白の皇帝 (ニャン吉)
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1話

「下手くそがシュートを打つな真帆!」

「なんだと夏陽!」

「落ち着け!真帆!夏陽!」

「そうよ!落ち着いて真帆、夏陽。」

と俺達がこの二人の喧嘩を止めている最中で美星先生が湊さんに声をかけていた。

「先生。」

「どうしたんだ白夜。」

「俺も女子チームに入っていいですか?夏陽に思い知らせたくて。」

「うーん。いいよ。2人とも本気でやってもいいよーん。」

と言って先生はまた審判に戻って行く。

「白夜!女子とチーム組んで勝てると思ってるのかよ?」

「勝てるよ。」

「なっ!・・・絶対に負けねー!」

そう言って夏陽は自分の陣地に戻っていった。

男子チームは全員がバスケ部のメンバーだ。

それに対してこちらは俺と恐らく湊だけだ。

「湊さん。」

「えっと白夜君?どうしたの?それと私の事は智花でいいよ。」

「わかった。なら智花はバスケ経験者でしょ。」

「何で?」

「さっきボールを受け取った時のボールの持ち方とこの前見たドリブルから考えて前の学校でバスケをやっていたがストリートでやっていた証拠だよ。」

「そうか。・・・うん。私はバスケ部に入ってたよ。」

「そうか。なら・・・真帆に紗季、ひなた。この3人を俺と智花と一緒に出ようか。愛莉。ごめん。今度一緒にバスケやろうな!」

「白夜君。・・・うん!」

こうして試合が始まった。

 

湊智花side

三沢白夜君。

彼は私の体育のドリブルにパスを受けた時の取り方だけで私がバスケをやっていた事を見抜いた。

今は試合中。

白夜君はシュートを撃っていないのに私以外のバスケ初心者の3人はどんどんシュートを決めてるし私でのパスも正確で気持ちいいと思う。

それにディフェンスは1人で男子チームを全て止めている。お陰で私達も体力に余裕を持ってプレイ出来てる。

20対0

後は20秒で試合が終わる時白夜君が

「そろそろいいか。」

そう言って突然大きく指示を出し始めた。

「真帆!左へ紗季は右へ走れ!ひなたは真っ直ぐゴール下へ智花!他のカバー!」

そう言って直ぐに白夜君はドリブルで攻めてきた。

 

sideback

俺がドリブルで攻めると夏陽がディフェンスに来る。

「へぇー。まだ守るんだ。」

「当たり前だ!最後に白夜が攻めてきたんだ!ここで止めなきゃ俺は納得いかねぇ!」

そう言って必死にディフェンスをしてきた。

だから俺は幾つものフェイクを使いながら交わそうとするが必死に食らいついてくる。

「なるほど。確かに厄介だ。まさか体育で本気を出させるなんて流石夏陽だよ。」

そう言ってから俺はスピードをあげた。

すると夏陽は簡単に抜かれる。

だが抜かれてから他の男バスのメンバーがマークを外して守りに来た。

だからこそこのタイミングでターンアラウンドを使ってフェーダウェイを使ってシュートを打ちに行くと夏陽がブロックに飛んでくる。

でもそれは予定通り。だから!

「ひなた!」

そう言って俺はワンバウンドの取りやすいパスを出す。

「おー。任された。」

そう言ってひなたは形はぐちゃぐちゃだけどシュートを打った。

するとそれはブザービーターとしてゴールに入るのであった。

「おー!びゃくやん。シュート入った。」

「ナイスシュート!ひなた。」

俺がそう言ってひなたとハイタッチして試合は終わったのだった。

 

 



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2話

side愛莉

「白夜君。」

「愛莉か。どうしたんだ?」

「うん。あのね、私・・・真帆ちゃん達と一緒に女子バスケ部を作ったんだ。」

「知ってる。」

「だからね。私に、私達にバスケを教えて下さい!」

そう言って私は白夜君に頭を下げようとすると

白夜君が私の方を掴んで

「愛莉。頭を下げなくていいよ。少なくとも俺はお前達の友達だよ。だから男バスの練習がない時なら練習に付き合うよ。」

「ホント!白夜君!」

「ああ。それじゃあ俺はこれから男バスの練習だから行くよ。」

そう言って白夜君は教室から出て行くのだった。

sideback

 

「おっぜーぞ白夜!」

「悪いな夏陽。」

「うちのエース何だから頼むぜ。」

「俺はエースじゃなくて司令塔だ。言ってるだろ。俺は司令塔で夏陽がエースだって。」

「それで白夜の方がエースなんだよ。何てったって白夜しか全国大会で点を取れていないんだよ。白夜の得点だけでベスト8だぞ!」

「それがどうしたよ!それでも俺1人なら戦えなかった。夏陽達がディフェンスを頑張ってくれたからだ!」

「それでも!・・・俺さ。最近出来たばかりの女バスにイライラしてるんだよ。」

「何でだ?」

「湊はともかくとし真帆達はお遊びのバスケじゃねえかよ!俺はお前におんぶに抱っこで全国で戦うのは嫌なんだよ!」

「言ってんだろ。お前たちがいるから俺も戦えるって!」

「でもそれはあくまで戦えるだけだ・・・勝てる訳じゃない。あの準々決勝だって。白夜がダブルチームで一つ空いてるはずなのに俺達はまともに点を取れなかったんだ。今のままだとまた全国へ行っても白夜に頼りっきりになるだけだ!」

「だからそれは違うんだよ!」

「お前はそういうと思う。でも俺達は違うんだ!・・・だから監督に言ったんだよ。女バスのお遊びのバスケをする時間を俺達には貰えるようにしてくださいって!」

「何を言ってんだ!俺はお前を見損なったぞ!夏陽!」

「勝手に言ってろ!それでも俺達は上手くなりたいんだ!」

「俺は好きでこれからバスケを始めていくあいつらの時間を奪ってまで俺達の時間にするのは反対だ!」

「ダメです。白夜君。試合に出なさい。」

「嫌です。俺は今回に限っては真帆達の味方です。」

「白夜君は強くなりたくないんですか?」

「強くなる事と友達達のバスケの時間を奪うのは話が別です。強くなりたい。でも・・・だからと言って女バスの時間を奪うのは話が別です。」

「白夜君はチームメイトと女バスはどちらが大事ですか?」

「どっちもです。」

「勝ちたくないんですか?」

「全国ベスト8まで行きました。」

「もっと上まで行きたくないんですか?」

「あの試合は俺の作戦ミスです。」

「君が点を取れなくなったら全国では勝てないと言うのを防ぐ為に彼らは練習時間が欲しいと言っているのですよ。」

「なら自主練の時間を増やせばいい。それでも十分じゃないですか!俺は毎日最低でも3時間以上は自主練に費やしますよ!毎回確実に目標を決めてそれに向けてやっています。・・・これでどうですか?」

「皆があなたのように才能がある訳ではありませんよ。」

「俺に大した才能なんてありませんよ。あるのは練習と自主練で身に付けた自信とメンタルだけです。それに今の言い方だと夏陽達に才能が無いみたいですよ。」

「そうは言っていない。君の才能は他のメンバーと比べて差がありすぎると言っているのです。」

「俺は自分に必要な自主練をしているだけです。それを見極めれば良い。」

「皆がそれをできる訳では無い。」

「だから監督がそこを見極めて自主練のテーマを見極めれば良い。」

そう言って俺は初めて男バスの練習をサボるのだった。



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3話

練習を初めてサボって家のバスケットゴールで一人黙々と練習していると真帆が声を掛けてきた。

「白兄。何で今日こんなに早かったの?バスケ部の練習じゃないの?」

「俺はな・・・真帆たちの練習時間を奪ってまでバスケをやりたいとは思わない。それに練習時間に対してもなんにも不満はない。でも監督や夏陽達は女バスのお遊びバスケに時間を使うなら自分達に練習させろと言う。俺はそんなの許さないし初めてすぐ頃なんて誰しもお遊びみたいに下手だよ。」

「でも白兄が下手な所なんて見たことないよ?」

「俺も最初は下手だったよ。・・・バスケを始めたのは幼稚園の頃。夏陽と毎日高くて届かないゴールに向かって公園のゴールでバスケをしてたよ。」

「そうなんだ。」

「で、そこにもう1人仲間が増えて3人でストリートバスケをする様になった。するとどんどん上手くなってさ。そりゃ楽しかったよ。それなのにあいつは今は楽しむことを忘れたよ。勝つことは大事だけどスポーツは試合を楽しまなくちゃいけない。勝つことにこだわり過ぎると結局勝てない。だからバスケにとことん取り組んで本気で楽しむ。勝つためじゃなくて勝って笑うためのバスケを俺はやりたいんだよ。」

「それってさ!すごい事じゃん!白兄は夏陽達と勝って笑いたいんでしょ!勝つだけじゃなくて楽しみたいんでしょ!それってすごい事じゃん!」

と真帆は俺に言ってくる。

「勝って笑うことがすごい事か。楽しみたい事がすごい事か。」

「うん!凄いこと!」

「よし!決めた!真帆!自主練に付き合え!」

「えー。まぁいいけどさ〜!紗季も呼ぼうぜ!」

と言って真帆は家に入っていった。

・・・暫くして真帆が強引に紗季を連れて来て自主練が始まった。

 

翌日の放課後

女バスの練習の日。

女バスにコーチが来るらしい。

俺は帰ろうとすると真帆と紗季が

「どうせ自主練するなら一緒にやろう」

と言ってきたので取り敢えずその話に乗っておく。

 

美星先生に校門へ迎えにいくように言われたので迎えにいくことにした。

「長谷川昂」どこかで聞いた名前だな。

 

校門へ行くと高校生くらいの人が立っていた。

「何か用ですか?」

「えっと・・・みほ姉、じゃなかった。美星先生に頼まれて女バスのコーチに来たんだけど?」

「って事はあなたが長谷川昂さんですか?」

「うん。そうだよ。・・・えっと君は?」

「俺は三沢白夜。6年です。ついてきてください。体育館まで案内します。」

そう言って俺は体育館まで案内するのだった。

 

sideスバル

いざ小学校の校門へ行くもどう行けばいいのかわからずにいた。

そんな時話しかけてきた子がいた。

彼はみほ姉に言われて案内をしてくれるようだ。

体育館に着くと何故かメイド服でもてなされた。

 

sideback

 

「真帆はやっぱり馬鹿だったか。」

「なんだよ白兄!バカって言った方が馬鹿なんだぞ。」

「なら言い方を変えよう。アホ」

「アホとはなんだ!」

「まぁ置いといて」

「置いておくな!」

「美星先生!いるんでしょ。」

「ちぇー。ネタバレすんなよ白夜。」

「バレバレですよ。それとちゃんと自己紹介しましょう。

まずは俺から。男バスのメンバーですが何故か真帆違った。アホに無理やり連れてこさせられた真帆の双子の兄の三沢白夜です。」



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4話

三沢白夜。

聞いたことがある。高いパススキルとドリブルスキルを持ち本人のアジリティを最大限生かすプレイをする小学生日本代表のPGの三沢白夜だ。

「聞いたことあるよ。よろしく三沢君。」

「白夜でいいです。俺も貴方のことは知っているので長谷川昴さん。

良かったな真帆。コーチがこの人で。」

「何で白兄?」

「この人は去年のバスケットの中学生の大会で弱小校でPGとしてチームを引っ張って兼2位になった選手だよ。」

「そうなのね。白夜。でも何で知ってるの?」

「紗季。一応来年から中学生になるんだからどんな組み立て方があるのか調べておかないとアイツらには勝てない。今の内から幅を広げておかないと。」

「なるほどね。・・・自己紹介がまだでした、私は永塚紗季です。よろしくお願いします。」

「おー。袴田ひなただよ。」

「湊智花です。よろしくお願いします。」

「か・香椎愛莉です。よ、よろしくお願いします。」

「私は三沢真帆!よろしくすばるん!」

「すばるん?」

「うん!すばるん!暫く一緒にバスケをするんでしょ?」

「お前は教えてもらうだけだろ!」

「むー!それでさすばるん!」

「何かな?」

「どんな練習するの?」

「そうだな。まずは君たちの実力を見たいかな。」

 

そう言って俺は皆のドリブルやパスを見た。

結果として

智香さんは上手いな。

小学生としてはレベルが高いな。

真帆さんと沙季さんは白夜と一緒にいる時間が長いからかな。パスとドリブルだったら簡単なものなら出来そうだね。

真帆さんは白夜君と少し似てるかな。流石双子。

沙季さんもパスの出し方が白夜君と似てる。冷静にパスを出せてる。

愛莉さんとひなたさんはまだまだかな。

愛莉さんは少し怖がりなのかな?身長を生かせてない。

ひなたさんは必死にやっているから後は頑張り次第だな。

それにしても初心者とはいえ1人で5人を相手にした白夜君は凄いな。パスは分からないけどどの面を見ても文句の付けようがない。

愛莉さんに聞いてみたいことが出来たな。

「愛莉さん。」

「はい?」

「なんでその高い身長を活かそうとしないんですか?」

「うっ。」

「うっ?」

「うわーん˚‧·(´ฅωฅ`)‧º·」

と泣き出してしまった。

「愛莉。大丈夫だよ。俺の方が背が高いし愛莉も可愛いよ。」

「ホントに?白夜君?」

「当たり前だろ!それに愛莉の背が高いのは4月生まれだからだよ。」

「うん。」

「それに中学生になったらみんな愛莉と変わらないくらいになるからさ!」

「うん。」

と愛莉さんを白夜君が慰めていた。

そして白夜君が来て

「すいません昴さん。愛莉に4月生まれだと知らなかったと伝えてもらえないですか?今はそれで解決します。」

こうして何だかんだで練習を終えて

3回目。

約束の最後の練習の時に真帆は男子バスケ部に勝てないかもしれないと言われる。



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5話

あれから俺は男バスの練習には参加せずに女バスに参加し続けていた。

その間に俺は智花との1on1に紗季にPGの考え方を教えながら自主練をしていていつの間にか男バス対女バスの試合当日。

体育館へ行くと監督が

「白夜君。試合に出なさい。」

と言ってきた。

俺はそれに対して

「イヤです。」

そう答えて女バスのベンチへ向かうのだった。

試合は女バスのギリギリの勝利に終わり男バスのメンバーが言った一言。

「白夜が居れば確実に勝てたのに!何でやらなかったんだ!」

そう言って来た。

俺はそれに対して負けたのが俺のいないせいにされたことにイライラして一言。

「どうせ負けた理由なんて女バスなら余裕で勝てるから問題無いとでも思って今まで通りの練習しかして来なかったんだろ?そんなの負けるに決まってるだろ。俺はこいつらとの練習に自主練を欠かさずにこいつらに負けじと量まで増やしたんだ。智花達がお前達に負ける理由が見つからねえよ。それに俺がいなかったから負けたなんて言い訳は聴きたくないね。

それと来週から練習には参加するよ。でも俺がいないと勝てない何て言ってる時と同じ練習をするなら俺はもうどんどん1人で練習するからな。」

そう言って俺は家へ帰り自主練をする為のコートへ向かうのだった。

 

コートへ行くと真帆と紗季がいた。

「2人ともどうしたんだこんな時間に?自主練か?」

「そうなんだけど白夜を待っていたのよ。」

「何で?」

「昴さんに私はPGに向いてるから自主練の時は白夜に教わりなさいって。」

「なるほど。真帆は?」

「私はシュートの練習!」

「そっか。紗季はまずはバスケの試合をたくさん見ることだな。俺の部屋に来いよ。ビデオを貸すから見た方がいい。真帆は形を意識しなくてもいいからシュート練習をしてろよ。お前に基本通りのシュートフォームは似合わないから。・・・そうだな。手本になる奴がいるから今度ストバスに行く時に付いてこいよ。手本になる奴に合わせてやる。」

「了解だぜ白兄!」

「じゃあやっとけよ。紗季は付いておいで。」

「分かったわ。」

そう言うのを確認すると俺は紗季と俺の部屋へ行くのだ。

 

部屋に着くと紗季が

「白夜の部屋に来るのも久しぶりね。貴方の試合や遊びに出掛けるってことは良くあったけど。」

「だろうな。それと今から俺が思う紗季に合うであろうプレイスタイルを言葉で簡単に言うぞ。」

「うん。」

「紗季は広い視野と冷静な判断力を持ってるからまずは俺や昴さんと同じPG。これは正解だ。でもPGにも3種類いる。内側で点を取るか外から取るか。または点を取らないかの3種類。紗季は外から点をとる事も出てるPGが一番近いだろうよ。今はまだ無理でもな。だからそんなPGの試合を集めたビデオがあるからそれを見るか。」

そう言って俺が部屋のテレビを付けてセットして紗季と一緒に2人用の椅子に座りビデオを見ながら紗季の質問に出来る範囲で答えながら時間を過ごした。

 

そして時は過ぎて硯谷との練習試合の日。

女バスとともに何故かバスの中に俺はいた。



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6話

硯谷につく前に先生が盲腸で車を運転する人が居なくなったので歩いて向かう事に。

何故俺が。

昴さんや葵さんはともかく俺は男バスのメンバーなんだが。

 

 

到着すると

相手の監督が出てきて少し揉めたが俺がいるからOKとなった。条件は練習に参加する事。

翌日の練習に参加すると休憩時間に未有が来て

「白夜!久しぶりね。会うのは。」

「そうだな。県別の代表チームの男女合同合宿以来だな。相変わらず小さいな。」

「白夜が大きいのよ。それに私は女の子だからいいの。」

と未有との話に盛り上がってると硯谷の監督が

「男女の県代表がいる事なので2人には1on1をやってもらいましょう。」と言ってきた。

当然やることになってしまって。

「白夜。手を抜くのはダメだからね!」

「手を抜いたら負けるから抜かないよ。」

と答えると

「それじゃあ攻めは白夜君からね。」

と硯谷の監督の妹さんの人に言われた。

ボールを未有から返されると俺は直ぐに抜きにかかる。

なかなか抜けないな。

「やっぱりお前相手にこのプレイスタイルじゃあダメだな。」

「どういう事よ。」

「もう一つの方で行くからコケるなよ。」

と使えると俺はアンクルブレイクを仕掛けて未有をコケさせてシュートを打つ。

みうはそれを見て

「何よ今の。」

「アンクルブレイク。相手の重心が移る瞬間にボールを入れ替える事で踏ん張れなくなって相手はコケる。そんな技だよ。もう一つの本気のプレイ。速さでの攻めと逆をつく攻め。二種類を相手によって使い分ける。まだ完成したばかりで穴も多いけどね。それとこれで確信したよ。未有は体幹が弱い。」

そう言って俺は守備に着く。

 

side昴

白夜が今やった技は狙ったのか。アンクルブレイク何て高等テクニックを小学生で完成されるなんて普通は不可能だ。

「ねぇねぇスバルん。」

「どうしたんだ真帆?」

「白兄がやったのって何?」

「アンクルブレイク。相手の重心が移った瞬間に反対方向に動く事で相手をコケさせる高等テクニックだよ。狙って出来るのはプロでも1握りだろうね。」

「要するに白夜は相当すごい技を今あっさりやったんですか?」

「そうだね。あんなの日本じゃあ出来る人はいないと考えていい技だよ。」

 

sideback

その後俺は未有の攻めを連続で止めて俺の攻めは連続で決まる。

終わってベンチに座ると俺は無意識に一言。

「疲れた。」

と呟いていた。

すると隣に未有が座ってきて

「私の完敗よ。あんなの出されたら勝てるわけないよ。」

「そんな事ねえぞ。最近練習で1on1をやってると見えてくる相手の少し先の動きを使うんだ。目と頭がめちゃくちゃ疲れるんだよ。そんな技を試合中フルで使える訳ないだろ。」

「それもそうね。・・・あの合宿の時の約束ってまだ続いてるの?」

「お前が正月休みになって実家に帰ったら一緒に行こうってやつだろ。」

「そうよ。何だかんだで友達になって2年経つわけだし小6にもなったしさ。」

「去年も同じ事を言って親にダメだって言われただろ。俺はてっきりもっと先の話になると思ってたけど?」

と未有と話していると

「白兄!」

と真帆が空気を読まずに出てきた。

「何で白兄がチビリボンと一緒に!」

「俺と未有は友達だ。一緒にいて何が悪い?」

「明日の最終日に試合があるのに馴れ合うのはダメ!」

「馴れ合うも何も久しぶりに会う友達と一緒にいるくらいいいだろ?」

「友達・・・」

「何か意見があるなら1on1で俺に勝ってから言うんだな!まぁ勝たせる訳ないけど。」

「何をー!今から勝負だ!」

「いいぜ!1回でも俺を抜けたら真帆の勝ちでいいよ。」

「ちょ!白夜。」

「大丈夫。未有でも俺を抜けなかったんだ。智花ならまだしも真帆にはまともにドリブルもさせないよ。」

と言って未有の頭を撫でてから立ち上がる。そして

「それに俺はバスケで手を抜ける程優しくないしね。」

と言って目の前のコートで1on1を始める事になった。

 

side未有

「それに俺はバスケで手を抜ける程優しくないしね。」

そう言ってコートに向かう白夜の姿が遠くに見えた。

 

 

少しして1on1が始まる。

白夜の妹の真帆も白夜に似て動きが速い。でも

「真帆。見せてやるよ。基本のディフェンスを。」

白夜がそう言って試合が始まって

最後までまともにドリブルも出来ない試合が終わった。



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