ハイスクール・フリート ~Sky of liberty~ (鮭愊毘)
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~飛行機とは~

はいふり世界の教科書に書かれている風に設定を書いていきます。


飛行機

 

飛行機とは、航空機の類の一つであり、水素、ヘリウムを使用しないで飛行する機械のことである。

 

戦闘機

 

機関銃、爆弾、ミサイル※などの武器を装備した飛行機のことである。

機動性を上げるためわざと左右のバランスを崩している。

 

大河重工

 

日本の艦船のパーツ製造、修理を主に活動している企業。世界で初めて飛行機を開発。

 

 

ASF-X 震電Ⅱ

 

日本の大河重工が世界で初めて開発した飛行機並びに戦闘機。

正式名称『Advanced Support Fighter-X』、愛称の震電Ⅱは、かつて日本海軍が開発しようとした『震電』に携わった、もしくはその子孫が開発チームにいたことに由来する。

 

現在、5機生産されている。

 

Xというのは試験機であることを表している。

 

※目標に向かって自身の推進力で飛ぶ兵器である。

 

 

乗員 1名

全長 19.5m

全幅 14.0m

上昇限度 約19250m

 

 

 

詳細

 

海賊によるブルーマーメイド襲撃事件の多発を基に大河重工がイギリスの援助を受け開発した機体。主翼端と尾翼の可動により、尾翼をV字にした通常モード、主翼端を折り、尾翼をハの字にしたSSC(ステルス・スーパー・クルーズ)モード、同じく主翼端を折りたたみ、尾翼を逆V字にしたSTOVLモードに変形可能。

 

コックピット後部左側にステルス性を保つための蓋がついた機銃一丁、主翼下及び機体ウェポンベイに短距離、対艦、空対空ミサイルのいずれか二つを選んで装備できる。

 

 

本機の運用データを基に現在"F-1改(F-3)"が開発中である。

 

 

一号機

 

世界で初めてつくられた飛行機。試験飛行用のため、垂直着陸機構と火器は搭載されていない。

 

二号機

 

第01飛行隊所属の機体。データリンク用の機器を積んだ隊長機。そのためウェポンベイが他の機体に比べて狭くなっている。

 

三号機

 

第01飛行隊所属の機体。戦闘能力よりも機体の耐久度やパイロットの生存性を極限まで高めた機体。パイロットのコールサインは『オメガ』。

 

四号機

 

第01飛行隊所属の機体。長時間の任務に対応できる継戦能力を強化し、対地戦闘に特化している。パイロットのコールサインは『ブロンコ』。

 

五号機

 

第01飛行隊所属の機体。射程が長いミサイルを運用する。パイロットのコールサインは『フェンサー』。

 

 

 

F-1

 

日本がブラックファルコン設立前に開発しようとした飛行機兼戦闘機。

 

F-1改(F-3)

 

坂井翔率いる第01飛行隊の運用データを基にASF-Xをベースに開発中の機体。

機関銃の蓋がオミットされ、機体のタイプをA型(飛行場での運用を想定)、B型(短距離陸・垂直着陸)の他にイギリスで運用予定(英名:Sea Magnificent Lighting Ⅱ)のC型の三つのタイプを予定している。

 

 

 

 

 

 

 

F-22 ラプター(Raptor)

 

詳細

 

アメリカが大河重工からの設計図を基に開発した機体。ステルス性と攻撃性に特化した機体であるが、エンジンと燃料に一部問題が発生している。

 

F-14 トムキャット

 

没案になってしまった機体。

 

F-15 イーグル

 

アメリカが開発を決定した機体。全体的な性能がF-22に劣る分、扱いが良くなっている。アメリカとドイツで運用。

 

F-16 ファイティングファルコン

 

アメリカが開発を決定した機体。日本にも数機輸入される。

 

FA-18 ホーネット

 

世界で二番目の対空・対地対応の戦闘攻撃機。BFアメリカ支部の隊員が始めに乗る戦闘機。

 

 

Su-47 ベールクト(Беркут)

 

 

詳細

 

ロシアが大河重工からの設計図と震電Ⅱの外見を基に開発した戦闘機。震電Ⅱと同様、前進翼とカナードを採用している。

 

 

 

 

 

 

 

ブラックファルコン(Black Falcon)

 

航空母艦(空母)及び戦闘機を運用する世界共通の職業。飛行機、もしくは空母を運用できる体力と知識があれば性別 学歴関係なく所属することができる。

日本の司令官は鶴野政宗。

 

4~5機で編成される航空部隊を有しており、第〇〇飛行隊と呼称する。

ここで運用する艦船と機体には、黒地に紺色の線が描かれている。

 

現在は日本を本部とし、支部をアメリカ、ロシア、イギリス、ドイツに置いている。

 

 

 

航空母艦

 

ブラックファルコンが運用する、飛行機を搭載しそれにより戦闘を行う艦船のこと。

これを中心とした艦隊を機動艦隊、航空部隊と呼称。

 

なお、これそのものには砲はほとんど搭載しておらず、ミサイル迎撃用の火器があるだけである。

 

上記の通り単体では戦闘という戦闘ができないので、乗員に性別の規定がない。ただし、空母の乗員になるには性格審査に受からなければならない。

 

 

ボンド級航空母艦一番艦 ボンド(Bond)

 

ブラックファルコン本部(日本)が運用する航空母艦。

ボンド(Bond)とは絆という意味である。

 

全長 300m

全幅 76.6m

艦載機搭載数 45~50(予定)

 

二番艦 リミット(Limit)

 

BFAが運用する"原子炉"搭載型空母。

 

三番艦 ケストレル(Kestrel)

 

日米露共同開発の空母。

 

 



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不可能という言葉は愚者の辞書にのみ書かれている
Episode00 空という可能性


ここは海上安全整備局。

 

「……もう一度頼む」

 

「大河重工が、飛行機及びそれを戦闘用に改造した戦闘機なるものを作り上げ、もう、試験運用しているとのことです……」

 

幹部の一人が部下からの報告を受け、唖然とする。

 

「……夢?私は……疲れているのか……?」

 

「一度自分の頬を抓ってみては?」

 

報告を認めようとしない幹部は、これは夢だと言いながら頬を抓る。

 

「痛い。これは現実なのか」

 

「……先ほどから何故認めようとしないのですか?水素やヘリウムを使わない空飛ぶ乗り物の開発、これは喜ばしいことです」

 

「問題はそこだ。『日本が世界で初めて水素やヘリウム以外の力で飛行する乗り物を作った』と報道されればアメリカを中心とした国が黙ってないぞ。『技術をよこせ』とな」

 

「……」

 

部下は新聞を幹部に見せる。そこには、

 

 

 

デカデカと『日本の大河重工 飛行機を造る。さらに同盟国にその国に適した飛行機の設計図を渡す』と書かれていた

 

 

 

「はぁぁぁ!?おい!今すぐ大河重工の代表者をここに連れてこい!!」

 

「は、はい!」

 

 

ーーーー

 

一方その頃アメリカでは、大統領が新聞で日本に関する情報を目にしていた。

 

「……あの日本が……。"Advanced Support Fighter-X" ASF-X ShindenⅡ…… か」

 

すると次の瞬間、秘書が騒ぎながら大統領の部屋に入る。

 

「だだだだ大統領ー!!大変!大変です!!」

 

「どうした!何かあったか?!」

 

「じ、実は日本からこんな手紙と書類が……」

 

ーーーー

 

「何?日本から手紙?」

 

「ええ。中を確認したところ、何かわけのわからないものが書いてありまして……」

 

ここはドイツ。ドイツにも日本から手紙が届いていた。これが他の同盟国全てに送られていたのだ。

 

ーーーー

 

「『アメリカ、並びに我が国の同盟国の大統領・首相殿、我々が飛行機を開発できたことはもうすでにご存じだと思う。正確には日本とイギリスだが。

 

単刀直入に言う。我々日本はこの技術を独占したりはしない。高値で売りつけたりもしないーーー」

 

ーーーー

 

「ーーー元々飛行機の動力源であるエンジンは日本の技術だけでは造れなかった。造れたとしても、馬力は弱かっただろう。つまり、あなた方も開発に携わったと言ってもいいのだーーー」

 

ーーーー

 

「ーーーーだから、この技術を貴国らに提供しようと思う。先ほど言ったように、金は一切取らない。この手紙と一緒に設計図が届いているはずだ。飛行機と、それを運用できる艦船 航空母艦のな。(設計図以外の)詳しいことは 下記のURL先のページに書いてある。

それと、飛行機の事故は艦船のそれと比べて操縦者の死亡率、二次被害の危険性がかなり高い。そこを注意してくれ。最後に、貴方方の幸運を祈っている。

 

大河重工代表 鶴野政宗』」

 

この下に、大河重工のものと思われるURLが書いてあった。

 

 

 

 

「「「「……」」」」

 

これを読み終えた同盟国の大統領・首相たちは口を半開きにして固まっていた。

 



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Episode01 クソじゃない上司は苦労人

戦闘機の設計図を受け取った各国は早速それを基に試作機を開発し始めた。

 

アメリカはステルス性と攻撃性に特化したF-22を、ロシアは新聞に載っていた震電Ⅱの外見を基にSu-47を。

 

その頃、日本では……

 

ーーーーーー

 

~海上安全整備局~

 

「これはどういうつもりだ!」

 

「……どうしてこうなった……」

 

幹部に尋問されている今作の主人公 坂井翔。彼はブラックファルコン第01飛行隊所属のパイロットである。休憩中に拘束された彼は幹部から必死に目をそらしていた。

 

「何故このような大発明を世界に公表した!」

 

「え、そんなことっすか。いやだって……いつかばれるんだったら公表したほうがいいかなー………………ってうちの上司が言ってました」

 

「……」

 

翔が大河重工の幹部でないと判明すると、彼らは翔の拘束を解く。

 

実際、政宗の言ったことは正しく、これを公表したことで各国は日本を高く評価し、アメリカやロシアの大統領から賞状をもらった日本の首相はひどく混乱していたとのこと。(飛行機の設計図の譲渡は大河重工の独断であるため)

 

 

ーーーー

 

政宗が国から叱られ、翔が海上安全整備局から解放されている頃、横須賀女子海洋学校では……

 

 

「ねぇ聞いた?」

 

「ああ、教科が増えるんだって?」

 

教科が増えるという噂が広がっていた。しかし正確には『知っておくことが増えた』だけであって教科書のような冊子を見るだけという授業と言っていいか怪しいものである。

 

 

「し、試験が終わったと思ったら次は新しい教科~!?」

 

「ダメだー!今のままでもヤバいのにこれ以上増えたら……」

 

無論、晴風クラスもこのことを知っており、クラスのほとんどが成績についてで騒いでいた。それを落ち着かせながら例の"新しい教科"の教科書を配るクラス委員長岬明乃。

 

「ん?ブラック……ファルコン?」

 

配られた教科書をぺらぺらとめくって中を確認する一同。その中の見慣れないワードに疑問を抱いていた。

 

ーーーー

 

「翔。呼び出しておいて悪いんだが……

 

 

これを頼む」

 

一方大河重工では、政宗に『横須賀女子海洋学校出入許可証』と書かれたカードをもらった翔。

 

「これは」

 

「先ほど海安局から連絡が入った」

 

(海安局?……ああ、さっきまで俺がいたところね)

 

「近日、横須賀女子海洋学校で我々についてを学習する機会を設けたとのことだ」

 

「我々?それって重工の方とブラックファルコンのどちらで?」

 

「両方だ。知っていると思うがブラックファルコンは単独での作戦よりブルーマーメイド、ホワイトドルフィンとの連携を主に活動する組織だ。

味方のことを知ることはとても大事だ。

 

 

で、こちらも一応教科書を作ったんだがな」

 

政宗は翔に教科書を見せる。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!何ですかこのホッチキス止めのキャンプのしおりみたいな教科書!」

 

「仕方ねーだろ!こっちだって震電Ⅱと"オメガ"のせいで金が無いんだよ!お前の部下だろ!?しつけろや!」

 

政宗の口から出たオメガという人物は翔が率いる第01飛行隊の隊員にして、ブラックファルコン一の問題児である。

 

離陸直前・直後に脱出、着陸直前・直後に脱出……と、週に三回は機体をぶっ壊すのである。ちなみに、戦闘機はパイロットが脱出するときキャノピーを外す、もしくは破砕するのだが、ここの震電Ⅱは後者。修理費も高い。

 

これのせいで彼は『被撃墜王(笑)』と呼ばれている。

 

「……話がそれた。つまりだ、この教科書(という名のしおり)だけではよく理解できない子もきっといるだろう。だからお前が教師として行ってこい」

 

「嫌です」

 

 

 

 



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Episode02 コスト

「嫌って言われてももう書類出しちゃったし。お前名義で」

 

「……は、謀ったなぁぁぁぁ!!」

 

ーーーー

 

その頃アメリカのブラックファルコン(Black Falcon of America)略して"BFA"でもある問題が起きていた。それは現在量産中の戦闘機F-22の生産禁止を大統領から命じられたことである。理由は三つ。

一つ、ステルス性を保つためにミサイルを全て機内に収納している本機はそのウェポンベイの構造が複雑。

次に、本機は表面に電波吸収材入りの塗料、キャノピーには金を蒸着している。これの製造の難解さ

最後に、機体の維持費。

 

すでに21機生産しているが、BFAのパイロット、もしくは志願者はその倍以上。機体が足りないのである。そのためF-22はこれ以上の生産を停止、他の安い機体を設計することになった。そこで案が出されたものが、F-14、15、16、17である。

 

まずF-14は可変翼と呼ばれる機体の速度によって角度が変わる翼を持っていたが、22同様、維持費が高くなることが予想されたこと、そして2基のエンジンが離れすぎているということ。もし飛行中に片方のエンジンが止まってしまうとフラットスピンという現象により制御が不可能になる。この二つの理由により没案となった。

 

しかし、アメリカでは『空軍という組織で名無しの新人パイロットがエースになる過程』を描いたアニメ"トップガン"の主役機にこれを選出したとのこと。

 

次にF-15については結果から言うと採用案となった。万能とまではいかないが本機はバランスが優れていたからだ。機体に使用されるチタニウムも、同盟国らの援助により数をそろえることができたという。

 

三つ目にF-16。この機体は世界初の単発エンジンの戦闘機で、15と同様採用案になった。

 

最後にF-17だが、まずはこの会話をご覧いただきたい。

 

ーーーー

 

「F-15、16が採用と決定されたが、異議は?」

 

「「「「「……」」」」」」

 

「ないか。次はF-17についてだ。我々BFAとしてはこの機体を空戦用のF-17と、対地・対艦用のA-17に分けて開発したいと思っている」

 

「A?」

 

「Aというのは攻撃機(Attacker)の頭文字だ。空ではなく、陸や海の敵に対する飛行機といえる」

 

「攻撃機……ですか……」

 

「そうだ。日本のShindenⅡのようなマルチロールもいいが、空戦と対地、どちらかに特化した機体も作るべきだと思ったのでな。BFAのパイロット志願の中には艦船に命を助けられ、恩返しをしたいと思っている者がいるときいている。彼らに攻撃機を任せてもいい。ここまで私は考えたが……」

 

「司令官。確かにその通りですが、それでは機体製造時、維持のコストが高くなってしまいます」

 

「わかっている。だが……」

 

 

 

「コストといえばあの話聞いたか?」

 

「ん?消防車と救急車の維持費がないからって言って消防救急車として一つにまとめちゃったって……」

 

 

「そこ!静かにしろ!」

 

「待て。そこのキミ、いま何と?」

 

「えっ……消防車と救急車を一つにまとめた……」

 

 

「それだ!」

 

 

「「「は?」」」

 

「F-17とA-17は"戦闘攻撃機"として一つにまとめ、FA-18と命名する!解散!!」

 

「「「「……」」」」

 

 

このような会議があり、F-17は戦闘機と攻撃機、両方の顔を持ったFA-18として採用された。

 



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Episode03 ゆっくり

アメリカがF-22の裏の顔(維持費等)に悩まされていた頃、ドイツではアメリカからF-15cの設計図を購入していた。一方日本では……

 

ーーーー

 

「どうも横須賀女子海洋学校のみなさん、こんにちは。ゆっくり霊夢と」

 

「飛行機何それおいしいの?な、ゆっくり魔理沙なんだぜ」

 

翔がネットでプチ流行している"ゆっくり"を使って横須賀女子海洋学校で講座を行っていた。理由はもちろん、『人の前で喋りたくないから』だ。

 

「ところで魔理沙とみんなはあの教科書読んだ?」

 

「ああ……あの辞書みたいなしおりのことか?」

 

「う、うん……。早速だけど魔理沙、飛行機って何だと思う?」

 

「ブルーマーメイドの艦船の一部に搭載されてるあれだろ?」

 

「確かにあれは航空機ではあるけど飛行機ではないね」

 

「ん?航空機と飛行機って何が違うんだ?」

 

「えっとね、航空機は大気中を飛ぶ機械のことで、飛行機は動力をもった航空機だよ」

 

「……もっと簡単にしてくれ」

 

「航空機はブルマーの艦船に乗っかってるあれで、飛行機はブラックファルコンが運用してるあれだよ。ところで魔理沙、飛行機ってどれくらい知ってるの?」

 

「日本が作ったってくらいしか知らないのぜ。多分スクリーンの前の女子たちも同じだと思う」

 

「そう……。まず、飛行機っていうのは大河重工っていう会社が作ったものだよ。きっかてはブルマー襲撃事件だね」

 

「それは知ってるんだが……」

 

「ただの襲撃だったら飛行機は生まれなかった。なぜなら、襲撃して来た輩は空からやってきたんだよ」

 

「……は?」

 

「ヘリウムを使った飛行船に無理やりぶら下がってブルマーの艦船に着地。乗員が全て女性なのをいいことにわずか数十分で制圧。このため、空を早く飛べる乗り物、飛行機が作られたんだよ」

 

「なるほど。で、日本の飛行機って横になんか飛び出たものがついてるな」

 

「……ひょっとして、翼のことを言ってるのかな?」

 

ゆっくりが移っているスクリーンに飛行機の断面図が表示される。

 

「これがないと飛べないよ。鳥と一緒だね。そして地上を滑走する用の足、ランディングギア、動力源のエンジンがあるよ。そしてこれら飛行機は大河重工が政府に内緒で世界に設計図をばらまいたことで開発が激化したんだよ。まずはアメリカ」

 

「ニュースで見たんだぜ。Fなんちゃらの維持費がどうこう……って。Fってなんだぜ?」

 

「Fは戦闘機の英名:Fighter の頭文字だよ。そしてニュースになってるのはF-22Aラプターだね」

 

「? 22?1はどこいったのぜ?」

 

「1は日本が作ろうとしたんだよね……それは後程。22っていう数字は気分らしいよ」

 

「き、気分?」

 

「うん。日本が飛行機つくって設計図を公表した後、日本を中心とした同盟国はある条約をつくった。それに、『形式番号は他とかぶらなければ自由』っていうのがあるんだよ。つまり22でも1781でも8492でもいいってことだね」

 

「へー。ところで霊夢、この機体、よく見ると武器がないぜ。どうやって戦うんだ?」

 

「お、いいところに目を付けたね魔理沙。この機体、ウェポンベイという部屋みたいのがあって、その中に全て武器を閉まってるんだよ」

 

「なんでしまうんだ?」

 

「ステルス性の確保 だね。詳しいことはF-22で検索してね」

 

「おい」

 

「他にも色々な国の戦闘機を紹介したかったけど時間がないので日本をやるよ。日本の戦闘機はASF-X 震電Ⅱだね。震電というのはかつて日本海軍が作ろうとした戦闘機の名前だよ。ASF-Xの開発チームにその関係者がいたから愛称が震電Ⅱになったんだ」

 

「これは特番みたからよくわかるぜ」

 

「そしてこの機体はブラックファルコンで運用している4機、非武装の試験飛行用のものが一機計5機生産されていて、このデータを使った機体F-1改 別名F-3を現在製造中だよ」

 

「なーるほどー。ん?F-3?2は?」

 

「F-2はアメリカのF-16 ファイティングファルコンっていう機体の改造型として計画されているよ」

 

「ところでさっきから言ってるブラックファルコンってなんだ?」

 

「……え、そこから?」

 

「うん」

 

「……ブラックファルコンっていうのは、戦闘機と航空母艦を運用する組織だよ。ちなみにブラックなのは名前だけであって中身は白いよ」

 

「そういうものほど信用できないのぜ……」

 

「で、航空母艦、略して空母というのは、戦闘機を載せてそれにより戦闘を行う艦船だよ。砲はほとんどないよ」

 

「なんかボーリングのレーンみたいだぜ」

 

「就役しているのは今のところボンド級航空母艦一番艦"ボンド"だけだよ」

 

「木工用?」

 

「そっちのじゃない。Bond 絆だよ」

 

「へー」

 

 

「これでモヤモヤが全部とれたのぜ。……あ」

 

「ん?どうかした魔理沙?」

 

「これ、テストとかあんのか?」

 

「ブラックファルコンに入るならテストあるけど……それ以外はないよ」

 

「よかったのぜ」

 

 

「最後に、ブラックファルコンはブルマーや海洋学校の生徒の艦船の護衛、援護を目的とした組織であるということ。そしてホワイト企業であることを覚えておいてね」

 

「まだそれ引きずるか……」

 

 



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Episode04

スクリーンによる講座は終わり、翔は解放…………されるはずはなかった。

 

「飛行機ってなんで滑走しなくちゃいけないんですか?」

 

「何でって……凧と一緒だよ。うん」

 

「震電Ⅱの"Ⅱ"ってなんでローマ数字なんですか?」

 

「……かっこいいからじゃない?俺も聞きたい」

 

「何で日本の飛行機は翼の先が折れるんですか?」

 

「折るとバランスが悪くなって機動性が上がる……少しね」

 

なぜなら、質問攻めを受けていたからだ。彼が作った先ほどの映像は生徒から見れば専門用語の塊で、よくわからなかったからだ。

 

ーーーー

 

一方、ブラックファルコン本部では……

 

「何?RATsの影響はまだどこかで出ている?」

 

のんきにテレビを見ているオメガが呟く。

 

「そうらしいな。RATsといえば、特に横須賀女子海洋学校の航洋艦が頑張ったみたいじゃないか」

 

「あの幸運艦長をはじめ、万里小路重工のお嬢様や宗谷家の娘さんとか、クセが強いというか何というか……アニメでいうモブがいない……みたいな?」

 

「良く分からないが、どうやらあの艦長を処分すべきかという意見が海洋安全整備局で出ている」

 

「はぁ!?あいつは悪くねぇじゃねぇか!」

 

「無茶をしたこともあったらしいが……どちらにしろ始末書は書かせたはず。しかし大丈夫だ。私の方でなんとかする」

 

「なんとかって……」

 

「おっと、アメリカやロシアなどの大国の大統領と政府に内緒で会談やコミュニケーションを取ることができる私を舐めてもらっては困るな」

 

「……」

 

「ところで、任せていたあの計画についてはどうだ?」

 

「あ……」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 

「忘れてた」

 

 

政宗がため息をつく中、一人の男が彼に書類を渡す。

 

「お、これだ。助かる、ブロンコ」

 

ブロンコを見て感心しているオメガにもう一人の男が釘を刺す。

 

「オメガ。減給になっても知らんぞ」

 

「あーそうだな。それはまずいな……」

 

書類を渡した男 ブロンコとは第01飛行隊の三番機を務める人物である。そしてオメガに釘を刺した男の名はフェンサー。彼は第01飛行隊の四番機を務め、空戦でミサイルを槍のように相手の真後ろで撃つ戦法を得意とする。

 

政宗が書類を読み終え、オメガらを静かにさせる。

 

「……なるほど。お前たち、一か月後にアメリカとの演習が入った。戦闘機同士の戦いはできれば起きてほしくないがな……お互いの力を見せ合い、高めるチャンスだ。翔にも言っておけ。そして例のボンド級空母三番艦についての会談にも参加することになった。会談に参加するには暗号を言う必要がある。絶対洩らすなよ?洩らすなよ?フリじゃないからな!暗号は

 

『イエス、ケストレル』

 

だ」

 

 

 

 

 

 




エスコン好きならわかると思いますが、第01飛行隊の翔以外の人物はそれが元ネタです。

オメガ→AC04のオメガ11、性格はACINFのオメガ

ブロンコ→ACINFのキャラ

フェンサー→ACINFの同名キャラ

となっております。


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Episode05 質疑応答

「ケストレル?」

 

「ああ」

 

「何の名前だ?」

 

「ボンド級空母三番艦の名前だ。日米露の三か国による共同開発を予定している」

 

「ほぉ~」

 

すると、突然オメガ達のいる部屋の扉が大きな音を立てて開く。

 

「たでぇ~まー」

 

疲労した翔だ。

 

「すまなかったな。どうだった?」

 

「……後日またやれと……」

 

「そうか。わかった。……こいつが女と数年以上関わってないの忘れてた……」

 

「おいコラ」

 

政宗の呟きにオメガがツッコミを入れる。

 

 

~数日後~

 

翔は再び横須賀女子海洋学校へ向かうことになった。飛行隊のメンバーを連れて。

彼の顔色は前回よりはましになった。しかし緊張は残っている。

 

「おー!ここが横須賀女子海洋学校か!」

 

「オメガ……」

 

一方のオメガは全く緊張していないどころか興奮していたのだった。

 

今日は講座、というよりは質疑応答である。だが、四人で生徒全員を捌けるわけではないので、特に飛行機に興味を持っていた晴風クラスと武蔵クラスの2クラスに絞り、これらを翔とオメガ、ブロンコとフェンサーで行う。

 

 

 

「今日は忙しい中ブラックファルコンの隊員が来てくださった。質問等はためらわないように」

 

晴風クラスの教師がこう言うとクラスの全員が元気よく手を挙げる。そして二人は思った。

 

((いつも暇なんて言えない……))

 

そして気持ちを切り替えた二人は目いっぱい目を上げている生徒、西崎芽依を指名する。

 

「具体的にどういう仕事をしているんですかー?」

 

「飛行機による哨戒、援護、航空ショーだな」

 

「援護って言ってもミサイルどかーんじゃないからな?そんなことしたら沈んじゃうから。加減するからな」

 

次にオメガは真剣な眼差しで挙手する宗谷ましろを指名。

 

「飛行機とはどのような構造をしているのでしょうか?」

 

彼女の質問に機関科の一同が『それ聞きたかった』と言わんばかりにこちらを見つめる。

 

「ほほー。中身に興味を持つ子がいたとは」

 

オメガが感心する中、翔は持ってきたバッグの中から大きな紙を取り出し、黒板に固定する。

 

「まず、ここに二つのエンジンがある」

 

「そこ二つあったんだ!」

 

「……二つを縦に並べる奇抜……じゃなかった、独特な構造のおかげで、下から攻撃されたりしてエンジンが一つ止まっても、速度以外影響が出にくいという利点が生まれた」

 

紙の横に新たにアメリカのF-14の写真を並べる。

 

「この、もうすぐ放送開始のアニメ、トップガンに登場するF-14A トムキャット。これは横に大きく離れている。もし片方のエンジンが止まってしまうと……」

 

「横向きに大きく回り、操縦不能になる危険性があった。だから開発されずにアニメ限定で公に出たんだ」

 

「そしてここにコクピット、前翼(カナード)、降着装置の格納場所……とこんな感じだな」

 

この後も何とか時間を潰した第01飛行隊。しかし、このような平穏な日々も長くは続かなかった……

 

 

 



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Episode06 リボン付き

BFAとの演習が後三週間に迫った日。第01飛行隊の面々が訓練後に政宗に呼び出されていた。

 

「おい見ろこれ。『メビウス隊』だとよ」

 

「ん?」

 

「三週間後に俺たちが戦う相手だ。一番機の尾翼にあるリボンのマークはこの部隊の隊長さんの息子が戦闘機に描いた、いたずら書きがモチーフらしい」

 

「F-22が5機、15と18が三機ずつの計11機……」

 

「安心しろ。演習の時は俺たちと数をそろえるから」

 

「そうか……。さっすがアメリカ……パイロットも機体も揃えるの早いぜ」

 

「ロシアも同じぐらいだぞ。次にドイツ。……俺たちだな。パイロットや機体が一番少ないのは」

 

政宗がため息をつく中、翔が口を開く。

 

「確かに、うちは空母の乗員とその志願が増えていますが、パイロットと機体の整備士が……」

 

「悩んでたって仕方ないぞ翔」

 

「あ、司令、一つ気になることが」

 

「ん?どうしたオメガ」

 

「あんた、なんであの艦長をかばうんだ?いや、俺だってあいつは悪くないって信じてる。でもあんたの庇い方はまるで親……」

 

「なぁに、俺はただのファンなだけさ」

 

この時の政宗はニヤリと笑っていた。

 

ーーーー

 

「今日も頼む」

 

「了解しました!大統りょ……トーマス大尉!」

 

ここはBFAの基地。ここで練習機として改造された二人乗りのFA-18の後部席に乗り込む男がいた。彼の名は"トーマス・スティーブン"。アメリカの大統領である。

 

「しかし大尉、どうしてこんなことを?」

 

トーマスの搭乗したFA-18の前の席のパイロットが彼に質問をぶつける。

 

「BFAのパイロットは日々増えている。だが、市民の中には飛行機に恐怖を覚えている人もいるだろう。そんな彼らのために私自身がパイロットになって安全性を見せつけようとな」

 

「確かにそうかもしれませんが……」

 

「これは私が決めたことだ。もし私のせいでBFAの評価が下がったのなら、悪いのは私だけ。私だけを怨めばいい」

 

「……」

 

「そうならないようにするさ。それよりも、訓練を続けてくれ」

 

「了解!」

 

ーーーー

 

「……そうか。わかった」

 

ここはホワイトハウスの一室。副大統領のベルツが頭を悩ませていた。今日一度も大統領の姿を見ていないからだ。

 

「君、トーマス大統領を見たか?」

 

ベルツは自分の横を通り過ぎようとする職員を呼び止め、情報を集めようとする。

 

「いいえ、見ていません」

 

「そうか。ありがとう。

 

……まったく……いったいどこに……」

 

すると、目の前に大統領が現れる。すぐに距離を詰め問いただそうとするベルツ。

 

「大統領!一体どこへ……!」

 

「すまん。ジョギングをしていた」

 

「はぁ……」

 

 

 




ここで需要あるかわかりませんがキャラの元ネタを書きます。

鶴野政宗→海軍航空技術廠飛行機部 鶴野正敬

坂井翔→日本海軍のエースパイロット 坂井三郎

トーマス・スティーブン→映画『インデペンデンスデイ』のトーマス・J・ホイットモアとスティーブン・ヒラー

ベルツ→AC04のレオナード・ベルツ


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Episode07 社会科見学でピンチ?

「だが、訓練ばかりしてはいられないぞ」

 

「え?」

 

「……先に言っておく。申し訳ない。実は明後日、横須賀女子海洋学校の生徒がここに来るんだ」

 

「「「「…………え?」」」」

 

「社会科見学ってやつだ」

 

「「「「…………」」」」

 

その後、四人の言葉にならない叫びが聞こえた。何故なら、ブラックファルコン本部・大河重工ははっきり言ってだらしがなかった。そこらへんに服が脱ぎ捨ててあったり、大河重工の受付以外は色々なものがちらかりまくっていたからだ。

 

 

「坂井少佐!ここお願いします!」

 

「よし!」

 

職員は政宗に対する恨み言を吐きながらせっせと掃除をしていく。

 

 

~二日後の夜~

 

23:58

 

第01飛行隊の面子は政宗によって招集されていた。

 

「横須賀女子海洋学校は大河重工、ブラックファルコン本部の順で見学、昼休みを挟んで午後はブリーフィングルームで戦闘機の解説、最後にお前たちの飛ぶ姿を見せようと思う」

 

「なかなかいいんじゃない?」

 

「……で、オメガ」

 

「?」

 

「お前の機体は明日使えないからな」

 

「……え?」

 

「あっちからの要望で機体をより間近で見れる機会をつくってほしいとのことだ。お前の機体は日本、いや世界から見てもトップクラスの頑丈さを誇る戦闘機だ。それにエンジンを見せるために少しバラすからな」

 

「いやァァァァァァ!!」

 

「オメガの戦闘機が頑丈だから……?展示とあまり関係ないのでは?」

 

夜のテンションで言ってることがおかしい政宗に苦笑いする三人。

 

結局、展示用の機体は格納庫の奥で埃をかぶっていた一号機になった。

 

 

 

 

~社会科見学当日~ 9:00

 

 

「楽しみだねシロちゃん!」

 

「……確かに楽しみといえばそうだが……」

 

「『午前は自由に見学』ってすごい適当ですね~」

 

ブラックファルコン本部まで向かう途中、心を躍らせる生徒たち。しかし、到着した瞬間、

 

「あの……岬さんですよね?」

 

入口の警備の隊員が明乃に話しかける。

 

「は、はい……」

 

「ぼ、僕と握手してくだ「バカヤロー!俺が先だ!」」

 

「んだとゴルァ!!」

 

もう一人の隊員と口論になる。実を言うとブラックファルコンというのは性別に関係なく就ける職にはなっているのだが、戦闘機とかいう未知の物体に関与したくないのか、まったく女性が就こうとしないのだ。

 

悪く一言にまとめると『こいつらは女に飢えている』のである。

 

が、次の瞬間、

 

 

「「なにさらしてくれとんじゃこの戯けがぁぁ!!」」

 

「「アバーー!!!」」

 

駆けつけた翔と政宗による飛び蹴りを食らう。

翔が自らが蹴とばした人物を確認すると

 

 

「お、オメガ!?」

 

「隊長……」

 

自分の部下だとわかり、政宗は

 

「おい」

 

「「!!」」

 

鋭いまなざしの政宗にオメガともう一人の隊員が震え上がる。

 

「やっぱ展示の機体、お前の機体で。それと二人共彼女たちのエスコート」

 

「「ハイヨロコンデー!!」」

 

 

「あれ?」

 

政宗たちが初っ端からやらかしている中、明乃はあることに気づく。そして、政宗に近づくと

 

「政宗さん……ですよね?」

 

明乃に気づいた政宗が、

 

「お!明乃か?しばらく見ないうちに大きくなったな!どうだ?学校の方は」

 

 

「岬……さん?まさか……」

 

「司令……まさか……」

 

ましろとオメガがそれぞれ明乃と政宗を見る。

 

 

 

「その人と付き合ってるんですか!?」

「その娘と付き合ってんの?」

 

 

 

「ちゃうわ」

 

政宗がすぐにそれを否定する。

 

 



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Episode08

「オメガ、一応言っておくが高1と交際してたら今頃私は殺されてるからな。社会的な意味で」

 

「じゃあなんだよ」

 

「こいつはな、昔孤児院に引き取られてたんだ。といっても、あそこは人手がたりなかったからな」

 

「ということは……」

 

「ああ。俺がボランティアに行って世話してるうちになつかれたんだ。……といっても、全然人の助けを借りようとはしなかったがな」

 

ーーーー

 

政宗たちが入り口で生徒のエスコートをしている一方、午後の飛行のため整備士と一緒に自分の機体を整備していたフェンサー。そこへ隊員ではない一人の老人が敷地に入っていることに気づく。

 

「すみません。ここはブラックファルコン兼大河重工の敷地です。お引き取りを……」

 

フェンサーに声をかけられた老人は口を開く。

 

「…………に」

 

「え?」

 

「……ここに、震電があるというのは、本当か?」

 

「震電Ⅱなら」

 

「……そうか。これが、そうなのだな。ありがとう」

 

こう言うと老人は後ろを振り向き帰路につこうとする。

 

「あ、あなたは、まさか……!」

 

「儂の時代では震電は完成しなかった。今でもそれは悔しいと思っている。だがそれの意思を継いだものが今、飛んでいる。うれしいよ。まるで自分に孫ができたみたいだ」

 

そう、彼はブラックファルコンにはいない戦時中の震電開発チームの一人だった。

 

「日本の、そして世界の空をよろしくお願いします」

 

「「「はい!!」」」

 

フェンサーと整備士は老人に敬礼をする。すると老人は震電Ⅱを子供の頭のように撫で、帰路につく。

 

ーーーー

 

このころ政宗たちは、生徒たちを自由に見学させている最中だった。一人はオメガの機体の上に立たせたクラスメイトを「キャーマッチー!」と叫んで写真を取り、一人はエンジンの整備風景を見学し、一人は隊員と一緒に飛行機そっちのけでゲームをしていた。

 

 

~15:00~

 

午後の講座を終え、最後に第01飛行隊の飛行を見せるときが来た。

 

カナードや尾翼が下に垂れている状態から、エンジンが始動し、油圧が働いたことで正規の位置に可動する。

 

その後タキシングで移動し、管制官の指示を待つ。

 

《第01飛行隊 離陸を許可する》

 

指示が出た。本来は一機ずつ指示されるが、今回は時間の都合上、全機同時に指示を出す。

 

エンジンを唸らせ離陸。海洋学校の生徒たちは講座を聞いてもあんな鉄の塊がなぜ飛ぶのか理解できなかった。

 

そして戦闘機が急に上昇、旋回するときの轟音が地上に響く。生徒にはヘッドホンをさせていたが、あまり意味はなかったようで皆怯えていた。

 

十分程度の飛行をした後、第01飛行隊は着陸態勢に入る。

 

 

《第01飛行隊 着陸を許可する。ベイルアウトは厳禁だぞオメガ》

 

「……了~解」

 

翔とオメガの機体は普通の着陸、ブロンコとフェンサーの機体は垂直離陸を披露。これで今日の横須賀女子海洋学校の社会科見学は終わった。

 

 

 



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