに座り、はやて、なのはと机を挟んで座った。

 

「それで、相談とは?」

 

「そんな難しいことやないんやけど、私達もデンライナーに乗せて欲しいねん」

 

「はやてちゃん!?」

 

「はやて!?」

 

二人は驚いた様な表情ではやてを見た。

 

その表情は真剣そのものだった。

 

「うーむ…皆様は如何ですか?」

オーナーはイマジン達の方を見ながら言った。

 

「や、俺は別にいいけどよ」

 

「僕も大賛成です」

 

「俺も大歓迎やでぇ」

 

「僕も仲間が増えて嬉しいよー!」

 

「ガイ様達は如何ですか?」

 

オーナーは零達の方を向いて言った。

 

「味方が増えるのは嬉しいけどさ…」

 

「三人共どれ位強いの?」

 

「確かに、それ次第だな。守りたい気持ちも分かるけどな…」

 

「どこかで聞いた話なんやけど、この二人地球上での強さランキングで上位にくい込む程やって」

 

「採用だな」

「採用ですね」

 

「採用だわ」

 

満場一致で三人が着いていく事が決まった。

 

「ほんまにありがとうな。で、勿論ただって訳やないんや」

 

「ほほう、それは一体?」

 

「ここのシステムも全部復旧した。でな、デンライナーと組み合わせて様々な世界に行けるようにするんよ」

 

「ってーとつまり、デンライナーの時間を超えるのとここのシステム…」

 

「時空を超えるシステムを連動させて沢山の世界を救う…ってこと?」

 

モモタロスとウラタロスがジェスチャーをしながら言った。

 

「そう言うことや。な?悪くないやろ?」

 

「…そうですね。沢山の世界を救わねばならない今、そのシステムは必要不可欠です。良いでしょう」

 

「ありがとな!えっと…」

 

「おっと失礼致しました。私の事はオーナーと呼んで頂いて構いません」

 

「改めてありがとな!オーナー!」

 

はやてとオーナーは強い握手を交わした。

 

 

 

一同は早速デンライナーに乗り込み、司令室ではシャマルがシステムを起動させた。

 

『こちらシャマル。システム起動確認しました』

 

シャマルが通信機ではやてに通信を送った。

 

「ありがとな、シャマル」

 

『いえ。お気を付けて行ってらっしゃい』

画面の向こうでシャマルは笑顔で手を振った。

 

はやても手を振り返し、通信を切った。

 

「さて、とりあえずいける準備は出来たけど、行く準備は出来たか?なんとかに、フェスタにはやこ」

 

「なのはです!」

 

「フェイトです!なんでお祭り!?」

 

「はやこて!はやてやで!」

「はいはい。で、行く準備は出来てンのか?」

 

「一応出来てるけど…ヴィヴィオどうしよう」

 

なのははフェイトの方を見ながらオロオロして言った。

 

「それなら問題あらへんで。さっきヴィヴィオに言ったらフーカんとこ泊まるって言ってたから」

 

「なら大丈夫そうだね」

 

「おし、ならもう行けそうやな!」

 

キンタロスは腕を組みながら一同を見回した。

 

「おめえ一番なんにもしてねえだろうが!」

 

そう言ってモモタロスはキンタロスの頭を叩いた。

 

それを見て一同は大笑いした。

 

「それでは皆様、出発致しましょう。次の行き先は過去か、未来か。デンライナー、発車でございます」

 

オーナーの言葉と共にデンライナーは動き出し、システムの中へ入って別の世界へと走り出した。

 

「次の世界線はどこ?」

 

百合はナオミから貰ったコーヒーを飲みながらオーナーに聞いた。

 

「次の行き先は、第214世界線です。長時間の運行となりますのでゆっくりと休んでください」

 

「また随分飛ぶね…」

 

「しょうがないさ。どれ位世界線があるなんて分かんないんだもの」

 

「それに、その並行世界まで考えるとキリが無いしね」

 

ウラタロスとなのはが零に説明した。

 

「で、その世界の事は分かる?」

 

「うーん、目立ったものはないから向こうに行かないと分からないわねぇ」

 

百合はスマホを弄りながら言った。

 

「ゲームとかの世界だったら面白そうだけどな」

 

一同はそんな他愛の無い会話をしながら次の世界へ向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回はかの有名なヴァーチャルゲーム!

彼らは果たして生き残れるのか!?

また次回!


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We are Double Gamer’s!

やりましょうか。

正直今回出すのがかなり怖い…

けどやらねばならぬ、何事も。

…ん?はいはい?え?怪獣達の出番を?

安心して下さい。ありますよ!(某安村)

という訳で本編



零達一同はデンライナーに乗って次の世界へ向かっていた。

 

新たに仲間も増え、先は長いがとても心強い仲間達である。

 

それはとてもいい事だ。

 

しかし、零と百合にはどうしても気になることがあった。

 

「…オーナー、このデンライナーって時間しか移動できないんですよね?」

 

零はチャーハンをスプーンですくうオーナーの方を見て言った。

 

「そうです。デンライナーは過去と未来しか行き来出来ません」

 

「それなのに何故歴史改変の波から逃げられたんですか?」

 

「言われて見ればそうね。何でですか?」

 

百合もオーナーの方を見た。

 

「ふむ、私にも全てが分かっている訳ではありませんが、その時の話をすると、歴史改変の波から逃げている時に突然上空に穴が開き、一か八か飛び込んだのです。そうしたら…という訳です」

 

「ガイさんと言い、デンライナーと言い一体誰が?」

 

「さぁな。それこそ神って奴が助けてくれたのかもなぁ」

 

モモタロスは腕を組みながら言った。

 

「ウルトラマンノア…って事も無さそうだな」

 

「ノアだったらもう少し守れてるだろうしね」

 

「相手が神様、ってことも考えられるやろなぁ」

 

「何しろ過去から変えていくんだしね」

 

「ま、歴史を修正して行く内に分かるでしょ」

 

「リュウタの言う通りだ。まずは済ませるもんを済ませねえとな」

 

「だね」

 

そして、デンライナーは別の世界へ到着し、その世界での二千二十二年」に到着した。

 

「とりあえず冷コーと百合坊、あと魔法使い三人で現地を探索だ。表面上には影響は出てねえ時に来たからまだ奴らは動いてねえが、どの場所で事件が起きるか分かんねえ。しっかり探索しろよ」

 

「それ私のセリフやったのに…」

 

「一回やってみたかったんだよこう言うの」

 

「それは良いけど、時間を開けて出ないと。網で捕えられたら大変だよ?」

 

「それもそうですね」

 

「それじゃ、まず冷コーと百合坊だ。なのは達三人は私服で行ったほうが良いだろ」

 

「うん、分かった。また何か分かったら戻ってくればいい?」

 

「ああ。オーナー、あれってまだあんのか?」

 

「勿論」

 

そう言ってオーナーはライナーパスを人数分取り出し、モモタロスはそれを投げ渡した。

 

「そいつがあればいつでもデンライナーに乗れる。今は非常事態だから勝手に出ることは無いし、置いてくなんて事もねえから安心しろ」

 

「ありがとう、モモタロス」

 

「けっ、味方が減るとめんどくせーんだよ」

 

零と百合はデンライナーから出てその世界へと出た。

 

そして、数分後になのは達三人も出てきた。

 

「とりあえず情報収集を始めよう。そして三十分後にデンライナーに集合だ」

 

「分かった。それじゃあまた後で」

 

零と百合、なのは、フェイト、はやて三人は二手に別れ、早速街で情報を集める事にした。

 

「わ、凄い未来的」

 

「いかにも絵に書いた様な未来の街だね」

 

「機動六課の庁舎より大きいやんか…」

 

三人は建物を眺めながら言った。

 

「さて…と。まずはどこに行く?」

 

零は百合の方を見て言った。

 

「そうね、まずは色んなお店を見てくのがいいかしら」

 

「よし、それじゃあ行くか」

 

零と百合も街を見ながら歩き出した。

 

すると、ビルの大きなモニターで一本の映像が流れ始めた。

 

そのモニターには「ソードアートオンライン」の文字が書かれていた。

 

「ソードアート…」

 

「オンライン?」

 

零達はパソコン等を取り扱う店へ入り、[ソードアートオンライン]について話を聞いた。

 

「ソードアートオンラインってのは、数年前にあったVRゲームを更に改良したVRMMOゲーム。このナーヴギアって言うヘッドギアを使って…まあ簡単に言えば自分がゲームの中に入るみたいなもんだ」

 

店主は黒いヘルメットの様な機械を置いて二人に見せた

 

「へぇ〜」

 

「ちなみにいくら?」

 

「ゲームも合わせて十二万八千円だ。買うか?」

 

「…ま、これがないと始まらないだろうし」

 

零は財布を開いて丁度のお金を出した。

 

「毎度あり!」

 

零と百合はゲームとギアを持って店を出た。

 

「とりあえず一旦戻ろう。三人にも戻ってもらわないと」

 

零と百合は路地裏に行き、扉を開けてデンライナーに続く空間に入った。

 

 

 

そして、なのは達を呼び戻してデンライナーの中に戻った。

 

「ここの世界が何か分かったわ」

 

「ほう」

 

イマジン達は同時に頷いた。

 

「それは…」

 

「それは…?」

 

「ソードアートオンラインが中心となってる世界、ね」

 

「ソードアートオンライン?ゲームかなんか?」

 

リュウタロスが聞いた。

 

「ご名答。このソードアートオンラインってゲームがこの世界の中心になってるの」

 

「で、そのゲームはどんなゲームなんや?」

 

「バーチャルリアリティー、VRゲームが進化したRPGゲームね。ユーザーは一万人を越えてるらしいわ」

 

「凄いゲームだな…」

 

「しかもこれ発売して一ヶ月も経ってないんだろ?」

 

「物凄い人気だな…しかし、これじゃあ一人しか行けないんじゃないか?」

 

「そうだよ。それに、そのゲームについて調べてたんだけど、ゲームオーバーになったら死ぬって…」

 

「そんな大変なゲームなんか!?」

 

「ついにゲームでも死ぬ時代ですか…」

 

「でも、このギア一つじゃ一人しか行けないんやないの?」

 

「そうか…流石に一人じゃ厳しいし、この場で仲間を失うのも辛い…」

 

一同は腕を組んで考え込んだ。

 

「…なあ、ゲームの中に入る、ってのは出来ないのか?」

 

ガイが口を開いた。

「お前なぁ…いくらなんでもゲームに入れるなんてそんな事…」

「それだ!」

 

「どおぅわっ!」

零と百合はモモタロスを押しのけて目を輝かせながらガイの方を見た。

 

「そうだよ!ゲームが出来ないなら入ればいいんだ!」

 

「流石ですガイさん!」

 

「でも、お前達そんな事出来るのか?」

 

ガイは二人をなだめ、モモタロスを起こしながら聞いた。

 

「以前俺の友達がやった事あるんですよ。だから、もしかしたらと思って」

 

「そんな事が出来るわけ…」

 

「まあまあ、ものは試しに見てみようよ」

 

零と百合はヒーローブレスに手をかけ、二人共ウルトラマンエックスのボールをスピンさせた。

 

「変身!」

 

『METAMORPHOSE!ULTRA X FIGHTER!』

 

零と百合はその場でウルトラマンエックスを象ったアーマーを装着した。

 

「エックスさんのアーマー?」

「そ。後は…」

 

「媒体は…これでいいな」

 

「え?は?」

 

「とうっ!」

 

次の瞬間、零と百合は自分自身をデータにしてナーヴギアの内部に入った。

 

そして、ナーヴギアに繋がれたスマホの画面に二人の姿が映った。

 

「んなのありかよ!?」

 

モモタロスはスマホの画面を見ながら言った。

 

「すごーい!本当にゲームの中に入っちゃった!」

 

リュウタロスは二人を指差しながら言った。

 

「それじゃあ、ちょっくら倒してくる!」

 

そう言って二人は持っていたスマホからバイクを出し、バイクに跨って広い平原の上を走り出した。

 

「ついでにこっちにも変身しとくか!」

 

『METAMORPHOSE! EX-AID RIDER FIGHTER TYPE ACTION GAMER !』

 

『METAMORPHOSE! GENM RIDER FIGHTER TYPE ACTION GAMER !』

 

零と百合はエックスのアーマーに重ねがけするように仮面ライダーエグゼイドと仮面ライダーゲンムを象ったアーマーをそれぞれ装着した。

 

二人はバイクで駆けながらゲームのクリア条件であるラスボスを倒すため、浮遊城アインクラッドを目指した。

 

そして、思いっきり飛び上がって城内に入り、有無を言わさない速さで階層を駆け上がる。

 

『RIDER FINISHER! MIGHTY CRITICAL STRIKE!』

 

「オラァ!」

「ヒャハァ!」

 

この場で説明しておこう。

 

あくまで彼らはヒーローである。

 

「コンティニューはさせねえぞオラァ!」

 

「神の裁きを受け取れえええ!」

 

そう、あくまでもヒーローである。

 

「天才ゲーマーのお通りだァー!」

 

「道を開けろコラァ!神のお通りだァ!」

 

自信が無くなって来るが一応ヒーローである。

 

そして、二人は75階層に入った。

 

正確には飛び込んだ、と言った方が正しいのだろうが、兎にも角にも到着したのである。

 

そこには沢山のプレイヤーが倒れており、一人の男が黒い服を着たプレイヤーを倒した所だった。

 

「ん?まだプレイヤーが?」

 

他のプレイヤー達も二人の方を向いた。

 

二人はバイクから降り、ゆっくりとプレイヤーの間を歩いてボスらしき人物の元に近付いた。

 

「君達も私を倒しに来たのかね。良いだろう、かかってこい」

 

そう言ってボスは剣を構えた。

 

「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 

「コンティニューしてでもクリアする!」

 

二人はエグゼイドとゲンム、二人の武器であるガシャコンブレイカーとガシャコンキースラッシャーを握り締めた。

 

「エグゼイドだとレベルXXか99じゃないと使えないんじゃないのか?」

 

零は百合の持つガシャコンキースラッシャーを指さして言った。

 

「あくまでレベルは関係ないのさ。さあ、行くぞ!」

 

「よ、よし!神の裁きの時間だ!」

 

零は少し首を傾げながらもボスに向かって行った。

 

零は飛び上がってボスを斬りつけた。

 

何度かボスの身体に当たる度[Hit!]エフェクトが現れる。

 

百合もガシャコンキースラッシャーでボスに斬りかかり、何度も[Hit!]のエフェクトが現れた。

 

「クッ!ゲームマスターを舐めるな!」

 

ボスは二人をなぎ払い、二人はその衝撃で間合いを取って下がった。

 

すると、その上に飯原が現れた。

 

「やあ、二人共」

 

「お前は…!」

 

「飯原…!」

 

飯原は二人を見下す様に手を振っていた。

 

「このままゲームクリアで歴史を修正するのもいいんだけど…そのままじゃあつまらない。もっと俺を楽しませてくれよ」

 

そう言って飯原はボスにゼノ細胞を指で弾いて埋め込んだ。

 

「さあ、EXステージの始まりだ」

 

そう言って飯原は姿を消した。

 

それと同時にボスキャラの目が赤く光り、二人に襲いかかった。

 

「レベル…99ってとこか!」

 

「今回は純粋なレベルアップってことか!それにしても、早くて重い!」

 

二人はボスに圧倒され、一度後ろに下がった。

 

「そうか…ならこっちもレベル99だ!零!ちょっと身体貸して!」

 

「おう!……は?」

 

百合はエグゼイドのボールを零の身体にタッチし、もう一度弾いた。

 

すると、零の身体はマキシマムゲーマと呼ばれるロボットに姿を変え、百合はそのロボットの中に入り込み、ロボットの頭部の部分から顔を出し、ガシャコンキースラッシャーを握り締めた。

 

『FORM CHANGE!TYPE MAXIMUM!』

 

「ったく、人の身体使うんだからさっさと済ませろよ」

 

「分かってるぜ!」

 

そう言って百合はボスに斬りかかった。

 

先ほどとは違って斬撃をものともせず、百合はボスの身体を掴んで思いっきり地面に叩きつけた。

 

ボスはなんとか膝立ちで耐え、百合の腹部に矛先を向けた。

 

しかし、頑丈なマキシマムゲーマのボディーには通用せず、ガシャコンキースラッシャーで薙ぎ払われた。

 

「そろそろトドメだ!」

 

百合が必殺技を発動しようとした時だった。

 

ボスは急に首を掴んで苦しみだし、膝から崩れ落ちた。

 

「な、なに!?」

 

「グッ!グオオオアアア…!」

 

そして、体から煙が吹き出し、手から剣と盾を落としてその場に倒れ、徐々に身体が変形していった。

 

「ぐあああああああああああ……」

 

ボスの悲鳴は一瞬で途切れ、数秒後には見るに耐えない醜い肉塊へと変形した。

 

「な───」

 

「なんだ、不適合者か。何も変化しないからまさか、と思ったけど」

 

いつの間にか飯原が後ろから歩いて来ていた。

 

「どう言うことだ?」

 

「それをお前らに言う理由はない」

 

そう言って飯原はボスだった肉塊に近付いた。

 

「…チッ、役立たずが!」

 

そう言って飯原は肉塊を踏みにじった。

 

肉塊からは真っ赤な鮮血が溢れ、飯原の顔や服にベッタリと付着する。

 

「…次はお前らがこうなる番だ」

 

そう言い残して飯原はその場から消えた。

 

「…とりあえず、あの少年達をコンティニューさせないと」

 

零はロボットの状態を解除し、残機の一つを分け与えた。

 

「恐らくこれで大丈夫だ…」

 

「ああ…」

 

そして、ゲームの世界の崩壊が始まり、二人はバイクに乗って出口からゲームの世界を脱出した。

 

 

「おう、おかえり」

 

モモタロスが二人を出迎えた。

 

二人はアーマーを脱着し、ボールの中に納めてボールをブレスの中に戻した。

 

「ゲームの中に入れたのは嬉しいけど…」

 

「また飯原は倒せなかった」

 

「まあ、また会った時に倒せばいいよ」

 

「そうだよ。二人共お疲れ様」

 

「お疲れさんです」

 

なのはとフェイトは二人を撫で、ガイはラムネを渡した。

 

「そう言えば、ソードアートオンラインの世界ではあの後どうなるの?」

「あの世界では、桐々谷和人と言う少年を始め六千人余りのプレイヤーはログアウト完了、そして桐々谷君は天才ゲーマーとして様々なゲームをクリアして行くのです」

 

オーナーがリュウタロスの質問に答えた。

 

「ま、これで歴史も修正出来たし、機動六課に戻ってまた別の世界へ行こうぜ」

 

「そうやな。オーナーさん」

 

「はい」

 

オーナーの合図でデンライナーは走り出し、百合はデンライナーが入る位の穴を開けて機動六課庁舎まで繋げた。

 

「次の行先は機動六課庁舎前です。長時間の運行となりますのでごゆっくりとおやすみ下さい」

 

デンライナーは汽笛を鳴らしながら機動六課庁舎前へ向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

SAOファンの皆様、ごめんなさい!

もう少し早く来させれば良かった!

でもコンティニューしたから許してください!

それではまた次回!



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幻想の中でLet's GAME!

一息着いたのでやりませう。

アニメだけじゃなくて色んなゲームにも入らせたい。

ただし番外編扱いになるなぁ。

それでは、ゲェイム、スタートォ!



時の列車、デンライナーに乗り零達一行は次なる世界へと向かっていた。

 

「で?次はどこに行くんだ?オーナー」

モモタロスはオーナーの方を向いてオーナーに聞いた。

 

「次は、…二千十七年でございます」

 

「なんだ、今度もそんなに年は離れてないのね」

 

「いえ、二千十七年な事には変わらないのですが…」

 

「?何か問題でも?」

 

ウラタロスがコーヒーの入ったマグカップを受け皿に置いて言った。

 

「少しばかり特殊な空間な様で、あまり長居は出来ず、時間にも制限がありそうです」

 

「なんだ、べつによゆーじゃん!時間が来る前に倒せば良いんでしょ?」

 

「リュウタの言う通りや。時間が来る前に解決すればええやろ」

 

「それもそうだね。こっちに時間制限があるってことは向こうにも時間制限があるだろうし、焦る事は無いと思うよ」

 

「さすが教官を務められるだけの事はあるなぁ」

 

なのはの分かりやすい考察にはやてはなのはの方を見て褒めた。

 

「そんな事ないよ〜、あくまで推察だしね」

 

なのはは髪をかきあげて頭を掻いた。

 

「教える立場だし今度教え方習おうかな」

 

「流石に事件起こす度鉄拳制裁じゃね…」

 

百合は苦笑いをしながら零に言った。

 

「また今度教えてあげるよ。あくまで私なりのだから参考になれば良いかな」

 

「その時は宜しくお願いします…」

 

そう言って零は頭を下げた。

 

「皆様、お待たせしました。二千十七年、[幻想郷]へ到着です…」

 

「幻想郷?」

 

全員が声を合わせて言った。

 

デンライナーは汽笛をあげて停止し、ドアを開けた。

 

一同はデンライナーから出て、自然に囲まれた人里に出た。

 

すると、出た途端大量の弾丸がモモタロスの先を通り抜けた。

 

「どおわったったったぁ〜!」

 

「おわぁ!」

 

「きゃあ!」

 

それに驚いてモモタロスは躓き、後ろに倒れ込んだ。

 

そのせいで零と百合は階段から転げ落ち、零の鼻を弾丸が掠った。

 

「な、なになに?なにがあったの?」

 

リュウタロスは外へ続く階段の陰から外の様子を伺った。

 

外ではゲームの敵キャラの様な戦闘員達とゲームのキャラの様な仮面ライダー達三人が戦っていた。

 

「誰だぁ?こんな事をやってる野郎は…」

 

「あ!ねえねえ、あれってよく見たらエグゼイドじゃない!?ほら!」

 

リュウタロスはピンク色の仮面ライダーを指さして言った。

 

「はあっ!たあっ!」

 

その仮面ライダーも二体敵戦闘員を倒してからこちらに気付いた。

 

「モモタロス?なんでここに?」

 

「やっぱりアイツか!へへっ、なんだか知らねえが面白そうな事してるじゃねえか!俺も混ぜてくれよ」

 

そう言いながらモモタロスは電王ソードフォームに変身した。

 

「俺、参上!」

 

ソードは決めポーズをして、武器であるデンガッシャーを構えた。

 

「しょうがないなぁ、センパイは」

 

「わーい!僕も僕もー!」

 

「しょうがあらへんな。おまんらも戦ってくれ。数が多くて俺らじゃ処理し切れなさそうや」

 

そう言ってウラタロス達もデンライナーから降りてロッド、アックス、ガンに変身した。

 

「そういう訳やから行こか」

 

「よーし!行くよレイジングハート!」

 

『Sure,my master.』

なのはの持つレイジングハートが水晶を光らせて応えた。

 

「行くよ、バルディッシュ」

 

『Sure,my master.』

 

バルディッシュも同様に応えた。

 

「ちゃうで二人共。ほら、零君達も」

 

「俺らも?」

 

はやてに言われて四人はデンライナーから降り、横一直線に並んだ。

 

「行くで皆!変身!」

 

「あ、あそっか!変身!」

 

「え、ええ!?と、とにかく変身!」

 

「変身!」

 

「変身!ありがとうはやてさん!」

 

五人は掛け声と共に変身を開始した。

 

なのは、はやて、はやては全身から光を放ち、零と百合はヒーローボールをスピンさせ、ボールと一緒に飛び上がった。

 

『METAMORPHOSE!GHOST RIDER TYPE ORE!』

 

『METAMORPHOSE!DRIVE RIDER TYPE SPEED!』

 

零と百合は仮面ライダーゴーストと仮面ライダードライブを象ったアーマーを装備した。

 

そして、百合はゴーストの武器であるガンガンセイバーを、零はドライブの武器であるハンドル剣を構え、なのは達三人はバリアジャケットを装着してそれぞれの杖を構えた。

 

「おー…凄いな」

 

エグゼイドはその光景を眺めて感嘆を漏らしていた。

 

すると、エグゼイドの足元に何かがコンと音を立ててぶつかった。

 

「ん?」

 

エグゼイドは足元を見てしゃがみ、足元に落ちていたガシャコンバグヴァイザーを拾い上げた。

 

「なんでこんな所にこんな物が?」

 

すると、バグヴァイザーの画面が光った。

 

「ちょ、ちょっと出して!ここから出して!」

 

「げ、ゲームのキャラクター!?」

 

バグヴァイザーの中で一人の巫女が画面をバンバン叩きながら叫んでいた。

 

「横から出られますよ」

 

「え?あっ、ホントだ。言われるまで気付かなかった」

 

その巫女はそう言うとバグヴァイザーの横の穴から一人の巫女が粒子となって出現した。

 

「何をしている研修医!」

 

「早く来い!」

 

水色の仮面ライダーと黒い仮面ライダーはエグゼイドの方を向いて言った。

 

「あ!すみませんすぐ行きます!」

 

エグゼイドはバグヴァイザーを放り捨てて戦闘員達の方に向かった。

 

「行くで皆!」

 

「おう!」

 

「ええ!」

 

「うん!」

 

「さっさと終わらせましょう!」

 

零と百合は戦闘員達の方に向かって走り出し、はやてとフェイトも浮き上がって飛び出し、なのはは高く浮かび上がって援護に回った。

 

「なんだ?お前ら」

 

黒いライダーが零達の方を見て言った。

 

「俺達は味方です!」

 

「フン、せいぜい足を引っ張んじゃねえぞ」

 

そう言って黒いライダーは敵戦闘員達の方を向いて戦艦の様な装備で狙いを決め、戦闘員達をどんどん撃っていった。

「はああっ!」

零は戦闘員達の中に飛び込み、ハンドル剣で戦闘員達を薙ぎ払い、回し蹴りで戦闘員を吹っ飛ばして後ろの戦闘員を背負い投げで地面に叩きつけた。

 

「でやぁぁっ!」

 

百合は幽霊の様に地面に足を付けず戦闘員達を踏み台にしながら戦闘員達を攻撃し、ブレイクダンスの様に手を地面につけて身体を回転させて戦闘員達を薙ぎ払った。

 

「まだまだゲームは終わっとらんでぇ〜!」

 

はやては射撃魔法で戦闘員達に魔法を当てて飛行し、着地すると同時に戦闘員達が一斉に爆発した。

 

「はああああ…!」

 

フェイトも飛行しながら戦闘員達に魔法を当てて爆発させ、まるでシューティングゲームの様に戦闘員達を倒していった。

 

「実際にやるのも悪くないね」

 

なのはは杖を構え、エネルギーをチャージしていた。

 

「エネルギー充填完了!皆離れて!」

 

なのはははやて達に向かって叫び、ライダーと零達はその場から離れた。

 

「スターライト…ブレイカーーーー!」

 

なのはは杖から眩い光と共に巨大な光線を放ち、戦闘員達を一掃した。

 

『GAME CLEAR!』

 

戦闘員達が全滅したのと同時に電子音声が鳴り響いた。

 

そして、ライダーと零達は変身を解除し、なのは達三人も地上に降りてバリアジャケットを解除し、普通の服に戻った。

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです!

リハビリにはなったんかなあ。

それではまた次回!


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二人のfiend W & B

目覚める本能────

なんて書いたはいいが大丈夫かこれ!?

まあいいか。 大体構想は出来てるしね。

では本編どうぞ!


電王達、零達、エグゼイド達は変身を解除し、なのは達三人もバリアジャケットを解除して普通の服に戻って対峙した。

 

「久しぶりだな永夢!確かゼビウス事件以来か?」

 

「お久しぶりです、モモタロスさん!あの時はお世話になりました」

 

モモタロスと永夢と呼ばれた青年は握手を交わした。

 

「ところで、そちらは?」

 

永夢はモモタロスの後ろにいた零達の方を見て言った。

 

「ああ、紹介するぜ」

 

そう言ってモモタロスは零達を手招きした。

 

零達はモモタロスの方に向かっていった。

 

そしてモモタロスは零と百合の肩に腕を置いた。

 

「こっちの青いのが冷コーで、こっちの緑が百合坊だ。んで、さっきバグスターを一掃したのがあのなのは、で、一体一体倒してたのがフェイト、そんでもって一気に倒してったのがはやてだ」

 

「だから誰がアイスコーヒーだ!」

 

「だから誰が百合坊よ!」

 

零と百合はモモタロスの方を見て同時に言った。

 

「れ、冷コーと百合坊?」

 

永夢は顔をしかめながら聞いた。

 

「あ、すみません。俺は零です」

 

「私は百合です」

 

「モモの字、お前もう少し丁寧に紹介したれよ」

 

キンタロスがモモタロスの頭を軽く叩いた。

 

「零さんと百合さんですね。僕は宝条永夢です。宜しくお願いします」

 

そう言って永夢は手を差し出し、零と百合はそれを握って握手を交わした。

 

「大我さんと飛彩さんもそんな所にいないで来てください」

 

永夢は後ろの少し離れた場所にいた青年二人を呼んだ。

 

「…俺は大我。大我でいい」

 

「鏡飛彩だ。研修医や無免許医共々宜しく頼む」

 

大我と名乗った青年は腕を組みながら言い、飛彩は永夢と大我の頭を掴んで自分の頭と一緒に下げた。

 

「わっ!?ちょ、ちょっと飛彩さん!」

 

「離せ!」

 

「他所から来た人に俺達が無礼だと思われたくないだろ」

 

「うっ…」

 

「……フン」

 

大我はもう一度腕を組んでそっぽを向いた。

 

「すいません、大我さんはああいう性格なんです」

 

永夢は慌てて大我をフォローした。

 

「確かにちょっと接し辛そうね…」

 

百合は苦笑いをしながら大我の方を見た。

 

「ところで、零さん?零君?」

 

「あ、君のほうで」

 

「零君、あのなのはさんってリリカルなのはのなのはさん?」

 

「はい、そうですよ」

 

「?」

 

なのはは永夢の方を見て首を傾げた。

 

「本当ですか!?ちょっとサイン貰って来ますね!」

 

そう言って永夢はなのは達の方に走って行った。

 

少し戸惑いながらもなのは達三人はそれに応え、色紙にサインを書いた。

 

そしてその後永夢は三人に礼を言い握手をした。

 

「…そろそろこっちに気付いて貰える?」

 

一人の巫女がガシャコンバグヴァイザーとお祓い棒を持って零達一同の方を向いて言った。

 

「ったく朝から変なやつらは来るわ変なベルト巻いて変身して戦うやつらは来るわ、挙句の果てに変な機械に吸い込まれるわで、一体なにがどうなってる訳?」

 

「誰だお前は?」

 

大我が巫女の方を向いて言った。

 

「私は博麗神社の巫女、博麗霊夢よ」

 

「霊夢さんですか。宜しくお願いします」

 

「ちょっと反応薄くない?ねえちょっと反応薄くない?」

 

「そう言われましても…」

 

「ま、いいわ。今はアンタらに力を借りたい所だし、今回は気にしないでおくわ」

 

霊夢と名乗る巫女を見て零と百合は顔を見合わせた。

 

「あの霊夢って俺らが知ってる霊夢…じゃないよな」

 

「完全に別の霊夢さんね」

 

「?」

 

霊夢は少しだけ首を傾げたが、特に気にもしていないようだった。

 

「で、あんた達は一体どっからどうやって来たわけ?」

 

霊夢は永夢達の方も零達の方を交互に見回した。

 

「僕達はゼビウス事件の時に残された影響に巻き込まれてしまったんです。そしたら、見たこともないバグスターや敵キャラがいて、倒していたんです」

 

「どっちかって言うとそれを媒体にして飛ばされたと言った方が正しいだろう。全く知らないゲームの中に来てしまったがな」

 

飛彩が永夢の説明に補足を付け足した。

 

「影響って言ってもゼビウスの巨大UFOの残骸位だが、そいつに触れたらこんな所に飛ばされたって訳だ」

 

「なるほど…で?アンタらは?」

 

「ざっくり言うと俺達はここの世界を救いに来た!」

 

「ざっくりしすぎでしょセンパイ」

 

「なんかねー、時空や世界を越えて色々歴史が変わっちゃってるの!だからそれを直しに来たんだ」

 

モモタロスの代わりにリュウタロスが簡単に説明をした。

 

「なるほどね。大体は分かったわ」

 

「ところで、お前さんは何をしとるんや?」

 

キンタロスが霊夢に聞いた。

 

「私にはここ幻想郷の異変を解決する役割があるのよ。大体は妖怪とかがそう言うのを起こすんだけど、その度に私が───」

 

『デュアルギアガシャット!ガッチャー!デュアルアーップ!』

 

霊夢の話の途中で大我がゲーマドライバーと呼ばれるベルトにガシャットと言うアイテムを挿して黒い仮面ライダーに変身した。

 

「よ、妖怪なんてもんがい、いやがるのか!?」

 

「大我さん…」

 

「無免許医…」

 

永夢と飛彩はやれやれと言った感じで大我のベルトからガシャットを抜いた。

 

『ガッシュゥゥーン』

 

その瞬間大我の変身は解除された。

 

「まあ、妖怪って言っても可愛い女の子が多いわよ」

 

「ほ、本当だろうなァ…?」

 

大我は疑り深そうに霊夢を見た。

 

「変な場所に行かなきゃ大丈夫よ。襲ってきたりはしないわ」

 

「なら大丈夫そうですね、大我さん」

 

「そ、そうだな」

 

そう言う大我の膝はまだ少し震えていた。

 

まだ安心感が抜けてないらしい。

 

「キャーッ!」

 

すると、遠くの方から悲鳴が聞こえ、一同は一斉にその方を向いた。

 

「飛彩さん、大我さん!」

 

「ああ。急ぐぞ!」

 

飛彩の言葉で一同は駆け出した。

 

「あ、ちょっと待って永夢」

 

霊夢が永夢を引き止めた。

 

「?何ですか?」

 

「今朝起きたらこんな物があったの。良かったら使って」

 

そう言って霊夢は一つのガシャットを投げ渡した。

 

「ありがとうございます!」

 

永夢はそれを受け取り飛彩達の後を追いかけた。

 

 

 

街では大量の雑魚バグスターと八体の首領バグスターが人々を襲っていた。

 

「やっとお出ましか、随分遅いな」

 

飯原が屋根の上に座って言った。

 

「何言ってんだ、少し遅れたなら少し早く済ませりゃいい話だ!」

 

「行きますよ!皆さん!」

 

「なら僕はここから見物してるよ」

 

「せいぜい仲間がやられる姿を見てなさい!」

 

「そうなると良いけどな」

 

そして、一同は変身する構えに入った。

 

「術式レベル五十」

 

「第五十戦術」

 

「えーっと…幻想大変身!」

 

「変身!」

 

永夢は二本のガシャットを、大我と飛彩は同じガシャットをゲーマドライバーに挿し込み、零達は声を合わせて叫び、零と百合はヒーローボールを指でスピンさせて同時に飛び上がり、イマジン達はベルトを装着してライナーパスをかざし、なのは達三人はバリアジャケットを装着した。

 

『ガッチャー!レベルアーップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクショーンエーックス!/幻想バスター異変バスター!巫女の力で立ち向かえ!博麗バスターズ!』

 

『ガッチャー!デュアルアーップ!タドルメグルアールピージー!タドルファンタジー!』

 

『ガッチャー!デュアルアーップ!スクランブルだ!出撃発進バンバンシミュレーションズ!発進!』

 

『METAMORPHOSE!GHOST RIDER TYPE ORE!』

 

『METAMORPHOSE!DRIVE RIDER TYPE SPEED!』

 

『SWORD FORM』

 

『ROD FORM』

 

『AX FORM』

 

『GUN FORM』

 

派手な音声と共に永夢達は仮面ライダーエグゼイドゲンソウゲーマー、仮面ライダースナイプシミュレーションゲーマー、仮面ライダーブレイブファンタジーゲーマー、仮面ライダー電王ソードフォーム、ロッドフォーム、アックスフォーム、ガンフォームに変身し、零と百合は仮面ライダードライブとゴーストを象ったアーマーを装備した。

 

エグゼイドには霊夢と同じ柄のスカーフが首に巻かれており、下半身にはスカートと同じ柄のマントが付き、手にはお祓い棒が元となって作られたガシャコンスティックが握られていた。

 

「俺達、参上!」

 

「僕に釣られてみる?」

「俺の強さにお前が泣いた!」

 

「お前達倒すけど良いよね?答えは聞いてない!」

 

「ノーコンティニューで異変解決してやるぜ!」

 

「命、燃やすぜ!」

 

「ひとっ走りつき合えよ!」

 

各々が決めポーズと決め台詞を言い、武器を構えた。

 

「な、なんだこいつらは…!」

 

一人のバグスター、スパイダーバグスターが言った。

 

「負けるわけにはイカん!行くぞ!」

 

スクイッドデビルバグスターの指示で六体のバグスター、チーターバグスター、バッタバグスター、ティラノバグスター、コンドルバグスター、エレファントバグスター、タコバグスターと共に大量の雑魚バグスターが零達に襲いかかった。

 

「行くぜ行くぜ行くぜぇぇー!」

 

ソードの声と共に零達は一斉に走り出した。

 

「はああっ!」

 

エグゼイドはガシャコンスティックのAボタンを押しながら弾幕を放ち、十数体のバグスターを消滅させた。

 

「凄いなこのガシャット…レベル六十位ありそうだ」

 

そう喋る間にもエグゼイドは襲いかかってきたバグスターをBボタンを押して誘導弾で倒した。

 

「てめえらの相手をするのに一分も要らねえんだよ!」

 

『キメワザ!』

 

スナイプは必殺技の準備をして構えた。

 

それを聞いてバグスター達は驚き一瞬動きを止めた。

 

『バンバンクリティカルファイヤ!』

 

「はあああーっ!」

 

スナイプは戦艦の様な全身の武装から弾丸を発射し、バグスター達を五十人程消滅させた。

 

その瞬間、それを見ていた住民達が拍手を送った。

 

「フン、もっと俺を楽しませてみろ」

 

「オラァ!」

 

「ハァッ!」

 

「バァン!」

 

「ドラァ!」

 

電王達はチームワークでバグスター達を倒し、四十人バグスター達を倒した。

 

「まだまだぬるいぜぇ!」

 

はやてとフェイトは空から雷魔法と射撃魔法でバグスター達を倒し、打ち漏らしをすること無く二十体のバグスターを倒した。

 

「私らに負けるようじゃまだまだやな!」

 

「はぁっ!」

 

零は胸のタイヤを飛ばし、まるでピンボールの様にタイヤを弾き飛ばしてバグスター達を一体も残さず倒し、十数体倒した。

 

「幽霊ライダー舐めるんじゃないわ!」

 

百合はゴーストの特性を活かして幽霊の様に宙に浮き、バグスター達の間をすり抜けながらバグスター達を倒し、着地すると同時に十数体のバグスター達が爆発した。

 

「とりあえずこんなもんかしらね」

 

零達は一つの場所に集まった。

 

「待て!まだ俺達が残ってるぜ!」

 

「殺してやるぞ!ライダー!」

 

先ほどの六体のバグスターが零達に襲いかかってきた。

 

「上等だぜ!」

 

ソードとロッドはコンドルバグスターへ、アックスとガンはチーターバグスターへ、百合はティラノバグスターへ、零はバッタバグスターへ、スナイプはエレファントバグスターへ、エグゼイドとはやて、フェイトはタコバグスターへと向かった。

 

「後の二人は任せろ」

 

「こんなこと絶対阻止しないと!

 

ブレイブとなのははスパイダーバグスターとスクイッドデビルバグスターへ向かった。

 

 

 

コンドルは空を飛びながらソードとロッドに足の爪でダメージを与えていた。

 

「俺を捕まえない限りお前らは勝てない!捕まえられるものなら捕まえてみろ!」

 

「グッ!なら、そうさせて貰うよ!」

 

ロッドはデンガッシャーから粒子状の釣り糸をコンドルに引っ掛け、地面に叩きつけた。

 

「ごはっ!」

 

そして、ロッドはコンドルを手元に手繰り寄せた。

 

「つっかまーえたっと」

 

「それじゃあ、後はやることは一つだな」

 

「ええ、センパイ。思う存分やってやればいい」

 

「行くぜ!俺の必殺技part 1!」

 

『フルチャージ!』

 

ソードはライナーパスをかざしてエネルギーを貯め、デンガッシャーから刃を飛ばし、コンドルを三枚に下ろした。

 

「いっちょ上がり!俺の三枚下ろし!」

 

 

 

「俺の早さはゲームキャライチだ!どうやって倒す!」

 

チーターは目にも止まらない速さで辺りを周りながらアックスとガンを攻撃していた。

 

「ど、どうするキンちゃん!」

 

「決まっとるがな、見とき」

 

『フルチャージ』

 

キンタロスはライナーパスをベルトにかざし、エネルギーをチャージして武器を構えて回り始めた。

 

その刃はチーターに直撃し、チーターの身体を切り裂いて行くと同時に爆発した。

 

「キンちゃんすごーい!」

 

 

ティラノは百合に何度も冷気をかけていた。

 

「この冷気に触れればお前は一瞬で凍りつくぞ!」

 

「ならそれ以上に熱いのを出してやるわ!」

 

『TYPE CHANGE! TOUKON ORE BOOST!』

 

百合のアーマーは赤いゴーストのアーマーに変化した。

 

『RIDER FINISHER!OMEGA GHOST DRIVE!』

 

百合は体に熱い炎を纏いながらティラノの身体を貫通した。

 

ティラノの体は爆発し、消滅した。

 

「相手が悪かった、ってとこかしら」

 

 

 

バッタと零は大きく飛び上がり、空中戦に持ち込んだ。

 

「空中は俺の得意分野ヨォー!」

 

「果たしてどっちが上かな!」

 

『RIDER FINISHER!SPEED DRIVE FULLTHROTTLE!』

 

零は空中で姿勢を変え、バッタの斬撃を交わして腹部にキックを入れ、高速で連続キックを四方八方から放ち、着地すると同時にバッタは爆発した。

 

 

「お前が来ないのならば自分から行くまでよ!」

 

エレファントがドスドスと足音を立ててスナイプに近付いてきた。

 

しかし、スナイプは動じず、武装を構えた。

 

『キメワザ!バンバンクリティカルファイヤ!』

 

「え」

 

スナイプは近付いて来たエレファントの体に銃口を押し当て、必殺技を放った。

 

エレファントは断末魔と共に爆発し、消滅した。

 

「考えがあめーんだよ!」

 

 

 

エグゼイド、はやて、フェイトはタコの触手を交わしつつ攻撃を加えていた。

 

「このままじゃ…!」

 

「どうした仮面ライダー!魔道士共!」

 

「しょうがありません。フェイトさん、はやてさん!」

 

「うん!」

 

「任せて!」

 

はやてとフェイトはタコを束縛魔法で動きを封じた。

 

「な、なに!?」

 

「おっしゃ上手く行ったで!」

 

「後は頼むよ!エグゼイド!」

 

「任せろ!」

 

『ガシャット!ガッシュゥゥーン』

 

エグゼイドは博麗バスターズのガシャットをガシャコンスティックに挿し込んだ。

 

『キメワザ!』

 

「はああああああ!」

 

『ハクレイクリティカルスパーク!』

 

「おりゃーーっ!」

 

エグゼイドはガシャコンスティックを構え、ガシャコンスティックの先から虹色の光線と弾幕を放ってタコを消滅させた。

 

「どうだ!天才ゲーマーMの力、思い知ったか!」

 

「私らに勝とうなんて、笑止千万!次元の彼方から出直して来な!」

 

はやてとエグゼイドは合体決めポーズをして、決め台詞を言った。

 

「ノリノリだねはやて…」

 

フェイトは苦笑いをしながら言った。

 

 

なのはとブレイブはスクイッドデビルとスパイダーを追いかけていた。

 

「行け!下僕達!」

 

ブレイブの声と共にバグスターが出現し、逃げ回るスパイダーとスクイッドデビルを地面に引きずり落とした。

 

「くっ、クソッ!」

 

「まだ終わりじゃないよ!」

 

なのはは素早く後ろに回り込み、二人に攻撃魔法を撃ってダメージを与えた。

 

「はあっ!」

 

ブレイブもガシャコンソードで二人に攻撃し、敵のHPを減らして行った。

 

「終わりだ!」

 

「行くよー!」

 

なのはは雷魔法を使い、二人を地面に一瞬叩きつけた。

 

「グワッ!」

 

「グウッ!」

 

『ガシャット!キメワザ!タドルクリティカルフィニッシュ!』

 

「スターライト…ブレイカァァァー!」

 

ブレイブは炎系の必殺技を放ち、なのははその反対方向から二人を挟むようにして光線を撃った。

 

「グギャアアアア!」

 

「グオアアア!イカデビルに栄光あれーッ!」

 

二人の断末魔と共にバグスター達は爆発、消滅した。

 

『GAME CLEAR!』

 

ゲームクリアの音声が流れ、一同は一斉に変身を解除した。

 

 

「今回はご協力ありがとうございました、皆さん」

 

永夢が零達や霊夢に礼を言って頭を下げた。

 

「この三人は私が返しておくから、あなた達は自力で出なさいよ。これ何回もやると辛いし」

 

「悪いな。勝手に入って来たのに送り迎えまでしてもらえるなんて」

 

「まあ、ここはそう言うのが絶えないからね。で、そのガシャット?はどうするの?」

 

霊夢は永夢に渡したガシャットを指さして聞いた。

 

「いえ、これは必要ありません。僕には強くて頼もしい仲間がいますし、ガシャットもありますから」

 

「あらそう。それじゃこれはウチで大切に保管しとくわね」

 

「おっと、そろそろ時間みてえだ。じゃあな、永夢」

 

「ええ、モモタロスさんも、皆さんも。また会いましょう」

 

「おう!」

そして空から穴が開き、デンライナーの扉か開いた。

 

「それじゃまた会いましょう、零君」

 

「また俺達も強くなる。それまで楽しみにしとけよ」

 

「他のヒーローにも宜しく頼む」

 

「はい!また会いましょう!」

 

零達を乗せたデンライナーはゆっくりと加速し、空に穴を開けて、別の世界へと旅立って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

ガイさんは今回は都合上出しませんでした。

こういうとこはちゃんと仕切りを作るのです…!

それではまた次回!

リクエストもお待ちしております!


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拝啓 光の国から

仮面ライダーばっかもアレなのでウルトラマンで書きます。

今年はウルトラセブン50周年!

またそちらも書きたいですね。

それでは本編へ参りましょう。


なのははデンライナーの中で唐突な事を言い出した。

 

「初代…」

 

「ウルトラマンさんに…」

 

「会ってみたい、やと?」

 

「うん!」

 

フェイト、ガイ、キンタロスの質問になのはは強く頷いて答えた。

 

「確かウルトラマンって言ったらアイツだよな?腕を十字に組んでスペなんとか光線を撃つんだよな?」

 

モモタロスは腕を十字に組みながら聞いた。

 

「スペシウム光線だよ、モモタロス〜」

 

「そう!それだよそれ!」

 

リュウタロスも腕を十字に組んでモモタロスと並んでスペシウム光線のポーズを取った。

 

「しかし、また何でウルトラマンに?今日は何か特別な事でも?」

 

ウラタロスがなのはの方を向いて聞いた。

 

「今日の七月十日はウルトラマンが初めてテレビに出てきた日なんだよ」

 

「そう言えば家でもヴィヴィオに見せてたね。あのビデオはどっから借りて来たの?」

 

「前に局にヴィヴィオを連れて来た時に、託児室にウルトラマンのビデオが一本だけあったの。それをどうやらヴィヴィオが見た様で、少しの間だけ見てたんだけど、それを思い出しちゃって」

 

「オーナー、何処か良い時間ありませんか?」

 

ガイはオーナーの方を見て言った。

 

「ふ〜む、そうですねぇ…おやぁ?」

 

「どうした?なんかあったか?」

 

ガイとモモタロスの二人がオーナーの手帳を覗き込んだ。

 

「どうやら同じ七月十日に人知れずウルトラマンが闘っていた様ですね。恐らくそこなら会えると思いますが…行ってみますか?」

 

「はい!」

 

なのははオーナーの問に即答した。

 

「では参りましょう。二千九年七月十日へと参ります」

 

デンライナーの先頭車両に「2009 0710」と表示され、空に穴を開けてデンライナーはその時間へと向かった。

 

 

 

その時間では、早速初代ウルトラマンと一匹の怪獣が闘っていた。

 

「ピポポポポポポ…」

 

「へアッ!」

 

ウルトラマンは黒い怪獣の頭にチョップを入れた。

 

しかし効いていないらしく、すぐに手で払われてしまった。

 

「あれは…」

 

「ゼットン!?」

 

零達はデンライナーから降りて戦いの行方を見守っていた。

 

街の建物は倒壊された箇所が多く、所々から煙が上がり、その周りから救急車や救急隊員、逃げて来た一般人がウルトラマンの戦いを見守っていた。

 

「ゼェットン!」

 

「ヘアアッ!」

 

ウルトラマンはゼットンの火球をリバウンド光線で防いだ。

 

しかし威力が高いのか、足元から煙をあげながら少し後ずさっ。

 

そして、バリアを解除し、ウルトラマンはゼットンの胸に強い横蹴りをくらわせ、ゼットンの顔に拳を入れた。

 

「シャッ」

 

ウルトラマンは間合いを取って構えを取った。

 

「ヘアァッ!」

 

そして、ウルトラマンは腕を十字に組み、手から出す青白い光線、スペシウム光線を放った。

 

「まずい!」

 

「え?」

 

ガイは思わず叫んだ。

 

ゼットンはスペシウム光線に動じること無く、光線を吸収し、ウルトラマンの方に跳ね返した。

 

光線はウルトラマンの足元や後ろのビルに直撃し、足元で爆発が起きてビルは瓦礫の山に変わり果てた。

 

「ダァァァァッ!」

 

ウルトラマンは爆発の衝撃で後ろに倒れ込んだ。

 

ゼットンはテレポーテーションを使い、その場から消えてしまった。

 

ウルトラマンはゆっくりと立ち上がり、人々の様々な視線を浴びながら空の向こうへと飛び立って行った。

 

その視線は決して温かい視線とは言えなかった。

 

 

 

その日、なのは達は救助活動を手伝った後、デンライナーに戻った。

 

この間に零と百合の怪獣と自己紹介は済ませた。

 

 

 

「まさかあのウルトラマンが負けるなんて…」

 

「…」

 

フェイトは落ち込むなのはの背中をさすっていた。

 

「調子が悪かったのかぁ?」

 

「いえ、そうではありません」

 

「どう言う事?」

 

「あのゼットンと言う怪獣はウルトラマンを倒した最強の怪獣の一角なんです」

 

「ウルトラマンを倒した…って事はめちゃくちゃ強えって事じゃねーか!」

 

「そうなんです…俺も一度…」

 

ガイは拳を強く握り締めた。

 

その過去に何があったのかは誰も聞けなかった。

 

「…とにかく、明日もゼットンは現れるかもしれないし、今日は寝ましょう!そして全力で迎え撃ちましょ!」

 

「そ、そうよ!ゼットンは人間の手で倒したんだし、私達でも出来ることがあるかもしれないわ!」

 

「ん?ちょっと待て百合坊。ゼットンは人間が倒したのか?」

 

モモタロスはガイの方から百合の方に向きを変えて言った。

 

「え?ええ。無重力爆弾って言って、怪獣を空中に浮かせた後、一気に爆発させる武器なの」

 

「なるほど…じゃあ勝てる可能性はあるんだね?」

 

ウラタロスも百合のほうを見て言った。

 

「ええ、勝てる筈よ」

 

「よーし、てめえら!絶対に俺達が!───」

 

「待って、モモタロス、イマジンの皆」

 

なのはがモモタロスの言葉を遮った。

 

「え?な、なんで?ボクたちたたかっちゃダメなの?」

 

リュウタロスはなのはの顔を見て言った。

 

「皆の気持ちは嬉しいけど、これはウルトラマンの戦いなの。それに、ウルトラマンが勝てなきゃ意味がないの。お願い、分かって」

 

「…」

 

「なのは…」

 

「なのはちゃん…」

 

イマジン達は互いに顔を見合わせた。

 

「…ま、まあ、今回は俺達は休憩って事で…な?」

 

「そ、そうやな、モモの字」

 

「それもそうだね」

 

「わーい!おやすみだー!」

 

「ありがとね、皆」

 

なのはは笑顔でモモタロス達の方を見て礼を言った。

 

「でも、もしアイツらが来たらどうするんだ?」

 

ガイはなのはの方を見て言った。

 

「そうなれば私達が行こうよ。前はモモタロス達に任せっぱなしだったし」

 

「そうだね」

 

「私もいつでも行けるで」

 

「よし、俺も行こう。前は闘って無かったしな」

 

「ありがとう、ガイさん」

 

「よし、決まりや!各自ゆっくり寝て体力を蓄える事!以上や!」

 

「おー!」

 

はやての指令と共にデンライナーの中は消灯され、全員眠りについた。

 

 

 

 

次の日。

 

同じ街でゼットンが再度出現した。

 

その報告を受け、なのは達は街に出て人々を避難させた。

 

すると、ウルトラマンが現れ、ゼットンを掴んで人々から離れさせた。

 

「シャアッ!」

 

「ウルトラマン!」

 

なのははウルトラマンの方を見て叫んだ。

 

ウルトラマンは横目でなのはの方を見て、ゆっくり強く頷いた。

 

そして、ゼットンの方を向いて構えを取った。

 

ゼットンも起き上がり、ウルトラマンの方に向けて火球を放った。

 

ウルトラマンは手から八つ裂き光輪を飛ばして火球と相殺させた。

 

「ヘェッ」

 

ウルトラマンはゼットンの方に走って軽く飛び上がりゼットンの頭に強くチョップを叩き込み、アッパーカットを入れて後ろに倒し、ゼットンの足を掴んでジャイアントスイングでゼットンを投げ飛ばした。

 

ゼットンは空中でテレポーテーションをし、ウルトラマンの後ろに回り込んで大きく吹っ飛ばした。

 

「ヴェァァッ!」

 

「!!ウルトラマン!」

 

「!!」

 

「頑張って!」

 

ウルトラマンは力を振り絞り、ゆっくりと立ち上がってゼットンの方を向いて構えを取った。

 

そして、ウルトラマンはゼットンに攻撃をするも手首を掴まれ、片手で首根っこを掴まれ、ギリギリと絞められた後地面に叩きつけられた。

 

「ゼェェットォン…ピポポポポポポ…」

 

「ヘェッ…!」

 

ウルトラマンは諦めず、ゼットンの方を向いて立ち上がった。

 

カラータイマーは点滅し始め、構えを取るのが精一杯だった。

 

ゼットンは容赦なくウルトラマンに打撃を加え、最後にはウルトラマンを蹴り飛ばした。

 

そして、ゼットンはウルトラマンに止めを刺すため、火球のエネルギーを貯め始めた。

 

ウルトラマンはもう立ち上がる事も出来ず、ゼットンの火球が放たれるのを待つしかない。

 

「ゼェットォン!」

 

ゼットンは口から一兆度の火球をウルトラマンに向けて放った。

 

ウルトラマンは慌てて顔を腕で覆った。

 

その次の瞬間だった。

 

「オゥルスァッ!」

 

辺りに斬撃音が鳴り響いた。

 

「…………?」

 

ウルトラマンは恐る恐る前を向いた。

 

そこには、後ろ姿がよく似たウルトラマンが、巨大な剣を構えて立っていた。

 

「え…!?」

 

「嘘やろ…!?」

 

ウルトラマンの前に立っていたのは、ウルトラマンオーブだった。

 

「先輩、立ってください。まだ終わりじゃありません!」

 

そう言ってオーブはウルトラマンに光エネルギーを与え、ウルトラマンのエネルギーを回復させ、手を差し伸べて立ち上がらせた。

 

「君は…」

 

「俺は未来から来たウルトラマン、ウルトラマンオーブです」

 

「君もウルトラマンか…なら…」

 

「はい!一緒に戦いましょう!」

 

「…ああ!」

 

そう言ってオーブとウルトラマンは構えを取った。

 

「シュアッ!」

 

「シャアッ!」

オーブとウルトラマンは同時に駆け出し、ゼットンの両腕を掴んで人々が居ない方に投げ飛ばした。

 

そして、ゼットンが立ち上がった所をオーブは飛び蹴りを入れ、ウルトラマンはその倒れたゼットンの足を掴んでジャイアントスイングをして投げ飛ばし、地面に叩きつけた。

 

「おおー!良いぞ、やったれ!」

 

「ん?この声は…」

 

なのは達はふと自分達の後ろを向いた。

 

「頑張れー!ウルトラマーン!」

 

「行けー!ウルトラマーン!」

 

後ろを見ると、沢山の人々がウルトラマンの事を応援していた。

 

「昨日あんなに辛かったのに…」

 

「どや、フェイト、地球人も中々ええもんやろ?皆こうやってウルトラマンと絆を紡いでんねん。私はウルトラマンの事はよう知らんけど、ウルトラマンとの確かな絆が無ければこんな事は起きひんやろうなって私は思う。これが地球人のウルトラマンに対する気持ちの表れやと思うねん」

 

「うん…!」

 

オーブとウルトラマンは声援を受け、ゼットンを圧倒していた。

 

「シャアッ!」

 

ウルトラマンは八つ裂き光輪をゼットンに放った。

 

ゼットンはゼットンバリアでウルトラマンの八つ裂き光輪を防ごうとした。

 

「オーブグランドカリバー!」

 

ガイはオーブカリバーの土のエレメントを光らせ、オーブカリバーを地面に突き刺して衝撃波をゼットンに向けて放った。

 

ゼットンバリアは破壊され、八つ裂き光輪がゼットンにヒットし、ゼットンに大ダメージを与えた。

 

「今です!」

 

ウルトラマンは頷き、大地を強く踏んで腕にエネルギーを貯め、腕を十字に組んでスペシウム光線をゼットンに向けて放った。

 

スペシウム光線はゼットンに直撃し、ゼットンは火花を散らしながら後ろに倒れ、断末魔と共に大きな爆発を起こした。

 

そして、その瞬間人々から歓声があがり、オーブとウルトラマンは人々の方を向いて強く頷いた。

 

「…地球人の皆、これからも他者を支える事を忘れないで欲しい。皆一人一人は弱いが協力すれば強い怪獣をも倒せる強い力になる。そうして私達は地球人達と絆を築いてきた。これからも皆が怪獣に襲われそうになった時はまたウルトラヒーローが助けに来る。だから、その時はまた応援して欲しい」

 

そう言ってウルトラマンとウルトラマンオーブは力強く飛び上がった。

 

「シュワッチ!」

 

「シュウワッチ!」

 

二人のウルトラヒーローは皆の声援を受けながら空の彼方へ飛び立って行った。

 

 

 

「まさかガイさんがウルトラマンだったなんてなぁ〜」

 

「本当にびっくりしたよ!まさかウルトラマンがこんな身近にいたなんて!」

 

「もっとウルトラマンの事教えてーや!」

 

なのはとはやてはガイに食い入る様に問い詰めていた。

 

「そう言えばお二人はガイさんの事はあまりご存知ではありませんでしたねぇ」

 

「ま、今回知れたんだし良かったんじゃねえか?」

 

「でもこれだけ問い詰められるとは当人も思ってなかっただろうしね」

 

「確かに、それは分からんかったやろうなぁ」

 

そう言ってイマジン達は大笑いした。

 

「ウルトラマン…か」

 

「どうしたの?零」

 

百合は零の顔を覗き込んだ。

 

「ん?あ、いや、他のウルトラマンの皆どうしてるかなって」

 

「きっと皆元気にやってるわよ」

 

「そうだな」

 

デンライナーは次の世界へと汽笛を上げて走り出していた。

 

 

 

 

 




今回はここまでです!

ウルトラマンの日だからウルトラマンをメインにして書きました!

それではまた次回!


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ホラーゲームが怖すぎてibじゃなくてidにしちゃった

今回は完全ギャグ一筋で行きます!

苦手だけど頑張ります!

ウルトラマンX2周年おめでとうございます!


零と百合がデンライナーの客室に入ると、モモタロス達イマジン四人がパソコンを囲んでゲームをしていた。

 

「モモタロスさん、何やってるの?ガイさんやなのはさんは?」

 

「おう、冷コーと百合坊」

 

モモタロスが二人の方を見て手を振った。

 

「今パソコンでゲームしてるのー!」

 

リュウタロスが百合の方に駆け寄って言った。

 

「何のゲーム?」

 

リュウタロスと一緒に二人は画面を覗き込んだ。

 

そこには一人の少女が美術館の様なマップを歩いていた。

 

「謎解きホラーゲームだよ。シンプルなんだけど、意外と面白いんだ」

 

「これのベストエンディング目指してんだけどよぉ、何度やってもバッドエンディングになるんだよなぁ」

 

「モモタロスが下手なんだよ〜」

 

「なんだ小僧テメェ!…はクリアしてるか」

 

「さっさとクリアするんやなぁ、モモの字」

 

「クソー!だぁぁー!テメエは何でそんなに早く来るんだああああ!」

 

そう言ってモモタロスはパソコンの前で地団駄を踏み、それをイマジン達が慌てて取り押さえた。

 

「ガイさん達なら、銭湯に行きましたよ」

 

ウラタロスがモモタロスを抑えながら零達に言った。

 

「銭湯?」

 

 

 

「はいよ」

 

ガイははやてにラムネを渡した。

 

「ん。おおきに」

 

はやてはガイからラムネを受け取った。

 

「お、似合ってるなぁ。…で、なんだそのお面」

 

ガイは浴衣とたぬきのお面を付けたはやてを見て言った。

 

「うーん、やっぱびっくりせえへんかあ」

 

はやてはお面を外して言った。

 

「驚く人いるのか?」

 

そんな事を話していると、なのはとフェイトの二人も銭湯の中から浴衣を着て出てきた。

 

「お、来たな。…お前達もか」

 

二人も猫と狼のお面を被って出てきた。

 

「どーしても驚かんね、ガイさん」

 

「少しは驚くと思ったんだけどなぁ」

 

なのはは頬を掻きながら苦笑いをして言った。

 

「その根性には驚いたよ、全く」

 

ガイは帽子を深く被り直して言った。

 

 

 

「へえ…」

 

「私達はどうしてようかしら?」

 

「ガイさん達が来るまでやることないなあ」

 

『なら君達がゲームに入ればどうだい?』

 

「ん?」

 

突然デンライナー内に謎の声が響き、イマジン達と零達は同時に上を向いた。

 

すると次の瞬間、イマジン達と零達六人はパソコンの中に吸い込まれた。

 

「どわあああああ!」

 

「うわああああああ!」

 

「わーい!リアルゲームだー!」

 

「うむ…この吸い込まれる感覚、悪くないな…」

 

「そんなこと言ってる場合じゃああああ!」

 

「ないでしょおおおおお!」

 

「皆さん!」

 

オーナーはパソコンの画面を覗き込んだ。

 

パソコンの画面にはドットで描かれた一同の姿があった。

 

 

「あいたたた…」

「ここは…」

 

「あのゲームの美術館…」

 

「だね…」

 

イマジン達は立ち上がりながら周りを見渡して言った。

 

「いたたた…」

 

「一体何なのよもう…」

 

零達もイマジン達に手を貸して貰いながら立ち上がった。

 

すると、先程と同じ声が響き渡った。

 

『やあやあ、零くん、イマジン達』

 

「飯原ァ!テメェ何が目的だ!?」

 

『別に無いよ。君達がゲームで遊びたそうだったからもっと楽しめるようにしてあげただけさ』

 

「てんめぇ…!」

 

「それで?僕達が出るにはどうすれば良い訳?」

 

怒るモモタロスの代わりにウラタロスが聞いた。

 

『ゲームと同じ。その世界から抜け出せたらクリア。元の世界にも戻れるよ』

 

「やけに素直じゃないか。それともなにか裏でもあるのかい?」

 

「さあ、どうだろうね?でも、クリアしたら出れるって事は確かだ」

 

「…分かった」

 

『それじゃあ、ゲームを楽しみたまえ』

 

そう言って飯原の声は途絶えた。

 

「よーし、じゃあさっさとクリアしちまうか!」

 

「そうだね。ここでうろうろしててもしょうがないし」

 

「体感型ホラーゲームだー!」

 

そう言って一同は歩き出した。

 

「最初の絵…この絵空事の世界ってところに戻ってくればクリアなんだよね」

 

百合は横に長い絵を指さして言った。

 

「ああ。クリアまでの道のりは全部頭に入ってるぜ」

 

「なら大丈夫そうですね」

 

「そうやな」

 

「おーし!じゃあ行くぞお前ら!」

 

「おおー!」

 

そう言ってイマジン達は電王に変身した。

 

零と百合もヒーローボールをスピンさせてオーラを身にまとった。

 

『METAMORPHOSE!GENMU RIDER TYPE DANGEROUS ZOMBIE!』

 

『METAMORPHOSE!DECADE RIDER TYPE COMPLETE!』

 

零と百合は仮面ライダーディケイドコンプリートフォームと仮面ライダーゲンムゾンビゲーマーを象ったアーマーを装着した。

 

「私が神だァ!よって私達を閉じ込めた世界はタダでは済まさないィ!」

 

百合は腰を限界まで後ろに曲げて叫んだ。

 

「モモタロスさん、一応破壊されるのは今回だけの世界なんで大丈夫ですよ。さて、と、行きますか」

 

「おう!」

 

そう言って一同は美術館を歩き出した。

 

すると、窓からなにかがノックする音が聞こえた。

 

「入ってまーす」

 

ソードはまるでトイレに入っている時の様に答えた。

 

そして、その次には、咳をする男を描いた絵が咳をした。

 

「風邪なの?とりあえずこれ付けて」

 

ガンは絵の枠にマスクを引っ掛けた。

 

すると、一同は絵の具が天井から垂れているのに気付いた。

 

「全くもう、汚いなぁ…女の子に見られたら汚いって怒られちゃうよ」

 

そう言ってロッドはいつの間に用意したのか、掃除道具で絵の具を全て綺麗に落とした。

 

「おーい、カメ公!早く行くぞー」

 

「はいはい、ちょっと待ってて」

 

ロッドは零達を追いかけ、一回の巨大な絵の所に来た。

 

「こっからやな。もう少し人数が居れば心強いんやがなぁ」

 

「あ、なら出しましょうか?」

 

 

 

絵に写る笑顔の女性。

 

それは今か今かと零達を待っていた。

 

(さあ、早く来なさい…ゆっくりと、ゆっくりと私達の世界に誘ってあげるわ…!)

 

すると、扉が開いた。

 

(来た…!)

 

「よーし、着いた着いた」

 

「いやー、皆可愛いねぇ」

 

「ウィンダムさんそのメガネカッコイー!」

 

「リュウタロスさんもその銃カッコイイですよ!」

 

「本当?ありがとー!」

 

「何ここ?」

 

「知らない…」

 

総勢二十名以上の人数が女性の絵が飾られている部屋に入った。

 

(多くない!?多すぎないこれ!?)

 

その顔は笑顔だが内心物凄く焦っていた。

 

(ちょ、人数分のバラ足りないじゃない!え!?てか本当にどっから出てきたの!?)

 

「あ、鍵見ーっけ!」

 

ガンは絵の前に置かれた鍵を手に取った。

 

(あ、コラ!)

 

鍵を取った途端、女性の顔は鬼の様な形相に変わった。

 

(鍵を返しなさい!)

 

「うわあ何何!?」

 

「お前怖いから消すね!答えは聞いてない!」

 

そう言ってガンは銃を構え、女性の絵に向けてエネルギー弾を放った。

 

(え?それはなしじゃ───)

 

絵は跡形も無くなった。

 

「少しは答えを聞こうよ、リュウタ…」

 

「えー?いーじゃん、どーせ全部壊しちゃうんだしさー」

 

「そう言う問題…かなあ?」

 

ベムスターは首を傾げながら言った。

 

そして、部屋を出ると、いつの間に用意されていたのか、きちんと人数分バラが置かれていた。

 

「よく出来てんな、このゲーム」

 

そう言って一同はバラを回収し、一人ずつ回復させた。

 

「いいか?これが0になっちまったらおしまいだ。よく覚えておけよ」

 

「他の人に渡したりしてもダメだからね」

 

「はーい」

 

「分かったー!」

 

「分かりましたー!」

 

「リュウタはもう分かってるでしょ」

 

「えへへー」

 

「おら、行くぞ野郎共!」

 

「おおー!」

 

「ゾクゾクするねぇ」

 

「ガッツさん、それ色々危ないです」

 

少し進むと、小さなアリが自分の絵を見たいと言い出した。

 

「テメエの絵か?」

 

ソードはしゃがみこんでアリの方を見た。

 

「ぼくのえ みたい」

 

「しょうがねぇなあ。ちょっと待ってろ」

 

そう言ってソードは先に進んだ。

 

すると、歩いている最中数本の黒い手が邪魔をしに来た。

 

「邪魔なんだよ!どけ!俺の必殺技!part1! 」

 

そう言ってソードは黒い手を全部斬り裂いた。

 

「これ以上邪魔するんなら手加減はしねえぞ。いいな」

 

そう言って一同はアリを踏まない様に進み、ソードはアリの絵を回収してアリの方に戻った。

 

「ほらよ」

 

アリは満足したみたいだった。

 

そして、一同は先に進もうと扉に手を掛けると、鍵がかかっていた。

 

「チッ、めんどくせーな」

 

ソードはもう一つの扉を開けて入り、アリの絵を置いて空いていた穴を塞いで通った。

 

「お前らは落ちねえから安心しろ。それでも不安なら飛ぶなりして越えろ」

 

そう言ってソードはどんどん進み、怪獣たちや零達、電王達も後に着いて行った。

 

続いていた部屋の中には顔が無い像と鍵が置かれていた。

 

「おっと、そうだった。そういやこいつを拾えばお前は襲って来るんだったな」

 

そう言ってソードは無個性、首が無い像の首を叩いた。

 

「最も、俺らに勝てる自信があるんかどうかやな」

 

「そんなん、こうすりゃ分かんだろ!」

 

そう言ってソードは緑の鍵を拾い上げた。

 

それと同時に無個性の像が襲いかかってきた。

 

「ほお、俺とやろうっちゅうんかいな。ええ度胸や。けどな、相手は選ばなアカンで!」

 

そう言ってアックスはデンガッシャーを振り回し、無個性の像を破壊した。

 

「まだまだ足りんのう!」

 

そう言ってアックスは顎を持って顔を捻り、首の骨の音を鳴らした。

 

「じゃあ、先に進もうか。ごめんねー、先輩がマイペースで」

 

ロッドは怪獣達の方に手を合わせてお辞儀した。

 

「クリア出来るなら問題ないでしょうし」

 

「そうだな。だから気にする事はないし、またいつでも頼ってくれ」

 

ゼットンとゼットン星人が答えた。

 

「ありがとう。後で君達にはスペシャルブレンドのコーヒーを入れてあげよう」

 

一同は鍵を開けて先に進んだ。

 

すると、次は猫の顔の様な扉と共に魚の体の様な鍵穴を見つけた。

 

「猫だ!かわいー!」

 

「これはまた斬新な仕掛けだね」

 

「これは見ていて飽きないねぇ」

 

ゴモラとバキシムは鍵穴で遊び始めた。

 

「よし、じゃあ二手に別れて鍵を探そうぜ」

 

「確かに、その方が効率も良いしね。僕も賛成だ」

 

「それじゃあ、俺はイマジン達とこっちに行くよ」

 

零は左の扉を指さし、電王達と共に左の扉に入った。

 

「じゃあ、私と怪獣はこっちに行くわね」

 

百合は右の扉を指さし、怪獣たちと共に右の扉に入った。

 

 

「さてさて、ここは一体何の部屋だ?」

 

ソードは扉を開いて部屋の中に入った。

 

すると、文字が現れ、零達はその文字を読んだ。

 

「なになに…かくれんぼだぁ!?へっ、おもしれぇ」

 

「なにか方法でもあるの?」

 

「なに、簡単よ。全部ぶっ壊しゃ鍵が出てくるんだよ!」

 

「それじゃあ鍵ごと壊れるでしょ。リュウタ、お願い」

 

「よーし!バァン!」

 

ガンは誘導弾を七発撃ち、七つのパネルに着いたボタン全てを押した。

 

すると、一斉に仕掛けが動き、赤い手のひらやら色々飛び出た。

 

「すごーい!立体感満載だね!」

 

ガンがそういうと同時に魚の頭の形の鍵が出てきた。

 

「さてと、こいつを持って行くか」

 

零達は部屋を後にした。

 

 

 

「うーん、見つからないわねえ…」

 

百合と怪獣達は鍵らしきものを探していた。

 

「バードンさん、面倒だから焼き払ってよ」

 

「…そうですね」

 

そう言って百合は炎を吐き、魚の体の鍵以外を全て跡形も無く焼き払った。

 

「この私達を簡単に怖がらせられると思うなァ!」

 

「よく燃えなかったね」

 

「ゲームだから無くならないんでしょう」

 

「じゃあ、行こうか」

 

百合達は部屋を後にした。

 

そして、合流した零達は鍵を鍵穴にはめ、次の部屋へ入った。

 

「ここか…めんどくせえな」

 

「また手分けする?」

 

「いや、もう謎解き飽きてきた」

 

「は?」

 

「だから…」

 

そう言ってソードは唇の絵の前に来た。

 

「確かお前はリンゴがありゃあいいんだろ?」

 

「そうだ。リンゴを寄越せ」

 

「ほらよ」

 

そう言ってソードは絵にリンゴを放り投げた。

 

「おし、行くぞ」

 

「ええ〜…?そんなのアリなの?」

 

「クリアすりゃあいいんだよクリアすれば」

 

「それもそうだったね…」

 

一同はニヤリとほくそ笑んだ。

 

 

 

(さて、そろそろ奴らが来るが…ん?)

 

仕掛け達の耳に謎のバイクの音が響き渡った。

 

(なんだ?)

 

電王達はバイクで美術館を走り抜け、不良のようにパラリラパラリラと鳴らしながら美術館で破壊の限りを尽くした。

 

(うわあああなんだあれ!?)

 

(こいつら人間か!?)

 

「うるせー!俺たちゃ頭を使うより体を使う方が慣れてんだよォ!」

 

電王達は必要なアイテムを拾いながら破壊を続けた。

 

(あ、あれ、ぼくのくち、ふさがんない)

 

見ると、青い顔の絵はロッドのデンガッシャーがつっかえ棒になって塞がらなくなっており、ロッドは全員が通った所で爆発して絵ごと破壊して手元に戻した。

 

ボタンが置かれた迷路は一直線の広い道へと変わり、沢山の女性の絵はほぼ灰に変わった。

 

すると、道中ウルトラマンXを見つけた。

 

「Xさん?」

 

「君は…零君か!良かった!」

 

「Xさんも無事の様ですね。とりあえず、今はここを出ましょう!」

 

「ああ!」

 

「おーし!行こうぜX!」

 

「おう!」

 

Xも飛行して電王のバイクと並んだ。

 

そして、破壊を再開した。

 

「お、おい!こんなに破壊して大丈夫なのか?」

 

「大丈夫だよ。どうせ謎解きゲームは飽きちゃったしね」

 

「どうせ害は無いんだ。むしろ壊しちまえ!」

 

「よ、ようし!」

 

こうなるともう誰も彼らは止められない。

 

「アタッカーX!」

 

XはX字型の炎で、マネキン像を何度も破壊した。

 

周りには火気厳禁などの注意書きがされていたが、無論お構い無しである。

 

「オラオラオラオラァ!行くぜ行くぜ行くぜぇ!」

 

「俺の強さにお前が泣いた!」

 

「答えは聞いてない!」

 

「ほらもっともっと足掻いて見せろォ!」

 

青い人形や女の子が書かれた絵、ただ残してあるとすれば味方の美術品や使える物位しか残されていない。

 

「ホラホラどうしたどうしたァ!」

 

一同は青い人形が沢山置かれている部屋に来た。

 

「ゼットン!」

 

「はあ!」

 

ゼットンは部屋をぶち抜く程の威力の火球を放ち、人形達を跡形も無く消滅させた。

 

「ヒャッハー!」

 

もはや彼らにブレーキは無いのだろう。

 

「いやぁ〜熱いったらありゃしねぇなぁ?」

 

「そうですねぇ〜」

 

こころなしかゼットンも笑っていた。

 

そして、変なガスも無視し、先へと進んだ。

 

すると、メアリーと呼ばれる少女が現れた。

 

しかし、電王達はその正体を知っている。

 

バイクを走らせて彼女の絵を見つけ、すぐ様燃やした。

 

手加減など無用なのである。

 

「クリアすればもうなんだっていいんだよ!」

 

そして、おもちゃ箱の空間も抜け、一同は絵空事の世界の絵の前に来た。

 

「はぁー、楽しかった楽しかった」

 

「じゃあ、帰ろうか」

 

「そーしよー!」

 

「久しぶりに暴れたのう」

 

一同は他愛ない会話をしながら絵に飛び込み、現実世界へ戻ってきた。

 

「おや、随分お早いお帰りですね。ところで、その方は?」

 

オーナーはウルトラマンXの方を指さして言った。

 

「私はウルトラマンX。私も飯原と言う奴にこのゲームの世界に入れられていたんだ」

 

「一応お前は絵の中の奴じゃないよな?」

 

「それだったらとっくにやられているだろう」

 

「それもそうだね」

 

ウラタロスはゼットンとゼットン星人にコーヒーを入れながら言った。

 

「しかし、たまにはこんな風に遊ぶのもいいものだな」

 

「ゲームだからな。遊んでナンボだぜ、X」

 

「そうだな。…って誰だお前は!?」

 

Xは電王から戻ったモモタロスに驚いてソファーに倒れ込んだ。

 

「さっきのヒーローだよさっきの!先にいたのは俺達なんだからな!?」

 

「な、なんだ…」

 

「ったくよ…」

 

Xはモモタロスの手を借りて立ち上がった。

 

すると、デンライナーのドアが開き、ガイ達が戻ってきた。

 

「ただいま〜…ってXさん!?」

 

ガイはXを見て驚いた。

 

「何何!?またウルトラマン!?」

 

「何か凄い近未来なウルトラマンやん!」

 

そう言ってなのはとはやてはXの身体を触り始めた。

 

「あの二人は…全く…」

 

「先輩に会う度こうなりそうだな」

 

「そうですね」

 

フェイトとガイは笑いながら言った。

 

「何でもいいが早く助けてくれ〜!」

 

 

 




今回はここまでです。

Xさんかなりハッチャケてたなぁ。

そして何気に怪獣達初登場。

次回は真面目にやります。

それではまた次回!


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襲撃

さあそろそろネタが尽きかけて来ましたよ…

ヤヴァイ…真面目に困るほどネタが無い…

でもでも作らねばならぬ…

さあて頑張るぞう…

(ネタを…ネタを下さい…)


デンライナーの中で零達は、ウルトラマンXと話していた。

 

「兎に角、助けてくれてありがとう、皆」

 

「なあに気にすんなよX!」

 

そう言ってモモタロスはXの背中を強く叩いた。

 

「い、痛っ、痛いぞモモタロス!」

 

Xは痛さで背中を埋めた。

 

「まあそう怒んなって」

 

「そう言えばさ、Xは歴史の改変の波に飲まれなかったの?」

 

なのははXに素朴な疑問を投げかけた。

 

「ああ。グルマン博士と言うファントン星人の科学者が、私にウルトラマンゼロのカードやサイバーカードのコピー、そしてそれを読み込む為のデバイザーを新たに作って私にくれたんだ。その後、歴史改変の波が来て私はウルトラマンゼロのカードを使ってどうにか逃れられたんだが…大地達は…」

 

Xは俯いて拳を強く握り締めた。

 

「ま、まあ、俺達が元凶をぶっ叩けば良い話だしな?な?」

 

モモタロスはウラタロスやリュウタロスの方を見て言った。

 

「確かにそれはその通りだ。だが、私が大地を守れなかったと言う事実は残る…」

 

「Xさん…」

 

ガイはXの気持ちがよく分かる。

 

実際、ガイも自分がいた地球を守れなかった。

 

一度目はマガゼットンの時、二度目は今回の事だ。

 

SSPの三人や渋川さん、そして守ってきた地球人、そして───

 

「モモタロスさん、こればっかりは事件を解決しても解決される、って物じゃないよ」

 

「へ?」

 

「せやで。心の傷って人によって根深く付いてる、なんて人もおるんやから」

 

「ほら、先輩だってあるでしょ?大事に取っといたプリンを僕に食べられた時とかさ」

 

「うんうん、確かにアレは悲しかったなぁ〜…ってテメエか!食べたのは!」

 

モモタロスはウラタロスの襟首を掴んだ。

 

「だって名前書いてなかったじゃん」

 

「テンメェ〜!上等だこの野郎!テメエのプリンも食ってやる!」

 

「あぁ〜待って先輩!それは限定品のだから〜!」

 

「うるせぇ!俺のプリンを食ったテメエが悪いんだ!」

 

そう言いながらモモタロスとウラタロスは客室を出た。

 

「…フフッ、何だかんだで楽しくやってる様だな、ガイ君。少し気が楽になった」

 

Xはガイの方を見て言った。

 

「いつもいつも煩いですけどね。その度にオーナーに怒られています」

 

ガイは苦笑いをしながら言った。

 

「オーナー?」

 

「あの人だよ」

 

フェイトはチャーハンをスプーンですくうオーナーの方を見て、Xもそれに釣られて見た。

 

オーナーはその視線に気付き、Xの方を見て静かに手を振ってもう一度チャーハンに視線を戻し、チャーハンを食べ始めた。

 

「何だかそんなに偉い人にも見えないな…」

 

「あの人がいるからこのデンライナーが動いてるんだよ。それに、オーナーが居なければ今頃だと大変な事になってるかもしれないしね」

 

「デンライナーは動かせなけりゃ歴史修正も出来へんからねぇ」

 

なのはとはやてはXにオーナーの大切さを話した。

 

「そうなのか…実は凄い人なんだな」

 

「そう言えばさ、Xは今は何をしてるの?」

 

リュウタロスはXに詰め寄って聞いた。

 

「おっと、そうだった。簡単に言えば、私も君達と同じ歴史修正だ。とは言え、過去には飛べないけどな」

 

「ふーん、じゃあどっちが沢山直せるか競争しよーよ!」

 

「競争か?別に構わないが…」

 

「わーいやったー!ちなみに僕達はもう八回直したんだよー」

 

「八回か!よし、私も負けてられないな!」

 

そう言ってXはウルトラマンゼロのカードをデバイザーに読み込ませ、ウルトラマンゼロのアーマーを身にまとった。

 

「うわぁカッコイイ!何それ何それ!」

 

「カッコイイだろう?それじゃあ、また会おう!」

 

そう言ってXは空間に穴を開け、どこかの世界に行ってしまった。

 

「ねえねえキンちゃん!早く僕達も行こーよ!」

 

リュウタロスは寝ているキンタロスの膝に座り込んで肩を揺らしながら言った。

 

「んが…そうやな。俺らも頑張らんとな。オーナー、次はどこや?」

 

「次は二千十六年、第三百二十七世界線です」

 

「二千十六年言うたら結構最近やな。ガイさんなんか思い当たるとこある?」

 

「去年何かあったか…?」

 

ガイは腕を組んで考え出した。

 

しかし、何も思い出せなかったみたいだ。

 

「まあ、行けば分かるかもしれねぇな」

 

ウラタロスのプリンの最後の一口を食べたモモタロスがガイの方を見て言った。

 

「僕のプリン…」

 

「事件解決すりゃいくらでも買えんだろ!それまで我慢しやがれ!」

 

デンライナーは時空間に穴を開け、次の世界へと向かった。

 

 

 

謎の生命体、シャドウ。

 

そのシャドウ達が巨大になり、街の破壊の限りを尽くしていた。

 

「あんなの…どうやって勝てって言うんですか…!」

 

アギラによく似た格好をした少女が言った。

 

「こんな大きさのシャドウなんて見たことありませんよ!」

 

ウィンダムによく似た格好をした少女はウィンダムの目の様な機械からビームを放った。

 

しかし、効果は薄く、シャドウは光線を放って少女達を吹き飛ばした。

 

「きゃあ!」

 

「うわぁぁぁぁーっ!」

 

少女達は地面に強く叩きつけられた。

 

「だ、大丈夫ですかアギラさん…」

 

「私は大丈夫…他の皆は?」

 

アギラと呼ばれた少女は辺りを見回し、他の少女達達の安否を確認した。

 

次々と顔を起こして立ち上がっていたので、何とか無事の様だ。

 

「…ったくなんなんだよ!一体俺達になんの恨みが!」

 

「レッドキングさん…」

 

「先輩…」

 

レッドキングは怒りで拳を震わせながら巨大なシャドウの方を見た。

 

 

 

シャドウの方には飯原が座っていた。

 

「さあいつまで持つかな?」

 

飯原はシャドウに命令を出し、シャドウはその命令を受けて街を破壊して炎に包んだ。

 

「でも、そろそろ飽きて来たし、止め刺しちゃって良いよ」

 

シャドウは待ってましたと言わんばかりに強く頷き、光線のエネルギーを溜め初め、発射口に小さな光の球が出来て大きくなり始めた。

 

「ク…ッ!」

 

レッドキングは片方の腕をおさえ、光線の方を見た。

 

「!!」

 

レッドキングはその大きさに思わず絶句した。

 

その光球の大きさはシャドウの大きさを超え、留まることを知らず、どんどん大きくなっている。

 

「……あ…ああ……」

 

シャドウはゆっくりと少女達に狙いを定め、光線を放つ準備を完了させた。

 

「それじゃあね、怪獣娘」

 

その飯原の言葉と共にシャドウは光線を放った。

 

思わず少女達は目を瞑った。

 

次の瞬間、一本の時の電車が少女達に覆いかぶさる様に走り、少女達を電車の中に収納して時空間に入った。

 

「ん…あ、あれ?」

 

「私達さっきまでシャドウと戦っていたのに…」

 

少女達は周りを見回した。

 

「随分派手な格好してんなァ〜」

 

モモタロスは掛けていたサングラスを指で少し下ろし、少女達の方を見た。

 

「うわぁぁぁ鬼!」

 

「俺は鬼じゃねぇ!」

 

「いやいや、モモタロスさんの事を見たら誰だって…ありゃ?」

 

零は少女達に近付いた。

 

「あれ?お前達いつの間に出たんだ?」

 

『おーい』

 

「え?出た?どこから?」

 

『おーいってば』

 

「どこからって…スマホからに決まってんだろ」

 

『おーい!』

 

「何でスマホから出るねん!おかしいやろ!」

 

「何でってお前らしょっちゅう出てるだろ?って言うかゴモラお前いつの間に大阪弁に?」

 

『いやいい加減気付けよ!』

 

痺れを切らした怪獣達が零のスマホから出てきた。

 

「えっ?あれ?ゴモラが二人!?アギラも…ウィンダムも…ミクラスも…どうなってんだ!?」

 

零は少女達と怪獣達を交互に見た。

 

その姿はほぼ瓜二つで、殆ど見分けがつかない。

 

「こっちが怪獣の方のゴモラで」

 

「こっちが怪獣娘のゴモラや!そこんとこよう覚えとき!」

 

二人のゴモラは腕を組んで言った。

 

「いや、本当に見分けつかないな…」

 

「とりあえず二人いる子はネームプレート作ったら?」

 

リュウタロスは簡単な案を出した。

 

「それもそうだね。じゃあ皆手伝って」

 

「おう!呼び分けしやすそうだ!」

 

イマジンと零達は人数分のネームプレートを作った。

 

その間、怪獣と少女達怪獣娘は自己紹介等をして親睦を深めた。

 

「とりあえず、ほれ」

 

零達は怪獣達と怪獣娘達にネームプレートを着けてやった。

 

「これで区別が付くね」

 

「間違える事も無くなりそうね」

 

百合が怪獣達と怪獣娘達を交互に見て言った。

 

「そういや、あの大きな奴は何なんだ?」

 

ガイが怪獣娘達の方を見て聞いた。

 

「あれは…」

 

アギラ達怪獣娘はシャドウの事について話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず今回はここまで。

うん、疲れた!また次回!

やっと怪獣達出れたよ!やったね!


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共闘

じかーんのーなーみーをーつーかーまえーてー

電王完走したで!44話めっちゃ泣いた…

またオーズも見終わったら別のも見たいな

それでは、本編参りましょう!


「…と言う訳で、私達は怪獣娘として日夜シャドウと戦っているのです!」

 

怪獣娘の一人、ピグモンが胸を拳で叩い自慢げに言った。

 

「なるほどな。要するに、正体不明のシャドウって奴を倒せるのがお前達しかいないって訳だ」

 

「…ええ!?説明シーン全カット!?」

 

「何言ってやがんだカメ公。そんなん今俺が説明しただろうが」

 

「どうしたのカメちゃん?」

 

「何かあったか?」

 

リュウタロスとキンタロスがウラタロスの方を見て言った。

 

「どうしたもこうしたもないよ!説明してたシーンはどうしたの!?」

 

「時間無えんだからしょうがねえだろ!時間の波に飲まれてバッサリカット!ほらこれで良いだろ?」

 

モモタロスは手刀で板を割るような仕草をしてウラタロスの方を見た。

 

「ええ〜!?……ま、まあ良いか、確かに時間も無いしね」

 

「な、そんなに気にする事じゃねえって」

 

「…それで、あのデカイシャドウはいつからいるの?」

 

百合は気を取り直し、怪獣娘のピグモンに聞いた。

 

「本当に突然出てきたんです。シャドウが出てきたと言う通報を聞いて飛び出て来たのですが…」

 

「シャドウの巣から全てのシャドウが飛び出し、それを追ってみれば、街の中心部で小さなシャドウ達と一緒に街を壊していた、と言う所」

 

怪獣娘の方のゼットンがスマホの写真を見せながら言った。

 

一同はそれに釘付けになって見た。

 

写真にはシャドウが何かに操られる様に飛んでいく様子が映っていた。

 

「で、この集まったのがアイツら、と言う訳やな」

 

キンタロスは外を指さしながら言った。

 

「そう。今度こそは倒さなくちゃいけない…!」

 

「そうだな…よし!」

 

そう言ってガイはオーブリングを握った。

 

もう片方の手には二枚のカードが握られていた。

 

「私達も行くよ!」

 

「寧ろ今か今かと待っとったで!」

 

そう言ってはやては拳を手の平に当てて強い音を鳴らした。

 

「私も行けるよ!」

 

「よーし!気合い入れて行くぞお前らぁ!」

 

「おー!」

 

怪獣娘の方のレッドキングの合図で怪獣娘達やなのは達は拳を突き上げて気合いを入れた。

 

「じゃあ、俺達も…」

 

怪獣娘達がデンライナーを降りたのに続き、零と百合も降りようとした時だった。

 

「なあ、冷コー、ちょいとお前の身体貸してくれ」

 

「え?」

 

そう言ってモモタロスは零の身体の中に入った。

 

「零?」

 

百合は俯いた零の肩を叩いた。

 

すると、零の髪の中に一本太く赤い線が入り、目が赤く光った零が顔を上げた。

 

「お、お、お。おぉ〜、中々悪くねえな。後ろの髪が邪魔だけどな」

 

零は手の平や腕、背中を見ながら言った。

 

「え?れ、零?」

 

「違うよ、百合さん。これは先輩が零に憑依してるんだよ」

 

「憑依?」

 

「そう。つまり、今表に出てるのは先輩って訳」

 

「そう言う事だ。と言う訳で、俺、参上!」

 

零(モモタロス)は決めポーズを決め、デンライナーから降りた。

 

「それで、モモタロスはどうするの?」

 

リュウタロスは零(モモタロス)の方を見て首を傾げた。

 

「あの飯原の野郎をぶん殴って来る!アイツはどうにも気に入らねえ!」

 

「なるほどね、先輩らしい」

 

「危なくなったらいつでも呼べよ、モモの字」

 

「おう、その時は頼りにしてるぜ!」

 

そう言って零(モモタロス)は飯原の元に向かった。

 

 

そして、百合、ガイ、なのは、はやて、フェイト、そしてイマジン三人は横一列に並んだ。

 

「セブンさん!ゼロさん!親子の力、お借りします!」

 

ガイはウルトラセブンとウルトラマンゼロのカードをオーブリングに読み込ませた。

 

「行くわよ!変身!」

百合はヒーローボールを掴んでスピンさせ、飛び上がった。

 

「今度は決めるで!変身!」

 

「変身!」

 

「変身!」

 

なのは、はやて、フェイトの三人は同時に光を発し、バリアジャケットを身にまとった。

 

『ウルトラセブン!ウルトラマンゼロ!フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ・エメリウムスラッガー!』

 

『METAMORPHOSE!DEN-O RIDER TYPE SWORD!』

 

「変身!」

 

ウラタロス、キンタロス、リュウタロスの三人はデンオウベルトを腰に巻き、ライナーパスを読み込ませた。

 

『ロッドフォーム』

 

『アックスフォーム』

 

『ガンフォーム』

 

ガイは光となったセブン、ゼロと一体化してエメリウムスラッガーへ、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスは電王のロッド、アックス、ガンへと変身し、百合は仮面ライダー電王のソードフォームを象ったアーマーを纏った。

 

「俺、参上!」

 

「お前達、僕に釣られてみない?」

 

「俺の強さにお前が泣いた!」

 

「お前達倒すけど良いよね?答えは聞いてない!」

 

「智勇双全、光となりて!」

 

電王三人と百合の後ろにウルトラマンオーブ・エメリウムスラッガーが地響きを立てて構えを取り、電王達と周りにいたなのは達は思わずよろめいた。

 

「ちょ、ちょっとガイさん、僕達も下にいるんだからさ、気を付けてよ」

 

「おっと、悪い悪い」

 

オーブはロッド達の方を見下ろしながら頭を掻いた。

 

「おーい、お前ら!早く来い!」

 

レッドキングは電王達を手招きして呼んだ。

 

「それじゃあ、行くよ、皆」

 

「おうよ!」

 

百合はデンガッシャーを担ぎながら言った。

 

「…お前ホンマに百合か?」

 

アックスは百合の方を見ながら言った。

 

「?何言ってんだクマ公。どっからどう見ても私だろ?」

 

「確かにそうやけど…」

 

「なら問題はねえな!行くぜ行くぜ行くぜえええ!」

 

そう言いながら百合はデンガッシャーを振り回してシャドウの元に駆けて行った。

 

「変身したライダーの性格になるみたいだね」

 

「しかし、あそこまで性格までもがモモの字と瓜二つとはなぁ」

 

「テメェラ!早く来やがれ!」

 

シャドウと戦いながら百合はロッド達の方を見て叫んだ。

 

「そうだったね」

 

「むん!」

 

アックスは顎を掴んで首の骨の音を鳴らした。

 

そして、ロッド、アックス、ガンも百合に加勢してシャドウと戦い始めた。

 

「へへへ、バァン!バァン!」

 

ガンはステップを踏みながら手当り次第にシャドウを撃ち、どんどん倒して行った。

 

「たあっ!はぁっ!」

 

ロッドもデンガッシャーを振り回して周りのシャドウを一掃し、デンガッシャーを立てて柱にし、少し大きめのシャドウに向かってキックを放ち、その体を貫通させた。

 

「やれやれ、ボウズなのは久しぶりだな」

 

そう言ってロッドはデンガッシャーを地面から抜いた。

 

『フルチャージ』

 

アックスはライナーパスをベルトに読み込ませてエネルギーをチャージし、デンガッシャーを真上に放り投げた。

 

「せいやあああっ!」

 

アックスは掌でシャドウ達を押し出し、シャドウの攻撃をしゃがんで躱して飛び上がり、デンガッシャーを掴んで円形にデンガッシャーを振り回してシャドウ達を切り刻みながら着地した。

 

「ダイナミックチョップ」

 

「オラオラオラオラァ!もの足んねえぞ!もっとマジメにやりやがれ!」

 

百合はデンガッシャーでシャドウ達をどんどん倒して行った。

 

シャドウ達も真面目にやっているが、それ以前に百合の暴れっぷりが凄いので近づくのでさえ一苦労なのである。

 

「さあ、次の相手はドイツだ?」

 

 

 

「これまた団体様でおいでなすったねぇ」

 

「商売繁盛で何よりだね」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないよ!」

 

沢山のシャドウ達がなのは達三人を取り囲んだ。

 

「ど、どうしようなのは、はやて…」

 

「フッフッフ、安心せい、フェイトちゃん」

 

「こんな事もあろうかと事前に技を考えてあったの」

 

「え?え?」

 

フェイトは余裕そうに腕を組んで背中合わせで立つ二人を見て戸惑っていた。

 

「まだ構想の時点やったけど…行けるな、なのはちゃん!」

 

「大丈夫だよ!はやてちゃん!」

 

「おっしゃ!それでこそなのはちゃんや!」

 

そう言って二人は宙に浮き、デバイスにエネルギーを貯め始めた。

 

「フェイトちゃんはじっとしててね!火傷じゃ済まないかもしれないから!」

 

「う、うん!」

 

フェイトは言われた通り、動かずに下から二人を見守っていることにした。

 

「必殺!」

 

なのはとはやての声が重なる。

 

『MAXIMUM DRIVE!』

 

デバイスの声も同じように重なった。

 

「サイクロン・スターライト・ブレイカー!」

 

そう言って二人は背中合わせでスターライトブレイカーを放ちながら回転し始めた。

 

シャドウ達は跡形も無く一掃され、二人はゆっくりと回転を止めながら着地した。

 

「さあ、お前達の罪を数えろ!」

 

そう言いながらはやてとなのははシャドウ達が居た方に指を指した。

 

「どや?フェイトちゃん、中々カッコよかったやろ?」

 

「初めてにしては良いんじゃない?」

 

「うん!二人共カッコよかったよ!」

 

「そう言って貰えて私も嬉しいで!」

 

「また今度は三人でやれるのも考えようね」

 

 

オーブと怪獣娘は、巨大なシャドウと向かい合っていた。

 

「はぁ!」

 

ゼットンは巨大なシャドウに向けて一兆度の火球を放った。

 

すると、シャドウはゼットンの様な形に変わり、ゼットンシャッターを使って火球を防いだ。

 

「こいつ…!」

 

「攻撃に応じて姿を変えるのか…!これは厄介だ」

 

「でもやるしかないだろ!デュワッ!」

 

オーブは頭頂からオーブスラッガーを取ってシャドウに向かって行った。

 

飯原は巻き込まれまいとどこかにジャンプして去っていった。

 

それを零(モモタロス)が追いかけた。

 

 

「シュアッ!」

 

オーブはシャドウにオーブスラッガーで切りつけた。

 

シャドウは液体の様にそれを何発も躱し、オーブに触手を鞭の様に叩きつけた。

 

オーブはそれをオーブスラッガーで切り裂いた。

 

そして、足技でシャドウに攻撃を仕掛けた。

 

しかし、シャドウはそれを受け止め、オーブの脚を掴んで回すように投げた。

 

オーブはそれをチャンスに変え、機転を効かせて一瞬で姿を消した。

 

シャドウは周りを見渡すがオーブの姿はどこにも無い。

 

そして、次の瞬間、腕にエネルギーを貯めたオーブがシャドウの真後ろに現れ、腕をL字に組んだ。

 

「ワイドスラッガーショット!」

 

光線はほぼゼロ距離でシャドウに直撃した。

 

そして、稲妻が走っているシャドウを怪獣娘達から離れさせる様に蹴り飛ばし、青い空の下で爆発した。

 

 

 

「ちっ、またやられたか、でもいいさ。さてと…」

 

飯原が次の世界への扉を開けようとした時だった。

 

「さてともポテトもねーんだよこの野郎!」

 

そう言いながら零(モモタロス)が飯原にドロップキックを決めた。

 

「な…何っ!?」

 

「おいテメェ、いい加減にしろよ」

 

そう言って零(モモタロス)は飯原の襟首を掴んだ。

 

「離せ、君に用は無いんだ」

 

飯原は零(モモタロス)の腕を払いのけようとした。

 

だが、零(モモタロス)はその手を離さず、飯原の顔を全力でぶん殴り、モモタロスは零から離れ、実体化した。

 

「…!」

 

「ずっと聞いてりゃ何だ?転生者しか相手しないだの、面倒な事は全部その世界の奴に押し付けるだの、ハッキリ言って俺はそう言う奴大っ嫌いなんだよ!自分の落とし前は自分で付けやがれこのクソ転生者!」

 

「な、なんだと!?お前、俺との強さの差を分かってんのか!?こっちはお前を消すことなんざ──」

 

モモタロスは飯原が全てを言い終わる前にもう一度強くぶん殴った。

 

「だから俺はそう言う奴が嫌いなんだよ。お前がどんな能力を持ってるかは知ったこっちゃねえが、その能力で他人を従わせてソイツらに行かせるってのが気に食わねえ」

 

「ぐっ…!」

 

モモタロスは睨みつける飯原の襟首をもう一度掴んだ。

 

「お前の強さ?はんっ、自分で戦わねえ奴に強さもクソもある訳ねーだろうが!俺達は最初からクライマックスで本気で戦って強くなってんだよ。俺達が憑いた良太郎だってなぁ、自分なりに精一杯努力して新しい電王になったりしてんだよ。お前ら転生者みたいに楽して強い能力手に入れて神様気取りしてるようじゃまだまだお子ちゃまなんだよ!」

 

そう言ってモモタロスは飯原を地面に叩きつける様に放り投げた。

「クソが…!俺が本気を出せば…!」

 

飯原は足をふらふらさせながら立ち上がって言った。

 

「ほーお、面白ぇ。でも、その本気ってのはゼノ細胞の事じゃねえよなぁ?」

 

モモタロスはモモタロスォードを担ぎながら飯原の方を見た。

 

「!」

 

「やっぱりか」

 

そう言ってモモタロスは飯原からゼノ細胞が入ったカプセルを取り上げた。

 

「か、返せ!返せよ!」

 

「フン、まるでガキだな。玩具を取り上げられたガキみてえだ」

 

そう言ってモモタロスはカプセルを零に渡した。

 

「冷コー、それはお前が持っておけ。ぶっ壊そうが消し去ろうが好きにしていいぞ」

 

「お、おう」

 

零はカプセルをポケットに入れた。

 

「さーて、飯原、テメェは俺をクライマックスにさせてくれるのか?」

 

「……上等だオラァ!」

 

そう言って飯原はモモタロスに無数の弾丸を放った。

 

「へへっ、なんだよこの豆鉄砲。てんで痛くも痒くもねえぜ」

 

モモタロスは仁王立ちで飯原の攻撃を受けていた。

 

しかし、一切怯むことは無く、モモタロスは欠伸をして新聞を読んでいた。

 

「お、明日の仮面ライダーエグゼイドも面白そうだな、チェックしとこ」

 

そう言ってモモタロスはペンで番組案内の仮面ライダーエグゼイドの欄を赤丸で囲った。

 

「これでよし、と。んで?これまだ続けんのか?」

 

モモタロスは飯原の方を見て言った。

 

「ば、馬鹿な…!何故効かない!」

 

「だってお前これ人間用だろ?俺はイマジンだから効かねえんだよ!」

 

「!!」

 

飯原の顔が引き攣る。

 

「さーてと、そろそろ悪い子にはお仕置きをしなくちゃなぁ」

 

そう言ってモモタロスは新聞とメガネを放り投げ、モモタロスォードで弾丸を弾きながら飯原に近付いた。

 

「あ…ああ…うわああああああ!」

 

「だから効かねえっつってんだろ!」

 

そう言ってモモタロスは飯原の腹に鋭い蹴りを入れた。

 

飯原は地面で蹲って口からだらしなく舌を出し、腹部を抑えて痙攣していた。

「それじゃあな」

 

そう言ってモモタロスは飯原を気絶させた。

 

 

 

 

「……う、ん…?」

 

飯原は辺りを見回した。

 

辺りは見たことの無い山や荒野が広がっていた。

 

「じゃあなー!」

 

上からモモタロスの声がし、上を見るとデンライナーが発車する所だった

 

「お、おい!ここはどこだ!」

 

「ここは時空間だ。ついでにお前の腕と足を見てみろ」

 

「ん?何だこれは!?」

 

飯原の腕と足はガムテープと鎖でグルグル巻きにされており、身動き一つ取れるものでは無かった。

 

「どうだい?誰かに釣られるのを待つ気分は」

 

ウラタロスも飯原の方を見て言った。

 

「そこで死ぬまで反省してな。とは言っても、もう一回死んでるから死ぬもクソもねえな!」

 

「せんぱーいそれは言い過ぎだよー」

 

そう言う二人は大笑いをしていた。

 

そして、デンライナーは別の世界へ行ってしまった。

 

「ああああああああ!ちくしょおおおおおお!」

 

時空間内で飯原の阿鼻叫喚が響き渡った。

 

 

 

 

「それでは、勝利を祝いまして、乾杯!」

 

「カンパーイ!」

 

モモタロスの合図で一同は乾杯をし、ナオミはフルコースをテーブルに置いた。

 

「はいどうぞ〜。はい、どうぞ〜」

 

「おおきに」

 

「わーい!豪華だー!」

 

「そう言えば、あのゼノ細胞はどうしたんだ?」

 

モモタロスは零の方を見た。

 

「ああ、これですか?」

 

零はポケットから一つのカプセルを取り出した。

 

「何かに役立つかなって思って、そのままにしてあるよ」

 

「あら、取っといたの?」

 

「ま、保険程度にね」

 

デンライナーは次の世界へと旅立って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです!

かなり時間かかっちまったい。

仮面ライダーW見ようかな…でもウィザードもな…

それではまた次回!


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ゲームキャラの宿命(前編)

そろそろリクエストが溜まっているので消化せねば

今回の敵は両方ともゲームキャラだからねぇ。

それはそうとなのはREFLECTION面白かった


「さてと、飯原の野郎も倒したし、こっからどうするよ?」

 

モモタロスがソファに腰掛けながら聞いた。

 

「無闇に動くわけにもいかないし」

 

「こっちが狙われたら元も子もあらへんしのぉ」

 

「行き詰まっちゃったね」

 

「まあまあ、ええやないの。ここにいるだけでも楽しめるんやしな」

 

すると、はやての通信機に通信が入った。

 

「ん?どーした?ヴィータ」

 

はやては通信の方に顔を向け、零やモモタロス達もそれを覗き込んだ。

 

「ああん?」

 

「わー!何これ何これー!」

 

『お前ら近いんだよ!ちょっと離れろ!』

 

ヴィータは画面の向こう側から手でモモタロス達を払うように手を振り、モモタロス達は渋々少しだけ後ろに下がった。

 

「まあまあ落ち着いてやヴィータ。どうしたん?」

 

『おっとそうだったそうだった。どうだ?少しは修復が進んできたか?』

 

「まだまだ難しいやねえ。何せ数十、数百とめっちゃあるからねぇ」

 

『そうか、まあでも、たまには帰ってこいよな。シャマルやザフィーラも寂しそうだし』

 

「せやかぁ…なぁオーナーはん、一旦戻るってのはええか?」

 

「私も是非お願いします!そろそろ食料が足りなくなってきましたので」

 

ナオミもオーナーの方を見て言った。

 

「最近チャーハンの量が足りないと思ったらそう言う事でしたか…良いでしょう」

 

「おおきにな!オーナーはん!」

 

デンライナーは汽笛を鳴らし、機動六課庁舎前に向かった。

 

「じゃあ今から行くで!ヴィータ!」

 

『おう!…ってまだ準備してねーよ!せめてもうちょっと…!』

 

通信画面の向こう側でデンライナーの汽笛が聞こえてきた。

 

「もう到着したみたいや」

 

『もう到着したみたいや、じゃねー!』

 

そう言うとヴィータは通信を切った。

 

「いいの?かなり怒ってたみたいだけど?」

 

ウラタロスがはやての方を見て聞いた。

 

「ヴィータは元々ああ言う性格なんや。心の中では嬉しいんやで」

 

はやてはニッコリ笑ってウラタロスに言った。

 

「なら良いんだけどね」

 

そして一同はデンライナーから降車し、庁舎前へと降りた。

 

「いやー、久しぶりに帰ってきたなぁ〜」

 

はやては伸びをしながら言った。

 

「こっちだと一週間も経ってないみたいだけどね」

 

「そうなんか?フェイトちゃん」

 

はやては腕を伸ばしたままフェイトの方を向いた。

 

「ここの時間と合わせる為に時計を持ってきてたんだけど、ほら」

 

フェイトの持ってきたデジタル時計に表示されていた日付は出発した日付とあまり変わっていなかった。

 

「ホントだ〜何で?」

 

なのはも時計を除いて聞いた。

 

「アレや、世界によって時間の流れ方が違うってやつや」

 

「へぇ〜」

 

「はやて〜!」

 

庁舎の方から制服姿のヴィータが手を振って走ってきた。

 

「お、来たようやな」

 

ヴィータははやてに駆け寄りそのまま抱きついた。

 

「おっと、ふふ、いつまでも甘えんぼさんやな、ヴィータは」

 

「だってこんなに早く帰ってくるなんて思ってなかったし…それに色々不吉な夢も見ちゃったしよぉ…」

 

ヴィータは甘える子供のように目をうるうるさせてはやてを見つめた。

 

「よしよし、待たせて悪かったなぁ」

 

はやてはそう言いながらヴィータに微笑みかけて頭を撫でた。

 

「そう言えばモモタロスさん達は?」

 

なのはは周りを見回しながら言った。

 

「モモタロスさん達ならナオミちゃんと零達と一緒に食材を買い足しに行ったよ」

 

「そう言えば買いに行くって言ってたね。無事に買えてるかなぁ?」

 

 

 

「やあお嬢さん、僕に釣られてみない?」

 

零に憑依したウラタロスは街ゆく女性達を次々とナンパしていた。

 

「だからやめろっつってんだろうがぁ!」

 

「痛っ!」

 

その度にウラタロスは零ごと百合に蹴られていた。

 

「いてて…この身体は零もいるんだからね?」

 

「ならナンパするんじゃない!」

 

ウラタロスは零以外の全員に言われた。

 

「あいたた…」

 

「じゃあさ、ちょっと僕に貸してよ!」

 

「ええ?」

 

そう言ってリュウタロスは零に憑依した。

 

零の髪の中に一本紫色の髪が混じり、紫色の線が入った帽子が被さり、目が紫色に輝いた。

 

「これなら大丈夫でしょ?」

 

零(リュウタロス)は白い歯を見せて笑って見せた。

 

すると、物陰から猫の声がし、零(リュウタロス)はその方に走っていった。

 

「わぁ〜可愛い〜!」

 

零(リュウタロス)は猫に近寄ってしゃがみ、、猫を抱き抱えて撫で回した。

 

「リュウタ、早く行くよ」

 

ウラタロスは零(リュウタロス)の手を引っ張った。

 

「ちぇー、しょうがないな〜。またね」

 

そう言ってリュウタロスは猫を離した。

猫はどこかに走って行ってしまった。

 

「さあ!皆さん、行きますよ!」

 

「でも、どこに行くの?」

 

百合はナオミの方を見て言った。

 

「大丈夫です!あらかじめ買うものはメモに書いてあるので、それを探しながら行きます!」

 

そう言ってナオミはメモを見せた。

 

そのメモにはびっしりと文字が書かれていた。

 

「凄い量ね、毎回これ位買ってるの?」

 

「いえ、いつもはもっと少ないんですけど、今は沢山いますし、次に買えるのはいつか分かりませんから」

 

「そういう事だ。早く買ってナオミのコーヒーが飲みてえぜ」

 

 

 

「それじゃあ、今日はゆっくり出来そうだね」

 

「たまの休日もええやろうな」

 

「ずっと戦い詰めだったからね」

 

「やっとゆっくり出来るなぁ〜」

 

なのは達はソファに腰を掛けてため息をついた。

 

「でもヴィータは仕事とかええの?」

 

「今日は非番。だから一日中遊べるんだ!これで続きが出来るぜ!」

 

「何の?」

 

「ドラクエ!」

 

「ドラゴンクエストかぁ、懐かしいなぁ。私も手伝うよ」

 

「マジでか!?サンキューな、なのは!」

 

「じゃあ、早速やる?」

 

「おう!勿論だ!」

 

そう言ってヴィータとなのはは部屋を出た。

 

「こんな大変な時だって言うのに、なんでこんなに落ち着いてられるんやろかねぇ」

 

はやてはお茶を啜って言った。

 

「余裕があるからじゃない?今のところ全勝してるしさ」

 

「せやけどなぁ、これ本来やったらかなり時間に関わることやから今すぐにでも取り掛かるべき事件やで?」

 

「それもそうだけどね。何より時間を自由に行き来できるデンライナーがあるからこそだよ。ここでどれだけゆっくりしようがデンライナーならすぐ着いちゃうからね」

 

そう言ってフェイトも一口お茶を飲んだ。

 

「確かに、今の時間で行っとったら遅いもんな。デンライナーがあるからやな」

 

すると、突如庁舎の壁が爆発して地震が起きた。

 

あまりの地震にフェイトとはやてはバランスを崩してソファを転がり落ちた。

 

「ったぁ〜…」

 

「何?」

 

外には、紫色の闇のオーラを纏った巫女が辺りを破壊していた。

 

「なんやアレ!?」

 

「と、とにかく早く止めに行かないと!」

 

フェイトとはやては庁舎を出て巫女の元に急いだ。

 

 

 

 




とりあえず今回はここまでです。

かなりグダグダになっちゃったので次回はパパッと進めていきたいと思います。

それではまだ次回!


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ゲームキャラの宿命(後編)

よっしゃ行くぞおおおおお!

ブゥーハハハハハ!


零、百合、そしてイマジン達とナオミは買えるだけの食料を勝って機動六課庁舎まで戻っていた。

 

「しかし本当に重いねこれ、おっと」

 

全員は両手では抱えきれない程の荷物を持ち、前を見るのも精一杯だ。

 

おまけにすごく重いと来ているので足腰も無事では済まない。

 

「あっ!?」

 

「どうしたんですか?モモタロスさん」

 

零はモモタロスの方を向いて聞いた。

 

「こ、腰をやっちまったああ…わりいが冷コー、俺の分も持ってくれねえか?」

 

モモタロスは片手で腰をおさえながら言った。

 

「わ、分かりました。頑張ってみます」

 

そう言って零は百合やイマジン達に手伝って貰い、零の持つ買い物袋の上に何とか乗せた。

 

その次の瞬間だった。

 

「ぐおおっ!?」

 

「え?」

 

「まさか?」

 

「嘘でしょ?」

 

零はゆっくりと荷物を降ろし、片手で腰をおさえ始めた。

 

「腰が痛い…」

 

「くぅ〜…」

 

零とモモタロスは全く同じ姿勢で腰をおさえていた。

 

「ハハハ!二人共全く同じポーズだー!」

 

「確かに同じだね」

 

「二人共笑ってる場合じゃないですよ!」

 

「まあまあ、ここいらで休めばいいじゃない。

 

「そうや。ちょうどそこに甘味処もあるしのお」

 

キンタロスが近くにあった店を顎で示して見せた。

 

「甘味処じゃなくて喫茶店じゃん」

 

「何でもええやないか。休める事には変わらんし」

 

「それもそうだね」

 

「でも、お金はあるんですか?」

 

「あ…」

 

イマジン達とナオミは荷物を置いて各々の財布の中身を覗いた。

 

「…無い!/です!」

 

イマジン達とナオミは声を合わせて言った。

 

「仕方ありませんね…」

 

百合はため息をついて自分の財布を取り出した。

 

その中身はざっと十万円が入っていた。

 

「ありがとうございます、百合さん」

「ごめんね〜また今度返すからさ」

 

「いつも協力して貰ってますし、大丈夫ですよ」

 

「わーい、やった〜」

 

「すまんのぉ、おおきに」

 

「ほら、二人共、歩ける?」

 

「な、何とか」

 

「俺も一応は歩けるぜ…」

 

その二人の足は生まれたての小鹿のようにプルプル震えていた。

 

「はぁ…だから日頃運動しなさいって言ったのに」

 

「先輩も張り切りすぎていつも無茶するんだからそんな事になるんだよ」

 

「……ごめんなさ〜い」

 

二人はウラタロスとキンタロスに背中におぶって貰い、喫茶店の中に入った。

 

窓側の方で座り、二人も椅子の方に降ろして貰い、椅子に腰掛けた。

 

「モモの字、腰は大丈夫か?」

 

「先輩、腰は大丈夫?歩ける?」

 

「大丈夫?骨は折れてない?」

 

「あ、ああ。お前らイイヤツだなぁ…」

 

「ここで先輩が戦えなくなったら僕達が戦うハメになるからね。そんなのいやだし」

 

「カメテメエこの野郎!うっ!」

 

そう言ってモモタロスが立ち上がろうとした時だった。

 

その瞬間、腰に激痛が走り、モモタロスはゆっくりと椅子に座った。

 

「お店の中で騒いじゃダメだよ?先・輩」

 

「スケベ亀この野郎…あいたたたたぁぁ〜」

 

ウラタロスがモモタロスを抑えた所でリュウタロスが店員を呼び、各々メニューを頼んだ。

 

「そう言えば零さんと百合さんが付けてるそのヒーローブレスってかなり便利ですよね。色んなヒーローの力も使えますし、とてもカッコイイです!」

 

ナオミは二人の腕についたヒーローブレスを見て言った。

 

「いや、それが便利って訳でもないんですよ」

 

「?何でですか?結構使いこなせてると思うんですが」

 

「これを使えるようになるのは長期間の特訓が必要で、しかもその特訓も大変で…」

 

「特訓って、どんな?」

「例えば、ヒーローの力を制御出来る様な身体と体力が必要って事でジープに追い回されて何度も轢かれたり、データから作り出したヒーローの必殺技を段々強くしながら受けていったり…とか」

 

「い、一番辛いのは…?」

 

「仮面ライダーだと仮面ライダークロノスね。訳も分からないまま身体に強い衝撃が来るからいつ来るか怖くて怖くてしょうがないわ。ウルトラマンだと、ウルトラマンオーブね。オーブカリバーの必殺技がどれもこれも痛いのなんのって…」

 

「それは辛そうですね…」

 

「辛いと言うか、生き地獄よ。幸い医療はすごく整ってるからすぐに治るし、それは良いんだけど完治した途端すぐ特訓よ。これなら死んだ方がマシだって何回思ったのかしら。フフッ」

 

百合は虚ろな目で虚空を見据えながら苦笑いをして言った。

 

ナオミにはとても想像がつかないが、それ程辛い事をやって来たのは百合の表情で何となく察した。

 

「そう言えば、零さんは何故急に腰を?」

 

「零は少し前までずっと事務仕事だったのよ。おまけに重い物も持たないどころか他のか…人の仕事も押し付けられてたし、疲労とかが溜まってたのかもね」

 

零の代わりに百合が説明した。

 

「事務仕事、そんなに辛いんですか?」

 

「…いや、仕事自体は辛くないんだけど、その量が多いし、たまに手違いで死ん…じゃないや、手違いで来ちゃったりする一般人もいるから、時々その対応もやらないといけないしで、体力が持たないって言うか」

 

「はへぇ〜、辛そうですね〜、いつもお疲れ様です」

 

「ありがとうナオミちゃん…」

 

二人は声を合わせて言った。

 

すると、遠くの方で大きな爆発音が聞こえた。

 

それを聞いて店の中はざわつき始めた。

 

「ナオミちゃん、皆、行きましょう!」

 

「おう!」

 

「な、なあ、それはいいけどよ…腰が痛いから身体を貸してくれねえか…?」

 

「とりあえず私の身体を使っても良いから荷物持って急ぐよ!」

 

「じゃあ、僕は零の身体に憑いて連れていくよ。キツかったら言ってね」

 

「は、はい」

 

「それじゃ、決まり」

 

そう言ってウラタロスとモモタロスは零と百合に憑依した。

 

「僕に釣られてみる?」

 

「俺、ようやく参上!」

 

零(ウラタロス)と百合(モモタロス)がポーズを決めた。

 

「よし!早速行こうぜ!」

 

「うん!時間は…おっと、ナイスタイミング」

 

時計は二時二分二秒を刺しており、零(ウラタロス)はその瞬間に扉を開けた。

 

そこにはデンライナーが止まっており、デンライナーへ乗れる空間に入った。

 

そして、音が発生した地点までデンライナーで急ぎ、デンライナーから直接機動六課庁舎に乗り込んだ。

 

「おい!大丈夫かよ!」

 

「早く逃げて!」

 

零達は局に残っていた職員達を逃がしながら煙の出現元を探した。

 

「一体どこから…あった!」

 

零(ウラタロス)は扉の隙間から煙が出ていたのを発見し、ウラタロッドで扉を壊した。

 

その次の瞬間だった。

 

「どわっちゃっちゃっちゃあー!」

 

半分悲鳴にも近い叫び声をあげながらなのはとヴィータが部屋の中から飛び出して来た。

 

「うわぁびっくりした!二人共大丈夫!?」

 

ウラタロスは二人を宥めながら聞いた。

 

「ご、ごめん零君」

 

「わ、わりいな」

 

「別に良いよ。それに僕は零じゃない」

 

「え?」

 

なのはは零の方を見た。

 

よく見なくても零にはメガネが掛けられており、雰囲気もなんだか違う。

 

「…ウラタロス君?」

 

「そう、正解」

 

「とにかく、助けに来てくれてありがとう」

 

「ああ。他の皆も逃がしているから、僕達も逃げよう」

 

零(ウラタロス)は二人を連れてその場を後にした。

 

 

「そう言えば、一体何が起きたんだい?」

 

零(ウラタロス)は走りながら聞いた。

 

「ヴィータちゃんと二人でドラゴンクエストやってたんだけど」

 

「どっかから『どうせゲームをするならリアルなゲームをやろうぜ』って声が聞こえて、ボスキャラのダークドレアムが出てきちゃったんだ。しかも何かに憑依した状態で」

 

「なるほど、要するにゲームのキャラを現実に出して僕達を倒そうって魂胆か。次の転生者も中々やるね」

 

「早く倒さないと!」

 

零(ウラタロス)達は外に出てリュウタロス達と合流し、出てきたボスと対峙した。

 

「巫女…?」

 

「の割には随分禍々しい雰囲気だね、何か憑依してるからだけど」

 

「……」

 

「何でも良いよ。お前倒すけどいいよね?答えは聞いてない!」、

 

「俺の強さは、泣けるでぇ!」

 

リュウタロスとキンタロスが決め台詞を巫女に浴びせた。

 

「まずは巫女さんの方をどうにかしないと…!」

 

「でも、どうするんだ?俺の腰はまだ治ってないし…痛たた…」

 

ウラタロスから解放された零は腰を抑えながら百合の方を見て言った。

 

「ふむ………あっそうだ!あのライダーの出番よ!」

 

「あのライダーって?」

 

「良いからちょっと貸して」

 

百合は零のヒーローブレスに手をかけ、一人のライダーの強化形態のフォームが描かれたボールをスピンさせた。

 

「ほらアンタも行って!」

 

「お、おわああ!?」

 

百合は零を持ち上げてボールの方に投げた。

 

『METAMORPHOSE!BLACK RX RIDER TYPE VAIO!』

 

零は仮面ライダーBLACK RXの強化形態であるバイオライダーを象ったアーマーを装着し、そのまま地面に転げ落ちた。

 

「それなら腰がやられてても助けられるでしょ」

 

「なるほど、こいつは最適のライダーだ」

 

零は身体を液状化させ、巫女の元に向かった。

 

この状態なら腰の痛みも関係なくぬるぬる動けるので問題は無い。

 

「な、なんだありゃ?」

 

「スライム…?」

零は巫女の口から体内に入った。

 

そして、その紅白の巫女は目を開いた。

 

「ふっ……」

 

巫女は身体に力を貯め始めた。

 

「む……?」

 

憑依していたダークドレアムも何かの気配に気付いた。

 

「な、なんだお前は!?」

 

「うるせえ!さっさと…出やがれぇぇー!」

 

傍から見れば巫女が一人二役で漫才をやってる様に見えるが、実際はその身体の中で零とダークドレアムが身体を奪い合っているのである。

 

「ッシャオラァ!」

 

巫女は身体の中からダークドレアムを追い出し、零もその巫女の中から脱出した。

 

「私を追い出すとは…中々やるではないか」

 

「だ、ダークドレアムさんもな…」

 

相変わらず零は腰をおさえていた。

 

「お、おい、大丈夫か?」

 

敵のダークドレアムも流石に心配になってくるほど痛がっていた。

 

「大人しく…座ってます」

 

「あまり無茶はするなよ…」

 

「はい…」

 

零は変身を解除して周辺にしゃがみこんでいた。

 

「じゃ、じゃあやろう…勇者共」

 

「な、なんか乗り切れんがやるしかないのう」

 

「さあ、かかって来るがいい!…なんか乗り切れんな」

 

あ!やせいの ダークドレアムが あらわれた!

 

「待て待て待て待てゲームが違うゲームが違う!やり直しだ!」

 

ダークドレアムが あらわれた!

 

「そーそー。よしやるぞ!」

 

「なんかシュールな光景だな…」

 

ヴィータは半ば呆れつつ言った。

 

「お前倒すけどいいよね!答えは聞いてない!」

 

「もうそれは良いから行くよ!」

 

「変身!」

 

「変身」

 

「変身っ!」

 

イマジン達はデンオウベルトを装着してガン、ロッド、アックスフォームに変身した。

 

「変身!」

 

百合もヒーローボールをスピンさせ、飛び上がった。

 

『METAMORPHOSE! BRAVE RIDER TYPE QUEST GAMER!』

 

百合は仮面ライダーブレイブ・クエストゲーマーを象ったアーマーを装着し、手にはガシャコンソードを持っていた。

 

「これより切除手術を開始する」

 

「なりきってるねぇ、百合さん」

 

「さあ、俺達も行くで!」

 

百合、アックス、ロッド、ガンは横一列に並び、武器を構えた。

 

「おっしゃー!そんなやつ倒…ん?」

 

ヴィータは後ろに何か黒い板の様な物が立っていることに気が付いた。

 

ヴィータはその後ろに回り込み、裏も何か無いか確認した。

 

裏には何も書かれていなかった。

 

「なんだこれ?」

 

ヴィータは板のあらゆる所を触ってみた。

 

すると、コントローラーの差し込み口の様なものを見つけた。

 

「ヴィータ、何やっとるん?これなんや?」

 

はやてがヴィータを見つけ、ヴィータの元に近寄った。

 

「ヴィータさーん!」

 

はやてに続いて部下であるボーイッシュの青い髪の女の子とツインテールの女の子がデバイスを装着してヴィータの元に来た。

 

「スバルにティアナも来たか」

 

「そりゃああんなのが来たら何事かってなりますよ」

 

「スバルが行きたいって言ったからじゃ…」

 

「はぁ…何でもいいけどよ。とりあえずアイツを倒すの手伝ってくれ」

 

「はい!」

 

「それで何をすればいいんですか?」

 

「そうだな…とりあえずゲームコントローラー持ってきてくれ」

 

ヴィータは黒い板に付いていた穴を触りながら言った。

 

そして、数分と立たずにスバルがゲームコントローラーを持ってきた。

 

「これですか?」

 

スバルはヴィータにゲームコントローラーを渡した。

 

先刻ほどヴィータがなのはとドラクエをやっていたゲーム機のゲームコントローラーである。

 

「そうそうこれこれ。よっと」

 

ヴィータはコントローラーを板に差し込んだ。

 

すると、戦いが始まる様な音楽と共に板が変化し、ヴィータ達の場所は九十度移動して、板は二つのライフゲージの様な物となってダークドレアム側と百合達側の上空に浮いた。

 

「これドラクエじゃねーだろ!これロックマンだろ!

 

ヴィータに怒られて板は元に戻り、ヴィータ達の場所も元の場所に戻った。

 

そして、板には白い枠と共に百合達の名前や「こうげき」や「まほう」などの文字と白い三角形が表示された。

 

「なるほど!よし!お前らもキャラクターだ!ほら、はやても!」

 

「え?は、はい!」

 

「な、なんやそれえ!」

 

三人も控えとして百合達の後ろについた。

 

「よしよし、それじゃあ行くぞ!お前ら!」

 

そう言ってヴィータはゲームコントローラーを握りしめ、いつの間にか出来ていた椅子に腰掛けた。

 

途端にヴィータの表情と目が変わり、手慣れた操作で各々のステータスやスキルを素早く確認し、コマンドを打ち込んだ。

 

そして、その打ち込んだ通りに百合達は行動を始めた。

 

「まずはアイテムでゲージを回復!」

 

「魔法で攻撃力アップや!」

 

「その後は私のスキルでダークドレアムを束縛!」

 

スバルは素早くダークドレアムの急所に打撃を打ち込み、バインド魔法をダークドレアムにかけた。

 

「ぐ…!」

 

「一気に決めるぜ!お前ら!」

 

ヴィータは最後の仕上げでアイテムを総投資して攻撃力やかいしんのいちげきを出やすい様にして、必殺技のコマンドを選んだ。

 

『FULL CHARGE!』

 

『RIDER FINISHER!』

 

電王達はライナーパスをベルトにかざしてエネルギーを溜め、百合もヒーローボールをもう一度スピンさせてガシャコンソードにエネルギーを溜めた。

 

「行っけー!」

「ハァァッ!」

 

「とぁっ!」

 

『TADOLE CRITICAL FINISH!』

 

百合はガシャコンソードから高威力の衝撃波を放ち、ロッドもデンガッシャーを投げて狙いを定めてそこにキックを放ち、アックスも飛び上がって空中でデンガッシャーを振り下ろし、ガンはデンガッシャーから高威力のエネルギー弾を放った。

 

「こんなもの!」

 

しかしダークドレアムは動じず、四人の攻撃を弾き返した。

 

「うわあああ!」

 

「ぐっ!」

 

「ぬぅっ!」

 

「ああっ!」

 

その場で四人は倒れ、後方の三人と交代した。

 

「ヤベェ…!」

 

スバル達三人は身構えた。

 

すると、空の彼方からもう一つのデンライナーが出現し、ダークドレアムに体当たりをした後、ヴィータ達の後ろに止まった。

 

「デンライナー?」

 

「何で?デンライナーは一つしか無いはず…」

 

デンライナーの中から二人の青年と電王に似たライダーが降りてきた。

 

「黎斗さん、どうやら成功した様です」

 

「あれは…?」

「確か、大我くんと、飛彩くん?」

 

すると、空中に巨大モニターが浮かび上がり、一人の男性の顔がアップで映された。

 

「流石神の才能を持った私だァ!ブゥーハハハハハ!ついに時空すら超えられる様になったとは!ますます自分の才能が恐ろしいィ!」

 

「うるさっ!」

 

「なんだこいつ!」

 

男性は大きく目を見開きながら、高笑いをしていた。

 

「楽しそうな事やってるじゃねえか。混ぜてもらおうぜ」

 

「調子に乗ってヘマをするなよ」

 

そう言いながら大我と飛彩はゲーマドライバーを装着し、バンバンシミュレーションズと新たなガシャット、タドルレガシーをゲーマドライバーに挿入し、仮面ライダースナイプと仮面ライダーブレイブに変身した。

 

「ハイパー大変身!」

 

エグゼイドも電王のガシャットを抜き、マキシマムマイティXと金色のガシャット、ハイパームテキガシャットをゲーマドライバーに装着した。

 

『ドッキーング!パッカーン!』

 

エグゼイドはマキシマムゲーマから金色のオーラをまとって飛び出した。

 

『輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキエグゼイド!』

 

エグゼイドはレベルの壁をも超えた、金色の身体と無敵の力を持つ最強の姿であるムテキゲーマーに変身した。

 

「患者の運命は、俺が変える!」

 

エグゼイド、スナイプ、ブレイブははやて達を後ろに下がらせ、三人でダークドレアムの前に立った。

 

「行くぞ!」

 

「来い!異世界の英雄よ!私が倒してくれよう!」

 

「後悔するなよ?俺の強さは、半端じゃねえぞ!」

 

「さあ、俺達を使って奴を倒すんだ」

 

「なあに、まだ一ターンしか経ってねえんだぜ」

 

ブレイブとスナイプはヴィータの方を見て言い、強く頷いた。

 

ヴィータははっとして気付き、コントローラーをもう一度握りしめた。

 

「…よし!信じてるぜ!」

 

ヴィータは三人の行動を選び、Aボタンを強く押し込んだ。

 

『ガッキーン!キメワザ!』

 

『ガッチョーン!ガッチャー!キメワザ!』

 

『ガッシュゥゥーン、キメワザ!』

 

「はああああああ…!」

 

三人のライダーはエネルギーを溜め始めた。

 

「え、とブレイブ!ヴィータ!私も手伝うで!」

 

「…どうするんだ」

 

ブレイブは少しだけヴィータの方を見て言った。

 

「やっちゃえ!合体技だ!」

 

「よし!」

 

『BANG BANG CRITICAL FIRE!』

 

『HYPER CRITICAL SPARKING!』

 

『TADOLE CRITICAL STRIKE!』

 

「なのはちゃん技を借りるで!エクセリオンバスター!」

 

スナイプは陸地で大量の弾丸を放ち、ブレイブとはやては空中で聖なる雷と集束魔法を同時に放ち、その後にエグゼイドが強烈なムテキの乱打を浴びせ、ダークドレアムのHPをゼロにした。

 

『究極の一撃!』

 

「ぐあああああーーッ!」

 

ダークドレアムは断末魔をあげながら倒れた。

『GAME CLEAR! 』

 

ダークドレアムが倒れると同時に電子音声が流れ、三人はガシャットを抜いた。

 

そして、時間制限が来たのか、永夢達が乗っていたデンライナーも消えてしまった。

 

「ウェ!?」

 

「何故…」

「何で消えた…」

 

「すまない、どうやら時間制限があったみたいだ」

 

上空のモニターから黎斗が言った。

 

「なんですかそれ!」

 

「恐らく、持って一時間程度なのだろうな。時間制限があるとは思いもしなかった」

「んだよそれ!聞いてねえぞ!」

 

「まあ、そういう訳だから本物のデンライナーに頼ってくれ。帰ってくる時はちょうど今位に帰ってくればいい」

 

「はぁ…分かりました」

 

「君達の健闘を祈る」

 

そう言って黎斗は通信を切った。

 

「この私を倒すとは…中々やるな…」

 

「教えて、どうしてこんなことを…」

 

百合は立ち上がってダークドレアムに近付いて言った。

 

「…俺達ゲームのキャラクターは、いつも同じ事しか出来ない、同じことしか話せない。そして、勇者にやられる運命の者も少なくはない…俺達も同じように生きているのに、そこに不満を思いながら勇者達を倒そうとしたら、そこの巫女の身体に憑いた状態で出てきたんだ」

 

ダークドレアムは巫女の方を指さして言った。

 

「あの巫女に覚えは?」

 

「さあな、会ったこともねえ」

 

「そう…でも、確かに同じことしか出来ないって悲しいわね。決められた運命程悲しいものは無いわ」

 

「分かってくれるだけで嬉しいぞ…さて、お前らは俺をこの素早さで倒せる程の強さがあると分かった。俺はお前達の戦いには着いていけないが、これをやろう」

 

そう言ってダークドレアムは手のひらからダークドレアム自身が描かれたヒーローボールを二つ取り出した。

 

「これは…!どうして?」

 

「お前が変身するのを見て、それを見て真似して作り、この俺を素早く倒す事が出来たらやろうと思っていた。倒した奴は違うが、お前達は間違いなくこの俺を素早く倒せた。約束通りこいつらをやろう」

 

そう言ってダークドレアムはヒーローボールを百合に渡した。

 

「…着けてみていい?」

 

「ああ、どうせすぐゲームの中に戻ることになるし、ゲームの中に戻れば忘れてしまうかもしれんがな」

 

「まあまあ、そう言わずに」

 

そう言って百合はダークドレアムのボールをスピンさせ、飛び上がった。

 

そして、ダークドレアムを象ったアーマーを装着した。

 

肩や胸などのアーマーはほとんどダークドレアムの物と同じである。

 

「どう?どう?」

 

「ああ…一時ではあったが現実世界に来れて、言いたいことを言えて良かった。さらば───」

 

全て言い終わらぬ内に、ダークドレアムは光となって消滅した。

 

「ダークドレアム…」

 

「……またいつか会いましょ」

 

そう言いながら百合はダークドレアムのボールを握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです!

社長便利すぎるな本当。

それではまた次回!


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まさかの出会い(前編)

よっしゃいくぞおおおおおお

ブゥーハハハハ!


ダークドレアムを倒し、それと同時に黒い板も消滅した。

 

「しかし、ダークドレアムかぁ…これヒーローって言うのかしらね?」

 

「まあ貰えるもんは貰っとき。いつか使う時がくるやろ」

 

キンタロスが百合の肩手の中のボールを見て言った。

 

「うーん、そうね。中々強そうだし」

 

そう言って百合はダークドレアムのボールをヒーローブレスにしまった。

 

「さてと、ここからどうするの?」

 

「どうするって、何がですか?」

 

「あの巫女のおねーちゃんだよ。ずっと倒れたままだしさ」

 

リュウタロスが倒れていた巫女の方を指さして言った。

 

「そう言えばそうだったね。とりあえず何とかしないと」

 

百合とイマジン達三人は巫女の方に駆け寄った。

 

「あれ、これって…」

 

百合は巫女の顔に既視感を覚えた。

 

大きなリボン、紅白の衣装、そして数多の妖怪や妖精達を倒して来たお祓い棒…。

 

「これどっからどう見ても霊夢さんだよね…」

 

「おおー、どっかで見た事あるなおもたら霊夢とか言うやつやったか」

 

「それで、ゲームのキャラに憑依されたってことは…」

 

ウラタロスは霊夢の身体をどかせて見た。

 

その下ではガシャコンバグヴァイザーが下敷きになっていた。

 

「やっぱり。彼女はバクスターとして来ちゃったんだ」

 

ウラタロスはガシャコンバグヴァイザーを手に取って見ながら言った。

 

「何で?カメちゃん」

 

「ほら、元々彼女はゲームのキャラクターだったよね?ゲームの世界のキャラクターが、現実の世界に来るにはバグスターとなって来るしかない訳。それに、一度バグヴァイザーに閉じ込められたこともあるから、出てくるなら他の方法を取るよりこれの方が早いしね」

 

「へぇー…」

 

三人はウラタロスの説明を聞きながらうんうんと頷いた。

 

「とりあえず起きないし…担ぐのも面倒だからしまう?」

 

「そうやな。背負うんも悪くないが、楽に運べるんならそれでええやろうし」

 

とりあえず百合はガシャコンバグヴァイザーの中に霊夢を収納し、零とモモタロスを連れてデンライナーの中に戻った。

 

 

 

 

「ご協力ありがとうございます、皆さん」

 

大我と飛彩の二人に代わって永夢がお礼を言った。

 

「こっちも、助けてもらってほんまにおおきにな」

 

「三人が来なきゃどうなってた事か…」

 

「本当にありがとうございます」

 

ティアナが頭を下げた。

 

「そう言えば永夢君、来てもらったとこ悪いんやけどちょっとええか?」

 

「何ですか?」

 

「さっき三人が来てること話したらどうしても会いたいって人がおんねんけど、ええか?」

 

「はい、良いですよ」

 

「ま、仕方ねえか」

 

「良いだろう」

 

「おおきに。おーい、こっちや〜」

 

はやては後ろの方を向いて手を振って呼んだ。

 

「おーい!」

 

すると、どこからか声が聞こえた。

 

「はよ降りてきいや〜」

 

「何故我らが行かねばならぬ?そちが来い小鴉!」

 

声の主は数人の子供達の一人だった。

 

「やめてください王様〜」

「折角来てくれたのに失礼ですよ」

 

「む、それもそうだな」

 

はやてと話していた数人の子供達ははやて達の方に近付いて来た。

 

「…ごめんなぁ永夢君」

 

「い、いえいえ!小児科のお子さん達で慣れてますから大丈夫ですよ」

 

そして、数人の子供達がはやて達の元に到着した。

 

「この子達や。この子達が会いたがっててな。ほら」

 

はやては四人の子供達を押して三人の前に出してやった。

 

「お、おい押すな押すな!…んん、我が闇を統べる王ディ───」

 

「永夢せんせー!いつも応援してるよー!ハイパーなんとかカッコイイ!」

 

「本当?いつもありがとね」

 

「こら、レヴィ!まだ我が話しているだろう!…気を取り直して、我は闇を統べる王、ディアーチェ!…さあ、シュテル、ユーリ、お前達も自己紹介を…」

 

「バンバンクリティカルファイヤー、あれはいい物ですよね」

 

「そうだろ?中々いいセンス持ってんな、お前」

 

そう言いながら大我はシュテルの肩を叩いた。

 

「タドルレガシーカッコイイです!」

 

「フッ、聖騎士だからな」

 

ディアーチェの話は全く耳に入っていない三人は永夢や大我達と戯れていた。

 

「お、お前達、色々話したいのは分かるが、な?まずは自己紹介しような?」

 

「おっと、そうだった…」

 

「失礼しました。つい大好きなヒーローがいることが嬉しくて…」

 

「ごめんなさい〜」

 

レヴィ達はディアーチェに言われて永夢達に頭を下げた。

 

「別に怒ってないよ。ほら、頭を上げて」

 

永夢はしゃがんでユーリと同じ目線にし、ユーリの頭を撫でた。

 

「だからもう笑顔になって」

 

そう言って永夢は笑って見せた。

 

「はい、ありがとうございます」

 

ユーリも同じように笑って見せた。

 

「うん。笑顔がいいよ」

 

そう言って永夢はユーリをもう一度撫でてやった。

 

「くすぐったいですよぉ〜」

 

そう言いながらもどこか嬉しそうだ。

 

憧れのヒーローに撫でて貰えるのが嬉しいのだろう。

 

「それじゃあ改めて自己紹介するね!ボクはレヴィ!雷仁の襲撃者とはボクのことさ!」

 

レヴィはデバイスでバリアジャケットを装備し、頭の上で武器を振り回し、前のめりに構えた後魔法で自分の後ろに魔法で爆発を起こした。

 

「星光の殲滅者、シュテル!ここに見参!」

 

シュテルもバリアジャケットを装備し、武器を大きく振りながら魔法で爆発を起こした。

 

「そして我こそが闇を統べる王!ディアーチェである!」

 

ディアーチェも同様にバリアジャケットを装備し、武器を頭の上で振り回して大きく振り、前のめりに構えた。

 

「私はえ〜と…砕け得ぬ闇、U-Dです。皆からはユーリって呼ばれてます」

 

「レヴィちゃんに、シュテルちゃんに、ディアーチェ…さん?で、ユーリちゃん。宜しくね」

 

永夢は四人の顔を見回し、それぞれ握手を交わした。

 

「応援していたヒーローと握手が出来るなんて嬉しいです!」

 

「ユーリは頭も撫でて貰ったもんね」

 

「良いですねぇ、ユーリ」

 

「はい!」

 

 

 

「それで、永夢君達はどうするん?」

 

ディアーチェ達とふれあった永夢達とはやて達、そしてスバルやディアーチェ達もデンライナーに乗った。

 

「で、こっからどうするんや?」

 

キンタロスは新たに入ってきたメンバー達の方を見て言った。

 

「永夢君達は、あの壇黎斗とか言う人にこっちに来る前提だったし、それは良いんだけど」

 

「スバルやティアナは?」

 

「ディアーチェ達もどうするの?」

 

なのはとフェイトはスバル達の方を見て言った。

 

「私達も出来る事をしたいです!」

 

「お願いします!」

 

スバルとティアナは頭を下げて懇願した。

 

「…そいつらは戦力になるか?」

 

「二人の強さは教官の私が保証出来るけど…」

 

「私も保証できるよ」

 

「なら大丈夫じゃないですか?なのはさんとフェイトさんがこう言ってるんだし」

 

「そうですよ。お二人の強さはよく知っていますし」

 

零と百合が賛成の意思を示した。

 

「冷コーと百合坊が良いってんならそれでいいけど、テメエらもいいか?」

 

「ああ」

 

「うん」

 

「おう!」

 

三人のイマジン達はモモタロスの問に頷いて答えた。

 

「…だそうだぜ」

 

「ありがとうございます!」

 

「一生懸命頑張ります!」

 

スバルとティアナはもう一度頭を下げ、拳を強く握った。

 

「オーナーはんもええか?」

 

はやてはオーナーの方を見て言った。

 

「戦力が増えるのはいい事です。本来ならライナーパスが必要です。が、今回は許可しましょう。そんな事で四の五の言ってられませんからね」

 

「ありがとな、オーナーはん」

 

「ありがとうございます!オーナー!」

 

「礼を言うぞ、オーナーとやらよ」

 

「ディアーチェは何も言われとらんやろ」

 

「案ずるな、小鴉。我やシュテル達はお前やなのはと同じ魔法があるのだ。弱い訳が無かろう」

 

「よろしい。貴方達にも乗車許可を与えましょう」

 

「うむ。改めて礼を言うぞ」

 

ディアーチェはもう一度礼をした。

 

「っと、早速出番の様ですよ。早速行きましょう」

 

「おうよ!で、いつの時間に行くんだ?」

 

「二千十四年、ですね。そこに異変が生じています」

 

デンライナーは動き出し、二千十四年に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです!

「この夏は!劇場版仮面ライダーエグゼイドと!」

「魔法少女リリカルなのはReflectionだ!皆の者、心して観るがよい!」

「全国の劇場で絶賛上映中だ」

「最高の時間を保証しよう」

「ボク達の戦い、絶対に見てね!」

「ノーコンティニューで!」

「世界を救ってみせる!」

この二作品凄く面白かったので是非!

それではまた次回!


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まさかの出会い(後編)

ふ゛う゛ん゛!


人生はとても美しい────。

 

以前そんな言葉を聞いた事がある。

 

だが、何もかも失った彼にはそんな言葉も空回りしてしまう。

 

先日親友が死亡し、彼を守ってくれる人はいない…。

 

この世界には街を蹂躙する怪獣も、それと戦うウルトラマンもいない。

 

今の彼にあるのは絶望、そして闇だ。

 

(……もう俺がこの世にいる理由なんて無い)

 

彼は雨が激しく降る夜、何も持たずに家を出た。

 

帰るつもりなんて更々無い。

 

この世からも…。

 

ネオン街は鬱陶しい程の輝きを放ち、まるで偽物の光で心の闇を消し去ろうとしてるみたいだ。

 

その中を彼はフラフラと歩いていた。

 

「でさー、あそこの店さー」

 

「まあまあ、今夜、一杯どうだ?」

 

「あ、いいっすね」

 

通り行く人々は彼の事など気にせず歩いていく。

 

「ヘイ彼女、俺達と良いことしない?」

 

数人の男達が彼に声をかけた。

 

「あ、その、大丈夫です。それに、男なんで…」

 

「あっそう。…お前家は?大丈夫なん?」

 

「大丈夫、です」

 

彼は言葉に詰まりながらも話しかけてきた男達に返した。

 

「ま、夜は気をつけろよ」

 

「はい…」

 

そう言って彼は男達と別れた。

 

そして、彼は一つの手頃な高さのビルを見つけ、その上に続く階段を登り始めた。

 

(もうすぐ…自由に…)

 

どうせ短い命だ。

 

いつ捨てようと大差は無い。

 

ビルの屋上まで登った彼はビルの端に寄った。

 

(さようなら、父さん、母さん、奈央…)

 

彼は目を閉じ、飛び降りようとした。

 

その時、ビルの後ろから見たことの無い怪人達がビルの高さを越えたジャンプをして現れた。

 

「な、なんだ…!?」

 

彼は思わずしゃがみこんでしまった。

 

「貴様か!奴を捕らえろ!」

 

怪人の命令で黒いスーツとマスクを被った男達が高い声をあげ、彼を捕まえようとした。

 

「逃げなきゃ…!」

 

彼はその場から逃げ出そうとした。

 

すると、どこからか電車のような音が聞こえ、空から電車が線路を作って彼と怪人達の間を通り過ぎた。

 

電車が通った後には仮面ライダー電王ソードフォームと仮面ライダーエグゼイドアクションゲーマーレベル2がそれぞれの武器を持って立っていた。

 

「俺、参上!」

 

「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 

「え?か、仮面…ライダー…?」

 

彼は目の前に立った二人を見て言った。

 

「おっと、誰か人がいたのか…しょうがねえ、永夢、こいつを頼む」

 

「はい。モモタロスさんはこっちをお願いします」

 

「任しとけ!」

 

そう言ってソードは怪人達に切りかかって行った。

 

「さあ、逃げましょう」

 

「あ…ああ」

 

エグゼイドは彼を連れてその場から離れた。

 

「あの、貴方は一体…」

 

「俺は仮面ライダーエグゼイド。医者であり、仮面ライダーだ」

 

「医者の仮面ライダー?」

 

「ああ。とは言っても、研修医だけどな」

 

二人は階段を降りながら話していた。

 

 

 

「行くぜ行くぜ行くぜェーッ!」

 

ソードはデンガッシャーを振り回してショッカー戦闘員をなぎ払い、リーダー格のクワガタの様な怪人、ンマグッタスの前に立った。

 

「おい、もう一体蜂みてえな奴がいただろ。そいつはどこへ行った」

 

「ンマービならもう一人のライダーを追ったぞ?」

 

「チッ、めんどくせえな!」

ソードはンマグッタスにデンガッシャーを振り下ろした。

 

「ふん!」

 

ンマグッタスはクワガタのアゴの様な器官でデンガッシャーを受け止めた。

 

「どうだ?手も足も出まい!」

 

「そうだな、確かに手も足も出ねえが…」

 

ソードは懐からライナーパスを取り出し、ベルトにかざしてエネルギーを溜めた。

 

『フルチャージ』

 

デンガッシャーにエネルギーが溜まり、ソードはそのままンマグッタスを真っ二つに切り裂いた。

 

「うわああああああ!」

 

ンマグッタスは断末魔と共に爆発した。

 

「刃は出るんだよ、しかも凶暴にな」

 

そう言ってソードはデンガッシャーを担いだ。

 

 

 

 

 

 

「こっちだ、早く!」

 

エグゼイドは彼を連れて夜の街を走っていた。

 

すると、蜂の様な怪人、ンマービが蜂の様な羽根を広げて飛んできた。

 

「な、なんだお前は!」

 

「私はンマービ!蜂の様に舞い、蜂の様に刺す!」

 

「どうせ蜂じゃないか!」

 

そう言ってエグゼイドはガシャコンブレイカーを構えた。

 

「このンマービ、蜂の子を守るためにも全力で行く!」

 

そう言ってンマービはいきなり宙に飛んだ。

 

「早速飛んでるじゃねえか!」

 

「何だっていい!勝てばいい!それだけ!」

 

そう言ってンマービは手に持った槍でエグゼイドの方に向かってきた。

 

「はっ!」

 

エグゼイドは前転で攻撃を避け、ガシャコンブレイカーを地面に突き立てて飛び蹴りを放ってンマービを槍から離した。

 

「うっ!」

 

槍から引き離されたンマービは地面に転がった。

 

そして、エグゼイドは槍を引き抜いて別の場所へ放り投げ、ガシャットをガシャコンブレイカーに挿入した。

 

『キメワザ!』

 

エグゼイドはガシャコンブレイカーにエネルギーを貯め始めた。

 

『MIGHTY CRITICAL FINISH!』

 

エグゼイドの目とガシャコンブレイカーの刃が光った。

 

「はぁぁーっ!」

 

エグゼイドはガシャコンブレイカーから巨大な衝撃波を放ってンマービに直撃させた。

 

「グァァァーッ!」

 

ンマービは爆発を起こした。

 

『GAME CLEAR!』

 

電子音声と共に敵が倒れた事を確認し、エグゼイドはガシャットを外してベルトを外した。

 

「さあ、もう大丈夫ですよ」

 

「あ、ありが…とう」

 

永夢は頷き、彼が立つのを手伝ってやった。

 

その後、ソードも変身を解除してデンライナーに戻り、零も永夢を迎えに来た。

 

「お疲れ様です、宝条さん」

 

「そんな気を遣わずに、永夢さんとか、下の名前で良いですよ」

「あ、そうですか?じゃあ、永夢さん、お疲れさんです」

 

「お疲れ様です。…あ、そう言えば、貴方はこんな夜に一体何をしていたんですか?こんな夜に女性一人じゃ危ないですよ?」

 

零はとりあえず持ってきた懐中電灯で彼の身体を照らした。

 

「……!?俺…?」

 

「え!?」

 

永夢が連れて逃げていたのは、違う世界線の過去の零だった。

 

「道理で声が似てると思ったら…」

 

「…そうだ、確かこの日、この時間、俺は───」

 

零は思い出した。

 

親友の玲司が死亡し、全てに絶望して自ら命を絶った事を。

 

「な、なんで俺が…?」

 

過去の零も酷く驚いていた。

 

「…まあ、こう言う事になっちまった、って言うか、そんなとこだ」

「は、はあ…」

 

「で、これからどうするんだ、お前」

 

零は過去の零に言った。

 

「…未来から来たんなら分かってるだろ。俺は自分の命を絶つ」

 

「それって…!ダメだ!そんな事をしちゃ!もっと自分の命を大切に──」

 

永夢は過去の零の肩を掴んだ。

 

「うるさい!うるさいうるさい!そんな言葉はもう届かない!もう聞かないんだ!そんな綺麗事!」

 

「……!」

 

過去の零は永夢の手を振り払い、彼の言葉を遮って叫んだ。

 

「なあ、教えてやれよ、未来の俺。俺が何でこんなにも絶望したか。俺が教えるのもお前が教えるのも変わらないし」

 

息を切らしながらも過去の零は零に向けて言った。

 

「…一体、何があったんですか、零君」

 

「……数年前、この仕事に就く前、俺は酷いイジメを受けていたんだ…」

 

 

『テメエ見てるとイラつくんだよ!』

 

『いつもナヨナヨしやがって!見ててストレスが溜まるんだよ!』

 

『そんなに髪を伸ばしてモテたいのかよっ!』

 

『やめろ!やめて…っ!』

 

『少し何でも出来るからって調子に乗んな!』

 

 

辛い過去が零の頭を何回も過ぎっていく。

 

「酷い…そんな事が…」

 

「俺はその度に玲司に助けて貰ったんだ。けど、その玲司が数日前に亡くなって、俺は酷い暴力と理不尽を受ける毎日。助けでくれるやつなんて誰もいない。だから俺は悟った。こんな世界なんだ、って。こんなに醜く汚い世界に綺麗事なんて通じないんだ、ってな」

「だから、命を絶っても良いって言うのか!?」

 

「ああ、それに俺には───」

 

零は過去の零の頬を強くぶった。

 

あまりの強さに過去の零は地面に転がった。

 

「……いい加減にしろこの野郎!さっきから聞いてりゃ、なんだテメエは?」

 

零は過去の零の襟首を掴んだ。

 

「こんな世界に絶望しただの、世界が醜いだの、どーだって良くなるんだよそんなもん!」

 

「え…?」

 

「人間なんてなぁ、少し自分が変わろうとする勇気を出せば周りも変わるんだよ!だからまだ諦めんな。もう少しだけ生き抜いて、立ち向かってみろ」

 

そう言って零は過去の零を離した。

 

「そう…なのか?俺は…変われるのか…?」

 

「大丈夫だよ。人は変われる。まだ君は、サナギなんだ。これから、羽を広げるんだよ」

 

そう言って永夢は過去の零の手を強く握った。

 

「変われるかなぁ…!?俺、変われるかなぁ!?」

 

過去の零のその目には、涙が浮かんでいた。

 

「大丈夫。羽を広げられば美しい蝶になれる。美しい人生になるさ、未来に希望を持ち続けて生きていれば」

 

永夢はニッコリ笑って強く頷いた。

 

「ああ。同じ俺なんだ。変われる筈だ、俺なら」

 

零も過去の零の手を強く握った。

 

「あ、あああ…!ありがとう…!」

 

過去の零は涙を零して頭を下げた。

 

「ほら、泣いてる場合じゃねえだろ?早く帰って三人を安心させてやれ!」

 

そう言って零は過去の零の背中を強く叩いた。

 

「ありがとう!未来の俺!頑張って変わってみるよ!」

 

そう言いながら過去の零は手を振ってどこかに走り去ってしまった。

 

「これでここの零君の未来は変わるのかな?」

 

「どうでしょう…イジメ以外に、何かとても大事な事があったような…?」

 

しかし、零は思い出すことが出来なかった。

 

「きっとその内思い出しますよ」

 

「そうだと良いんですが…」

 

そう言って永夢と零は開けっ放しの扉からデンライナーに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

まさかお前ら会うのかよと1人くらい言いそう。

それではまた次回!


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ウルトラマンゼロ見参!

待たせたな!

いやあモチベーションってのは大切だね!

っし、じゃあやるか!


「どうなってるんだ…ウルトラマンが誰もいないなんて…それにオーブとも連絡が取れないなんて」

 

一人のウルトラ戦士は廃墟同然となったM78星雲・ウルトラの星をさまよっていた。

 

そのウルトラ戦士は高く伸びた塔の前で足を止め、上空を見上げた。

 

「プラズマスパークタワーからも光が無い…クソッ、本当に一体どうなってんだ…」

 

すると、彼の頭の中に声が響いた。

 

(…聞こえますか、ゼロ)

 

(こいつ…直接脳内に…!なんてやってる場合じゃねえ、誰だ?)

 

(え!?本当にゼロ様!?スゲー!本当に出来たー!)

 

声の主はゼロと念話が出来てとてもはしゃいでいるようだ。

 

(おい、早く話に戻ってくれ)

 

(おっと、失礼致しました。私は…そうですね、今は歴史を守る者達の仲間の一人だと思ってくれれば良いです)

 

(歴史を守る者?どう言う事だ?)

 

(実は、地球の悪の組織、ショッカーと全ての宇宙の悪の宇宙人達が手を組み、クロニクルショッカーとして色々な世界の歴史を変えてしまったのです。ですが、幸い貴方はそのウルティメイトブレスレットのお陰で歴史改変の波からは逃れられた様です)

 

ゼロは声に言われて腕のブレスレットを見た。

 

「……」

 

(お願いしますゼロさん!全ての世界の歴史を直すのに協力してください!)

 

(そうだな…時空を守る為にも、やるしかねえな!)

 

(ありがとうございますゼロさん!)

 

すると、ゼロの前に紫色の穴が現れた。

 

(この中に飛び込めば、彼らの元へ行けます。そこへ急いで世界を守ってください!)

 

「よし!いっちょやってやるぜ!シャッ!」

 

そう言ってゼロはその穴の中へ飛び込んだ。

 

(お願いします…ウルトラマンゼロ)

 

 

 

「ああ〜痛え…」

 

「くぅ〜…あいだっ!」

 

「お、おおごめんな。大丈夫か?」

 

「零君も大丈夫?痛いところない?」

 

「腰…」

 

「だよねぇ」

 

なのはは苦笑いしながら言った。

 

モモタロスと零は寝台の上でうつ伏せに寝かされ、それぞれはやてとなのはにマッサージをして貰っていた。

 

「おや、まだ治っておらんかったのか」

 

ディアーチェが部屋の中に入って二人の様子を見た。

 

「ディアーチェ、どうしたん?」

 

「なに、我が直々に治してやろうと思ってな」

 

「出来るの?」

 

「これ位、我にかかれば簡単な事よ」

 

そう言ってディアーチェははやてと場所を変わり、零の横に立った。

 

「ふむ……」

 

ディアーチェは零の腰部分を撫でた。

 

「ここが痛いのだな?」

 

「はい…そうです」

 

「よし…そおい!」

 

ディアーチェは零の腰に思いきり手刀を叩きつけた。

 

「ひょおおおおおお!?!?!?」

 

その瞬間零の全身に雷が直撃する様な痛みが走り、零は悲鳴をあげながら身体を痙攣させ、海老のように反らせながら地面で悶えて転がっていた。

 

「あ、ああ…」

 

「なにしとんねんディアーチェ…」

 

二人は唖然としながらディアーチェの方を見た。

 

「良いから見ておれ。さて、次はモモの字とやらだったな?」

 

「なんでクマ公の呼び方なんだよ!で、まさか俺にもやるの…?」

 

モモタロスは移動するディアーチェを見ながら言った。

 

「当たり前であろう。ふん!」

 

「ぎゃああああああああ!」

 

モモタロスにも同様の痛みが走り、その痛さのあまりモモタロスは気絶をしてしまった。

 

「む、些かやりすぎたか。まあ、時間が経てばどうにかなる。小一時間ほど待っておれ」

 

そう言ってディアーチェは部屋を出た。

 

「ディアーチェは結局何しに来たん…?」

 

「さあ…」

 

すると、零の身体は段々落ち着いていき、零はそのまま眠ってしまった。

 

「とりあえず、寝てるしベッドに寝かせとく?」

 

「それもそうやね」

 

「よいしょっ!」

 

はやてとなのはは零の身体を持ち上げ、寝台に寝かせた。

 

「じゃあ、起きるまで待ってようか」

 

「うん。ナオミちゃんのコーヒーが飲みたいなぁ」

 

そう言いながら二人は二人がいる部屋を出た。

 

「どうだった?」

 

客室にいたフェイトが二人に聞いた。

 

「うん、今は二人共ぐっすり眠ってる」

 

「あんな荒治療が効くとは…」

 

「え?あれ効いたのか?」

 

ディアーチェが驚いた様な顔をして二人の方を見た。

 

「やった本人が驚いてどうすんねん」

 

「アレただの若返り魔法だぞ?」

 

ディアーチェの言葉を聞いて、一同は凍りついた。

 

「え?我は何かしてしまったか?」

 

ディアーチェは周りを見回しながら言った。

 

「セ、センパイはともかく…」

 

「零君は…」

 

「子供になってるってこと…?」

 

それを聞いて百合は一目散に零のいる部屋に駆け込んだ。

 

「あっ百合ちゃん」

 

「今すっごい嬉しそうな顔して走ってったなぁ…大丈夫かな?」

 

 

 

百合は急いで零がいる寝台に近付いた。

 

「ん…」

 

そこには、九歳の姿の零が寝台で寝ていた。

 

「れーいー!」

 

百合はかけていた眼鏡を投げ捨てて寝台に飛び込み、零の身体に抱きついた。

 

「ゆ、百合?何か少し大きい様な…」

 

「別にそんな事はどうでも良いわ!さあ!さあ!お姉さんに身を任せて!」

 

「あっ…う、そ、そこは…はっ…」

 

「良い声出すじゃない、ええ?」

 

「やめんか!」

 

はやては紙で作ったハリセンで百合の頭を強く叩いた。

 

「あいったぁ!」

 

百合は零から手を離し頭をおさえて寝台の上で悶えていた。

 

「ったくもー、こんな昼間から…」

 

「だって…」

 

「だってやあらへんやろ…」

 

はやてはため息を吐いて右手でおでこをおさえた。

 

「ま、どうせ時間が経てば治るやろうしな…ん?」

 

はやては外に大きな穴が現れたのに気付いた。

 

「…?どうしたんですか?はやてさん」

 

百合は立ち上がって窓の外を見た。

 

「よっと、へへっ」

 

その穴から一人の巨人が出てきた。

 

「あっ!ウルトラマン!」

 

ユーリのその声を聞いてガイはむせ返った。

 

「ウルトラマンさん!?すみません、オーナー、少し停車させて下さい」

 

オーナーはガイに言われるままデンライナーを止め、ガイ、は巨人の元に駆け寄った。

 

「ゼロさんでしたか!」

 

ガイは巨人に声をかけた。

 

「おう、オーブじゃねえか。探したぜ」

 

ゼロと呼ばれた巨人はガイを発見して軽く挨拶をした。

 

「一体どうしたんですか?ゼロさんがこちらに来るなんて。まさか───」

 

「ああ。お前の察し通りだ。こっちの宇宙も既にやられてた」

 

「そんな…」

 

「それで、お前達の力を借りに来たって訳だ」

 

「事情は分かりました。恐らくその宇宙の時間の中でどこかの歴史が変わったはずですから、その時間に行って歴史を元に戻せばウルトラの星も復活するはずです」

 

「分かった。すまねえな、オーブ」

 

「いえ、以前助けて貰った礼を返したいだけですよ」

 

「そうか、へへっ」

 

「さあ、乗って下さい」

 

「おう」

 

そう言ってゼロは身体を小さくし、デンライナーの中に乗り込んだ。

 

それに続いてガイもデンライナーに乗った。

 

「…という訳で、ウルトラマンゼロさんです」

 

ガイはウルトラマンゼロを皆に紹介した。

 

「俺はウルトラマンゼロ。セブンの息子だ。少しの間世話になるぜ」

 

そう言ってゼロは二本指を額から跳ねさせて挨拶をした。

 

「また宜しくね、ゼロ」

 

百合がゼロに近寄った。

 

「おう、百合か。また宜しくな」

 

ゼロも頷いて言った。

 

そして、モモタロス達やなのは達もゼロに簡単な自己紹介をした。

 

「それじゃ改めて宜しくな!」

 

そう言ってゼロは親指を立てた。

 

「おうよ!」

 

「うむ!」

 

モモタロスやディアーチェも同じように親指を立てた。

 

そして、デンライナーはゼロが来た穴の中へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで!

次回はまた明日!


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光を取り戻せ!

デンライナーが穴を潜って出てきたのは、宇宙空間だった。

 

「え!?宇宙なの!?」

 

フェイトが窓の外を見ながら言った。

 

「困りましたねぇ…デンライナーは良くても乗客の皆さんが」

 

「その割にはオーナー余裕だな!」

 

「百合、頼む!」

 

「はいよ!」

 

そう言って百合は能力で境界を操り、デンライナーの中だけ空気が入るようにした。

 

そして、ほとんどが大きく息を吐いた。

 

「悪いな、皆。てっきりそのまま行けるもんだと思ってたからさ、ごめん」

 

「失敗は誰にだってありますよ」

 

「そうだ。気にするでない」

 

ユーリとディアーチェがゼロをフォローした。

 

「ありがとう、二人共」

 

「次からは行く先がどんな場所か見ないとね」

 

「そうだな…えっと、坂田金時」

 

「おいバカやめろ!その名前で呼ぶな!」

 

「そう堅苦しくなるなよ、土井先生」

 

「誰が土井先生だこの野郎!」

 

「早く話を戻してください」

 

「おっと、そうだったな」

 

シュテルに言われてゼロは話を戻し、案内に戻った。

 

「今度ばかりは流石にフォロー出来ませんね」

 

永夢は苦笑いして言った。

 

「オーブ、怪獣墓場の場所は覚えてるよな?」

 

「はい」

 

「よし。オーブと俺でデンライナーを先導するから、皆はデンライナーで着いてきてくれ」

 

「承りました」

 

それを聞いてガイとゼロは頷き合い、ガイはオーブオリジンに変身して宇宙空間でゼロと巨大化した。

 

そして、オーブとゼロはデンライナーの左右斜め前を飛行し、飛行速度をデンライナーの走行速度に合わせて怪獣墓場へと向かった。

 

すると、その道中に数体の飛行怪獣がゼロ達に襲いかかった。

 

「ここは俺が引き受けます!ゼロさん達は先に!」

 

そう言ってオーブは怪獣達の方に向かった。

 

「オーブ、待って!」

 

零はウルトラマンのアーマーを装着して宇宙に飛び出し、オーブの元に一つのヒーローボールを向かって飛んだ。

 

「零、お前それ大丈夫なのか?」

 

「子供の姿だから今は飛ぶのが精一杯だけど、ほら、これ使って」

 

零はヒーローボールをオーブに、ガイに投げ渡した。

 

「これは?」

 

「それを掲げて!それで分身に戦わせれば大丈夫!」

 

ガイは言われるがままにヒーローボールを掲げた。

 

『MIX HEROES!ULTRAMAN ORB × OOO RIDER TYPE GATAKILIBA!』

 

ヒーローボールから光と同時に音声が流れ、オーブオリジンは五体に分身した。

 

「オーブが五体!?」

 

「すごーい!」

 

デンライナーの中でレヴィとユーリは夢の様な展開を見てはしゃいでいた。

 

「これで、どうすれば…」

 

「後はウルトラフュージョンカードを使って!」

 

「!!そういう事か!」

 

ガイはオーブリングを通して分身達にフュージョンカードを入れた。

 

すると、分身達は紫、黄、青、赤に光り、身体も変化し始めた。

 

『フュージョンアップ!』

 

『スペシウムゼぺリオン!』

 

『バーンマイト!』

 

『ハリケーンスラッシュ!』

 

『サンダーブレスター!』

 

「俺の名はオーブ。闇を照らして悪を討つ!」

 

「紅に燃えるぜ!」

 

「光を越えて、闇を斬る!」

 

「闇を抱いて光となる!」

 

分身達はオーブのフュージョンアップの形態に変化し、オーブオリジンの周りで構えを取った。

 

そして、分身達はオリジンの方を向いて頷いた。

 

オリジンも分身達の方を見て頷き、デンライナーの方に戻った。

 

「ゥルスアッ!」

 

スペシウムゼぺリオンは二体の怪獣を追いかけた。

 

ショッカーの手により改造された怪獣達は尻尾から火球をガトリング銃の様に連射した。

 

スペシウムゼぺリオンは身体を回転させて左右に躱しながらスペリオン光輪を二つ放ち、残りの火球を全て切り裂いて爆発させた。

 

「ストビュームバースト!」

 

バーンマイトは虫型の怪獣が生み出した子供怪獣達を太陽の如く巨大な火球で一掃した。

 

「シュアッ!」

 

そして、怪獣の胴体を掴み、手に炎を纏わせて子供を生み出す器官を拳で一突きして粉々に打ち砕き、怪獣は悲鳴をあげた。

 

「オーブスラッガー!」

 

ハリケーンスラッシュは二本のオーブスラッガーを飛ばし、ムササビの形をした怪獣の元に飛んだ。

 

オーブスラッガーは怪獣の横を掠め飛び、怪獣の後ろについ

た。

 

そして、ハリケーンスラッシュは腕をL字に組んで怪獣に光線を発射し、怪獣に背を向けた。

 

怪獣はその光線を躱し、オーブの元に突撃した。

 

その躱した光線は二つのオーブスラッガーに反射し、怪獣がオーブにぶつかる寸前に怪獣に直撃して小さな爆発を起こした。

 

そして、それと同時にオーブはオーブスラッガーを頭部に戻した。

 

「グルルゥアァ…!」

 

サンダーブレスターは怪獣が放つ雷光線にも怯まず手のひらで弾き、怪獣の元に近付いて怪獣の身体を掴み、大きく振り回して投げ飛ばし、ドロップキックで追い討ちをかけた。

 

そして、オーブ達は怪獣達を一箇所に集め、光線の準備を始めた。

 

「スペリオン光線!」

 

「ストビューム光線!」

 

「オーブスラッガーショット!」

 

「ゼットシウム光線!」

 

オーブ達は必殺光線を合体させて巨大な光線にし、光線は怪獣達に直撃、爆発四散した。

 

そして、オーブ達はフュージョンカードになり、ゼロ達と一緒に時間を超える空間に入ってオーブの元に戻った。

 

「お疲れさんです」

 

ガイは戻ってきたフュージョンカードに一礼をし、カードホルダーにしまった。

 

「お、おいウルトラマンロゼ!」

 

「ゼロだよセンパイ」

 

「ゼロ、時間は分かんのか!?」

 

「ああ、確かめなくても分かる!地球の年だと二千九年十一月十二日!」

 

「それって…!」

 

「確か、ウルトラマンベリアルが復活した…!」

 

「ああ、そうだ。恐らく、そこで歴史が変わったに違いない」

 

「早速行きましょう!」

 

デンライナーはその時間へ続く穴へ飛び込み、その時間の怪獣墓場へと出た。

 

「おいおい…何だよアレ!怪獣と宇宙人ばっかじゃねえか!」

 

怪獣墓場には、沢山の怪獣や宇宙人が合体した怪獣、ベリュドラがいた。

 

モモタロスはデンライナーの窓から外を見て驚きながり言った。

 

怪獣墓場にいたウルトラマンやその時間のウルトラマンゼロも酷く驚いていた。

 

「ゼロが…二人…?」

 

「それに、あのウルトラマンは一体…?」

 

レオやアストラもデンライナーと共に降りてくるオーブを見ていた。

 

「お前は…?」

 

「俺の名はオーブ。ウルトラマンオーブです。未来から来ました。こちらのゼロさんも同じように未来からです」

 

レオとアストラはオーブと未来から来たゼロを交互に見た。

 

「どうやら嘘ではみたいだな。頼む、あの怪獣を一緒に倒してくれ。ダイナも来たが、俺達ではとても歯が立たない」

 

「どう言う事だ?昔倒した筈だろ?」

 

「変な地球人が現れてあの怪獣に変な細胞を埋め込んだんだ」

 

過去のゼロがゼロに言った。

 

「未来から来た俺、ってのは本当に驚いたけど、今はそれどころじゃねえからな。頼むぜ、未来の俺」

 

「ヘヘッ、任せとけ」

 

ゼロは過去のゼロに親指を立てて言った。

 

すると、ベリュドラが光線を出して暴れ始めた。

 

「マズイな、俺達も行くぞ!」

 

デンライナーの中でモモタロスはイマジン達に言った。

 

「よし!」

 

「うん!」

 

「待っとったでぇ!」

 

イマジン達も電王に変身し、自分達の電車を出して乗り込んだ。

 

すると、墓場に止まっていた飛行船も浮上し、ベリュドラの元に向かった。

 

「行くぜ行くぜ行くぜええ!」

 

「こりゃあ大量だ。一体何体釣れるんだろう?」

 

「何体でも構わへん!」

 

「お前達は、僕達が倒すから!」

 

デンライナーの車両からもメカが飛び出し、デンライナーはベリュドラの周囲を回りながら光線で攻撃を始めた。

 

「行くぞオーブ!」

 

「はい!ゼロさん!」

 

オーブはエメリウムスラッガーにフュージョンアップし、ゼロと並んで立った。

 

「やっぱり良いなコレ。智勇双全!」

 

「光となりて!ゥルスアッ!」

 

オーブとゼロは縦に並び、ゼロはオーブの前でしゃがみ、二人は頭部のスラッガーに手をかけた。

 

「ファイブスラッガー!」

 

二人は合計五つのスラッガーを飛ばし、ベリュドラに攻撃した。

 

過去のゼロとレオは二人の合体技、レオゼロキックでダメージを与え、ウルトラマンも八つ裂き光輪で、ダイナもソルジェント光線でベリュドラにダメージを与えた。

 

「過去の俺!お前はプラズマスパークの元に!」

 

「!分かった!」

 

「ゼロ、お前はリトラやゴモラと共に行け!」

 

「おう!」

 

レオやゼロに言われ、過去のゼロはプラズマスパークの元に向かった。

 

「ね、ねえ、何で今のゼロが行かないの?」

なのははデンライナーの中から外の光景を眺めながら言った。

 

「過去のゼロが行かんと、歴史が直らへんねん」

 

「小鴉の言う通りだ。あくまで我らの目的は手助け。大切な所を持って行ってはいけない」

 

はやてやディアーチェに言われてなのはは納得したような、してないような顔をした。

 

「今のゼロが倒しちゃうと、歴史が変わって今のゼロがいなくなっちゃうんだよ。その結果、タイムパラドックス、矛盾が生まれちゃうんだ」

 

「そっかー。じゃあ過去のゼロじゃないとダメなんだね」

 

「そういう事や。ましてや初戦なんや。そこを変えたら、消えなくても今のゼロじゃなくなるで」

 

過去のゼロはプラズマスパークのコアに手をかざした。

 

すると、プラズマスパークは光を放ち、ゼロのゼロスラッガーを一つの巨大な刃に変えた。

 

「ハッ!」

 

ゼロは巨大な刃、ゼロツインソードを手に取り、ベリュドラの頭頂にいるベリアルに向かって行った。

 

「俺は死なん!何度でも蘇る!蘇ってみせる!」

 

「テメエもここまでだ!ベリアル!」

 

ゼロはゼロツインソードでプラズマスパークラッシュを放った。

 

「俺は…不滅だああああああ!」

 

ベリアルは断末魔をあげながら怪獣墓場の溶岩の中へ消えて行った。

 

そして、ベリュドラは巨大な爆発を起こし、怪獣達は再び眠りについた。

 

「おーい!オーブ!ゼロ!戻るぞ!」

 

モモタロスに言われ、オーブとゼロはデンライナーと共に時空間に入った。

 

そして、元の時間へと戻った。

 

ゼロ達はデンライナーと共に光の国に向かった。

 

「…!光が戻ってる…!」

 

「と言うことは…!」

 

「ああ!歴史が戻ったんだ!」

 

ゼロとオーブは抱き合って喜びあった。

 

 

 

「それじゃあな、皆」

 

ゼロはウルティメイトイージスを装着して言った。

 

「ゼロさんはどうするんです?」

 

「俺は別行動で色んな世界の歴史を直していく。また会おうぜ」

 

「ええ。お気を付けて」

 

「ああ。お前らもな。それじゃあな!」

 

そう言ってゼロは空間に穴を開け、どこかの世界に行ってしまった。

 

「うむ、順調に仲間も集まっておるな。これならば全ての世界を元に戻すのも早いだろう」

 

ディアーチェは窓からゼロを見送りながら言った。

 

「あ、そういや色々あって聞きそびれたんやけど、零君の若返り魔法っていつ切れるんや?」

 

「む?そうだな、後十日と言ったところか?」

 

「そんなにあるの…」

 

零は肩をがっくりと落としてため息をついた。

 

「そう気を落とすな、たまには子供の姿も良かろう。子供になれるのはこの先もう無いかもしれんのだぞ?」

 

「そう言う問題?」

 

「ま、こんな経験そうそうないんやし、楽しむのも一つやで」

 

「そう言うんなら…少しの間この子供の姿を楽しむとするか…はぁ…」

 

デンライナーは地球に向かい、次の世界へと走り出した。

 

 

 



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時間──Time ──

遂に…遂にあの絆の戦士を出す時が来たッ…!

長らく待たせてすみません!


「オーナー、次はどの世界に?」

 

小さくなっている零はなのはに抱き抱えられながら聞いた。

 

零の髪は子供になっても長く、踏んで転んでしまう危険性があるため、椅子に座ったりして髪が地面に付かない時以外は殆ど誰かに抱き抱えられている。

 

「次の世界は少し変わっています」

 

「どう変わってるの?」

 

零の後ろからなのはが顔を出して聞いた。

 

「ウルトラマンの世界なのです、が」

 

「が?」

 

その場にいた全員が声を合わせて言った。

 

「何人もウルトラマンに変身する、と言う世界です」

 

「それって…ネクサスさん!」

 

「ああ、ネクサス!ウルトラマンネクサスだ!」

 

零とガイは人差し指をお互いに突き出して言った。

 

「ウルトラマンネクサス?」

 

「どんなウルトラマンなの?」

 

ディアーチェとフェイトが聞いた。

 

「ネクサスさんは、絆の光で戦うウルトラマンで、デュナミストと呼ばれる方が何人もいるんです。その彼らがウルトラマンネクサスに変身して戦うんです」

 

「それじゃあ、ウルトラマンネクサスは何人もいるってこと?」

 

ウラタロスがガイの方を見て聞いた。

 

「いえ、そう言う訳ではないんです。一人が戦いを終えると、次の誰かにネクサスの光が受け継がれて、次のネクサスになるんです。そう言う風に光を受け継いで戦うから、ウルトラマンネクサスと名付けられたんです」

 

「ほぉー、絆を紡ぐ戦士ってことかいな」

 

「そうです。人から人へと、絆を繋ぐ戦士なんです」

 

「それで、その世界で異変が起こったって訳か」

 

「とにかく、急いで向かいましょう!」

 

永夢に言われ、デンライナーは二千五年六月二十五日に向かった。

 

 

 

 

「デェヤッ!」

 

「ハァァァ!」

 

黒い巨人が獣の様に雄叫びをあげ、銀の巨人は構えを取った。

 

すると、黒い巨人の後ろに一人の転生者が現れ、ゼノ細胞を巨人の体内に溶け込ませた。

 

「グッ!ガッ、ゴアアアア…!」

 

すると、巨人は突如苦しみだした。

 

「さあ、その闇の本性をもっと暴れさせろ!もっともっと!」

 

そう言ってその転生者はビルの屋上でニタリと笑い、黒い巨人は別の二人の黒い巨人になった。

 

「!?」

 

銀色の巨人は赤色に姿を変え、構えを取って迫ってくる二人の巨人達の方に交互に向いた。

 

「へァァァ…!」

 

「ハァー…!」

 

「ジェア…!」

 

巨人達は徐々に歩を進め、巨人も徐々に間合いを取って後退する。

 

巨人達は巨人に同時に光弾を手から放った。

 

「シュアッ!」

 

巨人は飛び上がって光弾を避け、放たれた光弾は互いにぶつかって爆散した。

 

「流石ネクサス。でもダークメフィストとダークファウストの二人を同時に相手して君は生き残れるのかな? 精々足掻いて見せてよ」

 

そう言って転生者はその場から背を向けた。

 

「おっと、そうは行かねえぜ」

 

「悪いけど、君を含めた転生者達の横暴は見過ごせないな」

 

「そろそろ潮時や」

 

「お前逮捕するけど良いよね?答えは聞いてない!」

 

イマジン達が転生者の前に立ち塞がった。

 

「電王のイマジンか…フン」

 

転生者はスマホを弄りながら後ろを向いた。

 

「時空管理局や」

 

「貴方達のした事は犯罪です。今すぐ投降してください」

 

零や百合、なのは達は武器を構えて転生者を囲んでいた。

 

「はいそうですかって引き下がる程僕は甘くないんだ」

 

そう言って転生者はスマホをしまい、そしてその次の瞬間フェイトが吹き飛ばされ、驚く暇も無くディアーチェやレヴィ、シュテルも強く吹っ飛ばされ、ビルに激突した。

 

「!!お、オイ!テメエは女にも手を出すのか!?」

 

「そう言うのは許しておけないな…お痛が過ぎるよ!」

 

モモタロスとウラタロスは各々の武器を持ち転生者に攻撃を仕掛けた。

 

「スローモーションよりも遅いな。欠伸が出そうだ」

 

「!」

 

転生者は回し蹴りで二人を蹴り飛ばし、二人は道路まで落下し、落ちた衝撃で土煙があがった。

 

「モモの字!カメの字!」

 

「もー!お前絶対倒すから!バァン!」

 

リュウタロスは銃を構えて転生者に向けてエネルギー弾を放った。

 

「分からないかなぁ、無駄だって言ってるのに」

 

転生者は大きな炎の魔法でリュウタロスのエネルギー弾を押し返した。

 

「うわああ!」

 

「リュウタ!」

 

キンタロスは素早く斧で魔法を弾き、魔法は上空で爆発した。

 

「大丈夫か?」

 

「う、うん。ありがとうクマちゃん」

 

リュウタロスはキンタロスの肩を借りて立ち上がった。

 

「へぇー、アレを防げたんだ。でも、あの程度でへこたれてる位じゃあ、ダメダメだよ」

 

そう言って転生者はさっきよりも巨大な魔法を頭上に用意した。

 

「…!」

 

「クソッタレが!」

 

零は大きくジャンプし、巨大な魔法を遠くに蹴り飛ばした。

 

「いい所だったのに…つまんないなぁ。まあいいや。ゲート」

 

そう言うと転生者は魔法で異世界への扉を開き、どこかへ消えてしまった。

 

「っ…逃げられたか…」

 

「あれはどうしようもありませんでした。あの圧倒的な強さに僕達は…」

 

「そんなん気にすんな。次会った時はぶっ飛ばす。それだけだ」

 

「皆さん、大丈夫ですか?」

 

「あ、ガイさん、大丈夫?」

 

ガイも転生者に吹っ飛ばされて、服がボロボロだった。

 

「俺は大丈夫です。俺はネクサスさんを助けに行きますので、皆さんはモモタロスさん達を!」

 

「はい!」

 

「ええ!」

 

そう言って零達はビルの階段を降り、ガイはオーブオリジンに変身した。

 

「ゥルスァッ!」

 

オーブオリジンはオーブカリバーを構えてネクサスの横に立った。

 

ネクサスはオーブの方を見て頷き、オーブもネクサスの方を見て頷き、同時に構えを取った。

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえずここまで。

タイトル詐欺なんて言わないで。

ちなみに転生者は今放送中のアニメのあの人


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力──POWER──

ぼちぼちやってこかぁ〜


『覚醒せよ!オーブオリジン!』

 

「デュアッ!」

 

ガイはオーブオリジンに変身し、ネクサスに放たれていた光弾をオーブカリバーで弾いてネクサスの前に立った。

 

「オゥルスァァッ!」

 

「シェア…」

 

驚くネクサスにオーブはネクサスの方を見て頷き、ダークファウスト達の方を見てオーブカリバーを構え、ネクサスもダークファウスト達の方に向いて構えを取った。

 

「ゥルスアッ!」

 

「シェアァッ!」

 

「オオオオオオ…オアアッ!」

 

「フハァッ!」

 

闇の巨人達と光の巨人達は一斉に走り出し、オーブはダークファウストと、ネクサスはダークメフィストと対峙し、オーブは大剣でダークファウストに斬り掛かり、ダークファウストはそれを腕で受け止めた。

 

ネクサスも拳に力を込めてダークメフィストに殴りかかり、メフィストはそれを交差させた腕で防ぎ、ネクサスの脇腹を蹴って後ずさらせ、メフィストは大きく飛び上がってネクサスに飛び蹴りを放った。

 

ネクサスはそれを後ろにバック転して回避し、赤いジュネッスから青いジュネッスブルーに変化した。

 

「シェアッ!」

 

「ゥルスアッ!」

 

オーブは大剣を防がれるも素早く離して体を捻り、ファウストの攻撃を回避してファウストの懐から大剣で切りつけ、さらにオーブカリバーのホイールを高速回転させてファウストの体に斜めに切りつけた。

 

「フゥゥゥアッ!」

 

「ガアアアッ!」

 

巨人達にはあまり効果は無いようで、荒々しく走って二人に迫ってきた。

 

「シェアッ!」

 

「シュアッ!」

 

オーブとネクサスは同時に飛び上がり、ファウスト達も強く地面を踏み込んで二人を追った。

 

「シュア!」

 

オーブは空を飛びながらファウストの光弾を数発避け、空中でUターンして身体を光らせ、フュージョンアップをした。

 

『フュージョンアップ!サンダーブレスター!』

 

オーブはサンダーブレスターに変身しファウストの方に向き直り、大きく上空に上昇して勢いを付けた。

 

「グゥアアアアアア!」

 

サンダーブレスターは急加速してファウストに向けて急降下を始め、空中ドロップキックをファウストに入れて地面に落とし、ファウストよりも早くその下に回り込み、持ち前の豪腕でファウストを叩き上げ、フュージョンアップ形態を変えた。

 

『サンダーミラクル!』

 

オーブは青い身体と大きな筋肉を持ったサンダーミラクルに変身し、超能力で瞬間移動をしてファウストの上に回り込み、ファウストを踏みつけながら地面を抉るように着地した。

 

 

「シェアッ!」

 

ネクサスは空中で何度もメフィストと激突し、互いに大きく離れて同時に飛び蹴りをし、そのぶつかった衝撃で二人は吹っ飛ばされるが、二人は素早く体勢を立て直してネクサスはアローレイ・シュトロームを放ち、メフィストも腕のメフィストクローから衝撃波を放ってネクサスの光線と相殺させた。

 

相殺の時に起きた爆風の中からネクサスが飛び出し、渾身の一撃をメフィストはまともに喰らって地面に激突し、ファウストと同化してダークザギに戻った。

 

「ウウウアアア…!ジェェアッ!」

 

ダークザギは腕にエネルギーを貯め、ネクサスに向けて光線を放ち、ネクサスはそれをバリアで防いだ。

 

そのあまりの威力にネクサスは圧倒され、地面のコンクリートが少しめくれた。

 

「グッ…グウウッ…!」

 

負けそうになるネクサスをオーブは後ろから押さえた。

 

ネクサスはそれに気付き、オーブの方を向いた。

 

オーブは頷き、ネクサスも頷き返した。

 

「ハアアアア…!ジェアアッ!」

 

ネクサスは光線をバリアごと弾き、ネクサスは身体を先程よりも強く光り輝かせた。

 

 

 

「な、なんだありゃあ…?」

 

モモタロスは地面でなのはや零達に介抱されながらネクサスがいた光の柱を見ながら言った。

「あれは…」

 

「まるで…神様…」

 

「…ノア」

 

ネクサスは自分の真の姿、ウルトラマンノアへと変身した。

 

「……!」

 

ノアはゆっくりと構えを取り、ザギに迫った。

 

ザギはノアに拳を奮うもノアはそれをいとも簡単に止め、脚に力を入れてザギの腹部を蹴り飛ばし、ザギは大きく吹き飛んで数十メートル後退した。

 

ザギは苛つかせた様子を見せながらノアに荒々しく走り、ノアに襲いかかるも、ノアはその攻撃を、身体を折ってザギをいなし、ザギを蹴って後退させた。

 

そして、ノアは拳に炎を纏わせてエネルギーを貯め、身体を三回転させながら遠心力も込めてザギに一撃を入れ、大気圏外近くまでザギを吹っ飛ばした。

 

ザギは腕にエネルギーを貯め、手首に拳を当てて地球に向けて光線を放った。

 

ノアはオーブの方を見て頷き、オーブもゆっくりと頷いた。

 

『覚醒せよ!オーブオリジン!』

 

オーブはサンダーミラクルからオーブオリジンに戻り、オーブカリバーを構えた。

 

そして、ノアも腕にエネルギーを貯め、オーブもオーブカリバーのエレメントの力を四つ解放して全てのエネルギーを解放し、オーブカリバーを上空に向けてエネルギーを貯め始めた。

 

「ハアアアア…!シャアッ!」

 

「オーブスプリームカリバアアアアアアアア!」

 

ノアは手首に拳を当てて、オーブはオーブカリバーをザギに向けて同時に光線を放ち、ザギの光線と衝突した。

 

「ハアアア…!」

 

「ウオオオオ…!」

 

オーブもノアも腕に力を込め、光線の威力を上げた。

 

やがて、二人の光線はザギの光線を押し始め、二人の光線はザギの身体に直撃した。

 

ザギは爆発、四散してチリ一つ残らず消え去った。

 

オーブとノアは互いに頷き合い、ノアはその場から消え去った。

 

オーブはガイに戻った。

 

すると、近くに青い隊員服を着た青年が立っていた。

 

「貴方は…」

 

「君は…さっきのウルトラマン?」

 

青年はガイの方を見て聞いた。

 

「はい、そうです。俺がさっきのウルトラマンです」

 

「君だったのか、僕を助けてくれたのは。僕は孤門一輝って言うんだ」

 

「俺はガイ。クレナイ・ガイです」

 

「ガイ君か。宜しくね」

 

孤門はガイに手を差し出した。

 

「ええ。こちらこそ宜しくお願いします」

 

ガイも孤門の手を握って握手を交わした。

 

「おーい!ガイィー!」

 

「ガイさーん!」

 

すると、遠くの方から零達一行が近付いて来た。

 

「彼らは?」

 

「俺のとても頼りになる仲間です。苦楽を共にしてきた、大切な仲間達です」

 

「仲間、か。仲間って良いよね」

 

「ええ。無くてはならない存在です」

 

「僕にもいるんだ。皆厳しいけど、とても頼りになって…いい人達ばかりだよ」

 

「そちらの仲間の方も、とてもいい人達なんですね」

 

「うん。胸を張って他人に自慢できる、最高の仲間達」

 

「ガイさん、そちらは?」

 

百合は孤門の方を見て言った。

 

「ウルトラマンノアに変身していた孤門さんです」

 

「孤門一輝です。宜しく」

 

零達一同も順に挨拶をした。

 

それから、今の危険や危機が迫っている事も話した。

 

「そうだったんですか…」

 

「ええ。かなり大変です」

 

「僕はもうウルトラマンの力は無いし、そっちには着いて行けないけど、僕はこの世界を皆で守り抜いていくよ」

 

「宜しくお願いします」

 

「奴らはいつ来るか分からないわ。充分に注意してね」

 

「はい。仲間にも伝えます」

 

そして、デンライナーが一同を迎えに来た。

 

「では、俺達はこれで」

 

「他のウルトラマンにも宜しくね、ガイ君」

 

「はい!」

 

デンライナーは孤門に見送られながらネクサスの世界を出た。

 

「…さてと、俺達は本気でキレたぜ…」

 

「僕達を怒らせた事を後悔させてあげよう」

 

「俺達の強さで泣かせたるで…」

 

「僕達がこんなに意見が合うのは初めてだ…僕も今超怒ってる…」

 

「俺達、今そう言う顔してるだろ?」

 

イマジン達はヤンキーの様に座りながら零達の方を見て言った。

 

「私も、ここまで怒ったのは久しぶりだよ…」

 

「な、なのは…?」

 

「あんなに悪い子には頭を冷やして貰わないと…強い力を使う事の責任って物を知って貰わなくちゃ…」

 

なのははただ静かに怒っていた。

 

感情を露にもせず、ただ、子供に語りかける様な口調で喋っていた。

 

「モモタロス…ウラタロス…皆に私も協力する」

 

「おう…期待してるぜ」

 

デンライナーは次の世界へと向けて走っていた。

 

 




今回はここまでです。

よーしさっさと寝るぞう


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端末使い対電気機器使い(前編)

満を持してあの神が降臨!




「しかし、戦うとは言ったものの、奴とどう戦うんだ?居場所も分からなければ、戦うことすらままならないぞ」

 

 デンライナーの車内で飛彩は冷静に言った。

 

 「大丈夫です。少し前に黎斗さんに連絡して居場所を突き止めておくように頼みました」

 

 すると、永夢の言葉に反応するように空中にモニターが現れた。

 

 「檀黎斗神だ!」

 

 モニターから黎斗神が出現し、手で文字を出現させて言った。

 

 「よう、悪いな永夢。いきなりこんな調子でよ」

 

 黎斗神の横から一人の別の男が割り込んだ。

 

 「貴利矢さん!」

 

 「よっ、元気でやってるみたいだな」

 

 貴利矢と呼ばれた男はサングラスを額に上げて永夢に挨拶をした。

 

 「え、永夢くん、そちらは?」

 

 はやては永夢の方を見て聞いた。

 

 「こちらは九条貴利矢さんです。貴利矢さんも黎斗さんもバグスターになってしまってるんですけど、これでも立派な仮面ライダーです」

 

 「ただいまご紹介に預かりました、九条貴利矢です。以後お見知り置きを」

 

 「だから檀黎斗神」

 

 「はいはい。神だからちょっと黙ってろ」

 

 「フン、そこまで言うならしかたない」

 

 「チョロイなこの神」

 

 「それで、奴の居場所は掴めたのか?」

 

 大我が画面の向こうにいる二人に聞いた。

 

 「例のスマホ使いだろ?しっかりサーチかけておいたぜ」

 

 「ついでに奴の個人情報もなァ!」

 

 「流石神ってところか」

 

 「褒めるな。褒めたって何も出ないぞ」

 

 「あの神随分チョロいなぁ」

 

 はやては苦笑いをしながら言った。

 

 「奴の名前は望月冬夜。随分イカした名前だねぇ」

 

 「こいつは現世で死に、別の世界に転生している。しかし、やっかいなことに、驚異的な身体能力を別の神に与えられ、その上で殆どの魔法を使える厄介なやつだ」

 

 「その餅つき豆腐ってやつはどんだけ強いんだ?」

 

 「望月冬夜だよセンパイ」

 

 ウラタロスはモモタロスにツッコミを入れながら言った。

 

 「ちょっと待ってくれ。データを送る」

 

 モニターの向こうで貴利矢はキーボードを叩き、彼の詳細なスペックを表示した。

 

 「望月冬夜、十五歳。さっきも話したが、身体能力は徹底的に底上げされ、無尽蔵の魔法量に全属性の魔法が使い放題と来た」

 

 「要するにチート…って事ですか?」

 

 零はモニターを見ながら言った。

 

 「そういう事。察しが早くて助かるぜ」

 

 「チート使い…味方になれば恐ろしい程頼もしいけど、敵にまわればこれ以上怖いものは無いわ…」

 

 「ああ…ましてやそれが神だったら…」

 

 二人は身震いし、ソファーに座り込んだ。

 

 「………」

 

 「…な、なあ、二人共」

 

 「よせ、子烏。あの二人も過去に何かあったのだろう。今は無闇に詮索するな」

 

 「…話を戻していいか」

 

 貴利矢の声で一同はモニターの方に向き直った。

 

 「奴の身体能力はとてつもないほどに上げられている。俺や永夢達がバグスターを除去するのとはまた訳が違う。一度戦ってるんなら分かるはずだ」

 

 「……」

 

 それを聞いてモモタロス達は俯いた。

 

 前回、手も足も出ず完敗し、あげく逃げられてしまった。

 

 そんな相手を倒せるのか…。

 

 不安で一杯だった。

 

 「それでも倒したいの。貴利矢さん、何か攻略法は有りませんか?」

 

 なのははモニターの方に近付いて言った。

 

 「まあ落ち着け。例えどれだけチートって言っても所詮人間だ。しっかりと弱点はある」

 

 「攻略法はやっぱりあるんですね!」

 

 「確証には欠けるが…それでも聞くか?」

 

 「監察医、俺はお前の目を信じている。どんな方法でも、俺達はその方法を信じてオペをするだけだ」

 

 「天才外科医に言われたら言うしかねえな。それじゃあ作戦を話すぞ」

 

 貴利矢は自分や黎斗神の見解を元に立てて置いた作戦を説明した。

 

 「…以上だ。何か質問はあるか?」

 

 「はい」

 

 フェイトは手を挙げた。

 

 「はい、そこの金髪のお姉さん」

 

 「勝てる見込みはどれ位でしょうか?」

 

 「そうだな…神、どれ位だ?」

 

 「作戦が全て上手く行ったと仮定して、計算すると…そうだな、八割五分と言ったところか」

 

 黎斗神は自分の計算をモニターに表示した。

 

 「とは言っても全部が成功したとしたら、だ。要するに、やって見ないと分からない、ってこった」

 

 「失敗は出来へんな…おし!一丁やってやるで!」

 

 キンタロスは自分の頬を強く叩いて気合いを入れた。

 

 「おっと、待ちたまえ、諸君。とうっ!」

 

 次の瞬間、モニターを通じて黎斗神がデンライナーの中へ出てきた。

 

 「うわあびっくりしたぁ!」

 

 「あっ神テメエきたねえぞ!」

 

 そう言って貴利矢もモニターからデンライナーの中へ出てきた。

 

 「作戦には私達も参加する。以前のクロノスの攻略よりも難しいだろうからな」

 

 「神や俺がいてくれた方が頼もしいだろ?」

 

 貴利矢は白い歯を見せて笑いながら永夢の方を見て言った。

 

 「ええ。お二人がいてくれると凄く助かります!」

 

 「ここまで来ると何でもアリみたいやけど…」

 

 「相手も何でもアリみたいなもんだ。今更気にする程でもなかろう」

 

 「王様の言う通りだよ!」

 

 「我々も全ての力を持って相手と戦う。それだけです」

 

 「ユーリも、精一杯サポートします!」

 

 シュテル、レヴィ、ユーリの三人もやる気満々の様だ。

 

 「そうか…よし!黎斗神とやらよ、我らも全勢力で奴を叩き潰す!良いな!?」

 

 「当然だァ…!これ以上奴らに好き勝手されてなるものかァ!」

 

 黎斗神は静かに言い放った。

 

 「…何で少しデンジャラスゾンビになってるんですか?」

 

 永夢は貴利矢に小声で聞いた。

 

 「奴が半分神になってて気に入らないんだとさ」

 

 「ああ…そういう事ですか」

 

 永夢は半分納得したような感じで頷いた。

 

 「さらに、こちらでも強力な助っ人を呼んでおいた。たった数分しかいられないが、奴を攻略するには充分、いや十二分な程だァ!」

 

 「その助っ人って言うのは?」

 

 「今言っちゃったらつまんないでしょ? その時まで待ちな」

 

 「よし、テメエら!準備はいいな!?」

 

 「これより、望月冬夜攻略作戦を開始するゥ!行くぞォ!」

 

 デンライナーは黎斗神に指定された世界線と時間に向かった。

 

 

 

 

 炎に包まれた街の中を人々が逃げ惑う中、一人の男と数人の女は破壊活動を続けていた。

 

 「やっぱりこんな世界つまらないや。どこへ行っても人間は変わらない。傲慢で、自分の欲望だけ満たして、その癖自分だけ助かればいいなんて、矛盾ばっか。でも、それも無くなる。この僕が皆を助けてあげる」

 

 そう言って冬夜は魔法で街を大きな爆発に巻き込み、跡形も無く消し去った。

 

 「流石冬夜殿。自分の手で人間達を救済しようと言う訳でござるな」

 

 「やっぱり八重は物分りが良くて良いよ」

 

 その様子を、なのは達はデンライナーの中から見ていた。

 

 「酷い…」

 

 「これも、恐らく例のゼノ細胞のせいだろう。だが…」

 

 「ううん、とにかくアレを止めないと!黎斗さんは助っ人の用意を!」

 

 「黎斗神だァ!」

 

 「私達は彼らを倒します!」

 

 「本気でやるの?なのは」

 

 フェイトは心配しながらなのはを見た。

 

 「──強い力って言うのは、生半可な気持ちで使っていい物なんかじゃないんだ。それを教えないと、あの人達は止めない」

 

 「なのはの言う通りだぜ。強い力ってのは、強い心があって初めて出てくるんだ」

 

 なのはの肩に手を置きながらモモタロスは言った。

 

 「モモタロス…」

 

 「俺を救ってくれた良太郎のようにな。良太郎は決して電王の力を悪いようには使わんかった」

 

 「キンタロス…」

 

 「だけど、あれはいくら何でもスマートじゃない。気に入らないから強い力を使って気に入らないものを消す…そんな事は間違ってる、そんな事は僕達だって分かってるさ」

 

 「ウラタロス…」

 

 「何より、皆可哀想だよ!街の人達だって、きっとあの人とも仲良くなれたんだ。それをせずに、独断だけで無くしちゃうなんて、絶対おかしい!」

 

 「リュウタロス…」

 

 「よう言うたリュウタ!」

 

 「よし!テメエら!行くぞ!」

 

 デンライナーは彼らの後ろを走り、デンライナーから永夢達やなのは達、イマジン達が降り立った。

 

 「…何?僕達の邪魔をしに来たの?」

 

 デンライナーが来た音に気付いて冬夜達は振り返った。

 

 「悪いが引き取り願おう。我らも忙しいのだ」

 

 「そうだ。それでも邪魔するって言うなら…!」

 

 「私達も貴方達を抹消します!」

 

 冬夜の取り巻き達も自分の武器や魔法の道具を持って構えた。

 

 「いやー、困ったねー。皆頼もしくて」

 

 冬夜は彼女達の後ろから言った。

 

 「頼もしいのは結構だけど、やり過ぎないようにね?」

 

 「分かってるわよ冬夜!」

 

 「こんな奴ら一捻りです!」

 

 紫の髪の双子らしき女が悪い笑顔を浮かべながら言った。

 

 「彼女達は僕に任せて下さい。パラド、行くよ」

 

 永夢はそう言って懐から二色のガシャットを取り出し、ボタンを押した。

 

 『マイティブラザーズダブルエーックス!』

 

 「だーーーーーい変身!」

 

 永夢はゲーマドライバーにガシャットを挿し込んでレバーを引いた。

 

 『ダブルガシャット!ガッチャー!レベルアーップ!俺がお前で!お前が俺で!(We are!)マイティ!マイティ!ブラザーズ!(Hey!)ダブルエーックス!』

 

 永夢は二人のエグゼイド、ダブルアクションゲーマーXXRとXXLに変身した。

 

 「久しぶりだな、永夢」

 

 オレンジ色のエグゼイドが水色のエグゼイドの方を向いて言った。

 

 「ああ。久しぶりに行くよ!」

 

 「心が踊るな、こんなゲームは」

 

 宝条永夢はパラドクスと言うバグスターに感染しており、その状態で初めてエグゼイドに変身出来る。

 

 まさに二人は一心同体であり、この二人に別れるガシャットでも最高のコンビネーションを発揮出来るのだ。

 

 「なんだか知らねえが、人の命を何とも思わねえ奴に容赦はしねえ。第二戦術」

 

 『バンバンシューティング!』

 

 大我もガシャットのボタンを押した。

 

 「絶対に一人の命も見捨てない、それが、ドクターである俺の使命だ!術式レベル二!」

 

 『タドルクエスト!』

 

 飛彩もガシャットのボタンを押した。

 

 「変身!」

 

 『ガシャット!レベルアーップ!辿る巡る辿る巡るタドルクエストォォー!/バンババン!ババンバン!(Yeah!)バンバンシューティング!』

 

 二人も仮面ライダーブレイブと仮面ライダースナイプに変身した。

 

 「さてと、さっさと倒して街の人の治療をさせて貰うぜ。二速」

 

 『爆走バイク!』

 

 「変身」

 

 貴利矢もガシャットのボタンを押し、ガシャットをゲーマドライバーに挿し込んでレバーを引いた。

 

 『爆走!独走!激走!暴走!爆走バイク!』

 

 貴利矢もバイク型の仮面ライダーレーザーターボに変身した。

 

 「この世に神は二人もいらない。この私だけで充分だァ!グレードエックスゼロ!」

 

 黎斗神も二つのガシャットのボタンを押した。

 

 『マイティアクションX!』

 

 『デンジャラスゾンビ!』

 

 「変身!」 

 

 黎斗神は二本のガシャットを同時にゲーマドライバーに挿し込み、レバーを引いた。

 

 『ガッチャー!レベルアーップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティィーアクショーンエーックス!アガッチャ!デンジャー!デンジャー!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!』

 

 黎斗神も仮面ライダーゲンムゾンビアクションゲーマーに変身した。

 

 「ヴェハハハハァ!」

 

 そして、ゲンムは大きく飛び上がり、別の場所に向かって走り出した。

 

 「なんだよ?逃げるのかよ?」

 

 そう言って冬夜は魔法を発動してゲンムを足止めしようとした。

 

 『Charge and up』

 

 「アクセルシューター!」

 

 一発の巨大なエネルギー弾と数発の魔法弾が冬夜の手に被弾しそうになり、冬夜は思わず手を引っ込めた。

 

 「…!」

 

 「ちぇ、避けられちゃった」

 

 「んなもん気にしてる場合じゃねえぜ小僧。それじゃ、いっちょやっとくか!」

 

 冬夜の視線の先にはクライマックスフォームの電王とエクシードモードのバリアジャケットを装着したなのはがデンガッシャーとレイジングハートを持って立っていた。

 

 「俺達、参上!」

 

 電王はソードフォームの変身時と同じポーズをし、イマジン達は声を合わせて言った。

 

 「俺達には前振りも限界も無ぇ。最初っから最後まで最強なクライマックスだぜ!」

 

 「どれだけ強い魔法使いかは分からないけど…貴方達の悪行を見逃す訳には行きません!」

 

 そして、なのはに連れられたのか、はやてとフェイトも合流した。

 

 「おっしゃ早速行くで、最初っからクライマックスやろ?」

 

 「おう!分かってんじゃねえか、ヘヘッ」

 

 はやては電王にウインクして言った。

 

 「行こう、なのは」

 

 「うん、フェイトちゃん。私達には絶対限界なんて無い!」

 

 そして電王はデンガッシャーを構え、フェイトは真ソニックフォームに、はやてはリインフォースIIとユニゾンして冬夜の元に向かった。

 

 

 

 「この辺りだな…」

 

 ゲンムは少し遠くの高台に登り、エグゼイドや電王達が戦うのが見えるのを確認した。

 

 「よし…来いィ!我が助っ人よォ!」

 

 そう言ってゲンムはキメワザホルダーにタイムライナー電王ガシャットを挿し込んだ。

 

 『キメワザ!電王クリティカルストライク!』

 

 『ガシャット!キメワザ!ウィザードクリティカルストライク!』

 

 マジックザウィザードのガシャットもキメワザホルダーに挿し込み、ゲンムはそのエネルギーを地面に当てて無理矢理別世界に通じる魔法陣を作り出し、一人の女子高生を呼び出した。

 

 「あれ?ここは?」

 

 女子高生は周りを見回しながら言った。 

 

 「久しぶりだなァ御坂美琴ォ!」

 

 「あ、ゲンムの社長さんじゃん。どしたの?」

 

 美琴と呼ばれた女子高生はゲンムの方を見て軽く挨拶をした。

 

 「こんな変な所にいきなり呼び出してすまないが、君の力を貸してくれないか。どうしても、君の力が必要なんだ」

 

 「いいよ、この間の借りを返したいしね」

 

 「フッ…流石この私が見込んだ女だァ…期待しているぞォ」

 

 「OK!この私に任せて!」

 

 美琴は指にコインをセットし、電気を貯め始めた。

 

 「最大まで貯め終わったら言ってくれ。私が合図を出すから、その時に発射しろ」

 

 「それは分かったけど、誰を狙うの?」

 

 「中心にいる望月冬夜と言う男だ。神はこの私だけだァ!他の神など認めないィ!」

 

 「とりあえずアイツを狙えばいいのね!分かったわ!」

 

 美琴は照準を合わせながらエネルギーのチャージを再開した。

 

 

 

 「はァ!」

 

 「はァァー!」

 

 二人のエグゼイド、XXRとXXLと双子の姉妹、リンゼとエルゼがぶつかり合う。

 

 「心が踊るなぁ!こんなゲームは久しぶりだ!」

 

 XXRがガシャコンブレイカーをエルゼの拳型の武器、ゲルヒルデと激突させて押し合いながら言った。

 

 「黙って!こんなもの何が楽しいって言うの!?さっさと倒されなさいよ!」

 

 「せっかちなやつだなぁ。もう少しゲームを楽しもうぜ」

 

 XXRは少し笑いながらブレイカーを離して少し後ろに着地した。

 

 

 

「えっと、えっと…」

 

 XXLはガシャコンキースラッシャーを構えながら立っていた。

 

 「……来ないんですか?」

 

 リンゼは武器を構えながら言った。

 

 「…こんな事は僕だってしたくないけど…やるしかない!うおおお!」

 

 XXLは剣を握りしめ、リンゼに斬りかかった。

 

 リンゼはXXLの攻撃を避け、強化された火の魔法でXXLを攻撃し、大きく吹っ飛ばした。

 

 「うわぁっ!」

 

 「そんな程度じゃ私には勝てません。もう少し本気を出してください」

 

 「くっ…」

 

XXLは地面に手と片膝を着いてリンゼを見上げた。

 

 「そう無茶するなよ、永夢。ゲームは始まったばかりだぜ?ここは俺に任せて、永夢は先に行け」

 

 そう言ってXXRはガシャットギアデュアルをゲーマドライバーに挿し込み、仮面ライダーパラドクスパーフェクトノックアウトゲーマーレベル99に変身した。

 

 「ありがとう、パラド」

 

 エグゼイドはマイティブラザーズのガシャットをパラドクスに渡して冬夜の元に急いだ。

 

 「さあ、俺とゲームをしようぜ」

 

 パラドクスは両手を大きく広げて挑発するように言った。

 

 「何、一人でやる気?」

 

 「随分と舐められたものですね、お姉様」

 

 「はっ、お前らなんざ…」

 

 リンゼとエルゼは同時にパラドクスに向かって魔法を放った。

 

 『マイティブラザーズダブルエーックス!』

 

 魔法がパラドクスの付近で爆発した。

 

 「どうよ!」

 

 「俺達で充分なんだよ!」

 

 爆煙の中から青いパズルゲーマーと赤いファイターゲーマーが現れ、二人を大きく後退させた。

 

 「な、何…!?」

 

 「二人になった…?」

 

 「さあ、楽しいゲームにしようぜ」

 

 

 

 

 「お主からは何か、強者の雰囲気を感じる…」

 

 刀を持った女、八重は矛先をブレイブに向けながら言った。

 

 「…言っておくが、俺は心のオペまでは行えないぞ」

 

 『ガシャコンソード!』

 

 ブレイブは自分の剣を召喚し、斬りかかってきた八重の攻撃を防いで受け流した。

 

 「流石…お主、名は何と申す」

 

 「仮面ライダーブレイブ。今はそれでいい」

 

 「ブレイブ殿でござるか…拙者は九重八重と申す。その腕前、まだまだ試させて貰うでござる!」

 

 そう言って八重はブレイブにさらに斬りかかった。

 

 「はッ!」

 

 「フッ」

 

 八重は横に斬りかかり、ブレイブはそれを斜め上になぎ払い、その勢いで体をさらに捻って八重の胴体を斬りつけた。

 

 しかし、存外固く、損傷は無いようだった。

 

 「…ゼノ細胞か…」

 

 「よく分かったでござるな。その通り、拙者らはこのゼノ細胞で以前よりも遥かに強くなったのでござる!」

 

 八重は片方の目を紫に光らせて言った。

 

 「フン…そんなのは本当の強さとは言わない」

 

 ブレイブは腕を組みながら言った。

 

 「例え本当の強さでなくとも、勝てば良いのでござるッ!」

 

 そう言って八重は先程よりも早い速度でブレイブに襲いかかった。

 

 「ハァッ!」

 

 「ハッ!」

 

 ブレイブはすんでのところで八重の斬撃を防いだ。

 

 が、どうやら防ぎ切れていなかったらしく、マスクの頬の方にヒビが入った。

 

 「拙者の本気はこの程度ではないでござるよ…!」

 

 「……!」

 

 

 

 「戦いの中にぬいぐるみを持ってくるとは、舐められたもんだな」

 

 スナイプはぶっきらぼうに、銀色の髪の少女、リーンと熊のぬいぐるみのポーラ、そして金髪のオッドアイの少女、ユミナの方を見て言った。

 

 「あれでも本気なんだからよ、そう言うんじゃねえって」

 

 バイクのレーザーターボは前輪をスナイプの方にやりながら言った。

 

 「そうだな。どうせこいつらはゼノ細胞にしか頼れねえ奴らだ」

 

 「あら、ゼノ細胞が無い貴方達よりは強くてよ?」

 

 「ゼノ細胞の力を見せてあげますわ!」

 

 リーンとエルゼ、ポーラは構えながら言った。

 

 「あーらら、向こうはもうやる気満々みたいだぜ?」

 

 「ハッ、上等だ。三匹ともぶっ潰してやる」

 

 「ノリノリで行っちゃうぜー!」

 

 そして、スナイプはレーザーターボにまたがり、エンジンを噴かせて二人の方に向かって行った。

 

 「確かテメエもあのガシャットを使えたよな?」

 

 「あのガシャット?ああー!あれか!勿の論!」

 

 「フッ、なら二人で行くぞ!」

 

 そう言ってスナイプはレーザーターボごとジャンプし、二人の上を通過するその瞬間だった。

 

 『ガシャット!』

 

 『ガシャット!』

 

 スナイプは自分のドライバーにガシャットを挿し込み、レーザーターボのドライバーにも白黒のガシャットを挿し込んだ。

 

 『ガッチャー!レベルアーップ!アガッチャ!ジェット!ジェット!イン・ザ・スカイ!ジェット!ジェット!ジェットコンバット!』

 

 『ガッチャー!レベルアーップ!アガッチャ!ぶっ飛び!ジェット!ドゥ・ザ・スカイ!フライ!ハイ!スカイ!ジェットコンバット!』

 

 スナイプとレーザーターボは同じ形状の飛行ユニットと二丁のガトリングが装着され、スナイプにはSTGの文字が入ったアーマーとバイザーが装着された。

 

 「これならテメエらと同等だ」

 

 「私達も舐められたものですね…後悔しないでくださいよ!」

 

 それぞれの戦いの火蓋は今、切って落とされた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

  

 

 

 

  

 




今回はここまでです。

先に言っておく!異世界スマホのファンには謝る!すまない!

だが安心してくれ!あくまで彼らは別次元、別の世界線の彼らだ!

恨むならクロニクルショッカーを恨んでくれ!

それじゃあ、また次回!

正直、バランス悪すぎたなって思う!


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端末使い対電気機器使い(後編)

はいはいやってこやってこ。

次々とリクエストが来て嬉しい所存です。


「行くよ!皆!」

 

 「おう!」

 

 「ああ!」

 

 「あれ、永夢、アイツらはどうした?」

 

 電王はいつの間にか来ていたエグゼイドを指さして言った。

 

 「僕の相棒が戦ってくれてます」

 

 「相棒?」

 

 エグゼイドはパラドクスの方を指差し、電王はその方を見た。

 

 

 『マッスル化!高速化!鋼鉄化!』

 

 「そらそらそらそらァ!ほっ!まだまだ!」

 

 パズルゲーマーが辺りのエナジーアイテムをパズルの様にスライドさせて空中で動かし、ファイターゲーマーはそれを受け取ってリンゼとエルゼの二人を圧倒していた。

 

 「なんなのよこいつ…!」

 

 「まるで…戦いをゲームの様に…!」

 

 リンゼとエルゼは肩を上下させながら二人のパラドクスを睨んだ。

 

 「おいおい、もっと本気でやってくれよ」

 

 「それとも、本気でやってこのザマだったか?」

 

 ファイターゲーマーは小刻みにジャンプをしながら、パズルゲーマーは脱力させながら言った。

 

 

 

 「スゲエなアイツら…一度も会ってねえけど」

 

 「また後で紹介しますよ。今は目の前の敵に集中しましょう!」

 

 「おう!」

 

 永夢はガシャコンキースラッシャーを手に取り、電王もデンガッシャーをソードフォームの形に組んで構えた。

 

 「僕達を離して力を合わせない様にするんだね。その作戦はいいと思うよ。でも、僕には何人がかりだと関係無いね」

 

 冬夜は淡々と述べながらスマホを取り出した。

 

 『今だ高町なのはァ!奴を拘束しろ!』

 

 なのはの耳に付けていた通信機器から黎斗神の指示が入った。

 

 「バインド!」

 

 『フェイトォ!はやて!君達もなのはに協力するんだ!』

 

 「うん!」

 

 「分かった!」

 

 二人も冬夜の腕と足に拘束の魔法を掛け、三重ものバインドを掛けた。

 

 これ程のバインドならば流石の彼でも簡単には解除出来ない。

 

 「今だ美琴ォ!奴の携帯を撃て!」

 

 「任せなさいっ!」

 

 美琴は全力で超電磁砲を冬夜のスマートフォンに向けて放った。

 

 「!!」

 

 エグゼイドはマイティアクションXのガシャットをキメワザホルダーに挿してボタンを押した。

 

 『キメワザ!』

 

 「お、おい、そいつでどうするんだ?」

 

 「少し見てて下さい。あのエネルギーを使えればどうにかなるはず!」

 

 そう言ってエグゼイドはエネルギーの溜めながら大きく超電磁砲に向けて飛び上がった。

 

 

 

 「あ、アイツ何やってんの!?バカなの!?」

 

 「何をしている宝条永夢!そのままじゃ君に当たるぞ!」

 

 ゲンムと美琴もそれを見て叫んだ。

 

 「大丈夫です!ハァッ!」

 

 エグゼイドは空中で回転し、溶けかけたコインから超電磁砲のエネルギーを足で受け取って冬夜のスマホに狙いを定めた。

 

 「はああああ…!」

 

 『MYGHTY CRITICAL RAILGUN STRIKE!』

 

 「技名なげえな!」

 

 「先輩は少し黙ってて!」

 

 「はあああああーッ!」

 

 エグゼイドは冬夜の手から大きくスマホを蹴りあげた。

 

 「こんな危ないもの…あってはならないんだ!」

 

 そして、エグゼイドは目線の先に超電磁砲のエネルギーとキメワザのエネルギーが込められたエネルギー弾を作り出し、そのエネルギー弾を全力で蹴り飛ばし、その後に着地した。

 

 エネルギー弾はスマートフォンに直撃し、火花を散らしながら地面に落下した。

 

 「ぼ、僕のスマホが…!?」

 

 冬夜はスマホの方に駆け寄り、スマホを拾い上げた。

 

 スマホの起動ボタンを押したが、反応は無く、冬夜の顔が映るばかりだった。

 

 「く…!」

 

 冬夜はスマホをポケットに入れてエグゼイド達の方を睨んだ。

 

 「お前達はこの場で絶対に消し去ってやるよ!後で戦わなきゃ良かったってなる位に!」

 

 「往生際が悪いな…」

 

 「ええ度胸や!モモの字、カメの字、リュウタ、皆!俺らの強さで泣かせたろうやないか!」

 

 「はい!」

 

 「うん!」

 

 「任せとき!」

 

 「行こう!」

 

 エグゼイド達と冬夜はお互いのプライドと意地を掛けた戦いの火蓋を切った。

 

 

 

 

 「はああああ…!」

 

 スナイプとレーザーターボはガトリングでリーンとユミナは撃ち合っていた。

 

 「キリがねぇ!」

 

 「幾ら撃っても、全然減らねえな…!」

 

 スナイプとレーザーターボは肩を上下させながら背中合わせで地面に降りた。

 

 「あらあら、やはりゼノ細胞がない方々はダメですね」

 

 「そろそろ止めを刺してあげましょう」

 

 リーンとユミナは二人を追い詰めた。

 

 「…ヘッ、テメエらみてえなションベンくせえガキにやられてたまるかよ」

 

 「誰が俺たちがこんなもんだって言ったんだ?俺達はまだ本気の三割も出してないぜ?それとも、お前らは全力だったのか?」

 

 レーザーターボは半笑いで煽るように言った。

 

 「言ってくれますわね…」

 

 「良いでしょう!私達の本気を甘く見ない事ね!」

 

 そう言って二人は大量の魔法弾をセットした。

 

 「これでくたばりなさい!」

 

 「あの世で後悔する事ね!」

 

 そう言って二人はスナイプとレーザーターボに向けて大量の魔法弾を放った。

 

 『ガッシュゥゥーン』

 

 魔法弾が起こす爆発の中からガシャットが抜ける音がした。

 

 「どうやらくたばった様ですね…」

 

 「所詮こんなものでしたのね、ガッカリですわ」

 

 二人がそう言って勝利を確信した時だった。

 

 「ああ、ガッカリしたぜ」

 

 「お前らの攻撃にはなぁ!」

 

 煙の中からレーザーターボがバイクゲーマに乗ってユミナの前に出てきたポーラを弾き飛ばし、リーンには大量のエネルギー弾が発射され、リーンは少し後退した。

 

 「な、何ですか!?」

 

 スナイプの前にはエグゼイドのマキシマムゲーマが立っており、その前にはスナイプの装着するシミュレーションゲーマが浮いていた。

 

 「エグゼイドがこいつをくれたお陰で助かったぜ。充分な時間もくれたしな」

 

 「流石私の発明したガシャットだァ!」

 

 遠くでゲンムが叫んだ。

 

 「開発したのは自分だっつーの」

 

 「そんなもんはガキ共にお仕置きしてからだ」

 

 「はいよ!」

 

 『レベルアーップ!』

 

 『デュアルアーップ!』

 

 スナイプとレーザーターボはゲーマドライバーを操作し、シミュレーションゲーマとプロトスポーツゲーマを装着した。

 

 「遊びは終わりだ、ガキ共」

 

 スナイプはシミュレーションゲーマの一部から赤い片目を覗かせながら二人に言った。

 

 

 

 

 「フンッ!ハァッ!」

 

 「ハッ!デヤァッ!」

 

 八重とブレイブは何度も何度もお互いに斬り合い、何度もつばぜり合いになった。

 

 「流石ブレイブ殿、私が見込んだだけの程はあるでござるな…」

 

 「だから、どうした…」

 

 二人は息を切らせながら言った。

 

 「このままでは、決着がつかない…そこで私は思いついたのでござる!」

 

 「!!」

 

 ブレイブは思わず身構えた。

 

 「そう!音楽で勝負でござる!」

 

 八重は目を輝かせて言った。

 

 「…音楽だと?」

 

 「そうでござる。ルールは簡単、指定された音楽でリズムを刻み、よりスコアの高い方が勝ちでござる」

 

 「…で、誰が審判をやるんだ」

 

 ブレイブは半分呆れ気味に言った。

 

 「そこは安心するでござる。しっかりそのフィールドにするでござるから!」

 

 そう言って八重は目を光らせ、立体的な音楽ゲームのステージを作り出した。

 

 キチンと二人分の体力とスコア表も表示されていた。

 

 「さあ、ステージは整ったでござる!」

 

 「フッ、良いだろう、受けて立つ。術式レベル三」

 

 そう言ってブレイブはドレミファビートのガシャットを取り出した。

 

 『ドレミファビート!』

 

 ブレイブも自分のゾーンを展開した。

 

 そして、ガシャットをゲーマドライバーに挿し込んだ。

 

 『ガシャット!ガッチャー!レベルアーップ!辿る巡る辿る巡るタドルクエスト〜!アガッチャ!ド・ド・ドレミファ・ソ・ラ・シ・ド!OK!ドレミファビート!』

 

 ブレイブはビートクエストゲーマーに変身し、ドレミファターンテーブルに手をかけ、ドレミファビートガシャットをキメワザホルダーに挿入した。

 

 『キメワザ!』

 

 「俺に打てない譜面はない」

 

 「私に弾けない曲は無いでござる」

 

 ブレイブと八重は向かい合って立ち、八重は太鼓を召喚し、ブレイブも演奏の準備を始めた。

 

 「課題曲は、『EXCITE』でござる!行くでござるよ!」

 

 「来い!」

 

 二人は最高難易度を選択した。

 

 やがて音楽がスタートし、二人はリズムにノッてビートを刻み始めた。

 

 二人共順調にコンボを重ね、難しい箇所も難なく突破した。

 

 「ゼロからいーちー、いーちーかーらーうーちゅーうの果てーまでー」

 

 八重はノリノリで歌いながらバチを振っていた。

 

 「…」

 

 ブレイブは音楽と譜面に集中してコンボを繋げていた。

 

 「やはりこちらは連打がある分有利でござる!お主の負けはもう決まったようなものでござるよ!」

 

 「…どうかな。まだ音楽は止まっていない」

 

 「フン、負け惜しみを…ああっ!?」

 

 すると、八重の譜面が流れて来る直前の譜面までしか見えなくなった。

 

 「な、何をしたでござるか!?こ、こんなの反則でござる!」

 

 「俺の方の譜面にはオジャマアイテムがあるんだ。それに、真の音ゲーマーなら、譜面なんて見なくても叩けるだろ」

 

 「…!」

 

 そして、曲が最後のサビに入ろうとしたところで八重のコンボが途切れた。

 

 

 

 「はあっ!」

 

 「オラァ!」

 

 「フッ!」

 

 エグゼイド、電王と冬夜はお互いの武器をぶつけ合い、その隙にはやてとフェイトが横から魔法を放ち、冬夜はそれに気付いて剣を二人から離して自分の魔法で相殺させた。

 

 『ゲキトツロボッツ!』

 

 エグゼイドはロボットアクションゲーマーにレベルアップしてロケットパンチを冬夜に向けて放ち、それを電王がライダーキックで威力をアップさせた。

 

 「こんなもの…ッ!」

 

 冬夜はそれと自分の拳をぶつけ合わせた。

 

 「ディバインバスター!」

 

 そこになのはが集束魔法の一つ、ディバインバスターを放って冬夜を怯ませ、ロケットパンチは冬夜の身体に直撃して空を飛んだ後、エグゼイドの手元に戻った。

 

 「ナイスだぜ、なのは!」

 

 「まだ終わってないよ!集中して!」

 

 「おう!…なのはのやつ本気で怒ってんな〜」

 

 「ホラ!僕達も負けてられないよ!」

 

 「こんな所で待ってる場合じゃないって〜」

 

 リュウタロスやウラタロスは電王の中で暴れながら言った。

 

 「ええいテメエら!勝手に動くんじゃねえ!」

 

 電王の中でモモタロスはイマジン達を一喝した。

 

 

 「まだまだ行くぞ!大大大大大変身!」

 

 『ドラゴナイトハンターZ!』

 

 今度はハンターゲーマを装着し、二刀流で冬夜に挑んだ。

 

 しかし、相手も剣の捌きが上手く、二刀流でさえも押されてしまう。

 

 「どうした?二刀流でもこんなもんなの?」

 

 「誰がそんなこと言ったんだよ」

 

 エグゼイドがそう言った途端、ハンターゲーマの口が開き、龍の火炎の如く炎が飛び出し、冬夜は咄嗟に防御をして後ずさった。

 

 「グッ!」

 

 「やっぱり半分神とは言え燃えるのは怖い様だなァ!」

 

 「!?」

 

 後ろにはゲンムがおり、冬夜はエグゼイド達からもゲンムからも離れた。

 

 「クッ…」

 

 「ヴェハハハハァ!所詮半分神に完全な神である私に勝てる訳はなぁい!」

 

 そう言ってゲンムは冬夜にガシャコンスパローで襲いかかった。

 

 クナイの様に振り回し、冬夜はなんとか躱しながら間合いを取った。

 

 「フン、流石脅威の身体能力と言った所か、だが、いつまでそれが持つかなァ!」

 

 『キメワザ!』

 

 ゲンムはデンジャラスゾンビガシャットをキメワザホルダーに挿入した。

 

 『DANGEROUS CRITICAL DEAD!』

 

 「はァ!」

 

 ゲンムの身体からはゲンムの分身が飛び出し、増殖しながら冬夜に迫った。

 

 「な、なんだこいつら!」

 

 「永夢ゥ!奴を足止めしろォ!」

 

 「は、はい!」

 

 エグゼイドは空中に浮いていたチョコブロックを崩し、エナジーアイテムを取り出した。

 

『混乱!』

 

 「これでどうだっ!」

 

 エグゼイドはエナジーアイテムを冬夜に与え、混乱状態にした。

 

 「私も!バインド!」

 

 なのはもすかさずバインドで動きを封じた。

 

 「良くやった高町なのはァ!」

 

 「神もナイスだよ」

 

 「フッ、神として当然だ」

 

 「あんなバカは相手にしちゃあかんでなのはちゃん」

 

 ゾンビ達が冬夜に襲い掛かり、彼に取り付きながら爆発した。

 

 それと同時に冬夜の混乱も解除された。

 

 「な、何をした!」

 

 「私の力でお前の底上げされた身体能力をリセットしてやった!もうお前には魔法しか残っていない!そして永夢!仕上げだ!」

 

 「ああ!任せろ!」

 

 『マキシマムマイティX!』

 

 エグゼイドはマキシマムマイティXガシャットをゲーマドライバーに挿入し、マキシマムゲーマを装着した。

 

 『キメワザ!』

 

 エグゼイドはガシャットをガシャコンキースラッシャーに挿し込み、エネルギーをチャージした。

 

 『MAXIMUM CRITICAL FINISH!』

 

 ガシャコンキースラッシャーから特殊なエネルギー弾が発射され、冬夜の体はそれに包まれ、やがて爆発を起こした。

 

 「今度は何を…!魔法が!」

 

 「お前の無限にある魔力量をお前から取り除いた。もう魔法も無限には出せない!」

 

 「クッ…!」

 

 「よーしお前ら、良くやった」

 

 「永夢君、神、後は私達でやるわ」

 

  エグゼイドとゲンムの前に電王となのはが立ち、冬夜の方を向いた。

 

 「それじゃあ、頼みます」

 

 「後は頼んだぞ」

 

 

 

 

 「これでフィニッシュだ!」

 

 「はああああ…!」

 

 『キメワザ!』 

 

 リンゼとエルゼの二人は、武器や魔法の準備をした。

 

 「行くぜ!ハッ!」

 

 『透明化!高速化!マッスル化!』

 

 『マッスル化!マッスル化!マッスル化!』

 

 三種類のエナジーアイテムを獲得し、二人のパラドクスはパワーアップした。

 

 『PERFECT CRITICAL COMBO!』

 

 『KNOCKOUT CRITICAL SMASH!』

 

 パズルゲーマーは高速で飛び出し、リンゼに空中でのラッシュを入れ、最後に下から大きく蹴りあげてエルゼからゼノ細胞を弾き出し、それを最後のキックで消滅させた。

 

 「ああああああああ!」

 

 ファイターゲーマーもエルゼのパンチを何度も避けてカウンターを繰り返し、炎を纏った強烈な拳をエルゼの腹部に入れて吹っ飛ばし、、彼女の背中からゼノ細胞を弾き出した。

 

 「きゃああああ!」

 

 それを見たファイターゲーマーは飛び上がり、ゼノ細胞を拳で潰して消滅させた。

 

 そして、二人のゲーマーの上にリンゼとエルゼが落下し、二人はそれを受け止めて地面に横たわらせた。

 

 「またゲームしようぜ」

 

 そう言ってパラドクスは変身を解いた。

 

 

 

 『キメワザ!』

 

 「ガキは部屋でおねんねしてな!ハァッ!」

 

 『BANG BANG CRITICAL FIRE!』

 

 スナイプは無数のエネルギー弾を放ち、リーンの魔法弾をも跳ね返してリーンに直撃させ、身体から弾き出たゼノ細胞を跡形も無く消滅させた。

 

 「ミッション、コンプリート」

 

 『キメワザ!SHAKARIKI CRITICAL STRIKE!』

 

 「それっ!」

 

 レーザーターボは片方のホイールを飛ばしてユミナの魔法弾を弾いていった。

 

 「大サービスでもう一個!そらよ!」

 

 そして、もう片方のホイールも飛ばしてユミナの腹部に直撃させ、身体から出たゼノ細胞を二つのホイールで消滅させた。

 

 「ああああああああ!」

 

 落下してくるユミナをレーザーターボは受け止め、地面に横たわらせた。

 

  「よっと。こっちも終わったぜー」

 

 レーザーターボとスナイプは変身を解除した。

 

 

 「あ、あ、あわわわわわ…!」

 

 八重は焦りからかどんどんコンボが繋げなくなり、遂に曲は終了した。

 

 『FULL COMBO!』

 

 ブレイブの方からフルコンボの音声が聞こえた。

 

 「そ、そんな…」

 

 八重は二人のスコアを見た。

 

 スコアでもブレイブの方が上だった。

 

 「お前の負けだ!」

 

 『DOREMIFA CRITICAL STRIKE!』

 

 ブレイブの左肩に装着されたワッツアップサウンダーと呼ばれるゲーマの一部からエネルギーの詰まったボムが発射され、ボムは八重に直撃した。

 

 「うああああああ!」

 

 八重の身体からゼノ細胞が飛び出し、ブレイブはそれをガシャコンソードで切り裂いて消滅させた。

 

 「フッ…」

 

 ブレイブは変身を解除した。

 

 

 「行くぜ!なのは!フェイト!はやて!」

 

 「うん!」

 

 三人は上空でエネルギーのチャージを始め、電王は冬夜と戦い始めた。

 

 しかし、冬夜は反撃出来ず、電王の攻撃を受けるばかりだった。

 

 「おいおい、勘弁してくれよ」

 

 「違うよ先輩、彼弱くなってるんだから」

 

 「おっと、そういやそうだったな。手加減って難しいぜ」

 

 「ク…僕が負けるはずは無いんだ…!」

 

「ああ、そうか。だけどな、俺はそんなん知ったこっちゃねえんだよ!」

 

 電王は向かってくる冬夜を殴り飛ばした。

 

 「いいか、よく聞け。テメエがどんな力を手にしようが構わねえ。だけどな、力には使い方ってもんがあんだよ。後、力相応の心の器ってもんが必要だ」

 

 「心の…器…?」

 

 「ああそうだ。テメエは好き勝手やってる様だが、果たしてお前はそれでいいのか?テメエが転生した理由はなんだ?お前がもう一度命を授かった理由をよく考えてみろ!」

 

 「エネルギー充填完了!」

 

 「いつでも行けるよ!」

 

 上空からなのはとフェイトが上から言った。

 

 「おし!いっちょ決めてやる!俺達の必殺技、part Climax!」

 

 「With Magical Girls!やで!」

 

 『FULL CHARGE 』

 

 電王はライダーパスをベルトにかざしてエネルギーを溜め、デンガッシャーを冬夜に投げつけて冬夜の身体を固定し、なのは達三人よりも大きく飛び上がった。

 

 「行くよ!二人共!」

 

 はやてとフェイトは強く頷き、三人はデバイスで三つの光の輪を重なり合う様に作った。

 

 『SCANNING CHARGE!』

 

 「はあああああッ!」

 

 三人は巨大な集束魔法を作り上げ、冬夜に狙いを定めた。

 

 あまりの魔力で三人の髪が激しくたなびく。

 

 「セイヤーーーッ!」

 

 叫び声と同時に巨大な魔法光線を放ち、電王も最高到達点で姿勢を変え、ライダーキックを放った。

 

 「僕が…僕が負ける筈は無い…!お前達は僕に負けなくてはならない!」

 

 言葉の途中で冬夜に魔法が当たりそうになり、冬夜は魔法の壁を作って防いだ。

 

 「例え魔法が無くなったって、スマホが無くなったって負けるものか!」

 

 「うるせー!」

 

 電王はライダーキックで魔法の中に突っ込んで冬夜の出した魔法の壁を破り、ライダーキックと魔法を冬夜に直撃させた。

 

 そして、冬夜から出た悪いゼノ細胞を電王は拳で消し飛ばした。

 

 「本当に強いんならこんなもんに操られてるんじゃねえってんだよ」

 

 そう言って電王はベルトを取り、イマジン達も四人に戻った。

 

 「まっ、こいつらも歴史が元に戻りゃ力も戻んだろ」

 

 「ところでなのはさん、さっきの三人の技は?」

 

 ウラタロスは降りてきた三人の方を向いて言った。

 

 「三人の集束魔法を合体させて見たんだよ。光の輪で狙いを定めて、そこから一気にドーン!って感じ」

 

 「凄くカッコイイじゃん!」

 

 「技名みたいなんはあるんか?」

 

 キンタロスは腕を組みながら聞いた。

 

 「そうだね…スキャニングトリプルチャージ、かな」

 

 (…センス無ぇ〜)

 

 イマジン達はそんな事を思いながらも口にはしなかった。

 

 そして、なのは達やエグゼイド、ゲンムも変身を解除した。

 

 「あれ、そう言えばディアーチェ達はどこいったん?」

 

 「気合い入れてた割には戦ってなかった気が…」

 

 すると、遠くからディアーチェ達四人が飛行してきた。

 

 「おーい、そっちは終わったかー?」

 

 「ディアーチェ、今までどこ行っとったん?」

 

 はやてはディアーチェの方を見て聞いた。

 

 「どこ行ったも何も、戦う前にお主らが全部戦う相手を取るから、我らは仕方なく救助活動をしていたんだ」

 

 「さー戦うぞ!ってなったら相手がどこにもいないしさ〜」

 

 「もう仕方ないから消火活動してようって事になりまして」

 

 「あ、ご、ごめんね!皆すぐ先頭に移っちゃったからさ!」

 

 「…まあ良いわ。して、こいつらはどうするんだ?」

 

 ディアーチェは冬夜や八重達の方を見て言った。

 

 「ここがこいつらの世界みたいだし、ここで放置でもいいんじゃねえのか?」

 

 大我がぶっきらぼうに言った。

 

 「うーん、こんな所で放置しとくのもアレだけど…」

 

 「どうせ歴史が元に戻ればどうにでもなる。別の人間や転生者が残ってるならデンライナーで元の世界なり元の時間なりに戻せばいいだろ」

 

 飛彩はデンライナーを見て言った。

 

 「そうだね。さっさと終わらせて、この異変を終わらせよう!」

 

 一同はデンライナーに乗り込み、デンライナーは時空間の中を駆け抜けて行った。

 

 

 

 

  

 




今回はここまでです。

いせスマファンごめんよ…

次回は動物と動物のアイツ!

次回もお楽しみに!


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ともだち

今回は少し良い話(風にしたい)

例のごとく前後編になるでしょうな


デンライナーは境界を通り抜け、次の世界へと向かっていた。

 

 「お疲れ様です〜」

 

 「おう、悪いなナオミ」

 

 「おっ、すまんなナオミ」

 

 「ありがとね、ナオミちゃん」

 

 「いえいえ〜!」

 

 ナオミはモモタロスやディアーチェ、なのはにそれぞれオリジナルブレンドのコーヒーを渡した。

 

 「零も、元に戻れて良かったね」

 

 「うん、ありがとうウラタロス」

 

 「やっぱこっちの方が良いわね」

 

 後ろの方では、百合が大人に戻った零をぐるりと見ていた。

 

 ウラタロスは零の肩を叩きながらナオミからコーヒーを受け取ってすすった。

 

 「はい、どーぞ!」

 

 「ありがとうございます、ナオミさん」

 

 そう言って零はコーヒーを受け取った。

 

 「んもー!別に敬語は使わなくたっていいんですよー!」

 

 ナオミはふくれっ面になりながら言った。

 

 「ごめんごめん、どうにも慣れなくて」

 

 零は後頭部を掻きながら言った。

 

 「ねーねーキンちゃん、そのコーヒー何が入ってるの?」

 

 リュウタロスはキンタロスのコーヒーを覗き、上目遣いをしながら聞いた。

 

 「これか?何やろなぁ?…おっ、オレンジや。今日も美味しいで、ナオミ」

 

 キンタロスはナオミの方を見て手を振った。

 

 ナオミもそれに気付いて笑顔で手を振り返した。

 

 「リュウタのは何が入っとるんや?」

 

 「何だろう?…あっ!グレープだ!」

 

 「そっちも美味そうやなぁ」

 

 キンタロスはリュウタロスのカップを見て言った。

 

 「言えば作ってもらえるんじゃない?」

 

 「そうやな。まだ今度作ってもらおか」

 

 そう言ってキンタロスはカップをテーブルに置き、いびきをかいてソファーで寝始めた。

 

 「ブレイブはやっぱり甘い物しか食べれねえのか?」

 

 大我は飛彩の食べているケーキを見て言った。

 

 「いつでもオペが出来るように万全の体制を取っているだけだ」

 

 「フッ、大概にしとけよ」

 

 そう言って大我は角砂糖が五つ入ったカフェ・オ・レを飲んだ。

 

 「オタクも人のこと言えねーんじゃねーのか?」

 

 貴利矢は大我の方を見て言った。

 

 「今日はこれが飲みたかっただけだ」

 

 「そうですか、っと」

 

 貴利矢はそう言ってキンタロスの横に座った。

 

 「美味いなこのコーヒー!」

 

 パラドは自分のカップに入ったコーヒーを見ながらナオミに言った。

 

 「ありがとうございます。気合を入れて作りました!」

 

 「だろ?ナオミのコーヒーは世界一!いや、時間一美味いんだぜ」

 

 「……」

 

 「……」

 

 「センパイ、今のは結構サムイよ」

 

 ウラタロスが沈黙を破って口を開いた。

 

 「うるせー!言われなくても分かってたわ!」

 

 「それでオーナー、次は何の世界なんだ?」

 

 「次は…おや?どうやら人間がいらっしゃらない?」

 

 それを聞いて一同は一斉にコーヒーを吹き出した。

 

 「人間がいねえだと!?どう言う事だ!?」

 

 「正確には、滅んだ、と言う表現の方が正しいでしょう。人間がいた痕跡はかなり多く見られます」

 

 「建物とか、車はあるってこと?」

 

 「その通りです、ウラタロスくん。言葉で説明するよりは見てもらった方が早いでしょうが」

 

 デンライナーは時の空間を離れ、その世界に停車し、零達やモモタロス達はデンライナーから降車した。

 

 「ここがその世界?」

 

 零は周りを見渡して言った。

 

 周りには気や草が生い茂り、何年も手をつけられていないように感じる。

 

 「…人間がいない、ってのは確かみてえだな」

 

 「あっ!なんか看板があるよ!」

 

 リュウタロスは遠くの方に小さな看板を見つけ、一同はそこに駆け寄った。

 

 看板は色褪せ、もはや地図もボロボロだった。

 

 「J…a…ジャ…ジャパリパーク?」

 

 「変な名前やのう」

 

 「もしかしたら、そう言う名前の公園だったのかもね」

 

 「寂しいな、遊びに来る人がいないなんて…」

 

 「リュウタ…」

 

 「管理人は…う〜ん?苗字のとこが消えてやがんな…」

 

 「あっ、でも名前は残ってた。…たつきさん、って人が管理をしていたみたいだね」

 

 なのははモモタロスの横で「たつき」と書かれた名前を指さして言った。

 

 「凄いよこの人。清掃とか、餌やりも全てこの人がやってたみたい」

 

 フェイトは看板を見て言った。

 

 「じゃあ、なんでこんな事に…?」

 

 「もう少し歩いてみようよ。何か見つかるかもしれないし」

 

 ウラタロスに言われ、一同は歩き始めた。

 

 だが、リュウタロスは座って景色を見ていた。

 

 「リュウタ、行くよ」

 

 「…ごめん、カメちゃん、皆と先に行ってて。あとで追い付くからさ」

 

 「…ちゃんと後で来いよ、小僧」

 

 「……」

 

 モモタロス達は先に進み、リュウタロスは一人地面に座って誰もいない公園を眺めていた。

 

 「……」

 

 リュウタロスはヘッドホンに手を当て、音楽をかけた。

 

 『いーじゃん!いーじゃん!いーじゃん!すげーじゃん?!』

 

 リュウタロスはいつもの様に他人を操ってリュウタロスダンサーズを呼び出そうとしたが、誰も来なかった。

 

 「……」

 

 仕方なく、リュウタロスは一人で踊ることにした。

 

 何だかいつもより音楽が虚しく聞こえる。

 

 「…今はいいや」

 

 リュウタロスは音楽を止め、地べたに座り、寝転んだ。

 

 空は普通の世界と同じように青く晴れ、雲はゆっくりと流れている。

 

 「…誰もいないって、寂しいな」

 

 誰にも聞こえないような小さな声でリュウタロスは呟いた。

 

 「おい、お前、こんなとこで何してんだ?」

 

 すると、熊の被り物を被った女の子がリュウタロスの顔を覗き込んだ。

 

 「…わあああ!?」

 

 「うわあああ!?」

 

 リュウタロスは驚いて女の子から飛び退いてバランスを崩して転び、女の子もその叫び声に驚いて尻餅をついた。

 

 「……」

 

 「……」

 

 「……ぷっ」

 

 「あははははは!」

 

 二人は同時に吹き出し、腹を抱えて笑い転げた。

 

 「なっ、何驚いてるんだよ〜!あっはははは!待ってお腹痛い!あはっ、あははははは!」

 

 「そっ、そっちだって転んだじゃん!あははははは!」

 

 二人は少しの間ずっと笑い転げ、その後に何回か深呼吸をして落ち着いた。

 

 「ところで、お前どこから来たんだ?この辺りじゃ見ない顔だけど」

 

 「僕?僕は、時の列車に乗ってここに来たんだ」

 

 「とき?れっしゃ?…う〜ん、トキって、鳥のトキか?」

 

 「違うよ、時間の事」

 

 「ふ〜ん…お前、名前は?私はヒグマ」

 

 「僕はリュウタロス。よろしくね、ヒグマのおねーちゃん」

 

 「ああ、よろしくな、リュウタロス」

 

 そう言ってヒグマはリュウタロスと握手を交わした。

 

 「ここには君しかいないの?」

 

 「いや、他にも仲間はいるよ。…そうだ、リュウタロスにもあの人に会わせてあげよう。きっと驚くぞ」

 

 ヒグマは笑って言った。

 

 「そんなに驚く様な人なの?」

 

 「ああ!空も飛べるし、木登りも上手いし、それにりょうりもうまいんだ!」

 

 ヒグマは目を輝かせて言った。

 

 「へぇ〜!僕も会ってみたいな」

 

 「よし!じゃあ着いてこい!」

 

 ヒグマはリュウタロスを連れて仲間の元に向かった。

 

 「そう言えば、ヒグマが持ってるその棒は何?」

 

 リュウタロスはヒグマが担いでいる棒を見て言った。

 

 「これか?これは私の武器だ」

 

 「何かと戦う事もあるの?」

 

 「ああ。セルリアンって言って…全部話した方が早いな」

 

 ヒグマは道中、セルリアンやジャパリパーク、そしてかばんと呼ばれたヒトの活躍やフレンズについて色々話した。

 

 「とまあ、こんな感じだ」

 

 「かばんって人凄いね!僕にはとても出来ないや…」

 

 「別に出来なくたって大丈夫さ。お互い違うんだしさ、お互いに出来ることをすればいい」

 

 「そっか」

 

 「…っと、着いたな。キンシコウ、リカオン、客人だ」

 

 ヒグマはキンシコウとリカオンと呼ばれたフレンズに言った。

 

 「おかえり、ヒグマ」

 

 「…そちらは?」

 

 リカオンと呼ばれた白いネコ耳の様な物を生やした銀髪の女の子は、キンシコウと呼ばれたオレンジ色の水着の様な服を来た女の子の後ろに隠れて言った。

 

 「僕はリュウタロス。よろしくね、えっと…」

 

 「あっ、私がリカオンです…」

 

 「そこで言うんじゃなくて前に出て言いなさいよ」

 

 「は、はい…でも…」

 

 「でも?」

 

 ヒグマとキンシコウは声を合わせて言った。

 

 「…そ、その、顔が怖くて…」

 

 「ええっ!?ぼ、僕そんなに顔怖い!?」

 

 リュウタロスはヒグマとキンシコウの方を交互に見て言った。

 

 「…うーん、怖いか、と聞かれたら怖くない、とは言い切れないな」

 

 「私は平気ですけどね」

 

 「そっか…」

 

 リュウタロスは肩を落として言った。

 

 「そんなに落ち込まないでよ、リュウタロス」

 

 すると、キンシコウとリカオンの後ろから聞いたことのある声が聞こえた。

 

 「…!確か、映司!火野映司!」

 

 「久しぶりだね、リュウタロス」

 

 二人の後ろに歩いてきたのは火野映司と呼ばれる青年だった。

 

 「あれ、お前達知り合いだったのか?」

 

 ヒグマはリュウタロスと映司を見て言った。

 

 「うん、ちょっと前にね。それにしても驚いたなぁ、リュウタロスが来たなんて。他の皆は?」

 

 「モモタロスやカメちゃんの事?それならどっか歩き回ってるよ」

 

 「今は一緒にいないのか〜、まあいいや。リュウタロス、ちょっと手伝ってくれない?」

 

 「良いけど…何を?」

 

 「セルリアン退治。ここ最近多いみたいでさ…」

 

 

 




今回はここまでです。


次回も張り切っていくぞ!


後書きや前書きでしょーもないこと書きたい!


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セルリアンとメダルとカード

久しぶりに行くぜ行くぜ行くぜぇ!


「セルリアン退治?」

 

 「そう。セルリアンの事は聞いた?」

 

 「うん。ヒグマのおねーちゃんから色々聞いたよ。かばんのおねーちゃんの事とか、セルリアンと色々あったって」

 

 「そっか。それじゃあ単刀直入に聞くよ。セルリアン退治、手伝ってくれるかな?」

 

 「…セルリアンとは仲良くなれないの?」

 

 「……一番良いのはそれなんだけどね…」

 

 「セルリアンは私達フレンズの天敵だし、仕方ない」

 

 「そっか…」

 

 リュウタロスは少し項垂れた。

 

 「ごめん、リュウタロス」

 

 映司は深く頭を下げた。

 

 「映司が謝る事じゃないよ」 

 

 「でも、アンクが聞いたらきっとこう言うよ、お前はこれっぽっちの事も出来てないのか、って」

 

 映司は苦笑いをして言った。

 

 「映司…」

 

 「とにかく、今はセルリアンを退治しないと。ジャパリパークの平和だけでも取り戻さないとね」

 

 「うん!」

 

 「ああ!」

 

 「私達も頑張らないと!」

 

 「はい!」

 

 映司、リュウタロス、フレンズ達が意気込みを入れたところだった。

 

 突如地響きがし、森の奥から大きな足音が聞こえた。

 

 どうやらこちらに向かってきている様だ。

 

 「これは…!?」

 

 「走れ!」

 

 ヒグマの声で一同は森の外へ駆け出した。

 

 「あっ!」

 

 すると、途中でリカオンが転んだ。

 

 「リカオン!」

 

 ヒグマが叫んだ。

 

 『タカ!ウナギ!バッタ!』

 

 どこからか二本の触手が飛び出し、リカオンの身体に巻き付かせ、引き寄せた。

 

 「大丈夫?」

 

 触手の主は、映司が変身した仮面ライダーオーズ・タカウバの腕の触手だった。

 

 「助かりました」

 

 タカウバはリカオンを降ろし、変身を解除した。

 

 「このまま走らないの?」

 

 「なるべくオーズの力には頼りたくないからね」

 

 「映司らしいや」

 

 「話してる場合か!早く走れ!」

 

 ヒグマに言われ、映司、リュウタロス、リカオンは走り出した。

 

 そして、森を抜け出した。

 

 その後ろにいたのは、十m程のセルリアンだった。

 

 「ーーーーーーーッ!」

 

 セルリアンは声にならない雄叫びをあげた。

 

 「行くよ、皆」

 

 「ああ!」

 

 「リュウタロスも」

 

 「うん!」

 

 ヒグマ達は武器を構え、リュウタロスと映司はベルトを巻いた。

 

 映司は赤、黄色、緑のメダルを挿入し、オースキャナーと呼ばれるアイテムでメダルをスキャンし、リュウタロスはベルトの紫のボタンを押してライダーパスをかざした。

 

 「変身!」

 

 『Gun form』

 

 『タカ!トラ!バッタ!タットッバッ!タトバッ!タットッバッ!』

 

 リュウタロスの身体にはガラスの破片の様な物が集まって電王になり、紫色が基調となったパーツが付き、顔には紫色の龍を象ったマスクが駅に止まる電車の様に付き、仮面ライダー電王ガンフォームに変身した。

 

 映司の顔、胸、腰の周りを色とりどりのメダルが回り、上からタカ、トラ、バッタのメダルが前にスロットのように止まり、一つのオーラングルとなって映司の身体に付き、仮面ライダーオーズ・タトバコンボに変身した。

 

 「はあっ!」

 

 タトバとガンは武器を構え、セルリアンの方を向いた。

 

 「ーーーッ!」

 

 セルリアンも雄叫びをあげ、タトバ達の方に向かってきた。

 

 「バァン!バァン!」

 

 ガンはデンガッシャーでセルリアンに銃撃を食らわせた。

 

 効果はあるようで、少しずつセルリアンの身体が削れていった。

 

 「でやあああっ!」

 

 ヒグマも大きく飛び上がり、セルリアンとすれ違いざまにセルリアンの身体を切り裂いた。

 

 「ーーーーーーーッ!」

 

 セルリアンは悲鳴をあげ、尻尾でリカオンを吹き飛ばした。

 

 「きゃっ!」

 

 「リカオン!」

 

 リカオンが吹き飛ぶ先には鋭く尖った枝があった。

 

 「リカオンちゃん!危ない!」

 

 『ライオン!トラ!チーター!ラトラタ!ラトラーター!』

 

 オーズはメダルを入れ替え、黄色い三つのメダルをスキャンし、ラトラーターコンボに変身した。

 

 「はっ!」

 

 ラトラーターはチーターの瞬足の能力を発揮させ、リカオンが木の枝に触れるよりもはやくリカオンを助け出した。

 

 「あ、ありがとう…」

 

 「気にしないで。怪我はない?」

 

 「はい…」

 

 「それなら良かった」

 

 ラトラーターはリカオンを降ろした。

 

 「さ、行こう、リカオンちゃん」

 

 「はい!」

 

 リカオンも力強く大地を踏みしめ、大きく飛び上がった。

 

 「たあああっ!」

 

 「はああっ!」

 

 ラトラーターとリカオンは同時に飛び上がり、ラトラーターはトラの爪を発揮させ、リカオンと同時にセルリアンに斬撃を食らわせた。

 

 その斬撃でセルリアンの前足が一本取れ、セルリアンは一瞬バランスを崩した。

 

 「今だ!キンシコウ!」

 

 「はいッ!」

 

 キンシコウは持っていた如意棒の様な武器を頭上で両手で振り回し、セルリアンに強い一突きを食らわせ、セルリアンは大きな地響きを鳴らしながらバランスを崩した。

 

 「今だ!二人共!」

 

 ヒグマはガンとラトラーターの方を向いて言い、二人は頷いた。

 

 『SCANNING CHARGE!』

 

 『FULL CHARGE!』

 

 ラトラーターはオースキャナーでもう一度メダルをスキャンしてエネルギーを貯め、ガンはライダーパスをベルトにかざし、デンガッシャーの銃口にエネルギーを貯め、銃口をセルリアンの弱点である石に向けた。

 

 「はぁぁぁぁー!セイヤーーーーッ!」

 

 「バァン!」

 

 

 ガンがエネルギー弾をセルリアンに放ち、その後にラトラーターが三つの光の輪を潜りながら更にエネルギーを貯めて、そのエネルギーをトラの爪で一気に解放し、セルリアンの身体を貫いた。

 

 石は砕かれ、辺りにはセルリアンの破片とセルメダルが降り注いだ。

 

 「これって…」

 

 ガンは落ちたセルメダルを拾い上げて呟いた。

 

 「どうやら、このセルリアンはセルメダルにサンドスターがついたやつだったみたいだね」

 

 ラトラーターは変身を解除しながら 言った。

 

 ガンもベルトを外してリュウタロスに戻った。

 

 

 

 

 「今日はありがとな!リュウタロス!」

 

 「まさか、映司さんと同じ様な方だったとは…」

 

 「それは私も驚きました」

 

 「まだ僕達以外にもいるもんね、ライダー」

 

 「うん。皆凄く強いんだ」

 

 「私達もいつか会って、戦ってみたいな」

 

 「まだオーズにも勝てないんでしょ」

 

 「こっ、これから勝つんだよ!」

 

 「勝てると良いですけどねぇ」

 

 「おいキンシコウ、今からやりやってもいいんだぜ」

 

 ヒグマは武器を握りながら言った。

 

 「冗談ですよヒグマ」

 

 ヒグマとキンシコウは談笑していた。

 

 「そう言えば、映司は元々ここにいたの?それとも誰かにここに連れてこられたの?」

 

 リュウタロスはずっと気になっていたことを聞いた。

 

 「ああ、それは───」

 

 「そこにいたかリュウタロス!」

 

 突如、聞きなれない声が聞こえ、一同はその方を向いた。

 

 その先には、見慣れない格好をした男が浮いていた。

 

 「誰だ?」

 

 「貴様に名乗る名は無い…はっ!」

 

 男はリュウタロスに向けて光線を放った。

 

 リュウタロスは避ける間もなく、光線に直撃した。

 

 「うわああああああ!」

 

 「リュウタロス!」

 

 映司はリュウタロスに手を伸ばした。

 

 「もう遅い…」

 

 リュウタロスは一枚のカードに変わり、男の手元に行った。

 

 「お前達は辺境の世界で一生指をくわえて見ていろ」

 

 男は空に穴を開き、リュウタロスのカードと一緒に十数枚のカードをその穴に入れた。

 

 「フハハハハハハ…さらば、仮面ライダー…!さらば…ウルトラマン…!」

 

 そう言うと、男はそこから姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

果たして次の世界はどこになるのか…

次回もお楽しみに!


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出来すぎた物語(前編)

久しぶりでいっ!
テストも終わったしまたのびのびと投稿できるぞう!


「うわああああああ!」

 

 カードとなったリュウタロスは男の作った異次元空間の中を彷徨っていた。

 

 すると、リュウタロスのカードの横に赤いカード、青いカード、そして黄色いカードの三枚が現れた。

 

 「おい!小僧か!?」

 

 「リュウタ!大丈夫?」

 

 「すまんなぁリュウタ」

 

 三つの声はとても聞き覚えがあった。

 

 宿主の良太郎よりも聞き、耳にタコが何個も出来るほど聞き、とても安心する声が聞こえた。

 

 「モモタロス!カメちゃん!クマちゃん!」

 

 赤いカードはモモタロス、青いカードはウラタロス、黄色のカードはキンタロスが変化していたものだった。

 

 三人のカードには[MOMOTAROS-IMAGIN IMAGIN]や[URATAROS-IMAGIN IMAGIN]のように名前が書いてあった。

 

 リュウタロスも例外ではない。

 

 「三人とも無事だったの!?」

 

 リュウタロスははやる気持ちで三人に聞いた。

 

 「無事、っちゃあ無事だけどよ…」

 

 「無事ではないよね」

 

 「身体はピンピンしとるがな」

 

 キンタロスがそう言った後、カードから何かを叩くような音がした。

 

 恐らく、キンタロスが四股を踏んだのだろう。

 

 「ま、キンちゃんの言う通り、僕達はカードにされたって訳だけど、普通に動けるから、カードに入れられた、って言うのが正しいね」

 

 「あ、ホントだ。動ける」

 

 リュウタロスはカードの中で手や腕を動かしてみた。

 

 確かに動いている感覚はある。

 

 視覚や聴覚などの五感のどれかが無くなったと言う訳でもなさそうだ。

 

 とは言え、現状がどうにかなると言う訳でもない。

 

 「そうだ、皆、ナオミちゃんやオーナー達はどうしたの?」

 

 リュウタロスは三人に聞いた。

 

 「お呼びしましたか〜?」

 

 「呼ばれたので来ましたよ〜」

 

 「うおっ!びっくりした!急に来んなよオッサン!」

 

 モモタロスとウラタロスのカードの間からオーナーとナオミのカードが飛んできた。

 

 二人のカードにも[NAOMI HUMAN]と[DENRINNR-OWNER HUMAN]と書かれていた。

 

 カードに入れられた人の名前の後に種族名が来るらしい。

 

 二人はカードの中でモモタロス達に手を振った。

 

 「まあまあ、そう言わんといてや」

 

 「私達も無事だから、安心して、リュウタロス」

 

 「現状カードだけどね」

 

 はやてやなのは、フェイトも カードとなって飛んできた。

 

 「なあ…一つ聞いても良いか?」

 

 すると、後ろの方からディアーチェの声が聞こえた。

 

 「どうしたん?ディアーチェ」

 

 「……どうして我だけセーラー服なのだ!しかも少し小さい!」

 

 ディアーチェのカードはユーリやレヴィと一緒に飛んできた。

 

 「あっ、しかもよく見たらレアリティ高い」

 

 ディアーチェのカードの左上には「SR」の文字が入っていた。

 

 「それになんか全体的に光ってるね」

 

 「うー、私もSRになりたかった…」

 

 「バカじゃないの?」

 

 「あの二人はさておき、これで全員揃ったんか?」

 

 「おいおい、俺を忘れないでくれよ」

 

 「あっごめんガイさん…ガイさん!?」

 

 飛んできたカードにはウルトラマンオーブのオーブオリジンが描かれていた。

 

 「あっ!これUR!ディアーチェよりレアリティ高い!」

 

 スバルが後ろからカードのレアリティを確認した。

 

 「くっ、負けた!」

 

 「いや何がですか」

 

 シュテルは冷静なツッコミを入れた。

 

 「それで、今どこに向かってるんだ?」

 

 「………さあ?」

 

 モモタロス以外の全員が首を傾げた。

 

 「結構シャレにならねえじゃねえかおい!」

 

 

 

 「ああああああああああ!」

 

 零と百合の二人が入ったカードはリュウタロス達とは別の場所に転送され、高速で落下していた。

 

 「んげっ」

 

 「あうっ」

 

 二人が入ったカードは地面に激突した衝撃で二人を吐き出し、二人はカードから脱出した。

 

 「あ痛たた…」

 

 零は腰を擦りながら言った。

 

 「ここは…?」

 

 二人の周りは真っ暗で、入ってくる光は上の方にある鉄格子のような窓から見える月の光しかなかった。

 

 「何よ…ここ…」

 

 「まるで牢獄だな…」

 

 零は大きくジャンプして鉄格子に捕まり、そこから見える景色を見た。

 

 「…!!百合!外見て、外!」

 

 零はそう言いながら鉄格子から手を離し、着地した。

 

 「外?」

 

 百合も大きくジャンプして零と同じように景色を見た。

 

 「……ぬわんじゃこりゃあ!?宇宙!?」

 

 二人が閉じ込められていたのは宇宙のどこかにある施設だった。

 

 「百合、どっか知ってる惑星ある?」

 

 「そうね…あ!向こうの方に土星が見えるわ!」

 

 「土星か…よし!とりあえず太陽系に絞れた!」

 

 「地球からそう遠くなさそうで良かったわね」

 

 「めちゃくちゃ遠い辺境の星とかじゃなくて良かった」

 

 零は安堵のため息を吐いた。

 

 「さて、こっからどうする?」

 

 「どうするったって…ここから出るしかないでしょ。なのはさん達とはぐれちゃったし、ここが何なのかも確かめないと」

 

 「そうだな。百合、境界は出せる?」

 

 「ちょい待って…」

 

 百合は境界を出そうとした。

 

 「……?」

 

 しかし、何度やっても境界は出現せず、やむなく諦めた。

 

 「ダメ、出ない」

 

 「しょうがねえな…変わってみ」

 

 零は百合を横に退くように言い、身体を丸めて高速回転を始めた。

 

 辺りには風が吹き荒れ、百合も思わず腕で顔を覆った。

 

 「ハァッ!」

 

 零は高速回転で壁に突撃した。

 

 壁は粉々に砕かれ、ガラガラと音を立てて壁が崩れ落ちた。

 

 「よし、さっさと行こう」

 

 「うん」

 

 百合は頷き、二人はその空間から脱出し、駆け出した。 

 

 

 二人が封印されていたカード、そのカードには[No.0 X-C]と[No.100 X-C]と書かれていた。 

 

 




今回はここまでです。

次回もお楽しみに!


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出来すぎた物語(中編)

久しぶりに投稿ですよっと。

不定期だし仕方ないね


施設内に足音を響かせながら、零と二人はずっと追いかけ回されていた。

 

 サイレンが鳴り響き、赤いランプが至る所で回っており、後ろでは銃を構えたショッカーの戦闘員達が二人を追いかけていた。

 

 「いたぞ!」

 

 「捕まえろ!」

 

 兵士らしき男性達が二人を指さして叫ぶ。

 

 「ここもダメ…!」

 

 「とにかく逃げるぞ!捕まったら終わりだ!」

 

 零は百合の手を引き、横に曲がって、前方から来ていた兵士達とショッカー達を互いに突撃させ、足止めした。

 

 「今の内に!」

 

 「ええ!急ぎましょう!」

 

 二人はすぐ先にあったエレベーターに駆け込み、零はドアを閉じるボタンを押した。

 

 「アンタらに用は無いのよ!」

 

 百合は入ろうとしてきたショッカー達を蹴飛ばし、その直後にエレベーターのドアが閉まった。

 

 

 

 安堵のため息を吐く二人を、ショッカー二十世はずっとモニターで見ていた。

 

 「ここまで脚本通りだよ、零君、百合君。いや、ナンバーゼロとナンバーハンドレッド。君達を生み出して良かった…本当に良く育ってくれたよ二人共…さあ、帰ってこい…!」

 

 ショッカー二十世はモニターの前で手招きをし、目を妖しく光らせた。

 

 

 

 一方、モモタロス達一同のカードはどこかの公園に落下していた。

 

 「痛たた…一体何が…」

 

 モモタロスはカードの中から見渡せる限り見た。

 

 「どうやら、公園みたいだね」

 

 「何でそんなこと分かんだ?カメ公」

 

 「ほら、あそこに遊具が見えるじゃない」

 

 「ああん?どっちだ?」

 

 「センパイがプリンを食べる時にスプーンを持つ方の手の方だよ」

 

 「なるほど!」

 

 モモタロスは言われた通りの方向を見た。

 

 そこには大きなペンギンの形をした滑り台が立っていた。

 

 ウラタロスの言う通り、ここは公園で間違い無さそうだ。

 

 「ここをぐるっと見渡すと柵も立ってるし、入口みたいな所にもネームプレートがよく貼ってある石柱もあるしね」

 

 「流石カメちゃん!」

 

 「流石やのう、カメの字」

 

 「まあね。とは言っても、ますこの状況をどうにかしないといけないけど」

 

 ウラタロスがそう言った瞬間、全員のカードが宙に浮かび上がった。

 

 否、浮かび上がっているのではない。

 

 何者かに拾われたのだ。

 

 「こんなところで何やってんだ?モモタロス」

 

 一人の男がカードとなったモモタロス達を見ながら言った。

 

 「ああっ!て、テメエは!」

 

 モモタロスはカードの中でその男を指さした。

 

 「門矢士!」

 

 「よっ、久しぶりだな」

 

 士と呼ばれた男は額から二本の指を弾いて挨拶した。

 

 「で、一体何があったんだ?」

 

 士は滑り台にもたれながらモモタロス達に話を聞いた。

 

 「ああ、実は…」

 

 モモタロス達は事の成り行きを簡潔に話した。

 

 「それで、今に至るって訳か」

 

 「なあ、どうにか助けてくれねえか?士」

 

 「そうは言ったってな…ライダーカードなら兎も角、こんな訳の分からないカードじゃ変身も召喚も出来ないな」

 

 「アイツじゃダメなのか?確か…ディ…ディ…ディーゼル!」

 

 「ディエンドだよ、センパイ。海東の持つディエンドライバーでも無理?」

 

 「恐らくな…ここの世界で俺達以外にカードを使える奴でもいればどうにかなるんだろうがな」

 

 「じゃあ、まずはその人を探して、元通りにしてもらおうよ。動けなきゃ意味無いし」

 

 「リュウタロス君の言う通りや。ほな、早速動こか、士」

 

 「ああ、分かった、はやて」

 

 士はカードが痛まないよう、変身用のカードがしまってあるホルダー、ライドブッカーとは別のホルダーを用意し、その中にモモタロス達のカードを入れた。

 

 「スリーブにでも入れるか?」

 

 「この状態でも少し苦しいからなあ、要らんわ」

 

 「そうか」

 

 士はそう言い、ホルダーの中にモモタロス達をしまい、ホルダーを服のポケットに入れた。

 

 「とは言っても、どうやって探すんだ?そいつ」

 

 「むやみやたらに歩く訳にもいかないしね。こっちから待ってみる?」

 

 「待ってても来なきゃ意味が無いだろう、待ち合わせた訳でも無かろうに」

 

 「それはそうだけどさ…」

 

 「でも、今は探す他無いでしょう。それに、この街の事を俺達はあまり知らない」

 

 カードの中でガイが腕を組んで言った。

 

 「それもそうだな。俺も今さっき来たところで、あまりここを知らないんだ」

 

 「決まりだね。早速動こうよ」

 

 「おっし」

 

 士は早速公園から出た。

 

 「ここは…友枝中央公園と言う名前だったんだね」

 

 ウラタロスが公園の名前を確認した。

 

 「あのデカイペンギンが目印みたいだな」

 

 士はペンギン滑り台を見ながら言った。

 

 「キャーッ!」

 

 すると、遠くの方で悲鳴が聞こえた。

 

 「早速おいでなすったか…行くぞ!」

 

 士はヘルメットを被り、マゼンダのバイクに乗り込み、エンジンを吹かせて走り出した。

 

 そして、士はベルトを腰に巻き、ライドブッカーからマゼンダ色のライダーのカードを取り出した。

 

 「変身!」

 

 士はカードをベルトに挿入し、片手でベルトを回して変身した。

 

 『カメンライド!ディケイド!』

 

 音声と同時に透明のカーテンと九つのアイコンが現れ、カーテンを突き破ると同時に透明のライダーの幻影が現れ、士に同化し、仮面ライダーディケイドに変身した。

 

 「飛ばせぇ!士!」

 

 「言われなくても分かってる!」

 

 人々が逃げ惑う中、破壊者は一人その中に立ち向かっていった。

 

 

 「だめ…!どのカードも通用しない…!」

 

 一人の少女は 四体の怪人達に手を焼いていた。

 

 「頑張るんやさくら!ここで負けたら終わりやで!」

 

 「そんなこと言われたってぇ〜!じゃあケロちゃんは何かアイデアでもあるの?」

 

 「んなもんあらへんっ!」

 

 「ちょっとは考えててよぉ〜!」

 

 さくらと呼ばれた少女が、ケロちゃんと呼ばれた羽根の生えた謎の生物と会話している間にも怪人達は街を破壊していた。

 

 「このーっ!」

 

 さくらは一枚のカードを使い、怪人達を攻撃した。

 

 しかし、効果は無いようで、寧ろ怪人達の怒りを買ってしまった様である。

 

 「コロス…ジャマヲスルモノハコロス…!」

 

 「コロシテクレヨウ…コロシテクレヨウ…!」

 

 怪人達はじりじりとさくらに向かって来ていた。

 

 「ほえ…どうしよう…ケロちゃん助けて!」

 

 「おう任せとけさくら!こんなやつら簡単に───」

 

 生物が一体の怪人に向かっていった。

 

 怪人は生物の頭を掴み、生物を睨んだ。

 

 「オレタチガ…ナンダッテ?」

 

 「なんでもないでーす…」

 

 生物は怪人の手から離れ、さくらの元に戻った。

 

 そして、一息吐き、怪人達の方を向いた。

 

 「今日はこの辺にしといたるわ!」

 

 「ケロちゃん何もしてないでしょー!怖くなって帰ってきたんでしょー!おバカ!おバカ!おバカ!おバカ!」

 

 「いや、んなこと言われたってなぁ」

 

 「ゴチャゴチャウルサイヤツラダ…サッサトタベテヤル!」

 

 そう言って怪人達は一斉にさくらに飛びかかった。

 

 「きゃあーっ!」

 

 さくらは思わず頭を抑え、うずくまった。

 

 『カメンライド!ダブル!』

 

 『フォームライド!アタックライド!』

 

 不思議な音声と共に四発の光弾が四体の怪人に直撃し、怪人達はその場に撃ち落とされた。

 

 「大丈夫か?」

 

 金と青の二色のライダーに変身したディケイドは銃を手に持ちながらさくらの元へ駆け寄った。

 

 「立てるか?」

 

 「う、うん。あなたは…?」

 

 「俺は、通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

 

 ディケイドはさくらに手を伸ばし、さくらはその手を取って立ち上がった。

 

 「仮面…ライダー…?」

 

 「変な名前やなぁ」

 

 「名前なんて気にしてる暇はないぜ!」

 

 ディケイドは銃を構えて言った。

 

 「グルゥゥッ!」

 

 怪人四体が一斉に襲いかかった。

 

 「いつまでも進歩しないやつらだ」

 

 『フォームライド!』

 

 ディケイドの半身の青の部分が銀色に変わり、武器も銃から薙刀の様な武器へと変わった。

 

 「伏せろ!」

 

 ディケイドに言われ、さくらと生物は頭を押さえてうずくまり、ディケイドは武器をムチの様にしならせ、四体の怪人達を薙ぎ払った。

 

 「はあっ!」

 

 『カメンライド!ディケイド!』

 

 ディケイドは元の姿に戻り、ライドブッカーをソードモードにして怪人達に斬りかかった。

 

 怪人の攻撃をものともせず、ディケイドは怪人達に斬りこんでいく。

 

 『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

 ディケイドは大きく飛び上がり、十枚のホログラムのカード型エネルギーを出現させた。

 

 「!!」

 

 一体の怪人はその場から逃げ出そうとした。

 

 「逃がすか!」

 

 カードは自動で怪人に狙いを定め、ディケイドはカード群の中に飛び込み、右足にエネルギーを溜め、エネルギーが詰まった右足で怪人に飛び蹴りを食らわせた。

 

 そして、ディケイドが着地して立ち上がると同時に怪人は爆発した。

 

 「俺に触れると火傷じゃすまないぜ」

 

 ディケイドは怪人が立っていた場所を見ながら言った。

 

 「次はお前達がこうなる番だ」

 

 ディケイドは三体の怪人達の方を向きながら言った。

 

 「コ…コノ…!」

 

 怪人達三体はカプセルを取り出した。

 

 ディケイドはそれを見てライドブッカー・ガンモードで怪人の手元を撃ち抜き、カプセルを中身ごと破壊した。

 

 「グッ!」

 

 「悪い、こっちも急いでるんでね」

 

 『アタックライド!イリュージョン!』

 

 ディケイドはイリュージョンのカードを使って三体に分身した。

 

 「あの人も…カード使い…!」

 

 さくらは息を飲みながらディケイドを見ていた。

 

 『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

 三人のディケイドはライドブッカーの銃口を三体の怪人に向け、それと同時にカードのホログラムが現れた。

 

 そして、ディケイド達は光弾を放ち、カード群の中を通り抜けてビームになり、三体の怪人達を一掃して一人のディケイドに戻った。

 

 「こんなもんか」

 

 ディケイドは変身を解き、士へと戻った。

 

 「………!」

 

 士は自分を見ているさくらの方に気が付き、士はさくらの方を向いた。

 

 「ん?どうした?」

 

 「さっきの…仮面なんとかって言うの、とても強いですね!」

 

 さくらは目を輝かせながら言った。

 

 「凄いだろ。これでもまだ二割も出してないぜ」

 

 士は指を二本立てて得意げに言った。

 

 「とりあえず、ここからどうする?この子に話でも聞いてみる?」

 

 ウラタロスがカードの中から士に言った。

 

 「ああ。…なあ、ちょっといいか?」

 

 「はい?」

 

 「この辺で、カードになったやつを元に戻せる…なんて奴いるか?…なんて流石に…」

 

 「私それ出来ますよ」

 

 「そうそう、お前が出来るなんて事が…出来るのか!?」

 

 士はさくらを二度見した。

 

 「はい。カードさえ貸してもらえれば」

 

 「それじゃあ早速…」

 

 士はカードホルダーを取り出し、中からモモタロス達のカードを出した。

 

 「結構数があるが…いけるか?」

 

 「…いけそうか?さくら」

 

 「うん、大丈夫だよ。では少し時間をください」

 

 「ああ」

 

 士はさくらがカードを元に戻す様子を見ていた。

 

 「モモタロスイマジンさん!ウラタロスイマジンさん!キンタロスイマジンさん!リュウタロスイマジンさん!クレナイ・ガイさん!オーナーさん!ナオミさん!高町なのはさん!フェイト・テスタロッサさん!八神はやてさん!」

 

 さくらは魔法の杖でカードに書かれた名前を呼びながら一枚一枚元に戻していった。

 

 そして、数分と経たないうちに全員が元に戻った。

 

 「へへっ、ありがとな嬢ちゃん。えっと…」

 

 元に戻ったモモタロスはさくらに近付いた。

 

 「き、木之本桜です」

 

 「桜ってんのか。俺はモモタロス。言っとくが、鬼じゃねえからな?」

 

 「僕はウラタロス。宜しくね」

 

 「俺はキンタロスや。さっきの関西弁の奴はどこや?」

 

 キンタロスは生物のことを探した。

 

 「わてのことか?」

 

 生物はキンタロスの顔の前に飛んできた。

 

 「さっきのはお前やったのか。名前は何て言うんや?」

 

 「わてはケルベロスや。さくらからはケロちゃんって呼ばれてるけどな」

 

 「ケルベロスか。しかし、こんなに小さなケルベロスがどこにおんねん」

 

 「しょうがないやろ。小さいもんは小さいんやし」

 

 「そういうもんかいなぁ」

 

 「そういうもんや。それで、ずっと聞きたかったんやけど、あんたらはどうしてここに?」

 

 ケルベロスは腕を組みながら士とモモタロス達を交互に見た。

 

 「俺は色んな世界を巡って破壊された世界を修復している。とは言っても、その世界の軸となる奴を探して助けてるだけだけどな」

 

 「世界の破壊者が世界を修復とは、また面白い話だね」

 

 「面白くも何ともねえよ…まあ、俺達も似たようなもんだ」

 

 「士はどうやって世界を行き来してるんや?」

 

 はやては士の方を見て言った。

 

 「俺は龍騎の力と俺自身の力で様々な世界を修復している。世界が破壊される分岐点まで行き、世界が壊される前にな」

 

 士は仮面ライダー龍騎のカードを見せた。

 

 龍騎の持っているカードの中に一枚、[タイムベント]と呼ばれるカードがある。

 

 それを使って龍騎は過去と未来を行き来することが出来る。

 

 士も同じように過去を遡り、世界を元に戻しているのだ。

 

 「俺達もデンライナーでちょちょいっと行ってパパッと解決するだけだぜ。メンバーも頼もしい奴等だぜ」

 

 デンライナーも時の空間を走る電車。

 

 はやてやなのは達が務める時空管理局との連携で様々な並行世界を行き来して世界を元に戻している。

 

 双方ともあまり違いは無いのだ。

 

 「ねえ、少し気になった点があるんだけど…いいかな?」

 

 なのはがおもむろに口を開いた。

 

 「なんだ?」

 

 「確か、全ての世界のヒーロー、ヒロインが消されちゃったんだよね?」

 

 「ああ、その通りだ」

 

 「どうして、仮面ライダーディケイドは、残っているの?全て消されたのなら居ない筈なんだけど…」

 

 「ああ、確かに全てのヒーロー達は消え去った。ヒーローだけじゃない、その世界の人間達も全て消されそうになっていた。そして俺も消されるところだった…だが」

 

 「だが?」

 

 「見たこともない二人組の男女に助けられたんだ。ユウスケやなつみかんは助けられなかったけど、俺だけでも、って」

 

 「その二人組の顔は?」

 

 「フードに隠れていて見えなかったが、そいつらはこう言った。『いつか会える』、ってな」

 

 「変な奴らだな。まるで未来に起きることでも知ってるみてえだ」

 

 「確かに、結構不自然だよね。一体どう言う事なんだろう…?」

 

 「…とにかく、今は考えてる場合やないで!あの二人を探さな!」

 

 「それもそうだね。多分、あの二人もこの世界のどこかに飛ばされたと思うから…!」

 

 「決まりですね。そうとなれば早速行きましょう!」

 

 そう言ってガイはオーブリングを取り出し、オーブオリジンへと変身した。

 

 「シュアッ!」

 

 オーブは胸の前で手をかざし、手を下ろした。

 

 「さあ、乗ってください」

 

 オーブはしゃがみこんで手を差し出し、それにモモタロス達は乗り込んだ。

 

 「あ…あ…」

 

 「で、デカイなぁ…」

 

 さくらとケルベロスはオーブを見上げながら言った。

 

 「お前達は?来るのか?」

 

 「…!」

 

 さくらは息を飲み、そして頷いた。

 

 「分かった。くれぐれも無茶だけはするなよ」

 

 そう言ってオーブはもう片方の手のひらを差し出し、さくらとケルベロスはその手のひらに乗った。

 

 オーブはゆっくりと立ち上がり、緩やかに浮き上がった。

 

 「シュゥゥ…ワッチ!」

 

 オーブは全員を落とさないように飛び上がった。

 

 

 

 

 二人は大きな広場に来ていた。

 

 「んん…?明るい?」

 

 「見て、いつの間にか地球に来ているわ」

 

 百合は遠くにあるステンドグラスを指さした。

 

 いつの間に下がっていたのか、ステンドグラスの外には青い空が広がっており、部屋の中を青い光が満たした。

 

 「一体何で…」

 

 すると、急に光が無くなり、二人の前に謎の男が光に照らされて現れた。

 

 「やあ、零君、百合ちゃん。久しぶりだね」

 

 「…誰だ?」

 

 「私を覚えていないのかい?…まあ、無理もないか。君達と会ったのは君達が赤ん坊よりも前だったからね。覚えていないのも無理はない」

 

 「待って下さい。私は貴方みたいな人とは会ったことがありません。嘘なんて言わないでください」

 

 「…フッ、そうだな。君達は本当に大きくなった。そして強くなったね、柊零、藤森百合。いや、プロトゼノセルNo.0とプロトゼノセルNo.100」

 

 「ゼノセル…ゼノ細胞だと?」

 

 「プロト…ゼノセル?」

 

 「ああ、そうだとも。君達は私の実験体の中の一人でしか無かった」

 

 「どう言う事だよ!」

 

 「そうだな…私は数年前、神々の闘いを見た事がある。その神々は全て死に絶え、消滅した。だが、神々は完全には消滅していなかった。神々は微量な粒子や細胞を残していた。私はそれらを回収し、実験に実験を重ね、百種類以上のゼノ細胞を作り出した。しかし、殆どは死に絶え、私の研究も無駄になるのか、と絶望さえした。しかしだ。No.0とNo.100の二種類は生き残り、私はそれらを複製し、そして複製元の二つのゼノ細胞を異世界へと飛ばし、宿り主を探させた。二つのゼノ細胞は無事宿り主を探し、その胎盤の中へと入ってその宿り主の子供となった…生まれてきた子供はどちらの親にも似ない子供となった。そして、片方は被虐の人生へと進み、もう片方は短命の人生を歩み、若くして命を落とす宿命へとあった。そして、双方とも強大な力を手にし、世界を駆け回るようになった…これがそのお前達だ」

 

 「…つまり、俺達のこれまでの人生は…」

 

 「全て…この身体が仕組んでいたって事…」

 

 「ああ。…あるいは、今は死後の世界で、その細胞が君達に幻を見せているのかもしれないなぁ…」

 

 そう言って男がニタリと笑うと、二人の前に過去に倒した敵達が現れた。

 

 「ウガァァァァ…!」

 

 「ルシフェル…!」

 

 「ハァァァァァ…!」

 

 「ファイエルまで…!」

 

 敵達の目はどれも黒く、群れを成して二人に近付いて来ていた。

 

 「そんな…そんな…!」

 

 「あ…ああ…!」

 

 二人は一歩一歩後退していき、二人は背中をぶつけた。

 

 「………!」

 

 「………!」

 

 もしかすると、これも幻の一つなのかもしれない。

 

 これは幻なのか、本物なのか。

 

 そんな思いが頭をよぎる。

 

 「う…」

 

 「はっ………!」

 

 「うわあああああああああ!」

 

  

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

なげえよ(直球)

今までの過ごしてきた時間は全て幻だったのか。

それとも、肉体に刻まれた宿命の中だったのか。



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出来すぎた物語(後編)

皆様、遅ばせながら明けましておめでとうございます。

今年も宜しく御願い致します。

それでは、本編どうぞ。


「うわああああああ!」

 

 二人は同時に叫んだ。

 

 すると、窓を割って二人の足元にレールが敷かれ、そこにデンライナーが走り込み、男とファイエル達は腕で身を守り、デンライナーは二人を連れ去ってどこかへ走り去ってしまった。

 

 「くっ…チッ」

 

 男は悔しがって舌打ちをし、ファイエル達の幻影を消し去った。

 

 

 

 二人は無我夢中でお互いに剣で斬りかかった。

 

 「やめろ!二人共!」

 

 一人の男が血を滲ませながら二人の剣を素手で受け止め、二人の剣を奪って床に叩きつけた。

 

 「あ…あ…」

 

 零と百合はお互いと男を交互に見て、座りながら後ずさりした。

 

 「二人共落ち着いて!二人は幻なんかじゃない!」

 

 「………」

 

 しかし、二人は依然として怯えるままだった。

 

 「しっかりするんだ!」

 

 男は二人の肩を強く揺すった。

 

 「今二人がこんなところで折れてたら何も守れないよ!だから立って!」

 

 「……これも…これもきっと幻なんだ……」

 

 「………助けなんて来る筈がないわ…だって……もう決まってるんだもの……」

 

 「………いい加減にしろっ!」

 

 男は痺れを切らしたのか、二人を力強く拳で殴り飛ばした。

 

 「……!?」

 

 「……え…?」

 

 「俺は幻でも何でもない!二人も幻なんかじゃない!本当に俺が幻なら!その痛みも感じない筈だ!」

 

 男は血で真っ赤に染まった拳を握りしめながら言った。

 

 二人はゆっくりとお互いの方を向いた。

 

 二人の頬から男の血が滴り、床に落ちた。

 

 零は百合の頬を触り、男の血を手でゆっくりと拭った。

 

 「……ごめん……ごめん……」

 

 零は百合の顔に触れたまま、涙を流した。

 

 「……ううん…私も、ごめん」

 

 百合は零にゆっくりと抱きついた。

 

 百合の目にも涙が浮かんでいたが、その顔は優しい笑顔だった。

 

 「良かった、二人共元に戻って」

 

 男は二人を見ながら言った。

 

 「…そう言えば、貴方は?」

 

 百合は零から離れ、男の方を向いて言った。

 

 零も男の方を向いた。

 

 「俺は火野映司。ただの旅人だよ」

 

 「火野…映司さん」

 

 「火野映司…火野映司…あぁーっ!仮面ライダーオーズ!」

 

 百合は驚いた拍子で後ろにひっくり返った。

 

 「大丈夫?」

 

 映司と零は百合の腕を引っ張って百合の身体を起こした。

 

 「あいてて…なんとか。それで、なんで映司さんがデンライナーに?」

 

 「ああ、それは、リュウタロスくんが変な男に連れ去られて、どこかに追いかけられるような物が無いかと思って無我夢中で走ってたらこいつが走ってきて…それで、デンライナーからフードを被った二人組が降りてきて『これに乗ってリュウタロスを追いかけろ』って言われて、それで走ってる内に建物を見つけてね」

 

 「あそこに着いた、って訳か」

 

 「でも、どうしてリュウタロスくんよりも先に?」

 

 「どう見ても怪しそうな建物だったし、そこに行けば元の世界に戻れるかもしれないと思って、デンライナーごと入ってみたんだ」

 

 「そしたら偶然私達を連れ去る、って形になって助けられた、って訳ね」

 

 「映司さんが来てくれて本当に良かった…来なかったら今頃…」

 

 「とにかく今はその話は後にしよう。話が本当ならリュウタロス君達もここにいる筈だろうし」

 

 二人は頷き、映司は操縦席のバイクに跨った。

 

 そして、デンライナーはもう一度同じ世界に入り、零と百合は先ほどまで囚われていたであろう建物を窓から見た。

 

 建物と思っていたそれは、空に浮かぶ大きな城塞で、全身は真っ黒で殆ど色彩は無く、頂上に大きくワシのマークの大正製薬、ではなくショッカーを象徴するワシのマークの金の像が飾られていた。

 

 「なんてデカイ城だ…」

 

 「…今絶対ナレーションに遊ばれてた気がする…」

 

 零は頭に?を浮かべながら百合の方を向いた。

 

 「何でもないわ、気にしないで。…それにしても、あの城が敵の本拠地なのかしら?」

 

 「さあ…でも、あれは本拠地って言うよりは中間地点ってところじゃないか?」

 

 「なんで?」

 

 「うーん、なんて言うか、大きいっちゃ大きいんだけど、ボスがいるようには思えなくて。まあ、殆ど堪なんだけど」

 

 「アテにならないわねぇ…」

 

 「ま、あれが敵の本拠地で、あれをぶっ壊せば終わり、とも行かねえだろうしな」

 

 

 

 しばらく走っていると、遠くの方に十数人程の人々を手のひらに乗せたオーブを見つけた。

 

 「あっ!オーブ!」

 

 「それに皆もいるわ!」

 

 オーブもデンライナーに気付き、急停止した。

 

 「無事だったか、二人共」

 

 オーブはデンライナーの中にいる二人に言った。

 

 そして、オーブは光の球体となり、デンライナーの中に入った。

 

 球体は零と百合の前に降り、ガイを中心にモモタロス達がなだれ込んだ。

 

 「だっ…小僧!てめぇ重いんだよ!」

 

 モモタロスは上に乗ったリュウタロスを下から叩いた。

 

 「先輩も重いからね!?」

 

 「おっと、そいつは悪かった」

 

 「ほらもう早う立たな」

 

 一同はどうにかこうにかして立ち上がり、服に付いた埃や塵を払った。

 

 「それで、一体何があったんだ?」

 

 零と百合は敵から告げられた真実を包み隠すこと無く全てを話した。

 

 自分達の出生も、そして既に死んで生き返った事も話した。

 

 映司、オーズの事もみんなに紹介した。

 

 「そんな事が…」

 

 「造られた生命…」

 

 「決められた運命…か」

 

 「…ある意味、俺達は呪われた人生を歩んできたかもしれません。自分から命を断ち、簡単に神様になれて、色んな冒険もして、様々な力を手に入れて…」

 

 「自分から断たなくても病気で死んで…普通に考えれば選ばれた存在なんかじゃなかった…最初からそうなることが決まっていた…それだけのことだったのに…そして…今度は大事な人を手にかけるところだった…」

 

 二人の顔には哀愁が漂っていた。

 

 「決められた運命…ボク達も似たような感じだったよね」

 

 「ああ、俺達はそう命令されていたんだけどな」

 

 「まあ、それならやることは一つ、だよね」

 

 「ああ、今回は簡単な事や」

 

 「?」

 

 モモタロス達イマジンとオーナーとナオミ以外は首を傾げた。

 

 「簡単だぜ。ヤツらをぶっ倒しゃあいいんだよ!」

 

 「大体操ってる奴を倒せば後は自由だしね」

 

 「そうとなれば急ごうぜ。いつこの二人の運命が変えられるか分からねぇ」

 

 士は椅子に腰掛け足を投げ出して言った。

 

 「そうですね。急ぎましょう!」

 

 「運転は俺に任せな。映司、お前はその城までナビゲートしてくれ」

 

 「うん。少し不安だけど、やれるだけやってみるよ」

 

 「よし!信頼してるぜ」

 

 モモタロスはいつでも乗り込めるようにとベルトを装着し、電王ソードフォームに変身した。

 

 そして、電王はバイクに跨り、デンライナーは城に向かって走り始めた。

 

 映司は電王の肩に掴まり、ナビゲートを開始した。 

 

 「しかし、フードを被った二人組…か」

 

 「やっぱり気になる?」

 

 「せや。ディケイドの時も、オーズの時も、…恐らくオーブや電王の時にも来てるのかもしれへんな」

 

 「そのフードの二人組って何が目的なんだろうね?」

 

 「今はまだなんとも言えんな。私らが知らんところで敵にも協力してるかもしれんし」

 

 「…いつか会うときは注意しないとね」

 

 「そうだね…」

 

 なのは達が話していると、操縦室から映司が出てきた。

 

 「皆さん、そろそろあの城に着きます。戦闘準備を」

 

 それを聞いた一同は頷き、デバイスやベルトを握りしめた。

 

 「行くよ、アンク」

 

 映司はタカのコアメダルと、割れたタカのコアメダルを握りしめて言った。

 

 

 オーナーとナオミ以外の全員はデンライナーから降り、空中の城の門前の広場に立った。

 

 映司はオーズドライバーを、士はディケイドライバーを、イマジン達はデンオウベルトを、なのは達はデバイスを、永夢達ドクターと神はゲーマドライバーを腰に巻き、零と百合はヒーローボールに手をかけた。

 

 「変身!」

 

 『タカ!トラ!バッタ!タットッバッ!タトバ!タットッバッ!』

 

 「変身!」

 

 『カメンライド・ディケイド!』

 

 「へへっ、変身!」

 

 『GUN FORM』

 

 「いくよ、変身!」

 

 『ROD FORM』

 

 「いくでぇ、変身!」

 

 『AX FORM』

 

 「変身!」

 

 「やっぱりこれなんだね…変身」

 

 「行くわよ、スバル」

 

 「うん、ティア」

 

 「腰に巻く理由は何なんだ…」

 

 「気分なんじゃないですか?」

 

 「カッコイイからいーじゃん!」

 

 ユーリもそれに頷いた。

 

 「大変身!」

 

 『MIGHTY ACTION X!』

 

 「術式レベル2 」 

 

 『TADOLE QUEST!』

 

 「第弐戦術」

 

 『BANG BANG SHOOTING!』

 

 「二速」

 

 『BAKUSOU BYKE!』

 

 「グレードゼロ」

 

 『MIGHTY ACTION X!』

 

 「大変身!」

 

 『Get the glory in the chain. PERFECT PUZZLE!』

 

 映司はオーズ・タトバコンボへ、士はディケイドへ、イマジン達はそれぞれの電王のフォームへ、永夢はエグゼイドレベル2へ、飛彩はブレイブレベル2へ、大我はスナイプレベル2へ、貴利矢はレーザーターボレベル2へ、黎斗神はゲンムレベル0へ、パラドはパラドクスパズルゲーマーレベル50へと変身し、なのは達はそれぞれ衣装を身に纏った。

 

 「ガイ、お前は変身しないのか?」

 

 ソードがガイの方を向いて言った。

 

 「俺は後からオーブになってこの城を破壊します。それまではデンライナーで皆さんと共に戦いますよ」

 

 「へっ、なら俺達の援護は頼んだぜ」

 

 「ええ、後ろは任せてください」

 

 ガイとソードは互いの拳を突き合わせた。

 

 「よっしゃあ!じゃあ行くぜてめえら!死んでも死ぬんじゃねえぞ!」

 

 ソードが激励を飛ばし、一同は大きく叫んだ。

 

 「おーし!てめえら!行くぞ!地獄の果てまでついてこい!」

 

 そう言ってソードは城門を蹴破り、城の中に走って行った。

 

 それに続き、ライダー達や魔法使い達、そしてデンライナーが入った。

 

 そして、零も城の中に入ろうとした時、後ろで立ち止まっている百合に気付いた。

 

 「…どうした?」

 

 「…怖いの…戦うのが…」

 

 そう言う百合の体は少しこわばっていた。

 

 「心配すんな」

 

 零はそう言って震える百合の肩に手を置いた。

 

 「俺達はどんな困難も乗り越えてこれた。決して俺一人じゃ敵わない敵だって沢山いた。けれど、今こうして立っていられるのは他ならない百合がいたからさ。大丈夫、俺達はまた勝てるさ。下がりそうなら踏ん張れば良い。落ちそうになったら飛べばいい。いつもやって来た事だろ?俺達に不可能は無い。アイツの泣きっ面を拝んでやろうぜ」

 

 そう言って零は百合の前に立ち、拳を突き出した。

 

 「…どうしてこんなに安心出来るのか、それは私にも分かんない。けれど、今一番信頼出来るのは誰でもない貴方だけよ。私は全力で飛ばすから、貴方も全力でついて来てね」

 

 「上等だ」

 

 零と百合はニヤリと笑い、お互いの拳を突き合わせた。

 

 そして、二人は電王達を追いかけた。

 

 城の中では、既にライダー達が怪人達と戦っていた。

 

 「こっちだ!二人共!」

 

 上空から声がし、二人はその方を向いた。

 

 「デンライナーの上に乗れ!少し無茶かもしれぬが、振り落とされないようしがみつけ!」

 

 ディアーチェの声に従い、二人はデンライナーの上に飛び乗った。

 

 「二人共乗ったな。よし!突撃や!」

 

 なのは達魔法使いはデンライナーと共に上の階層へと向かった。

 

 

 「はぁぁぁッ!」

 

 オーズは腕のトラクローを展開し、怪人達を次々と切り裂いて行った。

 

 一人の怪人が鉄の棒で殴り掛かってきたが、素早く右腕で防ぎ、右脚で怪人を蹴り飛ばしたその勢いで体勢を変えて前転して前に立った怪人を両腕で切り裂いてメダルの山に変えた。

 

 『SCANNING CHARGE!』

 

 オーズはオースキャナーでメダルをもう一度スキャンし、高く飛び上がった。

 

 「ハァァァァァーッ!セイヤーーッ!!」

 

 オーズは怪人の群れの中に突っ込み、大きな爆発を起こして怪人達をメダルの山に変えた。

 

 「こいつらメダルだったのか…ありがたく使わせてもらうよ」

 

 その言葉と共に体内から三枚の紫のメダルがオーズドライバーにセットされ、タトバコンボのメダルは左にあるメダルケースに入った。

 

 そして、オーズがメダガブリューを掴むと同時にオースキャナーが動いてメダルをスキャンした。

 

 『プテラ!トリケラ!ティラノ!プートーティラーノザウルース!』

 

 「おおおおおっ!」

 

 オーズは雄叫びをあげ、乱暴にメダルを掴んでメダガブリューの中にセットしてメダガブリューに飲み込ませた。

 

 『ゴックン!』

 

 そして、オーズは残りの怪人達の方に駆け出した。

 

 「はぁぁぁぁぁぁああ!」

 

 『プートーティラーノヒッサーツ!』

 

 オーズはメダガブリューで残りの怪人達を薙ぎ払った。

 

 

 「へっ、おいでなすったな」

 

 電王達は過去に戦ったイマジン達と対峙した。

 

 「どうやら過去の世界から連れてきたみたいだけど」

 

 「今の俺達は一味も二味も違うでぇ!」

 

 「そんなやつら、全然怖くないよーだ!」

 

 「だが、一個だけ変わらないところがある。何か分かるか?」

 

 ソードは剣を肩にもたりかからせながら怪人達の方に指をさし、電王達の戦闘に立った。

 

 「俺達は最初から最後までクライマックスだってことだ!行くぞテメエら!」

 

 「おう!」

 

 電王達は一斉に駆け出し、イマジン達と戦いを始めた。

 

 「おりゃァ!」

 

 ソードは剣でイマジン達を次々と倒していき、前に飛んできたイマジンを縦に斬り、真っ二つにした。

 

 「フッ、俺!参上!」

 

 ソードがポーズを決めようとした瞬間、前にイマジンが割り込んだ。

 

 「決めポーズの邪魔するんじゃねえこの野郎!」

 

 ソードはそのイマジンの頭を叩き、背中を蹴飛ばした。

 

 「はぁっ!」

 

 ロッドはまるでモリで魚を突くように敵を突いて攻撃していた。

 

 「モリ突きならやっぱり慎重に狙った方がよく取れるよね。まあ、今はそんな事も言ってられないけど」

 

 ロッドは敵の攻撃を躱しながら隙を見て攻撃を加えた。

 

 「君達はどんな料理が好みかな?煮付けも捨て難いけど、刺身も悪くないんだよねぇ。どうせ食べれないけど。あっ、それなら鍋が良いかな?」

 

 そう言ってロッドは槍を敵に投げ、そこから大きく飛び上がって槍を刺した敵に飛び蹴りを食らわせた。

 

 「どうせ食べれないんなら、料理をしてもしなくても一緒だね」

 

 ロッドは指を首を傾げながら手のひらを水平にして肩の上まで上げた。

 

 「とりゃあ!」

 

 アックスは力技でイマジン達を圧倒していた。

 

 「まだまだ足りんでぇ!そらっ!」

 

 アックスは斧で一体のイマジンを縦に断ち切り、爆発させた。

 

 「もっとかかってこんかい!」

 

 

 「それそれ〜!バァン!」

 

 リュウタロスは銃でイマジン達を撃ち抜いていき、十体を同時に撃破した。

 

 そして、後から出てきたイマジン達の攻撃もブレイクダンスをしながら躱し、撃ち漏らしをすること無くイマジン達を撃破した。

 

 「まだまだ甘いね!」

 

 

 「はぁっ!」

 

 ディケイドは復活怪人達に囲まれ、ライドブッカーを手に取った。

 

 「どうした、早くかかってこい」

 

 ディケイドは挑発する様に言い、怪人達は一斉に飛びかかった。

 

 『アタックライド・インビジブル』

 

 ディケイドはインビジブルのカードを使って透明になり、怪人達の横を通って怪人達の後ろから姿を現した。

 

 「!!」

 

 「これに懲りたら少しは進歩するといいな」

 

 そう言いながらディケイドはベルトにカードをセットした。

 

 「キシャアアアッ!」

 

 すると、後ろの方から怪人が一匹飛びかかって来た。

 

 「進歩をしろと言っただろ」

 

 『ファイナルアタックライド・ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

 ディケイドは大きく飛び上がって後ろからの怪人の攻撃を避け、下に居る怪人に飛び蹴りをしてそのまま前方に居る怪人達にも飛び蹴りをし、着地すると同時に怪人達は爆発した。

 

 「上手くやれよ…」

 

 そう言いながらディケイドは上の零達がいる方を向き、そしてカーテンの中へと消えていった。

 

 

 

 

 零達は城の最上階まで辿り着き、デンライナーから飛び降りた。

 

 「やあ、待っていたよ、神の子達よ」

 

 零達の前方には、例の男が立っていた。

 

 「何が神の子だ!ふざけたことを言いやがって!」

 

 「おやおや、やはり反抗期もあるんですねぇ」

 

 「アンタの子供になった覚えは無いわ。私の親は育ててくれた親だけよ」

 

 「だがそれは実の親ではない。貴様らを育てただけのただの人間だ。血など繋がってはいない」

 

 「血が繋がっていようがいまいが関係ねぇ!育ててくれた恩があるんだ!」

 

 「ならば私にも感謝してもらわなければなぁ?貴様らに生命を与え、身体を与えた私にも。それとも貴様らは恩を仇で返す様な人間なのかね?」

 

 「ああ。お前限定でな!」

 

 そう言って零は男に向かって駆け出し、殴り掛かった。

 

 しかし、その拳は止められ、男は零の腕を片腕で拘束したまま零の腹を強く蹴り、零の顎を蹴飛ばし、零は地面に倒れた。

 

 「ごほっ…!」

 

 「貴様らなんぞいつでも殺せるからな…転生したからなんだ、簡単に強くなったとでも言いたいのか?」

 

 そう言って男は零の頭を踏みつけた。

 

 「ぐああああ!」

 

 「人間もどきが勝てるものか。この人間以下のクズめが!」

 

 そう言って男は更に強く零の頭を踏みつけた。

 

 「やめろおおおお!」

 

 百合は男の顔に向かって蹴りを放った。

 

 だが、男は百合の足を掴み、強く地面に叩きつけた。

 

 「がはっ……!」 

 

 「人間でもないのに神の名を騙るとはな…醜いにも程がある」

 

 男は零を蹴り飛ばし、百合の腹を踏みつけた。

 

 「が……っ……」

 

 「内臓をぶちまけて死ねっ!」

 

 そう言って男は百合の腹から足をあげ、勢いよく足を下ろした。

 

 「はっ!」

 

 零は残りの力を振り絞って男にタックルし、男はその場に転び、その間に百合を抱えて後ろに下がった。

 

 「チッ…クズ風情が舐めたマネを…」

 

 「へっ、言ったろ、てめえ限定で恩を仇で返すってな」

 

 ガイ達は零達に加勢しようと零達の元に走った。

 

 零はそれを片腕を伸ばして止めた。

 

 「ごめん、ガイさん、なのはさん」

 

 「ここからは私達だけでやらせて。この運命と精一杯戦う私達を、見守ってて」

 

 「…分かった。絶対帰ってこいよ」

 

 「何があっても絶対に帰ってきてね…」

 

 零と百合は後ろを向き、親指を立てて合図した。

 

 「よし!いくか!」

 

 「変身!」

 

 「変身!」

 

 『METAMORPHOSE!EX-AID RIDER TYPE DOUBLE ACTION!』

 

 零と百合はエグゼイドのヒーローボールをスピンさせ、二人の零と百合に分身し、零達はオレンジのアーマーと水色のアーマーを纏い、百合達は黄緑色と紫色のアーマーを纏った。

 

 「お前は…アーク」

 

 「久しいな、零。こう言う形で戦えるとは、私も驚いた」

 

 「俺も驚いたぜ。…ま、宜しく頼むよ、相棒」

 

 「ああ、任せろ」

 

 零と零の姿になったアークはお互いの拳を突き合わせた。

 

 アークの姿は零と殆ど変わりないが、髪や目が全て銀色になっている。

 

 如何にもアークらしい。

 

 「アンタは…?」

 

 百合は水色のアーマーを纏った金色の百合の方を向いた。

 

 「俺か?俺はゴルカ。お前の中の鬼ってとこだな。っつっても、お前の悪い心とかそんなんじゃねえよ。アークの兄貴と同じようなもんだ。どうせなら本当の姿を見せたいんだけど、今はそうも言ってられなさそうだしな」

 

 「じ、じゃあ、この闘いが終わったら貴女の本当の姿を見せてね?」

 

 「おう。さっさとあんな奴倒しちまおうぜ」

 

 「その前に一個だけ聞いていい?」

 

 「?」

 

 「どうして私達は黄緑と紫なの?これじゃ仮面ライダーダブルよ?」

 

 「いいんだよ別に。どうせこっちもダブルアクションゲーマーなんだし、気にする事はねえよ。さてと、それじゃあ待たせるのも悪いから、さっさと行こうぜ!」

 

 そう言ってゴルカは男に向かった。

 

 それに続いてアークや零、百合も男に向かった。

 

 「良いだろう、私も本気を出してやる!」

 

 そう言って男も鎧を纏い、四人に向かって行った。

 

 「ライダァァァァ!キィーック!」

 

 ゴルカの力強い飛び蹴りが男の腹部に決まり、そこからゴルカは反撃の隙を与えないように連続蹴りをして最後に蹴った反動で後ろに下がり、馬跳びの馬の様に体勢を変え、百合がそれを利用してゴルカの背中に手をつき、男の顔を思いっきり殴り飛ばした。

 

 「ナイス!百合!」

 

 百合とゴルカはハイタッチをした。

 

 「ぬうっ!この程度!」

 

 「行くぞ、零!」

 

 「よし来た!」

 

 零とアークは男の放つ衝撃波を大きく飛んで躱し、空中でガシャコンブレイカーとガシャコンキースラッシャーを構えた。

 

 『RIDER FINISH!』

 

 アークと零は空中で剣にエネルギーを溜め、着地すると同時にX字の斬撃波を放った。

 

 『DOUBLE EX-AID CRITICAL SLASH!』

 

 「はぁー!」

 

 男も手から光線を放ち、斬撃波との押し合いになった。

 

 どちらも互角で進む様子は無い。

 

 「おっと、これで防げたなんて思わない方が良いぜ?」

 

 「何故ならこれはまだ半分のエネルギーだからな、まだ余っているのだ!はぁっ!」

 

 そう言ってアークと零はもう一度斬撃波を放ち、追い討ちをかけた。

 

 「ぬっ…く…ぐああああああ!」

 

 斬撃波が男に直撃し、鎧にX字の跡が残った。

 

 「この私をここまで追い詰めるとは…だが、まだ終わりではない!」

 

 そう言って男はカプセルを取り出し、ゼノ細胞を体内に取り込んだ。

 

 すると、男の体は一回り大きくなり、全身には武器と言う武器が生成され、触手等も生えてきた。

 

 「第二ラウンド、と言ったところか…」

 

 「そうこなくっちゃな、面白くなって来やがった」

 

 「ここからは完全な真剣勝負だ!行くぞ皆!」

 

 零の言葉で四人は一斉に飛び出した。

 

 零は触手を避けながら男の懐に入り、男の体から武器を一つ奪い取った。

 

 「だりゃあ!」

 

 零は奪い取った武器で男の身体に斬りつけた。

 

 しかし、ダメージは入っておらず、零に触手が迫った。

 

 「!!」

 

 「ライダァァァァ!パァーンチ!」

 

 ゴルカがエネルギーの溜まった拳で男の腹を殴り飛ばし、男は大きく吹っ飛ばされた。

 

 「たっ!」

 

 ゴルカは飛び上がって男を追いかけ、左右の拳を組んで男を地面に叩きつけた。

 

 そして、それを下にいた百合が両足で蹴り飛ばし、ゴルカが連撃で男にダメージを与えていき、最後に地面に向けて蹴り飛ばした。

 

 男は吹っ飛ばされる中ニヤリと笑い、触手を伸ばして四人の足を掴み、自分諸共地面に叩きつけた。

 

 「調子に乗るなよ蛆虫共…貴様らになんぞ殺される訳がない!」

 

 「それはこっちも同じだこの野郎…テメエみてえなクズ野郎に負ける訳にはいかねーんだ」

 

 「言ってくれるじゃないか…」

 

 「……!」

 

 

 

 ガイ達は静かにその様子を見守っていた。

 

 「な、なぁ、なのはちゃん、やっぱり私達も手伝った方がええんちゃうんか?」

 

 はやてはデバイスを握りながら言った。

 

 「それは…」

 

 「それはダメだよ、はやて」

 

 フェイトが優しくはやての手を抑えた。

 

 「どうして止めるんや、フェイトちゃん」

 

 「これはあの二人だけの闘いなんだよ。誰かに操られた運命じゃなくて、自分で運命を切り開くための闘いなんだ」

 

 「そうだ。だからこそ、俺達は仲間として、いや、仲間だからこそあの二人を見守らなきゃいけないんだ。俺達の手出しは無用だ」

 

 「そいつの言う通りだ、小鴉。少しでも我らが手を出してみろ、一生恨まれるかもしれぬぞ」

 

 「でも…」

 

 「でもじゃない。お前の安心する気持ちは我らも痛いほど分かる。だが、今は最後まで闘いを見守れ」

 

 「…分かった」

 

 

 

 「はぁぁぁぁ!」

 

 「だぁぁぁぁ!」

 

 零達と男は死力を尽くし殺し合いをしていた。

 

 血を吐き、腕や足の骨が折れようとお構い無しに攻撃を続ける。

 

 「ごぼっ!ぐっ…」

 

 零は口から滝の様に流れる血も気にすることなく一心不乱に男に攻撃を続ける。

 

 腕が折れたなら足で蹴り、、足も折れたなら頭で頭突きをする。

 

 それ程の死闘にも関わらず体は動き続ける。

 

 ゼノ細胞だからなのか、それとも人としてのプライドが身体を動かすのかは誰にも、零自身にも分からない。

 

 だが、今は絶対に負けられないと攻撃を続けるのみである。

 

 「たぁぁー!」

 

 ゴルカも、かなりの血を身体に付けていた。

 

 鬼とも言えどこれ程の死闘となれば腕の一本折れてもおかしくない程だ。

 

 男は普通の攻撃に加え武器を装備している。

 

 身体が切り刻まれようが、全身の骨が折れようが今は動くしかない。

 

 絶対に生きて帰るためにも、そして授かった生命を無駄にしたくない、その志は誰にも負けない。

 

 「はぁっ!」

 

 アークももうボロボロで、片目を閉じながら戦っており、銀色の髪も赤くなっていた。

 

 「まだ負ける訳にはいかないのだ…まだ…」

 

 アークは使い物にならない脚を引きずりながら男に向かって行った。

 

 例え足の骨が折れても敵に当てる事は出来る。それさえ出来れば充分だ。

 

 「はぁぁ!」

 

 百合もボロボロの状態で男に蹴りを食らわせていた。

 

 両腕さえ折れてもまだ脚が残っている。脚さえ残っていればまだダメージは与えられる。

 

 四人は後ろを振り向くことなく男にラッシュを食らわせ、大きく吹っ飛ばした。

 

 「俺が、俺達が運命を変えてみせる…百合の運命も…そして他の転生者の運命も…!」

 

 『RIDER FINISH!』

 

 四人は最後の力を振り絞りボールをスピンさせ、どこまでも高く、城を突き破り、雲を追越して空高く飛び上がった。

 

 『DOUBLE EX-AID CRITICAL STRIKE!』

 

 『MAXIMUM W DRIVE EXTREME!』

 

 「はぁぁぁ…!」

 

 「これで……最後だああああああ!」

 

 ゴルカと百合は両足で、アークと零は左右片方ずつで飛び蹴りをし、勢いとエネルギーをつけて男に当てた。

 

 「ぐおおおお…!私は…私はアアアアアアアアアア!」

 

 「はああああああああ!」

 

 四人のキックは男を貫き、零達が着地して立ち上がると同時に爆発した。

 

 「俺達の…勝ちだ…」

 

 零は男の方を向いてゆっくりと言い、その直後に倒れかかった。

 

 それを見たガイが急いで支えた。

 

 それに続いてなのは達もフラフラな百合達を支えた。

 

 「あ、み、皆…へへ」

 

 「…よく頑張った。お前達は運命に打ち勝った」

 

 「百合ちゃん達は誰よりも凄いことを成したんだよ」

 

 「そっか…良かった…」

 

 そう言って百合と零はヒーローボールをブレスの中にしまってアーマーを外し、ゴルカとアークも百合と零の中に戻って行った。

 

 「これで終わったと思うな…!」

 

 後ろから声がし、一同は振り向いた。

 

 「お前…まだ生きていたのか…!」

 

 男は穴の空いた身体を引きずりながらモニターのある席へと行き、キーボードを操作した。

 

 「どこまででも貴様らを呪ってくれる…貴様らを呪われた民族の身体へと変えてやる…!」

 

 「止めろ!」

 

 「ふ…ふふ…もう遅い…」

 

 すると、零と百合の身体に電撃が走った。

 

 「うああああああ!」

 

 「ああああああああ!」

 

 そして、数秒立った後に電撃は収まった。

 

 「い、一体何を…」

 

 「貴様らの細胞はサイヤ人へと変えた…終わりのない同胞探しでもしているがいい…」

 

 そう言って男は力尽き、椅子から転げ落ちた。

 

 「………神でもなくなった、か」

 

 「だけど、ちゃんとした人間の身体は手に入れたじゃない」

 

 「そう、だな」

 

 「さあ、戻ろう。ライダーの皆も迎えに行かないと」

 

 そう言って一同はデンライナーに乗り込み、下にいるライダー達を迎えに行った。

 

 下では、ライダー達がデンライナーの迎えを待ちぼうけてトランプで遊んでいた。

 

 「お、ようやく来たか、結構ながかったな」

 

 「それじゃあ、オーズ君も頑張ってね」

 

 「はい、俺はこれで」

 

 そう言ってオーズもディケイド同様のカーテンを出した。

 

 「あれ?お前もそれを出せんのか?」

 

 「あ、いや、出せるようにしてもらったんです。例のフードの二人組に。帰れるようにって」

 

 「ふーん、そうか。お前も頑張れよ!」

 

 「はい!」

 

 そう言ってオーズはカーテンの中に消えて行った。

 

 そして、デンライナーは電王達を連れ去り、城の外へ出た。

 

 「よく頑張ったな、お前ら。まずはしっかりケガを治せよ!」

 

 そう言ってモモタロスは零と百合の肩に手を置いた。

 

 「は〜い。あいてててて…」

 

 「お、おい、大丈夫か?」

 

 「大丈夫に見える?」

 

 「見えないです」

 

 零と百合の身体は殆ど包帯でぐるぐる巻きだった。

 

 「とりあえず、安静にしとくんだぞ。動いたりしたら承知しないからな」

 

 「は〜い」

 

 「それじゃあ、ガイ君、あの城を」

 

 「ああ」

 

 ガイはオーブカリバーを掲げ、光となってデンライナーの外でオーブとなった。

 

 「シュゥワッチ!」

 

 オーブは城を宇宙まで押し出し、光線で城を粉々にした。

 

 そして、光となってデンライナーの中へ戻った。

 

 「おっ、早かったなぁ」

 

 「すぐだっからな」

 

 

 

 「それじゃあ、さくらちゃん、ありがとね」

 

 「ええ、皆さんも頑張ってくださいね!」

 

 なのはとさくらは握手を交わした。

 

 「お前らの活躍をこっから見とるからな!こっちの世界は任せときや!」

 

 「結局今回ケロちゃんは何もしてないでしょ!」

 

 「そ、そんな事ないで!ほ、ほら、怪人と戦ったやろ!」

 

 「あれは戦ったとは言わないの!」

 

 「ふふふ。またね、さくらちゃん」

 

 「はい!」

 

 走っていくデンライナーをさくらは手を振りながら見守っていた。

 

 そして、デンライナーは空に空いた穴へ飛び込み、穴は閉じてしまった。

 

 「…寂しいか?さくら」

 

 「うん、それは寂しいけど…皆戦ってるんだから、私もそんな事言ってられないよ」

 

 「なら、俺は全力でサポートするで、さくら」

 

 「うん、宜しくね、ケロちゃん」

 

 さくらとケルベロスも帰路についた。

 

 

 

 

 

 「ショッカー二十世様」

 

 「どうした」

 

 「報告します。例の城がやられたそうです」

 

 「あの城がやられただと!?…これは我らも本気を出さねばなるまいな…」

 

 「これから一層忙しくなりそうだな、ショッカー二十世よ」

 

 「ああ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 




今回はここまでです。

テコ入れはどんどんやってくスタイル。

ちゃんとネタは募集してっから安心してくれ。


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最強のフュージョン!ゴジータとナイト!

久しぶりに投稿です。
今回の舞台はドラゴンボールワールド。
ですが、ほぼパラレルワールドの世界線です。
そこを了承して読んでいただけると有難いです。
長ったらしい前置きはここまでにして、それでは本編どうぞ!


デンライナーは次の世界を目指し、時空間を走っていた。

 

 「どう?体動きそう?」

 

 なのはは零と百合の様子を見に寝台車両に入った。

 

 「動くと思います?」

 

 「だよねぇ。百合ちゃんは?」

 

 百合はだらしなく下がった腕を動かそうとした。

 

 その瞬間、激痛が百合の体に走り、百合はまた腕を下げた。

 

 「動かそうと思っても動きません!」

 

 百合も半泣きでなのはに言った。

 

 「ごめんごめん。全治何ヶ月なんだっけ?」

 

 「七ヶ月と十日です」

 

 「うわぁ…随分長いね…」

 

 「それだけじゃないですよ。貴利矢さんや大我さんからは完全には治らないかもって…」

 

 「そんな二人に朗報や」

 

 すると、三人がいる部屋にはやてが入ってきた。

 

 「はやてちゃん、朗報って?」

 

 「ちょっと寄り道になるんやけどな、二人の同胞であるサイヤ人がいる世界があったで。とは言ってもかなり少数やけどな。それに、怪我を完全に治す凄い食べ物もあるんや」

 

 「そんな世界…もしかして!」

 

 「ああ、そうや。二人も知ってるドラゴンボールの世界や!」

 

 デンライナーは時空間の空に穴を開け、その穴の中に飛び込んで行った。

 

 

 

 「ふっ!はっ!てえやあああ!」

 

 五百倍の重力の中で派手に動き回り、飛び回るロボットのスイッチを次々と切っていき、時には破壊もしながら一人のサイヤ人はトレーニングをしていた。

 

 そして、全てのロボットのスイッチを切ったと同時に重力発生装置が停止した。

 

 そして、そのサイヤ人はトレーニングルームを出て、タオルで汗を拭いた。

 

 「あっベジータ、丁度良かった。トランクスとブラのこと見ててくれない?これから会議なのよ」

 

 白衣を来た水色の髪の女性がベジータと呼ばれたサイヤ人に二人の子供を預けた。

 

 「ちっ…しかたあるまい」

 

 そう言いながらベジータは赤ん坊の子供を抱き抱えた。

 

 「それじゃ、後は頼むわねベジータ!トランクス、あんたもいい子にしてるのよ!」

 

 そう言いながら女性は階段を駆け上がっていった。

 

 「フン…」

 

 「はーい!」

  

 そう言いながらベジータとトランクスは女性を見送った。

 

 「パパー!遊ぼうよー!」

 

 トランクスはベジータの服を引っ張りながら言った。

 

 「…悟天とは遊ばないのか?」

 

 「パパとも遊びたいー!」

 

 「…なんだ?」

 

 ベジータは空から電車が走ってくるのを見つけた。

 

 「うわー!なんだあれー!]

 

 トランクスは電車に指をさしながら言った。

 

 「パパ、行ってみようよー!」

 

 「…そうだな」

 

 ベジータは赤ん坊のブラを抱き抱えながらトランクスと電車の近くまで歩いた。

 

 「随分デカイな…」

 

 「俺こんなオモチャ持ってないや…」

 

 トランクスは唖然としながら電車を見ていた。

 

 すると、電車のドアが開き、中から零、百合、なのは、はやて、フェイトの五人が出てきた。

 

 「………」

 

 なのは達は零と百合を支えながら歩き、時々何も無い所でコケつつ、歩いていた。

 

 「…トランクス」

 

 「はい」

 

 「カカロットの所に行って仙豆を二粒持って家まで来るよう伝えてこい。良いな」

 

 「はーい!」

 

 トランクスは空を飛び、あっという間に空の彼方に消え去った。

 

 そして、ベジータは零達の元に近付いた。

 

 「貴様…サイヤ人か?」

 

 「え?」

 

 「サイヤ人かと聞いてるんだ」

 

 ベジータは二人を睨みつけた。

 

 「は、はい!」

 

 「純血のサイヤ人です!」

 

 零と百合は慌てて答えた。

 

 「フン、最初からそう言えば良いんだ…カカロットが来るまで中に入って待ってろ」

 

 そう言ってベジータはブラを抱え直し、家の方に歩き出した。

 

 「どうした、入らないのか?」

 

 「あ、いえ!入ります!」

 

 「フン…」

 

 なのは達も零達を連れて家の方に向かった。

 

 「C…A…カプ…カプセルコーポレーション?」

 

 「会社なんか?」

 

 「そうだ。ここいらではナンバーワンの企業だ」

 

 家の中に入り、ベジータは戦闘服のプロテクターを脱ぎ、テーブルの上に置いた。

 

 「その辺りに適当に座っていろ。そろそろ来るはずだ」

 

 「来るって、誰がですか?」

 

 すると、五人の目の前にいきなり山吹色の道着を着たサイヤ人とトランクスとそのサイヤ人に似た子供が現れた。

 

 「よお、ベジータ。おめえが呼びつけるなんて珍しいな。ほれ、仙豆持ってきてやったぞ」

 

 サイヤ人はベジータに緑の豆を二粒見せた。

 

 「そんな事はどうでもいい。さっさとそこの二人に仙豆を食わせてやれ」

 

 「え?」

 

 サイヤ人は零達の方を向いた。

 

 「おわーっ、ひでえ怪我だな…ほら、こいつを食え」

 

 サイヤ人は零と百合の二人に口を開ける様に言い、二人の口に仙豆と呼ばれた豆を入れた。

 

 二人はその豆を食べ、飲み込んだ。

 

 「…!!怪我が治ってる…!」

 

 「凄い…!」

 

 「すげえだろ。そいつは仙豆っちゅう神様の豆で、一粒食うだけで身体中の傷が治っちまう。しかも十日間何も食わなくてもよくなるんだ」

 

 サイヤ人はソファに腰掛けながら言った。

 

 「貴方は…?」

 

 「オラ悟空。孫悟空だ。こっちは孫悟天。オラの息子だ」

 

 「ど、どうも」

 

 悟空と名乗ったサイヤ人は軽く挨拶し、悟天と呼ばれた子供はすぐに悟空の後ろに隠れてしまった。

 

 「でも、さっきベジータ?さんがカカロットって…」

 

 「それはオラのサイヤ人の名前だ。でも、この名前もじっちゃんが付けてくれた地球人の名前だ」

 

 そう言って悟空は無邪気な笑顔で笑った。

 

 「そのおじいさんは今どちらに?」

 

 「じっちゃんなら、とっくにあの世に行っちまったよ」

 

 悟空はそう言って上を指さした。

 

 「えっ!…その、ごめんなさい…」

 

 「気にすんな!もうずっと前だしそれに何度も会ってるかんな。気ぃ使ってくれてサンキューな」

 

 悟空は特に何も気にしてない様だった。

 

 能天気なのか、あるいは気にしないようにしているのか、その辺りはよく分からないが、少なくともその事はもう立ち直っている様だ。

 

 「そう言えば悟空さん」

 

 「?なんだ?」

 

 悟空はなのはの方を向いた。

 

 「何度も会ってるって事は、こことあの世を行き来出来るんですか?」

 

 「ああ。あの世ってのは死んだ奴が行く場所で、一回死んで行ったことがあって、そこで界王様っちゅうこの銀河一偉え人に会って…この続きは長くなっから省略すっけど、ヤードラット星人に瞬間移動を教わってから、それ以来修行しに行ったりして、あの世とこの世を行ったり来たりしてんだ。まあ、あの世にはあんまし行かねえけどな」

 

 「そこで、会ったりしてるんですか?」

 

 「ああ。しかし、じっちゃんか…また今度遊びに行ってみっかな。きっと驚くぞ〜!そうなると悟天と悟飯も連れて行かねえとな…チチも連れてってやっかな」

 

 悟空は虚空を見据えながら、祖父に会いに行く計画を想像していた。

 

 「な、なぁ、悟空はん…」

 

 「ん?どうした?何を怯えてんだ?」

 

 悟空は怯えるはやての方を見た。

 

 「悟空はん一回死んだって…」

 

 「ああ、ラディッツの時とセルの時と…二回死んでるな。それがどうしたんだ?」

 

 「今も…死んでるん?」

 

 「いや、生きてるよ。一回目はドラゴンボールで生きけえって、二回目は大界王様から命貰って生きけえったんだ。その後も何度も死にかけたけんど、今もこうして生きてっかんな」

 

 「…もうなんでもありやな…ムチャクチャやけど、生きてるんならええわ…」

 

 はやては額をおさえながらソファの後ろにもたれかかった。

 

 「お、おい、でえじょうぶか?」

 

 悟空ははやての方に近寄った。

 

 「カカロット、下手なマネはよせ。余計に悪化させるだけだ」

 

 ベジータが悟空の肩を掴んで言った。

 

 「?なんか悪いことしたかな…」

 

 悟空は腕を組みながら首を傾げた。

 

 「全くの無自覚だな…だから貴様はバカなんだ、全く」

 

 ベジータは呆れたように言った。

 

 「それよりも、おめえらサイヤ人なんだろ?いっちょオラと手合わせしてくれよ」

 

 「えっ?別に構いませんけど…」

 

 「待て、カカロット。貴様なんぞが本気でやればただではすまんだろ」

 

 「んじゃあ、どうすんだよ?」

 

 「ここにちょうど良く暇を持て余したやつが二人いるんだ」

 

 ベジータは悟天とトランクスを見て、ニヤリと笑った。

 

 「悟天、トランクス」

 

 「なーに?ベジータさん」

 

 「何?パパ」

 

 トランクスと悟天はベジータに手を頭に置かれ、ベジータの方を向いた。

 

 「あそこのお兄さんとお姉さんがお前達の遊び相手になってくれるそうだ」

 

 「ええ!?大丈夫かな…」

 

 「なあに、あの二人もサイヤ人だ。いざとなればフュージョンすればいいだろ」

 

 「そうか!よーし!やるぞ、悟天!」

 

 「うん!トランクスくん!」

 

 そう言って悟天とトランクスは意気揚々と道着に着替え始めた。

 

 「そういう事だ。貴様らも準備をしろ」

 

 「分かりました」

 

 「え?やるの?」

 

 零は驚きながら百合の方を向いた。

 

 「こんなチャンス二度と無いし…それに、場合によっちゃ悟空さん達の技を教えてもらえるかもしれないのよ?」

 

 そう言う百合の目はとても輝いていた。

 

 「そこまで言うなら…よし!やろう!」

 

 零と百合も包帯を体から外し、百合の境界を通って動きやすい服装に着替えた。

 

 「それでこそサイヤ人だ」

 

 ベジータはニヤリと笑って言った。

 

 「なあベジータ、悟天たちがやられたらオラ達も参加すっか?」

 

 「当然だ。まあ、よほどないだろうがな…」

 

 そして、一同は外に移動し、悟天&トランクスコンビと零&百合コンビは間合いを取って対峙した。

 

 「おい、貴様ら」

 

 ベジータはなのは達の方を向いて言った。

 

 「何や?」

 

 「どうしたんですか?」

 

 「ブラの子守を頼んでいいか?」

 

 ベジータはブラを抱いていた。

 

 ブラを抱いたままでは戦うことはとても出来ないだろう。

 

 「は、はい。よっ、こらしょっと…」

 

 なのははベジータからゆっくりとブラを受け取り、ブラを抱き抱えた。

 

 「これでオラ達もいつでも行けるな」

 

 「行く必要もないだろうがな」

 

 「ははっ、でもまだ分かんねえぞ〜」

 

 「お兄ちゃん、お姉ちゃん、いつでも良いよ!」

 

 「準備は出来てるぜ!」

 

 「よーし、じゃあ遠慮なく行くぞ!」

 

 「たあっ!」

 

 零と百合は強く飛び出し、悟天とトランクスに向かっていった。

 

 「はああああっ!」

 

 「てやああっ!」

 

 悟天達と零達はお互いに拳を突き出し、零は悟天と、百合はトランクスと闘いを始めた。

 

 「ふっ!はっ!でやぁっ!」

 

 「うっ、うぐっ!」

 

 「それそれっ!」

 

 「くううっ!」

 

 悟天とトランクスの猛攻に、二人は防戦一方だった。

 

 「たあっ!」

 

 「てやあ!」

 

 「うわあああ!」

 

 「ああああっ!」

 

 悟天とトランクスの攻撃に二人は大きく吹き飛ばされ、二人は地面に大きく叩き付けられた。

 

 「へへーん!」

 

 悟天とトランクスは地上に降り、ハイタッチをした。

 

 「お兄ちゃん達弱いよ〜、もっとちゃんとやってよ〜」

 

 「俺たちはまだ本気なんて出してないもんね〜」

 

 「…しょうがない…なら全力を出してやるよ…!」

 

 「生意気な子供達にお仕置きをしないとね…!」

 

 そう言いながら零と百合は土砂の中から立ち上がった。

 

 「お、あいつらやるじゃねえか」

 

 「フン、それくらいしてもらわないと困る」

 

 悟空とベジータは四人の試合を見ながら言った。

 

 「うおおお…!」

 

 「はああああ…!」

 

 すると、二人の髪は金色に点滅し始め、身体の周りにも電流が流れ始めた。

 

 「!!カカロット!」

 

 「ああ…ついに目覚めるみてえだな…超サイヤ人に!」

 

 「俺が…!俺達が…!」

 

 「世界を…!皆を…!」

 

 「守るんだぁぁぁぁ!」

 

 二人は身体中の力を一気に解放し、伝説の戦士、超サイヤ人へと変身した。

 

 「これは…?」

 

 「身体の奥底から力が溢れてくる…」

 

 零と百合は金色のオーラを発しながら、掌を見た。

 

 そして、拳を握り、悟天とトランクスの方を向いた。

 

 「へへっ、すげえ気だなぁ。オラワクワクして来ちまったぞ」

 

 「奇遇だな…俺もだ。身体が疼いてきやがる…」

 

 「あの、悟空さん、ベジータさん。二人はどうなったんですか?」

 

 なのははブラを抱き抱えながら二人に聞いた。

 

 「超サイヤ人に目覚めたのさ」

 

 「スーパー…サイヤ人?」

 

 「もしかして、あのフリーザが唯一恐れたと言うあの超サイヤ人なんか?」

 

 「ああ。オラ達は激しい怒りで超サイヤ人になれたけんど、あの二人はなにか別のものでなれたみてえだな」

 

 「なんだっていい。超サイヤ人になれたのならば、俺達にとっても好都合だ」

 

 そう言いながらベジータはニヤリと笑った。

 

 「悟天!トランクス!」

 

 「どうしたの?パパ?」

 

 「選手交代だ」

 

 「えー!これから面白くなって来る所なのにー!」

 

 「悪いけどよ、どうやら今度はオメエ達でも勝てねえ相手だ。だから、ここはオラ達大人に任せてくれ」

 

 「ちぇー」

 

 「お父さん、フュージョンして闘ってもだめ?」

 

 「お前達のフュージョンは確かに強いが、時間があまりにも短い。それに、調子にのってフュージョンが解けたら戦いどころではないからな…」

 

 「そういう事だからよ、悪いな悟天、トランクス」

 

 そう言って、悟空は二人の頭を撫でた。

 

 「今我慢すれば俺が後で遊んでやるぞ?」

 

 「本当!?」

 

 「ああ。いやというほど遊んでやる」

 

 「悟天にも、後で父ちゃんが行きたいとこ連れてってやっぞ?」

 

 「本当に!?良いの!?」

 

 「ああ、約束だ」

 

 「ありがとうお父さん!じゃあ、頑張ってね!」

 

 「パパも、負けないでね!」

 

 「ああ、見ていろ」

 

 そして、悟空とベジータは悟天とトランクスと入れ替わり、零と百合の前に対峙した。

 

 「さてと、オラ達もなってやらなきゃな」

 

 「ああ」

 

 そして、二人は身体に力を込め、超サイヤ人へと変身した。

 

 「いつでもいいぜ。かかってこいよ」

 

 「貴様らの好きなタイミングでスタートしろ」

 

 そう言って、悟空とベジータは構えをとった。

 

 「はぁっ!」

 

 零と百合は強く飛び出し、二人の元に飛び出し、強く拳を突き出して悟空とベジータを吹っ飛ばした。

 

 「ぐっ…!」

 

 「くっ…!」

 

 そして、零は悟空に、百合はベジータに強く飛び蹴りをして地面に叩きつけた。

 

 しかし、二人は地面に叩きつけられる前に高速で移動し、二人の後ろに回った。

 

 ベジータは百合を思い切り殴って地面に叩きつけ、悟空は零に強烈な拳の一撃を食らわせた。

 

 「くっ…だあっ!」

 

 零はすぐに立ち直り、悟空に拳を飛ばした。

 

 「でやああああっ!」

 

 悟空はその拳を掴み、大きく振り回して投げ飛ばした。

 

 「てやあああ!」

 

 ベジータは百合に向けて凄まじい勢いで連続エネルギー弾を放った。

 

 その間を百合はくぐり抜け、ベジータに向けて一撃を飛ばした。

 

 「まだまだ甘いぞ!」

 

 ベジータは百合の拳を掴んで引き寄せ、腹部に強烈な一撃を喰らわせた。

 

 「ぐはっ…」

 

 あまりの強さに思わず口の中の唾液が飛ぶ。

 

 ベジータは百合を投げ離し、百合は宙に浮きながら口元を拭った。

 

 「ほう、まだまだ余裕があるみたいだな。それとも強がりか?」

 

 「強がりなんかじゃないさ…全然余裕ってことだ」

 

 「ほう、言ってくれるじゃないか…ならば、こいつでどうだ!はああああ…!」

 

 そう言ってベジータはさらに力を解放し、新たな超サイヤ人へと変身した。

 

 「これが超サイヤ人を超えた超サイヤ人…超サイヤ人2だ」

 

 そう言ってベジータはニヤリと笑った。

 

 「おっ、ベジータの奴もようやく身体が温まってきたみてえだな…じゃあこっちもいくぞ!はああ…!」

 

 悟空も力を解放し、超サイヤ人2へと変身した。

 

 「さっきとはまたちげえんだぜ。超サイヤ人2ってやつだ」

 

 悟空もニヤリと笑って言った。

 

 「超サイヤ人2か…なら俺はそいつを超えてやるぜ…あっさりとな!はあああああああああ…!」

 

 零は先ほどよりも力を身体に込め、一気に全ての力を解放した。

 

 「はああああああっ!」

 

 零の髪は足首まで伸び、眉毛も消え、先程よりもオーラが大きくなった。

 

 「へぇ〜、やるじゃねえか。じゃあオラも!」

 

 そう言って、悟空も零と同じ形態へと変身した。

 

 「これが超サイヤ人3だ」

 

 そう言って悟空はニッと笑った。

 

 「だが、オレ達もここで終わるほどなまっちゃいねぇ。超サイヤ人3を更に超えた超サイヤ人ってヤツを見せてやる」

 

 「更に超える…!?」

 

 「はあああああっ!」

 

 「だああああああっ!」

 

 悟空とベジータは気を更に増幅させ、また新たな形態へと変化した。

 

 髪が黒くなり、上半身には赤い体毛がびっしりと出現した。

 

「こいつが超サイヤ人3を超えた…」

 

 「超サイヤ人4だ…ここからは俺も容赦はせん…何せこの姿になると力の制御一つも上手くいかんからな…」

 

 ベジータはニヤリと笑いながら言った。

 

 「なら、私達も全力で行くわ!零!」

 

 「おう!」

 

 百合も超サイヤ人3へと変身し、二人の元に向かって行った。

 

 「あの零ってヤツもすげえけど、あ百合ってヤツもすげえなあ。超サイヤ人3を一瞬で習得しやがった」

 

 「ふん、それでこそ戦闘民族だ。俺も久しぶりに疼いてきやがった。当然、貴様もワクワクしてるんだろ?」

 

 「あたりめえさ。何も気にせず本気でやれるんだからな。オレ達も行くぞ!」

 

 「はあっ!」

 

 零は悟空へ、百合はベジータへ再び闘いを挑んだ。

 

 「はあっ!だっ!でやあー!」

 

 零は目にも留まらぬ速さで拳を何度も突き出し、悟空はその拳を掴み、零の動きを止めた。

 

 零はその体勢を利用して悟空の腹へ鋭い蹴りを喰らわせ、悟空を地面へ向けて蹴り飛ばした。

 

 「クッ!波ぁー!」

 

 悟空は落下途中に体勢を整えて、腰の横で手のひらを合わせて気を溜め、着地すると同時に気を零に向けて一気に放った。

 

 「!!」

 

 零は慌ててその気を受け止めた。

 

 「ぐぐっ…だぁー!」

 

 零は辛うじてその気をどこか遠くへ弾き飛ばした。

 

 「はぁ…はぁ…」

 

 「やるじゃねえか。にわかものとは言えかめはめ波をぶっ飛ばすなんてな…」

 

 

 「でやあー!」

 

 ベジータと百合は高速で激しく拳を打ち合い、同時に強烈な蹴りをしてお互いに大きく離れた。

 

 「喰らえ!ファイナルゥゥゥ…フラーッシュ!」

 

 ベジータは大きく手を広げて手のひらにエネルギーを集め、手のひらを胸の前で近付け、巨大エネルギー波を百合に向けて放った。

 

 「はあああああ…だぁぁー!」

 

 百合も片手にエネルギーを集め、ベジータのエネルギー波に向けて放った。

 

 二つのエネルギー波は衝突して爆発を起こし、黒煙が上がった。

 

 百合とベジータは気で黒煙をかき消し、もう一度拳と拳をぶつけ合った。

 

 「貴様、さては下級戦士じゃないな?」

 

 「え?」

 

 「あんなにあっさりと超サイヤ人になれたんだ…下級戦士の筈が無かろう。この俺が認めてやる。貴様等はエリート戦士だ。…だが」

 

 そう言ってベジータは百合の腹へ強烈な一撃を入れ、百合の変身は解除された。

 

 「がはっ…」

 

 零も、悟空に強烈な一撃を入れられて変身を解除された。

 

 「おめえ達はまだ慣れてなかったからな。ちょっとでも油断するとこんな風にやられちまうのさ」

 

 零と百合の身体から一気に力が抜け、それを悟空とベジータが支えた。

 

 そして、二人は変身を解除し、零と百合をはやて達の前に寝かせた。

 

 「ふ、二人共大丈夫か!?骨とか折れとらんか!?」

 

 「サイヤ人の身体はそんなにヤワではない。疲れて寝ているだけだ」

 

 「初っ端から超サイヤ人3はやっぱキツイよな」

 

 そう言って悟空は頭を掻きながら無邪気に笑った。

 

 「いや、これ笑い事で済むの…?」

 

 すると、突然空が黒い雲に覆われた。

 

 悟空とベジータは何かに気付き、空の方を見上げた。

 

 「危ねぇっ!」

 

 悟空は素早く超サイヤ人へと変身し、零達を狙ったエネルギー弾を弾き飛ばした。

 

 「ジャネンバァァァ…」

 

 雲の中から、赤黒く染まった怪人が悟空達の前に降り立った。

 

 「お前は…?」

 

 「だけど…どうやら話すのは無理そうだぜ…」

 

 「ジャネンバァ!」

 

 怪人は二人に向かって行った。

 

 それを見て二人は構えを取った。

 

 悟空は怪人に拳を食らわせた。

 

 すると、怪人の身体はブロックの様に体を崩し、悟空の後ろで身体を形成して手持ちの剣で悟空に切りつけ、頭を掴んで地面に叩きつけた。

 

 「はあっ!」

 

 ベジータも超サイヤ人へと変身し、怪人へ殴りかかった。

 

 怪人はすぐにベジータの後ろへと周り、殴りかかった。

 

 ベジータはそれを予知し後ろに気弾を放って怪人の攻撃を阻止した。

 

 しかし、怪人はすぐさまベジータの首に尻尾を伸ばし、ベジータの首を締め上げた。

 

 「ぐっ…」

 

 「カカカ…」

 

 「はっ!」

 

 いつの間にか立ち上がっていた悟空が怪人に向けて気弾を放ち、怪人はベジータの首から尻尾を離して気弾を躱した。

 

 「ダメだ…全く歯が立たねぇ…」

 

 「チッ…」

 

 「…そうや!アイツ見たことあるで、私!」

 

 「本当!?」

 

 「ほ、本当か!?」

 

 悟空とベジータははやての方を向いて言った。

 

 「倒し方も知っとるで!」

 

 「な、なら早く教えてくれ!」

 

 「悟空とベジータが二人でフュージョンするんや!そうしたら勝てたで!」

 

ここで説明しておこう。

 

 フュージョンとは、 合体する二人が左右対称に全く同じポーズを取り、尚且つ二人が全く同じ大きさの気でやらなければならず、更に二人の体の大きさもほとんど同じでないと出来ない奥義である。

 

 しかも、そのポーズはお世辞にもカッコイイとは言えず、劇中フュージョンを教えられた悟天とトランクスも呆然と立ち尽くす程だった。

  

 「お…俺があんな恥ずかしいポーズを取るのか!?」

 

 「しかたねえだろ…これで勝ったって言うんだからよ…」

 

 「ほ、本当にこの俺があんなポーズを取ってカカロットと合体したって言うのか…?」

 

 「ほんまやで。なんならこの二人にもさせよか?」

 

 はやてはなのはとフェイトの方を指して言った。

 

 「え!?わ、私達も!?」

 

 「仕方あらへんやろ、今はそれしか手がないんやから」

 

 「ちっ…仕方ない、やってやる!」

 

 「サンキューな、ベジータ」

 

 「フン…」

 

 そう言ってベジータはその場でポーズを取り、悟空も間を取ってポーズを取った。

 

 しかし、そんなに都合よく待ってくれるはずも無く、怪人が二人に襲いかかってきた。

 

 「ジャネンバアアアア!」

 

 「そうはさせないぜー!」

 

 すると、横から一人の少年が颯爽と現れ、怪人を蹴り飛ばした。

 

 「お、おめえは…」

 

 「パンパカパーン!ゴテンクス様だぜ〜!」

 

 ゴテンクスと名乗る少年は両腕を斜め左に突き出したポーズを取って名乗った。

 

 「あれ?悟天君とトランクス君は?」

 

 フェイトは周りを見渡しながら二人を探した。

 

 「悟天とトランクスがフュージョンしたのがあのゴテンクスだ」

 

 「あ、そ、そうなんだ…それにしても、随分性格が変わるね…」

 

 「あいつらが時間を稼いでいる間にやるぞ!」

 

 「あ、ああ!」

 

 再び、二人はポーズの構えを取った。

 

 「「フュー…ジョン!はっ!」」

 

 悟空とベジータはお互いに近付きながら左右対称に腕を回し、両端に腕を引っ張りながら片足を上げ、足を伸ばしながら両手の人差し指を突き出してお互いの指を合わせた。

 

 その瞬間、二人の身体が眩い程に光を発し、金色のオーラが二人を包んだ。

 

 「一応私達もやっとく?」

 

 なのはがフェイトの方を見て言った。

 

 「わ、私もアレをやるの!?」

 

 フェイトは戸惑いながら言った。

 

 「ええやないか。合体は三十分位で解けるんやし、あの怪物を倒すのには充分やろ。それに…」

 

 「それに?」

 

 「なのはちゃんとフェイトちゃんが合体すれば間違いなく最強の魔法少女が誕生するで!」

 

 はやては目を輝かせながら言い、なのはとフェイトは同時にずっこけた。

 

 「まあでも、二人が戦うんだし、私達も戦わない訳にも行かないからね。フェイトちゃん、フュージョンのポーズは覚えた?」

 

 「うん、一応見てたよ」

 

 「なら大丈夫だね。はやてちゃん、ブラちゃんをよろしくね」

 

 「うん。目いっぱいやってくるんやで」

 

 「うん!」

 

 はやてはフェイトからブラを受け取り、フェイトとなのはは充分な間合いを取った。

 

 「「フュー…ジョン!はっ!」」

 

 なのはとフェイトも二人と同様にポーズを取り、指と指を合わせた。

 

 その瞬間、二人を桜色のオーラが包み込み、金色の稲妻を迸らせながら二人は合体した。

 

 

 

 「こんにゃろー!」

 

 ゴテンクスは怪人に殴りかかるが、怪人はその攻撃を回避し、ゴテンクスを悟空達の元へ蹴り飛ばした。

 

 「うわあー!」

 

 飛んでくるゴテンクスを、一人の超サイヤ人が受け止めた。

 

 「…?」

 

 「今までよく頑張ったね、ゴテンクス。後は任せて」

 

 別の女性がゴテンクスの頭をポンと撫で、超サイヤ人がゴテンクスを地面に降ろし、二人はキッと怪人を睨みつけた。

 

 「俺は悟空でもベジータでもない。俺は…」

 

 「私はなのはでもフェイトでもない。私は…」

 

 「「貴様を倒すものだ!」」

 

 二人は怪人の方を指さして宣言をした。

 

 「まさか本物のゴジータを見れるとはなぁ…そして、こっちは…ナイト、ってとこやろか。それにしても凄い魔力を感じるで…」

 

 はやてはなのはとフェイトが合体したナイトを見つめていた。

 

 ゴジータとナイトの周りではオーラが金色と桜色に輝いており、凄まじいエネルギーが二人の身体を駆け巡っているのが肌で感じられた。

 

 二人の服装はほとんど同じ、メタモル星人と言う宇宙人の服と同じで、ナイトの方にはインナーが着用されていた。

 

 二人はコツコツと足音を鳴らしながら怪人に迫って行った。

 

 怪人は剣を持ちながら二人に襲いかかった。

 

 ゴジータは同様すること無く、怪人が回避するよりも先に打撃を当て、回避してもその先を読んで打撃を加えた。

 

 怪人はまだ諦める様子は無く、再びゴジータに襲いかかった。

 

 「全く、分からないやつだ…」

 

 ゴジータは敵が動く前に早く拳を何発を打ち、怪人の頭部を蹴り飛ばした。

 

 「これ以上はもう好き勝手やらせないよ…バインド」

 

 ナイトは魔法で怪人の手足を封印し、身動きを取れなくした。

 

 「こいつであの世に送ってやる!」

 

 「もう二度とそんな悪さはさせない為にね!」

 

 ゴジータは両手をかざしてエネルギーを溜め、ナイトは二本のデバイスを構えて魔法を収束し始めた。

 

 「ビッグバン…!」

 

 「サンダーライト…!」

 

 そして、二人のエネルギーと魔法が同時に最大まで溜まり切った。

 

 「かめはめ波ああああああ!」

 

 「ブレイカァァァァ!」

 

 ゴジータは青く大きいかめはめ波を、ナイトは稲妻が迸る桜色の魔法を同時に放った。

 

 「ガ…ガァァァァッ!」

 

 二人の砲撃は怪人に直撃し、大きな爆発を起こし、火の粉と光の粉が舞っていた。

 

 爆発の後には何も残っておらず、全てを消し去っていた。

 

 「おぉ…ごっつ綺麗やわ…」

 

 「うん…」

 

 ゴジータとナイトはゆっくりと歩いてこちらに戻ってきた。

 

 そして、歩きながら二人は四人に戻った。

 

 「どうやら、歴史の修正も一緒に出来たみたいやな。とにかく、終わってよかったわ」

 

 「歴史の修正?なんだそりゃ」

 

 「ああ…それは話すと長くなるんやけどな…」

 

 はやて達三人は悟空達に今何が起こっているのかを話した。

 

 「…つまり、おめえ達は、ねじ曲がっちまった歴史を元の正しい歴史に戻すってのをやってたんだな」

 

 「道理で、ここ最近時の界王神が騒がしいと思ったら、そういう事だったのか」

 

 「そうなんよ。まあでも、酷いことになる前に来れて良かったわ。ただ、あの二人にフュージョンを教えられんかったのが残念やったけど」

 

 「あの二人?零と百合ってやつか?」

 

 「そうや。あの二人が合体したら強くなれると思うんやけどなぁ」

 

 「そんなもの、無理にさせんでもいい。あの二人なら、トレーニングを怠らん限り大丈夫だ」

 

 「ああ、オラもそう思う。二人に伝えておいてくれよ」

 

 「分かった。全部終わったらまた行くかもしれんしな」

 

 「ああ、そん時には、また闘おうな。おめえ達も一緒に戦ってくれてあんがとな!おかげで助かったぞ」

 

 悟空はなのはとフェイトの方を見て言った。

 

 「いえ、私達も悟空さん達と肩を並べられて光栄でした」

 

 「またいつか会いましょうね」

 

 「ああ。約束だ」

 

 悟空となのはは固い握手を交わした。

 

 そして、はやては百合と零をデンライナーに入れ、再びデンライナーは走り出した。

 

 「じゃーなー!」

 

 悟空と悟天、トランクスは空を駆けるデンライナーに向かって手を振った。

 

 なのはとフェイトも窓から身を乗り出して手を振り、やがてデンライナーは空の穴へと消えていった。

 

 「ねえお父さん、あの人達強かった?」

 

 悟天は悟空の方を見て言った。

 

 「ああ、アイツら二人共すげえ才能を秘めてたんだ。またアイツらと会ったら闘ってみてえ」

 

 「お父さんそんな事ばっかり言ってるとまたお母さんに怒られちゃうよ?」

 

 「それもそうだな!はっはっはっはっ!」

 

 すると、空の彼方から電車が走り込んできた。

 

 「…む?」

 

 「何だ?また電車か?」

 

 

 

 

 デンライナーのベッドで、百合と零は目を覚ました。

 

 「…んむ…ここは?」

 

 「よう、起きたか」

 

 「モモタロス…?」

 

 「二人共ずっと寝てたんですよ」

 

 「永夢くん…?」

 

 「他の皆は?」

 

 零は暗くなった車内を見回しながら言った。

 

 「皆ならとっくに寝ちまったぜ。俺も眠いし、そろそろ寝るぜ」

 

 「お二人も、早く寝てくださいね。早寝早起きが健康の秘訣ですから」

 

 「ああ、はい。おやすみなさい」

 

 モモタロスと永夢は自分達の寝室に戻り、それぞれ自分の布団に潜った。

 

 「…結局、何しに行ったんだろうね、私達」

 

 百合は苦笑いしながら言った。

 

 「さあな。でも、超サイヤ人になれたのは良かったな」

 

 「うん。どんどん強くなれそうだしね」

 

 「ああ。並の敵なら一発かもな」

 

 「ふふ、そうね。…それじゃあ、私達も寝ましょ?」

 

 「おう。おやすみなさい」

 

 「おやすみ」

 

 百合と零は再び自分の布団に潜り、眠りについた。

 

 デンライナーは次の世界を目指しながら時空を駆け抜けて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。
最近、あまり時間が取れなくて継ぎ接ぎで書いているので、もしかしたら凄くちぐはぐな文になっているかもしれませんが、そこはご愛嬌ってことで。
それではまた次回!
怪獣達よ、ごめんね!メンバーはちゃんと覚えてっから!
そしてなのはとフェイトのフュージョンはほぼ妄想だァー!


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魔法といえば…

久しぶりですぞ〜!
ごめんなさ〜い!
よっしゃやろう


デンライナーは次の世界へと向かって走っていた。

 

 「うんうん、歴史に異変が起きてる世界もどんどん減って来てるね」

 

 なのははレーダーを見ながら言った。

 

 「これも、ディケイドやウルトラマンX達が頑張ってくれてるからだね」

 

 「うむ。しかし、我らも頑張らねばならぬ。まだまだ気を緩めてはならんぞ」

 

 「ディアーチェ君の言う通りです。皆様、最後まで一つ残らず歴史を修正しましょう」

 

 オーナーの言葉に一同は強く頷いた。

 

 「そう言えば、幸太郎や侑斗はどうしたの?デネブやテディもこの事態に気付いてると思うんだけど」

 

 ウラタロスは一つの疑問を投げかけた。

 

 それもそうだ。彼らもデンライナーやゼロライナーと言った、時を越える電車がある。

 

 彼らも異変に気付き、電車で危機から逃れた筈だ。

 

 「アイツらの事だ。きっと無事だろ」

 

 「そりゃセンパイの言う通り、大丈夫だとは思うけどさ」

 

 「そんなら、とっくに歴史が変わる前の時間に戻って歴史を自分達で直しとるかもしれんしなぁ」

 

 「でも、デンライナーが出れたのは、何者かが出現させた穴を通って世界を脱出出来たんですよね?いっぺんに穴を開けられるのは厳しくないですか?」

 

 「それもそうか…」

 

 「で、でも、映司さんみたいな例もありますし、デンライナーみたいな脱出は出来なくても他の世界に飛ばされてる、と言うのも考えられませんか?」

 

 モモタロスが落胆したのを見て、百合は慌てて言った。

 

 「そうだな…その可能性に賭けるしかねえか。それはそれとしてオーナー、次の世界の情報は何かねえのか?」

 

 モモタロスは気を取り直し、オーナーの方を向いて聞いた。

 

 「次の世界は…おや、これまた珍しい世界ですね。世界が[ナシマホウ界]と[魔法界]の二つに分かれてしまっています」

 

 それを聞いて一同は首を傾げた。

 

 「魔法界とナシマホウ界?んだそりゃ」

 

 「行けば分かると思いますよ。それに、モモタロス君達も一度は魔法を目撃した事がある筈です」

 

 「魔法…んー、一人居たような…」

 

 デンライナーは線路を切り替え、別世界に繋がる穴に入っていった。

 

 

 

 『ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー!ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー!』

 

 「フィナーレだ」

 

 『キックストライク・プリーズ!』

 

 左手に嵌めた指輪をベルトにかざし、その音声と共に一人の赤い魔法使いは右足に赤い魔法陣を纏い、ロンダートで威力を増幅させ、空中反転をして高く飛び上がった。

 

 「ヨ、ヨクバール…!」

 

 「はぁっ!」

 

 『チョーイイネ!キックストライク!サイコー!』

 

 赤い魔法使いはファントムと呼ばれる魔物に飛び蹴りを食らわせ、ヨクバールファントムは断末魔と共に爆発した。

 

 「ふぃー。大丈夫か、お嬢ちゃん達」

 

 魔法使いはお揃いの制服を来た少女三人の元に歩み寄った。

 

 「まだ、みらいが…」

 

 「うぅ…リ、リコ…助けて…」

 

 「みらい!」

 

 みらいと呼ばれた少女の身体には紫色のヒビが入り、辛そうにリコと呼ばれた少女に手を伸ばした。

 

 「待ってろ、すぐ助けてやる。俺が最後の希望だ」

 

 そう言うと魔法使いはオレンジ色の石がハマった指輪をみらいの左手に嵌め、みらいの腕を掴んで自身のベルトにかざした。

 

 『エンゲージ・プリーズ』

 

 その音声が鳴ると共にみらいの身体の上に魔法陣が展開し、魔法使いはその中に飛び込んだ。

 

 魔法使いは紫色の空間を通ってアンダーワールドと呼ばれる世界に入った。

 

 アンダーワールドとは、その人物の最も印象に残っている風景を表した心の世界の事で、人によって変わり、その中に新たに生まれようとしているファントムが出現するのである。

 

 魔法使いは青空の中の桜並木の中に降り立った。

 

 「ここか…」

 

 その中では、みらいが箒に乗ったリコと出会う風景が映っていた。

 

 それを破壊するかの様に紫色のヒビの中から空間を突き破って紫色の怪物が飛び出してきた。

 

 「スーパーヨクバァァール!」

 

 スーパーヨクバールファントムは雄叫びをあげながら魔法使いに迫ってきた。

 

 「随分荒々しい奴だな。頭を冷やしな」

 

 『ウォーター・プリーズ!スイー・スイー・スイー・スイー!』

 

 魔法使いは青い魔法陣を通り、黒い身体と赤い顔の姿から黒い身体と青い顔の姿に変わった。

 

 「さぁ、ショータイムだ」

 

 『コネクト・プリーズ』

 

 魔法使いは魔法陣からバイクを出し、すぐさまバイクに乗ってファントムから間合いを取った。

 

 『ドラゴライズ・プリーズ』

 

 「来い!ドラゴン!」

 

 魔法使いは体内から一匹の銀色の羽根と金色の身体に赤い瞳のドラゴンが出現し、ドラゴンはファントムに向かって体当たりをした。

 

 しかし、ファントムはものともせず、魔法使いに向かって走ってきていた。

 

 「流石、図体がデカイだけはあるな」

 

 魔法使いは余裕を見せながらソードガンでファントムに向けて銃撃を撃ち込んだ。

 

 銃弾はドラゴンに当たることなく、ファントムに全弾命中した。

 

 「ヨクバァァ…」

 

 「まあ、そう簡単に諦めるわけないよね」

 

 魔法使いは突き当たりの道を曲がり、そこでバイクとドラゴンを合体させて空に飛翔した。

 

 「行くぜ、ドラゴン」

 

 そして、魔法使いはドラゴンに乗りながらファントムの方に急旋回し、ファントムの腹部に突撃してファントムを持ち上げた。

 

 「ヨクバァァール!」

 

 「おいおい、まだ暴れ足りないのかよ」

 

 魔法使いはファントムが伸ばしてくる触手をソードガンで撃ち、触手を断ち切った。

 

 「フィナーレだ」

 

 その言葉と共にドラゴンはファントムを地面に激突させ、ドラゴンはもう一度空高く飛翔した。

 

 『キックストライク・プリーズ』

 

 魔法使いはドラゴンから飛び上がり、ドラゴンはバイクと共に合体変形し、飛び蹴りの体勢の魔法使いの右足に合体し、魔法使いの巨大な幻影をその身に纏い、立ち上がって迎え撃とうとしたファントムを貫きながら着地した。

 

 そして、魔法使いが立ち上がると同時にその後ろでファントムは爆発し、それと同時にみらいの身体の紫色のヒビも消滅した。

 

 魔法使いはみらいの中から脱出し、変身を解除して一人の青年に戻った。

 

 「よっと。ふぃー」

 

 「ありがとう、魔法使いさん」

 

 「ありがとう、みらいを助けてくれて」

 

 「本当にありがとう!」

 

 「ああ。こっちも、助けられて良かった」

 

 みらいはリコともう一人の少女の手を掴んで立ち上がり、青年は周りを見渡した。

 

 周りは学校の様な施設が並んでおり、校庭の中心にはマントと帽子を身につけ、長靴を履いて剣を持った猫の像が建てられていた。

 

 「はーちゃんも、リコもありがとね」

 

 「良いのよ。みらいが無事ならそれで」

 

 「でも本当にびっくりしたよね。魔法使いさんが来たかと思ったら急にみらいの身体ひび割れ出すんだもん。魔法使いさん、何か知らない?」

 

 三人の少女は青年の方を向いて言った。

 

 「うん、さっきの現象は俺が元いた世界での現象だな。本来なら、心の支えが無くなったりして絶望のどん底に落ちた人間だけに起きる現象なんだけど…お嬢ちゃん、最近何か嫌なことでもあったか?」

 

 青年は少女達の方を見下ろして言った。

 

 「最近…うーん、特に無いかなぁ」

 

 みらいは顎に手を添えて言った。

 

 「そっか。なら良いんだけど…」

 

 青年も顎に手を添えた。

 

 本来ならば絶望した人間だけがなる現象だが、今回はケースが違う。

 

 特に絶望する事も無いのならば、心の支えが無くなった、と言う訳でも無さそうだ。ならば一体…?

 

 「あっ、そうだ、まだお兄さんのお名前聞いてなかった。私は朝比奈みらい。それで、こっちがリコで、こっちがことは。はーちゃんでいいよ」

 

 「リコです。宜しくお願いします」

 

 「花海ことはです。はーちゃんでいいよ!」

 

 「俺は操真晴人。宜しく。みらいちゃん、リコちゃん、はーちゃん」

 

 「うん、宜しくね、晴人さん」

 

 「ああ」

 

 晴人は三人と握手を交わした。

 

 「それで、こっちが…」

 

 「モフルンモフー!」

 

 みらいの後ろから小さな熊のぬいぐるみの様な妖精が晴人の前に飛び出した。

 

 「…ぬいぐるみが喋った!?」

 

 晴人は少し後ずさりながら言った。

 

 「ぬいぐるみじゃないモフ!モフルンだモフ!」

 

 「まあ、最初は誰だってそうなるわよね…」

 

 「それじゃあモフルン、宜しくな」

 

 「モフ!」

 

 晴人はモフルンとも握手を交わした。

 

 握手の後、リコは晴人の指輪に気が付いた。

 

 「晴人さん、その指輪は?」

 

 リコは晴人の指輪を見て言った。

 

 「これ?これは俺が魔法を使うための道具。見てな」

 

 『コネクト・プリーズ』

 

 晴人は自分の横に出来た魔法陣に手を入れ、五つのドーナツが入った袋を取り出した。

 

 「こんな感じ」

 

 そう言って晴人は中からプレーンシュガーを取り出し、残りの四つのドーナツを一つずつ四人に渡した。

 

 「晴人さん凄い!でも、私達も同じ事出来るんだよ」

 

 「へ?」

 

 晴人はドーナツをくわえながら少し目を見開いて声を出した。

 

 「キュアップ・ラパパ!イチゴメロンパンよ、出なさい!」

 

 リコは杖を使い、晴人の手元にイチゴメロンパンを出した。

 

 「おお。すげえな」

 

 晴人は少し笑いながらイチゴメロンパンを手に取った。

 

 一度プレーンシュガーを袋にしまい、メロンパンを一口かじってみた。

 

 …悪くない。

 

 「うん、美味しいよ、リコちゃん」

 

 晴人はリコの方に微笑んで言った。

 

 「それなら良かったわ」

 

 そして、晴人はまたドーナツを食べ始めた。

 

 「と、なるとみらいちゃんとはーちゃんも使えるのか?」

 

 「ええ。杖さえあればね」

 

 それを聞いて晴人は胸を撫で下ろした。

 

 「良かった。ファントムは魔力を使って生まれるやつだから、てっきり使えなくなっちゃったかと思ったよ」

 

 「うん、大丈夫。そのファントムってのも晴人さんがやっつけてくれたんでしょ?」

 

 「ああ。もう心配いらない」

 

 すると、空に穴が開き、線路が走ってきた。

 

 「ん?何だありゃ?線路?」

 

 「今度は何だろう?」

 

 そして、線路は晴人達の前に敷かれ、その上に電車が走ってきた。

 

 「電車が走ってきた!?」

 

 「何々!?魔法界を乗っ取りに来たの!?」

 

 そして、電車の中から四人のイマジンと三人の男性と四人の女性が降りてきた。

 

 「また変な所だなぁ…ん?」

 

 「あっ!お前ら!」

 

 晴人は永夢の元に駆け寄り、四人は晴人を慌てて追いかけた。

 

 「あっ、晴人さん!この間の節はありがとうございました」

 

 永夢は晴人に一礼した。

 

 「良いよ良いよ。俺はちょっとお節介なだけの魔法使いだからさ」

 

 そう言って晴人は静かに笑い、永夢も白い歯を見せて笑った。

 

 「よう、魔法使いさん」

 

 「おう、バイクのお兄さんじゃん」

 

 「魔法使いっていつも元気だよな、何か魔法でも使ってんのか?」

 

 「そんな便利な魔法なんてないよ」

 

 そう言って晴人と貴利矢は静かに笑った。

 

 「で、こっちは…」

 

 晴人はイマジン達の方を見た。

 

 「まさか知らねぇとは言わねえよな?何度も会ってんだからよ」

 

 イマジン達は期待しながら晴人を見た。

 

 「………誰だっけ?」

 

 晴人は首を傾げながら言い、イマジン達は一斉にコケた。

 

 「モモタロスだよ!忘れちまったのか!?」 

 

 「冗談だよ。久しぶりだな」

 

 「おう。相変わらず魔法使いやってんのか?」

 

 「まあな。そっちも相変わらず時間超えてるらしいな」

 

 「ああ。ただちょっとな…多分お前がこっちに来た理由も分かるかもな」

 

 モモタロス達は今起きている事態を説明した。

 

 「そういう事か…」

 

 「お前だけでも助かってて良かったぜ」

 

 「ああ、俺は皆の最後の希望だからな。皆を置いて行ったのは悪いけど、その事件さえ解決すれば全て解決だろ?」

 

 「まあな」

 

 「そう言えば、晴人さんは何故ここに?」

 

 永夢は晴人の方を見て言った。

 

 「一か八かでコネクトの魔法を使ってみたら、何が何だか分かんない内にここに来ていたんだ」

 

 「ふーん…」

 

 「それで、そちらは?」

 

 晴人は零や百合、なのは達の方を見た。

 

 「ああ、こいつらはこの事態を収拾するために動いてるんだ。それで、俺達が必要だからって…どわっ!?」

 

 「操真晴人さんですよね!?一度会ってみたかったんです!」

 

 百合はモモタロスを押しのけ、目を輝かせながら晴人に迫った。

 

 「ああ。俺も有名になったもんだな」

 

 「あ、あの、サイン、貰えますか?」

 

 「ああ。構わないよ」

 

 百合はペンと色紙を渡し、晴人は自分のサインを書いて百合に返した。

 

 「ほら」

 

 「ありがとうございます!」

 

 「お姉さん、名前は?」

 

 「藤森百合です。それで、向こうの青いのが私の夫の零です」

 

 「青いの!?…まあいいや。宜しくお願いします晴人さん」

 

 「ああ、よろしくな零…ちゃん?」

 

 「あ、いや、男です」

 

 「ああ、分かった。改めてよろしくな、零」

 

 そう言って零と百合は晴人と握手を交わした。

 

 「んで、そちらのお姉さん達は?」

 

 晴人はなのは達の方を見た。

 

 「私達は時空管理局の機動六課です」

 

 「時空管理局…要するに世界を守る集団、って事で良い?」

 

 「そうです。魔法を使って、たくさんの人達を守ってるんです」

 

 「へぇ〜、そんな仕事だと忙しくて仕方ないでしょ」

 

 「まあなぁ。けれど、和解を優先しとるからな。そんなに力づく、って訳でもないんや」

 

 「なるほどな」

 

 「どや?魔法が使えるんやったら、こっちで働くのも悪くはないやろ?」

 

 「お誘いはありがたいけど、遠慮しとくよ。俺はただお節介な位が良いんだ」

 

 「そうか…ま、無理に入れても仕方あらへんしな。それで、晴人とか言っとったな。私は八神はやて。よろしゅうな」

 

 「ああ。よろしくな、はやてちゃん」

 

 「私は、高町なのはです。宜しくお願いします、晴人さん」

 

 「こちらこそ、宜しく」

 

 「私は、フェイト・T・ハラオウンです。宜しくお願いします」

 

 「ああ、宜しく」

 

 晴人はなのは、はやて、フェイトと握手を交わした。

 

 「それで、ここに異常は何か無いのか?いねえはずの奴がいる、とかよ」

 

 モモタロスは晴人の方を見て聞いた。

 

 「いや、特にそう言うのは無いな。さっき、みらいちゃんからファントムが生まれそうになったけど、なんとか倒したし、それ以外は何も無いよ」

 

 「そうか…ん?みらい?誰だそいつは」

 

 「この子さ。それでこの子達と妖精さんはみらいちゃんのお友達だ」

 

 晴人は後ろにいたみらい達を見て言った。

 

 「朝比奈みらいです」

 

 「リコです」

 

 「花海ことはです。はーちゃんでいいよ!」

 

 みらい達もイマジン達やなのは達と握手を交わした。

 

 「モフルンモフー!」

 

 「…ぬいぐるみが喋った!?」

 

 一同は声を合わせて言った。

 

 「もう二回目モフ…」

 

 「別にぬいぐるみがしゃべってもいいだろ?毎日楽しそうだ」

 

 晴人はそう言いながらモフルンを抱き抱えた。

 

 「私達が使える魔法とはまた別の魔法やろうし、ええなあ」

 

 それを聞いたみらいがはやて達の元に駆け寄った。

 

 「はやてさん達は私達とは違う魔法が使えるの!?」

 

 「え?ま、まあなぁ」

 

 「それって、今出来る?」

 

 「ま、まあ、出来んことはないけど、喜ばせられるかは分からんで?」

 

 「全然いいよ!見れるだけでもワクワクもんだぁ!」

 

 「それじゃあ、ちょっと待ってて…」

 

 みらいはワクワクしながらなのは達の方を見ていた。

 

 なのは達はデバイスを展開し、大きな杖のようなデバイスを構えた。

 

 「おおー!カッコイイ!」

 

 「まだまだ、これからよ。空の方を見ててね」

 

 「はいっ!」

 

 みらいは言われた通り空の方を向いた。

 

 「ディバイーン…シューター!」

 

 「フォトン…ランサー!」

 

 「ブリューナク!」

 

 三人は同時に五発の魔弾を撃ち、お互いの弾を衝突させてスパークさせ、カラフルな花火を打ち上げた。

 

 「おおおー!すごいすごーい!」

 

 みらいは目を更に輝かせて大興奮しながら言った。

 

 「喜んでもらえて良かった」

 

 三人はデバイスをしまった。

 

 「そう言えば晴人さん、さっき、みらいちゃんがファントムを生み出しそうになったって言ってましたよね?」

 

 「ああ、それがどうした?」

 

 「ファントムが生まれてしまったら元の人間はどうなるんですか?」

 

 「…元の人間は死んで、その体をファントムが肉体を活動用の身体にするんだ。ま、中に入って倒しちゃえばなんにもならないんだけどな」

 

 「アンダーワールドですよね!」

 

 百合は目を輝かせながら言った。

 

 「よく知ってるね?俺と同じ魔法使い?」

 

 「い、いえ、その、テレビで見てたというかなんと言うか…」

 

 「?ま、よく分かんないけど、俺の事を知ってるならいいや」

 

 晴人は笑いながら言った。

 

 「アンダーワールドって?」

 

 零は首を傾げながら聞いた。

 

 「アンダーワールドって言うのは、その人の一番大切な思い出を映し出した世界の事なんだ。それは、人によってそれぞれ違う。時々、同じ事もあるんだけどね」

 

 「へぇ〜…」

 

 「僕達イマジンみたいにその人の思い出を通って過去に行く訳じゃなくて、ファントムはその思い出の風景を壊して、外に出てくる。それを防ぐのがウィザードの役目って訳」

 

 ウラタロスが簡潔に説明した。

 

 「説明ありがとな、ウラタロス」

 

 「どういたしまして」

 

 「ねえ、みらいのアンダーワールドってどんなんだったの?」

 

 リコはみらいの後ろから肩を掴みながら晴人に聞いた。

 

 「ちょ、ちょっとリコ!」

 

 みらいはリコの方を向いて恥ずかしそうに言った。

 

 「いいじゃない。聞かせなさいよ」

 

 「みらいちゃんのアンダーワールドは…」

 

 「は、晴人さん!」

 

 「みらいちゃんがリコちゃんと初めて会った時の風景だったよ。桜の木の下で会ったんだろ?」

 

 「えっ…」

 

 リコは顔を赤くした。

 

 「だ、だから言ったじゃん…」

 

 「み、みらいあの時のことまだ覚えてたの!?」

 

 「だ、だってそりゃあ忘れられない大切な思い出だし…」

 

 「…ううん、いいわよ。私もちゃんと覚えてるし、みらいが忘れてなくて良かったわ」

 

 「リコ…!」

 

 そう言ってみらいとリコは抱き合った。

 

 「コホン、で、これからどうするん?ここの異変は終わったの?」

 

 「みらいちゃんのファントムも潰したし、それ以外の反応も感じない。終わったみたいだな」

 

 「ちっ、俺達が来た意味ねえじゃねえか」

 

 「まあまあ、何かあったら大変やし」

 

 「そうだよ。それに、何かあってもいいようにモモタロス君はここに残る?」

 

 「ちゃんとプリンも出してあげるよ!」

 

 「え?ど、どうしよっかな…じゃねえよ!俺がプリンなんかで釣られると思ってんのか!」

 

 「うん」

 

 残りのイマジン達が同時に頷いた。

 

 「てめえらも頷くんじゃねぇ!…で、ウィザード、お前はこれからどうするんだ?」

 

 「俺はもう少しこの世界で調査を続けるよ。それが終わったらみらいちゃん達とナシマホウ界に行ってみる」

 

 「そうか…気を付けろよ!」

 

 「ありがとな、モモタロス」

 

 「へっ、いいってことよ」

 

 そう言ってモモタロス達はデンライナーに乗り込んだ。

 

 「またねー!なのはさーん!」

 

 「じゃあね、みらいちゃん」

 

 そして、デンライナーは空に穴を開け、その中に入って行った。

 

 「なんだかすぐ行っちゃったね」

 

 「本当、なんだったのかしら。…ん?また?」

 

 晴人達の前に、別の方向からデンライナーが走ってきた。

 

 そして、デンライナーは晴人達の前で止まり、ドアが開いた。

 

 「お前…!」




今回はここまでです。

いやー、長い!そして怪獣達の出番!!!!!!

次回がいつになるか分かりませんが気長にお待ちください


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ULTRA FOREVER FRIENDS

長らく!長らく!お待たせ致しました!

何も語るめえ!読めぇ!

あと待たせてごめん!


零達が乗るデンライナーは次の世界に向けて時空を走っていた。

 

 「オーナーさん、次の世界はどこですか?」

 

 「ふむ…次の世界は…」

 

 オーナーが次の世界について話そうとした途端、大きな爆発と共にデンライナーが揺れ、零達はその場に倒れ込んだ。

 

 「わああ!?なになに!?」

 

 「なんだなんだァ?」

 

 「…怪獣!?」

 

 「なんやて!?」

 

 なのはの言葉を聞いて一同はデンライナーの外に出た。

 

 「キィィィィィッ!」

 

 「デンライナーはっけぇん!今すぐぶっ壊してやるよ!ケハハハァ!」

 

 「貴様らもここまで…今すぐ楽にしてやる!」

 

 「アントラー!グローザム!デスレム!?そんな!こいつらには時間を移動する能力なんてないのに!」

 

 すると、怪獣や宇宙人の他にも三体の怪人がいるのが見えた。

 

 「私達もいますよ…すぐにあなた達を亡きものにしましょう」

 

 「星の運命は絶対だ…貴様らなどには決められない…」

 

 「貴様らは滅びるだけの猿…我らフェムシンムとは格が違う…!」

 「あれは…!ギラファアンデッド!レオゾディアーツ!デェムシュ…!」

 

 「よりによって厄介なやつらを呼んできやがった!」

 

 「ど、どうするのセンパイ!」

 

 「ビビってなんかられねえよ!戦うぞ!」

 

 そう言ってモモタロスはデンオウベルトを取り出した。

 

 「俺も行きます!」

 

 ガイもオーブリングを取り出した。

 

 「俺達も行くぞ!」

 

 「うん!」

 

 零の合図に合わせ、それぞれのヒーローに変身した。

 

 「変身!」

 

 『SWORD FORM』

 

 『覚醒せよ!オーブオリジン!』

 

 『タドルクエストー!』

 

 『マイティマイティアクション!X!』

 

 『バンバンシューティング!』

 

 『OUJA RIDER!』

 

 『SAGA RIDER!』

 

 王蛇とサガのアーマーを纏った零と百合、エグゼイド、ブレイブ、スナイプ、電王、そしてウルトラマンオーブが怪人達の前に立ちはだかった。

 

 「とにかく今はやるしかない!」

 

 「行くぜ行くぜ行くぜぇ!」

 

 零と百合はレオゾディアーツへ、ブレイブとスナイプはデェムシュへ、エグゼイドと電王はギラファアンデッドへと向かい、オーブは三体の怪獣を相手に戦い始めた。

 

 「うおおおお!」

 

 「はぁぁぁぁっ!」

 零と百合は手に持ったサーベルと剣をレオゾディアーツへ当て、斬りつけた。

 

 「この程度!はぁっ!」

 

 レオゾディアーツは二人の剣を強く握り、粉々に砕いた。

 

 「そんな…!」

 

 「だったら!今度はこれだ!」

 

 零と百合はヒーローボールを回し、別のヒーローのアーマーを纏った。

 

 『GAIA ULTRA FIGHTER!TYPE V2!』

 

 『VICTORY ULTRA FIGHTER!』

 

零と百合はウルトラマンガイアとウルトラマンビクトリーのアーマーを纏った。

 

 「これで決める!」

 

 「いくわよ!」

 

 『QUANTAM STREAM RAY!』

 

 『VICTORIUM SHOOT RAY!』

 

 零はガイアの光線の構えを、百合はビクトリーの光線の構えを取り、同時にレオゾディアーツに向けて光線を発射した。

 

 「そんなもの!」

 

 レオゾディアーツは光線を回避し、二人の後ろに回って身体を掴み、地面に叩きつけた。

 

 「所詮この程度か…」

 

 

 『タドルファンタジー!』

 

 『バンバンシミュレーション!』

 

 「はぁっ!」

 

 「うおおおおお!」

 

 ブレイブとスナイプの二人はレベルを一気に上げ、デェムシュに向けて光弾を連射していた。

 

 「ふん…こんなもの!」

 デェムシュは二人の光弾を弾き、強烈な炎を浴びせた。

 

 「うわぁぁぁっ!」

 

 「ぐぁぁっ!」

 

 二人はその場に倒れ込み、デェムシュはブレイブの頭を踏みつけた。

 

 「愚かな…」

 

 「くっ…!」

 

 

 『マキシマムパワーX!』

 

 『CLIMAX FORM!』

 

 「ふ…そのようなもので…」

 

 エグゼイドもマキシマムマイティXになり、電王もクライマックスフォームに変身してギラファアンデッドに殴りかかった。

 

 「今俺達は負けるわけにゃいかねえんだよ!」

 

 「その為にもお前を切除する!」

 

 「無駄なことを…今ここで私達を倒しても無意味だと言うのに…」

 

 「なんやて!?」

 

 「それって一体…」

 

 

 「オゥルスァッ!」

 

 オーブはオーブカリバーで敵を斬りつけながら宇宙人達の話を聞いていた。

 

 「無意味だと?」

 

 「お前達はもうすぐ消える…我々が消さなくともな…」

 

 「何!?」

 

 すると、次の瞬間、零と百合のヒーローボールが消え、オーブや電王達も唐突に光となって消え去った。

 

 「え…!?」

 

 「そ、そんな…!?」

 

 二人が纏っていた仮面ライダーファムと仮面ライダーブレイブのアーマーも消え、腕輪すらも無くなった。

 

 「ふ…全てが終わったか…」

 

 「さらばだ…時の神達よ。行き場のない世界で絶望を噛み締めると良い…」

 

 そう言うと怪人や宇宙人達はその場から消え、辺りには静寂が訪れた。

 

 「そ、そんな…皆…消えてもうた…」

 

 「そんな…嘘でしょ…」

 

 「ガイさん…モモタロスくん…」

 

 「…皆さんは…本当に…」

 

 「やだよ…やだよそんなの!王様!なんとかしてよ!」

 

 「我に今更どうこう出来るものでもない…」

 

 すると、残されたデンライナーの中から通信機の音が聞こえ、零達はデンライナーの中に戻り、モニターを表示した。

 

 「…なんてことや!」

 

 はやてはモニターを見て叫び声をあげ、一同もはやてに続いてモニターを見た。

 

 「…!?」

 

 「一つの世界に…」

 

 「仮面ライダーやウルトラマンの怪人や怪獣が集まってる…!?」

 

 「もうあかん…これは私らではどうにもならん…」

 

 「…行くしかない」

 

 零の言葉にはやては目を丸くして零の肩を掴んだ。

 

 「あんたそれ本気で言っとるんか!?あの軍勢にはどうやったって勝つことは無理や!私らだけでどうにかなるもんやない!考え直しや!」

 

 「はやてさん…」

 

 「な、百合ちゃんなら分かってくれるやろ?…分かるやろ?」

 

 「…」

 

 百合は黙ったまま、何も言えなかった。

 

 「…はやて…」

 

 「小烏…」

 

 「…私だって、いかなあかんのは分かっとる。だけど…あれにはもうどうやったって勝つ算段が思い浮かばへん…」

 

 はやては零の肩から手を離し、項垂れた。

 

 「…行きましょう」

 

 「シュテルん…」

 

 「今その世界に敵が集まっているのなら、一気に叩くチャンスです。どうせ負けるのなら、やらないよりやれる事をやってやりたい…」

 

 「シュテル…」

 

 「…我も乗ろう。一度乗りかかった船だ。例え沈むことになろうと最後まで抗って見せよう」

 

 「王様…分かった。そんならやれる事を精一杯やったるわ。皆…行くで!」

 

 はやての目には決意の色が見えた。

 

 「はやてちゃん…!」

 

 「ティア、私達もやれる事を!」

 

 「うん!スバル!」

 

 「よし、じゃあ行くぞ!」

 

 零はデンライナーの操縦席に乗り込み、その世界へと突入した。

 

 灰色の空の下、雨が降る中街の至る所から煙や炎があがり、辺りには様々な怪獣達が暴れ回り、街中では怪人達や戦闘員が人々を襲っていた。

 

 「ひどい…!早く助けなきゃ!」

 

 零はデンライナーを着陸させ、零達はデンライナーから降り、怪人達の元へ向かった。

 

 「はぁぁ!」

 

 「だぁぁ!」

 

 零と百合は雨の中を走りながらバグスターやファントム、インベス達に殴りかかった。

 

 「行くよ!皆!」

 

 「うん!」

 

 「はい!」

 

 なのはに続いてフェイトやはやて達機動六課は上空から怪獣達を攻撃した。

 

 「ピィィィィッ!」

 

 「ああああああああぁぁぁっ!」

 

 すると、上空にいた鳥怪獣や飛行能力を持った怪獣達の光弾や炎で撃ち落とされ、なのは達は地面へと叩きつけられた。

 

 「そんな…!」

 

 「く…」

 

 「うわっ!」

 

 「きゃあっ!」

 

 零と百合も怪人達に吹っ飛ばされ、なのは達の近くの水たまりに飛沫をあげながら倒れ込んだ。

 

 「もうお前達はおしまいだ…!」

 

 零達の前にショッカー二十世が降り立ち、零達を嘲笑うかの様に立っていた。

 「我が名はショッカー二十世…貴様らを直々に滅ぼしてくれる!」

 

 「もう…ダメなのか…!」

 

 ショッカー二十世が零達にトドメを刺そうと腕を振り上げた時だった。

 

 すると、零達の後ろにオーロラが現れ、中から門矢士が現れ、ショッカー二十世は直前で手を止めた。

 

 「門矢士…だと!?」

 

 「ある人が言っていた…俺達仮面ライダーは人間の自由を、ウルトラマンは人間の平和を、プリキュアは人々の日常を守るために戦っていると!」

 

 士がそう言うと後ろのオーロラから六体のイマジンと六十人程の青年達と六十人の少女達が現れた。

 

 その中にはガイや操真晴人、火野映司もいた。

 

 「な…何故だ…!?なんなんだ…!お前は一体!」

 

 「俺は通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!」

 

 「「「「「「変身!」」」」」」

 

 「超変身!」

 

 「大変身!」

 

 「はっ!」

 

 『コンプリート!』

 

 『ターンアップ!』

 

 『チェンジ!ビートル!』

 

 『SWORD FORM』

 

 『ROD FORM』

 

 『AX FORM』

 

 『GUN FORM』

 

 『Altair FORM』

 

 『STRIKE FORM』

 

 『ウェイクアップ!』

 

 『カメンライド!ディケイド!』

 

 『カメンライド!ディエンド!』

 

 『サイクロン!ジョーカー!』

 

 『アクセル!』

 

 『タカ!トラ!バッタ!タットッバッ!タトバッ!タットッバッ!』

 

 『スリー!ツー!ワン!』

 

 『フレイム!プリーズ!ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!』

 

 『オレンジアームズ!いざ出陣!』

 

 『ドライブ!タイプスピード!』

 

 『カイガン!オレ!レッツゴー覚悟!ゴゴゴ!ゴースト!』

 

 『マイティマイティアクションX!』

 

 『タドルクエストー!』

 

 『バンバンシューティング!』

 

 『マイティーアクションX!』

 

 『パーフェクトノックアウト!』

 

 『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェェェェェェイ!』

 

 『クローズドラゴン!イェア!』

 

 『ライダーターイム!仮面ライダージオウ!』

 

 『ライダーターイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

 「ティガー!」

 

 「ダイナー!」

 「ガイアー!」

 

 「コスモース!」

 

 「はぁぁぁ!」

 

 「メビウース!」

 

 「デヤッ!」

 

 「ギンガー!」

 

 『ウルトライブ!ウルトラマンギンガ!』

 

 「ビクトリー!」

 

 『ウルトライブ!ウルトラマンビクトリー!』

 

 「エックスー!」

 

 『ウルトラマンエックスとユナイトします』

 

 『覚醒せよ!オーブオリジン!』

 

 「オーブ!」

 

 「決めるぜ!覚悟!はあっ!」

 

 『ウルトラマン!ウルトラマンベリアル!フュージョンライズ!ウルトラマンジード!プリミティブ!』

 

 「「俺色に染め上げろ!ルーブ!」」

 

 「セレクト!炎のクリスタル!」

 

 「セレクト!水のクリスタル!」

 

 「「デュアルオーロラウェーブ!」」

 

 「ルミナス!シャイニングストリーム!」

 

 「「デュアルスピリチュアルパワー!」」

 

 「「「「「プリキュア!メタモルフォーゼ!!!!!」」」」」

 

 「スカイローズ!トランスレイト!」

 

 「「「「チェンジ!プリキュア!ビートアップ!」」」」

 

 「「「「プリキュア!オープンマイハート!!!!」」」」

 

 「「「「レッツプレイ!プリキュア!モジュレーション!!!!」」」」

 

 「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!!!!」」」」」

 

 「「「「プリキュア!ラブリンク!!!!」」」」

 

 「プリキュア!ドレスアップ!」

 

 「「「プリキュア!くるりんミラーチェンジ!!!」」」

 

 「プリキュア!きらりんスターシンフォニー!」

 

 「「「「プリキュア!プリンセスエンゲージ!!!!」」」」

 

 「「「キュアップラパパ!」」」

 

 「「ダイヤ!ミラクルマジカルジュエリーレ!!」」

 

 「エメラルド!フェリーチェファンファンフラワーレ!」

 

 「「「「「「キュアアラモードデコレーション!!!!!!」」」」」」

 

 「「「「「ミライクリスタル!ハート!きらっと!」」」」」

 

 「「「「「スターカラーペンダント!カラーチャージ!!!!!」」」」」

 

 辺りは光に包まれ、灰色の雲も全て消え去り、太陽の光の下、平成の時代を駆け抜けて来たヒーロー、ヒロイン達が立っていた。

 

 「く、クウガからエグゼイドまで…!」

 

 「ティガからオーブまで…!」

 

 「キュアブラックから…キュアミラクルまで…ちゃんと皆いる…!」

 

 「しかも新しいウルトラマンや仮面ライダー、プリキュアもおるで!」

 

 「凄い…本当に皆勢揃いだ…!」

 

 「…俺達!参上!へへっ、決まったぜ」

 「モモタロス…!」

 

 「もちろん良太郎もいるぜ。…俺達に前振りはねえ。最初から最後までクライマックスだ」

 

 「フッ…そうだな。鎧武、あの掛け声、頼めるか」

 ディケイドは鎧武の方を見て言った。

 

 「よっしゃ任せろ!こっからは!俺達のステージだぁぁ!」

 

 鎧武の掛け声でヒーロー達は雄叫びをあげ、ウルトラマン達は怪獣達の元へ飛び、仮面ライダーとプリキュア達は怪人の元へと向かって人々を守るために走り出した。

 

 

 「助けて!はぐっとプリキュア!」

 

 「来て!ジオウ!ゲイツ!」

 

 子供達は必死の思いでヒーロー達に助けを呼んだ。

 

 「はぁっ!」

 

 「でやぁ!」

 

 顔に『ライダー』と『らいだー』の文字が書かれた仮面ライダー、ジオウとゲイツが子供達の前に立って怪人を蹴飛ばし、上空からキュアエール、アンジュ、エトワールが空中から浄化光線を浴びせ、子供達の後ろから迫ってきた怪人達をアムールとマシェリの二人がギターの様なアイテムから浄化光線を放ち、エール達が着地すると同時に浄化させた。

 

 「はぐっと!プリキュア!」

 

 「仮面ライダー!」

 

 「ジオウ!ゲイツ!」

 

 子供達から歓声があがり、ジオウ達は子供達の方を振り返った。

 

 「皆、大丈夫?」

 

 「待たせてすまない。後は任せろ!」

 

 そう言ってジオウとゲイツは武器を持った。

 

 「行きましょう!皆さん!仮面ライダーの二人も!」

 

 「ああ!」

 

 「私達の勝率…99.9パーセント!」

 

 「絶対に負けないのです!」

 

 「よーし!まだまだ行くよ!」

 

 「皆は安全なところへ!」

 

 エトワールが子供達に避難を促し、子供達は頷いて逃げ出した。

 「がんばってね!プリキュア!」

 

 「がんばれ!仮面ライダー!」

 

 ジオウとエールは子供達の応援に強く頷き、怪人や怪物達の元に向かっていった。

 

 

 「行くぞ万丈!」

 

 「おう!おりゃぁぁ!」

 

 戦車と兎の力を持った仮面ライダービルドと龍の力を持った仮面ライダークローズが子供達に迫ってきた怪人を殴り飛ばした。

 

 「ホイップデコレーション!」

 

 「カスタードイリュージョン!」

 

 「ジェラートシェイプ!」

 

 キュアショコラ、マカロン、パルフェの三人がそれぞれの名前を冠したデザートで怪物達を拘束し、ホイップ、カスタード、ジェラートの三人が空から三方向にそれぞれの名前のデザートで怪物を攻撃して子供達の身を守った。

 

 「愛と平和を!」

 

 「勇気と笑顔を!」

 

 「「ベストマッチ!/レッツ・ラ・まぜまぜ!」」

 

 ビルドとホイップが決めポーズを取り、後ろにいた子供達から歓声があがった。

 

 「ビルド!クローズ!」

 「キュアホイップ達も!」

 

 「皆、後は私たちに任せてね!」

 

 「大丈夫だ。俺達が全力で守ってやるぜ!」

 

 「ああ!勝利の法則は決まってる!」

 

 「今の俺達は負ける気がしねぇ!」

 「ラブアンドピースを守るために!」

 

 「みんなのキラキラルを守るために!」

 

 「それが仮面ライダーと!」

 

 「プリキュアの使命!行こう!皆!」

 

 

 「く…そ、そんな…何故…!」

 

 ショッカー二十世が狼狽えていると、零達の後ろにデンライナーが走り込み、中からフードを株った二人組が降りてきた。

 

 「俺達がもう一回戻したからさ」

 

 「随分苦労したけどね」

 

 フードの二人組はフードを取り、正体を表した。

 

 「…お、お前らは…!」

 

 「まあ、驚くのも無理ないよね」

 

 フードを取った二人組の正体は別の世界の零と百合だった。

 

 「ど、どういう事!?なんで私達が…!?」

 

 「詳しい説明は省きますけど、あの後転生して取り急ぎ同じ力を貰って、消され直された歴史をもう一度元に戻してきたんです!」

 

 「…?あー!そっか!俺達がゼノ細胞で出来てたならお前らもゼノ細胞で出来てたんだ!」

 

 「そう言う事です!そしてこいつの正体も…」

 

 「くっ…!」

 

 ショッカー二十世は分が悪いと踏んだか、上空に浮かんでいた要塞に向かって飛んだ。

 

 「あっ!逃げた…とにかく、大丈夫ですか?」

 

 「あ、ああ…なんか同じ顔のやつに助けられるって不思議な気分だな…」

 

 零は別の世界の零に、百合は別の世界の百合に手を借りて立ち上がった。

 

 「そう言えば、ショッカー二十世の正体って言ってたけど…」

 

 「ええ、彼は…ショッカー二十世は、別の世界の僕達…すなわち柊零です」

 

 別の世界の零は要塞の方を見ながら言った。

 

 「…!?どういうことだ?」

 

 「以前、あなたが提督をやっていた時に、闇の力を持ったウルトラマンゼノが襲ってきましたよね?あれと同じようなものです」

 

 「でも一体どうして…」

 

 「理由は分かりませんが…おそらく、光の神ではなく闇の力を司る神として君臨したのでしょう。その為にもヒーロー達が邪魔だったのかと」

 

 「…そうか…なら、ちゃんと浄化してやらないとな…」

 

 「ええ。ショッカー二十世を倒せば全てが元通りになり丸く収まります」

 

 「まあ、要はアイツを倒せばいいんだな。よし!俺達も急ごう!」

 

 「ええ!」

 

 「うん!」

 

 零達と機動六課、そして別の世界の零達は空に浮かぶ要塞に向かって飛んだ。

 

 

 「うおらぁ!」

 

 「だああ!」

 

 「たあっ!」

 

 仮面ライダーWは後ろ回し蹴りで怪物達を一蹴し、キュアブルームとキュアイーグレットは息のあったコンビネーション攻撃で怪人達を怯ませた。

 

 「この世界を…人々を泣かすヤツらに永遠に投げかけるこの言葉…もちろん忘れてないよな?フィリップ」

 

 『もちろんだとも、翔太郎』

 

 「『さあ、お前の罪を数えろ!』」

 

 Wの決めゼリフと決めポーズが決まり、中学生や高校生の少年少女達から歓声があがった。

 

 「キュアブルーム!キュアイーグレット!頑張って!」

 

 「仮面ライダーダブル!負けんなよ!」

 

 「応援してるぞー!」

 

 「フッ…一緒に行くぜ、プリキュア」

 

 「うん、行こう!仮面ライダー!」

 

 「「「『俺達は、/私達は、二人で一つの仮面ライダーだ!/プリキュアだ!』」」」

 

 

 「仮面ライダー同士、プリキュア同士、力を合わせよう!」

 

 『ストライクベント』

 

 「戦えない人達の分まで戦う…それが仮面ライダーの使命だ!」

 

 『サンダー』

 

 「この世界を守るために…!」

 「この世界のお宝を守るために」

 

 『アタックライド!ブラスト!』

 

 「この世界の愛を守るために!とうっ!」

 

 キュアラブリーが迫ってきた怪物を蹴り飛ばし、一纏めにされた怪人、怪物達に炎、雷、銃撃の攻撃が当たった。

 

 「やばい!囲まれたー!」

 

 キュアプリンセスの叫びでプリキュアとライダー達は怪物達に囲まれていることに気がついた。

 

 「こういう時は…皆!くるりんミラーチェンジ行くよ!」

 

 「あいあいさー!」

 

 「はーい!」

 

 「うん!」

 

 『かわるんるん!』

 

 「プリキュアくるりんミラーチェンジ!ロリポップヒップホップ!プリキュア!ポップンソニックアタック!」

 

 「プリキュアくるりんミラーチェンジ!シャーベットバレエ!プリキュアアラベスクシャワー!」

 

 「プリキュアくるりんミラーチェンジ!ココナッツサンバ!プリキュアマラカスリズムスパーク!」

 

 「プリキュア!きらりんスターシンフォニー!あんみつこまち!プリキュア桜吹雪の舞!」

 

 ハピネスチャージプリキュアは衣装を変え、キュアラブリーとキュアハニーの力で怪物達を踊らせ、キュアプリンセスとキュアフォーチュンの力で怪物達を一掃し、辺りからは拍手と歓声が巻き起こった。

 

 「すごーい!本当にそのまんまだ!」

 

 「すごごごーいでしょ!」

 

 「ここからは私達に任せてね!」

 

 そう言ってキュアラブリーとキュアプリンセスは人々に笑顔を投げかけた。

 

 「俺達も負けてられないな。一緒に頑張ろう!」

 

 「ああ!行こう!龍騎!ディケイド!ディエンド!」

 

 「フン…」

 

 「相変わらず素直じゃないんだから。素直に協力したらどうだい?」

 

 「お前に言われなくても協力はするさ」

 

 「それでこそ士だ」

 

 

 「さあ、ショータイムだ」

 

 「仮面ライダーとプリキュアの奇跡、見せてあげる!」

 

 仮面ライダーウィザードと魔法使いプリキュアが並び立ち、人々から歓声があがり、怪人、怪物達はウィザード達を囲むようにして立った。

 

「マナー違反は御法度だ!」

 

『ドラゴタイマーセットアップ!』

 

 「マジカル、フェリーチェ!行くよ!」

 

 「ええ!」

 

 「はい!」

 

 ウィザードはフレイムドラゴンスタイルへ、ミラクルとマジカルはトパーズスタイルへと変わり、それぞれウォータードラゴン、ハリケーンドラゴン、ランドドラゴンの分身、ダイヤ、ルビー、サファイアの分身を出現させ、それぞれの攻撃で怪人達を一掃した。

 

「魔法使い舐めないでよね!」

 

 「フッ、まだまだこれから、最高のショーを見せてやる」

 

 そう言ってウィザード達と魔法使いプリキュア達は他の怪人や怪物達の元へ向かった。

 

 

 「やっぱり平成ライダーと言ったら…!」

 

 「プリキュアと言ったら…!」

 

 「クウガー!」

 

 「キュアブラックー!」

 

 「キュアホワイトー!」

 

 「シャイニールミナスー!」

 

 すると、一人の仮面ライダーと三人のプリキュアが人々の後ろから空中で一回転して着地し、人々の方を振り返り、人々は大きな歓声をあげた。

 

 「クウガだ!」

 

 「キュアブラックとキュアホワイトもいる!」

 

 「シャイニールミナスも!」

 

 「クウガー!」

 

 「キュアブラックー!」

 

 「キュアホワイトー!」

 

 「シャイニールミナス!」

 

 クウガは人々に向けてサムズアップをし、キュアブラックとキュアホワイトも人々に強く頷き、声援を受けながら怪人や怪物達に駆け出した。

 

 「はぁぁぁ…だだだだだだだだっ!だぁぁ!」

 

 キュアブラックは目にも止まらぬ速さでパンチを繰り出し、数多の怪人達を蹴散らした。

 

 「だぁぁぁっ!」

 

 キュアブラックの後ろから凄まじい速度で駒のように回りながら勢いをつけ、巨大な怪物を回し蹴りで蹴り飛ばした。

 

 「ルミナス!ハーティエル・アンクション!」

 

 ルミナスは自身の技で巨大な怪物を空中で拘束した

 

 「おりゃあー!」

 

 そこにクウガが走り込み、怪物に飛び込んで強力な一撃を叩き込み、怪物は爆発四散した。

 

 「まだまだ行くよ!」

 

 「今までも…そしてこれからも!見ててください!俺たちの変身!」

 

 「がんばれー!」

 

 「ずっと応援してるよー!」

 

 「ありがとうー!」

 

 「がんばれー!プリキュアー!ライダー!」

 

 プリキュアとクウガは人々の声援を受けて走り出した。

 

 

 「やぁぁっ!」

 

 「たぁぁっ!」

 

 仮面ライダーファイズ、仮面ライダードライブ、仮面ライダーカブト、Yes!プリキュア5GoGo!、Go!プリンセスプリキュアの五組が人々の前に立ち、人々は大きな歓声をあげた。

 

 「ファイズ!」

 

 「ドライブだ!」

 

 「カブト!」

 

 「キュアドリーム!」

 

 「Yes!プリキュア5GoGo!」

 

 「ミルキィローズもいるわ!」

 

 「キュアフローラ!頑張って!」

 

 「Go!プリンセスプリキュアー!」

 

 「悪い、待たせちまったな」

 

 「さあ、行くぞプリキュアと仮面ライダーの皆…そして、ベルトさん!」

 

 『OK。START YOUR ENGINE』

 

 「おばあちゃんが言っていた…不味い飯屋と悪が栄えた試しはないってな」

 

 「行くよみんな!」

 

 「暗い闇に閉ざされた夢…みんなの夢を取り戻させていただきますわ!」

 

 「さあ!」

 

 「「「「お覚悟はよろしくて?」」」」

 

 プリンセスプリキュアの合図と共に一斉に走り出し、ファイズは眼魔やバグスターを蹴散らし、ドライブとカブトはインベスやマスカレイドドーパントを蹴り飛ばし、プリキュア5やプリンセスプリキュアも怪物達を薙ぎ払った。

 

 『START UP』

 

 「クロックアップ」

 

 『CLOCK UP』

 

 『ドライブ!タイプフォーミュラ!』

 ファイズ、カブト、ドライブは目にも止まらない超高速で動き、怪人達を攻撃し始めた。

 

 「任せろ!」

 

 『EXCEED CHARGE』

 

 ファイズアクセルは辺りの怪人達全員に赤いキックポイントをしかけ、とてつもない速度で全ての怪人達にクリムゾンスマッシュで敵を爆破した。

 

 「俺には夢がない…だけどな、夢を守ることは出来る!」

 

 「まだまだ行きましょう!仮面ライダーの皆さん!プリキュアの皆さんも!」

 

 「うん!行こう!皆!」

 

 「ああ!」

 

 「フッ」

 キュアフローラとキュアドリームの合図でライダーとプリキュア達は他の怪人に向かっていった。

 

 

 「宇宙…キターーーーーーー!仮面ライダーフォーゼ!まとめてタイマンはらせてもらうぜ!」

 

 フォーゼと一緒にスター☆トゥインクルプリキュアも後ろにいた人々も同じ様に叫んで決めポーズを取った。

 

 「私達も一緒に戦うよ!フォーゼ!」

 

 「おっ、ありがとな!キュアスター!」

 

 「いいよ!だって私達、もう友達でしょ?」

 

 「おうよ!もう俺達はダチだ!ここにいるやつら全員俺のダチだ!」

 

 フォーゼはそう言って高校生や中学生の人々の方を向き、人々もそれに応じるように歓声をあげた。

 

 「ずっとダチだ!」

 

 「がんばれー!フォーゼ!」

 

 「プリキュアもがんばってー!」

 

 「やっぱダチからの応援は最高だ!」

 

 「そのダチを守るためにも頑張んなきゃね!」

 

 「おう!行くぜっ!おりゃぁ!」

 

 フォーゼは襲いかかってきた怪人に頭突きを入れ、キュアスターもフォーゼの後ろにいた怪物をパンチで吹っ飛ばし、上空からキュアミルキーとキュアセレーネとキュアソレイユが雷と炎弾と拡散弾で怪物を薙ぎ払った。

 

 「プリキュアスターパーンチ!」

 

 「ライダーロケットパーンチ!」

 

 キュアスターとフォーゼは力を合わせ、巨大な怪物に強烈な一撃を食らわせ、怪物は爆発した。

 

 「世界中のダチを守る!その為にも、俺達は負けないぜ」

 

 「私も、皆のイマジネーションを守るために!」

 

 「急ぎましょう!皆さん!」

 

 「ルン!」

 

 「ええ!」

 

 セレーネに続き、フォーゼとプリキュア達は怪人達の元に向かっていった。

 

 

 「俺、参上!」

 

 「僕に釣られてみる?」

 

 「俺の強さにお前が泣いた!」

 

 「お前達倒すけどいいよね?答えは聞いてない!」

 

 「降臨、満を持して」

 

 「最初に言っておく!胸の顔は飾りだ!」

 

 「テディ、行くよ」

 

 「はっ」

 

 「よーし!私達もいくよ!」

 

 五人の電王、ゼロノス、NEW電王とドキドキ!プリキュアが並び立ち、人々は大きな歓声をあげた。

 

 「電王!」

 

 「電王だ!」

 

 「ゼロノスー!」

 

 「悠斗をよろしく!」

 

 そう言ってゼロノスは人々の方を向いてサムズアップをした。

 

 『デネブ!さっさと行くぞ!』

 

 「がんばれー!プリキュアー!」

 

 「キュアハートー!」

 

 「ドキドキプリキュアー!」

 

 プリキュアと電王達は声援を受けて怪人達に向かっていった。

 

 「たぁっ!」

 

 「おらぁ!へへっ、どうしたぁ?そんなもんかぁ!」

 

 そう言いながらソードフォームとキュアソードは怪人達を斬り倒し、爆破させた。

 

 「可愛いバラには刺がある…だよね?」

 

 「その通りですわっ!」

 

 ロッドフォームとキュアエースは同時攻撃で怪人達に打撃を与え、怪人達を撃破した。

 

 「まあ、そうなのですか?」

 「うむ。とは言え、我もまだまだなのだな」

 

 「いえいえ、私もまだまだ見習うべきところはありますから」

 

 ウィングフォームとキュアロゼッタは優雅にお喋りをしながら迫ってくる怪人達を片手であしらっていた。

 

 「そおらっ!こんなもんやな」

 

 「バァンバァン!ハハッ」

 

 「はぁぁ!」

 

 「たぁっ!」

 

 キュアハート、キュアロゼッタ、ガンフォーム、アックスフォームも順調に怪人達を撃破し、みるみる内に怪人達を減らして行った。

 

 「だぁっ!はぁっ!」

 

 「はぁぁぁっ!」

 

 「たぁっ!」

 

 ゼロノスとNEW電王、電王ライナーフォームは巨大な剣で怪人達に斬撃を与え、華麗に怪物達を斬り裂いていった。

 「まだまだ行くよ!」

 

 「へへっ、上等だぜ!」

 

 キュアハートとモモタロスの声でプリキュアと電王達は他の怪人達に向かっていった。

 

 「音楽は…一人ではなく、皆で作り上げるもの!」

 

 「皆それぞれ違うからこそ、皆で奏でるハーモニーが最高なんだ!」

 

 「その音楽を守るために、私達は戦う!」

 

 キュアビート、キュアリズム、キュアメロディはそう言ってアイテムで怪物達に光線を放った。

 

 「いいねぇ、若いの。俺も負けてられないねぇ」

 

 「あなたは…?」

 

 キュアミューズは響鬼の方を見て言った。

 

 「大丈夫。鍛えてますから。さあ、最高の音楽を奏でようぜ」

 そう言って響鬼は音撃棒で炎弾を放ち、怪人達を一掃した。

 

 「はぁっ!」

 ミューズも負けじとアイテムで光弾を発射して怪人達を一掃し、他の怪人達を倒しに行った。

 

 

 「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」

 

 「命、燃やすぜ!」

 「笑顔、守るぜ!」

 

 子供達の前に仮面ライダーエグゼイド、仮面ライダーゴースト、そしてスマイルプリキュアの五人が並び立った。

 

 「さっきの笑顔、守るぜってなんや?」

 

 「いやー、なんか言ってみたくて」

 

 「はっ!」

 

 「はぁっ!」

 

 スマイルプリキュアに襲いかかろうとしていた怪人達をブレイブとスナイプが攻撃し、怪人を撃破した。

 

 「決めゼリフもいいが、みんなを守ることを忘れるなよ」

 

 「あはは…ごめんなさーい」

 

 「俺達も行くぞ!神!」

 

 「私に指図するなァァ!」

 

 レーザーとゲンムも怪人達を抜群のコンビネーションで撃破した。

 

 「私達もいくよ!」

 

 「うん!」

 

 「おっしゃ!」

 

 「ええ!」

 

 「よーし!」

 

 プリキュア達もお互いに背中を合わせ、それぞれの技を出して自分達を囲っていた怪物達を一掃した。

 

 「まだまだ行くよ!皆揃って!」

 

 「「「「「ウルトラハッピー!」」」」」

 

 

 「はぁっ!セイハァー!」

 

 「だぁぁ!」

 

 「たぁっ!」

 

 仮面ライダー鎧武とキュアピーチ、キュアパッションは順調に怪人達を撃破していった。

 

 「鎧武!危ない!はぁっ!」

 

 キュアベリーは怪物達の気を逸らすためにベリーソードを投げた。

 

 怪物達は見事にベリーソードに注意が行き、その隙に鎧武とキュアパインが怪物達を倒した。

 

 「助かった、キュアベリー、ありがとう」

 

 「なんてことないわ。早く他の怪人達も倒しましょう」

 

 「そうだね。皆、急ごう!」

 

 キュアピーチの合図で鎧武とフレッシュプリキュア達は他の怪人達の元へと向かった。

 

 

 

 「うおおおおお!多い多い多いってばー!?」

 

 「マリン!」

 

 「はぁぁー!」

 

 「はぁっ!」

 

 大量の怪物に追われていたキュアマリンを飛び越して仮面ライダーアギトと仮面ライダーキバが怪人達を蹴り飛ばした。

 

 「仮面ライダーの皆さん!助かりました!」

 

 「ああ。力を合わせて闘おう!」

 

 「行こう、アギト!ハートキャッチプリキュア!」

 

 「よーし!やるっしゅ!ブロッサム!」

 

 「マリン!いきましょう!」

 

 キュアブロッサムとキュアマリンは杖の様なアイテムから浄化光線を出し、怪人達を一掃した。

 

 「はぁぁぁっ!」

 

 「はっ!」

 

 アギトとキバの後ろに迫っていた怪物をキュアサンシャインとキュアムーンライトが蹴り飛ばし、壁に叩きつけて撃破した。

 

 「まだまだ負けないよ!」

 

 「ええ。行きましょう」

 

 キュアムーンライトの合図でアギト、キバ、ハートキャッチプリキュアは他の怪人達を倒しに向かった。

 

 

 「チャッ!」

 

 「デュワッ!」

 

 「テァッ!」

 

 ウルトラマンティガ、ダイナ、ガイアの三人はファイブキングに挑み、戦いを始めた。

 

 「グルルルル…!」

 

 「ハッ!」

 

 「ダァッ!」

 

 ティガとガイアはファイブキング両腕を掴み、ダイナはそこに強い一撃を入れて吹き飛ばした。

 

 「グァァァ!」

 

 ファイブキングはティガとガイアを引き剥がし、口と額から光線を放った。

 

 三人は焦ることなく前転で回避し、素早く光線を撃ってファイブキングを撃破した。

 

 

 「シェアッ!」

 

 ウルトラマンネクサスジュネッスはダークメフィストツヴァイに挑み、メフィストの攻撃もものともせずに腕を蹴りあげ、その隙に拳を腹部に当てて怯ませ、光線を撃って撃破した。

 

 「ジェァッ!」

ウルトラマンマックスも、スラン星人の超高速の攻撃にも素早く対応し、鋭い蹴りで動きを止め、その隙にマクシウムカノンを放ってトドメを刺した。

 「セヤッ!」

 

 ウルトラマンメビウスも凶暴な怪獣達に怯むことなくメビュームブレードで何体もの怪獣を切り裂き、撃破した。

 

 「エリャッ!」

 

 ウルトラマンゼロも空中でゼロスラッガーを飛ばし、空を飛んでいた鳥怪獣達を全て撃破し、爆発させた。

 

 「ショウラッ!」

 

 「ツェヤッ!」

 

 ウルトラマンギンガとビクトリーは見事な連携プレーで辺りの怪獣達を次々と撃破し、囲うようにして立っていた怪獣達を光線を放って全て撃破した。

 「イーッサーッ!」

 

 「オゥルスァッ!」

 

 「ハァァァ!」

 

 ウルトラマンX、ウルトラマンオーブ、そしてウルトラマンとウルトラマンベリアルの力を持ったウルトラマンジード達もグリーザ、マガタノオロチの二体に負けることなく、怪獣達の攻撃を受け流し、その隙を狙って光線を放ち、二体の凶悪怪獣を見事撃破した。

 

 「シュワァ!」

 

 「シュアッ!」

 

 ウルトラマンタロウの赤き炎の力とウルトラマンギンガの蒼き水の力を持ったウルトラマンロッソとウルトラマンブルはグルジオボーンやグルジオキングと言った過去の怪獣達にもなんら苦戦することなく、ウルトラマンルーブに合体変身して二体の怪獣を葬った。

 

 そして、ルーブ達ウルトラマン、仮面ライダー、プリキュアは上空の要塞を見上げた。

 

 要塞にはウルトラマンコスモスと零達が向かっていた。

 

 

 「だぁぁ!っしゃオラァ!」

 

 零、百合、別の世界の零、百合、機動六課、ウルトラマンコスモスはショッカー二十世がいる要塞の最上階に突入した。

 

 「待っていたぞ…柊零…」

 

 「…ったくよ。別の世界とは言え、めんどくせえことをしてくれたもんだ。ここまで来たらもうお前に勝ち目はない。さっさと降参するんだな」

 

 「ふ…丁重にお断りする…」

 

 「まだなんかあるんか?」

 

 「その通りだァァァ!」

 

 ショッカー二十世がそう叫ぶと、黒い闇が身体の中から溢れ出した。

 

 「コスモスさん!コズミューム光線を!」

 

 零はコスモスの方を見て咄嗟に言った。

 

 「分かった!」

 

 「俺と同じなら…やつは…」

 

 コスモスはルナモードからコロナモードへ、コロナモードからエクリプスモードに変わり、ショッカー二十世にコズミューム光線を放った。

 

 「なっ!?うわぁぁぁ!」

 

 ショッカー二十世から闇の塊が溢れ出し、要塞と一体化しようとしていた。

 

 「く…俺は…一体…」

 

 ショッカー二十世だった零が気を失い倒れそうになったところを、百合が慌てて抱き抱えた。

 

 「とにかく、ここを脱出しましょう。皆さん」

 

 別の世界の百合の言葉に一同は頷き、コスモスは全員を乗せて地面へと急降下した。

 

 「グオオオオオ…!」

 

 要塞は巨大な怪物、ゼノショッカーキングへと変わり果て、地上に着地してきた。

 

 「これで最後だ!全員で決めるぞ!」

 

 零と百合は全力を出して超サイヤ人3へと変身した。

 

 「か…め…は…め…!」

 

 「ファイナル…!」

 

 「波ーーー!」

 

 「フラーーーッシュ!」

 

 二人は悟空とベジータの最強の必殺技をゼノショッカーキングに浴びせ、その後ろからなのは、フェイト、はやて達機動六課が飛び出した。

 

 「全員で行くよ!はぁぁぁーー!」

 

 「はい!はぁぁ!」

 

 「でやぁぁぁー!」

 

 「だぁぁぁー!」

 

 なのは達は全員で個々の最大の必殺技を放ち、ゼノショッカーキングの装甲を打ち破った。

 

 「ゼペリオン光線!」

 

 「ソルジェント光線!」

 

 「フォトンストリーム!」

 

 「フューチャーストライク!」

 

 「オーバーレイ・シュトローム!」

 

 「マクシウムカノン!」

 

 「メビュームシュート!」

 

 「ワイドゼロショット!」

 

 「ギンガクロスシュート!」

 

 「ビクトリウムシュート!」

 

 「『ザナディウム光線!』」

 

 「オーブスプリームカリバー!」

 

 「レッキングバースト!」

 

 「ロッソフレイムシュート!」

 

 「ブルアクアシュート!」

 

 ウルトラマン達も自分達の光線を発射し、ゼノショッカーキングに大ダメージを与えた。

 

 「仕上げといくぞ」

 

 『ファイナルフォームライド!アルティメット!シャイニング!サバイブ!ブラスター!キング!アームド!ハイパー!超クライマックス!エンペラー!コンプリート!ゴールドエクストリーム!スーパータトバ!メテオフュージョン!インフィニティ!極!トライドロン!ムゲン!ハイパームテキ!ジーニアス!グランド!』

 

 仮面ライダー達も自身の最強、あるいは究極の形態に変身し、一斉に飛び上がった。

 

 『ファイナルベント』

 

 『EXCEED CHARGE』

 

 『ライトニングソニック』

 

 『マキシマムライダーパワー!ライダーキック』

 

 『CHARGE and UP』

 

 『ランクアップフィーバー!』

 

 『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

 『マキシマムドライブ!』

 

 『スキャニングチャージ!』

 

 『リミットブレイク!』

 

 『チョーイイネ!キックストライク!サイコー!』

 

 『極スカッシュ!』

 

 『ヒッサーツ!』

 

 『ムゲンオメガドライブ!』

 

 『ハイパークリティカールスパーキーング!』

 

 『ボルテックフィニーッシュ!』

 

 『グランドタイムブレーク!』

 

 「「「「はぁぁぁぁー!」」」」

 

 「おりゃぁー!」

 

 「やぁぁー!」

 

 「ウエーイ!」

 

 「ハイパーキック!」

 

 「セイヤー!」

 

 「セイハー!」

 

 「ライダーフュージョンドリルキーック!」

 

 20人の仮面ライダー達は一斉にライダーキックをゼノショッカーキングに放ち、その体を貫いた。

 

 「最後行くよ!」

 

 六十人のプリキュアが一斉に飛び上がり、必殺技の構えを取った。

 

 「「プリキュア!エクストリーム!」」

 

 「ルミナリオー!」

 

 「「プリキュア!スパイラルスタースプラーッシュ!」」

 

「「「「「プリキュア!レインボーローズエクスプロージョン!」」」」」

 

 「「「「ラッキークローバー!グランドフィナーレ!」」」」

 

 「「「「プリキュア!ハートキャッチオーケストラ!!!!」」」」

 

 「「「「プリキュア!スイートセッションアッサンブルクレッシェンドフィナーレ!」」」」

 

 「「「「「プリキュア!ロイヤルレインボーバースト!!!!!」」」」」

 

 「「「「「プリキュア!ロイヤルラブリーストレートフラーッシュ!!!!!」」」」」

 

 「「「「プリキュア!イノセントプリフィケーション!!!!」」」」

 

 「「「「プリキュア!グラン・リベラシオン!!!!」」」」

 

 「「「プリキュア!エクストリームレインボー!!!キュアップラパパ!虹の彼方に!!!!」」」

 

 「「「「「「プリキュア!ファンタスティックアニマーレ!」」」」」」

 

 「「「「「ゴーファイ!みんなでトゥモロー!」」」」」

 

 「「「「プリキュア!サザンクロスショット!!!!」」」」

 

 「プリキュア!レインボースプラッシュ!」

 

 全てのプリキュアの必殺技を受け、ゼノショッカーキングはやがて光の粒となって消え去った。

 

 「グオオオオオ…」

 

 辺りには青空が戻り、ヒーロー達は基本形態に戻り、陽の光を浴びながら街の中に立ち、クウガが強くサムズアップをし、人々から歓声があがった。

 

 「終わったんだね…」

 

 「ああ、やっとな…」

 

 人々はヒーロー達の元に駆け寄り、それぞれ思い思いの感謝を思い出のヒーロー達にかけ、ヒーロー達もその声に応えて握手やハグをしてあげた。

 

 「クウガー!」「アギトー!」「龍騎ー!」「ファイズー!」「ブレイドー!」「響鬼ー!」「カブトー!」 「電王ー!」「ゼロノスー!」「NEW電王ー!」「キバー!」「ディケイドー!」「ディエンドー!」「ダブルー!」「オーズー!」「フォーゼー!」「ウィザードー!」「鎧武ー!」「ドライブー!」「ゴーストー!」「エグゼイドー!」「ブレイブー!」「スナイプー!」「レーザー!」「ゲンムー!」「ビルドー!」「クローズー!」「ジオウー!」「ゲイツー!」「キュアブラックー!」「キュアホワイトー!」「シャイニールミナスー!」「キュアブルームー!」「キュアウィンディー!」「キュアドリームー!」「キュアルージュー!」「キュアレモネードー!」「キュアミントー!」「キュアアクアー!」「ミルキィローズー!」「キュアピーチー!」「キュアパインー!」「キュアベリー!」「キュアパッション!」「キュアブロッサムー!」「キュアマリーン!」「キュアサンシャイーン!」「キュアムーンライトー!」「キュアメロディー!」「キュアリズムー!」「キュアビートー!」「キュアミューズー!」「キュアハッピー!」「キュアサニー!」「キュアピースー!」「キュアマーチー!」「キュアビューティー!」「キュアハートー!」「キュアダイヤモンドー!」「キュアロゼッター!」「キュアソードー!」「キュアエースー!」「キュアラブリー!」「キュアプリンセスー!」「キュアハニー!」「キュアフォーチューン!」「キュアフローラー!」「キュアマーメイドー!」「キュアトゥインクルー!」「キュアスカーレットー!」「キュアミラクルー!」「キュアマジカルー!」「キュアフェリーチェー!」「キュアホイップー!」「キュアカスタードー!」「キュアジェラートー!」「キュアショコラー!」「キュアマカローン!」「キュアパルフェー!」「キュアエールー!」「キュアアンジュー!」「キュアエトワールー!」「キュアマシェリー!」「キュアアムールー!」「キュアスター!」「キュアミルキー!」「キュアソレイユー!」「キュアセレーネー!」「キュアコスモー!」「ティガー!」「ダイナー!」「ガイアー!」「コスモスー!」「ネクサスー!」「マックスー!」「メビウスー!」「ゼロー!」「ギンガー!」「ビクトリー!」「エックスー!」「オーブー!」「ジードー!」「ロッソー!」「ブルー!」

 

 「「「「ありがとーう!!!」」」」

 

 人々の声援にヒーロー達は強く頷いた。

 

 そして、仮面ライダークウガが、キュアブラックが、ウルトラマンティガが前へ出てきた。

 

 「みんな!応援ありがとう!みんなの応援、ちゃんと届いたよ!」

 

 そう言ってキュアブラックは強く拳を握り、白い歯を見せて無邪気な笑顔を見せた。

 

 「君達の元気な応援が、声援が私達の光となり、力になる。今もその光は、ずっとここにある」

 

 そう言ってティガは自分の胸元に手を添えた。

 

 「もし辛い時や悲しい時に私達を思い出したら、私達が君達にその力を分けに来たんだと思って欲しい。私達は、君達が応援してくれていれば、ずっと傍にいる」

 

 「今までも…そしてこれからも。見ていてください!俺達の!変身!」

 

 そう言ってヒーロー達は一斉に決めポーズを取った。

 

 「いつか、俺達の事を忘れてしまっても、俺達を応援してくれていた事だけは、忘れないで欲しい。俺達も、あなた達が応援してくれていた事を絶対忘れないから!」

 

 そう言ってクウガはもう一度サムズアップをし、キュアブラック、ティガと共に戻って行った。

 

 「さてと、元ショッカー二十世のこいつだけど…どうする?」

 

 そう言いながら零はショッカー二十世を名乗っていた零の頭に手を置いた。

 

 ショッカー二十世だった零は手足を縛られ、地べたに座らされていた。

 

 「…好きにするがいいさ。」

 

 「うーん、とは言ってもねぇ…」

 

 「今更数え切れるようなもんでもあらへんしなぁ」

 

 「うむ…まあ、こやつはコズミューム光線で悪いものは取り除かれたのだ。魂に戻して成仏させてやるのがいいんじゃないか?」

 

 「王様…」

 「別によかろう。元々死んでおるんだからな」

 

 「それもそうか…」

 

 「じゃあ、零さん、百合さん、その為にもお力を取り戻さないといけませんね」

 

 別の世界の零が零と百合に言った。

 

 「おう。いっちょ頼むぜ」

 

 「では。すぐすみますので」

 別の世界の零は二人に光を当て、二人の身体の時間を戻し、ゼノ細胞の身体に戻してから今の時間にまで時間を進めた。

 

 「はい、元に戻りましたよ」

 

 「ありがとな」

 

 「ありがとね」

 

 「いえいえ。では、最後をよろしくお願いします」

 

 零と百合はヒーロー達に見守られている中で、ショッカー二十世だった零に近付いた。

 

 零はウルトラマン達の方を向き、ウルトラマン達は零に向かって頷き、零もウルトラマン達に頷き返した。

 

 百合も仮面ライダーとプリキュア達の方を向き、仮面ライダーとプリキュア達も百合に頷き、百合も頷き返した。

 

 百合はショッカー二十世だった零に抱きついた。

 

 「今まで大変だったよね…たった一人でさ…そっちの世界の私はどうなったかは分からないけど…こっちの私が出来る最大限の事。もし、あの世でそっちの世界の私がいたら…よろしくって言っといてね。あの子、ヒーローとアニメには目がないからさ…」

 

 ショッカー二十世だった零は涙を流しながら頷き、百合はそれを見て笑顔で頷いた。

 

 「それじゃあ…な。ちゃんと成仏して、良い奴に生まれ変われよ」

 

 ショッカー二十世だった零は零に向かって頷いた。

 

 「よし。それじゃ、バイバイ」

 

 零はショッカー二十世だった零に光を浴びせ、身体は光の粒となって消え去り、ショッカー二十世だった零の魂は天に登って行きながら消えていった。

 「それじゃあ、なのはさん、フェイトさん、はやてさん…」

 

 「機動六課の皆さん、ありがとうございました」

 

 そう言って零と百合は機動六課の皆に頭を下げた。

 

 「ううん、こっちも助けて貰ったしね。ありがとう、零くん、百合ちゃん」

 「達者でな」

 「また会う機会があれば、一緒にどこか行こうね。今度はヴィヴィオも連れて」

 

 「ええ。また行きましょう!」

 

 「暇な時にでも遊びに行くか、な」

 

 「うん!」

 

 そして、零と百合は別の世界の零と百合の方を見た。

 

 「本当にありがとな、ヒーロー達を復活させてくれて、おまけに元の力もくれるなんてよ」

 

 「いえいえ。あの時、零さん達が支えてくれたから、今の僕がいるんです。こちらこそ、ありがとうございました」

 「百合ちゃんも、零くんと仲良くね。…なんか自分の名前を呼ぶのって恥ずかしいな…」

 

 「あはは、確かにそうですよね。まあでも、いい名前なんですから、自信もってください」

 

 「ありがとね。…うーんやっぱり不思議な気分」

 百合は首を傾げながら零と共にヒーロー達の方を向いた。

 

 「こいつらは俺達がちゃんと元の世界と元の時間に送り届けるぜ。ましてやジオウとバターローリングとか言うやつらは今もまだ戦ってるとこを連れてきたんだからな」

 

 「センパイ、スタートゥインクルだよ」

 

 「ああん?んなもんどっちだっていいだろ」

 

 「いや良くはないでしょ…ごめんね、プリキュアの皆」

 

 「ううん!ちゃんと覚えてもらえるように私達も頑張る!」

 

 「なんや、随分ええ子たちやないか」

 

 「頑張ってね!スタートゥインクルプリキュア!」

 

 「うん!電王達も!」

 

 そう言ってプリキュア達、仮面ライダー達、ウルトラマン達は固い握手を交わし、全員ダチにもなった。

 

 こうして、全ての並行世界を巻き込んだ事件に終止符がつき、それぞれのヒーロー達はそれぞれの世界、それぞれの時間に戻って行った。ただ、ディケイドやディエンド達はまだまだ旅を続けるらしい。

 

 なのは達機動六課もミッドチルダに戻り、山のような始末書に追われていたが、またそれは別の話。

 

 そして、数ヶ月後…

 

 「この写真を入れて、このアルバムは完成か」

 

 「ええ。これで本当におしまいね」

 

 そう言って零と百合は顔を見合わせて微笑んだ。

 

 零が持っている写真には、零と百合、そして機動六課の皆とヴィヴィオが笑顔で写っていた。

 

 「プリキュアの皆も…仮面ライダーの皆も元気にしてるかなあ」

 

 「なんならこれから見に行ってみる?」

 

 「そうだな…行ってみるか!」

 

 そう言って二人は天界から抜け出し、下界へと飛び出して行った。

 

 「零さーん、百合さーん、お仕事ですよー…ってまたいないし…。ん?これは?」

 

 世話役女神は二人の共同デスクに飾られた写真を見た。

 

 「…こんなに沢山の方々と会っていたんですねぇ…しょーがない。また今度にしましょう」

 

 そう言って世話役女神は写真を元に戻して二人の部屋から出ていった。

 

 二人の机に置かれていた写真には、零と百合、機動六課、そして仮面ライダー、プリキュア、ウルトラマンの変身者達が笑顔で並んでいる写真だった。




今回はここまでです。

ヒーロー大集合シーン書くのめちゃくちゃ楽しかったぞい

この作品も今回で最終回です!

短い間でしたが、沢山のリクエストありがとうございました!

結局全て応えられたのかどうかは分かりませんが、確認できうる限りは出来たのかなあとも思います。

それでは、ブレイダちゃんでまたお会いしましょう!

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