ペルソナ4〜三人の救世主の新たな旅路〜 (ブレイヴ)
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ーーー序章ーーー
〜プロローグ〜


ペルソナ3の男主人公と女主人公とバトルスピリッツブレイヴのダンさんをペルソナ4に入れてみたらどういう風になるか作ってみました。


〜プロローグ〜

 

ーーー月周辺ーーー

 

「ん・・・・ここは?」

 

広がる宇宙の中・・・一人の青年が目を覚まし、辺りを見渡した。彼の名前は馬神弾と言い、二つの世界を救ったカードバトラーである。

 

「(宇宙なのか、ここは・・・でも息は出来る・・・と言う事は、宇宙に似た空間なのか?)」

 

ダンは、辺りを見渡しながらこの場所が何なのかを考える。

 

すると・・・・・・

 

「お目覚めでございますか?」

 

「ッ!?」

 

突然声がした為、ダンが振り向くと其処には・・・青の帽子に銀髪で青の服装を着ている女の人?が立っていた。

 

「・・・何者だ。」

 

ダンは、警戒しながらその女性に問う。

 

「フフフ・・・私の事を知りたければデュエルしろ!でございます。」

 

「・・・デュ、デュエル?」

 

女性の言葉に訳が分からず、首を傾げるダン。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

暫く、沈黙が続いた。

 

「何をやってるんですか・・・・姉上。」

 

すると・・・別の声が聞こえた為、ダンは声のした方を向くと其処には、女性と同じデザインの男性用の服装をしている男性が頭を抱えて呆れていた。

 

「いえ、この殿方にデュエルを挑もうとしまして・・・」

 

女性は、あっけらかんと答える。

 

「それは、遊○王です。」

 

男性は、そう言ってツッコミを入れる。

 

「では・・・シールド展開でございます!」

 

「それは、デュ○マです!」

 

「では・・・スタンドアップ・ヴァンガードでございます!」

 

「それは、ヴァ○ガードです!遊ばないで、真面目にやって下さい姉上‼︎」

 

「あら、そんなに怒ってどうなさったのですか?」

 

「誰の所為ですか!誰の!!」

 

二人のコント?に唖然とするダン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、ところで二人は一体誰何だ?」

 

コント?が終わったのかダンは取り敢えず、二人に誰なのか問うのだった。

 

「これはこれは、申し遅れました。私は、エリザベスと言います。どうぞ、よろしくお願い致します。こちらは、愚tコホン・・・私の弟の」

 

「テオドアと言います。どうぞ、よろしくお願い致します。あと、姉上・・・私の事を愚弟と言うつもりでしたか?」

 

「・・・・気のせいでございます。」

 

「何ですか、今の間は・・・・?」

 

テオドアと名乗った男は、エリザベスと名乗る女性にジト目で問う。

 

「俺は、馬神弾だ。」

 

ダンは二人に名前を名乗った。

 

「・・・・それで、あんた達は一体俺に何の用なんだ?」

 

取り敢えず、警戒はする必要がないと判断したダンは二人に聞いた。

 

「実は、貴方様にお願いがございまして・・・ここに呼んだ次第です。」

 

「俺にお願い?いや、ちょっと待ってくれ!俺は、確か引き金になって消滅した筈だ。存在する事何て出来ない筈だ。」

 

エリザベスの言葉を聞いて、ダンはそう言った。

 

「それは、簡単な事です。貴方様の身体は、私達が用意したモノですから。」

 

「何だって!?」

 

エリザベスの発言に驚くダン。

 

「魂は、貴方様が持っているカード達の力によって一時的に消滅を阻止した為・・・・存在していたので、ございます。」

 

「そうなのか・・・・ありがとう。」

 

ダンは、腰に着けているデッキケースに手を置きお礼を言った。

 

「・・・・二人も俺を助けた事には、感謝はしている。でも、どうして俺を呼んだんだ?」

 

ダンは、自分が呼ばれた事に疑問を持つ。

 

「貴方様の活躍は、こちらでも拝見させて頂きました。三つの世界を救った英雄にして、救世主・・・・【激突王】いえ、【ブレイヴ使い】とでもお呼びしれば宜しいでしょうか?」

 

「ッ!何故それを・・・・」

 

エリザベスの言葉に反応して、驚くダン。

 

「ふふふ、私達はこう見えて少々特別な力を持っていますので・・・・。」

 

エリザベスは、ダンにそう言った。

 

「特別な力?」

 

「はい、ですので・・・・貴方様の世界を見る事など、朝飯前でございます。」

 

「・・・・」

 

ダンは、エリザベスの言葉に唖然とする。

 

「では、貴方様を呼んだ理由についてお教えします。先ず一つ目、貴方様は三つの世界を救ったと言う功績がございます。二つ目・・・貴方様の実力は、とある二人と同じ可能性を秘めています。三つ目・・・最後に、この十二枚のカードを使う事が出来るのは貴方様以外いないと言う事です。」

 

そう言って、エリザベスは手を差し出すと十二枚のカードがあったのだった。

 

「それは、十二宮Xレア!?」

 

ダンは、驚きながらそう言う。

 

「貴方様がまだ魂だけの時に、一緒ございました。」

 

「・・・・」

 

ダンは、十二枚のカードを黙って見つめる。

 

「それにこのカード達は、貴方様を所持者として認めております。」

 

「・・・・・」

 

ダンは暫く考えた後、十二枚のカードを取るのだった。

 

「・・・・それで、俺は何をすればいいんだ?」

 

「お願いを聞いて下さるのですね?」

 

「あんた達には色々礼があるからな・・・・付き合うさ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「馬神様、ありがとうございます。」

 

エリザベスとテオドアは、ダンへ深々とお辞儀をした。

 

「それで、俺は何をすればいい?」

 

「貴方様には、ある二人を助けて欲しいのです。」

 

「ある二人・・・?」

 

ダンはそれを聞いて、首を傾げる。

 

「貴方様と同じく世界を救った者達で、ございます。」

 

「・・・・そうか。」

 

「宜しいでしょうか?」

 

「・・・ああ。」

 

「ありがとうございます・・・・では、参りましょう。」

 

エリザベスとテオドアの二人に案内されるダン。

 

ーーーENDーーー




プロローグは、これで終了です。次回からは、主人公達に出会います。そして、十二宮Xレアの内一枚が登場します。


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〜第1話「復活と出会い」〜

今日は、ペルソナ3の主人公二人を助ける話です。そして、十二宮Xレアのあのカードが登場します。

では、どうぞ!


ーーー第1話「復活と出会い」ーーー

 

「・・・・っと、言う事でございます。」

 

「・・・・俺のいた世界とは別に、そんな事があったとはな。」

 

とある場所へと向かっている最中にダンは、エリザベスとテオドアから色々と聞かされていた。

 

「(何だか、俺に似ているなその二人・・・・)」

 

ダンは話を聞いていく内に、その二人は自分と同じだと思うのだった。

 

「着きましたので、ございます。」

 

エリザベスがそう言うと、ダンは止まってその場所を見た。

 

「ッ!これが・・・・」

 

「はい、私達の二人のお客人が“大いなる封印”でニュクスを守っている門でございます。」

 

其処には、大きな門があって、守る様に二つ人型の像が門に埋まっていた。

 

「この二人が・・・・」

 

「はい、私達のお客人でございます。」

 

ダンは、二つの人型の像を見てそう呟くとエリザベスが答えた。

 

「・・・・」

 

ダンはそれを聞いて、黙って見つめた。

 

「それで・・・・俺は何をすればいい?」

 

ダンは、振り向いてエリザベスに聞く。

 

「貴方様の持つそのカードで、二人のお客人の魂をこちらの新たな肉体へと移して欲しいのです。」

 

「ッ!ちょっと待って、それだとニュクスが復活するんじゃないのか!?」

 

エリザベスの言葉にダンは、そう言った。

 

「いえ、ご心配には及びません。二人のお客人の代わりに私達が封印を務めさせて頂きます。」

 

「なっ!?」

 

テオドアの言葉に目を見開いて、驚くダン。

 

「ですので、貴方様が気になさる事ではございません。我々が納得し、得た“命の答え”なのですから・・・・。」

 

「ッ!」

 

エリザベスの言葉に黙ってしまうダン。

 

「・・・・それでも、俺はあんた達を放っては置けない。」

 

「・・・・お優しいのですね。」

 

ダンの言葉を聞いて微笑むテオドアとエリザベス。

 

「・・・・ですが、このままでは二人のお客人を救う事が出来なくなってしまいます。何かを救うには、何かを犠牲しなくてはなりません。」

 

エリザベスの言葉に俯くダンだったが・・・・

 

「・・・・それでも」

 

「「?」」

 

「それでも俺は!犠牲を出さないで、あんた達とあの二人を救ってみせる!!」

 

そう叫んで、デッキケースを開けて一枚のカードを取り出す。

 

「十二宮Xレアよ、牡羊座の力を此処に!生命と再生・・・二つを司る、大自然の守護神!白羊樹神セフィロ・アリエスを召喚!」

 

ダンがそう言うと、上に牡羊座の紋章が描かれ・・・その紋章からセフィロ・アリエスが緑色の光を纏いながら、ゆっくりと降り立つ。

 

「これは・・・・」

 

「まさに、神・・・・」

 

セフィロ・アリエスの姿を見て、テオドアとエリザベスがそう呟く。

 

「エリザベス!すぐに二人の身体を用意してくれ!」

 

「ッ!承知しました。」

 

ダンの言葉にエリザベスはハッとなり、本を開いてカードを掲げた。すると、カードは光そこから制服を着た男女が現れた。

 

「セフィロ・アリエス!」

 

ダンが、セフィロ・アリエスの名前を叫ぶと・・・セフィロ・アリエスは、緑色の光を放ち・・・門に埋まっている二つの人型像を包み込んだ。すると光は、二つの人型像と共に門から離れて男女の身体へと入っていった。

 

ーーーゴゴゴゴゴゴッ!!ーーー

 

すると、門がゆっくりと開き始めた。

 

「ッ!これは・・・・」

 

「馬神様!すぐにそこから離れて下さい!!姉上、やりまs「いけ!セフィロ・アリエス!!」馬神様!?」

 

テオドアはそう言いながらカードを持って、エリザベスを呼ぼうとするが・・・・ダンがセフィロ・アリエスに指示を出した事にテオドアが驚く。

 

そして、セフィロ・アリエスの体が光出し・・・・門が開いている隙間から強い緑色の光を照らした。余りに強い為、テオドアとエリザベスは目を瞑った。暫くその光が止み、セフィロ・アリエスは消えた。

 

暫くすると、門の中からマフラーを巻いた青年が出て来た。

 

「どうやら、成功したみたいだな。」

 

ダンはそう言って、青年に微笑む。

 

「まさか僕とニュクスを一つにするなんて・・・・君は、随分と規格外なんだね。」

 

青年はそう言って、苦笑する。

 

「俺はただ、カードを信じただけだよ。」

 

「それでもだよ・・・・新たな命として存在させるなんて、普通は考えないと思うけど?」

 

「ニュクスと一つにして、新たな命に!?」

 

青年の言葉にテオドアが驚いて、目を見開く。

 

「俺はただ・・・誰かが犠牲になって、世界を救うなんて見たくなかっただけだよ。それも、大切な者との別れ何て・・・悲しいだけだから・・・・。」

 

ダンはそう言って、寂しそうに笑う。

 

「・・・・・・君も、その二人と同じなんだね。」

 

青年は、ダンに聞こえないくらいの声で呟いた。

 

「それより・・・・・・そこの二人は、まだ目覚めないのか?」

 

ダンはそう言って、エリザベスとテオドアに問う。

 

「恐らく・・・・もうすぐだと、思われます。」

 

エリザベスが、そう言うと・・・・

 

「ん・・・・んん・・・・ここは?」

 

「ん・・・・あれ?」

 

すると・・・・制服を着た男女は少しだけ動いて、ゆっくりと目を開けて上半身を起こした。

 

「あ、おはよう〜〜〜湊くんに公子ちゃん!」

 

「なっ!綾時!?」

 

「えっ!?綾時君!!?」

 

青年が、二人に声を掛けると・・・二人は驚いた様に青年を擬視する。

 

「何で綾時が!?それに、何で僕と公子が生きてるんだ!!?」

 

「えっ、あっ、お、落ち着いて!」

 

制服を着た青年に両肩を掴まれ、揺さぶられるマフラーを巻いた青年。

 

「落ち着いて下さいませ、湊様。」

 

すると、エリザベスが青年の名前を呼んで止め様とする。

 

「エリザベス!?」

 

青年は、エリザベスがいた事に驚いていた。

 

「あっ!テオもいる!?」

 

少女もテオドアがいる事に驚く。

 

「お久しぶりです、公子様。」

 

テオドアは少女に微笑みながらそう言って、一礼した。

 

「あ、うん。久し振り・・・・って、違った。あ、あの!テオに聞きたい事があるんだけどいいかな?」

 

「そんなに焦らずとも、今からご説明しますから大丈夫ですよ。」

 

テオドアは、少女を落ち着かせる様に答えた。

 

「あ、うん。ごめん・・・。」

 

少女は、テオドアに謝る。

 

「ではまず、湊様と公子様が生きている事についてですが・・・・この方が、私達に力を貸して下さったのです。」

 

テオドアはそう言って、二人にダンを紹介する。

 

「・・・・彼が?」

 

青年はそう言って、ダンの方に視線を向ける同じ様に少女もダンへと視線を向ける。

 

「この方は、二つの世界・・・・いえ、異世界とこの方がいた世界・・・・そして、未来の危機を救った殿方なのです。」

 

「す、凄い・・・・。」

 

エリザベスの言葉を聞いて、少女はそう呟いた。

 

「俺としては、二人の方が凄いと思うが・・・・?」

 

ダンは逆に、二人に視線を向けてそう言った。

 

「ハハハ・・・・まあ、僕としては君も二人と同じだと思うんだけどね。」

 

マフラーを巻いた青年は、苦笑いしながらダンに言う。

 

「・・・・どういう事?」

 

少女は首を傾げながらテオドアに聞く。

 

「馬神様も、お二人の様に自らの命で世界を救ったのです。未来の世界で・・・・・」

 

「えっ!?」

 

「ッ!?」

 

テオドアの言葉に、二人は目を見開いて驚く。

 

「・・・・俺の事は、もういいだろう。それより、この後どうするつもりだ?俺は、元の世界に帰ればいいのか?」

 

ダンがそう言って、話を変えた。

 

「大変申し難い事なんですが・・・・馬神様は元の世界に帰る事は出来ません。」

 

エリザベスは、ダンにそう伝えた。

 

「・・・・どういう事だ?」

 

ダンは目を細め、エリザベスを見てそう言った。

 

「恐らく、引き金と言うものになった所為かと・・・元の世界に帰る事が出来なくなったと思われます。」

 

テオドアがそう言って、仮説を述べる。

 

「ッ!そうか・・・・。」

 

ダンはそれを聞いて、納得する。

 

「どうやら、心当たりがあるそうですね。」

 

エリザベスは、ダンに問うのだった。

 

「ああ・・・・引き金の膨大なエネルギーが、俺の中に残っている所為って、事だろう?」

 

「はい、その通りでございます。」

 

「・・・・元の世界には、帰れないか・・・・。」

 

「後悔していらっしゃるのですか?」

 

「後悔、か・・・・してないって言ったら、嘘になるかもな。」

 

ダンは、そう答えた。

 

「だけど・・・・弱音を吐くのは、もうやめた。後悔はしているけど、仲間やあの世界の人達が助かったなら・・・俺は、それで満足だよ。」

 

ダンは微笑みながらそう言った。

 

「・・・・左様でございますか。」

 

エリザベスは、ダンを見てそれ以上何も言わなかった。

 

「・・・・。」

 

「・・・・。」

 

湊も公子ダンの事を聞いて、どう声を掛けていいか迷っていた。

 

「何かすまない・・・・こんな話、聞きたくなかったよな?」

 

ダンは、制服を着た二人に申し訳なさそうに言う。

 

「あっ・・・う、ううん!気にしてないよ!?」

 

「・・・・僕も、気にしてないから。」

 

二人は気にしてないと、ダンに伝える。

 

「そうか・・・・あっ、そう言えば自己紹介まだだったよな?」

 

「あっ!確かに・・・・じゃあ、私から!私は、有里公子って言います!よろしくね?」

 

そう言って、元気良く少女が自己紹介をした。

 

「じゃあ、次は僕だね・・・・僕は、有里湊って言うんだ。あっ、公子とは名字は一緒だけど従兄妹だからね・・・よろしく。」

 

青年は、落ち着いた雰囲気で自己紹介をする。

 

「はい!は〜い!!次は、僕だね。僕は、望月綾時って言うんだ!よろしく〜」

 

マフラーを巻いた青年は、ニコニコしながら自己紹介をする。

 

「俺の名前は、馬神弾だ。よろしく・・・・。」

 

「では、自己紹介が終わったみたいですので、今後の事についてご説明させて頂きます。」

 

それぞれの自己紹介が、終わったと同時にエリザベスが話出した。

 

「では・・・・湊様と公子様には一度、ベルベットルームへとお越しになって頂きます。」

 

「・・・・ベルベットルーム?」

 

ダンは、エリザベスが言った単語について首を傾げた。

 

「ベルベットルームとは、夢と現実・・・精神と物質の間にある場所でございます。そして、私達はそのベルベットルームの住人であり、お二人と契約して手助けをしておりました。」

 

テオドアが、ダンに説明をする。

 

「手助け・・・・ペルソナとか言うやつか?」

 

ダンは、ここに来るまでにエリザベスとテオドアの説明を思い出して聞いた。

 

「その通りでございます。」

 

エリザベスは、ダンの言った事に頷く。

 

「うん、分かった!」

 

「了解。」

 

そう言って、公子と湊は頷いた。

 

「(俺は、この後どうすすればいい・・・・)」

 

ダンは、これからの事について考えていた。

 

「あ、あの〜エリザベスさん。」

 

公子が、小さく手を挙げてエリザベスを呼んだ。

 

「はい、何でございましょうか、公子様?」

 

「えっと・・・ば、馬神君もベルベットルームに行く事は出来ないのかな?」

 

「・・・・えっ?」

 

公子は、ダンも一緒に行く事が出来ないかとエリザベスに聞いた。それを聞いたダンは、公子がそう言った事に驚いていた。

 

「その事については、可能でございます。」

 

「良かった〜それじゃあ、行こうか馬神君。」

 

公子はそう言って、ダンに笑いかけた。

 

「あ、ああ・・・・」

 

「?どうしたの?」

 

ダンが呆気に捉えていた事に気付いた公子は、首を傾て聞いた。

 

「あ、いや・・・何でもない。」

 

「そう?」

 

「ああ。」

 

「ふふふ、それでは参りましょう・・・」

 

エリザベスがそう言うと、青い扉がいつの間にか現れた。

 

「いつの間に!?」

 

ダンは、突然扉が現れたのを見て驚くのだった。

 

「えっ!見えるの、馬神君!?」

 

公子は、ダンが青い扉が見える事に驚いていた。

 

「ああ、青い扉が目の前に・・・・まさか、あれがベルベットルームって奴の入り口なのか?」

 

「はい、その通りでございます。」

 

ダンの問いに答えるエリザベス。

 

「では、どうぞ中にお入り下さい。」

 

そう言って、扉を開けたらテオドアを先頭に湊、綾時、が入って行った。

 

「ほら、馬神君も行こう?」

 

そう言って、ダンの手を握る公子。

 

「あ、ああ・・・・。」

 

「レッツ、ゴー!」

 

公子に手を引かれ、ベルベットルームへ一緒に入るダン。

その後を続く様にエリザベスが中へと入って行くのだった。

 

ーーーENDーーー



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〜第2話「新たな旅路」〜


ーーーあらすじーーー
自分の命を引き換えに、世界を救った二人の救世主「有里湊」と「有里公子」を救い出したもう一人の救世主「馬神弾」だが・・・引き金の影響で、元の世界に帰る事が出来ない状態に陥った。そして、エリザベスが二人の今後についてベルベットルームへ話をする事になるが、ダンも一緒にベルベットルームに行く事になったのだった・・・・。


ーーー第2話「新たな旅路」ーーー

 

「・・・・それで?」

 

「え、えっと・・・あ、姉上?」

 

「・・・・。」

 

ベルベットルームに入ったエリザベス一行だったが、目の前にエリザベスとテオドアに似た雰囲気を漂わせている女性が居て、突然本でエリザベスとテオドアを殴った。そして、その女性の前で絶賛正座中のエリザベスとテオドア。余りの出来事で、湊や綾時そして公子とダンは唖然とその光景を見ていた。

 

「まさか、この様な事が起きるとは・・・私めも驚いております。」

 

突然、老人の声が聞こえ、ダン達は声のした方へと視線を向けると其処には・・・

 

「何はともあれ、久しいですな、湊様。そして、公子様・・・。」

 

ソファーに座っている長い鼻の老人・・・イゴールが、湊と公子を名を言って優しく微笑んだ。

 

「・・・・久しぶり、イゴール。」

 

「うん!久しぶり、イゴールさん。」

 

湊と公子の二人は、イゴールに会えた事に嬉しそうに微笑んだ。

 

「そして、ようこそベルベットルームへ・・・・貴方様には、自己紹介はまだでしたな・・・・私の名はイゴール、お初にお目に掛かります・・・・。」

 

「馬神弾だ。」

 

そして、イゴールは、ダンへと視線を移し自己紹介をする。ダンも、イゴールに自己紹介をするのだった。

 

「それにしても・・・・ふむ、貴方様も随分と変わった人生を歩んで来られましたな。」

 

イゴールはそう言って、ダンを見る。

 

「・・・・。」

 

イゴールの言葉を聞いたダンは、無言になる。

 

「ふむ・・・しかし、これは・・・・」

 

そして、イゴールはダンを見てそう呟いた。

 

「えっと・・・・・どうかたんですか、イゴールさん。」

 

公子は、イゴールの様子に首を傾げながら聞くのだった。

 

「いえ、この話は後に致しましょう。」

 

イゴールはそう言って、微笑むのだった。

 

暫くして、女性は、エリザベスとテオドアの説教を終えて此方に来た。

 

「あ、姉上。もう少し加減を・・・・」

 

「頭が割れそうで、ございます・・・・・。」

 

「それは、貴方達の自業自得でしょう・・・」

 

テオドアとエリザベスは、痛そうに頭を抱えそう言うと・・・女性は、呆れた口調でそう返した。

 

「っと・・・これはこれは、大変お見苦しいところを見せてしまい申し訳ございません。私の名は、マーガレットと言い・・・こちらのエリザベスとテオドアの姉でございます。どうぞ、よろしくお願い致します。」

 

女性・・・マーガレットは、ダン達の存在に気付くと自己紹介をするのだった。

 

「お久しぶりです、マーガレットさん。あの時は、お世話になりました!」

 

公子は笑顔でそう言うと、湊も軽く会釈をする。

 

「ふふふ、いいのよ。こちらもエリザベスとテオがお世話になったみたいだから・・・・。」

 

そう言って、マーガレットはダンの方を見た。

 

「特に貴方には、エリザベスとテオの手助けをしてくれた他に・・・妹達のお客人を救い出して下さったみたいね・・・ベルベットルームの住人として・・・1人の姉として、御礼を言うわ。ありがとうございます。」

 

そう言って、ダンに頭を下げて御礼を言う。

 

「・・・・・気にしないでくれ、俺が勝手にした事だからな。それに・・・・俺自身、2人に助けてもらった。お互い様だよ。」

 

ダンは、マーガレットにそう言った。

 

「それでも、私は貴方様に感謝したいのです。」

 

マーガレットはそう言って、ダンを見つめる。

 

「・・・・・分かった。受け取る事にするよ。」

 

「ふふふ、ありがとうございます。」

 

マーガレットは微笑むのだった。

 

「では、話も済んだ事ですし・・・そろそろ本題へと入らせて頂きます・・・・まず、湊様に公子様の今後について見てみましょう。」

 

イゴールはそう言って、机にタロットカードの束を出すと、タロットカードがを並べてた。

 

「では、一枚目・・・」

 

イゴールがそう言って、一枚目のカードを捲った。

 

ーーー「愚者」のアルカナ

 

「ふむ、どうやら新たな旅路の出発のようですな。さて、二枚目は・・・」

 

イゴールは、二枚目のカードを

 

ーーー「魔術師」のアルカナ

 

「そしてお二人は、次の向かう所で新たな出会いが待っているでしょう。最後に・・・・」

 

イゴールは、三枚目のカードを捲った。

 

ーーー「塔」のアルカナ

 

「ふむ・・・どうやらお二人は、また何らかの事件に巻き込まれるようですな・・・・。」

 

「あははは・・・。」

 

「・・・。」

 

イゴールの言葉を聞いて公子は苦笑いをし、湊は黙った。

 

「さて、これがお二人の新たな人生でございます。そして・・・私達は再びお二人の手助けをさせていただきます。ですので、お二人が持つ“契約の鍵”は、そのまま使用する事が出来ます。それから、引き続きエリザベスとテオドアが貴方様方のお力添えをさせていただきます。よろしいですな?」

 

「うん!全然OKだよ‼︎」

 

「・・・僕もそれで構わない。」

 

「では、頼みますぞ・・・エリザベス、テオドア。」

 

「はい、我が主・・・。」

 

「我々は全力で、お二人のお客人の手助けをさせていただきます。」

 

エリザベスとテオドアは、イゴールに頭を下げてそう言ったのだった。

 

「よろしく、エリザベス・・・テオ。」

 

「よろしくね、エリザベスさん!テオ!」

 

「はい、此方こそ愚弟共々・・・よろしくお願い致します。」

 

「姉上・・・はぁ、よろしくお願い致します。」

 

四人の方を向いたイゴールは、次にダンへと視線を向けた。

 

「さて、次は貴方様ですな・・・馬神様。」

 

「・・・頼む。」

 

ダンは、そう言って椅子に座った。

 

「では、一枚目・・・・」

 

そう言って、先程の様にタロットカードを並べて一枚目を捲った。

 

ーーー「愚者」のアルカナ

 

「ふむ・・・どうやら馬神様は、お二人と同じ場所で、新たな旅路の出発のよですな。」

 

「・・・そうか。」

 

イゴールの言葉を聞いてダンはそう答えた。

 

「では、二枚目・・・・」

 

イゴールは、二枚のカードを捲った。

 

ーーー「魔術師」のアルカナ

 

「この意味は、お二人と同じで、新たな出会いが待っていますな。」

 

イゴールは、二人と同じ事になっている事に内心驚きつつも平常心を保ってそう言った。

 

「・・・そうか。」

 

イゴールの言葉にそう答えたダン。

 

「では、最後に・・・・」

 

イゴールは、三枚目を捲った。

 

ーーー「塔」のアルカナ

 

「・・・どうやらお二人と同じで、事件に巻き込まれる事になりますな。」

 

「・・・・。」

 

まさかの展開に、沈黙するダン。

 

「ふむ、やはり・・・。」

 

タロットを見てイゴールは、そう呟いた。

 

「あ、あの・・・やはりって?」

 

イゴールの呟きに首を傾げる公子。

 

「どうやら馬神様には、お二人と似た力が宿っておりますな。」

 

「似た力って・・・・。」

 

「・・・まさか、ワイルド?」

 

イゴールの言葉を聞いて、公子と湊は目を見開いてダンの方へと視線を向けた。

 

「恐らくは・・・ですが、どうやら湊様と公子様のワイルドの力とは根本的に違う様ですな。」

 

「?どういう事?」

 

イゴールの言葉を聞いて、公子は首を傾げた。

 

「ではまず、馬神様・・・カードを一枚引いて見せて頂きたい。」

 

「・・・分かった。」

 

イゴールに言われて、ダンはカードを一枚引いて表にした。

 

ーーー「太陽」のアルカナ

 

「これは・・・」

 

「あらら・・・」

 

「なんと・・・」

 

「どういう事なんですかイゴールさん。」

 

それを見たマーガレット、エリザベス、テオドア、公子は驚き・・・公子は、イゴールに質問するのだった。

 

「ふむ・・・どうやら馬神様の場合は、太陽が愚者の代わりになっている様ですな。」

 

「・・・愚者の代わり?」

 

イゴールがそう言うと、湊が聞き返す。

 

「詳しい事は、私めも存じませんが・・・恐らく、馬神様が身に付けている物が関係しているかもしれませんな。」

 

そう言って、イゴールはダンの腰に付けているデッキケースへと目線を向けた。

 

「・・・俺のデッキが?」

 

ダンはデッキケースからデッキを取り出した。

 

「少々、拝見してもよろしいですかな?」

 

「ああ、構わない。」

 

ダンは、デッキをイゴールへと渡すのだった。

 

「失礼・・・・。」

 

イゴールは、デッキを受け取るとカードを一枚一枚目を通し始めた。

 

「・・・・ふむふむ、どのカードからも秘めた力をお持ちの様だ。そして、その中でも・・・・・」

 

イゴールは、二枚のカードをテーブルに置いた。

 

其処には、どちらも太陽を象徴とする龍の絵が、描かれていた。そのカードは・・・ダンが、未来の世界で最初にキーカードに選んだ「太陽龍ジーク・アポロドラゴン」とジーク・アポロの進化形態とも言われる、ダンのエースカードの「太陽神龍ライジング・アポロドラゴン」のカードだった。

 

「この二枚のカードが、貴方様の持つ・・・・力の正体の様ですな。」

 

イゴールは、ジーク・アポロとライジング・アポロを指しながらそう言った。

 

「さて・・・・馬神様、貴方様に提案がございます。」

 

「提案?」

 

イゴールの言葉を聞いて、ダンは首を傾げる。

 

「それは・・・貴方様の持つそのカードをペルソナに変える事です。」

 

「出来るのか!?」

 

イゴールの言った言葉にダンが驚く。

 

「可能でございます。」

 

「・・・・そうか。」

 

「さて、どうなされますかな?」

 

「・・・・頼む。」

 

「分かりました・・・では、始めましょう。」

 

イゴールはそう言って、ダンのデッキに手を翳した。すると、蒼色の淡い光がデッキを包み・・・・暫くして、光は止んだ。

 

「これが、貴方様の新たなる力です。」

 

そう言って、デッキをダンに渡した。ダンは、デッキを受け取りデッキケースにしまった。

 

「・・・・さて、貴方様方の向かう所はお二人が封印されて二年経った後の世界となっております。」

 

「それでは、ごきげんよう。」

 

そう言って、ダン達は光に包まれて消えるのだった。



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