ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ (与麻奴良 カクヤ)
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*第一編 ジーク  *第一部 ただ何もしない 東の海 *第一章 シェルズタウン、オレンジ村
72 第一話 俺の名は


新連載です。
文才ないですがやっていきたいです。
週一投稿の予定です


カップに入っている黒い液体に集中、そして手に持った白い液体が入った容器を傾け少しずつカップに注いでいく。

段々、色が変わっていく。もうちょい、もうちょい。

 

よし、完成だ。これぞ究極飲み物。

 

「もういいのかい?しかし、そりゃカフェオレじゃねぇか。それくらい言ってくれりゃあ淹れてやるのに」

 

「カフェオレにはコーヒーとミルクの比率が曖昧だろ?俺好みの味を淹れるには俺以外には難しい。だから余分に払って自分で淹れ差して貰ったんだ。」

 

俺、ジーク・クリューギュロスはある目的の為に海賊をやっている。海賊と言っても俺を入れて二人。海賊旗も持ってないような新米海賊だが。

 

船長がある奴を仲間に勧誘する為、自由行動中にカフェに入り一息ついている所だ。

 

「まあそうだよな。お金を貰っているこっちの身からしたら特に問題はないがな。しかし今日は海軍基地の方が騒がしいな。お前さんも可愛い顔してんだら気い着けろよな。」

 

「わ、分かった。気を付けるよ」

 

俺はどうやら店主に女に思われているようだ。

 

何回目だろうか?この誤解は。

 

俺は店主が間違う程女に似ている。顔立ちや体は中性的でどっちかというと女に近い。が胸は無いし下は付いている正真正銘の男だ。

 

髪が腰まで届く銀髪のロングヘアと声が男性にしては高すぎるのが進んで女に見える様だ。

 

そんな容姿があって俺は初見では男と見られない。もう特に問題がない場合以外訂正するしない。いちいち訂正するといくら時間があってもたりないから。

 

それより先ほど店主が言った通り海軍基地が騒がしいと言う事は船長が暴れている様だ。ならそろそろ時間かな?

 

カップの中のカフェオレを飲み干してカウンターに置くとバックを持ち店を出る。

 

「ご馳走さん」

 

「おう!また来いよ」

 

元気の良い店主だったな。来いって言ってもまたこの島寄るだろうか?

 

カフェを出ると俺は市場に向かった。

 

海賊と言ったら海で航海するのが基本だ。特に頼まれた訳でもないが船長がそう言った所は全くと言って期待できないので俺がやる。

 

水や保存食料を買いながら手帳に値段と用途を記入する。

これは昔、仲間ではなかったが一緒に旅した奴がしつこく進めて来たので仕方なくしていたら習慣づいた。あいつも気に入った海賊に会えただろうか?

 

そうこうしているうちに買い物も終わり港に戻り出港準備をする。

四人も入れは狭い舟なので直ぐに終わり船長を待つ。

 

 

 

 

少し待つとやって来た。

 

麦わら帽子を被った少年と刀を三本ぶら下げた男だ。

 

「お、ジーク」

 

「目的は果たせたようだな。こっちは買い出しは出来ているぞルフィ」

 

先に声を掛けて来たのは俺が所属する海賊の船長であるルフィ。本名、モンキー・D・ルフィだ。麦わら帽子を被った少年の方だ。歳は俺より少し下らしい。

 

「お前がルフィの言ってたもう一人の仲間だな。ゾロだ。」

 

「『海賊狩り』のロロノア・ゾロか。」

 

この緑髪の剣士こそが俺がルフィから離れて一人でいた理由だ。縁があってこの島に偶然来た俺達は最近有名な『海賊狩り』が海軍基地に捕まっていると聞きルフィが興味を持った。

荒行時は出来るだけ避けたい俺はゾロの解放と勧誘をルフィに任せて一人でぶらついていた。

 

「俺はジーク・クリューギュロス。ジークが名前でクリューギュロスが家名になる。言っとくが男だからな」

 

「そのなりで男かよ!ともかく分かった。」

 

ゾロは直ぐ納得してくれて助かった。ルフィに話した時は髪が長い事を聞かれてこの髪型をやめれない理由を思い出して気分が悪くなった。

 

ホントにこの髪型にはウンザリだ。

 

 

 

 

 

今、海兵等に敬礼されながら出港している。

 

事の起こりは俺とルフィが出会うきっかけになったコビーという少年が原因になる。

 

 

アビルダという女海賊に殺されそうになっていたコビーをたまたま居合わせた俺とルフィが助けたのが始まりだ。

 

自分に会う海賊を探していた俺はその場でルフィに勧誘された。

その時にルフィが言った言葉こそが俺が待ち望んでいた言葉であった。

俺はルフィこそが待ち望んでいた海賊だと確信し承諾した。

 

ルフィの仲間になった俺だが行く当てもないそうなのでコビーの希望で海軍基地のあるシェルズタウンに降り立った。

 

コビーには夢があり海軍将校になる為にこの島の海軍基地に入る為だ。

 

 

そして現在、詳しい事情は知らないがコビーは無事入隊出来たそうだ。

 

俺達が出港する為お別れの挨拶に来た。ここまでは俺も予想が付く。しかし何故かその後この島の海兵がぞろぞろと集まり出港する俺達に敬礼しだした。

 

訳が分からない。俺がいない間に一体何があった。海軍に感謝されるなんて俺達が海賊だと知らないのか?

 

こうして俺達は海軍に敬礼されながら出港するという奇妙な体験をした。

 

ホントに何があった!?

 

 

 

 

あの奇妙な出港の後、ゾロが話し掛けてきた。

 

「そういやあさっき聞きそびれちまったがジークお前の名前変わってんな。」

 

「そうか?生まれた時からずっとそうだから違和感はないが他の人はそう思うのか。俺の家系はずっとこう名乗っているらしい。」

 

俺の名前は家名が後にくる。

詳しいことは知らない。

めんどくさい家名だと思っている。

 

「あー腹減った」

 

「大体ルフィ、お前が航海術を持ってないのはどうなんだ?」

 

「おかしくねえよ。ジークと会うまで漂流してたもんおれは」

 

「海にでるのに航海術を少しも持ってないこいつは置いといてゾロは海を賞金首を狙ってさすらってたんだよな。なら航海術を持ってるよな?」

 

ルフィが航海術を持ってない事はシェルズタウンに着くまでに分かったので今は俺が取り敢えず舟を近い島に向けている。

俺も一応航海術は持ってはいるが専門家には及ばない。

そこでゾロが持っていれば押し付け、交代制にしたい。

 

「いや、そもそも賞金稼ぎを名乗った覚えはない。ある男を探して海に出たら自分の村に帰れなくなっちまって仕方なくその辺の賞金首を狩って生活費を稼いでいた。」

 

「お前もルフィと同類か!?」

 

「なんだ迷子か」

 

「その言い方はやめろぉ!」

 

ちっ、この2人は使えない。このままじゃ遭難するぞこいつら

 

「このままじゃあグランドラインに入れないぞ。」

 

「そうだな。早いとこ航海士を仲間に入れないと」

 

「なんで?。ジークがいるじゃん?」

 

「俺はかじり程度の知識だ。専門家には及ばない。」

 

そのくらいだと通用しない。あの海は。

 

「あと音楽家とコックに…」

 

「後でいいだろ!」

 

「「あー腹減った」」

 

ルフィとゾロは二人して倒れた。

 

「そんな事しても食料は渡さないぞ。お前らに好きにさせたらいざって時になくなると困る」

 

こいつらの食いっぷりは呆れる。

今度買い出しする時はもっと多く買わないと

 

「お、鳥だ」

 

「割とでけえな。よし、食おう」

 

「は?」

 

俺が今後の食料の量を考えている隙にルフィとゾロは鳥を見つけたようだ。

 

「おい。いいのか?」

 

「別に自分で狩って食べる分は怒りはしなさ」

 

そう言って空を見上げると鳥に食われて連れ去られるルフィの姿が見えた。

 

「ぎゃー助けて~」

 

「「あほー!!」」

 

食おうと思って喰われるってなんじゃそりゃ!?

 

下は既に海だ。降りようにも降りれないはず。いくらルフィでも海に突っ込む事はないだろう。

 

ゾロは急いでオールを漕ぐ。俺はルフィを見失わない様に視界を前に向けた。

 

ちっ、こんな時に!

 

「おーい、そこの舟。止まってくれぇー」

 

「なんだ?」

 

「こんな時に遭難者だ。どうする?」

 

「舟は止められるか!おい、舟は止めねえ。勝手に乗り込め」

 

遭難者三人はゾロの声を聞くと根性で乗り込んで来た。

三人は乗り込んでくるなり舟を奪おうとした。

 

やれやれ、戦闘は苦手なんだよ。

ゾロ、助けてくれ。

 

 

 

結局、ゾロが三人をシメた。今はオールを持って漕いで貰っている。

ゾロが三人に事情を聞くと素直に喋ってくれた。

 

 

三人は商船を襲って三人が所属しているバギー一味が拠点にしている町に戻る途中で一隻の舟を見つけたそうだ。

近づくと女が乗っていて「遭難したので食料と水を分けて欲しい」と言ったそうだ。

三人は女が交換で宝をくれると知るとまずは宝の確認だと女の舟に乗ると自分達の舟が動いた。

女に騙されて逆に持っていた宝を舟ごと奪われたらしい。

その際「間もなくスコールが吹くでしょう。転覆に注意を」と言って去っていったらしい。

その後、女の予言通りスコールに会い見事転覆そのまま海を漂っていたらしい。

 

 

それを聞いたゾロと俺は遭難した方より原因を作った方に興味を持った。

 

「天候を操るみたいに海を知り尽くしているのかその女。航海士になってくれねぇかな」

 

「そうだなそこまでならかなりの専門家。仲間に入れたらグランドラインでも安心して航海できそうだな」

 

俺とゾロが気をそらしていると三人は慌てて相談していた。

そこにゾロは何回も出てくる名前が気になった。

 

「そのバギーってのは誰だ?」

 

「イーストブルーで高額な賞金首の内一人だ。その中で唯一悪魔の実を食っているらしい。」

 

「おぉ、アネゴは詳しんですね。」

 

誰がアネゴだ。面倒なのでそのままにしておくが…。

 

俺がバギーを知っている理由だがまぁ昔ある人から聞いたことがあるのとだたの情報収集で知った位だ。会った事はない。

 

取り敢えず俺達はそのバギーがいる島に向かう事にした。

進路も勝手にやってくれるのでラッキー。

 

 

そんなに経たずに島に着いた。

子供一人としていない。

海賊がいる町の典型的な状態だ。

多分近くに避難しているのだろう。

三人の案内でバギーの所に向かう。

 

バギーがいるという酒場に向かって歩いていると爆発音と建物が崩れる音が響いた。

 

「おい。この音は何だ!?」

 

「あ、はい。あれは多分バギー船長の特製バギー玉の音ですぜ。」

 

バギーは大砲好きだと聞いていたが自分の名前を入れる程とはな。それにさっきの音の大きさだとかなりの威力だと想定できる。

俺には防げないかもな。

 

そこで酒場の上に檻に入ったルフィが見えた。

大砲が向けられていた。

 

「ゾロ!先に向かってくれ。少し準備してから行く!」

 

「分かった。」

 

 

手に力を込めていつでも発動出来る様にしておく

急げ、間に合えよ。

 

屋上に上がるとゾロが腹から血を流していた。

ゾロは後ろを向いて逃げている。

ナイフが追っている。そこに割り込んで能力を発動する。

ナイフは俺が造った鏡に当たると反対方向に返った。

 

「「ジーク!」」

 

「悪い遅くなった。」

 

ルフィは檻の中、ゾロは負傷していたがそのまま大砲をバギーの方に向けると隣にいたオレンジ髪の女の子に点火を頼む。

俺は即座にこれからやることに気づき鏡を消す。

大砲を向けられたバギー一味は焦り始める。そしてバギー一味がいた所が消し飛んだ。

そのすきに逃げる。

オレンジ髪の女の子はうちの航海士だとルフィは言う。本人は泥棒だと言った。どっちでもいいからここから逃げるぞ。

俺が手伝って二人でルフィが入っている檻を運ぼうとすると一人の方が運び安いと言って傷口から血が噴き出るのを気にせず持ち上げる。

 

「ゾロ、やっぱり俺が…」

 

「お前の細い腕でこれが持てるか。おれはおれのやりたい様にやる。口出しするな!」

 

ゾロはそう言って一人で酒場から持ち出した後、結局俺も手伝い二人で運んだ。

二人でも結構重い。腕が千切れる。

 

 

酒場からだいぶ離れた場所でゾロが倒れた。血が足りないそうだ。

むしろここまで歩けたのがおかしい。

俺は腕が痛い。

 

ルフィが犬と喧嘩している。

ゾロが怒って傷口からまた血が噴き出る。あぁクソ。包帯など治療道具は舟に残して来た。取ってくるべきか?

 

そこに航海士(暫定)がやって来て助けてくれたお礼だと檻の鍵をくれた。

これでルフィを出せると一息入れた所で先程ルフィと喧嘩していた犬が鍵を食べてしまった。

鍵なんか食べて消化は大丈夫なのか?ってそんな事言ってる場合じゃねぇ。これだとルフィを出す方法がなくなった。壊すしかないか?ゾロは鉄を切れないだろうし困ったな。

 

ルフィが犬をゆすって鍵を吐かせようと頑張っていると体の所々点々に鎧を着た爺さんがやって来た。

この町の村長さんだそうだ。ついでに犬の名前はシュシュ。

 

ケガをしているゾロを村長さんの家に寝かせてもらった。

寝たら治るってどんな体してるのやら。

 

その後、村長さんからシュシュがここにいる理由を聞いた。

シュシュは海賊から主人の店であるペットフード屋を守る為にここにいるらしい。

村長さんはそのシュシュのエサをやりに来たそうだ。

シュシュは自身の身が傷ついても海賊からこの店を守り切った。

主人が亡くなっていても。

シュシュの主人は三ヶ月前に病気で亡くなったらしい。

シュシュは主人の言付けを亡くなっていると分かっていながら守っている。

 

……いい話だけど昔あの人から似たような話を聞いたことがあるような?

 




どこで切ればいいか分からないので適当に切ります。
そして初の五千文字越え

付けた方がいいダグや誤字脱字、こうした表現が良いなどありましたら報告お願いします。


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73 第二話 VSバギー

 シュシュの主人の店が燃えている。海賊が火を放ったのだ。

 

俺があの時逃げずに立ち向かっていたらこんな事にならなかったかもしれない。

俺なら一人でも勝てたかもしれないのにまた先入観で逃げた。

 

一緒に逃げた村長さんと女の子と一緒に燃え尽きた家をみている。

女の子が怒った。

 

「どいつもこいつも海賊のすることは皆同じよ。人の大切なものを平気で奪って!」

 

「それは一方的な見方だ。海賊が皆そんな事する奴らばかりじゃない。世界は広い」

 

俺は体験談を混ぜて反論した。

 

俺はそれを知っている海賊の全部が一般人に害を与える存在ではない事を。現に前に寄った島ではルフィが海軍の権力を暴行していた奴を倒して感謝されている。

それにあの言い方だとまるで体験者の様だ。

 

そこにルフィが戻ってきた。女の子はルフィにも怒鳴る。

 

俺がシュシュの店に対して許せる唯一の救いは逃げる時にルフィを置いて逃げたことだ。

そのおかげでルフィは檻から出ることができた。

そしてルフィその海賊を倒しペットフードを一箱取り返した。

シュシュはそれを銜えて去っていった。

それを見て女の子はルフィと俺に謝ってきた。

 

「怒鳴ってごめん!」

 

「いいさ。大切な人を海賊に殺されたんだろ?」

 

「………。そうだ、貴女の言う通りかもね。色んな人がこの世界にはいるのね。」

 

「こちらこそ君の事を考えずに言ってしまって申し訳ない。大切な人を海賊に殺されたならあの海賊に対する態度も納得いく。」

 

その気持ちは昔痛い程教えられた。

俺は海賊に昔からなりたかった。

その時に約束させられた。

一般人を殺すモーガニアではなく一般人に害が無い、むしろモーガニアを倒すピースメインでないといけないと。

その時に一般人にとってはモーガニアもピースメインも同じ海賊で理不尽な罵倒を覚悟してと。

 

最後に彼女は俺のことを同性の女だと誤解していそうだったので男だと訂正したら凄く驚かれた。

ルフィは仲間にするつもりだから隠すつもりもなくというか必要なので性別は訂正するに決まっている。

肌が白いくスベスベだと羨ましがられたり声でも男口調の女の子だと思っていたなどと言われた。

肌に付いて聞かれたので何もしていないと答えたら「男でそれ詐欺でしょ」と呆れられた。

 

俺の苦労を知らずに言ってくれる。

道行く人に女性に間違われたりジロジロ見られたりとの苦労を知れ。

 

俺の事はそれくらいにしておいてルフィの先ほどの行動に村長さんのやる気に火が付いた。

ルフィも村長さんをのせた。

 

あんまりのせたら後々面倒な事になるぞ。

 

その時だ。爆発音と共に俺達の近く、シュシュの主人の店跡や村長さんの家の並ぶ一列が全て吹き飛んだ。

村長さんの家でゾロが寝てたのに死んだかな?そんな位で死なないはずだが…。

 

結果、ほとんど無傷でいた。

あいつは可笑しい。普通は死ぬ。

 

ゾロが生きていた所で村長さんは町が大幅に壊された事でキレて一人でバギーの所に重い鎧でお世辞にも速いと言えない速度で走って行った。

 

ここでの目標はあの村長さんを死なせない事とグランドラインへの海図を奪うこと。

そこで俺達は海図と航海士が欲しい。彼女も海図とお宝が欲しい。

利害が一致しルフィは勧誘した。

彼女、ナミは手を組むと言った。

 

おい、それはあくまでも俺達の仲間にはならないって言ってるみたいだがルフィは仲間になったつもりだぞ。

 

そうして俺達はバギーの所に向かった。

正直言って行きたくない。

勘だがバギーと会ってはいけない気がしてきた。

 

そんな事を思いながら着く。

先に着いていた村長さんは危なかった。

バギーの手で首を絞められていた。

間一髪でルフィが引き離す。

そして「わしの戦いじゃから引っ込んでおれ」という村長さんを壁に思いっ切りぶつけて意識を奪った。

俺とナミ、バギー一味もこの場にいた全員が言葉失う。

村長さん、死んでないよな?

ナミがルフィを叱るがルフィは

「邪魔!」

その一言。

ゾロも上策だとルフィを肯定した。

「「無茶すんな!!」」

ナミとハモった。

 

茶番?はそのぐらいにしてルフィがバギーを「デカッ鼻ァ」と急に叫ぶ。

怒りに触れたバギーはバギー玉を発射する。

ヤバ!!俺が能力で防ぐか?

俺が迷っているとルフィは空気を吸って膨らみそのお腹で弾を弾き返した。

びっくりした。そう言えばルフィは弾と相性が良いんだったな。

弾き返したバギー玉は撃った本人に返っていき爆破した。

これで終わらないかな?

と思ったがバギーと副船長を名乗る奴らは仲間を盾に生き残った。

ちっ!

 

爆破で気絶していた仲間の一人が起きてバギーにルフィが悪魔の実のゴム人間だと忠告するがバギーにこちらへ飛ばされた。

男の進路上に角度を付けた鏡を作る。男はそのままぶつかり家の壁へ跳ね返され激突。気を失った。

 

「あんた達何なの?伸びたり変な壁をだすし?」

 

「能力者だよ。」

 

「俺はゴム人間だ。」

 

「ところでルフィ敵の幹部っぽいのを一人倒したから俺はもう戦わないぞ」

 

これと狙ってあの飛んできた男がルフィと接触する前に鏡を展開したが上手く行ってくれて良かった。

 

次に一輪車に乗った男が仕掛けて来た。

剣を使うとの事でゾロが相手になった。

見ているとゾロが劣勢。相手はゾロのキズを狙って攻撃している。

遂にゾロは自分から腹を切った。ハンデとか言ってるけどそれで負けたらシャレにならねぇぞ。負けるなよ。

 

そこでナミが提案して来た。

 

「聞いて。吹き飛んだ店の裏に小屋があるの。そこにあいつらのお宝があるわ。私は先にお宝を頂いて逃げるから。多分バギーが持っているグランドラインの海図を手に入れたらその時は仲良くやりましょう。」

 

「おぉ、ありがとう」

 

ルフィはバカ正直にナミの言う事を聞き引き止めない。

 

手を組むと言ったが仲間に加えたいなら海図を持って来いとのことかナミはお宝の場所は検討が付いてるみたいだし手間が省ける。

よし、ついて行こう。

 

「ルフィ、俺もナミについて行って宝を拝借して来る。バギーを頼んだ。」

 

「任せろ!」

 

ちらりとゾロを見ると男はコマを投げていた。

そのすきに俺はナミを追って場を離れた。

 

俺が海賊を相手にした時ただ倒すだけでなく海賊らしく金目の物を奪っている。

もしもの時に備えて貯金があるらしいが俺が集めたわけでないからあまり使いたくない。

そこで海賊から奪って生活費を稼いでいた。ゾロと違う点は海賊を海軍に引き渡さない事だ。俺も海賊だがらわざわざ捕まりに行く訳ない。

 

ナミに追いつくと嫌味を言われた。

 

「なに?私が逃げない様に監視でもしにきたの?あいにくだけど許可したのはそちらの船長よ。」

 

「別にそんな訳で着いて来たんじゃない。俺も海賊なんでね。宝を奪いにきたわけ。目的は一緒だ。」

 

「なら、か弱い乙女の為に少し持ってよ。そしたら少し分けてあげる。あんたが持てたらだけどね」

 

それは俺の腕が細すぎて力が無いとでも言いたいのか?

良いだろう持ってやるよ。分けてやるなど言うがナミは俺達の仲間になるのだ。そうしたらこの宝は俺達の食料に廻してやる。

腕が細いと言われたことは怒ってないとも。

ええ、俺の細腕に秘められた力を見てろよ!

 

渡された袋を受け取ると明らかに大きさが違った。

不公平だろ!

あぁ、重い。

 

表に戻ると戦いは一進一退だ。

どっちの攻撃も当たらず避けられる。

 

「夢でも見てるみたい。」

 

ナミは能力者同士の戦いを初めて見たのだろう。

そりゃイーストブルーでは中々能力者を見ないしな。

あいにく俺はもっと化け物たちの戦いを見たことある。

思い出すだけで戦意がなくなる。あれは。

 

「お前、ジーク・クリューギュロスだろ?俺様の事を『お嬢』から聞いたことがあるだろ。俺とお前が手を組んだら世界を取れる。どうだ?」

 

考えごとをしていたらいつの間にかバギーがこっちに向かって来ていた。

え?なに、この人は俺を勧誘してるの?

やっぱりこんな事が起こるかも知れないからあの人の関係者に合うのはごめんだったんだ。

 

「手始めにこいつらを殺して俺様の有能性を見せてやる。」

 

「あ、あの…。俺はこいつらが気に入っているのであなたの海賊団に入るのは—」

 

「俺の財宝に手ぇ出すんじゃねぇ!!」

 

聞いてないし。

しかし幸い、バギーは比較的弱いと聞いている。

っと、ナミに向かって飛んできているバギーをどうにかしないとな。

早速、鏡を作りバギーの進路妨害をする。

 

「ぶぅうえ。はっう!!」

 

ナイスルフィ。

突如出来た俺の鏡にぶつかっている隙にルフィが残っていたバギーに金的を入れた。

…痛そう。ご愁傷様です。

 

「おいお前、それ置いて速く逃げろ!」

 

「バカじゃないの?なんで私が宝を置いて行かなきゃ行けないの。これは一度私が手に入れているから私の物よ。」

 

「あーなるほど」

 

「納得すんな!おい、宝をよこせ。逃げるぞ。

 

「あ、ちょっと私の宝を返してよ!」

 

俺はナミから宝の入った袋を奪うとバギーから逃げるべく動いた。

 

宝の入った二つの袋は思ったより腕に負担がかかる。

悲鳴を上げる腕を無視して動く。

ついでにバギーの弱点を思い出し伝える。

 

「ナミ、泥棒ならもう一つ盗む物がある。そうしたらこの宝はお前の物だ。」

 

盗むものと言うのはバラバラになったバギーの体のパーツの一部だ。気づいてくれると良いけど。

あ、ゾロの奴また道で寝やがって。

まぁ勝ったなら良いけど。

 

 

 

よしナミを振り切ったな。この隙に宝を少し拝借する。

最近は財布の中身が減る一方だったから収入が無いとやって行けなくなる。

この宝もナミが仲間になったら俺達の資金になるはずだがもしもの事があっても大丈夫な様に俺の財布に入れておかないとな。

それにしても重いなどんくらい入ってんだ?

バギーが吹っ飛んでいったのが見えた。そろそろ戻ろうか。

 

「そらよ、約束通りこれはお前のだ」

 

「わぁっ。急に投げないでよ!」

 

ルフィ達と合流するとまずナミに財宝を返してやった。

ルフィが無事海図を手に入れたそうでナミを勧誘した。

ナミは俺達といると儲かりそうだから一緒にいてあげると行ってきた。

あくまでも手を組むだけだそうだ。

 

ルフィがゾロを起こし歩けないそうなので一番力があるルフィゾロをおぶる事になった。

そして村長さんを起こそうとすると町の住民がやってきて俺達は逃げる様に去った。

 

いや、もうこれは逃げたと言うべきかな?

こんな事になるなら先に舟に戻っていたら良かった。

 

逃げる際にシュシュが助けてくれた。いい犬だな。

 

「おい!待っていたぞ!泥棒…女」

 

舟は着くといつの間にかいなくなっていた三人が舟から出てきた。

が次第に勢いが小さくなっていく。

 

どうやらナミと因縁があるようだ。ってあいつらが言ってた天候を操る女ってナミのことなのか?

なら偶然この島に寄ったがかなりの儲け物だな。

航海士にグランドラインへの海図、ついでにお宝。

俺達計画なんて無いのに順調にいってるぞ。

ともあれ今は三人の方だ。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ。すんませんお助けを~」

 

「あれ?逃げた。」

 

「うるせぇな何事だ?」

 

「ここまでくる途中で拾ったあの三人組だよ」

 

三人組は俺の顔を見ると一目散に海に飛び込み逃げて行った。

俺が悪いの?ボコったのはほとんどゾロなのに。

 

そして出港時、村長さんがお礼を言いに来た。

俺達は目的の為に勝手にバギーを倒しただけだがまた海賊らしからぬ出港だ。

前回の時も今回と同じだったのか。

 

「何ですって!!?」

 

声の主はナミ。

俺が返した宝の一つをルフィが置いて来たと言ってナミと一悶着が起きた。

少し拝借したことは絶対に黙っておこう。

ルフィに対する怒りを見た俺はそう決意した。

 

 

少ししたら島が見えた。

無人島だから寄る必要はないというナミを無視してルフィは勝手にオールを漕いで無人島に向かった。

 

寸前まで起きていたゾロを舟番に残して俺達は三人で孤島の森に入っていった。

この島には変わった動物たちが生息していた。ニワトリのようなキツネ、うさぎのようなヘビ、ライオンのようなブタ。二つの生き物を合わせた様な動物がたくさんいた。

 

あれ?なんか聞いたことがあるような気がする。十五年前くらいだから結構忘れている。確か二つの生き物を合わせた生き物が生息する島に何があったんだっけ?

 

「それ以上踏み込むな!」

 

急に声が聞えてきた。

そして声の主は森の番人と言い引き返さなければ森の裁きを受けるがいいと言った。

 

ルフィは忠告聞かずに歩いた。

その瞬間、ルフィに森の裁きが襲った。が難無くゴムの体で弾き返した。

 

音といい飛んできた物を考えるとどう考えてもピストルだよなぁ…。

てことは人間の仕業だな。

 




誤字・脱字、アドバイス等ありましたらよろしくお願いします。


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*第一編 ジーク  *第一部 ただ何もしない 東の海 *第二章 イーストブルーの無人島
74 第三話 宝箱


今回は予定が入り少し少ないです。


「ルフィ!大丈夫か?」

 

一応心配すると特に問題は無かったみたいだ。

 

「こっちから飛んできたな」

 

「見て!ピストルが落ちてる」

 

銃弾の飛んできた方向を見るとピストルが落ちていた。

箱に緑色のもじゃもじゃが詰まっているものの前に落ちていた。

 

「何かあるぞ………」

 

「めちゃくちゃ怪しいわ………」

 

「明らかに関係がありそうな………」

 

俺達が緑のもじゃもじゃを見ているとそれは急に動いた。

そして扱けた。

 

脚がバタバタしているのが見える。

形から人間だろうか?

そして森の番人と同じ声で喋った。

 

「くぉらぁ!!早く起こさんか!?」

 

初対面で何だろう?

逃げて勝手に扱けたのに関わらず逃げていた者に早く起こせとは?

 

それは人間だった。

箱に入ったおっさん。本名ガイモン。

この森の番人を名乗る者の正体だ。

 

見ため通り箱入り息子…ではなく二十年前にうっかりして空の宝箱にはまってしまいずっとこの姿で過ごしている。

 

「わかるか?俺のこの切なさ」

 

すいません。箱入り息子は分かっても箱にはまったおっさんの気持ちはわかりません。

 

二十年間ずっと一人で居た為、人とまともに話すことが久々だそうだ。

そのため髪も髭もぼさぼさに伸びっぱなしで遂にまつ毛がつながっている。

宝箱と体はミラクルフィットしていて抜けないし宝箱を壊そうとすると体がイカれる。

 

あの人なら宝箱から体を壊す事なく取り出す事ができそうだな。連絡先知らないから呼べないけど。

それに急に宝箱から抜け出せてもガイモンさんが困るだけだ。

 

ガイモンさんも昔海賊をやっていたらしい。

宝探しのスリルに命を懸けても良かったそうだ。

 

「お前はなぜ海賊をやっている?何か宝の地図でも持っているのか?」

 

「グランドラインへの海図は持っている。おれはワンピースを目指しているんだ」

 

「まさか本気でグランドラインに入るつもりじゃあないだろうな?」

 

普通はガイモンさんの言う通りグランドラインは恐れられている。

だがルフィはそんな事は気にしないでワンピースを見つけると平気で言っている。

俺はそういう所を気に入っている。

 

「で。どれがグランドラインだ?」

 

「いやぁ、おれも分かんねぇ」

 

「とても海賊の会話とは思えないわ」

 

「全くの同感だ。」

 

だが今ルフィと二人でグランドラインへの海図を見てどれがグランドラインか分からないのは海賊としてどうかと思う。ホントにルフィで大丈夫だったのだろうか。

 

「あぁもう。レッドラインは知っているでしょ?」

 

ナミが我慢出来ず二人に講義した。

 

内容はこの世界の地理についてだ。

俺はもちろん知っている。

 

 

 

この世界には世界を一周する大陸がある。『レットライン』だ。

その大陸を直角に交わる海それが『グランドライン』。

歴史上その海を制覇したことある唯一の人物が二十二年前に処刑された『海賊王ゴールドロジャー』

そのどこかにあると言われているのがワンピース。

それを見つけて海賊王になる事がルフィの目標でありその目標を掲げているルフィを助ける事が俺の目標の人を超えられる唯一の方法だ。

 

「ようするに世界一周旅行って事だな!」

 

「旅行って…まぁ、間違ってはないかな?」

 

「バカ言え。そんな容易い場所じゃあねぇ。あの海は!」

 

ガイモンさんは以前グランドラインから逃げ帰った海賊を見たそうだ。

その姿はまさに死人の様に戦意を失って誰一人として口を開こうとしなかった。それだけでグランドラインの恐ろしさを語っていた。

 

「その上二十年以上誰も見つけられてないんだ。ワンピースなんてもはや伝説となりつつある。見つけるなんて夢のまた夢」

 

「そうか?何とかなるだろ」

 

「ムリムリ、稼げるだけ稼いで逃げるのが一番利口なのよ」

 

「見つかるさ。おれは運もいいんだ」

 

「別に良いけど。どこから湧いて来るのかしら。根拠のない自信は?」

 

「運もこの先では必要になってくる要素の一つだ。それに根拠は無くても自信も無いと倒せる敵も倒せない」

 

俺の様にな。最後の言葉は出なかった。

 

「なぜ、二十年もこの島に俺がいるかはな。俺には未練があるんだ。どうしても諦めきれねぇ物が!」

 

ガイモンさんは語った自分の未練を。

 

 

 

二十年以上前海賊をやっていたガイモンさんはある時所属する海賊団が宝の地図を手に入れた。地図に記入されていたその島は正に此処。

ガイモンさん等は三週間ずっと宝の在り方を探したが遂に見つからなかった。

他の海賊が撤退していく中ガイモンさんはある場所が気になった。

その場所は船長が座っていた崖の上。

ガイモンさんが登って見ると宝箱が五個あった。

そのうれしさの束の間、崖から落ちてしまい空の宝箱にハマってしまった。

気絶から立ち直ると時すでに遅し海賊船は去っていった後、だがガイモンさんは考えた。って事ならあの宝箱の中身は自分一人の物ではないか?

だが、箱にハマってしまったガイモンさんは宝箱のある崖を登れなかった。

それから二十年以上この島に来た海賊どもを森の裁きとして追い払い続けた。

 

「あの日見た宝箱が目について忘れられない。あれは俺のだ!」

 

あの日の宝箱を手に入れる事。それがガイモンさんの未練

 

「分かったわガイモンさん!それならあなたの代わりにその宝取ってあげる」

 

「ルフィが、だろ?」

 

「そうか!お前らに話して本当に良かった。」

 

「でもさぁ。お前海賊専門の泥棒だよなぁ」

 

「ナミ、まさか今の話を聞いて宝を盗もうとか思わないよな?」

 

「ちょっと待ってよ!私にも場ぐらいわきまえるわよ!」

 

「まぁそりゃそうか」

 

ともかく俺達は偶々立ち寄った孤島で宝箱を取ってあげる事になった。

だが一つ、この島に入った時に感じた聞いたことがあるような思い出が気掛かりだった。

 

 

 

ガイモンさんの案内で宝箱がある崖下までやって来た。

 

「ここに来るのも久々になるな。」

 

「でも、何で今までにやって来た人に頼まなかったんだ?」

 

「誰も信用出来なかったのさ。それに俺の姿を見て話そうとする奴の居ねぇ」

 

「俺達なら信用出来るってのか」

 

「今日はいい日だ。遂にこの時がきた!」

 

「よし行け!」

 

ナミがルフィに命令する。

 

「何でおれなんだよ?」

 

そりゃナミが発端者だがこの崖を登れる訳ない。ならルフィしか居ない。

 

「お前らなんだよ!?」

 

ルフィもナミもガイモンさんまで俺をそんな目で見ない下さい。確かにこんな崖登るのは嫌だけどさ!だた嫌なだけで登れるけどルフィの方が速く済みそうだし…………。

速く行けよ!ルフィ!!

 

またひと悶着あったがルフィが手を伸ばして崖の上に飛び乗った。

直ぐに見つかった。

 

「あったぞ!宝箱五個」

 

「早く降ろしてくれ。俺に気を付けてな」

 

「嫌だ」

 

ルフィは何を言ってるんだ?

その宝はガイモンさんの物だと言ったのはルフィだ。

ルフィに限って嘘は付かないはずだがその程度奴だったのか?

いや、違うはずだ。何かがある。考えろ、思い出せ。

あ、そうか!この島はもしかして…。

 

「もういいんだ」

 

「いいって!?ガイモンさん」

 

「ガイモンさんも気づいたか?」

 

「え?ジーク、どういう事?」

 

「お前は優しいな。薄々気づいていたんだ。考えないようにもしていた。」

 

「ナミ、泥棒しかやって来なかったお前には分からいと思うがな宝の地図ってのはな、手に入れた時点である可能性が高い。」

 

「ないんだろ。中身が」

 

「うん。五個とも空っぽだった。」

 

宝箱の中は無かった。

俺は昔聞いたことがある。

出回っている地図は盗られた後でそれを記入しているものが多いと。

だが今回は少し違う。

 

「ルフィ!宝箱を全部持って降りて来てくれ!この目で確かめたい事がある」

 

「ん?分かった」

 

ルフィに降ろして貰った五個の宝箱。

見た目は木と鉄を使ったどこにでもある宝箱。

見分ける方法は壊れないこと。

 

「ナミ、何か火を付けるものはあるか?」

 

「火を付ける?そんなもの持ってないわ」

 

「ならちょっと舟まで戻って来るよ。ゾロの様子も気になるし」

 

 

 

そう言い舟へと足を向けた。

舟に戻ると乗せたあった荷物からライターを取り出す。

それからお酒を二瓶、これも一緒に用意する。

ライターは火を起こす時に使う。サバイバルの常識。

お酒は消毒用に飲食用と沢山乗せてある。飲食用に海の上では水より傷みにくいお酒が推奨される為である。

それと小さい樽で海から海水を汲んだ。

別に海水でないといけないわけはないが舟に積んである水は飲み水で貴重だが海水ならほぼ無限にあるからだ。

 

もう一つの目的のゾロはまだ寝ていた。

起こそうかと思ったがバギー戦で負った傷がまだ治ってないはずなのでそのままにしておいた。

 

のどかな森を歩いて崖の場所まで戻る。

 

「遅い!」

 

「そんなにかかってないだろ。それよりガイモンさん。こんな島に居ちゃあ手に入らないだろ?」

 

ナミの理不尽な言い分を軽くあしらい持ってきた酒瓶の一つを渡した。

 

「おぉ酒など久しぶりだ。何から何までありがとう。」

 

「それでライターなんか持って来てどうするつもり?」

 

「こうするのさ」

 

もう一つの酒を開けて五つの宝箱にまんべんなくかける。

そしてお酒に火を着火させる。

宝箱はアルコールのおかげで一気に炎に包まれる。

 

「ちょっと何するの?」

 

「まぁ待て。今、水で鎮火する。」

 

用意しておいた海水で直ぐ火を消すと燃えて黒くなった四つの宝箱と

 

「おい、全く燃えてないぞ!」

 

「うそ。アルコールもかけて火に包まれたはずじゃあ!?」

 

先ほどと全く変わってない一つの宝箱があった。

 

「これか」

 

俺はその宝箱を手に取っておかしい部分はないか調べる。

ざっと見るがわからない。

確かにこの宝箱なのはキズ一つ付いてない時点で決定なのだが俺ではこの先が分からない。

それなら丁度ここには専門家がいる訳だし任せるか。

 

「ナミ、泥棒だった技術を活かしてこの宝箱を調べて見てくれ」

 

「え?そうねぇ。あ、ここに…ん?紙。こんなものが挟まっていたわ。」

 

ナミに頼んで良かった。俺ならもっと時間がかかったはずだ。さすが元泥棒、隠された物を見つけるのはお手の物ってわけだ。

 

「なんだ?もしかして宝の地図か?」

 

「本当!早速見つけに行きましょう。………ってなにこれ。何か書いてあるのだけど全然読めない。」

 




書いている途中で気がついてしまった。
宝箱がある場所が『崖』でなく『岩の上』でした。
この作品では『崖』って事でお願いします。
今後こういったことはない様に気を付けます。


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75 第四話 紙切れ

ごめんなさい投稿ペースを変えます


ナミにもこの言語は読めなかった。

 

もしかしてあの文字か?

俺が昔習ってから一切使わなかったあの文字か。

どちらにせよ確かめないと。

 

「なぁ、宝箱燃えてないぞ!」

 

「これって古代文字ってやつ?」

 

「ナミ貸してくれもしかしたら解読出来るかもしれない」

 

「え?ジーク、古代文字読めるの?」

 

「いや、古代文字は流石に読めないよ。読めると思われる人物は知ってるけどな。」

 

ナミから紙を受け取った。

かなり古びた様子だ。こういったところで無駄に凝っているのは変わらないな。

 

あの人、俺達に二つの言葉を教えてくれたがこんなところで必要になるとはな。

どういう意味で教えてくれたのか。俺に話してくれた内容といい今回見つかった紙切れ、それに書いてある文字。

まるで俺がこの島に訪れる事を予測したかのような偶然。いやホントに未来を見た?

クソ、ますますわかんなくなってくる。

 

だが、あの人の事を今考えても仕方ない。

今はこの紙切れの内容を見ないとな。

さて、内容はどんなものかな?

 

 

 

「読めたぞ。」

 

「本当!でお宝は何処にあるって?」

 

こいつ頭の中は金目の物の事しかないんじゃないか。

 

「まぁ待て。まず一つ、確かに読めたがお宝の事は一つも書いてなかった」

 

「はー、がっかりとんだ無駄だったのね」

 

「いや二つ、この紙切れにある地点の場所が言葉で書かれてあった。三つこれは紙切れと言ったはずだ。紙の切り端だ。」

 

「と言いう事はまだこれと同じ物がまだあるってことね。さぁ次の場所はどこ?」

 

「分からない」

 

「はぁー!!?分からいってどういう事。大体次のヒントが乗ってるはずよ。もっとしかっり探しなさい!そうだわ、その載っている地点に行って見ましょう!」

 

「やめとけ。その地点はグランドラインの遥か遠くだ。それに俺がなぜこの紙切れの存在を知っていたと思う!」

 

俺は少しナミを冷静にさせた。

 

「なぁー、この宝箱スッゲーな。燃えねぇし殴っても蹴っても壊れねぇんだぜ。ナミも見てみろよ」

 

敢えて無視していたが俺とナミが紙切れに集中している時にルフィは宝箱を壊そうと躍起になっていた。

ナミはお宝の存在に興奮して一切気づいて無かったみたいだが。

ガイモンさん?俺が持って来たお酒をルフィを眺めながら飲んでいた。

一応ガイモンさんの宝箱の中から見つかった物だからもうちょっと興味を持ってもらいたい。

 

「そうだわ。この宝箱何なの?なんで知っていたの?」

 

「ちょっと待って。始めから説明するから黙ってくれ。いいか、俺がこの島に入った時ある思い出を思い出した。」

 

「ある事?」

 

「昔ある人に教えて貰った冒険話の一つだ。」

 

 

 

その人の話だとその島はイーストブルーで見つけた。

その島は不思議な動物たちがたくさんいたそうだ。

そこで崖の上にあった空っぽの宝箱に混ざってどうやってか知らないけど絶対に壊れない宝箱を作りその中に宝の地図の断片を隠した。

 

「その島がここってことね」

 

「そうだ、現に壊れない宝箱と宝の地図の断片がある。」

 

「それで次の場所が分からない理由は?」

 

「簡単だ。あの人は適当に隠したと言っていたんだ。世界を旅していたら見つけるんじゃないかな?」

 

俺が結論を述べるとナミはがっかりして「もういいわ」と呟きこれ以上話してこなかった。

 

今日これを見つけたのは本当に偶然なのか?

あの人の考えは全然読めないから考えても無駄なのか。

あの人がこんなにも用意する程の宝ってなんだ。

これはあの人からの挑戦状なのか?

ならば俺はその宝ってのを見つけないといけない。

そう決意した。

この地図の断片らしき話はこれっきり話してもらった記憶はない。

それでも俺は断片を全部集めることが出来るのではないかと心の片隅では思っていた。

 

「なんだよー。結局何にもなかったのか。なー、おっさん俺達が二十年で来て良かったな。あと十年遅かったら死んでたぞ。」

 

ルフィがガイモンさんを励ましいる。

 

「これだけバカ見ちまったら後はワンピースしかねぇよ。俺達と一緒にもう一度海賊やろうぜ」

 

 

 

予定にしない寄り道にかなりの時間を食ってしまった。

時間を食うだけでなく俺達が寄って良かった事もある。

 

「ホントにここに残るのか。おっさん」

 

「誘ってくれたことはありがとう。だがなおれはこの二十年間でこの島の動物たちに愛着が湧いてしまってな」

 

結局ガイモンさんはルフィの誘いを断った。

この島にいる不思議な動物たちを捕まえようとする人から守って行きたいそうだ。

ガイモンさんの二十年間は無駄じゃなかった。

俺はこの島で新たな目標を見つけることが出来た。

 

最後にガイモンさんがルフィにエールを送った。

「お前さんならいい仲間がきっと集まるはずだ。そしてワンピースをお前が見つけて世界を買っちまいな!」

 

「あぁ、そうする」

 

ワンピースの正体は二十二年経った今でも誰も分からない。

あの人も一切話そうとしなかった。

知るには見つけるしかないのだろうか。

どっちにしろ俺の目標は変わらない。

その為にもそろそろ船が欲しい所だ。

 

次の島に向けて二隻の舟は進む。




やっぱり無理でした。
一日一話最低限の文字数で投稿していきたいです。
有言実行がホントにできない。
詳しくは活動報告で


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*第一編 ジーク  *第一部 ただ何もしない 東の海 *第三章 シロップ村
76 第五話 現在必要なもの


俺達二隻の舟は次の島を目指して海を進む。

 

などあるはずもなく海を風任せに漂っている。

 

一応ナミが現在地は確認しているみたいだが。

 

「無謀だわ」

 

「何で?」

 

ナミも俺と同じ結論に至ったみたいだ。

 

「このままグランドラインに入る事よ」

 

「確かにな!果物はおっさんにたくさん貰ったけどやっぱり肉が無いとな」

 

前の島で遭ったガイモンさんの前で動物たちを狩る訳もいかず食糧の貯めは果物が多い。

 

俺が買った肉類は直ぐに食べられた。

 

もっと計画的になってもらいたい。何週間もあるわけではないので。

 

「食糧の事を言ってるわけじゃないの」

 

「このまま酒を飲めねえってのもな」

 

「いい加減飲食から離れろ!」

 

「まぁ、ナミも落ち着けって。こいつらに言っても無駄だから。言いたい事は俺が分かるよ。船だろ?」

 

飲食の事しか文句を言ってこないルフィとゾロだが二人の食べる量が異常なのもあるが俺達が乗っている舟はナミの方はバギーから奪ったのもあり小さいが船室があるのも。

 

一方こちらは男三人も乗ればかなり狭いと感じる小舟だ。

 

これでは食糧も満足に乗せれない。

 

「そうよ!グランドラインに入るなら海賊も当然増えるわ。強い船に乗ってね。船員の数にしても船の装備にしても全然足りない。とても無事ではいられない」

 

「ナミの言う通りだな。船員は追々ってこともあるが少ないすぎだもう一人、二人は必要かもな。船の設備は最だ。どんなに人が居てもいい船がないとグランドラインは渡れない。」

 

「で何するんだ?」

 

「準備をするのよ。ここから少し南に行くと村があるわ。とりあえずそこに行きましょう。しかっりした船が手に入るとベストなんだけど」

 

「肉を食うぞ!!」

 

「何処かに着いたらそれかルフィ。ま、俺も酒が飲めればいいが」

 

「こいつら私の話聞いてた?殴ってもいいかしら」

 

「俺もそろそろいいと思うぞ」

 

ふざけたこと言いながら俺達の進路は南にある村に決まった。

 

俺は考える。

 

ナミは肝心ことを忘れてないか?

 

船ってのは大体は買うものだ。

 

それも大金が必要になってくる。

 

バギーから宝を奪ったと言え一隻の船を買うとなればまだ足りない。

 

海賊だから奪えばいいと思われるがもしルフィがそうしたら俺はこの船を降りるだろう。

 

ルフィはそんな奴ではない事くらい短い付き合いだが分かる。

 

いざとなったら俺の財布からいくらか、………いや、かなり出さないといけなくなるかもな。

 

譲ってもらうのが一番だけど海賊に船を譲ろうって物好きがいるかどうが・・・。

 



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77 第六話 はったりな登場

あれから少し経つと島に着いた。

 

「ほんとにあったな大陸」

 

「当たり前でしょ」

 

「久々の地面だ」

 

「さて、船持ってる人はいるかな?」

 

ルフィは海図の事知ってるのか。

ゾロは自業自得だ。ずっと舟の中にいて気持ち悪くならないのか。

それぞれ言いたい事を言って島の中に向かう俺達

 

それを見る四人の人影

 

「ところでさっきから気になってたんだが何だあいつら?」

 

俺達を隠れて見ていた四人の影を指差してゾロが言う。

 

隠れていたつもりなのかゾロに呼ばれると

 

「うわぁぁぁぁぁ見つかったぁぁぁぁ!!」

 

「おい!お前ら逃げんなぁぁぁ!!!!」

 

子供らしき三人が逃げて行き俺達と変わらない位の歳のバンダナを巻いた男が残った。

 

ゾロと子供三人の声で気づいた俺達がバンダナの男をじっと見る。

 

バンダナの男もこちらを向き数秒そして仁王立ちになり

 

「おれはこの村に君臨する大海賊団を率いるウソップ。人々はおれを称えさらに称えわが船長キャプテン・ウソップと呼ぶ」

 

バンダナの男はウソップと名乗った。

 

自分から名を名乗るとはかなりの自信家なのだろうか。それともだたの痛い人なのか。

この辺りにウソップと言う大海賊団はいないはずだったが俺の情報間違いか。

大海賊と言う程にしては部下の姿が見えないどころか気配すら全くしない。

唯一見えたのは子供。

もしかしてだたのはったりで海賊ごっこをしている痛い人か。

 

ウソップは隠れていた場所から降りて俺達の前までやってきた。

 

「この村を攻めようって考えなら止めておけ!!このおれの八千人の部下どもが黙っちゃいないからだ!!」

 

ここまで堂々と嘘を吐けるなんてある意味尊敬する。

 

そんなウソップを

 

「嘘でしょ」

 

「げ!ばれた!!」

 

「ほら、ばれたって言った」

 

「ばれたって言っちまった~~。おのれ策士め」

 

ナミが一刀両断した。

 

それによりピリピリ?した空気は一転逆転し

 

「はっはっはっは、お前面白れぇな!!」

 

「おい、おれをコケにしようってか?おれは誇り高き男なんだ。人々はおれは誇りのウソップと呼ぶ程な!」

 

後半はともかく前半の誇り高き男なのは嘘ではないと俺は思った。

 

更に言うと昔俺が見習いをしていた海賊船で聞いたことがある名前だ。

また思い出せない。

俺が行く先はいつもこうだ。

俺は記憶力が特に悪いと感じたことはないがもしかしたらかなり悪い方ではないかと最近特に昔の事を思い出せない。

まぁ、前回と同じく少し時間が経ったら思い出すだろう。

 

俺の記憶の事は置いといてウソップの案内で村に入って行った。




そろそろ感想が欲しいと感じる時期。
良かったらお願いします。


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78 第七話 飯屋にて

ルフィがご飯を食べたいとのことで村唯一の食事処『MESHI』に入ってご飯を食べる事にした。

 

店名がめしってそのまんまかよ。

しかし久々にまともな食事にありつける。

今まで時間がなかったり村人がいなかったりそもそも無人島だったりでルフィと出逢ってから初めてのまともな食事だ。

しっかり食べとかないとな。

 

「何!?仲間を!?」

 

「うるさい。」

 

「おっと、すまねぇ。それで仲間と船か」

 

「ああ、そうなんだ」

 

「そりゃ、大冒険だな」

 

今までの経緯っていうか俺達が海賊の仲間と船を求めていることをウソップに話すと彼は興奮気味になった。

うるさいので少し注意すると直ぐに謝ってきた。

だがまだ興奮気味だ。

小さな村で海賊ごっこをしている彼は歳も近い俺達に興味があるのかもな。

 

肝心な船の事だがウソップは心当たりがあるらしい。

 

「まぁ、大帆船って訳にはいかないが船があるとしたらこの村ではあそこだけだ。」

 

「あそこ?」

 

「この村に場違いな大富豪の屋敷が一軒だけ立ってる。その主だ。主ってもまだいたいけな少女だが病弱で寝たっきりの少女だ。」

 

「え!?どうしてそんな娘がでっかい屋敷の主なの?」

 

「考えたらそれくら分かるだろ?聞くのは失礼だと思う」

 

そんな娘が大富豪の当主になるには自分からお金を増やすことと親の遺産くらいだ。

今回の場合は後者であると思う。

ナミは頭が良いからそれくらい考えれば分かるはずだ。

 

「おばさん!肉追加!!」

 

「おれも酒!!」

 

「てめぇら話聞いてか!!?」

 

飲食しか脳がないルフィとゾロとは違って。

お金足りるかな?

この後買い出しもあるのに。

お金は有限なんだよ・・・。

 

「こいつらはほおって置いてくれ俺とナミが話は聞いてるから」

 

「そ、そうなのか?もう一年前になるのか?…………かわいそうに両親を病気で失っなっちまったんだ。残ったのはでっかい屋敷と十数人の執事、莫大な遺産だけ。どんなに贅沢できるお金があってもこんな不幸なことはない」

 

俺が語るのはいいて言ったにも関わらず勝手に語った。

いくら船を持っていると言っても今の話を聞くと結論は決まっている。

 

「やめ」

 

「そうだな」

 

ナミが結論をだし俺が肯定した。

 

「この村では諦めましょう。また別の村を当たればいいわ」

 

この村では船を手に入れることは諦めた。

ルフィも物分かりがいいのかそれともちゃんと聞いていたのか

 

「そうだな急ぐ必要もねぇし肉もいっぱい食ったしな。沢山買い込んで行こう。」

 

「お前は肉を食えたから良いだけだろ」

 

「ところでお前ら。仲間を探しているって言ったよな?」

 

ウソップが聞いてきた。

 

「誰か心当たりがあるのか?」

 

「俺が船長になってやってもい良いぜ!!」

 

言われるでもない俺達は声を揃えて

 

「「「ごめんなさい」」」

 

「はえぇなおい!!」



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79 第八話 優しい嘘つき

「「「ウソップ海賊団参上」」」

 

あれからウソップがいなくなり食事を続けていると店に三人の子供が入ってきた。

 

「お、おい。海賊達!」

 

「船長キャプテン・ウソップをどこにやった!?」

 

「キャプテンを返せ!!」

 

なんだウソップの部下?か。

 

何か誤解している気がする。

 

「はーー。うまかった肉」

 

「え???肉?まさかキャプテンを……」

 

おい、ルフィ、タイミング。

 

そこで魔が差したのかゾロが

 

「さっき………食っちまった」

 

「「「ぎやぁぁぁぁぁぁぁ。鬼ばばぁぁぁぁ!!」」」

 

子供達は叫んだ。

 

「何で私を見てんの?!!!」

 

ナミを見て叫んだ。

 

ここで治めとかないと子供が倒れる。

 

「その辺にしろお前ら。君たちも安心してもいいよ。ウソップは食ってないし殺してもない。仲間のおふざけだ」

 

俺の言葉で何とか落ち着いてくれた。

店では目立っていたが。

………代金多めに払わないといけないかな?

 

 

 

ウソップが時間だと言って店を出た事を伝えると子供達は納得したように言った。

 

「そうか。キャプテンは屋敷に行ったんだ」

 

「屋敷ってあの病弱なお嬢様がいる?」

 

屋敷には常連ぽっいなだから船を持ってるかもしれないことを知っていたのか?

 

「何しに?」

 

「うそつきに」

 

ルフィが尋ねると子どもの一人目が隠れている子が答えた。

 

うそをつきに。

詐欺か?

世間知らずそうなお嬢様をだまそうとするのか。

でもあいつはそんな奴に見えなかったが。

 

俺が考えてるのを子供達は否定してくれた。

 

「ダメじゃない。立派なんだ!な」

 

「うん!立派だ!!」

 

二人目が違うと言いもう一人にも同意を求めるともう一人も即答。

 

話を聞くとご両親を失ったお嬢様を噓話で元気づける為に一年前からずっと通っているそうだ。

 

「おれはそんなキャプテンのおせっかいなところが好きなんだ」

 

「おれは仕切り屋なところ」

 

「ぼくはホラ吹きなところ」

 

ウソップは子供達に慕われてることが分かった。

 

心の中で疑って悪かったよウソップ。

 

ルフィがお嬢様の容態を聞いた。

 

「もしかしてお嬢様元気なのか?」

 

「うん、キャプテンのおかげで!」

 

まさかこいつ元気ならとか言い出すんじゃないだろうな!?

 

「よし!!じゃあやっぱり船をもらいに屋敷に行こう!!」

 

「だめよ。さっき諦めるって言ったばかりでしょ!!」

 

「よし!!じゃねぇよルフィ。貰うっつたっていくらウソップの紹介といえただで貰える訳ないだろ。そもそも出会ったばかりの人の話を聞いてくれるかどうか」

 

俺とナミの静止を聞かずルフィは元気よく店を飛び出して行った。

 

あぁ、また目立つ。

店主さん俺をそんな目で見ないでお金キチンと払いますから。



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80 第九話 偽れない

何故か昨日、最新話が反映されていなかったのですが朝起きたら反映されていました。
なので連続投稿は止まらず。


「こんにちわーー。船下さーい」

 

俺らはウソップ海賊団の案内でその病弱なお嬢様が住んでいるという屋敷に来ていた。

そこでルフィの一言だ。

 

門番仕事しろよ!

 

「さぁ、入ろう」

 

ルフィは門をよじ登って入ろうする。

 

「挨拶した意味あるのか?」

 

「ああ…止めても無駄ね」

 

「付き合うしかねぇか…」

 

「俺は悪くない仕事をしていない門番が悪いんだ」

 

それぞれ、子供達、ナミ、ゾロ、俺の順番でルフィに呆れる。のと人のせいにする。

 

結局俺達もルフィの様に門をよじ登り敷地内に入る。

 

不法侵入になっても罰金は払わないぞ。

門番がいないのが悪いんだ!

もうやり投げだ!ちくしょう!!

 

全員が入ると若干聞こえる声の方に向かって屋敷を回ると居た。

木にもたれかかっているウソップと屋敷の窓から身を乗り出してウソップと話している少女が見えた。

 

「キャプテンー」

 

子供達がウソップを呼ぶとお嬢様に「誰?」と聞かれたウソップは

 

「あー、こいつらはおれの噂を聞いてはるばるやってきた。新しいウソップ海賊団の一味だ」

 

勝手に所属海賊団を替えてきやがった。

 

「いや、おれは違うぞ」

 

即答するルフィ。

 

流石だ。

 

ルフィが早速本題の頼みをしようとして

 

「君達そこで何している?困るね。勝手に入ってもらっては!」

 

使用人の登場だ。

 

そりゃあ侵入に気づくはな。

あれ?メガネをかけてる奴は使用人にしては強すぎる。

それにどっかで見た顔だ。

いけねぇまた思い出せない。

 

お嬢様が俺達をかばってくれるがメガネをかけている奴、クラハドールは聞く耳を持たず俺達を追い出そうとしてくる。

ルフィがクラハドールに船をくれと聞くが「ダメだ」の即答。

 

ルフィ、くれと言ってくれる奴はいない。

 

そこでウソップに気づいたクラハドールはウソップを批判していく。

ウソップもなんとか言い逃れようとするがヒートアップしていき遂にウソップの父親をも批判していく。

 

「所詮君は薄汚い海賊の子供だ。お嬢様とは住む世界が違うのだよ。近づかないでもらいたい。それとも何か下心あるのかい?お金かい?」

 

「ウソップさんに謝ってクラハドール!!」

 

お嬢様がクラハドールを るがまだ辞めない。

 

「うるせぇ!!!」

 

遂にウソップが切れた。

 

危なかった。

今、ウソップがクラハドールを殴ってなかったら俺が奴を殴ってた。

俺もウソップの気持ちが痛い程分かる。

何も知らない人に親を大切な人を侮辱されるのは辛い。

 

「おれは海賊の息子であることを誇りに思っている!!おれがどんなにホラ吹きでもおれが海賊の血を引いていることは偽ってはいけねぇんだ!おれは海賊の息子だ!!」

 

あぁ、俺と同じだ。



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81 第十話 誇りを傷つけるな

ウソップが殴った後もクラハドールは侮辱を辞めない。

まだ言うクラハドールにウソップは更に突っかかるが

 

「ウソップさんお願い止めて!!クラハドールは悪い人ではないんです………」

 

お嬢様、ここまで来てもクラハドールを庇うなんて優しいな。

でもなんか引っかかるんだよな。

 

「ここは君達のような野蛮な男の来るところではない!もう二度と近づくな!!!」

 

庇ってくれるお嬢様を無視してクラハドールは俺達に謝りもせずに俺達に出ていけと言う。

 

「あぁ、分かったよ。もう言われてもここへはもう来ねぇ!!」

 

ウソップはそう言って屋敷を出ていく。

 

ウソップ、言われっぱなしでいいのかよ!

 

「コノヤロー羊!キャプテンはそんな男じゃないぞ!」

 

「そうだぞ。バーカ!」

 

「バーカ!」

 

「バーカ」

 

ウソップは子供達に慕われてるんだな。

おい、ルフィ。子供達と一緒になって言うな。こっちが恥かしい。

 

クラハドールが騒いでるこちらを睨むと子供達はビビり、ルフィは交戦的になる。

それぞれナミとゾロが抑える。

 

「君達も早く出ていきたまえ!」

 

「お前ら先に行ってろ。少しこの執事さんと話しがある」

 

俺が皆を促すと大人しく背を向けて歩いて行った。

 

 

 

「話しとはなんだい?君も見たところ海賊の様だが金かい?」

 

「クラハドールさん、言いたい事は色々とあるがとりあえず船をくれとは言わない。もしあるなら、使うつもりもないなら譲ってくれないか?お金なら相場の倍払おう」

 

「どう言われようと君達に渡す船はない。もう終わりかね。私も忙しいのでね君の様な薄汚い海賊にはとっとと出て行ってもらいたい。」

 

「それだ」

 

「ん?」

 

「それだよ。人の尊敬する誇りに思っている人を勝手に侮辱するのをやめろって言ってんだ!!いくら本人を侮辱しようと怒るかは本人も勝手だ。だけどな、その人を見ても会っても無いのに海賊だから犯罪者だからと言って侮辱するのは許さない!!!」

 

この執事は許さない。

俺は珍しく怒った。

 

「間接的にだがあの人を侮辱するのはこの俺が許さない。ウソップが殴ったせいで俺は手を上げないがあの人の侮辱を聞いたのが俺で良かったな。これが優しくない奴だったら比喩ぬきで消されていたぞ。お前みたいな誇りのない奴は誇りのある奴にいずれやられる。」

 

「……………何を言って」

 

「お前の正体を思い出したよ。もしお前が執事ならどんな事でも主人のいう事を聞いてあげるのが従者だ。お前の姿勢はそこまでは行ってない。何か企んでいるんだろ?」

 

「き、キサマ!!」

 

「おっともう行くよ。船の交渉は決裂だ、お前が何をしようが俺には関係ない。勝手にやってどうぞ。だが船長命令は聞くのでよろしく」

 



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82 第十一話 正体を探せ

久しぶりに怒り、感情をぶつけた俺は屋敷を出て皆と合流した。

 

「あ、ジーク。何かあったのか?」

 

「あぁ、船をもらうだけでなくいくらか出すと交渉したんだけどやっぱりダメだってさ」

 

「そうか。…じゃなくて、お前だよ!なんか落ち着いてねぇみたいだ」

 

俺が落ち着いてないだと!?

 

ゾロに気づけれてしまい更に気分が優れない。

 

「悪い、さっきの執事の言葉にイラいてるだけだ。あれくらいで感情が表に出るとは俺もまだまだだな。少し舟に戻って頭冷やしくるよ。残した物質も心配だし」

 

「お前でもそんなことがあるんだな。ま、あんまり考えるなよ」

 

ゾロに心配されるとは俺は弱いな。

さて、こういった時こそカフェオレだが在庫があったかな?

舟への道すがら考えた。

 

 

 

舟へと戻ると置いて来た物資の確認をして必要材料のコップとコーヒーにミルク最後に情報をまとめているノートを持ってナミの舟にある小さな船室にお邪魔する。

部屋の隅にはナミの持ち物がまとめて置いてあろあとはこじんまりした机と椅子が申し訳程度に置いてあるだけだ。

 

ま、元々この船はバギー一味の三下から奪った物だというし机と椅子があっただけでラッキーと考えるべきだな。

 

何時もと同じ手順でカフェオレを作りコップ一杯思いっ切り飲み干す。

 

これを飲むとコーヒーの苦さで心を落ち着かせミルクの甘味で頭を働かせる。

やっぱりこれだな。

お酒なんかよりずっと良い。

 

カフェオレをもう一度作り直し持って来たノートをめくる。

最後の方にあるイーストブルーの情報がまとめてあるページに着くとゆっくり目的の箇所を探す。

 

このノートは俺が独自にそれぞれ四つの海と二つの偉大な海に付いて調べ海賊、海軍、国の大まかな情報を調べてまとめている。

と言っても実際には新聞で読んだことをそれぞれまとめているのが大半だけど………。

 

大体目星はついていたのでその記事は直ぐに見つける事が出来た。

 

三年前の記事だ。

イーストブルーで計算された略奪を繰り返すことで有名だった海賊元クロネコ海賊団船長『キャプテン・クロ』が海軍に捕まり処刑されたという記事

 

一人立ちしたばかりの頃の記事だ。

クロの手配書も残っている

 

出して見てみるとあの執事、クラハドールにそっくり、いやそのままだ。

処刑されたはずの人がなぜここに?

 

考えれば考えるほど考えが浮かんでくる。

 

処刑されたのは別の人成り代わりか?

クソ、海軍に直接問いただしたいがあいつが話を聞くかどうか分からない。

そもそもなんで執事なんかやってる?

海賊稼業はやめたのか?

 

俺達がいるうちに何も起こらなければ良いが。



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83 第十二話 答え合わせ

頭も冷えてきた所なので最後にもう一杯作り飲み干すと持って来た物を片付け村へと戻る。

 

 

 

「みんなーーー!!大変だぁぁぁぁーーー!!!海賊が攻めて来るぞぉぉぉーーーーーー!!!!!」

 

村に戻ると真っ先に聞こえてきたウソップの声。

嫌な予感が当たりナミとゾロがいた場所に急いだ。

 

別れた場所より少し進んだところでようやく合流出来た。

 

「おい、お前ら。ウソップが何か叫んでいたがどうした?」

 

「あんた、来るのが遅いのよ」

 

そんな事言われてもさ。

 

ナミにどやされていたがゾロが状況を説明してくれた。

 

「あいつが走って戻って来たのは良いがルフィがまだ戻ってきてねぇからこいつらにその海岸に案内してもらっていた」

 

「そうか。一人で行かなかったのは良い判断だ」

 

「テメェ喧嘩売ってんのか!?」

 

「はいはい、さっさとルフィの元へ行きましょう」

 

ゾロは一人で行動させちゃダメだ。

緊急事態に島中探すはめになるのはごめんだ。

 

ともあれ俺を加わった一行はルフィのいであろう南海岸へと子供達の案内で向かった。

 

 

 

「ええぇーー!!カヤさんが殺される!!」

 

南海岸に着くと崖の下でぐーすか寝ていたルフィをたたき起こして何が起こったかを聞いた。

 

「村も襲われるって本当なのか麦わらの兄ちゃん!?」

 

どうやらルフィとウソップはここで昔話をしていると崖の下でクラハドールと密会をしていた怪しい催眠術師の計画を聞いた。

それはクラハドールが財産と平穏を手に入れる為元所属していた海賊団に村を襲わせどさくさ紛れお嬢様を殺させる暗殺計画だった。

 

それでウソップはあんなにも叫んでいたのか。

 

「どうやら本当のことらしいぞ。」

 

子供達の問に答えたのは俺だ。

 

「さっき舟に戻った時に頭冷やすのとついでにちょっと調べたんだ」

 

「頭を冷やす?」

 

「水でも掛けたのか?」

 

「でも髪の毛濡れてないぞ。こんな長い髪が直ぐに乾くとも限らないし」

 

「心を落ち着かせることだ!!とりあえずこれを見てくれ」

 

そう言って出したのはクロの手配書だ。

 

「これは!!」

 

「そっくり!」

 

「「「あの羊だ!!!」」」

 

「これは『キャプテン・クロ』三年前に海軍に処刑されたはずの男だ」

 

「ちょっと待って!処刑されたってじゃあ何であいつがここにいるの?」

 

俺の説明を遮ったのはナミだ。

俺が疑問に思っていたことだ。

だが今解けた。

 

「それだ。さっきまで分からなかったが今わかった。」

 

「処刑されたのは別の誰かで本物はここで計画の為潜伏していた」

 

「その通りだ、ゾロ。お前たち、聞いたことはないか?クラハドールがこの島に来たのは三年前だtって?」

 

俺が子供達に尋ねると肯定がかえってきた。



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84 第十三話 仲間にも嘘

「そうか、それであなた達のキャプテンが村に走って行ったのね。でも良かったじゃない海賊が来るって先に分かって。敵もマヌケね。逃げればいい話なのに」

 

ナミが子供達に話すと持って逃げる物を考えながら急いで村に帰って行った。

 

「やっべえ!肉屋が逃げる!!」

 

「そのことをなんだがルフィ少し待て。気になる事がある」

 

子供達が帰って話を聞かれてない事を確認し俺は気になった事を伝える。

 

「ナミさっきの話はどうもおかしくないか?」

 

「おかしい?敵がマヌケって話?」

 

「そうだ。計画を建てたのは計算高い事で有名だったキャプテン・クロだぞ。そんな獲物に計画聞かれてみすみす逃がすと思うか?」

 

「じゃあなんで…」

 

「クロにとって何かが良かったんだ。………何かが——」

 

計画を聞いたのはウソップとルフィの二人だけ。

村に伝える為に帰って来たのはウソップだけでルフィは眠らせられていた。

つまり、ルフィが伝えるよりウソップが村に伝えるからこそクロは見過ごした?

あいつは三年間もここに住んでいた。

当然ウソップの村での評判を—

 

「ウソップの第一印象はなんだ?」

 

「「「噓つき」」」

 

「それだ!もしかしたらクロはウソップが村に伝えても本気にされないってわかってたからウソップは見逃されたんじゃ」

 

「「「!!」」」

 

「ともかく村に戻って現状を確認しよう。俺の考えが間違ってるかもしれない」

 

 

 

村に戻る特に慌ただしく逃げる準備をしているようには見えなかった。

子供達もおかしいと思ったのか俺達を待っていた。

集まってそんなに時間が経ってない頃ウソップがトボトボと歩いて来た。

後ろを振り返って村を見て泣いてる。

 

「あ、キャプテンー」

 

子供達の誰かがウソップを呼んだ。

ウソップは涙をゴシゴシと拭いて俺達に向き合う。

 

「よ、よう、お前ら」

 

とこちらに挨拶したところでウソップはルフィが生きてる事でビックリしていた。

 

そう言えばルフィ崖から落ちたって言ってたな。

あの高さから首が地面に突き刺さる様に落ちたなら死んだって思っても可笑しくないか。

 

「そう言えばキャプテン!海賊が来るって聞きましたよ」

 

「そうです!早く逃げる用意をしましょう」

 

「皆に話しましょう」

 

「皆に…。——————はっはっはっはっはっは。何時も嘘に決まってるだろ。あの執事がちょとむかついたんで仕返しで海賊に仕立ててやろうとな」

 

「なんだ何時も嘘だったんだ。大惨事になるかと思ったな」

 

「でもいくらムカつくからってここまでしなくても。俺ちょっと軽蔑する」

 

「麦わらの兄ちゃんも髪の長い姉ちゃんもキャプテンの差し金か。」

 

ウソップは子供達を突き放した。

 

それよりも髪の長い姉ちゃんって俺の事か…俺しかいないもんな。

性別言っとくんだった。



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85 第十四話 加勢

時は経ち夜の海岸に俺達とウソップは集まっていた。

 

「おれは噓つきだからよ。はなから信用されるわけがなかった。おれが甘かったんだ!」

 

「甘かったって言っても海賊は来ちゃうんでしょ?」

 

急に話し始めたウソップは自分が甘かったと叫ぶ。

そして決意した。

 

「でも、村の皆はまたいつもの平穏な毎日が来ると思ってる。だからおれはここで海賊を返り討ちにしてこの一件をウソにする。それが噓つきとしての通すべき筋ってもんだ!!!」

 

海賊と戦うと決意した。

 

そこで俺は気づいた。

ウソップの腕から血が出ている事に。

 

あの野郎、いつケガした。

放っておいたら傷口から腐るかもしれないんだぞ。

 

俺は持っていた荷物から緊急用救急箱を取り出し始めた。

 

「銃弾を腕にぶち込まれようと箒で追いかけまわされようと……。ここはおれが育った村だからよ!おれはこの村が大好きだ!!おれは皆を守りたい。わけわからんうちに皆を殺されてたまるか!!!」

 

ウソップは泣いて守りたいと言った。

そこまで言われたら俺達は

 

「とんだお人好しだぜ。子分引き離して一人出陣とは」

 

ゾロが

 

「よし、おれも加勢するぞ!」

 

ルフィが

 

「言っとくけどお金は私の物よ」

 

ナミが

 

「攻撃は苦手だけど村には足一歩入らせない防御には自身がある」

 

俺が

 

俺達全員がウソップの手伝いをすると言った。

 

「え…………?お前ら一緒に戦ってくれるのか?な、何で?」

 

「何で?って敵は大勢いるんだろ?」

 

「怖えって顔に書いてるぜ」

 

「一人で海賊団相手に戦える程強くないだろ?」

 

ルフィ、ゾロ、俺の順番で理由を言った。

 

ナミは何も言わないのかい!

 

「お、おれが怖がってるって?敵が大勢だろうが何だろうがおれは平気だ!なぜならおれは勇敢な海の戦士、キャプテン・ウソップだからだ!!」

 

足が震えてもまだ強がりを言う。

 

「見世物じゃないんだぜ!同情するなら帰れ!!」

 

「笑っちゃねぇだろ。立派だと思うから手かすんだ」

 

「同情なんかで命かけるか!」

 

ゾロとルフィが力強く言う。

 

「お、お前ら…」

 

ウソップは俺達の加勢をやっと受けた。

 

俺は消毒液を持ってウソップに近寄り

 

「さ、まずはその腕の傷を治療してからだ」

 

傷は銃弾を掠っただけで消毒をして包帯を巻くだけで良かった。

弾を取り出さないといけないとかだと俺には難しいからな。

 

ナミはまだ何も言わない。

一体どうした?

 

ウソップの治療も終わり作戦会議に移る。

ここの地形に詳しいウソップが頼りだ。

 

日は落ちて随分と経つが月はまだまだ姿を現したばかり、夜はまだ明けない。



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86 第十五話 頭回らず

ここの地形に一番詳しいウソップは海賊が攻めてくるのはこの海岸だという。

 

「ここから村に入るルートは一つだけこの坂道だけ、あとは絶壁だ」

 

確かに十メートル程の高さの絶壁に囲まれて一本だけ人が十人が並ぶのが限界くらいの幅の坂道があるだけだ。

 

「つまりこの道さえ死守しきれば村が襲われる心配はない」

 

「そうか。簡単だな」

 

「口で言うのはな!」

 

いや、多分難しい事を考えずにここを通さなければ良いって作戦が簡単で分かりやすくていいて意味だと思う。

 

「お前ら何が出来る?」

 

「斬る」

 

「伸びる」

 

「盗む」

 

「跳ね返す」

 

「逃げる」

 

「「「「お前は戦え!!!!」」」」

 

四人中戦えるのがルフィとゾロ二人、守る事に特化した俺が一人、戦えそうのないナミとウソップ二人。

どうしようか?

もうルフィとゾロの二人を敵陣に突っ込ませて殲滅、運良く抜けて村に向かおうとするのを三人で撃退これでいんじゃね。

 

 

 

結局ウソップの案で坂道に油を撒いて手間取っている所をブチのめす作戦を考えた。

 

「逆にこっちが落ちなきゃ良いけどね」

 

やめろ、それは確か——って言うんだっけ?

 

「お前よくこんなチョコザイな事思いつくな」

 

「そりゃそうだ!俺はチョコザイ事とパチンコにかけては絶対の自信がある!!」

 

そんな事に自信を持つな。

でもこの作戦にはパチンコの遠距離攻撃はピッタリじゃないか。

 

とここで太陽が登り

 

「夜明けだ。来るぞ」

 

一睡もせずに日が明けた。

こいつら三人とも途中で寝てたからな。

「夜明けってのも本当かどうか分からないから海岸を見張っておこう」と言い出したのは誰だ?

俺がどれだけ頑張って起きていたかも知らずに寝やがって!!

俺、頑張ったから休めないかな?

もう眠い。

 

そんな事を考えてる内に数分が経った。

海賊は影すら見えない。

 

「来ねぇな。朝なのに」

 

「寝坊じゃねえのか?」

 

そんな訳あるかお前らじゃないんだし。

 

とナミが耳をすませて

 

「ねぇ、気のせいかしら?北からオーって声が聞こえるの…」

 

「そう言えば北にも海岸合ったっけ。俺達の舟も泊めているしな」

 

眠いせいで頭が回らず気付かなかった。

 

「北にも上陸地点はある。ま、まさか………」

 

「おい!どうした?」

 

「場所間違えたのか?」

 

俺とナミの会話を聞いて他の三人も気づいた。

 

「密会していたここだと思ったのによ!!」

 

「不味い、私達の舟が置いてある場所よ!私のお宝がぁー」

 

ナミが悲鳴をあげてルフィが

 

「二十秒でそこに行く」

 

と言い残して走って行った。

 

それに続けてウソップと俺も続く。

 

緊急事態も合って後ろで怒っている事は気付かなかった。



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87 第十六話 ミラーウォール

折角、村に海賊は入らせないと言ったばかりなのに間に合わなかったらウソップに申し訳ない。

 

そんな思いで走ること三十秒ほどで海岸に着いた。

海賊達は先頭が坂道に入るころだ。

 

俺が一番乗りかよ!

ルフィはこんな時に迷子か!!

なら仕方ない。

殲滅よりこの道通さないことに専念する。

 

走りながら溜めた力を解放し坂道を塞ぐ巨大な鏡の壁を作った。

 

「ビッグミラーウォール」

 

「何か出てきたぞ!」

 

「構うかー。突っ込めー!!」

 

俺が作った鏡の壁を前に海賊達はひるまず突っ込み。

 

「ぐっへ」

 

「うっぐ」

 

「うおー。何だ?跳ね返ってきたぞ」

 

当たった海賊が吹き飛び、後ろに続いていた仲間に当たった。

 

ふぅ。

何とか出鼻はくじけたようだな。

だけど、吹き飛んだ海賊も大したダメージは追ってないはず。

 

「うおー、なんじゃこりゃ!」

 

「ウソップ遅かったな。鏡の壁を作って一旦進行を止めた」

 

「能力者だったのか。」

 

海賊達もサーベルやピストルを使い鏡の壁を壊そうとしているが成果はでず跳ね返った銃弾を受けて被害をだす。

 

そんなやわな攻撃で俺の鏡を破る事はできないぜ。

とは言っても時間の問題が………。

 

俺の能力に唖然としていたウソップが正気に戻り海賊達に向かって叫んだ。

 

「おれの名はキャプテン・ウソップ、お前らをずっと待っていた。戦いの準備は万端だ。死にたくなければサッサ引き返せ!!」

 

「てめぇは計画を盗み聞きした小僧だな。何のつもりだ?」

 

敵の船長が聞き返す。

 

確かあいつは『一、二のジャンゴ』

催眠術を使うとか聞いたことがある。

 

「忠告しておくぞ。今は一人しか出てきてないが今のうちに引き返さなければ俺の一億人の部下がお前らを潰す事になる」

 

ウソップと俺、一人しか出てきてないことは事実だが一億人もいない五人だ。

部下でもないが。

こんな嘘、敵も引っかかる訳な——

 

「何!?い、一億人!!?」

 

引っかかった!?

敵もバカなのか。

 

「ウソに決まってるでしょう!」

 

「なんて信じやすい人だ」

 

バカなのは船長ジャンゴだけのようだ。

 

「げ、ばれた!!?」

 

本人もばれないと思っていたのか。

 

「てめぇ、よくもおれをだましたな!!」

 

「船長大変です」

 

ウソップのウソは敵を怒らせたようだ。

 

俺は俺達の舟を見て絶句した。

 

あれを取り替えさなければナミに殺される。

ついでに奪った方も命知らずで。

 

で何を思ったのかウソップは

 

「それはおれの宝だ。だがくれてやる」

 

ここにも命知らずがー!!

 

「その宝に免じてここは引き返してください」

 

最後に丁寧語って。

 

勿論ジャンゴは

 

「宝はもらうがそれで引き返す理由になんねぇ。分かったら道を開けろ。一、二のジャンゴで道を開ける

ろ! 一、二、ジャン—」

 

「バカなことやってんじゃないわよ」

 

鬼の登場だ。




初めての技なので解説を

ミラーウォール
バルトロメオのバリアに似ています。
バリアと違い攻撃を跳ね返す事が可能な代わり破る事が可能

言っておきますがジークはミラミラの実の能力者ではありません。


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88 第十七話 ここは通さない

「その舟の宝は私の物よ!!一ベリーたりともあげやしないんだからね!!」

 

鬼、もといナミの登場だ。

 

「あんた、何勝手に私のお宝をわたそうとしてんの!?ジークもしっかりと私のお宝を守りなさいよ」

 

「宝を守れなかったことは謝罪するけどナミのではなく俺達の宝だからな」

 

「痛ぇな、別に叩かなくてもいいだろ」

 

「助けてあげたのに。あの輪っかを最後まで見ちゃダメ。あの男は催眠術師なのよ」

 

「ナミ、ルフィを見てないか?それにゾロも遅いが?」

 

疑問に思っていたことをナミに尋ねる。

 

時間稼ぎをしている内に来ないかなぁって思っていたんだが。

 

「見てないわよ。一番に走って行ったんでしょ?ソロは………うん」

 

「それが見当たらないんだ」

 

「怖気づいたのか?道に迷ったのか?」

 

「じゃ、道に迷ったのね。で、この壁はなに?」

 

「跳ね返す壁だ」

 

「よし、そのままにしておいてくれおれがこっから狙撃してやる」

 

「ナイスよ。ジーク!!」

 

ウソップとナミが俺を褒め称えた途端に鏡の壁は消えた。

 

「「「え!?」」

 

「悪い時間切れだ」

 

「なら!もう一度作ってくれ。このままじゃ海賊が来ちまう」

 

「溜めが必要だしあれを張ってるとこっちから攻撃が出来ない」

 

俺が能力の解説をしていると海賊は好機だと悟ったのか一斉に走って来た。

 

「なによ!使えない」

 

「そんな事よりもキタ——————!!はっ、そうだまきびし!」

 

「なんだ、イイもの持ってじゃない」

 

ウソップとナミはまきびしをばらまいて海賊達の足を止める。

そのすきにウソップが狙撃を開始。

 

なんだ、意外とやっていけてる。

もしもの為に何時でも張れるように溜めておこうか。

 

「あっ!!」

 

「なんだ?」

 

「後ろにもまきびしが」

 

「お前が撒いたんだろ!!」

 

「そこをどけぇぇー!!」

 

「危ない!!」

 

ナミのせいで余所見をしていたウソップに海賊が石斧を振るう。

 

あれ、頭を狙ってるだろ!

間に合え!!

 

俺はウソップの頭と石斧の間に鏡を作ろうするも間に合わず打たれてしまう。

海賊はそのまま通り過ぎようとするも

 

「お前らを通す訳にはいかねぇんだよ!いつも通りにウソを付いただけなんだから、村では何時も通りの一日が始まるだけなんだ!!」

 

ウソップが叫ぶも海賊が剣で黙らそうする。

がナミがはじくものの力の競り合いで負けて崖に打ち付けられてしまう。

 

ウソップもナミも動けなくなった。

俺が能力を最も繊細に使えるようになっていたら。

この戦いが終わってからの目標だな。

 

「おい、女!!」

 

「後はお前だけだぜ。ケガしたくなきゃどけ!」

 

今、俺を女扱いした奴出てこい!

潰してやる。




次回ジークが戦います。(小規模戦闘)


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89 第十八話 数の暴力はキツイ

「おい!テメェー等そんな奴ら放っておけ。そしてさっさと村を襲え!これはキャプテン・クロの計画だぞ!!もし乱す様な事があったら俺達全員殺されるぞ!!」

 

「「「村へ急げ!!」」」

 

ジャンゴの怒りを聞いた海賊達は端でうずくまってるナミと倒れていても諦めないウソップ、そして先ほどまで話していた俺を無視して坂道を急いで登って行く。

 

「無視すんな!!」

 

「ぐへ」

 

登って行く海賊達を鏡の壁を作って阻止する。

 

「クソ、女だからって見逃しておけば」

 

「やっちまえ」

 

海賊達は道を通る事より俺を標的に捉えた。

一斉に俺に向かって攻撃を繰り出してくる。

それを鏡を作って跳ね返したり紙絵で回避する。

回避してばかりでなく時折鏡で防いでのけぞった相手をカウンターを食らわせノックアウト。

 

流石に数が多すぎる。

ルフィとゾロはまだか?

 

「もらった!」

 

元々戦い、特に攻撃が苦手な俺は攻防を一人で大人数相手にする程の体力はなくそろそろ限界に近かった。

そんなか一人の海賊が俺を狙った。

回避に足も体も追いつかず、防御の鏡は溜めが足りず出せない。

サーベルが俺を捉える直前俺は冷静だった。

 

これは苦手なんだけどな。

 

俺はそのままサーベルを受けた。

ギィィィンン

俺とサーベルが接触したとたん俺の体は切れることはなくキズ一つ付かずそれどころか鳴ってはいけない音がした。

 

「っう、鉄塊」

 

海軍と世界政府でしか習得不可能な六つの武術『六式』

その一つ紙の様にひらひらと回避する紙絵は先ほど使っていたが体を鉄の様に固くする防御『鉄塊』をとっさの判断で俺は使った。

 

六式は独自の訓練で覚えたがどれも本家には及ばない。

紙絵しか使ってなかったが体を動かさずにとっさに掛けれる鉄塊で何とか防御が間に合って良かった。

 

だが鉄塊は苦手な為サーベルを受けた反動で後ろに倒れてしまう。

今ので体力を使い果たした俺はそのまま立てない。

 

やっぱり攻撃を受けるのは能力に任せているから鉄塊は出来が悪いな。

本格的に学んだら違うんだろうが今更それが出来ないからな。

あの人は何処にいるんだろ?

 

動けない俺は呑気にこれからの事を考えていた。

そんな時に

 

「うっぎゃぁぁぁぁぁ!!」

 

俺を通り過ぎて行った海賊達は宙を舞った。

 

「ナミぃ!テメェ俺を足踏みにしやがって!」

 

「ウソップ!北ってどっちかちゃんと言っておけ!」

 

そろそろじゃないんか?って思って時間稼ぎをしたけど遅ぇぞ。

 

道に迷ったルフィとナミに足踏みにされて時間を食ったゾロの合流だ。




ジークは一対一で戦ったら圧勝です。
数の暴力はルフィとゾロでしか対処出来ません。
防御担当ので


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90 第十九話 催眠術

「お前ら。こんなに強かったのか?」

 

「うん」

 

「お~い」

 

「あんた達遅いのよ。来るのが」

 

「テメェがおれを陥れたんだろうがよ!」

 

「あれは事故よ。仕方ないでしょ。二人とも落ちるなら私だけでも助かった方がいいじゃない」

 

「じゃあお前が落ちろ!」

 

「聞いてますか~?」

 

「だいたいなぁ。北とか北じゃないとか分かる訳ねぇだろ!」

 

「何!お前自信持って突っ走って行っただろう」

 

「四人とも俺を無視すんな!!」

 

さっきから俺を無視して話をする四人。

 

まぁ、無視のお陰でルフィとゾロが遅かった理由がはっきりとしたが。

体が限界なのに首だけ動かして敵の様子を見ていたがここまで無視されるのは酷い。

 

「なんだ、ジーク。ボロボロじゃねえか」

 

「しっかりしろよ」

 

「お前ら二人が早く来ていれば俺がここまで頑張る必要がなかったのだか!」

 

ゾロとルフィがようやく俺に気づいて倒れている事に文句言ってきたのをすぐさま来なかった事に文句で返す。

二人はバツの悪い顔でそっぽを向いた。

 

「おい野郎どもあんなガキにまだくたばっちゃいないだろうな」

 

「なんだ、まだ生きてるよ」

 

ジャンゴが手下に声を掛けると瀕死の状態で起き上がる海賊達。

 

俺よりもボロボロじゃないか。

そんなのでルフィとゾロ相手に戦えるのか?

 

そんな疑問は直ぐに解消された。

ジャンゴは手下に催眠をかけてフラフラだった海賊達がしっかりと立ち異常に声を上げる。

俺が倒した海賊の一人が崖を叩くと崖がえぐれていった。

 

どういうことだホントに催眠にかかりやがった!?

能力者なのか?

 

そうこうしている内に元気になった海賊達が一斉に襲ってくる。

 

「お前ら坂の上に登ってろ。ここはおれ達がやる」

 

ゾロが流石にあれはヤバいと思ったのか下がってろと言う。

動けないウソップをナミが担いで移動させる。

歩ける程度に回復した俺も一旦下がらせてもらう。

 

「おいルフィ、ルフィ?」

 

「うおあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「「「「お前も催眠にかかってんのか!!!!」」」」

 

ジャンゴが手下にかけた催眠術にルフィもかかっていた。

 

「オオオオオ!!」

 

「うおあぁぁぁぁぁぁ!」

 

発狂して走る海賊達とルフィ。

勝ったのはルフィ。

能力を使った技で一気に叩き付ける。

ここまでは良かった。

それから敵陣まで突っ込んで行ったあと何を思ったのか敵の船の船首をもぎ取って敵を倒すのに使おうするも。

 

「ワン、ツー、ジャンゴで眠くなれ。ワン、ツー、ジャンゴ」

 

催眠術にかかりやすい特製を敵に利用されそもまま船首の下敷きになって寝てしまった。



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91 第二十話 猫被り

「なんか全滅ーて感じね」

 

「大丈夫なのか?あいつが船首の下敷きに」

 

「死にゃしねぇよ。それよりも自分の出血の心配してろ」

 

「動くなよ。今、応急処置をするからな」

 

ルフィが催眠にかかり暴走した後海賊をほとんど倒してしまったので付近に用意しておいた救急箱でウソップに応急処置をする。

 

「おいおい、船首が折れてるぞ。見ろよブチ」

 

「本当だぜ。何が起こった!?」

 

もう終わったと思っていると船から声がした。

 

今更?

奥の手か。

 

海賊達は船に残ってるらしき二人の登場に希望を抱いてる。

ジャンゴの呼びかけで降りて来たのはやせ細っている男と太っている男だ。

第一印象は猫。

だがこちらを見るとビビり始めた。

 

「な、何だ?切り札じゃあないのか?」

 

「あ!?」

 

「完全にビビッてる!!?」

 

「ゾロ一人でも圧倒出来そうだな」

 

二人の内やせ細っている方がジャンゴの活でべそをかきながら吹っ切れた様に走ってきた。

ゾロが戸惑っている内に態度が変わり手に着けていた爪で攻撃を繰り出す。

ゾロは何とか防御をしたが刀を二本、あの攻防の内に取られてしまった。

刀を返せとゾロが言うが敵は持ていた刀を後ろに投げた。

ゾロがキレて攻撃を繰り出す。

嫌な予感がして俺も何時でも動ける様に準備をする。

直ぐに動く必要がきた。

ゾロは敵を斬ったと思って刀を取りに行った。

それが罠で斬ったと思ったのは服で本体は猫背で無事だったらしく無防備な背中に乗られて拘束されてしまう。

拘束されたゾロを見てもう一人の太った方が飛び上がる。

狙いはゾロの頭、そこ目掛けて落ちてくる。

 

「危ない!!」

 

ナミが叫んだ時には俺は動いていた。

太った方は俺の力ではどうしょうもないと考えゾロを拘束している方をどかす。

 

太った方がジャンプしてから落ちてくるまで数秒、普通なら間に合わないが六式の剃を使うことにより数秒あれば余裕で追いつく。

 

剃で付けた勢いでタックルをしてゾロを吹き飛ばす。

勿論、鏡を作って接触する。

そうしてゾロと入れ替わった俺は鏡をそのまま上に向けて落ちてくる奴の攻撃に備える。

 

俺の作った鏡はある程度の攻撃までは跳ね返す事が出来るが一定以上の攻撃だと防ぐだけになる。

億越え賞金首だと一発で使い物にならなくなる。

七武海レベルだと使い物にならなくどころかダメージを貫通してくる。

 

幸い太った奴の攻撃は跳ね返す事は出来なかったがガードは成功した。

だけど体力を使い果たしそのまま倒れる。

 

「ゾロ、悪いがもう動けそうにないから後は頼んだ」




活動報告に明日の更新についてありますので良かったらご覧ください。


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92 原作二十周年記念短編

先に述べますが設定等は本編に関わりますがこの記念短編で起こっていることは本編では起こっていません。


ここは新世界ログに乗らない人口の島

ポツリと建つ家と少し広い程度の庭しか無い島。

 

その家の二階、階段を上がって直ぐにある部屋に向かってそのメイドは出来うる限りの速さで優雅に素早く歩いていた。

 

通常時でなら灰色の短い髪の毛を一切揺らさずに歩いてであろうが今日だけは珍しく揺らしキリっとした表情も焦っている。

普段なら乱れ一つない素朴な黒を主張したメイド服も今だけは乱れていた。

 

いつもなら起こらないはずのメイドとしての行いを気にしないくらい焦っていた。

 

そのメイド、ティカ・ヴァントが目指している部屋はティカのご主人様の部屋である。

 

数分前ティカはご主人様の部屋に呼ばれた。

 

ティカはご主人様の部屋にお呼ばれされたことに焦っているわけではない。

 

そんな事十一年前にはむしろ頻繁に呼ばれていた部屋だ。

 

ではなぜ焦っていているかと言うとそのご主人様は少なくともあと半年は目覚めないはずだからだ。

 

それが家の手入れをしている最中に頭の中に部屋に来なさいと感じたのがほんの数分前。

 

 

ご主人様の部屋は二階の階段を上がってすぐの所にある。

奥には三部屋、自分の部屋と今は部屋の持ち主のいない二部屋だ。

 

そして着いたご主人様の部屋。

 

ノックし声を掛ける。

メイドとしての基本だ。

 

「お嬢様?お呼びでしょうか。入りますよ」

 

部屋からは返事はしない。

 

眠っている間に部屋に入る事は禁止されていないのでドアを開けてみる。

 

部屋の端に見た目は普通なでも寝心地は天竜人ですら味わえない程に最高なベッドがある。

この家にはそんなベッドが四つこの家に住んでいた人数分ある。

ご主人様ご自身が創られたものだ。

 

そんなベッドに眠っている見た目が子供に見える姿をした女性がティカのご主人様である。

寝息なんてない。

それどころか寝ていない。

生きている状態を停止させたのが十一年前から続いている。

 

寝返り一つしないその姿を見て間違いだったのか?と思い庭の手入れに戻ろうと後ろに振り返ったその時

 

「あれ、ティカ?」

 

ティカがもう一度ベッドに振り返って見たのは生命活動を停止していたはずのご主人様が起きていた。

 

「お嬢様、約束の時間まであと半年はありますがよろしいでしょうか?」

 

ティカが尋ねると答えは直ぐに返ってきた。

 

「今日はいいの!」

 

子供らしくはしゃいだ声だ。

 

「今日は何かお嬢様が起きられ程の日でしたっけ?」

 

ティカは思いあたる事がなく素直に尋ねる。

 

「ふふ~ん。聞きたい?聞きたい?しょうがないなぁ~ティカは。え~とねぇ今日で二十周年なのだ!」




本当はかなり後に登場予定の二人。
今、公開しても問題ない情報で作りました。


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93 第二十一話 依頼者登場まで

ワンピースがハリウッドで実写映画化することが決定したそうですね。
アニメの実写化はファンの期待を裏切ることが多いですがワンピースはそうなって欲しくないです。


「ゾロ、助けたところで悪いがもう動けない。あいつらの相手、一人で頼めるか?」

 

ゾロが危なそうだったので無理矢理体を動かした俺は道の隅まで這いつくばってたどり着きゾロに言った。

 

「別にお前の助けを借りなくても一人で切り抜けれた」

 

酷いな。

仲間がピンチになっていたのを助けたのは誰だ!

しかしながら今までに能力を短時間でこんなに使ったのは初めてだけどこれからどうにかしないとな。

 

「…でも助けてもらったことには変わりはねぇ」

 

ゾロが呟いた一言はキチンと俺には聞こえていた。

 

「一刀流はあんまり得意じゃないんだけどな。こいつらの相手は任せておけ」

 

ゾロがそう言うと俺は安心して体力回復に入った。

ゾロは刀一本で二人の猛攻を受け流す。

それでも劣勢なのは変わりない。

三人の攻防の中崖の上に避難したウソップがゾロを援護しようとパチンコを構えて鉛玉を撃った。

 

「え!?」

 

ウソップは驚愕した。

ウソップが狙ったのは太った敵ブチの頭であるがそれが当たったのがゾロの左肩だった。

ウソップの放った玉が当たったことによりバランスを崩してしまい敵の攻撃を食らってしまうゾロ。

 

「味方を攻撃してどうすんのよ!」

 

ナミがウソップに慌てて言うが俺は今のはゾロがワザと当たった様に見えた。

 

「いや、今あいつ自分から当たりに行った様に…」

 

ウソップもゾロが自分から当たりに行った様に見えたとナミに言った。

 

「ウソップテメェ!!死にてぇのか!?」

 

ゾロが叫んだ。

 

俺はその一言で敵がウソップを狙わない様にしたのだと分かった。

ナミも分かってウソップにゾロの意図を伝えた。

ゾロはまだ劣勢、ケガのせいで更に不利に見えた。

 

刀一本で余裕がない癖にウソップを庇うとか大丈夫なのか?

せめてあと一本あれば違うのだろうが………。

 

ちらりと刀が落ちている場所をみる。

 

遠いな、這いつくばって行こうにも敵はまだジャンゴもいる。

せめてウソップかナミが取りに行ってくれれば。

 

そんな願いが届いたのかナミがゾロの刀を取りに動いた。

だがジャンゴも当然気付きナミの背中を斬った。

その時だった。

 

「あ………いや!!?これには…事情が………あってよ…………」

 

ジャンゴが驚き怯えて言い訳を始める。

ゾロを攻撃していた二人も顔を青ざめカタカタと震え始めた。

そんな敵の視線の先にいたのはクラハドールことクロだった。

他の海賊達もクロの登場により絶望を抱いた顔になる。

クロは喋り始める。

 

「もう、とっくに夜は明けて日は登り切っているのに中々計画が進まないと思ったら」

 

寝ているルフィ、肩を押さえているナミ、刀をもった状態のゾロ、頭から血を流しているウソップ、崖に寄りかかっている俺。

 

「何だ!!このザマは!!?」

 

クロは依頼者としての怒りを放った。




今更、昨日の更新ですが(前話)あれは記念ネタバレです。


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94 第二十二話 クロと同じ速度で

トレクルでウソップだけが当たらなかった。
十連三回も引いたのに!!
もう宝石ないしどうすれはいいんだよ!
諦めるしかないのか。


クロは来て早々、元自分の海賊団を罵倒した。

 

「まさかこんなガキどもに足止めを食らっているとは落ちたものだなクロネコ海賊団も。えェ!ジャンゴ!!」

 

「でもよ、あんたその時言ったじゃないか。あの小僧に聞かれても問題ないって」

 

ジャンゴはすぐさま言い訳を始めるがクロはそれはお前らの軟弱さが計算外と言った。

 

「軟弱だと!?」

 

「言ってくれるぜ。キャプテン・クロ」

 

ジャムとブチはその言葉に反応しクロに突っかかっていく。

 

「何で計画を実行出来なかっただけで殺されるなきゃならないんだ」

 

ジャンゴが止めるが二人は聞く耳を持たず遂にクロに攻撃をした。

その時俺は驚いた。

 

なんでこんな所にいるんだ?

ここは最弱の海、イーストブルーだぞ。

 

クロは二人の攻撃を避けた。

ただ避けるなら問題はなかったが避け方が問題だった。

持っていたカバンを残して消える様に避けたのだ。

誰一人目では追えなかっただろう。

なぜならそのスピードは六式の剃に並ぶものだった。

俺も使えるからこそ気づいたのだ。

そのスピードで動くクロはジャムとブチの後ろに移動し方を組みいいつの間に付けたのか指先に長い刃物が付いている武器を両手に装着し二人の首元にあてて言った。

 

「確かにお前らの言う通りだな。腕が訛っちまってる」

 

ゾロを刀一本といえ押した二人が子ども扱い。

さっきまでは所詮イーストブルーの海賊と油断したが俺がグランドラインにいた頃の感覚でやれば勝てなくもない。

でもそれじゃあこの先なんでも俺に頼っちゃダメだ。

なら敵はルフィ達に任せるとして俺は陰で守る。

少なくとも俺と同等になるまでは。

 

俺は敵に手を出さないと決めると立ち上がった。

さっきまでフラフラだったのが嘘のようにしっかりとした足取りでだ。

 

「動いても大丈夫なのか?」

 

「もう大丈夫だ。心配かけて悪いかったな」

 

ゾロに声を掛けられ返事をした。

もう動けない、そう思うと動けるのだ。

不思議に思ったがそうも言ってられない。

クロが後五分でここを抜けなければ皆殺しだと言う。

敵はもうやる気満々だ。

 

俺も早いとこかたずけて休みたい。

まずはゾロの刀を取り戻さないとな。

 

決めると俺は直ぐ動いた。

剃を使い一瞬で刀の元にたどり着くとゾロに刀を投げ渡した。

 

「ゾロ!刀行くぞ」

 

そのままナミの拘束を解く。

 

「ウチの航海術士を話してもらいますかね」

 

ここまで僅か五秒足らず。

俺が剃を使ったことに啞然となるがいち早く戻ったジャムとブチはゾロに襲いかかった。

だが刀を三本取り戻したゾロは一撃で二人を倒した。




後半、なんか無茶苦茶なのは分かってる。
自分の文章力では何もできない。


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95 第二十三話 眠りから復活

ゾロが刀を三本になり一撃で倒したと思ったジャムとブチ。

 

「ハァ・・・ハァ・・・ぶち殺してやる」

 

だが、太っているせいか単にタフなだけなのかブチは起き上がりジャンゴに催眠を頼んだ。

すぐさま催眠をかけるジャンゴ。

 

「ふぬうぅぅぅぅぅ」

 

「また催眠か!?」

 

ただでさえ強かった奴が更に強くなって復活してゾロは厄介だと思った。

俺はまだ動かずにいるクロの行動を見ていた。

 

奴はゾロがニャンバー兄弟を倒したと思った時、ゾロに宣戦布告をされ戦闘態勢に一瞬入ったがブチが復活した今は何もしないで見ているだけだ。

ゾロがブチを倒し終わるまでは大丈夫そうだな。

 

ジャンゴがブチに催眠をかけるその隙にナミはチャンスだと思い眠っているルフィに走り寄る。

しかしブチに催眠をかけ終わったジャンゴが気付き催眠に使い更に武器にもなるチャクラムを投げた。

ナミの足が寝ているルフィの頭をヒールの踵で踏み潰した。

 

「ナミ避けろ!!」

 

ゾロがナミに叫ぶがナミは振り向くだけで何もできない

 

「真っ二つになれ!」

 

ジャンゴが叫ぶ。

皆は忘れていた。

俺が、いる事に。

鏡を張れる俺が何時でも張れる様に待機していた事に。

 

「ミラーバリア」

 

「ナミ!!よくも俺の頭を踏んずけやがったな!!?」

 

間一髪、ナミに当たるとされたチャクラムはナミの目の前に現れた顔、ルフィが知らずに庇った。

そしてルフィが庇った事によりナミは見えなかったがチャクラムがルフィに当たる寸前に間に潜り込んだ俺が鏡を張り防いだ。

 

「「「あいつが復活しやがった!!!」」」

 

ナミにより復活したルフィに海賊達は絶望的に叫んだ。

ニャンバー兄弟を一度は倒したゾロに催眠にかかっていたが強いとわかるルフィ、攻撃を跳ね返す事のできる俺。

この三人を倒さなければクロに殺されるからだ。

 

「痛ぇなコノヤロー!!」

 

「そうしないと起きなかったでしょうが!!」

 

頭を踏まれたことに怒るルフィにナミも反論する。

言い争いの中、急にナミが膝を地面に着いた。

 

「お前、肩ケガしてるのか?」

 

ルフィが寝ている間に受けた肩のキズが走った事により再び開き血が出て来た。

ナミは手で押さえながら気にせずにルフィに言った。

 

「何でもない平気。とりあえず私のやることはやった後は任せる!この戦い絶対に負ける訳にはいかないもの」

 

「お前!」

 

「お宝の為にも」

 

「それがお前だ」

 

そう言えば俺達の宝をあいつらに取られてるんだよな………。

 

そんな時、クロは時計を見て言った。

 

「皆殺しまであと三分」




最近一人称と三人称がぐっちゃぐちゃになってると思う。
気にせずお楽しみください。


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96 第二十四話 カヤの覚悟

少し遅れましたがなんとか完成
一万UA達成しました。
これからも頑張っていきたいです。

今回は三人称視点で


「そんな無茶だ。いくら催眠状態といえどもブチさんとジャンゴ船長だけでこいつらを倒すなんてあと三分でできるわけない」

 

クロの言葉に慌てる海賊達。

 

「考えてる暇ねぇぞ。ブチはハラマキを殺れ。俺は麦わらのこ—」

 

ジャンゴがブチに指示を出したその時、クロの後ろに一人の少女の人影が見えた。

 

「クラハドール!!もうやめて」

 

屋敷に居るはずのカヤだ。

 

「カヤ、お前何でここに!?」

 

ウソップはカヤに問う。

海賊達は突然現れた最終目票に希望を再び望む。

ジークはというと

 

あのお嬢様が敵の最終目的。

なら、あのお嬢様は俺が守りきれば。

 

ジークは何時でもお嬢様を守れる様に鏡を張れる準備をした。

ジークが冷静にどうすればいいのか考えてる内にカヤとクロの話は続く。

 

「これは驚いた。……お嬢様なぜここに?」

 

クロは執事口調でカヤに話しかける。

カヤはポツリと声を出した。

 

「メリーに全部聞いたわ」

 

「ほう、まだ息がありましたかちゃんと殺したつもりでしたが」

 

カヤは朝起きるとクラハドールを探して屋敷を歩き回るともう一人の執事メリーが血だらけで倒れているのを見つけた。

メリーの話を聞くとやったのはクラハドールだと言う。

ウソップが昨日言っていた事が正しいかったのだと気づいたカヤはクラハドールと話をつける為にここえきた。

カヤはそれでも心の中で何かの間違いだと思っていた。

だけど今の一言でクラハドールではなく海賊キャプテン・クロだと分かってしまった。

分かってしまったカヤが初めにしたことはウソップに謝ることだった。

それでもウソップは逃げろと言う。

カヤはウソップが傷だらけで戦っているのに私だけ逃げることは出来ない私も戦うと言った。

戦うと言っても武器を持って直接戦う訳ではない。

戦いの方法は色々ある。

カヤは自分にしかできない戦い方を選んだ。

即ち財産を渡す代わりにこの村から出て行って下さい。

との事、カヤにしか出来ない方法だ。

これをクロは出来ないと言って拒否した。

クロは財産だけではなく平穏も欲しいのだといった。

そのために三年間執事として村人にも好かれるようにとやってき信頼を得て突然海賊に襲われてしまい偶然カヤには死んでもらわないといけない。

そうクロは計画をばらした。

ウソップはそれを聞いて再び逃げろと叫ぶがカヤはかちゃりと音を立ててピストルを取り出した。

カヤはもう一度村から出て行ってという。

クロはカヤとの思い出を話をだしてカヤの覚悟を砕いた。

ウソップもこれに激怒する。




可笑しくなかったですかね?
ジークほとんど出番なし


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97 第二十五話 クロの動き出し?

なんとか元に戻った。
一瞬完成したのが消えて頑張って自動保存から探してようやく投稿完了。
自動保存最高!


ウソップが激怒してもクロはカヤを笑い者にしている。

 

カヤの心がついに折れてしまいピストルを手から落ちてしまう。

 

それが合図だった様にウソップがとうとうキレてしまいクロに襲いかかった。

 

「クロォオオオオ!!!」

 

クロのスピードは剃に値する速度だ。

 

当然、簡単に避けられてしまう。

 

「君には殴られた恨みがあったね」

 

避けたクロは昨日屋敷でウソップに殴られたことに根を持っていたらしくカウンターをしようとして殴られた。

 

「キャプテン・クロが吹き飛んだ!?」

 

誰がクロを殴った?

 

クロを殴れる距離にいたのはウソップとカヤの二人だけだが違う。

 

出来そうと言えばジークの剃からの攻撃だがジークは動いて形跡はない。

 

「必要なかったみたいだな」

 

ただウソップを守る様にと鏡を張っていた。

 

ジークではないのなら誰が?

 

いた、遠くからでも殴れる能力をもった者がここには居た。

 

ウソップを切り裂こうとしたクロを殴って止めたのはジークの船長であるルフィがゴムゴムの実の能力で腕を伸ばして殴った。

 

「そんなに殴られるのが嫌ならあと100発ぶち込んでやる!」

 

ルフィがいる場所は坂道の一番下だ。

 

ルフィの能力を知らない者達は「一体どうやって?」と見る。

 

その後、海賊達は「キャプテン・クロを怒らせた」と騒いだ。

 

クロが仰向けに倒れている所に声が響いた。

 

「「「今だぁぁぁぁぁ!!」」」

 

「えっ」

 

「あっ」

 

カヤとウソップも声の正体に思わず声を出す。

 

「ウソップ海賊団参上!」

 

「覚悟しろこのやろう羊」

 

「羊このやろう!!」

 

昨日ウソップがウソを付いて離れていったはずのウソップ海賊団の三人の子供ピーマン、ニンジン、タマネギがそれぞれフライパン、バット、スコップの武器を持って飛び出して来た。

 

そのまま倒れているクロをそれぞれの武器で叩く。

 

海賊達はこれに驚いた。

 

ウソップも言葉で止める。

 

ゾロも「何のつもりだ」と見ている。

 

「はぁ………お守りが増えた」

 

ジークはひそっりと呟き鏡を張る準備をする。

 

ウソップはピーマン、タマネギ、ニンジンになぜ来たと問いかける。

 

返ってきた答えは「おれたちも戦う」

 

そんな中クロが何事もなかったように起き上がっていつものようにメガネを手のひらで持ち上げると割れたレンズがパラパラと落ちる。

 

三人もこれにビックリ。

 

クロは三人を素通りする。

 

ウソップの前まで歩くと器用に刃物で頬に張っていたシップを器用に剝がすとウソップを蹴ったはずだった。

 

クロは衝撃で後ろにふらつくとウソップと自分の間にあるモノを見た。



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98 第二十六話 最終局面へ

「鏡?」

 

クロが蹴ったモノ。

 

それはジークが張った鏡であった。

 

「ウソップは怪我人だ。易々と攻撃を当てさせるか」

 

クロはウソップを蹴るのを諦めたのかジークとルフィに向き合った。

 

「少しきいた。二人共奇妙な技を使うものだな。悪魔の実の能力者だな」

 

クロが問うと

 

「そうだ!ゴムゴムの実を食ったゴム人間だ」

 

「………………………………………」

 

ルフィは素直に話しジークは黙ったままクロを見ている。

 

「もう一人はだんまりか。……鏡を操る能力とみる」

 

クロが冷静にジークの能力を分析すると

 

「悪魔の実!!?」

 

「やべぇよホントにあんのかよ!!」

 

「やっぱり変だと思っていたんだ!」

 

海賊達は騒ぎ始める。

 

恐らく能力者を見たのは初めてだったらしい。

 

 

無理もない話だ。

 

ここは東の海(イーストブルー)五つの海で一番最弱の海、又は世界政府からは平和の象徴とも言われる程に海賊達は少なく弱い。

 

それに伴って悪魔の実の数も一番少なく東の海(イーストブルー)で暮らしていると普通は能力者なんて出会うことなく一生が終わるくらいだ。

 

 

クロはそんな奴らは無視しジャンゴを呼んだ。

 

「その小僧どもは俺が殺る。お前にはカヤお嬢様を任せる。計画通り遺書を書かせて殺せ!」

 

クロはルフィとジークは自分が相手をするから最終目的をジャンゴに任せた。

 

ついでの様に子供達三人の始末と一緒に。

 

「止まれ」

 

ジャンゴを邪魔するのはゾロ。

 

そんなゾロを催眠状態になったブチが相手をする。

 

ブチが高く飛び上がりゾロ目掛けて落ちてくる。

 

「キャット・ザ・フンジャッタ!!!」

 

普通の状態で地面にヒビを入れたそれは今度は地面をえぐった。

 

「くそっ!さっきと桁違いだ!」

 

ゾロはなんとかこれを回避するが思わず呟いた。

 

攻撃の余波は止まらず崖まで及び崖を一部崩落させた。

 

回避で態勢を崩しているゾロにブチは手に付けている爪の様な武器で襲いかかる。

 

刀で爪を防御し足でブチの顔を踏みつける。

 

「お前は一度負けてんだろうが!邪魔をするなっ!!」

 

ブチを吹き飛ばすがまだ立ち上がるブチ。

 

そんな攻防の内にゾロはジャンゴを通してしまった。

 

「ウソップ海賊団!!」

 

ウソップが叫ぶ。

 

「はいっ!なんでしょうか!」

 

「言っときますけど逃げませんよ」

 

「キャプテンの敵を取るんだ」

 

三人はそれぞれウソップに一緒に戦うと言う。

 

ウソップは三人にたった一言

 

「カヤを守れ」

 

三人はその言葉に反応する。

 

「………ウソップさん…」

 

カヤは思わず彼の名を呟く

 

クロはウソップを片目で見る。



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99 第二十七話 クロを抜けろ

やっと四巻が終わり五巻の内容に


ウソップは続けた。

 

「最も重要な任務をお前らに任せる。カヤを連れてここから逃げろ!出来ないとは言わせないぞ!!これはキャプテン命令だ」

 

「「「はい、キャプテン!!!」」」

 

三人は与えられた重要な役割に背筋を伸ばして答えた。

 

「バカか。俺から逃げれるわけないだろ?」

 

ジャンゴがチャクラムを取り出す。

 

「カヤさん急いで!」

 

「森に入ればおれたちの庭みたいなもんだ」

 

三人は急いでカヤを連れて行こうとする。

 

「逃がすか!」

 

ジャンゴがチャクラムを投げようよ態勢に入った所で後ろから衝撃がくる。

 

「必殺鉛星!!」

 

ウソップが放った鉛玉を食らったジャンゴは攻撃に失敗した。

 

ジャンゴがウソップに標的を変えようとするがクロの怒りを受けた。

 

そのうちに三人はカヤを連れて森も中へ入って行った。

 

「カヤの体のことは俺が一番知っている。ジャンゴから逃げることはできない。加勢に行きたきゃ行けばいい。正しここを抜けることできたならな!」

 

クロがジーク達に言ってくる。

 

「じゃあ通させて貰う」

 

「!!?」

 

ジークの一言でクロの視線がジークに向く。

 

「ルフィ、ゾロ。ここはお前ら二人で大丈夫か?」

 

「できるわけないだろ!確かにお前のスピードは速かった。だけどクロも同じだ!」

 

ウソップがジークにできないと言う。

 

「ウソップ!」

 

それを止めたのはルフィだ。

 

「任せろ!!」

 

ルフィの一言にジークは頷くと歩き始める。

 

クロとブチは警戒を引き上げた。

 

歩き始めたジークは段々と速度を上げて全力ダッシュに入りそして消えた。

 

「消えたぁ!?」

 

誰かが剃で移動したジークを見て叫んだ。

 

消えたのは一瞬、直ぐに姿を現した。

 

そこはクロ達の後ろ側、つまり抜いたのだ。

 

 

ジークは知らないだろうがクロの移動速度は普通の行動だと剃に少し劣る。

 

必殺技の杓死を使えば剃と同等の速度を叩き出すことが可能になる。

 

しかしクロは杓死を使うと速すぎるが故に何を切っているか分からないただの周りを無差別に殺戮するだけの殺戮マシーンになる。

 

なにを言いたいかと言えばクロはその速度を制御する事が出来ないのだ。

 

それに同じくクロは剃を目で追えないためにジークを通してしまったのだ。

 

 

少し遅れて追いかけているだけなのに既にカヤと子供達もジャンゴの姿も見えなくなっている。

 

そう遠くない場所から木が倒れる音が響く。

 

「まだ見つかっちゃってたりしないよな。間に合えよ!」

 

ジークは体力を温存するためか普通の速度をで森を駆ける。

 

木が倒れているのを見つけた。




もしかしたら明日の更新は番外編になるかもしれません。


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100 総投稿数百話達成記念短編

遅くなり申し訳ございません。
頭痛の中なんとか完成しました。


「はぁ、………『原作連載二十周年』ですか?」

 

ティカは自分のご主人様が起きたとたんに放った一言にとりあえず返してみた。

 

「そうなのです!」

 

直ぐに意味不明な答えが返ってきた。

 

「そんな為に起きられたのですか!お疲れなのでしょう。予定より早く起きられても私が困ります」

 

ティカは講義してみたがわがままお嬢様は

 

「まあまあ、外の世界はもう何日か過ぎたみたいだけど作者が投稿話数百話記念でまた書いてくれた見たいなんだからせかっくの登場なのよ?貴女はともかくお嬢はこんな所じゃないと登場が何年後になるのやら」

 

「そ、それはそうですが………。分かりました」

 

お嬢様にまともな事を言われてティカは引き下がる。

 

「やったぜ!じゃあさ、じゃあさ!海軍本部に殴り込みに行こう!」

 

 

世界政府の最大戦力の一つ海軍本部、大将や中将など新世界の海賊達ですら恐れる存在が集まる場所にたった二人で殴り込みに行くなど考えられるだろうか?

 

新世界に君臨する四人の大海賊の四皇ですらそんな事はしないだろう。

 

だがこの2人はそれが出来てしまう。

 

 

しかし常識人のティカはもちろん

 

「行きません」

 

お嬢様のふざけた発言を一刀両断。

 

「ケチ」

 

ぷく―と頬を膨らませるお嬢

 

「なんとでもおっしゃっても構いません」

 

「ドケチ、鬼畜メイド、人外、ドⅯ、時でも止めとけ、お嬢大好き野郎、元奴隷」

 

ティカの言う通り酷い単語を並べるお嬢だが最後の単語を聞いたティカは本気で怒る。

 

「幾らお嬢様でもその言葉は言ってはなりません!」

 

「ごめんなさい。お嬢が悪かったです」

 

分かればよろしいと乱れた服を整えるティカ。

 

「じゃあ出掛ける準備をよろしく~」

 

ひらひらと手を振ってティカを部屋から追い出そうとするお嬢

 

「何処へですか?まさか本気で海軍本部とかじゃないでしょうか」

 

「近くの島にロールケーキを買いに行くのよ!」

 

ティカの心配は外れてホッとすると支度の為、お嬢様にお辞儀をして部屋から出る。

 

普通のメイドであれば無理にでも部屋に残りご主人様の支度を手伝うのが仕事であるがお嬢は「準備をよろしく~」と手を振った。

 

これを部屋から出て行って欲しいとティカは解釈し言われた通りに出て行った。

 

起きた途端に嬉しそうしていて一人になりたいのだろうか?

 

ティカはそう考えて家の窓の戸締りを確認する為にお嬢の部屋から離れて行った。

 

 

ティカが出ていった後のお嬢の部屋ではお嬢が嬉しそうに頭の中に青をメインとした服を思い浮かべていた。

 

「二十周年と言ったら青だね!」

 

次の瞬間、糸から服が出来る工程を早送りしたように青い服ができて行った。




記念日毎に続けていきたいと思います。
前回同様、設定等は本編に繋がっていますが本編では起こっていない出来事です。
見なくても本編に関係ない物語


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101 第二十八話 子供達に追いついて

今日は何時もと同じ時間帯に出来ました。


「何処だ、チビども!!」

 

ジークも元にジャンゴの怒りの大声が届く。

 

「こっちか!」

 

その声を頼りにジークは急ぐ。

 

段々と切られて倒れている木が増えている。

 

そのおかげで視界が広がっていて見つけることができた。

 

子供達は催眠にかかったのか寝ている。

 

ジャンゴはカヤに寄り催眠をかけようとしていた。

 

「剃!」

 

剃を使い一気に加速する。

 

「ん?ぶっべべぇぇぇぇ!」

 

ジャンゴがジークに気づいた瞬間ジークの加速した足がジャンゴを捉えた。

 

そのままジャンゴは吹き飛び木にぶつかって止まった。

 

「ねぇちゃん、すげぇ~」

 

「催眠術師がぶっ飛んだぜ!」

 

「これでカヤさんも俺達も安心だ!」

 

催眠にかっかた振りをして出方を疑っていた三人は突然ジャンゴが吹き飛ぶと起き上がった。

 

ジャンゴが居た場所にジークがいるのを見て褒めた。

 

「お前ら言っとくけど俺は男だ」

 

「「「えぇぇぇ~~~~~!!!」」」

 

子供達もやっぱり驚く。

 

やっぱり初めから誤解は解いとくべきか?と真面目に悩むジークにカヤが声を掛けてきた。

 

「あ、あの。助けて頂いてありがとうございます」

 

「気にすないでくれ。守るにおいては専門分野なんで役割分担でこっちに来ただけ」

 

ジークがカヤと話している間に子供達はひそひそと

 

「あの人、ホントに男なのかな?」

 

「でも髪長いし声も男に聞こえないぞ」

 

「男と言い張って実は女とか?海賊なんだからさ」

 

ジークの性別について討論していた。

 

一息ついている所にチャクラムが飛んで来る。

 

「っ!鏡の壁(ミラーウォール)!」

 

周囲を警戒していたジークは難なく鏡で跳ね返す。

 

「俺の事忘れるんじゃねぇ!」

 

「あれを食らって倒れてないなんて意外と頑丈なんだな」

 

倒れたと思っていたジャンゴが復活してきた。

 

「これでも一端の海賊団の船長だからな。言われた事はやり遂げないと俺の名が腐る」

 

鏡の囲い(ミラーフレーム)

 

敵の姿を発見したジークは鏡で自分とカヤ、子供達を囲った。

 

「聞けよ!まぁ良い。こんなモノ壊せばいいだけだ」

 

ジャンゴは鏡を壊そうと色々とやり始めた。

 

鏡の中ではカヤが突然自分達を囲った鏡に不安を感じた。

 

「あの、これは一体何ですか?」

 

「鏡で俺達を囲んだだけだよ。心配することは何もない。これが一番全員を守り安かったんだ」

 

「でも外から攻撃してくるぞ」

 

「壊れないのか?」

 

「おれも心配だ」

 

ジークがカヤに説明したら子供達が心配してきた。

 

「ちょっとそっとじゃ俺の鏡は壊れないさ。だた………」

 

壊れないと自信を持って言うジークであったが段々と声が小さくなっていく。



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102 第二十九話 最後の頑張り

「ただ、なんだよ!?ね、兄ちゃん?」

 

子供達の一人が姉ちゃんと言いそうになり慌てて言い直しジークの声が小さくなっている事を突く。

 

「ただ、動き過ぎて、この鏡の囲い(ミラーフレーム)を維持する事以外何も出来ないんだ」

 

ジークの役立たず宣言に子供達も開いた口が塞がらない。

 

「そうか、これを壊せばお前は何も出来ないのか」

 

鏡は物理的障害を阻むだけであって中の声も外のジャンゴに聞こえていた。

 

逆の外の声も中に聞こえていて。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ———————!!!」

 

「ど、どうすんだよ!?」

 

「このままじゃ殺される!!」

 

子供達三人が慌てふためく。

 

カヤも不安な状況に顔色が悪くなっていくがジークは安心させる様に言う。

 

「言ったはずだ。この鏡を維持するだけの余裕はあるって。問題はどうやって外のジャンゴを倒すかだが俺がお前らを守っていれば後はお前らのとこのキャプテンがどうにかしてくれるだろ?」

 

別にウソップでなくもゾロでもルフィでも良かったのだかウソップの名前を使ったのは気遣ってだ。

 

「そうだな。キャプテンが何とかしてくれるはずさ!」

 

「キャプテ~~ン!!おれたちはここですよ~~~!」

 

「助けて~~~~!」

 

声を上げ始める子供達三人、カヤは木に寄りかかって苦しそうにしている。

 

「(俺や子供達は良くてもお嬢様がヤバそうだな。早くしてくれよ)」

 

ジークはカヤの心配をする。

 

いざとなったら屋敷まで抱えて走ることも考えるジーク。

 

その後に来る疲労を考えて顔をしかめる。

 

外ではジャンゴが鏡を壊そうと奮闘中、子供達は声を出し続ける。

 

ものの数十分が何時間にも感じられる。

 

遂に均衡が破られた。

 

遠く離れた場所で新たな乱入者が現れた。

 

「そこまでだ!催眠術師!!」

 

ゾロの声だ。

 

ウソップもいる。

 

ゾロが担いで来たのか自分で立っていない。

 

その時、気が緩んだのか鏡が割れた。

 

「あ、危ねぇ。一歩遅かったな!さてお嬢様を———っていねぇ!?」

 

ジャンゴがゾロを振り向いていた隙にジークがカヤを楽な方法、俗に言うお姫様抱っこで抱えカラカラの体力にも関わらず力を振り絞って逃げる。

 

「クソ、だがあいつはもうフラフパヴぅグぅ!!」

 

ジークとカヤを追いかけようとしたジャンゴを妨害したのは子供達であった。

 

フラフラなジークが稼げた距離は大した事なくゾロもまだ遠く間に合わない。

 

ジークは剃を使わないいけないか?と考える始める。

 

「もう、終わりだあああぁぁぁ!!!」

 

ジャンゴがジーク、が抱っこしているカヤに飛びかかる。




始めのプロットでは簡単にジャンゴを倒して終わりだったはずなのに………どうしてこうなった。


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103 第三十話 防御完了

ジャンゴが叫ぶ。

 

「そうでもないぜ!」

 

その時ゾロがニヤリと笑い距離の途中で枝をスパッと斬った。

 

「そう、その枝が邪魔だったんだ」

 

呟いたのはウソップ。

 

この距離で攻撃するにはゾロではいくら何でも時間がかかる。

 

だが、この距離を攻撃出来る者がここにはいる。

 

ウソップだ。

 

ゾロはウソップの射撃線にあった邪魔な枝を斬った。

 

普段では危なくて使えない玉をセットした自慢のパチンコを構えウソップは自信を持ってその玉を放つ。

 

「喰らえ、催眠術師!!必殺火薬星!!」

 

村に危険を及ぼす海賊だからこそ使える小爆発を起こす火薬星。

 

ウソップは寸分の狂いもなくジャンゴの顔に当てた。

 

「ッブバ」

 

体ではなく顔で爆発が起こると普通の人は意識を一瞬でなくなる。

 

ジャンゴも例外無く倒れた。

 

海賊ごっこをしていたウソップが本物のしかも賞金首の海賊を一人でとは言えないが倒した。

 

 

ジークは抱っこしていたカヤを地面に降ろすと後はウソップに任せるべく一人で戻ろうとしていたゾロを追いかける。

 

「一人で戻れるのか?」

 

嫌味ったらしくゾロに語りかけるジーク。

 

ここでジークが声をかけずに一人で帰したら間違いなく迷うところだっただろう。

 

「うっせぇ!お前こそフラフラじゃねぇか」

 

「そういった意味で言った訳じゃないんだけど。俺は能力を使い過ぎただけだよ。直ぐ治る。」

 

ジークが言った意味をキズの事だと勘違いしてゾロは自身よりもジークの事を心配した。

 

歩く内に良くなっていくジークと逆にゾロのキズは短時間で良くはならない。

 

「ゾロこそ腹、思いっ切りやられたな。普通なら歩けないからな」

 

「そんな事で歩けなくなるようじゃ最強には程遠い」

 

「……最強ね」

 

ジークはゾロが言った最強の言葉に世界最強の剣士の情報を思い出す。

 

そのまま会話はなくルフィとナミの元まで帰った。

 

 

「お前らがいなかったら村を守り切れなかった」

 

元の海岸直通の坂道でルフィとナミに合流し一応全員が無事な事を確認するとウソップがやって来た。

 

一緒に村を守ってくれたお礼を言った。

 

「なに言ってんだ。お前が何もしなきゃ俺は動かなかったぜ」

 

ウソップが守りたいと頑張ったから俺もそれを助けたというゾロ。

 

「おれも」

 

ゾロを肯定するルフィ。

 

「どうでもいい事じゃない。お宝が手に入ったし」

 

クロネコ海賊団の宝を手に入れて嬉しそうなナミ

 

「ああいう海賊はできるだけ潰せって習ったからな」

 

ウソップがやらなくても一人でやっていたとジーク。

 

「おれはこの機に一つハラ決めた事がある」

 

ウソップは覚悟した顔で言った。



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104 第三十一話 念願の船

ジーク達は食事を取ていた。

 

他の海賊団と一戦殺りあった後だしお金はまぁあるしとの事で昨日もやって来た場所。

 

「ふーっとれた」

 

先ほどまで必死に手を口に入れていたルフィはやっとのことで喉に詰まっていたものを取り出した。

 

「バカだな、喉を鍛えてないから骨なんか引っかかるんだ」

 

そう言ったのはゾロ。

 

「あんたらに言っとくけど魚を食べたらこんな痕跡が残るのだけれども!?」

 

自分の食べた魚を持ってルフィとゾロに見せているナミ。

 

「別に魚の骨を食べたらいけないことはないと思うが?」

 

食べなくてもいい部分も食べるのは人それぞれとジーク。

 

四人は既に食事を食べ終わっていたがルフィが最後の骨を口に入れバリバリと食べるとここにもう用はない。

 

「メシは食った。もう行くか」

 

「そうだな」

 

ゾロが退席を促すとキャプテンであるルフィが肯定し一同は席を立とうして店にやって来た人を見つける。

 

「ここにいらしたんですね」

 

屋敷のお嬢様のカヤだ。

 

「よう。お嬢様!」

 

手を挙げてルフィが挨拶するとカヤがこちらに進んできた。

 

「寝なくても平気なの?」

 

ナミが心配するがカヤは見る限り元気そうだ。

 

自分の病気について精神的な物だといいウソップにも励まされたからもう甘えてられないと言ったカヤ。

 

「それより、船が必要なそうですね!」

 

ジーク達が船を求めていた事を覚えていたらしく今回助けて頂いたお礼で一隻譲ってくれるそうだ。

 

例の海岸に用意してあるらしく早速見に行く。

 

 

そこにあったのは羊の船首をした船。

 

大きさもジーク達の人数を考えるといいくらいだ。

 

「へぇ………」

 

「キャラヴェル!」

 

「うおぉー」

 

「やっと船が……」

 

ゾロは見定める様に、ナミは種類を、ルフィは興奮し、ジークは良かったとそれぞれ第一感想?を口に出した。

 

「これはこれは、お待ちしておりました」

 

一同を待っていたカヤの執事、メリーが早々に船の型を説明してくれた。

 

メリーがカヤの為に設計した船『ゴーイング・メリー号』だそうだ。

 

ルフィがメリーに動作の説明を受けていたがチンプンカンプンそうに首をかしげていたので航海士のナミと一応のことでジークが代わって聞いた。

 

「航海に必要な物は一通り積んでありますから」

 

「ありがとう。ふんだりけったりだな」

 

「至れり尽くせりだ!アホ」

 

ルフィが感謝を言おうと違う言葉を使いゾロに訂正を食らっていた。

 

片耳でそちらの話も聞いていたジークが少しいいか?と入ってきた。

 

「出来ればでいいんだが食糧だけもう少し増やして貰いたいんだ?勿論、増えた分のお金は払うよ」

 

ルフィとゾロの食事量を知っているジークは食糧増加を求めた。



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105 原作八十六巻発売記念短編

サッサと本編進めろ!との気持ちもわかりますが何せ記念日ですからね。
自分はもう直ぐ買ってきます。


お嬢が自らが創った服は子供用。

 

サイズを間違えた。

 

という訳ではないが着るには少々、大夫小さ過ぎる。

 

だがそれは今の姿ならの話である。

 

「へ~~んしん」

 

お嬢の掛け声と共にポンっと効果音を立てて煙にお嬢の身体が包まれた。

 

煙が晴れるとそこに居たのはお嬢が小さくなった姿だ。

 

効果音も煙に包まれる演出も全てお嬢が創ったお遊び的要素だ。

 

要するに子供っぽい人。

 

いつの間にか煙は跡形もなく消えていた。

 

「は!しまった」

 

急にビクンッと跳ねたお嬢。

 

「どうせなら服も変身と同時に創れば良かった!」

 

この世界にないはずの変身の仕方を思いついたお嬢はガックシと膝を地面に付いてドンドンと叩く。

 

「ま、いっか!」

 

直ぐに機嫌を戻して着替える。

 

お嬢が着替え終わったのを見計らったかのようにコンコンとノックの音が響いた。

 

「お嬢様、お着替えはお済みでしょうか?」

 

「終わったよ~!」

 

ドアが開かれティカが入ってくる。

 

「あれ?服は着替えたの?」

 

ティカは先ほど出ていった時と同じメイド服だった。

 

いや少し違う。

 

「もちろんです。お出かけ用のメイド服に着替えましたよ?」

 

ティカは先ほどとは分かりにくいが素朴な黒から漆喰を塗った様な黒をメインのメイド服に変わっていた。

 

「も~う、分かってないな、ティカは!」

 

「何かいけませんでしたか?」

 

お嬢はティカの服装に何か不満があるようだ。

 

「エいっ………うん、これで良し!」

 

お嬢が何かするとティカのメイド服が黒をメインな物からやはり黒は入っているが所々に青色が入っている。

 

ティカは変わった服装を一通り見ると

 

「お手数をかけまして申し訳ありませんでした」

 

とお辞儀した。

 

「じゃあ、行こっか?」

 

 

少し時間が経ってここは人口の島から一番近い島

 

「え~~~お菓子ならリンリンのとこ行って貰って来ようよ」

 

「リンリンの所ですか?ですがあそこに行くとお嬢様は一週間はお菓子を食べ続けますからね」

 

一番近い島に来たものの美味しいお菓子が食べたいとお嬢は別の島に行きたいと駄々こねていた。

 

 

リンリンとは本名シャーロット・リンリンの事だ。

 

名前だけで並みの海賊は震え上がる四皇の一人ビッグ・マムは万国ランドといういくつかの島からなる国の女王だ。

 

そこは何でもかんでもお菓子で出来ている。

 

お菓子は全て一級品でビッグ・マムの子供達、それぞれの大臣達が作っている物だ。

 

お嬢はビッグ・マムとお茶会仲間にあたる。

 

 

「だって記念日だよ!?できればあの美味しいお菓子が食べたいの!」

 

「ですが」




変な所で終わっちゃった。

書いてる途中に買って読みました。
ビッグ・マムの過去が登場しので短編でもビッグ・マムを登場させたくなってこうなりました。

記念短編は設定等は本編に繋がってますが本編では起こってない出来事です。


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106 第三十二話 シロップ村出港

遅くなりました。


「うあぁぁぁぁぁぁーーーー止めてくれぇぇぇぇ」

 

出港準備を続けているとウソップの声が響いた。

 

ジーク達は坂道を見るとウソップが大きなリュックサックに足を囚われて坂道を転がり落ちていた。

 

「ウソップさん!」

 

カヤもこの登場に驚く。

 

「ぎぃやあぁぁぁぁぁーーーーーー!!!」

 

このままでは折角貰った船に直撃コース

 

「とりあえず止めるか」

 

とゾロが言うとジークが

 

「鏡でも張ろうか?」

 

「いや、いいよ」

 

ルフィがジークの申し出を拒んでルフィとゾロが転がって来る玉を止めた。

 

足で、それもウソップの顔にあてて。

 

「……わ、わりぃな」

 

ジークは執事のメリーと話していた。

 

「やっぱり、追加の食糧はいいよ」

 

「あれ?ホントによろしいのでしょうか?」

 

先ほどの食糧増加を撤回したジークにメリーが首をかしげる。

 

「あぁ、十分な食糧も大事だけど用意して貰ったのは五人で十分に持つ量だ。元はルフィの大量摂取を考えて頼んだんだけどルフィには我慢してもらおう」

 

「はぁ、分かりました」

 

ルフィの食事量を知らないメリーはジークの説明を聞いても分からなかったそうだがそこは執事をしてあまり干渉せず直ぐに引いてくれた。

 

「さて、そろそろ俺達の船に乗るか」

 

ジークが船に乗って船室を見ていると陸地ではウソップとカヤが別れの挨拶をしていた。

 

「やはりウソップさんも海に出るのですね」

 

「ああ、決心が揺るがない内に行くんだ。止めるなよ」

 

ウソップも海に出るそうだ。

 

メリー号の横にちょこっと小舟が並んでいた。

 

それで海に出るらしい。

 

「戻ってきた時にはウソみたいな冒険を聞かせてやる」

 

「うん、楽しみにしています」

 

約束を交わす二人。

 

「お前らも元気でな、またどっかで会おう」

 

「なんで?」

 

ウソップの別れの挨拶にルフィは首をかしげる。

 

「何で?って愛想のねぇ野郎だな。海賊やるんだからまた海で会ったり———」

 

ルフィに説明をするウソップに声がかかる。

 

「何言ってんだ。早く乗れよ」

 

ゾロもウソップも一緒に来るものだと思っていた。

 

「え」

 

一人で海に出るつもりだったウソップは混乱する。

 

「食糧は五人分あるんだ」

 

そこへ船室から出て来たジークがカヤにはウソップがルフィ達と一緒に行くと思われていたと遠まわしに言った」

 

ウソップは更に混乱する。

 

ルフィが最後の追い打ちをかけた。

 

「おれ達もう仲間だろ?」

 

会ったばかりの頃に仲間を拒否されたのに今はこの態度のルフィ

 

「キャ、キャプテンはおれだろうな!!」

 

ウソップは精一杯の返事を出した。

 



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*第一編 ジーク  *第一部 ただ何もしない 東の海 *第四章 バラティエ
107 第三十三話 海賊船ゴーイング・メリー号完成


今回は久々にジーク視点です。


やっと俺達の船が手に入った。

ウソップを手伝った甲斐があったな。

 

それにしても出港時ではウソップが一人で海に出るって行った時はヒヤッとしたけど何とか仲間に入れることが出来て良かった。

ウソップの強さで一人旅とか死にに逝くようなもんだからな。

 

「新しい船と仲間に」

 

ルフィが号令を掛けて、皆で

 

「乾杯だ!」

 

乾杯をしてお酒を飲む。宴会をしていた。

この時はお酒が苦手な俺も一杯だけ付き合う。

こんな時に一人だけお酒を飲まないほど付き合い悪くないよ。

 

久々にお酒を口に含むと、苦い。この苦さが嫌いなんだよな。

酔うとこの苦さが良いって聞くけど俺は分からないんだよ。

チビチビ飲んでるといつまでたっても飲み干せそうにないからここは一気にいくか。

 

そう言えばあの人も全然、お酒は飲まなかったよな。

その代わりに牛乳ばっか飲んでたな。この辺が俺のカフェオレ好きに影響してるかも。

 

一気に飲み干して船室に入ってカフェオレを注いで外に出て会話に加わる。

 

 

 

「できたぞー!!海賊旗。はっはっはっは、ちゃんと考えてたんだよな、おれ達のマーク」

 

目の前にある絵に俺達は愕然とする。辛うじて髑髏と二本の骨が交差されてる部分は分かるがルフィが描いた海賊旗は歪んでいた。

 

どんな感じ描きたかったかは伝わってくるんだがな。

ルフィが描いた海賊旗を掲げるのは恥かしいぞ。

 

「うん、上手い」

「同じマークに見えねぇ」

「ウソップにこんな技能があったとは」

「いいな、あと帆にも描こう!」

 

その後、ウソップがマークを変えるとのひと騒動あったがなんとか完成した。

ペンキもただじゃないんだから無駄にしないで欲しい。

 

帆にも描いてこれで海賊船『ゴーイング・メリー号』の完成だな。

皆で描いたからさっき飲んだばかりなんだが一息入れるか。

 

船室に入って疲れた時に甘いくて苦い飲み物、カフェオレを注いでいると外から大砲の音が聞こえてきた。

何だ!?敵船か?

急いで外に出るとゾロを見つけた。

ゾロは慌ててなさそうだな、敵はいないのか?

 

「大砲の音が聞こえたけど何かあった?」

「あぁ、ルフィが大砲の練習をするとかでやってたな」

「練習って……それも良いけどあんまり玉の数もないんだから無駄に撃ち過ぎない様にしろよな」

 

ドゴォン!!

 

「すげー当たった!一発で!!」

「うぉーー当たった!!」

 

パチンコを外さない様に大砲も初見で外さないのか、凄いな。

 

 

船室に戻って残ったカフェオレを飲み終わってコップを洗っていると何時の間にか全員が集まっていた。



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108 第三十四話 襲撃者

ウソップのこの船での立ち位置、狙撃手に決まった事で話は自然に後、この船で必要な船員の話になる。

 

「考えたんだけどさぁ。あともう一人必要なポジションがあるんだ」

 

お、ルフィも偶にはいい事言うな。

 

「立派なキッチンがあるものね。有料ならやるけど」

「長旅には必要不可欠だもんな」

「俺ならやれることは無くはないだろうが本職は入れるべきだな。それまでは俺がやるよ、勿論有料なんてことは無い」

 

 

カヤの用意してくれたこの船、メリー号には立派なキッチンが付いていた。

元はと言えばお嬢の為に執事のメリーが設計した船だったけ?

キッチンと会議室、操舵室を兼ねた今いる部屋にナミが占拠している女部屋、それとユニットバスと大富豪に相応しく綺麗な部屋があるのを見た。

何と言っても甲板の階段下には水くみ上げマシーンと言う物があってろ過装置付きで真水が何時でも使える。

海の上での問題といったら水!これ大事。

それがあのマシーンで解決する。

さすが大富豪の船。

お風呂が毎日入れるってほんっと最高。

 

 

っと話が脱線した。

 

俺達が次に探す船員は勿論、コックである。

 

俺が作るのは面倒だがナミに作って貰うのもいいんだが仲間にお金を取られるのなら俺が作った方が経済的に良いに決まっている。

 

「なにぃー、やってくれんのか?音楽家!」

「アホか!テメェ」

「あんた航海を何だとおもってんの!?」

 

一部的外れなポジションを言った奴もいたが無視だ。

音楽家ってそれを専門とする海賊って中々いないと思う。

そもそも普通の船員で楽器が使える方が多いんじゃね?

因みに俺は楽器は弾けない。

海賊は歌うんだ!ってどんな海賊船だよ!

俺が見習いだった頃に乗っていた海賊団でもないんだし。

 

俺達らしくワイワイやっていると

 

「出てこい海賊ども!!テメェーら全員ぶっ殺してやる!!」

 

大きな罵声と共に何かが壊れる音がした。

 

オイオイ、船を壊すなよ。

せかっくタダで貰ったのに、壊れたら修理代出してもらわないとな。

ルフィが急いで出ていったから直ぐに収まるだろう。

 

 

音が収まると同時にゾロが外に出ると襲撃者をゾロは知ってるみたいだった。

俺も続いて出ると柵が壊れていた。

 

貰って早々に二つ目の破損。

この船、近いうちに沈むんじゃ。

因みに一つ目の破損は水くみ上げマシーンだ。

二つあったのを面白そうだとルフィが漕ぎ過ぎて壊れた。

最後の一つも壊されてはたまらないとルフィは今後、お触り厳禁にした。

予備があって良かった。

 

 

襲撃者の名前はジョニー、相棒のヨサクが病気だそうだ。



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109 第三十五話 壊血病

また、面倒そうなものを拾ったよな。

ゾロの知り合いぽっいから助けないといけないか。

船の修理代はキッチリと貰うけど。

 

「それで症状はどんな感じだ?」

「数日前まではピンピンしてたのに急に青ざめて気絶を繰り返すはしまいには歯が抜け落ちるし古傷が開いて血が噴き出るわ、俺はもうどうすりゃいいのかわかんなくて、とりあえずそこの小岩で休んでいたらこの船から砲弾が………」

 

俺はジョニーの相棒、ヨサクって奴の治療をしていた。

血が染みている包帯を新しい物に替えて一先ず止血する。

 

と、まぁ症状を聞いて見たんだが思わぬ情報が分かった。

話を聞くには大砲の練習に使っていた小岩、そこで休んでいたのがゾロの知り合い、なんとも相棒が病気になったらしい。

小岩を壊したのはウソップだし俺は関係ないのだが、聞いてしまったからには助けないと死ぬな。

 

「ヨサクとジョニーって言ったらビビる海賊も出て来た頃なのによ、何年も共に賞金稼ぎをやって来た大事な相棒だぜ!………アニキ、こいつ死んじまうのかな?」

「………」

「ほっといていたら死ぬな」

 

答えないゾロの代わりに答えたのは俺だ。

俺はこの病気の正体が分かった。

昔、習ったから対処方もわかる。

 

「そんな!?じゃあどうすれば」

「バッカじゃないの!」

 

俺の言葉に絶句するジョニーにナミが罵声を浴びさせた。

 

「何だと?ナミ、テメェ!」

「あんた、俺の相棒の死を愚弄するとただじゃおかないからな!」

 

ナミも言い過ぎじゃないか?

海に出る者としてこれを知ってないのは致命的なのは分かるけど言い方ってものがあるわけでな。

 

「落ち着けよ皆、ナミは言い過ぎだ。ルフィにウソップ、キッチンにライムがあるから絞って持ってこい」

 

指示を出すと直ぐに動いてくれた。

便利だな、あいつら二人。

 

「壊血病ってやつだよ。手遅れでなければ数日で治ると思う。ナミも知ってたからあんな事言ったんだよな?」

「そうよ。昔の病気で原因は植物性の栄養素の欠乏、昔の船では新鮮な野菜や果物を乗せてなかったから」

 

色々と説明するナミにルフィとウソップが関心する。

 

知らなかったのかよ!

症状を見ても分からなかったってことはジョニーもゾロも知らなそうだな。

海に出るにあたって知っておかなければいかない知識なのによ知らないってどうよ?

俺はその辺の事を勉強したってのに。

 

「栄養素全開!完全復活だ!」

「おお!やったぜ!相棒」

「そんなに早く治るか!!!」

 

ナミに激しく同意だ。

そんなに早くはしゃいでると………ほら、傷が開いた。

もう、ほっとこ。

 




ナミの手柄を半分ジークが取って行きました。


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110 第三十六話 海上レストランへ

謎の新キャラ?登場です。


「これは教訓ね」

「長旅にはこんな落とし穴があるってことだな」

「実際にあいつらはおれ達と合わなければ死んじまってた訳だ。」

「俺達っていうかこの船に俺かナミが乗っていなかったらお前らも同じ運命になっていたかも知れないんだぜ」

 

ヨサクとジョニーに会った俺達は海の上でも栄養配分をキチンと考えないといけないことを改めて考えさせられた。

 

「海の上で限られた食材の中で長旅に必要な栄養配分を考えられる海のコック、よくよく考えたら必要な能力だ」

「そうだな、俺も一人旅で料理を作れると思っていたけどそのことを考えると専門家は絶対いるな」

 

俺がウソップを援護射撃するとルフィが決断した。

 

「よし決まりだ、コックを探そう。何より船でうめぇメシが食える」

「ハイハイ、アニキ」

 

ジョニーが話に割って入ってくる。

 

「俺、いい所知ってます」

 

コックを探すのに最適な場所なんてあったけな?

 

「海上レストラン!!?」

 

「そう、こっから二、三日船を進めたらある」

 

二、三日か・・・。

妥当な距離だな。

 

「でも海賊の俺達がそんなとこに行っても大丈夫なのか?」

「騒動さえ起こさなければ大丈夫ですよ。グランドラインの近くでやべぇ奴らの出入も聞きます」

 

海賊も大丈夫なのか、それなら騒動の為にコックも相当な者達なんだろうな。

ルフィの目に掛かるコックが見つかればいいな。

 

案内してくれるというジョニーに甘えて俺達の進路は海上レストランにと少々北上していった。

案内は相棒の命を助けて上げたお礼かな?

だとしたら、助けた甲斐があった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――—

 

 

ジーク達が海上レストラン『バラティエ』に向かって航路を進めている頃、その目的地のレストランに一人の女性が辿り着いた。

ピンと背筋を伸ばしてここの世界に場違いな格好をしているその女性は何だか不思議な空気を発していた。

 

「ここが海上レストラン『バラティエ』ですか」

 

ピンっとした声が建物に向かって呟く。

 

ここは海上レストラン、つまり海の上にあるレストランだ。

当然、船に乗って来るはずだがこの女性の乗ってきた船は見当たらないというか今このレストランに船は一隻も止まっていない。

ならどうやってこの女性はここまでやって来たのだろうか?

船が無くても海を移動できる程の実力者なのか。

 

「さて、お手並み拝見させて頂きますよ、サンジさん」

 

謎の言葉を発しながらその女性はレストランに入っていく。

 

 

 



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111 第三十七話 レストランに到着と思いきや

朝早く失礼します。
寝てないので誤字・脱字が酷かったら申し訳ないです。


「着きやしたっ!ゾロの兄貴!ルフィの兄貴!ウソップの兄貴!ナミの兄貴!ジークの姉貴!」

 

 ヨサクとジョニーに出逢ってから三日が経ち、ヨサクはみるみるうちに回復をしすっかり元気になった頃、ジョニーの声を聞き俺達は甲板に集まった。

 

ナミは兄貴で俺は姉貴って酷くないか、普通は逆だろ!?

 

 これが海上レストラン『バラティエ』か、マストが二本の三階建ての船内、船の前後には頭と尾びれになっていて魚をモチーフにした船だ。

正しくレストランっぽく客を楽しませるデザインだな。

 

 俺達がレストランを見とれていると背後から——背後って言っても六時の方向だか——一隻の船が進んで来た。

それは流石海軍の船と言うべきか、直ぐにメリー号の横にと並んだ。

軍艦じゃあなくて普通の船、本部の将校は乗ってなさそうだな。

 

 出て来たのは将校ではなかったが本部の人間。

本部大尉『鉄拳のフルボディ』か・・・知らないな。

あ、ヨサクとジョニー負けてンのかよ!?

紙一重?全然そうには見えそうもなかったぞ。

 

 どうやら大尉様(笑)は定休でデート中らしくレストランに食事しに来たそうだ。

オイオイ、大尉くらいで定休日のデートに海軍の船を使うって偉いものだなぁ。

あの船、海兵さんが動かしてるんだろ?私事で経費使うってアイツが知ったらどうなるだろうな?

 

俺達より前に出て行き、見逃す様なことを言っておきながらチャッカリと大砲でこちらを狙って来る。

 

「俺がやろうか?」

「いやいいよ、任せろ!ゴムゴムのぉ風船!!」

 

 鏡を張ろうかと提案するがルフィが自分がやるからいいと言って、息を大きく吸込んでお腹を膨らませて大砲の玉を受け止めて返して大穴を開けた。

海軍の船に—————ではなく、レストラン『バラティエ』の三階部分に…………………。

ハァ・・・修理代はどの位になるのだろうか。

 

 

 海軍のせいにすればイイもののバカ正直にお店に謝りに行って随分と経った。

それぞれが各々と待っているが一向に帰って来る気配がない。

そこでウソップの提案によりご飯てがらに様子見に行くことにした。

 

あー、ゾロの言った通りに雑用係をやらされてたらどうしよう。

修理代を払うにしても海賊団のお金だと絶対に足らない。

ナミが宝を渡す訳ないし、自腹切るか?でもこれを毎回するとホントにいざって時に俺が居なかったら取り返しのつかない事にならない様に自分達で何とかする事を学んでもらわないとなぁ、でもこんなところで足止め喰らうってのもねぇ。



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112 第三十八話 食事

ウソップの提案でルフィの様子見を兼ねてレストランで食事をする事になり早速、船を着けてレストランに入った。

 

「っらしゃいませー。空いてる席に座って待っててくださいー。」

 

別の客に料理を運んでいたコックが店に入って来た俺達を見ると言ってきた。

言われた通り空いてる席を探して座った。

 

「あれコックだよな、ウエイターはいないのか?」

「見た感じだと……いないな」

「とりあえず、なんか食べるか」

 

 

 俺が頼んだのは普通のミートパスタ、しっかりした麺の歯ごたえにミートソースがまた美味しい。

ドリンクは勿論、カフェオレをチェイスした。

まずは出されたのをそのまま口に含む、…………なんか少し違うな。

ついてきたミルクを少し足す、そしてもう一度口に含む。

これだな、店によって出される割合が少し微妙に違う、そこで一口含んで割合を確認し付いて来るミルクを足りない分だけ入れる、そうして俺好みの味を作ってパスタと共にはあじわわない。

料理に乳飲料は合わないんだよなぁ、食後に飲むにはいいんだけど。

 

「げ、お前ら!」

「よっ、雑用」

「一年も働くんだってなぁ」

「船も旗、書き直してもいいか?」

「流石に一年は長すぎる。後でオーナーに相談してやるよ。雑用係」

 

ルフィが腰にエプロンを巻いて登場した。

なぜ、ルフィが雑用係を一年やらされるかを知っているかと言えば注文した料理を持って来てくれたコックさんに聞いた。

 

「あの、さっき此処に被害を与えて連れて行かれた奴、どうなったかわかりますか?」

「あぁ?あいつの仲間か。雑用係を一年だよ、一年。お金がないんじゃあ働くしかないしな」

 

「お前らおれを差し置いてこんないいウマいもんとは食うとはひでぇじゃねえか!!」

 

そっちかよ?もう相談してやらないぞ。

 

「別に俺達の勝ってだよなジーク」

「そ、そうだな」

 

ひきつった顔で答える俺はゾロの後ろで起った行為を見た。

ゾロが俺の方に向いているので後ろ側を見れない隙にルフィがソロのお冷に鼻くそをぽいって入れた。

「喰らえ」ってなんだよそれ。

ウソップとナミは必死に笑を声に出さないように耐えている。

そしてゾロはコップを持ってそれを

 

「これはテメェが飲め!」

 

ルフィの口に突っ込んだと当時にウソップとナミが噴出した。

自業自得と言うんだルフィっていう周りの視線を集めて注目されるぞ。

そこで目がハートになっている黒服の男か急に来た。

 

「ああ、今日と言う日をありがとう。」

 

なんかまた面倒な奴がやって来た。

俺も周りってこういう奴しかいないのか?

 



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113 第三十九話 生まれながらの女装

 急にやって来てナミを口説き始めたその男は金髪に片方の目を髪の毛で隠しており、見える方には眉毛がグルグル巻きになっていた。

更に普通のコックと違い黒い服を着て、タバコを吸っている。

明らかに普通のコックとじゃないな。

 

「僕は君達となら海賊にでも悪魔にでも成り下がる覚悟ができた、しかし僕らには余りにも大きな障害があり過ぎる」

 

今、君達って言ったよな!

勿論、ナミを含めたこの席の全員のことだよな!

 

色々と自問自答を繰り返しているとテーブルに向かって男が落ちてくる所だった。

あ、危ねッ。

俺達はお皿を手に持つ事で料理を守った。

へーぇ、金髪の男を背負い投げしたのはオーナーさんか、あれ?片足無くね。

 

自問自答を繰り返している間の会話も聞いていた。

金髪の男はここの副料理長でありオーナーさんは金髪の男が海賊になるのを止めるどころか進めていた。

それで言い争っているうちにヒートアップし今に至るっと。

 

ルフィは当初の目的通り、良いコックを見つけてスカウトしてたみたいだ。

 

オーナーさんが立ち去るとナミに駆け寄りお詫びとしてデザートとワインを出していた。

どこから持って来た?

まぁ、良かったなナミ、あれ?俺の前にもデザートとワインが……………。

 

放心しているとルフィがデザートを狙って来たのでとりあえず持ち上げて回避。

雑用が客に出された物を食べるな。

ナミが耳打ちして来た。

 

「ねぇ、ジーク。あんた、あの男に女だと思われてるわよ」

「折角、現実逃避をしていたのに思い出されるなよ」

「勘違いしているあっちが悪いんだから甘えればいいじゃない」

 

ナミには解らないんだろうな俺が今までに受けた仕打ちを。

子供も頃に女装の着せ替え人形にされ、見習い中には敵船からの舐めるような眼つきに晒されて、独り立ちした時には男に求婚されるわでなんだろうか、この人生。

仮に俺が女だとしても長身でツルペタの口の悪い女になるだけだぜ、どこが良いのやらわかりゃしない。

だが、解った。

あいつは女なら誰にでも優しいんだな、女装もしてない男なんですけど。

 

ナミの言い分は分かった、それなら使える奴はとことん使ってやる。

 

「すみません、俺の分もタダでお願いします」

「勿論、そのつもりでしたよ、もう一人のお嬢さん」

 

あの男は簡単に落ちた。

もし、仲間になるなら性別を教えないといけないがその時はその時だ。

 

スキップを踏みながら去っていった男は入口で別の女性をナンパをした。

 

「おい、ジークその外見で良いこと尽くめだな」

 

ウソップ、黙ってろ。

会計払ってやるからよ。

 



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114 第四十話 オーナーさんに謝罪

大変遅くなり申し訳ありません。
今日は色々と忙しくて夜まで更新できませんでした。


 食事も終わり、俺とナミはデザートも食べ終わってゾロとウソップの代金を払った後、俺は一人店に残る事にした。

 

「残るってここに何か用でもあるのか」

「オーナーさんに相談してルフィの雑用期間を短くしてもらおうかと思ってさ」

「あたしのお宝を勝手に使わないでよ!」

「使うか!とりあえずお前らは船に戻っといてくれ」

「良し分かった、行って来い!」

「何でお前が偉そうに言うんだよ」

 

そんな会話があった後、一人レストランに残り佇んでいると厄介な男が来た。

 

「お~姉さ~ん♡お食事も終わってお仲間はお帰りになられたのに何かご用意ですか~?このサンジに何なりとお申し付けくださ~い♡」

 

テンション高いな、おい。

サンジっていうのか、こいつにオーナーさんにアポ取ってもらおう。

 

「あの、オーナーさんに会いたいんだ、此処に雑用係で入った奴の話がしたくてな。それとうちの船に入らないか?ルフィには誘われてるんだろ、オーナーさんも許可出してる見たことだけど」

「君の為に一緒に行きたいのはやまやまですが、僕はここから離れられない理由があるんです。それと、クソジジイには直ぐに問い合わせましょう」

 

俺が誘っても落ちてくれないか、時間はまだ沢山ある。ルフィが何とかするはずだ。

 

こちらにはどうぞ。と案内するサンジに付いて行くと三階の部屋だった。

 

確かここは方向的に大砲の当たった場所じゃないか?

 

「入るぞクソジジイ」

「失礼します」

 

俺の見立ては当たり、その部屋には大きな穴が開いていて、部屋中が散らばってあった。

唯一無事な部分にはベッドが置いていて、オーナーさんはそこに腰掛けていた。

 

「この度はお店を壊してしまい、申し訳ございませんでした」

 

俺は部屋に入り真っ先に頭を下げた。

 

ルフィが跳ね返した玉ってオーナーさんの部屋に当たったのかよ!!

どうすんだよ、これ。

ヤバい、許してもらえる自身が無くなった。

 

頭を下げたままの俺にオーナーさんは一言

 

「おい、サンジ。お前は厨房に戻ってろ!」

 

サンジはぶつくさと文句を言いながら降りて行った。

 

音が遠ざかるとオーナーさんは俺が謝る必要はないと言った。

 

「あの船のキャプテンは麦わらの小僧なんだろ?家に大砲の玉をあてやがったのもあの小僧、初めに潔く謝ったのも小僧、お前が今更頭を下げてどうする?」

 

最もですよ、オーナーさん。

だけど、この部屋を見せられちゃ、ねえ?

 

「頭を下げたのは反射的にで、一つお願いがあって」

 

俺は頭を上げてルフィの雑用係の期間を短くしてもらえるように頼んだ。

 




どうしよう、プロットになかった部分だ。


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115 第四十一話 昔の世代は危険だ

何をしたかったのか自分でも分からない。
それでも見てくれたら嬉しいです。


話し合いが続く。

 

「ルフィの雑用期間を短くしてもらいたいと思いまして、修理代はこちら側が出すのでせめて元に直るまでの期間に減らしてください」

「何だ、あの小僧はお金がないから働いて返してるんだぞ。あいつは噓を付いたのか?」

「いいや、お金がないのは事実だ。だけどそれは、海賊団のお金がないんであって、修理代は俺の自腹で出すつもりで」

「………金が出せるなら俺が文句を言う筋合いはねえ、大人しく受け取ろう。それならば、小僧の雑用期間は無しでも良いだろう。あれをこっちに置いておくと被害がもっと出そうだ」

「それはそうですが、あいつにも働く、と言う事知ってもらえたらなと思いまして、せめてこの部屋が直るまででお願いします」

「良いだろう」

 

緊張の話し合いも終わりほっとしていたらオーナーさんが話し質問をして来た。

 

「俺はここで料理人をする前はグランドラインで海賊団の船長兼料理人をしていた」

 

へーえ、グランドラインで航海ができる程の海賊団の船長か。

 

「その時にお前によく似た海賊を見たことがある」

 

ぷううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーー。

あの人のことじゃねえか!!

 

「そ、そうですか。俺には関係ない話ですね」

「俺の記憶が間違ってなければお前にそっくりだ。無関係なかろうが」

 

ですよねぇ、昔の海を知ってる人から見れば俺とあの人の関係性を知ってる人や勘ずく人もいるだろうし、俺の手配書も実力よりもそのことで額が設定されてるっぽいから一生縁が切れる訳ないか。

お願いだから俺の人生にあまり関与しないでもらいたい。

 

「まぁ、俺も一度見たことがあるだけだからな。そんなに話すこともない」

 

良かった、ここでばらされると俺の人生おちおち外に出られなくなるところだった。

実際に俺もあの人が以前に何をやっていたのか分からないし、知りたくもない。

 

「お、お金の請求は後ほどお願いします!ではこれで、お忙しい中お時間頂きありがとうございました」

 

とだけ言って逃げることにした。

昔の世代の人、怖いよ。

 

船に逃げるように帰って来た後、皆にルフィの雑用期間を短く出来た事を話した。

 

「これで何とかなったな」

「船の旗、書き換えずに済んだわね」

「俺はお前がやる男だと分かっていた!お手柄だ!」

 

それぞれよくやったと褒めてくるが実際はお金の力で解決したとはあいつらには話してない。

あくまで話し合いの結果だと思わせておく。

俺がお金持ちだと知れば寄ってたかって来るに決まってる。主にナミが。

 



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116 第四十二話 海賊艦隊の襲撃

お盆はどうですか?
自分は家であれこれとしているので家から出なくてラッキー!
夏休みの終わりまであと十六日


俺達が海上レストラン『バラティエ』に着いて二日後、三階建てのレストランよりも更に巨大なガレオン船がやって来た。

 

「おい、逃げようぜ!」

「「アニキ~!おれ達を逃がしてくれ~!!」

 

ウソップ、ヨサク、ジョニーが逃げようと催促してくる。

ナミも怖くて怖気づいてしまっている。

 

「なんなに巨大なガレオン船がボロボロになっちまってる。どう思う?」

「イーストブルーにこんな事ができる自然災害や人はいないと思う。それに見ろ」

 

ゾロが聞いてきたから船に掲げている旗を指した。

 

髑髏の両脇に砂時計のシンボルマーク、あの海賊団は

 

「あれは、海賊艦隊・頭領・クリークの船だ」

「それがどうしたってんだ?」

 

こいつは他の海賊のことなんて興味ないんだな。

 

「クリークは確か、グランドラインに行ったとの噂だ」

「ってことはグランドラインにはこのデケェガレオン船をボロボロになる程の自然災害があるって事か………怖ぇな」

「うちには良い航海士がいるから大丈夫だろ」

 

ナミは良い航海士だ、それはグランドラインを経験した俺が太鼓判を押すくらいだ。

ナミがいる限り、少なくともクリークよりもグランドラインを航海できると俺は思う。

 

船から大男が男に肩を担がれて出て来た。

 

あれが騙し討ちのクリークか、恐らくグランドラインで遭難して食糧危機、レストランで食糧を奪おうってとこか。

それにしてもクリーク艦隊は五千を超えるって聞いたがグランドラインは数じゃなくて質なんだよ。

いくら人が集まろうと数の暴力ではグランドラインの自然災害や化け物の様に強い奴一人には勝てない。

 

「俺はルフィが心配だから店に様子見に行くがお前らはどうする?」

「分かった、俺も行くよ」

「お前ら、おれを置いていかないでくれ!」

 

ゾロ、俺、ウソップはルフィの様子見に行くことになった。

 

「ナミ、船番任せれるか?一応ヨサクとジョニーを置いて行くが俺も残ろうか?」

 

ヨサクとジョニーを残すといえナミを一人、船番に残すのは心配したけどナミは

 

「大丈夫よ、それくらい。それよりもルフィの方が心配なんだから、ちゃんと見ておいてよね」

「確かにそうだよな。あいつはとことんめんどくさい方向に向かっていく」

 

ナミよりもルフィの方が心配とのことでヨサクとジョニーによろしく頼んでレストランに向かった。

 

レストランに向かうと正面入口にクリークがいたので余りしたくないけど窓口から入った。

中は既に客はいなくなっていてテーブルがいくつか壊れて、コックたちがケガをして倒れていて血が出ていた。



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117 第四十三話 クリークはグランドラインに失敗したそうです。

夏休み終了まであと十五日


オーナーさんとクリークの言い合いが起こっていた。

 

オーナーさんの名前、赤足のゼフさんって言うんだ、有名だったなんて知らなかった。

情報収集不足だな。

クリークはこのレストランを乗っ取るつもりらしい、それに対してコックたちも拒否反応を示しているが先ほどやられたのだろう少し怖気づいてしまっている。

そんな時にクリークが言った。

 

「ひと繋ぎの大秘宝《ワンピース》を手に入れて俺が海賊時代の頂点に立つのだ!」

 

偉大なる航路(グランドライン)に行き、楽園(パラダイス)ですら超えられない海賊に海賊時代の頂点に立つとか無理だろ。

人の航海日誌で自分が通用すると思い込んでいる、大した頭をしている奴だ。

そもそも、偉大なる航路(グランドライン)はいつどこでどんな異常気象が起こるか全く分からない航路なんだぞ、人が体験したことが全く同じ様に起こるわけがないじゃん。

 

「ちょっと待て、海賊王になるのはおれだ!!」

 

うん、お前は何時もややこしい事に突っ込むな!

お前はさ、そりゃあ海賊王になる素質を持っていると思うよ、でもさ人が海賊王になるって聞いただけでケンカ売るのは止めてよね。

引き下がれないのは良いことだけどさ、もっと仲間の事を考えて、ウソップが卒倒しそうだぞ。

 

「オイオイ、聞いたか。やめようぜそんな所に行くのはよ」

「うるせえ、黙ってろ」

「もう、目立ってるぞ」

 

テーブルに座って話しを聞いてた俺達に視線が集まる。

 

「戦闘かよルフィ、手伝おうか?」

「俺は手伝いたくないよ、サッサと終わらせろよな」

 

視線集まってルフィに話しかけるゾロに文句を言ってルフィに早く終わらせる様に言う俺に気づいたルフィ。

 

「ゾロ、ジーク、ウソップ、お前らいたのか。いいよ、座って」

 

船長が座ってていいと言うなら座っていよう。

そう決めた俺は流れ弾が当たらない様にと鏡を張って、話を聞く体制に入った。

へー、クリークは偉大なる航路(グランドライン)に入って七日で壊滅させられたのか。

 

「聞いたか。一週間で五十隻の艦隊が壊滅だとよぉ」

「面白そうだ」

「情報収集を怠った結果だ。俺はどうやって渡ればいいか知っている」

 

嘆くウソップを宥めつつ話を聞くと一時間だけ猶予をくれるそうだ、優しいな。

 

一旦解散したらしくルフィが俺達の座るテーブルにやって来た。

店側は何か揉めている。

クリークにメシをあげたサンジを一同攻めているがコックとしての正義をしただけでレストランを乗っ取るなら容赦はしないそうだ。



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118 第四十四話 クリーク艦隊を壊滅させた男

夏休み終了まであと十四日


「なんか、いいだろう。あのコック」

「そうだな、確かにどんな奴にも腹を空かせてたら食わせる。いい奴だよ」

 

今のコックたちのやり取りを聞きサンジの良さを何とか伝えようとするルフィに俺も肯定した。

 

「どうでもいいいいよ、そんな事。それよりも逃げようぜ!」

「落ち着け、相手はボロボロの怪我人だぜ」

 

コック確保よりもクリークが攻めてくる事に怯えるウソップをゾロが落ち着いて宥める。

ルフィは戦う気満々のようで、ここにクリークが来る発端となった人物、ギンにグランドラインの事を尋ねた。

 

ギンというのは俺達がレストランに到着した二日前に船でルフィを待っている間に起った出来事で知り合ったらしい。

ルフィがレストランで雑用になる原因を作った張本人、何とか大尉の船に捕まっていたギンは何とか脱走し、ご飯を要求した。

お金のない海賊に食わせるメシはないとレストランを追い出されるがサンジだけは違った、腹が減った奴にはどんな事があろうと食わせると内緒でギンにメシを食わせて上げた。

この場面を見てルフィはサンジを気に入ったらしい。

 

何でこんなにも知ってるかって?

夜、船に戻って来たルフィが喜々して何度も話すんだもん、そりゃあ覚えるよ。

 

話を戻そう。

ルフィに聞かれたギンはクリーク艦隊がグランドラインに入ってからの出来事を語った。

グランドラインに入って七日目、五十隻の艦隊がたった一人の男に壊滅させらせたと言う。

ギンの言葉に聞いてた奴ら全員、俺とオーナーさんを除いて驚く。

 

五十隻の艦隊をたった一人で壊滅させるレベルなんて最低、億越えの賞金首でしかない。

しかし普通の海賊だったらそんなバケモノ序盤にいるか?

 

俺がクリーク艦隊を壊滅させた奴を考えているとギンが最後に言った一言で俺とゾロが驚く。

 

人を睨み殺すかの様に鷹のような鋭い眼つきをした男、クリーク艦隊を壊滅させた男を俺は知っている。

知っているだけであって実際に見たことはないんだけどその特徴を聞いたら知ってる人は知ってる。

俺の場合はあの人がよく話してたから、あの男がクリーク艦隊を壊滅させる位強くて、何とか逃げ押せたクリークを追ってここまで来る可能性を俺は知っている。

 

「それは、鷹の目に違いない」

 

あ、オーナーさんは当然知ってましたか、そうですよね。

 

「誰だそりゃ?」

「知らねぇ?」

 

ルフィ、ウソップ、海賊やっててこの異名を知ってないのはどうかと思うぞ。

 

「俺の探してる男さ」

 

ゾロが言った。

 

そりゃあ、ゾロは知ってるはずだよな!

なんせ世界最強の剣士、鷹の目のミホークだもんな、その男!!

 



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119 第四十五話 戦闘前の一間

夏休み終了まであと十三日


「艦隊相手にしようってくらいだ、なんか深い恨みでもあったんじゃないか?」

 

サンジがギンに聞いてみるがギンは

 

「そんな覚えはねぇ、突然だったんだ!」

 

そう答えるギンにオーナーさんが俺が思ってるのと同じ回答を出した。

 

「昼寝の邪魔をしたとかかもな」

 

俺も、あの人からミホークの話しを聞いてそうだと思った。

実際に昼寝の邪魔で斬ってるらしいよ、とあの人も言ってたし。

 

俺やオーナーさんが考えた回答にギンはムキになって叫ぶ。

 

「ふざけるな!そんなことで俺達の艦隊を潰されてたまるか!!」

 

オーナーさんはギンを宥めるように声を出す。

 

「そう、ムキになるな。偉大なる航路(グランドライン)はそういう所だ」

 

不思議そうな顔で話を聞いてたルフィとウソップにゾロが解釈を入れる。

 

「何が起きても不思議じゃねえってことだろ」

 

俺も聞いた話をボソッと呟いてみる。

 

「たった一つのお菓子の為に国を滅ぼす位の海賊がいるって聞いたことがあるなぁ」

「ひぃ~~、う、噓だよな」

 

あ、ウソップに聞こえてたのか、とりあえず

 

「あくまで聞いた話で実際に見たことあるわけではないよ」

 

とごまかしておいた。

 

あれもあの人から教えてもらった事だから信憑性が高いんだか低いんだか分かりゃしない。

いい加減な事を言ったと思えば実は政府の機密情報でした、とかあったからな。

 

「くぅ~~、ゾクゾクしてきた!やっぱそうでなくっちゃな!!」

「テメェー、少しは身の危険を知れ!」

 

ウソップ、もっとルフィに言ってやってくれ。

 

「でもこれで俺の目標は偉大なる航路(グランドライン)に絞られた。あの男はそこにいるんだ」

 

ゾロはハッキリとルフィに着いてグランドラインに入る事を決意した。

 

「ばかじゃねぇの、お前ら真っ先に死ぬタイプだな」

 

サンジにバカにされた、俺はルフィやゾロみたいに命知らずじゃなよ。

 

「当たってるけどバカは余計だ。最強の剣士になると決めた時からとうに命なんて捨ててる。それをバカにしていいのは俺だけだ」

 

バカにされたゾロはサンジに言い返す。

便乗してルフィとウソップも

 

「あ、おれも、おれも」

「勿論、おれも男として当然だ」

「お前はウソだろ」

 

最後にゾロがウソップにツッコミを入れた後、三人とも俺をじーっと見てくる。

目線でお前はどうだ?と言っている。

 

「一斉にこっち見るな、目標の為に命を掛けるのは当然だけど俺の場合、俺が死んだらその後、世界が心配だから簡単には死ねないね」

 

この後、三人は俺の出生を気になり始めた。



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120 第四十六話 船を盗まれた

夏休み終了まであと十二日


外から雄叫びが聞こえてくる。

クリークが部下にオーナーさんから貰った食糧を分け与えたのだろう、このレストランを奪う気満々である。

 

だけど妙だ、さっきから俺の聞き感知センサーが鳴りまくってる。

当たって欲しくない予想がドンドン湧き出てその中で一番あり得る選択しは………。

 

その時だった、クリークの巨大なガレオン船が真っ二つに切れた。

 

「「「「「「「「「「!!!??何が起きた!!!????」」」」」」」」」」

 

船内どころかクリーク達ですら驚き、絶叫している中で俺はついさっき考えていた予想に頭を痛めた。

 

やはり俺の危機感地センサーは間違ってなかった。

あの男は昔の世代から海賊をやっていた、当然あの人の事を知ってるはずだ。

俺を見つけると関係性にきっと気づくはず、何とか目に入らぬ内に逃げ出す必要がある。

 

「まずい、表の船にナミもヨサクとジョニーも乗ったままだ!」

「もう、手遅れかも知れないぞ」

「錨を上げろ!船ごと持っていかれちまうぞ!!」

 

ゾロとウソップ、オーナーさんの怒鳴り声で思考から現実へと戻ってきた。

 

あの男から逃げるにせよ船が無くなったら大変だ。

巨大なガレオン船が真っ二つに斬れて沈むんだ、周りの船が巻き込まれない訳がない。

 

俺はルフィ、ゾロ、ウソップに続いてレストランの甲板に出た。

 

「「アニキ~~~!!!」」

 

そこにいたのは海に浮かんでるヨサクとジョニーだけだった。

 

「船は!?船がないぞ!!?ナミはどうした?」

 

ゾロが代表で聞く。

 

まさかもう、手遅れだったか!?

 

「それが、すみません。ここにはもう、居ないんです。ナミの姉貴は宝を全部持って逃げちゃいました!!」

「「「「な、何だとおぉぉぉぉぉ!!??」」」」

 

四人の声が重なって響く。

 

そういえばナミの奴、仲間になるとは言っていなかったよな。

手を組むって言っておいて、搾り取るだけ取ってこっちが危なくなったら全財産ごと持って逃げる。

海賊相手には何をしたって良い、か。

舐められたもんだ。

やっと苦労して手に入れた船を簡単に盗まれてたまるか!

あの船には俺のコップやコーヒー、ミルクにその他航海に必要な荷物が積んであるんだぞ、絶対に返してもらわなければならない。

幸い、お金類は何時も持ち歩いているから助かったが、どうやってナミに追いつこうか?

 

「待て、まだ船が見えるぞ」

 

ルフィが言った言葉を聞き俺達も水平線を見る。

 

薄っすらとだが確かに見えた、俺達の船ゴーイング・メリー号は。

 

今すぐにでも取り返しに行きたい、あの男から逃げる為にも。

 



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121 第四十七話 ナミの価値

夏休み終了まであと十一日


水平線の彼方に薄っすら見えるゴーイング・メリー号を見つけたルフィはヨサクとジョニーに聞く。

 

ナミに甲板から海に落とされ、俺達に引き上げて貰ったヨサクとジョニーはナミに逃げられたと俺達に伝えた時、膝を着いていたため、そのまま正座で座っていたヨサクとジョニー。

 

「ヨサク、ジョニー!お前らの船は?」

 

ルフィに問われるとヨサクが答えた。

 

「それは残ってやすが」

 

ヨサクとジョニーの船は残ってると聞いたルフィは俺達を呼ぶ。

 

「ジーク!ゾロ!ウソップ!!」

 

ルフィに呼ばれた俺達はそれぞれの反応をみせる。

 

「ほっとけよ、なんな泥棒女追いかけてなんになる」

「でも船は大事だろ!」

「航海士はもう一度、集め直しか…」

 

ゾロはナミに怒りを抱き、ウソップはナミはともかく船が大事だと、最後に俺は、船は取り返すけど航海士は集め直しかと落胆する。

 

ナミの航海術は偉大なる航路(グランドライン)でも通用しそうだったのにな、惜しい事をした。

あいつ以外に偉大なる航路(グランドライン)に通用する航海術をもった奴がこの東の海(イーストブルー)にいるのか?

俺はいないと思う、一緒に旅をしたのは僅かだがあいつは目的地に直行では無くてちょくちょくと進路を変えていた。

それってもしかして、天候が悪くなりそうなルートを事前に察知して避けていたのか?

進路をちょくちょく変えても海図もまともに読めないあいつらが気づく可能性はゼロに等しいが俺だけは進路がおかしいと航海中に思ったのは正しかったのだろうか?

だとしたらルフィ、ナミは逃したらいかない航海士だぞ。

 

「おれはあいつが航海士じゃなきゃいやだ!」

 

俺の思考を読んだかのようなタイミングの良さ、絶対にルフィが気に入っただけのワガママだろ。

 

ルフィが言ったのはワガママであって船長命令でもある、故にゾロはため息をつき

 

「……分かったよ、まったく世話の焼ける船長(キャプテン)だぜ」

 

素直に受け入れてウソップと俺を呼んだ。

 

「ゾロのアニキ、船の準備できやした」

 

ヨサクの声が聞こえた。

どうやら、ルフィに問われたすぐ後に準備を開始してたみたいだ。

これで直ぐに出港できる。

 

「ルフィ、お前はどうする?」

 

ウソップがルフィに問いかけた。

緊急事態といえルフィはまだこのレストランの雑用期間、ケリを付けるまでいるそうだ。

 

そして俺達がナミを追って行こうとする直前、絶望した海賊の声が響いた。

 

「あいつだ!!俺達の艦隊を潰した奴がここまで追って来たああぁぁぁぁ!!!!」

 



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122 第四十八話 ゾロ対世界最強

気がついたら過去最多話
これからも低技術なりに頑張って行きます。

夏休み終了まであと十日


もう、見える範囲まで近づいて来たのかよ!

世界最強の剣士、鷹の目『ジュラキュール・ミホーク』

 

俺は急いで船内に入った。

 

見つかっちゃいないだろうよな、何で暇つぶし如きでこんな辺境の東の海(イーストブルー)までグランドラインから出てくるんだよ。

七武海は政府に海賊を何割か治めないといけないのは知ってるけどさ、鷹の目は適当にぶっ潰して気が済んだら帰る、というのを鷹の目を良く知る人から聞いたことある。

クールに見えて実は好奇心旺盛だとか、俺を見つけたら絶対にあの人との関係性に気付いて勝負を仕掛けて来るに決まってる。

サッサとクリーク潰して新世界に帰れ!

 

船室に入るなり心の中で鷹の目に思いっきりキレた後、窓から鷹の目を見た。

クリークの手下が撃ったピストルの銃弾を背中に背負っていた巨大な剣先で逸らす、と言う曲芸を見せてくれた。

 

銃弾を斬るんじゃなくて逸らす、わざわざ一端の剣士だと出来ないような剣技、そんな事したら……あぁーーーあぁ。

 

鷹の目の前にゾロが出て来た。

それだけで俺は絶望した。

ゾロは既に腕に巻き付けていた手ぬぐいを頭に巻き、本気の戦闘態勢だ。

 

何で今勝負を仕掛けるのかなぁ?

あれ見て勝てないって分からないのか、ゾロ。

 

船室だと外の声が聞こえないがこれでいい、外に出て鷹の目に見つかってみろ。

俺が厄介だと思う出来事しか起こらないのは確かだ。

 

刀三本抜き構えるゾロに対して余裕の表情で腕を組む鷹の目、クリークですら腰を下ろして見守る。

この、世界最強の剣士対最弱の海、東の海(イーストブルー)で名高い剣士海賊狩りのロロノア・ゾロの勝負を。

 

鷹の目は得物を抜いた。

首にぶら下げていた小さい刃物を抜いてゾロを怒らせた。

そして勝負が始まった。

 

はっきり言って勝負にならなかった。

ゾロの全力攻撃は小さい刃物一本で止められ、猛攻も容易く捌かれ鷹の目の小さい刃物がゾロの胸に刺さった。

それでもゾロは引かない。

 

何を喋ってるか聞こえないが、きっと鷹の目の興味をそそるような話だったに違いない。

鷹の目は気に入った奴は絶対に殺さないとあの人から聞いたことある。

何でも、また勝負をしたいからだそうだ。

 

証拠に鷹の目は背中に背負てた黒刀を構えた。

そして交差する二人、ゾロは持っていた刀二本が折れ咥えていた刀を鞘に戻すと真っ正面から最強の剣を体で受けた。

 

ザックリといかれたな、出血多量で死ぬかもしれないがそんなへまはしないだろう。

だって鷹の目、笑ってるもん。

絶対気に入れられたよ。

包帯と消毒液、用意しておかなきゃ。

足りるかなこれ?




ジークは音声なしの観戦でした。


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123 第四十九話 ゾロの誓いは俺の中で……

夏休み終了まであと九日!


俺は勝手に船内を探し回り、救急箱を見つけて甲板に出た。

 

鷹の目に見つかるなんて知ったこっちゃねぇ、ゾロが大怪我してるんだ。

仲間が大変な時に鷹の目に見つかるのが怖いからって黙って船内に隠れる程、俺も薄情者じゃない。

第一にあいつらがゾロの手当てを出来ると思うか、俺しか手当てができる奴は居ない。

 

鷹の目にばれる覚悟で甲板に出ると丁度、ヨサクとジョニーが海に落ちたゾロを引き上げた所だった。

 

「どけ!応急処置をする」

「ジークのアニキ!」

「お願いします。ゾロのアニキを助けてください」

「何か、手伝えることはないか!?」

 

ゾロは肩からザックリと切り裂かれて血がおびただしい程出ていた。

まずは傷口を綺麗な水で洗い流す所からだ。

 

「だったら、綺麗な水と清潔な布を用意してくれ!」

 

俺がこの二つを頼むとウソップは船内に走って行った。

ルフィが鷹の目と何か話してる、正直言って気になるがそれどころじゃない。

 

ウソップが戻って来ると水を掛けて傷口を洗い流す。

流石最強の剣士、傷口が綺麗だ。

 

「ウソップ!ゾロは無事か!!?」

 

ルフィからゾロの安否を確認する声が上がった。

ウソップが答える中、俺は止血剤を塗っていた。

 

ホントは縫う方がいいんだが、一旦この状況を切り抜けてからだ。

 

その時、ゾロが手を挙げた。

 

「ル……ルフィ。………聞…こえる………か?」

 

一本の刀を手に取り声を上げるゾロ。

 

「不安にさせたかよ、………お前は…おれが世界一の剣豪くらいにならないと困るんだとよな……」

 

喋り過ぎた為か血反吐を吐くゾロ。

俺は手を止めてゾロの行動を見守る。

 

「俺はもう、二度と負けねぇから!!あいつに勝って剣豪に日まで、俺はもう二度と負けねぇから………文句あるか!海賊王!!!」

 

ゾロは誓った、この敗北から二度と負けないと。

 

ルフィやゾロを見て俺は哀れにも自分が恥かしいと思ってしまう。

俺は昔っから逃げてばかりで挑戦と言うものをしてこなかった為か、絶対に勝てる自信がある勝負しかやって来なかった。

子供の頃から、あいつと張り合って来たばかりかそこらの海賊よりは強かった俺は自分の力を過信すらせずに謙虚に生きてきた。

あの人が渡り歩く世界が高すぎたせいか臆病でもあった。

夢の為に命を掛ける覚悟はある、が覚悟があっても死というのは怖い。

故に圧倒的な強者には挑まない、これが俺の中の鉄則だった。

だが挑まなければ強くなれない、ゾロは俺にそう教えてくれた。

本人には意志はないだろうがゾロの行いは俺のなかで深く響いて考え方を変えてくれた。




最後の方、よくわからんと言う方はジークの中で、今まで絶対的な強者に挑戦する勇気がなかったのをゾロの行いを見て変化したとかでも思ってくれればと思います。
自分でも書いててよくわからんかったZE!


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*第一編 ジーク  *第一部 ただ何もしない 東の海 *第五章 ココヤシ村
124 第五十話 迫りくる音


夏休み終了まであと八日!


こいつらは俺と違って勇気があって、強者に挑める本物の強き者だ。

それに比べて俺は強者に挑めないヘタレ野郎、そのことに恥かしい。

俺がルフィの船に乗った理由は誘われたから、名前にDがあったから、海賊王になりたいと言ったから、こいつと一緒にいると俺の目標に追いつくかも知れないと思ったから、俺はただ、この一味を利用していただけだった。

だけど、考えが変った。

俺は、ルフィを海賊王にしてやりたい。

俺の目標とか関係なくルフィの夢を叶えてやりたい。

そう思わせる位、今回の件で考え方がひっくり返った。

これから先、ルフィが戦うべきでない相手は俺が排除してルフィの夢の道を作ってやる!

 

俺の中で考え方が変わり、新たな決意をしたところで、まずはナミを追いかけて船を進める。

 

「ヨサクとジョニー、お前らナミが去っていった方角覚えてるか?」

 

俺の質問にヨサクとジョニーは答える。

 

「もちろんですぜ!」

「なら、船の航海を任せる。俺はゾロの治療に専念する!」

「わ、わかりやしたぜ、ジークの兄貴!」

 

船を進める事をヨサクとジョニーに任せて俺はウソップと共にゾロの治療を開始した。

 

「専門職じゃないんだ、ちょっと雑かもしれんが医者のいるとこまで我慢してくれ」

「ジーク、お前は何でも出来るな!傷口を縫うとか医者みたいだなぁ」

「傷口が綺麗に斬れてて助かった。ゾロ、寝てろ」

 

ウソップをこき使い、ゾロの傷口を塗っていく。

 

「ん?何か、ゴオォォォーーーーーって音がしないか?」

「そうか?気になるんだったらおれが見てくる」

 

集中してた為か、遠くの方から海を勢い良く進む音が聞こえてきた。

ウソップに聞いてみると見てくると言って立ち上がった。

 

方向は後ろ、段々と音が大きくなって——

 

「ギャアアァァァァーーーーーーー!!!!??ジ、ジークゥ~~~こっちに早く来てくれぇぇぇぇ!!!」

 

何事だ!大声で叫びやがって。

 

針で縫う工程は先ほど終わったのでゾロが安静なのを確認してウソップの所に向かおうと振り向いた瞬間、俺は絶望した。

 

「ヨサク!ジョニー!船を三時か九時の方向に急いで旋回しろ!!」

 

船室にいたヨサクとジョニーに指示を出し、足を無理やり動かして船の後方、ウソップのいる場所まで走った。

 

「早く、鏡を張ってくれええぇぇぇ!!!」

「無茶言うな!鏡が持つかよ!!」

 

突如として聞こえて来た迫りくる音の正体、それは船の後方、九時の方向からこちらに追ってくる馬鹿でかい斬撃だった。

 

鷹の目!何で今になってこんなの撃ってきやがる!!




ジークは迫りくる『世界一の斬撃』を回避することができるのか!?


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125 第五十一話 メイドの気迫

夏休み終了まであと七日!


海の上で後ろから迫ってくる世界一の斬撃、船がやっと曲がり始める。

 

「よし、曲がった。これで!」

「いや、ダメだ」

 

「「ぶつかる!!」」

 

一か八かで能力を使って見るか?

俺はこの船を守り切る事ができるのか、出来るのか?じゃないやるんだ!

 

「ミラー「失礼いたします。ジーク様」っうえ?」

 

俺が鏡を張ろうとした瞬間、横から人が出て来た。

その女性は斬撃が船に当たる寸前、船の縁に立ち斬撃を蹴り上げそのまま後ろに一回転してから着地をする。

上空へ打ち上げられた斬撃は遥か彼方まで上がり、見えなくなった。

 

「だ、誰だか知らないけど、助かったー」

 

ウソップの声で我に返った。

 

何でこの人がここにいるんだよ。

コッソリ見守っていて危なくなったから出て来た?

それはないはず、だけどここに今になって現れた理由がわからない。

 

素朴な黒を強調したメイド服を着たその女性は俺とウソップの前に立つとスカートの裾を持ってお辞儀した。

 

「ジーク様、誠に勝手ながらこの場に参上致しました」

「え、ええぇぇぇ~~~!!!ジーク様ってなんじゃそりゃ!!」

 

メイド姿の女性が俺を様付けで呼んだことに驚くウソップ。

 

「俺がどんな呼ばれ方されてもお前には関係ないだろ。それよりもティカさんお久しぶりです。」

 

世界一の斬撃を止めたこの女性、実は俺の実家のメイドだったりする。

 

「はい、ジーク様がお嬢様のお所から旅立たれて九年と五か月六日が経ちました」

「何でそんなにも正確に………」

「大きくなられました———鷹の目!!これ以上わたくしとジーク様の会話を邪魔するなら沈めます!!」

 

俺と会話していたティカさんは急に声を上げる。

 

「待て、俺はその小僧に用があって来た」

 

何時の間にか横に船を着けていた鷹の目にウソップは急いで船室に戻って行った。

 

ていうか俺に用があって追って来たのに攻撃するのはどうかと思う。

 

「だが、お嬢のメイドが今の斬撃から守ったと言うことは俺の予想は当たったらしいな」

「その通りですよ。さぁ、もう用はないですね、サッサと消えてください」

 

鷹の目は予想とやらを勝手に当たったと言い、では早く何処か行けと早口で話すティカさん

 

ティカさん怖っ。

 

ティカさんの気迫もあり、鷹の目は用は済んだと早々に帰って行った。

 

肝心な俺は鷹の目となんも喋ってないんだが………。

 

「…ティカさん」

「はい、何かご用意でございますでしょうか?」

 

さっきのティカさんからは世界最強の剣士が回れ右する位の気迫を感じられた。

 

なんか我儘になってね!この人!!




第一章で最も書きたかったシーンの一つ、しかし駄文。


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127 第五十二話 あの人からの贈り物

夏休み終了まであと六日!


「へー、綺麗な女だぜ」

「ジークの兄貴と知り合いさんだとよ」

 

ヨサクとジョニーが船室から出て来た。

 

「それでジーク!この人誰?」

 

ウソップの質問に俺は答える。

 

「家のメイドだよ」

「メイドってお前の実家、良い家柄なのか。どっかの国の貴族か王族とかじゃないよな」

 

ウソップの大胆な発想に俺は度肝を抜かれた。

 

「良い家柄かどうかは知らないけど、貴族や王族じゃないのは確かだ」

「はい、ジーク様は海賊の子でございます」

 

ティカさん、お願いだから余計なこと言わないで!

 

「海賊の子、おれと一緒だけどメイドを従える海賊ってまた珍しいな」

 

ウソップの奴、勘ずくなよ。

あの人は無駄に有名だから怖い。

とにかく話題を変えねば。

 

「親の事は気が向いたら話すよ。それよりもティカさん。何でこんなところに?」

 

強引に話題を変えて初めに思った疑問をそのまま話した。

 

ティカさんがあの人の傍から離れる理由がないからな。

 

「こちらをお嬢様からジーク様に渡せと言われており、こうして時期が来たようですのでお渡しに参上しました」

 

そう言いながらティカさんが取り出したのは片手に収まる位の大きさをした見たこともない金属で出来ている薄い板のような物。

 

「これがあの人からの贈り物?」

「そうです。私にもどの様な物か伺っておりませんが説明書も付けたとおっしゃっていました」

 

ちょっとした本程のページ数がある紙の束、これが説明書とやらだろう。

広げて見てみる。

 

「これ何語で書いてあるんだ?ジークは読めんのか?」

 

横から覗き見をして来たウソップが聞いてくる。

 

そこに書かれてあった文字は少し前に孤島の宝箱から出て来た地図と同じ文字だ。

 

俺はあの人が考えた暗号だと知らずに公用語を一緒に習ってきたためこの文字が読めるがあんまり人に見せる物じゃないな。

 

「読めるけどこればっかしは教えられない。ごめんな」

「いや、いいけどさぁ。ティカさん?だっけ、どこ行った?」

 

説明書を読んでいると何時の間にかいなくなってしまったティカさん。

 

「あの人の所に帰ったんだと思う」

「いやいや、帰ったってここは海のど真ん中だぞ!どうやって帰るんだよ!!?」

 

ウソップの言うことは全くだ、十年程一緒に暮らしたがあれが欲しいなって思った時にはもう持って来ているんだよ。

行動原理が相変わらず分からない。

 

「兄貴達、そろそろ船を出しますね」

 

ヨサクとジョニーが止めていた船を再び動かし進路を進む。

 

困ったらこれを見ろって説明書には書いてたが何の役にたつんだよ、この変な機械。

 




クオリティーがどんどん下がって行く


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128 第五十三話 不思議な機械の使い方

夏休み終了まであと五日!!


ナミを追いかけてバラティエを出港して鷹の目の斬撃を喰らいそうになったり、ティカさんから、あの人の贈り物をもらったりと一波乱あったものの、無事に航路を進んでいる。

 

ゾロも大分落ち着いてきたみたいだし、航海を完全にヨサクとジョニーに任せて俺は自分の問題を片付けることにした。

 

『この機械の説明書

 

   機械の中央したにあるボタンに指を当てるだけ!以上!!!』

 

こんなにも大雑把な説明書、初めて見た。

あの人の事だからこんな事だろうと思ってはいたがこれは酷い。

てかさぁ、説明書描く意味あるか?

ティカさんに一言伝えておけば良いだけの情報、電源を点ける以外なんにも分からない!

 

とりあえず説明書通りに電源を点けてみると黒かった部分が光った。

 

電伝虫がスクリーンに画像を写すみたいだ。

でも、これ単体で写すことなんて出来るのか?

 

俺が驚いていると画面に文字が映った。

 

『ふっふっふ、今成長したジー君が驚く顔が思い浮かんで今すぐにでも会いに行きたいよぉジー君!!』

 

機械の画面に文字が!?

俺をジー君呼ばわりするのはあの人しかいない、この文字はあの人の言葉だ。

 

『ジー君、いい仲間達には出会えたかな?

 じゃないとこの文字を見てないはずだよ~!』

 

いい仲間に出会った?か………………。

会えたぜ、俺の考え方を変える位の奴らに。

この仲間であんたを超えて見せる。

 

『この機械はお嬢ともう一人の協力者の力を得て十年の歳月を掛けて作った指南書。

  頑張って作ったんだから今度会った時にはぎゅ~~っと抱きしめさせてね!!!』

 

指南書はありがたいが抱きしめさせてってもう子供じゃないんだから全力で拒否させて欲しい。

 

『まずはこの機械の使い方だけどね、電源を点ける前は黒かった部分の事を液晶って言って電源を入れると光ってその部分を指でタッチしたり、スライドさせて操作しま~す。

ここまでは分かった?

分かったら文字の部分をタッチしてね~!』

 

指で操作するのか?

こんな技術、世界政府が欲しがるんじゃ?

あの人の頭でこんなモノを生み出すなんて、全く掴みどころのない人だ。

でも待てよ、協力者がいるって書いてあったな。

その、協力者がこの機械を作ったとも考えれる。

とりあえず、文字をタッチして進めるか。

 

『そうそう、流石お嬢のジー君!これで読み逃したりせずにすむよ!

あ!この機械はジー君専用に作ってあってジー君以外は触っても反応しないから安心してね!』

 

安心もなにもどうやって俺と判断してるんだよ!

不思議だぁ!




有名なリンゴマークの機械じゃないですよ!


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129 第五十四話 ナミの居場所

間に合った
夏休み終了まであと四日


俺があの人からの贈り物を見ている時、外からヨサクが慌てて入ってきた。

 

「ジークのアニキ!!大変です!!」

「何だ、慌てて?ゾロの容態でも悪くなったのか!?」

 

俺がヨサクに聞くとゾロは安静にしているそうだ。

だったら慌てて何の用なんだ?

 

「ナミの姉貴の目的地が分かりました」

 

そうか、ナミが行くであろう場所が分かったのか。

海賊の所か?

 

「それが、進路を確認した所『アーロンパーク』に向かったみたいです!」

「アーロンパーク!?それは本当か!?根拠は何だ?」

 

アーロン、東の海(イーストブルー)で個人の戦闘力が最も強いと言われてる魚人の海賊だ。

 

「ナミの姉貴がアーロンの手配書をジッと見ていた時があったんです。そう言えば最近、アーロンが暴れったっつう情報を教えた直後に船と宝を持ってナミの姉貴は逃げ出しました。」

「なら、アーロンパークに行ってみるしかないかな?」

 

俺がアーロンパークに興味を持つとヨサクは反論に出た。

 

「アーロンって言ったら賞金が二千万のバケモノなんですよ!七武海のジンベイとも互角だったと言われる奴っすよ!!」

 

確かにアーロンは東の海(イーストブルー)の中では強い、でが

 

「何も、アーロンと戦うって決まった訳じゃないだろ。俺も戦わなくていい奴とは戦いたくない」

「おい、ジーク!!今すぐ引き返そう!!」

 

と、そこでウソップが船内に入って来た。

ゾロを見ながらジョニーに聞いたのだろう。

 

「でしょう、ウソップの兄貴!」

 

ウソップの意見に大賛成のヨサク。

 

「場所は厄介だがナミがそこにいるんだ、行くしかないだろ?ここで戻ったとしてもルフィがナミを気に入ってる、どの道同じだ」

 

俺の言葉にウソップ、ヨサク、ジョニーは三人で嘆く。

 

ナミは俺も気に入ってる。

性格はともかく、航海士としての技術は偉大なる航路(グランドライン)でも通用する。

ここで手放したら惜しい人材だ。

 

「よし、ヨサクとジョニー!二人の内、航海術を持ってるのはどっちだ?」

「あっしっす!」

 

俺が聞くとヨサクが答えた。

 

「ならヨサクは今すぐバラティエに引き返してルフィに目的地を伝えてくれ」

 

ヨサクに指示を出すよヨサクは聞いてきた。

 

「ジーク兄貴、小舟とかないですか?」

「………ないな」

 

しまった!ここは海の上だった。

そうなりゃ、もちろん

 

「泳いで行って来い!!」

「そんな無茶な!!!!」

 

嫌がるヨサクに提案する。

 

「帰って来たら俺を好きにしていいぞ」

「ジークの兄貴を好きに………って男じゃないですか!!!」

 

ちっ、騙されないか。

 

「報酬やるから行って来い!!」

 

問答無用で海に叩き落とした。

 



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130 第五十五話 この機械は可笑しい

夏休み終了まであと三日


ヨサクを海に落として引き返えさせた後、俺は早速この機械を使って見ることにした。

ウソップとジョニーはゾロの看病と航海を任せた。

あの二人ならルフィ、ゾロに比べて問題を起こさないだろうし。

 

この機械でできる事は一つしかない。

調べたい単語を『検索エンジン』?って所に『入力』?すると、その単語についてあの人が知ってる事が出てくる。

これを『検索』言うらしい。

 

例えば、アーロンパークと検索すると

 

『わたしの知る世界!』アーロンパーク

 ココヤシ村一体を中心としたアーロンの支配下における拠点、シャボディ諸島のシャボンディパークに憧れて似たような外見になっている。

 一言:ダサイ、シャボンディパークの方が豪華!!

 アーロンパークの未来を見ますか?

 

機械にはこう出てくる。

 

気になる単語出て来た、ココヤシ村?

ナミと何か関係があるのか?

必要になるかもしれないな、調べて見よう

 

『わたしの知る世界!』ココヤシ村

 コノミ諸島の一つの島にあるナミの故郷で八年前からアーロンに支配されている。

 一言:ミカンが美味しい

 ココヤシ村の未来を見ますか?

 

何か物凄い情報が出てきた気がするが………。

ナミの故郷がアーロンに支配されているねぇ、これで完全にアーロンと敵対する可能性が出て来た。

ウソップには内緒にしておこう。

もしかしてナミはこの村の為にお金を集めているんじゃないのか?

………調べてみる?か。

 

『わたしの知る世界』ナミ お金 ココヤシ村

 ナミがお金を集める理由は単にお金が好き、でもあるがココヤシ村をアーロンから一億べリーで買う為に集めている。

村の人は全員知っているがナミはノジコだけしか知らないと思っている。

 一言:これは絶対に口外禁止事項、気を付けてね!

 ナミ お金 ココヤシ村の未来を見ますか?

 

…………何でこんな事まで知ってんだよ、あの人は!!?

口外禁止事項なら載せるなよ!!

それにさっきから最後に出てる文字、なんだよ!未来を見ますか?って?

…………少し、気になる。

 

『わたしの知る世界』これからのこと

 一年以内に大きな戦争が起きて世界の均衡が大きく変化していくよ。二年後に最、世界中が大混乱するだろうね。麦わらの一味が—————ブチィィ

 

これ以上はガチでヤバい情報だ!

だから何で分かるんだよ!!?

この機械、多様したら危険な物なんじゃないのか?

それに、未来が分かり過ぎても面白くないしな。

未来を見ますか?は封印しよう。

 

とりあえず、アーロンに着いて調べておくか。

ヤバい情報が載ってなきゃいいけど。




あの人は何者なのか?
読者の想像を越えて行きたいです。


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131 第五十六話 到着アーロンパーク

またまた形式を変えて見ました。
夏休み終了まであと二日!!!


ジークらがナミを追ってバラティエを出港して数日後、コノミ諸島ココヤシ村付近。

 

アーロンパークは正面入口は魚人らしく海から出入りできるようになっており、入口から左右対称な建物。

アーロンが鮫の魚人なせいか、所どころにサメの頭が見える。

中央にそびえ立つ五階建ての建造物には三階部分にご丁寧に『ARLONG PARK』と描かれている。

 

子供の頃に行ったシャボンディパークのマルパクリだなこれは。

周りの建物の豪華さもオリジナルと全く比べ物にならない。

 

ジークはあの人の一言コメントに大いに同意すると船首付近でガタガタと震えている二人を見た。

 

「つ、……着きましたっ!」

「………ホントにナミはここにいんのかぁ?」

 

アーロンパークに近づくにつれて怖気づいてしまっているヨサクとウソップである。

ゾロは二人と向かい合う形で船の最先端部分に持たれ座っている。

 

「着きました…が、問題はこれからまず、ナミの姉貴が何処に船を着けたのかを……」

 

ジョニーの適切な行動予定にゾロが刀を鞘から少しだして口を出す。

 

「切り込むか?」

 

激しい動きはまだできないが日常生活に支障がない程に回復したゾロ——普通の人だったらそこまで回復するのに一ヶ月は掛かる——は怪我人とは思えない発言をした。

 

「何でそうなるんすか!!?」

「アホかテメェ!!まだ手掛かりも見つけて無いんだぞ!!!」

 

勢いよくゾロを批難するジョニーとウソップにワンテンポ遅れてジークも批難する。

 

「絶対安静だ、戦闘狂!!」

 

大怪我を追って東の海(イーストブルー)最強の海賊を一人で戦うってよっぽど死にたいらしいな、ゾロ。

 

その後、そのまま本当に切り込みに行きそうだったゾロをジョニーとウソップが船室に入るためのドアに縄で括り付け、メリー号を探した。

 

「あった!」

 

双眼鏡で探していたウソップがメリー号を見つけた。

 

「見つけたぞ!ゴーイング・メリー号だ!!あんなところに停めてやがる」

 

見つかったメリー号は確かにおかしな所に停めてあった。

 

「おい!てめぇらどういうつもりだ!!縄をほどきやがれ!!!!!」

 

ゾロが叫ぶが三人は無視して話しを続ける。

海図を持ったジョニーが改めてメリー号の停泊地を割り出す。

 

「確かにおかしな場所に停まってあるすっね。ここにあるココヤシ村からずれている」

 

ジョニーの言葉にジークは情報を思い出す。

 

ナミの故郷はココヤシ村のはずだ。

普通なら村の残橋を使うはず、何か理由があって使えなかったのか?

 

「ほどけ!!」

 

思考の海に入ったジークはゾロの叫びが全く聞こえなかった。




どうだったかな?


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132 第五十七話 メリー号に帰還

夏休み終了まであと一日!!!!


思考の海に入り込んだジークに変わり、ほどけ!と叫ぶゾロにウソップは近づいてバンバンと叩きながらゾロの傷の心配をする。

 

「無理すんな、叫ぶだけで気絶しそうな癖に。お前、死にかけたんだぞ?」

「…………!!!」

「ウソップ、ゾロが苦しそうだからやめろって」

 

思考の海から戻って来たジークがゾロの顔色が悪くなってきたのを見つけ、ウソップを止めた。

 

「ゾロ、気分はどうだ?」

「どうもこうもあるか!!縄をほどけ!!」

「大人しくしてるってならほどいてもいいんだがな………」

 

大怪我人が戦闘に切り込むとか言わなかったらこうして縄で縛く必要もなかったんだが……こいつ、自分がどれほどの大怪我か分かってなんじゃないのか?

 

ゾロとジークが話している間にもウソップは勝手に仕切る。

ナミの居場所がアーロンパークで無い事に元気一杯のウソップ。

 

「アーロンパークじゃないと分かったら元気なんすね」

 

とジョニーに言われる始末だ。

それでもは声を上げ指示を出すウソップにジョニーは適当に返事を返し指示に従う。

メリー号まであと少しと言う所で残橋に人影があった。

一般人とは明らかに違う肌の色、背中から頭にかけて背ビレが付いている、魚人だ。

 

早速、魚人の登場にウソップとジョニーは意見合致でメリー号を素通りる。

 

「何通り過ぎてるんだよ!!」

「「しぃーーーーい!!」」

 

メリー号を素通りにゾロが大声を上げるがウソップとジョニーが二人揃って手を口に当てる。

ゾロに逆ギレするウソップ、その時ゾロがあることに気づいた。

 

「あれ?ジークの奴がいねぇぞ!どこ行った?」

「それどころじゃねぇよ!!魚人が追って来た。脱出!」

「御意!」

 

ウソップはゾロの発言を無視してジョニーと共にゾロを船に縛ったまま置いて海に飛び込んだ。

 

 

「久しぶりのメリー号、ただいま」

 

ゾロが魚人に捕まっているその時、ジークはメリー号の甲板にいた。

実はジーク、メリー号とすれ違った瞬間に月歩で空に飛び上がり一人、今回の目的の一つであるメリー号に戻って来た。

 

「さてと、包帯の予備は何処にしまったけなぁ?」

 

もちろん、ただ戻って来た訳ではなくゾロの包帯の変えを取りに来たのである。

 

ゾロの奴、ホントにザックリといかれたからヨサクとジョニーの船にあった包帯は全部使い切ってしまったからあいつらに渡さないともいけないしな。

 

包帯を取り出し準備した後、冷蔵庫に向かいコーヒーとミルクを取り出してカフェオレを作る。

 

ここ数日、ドタバタしていたし少し休憩しても文句はないだろう。



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133 夏休み終了記念短編

夏休み終了日!!!!??


「ですが!」と口では否定しているものの、ティカはお嬢の命令には絶対に逆らわない。

最後には「お嬢様の言う通りに致します」と若干、ホールケーキアイランドのお菓子を楽しみにしつつ命令従った。

 

「そんじゃ、出発進行!!」

 

お嬢の掛け声と共にお嬢とティカの姿がそこに居たのが幻想の様に消えた。

 

 

万国(トットランド)、中心のホールケーキアイランドと三十四人の大臣達が治める三十四の島の総称で四稿ビッグ・マムのナワバリである。

ナワバリにはビッグ・マム海賊団の小隊が控える支部があり、そこから発する警告念波で味方かどうか識別し敵船なら破壊される。

何が言いたいかと言えばビッグ・マムのナワバリに入るとまず見つからないことはない、のだがお嬢とティカには関係がない。

なぜなら、ホールケーキアイランドに直接異動するからだ。

 

「とうちゃ~~~く!!さぁ~お菓子食べるぞぉ~~~!!」

 

時間にして数秒、数千キロある距離をたった数秒で異動する。

光人間の黄猿ですらもっとかかるのだが、お嬢自身の能力は光すら上回る。

この悪魔の実の範囲を超える能力のせいで海軍が何十年もお嬢を捕まえられない理由である。

お嬢を捕まえられるとしたら同じ能力を持つ者、今はまだ覚醒してない二人が能力を得るのはまだ先の話しである。

 

話戻って

早速、そこら中にあるお菓子を食べようとするがティカによって阻止される。

 

「お嬢様、着いたらまずお城に連絡をする様にと言われています。こんなところでお菓子を食べてないでお城に行きますよ!」

「え~~~!!!?い~や~だ~ぁ~!」

 

ワガママを言うお嬢にティカはお菓子から引き剝がす。

これは命令ではなくワガママ、ティカはその辺はキチンと区別できるメイドだ。

 

そんな二人に長い舌を伸ばした長身で痩身な中年男が近づく。

大きなキャンディーを携え、飴で飾られているシルクハットやコートを着ている。

 

「くくくく、これはこれは、お茶会でもないのにようこそお出で下さいました」

 

シャーロット家長男、キャンディー大臣のペロスペローだ。

 

「今からお城に訪問するところでしたのに」

「あっ!ペロスペロー、キャンディーちょうだ~い!それと何でお嬢がここにいるって分かったの~?」

 

お嬢の問にペロスペローはキャンディーを作り、渡しながら答える。

 

「これほどの覇気、これを察知できない方が可笑しいですよ。貴女方はママの友人、お城まで馬車でお連れするために私自ら出て来ました」

 

「さぁ、どうぞ」と勧められるがままにお嬢とティカは馬車に乗り込んでホールケーキ(シャトー)に向かう。




七月五日から毎日更新して参りましたが勝手にながら夏休み終了にかけて毎日更新をストップさせて頂きます。
これでも大学受験がありますので、とは建前でちょっとアーロン編の細かいプロットを考え中です。
一週間に一度は更新しますのでどうか見捨てないで下さい。


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134 第五十八話 少しの休憩

遅くなりましたが文字変わらず!
お願いですから見捨てないで!!
コツコツと頑張ります。


 カップに注いだコーヒーの量から最適なミルクの量を目分量で割り出し、付近まで一気に注ぐ。最高の飲み物まであと少し、最後のミルクをカップに注がれた液体の色に注意しながら慎重にミルクを注ぐ。

こうして作った自作のカフェオレを口に含み、喉を通して胃に送り込む。口に含むとまず感じるのはコーヒーの僅かな苦味、その後ミルクが苦味を消し、訪れるのは甘味。砂糖は特に入れてないがジークには自作のカフェオレがそう感じさせられる。

僅か苦味がパンク寸前だった思考をスッキリさせ、スッキリした思考を甘味で回転するのを感じる。

 

 

 

だから俺は自作のカフェオレが好きだ。

一秒が長く感じられ、頭が冴え、ドンドンと思考が回る。

これからどうするか、何をするのかが最善なのか?ナミについて考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 少し、どころかかなりの時間が過ぎた気がする。

そう思うのは俺だけだろうか?

 

 自作のカフェオレを飲んだ時、思考の海に入り込むとジークには短時間がとても長く感じる。

実際にジークが船に戻ってから包帯を探し、カフェオレを飲み干すまで十分と掛かってない。

つまりたった五分弱でジークにはかなりの時間が過ぎた、と感じさせれる程の集中力で思考の海に入る。

それが良いことなのか悪いことなのかは判断しかねないがここでは置いておこう。

 

 

 さて、替えの包帯も持ったとこだし、ゾロやウソップ、ジョニーと合流しないとな。

俺がジョニーの船から降り、ゴーイング・メリー号に戻った後、あいつらは魚人から逃げれたのか、はたまた捕まったのか、それとも誰かに助けて貰ったのか、俺には分からない。

ちっ、こんな事なら見聞色の覇気を覚えておけばよかったな。

 

 見聞色の覇気、それは気配を読む力。この力を覚えれば、熟練度にも寄るが範囲内の人の数、動き、感情、そういった事が読めるようになる。

 

 例えば今ジークが見聞色の覇気を使えればゾロ、ウソップ、ジョニーが何処にいるのかが一瞬で分かる。が生憎、ジークは今まで、六式の一部を覚えることに時間を使い、覇気の習得に時間を割いていない。覇気の習得は人によっては年単位で掛かる可能性があり、それよりも使い手が身近にいた六式の方をジークは優先して覚えた。

 

あの人の機械にも覇気の習得方法が載っているはず。

これからグランドラインにも入るし、習得して置いて損はないかな。

ともあれ、まずはナミを連れ戻してからでも遅くはない。

 

ゴーイング・メリー号を降りてジークは事前に用意しておいた地図を頼りにココヤシ村へと足を向けて歩き出した。

 

 

 




今回、全然進んでない。


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135 第五十九話 覚悟の果ては…

遅くなって申し訳ありません。
これでも高3でしてですね、色々と忙しかったのです。
積み本消化とか、なろうサイトの方を見たり、別作品書いたり、バイトがあったりと……これ、受験生の二学期の過ごし方じゃないですよね。
大学に行きたくな~い。でも行け!と親があぁ。
そう言えばps4とモニターの二台目が欲しい。
と言う訳でバイトに行って参ります。(書いた後直ぐじゃないよ)


 長そうで短い休憩も終わり、ココヤシ村へと着いたジークであったが、何やら中央付近が騒がしく目線が行ってしまう。

実際は一本道の村を進んでいると見えて来ただけで、ナミやはぐれた仲間を探す為に聞き込みをしなければならないので、村人を探していただけだ。

集まる村人らしき人だかりに混じって肌の違う者が混じっているのをジークは見つける。

 

 あれは魚人か?

村人と揉め事を起こしてる風に見えるな。

騒ぎが治まるまで待つか、それとも・・・

 

「うわァ」

ドッカッ!!

 

 叫び声と共に物が壊れる音が聞こえて来た。

流石に見える範囲で一般人が死ぬのは気が引けると感じ、ジークは様子を見に人だかりへと歩く。

 

 魚人はデカい。

何の魚人かにもよるが男の魚人は一般人に比べると一回り程大きい。

その魚人の中でもひときわ大きな魚人をジークは見つける。

人間とは違った構造により、頭と首の境界線から肩くらいまでの少し長い首には背ビレが生えており、顔にはギザギザな目立つ鼻を持った魚人。

特徴的な背ビレ、一目でその魚人が魚人の中でも凶暴な鮫の魚人だと分かる。

更に言えばギザギザな鼻はノコギリザメの魚人、手配書でも見たことのあるアーロン一味船長『ノコギリのアーロン』本人だ。

ここら一体の支配者を見つけたジークは落ち込む。

 

 いきなりアーロンと会うとかどんだけ運がないんだ俺は。

自分が哀れに思えて来た。

 

アーロンに会うつもりはない、と後ろへ振り返えろうとしたその時、ジークの耳に再び悲鳴が聞こえる。

 

 

人が死ぬ。見える範囲で。

 

一般人が死ぬ。海賊(無法者)によって。

 

無抵抗の一般人が死ぬ。無残に殺される。

 

助けれるはずなのに俺は何処へ行こうとした?

 

アーロンに勝てない?

 

誰が決めた?俺だ。

 

戦ったこともないのに?

 

違うだろ!

 

戦わずして逃げるのはもうしないと決めたはずだろ!

 

あの時、世界最強の剣士鷹の目”ジュラキュール・ミホーク“に挑んだゾロを見た時に俺は何を思った!!?

 

 

村から逃げ出す足を反対方向に向けた。

 

勝てるかどうか分からない同格に挑むのはあの時以来かな?

でも、それでいい。

少しづつでいいから格上相手に戦える様になれ。

そうすれば、あの人に少しでも早く近づくはず。

 

少しづつ前へと歩き始めたジーク。だが、前を向く時間が少し遅すぎた。

突如としてアーロンの顔に爆発が起こった。

爆発を起こした犯人は家の屋根の上に仁王立ちをしていた。

 

「ウソップ!!?」

 

あのアーロンに攻撃したのはあんなにも魚人に会うのを嫌がったウソップだった。

仲間の中でも一番予想出来なかった人物にジークは少し落ち込んだ。

 



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136 第六十話 目標人物の発見

で、出来たぁ。
徹夜で完成です。
誤字脱字ありましたら、報告よろしくお願いします。


アーロンに攻撃した犯人はウソップ、以外な人物に落胆するも直ぐに気を取り戻してウソップの下に向かう。

 

「下等な人間がこの俺に何をしたぁ!!」

「うあぁぁぁぁぁああ」

 

ウソップの攻撃に怒るアーロンはウソップがいる家を持ち上げる。

そこにジークは剃と月歩を使い、ウソップを助け出す。

 

「お前にアーロンを攻撃する勇気があるとはな。大丈夫かウソップ?」

「ジぃ~クゥ~!!助かった~!!!」

「大丈夫そうだな、降ろすぞ」

 

地面にウソップを降ろすとジークはウソップに一人で逃げる様促す。

 

「ひ、一人で!?追手が来るに決まってる!!俺を守ってくれぇぇ~~。お前、バリアが使えるじゅねぇかよ!!」

「バリアじゃなくて鏡だ!!さっきの村人のケガが気になる。それに、お前の逃げ足だけは評価してるよ。それともウソップは俺の評価を裏切って追手から逃げれないとでも?」

 

本当はウソップが行った先程のアーロンへの攻撃など、普段は逃げ腰だが時折見る勇気のある行動の数々も評価、尊敬しているのだがジークはそれを口には出さずにウソップを煽った。

ウソップはジークの褒め言葉だけを素直に受け取りジークの策略をに嵌った。

 

「そ、そんな訳ないだろ!!俺様の逃げ足は世界一だぞ!!!見てろ、ジークの援護なんかに頼らずとも魚人共の追跡を振り切って見せるぜ!!!」

「それでこそウソップだ。じゃ、また後で」

 

ウソップと別れたジークは追手に見つからない様にココヤシ村に戻る。

 

 

ジークが村に戻ってみるとあれ程いた人影は三人まで減っていた。

先程アーロンと揉めていた身体中傷だらけで頭の帽子にカラカラと回る風車を付けた人物に刺青を入れた褐色肌に水色髪の女の子、先ほどの騒動の中に見覚えのある二人。

最後の一人はジーク等の最終目的の人物、ナミだ。

 

「ナミ……」

「あんた、こんなところまで追って来て何の用?船なら返すからサッサと出て行って」

 

ジークがナミの名前を呟き、聞こえたナミがジークに早く帰ってと返す。

そんなナミを横目にジークはアーロンにやられて頭から血が流れている人物に近づくと……

 

「血が出ている。止血だけでもしないと大変なことになる」

「ん!?あぁ、すまない」

「無視しないで!!」

 

この村の駐在、ゲンゾウの応急処置にあたった。

ナミを無視したジークに驚くも素直にお礼を言って応急処置を受けるゲンゾウ。

 

ゲンゾウは自分の大切な娘である存在のナミが自分に手当てをしてくれる者、ナミと近い歳に見える髪の長い銀髪の女の子、に向かって小言を垂れ流す姿を見て一体何者なのか尋ねた。

 



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138 第六十一話 検証

 お待たせいたしました。
いつもより長くなっています。その為か三人称視点から一人称視点で読みにくいかと……。お願いですから見捨てないで!!

所で文章力上がるチートないかなぁ?


「き、君はナミとどういう関係なのかね?」

 

ジークに向かって小言を垂れ流すナミを見て少し驚いたゲンゾウは質問を投げつけた。

 

「ん?申し訳ない、挨拶が遅れた。俺の名前はジーク・クリューギュロス、ジークと呼んでくれ。ナミとの関係はうちの船の航海士、仲間だな」

「だから仲間じゃないって言ってるでしょ!!私は海賊専門の泥棒であんた達とは手を組んでいただけの関係。私はあんたらの……」

 

ゲンゾウに名前を名乗り、ナミとの関係を自分なりに表現するジークにナミは否定の姿勢を見せる。

そんなナミにジークは

 

「少なくとも俺はお前のことを今でも仲間だと思っているよ」

 

船を奪われ、乗せていたこれからの軍資金も盗まれてなお、ジークはナミの事を今でも仲間だと言った。

船長であるルフィがナミを信じた、だからジークはルフィを信じて仲間と言ったのではない。

ジーク自身がナミと航海を重ね、ナミを信じて仲間と言ったのだ。

 

「勝手に決めないでよ!!」

「あっ、ナミちょっと!」

 

 ナミを信じきたジークの言葉にナミは感情があやふやになりその場から走り出して行った。

そんなナミを追いかけて青い短髪の女の子も去って行き、この場に残されたのはゲンゾウとジークの二人きり。

 

「君は、君はナミに何かを盗まれたのだろう?」

「そうだな。船とか資金……船の役割も持ち逃げされた」

 

一旦言葉を区切るジーク、一呼吸置いて続ける。

 

「本人は返したつもりなんだろうが、俺達はまだ返されたつもりがない。ナミの航海術は俺達に必要なものだ。」

 

 

俺やルフィの頭の中ではナミはまだ俺達海賊団の航海士だ。

航海中、ナミは凄くいい笑顔だった。

あの検証も兼ねて、この島でもナミの態度の原因を聞いてみるか?

 

 

ジークは思い切ってナミについて聞いてみることにした。

 

「俺達の船長は船を奪われた直後、ナミを信じて仲間だと言い切った。俺達はナミが本心から断るまで諦めない。昔、ナミに……この島に一体何が起こった?よそ者の俺に話したくないことだと思う、それでも聞かせてもらえると助かる」

 

ジークの強い意思を感じ取ったのかゲンゾウは

 

「ジークと言ったか?これから私が語ることはナミにとってとても悲しい出来事だった。我々にとってもだ!」

 

ゲンゾウはそう言ってナミに起きた悲しい悲劇をナミとある一人の女海兵の出逢いから語り始めた。

 

「…あれは嵐の夜の事じゃった———」

 

ゲンゾウの口が開くと同時にジークは手荷物からある物を取り出して自分の持つアレ、アレが示す物の検証を同時にし始めた。

 

 

 

 

 俺はゲンゾウさんが語るナミの過去を聞くと同時にある物の検証を始めたのだが、結果。

 

もう何なの?!!この機械は!!!

何のことか説明するとティカさんが届けてくれたあの人からの贈り物だ。

自称ほぼ何でもしっているあの機械に書いてあったナミの内容藍、あれが事実なのかどうか確かめてみたのだ。

ゲンゾウさんが話している内容とほぼ同じ、むしろゲンゾウさんが知らないはずの内容まで記述してある始末。

 

「だ、大丈夫かね?急に固まって」

 

とりあえず話しを最後まで聞いた後、固まってしまった俺にゲンゾウさんは心配している声を掛けてくれた。

それにより再起した俺はゲンゾウさんにお礼を言った。

 

「辛い出来事を語って頂きありがとうございます。これから仲間と合流してナミを救う方法を話し合って見ます」

 

「っ!?待ってくれ!!」

 

これからゾロ達をどうやって探そうかと悩みながらゲンゾウさんの元を去ろうとするとゲンゾウさんから待ったが掛かる。

振り向いて向き合う。

 

「さっきの話を聞いただろう?部外者は黙っていてくれ!!!この村を買う為のお金はもう少しで貯まる。十年間耐え忍んだ戦いはもう少しで終わるのだ」

「なぁ、ゲンゾウさん?」

 

俺はゲンゾウさんの言葉を遮って話しかけた。

 

ナミやこの人は分かっちゃいない。

海賊がどういう者達なのか?

海賊の本性を分かっちゃいない。

海賊が奪ったものが金で解決できる?

そんなはずない。

 

だから俺は言ってやった。

 

「相手は海賊だぜ。それに俺達も海賊だ、縛られる理由がない」

 

相手がお金で解決できるような町のチンピラでないことを。

 

「なっ」

 

立ち尽くすゲンゾウさんを置いて俺は一先ず逃げたウソップを回収しようと

 

「あれ?」

「ん?」

 

ウソップ、ではなくゾロを見つけた。

 

「やあゾロ、これからお前とウソップを探そうとしていたところだったんだ」

 

手間が省けたとばかりに挨拶をする俺にゾロは勢いよく寄って来て

 

「っテェメ!!突然船から消えやがって!!何処にいたんだよ!!!?」

 

怒鳴られた。

まぁまぁ、と手で静止しながらゾロの質問に答える。

 

「メリー号とすれ違った時があっただろ?」

「あったな」

「その時にスーって飛び乗った」

「一人だけ逃げんなよ!あの後、大変だったんだからな!」

 

聞くところによると俺がメリー号に飛び乗った後、魚人に追われウソップとジョニーはゾロを置いて船から脱出しゾロはアーロンパークに連れて行かれたらしい。

 

「そうだ!ナミの野郎がアーロン一味の幹部だそうだぜ」

「そうみたいだな。所でウソップは見てないのか?」

「ウソップ?おれはタコの魚人にここまで送って貰ったから見てない」

 

一人で逃げるようにウソップを説得した衝けが回ってきたみたいだ。

結局、二人でウソップを探す事になり、ウソップが逃げたであろう方向に向かった。

 

 

 

「お、おい。銀髪の姉ちゃん!!」

 

村人が俺に話しかけてくる。

ここに銀髪なんて俺しかいない、間違いなく俺のことだろう。

 

「何ですか?」

「くくっ!イテっ!!何しやがる!!?」

 

隣でゾロが必死に笑を堪えていたので蹴りを入れてやった。

 

 

 

「「何!!?ウソップがアーロンパークに連れて行かれた!!!??」」

「あぁ、さっき捕まったのを……」

 

俺達を呼び止めた村人は俺がウソップを助けた姿を見ており、優しくもウソップがアーロン一味に捕まった事を俺達に教えてくれた。

教えてくれた村人にお礼を言い、ゾロと共に急いでアーロンパークにダッシュする。




次回は短く、早く投稿予定です。


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139 第六十二話 船長の到着

特に何もしていないのに半分くらい大学が決まってしまった!
入ったはいいものの無事に卒業できるかどうかが一番の心配。
家から出たくないでござる。

という訳で(どういう訳だよ!?)更新頑張ります。


「クソッ、すれ違った!!」

「ウソップの奴、何が「おれ様の逃げ足は世界一!」だ。捕まってんじゃないか!!」

「お前も一度助けたんだったら、最後まで助けろよ!!!」

「いやだって、俺もやる事あったんだよ」

 

ゲンゾウさんの手当てとかナミの過去を使ってあれの検証とか!

ゾロの方が捕まって逃げ出しただけじゃないか!

 

お互いに言い争いながらダッシュ。

不意に大きな音がした。

 

「!……ん?何の音だ?」

「海岸の方からだな」

「しっかし、デケェ音だったなぁ。爆弾でも降って来たのかと思った」

「そんな訳ないだろ。海軍はなぜか動かないみたいだし。本部はこのことしらねぇのか!?」

 

この辺りにも基地はあるはずだし、見逃しているのか!?

それよりもさっきから物凄い音が近づいて来てるんですけど!!

 

「そんなことよりも急がねぇとウソップの奴が殺されちま………」

「「!!!?」」

 

ゾロが俺の無駄話を切り上げて更に急ぐように促そうとしたその瞬間、さっきから気になっていた地面が削れる音、木が折れていく音の正体が現れた。

俺達が走っている道の脇にある森の中から。

 

「うああああぁぁぁぁぁぁ」

「オォ!!ゾロ!それにジーク!!」

「アニキ達!!」

 

森の斜面を船で滑り落ちてくるルフィにヨサク、それにバラティエの副料理長サンジ。

 

「「ルフィ!!」」

 

気づいた時にはぶつかる直前。

俺は咄嗟に地面を後ろに蹴った。

 

紙一重とはこのことだろうか?

後ほんのコンマ一つでも回避が遅れていたら船に体を持って行かれたに違いない。

ゾロ、無事を祈る。

 

回避ができた俺に対してゾロは船と共に岩場に激突してしまった。

船は大破したものの一瞬でも岩と船に板挟みされたゾロ、俺は回避出来たことに心の底からホッとした。

 

ってゾロの傷、開いてないよな!

 

俺は急いであいつらの元に向かった。

 

「ゾロ!!大丈夫か!!!?」

「大丈夫もなにもまた一人だけ避けやがったな!!というかテメェらは一体何やってんだ!!!」

 

一人だけ回避出来た俺と元の原因であるルフィらに怒鳴るゾロ。

 

頭から血は出ているけど他は大丈夫そうだな。

あれだけ勢いよくぶつかってそれだけって、いよいよ人間離れした体してるよな!

 

「何って?ナミ迎えに来たんだよ」

 

ゾロに当たり前の答えを返すルフィ。

 

「まだ見つかんねぇのか?ウソップとジョニーは?」

 

そしてこの場にいない二人の存在を聞いたルフィのお陰で俺とゾロは思い出した。

ルフィらの登場にインパクトがありすぎて忘れかけていた本来の目的、ウソップがアーロンパークに連れて行かれた事を思い出した。




ps4二台目を買ったが同じメールアドレスが使えないだと!!
一体どうすればよいのだ!


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140 第六十三話 ウソップ死亡?報告

何とか連日投稿


「ウソップ………そうだ!こんなところで油売ってる場合じゃねえ!!」

「ん?どうした!?」

 

ゾロが急いでこの場から移動を始めるとルフィが何があったのか尋ねてきた。

俺がそれに答える。

 

「ウソップがアーロンパークに連れて行かれたんだよ。速く行かないと殺さ…」

「殺されました!!」

 

今、なんて言った!!!?

 

俺の言葉が遮られて最悪の報告がここにきた。

 

「……出遅れです」

「ジョニー………」

 

ゾロが報告者の名前を呟く。

そこには、今走って来たのであろうジョニーが息を上げて立っていた。

 

「ウソップの兄貴は、もう殺されました!!!ナミの姉貴に!!!!」

「「「「「!!?」」」」」

 

ウソップがナミに殺されただと!!?

俺が一人で逃がしたのがいけなかったのか!?

 

「お前!!もういっぺん言ってみろ!!!ぶっ飛ばしてやるからな!!!」

「オイ!よせ。ジョニーは関係ないだろうが!!!」

 

ジョニーに突っかかるルフィをゾロが抑える。

 

「でたらめ言いやがって!!ナミがウソップを殺すわけねぇだろが!!!!俺達は仲間だぞ!!!」

「信じたくなきゃそうすればいい。でも俺はこの目で……」

 

ルフィとジョニーの言葉で俺はハッとした。

 

そうだよな。

ナミがウソップを殺すはずがない。俺達は仲間だ。

それにジョニーは「この目で」って言った。それは見ただけで、心臓が止まったのは実際には確認してない事になる。

それに俺はナミの過去を知っている。この村を助ける為に嫌いな海賊団に入ったナミに今更人を殺すなんて出来るはずがない。

それだと、嫌いな海賊と同じ事をしてしまうからだ。

 

「!」

 

相変わらずジョニーにルフィが突っかかている前に人が現れた。

 

「ナミ!!」

「誰が仲間だって?ルフィ」

 

ウソップ殺害?の容疑をかけられているナミだ。

ナミは俺の方を視線をチラチラと気にしながらルフィに言った。

 

「何しに来たの?」

 

ルフィはやっとジョニーを離し、大切な麦わら帽子を被りながら答える。

 

「何言ってんだ!お前は俺の仲間だろ?迎えに来た!!」

 

ハッキリと迷いなく言った。

ナミは

 

「大迷惑。“仲間”!?くだらない助け合いの集まりでしょ?」

 

ナミの奴、思ってもいない事を言いやがって!

お前の過去を全部ばらしてやろうか!!?ついでに貯金の事も!!

 

俺がゲンゾウさんから教えて貰ったことを今この場で言ってやろうかと思ったが、辞めた。

人には例え仲間であろうと知られたくない事が一つや二つ、あるモノだと俺は知っているからだ。

もし知られるとしても当事者の口から話すのが良いだろう。

 



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141 第六十四話 ナミの噓

サブタイトルが考えれない。(中途半端に切る自分が悪い)


「ナ!!!?ナミさ~~~~~ん♡おれだよ覚えてる!?一緒に航海しようぜ!!」

「テメェは引っ込んでろ!!話がややこしくなる!!」

「アンだとゴラ!!恋はいつもハリケーンなんだよ!!!」

 

緊迫した雰囲気をぶち壊したのは元バラティエの副料理長で現俺達の船のコック、サンジと戦闘員のゾロ。

二人は睨み合いを続けるがジョニーは構わずナミを罵る。

 

「言ったでしょう!!この女は魔女なんすよ!!隠し財宝のある村を独り占めする為にアーロンに取り入って平気で人を殺す!!」

 

違う!!

ジョニーは勘違いしている。八年前の事件を知らないのか!?

隠し財宝はナミが今ままで盗んだ物の事を言っているのであろう。

 

「コイツは根っから性の腐った外道だったんすよ!!兄貴達はずっと騙さたんだ!!この女がウソップの兄貴を殺す所を俺はこの目で見た!!」

 

この目で見た。って事は実際に確認してないって事だ。

それにナミが根っから性の腐った外道だったら初めて会った時、檻に入ったままのルフィにバギー玉を躊躇いもなく打っていたはずだ。

 

「一つ教えておくけど今、ロロノア・ゾロとその一味をアーロンは殺したがっている。ゾロがバカな真似をしたからね。」

 

ほら、ナミは今でも俺達を心配している。

 

「いくらあんた達が化物じみた力を持っていようが本物の化物には敵わない。」

 

うん、ナミから見たらアーロンは本物の化物に見えるのでしょうが、例えばナミは丁度知らないけど世界最強の剣士「鷹の目のミホーク」、それに並ぶ「王下七武海」、更に強い海賊四人の皇帝「四皇」、海軍本部の中将、大将達に元帥。

俺は知っている。アーロンに比べたら先程上げた奴らの方が断然強い。

それに、ティカさんとあの人。

この二人の事を「ホンモノのバケモノ」と言うのであろう。

 

俺が色々と化け物達について考えている隙にゾロとサンジは戦闘態勢に、ルフィは地面に転がり「寝る」と言うと一同啞然としていた。

 

俺?ゾロとサンジに呆れながらルフィの行動を見ていた。

あの人だったらどうするかな?と考えながら。

 

ナミは「勝手にしろ!!」と言い残して走り去った。

 

追いかけてもいいが返って逆効果になるし残したこいつらがどう行動するかが心配だったのもあり、ナミの走り去る姿ををぼんやりと眺めていた。

 

ゾロはこれから先は付いて行けないと言うヨサクとジョニーに最後の忠告を受けながら歩き去る二人を見送っていた。

 

俺はあの二人の実力を見るにこれから先賞金稼ぎとしてやっていけるか不安だった。

せめてもう少し力を付けるように祈っておいた。

 

自分の事を棚に上げて。



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142 第六十五話 ウソップ生存?

道の真ん中で寝るルフィ、その隣に座っているゾロ、木に背中を預け座って煙草を吹かすサンジ、立ってこれからどうするか考えてる俺。

ヨサクとジョニーを見送った後、俺達は何かをするわけでもなく、ぼーっとしていた。

 

先ずはウソップの生死確認からかな?

ナミは海の底って言ってたけどそれじゃあどこだかわかりゃしない。

ジョニーにもう少し詳しく聞いておくべきだったな。

 

「オイ」

「ん?」

「あぁ!?」

 

不意にサンジが聞いてきた。

 

「ナミさんはホントにあの長っ鼻を殺してねぇのか?」

「確定的な証拠が無いから分からない。でも俺はナミはそんな事する奴じゃないと信じるよ」

「どうだかね。おれが一度小物ってハッパかけちまったから勢いで殺っちまったかもな」

 

あ!

俺がサンジを安心させる様に言ってやったのになんでそんな事言うんだよ!

 

「小物!?」

 

ほら、サンジが反応したよ。

どうしてこの二人は仲が悪いんだろうか?

知り合ってそんなに経って無いはずだが。

 

「おーい!お前らまだアーロンパークに……」

 

ウソップの声だ。

という事はナミはウソップを殺してなかったって事だな。

 

だが、俺がホッとしたものほんの一瞬。

走って来るウソップにサンジとゾロは気づかないまま

 

「ナミさんの胸のどこが小物だぁ!!」

「お前の頭はそう言う……」

「ふごぉ」

 

ゾロの発言に怒りのサンジが蹴りを繰り出し、ゾロが刀の鞘部分でガードをする。

停まれなかったウソップの顔がサンジとゾロの攻防の餌食になってしまった。

 

「え」

「う…」

 

青い顔の二人

白い目を向いて鼻から血を流しているウソップを見てサンジとゾロは言った。

 

「生きてたよ」

「いや、死んだぜこりゃ」

 

俺は呆れ顔で手荷物から応急箱を取り出した。

 

どうしてこうも、あいつらはケガが多いのだろうか?

どっかで早く船医を見つけないといけないかな。

俺には本格的な治療が出来ないからな。

 

消毒液と包帯を取り出しながら後で買い足して置かなきゃとも思った。

 

「ウソップゥ~~~!!!お前、これナミにやられたのか!!?」

 

あ!ルフィが起きた。

 

眠りが浅かったのか騒動の音で起きたルフィはピクピクと痙攣しているウソップの上半身を起こす。

そんなルフィに悪気もなくサンジが謝った。

 

「あぁ、すまん。それはこいつとおれが」

「お前だよ」

「だよ」

 

俺はゾロがチャッカリとサンジ一人のせいにするのを怒った。

 

「おぉ、ルフィ!来てたのか!?」

「あぁ」

「おれも来たぜ。よろしくな」

 

サンジがウソップに挨拶すると

 

「テメェ、いつか殺す!!」

 



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143 第六十六話 聞く者、聞かぬ者

ナミに殺されたと思われたウソップは生きていた。

だが今は瀕死、とまではいかないが傷を負っていた。

ゾロとサンジのケンカに巻き込まれて負った傷だ。

俺は今その傷を治療していた。

 

「ふーぅ。サンキュー、ジーク!助かったぜ、ってお前がおれを安全なとこまで守ってくれてたらこんな事までならなかったんだよ!!!」

「でも、お前は自分から進んで逃げたじゃないか?」

「そうだけどもよ!!アーロンに直接殺されそうになったんだぞ!!分かるか、怖かったんだぞテメェ!!!」

 

解せない。

それは俺が煽てて一人で逃がしたのは悪かったと思うけど

 

「でも、捕まって何か収穫があったんじゃないのか?」

「そう、問題はナミだ。おれはあいつに命を救われた」

 

俺が話題を変える様に問うと、どーん!とウソップが言った。

 

どんな方法でかは知らないがナミはアーロンにウソップを殺されない様に自分で殺したように見せたのであろう。

 

そのままウソップが続けた。

 

「どうやらあいつが魚人海賊団にいるにはワケがあるとおれは視る」

 

そこまで考えて着いたか。

 

「無駄だよ!あんたらが何をしようとアーロンの統制は動かない」

 

ウソップの声をするか否定するかのような声が聞こえた。

振り返ると褐色肌の水色髪の女の子がいた。

 

「ノジコ」

 

ウソップが彼女の名前を呟くとルフィが

 

「誰だ?」

「ナミの姉ちゃんだ」

 

ウソップが答えた。

ナミの姉との言葉にサンジが

 

「ンナ、ナナナ、ナミさんのお姉様!!!?さすがお綺麗だァ♡!!」

 

目をハートにしてノジコを褒める。

そんな中、ゾロだけが真面目にノジコの言った事を聞き返す。

 

「無駄だってどういう事だ?」

 

今来たばかりのルフィとルフィに簡潔に説明したウソップは兎も角、サンジは出会う女性全てにこのテンションなのか?

 

サンジを無視し、ノジコは無駄の意味を語る。

 

「お願いだからこれ以上関わらないで!村のいきさつは全て話すから、それを聞いたら直ぐに出て行って」

 

それは出来ない相談だな。

村のいきさつをこいつらが聞いてどう判断するかは俺も分かるつもりだ。

それよりもまたあの話を聞かなくてはならない事が少し面倒なのだけど。

 

それぞれが楽な姿勢になっていざノジコが語る過去を聞くとなった時にルフィが

 

「おれはいい。あいつの過去になんか興味はねぇ」

 

と言って歩き始めた。

散歩するそうだ。

 

俺もルフィに便乗して楽をしよう。

 

「俺も行くよ。ルフィを一人にさせて置けない。」

「ジークは話は聞かなくていいのか?」

「俺は一足先にゲンゾウって人からある程度聞いてるからな」

 

またなって言ってルフィを追いかけた。




クオリティの出来乙


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144 第六十七話 フラフラと散歩

とりあえずフラフラ歩いているルフィに俺は少し聞いてみた。

 

「なぁルフィ?」

「何だ?」

「ホントに聞かなくても良かったのか?何なら俺が……」

「興味が無いからいいよ。別に聞いたってナミはナミだ。俺は諦めねぇよ」

「…そうだな。お前ならそう言うと思ったよ」

 

ルフィは一度決めたら誰が何を言おうと考えを曲げないって改めて思い知らされた。

あともう一つ聞いてみた。

 

「どうしたらナミを仲間に連れ戻せると思う?」

「急に何だ?そんなもんアーロンって奴をぶっ飛ばせば済む話だろ?」

「………まぁ、そうするのが手っ取り早く片付くのか?」

「おれに聞かれても知るか!?そう言った事はお前が考えてくれ」

 

考えてくれって言われても俺は参謀でもないんだが………。

 

「ジークはウチの船の副船長なんだし」

「……え!?」

 

初耳なんですけど!!?

俺が、副船長!?そんな器あるわけないでしょ。

まだゾロの方が良いに決まって…あれ?ゾロも器が大きい事を時々言うが基本的に戦闘狂。

俺の方が副船長には持って来いなのか?知名度的にもバランス的にも。

とにかくそれは後で決めるとして、今はナミだ。

 

「なぁジーク。あれ見ろよ!」

「ん?……海軍?」

 

ルフィに声をかけられて現実に戻った俺はルフィが指を指している方向をみた。

ゲンゾウさんに海軍の隊列だ。

ルフィは指名手配にはなっていないが海賊だから海軍を見つけたらそりゃ焦るよな。

 

「……なんであのおっさん、頭に風車さしてんだ!?」

 

海軍じゃなくてゲンゾウさんの帽子に刺さっている風車の方かい!!

確かに気になるけどさ。

もしかして、ルフィなら海軍の中将や大将、四皇や王下七武海の前でもこんな態度でいそうだ。

そう言えばゲンゾウさんって何で風車なんか帽子に差してるんだろうか?

 

その時、海軍の隊列が消えて行った方向から怒声が聞こえる。

 

「どうする、見に行くか?」

「いや、いい。おっここ良いな」

 

俺が見に行ってみるかと聞くとルフィはやんわりと拒否、それでも少しは気になるらしく近くのヤシの木にもたれ座った。

俺も仕方なく腰を下ろして行き先を見守る。

 

怒声は次第に大きくなっていき遂に銃声が聞こえた。

 

「おい、どうした!?裏で何があった!?」

「まさか!!?海軍が撃ったのか!?」

 

わらわらと村人が集まってくる中、慌てた様子のナミとゲンゾウさんの姿が見えた。

 

「おっ。おいナミどうした?何か手伝うか?」

 

ルフィがナミを見つけて陽気に話しかける

ルフィと一緒に俺も人だかりに近づき中心の様子を見た。

 



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145 第六十八話 最後の覚悟

「まだここにいたの!?」

 

能天気なルフィの声に気づいたナミはルフィの胸ぐらを掴むなり怒鳴った。

 

「あんたらには関係ない!!さっさと島から出ていって!!!」

 

そのままルフィを突き飛ばしてナミは走って行った。

ルフィは立ち上がってヤシの木を使って作ってあるテーブルに乗って不貞腐れた。

 

「なーんだよ、あいつ」

「ナミにも色々と思う事があるんだよ。」

 

ルフィの機嫌を直しながら考える。

 

さっき隊列を組んで来た海軍が何かやったのだろうか?

ナミが走って行った方向はアーロンパークがある方向だ。

だとしたら……ナミのあの怒りの表情と言い、海軍の動きと言い。

……全く、だから俺は海軍が嫌いなんだ。

 

「ジーク?顔が恐ぇぞ?」

「っ!………悪い、心配掛けたな」

「いいさ。そんな事よりもナミの奴、おれに当たらなくても良いじゃねぇか!?」

 

いけないな、ルフィに心配掛けてしまった。

俺の海軍に対する態度は俺だけの問題なんだ。

露骨に表面に表情を出すのは気をつけないと。

 

まだナミに対してブツブツ言ってるルフィを残してナミの家に向かった。

 

海軍にやられたのであろうミカン畑の残骸の中を進む。

所々枝が折れていたり、根っこから掘り返されたりしている。

 

ルフィのお陰で冷めていた海軍への怒りが再び湧いてきた。

 

恐らくだが、あの海兵等はアーロンによってナミの村を解放する為のお金を奪う為にまわされた買収済みの海兵だろう。

近隣の海軍支部の買収、そんな事をしてなければとっくに本部への通報がいってるはず。

アーロンは元々、グランドラインに居た海賊だったはずだ。

本部が目を離さない訳がない。

既に海軍が引き上げた後で良かった。

ここで海軍に喧嘩売って本部の連中が出てきても俺だけじゃなくて仲間達の迷惑になってしまう。

 

元居た方面、つまり村の方向から大きな声で打倒アーロンの声が聞こえてくる。

村人たちの声だ。

 

頼みの綱、ナミの貯金が奪われて我慢の限界が超えたのであろう。

ここに着いた時から薄々考えていたが、やっぱりこうなるか。

 

覚悟を決めて村に戻る。

そこで

 

「話は聞けたか?」

「あぁ、ばっちりだ」

「とりあえず魚人共を倒せばいいんだろ?」

「うおぉぉぉーーー。お姉様には止められたがおれはもう我慢できねぇ!!!」

 

自分の肩に彫ってあるアーロンの刺青をナイフで何度も、何度も突き刺すナミの姿があった。

 

後で治療してやらないとな。

包帯の予備がもう足りないが何とかなるだろう。

 

見ていて痛々しい行為を繰り返すナミにルフィが後ろから手を取って遂に止めた。

 



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146 第六十九話 良い流れから反転し・・・

ルフィに手を捕まれて自傷行為を辞めたナミはルフィを

 

「何よ……何も知らない癖に!」

 

罵って、

 

「あんたには関係ないから出てけって!!」

 

地面に座り込んで手で砂を掴んでルフィにかける。

 

「言ったでしょ!!」

 

罵って、

 

「………………!!」

 

最後に………

 

「ルフィ…………助けて…」

 

八年間で初めて助けを求めた。

 

ルフィは麦わら帽子をナミに被せて息を大きく吸い込んで…

 

「当たり前だああぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

船長の声が響く。

 

俺達は仲間だ。ただ助けを求めれば船長であるルフィは必ず手を差し伸べる。

それが仲間って者だろ?

 

「いくぞ!!」

「「「「オオ!!!」」」」

 

と言いたい所だが、傷ついた仲間を一人で残させるわけにもいかない。

アーロンパークに殴り込みに行くのはルフィ達四人に任せ、俺は此処に残った。

ウソップが何か文句を言っていたが知るか。

 

 

俺はナミと共に一先ず、ナミの家に向かった。

 

「包帯あるか?あいつら、ケガが多すぎて使い切ちゃってさ」

「……………そこのタンスの上からの二番目……」

「ありがとうよ」

 

えっと、ここかな?

おっ、結構あるな。

半分くらい借りておこう。使わなかったら返せばいい。

 

ナミの手当てを始めると黙ったままだったナミが涙を流しながら感謝を言った。

 

「……ごめんね、色々なこと言っちゃって」

「別に気にしてないよ、辛かったんだろ?感情が爆発するのも分かる」

「ルフィ…アーロンに勝てるかな?」

「勝てる………信じろ、仲間だろ?それにいざとなったら俺がどうにかする」

 

一瞬の静止の後、笑声が鳴った。

 

「あッはははは、あんたがルフィよりも強いって言いたいの?」

「単純な力比べだと負ける。でも、能力ってのは使い方次第でどうとでもなる。アーロンくらい戦えないと生きて行かなかったからな…」

「どういう事?」

 

俺の出身地を言うかどうか迷った。

結局は曖昧にして答えた。

 

「グランドラインさ」

「・・・っ!!ジーク?あんた何者なの?」

 

不穏な空気が感じられる。

 

「思い出したわ。何年か前に新聞で読んだことがあるのよ。特に名のある海賊を打ち取った訳でもないにもかかわらず初頭で五千万ベリーの賞金がかけられた『月銀』ジーク・クリューギュロス!!」

 

イーストブルーには手配書が出回っていないと思ったんだがな。

まさか新聞で思いつかれるとは・・・。

 

「それだけの金額ならアーロンを倒すなんて簡単なはずだわ!!ウソップの時は手加減していたみたいだけれど・・・グランドラインの海賊が何でイーストブルーなんかにいるわけ!!?」




どうしてこんな展開になったのだろうか?


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147 アニメ十八周年記念短編

カレンダーを見たら今日はアニメ第一話の放送日だそうなので久々に短編を書きました。


「ママママ、久しぶりだねぇ。お嬢!」

 

ここはホールケーキ城、面会の間。

ペロスペローにエスコートされお城に入ったお嬢とティカはビッグ・マムことシャーロット・リンリンに合っていた。

 

「モグモグモグモグ、ゴックン。うん、リンリンお久さ~。」

 

お嬢はお菓子を食べるのに夢中だった。

 

普通なら四皇であるビッグ・マムを差し置いてお菓子を食べるのは無礼に値する。が今回の相手はお嬢、ティカ。

怒っても怯えるどころか全く反省しないお嬢に加え、お嬢の行動全てを全肯定する忠誠心MAXのティカもいる今では四皇ですらケンカを売れない相手である。

出発前の行動は気にしない様に。

 

ビッグ・マムもお菓子を食べながら今回の訪問の要件を聞いた。

 

「それで、何の用だい?前回のお茶会は欠席だったが?」

「そちらについては、ご招待頂いて貰ったのに関わらずご出席できず申し訳ありません」

 

お菓子を食べるのに夢中なお嬢に代わってティカが答えた。

ティカの答えに一部、周りに控えていた息子、娘達が驚いた。

 

((ママのお茶会を欠席した!!!??))

 

当然の反応である。

 

ビッグ・マムのお茶会、それに招待された者は欠席ができない。いや、しないのだ。

なぜなら、欠席すると後日、ビッグ・マムからプレゼントが届く。

その者の家族、友人、仲間など近しい人一人の生首が入ったプレゼントだ。

大抵の人ならその結果に怯え、お茶会の欠席などしない。

 

しかしお嬢には欠席してもそんなプレゼントを送られない理由がある。

 

それは二十年以上も昔の事。

ビッグ・マムはお嬢にいつものようにお茶会の招待状を出した。

しかしお茶会の当日、来たのはお嬢ではなくティカただ一人。

怒り狂ったビッグ・マムは帰還中のティカに将星の一人を仕向けた。

友達であるお嬢にも例外なくティカの生首をプレゼントしようとしたのだ。。

仮にも四皇の大幹部『将星』並みの海賊、海兵だと手も足もでない。

ビッグ・マムはティカをただのメイド、そう思ったのが運の尽きだった。

結果、ティカは将星を撃退した。

それだけなら良かったのだが将星を打ち取られたビッグ・マム海賊団と大切なティカ襲撃に怒ったお嬢がぶつかった。

お嬢はペロスペローの飴の拘束をものともせず、カタクリの見聞色の覇気ですら予測できない攻撃でビッグ・マム海賊団を半殺しにした。

 

今驚いたのはその事件を知らない者達。

 

結局、お嬢は「リンリンのバカァ!!」と顔に一発ビンタをかまして終わり。

以来、彼女らはお嬢の欠席を見逃すのであった。




あれ?オリジナルの方が何か書けてない!?


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148 第七十話 いざ、アーロンパークへ

ps4出来たあぁ~~~~~!!!やっと設定できましたよ!これでオンラインプレイができる。


ウソップの時は最近戦闘をやってなかったから手加減じゃなくて、あれ本気だったんだけど。

正直に言わなくてもいいよね。

 

「別にグランドラインの海賊がイーストブルーにいようと勝手だろ?強いて言えば俺の目的を果たすために人探しかな?」

 

「そんな事の為にイーストブルーに!?じゃ、じゃあその探し人って見つかったの?」

 

話題をさりげなく変えたら食らいついてきたナミ。

よし、声も落ち着いている!

 

「見つかった。今ともに行動している。」

「ルフィ?」

「正確に言うと麦わら帽子を被った青年を探してたんだ」

 

昔、あの人から「海賊になるなら麦わら帽子を被った青年を助けてあげて!」とか「十九歳になったらイーストブルーに行け!!」だとか言われたりしたからな。

今思うと、俺がルフィと出会って仲間になることを予測してたんじゃないか?ってくらい言われた。

あの機械の事があるからそれはないって言い切れないのが怖いとこだ。

 

「ジーク?急に黙り込んでどうかしたの?」

 

はっ、いけない。

今頃、あいつらはアーロン一味と戦ってる頃だった。

 

「と、兎も角俺の名はジーク・クリューギュロス。ただの海賊でルフィを海賊王へ導く男だ!」

 

最後に最初の質問に答えてやった。

 

「それじゃっ、そろそろ俺もアーロンパークに向かわないと怒られる。ナミはもう少し心が落ち着いたら来てくれ」

「え?ちょちょっと待って……」

 

これ以上質問されないように俺はナミを置いて一人、アーロンパークに向かった。

 

 

アーロンパークに近づくとあふれかえったココヤシ村の住民達の中に知った顔が。

 

「ヨサク、ジョニー!戦況はどうだ!!?」

「ジークの兄貴!!ヤバいっすよ!!」

「そうっす!!今まで何処に居たんすか!!」

 

パークの中を覗いてみるとボロボロになった屋根や床。

その中に一人佇むアーロン。

地面に倒れているゾロ、サンジ。

 

その瞬間、俺は剃でアーロンの目の前に割って入った。

 

「うちの船員にこれ以上手を出すな!!」

「ジーク!!」

 

間一髪、ゾロは無茶をしたのか傷が開いて包帯が血でにじんでいる。

一方、サンジはゾロよりはマシみたいだが骨が何本か折れているだろう。

 

「アぁぁ!!?なんだこのアマ、麦わらの仲間か!!?」

「女扱いするな!!俺は男だ!」

「んごぉ!」

 

剃で後ろに回り込み、未熟な鉄塊を掛けて頭を思いっ切り殴る。

 

「っう!痛った!!」

 

こりゃあ早々に武装色の覇気を覚えなきゃな!

 

「小賢しいマネをぉ!!!」

 

俺の攻撃は全然効いてないのかアーロンが反撃に出た。

 




今更だけど「ネギま」面白い!!


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149 第七十一話 時間稼ぎ

昨日は更新できずにごめんなさいでした。
寝てました。


アーロンの攻撃を避けて、避けて、避ける。

ルフィはどこだ!?まさかやられたわけないよな。

 

「ちッ、ちょこまかと避けやがって!!」

 

これは避けらないな。

なら

 

「ミラーガード」

 

アーロンの拳が俺の鏡にあたった瞬間、アーロンは鏡の能力で後ろに弾き飛ばされた。

 

一端、間が空いたその時、ナミの声が響いた。

 

「アーロンッ!!」

 

結構早かったな。

アーロンとナミが話しているそのすきにゾロとサンジを脇へ寄せる。

 

「ゾロ、傷が開いちまってる。後で本格的な医者に見てもらおう。」

「じ、ジークさん危ないから下がって、ここはおれが……」

 

ん?まさかサンジはまだ俺の事を女だと思ってやがるのか!?

ルフィかウソップ辺りがとっくに俺の性別を明かしてるのかと思った。

 

「サンジ、俺は男だ。バラティエでは言ってなかったな。それよりもルフィはどこだ!?」

「ええ!!?おれとしたことがレディーとこんな奴を間違えるなんて……」

 

なんか凄い落ち込んでる。

俺の方が女扱いで落ち込みそうになったってのに。

 

その時、ルフィが水を思いっ切り吐き出す音が聞こえた。

 

「ぶぅーーーーーーーーッ!!!!・・・っぱァ!!!」

 

海の中に放り込まれていたのか。

 

「きたか!あとは足枷を外せば…」

「三十秒、それ以上は持たねえぞ」

「それで十分だ!!」

 

いつの間にかサンジが立ち上がって海に入って行きゾロが刀を構えた。

何をやりたいかは分かったが…

 

「ゾロは下がってろよ!!時間稼ぎくらい俺がやってやる」

「遅刻野郎がうるせぇ。おれがこいつを止める!!」

 

何がゾロをここまで言わせるのか?

俺には分からない。

重傷だげどここで俺が何言っても辞めないだろう。

あとで痛い目を見るのはゾロ本人だし…。

 

戦闘態勢に入る俺とゾロ、そこにアーロンめがけて卵が飛んできた。

 

「援護するぞ、ゾロ!!ジーク!!存分に戦え!!」

 

勇ましい行動なのだが、壁にチョコンと空いた穴から狙っている姿を見ると、勇ましい行動を台無しにしている。

 

「聞け、ナミにジーク!!!おれは幹部を…幹部を一人仕留めたぜ!!!!」

 

ウソップが幹部を倒したのか!!?

頑張れば出来るじゃないか。

 

ゾロが攻撃を、俺がゾロが受けそうな攻撃をガードする。

二人でアーロンに向かって行く。

 

ゾロがアーロンの鼻に向かって刀を震る。

アーロンが強靭な鼻でそれを受け止めた。

 

あのぉ?そんなに密着されると鏡を張りにくいんですけど!

しかたがないので隣でなぜか止まっているタコの魚人をどうにかしますか。

 

 

 




気づいたら原作十巻に………追いつく頃には何話になっているのやら。


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150 第七十二話 時間稼ぎ終了。

先ずはタコの魚人を速攻で終わらせる!

 

剃からの回し蹴り。

くゥッ!!

流石、魚人。重たい!

 

何とかタコの魚人を蹴とばして、海に落とし………た。

ヤバッ!!

魚人を海に落としてどうするんだよ!

 

俺が焦っていると、ウソップの声が響いた。

 

「ゾロォ!!!!」

 

慌ててゾロとアーロンに意識を向けると、ゾロの首元を鷲掴みにして血塗れの包帯をアーロンが引き千切っているところだった。

俺が縫ってあった傷は開いて、血が絶えず流れ出ている。

 

やっぱり、強引にでも辞めさせるべきだったかな!?

 

とりあえず、これ以上攻撃を受けないように、ゾロの首より下に鏡を張る。

これでゾロが殺される心配はないだろう。

それよりもあのタコの魚人を海に入れた事が心配だ。

 

「ジーク、心配しなくても良い。大人しくしてりゃぁ、開かねぇ傷もあっただろうに」

 

ゾロが俺の事を見透かしたかのように言った。

 

タコの魚人の事を言ったのか?

 

「それならいいが、俺はお前の状態が心配だ」

「ハッハッハッ、そう言うことか。そいつは心配しながら見てるがいい!!」

 

俺が鏡を張っていることにも気づかずにゾロに止めの腕を振り上げて……

 

「タコ助の事さ…」

「何ぃ!?」

 

今更気づいたのか、アローンが寸前で腕を止めた。命拾いしたゾロ。

勿論、あのまま振り下ろしても、ゾロに触れることなく俺が張った鏡に遮られて自分の手にダメージが跳ね返ったのだが。

 

「・・・言っただろ?このゲームは俺達の勝ちだ」

 

ゾロの勝利宣言。

その時、アーロンパーク付近の海から何かが空に飛び上がった。

 

俺が言えた事じゃないが今まで役立たずだった、ルフィだ。

 

ルフィはゾロに手を伸ばして「交代だ!」と言ってゾロを空に吹き飛ばし、アーロンに突っ込んだ。

そのまま攻撃に出るルフィ。

俺は張ってあった鏡を消すとお空に飛んだゾロを回収、もとい救出すべく月歩を使い、その場を離れた。

 

ルフィの奴、思いっ切り飛ばしやがって。

 

落ちてくるゾロをキャッチし正面入口の横にある岸に降ろす。

 

「あいつ……コロス……!!」

「相当怒ってんなゾロ。応急処置したいから仰向けになってくれない?」

 

降ろすなり、ベッターと地面に仰向けになるゾロは俺に礼も言わず、ルフィに怒りを抱く。

ゾロはあのままだと、海に真っ逆さまに落ちるはずだったところを俺が助けてやった。

 

無理矢理、仰向けにしてもいいよな。

改めてゾロの傷を見ると、俺が縫った処置が全くの無駄になっていた。

 

ナミの家から包帯を追加しておいて正解だったな。

 




ジークを無双、までとはいかないけど、ゾロがルフィに吹き飛ばさせるが為にハチを海に落とすと言う凡ミスを・・・。
ジークはこんなうっかり者じゃないはずなんだけどな………。


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151 第七十三話 アーロンパークの終わり

無茶をしたゾロの応急処置をしている最中だった。

 

声が聞こえた。

 

 

「おれは剣術を使えねぇんだ!!」

 

ゾロのこと

 

「航海術も持ってねぇ!!」

 

ナミのこと

 

「料理もできねぇし!!」

 

サンジのこと

 

「ウソもつけねぇッ!!」

 

ウソップのこと

 

「色んな知識も持ってねぇ!!」

 

俺のこと

 

「おれは助けてもらわないと生きていけない自信がある!!」

 

 

それはそうだ。

俺も一人でこの海を生きていくことはできない。

 

 

 

ならルフィのできる事は?

 

「お前に勝てる!!」

 

この船でルフィができること、それはアーロンに勝てること。

 

 

俺にはゾロほど剣術を使えないし、ナミほど航海術も持ってない、サンジほど料理もできない、ウソップほど面白いウソもつけない。

俺に出来る事はなんだ?

ルフィが言ったように色んな知識を持っていることか!?

どれも中途半端な知識ばかりな俺にそう言われる筋合いはあるのか?

 

自信が持てるモノが欲しい。

 

ルフィと旅をして自信が持てるモノを探そう。

 

俺の夢を叶える為だけの旅に新たな目的が出来た瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

崩壊の音がする。

ルフィの攻撃によってアーロンパークが崩れ落ちる音だ。

 

「ヴッ!」

 

降ってくるガレキの破片の一つが隣で眠っていたゾロに落ち、たたき起こした。

俺はアーロンパーク内を覗くとガレキの山のてっぺんにルフィが這い出るのを見た。

 

「ルフィが勝ったみたいだな」

「やっと終わったな。これでグランドラインを目指せるぜ」

 

俺達の船にナミが正式な仲間になった時だった。

 

「さて、中に入るか?」

「そうだな、いつまでも此処にいちゃしょうがねぇ」

 

中に入ると海軍の見た顔が居た。

 

あれは確か、ナミのお金を横取りした買収済みの海兵だったけ?

アーロンを倒した手柄を横取りするつもりだ。

 

「海兵がそんな事するな!!」

 

そんなことさせるかよ!と後ろから偉そうな奴を蹴り飛ばす。

 

今回の戦いで、ほとんど役立たずだった俺は最後くらいは仕事をしようと一人で海兵を叩きのめそうとしたのだが、いつの間にかルフィ、ゾロ、サンジ、ウソップも参戦しあっという間に一網打尽にした。

 

最後に一番被害を受けたナミが大佐の頬をぶっ叩き、金品を返してもらえるように強迫した。

 

海兵はルフィに「復習してやる!!」と捨て台詞とやらを吐き、泳いで逃げて行った。

 

海軍第十六支部のネズミ大佐、か……。

ご丁寧に支部と名前まで教えてくれるとは………。

数日後、あいつ等が海軍から追い出されてなければいいけどな。

 

さて、ゾロを村の医者まで連れて行こう。



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152 第七十四話 ネズミの手柄

 イーストブルーにある海軍基地第十六支部の一番高い部屋。即ち、基地長のネズミ大佐の部屋だ。

 

八年前からアーロンから賄賂を受け取り、アーロンの情報を操作してうまい汁を取り続けていたがそれも突然、今日で終わってしまった。

突然現れた海賊達がアーロン一味を倒してしまい、ならばと手柄を横取りしようとするも逆にボコボコにされる始末。

 

彼はこの怒りを如何にか治めようと本部に連絡を入れていた。

 

「いいな、そいつは凶悪な海賊だ!!生死問わず、全世界の指名手配犯にしてくれ!!!」

 

あのアーロンを討った麦わら帽子を被ったルフィとか言うガキを本部に指名手配犯の要請をしたネズミ大佐はそれでも怒りが治まらなかった。

 

俺の顔を殴ったあの銀髪の女、奴も絶対に許さん!!

 

「それと更に大佐である私に暴力を振った仲間の写真も追加しておく!!そちらもよろしく願う!!」

 

後悔してももう遅いぞ。

 

 

この日、彼が報告したことで海軍本部で急速に会議が行われた。

元帥と大将、中将の一部で問題視されていた人物の消息がつかめたからだ。

 

 

 

 

 

 場面は変わりジーク視点。

 

 

俺達がアーロン一味を倒してから三日が経った。

未だ島中を上げた祭りは収まらない。

 

あの後、島のドクターにゾロの傷を見てもらい、ちゃんとした治療をしてもらったゾロは

既に動ける様になっており、町のどこかで酒をのんでいる。

普通なら全治二年、もう動ける様になったのは人間離れした回復力のお陰。

因みにドクターに一度縫ってあった跡が綺麗だと褒められた。

それで船医でないと知ったら更に驚かれた。

もう、治療の技術をこれ以上伸ばさざるおえない状況に会いたくない。

早く船医が欲しい。

 

兎も角、今夜も宴は続く。

ルフィは食べ物を求めて島中を走り回り、ゾロは食事をし酒を飲み寝る。

サンジは島の女性に声を掛けて、ウソップが歌う。

そんな感じだったらしい。

 

俺は宴を少し覗いた後はずっとメリー号に残っていた。

はしゃいだ雰囲気が苦手、だからではない。

アーロン一味と戦っている間は仕方なかったにしても、何時間も何時間も船に誰一人として残っていないのは海賊に限らず船で旅をする者には有り得ない。

航海士が仲間になって宴の間に船が盗まれました。では冗談じゃない。

よって俺が船に残って船番をしていた。

 

途中で誰か交代してくれると思ったら誰も来なかった。

後で文句言ってやる。

 

しかしただ待っていただけでない。

一人の時にしかできない事をやっていた。

あの機械を触っていたのだ。

 

 



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153 第七十五話 ココヤシ村出発

これを読んでる頃はハッピーハロウィンか!?
自分はトレクルのズゴフェスでヴィンスモーク家を狙うか迷っています。


やっとお祭り騒ぎも終わり、出発の朝がやってきた。

ココヤシ村の人々の好意によって物質も最低限もらい、船に積み上げも完了した。

 

「あっしらは本業の賞金稼ぎに戻りやす。兄貴達には今までお世話になりやした」

「ここでお別れっすけど、また会える日を楽しみにしてっす」

 

俺達のよりも一足先にヨサクとジョニーが簡単な挨拶をしてこの島を去っていった。

 

初めはバラティエへの案内から始まった付き合い。

ここまで突合ってくれたが、あの二人がいなければナミに船を盗まれた時、ナミを追えなかっただろう。

二人との出逢いに感謝を。

そして、今後の賞金稼ぎ人生にいい結果を。

 

「しっかし、来ねぇなあいつ」

「来ねえんじゃねぇのか?」

「来ねえのか?ナミさんはこないのか!!??オォォォ!!」

「来るはずだから落ち着けってサンジ」

 

今、ココヤシ村の人々が見送りに来ている中、いつまで経ってもナミがやってこず、痺れを切らしたウソップの言葉にゾロが余計なことを適当に言い、サンジが暴れ俺が宥める。

 

ゾロの奴、無意識にサンジを煽るな。

サンジもまるでナミの為にこの船に乗った様な焦りだ。

ホントにそうじゃないよな。

 

 

「お前な、どこにも無かったぞ!!生ハムメロン!!」

 

今、関係ないだろそれ!

でも懐かしいな、生ハムメロン。

子供の頃、食事に出てたっけ?

家を出てからメロンが高いから、全然食べてなかったな。

あるんだったら、見つけて食べれば良かった。

 

 

この話は置いておいて

 

「船を出して!!」

 

やっと聞こえたナミの声。

ナミは向かって走ってくる。

ルフィが「とにかく出すか」と言ったのでこちらは出港の準備。

碇を上げて帆を張る。

 

別れも言わずに出港するようだよ気づいた村人達は分かれくらい言いたい、とナミを

止めようとする。

村の人々を縫うように進んでくるナミ。

そして船の後ろに飛び乗った。

服の中から大量の財布落としながら。

ようやく財布がないと気づく村人達に向かってナミはお金を持ってニヤッと笑い

 

「皆、元気でね♡」

「「「「「や、やりやがったなぁ!!!!あのクソガキャーーー!!!」

 

感動な別れも一転してナミに怒りを向ける。

俺達はというと

 

「おい、変わってねぇぞ。コイツ」

「またいつ裏切ることか」

「ナミさんグーーーッ!!」

「だっはっはっはっはっは」

「ハァ・・・外は返してやれよ」

 

それぞれ思い思い言っていた。

 

中のお金は兎も角、外の入れ物がなくなるのは俺は辛い。

 

ナミへの怒りも消え、何時しか村人達も笑っている。

最後にナミが俺が初めて見た心からの笑顔で

 

「じゃあねみんな!!!行ってくる!!!」

 

こうして俺達は航海士を仲間に入れてグランドラインを目指す。




八月二十三日より連載開始した第五章ココヤシ村編は今回で終わり
長かった、記念短編を除いて二十六話も!
次回からは第一部最後の第六章ローグタウンが始まります。
この島ではいろんな意味で世界最強(暫定)が登場!


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*第一編 ジーク  *第一部 ただ何もしない 東の海 *第一章 ローグタウン
154 第七十六話 新聞


さぁ、遂に明日っていうかこれを投稿して三十分後、ワンピース八十七巻発売です!!
発売日は記念短編を上げます。


 朝になると海にはカモメが飛び交う。

ただのカモメではない、『世界経済新聞』通称『世径』。

この新聞を世界中の海に配達しているのが、このカモメ『ニュース・クー』だ。

名の通り、新聞の内容は発行所である世界政府に都合の良い内容しか載っていない。

 

俺も一度この新聞に載ったことがあるけど、いいように記事の内容が膨張されていた。

真実が伝わらないこともあるこの新聞。地域によっては民間の新聞社もあるが、世界中どこでも手に入る世径を俺は子供の時から読んいた。

 

「また値上がりしたの?」

 

今日も帽子と首掛けバッグを付けているニュース・クーが新聞を配達にやって来たのだが買い手であるナミが文句を言っている。

ナミが買うならそれでいいんだが、俺も新聞は出来るだけ毎日読みたい。

 

助け舟を出してやった。

 

「嫌なら俺が払うよ」

 

横からお金をバッグの中に入れて新聞をナミの手から取る。

 

「あッ!ちょっと!?」

「なんだよ?金を払ったのは俺だ、先に読むくらい良いだろう?」

「ていうかあんた、新聞なんて読んでたの?」

「失礼だな!新聞くらい読まないと情報が入ってこないだろ!」

「へぇ~?」

 

ナミは俺が毎日新聞を買っていると知ると、何かを考えている目で見てきた。

何か言われる前に逃げよう、そう思った時だった。

 

「なら、今後もよろしくね」

「何を言って……ッ!?」

 

ナミは俺にこれから先、新聞を買えって言いたいのだ。

俺が惚けているうちに俺の手から新聞を奪い取って行った。

 

してやられた!

そう思った時には時すでに遅し、ナミはウソップとの話を終えビーチチェアに座り新聞を読んでいた。

 

 

 

カフェオレでも作ってこようかな?

 

読み終わったら直ぐに返してもらおうと、ナミの近くに座って待っていると作業をしていたウソップにルフィが降ってきた。

やったのはサンジ、彼はナミがココヤシ村から持って来た三本のミカンの木を守る曰く、恋の警備をしていた。

ルフィはナミのミカンを取ろうとしてサンジに見つかったのだろう。

 

いいように使われて、これでいいのだろうか?

まぁ、本人が幸せそうだから問題ないか、コックの役割さえ出来ていれば。

ウソップ、いつまで叫んでるんだ?というか目、洗った方がいいんじゃ?

 

 

 

「しかし世の中荒れてるわ。ヴィラでまたクーデターか……」

 

ナミが新聞のページをめくった拍子に、挟んであった紙が二枚落ちた。

 

「「「「「あああぁぁぁぁぁッ!!!!!」」」」」

 

全員が……寝ていたゾロを除く五人が、その紙を見て声を上げた。

 




なんかタイミングが原作とずれているとこもあるが、二次創作だから気にしないで下さい。


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155 原作八十七巻発売記念短編

皆さんはもう読まれましたか?
カタクリさん、マジカッコイイ!!
今から八十七巻のプロットが頭の中で大暴走中。
ってやばっ、明日は受験だあぁぁ!!


ビッグ・マムと物凄い勢いでお菓子を食べ続けるお嬢。

ティカはため息をつくとお嬢に物申した。

 

「お嬢様。リンリン様とのお茶会もよろしいでしょうが、訪問の理由をお忘れではないでしょうか?」

「ん?俺とのお茶会がメインじゃないのかい!?」

「モグモグモグモグ、ゴックン。……?」

 

口の中のお菓子を飲み込んだお嬢は数秒ティカを見つめ返し、首を傾げた。

ティカは「やっぱり、お忘れでしたか……」と聞こえない様に呟くと、今回の目的を思い出させた。

 

「ケーキの材料を貰いに来たのではないのですか?」

「あ~~~、そうだっけ!?もう三ヶ月も経っちゃったから忘れちゃったよ!!」

「まだ一日も経ってはいませんが?」

「い~い~の!お嬢の中では経ったの!!」

 

一日をなぜか三ヶ月も経ったと言い張るお嬢はふてくされてテーブルにあるお菓子をやけ食いし始めた。

 

「ハァ・・・。ではリンリン様、と言う訳でケーキの材料を用意してもらえますか?ここの材料は最高級な物でして、お祝い事にはピッタリなのです」

「何かのお祝いなのかい?俺も出席はダメか?」

「えぇ、今回は私とお嬢様の二人でさせて頂きますので……残念ながら、ダメです」

 

四皇の願いを主人に相談もせずスッパリと切り捨てるティカ。

ビッグ・マムはあっさりと引き下がる。

 

「なら仕方ないね。オイ!話は聞いたね!!ケーキの材料を用意しな!!………ホントに残念だ、ティカの料理はシュトロイゼンと同等の美味しさなんだがね」

「またご機会がございましたら、用意致します」

 

飽くまでもティカはお嬢のメイドだ。

お嬢の指示が無い限り、勝手な行動はしない。

そのことを覚えて欲しい。

 

お嬢はお菓子食べただけで、ティカにほぼ任っせきりにして世界最高峰のケース材料をタダで手に入れた。

ティカは材料の用意が終わると、名残惜しそうにテーブルのお菓子に引っ付くお嬢を何とか引きはがしてホールケーキアイランドを去っていった。

 

来るときと同じく、一瞬で移動したことさえ認識させない移動方法で家に帰って来たお嬢とティカ。

 

「全く、お嬢様のお陰で今日しなければならないことが終わってないです」

「ホント!ごめんなさいなのです」

 

ティカの愚痴にしょんぼりとするお嬢。

その姿を見ているとティカは怒れない。

その天真爛漫な態度が計算されていない事祈るばかりだ。

 

「なので、明日一日ティカはお休みを上げます」

「ッ!!あ、ありがとうございます。それではケーキの作成に取り掛かりますね」

 

 

「それではもう一度ッ!!ワンピース連載二十周年、おめでとう~~~~!!!!!!」

 

 




何回目かになりますが、短編は本編では一切起こってない出来事ですので起きお付け下さい。

早くお嬢を書きたくなって始めたこの短編ですが、ここで終わりです。

お嬢とは一体何者なのか?
まぁ予想は付いてると思いますが、それプラスで物凄い設定を考えています。
オリキャラはまだまだ登場していきますがそれなりに作りこんでいます。
ただそれを文章に表せるかどうかの問題、文才が欲しい。


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156 第七十七話 六千万の賞金首

受験、終わったぁ!!
まだ受かってはないぞ。


世界を一周する偉大な航路、グランドライン。

そのほぼ中央に位置する世界政府の管理下にある島、マリンフォード。

島の中央にある巨大な建物を中心に幾つかの錬で出来ている敷地こそ、全世界の平和を守る海軍の本部だ。

島一つが軍の物だが、海兵の家族がなど暮らす一般人や将校クラスの個人宅も存在している。

 

その海軍本部ではお偉いさん方が首をかしげていた。

 つい先ほど東の海で最高額の賞金首モンキー・D・ルフィの会議を上げていたが、会議が終わって直ぐに別の会議が行われていた。

先ほどの会議と違い、元帥と二人の中将だけを集めた極秘の最高会議だ。

 

「遂に奴が船を選びおった」

「ぶはっはっはっはっは!!」

「笑い事じゃないぞ!!ガープ!!奴が選んだ船長はお前の孫だぞ!!!」

 

緊迫して始まったこの会議だが、それも元帥の一言言った瞬間、終わってしまった。

空気を読まず場を乱したのは海軍本部中将『英雄ガープ』

元帥である『仏のセンゴク』とは大海賊時代以前からの仲な為、こうもふざけても怒られるだけで済む。

 

「『ジーク・クリューギュロス』奴は彼女の子だよ。必ずあの一味は成長するはずさ」

「……おつるちゃん」

 

も一人の主席者、『大参謀おつる』名の通り、元帥を支える海軍の参謀だ。

この三人は海兵学校の頃からの付き合い、今回の会議と名の会合がこの三人なわけにも理由がある。

 

「今まで何もしてこなかった奴が船に入った。これは野放しにはできないね」

「七武海に空きでもあったなら奴を直ぐに入れる様に政府からも通達が来ている」

「当然だね、あいつにはもう知らせたよ。今頃、躍起になって追いかけているはずさ」

「帰らせろ、書類が溜まっている」

 

ハァ・・・とため息を吐く二人を置いてガープは一人、バリバリと煎餅を食べていた。

 

 

 

 

 

俺達の船では大騒ぎになっていた。

新聞から落ちた二枚の紙、それは俺とルフィの手配書だった。

 

 

『モンキー・D・ルフィ』三千万ベリー

 

『ジーク・クリューギュロス』六千万ベリー

 

 

お尋ね者になった訳で、ルフィは大はしゃぎ、ウソップも後頭部が隅っこに写っていると嬉しがり、ナミはこれで本格的に海軍に狙われるとガックリしている。

 

「ジークも賞金首になったんだな。副船長だからか?」

「そういや、賞金も妙に高いな。なんもしてない癖に!」

 

ウソップとサンジが当たってくる。

俺が説明する前にナミがしてくれた。

 

「あのね!ジークは元から賞金首なの!」

「元々グランドラインにいたから、イーストブルーじゃ知る人も少なかっただろ。一人で旅をした俺が誰かの下に着いたんだ、そりゃあ賞金も上がる」

 

それに海軍に目を点けられてたんだからな。

 

 



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157 第七十八話 到着、ローグタウン

滑り込みセーフ


イーストブルーからグランドラインに入る海賊は必ず、此処を通ってからと言う程有名な町。

ローグタウン、別名『始まりと終わりの町』

かの有名な海賊王『ゴール・D・ロジャー』が生まれ、そして最後に処刑された『大海賊時代』幕開けの町でもある。

 

グランドラインを目指す俺達も例外でなく、船長であるルフィたっての希望でこの町に立ち寄った。

 

「よし!!おれは死刑台を見に行ってくる!!」

 

ルフィは船から降りる他の船員が降りてくるとそう言い、死刑台を目指して突っ走って見えなくなった。

 

賑わっている町の入り口に圧倒しながら、これからの予定を口に出す。

 

「ここは良い食材が手に入りそうだ!」

「おれは装備品でも買いに行くか!」

「……おれも買いてぇもんがある……」

「貸すわよ、利子三倍でね!」

「俺はどうしよっかな?」

 

残った俺達五人は集合場所と時間を決め、サンジは食糧集めとナンパを目的に市場方面に、ウソップは装備品の買いあさりに、ゾロは鷹の目戦で折れた刀の代わりをナミからお金を借り武器屋を探しにそれぞれ散って行った。

 

買い物に行くに当たり、サンジには食材代、ウソップにはサンジが砥石を頼んだ為、砥石代をそれぞれ、船の経費で渡した。

その他で船のお金握っているナミと俺が相談し、おこずかいを捻出し全員(ルフィ以外)に渡した。

 

最後にゾロの刀代は、必需品だし経費で落としたかったが、落とせれなかった。

刀というものは高い。

安物は数万ベリーから最上大業物の数十億ベリーまで幅広く、ゾロが使うとなればある程度の業物でなければまたすぐに折れてしまう。

さらに言うと俺達は食材費や必需品、消耗品の費用が何とか出せる位のお金しかし持っていない(俺とナミの持っている手持ち金は別で)。

業物の刀がホイホイ買える程のお金持ちじゃないのだ。

よってゾロはナミから十万ベリーを借りた、三倍という有り得ない利子を付けられて。

 

俺の手持ち金から貸してやっても良かったのだが、いつまで経っても返ってきそうにないし、ここで貸すべきではないと直感的に思った為、口出しをしなかった。

 

 

 

 

 

 

グランドラインのある島。

突起した岩を中心に島全体を覆いつくしている森があり、人など近寄らない無人島に停泊中の大きなガレオン船。

海賊旗が風によってなびいている姿を見れば、この無人島に停泊している者達が海賊だと言うのには一目瞭然だろう。

 

今、海賊達は宴会中だった、真っ昼間にも関わらず。

事の始まりは海賊団の船長の珍客が訪れた事から始まる。

 

 



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158 第七十九話 鷹の目の訪問

今回は三人称視点でお送りいたします。


「うあぁぁーーー!!」

「鷹の目ッ、貴様何しに来た!!」

 

砂浜でお酒を飲み、楽しんでいた海賊達は、突然現れた鷹の目に警戒を抱く。

海賊達は剣、又はピストルを持ち、鷹の目を取り囲む。

 

「貴様等に用はない。幹部共はどこだ?」

 

鷹の目はそんなことも気にせず、この海賊団の幹部を探す。

 

「こんなところでキャンプとは……吞気な男だ」

 

周りの海賊共を放っておいて鷹の目はこの海賊団の船長を思い出した。

 

「か、か!!か!!頭ぁ~~~~~~!!」

 

下っ端の海賊が一人、鷹の目が目指す船長や幹部等が滞在している森の奥深くまで大慌てで報告に来た。

その後ろに鷹の目を引き連れ。

 

「よう、鷹の目。こりゃあ珍客だ。俺は今、気分が悪いんだが……勝負でもしに来たか?」

「フン、片腕のお前と今更、勝負をつけたようなどとは思わん」

 

対峙する二人の男。

即一発の雰囲気だが、鷹の目は目の前の片腕の男と争う気はないらしい。

鷹の目はさっさと用件に入った。

 

「面白い海賊達を見つけてだな、お前がしていた昔話を思い出した」

 

鷹の目が取り出したのは二枚の手配書。

それの内一枚を目の前に座っている赤髪の男に渡す。

 

「ある村の…面白いガキの話……」

「「何!!??」」

 

幹部達が声を上げた。

鷹の目が誰の事を話しているかが分かったからだ。

手配書を見て誰だか分かっていた男は嬉しそうにその名を言った。

 

「きたか、ルフィ」

 

その男の名は赤髪海賊団大頭『赤髪のシャンクス』

現在の四皇の一人。

かつて、ルフィの宝物である麦わら帽子を別れ際に、誓いの印として渡した男でもある。

 

まだ小さかったルフィの初手配書、本人を知る者達にとっては嬉しい知らせになる。

シャンクスは飲み過ぎで気持ち悪かったにも関わらず、宴会を開始する。

 

「ん?鷹の目、お前手配書を二枚持ってなかったか?」

 

幹部の一人が思い出し、鷹の目に手配書を出せと言う。

鷹の目は背中をバンバンと叩いて来るシャンクスを引き剝がすともう一枚の手配書をシャンクスに渡した。

 

「麦わらの小僧の、仲間だそうだ」

「「「「「ええええぇぇぇ~~~~~!!!!!」」」」」

「未来ってのはホントに分からねえもんだ」

 

 

 

 

 

 

場所が変わってイーストブルーにあるドーン島ゴア王国の忘れ去られた領土、フーシャ村。

ここでもルフィの初手配書を記念して宴が行われていた。

騒いでる住民達を村長であるウープ・スラップは良しと思っていなかった。

 

「フフ、見てよ村長さん。ルフィの楽しそうな顔」

「海賊は海賊じゃ!」

 




中途半端な場所でもスパッと斬るよ。


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159 第八十話 試着

連続投稿、頑張ります。


 

 

 村唯一の酒場である「PARTYS BAR」の女店主、マキノはルフィが子供の頃から知る人物の一人だ。

 

「あの子の夢だもの……心配?」

 

ウープ・スラップはマキノから出してもらったお酒を飲み

 

「夢か……運命か…」

 

意味深な事を言った。

マキノはウープ・スラップが言った言葉に首をかしげるが、分からないと見ると気を取り直してもう一枚の手配書を見せた。

 

「そうだ!見て、村長さん。この子がルフィの仲間だそうよ」

「……ッ!!何で小娘がおるんじゃ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がローグタウンに来たのは二回目だ。

一回目はイーストブルーに来た当初に寄って死刑台を見てきた。

そのため、死刑台を見に行くのはパス、食材はコックのサンジが買う予定なので俺は日用品や消耗品、治療薬、その他この先の航海で必要な物を買い揃えようとしたのだが……。

 

「どお?」

「おおぉ!お似合いで、お客様!」

「………」

「どお?」

「おおぉ!エレガントで、お客様!!」

「…………」

 

試着室のカーテンが開かれ、様々な服、というより衣装を着たナミが出てくる。

俺は立てた予定を一切無視され、ナミの買い物に付き合わされていた。

 

「どお?」

「エレメントで!」

「どお?」

「エレクトリカルで!!」

「どお?」

「エレジーで!!!」

「どお?」

「エロエロで!!!!」

「エキセントリックで!!!!!」

 

表現のしかたが”え”から始まる褒め言葉しかないのかよ!!

っというかエロエロでってセクハラだぞ!

 

何十着も試すナミに飽きてきた頃、遂にナミの試着が終わった。

元の服に着替えたナミは俺のとこまで来るなり

 

「何で感想の一言も言わない訳よ!!」

「いや、女性の服に感想を求められても……」

「素直に褒めておけばいいのよ!」

 

服の感想を言わずに黙って見ていた事を怒られた。

 

素直に褒めればって、別に思ってもない事をわざわざ口に出して言うことないじゃないか。

しかも無理矢理、引き連れて来て服の感想とか、ルフィとは違った意味で自分勝手な奴。

 

「お、お客様?こちら全てお買い上げで?」

 

ナミが試着した衣装を台の上に移動した店員が息を切らしながらもニッコリと接客してくる。

 

この量を買うと服にしては物凄い金額になるな。

店員も分かって対応したのだろう。

全部は量的にも、金額的にも買わないだろうが、ちょっとくらいは買うだろう。

 

俺は甘く見ていた、ナミの非道さを…。

 

「ううん、いらない。私、もっとラフなのが欲しいのよ」

「またのご来店を!!」

「動きやすくてさ」

 

なら、なぜ高級服店に入って試着した!!

店員さん泣いてるぞ。

 

 

 

 



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160 第八十一話 お買い物の終わり

連続投稿頑張ります。とか言っておきながら一日空きました。
ごめんなさい。


「他いくわよ」

 

とナミが俺に言って別な店に連れて行かれる。

 

「なぁ、俺もそろそろ買い物がしたいんだが?」

「なぁに?可愛い女の子を一人残して何処か行こうっての?」

 

怖い怖い怖い怖い。

瞳に怪しい光が籠ってるよ、この女。

 

「分かったら、次のお店に行きましょう」

「……はぁ、分かったよ。付き合えばいんだろ!?」

 

ってかサンジだったらこんな役目、喜んでやるぞ。

何で俺なんだよ?

 

 

 

次にナミが入った店はさっきとは違い庶民的な服店、そこで次々と俺に服を持たせてくる。

 

服だからいいものの、もう腕が限界だぞ。

幾ら買うつもりだ。

 

「これ下さい」

「これ全部!?お金あんだろうね!?」

「失礼ね、あるわよ」

 

さっきの高級服店と違って物凄い金額になることはないだろうがそれでも、量が多すぎじゃないですか!?

これから先、島に何時寄れるか分からない状況になるので、着回しの為に服を多めに買うのは分かりますよ。

でも、この量はない。

このお店の一週間の売り上げと同じくらいありそうで、店のおばちゃんが物凄い笑顔だ。

 

 

またよろしくねーと手を振るおばちゃんに見送られて、手ぶらのナミと買った服を持たされた俺がお店を出た時だった。

 

「ん?」

「どうかしたのか?自分の荷物を自分で持って、俺を解放する気にでもなったか?」

「そんな事ないわ。それよりも、空気が変わった……」

「空気が!?」

 

お店に入った時と変わりはないと思う。

しかしナミは何か感じ取ったのかお店に戻り、おばちゃんにビニールを貰った。

 

 

 

ナミの歩くペースが心なしか速い気がする。

何をそんなに急いでいるんだ?

 

「なぁ?何でそんなに早足なんだよ?」

「気圧が異常に落ちていくのよ。早く船に戻った方が無難かも」

 

ッ!!気圧が落ちていた事をお店から出た時に身体で感じとっていたのか!!?

これがグランドラインでも通用するなら……!!

後はあれが手に入るといいんだがな。

 

丁度その時、刀を三本ぶら下げたゾロと大きな魚を担いだウソップとサンジにバッタリ出くわした。

 

「それで……あいつは?」

「死刑台を見るって言ってたわよね?」

「死刑台のある広場ってここじゃねぇか?」

「気のせいか?騒ぎが起こっているんだが……まさかな」

 

全員で騒ぎの起こっている方向即ち、死刑台を見ると……

 

「「「「「な!!?何であいつが死刑台に!!!!!」」」」」

 

我らが船長が死刑台の上で首枷をはめられ、身動きが取れない姿があった。

 

何でルフィが死刑されそうになってんだよ!!!?




誤字、死刑台を処刑台と書いてありました。
見つけれて良かった。


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161 第八十二話 バギーを止めろ

今回も短いです


『                                            歴史は繰り返される。

 

  今思えば、この時から既に計画は始まっていたのだ。

 

  世界を一つにする計画が・・・・・・・・・神が恐れていた、干渉の果てにある崩壊が

                                          』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィを抑え付けるなんて、そうとう強い奴らなんだろうな!?そう思っていた時期が俺にもあった。

死刑台の上でルフィを死刑にしようとしている奴らを見るまでは。

 

 

「罪人海賊モンキー・D・ルフィは『つけ上がっちまって俺様を怒らせた刑』により、『ハデ死刑~~~~っ』!!!!!!ハデに騒げ!!」

 

「ひゃっほう~~~っ!!」

 

「動くんじゃねぇぞ、テメェら!!」

 

ピストルを抜いて空に向かって撃ち、周りにいる一般人を動かさない海賊達。

 

 

「これよりハデ死刑を公開執行する!!!!!!」

 

ぎゃーはっはっはっはっは、と一般人に宣告するのは海賊『道化のバギー』だった。

 

 

 

 

 

「ゾロ、サンジ!行くぞ」

 

「ハァ・・・」

 

「ったく、ルフィの奴」

 

 なんだバギーかよ、と思いつつ死刑台の上で、身動きができない船長の姿を見た俺達の行動は速かった。

 

俺とサンジは持っていた荷物、つまり大量の服が入った袋とデカい魚をナミとウソップに押しつけ、ゾロを合した三人でルフィの死刑を止めるべく走った。

 

 

俺は剃を使い一刻も早くルフィを助けたかったが、剃を使えずにいた。

 

この騒ぎに気づいた海軍が、とっくに広場を囲っているのは俺にとって予測出来ていること。

俺は海軍の目の前で六式を使ったことがない。つまり、海軍は俺が六式を使える事を知らない。

六式は世界政府が使う武術、どこで習得したかを知るために更にしつこく追手が来るだろう。

 

要は自分の身の安全の為に使えないでいた。

 

 

俺達三人はなかなか前に進めないでいた。

死刑台の周りには大人数の一般人が足を止めてルフィとバギーの行方を見ている。

自然の足止めが発動していた。

 

 

その時だ。

 

「おれは!!海賊王になる男だ!!!!」

 

よりによって、この町の死刑台の上でルフィが宣言した。

海賊王が死んだ場所で海賊王になると。

 

一般人らがルフィの宣言を聞き、ざわめきだす。

 

俺はルフィの宣言を聞き、はっとなる。

 

もう海軍なんか気にしている場合ではない。

 

気づけば叫んでいた。

 

声が重なる

 

「「「その死刑待て!!!」」」

 

同じタイミングでゾロとサンジもバギーに対して声を上げていた。

 

「ゾロ!サンジ!ジーク!助けてくれ!!!」

 

「来たな、ゾロにジーク!!だが、一足遅かったな…!!」

 

バギーは俺達を見ると剣を振りかぶる。

 

「とにかく、あの死刑台を壊すんだ!!」

 

「わかってるよ!!」

 

「死刑台じゃなくてもバギーを止めれさえすれば!!」

 

間に合えよ!!俺!!

 

 




大分良くなったかな?
次回、オリキャラ登場!!


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162 第八十三話 アブナイ瞳

大変長らくお待たせいたしました。


俺の鏡でルフィの首に鏡を張り、バギーが振り下ろす剣を跳ね返す。

それすら出来れば、ゾロとサンジが死刑台をぶっ壊すだろう。

 

しかし、距離が遠い。俺の能力の有効範囲外だ。

更に厄介な事が

 

「やっちまいな!お前たち!!」

「「「やっちまいます!アルビダ姉さん!!!」」」

 

ひゃっほう~~~と金棒を持った女性の命令を受け、俺達の足止めに出てくるバギー一味。

ゾロとサンジが足止めを喰らう。

 

あの女性がアルビダと呼ばれていることが気になったが、同名の人違いだと思うことにした。

俺の知っているアルビダは金棒は持っていても、あんなにも美人ではなかった。

 

 

 

俺は能力の有効範囲内に入ればと、地面を蹴った。

向かう方向は空。

空気を蹴り、脚力だけで宙に浮く技、月歩を使った。

 

空から能力の有効範囲に入らせて・・・・・・

 

 

 

寒気がした。

 

俺が今まで体験したことのない程の寒気だ。

まるで圧倒的強者を目の前にした寒気。

問題は、俺が今まで会ってことがある世界レベルの強者等。

その中でもダントツにヤバい気配だと分かったことだ。

 

その寒気と気配に気を取られ、空にいた俺は落下した。

受け身で衝撃を和らげると同時に今、俺が張れる鏡の中で最も強度の高い物を俺の周りに展開する。

 

どこだ!!?

ローグタウンにこんなバケモノが・・・

 

「ゾロ!!サンジ!!ウソップ!!ナミ!!ジーク!!」

 

ルフィの声が聞こえ、死刑台を見た。

バギーがルフィの首に剣を振り下ろす瞬間、俺は見た。

 

ルフィを見上げる俺の視界の端に映る寒気の気配の正体。

 

そいつは死刑台の真後ろの建物、その屋根の上にいた。

 

恐ろしく整った顔立ち、肩付近まで無左座に伸ばした赤髪はまるで血で染めた様に赤黒い。

そいつは何者にも染められない真っ黒のマントを着て、俺達を見下ろしていた。

何よりも異色なのは、嵐の風によって揺れる前髪から覗く瞳。

左眼は見慣れた銀色、反対側の右眼はこれまた見慣れた金色。

 

そいつのオッドアイは明らかに異常。

そいつはその両目で俺を見ていた。

 

俺がそいつを見上げたことにより目が合った。

 

俺はその瞬間、ルフィのことも敵に囲まれていることも何もかも忘れ、ただひたすら銀と金の瞳を見ていた。

 

なんだ?頭がボーっとする。

とにかくあの瞳を見なくては。

 

そんな感情が頭を占めていた。

 

「わりい、おれ死んだ」

 

誰かの声が聞こえた時、カミナリが落ちて俺からそいつを隠した。

 

雷が落ちた一瞬でそいつは消えていた。

その瞳から視線を外したことにより俺は自由を取り戻した。

 

 




イーストブルーで書きたかったシーンです。


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163 第八十四話 「逃げる足止めをしろ!」

ワンピース二十周年一番くじを買います。
もちろん全部!これってヤバい?普通ですよね!


あの気味の悪い瞳は何だったのだろか?

 

周りが見えなくなっていた。

 

 

あの落雷は俺の自由を取り戻すと同時にルフィの自由も取り戻した。

世界政府の管理下にある特別死刑台は落雷を受け、燃え倒れる。

 

 

あの時、落雷が落ちてくれて助かった。

 

 

落雷が合図かのようにポツ、ポツ、ザァーと降り始める雨。

ひらひらと落ちてきた麦わら帽子を拾い、被り直すと

 

「なはは、やっぱ生きてた。もうけもうけっ!」

 

ルフィは先程まで殺されそうになっていた者とは思えない程、完結に言って笑っている。

 

 

あのまま見続けていたなら、俺はどうなっていたのだろうか?

 

 

「おいお前、神を信じるか?」

「バカ言ってねぇで、さっさとこの町を出るぞ。もうひと騒動ありそうだ」

 

サンジがゾロに神の存在を訊ねるが、ゾロはサンジの問を無視。

 

 

・・・考えるのも、怖い。

 

 

「広場を包囲!!海賊共を追い込め!!」

 

広場を包囲し海賊を捕らえろ!と海兵があらゆる方向から現れる。

 

「きた!逃げろぉぉ!!おい道どっちだ!?」

「おいジーク!!!ぼっけとするな、逃げるぞ!!」

 

ルフィを先頭に走るゾロが俺を呼ぶことにより、俺は思考を入れ替える。

 

「悪い」

 

一言、謝って俺も三人に続く。

 

 

逃げながらゾロが言った。

 

「敵が追ってくるな」

「そうだな」

 

俺も後ろをチラッと見て、肯定する。

ルフィが提案した。

 

「止まって戦うか?」

「やめとけ、キリがねぇ」

 

サンジがキリがないとルフィを止める。

そういやあ、とゾロが言った。

 

「誰かが戦闘中に突っ立てったよな」

「うっ!」

 

気まずい

 

「空を飛んだと思ったら、急に落っこちて動かねぇかったな」

 

サンジも俺の傷を抉る。

 

「結果的にはルフィは助かったものの、お前なら最も早く助けることが出来たんじゃねぇか!?」

「一人だけ何もしなかったもんな」

 

こ、コイツら!!

 

「あーー!!分かったよ!!追手を足止めすればいいんだろう!!?」

 

乗せられるがままに言ってやった。

 

「悪いな」

「お前の能力なら簡単だろ?」

「じゃあ頼んだ」

 

三人はそれぞれ俺に言って走り去る。

 

後ろから追って来ていた海兵等は、俺が止まった事で止まる。

一部が通り過ぎようとするが、させるかよ!

 

「ミラーウォール!」

「うわぁ!」

「跳ね返る!?鏡か?」

 

ミラーウォールにより、後ろに弾き飛ばされる二人の海兵を見て、進もうした者は立ち止まる。

 

「懸賞金六千万ベリー、『月銀 ジーク・クリューギュロス』ここでお前を捉える!!この数ならば奴も簡単にはにげれまい。かかれぇー!!」

 

俺の足止め戦闘が始まった。




コツコツと頑張っていきます。


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164 第八十五話 一対複数の戦闘について

オォォォ!!キャベツゥ~!!
早くポイントよ、溜まれ!
勿論、トレクルですよ。


足止めをすると担架斬った俺は、逃げるわけにも行かず、作戦を立てる。

 

 

さて、この一対多数の戦闘をどう切り抜けるか。

 

俺は今のような味方なし、敵多数の戦闘が苦手だ。

 

未熟な俺は一人の敵に集中してしまい、不意打ちの攻撃に弱い。

体を常に鏡で覆って置ける程の体力がなく、避けるか攻撃が当たる部分をピンポイントで鏡を張って防御するしかない。紙絵や剃を重点的に覚えたのはその為だ。

敵が視界内にいなければいけない、という一対一の戦闘向けのスタイルなのだ。

 

故に敵が複数だった場合は一人又は視界内からの攻撃に集中してしまい、視界外からの攻撃に気づかず、攻撃を喰らってしまう。

俺が見聞色の覇気を覚えていたのなら、視界外からの攻撃にも対処できるようになるはず。

 

早く覚えないとな、あれで習得方法を調べてみるか。

 

 

見聞色の覇気の大切さを今一度確認していると、海兵が攻めてくる。

俺は道を塞ぐ様に展開していた鏡を消すと、戦闘態勢に入った。

 

一つ言うが、俺は一対多数の戦闘が苦手なだけで、戦闘方法がないわけではない。

ただ防御一択に絞り、敵の攻撃をひたすらに跳ね返し続ける。

これは、先程も言った通り俺は体を常に鏡で覆って置ける程の体力がない。

しかしそれは、体を動かしている状態でのこと。

なら、止まった状態ではどうだろうか?

答えは、体中に鏡を纏える、だ。

 

しかし、欠点もある。

鏡を纏うことに集中し、動けないのだ。

 

敵が俺だけを敵視している戦闘ならこの戦法でも大丈夫だが、今回の敵は海兵。

それも多数も多数、千はいかないだろうが、二百は大きく超える人数がいるはず。

その数全てが俺に向かって来る訳ではない。

増援もあれば、迂回して先を走るルフィ達を追いかける部隊もいる。

 

要するに俺が防御一択を取って、ただ突っ立っているだけでは敵の足止めとは言えない。

確かに俺に向かって来る海兵の数だけ足止めとなるが、何せ俺は動けない。

海軍が包囲することに作戦を変えれば敵の足止めではなく、俺の足止めになってしまう。

そうなってしまえば、この街を仕切る『海軍本部大佐』が出て来る。

 

そいつはルフィと同じく、悪魔の実の能力者だ。

情報によると『モクモクの実の能力者』煙人間、そうロギアだ。

ロギアだと俺も分が悪い。

攻撃を防ぐことは可能だが、こちらの攻撃も当たらない。

ロギアは弱点を突くこと以外には武装色の覇気を纏った攻撃しかダメージを与えられない。

 

つくづくと覇気の大切さを知る俺であった。

 




今回は全然進まず、独り言?心の声?ばっかしになってしまいました。
あぁ、まためんどくさい設定を増やしてしまったと後悔している自分です。
次回はちゃんと進むと思います。


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166 第八十六話 突風

出来たので投稿。

前回のあらすじ

覇気の大切さを再確認した。

以上!


ここまで、頭の中で状況の整理をしながら、次々に襲いかかって来る海兵をなぎ倒す。

 

敵を殴っては避け、蹴っては跳ね返す。

 

一対一の戦法を同時展開して繰り返し行う。

 

 

 

敵の位置を頭で計算しながら戦っているせいか、頭が痛い。

 

幸いにして、手こずる様な海兵は出て来ず、順調に倒していた。様に思えるが俺を囲む海

 

兵の数は一向に減らない。

 

ここに来て、敵の数の暴力と言う力が俺を襲う。

 

倒しても倒しても負傷者を戦闘から外し、未戦闘員が現れる。

 

対して俺は回復も交代もなし、どんどんと体力が消耗している一方だ。

 

どちらが優勢かは明らか。

 

そろそろ、頃合いかな?

 

俺の目的は敵の足止め、ある程度時間を稼いだら、俺も逃げなくてはならない。

 

俺が逃走を考えたその時だった。

 

 

 

突風が吹いた。

方向は中央広場から港に向けて、つまり俺にとって追い風だ。

 

突風は思いもよらない強さを発揮し、海兵の陣形を崩した。

 

チャンスとばかりに俺は、風に乗って走る。

 

 

 

少し行くとゾロが女海兵と口喧嘩をしているのを発見したが、俺が声を掛けるよりも早く、突風を真に受けた。

 

俺がたどり着くと、ゾロは突風を真に受けながらも踏ん張っていた。

 

「ゾロ!チャンスだ、行くぞ!!」

 

「は?うおおおおお!!!??」

 

すれ違いざまにゾロの背中を押して、走る様に促す。

 

するとゾロは突風に負けて吹き飛ばされて行ったものの、どうにか体制を立て直した。

 

「ふざけんなよ、ジーク!!」

 

並走するためにゾロに追いつくいた時に頂いた一言。

 

「怒るのは後、今は足を動かせ!」

 

逃げるのが先だと誤魔化す。

 

「ルフィとサンジはどうした?」

 

「あの女の相手をする為に先に行かせた!」

 

「そうか・・・っとルフィとサンジがいたぞ」

 

前方に見えたのは建物を頼りに立ち上がろうとするサンジ。

 

頭を抑えつけられ身動きが取れないルフィ。

 

ルフィを押さえつけ、拘束している煙草を咥えた男。

あれがこの街を仕切る大佐なのだろう。

 

その後ろにマントを纏った謎の人物が立っている。

 

「うわぁ!!?」

 

「グズグズすんな!」

 

突風によって拘束から解き放たれたルフィをゾロが回収しながら、この場を走り去る。

 

「何だ!?一体なんなんだ!!?」

 

ルフィは何が何だか分かっていないようだが、とにかく走る。

 

この島に閉じ込められないように。

 

 

 

 

 

 ルフィ達を逃してしまったスモーカーは、逃す原因を作った男に質問を投げつけた。

 

「なぜ、あの男に手を貸す!!ドラゴン!!?」

 

問いかけられた男、ドラゴンはこう答えた。

 

「男の船出を邪魔する理由が何処にある」

 




お気に入り登録100件突破、ありがとうございます。


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167 第八十七話 進水式

突然ですが・・・


 自身が問いかけた質問の答えを、ドラゴンから聞いたスモーカーは直ぐに「どういう意味だ!」と再び問い詰めたかった。

 

たかったのだ。

 

スモークが声を出すよりも早く、そいつは現れた。

 

 

「麦わらには会えたか?ドラゴン」

 

 

地面から湧き出るかのようにして現れた、そいつにスモーカーは声を失った。

 

そいつが放つ気迫に圧倒され、スモーカーは声を出せないだけでなく、呼吸すらも忘れた。

 

 

そんなスモーカーを気にせず、ドラゴンは何事もなかったかのように答える。

 

 

「ああ、ついでに月銀もな」

 

「っは!未熟なのが見てわかる。能力は開花してるみたいだが、何処まで中心近く縁を広げられるかが見ものだな」

 

「そろそろ行こう。海軍に見られている」

 

「ん?お!こいつは海軍大佐『白猟のスモーカー』じゃないか?」

 

 

そいつが初めて気づいたかのように反応するとスモーカーは何とか声を絞り出す。

 

 

「き、貴様は何者だ!!?」

 

 

声が震えているのがスモーカーにも分かる。

 

それでも、政府の危険人物として指名手配されている、ドラゴンと親しく話すこの謎の男の正体を突き止めようと言う原動力が、スモーカーを動かす。

 

スモーカーの問にそいつは、何でもないように答えた。

 

 

「俺様はこの星を真に統べる者だ」

 

「・・・は?」

 

「じゃあな、お前を直に見れて良かったぜ」

 

 

そいつはそれだけ言うと現れた時と同じく、地面に溶ける様にその場から消えた。

 

同じようにドラゴンもスモーカーから背を向けて去っていった。

 

それからスモーカーは部下がやって来るまで、そいつの言葉の意味を考え続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

町を出ると俺達の船、メリー号が見えた。

 

直ぐ目の前にある。

 

 

「急げ!!ロープが持たねぇ!!」

 

「スゲー雨だ」

 

「んナミさん、ただいまー!!」

 

 

町から出ると遮る建物が何も無くなったせいか、風がより一層強くて雨が痛い。

 

 

ルフィはそれを感じたようだ。

 

後サンジ、こんな時にふざけるな。

 

 

ナミもそう思ったのか、

 

「早く乗って!!船を出すわよ!!」

 

 

ナミの言い分に従って俺達は出港準備に取り掛かった。

 

と言ってもウソップが粗方終わらせてくれていたのですぐに整った。

 

 

 

 

 

船が転覆しそうになるほどの嵐の中、俺達は光を見つけた。

 

 

「『導きの灯』あの光の先にグランドラインの入り口がある」

 

 

流石、ナミ。

 

良く知ってるな。

 

 

「よっしゃ!偉大なる海に船を浮かべる進水式でもやろうか!!」

 

 

サンジが空樽を転がして提案した。

 

 

「おれはオールブルーを見つける為に」

 

「おれは海賊王!!」

 

「おれァ大剣豪に」

 

「私は世界地図を描くため!!」

 

「お・・・お、おれは勇敢なる海の戦士になるために!!」

 

「俺は・・・ルフィを海賊王にし、あの人を超える為に!!」

 

 

各々の目標を宣言し、樽に足を置く。

 

 

「「「「「「行くぞ!!!グランドライン!!!」」」」」」

 

樽を割った。

 

 

さぁ、あの日の約束を果たしに行こうか!!




・・・今回でこのタイトルは最終回です。

詳細は活動報告覧に


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