なにも無い暗黒の空間。そこにとてもどす黒い陰我を纏った邪気の塊が漂っていた。
「なん…で……なん…で…こ……うなっ……た…俺の…」
塊は怨言や呪言を吐きながらも漂い続けると、突如目の前に白く輝く塊が現れる。
「これは、これは…なんともこんな強い陰我は初めてだ?」
白い塊は黒い塊に興味を持ったのかジロジロ見つめが、黒い塊は上手く喋れない事に気づく。
「よく話せないか?ならば」
すると白い塊が触手を伸ばして黒い塊に突き刺す。しばらく経ってから触手を抜くと
「うぐ…はっ、なんだ?ちゃんと喋れるぞ!」
黒い塊は喋れるようになって驚く。
「さて、お前の望みは何だ?」
「望み?」
「我には分かる。お前は我と同じ望みがあるとな?言ってみろ」
いきなり願いはあるのかないのかと尋ねてきた。しかも不審な事に自分も同じ願望があると言い出す。そして黒い塊は強い怨み込めながら叫んだ。
「俺は…魔戒騎士を…黄金騎士を滅ぼしたい!!」
とある廃ビルで、魔戒剣で素体ホラーと戦う青年がいた。
この青年は黄金騎士の称号を持つ者、道外流牙。かつて光を失った漆黒の牙狼を仲間達と、母の思いによって黄金に取り戻すことが出来た。
そして今は一度仲間達と別れてホラー狩りの旅を続け、ホラーの根城になってる廃ビルから出てくる。
「これで、ここのホラーは全滅だな?」
『そうみたいだな流牙』
相棒の魔導輪・ザルバは今回の仕事も成功したと上機嫌。すると流牙はベンチに座って一休み。
「莉杏もみんなも元気にしてるかな?」
それから寝っ転がって星を見ながらも、魔戒法師でパートナーの莉杏や魔戒騎士の仲間達はどうしているのかと考える。さらに生き別れの母や育ててくれた師の死をも思い出す。
「なんだ?」
その時、流牙は上空を見て驚く。なぜなら黒い渦のような穴が開いてた。しかも穴は流牙を吸い込もうと迫って来る。
「ザルバ、あれは!?」
『俺にも分からない。だが、早く逃げた方が良い!』
「だな!」
急いで穴から逃げようとするけども、あまりの強い吸引力で踏ん張ったが。
「うぐぐ…うわぁあああああ!!」
そのまま流牙は穴に吸い込まれてしまい消えてしまった。
さらに流牙とは異なる別世界では、とある青年もホラーを倒していた。
彼は冴島雷牙。流牙とは別の世界の魔戒騎士で、歴代最強の牙狼と呼ばれた黄金騎士。今は眠りについた少女型魔導具にして、雷牙にとって大切な人。マ号ユリ型改めマユリが目覚めるのを待ちながらホラーの討伐を続ける。
『今回も良い調子じゃないか?』
「ああ…そうか」
相棒のザルバに対して無気力で返事を返す雷牙。これにはザルバも呆れてしまう。
『なぁ、未だにマユリが起きないのは分かるが…そんな無理して返事するなよ?』
「分かってるさ…だけど…」
『やれやれ…』
どうやらまだマユリが目覚めない事に心配していた。それでもホラーを倒すのには問題ないが、こんな無気力状態に。
すると雷牙の前に流牙と同じ黒い穴が出現。
「ザルバ、あれは!?」
『分からないが、この気配は!』
「たしかに、これは!」
この穴から覚えのある気配を感じる。しかしどんどん穴は近づいて吸引力が増していく。
『どうする雷牙!』
「もちろん、行ってみるさ!」
雷牙は自ら穴に飛び込んだ。そして着いた先は、なにも無い洞窟のような空間。
「ここは…」
『とにかく、邪気が蔓延している』
雷牙もザルバも警戒しながらも歩き出す。前にも後ろは勿論のこと、左右や頭上にも気を付けて進み続ける。だが、歩いている内にこの空間の邪気が、改めて2回も経験したのに気づく。
[やっぱりこの邪気は…だが、奴は封印されたはず]
そう思ったその時、後ろに殺気を感じる。
「ふんっ!」
「はっ!」
すぐに魔戒剣で防ぐが、相手の持っている剣も魔戒剣で自分と同じ牙狼剣だと気づく。
「同じ剣!?」
「くっ!」
相手は少し雷牙から距離を離れて魔戒剣を構える。
「お前…魔戒騎士か?」
「そういう君も、魔戒騎士みたいだね?」
「じゃあ、なんで俺と同じ剣を!」
「知らないさ。だけど…偽物じゃないな?」
「当たり前だ」
少し軽く会話しながらも、お互いのまた魔戒剣を混じり合いながら打ち合った。刃の打ち合いの衝撃で何回も火花が出たりして、さらに両者の振るう力が同じだったのか魔戒剣が弾いて天井の岩に突き刺さる。だけど、気にせずに今度は拳で戦った。雷牙の徒手空拳を使いながらも、相手はストリートファイトのような戦い方をする。しばらくすると突き刺さったお互いの魔戒剣を抜き取って構える。
両方は睨んで一歩も動かなかったが
「ふふ…」
「んふ…」
「「あははははははは!!」」
なぜか笑いながらお互いの魔戒剣を鞘に納めた。
「お前強いな?」
「それはこっちの台詞さ。だけど、これで分かった」
「ああ、俺達は敵じゃないってな」
お互いの剣と拳で敵じゃないと理解し分かり合った。
「俺は道外流牙。魔戒騎士で牙狼だ」
「牙狼だと?」
「え?」
「俺も牙狼の冴島雷牙だ!」
「お前も!?」
2人共牙狼ということで驚く。だが、2つのザルバが喋り出す。
『なるほど、つまり別世界の牙狼という奴だな?』
『それぞれの世界でも、魔戒騎士が存在するから牙狼もいる訳だ』
理解し合うザルバ達だが、これには少しシュールと感じる流牙と雷牙。
「だけど、どうして俺達が?」
「なんか……黒い穴に吸い込まれたけど、雷牙も?」
「そうだ。しかも覚えのある感じだった」
その時、突然地震が起きた。
「なっ、なんだ!?」
「周りが!?」
地震の影響か空間が変わっていき、洞窟からまるで古代遺跡のようになる。だが、この光景は流牙にとって見覚えのある光景だった。
「ここは…」
「知ってるのか?」
「ああ…なぜなら」
「かつてコイツがゼドムと戦った風景だからな」
すると2人の前に黒い塊が現れる。
「まさか、本当に牙狼の称号を持つ者が…2人もいるとは」
「アンタが俺達をこの世界に?」
「まぁ、そういう訳だ」
魔戒剣の柄を掴んでいつでも戦えるようにする雷牙の隣で、流牙は黒い塊の声と雰囲気に覚えがあるらしく静かに怒りを見せた。
「まさか…お前は」
「ああ、そうさ」
黒い塊が変形していくと人間の頭部になるが、流牙はその顔に見覚えがあるらしくもっと険しい顔になる。
「金城…滔星!」
それは流牙にとって絶対に許さない敵、金城滔星。かつてボルシティの人々を殺戮の闘将・ゼドムの魔導ホラーに変えて、流牙の母親の波奏を散々利用してきた男。しかしそれが災いしてホラーに憑依され、醜く命乞いしたが莉杏によって消滅した。
「そうだ…お前達によって全てが台無しになってホラーになって倒された!だが、お前達に対する怨念が消えずに時間をかけて、亡霊のようになりながらもさまよい続けたんだ…お前の怨みでな!」
怨念が籠った眼で流牙を睨むが逆に睨み返した。
「ふざけんな…お前のせいで母さんは勿論、罪のない人間が犠牲になったんだぞ!」
「はっ!俺はただ町の支配者として君臨したかったんだ。それなのにお前が邪魔しなければゼドムが復活することは無かったんだぞ?」
「貴様……!」
なんという開き直りと逆恨みにもっと怒りを増していくが、そこに雷牙も会話に入る。
「だが、亡霊のお前がどうやって俺達を倒そうというんだ?」
雷牙の言う通り今の滔星は亡霊そのもの。亡霊が2人の魔戒騎士相手にどう戦うのか。
「いや、俺には協力者がいるんだ」
「協力者だと?」
「我の事だ」
すると白い塊が周りに不気味な植物を生やしながら現れた。
「待ってたぞ。黄金騎士よ」
そして白い塊も形を作り始めると半透明で片方に目がある植物の胚になる。
「まさか…お前は、エイリス!?」
雷牙が驚くのにも無理がない。エイリスはメシアの涙や魔界の花とも呼ばれた古のホラー。かつて魔戒騎士の毒島エイジが死んだ恋人を蘇させる為に石板の封印を解いて復活したが、マユリや仲間達の協力で再び石板に封印した。
「なぜお前が!封印した筈…」
「我は貴様達に封印される直前に、欠片だけを次元に飛ばした。そして強い陰我と共に亡霊のようにさまようこの男と出会い…貴様ら黄金騎士を葬る為に手を組んだのさ!」
なんとエイリスがあの時、自分の分身を逃がしていた。しかし分身と言っても欠片のような物で、滔星同様に2人と戦える力がないと理解する。
「流牙、とにかく奴らを倒さなきゃ」
「もちろんだ。亡霊なら倒しても文句は言えない」
2人は魔戒剣を抜いて構えるが、滔星とエイリスは余裕な態度をとってた。
「エイリス、頼むぞ」
「分かった」
するとエイリスは時空の穴を開いて触手だけ穴に通した。しばくすると小さな種のような玉を取り出すと、流牙はまた見覚えのあるものに驚く。
「ゼドムの種!」
「こんな状態でも、多少なら時空を操れる。これ1つ持ってくるぐらいなら可能だ」
エイリスは触手でゼドムの種を包み吸収すると、白く輝く魔導ホラーのプラントになり滔星の額を突き刺した。
「「なっ!?」」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
額に突き刺さったプラントから蔦が出て滔星を包み込む。しかし最初は呆然と突っ立てたが、流牙がすぐに雷牙に声をかけた。
「雷牙!何をやっているか分からないけど」
「たしかに、今がチャンスだ!」
すぐに2人は魔戒剣で斬りかかろうとした瞬間。蔦に包まれた滔星の頭部は粒子になると、粒子が人から植物やさらには素体ホラーや魔導ホラーの形になっていき、最後は大きな光に包まれ爆発する。
「うわっ!」
「なっ!」
なんとか爆風に吹き飛ばされないように踏ん張ったが、流牙と雷牙は目の前に立ち相手に驚愕する。
それは魔導ホラーの角と長く伸びた髪に、全身が灰色に近い銀に輝き。植物の模様が刻まれた上半身で、ホラーに近い下半身と両手をした異形の姿をした滔星。今まさに滔星とエイリスは、魔導ホラーのプラントを使って融合した。
「これが…俺の姿……俺は究極にして永遠の存在になった!」
自分の姿を見て不気味に笑い出す金城滔星・エイリス融合体。さらに滔星の腹部からエイリスの顔が浮き出て喋り出す。
「どうだ?ゼドムの種をツナギに、とてつもない陰我を持つ亡霊と融合した我を?」
エイリスもまた自分の姿に惚れ惚れするような発言をする。だが、そんなのは2人にとってどうでも良い事。
「滔星…あの時は莉杏がやってくれたが、お前みたいな奴は俺が倒す!」
「俺もだエイリス!今度こそ好きにはさせない!」
2人の黄金騎士と最悪の敵の戦いが始まる。
pixivで投稿した牙狼の短編小説です。前からもしも金城滔星が復活する展開を考えていて、いっそエイリスと融合する形にしてみました。
さらに次回から雷牙と流牙の前に別の男が現れますが、待っていてください。
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後編
それぞれの世界でホラーと戦い続ける冴島雷牙と道外流牙。だが、突然現れた黒い穴に吸い込まれて、最初2人は警戒して魔戒剣で混じり合うが理解し合う。しかしそんな2人の前に現れたのは、亡霊と化した金城滔星とエイリスの分身体。さらに滔星とエイリスは、ゼドムの種と一緒に融合して強大な力を得た。しかし雷牙と流牙は過去の因縁として対決をする。
「滔星!」
最初に流牙が大きく魔戒剣を振りかざして滔星の首を斬り落とす。しかし首は巻き戻すかのように繋がって再生。
「なにっ!?」
「無駄だ。今の“俺達”は永遠の力を得た…こんなのへでもないわ!」
滔星は手をかざすと魔法陣が展開し、そこから巨大な拳が流牙を殴って攻撃した。
「うわっ!?」
ぶっ飛ばされた流牙は遺跡に激突する。
「流牙!貴様っ!!」
すぐに雷牙も魔戒剣でエイリスの顔がある滔星の腹部を突き刺した。しかし何も感じない様子で話しかける。
「さっきも言っただろ?“俺達”は不死、永遠になったんだとな!」
「ぐおっ!」
雷牙にも魔法陣から出るパンチでぶっ飛ばされて地面に叩きつけられた。この光景を見て滔星はこれが見たかったのだと、顔を歪めて大笑いし始める。
「あははははは!これだよこれ!俺の邪魔を散々しまくった黄金騎士を痛めつけるところがよ!今の俺は尊士以上…いや、尊士なんて雑魚だぜ♪」
自らの目的のために魔戒騎士の先輩を魔導ホラーにしておきながら、あざ笑いながら尊士を罵倒する滔星。そんな彼に強い怒りを感じる魔戒騎士2人は立ち上がる。
「滔星!絶対にお前を許さねぇ!」
「さっきも言ったが、お前達みたいな奴を好きにさせてたまるか!」
2人が叫びながら自分達の頭上に魔戒剣で円を描くと、黄金に輝く鎧を召喚し2人の体に装着する。
黄金騎士
牙狼
今まさに異なる世界の黄金騎士牙狼が揃い。牙狼剣を滔星に向けて構えて斬りかかったが、再び魔法陣からの複数の手を出して攻撃し始めたので、2人の牙狼は避けたり斬りつけた。しかし今度は滔星の背中から蔦のような触手を出して牙狼達に攻撃する。2人は牙狼剣で斬り落としたり防ぐ。触手から魔導ホラーの武器が出てきて槍のように飛ばし、さらに掌からも刃のような葉やトゲを飛ばした。
「はっ!ふんっ!たっ!」
「ふっ!とぁ!そりゃ!」
雷牙狼と流牙狼が牙狼剣で弾いたりしていると、そのまま滔星の所に向かって突撃する。
「うおぉぉぉぉぉ!」
「はぁぁぁぁぁぁ!」
そして雷牙狼は縦に流牙狼が横に滔星を斬り裂いた。
「「無駄だ」」
「「うがっ!!」」
縦に斬られながらも余裕の笑みで魔法陣からの巨大パンチと、再生途中の体から出した触手を束ねたボールで攻撃する。ダメージ大きかったのか2人の鎧が解除それた。
それから再生すると顔の位置が変わり、頭部にはエイリスの顔で腹部には滔星の顔になっていた。
「うふふふふふ。最早、我らを倒す者など存在しない」
「そうさ…人間界でも魔界にもいない。絶対にな♪」
響き渡る2つの邪悪な笑い声。それを聞いているだけで吐き気を感じてしまうほどに。
「この世に…絶対や永遠なんてない!」
「少なくとも、貴様達のような奴らには!」
すぐに2人は鎧を装着し直した瞬間。魔法陣が2人の前に展開し、そこから滔星そっくりの黒い影が分身2体出てきた。
『『来るぞ!』』
「「分かってる!」」
それぞれのザルバの掛け声に返事しながら、襲って来た分身体と交戦する。分身体はそれ程強くないので簡単に倒せると確信した。しかしそれが隙になって、魔法陣からの巨大な手で2人を殴りつけた。
「ぐわっ!」
「うおっ!」
ぶっ飛ばされ壁に激突し再び鎧が解除されると、雷牙と流牙はかなりのダメージを受けたのか動けずにいた。
「本当にお前らは無駄な真似を?」
滔星がまたエイリスと顔の位置を変えて笑いながら近づく。すぐに動けない体を無理にでも動かそうとした途端、触手が2人の手と足を縛って身動きを取れなくした。
「残念だったな?だが、これで分かっただろ?俺達は永遠なのさ」
「なにが永遠だ!」
「そうだろう?いくら魔戒騎士でも子供を産む前に死んでしまえば途切れるだけ…だが、今の俺は違う。不死と不滅の肉体と無敵の強さ…これこそが永遠だ」
自分の力と姿を改めて惚れ惚れしながらも邪悪な笑みで2人に語り続ける。だが、流牙は未だかつてない怒りを感じる。
「まだだ…絶対にお前達を倒す…」
「これを見てもか?」
すると滔星が指をパチンと鳴らすと、周りからたくさんの空間の穴が開き。さらには魔界のゲートもあった。
「どうだ。エイリスは時空を操れるから、融合した俺もこれが出来る。今ここでホラーを解き放っても良いんだぞ?」
自慢するが2人にはどうでもいい事。なにもかも最悪な男をどうすれば倒すのか考えていた。しかし滔星の口からとんでもない発言をする。
「もっとも、俺達はさらに力を得るのさ」
「なに!?」
「まずは時空を超えて、もう一つの我が貴様に再び封印される前に向かい。そして今の我らと融合する。さらに亡霊前のコイツとメシアとギャノンとゼドムをも融合し、更なる力を得て新たなるホラーの神になるのだ」
なんと滔星とエイリスはそんな事を企んでいた。もしも本当に本体と亡霊前の自分と、メシアとゼドムと融合したら大変なことになる。しかしこんな状況でも、2人の目には諦めるというものが見えない。
「たとえ…俺達が死んでも、次の黄金騎士を受け継ぐ者が必ずいる!」
「それに…まだ色んな世界にも魔戒騎士が存在する限り、お前に自由はない!」
それは守りし者としての信念に満ちた目で叫ぶ2人の黄金騎士。これには滔星も少し抵抗したが、すぐに切り替えた。
「そんな事を…言える立場か?」
すると滔星が両手から出したのは魔導ホラーのプラント。
「前にお前の魔導ホラー化は失敗したが、今度はそうはいかんぞ!」
「次は俺だけでなく…」
「もちろん、もう1人の牙狼もだ」
かつて流牙を魔導ホラーにしようとしたが、仲間が右手を犠牲にしてならずに済んだが今は身動きがとりない状態。2人はもがいたが一向に触手が緩む様子はなく。魔導ホラーのプラントは雷牙と流牙に向けて
「じゃあな…そして誕生だ!」
そして滔星はプラントを2人に目掛けて投げつける。だが、その瞬間に何かが飛んできてプラントを斬り裂いた。
「なにっ!?」
驚く滔星だったが、なによりも衝撃的だったのは飛んできて地面に突き刺さってたのは牙狼剣だった。これには雷牙も流牙も驚く。
「これって、俺達のじゃないけど?」
「あれは!?」
雷牙が目撃したのは遺跡の上に立っている黄金に輝く魔導馬・轟天。そして轟天に堂々と跨る牙狼。轟天が蹄を鳴らしながら走って来て滔星に体当たりし遠くまで吹っ飛ぶと、雷牙と流牙を縛っていた触手が解けた。3人目の牙狼は轟天から降りて、突き刺さった牙狼剣を抜く。
「大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。それで……アナタは?」
3人目の牙狼が鎧を解除して轟天も消えると、それは雷牙と流牙以上に修羅場を生き抜いて戦って来た戦士の顔。そして雷牙と雷ザルバは驚きを隠せずにいた。
「大きくなったな、雷牙」
『鋼牙!』
「…父さん!?」
それは雷牙の父にして先代牙狼の冴島鋼牙。かつてエイリスによって歪まれた時空の穴に、鋼牙の愛する人で雷牙の母親のカオルが吸い込まれ。鋼牙は雷牙に牙狼を託してカオリを探す為に、自分から時空の穴に入って姿を消す。
「雷牙の父親?アナタが…」
「父さん…どうしてここに?」
「カオルを探していたら、次元の穴を見つけてな。もしかしたらカオルがいると思ったら、まさか成長した息子だったとはな」
鋼牙は雷牙の姿を見て少し苦笑いする。どうやら現実世界と時空の狭間との、時間差が違うらしく。6歳だった雷牙が立派な魔戒騎士に成長したのに対し、鋼牙はそれ程年を取っていない様子。
「それで、君は?」
「俺も黄金騎士牙狼の称号を受け継ぐ者。道外流牙です」
「……そうか。君が?」
「え?」
じつはある空間で、魔戒法師の烈花と莉杏が黄金騎士に倒されたホラーの恨みの集合体・ザジに襲われた時に、今みたいに現れて助けていた。その時に莉杏が言ってた仲間の黄金騎士が流牙だと理解する。たが、しばらくすると復活した滔星が3人に近づく。
「まさか…3人目の牙狼が現れるなんて…」
「我としたことが…」
滔星とエイリスは鋼牙を睨みつける。そして鋼牙も改めて目の前の敵を確認した。
「なんだあれは?」
「父さん。アイツは金城滔星という亡霊とエイリスが融合し」
「そして信じられない再生力と力を得ているんだ」
雷牙と流牙が目の前の邪悪な敵の説明をすると鋼牙が口を開く。
「なるほどな。とりあえず、貴様らという陰我をここで断ち切ってやる!」
「黙れぇぇぇぇ!俺達は永遠になったんだ!絶対に死ぬことのない、不滅になったんだ!たとえ3人でもここでぶっ殺してやる!!」
癇癪を起して叫びまくる滔星に対して鋼牙は喋り出した。
「お前の言う永遠などたかが知れてる…本当の永遠は、心の中にある守りし者としての決意と」
鋼牙と雷牙と流牙がそれぞれ持つ魔戒剣で円を描くと、そのまま上に掲げクロスする。すると牙狼の鎧が装着と同時に大きな黄金の輝きに包まれ、滔星はつい目を閉じてしまう。光が晴れると3人の牙狼の姿が変化して、背中には黄金の巨大な翼と両肩と胸には狼の装飾に、黒くなった腹部と腕と足に各部分の装甲に鋭い鉤爪と刃とトゲが生えた。そして鋼牙は通常よりも少し巨大で羽と牙の装飾のある牙狼剣。雷牙は双剣で師匠の銀牙騎士絶狼の銀狼剣に少し似た形状の牙狼剣。流牙は莉杏の魔戒銃に刀剣が組み合わされたブレードガンの牙狼剣。
「俺達のこの想いが…永遠だ!」
3人の黄金騎士が時空を超えて出会えたことで変化した牙狼の強化形態。
「なんだあれは…なんなんだよ!聞いてねぇぞ!?」
見たことのない牙狼の新形態を目の当たりにして、冷静さを失い喚き散らし出す滔星。元々滔星は小心者な上に器の小さい小悪党で、ホラーに憑依さても戦わずに命乞いをして逃げる程の。いくらエイリスと融合した時点で性格は変わらないまま。
「滔星!そしてエイリス!!」
「お前達には分からないだろ!」
「ひっ!」
雷牙狼と流牙狼が滔星に向かって叫ぶ。思わず怯える滔星だったが、いきなり後頭部にエイリスの顔が浮き出て言い返してきた。
「なにをしようと無駄だ。真に永遠な我らを勝てるものはいない」
そのまま魔法陣からの巨大な手や、触手から槍を発射しまくった。しかし剛牙狼が大牙狼剣を一振りすると手を消し去って槍を薙ぎ払う。それから雷牙狼も双牙狼剣で叩き落して、流牙狼は銃牙狼剣で撃ち落としたりする。すると滔星は全身から大量の刃とトゲを生やし、さらに腕を阿修羅のように6本にして、魔導ホラーの武器を持つとそのまま宙に浮く。
「2人共、行くぞ!」
「「はい!!」
剛牙狼の合図に3牙狼は翼を広げて空に飛んで滔星に向かった。滔星は体を回転させて斬りかかったが、すぐに3牙狼が避けると両腕から黄金の弾丸を発射。6本の腕で弾丸を弾いたりするけども何発か当たってしまう。
「クソ……」
「残念だな?いくら不死の力を持とうともお前達。特に貴様の薄汚れた心じゃあ無駄のようだな?」
「うる…うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
自棄を起こし3牙狼に向かって突撃する。そして3牙狼がいっせいに、それぞれの牙狼剣で滔星を細かくバラバラに斬り裂く。だが、しばらくすると滔星は顔から全身にかけて再生。
「何をやっても無駄だ」
「そうだ…貴様らが如何なる力を得ても、ん?」
「なっ…なんだこりゃ!?」
滔星とエイリスは自分の体を見て驚く。それは体にいつのまにか何本か黄金の鎖が埋め込まれて、その鎖の先が3牙狼達からだった。
「お前達が肉体を再生するとき、必ず最初は頭部から」
「そこに、この仕掛けをしておけば」
「後は、簡単に捕まえることが出来る」
「おのれ…魔戒騎士共!!」
鎖を引き千切ろうとするがビクともしない。それでも滔星は必死になったりするが、そこに鋼牙狼が声をかけてきた。
「それよりも、今自分のいる場所を確認したらどうだ?」
「なにっ!こっ、ここは!?」
それは、滔星が今いるのが魔界のゲートのど真ん中。
「お前達…まさか俺達を?」
「そうだ。魔界に落として封印してやるよ」
「うっ……やってみろよ…さっきも言ったが、俺達は時空を操れる。たとえ封印しても、俺達の能力と人間の陰我がある限りな!」
開き直るかのように大声で宣言するが、続いて雷牙狼と流牙狼も宣言した。
「俺達も言ったが、さまざまな世界に俺達と同じ魔戒騎士いる!」
「それにきっと、お前達を倒せる手段がどこかに存在するかもしれない!」
強い信念で宣言するが、万が一滔星をこのまま魔界に落としても能力で戻って来る可能性が高い。どうすれば奴を大人しく魔界に封印させるか考え始める。
「烈火炎装よ」
「ん?」
その時、流牙狼の耳元で女性の声が聞こえた。しかもなんとなく懐かしく感じる声。だけど、とりあえず流牙はその声に従おうと思った。
「鋼牙さん、それに雷牙…烈火炎装を使ってみませんか?」
「烈火炎装を?」
「だけど…はっ!」
すると鋼牙と雷牙はあるものを見た。それは鋼牙の父で雷牙の祖父である、初代牙狼の冴島大河の姿。大河も烈火炎装を使えと頷くと消えてしまう。
「良し…雷牙、烈火炎装だ!」
「勿論ですよ…父さん!」
さっそく3牙狼が烈火炎装を発動。全身が緑色の魔導火を包まれたが、背後には無数の黄金騎士の姿がうっすらと見えた。
「なっ、ななな…なんだ!?」
「それは…なんなんだ!?」
当然、滔星とエイリスは無数の黄金騎士に驚いて逃げようとするが鎖で動けない状態は変わらず。そして3牙狼がさらに魔導火の火力を上げて大声を上げる。
「これが、俺達黄金騎士…」
「「牙狼の炎だ!」」
「「ぐおわあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!?」」
3牙狼の烈火炎装による魔導火が鎖を辿って、滔星の体を燃やした。燃えるたびに体が灰になっては再生していく。
「この炎は…過去から遠い未来と別の世界の黄金騎士からの炎だ。永遠に消える事は絶対ない!」
「そ…そんなあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
それを聞いて絶望する滔星だが、本当に消える気配はなく燃え続けた。
「父さん…このまま魔界に落としますか?」
「そうだな?もしかしたら、この状態で魔界から逃げだす可能性が…」
「だったら私達に任せてください」
「「「え?」」」
すると先程、流牙が聞こえた声が今度は鋼牙と雷牙にも聞こえると、目の前に黄金の光と一緒に姿を現す。その姿に一番驚いたのが
「母さん…符礼法師!」
それは流牙の母親の波奏と師の符礼。2人共、流牙と莉杏達にすべてを託して死んでしまったが英霊として現れた。
「き……貴様は!!」
「流牙…よくがんばったわね」
「後は私達に任せてもらおうか」
英霊の波奏と符礼が燃え続ける滔星に魔導筆を向けて円を描いて、今回の戦いに終止符を打つかのように法力を溜めていき。
「「破っ!!」」
波奏と符礼は魔導筆から金色の光を放つと滔星に直撃。そして体に埋められた黄金の鎖が消えると、滔星が金色の水晶に包まれると掌サイズに縮んで、魔界のゲートに真っ逆さまに落ちる。ゲートもそのまま消えてしまう。3人が鎧を解除して流牙が最初に波奏と符礼に声をかけた。
「母さん…滔星は?」
「私達の残された力で滔星とエイリスを水晶に永遠に閉じ込めました」
「そして奴らは永遠に水晶の中で、お前達の消えることのない炎に焼かれながら魔界を漂い続けるさ」
3牙狼に説明する波奏と符礼。その頃、水晶の中に閉じ込められて滔星が本当に絶対に消えない魔導火の炎に、全身焼かれては再生の繰り返し魔界に落下中。
「熱い!熱い!お願いだ…俺を殺して、死なせてくれ…うげゃあああああああ!!」
聞こえる筈もないのに滔星は自分を殺せと泣き叫びながらも燃え続ける。
「この我が…また、黄金騎士共にぃぃぃぃぃぃぃ!!」
エイリスも牙狼に対する怨みを叫ぶ。しかし水晶はただ魔界の奥底に、いつまでも落ち続けた。
雷牙と流牙の前に現れたのは鋼牙で、3人の黄金騎士は力を1つにして新形態・獣翼闇装になり。さらに波奏と符礼と一緒に滔星を魔界に封印しました。次で完結にします。
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完結
永遠の力を得た金城滔星・エイリス融合体に苦戦する雷牙と流牙だったが、そこに鋼牙が現れると3人は獣翼闇装・牙狼に変化した。そして大河を含むすべての黄金騎士と波奏と符礼の協力で、滔星を永遠の苦しみと一緒に魔界へ封じて戦いが終わり。鋼牙も雷牙も流牙も顔を見合わせる。
「本当に不思議な事だ…こうして俺の息子と、別の世界の黄金騎士が出会うなんて」
「俺も驚いたよ…」
「そうだよな…母さんとアンタがまた会えるなんて」
流牙が波奏と符礼を見て笑い出すと、続くかのようにして2人も微笑む。そして波奏は霊体の体のまま流牙に優しく抱き着く。感覚はないけども母親の懐かしく温かい感じをする流牙。
「ええ、あの時から私達はずっとアナタの鎧の中で英霊として見守って来たわ」
「そうなんだ…じゃあ、ゼドムを討伐できたのも母さんと符礼が手伝ってくれたおかげか…」
ボルシティ最後の戦いから今までずっと、2人が見守っていた事を知って少し目に涙を流した。すると符礼は鋼牙と雷牙に目を向ける。
「しかし奇跡と言っても不思議じゃない…こうして牙狼の称号を持つ者が3人もそろうなんてな」
「本当ね…まるで、黄金を取り戻した時と同じ」
さらに波奏も涙を流しながら視力を失っても流牙の鎧が黄金の輝きになった事を思い出す。
「別に…俺はただ大切な人を探して偶然現れただけだから。それに俺も久々に息子に会えたしな」
「父さん」
鋼牙はすぐに雷牙に顔を向けると、久しぶりに息子と話を始める。
「雷牙…ゴンザと零は?」
「もちろん、ゴンザはいつも元気だよ…でも、零さんは父さんと母さんを探しに」
「そっか…アイツも異空間に旅立ったのか…ところで、あの二刀流は?」
「零さんから教わりました」
「やっぱりな」
鋼牙の戦友で親友の涼邑零は幼い頃の雷牙に魔戒騎士の全てを教え、2人を探しに自分も異空間に旅に出た。雷牙の二刀流を見てすぐに涼邑に教わったのだと気づく。などとほのぼのしい時間が大分過ぎていき。
「さてと、そろそろですね」
「ふむ…たしかにな」
「え?母さん、符礼…なにを?」
「お別れよ」
「なっ!?」
そんな波奏の言葉に驚く流牙。
「こうして我々が実体化出来たのは、この空間と3人の牙狼が揃ったからさ」
「でも、どうやら限界みたい…また私達は消滅するわ」
「そんな…」
せっかく2人に再会できたのにまた別れるなんてあんまりだと感じる。
「だけど、安心して。私達はいつでも流牙の心と鎧の中で居続けるわ」
「そうだ…お前がさらに強くなるまでな」
すると波奏と符礼の体が徐々に消えかけてきたが、気にせずに語り続けた。
「じゃあな、流牙。お前は本当に俺にとって最高の弟子だ」
「これからも…私達はアナタを見守るからね」
「もちろん…俺もずっと母さんと符礼法師の事を思い続けます!」
流牙に別れを言って波奏と符礼は笑いながら消えて行った。流牙はまた少し涙を出しながら、これからも2人見守ってくれると信じてた。それから鋼牙も
「さてと…俺もそろそろ」
そう呟いた瞬間に鋼牙の体が少しずつ薄くなってきた。元々色んな異世界に渡り続けてきたので、この異世界に居られる時間も2人より短い。だが、そんな時に雷牙が引き止めた。
「待って、父さん!一緒に帰ってくれませんか?俺にも大切な人や仲間が出来たので…会わせてあげたいし…それに、ゴンザの特製スープを一緒に!」
せっかく父に再会したから一緒に元の世界に戻ろうと説得する。しかし当の本人は顔を横に振り。
「悪いが雷牙。俺はまだ帰ることは出来ないし、戻る気もない」
「え?」
「その理由…分かるだろ?」
鋼牙の言葉に帰らない理由を理解した。それは時空に飲み込まれた、鋼牙にとって愛すべき人で雷牙にとって大切な母親。
「……母さんを?」
「そうだ。俺はカオルを見つけるまで、俺は諦めない…だからな?」
「……分かったよ。父さんが母さんを見つけるまで、俺は待ってるから」
『当然、俺も待っているぜ♪』
雷牙だけでなくザルバもいつかカオルを見つけて戻ってくるまで、待ち続けると決意する姿を見て鋼牙は安心して微笑む。
「それを聞いて安心した…じゃあな」
「はい」
そして鋼牙が歩き出した途端にスーッと光の中に消えた。すると異空間が崩れ始める。元々この空間は、滔星とエイリスによって作られたので封印された今、この空間は維持できなくなって崩壊するのだ。それと同時に、雷牙も流牙も体が薄くなってきたが、気にせずにお互いに視線を合わせる。
「こうして俺達が出会ったのも、運命だな…」
「また別れても、俺達は守るべき物として戦い続けるだけさ」
「ああ」
流牙と雷牙が握手をすると、異空間が崩壊して2人も消えてしまう。そして2人はそれぞれ最後に消えた場所に戻ってた。戻った流牙は周りを見てザルバに尋ねる。
「ザルバ、さっきのは夢?」
『そんな訳ない。ありゃ現実さ』
「やっぱり…」
すると流牙は立ち上る月を見上げると心に誓った。
[俺…これからもがんばるから、母さんも符礼も俺の心と鎧の中で見守ってくれ!]
流牙の守りし者としての旅はまだ続いた。
それから雷牙も元の世界に戻ると、すぐに雷瞑館に帰るとゴンザに今回の事を話したりする。次の日に眠り続けるマユリの前で
「おはよう…マユリ」
いつもとおり朝の挨拶をして部屋から出ようとした瞬間、後ろに物音がしたので振り向くと信じらないものを目にする。それは眠っていたマユリが起きて立ち上がっていた。そしてマユリが最初に口にした言葉は
「おはよう…雷牙」
初めて見せるマユリの満開な笑顔に雷牙も釣られて微笑んだ。
どんなに時代や世界や場所は違っても、魔戒騎士は人と大切な人を守り続ける。
牙狼・雷流鋼伝 終
金城滔星・エイリス融合体
魔戒騎士と魔戒法師に対する強い怨みの陰我で亡霊になった金城滔星と、多少の時空操作が可能なエイリスの欠片・分身体が、ゼドムの種をツナギにして融合した存在。不死に近い再生力を持ち。魔法陣から手と足を出現させたり、体から蔦のような触手や刃の葉やトゲと魔導ホラーの武器に分身を作り攻撃する。最終目的は過去の自分達とメシアとギャノンとゼドムを吸収・融合して、ホラーの神として魔界に君臨し人間界を完全支配する事。
最後は3人の牙狼に翻弄し絶対に消えない炎に焼かれ、波奏と符礼に水晶の中に閉じ込められて永遠に魔界をさまよい続ける。
モチーフ・モデルは「牙狼・炎の刻印」のメンドーサ・アニマ吸収体。
獣翼闇装・牙狼
別々の時代と世界の黄金騎士が出会い、3人の力と経験と永遠に近い守りし者としての使命と思いが、合わさって誕生した最強の強化形態。カオルが思い浮かべた翼人と、心滅獣身を克服した光覚獣身と、黄金を解き放った頃と近い未来で闇を受け入れた漆黒が組み合わされた姿。牙狼剣も鋼牙は大剣で、雷牙は双剣で流牙は銃剣と変わる。
高速の飛行能力や鎧の強度アップに、腕から黄金の弾丸と鎖で攻撃だけでなく。過去から未来までの黄金騎士の英霊達から力を借りて、強力な烈火炎装の魔導火で相手を永遠に焼き続ける。
モチーフ・モデルは「牙狼・炎の刻印」の双烈融身ガロ。
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