やはり俺が人助けをするのは間違っている (雪だるまぱないの)
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地獄からの帰還

どうも、投稿主のぱないのです。
初投稿なので至らぬ点もあると思いますがそこそこ生暖かい目で見守ってやってください。
ちなみに俺ガイル、SAO、ワートリともに年齢やら設定はいじくり回してる為その変のツッコミはナシの方向でw


ーーーーーーゲームクリアおめでとう

 

 

茅場晶彦がこちらを振り返ることなくそう呟いた

 

やっとこのデスゲームから解放されるのか、全く昌彦さんも余計なことをしてくれたもんだ、これで起きた時に小町がいなかったら俺は死ねる自信があるぜ

 

などと感傷に浸っていると

 

「これから君たちはログアウトすることになるがゲームをクリアした君たちに少しだけ現実世界のことを教えてあげよう。今君たちのいた現実世界は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全くと言っていいほどかわってしまっている。」

 

 

 

 

 

は?え、マジかよ。じゃああれか?小町に彼氏が出来たとか小町が結婚してるとか小町が妊娠しちゃったー、とかそういう事ですか?やだなにそれ、小町にまとわりついた虫殺して俺も死のう」

 

なんて考えていると

 

「...ほんとに君は妹さんの事が大切なんだな...」

「...このシスコンが...」

「ハチマンくんそれはちょっと...」

「ハチくんは相変わらずだねぇー」

 

昌彦さん、キリト、アスナ、柚宇さんがそう呟く

あれ?今のもしかして声にでてたのかな?てかキリト、お前も大概シスコンだろうが

もう俺のオアシスは柚宇さんだけだよ.....慶さんいるけど...

 

 

「まぁ、変わっている、という意味では間違ってはないのだけれどね」

 

昌彦さんが話を戻そう、といってそう続けると俺をゴミ虫のように見ていた主に二人の目が昌彦さんへと戻る、ナイスフォロー昌彦さん!

 

「私も外との連絡を常に取っていたわけではないのでね、君たちに与えられる情報などほとんどないのだが...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「外部に裏切り者がいる」

 

 

 

 

は?裏切り者?ちょっとよく意味が分かんないんですけど、その1人のせいで現実世界が変わってしまうほどなのか?

 

「その裏切り者1人のせいで現実世界が変わるほどなのか?」

 

俺が考えているとキリトが同じことを聞く、まぁそりゃそうだよな、気になるに決まってるか

 

「正確には少し違うな、1人のせいで現実がかわったのではない、現実がかわってしまったせいで裏切り者があらわれたのだ」

 

その言葉にアスナと柚宇さんは首を傾げキリトは少し考え込んでいる。

え?俺ですか?まぁなんとなく意味は分かりましたよ、いや、考えるのが面倒臭いとかじゃなくて

 

「まぁ今その事を考えても仕方のないことだよ、僕から君たちに言いたかったのは変わってしまった現実に絶望するな、という事だ、なんたって君たちは僕の作った世界をクリアしたんだからね」

 

昌彦さんがそう言って微笑むとキリト達はログアウトしていった

 

 

 

 

...あれ?

 

 

 

 

 

 

俺忘れられてね?

 

 

 



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犠牲と可能性

さて、ここからようやく本編入ります

いや、まだ入らないかもしれないです。


「あれ?俺忘れられてね?」

 

自分でもビックリするほど間の抜けた声が出たもんだなんて思っていると

 

「忘れていたわけではないよ、君とは久しぶりに2人きりで話がしたくてね、比企谷八幡くん」

「ええそうですね、お久しぶりです、晶彦さん」

 

全くもってこうして話すのは久しぶりだ、思えば中学の職場見学でレクトに行って接点を持ったわけでそうでもなければただの一般人とこんな天才が知り合いなわけがない

 

「君のおかげでゲームは完全な完成となった、ありがとう、本当に感謝しているよ」

 

そう言って頭を下げる昌彦さん

 

実はあの職場見学のあと何度か昌彦さんに呼ばれレクトに行ったりしたのだ、そこでいわゆるデバッグの手伝いをしたり中学生の視点から少し意見を出したりしただけで実際大したことはしていない

 

「頭を上げてください昌彦さん、このゲームを作り上げたのは貴方が夢を諦めず本物を追い続けたからですよ。」

 

さすがに大人に頭を下げさせる中学生、いや、このゲームからでたら歳的には高校生なのか、は嫌なので昌彦さんに頭をあげてもらう

 

「そう言えば君の言っていた本物はこのゲームの中で見つかったのかい?」

 

 

 

 

 

そうだな、俺の本物はーーーー

 

 

 

 

「えぇ、きっと、見つかったと思いますよ。命のやり取り無しに見つけられればもっと最高だったんでしょうけどね」

 

そう言って昌彦さんに笑いかける

 

 

「そうか、それはよかった、ならばこの世界を作った価値があったというものだ」

 

昌彦さんもそう言って笑い返す

 

「で、本題はなんなんですか?これだけのために昌彦さんが俺だけを残したとは考えにくいんですけど」

 

あの天才がこれだけのために、しかも俺だけを残したとは正直考えられない、まだ、何かあるんだろう

 

「そうだね、今ので半分、もう半分は君が目覚めてからの話だ」

「目覚めた後に何かをしてほしいってことですか?でもさっきの話だと...」

 

そうだ、さっきの話だと裏切り者は現実が変わったから現れた、と言った。

つまりは俺が目覚めてから裏切り者を潰したところで現実が元に戻るわけではないという事だ。

 

「僕は君に何かを頼みたい、という訳では無いよ。ただ少し注意しておいてほしくてね」

「てことは少しは裏切り者のことを知ってるってことですよね?」

 

でないと注意しろ、だけならさっきも聞いたしな

 

 

「あぁ、まず裏切り者なんだが恐らくレクトの社員の誰かである可能性が高い」

 

それは予想がついていた、でないと昌彦さんがその人を知るわけもないのだから

 

「だが、誰かなのかは分からない。けれどレクトの社員ということは誰がダイブしているかを知っているという事だ、まぁ察しのいい君ならこれでもう分かっているんじゃないかな?」

 

あぁ、なるほど。気をつける、というのはそういう事か

 

 

「それと最後に君に贈り物が届く、それと君達のナーヴギアを持ってある場所のある人に渡してほしい、きっと君たちの助けになる。」

 

昌彦さんの真剣な顔付きに自然とこっちも緊張が走る。

気をつけないといけない人物がアレなんだから尚更だ。

 

「そろそろ時間も限界だ、この世界は崩壊する。」

 

周りを見ると世界が崩れ始めていた。何か最後に言っておきたいと思いながらも全く頭に浮かばず、まるで遊びきった小学生のような言葉が口から出る

 

「そうですか、昌彦さん、楽しかったです。また遊びましょう。」

 

「あぁ、そうだね、また...」

 

そう言うと俺の視界は暗闇に落ちていった




裏切り者とアレの正体、隠すの下手で申し訳ない

多分すぐにわかった人が多数だと思います


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強さの意味

ようやくSAOから帰還しました

ここからどんどん世界が崩壊していきます


 

 

 

「...........知らない、天井だ」

 

俺はキメ顔でそう言った。

 

「あ、それさっき俺が言ったから」

 

「なんか俺が滑ったみたいにするのやめてくんない?」

 

キリト、あらため和人がにやけ顔で呟く、どうせ柚宇さん以外に通じなかったくせに。

 

「あ、俺もわかったぞー」

 

「俺の心読むのやめてくれませんかね?」

 

柚宇さんのベッドに腰掛けた慶さんが笑いかける。

この人年中笑ってんな。

 

「いやいや、じゃなくて。なんで慶さんがここに?しかも何で俺達の体はこんなに健康体なんです?」

 

この質問は誰もが思う至極当然のものだろう、2年間もゲームに入り込み続けた俺達がこんなに健康体なわけがない。

死んでいないにしても衰弱しきっている可能性は充分にあるはずだ。

てかそもそも慶さんがここにいる意味がわからん。

 

「あー、それな。お隣の結城さんに頼んだんだよ、あんたの娘さんと同じ施設をお前らに使ってやってほしいってな、技術的なことは全くわからんけど」

 

隣を見るとアスナがベッドに腰掛け笑いかけてくる。

 

そーいや、アスナん家って金持ちって言ってたな。

 

「いや、にしても赤の他人の慶さんのお願いを結城家が聞く義理もないでしょう?仮に攻略組で最前線を俺達と戦っていることが分かったとしても理由としては弱すぎると思いますが」

 

「理由なんて簡単だろ?こんぐらいコレを渡したんだよ、まーお前らが結城さん守ってることが分かったおかげで受けとって貰えなかったけどな」

 

そう言って季節外れのコートから小切手を取り出した、1,10,100,1000.....え?とんでもない額なんですけど?

 

「あとハチのもう一つの質問の答えな、ここには仕事できてんだよ。お前らを守るお仕事」

 

仕事?あんだけ年中ゴロゴロして俺も専業主夫になろうかなー、とか言って柚宇さんにヘッドロック喰らってたあの慶さんが?」

 

「起きて早々ディスるとかお前失礼だな」

 

おっと、声に出てたようだ。まぁ本心だしいいんだけど

 

「で、仕事ってなんなんですか?」

 

和人が半笑いしながら話を逸らす、ナイスだ和人

 

「俺の仕事はボーダーって言ってな、まー正義のヒーローだ」

 

「大雑把すぎて分かんないですけどそれでなんでこんな所にいるんですか?」

 

まーたすぐふざけるこの人、これだから話が進まないって風間さんに怒られんだよ。

 

ま、俺は分かったけども

 

「よーするに現実世界が変わったってあれだろ?昌彦さんが言ってたやつ、おおかた地球外生命体みたいなのでも来たんじゃね?」

 

自分でも言ってて変なこと言ってると思うわ、ここは歌舞伎町かっての

 

でも昌彦さんの話を信じるならこれ以外の可能性の方が低すぎるしな

 

「おー、さすがハチだな。まぁお前らがゲームに入った1年後ぐらいに近界民っていうよくわからんやつらが攻めてきたんだよ。目的もイマイチわかってねーんだけどな、んでそいつらから市民を守るためにボーダーが出来たってわけだ、で俺そこの隊員」

 

なるほど、だいぶ話が繋がってきたな。

となると、昌彦さんの言っていた裏切り者が利用しようとしている奴らも大体想像がつくか

 

「そいつらって有体に地球を侵略しに来たー、とかではないんですよね?慶さんがここにいる以上日本各地に現れてるとは思えないし恐らくある程度の区域、まぁ千葉、東京周辺でしょう?」

 

「てことはその近界民っていうのはわざわざ千葉周辺を狙ってるってことー?」

 

柚宇さんの質問に応えようとすると慶さんが大笑いしながら答える

 

「そーそー、そーなんだよなー。だからイマイチ目的がわかってねーんだよ。とりあえず今わかってることは近界民も悪いヤツばっかじゃねーってことととにかくボーダーは人不足で強いヤツ大募集ってことだ。」

 

 

まぁ話は納得のいくものだった、これで慶さんが大金を得た理由、ここにいる理由、昌彦さんのいう世界が変わったこと、そして、裏切り者。全てが繋がった。まぁまだ裏切り者は分かんないけども、昌彦さんがわざわざ言ったってことは俺が知ってる人なのか?

 

 

いや、それよりもう一つ問題があったか

 

 

「それで、恐らく任務だと思いますがなんで慶さんは今日こんなに都合よくここにいたんですか?ここにはいた理由は聞きましたが今日、ここにいた理由は聞いてなかったので」

 

「あ?それなら毎日ここにいたからだよ、忍田さんって人に頼んでな」

 

「「「は?」」」

 

お、全員同じことを思ったみたいだ。

そりゃみんな思うよなー、なんて思っていると

 

 

「おいおい当たり前だろ?お前らのことが心配だったからに決まってんだろ」

 

「「「慶さん(くん)!!!」」」

 

みんな揃って慶さんに抱きついた、なんだよこれ慶さんかっこよすぎんだろ。

ちなみに当の慶さんは柚宇さんが真正面から抱きついたせい(おかげ)でその大きな胸を堪能していた、前言撤回。

やっぱこの人ダメ人間だわ。

 

「羨ましいなぁ...」

 

その風景を静かにアスナが見守っていた




今回で初めてワートリ要素出てきましたかね

ここからがっつりオリジナルストーリー展開していきます

いや、もう充分すぎるほどオリだけども


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舞い降りた剣

サブタイで察した人もいるでしょう

主は〇〇オタです



 

で、なんやかんやあってみんな慶さんから離れた、割とマジで残念がってる慶さんを見てこんな大人にはなりたくないなと思いましたまる

 

「で、ハチ。お前なんかその茅場って人から何か言われたりしなかったか?今後どーしろー、みたいな」

 

あ、そーいや忘れてたわ。なんか届くーみたいなこと言ってたな

 

「そういえば言われましたね、でもなんでそれを慶さんが知ってるんですか?」

 

「ボーダーの中に未来予知が出来るやつがいてな、そいつに言われたんだよ、帰ってきたヤツらのうちの誰かが今後に関わる大切なものを持ってるーみたいなことをな」

 

なにそれチートかよ、そんなもんあったら人生楽しいだろうな。

それこそ自分の運命の相手とかわかっちゃうんじゃないの?いや、だからどうしたって話なんだけどさ

 

「ボーダーってのはそんなトンデモ変人の集まりなんですか?話を聞いた限りじゃとんでもないことだと思うんですけど、ていうかSAOにもそんなスキルなかったですよ」

 

「体内のトリオンっていう機関が大きけりゃ大きいほどそーゆー能力は発言しやすいみたいだぞ、まー俺は何も持ってないけど。」

 

トリオンってのはあれか?サイオンみたいなもんなのか、よーするにその人はさす兄ってわけだな

 

「「「そこ、勝手に2人だけで話を続けないで」」」

 

3人に文句言われた、慶さんは相変わらず笑ってるし。

全く話さないなーと思ってたら分かってないだけだったのか

 

「まートリオンだののことは後でゆっくり話してやるよ。で、ハチは何を聞いたんだ?」

 

まぁトリオンについては気になるし後でゆっくり聞かせてもらおうかな、それより今は昌彦さんのことだ

 

「俺は昌彦さんから何かが届く、とだけ言われましたね。それとこのナーヴギアを持ってある所に行ってほしいと。そのある所ってのがボーダーってことなんでしょうね。」

 

「俺も専門的なことは一切わからないけどな、多分その頭のやつと届くもん次第で未来が変わるんだろ、俺もよく知らんけど」

 

だろうな、慶さんの知り合いの人が言ってることが本当なら、いや、もう本当としか言いようがないけどそれ次第なんだろうな

 

「で、ハチマンは何を貰ったんだ?」

 

「いや、誰も知らんってことはまだ届いてないんだろ。俺も中身までは知らんしな」

 

ずっと黙っていた和人が聞いてくるが俺も知らん、おおかたその近界民に対抗する何かとかだとは思うが正直検討もつかないわ

 

「そのうち届くだろうよ、まぁ届かずにアイツの予知が外れるとこも見てみたいけどな」

 

ハッハッハ、と笑いながら慶さんが話す。いや、届かなかったらやばいんじゃないんですか?

 

と、会話を続けていると

 

ガラッ

 

 

「失礼致します、総務省通信ネットワーク内仮想空間管理課職員の菊岡と申しま「うわ、胡散臭い人きたな」...す。」

 

おっと、また思ったことが口に出たみたいだ、全く困ったもんだぜ、俺

 

「ゴホン、この度は皆様SAOのクリアおめでとうございます。早速ですが私がここに来た理由についてお話したいと思います。」

 

 

 

 

「茅場晶彦の死体があるべき場所にあったあるものを比企谷八幡くんに届けに来ました。」

 

 

 

 

は?死体があるべき場所にあった?それは誰かのイタズラなのか、それとももうこの世に茅場晶彦という人間が存在した証すらなくなった、ということなのか?それとも...

 

「あなたが比企谷八幡くんですね、茅場晶彦からの遺言を預かっています」

 

考えを巡らせていると菊岡さんが話し始める

 

「『君たちには本当に感謝している、と同時にすまないことをしたと思う、どうかこれがこれからのリアルに起こる絶望を振り払う希望となることを祈っている』だそうです。」

 

そう言って手に持っていた包みの封を開けると...

 

 

 

 

 

 

「これは...?」

 

「おぉ!」

 

 

 

 

 

 

 

慶さんには分かったようだが他の人達はそれが何なのか全く検討がつかなかったようだ。

 

その中に入っていたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー静かに黒く輝く小さな指輪だったのだーーーー

 




もうみなさんお分かりだと思いますが例のアレです。

ちなみにユーマくんが使ってたものとは全くの別物ですので



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インデックスリング

今回だいぶ長くなりましたねー

2部に割ろうかと思ったんですが割どころが見つからなくて...




「え、なにこれ?」

「これ...指輪か?」

「なんか...すごく不気味...」

「綺麗だねー」

 

上から俺、和人、アスナ、柚宇さんが思い思いの感想を言う。

これ指輪なのか?てことは、アレか。

俺は昌彦さんに求婚されたってことかー、とうとう俺も妻子持ちか...?

いや、勘弁してくれ、しかも男だし。

にしても、柚宇さんはブレないなー

 

「ハチ!お前すげーもん貰ったな!いいなーおい!」

 

慶さんだけは興奮している。この人はこれが何なのか知ってるってことか?

まぁ、冗談言ってる顔には見えないしこれ自体は相当凄いものなんだろうな、多分。

 

「あのー、太刀川さんでしたっけ?失礼ですがこれは一体何なのでしょうか?持ってきた私が言うのもおかしな話ですが私にはこれが何なのか全く検討もつかないのですが、ただの指輪ではないということでしょうか?」

 

不思議そうな顔でやり取りを見ていた菊岡さんが慶さんに話しかける。

てかあんた持ってきといて何も知らないんかい

 

「あー、これはな...。ってよりは先にこっちを見せたほうが分かりやすいか。」

 

そう言って慶さんはコートのポケットから手のひらサイズの剣の柄のようなものを取り出す。

 

「これはトリガーって言ってな、この中にちっちゃいチップみたいなのが何枚か入っててそれを武器にして戦えるってもんだ、まぁ詳しいことあんまり知らないんだけどなー」

 

ハッハッハー、と笑いながら言う慶さん。そこは覚えとけよ、結構重要っぽいじゃねーか

 

「で、これ持って『トリガー起動』って言ったら、ほれ」

 

そう言うと慶さんの服装が一瞬で黒を基調としたロングコートと黒ズボンに変わる。いや、元からコート来てたから対して変わってはないけどね。

 

一番の違いはその両腰に二本の日本刀のような刀がついていることだ

 

「これがトリオン体っていう状態だ、胸にあるトリオン体精製機構か頭をぶっ壊されなきゃ自身のトリオンが切れるまでこの姿でいられる。あとぶっ壊されても緊急脱出って機能が付いてて自動的にボーダー本部に転送されるから死ぬことはないってことだ。あとは身体能力がかなり上がる、病弱なやつでもこれ使えば健康体以上に動けるしな」

 

なんだそれトリガーくそ便利だな、俺もほしいわーってかボーダー入れば貰えるんだよなそれ、なんて考えていると慶さんが真面目な顔に戻る

 

「なんでこれを説明したかって言うとな、その指輪もトリガーだからなんだよ」

 

「「「「は?」」」」

 

今まで黙ってた奴らも全員声を上げる、そりゃそうだよな

 

「あの、その指輪と太刀川さんが持ってた物って形が全然違うと思うんですけど。それにもしトリガーならなんで団長、いえ、茅場晶彦がそれを持っていたんですか?」

 

アスナが質問を続ける。当然だ、近界民が攻めてきたのが1年前、つまり昌彦さんはまだSAOの中にいた事になる。なのになぜトリガーを持っているのか、それに形が全く違うのも気になるがまぁそれはものによって変えられる程度で説明もつくか。

 

「お嬢さんの質問一つ目をまず答えてやろうかな、まずこれはトリガーはトリガーでもブラックトリガーっていう代物だ。俺が持ってるノーマルトリガーとは次元が違いすぎるチートみたいなもんだ。」

 

「それってどれ位違うのー?」

 

分かってるのか分かってないのかわからんような声で柚宇さんが聞く、って言うかこの人3〇Sやってんだけど。どっから出てきたんだよそれ。

 

「ブラックトリガーはそれ自体がある特殊な能力を持ってる、と思ってくれていい。まぁその能力が何なのかは使うかもしくは出来た経緯からしか分からんけどな。あとはブラックトリガーには使用適性がある、作ったやつがこいつのためにー、って思えば多分そいつにしか使えないし、ただただ作っただけなら結構な奴が使えるようになるな。」

 

「つまりこれがブラックトリガーってことは分かりました、それにしてもやっぱり茅場晶彦がそれを持っていたことが納得できないですね。」

 

和人が慶さんに語りかける。まぁ俺も納得いかんとこはそこだしな

 

「あー、和人。お前の考えはちょっと間違ってるぞ、茅場ってやつはブラックトリガーを持っていたんじゃない、ブラックトリガーを作ったんだよ。」

 

どういう事だ?なんて顔をしている和人を横目に見ながら俺は察した、いや、察してしまった。そうでもないと昌彦さんがブラックトリガーを持っていた理由に説明がつかないからだ。

 

「つまり...」

 

「あぁ、ハチは分かったみたいだな、そうだ、これは『茅場晶彦』自身だってことだ。」

 

その発言にアスナは驚きの顔を、和人と菊岡さんは納得したような顔を、柚宇さんは3DSを...って柚宇さん興味なさすぎだろ

 

「菊岡さんの話が本当なら茅場ってやつの死体、無かったんだろ?ブラックトリガーを精製したら死体は灰みたいになって消えるらしいからな、それが証拠みたいなもんだ」

 

なるほど、だから昌彦さんの死体がなくなっていたのか

 

「ただブラックトリガーってのは誰でも作れるもんじゃない、膨大なトリオン量とそれを扱える能力、多分茅場ってやつはサイドエフェクト持ちだったんだろうよ。あ、サイドエフェクトってのはさっきの俺の知り合いが持ってるって言った未来予知みたいなのな。あとは強い覚悟だ。」

 

「つまり昌彦さんは自らのトリオン量を分かっていてそれを扱う能力を持ち、更に強い覚悟を持っていた、ってことですか。」

 

「そーゆーことだな、自分のトリオン量を知れたのはサイドエフェクト関連だと考えれば妥当なとこだしな、覚悟についてはお前の方が知ってんだろ」

 

覚悟、か。裏切り者が許せないのか、本物を追い続けるためか、正直俺にもなんなのかはよくわからん、が、そこまでの覚悟を持って昌彦さんが残したものに対して俺も覚悟を見せるべきなんだろう。

 

「それ。その、ブラックトリガーは恐らく昌彦さんが俺のために残したものってことですよね?だったらそれ、俺が使います。今使えるものなんですよね?」

 

そう聞くと慶さんはうーん、と唸っている。珍しいなこの人が悩むとか

 

「出来ることなら本部の仮想訓練室で使ってほしいんだけどな。なんせブラックトリガーの能力は未知数だからな、ここで使って和人や柚宇やお嬢さんに害がないとも限らない。」

 

「あ、その、私のことはアスナでいいですよ。」

 

自分だけ名前で呼ばれなかったのが嫌だったのかアスナが訂正する。

 

「お、そりゃすまんかった。でだ、だからせめて病院の外に出て使え。それならなんかあっても俺が止めてやるから。あ、お前らは念のため病室からは出るなよ、さすがにブラックトリガー相手に周りのこと気にする余裕なんてないからな。」

 

あの慶さんがそこまで言ったことに和人らは素直に言うことを聞いている。まぁあの人がここまで言うことはないからな

 

「よし、じゃあハチ。外出るぞ」

 

「はい、分かりました」

 

俺は慶さんに付いていき病室を出て中庭に向かう。

 

「今は多少立ってるのもキツいと思うがトリガー起動しちまえば身体能力は上がるから余裕だぜ。」

 

「分かりました、じゃあ使いますよ?」

 

「おう、その指輪をつけて『トリガー起動』な」

 

そう言われ俺は右手の人差し指に指輪をつける、ちなみに右手の人差し指の指輪には集中力が高まるって意味合いがあるらしいからな、今の状況にはピッタリだろ。

 

「じゃあいきますよ...」

 

 

 

 

 

 

ーートリガー起動ーー

 

 

 




八幡ブラックトリガー起動です!

贈り物は茅場晶彦のブラックトリガーでしたー



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彼等の居場所


最近することがなさすぎてガンダムVSのβばかりやってます

どうも主です。


 

 

ーートリガー起動ーー

 

 

俺は慶さんに言われたようにそう呟いた、少し離れた場所では慶さんが日本刀のようなものを構え緊張が走っている。さて、何が起きるのか...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、ハチ。早く使えよー。」

 

慶さんがそう話しかけてくる。

いや、使ってるんですけど...え、もしかして不適合!?うっそだろ!

こんなもん恥ずかしすぎるわ!俺『覚悟を見せるべき』的なこと思ってたのになにこれ!昌彦さんイジメはよくないぞ!

 

「.....いや、あの使ってるんですけど...」

 

「...マジ?」

 

「いや、マジです...」

 

なんだよこれマジでイジメかよ...慶さんも若干俺から目線外してるし...

 

「まぁ、あれだ。本部行って解析してもらおうぜ、もしかしたら効果が表に出ないだけかもしんないしな」

 

そう言って慰めてくれる慶さん。ねぇ、まだ目線外してるんだけど慶さん楽しんでいじめてない?

 

「んじゃ、病室戻るか。とりあえず『トリガーOFF』って言っとけ」

 

まだ目を合わせようとしない...あれ?なんか不自然じゃないかこれ?

 

「あ、はい。トリガーOFF。」

 

そう言うと体に倦怠感が戻ってきた。やっぱりトリガー自体は発動していたのか、となると、効果は?

 

「おーい、何してんだハチ?さっさと戻るぞー」

 

「あ、はい。」

 

にしてもこれ自分じゃ効果がわかんねーな。色々試してみないと...

 

...で、病室に戻ると和人が爆笑、アスナは苦笑い、柚宇さんが3DS。

もう今だけは柚宇さんの対応が神に思えるわ...

 

「いやー、結局あれは何だったんだろうな?」

 

「け、慶さん、ブフッ、あれ何だったんですか...プッ」

 

和人、お前、後、殺す。

 

「ま、まぁハチマンくん、元気だして、ね?」

 

アスナ、今はその対応が一番キツいわ

 

「えー、ハチくん慶くんと何してたのー?」

 

柚宇さん、あなたはもうちょっと興味もってくださいね

 

「で、あれは本当に何だったんですか?使ってる時には体は正常、というかゲーム前ぐらいには健康体だったんで発動はしてると思うんですけどね」

 

「んー、俺もブラックトリガー持ってるわけじゃないしボーダー隊員もまだ100人もいないぐらいだからな、持ってるやつ1人しかいないしそいつのはわかりやすいからなぁ。はっきり言ってよくわからん」

 

和人と一緒にケラケラと笑う慶さん、ブラックトリガーってそんなに貴重なもんなのか。売ったらいくらになるんだろうか...

 

「ちなみにそいつのは斬撃を遠隔操作出来たり設置してトラップにしたりってマジチートでな、まぁ見た目的にもお前のよりは分かりやすいけどな。」

 

遠隔操作出来る斬撃ってなんだよそれ、話聞いたイメージじゃもはやファンネルだろそんなもん。

 

「ま、ボーダーの入隊式まであと一月あるからそれまでにお前らはリハビリして走れるぐらいにはなっとけ、あとあの頭に被るやつ渡してくれ、あー、ボーダーに入りたければアスナもな、ついでにハチの指輪もな。本部持っていって解析かけて貰うから。」

 

慶さんの言葉通りみんな自分のナーヴギアを慶さんに渡す、俺は指輪を渡すか少し迷ったが今持っていてもイマイチ効果もわからんのでそのまま渡した。

 

アスナは少し悩んでいたがそのうち

 

「あの、私、みんなに守ってもらってばかりだったから、その、これからはみんなを守りたいです。だから、私もお願いします!」

 

そう言って慶さんにナーヴギアを渡す。

俺含めみんながまるで自分の娘の成長を見るかのごとく暖かい目で笑っていた。

 

「そっか。アスナが自分で決めたなら俺は何も言わん。じゃ、俺本部に帰るから」

 

「あ、はい!よろしくお願いします!」

 

少し元気になったようなアスナが慶さんに頭を下げる。

和人はそれを見て少し不機嫌に、いや、アスナがお前以外を好きにはならんと思うぞ、多分。

 

「大変だねーカズくん、アスナちゃん取られちゃうかもよー?」

 

「なっ!別に、俺はそんなこと...」

 

俺と和人の肩をつかみ小さな円になるとニヨニヨしながら柚宇さんが和人に話す。いや、あんたも慶さんのこと好きなくせにいいのかよおい。

 

「っ、それより!慶さんがアスナに取られてもいいんですか?」

 

お、和人反撃か

 

「だって別に私は慶くんと付き合ってるわけじゃないからねー」

 

反撃失敗だな、和人が悔しそうな目で柚宇さんを見ている。まぁ失敗ってわけじゃないぞ。一瞬寂しそうな顔してたしな。

 

「ま、和人はSAO内でアスナと結婚までしてたしな、そりゃ心底心配だろうなー」

 

ここでさっき大笑いしてくれた分の仕返しをするか、と和人を煽ってみたが

 

「あ、SAO内って言えばユイはどうなったんだろうな?」

 

「さぁな、もともとはカーディナルシステムの一部だったわけだしSAOと一緒に崩壊したか、あるいはナーヴギアの中にデータとして残ってるかだよな」

 

「でもユイちゃんも私たちの家族だったんだし折角ならまた会いたいよね」

 

と、アスナが会話に入ってくると和人が焦る。さっきの会話聞かれてたりしないかな、なら面白いのに。

 

「そんなに小さく纏まって何を話してたの?」

 

「あ、いや。それは」

 

和人がごもる、チッ聞いてはなかったのかアスナ。ま、仕返ししとくかー

 

「大したことじゃないぞ、アスナが慶さんと話してるのを見て和人が嫉妬してたって話だ。」

 

「バッ、八幡お前っ!」

 

「キリトくん...それホント?」

 

見るとアスナが顔真っ赤にしてる。なんだこのリア充空間、死滅してしまえばいいのに。

 

「あ、いや...うん、まぁちょっと...」

 

「そっか...」

 

自然と俺と柚宇さんが離れる。柚宇さんは暖かい目で二人を見つめている。

この人はほんと母性スゲーな。

 

「ハチくーん、目が腐ってきてるよー」

 

「やかましいわ、あんなの見せつけられたら目も腐りますよ。」

 

俺達が離れると二人は正座してお互い向かいあい俯いて顔を赤くしている。

 

ほんっと、リア充爆発四散しろ。世のリア充は死んでしまえばいいんだ。

 

 

 

しかしこの時誰も思わなかった。

 

まさかこの後八幡に運命の相手が現れるとも、ユイとすぐに再開することになるとも...

 

 





残念ながら八幡のブラックトリガーの能力は今回ではあまり分かりませんでしたね。

会話や思考の中にヒントはあるのでもしかしたらわかる人もいるかも知れませんが...


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変わる世界


どうもVSしかしてない主です

実は前話のサブタイもガンダムでしたー

みなさんわかったかな?



あれから1ヶ月がたち4月になった。

 

今俺達はボーダー本部にいる。

 

何しに来たかというと忍田って人に呼ばれたからだ。

忍田ってどっかで聞いたことある気がするんだけどなぁ...

 

「なぁ、和人。忍田ってどっかで聞いたことないっけ?」

 

「あ、それ俺も思ってたんだよな。なんだったかな...」

 

「んー、私も聞いたことある気がするけど分かんないんだよねぇ」

 

やっぱりみんな何となく知ってる感じなのか?まぁ誰も覚えてないみたいだけども

 

「っと、ついたか。慶さんは...」

 

いない...うん、まぁ時間通りくるとか期待はしてないんだけどね。

慶さんだし、いつものことだし。

 

「お、なになに新人くん?」

 

「おい、槍バカ!いきなり馴れ馴れしく話しかけんなよ!」

 

「お前ら2人とも玄関先で叫ぶな...」

 

うぉっ、なんかいきなり話しかけられた。

ここにいるってことはボーダー隊員か?

 

「えっと、あなた達は?」

 

和人が話しかける、お前基本コミュ障の癖にやるようになったな...まぁこれもアスナの影響か。

 

「あー、わりわりー。俺は米屋陽介、ボーダーA級部隊三輪隊の隊員だ!」

 

「俺は出水公平、ボーダーB級のフリー隊員だ、よろしくな!」

 

「...俺は三輪秀次、ボーダーA級部隊三輪隊の隊長だ。」

 

A級ってのは多分1番上なんだろうな、確かに三輪の方は強そうだ、米屋の方もおちゃらけちゃいるがかなり強いほうだろう。

かといってB級の出水が弱いとも思えない、恐らくこっちも相当やるだろうな。

 

「俺は比企谷八幡だ、よろしく。」

 

「桐々谷和人だ、よろしくな。」

 

「国近柚宇でーす。よろしくー。」

 

こっちの3人が自己紹介を終えると米屋と出水が俺の肩を掴んでくる。

 

「おい、なんだよあのデカさ!半端ねーぞ!」

 

「で、あれどっちの彼女なの?」

 

バカだった、確かにこれの相手をしてたら三輪もあんな疲れた顔をするだろうな、心中お察しします。

 

「どっちの彼女でもねーよ、あとそーゆー目で見てると切られるぞ。」

 

「へー?誰に?」

 

俺がそう言うと米屋はおもしろいと言わんばかりに俺を見てくる。

 

「慶さんに」

 

「「よし、やめとこう!」」

 

え、なに慶さんそんなに強いの?

そりゃ我儘を通してもらえるぐらいだしそれなりにはとは思っていたがここまでとはな...

 

「お前ら太刀川さんの知り合いなのか?」

 

「なんというか、幼馴染みみたいなもんだな」

 

三輪が不思議そうな顔で聞いてくるのでそれに応えると納得、と言った顔をしていた。三輪は話が早くて助かるな、仲良くなれそうだわ。

 

「あ、慶さんのこと知ってんだったら連絡取ってくんないか?あの人待ち合わせ時間すぎてんのに全然こねーの。」

 

アスナは親父さんがボーダーのスポンサーかなんかで先に中に入ってるし、俺らだけじゃどこ行けばいいか分かんないしな。

 

「なら俺らが案内してやるよ!どこ行きたいんだ?」

 

出水と米屋が親指を立ててこちらに笑いかける、なんだ、こいつらもイイヤツだな、バカだけど。

 

「あぁ、じゃあ頼むわ。忍田さんって人のとこまでで」

 

「OKOK!んじゃ早速行くかー!」

 

「わるいな、頼むよ」

 

和人が軽く頭を下げそのまま中に入っていく。

 

 

 

忍田さんのいる場所に行くまでは他愛のない話をして歩いた。

学校はどこなのか?とかな。ちなみに出水、米屋、三輪も総武らしい。ボーダーには総武生が結構多いそうでまた学校か本部であったら教えてもらおう。

 

「ん、付いたぞ。ここが大体忍田さんのいる部屋、作戦室だ」

 

「んじゃあ俺らこれから防衛任務だから行くなー!」

 

「またなー!ボーダー入ったらバトろうぜ!ハッチ!キー坊!柚宇さん!」

 

どうやらついたようで三輪が説明をしてくれる。三輪達はどうやらこの後任務があるらしくそのまま廊下を歩いていった。

てかあいつ何でアルゴと同じ呼び方すんの?和人なんてビックリしてたぞ。

 

入口で耳をすますと微かにアスナと誰かが話す声が聞こえた。

どうやら忍田さんもここにいるみたいだ。

 

 

 

コンコン

 

 

 

緊張してドアをノックする。

 

 

 

 

 

「失礼します。」

 

ガチャりとドアが開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると視界に飛び込んできたのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

「「お兄ちゃんおかえり(なさい)!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

視界どころか物理的に飛び込んできた小町と直葉だった。

 

 

「「は?え?なんで?」」

 

和人と2人でシンクロしてると奥から俺達に話しかける声がした。

 

 

 

「やぁ、久しぶり。よく頑張ったな、八幡、和人、柚宇ちゃん。」

 

 

 





はい、今回はボーダー入るまでの過程その1ですね。

当然直葉も小町も出す予定でした!



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幸福の行方


気付いたらUA1000超えてましたー

みなさん閲覧ありがとうございます!

これからも頑張ります!




 

「久しぶり、よく頑張ったな、八幡、和人、柚宇ちゃん。」

 

そこに居たのは

 

 

「「「真史さん!?」」」

 

忍田さんって真史さんのことだったのかよ!?慶さんも教えてくれりゃいいのにあの人は...

真史さんは父の友人?の1人で昔からよく家に遊びに来ていた。そのときによく俺や和人、慶さんに剣を教えてくれたりしたもんだ。

てことは慶さんの師匠は真史さんだな。間違いない。

 

「あれ?その反応は慶のやつ俺のこと教えてなかったのか?」

 

「いや、教えてはくれましたけど、忍田、としか言わなかったので正直気付かなかったんですよ」

 

「あぁ、まぁ昔から真史さんって呼んでたもんな。忍田じゃ気付かなくても無理はない。...ところで慶は?」

 

ついでに慶さんのことを聞いてくる真史さん。あ、慶さん忘れてたわ。まぁいっか、自業自得だしな。

 

「慶さんなら時間になっても来なかったんでたまたま近くにいた三輪たちに連れてきてもらいました。」

 

「そうか...慶のやつ、今度思いっきりしごいてやるか。」

 

和人がわざわざ真実を口にすると真史さんが呆れたように声をあげる。慶さん、ご愁傷様です。

 

「で、俺達を呼んだ理由はなんなんですか?」

 

ま、わかるんだけどこれ以上話してるとどんどん慶さんが死にそうなんでね。

 

「あぁ、そうだな。端的に言うと君たちのスカウトだ。」

 

そうだろうな、和人も柚宇さんもわかっていたような顔だ。俺達にだけ話してるってことはアスナはもう決まってるみたいだし小町と直葉は...まぁ、そういうことだよな

 

「えぇ、やりますよ。」

 

「俺もです。」

 

「私もやるよー。」

 

みんな答えは同じだった。ま、それを分かっていてきてるんだから当たり前か。

 

「そうか、ありがとう。」

 

そう言って頭を下げる真史さん。なんだか申し訳なくなるな。

 

「それとすまないが小町ちゃん直葉ちゃんは少し部屋の外に出てもらってもいいかな?」

 

「はーい、了解ですよ本部長殿!」

 

「わかりました!」

 

そう言って小町と直葉は部屋から出ていった。でも何でだ?

 

「さて、ここからの話はもうあの2人にはしてある。が、もう1度聞かせるような話じゃないからな。」

 

どういう事だ?よく意味がわからん、と思っていたら和人とアスナは深刻そうな顔をしていた、何か知ってるのか?

 

 

 

 

「君たちの、いや和人はもう知ってるみたいだから八幡の両親の話だ。八幡、お前の両親は近界民の襲撃により死亡...している。」

 

 

 

 

 

.....あぁ、そういうことか。

 

 

まぁ薄々感づいてはいたんだ。

俺が目覚めてから1回も来なかったしな。

ついでに小町もこなかった。

ま、小町の場合は多分任務だろうけどな。

 

 

なんて考えていると

 

ナデナデ

 

「へ?」

 

 

 

柚宇さんに頭を撫でられた。

 

「ハチくん、今凄く悲しそうな顔してるよ?」

 

いつものゆるふわな、それでも心配したような声で語りかける。

 

「八幡、悲しい時には泣いてもいいんだぞ、そのために真史さんも小町と直葉を外に出したんだろうしな」

 

和人が肩に手を置き語りかける。

 

「ハチマンくん、SAOにいた時もいつも感情を表に出さなかったよね、それなのに私でも分かるぐらい悲しそうな顔してるよ」

 

アスナが手を握り語りかける。

 

「八幡、お前はいい仲間を持ったな、こいつらの事絶対に守ってやれよ。そして絶対に守れるだけの力をつけろ。それが今のお前に出来ることだ、そうだろ?」

 

真史さんが真剣な眼差しで語りかける。

 

「ははっ、ありがとなお前ら...」

 

気付けば八幡の目から涙が零れ落ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃慶さんはーー

 

 

「わりーわりー、遅くなって!いやー、すっかり寝ちまっててな!ってあれ?誰もいねー...。さーては、あいつら遅刻だな!全くしょうがない奴らだなー!」

 

 

 

この後忍田さんにしごかれるともしらずに玄関先で大笑いしていた

 

 





ハッキリと書いてはいませんがもちろん小町と直葉もボーダー隊員です!

ポジションなどは次かその次でわかるかも


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創造主からの贈り物


さて、今回は長いです。

いや、自分の中ではってだけで他の方からすると短いかも知れませんが...


 

「すいません、取り乱しました。」

 

全く泣いたのなんていつぶりだろうか、ほんと真史さんには感謝だわ。こんなとこ小町に見られたらそれこそ泣いちゃう。

 

「お前は昔から何でも我慢しすぎだからな、これぐらいでちょうどいいんだよ」

 

真史さんがそう言うと他のみんなが笑う。えー、俺そんなにですか?結構我儘言ってたと思いますけどね、働きたくないとか、専業主夫になりたいとか。

 

「さて、本題に戻そうか。そういうわけだから小町ちゃんと直葉ちゃんには今ボーダー本部にある寮に入ってもらっている。もちろん管理人もいるし風呂は男女別の共用だからそんなに怖い顔をするな2人とも。」

 

隣を見ると和人も阿修羅のような表情をしていた、さすがは千葉の兄妹だ、やっぱり千葉の兄妹はこうじゃないとな

 

「で、その理由としては1人にしておくのが不安だからという理由とともにお前達の家が警戒区域にあたるからだ。警戒区域というのは近界民が発生するゲートの頻発する区域のことだ。」

 

「それで寮に入れてくれたんですね。ありがとうございます、ところでここにいるってことはやっぱり...」

 

和人がお礼とともに質問する。まぁでも分かってる風だよな

 

「...あぁ、そうだ。小町ちゃんと直葉ちゃんはボーダー隊員だよ、今はB級のソロ隊員だ。」

 

そこで新たな疑問が生まれる、確か出水はB級だったはずだ。だが出水と小町、直葉を比べても正直天と地の差があると思う。出水1人に小町と直葉でかかっても勝てないだろうと思えるほどにはな。

 

「出水はB級なんですよね?正直小町と直葉が同じ実力とは思えないんですが」

 

「あぁ、A級には部隊を組まないと上がれないんだ。出水は部隊を組んでないからB級ってだけで正規のA級隊員並の実力はあると思うよ。」

 

なるほどな、ソロでA級ってのはいない訳だな。もしくは部隊組んでて解散したらソロでもAになれるのかな。

 

「てことは部隊を組んだら即A級になれるってことですか?」

 

なんだ、和人。今日はよく喋るな。

 

「いや、部隊を組んだら最初はB級最下位部隊になる。そこからチームランク戦を行って上へ行けばA級部隊になれる。」

 

ま、部隊組んだからいきなりA級はないよな。あと聞きたいことと言えば...

 

「じゃあボーダーに入ったらB級からスタートってことですか?」

 

お、それそれ。それ聞きたかったんだよ、ナイス和人。

 

「ボーダーに入ったら最初はC級からになる。ちなみにC級は一種類のトリガーしか使えないから不便だと思うぞ。CからBに上がる条件は...まぁ、明日の説明を聞くのが早いだろうな。」

 

え、明日?明日って、なんかあったっけ?

 

「明日のボーダー仮入隊でその辺の説明はあると思うからな、あと仮入隊したら特典付きだから普通に入隊するより楽にCから抜け出せるぞ。」

 

「え?明日ボーダーの仮入隊?なんすか!?何も聞いてないんですけど!?」

 

また慶さんは適当な...そーゆー大事なことはちゃんと言ってくださいよ。

 

「はぁ、また慶は何も言わなかったのか...まぁ、いい。今からお前達には研究室の方に向かってもらう。多分大歓迎されると思うぞ」

 

そう言うと真史さんは笑って部屋のドアを開けた。

 

「待たせて悪かったね、小町ちゃん、直葉ちゃん。お兄ちゃん達を今から研究室に連れて行ってあげてほしいんだけど」

 

「もちのろんでございます!本部長殿!」

 

「わかりました!本部長殿!」

 

「2人とも本部長殿はやめてくれよ...昔みたいにまさ兄とかで...」

 

真史さん苦労してるなぁ...この2人のヤンチャぶりに加えて慶さんだもんなぁ、心中お察ししますよほんと

 

「こら、直葉。真史さんをあまり困らせるなよ。」

 

「そうだぞ小町、そんなことしてたら慶さんみたいになるぞ」

 

「「え、それは嫌かも...」」

 

慶さんどんだけダメ人間なんだよ...

 

 

「ま、いいや。案内頼むぞ」

 

「はーい、行くよお兄ちゃんズ!」

 

お兄ちゃんズってなんだそれ、半分女の子なんですけど。

 

しかしその小町の掛け声で歩き出す、なんてカリスマ!恐ろしい子!

 

 

 

 

「ほーい、ついたよ!ここが研究室!」

 

なんか物々しい所に連れてこられたな。大量のパソコンが並んでるのにまぁ驚く程に人がいない。

 

「鬼怒田さーん!中二さーん!ユウキちゃーん!冬島さーん!いないのー!?」

 

小町が呼びかけると床からゾロゾロと起き上がってくる。こいつらゾンビかよ。

 

「なんだ小町、うるさいぞ」

「小町殿、大声は寝起きの頭には響く...」

「うーんあと2時間...」

「おっ、来たか小町ちゃーん」

 

死にかけ3人元気な人1人か...ろくな所じゃないなおい。

 

「ほら!3人とも!SAOサバイバーが届いたよ!」

 

「「「ほんと(か)!?」」」

 

うぉっ、全員起きた。SAOサバイバーやばすぎない?って、俺たちか

 

「ワシが鬼怒田だ、よろしくな」

「我は材木座義輝!またの名を剣豪s「中二うるさいよ」すまぬユウキ殿...」

「私は紺野木綿季、ユウキでいいよー」

「俺は冬島慎次だ、よろしくなー。」

 

1人ずつ自己紹介されこちらも自己紹介で返す。するとユウキが俺達の前に一つずつトリガーを置いていく。

 

「さて、これからみんなには私たちと茅場晶彦の実験に協力してもらうね!」

 

「昌彦さんの?ちょっと意味がわかんないんだけど?」

 

「成功か失敗かどうかはやってみればわかるから!ほら、隣の訓練室入ってトリガー使って!」

 

おいおいユウキよ、せめて失敗した時のリスクを説明してくれよ...

 

諦めて俺達は渋々と訓練室に入る。

 

さて、やってみるか。

 

 

 

 

 

ーートリガー起動ーー

 

 

 

 





次回とうとう茅場晶彦の贈り物の正体がわかります!

お楽しみに!



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世界の種子


こうやって考えるとマジで世界の種子ってとんでもないものですよね。

色んなことがこれとカーディナルシステムで説明つきそう




 

ーートリガー起動ーー

 

「これがトリガーか、凄いな。ほんとに身体が軽くなった気分だ。」

 

「あぁ、まるでSAO時代に戻った気分だな。」

 

和人が話だし俺もそれに応える。ゲームから出てきたのにゲームしてる気分だからな。

 

《じゃあ、今から言うトリガーを起動して2人で戦ってみてくれる?》

 

ユウキが継げたトリガーを起動して適当に戦い始める。

この孤月ってやつ使いやすいな、和人はスコーピオン使って二刀流してるし。

なんかほんとにSAOに戻ってきたみたいだな。

 

「なぁ、八幡。この身体能力さ、SAOの時とほとんど同じじゃないか?」

 

「あぁ、それ俺も思った。ほとんどどころか全く同じ気すらするぞ。」

 

《あ、気がつくなんてほんとに2人は凄いんだね!》

 

中の会話は外に聞こえるらしく外からユウキが話しかける。やっぱり同じなのか。てことは昌彦さんの贈り物ってのはつまり

 

《それが茅場晶彦の実験結果だよ、ナーヴギアの内部データを吸い出してトリガーホルダーに転送させSAO時代のステータスを全てトリオン体に反映させる。全くとんでもないものを作ってくれるよね茅場晶彦は》

 

やっぱあの人とんでもないな、てか世界がこうなることも分かってたんじゃないのかとすら思うわ。

 

《多分元々はSAOで作成したキャラをコンバートして別のMMOでも使えるようにするためのシステムなんだと思うけどね。》

 

なるほど、昌彦さんの夢のおかげで今俺達はとんでもない恩恵を授かっているわけだ。

 

「なぁ、ユウキ。ちなみにこれってどこまで再現されてるんだ?スキルとかは使えんの?」

 

《スキルはさすがに無理だね。でも形を真似するだけなら身体が覚えてれば出来ると思うよ。》

 

スキルによるダメージ補正がないなら無理に形を真似する必要はないな、下手すりゃでかい隙を作るだけだし。

 

《あ、でもオプショントリガーって言ってね、武装ごとに必殺技みたいなのは使えるようにできるよ!まぁB級に上がってからなんだけどね。》

 

必殺技、と聞いて俺と和人はニヤける。こーゆーとこやっぱ男の子だよな。

 

 

 

その後もアスナと柚宇さんまじえて4人で乱戦したりしたが何故かみんな俺を狙ってきてあえなく撃沈した。いや、逆に耐えられるわけないじゃん。黒の剣士に閃光に癒しだよ?1人おかしいの居たね忘れて。

 

「さて、どーだったよ実験は?」

 

「びっくりしましたよ、まさかまたあの感覚を味わえるとは思わなかったので。」

 

えーっと確かこの人は冬島さんだっけ?が聞いてくる。

 

「あ、ちなみになんですけど。さっきの俺達を見た感じボーダーじゃどのくらいの強さなんですかね?」

 

「あー?そうだな。仮にその4人で組むとしたらA級下位から中位ってとこじゃねーかな。まぁ使うトリガーによってかなり変わってくるからどうとも言えんけどな。」

 

和人が聞くと冬島さんがパソコンカタカタ言わせながら返してくれる。

SAOをクリアした俺達ですら下位なのか、全くボーダーはどんだけ化け物だらけなんだよ。

 

「...よし、最終調整終了だ。まぁお前らなら明日の仮入隊で相当点上乗せされるだろうからすぐ部隊も組めるようになるぞ。」

 

「あのー、ついでなんで聞きたいんですけど慶さん、太刀川さんはどれ位強いんですか?」

 

あ、それ俺も気になった。出水や米屋がビビるぐらいだし相当強いんだろうけどな

 

「んー、お前ら太刀川の知り合いかー。太刀川は現ボーダー隊員1位だぞ、まぁ部隊組んでないからB級だけどな。そもそもノーマルトリガー最強の男の唯一の弟子だしなぁ」

 

ノーマルトリガー最強の男ってのは多分真史さんのことだな、にしても慶さんそんなに強いのかよ...引くわもう。

 

「あ、でもレポートを人任せにして風間さんやら本部長によくしばかれてるからあんな大人にはなっちゃダメだぞー」

 

なんだその1位。ほんとただの戦闘狂じゃねーかよ、そりゃ昔から真史さんから剣は教えて貰ってたしそれなりに強いとは思ってましたけどねぇ...

 

「まぁ基本ダメ人間だと思ってるんで大丈夫ですよ。」

 

「そーそー、この前も防衛任務の時に女の子拾って帰ってたしな」

 

「「は?」」

 

和人と同時に声を上げてそのまま視線を柚宇さんに移す。うわ、目から光が消えてる。これ慶さん今日マジで死ぬんじゃね?

 

「まーなんでも行ってた学校にゲートが現れたらしくてな、そんなこと珍しいんだがまぁ無いとも言えんしな。それで連れて帰ったらしいわ。」

 

「はぁ、で、今はどこにいるんですか?」

 

「確かお前らと同じ寮にいたと思うぞ、名前は覚えてねーけどな。」

 

後で聞いたことだがどうやら中学〜大学生のボーダー隊員のほとんどが寮に住んでいるらしい。まぁ食堂もあるし風呂は共用だしでほとんど自分でやることないから楽だろうしな。

 

「ま、その内会うだろうよ、多分明日にでもな。」

 

冬島さんが言うにはその子は明日の仮入隊に参加するらしい。

 

ま、強けりゃ目立つだろ。弱かったら?あんまり興味無いしどーでもいいや。

 

「んじゃ今日は帰りますね。また明日にでも来ますわ。」

 

「おう、明日がんばれよー。」

 

「頑張ってくださいねー!」

 

冬島さんとユウキがエールをくれる。ちなみに残りの2人はまた床でくたばっていた。

 

 

 

 

現在時刻は19:00。こんな時間に帰って寝てしまったことを八幡は後々後悔することになるのであった。

 

 





はい、茅場晶彦の贈り物はステータスそのものでした!

さすが世界の種子ですね!


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運命の分岐点

若干俺ガイル原作入ります。

ちなみに奉仕部組はもうちょい先で登場です。




...知らな、知ってる天井だ。

 

今の時間は朝の9時、今私比企谷八幡は病院のベッドの上にいます!

え?なんでかって?それでは...回想どうぞ。

 

 

〜回想〜

 

 

「うわ、早起きしすぎたか?」

 

現在時刻は朝の6時、

 

昨日帰って疲れてそのまま寝ちゃったからな、まぁ仕方ないか。

 

ボーダーの仮入隊は10時からだし何するかな、今から二度寝したら起きられる自信もないし。

 

「散歩でもするか。」

 

ジャージを着て外に出る、春になったとはいえまだ外は肌寒いままだ。

とりあえず警戒区域に入らない程度に家の近くまで行ってみるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわ、結構ひどいな。近界民ってのもそれなりに化け物ってわけか」

 

家のあった付近、ちょうど警戒区域と警戒区域外の境ぐらいまで歩いた俺は当たりを見渡して惨劇を目の当たりにする。

 

家は潰れたり崩れたりして原型を留めていないものも多く、道路はあちこちに小さなクレーターのような物が点々としていた。

 

 

 

 

「さて、さすがにこれ以上はやばいな。勝手に入ったのバレて真史さんに怒られたくもないし。」

 

 

警戒区域を後にした俺は明日から通うことになる総武高校の方へと歩を進めた。

 

 

 

 

「なんていうか家から総武って結構距離あったんだな。」

 

今は通学路になるはずだった道を歩いている。時間も7時、そろそろ寮に帰ろうかと考えていると対面の道を犬を散歩させている女の子が視界に入る。

 

「こんな朝早くから大変だな犬は、うちのカマクラなんてろくに外にもでないぞ。」

 

そういえばカマクラは無事なんだろうか?あとで真史さんにでも聞いてみよう。なんて思っていると

 

 

 

「おい、犬に遊ばれてんじゃねぇかよあの飼い主。ってリード離した!?馬鹿かよあいつ!」

 

 

犬の飼い主の女の子は犬に遊ばれとうとうリードを離してしまった。

まぁそれだけなら良かったんだけどね。対面からは1台のリムジンが、しかも犬には気づいてなさそうだ。スピードが全然落ちてない、仕方ない!と思い飛び出してしまった。ほんと何してんの俺。

 

「SAO時代の動きを思い出せ、いける!」

 

飛び出した俺は犬を片手で抱え込みそのまま直進してくるリムジンのボンネットに空いた手をつく、そのままボンネットに乗り上がり一回転。そして着地!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出来たと思うか?

 

 

残念、無理でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実際は犬を抱え込んで手を付くとこまでは上手くいった、ただリムジンのスピードが早すぎてそのままボンネットに乗りあがった時に吹っ飛ばされた、その時に着地をしようとしたみたいだが足がうまくつかずに捻挫、更に頭を打って気絶。というわけだ。

 

んで、治療費は全額リムジンの運転手が払うらしく、犬も無事だったそうだ。ならまぁいいんだけどね。

 

 

 

 

 

〜回想終了〜

 

 

 

 

 

 

と、いうわけで今俺は病院のベッドの上にいる。

 

全くとんだ災難もあったもんだ、このことを真史さんに連絡したら、仮入隊はどうする?トリオン体なら問題無く動けるが。との事だったので仮入隊には参加するつもりだ。ちなみにもうすぐ真史さんが迎えに来てくれるはずだが...

 

 

コンコン

 

来たみたいだ。

 

「どうぞ。」

 

「やぁ、八幡。今朝は災難だったな。」

 

苦笑いをしながら入ってくる真史さん。ほんと災難でしたよ...

 

「さて、早速だが時間もないし。動けるか?」

 

「あ、はい。って言っても捻挫だし大丈夫ですよ。」

 

真史さんが手を差し出してくれる。俺も手を取り立ち上がる。実際捻挫だしまぁ自力で歩けるな、そのまま車に乗り込み本部へ向かう。

 

 

 

 

「昨日はどうだったんだ?贈り物のは相当なものだったんだろう?」

 

「えぇ、正直驚きましたよ。まさか昌彦さんがあそこまで天才だとは思っていなかったんで。まぁゲームクリアに貢献した報酬として有難く使わせて貰いますよ。」

 

昨日のことは思い出してもびっくりする。あ、昨日で思い出した。そういえば帰る前に

 

 

 

 

『八幡のブラックトリガーなんだけどね、効果は分かんないけど名前は分かったよ、《夢の犠牲》多分読みはヴィクティム?だと思う。SAO時代にそんなスキルとかってあった?』

 

『いや、そんなものは聞いたことも無いな。そのまま能力を考えるなら何かを犠牲にして何かを得る。とかなのか?』

 

『そうとも限らないと思うけどね、結局名前を付けるのはブラックトリガーを作った本人だしね。』

 

『ふぅん、そんなもんなのか』

 

 

 

 

「結局これの能力ってなんなんだろうな...」

 

指から外した指輪を持って掌で遊ばせていると

 

「あぁ、それの能力結局分からなかったのか。まぁ仮入隊したら仮想訓練室で俺と試してみよう。」

 

真史さんがそう提案してくれたのでその提案を受けることにした。まぁ俺からしたらありがたいことこの上ないしな。

 

「あ、それとブラックトリガーはランク戦での使用は禁止だからな、ブラックトリガー使いは強制的にSランクになって部隊も組めなくなる。」

 

それはある程度予想はしていた、でないとブラックトリガー持ちだけで部隊組んだりしたらパワーバランスも崩れるしな。

 

「了解です、とりあえずはノーマルトリガーだけでいこうと思ってますんで。まぁ部隊とかはあんまり考えてないんですけどね。」

 

「ならよかった。それと柚宇ちゃんに仮入隊が終わったら俺のところに来るように言っておいてくれ。」

 

「それも了解ですよ。っとついちゃいましたね。」

 

ある程度の説明を聞いたりしてるとボーダー本部についた。さて、仮入隊でどれだけ稼げるかな。

 

「まぁあのゲームをクリアしたお前達なら心配はしてない。お前達の実力を存分に見せつけてやってこい!」

 

真史さんがカツを入れてくれる。ま、ほどほどに暴れますよ。だってさっさとBランクに上がるために楽したいし。

 

 

 

 

 

「了解です、すぐに慶さんや真史さんに追いついて見せますよ」

 

 

 

 

 

そう言って俺はボーダー本部の入口を潜った。

 

 




ついに八幡達は仮入隊します!

結果は、まぁ察してください!


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新たな出会い

はい、今回は続々と新キャラ登場です。

朝田さん可愛いよ朝田さん




「なんだ、この人の多さは。帰りたい。」

 

ボーダー本部の中に入ると見渡す限り人、人、人。

仮入隊日なのにすでに100人近いぞ?これなら俺いらないんじゃね?

 

「あ、来たか八幡。」

「ハチくん今日は災難だったね〜」

「八幡くん、怪我は大丈夫?」

 

少し中に進むと3人がいた、あとついでに2人いる。慶さんと...誰?

 

「おー、来たなハチ。」

 

「あ、えっと。よろしく?」

 

なんで疑問形なんだよ。関わりたくないってかこのやろう。

 

「おう、よろしく。で、誰?」

 

「俺が拾ってきたんだよ」

 

「あ、以前近界民に襲われたところを太刀川さんに助けていただきました。朝田詩乃です。」

 

「なるほどな、俺は比企谷八幡だ。って朝田詩乃?どっかで聞いた気が...あ、もしかしてGGOの冥界n「ちょっと来て!」はい?」

 

 

 

 

 

いきなり朝田さんに肩を掴まれて引き摺られる。あの、俺朝事故ったばっかなんでできれば優しくしていただけませんかね?

 

「なんであんたがそれを知ってんのよ!?」

 

「いや、だってGGOってネット配信とかしてるじゃん?で、全国大会見てたら朝田さんにそっくりだと今思ったんで言ってみたんですけどまさかね」

 

「はぁ、お願いだからその事は黙ってて、もし喋ったら風穴開けるから。」

 

脅された。初対面で脅された。しかも風穴開けるってどこの緋弾さんだよ。

 

「なんだ?お前ら知り合いかー?」

 

「「いえ、全く知りません!」」

 

はもったよ。てかさすがに知らない奴の肩掴んでいきなり引き摺ったら警察もんだよね。

 

「ん?そーなのかー。」

 

馬鹿でよかったこの人。てかまだ始まんないのか?もうすぐ時間なんだけど...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボーダー本部長、忍田真史だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、遅かった理由わかりました。すいません、俺のせいですねこれ。

 

 

「君達の仮入隊を歓迎する。君たちは本日C級隊員……訓練生として仮入隊するが、人類の未来は君たちの双肩に掛かっている。日々研磨し正規隊員を目指して欲しい。君たちと共に戦える日を待っている。私からは以上だ。この先の説明は嵐山隊に一任する」

 

 

 

そう言ってこちらを見て微笑む真史さん。なんかカッコイイなおい。

 

 

 

しかし周りの連中のほとんどは嵐山隊、という名前を聞いて興奮している。

 

嵐山隊。

オールラウンダー2人にスナイパー1人のA級部隊、だったかな?結構テレビとかにも出てるしボーダーの表の顔って感じだ。

 

「やあ、みんな!今日のボーダー仮入隊を案内する嵐山隊隊長の嵐山准だ。よろしく!」

 

 

すると女子はキャーキャーと騒ぎ出す。騒いでない女子なんて見る限り数名しかいないな。ちなみに俺はあの手の人は正直苦手だ。なんというかディアベルを完璧にしたみたいな感じだからな。

 

 

「これから入隊指導を行う前にボーダーのトリガーについて説明しよう。まずトリガーを起動して換装したら左手の甲を見て欲しい。数字があるのが分かるだろうか?そのポイントを4000まで溜めるのが正規隊員になるための条件だ。ちなみに今日の仮入隊ではポイント自体は変わらないから気楽にやってくれ!」

 

 

本入隊の日のポイント上乗せであって今日はそのまま1000なわけか。今日でB級に上がるとかはできないわけだな。

 

 

「まず最初の訓練は対ネイバー戦闘訓練だ。仮想戦闘モードの部屋の中でボーダーの集積データから再現されたネイバーと戦ってもらう。ちなみにこの訓練は今回から導入されたものでどれぐらい早ければいいのか、というのが分かりにくいと思う。そのため今日は正規隊員にまず手本としてやってもらおうと思う!」

 

 

そう言うと嵐山さんの後ろから2人の人物が現れる、っていうかあれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「B級ソロ隊員太刀川慶、そして出水公平だ!」

 

 

 

 

なんであの人にやらせるんだよ!あの人1番強いんだろ!?んで、そこに出水もいるってことはあいつも相当速いんだろ...

 

「では太刀川さん出水くんよろしくお願いします!」

 

訓練開始、とブザー音がなると訓練室の中にいたネイバーはブザー音がなり終わる前に粉々になった。

 

「1号室太刀川慶、0,2秒」

「2号室出水公平、1,6秒」

 

周りはざわつきどころかとんでもない記録を見てシーンとしている。あんたら化け物かよ、見た感じ俺と和人でも見るのでギリだったぞ。

 

 

 

 

「えーっと、これが正規隊員の実力だ。みんなも諦めずにこれを目指してくれ!」

 

いや、嵐山さんも軽く引いてんじゃん。そりゃあんなガチ記録見せられたらそうもなるだろうけどさ。

 

その後ぞろぞろと訓練を続けていく。今のとこ30秒切ってるのは熊谷、那須、犬飼さん、荒船さん、香取、菊地原、歌川か。結構速い人ばっかりだな。

 

 

 

 

っと、次は和人とアスナか。さて何秒でるかな。

 

和人は二本のスコーピオン、アスナはなんと槍弧月を使っている。

 

「ま、2人ともSAO時代のスタイルに寄せてきてんだろうな。」

 

訓練開始、ブザー音がなると同時にネイバーが崩れ落ちる。やっぱ早いな、記録は...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「2号室桐々谷和人、2,1秒」

 

「3号室結城明日奈、1,9秒」

 

 

 

 

 

 

 

 

ある意味初めてでこれかよ、トリガー使うのに慣れたら普通に1秒切りそうだな。

 

「あー、アスナの方が早かったか。」

 

「仕方ないよ、和人くんSAOじゃ筋力値メインで降ってたんだし」

 

和人とアスナがブースから出てくる、まぁ速度でアスナに勝つのは厳しいだろうな。

 

そしてすでに二人の周りには人が集まっている、大人気だよこいつら。

 

 

 

 

「さて、この間に俺もやっちゃいますかね。」

 

訓練室に入りスタートの合図を待つ、外を見るとまだほとんどの人が和人とアスナに集中していてこっちを見ているのは熊谷、那須、犬飼さん、荒船さんぐらいだ。

 

「トリガー起動。」

 

トリガーを起動して弧月を構える、SAO時代と同じ動きが出来るなら多分これも出来るはずだ、と思う。

 

訓練開始、ブザー音が鳴り響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間俺はただただネイバーに向かってゆっくり歩いた。

 

そして何も気付いていない様子のネイバーの目の前で数秒立ち止まり目を弧月で突き刺し訓練終了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周りの連中も誰も俺のしたことに気付かない、ってかSAOしてなかったらまず知らないだろう。

 

俺が使ったのは隠蔽スキル。ただただ限界値まで上げた隠蔽にネイバーが反応出来なかっただけだ、だから俺が真正面に立ってもネイバーは無反応な訳だ、チートじゃないよ?だって和人やアスナには通用しないし。でも周りの人から見たらシステムエラー起こしたようにしか見えないだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

「1号室比企谷八幡、11秒」

 

 

 

 

 

 

ま、こんなもんだろ、多少目立つ程度にタイム出しとけばいい、和人やアスナ程目立ちたくはないしな。

 

 

 

 

訓練室から出ると熊谷、那須、犬飼さん、荒船さんに話しかけられる。

 

「比企谷だっけ?アンタさっきの何をしたの!?」

「えぇ、本当に凄かったわ。ネイバーも全く反応できてなかったし気配も全然しなかった。」

「君凄いなー、あれ実際全然本気やないやろ?」

「全くだ、あんなもん何やってたら身に付くんだよ!?」

 

 

 

タイム結構いい組が俺に話しかけてくるせいで周りに自然と人が集まる。おい、何してくれてんだよ。

 

結局次の訓練が始まるまで俺、アスナ、和人の周りには常に人がたかっていた。

 

 

その後も地形踏破訓練では和人が1位、隠密行動訓練、探知追跡訓練では俺が余裕で1位になってしまった。ちなみにアスナは全部2位。そっちの方がよっぽどすごいと思うけどな。

 

あと柚宇さんは真史が挨拶したあと一緒にどっかいってたから知らん。まぁ真史さんに任せれば大丈夫だろ。

 

 

 

 

こうしてボーダー仮入隊が終わり3人の大型ルーキーは結果的に大いに目立つことになった。

 

そして明日は総武高校始業式、ろくなことが起こらない気がすると俺のサイドエフェクトが囁いている。いや、多分違うけど。




ちなみにシノンはスナイパーのため当然この訓練はやってないです、


別場所で多分東さんとか佐鳥とかと一緒にいますね

てか今回なげぇ


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乱立

さて、今回から八幡にジャンジャン一級フラグ建築士バリの働きをしてもらいますよ!




4月7日 総武高校始業式当日

 

「で、これはなんだ?」

 

現在時刻朝の6時起きたら俺の部屋にまぁそこその人数のやつがいた。いや、マジでなんだこれ?

 

 

 

 

 

「お、ハッチ起きたか!」

「おっす、おはよーハッチ!」

「一生寝てればいいのに」

「おはよ、八幡くん。起きるの早いんだね。」

「おはよ、比企谷。てか玲、起きるのが早いんじゃなくて私達がうるさいだけだと思うよ。」

「おはよう、すまんな比企谷。朝早くにこいつらが押しかけて。」

「おはよう、比企谷くん。ほんとにごめんね?」

「おはよう、比企谷くんって寝てる間は目普通なんだね」

 

 

 

 

 

 

オーケー、状況を整理しよう。まず俺は昨日16歳組とやらの入隊祝いを断って帰った。で早々に寝たはずだ、そして今。部屋には米屋、出水、小南、那須、熊谷、三輪、綾辻、三上。それに奥で和人とアスナとシノンが笑ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、やっぱりなんだこの状況おかしすぎるだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、なんでお前らは俺の部屋にしかもこんな早朝から集まってるんだ?はい、米屋くん答えなさい。」

 

「だってハッチ昨日すぐ帰っちゃったじゃん?」

 

「よし、論外だ。じゃあ綾辻、なんでこんな早くから集まってるんだ?」

 

「ちょ...ハッチひで「あー、昨日比企谷くんすぐ帰っちゃったじゃない?で、今日は始業式だしある程度同じ学校のメンバーは分かってた方がいいかなって思ってこの時間に集まったの」綾辻ちゃん!?」

 

綾辻にもスルーされる米屋、ホントこいつ馬鹿だな。

下手すりゃ慶さんといい勝負だ。

 

「なるほど、ってことはここにいる奴は全員総武なのか?」

 

「そういう訳じゃないけどね、玲ちゃんとクマちゃん、それに桐絵ちゃんはアスナちゃんと同じ星輪だから。それ以外はみんな総武だね。あとは昨日いた人だと荒船さんと犬飼さんも総武だよ。同級生だと辻くんとか奈良坂くんも総武だね。」

 

聞いてはいたけど結構いるんだな総武生。辻と奈良坂ってやつはまだあったこともないけど。

 

「よし、なんとなく理解はできたし納得はした。問題は誰がここの鍵を開けたかなんだが...」

 

そう言って和人の方を睨む、しかし和人は何のことだ?と言わんばかりの顔をしている。あれ?和人じゃないのか?

 

 

 

 

「開けてくれたのはお前の妹だ。」

 

 

三輪のカミングアウト、小町あとで覚えとけよ。

 

 

「はぁ、まぁわかった。とりあえず着替えるからちょっと早いけど学校行こうぜ、これ以上俺のパーソナルスペースにこんなに大量に人を居させたくない。俺は基本ぼっちなんだよ。」

 

そう言うとみな口々に文句を言いながら部屋を出ていく。そんな中で那須だけはごめんね?迷惑だったかな?と言ってきたのでそんなことはないぞと一言添えておく。ほんとに大人数に慣れてないだけで来たことを怒ってるわけじゃないしな。

 

ちなみにその時に小町にするような感覚で頭を撫でてしまい、那須の体温が急上昇したのは俺のせいじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...てか小南がお嬢様って似合わなすぎるよな。」

 

ボソッと呟いたつもりだったが聞こえていたのか玄関からとてつもない怒声が聞こえる。あいつサイドエフェクトでも持ってんのかね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後総勢7名の大所帯で総武高校へと向かった、傍から見たら何の集団だこれってなるよな。話してる内容がランク戦の事だし。綾辻と三上ですら自分の隊の話をしてるしな。なんだこの華のない高校生。

 

「あー、今日は無事につけたな。」

 

「そーいや昨日事故ったんだってなハッチ、大丈夫なんか?」

 

「え!大丈夫なの?比企谷くん?」

 

米屋と三上が心配してくれる、こいつら意外とイイヤツだよな。

 

「あー、ただの捻挫で終わったからな。流石にまともに撥ねられたらやばかったかもな。」

 

「ちなみになんで轢かれそうになったんだよ?」

 

「えっと、散歩中の犬が轢かれそうになったので、助けたら轢かれかけました...」

 

米屋と出水はこの答えを聞いて似合わねー!と大爆笑しているので米屋の腹に拳を叩き込んでおいた。

なんで俺だけ...とか言って崩れ落ちたけど知りませんね。

 

 

 

「なんというかまぁらしくはないかもな。」

 

 

倒れ伏せた米屋を引き摺りながら三輪が話す。三輪も言うぐらいだからそんなに似合わないのか?

その後ろじゃ綾辻と三上が比企谷くんのお株急上昇だね!とか言ってるしよくわからん。

 

ていうか和人はアスナを駅まで送っていないし柚宇さんはまだ家で寝てるしで俺知ってる人1人もいない状況なのによく生きてるな。まぁSAOのおかげでコミュ力も多少ついたのかな。

 

「んじゃクラス確認してさっさと教室いこーぜ!放課後は三輪隊の隊室集合な、なんか太刀川さんが話あるらしいから!」

 

米屋がそう告げみんなが解散する。しかし慶さんが話か、ろくなことじゃない気がするなぁ...

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに俺は三上と同じクラスになった。まさかの女子かよ、どーすっかなー、とか考えてると

 

「あ、比企谷くん。これから1年間よろしくね!」

 

三上が笑顔で俺の席に向かってくる。にしても比企谷、か。やっぱりSAOでは周りからハチマンって呼ばれてた分なんというか不自然に聞こえてしまうな。

 

 

「あー、八幡でいいぞ。正直SAOで八幡呼びされすぎて比企谷って呼ばれると違和感あるんだわ。」

 

「あ、えっと、あのじゃあ、八幡...くん?」

 

 

頬を赤らめながら名前を呼ぶ三上、なんだこの可愛い生物は」

 

 

「あれ?どうした三上?」

 

三上の方を見ると更に顔を真っ赤にしながらブツブツと何かを呟いている。なんか玲ちゃんには悪いけど...とか。何言ってんだ?

 

「おーい、三上?」

 

「あ、は、はい!わ、私の事も歌歩でいいよ!八幡くん!」

 

なんかやけにテンション高くなったな、カモンベイベー!って感じの顔してるし。いや、どんな顔だよ。

 

まぁ、名前で呼ぶ件に関しては俺から頼んでおいてこっちが呼ばないのも変な話だしな。

 

 

「お、おう。わかった、じゃあよろしくな、歌歩」

 

「うん、よろしくね、八幡くん!」

 

 

こうして俺は気付かないうちにフラグを乱立させていくのであった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにその頃の米屋、出水、綾辻は。

 

「うぉっ、三上はハッチのことが好きなのか?」

 

「てかいつの間にか名前で呼びあってるし!」

 

「そんな風ではなかったけど今のをみると歌歩は比企谷くんのことが好き...なのかな?」

 

「いやー、見た感じ那須もハッチのこと好きそうだったし隅におけませんなぁ!」

 

 

 

 

ちゃっかり盗み聞きをしていた。

 

 




はい、今回で那須さんとみかみかが八幡の毒牙に

予定ではあと2人ほどフラグ建築をする予定です!


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結成、最強の部隊


さぁ、今回は多分太刀川さんカッコイイです!

多少原作にはよせましたが最早太刀川隊別物ですねw

時系列的にまだ唯我はいません。




 

「おせーぞハッチ!もうみんな来てるぞ!」

 

「悪かったな、少し部屋の片付けしてたら遅くなった。」

 

今、俺は三輪隊の作戦室に来ている。呼ばれたのは出水、綾辻、歌歩、和人、熊谷、小南、アスナ、シノン、んで俺だ。那須は体調不良で来れないらしい。

 

「おー、みんなよく来てくれたな!」

 

「ほんとにみんな来てくれたんだね〜」

 

部屋に入ると慶さんと柚宇さんがソファーに座っている。

 

なんか柚宇さんに会うの久しぶりだな。

 

そして全員が揃い慶さんが話し出す。

「あー、みんなよく集まってくれた。まぁ話ってのは大したことじゃないんだけどな。実は

 

 

 

 

 

 

 

俺、部隊組むことにしたから」

 

「「「「「は?(え?)」」」」」

 

周りを見ると綾辻、歌歩、アスナ、和人、小南、熊谷も驚いている。ていうかバカどもとシノン、三輪は知ってたのかよ。

 

「なんで今なんですか?」

「太刀川さんもうボーダー入って1年以上ですよね?」

「え!誰!?誰と組んだんですか!?」

「そうだよ!誰と組んだんだよ慶さん!」

「アンタようやく部隊組む気になったのね!ランク戦じゃ玉狛がボコボコにしてあげるわ!」

「あれだけ強い人が部隊組んだらA級1位ほぼ確定じゃない...」

 

みんな思い思いに意見を言っている。確かになんで今更とは思うけどな。あと、小南。お前はもう戦う気満々なのかよ、ほんとお嬢様(笑)だな。

 

「まぁお前らが言いたいことも分かるぞ。まずは今更部隊を作ったことには2つ理由がある。一つ目は今までは防衛任務の融通を効かせるために作らなかったってことだ。お前らは知ってると思うが和人と八幡、それに柚宇、アスナはSAOってゲームの中に囚われていただろ?その場所を、しかも時間を指定して防衛先にしようとしたら部隊だと都合が悪かったんだよ。部隊のやつらに俺のわがままで迷惑かける訳にもいかんしな。」

 

慶さんマジでイケメンかよ...これで自分でレポートが書けるようになれば文句ないんだけどな。

 

周りを見るとほかの奴らはもちろん三輪ですら尊敬の眼差しを向けている。隊長として何か思うところがあるんだろうな。

 

「んで、二つ目の理由な。これもまぁ俺の私情になるが俺が隊を作る時のオペレーターは柚宇にするって決めてたんだよ。俺はこいつ以上に状況分析とか作戦決めるのが上手いやつを知らんからな。ま、ただゲーム好きでこうなっただけだろうけど」

 

ハッハッハ、と笑う慶さんに最後の一言はいらないでしょー。と柚宇さんがヘッドロックをかける。かけられた慶さんは心做しか笑顔に。

 

やっぱダメ人間だったわ。

 

「ってなわけでこれが俺が今更部隊を組もうと思った理由だな。ぶっちゃけA級になって固定給貰いたいってのも理由だけどなー」

 

さっきまでと反面全員が呆れた目で慶さんを見ている。三輪に至っては少しでもこいつを尊敬した俺が馬鹿だった、と目を伏せている。

 

「あ、ちなみに隊員はもう決まってるから。おーい出てきていいぞー」

 

慶さんがドアの方を見ながら呼ぶと全員がドアの方に視線を向ける。さて、誰が来るのやら...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思っていると後ろからゴソッと物音がした。は?と思い後ろを見ると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃーん!太刀川隊隊員出水公平だ!」

 

「同じく太刀川隊隊員予定、朝田詩乃よ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米屋と三輪以外は唖然としている。

 

当然だろ。方やボーダートップクラスの射手。

 

方や仮入隊の狙撃手訓練全成績2位を完全に突き放して1位の化け物ゲーマー

 

これを最強の部隊と言わずしてなんというのかって感じだな。

 

 

「そしてオペレーターの国近柚宇で~す」

 

うん、それはわかってるから。

 

「でも何でシノンちゃんは予定なの?」

 

「そりゃシノンはまだ、C級だからな。部隊を組むのもこいつがB級に上がったらの話だ。」

 

「お願いだからその呼び方はやめて...」

 

歌歩が慶さんに聞きそれに答える。ちなみにシノンのことを柚宇さんは狙撃手の訓練を見ている時に撃ち方とクセで気付いたらしい。ほんとゲームに関しては凄いよあんた。

 

その結果柚宇さんが呼び始めみんなにもその事がバレた。シノンも最初は発信源が柚宇さんだと気付かなかったらしくそのせいで俺は半殺しにされた。いや、マジであの時のシノンは怖かった。

 

「ってなわけで早ければ再来週には太刀川隊結成するからよろしく。当然目標A級1位だから、三輪たちもよろしくな。」

 

おぉ、いつになく真面目な顔だな戦闘狂。こーゆーとこはカッコイイから余計にダメなんだよなこの人は。

 

その後いろいろと盛り上がっている話を聞きながら俺はいつか俺も自分の部隊を持つのかな...なんて考えていた。






国近ちゃんが仮入隊の現場にいなかったのはこのためです!

ちなみに出水は誘われた時めちゃくちゃ喜んだらしい。



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休息と遭遇


今回は原作にないオリジナルストーリーです!

ちなみに次の話でnewヒロイン登場します!

お楽しみに!


 

無事に始業式も終え4月10日、1年生全クラス合同での遠足である。

 

ということで、俺達総武組はバスに乗っている。ちなみに行先は千葉村だ。

 

「ハッチ!モンハンしようぜ!」

「俺もう部屋たててるぞー。」

「八幡早くしろー。」

 

バカトップ2+和人はモンハンやってる。なんで遠足にP〇P持ってきてんだよ、いや、俺も持ってるんだけどね。

 

綾辻と三上、三輪は席につくなり寝てしまった。まぁ昨日も防衛任務あったし疲れているんだろう。お疲れ様だ。

 

「へーへー、今入るよ。って弾バカはゲームの中でも球バカなのかよ。」

「俺のボウガンテクで禿げ上がれお前ら。てか和人も槍バカも変わんねーじゃん。」

「まぁ俺もゲームの中でも双剣だしな。」

「俺のガンランスで震え上がれ。」

 

ほんと和人も馬鹿に加えるべきかな。あ、俺?俺は片手剣ですよ。やっぱり影から一撃離脱ってロマンじゃん?

 

 

 

 

 

 

「やばい!弾バカ、回復弾撃ってくれ!」

「はーい、爆弾置くぞー。」

「おっけー、ドーン。」

「おい、弾バカ!アスナバカ!何してんだよ!死んだじゃん俺!」

「アスナバカ、か。なかなかいいなそれ。」

 

何してんだこいつら、ただの戦犯じゃねーかよ。

和人に至っては喜んでんじゃねぇよ。

 

その後もギャーギャーと騒ぎながら狩りをしてると先生に持ち込みがバレてPS〇を狩られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから10分ほどすると目的地、千葉県民の千葉県民による千葉県民のための村、千葉村についた。まぁ所在地群馬なんだけどね。

 

「おい、綾辻、歌歩。着いたぞ。」

 

「あ、比企谷君おはよう。ありがとね。」

 

「んんー...あともうちょっと...。って八幡くん!?お、おはよう!」

 

随分寝起きのいい綾辻と寝起きの悪い歌歩。てかなに?俺いたら駄目だったのん...?

 

「おーい、秀次ー!おーきーろー!!」

 

米屋は三輪の肩を掴んでガクガクと前後させる。そんなことしてたら三輪キレるだろ。

 

あ、三輪起きた。あ、肘鉄入った、痛そう。米屋学習能力なさすぎだろ。

 

その後担任の長ったらしい挨拶も終わり自由時間になる。小町の話だと小町の中学も全学年で千葉村に遠足に来てるらしいな。さて、どこにいるのやら...

 

 

 

 

 

あ、いた。川で遊んでんのか。ってかよく見たら米屋と出水、和人もいる。なんであいつら水着持ってきてんだよ。

 

「あ、お兄ちゃーん!」

 

気付いて笑顔で手を振る小町。水色のビキニが良く似合う、さすが俺の天使、有象無象の水着姿より輝いて見えるぜ。

 

「あ、比企谷くんも来たんだね。」

「わっ!は、八幡くん...」

 

あ、綾辻と歌歩も来た。ってかなんでお前らも水着持ってきてんだよ。え?持ってないの俺だけ?

 

「あ、あの、八幡くん。どう...かな?」

 

歌歩が俯きながら聞いてくる。

 

綾辻は白のワンピースみたいな水着か、なんというかイメージ通り清楚の塊って感じだな。

 

歌歩は黒と紫を基調にしたビキニか普段のイメージと違ってお姉さんって感じだな、まぁ...なんだ。すげぇ似合ってると思う。そもそも元が可愛いしな」

 

「おぉー、やるようになりましたな!お兄ちゃん!今の小町的にポイント高いよ!」

 

ん?何のことだ?歌歩の方を見ると真っ赤になって綾辻の後ろに隠れてるし。

 

「全くあいつらは元気だな...」

 

「お、三輪は水着持ってきてないのか。」

 

「あぁ、そもそも来るのは初めてだし川があることも知らなかったからな。」

 

あることを知ってても持ってきそうにはないがな。と、思ったけど言わないでおく、肘鉄喰らいたくないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても直葉ちゃん、でかいよな...」

「やっぱりそう思うか、槍バカよ。目のやり場に困るぜ...」

「おい、お前ら。直葉にちょっかいだしたら沈めるぞ。」

 

冗談だってー!と笑うバカ2人。いや、絶対冗談じゃなかっただろ。あと和人、目がマジだからやめとけ。綾辻と歌歩がビビってるから。

 

「なんて言うか...桐ヶ谷くんもシスコンなんだね...」

 

「うん...びっくりしたよ。てっきりシスコンは八幡君だけだと思ってた...」

 

「お前らなにげに失礼だな、千葉の兄妹ならこのぐらい普通だろ?」

 

「「普通なんだ...」」

 

その後は和人が出水と米屋を沈めたり、川の辺に座っていた三輪に米谷が水をぶっかけて沈められたり直葉と小町にちょっかいだそうとした米屋が沈められたりと楽しい時間を過ごした。

 

いや、マジで米屋は脳ミソついてるのか疑うわ。

 

でもSAOにいた時からこうやって息を抜くことも出来なかったからな、今はこの時間がありがたいわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、集合時間15分前。

 

「いやー、楽しかったな!」

 

「今度は夏休みにでもゆっくり来たいな!」

 

 

 

 

 

なんだろう、少し嫌な予感がする。なんというか空気が重いというか。いや、別に俺がいるから空気が悪いとかそうゆうことではない。え、ないよね?

 

 

 

 

 

 

「そうだね、夏休みに防衛任務のない日が被ったらみんなで来ようか。」

 

「いいね!今度は1泊ぐらいしたいよねー」

 

 

 

 

 

綾辻と歌歩が笑いながら話している。が、嫌な予感が消えない。なんだ、これから何か起こるのか?

 

 

 

 

 

「その時はぜひ小町たちもご一緒したいです!」

 

「あ、私も!いいでしょお兄ちゃん?」

 

「あぁ、直葉がいいなら俺は構わないぞ。」

 

 

 

 

 

小町と直葉もそれに乗っかり夏休みに行く流れができあがった。まだだ、まだ消えない。何が起こるんだ...?

 

 

 

 

 

「んじゃもう集合時間なるし戻るか、じゃあな小町ちゃん、直葉ちゃん!」

 

「はい!ではまた夕食の時にでも!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とは、ならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキリ、と鈍い音がなり空間に亀裂が走る。

 

 

 

その瞬間ここ数日で聞き慣れたサイレンが鳴り響く。

 

 

 

 

すると割れた空間から異形の生物が3体、川を囲うように現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





綾辻ちゃんとみかみかの水着姿、皆様のご想像にお任せします。



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黒い指輪

今回八幡のブラックトリガー発動です!

効果については...まだわからないかもですね!




割れた空から3体の近界民が現れる。3体の近界民は俺たちのいる川を囲うように立ちふさがる

 

「なんでだ!?こいつらは千葉か東京にしか現れないんじゃないのか!?」

 

「絶対にそうって訳じゃないみたい、今までも何度かはあったみたいだし...」

 

和人の質問に綾辻が答える、にしてもおかしいだろ。仮にもここにはボーダー隊員が10人近くいる。敵国は送り込む位置を選べないわけじゃないだろうしここに送り込まれた意味があるはずだ。

 

 

「小町!直葉!換装したら川にいる中学生を全員逃がせ!綾辻と歌歩は高校生を頼む!」

 

とりあえずまずは一般人の避難からだ、考えるのは後でいい。

 

「米屋、出水、三輪!こいつらの情報は!?」

 

「いや、初めて見るな。」

「新型だと思うぞ。」

「あぁ、俺も見たことがない。今本部に確認をとる。」

 

見たところ3mほど、腕は長く前傾姿勢をしている人型。頭には兎の耳のようなものもついている。

 

 

「もし未確認なら負担はデカイが3人でそれぞれ1体ずつ頼む!和人、俺達は逃げ遅れた奴らを逃がすぞ!」

 

「何言ってんだよ、俺も戦うぞ!」

 

俺の言葉を振り切り戦おうとトリガーを構える和人。三輪達はすでに戦闘に集中している。

 

「アホか!お前と俺のトリガーはまだC級の試供品だろ?そんなもんで戦って役に立つとでも思ってんのか!?せいぜいあいつらの足を引っ張って終わりだ!」

 

「くっ...分かった。」

 

渋々納得した和人に綾辻達の方を任せ小町の方へ向かう。どうやら中学生はあらかた避難が終わっているようで直葉と小町が指揮をとっている。

 

「小町!全員集まったのか!?」

 

「あ、お兄ちゃん!あと5人ほどだけど、オリエンテーリングから戻ってないだけみたいだから...」

 

オリエンテーリングなら山側か、川に近づくことはないだろうが念のため行ってみるか。

 

「わかった、そっちは俺が行くから小町と直葉は生徒の安否確認続けてくれ!もしまだいない奴がいるようなら連絡しろ!」

 

「「了解!」」

 

とりあえず綾辻に連絡をとり安全を確認する、どうやら高校組は全員無事みたいだ。ついでに米屋、出水、三輪と連絡が取れるようにしたいと言うと内部通信も繋げてくれた。さすが綾辻、できる女は違うぜ!

 

俺は昔の記憶を頼りにオリエンテーリングのコースへ走る、どうにも嫌な胸騒ぎが止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

side和人

 

 

八幡の指示に従い綾辻達の所へと向かうとすでに避難は完了していた。

 

「八幡はあぁ言ったけどやっぱり俺は...」

 

少し立ち止まり迷うがすぐにトリガーを起動し三輪たちの元へ向かう。例えC級のトリガーでもやれることはあるはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間もなくして現場に到着する。すると目の前に広がっていたのは...

 

 

「...俺に勝負を挑んだのが間違いだったな。」

 

鉛玉(レッドバレット)をしこたま打ち込まれ地面にひれ伏したまま全く動かない新型

 

「アステロイド+アステロイド、ギムレット。」

 

徹甲弾(ギムレット)を弱点と思われる目に何発もくらい目に風穴の空いた新型

 

「うわっ、全く刃通んねぇ。...と、思うじゃん?」

 

1度は腕に止められたと思われた槍の穂先がヌルリと動き、目を貫通され完全に行動停止した新型が転がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

ほんとに援護いらなかったな、これがA級の実力なのか...

 

 

 

「こちら三輪、千葉村にて新型を捕獲。処理をお願いします。」

 

「いぇーい、俺の勝ちな槍バカ!」

 

「くっそー!て、これお前の方が有利だろ!こいつ全く刃が通んねぇんだけど!?」

 

米屋と出水なんてどっちが先に倒せるか対戦までしてたのか、これは本格的に邪魔しなくてよかったな。なんて思っていると...

 

『ザザッ...こちら八幡、出水、米屋もう終わったか!?』

 

「お、ハッチー。こっちは終わったぜー...あ?マジ!?...よし、わかった。いくぞ弾バカ!秀次とキー坊はその新型見張っといてくれよ!なんか動きがあったら通信頼むわ!」

 

「あぁ、任せておけ。」

 

「待ってくれ!俺も...」

 

 

 

そう言おうとした時にはすでに米屋と出水は駆け出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side八幡

 

 

森に向かって走り出したその直後4人組の中学生に遭遇した、なんだ?やけに慌ててるが...

 

「大丈夫か?何があった?」

 

「あ、ボーダーの...方ですよね...お願いします!まだ1人...私たちを逃がすために.....ーーちゃんが!」

 

そう言われた瞬間俺はさらに奥へと駆け出していた。もしかしてとは思っていたが別の場所にも出てたのかよ!

 

 

 

「こちら八幡、出水、米屋もう終わったか!?」

 

『お、ハッチー。こっちは終わったぜー』

 

できれば、程度に思っていたがもう終わってたのか、流石にバカでもA級ってわけか。

 

「こっちにも恐らくネイバーがいる!俺のトリガーじゃ多分無理だろうからすぐに来てくれ!」

 

『あ?マジ!?よし、わかった。いくぞ弾バカ!』

 

これで何とかなるか、最悪あいつらが来るまでの時間ぐらいは稼げばいい。問題はその子がどこにいるかだが...

 

 

 

 

 

「.....けて!」

 

 

 

 

 

 

ん?声が聞こえたな、多分こっちの方だと思うけど、って、いた!

 

その子は今にも襲われそうだ、すでに新型はその長い腕を振り上げている。

 

間に合うか!?

 

 

 

 

 

 

 

「誰か助けて!」

 

 

 

 

 

 

 

新型が腕を女の子に向かって振り下ろす。その瞬間に女の子に向かって飛び込み女の子を抱えて横に飛ぶ、しかし完璧には避け切れずに俺の足に腕があたりトリオンが漏れ出す。

 

「大丈夫、もう大丈夫だぞ。よくあの子達を守ったな。」

 

俺がそう言うと女の子は泣き出しただただ頷いていた。危ないからどっかに隠れてろ、と言うと女の子はふらつきながらも走り出す。

 

すると新型が俺の方に向かってくる。さすがにこの足で持ちこたえる自信は正直ないぞ...

 

孤月を構え応戦しようとするがやはりC級のトリガーで受けられる訳もなく孤月は砕かれそのまま俺の肩に腕が直撃する。痛くないけど痛い気すらしてくるぜ。

 

トリオンも大量に漏れはじめさすがにやばいか、と思った矢先もう一方の腕が俺の横腹に直撃すると同時にトリオン体が解除された。

 

「くっそ、戦闘中に悩み事なんてするもんじゃないな...」

 

さて、どうしたもんか。俺に残されたのは能力も不明のブラックトリガー、これを使って仮に能力が発動したとしてもこの距離じゃあの子に被害が出ないとも限らないしな...

 

「お兄さん!危ない!」

 

不意に声が聞こえ俺は反射的に横っ飛びに避ける。すると寸前まで俺がいた場所が深く凹んでいた。...こんなもん生身じゃくらえないなぁ。

 

しかし女の子が声を上げたせいで再びネイバーの狙いが女の子に変わる。

それはまずい、どうする...使うか?これを...でも、もしもの事があったら...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、どちらにせよこのままじゃ2人とも殺される。

 

 

だったら、俺は信じるしかない。これを自らの命と引換に残してくれた昌彦さんを。

 

 

決意し俺は女の子の方へと走る。

 

「くっそ、っ間に合え!んで何とかしてくれ!トリガー起動!」

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし見た目にもやはり変化はない、なんとか女の子とネイバーの間に割り込むことだけはできたがこのままじゃ2人とも殺されて終わりだな。

 

そう思った俺は咄嗟に女の子を隠すように抱きかかえ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「守ってやれなくてゴメンな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さくそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、終わったな。

 

そう思った俺は覚悟を決め目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 



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救いの幻想

今日から夜勤、嫌です。


さて、今回はとうとう少女の正体が分かります!


果たして誰なのか!?





覚悟を決めて目を閉じた。

 

和人に言っといて俺は戦ってるんだから文句言われても何も言えないな。

 

アスナと柚宇さんは勝手に死んだら怒りそうだしな、あ、あと小町も。

 

慶さんには悪いことしたな、せっかく2年間守ってくれた命がこのザマだ。

 

出水、米屋、三輪、熊谷に那須、それに綾辻や歌歩。俺が死んだらちょっとは悲しんでくれるかな...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って、回想なげぇ!

 

 

 

いつになったら攻撃すんだよ!?

 

そう思い目を開け首だけネイバーの方に向ける。

 

するとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何も無い空間に向かいただひたすらに腕を振り回すネイバーの姿があった。

 

もしかして米屋と出水が間に合ったか?とも思ったが2人の姿も見えない。

 

それでもネイバーはその空間に向かい一心不乱に腕を振り続ける。周りの木々が倒れようと地面に穴が開こうとその腕を止める気配はない。

 

何が起こってるんだ...?

 

 

 

 

 

 

すると内蔵トリオンが切れたのか一気に体に倦怠感が押し寄せる。その瞬間にネイバーはこちらを向き再びこちらに攻撃を仕掛けてくる。

 

「やばっ...!」

 

と、思ったがネイバーの動きはすぐに停止した。

 

「はぁ...おせぇんだよ。弾バカ、槍バカ!」

 

 

 

 

 

ネイバーの頭部には多数の弾痕と槍が突き刺さっていた。

 

「悪かったな、途中で槍バカが道に迷っちまってよ。」

 

「だから俺のせいじゃないだろ!お前が間違えたんだ弾バカ!」

 

間に合ったか、いや、実際間に合ってないんだけどな。

 

「ま、どっちにしろ助かったわ。ありがとよ。」

 

「おう、なんにせよ遅れて悪かったな!高校生組は先に帰らせたぞ」

 

「あぁ、それで大丈夫だろ。」

 

ところで俺達ってどうやって帰るんだ?と聞くと綾辻と歌歩がネイバー回収班を連れてくる時に一緒に帰るらしい。ま、人が少なくなるし静かでいいな。

 

「ところでハッチ、最後の中学生はその子か?」

 

米屋に言われ腕の中を見ると未だに俯いて怖がっているのか顔を赤くして蹲る少女がいた。やば、すっかり忘れてたわ。

 

「もう大丈夫だ、さっきのやつはこいつらが倒してくれたから。怖い思いをさせて悪かったな。」

 

「あっ、いえ。大丈夫、です。助けてくれてありがとうございました。」

 

どうやら大丈夫そうだ、俺は腕から少女を解放しその場に座らせる。するとでも、と少女が話しだす。

 

「あの、さっきみたいな戦い方は、嫌です。私が助けられても貴方が死んでしまったら私はきっと私を恨みます。それに沢山の人が悲しむと思います...だから、」

 

あぁ、さっきのことか。まぁあれは仕方なかったんだよ、とか言える雰囲気じゃないしな。確かに助けたあとのことは考えてなかったか、これじゃまたアスナと柚宇さんに怒られるな。

 

「悪かったな、あの時はお前を助けたい一心でな。そこまで考えてなかったわ。大丈夫だ、もうあんなことはしない。」

 

そう言って少女の頭を撫でる。すると少女は安心したのかはい、と一言だけいい下を向いた。

 

後ろで「あーゆーのがハッチがモテる理由なんだろうな」とか「さすがハッチ。真性の落とし魔だな。」とか言ってる気がする。後で米屋殴っとくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しして出水が少女に近づき話し出す。

 

「お楽しみのとこ悪いんだけどさ、君、名前は?中学の先生に連絡しとかなきゃいけないからな。」

 

「は、はい!私は...木虎藍です。」

 

いきなり立ち上がりその少女、木虎はそう答えた。

 

出水もそれを聞き直葉に連絡をとっている。お、どうやら終わったみたいだ。

 

「おっけー、んじゃ今から山降りて中学生たちと合流するから。歩けるか?」

 

「はい、大丈夫です。」

 

「よっしゃ、んじゃ行くか。それと木虎ちゃん、今回は本当によくやったな。君のおかげであの4人は助かったんだ、さすがにハッチと言えどもC級トリガーで5人を守るのは不可能だからな。」

 

「あ、はい!その、ありがとうございます。」

 

いや、ほんとにその通りだ。木虎1人守るのにあのザマだからな、これが5人いたとなると正直無理だっただろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安全を確認して山を降り始める。念のためを警戒して前方に米屋、後方に出水、でその間に挟まるように俺と木虎で歩く。

 

「あの、お名前教えて貰ってもいいですか?」

 

少し後ろを歩く木虎が聞いてくる。まだ少し顔が赤いな、少し日に当てられ過ぎたか?

 

「ん?あぁ俺か、俺は比企谷八幡だ、八幡でいいぞ。」

 

「八幡先輩ですね、では私も藍でいいです、八幡先輩。」

 

「そうか。わかったぞ、藍。」

 

名前で呼ぶとさらに顔を赤くする藍。いや、ほんと大丈夫か?熱中症とかなってないか?

 

「その、八幡先輩はボーダー隊員なんですよね?ボーダーってどうやったら入れるんですか?」

 

「なんだ?藍はボーダーに入りたいのか?」

 

「はい、今回の件で自分の力の無さを痛感しました。それに私は出水先輩や米屋先輩、八幡先輩のように誰かを本当の意味で護れるようになりたいんです。」

 

そんなことを思ってたのか、なんというか、こいつはほんとに真面目なんだな。今回のことも言ってしまえばこんなとこにゲートが発生するのを予測できなかった俺達のせいだ、それなのにこいつはここまで自分に責任を感じている。そんなやつがボーダーに入りたいと言うのだ。それを無理に止めさせる理由もないか。

 

「そうか、わかった。ボーダーに入りたいならホームページを見るのが一番早いぞ。実際俺も色々あって数日前に入ったばかりでな、詳しいことはよく知らないんだ。」

 

「そうなんですか?それにしては誰かを護りながら戦うことに慣れていたような気もしましたが...」

 

「あー。それに関してもな、色々あったんだよ。少し前にな。」

 

ほんと色々あったよ。少しばかり目立ったせいでオレンジやレッドにちょくちょく狙われてたしな。主にアスナと和人が。

 

「そう、なんですか。...あ、ではアドレスだけ教えてもらえませんか?どちらにせよボーダーには入るつもりなのでもし八幡先輩が入って日が浅いなら私も一緒にご指導頂きたいので。」

 

ほんとに真面目だなこいつは、でもこういう奴が将来伸びるんだろうなぁ...

 

「あぁ、いいぞ。ほれ。」

 

そう言ってプライベートの携帯を藍に渡す。すると藍は少し驚いた顔で俺を見る。

 

「あの、なんていうか携帯他人に渡せちゃうんですね。」

 

「ん?まぁ見られて困るもんが入ってるわけじゃないしな。それに藍は勝手に他人の携帯の中を見るようなやつじゃないだろ?」

 

「あっ、はい。そうですね、そこまで言ってもらえるとは恐縮です。...はい、私のアドレス登録しておきました、近々ボーダー本部の方に向かわせて貰うのでよろしくお願いしますね、八幡先輩。」

 

「おう、ってもほんとに俺なにもできないけどな。」

 

そんな話をしていると山を降りた。その後藍を小町と直葉に任せて俺達は三輪が捕獲した新型の所へ戻った。戻ると和人が色々と文句を言ってきて疲れた。いや、ほんとに。今日は人生の中でもなかなか濃い一日だった。

 

少しすると回収班の人たちが来てその車に乗って寮に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーそう言えばこのブラックトリガーの能力は何だったんだろうか?

 

 

 

そんなことを考えているとやがて睡魔がに勝てなくなりそのままベッドへ崩れ落ちた。

 

 

 




八幡のブラックトリガーは能力を発揮しましたね。


しかし一体能力はなんなんでしょうか?


木虎も増えた事ですし次は小町視点でちょっとした番外編を書く予定です!


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番外編 少女達の夜

今回は木虎も出せたので番外編です!

本編にはほとんど関係ないですがちょこっとだけ伏線も置いてます!


 

 

どうも!比企谷八幡の妹、通称天使小町です!

 

今日はボーダーの寮の中にある大部屋で女子会なのです!

 

「でも女子会って一体何をすればいいの?」

「確かに、実際女子会ってなんなの?」

 

玲さんと優子さんが最初の一言をあげる。

 

「女子会なんてただ女子が集まって話せばそれだけで女子会なのよ!ね!小町?」

 

次に話だしたのは現ボーダー最強の部隊、玉狛第一の桐絵さん、んー確かにそう言われるとそうなんですけど相変わらずお嬢様とは思えない話し方だなぁ...

 

「でも確かに女子会ってそういうものなのかもね?」

「うーん、言われてみればそう...なのかな?」

「まぁ楽しければなんでもいいんじゃないかなー?」

「そーそー、柚宇ちゃんの言う通りだよ!」

 

続いて話し始めたのはオペレーター組の遥さん、歌歩さん、柚宇お姉ちゃん、栞さん。

 

ちなみに小夜子さんは今日もSky〇eでの参戦です、ほんとお兄ちゃんと気が合いそうだなぁ...

 

 

 

 

 

そしてなんと歌歩さん!小町の中でお義姉ちゃんランキングどうどう1位の存在です...だったんですけど...

 

「あの、私もお邪魔してよかったのかな?」

 

「いいのいいの!だって藍ちゃんもボーダー入るんでしょ?なら今のうちに仲良くなっておかなきゃ!」

 

そう思ってると話しだす今お義姉ちゃんランキングに名を連ね始めた藍ちゃん、そして小町と同じくお兄ちゃん大好き直葉ちゃん。

 

ほんとはもっと女性の隊員はいるんだけどみんな色々と諸事情がありこの人数になりましたー。

 

アスナさんは和人くんのとこ行っちゃうし?シノンさんは無事B級に上がれたとかで太刀川隊の作戦室で会議してるし?って考えたらなんで柚宇お姉ちゃんはここにいるんですかねぇ...。あとは望さんとか?茜ちゃんとか?ユウキちゃん、は...まぁ仕方ないとして。

 

 

 

 

 

 

「さて!みなさん、今日小町が女子会を開いたのは他でもありません!実際みなさんどなたが好きなのかぶっちゃけちゃえよ!って話です!」

 

「うわぁ、小町雑...」

「比企谷くんとは違って元気な妹さんだよね」

「確かに小町と八幡先輩、似てるとは思えないかも...」

「でもあのアホ毛があるしねぇ...」

「確かにあのアホ毛は八幡くん譲りだよね...」

「あのアホ毛がなかったら兄妹だなんて思わないかもね」

 

あの、途中からアホ毛の話になってません?

 

それと玲さん!お兄ちゃんと比べるあたりポイント低いけど小町のカバーしてくれてるから小町許しちゃう!

 

 

 

 

 

 

 

「で、実際のところ誰が好きなんですか?はい、友子さん!」

 

「えっ、あたしから!?」

 

もう誰かを指名しないと話がどんどん別の方向に持っていかれそうなので強引に行っちゃいました。友子さん、許してね?

 

「って言われてもなぁ。実際今はボーダーでやっていくことで忙しくてあんまり考えたこともないかも。」

 

「んー、実際小町もそうなのでなんとも言えませんね。では次は遥さん!」

 

「え、わ、私?私は...その、烏丸くん。...かな?」

 

「「「「「おー!」」」」」

「え?遥、とりまるのことが好きだったの!?あのもっさりしたイケメンが!?」

 

思ったより素直に口を割った遥さんにみなさんびっくりしてますねー、あと切絵さん?イケメンは別に悪口ではないと思いますよ...

 

「うぅ、お願いだから内緒にしてね...」

 

「もちろんです!この女子会は秘密厳守、持ち出し厳禁ですから!」

 

それにしても烏丸さんは人気だなぁ...さすがファンクラブが作られるだけのことはありますねぇ。

 

 

 

 

 

 

「えーっと、柚宇お姉ちゃんは慶さんだし、栞さんはトリガーが恋人だし...」

 

「まだ慶くんは彼氏じゃないよぉ〜。」

 

「んー、まぁ私は合ってるね!」

 

まだ、って柚宇お姉ちゃんその内自分のモノにする気満々じゃないですか...栞さんは予想通りですね。うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、次は!直葉ちゃん!...はいいや、歌歩さん!も、いいや。じゃあ藍ちゃん!もいっか。」

 

「「「ちょっと!なんでよ!」」」

 

「いや、だってその3人って私から見てもわかりやすいし。」

 

切絵さんがわかると言うことはみんな分かってるということですね。直葉ちゃんは和人さん大好きだし歌歩さんと藍ちゃんはお兄ちゃん大好きだし...

 

チラっと直葉ちゃん達の方を見ると直葉ちゃんは「うぅ、私ってそんなにわかりやすいかな...」とか言って顔真っ赤にしてるし、歌歩さんと藍ちゃんは「藍ちゃんには負けないからね...」「こちらこそ歌歩さんには負けませんよ...」とか俯きながら言ってるし。

 

「この調子だと女性陣の中にもう1人ぐらいお兄ちゃんのこと好きな人がいてもおかしくないのかなぁ...」

 

なんて呟くと友子さんがすぐに玲さんの方を向く、友子さんに視線を向けられた玲さんはと言うと顔を真っ赤にして俯いている。も、もしや!

 

「わ、私も比企谷くんのこと。好き...かも。」

 

「ま、マジですか!?」

 

 

周りを見ると小町だけが気付いてなかったみたい、ぐっ、小町一生の不覚...

 

すぐに歌歩さんたちの方を見ると「あぁ、もう1人いたのを忘れてたよ...」「ライバルが2人...これはなかなか厳しそうですね...」と更に俯いている。

 

どんだけお兄ちゃんのこと好きなんだよ!でも小町的にはポイント高いよ2人とも!

 

 

 

 

 

 

「さて、ではあとは切絵さんですけど...」

 

「あ、私?私は今は興味ないや、戦ってる方が楽しいし。」

 

ですよねー、周りを見てもみなさん同じような反応してますし。

 

「な、なによその反応!あっ、それより玲!あんたは比企谷のどんな所が好きになったの!?それに歌歩と藍ちゃんも!」

 

「え、言わなきゃダメ...かな?」

「さすがにここで言うのは恥ずかしいよ...」

「私もみなさんの前で言うのは...その、えっと。」

 

「「「小町(ちゃん)助けて!」」」

 

残念ながら小町は助ける気など毛ほどもありませんよ!

さぁ、朝までじっくりお兄ちゃんの魅力について語ってもらおうじゃないですか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーこうして彼女達の夜は更けていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、ちなみに小夜子さんは、

 

「うーんやっぱり赤司様かな〜、あ、でも愛染さんもカッコイイしなぁ〜。んー、これは決まらないぞ!」

 

1人で2次元に盛り上がっていた。

 




女性が多く集まったらやっぱり女子会でしょ!

そして恋愛トーク、王道ですね。

需要があれば次の番外編は男達の恋愛トークでも書こうと思いますw


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幻想

2日間更新ができず申し訳ない...

夜勤しんどいんや...




「よし、それじゃあブラックトリガーを起動してみてくれ」

 

 

「わかりました、トリガー起動」

 

 

遠足から1ヵ月がたち今俺はボーダー本部の仮想訓練室に来ている。

 

 

目的はブラックトリガーの能力を正確に把握するためであり、実践の相手として真史さんに付き合ってもらっている。

 

 

ちなみに見学人は慶さん、柚宇さん、和人、アスナ、小町、直葉、それと開発室から鬼怒田さんとユウキだ。

 

 

 

このメンバーしか見ていない理由は当然内部の裏切り者へブラックトリガーの能力がバレることを避けるためである。まぁ実際ランク戦でブラックトリガーは使えないし普段はノーマルトリガーなわけで連携なんかのために他のヤツらに見せる必要もないしな。

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ戦闘を始めるぞ、何か違和感や疑問があればその都度言ってくれ。」

 

「あ、じゃあ今俺の位置って開始位置からどのぐらい動いてますか?」

 

「だいたい右前に5mってとこかな?」

 

俺が聞くとユウキが答える。これで能力はほぼ確定だな、あとはどれ位融通が聞くのか。

 

「真史さん、とりあえず攻撃してみて貰えますか?」

 

「よし、わかった。旋空」

 

 

 

 

真史さんがそう呟くと俺の右約2mほどの場所に一瞬で5本ほどの斬撃の後ができた。いや、真史さんチートすぎるだろ、こんなもん見えたとしてもよけられんわ。

 

「八幡、どうだ?」

 

「あ、はい。真史さん、切った感じの感触はどうでしたか?」

 

「当たった感じはあった。ただ、全く効いてない。って感じだな」

 

 

当たった感触があるのは大きいな、それだけで充分意味がある。

 

 

 

「他のみんなはどうだ?」

 

「俺から見ても当たってはいたぞ、別にすり抜けたとかそういう感じじゃ無さそうだ。」

 

慶さんがそう答える、それなら複数相手でも使えるってことか。やっぱりブラックトリガーってチートなんだな。

 

 

 

 

 

「それじゃあ今から動いてみます、ユウキ、ステージを遮蔽物が多いステージに変えてもらえるか?」

 

「OK、じゃあ変えるよ?」

 

ユウキにそう頼むとステージがビル群のある場所に変わる。さて、次の実験だ。

 

「真史さん、それにみんなも俺の動きに違和感があったら教えてくれ。」

 

「あぁ、わかったぞ。」

 

その確認をとり俺はビルの間を壁を蹴りながら上へと移動していく。

 

「どうでしたか?」

 

「いや、なんというか壁に向かって走っていったと思ったら壁にぶつかると同時に消えた。で、気付いたら反対の壁を蹴っていて上まで上がっていった、って感じかな?」

 

なるほど、無理な動きをしたら無理がなくなるように勝手に修正されるのか、まるでゲームみたいだな。ま、実際そうなんだけどね。

 

 

 

 

 

「なるほど、じゃあ次に行きます。ユウキ、ステージを戻したら鬼怒田さんに目を瞑らせてくれ。」

 

「OKー、鬼怒田さん目を閉じてってー。」

 

「ん?目を閉じればいいのか?」

 

ユウキがステージを戻し鬼怒田さんが目を閉じる。さて、次の実験に行こうか。

 

「真史さん、今から俺はブラックトリガーを一度解除します。もう一度発動するので発動した後で目を閉じてください。」

 

「わかった、発動したら指示をしてくれ。」

 

「了解です、それではトリガー起動。真史さん目を閉じてください、それと鬼怒田さんは目を開けてください。」

 

真史さんと鬼怒田さんに指示をだす。それを聞いた後真史さんは目を閉じユウキの指示で鬼怒田さんは目を開ける。

 

 

 

 

「では真史さん、気配を頼りに俺を縦切りにしてください。もちろん動いてもらって構いません、鬼怒田さんはその様子をしっかり見ていてください。」

 

「わかった。よし、行くぞ。」

 

「なんだ、ワシは見ておくだけでいいのか?」

 

ユウキから通信が鬼怒田さんに代わりそう告げる

 

「えぇ、むしろ今回は鬼怒田さんの目が頼りですから。」

 

そう言うとまぁ、それならいいが。と若干納得していない様子のたぬき。っと鬼怒田さん。

 

そんなやりとりをしていると真史さんが斬りかかってくる。

 

「当たったな、どうだ?」

 

「おい忍田よ、どこを切っているんだ?」

 

「え?開発室長、それはどういう意味で?」

 

「あ、じゃあトリガー解除しますよ。」

 

 

 

 

大体の成果は得られたし、と思いトリガーを解除すると真史さんと見学人(鬼怒田さん以外)は驚きの表情をみせる。

 

 

そりゃそうか、他の人からみれば俺がノームーブで瞬間移動したように見えるんだからな。

 

 

「あれ?今確かに八幡を斬った手応えはあったんだが...?」

 

「まぁ要するにそれがブラックトリガーの能力なんですよ。俺の、このブラックトリガーの能力は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実態のある幻覚をみせる能力です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それなら昌彦さんの才能と願いに説明がつく。非現実の世界に本物という名の夢を求めた昌彦さんが作ったブラックトリガーだからこその、そして本物を見つけようとした俺にだからこそ使えるトリガーなんだろう。

 

 

「ちなみに幻覚にはある程度命令をすることもできました。まぁ俺のできる範囲の動きしか不可能でしたけどね。それにブラックトリガーの発動を見ていない鬼怒田さんには幻覚は見えませんでした。なので恐らくはブラックトリガーの発動を見たもののみに作用する能力であると思います。それとブラックトリガー使用中でもノーマルトリガーの使用が可能です。」

 

これは俺が1人で実験したことだ。あの時はネイバーに隠れていたせいで見えなかったがこの幻覚はどうやら俺にも見える。それに今回のユウキの反応を見た感じカメラも騙せそうだ。

 

 

 

「なんというか、さすがブラックトリガー。といった感じだな。」

「すげえなあれ!なんか俺も欲しいんだけど!」

「凄いねハチくん〜」

「あれ、実際ほとんど無敵なんじゃ...?」

「あぁ、トリガーの発動から目を背けるなんて普通は自殺行為だしな。」

「んー、小町には何が何だかさっぱりです!それと和人さん!もし目を背けたらお兄ちゃんは絶対ノーマルトリガーを使って闇討ちすると思いますよ?」

「あぁ、八幡さんならやりそうかも...」

 

みんな思い思いの感想だ、それと小町。それに関しては正解だ。ブラックトリガー発動時に目を瞑ることを確認したら即座にノーマルトリガーを発動して殺せばいいからな。

 

あとこれも実験で分かったことだがノーマルトリガー使用後にブラックトリガーは発動出来ないみたいだ。なんでなのかはよく分からんがな。

 

逆にブラックトリガー発動後ならノーマルトリガーを発動できる。これも意味がわからん。

 

 

「言っとくけど和人、弱点はあるぞ。一番の欠点はブラックトリガー使用状態でも俺に攻撃は当たるってことだ。つまり範囲攻撃とかには弱い、まぁある程度俺がよけられるから問題ないけどな。それと増援にも弱いな、追加できたヤツらには俺の本体が見えるわけだから。」

 

「でもそれなら一度ブラックトリガーを解除してもう一度使い直せば終わる話なんじゃないのか?」

 

「それだと最初にかかったヤツにバレる可能性もある、それに増援が大量にいたら何人かは見えない可能性もあるしな。」

 

俺がそう言うとなるほど...と和人も納得していた。

 

 

 

 

「まぁノーマルトリガーも使えるならノーマルトリガーの修行あるのみだな、それよりお前ら全員Bに上がったんだろ?シノンが言ってたわ。今日はお祝いだ!」

 

「お、4人とももうB級に上がったのか?よし、なら今日は俺が奢ろう。慶、適当に店を予約しておいてくれ。」

 

どうやら俺達のB級昇格の祝いをしてくれるようだ、なんというかほんとにいい先輩と上司を持ったな...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば裏切り者とやらはまだ動きを見せないな、まぁまだ約1ヵ月だし動き用がない、と見た方がいいのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて考えていると慶さんが「カゲの店予約取れたから行くぞー!」と叫んでいる。ま、考えるのは後でもいいか。

 

そう思い先に訓練室をでたみんなの後をおいかけた。

 

 

 




今回でようやく八幡の黒鳥の能力が明らかになりましたね!

いやー、普通に考えたらチートですよねこれ。

でもユウマの黒鳥の方がよっぽどチートだしなぁ...

次回はカゲさんたちが登場!


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必要な力

今回は訓練編の序章ですかね。

とは言っても2〜3話ぐらいで終わりそうです。




「おい、ハチ。まずは俺とやるぞ、とりあえず10本な。」

「ハッチその次俺なー!」

「んじゃ槍バカの次俺な!」

 

え?俺がどこにいるかって?

 

ただ今ランク戦ブースで訓練の真っ只中ですよ。

 

ほんとなんでこんなことになったかなぁ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨晩

 

「いらっしゃーい、って忍田さんかよ。今日はやけにボーダーのヤツらが来るな。なんかあんのか?」

 

「おうカゲ、てか俺予約してたんだけど?それにボーダーのヤツらそんなにいんの?」

 

この人は影浦雅人、A級部隊影浦隊の隊長で実家がお好み焼き屋のボーダーNo4アタッカー。慶さんが言うには素行の悪さに目を瞑ればかなりの実力者らしい。てか素行悪いのにNo4って相当だな。

 

 

 

 

「あ、こいつらが俺が言ってた期待の大型新人な。」

 

慶さんが紹介しみな各々に自己紹介をする。カゲさんはおう、よろしく。とだけいい席に案内する。と、そこには

 

「あれ?ハッチじゃん!」

「え、なに?お前らも来たの?」

「あ、比企谷くんこんばんは。」

「ちょっと今日ボーダーの人多すぎない?」

「あ、小町ちゃんと直葉ちゃんもいる!」

「あ!忍田さんもいるじゃん!なに?今日は奢り?」

「もしかしてその子たちが期待の新人か?」

「太刀川、お前こんなところに来てレポートは大丈夫なんだろうな?」

「え?あの子達が期待の新人の子なの?ちょっと詳しく教えてよ東さん?」

 

上から米屋、出水、那須、熊谷、日浦、小南、東さん、風間さん、加古さんがいる。ほんとにボーダーだらけなんだけど。なんなら何人かは初対面だよ。

 

「風間さん、レポートのことは今はいいだろー。それより風間さんと東さんに紹介したかったんだよこいつらのこと。」

 

「えー、私にはしないの?太刀川くん?」

 

「だって加古はKの女子しか興味ないだろ?アスナもシノンもKじゃないからな。」

 

「あら残念、じゃあそこの男の子のどちらかと結婚したらイニシャルはKになるかしら?」

 

と、なんかとんでもない発言を加古さんがすると和人とアスナの顔が真っ赤になった。ほんとリア充死ねよ。

 

後で聞いた話だが加古さんは自らの隊員は全員イニシャルKで統一したいらしい。よくわからんがまぁなにかしらこだわりがあるんだろう。

 

 

 

「比企谷兄妹と桐ヶ谷兄妹は知っているがその2人は?」

 

「お、風間は4人も知ってるのか、俺が知ってるのは朝田さんぐらいだな。」

 

どうやら風間さんは俺達のことを覚えていたらしい。知っていると言っても小学校の時に若干関わっただけなのによく覚えてたな。

 

 

 

 

「お、なら話が早い。実は東さんと風間さんにはこいつらの師匠になってもらいたいんだ。」

 

は?初耳だぞ?弟子になる立場に話もしないで師匠決めんのかよこの人は、ほんとに何考えてんだか。

 

「あ、それならレイジさんも呼んであげるわよ!あの人全トリガー一式使えるし。」

 

「お!そりゃ助かるな!レイジさんならいろんな方向から教えてくれそうだ。」

 

また知らない人が増えた。レイジさんって人はオールラウンダー的な立ち位置なのか。

 

 

 

 

「それで朝田さんはスナイパーだからとりあえずいいとして他の3人はメインは何で行くつもりなんだい?」

 

「俺はメインは弧月でサブにレイガストです。」

「俺はメイン、サブにスコーピオンですね。」

「私は...実はまだ迷ってて...」

 

俺、和人、アスナの順に答える。どうやらアスナはまだ決まりきっていないらしい。

 

すると東さんが少し俺達を眺め質問を投げかける。

 

「えっと、アスナさんは何か武道を習っていたのかな?比企谷くんと桐ヶ谷くんもそうだが常に何かを警戒している様な佇まいだからちょっと気になってね。」

 

東さんの言葉に3人は驚いた、立ち方一つでそこまで予想できるもんなのか。実際警戒していたのは最早クセのようなものなんだが東さんは観察力がとんでもないのか、それともサイドエフェクトか?

 

 

 

 

「あー、それは俺から話します。ついでに皆にも聞いてほしい。まぁ何人かは知ってると思うが俺達はSAOサバイバーだ。仮入隊の日にあそこまで高い成績を出せたのはSAOの中で2年間戦い続けていたから...だ。だからあそこまでの動きはできるし多分ボーダーにいる人達よりも戦闘経験はある、と思う。」

 

それを聞きみんなはそれぞれの表情を見せる。米屋と出水、日浦は驚き、那須と熊谷は憐れみ...いや、悲しんでいるのか?加古さん、風間さん、東さんは納得した表情を見せていた。え?小南?よく分かんないって顔してますよ。ほんとお嬢様(笑)。

 

 

 

 

 

「それで悩んでいる理由はボーダーの中にSAOの時に自分が使っていた武器に近いものがないから、かな?」

 

「はい、そうなんです。八幡くんやキリト、いえ、和人くんはそれなりに近いものを選んでいますが私は刺突武器を使っていたのであまりそれに近いものがなくて...それでも一番近いという理由で槍弧月を使ったんですがやっぱり刀身の長さも重さも違ったので思ったようにはいかなくて...」

 

アスナがそう言うと和人を含め仮入隊の日アスナの記録を見ていたヤツらは全員引いていた。そりゃ慣れないトリガー使って1.9秒出してれば引くよな。和人なんて近いもん使ってアスナに負けてんのに。

 

 

 

 

 

 

 

と、その時槍バカ改め米屋が発言する。

 

「アーちゃん知らねーの?槍弧月なら持ち手と刀身の長さいじれるぜ?」

 

「え?そうなの?っていうかアーちゃんはちょっと...」

 

「そーそー、じゃねーと狭い場所で不利だからな槍って。」

 

また米屋が変なあだ名つけた、こいつほんとにアルゴなんじゃね?とマジで思う。

 

「まぁアスナさんはボーダーに入ったばかりだからその辺のことはまだ詳しくは知らないだろう。と、言うことで米屋、お前がアスナさんを弟子にしてやれよ。」

 

「え?俺?俺は全然構わないっすけど...」

 

と、東さんに提案され米屋はゆっくりと和人の方を見る。と和人は「アスナにちょっかいかけたら殺す。」と言わんばかりってか今言ったなこいつ。

 

「あ、米屋くんがよければその...お願いします」

 

「おっけーおっけー!俺的には槍使いが増えるのは嬉しいことだしな!」

 

まぁ、アスナがいいなら...と言って和人も引き下がる。お前アスナのこと好きすぎだろ。直葉がヤキモチ妬いてるぞ。

 

ついでに槍弧月は誰も使ってないぶん対策も取られにくく初見には強いというメリットもある。実際米屋に教えてもらうのが一番いいとは思うな。

 

 

 

 

 

 

「ところで比企谷、なんでレイガストと弧月なんだ?その組み合わせを使っているやつは今ボーダー内には誰もいないぞ?」

 

「あー、これが一番SAOの時のスタイルに近いんでこれにしたんですよ。欲を言えば弧月よりもう少し短いダガースタイルの方がいいんですけどね。」

 

「なるほどな、弧月についてはA級にあがれば開発室に自前のトリガー改造を頼めるからその時にしてみればどうだ?」

 

なるほど、A級にはそんな特典もつくのか。こりゃますますA級に上がりたくなったな。

 

 

 

「よし、じゃあ明日は休みだしランク戦ブースでとことん修行してみるか。みんなはどうだ?」

 

東さんがそう提案するとみんなOKと答え那須と熊谷、日浦もそれに参加したいといい小南もレイジさん連れてくると言って明日の予定がたった。

 

「なら今日は俺がみんなの分も奢ろう、こいつらの面倒を見てくれる臨時収入とでも思ってくれ!」

 

真史さんがそう言うと太っ腹ー!とかさすがイケメンは言うことが違うぜー!とかなら私一番高いの食べよ!とか聞こえてくる。ほんとにお前はお嬢様なのか気になってきたわ...

 

 

そして無事明日の訓練を待つだけとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだったが、その後その話を聞いていたカゲさんがやり合うなら俺も混ぜろと参加し、なら私もやるーと加古さんも参加、ついでに米屋が無理やり三輪を引っ張ってきて三輪も参加という流れだ。

 

 

ほんとどんだけランク戦やるんだよ俺。おかげでだいぶポイント稼げそうだけど。

 

 

と思っていると風間さんがこちらに近づいてくる。え?なに、なんか始まんの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「影浦、悪いが最初は俺にやらせてくれ。比企谷の実力を確かめたい。」

 

「あー、まぁいいか。なら俺はカズとやるか、おい、10本やるぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?俺の初戦の相手風間さん?おいおいいきなりボーダー2位アタッカーかよ。

 

チラッと和人の方を見るとすでにカゲさんに引きずられてブースに入っていた。

 

「なら俺はアーちゃんに槍弧月教えとくかー。アーちゃんブース入ろうぜー。」

 

と米屋もアスナとブースに消えていった。

 

んー、こうなると風間さんとやるしかないのか。まぁ俺の実力がどこまで通用するかも試したかったしちょうどいいか。

 

 

「はい、どこまで通用するか分かりませんが、まぁどうやっても手は抜けそうにないんで全力でやりますよ風間さん。」

 

 

 

 

 

 




気付いたらUA10000、お気に入り100突破してました!

皆さんありがとうございます!

感想や今後の展開についての質問など頂けるととても励みになるので嬉しいです!


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強さと弱さ


今回は風間さんVS八幡です!

個人的に男キャラの中では風間さん好きですねー。




 

前回のあらすじ

 

 

 

風間さんと戦うことになった。以上。短いな。

 

 

 

 

てなわけでランク戦ブースに入った俺と風間さん。風間さんに聞いた部屋番号を押して対戦を始めようとすると内部通信が聞こえる。

 

「ハッチ、風間さんの情報ゼロだろ?なんかいるか?」

 

「いや、無い方がいいな。そもそも実戦じゃ情報ない状態からの方が多いわけだしな。」

 

「はー、なるほど。確かにそりゃそうだな、んじゃ頑張れよ!」

 

米屋の気遣いに俺がそう返すと米屋は納得してくれたようだ。だからって敵の分析をしなくていいわけじゃないからな?そんなことしてるとまた三輪が苦労するから。

 

 

 

 

「...さて、俺のトリガーは。っと」

 

とりあえず今持ってる戦力の把握からだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メインには

 

弧月

旋空

ハウンド

メテオラ

 

サブには

 

レイガスト

スラスター

カメレオン

スパイダー

 

 

 

 

 

 

 

ここまで攻撃特化のトリガー編成にしてる奴っているのかってぐらい攻撃寄りだな。まぁシールドはレイガストで何とかなるからいらないしな。

 

風間さんは体格的にも恐らくは両刀のスコーピオンってとこだろうな。速度も速そうだし下手したらカメレオン入れてるパターンも充分有り得る。さて、どうしたもんかな。

 

「ま、とりあえずやってみて考えるか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ランク戦10本勝負、比企谷八幡VS風間蒼也、開始』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステージは市街地Cか、まぁこんだけ建物があっても俺と風間さんじゃ多分何の意味もないんだよな。

 

 

「さて、俺はどうしますかねぇ。...んー、とりあえずやれるだけやっとくか。」

 

とりあえず俺はそこら中の建物にスパイダーを貼りまくる。わざわざこっちから攻める必要はないし風間さん待ちだな。

 

「なるほどな、俺のカメレオン封じか?比企谷。」

 

と思ったら貼り終わった直後に風間さんが現れた。姿が消えてたしカメレオン使って接近したんだろうな。

 

「いえ、風間さんの情報は何一つ持ってませんよ。ただ間違いなく強い人とやるのにわざわざ相手とただの1対1をやる必要がないと思っただけです。」

 

「正しい判断だ。これで今俺が使えるトリガーを一つ減らしたわけだからな。」

 

まぁカメレオンは姿は消せるがその間他のトリガーは発動不可能という微妙な弱点もある。風間さんほど素早く動ければ別に大した問題じゃないんだけどな。

 

「だからといって油断はしませんよ。風間さんの切り札がカメレオンだとは思ってませんので。」

 

「常に裏を読み最悪の事態を考えて行動するか。自らの強さと弱さを自覚できるやつは好きだぞ。」

 

「んじゃ、どこまで裏を読めてるか試してみますか。ハウンド!」

 

 

 

 

 

 

小手調べにハウンドを3×3×3の27分割にして放つが一瞬で切り落とされた。ま、そのぐらいはするよなやっぱり。

 

しかし風間さんは一向にスパイダーを切ってこちらに攻めてくる気配がない。それほどに俺に警戒しているということなんだろうか?

 

「なら今度は数を増やしますか、ハウンド!」

 

今度は4×4×4の64分割にして弾速50、威力1、射程49で放つ。さてどう出るか。

 

「ちっ、鬱陶しいな。」

 

そう言うと今度はシールドを展開しながらビル影へ隠れていった。ま、そうなると次の手は屋上からの奇襲、または屋内からの奇襲のどちらかだな。

 

 

 

 

 

 

さっきの現状を見るに風間さんはシュータートリガーを入れてないだろう。入れてるならスパイダーごとこちらを撃てばいいだけだしな。

 

つまり風間さんのトリガー編成は

 

メイン

 

スコーピオン

シールド

カメレオン

?

 

サブ

 

スコーピオン

シールド

 

こんな所か、?の部分も実際はトリオン量の関係で入れてない可能性もあるしな。

 

ま、あるとしたらグラスホッパーぐらいだろうがそれもないな。あるなら尚更さっきの状態でスパイダーを無視して上から奇襲をかければ良かったんだ。

 

「なら、俺が今とるべき手は一つだな。」

 

そして俺は風間さんが回り込んだ側のビルの前に立ちメテオラでビルを崩しにかかる。さて、風間さんがどうくるか。

 

「やるな、この奇襲も読んでいたのか?」

 

そう言いながらビルの屋上から瓦礫を蹴りつつ風間さんがこちらに向かってくる。読んでいたと言うよりはどちらにしても最善の方法を取っただけなんですけどね。ビルの中にいたらこれで最悪ゲームオーバーだし。

 

「さぁ、どうでしょう?」

 

俺はレイガストを構えブレードモードにシフトする。メインには弧月を持ち風間さんを迎え撃つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

撃ち合いが始まると予想以上に風間さんの打ち込みが速い。しかも無駄な大振りをせず小さく纏めてきている。

 

「ぐっ、流石ですね風間さん。正直ここまで速いとは予想してませんでしたよっ、」

 

「俺からしたらお前の方がよっぽど予想外だがな。攻撃に転じてこないとはいえ俺の剣を全て捌いているわけだしな。」

 

俺の独り言のように呟いた言葉に風間さんがかえしてくる。攻撃に転じないんじゃなくて転じられないんだよ、まじで速いぞこの人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕方ない、だったら計画変更だ。この一手でひっくり返す、ていうか決める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「げっ、やべっ!」

 

そして俺はわざと体制を崩し路地の方へと倒れ込む。

 

「よくやったが俺の勝ちだな、比企谷。」

 

そんな隙を風間さんが見逃すわけもなく少し、ほんの少しだけ攻撃が大振りになった。当然その瞬間を俺も見逃すわけがない。

 

「それはこっちのセリフですよ。スラスターon!」

 

その瞬間にレイガストのスラスターで無理やり体制を立て直しその勢いで風間さんの右腕を切り落とす。

 

しかし風間さんも右腕を切り落とされながらも残った反対側の腕で俺の右足を切り落とす。損害的にはこちらの方が大きいがこれで充分だ!

 

「くっそ、メテオラ!」

 

そう言って俺は後方に少し飛び退きメテオラを風間さんの足元に放ち爆風をあげた。

お互いにお互いの姿が見えなくなるが少しして風間さんが突っ込んでくる。片足のない俺をこのままほっておくとまたスパイダーを貼られ面倒だと考えて今落としに来たか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、予想通りだ。

 

 

「焦りましたね、風間さん。俺の勝ちです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間爆発がおこり風間さんはベイルアウトした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『1本目、勝者比企谷八幡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、残念ながら10本の結果は3対7で俺の負けだった。最終的には全ての手を使い切り地力での勝負になることが多く少しずつ削られて負けた感じだ。

 

 

「最初のはしてやられたな、まさかあそこまで計画のうちだったのか?」

 

「まぁそうですね、一番信用していたのは俺よりも風間さんが隙を見せた敵を立て直す時間を与えるような人じゃないってことですけどね。」

 

「なるほどな、つまり一瞬隙を見せたところから計画通りだったということか。」

 

「性格にはカメレオン無しでの1対1に持っていくことが目的だったのでそういう意味では最初からですかね。カメレオンに関しては俺も入れてたので恐らくは風間さんも入れてるだろうと思っただけですが。」

 

最初の試合、メテオラを足元に撃ち込んだ後で発生した爆風に隠れその隙に威力100のメテオラを合成したスパイダーを足元に3本張っていたのだ。爆風で見え辛くさらにまた俺が何かをする前に、と焦る風間さんは仕留めるためにこちらに走りそのままトラップに引っかかった。という形だ。

 

「完璧にコントロールされていた訳か、全くA級失格だな。」

 

「普通は、というかSAOのトッププレイヤー相手にまず勝ち越す時点で俺からしたら化け物なんですけどね...」

 

周りを見るとちょうど他の試合も終わったらしく、アスナと米屋は4対6で米屋。和人とカゲさんに至っては1対9でカゲさんだ、どんだけ強いんだよあの人。

 

「まぁでもやるからには目標はとりあえず風間さんに勝ち越しですね。その後はA級1位でも目指しますよ。」

 

「お前達ならA級にはすぐ上がれるだろう。何より俺はお前が気に入ったぞ比企谷。なんなら俺の隊にスカウトしたいぐらいだ。」

 

「嬉しいお誘いですが俺が隊を組む奴らはもうある程度決めているのですいません。」

 

風間さんの誘いはとても嬉しいが俺は目的の為に隊を組むやつは和人と話して決めている。あ、和人とは組まないから。同じ隊だと動きにくい場面も出るだろうと話し合ったからな。

 

「...今ならオペレーターに三上も付いてくるぞ。」

 

「とんでもない誘い方するのやめてくださいよ、ちょっと心が揺らいじゃったじゃないですか...。ていうか風間さんもそういう冗談言うんですね。」

 

歌歩かぁ...ならそれも悪くないな、とか思っちゃったよ馬鹿野郎!別に歌歩がどうとかってより知り合いがいるってのが魅力的だ。基本ボッチには知らない奴のところにぶち込まれるのは地獄だからな。

 

「俺はそんなに堅物じゃないぞ。木崎や諏訪といる時はさらに酷いかもしれん。」

 

そんな風間さんも見てみたいな、と思いつつカゲさんに首根っこ掴まれてブースに引きずられていった。

 

結果は4対6だった。カゲさん強いというか自由すぎる。

 

 

その後もバカ2人やレイジさん、小南たちと対戦しその日を終えた。もうとにかく疲れた。明日から学校ってのが欝になるわ...

 

 

 





実は八幡まだ本気というか実際の戦い方は出来てなかったりします。

理由はそもそも風間さん相手だと相性が悪いからですね。


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部隊結成

とてつもない期間更新がなく申し訳ありませんでした!

お仕事の方も落ち着いてきたしここからガンガン(できるペースで)更新していきますよ!

と、言っても主本人割とどこまで書いたか忘れてたので設定結構壊れてたりするかもです…




 

〜6月10日〜

 

 

「まぁボコボコにやられたな…」

 

「あぁ、A級部隊全部集めりゃSAOクリアとか余裕なんじゃないかと思ってきたわ…」

 

約1ヶ月連続でこなしてきた模擬戦も終わり和人と俺、それとアスナに小町、直葉は寮のラウンジで各々模擬戦について語り合っていた。てかなんでランキング1桁台ってあんなに化け物だらけなの?

 

「私は米屋くんのおかげでだいぶ槍孤月慣れてきたよ。」

 

「小町も出水さんのおかげで合成弾もバリバリ使えるようになってますからね!」

 

「私はまだ1度も慶さんに勝ててないなぁ…」

 

アスナはあの短期間で米屋とどっこいどっこいぐらいになるまでは槍孤月を使いこなせるようになっていた、がまぁアスナだし出来て当然みたいなとこはあった。そもそも昌彦さんのおかげでスタートラインが違うわけだしな、まぁ和人はいい顔してないけど。

 

小町はボーダーに入った時から出水に弟子入りしていたらしい。どうやら慶さんが頼んでくれたようだがそもそも小町には合成弾を作る速度に関しては才能があったらしく出水には叶わんが苦労なくB級にあがれるぐらいの実力はあったようだ。後で出水殺す。

 

直葉も元々剣道をやっていたこともありさらには慶さんと真史さんに弟子入りという軽く修羅の道を歩んでいることもありアタッカーの個人順位もかなり高いらしい。ただ慶さんに勝つのは無理だろ…あの人化け物だぞ…

 

「まぁ無事B級にあがれたことだしここからは部隊を組むことになるな、慶さんたちはもうA級にあがってるし」

 

慶さん率いる太刀川隊は異常なまでの近接戦闘能力、頭おかしいレベルの援護兼突撃射撃兵、気を抜いた瞬間に首から上が無くなる死神スナイパー。更には戦場全体が見えてるのかと言わんレベルのオペレーターという訳の分からんチート部隊で結成から約1週間でAランク入りを果たしている。いやもうほんと訳わかんねぇなこれ、自分で言ってて。

 

「小町もそろそろ部隊組んで部隊戦やってみたいです!」

 

「私もある程度は個人戦の自身付いてきたし部隊組みたいなぁ…加古さんにもスカウトされたし。」

 

小町と直葉が言った言葉を遮るようになる、し加古さん直葉にも声掛けたのか早いな。と思いながら話を切り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「加古さんには悪いけど小町と直葉には俺たちとって言うか和人とアスナと部隊を組んでもらいたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小町と直葉は入る部隊ぐらい自分たちで決めさせろー!このシスコン!と罵声を浴びせられた。いや、ほんとすいませんね。

 

 

実のところこれは部隊の話を聞いた時から和人とは決めていた。その後アスナには話したが例の裏切り者が誰か分からない以上は知識を分散させるよりある程度固めておいた方がいいということを。ただ部隊の制限人数が最大4人ということ、それと何かあった時に1つの部隊では動きにくいだろうということで部隊を2つに分けることにした、ということを小町と直葉に説明すると2人は早く言ってよそれーと納得していた。いや、納得するんだそれで。

 

「あれ?でもお兄ちゃんは?小町たちは和人さん、アスナさん直葉ちゃんに小町で分かるんだけどお兄ちゃんどうするの?ぼっちだし一緒に部隊組んでくれる人なんているの?」

 

小町がもっともな質問をぶつけてくる。あとナチュラルに人の精神抉るのやめてくれません?可愛いから許すけど。

 

「八幡くんはなにか宛があるみたい、最近たまに模擬戦にいなかったのもその人に会いに行ってたらしいの」

 

俺の代わりにアスナが説明してくれる。さすが、アスナは俺の精神抉らないし可愛いしお嬢様だし専業主夫希望の俺としては言うことなしだな!とか思ってたら和人に足を踏まれた。何お前エスパーなの?

 

「まぁ、玉狛のレイジさんの紹介でな。お前のスタイルを鍛えるならもっと良い奴紹介してやるって言われてちょっと東京までレイジさんの知り合いに会いにな?その時に知り合ったやつとあとは適当に連れてきて組もうと思ってる。」

 

「お兄ちゃん、友達いないからって頭の中で勝手に物語作るのはよくないよ?」

 

 

 

いや、ほんとだよ?八幡嘘つかない。

 

 

 

「とまぁ勝手に決めちゃったんだけど直葉、小町ちゃん。それでいいかな?」

 

苦笑いを浮かべながら和人が切り出す、ナイスフォロー和人!もうちょっとで小町をレッドプレイヤーにするところだった!

 

「まぁお兄ちゃん1人で決めたことじゃないなら小町は全然大丈夫です!」

 

「私もお兄ちゃんがいいなら全然大丈夫だよ」

 

ねぇ…小町ちゃん?お兄ちゃんとそこのシスコン鈍感野郎の扱いの差、酷くない?

 

「それに私達には頼れるオペレーターもいるしね」

 

小町と直葉がそう言えば、という顔をして頭の上に?を浮かべているとその人物が喋り出す。

 

 

 

 

 

 

 




はい!今日はここまでです!

正直休載期間長すぎて読んでくれる人少ないと思いますがこれからもよろしくお願いします!

ちなみに桐ケ谷隊のオペレーターはALO最強の…?
比企谷隊のオペレーターは頼れるあの子です!


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Side Story antique

今回は番外編というよりサイドストーリーです

本編に関わるものはサイドストーリー、そうでないものは番外編という形にしたいと思います、それではどぞー


〜初めての模擬戦から数日〜

 

「ここ、か。レイジさんが言ってた喫茶店。」

 

私、比企谷八幡は今東京の20区に来ている。理由はレイジさんに近接戦闘の修行を付けてもらっていると

 

「近接戦闘の専門的なことなら俺よりもっと強いやつがいるからそいつに教えてもらえ。まぁ生きて帰ってこれるかはわからんが。」

 

と、2日で投げられた。いや、まずレイジさんにも勝てないんですけどね?噂では近界民を素手で潰したとか聞いたし。てか生きて帰れないってどういうことだよ、ここまだSAO?

 

「『あんていく』、か。いい雰囲気だなここ、修行とか関係なく来たかったわ。」

 

どうやらここ『あんていく』にレイジさん(筋肉ダルマ)より強い人がいるらしい。いや、こんなレトロチックな雰囲気のカフェで働いてる筋肉ってどんな人なんだよ。と、そんなことを思いながらドアを開ける。

 

「あの、すいません。レイジさんの紹介できました、比企谷八幡といいます。」

 

中に入るとやはり雰囲気のいいカフェ、という印象だったがそれもすぐに変わった。というのもこのカフェにいる、とりわけ従業員と数人の客の放っている殺気が尋常じゃない、多分レイジさんでもこの中にいれば取り立て筋肉の付きすぎた一般人程度に思えてしまうだろう。いや、筋肉の付きすぎた一般人ってそれはもはや一般人じゃないだろ。

 

「お前か、レイジが言ってたのは。」

 

その中の1人、正直あれだが気難しそうな男性が喋り始める。慶さんのようなロングコートにまるでR○BORNの獄○のような髪をした男性だ。

 

「付いてこい。」

 

その男性はそれだけ言うと店の地下室、その更に地下へと歩みを進めた。俺は言われるがままただ付いていく。するとあのカフェの下に馬鹿デカい空間、と言うよりは通路のようなものが広がっていた。

 

「とりあえず一発だ。」

 

「は?」

 

広場のような場所に着くなりその男性はコートを脱ぎ捨てそう言った。

 

「俺に一発当てれば合格、次に行く。当てるまで陽の光を浴びさせる気は無い。」

 

この人マジで言ってんのか?…いや、マジに決まってるな。このピリつく感覚は嫌という程味わってきた、冗談じゃない、やらないと……死ぬだけだ。あの頃と何も変わらない。

 

「…えぇ、分かりました。やり方はなんでも?」

 

「当然生き残るためだ、何でもしろ。それとトリガーも使え、レイジからは聞いている。」

 

何でもありでも多分俺はこの人に一発当てるのは無理だろう、それもトリガー込みでもだ。だとしたら狙うのは最初の一発、武装は意味なさそうだしインファイトで。

 

「んじゃ、いきます…よっ!」

 

俺は全速力で迫る、男性は全く体制も変えず俺の前に立ち塞がったままだ。上等だ、舐めててくれるならそれでいい。

 

目の前まで行くとようやくその男性は防御の体制をとる、まぁ普通なら見えないレベルの速度で動いてるのに目の前まで来た瞬間にガードの体制とか普通じゃねーけどなこの人。

 

防御の体制をとろうと腕を動かした瞬間を見逃さず速度を維持したまま男性の後ろに回り速度を殺さないようすかさずガラ空きの背中目掛けて殴り掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで1発直撃で終わる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予定だった。

 

「はっ…?」

 

男性へと殴りかかった右腕は確かに俺を見ていない状態のまま掴まれた。いや、わかりやすく言おう。男性は後ろを向いたままで俺の腕を掴んでいた。

 

「速度はある、それを殺さずに相手の死角をつく。大したものだがまだ遅いな。」

 

「嘘だろ、こんなんチートじゃねえかよ。」

 

そう言いながらも大体予想はできた。きっとこの男性は予想しただけなのだ。恐らくレイジさんから聞いたであろう俺の性格、やり方と戦力差から俺が選ぶであろう最善の手を。だとしても規格外もいいとこだがな。

 

「こりゃ一発当てるなんて夢のまた夢だな、ごめんよー小町。お兄ちゃん死んじゃうわ。」

 

「いや、合格だ。」

 

「はい?いやいや、でもあなた一発当てろって…」

 

え?合格なのん?一発当てろって言っただろあんた…って思ったのにそれを素直に口に出す当たりどうやら俺はアホらしい。これで合格消されたらどーしよ。

 

「本当なら避けるつもりだったからな、それに俺は止めたがお前は実際に俺に触っている。だから一発は一発だ。」

 

なんというかどうも遠回りだがこの人は根はとてもいい人なのだろう、死ぬ、という言葉をわざわざ使ったのは俺に本気を出させるためだったのだろう。にしても屁理屈がすぎる気はするけどな。

 

「とりあえず今日から腹筋、背筋、腕立て、スクワットを毎日100回。余裕が出来たらランニング10kmを毎日続けろ。お前は速度はあるがそれを押し付けるだけの筋力が圧倒的に足りない。」

 

「げ、まぁやるんですけどね…。あ、そう言えばあなたの名前は?」

 

「四方蓮示だ、ヨモでいい。」

 

「わかりました、ヨモさん。これから御指導よろしくお願いします。」

 

どうやらこれで俺は生きて帰れるようだ。まぁ筋トレはそこそこしてたし数増やすだけなら行けるだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2週間

 

「そこそこ当てられるようになったな。」

 

「まぁそれでも当てるだけ、ですけどね。」

 

未だあんていくに通い続けヨモさんに指導を付けてもらっているがこれがまたヨモさんの教え方が上手いのか何とかぶっ倒れるまでに10発前後は当てられるようになった。いやほんと当たるだけ。

 

「今日からは相手を変える、俺とは違って加減ができるやつじゃないから気をつけろよ。」

 

やっぱ加減してくれてたのか、てか加減してあれなのか。やっぱ化け物だな。と、思っていると地下へと降りる階段から一人の男性が降りてくる。

 

「やぁ、君が比企谷くん?僕はーーーーー、いや、ーーーかな?まぁどっちでもいいや。」

 

その男性は真っ白な髪をした俺と同い年、いや、少し上ぐらいの青年だった。

 

俺はその青年に完膚なきまでにボコボコにされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてさらに約2週間後

 

「どうも」

 

「ん、比企谷か。今日は修行の予定じゃなかったはずだろ?」

 

俺は『あんていく』に訪れた。

 

「いえ、今日は別件で…ーーさん。」

 

「え?僕?どうしたの比企谷くん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーさん、俺の部隊に入ってもらえませんか?」

 

「比企谷くんの部隊に?うん、いいよ。よろしくね、隊長。」

 

 

 

 

 

 




さぁ!比企谷隊のメンバー1人目です!(2人目何も考えてない。)

まぁ分かりますよね、念の為名前は隠しましたけど。

ちなみに日にちが飛び飛びなのは後々で回収すると思うので気にしなくておけです!

もちろん、ーーくんが八幡の提案に二つ返事でOKをしたのも後々回収します!


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絶剣と遺物


今回はオペレーターの話中心です!

ほんとは例の人も出したかったんですけどね?いろいろとあって次かな〜と。

ではどうぞ!




 

「はいはーい!桐ケ谷隊のオペレーター兼開発室気分的には副室長のユウキだよ!よろしくね!小町ちゃん!直葉ちゃん!」

 

そ、桐ケ谷隊のオペレーターはユウキだ。なんでもユウキはSAOと同じカーディナルシステムを使用したMMO、ALOのトッププレイヤーらしい(柚宇さん曰く)

 

で、それを聞いた俺が和人と一緒に開発室まで出向いて鬼怒田さんに頭下げてオペレーターになってもらったというわけだ。ちなみにユウキ本人はノリノリですぐに話はすむかと思ったら鬼怒田さんにめちゃめちゃ止められた。あのタヌキ親父め。

 

「ユウキちゃんなら小町も大歓迎だよ!よろしくね!ユウキちゃん!」

 

「よろしくねユウキちゃん!って…あれ?じゃあ八幡さんの隊のオペレーターは誰がするの?」

 

「あ、それもあって来たんだよ今日…はい!」

 

直葉が疑問を投げかけるとユウキがある機械を俺たちの前に置く。そうか、ようやくまた会えるんだな、なんて思っていると和人とアスナも同じように思ったのか穏やかな、しかし少しソワソワしたようにも見える顔をしている。

 

「これを作戦室のPCに繋いでくれればプロジェクターが起動して投影されるから、あと1日ぐらいなら内蔵バッテリーでも動くかも…って聞いてないよね、じゃつけるよ?」

 

カチッと音がして機器がPCに接続される。するとあの頃はいて当然だった人物……人物?が映し出される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お久しぶりです!パパ、ママ。ユイ、ただいま帰ってきました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の隊のオペレーターなのに俺忘れられてない?とか思ってたら和人とアスナは久々の再会を喜んでるし小町と直葉はまるでインコを相手にしてるかのように自分の名前を教えようとしている。ま、あいつらも楽しそうだしこれはこれでいいか。

 

「凄いなぁ…ほんとに学習機能のあるAIなんだね?」

 

「まぁな、元々はカーディナルの一部なわけだしってことは産みの親は茅場晶彦だからな。あの人ならこのぐらいは余裕だろ。」

 

ユウキは未だに自動学習するAIに驚いているようだったが作成者は昌彦さんだ。と教えるとなら納得だ、といったような顔をしていた。

 

と、俺が除け者にされたままで会話が進んでいるとプロジェクターに投影されたユイがこちらに向かってきた。

 

「お久しぶりです!パパ2号さん!」

 

「あぁ、ユイ。久しぶりだな、元気してたか?」

 

ちなみにユイは俺のことをパパ2号と呼ぶ。理由を聞いても教えてくれないがまぁただ単に育ての親的な意味なのだろう。俺何もしてないけど。

 

「あのー、パパ2号さん。少し教えて欲しいことがあるんですけど…」

 

「ん?なんだ、分かることならなんでも教えてやるぞ。」

 

珍しいな、ユイが質問なんて。大半のことはネットワーク直結で学習できるだろうに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パパ2号はママの愛人さんなんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……は?

 

いやいや待て待て!ユイは愛人の意味を知ってる…と、考えよう。ってことは誰かがいらんことを教えたな!一体誰が……

 

「なぁ八幡…ちょっと今から話いいか?…模擬戦ルームで。」

 

終わった、和人の目が死んでる。アスナは顔を真っ赤にしてるし直葉はオロオロしてるし小町は大爆笑してるしユウキは苦笑いだし…小町、お前か。

 

「ちょっと待て和人!話を!せめて弁論を!」

 

「却下だ、お前を殺す。」

 

却下された、どうやら俺には人権すらないようだ。

 

「やめろ!まだ紹介しなきゃ行けない人もいるんだし、おい!聞け!模擬戦ルームに引っ張るな!おい!」

 

駄目だった、結果1-9で負けたし。まぁ俺が動揺してたから負けたんだけどね?本気出せば勝てるし…多分。最悪ブラックトリガーもあるし。

 

 

ってか、ーーさん結局紹介できなかったけどどうしたんだろうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あはは…完全に入るタイミング失っちゃったな…。」

 

後日律儀に帰ってくるまで待ってたことを聞いた。本当に申し訳ない。

 

 

 





はい!オペレーターは絶剣ことユウキちゃんとチートAIユイちゃんです!

まぁ大規模進行までストーリーは決めてるので絶剣さんにもしっかりと出番が欲しいとこですね。

今回は短くなりましたがまた次回!

次回は白髪さん正式に初登場です!


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白髪の青年


はーい、今回で比企谷隊隊員とりあえず全員になります!




 

「と、いうわけで比企谷隊の隊員で東京20区にある喫茶店あんていくの店員、金木研さんだ。」

 

「どうも、金木です。よろしくね」

 

結局和人に模擬戦ルームでボコボコにされ帰ってくると扉の前で金木さんが待っていた。いや、ほんとに申し訳ない、主に和人と小町のせいだけど。

 

「おぉ…お兄ちゃんがお友達を連れてくるなんて小町感激だよ…、しかも超イケメンさん!」

 

まだ疑ってたのか小町。

 

「うんうん、ほんとにかっこいい人だね…この人が八幡さんの師匠さん?」

 

「あー、師匠ってよりは兄弟子かな?当然俺よりよっぽど強いけどな。」

 

小町、直葉からみても金木さんはイケメンらしい。確かに俺とは天と地の差だ。

 

「なぁ、アスナ。この人とんでもなく強いよな?」

 

「私もそう思う、雰囲気は柔らかそうだし優しい人なのかなって思うけど…」

 

和人とアスナは第一印象は強そう、らしい。今は気を抜いてるんだろうが行動の端々から多少の警戒が垣間見得る。

 

「ねぇ、そもそもなんで金木さんは八幡くんの提案を受けたの?まぁ東京にも近界民はいると思うけど…あと彼女は?」

 

「ユイも気になります!彼女さんはいるんですか!?」

 

ユウキの疑問は最もだな、東京にもボーダー支部はあるしわざわざ俺の部隊に入る必要も無い。あとユイ、そっちか。

 

「えっと、とりあえず簡潔に話すと僕らの方にも裏切り者がいてね。それで同じように裏切り者に対する処理がしやすいように比企谷くんの誘いを受けた…って感じかな。比企谷くん達とは違って僕らの方は裏切り者まで分かってるんだけどね。」

 

ってことらしいぞ。と俺が締めくくると

 

「ってことは少なくとも裏切り者は2人、俺と八幡の予想が当たってれば2人と1グループか、結構な人数になるよな。」

 

「まぁまだ予想なわけだし考えても仕方ないだろ、大規模侵攻でもあれば話は別だけどな。」

 

「僕もそう思うよ、それにトリオン能力の低い人間が裏切っても多分そんなに脅威にはならないからまだ考えなくていいと思う。」

 

和人と俺が話してるとユウキも意見を出してくれる。

 

「「それで、彼女は!」」

 

小町とユイは全くと言っていいほど興味を持たず金木さんの交際の方が気になるらしい。

 

「あ、彼女はいないけど奥さんならいるよ、それとまだ生まれてはないけど子供も。」

 

あぁ、怖かったな董香さん…切れたら目が充血するし。

 

「はぁ〜、奥さんですか!綺麗な人なんだろうなぁ…」

 

うん、確かに綺麗な人だな。怖いけど。

 

「金木さんの奥さんだからきっと綺麗に決まってるよ小町ちゃん」

 

そう、確かに綺麗な人。怖いけど。

 

「ってことは金木さんもパパさんなんですね!」

 

「も、ってことは桐ケ谷くんも?」

 

なんで八幡は違うんですか!と和人は言うが比企谷くんはそういうのあんまり興味無さそうだし自分への好意にも碌に気付かなそうだから、と笑って答えた。鈍感キャラは和人だけで充分だろ…

 

「えっと、ゲーム内では結婚してました…けど、こっちじゃまだ」

 

「まだってことはいずれ結婚するんだね」

 

和人が説明すると金木さんは笑顔でそう返す。と、和人はもうダメだ勝てない…と顔を伏せた。金木さんには口でも腕力でも勝てそうにねーわ。

 

「あれ?えっと…今の返し間違いだったかな、比企谷くん?」

 

更に自覚がないのが怖いとこだよ。

 

「まぁ、俺たちまだ高校生ですからね。そういう直接的な表現だと恥ずかしいもんですよ、董香さんもそんな感じなんじゃなかったですか?」

 

「あぁ…なるほど。確かにそうだね、ごめんよ桐ケ谷くん。」

 

「いえ…ほんとにいずれは結婚するつもりなんで大丈夫です」

 

今のはプロポーズか?と思っていると後ろで小町と直葉がアスナを弄っている。当人のアスナは顔真っ赤だ。和人はそれに気付いていないようだった。

 

なーんで俺の周りリア充しかいないんですかね?肩身狭いわー。

 

「パパ2号もいい加減鈍感ですよねー…」

 

「ってことはもしかして比企谷くんにもお相手がいるの?」

 

「少なくとも好意を持ってる人は何人か…私も小町さんに聞いただけなのでよくわからないんですけどね」

 

「なるほど…比企谷くんも鈍感なだけなんだね」

 

ユイと金木さんが何か喋っているがよく聞こえなかった。

 

その後金木さんは董香さんから電話があり夕飯の準備するからそろそろ帰るね、と言って帰っていった。まぁまだボーダーにすら入ってないから寮も使えないしな。

 

そうしてその日は解散することになった。来月にはまた仮入隊もあるし忙しくなりそうだ…

 





東京喰種の時系列的には

コウリュウギ終了

CCGと和解

有馬、エトは生存としています。

なので喰種のキャラそいつ死んだやろ!みたいな人結構出すかもなのでよろしくお願いします!


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新たなる戦力


今回は2度目の仮入隊、主に木虎と金木さんですね!




 

〜7月24日〜

 

どうも八幡です。今日は俺がボーダーに入ってから2度目の仮入隊日、なんかボーダーの人数自体少ないから結構な頻度でやるらしい。

 

のは、いいんだけどさ?

 

「流石に多すぎね?」

 

今回の仮入隊、なんと総勢300人オーバーらしい。夏休みってこともあって学生がお試し感覚で来てんだろうな、まぁ生命さえかければ金稼げるし悪くない小遣い稼ぎだろう。全く遊ぶ時間なくなるけど。

 

「おーっすハッチ。お前は手伝わなくていいの?」

 

声がする方を振り返ると出水と米屋、それと三輪がこちらに歩いてきていた。

 

「和人のとこの部隊が嵐山隊のサポートしてるだけで俺は関係ねーよ、それに金木さんと藍のこと見とかねーとだしな。」

 

「おー、そっか。藍ちゃんも今日仮入隊かー。いつ闘れるか楽しみだな!」

 

ダメだ、米屋は相変わらず馬鹿すぎる…

 

「で、今のところ最速は?良さそうなのはいたか?」

 

「んー、あそこの野性的なチビ助かね、それとツインテの女の子」

 

三輪が米屋に腹パン入れながら聞いてくるけど米屋はスルーで、いつものことだし

 

たしか緑川と黒江…だったかな、まぁそこそこタイムは早い方だったと思う。

 

「タイムは?」

 

「ツインテが11、野生児が4だったかな」

 

野生児もとい緑川は相当速い。なんというか野性的な感で動いているようにも見える。

 

「はー、その2人は早いうちにでもA級にスカウトされるだろうな。」

 

珍しく出水が関心している、まぁ和人とアスナがトリガー使い始めの癖に速すぎるぐらいだからな。

 

てかお前も相当だからな?後で慶さんに聞いたらあれでも手を抜いてたらしいし。

 

「あ!ほらハッチ、次藍ちゃんだぜ!」

 

「お、ようやくか…」

 

米屋に言われブースを見ると藍が入っていくのが見えた。

 

さて、タイムはどんなもんかな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思ったら1分経過しても藍が出てこない。

 

どうしたんだ?と周りがざわつく頃ようやく藍がブースに現れた。

 

「なぁ、ハッチ。藍ちゃんもしかしてビビってる?…あの日のことを思い出した、とか」

 

「お前割と気使えるんだな、まぁ見てろ。多分そんなんじゃないと思うぞ」

 

出水が多少気を使って話しかけてくるが俺は1mmも心配してない。…ていうかそうしろって言ったの俺だし。

 

『1号室 木虎藍 スタート』

 

ブザーがなった瞬間藍は近界民に向かって走り出し直前で右へと方向を切り替える。

 

そして勢いを維持したまま近界民の左足をスコーピオンで切り落とす。

 

そのまま背後に周り反対の足に向かい走り同様に切り落としていき完全に動きの止まった近界民の眼を確実に貫いた。

 

…タイムは9秒。充分に速いが出水と米屋はどうも納得していない。

 

「なぁ弾バカ、なーんか藍ちゃん遅くね?」

 

「だよなぁ、サクッと一撃で決められそうなもんだけどな」

 

ま、だろうよ。多分一撃で沈めることを想定すりゃ少なくとも2秒台はだせるだろうな。

 

「なるほどな、比企谷。あれはお前が仕込んだのか?」

 

「は?どういうことだ?秀次?」

 

流石はA級部隊隊長。今のを見てアレの意味に気付いたらしい。

 

「そうだな、例えば4月に現れた新型。あれを相手にした時出水、お前はどうした?一撃で沈めようと考えたか?」

 

「いや、ある程度削れるだけ削って最後に確実にー…ってそういうことか」

 

どうやら出水も納得したらしい、米屋も頭を唸らせてはいるがとりあえず理解はしたようだ。

 

「そ、そういうことだ。俺はあの仮想近界民の討伐シミュレーターの本当の意味は『いかに確実に勝てる戦い方をできるか』を確かめる訓練だと思ってるからな。」

 

実際にそうだ、当然決められるなら確実に一撃で倒した方がトリオンも温存できるし楽だ。

 

ただもしもその一撃を外したら?一撃で沈まなかったら?次は?

 

それを考えたら一撃で仕留めるなんてリスキーなことをするなら時間を使っても確実に仕留めるための下準備をしっかりとしろ。

 

そう藍には教えたからだ。

 

「なんだかんだハッチは藍ちゃんのこと期待してんだなー、普通ならとりあえず一撃で倒せとしか言わねーわ。」

 

「まぁ比企谷の場合期待と言うよりは心配、のような気もするがな。」

 

「そりゃあ教えておいて死なれちゃ寝覚めが悪いからな…」

 

またまたそんなこと言っちゃってー、ほんとは藍ちゃんのこと好きなんでしょ?このロリ谷…

 

そこまで言って米屋の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ以上関わった人間が死ぬのなんて見たくねーだろ…」

 

聞こえないほど小さく呟いたつもりだったが三輪には聞こえたらしく、そうだな。とだけ返してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数十分〜

 

いやー、流石に300超えると長いな。地形踏破とか間に合うのかこれ?

 

と、思っていると見覚えのある白髪がブースに入っていた。

 

「お、ハッチの隊に入る予定の人ってあの人か?」

 

「ん、あぁそうだ。もう金木さんの番か。」

 

三輪が米屋を起こしている間にどうやら金木さんの番が来たらしい。

 

白髪ってほんと目立つなぁ…

 

「見るからに強そうだな、ハッチ!とりあえずB級入ったら部隊戦な!」

 

気付いたら米屋はもう元気だった、しかも起きてすぐの発言が戦闘。脳味噌メロンパンなのかこいつは。

 

「多分お前らビビると思うぞ…多分な。」

 

特に出水と米屋にはビビるよりワクワクの方が強そうなんだよなぁ…

 

『3号室 金木研 スタート』

 

…一瞬だった。

 

開始のブザーがなる、それとほぼ同時に終了のブザーが鳴り響いた。

 

タイムは…

 

「0.12!?ハッチから聞いてなかったら計器の故障疑うわ!」

 

「普通にA級上位の正隊員クラスだぞ!?」

 

「すまん、比企谷。俺にはほとんど見えなかったんだが何が起きたんだ?」

 

三者三様の驚きを見せてくれる。いや、あれトリオン体じゃない状態で見えるやつなんているのかね。

 

「あー、仮想近界民の目のとこ見りゃ分かるかもな。」

 

仮想近界民の眼には小さな穴が4つ空いていた。

 

だから何だって話だよなこれ。

 

「あれ、スコーピオンを拳の隙間から発生させて直接殴った…んだと思う。」

 

「「マジで…?」」

 

バカ2人が唖然としている。

 

いや、俺も信じられないけどね?

 

金木さんにはスコーピオンの理屈を説明しただけでまさかあんな使い方をするとは思わなんだ…

 

「なぁハッチ…」

 

「…なんだ?」

 

珍しく米屋が神妙な面持ちで問いかけてくる。

 

「あの人ナニモンなの?」

 

「……俺に聞くな。」

 

 





書いてて思ったんだけど金木さん強すぎんか?

まぁ設定上A級はマジでやればこのぐらいは出せると思ってます!(思ってます!)


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休暇、海水浴、そして

はーい、今回は日常回…になるの?これ。

わかんないけどどーぞ!


〜8月1日〜

 

「やー、海なんて久しぶりに来たな!」

 

「おい槍バカ!あの岬のとこまで遠泳競走しようぜ!負けたら昼おごりな!」

 

「お前ら…あの岬まで数10キロはあるぞ」

 

「てか、慶さんは?まだ来てないのか?」

 

今日はボーダー休暇取れた組で海に来ている。槍バカと弾バカは相変わらずだ、三輪がお父さんに見えてくる。

 

ちなみにメンバーは俺、和人、アスナ、小町、直葉、出水、米屋、三輪、藍、柚宇さん、慶さん、金木さん、歌歩、シノンの14名だ。

 

なんでも月島さんの所有するプライベートビーチだそうでまぁ周りに人がいない。

 

あ、ちなみに月島さんってのはあんていくで修行してる時に出会った自称美食家の変態だ。

 

しかし世界に名だたる月島グループの御曹司で何故か当人がめちゃくちゃ強いってんだからタチが悪い。

 

「いや、まさか千葉のビーチ全般が月島さんの所有物とはな…」

 

「まぁ月島さん比企谷くんのことかなり気に入ってたし多分最近買ったんだと思うよ?」

 

金木さんが軽く言うが正直俺はドン引きだ。軽く海買うってどんな金銭感覚だよ。

 

「お、お前ら早いなー。出水と米屋はもう海かー」

 

あ、慶さんきた。なんか大量に食い物持って。

 

「一応聞きますけど慶さん、それどこで?」

 

「ん?そこの海の家で。」

 

女子組が遅いのは分かるけどあんたはそれが理由か。まぁいいんですけど。

 

「ま、女子組の覗きとかしてたんじゃないならいいんですけどね。」

 

「流石に覗きしてたらシノンちゃんに殺されてるんじゃないかな」

 

ねぇ、俺の評価低くない?あと金木もフォローしてないよねそれ?とか言ってるけど気にしない。評価低いのは事実だし。

 

「待たせたなぁお兄ちゃんズ!」

 

と、声がしたので振り返ると小町と直葉がきた、なんというかまぁあれだな…うん。

 

「「天使だな。」」

 

おっと、流石は和人。千葉の兄として正しい発言だ。なんか金木さん若干引いてるけど。

 

「ふふん、どうですか!金木さん、慶さん!小町の水着姿は!」

 

「うん、よく似合ってるよ、小町ちゃん」

 

「ほんとほんと、あと5年ほどしたら嫁に来るか?」

 

おっと、慶さんが小町に手を出し始めたぞ。これは一発アステロイドでもぶち込むか。

 

「残念ですが慶さんに手を出すと柚宇さんが怖いので小町は遠慮します!」

 

柚宇さんの名前が出た途端慶さんの顔色が一瞬だけ悪くなった、いやほんとあんたらさっさとくっつけよ。

 

「八幡くんも和人くんも相変わらずだね…」

 

「あんたたちほんとにシスコンなのね…」

 

続いてアスナとシノンが現れる。いや、この2人が並ぶからなんだろうけど格差が…な?

 

「なによ、言いたいことがあるなら言えば?」

 

「いや、言ったら多分殺されるか(バチン!」

 

ビンタされた、八幡まだ何も言ってない。

 

「おー!アーちゃんよく似合ってんじゃ…」

 

あ、米屋投げ飛ばされた。いや、別に失礼なこと言ってなくね?和人敏感すぎない?

 

「ねぇ秀次…俺何か間違ったことした…?」

 

「諦めろ、相手が末期だ。」

 

いや、ほんと三輪の言う通りだ。末期すぎる。

 

「…なによ、男なんてどうせボンキュッボンの方が好きなんでしょ…」

 

「そんなことねーよ、よく似合ってるぜシノン!」

 

あ、出水も投げ飛ばされた。よく人が飛ぶなこのビーチは。

 

ただその後、ならいいけど…と頬を赤らめる朝田さんを俺は見た。

 

「案外あの二人いい関係なのかな?」

 

どうやら金木さんも見ていたらしく2人を微笑ましそうに見ている…クソっ勝者の余裕か。

 

「あ、金木さんもそう思います?…てか金木さんだけ被害受けてなくないですか?せこ」

 

「あー、危機感地能力が人より高いのかもね…董香ちゃんのおかげで」

 

あー、納得した。

 

「それよりシノン、柚宇達はどうした?」

 

「え?あー、それならあそこ」

 

と、シノンが指さす方向に目を向けるとダブルMt.FUJIの後に藍と歌歩の姿が見えた。

 

「何やってんだ、あれ?」

 

「さぁ、多分恥ずかしいんでしょうね」

 

いや、藍はともかく歌歩は千葉村の時割と平気そうだったろ。

 

「ほらほら、恥ずかしがってないでいくよー」

 

「わ、ちょっと待ってください!心の準備が!」

 

「わ、私もまだ…!」

 

そう言って柚宇さんが2人を引っ張って走り出す。Mt.FUJIが揺れるたび慶さんが少し笑顔になっていたので心の中で評価をさらに下げておいた。

 

「あ、あの。八幡くん、変じゃ…ないかな?」

 

「ん?今回は千葉村の時と違うやつなんだな、よく似合ってるぞ。」

 

「え!前の水着覚えてたんだ…どっちが似合ってた?」

 

「ん?前のはお姉さんって感じだったけど今回は清純そうな感じがしていいと思うぞ。」

 

歌歩は白のビキニを着ていた、こう、なんだろうな。スタイルいいからビキニとか着るとグッとくるものがあるよな。

 

「あ、あ、そっか、わ、私泳いでくるね!」

 

そう言うと歌歩が頬を真っ赤にして海に走っていった。え?俺なんか間違ったこと言ったかな?金木ママンか三輪パパンに後で聞いてみよ。

 

「あ、あの八幡先輩。私は…どうですか?」

 

続いて藍が聞いてくる。えっと、なんというか…その。

 

「なぁ、お前ほんとに中学生だよな?」

 

「は、はい?」

 

藍はなんて言うんだろうな、花柄?のビキニに上からパーカーのようなものを羽織っている…のだが、なぁ。

 

いや、中学生に見えねぇよそのー、身体付きと言いますか。育つとこ育ちすぎだろ、って思ったら後ろから刺されるような視線がした。多分シノンだろ気にしない。

 

「あー、いや。よく似合ってると思うぞ」

 

「そうですか…三上先輩の時は断定なのに私の時は違うんですね」

 

少し落ち込んだように藍が言う。あー、そういうとこ結構気にするんだな女子って。八幡また1つ偉くなった。

 

「バカ、そんなことねーよ。ほんとによく似合ってる」

 

頭にペシ、とチョップを入れその後撫でながらそう言うと藍は、そうですか、ならよかったです。と笑いながら頭をこちらに預けてきた、何この可愛い生き物、天使かよ。」

 

「えっと、八幡先輩今のは…?」

 

何故か藍が顔を真っ赤にしながら聞いてくる。

 

「え?今俺なんか言った?」

 

「あ、いえ。なんでもないんです、それよりもう少しだけ続けてもらっていいですか?なんだか気持ちいいので。」

 

「ん?おう、いいぞ。」

 

そう言って頭を撫でていると後から

 

「あー言うのが鈍感って言うんだよな、クソリア充め」

 

「やー、ほんとほんと。俺があんなことしたら殴られるって分かってないよな絶対」

 

「だろ?あれが鈍感なんだよ、断じて俺は違う。」

 

「「いや、それはねーから」」

 

とバカトリオの会話が少しだけ聞こえる。何言ってるかあんまわかんねーけど。

 

「いやー、青春してるなあいつら。」

 

「おっさん臭いですよ太刀川さん?それに太刀川さんも国近さんにやってあげればいいじゃないですか?」

 

「え!?俺!?俺はぁ…まぁ、なぁ…」

 

どうやら慶さんは金木さんにからかわれているようだ。いや、からかわれてるのか?あれ。

 

「よっし、そろそろ泳ごうぜ。せっかくの海なんだしな」

 

「あ、そうですね。行きましょう!」

 

んでその後アホみたいに海で遊んだ。

 

なんか途中で米屋が、あんだけデカいもんぶら下げてるのに手も出せないなんて悲しいよなぁ秀次?とか言ってたけど三輪フル無視だった。

 

米屋よ、お前の頭にはそれしかないのか。出水みてみろ、あいつが相手してるのこんなかで1番胸ないぞ…って思ってたら石が飛んできた、しかも目にめがけて。スナイパー怖い。

 

その後もビーチバレーしてる時にFUJIが揺れるのをバカトリオ+1が眺めててアスナとシノンにぶん殴られたり、米屋が和人とアスナをからかって和人に沈められたり、出水と米屋がほんとに岬まで泳ぎ始めて小一時間帰ってこなかったり、歌歩と藍がバチバチしたり仲良くなったりと色々あった。

 

まぁ大半馬鹿なことしかしてないが息を抜ける時間も少なかったし俺としてはかなり有意義な時間を過ごせた、と思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの音が鳴るまでは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞き慣れたサイレンが突如鳴り響く。

 

「ねぇ、またなの?なーんで俺がゆっくり出来る時ってこうやって邪魔されるかね?」

 

「ぼやくな比企谷、構えろ」

 

ゲート出現予定座標はちょうど海水浴場の中、幸いにも人はボーダー関係者しかいないし被害を考える必要もないだろう。

 

…にしても鬼怒田さんが作ったゲート誘導装置とやらで出てくる場所を制限されているとはいえこんなボーダーの精鋭が集まってるようなとこに普通だすか?

 

なーんか嫌な予感がする。

 

「座標特定、南に60m先!」

 

「おっ、くるぞ。数多かったらどっちが多く倒せるか勝負な!槍バカ!」

 

「ほほう、今や槍バカは俺一人じゃないぞ?アーちゃんも充分槍バカだ!」

 

「私も巻き込まれるんだ…」

 

ゲートの位置が特定され歌歩から正確な位置を告げられる。

 

バカ2人は相変わらず対戦することにしか脳がないようだ、更にアスナまで巻き込んでるし。もう和人が鬼の形相だよ…。

 

バキリ

 

と音がしてゲートが開く、はずなんだが。

 

そのゲートは無音のまま何も無い空間から現れた。

 

「よー、あんたらがボーダー隊員ってやつか。ま、ここはひとつよろしくやろうぜ玄界の猿ども。」

 

現れたのは1人の男だった。

 

 




長くなりましたが初…?初人近界民登場です!

まぁ猿とか言ってますけど泥男さんとは無関係です、完全オリキャラです。

あれだ、泥男をリスペクトしてるとかって設定にしといてくれ。


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狂気と衝動

わー…この話書いてて久しぶりにあのナースさんを見たくなった主です。

それではどぞー!


 

「よー、あんたらがボーダー隊員ってやつか。ま、ここはひとつよろしくやろうぜ玄界の猿ども。」

 

現れた男はそう言った、なんて?みでん?よくわからん単語だらけだ。

 

「一応聞いてみるけど君の目的は?」

 

笑顔を崩さず金木さんが話しかける、順応能力高くない?あ、董香さんのせいか、納得。

 

「目的?俺はただここに飛ばされただけだ、目的なら上に聞いてくれ。」

 

「へぇ、上がいるんだ。そうなんだね。」

 

あ、分かったぞ。こいつ多分馬鹿だ、ペラペラ情報は喋るし正直ピリつくような感覚もしない、多分小町と直葉でも勝てるだろ。

 

「慶さん、ちなみにアレについての情報とかあったりします?」

 

「ん?あの人型か?大規模侵攻の時に何人か見たがそいつらは恐ろしく強かったな。でもあいつはそんな感じじゃなさそうだ。」

 

まぁどっちにしろ俺よりは弱いだろうけどな!と笑う慶さんは放置。なるほど、人型ってのが多分ボーダーで使ってるトリガーの元みたいなのを開発して使ってる感じか。つまり生産者なわけだ。

 

「俺が命令されたのはここにいるやつらの殲滅、ついでに良さそうなのがいたら連れ帰れってことだけ。目的に関しては知らん。」

 

それが目的って言うんじゃないのか…?それともその後に目的があるのか、まぁどっちでもいいけど。

 

「ちなみに…ここで殺されることはもちろん想定内だよね?」

 

どうやら金木さんがやる気みたいだ、なら俺やることないよね、よかった。

 

「は?アホか、想定外に決まってんだろ。俺がここで全員殺す、それだけだ。」

 

そう言って猿男(仮)はトリガーを解放する、しかし武器らしい武器は持たず周りに幾つもの円盤が浮いているだけだ。

 

「和人、アスナ、いつでも戦闘入れるように待機。出水とシノンは後ろからの援護、米屋と三輪は女子組守れる位置で頼む。慶さんと金木さんは何かイレギュラーがあった時によろしくお願いします。」

 

「わ、私も戦います!」

 

俺が作戦を伝え終わると藍が言う。

 

「バカか、金木さんクラスじゃない限りまだ正規入隊もしてないお前のトリガーじゃ無理だ。いいから下がってろ。」

 

「でも…」

 

藍が言いかけると慶さんがくるぞ!と叫ぶ。すると猿男(仮)の周りの円盤は地面の周りをクルクルと旋回するだけで特に何もしてこない。

 

「へぇ、何もしてこないんだね?」

 

「は?何言ってんだ、もう仕掛けてるぞ」

 

とは言うものの何も変化がない、傍目から見てもただ円盤が回ってるだけだ。

 

「ねぇお兄ちゃん、あれ攻撃して壊すとか…ダメかな?」

 

「んー、可能かどうかはわからんがとりあえずやって見るか」

 

「「アステロイド!」」

 

3×3×3で分割したアステロイドを小町と円盤に向かって放つ。が、やはりというか円盤の前でアステロイドは1発残らず消滅した。

 

「金木さん、今のどう思います?」

 

「んー、ブラックホールとかみたいな超重力とかで消えた、って感じではなかったかな。どちらかというとただ消えただけ。」

 

なるほど、ますます理由が分からなくなってきた。なんであいつは攻撃して来ないんだ?それこそほんとに消せるなら1発で全滅も出来るだろうに。

 

「なら俺がやってやるよ。金木さん、どうなってたかもう一度よろしくっす」

 

出水はそう言うと11×11×11でアステロイドを打ち込む。相変わらず化け物め、と思っていたらまた全てが消えた。

 

「仮説はいくつかたてられたけど、どうする?」

 

「それでいいんでお願いします。」

 

どうやら金木さんはなんとなくだが分かったようだ、さすが大学生。慶さんとは違うぜ。

 

「多分あれは文字通り消してる、であってると思う。ただこっちにそれをしてこないってことはトリオンじゃないと消せない、または質量が大きすぎると消せない。とかそんなところじゃないかな。」

 

なるほどな、つまりあれはトリオン限定のブラックホールなわけだ、ってことは対処法は簡単だな。

 

「なら小町と直葉ちゃんで突っ込みますよ!大きければ消せないんでしょ!」

 

「うん!いこう小町ちゃん!」

 

そ、単純に近距離戦でOKだ。消しきれない物量でぶつかればそれで終わり、なーんかあっさりしすぎだなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていると突っ込んでいた小町と直葉の姿が消えた、いや正確には宙に浮いた。

 

「やっぱ玄界の連中は猿だな、そんな弱っちいわけねーだろ」

 

小町と直葉は真っ直ぐに、重力に従って落下する。その先には先程の円盤が、なんかやばい!

 

するとその円盤からアステロイドと思わしきものが射出される、よく見るとサイズも形もさっき俺が打ったものだ。……クソ!ようやく能力が分かった!間に合うのか!

 

和人も走り出している、しかし間に合うことはなく。

 

アステロイドは小町と直葉を貫いた。

 

その場で小町と直葉の戦闘体は解除され地面に叩きつけられる。

 

「ほら、これでまずは2人な」

 

猿男が短剣のようなものを取り出し一閃、小町と直葉の首に向けて刃を薙いだ。

 

が、それは2人には当たることはなく地面を切り裂いた。

 

「大丈夫か、比企谷妹。」

 

「直葉ちゃんは無事だぜー!ハッチ、キー坊!あとは任せた!」

 

三輪が小町を抱き抱えてギリギリで回避していた、三輪も多少ダメージを食らったみたいだが戦闘体を解除されるまでには至らなかったようだ。

 

ちなみに直葉は水着の上に着ていたパーカーのフードに米屋の槍が突き刺さって宙ぶらりんになっている、お前それ一歩間違えたらアウトだぞ…まぁ米屋に限ってそんなミスはないだろうけども。

 

「ナイスだ三輪!普段なら殺してるけど今回は許してやる!」

 

「米屋、後で覚えとけよ。でもありがとう!」

 

さて、俺たちの大切なものに傷つけてくれたんだ。

 

覚悟は出来てるよな?

 

俺と和人は同時に猿男(仮)に向かって走り出す。

 

side金木

 

「太刀川さん、僕達も行きましょう」

 

「あー、ほっとけ。大丈夫だよあいつらなら」

 

「そーそー、和人くんとハチくんは極度のシスコンだからねー」

 

2人の援護に向かおうとすると太刀川さんと国近さんが僕を止める。

 

「それにね、今金木くんが言っても邪魔になると思うよ?あーんな状態になった2人に合わせられるのなんてアーちゃんだけだと思うし」

 

「あはは、あーなっちゃうと私でも無理かも…」

 

そう言われ2人の方を見ると恐らく何の打ち合わせをしてる訳でもないのに飛んでくるアステロイドを完璧に避けている、というかどちらかが当たりそうになるともう片方が蹴りを入れて当たらないよう無理やり軌道を変えている、しかし蹴られた方は蹴られたことなど意にも介さず体制を立て直しまた相手へと向かい走っていく。

 

「僕にはケンカしてるようにしか見えないなぁ…」

 

「でもあの二人はSAOでもこうやって生きてきたんです、あの二人が負けるところなんて想像すらできないぐらいですから」

 

「まぁ実際は俺にボコボコにされてるわけだけどな!」

 

慶さんはそう言って笑うがそれはあなたが強すぎるだけです。と言いたくなった。確かにあの二人なら大丈夫だろう、今回は手を出さず女の子達を守る役に回ることにするよ。

 

 

side八幡

 

「和人、上」

 

「ん」

 

「ハチ、当たるそれ」

 

「わり、てか呼び方SAOの時に戻ってんぞ」

 

これだけの最小限のコミュニケーションで敵の目の前まで近づくと流石に焦ったのか猿男(仮)の表情もかなりの焦りを見せる。

 

「なんでだ!なぜ俺のトリガーに当たらない!」

 

「「目線、バレバレだから」」

 

こいつのトリガー能力は恐らく攻撃、いや、運動エネルギーを保存する罠の精製、そして、それを当てやすくするためのワープホール的なものの精製ってとこだろう。この程度の罠、喜多川や冬島さんの方がよっぽど怖いわ。

 

「で、ついでに自分の周りにはワープホールはない、誤操作でもして自分の近くに相手を寄せたくないんだろ?」

 

じゃないとさっき三輪が小町を助けられたことに説明がつかない。

 

「それがなんだ!」

 

そう言って猿は自分の周囲の地面に円盤を這わせ、恐らく罠を設置する。

 

「やっぱ馬鹿だなお前、空中に配置しない時点で負けなんだよ、いや、できないか?」

 

和人が設置したグラスホッパーで俺は猿の真上に飛ぶその後自分でグラスホッパーを設置しすぐさま空中で方向転換、和人も同じことを繰り返し猿の周りをスーパーボールを弾いたように飛び回りグラスホッパーを踏むたびに加速度的に速度が上がっていきついには猿は目で追うことすらできなくなった。

 

「クソっ、お前ら!俺を舐めるなぁ!」

 

そう言って短剣をガムシャラに振り回す猿。しかしそれは俺たちに当たることは一切なかった。

 

「「こっちだよ、バカ」」

 

やっぱりこいつは馬鹿だわ、まだ安全策をとって自分の背後に罠を設置しないんだからな。

 

「なっ、てめぇ!」

 

そう言って後ろを振り返る猿。しかし完全に振り返ることはなかった。

 

猿の頭は綺麗に無くなっていた、シノンが撃ち抜いたのだ。さすがシノンさん、作戦話さなくてもわかってくれるとはな、まぁ分かんなかったとしても俺が殺したんだけど。

 

そして戦闘体が解除された猿が俺の前に転がる。

 

「ひっ、た、頼む!助けてくれ!」

 

「はぁ、命乞いか?お前バカな上にクソダサいとかほんと終わってるな。」

 

俺がそう言うと和人が下がる、どうやら女子組を見えない場所に引き離してくれているようだ。和人くんナイスです!

 

「お前は俺の、俺たちの大切なものに手を出したんだ。助ける義理なんてねぇよ。」

 

「た、頼む!聞きたいことならなんでも話す!だから、だから!」

 

こいつほんとにバカだな、自分でペラペラ喋ってんだ。もう聞くことなんてねーよ。

 

「…はぁ、そうだな。じゃとりあえず遺言ぐらいは聞いてやる、言ってみろ。」

 

「ひ、あ、いい、嫌だ!助け…

 

そう言った瞬間猿の首から上が飛び地面に転がる。

 

「あ、悪い。もう飽きたわ」

 

綺麗な白だった砂浜が真っ赤に染まっていく。こいつら血は赤いのな、八幡また偉くなった。

 

「さーて、これはとりあえず月島さんに謝るかな。さすがに所有物が曰く付きはヤバそうだし。」

 

いや、まてよ?そもそも月島さんがここに誘ったのが悪いわけだ。つまり俺は悪くない。NO謝罪だな。

 

…さて、帰るか。

 

 

 

 

と、踵を返すと藍がこちらに向かってくる。やばい!惨殺死体を見せるわけには!

 

なーんて、思ってるといきなり藍に抱きしめられた、ちょっ、藍さん?あのー、決して慎ましくない胸が!水着で強調されてる胸が当たってるんですけど!?

 

「…八幡先輩、大丈夫ですか?」

 

「え、あ、俺?俺は大丈夫だぞ、見ての通り怪我も…「そうじゃなくて!」

 

藍は声を大きくして言った。

 

「その、私たち…のためにその人、殺した…んですよね?八幡先輩…大丈夫ですか?」

 

あぁ、そういうことか。俺はまたSAO時代と同じことをやったわけだ、タイタンズハンドを潰すために何人か殺した、ラフィンコフィンを潰すために何人も殺した。その時も和人とアスナ、柚宇さんにしこたま怒られたなぁ…

 

「…藍、悪かった。でもな、俺はこいつを生かしておいてもし、お前達の命が危険にさらされるようなことがあれば俺は俺を呪うだろう、それにな。…今更1人の命を奪ったからってもう、何も思わないんだ。」

 

「それでも!八幡先輩1人で抱え込まないでください!そのための部隊員です、そのためのボーダーです、それに…そのために私もいます!だから、だから…」

 

…1度和人がナースさんに弱音を吐いているのを見た、SAO時代、殺した人の所属していたギルド員の名前も思い出せないと、ゲームだからと殺したと。

 

ナースさんは言った、君は自分が助けた人たちの事を思い浮かべることで自分を助ける権利があるんだよ。と

 

正直その時、俺は馬鹿馬鹿しいとすら思った。自分たちが救ったんじゃない、行動した結果がそれだっただけだ。別に俺たちじゃない誰かがしたところで結果は同じ、救っただ。

 

ならば『自分が助けた』なんて、ただの自己満足じゃないか。建造物を壊して街を救った気になっているヒーローと同じだ。

 

そう、思っていた…んだが。

 

「悪かった、助けられたやつの気持ちも考えずにな…ありがとう藍、俺はお前に救われたよ。」

 

きっとあのナースさんの言葉の本当の意味は『自分が助けた人の気持ちを考えてあげて』ということだったのだろう、そうすることで『今度は自分も助けられる方法を見つけてね』と、そう言いたかったのだろう…と思った。

 

「い、いえ。それなら…よかったです、でも本当にダメですからね!今回のようなことは…」

 

また沈んだ表情をする藍に、わかった、そう一言だけ告げて頭を撫でると藍は機嫌を取り直しついでに顔を真っ赤にした。

 

そして俺たちは海をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ま、疲れたと思って寮に帰ると本部に呼ばれて今回の事の顛末のレポートを書けと言われた。

 

次回!八幡の社畜バンザイ!

 

 




やっべぇ!クソなげぇ!

しかも、なんか八幡がサイコパス見たいになってしまってる!


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