負けられない戦い(恋) (獣狩りの狩人)
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あの日の襲撃

これから話すのは、私と同級生であり音ノ木唯一の男子生徒そして、私の命を救ってくれた大切な彼と私の恋のお話。

それは、1年前のある日。

私は、南ことり。

u'sというスクールアイドルグループのメンバーなんだけど、そのu'sのことを快く思わない人達からの嫌がらせを受けることが増えてきた。

その都度、彼が助けてくれたんだけど。

ある時私は連れ去られてとある倉庫に監禁されて2~3人の男達に拳銃を突きつけられ殺されかけていた。

「お前が、μ'sのメンバーの南ことりだな。俺はお前たちのせいで、俺達のプロデュースしてきたアイドルが売れなくなり、会社わクビにされ嫁や子供にも逃げられたんだ。その責任を取って貰うぞ」

リーダー格の男がそう言うと、拳銃を突きつけてくる。

「そうだ!そうだ!」

それに賛同するように、周りの男たちが声を上げる。

その光景を見ながら私は、死を覚悟した。

(私、死ぬのかなぁ。助からないのかな。)

死を覚悟したはずなのに、涙が溢れてくる。

(助けてよ。助けてよ。誰か、誰か助けて。)

 

 

 

その時、大きな音を立てて扉が開かれる。

 

 

 

「えっ‥」

 

私は、そんな気の抜けた声を出してしまう。

だって‥だってそれは、扉の所に来るはずのない人が、入って来る音だったのだから。

 

「大丈夫か?ことり。」

 

彼は、私の方を向いていつもの突きつけられた銃など一切気にしていない笑顔を見せてくれる。

でも、次に男達の方を向いた彼は、向けられていないはずの私ですら感じる、膨大な寒気を感じる何かを放っていた。

本能的に理解した、これは殺気だと。

それを受けて男達も理解したようだ。自分達はあの男の逆鱗に触れたのだと。決して開けてはいけないパンドラの箱を開けたのだと。

男達はその恐怖心から逃れるために銃を向ける。

そして、その恐怖心に突き動かされるように銃の引き金を引くことにより、3つの銃が火を噴く。

彼は、胸元から1丁のハンドガンを取り出した。

私には銃の名前なんて分からなかったが、後に聞くとあの銃の名前はベレッタM92F。

 

そして、飛んできた弾丸に向け、銃の引き金を3回引く。

すると、信じられないことが起こった。

男達が打った弾丸が彼が放った弾丸に撃ち落とされたのだ。

 

「ビリヤードってんだ。見た事ないだろ。」

 

そう言って、彼は不敵に笑う。

 

「ま‥まぐれだ!まぐれに決まってる!」

 

男達はそう叫ぶと持っている銃を打ち続ける。

でも、その都度彼等の弾丸は、彼に撃ち落とされる。だが、当たり前だが、先に彼の銃の弾が無くなる。

それをチャンスと見たのか、男達が撃ってくる。

彼は、すぐさまベレッタを仕舞い、小型のナイフを取り出して一閃。飛んできた弾丸を切った。それからも、彼は次々と飛んでくる銃弾を続けざまに斬っていく。

 

夢でも見ているのかと思った。

 

でも、次の瞬間彼が取りこぼした一発の銃弾が私の方めがけて飛んで来た。

 

「はっ‥はははははは!これで俺達の勝ちだ!」

 

リーダー格の男は、勝ち誇ったかのように笑う。

 

「チッ!クソ野郎が!」

 

彼は高笑いをしている男達には見向きもせずに、真っ直ぐこちらの走ってくる。

私はこちらに走ってくる彼を見て、叫ぶ。

 

「ありがとう‥」

 

そして、私は眼を閉じる。少しでも、死を見なくて済むように。だが、来るべきはずの衝撃が襲ってこない。

 

「‥生きるのを諦めるなよ。ことり。何がありがとうだって?」

 

彼の声がすぐそばで聞こえる。私が閉じていた目を開くとそこには、何かを掴んだような手があった。

 

(もしかして)

 

カラーン

 

彼が、手を開くと床に一発の銃弾が落ちた。

 

「さて、この落とし前つけさせないとな。」

 

彼がそう言うと、

 

「ひっ‥ひぃぃぃぃぃぃ!ばっ化け物ぉぉぉぉぉぉ!」

 

男達はそう叫びながら、すぐさま逃げ出した。でも彼は追いかけなかった。

 

「逃げられるわけないだろうに。あれだけ派手に銃撃戦しておいて、とっくに警察きてるっての。」

 

彼は、逃げ出した男達を横目に見ながらそんなことをぼやく。手に持っていたナイフで、私を縛っていたロープを次々と斬っていく。

 

「大丈夫だったか。ことり。怪我はないか。」

 

彼が、心配そうな顔で聞いてくるので私は、

 

「ことりは大丈夫。」

 

胸を張ってそう答えた。そんな時、銃弾を掴んでいた手から血が流れるのが見えた。それはそうだ。人が銃弾を掴んで無事なわけがない。

「その手!」

その言葉で彼は自分の手を見て、すぐに手を振って

「大丈夫だ。気にするな。それより、ことりは大丈夫か?」

そんな事を言うので

「私は大丈夫だよ!そんな事より、手当しないと!」

 

その言葉を聞いて彼は、安心したように

 

「そうか。」

 

と答えて、私の顔の前でポケットから出したハンカチを振った。すると、私は急に猛烈な眠気に襲われた。その睡魔に必死に抵抗していると、彼の声が聞こえて来た。

 

「チッ、いくらことりを助けるためとは言え、やりすぎた。ここまで派手にやらかしてしまうと、どうしようもねぇな。この地を離れなきゃ。この場所結構気に入ってたんだけどな。」

 

私は声を出すために抵抗する。

(やだよ。居なくなっちゃ。やだよ。まだ助けてくれたお礼も言えてないのに。)

 

思うだけが限界だった。私は、眠気に負けて眠りの中に沈んでいく。そんな私に、彼の付け加えたような呟きが聞こえて来た。

 

「化け物扱いは、もう勘弁だ。」

 

私は、暖かい何かに包まれながら眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 




この小説を読んでくれた方全ての方に初めまして。暁幸村です。
何気に初投稿です。なにかといたらないこともあるかと思いますがご了承ください。
これから直してまいります。さて、本編についてお話ししましょう。
これは、ことり目線で描いた、恋愛小説です。
この世界では、基本原作と同じですが、一般に銃が解禁されていたりします。
多分この話は、ことりと彼が結ばれて幸せな生活を送り始めるところまで書いていこうと思います。
1話の長さが2000文字程度と少なくしているので、少ない時間でもすぐ読めると思います。
1週間に出来れば2話程度投稿していきたいです。
ここまで読んでくれた人は、ありがとうございました。
皆様の意見も、どんどん取り入れていきたいと思っています。
これからよろしくお願いします。


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μ'sの会合

私、南ことりはある日襲われてしまった。
彼は、助けてくれたのだがその日以来明らかに私を避けるようになっていた。
なにやら私のお母さんとも何か相談しているようだ。
これは、捕まえて話をしないと。


私は、いつもの通学路で彼と向き合っていた。彼は私に向かって言葉を放った。

「お別れだ。」

咄嗟のことで、私は何を言われたか分からなかった。でも彼は、そんな私を無視して背を向け歩き始める。私は、こんがらがった頭でとりあえず言葉を発する。

「何で‥ねえ!待って!待ってよぉぉぉ!」

私は自分の声で私が泣いているのに気がついた。

けれども、彼は見向きもせずに去っていく。私は、走った。けれど、どれだけ走っても追いつけない。私は手を伸ばす。しかしそれも空を切る。

私はもう一度叫ぶ。

 

「待ってよぉぉぉ!」

 

私は、自分のベッドから跳ね起きた。

ベッドは、私がかいた冷や汗でぐっしょり濡れている。

 

「はぁ。夢かぁ。」

 

だけど私には、なぜだか分からないがこの夢は夢ではなくなる気がした。そんな不吉な予感を振り払うように、私は汗で濡れた寝間着を脱ぎ、下着姿になるとそのまま脱衣所へ。脱衣所で、裸になるとシャワーを浴びる。鏡の前に立つと、肩の部分についてしまった傷をみてしまう。先日攫われる時に、男達に付けられたら傷だ。恐らくこの傷は、もう消えないのだろう。でも、私はそれがよかった。だって、この傷を見ると、彼が助けてくてたあの時のあのスーパーヒーローのように格好いい彼の姿が思い出せるのだから。それから、少し彼のことを考える。すると、すごく顔が熱くなる。心臓も大きく跳ね上がる。あの日以来、彼のことを考えると心が高鳴ってくる。こんな事は、初めてだった。私は、シャワーからあがると自分の部屋に戻り制服を着る。そして、お母さんが作ってくれていた朝ご飯を食べ、終わると、部屋に戻って学校の準備をする。すると、家のインターホンがなった。

 

「はーい」

 

(彼かな。彼が迎えにきてくれたのかな?)

 

そんな期待をしながら扉をあけると、

 

「ヤッホー。ことりちゃん。」

 

「おはようございます。ことり。」

 

そこに居たのは、同じμ'sのメンバーで私の幼なじみの明るく活発な高坂穂乃果ちゃん。そして、おしとやかなこれぞ、大和女子という感じの園田海未ちゃん。

「うっ…うん。おはよう。二人とも。」

 

(彼じゃなかった)

 

そんな残念な思いを抱いていると、その事が顔にでていたのか海未ちゃんが、

 

「何ですか、ことり。私達では何か不満でしたか?」

 

と不満そうな声で言ってくる。その声に私は慌てて首を振る。

 

「ううん。そんなことないよ。ただちょっとね。」

 

それが、分かっているのか、海未ちゃんは、私に向かって言った。

 

「ことり。彼のことで、少し相談があります。みんな集まっているので、部室に行きましょう。」

 

私は、その言葉を聞いて驚いたが、すぐに返事をする。

 

「ちょっと待って。すぐ用意するから。」

 

そして、私はものの一分で用意を終え学校に向かって走り始めた。学校に着いてから真っ先に部室に向かうと、もうみんな集まっていた。

 

右から、

 

一年生の西木野真姫ちゃん

 

同じく一年生の星空凛ちゃん

 

これまた同じく一年生で小泉花陽ちゃん

 

次に、三年生の矢澤にこちゃん

 

同じく三年生の東條希ちゃん

 

同じく三年生の綾瀬絵里ちゃん

 

最後に、二年生の穂乃果ちゃん、海未ちゃん、そして私の9人。この9人が、私達μ'sのメンバーだ。

そして今日、そんな私達が話し合うのは、

 

「みんな来たわね。今日、こんな朝早くに集まってもらったのは、他でもない彼が最近私達どころか学校にもこなくなっていることについてよ。」

 

そう言って、ホワイトボードを引っ張ってくる。

 

「みんな何か知っていることはない?」

 

絵里ちゃんが、みんなに問いかける。

 

それに対して最初に発言したのは、海未ちゃんだった。

 

「最初に彼が私達を避けるようになったのはことりがさらわれた次の日です。」

 

その言葉に絵里ちゃんは頷く。

 

「そうね。確かにあの時からだわ。」

 

「そして、その日を境にだんだんと彼の噂がたち始めています。彼が、この学校から転校しようとしているという噂が。」

 

「それなら、私も聞いたことがあるわよ。」

 

そう言ってきたのは真姫ちゃんだ。

 

「なかなかに酷いものがあるわよ。そうね。例えば、その日以来ことりちゃんが暗い顔をするようになってしまったから、『ことりとの一線を越えてしまったので、逃げようとしているのではないか。』とか『何かの犯罪を犯してしまって隠れようとしている。』などね。」

 

それを聞いて私はつい、

 

「あの人は、絶対にそんな事しない!」

 

今まで出したことのないような声の大きさで、叫んでしまう。

 

真姫ちゃんは、そんな私をみて驚いたのか少し慌てて

 

「そんなこと知ってるわよ!」

 

そんな私達をみて希ちゃんが、

 

「はいはい。二人ともその辺にしとき。」

 

その言葉を聞いて私は熱くなっていたことに気づき誤る。

 

「ごめん。」

 

「私の方こそごめん。」

 

絵里ちゃんは、私に問いかけてくる。

 

「ことり、一体あの日何があったの?」

 

私はそれに対して、

 

「あの日、倉庫で閉じ込められて…そしたら彼が扉を開けて、入ってきて…そしたら男達が銃を撃ってきて…」

 

「銃を撃ってきたぁ。あなたよくそれで生きているわね。」

 

「失礼ね。彼が飛んできた弾を撃ち落としたのよ。」

 

「「「「「「「「撃ち落としたぁ。」」」」」」」」

 

「でも、彼の銃も弾がなくなって、男達がチャンスとみて撃ってきたけど彼はそしたら次は、弾をナイフで斬り始めて…」

 

「「「「「「「「弾を斬ったぁ。」」」」」」」」

 

「でも、遂に一発だけ私の方に飛んできたんだけど彼は私の目の前で弾を素手でつかんだのよ。」

 

「「「「「「「「なにぃぃぃ。」」」」」」」」

 

「そしたら、私に睡眠薬的なものをかがして、それから…」

 

「それから、どうしたの?」

 

「そうだ。そうだ!そうだ!」

 

私は彼が私達を避けつづけていることの答えにたどり着いた気がした。それに気付いたときには、勢い良く立ち上がり部室の扉を開け走り出した。後ろで、みんなの呼ぶ声が聞こえるけどそんなものは、完全に無視をして突っ走る。勝手に考えて、私達のことを分かった気になっている人に向けて、私は目標に向かって一直線に走り出した。

 

 




初めてこのシリーズを読む人は、はじめまして。
二回目の人は、お久しぶりです。
暁幸村です。
刊行が遅れてすみません。
リアルの方が忙しくてなかなか書けませんでした。
さて、今日は現在1時眠いのでとっとと後書き仕上げます。
恐らくこのシリーズpart6ぐらいで終わると思います。
それより、長くなるかもしれませんし、短くなるかもしれません。
これからも、お付き合いいただけたら幸いです。
よろしくお願いします。

なぁ、みんなってツンデレとデレデレどっちが好き?


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一世一代の大勝負

私は走る。彼が居るであろう場所へ。その時に私は、思い出していた。彼の

『化け物扱いは、もう勘弁だ。』

という言葉を。おそらく彼は、あの人間離れした行為によっていじめを受けたりしたのだろう。でも、彼は分かっていない。他がそうだからといってここがそうだとは限らないのだと言うことを。

私は、階段をかけ上がる。私は、何となくだが彼のいる場所がわかっていた。私達が彼と初めてあったあの場所だ。私は、扉を思いっきり開ける。朝礼が始まるチャイムがなっているがそんなことは耳にはいらなかった。彼はそこにいた。彼は、扉が開く音がしたのに驚いたのか。こちらを振り返って言った。

 

「ことり。どうしてここに?朝礼が始まるだろう。早く戻れよ」

 

私は、そんな言葉を無視して彼にむかってかける。

 

「ことり?」

 

 

私は、彼の頬を殴った。だが、私のパンチではたいした威力は無いので、彼に痛みなんて与えられない、それでも彼は十分驚いたようで

 

「ことり!?」

 

「貴方は、分かっていない。どうして私を助けてくれたのに私が貴方を避けるなんて思うの。避けるなんて事は、あり得ないことぐらい気づいてよ‥」

 

私は、涙声になりながら言った。すると彼は、

 

「ことり。無理しなくていい。こんな拳銃の弾を手でつかめるような化け物となんていたくないだろ。普通はそうだ。俺だってそう思う。」

 

彼はこの期に及んでまだそんなことを言ってくる。その言葉に私は完全にキレた。

 

「っ‥いい加減にしてよ!無理でこんなこと言うと思ってるの!第一、ホントに貴方のことを化け物だと思っていたら授業をサボってまでこんなところにまで言いに来ないよ!」

 

「だったら、どうしてここに?」

 

「まだわからないの?私は…私は、貴方のことが、好きって言ってるの!いい加減に気づいてよ!」

 

「「「「「「「「あっ」」」」」」」」

 

扉の所で固まっている皆が居た。

 

「みんな‥いつからそこに?」

 

私がそう聞くと、

 

「ことり。無理しなくていいって所からね」

 

 

 

「私だってあなたのことがすっ好きなんですからね!」

 

 

「花陽…」

 

「りっ‥凛だって好きだよ」

 

「凛…」

 

「私も貴方のことをお慕いしていました。」

 

「海未…」

 

「にっにこと付き合いなさいよ。」

 

「にこ…」

 

「うちもお願いするで」

 

「希…」

 

「私も好きよ」

 

「絵里…」

 

「わっ私もよ」

 

「真姫…」

 

「私もだよ」

 

「穂乃果…」

 

彼は、一瞬自分を励ますために嘘をついていると思ったようだが。それも私たちの顔を見て違うと気づいたらしい。

そして、彼は

 

「はっはははははははははははははは。なるほど、全部俺の早とちりだったわけか。お前らは、本気で俺の事想っていてくれてた。それに、俺は気付かなかった。とんだ大馬鹿野郎だぜ。俺はよ。」

 

泣いていた。彼は、笑いながら泣いていた。それは、嬉し泣きだろうか。

 

「こんな事は初めてだぜ。」

 

それは、違うと思う。彼の事を好きになった人は、他にいるはずだ。彼自身が蓋をして目を逸らしていただけだ。ただ一つ彼女らと私達の違うところは、自分の気持ちに素直だったかどうかだと思う。

 

それはそうとして

 

「あの私達への返事は?」

 

ナイス花陽ちゃん。よく聞いてくれた

 

「あぁ花陽その事だが。まだ決めてないんだ。お前らが本気できてくれたからには、こっちも本気で答えなきゃいけない。だから1週間後の夏祭りそれまでに答えを出して一人一人返事をしに行く。俺は、誰も選ばないなんてことはない。必ず一人選ぶ。だから、残りの8名の人には残念なことになる、それは許してくれ。」

 

彼は、申し訳なさそうに言った。だから、私は

 

「それが君の判断なら私達は、それに従うよ。みんなもそうだと思うよ。」

 

私の言葉にみんなが頷く。

 

「私たちは、戻るけどあなたはどうするの?」

 

「俺は少しやることがある。先に行っててくれ。」

 

私たちは戻ろうとする。屋上の扉を閉めて彼が見えなくなったら全員

 

「「「「「「「「「はぁ」」」」」」」」」

 

ため息をついていた。

 

「まさか、こんな形で告白することになるとはね。」

 

「私は、ちゃんとシチュエーション考えていたのにー」

 

「まぁまぁいいんじゃない。」

 

「なにぉ、ことりちゃんはいいじゃん。」

 

「「「「「「「「そうだそうだ」」」」」」」」

 

「うぐぅ。」

 

「まぁいいわ。ちょっと部室に行かない?すこし話したいことがあるの。」

 

「私はいいよ。」

 

「「「「「「「以下同文。」」」」」」」

 

そういうわけで、私たちは部室に向かうことになった。そして私たちは、部室についた。

 

「で、絵里ちゃん話したいことって?」

 

「ええあのね。私たち全員大好きな彼に告白したわけだけど、この戦争にルールをもうけたいと思ったの。」

 

『大好き』の部分でみんながにらんだけど後半の部分で納得したようだ。

 

「それはいい考えね。では、そのルールをきめましょうか。」

 

真姫ちゃんのその言葉で会議が始まった。

 

「まず、既成事実をつくるのはなしね。」

 

「「「「「「「「異議なし。」」」」」」」」

 

「キスはあり?」

 

「そんな破廉恥なことはだめです。」

 

「えええ~。別にいいじゃん。」

 

「私はいいよ。」

 

「「「「「私は賛成。」」」」」

 

「なぜそんな積極的なのですか。わたしは、恥ずかしいです。」

 

「そりゃ、私も恥ずかしいけど。それよりも彼のことが好きで好きでたまらないんだもの。」

 

「素直になったねぇ。真姫ちゃん。」

 

「べっべつにいいじゃない。」

 

「なんですかそれ。私の彼への思いがみんなより弱いみたいじゃないですか。」

 

そこで、ため息をついた海未ちゃんは顔をあげて決意を込めた目で言った。

 

「はぁ~。そんな事は絶対にありません。彼は、私のものです。」

 

海未ちゃんの言葉に私は笑っていった。

 

「そんなことは絶対にさせない。彼は私の彼氏になるの。」

 

「ちょっと、ふたりで盛り上がらないでよ。私たちも負けないからね。」

 

「「「「「「「「「もちろん。これから私たちは親友でチームメンバーで恋敵(ライバル)だ。」」」」」」」」」

 

 



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夏祭りの代わりに

遅くなりました。ごめんなさい。
違うんや。サボってたとかじゃなくて仮面ライダーとウルトラマンが面白すぎるのが悪いんや。

ことり「それ、サボってたっていうんじゃない?」

さぁ、行ってみよう。第4話

ことり「逃げた」


私達が彼に告白した時から5日が過ぎて、朝に皆で集まっているときに真姫ちゃんから私達の耳にとんでもないニュースが飛び込んできた。

 

「えぇッ!!夏祭りの日を含めた日しか合宿が出来ない!?」

 

そう私達µ'sの予定していた第2回ラブライブ東京地区最終予選に向けての合宿が真姫ちゃんの別荘を借りることになっていたのだけれど、お家の人の都合上で別荘を借りることが出来るのがその時しかないのだった。

 

「どっどうしよう?」

 

私は隣にいる彼に聞いてみる。

 

「どうしたもこうしたもないだろ。その日しか無いんだったらしょうがないと思うけど」

 

「でも…」

 

あの約束がある夏祭りの日を無くすことはどうしてもできなかった。皆も不安そうに見ている。でも彼は、笑って

 

「気にすんな。ちゃんと夏祭りに行けなくなったとしても返事はその日に必ずする。約束だ」

 

そう言って私の頭を撫でてくれる。

 

気持ちぃよぉ…ヒゥ!?

 

私の背中に氷を落とされたような衝撃が走った。見れば周りの皆の目が絶対零度より冷たい目をしている。いや、絶対零度なんて味わったことないけど。よく見れば隣の彼も顔に冷や汗が出ている。そして、彼は私を撫でていた手をどけた。あぁぁもうちょっと欲しかったぁ。

 

「うんじゃ、行こうか」

 

「「「「「「「「「うん」」」」」」」」」

 

今日は終業式なので午前中で終わり、私達はまた部室に集まった。

 

「さて、明日から合宿だから早く帰って準備しろよ。」

 

「「「「「「「「「は~い」」」」」」」」」

 

「じゃ、俺は帰るから」

 

そう言って彼は部室を出ていった。彼が出ていくのを確認すると私達は顔を寄せあって

 

「行ったわね」

 

「じゃぁ行こうか」

 

「彼の後を着けるわよ」

 

そう。私達は全員彼の家を知らない。だから、彼の家を調べるためにストーキ…ゲフンゲフン。追跡するのだ。

今日は終業式。持ち物も少ない。いざLet'go!

 

「とは言うもののどこにもいかないわね」

 

「ええ」

 

「うん」

 

「アッ!?どこかに入っていくよ」

 

穂乃果ちゃんが声をあげた。

 

「?アクセサリー屋さん」

 

「どうして?」

 

「もしかして私達に渡すために…」

 

ポンと私達全員の顔が真っ赤になった。

 

「駅前まできちゃったね」

 

「誰かを待ってるのかな」

 

「多分そやとおもうで」

 

そんな彼のもとに女性が一人歩いてきた。二十歳ぐらいの人の綺麗な女性だ。

 

「誰だろう?」

 

「さぁ?」

 

私達全員知らない人だった。その女性に対して彼は何かを話して箱を渡していた。

その箱はさっきの店で買った物だった。その女性は箱を受け取った瞬間に彼を抱き締めていた。彼も嫌ではなさそうで

引き剥がしたりはしなかった。その事に大ダメージを受けていて瀕死な全員の前にまた誰かやってきた。

 

「ちょっ…あれってAーRASEのツバサさんじゃない!?」

 

「どうして彼と一緒に!?」

 

アイドルオタクの花陽ちゃんとにこちゃんが反応する。他のメンバーはもう驚く気力が無くなっていてなにも言わない。そんなツバサさんも楽しそうに彼と話しているのを見て私達は全員なにも言わずに解散した。

 

 

ーーーーーー次の日ーーーーーーー

 

「おはよー」

 

「おはよー」

 

「おはようございます」

 

「アッ海未ちゃんもおはよー」

 

「ええ」

 

集まった私達の顔は暗い。そんな中に彼がやってきた。

 

「どうしたんだ?なんか暗いぞ。」

 

私達は顔をうつ向いたままなにも言わない。が、その中で穂乃果ちゃんが聞いた。

 

「あの…昨日駅前で会っていた人は誰なの?」

 

他のメンバーはなにも言わないが、耳だけはちゃんと傾けているようだった。

彼は笑って

 

「なんだ。見てたのか。あの人は…」

 

ゴクリ

 

「俺の姉さんだ」

 

「エッ?」

 

ガバッ

 

その言葉を聞いた途端全員顔をあげた。

 

「お姉さん?…」  これは私

 

「お姉さんになに渡してたの?」 これは絵里ちゃん

 

「なんでツバサさんと知り合いなのよ?」 にこちゃん

 

フゥとため息をつくのが残りのメンバー

 

彼は後ずさりながら答えていく。

 

「姉さんに渡したのはプレゼントだよ。」

 

「なんでよ。私達全員何も貰ってないのに…」

 

「昨日が姉さんの誕生日だからだよ」

 

「ツバサさんとは?」

 

「ツバサとは姉さんがAーRASEのダンスを教えているからな。それで知り合った。一応AーRASEのメンバーとは良く遊びに行くぞ」

 

「ズルい」

 

「すみませんでした」

 

「まぁまぁこのくらいでいいんじゃない」

 

私達の顔は彼が来る前のお通夜のような状態から一転して明るかった。そして真姫ちゃんの別荘に行くために寝台列車に乗らなきゃ行けないんだけど、そこで彼が爆弾を落とした。

 

「アッそうだ。俺が予約した寝台列車の部屋は二人組だから二人組作れよ。余った人は悪いけど俺と同じ部屋な」

 

彼はそう言って切符を取りに行く。彼の残したその言葉に私達はお互いを見合った。その視線は燃えていた。

 

「これは譲れないな」

 

「私もよ」

 

「「「「「「「「「ジャンケン」」」」」」」」」  

 

私達は手を振り上げ降り下ろす。

 

「「「「「「「「「ポン!」」」」」」」」」

 

穂乃果ちゃん以外全員パー穂乃果ちゃんだけがチョキ。よってこの勝負穂乃果ちゃんの勝ちとなった。

 

「ヤッタァァァァァ」

 

「クッ。しくじった」

 

「やってしもうたわ」

 

「決まったか?」

 

そう言って彼が戻ってくる。

 

「うん。決まったよ」

 

「組み合わせは?」

 

「凛ちゃんと花陽ちゃん。海未ちゃんとことりちゃん。絵里ちゃんと希ちゃん。にこちゃんと真姫ちゃんだよ」

 

「なるほど。りんぱな。ことうみ。のぞえり。にこまき。か。ということは穂乃果が俺と同じ部屋か。ごめんな」

 

「別にいいよ。あなたは分からないかもしれないけれどね。好きな人と一緒に入れて私は嬉しいの」

 

「そっか。ありがとな」

 

「別に感謝される事なんてしてないよ」

 

「いやいや。今だから言えるけど俺はお前のその明るいところに救われたんだ。俺がお前達と一緒にいたいと思った一番の原因なんだぞ。だから、ありがとな」

 

「エヘヘ」

 

むう。なんか二人でいい雰囲気作ってるぅ。これは破壊せねば。

 

「はいはい。行くよ。時間ないわよ」

 

絵里ちゃんナイス。私は目線でそう送る。

絵里ちゃんからは、当たり前よとの返信が。

 

そうやって私達は合宿所に向かう。

 

 

 

 

この物語の終わりはもう近い。

 



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約束

最終回です。一体彼は、誰を選ぶのか


約束の時間まであと10時間

 

「着いたぜ。別荘!」

 

そう言って叫ぶ彼の様子は、どこか疲れているようにも見える。今から3日間の合宿。

 

「ごめん。ちょっと眠いから寝さしてもらっていいか?」

 

「いいわよ。部屋に案内してあげる」

 

「ありがとな。真姫」

 

「別に気にしなくていいから」

 

「それでもありがとな」

 

そう言って階段を上がっていく。5分くらいしたら真姫ちゃんが降りてきた。

 

「彼、寝たわよ」

 

「いよいよ今日ね」

 

そう。肝心の告白日は、今日だ。よって、皆どこか落ち着かない様子だった。ただ穂乃果ちゃんだけは、落ち着いていた。

 

「穂乃果。どうしてそんな落ち着いていられるのですか?」

 

海未ちゃんが聞いた。

 

「そうよ。なんでそこまで落ち着いて入れるの?」

 

絵里ちゃんも聞いた。すると、穂乃果ちゃんは何処か悲しそうに微笑み

 

「私は、彼の好きな人が分かっちゃってるから」

 

「どういうこと?」

 

「昨日、一緒のベッドで寝た時に彼、うわ言で彼女の名前を呼んだの。それが決め手だったけど、それまでも彼の彼女に対する目は私達とほんの少し違っていた。極々少しの違いだったけど彼の気持ちは私には、伝わった。それで、朝彼と話をすると本当の事を聞かせてもらった。だから、私は諦めようって。彼が選んだことだから、私は見守ろうって。でも、私は変わらない。例え彼がその人と付き合ったとしても、私が彼を愛する事に変わりはない。その人が彼と付き合っても、私はその人との大切な友達な事に変わりは無い。だから、私は見守ろうって思えたの。それに、キス‥して貰ったし」

 

穂乃果ちゃんの話を聞いていた私達は最後の言葉にフリーズした。えっえっ穂乃果ちゃんが彼とキスした‥

 

「なーんだ。キスしちゃったのか。もっと深刻な話かと‥‥‥‥‥はぁぁぁぁぁキスしたぁぁぁぁ。どういうことぉぉぉぉぉ」

 

私が問い詰めると穂乃果ちゃんは顔を真っ赤に染めながら

 

「うん。私が本当のこと聞いて大泣きしていたら彼が『なんでもいう事一つ聞いてやるから泣かないでくれ。確かに恋人にはなれないけど穂乃果の事は親友としては、ずっと居るし大好きだ』って言ってくれて、私が『じゃぁ‥抱き締めて‥キス‥して。せめてこの寝台列車の間だけは、二人っきりのこの時だけは、私を貴方の彼女でいさして、それでもう諦めるから。それが終わったらもう私は彼女になんて望まない。貴方の事が大好きな親友になるから。でも‥貴方が彼女と別れたら私が貴方を貰うからね』って言ったら、彼‥抱き締めてキスしてくれたの。勿論ディープの方でね。暖かかったし、何より気持ち良かった。身体中が悦んだみたい」

 

「ハッハラショー」

 

「先を越されました」

 

「そうだにゃー」

 

「うちが負けるとわ」

 

「なにそれイミワカンナイ」

 

「いいなぁ」

 

「ウソダドンドコドーン」

 

「そんなことよりそのキスファーストじゃないでしょうね」

 

「「「「「「「ハッ」」」」」」」

 

「うんうん。ファーストだって。私がキスしてって言った時『俺は初めてだからよくわかんないけど満足するまでやってやるから」って言ってくれてるから」

 

顔を真っ赤に言った、その言葉につい私は

 

「オンドルルギッタンディスカー」

(ことりがぶっ壊れたため復活するまで、これより三人視点になります)

 

「まってことり。なに言ってるの?イミワカンナイ」

 

「流石ね。ことり。オンドゥル語を習得したのね」

 

「絵里!?」

 

「いやーものすごくカッコよくて可愛かったからつい貞操まで奪っちゃおうかとおもったよ」

 

「穂乃果⁉︎」

 

「パンツハワタサン!」

 

「「「「「「⁉︎」」」」」」

 

そこで絵里とことりを除く全員の気持ちを代弁して凛が言った。

 

「絵里ちゃん通訳して欲しいにゃー。いやしてください」

 

「仕方ないわね。1回目が『本当に裏切ったんですか』で2回目が『そいつは渡さん』って言ってるのよ」

 

「ああ。なるほど‥って分かるか!」

 

「私も理解するのに時間がかかったわ。作者だって『ウソダドンドコドーン』がオンドゥル語だって知るの最近だったそうよ。『ウソダドンドコドーン』の存在は随分前から知っていたそうだけど」

 

「絵里ちゃんメタイにゃー」

 

「あら、ごめんなさい」

 

「?『ウソダドンドコドーン』はなんて言ってるの?」

 

「『嘘だ。そんなこと』よ」

 

「ああ、そういう事」

 

「まぁ取り敢えずあの二人止めない?彼が起きちゃうし」

 

希がそう言って指差す方では穂乃果とことりが自分がどれだけ知っているか勝負をしていた。

 

「そうね。止めましょうか」

 

そう言って絵里が二人を止めようと近づいて声を掛ける。

 

「はい。二人共そろそろ終わりに‥」

 

「「はぁ‼︎」」

 

「いえ。なんでもないです」

 

すごすごとみんなのもとに戻ってくる絵里。

 

「ごめん。無理」

 

「しょうがないわね。次は私が‥」

 

にこが繰り出そうとするがそれを

 

「いえ。それをしなくてもこうすれば止まります」

 

花陽が止めた。

 

「どうするの?」

 

「こうします」

 

そう言って花陽は軽く息を吸い

 

「あーあ。今、上の部屋で彼が寝てるのになぁ。うるさくすると彼が起きちゃうなぁ」

 

「「ピク」」

 

「止まったわ」

 

「おお」

 

一時的に停止ている二人に向けて花陽の言葉を続ける。

 

「寝てたらその横に潜り込む事ができるのになぁ。起きちゃったらそれもできないなぁ。それかお昼ご飯を作ったら彼に手料理食べさせてあげられるのになぁ」

 

「「ダッ!」」(二人が駆け出そうとする音)

 

「あっでも、布団に潜り込むならちゃんと妥協したほうが彼が喜ぶと思うんだけどなあ」

 

「「ピタ」」(二人が立ち止まって向かい合った音)

 

「「ガシ」」(二人が手を握る音)

 

「「タッタッタ」」(二人が早歩きで階段を上がる音)

 

10秒後

 

「行ったわね」

 

「行ったね」

 

「行ったにゃー」

 

「流石ね。花陽」

 

「策士ですね」

 

「うーん。嬉しいんだけど、複雑かなぁ。私も一緒に寝たかったぁ」

 

「なら、料理は、にこがしといてあげるから花陽は行ってきなさいよ」

 

「いいの⁉︎」

 

「いいわよ。あれを止めた功績よ」

 

「しょうがない。ウチも手伝おか。ほらエリチも」

 

「えっ⁉︎」

 

「『え⁉︎』じゃないわよ。行くわよ」

 

「私も一緒に寝たかった」

 

そうやって引きずられていく絵里を見ながら一年生組は

 

「私たちどうしましょうか?」

 

「私は彼のベッド直行」

 

「凛はどうするの?」

 

「凛は近くを散策してくるにゃー」

 

「じゃ、私は曲作ってきましょうかね」

 

そう言って別々にわかれた。

 

約束の時間まであと7時間

 

 

 

ーーーーキングクリムゾンーーーーーー

 

 

ーーーーことり目線ーーーーー

 

やっと戻ったよ。私目線。全くなんで三人視点になったんだか。えっ、私のせい。知らんな。

 

「さて、約束の時間が刻一刻と近づいております」

 

「絵里ちゃんなんで実況者風?」

 

「なんとなく!」

 

「もうダメだ!この生徒会長‼︎」

 

うん。私もそう思うよ。穂乃果ちゃん。っと、彼と真姫ちゃんが何か話してる。何話してるんだろう?

 

「ちょっとちょっと。真姫」

 

「何よ?一応一人一部屋あるよな?」

 

「ええあるわよ」

 

「じゃぁ、みんなに自室に戻るように言ってくれないか?」

 

「どうしてよ?」

 

「約束の時間に俺がその人の部屋を開けに行くからさ」

 

「そういう事ね。いいわよ。って貴方何その顔?」

 

「?どんな顔してる」

 

「まるで死にに行く兵士のような顔」

 

「ああ‥真姫なら話してもいいか」

 

「何よ」

 

「正直な話。聞いただろ。好きな人はいるんだ」

 

「ッ。ええ」

 

「でもな、俺がその人と付き合うことによってこのμ'sが壊れるのが怖い。その人と付き合うことによって俺がもう仲間と見てくれないかもしれない。それが怖いんだ」

 

「ふふふ」

 

うふふふふふ。彼がそんなことで悩んでいたなんて。今から思う事と同じ事真姫ちゃんいうだろうな。

 

「なんで笑ってるんだ?」

 

「何を気にしてるかと思ったらそんな事」

 

何を気にしてるかと思ったらそんな事

 

「そんな事って‥」

 

「周り見てみなさいよ」

 

周り見てごらんよ

 

「エッ⁉︎あ‥」

 

「皆そんなことしないわよ」

 

皆そんなことしないよ

 

「だって‥私達は」

 

だって‥私達は

 

「「「「「「「「「貴方のことが大好きだから」」」」」」」」」

 

「確かに貴方が私と違う人を選んだら悲しいけど、それはきっとその人の方が私よりも貴方のことをずっと助けたからだと思うの。だから、私は別に貴方のことを嫌いになったりなんかならない」

 

確かに貴方が私と違う人を選んだら悲しいけど、それはきっとその人の方が私よりも貴方のことをずっと助けたからだと思うの。だから、私は別に貴方のことを嫌いになったりなんかしない。

 

「はははは‥穂乃果」

 

「うん」

 

「お前の言った通りだった。俺は、本当に幸せな人みたいだ。こんな素晴らしい人達に好きになってもらって‥」

 

「うん‥うん!おいで」

 

穂乃果ちゃんがそう言った途端彼は、穂乃果ちゃんに抱き付いて泣き出した。いいなぁ。いいなぁ。うらやましいなぁ。

 

「ほら。言いに行くんでしょ。皆に部屋に入ってもらわないと」

 

「うん」

 

何⁉︎なんなの、あのしおらしい態度。めっちゃ可愛いんだけど。あれもう人殺せるよ。

 

「じゃ、皆というか穂乃果以外は部屋に戻ってくれるかな。約束の時間まであと10分ないし。約束の時間ぴったりに俺が部屋を開けに行く。ちゃんと扉の前に名前書いとけよ。じゃないと入ったけど人違いでしたになるから」

 

「それは嫌ね」

 

1分後(ここから彼目線です)

 

「全員入ったよ」

 

穂乃果がそう言いに来てくれる。

 

「ああ、ありがとう」

 

「大丈夫?」

 

「ああ‥大丈夫だ」

 

大丈夫だ。もう心は、勝利の法則は決まった。

 

「それじゃあ‥いってらっしゃい」

 

「ああ‥行ってくる」

 

そう言って、穂乃果から離れ彼女の部屋に向かう。

 

「ここからは‥俺のステージだ‼︎」

 

小声でそう宣言し、彼女の部屋の前まで歩いていく。時計を見る。

約束の時間まであと10秒

 

9‥俺は彼女部屋を見つける。

 

8‥部屋の前に立つ

 

7‥大きく息を吸う

 

6‥大きく吐き出す(完全防音すげぇな)

 

5‥手をゆっくりゆっくり近づけていく

 

4‥手を近づける(もうちょい‥もうちょい!)

 

3‥手がドアノブに触れしっかりドアノブを掴む

 

2‥ゆっくりとドアノブをひねっていく。(流石。金持ちが持つ家なだけはある。ドアノブ回しても音が鳴らない)

 

1‥ゆっくりドアを開けていく。

 

0‥「なんで、そんな泣きそうな顔してんだ。俺はお前の笑ってる顔が大好きなんだ」

 

なに?こんな私でいいのかって?

 

「当たり前だ。俺はお前のことがこの世で一番大好きだからな。お前が言っただろ愛するのに理屈とかいらねぇんだよ」

 

そして、駆け寄ってきた彼女をしっかりと抱きしめる。

 

「大好きだぞ。ことり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




短いですがこれで『ラブライブ 南ことりの恋物語』を終了とさせていただきます。これまでお付き合いいただき、ありがとうございました。私は、他にもどんどんゆっくりながらも投稿していこうかなと思いますので私の別作品もよろしくお願い申し上げます。

また、別作品でお会いできることを願いまして筆を置かせていただきます。
ご愛読ありがとうございました。


あっ、もしかしたらこの後の大人になった後の話書くかもしれません。


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