奇妙新聞記者の事件簿 (味噌神のスペリア)
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第1章 神隠し事件簿
神隠しの村


世界には奇妙な出来事がある

人は奇妙な出来事に興味があるが

あんまり自分から見に行く事はない

 

そんな奇妙な出来事を

調査しその出来事を新聞に書く

奇妙新聞社が存在している。

 

 

その新聞社に

今年から新しく入った新人

利田 明人(かがた あきと)と呼ばれる

青年が居た。

 

 

 

「お~い!明人!」

 

「ん?何ですか?」

 

明人は呼ばれた方に向かうと

窓際の近くに座った男性がその方に居た。

 

「すまねぇな!明人!まぁ、そこに座ってくれ」

 

男性に言われるがままに

明人は椅子に座った。

 

この男性は

浜木 勇作(はまき ゆうさく)

この奇妙新聞社の上司になる人だった。

 

「勇作先輩?どうしたんですか?」

 

明人は勇作に話しかけると

勇作は笑いながら言った。

 

「いや~!お前が書いた!新聞が面白くてな!

あの『仮面の謎』の奇妙な事件を調査して

推理小説ぽくってよかったぜ!」

 

勇作は明人が書いた

仮面の謎の記事を誉めていた。

明人は新入りだが

あらゆる村や街で起きた

奇妙な事件を解決をしたり

トリックを見破り

それを推理小説ぽく書く

新聞記事が人気であった。

 

「明人 この世界には奇妙な出来事がまだ沢山あるが…お前はこの奇妙な出来事の仕事が好きか?」

 

勇作は真剣な顔になり

明人に問うと明人は笑いながら

 

「当たり前じゃないですか!俺は奇妙な事件が好きだから

この会社に入りました!だから、俺は奇妙な出来事を追い続けますよ!」

 

「よく言った!明人!流石 期待の新人だ!」

 

勇作は笑いながら

明人の肩を叩く

 

「痛い!痛いですよ!先輩!」

 

「あはは!すまん!で…だ…明人

また奇妙な特ダネがあるんだが…行ってみるか?」

 

勇作は懐から

一枚の記事を取り出し

明人に渡した。

 

明人はその記事を見ると

ある文字に食い付いた

 

『仇宮村の神隠し(あだみやむらのかみかくし)』と…

 

「神隠し?」

 

「そうだ…仇宮村には昔から

神隠しと呼ばれる事件があるんだ…」

 

勇作はその神隠し事件の話を語り始めた。

 

 

 

ー仇宮村の神隠しー

 

最初の神隠しにあった人物は

その村に住む青年

斎藤 剛(さいとう ごう)と呼ばれる青年が

仇宮村にある仇宮神社にお祈りに行くと

言い残し…それから、未だに帰って来ていない

 

 

そして、青年が消えてから

2日後 次は観光で来ていた女性

綾見 美穂(あやみ みほ)と呼ばれる女性が

また仇宮神社に行くと言い残し

また、綾見 美穂と呼ばれる女性は帰って来なかった。

 

 

村の人や綾見 美穂と一緒に来た家族は

警察と共に探したが…その衣服も荷物も見つからなかった

警察は仇宮神社が怪しいと思い調査をしたが

何も見つかる事は無かった。

 

 

それから、3日後

次は今島 響(いまじま ひびき)と呼ばれる男性

今島 響は新聞社の記者で事件の調査に向かった

仇宮村の調査をするも何も成果が無かった

そして、今島 響は調査を辞め

帰ると会社に言い…そのまま

帰らず 姿を消した。

 

 

 

「これが今まで起きた神隠し事件だ」

 

「…神隠しですか…」

 

明人はその話を聞いて

少しワクワクと汗が出ていた

仇宮村で起きた神隠し事件

 

「勇作先輩!俺!この事件の取材がしたいです!」

 

「よく言った!明人!他の奴らは

ビビってな…最近の記者はビビりで取材もクソもない!

自分たちは安全な取材をして 何が奇妙新聞だ!

だから、明人!お前がこの新聞社には欠かせない人材だ!」

 

「はい!勇作先輩!」

 

勇作は明人の肩を組み

熱く語っていた。

 

「明人、危険な取材だが…もし危険だとわかったらすぐに帰るんだ…」

 

「分かってますよ…だけど

俺は昔から奇妙な事件を調べたい

ずっと前からの憧れなんですよ…だから、

俺はその神隠しを調べ記事を書きます!」

 

明人は古いカメラを取り出し言った

明人が持つ古いカメラは

今は亡き祖父

利田 冬木(かがた ふゆき)のカメラだった。

利田 冬木も明人と同じ

新聞記者だった

冬木は新聞で賞を貰う程に

有名人であった

明人は祖父の形見でカメラを貰い

自分自身も祖父と同じ

新聞記者としての道を歩いた

 

「じゃあ、すまねぇが

明後日から仇宮村に向かってくれ!

今日は早めに帰ってもいいぞ

用意もあるからな?

で、これが仇宮村の住所と

お世話になる宿屋と取材金だ」

 

取材金は取材に

使うお金だ

その場所までに向かうお金と

食費分が会社から出る。

 

「了解です!じゃあ、帰ります!」

 

「おぅ!頑張ってくれ!」

 

明人は自分の机に戻り

帰り仕度をすると

一人の女性が近付いて来た

 

「あら?明人君 もう帰るの?」

 

「ん?明美先輩 はい!明後日から取材で

今から帰って用意をしたいですしね」

 

山田 明美(やまだ あけみ)

この会社の美人記者で

明人の先輩で明美が書く記事もかなりの人気であった。

 

「ふふふ…明人君?無茶はダメよ?」

 

「大丈夫ですよ!明美先輩

俺は謎や奇妙が好きですから!では、お先に失礼します!」

 

「うん 気を付けてね?」

 

「はい!」

 

明人は鞄を持ち

その場から消えた。

 

これから、明人は

仇宮村の神隠し事件に巻き込まれて行く

 




初めまして、スペリアです
今回、オリジナル小説を書くことになりました
この小説はエブリスタで書いた小説ですがこちらで再開することにしましたのでよろしくお願いします。


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ようこそ仇宮村へ 1

2日後の朝

利田 明人は仇宮村に向かう為に

仇宮村に向かうバスに乗っていた

明人は着く時間までノートパソコンで仇宮村の事を調べた。

 

 

ー仇宮村ー

 

村興しで温泉地として復興

ひそかに温泉マニアには有名な村

春は桜が満開になり花見にもいい場所でもある

夏には綺麗な湖で泳ぐ事もでき

秋は紅葉やら秋の森林浴で人気であり

冬には雪が積もりスキーには持ってこいな場所

春夏秋冬 一年中 楽しめる場所である

 

 

「何だか見た感じは凄く平和な場所なのに…何故

神隠しが起きたんだ?」

 

 

明人は考えていた

何故、こんな平和な場所で神隠しが起きたのか?

 

 

「お客さん!仇宮村に観光かい?」

 

急に運転手のおじさんが

明人に声をかけて来た

 

 

「あ、はい!自分 カメラマンで

仇宮村に観光ついでに趣味で写真を撮りに来ました」

 

明人は新聞記者の事は隠した

これは、村からの依頼なら

偽らなくてもいいが

アポ無しで向かう際は危険もある可能性がある為に

自分の仕事は偽る決まりがあった。

 

 

「そうかい!仇宮村はいい所だから

楽しめるぜ!今は夏だから、森林浴もいいし湖で泳げるからな!」

 

運転手のおじさんは

仇宮村に詳しかった

 

 

「そうなんですか!楽しみです」

 

 

「おっと!仇宮村に行く道に着いた!さぁ、お客さん!

この道を上がって行くと仇宮村がある!

途中 お地蔵様があるからちゃんと手を合わせてから行きな!」

 

 

「分かりました ありがとう!」

 

 

「じゃあ、気を付けてな!」

 

明人はバスから降りて

運転手のおじさんは手を振り

バスは発車した。

 

 

「…この道か」

 

明人が見たのは

坂道が続く道だった

木がいい感じに木のトンネルになっていた

 

 

「さて、上がるか」

 

明人は鞄を持ち

坂道を上がって行く

夏の熱さもそんなに気にする感じは無かった

木のトンネルのお陰で日陰になっていて

涼しい風が吹き 丁度いい感じだった。

 

 

「ん?…あれがお地蔵様か?」

 

明人は坂道を上がって行くと

そこに小さな祠があり

その中にお地蔵様が手を合わせていた

 

 

「手を合わせるか」

 

明人は手を合わせる

無事に取材が終わることと

この村にお世話になることを祈る

 

 

「さて、行くか」

 

明人は鞄を持ち

お地蔵様から離れていく

そのお地蔵様が少し寂しそうな表情だったのは

誰も知らない。

 

 

お地蔵様の場所から

歩く事

10分が過ぎ

明人は仇宮村についた。

 

 

「ようこそ仇宮村…か…」

 

ようこそ仇宮村へと書かれた

表札を見つけ

明人は仇宮村に足を入れた。

取り合えず 明人は

これから当分

お世話になる宿屋を探すことにした。

 

 

「確か…仇宮宿だったかな?」

 

明人は宿屋らしき建物を探すと

一つだけ大きな建物が見えた。

取り合えず 明人はその建物を目指すことにした。

 

 

「いい村だな…」

 

昔ながらの建物が建ち

何か懐かしい感じがあった。

明人は歩くと

大きな建物の前についた

その建物の表札に

『仇宮宿』と書かれていた。

 

 

「ここだな」

 

明人は宿屋を見つけ

その宿屋の中に入って行く

 

ガラガラ。とドアを開ける音が聞こえると

一人の女性が現れた。

 

 

「いらっしゃいませ 利田 明人様でしょうか?」

 

 

「あ、はい!利田 明人です」

 

 

「いらっしゃいませ 利田様

私はこの仇宮旅館の女将の

不二 日富美(ふじ ひふみ)と言います

よろしくお願いいたします」

 

紫色で色んな花の着物を着た女性

不二 日富美と出会った

 

 

「えっと…女将さん

俺の部屋はどこになりますか?」

 

 

「はい 利田様のお部屋は宿屋の2階の201号室になります

では、お部屋までご案内しますね?」

 

 

女将の日富美が宿屋に入ると

明人も宿屋の中に入った。

 

宿屋の中は豪華でもないが

懐かしい家の内装で

何だか落ち着きがある内装だった。

明人は日富美に着いて行くと

階段を登り 二階に行く

すると、右側の廊下を歩くと

すぐ近くに部屋があった。

 

 

「こちらが201号室になります」

 

 

日富美が部屋の鍵を開けると

明人と日富美は部屋の中に入る

 

内装は畳の部屋で

昔ながらの部屋の内装だった。

 

 

「では、こちらがお部屋の鍵になります」

 

 

日富美は明人に部屋の鍵を渡した

 

 

「お食事は16時にお部屋にお持ちします

温泉は21時までしか開いてません…あと21時からは

外には出ないでください」

 

 

「え?21時からですか?」

 

 

「はい、この村の決まりなんです

21時から外に出ると仇宮神のお怒りを買い

村に災いが起こると…そんな仕来たりがあります」

 

 

「分かりました。」

 

 

「では、失礼します」

 

女将の日富美は

部屋から退出すると

明人は鞄を置き

座布団に座る。

 

 

「仇宮神か…」

 

さっきの女将が言った仇宮神

神隠しと何かしらの事件に関係しているかも知れない

夜の外出はダメらしい

まぁ、村だから安全も考えているかも知れない

 

「明日から本格的に調査を始めるか…村の地図があればいいけど…明日、女将さんから地図を借りるか」

 

 

明人は取り合えず

晩飯の時間まで部屋でのんびりすることにした。

 

 

俺は晩飯の時間までに

いくつかの仮説を立てていた

 

まずは、何故?神隠しが起きたのか?

ある説には【時空乱流】に巻き込まれたのか?

…昔 神隠しと言われる事件

中国の軍隊失踪事件

数万の中国の軍隊が

一夜で消える事件。

もし時空乱流が発生し三人の被害者たちを

巻き込んだか…

 

これは一つの仮説だ…

ちゃんとしたこともまだわかっていない…

何故?三人の男女なのか?

一人目は村の青年

二人目は観光に来た女性

三人目は俺と同じ記者の男性

 

何も接点もない…何故?

消えたのか?…

時空乱流の説はまだ保留だ

 

 

「…仇宮村…まずは明日、村を探索してみるしかないか…」

 

 

情報が足りてない状態では

あんまり行動する場所が限られている

まずは、この村の村人に聞くか?

もしくは、この村によく来る観光客から聞くか?

 

 

「まずは…村の人にさりげなく聞いて見るしかないか」

 

 

明人はカメラやボイスレコーダーやノート

ボールペンを鞄に入れ

明日の準備をした。

 

 

「さて、晩飯まで時間があるし

温泉に行くか」

 

 

明人は折角の温泉村だから

温泉に入ることに決め

明人は部屋にある

タオルと浴衣を引き出し

明人は浴衣とタオルを持ち

部屋を出た。

 

 

温泉がある方向のマークがあり

明人はその方向に歩いて行くと

何人かの明人以外のお客とすれ違った

女性に人気なのか?

お客は女性が多かった。

 

 

「女性が多いんだな…ん?ここか?」

 

明人は歩くと

男性用の脱衣場を見つけ

中に入るが誰も居なく静かだった。

 

 

「貸し切りなのか…」

 

明人は脱衣所で服を脱ぎ

脱衣所の扉を開けると

温泉が湧いたお風呂があり

お風呂場には露天風呂や

色んな温泉風呂があった

 

 

「すげぇな…取材で来て無かったら

普通に観光で来ていたな…」

 

 

明人は取り合えず

温泉を楽しむことにした。

 

 

 

それから、明人は

温泉を楽しみ

晩飯の時間になり

明人は仇宮宿の女将の日富美が

料理を持って来て

明人はその料理を食べ

明人は満足していた。

 

----------------

 

 

その夜

仇宮村に一人の虚無僧

が歩いていた 虚無僧は尺八を持ち

小さな音を流しながら歩く

虚無僧が尺八で鳴らす唄

『かごめかごめ』…その唄は

何故か寂しく…誰もいない

夜の仇宮村を歩く虚無僧は

闇の中へ消えていく

 

 

 

かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 

夜明けの晩に 鶴と亀と滑った 後ろの正面だあれ?

かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 

夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?

かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 

夜明けの晩に つるつる滑った

鍋の鍋の底抜け 底抜いてたもれ

かごめかごめ 籠の中の鳥は いつもかつもお鳴きゃぁる(お鳴きやる) 

八日の晩に 鶴と亀が滑ったとさ、 

ひと山 ふた山 み山 越えて

ヤイトを すえて やれ 熱つ や(お灸を据えて、やれ熱や)

籠目籠目 加護の中の鳥居は いついつ出会う 

夜明けの番人 つるっと壁が滑った 後ろの少年だあれ?

かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出会う 

夜明けの番人 鶴と亀が滑った 後ろの少年だあれ?

 

 

 



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ようこそ仇宮村へ 2

朝 目が覚めた明人は

窓の景色を見た。

 

外は雲も無く

太陽の光が麦畑を照らす

いい天気だった。

 

明人は取り合えず

服に着替え

鞄を持ち

出掛けることにした。

 

 

「あら?おはようございます

利田様」

 

ドアを開けると

はたきを持った女将の日富美がいた。

 

 

「おはようございます!女将さん」

 

明人は日富美に挨拶をすると

明人は日富美に聞いて見ることにした。

 

 

「あ、女将さん この仇宮村の地図とかないですか?」

 

 

「地図ですか?はい、ありますよ

玄関のそばに観光客用の地図があります」

 

 

「分かりました!ありがとうございます」

 

明人は日富美が言った

玄関のそばにある地図を探すことにした

地図は分かりやすいところに置かれ

すぐに見つけ出せた。

 

 

「さて、見るか」

 

明人は地図を確認する為に

地図を開いた

 

地図には

下の方に最初に来たバス停のマーク

その上を見ると

途中にお地蔵様の絵があり

その上には村の絵が描かれていた。

村の左側には森林があり

森林を抜けると湖らしき絵が描かれている

そして、村の右側に階段の絵があり

その階段の先には神社のマークが描かれていた。

 

 

「ここが神隠しにあった

仇宮神社か…ん?なんだ?」

 

明人は地図に違和感を感じた

村に左と右には場所があるのに…何故か

北の方だけ何も描かれていなかった。

それか山の絵は描かれているのに

何故か北の方角だけ

黒い汚れみたいな絵に見えた。

 

明人は取り合えず

北の方角は一旦忘れ

まずは、村の調査を始めることにした。

 

 

明人は宿屋を出ると

外は太陽の光の暑さで

汗が出てくる。

 

 

「しかし…暑いな…」

 

明人は田舎の暑さにやられそうになるが

明人は取り合えず

村の探索を始める。

 

明人はカメラを取り出し

観光客として慎重に調査を開始する。

 

目の前には麦畑が広がり

収穫にはいい感じだろうか?

明人は初心者な為にその用な知識は無かったが見た感じには出来がいい感じに見える。

 

明人は取り合えず

カメラで麦畑を撮った

 

 

「さて、歩くか」

 

明人は歩き始めると

宿屋の右側には家らしい建物が数件建っており

左側には最初に来た

お地蔵様がある方向の道には

お土産屋さんらしい建物があった。

 

明人は左側のお土産屋さんがある方向に歩き始めた

あんまり遅くにならない為に

まずは近場から調査を開始する。

 

 

明人はまず一つ目の建物の前に来た

【仇宮土産屋】と書かれた看板の建物

中には温泉饅頭や温泉卵などの商品が置かれていた。

 

明人は店主を探すが

人の気配が無かった為

お土産屋さんから出ることにした。

 

 

明人は店から出ると

一人の少女に声をかけられた

 

 

「ねぇ?お兄さん お兄さんは外から来た人?」

 

 

その少女は黒髪で

花柄の着物を着た少女だった。

 

 

「ん?あぁ…そうだよ この村に観光しに来たんだ」

 

 

「そうなんだ」

 

明人は少女と話していると

少女はクスッと笑う

 

 

「ねぇ?お兄さん…名前は?」

 

 

「俺は、利田 明人だよ お嬢ちゃんは?」

 

 

「私は…黒仇 ミヤ(くろあだ みや)だよ

よろしくね?お兄さん♪」

 

明人はこのミヤと少女との出会いで

この仇宮村の事件に深く関わって行くことは誰も知らない。

 

 

 



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仇宮村のもう1つの神社

黒仇 ミヤと名乗る少女

普通の子供とは違う感じがした

何か落ち着いた様子が見られる

 

何か…わからない…

全てを見透かされたような…

そんな気分が明人の心に残る

 

ミヤは明人に話しかける。

 

 

「ねぇ?お兄さん

この村…楽しい?」

 

ミヤがそう言うと

明人は笑顔で答えた。

 

 

「まぁ、いい村だね

空気はうまいし 自然が沢山あるからね」

 

 

「そうなんだ」

 

明人が村を褒めると

ミヤは少し笑顔になった。

 

すると ミヤは明人にこう言った

 

 

「お兄さん 私が村を案内してあげようか?」

 

村の案内…

明人は考えた

地図だけではイマイチわからないこともある

それに、この村の住人なら

この仇宮村のことも詳しいはずだから

明人は考えミヤに言った

 

 

「じゃあ、おねがいしてもいいかな?」

 

 

「うん!じゃあ、案内するから

私について来て」

 

ミヤは明人の手を握り

ミヤと明人は走る

その時 暑いこの時期なのに

何故かミヤの手は

凄く冷たかった…

 

そう思った明人である。

 

 

ミヤに連れて行かれる明人

仇宮村の周りの景色やお店などを教えて貰った

 

結構 歩き回ったせいで

明人は少し疲れが出て来た

 

 

「ねぇ?ミヤちゃん 何処かでお昼だから ご飯が食べれる場所はないかな?」

 

明人は時計を見ると

お昼にはいい時間になっていた

 

 

「ん~ あるよ」

 

 

「じゃあ、一緒に行こう

案内してくれたお礼でね」

 

 

「うん!じゃあ、こっちだよ」

 

すると、ミヤは明人の手を引っ張る

子供は元気で体力もある

 

 

ミヤと一緒に歩くと

一件のお店の前にたどり着いた

 

そのお店は

【仇宮食堂】と書かれていた。

 

 

「ここのご飯 凄く美味しいんだよ」

 

ミヤは笑顔で答えてくれた

明人は仇宮食堂の扉を開けお店の中に入る。

 

 

中に入ると

「いらっしゃいませ」と若い女性の声が聞こえ 奥からピンクのエプロンを着た少女が現れた。

 

 

「いらっしゃいませ 仇宮食堂へ~

あ、ミヤちゃん!」

 

 

「こんにちは 朱理ちゃん」

 

どうやら二人は知り合いらしい

ミヤの身長が150ぐらいなら

朱理と言う少女もそれぐらいだろうか?

 

 

「ミヤちゃん こちらのお兄さんは?」

 

「俺は、利田 明人と言います

この村に観光で来てね

ミヤちゃんにこの村を案内して貰ってね」

 

 

「そうなんですか?あ、私は 永坂朱理 (ながさか あかり)と言います!この仇宮食堂で働いています」

 

永坂 朱理と言う少女は

明人に頭を下げ挨拶をした。

 

 

「こちらこそ…朱理ちゃんが料理をするのかい?」

 

 

「はい!仇宮食堂は私ともう一人で働いています!」

 

 

「朱理ちゃんのご飯 美味しいだよ」

 

 

明人は少し心配だったが

ミヤちゃんが推しでもあるから少し安心している。

 

 

壁にはメニューが貼られていた

メニューには定食や丼系の料理の名が書かれていた。

 

 

「どうぞ!お水です!」

 

朱理は明人とミヤにお水を持って来て

テーブルに置いた。

明人は「ありがとうね」と朱理に言った。

 

 

「ミヤちゃん オススメは何かある?」

 

 

「あるよ!この鳥卵丼って料理が美味しいんだよ」

 

壁のメニューにオススメと書かれ

鳥卵丼が書かれている。

 

 

「じゃあ、鳥卵丼で」

 

 

「私もそれにする」

 

 

「分かりました!すぐに準備して来ますね」

 

朱理は店の奥に行き

料理を作りに行った

 

明人はお水を一口

飲むとその水が凄く美味しかった。

 

 

「水がうまいね」

 

 

「うん!仇宮村にある

仇宮神社の近くにある水場から引いてる

天然水だよ」

 

なるほど…と明人は水を飲む

 

 

明人は少し不思議な気持ちになっていた

この仇宮村に来てから

何だか時間が遅く感じていた。

 

都会で仕事をしていると

時間何て早く過ぎている感じはあった

歳を取っていくにつれ

時間が早く過ぎる気はあった…

だけど、気にする事は無かった

 

成長もすれば

家庭を持ち 仕事を退職になって

亡くなって…それが普通の暮らしなのかも知れない…

 

だけど、この仇宮村に来てから

何故か 時間の進みが遅く感じがある

 

 

…何故か?これも神隠しと関連しているのか?それとも…俺の気のせいかも知れない

 

 

「お兄さん?大丈夫?」

 

 

「え?」

 

ミヤに声をかけられ

明人は気付いた

 

 

「お兄さんを呼んでも返事が無かったから 夏バテ?」

 

 

「いや、大丈夫だよ

ちょっと考え事をしててね」

 

 

明人は笑顔で答えると

ミヤは「そっか~」と笑顔で返事をした。

 

 

すると 奥から

朱理がこちらにやって来た

お盆には鳥卵丼と味噌汁を持って来て

明人たちの前に置いた

 

「どうぞ!鳥卵丼です!」

 

親子丼みたいだが

焼いた鳥が大きく切られ

卵を乗せた シンプルだが

美味しそうだった。

 

「じゃあ、食べようか?」

 

「うん!」

 

明人とミヤは手を合わせ

「いただきます」と言い

鳥卵丼を食べた

 

「うん!凄く美味しいよ」

 

「ありがとうございます!」

 

明人は鳥卵丼の旨さに

朱理を褒めた。

 

 

「やっぱり朱理ちゃんのご飯は美味しいね」

 

 

「ありがとうね!ミヤちゃん」

 

明人とミヤは

鳥卵丼を完食し

水を飲み

お腹が満腹になった。

 

 

「ねぇ?お兄さん

お昼はどこに行きたい?」

 

ミヤが突然

明人に言った

 

 

「じゃあ…神社とか行けるかい?」

 

 

「えぇと…今からじゃあ…遅いかな…」

 

今から神社に行くには

遅いらしい…夕方には宿に戻らないといけないからな…夜は外出が出来ないらしいし

 

 

「あ…じゃあ、お兄さん!ミヤの秘密の場所に連れてってあげる!」

 

 

「え?秘密の場所?」

 

 

「うん!秘密の場所だよ!」

 

 

明人は朱理に鳥卵丼の料金を渡し

仇宮定食を後にした。

 

明人はミヤの後ろについて行くと

ミヤは森林の中へと入って行く

明人もミヤについて行く

森林の中は涼しく

何だか寂しい気がした

 

すると、歩く事

10分ぐらいだろうか

川が流れる音が明人の耳に聞こえ

太陽の光が明人とミヤを照らす

 

 

「ここが秘密の場所だよ」

 

ミヤは手を広げ

案内してくれた場所は

川が流れる湖だった。

 

 

「すごい…」

 

明人は目を疑った

現在 自分が見る景色の景観に

透き通るきれいな湖

花が咲く 花畑

そして、湖の奥に見える

黒い神社が建っていた。

 

 

「ミヤちゃん…あの神社は?」

 

明人はミヤに黒い神社の事を聞いてみると

ミヤは後ろを振り向きこう言った。

 

 

「あの黒い神社ね…

黒仇宮神社…仇宮村のもう1つの忘れられた神社だよ…」

 

ミヤは寂しそうにそう言った。



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消える神隠し

明人はミヤと村に戻り

ミヤと別れ 明人は宿屋に戻る途中だった。

 

 

「…黒仇宮神社…忘れられた神社か…」

 

 

明人はミヤの秘密の場所にあった

忘れられた神社の事を思い出していた

 

黒仇宮神社…仇宮神社とは違う

もう1つある神社…

明人が見た感じでは

何か焼けたように黒く

墨の用な感じだった。

 

長い年月を重ね

錆びれた感じもあり

放置されてから

もう長いはずだ。

 

それに…黒仇宮神社を見たミヤの表情は

少し寂しそうだった。

 

 

「仕方ない…また明日 ミヤちゃんが案内してくれるらしいから…今日は宿屋に戻って今日の分の原稿を書くか」

 

 

と…明人は言い

宿屋に戻って行くのであった。

 

 

明人が宿屋に戻ると

玄関から大きな声が聞こえて来る

 

「だからさ~ここらへんにコンビニとかないの?」

 

 

「大変失礼しましす お客様…この村に

コンビニは御座いません」

 

 

「マジ~?最悪じゃん~」

 

 

「コンビニとか無いとかマジ最悪~」

 

 

どうやら、ギャルたちが騒いでいるらしい

この様子だと まだかかりそうだ

 

 

「大変申し訳ございません」

 

 

「仕方ない~アユミ~私がちょっと車で

ふもとの町のコンビニで買って来るわ~」

 

 

「え~マジで?つうか 頼む~」

 

 

「お客様 出来るだけお早めにご帰宅をお願いします」

 

女将の声を聞いているのか

何も返事をせず アユミと呼ばれるギャルは宿屋から出て行くと

もう一人のギャルは自分の部屋に戻って行った。

 

 

すると日富美は玄関に居た

明人の存在に気付いた。

 

「おかえりなさいませ 利田様」

 

 

「ただいまです 女将さん…さっきの人たちは?」

 

 

「はい、この宿屋に泊まっています

お客様になります」

 

 

この仇宮村には女性の観光客が多い気がした。

さっきのギャルが言っていた

ふもと のコンビニに行くと言っていたが

ふもとまで かなり時間があると思う。

 

「遅くならないといいですね」

 

 

「はい…そうですね」

 

 

明人はそのまま日富美と別れ

自分の部屋に戻った

その時…明人はこの

仇宮村の神隠し事件に巻き込まれるとは…

まだ知らない。

 

 

花はいつか咲き

 

花はいつか枯れる

 

人は産まれ

 

人は終わる

 

泣き泣き林

五日の先

死死花な畑

 

貴方の死相

見えるは先

 

まだ知らず

歩き 迷うことなかれ

 

幼き子の案内

村の運命 見えることなかれ

 

 

 

 

翌朝、明人は怒鳴り声らしき声が聞こえその声で目を覚まし

声がする方に向かうとそこには日富美と昨日のギャルが一人が居た。

 

「まだ彩が帰って来てないんだけど!アンタ、本当に知らないの?」

 

 

「は、はい…あれから日向様は帰っておりません…それにこの村は夜は真っ暗になるので…もしかしたら何処かで駐車しているのでは…」

 

 

「ケータイも繋がらないしマジどうなってるのよ!」

 

明人は少し嫌な予感を感じていた…

この村には神隠しがある…最悪、その彩と言う人が神隠しに合ったらなら…明人は急いで部屋に戻り服に着替え鞄を持ち

出掛ける準備をした。

 

 

「よし、行くか」

 

明人は出掛ける準備を済まし彩と言う女性を探しに行くことにした。



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