尖閣諸島決戦 VS中国軍【空母いぶき】 (カカシ)
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序章 忍び寄る魔の手

20XX年10月4日

北緯27度東経123度洋上

 

???「ハアハア・・・・」

 

???「もう少しだ!あと少しで!」

 

謎の男達は尖閣諸島南小島にたどり着く

 

その上空を飛ぶ海上保安庁所属ヘリコプター

 

海保機長「かんむりわし一号より石垣本部へ」

 

海保機長「台風の余波で海は時化てますが視界は良」

 

海保機長「上陸者を確認しました。やはり3人しか見当たりません!!」

 

海保機長「付近の海上に船舶は見当たりません。3人は遭難者と思われます」

 

海保機長「接近しても発砲しなさそうなので着陸します」

 

海保石垣本部<<石垣本部、了解>>

 

海保機長「特警隊の皆さん上陸準備よろしくお願いします!」

 

 

海保機長「中国人漁師だと思うが、工作員だと厄介だ」

 

海保機長「とにかく速やかに身柄確保だ、エンジンは切るな!」

 

海保副操縦士「ハッ!」

 

 

???「やはり来たか・・・予定通りにやるぞ」

 

???「了解」

 

 

 

東京 首相官邸 官邸地下危機管理センター

 

海保長官「第11管区からの報告では、尖閣南小島に上陸した3人は、中国国旗を示し」

 

海保長官「中国人であることを主張したそうです!」

 

一柳「五星紅旗を・・・」

 

一柳特生自衛隊幕僚長

怪獣戦において指揮を取る

 

 

石渡「やはりな」

 

海保長官「海保特警隊が救助を申し出たところ、自国の救助を待つと拒否したと」

 

石渡「怪しいな。遭難を擬装した工作員の可能性が大だな」

 

石渡「とにかくメディアに悟られぬよう、軍民双方の可能性を考えて速やかに対処すべきだ」

 

海保長官「はっ!」

 

石渡俊通

内閣官房長官

前政権時代は防衛大臣を担当

 

垂水「防衛大臣に海上自衛隊の護衛艦を調査目的で派遣し、警戒監視活動の強化を指示しろ」

 

石渡「はっ!」

 

垂水「流血騒ぎだけは起こさぬよう、慎重に説得に当たるよう海保に伝えてもらいたい」

 

垂水慶一郎

内閣総理大臣

前政権時代は内閣官房長官を担当

 

山地「しかし・・・怪獣がこないと思えばこれか・・・」

 

山地総幕僚長

対ビオランテ戦において指揮を取っていた

今回が二度目の担当

 

一柳「やはり・・・人間の敵は人間・・・か」

 

 

 

尖閣諸島 南小島

 

海保特警隊「我々はあなた方を救助しなければなりません!我々の指示に従ってください!」

 

中国人漁師?「救助は不要だと言っている!ここは我が国の領土!」

 

中国人漁師?「俺達は自国の救助を待つ!近寄るな!」

 

中国人漁師?「さもないとこれだ!」

 

ナイフを突き出す

 

海保特警隊(ナイフだと・・・!?)

 

 

尖閣諸島中国人上陸の第一報から一時間後

第11管区の各港から海上保安庁の巡視船が応援のために出航。

そして海上自衛隊からは

あたご型ミサイル護衛艦「あたご」(DDG-177)

むらさめ型汎用護衛艦「いかづち」(DD-107)

ゆきなみ型ヘリコプター搭載護衛艦「みらい」(DDH-147)

はるな型ヘリコプター搭載護衛艦「はるな」(DDH-141)

この四隻が調査目的で出航していた

 

涌井「遭難した中国漁師が自決覚悟で尖閣諸島の領有権を主張するはずはないな」

 

涌井「工作員で間違いないようだな・・」

 

梅津「確かにそのようだ」

 

沼田「うむ・・・」

 

阿久津「総員、警戒を怠るな」

 

 

沼田徳治

第2護衛隊群司令 階級は海将補

 

梅津三郎

護衛艦「みらい」艦長 階級は一等海佐

 

涌井継治

護衛艦「あたご」艦長 階級は一等海佐

 

阿久津徹男

護衛艦「いかづち」艦長 階級は二等海佐

 

航海長「司令、那覇の早期警戒機より報告です!」

 

航海長「本日0530、青島基地から出向した中国艦艇3隻が東シナ海琉球海域に接近中!」

 

沼田「何!?」

 

CIC員「現在北緯30度、東経123度の位置!」

 

CIC員「尖閣諸島の西北、約300キロを南下中!」

 

CIC員「あと数時間で我が国の排他的経済水域に入ります!」

 

沼田「・・・・尖閣周辺には中国の海警3隻が出張っているはず・・・なぜ空母を?」

 

梅津「中国の意図が掴めんな・・・」

 

10月5日 13:50

首相官邸

 

一柳「中国政府は何を考えているのか・・・」

 

垂水「中国大使館の返答は変わらぬのか?」

 

外務副大臣「はっ。中国政府は自国領土に漂着した自国民を救助する意向である」

 

外務副大臣「尖閣は、歴史的に見ても我が領土であると繰り返すばかりで・・・」

 

垂水「外務大臣、米政府の反応はどうか?」

 

外務大臣「米第7艦隊は現在インド洋に展開中であり、極東の領土問題に関しては積極的介入はせずといういこうであると!」

 

一柳「第7艦隊は動かぬ・・・か」

 

石渡「やはりアメリカは中国と事を構えない放心だ。あてにはできまい」

 

垂水「とにかく中国政府に対し、我が領海に侵入することは日本政府は絶対に認めないと通告し続けてくれ」

 

垂水「現場には不測の事態を招かぬよう、くれぐれも慎重な行動の指示を!」

 

沖「はっ!」

 

 

翌10月6日

南小島での上陸者と海保特警隊のにらみ合いが続く中、14時30分

 

南小島沖五海里にまで接近してきた中国海警局艦船に対し、海保巡視船がこれを阻止しようと接近

 

衝突という事態が発生した

 

これを受け、中国海軍北海艦隊所属航空母艦「遼寧」から艦載機「殲15」が発艦した

 

青梅「艦長、レーダーに機影3、接近中」

 

青梅「中国海軍北海艦隊所属空母「遼寧」の艦載機」

 

青梅「おそらく、殲15の模様です!」

 

青梅「あと3分で我が艦隊上空!」

 

梅津「来たか・・・」

 

CIC員「機影3!方位3-2-0、さらに接近!」

 

航海長「警告を発し、威嚇射撃を行いますか!?」

 

沼田「向こうの出方を見てからだ、おそらくは挑発のはずだ」

 

観測員「2時の方向、機影3視認!」

 

観測員「高度を下げ、突入してきます!」

 

通り過ぎる殲15

 

CIC員「くそ!ここは自国の領空といいたいのか!」

 

沼田「・・・・」

 

観測員「殲15、反転!」

 

その時

 

CIC員「!?敵機からのレーダー照射ロックオン確認!」

 

涌井「なに!?」

 

CIC員「敵機3、対艦ミサイル発射!全部で6!」

 

涌井「撃ってきただと・・・」

 

 

沼田「これより超法規的措置を発動する!全艦、対空戦闘開始!」

 

梅津「撃て!」

 

菊池「対空戦闘、シースパロー発射初め!サルボー!」

 

みらい、あたご、むらさめ、ESSMを発射する

 

 

菊池(・・・・)

 

角松(当たってくれ!・・・)

 

CIC員「マークインターセプト!」

 

 

 

 

 

 

CIC員「目標、消滅を確認!」

 

沼田「第二波は?」

 

CIC員「予兆はありません!」

 

通信員「こちら通信、航空自衛隊機、到着しました!」

 

CIC員「殲15、撤退する模様!」

 

沼田「そのまま逃がせ、あと東京に報告を・・・」

 

水測員「こちら、ソーナー!中国潜水艦を確認!」

 

涌井「なに!?」

 

水惻員「形式は元級潜水艦の模様!」

 

涌井「我々を生きて返さないとでも言うのか・・・」

 

 

石渡「対艦ミサイルに加え、中国潜水艦が!?」

 

赤垣「元級潜水艦は、攻撃もせずその海域にとどまっている模様です」

 

石渡「総理!今すぐ反撃を・・・」

 

垂水「・・・・大使館を通じ中国政府に打信を」

 

垂水「遭難した中国漁師3人を引き渡す・・・と」

 

石渡「待ってください!総理!」

 

石渡「対艦ミサイルと潜水艦で日本政府が屈服したと全世界にぶちまけることになりますぞ!」

 

石渡「我が政権のダメージも計り知れないものに!」

 

垂水「政権のダメージはいくらでも取り戻せるが・・・ここで戦闘となると」

 

垂水「日本が受けるダメージは回復不能だろう・・・・」

 

石渡「・・・・・・・」

 

 

10月6日夜、日本政府の申し出を中国政府は受け入れ

尖閣諸島南小島に上陸した三名の身柄は中国海警局び艦船に引き渡された

これにより空母「遼寧」は青島基地に帰投

その後の政府発表によりマスメディアは、現政府の危機管理の甘さを付く声と

領土問題を巡る、日中両国の関係を懸念する声であふれ

国民世論は「中国に屈しても平和を保つべき」と「中国に屈しず、尖閣諸島を完全に支配内に置くべき」と真っ二つに割れた

 

ニュース『軍事衝突への危機をはらんだ今回の事件は日中両国に大きな問題を残したものと言えるでしょう』

 

ニュース『緊張が高まる中、両国政府の対応が注目され』プチッ

 

深町「たく、対艦ミサイルで攻撃されながら屈したとは・・・」

 

深町「日本はいつから腰抜けになったんだ?」

 

速水「仕方がないですよ、日本も必死なんですから」

 

深町「そしてアメリカも極東の領土問題には積極的に関わらないとはな」

 

深町「たく、アメリカはいつの時代も変わらないな・・」

 

 

 

垂水「東京の夜景は美しい・・・今日ほど美しいと思える夜はない・・な」

 

石渡「総理、ペガソス計画完成は再来年の春としていたが、それでは間に合わない」

 

石渡「関係各方面の尻を叩いて、来年の秋には就役を!」

 

垂水「・・・・・」

 

石渡「我々にとって、奇貨とすべきは向こうが動いてくれたことだ」

 

石渡「中国は我々に牙を向いた!国民もこのままでは今までの平和を維持できないと考えるだろう!」

 

石渡「私が防衛大臣、あんたが官房長官の時立ち上げた夢が実現するんだ」

 

垂水「・・・・・ペガソスが真に極東海域の抑止力となるか・・・それとも軍事衝突の引き金となるのか・・」

 

垂水「今回の事件で分からなくなった・・・」

 

石渡「どうした垂水さん、あんたらしくない!」

 

石渡「極東アジアの海の安全はアメリカにはもう頼れぬ!日本が空母を持ち米海軍の役を担わねば!」

 

石渡「そう言ってたのはあんたではないか!」

 

垂水「石渡くん、官房長官と首相とでは」

 

垂水「見える景色が違うんだ」

 

石渡「それでも計画を白紙に・・・」

 

垂水「いや、「ペガソス」は来年の秋だ」

 

横須賀基地

 

赤垣「梅津君、今回の任務ご苦労だった」

 

梅津「ありがとうございます、で今回の要件はなんでしょうか?」

 

赤垣「まずこれを見てほしい」

 

赤垣は持っていたノートパソコンを梅津に見せる

 

梅津「これは艦の・・・・」

 

赤垣「ああ、艦の構造図だ」

 

梅津「見たところいずも型護衛艦のようだが?」

 

赤垣「よくみてくれ、スキージャンプ台がついている」

 

梅津「スキージャンプ台・・・・・まさか」

 

赤垣「そうだ、海上自衛隊初の航空母艦、コードネーム「ペガソス」だ」

 

梅津「・・・・このようなものを極秘に?」

 

赤垣「そうだ、首相と官房長官のご意向でな」

 

赤垣「ノウハウはアメリカ海軍から学び。パイロット、機器操作員もあちらで学んでいるところだ」

 

梅津「ほう・・・・で赤垣幕僚長、これを見せたかっただけでしょうか?」

 

赤垣「いや、君には重大なことを頼みたい」

 

梅津「なんでしょうか?」

 

赤垣「来年のペガソスの就役に関して、第5護衛隊群を編成することとなった」

 

赤垣「そのための護衛艦達を選べと上から言われたのだが・・・」

 

赤垣「その護衛艦を君の「みらい」に頼みたいのだ」

 

赤垣「君の艦は優秀だ、先日のリムバックでも良い成績を残してくれた」

 

赤垣「そのことを買っているのだ」

 

梅津「・・・・わかりました」

 

梅津「ちなみに第5護衛隊群司令は誰に?」

 

赤垣「群司令は護衛艦「あたご」の艦長の涌井啓治君が内定した」

 

梅津「ほう・・・涌井君か・・・」

 

 

 

 

角松「聞いたか菊池、「みらい」が来年の秋に編成される第5護衛隊群に入るらしいぞ」

 

菊池「そうらしいな」

 

角松「まさか海上自衛隊初の空母・・・その護衛にみらいがつくとはな・・・」

 

菊池「ああ・・・・」

 

角松(しかし先日の対艦ミサイル攻撃は中国側いわく「現場が勝手にやったことである」と言ってたが・・)

 

角松(現場が勝手になんでもやるほど規律は低いものなのか・・・・?)

 

角松は中国の思惑を薄々感づいていた

 

角松(あの行動は全面戦争の始まりなのではないか・・・?)

 

 

続く

 

 

 

 

 

 



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第一章 「いぶき」

ここから原作とは少し変わっていきます・・・まだ微妙な差だけど


尖閣上陸事件より一年後の9月25日

コードネーム・ペガソス

新型護衛艦「いぶき」就役

 

海上自衛隊に新編成された第5護衛隊群旗艦として

初の演習航海のため、鳥島沖へ向け横須賀基地を出航し

現在その演習中である

 

群司令は前あたご艦長の涌井啓治

いぶき艦長は空自から海自に転属するとともに昇級した秋津竜太一等海佐

そして副長兼航海長は新浪歳也

 

DDV-192 航空機搭載護衛艦「いぶき」の対空兵器は、他の護衛艦に比べ少なく

近接防空ミサイル「SeaRAM」と近接防御火器システムCIWS「ファランクス」のBlock1Bのみ

 

そのため艦隊防衛は随伴する

 

あたご型ミサイル護衛艦「あたご」(DDG-177)

こんごう型ミサイル護衛艦「ちょうかい」(DDG-176)

ゆきなみ型ヘリコプター搭載護衛艦「みらい」(DDH-147)

あきづき型汎用護衛艦「ふゆづき」(DD-118)

たかなみ型汎用護衛艦「さざなみ」(DD-113)

そうりゅう型潜水艦「けんりゅう」(SS-504)

やまなみ型潜水艦「たつなみ」(SS-602)

 

 

以上の艦に委ねられている

 

第5護衛隊群、鳥島沖での初の慣熟訓練は

明日に予定された艦長会議に向け

昼夜を徹して行われていた

 

 

『日本はそのつもりでも、東南アジアや中国はどう思うか!』

『軍事衝突を起こしかねんぞ!』

『もし戦争になったら、あんたはどう責任を取るんだ!』

 

沢崎「・・・」

 

沢崎勇作

アジア大洋州局参事官

インドネシアジャカルタ勤務から本省に戻った

 

沢崎「野党も大甘だが、首相も一年前の尖閣上陸事件で命拾いをしたな」

 

沢崎「あれがなかったらこんな追求ではすまい・・・」

 

高見沢「沢崎、7時に官邸だ」

 

高見沢「首相用のブリーフィング資料を整理しとけ」

 

沢崎「はい」

 

 

 

 

首相官邸

 

沢崎「いぶき就役に対するASEAN諸国の反応は各国で異なります」

 

沢崎「ですがどの国の報道も一面トップで記載されていました」

 

沢崎「ある国は「中国に対抗すべく日本は選択した」」

 

沢崎「ある国は「旧日本海軍の亡霊、現世に蘇る」」

 

沢崎「などです」

 

沢崎「問題は中国政府です」

 

垂水「うむ・・・」

 

沢崎「先の尖閣での護衛艦への対艦ミサイル6発発射は中国政府は「現場が勝手にやったことであり我々はそれを望んでいない」と公表しました」

 

沢崎「その中国政府に対し、我が国が「いぶき」就役が半年前倒ししたのは中国政府の発表を信じない・・・と」

 

沢崎「世界に向け公表したも同じです」

 

垂水「・・・・」

 

沢崎「総理、やはり過剰な反応をしたのではありませんか?」

 

垂水「沢崎くん、内調の話では上陸した3人は工作員であり、公表もせぬが証拠もあると言っている」

 

垂水「いぶき就役を早めたのは日本として当然の対応だと考えている」

 

沢崎「・・・総理、今年に入って中国海軍の動きが激しくなっています」

 

垂水「新型空母2隻か、防衛相から報告は入っておるが・・・今年のはじめに試験航海に出たと」

 

沢崎「いえ、すでに訓練を終え、青島基地に帰投したと」

 

垂水「・・・・訓練を早めに終えたか」

 

垂水「性能と装備は遼寧や他の中国側の空母を上回ると聞いているが、まさか一年もかからず訓練を終えたか」

 

垂水「数年前に就役した雲南型航空母艦2隻は南海・東海艦隊に既に配備されてるが、ついに北海艦隊にも旧型の遼寧に加え2隻の新型空母を配備した・・・か」

 

沢崎「これは、明らかに「いぶき」に対応した動きです」

 

垂水「・・・ところで沢崎くん」

 

沢崎「はっ!」

 

垂水「君は省内でペガソス計画に反対派だったのかな?」

 

沢崎「・・・・今も慎重派と申しておきます。」

 

垂水「忙しくなると思うが、期待している」

 

沢崎「はっ!・・・・・」

 

 

 

翌日

鳥島沖

 

「あたご艦長、浦田鉄人一佐到着!」

 

浦田「・・・・」

 

「みらい艦長、梅津三郎一佐到着!」

 

梅津「すまないな・・・」

 

「たつなみ艦長、深町洋二佐到着!」

 

深町「おう、ご苦労さん」

 

その日、第5護衛隊群各艦長が旗艦「いぶき」に集合

演習航海初の艦長会議が開かれる・・・

 

秋津「我が「いぶき」にようこそ」

 

 

 

 

新波「演習第1クールを終え、各艦の報告が出揃ったところで」

 

新波「いよいよ明日0600より第2クールに入ります」

 

新波「これまでのところで、反省点、問題点があればご意見をどうぞ」

 

瀬戸「・・・・」

 

清家「・・・・」

 

「ふゆづき」艦長 瀬戸斉明 二等海佐

 

「さざなみ」艦長 清家博史 二等海佐

 

浮船「問題は中国の動きだ!」

 

「ちょうかい」艦長 浮船武彦 一等海佐

 

浮船「ココ数年、尖閣諸島を巡る中国艦艇の挑発行動は激しくなっている」

 

浮船「向こうの狙いは明白だ」

 

浮船「中国政府が設定した第一第二列島線の突破!西太平洋の支配権確立にある」

 

浮船「そうなれば日本は東シナ海上空の制空権・・・いや航空優勢さえ失いかねないことになる」

 

浮船「皆、その危機感を持って訓練にあたっているが、それを防ぐ使命は我々にあると言っていい!」

 

滝「問題は海中も同じ!ここ数年、中国の潜水艦は雑音の魂じゃねえんだな!」

 

滝「キロ級、元級の動きはアクティブソナーを使わない我々のパッシブ能力では捉えきれなくなっているのが現状!」

 

滝「彼らが宮古水道を自由航行するのも時間の問題と言っていい」

 

滝「中国の潜水艦は原潜含め約80隻!」

 

滝「これを止める海自潜水艦は現有22隻!」

 

滝「日本の領海を守るための潜水艦の数が足りねえよ」

 

深町「いずれにしろ中国の潜水艦の物量には勝てない・・・が」

 

深町「だがな、ないものねだりをしても空から潜水艦降ってくるわけはない」

 

深町「だから今までより高い練度を維持するしか手はない!」

 

浦田「皆、危機感を持って訓練に臨んでいるようで結構だ」

 

浦田「ただ私が危惧するところは、我が第5護衛隊群が旧海軍の空母機動部隊の復活とはしゃぐ気分があるということだ」

 

浦田「忘れてはならない、我々は日本海軍ではない。専守防衛を順守する」

 

浦田「海上自衛隊だ」

 

浦田「ところで秋津一佐、いぶき新任艦長として」

 

浦田「我が第5護衛隊群、どのような艦隊でありたいとお考えか?」

 

浦田「忌憚のないご意見をお聞かせ願いたい」

 

新波「・・・・」

 

秋津「・・・・アジア最強!」

 

浦田「!」

 

浦田「これはまた妙なことを!我々は日本を守る護衛艦隊だ」

 

浦田「アジア最強とは一体どういう意味だ?」

 

秋津「アジアを守らなければ、日本は守れないということです」

 

浦田「それは、もし中国が力で出てきたら力で叩くということか?」

 

秋津「たとえどんな国が戦闘を仕掛けてきたとしても」

 

秋津「武には武で応えるのが我々の指名でしょう」

 

浦田「・・・・」

 

梅津「まあよかろう、軍事衝突など絶対にあってはならんが」

 

梅津「わが国土、国民のために命を賭ける覚悟がなくては」

 

梅津「我々は自らを軍人とは呼べんでしょうな」

 

秋津「・・・・・」

 

新波「・・・・・」

 

 

外務省

 

沢崎「高見沢局長、見てください」

 

高見沢「データか」

 

沢崎「はい、尖閣諸島近辺の中国艦船の動きですが」

 

沢崎「このところ海警も漁船も全くありません」

 

高見沢「ほう・・・」

 

高見沢「沢崎、これは「いぶき」就役の抑止力かもしれんぞ」

 

沢崎「だといいのですが・・・・」

 

沢崎(これはいぶきの抑止力ではない)

 

沢崎(これは新たな動きの予兆ではないか?)

 

沢崎(新たな動きの・・・)

 

 

続く

 




兵器・人物解説

深町洋
第2潜水隊群第4潜水隊所属「たつなみ」艦長
言動はともかく練度の高さを買われ第5護衛隊群に
「やまと」事件を起こした海江田とは同期

梅津三郎
第1護衛隊群第5護衛隊所属「みらい」艦長
みらいの練度の高さを買われ第5護衛隊群に

ゆきなみ型ヘリコプター搭載護衛艦
新88艦隊のために建造されたイージス搭載護衛艦
支援ヘリコプターMV/SA-32J「海鳥」を搭載しているためDDG(ミサイル護衛艦)ではなくDDH(ヘリコプター搭載護衛艦)である
あたご型が経費削減のためトマホーク巡航ミサイルやESSMの導入を後日装備としあくまでも艦隊防空艦としたため、日本で唯一のトマホーク、ESSM搭載イージス艦である
VLSはMk41を29+61セル装備、当初は後部VLSがMk48であったが改修により今に至る

やまなみ型潜水艦(二代)
おやしお型の次に建造した潜水艦
機関はディーゼルエンジンのままだが電池がリチウムイオン蓄電池に変わっている
四隻建造後、計画変更によりそうりゅう型が建造されることになったため四隻で打ち切られた
なお初代やまなみ型は二隻であったが二隻とも波乱な人生を送って廃艦となっている


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第二章 迫る影

海上自衛隊

横須賀基地

自衛艦隊司令部内

第2潜水隊群司令執務室

 

田所「いやはや、深町二佐、訓練ご苦労だった」

 

田所進

第2潜水隊群司令

階級 海将補

 

田所「第5護衛隊群の様子はどうかね?」

 

深町「どうやら「いぶき」の若造は結構な曲者だ」

 

深町「浦田一佐や涌井海将補の目の前で「アジア最強の艦隊を目指す」と言っちまったからな」

 

深町「あの場は梅津一佐のお陰で収まったが・・・・」

 

田所「いぶき艦長、秋津竜太は確か空自からの転属と聞いておる」

 

田所「そして最年少艦長でもある・・・・夢を見るのも当然じゃろう」

 

田所「一応君より階級が上じゃからな」

 

田所「君も行動や言葉に気をつければ一等海佐になれるのだが・・・」

 

深町「ほっといてください!」

 

深町「・・・・・しかしあの艦長に「ペガソス」を任せていいものなのですかね?」

 

深町「あの艦長じゃ「ペガソス」どころか「イカロス」になるかもしれませんよ?」

 

田所「そうならないために涌井海将補や新波二佐がおるのだ、心配するな」

 

 

 

浅草

浅草寺

 

浅草寺から出てくる秋津

 

秋津「さすが東京で最も外国人観光客が喜ぶ場所だな」

 

秋津「それにしてもこのところ中国人観光客が増えている」

 

秋津「去年から見ると・・・・倍増か?」

 

秋津「・・・・・・」

 

中国人観光客?(あれが尾行対象の・・・・・)

 

秋津「・・・・・・」

 

反対方向をあるき始める秋津

 

中国人観光客?(ヤバっ・・・・)

 

秋津「・・・・」

 

中国人観光客?(ほっ・・・気づかれてな・・)

 

秋津「ご苦労さんです!」

 

中国人観光客?(!?)

 

秋津「残念でした、私の目は3キロ先の鳩とカラスを見極められる」

 

中国人観光客?「クッ・・・」

 

走り去る中国人観光客

 

秋津(いぶき艦長に尾行か・・・・中国人だな)

 

秋津「やはりそういうことか・・・」

 

 

東京都内のとあるホテル

 

一の瀬「おう!待たせたな!」

 

一の瀬 一

東都新聞政治部所属記者

 

片桐「お待たせしてしまって申し訳ないス」

 

片桐

フリージャーナリスト

みらいに乗船しリムバック演習についての取材をしたことがある

 

沢崎「ここは禁煙だぞ」

 

一の瀬「おっと」

 

持っていたタバコをしまう一の瀬

 

一の瀬「いぶき艦隊の帰還だからな、ヘリ飛ばしてきた」

 

片桐「そのヘリに乗せてもらいました」

 

沢崎「ほう・・・・ニュースではデモが出てたな」

 

一の瀬「横須賀基地ゲートに500人ほどな」

 

片桐「あれは凄かったですね、「いぶきは違憲だ!」とか「STOP軍拡」とか」

 

一の瀬「ネットの呼びかけだが結構盛り上がっていたぜ」

 

一の瀬「いぶきに戦争の臭いを感じた人たちの危機意識は健在だ」

 

一の瀬「あんなもん作ってどうするんだ?戦争ごっこか?」

 

沢崎「今後アメリカの軍事プロセスはアジアから後退する可能性がある」

 

沢崎「自国は自国で守る、日本の国防は新時代に入ったってことだ」

 

片桐「なるほど・・・・」

 

一の瀬「おいおい、垂水総理のプレーンに入った途端にこれか」

 

沢崎「一の瀬、お前は中国の太平洋進出の可能性を信じていないのか?」

 

一の瀬「そりゃそうだ、仮にそうなったとしたら外務省の交渉の見せ所だろうが」

 

一の瀬「軍事じゃとめられねえよ」

 

一の瀬「すでに中国は遼寧に次ぐ空母「広東」「天津」を就役させている」

 

一の瀬「それに付き合わされているんだ日本は・・・・」

 

一の瀬「怪獣用兵器という核に次ぐ兵器を持っている日本が軍拡してみろ、あっという間に軍事大国になり世界を恐怖に落とす」

 

一の瀬「日本は間違った道を踏み出したんだよ」

 

一の瀬「俺は反軍キャンペーンをとことん打って」

 

一の瀬「いぶきを潰す」

 

片桐「だ、大胆ですね・・・」

 

一の瀬「これくらいやらねえと潰れそうにはないからな、片桐」

 

片桐「そ、そうですね・・・・」

 

沢崎「・・・・・」

 

 

 

東京都内

寿司屋

 

寿司職人「大トロです」

 

中国人男性?「ほう、イキが良さそうだ」

 

中国人男性?「・・・美味い!」

 

中国人男性?「やはり魚は鮮度ですね」

 

寿司職人「はい・・・」

 

中国人男性?「経済発展した我が国の沿岸部でもこの頃は寿司がブームですが」

 

中国人男性?「まだまだ日本のような味にはなりませんね」

 

女性?「魚も情報も鮮度が命です」

 

女性は男性にUSBメモリを渡す

 

中国人男性?「これはまたイキが良さそうだ」

 

女性?「味は保証します」

 

中国人男性?「ほう・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中国大使館

駐在武官事務室

 

中国人男性?「・・・・」

 

USBメモリをパソコンに挿し、中身を見ている

 

中国人男性?「これが与那国島第303沿岸監視隊分屯地配置図か・・・・」

 

中国人男性?「レーダー、庁舎も完璧だ」

 

中国人男性?「・・・北海艦隊司令部政治委員、王志強中校につないでくれ」

 

馬「・・・・予約切符を入手。曙光工程準備整った」

 

馬大奇 

階級 大校

中国人民解放軍

海軍駐在武官

 

 

 

 

 

 

20XY年

4月22日

 

航空機搭載護衛艦「いぶき」を旗艦とする第5護衛隊群は

四度目の練習航海のため、横須賀基地を出航

演習海域「南鳥島沖」を目指していた

 

秋津「やはり遠いな」

 

地図を見る秋津艦長

 

新波「横須賀から1800キロ、尖閣諸島からだと3000キロ以上になりますね」

 

新波「本土の基地から遠い海域こそ本艦の威力が発揮できるのです」

 

秋津「そういうことだが・・・」

 

新波「ところで艦長、尾行は・・・」

 

秋津「ああ、先の休日では3人に増員されていたよ」

 

秋津「国家の要人並だ、面映ゆいがね」

 

秋津「私に尾行がつくぐらいだ、中国海軍もこの第5護衛隊群を丸裸にしようと必死だ」

 

新波「我々の機動力を知ることは中国海軍の最優先事項でしょう」

 

秋津「軍艦の真の力を知るには、軍事行動を起こすしか無いだろう」

 

新波「それが可能ならば・・・ですね」

 

秋津「4月に入り暖かくなった」

 

秋津「尖閣領有を目的とし、なお、我が艦隊の機動力を計るには尖閣から遠く・・・」

 

秋津「3000キロ離れている今が好機だ」

 

秋津「今ならアメリカ第7艦隊もアフリカ南端喜望峰付近で遊弋中」

 

秋津「さらに中国海軍の新型空母「広東」「天津」も演習航海に出たという情報もある」

 

新波「日本が尖閣を国有化して以降・・」

 

新波「中国政府は「日中開戦もやむなし」」

 

新波「「適切に処置する」と明言しています」

 

秋津「・・・・・」

 

新波「・・・・・」

 

海自隊員「艦長、副長、コーヒーを」

 

秋津「お、ありがとう」

 

秋津「何かあれば難しい局面になる」

 

秋津「だが、何があろうと我々も適切に対応せねばなるまい」

 

新波「自衛隊・・・としてですね」

 

秋津「もちろんだ」

 

 

潜水艦「たつなみ」

 

速水「しかし最近、中国も大人しいですね」

 

南波「確かにそうですね、艦長」

 

深町「ああ・・・」

 

深町(なんだこの胸騒ぎは・・・・)

 

深町(何か嫌な予感がしやがる・・・・)

 

深町(この感じは・・・「あの時」以来だ)

 

続く

 

 




人物解説

田所進
第2潜水隊群司令
階級 海将補
深町の上司
部下たちの活躍に頭を痛めながら期待もしている


馬大奇 
階級 大校
中国人民解放軍
海軍駐在武官
曙光工程を初めさせようとしているが・・?


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第三章 スクランブル

ここよりエースパイロット解禁されますが・・・・今回は控えめ


4月25日 02:30

 

中国空軍所属

Il-76輸送機

 

中国空挺隊長「ついに・・・我々が日本より釣魚群島を取り戻す時期が来た」

 

中国空挺隊長「我々は日本国与那国島に降下し、速やかに庁舎とレーダー施設など占拠し」

 

中国空挺隊長「住民、日本陸軍を捕虜とすることだ!」

 

中国空挺隊長「作戦は失敗できない!いいな!」

 

中国空挺員「おう!」

 

03:45

 

中国空母作業員「第二隊、第三隊、発艦準備よし!」

 

中国空母作業員「発艦開始!」

 

広東、天津より発艦する中国新鋭ステルス戦闘機「殲20」

 

 

 

航空自衛隊第602航空隊所属

E-767 コールサイン「コスモアイ」

 

観測員「!?輸送機、戦闘機の防空識別圏接近を確認!」

 

管制官「なに!?直ぐに第9航空団に報告を!」

 

管制官「念のため多良間、与那国、宮古島、石垣島の4島に避難命令を!」

 

航空自衛隊那覇基地

 

鳴り響くスクランブル音

 

空自隊員「こちら準備完了、発進する!」

 

第304飛行隊 F-15J コールサイン ブルー

第207飛行隊 F-35A コールサイン サムライ

 

数が数なので通常より多く離陸しているが・・・普通の空自だけではなかった

 

ガルム2<<ガルム2、離陸>>

 

ボーンアロー2<<ボーンアロー2、離陸!>>

 

傭兵であるガルム隊とボーンアロー隊はいぶき就役による空自の人員不足のため雇われたのである

 

 

コスモアイ<<こちら空中管制機コスモアイ、聞こえるか?>>

 

ブルー2<<ああ>>

 

ガルム2<<OKだ、コスモアイ>>

 

ボーンアロー2<<おう!聞こえるぜ!>>

 

コスモアイ<<中国輸送機、戦闘機の防空識別圏接近を確認した>>

 

コスモアイ<<接近し警告せよ>>

 

サムライ1<<了解!>>

 

 

 

 

中国艦載機<<ちっ、日本空軍か!>>

 

中国艦載機<<どうせ撃墜はされん!無視しろ!>>

 

サムライ1<<目視で確認、中国語での警告を開始する>>

 

サムライ1<<貴機達は日本領空に接近しつつある。速やかに針路を変更せよ>>

 

サムライ1<<警告。貴機達は日本領空を侵犯している。速やかに領空から退去せよ>>

 

ブルー1<<警告を無視し、上空侵犯中!コスモアイ、どうぞ>>

 

ブルー1<<警告射撃の許可を願いたい>>

 

コスモアイ<<警告射撃を許可する>>

 

ブルー1<<了解、安全装置解除>>

 

ブルー1<<FOX3!>>

 

中国艦載機<<チッ!>

 

コスモアイ<<ガルム1、ロックオンされているぞ!>>

 

ガルム1<<・・・・>>

 

中国艦載機<<発射!>>

 

ガルム1にミサイルを発射する中国艦載機

 

だが・・・・

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

楽々な機動でいとも簡単に外れてしまった

 

ガルム2<<流石、相棒>>

 

ブルー1<<コスモアイ!こちらが攻撃を受けたぞ!撃墜の許可を!>>

 

コスモアイ<<・・・・>>

 

ブルー2<<ロックオンされた!回避する!>>

 

サムライ2<<発射された!チャフ、フレアを撒く!>>

 

ボーンアロー2<<やられてからだと遅いんだぜ!撃墜の許可を!>>

 

サムライ1<<撃墜の許可を!>>

 

ブルー4<<コスモアイ!>>

 

コスモアイ<<・・・・・・全責任は私が持つ!撃墜を許可する!>>

 

ボーンアロー2<<そうこなくちゃな!>>

 

ガルム2<<行くぞ相棒!>>

 

ガルム1<<・・・・>>

 

ガルム2<<ガルム2、エンゲージ!>>

 

ボーンアロー2<<ボーンアロー2、エンゲージ!>>

 

サムライ3<<サムライ3、エンゲージ>>

 

ブルー4<<ブルー4、エンゲージ>>

 

サムライ3<<FOX2!Fire!>>

 

中国艦載機<<主翼に被弾!>>

 

ガルム2<<FOX2!FOX2!>>

 

中国艦載機<<お、落ちる!>>

 

コスモアイ<<3機、ベイルアウト!>>

 

いくら中国海軍の艦載機であろうと新人同然であるため

エースたちに意図も簡単に撃たれてしまった

なおベイルアウトしたため命拾いをした

 

ボーンアロー2<<FOX2!>>

 

ガルム2<<FOX2!>>

 

中国艦載機<<ちくしょおおおおおおおおおおおおお!>>

 

中国艦載機<<ダメだ!おしまいだ!>>

 

ガルム2<<おいおい、一目散に逃げてどうするんだ?>>

 

中国空挺隊員「おいおい!護衛の戦闘機がやられて一部引き返しているじゃねえか!」

 

中国空挺隊員「俺達はどうなるんだ!?」

 

コスモアイ<<残り輸送機のみ!>>

 

ガルム2<<輸送機には大量の空挺兵がいると見た・・・・>>

 

ボーンアロー2<<どうします?>>

 

コスモアイ<<・・・・警告してみてくれ、従わない場合は撃墜を許可する>>

 

ガルム2<<了解、チャンネルを切り替える>>

 

ガルム2<<こちら航空自衛隊第304飛行隊所属機、最後に警告する>>

 

ガルム2<<貴機の護衛戦闘機は全て撃墜した>>

 

ガルム2<<貴機をこのボタン1つで撃墜することも可能だ>>

 

ガルム2<<よって、この場で投降すれば命の保証はする>>

 

ガルム2<<以上だ>>

 

中国輸送機機長「・・・・・」

 

中国輸送機副長「機長!我々は護衛戦闘機を撃墜されたんですよ!突撃すべきです!」

 

中国輸送機機長「・・・・武装がない輸送機でどう戦えというのだ?」

 

中国輸送機副長「それは・・・・」

 

中国輸送機機長「このまま撃墜されて死ぬか生きて捕虜として捕らえられるか」

 

中国輸送機機長「どっちも屈辱であろう・・・が生きてればまだ行動を起こせる」

 

中国輸送機副長「・・・・」

 

中国輸送機機長「・・・・こちら輸送機、投降する、君たちの基地に誘導してくれ」

 

ブルー1<<了解、我々が誘導します>>

 

中国輸送機機長(この戦争・・・・どうやら我々は喧嘩を売ってはいけない国に売ってしまったようですな)

 

コスモアイ<<輸送機に次ぐ、那覇基地に誘導する。燃料は?>>

 

中国輸送機機長「燃料の貯蔵は十分である」

 

コスモアイ<<了解>>

 

ボーンアロー2<<しかし中国は何故ここ・・・>>

 

その時一本の通信が入る

 

セピア7<<こちら海上自衛隊所属哨戒機「セピア7」、応答願います>>

 

コスモアイ<<こちらAWACSコスモアイ、どうした?>>

 

セピア7<<尖閣諸島に中国のホバークラフトが上陸!そして多良間島にホバークラフトが接近中!>>

 

セピア7<<そして宮古島のレーダーサイトが遠距離でのミサイル攻撃により破壊されました!>>

 

コスモアイ<<なに!?・・・・陸自と空自の輸送隊、住民の避難は?>>

 

空自輸送隊<<こちら空自、全員の収容を確認!離陸し那覇に向かいます!>>

 

コスモアイ<<ブルー隊、護衛せよ>>

 

ブルー1<<了解>>

 

陸自輸送隊<<こちら陸自、もう少しで完了します!>>

 

コスモアイ<<了解!>>

 

ガルム2<<しかし輸送のためのヘリやらはどこから来たんだ?>>

 

ボーンアロー2<<島に配備されていたみたいですよ、怪獣が接近しても直ぐに避難できるようにとかで>>

 

ガルム2<<なるほどな・・・・>>

 

コスモアイ<<今の我々ではこれ以上の行動はできない・・・・帰還せよ>>

 

 

 

 

東京

首相官邸

危機管理センター

 

垂水「防衛大臣、状況の説明をお願いする」

 

沖「はっ!」

 

沖忠順

防衛大臣

 

沖「部隊からの報告では、本日午前3時頃」

 

沖「防空識別圏に侵入しようとするIl-76輸送機と殲20の航空隊が空自のE-767が探知、直ちにスクランブル発進しました」

 

沖「そして航空部隊は警告を無視し上空を侵犯し警告射撃もしましたが退去せず」

 

沖「そして殲20が第304飛行隊に攻撃を仕掛け、回避しましたが撃墜される可能性があるため」

 

沖「超法規的措置を発動し護衛戦闘機隊を一部撃墜し、残りは引き返した模様です」

 

一柳「自衛隊初の・・・攻撃か・・・」

 

垂水「・・・続けてくれ」

 

沖「その後、残りの輸送機は降伏し那覇基地に誘導し、乗員を拘束しました」

 

沖「だがそのスキを突かれ低空飛行してきた宮古島のレーダーサイトが破壊されました」

 

沖「これらは練習航海中の広東、天津からの攻撃と思われます」

 

垂水「・・・尖閣諸島は?」

 

国交大臣「はっ、海保11管区からの報告では」

 

国交大臣「同4時、尖閣諸島魚釣島、南北小島に大隊規模の中国海兵が上陸したと」

 

石渡「大隊規模の海兵が上陸!?」

 

国交大臣「その後揚陸艦「長白山」から海兵を載せたホバークラフトが再び発進し、多良間島を占領しました」

 

国交大臣「なお与那国、多良間の住民、部隊の避難、退避は完了しています」

 

石渡「しかしこれでは与那国は孤立してしまったではないか!」

 

沖「再び輸送機が上陸してしまうのも時間の問題かと」

 

垂水「・・・同時多発の軍事行動から考えると、周到に準備された作戦と見なさなければならない」

 

垂水「先は何か?先島諸島の占領か・・あるいは・・・」

 

垂水「その先はあるのか?」

 

垂水「防衛大臣!直ぐに陸海空統合任務部隊の編成を!」

 

沖「はっ!」

 

 

6時半

 

潜水艦「たつなみ」

 

速水「尖閣諸島と多良間島が占領された!?」

 

南波「なんだと!?」

 

深町「・・・・予感が当たりやがった!」

 

護衛艦「みらい」

 

菊池「なに!?」

 

角松「ついにやりやがったか・・・」

 

梅津「・・・・」

 

 

護衛艦「いぶき」

 

涌井「秋津一佐、全艦に命令を!」

 

秋津「はっ!」

 

秋津「第5護衛隊群旗艦「いぶき」艦長より、全艦に達す」

 

秋津「0645、自衛艦隊司令官より我が第5護衛隊群に対し」

 

秋津「演習を切り上げ、先島諸島海域へ急ぎ迎えの命令が下った」

 

秋津「全自衛艦艇も出動準備を整えつつある」

 

秋津「本艦隊の任務は「調査目的」であるが、自衛隊の目指すところは被占領地域の奪還である」

 

秋津「全艦、針路3-0-5」

 

秋津「これより先島諸島海域に向かう!」

 

秋津「機関全速!転舵!」

 

続く




解説

ガルム隊
戦場を駆け巡るフリーの傭兵航空隊
ガルム1とガルム2
ガルム1は円卓の鬼神と恐れられている

ボーンアロー隊
アローズ・エア・ディフェンス&セキュリティ所属航空隊
ボーンアロー1はかつて蝶使いというパイロットを何度も撃破したとされている
欲にリボンの死神と言われている



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第四章 潜水

暫くの間
原作をそってます・・・・どこかで分岐するはず(オイ


東京

 

サラリーマン「さてと・・・仕事行く前にテレビでも」ピッ

 

アナウンサー『繰り返しお伝えします』

 

サラリーマン「ん?」

 

アナウンサー『午前四時頃、多良間島、尖閣諸島が中国軍により占領された模様です』

 

サラリーマン「占領って・・・まさか・・・」

 

 

 

 

 

アナウンサー『与那国島は現在中国軍が上陸していないものの実質孤立し』

 

アナウンサー『宮古島のレーダーサイトは爆撃により破壊されており・・・』

 

アナウンサー『なお住民の避難は完了、与那国島分屯基地の陸自部隊は退避完了している模様です』

 

アナウンサー『なお領空侵犯してきた輸送機は那覇基地に着陸した模様です』

 

アナウンサー『中国大使館前にはネットの呼びかけにより人々が集まりつつあり』

 

アナウンサー『大使館前には機動隊が出動、大使館周辺を封鎖し警戒にあたっています』

 

アナウンサー『また民間航空各社は全路線に運行を見合わせる方針を検討していると発表しました』

 

女性「これって・・・戦争?」

 

 

 

 

垂水「防衛大臣!自衛隊の緊急対応策はどうなっておる!」

 

沖「は!現在佐世保・相浦駐屯地の水陸機動団、習志野駐屯地の特殊作戦群をオスプレイにて」

 

沖「那覇駐屯地に向け移送中であります!」

 

垂水「着陸した中国輸送機の乗員は?」

 

沖「現在取り調べをしていますが・・・・何も話してくれません」

 

垂水「・・・・・」

 

沖「あと総理!戦闘行動ができない限定がありますが警察官職務執行法の準用たる」

 

沖「「海上警備行動」の発動を願います」

 

垂水「電話閣議のあとに直ちに承認する!」

 

沖「はっ!」

 

 

 

 

秋津「3000キロ・・・このまま全速で行ったとして、時間は?」

 

新波「3日はかかります、給油が不可欠となります」

 

新波「現在地と先島諸島を結ぶライン、南大東島沖が給油ポイントでしょう」

 

新波「だとしたら佐世保の補給艦「おうみ」です」

 

秋津「至急佐世保基地に打信を」

 

新波「佐世保に連絡をとれ、補給の打ち合わせを行いたいと」

 

海自隊員「はっ!」

 

 

潜水艦「たつなみ」

 

深町「海上警備行動・・・」

 

速水「先程発動されたようです」

 

深町「たく、国土が占領されているのに防衛出動ではなくて海上警備行動とはな」

 

深町「せめて「防衛出動待機命令」くらい出せばまだ優秀なんだがな・・・」

 

速水「一部の反乱軍の可能性があるらしいですから仕方がないですよ」

 

深町「反乱軍が用意周到に敵国領土を占領するか?俺ならまず首都でクーデターを起こすぞ」

 

速水「それは・・・」

 

深町「どう考えてもこれは「中国政府」の意向に決まっているはずだ!」

 

南波「艦長!」

 

南波「未確認潜水艦二隻らしきものを確認!」

 

深町「なに!?」

 

 

 

哨戒ヘリ「SH-60K」

 

柿崎「ソノブイNo.7、音源探知!」

 

柿崎「方位 北緯24.25633512!東経152.11355218!」

 

柿崎「水深320メートル!」

 

柿崎「スモーカーマーカー投下!」

 

柿崎『「みらい」哨戒ヘリより「いぶき」CICへ!』

 

柿崎『中国潜水艦二隻と覚しき音源探知!』

 

柿崎『艦隊前方距離50キロ!水深320メートル!』

 

柿崎『2艦とも艦隊を待ち受けるように機関を停止!』

 

新波「「いぶき」CICより哨戒ヘリへ、敵味方識別反応は?」

 

柿崎『応答ありません!』

 

新波「群司令、やはり中国潜水艦です」

 

新波「おそらく横須賀より我々をマークしている元級かと」

 

海自隊員「なぜ前方、しかも探知してくれと言わんばかりの深度に!?」

 

新波「向かってくれば撃つぞ、という警告だろう」

 

新波「群司令、このままの速度と針路を維持すれば」

 

新波「我々は70時間で先島諸島現場海域に達します」

 

新波「2艦の目的は迂回針路を取らせて現場への到着を遅延させることでは?」

 

涌井「・・・中国側はここまでの戦力を投じながら、現在まで大規模な戦闘を起こしていない」

 

涌井「彼らの目的は軍事衝突を起こさず、速やかに占領を達成することだろう」

 

涌井「だが戦端を開いているのは間違いない」

 

涌井「直進すれば撃って来る可能性がある」

 

秋津「涌井司令、これは時間との戦いでもあります」

 

秋津「中国側の速やかな占領を許してしまったら」

 

秋津「占領地域の防衛体制が整うにつれ占領が既成事実化され、奪還は難しくなります」

 

秋津「我々の任務は被占領地区の奪還で、そして避難している島民を故郷に帰還させることでしょう」

 

涌井「だが魚雷を撃って来たら応戦しなければなるまい」

 

涌井「戦闘・・いや戦争になる」

 

秋津「防御できなければ相手を無力化するしかありません」

 

秋津「・・・あの2艦は、我々が脅しに負けて屈するか、それとも闘う姿勢を取るか」

 

秋津「それを見ようとしているのです」

 

涌井「・・・・・意見具申はそれだけか?」

 

秋津「はい」

 

新波「・・・」

 

涌井「よかろう、直進だ」

 

 

 

秋津「全艦に達す、総員、対潜戦闘用意!」

 

秋津「総員戦闘配置につけ!」

 

動き出す艦の隊員

 

 

護衛艦「みらい」

 

梅津「「いぶき」の前に出る!取舵20度、機関全速!」

 

梅津「艦幅1000メートルにとれ!」

 

麻生「了解!」

 

菊池「アスロック、対潜短魚雷発射準備!」

 

米倉「了解!」

 

いぶきを護衛する「みらい」「あたご」「ちょうかい」「さざなみ」「ふゆづき」の5艦が対潜戦闘に入る

 

元級潜水艦

遠征102

 

ソナーマン「艦隊に動き!いぶき右舷、護衛艦速力をあげ前に出ます!」

 

ソナーマン「単縦陣を形成しつつあり、艦隊速度針路、相変わらずです!」

 

遠征102艦長「・・・昨日までの自衛隊と違うと言いたいのか?」

 

遠征102艦長「勇ましいことだ、「いぶき」」

 

 

 

 

 

浦田「中国潜水艦の交戦限界は9000メートルと聞いている」

 

浦田「あと一キロで、艦隊はその射程圏内に突入する!」

 

あたごCIC員「まだ動きません!」

 

浦田「チキンレースのつもりか!?」

 

 

柿崎『哨戒ヘリ一号機より、「みらい」CICへ』

 

柿崎『中国潜に動きなし!』

 

梅津「チキンレース・・・か」

 

 

潜水艦「たつなみ」

 

深町「図々しいヤローだ」

 

速水「え?」

 

深町「探知されているのに、動かねえとな・・・・」

 

深町「一発魚雷をぶちこんでやりたいもんだ」

 

南波「艦長!ピンガーです!」

 

深町「たく、滝艦長もお盛んだな・・・こっちも打っとけ」

 

南波「はっ!」

 

 

 

ソナーマン「ピンガーです!」

 

ソナーマン「右舵2時の方向!自衛隊の潜水艦!」

 

ソナーマン「深度350、おそらく「けんりゅう」「たつなみ」です!」

 

遠征102艦長「・・・・・・」

 

 

 

南波「前方「元級」に動き!」

 

南波「1艦機関始動!」

 

深町「どっちにだ?」

 

南波「左です!」

 

深町「ほうまず俺らを対処するつもりか?」

 

深町「だからどうなんだ?」

 

南波「回頭終了!本艦の正面です!」

 

南波「・・・・・・!?」

 

南波「両艦、魚雷発射管、外扉開口!」

 

速水「ここで戦闘するつもりか!?」

 

深町「こっちも脅かしてやれ!1番、2番、89式魚雷装填!」

 

深町「念のため前方の元級のエンジンデータをインプットだ!」

 

速水「う、撃つつもりですか!?」

 

深町「あくまでも脅しだ、だが・・・・やるときはやるつもりだ!」

 

渡瀬「発射管室より発令所、1番、2番注水完了!」

 

深町「1番、2番、外扉開け!」

 

 

 

護衛艦「いぶき」

 

ソナーマン「「けんりゅう」「たつなみ」魚雷発射管注水!」

 

ソナーマン「発射管、外扉開口音探知!」

 

涌井「秋津艦長、判断はどうか?」

 

秋津「は、これは正当防衛を成立させる要件、「急迫不正の侵害」に当たることは明白です」

 

秋津「相手は先にこちらに突きつけた銃の引き金に指をかけたのです。やらなければ殺られる状況」

 

涌井「・・・・」

 

秋津「ここは公海上ですが、中国はすでに我が領海で敵対行動をとっています」

 

秋津「明らかに攻撃意思を持っている「敵」です」

 

秋津「群司令、洋上の我々は魚雷を回避できても近距離で対峙している「けんりゅう」「たつなみ」は危険です」

 

秋津「二隻の潜水艦は攻撃命令がなければ先には撃てません」

 

秋津「洋上からの攻撃を探知するしか攻撃命令を把握できません」

 

秋津「滝一佐以下の「けんりゅう」及び深町二佐以下の「たつなみ」」

 

秋津「その乗員の命がかかっています!」

 

秋津「群司令、これは戦場で我々が超えなければならないハードルです」

 

秋津「直ちに全艦攻撃の命令を!」

 

涌井「・・・・・」

 

涌井(すでに輸送機の護衛戦闘機の一部を撃墜している・・・・つまり中国側は我々に攻撃してもおかしくはない)

 

涌井(だが・・・・我々がもしここで潜水艦を攻撃すればさらにあちらも攻撃をしてくる・・・ここで・・・やるわけには・・・・)

 

涌井「・・・・・・・・・けんりゅう、たつなみの隊員の操艦技量を信じよう」

 

涌井「ここでもし攻撃してしまったら・・・・中国はさらにこちらに攻撃してくるに違いはない」

 

涌井「あちらが撃ってくるまで撃ってはならぬ・・・・攻撃態勢を維持したまま」

 

涌井「前進せよ」

 

 

 

 

 

遠征102艦長「・・・・・・」

 

深町「・・・・・」

 

滝「・・・・・」

 

梅津「・・・・・・」

 

秋津「・・・・・・」

 

新波「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

元級二隻は攻撃に入ることもなく上の第5護衛隊群を通過させ

その後、針路を東西にとり姿を消した

 

艦隊は第二戦速に速度を落とし、元の輪形陣に移行した

 

4月25日 17時30分

海上自衛隊第5護衛隊群は先島諸島方面まであと2400キロに迫った。

 

続く

 

 

 

 

 

 

 




今更ながら世界観の解説

数年前に「やまと」事件発生
世界政府発足などに動いていたがテロの勃発、中小国の紛争の激化
アメリカの大統領選の結果、強いアメリカを取り戻す候補が当選し、アメリカ第一主義の復活
日本では怪獣の大量襲来に伴い自衛隊の軍備強化や野党の民自党の政権奪還による大幅な政策変化などが起こり、それどころではなくなってしまったのである
なお怪獣はしばらくの間姿を見せず、「もはや怪獣はいない」と言う人々もいるが自衛隊のメーサーの配備などはまだ継続中である


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第五章 外交

東京都港区元麻布

中国大使館前

 

デモ隊『中国は今すぐ立ち去れ!先島諸島を開放しろ!』

 

デモ隊『戦争反対!尖閣は日本固有の領土だ!』

 

 

運転手「これ以上は入れませんね・・・」

 

一の瀬「ここでいい・・・・」

 

ガチャ

 

一の瀬「すげえ数のデモ隊と・・・機動隊だな」

 

一の瀬「これでは大使館員も動けまい」

 

一の瀬「ある意味大使館員の身柄拘束・・・軟禁だな」

 

デモ隊『中国は直ちに日本より立ち去れっ!』

 

 

 

 

中国大使館内

 

中国大使「外務次官、警備はありがたいが厳重すぎて我々も身動きが取れない」

 

中国大使「なんとかならないのか」

 

外務次官「必要な措置です、ご了承願いたい」

 

外務次官「大使、中国政府の公式声明はまだ発表されないのですか?」

 

中国大使「本国からの訓令はまだ届いていない」

 

中国大使「我々大使館も待っておるのだ」

 

外務次官「他国の領土に不法に侵攻して何の声明も発表しないとはどういうことか」

 

外務次官「あなた方は日本政府と国民を何と心得ているのかね!」

 

馬「他国の領土ではない」

 

馬「魚釣島(ティアオユータオ)は我が中国固有の領土です」

 

外務次官「おっしゃる意味がわかりません!魚釣島は1885年に明治政府が無人島であることを確認し日本領に編入しているのです」

 

外務次官「あなた方が魚釣島の領有を主張し始めたのは1970年」

 

外務次官「そして2015年2月に発見された1969年発行の中国公式地図では魚釣島から赤尾嶼までの島々を尖閣群島と記載している」

 

外務次官「どう考えても途中で主張を作ったとしか思えませんが」

 

馬「当時の公式地図については植民地時代の地図の一部を使用してしまったからであり、ただの誤記である」

 

馬「日本も1970年代以前の地図では魚釣島を日本領土と確定していませんでしたが?」

 

馬「そもそも中華人民共和国領であることは1992年に制定された我が国の「領土法」に明記されている」

 

外務次官「それは中国政府が勝手に法制化したことである!国際的には全く意味も・・・」

 

馬「1992年2月25日に施行された「中華人民共和国領海接続水域法」」

 

馬「その第二条に明記されています」

 

馬「中華人民共和国の領地領土は中華人民共和国の大陸と沿海の島」

 

馬「台湾及び魚釣島を含む付属の各島である「澎湖列島」「東沙群島」「西沙群島」「中沙群島」「南沙群島」」

 

馬「その他は全て中華人民共和国の島に属する」

 

外務次官「だが2016年7月の常設仲裁裁判所においての判決では」

 

外務次官「「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」と・・・」

 

馬「あれは我々の合意によるものではなく、また法的拘束力はあるがそれを厳守する規則はない」

 

馬「あと・・・先程我が国の輸送機が琉球に着陸したと聞いたが」

 

馬「我が国は即刻返還を求める」

 

沢崎「現在然るべき調査をしている、それまでにしばしお待ち願いたい」

 

外務次官「とにかく、日本政府はこの事を国連安保理に提訴する!」

 

外務次官「国際法に照らせばその主張は認められないはずだ!」

 

中国大使「国連提訴は日本の自由だが」

 

中国大使「安保理は機能しますかな?我が国の大使は認めませんよ」

 

外務次官「だが紛争当事国は必ず棄権しなければならないはず」

 

中国大使「だが他の国が賛成しますかね?」

 

外務次官「・・・・・・」

 

沢崎「では馬大校」

 

沢崎「この行動は人民解放軍の一部反乱分子が行っているわけではないと?」

 

馬「ご心配なく、我が軍の統制に一糸の乱れはありません」

 

沢崎「そうですか・・・・」

 

 

 

 

馬「・・・・・行かれましたか」

 

中国大使「はい、馬大校」

 

馬「空挺を搭載した輸送機が作戦失敗し琉球に着陸したのは予想外でしたが」

 

馬「ですが先島諸島の住人、部隊が避難することは想定内です」

 

馬「なにせ日本には怪獣というものが襲来する・・・・そのための避難体制はどこの国よりも整っているはずです」

 

馬「ですがそれはそれで都合がいい、住人がいない分こちらも考慮する必要が無いですから」

 

馬「曙光工程(シュクァンコンチョン)の進行に問題はありません」

 

馬「現在先島諸島海域の制空権は我々が取ったも同然、与那国には再び輸送機を派遣し配置準備中です」

 

中国大使「そうか・・・・・」

 

馬(だが情報によるとスクランブル発進してきた日本空軍の航空隊はエースパイロットだったという・・・)

 

馬(過大に評価し過ぎであると思うが・・・・念のため警戒させておこう)

 

 

 

16:30分

総理官邸

 

石渡「現在尖閣諸島海域方面に航行中の全ての船舶に対し、迂回航路を取るように指示」

 

石渡「なお、沖縄那覇空港他、南西諸島への航空便は全て運航停止となっております」

 

石渡「各都道府県の警察本部対して治安維持のため各庁への警備を要請・・・」

 

 

 

垂水「・・・・・」

 

沖「・・・・そうか、ご苦労」ガチャ

 

沖「総理!第5護衛隊群の群司令より報告です!」

 

沖「第5護衛隊群は現場海域を直進し16:40分現在、進路変更することなく目標海域に向かっております!」

 

垂水「戦闘にならなかったのだな?」

 

沖「はい、中国潜水艦は艦隊通過後、針路を東南にとり離脱したと!」

 

沖「今後何事もなければ、予定通り明後日には「いぶき」は先島諸島海域に到着できます!」

 

垂水「よくやってくれた・・・現場から勇気を貰ったな」

 

部下「総理、記者会見の時間です」

 

垂水「わかった」

 

 

 

 

 

 

17:00

 

垂水「我が国は現在中国人民解放軍の侵攻により重大な局面に立たされております」

 

垂水「事態の状況は官房長官が発表した通りですが、我が国の固有の領土である尖閣諸島のみならず」

 

垂水「沖縄県の多良間島が完全に軍事占領され、また与那国島も占領され始めました」

 

垂水「すでに公表されているように、我が航空自衛隊第9航空団と中国空軍の空挺搭載輸送機を護衛する戦闘機を撃退しており」

 

垂水「偶発的でありますが先の大戦以来初の他国との交戦を許す結果となりました」

 

垂水「本日、在京中国大使館との接触では本国からまだ訓令が届いていないと回答があり」

 

垂水「北京の日本大使館を通じ中国外務省への問い合わせに対しても」

 

垂水「早急に公式声明を発表するとしているため暫く待つようにという回答しかありませんでした」

 

垂水「政府としては国民の生命と財産を守ることが最優先事項と考えており」

 

垂水「国民の皆様は流言飛語などに惑わされることなく、政府を信頼していただきたい」

 

垂水「冷静に行動していただくようにお願いします」

 

新聞記者「「海上警備行動」は発令されてはいるが軍事侵攻されているにも関わらず、なぜ直ちに「防衛出動」を発令してないのか!?」

 

垂水「軍事侵攻が中国政府の意志なのか一部の反乱分子によるものかと見極める必要があったからです」

 

雑誌記者「占領された領土を奪還するためには中国軍との戦闘は不可避と考えられるが」

 

雑誌記者「総理は戦闘は避けられると考えておられるのか!」

 

垂水「我々はあらゆる事態を想定して対処する覚悟でます」

 

ガヤガヤガヤガヤ

 

テレビ記者「佐世保の水陸機動団や習志野の特殊作戦群がすでに移動中という情報があるが事実か!」

 

垂水「具体的な防衛情報に関しては回答を差し控えさせていただきます」

 

 

一の瀬「東都新聞記者の一の瀬です」

 

一の瀬「第5護衛隊群旗艦「いぶき」は総理の肝いりで昨夏就役しましたが」

 

一の瀬「現在はどこで何をしているのか?」

 

垂水「与えられた任務を遂行中です」

 

一の瀬「その任務は、戦闘を目的と考えてよいのか?」

 

垂水「繰り返しますが、我々はあらゆる事態を想定して対処する覚悟でいる・・・ということです」

 

一の瀬「・・・・わかりました」

 

片桐「一の瀬さん、総理の目の前でよく言えるッスね・・・・」

 

一の瀬「お前もなんか質問したらどうだ?」

 

片桐「俺は良いッス、記録するのに精一杯ッスから」

 

一の瀬「なら良いが」

 

 

18:10

与那国島

 

中国空挺兵「第三小隊、第1ブロック異常なし!」

 

中国空挺隊長「やはりデータ関係は全て遮断されているか」

 

中国空挺副隊長「訓練されてますね・・・・」

 

中国空挺副隊長「しかし・・・・第四空挺隊は失敗して日本に拘束されたんですよね?」

 

中国空挺隊長「ああ、だがいずれ上が取り返すはずだ」

 

中国空挺兵「隊長、全域に配置完了しました」

 

中国空挺兵「もうそろそろで空挺戦車も投下とのことです」

 

中国空挺隊長「了解した」

 

中国空挺副隊長(この占領は本当にわが祖国のためなのか・・・?)

 

中国空挺副隊長(海軍主導で我々は空母のための捨て駒な気がしてならん・・・・・・・)

 

中国空挺兵「副隊長!こちらへ!」

 

中国空挺副隊長「了解だ、今行く」

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第六章 防衛出動

ついに防衛出動です
そして円卓の鬼神も登場
護衛戦闘機なしでも多分こいつらなら大丈夫だ


18:30

北緯24度08分

東経143度52分

洋上

 

護衛艦「みらい」

 

角松「戦闘糧食か・・・・」

 

菊池「海上警備行動発令後は総員配置だからな」

 

角松「俺はこれだけじゃ足りないな・・・」

 

菊池「・・・・やらないぞ?」

 

角松「冗談だ、菊池」

 

角松「しかし、あの「いぶき」の秋津艦長が涌井群司令に先制攻撃をやれって迫ったらしいな」

 

菊池「ああ、涌井群司令が止めたようだが・・・あのまま押し切られればやらざるを得なかったかもな」

 

角松「・・・・やらなければやられる・・・・確かにそうだが」

 

角松「俺達にはその覚悟ができるのか?」

 

菊池「・・・・・さあな」

 

菊池「ただ、命令されたらやりますよ、角松副長」

 

 

 

 

護衛艦「いぶき」内

 

秋津「会見で総理が言っていたように、我々もあらゆる事態を想定して対応する覚悟が必要だ」

 

秋津「艦隊は明後日の夜、目標海域に到達する」

 

秋津「当海域は制海権はもちろん、制空権も中国軍にある」

 

秋津「現場では何が起こるかわからぬ」

 

秋津「そこで淵上航空団司令」

 

淵上「は!」

 

秋津「只今から艦長権限で夜間離発着訓練を行う」

 

淵上「は!今から!?」

 

秋津「スクランブル指令から発艦まで4分を切ってもらいたい」

 

秋津「恐らく中国軍が監視しているだろう、彼らにわが航空団の腕を見せておきたい」

 

淵上「は!」

 

 

パイロット待機室

ジリリリリッ

 

迫水「スクランブルだ!」

 

淵上『只今より夜間離発着訓練を行う!この訓練が艦長命令であることを心せよ!』

 

甲板員「アルバトロス1、OK!」

 

管制員「GO!」

 

次々といぶきから艦載機が発艦する

 

 

4月26日

05:30

東京

 

プルルルルルルッ

 

沢崎「はい、沢崎!」

 

沢崎「・・・・中国外交部に記者会見の動きですか!?」

 

 

一の瀬「おうこちら東都新聞の・・・沢崎じゃねえか!」

 

一の瀬「なに?会見だと!?」

 

沢崎「ああ」

 

一の瀬「現地時間午前七時で日本は八時!」

 

一の瀬「ちょうど通勤ラッシュの時間だぞ、こいつは混乱するぜ」

 

一の瀬「そいつを狙ったかもしれんな」

 

 

 

総理官邸

 

石渡「総理、あと30分で中継が始まります!」

 

垂水「官房長官、中継が終了したら一時間後に国家安全保障会議を招集する!」

 

石渡「はっ!」

 

 

 

 

 

男性1「おい!始まるぞ!」

 

男性2「ワンセグ起動っと」

 

ピッ

 

中国外交部部長「我が政府は、昨日4月25日」

 

中国外交部部長「固有の領土である魚釣島を実効支配したことを宣言する」

 

中国外交部部長「だが我々は戦争を望んでいない」

 

中国外交部部長「現在、魚釣島周辺の日本領多良間島、与那国島を占領しているが」

 

中国外交部部長「速やかに日本側に引き渡す用意がある」

 

中国外交部部長「そのため、我が政府は日本政府と協議することを希望する」

 

中国外交部「繰り返すが、我々は戦争を望んでおらず、琉球・九州まで戦線を拡大する意図はない」

 

 

新聞記者「中国政府が日本への軍事侵攻を認めたぞ!」

 

デスク「多良間島、与那国島は返すつもりか・・・嘘ではないといいが」

 

 

 

一の瀬「・・・・・・おい、沢崎」

 

一の瀬「中国は短期決戦を目指している、間違いない」

 

一の瀬「外交で領土を取り返せると思うか?」

 

沢崎「いや・・・あの国がタダで返すと思うか?」

 

沢崎「絶対に交換条件を出してくる・・・・・」

 

一の瀬「その条件が尖閣領有だったとしても」

 

一の瀬「日本は自衛隊を派遣せずに外交で済ませられるのか?」

 

沢崎「わからん、そのときは戦争になるかもしれん・・・・」

 

総理官邸

 

垂水「官房長官、あらゆる外交ルートを使って領土の返還協議を!粘り強く交渉を続けてもらいたい!」

 

石渡「はっ!」

 

中国外交部声明から一時間後

 

09:20

総理官邸において

総理大臣、内閣官房長官、外務大臣、防衛大臣、財務大臣、国土交通大臣、国家公安委員長による国家安全保障会議が開催された

 

沖「国土を侵略された国家存立の危機、あらゆる力を動員し奪還を計るべきかと」

 

外務大臣「問題は占領されている多良間島、与那国島です」

 

外務大臣「中国政府は戦争を望まず、返還交渉に応じると言いました」

 

外務大臣「ですがこれだけの軍事行動に出た以上、無償で変換するとは思えません」

 

外務大臣「何らかの交換条件を提示するものと思われます」

 

外務大臣「考えられる条件として、現在占拠中の尖閣諸島の領有です!」

 

垂水「・・・・・私は領土と国民の安全の両方を守る」

 

垂水「どちらも失うつもりはない!」

 

垂水「占領されている領土返還交渉を粘り強く続ける」

 

垂水「だが、武力奪還も視野に入れるつもりだ」

 

石渡「では、防衛出動を?」

 

垂水「その前にやらなければならないことがある」

 

垂水「戦争を望まないという中国政府の言葉を少しは信じたい」

 

垂水「中国政府国家主席と私自身が直接話す!」

 

垂水「急ぎ、北京とホットラインを」

 

石渡「はっ!」

 

 

同時刻

宮古島上空

 

ガルム2<<ガルム2より、那覇基地へ>>

 

ガルム2<<現在ガルム1と共に宮古島上空を通過>>

 

ガルム1<<・・・・>>

 

傭兵のエース「ガルム1」と「ガルム2」は中国軍に占領されている多良間島の偵察をするため多良間島上空に向かっている

乗機は愛用のF-15ではなくステルス戦闘機のF-35Aの武装を解除しカメラ搭載の偵察ポッドを搭載した簡易偵察機型である

なお本来ならRF-4Eによる偵察任務であるがRF-4Eはステルスでないため発見されやすくその上制空権を中国に取られており危険であるため乗機は最新鋭のF-35Aに偵察ポッドを搭載したものとし、パイロットは外部の傭兵であるが腕に問題はないガルム隊に任務を行わせることとなった

 

基地司令<<こちら那覇基地司令、こんな危険な任務を傭兵の君達にやらせてすまないな>>

 

ガルム2<<その代わり、報酬はたっぷり用意しろよ?>>

 

基地司令<<互いが無事であればな>>

 

ガルム2<<お財布握りしめて待ってろよ>>

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

基地司令<<しかし君の隊長を無口だね>>

 

ガルム2<<相棒は任務中のときは必要以上のことは話さない、だが日常もあまり話さないな>>

 

基地司令<<なるほど・・・>>

 

基地司令<<では無駄話はそこら辺にしよう、再度作戦を確認する>>

 

基地司令<<中国軍は多良間島上陸後輸送機などを使い空挺戦車や地対空ミサイルを多良間島の空港などに配備した模様だ>>

 

基地司令<<君達にはその兵器達を撮影しこちらに転送してもらいたい>>

 

基地司令<<なお中国の戦闘機が現れた場合、直ちに帰還せよ>>

 

基地司令<<武装がない君達ではたとえエースでも戦うのは無理だ>>

 

ガルム2<<当然だな・・・・>>

 

ガルム1<<・・・・・・>>

 

ガルム2<<・・・・・よし見えてきたな>>

 

多良間島が見えてきた

 

ガルム2<<遠目で見ると変わらんな・・・・占領されているようには見えん>>

 

ダッグ1<<こちら早期警戒機、タッグ1>>

 

ダッグ1<<こちらでは中国戦闘機を探知していない、そちらではどうだ?>>

 

ガルム2<<こちらも探知できない、気味が悪いほど綺麗だ>>

 

ダッグ1<<了解した、こちらでも捜索を続ける>>

 

ガルム2<<よし、手分けしてやろう>>

 

ガルム1<<・・・・コクリ>>

 

 

 

中国人民解放軍北海艦隊旗艦

空母「広東」

 

通信員「現場の多良間上陸部隊より報告!」

 

通信員「上空に日本空軍らしき偵察機を確認したとのこと!」

 

劉「なに!?上空の早期警戒機と戦闘機はなにをやっているんだ!」

 

劉長龍

空母「広東」艦長

階級 大校

 

通信員「どうやら相手の偵察機は最新鋭のステルス機の模様で・・・ただの小鳥と勘違いした模様です・・・」

 

劉「小鳥がマッハで飛べるものか!今すぐ艦載機を上げろ!」

 

 

広東より次々と発艦するステルス戦闘機の殲20

 

 

 

 

ガルム2<<よし、こっちは終わった>>

 

ガルム2<<相棒は?>>

 

ガルム1<<・・・・・コクリ>>

 

ガルム2<<よし、こちらガルム2、偵察任務完了だ>>

 

基地司令<<データに異常はなし、よくやった>>

 

基地司令<<すぐに帰還してくれ>>

 

ガルム2<<了解だ、帰って一休みしたいものだが・・・・>>

 

ダッグ1<<こちら、ダッグ1!空母「広東」から多数の艦載機が発艦しこちらに急速に向かっている模様です!>>

 

ダッグ1<<その数10機です!>>

 

ガルム2<<こっちは丸腰だ、すぐに帰還するぞ相棒>>

 

ガルム1<<・・・・・コクリ>>

 

中国艦載機パイロット<<こちら中国空軍、日本軍機に警告する!>>

 

ガルム2<<意外と早かったな、相棒>>

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

中国艦載機パイロット<<多良間島上空の飛行は許可しない!>>

 

中国艦載機パイロット<<直ちに我々の指示に従い空港に着陸せよ!>>

 

ガルム2<<どっちが悪いんだか・・・・おっと>>

 

威嚇射撃をする中国艦載機「殲20」

 

ガルム2<<威嚇射撃か・・・・よし、相棒>>

 

ガルム1<<・・・・・コクリ>>

 

中国艦載機パイロット<<発射!>>

 

殲20はミサイルを発射するが

 

ガルム2<<チャフとフレアをありったけ撒け!>>

 

ガルム1<<・・・・・>>カチッ

 

ガルム1、2の乗機よりチャフとフレアが撒かれる

 

ガルム2<<いくぞ!>>

 

ガルム1<<・・・・・コクリ>>

 

アフターバーナーを全開にし、急速に離脱するガルム1、2

 

中国艦載機パイロット<<ゆ、誘導弾が・・・・・畜生!逃げられた!>>

 

 

 

 

宮古島上空

 

ガルム2<<危なかったな相棒>>

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

基地司令<<こちら基地司令、危なかったな>>

 

ガルム2<<ガルム2より基地司令へ、アフターバーナー展開により燃料が空寸前だ、下地島空港での給油か空中給油機を回してくれ>>

 

基地司令<<了解だ、下地島への着陸を許可する>>

 

ガルム2<<了解した・・・・相棒、まだ生きてるか?>>

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

東京

総理官邸

 

沖「総理!航空自衛隊那覇基地より報告です!」

 

垂水「なに!?」

 

沖「本日09:45時ごろ、偵察任務完了後直後に中国戦闘機がスクランブルしミサイルをこちらの偵察ポッド搭載のF-35A二機にミサイルを発射した模様です!」

 

沖「幸い、チャフフレアによる妨害が成功し、偵察機の二機はアフターバーナー展開による高速で上空を離脱」

 

沖「現在は下地島空港で給油を受けています!」

 

石渡「不幸中の幸いでしたな、総理」

 

垂水「だが・・・先島諸島の海域及び空域は戦場ということか・・・」

 

垂水「・・・・・・・防衛大臣」

 

沖「は!」

 

垂水「内閣総理大臣として全閣僚の同意を得、陸海空自衛隊の全部隊に対し「防衛出動」を命ず!」

 

沖「了解しました!」

 

垂水「隊員に伝えてもらいたい、我々は日本国国民の生命と財産・・・そして領土を全力で守る」

 

垂水「いかなる状況においても私「垂水慶一郎」は自衛隊最高司令官として」

 

垂水「陸海空自衛隊員と共にある・・・と」

 

20XY年

4月26日

10:50

 

自衛隊創設以来初

そして日本初となる

対領土侵攻国の「防衛出動」が発せられた

 

 

 

護衛艦「いぶき」

 

新波「防衛出動・・・・・」

 

涌井「いよいよ・・・だな」

 

新波「今まで対怪獣の「防衛出動」は度々発令されていましたが」

 

新波「本来の対領土侵攻国の「防衛出動」はこれが初です」

 

涌井「五分後、艦隊全艦に「防衛出動」の伝達を行うと伝えてくれ」

 

新波「は!」

 

 

 

 

護衛艦「みらい」

 

梅津「ついに「防衛出動」・・・・か」

 

菊池「いよいよです、艦長」

 

梅津「ああ・・・我々は引き金を引かなければならん」

 

梅津「どんな状況で遭っても迷うな・・・・・肝に銘じておいてくれ」

 

菊池「・・・・了解です」

 

 

 

 

 

潜水艦「たつなみ」

 

深町「ついに「防衛出動」が出たか」

 

速水「はい、総理も覚悟を決めたようです」

 

深町「総理を少し見直したな・・・・あり一匹分くらいだが」

 

南波「手厳しいですな、艦長」

 

深町「あったりまえだ、本来なら防衛出動をポンっと出せるようにだな・・・・」

 

速水「そんなポンポン出せるわけないでしょう、特例の対怪獣防衛出動ならともかく」

 

速水「本来の対領土侵攻国の防衛出動なんですから」

 

深町「おい、マイク貸せ」

 

渡瀬「は、はい!」

 

深町『こちら艦長の深町だ』

 

深町『先程伝達した通り、今まで発令されたことのない対領土侵攻国の防衛出動が発令された』

 

深町『撃つ時少しは迷うかもしれないが、ここは海の中だ』

 

深町『一発でも魚雷が当たればそこで死ぬ』

 

深町『これは絶対に頭に叩き込め、そして』

 

深町『いつもの訓練通りやればいいんだ、いいな?』

 

一同「おう!」

 

深町『よしいいな、俺からは以上だ』

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第七章 撃墜

ここからはなりふり構っていられません・・・

現在単行本を沿って話が展開しますが・・・(現在は3巻)
完全分岐するのは4巻の多良間島上空での中国の早期警戒機撃墜らへんになるかな・・・・・



航空自衛隊

第602飛行隊所属

早期警戒管制機

E-767

コールサイン「コスモアイ」

 

観測員「中国海軍の空母部隊が動いているぞ!」

 

観測員「EEZ超えて南東に・・・・尖閣方面に向かっている模様です!」

 

管制官「ついに来たか・・・・防衛出動に対応した動きか?」

 

観測員「空母「広東」を中心として、旅滬型駆逐艦1隻、江衛型フリゲート2隻、そして艦隊防空を務める蘭州級駆逐艦2隻の模様!」

 

管制官「揚陸艦と展開していた「天津」は?」

 

観測員「以前展開中!どうやら天津と広東を同時展開する模様!」

 

管制官「第5護衛隊群に連絡を!」

 

通信員「了解」

 

 

4月27日

00:35

沖大東島

200キロ東方沖

 

護衛艦「いぶき」

 

観測員「補給艦「おうみ」「とわだ」潜水艦救難母艦「ちよだ」及びその護衛の「じんつう」「あさゆき」視認!」

 

観測員「方位0-5-0、艦隊右の2時の方向に接近」

 

新波「はるばる横須賀よりご苦労」

 

新波「本艦減速!第一戦速、針路は維持!」

 

航海員「第一戦速に減速!針路そのまま!」

 

新波「補給艦達も防衛出動が掛かって大忙しだろう」

 

観測員「「ふゆづき」、「おうみ」に接近!補給位置に入ります!」

 

観測員「「さざなみ」、「とわだ」に接近!補給位置に入ります!」

 

観測員「「けんりゅう」、浮上し「ちよだ」に接近!補給位置に入ります!」

 

新波「各艦一時間ほど掛かりますが補給作業を並行して行うので、3時間ほどです」

 

涌井「終了は夜明け前か・・・」

 

秋津「その間、艦隊は10ノットまで減速、微速を維持しなければなりません」

 

涌井「うむ・・・・危ないな」

 

涌井「早期警戒管制機からの報告も気になる」

 

涌井「中国海軍の空母「広東」の艦隊がこちらの排他的経済水域に入り、東に移動中だ」

 

涌井「そして「天津」はその場を動かず・・・・か」

 

秋津「こちらの動きに合わせた動きと思われます」

 

涌井「・・・・・対空、対潜警戒を厳にせよ」

 

 

 

潜水艦「たつなみ」

 

速水「艦長、こういう時は補給知らずの原子力潜水艦が羨ましいですね・・・」

 

深町「馬鹿野郎!腹が減ったら飯を食う、艦が生きている実感があっていいじゃねえか」

 

深町「原子力潜水艦やスターなんとかエンジン搭載艦なんかより、よっぽど潜水艦らしいじゃねえか、この「たつなみ」は」

 

速水「そ、そうですね・・・・」

 

 

01:50

尖閣諸島

北方100キロ洋上

 

中国海軍の空母「広東」「天津」は殲20を発艦させた

 

その数10機である

 

 

 

 

通信員『コスモアイより第5護衛隊群旗艦「いぶき」へ』

 

通信員『中国海軍空母「広東」「天津」に動き!』

 

通信員『0150、戦闘機と思われる10機が発艦した模様!』

 

通信員『編隊を組み、針路0-9-0、東に向かっています!』

 

秋津「やはりきたか・・・」

 

電測員「ですが、艦長」

 

電測員「かすかな小さい輝点です。鳥にしか見えません」

 

秋津「マッハで飛ぶ鳥はいない、こいつはステルス機の殲20」

 

秋津「我が艦隊との距離約1200キロ」

 

秋津「向こうのミサイル射程圏内まで、約35分!」

 

秋津「CICより艦橋!副長、本艦の給油完了までの時間は?」

 

新波「は、急いで50分」

 

新波「腹八分で切り上げるなら30分、そこから10分で最大戦速に」

 

秋津「では25分でお願いする、補給中の他の艦にも伝達を」

 

新波「了解」

 

涌井「秋津艦長、全艦に対空戦棟を」

 

秋津「は!」

 

秋津『旗艦「いぶき」より全艦へ』

 

秋津『対空戦闘用意!』

 

カンカンカンカン

 

鳴り響くアラーム

 

 

01:55

元麻布

中国大使館

 

中国大使「本国より帰国命令が出た」

 

中国大使「我々はこの朝、ロシア機でハバロフスク経由で帰国する」

 

中国大使「馬大校、あなたは残る・・・と?」

 

馬「見届けろ、という命令です」

 

中国大使「何をかね?」

 

馬「あの大戦でアジア諸国に多大な厄災をもたらしたこの敗戦国」

 

馬「非戦を誓いながら戦後80年もせぬうちにこれを忘れ」

 

馬「空母まで持つ軍事国となった」

 

馬「その忘却と自己欺瞞と自惚れ・・・・」

 

馬「我が海軍・・・・人民解放軍が懲罰に加えそれを問う」

 

中国大使「見届ける価値がある・・・と?」

 

馬「大使、彼らは今、初の対領土侵略国の「防衛出動」をかけ我々を力で排除しようとしている・・・」

 

馬「それをやるのかやれぬのか・・・・」

 

馬「見てみたくてな」

 

中国大使「・・・・そうか」

 

 

中国艦載機パイロット<<こちら、「いぶき」らを捕らえました!>>

 

張<<了解だ、俺は後から低空で行く!>>

 

中国艦載機パイロット<<・・・・ご武運を!>>

 

 

護衛艦「いぶき」

 

電測員「殲20よりレーダー照射!」

 

警報音が鳴り響く

 

電測員「ロックオンされました!」

 

秋津「殲20の方向は?」

 

電測員「方位2-9-10、高度一万!」

 

電測員「本艦との距離65キロ!」

 

電測員「全9機、速度マッハ1.8!なおも接近してきます!」

 

秋津「こいつは撃ってくるぞ!」

 

 

 

中国艦載機パイロット<<発射!>>

 

9機の殲20が18基のミサイルを発射した

 

電測員「目標機!ミサイル発射!全部で18基です!」

 

電測員「距離40キロ!」

 

涌井「頼むぞ・・・「あたご」と「ちょうかい」」

 

 

 

護衛艦「あたご」

 

浦田「皆、全ての訓練はこの時のためにあったと思え!」

 

浦田「対空戦闘!」

 

砲雷長「SM-2発射始め!」

 

砲雷長「前部VLS、1番から8番開け!」

 

砲術長「目標データ、インプット!」

 

砲雷長「発射用意、撃てっ!」

 

 

護衛艦「ちょうかい」

 

浮船「対空戦闘用意!一発も外すわけにはいかん!」

 

砲雷長「前部VLS、1番から8番開け!」

 

砲術長「目標データ、入力完了!」

 

砲雷長「発射用意、撃て!」

 

 

護衛艦「いぶき」

 

電測員「「あたご」、「ちょうかい」対空ミサイル18基発射!目標との距離10キロ!」

 

電測員「インターセプト10秒前、9、8、7」

 

電測員「6、5、4、3、2、1!」

 

電測員「スタンバイ!」

 

秋津「・・・・」

 

新波「・・・・」

 

涌井「・・・・ゴクリ」

 

 

 

 

電測員「撃墜を確認!」

 

涌井「18基全てか!?」

 

電測員「はい!18基全てです!」

 

涌井「ふぅ・・・」

 

涌井「よくやった、浦田一佐、浮船一佐」

 

秋津「待ってください、先程殲20は10機空母より発艦したと言ってたはず」

 

秋津「そうだな?」

 

電測員「はい、コスモアイからの情報では・・・・」

 

秋津「目標のミサイルは18基・・・1機が2基撃ったとすればあと1機撃っていない!」

 

涌井「では一体!」

 

電測員「・・・・!?」

 

電測員「早期警戒管制機のデータ入りました!」

 

電測員「機影1、接近してきます!」

 

電測員「11時の方向!距離25キロ!」

 

電測員「しかもこちらのレーダーを逃れる超低空で!」

 

秋津「群司令、こいつは1機による第二次攻撃です」

 

涌井「そのようだな・・・・迎撃用意!」

 

秋津「「いぶき」CICより「みらい」へ!」

 

青梅「「みらい」CICです!」

 

秋津『殲20の1機が超低空で侵入してくる!』

 

秋津『敵は攻撃位置で必ずポップアップするはずだ!』

 

秋津『迎撃はその瞬間を捉えるしか無い!』

 

秋津『殲20は30キロ以内に接近している!対応を!』

 

青梅「了解」

 

 

 

涌井「・・・・・・・」

 

秋津「群司令、撃墜の許可を!」

 

涌井「よかろう!撃墜せよ!」

 

秋津「「いぶき」より「みらい」へ!」

 

秋津「侵入機を捕捉し、撃墜せよ!」

 

 

護衛艦「みらい」

 

青梅「了解!」

 

菊池「対空戦闘、後部VLS1番から3番!発展型シースパロー発射用意!」

 

ピッ

レーダーに映る殲20

 

青梅「殲20、コンタクト!方位2-8-9、距離20キロ!高度300メートル!」

 

青梅「いぶきがロックオンされました!」

 

梅津「・・・・・」

 

榎本「追尾データ、インプット!」

 

菊池「シースパロー発射始め!サルボー!」

 

 

 

電測員「「みらい」ミサイル発射!」

 

電測員「目標に接近!、距離10キロ!」

 

電測員「5キロ!3キロ!1キロ!」

 

対艦ミサイルを迎撃するESSM

 

張<<!?>>

 

電測員「ミサイル2基撃墜!」

 

電測員「残る1基、殲20に向かいます!」

 

秋津「・・・・・・」

 

張<<・・・・フッ>>

 

 

 

 

 

 

電測員「・・・・・」

 

新波「・・・・・」

 

涌井「・・・・・・」

 

秋津「・・・・」

 

電測員「殲20、撃墜、確認・・・・」

 

涌井「秋津一佐、パイロットは脱出したのか?」

 

秋津「わかりません、ですがこの距離では・・・・」

 

 

菊池「・・・・・」

 

梅津「砲雷長、考えすぎては体が持たんよ」

 

梅津「休憩を許可する、ゆっくり休んでてくれ」

 

菊池「ですが・・・・」

 

角松「大丈夫だ、菊池がいなくたって俺らは動ける」

 

米倉「そ、そうです。砲雷長は休んでてください!」

 

尾栗「おう!休んでくれ、菊池」

 

菊池「・・・・では」

 

 

通信員『「ふゆづき」より「いぶき」CICへ!中国機の残骸を確認!右の主翼の模様です』

 

通信員『パイロットの生存は確認できません!』

 

秋津「了解・・・・全艦給油が終了する0630まで捜索を続行してくれ」

 

 

 

空母「広東」「天津」

 

管制「9機全て着艦!」

 

管制「第2飛行隊、未帰還機なし」

 

管制「第1飛行隊、未帰還機1!」

 

管制「第1飛行隊の2番機、張少校機は撃墜されたと思われます!」

 

劉「張少校、よくやってくれた・・・貴官に何らミスはない」

 

劉「だが・・・・あの輸送機の護衛機にベイルアウトさせた日本空軍の戦闘機・・・」

 

劉(・・・・・・只者ではない・・・・そんな気がするな・・・・)

 

劉「これから戦う日本空軍機はあのレベルなのかもしれない」

 

劉「注意させなければ・・・」

 

続く

 



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第八章 自衛隊

今回、他作品キャラに少し前に出てもらいました・・・・
口調に自信ないので「ん?」となった場合はすぐに作者にご一報ください


4月27日

午前五時五分頃

東京

総理官邸

 

垂水「中国軍機を撃墜・・・か」

 

垂水「第5護衛隊群に損害はなかったのだな?」

 

沖「はい、中国軍機の対艦ミサイルは全て撃墜」

 

沖「艦隊は中国機体捜索活動をしながら補給、給油作業中であり、完了後、先島諸島海域に向かうとのこと」

 

石渡「問題は、撃墜した殲20とその操縦士です。」

 

石渡「捜索中ですが、恐らく死亡した模様・・・」

 

石渡「恐らく中国側は公表しないと考えられます」

 

垂水「・・・・我々は公表せねばならぬな」

 

石渡「ですが!これを公表すれば国民に相当な不安と衝撃を与えます!」

 

垂水「・・・・大切なことは政府の対応への国民の理解と支持だ」

 

垂水「公表しなければ・・・我々は逃げたことになる、物事から・・・・国民からな」

 

垂水「官房長官、防衛大臣、我々は現実を直視しなければならないのだ」

 

石渡「・・・・・」

 

沖「・・・・・」

 

 

 

築地

ガード下の大衆食堂

 

一の瀬「しかしまあ新聞の論調も真っ二つだな・・・・」

 

一の瀬「たく、この新聞なんか政府にベッタリじゃねえか・・・・」

 

一の瀬「おっと、うどんが伸びてしまう」ズルルルッ

 

テレビアナウンサー『ではここで防衛大臣の緊急発表をお送りします』

 

一の瀬「ん?」

 

沖『本日午前二時頃、沖大東島海域にて給油中の海上自衛隊第5護衛隊群に対し、中国軍機の攻撃があり、護衛隊群はこれを撃退しました』

 

沖『なおその際、低空侵入で不意打ちを狙おうとした中国軍機一機を撃墜したとの報告です』

 

「なに!?やばいじゃねえか!」

 

「おいおい!こりゃもう戦争だぞ!」

 

一の瀬「「いぶき」が!?」

 

「そうなったら中国のミサイル飛んで来るんじゃねえのか?弾道ミサイルってやつが」

 

「この築地らへんヤバイだろ!中心部近いし!」

 

「急いで家族疎開させないと・・・ってもしかしたら疎開先が攻撃されるかも・・・」

 

「逃げ場なんてほぼ無いぞ、日本には!」

 

プルルルルルルッ

 

一の瀬「はい、一の瀬!あっデスク!」

 

一の瀬「官房長官の緊急会見が8時から!」

 

一の瀬「わかりました、すぐに向かいます!」

 

一の瀬(こりゃネットも炎上どころか大惨事だな・・・)

 

片桐「一の瀬さん、お待たせしたッス!」

 

一の瀬「おう、片桐か、今から官邸に行くぞ!」

 

片桐「え?一の瀬さん飯奢ってくれるんじゃ・・・・」

 

一の瀬「状況が変わった!行くぞ!」

 

 

 

国会議事堂前

 

デモ隊メンバー「戦争を許すな!」

 

デモ隊メンバー2「ふざけるな!戦争しなければ領土など奪還できん!」

 

デモ隊メンバー「なんだと!お前はここを血の海にしたいのか!?」

 

デモ隊メンバー2「やんのか!?」

 

警察「そこのデモ隊、落ち着きなさい!」

 

デモ隊メンバー3「我が国の主権を守れ!中国を追い出せ!」

 

 

一の瀬(いついかなるときも戦争が起こる時は)

 

一の瀬(防衛の口実によって起こる)

 

一の瀬(それは有史以前からの人類の歴史が証明する!)

 

片桐「凄いデモ隊ですね・・・・」

 

一の瀬「ああ・・・・」

 

総理官邸

 

一の瀬「お!沢崎!」

 

沢崎「一の瀬・・・」

 

一の瀬「いよいよ戦闘が始まったな、中国人パイロットは死亡か?」

 

沢崎「現在捜索中だ」

 

一の瀬「何言ってやがる!報道に中立なんかあるか!」

 

一の瀬「追従か批判かだ!」

 

一の瀬「政府発表だけ垂れ流すんならジャーナリストはいらねえよ!」」

 

一の瀬「お前も言ってやれ!片桐!」

 

片桐「・・・・・戦ってる「みらい」の人たちや他の護衛艦の乗員達に恥ずかしくないんですか!一の瀬さん!」

 

一の瀬「な!?」

 

片桐「今もこうしている間に第5護衛隊群の人達が戦っているのに一の瀬さんは自衛隊を信じずに批判ばかり」

 

片桐「今批判して「いぶき」を潰したところで何が変わるんです?中国空母2隻が尖閣諸島の海域を乗っ取り、多良間、与那国は空挺、海兵により占領されたままなんですよ!」

 

一の瀬「そのために外務省が・・・」

 

片桐「外交だけで物事が解決するなら軍や自衛隊はなんで存在するんですか?」

 

一の瀬「それは・・・」

 

片桐「侵略国から領土を守るためです、そのために自衛隊は日々訓練しているんです」

 

片桐「リムバックの演習の時に「みらい」を取材させてもらった時、乗員の皆さんは一生懸命でした」

 

片桐「「この人達になら日本の防衛を任せられる!」ってくらい・・・・」

 

片桐「一の瀬さんも自衛隊を信じてあげてください・・・・それだけです」

 

一の瀬「・・・・・・・・ふんっ」

 

沢崎「・・・・・・」

 

 

 

 

石渡「今朝、防衛大臣が発表した通り」

 

石渡「本日未明、海上自衛隊に対する中国軍機の攻撃がありましたことをお伝えします」

 

新聞記者「官房長官!中国軍機の撃墜は明瞭なる交戦であり武力行使であるはずだ!」

 

新聞記者「お忘れですか!日本国憲法第九条、国権の発動たる戦争」

 

新聞記者「武力による威嚇又は武力行使は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する!」

 

新聞記者2「そうだ!交戦権は憲法に認められていない!」

 

新聞記者3「政府は憲法を犯しているのではないのか!?」

 

雑誌記者「そもそも自衛隊の存在が憲法に違反している!」

 

雑誌記者2「何故在日米軍に頼らないのか!?」

 

警備員「静粛にしてください!」

 

雑誌記者3「政府は戦争をやりたいのか!?」

 

石渡「我が国は今、不当な侵略を受けているのです」

 

テレビ記者「なら何のための外務省だ!」

 

石渡「中国機撃墜は交戦権ではなく、憲法に定められた自衛のための戦闘です」

 

石渡「我が国が自衛権を行使して、相手国兵力の殺傷と破壊を行う場合」

 

石渡「外見上は同じ殺傷と破壊であったとしても・・・それは交戦権の行使とは別のものです!」

 

石渡「ただし、相手国の領土占領など、自衛において必要最小限度を超えられるものは認められない」

 

石渡「我が政府はこれを厳守するつもりでいます!」

 

石渡「これは自衛にためのやむを得ぬ戦闘です」

 

一の瀬(・・・・・俺は何をやっているんだ)

 

一の瀬(たとえここで質問して政府を問い詰めても)

 

一の瀬(領土占領されていることに変わりはない・・・・)

 

一の瀬(というより・・・・冷静に考えれば俺達は中国に踊らされていたんじゃないのか?)

 

一の瀬(自衛隊を信じる・・・か)

 

一の瀬(初歩的なことをあいつに気付かされるとはな・・・・)

 

一の瀬(・・・・・・)

 

一の瀬「官房長官にお聞きする」

 

石渡「・・・・」

 

一の瀬「もし、中国軍が戦闘をエスカレートして東京にミサイルをばらまいてくることになったら」

 

一の瀬「自衛隊は・・・・本当に俺達を守ってくれるのか?」

 

石渡「はい、自衛隊は全国民を必ず守ります」

 

一の瀬「・・・・・質問は以上だ」

 

ガヤガヤガヤ

 

「おいおい、東都新聞の一の瀬があんな質問だけで終わらせたぞ!」

 

「天地でもひっくり返るんじゃねえのか?」

 

片桐「・・・・・・」クイッ

 

帽子を深くかぶる片桐

 

石渡「どうか、国民の皆さんは流言飛語に惑わされることなく、政府を信頼して行動していただきたい!」

 

 

 

護衛艦「いぶき」

 

甲板員「着艦準備完了!」

 

管制官<<こちら管制、着艦を許可する>>

 

ガルム2<<了解、たく・・・垂直着艦は慣れないな相棒>>

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

 

 

 

新波「艦長、あのパイロットは?」

 

秋津「・・・・・かつてとある空域で敵の戦闘機をたった二機で全て撃墜した円卓の鬼神と片羽の妖精」

 

秋津「ガルム1とガルム2だ」

 

コンコン

 

新波「どうぞ」

 

フォルク「失礼します」

 

秋津「・・・・・私はこのいぶき艦長の秋津一佐です」

 

フォルク「俺はラリーフォルク、階級はここでは一尉だ」

 

フォルク「TACネームはピクシーだ」

 

フォルク「でこの隣にいるのは俺の相棒・・・・・で階級は俺と同じ一尉」

 

フォルク「TACネームはサイファー」

 

サイファー「・・・・・」

 

フォルク「本日より第92航空団に配属となった、よろしく頼む」

 

秋津「ああ、片羽と鬼神の実力・・・・ここでも発揮してもらいたい」

 

フォルク「お手柔らかに頼む」

 

渕上「では、第92航空団の控室に案内します」

 

 

 

 

柿沼「・・・・・」

 

フォルク「なにやってんだ?お前は」

 

柿沼「あ、あなたは!?」

 

フォルク「今日から配属されたガルム隊の二番機、ラリーフォルクだ」

 

柿沼「え!?」

 

フォルク「それより、その写真は・・・・」

 

柿沼「は、はい!妻と子の写真です」

 

柿沼「もし次に出撃するときに迷わないためのお守りとして持っていくつもりです・・・」

 

フォルク「・・・・貸せ」

 

柿沼「え?・・・・・・あ!」

 

柿沼が持っていた妻子の写真をピクシーが奪い取り、そのまま破り捨ててしまった

 

柿沼「な、なにするんですか!」

 

フォルク「いいか、妻子の写真なんか持ってったら、迷わないどころか迷いが増えるぞ」

 

フォルク「そしてもし妻子のことを考えている隙に敵に攻撃されたらどうする?」

 

柿沼「それは・・・・」

 

フォルク「いいか戦場に妻子のことなんか持ってくるな、目の前の敵に集中しろ」

 

フォルク「いいな?」

 

柿沼「・・・・は、はい!」

 

 

 

新波「しかし、外部の傭兵をこの空母に乗せるなんて・・・・信用できるんですか?艦長」

 

秋津「・・・・・・背中を刺されたらそれまでだ」

 

秋津「だがあの二人はそんなことはしない、空を飛ぶこと以外のことは素人さ」

 

秋津「私みたいにな」

 

新波「そうですか・・・・」

 

 

通信員「そ、早期警戒管制機からの報告です!」

 

涌井「何事だ!」

 

通信員「中国海軍空母「広東」から複数の艦載機が発艦した模様です!」

 

涌井「なに!?」

 

続く



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第九章 12対7

円卓の鬼神と片羽の妖精が暴れます
敵には絶対回したくない二人である


通信員「早期警戒管制機からの情報では中国海軍空母「広東」「天津」から発艦した戦闘機12機がこちらに接近中!」

 

通信員「高度一万、速度を保ちながら向かっています!艦隊上空到達まであと35分!」

 

秋津「群司令、これは波状攻撃です」

 

秋津「群司令、第92航空団第10飛行隊アルバトロス小隊、ガルム小隊の出撃許可をお願いします!」

 

アナウンス「アルバトロス、ガルム、出撃用意!」

 

フォルク「いくぞ、相棒」

 

サイファー「・・・・」

 

 

秋津「淵上航空団司令、これは通常のスクランブルではない」

 

秋津「戦闘だ、敵機を捕捉したら撃墜を許可する」

 

淵上「は!」

 

秋津「パイロットへの指示は?」

 

淵上「まず警告、向こうが撃つまで撃つなと」

 

秋津「付け加えろ、迷ったら撃て」

 

秋津「良いな、1機も失ってはならんぞ!」

 

淵上「了解」

 

甲板員「アルバトロス一番機、発艦スタンバイ!」

 

航空管制<<航空管制よりアルバトロス1へ>>

 

アルバトロス1<<こちらアルバトロス1!>>

 

淵上<<迫水三佐、指示の追加だ>>

 

淵上<<「迷ったら撃て」>>

 

アルバトロス1<<司令、迷いは空自に入隊以来、常にありますが・・・>>

 

淵上<<これは秋津艦長の指示だ、つまり・・・・「1機も失うな」という指示だ>>

 

アルバトロス1<<・・・・了解!>>

 

 

アルバトロス2<<・・・・・目の前の敵に集中しないと・・・・!>>

 

航空管制<<アルバトロス2、発艦準備を!>>

 

アルバトロス2<<了解!>>

 

 

 

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

航空管制<<ガルム1、発艦準備を!>>

 

ガルム1<<・・・・>>

 

 

 

 

ガルム2<<やっと俺の番か・・・・>>

 

航空管制<<ガルム2、発艦準備を!>>

 

ガルム2<<了解>>

 

 

 

艦橋員「アルバトロス隊迫水隊長以下全5機発艦!」

 

艦橋員「ガルム隊以下全2機発艦!」

 

艦橋員「確認!」

 

新波「・・・・・・」

 

 

 

 

電測員「「広東」を発艦した敵編隊、高度、速度、針路変わらず接近!」

 

電測員「アルバトロス隊、ガルム隊のミサイル射程圏内まであと5分!」

 

砲雷長「群司令、前方が護衛で後方が艦隊攻撃という編成なのでしょうか?」

 

涌井「通常ならその編成だろう・・・・通常ならな」

 

 

迫水(このF-35Bが装備できる中距離対空ミサイルAIM-120C「AMRAAM」の射程は約105km)

 

迫水(対する殲20が搭載できる中距離対空ミサイルのR-77-1、PL-12もほぼ同じ射程)

 

迫水(しかし向こうはステルス能力で上回るF-35Bをまだ捉えてはいないはずだ)

 

迫水(だが我々はすでに捕らえている!敵味方識別信号に応答のないこの機は殲20)

 

迫水(攻撃意思を持った、敵だ)

 

迫水(このまま接近すれば12対7の近接戦闘となり、不利になる)

 

迫水(迷ったら撃ての指示だが・・・・すでに迷っている!)

 

ガルム2<<・・・・・>>

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

コスモアイ<<こちらAWACS!アルバトロス、ガルムへ!中国軍機先頭の6機がミサイルを発射した!距離80キロ、全12基!>>

 

ガルム2<<来やがったか・・・・>>

 

アルバトロス3<<アルバトロス1、指示を!>>

 

迫水(殺らなければ・・・・殺られる!)

 

アルバトロス1<<全機、ミサイル発射を許可する!>>

 

アルバトロス3<<了解!FOX2、fire!>>

 

ガルム2<<FOX2、fire!>>

 

ガルム1<<・・・・FOX2、fire>>

 

アルバトロス2<<FOX2、fire!>>

 

アルバトロス4<<FOX2、fire!>>

 

アルバトロス5<<FOX2、fire!>>

 

 

 

中国艦載機パイロット<<敵ミサイル、接近!チャフを撒いて回避せよ!>>

 

中国艦載機パイロット<<チャフ投下!>>

 

中国艦載機パイロット<<ダメだ!回避できない!>>

 

一部の機が回避できずに撃墜される

 

中国艦載機パイロット<<お、落ちる!>>

 

中国艦載機パイロット<<グアアアアアアアッ!>>

 

 

 

電測員「アルバトロス、ガルムの各隊はミサイル発射後、回避行動を取ってます!」

 

電測員「被弾報告ありません!」

 

電測員「中国軍機側は3機撃墜されたものだと思われます!」

 

秋津「・・・・・引き続き迎撃しろ」

 

 

 

ガルム2<<俺と相棒が先行し、接近してあいつらを叩く!>>

 

アルバトロス1<<それは危険です!>>

 

ガルム2<<まあ見てな>>

 

 

中国艦載機パイロット<<接近してくる敵艦載機を探知!>>

 

中国艦載機パイロット<<撃て!>>

 

中国艦載機パイロット<<発射!>>

 

 

ガルムの二人にミサイルが襲うが・・・・

 

ガルム2<<おっと、危ないな>>

 

ガルム2<<大丈夫か?相棒>>

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

ガルム2<<問題なさそうだな>>

 

 

中国艦載機パイロット<<駄目です!あの二人にはミサイルを撃っても全く当たりません!>>

 

中国艦載機パイロット<<ドッグファイトでもする気か!?>>ビービービーッ

 

中国艦載機パイロット<<ロックオンされているぞ!>>

 

中国艦載機パイロット<<ダメだ、そっちにいくな!>>

 

中国艦載機パイロット<<おしまいだ!ここで死ぬしか無いんだ!>>

 

中国艦載機パイロット<<隊長、指示を!>>

 

中国艦載機パイロット<<一度に喋らないでくれ!混乱する!>>

 

ガルム2<<撹乱は出来たようだな・・・・いいぞ>>

 

アルバトロス1<<アルバトロス全機、行くぞ!>>

 

アルバトロス5<<了解!>>

 

 

 

ガルム2<<fire!>>

 

機銃を発射するガルム2

 

中国艦載機パイロット<<エ、エンジンを撃ち抜かれた!>>ビービービーッ

 

ガルム1<<・・・・・fire>>

 

同じく機銃を発射するガルム1

 

中国艦載機パイロット<<主翼に穴が!落ちる!>>ビービービーッ

 

アルバトロス2<<FOX2、fire!>>

 

中国艦載機パイロット<<クソ!回避する!>>

 

中国艦載機パイロット<<ブレイクして切り返す!>>

 

中国艦載機パイロット<<し、しまった!仰角一杯で失速していグアアアアアアアッ!>>

 

 

電測員「4機撃墜!計7機撃墜確認!」

 

秋津「・・・・・・・」

 

 

 

敵管制<<こちら管制、撤退せよ!>>

 

中国艦載機パイロット<<クソ!部下が!>>

 

中国艦載機パイロット<<悪魔め・・・・・>>

 

 

電測員「敵反転!引き返すようです!」

 

淵上<<アルバトロス、ガルムへ帰還せよ>>

 

ガルム2<<ふう・・・・>>

 

アルバトロス2<<よかった・・・・・みんな無事だ>>

 

アルバトロス1<<アルバトロス、帰還します>>

 

ガルム2<<ガルム、帰還する>>

 

 

電測員「中国機、4機は方位2-8-5へ」

 

電測員「恐らく空母「広東」への帰還と思われます」

 

砲雷長「7機の撃墜・・・・そして損害はなし」

 

涌井「中国機パイロットの生存確認を行ってくれ」

 

秋津「・・・・・」

 

 

艦橋員「2時の方向、アルバトロス隊二機、ガルム隊二機視認!」

 

新波「針路2-5-0、速力第一戦速!15ノット!」

 

新波「着艦に備え!」

 

アルバトロス1<<アルバトロス1、着艦します!>>

 

航空管制<<了解!>>

 

甲板員「アルバトロス1、着艦!アルバトロス2、着艦態勢に入ります!」

 

 

フォルク「よう」

 

迫水「フォルク一尉!」

 

フォルク「おいおい、お前より階級低いんだが・・・・」

 

迫水「いえ!この度はありがとうございました!」

 

フォルク「いや、お前の判断がなければ突入もなにもできなかった」

 

フォルク「少しは見直したぜ」

 

フォルク「殺らなければ殺られるからな」

 

フォルク「これからも頼むぞ」

 

迫水「・・・・・はい!」

 

 

 

フォルク(しかし、相手のパイロットの技量はそれほどのものではなかったな)

 

フォルク(ほとんど殲20に頼り切っている・・・がその殲20もF-35に比べればそれほどでもない戦闘機だ)

 

フォルク(勝るのは物量だな・・・・あちらの中国機の量は半端ではなさそうだ)

 

フォルク(中国空母2隻・・・・侮れないな)

 

続く



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第十章 第5護衛隊群VS「遠征102・103」

やはり対潜戦闘は最新型を持つあきづき型に任せるべきですな


4月27日

中国時間12時30分

北京

朝陽区朝陽門南大街2号

中国外交部(外務省)

 

程「お待たせしました、酒井大使」

 

程「おや、駐在武官の方もご来訪とは穏やかではありませんな」

 

中国外交部副部長

程朝旭

 

酒井「穏やかではないのは貴国の方ではありませんか」

 

在中国特命全権大使

酒井彰

 

程「当方はこれまでの主張を行動に移したまでです」

 

酒井「ほう・・・・貴方方が領有を主張していない与那国島、多良間島が中国軍によって占領されている事実をどう釈明されるのか?」

 

程「それは戦術上の問題で国防部の意見を聞いてみなければわかりませんな」

 

酒井「ならばなぜこの席に国防部の関係者が出席していないのはなぜか?」

 

程「本日は外交交渉ということで外交部の人間が出席しているわけです」

 

酒井(このことを話しても埒が明かんようだな)

 

酒井「では本題に入りますが」

 

酒井「昨日の政府声明において、占領している多良間、与那国を占領しているが速やかに日本側に引き渡す用意があると明言している、その手順を話し合いたい」

 

程「世界に発信したように我が政府は占領した2つの島を日本側に速やかに引き渡す用意があります、しかしその前にこの交渉で明確にしておかなければならないのは」

 

程「魚釣島(ティアオユータオ)は中国固有の領土だという歴史的事実です

 

程「日本側がその事実を認めるならば、今日にでも軍を撤退させ引き渡します」

 

酒井「・・・・魚釣島を含む尖閣諸島は、中国が領有権を主張し始めるはるか以前」

 

酒井「中国が領有権を主張し始めるはるか以前の1800年代から日本の領土であり」

 

酒井「中国の主張は根拠が全くありません」

 

程「どうやら大使閣下は現状を理解できていないようですな」

 

参事官「中国は沖縄を中国領と考えているのか?」

 

参事官「明言してもらいたい」

 

程「よろしい。我が国は琉球と歴史的に親密な関係にありますが、現在のところ琉球は日本の領土と考えています」

 

酒井「であるならば、中国軍は我が日本の沖縄県内である与那国島、多良間島を不法に侵略し占領していることを認める・・・・と?」

 

程「現状はそうであるかもしれないが、人民解放軍の作戦結果であり、短期的なものに終わるでしょう」

 

程「我が政府は与那国島、多良間島を引き渡すつもりですが・・・そのためにも日本は魚釣島(ティアオユータオ)を我が国の領土であることを認めるべきである」

 

酒井「それは認められない・・・・」

 

酒井「あなた方は占領した2島を引き渡すかわりに国境の現状変更を強要しているということか!?」

 

程「我が国は法律に明記されている領土の実効支配を目指しているだけです」

 

程「ですから、2島引き渡しのために本日こうして交渉しているのです」

 

程「ただ先程、人民解放軍情報部おり連絡がありました」

 

程「すでにあなた方もご存知であると思われますが」

 

程「貴国と我が海軍の大規模な空戦があったとのことです」

 

程「結果がどうあれ、貴国の出方次第では今後の交渉が難航するのではと・・・危惧するところです」

 

酒井「・・・・・・・・」

 

 

同日

日本時間13時50分

総理官邸

 

国土交通大臣「交渉に応じる用意があると世界に発信しておきながら、これは交渉に臨む態度ではありません!」

 

総務大臣「一方的な宣言にすぎない!」

 

垂水「予想はしていたが、やはり平行線か・・・・」

 

外務大臣「ですが総理!中国の本音が引き出せました!」

 

外務大臣「一歩前進かと!」

 

垂水「外務省には引き続き交渉を粘り強くお願いしたい」

 

外務大臣「はっ!」

 

 

 

 

 

通信「北緯24.30、東経130.24の洋上!中国軍パイロットを一名救助!」

 

通信「収容し帰艦します!」

 

砲雷長「群司令、中国軍パイロットを一名ですが救助です!」

 

涌井「おかしいものだな・・・」

 

涌井「体に血が流れているのを実感した、そんな気分だ」

 

涌井「よく脱出してくれた・・・・」

 

艦橋員「副長、やりましたね!捜索を粘った甲斐がありました!」

 

新波「・・・艦橋よりCIC、秋津艦長」

 

秋津「秋津だ」

 

新波「艦長、スピーカーを切ってヘッドセットでお願いします」

 

秋津「わかった」

 

ヘッドセットをつける秋津

 

秋津「聞こう・・・」

 

新波「救助した中国軍パイロットは法的に捕虜となります」

 

新波「捕虜となれば、国際赤十字が身柄照合を求めてきます。いずれ佐世保か呉、横須賀に送ることになります」

 

新波「それまでの仮収容は旗艦「いぶき」だと思います、が中国軍パイロットの眼に本艦内部を触れさせることは避けなければなりません」

 

秋津「当然だな」

 

新波「従って、仮収容はDD-118「ふゆづき」に指示したいと思いますが、許可を」

 

秋津「その判断に任せる!」

 

新波「は!」

 

 

潜水艦「たつなみ」

 

通信員「通信受領、アンテナ収容します!」

 

深町「針路2-8-5、速力そのまま!深度500!」

 

深町「メインタンクブロー!ダウントリム10度!」

 

速水「深度500につけ!」

 

 

 

通信員「深町二佐、朗報です!」

 

02:00

中国軍パイロット一名救助

DD「ふゆづき」に収容

 

速水「自衛隊にとって捕虜第一号・・・歴史に刻まれますね」

 

深町「ふん、次は何だ?」

 

中国時間

01:30

北京において中国外交部との交渉が開始された

今後の交渉に影響する戦闘は極力回避されたし

 

速水「!?」

 

深町「防衛出動がかかっても戦うなと来たか・・・・何を言っているんだか」

 

深町「だがどうやら・・・・回避しろと言ってるようだがやるなとは言ってないようだ」

 

速水「やるつもりですか!?」

 

深町「相手がやればな」

 

 

 

深町「おいソナー、現場はラッシュか?」

 

南波「ラッシュどころじゃありませんぜ、艦長」

 

南波「米、露だけではなくて韓国、台湾」

 

南波「さらにベトナム、オーストラリア!北朝鮮も!」

 

南波「どの艦も機関停止で聞き耳を立てています!」

 

深町「情報収集に熱心に・・・・ご苦労さんと言いたいな」

 

ソナー手「10時の方向、距離5000、深度400」

 

ソナー手「僚艦も探知です」

 

深町「こりゃパトロールの「せとしお」か?」

 

深町「加瀬一佐がここまで出っ張るとは熱心なこった」

 

深町「いいか!ここは琉球海溝の近くだ、そこまでの間に決着をつけてくるはずだ」

 

深町「よく見張っとけ!」

 

南波「艦長、そんなこと言ってる間に来ました!」

 

深町「なんだ?潜水艦か?」

 

南波「ビンゴです。ノイズ照合の結果、中国潜「元級」遠征103号です!」

 

南波「鳥島沖で我々に挑んだあいつです!」

 

ソナー手「方位3-2-0、距離12キロ!真っ直ぐ艦隊に向かいます!」

 

ソナー手「速力12ノット、深度500!」

 

ソナー手「艦隊との距離、13キロ!」

 

深町「1艦だけで特攻でもする気か?」

 

南波「おいおい・・・マジかよ!」

 

南波「魚雷発射管すでに注水!発射口は開口!」

 

深町「こいつは撃つぞ・・・・」

 

深町「魚雷発射用意!1番2番装填!データは前方の元級をインプット!」

 

速水「艦長、先程の通信が見えてなかったんですか!?」

 

深町「馬鹿野郎、これはあくまでも脅しだ!元級の目の前で自爆させる!」

 

通信『こちら魚雷発射管担当!魚雷発射準備できました!』

 

深町「1番2番魚雷・・・」

 

南波「待ってください!」

 

深町「なんだ!?」

 

南波「おいおい、マジかよ!・・・・元級、魚雷発射!」

 

南波「このコースは・・・・「いぶき」を狙っています!」

 

深町「なに!!」

 

深町「ならば魚雷を・・・・」

 

ソナー手「艦長!せとしおに動き!」

 

ソナー手「これは・・・・遠征103に直撃コースです!」

 

深町「なんだと!?」

 

 

護衛艦「いぶき」

 

ソナー手「元級の魚雷発射音確認!速力15ノットで接近中!」

 

ソナー手「魚雷2本、左舷10時の方向に接近!艦隊との距離8キロ!」

 

秋津「「いぶき」より全艦へ!対潜戦闘用意!」

 

秋津「全力で魚雷回避せよ!」

 

新波「魚雷に正対!取舵40度!」

 

艦橋員「取舵40°!」

 

 

秋津「「いぶき」より「ふゆづき」瀬戸艦長へ、魚雷への対抗策を!」

 

瀬戸「了解!」

 

瀬戸(最新鋭の汎用護衛艦がいる艦隊に対潜戦闘挑むとは物好きなこった・・・)

 

瀬戸「ジャマー投下!」

 

魚雷員「ジャマー投下!」

 

投射型静止式ジャマー

あきづき型にて初採用になった新たな対潜防御兵器

敵の魚雷が近づくとFAJと呼ばれるものを海面に発射し

発射されたFAJは海面を浮遊しながら妨害音を発し

敵の魚雷のセンサーを狂わせることができる

 

瀬戸「よし・・・・右舷デコイ発射」

 

魚雷員「右舷デコイ発射!」

 

自走式デコイ(MOD)

こちらもあきづき型にて初採用にとなった対潜防御兵器

FAJによりセンサーを狂わされた敵魚雷に向けて発射し誘爆を誘う

 

 

 

甲板員「「ふゆづき」デコイ発射!」

 

甲板員「2本敵魚雷に向けて航走中!」

 

新波(食いつけば向こうの魚雷は囮を追いかける・・・何秒か時間が稼げるはずだ)

 

 

 

南波「「遠征103」回避操艦!転舵しつつ、アップトリムです!」

 

南波「「せとしお」同方向に合わせアップトリム!」

 

ソナー手「コース変わらず!接触まで1分!」

 

深町「加瀬の野郎は横須賀からの指示をギリギリで守ろうとしてやがる・・・・・」

 

深町「各国の潜水艦が見てる中で派手にやるな・・・・」

 

南波「衝突します!」

 

深町「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

潜水艦「けんりゅう」

 

滝「エンジン音拾えるか?」

 

ソナー手「・・・・・エンジン音探知!「せとしお」「遠征103」ともに動いています!」

 

ソナー手「針路変わらず!」

 

滝(5メートルの深度差、おそらく「せとしお」は「遠征103号」のセールに乗り上げたようだ)

 

滝(両艦とも沈没はまぬがれたが・・・相当なダメージを・・・・)

 

滝(もはや潜水艦として使い物になるまい・・・・浮上して基地へ帰投するだろう)

 

ソナー手「両艦離れます!「遠征102」はアップトリム!」

 

ソナー手「浸水がある模様!浮上します!」

 

滝(「せとしお」は「いぶき」第5護衛隊群をこの「けんりゅう」と「たつなみ」に託し)

 

滝(海自潜水艦の技量、底力)

 

滝(そして・・・闘い方を見せた!)

 

 

 

 

護衛艦「いぶき」

 

ソナー手「魚雷、デコイに誘爆!どうやら誤認した模様!」

 

ソナー手「2本とも爆発した模様!」

 

涌井「よくやった・・・・訓練の成果だ!」

 

 

艦橋員「やりました!副長、これで魚雷はどんと来いですね!」

 

新波「10・・・・いや60本向かってきた時・・・・そう言えるかだな」

 

艦橋員「・・・・・」

 

 

 

水測員「艦長、探知した衝突音ですが「けんりゅう」ではなく「せとしお」です!」

 

水測員「「せとしお」が艦隊を守ろうと動いたものかと思われます!」

 

秋津「守ろうとしたのは我が艦隊だけではない」

 

秋津「交渉を壊す戦闘を回避せよとの・・・訓令もだ」

 

秋津「我が身を守る戦闘と戦争との間に明瞭な一線を引かんと・・・な」

 

秋津「だが中国潜はもう1艦いる・・・「遠征102号」と「103号」」

 

秋津「2艦は作戦行動を共にしていた。遠征102号は必ず」

 

秋津「近くに潜んでいる!」

 

 

対潜ヘリ<<「遠征103号」浮上します!>>

 

対潜ヘリ機長「見ろあの艦橋を・・・・あれでは潜航は無理だ」

 

涌井「そのまま見送れ」

 

対潜ヘリ機長「了解!」

 

続く



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第十一章 「やまと」

独立国家「やまと」乱入


潜水艦「たつなみ」

 

深町「「遠征102号」は必ず動くはずだ!」

 

深町「気をつけろ、こっちの位置はすでに探知されているはずだ」

 

深町「耳がぶっ壊れるくらいよく聞け!」

 

南波「は!」

 

ソナー手「・・・・きました!方位2-8-0、距離10000!」

 

深町「来たか!一番二番、データ変更!前方の遠征102をインプットしろ!距離制限!寸前で自爆させろ!」

 

南波「魚雷発射音探知!4本発射されました!」

 

南波「そのうちの2本こちらに向かってきます!残りの2本はけんりゅうに向かっています!」

 

深町「やはりな・・・・・3番4番デコイ装填!」

 

魚雷員『デコイ装填完了!』

 

深町「発射!」

 

「たつなみ」からデコイが発射される

 

南波「けんりゅうも魚雷発射!恐らくデコイでしょう」

 

深町「だろうな・・・・滝の野郎がすぐにドンパチやるほどの力は出さねえからな」

 

ソナー手「敵魚雷、デコイに引っかかり爆発しました!」

 

深町「よし、1番2番魚雷発射!」

 

 

中国海軍潜水艦

「遠征102号」

 

ソナー手「「たつなみ」の魚雷、こちらに向かっています!」

 

副長「艦長!到達まで3分です!」

 

艦長「撃ってきたか・・・・機関始動!魚雷回避を取れ!」

 

深町「機関始動、取舵20度、全速!」

 

 

 

潜水艦「けんりゅう」

 

ソナー手「エンジン音探知!102号が動きます!」

 

滝「あの野郎、マジで魚雷を撃ち込むつもりか!?」

 

ソナー手「命中まで、10!9!8!7!」

 

ソナー手「6!5!4!3!・・・!?」

 

ソナー手「魚雷、命中寸前で自爆!!」

 

滝「・・・・・・さすがに深町も通信の内容は呼んでいたか」

 

 

 

「遠征102」

 

艦長「・・・・揺れは収まったようだな」

 

副長「各担当、状況を報告せよ!」

 

通信『魚雷発射管室、異常なし!』

 

通信『機関、損傷ありません!』

 

通信『全区画目立った損傷はありません!』

 

艦長「当たるか当たらないか寸前で魚雷を自爆させたか・・・」

 

 

 

対潜ヘリ<<こちら『ふゆづき』艦載ヘリ、どうやら「たつなみ」が放った魚雷は「遠征102」の手前で自爆した模様!>>

 

秋津『いぶきCICよりヘリ部隊へ』

 

秋津『この音で「遠征102」をロストするな!捕捉次第対潜弾を投下せよ!』

 

対潜ヘリ<<では撃沈ですか?>>

 

秋津『いや、敵潜水艦後方200メートル範囲にばら撒け、威嚇で良い!』

 

秋津『当分は我々をマークできないよう、当海域から追い払う!』

 

対潜ヘリ<<了解!>>

 

 

対潜ヘリ<<「遠征102号」後方200メートル範囲、全機対潜爆弾投下!>>

 

対潜ヘリ<<撃てっ!>>

 

 

潜水艦「遠征102号」

 

ソナー手「対潜弾来ます!」

 

ソナー手「艦後方200!」

 

一斉に爆発する対潜爆弾

 

魚雷員「うわっ!」ゴンッ

 

艦長「潜航深度、600につけ!」

 

副長「艦長!600は耐圧限界深度ギリギリです!」

 

艦長「構わん!」

 

 

潜水艦「たつなみ」

 

南波「洋上は対潜弾攻撃を!」

 

深町「起爆深度が浅い・・・威嚇のようだ」

 

深町「一発で沈めちまえば良いのにな・・・・その方がスッキリする」

 

速水「・・・・・」

 

南波「・・・・・・・!?」

 

南波「なんだこれは・・・・」

 

速水「なんですか?」

 

南波「原子力潜水艦らしきエンジン音探知!」

 

南波「しかもこいつは・・・・・聞き覚えがある音です!」

 

深町「今すぐ照合しろ!」

 

南波「・・・・・おいおい嘘だろ!」

 

深町「早く言え!」

 

南波「驚かないでくださいよ、艦長!」

 

南波「「シーバット」です!」

 

深町「なんだと!?」

 

速水「聞き間違いじゃないのか?」

 

南波「何回照合しても一致します!」

 

深町「あの野郎・・・・・・来やがったか」

 

速水「しかし何故ここまで気が付かれずに・・・」

 

深町「「やまと」は最大1250mも潜れるはずだ、海の奥で俺達の戦いでも観戦してたんじゃねえのか?」

 

速水「規格外ですね・・・・」

 

 

 

ソナー手「間違いありません!識別信号からみてシーバット・・・「やまと」です!」

 

秋津「そのまま様子を見守れ」

 

ソナー手「は!」

 

涌井「・・・・こんな時に来るとな・・・」

 

 

 

シーバット級原子力潜水艦「シーバット」

現 独立国家「やまと」

 

山中「前方の潜水艦はどうやら元級のようです」

 

海江田「そのようだな・・・・「たつなみ」「けんりゅう」そして洋上の護衛艦とヘリ」

 

海江田「よくやってくれた、元自衛官として誇りに思う」

 

海江田「そして、ここからは我々の仕事だ。」

 

海江田「1番、2番発射用意!」

 

山中「1番、2番発射用意!」

 

海江田「発射!」

 

 

 

「遠征102」

 

ソナー手「魚雷発射確認!」

 

艦長「デコイ発射用意!」

 

ソナー手「駄目です!近すぎます!」

 

副長「マスカー用意!」

 

通信『マスカー用意!』

 

 

 

 

溝口「敵はマスカーを使用した模様です!ソナーからロスト!」

 

海江田「・・・・・」

 

 

 

ソナー手「魚雷こちらに接近中!」

 

副長「マスカーがある以上こちらに命中はしないだろう」

 

艦長「ああ」

 

ソナー手「!?魚雷コース変わらず!こちらに突っ込んできます!」

 

副長「なに!?」

 

艦長「まさか・・・」

 

副長「回避せよ!」

 

ソナー手「駄目です、間に合いません!」

 

 

 

 

 

 

 

溝口「・・・・艦体亀裂音確認、エンジン音損失確認」

 

溝口「撃沈です」

 

海江田「針路変更、3-9-0へ」

 

内海「了解」

 

 

 

南波「遠征102の撃沈を確認!」

 

速水「何故マスカーを使ったのに魚雷は・・・」

 

深町「マスカーは艦から出る音をシャットアウトするものだ」

 

深町「それでも魚雷が突っ込んできたのはそいつが無誘導魚雷だったってことさ」

 

速水「なるほど・・・」

 

深町「しかしまあ、俺達が沈めたなら一部マスコミ達は首相達を一斉に叩くが」

 

深町「この場合はどうなるんだか・・・・」

 

 

アメリカ・ニューヨーク

ACN本社

 

デミル「はいこちらACN社長のデミルですが・・・・・・ってマッケイじゃないか!」

 

デミル「どうだ、従軍記者は!いい絵が取れたのか?・・・・なに、違う話?」

 

デミル「なんだ?・・・・・・・なに!「やまと」との中継を!?」

 

デミル「もちろんだ!ACN全能力を使ってても隅から隅まで中継してみせる!」

 

デミル「ああ!わかった!」

 

ガチャ

 

秘書「しゃ、社長!?」

 

デミル「今すぐ全世界のネット局に伝えてろ!日本時間の明日の午前8時から中継を行うと!」

 

デミル「「やまと」からだ!」

 

デミル「ネット通信の用意もしてくれ!」

 

 

 

 

日本・東京

HNK

 

室岡「おい!大変だ!」

 

編成局長「なんですか室岡さん!」

 

室岡「ACNが午前8時から緊急中継を行うとのことです!」

 

編成局長「いつもの放送なら衛星放送のほうでやっているだろう?」

 

室岡「それが・・・・「やまと」関連の情報の模様で・・・」

 

編成局長「なに!?・・・・・俺が責任を取る!編成差し替えだ!」

 

編成員「は!?」

 

 

 

4月27日

19時30分

総理官邸

 

垂水「・・・・・・海江田か・・・・」

 

沖「「やまと」は遠征102を撃沈後、姿をくらましました」

 

石渡「今更何をしようとしているんだ?」

 

垂水「わからんな・・・・」

 

部下「た、大変です!」

 

石渡「何事かね!?」

 

部下「明日の8時よりACNが「やまと」から中継する模様です!」

 

石渡「なに!?」

 

部下「HNKもネット受けし、動画サイトも配信するとのことです!」

 

垂水「・・・・・」

 

 

 

一の瀬「おいおい、「魔王」がこんな時に復活するとはな・・・・」

 

一の瀬「こりゃ明日は波乱になるな・・・・・」

 

 

 

アナウンサー『先程、海上自衛隊第5護衛隊群と中国側潜水艦が交戦寸前に追い込まれた模様ですが』

 

アナウンサー『突如現れた「やまと」により中国側の潜水艦が撃沈された模様です』

 

アナウンサー『やお「やまと」は護衛艦の探知を潜り抜け姿を消しました』

 

男「「やまと」?・・・・嘘だろ」

 

 

 

 

4月27日

午後8時30分

横須賀

自衛艦隊司令部

 

部下「水谷司令官、入ります!」

 

隊員「敬、礼!」

 

水谷「「いぶき」第5護衛隊群の目標海域到達により、我々の作戦決行も秒読みにはいった!」

 

水谷「これより各部隊作戦の最終確認を行う!」

 

水谷敬吾

自衛隊艦隊司令官

階級 海将

JTF(陸海空統合任務部隊)の司令官を担当する

 

水谷「占領されている多良間、与那国両島の中国軍排除及び奪還、そして尖閣諸島の中国軍も排除し原状回復というのが作戦目的であるが」

 

水谷「日中の全面対決、すなわち・・・戦争状態に突入することだけは回避しなければならない・・・」

 

水谷「これが自衛隊最高司令官である垂水総理からの指示である」

 

水谷「しかし統合任務部隊としては、あらゆる可能性を考慮しながら」

 

水谷「先島諸島の武力奪還を前提に作戦を構築する!」

 

「ハッ!」

 

沖村「まず現在の状況を確認を」

 

防衛省情報本部情報官

沖村聡志

階級 二佐

 

沖村「中国側の妨害を突破した第5護衛隊群は目標海域に達し、今後航空優勢確保が期待できます」

 

沖村「一方で中国軍は現在、尖閣諸島南小島にヘリポートを建設し、魚釣島、与那国島、多良間島には対空ミサイルや空挺戦車が搬入されており、一刻を争う緊急対応が必要となっています」

 

水谷「作戦第一段階、第5護衛隊群とそれを支援する第2護衛隊群、第4護衛隊群の連携が重要となるな」

 

沼田「はい、すでに我が第2護衛隊群は佐世保を出航し、現在那覇に向かっています」

 

沼田徳治

第2護衛隊群司令

階級 海将補

 

沼田「私もこの会議が終わり次第那覇に向かいます」

 

第4護衛隊群司令「我が第4護衛隊群も呉を出航し、那覇に向かっています」

 

第4護衛隊群司令「そして第2護衛隊群との調整も含む最終調整を行い、海上優勢確保に備えます」

 

水陸機動団団長「続いて第二段階ですが同時進行ながら別個の独立作戦となります!」

 

水陸機動団団長「まず多良間島攻略ですが、多良間島は海岸の大半が砂浜であるため」

 

水陸機動団団長「わが水陸機動団は2個連隊を投入、上陸の際には同時に海自の揚陸艦、護衛艦のサポートが不可欠です」

 

特殊作戦群群長「次に断崖絶壁に囲まれた与那国島の攻略は、我が特殊作戦群2個中隊が先陣としてパラシュートで投下」

 

特殊作戦群群長「橋頭堡を築いた後、主力の第1空挺団の降下を待って、領土解放作戦に移ります」

 

水谷「両島攻略は戦闘が予想されているが、隊員の損耗率は?」

 

特殊作戦群群長「作戦の難度から考えて5%ほどかと見積もっています」

 

南西航空方面隊司令「那覇の第9航空団は主力を下地島空港に前線配備し作戦に備えます」

 

南西航空方面隊司令「なお西部航空方面隊の第8航空団一部と中部航空方面隊の第7航空団の一部も応援としてこちらに配備されます」

 

水谷「明日の北京交渉の結果次第で、直ちに作戦発動される可能性もある」

 

水谷「諸君らも全力をあげ作戦計画を、万全なものとすることをお願いする」

 

水谷「今後予想される中国軍の増援増派にも我々は対応せねばならない」

 

水谷「いまだにこの侵攻作戦の中国側の真意は掴めてはおらん」

 

水谷「だが我々が日本を守るそのことに変わりはない!たとえ中国がどう出てこようとだ!」

 

 

護衛艦「いぶき」

 

通信員「涌井群司令、横須賀より入電です」

 

涌井「・・・・・艦隊は宮古との距離200キロを維持せよ・・・だ」

 

秋津「明日の北京交渉の結果が出るまで、島に近づくなということですね」

 

涌井「うむ・・・まあこの海域を遊弋して中国軍にプレッシャーをかけろということだ」

 

秋津「・・・・群司令、収容している中国人パイロットは近日中に那覇に移送することになるでしょう」

 

秋津「その前に個人的に接見しておきたいのですが」

 

涌井「尋問ではなく、個人的にか?」

 

秋津「はい、中国人パイロットの生の声を聞いてみたいのです」

 

涌井「良かろう、許可する」

 

秋津「了解です・・・あともう一つお願いですが・・・」

 

涌井「何かね?」

 

秋津「ラリーフォルク・・・・彼の同行もお願いできますかね?」

 

涌井「まあよかろう、許可する」

 

秋津「は!・・・「ふゆづき」に連絡、ヘリを用意!」

 

 

 

護衛艦「ふゆづき」

 

フォルク「ヘリコプターは慣れないな・・・・」

 

フォルク「秋津一佐、なぜ俺まで同行しなければならないんだ?」

 

秋津「君も中国人パイロットに興味があると思ってね」

 

フォルク「確かに俺もロシア人やドイツ人、フランス人のパイロットとはよく知り合ったが中国人だけは知らなかったな・・・」

 

瀬戸「ご苦労さんです、秋津一佐、フォルク一尉」

 

秋津「出迎え感謝する」

 

瀬戸「いやあ、捕虜はなかなかジェントルな好青年です」

 

瀬戸「フォルク一尉ほどではないですが・・・」

 

フォルク「さっさと案内してくれ」

 

瀬戸「は、はい」

 

 

 

隊員「・・・・・ジュネーブ第3条約第17条第1項において、捕虜は氏名、階級、年齢、連隊番号、個人番号は答えねばならないが、それ以外のことは答える義務はない・・・と」

 

秋津「いいだろう、「いぶき」艦長秋津一佐だ」

 

フォルク「第9航空団ガルム小隊所属、ラリー・フォルク一尉だ」

 

姜「姜 暁岩(ジァン・シァオヤン)少校(シャオシァオ)

 

姜「30歳(サンスースイ)

 

秋津「中国語以外で喋れるかな?」

 

秋津「私はロシア語ならできるのだが」

 

フォルク「俺もロシア語ならできる・・・どうだ?」

 

姜「・・・・」

 

姜「私の父は長くロシアに留学していました」

 

秋津「ほう・・・」

 

フォルク「そのロシア語はお前の父からなのか?」

 

姜「はい」

 

秋津「・・・・姜さん、あなたのように空母艦載機の搭乗員となれば中国軍パイロットの中でも」

 

秋津「飛行時間1000時間を超えたエリート中のエリートのはずだが・・・我が隊との空戦ではとてもそうは思えなかった」

 

フォルク「ああ、ひよっこの中のひよっこ・・・だな」

 

姜「厳しい発言ですね、流石戦場を渡り歩いてきた「円卓の鬼神」の相棒「片羽の妖精」です」

 

フォルク「有名だな・・・俺と相棒は」

 

姜「ええ、パイロットとして教育される時、「円卓の鬼神」「片羽の妖精」「リボン付きの悪魔」「ラーズグリーズの悪魔」「神鳥ガルーダ」「死神」としてその知識を教え込まれましたから」

 

姜「知識を教え込まれても・・・対応できませんでしたが」

 

フォルク「当たり前だ、知識だけで対応できるわけがない」

 

フォルク「結局は腕だ」

 

姜「・・・・・」

 

秋津「ああ、搭乗機の性能差があったとは言え数的優勢を生かせなかった」

 

秋津「私は中国空軍のパイロットを知っているが、彼と比べたら残念ながら海軍パイロットは未熟と言わざるを得ない」

 

姜「だが・・・空軍のパイロットは空母に着艦も発艦もできません」

 

姜「これからの中国軍主力は陸軍でも空軍でもありません」

 

姜「これまで陸空から下と見られきたわが海軍がリードしなければ中国の躍進は望めません」

 

姜「そのために海軍航空隊はその使命に応えられる気力も技量も備えています」

 

フォルク「結局は陸空軍を下にしたいという欲望じゃねえのか?」

 

姜「そう言ってくれても構いません、いずれそうなるんですから」

 

秋津「なるほど・・・・こうして話が出来てよかった。私は忘れないよ姜少佐」

 

フォルク「やはり空を飛ぶやつらはどこも変わらないようだな・・・」

 

姜「日本空軍きってエースパイロット、そして空軍出身の空母艦長の秋津大佐」

 

姜「そして円卓の鬼神の相棒「片羽の妖精」のガルム2、ラリーフォルク大尉」

 

姜「お目にかかれて光栄でした」

 

姜「救助していただいたことを感謝します」

 

姜「ですが、私も忘れません。僚機が7機撃墜されたことも」

 

姜「あなた方のパイロットのことも!」

 

秋津「・・・・」

 

 

 

 

横須賀

自衛艦隊司令部

 

沖村(喜界島からの報告・・・これはやはり!)

 

沖村(内容は分からないが・・・)

 

沖村(元麻布の中国大使館と空母「広東」「天津」の交信・・・)

 

沖村(北京を経由しない直接交信をしかも何回も・・・)

 

沖村(こんなことは今までなかった!)

 

沖村(中国海軍に・・・何か起こっている!)

 

続く

 



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第十二章 交渉

「やまと」がかき回します



日本時間

4月28日午前7時55分

アメリカ東部時間

4月27日午後5時55分

 

オペレーター「各ACN系列局及び一部の他系列局のネット確認!」

 

オペレーター「ネット配信、全世界配置完了!検閲も突破できるように裏回線も開いておきました!」

 

オペレーター「パンクしないようにメイン回線の容量も強化、サブ回線の容量も強化しておきました!」

 

デミル「あと5分!さあ久しぶりに海江田がテレビに現れる・・・か?」

 

オペレーター「社長!マッケイ氏から電話です!」

 

デミル「はいこちらデミル!そっちの準備は?」

 

マッケイ『OKです!社長!こんなことあれ以来久しぶりです!』

 

フォス『おう!こっちも問題ない!「海江田」の準備も完了している!』

 

デミル「よしわかった!頼むぞ!」ガチャ

 

オペレーター「社長、中国大使館より連絡です!即刻放送を中止せよと」

 

デミル「馬鹿めと言っておけ!マスメディアは権力には屈しないともな!」

 

デミル「放送の最終確認を急げ!」

 

オペレーター「放送データ入力確認!」

 

デミル「よし、感度良好だな」

 

 

午前8時

東京

スクランブル交差点

 

男「おい、始まったぞ!」

 

マッケイ「全世界の皆さんどうも、ACNリポーターのマッケイです」

 

マッケイ「早速「やまと」元首の海江田四郎をお呼びしたいと思います、どうぞ!」

 

海江田「・・・・・」

 

「か、海江田だ!生きてるぞ!」

「蘇ってきたのか?」

「でもこんな時に一体なにを!?」

 

海江田「「やまと」元首の海江田四郎です、中継に協力してくれたACN社長のデミル氏に感謝する」

 

海江田「早速本題に入りたいと思う」

 

海江田「知っての通り我が「やまと」と「日本」は同盟関係である」

 

海江田「そしてその同盟先の「日本」が現在中国軍により尖閣諸島、与那国島、多良間島が占領されていることはすでに知っているだろう」

 

海江田「わが独立国家「やまと」は極東の島国「日本」と強い絆で結ばれている」

 

海江田「そのため、「日本」が危機に晒された時、我々は「義務」を果たすつもりである」

 

垂水「・・・・・」

 

海江田「だが両国の言い分も聞かずに戦うつもりではない」

 

海江田「そのため我々をこの後行われる第二回北京交渉に参加させてほしい」

 

石渡「!?」

 

「海江田が北京交渉に参加するだと!?」

「二国の外交に口をだすつもりか!?」

 

垂水「・・・・・・」

 

海江田「両国の返答を待っている・・・・以上だ」

 

ガヤガヤガヤガヤ

 

石渡「総理!あんな我が国を混乱させた輩に・・・・」

 

垂水「・・・・いや受け入れよう」

 

石渡「何故です!?」

 

垂水「懸けてみようじゃないか・・・・・海江田に」

 

垂水「政権が数代変わったとは言え締結した同盟関係は継続中だ、同盟国からの申し出を断る理由があるのか?」

 

石渡「いえ・・・・」

 

垂水「早速通告してくれ」

 

外務大臣「はっ!」

 

 

 

 

山中「艦長、通信届きました」

 

山中「「北京交渉参加を許可する、日本外務省」です」

 

内海「こちらも届きました」

 

内海「「北京交渉参加、受け入れる、中国外交部」です」

 

海江田「日本は必ず受け入れると思ったが、中国まで受け入れるとはな・・・・」

 

山中「よほど自信がある模様です」

 

マッケイ「ACNのヘリと車が用意できました!向かってください!」

 

海江田「了解した」

 

 

 

 

中国時間12時

北京

中国外交部

 

海江田「独立国家「やまと」元首兼艦長の海江田だ」

 

山中「独立国家「やまと」副長の山中です」

 

程「中国外交部副部長の程朝旭(チェン・チャオシュ)です。どうも」

 

海江田「ああ、よろしく頼む」

 

海江田「・・・・・・どうやら国防部・・人民解放軍の人が見えないのだが?」

 

程「外交については外交部が解決する・・・ただそれだけです」

 

海江田「そうですか・・・・」

 

程「では本題に入らせていただきます」

 

程「酒井大使、我々の申し上げることは前回と何一つ変わりません」

 

酒井「程副部長、こちらは1つ報告があります」

 

酒井「先日の航空戦闘で撃墜した貴国の戦闘機の搭乗員を我が方で一人救助しました」

 

酒井「現在、護衛艦に収容しておりますが、怪我はないとの報告です」

 

酒井「ご希望とあらば早急に身柄引き渡しの便宜を図ることも可能です」

 

程「・・・・ご配慮心より感謝いたします」

 

程「ですが、捕虜の扱いは国際協定に基いて然るべく対応していただければよろしいかと」

 

程「・・・・・酒井大使、貴国は態度を硬化させておるように見受けられますが・・・」

 

程「我々の主張は変わりません、魚釣島(ティアオユータオ)は我が国固有の領土であり」

 

程「それを認めない限り、占領している多良間、与那国の返還はありません」

 

海江田「・・・・・同じようなことを繰り返して言っているようですな程副部長」

 

程「同じ主張ですから、当然です」

 

海江田「私にはただの時間稼ぎにしか聞こえないが・・・・」

 

程「時間稼ぎしているのは日本政府です」

 

海江田「ほう・・・・・・・」

 

程「とにかく主張を受け入れないのであればお帰り願いたい」

 

海江田「では私「やまと」からも通告させてもらおう」

 

海江田「日本政府の主張を受け入れず尖閣諸島、与那国島、多良間島の占領を続けるのであれば」

 

海江田「同盟国「やまと」は中国に対し武力行使をする!」

 

 

日本時間13時30分

東京総理官邸

 

北京からの報告を受け、国家安全保障会議9大臣会合が開かれた

 

垂水「・・・第二回会合は決裂したか・・・」

 

石渡「海江田が一発言ってくれたようですな」

 

石渡「・・・・・武力奪還ですか?」

 

そして垂水は決断する。

 

垂水「・・・・・・・・多良間・与那国、尖閣諸島の武力奪還を決定する!」

 

垂水「なおこの作戦は同盟国「やまと」との共同作戦とする!」

 

垂水「沖防衛大臣、しかるべき措置を」

 

垂水「あと「やまと」とのコンタクトを!」

 

沖「は!」

 

 

午後2時30分

防衛省において関係者全員参加の幹部会議が開かれ

その後、直ちに山地統合幕僚長からの命令が総合任務部隊に伝達された

そして・・・・・

 

沖「総理、横須賀JTF司令官、水谷海将です」

 

垂水「ご苦労、垂水だ」

 

水谷『総合任務部隊司令官、水谷です』

 

水谷『作戦に向け、陸海空一丸となって対処します』

 

水谷『なお本作戦を「はやぶさ」と命名します』

 

垂水「はやぶさ・・・・「ファルコン」か」

 

垂水「隼は我が身より大きな鳥にも立ち向かうと聞く、旧軍の航空機にも使われた名前だ」

 

垂水「鷹狩りにも使用される猛禽類だな」

 

垂水「水谷司令、初の実戦部隊の統合運用は大変だろうが」

 

垂水「期待している」

 

水谷『は!』

 

垂水「あと「やまと」は?」

 

水谷『「やまと」とコンタクトに成功しました、那覇港で補給するとのことです!』

 

垂水「了解した」

 

 

 

アナウンサー『本日16時、石渡官房長官は会見に臨み』

 

アナウンサー『第二回北京交渉が不調に終わったことを受け、次回交渉への希望は捨てないが』

 

アナウンサー『国民各位には動揺することなく政府を信じて冷静に行動するように呼びかけました!』

 

アナウンサー『なお沖縄那覇の自衛隊の動きに対しては、適切な対応と説明しました!』

 

 

名無しさん「これやっぱ戦争じゃねえか!」

名無しさん「日中戦争・・・?」

名無しさん「早く買いだめしないと・・・」

名無しさん「海江田がいるから問題はない!」

名無しさん「コミケまでに生きれるのかな・・・・」

名無しさん「「やまと」が粉砕してくれるわ!」

 

一の瀬「ネットの反応がすげえな・・・・というより混沌というか・・・」

 

ドライバー「一の瀬さん、どうにも動きません」

 

ラジオ『首都高、圏央道、外環道は全て渋滞となっております、また東名、中央道、関越道、東北道なども渋滞しています』

 

一の瀬「はーっしゃあねえ、次のICで降りてくれ」

 

ドライバー「わかりました」

 

 

5時

宮古島より南東200キロ

 

秋津「横須賀JTFよりわが「いぶき」に命令が下った」

 

秋津「先島諸島空域の航空優勢を確保せよ・・だ」

 

秋津「当然、中国空母からの攻撃が予想される」

 

秋津「子度は12機ほどでは済むまい、20・・・いや30は覚悟せねばなるまい」

 

秋津「我々には厳しい戦闘になる」

 

秋津「だがこれだけは心してくれ」

 

秋津「ここで我々が負けたら、日本が負ける」

 

一同「は!」

 

 

管制「スパロウ、ビーコック、ガルム両飛行隊は発艦準備を急げ!」

 

スパロウ1<<スパロウ隊一番機から管制へ、発艦準備よし!>>

 

淵上「管制よりスパロウ1番機へ、いいか!吉報しか待たんぞ!」

 

スパロウ1<<オールクリア!発艦>>

 

続く

 

 

 

 

 



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第十三章 空戦

うん、多良間、与那国への上陸のところで完全に原作と分岐するかも・・・


20XY年

4月28日

18時

オペレーション「はやぶさ」始動

 

電測員「スパロウ、ビーコック、ガルム、全機発艦!」

 

電測員「高度3000で編隊を組み、方位2-8-5へ向かいます!」

 

池谷(カラスではなく・・・フクロウを潰せ・・・か)

 

 

 

18時30分

沖縄那覇港

 

アナウンサー「只今、埠頭係留中の海上自衛隊輸送艦二隻に動きがありました!」

 

アナウンサー「「しもきた」「くにさき」の二隻は静かに埠頭を離れようとしています!」

 

アナウンサー「この動きが何らかの作戦の発動によるものかどうかは分かりません!」

 

アナウンサー「現在、那覇海域で第2、第4護衛隊群が展開しており」

 

アナウンサー「この2隻の新たな動きが、合流を目指したものか、又は独自の動きかは今のところ不明です!」

 

 

 

18時45分

多良間島上空8000メートル

 

中国艦載機パイロット<<!!>>

 

中国艦載機パイロット<<いぶきから上がったF-35!?小鳥としか認識できん!>>

 

中国艦載機パイロット<<我々の南をすり抜けた!どうやら多良間上空は回避か・・・>>

 

中国艦載機パイロット<<我々との戦闘ではないとしたら・・・一体何だ?>>

 

中国艦載機<<追え!逃がすな!>>

 

 

 

電測員「スパロウ、ビーコック、ガルム隊予定コースに侵入!」

 

電測員「現在多良間島南西150キロ!」

 

電測員「パトロール中の中国機6機が捕捉!追撃態勢に入った!」

 

秋津(池谷三佐、カラスは相手にするな)

 

秋津(貴官の獲物はその先の高空だ!)

 

 

池谷(コンタクト!いたぞ、フクロウ「空警500」だ!)

 

池谷(尖閣諸島北西50キロ!高度1万メートル!)

 

池谷(現在反時計回りで周回機動中!)

 

池谷(いけ!)

 

サインを送る池谷

 

ガルム2<<・・・・・>>

 

・・・・・・・・・・・・・・

池谷「我々に先制攻撃をやれと?」

 

秋津「そうだ、先島諸島上空は「広東」艦載機の殲20が警戒飛行中だ」

 

秋津「その殲20を背後から操ってるのが、中国空軍早期警戒管制機「空警500」だ」

 

秋津「空警500を潰さなければ沖縄から与那国までレーダー監視下におかれ、我々は身動きが取れない状態となる」

 

池谷「ですがその空警500はデータでは乗員約20人・・・・」

 

池谷「そいつを先制攻撃でやれ・・・と?」

 

秋津「各機のウェポンベイには全て対空ミサイルを装填せよ」

 

池谷「我々は戦闘回避を第一に掲げ・・・」

 

池谷「皆、そのために戦いをここまで来たと思っています」

 

池谷「専守防衛を放棄するのですか?」

 

フォルク「・・・・一言いっていいか池谷三佐」

 

池谷「な、なんでしょうか?」

 

フォルク「今までは理想で空が飛べてたかもしれないが」

 

フォルク「コレは戦争だ」

 

フォルク「理想で空を飛ぶと死ぬぞ」

 

フォルク「以上だ」

 

池谷「・・・・・・・・」

 

 

 

池谷(ここでやらなきゃ・・・死ぬ!)

 

中国AWACS<<4時の方向!F-35接近!>>

 

中国AWACS<<ロックオンされた!>>

 

 

スパロウ1<<FOX2、fire!>>

 

 

中国AWACS<<ミサイル4基接近!距離20キロ!チャフ散開>>

 

中国AWACS<<ダメだ!間に合わん!>>

 

 

 

 

 

中国艦載機パイロット<<各機、ミサイル射程距離を確保!F-35を攻撃せよ!>>

 

中国艦載機パイロット<<!?エラー発生!>>

 

中国艦載機パイロット<<これは・・・データリンクが!>>

 

中国艦載機パイロット<<ブラックアウト・・・だと>>

 

中国艦載機パイロット<<AWACSがやられた!>>

 

スパロウ1<<こちらスパロウ1、目標撃墜を確認!>>

 

スパロウ1<<護衛機の動きに注意しろ!>>

 

ガルム2<<了解だ>>

 

スパロウ1<<護衛は4機の殲15!>>

 

池谷(どうした殲15!?レーダー能力などの全てスペックで殲20より劣る機だ)

 

池谷(そっちの護衛任務は解除されて、データリンクが使えない闇の中で戦うことはない!)

 

池谷(さっさと空母・・・・って戻るわけ無いか)

 

ガルム2<<俺は後ろ1機をやる、相棒はもう1機を、スパロウ1、2、3は前方を頼む!>>

 

スパロウ2<<了解!>>

 

スパロウ3<<了解>>

 

スパロウ1<<了解!>>

 

ガルム2<<FOX3!>>

 

ガルム1<<FOX3>>

 

中国艦載機パイロット<<ぐあ!主翼があああああああ!>>

 

中国艦載機パイロット<<エンジンに火が!落ちる!>>

 

池谷(流石、傭兵だ・・・・問答無用に撃墜している・・・)

 

池谷(やるしかないのか!)

 

 

スパロウ1<<FOX1、fire!>>

 

スパロウ2<<FOX1、fire!>>

 

 

中国艦載機パイロット<<ぐあああああああああああ!>>

 

中国艦載機パイロット<<ダメだ!だめだああああああああああ!>>

 

 

 

 

 

パイロット「スパロウ、ビーコック、ガルム隊が敵AWACSと護衛の4機、パトロールの3機を撃墜した!」

 

パイロット「残った中国機は空母に引き上げたということは・・・大勝利か?」

 

迫水「・・・・」

 

 

涌井「よくやってくれた・・だがな」

 

涌井「航空優勢は維持しなければ意味はない」

 

涌井「我が艦隊も宮古まで150キロに接近している」

 

涌井「Hアワーの明朝3時までは絶対に確保だ!」

 

淵上「は!」

 

通信員「早期警戒管制機からの報告!」

 

通信員「空母広東からの戦闘機全15機を捕捉しました!」

 

通信員「天津からの発艦はありません!」

 

淵上「数に物を言わせるつもりか?」

 

秋津「ターキー隊の発艦準備を!」

 

淵上「は!」

 

 

20時20分

宮古島東150キロ洋上

海上自衛隊第1輸送隊

おおすみ型輸送艦「しもきた」・「くにさき」

第2護衛隊群

はるな型ヘリコプター搭載護衛艦「はるな」(旗艦)

ゆきなみ型ヘリコプター搭載護衛艦「あすか」

ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦「いせ」

こんごう型ミサイル護衛艦「きりしま」

むらさめ型汎用護衛艦「はるさめ」

たかなみ型汎用護衛艦「たかなみ」・「おおなみ」

あさぎり型汎用護衛艦「あまぎり」

あきづき型汎用護衛艦「てるづき」

 

しもきた内

 

水陸機動団連隊長「上陸ポイント沖合到着は0230」

 

水陸機動団連隊長「あと六時間!」

 

水陸機動団連隊長(さすがに皆緊張で無口になっている・・・・・)

 

水陸機動団連隊長(今までの訓練どおりやってくれよ?)

 

水陸機動団連隊長(だが問題は上陸近く普天間港にある敵対艦ミサイル陣地・・・)

 

水陸機動団連隊長(これだけは上陸前になんとしても叩いてもらわんと・・・)

 

 

「はるな」内

 

沼田「航海長、現状の航路を維持せよ!」

 

航海長「了解!」

 

沼田「先行する第5護衛隊群に恥じぬよう、徹底的に対空・対潜見張りは厳とせよ!」

 

砲雷長「はっ!」

 

 

21時

那覇空港

 

航空自衛隊C-2輸送機

 

特殊作戦群隊員「離陸が0200、効果地点到達が0300」

 

特殊作戦群隊員「到達即与那国島への降下だ、忙しいな」

 

深掘「情報秘匿上窮屈だろうが、少しは眠っておけよ」

 

深堀進

特殊作戦群副群長

階級 二佐

 

特殊作戦群隊員「は!」

 

 

「いぶき」内

 

電測員「広東からの15機、接近中!スパロウ、ビーコック、ガルムとの距離あと1分で90キロに入ります!」

 

涌井「やはり真っ直ぐ来るか・・・」

 

涌井「失った空警500、そして護衛4機、パトロール3機・・・・甚大な損耗だ」

 

涌井「その仇を取らずにはおられぬか・・・」

 

秋津「だが感情的になっている今、相手はこちらに挑まないでしょう」

 

電測員「15機は5機編隊3隊に分離!進路変更!」

 

 

 

 

スパロウ1<<スパロウ1よりいぶきCICへ!向こうは戦闘を回避する模様!!>>

 

秋津「ああ、スパロウ隊、ガルム隊はターキー隊及び空自基地航空隊と交代せよ」

 

スパロウ1<<は!>>

 

 

池谷「ふう・・・・やはり理想では空は飛べないようですね」

 

フォルク「ああ・・・・俺も昔は理想でも空は飛べると信じていたが・・・」

 

フォルク「戦争を知ると・・・そんなことも思えなくなった」

 

池谷「・・・・・そういえば一尉の相棒さんは?」

 

フォルク「相棒はすぐに仮眠しちまった・・・昔っからそうだ」

 

フォルク「どんな戦いをしてもすぐに寝ちまうから」

 

池谷「そうですか・・・私も一眠りしてきます」

 

フォルク「ああ・・・」

 

 

21時50分

「いぶき」第5護衛隊群は宮古島まで80キロに迫った

 

続く



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第十四章 撃沈

覚悟を決め・・・戦場へ


数時間前

沖縄那覇港

 

補給士官「搭載兵器は89式魚雷、ハープーン、トマホークの各50基・・・」

 

山中「よろしくお願いします」

 

海江田「・・・・米軍は何も言ってこないか」

 

山中「はい、コメントもなにもしません」

 

海江田「・・・・軍事プロセスがアジアより後退したのは本当だったようだな・・・・」

 

内海「艦長、横須賀JTFからで」

 

内海「「補給次第、第5護衛隊群に合流せよ」とのこと」

 

海江田「了解したと伝えろ」

 

内海「は!」

 

 

22時

新波(中国北海艦隊旗艦空母「広東」は、15機による反撃の構えを崩さず)

 

新波(距離を保ちつつ、第5護衛隊群、空自基地航空隊にプレッシャーをかけ続けている)

 

新波(その状況下で我々自衛隊は第一目標である航空優勢を確保せねばならない)

 

新波(明朝0300決行の上陸作戦支援に向け、宮古・多良間沖へ向かっているが・・・)

 

新波(多良間島沖合に障害がある!中国海軍の洋上艦2隻)

 

新波(情報では依然パトロールを続行しているのだ)

 

通信『CICより艦橋へ、副長、涌井群司令がお呼びです』

 

通信『至急CICまで起こしください』

 

新波(来たか・・・・)

 

新波「船務長、ここを頼む」

 

船務長「は!」

 

新波(向こうはAWACSがやられレーダー機能が落ちているが哨戒活動活動をやめていない)

 

新波(戦闘意欲を保持したまま・・・どう対応するべきか)

 

新波(・・・・やはり)

 

新波(答えは1つしか無い!)

 

 

いぶきCIC

 

涌井「中国海軍のフリゲート、駆逐艦は、現在多良間島北20キロの沖合いにあり、15ノットの速力で東に向かっている」

 

涌井「航空優勢が危うくなったら離脱すると思ったが、海上には意地でも張り付かせておく気だ」

 

涌井「052A型駆逐艦「哈爾浜」と053H3型フリゲート「洛陽」」

 

涌井「両艦とも対艦ミサイル発射筒を2基ずつ備えておる、こいつが目障りでな」

 

涌井「本艦のF-35は空自の基地航空隊と共同でパトロール中のため手一杯だ」

 

涌井「第2護衛隊群の上陸作戦開始までには、この対艦ミサイルを無力化せねばならない」

 

涌井「どうする、新浪二佐」

 

新波(なにをするって・・決まっているじゃないですか)

 

新波(すでに「やまと」により我々は潜水艦を1隻沈めてるんです・・・取れる行動は・・・)

 

新波「わが方がとれる作戦としては・・・・」

 

新波「DDG「ちょうかい」「みらい」を先行させ同艦の対艦ミサイル「ハープーン」で撃沈すべきです!」

 

涌井「乗員と共に沈める・・・か」

 

新波「は!やむを得ないかと!」

 

新波「水陸機動団の多良間島上陸作戦にとって、最大の障害は同島及び哨戒艦の対艦ミサイルです!」

 

新波「これを潰さない限り作戦成功は望めません!」

 

涌井「だが新波二佐、我々の目標はその対艦ミサイルを無力化することであって」

 

涌井「撃沈ではない」

 

新波「無論、殺戮が目的ではありません」

 

新波「作戦遂行にあたり、上陸隊員のリスク・・・・」

 

ジリリリリッ

 

突然警報が鳴り響く

 

通信「早期警戒管制機より報告!」

 

涌井「何事だ!」

 

通信「こちらに艦隊が向かっています!駆逐艦2隻!フリゲート3隻!」

 

涌井「なんだと!?情報では哨戒中なのはフリゲートと駆逐艦の各一隻では」

 

通信「どうやら後方からやってきた模様です!」

 

通信「艦影からみて053H3型フリゲート1隻!054A型フリゲート2隻!052A型駆逐艦1隻!052D型駆逐艦1隻!」

 

涌井「全艦対空戦闘用意!」

 

4月28日

22時50分

053H3型フリゲート「洛陽」

054A型フリゲート「常州」・「益陽」

052A型駆逐艦「哈爾浜」

052D型駆逐艦「長沙」

この5隻が第5護衛隊群に戦いを挑んだ

 

22時55分

 

一の瀬「ふはあああああ・・・」

 

一の瀬「上陸作戦はいつごろになるのだか・・・・」

 

一の瀬「沢崎の野郎に・・・・聞いたって何になるんだか・・・」

 

一の瀬「結局載せられない・・・・利敵行為になりかねんからな」

 

一の瀬「腹減ったな・・・買いだめのカップメン食うか」

 

 

23時

宮古島北東

 

電測員「敵艦隊、依然こちらに向かっています!」

 

新波「艦長、先制攻撃を!」

 

涌井「・・・・・」

 

新波「艦長!」

 

秋津「・・・・・」

 

電測員「敵、対艦ミサイル発射!全部で5基です!」

 

涌井「対空ミサイル発射!」

 

 

菊池「SM-2攻撃初め!」

 

青梅「サルボー!」

 

梅津「・・・・・」

 

 

電測員「「ちょうかい」「みらい」「あたご」の対空ミサイル命中!撃ち漏らし無し!」

 

新波「対艦ミサイルで十分撃沈可能です!」

 

新波「やらなければやられます!」

 

涌井「・・・・・・・」

 

 

「たつなみ」

 

深町「上がドンパチやりはじめたか・・・・魚雷を撃ち込むぞ!」

 

速水「ま、待ってください!」

 

深町「上のやつらが根性無しなら俺らが撃ち込むしか無いだろ」

 

速水「ですが・・・・」

 

深町「一番二番魚雷発射用意!」

 

速水「もう知りませんよ・・・・」

 

 

「けんりゅう」

 

ソナー手「たつなみ、魚雷発射管開門!」

 

滝「こっちも魚雷発射だ!」

 

副長「や、やる気ですか!?」

 

滝「ああ!」

 

 

 

「いぶき」

 

水測員「!?「けんりゅう」「たつなみ」魚雷発射!」

 

水測員「敵艦に向かっています!」

 

涌井「なに!?」

 

新波「・・・・やらなければ・・・やられます」

 

秋津「・・・・・」

 

涌井(・・・・・・・・・)

 

涌井「覚悟を決めるしか、ないようだな」

 

涌井「全艦に次ぐ!対艦ミサイルの発射を許可する!」

 

新波「!」

 

秋津「・・・・」

 

 

榎本「ハープーン、発射用意よし!」

 

菊池「うちーかたはじめ!」

 

 

 

 

駆逐艦「長沙」

 

電探員「敵、対艦誘導弾発射!」

 

水測員「魚雷発射確認!」

 

砲雷長「魚雷にはデコイを、対艦ミサイルにはHQ-9対空ミサイル発射!」

 

 

 

空自下地島空港

 

管制「現在、第5護衛隊群が敵駆逐艦隊と交戦中!F-2Aの第2飛行隊はASM-2装備の上緊急発進し援護せよ!」

 

管制「繰り返す、緊急発進せよ!」

 

エコー1<<エコー1、テイクオフ>>

 

エコー3<<エコー3、テイクオフ>>

 

 

 

 

電測員「下地島空港より、F-2発進!」

 

秋津「・・・・・・覚悟を決めたようだな」

 

新波「第二波対艦ミサイル発射!」

 

エコー1<<ターゲット、敵フリゲート「常州」・「益陽」!>>

 

エコー1<<fire!>>

 

 

駆逐艦「長沙」

 

電測員「敵ミサイル発射!12!」

 

電測員「航空機からも発射されている模様!」

 

砲雷長「全て迎撃しろ!」

 

砲雷長「対空ミサイル発射!」

 

運用員「駄目です、全て迎撃しきれません!」

 

砲雷長「主砲発射用意!」

 

運用員「発射!」

 

砲雷長「CIWS、近SAM発射!」

 

運用員「発射!」

 

 

駆逐艦「哈爾浜」

 

運用員「対空ミサイル、底をつきました!」

 

運用員「これでは迎撃できません!」

 

砲雷長「主砲、CIWS、攻撃初め!」

 

運用員「駄目です!間に合いません!」

 

運用員「直撃します!」

 

砲雷長「!」

 

 

 

 

電測員「F-2搭載対艦ミサイル「哈爾浜」に命中!」

 

電測員「「ちょうかい」対艦ミサイル、「洛陽」に命中!」

 

電測員「「みらい」対艦ミサイル、「益陽」に命中!」

 

電測員「「さざなみ」対艦ミサイル、「常州」に命中!」

 

電測員「ともに撃沈!残り「長沙」!」

 

涌井「流石中国版イージスと言われる艦だ・・・・ミサイルを全て撃ち落としたか」

 

水測員「「たつなみ」、魚雷発射!」

 

涌井「・・・・・これで最後か・・・・」

 

 

水測員「魚雷発射確認!」

 

艦長「マスカー投下!回避せよ!」

 

水測員「了解!・・・・・・マスカー投下!」

 

マスカーを投下するが・・・・

 

水測員「駄目です!撹乱しません!」

 

砲雷長「なに!?」

 

水測員「命中します!」

 

艦長「・・・・ゴクリ」

 

 

 

 

電測員「「長沙」撃沈!」

 

通信「早期警戒機からの報告!多良間島から中国側の救難ヘリコプターの発進を確認!」

 

涌井「あちらさんが・・・・か」

 

涌井「戦闘止め!」

 

通信「戦闘止め!」

 

 

 

 

秋津「良かったですね、副長の作戦が結果的に成功して」

 

新波「・・・・・艦長はどう提案するつもりだったんですか?」

 

秋津「あのままパトロール艦がこちらに来なければ「ちょうかい」を先行させ艦砲射撃による無力化を考えていたのですが・・・こうなってしまったからには仕方がありません」

 

新波「・・・・・・そうですか」

 

 

 

「やまと」

 

溝口「・・・・中国艦隊、撃沈したようです」

 

海江田「銃を持っても撃てない国・・・・・それではなくなったようだな」

 

海江田「自衛隊も覚悟を決めた・・・・か」

 

海江田「我々も向かうぞ、機関始動」

 

山中「は!」

 

続く

 



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第十五章 地上攻撃

完全にシナリオ上別展開ですね
そして「やまと」第5護衛隊群に合流
沈黙の艦隊の「やまと」
ジパングの「みらい」
空母いぶきの「いぶき」
3つ揃った


水測員「ソナー探知!機関音確認!」

 

水測員「「やまと」です」

 

水測員「浮上してきます!」

 

新波「あれが「やまと」・・・・・」

 

通信員「「やまと」から通信!」

 

涌井「繋げ」

 

海江田『こちら「やまと」艦長の海江田四郎だ、日本政府からの要請により第5護衛隊群に加わることとなった』

 

涌井「第5護衛隊群群司令の涌井海将補だ、よろしく頼みたい」

 

海江田『ああ、新鋭空母の実力、見せてもらいたい』

 

 

 

 

会議室

 

次なる目標、多良間島の装備無力化のため艦長会議が始まった

「やまと」の海江田艦長も参加している

 

新波「次なる目標は多良間島の装備群です、これらを無力化しなければ水陸機動団が絶好の的となります」

 

新波「移動式地対艦ミサイルや同じく移動式の地対空ミサイルなどがあり、それらを全て破壊し水陸機動団を安全に上陸させないといけません」

 

新波「そのために、横須賀JTFからは「みらい」や「やまと」のトマホーク巡航ミサイル、F-35の対地ミサイル、基地航空隊のF-2のJDAMより遠距離からの対地攻撃を行うと作戦が来ました」

 

新波「なお「みらい」がトマホークを発射している間は対空が手薄となるので「ふゆづき」が僚艦防衛に付き、艦隊防空は「あたご」「ちょうかい」に委ねます」

 

新波「「やまと」もトマホーク発射中は「たつなみ」「けんりゅう」が援護します」

 

新波「第1段階としてF-35A/BによるAGM-88E AARGMによる対レーダーに攻撃し敵の目を潰します」

 

新波「その後第2段階で「みらい」「やまと」がトマホークを発射し大規模な施設を破壊します」

 

新波「第3段階ではF-2のJDAM、F-35のマーベリックミサイルによる対地攻撃で残った目標を破壊します」

 

新波「なにか質問はありますか?」

 

海江田「・・・・以外と大胆な作戦に出たな」

 

海江田「てっきり対艦ミサイルなどの無力化に留まると思ったが」

 

新波「・・・・・やらないとやられます」

 

海江田「そうか・・・」

 

秋津「・・・・・」

 

 

 

0時55分

下地島空港

 

管制「第303飛行隊、対レーダーミサイル装備の上発進せよ!」

 

アーチャー6<<アーチャー6、離陸!>>

 

アーチャー3<<アーチャー3、離陸!>>

 

次々とF-35Aが上がる

 

「いぶき」甲板上

 

航空管制「アルバトロス5、離陸!ガルム隊、離陸を許可する!」

 

ガルム1<<・・・・>>

 

航空管制「ガルム1、離陸!」

 

 

同時刻

東京

 

垂水(いよいよ地上攻撃・・・・・これが成功しなければ・・・負ける!)

 

垂水(そして・・・・全て無駄になる!)

 

 

 

 

 

1時

 

コスモアイ<<攻撃を許可する>>

 

ガルム2<<行くぞ、相棒!>>

 

ガルム1<<コクリ・・・FOX3>>

 

ガルム2<<FOX3!>>

 

アーチャー3<<FOX1、fire!>>

 

アーチャー5<<FOX1、fire!>>

 

コスモアイ<<これが当たるか・・・・・>>

 

 

 

 

多良間島レーダー施設

 

電測員「!?ミサイル接近!」

 

隊長「なに!?」

 

電測員「これは・・・・・・・!?レーダーミサイルです!」

 

電測員「こっちに向かってきます!」

 

隊長「た、退避!」

 

 

 

 

コスモアイ<<レーダー施設、全4破壊!>>

 

コスモアイ<<全機、退避せよ>>

 

ガルム2<<了解>>

 

 

 

中国軍隊員「レーダーがやられた!これじゃ何も見えん!」

 

中国軍隊長「対空・対艦迎撃戦、用意!」

 

 

コスモアイ<<フェイズ2、開始!>>

 

 

護衛艦「みらい」

 

青梅「GPSデータ、インプット完了!」

 

梅津「発射!」

 

菊池「・・・・トマホーク、攻撃初め!」

 

 

潜水艦「やまと」

 

山中「座標入力完了!」

 

海江田「VLS、トマホーク発射!」

 

 

 

中国軍兵士「な、なんだ!?」

 

中国軍兵士「こっちに巡航ミサイル!向かってきます!」

 

中国軍隊長「退避!退避せよ!」

 

 

コスモアイ<<トマホーク着弾、施設破壊確認!>>

 

コスモアイ<<フェイズ3、開始>>

 

ガルム2<<FOX3!FOX3!>>

 

アーチャー8<<FOX1!fire!>>

 

アルバトロス3<<FOX1、fire!>>

 

ブレイド3<<FOX1、fire!>>

 

クリア6<<FOX1、fire!>>

 

アサシン2<<JDAM、投下!>>

 

 

中国軍兵士「ぐああああああ!」

 

中国軍兵士「ダメだ!お終いだ!」

 

中国軍隊長「所定の場所に退避せよ!繰り返す!退避せよ!」

 

中国軍兵士「通信がイカれた!連絡取れん!」

 

 

 

コスモアイ<<施設破壊確認!>>

 

コスモアイ<<作戦成功、帰還せよ>>

 

ガルム2<<了解>>

 

 

コスモアイ<<フェイズ4、上陸作戦に移行開始>>

 

水陸機動団<<了解>>

 

 

 

 

3時

多良間島海域

 

コスモアイ<<「しもきた」「くにさき」よりエアクッション艇発進!>>

 

涌井「・・・・・・上陸部隊、頼むぞ」

 

 

 

同時刻

 

与那国島空域

 

機長「前方、与那国島距離20キロ!」

 

深掘「降下開始!」

 

隊員「降下!」

 

隊員「降下!」

 

特殊作戦群が降下する

 

 

島東部

宇良部岳東

 

深堀「よし、ついたな・・・偵察機からの報告では」

 

深堀「どうやら東崎に監視所を設けそこから指揮を取っている模様だ」

 

深堀「第1中隊は監視所の制圧、第2中隊はここで陣地を構えてくれ」

 

隊員「は!」

 

 

3時20分

多良間島

南海岸

 

上陸隊員「10式戦車、16式機動戦闘車、AAV準備よし!」

 

上陸隊長「第1中隊は製糖工場を制圧せよ!」

 

 

 

与那国島

 

中国軍兵士「ふー・・・・!?」バタン

 

特殊作戦群隊員「・・・・・・」

 

特殊作戦群隊員(・・・・兵士、ここに)

 

特殊作戦群隊員(了解)

 

 

中国兵士達「はあ・・・・・!?」

 

特殊作戦群隊員「・・・・・」

 

中国兵士「・・・・・ゴクリ」

 

銃を構える暇もなく捕まる

 

 

多良間島

製糖工場跡

 

水陸機動団小隊長「・・・・・・・・誰も居ないようだな」

 

水陸機動団隊員「はい」

 

水陸機動団隊員「・・・・・・戦場だな・・・」

 

 

水陸機動団小隊長「・・・・・」

 

中国兵士「・・・・・」

 

水陸機動団小隊長「そこにいる逃げた隊員を捕まえろ」

 

水陸機動団隊員「は!」

 

 

与那国島空域

 

ガルム2<<こちらボーンアロー2、地対空ミサイル、レーダー施設を確認した>>

 

コスモアイ<<全て破壊してくれ>>

 

ガルム2<<ガルム2、エンゲージ!>>

 

ガルム1<<FOX3>>

 

ガルム2<<FOX3!>>

 

対空ミサイル、レーダー施設を片っ端から潰していく

 

中国兵士「ぐああああああああ!」

 

中国兵士「み、ミサイルだ!」

 

中国兵士「レーダー!連絡ないのか!」

 

中国兵士「こっちもやられた!」

 

ガルム2<<これで最後だ!FOX3!>>

 

コスモアイ<<対空ミサイル、レーダー施設、破壊!>>

 

ガルム2<<あとは空挺団に任せるしか無いな>>

 

コスモアイ<<ガルム隊、帰還せよ>>

 

 

4時50分

 

空挺団隊員「降下6分前です!」

 

空挺団中隊長「1番機ーいくぞ!」

 

空挺団隊員達「おう!」

 

空挺団中隊長「いくぞ!」

 

空挺団隊員達「おう!」

 

空挺団中隊長「たてい!」

 

通信「アルト1番機、コースよし、コースよし、用意、用意」

 

通信「降下降下降下」

 

空挺団隊員「降下!」

 

第一空挺団、与那国に降下

 

深堀「来たか!」

 

ボーンアロー2<<すげえな・・・おい>>

 

コスモアイ<<!攻撃ヘリコプター、離陸確認!>>

 

コスモアイ<<障害になる!攻撃せよ!>>

 

ボーンアロー2<<隊長、いけ!>>

 

ボーンアロー1<<FOX3>>

 

ボーンアロー2<<FOX3!>>

 

中国攻撃ヘリ<<ぐああああああああああ!>>

 

中国攻撃ヘリ<<む、無理だ!>>

 

ボーンアロー2<<大したことねえな!>>

 

中国軍パイロット<<早く迎撃するぞ!>>

 

コスモアイ<<殲20、殲15、接近!>>

 

ボーンアロー2<<いくぞ!隊長!>>

 

 

 

 

空挺団隊員「中国軍03式戦車接近!」

 

空挺団隊員「撃て!」

 

パンツァーファウスト3により03式空挺戦車が破壊される

 

中国軍兵士「うわあああああああ!」

 

空挺団中隊長「第1隊は施設を占拠せよ!第2隊は捕虜の確保を!」

 

 

 

多良間島

 

水陸機動団中隊長「これで全員だな・・・」

 

水陸機動団隊員「は!」

 

水陸機動団中隊長「なんとか制圧できたな・・・・」

 

水陸機動団中隊長「だがどこかに潜んでいるかもしれん、徹底的に探せ!」

 

水陸機動団隊員「は!」

 

 

4時55分

多良間島奪還

 

続く




いろいろ怒涛の展開で
多良間島奪還です
次回与那国島奪還で・・・・

いよいよ尖閣諸島奪還へ向かいます
だが一筋縄でいくはずもなく・・・・


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第十六章 オペレーション「鷹」

当初なら原作通りTHAADミサイルのはずが
現実ではイージスアシュア導入決定とのことで変えました
活躍・・・するといいな


与那国島

 

深掘「これで全員か・・・」

 

特殊作戦群隊員「はい」

 

空挺団隊員「その模様です」

 

深掘「・・・・・・・よくやった」

 

 

 

総理官邸

 

石渡「それは本当か!?」

 

沖「は!無力化を確認したとのことです!」

 

垂水「・・・よくやってくれた」

 

石渡「あとは尖閣諸島のみです」

 

垂水「うむ・・・・」

 

 

4月29日

午前八時

中国外交部

 

程「これは一体どういうことですか!」

 

酒井「話したとおりです」

 

酒井「あくまでも我々は領土を奪還するために取った最低限の自衛行動です」

 

酒井「貴国の領土を占領しているわけではない」

 

程「だが・・・・これは・・・」

 

酒井「このまま尖閣諸島から部隊を撤退してくださらないと、再び作戦が起き多数の死傷者がでると思われます」

 

酒井「そのための警告です」

 

程「くっ!」

 

 

同時刻

北海艦隊司令部内

 

王「意外と速かったですね・・・」

 

王志強

 

 

???「ああ、機体の調整が速くできたのでな」

 

王「相手は凄腕のエースパイロットです、勝てますかね?」

 

???「・・・・」

 

王「おっと失礼、勝てますかねじゃなくて勝つんですね」

 

???「ああ」

 

王「期待していますよ?「黄色の13」」

 

 

 

午前10時

日本 東京

 

石渡「本日、多良間島と与那国島を奪還したと前衛の自衛隊から報告がありました」

 

石渡「なおこの作戦で捕虜を多数捕らえ、現在赤十字社とともに手続きを進めています」

 

石渡「なお先程の中国外交部との話し合いでは「尖閣諸島を領有していることに変わりはない、我々はこのまま実効支配する」と発言しており・・・我々はあらゆる手段を持ってしても尖閣諸島を奪還するつもりです」

 

記者「このまま中国がミサイルぶちこんできたらどうするつもりだ!」

 

記者「イージス・アシュアの迎撃能力は十分なんですか!」

 

記者「全面戦争になったらあんたは・・・・」

 

 

 

 

解説者「大陸方面からのミサイルの脅威に備え、自衛隊は陸上型イージスと言われるイージス・アシュアを配備しています」

 

解説者「これは現在東日本、西日本の基地の二箇所に配備されておりその二箇所で日本列島を覆うことができます」

 

解説者「なおイージスアシュアは海上自衛隊のイージス艦こんごう型、ゆきなみ型、あたご型にも配備されているSM-3と最新鋭迎撃ミサイルのSM-6を配備しており、迎撃精度は高いでしょう」

 

解説者「だがイージスアシュアは配置型であり、通常のSM-2、ESSNなどが装備できないため敵が巡航ミサイルなどで攻撃してきた場合はペトリオットミサイルなどの他の迎撃システムに頼るしかありません」

 

解説者「そのため全面戦争になる場合、すぐに無力化される可能性があります」

 

沢崎「・・・・・・・」

 

無言でテレビを見つめる沢崎

 

 

 

自衛艦隊司令部内

横須賀JTF(統合任務部隊)

 

水谷「次の作戦目標だが・・・もちろん尖閣諸島だ」

 

水谷「だが尖閣諸島は今までの多良間島、与那国島とは勝手が違う」

 

水谷「出してくれ」

 

沖村「はっ!」

 

プロジェクターで尖閣諸島の今の状況を映し出す

 

沖村「魚釣島の362高地に巨大な五星紅旗が掲げられ、その下には対空ミサイル13基、対艦ミサイル10基」

 

沖村「レーダー基地も完備です」

 

沖村「そして南小島、北小島にも対艦ミサイル、対空ミサイルが装備」

 

沖村「また南小島の平地にはヘリポートが確認され」

 

沖村「ほぼ完成しており、随時ヘリコプターが離発着しています」

 

沖村「3島に上陸した兵員は水陸両用機甲連隊約1300名、工兵大隊約300名」

 

沖村「ミサイル中隊200名」

 

沖村「3島合わせて約1800名の兵員が活動中と思われます」

 

沖村「また魚釣島沖合いに071型揚陸艦2隻が投錨」

 

沖村「輸送ヘリ4機、エアクッション揚陸艇8隻で建設資材を搬送しています」

 

沖村「またその近海には広東型航空母艦の二番艦である「天津」と遼寧型航空母艦「遼寧」が哨戒中」

 

沖村「護衛の駆逐・フリゲート艦は055型駆逐艦、052D型駆逐艦、シャンカイ級フリゲート(054A型フリゲート)などの最新鋭艦が勢揃いです」

 

沖村「なお空母「広東」は補給のために後退している模様」

 

沖村「空は早期警戒機KJ-500、早期警戒管制機KJ-2000及び天津所属の殲20、遼寧所属の殲15」

 

沖村「そして中国空軍の殲11、殲16、殲20も飛行しています」

 

沖村「まさに中国の総力戦とも言えます」

 

水谷「うむ・・・・大量の死傷者も覚悟しなければならない・・・」

 

水谷「だがこの尖閣諸島を奪還できなければ今までの作戦が全て無駄となる」

 

水谷「心してかかれ!」

 

一同「は!」

 

水谷「なおこの作戦はオペレーション「鷹」と名付ける!」

 

 

多良間島近海

 

護衛艦「いぶき」

 

涌井「「隼」の次は「鷹」か・・・・なるほどな」

 

新波「我々は尖閣諸島近海の戦闘機撃墜、対空ミサイル、対艦ミサイルの排除の任務を遂行せよとのことです」

 

新波「作戦実行は明日の午前2時とのことです」

 

新波「なお海上自衛隊では第5護衛隊群と第2護衛隊群、第4護衛隊群、第1潜水隊群が参加します」

 

秋津「・・・・・・」

 

 

その後近海に

 

第2護衛隊群(佐世保)

第2護衛隊

はるな型ヘリコプター搭載護衛艦「はるな」

ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦「いせ」

あたご型ミサイル護衛艦「あしがら」

むらさめ型汎用護衛艦「はるさめ」

あさぎり型汎用護衛艦「あまぎり」

第6護衛隊

こんごう型ミサイル護衛艦「きりしま」

ゆきなみ型ヘリコプター搭載護衛艦「あすか」

たかなみ型汎用護衛艦「たかなみ」・「おおなみ」

あきづき型汎用護衛艦「てるづき」

 

第4護衛隊群(呉)

第4護衛隊

しらね型ヘリコプター搭載護衛艦「しらね」

いずも型ヘリコプター搭載護衛艦「かが」

むらさめ型汎用護衛艦「さみだれ」・「いなづま」

第8護衛隊

はたかぜ型ミサイル護衛艦「しまかぜ」

ゆきなみ型ヘリコプター搭載護衛艦「はるか」

むらさめ型ミサイル護衛艦「きりさめ」

あきづき型汎用護衛艦「すずつき」

 

第5護衛隊群(横須賀)

第5護衛隊

いぶき型航空機搭載護衛艦「いぶき」

あたご型ミサイル護衛艦「あたご」

あきづき型汎用護衛艦「ふゆづき」

第9護衛隊

ゆきなみ型ヘリコプター搭載護衛艦「みらい」

こんごう型ミサイル護衛艦「ちょうかい」

たかなみ型汎用護衛艦「さざなみ」

第6潜水隊

そうりゅう型通常動力潜水艦「けんりゅう」

やまなみ型通常動力潜水艦「たつなみ」

原子力潜水艦「やまと」

 

 

第1潜水隊群(呉)

第5潜水隊

そうりゅう型通常動力型潜水艦「そうりゅう」・「うんりゅう」・「はくりゅう」・「せきりゅう」

 

以上の艦が集結した

 

 

沼田「全艦に次ぐ!作戦実行の時刻まで休める者は休め」

 

沼田「これが最後の戦いだ、万全を期してかかれ!」

 

一同「はっ!」

 

 

続く

 




なんか怪しいパイロットがいますね・・・・
そしてはるな型がまだいるという
まあそこは大目に見てください・・・・・


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第十七章 「海戦」前編

長らくお待たせしました……



20XY年4月30日

午前4時30分

 

与那国島沖

 

コスモアイ<<こちら空中管制機「コスモアイ」、敵艦隊を補足>>

 

コスモアイ<<方位280、遼寧・天津率いる敵機動艦隊及び戦闘機隊です!>>

 

コスモアイ<<航空隊、発進急げ!>>

 

いぶき管制<<アルバトロス隊、発艦せよ!続いてターキー隊・ビーコック隊、発艦準備!>>

 

下地島管制<<304、207、303離陸!続いて6、204も離陸!>>

 

ボーンアロー2<<おっしゃあ!待ってたぜ!>>

 

ガルーダ2<<これが最後の戦い・・・か>>

 

ガルーダのマークを持つF-15E、死神マークを持つF-35A

 

そして

 

ガルム2<<やはりこの機体が一番良いな相棒>>

 

ガルム1<<・・・・・>>

 

ガルムのマークを持つF-15Cが飛び立つ・・・・

 

第5護衛隊群旗艦 護衛艦「いぶき」艦橋

 

「第一次攻撃隊、発進完了!」

 

「各護衛艦も迎撃態勢を取れ!」

 

新波「いよいよですか・・・」

 

秋津「・・・最後の戦いだな」

 

 

 

 

護衛艦「はるな」

 

「敵航空隊、接近!我が艦隊に攻撃を仕掛ける模様!」

 

沼田「全艦、対空戦闘用意!」

 

「対空戦闘用意!」

 

ブザーが鳴り響く

 

 

 

 

中国航空機パイロット<<相手はエースがわんさかいるようだが…数では我々には勝てん!数で押しつぶすのだ!>>

 

コスモアイ<<相手は数で我々を押しつぶそうとしているようだ、迎撃は冷静にやれ、惑わされるな!>>

 

コスモアイ<<敵の機種はJ-8Ⅱ、J-10、J-11、J-15、J-16、J-20、J-31だ!旧型まで引っ張り出しているが残らず撃墜せよ!>>

 

ガルム2<<了解だ>>

 

ガルム2<<ガルム2、エンゲージ!>>

 

ボーンアロー2<<ボーンアロー2、エンゲージ!>>

 

ガルーダ2<<ガルーダ2、エンゲージ!>>

 

ブレイド2<<ブレイド2、エンゲージ!>>

 

エコー2<<エコー2、エンゲージ>>

 

アーチャー3<<アーチャー3、エンゲージ!>>

 

コスモアイ<<ガルーダ1エンゲージ、ガルム1エンゲージ、ボーンアロー1エンゲージ>>

 

エース達が空を行く……

 

 

 

そして海では

 

第2護衛隊群旗艦「はるな」艦橋

 

「早期警戒機からの報告!空母護衛の駆逐艦を確認!052D型及び055型などの多数の艦船です!」

 

「敵、対艦ミサイル発射!対空戦闘始め!」

 

沼田「一発も撃ち漏らすな!ここでやられたら空の英雄に顔を向けられん!」

 

「「あしがら」「あすか」、SM-2発射!」

 

「続いて「たかなみ」「おおなみ」「てるづき」、ESSM発射!」

 

「第4・第5護衛隊群も迎撃態勢に入りました!」

 

 

 

海中

 

潜水艦「たつなみ」内

 

深町「どうだ、敵はいるか?」

 

南波「ええ、元級11隻、キロ級4隻が確認できます」

 

深町「向こうもご苦労なこった・・・・」

 

速水「まあ海江田がいるとわかってますからね、敵は」

 

深町「へっ!海江田ばかりに気を取られているうちに俺たちもやるぞ!」

 

 

原子力潜水艦「やまと」内

 

溝口「よく聞こえます、元級8、キロ級4……」

 

山中「向こうは真っ向から勝負をつけるつもりです」

 

海江田「うむ・・・・各員、魚雷発射用意」

 

 

 

潜水艦「けんりゅう」内

 

滝「いいか!敵の潜水艦は「けんりゅう」が沈める気で行け!」

 

滝「「たつなみ」や「やまと」に横取りさせるわけにはいかん!」

 

副長「は、はっ!」

 

ソナーマン(ノリノリだなぁ・・・艦長)

 

滝「今までのことを全て倍返してやる!」

 

ソナーマン「敵、魚雷発射管開口!」

 

滝「魚雷発射用意!一番二番は前方のキロ級のデータを入れろ!」

 

 

潜水艦達も交戦を開始する

 

 

第5護衛隊群旗艦「いぶき」艦橋

 

「ガルム1・2、敵を6つほど撃墜したとのこと!」

 

「アルバトロスも3機をすでに撃墜!」

 

「ですが敵の数も多すぎます!」

 

涌井「空中給油で空軍機まで引っ張ってきたか・・・相手も必死のようだな」

 

秋津「はい・・・・ですがここまで出してくるということは・・・・なにかあるのでは?」

 

涌井「何れにせよ、これを突破しなければ尖閣にはたどり着けん」

 

 

 

護衛艦「みらい」CIC

 

青梅「対艦ミサイル、接近!」

 

菊池「よし!シースパロー発射初め!サルボー!」

 

菊池「主砲撃ち方始め!てーっ!」

 

「みらい」も艦隊防空の役目を果たすため、次々と敵を迎撃する。

 

梅津「順調のようだが………胸騒ぎがするな」

 

菊池「はっ?」

 

梅津「最後まで気を抜いていかんぞ、最後の最後までな」

 

菊池「は!」

 

 

空域

 

ガルム2<<ハエのように動き回るな……>>

 

ボーンアロー2<<ハエならハエらしく叩き落とされてくれよ!>>

 

ガルーダ2<<FOX2!FOX2!>>

 

ガルム2<<チッ、これじゃあ敵空母にも近づけないと来る>>

 

ボーンアロー2<<とにかく撃ち落とすしかねえ!隊長!頼むぜ>>

 

ボーンアロー1<<FOX2、FOX2>>

 

ガルーダ1<<FOX3、FOX3>>

 

ガルム1<<FOX2、FOX2>>

 

中国航空機パイロット<<敵はエースだ!注意しろ!>>

 

中国航空機パイロット<<くそ!エンジンが!>>ピーッピーッピーッ

 

中国航空機パイロット<<うわああああああああああっ!>>

 

数はあるがやはり落とされていく中国航空機

 

ミサイルの性能や機体の性能、パイロットの腕も僅差ながら日本側が上回っている

さらにエースたちの存在により士気も上がっているためさらに有利な方向に進んでいっているのである

 

 

中国海軍北海艦隊暫定旗艦「遼寧」

 

「すでに我が航空隊は23機、撃墜されました!」

 

「我が空母群への対艦誘導弾攻撃も激しくなりました!」

 

司令「良いから持たせろ!「あれ」が来るまでな!」

 

「「西寧」「斉斉哈爾」対艦誘導弾発射!」

 

「「南昌」「長春」巡航誘導弾発射!」

 

司令「「アレ」さえ来れば……」

 

 

 

 

中国航空機パイロット<<畜生、こうなったら……>>

 

中国航空機パイロット<<俺が………!>>

 

コスモアイ<<敵航空機、第5艦隊のほうに突っ込んでいく!?>>

 

中国航空機パイロット<<命と引き換えに……共産党バンザイ!>>

 

ボーンアロー2<<あのバカ!?特攻する気だ!>>

 

 

青梅「敵航空機、突っ込んできます!」

 

菊池「主砲攻撃初め!CIWSAAWオート!」

 

みらいが迎撃し……

 

中国航空機パイロット<<ぐ、グアアアアアアアアアアアア!?>>

 

もちろん撃墜されてしまった

 

ガルム2<<たく、今の世の中で特攻するバカもいるとはな……>>

 

ガルム2<<どの時代も変わりはしない………か>>

 

コスモアイ<<敵の半数の撃墜を確認!任務を続行せよ>>

 

エコー2<<これより対艦攻撃を開始する!>>

 

エコー2<<FOX1、Fire!>>

 

F-2より発射されたのは新型超音速対艦ミサイル「ASM-3」

防空性能が上がりつつある現代の艦船を確実に撃破出来るようになっている

マッハ3以上の超音速で飛ぶため敵の迎撃対応時間が極端に短くすることが出来る

 

エコー3<<FOX1、Fire!>>

 

エコー4<<FOX1、Fire!>>

 

エコー7<<FOX1、Fire!>>

 

 

 

駆逐艦「石家荘」

 

電探員「敵超音速誘導弾接近!」

 

砲雷長「迎撃せよ!」

 

砲術員「だ、駄目です!こちらのシステムが!」

 

館長「か、回避!」

 

そう回避も許してくれるはずもなく………

 

「う、うわあああああああああああああ!」

 

 

空母「天津」内

 

「「石家荘」「大連」「広州」撃沈!」

 

「「昭通」「滄州」もです!」

 

艦長「ええい!艦載機の超音速誘導弾の鷹擊-91は!?搭載して出撃させたはずだ!」

 

通信員「それが……搭載機は全て撃墜されたとのこと!」

 

艦長「なに!?」

 

艦長「日本空軍は……化け物か!?」

 

すでに半数も撃墜されてしまい唖然とする艦長

大勢は決していた……としか思えなかった

 

艦長(我々は……悪魔を蘇らせてしまったのか……?)

 

「対艦弾接近!近接火器用意!」

 

 

そして海中でも

 

キロ級「遠征79号」内

 

ソナー員「203号、250号、122号、163号がやられました!」

 

艦長「なんだと!?」

 

ソナー員「魚雷接近中!」

 

艦長「囮を発射しろ!」

 

ソナー員「ダメです!間に合いません!」

 

 

 

 

 

溝口「艦体亀裂音、エンジン停止音確認」

 

海江田「キロ級はこれで全てか・・・・」

 

溝口「はい、残りは元級10隻です」

 

海江田「魚雷三番から五番発射用意」

 

山中「三番から五番、発射用意!」

 

 

 

深町「こっちも二隻ほどやったな…」

 

南波「魚雷2本こっちに向かってきます!」

 

深町「デコイと魚雷発射!」

 

 

潜水艦戦も日本側有利と見えていた

 

というよりは艦隊・人員は大きくなっているが

経験が全く追いついてないといえる。

 

 

 

ボーンアロー2<<だいぶ道が開いたな>>

 

ガルーダ2<<空母に攻撃をしかける、援護頼む>>

 

ガルム2<<なら俺が行く>>

 

ガルーダ2<<了解>>

 

ガルム1<<FOX3>>

 

ガルーダ1<<FOX3、FOX3>>

 

ガルーダ2<<・・・よし、FOX3!>>

 

エコー2<<FOX1、Fire!>>

 

エコー7<<FOX1、Fire!>>

 

エコー8<<FOX1、Fire!>>

 

次々と対艦ミサイルが発射される。勿論標的は「遼寧」だ

 

電探員「!?」

 

司令「どうした!」

 

電探員「こちらに対艦ミサイル複数接近!」

 

司令「近接火器を使用しろ!」

 

ソナー員「魚雷接近!左舷より!」

 

司令「なに!?各員衝撃に備えろ!」

 

魚雷と対艦ミサイルをまともに食らう「遼寧」

 

司令「ぐ・・・応急修理急げ!」

 

通信「隔壁ごとやられた!」

 

通信「し、しまった!木の家具に燃え移った!」

 

通信「機関部と連絡が取れません!」

 

司令「ば、馬鹿な……!?」

 

 

コスモアイ<<遼寧の撃沈を確認>>

 

元々旧式な空母であり中国としては初の空母ということで未熟な面々も多々あり

撃沈も当然であった

 

ガルム2<<中国が最初に持った空母がこの結末か……>>

 

 

空母「天津」

 

電探員「遼寧がやられました!」

 

艦長「後退しろ!」

 

副長「同胞がすでに多数やられてるんですよ!?我々も突撃して……」

 

艦長「「やつ」がやっと到着した!我々は広東に交代するのだ!」

 

艦長「そしてこの最新空母を沈めることこそ、同志に顔向けできないことだ!」

 

艦長「突撃だけが弔いだと思うな!「奴」に弔いを任せるんだ!」

 

副長「………は!」

 

 

コスモアイ<<空母「天津」以下残りの5隻の護衛駆逐艦含む艦隊、後退を開始した模様!>>

 

ボーンアロー2<<潰すのか?>>

 

コスモアイ<<いや、我々の任務は殺戮ではない。後退するなら我々に追う理由はない>>

 

ガルム2<<そうだな>>

 

アルバトロス1<<これで作戦は完了したのか?>>

 

ガルーダ2<<だと良いけどね……>>

 

ガルーダ2<<長年の勘だけどこういう時はきっと……>>

 

その時

 

ブレイド9<<ぐあああああああああ!>>

 

ブレイド5<<主翼が!ベイルアウトする!>>

 

トム5<<な、なんだ!?>>

 

ブルーム3<<ブレイドの5機が落とされたぞ!>>

 

コスモアイ<<方位291より5機の編隊を確認!これは……>>

 

ガルム2<<・・・・!>>

 

ガルム2<<お前ら、後ろに下がれ!>>

 

ビーコック2<<ですが!>>

 

ガルム2<<いいから下がれ、お前らじゃ相手にならない敵だ!>>

 

コスモアイ<<ピクシー、その通りだ!機影はSu-37の5機……「黄色」だ!>>

 

スパロウ3<<なんだって!?>>

 

イエロー13<<流石は「片羽の妖精」だ……相手は犬と鳥と死神だ。気を抜くな>>

 

イエロー4<<了解>>

 

 

新波「「黄色」!?」

 

秋津「ロシア空軍第156戦術戦闘航空団「アクィラ」……」

 

秋津「かつてのとある紛争においてNATOより派遣された「F-15E」12機とその護衛の「F-15C」12機の精鋭をたったの5機でほぼ撃墜したエースだ」

 

秋津「その隊長のイエロー13はメビウス1、ガルム1、ガルーダ1、ボーンアロー1、ブレイズに並ぶと言われている」

 

涌井「つまり…我々の航空隊では歯が立たない…か」

 

秋津「黄色との戦いは傭兵に任せたほうが良いかと」

 

涌井「うむ」

 

 

イエロー4<<敵の空軍機はどうします?>>

 

イエロー13<<手を出すな、我々はあくまでもエースが目標だ>

 

イエロー4<<了解>>

 

ガルム2<<久しぶりに本気を出せそうだな、相棒>>

 

ガルム1<<…………>>

 

ガルーダ2<<僕もこういうの慣れたものじゃないんだけどね…仕方ない>>

 

ガルーダ1<<……>>

 

ボーンアロー2<<隊長!やろうぜ!>>

 

ボーンアロー1<<………>>

 

コスモアイ<<後方より接近する広東艦隊及び戦闘機も確認した!警戒せよ!>>

 

本当に最後の戦いが始まる………

空と海

制するのはどちらか?

 

続く

 

 

 

 

 





本誌見てて思ったけど
なんで下地島空港普通にやられてんの!?
AWACSどこ行った……SAMどこ行った……

ツッコミどころ満載でした……
まあ仕方がないと言うか…物語上は……うん


この小説だと中国軍可哀想ですがね……黄色出してやっと対等です。


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第十八章 「海戦」後編

コスモアイ<<ガンの射程内!>>

 

ガルム2<<Fire!Fire!>>

 

イエロー4<<そこだ!>>

 

ボーンアロー2<<おっと、危ねえ……>>

 

イエロー6<<発射!>>

 

ガルム2<<ちっ、FOX3!FOX3!>>

 

アルバトロス2<<す、凄い……あの戦いは……>>

 

まさに息を呑むような戦いをしているエース達

気を抜くとすぐに撃墜されてもおかしくない。

だが死神・神鳥・番犬は黄色に噛み付く

そして黄色もそれを向かい打つ……

 

中国航空機パイロット<<黄色に続け!一機でもいい!敵を落とせ!>>

 

ビーコック1<<番犬達に続け!相手に一泡吹かせるぞ!>>

 

ビーコック4<<FOX1、Fire!>>

 

ターキー2<<FOX1、Fire!>>

 

アーチャー9<<FOX1、Fire!>>

 

エコー2<<FOX1、Fire!>>

 

ドロー4<<FOX3!>>

 

中国航空機パイロット<<ぐああああああああああ!>>

 

中国航空機パイロット<<機械損傷!機械損傷!>>ビービービー

 

中国航空機パイロット<<脱出する!脱出する!>>ビビビビビッ

 

 

空自機も次々と敵を撃墜する

 

 

「いぶき」艦橋

 

秋津(敵の黄色によって中国機も士気が上がっている)

 

秋津(だが、こちらの士気も負けてはいない)

 

秋津(まさに息を呑む戦いだ……気を抜いたほうが負けだ)

 

オペレーター「こちらに巡航ミサイル接近!方位211」

 

オペレーター「「ちょうかい」「みらい」迎撃始め!」

 

涌井「みらいに伝えろ、巡航ミサイルの発射を許可すると!」

 

通信員「了解!」

 

 

 

「みらい」CIC

 

青梅「巡航ミサイル、迎撃成功!異常なし!」

 

菊池「コクリ………トマホーク、攻撃始め!」

 

青梅「座標入力完了、インプットよし!」

 

菊池「ーてっ!」

 

みらいの前部VLSより巡航ミサイル「トマホーク」が発射される

 

 

「はるな」艦橋

 

観測員「「みらい」「はるか」「あすか」巡航ミサイル発射!」

 

観測員「続いて、「はるさめ」「あまぎり」「たかなみ」「さみだれ」「しまかぜ」がSSMを発射!」

 

レーダー員「敵の対艦ミサイル3発接近!主砲、短SAM攻撃始め!」

 

通信員「「おおなみ」、迎撃した高速対艦ミサイルの破片がヘリ甲板に被弾!ヘリの初着艦不能であるが作戦続行可能!けが人は少しいますが問題ありません!」

 

沼田「うむ」

 

沼田(エースよ、間に合ってくれよ!)

 

 

ガルム2<<チッ!>>

 

ボーンアロー2<<さすが黄色だ、落とそうにも落とせねえぞ!>>

 

グッドフェロー<<お困りのようだな、ボーンアロー2>>

 

ボーンアロー2<<なんだ、グッドフェロー!最近見ねえなと思ったら急に通信を・・・・・・>>

 

グッドフェロー<<あることに手間取ってな・・・・・・・・・だがもう大丈夫だぞ>>

 

ボーンアロー2<<何を根拠に・・・・・・>>

 

その時・・・・・・

 

コスモアイ<<後方より戦闘機確認!認識が弱い、ステルスか!?>>

 

コスモアイ<<IFF確認!これは・・・・・・>>

 

コスモアイ<<リボン付きだ!>>

 

「メビウス」が来た

 

イエロー13<<来たか………メビウス>>

 

メビウス1<<………………>>

 

国連空軍第118戦術航空隊「メビウス」

 

グッドフェロー<<メビウス隊、状況を報告せよ>>

 

メビウス2<<メビウス2、スタンバイ>>

 

メビウス3<<メビウス3~7、スタンバイ>>

 

メビウス8<<メビウス8、スタンバイ>>

 

グッドフェロー<<了解した、メビウス隊交戦を許可する!各機メビウス1に続け!>>

 

メビウス2<<了解>>

 

メビウス4<<メビウス4、エンゲージ!>>

 

メビウス7<<メビウス7、エンゲージ!>>

 

メビウス8<<メビウス8、エンゲージ!>>

 

ボーンアロー2<<オイオイ、リボン付きは確か南米のほうにいったはずじゃ・・・>>

 

グッドフェロー<<黄色を中国に移動させていたという情報が流れ込んできてな、もしかしたら・・・と思ってメビウス隊を我々アローズ社が買ったんだ>>

 

グッドフェロー<<結構高かったんだぞ?>>

 

ガルム2<<じゃあ早くしてくれ、ハエが集ってきた!FOX2!>>

 

スパロウ1<<あれが………リボン付き……>>

 

イエロー4<<間違いありません、リボン付きです!どうします?>>

 

イエロー13<<リボンを叩け、いいな>>

 

イエロー4<<了解>>

 

スパロウ1<<俺たちも行くぞ!リボン付きに負けるなよ!>>

 

エコー7<<了!>>

 

アーチャー10<<やったろうぜ!>>

 

中国航空機パイロット<<我々には黄色がついている!リボンだろうが犬だろうが殺れ!>>

 

中国航空機パイロット<<発射!発射!>>

 

メビウス2<<FOX2!FOX2!>>

 

メビウス5<<FOX2!FOX2!>>

 

ガルーダ2<<FOX2!FOX2!>>

 

ボーンアロー2<<FOX3!FOX3!>>

 

コスモアイ<<戦闘機撃墜!戦闘攻撃機撃墜!4機ほどベイルアウトした模様!>>

 

中国航空機パイロット<<逃げるな!戦え!>>

 

中国航空機パイロット<<くそ!これなら海に沈んだほうがマシだ!>>

 

中国航空機パイロット<<クソ!エンジンが!>>ビービービービー

 

中国航空機パイロット<<おい!勝手に脱出するな!>>

 

中国側は徐々に数が減ってきている……いや自ら減らしているというべきか

 

コスモアイ<<ん?5機もベイルアウトしているぞ?>>

 

スパロウ4<<機体の故障か?>>

 

エコー3<<自らベイルアウトしてるように見えるが……>>

 

ガルーダ2<<どうやら……相手のパイロット達は経験不足もあるのか自ら戦いを放棄しているようだ>>

 

ボーンアロー2<<気の毒とも言えるな……こりゃ>>

 

ガルム2<<FOX2!>>

 

アーチャー8<<FOX1、Fire!>>

 

コスモアイ<<随伴の戦闘機隊は徐々に脅威とはいえなくなっているが黄色は健在だ!気をつけろ!>>

 

 

海上

 

空母「広東」

 

「空軍の第四飛行隊、第五戦術飛行隊が全滅です!」

 

「第八攻撃飛行隊、第十四爆撃飛行隊は相手空母を狙っていますが、半数ほど撃破・脱出されました!」

 

「我が広東の艦載機の第一飛行隊・第二十一飛行隊もあまり戦果を上げられず、一部撃墜されたとのこと!」

 

劉「後退した天津からも艦載機を出させろ!黄色を維持させろ!駐在武官からのお達しだ!」

 

参謀「無茶を言わないでください!人海戦術だけではこれは……」

 

副長「我が艦隊の防空艦もすでに二隻がやられ………残りの艦は奮闘しておりますが……」

 

劉「まだだ、まだ機は……」

 

ビービービービーッ!

 

参謀「何事だ!」

 

電探員「左舷、超音速対艦誘導弾接近!」

 

副長「対空戦用意!近防導弾発射!」

 

近接防空ミサイル「海紅旗10」が発射されるが時すでに遅し

 

電探員「駄目です!一発目は迎撃できましたが二発目が!」

 

電探員「直撃します!」

 

劉「………!?」

 

 

 

 

 

コスモアイ<<広東にASM-3着弾!>>

 

ボーンアロー2<<これで終わりか?>>

 

ガルーダ2<<たとえ艦が沈まず、ダメージコントロールが間に合っても、発艦着艦は到底無理だ>>

 

ガルム2<<ああ……空軍機は勿論、着艦できる海軍機も帰る場所を失った。>>

 

グッドフェロー<<勝敗は決したな…>>

 

 

 

山中「どうやら、上の中国空母はやられたようです。どうします?」

 

海江田「魚雷は撃つな、これで戦いは終わるはずだ」

 

海江田「これ以上の戦いは中国側としては非常に苦しい戦いになるはずだ、投降の呼びかけにも応じるだろう。」

 

海江田「我々は後退だ」

 

山中「はっ」

 

 

イエロー4<<「広東」がやられたようです。>>

 

イエロー13<<……「メビウス」、勝負はどうやらお預けだ。>>

 

イエロー13<<またどこかで会おう。その時は敵か味方かはわからんが…>>

 

メビウス1<<…………>>

 

コスモアイ<<黄色、5機ともベイルアウト!>>

 

ボーンアロー2<<たく、どっちも落ちなかったな>>

 

コスモアイ<<これよりオープンチャンネルで残留戦力に呼びかけを行う>>

 

ガルム2<<了解だ>>

 

コスモアイ<<こちら日本国自衛隊………>>

 

 

 

 

20XY年

4月30日

 

午前7時

中国海軍、空母「広東」と潜水艦含む随伴艦艇7隻及び上空艦載機及び空軍機が投降。

 

同日午前7時57分

尖閣諸島占領部隊、投降

一部では徹底抗戦の構えであったが指揮官の判断により投稿したという

 

先島諸島で発生していた戦闘行為はこれにて一応の終幕を迎えた………。

 

 

午前8時50分

首相官邸

国家安全保障会議

 

垂水「「広東」及び随伴艦艇7隻などを確保か……」

 

沖「はっ、尖閣諸島を占領していた陸軍兵士などを含めると」

 

沖「約7500人ほどの捕虜を確保したとのこと」

 

沖「なお「広東」は左舷側が大きく損傷していますが、懸命なダメージコントロールの作業により沈んではいないようなので曳航した上で那覇もしくは佐世保まで移動させることが可能です。」

 

石渡「これは、中国側との交渉カードに使えそうですな」

 

垂水「ああ……外務省はあらゆるルートを使い、中国側との交渉ができるように」

 

外務大臣「はっ」

 

垂水「官房長官は昼の会見の準備を」

 

石渡「はっ」

 

垂水「ここからが本当の最後の戦いだ。」

 

垂水「気を引き締めて懸かれ」

 

 

続く

 



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最終章 空母「いぶき」

やっと完結です

まさかの実写化とは驚いた

素材が増えるね(白目)


20XY年

 

 

5月4日、南沙諸島及び西沙諸島においてベトナム・フィリピン・マレーシアのASEAN連合海軍(旗艦・ジェバット)と中国海軍が軍事衝突

中国側は南海艦隊の空母「山東」率いる機動艦隊を派遣

 

さらに5月6日、台湾海峡において中国側が台湾海峡内を航行していた台湾艦隊(旗艦・馬公)に対艦ミサイルを発射する第四次台湾海峡危機が発生。

中国側は東海艦隊の空母「雲南」率いる機動艦隊を派遣

 

さらに5月9日、中国が実効支配しているカシミール地方アクサイチン及びインドが実効支配しているアルナーチャル・プラデーシュ州においてインド軍と中国軍が軍事衝突し第二次中印国境紛争が発生し、さらにインドは南沙諸島方面および台湾海峡に参戦すると発表し、空母「ヴィクラマーディティヤ」率いる機動艦隊を南沙諸島及び西沙諸島に派遣し、台湾海峡に空母「ヴィクラント」率いる機動艦隊を派遣した

 

以上の戦いと日中尖閣紛争を合わせてアジア領土紛争と言われており、当時は第三次世界大戦の序章なのでは?と言われていた。

 

さらに中国国内では政府に反発した市民らがデモ活動を開始し、治安は悪化

さらにもともと東南アジア諸国に工場を移転し始めていたが、この騒動により海外企業の国外脱出が早まる事態となった。

 

この事態を重く見たアメリカは5月15日にニミッツ級航空母艦「ロナルド・レーガン」「セオドア・ルーズベルト」ジェラルド・R・フォード級航空母艦「エンタープライズ」「ジョン・F・ケネディ」を各紛争地域に派遣すると発表し、「もし我々に攻撃すれば、アメリカ本土より裁きの手が現れるであろう」とICBM発射を仄めかした。

 

中国側は度重なる紛争・国内治安維持により消耗し、最終的にアメリカ側の要求を飲まざるを得なかった。

 

その後6月21日を持って中国関係の紛争の終結をアメリカは宣言。

7月2日に紛争関係国の日台比越馬中印及び米による首脳会談

その後、日中領土協定が調印され、尖閣諸島の領土及び資源採掘権の放棄が確約された。

 

その後南シナ海領土に関する条約及び中印国境協定が調印、これにより領土問題の一応の収束を迎えた。

 

 

20XY年

10月1日

 

垂水「やっとこの尖閣諸島問題について一段落したところですが」

 

垂水「日本国民に過大な迷惑をかけたのは事実です」

 

垂水「そのため私は党総裁辞任と内閣総辞職することを決意いたしました」

 

垂水「そして日本の皆様に今一度未来を問うために、衆議院を解散いたします」

 

パシャパシャパシャ

 

一の瀬「………」

 

 

 

石渡「垂水さん、肩の荷が下りましたね」

 

垂水「ああ……」

 

石渡「次の総裁は誰に?」

 

垂水「鏡水会の大滝か竹川派の影山さんか……」

 

垂水「だが派閥の関係で…海住会の五十嵐さんになるだろうな……」

 

垂水「あの方なら政権を任せられる………」

 

石渡「………」

 

 

選挙の結果、軍縮を打ち出す民主共同党や社会共産党を抑え

再び日本民自党が圧勝した。

 

そして………

 

五十嵐「怪獣が再び現れないとは限らない」

 

五十嵐「そのため、自衛隊の装備はこのまま維持しなければならない」

 

五十嵐隼人率いる第二次五十嵐内閣が誕生した。

 

 

20XZ年

3月21日

 

横須賀基地

 

「いぶき」内艦橋

 

秋津「………」

 

新波「艦長、まだいたんですね」

 

秋津「副長………確か新型護衛艦の艦長になるといってらっしゃいましたね」

 

新波「艦長は確か海自に新設される空母航空群の群司令になると言ってましたね」

 

秋津「ああ……やはり私には空が似合っている………」

 

秋津「だが司令になる以上、陸勤務だがな」

 

新波「涌井さんは護衛艦隊司令部の幕僚長に……」

 

新波「このいぶきも軽空母に艦種を変更するとか………」

 

秋津「やっと空母になれるのか………この船は」

 

新波「護衛艦も多数建造されますからね」

 

新波「噂ではいぶきの同型艦も建造とか」

 

秋津「………アジア最強は間違っていなかったな」

 

秋津「中国が倒れても、まだロシアや他の国がいる……」

 

秋津「そして怪獣もいる………」

 

秋津「このまま維持しなければな………練度を」

 

新波「ええ」

 

海老名「失礼します」

 

新波「君は……」

 

海老名「4月より「いぶき」の艦長を担当する海老名洋子一佐です」

 

海老名「前は護衛艦「あすか」の艦長をしておりました……」

 

新波(女性艦長……新時代にはふさわしい)

 

海老名「業務の引き継ぎをお願いします」

 

秋津「ではこちらへ………」

 

 

 

護衛艦「みらい」内艦橋

 

角松「梅津艦長、陸に上がる話を蹴ったんですか?」

 

梅津「私にはここがちょうどいいからな……定年まではここを続けるつもりだ」

 

梅津「そういう角松君も、護衛隊司令の任を蹴ったそうじゃないか」

 

角松「陸より海のほうがちょうどいいのでね………」

 

菊池「相変わらずだな……」

 

角松「ところで菊池も蹴ったのか?司令部付きの話を」

 

菊池「まあな……」

 

尾栗「結局変わんねえな、俺達は」

 

梅津「まあ、よかろう………変わらないことはいいことだ」

 

梅津「ところで今日の報告を………」

 

角松「はっ!」

 

 

 

海上自衛隊

横須賀基地

自衛艦隊司令部内

第2潜水隊群司令執務室

 

田所「いやはや、ご苦労であった」

 

田所「君も第2潜水隊群に戻ってくれるようでよかった」

 

深町「そりゃどうも……海江田のやつを追うためには海の中を行かなければいけないと思いましてね」

 

深町「水上艦の連中だけとだと肩の荷が重くてしょうがねえ」

 

深町「滝のやつは呉司令部に転属とかでいっちまったし」

 

田所「君も司令部付きになる話があったのだが……」

 

田所「断っておいてよかったわい」

 

深町「ああ、そうですか………」

 

田所「まあ良かったではないか、深町「一佐」」

 

深町「ふん、海江田は海将補になっちまったからな、まだまだですよ!」

 

深町「それより潜水艦をあと1…いや2ダースくらい寄越してくれませんかね?」

 

深町「猫の手も借りたい状況なんですよ、ロシア潜水艦が急に多くなりましたから」

 

田所「流石にそれは無理じゃ、第3潜水隊群の新設も始まっとるし……」

 

深町「ならトマホークと魚雷の追加搭載を………」

 

 

 

 

「やまと」内戦闘指揮所

 

海江田「日本も変わるようだな」

 

山中「ええ、政府も引き続き同盟を継続すると」

 

内海「まだ理想には遠いですがね……」

 

溝口「艦長、左舷より不審潜水艦を探知しました」

 

海江田「うむ、回頭30度、出迎えろ」

 

内海「はっ!」

 

 

 

 

日本が変革しつつある

 

世界も変わりつつある

 

そして新たな強敵も………現れる

 

かもしれない………

 

???「…………ワタシハ、ココニイル…………」

 

???「ナゼ?ナゼ?」

 

???「ヒト?………ワタシハ……ダレ?」

 

 

END

 



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