雪女がやってきた (アインスト)
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ある暑い夏の日

暑いこの日にふと思い付いた駄文。

好評なら続く、かもしれません。

では、どうぞ。


 

 

夏。

 

それは太陽がギラギラ照りつく時期。

 

あるいは松岡○造が太陽神と呼ばれる時期だったり。

 

学生や社会人、お年寄りなどにはかなり厳しい季節だ。

 

ただ、他にも厳しいと感じるヤツもいるらしい。

 

例えば。

 

 

 

 

 

「うぇ~‥‥‥マサキぃ‥‥‥暑いよぉ‥‥‥」

 

「我慢しろ、あるいはお前の力で涼しくすればいいだろ」

 

「マサキのいじわる‥‥‥」

 

 

 

 

 

 

今自分の目の前に座っている雪女とかな。

 

何故雪女がいるか、いや雪女が何故ここにいるかというのは昨日の昼頃にさかのぼる。

 

昨日の昼頃、俺は昼飯を食べ終えて畑仕事をしていた。

 

金はどうしたって?

 

いや、何故かわからんが毎月のように俺の親父がいくらか振り込んでくるんだ。

 

なんでも前の宝くじ一等が当たったとかなんとか。

 

相変わらず親父は運が良いようだ。

 

それで親父曰く、せっかく当たった金を一人占めするのは自分が許せないとの事でたった一人の肉親である俺に分けているらしい。

 

あぁ、たった一人というのは実は俺の両親は離婚している。

 

原因は母が不倫をしたため。

 

一人っ子だった俺は素直に親父についていった。

 

ただ最近になって、宝くじを当てた事を知った母が親父と再婚したいだなんてほざく。

 

だが、親父は「人、ましてや夫や子供を裏切っておいて何様だ」と言い、母とは金輪際縁を切ったそうだ。

 

流石親父だな、と俺は思う。

 

おっと、話がだいぶ逸れてしまったな。

 

んで、そんなこんなで都会に近めな田舎で畑で野菜とかを育てながら過ごしていたある日、だ。

 

セミがジーワジーワと鳴き、さらには太陽がいつも以上にギラギラと照りつけていた日だ。

 

畑仕事を終え、家に戻ろうとした。

 

だが、家の前に誰かが倒れていたのを見つけたんだ。

 

急いで駆けつけ、様子を見る。

 

女だったよ。

 

で、流石に外に倒れさせたままにする訳にはいかないため家に上げてまだ未使用の布団の上に寝かせたんだ。

 

今ではあまり気にしていないが、担いだ時彼女の身体が少し冷たく感じた。

 

とはいっても、普通より少し低めな体温なのだろうと自己解釈した。

 

さて、皆様待たせたな。

 

その女の容姿について話そう。

 

女の容姿は、青く少し長めな髪にまるで雪のように白い肌。そして、所々に雪の結晶の刺繍が施された白い着物を着ていた。

 

だが、何故着物を着ていたんだ?と疑問に思って考えにふけっていたその時だ。

 

どうやら目を覚ましたようだ。

 

 

 

 

 

「ここ‥‥‥は‥‥‥?」

 

 

 

 

ずいぶん可愛らしい声じゃないか。

 

それに目の色が水色に近い青。

 

ふと彼女が俺を見る。

 

すると何かに驚いた様子で目を丸くして、こう言った。

 

 

 

 

 

「‥‥‥えっ!?なんで人間がここに!?」

 

「‥‥‥はぁ?」

 

 

 

 

 

思わず疑問の声を漏らしてしまった。

 

人間って、お前もじゃないの?とか、もしかして都会で言うところの『厨二病』って奴か?とか考えてしまった。

 

いや、考えてしまったではなく、思わず『言葉に出ていた』のだ。

 

 

 

 

 

「失礼な!!私は雪乃、立派な雪女よ!?」

 

「雪女、ねぇ‥‥‥俺にはどう見ても同じ人間にしか見えないんだが?」

 

「ぐぬぬ‥‥‥じゃあ見せてあげるわよ、私の力!!」

 

 

 

 

そう言って雪乃‥‥‥だっけか。

 

まぁいい。雪乃が立ち上がり、人差し指に冷気が収束していった。

 

しかし。

 

 

 

 

 

「う、う~‥‥‥暑くて力が出ないぃ~‥‥‥」

 

「言わんこっちゃない‥‥‥」

 

 

 

 

 

いきなり倒れて力が出ない、と言った。

 

仕方ないのでここに住まわせる事にした。

 

そこから色々話を聞くと、どうやら初めての土地で迷ってしまったらしい。

 

最終的に俺の家にたどり着いたそうだ。

 

それで今に至る。

 

 

 

 

 

「ねぇマサキ~‥‥‥扇風機回して~‥‥‥」

 

「さっきからガンガン回してるだろ。少しは我慢しろ」

 

「えー‥‥‥」

 

「‥‥‥じゃあ今日のお前の分のかき氷無しな」

 

「わかりましたっ、我慢しまっす!!」

 

「わかればよろしい」

 

 

 

 

 

‥‥‥まぁ、妖怪だからといっても根はかなり良いヤツだ。

 

今まで退屈だった毎日が、これからは面白おかしく過ごせそうだ。

 

 

 

 




今日は暑くありませんでしたか?

感想等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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俺と雪女の1日

‥‥‥続いちゃった。

という訳で、どうぞ。


 

 

午前5時。

 

俺の朝は早い。

 

なるべく早めに起きて、収穫できそうな作物は収穫する。

 

で、近所の爺さん婆さんに分けに行く。

 

お金はいいって言ってるのだが、「あんた程良い子はいないよ」と言ってお金を渡してくる。

 

ちなみに今育てているのはミニトマトやじゃがいも、キュウリなど。

 

あ、あとは人参とかだな。

 

それらの作物を詰め合わせて持っていくと、必ず二千円ぐらい貰ってしまう。

 

少し多くないか‥‥‥?

 

そして、家に戻り朝飯を作る。

 

今までは一人分だったが、今は二人分だ。

 

今日は‥‥‥簡単な茶漬けにするか。

 

あいつ、何が好きなんだ?

 

とりあえず梅にしておくか。

 

俺は‥‥‥いいや、何もトッピングせずにシンプルで。

 

朝飯を作り終え、居間に運ぶ。

 

すると眠い目をこすりながら別の部屋から雪乃が出てくる。

 

 

 

 

「おはよ~マサキぃ‥‥‥」

 

「あぁ、おはよう。ずいぶん寝ていたな?」

 

「マサキが早いんだってば‥‥‥」

 

「ほら、朝飯できてるぞ」

 

「はーい‥‥‥」

 

 

 

 

ちゃぶ台を挟んで座る。

 

そして、同時に食べ始める。

 

 

 

 

「いただきます」

 

「いただきま~す‥‥‥」

 

「‥‥‥美味いか?」

 

「うん。なんか素朴な感じがするけど私好きだな」

 

「そうか」

 

「ねぇマサキ」

 

「なんだ?」

 

「あの時どうして私を助けたの?」

 

「どうして、か‥‥‥強いて言えば放っとけなかったからだ」

 

「放っとけなかった?私は妖怪、雪女なのに?」

 

「あのな、助ける理由に種族とか関係無いだろ。困っているヤツがいるなら助ける、それが俺がお前を助けた理由だ」

 

「ねぇ、それお人好しって言われない?」

 

「うるせぇ、別にいいだろ」

 

「‥‥‥そうね。それが貴方だってよくわかったわ」

 

 

 

 

 

そう言って雪乃はニコニコと微笑む。

 

‥‥‥今の俺の顔色は間違いなく赤い。

 

自分でもわかる。

 

その俺の顔色を見た雪乃は、俺をからかう。

 

 

 

 

「あっれぇ~?もしかして照れてるの~?」

 

「ばっ、何を言ってんだよ‥‥‥!!」

 

「だって顔赤いもの。もしかして私に惚れちゃったぁ?」

 

「‥‥‥拳骨落とすぞ」

 

「ハイゴメンナサイ」

 

「ったく‥‥‥馬鹿が」

 

「む、だから私は馬鹿じゃないってば!!」

 

「初めて俺に会って力を見せようとしたら力尽きてぶっ倒れたのは何処のどいつだ?」

 

「う‥‥‥」

 

 

 

 

そう言うと雪乃は言い返せない。

 

なんだろう、弱味をちらつかせるのが楽しいかもしれない。

 

さて、だいぶ時間は流れて夕方。

 

現在致命的な問題が発生している。

 

それは。

 

 

 

 

 

「‥‥‥お前、臭うぞ」

 

「ぬなっ、なんでよ!?」

 

「ストレートに言わせてもらうが非常に臭う。お前風呂は?」

 

「お風呂は入った事無いし‥‥‥でも最低限水浴びぐらいしてるわよ!?」

 

「それだ、それが原因だ。とにかく風呂沸かすから先に入れ、いいな?」

 

「わ、わかったわよ‥‥‥」

 

 

 

 

 

なんかな、地味に泥に近いような臭いがするんだ。

 

流石にここまで言ってしまうと泣かれるかもしれないので心の中にしまっておく事にする。

 

 

 

 

 

「おい、風呂沸いたぞ」

 

「はーい今行くわ~」

 

「頼むからさっさと入ってくれ」

 

「はいはいわかりました~」

 

 

 

 

雪乃を風呂場に案内する。

 

うちの風呂場は地味に広い。

 

なんでも今は亡き俺の爺さんが持っていた家をそのまま俺に譲ったからだ。

 

ったく、ここまで広い家はなかなか無い‥‥‥いやうち以上にある所はあるか。

 

 

 

 

 

 

「はぁ~‥‥‥気持ちいい~‥‥‥」

 

「‥‥‥おい、湯加減はどうだ?」

 

 

 

 

壁一枚で隔てて雪乃に湯加減はどうかと聞く。

 

すぐに返事が返ってくる。

 

 

 

 

「いい感じ~。凄く気持ちいいわ~」

 

「そうか、ならいい‥‥‥というかお前雪女だろ。普通に風呂入って大丈夫なのか?」

 

「ちょっとくらいなら大丈夫よ~。あまり長い間入ってると危ないかも~」

 

 

 

 

‥‥‥ますますわからん。

 

風呂場前で考えにふけっていると、風呂場の横開きの扉が開く。

 

 

 

「ありがと、いい湯だったわ」

 

「ぶっ!?お、お前‥‥‥!!」

 

「え?何?」

 

 

 

え、何?じゃねぇよ。

 

お前なんでバスタオル一枚巻いただけの姿で出てきてんだ。

 

服は?着物は?

 

 

 

 

「あれ、もしかしてちょっとびっくりした?」

 

「あたりまえだ‥‥‥とにかく服か何か着ろ‥‥‥」

 

「無いわよ?」

 

「は?」

 

「だから、あれが私の一張羅なのよ」

 

「‥‥‥はぁ」

 

 

 

 

仕方がないので俺の服(洗濯済み)を渡す。

 

半袖短パンだが、雪乃には大きいようだ。

 

 

 

 

「わ~、意外とマサキって身体大きいのね」

 

「‥‥‥そりゃ畑仕事してるからな。で、下着は?」

 

「大丈夫。ちゃんと風呂場で洗って乾かして使ってるから」

 

「‥‥‥」

 

「どうしたのよ?」

 

「いや、なんでも無い‥‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥疲れた。

 

寝よう‥‥‥と思い、自分の部屋に戻って布団の上に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥あれ、もう寝ちゃったの?‥‥‥今日もありがと、マサキ」

 

 

 

 

寝ている間、頬に何か妙な感触がしたが、俺はすぐに忘れて眠りに落ちた。

 

 

 

 




次回をお楽しみに。

感想等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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俺と雪女の買い物

第三話にして買い物回。

どうかしてる。

では、どうぞ。


 

 

数日暮らしてわかった事がある。

 

それは。

 

 

 

 

 

「お前、着替え少なくないか?」

 

「今更!?」

 

「いや、だってそうだろ。普通数日様子見るだろ」

 

「確かにそうかもしれないけど、というかマサキの着替え貸してもらってるけど大きいってわからない!?」

 

「‥‥‥悪い」

 

 

 

 

ふとそんな事を雪乃に言うといきなり怒られた。

 

申し訳ないと思ってはいる。

 

‥‥‥仕方ない、久しぶりに行くか。

 

 

 

 

「おい、準備しろ」

 

「え、何の?」

 

「だから、出掛ける準備だよ」

 

「出掛けるって‥‥‥何処に?」

 

「街。普通わかるだろ」

 

 

 

 

とっとと準備してくれないとこちらが困る。

 

でなければ出掛ける事ができないからな。

 

あたりまえの事である。

 

 

 

 

「準備出来たか?」

 

「まぁ、一応‥‥‥」

 

「よし、じゃあ行くか。ついて来な」

 

 

 

そう言って雪乃を連れて最寄りの駅まで歩く。

 

以前都会に近めな、と言ったがあくまで電車で行けば、の話だ。

 

ただ、雪乃には電車を見るのも乗るのも初めてなようだ。

 

まぁあたりまえか。

 

今まで妖怪?として生きていた訳だしな。

 

 

 

 

「ほら、切符」

 

「結構小さい切符なのね‥‥‥初めて見たわ」

 

「小さい切符って‥‥‥お前どんな切符を見たんだよ」

 

「えっと、確か‥‥‥貴方は知らないだろうけど、私たちの街‥‥‥いわゆる妖怪横丁みたいな感じで‥‥‥」

 

「その話、長くなるか?」

 

「あー‥‥‥うん、長くなるかも」

 

「なら今は却下。後で聞いてやる」

 

「わかったわよ‥‥‥もう」

 

「‥‥‥悪かったな」

 

 

 

 

 

流石に悪いと思って、雪乃の頭の上に手を置く。

 

すると雪乃の顔がみるみるうちに赤くなり、すぐに『ぼふんっ!!』と音を立てるようにあっという間に真っ赤になってしまった。

 

 

 

 

 

「な‥‥‥な‥‥‥!?」

 

「‥‥‥どうした?」

 

「なっ、なんでもないわよ!!べ、別に貴方に私の頭の上に手を置かれて照れてるとか、そういうのじゃないからね!?」

 

「‥‥‥そうか」

 

「な、何よ‥‥‥?」

 

「実際照れているだろうが」

 

「~ッ!!にゃあああああああ!!」

 

 

 

 

 

ぽかぽかと背中を叩いてくる雪乃。

 

なんか子供を相手にしているみたいだ。

 

少し可愛く見えてきた。

 

 

 

 

 

「何なのよ‥‥‥どうしてこんなに顔が熱いの‥‥‥?」

 

「誰かに恋でもしたんじゃないか?」

 

「なっ、何言ってるのよ!?」

 

「そうとでも仮定しないと不自然だろ?」

 

「もう‥‥‥ばかぁっ!!」

 

「イッデェ!?」

 

 

 

 

 

 

 

思い切り足を踏まれた。

 

もの凄く痛い。

 

さて、電車に揺られて数十分。

 

都会に到着。

 

俺が服を買いに行く時に来ている店に行った。

 

そこには俺の親友、タイガがバイトしているからだ。

 

 

 

 

 

「お、来たなマサキ!!」

 

「あぁ。ちょっと野暮用でな」

 

「あれ、そこの女性はもしや‥‥‥」

 

「あぁ、言っておくが彼女とかじゃない。仕方がないから俺の家に住まわせているだけだ」

 

「なんだよ隅に置けねぇなぁ。で、野暮用ってのは?」

 

「こいつの服を適当に見繕ってくれ」

 

「わかった、任しとけ」

 

「そういう事だ雪乃、あまり迷惑かけるなよ」

 

「わかってるわよ。流石に良識が無い訳じゃないしね」

 

 

 

 

 

 

どうだか。

 

そして数分後、タイガが来た。

 

 

 

 

「おいマサキ、お前すげぇな!!」

 

「いきなり何だよ」

 

「いや、あの雪乃って子にどんな服を着せても似合うんだよ!!」

 

「はぁ、それで?」

 

「まぁかなり似合うものを着せたからさ、見に来てくれよ」

 

「わかった」

 

 

 

 

 

 

タイガに案内され、雪乃が入っている試着室前まで来た。

 

タイガが「雪乃ちゃん、カーテン開けてくれ」と言うと、カーテンが開かれ雪乃が出てくる。

 

 

 

 

 

「ど、どうかしら‥‥‥?」

 

「‥‥‥!!」

 

 

 

 

 

服装としては、黒のスカートに水色に近い青のシャツ、その上に白いパーカーを着ている。

 

だが、雪乃特有の白い肌にかなり合っており、かなり似合っている。

 

すぐに零れた言葉が、

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥可愛い」

 

「か、可愛い!?」

 

「あぁ、凄く似合っている」

 

「そ、そう‥‥‥」

 

 

 

 

また雪乃は顔を赤くしてしまった。

 

 

 

 

 

「で、お買い上げか?マサキ」

 

「そうだな。これをくれ」

 

「あ、他にも似合っていた服あったからそれオマケな」

 

「お前それ大丈夫なのか‥‥‥?」

 

「大丈夫大丈夫。店長がいつも贔屓にしてもらってるからって聞かなくてさ」

 

「‥‥‥わかった」

 

 

 

 

 

 

さっさと服を買い、タイガには礼を言った。

 

そして電車に乗った帰り。

 

雪乃がこんな事を言った。

 

 

 

 

 

「ね、ねぇマサキ」

 

「なんだ?」

 

「き、今日は‥‥‥ありがと」

 

「別に、気にするな」

 

「そう‥‥‥?なら、いっか‥‥‥」

 

「‥‥‥雪乃」

 

「‥‥‥へっ!?」

 

「お前は今の生活が楽しいか?」

 

「‥‥‥えぇ、最ッ高よ!!」

 

「そうか、なら良かった」

 

「‥‥‥っていうか何気に私の名前呼んだの初めてじゃない?」

 

「‥‥‥あ」

 

「ふふっ、ちょっと嬉しいかも。なんか認められた気がしたみたいで」

 

「‥‥‥そうか」

 

 

 

 

 

 

 

俺は顔を赤くしてしまう。

 

‥‥‥悪くないかもな、こんな生活も。

 

 

 

 




次回もお楽しみに。

感想等お待ちしてます。

そして、活動報告内にて雪乃ちゃんのファッションを募集します。

雪乃ちゃんがこんなの着たら可愛いんじゃないっていうファッションを是非お寄せください。

ご協力お願いします。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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雪女の友達

今回雪乃の友達登場。

では、どうぞ。


 

 

畑仕事を終えたある日。

 

その帰りに妙な物を見た。

 

塀から覗く女性‥‥‥はいいんだが、問題はその言動にある。

 

なんと言えばいいか‥‥‥そうだな、俺と目が合った瞬間、『ぽぽぽ』とか何とか聞こえたんだ。

 

まぁその時の俺はあまり気にも留めなかったが。

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「あ、おかえりマサキ」

 

「‥‥‥また怠けていたのか」

 

「えー、だって手伝いとかめんどくさ‥‥‥いたたたたたたた!?」

 

「お前‥‥‥!!」

 

 

 

 

 

少々頭に来たので雪乃のこめかみをグリグリする。

 

じたばたと暴れるが抑え込みながら仕置きをする。

 

 

 

 

 

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!頭割れちゃうっ!!」

 

「知るか。最低限住まわせてやってんだから畑仕事ぐらい手伝え」

 

「わ、わかった、わかったからぁ!!その手を離してぇ!!」

 

「ったく‥‥‥ほら」

 

「っつぅ‥‥‥そんな痛くする必要無いじゃない‥‥‥」

 

「手伝わないお前が悪い。お前今日のデザート抜くぞ」

 

「そ、それだけは勘弁してぇ!!」

 

 

 

 

 

うむ、扱いやすいな。

 

ちらりとデザート等の甘味をちらつかせるとちゃんと言う事を聞く。

 

‥‥‥子供みたいじゃねぇか。

 

そんな事を考えながら雪乃の相手をしていると、玄関の戸が軽く数回叩かれる音がした。

 

 

 

 

「あれ、誰か来たみたいよ?」

 

「ちょっと待ってろ‥‥‥行ってくる」

 

「はーい」

 

 

 

玄関まで向かい、戸を開ける。

 

開けるとそこには‥‥‥。

 

 

 

 

 

「あ、あの‥‥‥雪乃ちゃん‥‥‥いますか‥‥‥?」

 

「あ、あぁいるが‥‥‥」

 

 

 

 

 

第一印象、デカい(身長もでかけりゃあれもデカい。何処とは言わないが)。

 

麦わら帽子を被った女性が、そこにいた。

 

 

 

 

 

「あ、八ちゃん!!」

 

「久しぶり、雪乃ちゃん‥‥‥」

 

 

 

え、まさか知り合い?

 

どういう事だ?

 

 

 

 

「ま、まぁとにかく上がれ」

 

「ありがとう‥‥‥ございます‥‥‥」

 

 

 

 

居間まで案内し、とにかく説明してもらう。

 

いったいどういう事なんだ、雪乃?

 

 

 

 

「えっと、この子は八尺様って呼ばれてるの」

 

「ど、どうも‥‥‥八尺です‥‥‥」

 

「あ、ご丁寧にどうも」

 

「い、いえ‥‥‥」

 

 

 

‥‥‥で、何故彼女がここに?

 

理由を聞いてみる。

 

 

 

 

「えっと‥‥‥その、私‥‥‥」

 

「?」

 

「あー‥‥‥私だいたい察したわ」

 

「どういう事だ?」

 

「貴方本当に妖怪について知らないのね」

 

「悪かったな‥‥‥それで、八尺ちゃんはどうしたんだ?」

 

「あの‥‥‥私、貴方に‥‥‥そのぉ‥‥‥」

 

「‥‥‥妙に歯切れの悪い言い方するな。何なんだ?」

 

「はー‥‥‥仕方ないわね、私が説明してあげる。つまりね‥‥‥」

 

 

 

 

雪乃に耳打ちされる。

 

「あの子、貴方に一目惚れしちゃったのよ」と。

 

‥‥‥は?

 

 

 

 

「ゆ、雪乃ちゃんっ、どうして言っちゃうのぉ‥‥‥」

 

「だってハッキリ言わないからでしょ?」

 

「うぅ‥‥‥」

 

「‥‥‥雪乃、そこまでにしとけ。八尺ちゃんが困ってるから」

 

「はーい」

 

 

 

 

 

 

なんでも八尺様、という都市伝説には『見入った者を連れ去る』という話があるらしい。

 

だが、実際は現代風に言えば『あの人に惚れたからお婿さんになってほしいな☆』みたいな感じ。

 

なんのこった。

 

まぁ、仕方がないので八尺ちゃんも住まわせる事にした。

 

まだ余裕があるからな。

 

 

 

 

 

「えっと‥‥‥不束者ですが‥‥‥よ、よろしくお願いします‥‥‥」

 

「一応言っとくがまだ婿にはならんぞ」

 

「わ、わかりました‥‥‥認めてもらえるように私、頑張ります‥‥‥!!」

 

 

 

 

‥‥‥妖怪を嫁にするってアリか?

 

流石にマズイだろ?

 

 




次回をお楽しみに。

アンケート等募集中です。

よろしければどうぞ。

では次回の更新で。

感想等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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冷えた夜に出会ったのは

すんません、今回も新キャラ投入です‥‥‥。

では、どうぞ。


 

 

ある日の夕方。

 

俺は雪乃に頼まれて都会のコンビニまで行き、アイスを買いに行った帰りの事だ。

 

まぁちょうど暗くなって街灯が目立つ時間、帰宅を急いでいた俺は近道をして路地裏を通っていた。

 

路地裏を抜けた俺はそのまま帰ろうとした、が。

 

ふと振り返ってしまった。

 

人の気配を感じたから。

 

振り返った視線の先には、街灯に照らされた女性が一人、立っていた。

 

怪しすぎる。

 

だが一時の好奇心というのは恐ろしいもので、つい近寄ってしまった。

 

だいぶ近づいた所で、その女性と目が合ってしまった。

 

‥‥‥いや、合わせてしまった、が正しいか。

 

その女性は口元にマスクをしているからよく分からないが、綺麗な女性だと感じた。

 

ふと目が合ったまま硬直した数秒後、女性が話しかけてきた。

 

というか最近女性とのエンカウント率高くないか俺?

 

 

 

 

 

「‥‥‥ねぇ」

 

「な、なんだ?」

 

「私‥‥‥」

 

 

 

 

そう言って女性は口元のマスクを外し‥‥‥。

 

 

 

 

「私、キレイ?」

 

「‥‥‥ッ!!」

 

 

 

 

異常に裂けた口でにこりと笑い、そう聞いてきた。

 

これが普通の人ならビビって逃げ出すだろう。

 

しかし、俺は‥‥‥。

 

 

 

 

 

「‥‥‥」

 

「ねぇ、どうなの?」

 

「‥‥‥いや、口が大きすぎて逆に不便しないか?」

 

「‥‥‥え?」

 

「え?」

 

「え?」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

そんなやり取りを経て、とりあえず近くの公園のベンチに座り、女性と会話する。

 

どうやら迷ってしまったらしい。

 

あれ、なんかデジャヴ。

 

ちなみに彼女は『口裂け女』というヤツらしい。

 

‥‥‥というか口裂けと言ってもそこそこ大きいようにしか見えないんだが?

 

まぁいい。

 

で、彼女にも名前があるらしく‥‥‥確か、『霧子』と言ったか?

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥で、色々さ迷っているうちにここまで来たと」

 

「そうなのよ~‥‥‥最近の人間はあんまり驚いてくれないし‥‥‥」

 

「何か驚かさなければならない理由があるのか?」

 

「そうね‥‥‥貴方はわからないかもしれないけど‥‥‥」

 

「話してくれないか?」

 

「‥‥‥わかった。まぁ‥‥‥まずは私たち妖怪の定義からね」

 

 

 

 

 

そう言って彼女は懐から煙草を取り出してくわえ、火をつけた。

 

あぁ、後から聞いた話なんだが彼女は口が裂けているが限界まで口を開く事はあまり無いそう。

 

せいぜい驚かすぐらいに開くらしい。

 

普段は人と変わりないぐらいに開く程度。

 

パッと見口元に傷があるように見える。

 

 

 

 

 

 

「まぁ簡単に言ってしまえば私たちは人間に認識されていないと生きていけないの。ここ、貴方の人間世界ではね」

 

「ほぉ‥‥‥つまりあれか、認識されていないとこちらでは消えて無くなってしまうって事か」

 

「そう。まぁ誰か一人でも認識してくれていればいいんだけど‥‥‥」

 

「‥‥‥仕方ねぇなぁ‥‥‥じゃあ、家来るか?」

 

「へっ?」

 

「いや、認識されていないと消えちまうんだろ?」

 

「いや、そうだけど‥‥‥いいの?」

 

「あぁ、まだ余裕はある。良かったら来いよ」

 

「‥‥‥わかったわ。行きましょ」

 

 

 

 

 

 

 

どうやら、まだまだ住人は増えそうだ。

 

うーむ‥‥‥これ大丈夫か‥‥‥?

 

 

 

 




次回をお楽しみに。

では次回の更新で。

感想等お待ちしてます。

ではでは(´・ω・`)ノシ


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