ノーゲームノーライフ 帝姫種 (同人揚げパン)
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問題1「かみじゃないかみってなーんだ」

神話や歴史、そこから得られることは多い、昔の人の成功例は今の成功者になるためのパーツになる。でも昔すぎると教科書に載ってないよねw


ーエルキア王城ー

 

「僕は神であって神じゃない」

 

白がDSPをやっている中ひょっこりと現れたテトが静かに放った言葉がそれだった。

言うまでもなく不信感を覚えた空は聞き返した。

 

「テト、それはどいう言うことだ?」

 

白も部屋に同席していたステフやいづな、いのまでが聞き耳を立てた。数秒の間時が止まったように静かになる。

テトは言い方を考えているのか少しの間をおいて話す。

 

「僕は唯一神その事実は変わらないよ」

 

答えになっていない、世界の神が考えて出した回答に周りの者は拍子抜けしていた。

しかし、空と白には何かただならぬものが感じられた。考えて考えたうえでこの言葉を選んだのだと。

緊迫の後、テトはただ1つの言葉を残して消えた。こちらからの質問が出る前に逃げるように。

「十の盟約でも戦いは止められなかった」

と。

 

 

 

 

ー数時間後ー

 

「皆に集まってもらったのは他でもない、テトが残した言葉について考えるためだ」

 

空はその時場所にいなかった。フィール、クラミー、ジブリール、巫女にテトの残した言葉のことを話した。

説明後、まず十の盟約についてステフから再度説明があった。

 

「そもそも十の盟約というのは大戦後唯一神となった遊戯の神・テトが16の種族に対して行った盟約で、その中にあらゆる殺傷略奪を禁ずるとかいてありますわ。ですので、争いならともかく戦いは起こらないはずなのでは?」

 

ステフが誰でも考えられる最も簡単な説明と感想の後、ジブリールが再度確かめる。

 

「マスターを疑うわけではないのですが本当に遊戯の神は【戦い】と、言ったのですか?争いではなく」

「そこは本当だ。俺の聞き間違えかと思って白やいづなたんにも聞いたが、迷わず戦いと答えたよ」

「唯一神が言い間違えた可能性はないの?」

「それはねえよクラミー、テトは答えるまでに相当な時間があった、言い間違えることはまずねえ」

 

まず、テトの言葉に嘘はない、テトの言い間違えでもない、部屋にいるひとはまずこう結論付けた。

しかし、いつまでたっても話は進まずひとまず解散という形になった。

 

ー元東部連合領地ー

 

「しかし、よう分からんなぁ」

「どういうことデス」

「唯一神のことやけんども、教えるには情報がちと少なすぎると思てな」

「確かに、なんの役にも立たねえ情報で伝える意味はねえなぁ」

 

巫女達一同が今までの情報や議論を整理しながら帰っていた。

「いの、いづなをつれて先帰り」

「さっきから、感じる気配のことですか」

 

エルキアの領地を出てからずっとついてきている気配に巫女といのは気が付いていた。

 

「巫女様、自分も残るデス」

「いの!気配が近きよる!さっさといづなと行かんか!!」

 

声を荒げる巫女の行動を見て少し二人は驚いた。

しかし、巫女にそこまでさせるということを感じ取ったいのは、いづなを担いで、後方へと走り出した。

 

「巫女様、どうかご無事で」

 

 

 

 

「もうここにはわてしかおらんでできたらどうじゃ」

 

すると黒いローブを身に着けた影が出てきた。顔はフードで隠れているが、背丈は空よりも少し高い程度だろうか、近くの木の陰から出てきた。

 

「おや、1人かい、盗賊にしては少のうな」

 

すると人影はこちらへと歩いてきて、巫女の少し手前で止まった。

 

「それは、殺気かの?盗賊ではないようじゃな」

 

こちらに向けられる殺気を感じた巫女は相手の要件を聞こうとした。

しかし、聞く前に先手を打たれた。

銀色に輝くものをこちらに向かって突き出してきた。

間一髪血壊を使ってよけることができた。

 

「ほう、短剣じゃな、ぬしどうしてそれを振りかざせる」

 

そんな質問の間も相手からの攻撃は続く。

唯一神の言っていたのはこういうことかとさとる。

こちらは血壊を使っている。負けることはまずないだろう。

しかし、空白の存在が頭をよぎる。注意すべき、か

頭よりも先に体が動いていた相手の背後に周り、地面に倒し動けないようにした。

相手はこちらを侮っていた?あっさりと捕まってしまった相手を見ながら思う。

 

「そのローブ、ぬがさせてもらうわ」

 

手は動けないようにしたし、短剣もはじいた。そっとローブに手をかけローブをぬがした。

 

 

フードを取った瞬間目を疑った。しかし、確証を得るためにローブをすべて取ってみた。

頭の上に輪があり、背中には翼が生えていた。

背中の羽、頭上の輪、天翼種にしか見えなかった。

けれど、天翼種であるのかを疑った。

その翼は濃く深く、見る目疑うほどの漆黒であり翼は片方しかなかった。

下に着ていた服は真っ黒な軍服。

翼の色とは裏腹に真っ白な体の女体であった。

 

 

 

少しのスキが出来てしまった。その瞬間に相手はこちらの拘束を振りほどき距離を取り初めて話し始めた。

 

「帝翼姫ルシィール、貴殿元東部連合全権代理者巫女およびエルキア連邦全権代理者空および白またその他十四の種族、唯一神に対して宣戦布告の意を表明ス」

「どういうことや」

「貴殿巫女の傷をもって一六種族くわえ唯一神にたいして戦争を起こス」

 

一呼吸おいて続ける

 

「魔法陣展開、範囲確定、副身体完了、転移魔法発動」

 

なにが起こったのか処理できなかった。

回る、回る視界が揺らいでいく、血壊中だというのに目で追えない、早すぎた。

自分を信じ切っていたせいで、血壊を信じ切っていたせいで、空白と戦った時とは違う感触、圧倒的差、世界は広いと嫌なほど思い知らされた。

腹、腕、足、背中あらゆる方向から殴られ意識が薄れていった。

しかし、巫女を困惑させたのはそれだけではなかった。

ルシィールといっただろうか、立ち去る彼女の姿がいくつもあるように思えた。

 

 

 

 

いのから、巫女の帰りが遅いと聞いたジブリールは空や白を連れて巫女が通ったであろう場所を捜索した。

そして、木の陰にボロボロになり横たわっている巫女の姿があった。

 

「脈はまだある!!ジブリール王城に連れて行ってフィールに巫女を届けてくれ治癒魔法をしてもらうんだ!!早く!!」

 

ジブリールは転移魔法で王城へと行きフィールとともに回復魔法を施した。

心配事はいろいろとあるが、まずは今の状況を整理した。

やっと全員が気づいた、テトの言っていた意味えを。

 

「白、許せねえよなこんなにやられて」

「・・・白も、どーかん」

「まずはテトに一発やってらねえ時がすまねえ」

「・・・にぃ、これ」

「これはなんだ?」

 

空が手に持つそれは、紅色に染まった真っ黒な羽だった。

 

「テトは全部知ってたのか?」

「・・・たぶん、限定的なものだと思う」

「そうか」

 

 

握るその手は紅に染まっていた。

 

 

 

 

 

 

ー私たちに十の盟約は適用されないー

それが私たちの復習だから。




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