艦これ なんてことない日常 (舟屋 三途集)
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幼馴染みな翔鶴

今まで二つほど書いてわかったことがある。

『ストーリーを連載・完結させられない』

よって短編に挑戦してみました!


『日曜日の朝6時』

これが朝、目覚めてから手にしたスマホに表示された時間。

 

「なんで起きたんだ……」

 

昨日は締め切りギリギリな大学の課題を終わらした後に、深夜テンションで他の課題も終わらした。寝不足だが、反省も後悔もしていない!

嘘です、深夜に寝るほどに早起きする俺の謎体質だと昼間に魔王:睡魔が襲撃してくるので辛い。しかも、二度寝しようにも目が覚める。が、動く気にもなれない。そのまま時間だけが進んでいく。

 

「いい加減に起きなさい、何時だと思ってるの!」

 

母親の声が下の階から聞こえるが、こう言われると逆に眠くなる。夢の国が俺を呼んでいるよ…

ノックと共にカチャと部屋のドアを開く音が、俺を現実に引き戻す。高校からは、母親も部屋にも入ってこなくなった。代わりによく入ってくるのは

 

「おはようございます。それとお邪魔します。」

 

小さい頃からの腐れ縁でお隣さんの翔鶴だ。小学生の時は俺の後ろに隠れていたが、中学高校では友達もつくってからは、もともとの儚さと優しい風貌からクラスのマドンナ的立ち位置になっていった。同じ大学に進学して、一緒に入ったサークルでも大人気だ。

 

「邪魔するなら、帰れ。俺は二度寝する」

 

そんな成長した翔鶴に引け目を感じつつ、俺は幼馴染Aでなく。友人Aを中学から演じ続けている。

 

「そうですか、わかりました」

 

少しムッと怒ったような声がしたが、帰ってくれるだろ。今の翔鶴にはロクに目も合わせられない。

 

再び夢の国に向かっていく。え?入場まで2時間とか…なにそれリアル

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

甘く優しい匂いが意識を覚醒させる。懐かしく、慣れ親しんんだこの匂い、匂いの元を何故か動かない右手に変わり左手で手繰り寄せる。鼻もとに感じる優しい匂いとさらさらした髪質。そして、胸元に感じる柔らかさ。

胸元の柔らかさ⁉

 

「なんでここにいる。翔鶴…」

 

目の前には、俺の右腕を枕にして、規則正しく寝息を立てる翔鶴がいた。すっきりとした眉毛に長いまつ毛とくっきりとした眼。それにすらりとした鼻と小振りでピンクの可愛らしい唇。

服装も白のロングワンピースに加えて黒のニーソックスと本人の容姿を、そしてこの柔らかな肉体を際立たせる。

普段からそんなに化粧をしないと思っていたが、本人が聞いてないから素直に思う

 

「本当に可愛くて、綺麗になったな翔鶴…」

 

昔に何もないところで転んだ時に泣き止ましたように、頭を優しく撫でていく。手で梳くことができるほどの銀髪を撫で、翔鶴の甘い匂いを嗅いでいく。

翔鶴の匂いは頭がまともに働かない程に夢中にさせる。

 

「好き…」

 

普通なら、ただの寝言だとか髪が撫でられるのがなどと思う。頭がまともでない今、この言葉は俺を狂わす。

 

「俺も好きだよ」

 

意識が翔鶴の小振りな唇に向けられていく。

あと少し、あと少し、あと少しで触れる。

心臓の音が明瞭に聞こえる。俺のだか、翔鶴の音だか、はたまた両方か判らない。

 

 

まつ毛がぶつかり合う

 

 

左手で翔鶴の頬の柔肌を撫でていく

 

 

唇と唇がかさなr

 

 

「翔鶴姉!部活無くなったから遊びにいこ…う…」

 

俺の部屋に乱入してきたのは翔鶴の妹、鶴。少し…多少…やや…かなりシスコン気味なので、小さい頃から俺を目の敵にしている。

 

そして、俺は寝ている翔鶴に超接近している。よって

 

「爆撃!爆撃!爆撃!!」

 

当たり前のように俺を踏みつけようとしてくる。翔鶴に当てないところは凄いと思う。

 

「不可抗力だ、決してやましいことはしていない!」

 

不可抗力は本当だが、やましいことをしていないとは言えない。

 

「本当だか!翔鶴姉の寝顔どうだった?」

 

「綺麗でつい、キスを…うお!」

 

「やっぱり爆撃!!」

 

「バカ!お前……パンツ見えるぞ!」

 

「なぁ⁉…爆沈しろ‼」

 

そんな風にしているともちろん騒がしくなるわけで、

 

「あれ?2人とも仲がいいわね」

 

「翔鶴姉!?これのどこがを見たらそんなこと」

 

「明らかに喧嘩してるだろ、翔鶴」

 

普段しっかりしているが、たまに天然なのも人気の理由なのだろう。

 

「おはよう、翔鶴」

 

「はい、おはようございます」

 

俺の幼馴染の翔鶴は優しく儚く。そして、とても綺麗だ。




どうでしたか?
妄想全開でやりましたが、後悔してません。

最後に一言
『翔鶴に耳かきしてもらいたい』


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巫女服の山風

最近女子と接した記憶が無い…
最後に女子と話した記憶も無い…

そんな私の妄想が全開です

Are you Ready?



疲れた、階段を上がることおよそ300段。

昔の人はなんでこんな山の上に、神社を立てたのか理解できない。

最後の段と赤い鳥居が見える。小学校の時から時々来るようになったが、まだ慣れない。

初めての時は、途中で体力が尽きたのと同じく天使を見た。

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

大型デパートに行くのに電車を乗り継ぐ必要があり、コンビニが1つしかない田舎町。

学校は小中学校が1つしかので周りにいる奴らはみんな顔見知りばかりだ。

小学4年、好奇心旺盛で1日遊んでも遊び続けても体力が有り余る年頃。

 

「あ、いい所にいた。お前ら確か、山風と同じ方角に住んでたよな。このお知らせを代わりに届けておいてくれ」

 

今日休んでいた山風にお知らせのプリントを届けるという簡単なお使い。

家は知っている。山風は白露神社に住んでいるのだが、

やや 遠いために届けに行けば今日は遊べなくなる。

 

「俺、今日用事あるんだ。じゃあな!」

「あ、俺も!」

「僕も、おねえちゃんが早く帰って来いって!」

 

あっという間に、俺だけが残った。みんな、ああは言ったけど絶対友達と遊びに行く。

 

「じゃあ、これよろしくな」

 

手元には先生に渡させたファイル。残された俺が配達役になった。図書室行きたかったのに………

 

~~~~~

 

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」

 

山風の家である神社への道端は、草しか生えていない。先生は神社に行けばわかると言ったが、その神社が階段を登るのと同時に遠い。

そのせいで、夏祭りは毎年商店街で行われている。

 

「ムリ、神社遠い。オレ、体力無さ過ぎ」

 

動かなくなった足を休めるために踊り場に座り込み、ランドセルから読みかけの本を出す。

『〇リー〇ッターと〇者の石』

図書室の先生が進めてくれた本で映画も見たが、読書の方が想像が自由で面白い。

魔法も想像で形を変えてくれそうだ。

 

「あぁ、あの…そこで…なに…してるんですか?」

 

本を読み始めてから聞こえていたカサカサとした枝葉の揺れる音ではなく、女の子の声が聞こえてくる。

目線を上げると、そこには天使がいた。

 

 

小さく細い四肢を包み込む巫女服

 

 

いつもは流していたクセのある緑髪は纏め上げ、ポニーテールにしている

 

 

そして、二次成長期によって胸は僅かに…訂正しよう。膨らみはじめた胸部は大きく、直視できない

 

「えっと、山風さんだよね?」

 

いつもクラスを引っ張る江風の後ろに隠れているただの女の子である山風からは想像も付かないほど、今の山風はかわいい。

 

「うん…そうだけど…おかしい…かな?」

 

「全然!山風さんにとっても似合ってるよ!これ、先生からのお知らせ!」

 

「うん、ありがとう」ニコッ

 

かわいいに対してのありがとうなのか。はたまた、届けたことに対してのありがとうなのか。

それは本人しか分からないが、俺の胸の中には暖かい気持ちが芽生え始めた瞬間だった。

山を走って下りた為か、夕焼けの色に染まった為か、もしくはこの温かな気持ちの為かその日の夕方の俺の顔は赤かったらしい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

それからは毎日のように、山風のいる神社でゆっくりと読書をした。中学を卒業してから俺は地元から少し離れた進学校に進んんだ。そして山風は女子高、俗に言うお嬢様校に入学したらしい。

 

「夏休みだからって、そう簡単に会えるわけないか…」

 

あの日から続く気持ちを胸に秘め、淡い期待を持って夏休みの半日を丸々神社で過ごしたが簡単に願いは叶わなかった。お賽銭1円にしたのが拙かったか…

 

「昼飯どうしようかな…」

 

炎天下の中だろうと、天下の男子高校生の食欲は早々萎えるものではない。数少ない商店街の店舗を頭に思い浮かべる。

 

「あの…待って…ください…」

 

この半年聞くことのなかった、最も聞きたかった声が背中から聞こえてくる。時間が経っても、今もまだ敬語を使われる。

あの時の巫女服とは違い、半袖の白ブラウスに膝丈ほどの蒼スカートとシンプルな服装。だからこそ山風の素朴なかわいさが引き立つ。

 

「山風、久しぶり。会いたかったよ」

 

いつからか呼び捨てで呼ぶような仲になっていた。思い出す必要はない、今この瞬間が満ち足りていればそれでいい。

 

「ぁ…あのね…朝から一生懸命に作ったの…お弁当…一緒にたべない?」

 

顔を伏せているが、白い肌を耳まで真っ赤にして、手には食欲をそそる匂いをさせた大きなお弁当箱を持っている。人見知りだった彼女からの初めてのお誘い。しかも、手作りのお弁当。姉の山風を大切にしている江風が居たら睨まれそうだ。

 

「どうしようかな…」

 

山風の表情が困ったように目元と共に頭のくせ毛も垂れていく。

 

「今日は、他の人と用事が…」

 

さらに目元に涙を浮かべて泣かないよう我慢して、今にも泣きそうな表情へと変わっていく。

 

「冗談だよ、一緒にたべようか」

 

彼女の表情は一気に華が咲いたように明るい笑顔になる。さっきまであった目元の涙さえも美しく見える。

 

やはり、俺はこの天使のような山風のどのような表情を見ていても胸が高鳴り温かくなる。

 

これも夏の暑さのせいなのだろうか、俺にはまだわからない。答えはどこにあるのだろう




最近の駆逐艦娘だと、真っ先に思いついた山風でした。

最後に一言
『山風に巫女服着させてから、あぐらの上に載せ抱きしめたい』


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浴衣姿なプリンツ・オイゲン

夏が近づいてきます。
家から学校までが遠くて、炎天下がきついです。
そんな中で書いたお祭り回です。

ではどうぞ


大学1年の夏、期末の苦しい試験を乗り越えてやってきた二か月も続く夏休み。

みんなは高校から付き合っている彼女やサークルなどでできた彼女と楽しい夏休みを過ごす。

さあ、叫ぼうか………

 

「俺も彼女ほしいー!」

 

「お兄、うるさい!」

 

家の中で叫んだが、やはりうるさいらしい。だがな、これは彼女のいない者たち全ての魂の叫びなんだ!

 

「だいたい、彼女いないのは毎日バイトしていたからじゃん」

 

Myシスターの強烈な左フックが炸裂!効果は抜群だ!

 

「いや…何にも先立つものをだな…」

 

そう、彼女とのデートは金がかかる。古事記にもそう書いてある。

 

「その彼女どころか、女の影すら見えないけど?」

 

Myシスターの右スレートが直撃!急所とガラスの心に当たった。目の前の光景がぼやけてきた………

 

 

 

 

 

 

 

「そんなに泣かなくても…」

 

「泣いてなんかない…泣いてなんかないぞ!」

 

妹は少し引いてるが、これは目から汗が出ているだけ。決して涙ではない。泣いてないからな!

 

「お前はあいつと付き合い始めたし、俺だけぼっちとかないだろ」

 

そうこの二つ下の妹は俺の親友と付き合い始めたのだ。最初にあったのは中学の頃、それからいつの間にか付き合い始めていた。泣いたね、なんであいつには彼女が出来て俺には出来ないのか。あれが青春の涙というやつだ。

 

「あれ?俺、お前に彼女を紹介してもらえばいいんじゃね?」

 

小学生とか中学生はアウトだけど、高校2年生とかはセーフだろ。

決して犯罪ではない!

 

「嫌だよ、そんなメンドクサイ」

 

「夏休みアイス食べ放題」

 

「オッケー、場所は用意しよう」

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

「というわけで、プリンツさんです」

 

「はじめまして、プリンツ・オイゲンです!」

 

目の前には金髪碧眼の少女、耳辺りで髪を錨型の髪飾りでまとめたおさげがまた可愛らしい外国人高校生が黄色を基調とした赤や紫のコスモスが彩られた浴衣姿で佇んでいた。

 

「パーフェクトだ、Myシスター。報酬は?」

 

「ハーゲンダ〇ツで」

 

取引を終えて、妹は親友と共に人ごみの中に消えていった。

 

「それじゃあ、行こうか」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

帰国子女らしいプリンツだが、浴衣の花にも映えてとても輝いて見える。

 

「これはなんですか?」

 

少し屋台を歩きまわっていると金魚すくいの屋台で止まる。金魚すくいの屋台自体は珍しいものではないが、海外では珍しいのだろう。

 

「やってみるか?」

 

金魚すくいなんて小学生の時に何回かやってから、それ以来はやっていない。しかし、プリンツのキラキラとした明るい瞳に魅入られた。

 

「でも私、やったことありません」

 

「じゃあ、先に手本を見せようかな」

 

ずっとやっていなくとも、やり方やコツは覚えている。

お金を払い、ポイとお椀をもらう。地味にお椀なのが祭りの雰囲気を盛り上げていると思う。

 

「こうやって、このポイを斜めに入れて、金魚をすくってお椀に入れるんだ」

 

といっても、金魚は3匹取ったところでポイが破けた。

 

「やってみな」

 

もう一つもらっていたポイをプリンツに渡す。

着物を着たプリンツは、屈んで真剣な眼差しで金魚を追っていた。ムムムと唸り声をあげるほどだ。

 

その姿を横から見ていたが、その…見えてしまったのだ…

前かがみの状態でポイを動かすために腕を伸ばした時に、胸元の部分が………

着物で下着を付けないと教えたのはいったい誰なのか…俺の妹だろうな。

プリンツは気づいていないので、役得ということで…

 

金魚すくいの結果は俺は3匹、プリンツが5匹とプリンツに軍配が上がった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

「この綿あめ、とってもおいしいです」

 

金魚すくいの後はいろいろな屋台を回り歩いてきたが、その一つ一つを美味しそうに笑顔で食べていく。

とても幸せそうに食べていくので、見ているだけでも楽しい。

 

「お兄さんもどうぞ!」

 

先ほどまでプリンツの食べていた綿あめが目の前に出される。

横目でプリンツを見ていたのが、綿あめを見ていたのと勘違いされたのだろうか。

 

「いや…そんな…」

 

これに口をつけるのは、その間接キスなわけで………

 

「?」

 

見ないで、そんな純粋できれいな蒼の瞳で上目遣いで俺の穢れた心を見ないで

 

「いただきます」

 

なるべく食べていない部分を口にして、味わう。綿あめってこんなに甘かったかな…ちょっとレモンの香りがする。

 

「あ、お兄さん。ほっぺに綿あめくっついてますよ」

 

プリンツの白く細い繊細なガラス細工のような指が俺の頬に触れて綿あめを取り、そのままプルりとしたピンクの唇に飲み込まれていく。

 

「ん~~」

 

美味しそうに食べているプリンツの顔を見てしまい、暑さとは違う理由で俺の顔は赤く染まった。




書いてて思ったことが一つ
主人公の名前がないと書きにくい

なので、なんか案があれば嬉しいです。
※採用するかは決めていません


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