とあるポケモントレーナーのお話 (凍結) (ミストラル0)
しおりを挟む

とあるキャラ設定 カロス編

とあるポケモントレーナーのお話の登場人物紹介的なものです。


主人公

オトナシ・ヒビキ

 

研究者のオトナシ・フブキとサイホーンレーサーのサキとの間に生まれた本作の主人公にして転生者。

生まれは度々ネタにされることの多いマサラ人の巣窟なるマサラタウン。フブキの転勤でカロス地方にやってきた。

十歳にして前世の知識を確かめるために行った実験をまとめた論文が評価され、研究者の中ではそれなりに有名。

レッド、グリーン、ブルー(FRLGの女主人公)などとも知り合い、というか師事している。

カロス地方のポケモン図鑑コンプ(伝説系を除く)が当面の目標。

夢は研究者兼トレーナー。

最初のポケモンはイーブイで、プラターヌからはケロマツとヒトカゲを貰った。

 

 

 

セレナ

 

カロスに引っ越してきたヒビキのお隣さん。

両親が有名なトレーナーらしく、それに恥じないトレーナーになるべく旅に出る。

ハクダンジムでのヒビキの戦い方に衝撃を受け、それ以降は一緒に旅をしている。

プラターヌからはハリマロンとゼニガメを受け取っている。

 

 

 

サナ

 

ヒビキらと一緒に旅立った、いつも明るいムードメーカー的な少女。

ヒビキに交換して貰ったピカチュウがお気に入り。

プラターヌからはフォッコとフシギダネを受け取っている。

 

 

 

ティエルノ

 

ポケモンとのダンスチーム結成を夢見る少年。

バトルの結果よりもポケモンの動きや技を注視してしまう癖がある。

 

 

 

トロバ

 

ポケモン図鑑完成を目指す少年。

結構な数のポケモンを捕まえているヒビキに親近感とライバル心を燃やしている。

 

 

 

プラターヌ

 

ヒビキらにポケモンとポケモン図鑑を託し旅立たせた張本人。

ポケモンの進化についての研究を専門とする。

バトルは弱いらしい。

 

 

 

オトナシ・フブキ

 

ヒビキの父親で研究者。

専門は進化とフォルムチェンジ等の違いとその影響で、それをプラターヌに評価されカロスへやってきた。

プラターヌとは上司と部下というよりは友人に近い関係なんだとか。

ヒビキ曰く、フォルムチェンジを使った相手を翻弄するバトルを得意としているらしい。

ロトムやポワルンといったフォルムチェンジするポケモンを連れている。

 

 

オトナシ・サキ

 

ヒビキの母親で元サイホーンレーサーの選手。

現在は引退して専業主婦をしている。

相棒のサイホーンはヒビキが生まれる前からの相棒で、ヒビキにとっても大切な家族。

 

 

 

レッド、グリーン、ブルー

 

マサラタウンにいた時にヒビキが師事していたマサラタウン出身のトレーナー。

レッドはカントーチャンピオン、グリーンはトキワジムジムリーダー、ブルーはトップコーディネーター兼女優として活躍している。

 

 

 

ビオラ

 

ハクダンジムのジムリーダー兼写真家。

ヒビキの初のジム戦相手だったのだが、ヒビキのノコッチに敗れた。その後、バトルシャトーにてリベンジマッチをするも再びノコッチに完封されており、ヒビキのノコッチがトラウマになりつつある。

 

 

 

ザクロ

 

ショウヨウジムのジムリーダー。フリーウォール好き。ヒビキの二度目のジム戦相手で、バトルシャトーで強化し過ぎたヒビキとセレナにも相応のポケモンで相手をしてくれたいい人。

 

 

 

ザニー

 

ショウヨウジムのジムトレーナー。ショウヨウシティ近辺ではそこそこ強い方のトレーナーだったが、ヒビキにバトルを挑んで惨敗。その後、ヒビキのジム戦を見てより高みを目指す事になる。

 

 

 

 

コルニ

 

シャラジムのジムリーダー。ミアレシティ近辺でルカリオの特訓中にヒビキらと知り合う。自分のルカリオがヒビキの波導が気になると告げたためヒビキに興味を持つ。




追加キャラが出たら更新します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

とあるポケモン設定(キャラ設定ポケモン編)

キャラ設定のポケモン編です。

とりあえず登場したポケモンと登場予定のポケモンのみとさせていただきます。


ヒビキの所有ポケモン(メインポケモン)

 

シズク♀(イーブイ→シャワーズ)

 

ヒビキの最初のパートナーポケモン。ヒビキが親戚の育て屋から貰った卵から孵したポケモンで、昔からシャワーズに憧れており、ミアレシティにて念願叶いシャワーズとなった。ヒビキの事が大好きで、ヒビキの一番の相棒だと自負している。その為、少しだけ嫉妬深い。

 

 

 

ゲッコウ♂(ケロマツ→ゲコガシラ→ゲッコウガ)

 

ヒビキがプラターヌから貰ったポケモン。シズクがパートナーであるならゲッコウは皆のまとめ役。シズクとタイプが被る為、普段はあまり出番が無いが、ここぞという場面で活躍する。

 

 

 

ブレイズ♂(ヒトカゲ→リザード→リザードン)

 

ヒビキがプラターヌ経由でオーキド博士から貰ったポケモン。ヒビキのポケモンの中でもトップクラスの実力を持つ。ヒビキがレッドへの憧れから手に入れたポケモンでもある。二種類のメガシンカを使い分ける。

 

 

 

リオン♂(リオル→ルカリオ)

 

22番道路にてヒビキが捕まえたポケモン。リオルの頃からよく人外扱いされるマサラ人たるヒビキと組み手をしていたせいか、通常のルカリオより波導の扱いや体術のキレが高く、近接戦闘に関してはブレイズをも上回るヒビキのメインポケモンの一角。ヒビキの前世知識の影響か、2次元武術も多数習得している。

 

 

 

ノッチ♂(ノコッチ)

 

ヒビキがビオラ対策の為に育てたポケモン。ヒビキにより技の隠し効果の活用を最初に実践し、ビオラのポケモンを圧倒している。バトルシャトーでのリベンジマッチも完封しておりビオラから恐れられているも、ノッチはビオラを気に入っている模様。

 

 

 

フララ♀(フラべべ→フラエッテ)

 

バトルシャトー周辺にてヒビキと出会った色違いのフラべべ(橙)。とても人懐っこく、遊んでくれたヒビキになつきヒビキのポケモンとなった。

 

 

 

ルナ♀(アブソル)

 

地繋ぎの洞窟を抜けた先の草むらから現れ、ヒビキ達を輝きの洞窟へと誘ったポケモン。その理由は洞窟で悪巧みをしていたフレア団をどうにかする為で、フレア団を追い払った後にヒビキとバトルし手持ちに加わった。

 

 

 

マック♂(ジグザグマ→マッスグマ)

 

ヒビキが最初にカロスで捕まえたポケモン。特性のものひろいや汎用性の高さから手持ちに加わる事が多いポケモン。

 

 

 

シルフィ♀(ラルトス→キルリア→サーナイト)

 

ヒビキが捕まえた二匹のラルトスの♀の方。踊るのが好き。カルネのサーナイトに憧れている。

 

 

 

ヤイバ♂(ヒトツキ→ニダンギル)

 

ヒビキがとある思い付きの為に育成しているポケモン。通常のバトルでも強いのだが、ダブルバトル等でその真価を発揮する。言葉を発せない分、ジェスチャーで意識表示をする。こいつもリオンと同じくヒビキの前世知識でとんでもない事になっている。

 

 

 

ローゼ♀(スボミー→ロズレイド)

 

カビゴンを完封した時のスボミー。ロズレイドに進化してからはボールから飛び出した際には何故か毎回薔薇の華が舞う。状態異常で相手の体力をじわじわ削る戦い方を得意とする。

 

 

 

セレナの所有ポケモン

 

ガロン♂(ハリマロン→ハリボーグ→ブリガロン)

 

セレナの最初のポケモン。ハリマロンの時は落ち着きが無かったが、ブリガロンに進化を果たしてセレナのエースポケモンとなってからは大分落ち着いた性格になった。若干脳筋。

 

 

 

ニャオ♀(ニャスパー→ニャオニクス)

 

セレナパーティーの参謀ポジ。ヒビキが色々教えたせいでエスパー技を使った間接攻撃や地形利用攻撃を得意とする厄介なポケモンとなった。

 

 

 

ファイ♀(ヤヤコマ→ヒノヤコマ→ファイアロー)

 

セレナの飛行枠にして切り込み隊長のポケモン。ニャオと同じくヒビキの入れ知恵で爆撃機のような攻撃を行う。

 

 

 

サーナ♀(ラルトス→キルリア→サーナイト)

 

ヒビキのシルフィの姉妹にあたるラルトスから進化したポケモン。シルフィと同じく踊るのが好き。

 

 

 

マリン♀(マリル→マリルリ)

 

セレナパーティーのマスコット枠。まるくなるからのころがるコンボでヒビキのノッチと同様にビオラにトラウマを焼き付けている。

 

 

 

ネーネ♀(タンブネ)

 

ヒビキの勧めでダブルバトル用に育てているポケモン。補助や妨害技に長け、勘が鋭くタイミングがシビアな技も使いこなす為、相手にすると面倒な事この上ない。

 

 

 

メット♂(ゼニガメ→カメール→カメックス)

 

セレナがプラターヌ経由でオーキド博士から貰ったポケモン。堅い防御と背中のキャノンから繰り出す砲撃を得意とし、重戦車のような戦い方を好む。

 

 

 

クー♀(クチート)

 

輝きの洞窟でセレナが捕まえたポケモン。隠れ特性のちからずくクチートで、セレナパーティーきってのパワーファイター。性格は乙女チックでリボン等で着飾るのが好き。お気に入りのリボンを汚されるとキレる。

 

 

 

その他

 

ボス♂(サイホーン)

 

ヒビキの母・サキのサイホーン。サキがレーサー現役時代の相棒でヒビキの兄貴分でもある。進化していないがかなり強い。




この他に活躍して欲しいポケモンがいましたら活動報告のアンケート2まで書き込みをお願いします。

こちらは随時内容を更新します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

旅立ちの日

どうも、ミストラル0です。
なんとなくポケモンのSS書きたくなって衝動的に書いてますので不定期更新ですが、よろしくお願いします。


カロス地方にあるアサメタウン。そのとある民家の二階。そこに昨日カントー地方のマサラタウンから引っ越してきた少年がいた。彼の名はオトナシ・ヒビキ。

 

「うーん、もう朝か・・・・」

 

ヒビキはベッドから起き上がるとパジャマからいつもの赤い帽子と青い服に着替え、引っ越す大分前に貰ったとあるポケモンの入ったモンスターボールを手に取る。

 

「おはよう、相棒」

 

すると、カタカタと返事を返すようにボールが震える。

 

「さてと、ゲーム通りなら今日が例の日か・・・・」

 

そして、このヒビキという少年にはある秘密があった。それは「前世の記憶がある」というもので、俗に言う転生者というやつだ。前世でヒビキは初代である赤・緑から最新作であるサン・ムーンまでプレイするほどのポケモン好きであり、主に水タイプと鋼タイプを好んで使っていたタイプトレーナーという類いのトレーナーであった。そんな彼は交通事故で死んだかと思えばオトナシ・ヒビキとして再び生を受けていた。しかもポケモンのいるこの世界にだ。

 

「さてと、母さんに挨拶するか」

 

下のリビングに降りると。

 

「おはよう、ヒビキ。よく眠れた?」

 

「ああ、おはよう母さん」

 

ヒビキの母は原作同様サイホーンレーサーと呼ばれるサイホーンを使ったレースの選手だった。ちなみに引っ越しの理由は研究者である父がカロス地方のポケモン研究の代表とも言えるプラターヌ博士の研究所に出向となったからだ。そして父は既にプラターヌ博士の研究所に行っているので不在という訳だ。

 

「それじゃあそろそろ動き出さなきゃね。まずはお隣さんに引っ越しの挨拶とかどう?」

 

「そうだね。昨日は夜遅くだったし、行ってくるよ」

 

「いってらっしゃい」

 

そう言われヒビキは玄関を出ると早速二人の少女と遭遇する。

 

「出てきたわね。ようこそ。私はセレナ、貴方のお隣さんよ。セレナって呼んで」

 

「私はサナでーす!私もサナでいいよ。よろしくね」

 

その少女達はゲーム通りセレナ(女主人公)とサナであった。

 

「俺はヒビキ、俺も呼び捨てで構わない。よろしくな、セレナ、サナ。それで二人は何でウチに?」

 

「あのね、私達ヒビキを呼びに来たの!」

 

「カロス地方にはプラターヌさんという立派なポケモン博士がいらして私達五人の子供にお願いがあるんですって。どうしてアサメに来たばかりのヒビキのことを博士がご存知なのか不思議なんだけど」

 

「俺の父さんは研究者で、最近プラターヌ博士のとこに出向になってな」

 

「それでお父さんについて家族でカロスに?」

 

「そういうことだ」

 

セレナが不思議そうにしていたのでヒビキが事情を説明する。

 

「そんなことよりとにかく隣町に行こ!そこでなんと!ポケモンが貰えるんだって!ほら、早く行こっ!!」

 

そう言うとサナはヒビキの腕を掴み走り出す。

 

「ちょっ!?」

 

そしてヒビキはサナに引き摺られるままアサメの小道を抜けていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・・朝飯前なのに全力疾走とかないわぁ」

 

「ごめん、ヒビキ・・・・」

 

「ごめんなさい、カフェでモーニングくらいなら奢るわ」

 

サナに連れられてやってきたカフェには既に二人の少年が三人を待っていた。

 

「へぇ、君が最後の子か」

 

「おう、俺はマサラタウンから来たヒビキだ。よろしく」

 

「僕はティエルノ。よろしく、ヒビキっち」

 

「僕はトロバといいます。よろしく」

 

五人が席に着くとサナは待ちきれないとばかりに博士からポケモンを預かってきたというティエルノにポケモンを出させる。

選べるポケモンはカロスの御三家と呼ばれるハリマロン、フォッコ、ケロマツの三匹だ。

 

「私はこの子がいい!」

 

三人の中から真っ先にポケモンを選んだのはサナだった。

 

「もう、サナったら・・・・」

 

「セレナも先に選んだら?俺は余ったやつでいいから」

 

「いいの?」

 

「ああ、実は俺は向こうで一匹貰ってるし、レディーファーストってやつだよ」

 

「そう、なら私はこの子にするわ」

 

そうしてヒビキの元に残ったモンスターボールが手渡される。

 

「残ったのはお前か。よろしく、ケロマツ」

 

すると、今度はトロバが博士から預かってきたというポケモン図鑑をセレナとサナに手渡す。トロバ曰く、プラターヌ博士のお願いとはこのポケモン図鑑を完成させることなんだとか。ヒビキは引っ越しの際にオーキド博士から同じものを既に受け取っている。

 

「あっ、ヒビキっち。これ博士からヒビキのお母さんにって」

 

「手紙か」

 

「うん、多分、博士のお願い事に関することじゃないかな?さて、博士のお使いも終わったし、僕とトロバっちはポケモンを探すとするよ!」

 

そう言うとティエルノのトロバはハクダンの森の方へと行ってしまった。

 

「それじゃあ、俺も母さんにこの手紙を渡しに行かなきゃな・・・・」

 

「待って!ヒビキ」

 

奢ってもらったモーニングを食べ終え一度帰ろうとするヒビキをサナが呼び止める。

 

「ヒビキってポケモンバトルやったことあるの?」

 

「ああ、向こうでコイツを貰った時に」

 

「じゃあ、私のデビュー戦の相手、お願いしてもいい?」

 

「いいぜ!かかってきな」

 

こうしてヒビキとサナの二人のバトルが始まる。

 

「行って、フォッコ!」

 

サナが選んだポケモンはフォッコで。

 

「カロスデビューだ。いくぜ、相棒!」

 

「ブイッ!」

 

そして、ヒビキが元から持っていたもう一匹のポケモンとはイーブイだった。

 

「ヒビキがさっき言ってたポケモンって、そのイーブイのことだったのね」

 

「ケロマツじゃないんだ?」

 

てっきり水タイプのケロマツを出してくると思っていたサナは意外そうにしている。

 

「ケロマツは水タイプで、フォッコは炎タイプ。初心者相手にそんな相性の悪いの使ったら格好悪いだろ?」

 

「うー、何か手加減されてるみたい・・・・」

 

「そんなつもりはねぇよ。バトルはやるからには全力さ」

 

「ならいいけど・・・・」

 

サナも納得したところでバトルスタート。

 

「フォッコちゃん、【ひのこ】!」

 

「イーブイ、【でんこうせっか】で回避しつつ攻撃!それから【どろかけ】だ!」

 

フォッコの放つ【ひのこ】はイーブイの【でんこうせっか】によって回避され、そのままフォッコに突撃しフォッコを弾き飛ばすとすかさず【どろかけ】を浴びせダメージとともに命中率を下げる。しかも【どろかけ】は地面タイプ技のため炎タイプのフォッコには効果は抜群だ。

 

「フォッコちゃん!?」

 

「続けて【すなかけ】【たいあたり】!」

 

【どろかけ】で泥を浴びたフォッコに【すなかけ】を浴びせ泥の上に砂が固まりフォッコは目を開けられなくなり更に命中率が下がる。そこへイーブイの【たいあたり】がクリーンヒットし、フォッコはあっという間に戦闘不能に陥る。

 

「うっそ!?」

 

「勝負有り、だな」

 

「あー!フォッコちゃんもっともっと見てたかったのに!」

 

悔しそうにフォッコをボールに戻すサナ。

 

「よし、よくやったな。イーブイ」

 

「ブイッ!」

 

バトルに勝てたのが嬉しいのかイーブイはヒビキに飛びつき小さな身体を擦り寄せる。

 

「随分となついているのね、そのイーブイ」

 

それを見てセレナが感心していた。

 

「まあ、俺がタマゴから孵したポケモンだからな」

 

そう、このイーブイ。以前に育て屋をしている親戚からヒビキが貰ったタマゴから孵化したポケモンなのだ。

 

「それで・・・・」

 

「それにしても凄かったね、ヒビキのイーブイ」

 

「これくらいマサラタウンじゃ当たり前だよ」

 

カントーチャンピオンとカントー最強のジムリーダーの出身地は伊達ではない。さらにその二人ともヒビキは面識があるというか、ジムリーダーであるグリーンには色々と指導を受けたこともあるのだ。

 

「負けちゃったけど楽しかったよ!またバトルしようね!」

 

「私とサナは先にハクダンの森へ行ってるわ。今度は私ともバトルしてね」

 

そう言うとセレナとサナもハクダンの森へと行ってしまった。

 

「さてと、今度こそ帰るか」

 

色々な事があったが(主にサナ関係)、お隣さん(セレナ)への挨拶を終えたヒビキは一度アサメタウンの自宅へと帰るのだった。




やっぱりバトルは描写が難しい・・・・

ご意見・ご感想・誤字脱字等ありましたら遠慮なくご連絡下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハクダンの森

今回はアサメタウンからハクダンシティ辺りのお話。


あれから手紙を渡しに一度帰宅したヒビキだったが、旅に出る許可はアッサリと出た。着替えや夜営用のテントや寝袋等はシリーズでお馴染みの便利バッグ(四次元バッグ)に入れ、ヒビキはメイスイタウンでモンスターボールやきずぐすり等を買い、ケロマツの具合を確かめがてら2番道路に生息するポケモンを捕まえることにした。

 

「確かここにはジグザグマ、ポッポ、ヤヤコマ、コフキムシ、ホルビーとかがいたような・・・・」

 

ゲームで出てきたポケモンを思い出しつつ、草むらを歩いていると、早速記念すべきカロス初の野生ポケモンと遭遇した。それは・・・・

 

「グマ?」

 

ジグザグマだった。

 

「おっ、ジグザグマか。幸先いいな」

 

ジグザグマは【ものひろい】という特性を持っており、たまにアイテムを拾ってきてくれ、他にも多くの秘伝技を習得することから序盤では重宝するポケモンなのだ。

 

「頼むぞ、ケロマツ!」

 

「ケロッ!」

 

ヒビキはケロマツを使いジグザグマを弱らせ、モンスターボールでアッサリとゲットする。その後もポッポ、ヤヤコマ、コフキムシ、ホルビーを捕まえヒビキもハクダンの森へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハクダンの森は薄暗く所々光が射し込む森だ。

 

「他の四人はもう森を抜けたみたいだな」

 

どうもセレナ達はヒビキが2番道路でポケモンを捕まえているうちに森を抜けてしまったようだ。

 

「まあ、俺には俺のペースがあるんだ。それにこの森にいるポケモンも捕まえとかなきゃな」

 

この森にはヤナップ、ヒヤップ、バオップというポケモンがおり、それぞれ草、水、炎と最初の御三家をフォローできるポケモンが生息しており、ヒビキもその三匹を捕獲しようと考えていた。

 

「それにここはレベル上げに丁度いいからな」

 

ここに生息するポケモンはレベル的にも捕まえたばかりのポケモン達を育てるのに丁度良かったのだ。

 

ヒビキの現在の手持ちポケモン

イーブイ♀Lv.8

ケロマツ♂Lv.7

ジグザグマ♂Lv.5

ポッポ♂Lv.5

ホルビー♀Lv.4

コフキムシ♂Lv.4

 

それからヒビキはハクダンの森を歩き回りながらレベル上げと図鑑埋めをしていた。すると、茂みから前世ではポケモンと言えばこのポケモンとすら言われた黄色のポケモンが姿を現した。

 

「ん、ピカチュウ?」

 

「ピカ?」

 

そう、そのポケモンはピカチュウ。アニメでは長らく主人公の相棒を勤めるポケモンだ。

 

「この森にも生息してんのは知ってたが、こうも早く遭遇できるとはな」

 

カロスにおいてピカチュウはここハクダンの森とその周辺にしか生息しておらず、そこそこ珍しいポケモンである。しかもピカチュウは【せいでんき】という特性を持っており、この特性は物理攻撃をされた時に一定確率で相手を麻痺させるというもので伝説ポケモン等以外の図鑑コンプを目標にするヒビキには何かと都合のいいポケモンだった。

 

「いくぜ、相棒!」

 

「ブイッ!」

 

ケロマツやポッポはタイプ的にも相性が悪いためヒビキは確実性を考えてイーブイを出した。

 

「イーブイ、【どろかけ】!」

 

まずは電気タイプに有効な地面タイプ技でピカチュウを攻撃する。

 

「ピカッ」

 

「よし!続けて【たいあたり】!」

 

【どろかけ】を食らい命中率を下げつつ、【たいあたり】ピカチュウの体力を削る。

 

「これくらい削ればいいかな?いけ!モンスターボール!」

 

「ピカッ!?」

 

体力の残りを見極めヒビキはモンスターボールを投げる。ピカチュウの入ったボールはしばらくカタカタと揺れた後にポンッという音と共に動きを止めた。

 

「よし、ピカチュウ、ゲットだ」

 

「ブイッ!」

 

それから元々の目標であったヤナップ、ヒヤップ、バオップを捕まえ、キャタピーやビードルといった虫タイプのポケモンを捕まえた。

 

「ハクダンの森にいるのはこんなもんかな?」

 

ハクダンの森で捕まえるべきポケモンを捕まえたヒビキが森を出ると日が暮れ始めていた。

 

「うわぁ、こりゃハクダンのポケモンセンターに着くころには日が暮れるな」

 

そう言いつつも途中3番道路でノコッチやミノムッチ、ビッパなどのポケモンを捕まえたり、トレーナーとのバトルをしていたヒビキがハクダンシティのポケモンセンターに着いた頃には辺りはすっかり暗くなっていた。

 

「やっとハクダンシティについた・・・・」

 

幸いなことにハクダンシティのポケモンセンターは町の入り口近くにあったためすぐに辿り着くことができた。とりあえずヒビキは手持ちのポケモンをジョーイさんに預け、ポケモンセンター内にあるトレーナー用の宿泊施設の部屋を借りてその日を終えることにしたのだった。

 

見つけたポケモン 17

捕まえたポケモン 15




今回は短めです。

次回はジム戦まで行けるといいなぁ・・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハクダンジム 初のジム戦

今回はハクダンジム戦です。
虫タイプ使いのビオラ。それに対してヒビキが用意した策とは?


ハクダンシティに到着した翌日。ヒビキは手持ちのポケモンを入れ替え22番道路でレベル上げに勤しんでいた。

 

「ふぅ、こんなもん育てときゃいいかな?」

 

珍しい野生のリオルを捕獲し、22番道路に生息する水生ポケモン以外のシシコ、コダック、カモネギ、ルリリ、リオルをコンプリートしたヒビキは一度ハクダンシティへと戻りポケモンセンターへと立ち寄る。

 

「さて、レベル上げもそろそろこの辺じゃきつくなってきたし、ジム戦でもいくかね」

 

レベルなどのポケモンのステータスはポケモン図鑑や各種トレーナーツールと呼ばれる道具で確認することが出来る。その中でもポケモン図鑑はかなり高性能な部類になるらしく、ヒビキもよく利用している。現在の手持ちポケモンのレベルは高くて11、平均で10で野生ポケモンのレベルが高くて8のこの辺りでは育てた方であった。

 

「あら?ヒビキもジム戦なの?」

 

すると、同じくジム戦に挑む予定であったセレナと再会する。

 

「そういうセレナはまだだったのか?俺より早くハクダンシティに着いてるみたいだったし、もうバッジゲットしてるかと思ったんだが」

 

「私はさっき行ってきたわ。残念ながらまだ力不足だったみたい」

 

「そうか(そういやセレナが選んだのはハリマロンだったな。となると他の手持ちに虫タイプに有効なのがいなかったか)」

 

そんなことを考えていると。

 

「そういう貴方は随分と自信ありげよね・・・・そうだ!私も貴方のジム戦見学してもいいかしら?」

 

セレナはそんなことを言い出した。

 

「見学?別にジムの方が許可してくれりゃ好きにしてくれて構わないが・・・・」

 

「決まりね!」

 

という訳でハクダンジムへはセレナが同行することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハクダンジム、ジム戦ステージ。

 

「君が今回の挑戦者ね。勝負に挑むその表情、いいんじゃない、いいんじゃないの!」

 

ジムリーダーのビオラは写真家でもあるためか、ジム戦に来たヒビキの表情を見てカメラを構える。

 

「見たところここが初めてのジムかしら?初めてのジム戦!いいんじゃない、いいんじゃないの!」

 

「(テンション高っ!?)」

 

ビオラのテンションに少し引き気味のヒビキ。

 

「挑戦者、アサメタウンのヒビキ。ジムリーダー、ビオラとのジム戦を開始します!」

 

「ルールは2対2、途中交代は挑戦者のみ。持ち物は有りだけど、きずぐすり等の道具は使用不可よ」

 

「わかりました」

 

「このジムリーダービオラ。シャッターチャンスを狙うように勝利を狙っていくんだから!」

 

「やるからには全力で勝ちに行かせてもらう!」

 

そしてヒビキのカロス地方初のジム戦の幕が上がる。

 

「まずはこの子!行って、アメタマ!」

 

「行ってこい、ノコッチ!」

 

最初にビオラが出したのは虫・水タイプのアメタマ。対してヒビキが繰り出したのはノーマルタイプのノコッチだった。

 

「アメタマ、【でんこうせっか】!」

 

「ノコッチ、【まるくなる】!」

 

始めから【でんこうせっか】で攻めに来るアメタマにノコッチは【まるくなる】で防御力を上げて抵抗する。

 

「そのまま【ころがる】!」

 

「しまった!?」

 

【ころがる】は岩タイプの技で虫タイプには効果抜群。更に【まるくなる】で事前に丸くなっていたノコッチはすぐに転がり出しアメタマに向かっていき吹き飛ばす。

 

「追撃だ、ノコッチ!」

 

そして【ころがる】は外れるか5回まで連続で攻撃が出来、転がり続けることで威力を増していく技。2度目の【ころがる】は見事に吹き飛ばされたアメタマの落下点で命中し、アメタマは戦闘不能になってしまう。

 

「アメタマ戦闘不能!ノコッチの勝ち!」

 

「油断したなぁ・・・・このジムに挑みに来る子って大体炎か飛行タイプでくるから岩タイプ技でくるとは思ってなかったよ」

 

「アメタマを出してきたところで炎対策はしてるのはわかりましたからね。飛行の方ももう一匹で対策してるんでしょ?」

 

「バレバレか・・・・本当、面白いよ。君は」

 

続けてビオラが出してきたのは虫・飛行タイプのビビヨン。ヒビキはノコッチでの続投を選択する。

 

「ビビヨンは高く飛んでるから【ころがる】は通用しないのにヒビキはなんでノコッチを残したのかしら?」

 

見学しているセレナにはそれがよくわからなかった。

 

「ビビヨン、【まとわりつく】!」

 

「ノコッチ、【まるくなる】からの【ころがる】!」

 

レベル的に特殊技を持たないビビヨンが物理技【まとわりつく】でくるのを読んでヒビキはノコッチに【まるくなる】でいつでも【ころがる】が発動出来るように指示を出し、ビビヨンが【まとわりつく】を使った直後に【ころがる】でビビヨンを弾き飛ばす。

 

「やっぱり読まれてたかぁ・・・・いいんじゃない、いいんじゃないの!ビビヨン、一度飛んで待避!」

 

「甘い!ノコッチ、そのまま跳ね上がれ!」

 

弾き飛ばされた勢いを利用しノコッチから離れるビビヨンだったが、ヒビキのノコッチは【ころがる】の勢いを利用して飛び跳ね、ビビヨンへと【ずつき】し吹き飛ばす。【ころがる】は虫・飛行タイプでダメージ四倍であったために残り体力の少なかったビビヨンはノコッチの【ずつき】を受けて戦闘不能になってしまう。

 

「ビビヨン戦闘不能!よって勝者、アサメタウンのヒビキ!」

 

「よしっ!」

 

「ノコノコ!」

 

「よくやったぞ、ノコッチ」

 

勝利の喜びからかノコッチはヒビキに飛びつき背中の小さな羽をパタパタと動かしている。

 

「負けたわ・・・・まさかノコッチが跳んでくるなんてね。はい、このハクダンジムで勝利した証のバグバッジよ」

 

そう言うとビオラはバグバッジをヒビキに手渡す。

 

「よし、まずはバグバッジゲットだぜ!」

 

「それと面白いものを見せてくれたお礼にこれもあげるわ」

 

更にビオラは先程ビビヨンが使った【まとわりつく】が記録された技マシン83をくれた。

 

「おっ、技マシン!ありがとうございます」

 

「いいのよ。それはさっきも言ったけど、面白いものを見せてくれたお礼なんだから」

 

ちなみにその決定的瞬間をビオラは逃さず写真に納めていたりする。流石は写真家。

 

「おめでとう、ヒビキ」

 

そこに試合を見学していたセレナがやってくる。

 

「ありがとな、セレナ。それで参考にはなったか?」

 

「ええ。でも、あの【ころがる】の威力がやけに高かったのは何故?」

 

「あっ、それは私も気になる」

 

セレナの疑問にビオラも気になっていたらしく、ヒビキに訊ねる。

 

「それか。それは【ころがる】の隠し効果ってやつで、事前に【まるくなる】を使うと【ころがる】威力が二倍になるんだよ」

 

「隠し効果・・・・」

 

「あー、似たような話をこの前会合で聞いた気が・・・・」

 

「・・・・情報源は俺だしな」

 

「「えっ?」」

 

ヒビキがポツリと呟いた一言にセレナとビオラは驚きヒビキを見る。

 

「マサラタウンにいた時にレッドさんやグリーン師匠と色々検証してたことがありまして・・・・」

 

そう、ヒビキはカントーにいた頃にカントー地方チャンピオンのレッドやジムリーダーのグリーンと共に一部の技に存在する追加効果・隠し効果について調べていたことがあった。これは前世における【あまごい】+【かみなり】や【あられ】+【ふぶき】、【にほんばれ】+【ソーラービーム】などの組み合わせがこの世界でも通用するのか気になってヒビキが二人に協力してもらい検証しており、その論文を引っ越し前に父親を通じて発表したというのだ。

 

「カントーチャンプと最強のジムリーダーと知り合いって・・・・」

 

「そういえばヒビキのお父さんは前はオーキド研究所にいたって言ってたわね・・・・」

 

しかし、まさかヒビキがそんな論文を発表していたとはセレナとビオラは思ってもみなかった。

 

「ねぇ、ヒビキ。今度その技の隠し効果について色々教えてくれない?」

 

「別に構わないが・・・・発表した論文はネットで調べればすぐにわかることなんだが」

 

「どうせ、全部は発表してないのでしょ?」

 

「バレてーら。仕方ない、また今度な?」

 

「私もネット見とこ・・・・」

 

こうしてヒビキの初のジム戦はノコッチによる2タテで幕を閉じたのだった。

 

獲得バッジ

 

バグバッジnew

 

見つけたポケモン 33

捕まえたポケモン 22




という訳で今回はノコッチ無双です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ミアレシティ プラターヌ研究所

今回はミアレシティに向かうお話。あの博士も出るよ。


あの後、ビオラに再戦したセレナはヒビキのアドバイスもあってか何とかビオラに勝利し、バグバッジをゲットした。

 

「やっぱり学んだだけじゃダメなのね・・・・今回の件でよくわかったわ」

 

「いや、セレナは十分優秀だと思うぞ?俺がアドバイスしたとはいえ、ちゃんとビオラさんに勝ってるんだし」

 

「貴方が言うとある意味皮肉に聞こえるわよ?」

 

そんなことを二人が話していると。

 

「ちょっと、お二人さん。少しいいかしら?」

 

ジャーナリストと思われる女性が二人に声をかけてきた。

 

「貴女は?」

 

「私はパンジー。ビオラの姉でミアレシティでジャーナリストをしてるの」

 

パンジーと名乗る女性はそう言って二人に名刺を渡す。

 

「ここって結構メジャーな出版社じゃないですか!?どうしてそんな人が私達に?」

 

「貴方達、プラターヌ博士からポケモンを貰った子供達でしょ?それにヒビキ君は例の論文の件もあって私達からしたら有名なのよ?」

 

「よくご存知で」

 

その後、ハクダンシティのカフェで軽くジム戦の感想などをインタビューされ、パンジーはミアレシティに来たら出版社を訪ねてほしいと告げるとミアレシティへと去って行った。

 

「嵐のような人だったわね・・・・」

 

「ああ、流石はビオラさんの姉って感じだな」

 

カフェの代金はパンジーが払ってくれた為、二人は暫しカフェで休息を取ることに。

 

「ところでヒビキはこの後はそのままミアレに向かうのかしら?」

 

「ああ、途中で図鑑埋めの為に何匹かゲットしていくつもりだ」

 

「だったら、また私も同行させてもらってもいい?普段の貴方がどんな風にしてるのかも気になるし」

 

ジム戦でヒビキに興味を持ち始めたセレナは再び同行を持ちかけてきた。

 

「別に構わないが、ミアレに着くの遅くなるかもしれないぞ?」

 

「構わないわ。それに貴方の他のポケモンも気になるのよ」

 

「セレナがいいって言うのなら俺も構わないが」

 

という訳でミアレシティまでセレナが同行することに。ハクダンシティを出る前にポケモンセンターで手持ちを少し入れ替えたりモンスターボールの補充したりブティックで服を買ったり、スケーターのリンコからローラースケートを譲って貰ったりしてから二人はミアレシティを目指し出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからヒビキはスボミー、ラルトス、ミツハニー、レティバ、フラベベ、エネコを捕まえた。だが、ラルトスとミツハニーに関してはヒビキは二匹ずつ捕まえていた。

 

「何でラルトスとミツハニーは二匹ずつ捕まえたの?」

 

「ん?あれは♂♀で進化が分かれるポケモンでな。ミツハニーは♀しかビークインに進化せず、ラルトスは♂だとキルリアの時に【めざめのいし】を使うことでエルレイドってポケモンに進化出来るんだ」

 

「そうなんだ・・・・ヒビキって、ポケモン図鑑要らずよね」

 

「そんなことないさ。俺だって知らないことはある」

 

そう言いながらヒビキは捕まえたポケモンについてノートにデータをまとめていた。

 

「ポケモンにはまだまだ人間の知らないことがたくさんある。俺も将来はそういうのを調べる研究者になりたいんだ」

 

「いいわね、そういう夢があるのって」

 

「そういうセレナは?」

 

「私はまだヒビキみたいな明確な夢は無いわ。でも、両親に恥じないトレーナーにはなりたいわ」

 

「そういやセレナの両親もポケモントレーナーなんだったな」

 

「ええ、カロスでは名の知れたトレーナーよ」

 

そう言うセレナの表情から彼女が如何に両親を尊敬しているかが伺える。

 

「日が暮れてきたし、今日はこの辺で夜営するか。出てこい、お前ら!」

 

ヒビキはそう言うとモンスターボールから手持ちのポケモン達を出す。ヒビキの現在の手持ちはイーブイ、ケロマツ、ジグザグマ、ノコッチ、ピカチュウ、ミツハニーの六匹だ。

 

「どうして手持ちのポケモンを?」

 

「一緒にご飯食べたり、ボールから出して遊ばせてやったりした方がポケモン達も喜ぶんだとさ。これはレッドさんからの受け売りだけどな」

 

「へぇー、なら私も!」

 

セレナもヒビキに習いポケモン達をボールから出す。セレナの手持ちはハリマロン、ヤヤコマ、ホルビー、ルリリ、ラルトスだった。

 

「なるほどな・・・・バランスのいいメンバーだな。ヤヤコマ、ホルビー、ルリリはそれぞれ進化すれば炎、地面、水タイプになるからな」

 

「詳しいわね、やっぱり貴方についてきて正解だったわ」

 

それから二人はそれぞれテントを用意した後、ヒビキが食事を、セレナがポケモンフーズの準備をすることになった。

 

「貴方、料理まで出来たのね・・・・」

 

「旅に出る時に保存食とかばっかりじゃ体調壊すだろ?だから母さんに習っておいたのさ」

 

「貴方って苦手なこと無いの?」

 

「いや、あるぞ。歌はドゴームの【そうおん】並みだそうだ」

 

「ぷっ、何それ!名前に響きってつくのに音痴なの?」

 

「やめてくれ、それはマサラタウンにいた時から散々言われてきたんだ・・・・鼻歌だけはマシらしいが、ガチで歌うとポッポとか降ってきたこともあるんだ」

 

「・・・・それは確かにドゴーム級ね」

 

ヒビキの意外な一面を知り、セレナは少しだけヒビキを身近に感じた。

 

「グマ」

 

「ハニー」

 

すると、ヒビキのジグザグマとミツハニーが何かを持って駆け寄ってくる。

 

「どうしたんだ、お前ら」

 

ヒビキがそう訊ねるとジグザグマはスーパーボールを、ミツハニーはあまいミツをヒビキに手渡した。

 

「【ものひろい】と【みつあつめ】か」

 

それはジグザグマとミツハニーの特性で、【ものひろい】はレベルに応じたアイテムを、【みつあつめ】はあまいミツを拾ってきてくれるというものだ。

 

「ありがとな、お前ら」

 

そう言って二匹の頭を撫でてやると。

 

「ブイ」

 

他のポケモンと遊んでいたイーブイが「自分も撫でろ」と言わんばかりにヒビキによじ登ってくる。

 

「わかったわかった!後でブラシがけしてやっから!」

 

「ふふっ」

 

仲の良いヒビキ達を見て微笑みながらセレナも自分のポケモン達にブラシがけをしてみようと思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日も道行くトレーナー達と勝負しながらミアレシティを目指す二人は数日かけてようやくミアレシティへ通じるゲート前までやってきた。その間にヒビキのケロマツはゲコガシラに、セレナのハリマロンはハリボーグに進化していた。

 

「やっと着いたな・・・・」

 

「そうね」

 

すると、ゲートの前にいた二人の男女がヒビキ達に声をかけてきた。

 

「君達、ちょっといいかな?」

 

「私達ですか?」

 

「うん、君達はヒビキ君とセレナちゃんで間違いないかい?」

 

「ああ、でも俺達の名前を知ってるってことは・・・・」

 

「ええ、私達はプラターヌ博士の命で貴方達を待っていたのですわ」

 

女子の方はジーナ、男子の方はデクシオと言い、二人は2年前にプラターヌ博士からポケモン図鑑を託されたヒビキ達の先輩に当たるトレーナーなんだとか。そしてプラターヌ博士に研究所まで案内するようにと命を受けたんだとか。

 

「君のポケモンは随分となついてるんだね」

 

研究所までの案内がてら一緒に歩いているとデクシオがヒビキが肩に乗せているイーブイを見て感心したように言う。

 

「まあ、こいつとはそこそこ長い付き合いですから」

 

「ならこの技マシンも使いこなせるんじゃないかな?」

 

そう言うとデクシオは【おんがえし】の記録された技マシン27をヒビキに手渡す。

 

「いいんですか?」

 

「うん、君なら有効に使ってくれそうだからね」

 

そうこうしてる間にヒビキ達はプラターヌポケモン研究所へと到着した。研究所に入り、博士の待つ3階へとエレベーターで移動すると、そこでプラターヌ博士が二人を待っていた。

 

「やあ。久しぶりだねヒビキ君。それとよくきたね、セレナちゃん」

 

「お久しぶりです、プラターヌ博士。直接会うのは初めてなのに久しぶりというのも少し変な気がしますが」

 

そう、ヒビキとプラターヌ博士は以前にオーキド博士の研究所にて何度かモニター越しではあるが何度か会ったことがあったのだ。しかし、ヒビキの言うように直接会うのは初めてとなる。

 

「遠路はるばる大変だったろう?」

 

「いえ、こいつらが一緒でしたから」

 

「うん、やはり君は私が見込んだ通りの人物だったようだね。ポケモン図鑑ももう39匹分だ」

 

それはアサメからミアレまでで発見出来るポケモンとしてはほとんどのポケモンと遭遇したことになる。

 

「博士ー、サナです」

 

丁度そこに研究所を訪れたサナがやってきた。

 

「あっ、ヒビキにセレナだ!二人ももう来てたんだね」

 

「サナか、久しぶりだな」

 

「ピカチュウは捕まえられた?」

 

「ダメだった・・・・」

 

どうやらサナはピカチュウを捕まえようとハクダンの森付近で頑張っていたらしい。

 

「なら俺のを一匹交換してやろうか?丁度二匹捕まえてたし」

 

「ほ、本当!?是非お願いします!」

 

よほどピカチュウが欲しかったようで、ヒビキが交換を提案するとすぐさま食い付いた。

 

「ハハ、仲が良いようで何よりだ。おっと、そう言えばオーキド博士から君達にプレゼントがあるよ」

 

そう言ってプラターヌ博士はモンスターボールを3つ取り出した。

 

「これは?」

 

「プラターヌ博士、これってまさか・・・・」

 

「流石はヒビキ君、察しがいいね。君の予想通りこれはカントーで初心者トレーナーに配られる三匹のポケモン。フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメが入ったモンスターボールさ」

 

プラターヌ博士はこれをヒビキ達三人に一匹ずつくれると言う。

 

「そういうことなら今度はヒビキから選んでもらいましょう」

 

「だね、前は私から選んじゃったし」

 

サナもメイスイタウンでの一件は反省していたらしい。

 

「そういうことなら・・・・俺はこいつで」

 

ヒビキが選んだのはヒトカゲだった。

 

「なるほどね、やはり君も彼のファンという訳か」

 

彼と言うのはレッドのことで、彼の手持ちの中でもオーキド博士に貰ったヒトカゲの進化系であるリザードンと相棒とすら呼べるピカチュウは有名である。

 

「まあ、尊敬してるトレーナーであることは間違いないですね」

 

「あとはこれも持っていくといい」

 

そう言ってプラターヌ博士が取り出したのは赤い色をした宝石2つ。

 

「こ、これはメガストーン!?」

 

「メガストーン?」

 

メガストーンと聞き、サナが首を傾げる。

 

「メガストーンっていうのはポケモンの更なる進化の可能性を秘めた石のことなんだ。それぞれ◯◯ナイトって呼ばれてて対応するポケモン名前がついてるんだ」

 

「流石だね、ヒビキ君。ちなみにこれはリザードナイトXとリザードナイトYと言って、それぞれリザードンをメガシンカさせることの出来るメガストーンさ」

 

「メガ進化?」

 

「メガ進化じゃなくてメガシンカな。これは通常の進化と違って一時的に姿を変えるものなんだ。今はまだ研究中らしいんだが、リザードナイトみたいに複数のメガシンカをするポケモンも存在するって話だ」

 

「ハハ、ヒビキ君にほとんど言われてしまったね。そんな訳で君達には選んだポケモンに対応したメガストーンをあげよう」

 

その後、サナはフシギダネ、セレナはゼニガメを貰い、それぞれ対応したメガストーンを受け取った。ヒビキはリザードナイトを両方貰うことに。

 

「それとメガストーンはそれだけじゃ使えない。キーストーンと呼ばれる石が必要らしいんだ」

 

これはかなり貴重なものらしくプラターヌ博士も簡単には手に入れることは出来なかったとのこと。

 

「キーストーンか・・・・」

 

「まあ、旅をしていればそのうち手に入るさ」

 

その後、博士に礼を言ってプラターヌ博士の元を後にするとヒビキとセレナは1階のロビーへと降りた。すると、そこには二人の男性が会話をしていた。

 

「ん?ヒビキじゃないか!久しぶりだな」

 

「父さん」

 

そのうちの一人はヒビキの父親であるオトナシ・フブキ、そしてもう一人は・・・・

 

「ほう、彼は貴方のご子息でしたか」

 

(フラダリ博士!?そういやこの人と最初に会うのってここだったな)

 

炎のような赤い髪をした男性はフラダリ。表の顔は世界をより良い世界にしようと研究する科学者だが、裏の顔はフレア団のボスでXYのボス的存在である。

 

「初めまして、私はフラダリ。そこのプラターヌ博士から色々と教わっている者だ」

 

「は、初めまして・・・・」

 

いきなりのラスボスとの邂逅にヒビキは冷や汗をかく。

 

「そちらのお嬢さんは?」

 

そこで助け船を出してくれたのはフブキだった。

 

「わ、私はヒビキの隣の家に住んでいるセレナです」

 

「ああ、君がうちのお隣さんなのか。私はヒビキの父親のフブキだ。よろしくね、セレナちゃん」

 

「はい、フブキさん」

 

フブキのおかげでヒビキは少し落ち着く時間を得ることができた。

 

「二人とも見たところプラターヌ博士に選ばれた図鑑所持者のようだね」

 

その後、フラダリは色々と言っていたようだが、ヒビキはフラダリの言葉を鵜呑みにはできなかった。

 

「それでは私はこれで失礼するよ」

 

言いたいことを言い終えたフラダリはプラターヌ博士によろしくと言い残して去っていった。

 

「ヒビキ?随分と険しい表情をしてるけど大丈夫?」

 

「あ、ああ、すまない。少しフラダリさんの雰囲気に当てられて」

 

「あはは、確かに彼は少し独特の雰囲気を持っているからね」

 

フラダリとも何度か会っているらしいフブキはそんなヒビキの様子に苦笑する。

 

「そうだ!ポケモン図鑑の完成を手伝ってくれる二人にこれをあげよう」

 

そう言ってフブキは二人に【みねうち】の記録された技マシン54をくれた。

 

「ありがとう、父さん」

 

「ありがとうございます」

 

「ポケモン図鑑の完成、頑張ってね」

 

フブキはそう言うと研究所の2階へと戻っていった。

 

「いいお父さんね」

 

「ありがと」

 

その後、セレナの誘いでヒビキはカフェ・ソレイユへと向かうのであった。




少し長くなりましたが、プラターヌとラスボスの邂逅です。
原作知識があるのでヒビキはフラダリとの邂逅は出来ればしたくなかった模様。

今度、活動報告にてヒビキに使って欲しいポケモンを募集します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

カフェ・ソレイユ~コボクタウン

今回はコボクタウンに着くまでのお話。


カフェ・ソレイユにやってくると、そこには意外な先客がいた。

 

(うげ、フラダリ博士とカロスチャンピオン!そういやそんなイベントだったなぁ・・・・)

 

こんなとこまで原作通りでなくてもいいのにと思うヒビキ。二人は暫し【美しさ】について語っていたが、フラダリの言葉は実に物騒なものだった。

 

「おや、ヒビキ君」

 

すると、フラダリはヒビキに気がつき声をかけてきた。ヒビキは出来るだけ思っていることを表情に出さないようフラダリの話を聞いていた。

 

「世の中の人間が彼女のような人ばかりならば世界は美しいのに・・・・」

 

フラダリは最後にそう言い残し去っていく。

 

「貴方達は?」

 

そして残されたヒビキとセレナは必然的にフラダリと話していたカルネの興味を惹く。

 

「私はセレナでーー」

 

「ヒビキ君ね?さっき聞こえたもの。二人とも素敵な名前ね」

 

カルネもチャンピオンの他に女優という顔を持っている為に忙しいらしく、「いつかポケモン勝負をしましょうね」と言ってカフェを出ていった。

 

「そっか、ポケモントレーナーならいつか戦えるのよね・・・・」

 

「そりゃ、カロスのポケモントレーナーの最高峰だからな。リーグ優勝すれば挑戦権が与えられるって話だ」

 

「そういえばヒビキはカントー地方のチャンピオンとも知り合いなんだったわね」

 

「ああ、俺もいつかレッドさんに挑戦してみたいもんだよ」

 

ヒビキにとってレッドとは憧れであり、いつか超えるべき目標なのだ。

 

「研究者志望なのにチャンピオンになりたいだなんて欲張りね」

 

「そんなこと言ったらチャンピオンで女優のカルネさんも欲張りってことになるぞ?」

 

「確かに・・・・」

 

他にもチャンピオンにして御曹司のダイゴや考古学者のシロナなどもいたりする。

 

「それで、こんなとこに誘った理由ってのは?」

 

「うん・・・・そのことなんだけど」

 

少し言い出し難そうにしていたが、セレナは意を決してヒビキに告げる。

 

「これからも一緒に旅してくれないかしら?私はまだ貴方から色々学べそうな気がするの」

 

「それは構わないが・・・・」

 

「本当!?」

 

「せ、セレナ、少し落ち着け」

 

「ご、ごめんなさい。少しはしたなかったわ・・・・」

 

こうしてセレナは暫くの間ヒビキに同行することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ミアレジムは一定数のバッジが無いと挑戦できないと知った二人の元に一通のホロメールが届いた。

 

「ねえねえ、今5番道路にいるんだ。なんかね野生のポケモンが凄いんだよ。ヒビキも早く見においでよ!」

 

ホロメールの主はティエルノで、メールの内容は上記のように意味不明なものだった。

 

「どうするの、ヒビキ」

 

「とりあえず行ってみるか」

 

とりあえず様子を見に行こうということになり、二人はティエルノのいる5番道路へと向かう。ゲートを抜け、5番道路に入るとヒビキの元に一匹のルカリオが駆け寄ってきた。

 

「くうん!」

 

「このルカリオ、どうしたのかしら?」

 

「野生じゃないっぽいが・・・・」

 

すると、持ち主とおぼしき少女ともう一匹のルカリオが二人に駆け寄ってくる。

 

「ちょっとルカリオ!!」

 

その少女は金髪のポニーテールをしたスケーター風の女子だった。

 

(うん?この娘って確か・・・・)

 

その少女にヒビキは見覚えがあった。

 

「大丈夫でした?ルカリオ同士で特訓していたらいきなり・・・・ね、ルカリオ。貴方どうしたの?」

 

そうルカリオに訊ねるとルカリオは少女に何かを訴えかけるような視線を送る。

 

「この人から気になる波動を感じた?」

 

「くおん!」

 

どうやら正解らしい。

 

「ルカリオったらなんだか貴方が気に入ったみたい」

 

どうもこのルカリオ、ルカリオ同士でよく特訓しているせいか強そうな波動を持つトレーナーに敏感なんだとか。

 

「自己紹介がまだだったわね。私はシャラシティのジムリーダー、コルニ!」

 

「えっ?ジムリーダー!?」

 

コルニの言葉にセレナが驚く。

 

(というか、ジムリーダーがこんなとこ彷徨いてていいのかよ・・・・)

 

「貴方達は?」

 

「俺はヒビキ、こっちはセレナだ」

 

「ヒビキにセレナね・・・・二人とも強そうだし、バッジ集めをしてたらいつか戦えるわね。うん、今から楽しみだわ」

 

そう言うとコルニはルカリオ達を連れて去っていった。

 

「何だろう、今日はやたら言いたいこと言って去ってく人とばかり知り合う気がする」

 

「そうね・・・・」

 

コルニのことはとりあえず置いといて、二人はティエルノを探すことに。

 

「あっ、あそこにいるの、ティエルノのトロバじゃないかしら?」

 

「行ってみようか」

 

という訳で二人のところへと向かう。すると、二人が見たのはポケモンの群れだったらしい。そしてトロバ曰く、あまいミツや【あまいかおり】を使うとたまに群れでポケモンが現れることがあるらしい。試しに近くの草むらでミツハニーに【あまいかおり】を使わせてみるとゴクリンの群れが現れたためヒビキはゲコガシラで捕獲・撃退した。

 

「群れか・・・・全体攻撃とかあると楽だな」

 

「ですね」

 

逆に下手をすると袋叩きにされる危険性もあることを知る四人。一度ポケモンセンターに戻ると言うトロバとティエルノと別れ、ヒビキとセレナは辺りに生息するポケモンを探すことに。

 

「くっ、やっとケーシィを捕まえたぜ」

 

その後、ヒビキはズルッグ、プラスル、マイナン、ヤンチャム、メェークル、ドードー、トリミアンまでは順調に捕まえたのだが、すぐにテレポートしてしまうケーシィにてこずり、ケーシィの捕獲に2日もかかってしまった。

 

「でも、ヒトカゲもリザードに進化したじゃない」

 

「そりゃ、あれだけ群れバトルしてたらな・・・・」

 

ケーシィを探している間にヒビキ達は何度かポケモンの群れと遭遇しバトルすることとなり、そのバトルにはプラターヌ博士から貰ったヒトカゲをメインに使っていた為、ヒトカゲはあっという間にレベルが上がりリザードへと進化したのだ。

 

「さて、そろそろコボクタウンに向かうか」

 

「ところでヒビキはイーブイを進化させないの?」

 

イーブイには現在8種の進化系が確認されており、炎のブースター、電気のサンダース、水のシャワーズ、この3種はそれぞれ炎の石、雷の石、水の石で進化するのが確認されている。その後に発見されたエスパーのエーフィ、悪のブラッキーは十分になついたイーブイが昼間と夜に進化する。シンオウ地方で確認された草のリーフィア、氷のグレイシアはそれぞれ特定の場所でのレベルアップで進化する。最後にこのカロスで発見されたのがフェアリーのニンフィア。このニンフィアはフェアリータイプの技を習得し条件を満たしたイーブイが進化するのが確認されている。

 

「俺としては何に進化させてもいいんだが、うちのイーブイは何故かシャワーズに憧れがあるらしくてエーフィやブラッキーには意地でも進化しないんだよ」

 

「ある意味凄い執念ね・・・・」

 

シャワーズになりたいがために自身で進化キャンセルをするイーブイとはまた変わっている。

 

「まあ、ミアレで水の石は買ったんだがな」

 

そう言ってヒビキが水の石を取り出すと、イーブイが勝手にボールから飛び出し、ヒビキの身体に登ってヒビキから水の石を奪おうとする。

 

「ブイッ!」

 

「わかったわかった。ちゃんとお前にやるから落ち着け!」

 

何とかイーブイを落ち着かせ、ヒビキは改めて確認する。

 

「イーブイ、これはやり直しが効かない。それでもシャワーズになりたいか?」

 

「ブイッ!」

 

ヒビキの言葉にイーブイは力強く頷く。

 

「わかった。ならお前にこれをやる」

 

水の石をイーブイに触れさせると、イーブイは進化の輝きを纏いシャワーズへと進化を果たす。

 

「シャワ!」

 

「よかったね、シャワーズ」

 

「手持ちのタイプ偏ってきたな・・・・」

 

現在のヒビキの手持ち

 

シャワーズ♀Lv.18

リザード♂Lv.17

ゲコガシラ♂Lv.18

ミツハニー♀Lv.16

ノコッチ♂Lv.17

ジグザグマ♂Lv.18

 

水、炎、水、虫・飛行、ノーマル、ノーマルと確かにタイプが偏っている。

 

「今度ポケモンセンターで手持ち入れ替えるか」

 

どうやらヒビキには育ててみたいポケモンがおり、数匹メンバーを入れ替えてみようと考える。

 

「シャワーズとゲコガシラにリザードは主力だから抜けないし、ノコッチにはハクダンで世話になった。ミツハニーとジグザグマはもうすぐ進化するし・・・・」

 

ヒビキは色々な理由から迷っているようだ。

 

「ヒビキ、とりあえずポケモンセンターについてから考えましょう?」

 

「そうだな」

 

という訳でメンバーの入れ替えについては保留しつつ、ヒビキ達はコボクタウンへと向かうのだった。




という訳でヒビキのイーブイはシャワーズになりました。

そして、入れ替えになるメンバーは?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コボクタウン

今回はカビゴン戦、でもすぐに片付きます。理由は本編にて。


結局、コボクタウンに着く前にミツハニーとジグザグマはビークインとマッスグマへと進化することとなった。そして、無事にコボクタウンへと辿り着いた二人はポケモンセンターにて休息を取っていた。

 

「良かったわね。これで入れ替えるメンバーも決まったでしょ?」

 

「ああ、こいつらに決めたよ」

 

そう言ってヒビキが入れ替えたポケモンは・・・・

 

ノコッチ→ラルトス♀Lv.8

ビークイン→リオル♂Lv.9

マッスグマ→なし

 

「あら?一匹減らしたの?」

 

「ちょっとこの先で捕まえたいのがいてな」

 

その後、ヒビキ達が向かったのはコボクタウンを西側に出て北西にある7番道路の先にある6番道路にある草むらだった。

 

「ここにヒビキが捕まえたいポケモンがいるの?」

 

「ああ、ちょっと変わったやつがいてな」

 

そう言いヒビキが草むらを探索していると、そのお目当てのポケモンと遭遇する。

 

「おっ、いたいた」

 

「あのポケモンは?」

 

気になったセレナはポケモン図鑑でそのポケモンを調べる。

 

『ヒトツキ。とうけんポケモン。剣の柄を握った人の腕に青い布を巻き付けて倒れるまで命を吸い取るという』

 

そのポケモンは鋼・ゴーストタイプに属するヒトツキだった。

 

「こんなポケモンもいるのね・・・・」

 

まだゴーストタイプのポケモンに出会ったことが無かったセレナはヒトツキの姿を見てポケモンの多彩さを改めて実感する。それからヒビキはニャスパー、ツチニン、オタチ、ナゾノクサと捕まえ、大通りの茂みにいたフシデとタブンネもゲットする。

 

「ふぅ、私も捕まえたわ」

 

セレナもニャスパーとタブンネを捕まえていた。

 

「そういえばこの先にあるのは・・・・」

 

「パルファム宮殿だったな」

 

「一応、観光名所だし見ていきましょ」

 

ということで千円という少々財布に響く金額を払い二人はパルファム宮殿を見学。その際、ヒビキはあれこれ庭に落ちていたものを拾っていた。

 

「何で秘伝マシンやおまもりこばんがあんだよ・・・・」

 

「いいじゃない。宮殿の持ち主はいらないって言ってくれたんだから」

 

拾ったアイテムは一応宮殿の主に聞いてみたところ「いらないから持っていっていい」と言われ、そのままヒビキが貰うことに。

 

(こんなところまでゲームと同じかよ・・・・)

 

秘伝マシンって貴重品じゃなかったっけ?と思いつつもヒビキはちゃんとアイテムは貰っておく。

 

「さて、一旦コボクに戻るか」

 

「そうね。ポケモン預りシステムの管理者もコボクにいるそうだから挨拶にいきましょ」

 

それからポケモン預りシステムのカロス地方管理者クロケアに会い、ついでに技マシンなども貰いつつ、地繋ぎの洞窟へ行こうとするが・・・・

 

「またやつが出たぞー!」

 

突然コボクタウンが騒がしくなる。

 

「どうしたのかしら?」

 

「行けば分かるだろ」

 

ということで騒ぎの中心であるコボクの西にある橋に行くと、橋を塞ぐようにあるポケモンが眠っていた。

 

「これって、カビゴン?」

 

そう、それはいねむりポケモンのカビゴンだった。

 

「どうすりゃいいんだ・・・・ポケモンの笛はパルファム宮殿に持ってかれちまってるってのに」

 

どうやらポケモンの笛がなくてカビゴンを起こせないらしい。

 

「パルファム宮殿に行くの面倒だし、アレ使うか」

 

すると、ヒビキは人混みを抜けてカビゴンの近くまで行くとカバンからスピーカーとウォークマンを取り出す。

 

「き、君、一体何を?」

 

「こいつを退ければいいんですよね?」

 

「あ、ああ・・・・」

 

代表と思われる人の疑問を他所にヒビキはウォークマンをスピーカーに繋ぎスイッチを入れ、録音されていた【ポケモンの笛の音色】を流し始める。

 

「えっ?」

 

「ポケモンの笛の音色って録音したものでも効果あるらしいですよ?現にカントーのシオンタウンで流してたラジオ音声の音色でカビゴンが起きたという実績があるそうです」

 

ヒビキの言う通り、ウォークマンから流れるポケモンの笛の音色に橋を塞いでいたカビゴンが起き上がる。

 

「悪いが通行の邪魔だ。捕まえさせてもらうぞ?」

 

その後、ヒビキはあっさりとカビゴンを捕獲し、コボクタウンの人々から大変感謝された。ちなみに、カビゴンの捕獲手順はいつの間にかラルトスと入れ替えてきたスボミーで【なやみのタネ】を使ってカビゴンの特性を【ふみん】に変え、【しびれごな】で麻痺させて【メガドレイン】で体力を削るという戦術だった。これによりカビゴンは眠って体力と麻痺を回復できずあっさり捕まったのだ。

 

「恐ろしい手を使うわね・・・・」

 

カビゴン相手に完封とか普通はやらない。

 

「流石はヒビキ君ね」

 

すると、そこにビオラがやってくる。

 

「あっ、ビオラさん」

 

「ジムリーダーのビオラさんが何でここに?」

 

「ちょっとこの先のバトルシャトーに呼ばれててね・・・・そうだ!貴方達も一緒に来ない?」

 

という訳で二人はビオラに連れられてバトルシャトーへと向かうことになった。




カビゴン哀れ・・・・眠れないカビゴンなんて脅威じゃない、と言わんばかりの戦法です。

次はバトルシャトー・・・・そして、ヒビキが色々やらかします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

バトルシャトー

今回はバトルシャトーです。
ここのところバトル描写がなかったのでここらでやっておかねば・・・・


ビオラに連れられやってきたのは7番道路にある立派なお屋敷に見えるバトルシャトーという施設。門も堅牢な造りでシャトー(フランス語で王族・貴族の住居、もしくはそのかつて住居ものを要塞化したもの)の名の通りであった。

 

「ここがバトルシャトーだよ」

 

「ここって、確か一部のトレーナーがバトルのために集う社交場って聞いたことがあるわ。私の両親も爵位持ってたはず」

 

そう、このバトルシャトーは戦績によって爵位が与えられ、より上位の爵位を目指す場所。しかも、ジムリーダーや四天王、更にはチャンピオンも訪れる施設なのだ。

 

(だが、ゲームだと廃人のレベル&金稼ぎの名所だったんだよなぁ)

 

ゲームでは爵位によってレベルが上がっていくため、序盤でここに引きこもりレベル100まで上げるとかいうことも出来たのだ。一人当たりの賞金額も外のトレーナーより多くおまもりこばんを持っていればボロ儲けでき、四天王&チャンピオン周回より稼げるという。そのため、多くの廃人に重宝された施設でもあった。

 

「おや?ビオラ様ではないですか」

 

そこに支配人にしてデュークの爵位を持つイッコンがやってきた。

 

「イッコンさん、こんにちは」

 

「随分とお早いご到着で、東の橋にカビゴンが出て道が封鎖されていると伺ったのですが?」

 

「それならさっき彼、ヒビキ君が解決してくれたわ」

 

そう言うとビオラは後ろにいたヒビキをイッコンの前へと連れてくる。

 

「ほぅ、彼が・・・・実に良き目をしていますね」

 

「そうなの!彼は例の論文の発表者で先日私を破ってバグバッジを手にした期待のルーキーよ」

 

「あの論文の・・・・それは素晴らしい!是非とも彼には我がバトルシャトーでバトルしてもらいたい」

 

「イッコンさんならそう言うと思ってたわ!あと、もう一人この娘にも爵位をあげて欲しいの」

 

そう言うと今度はセレナをイッコンの前に立たせる。

 

「それではヒビキ様とそちらのお嬢様にはバロンとバロネスの爵位を与えましょう。お二人共、どうぞごゆるりとバトルをお楽しみ下さい」

 

その後、ビオラにバトルシャトーのルールを教えてもらい、ヒビキとセレナはバトルシャトーでバトルすることになった。

 

「ここには他のところからも実力のある爵位持ちのトレーナーが集まってくるから修行には持ってこいなんだよなぁ」

 

「なら、さっき捕まえたあの子達のレベル上げがてらバトルしていきましょうか」

 

という訳でヒビキとセレナは二手に分かれてバトルシャトーを回ることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミノムッチ、【まもる】!」

 

「甘い!リオル、【フェイント】からの【はっけい】」

 

「くおん!」

 

ミノムッチの【まもる】を【フェイント】で崩し、すかさず【はっけい】を叩き込み壁に叩きつけて戦闘不能にするリオル。

 

「ミノムッチ、戦闘不能!勝者、バロン・ヒビキ」

 

「こ、こいつ、強過ぎる・・・・」

 

バロン同士のバトルは一対一、それをヒビキはラルトス、リオル、ヒトツキの3匹を使い連戦連勝を重ねていた。

 

「流石はビオラ様の推薦なされた方だ。あの方達は何れも直にヴァイカウント・ヴァイカウンテス候補だったというのに・・・・」

 

そんなヒビキの元に再びイッコンがやってきて声をかける。

 

「バトルがお行儀良すぎなんだよ。あんなんじゃ上の爵位に上がってから苦労するぞ」

 

「観察眼もお見事と言うべきでしょうな。ヒビキ様、おめでとうございます。ヴァイカウントの位へと陞爵でございます」

 

「もうそんなに戦ったのか?気付かなかった」

 

あっという間にヴァイカウントに上がったヒビキ。そんなヒビキに近付く男がいた。

 

「なるほど、ビオラさんが目をかける訳だ」

 

「これはこれはザクロ様」

 

その男の名はザクロ。ショウヨウシティのジムリーダーだ。

 

「君がヒビキ君だね?」

 

「はい、初めましてザクロさん」

 

「見たところ、今までのバトルで使っていたポケモンは育成中のようだね?まだ主力が別でいるみたいだ」

 

「うっ、流石ジムリーダー。お見通しですか」

 

「君の挑戦、待っていますよ」

 

そう言い残しザクロはバトルシャトーを後にする。

 

「ジムリーダー直々にそう言われちゃあな・・・・燃えてきたぜ」

 

そしてヒビキはヴァイカウントやヴァイカウンテス達に次々と挑戦していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウソッキー、【がんせきふうじ】!」

 

「させるな、リオル【じならし】!」

 

岩を持ち上げようとするウソッキーに対しリオルは地面を踏み【じならし】を発動させ逆にウソッキーの動きを封じる。

 

「とどめの【はっけい】!」

 

「くおんっ!!」

 

リオルの【はっけい】がクリーンヒットし、ウソッキーが崩れ落ちる。

 

「ウソッキー、戦闘不能!勝者、ヴァイカウント・ヒビキ」

 

「うわ、ヒビキ、何かスイッチ入っちゃってる」

 

セレナが一通りバトルシャトーを回って戻ってくると、ヒビキはヴァイカウント、ヴァイカウンテス達にも連戦連勝していた。

 

「くおんっ!!」

 

すると、リオルが強い輝きに包まれその姿を変える。

 

「えっ?もう進化!?」

 

リオルはルカリオへと進化し、ヒビキはもうアールへと陞爵を決めていた。

 

「素晴らしい才能の持ち主ですな、彼は」

 

そんなヒビキを見てイッコンもヒビキが自分に挑戦しに来る日はそう遠くないのではないかと期待する。その後もヒビキは日が暮れるまでバトルに明け暮れ、ルカリオの他にラルトスはキルリアに進化し、ヒビキのパーティーは大幅に強化される。

 

「セレナ、悪いがちょっとここ(バトルシャトー)で修行してくわ」

 

「私も付き合うわよ、ヒビキ。私だって強くなりたいんだもの」

 

こうしてヒビキとセレナのバトルシャトーでの修行が始まるのであった。

 

「・・・・私、何か余計なことしちゃった?」

 

そんな二人を見てビオラは少し後悔したとかしないとか。




という訳でヒビキとセレナはバトルシャトーに籠りますw
どうなる、ザクロ戦・・・・

実はゲームの方でもこの段階でマーキスまで上げてしまいました・・・・やべぇ、輝きの洞窟のフレア団が蹂躙される様子が目に浮かぶ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

バトルシャトー~コウジンタウン 色違いのポケモン

今回登場するポケモンは実際にヒビキとしてゲームプレイ中に発見したポケモンです。その2、3日前くらいにも別のセーブデータでとあるポケモンを見つけてます。そっちも何れ出す予定です。


あれから1週間ほどヒビキとセレナはバトルシャトーに通いつめ、それぞれマーキスとマーショネスへと登り詰めていた。その間に7番道路でバルビート、イルミーゼ、コアヒルー、ドーブル、グレッグル、ハネッコ、ペロッパフ、シュシュプを捕まえていたのだが、そこでヒビキは珍しいポケモンと遭遇していた。それは4日前のこと・・・・

 

「ん?オレンジの花のフラべべか」

 

フラべべは生息地によって花の色が違うポケモンで、オレンジ色と白色の花のフラべべは珍しい方ではあれど、それだけなら特別ヒビキの目を引くポケモンではなかったのだが・・・・

 

「んん?何かこのフラべべ、他と違うような・・・・」

 

気になったヒビキはポケモン図鑑のフラべべとそのフラべべを見比べてみる。

 

「目と下半身が蒼い?」

 

そう、通常のフラべべの目は黒色、下半身は緑色なのに対し、このフラべべの色は蒼色だったのだ。

 

「こいつ、特異個体(色違い)か!?」

 

色違いのポケモンはゲームでは1/4096という非常に低い確率で出現するポケモンで、その希少さは伝説ポケモン並みである。最近ではひかるおまもりとグローバルリンクによる国際孵化により1/683まで確率を上げることも出来るようになったが、それでも希少なことには変わり無い。そんな希少なポケモンの一匹がいた。

 

「~♪」

 

しかし、そのフラべべは戦闘を仕掛けてくるでも、慌てて逃げるのでもなく、ヒビキの周りをぐるぐると踊りながら回っている。

 

「何だ、こいつ?」

 

「もしかしてその子、ヒビキに遊んでほしいんじゃない?」

 

セレナがそう言うと、フラべべはうんうんと肯定するように頷き、「早く早く!」とヒビキの服の袖を引っ張る。

 

「そんな慌てなくても遊んでやるから」

 

「ふふっ、せっかちな子ね」

 

その後、フラべべはすっかりヒビキになついてしまい、ヒビキの手持ちに加わることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーキスとマーショネスに陞爵した二人の現在の手持ちは・・・・

 

ヒビキ

シャワーズ♀Lv.38

リザードン♂Lv.38

ゲッコウガ♂Lv.38

ルカリオ♂Lv.32

ヒトツキ♂Lv.30

フラエッテ♀Lv.22☆(橙の花の色違い)

 

セレナ

ブリガロン♂Lv.36

ニャオニクス♀Lv.34

ファイアロー♀Lv.35

サーナイト♀Lv34

マリルリ♀Lv.33

タブンネ♀Lv.33

 

パソコンに他にも控えのポケモンもいるが、こんなメンバー構成だ。またマーキスになりヒビキはビオラに再戦を挑まれ、その時はビオラのアメモースとビビヨンに加えバタフリーなどを加えていたが、再びノコッチで返り討ちにしていた。このせいかビオラはヒビキのノコッチが少しトラウマになりつつある。まあ、3匹とも虫・飛行タイプでノコッチの【げんしのちから】のいい餌食だったんだとか(しかも3回とも能力アップあり)。

 

「やり過ぎたな」

 

「そうね・・・・」

 

明らかに二人のポケモンのレベルはバッジ一つのトレーナーの持つものではない。それを聞いた多くの挑戦者達も絶句していたそうな。

 

「そろそろ次の町いくか」

 

このままではジム戦が舐めプになると懸念したヒビキとセレナはバトルシャトーを出て一度コボクタウンの地繋ぎの洞窟へと向かうことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地繋ぎの洞窟はコボクタウンとショウヨウシティ、コウジンタウンを繋ぐエの字状の洞窟だ。しかし、ショウヨウシティへ行く道には大きな岩と穴が道を塞いでおり、現在は工事中なんだとか(ザクロはおそらく個人のポケモンで【そらをとぶ】をしてきたのではないかた思われる)。そこで、ヒビキ達は遠回りになるがもう1つの入り口からコウジンタウンからショウヨウシティへと抜ける必要があった。

 

「ついでにこの洞窟のポケモンも捕まえるか」

 

「ここにはどんなポケモンが出るの?」

 

「ここは洞窟では定番のズバットにゴニョニョ、アサナンに珍しいのでいえばキバゴかな?」

 

「やっぱりポケモン図鑑要らずね」

 

ヒビキはあっさりキバゴを見つけてゲットし、残る3匹も捕まえ洞窟を抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地繋ぎの洞窟を抜けた二人はそのままコウジンタウンへ向かいながらフワンテ、タツベイ、ハブネーク、ザングース、コジョフー、マーイーカ、キャモメ、スバメを捕まえていた。そして途中とあるポケモンと遭遇した。そのポケモンは災いの前触れとも呼ばれていたアブソルというポケモンだった。

 

「アブソルだと!?」

 

アブソルは悪タイプのポケモンの中でも物理攻撃攻撃力がトップクラスのポケモンでホウエンの四天王の一人カゲツもエースとして起用しているポケモンだ。しかし、かつては災いの象徴とも呼ばれたこのポケモンは滅多に人前に姿を現さないことでも有名で、災いを報せに現れる事例から災いを呼ぶポケモンと長らく勘違いされてきた。

 

「こいつはゲットしなきゃな・・・・」

 

そう思ってヒビキが勝負を仕掛けようとするが、アブソルはヒビキ達に背を向け、コウジンタウンの方へと駆けていく。だが、アブソルは何故かヒビキ達が見えなくなる前に足を止め振り返る。

 

「ついてこいってことか?」

 

「みたいね」

 

二人がコウジンタウンまでアブソルを追うと、アブソルはコウジンタウンの東にある9番道路へと続くゲートの上で二人を待っていた。

 

「この先にあるのって確か・・・・」

 

「輝きの洞窟。そこで何かあったってことか」

 

二人はもしもに備えポケモンセンターで準備を整えると輝きの洞窟のある9番道路へ向かうのであった。




という訳で色違いポケモン登場です。
まさか、あんなとこで出るとは思わなかった・・・・

続いては化石の名所・輝きの洞窟です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

輝きの洞窟 VSフレア団

フレア団蹂躙戦です。

また、あのアブソルはカーキャさんの意見を参考に登場させてみました。実はアブソルは妹のエースでもあるポケモン。攻撃と素早さ極振りのメガアブソルは脅威だった・・・・


準備を終えた二人が9番道路へと通じるゲートへ向かうと、ゲートの近くにある化石研究所の所員達が何やら慌てていた。

 

「どうかしたんですか?」

 

例のアブソルの件もあり、ヒビキが所員の一人に訊ねると、輝きの洞窟に行った助手の一人がまだ戻ってきていないという。

 

(十中八九フレア団のイベントだよなぁ・・・・)

 

ゲームでのイベントを思い出しながらヒビキとセレナは助手の捜索を手伝うことを決め、9番道路へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9番道路

 

「この荒れた道は徒歩では無理ね」

 

9番道路はそのほとんどがゴツゴツとした岩場で歩いて渡ることは不可能な道である(なのに道路というのは変である)。そこで、輝きの洞窟まではサイホーンをレンタルして移動するのが一般である。

 

「私、サイホーンなんて乗ったことないわ」

 

「そこは俺に任せとけ。俺の母さんはサイホーンレーサーとしちゃあ有名だし、俺も物心ついた頃からサイホーンに乗って遊んでたんだ」

 

そうヒビキの母親であるサキはサイホーンレーサーでは知らぬ者はいない超の付く有名人。その息子たるヒビキがサイホーンに乗れぬ訳が無かった。

 

「そういえば、ヒビキはポケモンセンターで誰かに連絡してたみたいだったけど」

 

「ちょっと母さんにコイツを貸してもらおうと思ってな」

 

そう言ってヒビキがモンスターボールを投げると中から立派な角を持ち、左目に縦の傷を持つサイホーンが姿を現した。

 

「こ、このサイホーンって・・・・」

 

「そっ、母さんの相棒で俺はボスって呼んでる」

 

そのサイホーンはサイホーンレーサーとして名を馳せたサキの相棒にして、ヒビキにとっては生まれた頃からの付き合いで兄弟分と言えるポケモンだ。サイホーンもヒビキのことは生まれた頃から知っており、弟分のような存在だと思っている。そのため、普通は持ち主(親)以外の命令を聞かせるにはジムバッジがレベル相応必要なのだが、このコンビには不要だった。

 

「頼む、ボス」

 

サイホーン(ボス)の背中にレーサー等で使うシートを取り付けヒビキ達は輝きの洞窟へと向かう。途中、何度か野生のポケモンを見かけたが、サイホーン(ボス)が一睨みするだけで逃げていく。

 

「ヒビキ、このサイホーンってレベルいくつなの?」

 

「うーん、レース用に進化させてないからかなり高かったと思うが・・・・60代後半だったっけか、ボス」

 

ヒビキの言葉に無言で頷くサイホーン(ボス)。そりゃ、レベル3倍以上あったら野生ポケモン逃げますわ。一匹だけサイホーン(ボス)に挑んできたサイホーン(輝きの洞窟に生息していた個体)がいたが、あっさり返り討ちにされてヒビキにゲットされていた。そうこうしている間に輝きの洞窟が見えてきた。

 

「うわぁ、如何にも怪しい格好したのいるし」

 

「それに、その人達と対峙してるのって、あのアブソルじゃ・・・・」

 

その入り口付近で赤い髪を妙なヘアースタイルで決め、赤いサングラス、赤いスーツ、Fという文字のバックルのベルトを着けた不審者と対峙するあのアブソルがいた。

 

「こいつ、我々の邪魔をする気か?」

 

怪しい男達とアブソル。どちらに加勢するかと聞かれたらヒビキとセレナは迷わずアブソルに加勢するだろう。

 

「ボス、やっちまえ」

 

そして、ヒビキはサイホーン(ボス)に乗ったまま怪しい男達へと突撃する。

 

「う、うわぁ!?」

 

「な、何だこいつらは!?」

 

「お前達も我々の邪魔をする気か!」

 

「邪魔?お前らこそ通行の邪魔だ」

 

突っ込んできたヒビキ達を睨む怪しい男達だったが、ヒビキは全く動じてはいなかった。

 

「くっ、我々フレア団に刃向かったことを後悔させてやる!」

 

そう言うと怪しい男達改めフレア団の団員達は妙なポーズ(Fに見えなくもない)を取る。

 

「フレア団ねぇ・・・・知らない名前だ」

 

ヒビキはフレア団を完全におちょくっている。

 

「何なのよ、フレア団って」

 

「俺らフレア団は自分達がハッピーになるためなら他はどうなってもいいオシャレチームさ!」

 

セレナが訊ねると、団員の一人が待ってましたとばかりにそう言う。

 

「セレナ、こんなしたっぱに何言っても無駄だって・・・・こんな格好をオシャレとか言うような頭おかしい連中だぞ?」

 

「てめえ!さっきから言わせておけばいい気になりやがって!」

 

「俺らの恐ろしいさ、思い知らせてやる!」

 

「行け!デルビル!」

 

三人のフレア団員はデルビル、ズバット、ゴクリンを繰り出すが・・・・

 

「ボス、すまんが頼む。お前らも出てこい!」

 

対するヒビキが出したポケモンはサイホーン(ボス)にリザードン、そしてシャワーズの3匹。

 

「「「えっ?」」」

 

現れた明らかにデルビルを上回る3匹に団員達は思わず後退る。

 

「シャワーズ、【みずのはどう】。リザードン、【はじけるほのお】。ボス、【とっしん】」

 

3匹の技が炸裂し、フレア団のポケモンはあっという間に蹴散らされてしまう。

 

「つ、つえ・・・・」

 

「な、何なんだよこいつ」

 

「ひ、退くぞ!」

 

ポケモンがやられたしたっぱA、B、Cはすぐさま輝きの洞窟へと逃げて行った。

 

「口程にも無いな」

 

「私の出番はなかったわね」

 

フレア団を追い払うと例のアブソルは無言で輝きの洞窟へと向かう。

 

「なるほどね、あいつはフレア団をここから追い払いたいのか」

 

「助手さんも探さないといけないし、私達も行きましょうか、ヒビキ」

 

アブソルに続いて輝きの洞窟に入ると、今度はフレア団の男女が二人の前に立ち塞がる。

 

「お前らが泣く子も黙るオシャレチーム・フレア団に逆らうお子さまか?」

 

「化石を探す邪魔ね」

 

どうやらフレア団の目的は化石らしい。

 

「またしたっぱか・・・・セレナ、速攻で片付けらぞ」

 

「ええ、お子さまと侮ったことを後悔させてあげるわ」

 

フレア団の男女が繰り出してきたのはズルッグとグレッグルの二匹。

 

「フラエッテ!」

 

「ニャオニクス!」

 

対してヒビキとセレナが出したのは色違いのフラエッテにニャオニクスだ。

 

「フラエッテ、ズルッグに【ようせいのかぜ】!」

 

「ニャオニクス、グレッグルに【サイコショック】!」

 

レベル差もあってかヒビキ達のポケモンの技を食らったフレア団のポケモンは一撃で戦闘不能になる。

 

「う、嘘だろ!?」

 

「このお子さま、強い!」

 

「さて、お前らには色々吐いてもらおうか?」

 

「だ、誰がお前らなんかにーー」

 

その瞬間、フレア団のしたっぱ(男)の前を【かまいたち】が横切る。それを放ったのはあのアブソルだった。

 

「へぇー、お前さんはレベルの割にいい技覚えてんじゃん。で、どうする?」

 

「「ひ、ひぃ!」」

 

その後、アブソルの脅しもあってフレア団の目的が輝きの洞窟で出土するポケモンの化石を研究所の助手に復元させ、それを売って儲けようとしていたことが判明する。

 

「目的はほとんど一緒だったみたいだな、アブソル」

 

「ポケモンをそんなくだらないことに使おうだなんて許せないわ!」

 

話を聞きセレナはフレア団の行いに怒り心頭のようだ。そしてヒビキも少なからずフレア団の身勝手さに苛立っていた。

 

「セレナ、道中のフレア団は全員叩きのめすぞ」

 

「ええ、性根を叩き直してあげるわ!」

 

その後も道中のフレア団のしたっぱを片っ端から蹴散らしていき、輝きの洞窟内にいたフレア団を追い払った。本当は捕まえてしまいたかったが、子供二人にフレア団を捕らえておくことは出来ず、追い払うのが精一杯だったのだ。研究所の助手は化石に夢中でフレア団に気が付いておらず無事で、研究所で他の所員が心配していることを告げるとお礼に二人に見つけた化石を譲ってくれた。受け取った化石はヒビキが顎の化石、セレナが鰭の化石である。

 

「助手さんが無事で良かったわ」

 

「だな。バトルシャトーでの特訓のおかげか」

 

助手の無事を確認した二人は輝きの洞窟に生息するポケモンを捕まえたり、【いわくだき】で他の化石を探したりしてから輝きの洞窟を後にもするのだった。




フレア団が噛ませ犬にしかなってない・・・・レベル差考えれば普通なんですけどね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

輝きの洞窟~コウジンタウン 化石と原石

今回はフレア団(噛ませ犬)撃退後からのお話。

ちょっとオリジナル要素入れます。


フレア団撃退後、化石や変わった石などを色々手に入れホクホク顔で輝きの洞窟を出たヒビキとセレナ。そんな二人の前にあのアブソルが現れる。

 

「お前、まだいたのか?」

 

とっくに何処かへ行ってしまったと思っていたヒビキだったが、アブソルはヒビキ達のことを待っていたようだ。

 

「・・・・」

 

そして、アブソルはヒビキに向かって臨戦態勢を取る。

 

「えっ?」

 

その様子にセレナは驚くが、ヒビキは何となくアブソルの言いたいことがわかった。

 

「お前の用事は終わったから、今度は俺の番ってことか」

 

アブソルは無言で頷きヒビキの言葉を肯定する。

 

「ど、どういうことなの?」

 

「忘れたか?俺がこいつと逢った時に何をしようとしてたか」

 

「あっ・・・・」

 

ヒビキに言われてセレナも思い出す。最初、ヒビキはこのアブソルをどうしようとしていたかを。

 

「こいつはさっきの礼にバトルしてゲットする機会をくれたってことさ。なら、トレーナーである俺が取るべき行動はこれしかないだろ!」

 

そう言ってヒビキはシャワーズを出して応戦する。

 

「シャワーズ、【アクアリング】からの【とける】!」

 

対しアブソルは【つるぎのまい】と【かまいたち】を並行して展開しシャワーズに真空の刃を放つ。

 

「ちっ、【みずのはどう】から空かさず【オーロラビーム】!」

 

【かまいたち】は【みずのはどう】で相殺して追撃の【オーロラビーム】を放つが、アブソルは【かげぶんしん】でそれを回避する。

 

「あれを避けるとかお前本当に野生かよ!?」

 

口ではそう言うものの、ヒビキの顔はとても子供とは思えない獰猛な笑みを浮かべている。

 

「お前は俺が絶対ゲットしてやる!」

 

そんなヒビキにアブソルは「出来るものならやってみろ」と言わんばかりの笑みを浮かべる。

 

「いくぞ、相棒!」

 

その後もシャワーズとアブソルは一進一退の攻防を続け、二匹ともすっかり疲弊していた。だが、アブソルは負けじと【きりさく】を放つべくシャワーズへと接近する。

 

「シャワーズ、真下に【みずてっぽう】で跳んで【スピードスター】で迎撃!」

 

アブソルの【きりさく】を上に跳ぶことで回避したシャワーズがお返しにと【スピードスター】を放ちアブソルに直撃する。

 

「よし、今だ!いけ、モンスターボール!」

 

【スピードスター】の直撃でヘロヘロになったアブソルへヒビキはモンスターボールを全力投球する。

 

「!?」

 

モンスターボールの当たったアブソルは光となってモンスターボールへと吸い込まれていき、アブソルの入ったモンスターボールは外に出ようとするアブソルが暴れガタガタと震える。しかし、体力の限界に近かったアブソルはモンスターボールから出ることはなく、カチリと音がしてモンスターボールは静止する。

 

「・・・・よし!アブソル、ゲットだぜ」

 

「やったね、ヒビキ」

 

アブソルを仲間にしたヒビキ達は再びサイホーン(ボス)の背に乗りコウジンタウンへと帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「洞窟での件はすまなかったね。お詫びと言ってはなんだけど君達の持ってる化石をポケモンに復元してあげよう」

 

「では、僕達はこっちの石を鑑定してあげよう」

 

コウジンタウンに戻った二人は化石研究所を訪れていた。理由は例の助手に化石の復元をお願いするのと、輝きの洞窟で見つけた判別のできなかった石を鑑定してもらうためだ。

 

「「よろしくお願いします」」

 

という訳でヒビキは手に入れた化石や石をテーブルに出す。

 

「僕の渡した顎と鰭の化石の他に甲羅、貝、琥珀、爪、根子、頭蓋、盾、羽根、蓋・・・・現在確認されてるほとんどの化石があるじゃないか!?」

 

「あっ、その半分くらいは昔に知り合いが旅のお土産だってくれたものです」

 

「素晴らしい!この化石、写真を撮らせてもらっても?」

 

「構いませんよ」

 

この後、多数の化石に囲まれハッスルした助手によって化石のポケモン達はあっという間に復元された。

 

「ん?この石はもしや・・・・」

 

そんな中、石の鑑定を行っていた所員の一人があるものを見つけていた。

 

「君、この石は輝きの洞窟で見つけたのだよね?」

 

「ええ、その石は珍しいものなのですか?」

 

「ああ、これは【キーストーン】の原石さ」

 

「えっ?えぇええええー!?」

 

石の中にとんでもないものが混じっていたようだ。




遅くなりましたが、アブソル&化石ポケモンゲット。そしてヒビキが手に入れたのはとんでもないものでした。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コウジンタウン キーストーン

少し空きましたが、キーストーンのお話。
そして、ヒビキがマサラ人だと改めて思う出来事も・・・・


キーストーン。

ポケモンに更なる進化をもたらすメガストーンと対になっている石。それを加工し、メガリングやメガバングル等のメガアイテムにして使用される。

メガリングはゲームではコルニがジムリーダーをしているシャラシティにてコルニの祖父でメガシンカ親父ことコンコンブルから入手出来る物なのだが、ヒビキは偶然にもそのコアであるキーストーンの原石を採掘していた。

 

「君は本当に運がいいね。ここでも加工は出来るからメガアイテムを作れるよ」

 

「本当ですか!」

 

「ああ、君達には助手が世話になったからね。で、どんなアイテムにするんだい?」

 

メガアイテムは多種多様でリングやバングルなどの腕に装着するものからピアスやピン、キーホルダーやグローブなどまで存在する。ヒビキは最初はゲームと同じリングにしようかと思ったが、どうせならと別のアイテムにすることにし、所員にそのアイテムのデザインを伝えた。

 

「わかった。言われたように作っておくよ」

 

完成には一週間程かかるらしく(普通はもっとかかるのだろうが、ポケモンの世界の謎の科学力で一週間で済むらしい)、その間ヒビキ達はコウジンタウンのホテルに泊まることに。勿論、その一週間を無為に過ごさず、新たに捕まえたポケモンの育成をしたりして過ごしていた。

 

「おっ、クズモー。これで5種目!」

 

「こっちはまたラブカスよ」

 

この日は8番道路下の浜辺にやってきた二人は水辺のポケモンを捕まえるべく釣りをしていた。ここで釣れるのはラブカス、シェルダー、クズモー、ウデッポウ、ヒトデマンが主で稀にハリーセンが釣れる。また、【なみのり】で沖の方まで出れば毎度お馴染みのメノクラゲやホエルコとも遭遇出来る。二人が使っている釣竿はヒビキの物でボロのつりざおではない。なのでセレナが8回連続でラブカスを釣り上げているのはヒビキのせいではない。その後、ヒビキはハリーセンを釣り上げ、セレナもラブカス以外のポケモンを釣り上げることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

「くおんっ!」

 

翌日の早朝。その日もヒビキは浜辺に来ていたのだが、始めたのは釣りではなく、何とルカリオとの組手であった。これはルカリオがリオルだった頃からやっていたことで、ポケモンとしての技を使用しないで行う組み手である。それでも格闘タイプのポケモンとの組手など普通の人から見れば正気を疑うだろう。有名なところで言えばワンリキーなど大人百人を投げても平気で、100㎏はあるゴローンすら持ち上げる。そんな格闘タイプのポケモンと組手など正気ではない。では、何故ヒビキにそんなことが出来るのかというと・・・・

 

「昔、グリーンさんの師匠でジョウトのタンバシティのジムリーダー・シジマさんのとこで修行したことがあってな」

 

ワンリキーの進化系であるゴーリキーなどの手持ちのポケモンと組手をするのが日課というシジマ。グリーンはロケット団のようにポケモンバトル中の妨害をしてくるのに対する護身術と自身がシジマから教わった「トレーナーとして自分自身を研ぎ澄ます」ということを学ばせるために一年程ヒビキはシジマへと預けられ修行をしていたのだ。そこにマサラ人としての資質や前世での知識も加わりヒビキはワンリキーとくらいならやり合える実力を手にしてしまったのだ

 

「そこっ!」

 

「くおっ!?」

 

ちなみに優勢なのはヒビキの方で、少しでもルカリオが隙を見せると鋭い攻撃が飛んでくる。ルカリオは波導を感じる能力があり、それでヒビキの一撃を回避するも別方向から放たれたフックがルカリオの顔面を直撃する。

 

「ルカリオ、波導に頼り過ぎるなと教えたはずだ」

 

「くおんっ!」

 

ヒビキが行ったのは最初の一撃に気を集中させ、次の一撃を隠れるように別の攻撃を放つというものだ。これはルカリオのように波導(気)を感じられるものに対する技らしい。その後、組手を終えたヒビキはこれまでに捕まえたポケモン達を鍛え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一週間後。化石研究所を訪れると研究員がヒビキに完成したメガアイテムを手渡す。

 

「やあ、ヒビキ君。完成したよ、君のメガアイテム【メガフィスト】」

 

それはコルニが持つメガグローブに似た指抜きグローブのような拳甲型で右手の甲にキーストーンが嵌め込まれており、普段はカバーをスライドさせてキーストーンを収納しておける。しかもこのメガフィストはキーストーンの保護という面から武具としても使える強度を持つ逸品である。

 

「ありがとうございます。素晴らしい出来です」

 

「それは良かった」

 

「良かったわね、ヒビキ」

 

その出来にヒビキが満足していると、セレナにも思わぬサプライズが・・・・

 

「セレナ君にはこれを」

 

「えっ?これは・・・・」

 

そう言って研究員が取り出したのは紅いメガリングだった。

 

「実はヒビキ君達の発掘した化石の一部にもう1つキーストーンの原石があってね。せっかくだからもう1つ作ってみたのさ」

 

キーストーンは1つあれば全てのメガストーンに対応するらしいのでそのメガリングはセレナに、ということらしい。

 

「良かったな、セレナ」

 

「うん!」

 

こうしてメガフィストとメガリングを手に入れた二人はコウジンタウンを後にし、ザクロの待つショウヨウシティを目指し再び旅立つのであった。




という訳でヒビキとセレナはメガアイテムをGET。この世界はゲームとアニメとポケスペが混ざったような世界なのでグリーンはシジマに弟子入りしています。
マサラ人のスペックなら修行すれば格闘タイプともやれるはず・・・・シジマやからておうが出来るのだから出来るはずだ。

次はやっとショウヨウシティです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コウジンタウン~ショウヨウシティ

遅くなりましたが、やっと2つ目のジムのあるショウヨウシティです。


色々とお世話になった化石研究所を後にしたヒビキもセレナはコウジンタウンを出て8番道路の浜辺を歩いてショウヨウシティを目指していた。そして、日も暮れ始めた頃、二人はテントを張り夜営の準備をしていた。

 

「このペースなら明日にはショウヨウシティに着けそうだな」

 

「そうね・・・・ところでヒビキ。ジム戦、どうするの?」

 

そう、ここ数日の間ヒビキとセレナの二人はその事を悩んでいた。二人ともバトルシャトーでやり過ぎたせいか主力のポケモン達のレベルは30~40と所持バッジ一個とはとても思えないレベルに達している。対してジムリーダーはトレーナーのバッジ所持数で使う手持ちのポケモンのレベルを制限している。そして、バッジ一個のトレーナーに対して使われるポケモンの規定レベル20前後と明らかにレベル差が出来てしまっているのだ。

 

「主力使って圧倒するのはなんか違うし、かといって育成中のメンバー使って舐めプとかもやりたくもないしなぁ・・・・ザクロさんとはちゃんとバトルしたいし」

 

「そういえばバトルシャトーで声をかけてもらったって言ってたわね」

 

そのザクロが火を着けた結果がこの状況なのだが、ヒビキはなんとか納得のいくジム戦がしたい。

 

「あー、ここで悩んだって仕方ない!その辺はジムに行ってから考えよう」

 

結局、妙案は浮かばず翌日に備えて眠ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、ヒビキとセレナは無事に2番目のジムがある町ショウヨウシティへと辿り着いた。

 

「やっとショウヨウシティか」

 

ショウヨウシティはコウジンタウンと同じく海と崖に挟まれた町でその傾斜を利用した自転車のレースやロッククライミングが盛んな町だ。ジムリーダーのザクロもロッククライミングに魅せられた人の一人でジムの仕掛けにロッククライミングコースを作ってしまう程。なので挑戦者はそのロッククライミングコースを攻略しなければザクロに挑戦できないんだとか(身体的な事情があってロッククライミングができない挑戦者はエレベーターを使えるらしい)。

 

「で、妙案は浮かんだ?」

 

「全然だな。もういっそのことザクロさんに相談するか」

 

「それが無難ね」

 

「なら先に部屋取ってからジムに行ってみるか」

 

いつものようにホテルに部屋を取り、ザクロにジム戦の相談に向かおうとすると、ジムへ向かう途中で生意気そうな短パン小僧が二人の前に立ち塞がった。

 

「お前ら、ザクロさんに挑戦する気か?」

 

「だったら何だよ?」

 

「お前らみたいなのがザクロさんに挑戦するなんて10年早えんだよ!どうしてもってんならこのショウヨウジムジムトレーナーであるザニー様を倒してから行きやがれ!」

 

どうやらこの短パン小僧・ザニーはショウヨウジムのジムトレーナーのようだ。

 

「・・・・また変なのに絡まれたなぁ」

 

「相手してあげたら?どのみち彼を倒さないとジムに行けなさそうだし」

 

「はぁ・・・・かったるいが仕方ないな」

 

という訳でヒビキは短パン小僧のザニーと勝負することになった。

 

「使用ポケモンは2体の勝ち抜き方式だ!いけ!イシズマイ!」

 

「とっとと終わらせるか・・・・いけ、ルカリオ」

 

ザニーが出したポケモンは岩・虫タイプのイシズマイ。ヒビキはルカリオだ。

 

「イシズマイ!【かたく「ルカリオ、【グロウパンチ】」へ?」

 

ザニーは【かたくなる】で防御を上げてからの耐久戦を狙っていたが、ヒビキは先手必勝とばかりに【グロウパンチ】でイシズマイを瞬殺。ザニーのイシズマイはLv.15とルカリオとはレベル的にも2倍以上の差があり、例え【かたくなる】が決まっていても勝負にならなかっただろう。

 

「ぐぬぬ・・・・今のまぐれに決まってる!いけ!イワーク!」

 

ザニーが次に繰り出したのはイワーク。どうやらこのイワークが彼のエースなのだろう。Lv.20とこの辺りのトレーナーにしては強い方ではある。しかし、ヒビキのルカリオの現在のレベルはLv.40。しかもイワークは岩・地面タイプなので格闘・鋼タイプのルカリオとは相性が最悪であり、更に先程の【グロウパンチ】で能力アップしたルカリオは開始早々にイワークの下顎にアッパー気味に【グロウパンチ】を叩き込みイワークをも瞬殺する。

 

「う、嘘だ・・・・」

 

エースのイワークまで瞬殺され、ザニーは両膝を着く。今まで負けたことはあっても同年代の少年にワンキルニタテされたのは初めてらしく、信じられないものを見たかのようにヒビキを見上げる。

 

「相手の力量を見誤りましたか、ザニー」

 

そこへどこからか二人のバトルを見ていたザクロが姿を現した。

 

「ざ、ザクロさん・・・・」

 

「ザニー、彼らはバトルシャトーにてマーキスとマーショネスの爵位を持つ実力者です」

 

「なっ!?」

 

ザクロからヒビキとセレナの爵位を聞かされ、ザニーはようやく自分がどのような人物に喧嘩を売ったのかを知り驚愕する。

 

「そのルカリオはあの時のルカリオですね?あれから一段と力をつけたようですね」

 

「あはは・・・・お陰様で」

 

その後、未だに唖然としているザニーを放置してヒビキ達はザクロにジム戦の相談をする。

 

「なるほど、確かに今のバトルを見れば君達の危惧するところもわかります。ですが、わざわざ困難なジム戦に挑もうという君達は変わっていますね」

 

「あんまり楽な方へとやってたらいつか足元掬われそうで」

 

「良い心掛けです。では、特例として君達にはバッジ3つ持ちと同様のポケモンを使うことにしましょう」

 

「「ありがとうございます!」」

 

「ジム戦の難易度を上げてお礼を言われる日が来ようとは・・・・」

 

礼を言うヒビキ達を見てザクロは呆れつつも嬉しそうに新たな挑戦者をジムに招くのであった。




咬ませ犬トレーナーのザニー君、哀れ・・・・挑んだ相手が悪過ぎた。

次回はザクロ戦の予定。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ショウヨウジム VSザクロ

期間が空いてすいません。
先に書き始めたISの方を優先するのでこちらは1ヶ月に1、2回の更新になると思います。

さて、ザクロ戦ですが、ヒビキが本気モードで挑みます。


「本当にフリークライミング場なんだ、このジム・・・・」

 

ショウヨウジムに入ったヒビキとセレナの目に最初に飛び込んできたのはボルダリングという道具を使わずに岩場を登るスポーツの練習場にある人工岩場の壁だった。そして、その上にジム戦のリングが見える。

 

「では、私は上で待っていますね」

 

そう言うとザクロはすいすいと壁を登っていってしまう。

 

「・・・・いくら下がクッションだからって命綱無しかよ」

 

「流石はザクロさんね・・・・」

 

そんなザクロに呆れつつも感心する二人。

 

「さて、挑戦する順番だが・・・・」

 

「せっかくだし、先に登り切った方が先に挑戦することにしない?」

 

「ほう、マサラ出身の俺にこの手の勝負を挑むとはな」

 

「ヒビキ、経験あるの?」

 

「あるぞ・・・・昔、シジマ師匠にグリーンさんと一緒に崖登らされたからな」

 

顔色が悪くなっている事から何か嫌な思い出でもあったのだろうか?

 

「見た感じそこまでキツイコースでもないし、命綱もクッションもあるんだ・・・・命の危険は無いさ」

 

本当にヒビキに何があったのだろうか?ともかく、ヒビキとセレナのボルダリング勝負はヒビキの圧勝で終わり、ザクロへ先に挑戦する権利を得たのはヒビキだった。

 

「驚きましたよ、あの壁をこんなにあっさり登り切るなんて・・・・以前にも経験が?」

 

「シジマ師匠に色々やらされまして」

 

「シジマ・・・・タンバのシジマさんですか。彼なら納得です」

 

どうやらシジマの噂はカロスにも届いているようだ。

 

「バトルシャトーで出会った日から君達とバトルをするのを心待ちにしていましたよ」

 

「ジムリーダーにそう言ってもらえるとは光栄ですよ」

 

もうバトルが待ちきれないとばかりにヒビキは強者と戦えることへの喜びから獰猛な笑みを、ザクロは遠足を楽しみにしていた子供のような無邪気な笑みを浮かべている。

 

「ルールは3対3の勝ち抜き方式で途中交代は挑戦者のみ、持ち物は自由ですが、きずぐすり等の道具は使用不可です」

 

(3対3?内2匹はあいつらだろうけど・・・・持ち物は自由?まさか・・・・なら、最初はアイツでいくか)

 

ザクロの手持ち2匹は予想がつくが、3匹目に確証が無い。なのでヒビキは半ば賭けになると思いつつも最初に出すポケモンを決める。

 

「試合開始!」

 

「行きなさい、ガチゴラス!」

 

「やっぱり一番手はお前か、俺達も行くぞ!リザードン!」

 

岩・ドラゴンタイプのガチゴラスに対しヒビキが出したのはまさかのリザードンだった。

 

「あいつバッカじゃねぇの?岩タイプ使いのザクロさんにリザードンだなんて・・・・さっきのルカリオの方が勝機あったんじゃねぇか?」

 

「ヒビキが何の考えも無しにリザードンを出す訳無いでしょ?ヒビキ、早速アレ(・・)使う気ね」

 

リザードンは炎・飛行タイプで岩タイプの技は4倍のダメージを受ける。それなのにリザードンを出したヒビキをザニーが馬鹿にしたようにそう言うが、セレナはヒビキが何をするのか察していた。

 

「リザードンですか・・・・まさか、このジムでリザードンを出すトレーナーがいるとは思いませんでしたよ」

 

そう言うザクロもリザードンが身につけているある物を見て笑っている。しかし、それはザニーのように侮っているからではなく、セレナ同様にヒビキが何をするつもりなのか察したからだ。

 

「初っぱなから飛ばして行くぞ、リザードン!」

 

「グォオオオオオ!!」

 

メガフィストの保護カバーをスライドさせキーストーンを露出させるとヒビキはそれに触れる。すると、リザードンが光の殻に覆われいく。

 

「魂の底に眠りし力を目醒めさせ、顕現せよ!蒼炎を纏いし黒龍!!」

 

そして、光の殻は最後に一際強い光を放ちつつも砕け散る。

 

「メガシンカ!メガリザードンX!!」

 

そこから現れたのは蒼炎を吐く黒い肌のリザードン・メガリザードンX。そう、リザードンが身につけていたのはリザードナイトXが嵌め込まれた腕輪だったのだ。

 

「やはりメガシンカを会得していましたか・・・・ですが、私のガチゴラスをそう簡単に破れるとは思わないでください。ガチゴラス、【かみくだく】!」

 

ヒビキのメガシンカには驚かされるも、ザクロはジムリーダー。瞬時に冷静さを取り戻しガチゴラスに指示を出す。だが、これもヒビキの計算の内だった。

 

「リザードン、【ドラゴンテール】!」

 

「しまった!?」

 

ヒビキが指示したのはゲームでは後攻になる代わりにヒットした相手のポケモンを強制交代させるドラゴンタイプ技。それをリザードンはガチゴラスの下顎に下からすくい上げるように叩きつけ【かみくだく】をキャンセルさせる。更に【ドラゴンテール】の追加効果はポケモンの強制交代。ガチゴラスを強制的にボールに戻し別のポケモンを引きずり出す【ほえる】や【ふきとばし】に類似した技だ。それによって引きずり出されたザクロのポケモンは・・・・

 

「やっぱりお前か・・・・プテラ!」

 

それは化石ポケモン・プテラだった。何故ヒビキがこのポケモンを予想していたかというと単なる消去法だ。岩タイプでメガシンカ出来るポケモンはプテラ、バンギラス、ディアンシーの3種。そのうち幻・伝説級のディアンシーは除外、バンギラスも進化するのがレベル50代のため今回は使ってこないと考え、残ったのがプテラだった。更にプテラは様々なタイプの技を覚え汎用性が非常に高いポケモンなのだ。故に使ってくるならプテラだとヒビキは予想していた。ザクロの移動要員もこのプテラに違いない。

 

「メガリザードンXという段階で警戒しておくべきでしたね・・・・こうも早くプテラを引きずり出されるとは思いませんでしたよ」

 

そう呟きザクロはある物を取り出す。

 

「ヒビキ君ならばもうわかるでしょう?」

 

「やっぱり持ってんのかよ、メガアイテム・・・・」

 

それはハーケンの形をしたキーストーンの付いたブローチだった。

 

「カロスのジムリーダーともなれば奥の手の一つや二つ持っていて当然ですよ・・・・太古の力を呼び醒ませ、メガシンカ」

 

すると、プテラもリザードンの時と同様に光の殻に覆われ姿を変える。

 

「では、メガシンカ対決といきましょうか」




今回はここまで。
ジムリーダーなんだしメガアイテムくらい持ってるよね?ということでメガプテラにご登場いただきました。

一応、次回で決着予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ショウヨウジム メガリザードンXVSメガプテラ

随分と間が空いてしまい申し訳ありません。ようやくザクロ戦決着です。
あまりストックとかしてないので更新ペースがまちまちなのはご容赦下さい。


メガプテラ。ゲームのX・Yでは2番目に手に入るメガストーン・プテラナイトを使ってメガシンカしたポケモン。元のプテラもカントーではレッド・ワタルの新旧チャンピオンが使用したポケモンであり、化石の復元技術の進歩から実力者は割と持っているポケモンでもある。

 

「メガプテラか。ここは交代させるのがセオリーだが・・・・いけるか、リザードン?」

 

「グォ」

 

そうヒビキが問うと、リザードンは親指を立てて「やれる」とアピールする。

 

「ならいくぜ、"ブレイズ"」

 

「グォ?」

 

「お前のニックネームだよ。いい名前だろ?」

 

ニックネームとは各トレーナーがポケモンにつける呼び名だ。ヒビキは今までポケモンにニックネームをつけてこなかった。それ故にリザードンは突然つけられた"ブレイズ"というニックネームに驚きながらもそのニックネームに蒼い炎を燃え上がらせて喜びをあらわにする。

 

「ブレイズ、【ドラゴンクロー】!」

 

「メガプテラ、【ストーンエッジ】!」

 

【ドラゴンクロー】で接近するブレイズにザクロのメガプテラは【ストーンエッジ】で迎撃に出るがブレイズは全て【ドラゴンクロー】で切り払っていきメガプテラの懐に飛び込む。

 

「【ほのおのパンチ】!」

 

「【つばさでうつ】!」

 

蒼炎の拳と岩石の翼がぶつかり合い弾かれる。

 

「【アイアンテール】!」

 

「【はがねのつばさ】!」

 

「【シャドークロー】!」

 

「【こおりのキバ】!」

 

その戦いは激しい空中戦となり両者のHPを削っていく。

 

「やりますね、ヒビキ君」

 

「ザクロさんこそ流石はジムリーダーだ」

 

ブレイズとメガプテラは勿論、ヒビキとザクロもそれぞれのポケモンに指示を出すタイミングの読み合いで汗を滲ませている。

 

「ブレイズ、【ドラゴンダイブ】!」

 

「メガプテラ、そのまま組み付いて【こおりのキバ】です!」

 

ヒビキの隠し玉【ドラゴンダイブ】にザクロは【こおりのキバ】で応戦するが、それはヒビキにとって狙っていた展開だった。

 

「そいつを待ってたんだ!ブレイズ、【ちきゅうなげ】!」

 

「しまった!」

 

ブレイズはメガプテラに噛みつかれたまま【ドラゴンダイブ】の勢いを利用して上空へと飛び上がり何度か宙返りを繰り返して更に勢いをつけメガプテラを舞台へと叩きつける。その威力は凄まじく、叩きつけられたメガプテラはメガシンカが解け舞台にめり込んでしまっていた。

 

「プテラ、戦闘不能!リザードンの勝ち!」

 

「やられましたね・・・・そのリザードン、よく育てられていますよ」

 

「正直、ブレイズじゃなきゃ勝てた気しませんけどね」

 

プテラをボールに戻すザクロに合わせヒビキもブレイズをボールに戻す。勝利したものの結果的にはプテラとブレイズの相討ちに近い。プテラからブレイズが負ったダメージも大きかったようだ。

 

「ありがとな、ブレイズ。今は休んでくれ」

 

仕切り直してザクロが出したのは【ドラゴンテール】で退場させられてしまったガチゴラス。対してヒビキが繰り出したのはシャワーズだ。しかし、シャワーズは微妙にご機嫌斜めっぽい。

 

「シャワッ!」

 

「お前もニックネームが欲しいって?わかったわかった、このバトル終わったら考えてやっから!」

 

「シャワ!」

 

「本当だな!」と念を押しつつもシャワーズはやる気全開でガチゴラスを睨む。

 

「どうやらそのシャワーズが君の切り札のようですね?」

 

「ああ、コイツが俺のとっておきですよ、ザクロさん」

 

ザクロも一目見てヒビキのシャワーズがヒビキのエースポケモンだと見抜く。その言葉にシャワーズがちょっとだけ嬉しそうに尻尾を振っている。

 

「では、そのとっておきの力、見せてもらいましょうか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ブレイズの【ドラゴンテール】で疲弊していたガチゴラスをシャワーズは【れいとうビーム】で蹴散らし、続くアマルルガも【みずのはどう】で運悪く混乱したところをすかさず【アクアテール】で撃破した。尚、【アクアテール】はヒビキの指示ではなくシャワーズの独断、つまり早く自分のニックネームが欲しかったシャワーズがやらかしたのだ。しかもシャワーズは「ほめてほめて!」とじゃれついてきており叱りにくい。

 

「・・・・なんとも締まらないバトルになってしまいましたが、これがショウヨウジムの認定バッジ・ウォールバッジです」

 

「なんかすいません」

 

「いえいえ、良いバトルでしたよ、ヒビキ君」

 

こうしてヒビキは無事に二つ目のバッジ・ウォールバッジを手に入れたのだった。そして、続くセレナもブリガロンやカメックスの活躍でザクロを下しウォールバッジを手に入れた。

 

「君達二人ならばきっとポケモンリーグへの参加資格を得られると信じていますよ。そうだ、これも持っていくといい」

 

そう言うとザクロは技マシン39【がんせきふうじ】と秘伝マシン4【かいりき】を二人に手渡した。

 

「ありがとうございます、ザクロさん」

 

「大切に使わせていただきます」

 

二人はザクロに礼を告げると舞台脇のエレベーターで下へと降りていった。

 

「ザクロさん・・・・」

 

すると、二人のバトルを観戦していたザニーが近付いてきた。

 

「どうかしましたか、ザニー」

 

「俺、もっと強くなりたいです!」

 

(あの二人のバトルに触発されたようですね)

 

今までジムトレーナーという立場に甘んじていたザニーが強くなりたいと願い出てきた事にザクロは笑みを浮かべる。

 

「いいでしょう。明日から厳しくいきますよ?」

 

「はい!」

 

数年後、ザクロの元で研鑽を積んだザニーはヒビキ達のライバルとなり、更にザクロの後継者としてショウヨウジムのジムリーダー継ぐ事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジム戦を終え、ポケモンセンターでポケモン達を回復させたヒビキ達はホテルに戻りシャワーズのニックネームを考えていた。随分と悩んだ末にヒビキがつけたニックネームは・・・・

 

「さてと、お前(シャワーズ)のニックネームだが・・・・"シズク"なんてどうだ?」

 

「シャワ!」

 

シャワーズ改めてシズクもそのニックネームを気に入ったのか、ヒビキに飛びかかると嬉しそうに頬を舐め始める。

 

「ちょっ、くすぐったいって!」

 

「よっぽどそのニックネームが気に入ったのね。良かったわね、シズク」

 

「シャワ!」

 

「本当に嬉しそうね・・・・私も私のポケモンにニックネームをつけてみようかしら?」

 

それから二人は手持ちのポケモン達にねだられてそれぞれにニックネームをつける事になり、そのニックネームを考えるだけでその日の残りの時間を費やす事になるのであった。




メガプテラ以降は消化試合になってしまいました。
【ちきゅうなげ】はアニメのサトシのリザードンもよく使っていた技ですよね。なので今回のトドメに使わさせていただきました。

次は10番道路・メンヒルロードでのお話。またしても奴らが・・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10番道路~セキタイタウン フレア団再び

大変遅くなりました。

咬ませ犬・フレア団再びです。


ショウヨウジムを制したヒビキ達は翌日にはショウヨウシティを出て次の町セキタイタウンへ向かうべく10番道路通称・メンヒルロードをいつものようにポケモンをポケモン図鑑を埋めながら進んでいた。

 

「ブルーにルチャブル、エモンガにゴビットか」

 

「デルビルにラクライもいたわね」

 

そうやってポケモンを捕まえながら列石と呼ばれる並べられた石の間を進んでいると見覚えのある赤いスーツを着た男の姿があった。

 

「・・・・なぁ、セレナ。何か見覚えのある奴を見た気がするんだが」

 

「奇遇ね、私だわ」

 

すると、その赤いスーツの男もヒビキ達に気付いたらしく驚いた顔をする。

 

「お、お前達はカセキでカセキがカセキしたあの時の!?」

 

「やっぱりフレア団か・・・・」

 

そう、赤いスーツの男はフレア団のしたっぱ。しかも輝きの洞窟で遭遇したしたっぱのようだ。

 

「また面倒な奴に見つかったなぁ」

 

「ここで会ったが百年目!スマートにリベンジさせてもらうぜ!」

 

そう言ってバトルを仕掛けてくるフレア団のしたっぱはデルビルを繰り出してくる。

 

「面倒だしとっとと片付けるか・・・・いけ、"リオン"」

 

対するヒビキはルカリオのリオンで応戦する。

 

「リオン、【はどうだん】」

 

「クォン!」

 

バトルをさっさと終わらせたいヒビキは【はどうだん】を指示しデルビルを秒殺し、続けしたっぱの繰り出したゴルバットもザクロから貰った【がんせきふうじ】で倒され、したっぱのポケモンは何も出来ずに敗北してしまった。

 

「また負けちまった・・・・俺はスマートに崩れ落ちるぜ。ってか、お前強過ぎだろ」

 

その後、フレア団は「新しいミッションだ。スマートに逃げるぜ!」と去っていったが、辺りを見渡してみればまだフレア団とおぼしき赤いスーツの奴らがちらほら見つかる。

 

「このまま放っておきたいとこだが、どう見ても進路上にいるよな?」

 

「避けては通れそうに無いわね」

 

そこから列石を調べていた数人のフレア団員と戦い(ほとんど瞬殺)、そして石の町・セキタイタウンへと二人はやってきた。

 

「ヒビキ、あそこ!」

 

「町中にもいたか」

 

セレナの指差す方を見ると「セキタイタウンは石の町♪」と鼻唄を歌いながら歩いているフレア団員を発見する。

 

「追いかけてみましょう」

 

「ああ」

 

そのフレア団員を追っていくと、町の北東の方へと進んでいく。

 

「この先は行き止まりのはず何だけど・・・・」

 

タウンマップでフレア団員の行き先を見ていたセレナは首を傾げる。

 

「もしかしたらあいつらの秘密のアジトがあるのかもな・・・・」

 

ヒビキはその先にある古代遺跡を改造したフレア団のアジトがあるのを知ってはいるが、流石にフラダリ等の幹部クラスと渡り合える自信が無い為、タイミングを見計らってセレナを上手く誤魔化して戻ろうと思っていたのだが・・・・

 

「あっ!」

 

「誰だ!」

 

セレナが小石を蹴飛ばしてしまい、フレア団員に気付かれてしまう。

 

「お前達は・・・・報告にあった輝きの洞窟で俺達の邪魔をしたっていうお子様達だな!」

 

「ちっ、バレたか・・・・」

 

「ごめんなさい、ヒビキ」

 

バレてしまった為、どうしようかとヒビキが悩んでいると。

 

「いいか!俺達フレア団は10番道路の列石やとんでもないお宝を使ってハッピーになってやる!世の中、力を持つやつがスマートに勝利するのさ!つまり、今お前達の相手なんてしてられないのさ!」

 

「くっ!」

 

「きゃっ!?」

 

フレア団員はそう言って閃光玉を地面に投げつけヒビキ達の目を眩ませる。

 

「逃がしたか・・・・」

 

ヒビキ達の視力が回復した頃にはフレア団員の姿はもう無かった。

 

「あのサングラス、こういう時の為だったのね」

 

「いや、ただの格好付けだと思うが・・・・」

 

伊達にサングラスをしている訳ではないとセレナは感心するも、ヒビキはただの厨二ファッションが偶々噛み合っただけだと呆れている。

 

「とにかく見失ってしまった以上戻るか」

 

「そうね、一度ポケモンセンターに寄ってから今日の宿を取りましょう」

 

「明日は今日フレア団を追ってて捕まえそびれた10番道路のポケモンを捕まえねぇとな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ポケモンセンターでポケモンを回復させた二人はセキタイタウンのホテルで一泊することにした。

 

「それにしても、フレア団が言ってたとんでもないお宝って何だったのかしら?」

 

「俺の知る限り、あの手の組織が言うそういうのは大抵ろくなもんじゃねぇよ・・・・」

 

かつてレッド達に聞かされたロケット団等の悪の組織がやらかした出来事を知っており、そして原作知識という情報からフレア団が持つソレ(・・)を知るヒビキとしては出来れば関わりたく無いが、自分が主人公ポジションである以上関わらねばならず、放っておけば世界の存亡にすら関わる出来事だけに頭の痛い問題だった。

 

「はぁ・・・・俺は普通にポケモンと触れ合ったり、ポケモンバトルしたり、ポケモンの研究したいだけなんだがなぁ・・・・」

 

「本当にヒビキはポケモン馬鹿ね・・・・」

 

「それは俺にとっては褒め言葉だ」

 

「・・・・ところで10番道路にはどんなポケモンがいるの?」

 

ヒビキの返しにセレナはとりあえず話題を変える事で聞かなかった事にする。

 

「確か、ほとんどは今日見つけたが、シンボラー、ゴビット、デルビル、ラクライ、ルチャブル、エモンガ、ノズパス、ヤンヤンマ、それから・・・・イーブイがいたな」

 

「イーブイ!?」

 

セレナがイーブイと聞きヒビキに詰め寄る。

 

「イーブイがいるの!?」

 

「お、おう・・・・何か、えらく食いつくな」

 

「私もイーブイ欲しい!」

 

どうやらセレナはずっとヒビキが持っていたイーブイ(現シャワーズ)が羨ましかったらしい。

 

「わかったわかった!俺が何とか探してやるから落ち着け!」

 

「約束よ!」

 

探すのを手伝うと約束し、何とかセレナを落ち着かせるヒビキ。ただ、ヒビキもセレナの気持ちがわからない訳では無い。イーブイは他の地方では結構珍しいポケモンで、ゲームでは本編クリア後等の特殊な条件を満たさなければ野生のイーブイとは遭遇出来ない。その為、ゲーム中のイベント等で入手したイーブイをメタモン等を用いて卵増殖させる他に手が無かったのだ。しかし、このカロス地方では10番道路付近で野生のイーブイが複数存在し、イーブイの進化系統(通称ブイズ)好きにとっては序盤でイーブイが手に入ると歓喜したとかしないとか。

 

「まあ、俺もイーブイは捕まえておきたかったからな」

 

無論、ヒビキもブイズコンプの為にこの機会を逃す気はさらさらないのだが。

 

「シャワ!」

 

すると、ヒビキのモンスターボールからシズクが飛び出しヒビキにのしかかる。

 

「もしかしてシズク、他のイーブイに嫉妬してる?」

 

「シャワ!」

 

セレナの言葉を肯定するようにシズクは頷くとヒビキをそのまま押し倒す。

 

「安心しろって!俺のシャワーズ・相棒はお前だけだから!」

 

その後、他のブイズを集める為にイーブイを捕まえるのだと説明し、何とかシズクを宥めたヒビキ。そんなヒビキとシズクをセレナは微笑ましく眺めるのであった。




という訳で次は再び10番道路でポケモン探しです。
セレナは無事にイーブイを捕まえる事が出来るのか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。