リリカルマジカル頑張ります?(仮) (サクサクフェイはや幻想入り)
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プロローグ
プロローグ


ついに書いてしまった......
とりあえず言いたいことはたくさんあるが、本編どうぞ!


転生 そう聞いたらみんなは、何を思い浮かべるだろうか? ハーレムを作りたい、魔法が使いたい、物語のような主人公になりたい、正義の味方になりたい......etc、etc...... まぁいろいろなものになりたいだろう、前世とは違う日常を送りたいと。 長々語ったが、何故ワシ、いや私? 俺? まぁ一人称なんてどうでもいいか、俺がそんなことを言っているかというと、まぁ転生するからなんだよね

 

「〇〇〇〇さん、ようこそ死後の世界へ」

 

「・・・・・・まぁ、わかってたけどさ」

 

最後の記憶はベッドの上で、眠たくなったから寝たのだ。 それが目が覚めたらこんな真っ暗な空間に一人、誰でも気が付く

 

「私は女神エリスです」

 

「うん、知ってる。 このすば読んでたし、視聴したりしてたし」

 

まぁ、なん十年前の話か分からないけどね

 

「このすば? えっと、よくわからないんですけど......もしかして私のこと知ってたりするんですか?」

 

「そうだね、アニメ化とかしてたし」

 

過去の話だけど。 ほんとなん十年前の話だろうか、正確な月日は思い出せないけど。 俺がそう言うと、露骨にやってしまった、みたいな顔をして頭を抱えているエリス様。 このパターンはあれだな、ミスしたんだろうな、なんて冷静に考えていた。 しばらくすると、冷静になったのかこちらを向いた

 

「えっとですね、このすばでしたか? それはどんな物語なんでしょうか?」

 

「えーっと......まぁなん十年前の話だから、詳細には覚えてないけど大まかになら」

 

~少年説明中~

 

「こんな感じですかね」

 

「はい、ありがとうございました」

 

最早真っ白に燃え尽きているエリス様。 どうやら俺の語った物語は、どうやらそのままエリス様たちの冒険談だったようだ。 燃え尽きて真っ白になっているエリス様には悪いが、話を進めさせてもらう

 

「あの、話を進めてもらってもいいですか?」

 

「あっ、すみません! えっと、貴方にここに来てもらった理由なんですが...... とても運のいいことに、貴方は転生者になることになりました!」

 

後半がなんともやけくそ気味だったが、転生者? 転生者ってあのよく二次創作とかで活躍する? わけわからん

 

「えっと、あの....... 聞き間違いですかね、転生者って」

 

「聞き間違いじゃないんです...... いまいち意味が分からないと思いますので説明させていただきます」

 

~女神説明中~

 

説明を聞いて、痛くなった頭を押さえながら、エリス様に確認をする

 

「えっと、つまり? 魔王を倒したことにより暇になったアクアが、転生とか自動化でいいんじゃないと言ったあげく、自動化したらさらに暇になったので、面白いことはないかと考えたら、その転生者の中からピックアップした人たちを違う世界に送り込み、転生者として生活をさせてその様子を見るのはどうだろうかという企画書を作りそれを提出、承認されて今に至ると?」

 

「はい......」

 

ジーザス!! 神は死んだ!! いや死ねよ!! なんだよその適当な感じ、意味わかんねえんだけど! しかも企画通すとか馬鹿なんじゃねえのその上司!?

 

「それで選ばれたのが俺ってことですか?」

 

「いえ、貴方を選んだのは私です」

 

「また何で?」

 

ここにきてまさかのカミングアウト。 どうやら俺を選んだのはあの駄女神ではなく、エリス様だという。 この人の性格から考えて、こういうことに手は貸さない人だと思うのだが

 

「その上司、私の上司でもあるのですが、その人が先輩だけだと心配なので、私にも一人選ぶように言いまして......」

 

「いや心配ならその時点で企画通すなよ」

 

反射的に出たツッコミで、エリス様は身を小さくしてしまう。 いや別に、エリス様に言ったわけじゃないんですけど

 

「それがその......誠に勝手なことなんですけど、この頃神の流出が多くなってまして」

 

「はい?」

 

エリス様の説明をまとめると、どうも神は娯楽に飢える傾向にあるらしく、面白いことがないと退屈らしい。 んで、暇なら下界に行けばいいんじゃないかという神もいて、下界に行き人生を謳歌しているのだとか。 それなんてダンまち? と突っ込みそうになるのをぐっとこらえる。 そこで下界に行ってきたアクアがたてた企画だ、面白いことになるということで注目されているのだとか

 

「あー、上司が馬鹿なんじゃなくて、周りが馬鹿なんですね」

 

「恥ずかしながら......」

 

そう言って、余計に小さくなってしまうエリス様。 まぁ理由はわかったけど、正直言って意味不明この上ないのだが

 

「まぁいいや......それでどうして俺が選ばれたんですか?」

 

「特にこれと言って理由はないんです、膨大な資料を見て一枚抜いたのがあなただったので.......もしダメでしたら、断わってもらってもいいですし」

 

選ばれた理由がそんなだったとは、まぁ気にしないんだけど

 

「いえいいですが......ところで転生先は?」

 

「えっと.......魔法少女リリカルなのはの世界らしいです」

 

「あのリリ狩ルマジ狩ルな?」

 

「はい、リリカルマジカル......なんか字が違いませんか?」

 

「気のせいでは?」

 

サラッと流したつもりなのだが、エリス様はジト目で見てくる。 それにしてもリリなのか、お話(物理)の世界じゃないか。 一応アニメとかは見ていたけど、それこそこのすばと比較にならないくらい、なん十年前だよとか思う。

 

「・・・・・・・まぁいいです、その反応は知ってるってことでいいんですよね?」

 

「まぁさっきも言ったように大まかなあらすじなら。 でもこんな一般ピーポーが行っても、何もできずに終わるのでは? 原作介入できなければ普通に物語見てるのとおんなじですし」

 

これでも生前は少し頭はよかったが、運動は人並みだ。 武道の心得があるわけでもないので、戦闘民族TA☆KA☆MA☆TI☆に目をつけられたら、一瞬でデッドエンドまっしぐらだと思うし。いやそこまで見境ないと思ってはいないけど。 そんな俺の問いにエリス様はジト目をやめ、愁いを帯びた表情で説明を続けてくれる

 

「ふふふ......そこは先輩ですから抜かりはないです。 転生特典としてチートを付ける、ということは確定事項ですから」

 

「あー、それはまた......」

 

これはまた面倒な、だからエリス様はこんな表情をしてるわけか

 

「ところでチートって言っても一個なんでしょう?」

 

「ふふふ.......、好きなだけです」

 

「は?」

 

「好きなだけです......どうして、どうしてこんなのばっかり」

 

~女神愚痴り中~

 

主に自分の待遇や境遇についてだったが、結構な時間愚痴っていたと言っておこう。 いやマジ天界もブラック企業並みにひどいね

 

「すみません、こうやって誰かに聞いてもらうことってあまりないもので......」

 

苦笑して言うエリス様、まぁ仕方ないとは思いますけどね。

 

「気にしてませんよ? ため込むのは体に毒ですしね、俺でよければたまに聞きますから」

 

「ありがとうございますね」

 

いまだに苦笑しているエリス様、こういう人って確実に言わないからな、それとなく聞けるようにしておこう。 なんてたわいない会話をしていたのだが

 

「は! そう言えば転生の手続きしないと!」

 

「ああ、そう言えばそうでしたね」

 

「ところで特典のチートはどんなものにしましょうか?」

 

「リリなのは魔法の世界ですからね、魔力......というよりもリンカーコア、がないと話になりませんからね」

 

「そうですね、魔力量は無限にしますか?」

 

「どっちかというと成長型にしてほしいですね。 いきなり大きな力を持っても、扱いきれないなら宝の持ち腐れですし」

 

「わかりました、そのほかには何かありますか?」

 

「そのほかはですね......」

 

色々とエリス様と相談しながら内容を詰めていく、そして終わるころには

 

「「つ、疲れた......」」

 

決めることも多く結構疲れた、エリス様も疲れたようだが、何故か達成感に満ちていた

 

「それじゃあ、送りますね」

 

パチンとエリス様が指を鳴らすと、体が宙に浮く感じがする。どうやら転生が始まったようだ

 

「エリス様最後に質問いいですか?」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

不思議そうに首をかしげるエリス様

 

「俺って確かよぼよぼな爺さんで死んだのに、なんでこんな若返ってるんですか?」

 

「本当に今更ですね........」

 

俺は寿命で死んだので結構な歳で死んだのだが、どうやら二十代ぐらいに戻っているのだ。 それでエリス様の説明によると、どうやら俺の場合は、特例で若い姿で召喚されたらしい。 まぁ確かにジジイの姿であんな話してるとか、ゾットしかしない。 閃光に包まれ俺の意識は飛びそうになる

 

「それではエリス様、また!」

 

「はい、それでは」

 

俺の記憶はそこで途切れた 




この頃仕事でストレスがマッハなのよ、なので書いた! 反省も後悔もしていない!(キリッ
まぁもともと、リリなの自体は書いてたから書きやすいよね、この話でリリなの要素言葉だけだけど、そんなこんなで次話を待て!


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プロローグⅡ

書く気があるのはいいことなんだけど......ねぇ?

話は変わりますがローソン行ったら、映画の宣伝やってて思わず反応した

それでは本編どうぞ!


突然だが、おはよう? こんにちは? こんばんは? 挨拶はいいがどうも、俺は赤ん坊になってます

 

「ばぶぅ」

 

抱き上げられていいる感覚はあるのだが、親の顔が見えない。 てか、こんな時から自我があるとかきついのだが、これでも爺さんからの転生だ、それがこの年から転生とか何たる屈辱。 とりあえず寝ることしかやることがないので、寝ますお休み

 

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どうも俺だ。 そう言えば自己紹介がまだだったな、俺の名前は紅 魔狸男(クレナイ マリオ) だ....... はい、なんでこんな名前にしやがった! どうも親は、俺を産んで少しして亡くなったらしいので、この育ての親がつけたのだが、ホントどうしてこうなった...... そしてなぜか俺は、三才にもかかわらず勉強をしていた、しかも外国語、英語にあらず。 事の発端は、俺が英語の本を見ていたからなのだが。 いや、一応前世では英語の読み書き、喋ることも一応だができていたので、見ていただけなのだが。それが親に見られたいた、それで天才だなんだという話になり、今に至ると。 正直言って知識が増えるのはいいことなのだが、その金はどこからねん出されているのかが謎である、だって見るからに一般的な家庭だもの。 気にしたら負けということで、今は勉強しているが。 おっと休憩が終わりのようだ

 

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五歳になった

 

変わったことと言えば、家族が増えた。 正確に言うとインテリジェントデバイスなのだが。 誕生日に産みの親の遺品を貰ったのだが、なんとその中にあったのだ、俺としても意味が分からないのだが。 どうも話を聞くと、製作者が産みの親らしく、名前が付いていないとのことなので、名前をライトニング・カウントとしたらめっちゃ怒られた。 なのだが気に入ったようなのでライトニングと呼んでいる。 それとライトニングが来たおかげで魔法の訓練を始めるようになった、まず初めに念話から練習していたのだが、何故かエリス様と繋がった。 俺もエリス様も驚いていたが、ちょうどいいと思い魔法に関してアドバイスをもらっている。そして誕生日から数日、マルチタスクをしながら俺は街を歩いていた。 今はもっぱら、魔法についての応用に関して勉強していた。 基礎の方はエリス様とライトニングのおかげでほぼ終了し、実践もしているので問題ない。 作られてからかなり年数がたっているはずなのだが、ライトニングの知識は新しいものばかりらしい、エリス様に確認を取ったのだが最新のものだった。 それとなくライトニングに聞いてみたのだが、情報をどこかから引っ張り出しているようで、それってハッキングなんじゃと思ったが、世の中知らない方がいいこともあるのでスルー

 

『あ......』

 

『どうしたんですかエリス様?』

 

念話で話していたのだが、エリス様が何かに気付いたような声をあげる。 俺はその声が気になったので、エリス様に聞いてみる

 

『その近くに公園がありますよね』

 

『あー、確か小さい公園があったような?』

 

正直、ほぼ家に軟禁状態だったので、ここら辺の地理は疎いのだ。 言い方は悪いが、勉強ばっかりで外に出してもらえないし、なのでいい加減にムカついて、大学入試の問題を満点で叩きつけてやったら外に出ていい許しが出た。 勉強が大事なのはわかる、ただ何事にも限度があるのだ。 このくらいの子供が外で遊ばない方が問題だと思うし。話はそれたけど公園があるのは確かだ

 

『その公園にいる女の子に声をかけてもらえませんか?』

 

『それまたどうして?』

 

『それは......』

 

珍しく言いよどむエリス様、ちょうど公園についたので中を覗き込んでみると、一人の女の子がぽつんとブランコをこいで、いや乗っていた。 その表情は暗く、今にも泣きだしそうに見えた

 

『ふーむ、これはまた』

 

『あんな状態の女の子を放っておいていいのですか? マスター』

 

ライトニングが珍しくそんなことを言ってきた。 人を気にすることはあるが、本当に心配そうに言ってくる

 

『エリス様にも言われたしなぁ......お前も言うなら』

 

『そう言う前に足が彼女の方に動いてますよ、マスター』

 

『うっせ』

 

軽口を言ってきたライトニングを黙らせるために、ネックレスについた宝石を握る。 待機状態はネックレスなので人目につかなくて便利なのだ

 

「こんにちは」

 

「・・・・・・?」

 

ブランコの近くまで行き声をかけたのだが、何故か不思議そうな顔をされた

 

『え? なんか俺間違ったことした』

 

『同年代の子供、しかも男の子に、いきなり声を掛けられれば誰だって困惑しますよ』

 

『マジか』

 

いきなり出足から失敗したようだ、だがこんなことで挫けてはいられない

 

「あの、一人なの?」

 

そう聞くと、頷いてくれる。 ようやく反応らしい反応を示してくれたのは嬉しいが、会話が続かない。 こうなればどんどん話しかけていくしかない

 

「それなら一緒に遊ばない?砂場とかもあるし」

 

フルフルと首を横に振る女の子、思わずですよねーって声に出しそうになった。 まぁいきなり知らない男の子と遊ぶことはしないだろう。でも一応、反応は示してくれるのでめげずに話しかける

 

「えっと、それなら隣いいかな? 僕もブランコ乗りたいんだ」

 

『僕とか』

 

ライトニングがふくのを我慢していた、俺だって言いたかなかったよ! でもこの年で俺とか、どこのガキ大将だよ! そんな俺の胸の内の葛藤を知らないだろう少女は、少し迷いながらも頷いてくれる

 

「ありがとう」

 

お礼を言って座る、それだけでは暇なのでブランコをこぎ始める。 ブランコ特有のギイギイという音を聞きながら、これからどうしようと考えを巡らせる、結局、考えはまとまらないまま時間だけが過ぎていき、気が付けば夕暮れになっていた

 

「あ、僕帰らなくちゃ」

 

「・・・・・・・」

 

俺がブランコから降りると、女の子もブランコから降りる。 別れを切り出そうにも、空気が重い

 

「えっと、僕 紅 魔狸男っていうんだ」

 

「?」

 

首をかしげる女の子、確かにいきなりこんなこと言われても困る。 でも、少し喋ったのに名前も知らないのはおかしいと思うんだ、そんなわけで名前を聞いてみることにした

 

「名前、僕の名前。 君の名前は?」

 

「高町、なのは」

 

「なのはちゃんて呼んでいいかな?」

 

少し悩んで頷いてくれた

 

「なのはちゃんは毎日公園にいるの?」

 

これもこくりと頷く、なら

 

「そっか、じゃあまた明日ねなのはちゃん!」

 

そう言って公園を後にした。 帰る道中エリス様に念話をつなげる

 

『エリス様』

 

『なんでしょうか?』

 

『あの子だから俺に声をかけて欲しいって言ったんですか?』

 

高町なのは、聞いた時に思い出した。 リリなのの主人公の名前だ、転生前でなん十年、こっちに来て五年も経つ、もはや大まかな流れ以外、物語は忘れてしまっている

 

『そうじゃない、とは言い切れません。 でも、彼女は寂しそうでした』

 

『・・・・・・そうですか。 まぁ明日も公園に行くって言ったんで、行きます。 エリス様に頼まれたからじゃないですけど』

 

『男のツンデレは、一部以外に流行りませんよマスター』

 

『お前は少し黙ってろ』

 

イチイチ茶々を入れてくるライトニングを黙らせる

 

『あはは......』

 

 

 




色々とツッコミどころはあると思うが謝らない!(キリッ

さてさて、ここで簡単な主人公の紹介を

紅 魔狸男(クレナイ マリオ) 現在五歳

転生者で主人公。 何とも悪徳セールスみたいな感じで、転生することになった。もともとは、寿命で死んだので高齢なのだが、転生の間に呼ばれた際は20代の姿だった。産みの親は死亡しているが、普通に暮らしている。

インテリジェントデバイス ライトニングカウント

主人公の産みの親が作ったとされているが、詳細は不明。 だが主には忠実?

こんなところですかね、それでは感想評価お待ちしてます


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プロローグⅢ

このごろパソが調子悪すぎてワロエナイ
そんなことに負けずに書いてます! それでは本編どうぞ!

2018.6.11 誤字修正しました。 報告ありがとうございます


あれから数日、俺は公園に通った。 家から距離は近くもないし遠くもない距離、運動にはちょうどいいのだ。 進展という進展はないが、なのはと少し喋るようになった。 と言っても、俺が話しかけたらなのはが答える、その繰り返しだ、だったのだが、今日は違った。 公園につくとなのはちゃんはブランコに乗っていたのだが、なぜか泣いていた

 

「なのはちゃん!?」

 

「っ!?」

 

驚き急いで掛けよると、目元をごしごしぬぐってこちらを見る

 

「どうしたの! どこか痛いの!?」

 

「な、なんでもないよ」

 

「だって今泣いてたよ?」

 

「泣いてなんかないよ? 私は大丈夫だもん、大丈夫」

 

まるでその大丈夫は自分に言い聞かせているみたいで、俺の中で何かが切れた

 

「どこが大丈夫なんだよ......」

 

「え?」

 

「どこが大丈夫なんだよ!!」

 

「っ!?」

 

気が付けば大声を出していた、やってしまったと思うが、ここまで来て謝るわけにはいかない、うまく言える自信はないが、この胸の中にある言葉を吐き出す

 

「そんな顔で大丈夫なんて言われて、はいそうですかって言えるわけないだろ!」

 

「ほ、本当に大丈夫だもん!私は寂しくなんてないし、いい子にしてるもん!」

 

「寂しくない? 嘘つくな! 初日に会った時、今にも泣きそうな顔してブランコに乗ってたくせに、次の日、俺の顔見たら少しほっとしたような表情してただろ! それで寂しくないなんて嘘つくなよ!! いい子にしてる? わがまま言わないのがいい子にしてると思ったら大間違いだ!!」

 

「っ! 紅君になにがわかるの! 何も知らないくせに!! わかったようなこと言わないでよ!!」

 

「話聞こうとしてるのに、何も言わないのはお前だろうが! 俺に言えよ! 一人で抱え込むなよ!! 友達だろ?」

 

「とも、だち?」

 

「そうだよ、ここ何日か話してさ、て言っても俺が一方的にしゃべってただけだけど....... 楽しかったしさ、なのはちゃんはそうじゃないの?」

 

「・・・・・・」

 

長い沈黙が支配する、だが

 

「・・・・・・私、わたし、うわああああぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

なのはが俺に抱き着いてきた

 

「悲しいときは泣いていいし、わがままも言っていいんだ、まぁ限度があるけどな」

 

そう言いながら抱き返し、頭を撫でる。 なんていうかわれながら、歯に浮くようにセリフを言いまくってる自覚はあるが、あとで後悔することにしよう

 

「一人で抱え込むなよ? アドバイスできるかわからないけどさ、聞いてやるぐらいできるから」

 

「うわああああぁぁぁぁぁぁぁん、魔狸男君、魔狸男君!!」

 

しばらく俺たちはそのままでいた

 

-------------------------------

 

それからポツリポツリと家のことを話してくれた。 どうも彼女の家は、喫茶店を営んでいるようなのだが、お父さんが事故で倒れたらしく入院中、しかも間が悪いことに、喫茶店の方はオープンしてようやく軌道に乗ってきたところらしい。 兄と姉がいるらしいが二人とも店の手伝い、なのはは小さく手伝えないので家に一人で留守番が多いらしい。 わがまま言える状況じゃないのはわかっているが、これは。 しかもなのはは、そんな自分が嫌らしい。 あれだね子供が抱えるにはヘビーすぎでしょ、こんな問題。 俺は前世で無駄に年取ってるけど、てかこの子精神年齢高すぎでしょ、普通はこんな考えは出来ない

 

「まぁとりあえず言えることは」

 

「言えることは?」

 

「家族の人と話し合った方がいい、忙しいのはわかるし迷惑かけたくないのもわかるけど、話さなかったらいつまでも今のままだ」

 

「でも......」

 

「あー、もうじれったい!行くぞなのは!」

 

「ふぇっ!? 行くってどこに!」

 

「お前の家に!」

 

手を引っ張り、ずんずん歩いて行く。ちなみに俺の元の力は貧弱なので、魔法で強化してある、なんかだらしないよな。 なのはは後ろで何か言ってるが無視、少し歩くと喫茶店翠屋が見えてきた。扉の外から中を覗いてみると、ちょうどお客がいない時間帯なのか、客の数は少なかった

 

「ついたぞ」

 

「で、でも......」

 

連れてきたはいいが、踏ん切りがつかないらしい。まぁ、確かに無理やり連れてきたし、今まで聞けなかったこと聞けとか無理な話だけど

 

「一緒について行くから」

 

「本当に?」

 

「行こう」

 

そう言って店の中に入る。 ドアのベルが鳴り、店の中に入ると殺気が!? ええ、どうやら危惧していた事態になったようです。 戦闘民族TA☆KA☆MA☆TIの中でかなりの戦闘力である、なのはのお兄さんに目を付けられたみたいです。 怖いから視線を合わせないようにしてるけど、びんびんに届いてるし。 そう心の中で怯えていたが、話さないわけにもいかず、ちょうど接客に来たなのはのお母さんに話しかける

 

「いらっしゃいませ、なのはのお友達?」

 

「はい、初めまして、なのはちゃんのお友達の紅魔狸男です。 なのはちゃんが話しあるみたいなんですけどいいですか?」

 

「なのはが? なに、なのは?」

 

ちゃんと目線を合わせて喋ってくれるあたり、かなり優しい人のようだ。 俺がなのはが話があるというと、そっちに視線を合わせてる

 

「えと、その......」

 

不安なのか、無意識に俺の手を握ってくるなのは、俺は少しでも安心させようと、手を握る力を強くしたり弱めたりした、びっくりしたのか俺の顔を見るが、どうやら意図が伝わったらしく、決意をした目をしていた

 

「お母さん、あのね!」

 

それから俺は口をはさむわけでもなく、なのはの隣で事の成り行きを見守っていた。 結果はというと、どうも家族間であった小さなすれ違いは解消されたようだ。 なのはを抱きしめる、桃子さん、恭也さん、美由紀さんは泣いていて、なのはに謝っていた、なのはもなのはで、泣きながら抱擁していた。 一つ言いたい、すごく気まずい。 確かにけしかけたの俺だし、ついて行くとも言った、でもこの状況で手をつないだままっていうのは、すごく気まずい! 放してくれればいいのだが、器用に手をつないだままだ。 ホントどうしてこうなったのかなぁ...... 

 

------------------------------

 

しばらくすると、泣いて全員すっきりしたらしく笑顔になっていた。 対照的に俺は、最悪の気分だった。 すっきりしたということはだ、恭也さんが俺となのはが手をつないでいたことを思い出すということで、笑顔で俺に殺気を送っていた

 

「マリオ君だったかしら」

 

「あ、はい。 なんでしょうか?」

 

軽く現実逃避をしていると、桃子さんに声を掛けられる

 

「貴方のおかげで家族がバラバラにならずに済んだわ、ありがとう」

 

「いえ、そんなことは」

 

「ううん、私も恭也も美由紀も、なのはの状態には気が付いてあげられなかったから」

 

「本当に気にする必要はないんですけど......わかりました」

 

渋々とお礼を受け取る。 実際、原作開始の時には、ちゃんとした家族だったのでそんなことはないと思うが

 

「それじゃあこっちに来て」

 

そう言われて案内されたのは窓側の席で、桃子さんはすぐにどこかに行ってしまう

 

「マリオ君、今回はありがとう」

 

「はい......」

 

本当に感謝される覚えはないんだけどなぁ、実際話し合ってすれ違いをなくしただけなんだから。 そう言って接客に戻る美由紀さん、最後に残ったのは恭也さんなわけだが

 

「感謝する、ありがとう」

 

なんて頭を下げてくる、本当に恐縮なんだが、それと後殺気を何とかしてほしい。 そんなこと考えてたのがばれたのだろうか、去り際に

 

「なのはに手を出したら殺す」

 

なんて言われた。 背筋がぞっとするなんて話ではなく、あの人の場合マジでやりそうだから怖い

 

「どうしたのマリオ君?」

 

「いや......後名前あんまり好きじゃないんだけど」

 

「えー、いいと思うけどな魔狸男」

 

「やめてくれ」

 

魔狸男とか......しかも苗字が紅だ、完璧に思い出すのは配管工の赤いおっさんだ、キノコ食べてデカくなったり、残機が増えたりしないぞ俺は

 

「んー......じゃあマー君!」

 

「どういうこと?」

 

「マリオ君だから、マー君!」

 

なるほどね、愛称と。 まぁそれくらいなら?

 

「うん、改めてよろしくねなのはちゃん」

 

「なのは」

 

「うん?」

 

「なのはでいいよ!」

 

笑顔で、さあ早く呼んで! みたいな顔をされる。いやー、ここで呼んだら死亡確定でしょう、でも呼ばないわけにはいかないので

 

「なのは」

 

「うん!」

 

嬉しそうな顔をするなのは、まぁそれはいいんだけど、後ろから聞こえてくる呪詛の声と、止めようとする声は聞かなかったことにする

 

「はいお待たせー、ケーキよー」

 

「わー!!」

 

「おー!」

 

現金なもので、ケーキがきたら俺は、後ろの喧騒など忘れてしまっていた。あれだね、精神年齢は外見に引っ張られるね




まだまだ続くプロローグ。 て言っても短くても後二話、長ければ三話くらいだけどね
それでは感想、評価お待ちしてます!


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プロローグⅣ

前書き、いつも何かいていいか困る、そんなわけでプロローグも四話です。

それでは本編どうぞ


なのはが家族とすれ違いを解消した夜、俺は病院のとある一室に来ていた

 

『ここで、いいんだよな?』

 

『何度も確認したので、問題はありません』

 

流石に時間が時間なので、声を出さず念話でライトニングと会話をする

 

『すごい包帯だな』

 

『重症の患者ですからね、医師のコメントによれば、助かったのが奇跡だそうです。 私もカルテなどを見ましたが、確かにその通りでした』

 

『そんなにひどかったのか?』

 

『それはもう。 さて、あまり忍び込む時間が長くなるのも得策ではありません、要件を済ませてしまいましょう』

 

『そうだな』

 

念話を打ち切り、なのはのお父さん、つまり高町士郎に手をかざす

 

「ヒール」

 

出来る限り小声で唱え続ける。 俺がエリス様に要求したチートの一つ、このすばの世界の魔法だ。 なのだがこの世界の魔法とは仕組みやらが違うらしく、リンカーコアを使用しなくても使用できるらしい。 ただしかなり疲れる。 ライトニングも解析してはくれたのだが、成果はいまいちで、わかったのはこの世界の魔法とは仕組みが違うということだけ。 エリス様に聞いたのだが、簡潔に言うとエリス様が管理している世界とは違う世界なので、魔法の体型が違うのではないかということだった。 もちろんこの世界の魔法で治癒魔法も使えるが、今の俺の魔力ではコスパが悪いし、このぐらい深い傷は直せない、なのでこちらを使っている

 

「ライトニング、どうだ? ヒール」

 

「疲れるということを除けば、本当にコスパのいい魔法ですね。熟練度が上がってきてますので、傷の治りが早くなってきてますし、それに深いところの傷も早く治ってます」

 

「了解、ヒール」

 

汗をかきにながら必死にヒールを唱え続ける、そのかいあってかライトニング曰く感知したそうだ。 ただ傷を治すだけなので、血などは足りないままだそうだ。 だがそんなものは、この世界の魔法も一緒なのでどうしようもない

 

『お疲れ様でした、マスター』

 

『ライトニングもありがとうな、さて見回りが来る前に帰ろう』

 

非常にだるくなった体を引きずるように帰ろうと扉に手にかけると、うめき声のようなものが聞こえた

 

「うっ......そ、そこに誰かいるのかい?」

 

「・・・・・・」

 

視線を感じる、考えるまでもなく士郎さんだろう、それにしても、ライトニングの診断では、まだまだ目が覚めるのにかかるはずなのだが。 出ることも出来ずその場に立ち尽くす俺、士郎さんから感じる視線もそのままだ、だがその視線もだんだん弱くなってきた

 

「背的に......なのはなのか? いやでもあの子は.......いかん意識が」

 

「・・・・・・帰ったら、なのはのことを気にかけてあげてください」

 

「・・・・・・」

 

届いたかはわからないが、また気を失ったようだ。 俺は病室から出ることにした

 

------------------------------

 

『お前も鬼だよな』

 

『なにを言っているんですかマスター、継続は力なりですよ』

 

夜遅くに帰ったのにもかかわらず、いつもの時間にたたき起こされ、マルチタスクを使用し魔法の練習。それと並行して、少しづつ距離が増えてきたランニング、朝からハードなメニューだった。 そして俺は今、いつもの公園に向かっていた。だがいつもと違うのは、なのはがブランコではなく入り口に居て、何故かやけにキョロキョロしていたことだ。 不思議に思いながら近づいて行くと、俺を見つけたのか駆け寄ってくるが

 

「にゃっ!?」

 

「危ないよ、なのは」

 

「あ、ありがとう......///じゃなくて!」

 

顔を赤くしたり、興奮したり忙しいやつだな。 まるで昨日までの暗い表情が嘘のようだ、それにしても何もないところでこけるのはどうなんだ、あの戦闘民族の血を引いてるはずなのだが

 

「それで、どうしたの?」

 

「お父さんがね、目が覚めたみたいなの!」

 

当然知ってはいるが

 

「え!? 確かなのはのお父さんって、酷いけがで入院してるんじゃなかったっけ?」

 

「そうなんだけどね、今日の朝病院から電話があったみたいなの!」

 

「よかったね! でも何で僕に?」

 

「マー君も心配してくれたから、それよりも早く行こう!!」

 

昨日とは逆に手を引っ張られる、いきなりのことでつんのめりそうになるが、何とか耐え走り始める

 

「行くってどこに!?」

 

「病院!!」

 

いや行ってなにしろと? 思わず言いたくなった。 士郎さんからしたら俺は初対面なわけで、子供にお見舞いされても困惑されるんじゃないかと思うんだが、そう思ったがなのはの嬉しそうな顔を見たら何も言えなかった。 それからなのはの家に行き、タクシーで病院に向かう。 昨日は魔法使って走って帰ったが、タクシーだと早かった。 そこからはもう俺必要ないんじゃないかと思うくらい疎外感が酷かった、目の前で号泣しながら士郎さんに抱き着く桃子さん、その後に美由紀さんと恭也さんを抱きしめ、最後はなのは。 みんな涙を流していたが、俺は面識と言ったら昨日ぐらいしかないので困惑していた。 邪魔するのも悪いしということで、隅っこの方にいたのだが、感動の対面が終わると当然だが、俺の方に関心が向いた

 

「君は?」

 

「あの、初めまして。 紅魔狸男って言います。 なのはちゃんから話は聞いてたので、あの、退院おめでとうございます」

 

「初めましてか......うん、初めまして私は高町士郎だ。 桃子からさっき話は聞いたよ、どうやら迷惑をかけたみたいだね」

 

「い、いえ!僕が勝手に首を突っ込んだだけなので」

 

明らかに含みを持たせる士郎さん、もしかして昨日のことがばれているのだろうか。 だが本人が言わないなら、藪をつついて蛇を出す必要はない。というよりもまたその話かと思う、基本謙虚だよな戦闘とか絡まなきゃ。 デジャブを覚えながらそんなことを思っていた。

 

------------------------------

 

士郎さんが退院してから、一年くらいたったある日、俺となのはは、公園で同じくらいの歳の奴らに絡まれていた

 

「公園はみんなの物なんだから、砂場使わしてほしいんだけど」

 

「うっせえな! どんなふうに使おうが勝手だろ」

 

まぁ内容はよくあることだ。 三人くらいの子供が砂場を占拠してたので、他の子も使いたがっていると話したらこうなった。 他の子たちは、これを遠巻き見てるばかり、まぁ進んで助けたいと思うやつはいないだろう、それこそ正義の味方になりたいっていうやつがいない限り

 

「いや確かにそれはそうなんだけどさ」

 

最初俺はどうせ飽きてすぐにどくだろうと思ってたのだが、なのはがこれを見て何か言おうとしてたので、俺が言ったわけなのだが。 そのなのははというと俺の腕を掴んでいた、まあ確かに相手の方が背は少し高いし、たぶん怖いと思う。 おれ? 全然、所詮ガキだし

 

「大体なんだよお前、女となんか遊んで、恥ずかしくないのかよ?」

 

「はい? ちょっと何言ってるかよくわからないんだけど」

 

思わず素で聞き返してしまった、このぐらいの歳なら遊んでても問題なかろうに、もう少し、それこそ小学校低学年とかになると恥ずかしいかも、しれないけど

 

「なんだよその態度!!」

 

俺の受け答えが気に入らなかったのか、押してくる子供A、俺は人より貧弱なので、よろけるが倒れはしなかった

 

「やめて!マー君をいじめないで!」

 

と俺の前に出てしまうなのは、別にそれはいいのだが、その態度が余計に前の三人組を怒らせたようだ

 

「女が出てくんじゃねえよ!」

 

A横の奴がなのはを引っ張り、なのはがバランスを崩す

 

「なのは!」

 

急いでこけそうな方とは逆の方、つまり俺の方に引っ張ったのでこけずに済んだ

 

「大丈夫か?」

 

「う、うん。ありがとうマー君」

 

怖いのか目尻に涙がたまっていた、そんななのはを撫でて背中に隠す。 うーん、こんな短気じゃないんだけど、やっぱり精神が体に引きずられてるらしい

 

「おいお前ら、なにしてくれてんだよ」

 

「はあ! そっちが

 

「俺たちはただ譲ってくれって、言っただけだろ。 お前らろくに使ってもいないくせに、他の子が使おうとすると怒鳴ってただけじゃねえか」

 

「んな!?」

 

図星だから何も言えないのだろう、顔を真っ赤にして殴りかかってくる三人、後ろにはなのはがいるから、避けられないため殴られる。 痛い、痛いがじっと耐える

 

「マー君!」

 

「だい、じょうぶ」

 

殴り疲れたのか、こっちを見る三人。 俺はそれを睨む

 

「気は済んだか、ならとっとと消えろ!」

 

三人は負け犬がはくようなセリフを言って公園を後にした、そして俺はというと

 

「めっちゃ痛い」

 

「無茶しすぎだよマー君!!」

 

ベンチで水にぬらしたハンカチを当てながら、なのはに怒られていた

 

「別に無茶は」

 

「した! こんなにボロボロになって」

 

そう言って視線を落とすなのは、目には涙がたまっていた。 そんななのはの様子に俺は頭を掻く

 

「それ言ったら、元の原因はなのはなんだけど......」

 

「でも、あのまま放っては置けなかったし」

 

「別に悪いとは言ってない、俺もほっとけないから言ったし。 結果的にさ、みんなあそこで遊んでるみんなは、笑顔だからそれでいいんじゃない?」

 

「・・・・・・うん」

 

納得はしていないのだろうが、返事はしてくれた

 

------------------------------

 

所は変わってその日の夕方、俺は高町家の道場に来ていた。 用があったからともいえる

 

「やぁお待たせ、話って何かな」

 

「士郎さん、すみません突然」

 

そうこの人に用があったのだ。

 

「いや、いいけど、どうしたんだい」

 

「僕に......いや、俺に修行を付けてください」

 

「・・・・・・いきなりどういうことだい」

 

士郎さんの雰囲気が一変する、だがそれに恐れてはいれない。 俺は何故そう思ったのかを説明する。 今日のようなことがないために、熱心に

 

「事情は分かった、そう思うことも立派だ。 でもなぜ私なんだ?」

 

「深い理由はありません、近くにいたから、強いてあげるならそのくらいです」

 

「・・・・・・」

 

長い沈黙、俺は答えをじっと待った

 

「私は反対だ」

 

そうきっぱりと告げた士郎さん、続きがあるようなので口は挟まない

 

「強くなりたい、何かを守りたい、そう思うのはとても良いことだと思う。だがウチで扱う剣術は危険なものだ、気を抜けば相手の生命にかかわることもある、それを君はわかってるかい?」

 

「・・・・・・わかっている、なんて気軽に言うつもりはありません。 でも、力の扱い方を間違えれば、自分はおろか周りを巻き込むのはわかってるつもりです」

 

実際魔法の訓練をしているからわかるのだ、この力は危険だと。 今日もあの状況で頼りそうになった、魔力量も前よりは増え余裕ができてきている、実際あの三人を圧倒できる力は持っていた、だが使わなかった。 魔法を持っているならまだしも、持っていない三人にあれを使うのは危険すぎる、そう判断したからだ

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

無言で見つめあう俺と士郎さん、しばらく見つめあっていたが視線を外したのは士郎さんだった

 

「決心は固いようだね」

 

「はい」

 

「うん、じゃあ明日から来ると良いよ。待ってるから」

 

「いいん、ですか?」

 

少し信じられない、流石に断られると思っていたから

 

「そう言ってるじゃないか、君の目は本気だし、なにより、君は使い方を間違えない、そう思ったからね」

 

「士郎さん......ありがとうございます!」

 

結局その日は遅いということで、高町家に泊まりになった




すこし、というか長くなったけど、次回で終わらせためなり

感想評価お待ちしてます


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プロローグⅤ

ⅤだからってACとは関係ないよ! 今回でプロローグが終わり、ようやく無印に入ります。 まぁ映画と話し混ぜるのは決定してるんだけどねッ☆! そんなわけでプロローグ最終回、どうぞ!


次の日から俺は修行を開始した。 辛いなんて生易しいものじゃない、死ぬ。 前世でもそうだが、今まで生きてきた中で、こんなに死にそうな思いしたことない。 死ぬときは寿命だし、しかも前の世界でも健康体そのものだったしな! なんてやり場のない怒りをぶつけながら、がむしゃらに修行をこなしいて行く。休みの日はなのはと遊び、時間が余ったらなのはと遊び、なのはの応援を受けながらしごかれ。 ちなみになのはが応援に来ていると全体的に甘いが、なのはがいなくなると恭也さんから地獄のようなしごきを受けることになる。 実際美由紀さん何度も止めてたし。 さてここで、なんでなのは中心のに話が進んでいるかというと、俺は現在高町家に居候している。 正確には修行が終わるまでだが。 なぜかって? 俺の保護者、つまりは育ての親なのだが、許可したらしい。 まぁ、あの日以来そりが合わなくなってきてたから、丁度いいと言えばいいんだけど。俺の近況はそんな感じだ

 

------------------------------

 

そして月日は流れ、俺は来年から通う学校、私立聖祥大附属小学校から徒歩で帰宅している途中だ。 あの親、自分は車で来たくせに急用ができたって帰りやがった

 

『これって育児放棄になるんじゃね?』

 

『該当しそうなような、そうでもないような』

 

『家からは結構距離がありますね、通学はバスですか?』

 

『まぁそうなると思います、いくらなんでもこの距離通うとなると、結構早起きになりますから』

 

なんて世間話を念話でしながら帰る。だが、その途中で困っている子を見かけた。 足が不自由なのか車いすに乗ってるのはいいが、どうも段差から片方車輪が落ちてしまっていた。 周りの人は見てみぬふりをしているが、流石にこの状況

 

『助けないわけにいかないよなぁ......』

 

『普段マスターはなのは様をお人よし、なんて言ってますがマスターも大概だと思いますよ?』

 

『自覚はあるから言うんじゃないよ、この駄デバイス』

 

『駄!?』

 

地味にショックを受けているようだが、こっちだって心に傷を負ったんだ、これくらいの仕返しは許される、なんて自己弁護しながらその車いすの子に近づき

まずは傾きを直す

 

「ほえ?」

 

「ごめん、見てられなくて。 それよりもこれでどうにかできる?」

 

「ちょっと待ってな」

 

子供の力だ。 ハッキリ言おう、いくら軽いと言っても人一人乗ってて、しかもハンドル操作で動くし、バッテリーあるから重いのだ、それを支えてるんだいくらか余裕あるとはいえ魔法の補助もしていない、長くは持たない

 

「あかん駄目みたいや......」

 

「まぁそう言うことなら」

 

流石に安全を考えて魔法の補助を入れ、縁石の上まで戻す

 

「ほい」

 

「ありがとうな、ちょっとぶつけられてしもうて」

 

「大丈夫だったの?」

 

「この通りや」

 

そう胸を張るがいまいち反応しずらい、まぁこういう子は同情とかされたくないだろうし、普通に接しよう

 

「怪我とかはないみたいだね、それに車いすの方も何ともないみたいだし」

 

「・・・・・・」

 

普通に言ったはずなのだがポカンとされてしまう

 

『なんかまずった?』

 

『どうなんでしょうか?流石に私もこれは判断しかねますね......』

 

俺のつぶやきをエリス様が拾ってくれる、のはいいんだがまぁ確かにわからない、わからないので聞くことにした

 

「な、なんかまずいこと言った?」

 

そう恐る恐る聞くと、何故かクスッと笑われた

 

「ううん! 別に何でもあらへんよ? そだ、名前教えてくれへん?」

 

「う、うん。 僕は紅魔狸男」

 

「魔狸男かぁ.......面白い名前やね」

 

「本人にとっては面白くないけどね...... 君は?」

 

「はやて、八神はやてって言うんや」

 

「そっか、えーと」

 

「はやてでええよ?」

 

「それじゃあはやてちゃん、家どこ、このまま送るよ」

 

「マリオ君は優しいなぁ」

 

「茶化さないで、それでどこ?」

 

「・・・・・・迷惑やろ?」

 

車いすを押してるため表情は見えないが、声は少し暗くなる。 またかよ、この世界の子供闇抱えすぎじゃない? まぁ良いけどさ

 

「別にそんなことないよ?そんなこと気にするくらいなら、名前呼びのこと考えて欲しいんだけど」

 

「ふふっ、わかった。 ならまー君でどうやろか?」

 

「そうやって呼んでる幼なじみいるけど、まぁいっか」

 

「その話、詳しく!」

 

なんて元気が出たはやてと楽しく雑談していた

 

------------------------------

 

それからというもの後日はやてをなのはに紹介したのだが、何故かひと悶着あったが割愛する。 小学校に入学しても修行する日々は変わらず、相変わらず恭也さんにしごかれている、まぁこの頃ギアを一つ上げたのか、ぼこぼこにされる回数が増えた。 しかも美由紀さんも止めなくなってきてる。いや、正確には止める必要がなくなってきてるわけだが。 修行の空き時間は、なのはやはやてと遊んだりと、ふと考えたらかなりリア充じゃないかと。 そうそう、小学校入学と言えば、一つの出来事があった。 俺となのはは小学校に行っても、なのはは常に俺の近くにいた。 そこはいい、別になれたし、その時俺はトイレに行っていたのだが、何故か泣き声が聞こえたのでそちらに行ってみると、なのはと金髪の子が泣いていて、紫の髪の子がおろおろしていた現場に遭遇した。 かなり頭が痛かったのだが関わらないわけにいかず、紫の髪の子に状況説明を頼んだのだが。 それがきっかけで金髪の子、アリサバーニングスと月村すずかと仲良くなったのだ。 小さいころだからなのか、女の子だからなのかわからないが、すごいよね。 そしてもう一つ、猫を拾ったのだ。 その猫というのがリニスという名前で、魔法の関係者だった。 それもフェイト陣営の。 そんな小さなハプニング(?)はあったものの、俺たちは小学三年生になっていた

 

------------------------------

 

「今日転校生がくるみたいよ?」

 

「そうなの?」

 

「あー、なんか職員室騒がしかったらしいしね」

 

「本当?コウ君」

 

なぜかすずかは俺のことをコウ君と呼ぶ、まぁ簡単な話、俺が名前呼びを嫌うと、紅だからクレナイではなくベニとかのコウと呼ぶことにしたらしい。結構斬新だよね、そんなこと思いつかなかったし。 まぁコウと呼ばれるのも、気に入っているからいいんだけど、名前呼びはマジで勘弁

 

「うん、クラスの子も言ってたよ」

 

「どんな子が来るか聞いたの?」

 

「ううん、聞いてないよ。 アリサなら知ってるんじゃないの?」

 

「いや知らないわよ? 私を勝手に委員長にするのはやめなさいよね、魔狸男!」

 

「いや悪いとは思うけどさ、そっちで呼ぶのは勘弁してくれ」

 

「誠意が足りないわよ、紅」

 

なんて笑って許してくれるあたり、ツンデレだよな

 

「誰がツンデレよ」

 

「どうしたのアリサちゃん?」

 

「いや、言わなきゃいけないような気がして」

 

「「?」」

 

無駄に勘が鋭いやつである、てか基本俺の周りは勘が鋭い奴らばかりである

 

「はーい、座ってー」

 

先生がそう言うと散り散りになるクラスメイト、少しそわそわしているが、全然気にしない

 

「それじゃあ今日は、新しいお友達を紹介するねー! 入ってきてー」

 

先生がそう言うと教室に入ってくる転校生、騒がしくなる教室だが、俺は別の意味で冷や汗をかく。入ってきたのは金髪の少年、てかまんま子ギルだった

 

「・・・・・・」

 

自己紹介をしているが頭に内容が入ってこない、これ、いろんな意味でまずくない? そう思わずにはいられない。 

 

原作開始まで数日、物語は大きく動き始める




そんなわけでプロローグ最終話! やっとプロローグ終わり、そして無印へ

最後に出てきた転校生は、お分かりの通りあれです(笑)

それでは次のお話で、感想評価お待ちしております

追記:大事なところ入れ忘れていたので追記


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無印編
第一話 


ついに始まった第一話、これからもよろしく!


日課である魔法の訓練を終え一息つく

 

「ふぅ......」

 

『お疲れ様です、マスター』

 

「ライトニングもお疲れ」

 

縁台の上に置いておいたネックレス、ライトニングカウントに声をかける。 朝の日課も続けていれば力になるもので、ランクもA+、もう少しでAAになるらしい

 

「クレナイ君、そろそろ朝の鍛錬の時間じゃないですか?」

 

窓から顔を出したのはリニスさん、約一年前に道端で倒れていたのを拾い、治療して、使い魔の仮契約を交わしたのだ

 

「そろそろ出ないと、それじゃあ行ってきますね」

 

「はい、行ってらっしゃい!」

 

そのまま出してもらった鞄を掴み、なのはの家に向かう。 朝の鍛錬、ようはしごきだが、それは今でも続いている。 変わったことがあるとすれば、家から通うようになったことぐらいだ、リニスさん拾ったからね。 朝からハードなのだが、慣れとは恐ろしいもので、結局なのはが呼びに来るまで、俺は恭也さんたちと一緒に道場で、修行しているのだ。

 

------------------------------

 

今俺となのははバスに乗っている。 小学校に通うためだ、恭也さん曰く「たるんでる」らしいが、そもそも普通の小学生は、貴方たちの鍛錬にはついて行けません。 俺? そこらへんは諦めた

 

「それにしてもなのは、少し眠そうだな」

 

「ふえ? にゃはは、マー君にはかなわないね」

 

少し苦笑いをし、説明し始めようとしたところで、バスが止まったようだ

 

「おはよー」

 

「おはよー」

 

アリサとすずかが合流したようだ

 

「おはよー、アリサちゃん、すずかちゃん」

 

「おはよ」

 

挨拶をかわし、席に座るアリサとすずか。俺は俺で話の続きを促す

 

「それでどうしたのさ?」

 

「えっとね」

 

どうやら不思議な夢を見たらしい、なんでもどこかの民族衣装を着たような子が、黒い毛玉と戦っていたとか

 

「なのは、大丈夫?」

 

「アリサちゃん、可哀そうなものを見るような目で見ないでよー」

 

「夢なんだから、気にしなくてもいいと思うよなのはちゃん」

 

「でも不思議な夢だなー」

 

なんて会話しながら念話でライトニングに確認を取る

 

『ライトニング、話は聞いてたよな』

 

『はい、エリスが口を滑らせた内容と一致してます』

 

そうなのだ、前に俺とエリス様の会話を不思議に思ったライトニングが、それとなく鎌をかけてみたら、エリス様が原作の内容を口を滑らしてしまったのだ、俺は聞いてはいなかったが

 

『となると』

 

『はい、十中八九今日が原作の開始日になります』

 

そんな確認をしながら、俺はマルチタスクをしてなのはたちと会話をしていた

 

------------------------------

 

「「「「うあー......」」」」

 

俺達四人はいきなりだが屍になっていた、理由は簡単だ、少し前転校してきた、ギルティメッシュに絡まれているからだ。休み時間になるとなのはたちに絡みに行き、俺はそれを止めるために絡まれる。 しかもたちの悪いことに、容姿だけはいいのでなのはたちは女子から目をつけられる、同情的な女子もいるみたいだけど。 もし原作の通りなら、カリスマが魅了に変化してるんじゃないかと思って調べてみたら、案の定だった。 魅了と言っても、ライトニング曰く、軽いものらしい。 俺と仲のいい男子なんかは一緒に止めに入ってくれるが、大部分はめんどくさいらしくそのままだ。 だが男子全員から反感を買っているのは間違いない。 そんなわけで弁当を食べてはいるが、雰囲気は暗いままだ。 アリサも相当疲れたらしい。 ちなみにあいつは気絶させて、女子の群れに放り込んでおいたので来ることはないだろう

 

「まぁいつまでも暗いままじゃ、しょうがないわよね。 よし! 三人の将来の夢は?」

 

ほうを軽く叩いてアリサは切り替えたようで、今日の授業であった将来について聞いてきた

 

「私? わたしは.....」

 

すずかは機械系が強いので工業系の大学、アリサは親の会社を継ぐ気のようだ

 

「クレナイは?」

 

「僕? 僕はのんびりゆったりと暮らしたいかなぁ」

 

割と本心、前世は忙しく働いてたりもしたが

 

「おじさんみたいな感じだね......」

 

「あー、縁側で日向ぼっこしながら過ごすのはいいかも」

 

「ほんとにおじいさんそのものじゃないの!」

 

「ぬおー! 目にレモンがー!!」

 

何故かツッコミついでに投げられたレモンが目に当たり、目に痛みが走る

 

「だ、大丈夫コウ君!?」

 

すずかは心配そうにのぞき込んでくるが、心配ないと手を振り、なのはたちの方を指さす

 

「それよりもあっち止めて」

 

目からレモンをはがし、すずかちゃんにそういう。 アリサは俺のことに目をくれず、なのはの頬を引っ張っていたからだ

 

「あー、うん、わかった」

 

------------------------------

 

「ちょっとランニング行ってきます」

 

「気を付けて行ってくださいね」

 

リニスさんに声をかけ外に出る、もちろんライトニングは持っている

 

『フェレットを拾ったということは、夜だよな』

 

『そうですね、いえ、反応が出ました』

 

ライトニングがそういった瞬間、音が急速になくなってく

 

「結界か」

 

『発動点を確認しました、行きましょうマスター』

 

「了解」

 

ライトニングのナビゲートに従い、道を走る。 その途中で轟音が連続で聞こえた

 

「なんだ?」

 

『並の魔力ではありません、しかもかなりの数、何かが射出されてるのがここからでも確認できます』

 

そこまでわかるとは、本当に優秀なデバイスだ。 それはさておき、このままではらちが明かないので、屋根伝いにショートカットをすると

 

「ちぃ! ちょこまかちょこまか!」

 

案の定というか、馬鹿が宝具を射出していた。 ゲートオブバビロン、言わずと知れた英雄王ギルガメッシュが集めた宝の数々、その宝物庫だ。だが

 

「力に振り回されてるな」

 

『はい、陽動などを使ってから一気につぶせばいいものを、ただ射出しているだけですね』

 

ただ射出している、いうのは簡単だが結構な脅威のはずだ、はずなのだが、ジュエルシードには通用していない

 

「まぁ馬鹿はいい、結界はってあるし、民家は......ご愁傷様としかいいようないけど」

 

『なのは様の魔力......検出、どうやら彼から離れたところにいるみたいですね』

 

「見つけた」

 

屋根を降り、なのはに近づく

 

「なのは!」

 

「マー君! どうしたらいいんだろうあれ......」

 

なのはが呆然と呟く、まぁあの馬鹿のアレを見たらだれでもそう思うけど、そんなこと言ってはいられない

 

「とにかくあれをやめさせるには、あの黒い毛玉を止めるしかない」

 

「お話中のところすみません! あなたは?」

 

「フェレットが喋った!?」

 

お約束は忘れない、そもそも家にしゃべる猫居るし

 

「この子はユーノ君! メールしたフェレットの子!」

 

「メールは見たけど、喋るのは......」

 

「あなた方にお願いがあるんです! あれを封印するのを手伝ってください!」

 

「あれってどれ? なんか知らないうちに三つくらいに分かれてるけど」

 

「そんなはずは......ほんとだ!?」

 

おい責任者、驚いてどうする!

 

「と、ともかく! あれを全部封印するのに力を貸してほしいんです」

 

「力を貸すって言っても」

 

「何をすればいいの?」

 

「これを」

 

そう言ってユーノが渡したのは、首にかかっていた宝石をなのはに渡す

 

「これは?」

 

「それはデバイスと言って、魔法を使うための物です」

 

えらくはしょった説明だな、そうなると俺は

 

「俺はなのはに危険がないように気を引く、あとは任せたぞなのは!ユーノ!」

 

そう言ってなのはの制止も聞かずに、俺は飛び出していく

 

「お前は!」

 

「黙れこの下手糞!」

 

アイツが射出したであろう剣を持ち、思念体に切りかかる。 てかいいの使ってるなこれ

 

『これランク何?』

 

『すくなくともB級以上だと思われます』

 

『こんなのにB級とか.....』

 

よくやるわ。 触手を切り裂き、もう一匹いる方に蹴り上げる。こちらを警戒してか、二匹はその場で触手を繰り出してくる。 だが

 

「こんなの恭也さんと美由紀さんの方が早いよ」

 

難なくいなす。 ばれると厄介なので、魔法のブーストは最小限にしてあるもう一匹を探すが近くには見当たらず、しかも

 

「っ!? たく、よ!」

 

バビロンの狙いは俺も入ってたりするので、かわしながらの攻撃となる。まぁもう一匹は、離れたところから轟音が聞こえるから、まだ大丈夫そうだ。 そんなことを考えていると、まばゆいピンク色の閃光が、そしてその閃光が晴れると

 

「ふぇぇぇぇぇぇぇ!!??」

 

なのはがレイジングハートを持ちながら、バリアジャケットを展開し、空を飛んでいた

 

「いいよなぁ......最初から空飛べて」

 

『マスター、かなり訓練しましたからね。 それでもいまだぎこちないですが』

 

「うっせ......」

 

 




ちょこちょこ駆け足気味になったけど、一話でした。 それとタイトルは思いつき次第、書きます、別にこれがいいんじゃないかって意見だしてくれてもいいですよ(チラッ

それにしても第一期、記憶あやふやだわ、映画と一緒にいつか見直そう

さてそれでは感想評価お待ちしてます


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第二話

そういえば主人公のチート説明してなかったでおじゃる

・このすばのスキルおよび全魔法の習得

・リンカーコア付与、これに伴い魔力を修行であげて行けるようにする力

今のところこんな感じかな、思い出したら、また何か書き足しときます

それでは本編どうぞ!


「さてと、俺も仕事を果たしますかね」

 

『マスター』

 

「もうちょい魔力くれ、突っ込むには心もとない」

 

『了解しました』

 

魔力を少し開放し、射出された武器をかいくぐりながら思念体に接近をする。 言うのは簡単だが、実際はかなり難しい、だが馬鹿に任せといては被害が拡大する

 

「っ!」

 

直撃で即死の物だけ持っている剣で弾き、あとは無視する、少し切れる感覚はあるが、深いものではないので気にせずに突っ込む。 足場の建物倒壊、次の建物を探し少しづつ思念体に近づく

 

「ちぃ!いい加減、落ちろ!!!」

 

「マー君!」

 

バカデカい剣を数本まとめて射出してきたようで、影が落ちる、だがこれは幸いだ、どうやってバインドなどを使わずに、あいつらの動きを止めるか迷っていたが、これなら地面に縫い付けて行動不能にするのは可能だろう

 

『だが、少しのミスが命取り』

 

『タイミングはこちらで言いましょうか、マスター?』

 

『いや、いい』

 

一列目の剣の間を抜け、間髪入れずに二列目の剣が迫る、一列目が地面に刺さりきると同時に持ち手を蹴り、二列目のわずかな隙間に身を押し込む、三、四、五と避け切り、なのはに合図を飛ばす

 

「なのは!封印だ!」

 

「っ!」

 

ハッとした表情になり、頷いてくれる。 まったく頼りになる幼なじみだこと。直後、ピンク色の閃光が、地面に縫い付けられたジュエルシード包み込む、光が晴れたそこには、三つの宝石のようなものが転がっていた

 

「これで封印完了か」

 

「マーくーん!!」

 

「なのはお疲れ......うっひ!!?」

 

なのはが飛んできたのはいいのだが、そのままの力で突っ込んできたのだ、後ろには消えかけの剣、ということはだ、衝撃を殺すことも出来ずに、俺はなのはを受け止めることになるわけで、そのせいで変な声が出た

 

「無理しないで!!」

 

「な、なのは、心配なのはわかるが、そのままの威力で突っ込んでくるな......」

 

戦闘時よりも息絶え絶えになりながらなのはに何とか伝えたのだが、当の本人は怒っているらしく聞く耳持たない。俺が息を整えてる間に何か言ってるが、それどころではない

 

「えっと、とりあえずここを離れよう」

 

俺が息を整え終えたころを見計らって、ユーノが声をかけた来た。 助かったユーノ

 

「ふぇ?」

 

「流石にこの惨状だしな」

 

地面を指さし、ついでに周りを見る。 穴ぼこの空いた道路、所々倒壊した家屋......はっきり言って地獄絵図だ

 

「うん」

 

なのはも理解したのだろう、俺たちは一目散に逃げた。 馬鹿? ああ、なのはに轢かれてどっか飛んでった

 

------------------------------

 

「本当に魔法使わなくても大丈夫かい?」

 

「平気、平気。 俺傷の治り早いから」

 

「むー......」

 

ユーノにそう言うと、なのはは納得していないのか唸っていたが、過去の例があるので強くは言ってこなかった

 

「ところでなんでなのはがあんなところに?」

 

「えっと、それなんだけどね」

 

どうも朝の夢で聞こえた声がユーノだったらしく、気になり動物病院に行ってみるとあの惨状だったようだ

 

「それであのバケモノと、あのなのはの姿は?」

 

「それについて詳しく話します」

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

ユーノに質問したのだがなのはが急いで遮る、何故か慌てているのだが

 

「できればこの話明日にしよう、もう夜も遅いし」

 

時間を確認してみると、もう子供が出歩く時間はとっくに過ぎていた

 

「そうだな、なのは送る」

 

「うん!」

 

------------------------------

 

「ただいまー」

 

「ずいぶん遅いお帰りでしたね」

 

苦笑しながら出迎えるリニスさん、てかわかってるでしょうに

 

「わかってて言ってるでしょ」

 

「失礼しました、結界の気配がしましたけど、貴方が?」

 

「うんにゃ、てかそれもわかってるでしょ?」

 

いつも訓練中は俺が結界を貼ってるのだ、誰かに感づかれるようなへまはしない。 しかもリニスさんからのお墨付きだろうに

 

「それもそうですね」

 

くすくすと笑うリニスさん、だがそれも一瞬で真面目な表情になる

 

「でもなぜこの世界で魔法が?」

 

リニスさんもライトニング経由だが、この世界の情報は持っている、第97管理外世界地球、つまりは俺たちの故郷なわけだが、そこに魔法文化はない。 俺は例外だよ? 転生者だし。 そんなわけでリニスさんが言いたいことはわかる

 

「なんだっけ? ジュエルシードとか言うのを封印するのに?」

 

「ジュエルシード?」

 

『私が補足説明します』

 

そんなわけで、ライトニングが説明すること数分

 

「なるほど、ロストロギアでしたか、そうすると......」

 

何かを考えこむリニスさん、何か考え込んでいるようだが、俺は確信をつく

 

「かつての教え子が来るかもしれない、ですか?」

 

「・・・・・・」

 

無言の肯定、大まかにだが前の主人、プレシアテスタロッサのことについては聞いた

 

「まぁ、本当にそうなるかはわからないんですから」

 

「本当にそう思われますか?」

 

「・・・・・・・はぁ、冗談は抜きにしましょう。 十中八九、フェイトテスタロッサは来るでしょうね」

 

リニスさんの視線を受け冗談はやめにする、この人はプレシアテスタロッサの手記や記録を読んでいるのだ、その目的も知っている。 ならばだ

 

「プレシアにとってアリシア......アルハザードに行くことは悲願です」

 

「あるかもわからないものにすがる」

 

「・・・・・・」

 

悲しそうな表情をするリニスさん、まぁ仕方ないよな

 

「まぁ聞いた印象じゃわからないし、実際に会ってみるのが一番でしょ」

 

「・・・・・貴方に拾っていただいて恩も感じています、ですが」

 

「そこまでしろなんて言わないよ。 どっちにしろこっちもジュエルシード集めてるわけだし、そのうちぶつかるでしょ。 それじゃあお風呂入ってきます」

 

------------------------------

 

「・・・さん、クレナイさん!!」

 

「ふぁい?」

 

何かに呼ばれるような声がしたので目を開く、そうするとなぜか目の前にはエリス様が、エリス様?

 

「・・・・・・夢だなこれ」

 

「夢じゃありませんから、寝ようとしないでください!」

 

ワタワタと手を振りながらそう言ってくるエリス様、いや、夢じゃないんだったら俺死んだってことになるんですが

 

「じゃあ死因は」

 

「死んだわけでもありません、今回は用があって特例で呼んだんです」

 

そういうことらしい、そんなわけで理由を聞いてみたのだが、頭が痛くなった

 

「・・・・・・つまり? 転生者送りすぎて今度は世界そのものがやばいから、転生者を見つけてここに連れて来いと?」

 

「・・・・・・はい」

 

「あのアマぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

どうしてこうも問題を起こすのか! しかも聞けば、世界そのものがやばくなった理由が、チートあげすぎたからからだと! ふざけんな! 実際に言わないが、なかなか面倒な状況のようだ

 

「今回の件に関して、チートはいくらでも使っていいことになってますので、もし必要なら言っていただけると......」

 

「いやそれはありがたいですけど.......はぁ、エリス様も大変ですね」

 

「ご迷惑をおかけします......」

 

深々と頭を下げるエリス様、その姿を見ているといたたまれない気分になる

 

「とりあえず! その転生者たちは何人くらいですか?」

 

「・・・人です」

 

「すみません、肝心の人数の方が聞こえなかったんですけど?」

 

「二十人です......」

 

「あのアマぁぁぁあぁぁぁ!!」

 

本日二度目の絶叫が天界に響いた

 




人数については適当に、またほとんど本編には出てきません

そんなわけで第二話でした、感想評価お待ちしてます


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第三話 

結局映画か本編見ようとして見る気起きないからコミック見てたら参考にならねぇ!
そんなわけでオリジナル回です!


皆さんこんばんわ、クレナイです。 ジュエルシードは少しずつ集まり始め、転生者の拉致も順調に言ってるある日、今日もなのはやユーノと共にジュエルシードを封印し、帰ろうとしていたのだが、どうも視線を感じる。 なので

 

「なのは今日は先帰ってて」

 

「ふぇ? それはいいけど、どうしたの?」

 

「特に深い意味はないよ、いつものジョギングの時間だから、今日は違う道走ろうかなって」

 

「わかった、またね、マー君」

 

「またね!」

 

「じゃーなー」

 

なのはと別れ少し歩く、どうやら視線の主は俺の方についてきたようだ

 

『ライトニング、結界頼む』

 

『了解です』

 

ライトニングに結界を貼るように頼むと、すぐに実行、急速に人の気配がなくなり、件の主に声をかける

 

「ねぇ、出てきなよ、せっかく場を整えたんだからさ」

 

「まさかばれてるとはね、いやはや子供と侮っていたかな」

 

おどけた様子で出てきたのは、高校生くらいの少年だった、雰囲気は優しそうなのだが、その目は冷たかった。 黒目は何故か青くなっていて、不思議な感覚がした、あの目を長く見てはいけない、本能がそう警鐘を鳴らす

 

「おや? この目を見て怯えないなんて」

 

「やっぱりなんかの異能か」

 

「まぁ本来なら言うことじゃないけど、直死の魔眼てやつでね」

 

「やっぱり転生者か」

 

「やっぱりも何も予想がついてたくせに」

 

くすくす笑うが、気味が悪いことこの上ない

 

「ライトニング、セットアップ」

 

『セットアップ』

 

いつもは万が一顔を見られてもいいように、フルフェイスのマスクをかぶっているが、今日のこの相手には必要ない

 

「当たりも当たり、大当たりだ。 毎日夜な夜な探し回ってたけど、獲物は見つからないし、ようやく見つけたと思ったら封印されたけど、大当たりを引いた」

 

「・・・・・・」

 

ナイフをもてあそびながら、ニタニタという擬音が似合いそうな顔でこちらを見ている、たいして俺は魔力で短刀を作り構える。モードブレード、魔力で刃を作り出してるため、長さが自由なのだ

 

「現世は夢、夜の夢こそ真か。 まぁ、そういうのは関係ないか、どちらにしろ一夜限りの宴だ、楽しまないとな。 そうだろう、少年?」

 

「っ!」

 

流れるような動作からの蹴り、恭也さんほどではないが早くて重い一撃、それを防げたのは、いつもの修業があったからだろう

 

「本気なのに防いで、あまつさえ後ろに飛ぶことで衝撃を逃がすとは、いやはや、化け物かな?」

 

「人のこといえないだろ」

 

クロスでガードしていた腕をぶらぶらさせ、しびれを取る

 

「違いない」

 

くつくつ笑う、がそれも一瞬のことで、ナイフを構える、今までのようなふざけた態度ではない、さすような殺気を感じる。 これからが本気、俺は油断なく構える。 姿がぶれ、一瞬で目の前まで接近されるが、目で追えるスピード、切り結ぶがそれが悪手だとすぐに気が付く。 切り結んだのは一瞬で、そのまま魔力刃ごと切られる、急いで距離を取るが、少し遅かったらしく薄皮が切れて、そこから血が出てきていた

 

「直死の魔眼の能力」

 

「まぁメジャーな能力だし知っているよな」

 

アレに切れ味等は関係ない、なんにでも死を与えるのだから。 完全に失念していた。 新しい魔力刃を展開しながら対策を考えるが、そのことごとくが無駄な気がした。 とりあえず切り結ぶのは危険、連続で繰り出される突きや横凪の一閃を受け流す

 

「はっは! もう対策を考えたのか、本当にバケモノだな!」

 

「言ってろ!!」

 

ナイフの乱舞をかいくぐり懐に潜り込む、誘い込まれたのはわかってはいるがあえて乗る、俺は魔法の身体強化系のバフ、このすばのスキルのバフを使って互角ぐらいまで持って行っているのだ、この際傷など気にしていられない。 ・・・・・・まぁ? その一発でも致命傷なんだけどね、あの魔眼の前じゃ、今だって貫手をえぐりこむようにやってきてるし。 だがそれを予想していない俺ではない、短刀の突きで迎え撃つ

 

「甘い!!」

 

貫手をしていた手をそのままに中指と人差し指の間で止めたが

 

「甘いのはそっちだよ」

 

魔力刃に過剰に魔力を流す、ちなみにだが、俺はチートにより魔力変換資質は全属性使える、まぁその特化している人よりは威力は落ちるが。 だが過剰ともいえる魔力を流せば、一時的に特化している人間に近づくことはできる。 そして今は電気に変換している

 

「く......っそ!」

 

体が痺れてうまく動かないのだろう、俺はその隙に鳩尾に拳を叩きこみ、後ろの壁にたたきつけ、間髪入れずに近づき、魔力刃で気絶させる

 

「お仕事終了」

 

------------------------------

 

「お疲れ様でした」

 

「エリス様もお疲れ様です」

 

このすば式テレポートでエリス様がいる天界に行き、いつものようにチートを回収してもらう

 

「にしても今回の相手は強かった......」

 

「そんなにですか?」

 

『身体強化バフを使い、さらにその上からチートのバフを使って、よくて五分と言ったところでしょうか』

 

エリス様の問いに答えるライトニング、だがエリス様はなぜか難しい顔をしていた

 

「そんなに、ですか?」

 

「本当ですよ? スピードも恭也さんくらい早かったですし」

 

「・・・・・・」

 

その言葉に考え込むようなそぶりを見せるエリス様、俺は不思議になり尋ねてみる

 

「何か気になることでも?」

 

「これを」

 

エリス様は指パッチンをし一冊の本を差し出してくる、見ろということだろうか、俺は中をのぞく。 どうやら転生者一覧のようで、性格や要求したチートなどが載っていた

 

「転生者一覧、ですか? でももうほとんど意味ないですよねこれ?」

 

「あう......」

 

もう転生者たちはほとんど拉致ってしまったのだ、あと残すは馬鹿を含めて二、三人というところだ。 悪気はなかったのだが、エリス様は涙目だ

 

「アクア先輩がいけないんですよ~...... 忘れたって言って、全部私に任せるんですから」

 

エリス様が愚痴を言うモードに入ってしまった、こうなってしまうと少し長い、まぁ遠慮されるより全然いいんだけどね。 数分後気がすんだのか、すっきりした顔をしていた

 

「それでエリス様、気になることがあったんじゃないんですか?」

 

「そ、そうでした! 今日連れてきた転生者の方のページを」

 

そう言われて開いてみるが別段変わったところは、な、い?

 

「あれだけの動きをしてたのに、武術経験ないんですか?」

 

「それだけではありません、性格の方もかなり違うんです」

 

言われて見てみる、好戦的ではなく心優しい性格、など色々書いてあった。気になったので他の転生者を見てみると、一つ気が付いたことがあった

 

「もらった能力が強くなれば強くなるほど性格とかが変わってる?」

 

いやそれじゃあなんか違うような気がする

 

「やっぱりそう思いますよね、正確にいうなら、能力が強ければ強いほどそのもととなった人に性格が引っ張られている、という感じでしょうか」

 

それを聞いてしっくりきた、確かにその通りだ。 今日戦った転生者、その能力は直死の魔眼、元の方の性格は覚えていないがそんな感じだったと思う

 

「でもどうして?」

 

「わかりません....でも、この過程があってるとして、放置しておくのは得策ではありません。 私たちの考えすぎだと良いのですが」

 

「ですね......」

 

胸の中に漠然とした不安を覚えながら、俺は天界を後にする

 

「とりあえず何かあったらまた来ますね」

 

「一応念話でもいいのですが」

 

苦笑してはいるが、別に否定されてはいないので遊びに来ることにした

 

「それではまた」

 

「はい、また、です

 




一日に二話投稿、三話目も書いてやるぜヒャッハー!

それはさておき、バーサス買ったんですが、今回フレンドと怠慢は出来ないんですかね?あとBGMエディットはどうなんでしょうか、4には曲入れてないのでわからんですが

それでは感想評価お待ちしてます


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第四話

本編どうぞ!

てか今更なんですが、結構原作と進む話が違うですよね、映画版でもないし、とりあえずタグ追加した方がいいのかなぁ


「そうだ、温泉に行こう」

 

「あー、もうそんな季節やなぁ......」

 

「そうですね」

 

突然だが俺は今はやての家に来ていた、この頃はやての出番が少ないなー、とか思ったので出したわけではない、断じてない

 

『誰に言い訳しているんですか?』

 

『さぁ?』

 

ライトニングに呆れられたが、気にしない、それにしてもネタを無視とは、はやては本当に関西人なのだろうか?

 

「偉く馬鹿にされたような気がするで......」

 

勘が鋭いので目をそらして黙っておく、リニスさんはお茶を飲んでいた。 リニスさんは今人間形態だが、はやてのお手伝いさんとして働いているので問題ない。 リニスさんとは一緒に住んでいるが、働かないのは性に合わないらしく、ならはやてのところにということでなし崩し的に話が決まった。 ネタ云々は置いておいて、この時期にこういうこと言うのは毎年のことなので、はやてもリニスさんも慣れている、というのが正解だ

 

「士郎さんがこの間話しだしてたし、たぶんそのうち話来ると思う」

 

「まー君はまた鍛錬?」

 

「まぁ恭也さん次第じゃないかなぁ......」

 

毎年同じところ、というわけではないが大体行くところは同じで、裏にちょうどいい感じの山があり、俺、恭也さん、美由紀さんは修行だと言って恭也さんに連れ出されるのだ。 毎年毎年その山での修業はえぐいので、俺としては行きたくないのだが

 

「あれは修行の皮を被った何かです。 いえ、ついて行けるクレナイもクレナイですけど」

 

「俺が人外みたいじゃないですかー、やだー」

 

「自覚があるのはいいことですよ」

 

にっこり微笑むリニスさん、実際リニスさん自体はあの修行に反対、というよりも子供がやる鍛錬ではないと普段の修業でも反対している状態だ、このことに関してはとことん冷たい、自分もものを教えるという経験をしたことがあるだけに、あれはダメらしい

 

「それではやて、予定は?」

 

「診察もないはずやし、大丈夫やでー」

 

「なら大丈夫だな、さっきも言った通り、士郎さんから連絡来ると思うけど」

 

「わかった」

 

俺もリニスさんに入れてもらった茶を飲みながら、一息つく。 この頃はジュエルシード集めや、転生者を拉致るのが忙しく、ゆっくり出来なかったが、久しぶりの休日だ。 俺なんかは普通にしているが、なのはなんかは今は爆睡なんじゃないだろうか

 

「はやて、何か食べたいものはありますか?」

 

「うーん、リニスさんの料理は何でもおいしいからなぁ、まー君は食べたいものあるん?」

 

「俺も同じく」

 

「それは困りましたね」

 

なんて嬉しそうに笑うリニスさんだった

 

------------------------------

 

「さあついたぞー!」

 

士郎さんの声が聞こえ車を降りる俺達、他の奴らは嬉しそうなのだが、俺はどんよりしていた

 

「あー着いちまったなー」

 

「そうだな、さて荷物おいたら修行だ魔狸男」

 

「・・・・・・えーい」

 

予想はしていたが、やはりこうなった、旅館に着くなり恭也さんに首根っこを掴まれ、連行される。 もちろん携帯からドナドナを流すのは忘れない

 

「生きて帰るんよー」

 

「やめなさいよ、気が滅入るでしょ!?」

 

「マー君、あとで差し入れに行くねー!」

 

「お姉ちゃん、抑えて」

 

呑気やねー、恭也さんに連行されながら、俺はそう思った。ちなみに今回の鍛錬は早く終わった、何故かって? なんでもここに来る前から忍さんとなにか約束していたらしいが、それをすっぽかして鍛錬、ちょうどなのはたちが差し入れに来た時に忍さんもきて、そのままどこかに行ってしまった

 

「なのはたちはこの後どうするの?」

 

汗を拭きながら美由紀さんが訪ねてくる、俺はそんなもん決まってる

 

「修行がないなら温泉入ってあたりの散策、これに決まってます!」

 

「まぁいつもは修行だけで、周りを見て回るなんてできないもんねー」

 

若干死んだ目で語る美由紀さん、どうも俺が来てからここの鍛錬もつらくなった、なんてぼやいてたし、ご愁傷様です

 

「なら私も温泉はいるの!」

 

「そうね、私たちもまだ入ってなしい」

 

「はやてちゃんも待ってるし、行こうコウ君」

 

「それじゃあ温泉目指して、しゅっぱーつ!」

 

美由紀さんの号令をもとに、俺たちは旅館に向かって歩き出した

 

------------------------------

 

「何言ってるのよ!」

 

「お前こそ何言ってんの!?」

 

俺とアリサの言い合いはヒートアップしていた、事の発端は旅館につき、温泉に入ろうとなったときに起きた、俺はもちろん男湯に行こうとしたのだが、何故か腕を引かれる感覚がしたのでそちらを見ると、女子連中が俺の腕を引っ張っていた。 最初は普通に対応したのだ、男だし男湯に入ると、だが歳がどうだの一人になるだのいわれヒートアップ、現在に至る

 

「いいじゃないのよ書いてあるんだし!」

 

「HA☆NA☆SE☆! 大体ゆっくり入りたいんだよ!」

 

「私たちと居たらゆっくり入れないって言うわけ!?」

 

「誰もそんなこと言ってないだろうが!大体な!」

 

「なによ!?」

 

「なんだよ!?」

 

「おや? どうかしたのかい?」

 

ちょうど士郎さんが通りかかったようだ、これはちょうどいいと、これまでのことを説明し、士郎さんに説得してもらうことにした。 女湯に入れられそうになってると、小声で士郎さんに言うと、動きが止まったが、一瞬のことだったので気にしない

 

「なるほどね......理由はわかった、けど今回は諦めてくれないかい? マリオ君と男の中を深めたいし、それに今は入れなくてもチャンスはあるはずだしね」

 

士郎さんが説得(?)をすると、納得はしていないようだが、これからもチャンスがあるのなら、と引き下がってくれた

 

「士郎さん、この場は助かりました」

 

「納得いっていないって顔だね」

 

「その場しのぎでしかなかったですからね」

 

服を脱いでたたみ、それを籠に入れながら士郎さんと話す

 

「アリサ君がおとなしく引き下がると思うかい?」

 

「・・・・・・」

 

俺は無言で通す。 体を洗い、ちょうどいい温度の温泉につかりながら空を見る、ふいに士郎さんから声がかかる

 

「マリオ君」

 

「なんでしょうか?」

 

視線はそのままに返事をする、士郎さんから視線は感じない、なので俺を見て話しているわけではないようだ

 

「修行の方はどうだい」

 

「おかげさまで、毎回毎回恭也さんにかなりしごかれてますよ」

 

「そうか......恭也も張り切っているみたいだしな」

 

「・・・・・・」

 

自分から頼んだとはいえ、ここまでなるとは思っていなかった、正直言って前世がある程度歳が行ってなかったら、途中でやめてたと思う。 俺の胸中は複雑です

 

「なぁマリオ君」

 

「はい」

 

「なのはが夜に出歩いてるみたいなんだ、何か知っているかい?」

 

「・・・・・・」

 

知っている、知ってはいるが

 

「なのはから聞いたんですか?」

 

「いや、あの子は隠したがっているみたいだからね」

 

まぁ気配とかに敏感ですもんね、俺も隠し通せてるとは思ってないが

 

「なんで俺に?」

 

「君も関わっていると見たからかな」

 

士郎さんから視線を感じる、娘を心配しているのはわかる、だがなのはが何も言っていないのなら、俺から言うことはできない。 俺は一度空から視線を外し、また空を見る

 

「知ってはいますし、関わってもいます。 でも言えません」

 

「・・・・・・・」

 

「なのはが言ってないなら、俺から言うわけにはいかないです」

 

士郎さんの目を見て言う、しばし見つめあうが、ふっと視線を外し、空を見る士郎さん

 

「そうだね」

 

「・・・・・・」

 

俺も空を見る。 長い時間そうしていたが、そろそろ限界だ上がることにする

 

「士郎さん、先に出ますね」

 

「マリオ君」

 

立ち上がり温泉から出おうとすると背中に声がかかる

 

「なのはを頼むよ」

 

「はい」

 

なんか色々と言いたいことはあったが、士郎さんが任せてくれたのだ、俺は俺のできることをしよう、と改めて心に誓い、温泉を出た




結局昨日のうちに半分くらい書いて、眠気に負けて寝ちまった。
これで一話使うとは思わなかった

さて感想評価お待ちしてます


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第五話

パソコン調子悪すぎて笑えない...... 本当は今日は三話くらい投稿する予定だったのに、FAGの改造も進まないし。 こっちに関しては自業自得ですが

さて本編どうぞ!


『なかなか見つかりませんね』

 

『まぁ、あったらいいなくらいだからな』

 

あたりも暗くなり、足元もおぼつかないが、月明りでだいぶ明るい山道を俺は歩いていた。 あたりの散策、なんていうのは聞こえがいいが、なんでも原作通りならジュエルシードがあるはず、ということでライトニングと探しに出ていた。 まぁ丁度散歩したかったし、いいんだが、温泉に入った後ということもあり、また入り直さないとなー、とか思いながら歩いていた。 温泉? もちろん男湯に入ったよ? アリサたちの追撃は何とかかわした

 

『むぅ、やはりマスターや馬鹿のせいで、原作が変わってしまったのでしょうか?』

 

『俺に聞かれても知らん』

 

俺も大まかな流れしか覚えてないし、ふざけてティンダーを使い手元を照らしながら探している、ふざけてとは言うが、熟練度も上がるからいいのだが。 まぁ上がったところでだけど

 

『そろそろ切り上げるか』

 

『そうですね、寝る時間などもありますし。 っ、マスター!』

 

『当たりみたいだな』

 

『場所のと特定完了しました、ナビゲートします!』

 

『頼む!』

 

魔法でバフをかけ一気に山を駆け巡る、どうやら戦闘中のようで、あちこちが光っているが木が邪魔して見えない。 ようやく開けたところに出ると、鎌を持った金髪の少女が、なのはに鎌を振り下ろそうとしていた

 

「ライトニング!セットアップ」

 

「セットアップ」

 

そう唱え、一気に地面をけり、不慣れな飛行魔法ではなく、足場になる障壁を作り、一気になのはのところまで上がる

 

「プロテクション」

 

間一髪で間に合ったようで、ライトニングが障壁を貼る。 相手は驚いた顔をしたが、急いで距離を取る

 

「マー、君?」

 

「なのは大丈夫か?」

 

どうやらかなり消耗しているようで、俺の姿を見ると飛行魔法が不安定になっていた。 急いで支える

 

「ごめんね、迷惑、かけちゃって」

 

「気にすんなよ、とりあえずこの場は俺に任せろ、な?」

 

「うん......」

 

どうやら気を失ってしまったようだ。どうやら魔力ダメージはあるようだが、傷などはないようだ

 

「よかった......ヒール」

 

とりあえずこのすば式の魔法で治癒をしておく

 

「さてと」

 

「・・・・・・」

 

敵意を出しながらこちらを見ている金髪の少女みる

 

「あれはそっちの物でいいから、この場は引いてくれない?」

 

「・・・・・・信用できるとでも?」

 

「まぁ本気になれば勝てるかもしれないけど、こっちは気絶している子いるし、それ庇いながらの戦闘なんて無理」

 

「ずいぶんな自信だね」

 

さらに敵意をぶつけられる。 言い方がまずかったのか、説得をミスったようだ。 だがそんな空気は、やってきた第三者により壊される

 

「ありゃ、来たんですね」

 

「ええ......久しぶりですね、フェイト」

 

「え? り、リニス?」

 

リニスさんである。 思っても見なかった人(?)の登場に動揺する金髪の、いや面倒だからフェイトでいいや

 

「はい、リニスです。 久しぶりですね、アルフは元気ですか?」

 

「う、うん、元気だけどなんでリニスがここに?」

 

信じられないようなものを見る目だ、まぁ確かに信じられないとは思うが

 

「どう説明すればいいんでしょうか、私もわからないんですが気が付いたらここに、それでこの人と仮契約を」

 

そう言って俺を指さすリニスさん、俺は俺で苦笑い

 

「とりあえず引いてくれないかな」

 

「り、リニスは?」

 

「すみません、私も私で目的がありますので行けません。 それとフェイト、一応彼にも魔法教えてますのでわかりますが、貴方では彼に勝てませんよ? 飛行魔法は不得意ですがそれ以上に、彼には技術面で勝てないと思います」

 

なんて笑って言うあたり、リニスさんも鬼だな。 俺のははったりで言ったが、リニスさんのあの声本気だし。 それを受けてフェイトの表情も驚愕に染まっていた

 

「てかリニスさん、一応敵なんですからそういうこと言わないでくださいよ?」

 

「あ、うっかりしてました」

 

マジでうっかりしていたらしい、本当にそういうことはやめてくれ

 

「そう言うわけでフェイト、ここは引いてください、私の顔に免じて、ね?」

 

そう言われて寂しそうな顔をしていたが、それも一瞬で次の瞬間にはキッと俺を睨みつけていた、なんで俺?

 

「わかった」

 

そう言い、俺に背を向けて飛ぼうとしているところに、俺は思い出したように声をかける

 

「そうだ俺紅魔狸男」

 

「・・・・・・?」

 

不審そうな顔をしている、自己紹介だっていうのに

 

「自己紹介、君の名前は?」

 

「リニスから聞いて知ってるんじゃないの?」

 

「知ってるけどそれはそれ、これはこれ」

 

「こういう子なんです」

 

困ったように笑うリニスさん、なんだよそれ俺が変な人みたいじゃないか、名前を聞くときは自分から名乗る、円滑なコミュニケーションの一環じゃないか

 

「フェイト、フェイトテスタロッサ」

 

そう言ってフェイトはジュエルシードを取ってどこかに消えてしまった

 

「リニスさんそろそろなのは持ってもらっていいですか?」

 

「やはり飛行魔法は訓練し直さないとダメですね」

 

なのはを受け取りながら笑顔で言うリニスさん、この人の訓練も別の意味で厳しいから俺は苦手なのだ

 

「まぁ今やってる魔法の訓練の完成と、攻撃魔法一通り仕上げてからですかね」

 

「・・・・・・」

 

ジト目で見られるが気にしない、まぁいつかはやるさ、いつかはね

 

「それより良かったんですか、フェイトの前に姿を現して?」

 

「いつまでも見てみぬふり、なんてできませんから。 それに協力してくださるんですよね」

 

「まぁできる限りは」

 

「お願いしますね」

 

「・・・・・・はい」

 

リニスさんがしようとしていること、それは俺がしようとしていることでもある。 みんな幸せに、大団円のハッピーエンド、出来るかわからない、自分に出来るのかなんて不安もあるが、やるしかない。 それにこの街で暮らして、結構居心地良いしね、第二の人生やりたいようにやりたいし。 まぁとりあえず

 

「おーい起きろこの寝坊助」

 

「にゃぁー......」

 

なのはのほっぺたをつつくが起きる気配がない、遊んでいても仕方ないので地面に降り背負うことにした

 

「それにしても、つい最近魔法に触れたとは思えないですね」

 

「なのはですか?」

 

「はい」

 

なのはの状態をチェックしながら、リニスさんがつぶやく。 確かにレイジングハートの補佐があるとはいえ、初心者がここまで成長するものなのだろうか、本人の意欲もあるんだろうけど

 

「フェイトが手加減していた、というのもあるんでしょうけど」

 

「元教え子の自慢とかいいですから」

 

俺の胸中は複雑なのです、一応手加減していたとはいえ、気絶一歩手間の状況まで追いつめたのだ

 

「そう......ですね、すみません」

 

「そう思ってるなら、フェイトに教えたように、なのはにも魔法のこと教えてあげて下さね。 そうすれば一応フェアにはなるし」

 

「わかりました、そうしますね」

 

くすくす笑いながらそういうリニスさん、俺はなぜか居心地の悪さを感じた

 

「なのは!」

 

どうやらユーノが来たようだ

 

「遅かったなユーノ」

 

「クレナイ、来てくれたんだね!」

 

「まぁ遅かったらしく、なのは助けてたら逃げられた」

 

「そっか......でもなのはが無事でよかった、ところでそちらの方は?」

 

「あー、この人は俺の使い魔で」

 

「リニスと申します、以後お見知りおきを」

 

「えーーーーーー!!?」

 

ユーノが大層驚いていたが、面白かった。 その後なのはが目を覚ましたようだが、何故か寝たふりをしていたので、そのまま旅館まで背負っておいた。 流石に旅館の前で下したけどね

 




割とすらすらかけたけど、少し足りなかった。 幕間とか番外編とかで、端折ったとこ補足入れようかなと考える今日この頃

感想評価お待ちしてます


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第六話

特に語ることないので、本編どうぞ!


温泉旅行から帰ってくると、リニスさんの鬼のしごきが始まった。 もちろん対象は俺ではなく、なのはだ。 ユーノに教えて貰っていたとはいえ、いまだつたない部分が多いなのは、まぁリニスさんなら徹底的に鍛えます、はい。 俺はある程度完成してからリニスさんと出会ったからいいが、なのははそんなことはなく、授業中マルチタスクを使い、訓練。 放課後に訓練、帰ったら自主訓練と、忙しい人もびっくりなほど、訓練していた。 リニスさんもリニスさんで、なのはの成長速度に目を見張るものがあるのか、毎日楽しそうに訓練メニューを組み上げていた。 もちろん無理がない程度で、だが。 おれ? 俺は横で自分の魔法の仕上げ等をしていた、たまに模擬戦とかリニスさんに頼まれてやるけど、結果は俺の全勝、なのははとても悔しがっていた。 そんな日が数日も続けば、当然周りの奴らも怪しんでくる、アリサとすずかだ。 授業はちゃんと受けているとはいえ、なんかぼーっとしている、アリサとすずかが出した結論だ。 それでなのはに詰め寄ったが喋るわけがなく、俺が止めなければアリサとなのはは喧嘩寸前までの状態だった。 そして現在

 

「それで、アンタはなんか知ってるわけ?」

 

「・・・・・・」

 

アリサとすずかに聞かれている

 

「なんで僕に聞くのさ?」

 

「あんたもぼーっとしてるから」

 

「・・・・・・」

 

すずかも頷いている。 まぁ俺も同じようなことしてるし、ばれても当たり前か

 

「まぁ、ですよねー」

 

「それで、なにしてるのよ?」

 

「なのはが言わないのに俺が言うとでも?」

 

「思ってないわよ、でも、私もすずかも心配してることはわかってるんでしょう?」

 

「そらね」

 

「でも、話してくれないんだよね」

 

「まぁことがことだけにね、二人を巻き込むことになるかもしれないし」

 

「危険なことしてるの?」

 

心配そうに見てくるすずかに言葉を濁しておく

 

「どうだろうねぇ」

 

「ふざけないで!!」

 

「別にふざけてはない、どっちにしても話すわけにはいかない。 なのはが話すなら別に話してもいいけど」

 

「「・・・・・・」」

 

二人ともそれっきり黙ってしまう。アリサは自分のふがいなく思っているのか、にスカートのすそを握りしめ、すずかは俯いてるし、前髪で表情は見えない。 なんか俺が悪いことしたみたいなんだが

 

「別に二人が頼りないとかそんなんじゃない、俺自身は話してもいいと思ってるけどな、二人とは短い付き合いだけど、信頼できるし。 なのはも同じだとは思う、だからさなのはが話すまで待っててくれないか? たぶんてか、絶対話すと思うからさ」

 

つい頭を撫でてしまったが、びっくりしたようだが振り払われるようなことはなかった。 とりあえずしばらく撫でていたのだが

 

「・・・・・・いつまで撫でてるのよ」

 

「いや、いつまで撫でてればいいのかわからなかったもんで」

 

「私はもう少しお願いしたいかな、気持ちいいから」

 

「あいあい」

 

アリサも特に何も言われないので、撫で続けていたのだが

 

「あー!!」

 

後ろから聞き覚えのある声がして、振り向いてみるとなのはが頬を膨らましながら、こっちにというか、俺に向かって来ていた

 

「どうしたよなのは?」

 

「なんでアリサちゃんとすずかちゃんだけ!」

 

「意味が分からん」

 

どうやらこのお姫様は、アリサとすずかを撫でていたのが気に入らないらしい、女心はようわからん。 仕方ないので、なのはを撫でようとするとアリサが前に出てきた

 

「なのは」

 

「あ、アリサちゃん......」

 

さっきのこともあり気まずいのだろうが、アリサはお構いなしに話を進めていく

 

「さっきはごめんなさい」

 

「え? そ、そんな、アリサちゃんは心配してくれただけだし」

 

「でもアンタに言うように強要したでしょ? だからごめんなさい、それといつでもいいからちゃんと話して」

 

「私からもお願いねなのはちゃん?」

 

「すずかちゃん、アリサちゃん......うん! 絶対、絶対に話すから!」

 

どうやら仲直り出来たようで、よかったよかった。 俺は気配を消して、教室から出ていたので問題なし

 

------------------------------

 

「っ」

 

「来たようですね」

 

『場所の補足完了しました』

 

「それじゃあ行きましょうか」

 

「はい」

 

ジュエルシードの発動を感じ、リニスさんと家から出てきたのはよかったが、現場につくころにはすでになのはとフェイトが封印を始めていた。 ユーノとアルフの姿が見えないが、どこか別のところで戦っているようだ。 あとは

 

「あそこに黒焦げになって倒れてる人がいますが、いいんですか?」

 

「あー、あの馬鹿ね、あれは放っておいていいですよ?」

 

どうせ突っ込んで黒焦げになっただけだろうし、なんてアホなことを考えていて、なのはたちの方を見てなかったのがいけなあった

 

「まずい!」

 

「なんだこの魔力は」

 

『マスター! 小規模ですが次元震が起き始めています、早急にジュエルシードの封印を!』

 

「くそ! ライトニング、セットアップ!」

 

『セットアップ』

 

セットアップしてジュエルシードのところまで来たのはいいが、漏れ出している魔力のせいで、近寄るのも一苦労だ

 

「ライトニング、いい方法ないか」

 

『近づくのはいくらでも、マスターの魔力や障壁なら耐えられますが、封印の方は』

 

「やっぱりか」

 

「封印なら私が! ですが時間が」

 

「ならあれを抑え込む!!」

 

障壁を展開し一気にジュエルシードに接近をする

 

「マー、君?」

 

「クレ、ナイ?」

 

二人とも気絶から目が醒めたようだが、気にしていられない。右手に魔力を思いっきり込めて、ジュエルシードを握る。 どうも出力が違い過ぎるらしく、手が焼けるような感覚がするが、気合で耐える

 

「それはあたしたちのだぁぁぁぁ!!」

 

「くっそ!この駄犬!!」

 

こんな時に蹴りを放ってくるアルフ、そちらに魔力や集中力を割かなければいかないため、手の焼ける感覚が強くなる

 

「アルフ!時と場所をわきまえなさい!!」

 

「ぐっ!!」

 

どうやらリニスさんが攻撃してくれたみたいで、吹っ飛ばされるアルフ、フェイトが受け取ったようだ

 

「封印!!」

 

リニスさんの術式が完成したようで、まばゆい閃光に包まれていたジュエルシードはその輝きを失い始め、やがてようやく光らなくなった

 

「っぁー......」

 

思わず息を吐いてしまう、魔力を使いすぎたため、たってるのもきつい状態だ

 

「お疲れ、ライトニング」

 

『マスターもお疲れ様でした』

 

「リニスさんもお疲れ様」

 

「クレナイもです、手は大丈夫ですか?」

 

「まぁ、いつもので直すから大丈夫」

 

お互いのねぎらいも終わり、一応警戒していたフェイトたちの方を振り返る

 

「そんで、これどうするよ?」

 

「「・・・・・・」」

 

無言でジュエルシードを見つめるフェイトとアルフ、欲しいですよねそりゃあ。 たいしてこちらは

 

「マー君!」

 

抱き着いてくるなのは。一応立てるようにはなったみたいだけど、フラフラだ。 リニスさんはもとより、フェイトたちに手は出さないだろうし、ここは

 

「すまんユーノ」

 

「ううん、それが最善だと思う」

 

一応ユーノに謝ってフェイトたちにジュエルシードを投げる、こんな状態じゃ戦えないしな。 よっぽど疲れたのか、なのはは俺に抱き着いて眠ってるし

 

「というわけで、それやるから帰ってくれ」

 

「・・・・・・わかった」

 

一応警戒はしているようだが、こちらを一瞥して去っていく

 

「とりあえず今回もお疲れさん......ヒール」

 

なのはを一撫でし、自分の治療に取り掛かる

 

「にしても悪いなユーノ」

 

「ううん、確かにジュエルシードも大切だけど、なのはやクレナイの方が大事だから」

 

「確かにそうなのですがクレナイ、今回は無茶しすぎですよ?」

 

少しリニスさんからお小言をいただきながら、なのはが起きるのを待っていた

 




何か割と書けたな
さて置き、時系列バラバラすぎる、まぁいいか

それでは感想評価お待ちしてます!


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第七話

なんか戦闘回になると毎回なのは気絶してない? なんて思う

さて本編どうぞ


「いやー、驚きですわー」

 

「そんなに驚いているように聞こえないのですが......」

 

小規模な次元震を起こした次の日、普通に学校に登校し、いつも通りに過ごし、放課後になった。 放課後にはレイジングハートは昨日の件で軽くだが壊れてたらしく、ユーノが届けに来るなんてことはあったが、いつものようにジュエルシード探索に街に出ていたわけなのだが、まぁ反応はあった、反応はあったのだが、なぜか木が動いていた。 それで合流したリニスさんとの会話が冒頭の会話なわけだが

 

「なぁユーノ、ジュエルシードは今回どんな願いを叶えたんだ?」

 

「え、いや、たぶんだけどあれはあれ単体で暴走したんじゃないかな」

 

「まぁそう考えるのが妥当ですよねー」

 

「マー君、ぼーっとしてないで封印しよう!」

 

すでにセットアップを済ませたなのはがそんなことを言ってくる、まぁそうね

 

「セットア「行くよバルディッシュ!」俺いらなくね?」

 

「あ、いけない! レイジングハート、お願い!」

 

またも二人同時に封印したようだ、今回は前回のように次元震を起こすことはなかったが

 

「フェイトちゃん......」

 

「・・・・・・」

 

見つめあう二人、フェイトはすでに臨戦態勢だ、なのはは話し合いが通じないことを悟り、レイジングハートを構える手に力が入る。 二人同時に動き、いざ戦いが始まる、そう思ったのだが

 

「二人とも武器を降ろしてもらおう、こちらは時空管理局だ」

 

二人のデバイスを受け止めるように、一人の少年が間に入った。 これを見た俺は

 

「ないわー、いや職務に忠実なのはわかるよ? でもこのタイミングはないわー」

 

「初対面の人間によくそんなにずけずけと言えるな」

 

呆れているのかわからないが、こちらに視線をよこす局員。 というよりもそんなに油断してていいのか、アルフなんか逃げる準備してるし、準備が整ったようで

 

「フェイトを......離しな!!」

 

殴りかかったように見えたが、どうやら設置型のバインドがあったようで

捕まっていた。 でもその隙にフェイトは逃げられたようで、アルフもすぐにバインドを破壊してフェイトの元に戻る

 

「リニスさんとしては今のどうでした?」

 

「アルフの突出癖は治ってないみたいですね、フェイトはスピードが上がっているようなので、私的には満足です」

 

「甘口だなぁ」

 

「いやいや、評価してる場合!?」

 

ユーノが突っ込んでくるが

 

「ユーノよく考えろ、こっちは別に手を出してないし」

 

「投降も何も、私たち武器すら出していませんしね」

 

「いや、まぁ、確かにそうだけどさ」

 

ユーノも冷静になったのか、微妙な表情をしていた。 俺たちがそんな風に話をしていると、動きがあったようでフェイトとアルフがバインドを警戒して近づけないのをわかってか、局員はジュエルシードを確保していた。 それを見たフェイトとアルフは撤退して、残ったのは少し残念そうななのはと俺達だった

 

「なのはお疲れ様」

 

「ううん、特に戦闘とかなかったし大丈夫!」

 

バリアジャケットを解き、いつものようになのはに声をかけ、帰ろうとしたのだが

 

「待て、そのまま帰さないぞ」

 

どうやら誤魔化されてくれなかったらしい、仕方ないので局員の方に向き直る

 

「ですよねー、それでいつまでセットアップしてるのさ。 俺達とっくに武装解除してるよ?」

 

「そう、だな。 すまなかった。 だが今は解くわけにはいかない、僕たちの艦に案内してからだ、艦長!」

 

「ええ、わかってるわ。 エイミィ、お願い」

 

「はーい、それじゃあ転送するねー」

 

------------------------------

 

L級次元航行艦船アースラ。 正式名称はもっと長いらしいが、詳しくは知らない。 ともかくアースラに転送された俺たちは、クロノの案内の元、艦長室に向かっている。 まぁユーノが男の子、ということでなのはと話ていたが、クロノに咳払いをされ一旦保留、ということになったらしい。 俺は前世とかの記憶もあり元々知ってたけど。 それからはすごかった、主にインパクトという意味で。 緑茶にミルクや砂糖だぜ、初めて見たよそんな人、抹茶オレとかあるけど、あれの比じゃない。 リニスさんなんかもその光景に若干引いていた。 そんなしょっぱなのインパクトはあったものの、その後の話し合いはつつがなく進んでいく、基本話し合いはリニスさんとリンディさんだ、そこにクロノと俺も必要なら言うという感じだ。そんなわけである程度は条件をまとめたが、返事は後日ということになり、俺たちはいったん街に返された

 

「行きも一瞬、帰りも一瞬、便利でいいな」

 

「クレナイも転送魔法使えるじゃないですか......」

 

リニスさんは呆れていた、確かに使えるけど、あれ座標の計算とか面倒なんだよね

 

「君は何でもできるんだね、少し羨ましいかなぁ......」

 

ユーノはそんなことを言っていたが、それなりに努力しているのだ、適性があるのにできませんでしたじゃ悲しいからな

 

「まぁ、努力あるのみだな」

 

「ねえマー君」

 

「なんぞ?」

 

「マー君はどうする気なの?」

 

「どうするねぇ」

 

俺はそこでいったん言葉を切り、これまでのことを思い出す。 思い出していて思ったのだが、なんかジュエルシードおってる時よりも、鍛錬や頼まれた厄介ごとの方が危険なことをしている気がしてきた。 それはともかく、最初からこの件から手を引くことは考えていない。 リニスさんとの約束があるし

 

「とりあえず俺はこのままやり続ける、大体投げ出すのなんか性に合わないし」

 

「マー君らしいね」

 

なんて笑って言うなのは、俺の答えを聞いて満足したのだろう。 もともと答えなんて決まってるくせに

 

「なのはは?」

 

「私? もちろんマー君と同じだよ」

 

「そうか」

 

出来れば無理をしてほしくないのだが、コイツに言っても聞かないし、それなら近くで見といたほうがまだましだ。 なのはと談笑しながら、俺は心ではため息をつくのだった。 またやることが増えた

 

------------------------------

 

「エリス様ー」

 

「はい、わかっています」

 

拉致してきてエリス様のところに連れてくる、そんな作業ももう終盤に差し掛かっていた

 

「これであと一人」

 

「ギルティメッシュさんですね? 彼の様子はどうですか?」

 

「様子ですか? まぁなのはたちの嫁発言は続いてますけど、そういえば少しおとなしくなったような?」

 

「判断が難しいところですね」

 

「そうですね、よくよく考えたら隙もなくなってきてますし」

 

「やはり」

 

「可能性はあるでしょうね」

 

可能性とは、精神の浸食だ。 前にエリス様と話してはいたが、追加で拉致ってきた転生者を見ていたら仮定は現実になり始めていた

 

「そうなると、すぐにでも連れてきた方がよさそうですね」

 

「そうしたいのは山々ですけど、俺明日からは缶詰ですよ」

 

「私のほうでも探ってはいるのですが、どうにもうまくいかないんです」

 

困り顔のエリス様、エリス様の方で探ってるのに出ないなら、多分無理ではなかろうか

 

「今までの行動を考えるに、原作に介入してくるでしょうし、今は放置がいいんじゃないでしょうか?」

 

「・・・・・・仕方ない、ですかね」

 

ため息をつき、憂い顔のエリス様。 だが、あの英雄王が相手では、今のままでは厳しいじゃないのだろうかと思った俺は

 

「あのエリス様」

 

「なんでしょうか」

 

「対戦があの英雄王となると今のままじゃ厳しいので、追加でチートを」

 

「なんにしますか?」

 

「俺が要求するのは二つです、それにその戦いでしか使用しないので」

 

「わかりました、すぐに準備しますね」

 

 

 




段々物語も終盤に、端折りすぎかなーとか思いますけど、このままいく

そんなわけで感想評価お待ちしてます


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第八話

えーっと、まず削除された感想についてですが、なんであんなにけちょんけちょんに言われないといけないんですかね? 確かに迷走してる感は自分でもありますし、原作知識も覚えていないところが多いので、端折ってるところとかあって、原作知識がない人からしたらわからないところも多いかもしれませんが。 自己満で書いてるところも確かにありますが、一応駄文でも楽しんでもらおうと書いてます。

改めて言いますが、自分には肌に合わない、こんなもの読みたくもないって方はブラウザバックしてください、そういう方たちは無理して呼んでもストレスたまるだけでしょうし。 こんな駄文でも読んでもいいよ、って方はこのままお読みください。 感想の方も、悪いところは悪いと思い直しては行きますが、あそこまで高圧的に言われると、気分が悪いどころじゃないのでやめてください、他の人たちに不快な思いさせるので。 実際そう思う方がいても不思議ではないですが、お気に入りも少しづつではありますが、増えてきていますので、そういう方たちが不快な思いをするのは申し訳ないので。 長々すみません、こんな駄文でも応援して下さる方や読んでくださる人は改めてお礼を、これからもよろしくお願いします。

最後にもう一回、これからも駄文でも読んでくださる方はこのままよろしくお願いします!


それからというもの、ジュエルシードの封印で大忙しだった。 リニスさんの条件のもと、対等とはいかないものの、それなりの待遇で協力することになったのだが、位置を特定したら出撃の繰り返しだった。 酷いときなんて連続だった、怪獣の相手や物語に出てきそうな不死鳥の相手、もうお腹いっぱいです。 そんな連日ハードスケジュールに

 

「うにゅー......」

 

「・・・・・・・」

 

なのはとユーノは机に突っ伏していた、ユーノなんかピクリとも動かない

 

「あれユーノ死んでんじゃないの?」

 

「大丈夫......だと思いますよ」

 

「えらく心配になる言い方」

 

俺とリニスさんは割と平気だった。 一応心配事は、リニスさんが戦っている時に俺の魔力が尽きないか、ということだが、今のところ心配はない。 俺たちもなのは達と同じで、それなりにハードスケジュールだったのだが、普段の鍛え方が違うので疲れはあるが、なのはたちのように机に突っ伏したりはしていない。 そして今、俺とリニスさんはお菓子を作っていた。 まぁ単純な話、なのはや他の局員たちに差し入れだ

 

「クッキー焼けました」

 

「こっちも焼けたし、持って行こうか。 熱いので気をつけてください」

 

出来たクッキーを持って行くと、近くで休んでいた局員たちも、待ってましたとリニスさんの作ったクッキーを持って行く。 男のさがやねー、なんて思いながら、いまだ手つかずのクッキーをなのはたちの前に持って行く。 持って行ったのはいいのだが、無言でなのはが起き上がり、クッキーを凝視していた

 

「「・・・・・・・」」

 

俺となのはは無言、てかなのはが怖いだよ、喜びもせずただ無言で見つめてるから、しかもクッキー見てるせいで表情見えないし。 とりあえず

 

「どうぞ......」

 

「・・・・・・」

 

無言で手に取り食べ始めるなのは、空気が重いことこの上ない、品評会かなんかですかねぇ。 もそもそと食べ始め、食べ終わったら次、とその動作を繰り返す、いい加減じれったくなってきた

 

「ええい! いい加減感想言え!」

 

「おいしい」

 

なぜか不機嫌な顔で言うなのは、何故に不機嫌なのか

 

「・・・・・・ならなんで今まで無言だったんだよ」

 

「だって......だって納得いかなかったんだもん! 私が作ったのよりもおいしい!」

 

「逆切れかよ......」

 

どうやらなのはの中でプライドが刺激されていたらしく、それであんな状態だったようだ、凄く紛らわしかったんですが

 

「だって、だって!」

 

「はいはい、わかったから、わかったから」

 

「むー!!」

 

膨れているなのは、まぁなんだ

 

「まぁお前が元気になってよかったよ」

 

「あ......うん!」

 

俯いたと思ったら笑顔で頷くなのは、本当に元気になってよかった

 

「それでユーノ、行儀が悪いから起きて食え」

 

「・・・・・・ばれてたんだね」

 

ゆっくりと起き上がるユーノ、少し疲労は残っているようだが、一応大丈夫なようだ

 

「当たり前だ、なのはは下見てて気が付かなかったみたいだが。俺は立ってるからまるわかりだ」

 

「あはは.......でもおいしいね、これはクレナイが作ったのかい?」

 

「そそ、ここには簡単な材料しかないから手抜きになるけど」

 

「「これで手抜き......」」

 

そう言って視線を落とす二人、リニスさんは......まだ職員に囲まれてるな

 

「そうだユーノ君」

 

「なんだいなのは?」

 

「私、数枚しか食べてないのに、結構減ってるよね」

 

ニッコリと微笑むなのは、たいしてユーノは、今まさに口に入れようとしていたクッキーを落としそうになる、一応俺が拾ったのでセーフだが、プレッシャーがさらに強くなっていた

 

「ダメだよユーノ君落としちゃ、マー君が拾ってくれたからいいけど」

 

「な、なのは? 怒ってる?」

 

「どうして? 私怒ってないよ?」

 

絶対に嘘だ、たぶん俺とユーノの考えがシンクロした瞬間だ。 確かに長い付き合いだが、こんな怒り方は見たことがない、たぶん食べ物の恨みということで静かに怒っていらっしゃるのだろう。 小さいころから魔王は魔王、それを思い知る俺

 

「マー君?」

 

なぜかこちらに矛先を向けられる、ええぃ! 管理局の白い悪魔はバケモノか!! 内心毒づきながら、シレッと誤魔化す

 

「どうしたなのは?追加は材料がないから作れないぞ?」

 

「ユーノ君、すこしO☆HA☆NA☆SI☆しようか」

 

「クレナイ! ヘルプ!」

 

「すまない」

 

「クレナイー!」

 

ユーノがドナドナされ......なかった、ちょうどよく艦内の警報が鳴り響いたからだ

 

「なんかあったのか?」

 

「な、なのは行かないと!」

 

「むぅ......ユーノ君お話はまたあとでね」

 

「はい......」

 

哀れユーノ、結局お話は回避できなかった

 

「クレナイ、皆さん! ぼさっとしてないでブリッジに行きましょう!」

 

「はいよー」

 

------------------------------

 

ブリッジにつくとどうも騒がしい、ジュエルシードが見つかったのだろうか? 俺たちに気が付いたのか、クロノが話しかけてくる

 

「君たち来たか!」

 

「どんな状況?」

 

「残り六個のジュエルシードを捜索していたのだが......ね」

 

そう言ってモニターを見るクロノ、俺たちもつられてモニターを見ると

 

「フェイト.......」

 

そう、フェイトが映っていた。 そもそも、なんで俺たちがクッキーを作っていたかというと、休憩という意味もあったのだが、これまで順調に見つかっていたジュエルシードが、残り六個を残すところでいきなり見つけにくくなったのだ。 と言っても流石管理局というべきか、すでに海の中に探査をかけたいたようだが、こうなったようだ

 

「早く、早くフェイトちゃんを助けに行かなきゃ!」

 

「その必要はありません」

 

「艦長!」

 

なのはを遮るように声をあげるリンディさん、クロノは何か言いたいようだが、リンディさんを見てやめたようだ

 

「どうしてですか!?」

 

「ジュエルシードを安全に確保するためです。 これだけの数を相手にするのですから、いくら彼女が優秀な魔導士とはいえ、消耗は避けられないはず」

 

「・・・・・・もし封印しても、消耗した後ならそのまま捕縛することも出来る。 もし失敗したとしても、こちらの消耗を押さえられる、ですね?」

 

クロノは苦い顔でそう吐き出した。 まぁクロノも納得いかないだろうな、そういう性格じゃないし。 だが、それはリンディさんにも言えることだ、指揮官として合理的な判断をしたまでだろう

 

「ねえリニスさん」

 

「なんでしょうか、クレナイ」

 

「なんかさ、竜巻さ、それぞれの距離だんだん近くなってない?」

 

「そんなこと......いえ、言われてみれば」

 

なのはたちが話し合いをしているが、俺は隣のリニスさんに気になっていることを聞いてみると、肯定の返事が返ってきた

 

「んじゃ行きましょうか」

 

「そうですね」

 

なんて二人して頷き合い、なのはとユーノに近づきながら声をかける

 

「なのは、ユーノ! 行くぞ!」

 

「ふえ?」

 

「どうしたのさ?」

 

「まちなさ「理由は後程、転送!」

 

転送先はもちろん、今見ていた海の上だ。 ということは必然的に

 

「にゃーーーーーーーーーーー!!?」

 

「思った入りも楽しいなこれ」

 

「なにがさーーーーーーー!!」

 

「たしかに、クレナイの言う通りですね」

 

パラシュート無しの、スカイダイビングをしていた。 何気怖さよりも、風が気持ちいい

 

『なにをしているんだ君は』

 

「お、クロノか。 そういえば理由を説明しないとな、なのははセットアップの準備しておけー」

 

「わ、わかったー!」

 

『それで命令違反で飛び出していった理由は?』

 

「気のせいだったらいいんだけどさ、なんかジュエルシード、最初観測した時より近くなってないか?」

 

『そんなはず......気が付いてたんなら先に言え!!』

 

どうやら局員たちも気が付いたようで、クロノからの念話が途絶えた

 

「さて、最後の仕事しますかね」

 

 

 




ついにバナーまで浸食したか!!(リリなの映画の広告

まぁ言いたいことは、前書きで言ったので特に言いたいことはありません。 謝っておきます、いきなり気分が悪くなるような始まりですみません。

さて気を取り直して、感想評価お待ちしてます


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第九話

えー、サクラタイ様、感想ありがとうございます。 本当に励まされました、実際書く気が大いにそがれましたので、本当にありがたいです。 それと評価の見方が分らないんですが、高評価してくれた人たちも本当に励みになります。 

さて暗い話はここまでにして、御大将今作でも飛ばしてますね(VSユーザー

さて、もう一回感想評価、ありがとうございました。 頑張って書いて行きたいと思います。

それでは本編どうぞ!」


セットアップしてぎこちない飛行魔法で速度を殺し、障壁の上に立ったはいいけど

 

「どうするか......」

 

目の前の状況を見て、頭を抱えるしかない。 すでにジュエルシード同士の距離はなく、巨大な一本の竜巻、いや、水龍になっていた

 

「これまた難しい問題ですね。 水ですから切り裂いてもすぐに再生するでしょうし、纏まってしまったということは、封印に対する抵抗力も上がってるでしょうから」

 

「ですよねー」

 

リニスさんの冷静な分析、俺も同意見だった。 なのでここは発掘者のユーノ先生に聞いたみたいと思います

 

「ユーノ先生、何か打開策はありますか?」

 

「先生!? いや、それは置いておいて、バインドで動きを封じて、安全に封印は?」

 

「さっき一本でさえ手間取ってたのにどうやってやるのさ」

 

ユーノの意見に否定的な意見を上げたのは、アルフだ。 さっきまで封印しようとしてたのだ、試していないはずもなく、ダメらしい

 

「マー君、作戦は決まった?」

 

呑気に寄ってくるなのはだが、一応、今までの会話は水龍の近くで行われており、水龍の攻撃を回避行動をとりながらの物だった。 一応、安全になのはの魔力をフェイトに渡すための陽動だったのだが。 とにかくそんな中に警戒はしているとはいえ、入ってくれば

 

「もっと気を付けてくれよなのは......」

 

「あぅ.......」

 

水龍に狙われるわけで、必然的になのはをお姫様抱っこでよける羽目になる

 

「とりあえず作戦は決まってない」

 

「そうなの?」

 

お姫様抱っこのため顔が近いが、気にしている余裕はなく、急いで作戦を立てなければジリ貧だ

 

「てかいい加減自分で飛べよ!」

 

「ご、ごめんね!」

 

俺がそう言うとなのはは飛び出した。 別に重いわけじゃないが、いらん魔力の消費は避けたい。 作戦を考えるのだが、やはりなのはとフェイトの封印しか思い浮かばない

 

「リニスさーん! なんかいい作戦思いつきました?!」

 

「すみませんクレナイ! こんな状況では!」

 

「なら! 正攻法で行くしかないですね!」

 

「クレナイ! どうするんだ!」

 

「なのはとフェイト、それとリニスさんが補佐に入って封印! 俺が気を引いて、ユーノとアルフで動きを止めながら俺の補佐、これぐらいしか思いつかん!」

 

「まぁ仕方ないね! 協力してやるよ! チェーンバインド!!」

 

「リニスさん! そっちは任せましたよ!!」

 

返事も聞かずに、展開していたバリアジャケットをパージ、そしてモードブレードにしたライトニングの魔力刃で、水龍を真っ二つにする。 だがそれは悪手で

 

「分裂した!? チェーンバインド!!」

 

ユーノが分裂した片方を縛り、アルフも縛る

 

「まさか分裂するとは、な!!」

 

俺は切ることを諦め、二匹の龍の頭を打ちぬく方向にシフトする。 なのはのアクセルシュータをもとに、貫通力に特化した槍状のシューター、スピアシューターとでも名付けようか。 それを二匹の水龍の頭を撃ちぬく、再生が間に合わないようで、別のところから攻撃を仕掛けてくる

 

「体の方から、鞭みたいなので!! ライトニング!!」

 

そう今度は体の方に細い鞭(または触手?)みたいなので攻撃を仕掛けてくる

 

「マー君!!」

 

「なのはは集中しろ! お前が封印すれば、俺はこの状況から解放されるから!!」

 

なのはの声に、俺はそう答えた。 その時のなのはは、ハッとした表情になり、力強く頷いた。 まったく頼りになる幼なじみだな! スピアシューターの制御はライトニングに任せ、俺は鞭を捌くことを考える。 変則的な攻撃だが、まぁ、うん

 

「恭也さんの攻撃のえぐさに比べれば!」

 

その一点だった。 やはり戦闘民族TA☆KA☆MA☆TI☆は偉大なようで、あれに比べればという考えになってしまう。 これは人外化不可避だね、なんて軽い現実逃避したくなった。 魔力もだんだん少なくなり、ケチった瞬間、一匹の方の再生能力が攻撃を上回って

 

「フェイト!!」

 

「くぅ!?」

 

アルフが叫ぶ、そしてユーノが障壁を展開するが、水龍の攻撃に簡単に破られてしまう。だがその一瞬のおかげで

 

「させる、か!!」

 

俺が間に合う。 だがユーノが真正面から受けて、簡単に破られてしまうほどの威力だ、俺が普通にやっても破られてしまう、なら角度をつけて、そらせばいいだけだ

 

「悪いな、俺が守る中にはフェイトも入ってんだ!!」

 

ライトニングに任せているのとは別に、それまでの奴より、二回りほど大きいスピアシューターを作り、頭のある水龍に投げつける、そして頭が崩れたところにさっきよりも魔力を込め、数も多くしたスピアシューターを撃ち続ける

 

「リニスさーん!」

 

「準備できました、なのは、フェイト!」

 

「「ジュエルシード、封印!!」」

 

まばゆい閃光が辺りを包み、その光がやむと、そこにあったのは封印され、宙に浮くジュエルシードだった

 

「あー、疲れた」

 

「大丈夫ですか?」

 

障壁張るのも疲れたので、リニスさんに持ってもらい、俺は宙に浮かんでいた。 視線の先には

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

武器を構え、戦いを始めようとするなのはとフェイトがいた

 

「話し合い物理ですね、わかります」

 

「呑気に言っている場合ですか......」

 

だって仕方ないじゃん、止められるわけないし。 それはいいのだが、なぜかさっきから嫌な予感が止まらない。 てか原作だと戦ったっけ? 必死に思い出そうとするが、どうにも記憶がおぼろげだ、だが、いやな予感は当たったらしい

 

「くそっ!!?」

 

「クレナイ!?」

 

嫌な予感が的中した。 思い出したのだ、この後どうなるか、あたりはしないが、二人に次元跳躍攻撃が来るのを!

 

「マー君!?」

 

「クレナイ!?」

 

「っ!」

 

残りの魔力すべてつぎ込み、さっきのような角度変形型の障壁を三重くらいにして張る、ちょうど張り終えると、次元跳躍攻撃である雷が落ちてくる。一枚目はいとも簡単に破壊され、二枚目の破壊も大してかからず、三枚目は、今目の前で亀裂が入っていた

 

「こな、くそっ!!」

 

押し返そうとするが押され、最後には

 

「っ!!?」

 

雷が俺に撃たれる。 どうやら被害は俺だけのようで、なのはやフェイトにけがはないようだった。 よかった、薄れゆく意識の中、俺はそう思いながら、意識は闇に落ちて行った

 

------------------------------

 

「知らない、天井だ......」

 

「そういうネタはいいですから」

 

「冷たい......」

 

目が覚めた時に言う定番なセリフなのに...... ちなみに、そういうことにリニスさんが詳しいのは、俺のせいだったりする。 俺の部屋の漫画とか読んだりしてるしねリニスさん、そんなことはさて置き

 

「少し怒ってますね」

 

「当たり前です! 仮とはいえ主人ですし」

 

まぁ確かにそうなんですがね

 

「でも、感謝もしています。 フェイトを助けてくれましたから」

 

「あいあい」

 

苦笑いされながらお礼を言われるって、なかなかない経験だと思う。 つられて俺も苦笑する

 

「どのくらい寝てたんですか俺?」

 

「一時間くらい、でしょうか」

 

腕時計を見て時間を答えるリニスさん、一時間くらいなら少ないほうか

 

「で・す・が」

 

「なんでしょう?」

 

なぜかためてるし、そして可哀そうなものを見る目が、とてつもなく嫌なんですが

 

「なのはさんがお話があるそうです」

 

「あ」

 

忘れていた。 そりゃあお話あるよね

 

「マー君」

 

「よ、よおなのは」

 

自動ドアの開く音がして見てみると、なのはが立っていた。 何で目が覚めると同時にくるんだよ、エスパーかおまえは、しかもなんだろう、普通の表情なのに震えが止まらないや、しかもなんか廊下に足が見えるんだけど、あれユーノじゃね? なんで倒れてるん?

 

「それじゃあO☆HA☆NA☆SI☆しようか」

 

「はい......」

 

逆らうことはできない。 話された内容は、無理をしないだの、危ないことはしないでとか言われたが、そっくりそのままなのはに返したい気分だった




物語ももう終盤、なのはVSフェイトまでもうすこし

さて、感想評価お待ちしてます


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第十話

皆さんこんばんは、今日は映画の公開日らしいですが、見にいった方はいますか? 見に行った方はよかったですね!(血涙
見に行ってない方は俺と一緒に涙を流しましょう、まぁ俺は見に行く予定はないんですけどね、仕事だし。 暗い話は置いておて、キャラクター紹介見たんですけど、ユーリゲーム版と雰囲気違い過ぎね? という話を先輩としたのですが、クーデレか?クーデレなのか!?とか言ってたら落ち着けと言われました。 あー、マテリアルズ映画で見たいんじゃー.......

さていまだGODに行ってないですが、本編どうぞ!


なのはのO☆HA☆NA☆SI☆から数分後、俺たちはリンディさんに呼ばれ、会議室に来ていた。 なぜ先にならなかったのかって? 誰もあの雰囲気のなのはを止められなかったみたいです、リンディさんも、久しぶりに嫌な汗が出たとか言ってたし。 さっきの話に戻るが、会議室に呼ばれた理由は、さっきの戦闘時の簡単な注意だけだった。 俺は気づいていたが、オペレーターの人たちは、ジュエルシード同士が引き合っていたのに気が付いてなかったため、大きな次元震の可能性があったからだとか。 注意もせめて一言言ってから、転送してほしかったとのことだった。 そして俺たちは、家に帰された。 アースラの方も次元跳躍攻撃があったらしく、修理中で、それにジュエルシードも全部集まったので、一時的な帰宅が許された、というわけだ。 そんなわけで、せっかくのマイホームなわけだが、俺は別に考え事をしていた

 

「クレナイ、何か気になることでも?」

 

「いやね? なーんか引っかかるなーと」

 

さっき雷に打たれたためなのか、このなのはの物語を思い出してきたわけなのだが、どうにも腑に落ちない点があった

 

「どうしたんですか?」

 

「ちょっと待って、自分がどこに引っかかっているのか、整理するから」

 

一度リニスさんにストップをかけ、最後の次元跳躍攻撃について思考に没頭する。 まずアニメの話でも、次元跳躍攻撃は当たっていなかった、それはこの世界でも同じだ、俺の当時のプレシアの印象は冷たい女、だったが、今回の攻撃で少し印象が変わった。 距離が離れすぎているのだ、あの攻撃は強力で俺も痺れて、意識を失い海に落ちたが、あの位置では余波も全くなかっただろう。 それくらいなのはとフェイトから離れていた。 このことから考えられるのはいくつかある、まずプレシアは、フェイトに当てる気はなく、逃げるための時間稼ぎをした。 次は、手が滑った。 これは完全にないと思う。 そして次は、これからのことを考えて駒を消耗させたくなかった。 自分でも最悪の考えだが、あのアニメの言葉を聞いているとどうしてもそう思ってしまう。 そして最後が、もう少し近くに撃つつもりだったが、意識的に無意識的にかは知らないが、それた。 それぞれでまた違ってくるが、俺には情報が少なすぎる。 なので怒られる覚悟で、リニスさんに聞いてみることにした

 

「リニスさん、ちょっと聞いてもいいですか?」

 

「はい?」

 

ちょうどご飯を運び終えたリニスさんに声をかけ、ズバリ聞いてみることにした

 

「いただきます」

 

「いただきます」

 

「今回の次元跳躍攻撃ですが、どう思います?」

 

「どう、とは?」

 

少し目を細めるリニスさん、その目線は少し厳しく、まっすぐ俺を見ていた

 

「怒ってもいいですが、俺が悪いことを言うので、今回の次元跳躍攻撃、気を引くには少し遠くなかったですか?」

 

「・・・・・・」

 

無言は肯定、と受け取り話しを続ける

 

「俺はこう考えたわけですよ」

 

そうしてさっき思考していた意見を率直に聞いてみた、まぁ、案の定リニスさんからは睨まれている

 

「クレナイ、私だって怒るときは怒りますよ?」

 

自分のご主人でもあり、家族を悪く言われてるのだ、怒らない人はいないだろう。 だがそれでも聞いておかねばならない、俺には情報が少なすぎるし、今回の作戦に少なからず影響が出るのだ、ここはしっかりと聞いておかねばならない

 

「それはわかってますし、覚悟もしています。 でも、情報が欲しい、俺は知らないことが多すぎますからね、作戦の成否にもかかってきますし」

 

俺の答えが分っていたのだろう、苦笑というか呆れが入った表情でため息をつかれる

 

「はぁ......それを言われると弱いですが、私にもわかりません」

 

「わからない?」

 

「ええ、私は死んでから使い魔にされましたから、その前のことはわかりませんし、私はプレシアのお世話はあまり出来ませんでしたから」

 

少し後悔が入っている声でそういうリニスさん、まずったと思ったが謝らない、少し雰囲気の重い夕食

 

「ですが、私は一番最初の案を押したいですね」

 

「逃げる時間を稼ぐために放った?」

 

「はい」

 

苦笑しながら言うリニスさん、彼女もたぶんわかってるのだろう、違うと。 だがあえてそれを押す

 

「そうっすね」

 

俺は短めに答えて、味噌汁をすすった

 

------------------------------

 

「久しぶりね」

 

「久しぶり、アリサ、すずかちゃん」

 

「久しぶり」

 

久しぶりの学校、ということで友達と挨拶を済ませ、席に座っているとアリサとすずかが話しかけてきた

 

「それで?」

 

「それでとは?」

 

「コウ君、わかってるのにそんなこと言っちゃだめだよ?」

 

軽いジョークのつもりだったのだが、アリサは気に入らなかったらしく、殺さんばかりの形相で睨んできていた。 そんなアリサの様子にすずかも俺にそう言うが、こっちもこっちで怒っていた

 

「ジョークのつもりなんだが......ノーコメント、言えることじゃないです」

 

「なんかアンタがいてもいなくても、調子狂うわね......」

 

「それいるといないのもどっちもおんなじってことじゃ......」

 

「そういう意味じゃないけど、でもコウ君、一週間ちょっといなかったのに何か普通だね?」

 

「そう?」

 

確かに学校に来るのは久しぶりだが、まぁ別にそんなことで態度かえるような話じゃないし

 

「まぁいいわ、怪我もないみたいだし」

 

「アリサ、お前......」

 

なのはのことは心配してて当然だが、俺の心配もしてくれるなんて、と感動していると、顔を真っ赤にしてこっちに殴りかかって来る

 

「なによ! 何か聞こえた!?」

 

「アリサちゃん、どうどう」

 

後ろからすずかが、涼しい顔で羽交い絞めにしているため俺に被害はない

 

「おはよー、ってどんな状況?」

 

教室に入ってきたなのはは、こちらを見て不思議そうな顔で俺に聞く

 

「おはようなのはちゃん」

 

「アリサが俺となのはがいない時、心配してくれてたって話」

 

「うがー!!」

 

さっきより顔が真っ赤になるアリサ、別に恥ずかしがる必要もないと思うんだが? それより涼しい顔で押さえているすずかの方に俺は戦慄だ。 しばらくたって、アリサがようやく落ち着いたのだが、何故か俺は一発頭をはたかれた、解せぬ

 

「そうだなのは、今日久しぶりに一緒に遊ばない?」

 

「え、えっと......」

 

『マー君、大丈夫なのかな?』

 

『いや、俺誘われてないから知らん。 ユーノ、大丈夫だと思うか?』

 

『僕は......大丈夫だと思うよ? しばらくは硬直状態続くと思うし』

 

『だって』

 

『わかった』

 

「うん、大丈夫! ところでマー君は?」

 

「そいつの場合なのはのおまけで来るでしょ」

 

「おまけ扱いか俺は」

 

「でも来るよね、コウ君」

 

アリサは俺の方をチラチラ見て、なのはとすずかは俺のことをじーっと見ている。 こんな状況じゃ断れないと思うんですけど

 

「まぁ行くけどさ」

 

「やったー!」

 

「よかったね、なのはちゃん! アリサちゃん!」

 

「なのははともかく、なんでアタシもなのよ!?」

 

「えー、言ってもいいの?」

 

「すずかー!」

 

「わわっ!? アリサちゃん、駄目だよ!?」

 

「くうぅぅぅぅ!!」

 

やかましいことこの上ない、そんなことを思いながら俺は、いつも通りの一日を過ごした

 

------------------------------

 

「アルフじゃん」

 

『なんで、あんたがここに』

 

「なに? この犬知ってるの?」

 

「知り合いの犬に似てる、なのはもそう思わないか?」

 

「え?う、うん!!」

 

『俺の友達の家、とりあえずこいつら言ったら傷見せて、俺こう見えても治癒魔法特だから』

 

『・・・・・・』

 

疑っているらしい。 というかなのははもうちょっと、どうにかならないのか? アリサは疑わしそうに君を見てるが

 

「ちょっとその知り合いに電話かける、一人にしてほしいんだけど」

 

「わかったわよ、なのは」

 

「う、うん! マー君お願い」

 

「あいよ」

 

アリサにばれないように小さく会話を交わし、なのはにアリサを連れて行ってもらった。 あたりに誰もいないのを確認し

 

『さて、傷口見せな』

 

『敵に情けなんて』

 

『どっちみち、なのはから管理局に連絡行ったみたいで、念話来てるし』

 

『すまない、クロノハラオウンだ。 話を聞かせてもらえるだろうか』

 

『潮時か......仕方ないね、でも、これだけは約束しておくれよ』

 

『出来ることなら』

 

『ご主人様を.......フェイトを助けておくれよ』

 

「ヒール」

 

俺たちは話を聞きながら、アルフに治癒魔法をかける。 だが思ったよりも傷は浅く、見た目は派手だが、内部にそんなに異常はないようだ、これならすぐに終わりそうだ

 

「ひー「そう言えばさ、は?」る?」

 

目と目が合う俺とアリサ、なのはは後ろでアワアワしていた。 役立たずめ!! 視線でそう言うと、ごめんなさーい! と目で返事をしてきた。 手から緑色のオーラが出てるのをばっちりみられてしまった

 

「あ、アンタ!」

 

「はぁ......とりあえず後で話すから、今は聞かないでくれ、ヒール」

 

『クレナイ、あとで話がある』

 

『わかってるよ』

 

俺は内心でため息をつきながら、アルフの治療を続けた

 




ちょっと長くなったけど、ここまで書ければ
途中のプレシアについての考察ですが、別にキャラ的に嫌いというわけでも、好きというわけでもありません、ちょっと不快になった方もいるでしょうが、物語の都合上仕方なく、です。 とりあえずお詫びをば、すみません。 

それでは感想評価お待ちしてます


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第十一話 

ヒャッハー! 朝から更新だぜぇ、なんか目が覚めて眠れないからな。 映画? 今の状態で車運転したら死ぬし、電車乗っても寝過ごす自信がある。 そして上映中の映画館が遠い、不幸だ......

というわけで今日は出来る限り更新します、無印終わったりしてね

それでは本編どうぞ!


「それで? 説明してもらってもいいかしら」

 

アリサ邸の一室、俺は、いや、俺となのははアリサに詰問されていた。 すずかはなんでこんなことになったのかわからず、不思議そうな顔をしていたが

 

『ど、どうしようマー君』

 

『どうしようって言われても、魔法使うとこばっちりみられてたし』

 

そう、このすば式とはいえ、魔法使うところはばっちりみられていたわけで、どうにもこうにも言い訳しようがない

 

「マスター、ここはこう考えるんです、ばれてしまったのだから、教えちゃってもいいじゃないかって」

 

「こ、声!?」

 

「どこから!?」

 

「こんの、アホめ......」

 

突如聞き覚えのない声に、アリサとすずかは驚き、あたりをきょろきょろしていた。 俺は溜息を吐き、なのはは苦笑していた。 まぁ話しやすくなったのは事実だが、面倒極まりない

 

「あー、アリサとすずかちゃん、喋ったのかコイツ」

 

そう言ってポケットからライトニングを出す

 

「これって、いつもアンタが持ち歩いてた」

 

「ブレスレットだよね?」

 

「ああ」

 

「初めまして、というわけではないですが」

 

「「宝石っぽいのが喋った!?」」

 

なんだろうこの反応、ちょっと新鮮。 そんなわけで事情説明

 

「俺となのはは、魔法使いなんだ」

 

「いや、それはどうなの?」

 

「えっと、本当なのかな?」

 

「なのは頼む」

 

「ふぇっ!? なんで私なの!?」

 

「気にするな」

 

「うぅ......わかったよ、レイジングハート」

 

「セットアップ」

 

そうするとピンク色の閃光が部屋を包み、光が晴れると、見慣れたバリアジャケットを着たなのはの姿

 

「「な」」

 

「な?」

 

「「なにこれー!」」

 

「うにゃ!?」

 

目がめっちゃ輝いてますねあの二人、アリサは純粋にすごいと思ってるんだろうけど、すずかの方はなんか輝き方が怪しい。 確か工業系好きだからそのせいかな? 何はともあれ、質問攻めにされているなのは、こっちに助けを求めているようだが

 

『頑張れ』

 

『マー君の薄情ものー!』

 

『まぁ言い機会じゃないか、アリサたちに隠し事しなくても済むし』

 

『むー! それはそうだけど』

 

『じゃあ説明は頑張れ、俺はクロノと話してるから』

 

そう言って一方的に念話を切り、クロノと話をする。 何か言ってはいたが、無視無視

 

------------------------------

 

「そんなことがあったんですね」

 

今日の出来事をエリスさんに話すと、苦笑していた

 

「まぁ、なのはは話せてすっきりしてましたけどね」

 

「一般人に魔法の存在を知られるのは、あまりいいことじゃないですけどね」

 

「まぁ、アリサとすずかちゃんにはきつく言っておきましたし、本人たちもしゃべらないって約束してくれましたから」

 

「それでアルフは?」

 

「傷は見た目が派手でしたけど、内部、つまりは臓器などには全くダメージがなかったです」

 

「そうですか......」

 

あからさまにほっとした感じのリニスさん、まぁアルフが怪我したのは知っているらしいが、どこまでというのはクロノが言ってなかったらしい

 

「にしてもあの怪我の具合」

 

「やっぱり違和感がありますか?」

 

「ええ、まぁ。 アルフの話を聞く限りだと、逆上して殴っていたわけですから、近距離で攻撃を食らったにしては、内部のダメージが少なすぎる」

 

「大魔導士と言われたプレシアですから、それくらいの調整はお手の物です!」

 

リニスさんが誇らしげにそう言うが、そもそも攻撃したことに関してツッコミはないのか、なんて言葉がのどまで出かかったが、言わない。 おれはくうきがよめるおとこ

 

「ですが、ほんとうになのはをフェイトにあてるんですか?」

 

「なのはが望んだことですし、それになのはにはあれがありますから」

 

切り札のことを思い出し、俺はげっそりする。 正直言って、あれはもう食らいたくない

 

「たとえ切り札があったとしても、フェイトは強いです。 いくらなのはさんが強くなっているとはいえ」

 

真剣な表情をして俺を見てくるリニスさん、その目はなのはでは勝てないと言っているが、俺はそれを鼻で笑って返す

 

「強いのはわかってますよ、でもなのはの成長速度は馬鹿にできない、俺はなのはを信じてますから」

 

「・・・・・・どちらにしろ、明日で決着はつきますね」

 

「そうですね」

 

そう明日で決着がつく

 

------------------------------

 

早朝、まだ微妙に暗い中起きだし、俺は日課のランニングと鍛錬を開始する。 一旦家に戻り、シャワーを浴びて臨海公園に来ていた。 霧が濃いが、空を見てみると雲一つないのでそのうち晴れるだろう。 しばらくぼーっとしていると、念話が飛んでくる

 

『おはようございます』

 

『エリス様? おはようございます』

 

珍しいが普通に会話する

 

『よかったんですか? 今日の決戦』

 

『よかったとは?』

 

『貴方が戦えば確実に勝てます、なのになのはさんに任せて』

 

『どうもみんなは俺の力を過信しすぎですよ』

 

思わず苦笑する。 飛行魔法はぎこちない、魔力変換質は中途半端等、挙げればきりがない

 

『いいんですよ』

 

『その結果なのはさんが怪我をするとしても?』

 

『なのはが任せてくれって言ったんです、なのはの意思を尊重したいし、それに、なのはに任せておけばうまくいきそうな気がするんですよ』

 

『勘、ですか?』

 

少しおかしそうに言うエリス様、でも嫌なことに、こういう俺の勘は当たるのだ

 

『まぁそうですね。 後は、あいつがどう出てくるかなんですよね』

 

『ギルティメッシュさん、ですね』

 

『はい』

 

アリサやすずかに聞いたが、どうも数日前から学校に来てなかったらしい。 しかも、アリサとすずかに声もかけず大人しくしていただとか。 これは間を置きすぎた感がしなくもないが、後悔しても仕方ない、そのために追加でチートを頼んだのだし

 

『どうなるかわかりませんからね、一応』

 

『すみませんがよろしくお願いしますね』

 

『あーい』

 

なんて念話が一区切りついた時、後ろから気配を感じた

 

「今日は客が多いな......さて、決戦の相手は俺じゃないからな」

 

「・・・・・・」

 

後ろを振り向き、声をかけると、やはりというかフェイトがいた。 俺のことを静かに見ている

 

「リニスさんもいないし、もうちょっとしてから出直してくれば?」

 

「・・・・・・」

 

「反応がないのは辛いんだが」

 

話しかけるも反応なし、どないしろと? しばらく無言で見合っていたが、話しかけるそぶりすらなく、俺は溜息をつき、視線を空へと向けた

 

「なぁ」

 

「・・・・・・」

 

「君にとって、君のお母さん、プレシアテスタロッサについてどう思ってる?」

 

質問しても無言、なので話を続けさせてもらう

 

「昨日アルフから聞いた、君がどんな扱いを受けてるのか、だから聞きたい、君にとって君の母親はどういう存在?」

 

目を見て尋ねる、フェイトの目には確かな意思が宿っており、ようやく口を開いた

 

「母さんは母さんだ、とっても、とっても大切な人」

 

「虐待されてても?」

 

「・・・・・・それは私がいけないから」

 

「普通の親は虐待しない、子供がいけないことしたら怒るだけだ、手を出すことはしない」

 

「黙って、母さんを悪くいうのは許さない」

 

即時バルディッシュが鎌の形態で、俺の首脇数センチにあてられている

 

「・・・・・・そんだけ好きなんだな、お母さんのことが」

 

「当たり前だ、私のたった一人の母さんだから」

 

「そうか」

 

場違いだが笑ってしまった、そこまで好きかと、これは色々と強引でもやることが増えたな

 

「やれやれだな」

 

「なんで笑うの?」

 

「いや、やることが増えたなーって。 まったく、リニスさんからも厄介なもんを受けちまったもんだ」

 

「リニスに?」

 

「話は後だ、この状態はまずいから、とりあえず鎌どけてくれない? 君のお母さんを悪く言ったのは謝るから」

 

疑わしそうにしながらもバルディッシュを待機状態に戻していた、そして聞こえる複数の足音

 

「マー君! それに、フェイトちゃん?」

 

「「フェイト!」」

 

 

 




ちょっと時間はかかったけど、投稿するぜ!

無印も終盤、何回も言ってるけど

それでは感想評価お待ちしてます


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第十二話

今日は何本あげられるかなー

さて、無印の山場の一つ、なのはVSフェイトです!

本編どうぞ!


「始めよう」

 

そういってバリアジャケットを展開し、飛び去って行くフェイト

 

「頑張って来いよなのは」

 

「うん、行ってきます、マー君!」

 

「おう」

 

続いて飛んでいくなのは、何かを話し合っているようだ、その間に俺はクロノに念話を飛ばす

 

『クロノ』

 

『もう結界ははってある、問題ない』

 

『仕事が早いこって』

 

「始まった!」

 

二言、三言、言葉を交わし、それはいきなり始まった。 フェイトの先制攻撃、フォトンランサーを数発射出して、自分も突っ込んでいく。 それに対してなのはは、どうしても避けられないのだけ障壁ではじき、それ以外は避けていた。 だがフェイトの方がスピードは速く、避けていることもあってすぐに追いつかれてしまう。 ちなみに件の障壁だが、いつの間にか解析されていたのか、俺の角度変更型を使っていた

 

「なあユーノ」

 

「どうしたの、クレナイ」

 

「あの角度変更型、開発するの結構な時間と労力だったんだけど、なのは普通に使ってたよな」

 

「・・・・・・そうだね」

 

「天才ってずるいですわー」

 

思わず棒読みになってしまう。 いや、隠し玉だとか、切り札などはいくつも持ってるし、状況に対応できるように改良も続けている、でもねぇ

 

「クレナイ、ショックなのはわかりますが泣かないでください......」

 

「泣いてないよ、心の汗だよ」

 

目から出ている汁をぬぐう。 戦闘のほうだが、今は近距離戦だ。 どっちが押しているかなんて一目瞭然で、フェイトだ。 なのはは防戦一方だが、確実に防いでいた

 

「なああの子、こんなに近距離出来たのかい?」

 

「うんにゃ、ここまでは出来なかったはず」

 

俺が知っているなのはは、これよりできなかったはずだが。 今フェイトは連続で切ってはいるのだが、それを確実に防いでいるなのは。 大きい一撃は、間合いを開け避ける、小さい攻撃は障壁で、なんだこれ、かなりレベルアップしている、一応教官であるリニスさんを見ると、笑顔で固まっていた

 

「リニスさんも予想外だったみたいですね」

 

「確かにそう教えましたが、ここまで短期間で......」

 

どうやら思ってたよりも成長していたようだ、あれ? これ原作より強くなってね? いや、戦闘民族TA☆KA☆MA☆TI☆の出だし、反射神経とかは人よりいいはずなのだが、運動神経は悪かったはず、はずなのだが

 

「・・・・・・」

 

確実に防いでるんだよなぁ......今度は障壁二枚張りしてるし、何やるんだか

 

「は?」

 

驚いたのはユーノだ。 障壁が爆発した、真面目に、たぶん距離を離す目的で開発したんだろうが

 

「いやー、なのはとレイジングハート、やばすぎでしょ」

 

俺も技術的に同じことができるけど、魔法に触れて少し経ったくらいでできる、芸当ではない。 もう一回言おう、魔法に触れて、少し経ったくらいで、できる芸当ではない。 目論見通り、距離を離すことに成功したなのは、だがそれで終わるわけもなく、アクセルシュータを作り出し、一斉射。 数が少ないとこから見て、追尾型、さらに二つ作り出して、自分のところに待機させている。 何この戦闘センス、怖すぎ

 

「リニスさーん!」

 

「わ、私だってここまで教えていませんよ!」

 

「え? じゃあなんだい、自分でこんなことを考えたってことかい!?」

 

「でも、なんだろう。 今のなのは見てると、なんかクレナイとダブって見えるんだけど......」

 

「あぁ......」

 

「ちょっと待てぇ!」

 

何かリニスさんあたり納得してるが、異論を唱えさせてもらいたい。だが俺の叫びは無視された。 なのはとフェイトのほうだが、フェイトは一応準備があったようで、無傷だったが、迫っている六個のシューターを見て、流石に表情がひきつった。 その場から高速離脱、だが追尾型なので、距離は離れては行くがが追尾してくる。 このままでは不利だと思ったのか、フェイトは飛行ではなく迎撃を選択したようだ、だが

 

「フェイト、それは悪手です!」

 

リニスさんは叫ぶが、聞こえるはずもなく、シューターを足を止めて迎撃してしまう。 いや、正確には動いてはいるが、その動きはシューターによって動かされた動きだ、だとすると

 

「ディバイン、バスター!」

 

直射砲が飛んでくるわけで

 

「フェイトぉ!!」

 

「「・・・・・・」」

 

俺とユーノは絶句、味方とはいえ容赦ない攻撃に、だ

 

「クレナイ、やっぱりあなたは私の敵ですね」

 

リニスさんなんか杖を俺に構えていた

 

「待て待て待て! なんで俺なんだよ!?」

 

「今確信しました、あれはクレナイですね」

 

「俺あそこまで非常じゃないぞ!?」

 

「・・・・・・いや、クレナイだったらやりかねない」

 

「ユーノ!?」

 

どうやら俺に味方はいないようだ。 ちなみにみんな、直射砲が障壁を割ったと思っているようだが、今のなのはを見て欲しい、近くに浮いていたアクセルシュータがないのだ。 終わったと思っているから消したとも思われるが

 

『クロノ』

 

『君が味方でよかったよ、それでどうしたんだ』

 

『含みのある言動ありがとう、あとでおぼえてろ。 直射砲直撃前、見えたか?』

 

『どういう意味だ?』

 

『見えてないか......スローでそこらへん見てみろ』

 

『なにを言って......君がここまで残虐だとはな』

 

『何回も言う通り、俺は何もしていない!』

 

『まさか障壁に直射砲ヒット直後、シュータを後ろからとは......』

 

そう、一瞬のことだったのだが、俺は見たのだ、後ろの攻撃がヒットした瞬間、障壁が解けたのを。 何度も言うが、俺は教えてもいなしい、こうしろと言っていない。 煙は晴れないが、なのはは勝負がついたと思っているのか、それとも消耗が激しすぎたのか、緊張を解いていた。 だがそれがいけなかった

 

「バインド!?」

 

「「フェイト」」

 

マントはなくなり、もともときわどいバリアジャケットが、所々焼け焦げてもっときわどくなっているが、いまだ健在だった

 

「油断してるから」

 

「そう言ってる場合じゃないだろ!!」

 

「どこ行こうとしてるんだユーノ」

 

バリアジャケットを展開し、ユノの前に立ちふさがる

 

「どこってなのはのところだよ! 君はなのはが心配じゃないのかい!? 明らかにあれは必殺技を放とうとしてる、なのはの魔力じゃ防ぎきれるはずがない!!」

 

「今ならまだ間に合う、止めに行くよ!!」

 

「いけませんよアルフ」

 

リニスさんも俺と同じように、アルフの前に立ちふさがる

 

「何言ってるんだいリニス! あんたはアレのやばさしてるだろう、あの時以上の威力になってるんだよ、下手したらあの子が死ぬ!!」

 

「本当はこんなことしたくなかったけど」

 

「仕方ありませんね」

 

「「なっ!?」」

 

俺たちは、二人に向かってバインドをかける。 何重もかけてるせいで二人は動けないようだ

 

「クレナイ!!」

 

「リニス!!」

 

「黙って見てろ、お前もな」

 

最後の言葉は小声で、後ろの方でこそこそ見ている奴にも声をかける。 どうやら聞こえたようで、止まった感じがする。 視線をなのはの方に戻す

 

「フォトンランサーファランクスシフト......」

 

リニスさんがぼそりとつぶやく、どうも思い入れがあるようだ

 

「なのは!!」

 

聞こえるはずないのだが、俺が叫ぶとこちらを向くなのは、俺はなのはの目を見続ける、なのはも見続け、やがて頷く、そして正面に目を向ける。 その瞳に迷いはないようだ

 

「まったく、本当に俺の幼馴染はすごいねぇ」

 

「なにを?」

 

リニスさんがそう言うが、始まったようだ。 撃ちだされたそれは、金色の雨のようで、一斉になのはを襲う。 だがなのはもタダではやられない、何重にもされたバインドを、数本強引に解き、障壁を複数展開していた。 だが雨のように降り注ぐそれに、障壁は持たずに次々破壊されていく

 

「なのはー!!」

 

いくつもいくつも降り注ぐそれに、砂埃が上がりなのはの姿が見えない、そして、最後の一投。 今までのよりも数倍デカく、まばゆい閃光が

 

「惜しかったなぁ」

 

「何が惜しかったんだ!、今のでなのはが「お前こそ何言ってるんだ?」は?」

 

「負けたのはフェイトだ」

 

「クレナイ?」

 

「見てみろ」

 

フェイトの方を指さし、見るように促す

 

「「「なっ!?」」」

 

フェイト自身も驚いているが、フェイトはバインドで拘束されていた。 その色はピンク色、ということはだ

 

「だから言ったろ、惜しかったなって」

 

思わず笑ってしまう、やはり俺の幼馴染はおかしい。 上空にピンク色の球が浮かび上がる

 

「あれは......」

 

「レアスキルの魔力収束......」

 

「待て待て待て! 今のフェイトがあんなの食らったら!」

 

「い、行かせないですよアルフ」

 

「声震えてますよリニスさん」

 

何かを話し合ってるのか、なかなか撃たないなのは

 

「てかあんなのやられて、平然と話し合えるあの二人の精神が分らない」

 

「その口ぶりからだと、もしかしてクレナイ食らったことあるの?」

 

恐る恐る、という感じで聞いてくるユーノ。 俺はそれを静かに頷く

 

「あのピンク色の閃光は忘れられないぜ......」

 

「クレナイ、今までごめん」

 

なんか謝られた、なんて話をしていると、話し合いが終わったのか、なのはは射出準備に入っていた、フェイトは複数障壁を展開しているが、まるで紙のように簡単に破られる

 

「俺が喰らった時より、収束、威力上がってやがる」

 

「それをフェイトが喰らってるっていうのかい?」

 

「フェイトー!?」

 

「ちょっ!? リニスさん、今行ったら危ないですって!」

 

「そうだよリニス!!」

 

フェイトの障壁は後二枚、あ、今一枚になったが、そこで弾き切れない魔力がこっちにも飛んできているのだ、しかも障壁を貼ってはいるが、あの中に行くのは自殺行為だ。 そのためユーノとアルフは必死にリニスさんを止めていた

 

「どうやら勝負あったみたいだな」

 

最後まで飛んでいたのは、なのはだった




また少し長くなったけど、ようやく終了。 次は時の庭園突入前後かな

昼めし食ったら書くと思う、ので少しお待ちを

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第十三話

今日三本目、本当に無印終わりそう、ちなみに無印終わったら、エピローグ挟んでA`sかそのままA`Sです

本編どうぞ


いつの間にやら後ろの気配もいなくなり、俺は安心して助けに行くことができる。 今にも墜落しそうななのは、ではなく、気を失っているのか落ちていくフェイトを回収し、次になのはを回収する

 

「お疲れさん、なのは」

 

「つーん」

 

肩を貸しているなのはに声をかけるのだが、何故かご機嫌斜めらしい、どういうことなんですかね

 

「なのは?」

 

「つーんだ」

 

「フェイト!」

 

先に動いたのは俺で、スピードも速いので先についたのだが、ようやくリニスさんがきた

 

「んじゃ治癒魔法お願いしまーす」

 

「はい」

 

フェイトをリニスさんに渡し、相変わらずなのはに肩を貸しながら、ユーノのところで治癒魔法をしてもらう

 

「なのはさーん?」

 

「つーーんだ!」

 

「取り付く島もない」

 

なのでしばらく放置、とも思ったのだが

 

「うっ......」

 

「フェイト! 目が覚めたんですね!」

 

リニスさんが抱き着いて、アルフは泣いていて、そして当の本人のフェイトは、何故かおろおろしていた

 

「リニスさーん、落ち着いてください、フェイトがおろおろしてますよ」

 

「失礼しました」

 

俺の一言に冷静になったのか、ようやく抱きしめるのをやめた。 なんか心なしかフェイトの顔が赤く、少し息を乱しているような気がするけど、気のせいだろう

 

「そっか、私負けちゃったんだよね」

 

「フェイトちゃん」

 

なのはが行きたそうにしていたので、肩を貸したままフェイトに近づく。 すると肩をびくつかせたが、こちらを見るフェイト。 微妙にトラウマになったなあの対戦

 

「・・・・・・・バルディッシュ」

 

フェイトが声をかけると、バルディッシュはジュエルシードを出すが

 

「またか!!」

 

急いで障壁を展開する。 今回は大小さまざまな次元跳躍攻撃が襲う

 

「クレナイ、援護します!!」

 

さらにリニスさんが援護してくれるので前回よりは楽になったが、最後にどでかいのが来た

 

「前回と同じ手を......くう、か!!」

 

魔力を多量に込め、障壁を展開する。 今回は防ぎ切ったようだが

 

「ジュエルシードが!!」

 

ユーノの叫び声が聞こえ、そちらを見ると、空に浮かび上がったジュエルシードが消えた

 

「盗られたか、クロノ!」

 

『位置は補足した、只今武装局員を向かわせてる、君たちも艦に戻って来るんだ!』

 

「転送してくれよ」

 

『わかった、フェイトテスタロッサ、君も来てもらう』

 

「・・・・・・」

 

無言のフェイトだが、抵抗の意思はないようだ

 

------------------------------

 

アースラブリッジについた俺たちは、リンディさんに話しかける

 

「状況は?」

 

「見ての通りだよー、もうプレシアの位置は掴んでるから、今そこに向かってるとこ」

 

代わりに答えたのはエイミィさんで、言い終わるのと同時に武装局員が着いたようだった。 緊迫する艦内、モニターに注目する俺達、そして扉が開かれた。 そこにいたのはきわどい服を着た、その女性がいた。 なんか俺、モニター越しににらまれた気がする、気のせいかな。 武装局員が投降するように言うが、彼女は無言。 その間に局員が取り囲むが、何の反応も示さない、目を開けたまま寝ているのだろうか。 また睨まれた! 

 

「クレナイ、気のせいならいいのですが、貴方睨まれてませんか?」

 

「リニスさんもそう思います? 俺もそう思っていたところなんですが」

 

なんて小声で話していると、違う局員が椅子の後ろの部屋に突入したようで、そちらに場面が映っていた

 

「あれは......」

 

「なんなんだいアレは......」

 

「フェイトちゃんが二人?」

 

「いや違う」

 

「あれば、アリシア、です」

 

なのはの言葉を俺は否定し、リニスさんがそう答えた

 

「アリシア?」

 

フェイトは信じられないような声を出していたが、その言葉は周りにかき消される

 

「いけない! 局員を戻して!!」

 

「部屋内に攻撃!? 間に合いません!!」

 

「くっ! 負傷者を回収しろ!!」

 

騒がしくなる艦内、その中で話をするリンディさん

 

「プレシアテスタロッサ、管理局局員に攻撃は重罪ですよ」

 

『今更、でしょう?』

 

「プレシア......」

 

『あら?懐かしい顔ねリニス、死んだと思っていたのだけど』

 

一瞬、ほんの一瞬だが懐かしそうな顔をしていた、すぐに鉄面皮みたいな無表情に戻ったけど

 

「はい、ここにいる彼のおかげで」

 

『ふーん、そう』

 

たいして興味のなさそうな声、俺は今は口を挟まず、プレシアの観察を続けていた

 

「母さん......」

 

『・・・・・・・役立たずと逃げ出した狼じゃない、よくも私の前に顔を出せたものね』

 

「「っ!?」」

 

『リニスさんはどうします?』

 

『どうとは?』

 

『これから時の庭園に行くわけですが』

 

『この状況で、ですか?』

 

『ええ、色々聞きたいことがあるので』

 

『私は、私は後から行きます。プレシアとアリシアをお願いしますね』

 

『はいはい』

 

『ライトニングカウント』

 

『了解です、マスター。 プログラムスタート』

 

『転送』

 

目を開けると目の前にプレシアが

 

「さて、初めましてプレシアテスタロッサさん、俺は紅魔狸男と言います」

 

「子供が何しに来たのかしら、ここは遊びに来るようなところではないわよ?」

 

無表情で言っているが、まぁ俺には通じない

 

「遊びに来たわけじゃないですけどね、まぁいいや、本題に入りましょう、貴方はフェイトのことをどう思ってるんですか?」

 

「出来損ない、失敗作、顔も見たくないし、名前も聞きたくはないわ」

 

「ほっほー、思ってもいないことをポロポロとよく言えますね」

 

目を細めるプレシア、明らかに俺を警戒していた

 

「・・・・・・何を言ってるのかしら、私は「そんな風に思ってはいないですよね」なにを!」

 

次に浮かぶのは怒り、そして魔法

 

「危ないですねぇ、話し合いに来てるっていうのに」

 

角度変更型で逸らす、後ろの壁が崩れる音がしたが気にしない

 

「それにあまり魔法使わない方がいいですよ、顔色悪いですし」

 

「誰の、せいで!」

 

咳きこむプレシア、よく見ると血が

 

「そんな体ですし。 それに怒るということは図星を刺されてということでしょう?」

 

「何を言っているかさっぱりね」

 

「今更とりつくろわれても」

 

冷静に見えるが、態度はボロボロだった

 

「さて、正直に言ってください。 貴方はフェイトのことをどう思ってるんですか?」

 

「またその質問?さっきも言った通りよ」

 

「この会話は最初から記録されてないですよ?」

 

「何を言って.......」

 

「管理局とのパスは切りましたから、あっちはあっちで、今画面真っ暗で大変でしょうけど」

 

「・・・・・・」

 

完全に警戒される、それはそうだろう、ハッキングをしましたと、ここで自供しているようなものだから

 

「俺はただプレシアテスタロッサさん、あなたの本心が聞きたいだけだ」

 

「それでわざわざこんな手の込んだことを?」

 

始めて俺に関心を示した

 

「ええ」

 

リニスさんの依頼もあったが、それを話す必要はないだろうし

 

「でも残念ながら「そういう嘘いいですから」・・・・・・」

 

「怒りました? 別にいいですが。 俺こんな歳ですけど、精神学とか色々な本を読んでたりするんですよ、それで嘘をつく人の特徴とか色々なものを読んだんですけど、あぶな!?」

 

俺の語りを遮るように、フェイトも真っ青になるくらいのスピードフォトンランサーが飛んでくる

 

「危ないじゃないですか」

 

「黙りなさい」

 

凄んでくるがねぇ、この頃忘れがちだが俺は転生者で、それもまっとうに人生を生きて、かなりの歳で逝ったわけだから、たかだか五十代に凄まれたぐらいで、ビビる程度の精神は持ち合わせていないのだ

 

「いや嘘つくからじゃないですか、本当は「黙りなさい」・・・・・・本心を隠すのはどうかと思うんですよ? それに彼女、アリシアさん?も喜ばない「黙りなさい!!」

 

今までで一番強い否定

 

「貴方に、貴方みたいなガキに何が分るの!? 私の体が頑丈でないばかりにリニスを手放し、したくもないのにフェイトを痛めつけ、その使い魔であるアルフに嫌われ、そしてあの事件のせいでアリシアは......あなたに何が分るのよ!!」

 

「なにもわかんねえよ」

 

きわめて簡潔に言はなってやった

 

「なにもわかるはずないだろ? その人の痛みはその人のものだし、想像することはできても、その人と全く同じ気持ちになる、なんていうのは不可能だ。 俺は無責任にあなたの気持ちがわかる、なんてことは言えない。 でも、リニスさんに頼まれたんだ、プレシアをフェイトを助けてくださいって」

 

「リニスが?」

 

愕然とするプレシア、俺が代弁するのもおかしいと思うが

 

「ああ、あの日死に体のリニスさんを拾って、治療した後聞いた話だけど、別にプレシアのことは恨んでいません、まぁフェイトと触れ合う時間を増やしては欲しかったですけど、主を差し置いてこんなこと言うのは変かもしれませんが、プレシアとフェイトを、あの親子を助けてくださいって」

 

「・・・・・・」

 

リアル鬼の目にも涙、プレシアは、俺が代弁したリニスさんの言葉を聞いて泣いていた

 

「さて、もう一度聞きます、貴方はフェイトのことをどう思ってるんですか?」

 

「私は、私はあんなことをしたけど、フェイトのことを愛してるわ、でもそれをフェイトに告げてはいけないのよ、そうしたらあの子は犯罪者の娘になってしまうもの」

 

「アルフやリニス、アリシアは」

 

「もちろん全員愛してるわ......」

 

泣きながらフェイトに謝罪しているプレシア、これで俺の方針は決まった

 




また3000オーバー、そしてこれ多分今日中に無印終了無理そう、精神学のところは適当なのでツッコミはNG、そして最後ちょっと無理やり

感想評価お待ちしてます


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第十四話

ああ休日って素晴らしい、そう思いながらの投稿

さて本編どうぞ


「来たみたいだな」

 

大きな魔力を感じ、そう呟く。 だがその一団とは違い、異質な魔力を感じた

 

「この感じ、望まれない客も来たみたいだな」

 

「えぇ、魔力の照合結果、該当者は一人、ギルティメッシュさです」

 

「まぁとりあえずプレシアさん、あの人形と暴走止めてくれません?」

 

「出来るわけないでしょう?」

 

「はい?」

 

まさかの一言に、俺は絶句。いや、暴走してるのはわかるが、止める手段くらいはあるだろう

 

「臨界点超えて稼働させてるんだし、人形は暴走する魔力をもとに、勝手に起動したんだもの」

 

何ともまぁ酷い、どうしようこれ

 

「どちらにしろすべてが遅いのよ、もう、ね」

 

そう言いながらジュエルシードを暴走させていた

 

「何やってんのアンタは!?」

 

「見てわかるでしょう?ジュエルシードを暴走させてるのよ、これで少し違うものになってしまったけど、私の筋書き通り」

 

「この期に及んで、あったまきた!!」

 

『なのは!!』

 

『マ、マー君!?どうしたの、というより大声で頭響くよ!』

 

『フェイトとアルフは近くにいるか!!』

 

『話を聞いて! みんなと一緒にいるから、いるけど』

 

『あとでいくらでも謝ってやる、今はあたまきたからそっちをどうにかしてからだ!!』

 

なのはたちが一緒にいるのは都合がいい、あとは招かれざる客と暴走してる魔力炉を破壊できるだけの威力と

 

「ライトニング!!」

 

「いけます、マスター!!」

 

「何をするつもり!?」

 

「うっせぇこのババア! 娘の前で詫びろ!!」

 

俺に魔力収束、なんてレアスキルはないが、周りの魔力を集めるという魔力収束を疑似的に再現したものを使い、自分の魔力をほとんど使わずに、かなりデカいスピアシューター、いや、サンダーランスと呼ぶことにしよう、作り出す

 

「ちょ!?」

 

「ぶちぬけぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

それぞれ三方向に撃ちだす

 

「ふぅ、すっきり」

 

『マー君!なんかすごいもの飛んできたんだけど!?』

 

『あ、それ俺が飛ばした奴。 その穴通ってくれば、俺のところこれるよ』

 

『あとでO☆HA☆NA☆SI☆ね』

 

『・・・・・・』

 

やはり人間激情に身を任せるものではなかった、とりあえず暴走した魔力炉の反応はしなくなった

 

「・・・・・・」

 

プレシアさんはポカンとして固まっているが丁度いい、ヒールをかけてみるが病気そのものには効果がないらしい。ならば、不治の病とか呪いと同意じゃないか、という短絡的発想からセイクリッドブレイクスペルをかけてみると

 

「なんで治った?」

 

不治の病が本当に呪い扱いになったのかは謎だが、ヒールをかけてみるとなぜか血色がよくなっていく

 

『エリス様ー!!』

 

『ど、どうしたんですかいきなり!?』

 

ここは原作の専門家、女神エリス様に意見を聞いてみたいと思います

 

『プレシアの不治の病が、セイクリッドブレイクスペルで治ったんですが?』

 

『はい?』

 

『見て貰えばわかると思いますよ?』

 

『えーっと......うそ』

 

どうやら確認したようだ、そんなわけで改めて意見を聞く

 

『それでどういう原理なんでしょう?』

 

『す、すみません。 私にも理解が追い付きません、セイクリッドブレイクスペルの効果は知ってますよね?』

 

『呪いとか魔法を解除するものですよね?』

 

『はい、ですので基本的にはそういう効果なんですが......魔法体系が違うので、そこで効果が変わったくらいしか可能性が......』

 

『まぁいいや、治るなら治るでいいのか?』

 

「マー君!!」

 

ちょうど念話を切ったところで、なのはたちが着たようだ

 

「母さん!」

 

「フェイト、そんなに急がなくても......」

 

「プレシア? どうしたんですかプレシア!?」

 

一気に騒がしくなった

 

「まったく君は、いきなり飛び出したから、なのはが大変だったんだぞ?」

 

「迷惑かけたクロノ」

 

「それで状況を説明してほしいんだが」

 

「見ての通り」

 

俺はなのはに揺らされながらクロノとはなし、リニスさんはプレシアさんを軽く揺らしているが反応なし、そんな母親の様子におろおろしているフェイトに、そのフェイトを心配そうにしてるアルフ、そしてようやくついたユーノ、カオスだ。だが

 

「くっ!!」

 

角度変更型を急いで展開し、飛んできていた剣の射線をそらす

 

「え?」

 

「やれやれ、最後になると思って待っていれば、いきなり何かが飛んでくるとはなぁ」

 

「やっぱお前か」

 

上からゆっくり降りてきたのは、金色の鎧を身にまとったギルティメッシュ、いや

 

「ギルティメッシュ、いや、英雄王ギルガメッシュ!!」

 

「ふん、貴様はわかっていたようだな雑種!」

 

いくつも剣を射出してくる英雄王、急いで展開したため三重ぐらいにしか展開できていないが、しばらくは持ちそうだ

 

「クロノ、俺以外全員転送してくれ」

 

「何を言ってるんだ!あんなのを君一人で相手する気か!?」

 

「まぁ別件の仕事だ」

 

「無理だ! 君だって彼の魔力量は知ってるはずだ!」

 

「ええい、めんどくさい! テレポート!!」

 

クロノ、リニス、プレシア、アリシア(ポットごと)をテレポートする、こうしている間にも、障壁が割られていてあと一枚だ

 

「マー君! ちゃんと、ちゃんと帰ってきてね!」

 

「あの私も、色々と言いたいことがあるので、帰ってきてくださいね」

 

問答無用でテレポートすることがわかってるのだろう、なのははそう声をかけてくる。 フェイトはそでを掴んで心配そうに言ってくる

 

「へいへい、テレポート!」

 

なのは、フェイト、アルフ、ユーノをテレポートすると、ちょうど最後の障壁が破られた

 

「さて、仲間へのお別れは済んだようだな」

 

「待ってくれるとはずいぶんお優しいことですね英雄王」

 

割れると同時にバックステップをすると、鼻先を剣がかすめたが、避けることができた

 

「雑種が、べらべらべらべらとその口を閉じよ」

 

高速で剣を射出してくるが、見えない速さではなく、モードブレードで弾く

 

「スピアシューター」

 

スピアシューターを使い、英雄王の立っている足元に着弾させ、砂埃を起こす

 

「ちぃ!」

 

英雄王は急いで振り払うが、一瞬あれば十分で

 

「流石だな慢心王」

 

「貴様それは!!」

 

俺が突き刺している短剣、それを見て驚く英雄王、それはそうだろう、この短剣を持っていること自体がおかしいのだ。 ルールブレイカー、裏切りの魔女、メディアの宝具だ。

 

「じゃあな、英雄王」

 

「おのれ!」

 

手を伸ばすが、もう体の所有権すらないのか顔をゆがめるだけだった。 何か言いたいようだったが言葉にならず、ギルガメッシュの中から、何かが消えるような感覚がして、それも霧散する

 

『エリス様』

 

『お待ちしてますね』

 

念話を入れ、テレポートしようとギルガメッシュに近づくが

 

「・・・・・・ぐふっ」

 

腹が痛い、そう思い腹を見ると、剣が何本か生えていた。 おかしいな、俺はそんな物騒じゃないんだが。 そう思い後ろを見てみると、黒い靄が立っていた、腕を組んでだ。 その様は、まるで

 

「英雄、王」

 

そいつの口元が吊り上がる、どうやらあっているようだった

 

「そのまま成仏しろよ」

 

痛みに顔をしかめながら、剣を抜く。 本当は剣を抜いたりすると、出血量が増えるからいけないのだが、こんなんで戦闘は邪魔だ。 ヒールで表面だけ直し、ライトニングを構える

 

「ライトニング、モード刀」

 

『エリス様、あれをお願いします』

 

『目を閉じてください』

 

『はいはい』

 

敵の前で目を閉じるのはまずいが、言われた通り目を閉じる。 まぁ思った通り剣が射出されたようだが、感覚を研ぎ澄ませ避ける。 本当に危険なものだけ避けているので、やはり数本は当たる。 かすり傷程度だが蓄積は危険だ

 

『エリス様』

 

『すみません時間がかかってしまいましたが、これで大丈夫です。 デメリットはないですが、慣れない力なので気を付けてくださいね』

 

「了解です」

 

目を開けると、世界は変わっていた。 俺がエリス様に言って、もう一つ用意してもらっていた力、直死の魔眼。 雰囲気が変わったのが分かったのだろう、剣の射出本数が増える

 

「あぁ、吐き気がする」

 

慣れない力だ、そのせいなのはわかってるが、イライラする。 だから

 

「早く終わらせる」

 

足元の死の点を突き、俺と靄の足場を崩す、顔がゆがみそのまま落ちて行く靄、俺は崩れた足場を飛び靄を目指す、大丈夫、あいつの死の線や点は見えている。 なら殺せる。 射出されて剣を足場に、縦横無尽に飛び回り、剣を避けながら靄に近づく、近づくのだが。 靄がにやりと笑う。 その瞬間体が引っ張られる。 体を見ると鎖が絡まっている、そして止まったことで全方位、死角がないくらい剣がセットされている。 腕を上げ、ニヤニヤしている、その表情、余裕が気に入らない!!

 

「っ!!」

 

手を振り下ろすと同時に射出される剣の数々、俺はライトニングを一瞬でモードブレードにして魔力刃を短くし、鎖を粉々に切る、この全方位攻撃をすべて防ぐのは無理で、しかも宝具の質も高いものだろうから、障壁も紙くず同然、なら致命傷になるものだけは防ぎ、あとは犠牲にする

 

「ぐぅ!」

 

左腕を犠牲にし心臓と頭を守り、スピアシューターを全方位に撃ちだし、勢いを殺し、角度変更型でさらに勢いを殺す。 足にも何本か刺さってしまったが、仕方ない、スピードは少し落ちるけど。 腰を落とし足場から一気に跳躍、靄と一気に距離を詰める。靄も流石に予想外だったのか、一瞬間はあったがすぐに剣を射出し始める。 そして一瞬の間に俺は、用意できるだけのスピアシューターを用意できるだけしておいた

 

「うおおおおおおおお!!!!」

 

脇腹を剣がかすめる、頬をかすめ血が出る、心臓に迫った剣をはじく

 

「あああああああああああああ!!!!」

 

靄と距離を詰め、刀を靄に突き立てる。 その瞬間靄が霧散した

 

「あー、辛いわこれ」

 

瞳を閉じる

 

「テレポート」

 




またも3000オーバー、まぁ良いんだけどさ、あまり多くなると読むの疲れると思うんだけどね

そしてなぜか、書いたやつが消えてこの話自体パーになることだった。 自動保存は偉大

では感想評価お待ちしてます


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第十五話

この話が今日的には最後かなぁ......

そんなわけで投稿


目が覚めるとそこは知らない

 

「天井はないですよ」

 

「心を読まないでください」

 

エリス様にジト目で見ながら、体を起こす。 体の確認をするが、剣どころか傷もなくなっている

 

「ありゃ治してくれたんですか?」

 

「当たり前です!」

 

めっちゃ顔が近い、が照れる雰囲気ではない。 涙流してるし、怒ってるし、少し居心地が悪い

 

「いきなりテレポートしてきたと思ったら、ボロボロですし、虫の息でしたし、本当に、本当に心配したんです、からね......」

 

ボロボロと涙を流し、俺に抱き着いてくるエリス様。 どうやらえらく心配をかけてしまったようで、マジ泣きだ。 これは何を言っても無駄だろうと思い、エリス様の頭を撫でてしばらく過ごす

 

「ぐす......」

 

「えっとご心配をおかけしました」

 

ようやく離れてくれたので頭を下げるが、涙目で睨まれるだけだった

 

「いや、転生者ですし、ばれたらまずいじゃないですか? それに、一人の方が動きやすかったので。 前からイメトレは積んでましたから。 最後のについては予想外でしたけど、一応用意してもらってよかったです、直死の魔眼」

 

「・・・・・・」

 

さっきよりも幾分か表情は柔らかくなったが、いまだに怒ってる。 これはあれか? 土下座しないとダメか?

 

「そこまでしなくてもいいです」

 

ようやく喋ってくれた

 

「グスッ......もういいです、どうせクレナイさんはこれからも無理をするんでしょうし」

 

「うっ......」

 

いや、確かにこういうことがあったら、またこういうことになるかもだけど

 

「でも今回は転生者が多かったからこうなったわけですし、次はないとは思いますよ!?」

 

「不安です」

 

何だろうか俺も不安になってきた、俺フラグ建てたような気がする

 

「さて、最後の転生者もこうして無事拉致できたわけですし、俺もう行きますね」

 

「そうですね、早く行って皆さんを安心させてあげてください」

 

そこまで言われて思い出した、なのはのO☆HA☆NA☆SI☆が待ってるんだった

 

「帰りたくねーなー」

 

「ダメです」

 

パチンと指パッチンをし転送の準備がされた

 

「まぁ、また来ます」

 

「はい、お待ちしてますね」

 

笑顔で送り出された

 

------------------------------

 

「マー君!よかった、よかったよ!」

 

「うぉ!?」

 

転送が終わり目を開けると、いきなりなのはが泣きながら抱き着いてきた。 かなり心配をかけたらしい

 

「あー、そのなんだ? 心配かけて悪かったよ」

 

「ほんとだよ! マー君の馬鹿!!」

 

相変わらず泣いているなのは、エリス様にやったように同じく頭を撫でて安心させる

 

「さて取り込み中のところ悪いが、状況を説明してもらえないか?」

 

「クロノか、了解」

 

泣いているなのはも聞こえてるはずなのだが、離れてくれず、そのまま調書を受けることになった。 と言っても、ライトニングに記録されていた、ちょっと弄った映像をクロノに見せただけなのだが。いやー、ホントに便利だね

 

「つまり、ギルガメッシュに憑いていた怨念のようなものが今回の事件の黒幕ということなのか?」

 

「じゃないの? あの黒い靄喋れなかったみたいだし」

 

「結局ライトニングの解析でも不明、と出てるみたいだしな」

 

「何もかも不明、ってことですかい」

 

「気に入らないがそういうことになるだろう、証拠になりそうな時の庭園は空間ごと消滅したしな」

 

「そらまた都合がいいというかなんというか」

 

「まったくだ」

 

投げやりなクロノ、やはりクロノとしても気に入らないのだろう

 

「さて、一応拘束しているテスタロッサ一家と話しておくか?」

 

「あー、そういえばフェイトが話したいことがあるって言ってたからなぁ」

 

そんなわけで、やってきました面会室、一応容疑者ということで、こういう形式をとらないといけないらしい。 なのは? 結局泣き疲れて寝ていたようで、俺が背負っている

 

「来たようね」

 

「クレナイ、どうもです」

 

最初はプレシアさんとリニスさん、どうやら監視は監視カメラだけのようで、もうハックして誤魔化してある

 

「クレナイ、今回はありがとうございました」

 

「いえいえ、それで、契約の方は?」

 

「私が再度契約したわ」

 

答えてくれたのはプレシアさん、ならば俺の方のつながりは切ってしまってもいいな

 

「私の体に何をしたの? 治癒魔法の一種をしたみたいだけど、それで治るような病気じゃないはずなんだけど?」

 

「俺もよくわからないんですよね、そもそも呪いやそれに準ずる魔法を解く、解呪? 魔法なんですけど、専門家に聞いてもよくわからないんだそうです」

 

流石に別世界の魔法で、効果はこうですと、馬鹿正直に話すわけにはいかないので、色々とぼかして話す

 

「興味深いけど、よくもそんなわからない魔法を人にかけられたわね」

 

「まぁ元々ダメ元でしたし」

 

飽きれたプレシアさんにシレッという俺、本当のことだし。 リニスさんは、ああ、またかみたいな顔をしてるけど

 

「さて、俺も言いたいことがあったんですよ」

 

さっきのクロノに見せた映像をプレシアさんに見せ、口裏合わせをしておく

 

「あなたは、よくこんな嘘をぬけぬけと......」

 

「はて? 死人に口なし、ということで全部死人のせいにすればいいのでは?」

 

「クレナイらしい、と言えばらしいですね」

 

「どうせ監視カメラの映像も変えてあるんでしょう?」

 

「もちろん」

 

二人してため息をつかれた、なんなんですかねぇ、傷つきますよ

 

「まぁいいですよ、俺はただフェイトと仲良くしてほしいだけですし、残り時間少ないでしょう?」

 

「「・・・・・・」」

 

二人して顔をそらす、もともと病気が進行していたのだ、治したとはいえ、寿命も延びるわけもなく、それまでの無理のせいで残り時間が少ないと思ったのだ

 

「時間みたいですね」

 

「ねえクレナイ君」

 

「なんでしょう?」

 

「私はどうやってフェイトと接したらいいのかしら」

 

「そんなのは知りません、自分で考えてください」

 

一瞬呆然とした表情になりながら、呆れたように表情を崩した

 

「そうするわ」

 

「それではクレナイ、また」

 

「まぁ、家族で相談するのが一番でしょ? またですリニスさん」

 

続いて、フェイト、アルフが入ってきた

 

「なのは起きろ」

 

「うにゅ?」

 

「えっと.....」

 

「なんで連れてきたのさ......」

 

なのはを起こすと、ぼーっとした表情のままで、フェイトたちが入ってきてしまった。 フェイトは苦笑し、アルフは呆れていた

 

「はっ!」

 

アルフ、フェイト、俺の順番で顔を見て、意識が覚醒したのかワタワタしていた

 

「フェ、フェイトちゃん!?」

 

「こんにちは、かな? なのは」

 

「ところで言いたいことがあるみたいだから聞きに来た」

 

「それはその......ありがとう」

 

「なにが?」

 

特にお礼を言われるようなことをした覚えはなく、流石にいきなりお礼を言われても戸惑うだけだ

 

「あの、リニスから聞きました、私たちのためにいろいろと動いてくれてたって」

 

「そうなのマー君?」

 

「いや、特に動いていた記憶ないけど」

 

「あ、あれ?」

 

「だから言っただろうフェイト......」

 

所詮出たとこ勝負だったし、そりゃあ逃がすために時間稼いだり、少しはしたけどさ

 

「まぁリニスさんも家に来て、結構悪影響受けたからなー」

 

「確かマー君の部屋にある漫画とか読んで、日本の勉強してたんだっけ?」

 

実際勝手に部屋に入って漫画よんだりしてたし、なのはには説明するの面倒だから、そう言っておいたのだ

 

「そうそう」

 

「あー、だから何か、リニスの性格が少し違うように感じたのかい......」

 

「まぁ何はともあれ、リニスさんが元のところに戻れてよかった」

 

「私その話に関して詳しく聞いてない」

 

頬を膨らましているなのは、流石に説明するわけにもいかないしな

 

「悪かったって」

 

「むぅ、それじゃあ騙されないもん」

 

そんなこと言ながら、笑顔になっていくなのは騙されてんじぇねえか

 

「騙されてるじゃないか......」

 

「いいなぁ......」

 

小さく呟いたフェイトの言葉は聞こえたが、今何か出来るわけじゃないので特に何も言わない

 

------------------------------

 

テスタロッサ一家との面会も終わり、俺はなのはと別れアースラの一室を目指していた

 

「さて最後の仕事、取り掛かりますか」

 

 

 




本当はフェイトのところ伸ばそうかと思ったけど、なんか思いつかなかった。 まぁこの後出す機会もしゃべる機会も増えるから今回は良しとしよう

それでは感想評価お待ちしてます


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第十六話

昨日も投稿あると思った? 残念!仕事で投稿できなかったのさ!冗談はさて置き、仕事は冗談じゃないですけど、とりあえずできるときに投稿

それでは本編どうぞ!


アースラにある医務室、俺はそこに向かって歩いている、理由は簡単だ、最後の仕事である、アリシアの死体がそこにあるからだ。 医務室について、自動ドアが開くと中には誰もおらず、アリシアはポットに入ったままだった

 

「不用心じゃね?」

 

「彼女自体は死人ですからね、色々な手続きのために、席を外してるのでは?」

 

俺のつぶやきに反応するライトニング、だがそれにしたって、何があるかわからないのだ、誰かは常駐しておくべきだろう、俺にとっては都合がいいが

 

「まぁいいや、手早く済ませますかね。 リザレクション!」

 

リザレクション、このすばの蘇生魔法で、本当は死んだ直後なら生き返せる魔法なのだが、セイクリッドブレイクスペルの例もある、一応やったのだが

 

「効果なし、なのか?」

 

リザレクションが効いたのかどうかもわからずに困惑する、一応かけたときにアリシアの体が淡く光ったのだが、効かなかったのだろうか? 専門家に聞いてみよう

 

『エリス様ー』

 

『はい、なんでしょうか?』

 

『今リザレクション、アリシアテスタロッサにかけたんですけど、効果があったのかどうかわからなくて』

 

『リザレクションをですか? あれは死んだ直後じゃないと効果がないですよ? その他にも制約がありますけど、今回はクリアしているみたいですが......』

 

『それはわかってますけど、ほら、セイクリッドブレイクスペルの例もあるじゃないですか? 物は試しということで』

 

『確かに......一応調べてみますけど、え?』

 

『どうかしました?』

 

『クレナイさん、早くその生体ポッドからアリシアさんを出してください!』

 

『い、いきなりどうしたんですか?』

 

『いいから早く!』

 

『は、はい!』

 

それまでの温厚な声と一転して、鋭い声になったので急いでアリシアをポッドから出す、一応医務室のベッドに寝かせはしたが

 

『一体どうしたんですかエリス様?』

 

『結果的に言います、アリシアテスタロッサは生き返ってます』

 

『はい? でも生体ポッドから出す時だって、ピクリとも動きませんでしたよ?』

 

『体は、ですね。 魂が入ってないですが』

 

『魂が?』

 

『はい、クレナイさんは私たちの世界を知っているので、話は大幅にカットしますが、死んで体はそのまま地上に残り、天界には思念と言いますか、なんと言いますか、ともかく魂が送られてくるんです。 厳密に言うとまた違うのですが、ともかく魂が天界に送られる、ここまではわかりますね?』

 

『えっと、一応』

 

『リザレクションはその魂を体に定着させる、そんな魔法だと思ってください』

 

『でも、その場合、すぐだと魂が天界に送られて蘇生できるわけじゃないですか、今回死んでからかなり時間たってますよ?』

 

『そこが私も不思議なんです、天界の記録を調べますのでしばらく、待っててください』

 

そうして念話が切れる、なんか本当にイレギュラーだらけだな今回、リニスさんだって死んでないし、アリシアも体だけとはいえ生き返ったし、魂がどこにあるんだって話だけど。 ふと、直死の魔眼なら、そういう霊的なものも見えるんじゃないかと思い、目を閉じ切り替えてみる。 ちなみに直死の魔眼、ルールブレイカーは一時的な特典なのかと思いきや、追加で発生したということで取り消せないらしく、このままだ。 まぁ緊急事態以外使うつもりはないが。 切り替えが終わった感覚がしたので目を開けて見てみる、吐き気がするが、周りを見回してみる

 

「・・・・・・」

 

なんか居るなー、ぼやけてるけど浮いてるのが、しかもアリシアテスタロッサに似ているのがだ。 ためにしもう一度アリシアテスタロッサにリザレクションを掛けるが、効果はなかった。 なぜかそのボヤっとしたものが、少しはっきりした程度だが

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

そのボヤっとしたものと、目が合い見つめあう。 不思議そうな顔をしているが、こっちだって不思議だ

 

『あ、あの、クレナイさん......』

 

『エリス様、なにかわかりましたか?』

 

『い、今ですね天界の記録を調べていたんですが、確かにアリシアさんに記録を見つけました』

 

『ふむふむそれで?』

 

もうここで嫌な予感がしたんだが、聞かないことには始まらない、なので聞くのだが

 

『アリシアさんの記録なんですが、記録がない状態でして......』

 

『・・・・・・』

 

『・・・・・・』

 

無言になる俺とエリス様、記録がない状態、意味が分からん、意味が分からんが、とりあえず、アリシアの霊的なものの頭の上に手を置き、実際は触れてないが、二人分で

 

「テレポート」

 

目を開けるとエリス様の姿があった、どうやら成功したようだ。 目を切り替えて、エリス様に近寄る

 

「エリス様? 記録がないとは?」

 

「そ、その世界の担当者に聞いたんですけど、その時は大勢死んだので忙しく、記憶がないと言ってまして」

 

「相変わらずずさんだな管理がよ!!」

 

流石に怒る、なんでこう毎回毎回、大事なところが適当なんだこの天界は、意味が分からん

 

「あのー?」

 

「はい?」

 

「なに!」

 

俺とエリス様は声がした方を向く、そこには

 

「あれ? 聞こえた?」

 

「あ、アリシアテスタロッサさん?」

 

「え、あ、はいそうですけど? お姉さん誰?」

 

「ええええぇぇぇぇぇ!?」

 

エリス様大驚き、俺はというと、そう言えばさっき連れてきてたなー、成功したんだーという感じ、怒りも霧散した

 

------------------------------

 

「えっとつまり、こんな風な空間に、一度来たことがあるってことか?」

 

「うん」

 

それからアリシアに、これまでどんなことがあったか、ということを聞いたのだが、一度このような空間についた後、いくら待っても人が来なくてつまらなく、抜け出してぶらぶらしていたら、いつの間にか時の庭園についていたらしく、そこで自分の体を見ながらぼーっとしていたらしい。 自分の状態については、プレシアの行動や言動から、死んだということが分かっていたらしい。 その話を聞いてエリス様は頭を抱えていた

 

「あの人大丈夫?」

 

「まぁこれからのことを考えると頭が痛いんだろうから、そっとしといてあげて。 さてこれからどうする、アリシア」

 

「どうって?」

 

エリス様の心配しているアリシアだが、俺がそっとしといて欲しいというと、興味をなくしたのか話に乗っかってくる。 ちなみに呼び捨てにしているが、アリシア自身がそう言ったからである

 

「そこのエリス様に頼めば、いや、頼まなくても生き返れると思うけど」

 

「・・・・・・いい」

 

「なんで?」

 

意外なことに生き返りたくないらしい、だがその表情は真逆だった

 

「だって、もうフェイトがいるもの、私がいなくても」

 

「フェイトとお前は別人だろ、クローンで全く同じに作られても、性格や細かい動作なんかは違う」

 

「確かに、そうかもしれないけど、今更だよ......私は見てきたもん、お母さんとフェイトのこと、今更生き返って、あの関係を壊したくない、ようやくお母さんとフェイトのすれ違いが解消されたのに......」

 

「はぁ......」

 

俺は溜息をつく、フェイトのため、お母さんのためそうは言っているが結局

 

「自分が傷つきたくないだけだろ?」

 

「っ!?」

 

それまで俯いて喋っていたアリシアが、初めて顔を上げた。 だが、俺はそれに構わず喋り続ける

 

「自分のいた場所にはフェイトがるから、だからお母さんは自分を愛いしてくれない、そう思ってるんじゃないのか? 甘えんな、自分の場所は自分で勝ち取るしかない」

 

「で、でもフェイトは、あの子は!」

 

「優しいから譲ってくれる、後ろめたいから譲ってくれる、そうだろう?」

 

「・・・・・・」

 

頷くアリシア

 

「それがなんだ、大体あのプレシアテスタロッサが、二人同時に愛せないと思ってるのか? 時間はかかるかもしれない、でもきっと二人を同じくらい愛すと思うぞ俺は」

 

「もし、もしクレナイの言うような未来にならなかったら?」

 

「そんなのは知らん」

 

そこで驚いた顔をするアリシア、だがそうだろう

 

「無責任な話だけど、そこまで面倒は見られんぞ俺は、大体お前ら家族のことだろう、自分らでそうなるように努力しろ」

 

「・・・・・・・ふふっ、無責任すぎないかなそれ」

 

そう言って笑うアリシア、てっきり怒ると思ったけど、そうではないらしい

 

「うん、でもそうだね。 私たち歪だもんねまだ、努力はしないといけないよね」

 

どうやら勝手に元気になったようだ、よかったよかった

 

「ねえクレナイ」

 

「ん?」

 

「もしさ、お母さんやフェイトと喧嘩とかしちゃって、家に居ずらくなったらかくまってくれる?」

 

「かくまうかどうかは別として、別に来る分には構わない」

 

「そっか、ありがとう!」

 

ようやくいい笑顔になるアリシア、どうやら覚悟が決まったようだ

 

「エリス様!」

 

「は、はい!」

 

「私を生き返らせてください、お願いします!」

 

「・・・・・・」

 

何故か驚いた顔になるエリス様、俺たちの話を聞いてなかったのか? そしたらだいぶトリップしてたな

 

「エリス様、出来ないんですか?」

 

「は、はい出来ますよ!」

 

パチンと指パッチンの音がする、そうするとアリシアの体が浮き上がる

 

「おー! すごい」

 

「アリシアさん、ここでのことは皆さんには内緒ですよ?」

 

「わかりました! お世話になりましたエリス様!」

 

「はい、それではアリシアさんのこれからに、幸があらんことを」

 

「またあとでね!クー!」

 

笑顔で宙を舞うアリシア、その姿が光に包まれ、やがて消えた

 

「また仕事が増えましたね、エリス様」

 

「いいです、向こうの人に全部押し付けますから」

 

若干いじけてるのか、そんなことを言うエリス様、その姿に声には出さないが少し笑ってしまった

 

「それにしてもクーか、また新しいあだ名がついた」

 

「そろそろ向こうに帰った方がいいんじゃないですか、クレナイさん」

 

「それもそうですね、それじゃあまた何かあったら呼んでください。 遊びに来たりしますけど」

 

「はい、お待ちしてますね」

 

「テレポート」

 

笑顔のエリス様に見送られ、俺はその場を後にする。 目を開けると、アースラの医務室で、ちょうどアリシアが目を覚ましたようだ

 

「おっす、さっきぶりだなアリシア」

 

「うん、おはよう、クー」




いえーい! 今回は4000オーバー! アリシア蘇生回でした! リザレクションが、魂うんたらかんたらは、独自設定ということで。 この話が十六話なので、次からは適当にエピローグということで三、四話やったらA`sに入りたいと思います

それでは感想評価お待ちしてます


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第十七話 エピローグⅠ

分けようかとも思ったけど、どうせサブタイ振ってないし、いいかという短絡的発想、とりあえず前にも言ったけど、二十話まで書いてA`sに行きますので、それまで後日談ということで、お楽しみください。 それと幕間という形で、端折ったところの説明や、補足、各話というわけではありませんが、必要と思ったところには補足を入れますので。 もちろん本編とは別で、なのでこちらは完結後か、詰まったときくらいしか考えていないので、期待しないで待っていてください

それでは本編どうぞ


医務室の担当が戻ってくるまで暇だったので、アリシアと喋っていたのだが、担当が戻ってきたら戻ってきたで騒がしくなった。 まぁ、死人がよみがえったのだ、騒がしくなるのは当たり前で、俺はその場に居合わせたのだ、もちろん事情は聞かれた、聞かれたが馬鹿正直に言うわけがなく、医務室に行ったら、生体ポッドの中で苦しそうだったので出してあげた、としか言わなかった。 事前に口裏を合わせといたアリシアもそう言ったので、今回の件は謎のまま、ということになった。 俺はその日で帰ったので、詳しくは知らないが、クロノに聞いた話だと、その日からアリシアは精密検査漬けだったらしい。 まぁ、当たり前だ、目が覚めたとはいえ、その醒めた理由は原因不明、また体の方もそのまま保存されてたとはいえ、どんなことがあるかわからないと、検査をしたらしいのだが、オールオッケー、健康体そのものだったらしい。 しかも普通に歩けるとのこと。 さて、なぜこんなことを俺が長々説明しているかというと

 

「またお世話になりますね、クレナイ」

 

「よろしくねクー!」

 

「どうしてこうなった......」

 

目の前にリニスさんとアリシアがいるからだ、リニスさんと俺に関しては、プレシアのことを知っているのに黙っていたのだが、そのことについては厳重注意だけで終わった。 なので、リニスさんは一応俺の仮の使い魔、ということで、こっちに返されることになったのだが、ちょうどその時にアリシアの身柄をどうしようか、ということになっていたらしく、ちょうどいいのがいるということで、アリシアも俺に会いたいと言っていたらしく、押し付けられた。 本当はプレシアと一緒に居させるのがいいのだろうが、本人は一応、犯罪者ということもあり、一緒に居させるわけにもいかない、という判断だ。 まぁ? 英雄王に罪をほとんど擦り付けたので、プレシアさんの罪は、捜査の妨害(これはアースラに次元跳躍攻撃をした分)と局員に攻撃したことくらいで、罪は重いが司法取引と昔の事故の証拠があるので、そんなにかからないだろうとのこと。 フェイトは罪自体があまりなく、判決が決まるまでなので、プレシアさんよりも早く出てくるだろうとのこと。 そんなわけで、プレシアさんのちゃんとした戸籍が作られるまで、という条件付きで家で預かることになったのだ。 フェイトたちが暮らしていたマンション? あれはもう管理局によって解約されてます。 とりあえず無邪気に抱き着いてきているアリシアを離し、家の案内を

 

「そんなわけで、あとはよろしくリニスさん」

 

リニスさんに押し付けて出かけようとしたのだが、袖を二人に掴まれていた

 

「どこに行くんですか、クレナイ」

 

「・・・・・・はやてんとこ、しばらく顔出せないって、言ってはあったんだけど、お怒りの電話が昨日きてな、しかもアリサとすずかちゃんが魔法の存在を言ってたらしく、その説明をば」

 

「魔法の説明を彼女に?」

 

驚いた顔をするリニスさん、言いたいことはわかる、はやてに説明するということは、必然的に夜天の書を説明する必要があるわけで

 

「ねぇねぇ、一ついいかな?」

 

「なんだ?」

 

アリシアがそでを引っ張ってきたので、そっちを向くと不思議そうな顔をしていた

 

「はやてって誰?」

 

「「あ」」

 

俺とリニスさんは顔を見合わせ、急いでアリシアに説明をする

 

「ふーん、つまり魔法の才能のある子なんだ、いいなぁ......」

 

「あー、そう言えばアリシアは魔力資質受け継いでないんだよな」

 

「うん、だからフェイトみたく魔法は使えないんだよねー」

 

苦笑しているアリシアだが、心の声が駄々洩れだ、これは早急に何とかする必要があるようだな

 

『またマスターが、とんでもないことを考えてる気がします』

 

『ぶっ飛ばすぞ、この駄デバイス』

 

------------------------------

 

「ほぇー、私にも魔法の才能がなー」

 

はやて宅にて、俺はアリサ宅での出来事を語り、セットアップしてバリアジャケットを見せたりして魔法の存在を伝えた。 ちなみに一番受けがよかったのは、リニスさんの変身魔法と猫耳だった、解せぬ。 そして一番大事なことだが、ロストロギアである夜天の書の説明と、彼女自身魔法が使えるということの説明を

 

「それはええんやけど、その子誰?」

 

俺の隣、正確には、俺の腕に抱き着いて頬ずりしているアリシアを指さすはやて、なんか口元が引きつってるのは、俺の見間違いであってほしい。 説教を追加されるのは嫌だぞ俺は、家についたら説教食らったのだから

 

「いい加減にしろアリシア、で、はやての質問だが」

 

「ぶーぶー! 私アリシアテスタロッサ、よろしくね、えっと......」

 

「はやて、八神はやてや、よろしくな。 それで、なんでアリシアちゃんはそんなにまー君にくっついてるんや?」

 

「はやてだね、よろしく! なんでくっついているのかは、秘密!」

 

はやてのこめかみに青筋が増えた気がした、俺なんか射殺さんばかりに見てるし、俺の責任じゃないんですが、しかもなんでこんなになついてるのは俺も理由わからないし。 とりあえずアリシアにチョップをし、はやての隣に座っているリニスさんに目で合図、アリシアの隣に行ってもらい、俺はそのまま立つことにした。 はやての隣に行くとろくなことにならない気がするので

 

「そう言うわけではやて、魔法の訓練受けないか?」

 

「どういうこと?」

 

「これはもともと考えていたのですがはやて、貴方の足が動かないのは、夜天の書、いえ闇の書のせいなんです」

 

「闇の書?」

 

「お前が今持っているその本、本当の名前は夜天の書なんだが、今は闇の書って呼ばれてる」

 

「なんでや?」

 

「闇の書って確か、色々な災厄を引き起こしてきた本だよね?」

 

「正解ですアリシア、なぜそうなったかはわかりませんが、夜天の書の名前はいつの間にか埋もれ、闇の書となっています。 夜天の書、という名前が出てきたのはクレナイからなので、クレナイ、そこら辺の説明をお願いしてもいいですか?」

 

「俺も正確には知らないからコイツからだな、ライトニング頼む」

 

「了解、マスター」

 

それからライトニングが語った内容は酷いもので、夜天の書自体には罪のないことが分かった

 

「歴代の主たちの改悪、ですか......」

 

「思ってたよりも酷いね」

 

「なあライトニング? 夜天の書は元に戻るんか?」

 

「わかりません、夜天の書は起動すらしていませんから、解析しようがないんです」

 

「まぁ起動したら解析はするつもりだ、こればっかりは前からライトニングと話してたし」

 

「お願い、まー君。 夜天の書を、この子を救ってあげて欲しいんや」

 

そう言って頭を下げるはやて、その手は震えていた。 それが怒りなのか、悲しみなのはかはわからないが

 

「全力は尽くすさ、はやての力を借りるかもしれないけど」

 

「私の力? でも魔法のことならまー君の方が......」

 

「今の夜天の主はお前だ、力借りることになるだろう?」

 

はやての目線に合わせしゃがみ込み、頭を撫でる。 はやては目尻に涙をためていたが、撫でると、最初は驚いたようだが、徐々に笑顔になって

 

「うん!」

 

と笑ってくれた、たのだが

 

「むー! はやてばっかりずるい!」

 

後ろからアリシアの声がして、やめて立ったのだが

 

「むっふっふ! 羨ましいやろ」

 

なんて言って今度は、はやてが腕に抱きついてきた、今度はこいつか。 俺は流石に呆れる、そんな俺のことはお構いなしに、はやてとアリシアの言い合いは激化していったが

 

「はいはい、二人とも、まだ話は終わっていませんよ?」

 

手を叩き注目を集めるリニスさん、リニスさんにそう言われて黙る二人、俺は丁度いいと元の位置に戻ろうとするのだが、はやてが腕を離してくれず断念

 

「そう言うわけですから、明日からはやては魔法の訓練をしますよ、場所は......」

 

「家でいいんじゃないか?」

 

「そう......ですね、何かあったとき対応しやすいですし、そのままはやては家に泊まりに来ますか?」

 

「ええの!?」

 

「今更一人や二人増えたって構わん、どうせ育ての親もいないしな」

 

「それじゃあ、準備してくる!!」

 

「はやて! もう、私も手伝ってきますねクレナイ」

 

「アリシアも連れてってくれ」

 

「もちろん!」

 

「リーニースー」

 

閉じられるドア、一人になって急に静かに感じる。

 

『それでライトニング、監視の方は?』

 

『依然続いています、誰の使い魔だか知らないが......いや、可能性があるとしたら足長おじさんのか?』

 

『はい、そういう意味では、はやて様を家に招待するのはいい判断だと思います』

 

『家の周りには結界常に張っておいた方がいいな、あとはやてには監視用のフェイクも』

 

『幻術魔法ですね、それとなく使っておきましょう』

 

『頼む』

 

『それにしても、さっきの話ですが』

 

『さっきの? 夜天の書の話か?』

 

『はい、管理局の文献、およびエリス様の話を聞いて思ったのですが、どうもつじつまが合わないところがあるのです』

 

『どういうことだ?』

 

『闇の書の改変です、本当に過去の主たちが、改悪しただけなのでしょうか?』

 

『調べるのはお前に任せる、夜天の書の解析もな』

 

『お任せください。 と言っても、もう仮説は組み立て終わってるんですが』

 

『仮説?』

 

『キーワードは紫天の書』

 

『なんだっけ、どっかで聞いたことある』

 

『ゲームのほうですが』

 

『あー、あの格ゲーもどきね』

 

『はい』

 

『まぁお前に任せるさ、優秀だし。 手伝えるなら、手伝うから』

 

『その時はお願いします、マスター』

 




またも3000字オーバー、もう気にしない。 

それでは感想評価お待ちしてます


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第十八話 エピローグⅡ

眠気には勝てなかったよ

それでは本編どうぞ!


はやてを家に招待した次の日、俺は天界に来ていた、しかも朝早くだ。 何故かって? ちゃんと理由があるのさ

 

「エリス様」

 

「なんでしょうか?」

 

「デバイス下さい」

 

ずっこける音がしたような気がするが、気のせいだ、そう思いながらエリス様を見ると、ずっこけるよりも酷い状況が広がっていた。 話しかけたときエリス様は、書類を整理していたのだが、俺の発言で、どうやら頭から書類に突っ込んだらしい

 

「えっと、大丈夫ですか?」

 

下に落ちた書類を拾い、ついでにエリス様の上に乗っている書類を整理しておく

 

「なんで、なんでそうなるんですか!」

 

ガバッと勢いよく頭をあげるエリス様、頭の上の書類整理しておいてよかった、と内心ほっとしていたが、話を続ける

 

「ライトニングはこれから、夜天の書の解析に専念させたいので、でもそうすると俺が使うデバイスがないので」

 

「それは、そうですけど......」

 

なんか思ったよりもすんなりと意見が通ったぞ、若干嬉しく思いながらも、相変わらずエリス様の表情は難しそうな顔だった

 

「確かに、今回の働きに免じて用意できますけど、これだけだと私の気が済まないですし......」

 

難しい顔して、何考えてるんだろう、って思ったらエリス様の口から語ってくれた、多分考えてることが口から漏れたんだろうけど。 それにしても今回の働き? なんかしたっけ?

 

「あのエリス様?」

 

「は、はい! なんでしょう?」

 

「今回の働きというのは?」

 

「え?」

 

「え?」

 

「「・・・・・・」」

 

しばし見つめあうこと数舜、先に口を開いたのはエリス様だった

 

「言ってませんでしたっけ?」

 

「なにを?」

 

「今回の転生者の件、解決出来たら、天界から褒美が出るって......」

 

「初耳ですけど」

 

あー、また片づけたばっかりの書類の山に、頭から突っ込むエリス様。 どうやらまた、うっかりを発動したみたいだった。 頭抱えてるし、とりあえず、エリス様が正気に戻るまで、また書類拾いでもしてますかね。 それから数分後、ようやく正気に戻ったらしい

 

「すみません、取り乱しました......」

 

「いえ、それで褒美ってなんでもいいんですか?」

 

「基本的に、今回の原因であったチートの多さや、人数の問題ですからそこを加味してもらえるのなら」

 

なら何でもいいということか、結構太っ腹だな、でも今欲しいものとかないし、な?

 

「エリス様、なんでもいいってことですよね?」

 

「まぁ加減してくれるなら」

 

「ならさっきと同じようにデバイス下さい」

 

「それは構わないですけど、そんなんで本当にいいんですか?」

 

「もちろん。 ただし

 

------------------------------

 

「それじゃあ朝の訓練を開始しますね」

 

リニスさんの掛け声のもと、俺、はやて、アリシアは庭に出ている。 なんでアリシアもと思うだろうが、俺が呼んでおいたのだ

 

「なんでこんな時間から......」

 

「眠い......」

 

「二人ともたるんでますよ」

 

しょうがないという顔で言うリニスさん、間違っても普通の人が、この時間から早朝訓練やる時間だとは思わないで欲しい。 俺はこの後普通に戦闘民族と朝の鍛錬なので、早くやっているだけなのだから

 

「てか、なにも俺と一緒の時間にやらなくても、リニスさんだってこの時間じゃ早いってわかってるでしょう?」

 

「そうですけど、私は言ったんですよ? 朝かなり早いからでなくてもいいって、ですが二人がクレナイと一緒に訓練やる、と言って聞かなかったので......」

 

「じゃあたるんでるって言われても仕方ないか」

 

「「酷い」」

 

当たり前のことを言ったのに、二人に酷いと言われてしまった。 そんな二人の声は無視し、俺は携帯からラジオ体操を選択し掛ける

 

「なにこれ?」

 

「ラジオ体操って言って、まぁ体をほぐすための体操って感じだな」

 

「センセー! 私車いすなのでできません!」

 

「はーい、はやては甘えないでねー、座ったままやってくれ」

 

「殺生な!?」

 

そんなことを言うが、朝のテレビなんか見てると、あれ座ってやってるやつあったぞ。 そんなわけではやての言葉を無視し、指示通りに体をほぐしていく、はやても最初こそ文句を言っていたが、普通にラジオ体操をやっていた

 

「それでは魔法の訓練を始めたいと思います」

 

「はーい、リニス!」

 

「なんでしょうアリシア」

 

元気よく手をあげるアリシア、それを聞くリニス。 思ったけど、やっぱりリニスさん先生向いてるよな、こっちじゃ無理だろうけど

 

「私、魔法は使えません!」

 

「それについては問題ないぞ、ほれ」

 

エメラルドグリーンの宝石が入った、瓶を投げて渡す

 

「とと、これは?」

 

「お前専用に調整されたデバイス」

 

「ま、待ってください! アリシアは魔力資質を受け継いでないんですよ、魔法は」

 

「使える、言ったろアリシア専用に調整されたって。 まぁ合わなかったりしたら再調整必要だから、そん時は言ってくれ。 エピオン、セットアップ」

 

「マスター!?」

 

はやての持っていたライトニングが声を上げたが無視、新しいデバイスであるエピオンをセットアップする。 前回のバリアジャケットが黒だったのに対し、今回のバリアジャケット、いや、騎士甲冑は全体的にワインレッドのような色合いだ

 

「モードランス、バスター、刀」

 

新しいデバイスのため具合を確かめるが、いい感じのようだ、さすが神からもらったデバイス、と言ったところだろうか。 ちなみに今回は、アームドデバイスの非人格型の物にした。 ここで人格型にしたら、ライトニングに戻した時うるさそうだしな。 ちなみに相棒であるライトニングは、はやての手の中で泣いていた

 

「カートリッジロード」

 

今のモードはバスターモード、名前の通り砲撃専用だ。 さっき試し打ちように張った障壁に狙いを定め、さっきの感覚で撃つ

 

「・・・・・・これは」

 

「予想以上の威力だな......」

 

さっきと同じぐらいの強度でやったのだが、やはりカートリッジロードしたら威力は跳ね上がり、障壁を軽々貫通、結界の方にまで行ってしまった。 まぁ結界はかなりの強度で張ってあるのだが。 ちなみに余談だが、普通の障壁も強度を日々改良を重ねているので、なのはのディバインバスター(結構な時間チャージしたもの)でも、ヒビも入らないようにはなっていた強度なのだが

 

「なんか人外に磨きがかかったような気がするんやけど?」

 

「正直に言いますと、マスターにカートリッジシステムはいらないと思います」

 

うるさいぞこの駄デバイス、俺もそう思ったところだよ。 軽く撃ってこれなのだ、フルチャージにカートリッジロードで威力上乗せしたら、いくら非殺傷とはいえ怪我じゃすまないような気がする

 

「ライトニング、あとでコイツ調整するぞ」

 

「了解です」

 

場が白けたが、気を取り直してはやてとアリシアの魔法訓練行ってみよう

 

「ライトニング、モードテスト」

 

「了解」

 

「テストってどういうことや?」

 

「ライトニングの使用者はあくまでも俺なんだ、俺ように調整してるからかなりピーキーな性能してる、そんなのはやてに使わせたら怪我じゃすまない、なので、そのピーキーな性能を一旦標準値まで戻して、使うモード、それがテストモードの概要」

 

「ほえー、じゃあもう使っていいってこと?」

 

「大丈夫ですはやて様」

 

「んじゃ、あとは任せましたリニスさん」

 

「はい、お任せを」

 

と言うわけであとはリニスさんに任せ、今度はアリシアの方に

 

「待たせたな」

 

「ううん、それで私も本当に魔法が使えるの?」

 

期待半分、不安半分のアリシアが俺に聞いてくる

 

「さっきも言ったようにそれは、アリシア専用に調整されてるから使える。んじゃ、使ってみようか。 起動はリライズアップで」

 

「う、うん! リライズアップ!」

 

そうアリシアが唱えると、宝石は輝きだしアリシアは光に包まれた。 初期起動は成功したみたいだな、あとは普通に使用者登録とかだから、しばらくは暇になるな。 ということでカートリッジロードをして具合を確かめながら暇をつぶしていると

 

「クー!」

 

「ん? おお、出来たみたいだな」

 

そこにはリライズアップして、バリアジャケットに身を包んだアリシアが

 

「うん! ありがとうクー!」

 

「お礼なら、エリス様に言ってくれ、あの人が願叶えてくれたから」

 

「そうなの? じゃあお礼言っておいてね!」

 

「あぁ、それで細かい説明なんだが」

 




はい! そんなわけでアリシア変身回でした。 アリシアのバリアジャケットですが、まんまINNOCENTのあれを想像していただければ

今回の話の補足なんですが、アリシアに魔力資質は受け継がれなかったのは、公式設定であり、リンカーコアがあるのかないのかわからないのでないということにしました。 そこらへんはよく調べろカス、と言われても意見は受け付けませーん。 それを踏まえてなのですが、ようはデバイス自身がリンカーコアの役割を果たすため魔法が使えます、じゃあマスターいらなくね、と言う話になりますが、使用者のパートナー的存在という感覚以上のことはしません、そこはエリス様の力ってスゲーと言うことで納得してください。 

そんなわけでツッコミどころが多いですが、これでうちの小説のアリシアは魔法は使えます、A‘Sにどう乱入するかは教えませんが

さて感想評価お待ちしてます


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第十九話 エピローグⅢ

さて今日二話目の投稿 

本編どうぞ!


はやて、アリシアの魔法訓練を休憩にし、俺はジャージのまま鞄を掴み、庭に出る

 

「そんじゃ、リニスさん行ってきます」

 

「もうそんな時間でしたか、行ってらっしゃい」

 

「「行ってらっしゃーい......」」

 

二人ともリニスさんのしごきは辛いのか、元気はなく、手を振るだけだった。 まぁ余計なツッコミが来なくてよかったというべきか、なんというか。 それから高町家について、道場で鍛錬をしているのだが

 

「くっ!!」

 

「うわっ!?」

 

恭也さんに吹き飛ばされる。 いやー、ついてそうそう、今までさぼってなかったか確かめる、なんて言って木刀渡されて、いきなり切りかかって来るとか、誰が予想できるだろうか? 普通によけて、カウンター合わせようとしたら、そこに攻撃仕掛けてくるし、化け物かよ。 何発か切り結んでいたら腕痺れてるし、こりゃ間違いなく本気でやってる。 それで、ようやく隙ができたと思って、懐に入ったら奥義だして無理やり弾いてくるし、本当に嫌になる

 

「はぁっ!」

 

「っ!」

 

変則的な二刀流、恭也さんの動きなんか目で追えるはずもなく、勘で避けてるけど、無理がありすぎる、てかこんなんいつまで続ければいいのさ!?

 

「どうした! そんなものか!! 一撃は鋭くなったが、本気は出してないだろ!!」

 

「本気ですよ!」

 

「魔法はどうした!!」

 

あー、発動したらわかりそうですもんね!あんたら戦闘民族、マジでやめて欲しい

 

「これで終わりだ!」

 

恭也さんは距離を取ったが一瞬でつめられるが

 

「んっ!!」

 

その知覚できない突きを、強引に強化系のバフであげた力で掴む。 一瞬驚いた表情をする恭也さん、でもその一瞬が命取り

 

「らぁっ!!」

 

「ぐはっ!」

 

少し無理な姿勢にはなるが、掴んでいるのと逆の足でけりを入れる。 木刀で防ごうとするが、そんなもので防げるはずもなく、恭也さんを吹き飛ばし、道場の壁にたたきつけることに成功した

 

「美由紀さん! なんなんですかあの危険生物!?」

 

「あー、この頃クレナイ君忙しくて模擬戦出来なかったでしょ? しかも忍さんも忙しかった見たでね?」

 

「なんですか!つまり八つ当たりで死にかけたんですか俺!?」

 

「うん、ごめんね?」

 

「理不尽!!」

 

なんて朝から一幕があった

 

------------------------------

 

「もうやだ、ほんと......」

 

「にゃはは......ごめんねマー君、お兄ちゃんには、お母さんからきつく言っておくように言ったから」

 

ああ、恭也さん死んだな、合掌。 と言うことで恭也さんのことは、忘れることにした

 

「私もお姉ちゃんに言っておくから」

 

「うわ、アンタたち容赦ないわね」

 

骨は拾っときますね恭也さん。 これがバスの中の会話だ、物騒極まりないものである、まぁ恭也さんの自業自得なのだが

 

「「?」」

 

可愛く首をかしげている二人に、アリサは溜息をついていた

 

「はぁ、まぁいいわ。アンタたちがここにいるってことは、野暮用は終わったみたいね」

 

「まあな」

 

「えっと、心配かけてごめんね?」

 

「そんなこと言うなら、少しは周りを頼りなさいよね!!」

 

「いふぁいよー、あふぃさふぁん!」

 

「おお、よく伸びるな」

 

一応言っておいたとはいえ、アリサもストレスがたまっているらしく、なのはの頬を伸ばしていた。 俺が被害がないので、そのままなのはには生贄になっていてもらう

 

「自分には関係ないって顔してるけど、コウ君もだからね?」

 

「はい......」

 

すずかにはばれていたらしく、顔を覗き込まれる。 って、近い近い!

 

「あ、目をそらした」

 

「ちょ、ちか」

 

元から顔が近かったのに、俺が目を逸らすと、目線を合わせるためにさらに近づいてくるすずか。 だから近いんだよ!

 

「お姉ちゃんが言ってたよ? やましいことがある人は、こうやってやると目をそらすって」

 

「やましくなくても目をそらす! すずか気付け、距離に!」

 

「きょ、り?」

 

気が付いたのか、顔を真っ赤にしてフリーズしているすずか、俺は後ろが壁なので逃げられない、そしてすずかはフリーズ中、導き出される結論は、俺の死

 

「へぇー、なのはのこと叱ってたら、面白い状況になってるじゃない」

 

「そうだねアリサちゃん」

 

すずかをゆっくりと俺の前からどかすアリサとなのは、なんだろう汗が止まらないぞ? 目の前のプレッシャーが半端ない。 死の危険すら感じるぞ? しかもあの英雄王戦の時の比じゃない

 

「あの、アリサ様、なのは様? なにか勘違いをなさっていませんか?」

 

「勘違い? なにかしら、わかるなのは?」

 

「ううん、私マー君が何を言ってるのか、ちょっとわからないかな」

 

静かに話しているはずなのに、震えが止まらない

 

「マー君、ちょっとO☆HA☆NA☆SI☆しようか......」

 

「なのは、私もいいかしら」

 

「アーーーーーーーーー!!!!」

 

------------------------------

 

「・・・・・・」

 

「ご、ごめんねコウ君、私のせいで」

 

「ダイジョウブ、ダイジョウブ、スズカチャンノセイジャナイカラ、アハハ」

 

「大丈夫じゃないよね!? 目が虚ろだよ、コウ君!?」

 

「「・・・・・・やりすぎた?」」

 

昼休みの屋上、前までのように、四人で弁当を広げて食べているのだが、すずかの様子が変だ、俺はいつも通りに弁当を食べているだけなのに、さっきからなのはとアリサがこちらに目を合わさないが、どうしたのだろうか?

 

「やりすぎだよ!」

 

「「ごめんなさい」」

 

「謝るのは私じゃないよ!」

 

すずかがすごい、なのはとアリサを謝らせている。いつもは、一歩引いてることが多いのに、何かあったのだろうか、お弁当おいしい

 

「ま、マー君、そのごめんね?」

 

「その、悪かったわ、朝は言い過ぎた」

 

「アサ? ナニカアッタッケ?」

 

何だろう、朝のことを思い出そうとすると、体が震えてくる。 本当にどうしたんだろうか、風邪かな?

 

「これは思った以上ね......」

 

「ど、どうしようアリサちゃん!」

 

「二人がやりすぎたんだよ......」

 

「す、すずかちゃん! こういう時いい方法ないかな!?」

 

「え、私に振るの!? アリサちゃん!」

 

「・・・・・・とりあえず朝の話題はやめましょう、これ以上引っ張ったらあいつが壊れるわ、なのはなんか話題ないの?」

 

「ふぇ!? い、いきなり言われても......あった」

 

「それ、それだよなのはちゃん!」

 

「とりあえず話しましょう!?」

 

俺抜きでどうやら話は進んでいるようだ、仲良いなー、流石だなー、空が青いなー

 

「えっとね、少し前に友達になった子がいるんだけど」

 

「友達?」

 

「どんな子よ?」

 

「この子!」

 

そう言ってなのはが携帯の画面を見せてきた、どうやら画像のようで、これは?

 

「ねぇなのは、これがそうなの?」

 

「え? う、うんそうだけど」

 

「これ、コウ君の寝顔だよ?」

 

「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

顔を真っ赤にして急いで携帯を操作するなのは、俺の寝顔、俺の寝顔

 

「俺の寝顔!? おいなのは、どういうことだ!」

 

「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

「それはさっき聞いた!」

 

「戻ってきたわね」

 

「よかったー」

 

「これだ!アリサちゃん、すずかちゃん、これが紹介したかったお友達!」

 

「またんかい!」

 

なのはは携帯をアリサとすずかに渡し、逃げるが程なくして俺に捕まった。 そしてアリサとすずかのもとに連行

 

「それでこの子がどうしたの?」

 

「えっと、その野暮用の中で友達になった子で、フェイトテスタロッサちゃんていうの」

 

「へー、フェイトちゃんって言うんだ」

 

「さて消せなのは」

 

「い、いくらマー君の頼みでも嫌だもん!」

 

「大丈夫よクレナイ、もう消しといたから」

 

「マジか!アリサありがとう!」

 

「アリサちゃんの鬼ー!」

 

なんて昼休みも終わってしまった、なんか最後に女子たちが集まってたけど、なんだったんだろう、なのははアリサに抱き着いてたし、すずかもなんかアリサに内緒話してたし、ようわからん

 




事件が終わった日常編、さて次はフェイトとあのシーンや

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第二十話 エピローグⅣ

クッソ寝落ちした

本編どうぞ!

追記:エピローグとプロローグ間違えてるって...... 指摘あったので直しました


休日、この頃忙しかったので、ゆっくりしたかったのだが、ゆっくりでできるはずもなく、海鳴り公園に来ていた

 

「「フェイト!」」

 

「フェイトちゃん!」

 

「感動の再開?」

 

「君は行かなくてよかったのか?」

 

「流石にあの中に突っ込む勇気はない」

 

「ははは......」

 

俺たちの視線の先には、泣きながら抱き着いている姉妹とその使い魔たち、そして友達がいた。 フェイトの裁判があるため、しばらくは会えないそうで、そのためにクロノが、このような機会を設けたようだった

 

「お前らは行かんの?」

 

「さっきアンタが言ったように、私たちもあの中に突っ込む勇気はないわ」

 

「なのはちゃんも、あとでちゃんと紹介してくれるって言ってたし、呼びに来るまで待ってればいいんじゃないかな」

 

アリサとすずかだ。 数日前に俺がなのはとアリサからO☆HA☆NA☆SI☆された日、フェイトにいつか合わせる約束をしていたのだが、それがこんなに早くなろうとは

 

「うーん、ええ話しやなー」

 

「・・・・・・」

 

クロノが俺のことを無言で睨んでいた、原因は言わなくてもわかると思うが、はやてだ。 アリサたちと同じように、俺が魔法を使っているところを見られた、と言う体にしてるので、クロノからしたら、はやては魔法も知らない一般人と言うことになる

 

「ねぇ、友達っていう割に、フェイトだっけ? なのはのこと怖がってない?」

 

「・・・・・・」

 

鋭いな、遠目だからわかりにくいが、フェイトは最初なのはのことを見た瞬間、ビクッと肩が跳ねたりしていた

 

「私にもそう見えるんだけど......」

 

「なんか理由知らへんの、まー君?」

 

「知ってるっちゃ知ってるけど、深い事情がある、そこらへんは、なのはに聞いてくれ、俺も微妙に苦い思い出があるからな」

 

よっぽど俺の顔が苦い顔をしていたのか、アリサたちはそれ以上聞いてくることはなかった。 それどころか、逆に心配されたり、慰められたりしたくらいだ、勘が鋭いというか、なんというか

 

「おーい、マー君! アリサちゃん、すずかちゃん、はやてちゃーん!」

 

「お呼びみたいだな、行ってくるといい」

 

「そうさせてもらうわ、はやて一応車いす押してく」

 

「ん、よろしくな」

 

ブンブン手を振ってるなのはに、はやての車いすを押しながら近づく

 

「よ、フェイト」

 

「クレナイ......うん」

 

何だろうか、微妙に甘酸っぱい空気なんだが、フェイトなんか俺の顔見て顔赤くしてるし、しかも俯いちゃったし。 それを見て、他の女子が睨んでるんですが! どういう状況なんでしょう

 

「アンタ......」

 

「コウ君、これは流石に見逃せないかな」

 

「マー君、フェイトちゃんに何かしたの?」

 

「まー君、ほんまに.......」

 

「クー?」

 

「クレナイ、ご愁傷様です」

 

「なんで俺が何かした風になるんだよ!フェイトも何か言ってやってくれ!」

 

「え、あ、うん! 別にクレナイが何かしたわけじゃないよ? 安心して!」

 

フェイトがそういう風に言うと、まぁそういうなら、みたいな空気が広がってるが、本当に俺は何もやっていない。 思い当たる節はないのだ、いや、あってもそれはそれで大変だが

 

「えっと、彼女たちは?」

 

「あ! 紹介してなかったよね、この二人がアリサバニングスちゃん、こっちが月村すずかちゃん、それでこの車いすの子が、八神はやてちゃん」

 

「よろしくね、フェイトテスタロッサ、でいいのよね?」

 

「よろしく、私のことはすずかでいいから、私もフェイトちゃんて呼ぶから」

 

「私は八神はやて、よろしくなー」

 

「えっと、なのはの友達で、フェイトテスタロッサって言います、私のことは、フェイトでいいから。 そうすればアリシアと間違うことないだろうし」

 

自己紹介をしていく女子たち、ホント話が進んで何よりですわ

 

「騒がしいって思ってますか?」

 

「いえ? いいんじゃないですか、しばらく会えないんですからこれでも」

 

なんて言って目の前のおしゃべりを見守る、リニスさんも同様のようだ。 なぜかフェイトがビクッとしてたり、なのはが慌てているが

 

「マー君、助けてー!」

 

「およびですよクレナイ」

 

なのはが泣きついてきて、リニスさんが俺をからかっていた。 俺はめんどくさいながらも、リニスさんを無視して話に加わる

 

「そんで、なにさ?」

 

「えっと、アリサがね、フェイトになのはと話す時ちょっと怖がってない? って理由聞いたら、フェイトが突然フリーズしちゃってね」

 

そう言って、アリシアが背伸びしてフェイトを撫でているのだが、フェイトは反応がない。 それでもう頭が痛くなってきたのだが、続きを促す

 

「それで?」

 

「えっと、なのはちゃんになにしたのか、アリサちゃんが問い詰めてるんだけど」

 

「なかなか口を割らないの」

 

「わ、私は全力で勝負しただけだもん!」

 

「だから内容を教えなさいって言ってるの!!」

 

俺を挟んでヒートアップする二人、俺を間に入れるなよ。 そんなことを思いながら、はやてに助けを求めるが、首を振っていた。 はいはい、どうせ俺が収束するしかないんですよねー

 

「どうどう、アリサ落ち着け。 なのはもな」

 

「「マー君(クレナイ)は黙ってて!」」

 

「おし、わかった! なのは覚悟しとけよ、お前がやったこと、録画してある映像をこいつらに見せよう! アリサはデバイス没収だ」

 

流石にキレた、助け求められたから来てみれば、これだ。 アリサの方は謝ったから許すけど、なのはの方は謝っても許さん。 そんなわけで、ライトニングで記録していた、俺の模擬戦の映像と、フェイト戦の映像を見せておいた

 

「「「「「なのは(ちゃん......」」」」」

 

リニスさんとフェイトを除く、少女たちが一斉になのはに白い目を向ける

 

「にゃっ!? わ、私は悪くないもん......」

 

ちょっといじめが過ぎたらしく、マジ泣き寸前だ。 流石にバツが悪いので、急いであやす

 

「なのは悪かったって、大丈夫、大丈夫、なのはがああして頑張ってくれたから、今こうやって、フェイトとみんなが友達になれてるんだろ?」

 

「私のおかげ?」

 

「そうそう、だから胸を張れって」

 

「うん!」

 

あやすために抱き寄せて、頭を撫でていたのだが、終わって周りを見回すと、ジト目が飛んできていた

 

「・・・・・・なんだよ」

 

「「「「「別にー」」」」」

 

なんだよその顔、かなりムカつくんだが

 

------------------------------

 

「えっと、あの、ごめんね、私のせいで......」

 

「別にフェイトのせいじゃないだろ」

 

「そうだよ!」

 

さっきフリーズしたことを気にしているのか、フェイトがいきなり謝って来る。 ちなみにアリサたちは、少し離れたところでこっちを見ている。 フェイトがそうお願いしたのだ

 

「それで? どうした?」

 

「あの、お礼を言いたくて、二人に」

 

「お礼?」

 

「うん」

 

俺となのはは思わず顔を見合わせる、お礼を言われるようなことをしただろうか、無駄に俺となのはは意思疎通をしていた

 

「別に俺たちは、なぁ?」

 

「うん、お礼を言われるようなことは」

 

「ううん、してくれた。 なのはは私に真正面からぶつかって、友達になってくれた。 あの最後のは、ね......」

 

苦笑しているフェイトだが、もっと言ってやった方がいいと思う、コイツには特に、たまに加減効かなくなるから

 

「うにゃ......」

 

それを聞いて露骨に落ち込むなのは、今はいい場面なので慰めないぞ

 

「それにクレナイは、母さんやアリシアを救ってくれた」

 

「それに関しては割と、行き当たりばったりあったしなー、素直にお礼言われるのはちょっとな」

 

本当に賭けに買ったみたいなものなのだ、そう思て苦笑していたのだが

 

「ううん、私は感謝してるから」

 

「そうか」

 

「うん、ホントは二人にもっと言いたいことあるんだけど、でも、でも、今の時間じゃ伝えきれないから、だから、ありがとう」

 

嬉し泣き、なのだろう、笑いながらフェイトは泣いていた、いい表情するようになったじゃないか、最初は険しい表情だったのに、今じゃこんな笑顔だ

 

「フェイト、ちゃん......」

 

隣りのなのはも泣いていた、その様子に思わず苦笑する、コイツもそう言えば涙もろかったよな

 

「すまない、いいところだがそろそろ時間だ」

 

「「「「「フェイトー!!」」」」」

 

思わずと言う感じで、アリサ、すずか、アリシア、はやてはちょっと無理だが、リニスは抱き着いていた。 感極まったようだ、クロノやユーノの方を向いても目をそらされる。 くそ、この空気で行けってか、あとでおぼえてろよ

 

「ほらお前ら、時間は時間だ。 それにいいのか、別れがそんな泣き顔で」

 

そう言って、家から持ってきたカメラを向ける

 

「なっ! アンタ、いいわけないでしょう!」

 

最初に気が付いたのは、アリサだったようで、涙を拭きながらこっちを向く

 

「せやな、今生の分かれってわけでもないんやし、笑顔で行こか」

 

次に続いたのは、目元の涙をぬぐいながら、こちらに笑顔を向けるはやて」

 

「うん、そうだね」

 

続いてはすずか

 

「そうですね、皆さん、笑顔ですよ」

 

「そうだよね! クー!いつでもいいよ!」

 

着々と笑顔を見せる面々だが

 

「ほらなのは」

 

「うん!」

 

「別れる方に慰められてちゃ、世話ないな」

 

「そういう君も入ってこい、ほら」

 

「うお!?」

 

いきなりクロノに背中を押され、つんのめりそうになりながら、みんなの中に入っていく。 みんなが驚いて寄ってくる中、シャッターを切る音がした

 

------------------------------

 

「フェイト! これ受け取れ!」

 

そう言って投げて渡したのは、前まで使っていたネックレスだ

 

「いいわね! 私はこれよ!」

 

「それじゃあ、私はこれ!」

 

「私も!」

 

「私たちも!」

 

「アリシア、私たちはいいような気がするんですが......」

 

俺が渡したのを皮切りに、アリサ、すずか、はやて、アリシアの順番で渡していく、そして最後は

 

「じゃあ、私はこれ」

 

髪留めをほどき、それを渡すなのは。 こうしてみると、髪下ろしたなのはって桃子さんに本当に似てる

 

「じゃあ、私も」

 

フェイトも自分の髪留めを外し、なのはに渡す。 少し泣いているようだが、転送の光に包まれ消える

 

「さて、帰りますか」

 

こうしてジュエルシードが絡む事件は終わりを迎えた

 

 




前書きでも言った通り、寝落ちした。 本当は昨日で無印終わってたんだがなー、まぁ仕方ない

そんなわけで、無印終了で、これからはA`s編になります

それでは感想評価お待ちしてます


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A's編
第一話


始まりましたA`s編、まぁ何か変わるわけではありませんが

今回はまぁA`sと言うより導入みたいなものですが

それでは本編どうぞ!


六月四日、それは起こってしまう。 いや、予定調和と言うべきか。 はやての誕生会をし、みんなが寝静まった深夜、急激に魔力が上がるのを感じた。 魔力を探知してみると、はやての部屋、と言うことはだ

 

「夜天の書、いや、闇の書の覚醒か」

 

急いではやての部屋に向かう、非常時なのでノックしている暇はない、ドアを開けると、宙に浮く闇の書、そして、それを呆然と見るはやて

 

「はやて! 何があった?」

 

「なんか目が覚めたと思ったら、あの本が突然宙に浮いてな?」

 

「ライトニング!」

 

「闇の書が起動状態に入りました」

 

「と言うことは」

 

「はい、始まります」

 

それにはやては首をかしげていたが、俺とライトニングはわかっていた、闇の書が起動するということは、二期が始まるということ

 

「ライトニングはそのまま解析を開始してくれ、はやて」

 

一応はやてのそばにより、手を握る。 すると驚いた顔をしたが、俺が手を握ったとわかったのだろう、いつものような柔らかい笑顔になる。 その間に闇の書が鎖を破壊し、中が見れるようになる、が中は空白で、文字が浮かび上がったと思ったら、閃光に包まれる

 

「うわっ!?」

 

「眩し!?」

 

思わず目を閉じ、光が収まるのを待つ。 ようやく光が収まると、そこに四人の人がいた

 

「闇の書の起動を確認」

 

「我らヴォルケンリッター、主の剣となり」

 

「その英知を主の手に」

 

「何なりとお申し付けください」

 

「「・・・・・・」」

 

流石に俺たち二人は絶句。 いやまぁ、確かに来るとは思ってたけどさ、薄着ですね皆さん、六月とはいえ、その恰好は寒くないですか?

 

「「「「「「・・・・・・」」」」」」

 

頭を下げたまま何も言わない四人と、黙り込む俺達。 いつまでもこのままじゃ仕方ない、そう思いはやてに耳打ちする

 

「はやて、このままだんまりはまずいだろ」

 

「はっ! せやね、えっと、みんなの名前、聞いてもええ?」

 

「烈火の将、シグナム。 その愛刀、レヴァンティン」

 

「鉄槌の騎士、ヴィータ。 鉄伯爵、グラーフアイゼン」

 

「湖の騎士、シャマル。  風のリング、クラールヴィント」

 

「盾の守護獣、ザフィーラ」

 

ザフィーラだけ短い、まぁデバイス使ってないみたいだから、仕方ないけど。 自己紹介が終わったにもかかわらず、頭を下げたままのヴォルケンリッターに、困っているのかこっちに顔を向けるはやて。 顔を向けられても困る

 

「いや、こういうのって主に忠誠誓ってるし、お前が話したいとおりに話せばいいんじゃないか?」

 

「そういうものなん?」

 

「知らんけど、そういうものなんじゃないの?」

 

「せやなぁ......とりあえずみんな、頭あげて欲しいんやけど、これじゃあ話もできないしな?」

 

渋々と言った感じで、頭をあげるヴォルケンリッター、俺を睨むのはやめろ

 

「えーっとな、魔法のことに関しては、こっちのまー君や、知り合いの使い魔さんに教えて貰ってるから問題ないんやけど、そもそも、英知ってなんなん?」

 

「はやて、説明しただろ......」

 

「だって、まー君の説明、夜天の書や闇の書って、使い分けてて、わかりにくいんやもん」

 

「ま、待ってください主」

 

「ほぇ? なんなん、シグナム」

 

「夜天の書? なんですかそれは、これは闇の書です」

 

「え、だってまー君が」

 

「どういうことだ貴様!」

 

「いきなり斬りかかって来るなよ、ここ家の中だぞ」

 

夜天の書、いや、闇の書のことを知っているということは、危険人物と判断し斬りかかってきたのだろうが、すぐにエピオンを起動し、刀で切り結ぶ

 

「何故闇の書のことを知っている! そして夜天の書とは何だ!!」

 

「一気に質問しないでくれ、ちゃんと答えるから」

 

「シグナム! それにみんなも、この人に手を出したら許さへんで!」

 

それぞれもデバイスを手に、臨戦態勢に入っていたのだが、はやてのその一言で怯む

 

「で、ですが主!」

 

「ですがも何もない! この人は私の大切な、大切な......とりあえず、友達で! 大切な友達や、その人を気付つけるのは許さへんで!」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

その一言に渋々武器をおさめるヴォルケンリッター、まぁこんなのじゃ納得はしないだろうな

 

「とりあえず下に行こう、事情を説明する。 後、扉の後ろにいる二人も一緒に下行くぞ」

 

「ばれてましたか」

 

「流石にクーにはかなわないなー」

 

ヴォルケンリッターたちは驚いていたが、それを無視し、はやてを連れて下に降り、概要を話した

 

------------------------------

 

「そんなバカなことが......では、私たちがしていたことは」

 

「まぁこれが現実、それとシャマル、どうだ」

 

「・・・・・・貴方とリニスさん、それとライトニングの推察通り、はやてちゃんの足が麻痺しているのは、闇の書からの浸食よ」

 

「こっちもこっちで予想通りか......」

 

はやてに魔法を教えて、基礎的な部分を学ばせているとはいえ、よくなったり、現状に戻ったりを繰り返している足。 やはり闇の書の浸食のようだ

 

「闇の書が起動したとなると、ライトニング、これからはやてがどうなるか簡潔に述べろ」

 

「解析中ですが、どうあがいても死亡されると思われます」

 

「クー、どうにかならないの?」

 

アリシアが空気に耐えられないのか、不安そうに聞いてくる

 

「助けるに決まってるだろ、何をいまさら」

 

「クー?」

 

「ライトニング、解析はどうなってる?」

 

「正直言ってはかどっていません、上辺だけでも関係ないデータが散乱してますし、破損しているデータもあります。 しかも夜天の書の時のデータも探せって言われてますからね、むちゃくちゃです」

 

「優秀なデバイスなんだろ? そのくらいできなくちゃな」

 

「簡単に言ってくれますね、もちろんやりますけど」

 

「クレナイ、顔が悪くなってますよ」

 

リニスさんが呆れたように言うが、こんなものいつものじゃれ合いに過ぎない、それにコイツはやると言ったことは、必ず実行するやつだ

 

「それとマスター、もう一つお知らせが」

 

「なんだ?」

 

「アクセスできない情報があります」

 

「どういうことだ? 管理者権限とかか?」

 

「まだその段階ではありません、闇の書の機能を開放するのは、蒐集する必要があるんです」

 

「機能解放のために蒐集ね」

 

「どうするつもりだ? 我らとて、主に危険が及ぶとわかっていながら蒐集はしないぞ?」

 

「蒐集しなくても、はやては闇の書の浸食を受ける、現に今がそうだろうザフィーラ。 蒐集に関してはライトニングしだいだ」

 

「少なくとも数か月は今の情報の取捨選択、解析にはかかります」

 

「ならそれからだろう、はやていいか?」

 

「本当は反対や、私のせいで他の人に迷惑はかけたくない......でも、まー君は違うんやろ?」

 

「まぁお前に反対されてもやるぞ? 最終的にばれるけどな、悪いがお前にばっかり負担が行くし。 ・・・・・・替わってやれるなら代わってやりたいけど」

 

「ううん、その気持ちだけで十分や、ありがとうまー君。 だからみんなもまー君に協力してあげて?」

 

ヴォルケンリッター達にお願いするはやて、その様子を見て困惑するヴォルケンリッター達。 まぁ軽く情報見たからな、過去のこいつらの扱いもわかっているつもりだ。 それはやても同様のはずなのだが、はやては普通だ、それがなぜかわからないんだろう

 

「あなたたちは知っているはずだ、私たちが過去に、どういう扱いを受けていたのか、それなのになぜ」

 

「なぜ、何故か......それは俺が答えることじゃない」

 

はやての方を向き、はやてのことをじっと見る。 最初から自分で言うつもりだったのだろう、胸を叩いて頷いていた

 

「そんなこと決まってるやろ? 過去のみんながどうかなんて関係ない、私は今のみんなの主や。確かに過去に悪いことやってきてるのはわかっとる、でも、今のみんなは私の騎士たちで、私の家族や」

 

 

 




なんかちょっと最後話が微妙に、とりあえず言いたいことは家族だからということで。ちょっと時間は飛ぶけどA`s本格的に始まります

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第二話

特に書くことないので、本編どうぞ!


九月、この季節と言えば熱い、その一言に限るだろう、そしてもう一つ学校の始まる季節だ。 夏季休暇と言うことで、長い休みも終わり、学校が再度始まる。 学校が始まるということで、楽しみに思うものもいれば、だるく思うものもいる、俺はその後者だ。 長々語ったが、なにが言いたいかと言うと

 

「学校だるい」

 

「クー?」

 

「クレナイ、そんなこと言ってはいけませんよ?」

 

「せやでー、私なんて学校通えないんやで?」

 

「休学中だから、お前は届け出だせばいつでも通えるだろ。 通わせないが」

 

はやては身体強化系の魔法を使って歩けるようにはなったが、いまだ不安定で急に倒れたりするので危なっかしいのだ。 まぁ、本人に言わせれば、歩けるようになったということで、大変うれしいらしいが

 

「それじゃあ、行ってらっしゃーい」

 

「行ってらっしゃい、クレナイ、アリシア」

 

「行ってきまーす!」

 

「行ってきます、って引っ張るなアリシア」

 

そんな風に騒がしく、アリシアに引っ張られながら自宅を後にした

 

------------------------------

 

「あ! マー君、アリシアちゃん、おはよう!」

 

「はよーっす、なのは、アリサ、すずか」

 

「おはよう!」

 

「暑苦しいわねアンタたち」

 

「アリサちゃん、顔に羨ましいって書いてあるよ? おはようコウ君、アリサちゃん」

 

バスに乗り込みいつもの指定席、バスの一番後ろで、なのはの隣だ。 その俺の右隣にはアリシア、なのはの隣、つまり俺と逆側の隣が、アリサ、すずかの順だ。 他の人たちからすればハーレムだが、なのはとアリシアが視線で牽制し合っているため、俺にとってはひたすらめんどくさい。 たまにここにアリサが参加して大変なことになるのだが割愛。 そのアリサだが、すずかに弄られて、というかなのはが言うには、本音を言われているらしい

 

「あー、バスの中は涼しいなぁ」

 

「アンタの場合は、魔法使えば一発じゃない」

 

「おいそれと使っていいもんじゃないだろ」

 

「そうだね」

 

アリサとすずかは念話を使えないので、小声で話している。 幸い周りに人がいないので、誰かに聞かれる心配はない。 あれからというもの、何かにつけて夏休み、この二人は遊びに来ていた。 まぁ、魔法の訓練、と言うことで来ていたのだが。 二人は、よっぽどなことがない限り使わないと、約束してくれているので、デバイスは預けてある。 アリシアは元々、魔法を知っている世界から来ているし、そういうこと関連ならと言うことで預けてある

 

「二人もリニスさんの教えに、ついて行ってたもんね」

 

「まぁ、お稽古事の延長みたいな感じよね」

 

「うん」

 

「魔法基礎をお稽古事の延長とは、お嬢様たちには恐れ入る」

 

「もっと褒めなさい」

 

事実、普通のデバイスとは違うし、手探りなのだが、二人はもう基礎関係は終了しているので、本当に優秀だ、と言うのはリニスさんの言葉だ。 まぁ、なのはの域には達していないので、リニスさん的にはほっとしていた。 それに関しては、あいつがおかしいだけだと言っておいたが

 

「む、今誰かに悪口言われたような気がする」

 

「俺の方向いて言うな、知らんぞ」

 

おまけに勘も鋭くなってきている。 俺の見立てでは、下手したらヴォルケンリッター達がカートリッジシステムを使わなかったら、実力拮抗か、少し下だろうと踏んでいる

 

------------------------------

 

「フェイト・テスタロッサです、よろしくお願いします」

 

始業式が終わり、教室につき、簡単な連絡をしたら、転校生の紹介になったのだが、こういうわけだ。 近々転校するのは知っていたが、まさか始業式の日だとは知らなかったから驚いてはいるが、正直言って周りのテンションの高さに引いている。 美少女なのはわかるが、テンション上がりすぎだろう、しかもクラス全員だ。 先生がなだめ、一時的に静かになったのだが、帰りになると質問攻めにされていた。 まぁアリサが静めたから問題ないだろ、何故か俺に助けを求めるような顔をしていたが、クラスでの俺の影響力はそんなにない、なのでアリサに任したのだが

 

「何言ってんだか......」

 

なんて呆れられていた、解せぬ。 そんなこんなで帰り道、結局質問は、すぐに打ち切られることになった、理由など要約すると、はよ帰れと担任が言ってきたからだ。 そんなわけで、今はバスの中なのだが

 

「フェイト、お疲れ様」

 

「ありがとうアリシア、なのはもクレナイも酷いよ......」

 

「にゃはは......ごめんねフェイトちゃん」

 

「まぁ諦めろ、転校生は珍しがられるものだ。 アリシアも最初はあんなんだったし、そのうち落ち着くだろ」

 

「あー、私もあんな感じだったんだね」

 

数か月前のことを思い出しているのか、アリシアは苦笑していた。 アリシアも転校したてはあんなものだった、今は落ち着いているが、まぁ、本人もおしゃべり大好きみたいだし、そういうのもあってすぐに落ち着いた

 

「うぅ........次は助けてね?」

 

「まぁ出来たらな」

 

涙目で上目遣いって反則だと思うんですが

 

「そういえばフェイトちゃん、住むところはどうするの? まだ戸籍とかは出来てないんだよね?」

 

「あ、それなんだけど、えっと、クレナイお世話になるね」

 

照れながら言うのも反則です、そしてなのは、目に光がないぞ、そんな目で俺を見られても、どうしようもないぞ、言いたいことがあるならプレシアさんに言え

 

「へー、そうなんだ」

 

「でも手狭じゃないかな?」

 

おお、アリシアこの空気を変えてくれるか! これ幸いと、アリシアの話題に乗る

 

「まぁ、そうだけど、アリシアとフェイトが一緒に寝ればいいんじゃないか?」

 

「私今リニスと寝てるし......」

 

「なら......俺の部屋か?」

 

「え、えぇ!?」

 

気温が一気に下がった、殺気も感じる、これはアレですわ、選択肢間違った、フェイトは顔を真っ赤にして、ワタワタしているので気が付いていないみたいだが、アリシアとなのはから感じるプレッシャーが色々やばい、今だって冷や汗出てるし

 

「へー、フェイトちゃんと一緒に寝るんだ」

 

「ふふふ、まさかクーが妹に手を出すなんて」

 

「待て待て待て!! お前らは、なにか勘違いをしている。 俺は、アルフもこっちに来てるんだろうから、アルフと一緒に、俺の部屋で寝ればいいんじゃないかと提案しただけだ、もちろん俺は別室だ!」

 

「そうなの......」

 

なぜかフェイトが落ち込みだしたぞ!? だがそれに構っている暇はない、アリシアとなのはのフォローをしなければ俺が死ぬ。 実際殺気などはなくなったが、微妙にプレッシャーが残っているのだ

 

「なんだよ信じられないのか?」

 

「マー君のお家、そんなに手狭だったっけ?」

 

「あれ? なのはに言ってないの? はやての親戚たちが来てること?」

 

アリシアの方のプレッシャーが霧散したと思ったら、爆弾発言してきやがった! 親戚だが、お分かりの通りヴォルケンリッター達のことだ。 再びなのはのプレッシャーが高まっていく。 フェイトもフェイトで気が付いたのか、少し震えていた。 それに気が付いたアリシアは、フェイトの方についてるようで、俺の助けに入ってくれる様子はない。 薄情ものめ! さっきは、お前もなのは側だったというのに!

 

「マー君、詳しく聞かせてもらっていいかな?」

 

「まぁ、そこらへんは、今日家についたら話そうと思ってたから」

 

「よろしくね、それとは別件でO☆HA☆NA☆SI☆しよっか」

 

「お、俺には特に話すことはないぞ!」

 

「私にはあるの」

 

語尾に音符が付きそうなくらいいい笑顔だが、俺には見えるぞ、目が笑ってない!

 

 

 

 




なのはにヤンデレみたいになってるが気にしない、この程度でヤンデレって言っていいのかはわからないけど、そのうち全員なるんじゃね、みたいな適当な未来予告

冗談はさておき、感想評価お待ちしてます!


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第三話

この頃マジで車運転中寝そう、ホントどうにかならんかな、睡眠時間は取っているつもりなんだけど

本編どうぞ!


なのはのO☆HA☆NA☆SI☆をうまい具合に回避しながら、ようやく家までたどり着く、と言っても一難去ってまた一難

 

「ただいまー」

 

「ただいま」

 

「お邪魔しまーす」

 

家の中にははやてが待ち受けて、いなかった。 リニスさんも出迎えないということは、魔法の訓練か、はたまた別の用事か。もう一人の声が聞こえない、そんな風に思い玄関を見ると

 

「・・・・・・」

 

靴を脱いだのはいいが、なんといっていいかわからないのか、固まっているフェイトがいた

 

「どうしたのフェイトちゃん?」

 

「いや、えっと、なんて言っていいかわからなくて」

 

苦笑しているフェイトに、俺ため息をつく

 

「はぁ、一時的とはいえ、ここはお前の家でもある、家に帰ってきたときの挨拶をすればいいんだよ」

 

「た、ただいま」

 

「お帰り、フェイトー!」

 

照れたように言うフェイトに、思わず俺たちは頬を緩ませる。 アリシアなんか、抱き着いてるし。 戸惑いながらも受け入れているフェイトも、まんざらではないのだろう、もう笑顔になってるし

 

「はいはい、とりあえず居間に行くぞ居間に」

 

手を叩き注目を集め、返事も聞かずに歩き出す。 仲がいいのはよろしいが、あのままだと収集つかなそうだしな、そう言って居間に通じる扉を開けると

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

ヴォルケンリッター勢揃いだった。 居間に入った瞬間警戒されたが、俺だとわかると警戒を解く

 

「はやては?」

 

「主なら今は庭で魔法の練習中だ」

 

「相変わらず楽しくやっているようで何より」

 

「あ、みんなただいまー」

 

「おかえりなさい、アリシアちゃん」

 

続いて入ってきたアリシアに、シャマルが返事をするが、次の客人が入ってきた瞬間、場の空気が凍る

 

「えっと、マー君どちら様?」

 

「クレナイ?」

 

なのはとフェイトが、場の空気がおかしいことに気づき、声をかけてくるが、お構いなしにヴィータが俺に聞いてくる

 

「おいクレナイ、これはどういうことだ?」

 

「どういうことも何も、今日はやての友達が来るって言ったろ」

 

「それはいい、だが、魔法関係者だとは聞いていないぞ」

 

「わざと言ってなかったからな、言ったらお前らどこか行くだろ」

 

「当たり前だ! 貴様がそんな奴だとは思わなかったぞ、クレナイ!」

 

そう言って襲い掛かって来るシグナムとヴィータ、俺は焦りもせずエピオンの刀でシグナムと切り結び、ヴィータの方は障壁で対処する

 

「まったく、家の中でデバイスは振るなって、前に言っただろ」

 

「時と場合による!」

 

「アタシたちはお前の裏切りが許せねぇんだよ!アイゼン!」

 

「お前、家の中でカートリッジって、エピオン」

 

カートリッジをお互いに使用したため、そのまま拮抗している。 ようやく我に返ったのか、なのはとフェイトが反応をする

 

「クレナイ下がって!」

 

「マー君! なんでいきなりマー君に攻撃するの!?」

 

「とりあえず、なのはとフェイトは落ち着け、あとデバイスしまってくれ。 アリシア、はやて呼んできてくれ」

 

「はいはーい、そういうことだから二人とも、動かない方がいいよ? クーの後ろなら安全だから」

 

そう言ってアリシアが庭の方に向かおうとするが

 

「結界? シャマルさん、なんで?」

 

「はやてちゃんと会わすわけにはいかないもの、管理外とは言えデバイス持ちで、魔力量も高い、ということは管理局の魔導士かもしれないもの」

 

「シャマルさん、私でも怒るときは怒るよ?」

 

アリシアの怒気にそちらを見ると、フォーチュンドロップを出して臨戦態勢、これはアレか、俺が説明不足だったから行けなかったのか? しかもこういう時に限って、はやては外で練習してる、ハッハー、ごり押しで行こう

 

「アリシア、ステイ! エピオン、リミットⅠリリース、バスターモード、カートリッジロード」

 

「私犬じゃないよ!?」

 

ステイと言っただけなのに犬と思うとは、だいぶ環境に汚染されてい来ているらしい、それでも冷静になってくれてよかったけど。 しかも、何やるかわかったらしく、窓まで開けてくれた。 バスターモードにするということは、シグナムと切り結んでいる刀がなくなるというわけで、あらかじめ貼ってあった障壁に、シグナムの刀がぶつかると同時に小爆発。 ヴィータの方も同様に術式を少しいじり、同じように小爆発させた。 その隙に窓側に砲撃を打ち込み、結界を破壊しておく

 

「おわ!? な、なんなん!?」

 

「何事ですか!?」

 

はやてとリニスさんが急いで駆けこんでくる、それと同時に俺の状態を見て何があったのかわかったのだろう、はやてが静かに怒っていた

 

「ふ、ふふ......みんなには言っておいたはずなんやけどなぁ、まー君は、大切な友達やから、傷つけるのは許さへんて」

 

その静かな怒りが怖いのか、ヴォルケンリッターたちは震えていた。 かくいう俺も震えている、何故かって、自分のことではないが、あの空気には覚えがあるからな。あのシグナムでさえかすかに震え、こちらに助けを求めていた。 自業自得なので知らんが、あと関わり合いたくないし。 ヴィータに至っては、アイゼンを落とし震えていた。 アイゼン落としたのに傷一つついてない、うちのフローリングはどれだけ優秀なのか。 他人事のようにそれを見ていた俺だが

 

「まー君もO☆HA☆NA☆SI☆や」

 

それはなのはだけの物なんだけどなー、なんて思いつつ俺は素直に頷いた、まぁ俺も悪いとこあったし。 それはいいけど、なんでドナドナ流れてるんだよ、素敵すぎるだろ、いろんな意味で

 

------------------------------

 

はやてによるO☆HA☆NA☆SI☆が終わり、俺を含めたヴォルケンリッターたちの死体が出来上がったころ、ようやくなのはとフェイトが口を開いた

 

「それで、あの......」

 

「この人たちは誰なの?」

 

「あー、それな......」

 

はやてが視線を向けてくる、この状態の俺に答えろと、そうですか、そうですか、答えますけど

 

「ライトニング、頼む」

 

俺はフローリングの冷たい感触を味わいながら、はやてが持っているライトニングに説明を託す。 俺が説明してもいいのだが、今の状態じゃまともな思考できないし、何よりライトニングの方が説明上手い。 そして語られる闇の書と夜天の書について、その間アリシアはというと

 

「大丈夫?」

 

そう言って俺のそばにいてくれた、あぁ、癒される......そうして説明が終わったころ

 

「つまり闇の書が完全に起動したら、はやてちゃんは......」

 

「まぁ、そうなんやけどな? でも私は、まー君やヴォルケンリッターのみんな、ううん、家族がなんとかしてくれるって信じてる、もちろん自分でもなんとかしよおって思っとるよ?」

 

そう言って彼女は、今の自分を指さす。 三か月前まで車いすだった少女は、今じゃ調子が良ければ、魔法を使って自分で立てるまで、回復していた

 

「クレナイ、私たちにもできることはないのかな?」

 

「現状はない、悲しいことにな。 ライトニング、解析は?」

 

「エピオンのおかげではかどってます。 と、完了です、これで初期起動分の解析は終わりました」

 

「なら次の段階か、闇の書」

 

本当の名で呼んでやりたいところだが、本当の名では反応もしない。 浮かんでいた闇の書は、あるところで停止する、俺の胸の前でだ

 

「マー君?」

 

「クレナイ?」

 

なのはとフェイトは不思議そうに見ている、まぁ何をやるかなんてわからないよな

 

「さて、さっきライトニングの説明にも合った通り、闇の書を完成させればはやては死ぬ、でもな、闇の書による浸食は、もうとっくの昔から始まってたんだ」

 

「どういうこと? さっきの説明だと、完成さえしなければはやてちゃんは」

 

「それははやてが成人だった場合、まぁそれでも難しいみたいだけど、はやての足が動かないのは闇の書の浸食なんだ」

 

「で、でも今のはやては!」

 

「歩いていますね、でも少し良くなったり、前の状態に戻ったりが、今の現状です」

 

残酷な真実を突きつけていく。 はやてには、この話をしてあるので、悲しそうに微笑んでいるだけだった

 

「でもそしたら!」

 

「そう方法なんてない。 でも、完成させた後ならどうにかできる。 それをライトニングと相談しながらやってる」

 

「それはどんな!?」

 

「今の段階じゃ情報が少なすぎる、だから闇の書を完成させる必要がある。 俺は覚悟を決めた、はやてを助けて、ハッピーエンドを目指すって。 だから、闇の書、蒐集」

 

そう呟くと胸からリンカーコアが浮かび上がり、闇の書に吸収されていく。 予想を絶する痛みだが、耐えられないわけではない。 それが数分続き、やっと解放される

 

「っはぁ、ライト、ニング、どうだ?」

 

「・・・・・・閲覧可能領域増えました、解析に移ります」

 

「頼む......」

 

言い切った直後、俺の意識は闇に沈んだ




またも3000字オーバー、原作替わりすぎですね

さて感想評価お待ちしてます


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第四話

なんかこれ一日一本か、二日三日で一本になってる気がする。 いいことだけど、ずいぶんハイペースだな

さて、本編どうぞ!


リンカーコアを抜かれたことにより、意識を失った俺は数時間後に目を覚ました。 ネタをやろうとしたところで、割り込んでくるなのはとフェイト、なのはには思いっきり泣かれ、フェイトはそでを掴んだまま離さなかった。 正直言って、こっちの方が堪える。まだ、O☆HA☆NA☆SI☆も嫌だけど、泣かれたり、何も言わずに泣きそうな顔でそで掴まれる方が堪える。 アリシアなんかも、フェイトがいるからなのか遠くから心配そうにしてるし、はやては申し訳なさそうに見てるし、で、そんな状況の中、不謹慎にもニヤニヤ見てる使い魔が一人。 まぁ、俺のことを気遣ってそういう風に見てるんだろうけど。 俺は小さいため息をつき、事態の収束に努める

 

「なのは、泣き止んでくれよ」

 

「馬鹿! 泣き止んでくれよじゃないよ! いきなり倒れて、心配したんだよ!? なのに、なのに!」

 

「悪かったよ」

 

苦笑しながら頭を撫でる、そして続きの言葉をしゃべり始める

 

「でもさ決めたからさ、頑張ろうかなって」

 

「・・・・・・こんなことになったのに?」

 

「おう、無理や無茶でも押し通す、そうやってやってきたからな」

 

「・・・・・・」

 

いまだに俺の胸に泣きついたままだが、腕の力は少し緩まった

 

「ま、そう言うわけだなのは。 諦めてくれ」

 

「自分で言うことじゃないと思う」

 

いまだに抱き着いたままだが、声は普通に戻ってきている

 

「そんでフェイト、そろそろ放してほしいんだけど」

 

「・・・・・・」

 

首を横にフルフルと振るフェイト。 どうしたもんか

 

「飯作らないといけないし」

 

「・・・・・・」

 

「トイレとか行けないし」

 

「・・・・・・」

 

無反応、ここまで来ると心折れるぞ。 頭を掻きながら、考えるが何もいい案が浮かばない

 

「心配なのはわかる、自分でもなんだが無理するし、でもこんなことしても、問題は解決しないぞ?」

 

「・・・・・・わかってる、わかってるけど、私、怖いよ」

 

「怖い?」

 

「だって、このまま無理してたらクレナイ、いなくなっちゃいそうなんだもん!」

 

「・・・・・・」

 

その言葉に、今度は俺が黙る番だった。 実際前回の事件は、様々な要因が重なり、うまくいったが、今回もどうにかなるとは限らない。 前回も手探りだったが、今回は前回よりも条件はいいはずなのに、前よりも手元が真っ暗だ。 それは実感してる、だが

 

「悪いんだがフェイト、それでも俺は進む、他の誰に何を言われようともだ」

 

「・・・・・・」

 

「勝手だと思うかもしれないけど、これが俺だからな、勘弁してくれ」

 

苦笑してそう言うが、やはりフェイトの表情は晴れない。 だがそこに意外な援護が加わった

 

「フェイト」

 

「リニス.......」

 

「クレナイはこういう人なんです、諦めてください。 でも、貴方には教えたはずですよ? 一緒に戦う力を」

 

「・・・・・・」

 

ハッとした表情になるフェイト、リニスさんも回りくどいが、俺がいなくならないように、自分が強くなればいいと、そう言っているのだ

 

「てか、諦めてくださいとか、酷くないですか?」

 

「改善できるんですか?」

 

笑顔の威圧に、目をそらす。 そんな、確約なんかできるわけ、ないじゃないですか。 そう思っても口には出さない、あの表情してるリニスさんもやばいからな

 

「アリシアもそんな心配そうな顔で見るなよ」

 

「クーって割と女たらしだよね」

 

「言うにこと欠いてそれか」

 

思わず真顔になる、流石にその切り返しはない。 自分でも女たらしではないが、女泣かせなのは自覚してるからな

 

「冗談だよ、でも、心配させないでね」

 

「前向きに検討したいと思う。 んでだ、はやて」

 

「・・・・・・ん? なに?」

 

「なんでそんなに、申し訳なさそうに見てるんだよ」

 

「だって、私のせいやろ、この状況?」

 

そう言って、さらに悲しそうな顔をする。 この状況がはやてのせい? 何言ってやがる

 

「何勘違いしてるんだはやて」

 

「え?」

 

「これは俺が、自分の意思でやったことで、お前のせいじゃない。 お前は最初から、蒐集には否定的だったし、今のままで満足してるって言ってた。 でも俺がそれを良しとしなかった、ならこのざまは俺のせいだし、お前が責任を被る必要はない」

 

「それは.......」

 

「言い訳はいらん、お前は笑ってろ。 そのために俺は動いてんだから」

 

そう言うとポカンとした表情のまま数秒、そして笑い出した

 

「ふふふ、まさかそんなこと言われるなんて、思ってなかったわー」

 

いつも通り、というわけにはいかないが、それでも笑顔を見せてくれた

 

「さて、それじゃあ下に行きますか」

 

「なんでや?」

 

「飯」

 

------------------------------

 

下で屍と化していたヴォルケンリッターたちを起こし、料理をはやてとリニスに作ってもらい、少し遅いが夜飯となった。 空気が悪い、主にヴォルケンリッターたちが、なのはとフェイトを睨んでいるからだが

 

「はやてなんとかして」

 

「とりあえずや、なのはちゃんとフェイトちゃんにも手を出したらアカンよ?」

 

「ですが主はやて、この少女たちは管理局の所属と聞きます」

 

「そいつらが管理局にしゃべらないとも限らないだろはやて」

 

「手を出したらアカンよ?」

 

「でもねはやてちゃん」

 

「アカンよ?」

 

笑顔で言うはやて、目が笑ってないのはわかりきっていた。 その姿にヴォルケンリッターたちは、さっきのことを思い出したのか、震えていた。 すげぇな、歴戦の戦士たちを震えさせる九歳の主。 字面にするとなんか情けなく感じるけど、体験している身としては笑ってもいられない。 俺は普通に飯食ってるけどね

 

「諦めた方がいい、シグナム、ヴィータ、シャマル。 それに、クレナイも殺気立っている、下手に刺激するとこちらが被害を被るぞ」

 

なんか失礼なこと言ってるザフィーラだが、気にしないでおこう。 こんなの気にしていたら、身が持たん。 今は常識がある程度あるが、最初のころは本当にやばかったからな

 

「あの、そのことなんですけど」

 

「なのはと話し合って決めました、貴方たちのことはしゃべりません」

 

「・・・・・・それが信じられるとでも?」

 

「信じられなくてもいいです。 でも、私たちは約束を破ったりしません」

 

「けっ......」

 

一応終息はしたようだ、さっきよかましな空気になった

 

「さて、それじゃあライトニング、報告頼む」

 

「了解です、今回マスターのリンカーコアを蒐集して、ページが埋まりました。 今そのページを解析していますが、これと言って進展はありません」

 

「まぁ、少し埋まったぐらいで、劇的な変化はないだろうしな、その調子で頼む」

 

「了解」

 

------------------------------

 

「ねぇマー君」

 

「ん? なんだ?」

 

夜もそこそこの時間になり、流石に一人で夜道を歩かせられない、ということでなのはを家に送っているのだが、なのはが話しかけてきた

 

「私もはやてちゃんのためにリンカーコアを......」

 

「やめとけ」

 

短くなのはに告げる

 

「どうして?」

 

なのはが問いかけてくる、俺の顔を覗き込んで

 

「リンカーコアを蒐集する、その行為は危険な行為だ。 下手したら魔法が使えなくなるぞ」

 

一応俺も抜いてから、シャマルにチェックしてもらったが、大丈夫だったらしい。 まぁ体は重たいけどな

 

「魔法が?」

 

「ユーノから魔法のこと、リンカーコアのことを聞いたと思うが、あれは繊細なものだっていう話だ、俺は成功したけど、なのはが成功するかはわからない、それに、かなり痛いぞ」

 

「・・・・・・」

 

俺の説明を聞いてためらうなのは、それが普通の反応だ

 

「ともかく、はやてのためって言うなら、一緒に居てやるだけでもいいんじゃないか?」

 

「一緒に?」

 

「はやてだってつらいはずだ、友達が一緒に居ればそういうのも和らぐだろ?」

 

「うん......」

 

納得がいかないのか、その表情は曇ったままだ、コイツもこうと決めたら一直線なところがあるしなぁ、誰に似たんだか

 

「まったく、こいつめ!」

 

「にゃー!?」

 

頭をぐしゃぐしゃと撫でると、なのはは猫みたいな悲鳴を出す。 いきなりのことだったから反応できなかったようで、ようやく反応した時には髪はぐしゃぐしゃだった

 

「マー君、酷いよー」

 

「うっさい、とりあえずさ、リンカーコアの件はよく考えろ。 さっきの聞いて怖くなったんだろ?」

 

「・・・・・・うん」

 

「考えて、考えて、考え抜いてから答えを出せ。 その回答がどんなものだったとしても、俺はちゃんと聞いてやるから」

 

そう言って今度は、くしゃくしゃになった髪を直すように撫でる

 

「うん!」

 

そこにさっきまでの表情はなく、笑顔があった

 




蒐集ってドンくらい埋まるんだろう、ちょっとわからないためぺーじ数はなしで。 

感想評価お待ちしてます


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第五話

UA1万突破、お気に入り100件突破、こんな作品ですが、皆様ありがとうございます! これからも一応このペースで書けたらなー、という感じで行きたいと思います。 時間はかかっても完走はするので、多分

もう一回感謝を、さて本編どうぞ!


なのはを送り、ちょうどいいとジョギングして帰ってきたのだが、いつもより体が重いためか、かなり疲れた。 風呂に入り、さぁ寝ようと自分の部屋の扉を開くと

 

「「・・・・・・」」

 

何故か、テスタロッサ姉妹がベッドに座っていた。 部屋を間違えたのだろうか? そう思いドアを閉めて確認、間違いなく俺の部屋だった。 もう一回開けると、テスタロッサ姉妹と目が合う。 ふむ、目の前の光景に首をかしげる。 おかしい、そう言えば、帰ってくる前に部屋決めをしたわけだが、確かその時はフェイトとアルフが、俺の部屋だったはずだ。 なのに今いるのは、アリシアとフェイト、部屋割りを変えたのだろうか? とりあえず言うことは

 

「失礼しました」

 

静かにドアを閉めようとするが、扉が閉まらない。 前を見ると、ドアに手をかけたフェイトと、俺の袖を握るアリシア。 マジでどういう状況だこれ、そして動き早いっすね二人とも

 

「・・・・・・何か用か?」

 

「少し話がしたいの」

 

「だめ、かな?」

 

二人からそうお願いされる。 一人は真剣に、一人は不安そうに、こんな状態で断れる俺ではなく、受け入れる

 

「明日も学校だし、手短にな」

 

そう言って部屋に入る、とりあえずどこに座ればいいかわからず、床のクッションの上に座る、アリシアとフェイトはベッドに座っている

 

「それで、話って?」

 

「蒐集のこと」

 

「・・・・・・」

 

正直言って、またかと言いたくなるが、ぐっとこらえる。 みんな心配し過ぎなのだ

 

「・・・・・それで?」

 

「私はいいって言ってるんだけど、フェイトが」

 

「はやては友達だし、私もリンカーコアを」

 

「はぁーー......」

 

俺が深いため息をつくと、フェイトが肩をビクッとさせた、別に怖がらせたりしたいわけじゃないが、コイツもかと言いたくなる。 それをぐっと抑え、話を聞く

 

「今日のを聞いてか?」

 

こくりとうなずくフェイト、アリシアの方を向くが首を振っていた。 すでに説得はしたってことね、聞く耳持たなかったみたいだが

 

「まぁフェイトがそう思うのは悪くない、むしろいいことなんだと思う。 でもな、お前だってリンカーコアが繊細なものだって知ってるだろ?」

 

これまたこくりとうなづくフェイト、その姿がなんだか小さく見える。 アリシアに、非難がましい目で見られているような気がするが、気にしない

 

「それにかなり痛いぞ? まぁ、これは理由にならないけど。 お前にはもっと考える時間が必要だと思う」

 

「考える時間?」

 

「あぁ、今は色々なことがあって混乱してるだろ? だから冷却期間が必要だ。 それで冷静になってから考えて、本当に必要なら俺に言ってくれ。 どんな答えでもいいからな」

 

「うん」

 

だがやはり浮かない顔のフェイト、その表情に苦笑する

 

「そんな顔すんなよ」

 

「あ......」

 

頭を撫でると、嬉しそうで、それでいて複雑そうな顔していた

 

「友達って言ってもいろんな形がある、まぁ、今回は特殊なケースだけどな。 ただ与えるだけが友達、かなんてのはその人しだいだ。 お前とはやての関係、ゆっくり決めてけばいいんじゃないか?」

 

「うん、私少し考えてみる」

 

ようやく明るい表情になる、これにて一件落着かな、なんて思いアリシアを見ると、今度はアリシアが膨れていた

 

「・・・・・・なんだよ」

 

「フェイトばっかりずるい」

 

そう言って、頭を差し出してくるアリシア。 撫でろということか......俺は撫でることにする。 そうすると、気持ちがいいのか目を細め、鼻歌を歌いだした、一気に上機嫌か、いいけどさ。 しばらく撫でていて、いい加減腕が疲れてきた

 

「なぁ、そろそろよくないか?」

 

「だめ」

 

「あの、もうちょっと......」

 

どうやら俺は、もう少し撫で続けなければいけないらしい。 腕が持つかな?

 

------------------------------

 

「さてと、そろそろ寝ないとな」

 

時計の針は、あと一時間もすればてっぺんになる、小学生にしては十分遅い時間だろう。 夏休み明けの学校初日、俺は前世から夜更かしなどをしていたので、問題はないし、アリシアも体を壊さない程度に魔法や、こっちの世界の勉強をしていたので、夜には強いほうだ。 フェイトは規則正しい生活だったのか、すでに眠そうだ

 

「明日も学校だもんね、流石にそろそろ寝ないと厳しいかなぁ」

 

「学校......そうだね、寝ないと......」

 

眠くて目をこすっているフェイトがかわいい、少しほっこりしながら、名残惜しいが、部屋から出ようと扉に手をかけるのだが、進めない。 もうわかってるよ、どうせフェイトとアリシアだろ!後ろを見ると案の定、フェイトとアリシアが服の袖を掴んでいた。 片方は枕を片手に、片方はもはや寝てるんじゃないのか、というくらい寝ぼけ眼だが

 

「・・・・・・」

 

「一緒に寝ようよ」

 

「うん、一緒、に......」

 

「・・・・・・」

 

何も言ってないんですがねぇ、まぁ、わかってたけどさ!だが流石に九歳児とはいえ、精神はクソジジイと言っても過言ではない俺、この頃は情けないことに、体に引っ張られているような気がしないでもないが

 

「ダメ?」

 

「・・・・・・」

 

アリシアは上目遣い、フェイトはもはや寝そうなのを頑張って起きている感じだ、体なんか危なげにフラフラしてるし。 断りてぇ、でも断れないよな

 

「はぁ、フェイト運ばないとな」

 

「じゃあベットにレッツゴー!」

 

「・・・・・・ごー」

 

「お前は危ないから、こうだ」

 

お姫様抱っこしてフェイトをベッドまで運ぼうとしたのだが、アリシアが膨れていた

 

「・・・・・・私は?」

 

「この状況で二人だけと? てかどう考えても二人も抱けないだろ」

 

「こう、片腕一人ずつで」

 

「意識があるならどっかしらに捕まるだろうが、意識がないので却下」

 

「・・・・・・今度やってくれたら許す」

 

「わかったよ」

 

理不尽な約束が追加されたが、仕方ないだろう。フェイトをベッドに降ろして、アリシアを真ん中にしようとしたのだが、俺が真ん中らしく大人しく従う

 

「抱き着くなよアリシア......」

 

ベッドに入ったアリシアは、早速とばかりに俺の腕に抱き着いてくる。 一応注意はするが、俺の注意はどこ吹く風、笑顔で寝に入ってるアリシア。 俺は溜息をつき、ほっとくことにした。 しばらくするとアリシアの寝息も聞こえ始め、起きているのは俺だけになった。 というか寝られるかな俺、数時間前は寝てたわけだし、この状況だし。 だが意外なことに両側にぬくもりが意外に気持ちよく、眠気が出てき始めた。 ウトウトして、意識が飛びそうになった時、腰のあたりに抱き着かれる感覚がした。 眠い、確認する気も起きずに、俺はそのまま意識を手放した

 

------------------------------

 

早朝、魔法の鍛錬前、いつものように木刀を振り、鍛錬をこなす。 ふいに窓側に気配を感じ素振りをしながら、視線だけをそちらに向ける。 揺れる赤髪に三つ編み、ピンク色の髪を見つける

 

「シグナムとヴィータか、なんか用か」

 

視線を正面に戻し、素振りを続ける

 

「昨日のことだ」

 

「・・・・・・」

 

昨日のこと、思い当たるのは、家の中でデバイスを起動したことだろうか

 

「それで?」

 

「昨日はすまなかった」

 

「・・・・・・」

 

二人とも頭を下げる、いきなりのことで動揺したが、最後の一振りを終え、体を二人に向ける

 

「すまなかったって、こっちも何も説明せずにあんなことしたんだ、お相子だろう」

 

「それでもだ、頭に血が上っていたとはいえ、色々世話になっている相手だ、それなのに理由も聞かずに剣を向けた、謝るのには十分だ」

 

「・・・・・・」

 

相変わらずまっすぐなやつだ、そこまで気にしていないというのに

 

「一つ聞いていいか? お前は普段冷静だ、なぜそこまで怒った」

 

「・・・・・・主はやてのことを裏切ったと思ってな」

 

はやてか。 よかったなはやて、ここまでお前のことを思ってくれてるぞ

 

「ならいいよ、あいつのこと家族のように思ってて、それに対しての行動だろ? ならいいよ」

 

「・・・・・・そうか」

 

今の一言で伝わったのだろう、シグナムは苦笑しながら顔を上げた。 たいしてヴィータは黙ったままだ

 

「ヴィータ?」

 

「なんでお前はそんなに簡単に許せるんだよ、はやてのためとはいえ、武器を向けたんだぞ、恩人なのに」

 

「別に気にしないっての、お前がそれを後悔して、こうやって謝ってるんだし、そしてはやてのためを思った行動だ、俺が怒る通りはないさ。 はやてにもこってり絞られてるしな」

 

「ははは」

 

乾いた笑いをしながら顔を上げたヴィータ、はやてに怒られたことを思い出したのだろう、顔は真っ青だ

 

「まぁ、これからも頼む」

 

「あぁ」

 

「おう!」

 

「おっはよー、クー!」

 

「抱き着いてくんなよ、今汗かいてるし」

 

「おはよう、クレナイ。 それと、シグナムさんとヴィータ」

 

「シグナムでいい、おはよう」

 

「おいアリシア、あたしには挨拶なしかよ!」

 

「なんや? 今日は朝から騒がしなー」

 

「いつものことだろ」

 

 




またも3000字オーバー、もう気にしない

本編はあと次の話の後に、それでは感想評価お待ちしてます


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第六話

やー、仕事で手首痛めた。 タイピングしてると微妙に痛い。 まぁそこまで問題でもないのでいいんですが

本編どうぞ!


「変ね」

 

「変だね」

 

「「「?」」」

 

「・・・・・・」

 

お昼休み、アリサの呟きにすずかも同意した。 言われた俺たちは、なのはとテスタロッサ姉妹は首を傾げ、俺は無言を貫く。 現状が変と周りに聞けば、十人中十人が変というだろう。 なのはたちの姿に痺れを切らしたのか、アリサが怒りながら口を開く

 

「どう見たって変でしょうが! なんでそんな、介護される人みたいになってるのよ!魔狸男!!」

 

「俺かよ、そしてレモンを俺に投げるな」

 

俺にな。 何故、怒りの矛先が俺に向けられるのか疑問だが、レモンを投げるな。 前にも投げられたけどさ。 ちなみに全く関係ない話だが、レモンは額に張り付いていた

 

「介護ってアリサ、そんなぼけ老人じゃないよクーは」

 

そう言って、俺の額に張り付いたレモンをアリサに返しながら、アリシアが答えた

 

「いらないわよ!? ならあんた達、今日の朝から今までの行動を思い出してみなさい!」

 

「今日の朝から今までを?」

 

「普通に登校して、授業を受けて、今お昼食べてるよね」

 

「お前らは、今のこの状態が普通と申すか?」

 

今の現状、なのはたちは、自分の弁当そっちのけで、俺に食べさせようとしていた。 ちなみに箸は最初に取り上げられていた

 

「マー君がいけないと思う」

 

「クレナイのせい」

 

「クーがいけないと思うよ」

 

三人からジト目いただきましたー、なぜこうなっているかというと、昨日の件が尾を引いてるからです。 まぁ、それが分っているからこそ何も言わなかったわけだが、アリサが言ってくれて助かった

 

「えっと、コウ君が何かしたの?」

 

「ストップ! なにも、モガっ!?」

 

「はーい、アンタは黙ってなさい。 それで何があったの?」

 

俺が止めようとすると、アリサは俺の弁当から唐揚げをつまみ、俺の口にねじ込んできた。 自分の箸でな!アリサは話を聞くことを優先して、そこまで気が回っていなかったらしい。 すずかも、それに気が付いていたのか、俺の弁当から厚焼き玉子を箸でつまみ、口に押し込んできた。 少し恥ずかしそうだが、何故かやり切った感が出てるすずか。 なので、口が一杯の俺は、止めることはかなわず、昨日俺が何をしたのか、伝わってしまった

 

「「・・・・・・」」

 

無言で俺を見るアリサとすずか、うん、怖いんですけど! 何も言わないで無言で見てくるとか、恐怖でしかない。 とりあえず現状このまま、というわけにもいかず、俺は恐る恐る話しかけることにした

 

「あの、アリサ様、すずか様?」

 

「こ」

 

「こ?」

 

「この馬鹿ちんがー!!」

 

「いきなり掴みかかって来るなよ!?」

 

先に動いたのはアリサで、俺に掴みかかってきた。 とっさのことで、何とか踏みとどまり、弁当とかが落ちることはなかった。 まだ食い途中ですからね

 

「今回の件で私とすずかは、力になれないかもしれないけど、相談くらいしなさいよ! はやてのことでしょ!」

 

「いやあの、まだ不確定の情報が多く手ですね? もう少し情報が集まった段階で、お二人にもお話しようと......」

 

目の前で話している少女よりも、奥に控えてる女子の方が、かなり怖いんですが、なので俺の言葉もだんだんしりすぼみになっていく

 

「そ・れ・で・も・よ!」

 

「はい......」

 

「すずか、交代よ」

 

「うん」

 

アリサがすずかに声をかけると、今度はすずかが俺の前で話始める

 

「って言っても、私の言いたいことは、アリサちゃんが言ってくれたから、一つだけね、出来るだけ無理はしないでね」

 

「・・・・・・前向きに検討させていただきます」

 

すずかの優しさなのか言葉を選んでくれるが、絶対とは言えないのでそう答えておく。 流石のすずかも、笑顔が一瞬ひくついたが、何も言ってこなかった。 理解があって大変助かります

 

「ん」

 

「はて? どういうことですかなこれは?」

 

何故か、アリサがそっぽを向きながら、ウインナーを刺したフォークを向けてきた。 流石の意味不明な行動に俺は、そんな風に聞く。 てか待て、そのフォークって確か、なのはが持ってた俺の弁当についてたフォークじゃないか?

 

「ん!」

 

「ふふ、アリサちゃんが食べさせてくれるみたいだよ?はい、あーん」

 

そう言って、俺の弁当に入っていた箸を使い、ご飯を口元にまで持ってこられる。 なのはたちは休み時間が少ないことに気が付いたのか、急いで弁当を食べていた。 片や頬を少し赤く染めながら、こちらをうかがう少女、片や笑顔でご飯を口元に寄せる少女、逃げ道は......あ、はい、ないみたいっすね、周りのヤロー共が、早く食べろみたいな目で、こっち見てるし。 まぁ、気持ちは嬉しいんだが、なんだかなー、人がいないとこなら、そういうのも違うか、なんて考えながら、なされるがまま食べ進める。 空青いなー

 

------------------------------

 

結局昼休みの後、三人にアリサとすずかが加わり、手厚く看護され、男子には羨望と恨みがましい視線を受け、女子はなぜか羨ましそうに見ていたのが印象的だった。 帰りも手厚い看護、おもに車で送迎しようとしていたのを丁重に断り、夕食の買い物に来ていた。 念話ではやてたちと連絡を取り、それをもとに買い物をしていく。 今日の夕飯は、和食ということで、それに準ずる材料を買いそろえていく、のだが

 

「ええぃ! いい加減にしろ!」

 

「にゃ!?」

 

「あう!」

 

「いた!?」

 

人の周りをちょろちょろし、あまつさえ野菜と適当にいれていた、三人に鉄拳制裁を加えた。 三人は恨みがましい視線をこちらに向けているが、そんなことはお構いなしに、俺は買い物を続ける

 

「まったく、学校は百歩譲ってやったが、帰りは譲らん。 後野菜は勝手に入れるな、こういうのは吟味が大切なんだ」

 

とりあえず、こいつらが入れていた、野菜を全部売り場に戻し、再び野菜などを選び始める

 

「でも、昨日の今日なんだし、安静に」

 

「しつこいぞフェイト、大体安静にもクソも、今日の朝鍛錬普通にやってただろうが」

 

「うっ!」

 

「でもさ、今日はいつもよりメニュー減らしてたでしょ?」

 

「当たり前だ、いつもの通りやったら、リンカーコア治り遅くなるし、下手したらおじゃんになる可能性がある。 だからシャマルさんと相談して、無理のない範囲で、魔法の制御とかやってたんだ」

 

野菜の吟味中なので一瞬だけアリシアに視線を向ける

 

「そ、それにそれに、今日お兄ちゃんが言ってたよ! 動きが精彩さが欠けてるって」

 

「それも当たり前だっての、リンカーコアは思った以上に、体の各所に影響が出る、今だって体が重いしな」

 

「だから私たちが代わりに」

 

と野菜を入れようとするなのはの手を掴んで止める

 

「勝手に、いれんな」

 

「・・・・・・はい」

 

俺の怒気になのはは大人しく野菜を売り場に戻す、そんな三人の様子に俺は、隠れてため息をつくのだった

 

「お前らの気持ちは嬉しいが、いつも通りに接してくれ。 別に病人てわけでもないし、そりゃあいつもに比べれば、本調子じゃないが普通に生活おくれるぐらいには回復してる」

 

「で、でも......」

 

それでもなお引き下がらないフェイト、他の二人は頬を膨らましたり、しょうがないみたいな顔で見ているのに、フェイトだけは引き下がらなかった

 

「大丈夫だフェイト、俺は大丈夫。 心配してくれてありがとな」

 

「・・・・・・」

 

ゆっくり頭を撫でてやると、それ以上何か言ってくることはなかった。 多分フェイトもわかってるんだろう、俺は意見を曲げないって。 その通りだ、お前らみたく俺も頑固者だからな、意見は曲げんぞ

 

「さて買い物の続きを......フェイト」

 

「もうちょっと」

 

買い物の続きをしようと、フェイトの頭を撫でるのをやめようとしたのだが、何故か腕を掴まれ、もっと撫でるように言われてしまう

 

「はいはい、お姫様の言う通りに」

 

不機嫌そうな顔、撫でないと終わらないと思い、撫でたのだが、今度は別の場所から不満が上がる

 

「フェイトちゃんばっかりずるい! 私も!」

 

「そうだそうだー、私にもなでなでを要求する!」

 

言わなくてもわかるようになのはとアリシアだ、それをなだめるのに時間を要し、夕食が遅れたのは言うまでもない

 

 

 




アレ二期になってから、エリス様でてないような気がする、次かその次には出すけど

まl、感想評価お待ちしてます


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第七話

ようやく本編、かなり内容替わるし、原作改変タグつけようかな

本編どうぞ!


十二月二日。 師走は忙しいとされているが、俺たちもなかなか忙しかった。 夏休みが終わり、ヴォルケンリッターたちと出会いを果たしたなのはたちだが、意外にもその関係は良好だった。 もともと正史では、はやてのために蒐集をしていて、やむなくなのはの蒐集をしたのだが、この世界でそんな事実はなく、練習相手として相手をしていたので、実力はカートリッジシステムがないのにもかかわらず、拮抗していた。 もちろんカートリッジシステムを使われれば、なのはたちがピンチになるのは言うまでもない。 やっぱこの世界おかしいわ、そう突っ込まずにはいられなかった。 さて、なのはたちが負けず嫌いなのは、知っているだろう、なのでこの頃は、俺のエピオンにカートリッジシステムが搭載されてるのは知っているので、どうにか搭載してほしいとのこと。 パーツがねえよ。 まぁ、そこらへんはプレシアさんがなんとかしそうで怖い、そうなったら、エピオンを一回プレシアさんのところに持って行って、データだけ収集してもらおう。 魔法ならまだしも、データやデバイス関連は門外漢です。 実際、そちらにも詳しいライトニングに見てもらったわけだが、カートリッジシステムに関しては完璧ブラックボックスだそうで、データとしては移せるらしく、再現も可能、でもブラックボックスという、意味不明な回答を提示した。 まぁ、流石神様特注のデバイスだ、むちゃくちゃすぎる。 まぁそもそも、反動とかなしで使えるノーリスクシステムになっている。 チートだな。 エリス様元気かなー、この頃念話も来ないけど、忙しいって話だし、今回の件が片付いたら、何かお菓子でも持って訪ねよう。 さて闇の書の方だが、蒐集はしている。 相変わらず、膨大な情報からの取捨選択、破損データの復旧など、ライトニングが休まず頑張ってくれている。 リニスやシャマルもついているので、はやての方は問題ない。 魔法を使っている影響もあってか、今のところは、現状を維持している。 闇の書による浸食もあまりないようだし。 だがすべてがうまくいくはずもなく、400ページ強が埋まっているのにもかかわらず、今だにはやて、そして夜天の書の管制融合機を救う手段は、手探り状態だ。 ピースは集まってきているのだが、やはり足りない。 後は、紫天の書だ。 こっちはお手上げで、情報がいまだに出てきていない。 ちょこちょこ単語は出てきているようだが、ダメなようだ。 ライトニング自体は悔しがっているようだが、俺はむしろ暴走状態になってからが、紫天の書は情報が出てくると思う、なので紫天の書に関しては、情報が出てきたらいいなー、みたいな現状だ。 さて、長々現状を語ったわけだが

 

「現実逃避にもなりやしねー」

 

目の前には、おとぎ話で出てくるような巨大な龍、対して俺は刀だけ。 この頃の日課になっている蒐集、それに出てきたわけなのだが、調子に乗って開発していた魔法を試したら、いつの間にか全滅、コイツが出てきたと言うわけだ。 もちろん殺してはいない、おもに試したのはバインド系だし、動きを止めて蒐集、これを繰り返していたのだが、ねぇ

 

「待ってくれないよなー、はぁ......」

 

今日は一人で出てきたので、援護も期待できない。 目の前の龍の咆哮が鼓膜を揺らす、てかうるさい。 障壁で衝撃や音を遮断しているのだが

 

「今回は動きを止めて蒐集、なんて甘いことさせてくれないよな」

 

すごいスピードで飛んでくる龍、そのすれ違いざまに角を一本切るが、思った以上に硬く、手が痺れた

 

「これまず。 エピオン、リミッターⅠ、Ⅱリリース、カートリッジロード」

 

管理局にばれないように、魔力の方にもリミッターをかけている状態だが、今回はデバイスの方は、リミッターを解く。 カートリッジロードをロードして爆発的に魔力が上がる、それを敏感に感じ取ったのか龍はこちらを警戒していた

 

「まぁ悪いけど」

 

さらに三回カートリッジをロードし、刀を構える

 

「その魔力貰うわ!!」

 

------------------------------

 

朝のハードな龍狩りを終え、学校も終わり、蒐集夜の部も終えた俺は、風呂に入ってゆっくりしていたのだが

 

「っ!? 結界?」

 

一瞬、大きな魔力(?)を感じ、次に結界の発動を確認した。 どうもヴィータが発動したようだが、それ以上にさっき感じた魔力(?)が気になる

 

「クー!」

 

「クレナイ!」

 

アリシアとフェイトが部屋に駆け込んでくる、街に結界が張られたのが気になったのだろう

 

「あー、二人はここに居てくれ、俺が動く」

 

「でも!」

 

「アリシアはともかく、フェイトがあいつ等と一緒に居られるところを見られるのはまずい、俺なら今、騎士甲冑だから誤魔化し効くけど」

 

「そうだけど.......」

 

フェイトもアリシアも心配してます!、みたいな顔で見るがこればっかりはしょうもない

 

「大丈夫だって、ちゃんと帰って来るから」

 

「「・・・・・・」」

 

二人の頭を撫で、安心させる。 リニスさんに声をかけて、家を出る

 

「リニスさん、よろしくお願いしますね」

 

「お任せください」

 

ヴィータの魔力をもとに現場までヒトっ飛び、出来たらいいのだが、相変わらず俺の飛行能力は低いので、障壁を足場にして移動した方が早い。 そんなわけで、障壁をいくつも作り、それを足場に飛ぶ。 作り飛ぶ、作り飛ぶ、ようやくヴィータが見えてのはよかったのだが、俺は目を疑った

 

「は?」

 

「ん? クレナイじゃん、どうした?」

 

「いやいやどうしたじゃないよ? そっちこそどうした?」

 

「は? 何言ってんだお前、蒐集してるだけだろ」

 

「いやいやいや! おかしいおかしい!」

 

「な、なんだよお前! ちょっとおかしいぞ」

 

「うん、おかしいかもしれん、ちょっと俺のこと殴ってくれ」

 

「お前何言ってんだ!? ど、どうしたんだよ、本当におかしくなったか? はやてにどう言おう......」

 

俺の反応がおかしいため、ヴィータが頭を抱えだしたが、俺がそうしたかった。 なんでコイツがここにいるんだよ! 俺の心の声が聞こえたのか、ヴィータの前で泣いていたやつがこちらを向く

 

「あ、あーーーーーーーー!!やっと見つけたー!!」

 

「うるせーよ!この駄女神!!」

 

目の前で騒ぎ始め、服を掴んでガクガク俺を揺らす、駄女神。 駄女神、もうお分かりかと思うが、エリス様の先輩で、今回の俺の転生を面倒にした張本人、水の女神アクアだった

 

「「っ!」」

 

「駄女神って言ったわね!? 私は駄女神じゃなくて、アクアっていう立派な名前が!」

 

「ええぃ、黙れこの駄女神!! ヴィータ、蒐集を中断しろ。 ずらかるぞ」

 

「ちっ! コイツいくらでも蒐集出来たから、丁度良かったのに、管理局め!」

 

いきなり出た複数の魔力反応に正気に戻る俺とヴィータ、そこからの行動は早く、俺とヴィータは家まで戻り、そこで結界を解いた。 もちろん、連れて行きたくはなかったが、不本意ながらアクアも連れてきている。 管理局の介入、前に少し調べていた程度だったが、やはり野生の魔獣などを狩っていたことが裏目に出ていたらしく、捜査されていたようだ。 今回アースラで感じた魔力を感じたし。

 

「おい、どうしてコイツ連れてきたんだよ」

 

「仕方なく。 まぁなんにせよ、これからの対策を話し合わないとな、ただいまー」

 

ずっと俺に向かって何か言っていたアクアだが、無視し続けたことによって、最終的にいじけていた。 とりあえず、珍獣をバインドで縛り上げて置き、引きづりながら居間に入る、もちろん口にはタオルを巻いてある。 居間に通じるドアを開け、俺の姿を確認したはやてやテスタロッサ姉妹、リニスとアルフ、プラスヴォルケンリッターたちは安心したように一息ついていたが、俺が引きづっているものに気が付くと表情が凍った

 




このアクアの扱いよ。 アクアの扱いが酷いのは今回だけ、だと思いますよ多分

さて、感想評価お待ちしてます


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第八話

前回ついにアクアが出せました、そして物語は加速する! したらいいな

本編どうぞ!


「とりあえず、これからの対策会議を始めたいと思います!」

 

みんなが集まっている居間で、これからの対策会議を始めるために、そう声をかけるのだが、みんなの視線は俺の足元に集中していた。 まぁ、当たり前だろう、俺の足元にはぐるぐる巻きにしたアクアが転がっているからだ

 

「これについては気にしなくていいから。 さて、それよりも問題は管理局だ」

 

管理局に、この海鳴りでベルカ式の使い手がいることがばれた。 これは痛手だ、まずはそのことについて説明していく

 

「とりあえずヴィータが悪い」

 

「うぐ!? そりゃあ悪かったとは思ってるけどさ!」

 

「まぁ、どちらにせよ、突き留められるのも、時間の問題だったけどな」

 

「どういうことだ?」

 

ヴィータイジリをそこそこに、事実を告げるとシグナムが食いついてきた

 

「前に管理局をハックしたんだが」

 

「それって犯罪......」

 

「シャマル。 いいか、犯罪っていうのはバレなきゃ犯罪じゃないんだよ」

 

「いい笑顔で言うことやないで!?」

 

なかなか話が進まないので、はやてのツッコミはスルーすることにした

 

「まぁそこで、魔獣のリンカーコアが抜かれている、っていう事件を見かけたからな、どちらにしろ前から怪しまれてたはずだ」

 

「わざわざ遠い管理外世界、それも危険なものばかりに絞っていたのにもかかわらず、か」

 

「俺もそれ詳しく見たわけじゃないからな、まぁそれで、今回の結界だ、管理局はこれから本腰入れんだろ、実際、今も管理局からの通信来てるけど無視してるし」

 

「この状況では仕方ありませんしね」

 

そっちの切るのを、対応させているリニスさんには申し訳ないが、確定だろう

 

「蒐集の方はどうする」

 

「実際、今回ので600ページちょいは集まった。 暫くはなしにしてもいいだろう、今回分の解析もしなくちゃいけないだろうし、もし必要なら俺が、管理局の裏をかいて蒐集してもいいし」

 

「私も!」

 

「フェイトはなしだ、アリシアも。 お前たちは、微妙な立場だ、アリシアに関しては、微妙にごまかしも効くだろうが、フェイトは完璧に無理だ。 気持ちだけもらっておく」

 

「蒐集の方はしばらくは様子見、私も同意見だわ。 もし管理局と戦う、となったら今の準備じゃ心もとないし」

 

「迷惑かけるのはアカンよ?」

 

「そうも言ってられない状況なんだなこれが、こっちの世界の警察とは違って、管理局に関してはかなり物騒だし」

 

クロノと会った時を思い出す、あの時は状況が状況だったので仕方ないが、今回はそれを上回る、アースラのクルーを信じていないわけではないが、第三者の管理局員が参戦するとなると話は変わる

 

「まぁ蒐集の方はしばらく様子見ということで! それと、今回の件に関してのことなんだが、あー、まぁ、なんだ?」

 

「なんや、ハッキリしないなー、まー君らしくないで?」

 

なぜかニヤニヤしながら言ってくるはやて、ええぃ!お前らのことなのに、こちらの気も知らないで!

 

「はぁ......今回の件で、俺も一応管理局側の人間だからな、呼び出されることも、こっちに管理局の人間が来ることもある、その時にお前らが鉢合わせると非常にまずい」

 

「・・・・・・まぁわかってたことやね、リニスさん、手伝ってもらってもいいですか?」

 

「はい、わかりました」

 

非常に言うのは辛かったが、言ってみればあっけないもので、はやては仕方ないか、という表情で了承していた、表面上は。 ヴォルケンリッターたちは、寂しいのか思い思いの顔をしていた。なかでもヴィータは、歯を食いしばって

 

「なぁ、クレナイ」

 

「なんだ?」

 

「はやてだけでも、ここに住まわせられないのか?」

 

そう口にした。 彼女がそういうのは多分、自分のせいでとか、考えているのだろうが

 

「・・・・・・無理だ」

 

「なんで!!」

 

「はやてから聞けよ」

 

俺に掴みかかってくるヴィータに、俺ははやての方を指さす。 はやてはよくわからない表情をしていたが、ヴィータに告げる

 

「ヴィータ、そう言ってくれるのは嬉しいんよ? でもな、家族は一緒の方がええやろ?」

 

静かに語りかけて撫でるはやて、ヴィータははやてに抱き着いたまま、動こうとしなかった

 

「・・・・・・まぁ、そう言うわけだ。 まぁ本音としては、そろそろ俺の親が帰って来るみたいでな、流石に家を占拠されてたら困るんだわ。 そう言うわけで、フェイトたちも引っ越しの準備しておけよ?」

 

ここまで何も言っていないフェイトたちを見る

 

「え? 私たち聞いてないよ!?」

 

「今話したじゃん」

 

「いきなりそんなこと言われても......そ、そうだ、住むところも!」

 

「・・・・・・お前ら、そろそろプレシアさんの裁判終わって、戸籍作られたはずだから、こっちに住めるようになるだろ?」

 

「「あ......」」

 

哀れプレシアさん、娘たちに存在を忘れられていたみたいです、アーメン。 なんか遠くから死んでないわよ!みたいな声が聞こえた気がするが、空耳だろう。 そんなこんなで今回の対策会議は終了するのだった

 

「んむー!」

 

あ、アクア忘れていた

 

------------------------------

 

「よお」

 

「ん? なんやまー君か」

 

「なんだとは失礼な奴だな」

 

縁側で黄昏ていたはやてに声をかけると、そんな返事をもらう。 解せぬ。 俺の心情はさて置き、どこか今のはやては上の空だった、理由はわかってはいるが

 

「・・・・・・悪かったな」

 

「ん? なにがや?」

 

お互い顔を合わせずに会話をする、冬だからなのか、空気が澄んでいてよく星が見える。 十二月だから寒いがな

 

「都合が悪いから出て行ってくれって」

 

「んー? なんでそれでまー君が謝るんや? 仕方ないことやろ?」

 

「それはそうなんだが......」

 

どうにも煮え切らない、俺もはやても。 お互いに気を使ってるからなのか、それとも別の理由なのか、わからない、わからないがもやもやする

 

「あー!俺らしくないな」

 

「うわっ!? 急に叫ばんといてよー」

 

もやもやを吐き出すように叫ぶと、隣にいたはやては、驚いたように声を上げた

 

「はやて!」

 

「なんなん?」

 

呆れながらこちらを見るはやて、だが

 

「何言えばいいんだろ?」

 

「私が分るわけないやろ!?」

 

ノリツッコミ入りましたー、冗談はさて置き

 

「まぁ色々と言いたいこともあるのだが、言葉に出来ない」

 

「さっきからどうしたん?」

 

「どうしたんだろうなぁ? 俺も聞きたいが、なんかこのままはやてを、元の家に帰らせていけないと、俺の勘が告げている」

 

「本当にどうしたん? 様子がおかしいで」

 

「とりあえずさ、追い出しといて申し訳ないんだけどさ。 うちの親、多分すぐどっか行くだろうからさ、そうしたら泊まりに来いよ」

 

「・・・・・・」

 

そう告げると、呆けた表情のまま固まるはやて。 そんなに意外なことを言っただろうか? いや、凄く自分勝手なこと言ってるな

 

「それかいっそのこと、俺がはやての家に住むか。 どうせこの家、俺一人しかいないし、あー、でも、問題の解決になってないか。 まぁ、厄介になるなら、今回の件がすべて終わってからか」

 

「・・・・・・」

 

「はやて?」

 

いくら何でも呆けすぎだろ、そう思い声をかけると

 

「ぷっ、くふふ......」

 

「笑うことないだろ」

 

「いや、だってな、くふふ」

 

「はぁ......」

 

ため息をつき、はやての笑いが収まるまで待つ。 いつの間にか胸のもやもやも、さっきまでの空気もなくなっていた

 

「くふふ、もう大丈夫や」

 

「そうかよ」

 

「まぁ、今回の件が全部終わったら、家に来てもええよ? 私たちは気にしないからな」

 

「考えておくよ」

 

「言質、とったで?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

その会話を最後に、会話が途切れる。 俺はさっき見ていたように、また空を見上げるのだった。 どれだけ時がたっただろうか、たぶん数分だろうけど、はやてが口を開く

 

「なぁ、まー君」

 

「ん?」

 

「ありがとうな」

 

 

 

 




ふっふっふ、この頃寝落ちが多くてかけなかったから、今日は書けて満足

それと、チェインクロニクルとのコラボのリリなのですが、フェイトとはやてが当たりました。 このゲームの運が、他のゲームにもほすぃ......

まぁさて置き、感想評価お待ちしてます


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第九話 

はやて三人目きたお! マジで当たる確率がおかしい、ホント他のソシャゲにもこの運を!

本編どうぞ!


「さて、問題のコイツだよ」

 

「ぷは!アンタ、女神のアタシにこんなことするなんて、罰が当たるわよ!!」

 

「うっせーよ、この駄女神! なんでお前が、地上にいるんだよ!!」

 

先送りにしていた問題、アクアのことだ。 とりあえず、聞きたいことは山ほどある、まずは何故ここにいるのかを聞くことにした

 

「はぁ? なによ、あたしが地上に居ちゃいけないっていうの!?」

 

「そもそもお前は神だろうが、地上にいる方がおかしいわ!」

 

「いいじゃない、息抜きで地上来たって!」

 

「何が息抜きだよ! 天界暇なんだろ!エリス様は、どっかの誰かさんの後始末で忙しそうだけどな!」

 

「うぐ!?」

 

言葉に詰まるアクア、当たり前だ、先に一件で俺やエリス様に迷惑をかけたのだ、何か言えるはずがない

 

「大体事の発端はお前だろうが!」

 

「すみません、すみませんでしたー!!?」

 

いい加減ムカついたので、ぐりぐりしてやっている、痛いのか、謝るアクアだが、構わず続ける。 続けること数分、解放してやることにした

 

「それで? なんで地上に居たんだ」

 

「それは、そのー、暇だから来ちゃった?」

 

何故疑問形なんだ、後そのてへぺろやめろ、無性に腹立つから。 こめかみに、青筋が出てきたのを自覚しながら、次の質問をする

 

「それで、なんで蒐集されてたわけ?」

 

「それに関しては、私は被害者よ!あっちがいきなり襲ってきたんだから!」

 

「とりあえず順を追って話してみろ」

 

アクアに話すように促し、話を聞いたのだが

 

「やっぱりお前の責任じゃねぇかー!!」

 

「いたたたた!! ごめんなさい、ごめんなさいーーーーー!!!」

 

話しを聞いてみると、やはりコイツが悪く。 最初、ヴィータを街中で歩いているのを発見、声をかけて闇の書のことを聞く、何故闇の書のことを知っているのか聞かれ、神だからと答えたらしい。 それを信じるどころか、可愛そうな目で見てきたヴィータに、意地になったアクアは、色々言ってヴィータを挑発、煽り耐性の低いヴィータは売り言葉に買い言葉で、最終的にああなったらしい

 

「やばい、とりあえずお前と話していると、ストレスめっちゃたまる!」

 

そう言うわけで

 

「テレポート」

 

やってきました天界、もちろん場所はエリス様のところだ

 

「エリス様ー、お忙しいところすみません」

 

「あ、クレナイさん。 いえ、ちょうど休憩にしようと思っていた、と、こ、ろ?」

 

「エリスー!助けなさいよー!!」

 

アクアを見て固まるエリス様、そりゃあそうだろう、いきなり俺がアクアを連れてきたのだから、だが固まっていたのは数秒で、額に手を当てて目をそらしていた

 

「私、疲れてるみたいですね......この頃、仕事漬けだったせいでしょうか、アクア先輩が見えます」

 

「エリス様、お菓子置いときますね。 すみませんがこれは現実です。 俺が説明しますので、少々お待ちください」

 

「ちょっと!、アタシのこと無視するんじゃないわよ!」

 

アクアが喚いているようだが、無視。 少し泣きが入っているが、説明しないと進まない、そんなわけで、説明する

 

「「・・・・・・」」

 

「グスッ......ヒック......」

 

説明し終わり、何とも言えない空気が、俺とエリス様の間に漂う。 ちなみにアクアは泣いていた、誰も相手にしないが

 

「それは、本当なんですか?」

 

「今語ったのは、全部事実です」

 

「っーーーーーーー!!!??」

 

俺がそう言った瞬間、エリス様は目にもとまらぬ速さで、アクアを揺らしていた。 何か言いたいんだろうが、ありすぎて言葉に出来ないようだ。 そのガクガク揺らされ、なされるがまま首を揺らすアクアに、俺のイライラが少し晴れるのだった。 数分間だろうか、ここは地上と時間の流れが、少し違うので、多分それよりも経っているのだろうが、ようやくエリス様がアクアを離した

 

「事情は分かりました。 でも、なんでアクア先輩は自分で帰ってこなかったんですか?」

 

「か、帰ってこられれば、帰ってきてるわよ、ウプ......」

 

「吐くなよ、絶対吐くなよ」

 

顔を真っ青にしているアクア、今にも吐きそうなアクアに、俺はそういう、もちろんフリではない

 

「どういうことですか?」

 

「あの蒐集、だっけ? それやられた途端、魔法を使おうとしても使えないのよ」

 

「え、ちょっと待ってください......うそ」

 

「どうしたのよエリス」

 

エリス様は青い顔で固まっていた、そんなにやばいのだろうか、固まったエリス様が戻るまで、数分を要したが、現状を説明してくれるようだ

 

「その、この際だからはっきり言います、アクア先輩の神力、つまり神の力が消えてます」

 

「は?」

 

「え?」

 

その説明に、思わず俺は、エリス様の顔を二度見してしまう。 神の力が使えないって、どういうことだ?

 

「え、エリス? こういう場面で冗談はいいのよ?」

 

アクアも信じられないのか、笑顔が引くついていた

 

「冗談ではないです、多分ですけど、蒐集されたときに神力が募集されてしまったのかと」

 

「・・・・・・」

 

唖然とするアクア、俺は別の意味で頭が痛くなってきた。 この情報が集まらなくて、困っている時にさらに爆弾が増えた、そうとしか思えない。 こりゃ帰ったら、ライトニングに確認とらないとまずいな

 

「あああああああああ!!? どうしよう、どうしようエリスゥ!!」

 

「私に聞かれても困りますよ!? それに泣きたいのはこっちです、また問題増やされて!」

 

とりあえず

 

「エリス様、落ち着きましょう」

 

落ち着かすのに結構な時間がかかったと言っておこう

 

------------------------------

 

「まぁとりあえず、これを返しに来ただけなので、俺帰りますね?」

 

「すみません、無理なんです」

 

「ちょっと! 私がもの扱いについては無視なわけ!?」

 

「なんで?」

 

「色々とあるんですが、一番まずいのは、神力を失った状態、ということなんです」

 

「どうしてですか?」

 

「今回のことが上司にばれれば、今度こそアクア先輩は天界を追放されます」

 

「ちょっと待って!なんでアタシが天界を追放されるのよ!?」

 

「前の魔王討伐の時の違反行為、今回の転生者過多による、世界のバランス崩壊未遂、忘れたと言わせませんよ」

 

「ヒィっ!?」

 

アクアが怖がるのもわかるが、自業自得だ。 最初の件はどうでもいいが、後の方は俺にもろ、迷惑かかったやつだしな。 俺も恨みとまではいかないが、それなりにうっぷんはたまってるんだ

 

「まぁ自業自得ですけど、それでエリス様まで迷惑がかかるってことですね」

 

「申し訳ないんですが」

 

笑顔でアクアを威圧していエリス様たが、俺がそう言うと申し訳なさそうな顔になった

 

「で、こいつどうします?」

 

「・・・・・・誠に申し訳ないんですが、監視という意味も込めて、クレナイさんにお任せできないでしょうか」

 

 

「まぁ、そうなるでしょうね。 おいアクア」

 

「ぐす.....なによぉ」

 

余りの俺とエリスの態度に、ついにアクアはぐずり始めてしまった

 

「まったく、泣き止めよ。 これからよろしくな」

 

そう言って、そっぽを向いて手を差し出したのだが

 

「・・・・・・男のツンデレなんて、誰得よ?」

 

「ぶっ飛ばすぞこのアマ」

 

------------------------------

 

天界から帰ってきて、ようやく一息をつく。 いろいろと今日は忙しかった、朝から龍狩り、学校、放課後、蒐集夜の部、その後にアクアと会う、意味が分からない、そして何か忘れているような

 

「クレナイー、いい加減通信出てくださーい」

 

「あー、クロノか。 ライトニングの確認は、明日の朝でいいか......クロノか、どうした?」

 

 

 




イベント順調、もともと石少なかったから、あんまり引けてないけど、今は石貯めてなのは狙いです。 
そして新しいシリーズ書きたい今日この頃、別にこの作品が飽きたわけじゃないけど

さて、感想評価お待ちしてます


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第十話 

やったー、明日からお盆休みだー、親戚来るからゆっくり休めないけど(死んだ目

まぁリアルなんてどうでもいい、本編どうぞ!


「うあー......」

 

「なんか、アンタがそんな状態になってるのは、久しぶりね」

 

「はたから見たら、私たちもこんな感じだったのかな?」

 

昼休み、俺は弁当も食べずに疲れ切っていた。 事の発端は昨日、ヴィータが発動させた結界、いや、あの駄女神が地上に来たことから始まった。 管理局? クロノから協力してくれだの言われたが、気が向いたらと答えておいたから問題ない。さっきメールで、はやても自分の家に戻った、と来たので安心はしたのだが、結局あの駄女神がいるので変わらない。 チェンジしたい。 

 

「それで、解析の方はどうなのクー?」

 

「うぼあー......」

 

「答えになってないよ、クレナイ」

 

闇の書の解析については、今一番聞かれたくない。 なんというか、イレギュラーが起こりすぎたのだ

 

「ふむ......こういう時はアレね、右斜め四十五度の角度から、チョップを」

 

「マー君は壊れたテレビじゃないよ、アリサちゃん!?」

 

「いやまぁ、いっそのこと壊れたい」

 

「クレナイ!?」

 

「そんなに芳しくないの?」

 

「うんにゃ、これまで出てこなかった情報が、わんさか出てきた」

 

「それでなんであの反応なの?」

 

みんなが疑問に思っていることを、代表してすずかが聞いてきた

 

「今までの割合で行くと、関係ないデータが六割、破損とかその他諸々合して、夜天の書の情報二割、残り二割がその他、なんて割合が、今解析終わっているだけでも、夜天の書五割、その他一割、関係ないデータが二割、解析中二割りってとこ」

 

「結果だけ聞くとよさそうだけど、何か問題あるの?」

 

「破損データが多いけど、これは修復できるらしいし、いいんだが。 なんかなー」

 

そう、アクアの蒐集をしてから、というのがどうにも不安を煽る。 まぁ、ライトニングとも話したが、情報が出てくるのはいいことだと、割り切っている

 

「それじゃあ、はやてちゃんやヴォルケンリッターのみんなは助かるの?」

 

「予断は許さないけど、可能性はぐんと上がった」

 

「よかったー......」

 

思い思いに喜ぶなのはたち、だがこの、うーん、俺だけは素直に喜べない。 そんな様子を見たアリシアが、俺の方に近寄って来る

 

「なにか心配事?」

 

「いや、そう言うわけじゃないんだけど」

 

「じゃあ昨日、連れてきた人のこと? なんか雰囲気っていうのかな、それがエリス様と似てたけど」

 

「・・・・・・お前鋭いな」

 

「ふふーん!」

 

無駄に胸を張るアリシア、そこはいいのだが、雰囲気が似ているというだけで神と思うとは、アリシアの直感に俺はびっくりするのだった

 

「まぁ、お前にはあの駄女神がどういう状況なのか、教えておこう」

 

昨日、天界で話していたことを簡潔に話す

 

「え゛っ!? じゃあ闇の書が蒐集したのって、神様の力ってこと?」

 

「この世界で、どういう風に干渉するかはわからないけどな」

 

「それで夜天の書に関する情報が増えた......うん、確かにきな臭いね」

 

「だろ」

 

二人そろってため息をつく、ようやくこうやって、俺の苦労をわかってくれる人ができた、という事実が少し心を軽くした

 

「あー!アリシアちゃん、抜け駆けしてる!」

 

「姉さん!?」

 

「それって、本人の前で言っていいのかな、なのはちゃん?」

 

「大丈夫でしょ、すずか」

 

なぜか騒がしくなってきた周りに、誰にもばれないようにため息をつきながら、俺は昼飯に手を付け始めたのだった

 

------------------------------

 

「戦力の増強?」

 

「あぁ、そこで君のデバイスであるライトニングに協力を頼みたい」

 

アースラの一室、いきなりクロノに呼ばれ、俺だけアースラに飛ばされた。 それで説明を要求したら、この返事だ

 

「ライトニングは自己メンテ中だ、貸し出せないし使えないぞ」

 

「む、そうだったのか」

 

「で? なんで戦力の増強なんか?」

 

「とある筋からでな、今海鳴に闇の書があるらしい」

 

その言葉に俺は、一瞬身構える。 どうやらクロノにはばれていないようだが、何故闇の書があることがばれてるのか、いや、予兆はあったか

 

「闇の書? なんだそれ」

 

「すまない、君はどうにも魔法に詳しいからな、つい知っている体で話してしまう、ユーノ」

 

「まったく、僕を便利屋みたいに使わないで欲しいんだけど」

 

「今日はフェレットの姿じゃないんだな」

 

「僕が毎日あの姿でいるわけじゃないのを、君だって知ってるだろ?」

 

苦笑しながらこたえるユーノ。 どうやらユーノを使って、クロノは闇の書について調べていたらしい。 まぁ、スクライア一族ならそういうの得意だしな。 コホンと一息ついて、ユーノは闇の書について説明し始めた。 どれも知っている内容のため割愛

 

「ふーん、そんな危ないものが海鳴にね、で? なんでそんなものがある、なんてその人分かったんだ? 転生機能ってのが働くんだろ?」

 

当然の疑問、なのだが誰も不思議に思う人はいないようだ

 

「昨日の結界あっただろう、アレの解析データを本局に提出したら、その人から連絡が来たんだ」

 

「だれよ?」

 

「ギルグレアム提督だ」

 

ビンゴ、心の中でつぶやいた。 やはりこの件には管理局が絡んでいる、足長おじさんの名前に、はやてへの監視、コイツは知っていて、そのままにしていたのだ

 

「ほーん、それまた準備がいいこと」

 

「・・・・・・何が言いたいんだ?」

 

「局にデータ提出したぐらいで、すぐに解析して闇の書関連、なんてすぐに返事するなんて、おかしくないかってこと」

 

「ごめんクロノ、僕もおかしいと思うんだ、いくら管理局とはいえ、人材不足なんかも嘆かれてる、それが報告書だしたからすぐに解析して、関連付けなんて不可能だと思うんだ」

 

「! たし、かに、そうか」

 

「なーに焦ってんだかよ、お前らしくもない」

 

ユーノのおかげで、思ったよりも穏便にクロノには、警告ができたようだ

 

「・・・・・・すまない、闇の書には個人的に因縁があってな」

 

「まぁいいさ、戦力増強については了解だ。 どっちにしろ、今回のことは、なのはとフェイトも協力するんだろうしな」

 

「僕は闇の書について調べておくよ」

 

「今回は裏方か、頼むぜユーノ」

 

「ははは、任せておいて」

 

「二人とも頼む、僕は個人的にグレアム提督を調べてみる」

 

「あんま無理すんなよ。 んじゃなのはとフェイトには伝えておく、ああそうだ、デバイス改造もするだろうから、必要な部品はどう取り寄せる?」

 

「あぁ、それなら君が勝手に取り寄せて構わない。 ちゃんとアースラで領収書を取っておいてくれれば」

 

「りょうかーい」

 

それでいいのかクロノよ、まぁ、多分今は調べることで頭一杯なんだろうが。 まぁ、いいと言われたんだから、やりましょうかね

 

------------------------------

 

とあるマンションの一室、俺はそこのインターホンを押す。 ピンポーンと音が鳴り、目の前の画面に人が映し出される

 

「はい、どちら様でしょうか?」

 

「どもー、遊びに来ましたクレナイです」

 

「帰ってください」

 

笑顔で言われた。 流石にこれは傷ついたが、目の前のドアのロックは外れた。 来いっていうのか、帰れっていうのかどっちだよ。 心の中でリニスさんに毒づきながら、俺はドアノブに手をかけた

 

「おじゃましまーす」

 

「今は荷解きで忙しいですから、構っている時間はないですよ?」

 

入った瞬間そう言われた、いや、確かに忙しいんでしょうけど

 

「客にそういうのは、どうなのよリニスさん」

 

「まぁ、クレナイですし」

 

「親しき中にも礼儀あり、プレシアさんいます?」

 

「ちょっと待ってくださいね、今呼んできますから。あ、上がってもらって結構ですから」

 

何故かもやもやしながら、俺は案内された居間でプレシアさんが来るのを待つのだった

 




何だろう、原作キャラが少しキャラ崩壊してる? いやきのせいだ!

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第十一話

特にないため本編どうぞ!

追記:まさかの話数間違いのため、直しました。 教えてくれてありがとうございました


暫く待っていると、ひと段落したのかプレシアさんが居間にやってきた

 

「ごめんなさいね、待たせてしまって」

 

「いえ、どうせ家では一人ですし、問題ないですよ。 問題はリニスさんですが」

 

「紅茶を入れてきたのですが、どうやらクレナイはいらないようですね」

 

「サーセン」

 

紅茶をもらうために謝る、まぁ、もともと謝らなくても貰えただろうが、一応謝っておいた。 そんな、俺とリニスさんのやり取りを見て、プレシアさんは苦笑していた

 

「どうしたんですかプレシア?」

 

「リニスは変わったと思ってね」

 

「それは、仮でも前の主のせいかと」

 

「よく言うわ、掃除と称して人の部屋に入って、無断で漫画読んでた人が」

 

そう、リニスさんを拾った最初のころは、衰弱が酷く、怪我等もあった為、仕事は任せなかったのだが、治ったところで、何もやらないのはどうにも落ち着かないと言われ、炊事、洗濯などをやってもらったのだが、いつの間にか人の部屋の漫画を読んでいたのだ。 それからというもの、漫画の影響を受けたのか、口が悪くなったり、ネタに走ったりと、一時期は本当にひどかった

 

「記憶にございません」

 

「そうっすか」

 

このやり取りも、何回もやっているので、スルー安定

 

「そ、それで、私に何の用かしら?」

 

紅茶を優雅に飲みながら、こちらの要件を聞いてくる。 これが数か月前まで険しい顔をして、管理局に敵対していた人か、思えないわ。 紅茶でのどを潤し、要件を告げる

 

「フェイトとなのはのデバイスを強化したいんです」

 

「「・・・・・・」」

 

二人の目が鋭くなる。 やばい、めっちゃ怖い。 プレシアさん数か月前に戻ってるし、リニスさんなんか杖構えていらっしゃる!

 

「り、理由を説明させてください!」

 

「・・・・・・・聞きましょうか」

 

存外に理由は聞くけど、もし納得いかない理由だったら殺す、と目が語ってらっしゃいますよ、二人とも? 俺はこうなった理由を語り始めた

 

「まぁ理由はわかったわ」

 

「大体そうだとは思いましたけど、それとこれとは話は別では? フェイトはシグナムを師匠のように慕っていますし」

 

「まぁそれは知ってますよ、どっちにしろ管理局は血眼になって闇の書の所在を探してる、色々と管理局に借りがあるフェイトが断ると、それこそ面倒なことになりますよ」

 

「・・・・・・」

 

「プ、プレシア!」

 

さっきまでの鋭い眼光はどこえやら、ソファーに座っていたプレシアさんなのだが、いつの間にか床に手をついてorzの体制になっていた。 なんかお化けみたいだな、髪長いし。 そんなプレシアさんを見て、リニスさんは慌てて駆け寄った

 

「まぁ選ぶのはフェイト自身ですが、んで、フェイトが手伝うなら、なのはも手伝うでしょうし、そう言うわけです」

 

「は、話は分かったわ、きょ、協力させてもらうわね」

 

何故か胸を押さえながら、よろよろ立ち上がっていた

 

「そんでフェイトとなのはには、俺から話し通しておくんで、素材の方を」

 

「それはいいんですが、必要な素材は?」

 

「ライトニングと相談してこれです」

 

そう言って素材などを書いたものを渡す、それを受け取るリニスさん、そしてそれを覗き込んだプレシアさんは、顔が真っ青になる

 

「どうしたんですか?」

 

「あ、あなた、これを全部揃えたらどのくらいするか知っているの?」

 

「もちろん」

 

「そ、それでこれを揃えるんですか? む、無理がありますよ? クレナイ」

 

「なにか二人とも勘違いしてないですか?」

 

「「はい?」」

 

「そんなの俺が揃えたら破産ですよ? クロノがアースラ持ちだって言ってたんで、遠慮なくそろえちゃってください」

 

「悪魔ね」

 

「悪魔ですね」

 

なんか失礼なこと言われているが、俺は今機嫌がいいので気にしない。 そしてプレシアさん、目の付け所が違います

 

「何を言ってるんですかプレシアさん!」

 

「な、なによ?」

 

俺の空気が変わったのが分かったのか、プレシアさんはたじろいでいた。リニスさんは、あーみたいな顔してるけど、何も言ってこないので無視

 

「貴方の大事な娘のフェイトが、もし、もしですよ、そこらへんの二流材料を使ったとして、それが原因で耐久力が足らず、怪我したらどうですか!」

 

「それは.......」

 

「それを耐久力などが一級品を買えば、それだけフェイトの生存率が高まるんですよ!わかりますかプレシアさん!」

 

「た、確かに。 そうね、そうよね!フェイトのためよ!」

 

かかった。 これで材料の方に関しては、プレシアさんが用意してくれるだろう

 

「その黒い顔はやめた方がいいですよ、クレナイ」

 

「うーん、お母さんやる気だねー」

 

「お、帰ってきたのかアリシア」

 

「ただいま、クー」

 

「この家で言うのはおかしいけど、おかえりアリシア」

 

隣りでフェイトへの愛を叫びながら、盛り上がっているプレシアさんを横目に、俺たちは小さく笑い合った

 

------------------------------

 

その夜、俺は携帯をいじっていた。 この頃増えることのなかったアドレスだが、今日数人分増えた、言わなくてもわかると思うがテスタロッサ一家だ。 携帯を買ったのでアドレス登録、そう言うわけで連絡先を教えて欲しい、そんな感じだ。 弄っていたのはいいが、電話がかかってきたらしく携帯が震える、ディスプレイを見ると、フェイトテスタロッサの文字が

 

「おい駄女神、電話だからうるさくするなよ」

 

「わかってるわよー」

 

居間で携帯をいじっていたので、とりあえずアクアにそれだけいい、電話に出る

 

「もしもし」

 

『も、もしもし!く、クレナイの携帯でいいのかな!?』

 

「落ち着け落ち着け、はい、息を吸ってー」

 

『すぅー』

 

俺の言いつけ通りに吸い始めるフェイト、このままお約束でもやるか

 

「吸ってー、吸ってー、も一つ吸ってー」

 

『すぅー......ケホッ、ケホッ!むちゃくちゃだよ......」

 

「いや、どこかで止めろよ......」

 

まさか本当に引っかかるとは思わなかった、純粋ってこういうのを言うんだろうか? いや、天然なだけか

 

「それよりなんか用か? 念話もあるのに、わざわざ電話してきて」

 

『結構距離あるんだから、流石に届かないよ』

 

携帯を片手に苦笑しているのが目に浮かぶ

 

「そんで、用は?」

 

『あ、うん。 クレナイ何か用だった?』

 

「は? なんで?」

 

『えっと、アリシアがそう言ってたから』

 

「あー、デバイスの件か」

 

『デバイス?』

 

クロノから言われてことを、そのままフェイトに言うと

 

『シグナムに対抗できるようになるのは嬉しいけど、戦わないといけないのかな?』

 

「そこはお前次第だろ、受けるか受けないかはフェイトの意思だし。 でもまぁ、どっちにしてもシグナムたちとは戦う羽目になると思うぞ?」

 

『・・・・・・』

 

「あいつらは初めから割り切ってるぞ? まぁ自分らも為になるとか言って、喜んでたが」

 

『私、どうしたらいいのかな?』

 

「知らん」

 

『へ?』

 

俺の答えがよっぽど意外だったのか、呆けたような声を出すフェイト

 

「だから知らん、自分で考えろ。 常日頃から言ってるだろ? 悩めって、人に求めた答えって絶対後で後悔する、自分の悩んで悩んで悩んだ末に出した答えなら、少なくとも人に言われてやったのよりは後悔も少ないだろ?」

 

『・・・・・・クスッ、うん、クレナイはそういう人だったね。 うん私考えてみる、相談には乗ってくれるんだよね?』

 

「あぁ」

 

『わかった、頑張ってみる!』

 

さっきまでの空気はどこえやら、どうやら元気が出たみたいだ

 

「デバイスの件はどうする?」

 

『母さんもやる気だし、何よりシグナムたちに負けっぱなしは嫌だもん!』

 

「さよか、そんじゃ話は終わりだ、また明日な」

 

『うん、お休みクレナイ』

 




うーん、ハーレムなのにこのアリシアヒロイン感、動かしやすいキャラだからなーなんとなく出番が増える

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第十二話

朝からチェインクロニクルのイベずっとやってたけど、ようやくリリなのコンプした。 まさかの、なのはがなかなか出ないとか予想もしなかった。 パーティーはフェイト、なのは、はやて、イリス、フレにはやて入れて安定させてる。フレのはやてか、自分のはやてで、回復要員一、フェイト前衛で、イリスサポート、なのはとはやてで撃ち抜く、意外に安定、まぁ高レベルになると一筋縄じゃ行かないんですけどね!

さて、本編どうぞ!


アースラの訓練室、俺となのは、フェイトは呼び出されてそこにいるわけだが、何故か俺だけは文句を言われていた

 

「何故君が、ここに呼ばれたかは、わかっているな?」

 

「デバイスも持たないのに、呼ばれた意味が分からん」

 

「レイジングハートエクセリオン!」

 

「バルディッシュアサルト!」

 

「セーット、アップ!!」

 

後ろでは稼働試験、ということでなのはとフェイトがセットアップしたらしい。 今は飛び回っているのか、後ろが騒がしい

 

「ほーう、あくまでシラを切るか」

 

「シラを切るも何も、本当に呼ばれた意味が分からないんだが?」

 

予想はついているが、別に怒られるようなことじゃないし

 

「あのデバイスの改造代金だ!!」

 

「改造依頼したのそっちじゃん」

 

空飛ぶ二人を指さしながら、ついにキレるクロノ。 俺は本当のことしか言ってない

 

「ああしたさ!戦力増強のためにな、物には限度がある!!」

 

「民間人に協力してもらってるのに、その態度はいかがなものだろうか? しかも値段については、あえて言及はしなかったが、好きにやっていいって言ったのはお前だ」

 

「うっ」

 

クロノの怒気が霧散する、いくら目先のことにとらわれていたとはいえ、そこの確認を怠ったのはクロノ自身であり、俺は悪くない。 そう、俺は悪くないのだ!

 

「カートリッジロード!」

 

「カートリッジロード!」

 

稼働試験も順調のようで、カートリッジロードで強化されたアクセルシュータや、サンダーレイジを射出し、相殺していた

 

「すごい威力だな......」

 

「しかも現行型のカートリッジシステムに手を加えて、全くデメリットないものに仕上げたからな」

 

「ぜひとも管理局に欲しいが.....」

 

そう言って俺を見るクロノだが、俺は首を振る

 

「プレシアさん曰く、もう二度と改造はやりたくない、だそうだ。 時間もかかるし、コストもな」

 

「基礎フレームから何から弄ってあるんだったか?」

 

「もち、それにプレシアさんが、癖から何から本人に合わせて作ってあるから、個人専用機だそうだ」

 

そこは俺の予想外だったのだが、フェイトに持たせるなら最高の物に!精神だそうで、そこにリニスさんが悪ノリ、ではなく、小さいころからの癖やデータをプレシアさんに持っていったらしく、最上級の完成度となった。 なのはもレイジングハート自体が持っていたデータに、アースラで保存されていたデータ、ライトニングに保存されていたデータを合わせ、なのは専用に作られている。 そんな最高の出来だ、当然俺の予想外も起きたので、当初たりるとされていた素材が足りなくなり、エクセリオンモードだけは禁止されている。 幸い素材は追加で注文されているので、それが着き次第、使えるとのこと。 ちなみにこのことはクロノは知らない

 

「正直言って、カートリッジシステムを使われたら、局で一、二位を争う強さじゃないか、あの二人」

 

「そんなのは知らん」

 

冷や汗をかいているクロノだが、そんなのは俺の知ったこっちゃない。 フェイトもなのはも機動性が上がり、なのはに至っては、本当は下がったはずなのだが、ともかく、今は高速戦闘をしていた。

 

「フェイトはわかる、だがなのはは、近接戦闘やる意味があるのか?」

 

「まぁ砲撃主だし、本当はやる必要なんかは、ないんだろうが、リニスさんや俺達が鍛えてるしな」

 

俺達と言ってはいるが、おもに近接戦やるのはヴィータとシグナムだ。 俺なんかは、幅広い戦術でなのはをコテンパンにしてるので、そもそも関係ない

 

「・・・・・・」

 

俺を白い目で見るクロノだが、フェイトなんかも近接戦じゃ、今や鬼のような強さだ。 伊達にシグナムのしごきを受けていない。 一通り稼働試験も終わり、休憩しようかというやさき、アースラの警報が鳴った

 

「何事?」

 

なのはとフェイトにスポーツドリンクを渡し終えた俺は、クロノの方に駆けよる

 

「大変だ! 闇の書の関係者が現れたらしい!」

 

「マジか」

 

「なのはとフェイトにはすまないが、行ってもらえるか?」

 

二人は顔を見合わせ、俺の方を向いた

 

『なんで俺の方向くんだよ』

 

『どうすればいいかな?』

 

『とりあえず、ここは怪しまれないように出るべきだ。 あいつらには念話で語り掛ければいいし』

 

『わかった』

 

「わかった」

 

「すまない、恩に着る」

 

「行こうなのは!」

 

「うん!」

 

「てらー」

 

俺はなのはたちと一緒に向かわず、クロノと一緒にブリッジへと向かった。 ブリッジに着いた俺は、まず状況を確認する。 どうやら出ていたのは、シグナムとヴィータのようで、それぞれ違う管理外世界に、飛んでいたようだ。 そもそも蒐集自体やる必要はない、とこの間言ったはずなのだが。 なのはとフェイトが現場に着いたようで、話している。 最初こそ驚いたようだが、念話で会話していたのだろう、両方とも武器を構え始めた。 なんだろうか、ヴィータはともかく、シグナムは微妙にうれしそうなのだが? フェイトなんかも、傍目からはわからないが、微妙に頬がひきつってるし

 

「両方とも戦闘を開始したようだな、どう見る」

 

「流石に実力知らんし、かなりできるみたいだけど、今の二人じゃ少し荷が重いか?」

 

「君が出られれば良かったんだがな......」

 

そう言ってため息をつくクロノ、なんか勘違いしないか?

 

「今回は出れるぞ?」

 

「は?」

 

「デバイス、知り合いに言って借りてきたし」

 

威嚇で撃ったのだろう、カートリッジで強化された、なのはの砲撃を見て、ヴィータが頬を引きつらせた、わかるその気持ち。 それを見て最高スピードで逃げるヴィータ、なのはは追おうとするが、逃がしてしまったようだ。 という体で逃がしたのだろう、ヴィータの逃げは本物だろうけど。 変わってフェイト達の方だが、斬り合っていた。 たがいに傷はないようだが、カートリッジシステムを見事に使いこなし、同じくカートリッジシステムを使っているシグナムに、食い下がっているフェイト。 てか、あんなこと言ってた割に、お前ら本気で切り合ってるじゃねえか

 

「片方は逃げられたが、フェイトの方は......」

 

「実力拮抗、いや......フェイトがやや押され気味か」

 

やはり技術面もカートリッジシステム面でも、シグナムの方が一枚上手らしく、フェイトは徐々に押され始めていた。 なのだが、何故か画面が一瞬ブレた

 

「なんだ?」

 

「どうかしたのか?」

 

「いやな予感がする、俺はフェイトの方に行く。 なのはも転送準備出来次第送ってくれ、転送」

 

やりたくはなかったが、フェイトに何かあってからでは遅い、俺はフェイト達がいる上空転送後に、急いでセットアップをする。 そして、フェイトを押し、シグナムのレヴァンティンを槍で受けるが

 

「んぐっ!?」

 

胸、つまりリンカーコアがある部分を見ると、腕が生えていた

 

「「なっ!?」」

 

シグナムとフェイトが驚いているが、それどころではない、後ろを向き、誰がやったのかを確認する

 

「誰だ、お前、は!」

 

「仮面の男、とでも名乗っておこう、少年。 さあ、蒐集しろ」

 

仮面の男はそうシグナムに告げる、だが、俺はもう蒐集済みなので、二回目は出来ない、バレるわけにはいかない、そう思い首を振る。 シグナムはハッとした後、距離を取り

 

「そんなことできるはずがないだろう!! 勝負は預けるぞ!」

 

そう言ってシュランゲフォルムで一気に砂を巻き上げ、その場から姿を消した。 これで、懸念はなくなった

 

「捕まえ、た!!」

 

今だに呆けているのか、俺の胸に刺したままだった仮面の男の腕を、チェーンバインドで拘束する

 

「むっ!、だがこの程度!」

 

そう言って、バインドを破壊しようとするが、このバインドは、俺の改造なので、耐久力は折り紙付きだ。 なので、破壊しようともがいてる仮面の男のみに範囲を絞り、次のバインドを用意する

 

「ペインバインド!」

 

「なに、を、ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

突然苦しみだす仮面の男、それもそうだろう、バインドで覆ってる範囲は体全体だ、このバインドの特性は状態異常に特化したバインド、つまりバインドの効果により全身に激痛が走っている、しかも、気絶するかしないかの微妙なラインなので、痛かろう

 

「はっ、フェイトに手を出そうとしたツケだよ」

 

チェーンバインドを解き、体を起こす。 まったく、バリアジャケットに大量の砂が入ったじゃないか、気持ち悪い

 

「クレナイ!大丈夫!?」

 

「あのな、大丈夫だから結構な速度だして、俺にぶつかってくるのやめない」

 

心配なのはわかるが、そんなに離れていないのにもかかわらず、ご丁寧にカートリッジロードまでして、スピードを上げてこなくてもいいから。 マジでかなり吹っ飛んだし

 

「私のせいでごめん!」

 

「いや、しょうがないだろあれは、実際アースラとかの観測機でも反応でなかったし、俺は違和感があるくらいで出てきただけだし」

 

「でも......」

 

「大丈夫だからな、それより俺の上からどいてくれ」

 

「あっ......」

 

頭を撫でると、泣きそうな顔から、普通の顔に戻ったのはいいのだが

 

「マー君、なにしてるのかな?」

 

空気が死んだ、比喩とかではなく。 空から俺を見下ろすのは、白い魔王。 その瞳には感情というものが抜け落ち、見るものを恐怖させた

 

「な、なのは! まて、お前は何か誤解してる!!」

 

「フェイトちゃんもなにしてるのかな? マー君の上に乗っかって」

 

「ひぅ!?」

 

フェイトは急いで俺の上からどいたのだが、すべてが遅かった、そう、すべてが

 

「レイジングハート......」

 

「・・・・・・エクセリオンモード」

 

「ちょっと待て!死ぬ、ホントに死ぬから!!」

 

「スターライト......ブレイカー!!!!」

 

「んなもん、ぶっぱなすなーーーーー!!!!」

 

今回も最初にスターライトブレイカーを食らったのは俺でした

 




なのは、恐ろしい子!自分で書いといてなんですが、さて今日は何話投稿できるかな!

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第十三話 

今日二話目! そういえばFGOのイベもやらねば(白目

それでは、本編どうぞ!


「はい、それじゃあ、何回目かはわからないけど、作戦会議を始めたいと思います」

 

現在俺たちは、八神家に集まり、作戦会議を開いていた。 いたのだが、俺の怒気にあてられてか、ここにいる全員が沈黙を保っていた。 顔を見ると何か聞きたそうにしてるが、意見なんぞ受け付けん。 俺は今、イライラしてるからな

 

「それじゃあバカ共、今日の蒐集のこと話してもらおうか?」

 

「「・・・・・・」」

 

だんまり、というか俺が視線を向けると、固まったように動かなくなった。 蛇に睨まれた蛙か、お前らは

 

「もう一度言うぞバカ共、今日の蒐集のことを話せ」

 

「・・・・・・な、なぁ、まー君。 そんなんじゃ、誰も話せないと思うんや」

 

周りを見ると、すごい勢いで首を縦に振る。そんなこと言われても困る

 

「俺が機嫌が悪いのは、そこにいる、にゃーにゃー普段から言ってるやつのせいだ、恨むならそいつを恨め」

 

「なるほど、マスターがアフロの原因は、なのは様のせいというわけですね」

 

「そうだ」

 

「ひぅ!?」

 

ライトニングの声を受け、縮こまっていた体を更に縮こまらせるなのは。 可哀そうだとは思わん、俺は被害者だからな

 

「とりあえず喋れ」

 

「だ、だからあたしは止めたんだろシグナム!!」

 

ヴィータが泣き出しそうな顔で、シグナムに掴みかかる。 シグナムは少し青い顔をしていたが、気にしない

 

「どういうことだ?」

 

「この頃、お前やフェイト達と手合わせできないだろ? だから、それを発散しに、危険魔物を狩りに行こう、ってことになったんだよ!」

 

「ほー、シグナムそこに立て、介錯してやる」

 

刀を持ちながら、殺気を出しシグナムの前に立つ。 そんな理由のために、俺はクロノに怒られたり、なのはのアレを受ける羽目になったり、プレシアさんからお小言貰ったわけか。 キレてもいいよな

 

「クー!駄目だよ!」

 

「そうだよクレナイ!」

 

「まー君、堪忍や!」

 

三人がかりで俺を止めようとする、流石にここまでやられては、俺もやめざるえない

 

「命拾いしたな」

 

「すみませんでした!!」

 

日本人もびっくりなほど、きれいな土下座をしたシグナムに、若干違和感を覚えながら着席する

 

「まったく、誤魔化すのも大変だし、フェイト達のこともある、あんまり大ごとは起こすな、それで次は、ライトニングか、状況は?」

 

「おや? なのは様はいいんですか?」

 

「もうこってり絞った後だ」

 

「左様で」

 

そう、仮面の男は、どうでもいいとして、フェイトもいたのにもかかわらず、カートリッジフルロードし、俺にスターライトブレイカーを撃ってきたなのはは、とっくの昔に叱っておいた。 一応改造に改造を重ね、対スターライトブレイカー用に作っていた障壁が、役に立つとは思わなかったが。 五重に展開して、残り一枚にひびが入ったのには、さすがに冷や汗ものだった。 まぁ、カートリッジロードしていないので、強度的にはまだまだどうにかできるが。 ちなみに仮面の男だが、スターライトブレイカーをモロにくらい気絶していたので、変身魔法が解けたようで、クロノがその正体に驚いていたが、そこは怒っていたので話は聞いていない。 後でフェイトに確認しよう

 

「それでは、私からの報告ですが、この間の蒐集に関しては、すでに調査を終え、今回の募集分数ページの解析に入っています。 まぁこのせいで、シグナム様は蒐集ついでストレス発散に行こうと考えたようですが」

 

こめかみに青筋が増えたような気がするが、さっきこれ以上はいいと言った手前、何も言わなかったがシグナムを無言で見ておいた

 

「今回の報告については以上です、マスターには後でお話が」

 

「了解した、それで他には?」

 

周りを見るが、何もないようだ

 

「それじゃあ、なければ解散」

 

そう言うと一斉にリビングから出て行ったのだが

 

「はやて」

 

「は、はい!」

 

「なんでそんなに緊張してるんだよ、ライトニングを」

 

「あ、あぁ、はいこれ」

 

そのまま投げてもよかったのだが、はやては手渡しで渡してくれた

 

「投げてもよかったのに」

 

「ううん、それじゃあ、私ご飯作るな?」

 

「まぁいいけどよ」

 

そう言って台所に向かうはやて、俺は俺で今日は監視がいないので、縁側で空を見ながら、ライトニングと話し始める

 

「それで、なんだ?」

 

「夜天の書についてですが、ほぼデータの修復、および機能の回復などが終わってます」

 

「・・・・・・この間の影響か」

 

「はい、大誤算でしたがいい方向に働きました。 それでなんですが、このデータはエピオンに保存されていますので、大型のストレージデバイスの方にデータを移し、管制人格を移動すればすぐにでも使用できるかと」

 

「守護騎士とかは?」

 

「仮のデータを作っておきました、蒐集をして、一度プログラムを走らせればすぐにでも使用可能です」

 

「その際に闇の書に対する浸食は?」

 

「ワクチンデータを作っておきました、と言っても元々の守護騎士システムに戻す作用なので、問題はありません」

 

「なるほど、管制人格に関しては?」

 

「そちらの方は、アクセスを何度かかけているのですが、闇の書側らしく、はじき返されます、やはり完成させて、管理者権限で切り離さないと、手の打ちようがありません」

 

「ということは管制人格の方は後回しか?」

 

「悔しいですが」

 

「なんだっけ?無限再生機能や転生機能、防御プログラムに関しては?」

 

「一番のバグが生じているところですね、そこが回復できなかった機能です。 いろいろな方面から、アプローチはかけているのですが、履歴が全くないんです?」

 

「まったく? そんなはずないだろ、あれがなきゃ、最初の方はどうやって記録とかしてたんだ?」

 

「そこが疑問なんです、可能性としては、紫天の書に上書きをされ、記録自体がきれいさっぱりなくなった、でしょうか?」

 

考え込むが

 

「いや、それはないだろ。 多分闇の書側に、引いてはその奥に眠る紫天側に残ってる、でなきゃ改悪されたシステムが働くはずがない」

 

「やはり最後は」

 

「あぁ、起動させてからが勝負だな」

 

------------------------------

 

「あ」

 

「ん? なのはか」

 

八神家を出ると、なのはが門に寄りかかっていた

 

「どうした?」

 

「あの、マー君に謝りたくて」

 

「謝る?」

 

俺は首を傾げる、まぁ確かに謝られることはあるが、もう十分謝ってもらったし、他になにかあっただろうか

 

「うん、マー君の話も聞かずに、撃っちゃったし......」

 

「それもう謝ってもらったじゃん」

 

「で、でも!」

 

「もういいっての」

 

苦笑しながら頭を撫でる、流石にこれ以上はいいのだ。 俺もそこまで気にしていないし、そりゃあさっきの作戦会議では、やられた直後ということもあり、機嫌はすこぶる悪かったが、ライトニングと話、少し時間が立ったらそこまで気にしていないのだ

 

「てかお前結構冷えてんじゃないか」

 

髪の毛を触って気が付いたのだが、結構冷たかった。 頬なども同じで、両手で包み込むように温める

 

「あぅ......」

 

「待ってるのは勝手だが、連絡してくれよ、早めに切り上げるから」

 

「でも、邪魔かなって......」

 

「だからそんなもん気にするなっての、温まったみたいだな、帰るぞ。 少し遅いし、送ってくから」

 

そう言ってなのはの片手を取り、両手で温めながら歩く

 

「お、大げさすぎだよ」

 

「ならそのにやけた顔をやめてから言え」

 

温まった左手を離し、今度は右手を温める。 温めるのだが、確かに歩きにくいので、作戦変更、今度は上着のポケットに入れ、並んで歩きだす

 

「今日はあったかいものでも食うかなぁ、寒いし」

 

「・・・・・・」

 

家の前で別れるまで、なのははうつむいたまま無言で歩いていた

 

 




よくよく考えたら、もうA'sも終盤じゃね? なんて思ったので、次回から山場に入ります! 

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第十四話

さてさて、A'sも終わりが近づいて来ました、本編どうぞ!


十二月二十四日、クリスマスイブに、俺たちは病院の前にいた。 理由は簡単だ、はやてが定期検診のため、俺たちはそれが終わるのを待っている、こういうわけだ

 

「はやて、早く来ないかしら」

 

「定期健診だっていてたから、そんなにかからないんじゃないかな?」

 

腕時計を見ると、異常がなければそろそろ終わる時間だった

 

「そろそろ終わるころかな」

 

「あー、そうだね」

 

「アリシア、詳しいね」

 

「まーねー、一緒に住んでた時期もあったし」

 

「あれ? 私この中だと一番付き合い長いのに、一緒に行ったこととかない......」

 

いくら仲の良い友達でも、通院は一緒にしないだろ。 アリシアが行ったのだって、俺やリニスさんがいなくて、つまらなかったからだし。 一応なのはには、何も言わないでおいた、傷えぐりそうだし。 一瞬空気が変わった、他の奴らを見ると変わらない様子だが、俺にはわかる。 それに、もう一つ確定的にわかることがある

 

「お前ら後から来い、俺ちょっと先に行く。 エピオン、セットアップ」

 

一瞬で結界を貼り終え、屋上に上がる、そこには、バインドで捕らわれたヴォルケンリッターたちと、はやての姿と、仮面の男たちがシグナムたちに、剣を振り下ろそうとする姿だった

 

「間一髪だったな」

 

「まー君!!」

 

「お前は!?」

 

「この!!」

 

「遅いんだよ!ペインバインド!!」

 

「「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」

 

腕を掴んで止めると、すぐさま応戦しようとしたが、遅すぎる、そのままバインドで縛り上げて、転がしておいた

 

「はやて、大丈夫か!?」

 

「私は大丈夫やけど、みんなは!?」

 

「大丈夫、気を失ってるだけみたいだ」

 

「それは......うっ!?」

 

「はやて!? くそ!?」

 

苦しみだしたはやてから距離を取る、どうやら、闇の書が完成してしまったようだ。 前回の俺のアフロ事件から、ヴォルケンリッターたちの動き抑制、およびなのはやフェイトが自分から志願したことにより、蒐集を行ったのだが、最後の一ページ、つまり665ページで止めておいたのだが、何の拍子か666ページ分全部集まってしまったらしい

 

「マー君!」

 

「クレナイ!」

 

「クー!」

 

「紅!」

 

「コウ君!」

 

「全員来たか......」

 

そして全員きてしまったようで、俺は急いで障壁を貼り、目の前の魔力を防ぐ

 

「どういう状況なの!?」

 

「見ての通り、闇の書が完全に起動した。 障壁張るのに集中するから、お前たちはシグナムたちを頼む」

 

「でもさクー、蒐集って665ページで止めたんじゃ」

 

「さぁな、そこに転がってるやつらが、なんか細工したんじゃないか?」

 

アリシアの問いに、俺は悲鳴をあげながら転がっている、二人の仮面の男を指さす

 

「ふーん、この人たちがはやてちゃんたちを」

 

「気持ちはわかるが、今は目の前のことに集中してくれ、すずか。 来るぞ」

 

「またこうなってしまったのだな......」

 

そこにははやての姿はなく、銀髪の赤目の女の人が立っていた

 

「はやては!?」

 

「主なら私の中で眠っている、そして、お前たちもじきに同じところに行く、お前たちは主の親友、ならばこそだ」

 

「・・・・・・勝手なこと言ってくれる」

 

悲しそうな顔でそう告げる管制人格、ユニゾン事故、というよりも取り込みか、それがこの状態だ

 

「はやてがこの状況を望んだとでも?」

 

障壁を解き、管制人格の目の前に立つ

 

「そうだ、こんな世界夢であればいいと、そう望んでいる」

 

「そんなこと、あるはずねぇだろ」

 

「そうだ、主の願いは」

 

「はやてちゃんの願いは」

 

「私たち、そしてお前も入れて暮らすことだ!」

 

唯一、定期検診に来ていなかったザフィーラは、文字通り飛んできた。 そして、今だに意識がはっきりしていないのか、立つのもやっとな、他のヴォルケンリッターたちの前に立つ

 

「遅かったなザフィーラ」

 

「すまないな」

 

「んじゃ、そいつら頼むわ」

 

「盾の守護獣の名に懸けて」

 

「そりゃ結構。で? はやてと暮らしていた、こいつらはそう言ってるが、お前だってそうだろ?」

 

「我は魔導書、壊れた魔導書だ。 だから、主の願いも狂ったようにしか叶えられぬ」

 

「ちっ!ザフィーラ! なのははそのままヴィータを、フェイトはアリシアを頼む!」

 

「わかっている!」

 

「は、はい!」

 

「わかった」

 

「ちょっと、私たちは!?」

 

「そうだよ!」

 

「じっとしてろ!」

 

そう言って、アリサとすずかを抱え、その場から急いで離脱する。 広範囲攻撃、あいつはそれをする気だった

 

「遠き地にて闇に沈め、ディアボリックエミッション」

 

たちまち管制人格から黒い球体が広がり、当たりを飲み込んでいく

 

「あんまり離れすぎてもな、この建物に降ろすぞ! カートリッジロード!」

 

アリサとすずかを下ろし、一発使い強化した障壁を出す。 傷一つなく耐えきったようで、本当にこのカートリッジシステムのおかしさがうかがえる。ちなみに今回は、最初からリミッターを外している

 

「どうすんのよ、アレ......」

 

今の範囲攻撃を見て、顔を真っ青にしながら言うアリサ。 すずかを見ると、同様の顔をしていた

 

「まぁやりようは、いくらでもある。 まぁ、厄介なのは募集した相手の技が使えるからな」

 

「勝てるの?」

 

「何言ってるんだか.......勝てる勝てないじゃなくて、勝つんだよ。 でなきゃハッピーエンドにはならないでしょ?」

 

二人にそうやって笑いかけると、一瞬呆けたが、アリサは仕方ないと呆れ顔で、すずかはいつものように笑っていた

 

「まったく、アンタは」

 

「うん、コウ君らしいね」

 

「どういうことかねぇ......」

 

「クレナイ!」

 

「マー君!」

 

どうやらなのはたちも集まってきたようで、そこに復活したヴォルケンリッターたちも加わる

 

「すまない」

 

「その迷惑かけたな」

 

「ごめんなさい、私たちが付いていながら」

 

「まぁ過ぎたことはいい、とりあえずアレをどう止めるかだ」

 

そう言って、あの場から動いていない管制人格を指さす。 こちらの様子をうかがっているのか、それとも手を出さない限り、こちらには仕掛けてこないのか

 

「すまないが、私たちは力になれそうにない」

 

「あぁ、今ここにいるから何ともないが、近くに行けば行くほど、あいつからの干渉を受ける」

 

「最悪、貴方たちを後ろから襲いかねないわ」

 

「そんな......」

 

「お前たちって今どんな状況なわけ?」

 

「どんな状況とは?」

 

「いや、闇の書完全起動してるのに、こうやって離れて居れば、普通に会話できるじゃん? 制御系とかどうなってんのかなーって?」

 

「確かに......」

 

そこで考えこむヴォルケンリッターたちだが、答えが出るはずもなく

 

「わかんねーよ!」

 

「逆切れ!? しかもするのはマー君にであって、私じゃないよ!?」

 

「うーむ、もしかしたら、一応独立してんのかもな」

 

そう言って取り出すのは、ストレージデバイス

 

「お前それは!?」

 

「夜天の魔導書ではないよ、これは俺とライトニングが、必死こいて作った夜天の書のコピー、だが本物とほとんど遜色ない。 そこでなんだが賭けに出るか?」

 

ヴォルケンリッターたちを見回し、そう告げる。 俺の仮説があってるなら、大丈夫なはずなのだが、なんせライトニングは、はやてと一緒に取り込まれたのか、念話にも答えない状態だ

 

「・・・・・・聞こう」

 

「この中にはライトニングが仮で、お前ら守護騎士プログラムが入ってる、蒐集機能もそのままだからな、蒐集すれば、そのプログラムにお前達のデータが上書きされるようになってる」

 

「だったらすればいいじゃねえかよ」

 

「一応闇の書の浸食に対応するワクチンも入ってる、だがお前らの状態が分からない以上、これをハックされたら、それこそ八方塞がりになるわけなんだが」

 

「分の悪い賭けね」

 

「だからこそだ、だから聞く。 この中に入るか、それとも戦い続けるか」

 

「どちらにしても我らに手段はない」

 

「私は入ろう、お前の見立てはどうなんだ?」

 

「正直言って五分、ライトニングがいれば、わかるかもしれないが、いないし」

 

「いいさ乗ってやるよ、ただしはやてはきっちり助けろ」

 

「了解。 盟主権限発動、リンカーコア蒐集」

 

「蒐集開始」

 

「主を頼む」

 

「頼んだぜ」

 

「みんなお願いね」

 

「頼んだ」

 

ヴォルケンリッターたちの蒐集が始まり、一言ずつ言葉を残し、消えて行った。 夜天の書を見ると、どうやら成功のようで

 

「ハック無し、リンカーコアの書き換えも、正常に始まってるみたいだな」

 

「それじゃあ」

 

「あぁ、後ははやてと管制人格を救い出してやれば、どうにでもなる」

 

 

 

 

 




少し強引に進めたけど、A's編も終盤

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第十五話

あと何話で終わるかなー、本編どうぞ!


病院の屋上から動かない管制人格を横目に、作戦会議でもしようとした矢先、唐突に管制人格は苦しみ始めた

 

「いきなり何なの!?」

 

「ナハトヴァールからの浸食、思ってたよりも時間ないな」

 

「それって確か、防衛プログラムだよね?」

 

「正解だアリシア。 そして、歴代の主によって一番改悪された部分」

 

「なに、アレ?」

 

すずかが管制人格の方を向きながら、呆然と呟いたのでそちら見てみると、左腕についているナハトヴァールから、蛇のようなものが出てきていた

 

「実体はないから、漏れ出てきた魔力か? でもそれにしたって、アレは......」

 

おぞましすぎる、まさに怨念の塊、そう言っても差し支えないものだった

 

「消えた!?」

 

「消えて、ない!!」

 

結構な距離稼いだはずだが、管制人格は一瞬で距離を詰め、俺を殴り飛ばした。 とっさにデバイスでガードしたものの、なのはたちと距離を離されてしまう。 それどころか

 

「貴様はこの中で一番危険だ! 真っ先に無力化させてもらう!!」

 

「上等!!」

 

追撃をかけてきた。 確かに魔法を使って長いが、一番はフェイトだし、危険度で言えば、なのはの方が上のはずだが、皆さん俺の実力買いかぶりすぎじゃね? なんて思うが、そうも言ってられない。 向かってくる管制人格に、ランスフォームなので連続突きをするが、避けられ距離を詰められる。 そして、闇の書を顔の目の前に突き出されるが、蹴り上げ、俺自体を蒐集されるのを防ぐ。 だが、それすらも織り込み済みなのか、腹のあたりに蹴りを入れられる。 もちろん防ぎはしたが、その動きに違和感を覚える

 

「はあああああ!!」

 

フェイトが持ち前の速さを生かし、管制人格の後ろから切りかかるが、障壁で防がれる

 

「なぁ!?」

 

「フェイト!」

 

防がれて驚いたようだが、アリシアの声で我に返ったのか、頷きその場から急いで後退、その直後

 

「それ!」

 

二丁拳銃であるラッキーシューターから、魔力弾が放たれ障壁を貫通、だが

 

「・・・・・・」

 

ノールックで魔力弾を握りつぶす、それなんてインチキ?

 

「でも!」

 

「まだまだ!レイジングハート!」

 

「カートリッジロード」

 

「ディバイーン!!」

 

「バスター」

 

すずかがバインドを仕掛け、管制人格を拘束、その隙になのはがディバインバスターで砲撃、完璧な布陣だ。 余談だが、アリシアの魔力弾は、拳銃の銃弾のような形をしていたため、管制人格はそのまま障壁を使っており、なのははその空いた穴めがけて砲撃をしている。 いつから狙撃できるようになったのやら

 

「そんなこと言ってる場合じゃないな」

 

角度変更型の障壁を張り、なのはのカートリッジ二発使った分の、ディバインバスターを防ぐ。 ピンク色の閃光がやみ、目の前を見てみるが、突き出している手のグローブがなくなっているが、それ以外傷らしい傷はない。 ダメージが入ったかも怪しいところだ

 

「これで終わりか?」

 

「まだだよ! こんなんじゃ終わらせない、貴女やはやてちゃんを救うまで、終わらないし終わらせない!!」

 

「大体、目の前に敵がいるのに、余所見とはいい度胸だな!」

 

さっきの蹴り分くらいしか、距離が離れていないので、詰めるのも安易で、今度はこちらが蹴り上げる。障壁で防がれただろうが、関係なしとばかりに追撃を始める

 

「ちょっとお前たちは手を出すな! 確かめたいことがある!!」

 

各々デバイスをあげていたが、そう声をかけ制止させる

 

「ブラッディーダガー」

 

吹っ飛ばされながら、紅い短剣を展開、数は......わからないが、相当な数とだけは言っておく

 

「スピアシューター、エピオン、バスターモード」

 

ここで距離を開けるわけにはいかない、バスターモードにし、スピアシューターとバスターモードで相殺しながら進む。 やはり誘導弾なようで、砲撃の間を縫って進んでくるため、刀にして斬り進む。 それでもやはり、斬り漏らしは出てくるが

 

「もういっちょ、吹っ飛べ!!」

 

今度はフルパワーでのアッパー、障壁に当たったような気がするが、魔力と障壁破壊術式を組んでいたので、ごり押しで障壁を突破、それでも顔絵の直撃は避け、腕でガードされたが、距離を開けることに成功し、さっきよりも加速し、バスターモードで、後ろから迫るブラッディーダガーを、すべて撃ち落とす。 だが、二回も同じ手は使わないのか、今度は空中で踏ん張り、こちらに向かってくる管制人格。 近接戦闘の応報、迫りくるパンチや蹴りを避け、こちらも攻撃するが防がれる。 左からくるパンチを避け、いや、受け流す

 

「ほぉ」

 

「ぶねー」

 

かすかに光っていて、いやな予感がしたので、避けるのではなく、後ろに受け流したのだが、正解だった。 ナハトヴァールのパイルバンカーの部分から、砲撃しやがった。 そして確信する

 

「おまえ、俺の記憶から動きトレースしてやがるな」

 

「そこまでわかるか」

 

また始まる近接戦闘、今度の管制人格の攻撃は、ナハトヴァールによる砲撃を絡めたもので、やりずらいったらありゃしない。 だが、砲撃を撃つということは、隙が大きくなるということで

 

「もらった!!」

 

俺の掌底が管制人格の鳩尾にめり込む

 

「ぐはっ!?」

 

それで終わりではなく、掌底の手のひらから魔力を打ち込むように、流し込む

 

「は!!」

 

なんちゃって砲撃だが、効いたようで、大きく距離を開けられた。腹を押さえ、苦しそうにこちらを睨む管制人格。 距離が開いたのを確認したのか、なのはたちがこちらに近づいてくる

 

「マー君!」

 

「いやなお知らせ、あいつ俺の動きトレースしてる」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

構えを解かず、管制人格に視線を向けたまま簡潔に告げると、なんとも面白い返事が来た

 

「なんだよその返事」

 

「だ、だって、それって死角からえげつない攻撃が来るってことだよね?」

 

「失礼だなアリシア、そう鍛えられたからそうしてるだけだ」

 

「私、砲撃に専念するね! サポートは任せて、フェイトちゃん!」

 

「うえぇぇぇぇ!? なのは、どういう意味!?」

 

「妹よ、人はなさねばならないことがあるんだよ」

 

「アリシアちゃん、それじゃあ意味が分からないよ。 死角からの攻撃とか、できるだけサポートするから、頑張ってねアリサちゃん」

 

「うぅ! 反射神経とかはすずかの方がいいのに、後衛タイプだから何にも言えない! やってやるわよ!!」

 

なんというか、緊張感がないというか、そんなに俺との訓練は嫌なのか、こいつら、少し傷つくぞ。 俺はただ、教えられたことを実践して、教えているってだけなのに

 

「あああああああああああ!!」

 

「「「「「「!」」」」」」

 

突然苦しみだしたと思ったら、大声をあげて左腕を押さえ始めた、すると、さっきまでは収まっていたはずの蛇が、また出てき始めていた

 

「これ本当にまずいかもな」

 

「やるしかないよね、レイジングハート」

 

「エクセリオンモード」

 

「バルディッシュ」

 

「ザンバーフォーム」

 

「まぁ、頑張るしかないわよね」

 

「そうだね、頑張ろう」

 

「よーし、それじゃあ、もうひと踏ん張り行くよ!」

 

それぞれの思いを胸に、管制人格に踏み出そうとするが

 

「っ!」

 

「があああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

知覚できないスピード、それを防げたのは、恭也さんとの修行のおかげだろう、間違いなく今の管制人格のスピードは、恭也さん並だった。 さっきよりも早いラッシュに、俺は防戦一方で、距離を開ける意味もあるが、なのはたちとコイツを離すために、一歩、二歩と後退するが、すぐ後ろに回られる。 そして

 

「ぐっ!?」

 

「あああ!? 眠れ!!」

 

体が吸収され始めてしまう

 

「マー君!!」

 

「クレナイ!」

 

「クー!」

 

「紅!」

 

「コウ君!」

 

「なのはー!! これを頼む! はやてが出てきたら渡せ!! 使い方ならわかるはずだ!! 後を、たの、む」

 

そして俺の意識は、闇に飲まれた

 




戦闘かけたので大満足、この頃ろくに戦闘無かったし。 次はどうせ、ブレイカーで殲滅戦だし。 

そんなわけで、感想評価お待ちしてます


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第十六話

今日二話目、そんなわけで本編どうぞ!


目が覚めるとそこは、知らない天井......

 

「天井がない!そしてこの反応二回目!」

 

「ひぅ!?」

 

天井はなかったが、何故かのぞき込んでいる人物はいた。 そう、管制人格だ

 

「ふむ、ということは、管理者が来るとこまで来たみたいだな」

 

「そう言うことです、マスター」

 

「ライトニング」

 

はやてが着けていたブレスレットを外し、自分に着ける

 

「そ、それは主のではないのか?」

 

「うんにゃ、元々は俺の」

 

「エピオンを使ってたじゃないですか」

 

「これも俺のデバイスだ」

 

そんな俺とライトニングの会話を、怖がりながら見ている管制人格、少し傷つくんだが

 

「な、なぁ、俺なんかお前にやったか?」

 

「い、いや、そう言うわけじゃないが、外の私に躊躇いなく殴るけるをしてたから......」

 

「いや、本当はしたくないけど、問答無用だったじゃん」

 

「あ、あれは私の意思ではなく、ナハトの意思で!」

 

「いやわかってる、わかってるから。 そんな泣きそうな顔で見ないでくれ、罪悪感パナイから」

 

「す、すまない、何故かあの女神様だったか? それの蒐集をしてから情緒不安定でな」

 

そう言って涙をぬぐう管制人格、てかアクアのせいかよ。 どうりで忘れっぽいし、なんかポンコツだとは思ったが

 

「さて、ライトニング状況は?」

 

「中に入ったことにより、格段に取得できる情報が増えました。 ちなみに、夜天の書の情報が出てくるようになったのは、アクア様の魔力により闇の書および、夜天の書にクラッキングを仕掛けていたからと判明しました」

 

「えぇ......」

 

なにそれ、怖い。 てかなんで魔力だけで暴れられるの、怖すぎ

 

「ん? まさか、闇の書の情報とかが取れなくなったのって?」

 

「予想通り、アクア様の魔力に恐れをなした防衛プログラムが、夜天の書を見捨てて、閉じこもったからですね。 無駄なあがきだったようですが」

 

「闇の書すら壊せるアクアの魔力、えぇ......」

 

「それで朗報です、防衛や防御などのプログラムはナハトが主権を持っているため修復は出来ませんが、管制人格の基礎プログラム、無限再生機能や転生機能の復元に成功しました」

 

「ということは?」

 

「防御や防衛機能を除き、夜天の書は本来の姿に戻りました」

 

「ほ、本当なのか、それは」

 

「まぁ、俺とライトニングは、はやてに頼まれたからな」

 

「ですが、ユニゾンの機能は失われます、マスター夜天の書のコピーは?」

 

「あー、中に持ってきたら、どんな影響があるかわからないから、外に預けてある」

 

「賢明な判断です。 管制人格、外に出たら最後のユニゾンになります、後で機能追加できるでしょうが、いつになるかはわかりません。 そこは留意しておいてください。 本当はすぐにでも、夜天の書にて蒐集してもらいたいですが、そんな時間はないでしょうから」

 

「わかった」

 

神妙に頷く管制人格、ホント助かってよかった

 

「にしてもナハトヴァール、いいデバイスだな」

 

「マスター!?」

 

「何を言ってるんだお前は!?」

 

「いや、だってよくない? パイルバンカーから砲撃出るんだぜ、見た感じノーチャージであの威力だし」

 

「私がいるじゃないですか!?」

 

「お前今更モード変更面倒、高性能だし」

 

「メンド......」

 

それっきり黙ってしまうライトニング、高性能故仕方ない問題なのだ

 

「お前はもっと、デバイスを大事にした方がいいと思うぞ?」

 

「大事にはしてるけど、それとこれとは話が別。 高性能な完成品があるなら、そっちを使いたいのは当たり前」

 

「そ、そうなのか? ううむ......」

 

考え込む管制人格だが、普通なら、それもそれでどうなんだ、という意見が出るのだが、やはりクラッキングの影響は大きいらしい

 

「にしても起きないなこいつ」

 

これだけ騒いでいるにもかかわらず、ピクリとも動かないはやて、息はしているので死んではいないが、本当によく眠ってる。 外で戦っているなのはたちのためにも、早く目を覚まさせなければいけないのだが

 

「管制人格、何とかならない」

 

「ん? なにがだ?」

 

「はやて」

 

「主なら、私の魔法で幸せな夢を見てるぞ? ちょっとやそっとでは起きない強力な魔法だ!」

 

「お・ま・え・が・原因か!」

 

「な、なふぃをふるんだー!?」

 

胸を張ってどや顔に、可愛いのだが場違いかんにイラっときた俺は、その頬を引っ張り、魔法を解除するように指示をする

 

「んっ......」

 

「目が覚めたみたいだな」

 

「まー、くん?」

 

「寝ぼけてんのか?」

 

目が覚めたばかりで寝ぼけているようだ、なんか手招きされてるし、何の警戒もなく寄ると

 

「んー」

 

「おいはやて!?」

 

何故か頭を抱きかかえられ、胸の方に持って行かれた。 まだ寝ぼけてんのか、コイツは!

 

「いい加減起きろはやて!!」

 

「うーん、なんな、ん?」

 

大声を出すとやっと起きたのか、目が合うのだが、目の前の光景に理解が追い付かないらしく、きょとんとしていたが、段々と顔が真っ赤になっていく。 あ、これ落ち読めたわ 

 

「ななな」

 

「最初に言っておくが、お前が抱き寄せたんだぞ」

 

「なにやっとるんやー!!」

 

「ですよねー!?」

 

------------------------------

 

「ごめんなさい」

 

「見事でした主」

 

「いや良いけどさ、いきなりだったし仕方ないけど。 おい管制人格、元はと言えばお前が原因だろうが」

 

不思議そうな顔をしているはやてに、これまでのことを事細かに説明する。 いろいろ表情が変わって面白かったが、最後は無表情で管制人格の方を向いていた

 

「すみません、すみません!!」

 

土下座して謝る管制人格、なんでこう、日本人よりこいつらは土下座が綺麗なんだ

 

「はぁ、まぁええわ。 管制人格......は言いずらいな、新しい名前をあげる、すっと考えてたんや、貴女のことまー君に聞いてから。 管理者権限発動、夜天の書の管制人格に新たなる名前を、強く支える者 幸運の追い風 祝福のエール リインフォース」

 

真っ暗な空間がひび割れ、真っ白な空間になる、リインフォースはポカンとしているが、俺は俺でやることがあるので、はやてに声をかける

 

「とりあえずはやて、外に出るには外側で戦ってる防衛プログラムを、コテンパンにする必要がある、外側に声を掛けろ」

 

「うん、リインフォースできる?」

 

「は、はい! 我が主、管理者権限発動、防衛プログラムにハックをかけ動きを止めることに成功、あ、そ、外につながります!」

 

「おい、いまの、あ、はなんだ!?」

 

「だ、大丈夫だ、動きは止められてる!」

 

俺はえらく心配になってきた、ユニゾンなんかしないで、このまま蒐集にかけて方がいいんじゃないかと

 

『ライトニング、どう思う』

 

『・・・・・・私も、そう思います』

 

俺がライトニングと念話で会話していると、外への呼びかけが終わったのか、声をかけてくるはやて

 

「終わったで」

 

「あぁ、うん、どうだって?」

 

「なんかなのはちゃん辺りが張り切ってたで?」

 

「あぁ、うん、リインフォース、ご愁傷様」

 

「えぇ!? い、一体何が起こるんだ!?」

 

「ライトニング、リインフォースに必要なデータを渡してくれ」

 

リインフォースの声を無視し、ライトニングに言っておく。 俺がダメならはやて、という感じでリインフォースは声を掛けるが、はやても目をそらして何も言わない。 まぁ、あの記録見てるからな、たぶん内心失敗したかも、なんて思っていても不思議ではない。 ちょくご、何故か轟音が響いた

 

「派手だなぁ......」

 

「せやなぁ......」

 

「あ、主ー!?」

 

突然の轟音に怖いのかリインフォースは、はやてに抱き着いていた。 うん、まぁ、その判断は間違っていない

 

『・・・・・・けて・・・・・・て』

 

「ん?」

 

「どうしたんや、まー君?」

 

「いや......」

 

どうやら最後の仕事が、向こうから呼んでくれたようだ

 

「さて、俺たちはまだやり残したことがあるから、先に行っててくれ」

 

「・・・・・・はぁ、聞く気ないんやろ?」

 

怒ったように見ていたはやてだが、俺も真剣にその目を見返すと、諦めたようにため息をつく

 

「もちろん」

 

「なら、絶対帰ってきてな?」

 

「おう」

 

「リインフォース」

 

「主、ですが......」

 

さっきまでの情けない表情はどこえやら、困惑するような表情で見ている

 

「勝手にさせとく、どうせ言っても聞かないし。 リインフォース、お願い」

 

「わかり、ました。 気をつけろ」

 

「もちろん」

 

そう言ってはやてとリインフォースの姿は消え、白い空間は徐々にだが黒に染まっていく

 

「さて、こっからが本番か」

 

「解析は開始しています」

 

「行くぞ」

 

そう言って、底の見えない黒い空間に、俺とライトニングは突っ込んでいく

 




おんやぁ? おかしいな本当は一本で終わるはずが分割に、まぁ仕方ない。 リインフォースいかがでしたでしょうか? なんか書いててなんですが、このポンコツがかわいく思えてきてしまった、性格としてはイノセントの性格が近いですね

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第十七話

今日三本目、本編どうぞ!


下に行ってるはずなのだが、暗すぎて上下左右の間隔が分からない。 それでも下だと思い、進んでいく

 

「ライトニング、反応は?」

 

「解析はしていますが、どうにも......」

 

芳しくないらしい、芳しくないらしいのだが、声はさっきよりも、鮮明に聞こえるようになっている

 

『みんなを、あの子たちだけでも、助けてあげて』

 

「ライトニング!」

 

「その声が聞こえてるのは、マスターだけです!無茶言わないでください」

 

ライトニングがこう言っている以上、頼るのは自分の勘のみ、なんか奥に奥に来てるような気がするけど、ちゃんと帰れるよな? 冷や汗をかきながら進むと、そこには

 

「光?」

 

「いえ、アレは.......解析結果出ました、紫天の書のマテリアルたちです」

 

小さな三つの光、赤、青、紫の光が真っ暗な空間に、取り残されるように浮いていた

 

「回収、出来るのか?」

 

「エピオンに防衛や防御プログラムは残っていますから、そちらなら?」

 

「でも蒐集機能なんかないぞ?」

 

「そこは......気合で」

 

「ざけんな駄デバイス」

 

とりあえず、このままだと消えてしまいそうなので、エピオンを起動しようとするのだが

 

「エピオン、セットアップ」

 

「反応......ありませんね」

 

「どういうことだ?」

 

「私にもさっぱりです、さっきは闇の書の闇の部分、つまり防衛や防御プログラムを秘密裏に入れてからは、リンクを切りましたので」

 

「まぁ浸食されたら目も当てられないからな」

 

はやてが管理者権限を発動させた時点で、リインフォース自体、闇の書とは切り離された状態だったので、ライトニングにエピオンにデータを移すように言ったわけなのだが、となるとエピオン自体変質した、と考えられるわけで

 

「ナハトヴァール?」

 

光った気がした。 俺は冷や汗をかきながら、起動させる

 

「ナハトヴァール、セットアップ」

 

「セットアップ」

 

エピオンの騎士甲冑そのままなのだが、色合いが若干変更されワインレッドは黒に近く似っていた

 

「マスター......」

 

「え、なにこれ、俺ナハトてなづけた?」

 

「そう言うわけではありませんが、貴方は私を始めて良いと言ってくれた、それだけです」

 

「「・・・・・・」」

 

これには俺とライトニングも絶句、流石にちょろすぎだろコイツ。 てかおかしい、エピオンは非人格型アームドデバイス、だったはずだ。喋っているということは、ナハト自体の意思なわけで......うん、気にしたら負けだな

 

「まぁいいや、これから頼むな、ナハト」

 

「了解です、マスター。 それでは紫天のマテリアルの蒐集を開始します」

 

「お前蒐集出来るの!?」

 

「一応、防衛や防御プログラムの中に、それらに該当する項目がありますので。 ライトニング、あなたの処理速度が欲しいので、リンクを」

 

「マスター」

 

「あぁ、うん、許可する。 ついでにナハト、防衛や防御プログラムの方も元の状態に戻すことは?」

 

「可能です、ライトニングと実行中、マテリアルたちの修復も、同時進行で開始しています。喋りたい? いいですが......マスター、紫天の書、力のマテリアルがマスターと喋りたいと」

 

「あぁうん、もう何でもありだね。 いいよ」

 

もう俺は常識を捨てた、とりあえず、ナハトに許可を出すと、聞き覚えがあるような、ないような声が聞こえる 

 

「あー、あー、聞こえる? 初めましてでいいのかな?」

 

「初めましてだな、えっと?」

 

「僕はマテリアルL、って言うんだよろしくー!」

 

「Lね」

 

「レヴィでいいじゃないでしょうか?」

 

「うん? なにが?」

 

「貴女の名前です」

 

「僕の名前? レヴィ、レヴィ......うん!じゃあ僕レヴィ!」

 

軽いな!? いいのかそんなんで!まぁ本人が気に入ってるから、何も言わないが

 

「それで、レヴィは俺になんか用か?」

 

「あ、うん!僕たちを助けてくれて、ありがとう!あのままじゃ、謎のクラッキングによって、僕たち消滅するのみだったからさ」

 

「あー、それは何というか」

 

ウチの連れが迷惑かけてすみません、としか言いようがない

 

「そんな塵芥に礼など言う必要はないぞ、マテリアルL」

 

「あ、王様!」

 

「我はマテリアルDぞ! 王様ではない!」

 

「お初にお目にかかります、私はマテリアルSと申します」

 

「一気ににぎやかになったな、お目にかかりますって、こっちにはいないだろ」

 

「そうでした」

 

「では、勝手に命名ですね。 Dはディアーチェ、Sはシュテルで登録しておきますので」

 

「なんと、私たちも能力を失っているとはいえ、それを上回るデバイスがあるとは」

 

「ええぃ! 勝手にするでない!」

 

なんというか、本当にまとまりがない。 というかナハトは三人分も会話してて、処理は大丈夫なのだろうか。 まぁ、ライトニングほとんどやるだろうが

 

「さて、あまり時間がない、さっきの声も、だんだん聞こえなくなってきてるしな、ライトニング」

 

「はい、質問です。 システムU-Dは何処に居ますか?」

 

「・・・・・・貴様、それをどこで」

 

「質問を質問で返すな、それに今は時間が惜しい、居場所を知ってるなら教えてくれ、手遅れになる」

 

「貴様に教える義理は「すみません、私たちもわかりません」シュテル!」

 

「マジかー、段々声もか細くなってきて、聞こえなくなってきてるのに」

 

万事休すかと思われたが、その時ひときわ強く念話が聞こえた

 

『外に出るための扉は開いてあります! だからあなたたちだけでも、早く!!うぅ』

 

ぐらりと空間が揺れている気がする、ここを保持しているのもシステムU-Dということは、今の揺れはそろそろ限界という合図

 

「聞こえたな、今のは」

 

「勿論です」

 

「場所の特定急ぎます」

 

「私も微力ながらお手伝いを」

 

「シュテるん、僕のリソースも使って」

 

「俺は勘の行くままに飛びますかね」

 

「何故貴様はそこまでする」

 

か細い念話は今でも聞こえる、そこに向かって飛んでいく中、ディアーチェが声を掛けてきた

 

「はぁ?」

 

「何故貴様は我らや、システムU-Dまで助けようとしているのだ? オリジナルである八神はやて、その願いは十分かなえたはずだ」

 

「何言ってんだお前は......」

 

思わずため息をつく、こいつらの方にも、俺の記憶が流れてるはずなのに、なぜそこが分からないのか

 

「ただ俺が、助けたいから助けるだけだよ」

 

「は?」

 

今度はディアーチェが驚く番だった

 

「今までなら、助けてそれでおわりだったが、お前らはいろんな意味で心配だからな、面倒見るけど。 俺が助ける理由は、助けたいから助ける、それだけだ」

 

「今の話は聞き捨てなりませんね、私たちのどこが心配なんでしょう?」

 

「だってお前、元が闇の書だぞ? 破壊と混沌生み出した書で、お前らとかその最たるものだろ? 心配事だらけじゃねえか......」

 

「ぐうの音も出ない正論ですね」

 

「自分で言うか」

 

「くっくっく......救いたいから救うか、自分勝手なやつだな」

 

「知らなかったか?」

 

「ふん!いい気になるな下僕め、いいだろうシステムU-Dを救うまでは、協力してやる」

 

「王、協力を願うのはこちらですよ?」

 

「ええぃ、細かいことはよいのだシュテル!後は貴様に託すぞ、主殿」

 

それっきり黙るシュテルとディアーチェ、主ねぇ......ガラじゃないんだが。 そんなことを考えている間に、どうやら目的地に着いたようだ。 漂う金色の光、だが俺が近づいて蒐集しようとすると、人型に姿を変えた

 

「はぁ、はぁ......なんで来てしまったんですか」

 

金髪の幼い少女が、こちらを睨みつけるように見てくる。 騎士甲冑のようなものは赤く、目は緑色、さっきのような金色は髪ぐらいか

 

「いけません! 今の彼女は暴走しています!」

 

シュテルから鋭い声が飛んでくるが、俺は構わずに近づく

 

「助けたいから」

 

「私を外に出せば、さっきの防御プログラム、以上の被害になります、貴方なら、わかるはずです!」

 

息絶え絶えになりながら、必死に言葉を紡いでいる。 そんなものは関係ない、さっきも言ったが

 

「助けたいから助けに来た、それに今のこの状態、何とかすれば外に出ても暴れないだろ?」

 

距離と段々と詰めるのだが、翼のようなものが出てきて、こちらに襲い掛かって来る、それをナハトでいなしながら、なおも近づいて行く

 

「そんな簡単に、行くわけ、ないじゃないですかぁ!!」

 

「ライトニング、用意は?」

 

「シュテル様のおかげではかどっています、制御プログラム完成まで3、2、1......完成、ですがこの短時間で出来たのは一発だけです、外したりしくじったらそこで終わりですので」

 

「了解」

 

近づくことにより、攻撃はさらに激しくなってくる。 左腕はナハトを使っているため使えず、右手と障壁で防ごうとするが、生傷は増えていく

 

「主、私たちの想いを、よろしくお願いします」

 

「主殿、頼んだぞ」

 

「くれない、頼むね!」

 

「あいよ」

 

あと一歩踏み込めば、少女に手が届く距離、攻撃はやんだのだが、目の前には、さっきの翼のようなもので作った、バカデカい杭が浮いていた。 だが俺は、躊躇いなどない、一歩踏み込む

 

「ダメェェェェェェ!!」

 

バカデカい杭は、俺の横にそれ、彼方に吹っ飛んでいった

 

「やっぱ大丈夫じゃん。 君は今、自分の意思で杭をそらせたし」

 

そう言って頭を撫で、ナハトを構える

 

「まぁ、やりたくないけど、一応ね。 それにディアーチェたちの想いも詰まってるから」

 

ナハトを胸のところに持って行き

 

「ナハト」

 

「ファイア」

 

制御プログラムが詰まった、砲撃を撃ちだす

 

「・・・・・・もっと細い砲撃だと思ったんだけど、明らか、あの子包み込むぐらい太い砲撃だったよな?」

 

「・・・・・・やり過ぎましたか?」

 

「「やりすぎだー!!」」

 

------------------------------

 

「酷い目にあいました......」

 

「すみませんシステムU-D、加減を間違いました」

 

「間違えたっていう次元じゃなかったです......」

 

「それにナハト、彼女には、ちゃんとした名前があります。 ユーリ・エーべルヴァイン。 それが、彼女が生きていた時に、ついていた名前です」

 

さっきまでの切羽詰まった様子は、どこえやら、少女は拗ねていた。 後シュテル、さらっと本名暴露してんじゃないよ

 

「さて時間も押してるし、それで、エグザミアは?」

 

「あ、完全に安定して稼働しています」

 

「そりゃ結構、んじゃ外に出るか。 とりあえず、ユーリもあの馬鹿のせいで体ボロボロだろ? 蒐集するぞ」

 

「あ、はい、お願いします。 後その前にこれを」

 

「ん? これは......」

 

一冊の魔導書を手渡される、それは夜天の書と似たような紫の魔導書だった

 

「紫天の書、本当はディアーチェが使うものですが、私も一応盟主なので、私が持っていたのですが、私たちの主ならあなたが持つべきだと」

 

「そうか、なら有難く使わせてもらう」

 

「はい!それではお願いします」

 

「蒐集」

 

ユーリの体も徐々に消えていく

 

「出口は確保してあります、あの光に向かって、大容量の魔力を叩きこめば、出られますので」

 

そう言って指さされたのは、いつの間にか真上にできていた光、どうやらそういうことらしい

 

「何からなにまでありがとな、ユーリ」

 

「いえ、それではこれからよろしくお願いしますね、クレナイさん!」

 

「わかった」

 

ユーリも蒐集され一人になる、残ったのは紫天の書とナハト、ライトニング、俺だ

 

「なぁナハト、お前と紫天の書って繋がってんのか?」

 

「リンクは、マスターの権限があれば、すぐにでも繋がります」

 

「じゃあ許可、それで強力な魔法は?」

 

「現在可能なものですと、スターライトブレイカー、マスターの魔力資質では厳しいものがありますがプラズマザンバー、ラグナロク、後はシュテル、レヴィ、ディアーチェがなどのマテリアルたちの物も可能です」

 

「ならそれ全部」

 

「・・・・・・セット」

 

パイルバンカーがぎちぎちいっているが、問題ないようだ。 それにしてもすごいな、弾丸としてセットするから溜めもできるし、しかも詠唱無しで速射できる、やばすぎじゃない? しかも今は、ユーリを蒐集してるから、魔力も使いたい放題。

 

「やばすぎ」

 

「マスター一人で世界を滅ぼせますね」

 

「言うんじゃねえよ、今俺も思ったところだから、ナハト!」

 

「ファイア」

 

一気に飛び上がり、光が目の前に見えたところで、ナハトがパイルバンカーを撃ちだす

 

「綺麗な花火だこと」

 

光を超えた瞬間、俺の意識は呑み込まれた

 




んー、まさかの4000強、これなら分けた方がよかったかな。まぁいいや、実際GODはなしです。 でもこういうお話が書きたくて書いてたんだよなぁ......映画前にな!さて次のお話は脱出後

それでは、感想評価お待ちしてます


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第十八話

本日四本目ー 本編どうぞ!


目が覚めるとry

 

「略されたぞおい、てか紫色とか悪趣味」

 

闇の書の書の闇から出てきたはずなのだが、バリアジャケットや騎士甲冑はおろか、何故か普段着で浮いていた。 そもそも魔法発動してすらいないのだが

 

「マスター」

 

「ああ、うん、いつまでもこうじゃいけないよな、ライトニング、ナハト、セットアップ」

 

「「セットアップ」」

 

騎士甲冑はそのままに、ナハトを始めてセットアップした時の配色に戻し、左手にはランスフォームのライトニングを

 

「てか、ライトニング、エピオンからモード変更引っ張ったのか?」

 

「はい」

 

「それで主、これから闇の書の闇と戦闘をするなら、私たちの修復より、戦闘にリソースを回すことを進言します」

 

「まぁそうだけど、ユーリ、出てこれるか?」

 

「はい、紫天の書の方から出れると思います」

 

「紫天の書」

 

どこから来たのかわからないが、いつの間に手に、紫天の書が来ていた

 

「管理者権限、ユーリ・エーベルヴァイン」

 

「出れたみたいです、それでなんでしょうかクレナイさん?」

 

「いや、ユーリ出れるなら、マテリアルたちも出れるんじゃないかと?」

 

「出れるには出れますが、余計な争いを生むだけかと」

 

「そう言えばお前たちのこと、言ってなかったな」

 

思い出した途端青い顔をする、はやてがとっくの昔に出てるのだ、俺が何かやるとは知っていても、すぐに済むと考えていた可能性がある、しかもだ、あの中で、時間の進みがどのくらい差があるのかわからない、やばい気がする

 

「何とかならない?」

 

「それならユニゾンすればいいんじゃないのー?」

 

「ユニゾン? 出来るのか?」

 

「元よりプログラムはつけ加えた、今の修復率でも十分できる」

 

「じゃあそれで、管理者権限、マテリアル。 マテリアルD、ディアーチェ、マテリアルL、レヴィ、マテリアルS、シュテル」

 

「ふむ、やはり体の具合がいまいちだのう」

 

「僕、参上!」

 

「参りました」

 

「ディアーチェ、シュテル、レヴィー!」

 

泣きつくユーリ、他のプログラムと違って、ユーリは一人で寂しかったのだろうが、生憎そんな時間はない。 外からクロノらしき声が聞こえるし

 

「ほれユーリ、感動の再開は後、今はユニゾンだ」

 

「ぐすっ、はい!」

 

「それではやるか、シュテル、レヴィ!」

 

「りょうかーい!」

 

「はい、王」

 

「モードトリニティ!」

 

「おお!」

 

光ったと思ったら ディアーチェの羽が、黒赤青とカラフルになっていた。 見た目の派手さだけではなく、魔力も上がっているようで、測定しなくてもわかるがSくらいじゃね?

 

「ぬぅ、やはり本調子じゃない故、魔力もいまいちだな」

 

「ですよねー」

 

「行くぞ主殿」

 

「私もです、クレナイさん」

 

「はいよ、ユニゾンイン!」

 

ユニゾンした結果は成功で、見ると髪の色が少し灰色になり、後ろに翼が生えていた

 

「楽だなこれ、制御は任せればいいし、ユーリは飛行の制御よろしくな」

 

『はい!』

 

中から声が響いてくる感覚があるが、これもまぁ慣れるだろう

 

「さてこの邪魔な紫色の破るか、ディアボリックエミッション!」

 

ようやく晴れたそこには

 

「マー君!?」

 

「クレナイ!」

 

「クー!」

 

といろんな人が集まってくる、のだが

 

「とりあえず説明は後、状況は」

 

「色々と言いたいことがあるのだが、飲み込んでおこう。 状況はきわめて簡潔に、アレを何とかしたい」

 

そう言って、クロノの指さした方向には、黒い球体があった

 

「何アレ?」

 

『ふむ、解析の結果、闇の書の闇、その残りかすみたいなものですね』

 

「ほーん」

 

「? 君は誰かと会話しているのか? その、見えない人とでも」

 

「その可哀そうな人を見る目はやめろ、まぁ、お察しの通り、今ユニゾン中だからな」

 

「「はぁ!?」」

 

おお、全員驚いてる、驚いてる

 

「そこらへんも説明後だ。 んで、あれは闇の書の闇の残りかすだそうだ」

 

「え、えらく、かすかすなものになったんやな......」

 

「まぁそうでしょ、試しに攻撃してみるか。 ユーリ」

 

『エグザミアは正常に稼働してます、どうぞ!』

 

「紫天の書.....咎人達に、滅びの光を。 星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ。 貫け、閃光! スターライトブレイカー!」

 

「いやいやいや、ちょっと待て!!」

 

「なんだよ」

 

スターライトブレイカーの着弾を確認しながら、クロノに返事をする。 ふーむ

 

『効果なし、ですね』

 

『やっぱり、威力とか関係なしにあれが晴れないとダメか』

 

「何で君が、アレを撃てたんだ!」

 

「これのおかげ」

 

「なんだそれは!!」

 

「紫天の書」

 

「あーーー!!」

 

ついにクロノが壊れたらしい、とりあえず、掴みかかって来るクロノには、障壁を貼り、無視しとく

 

「お、お前は一体何になったんだ?」

 

若干引きながらシグナムが聞いてきたが、なにになったか

 

「別に変らないだろ、助けたいもんを助けた、ただそれだけ」

 

「紅らしいけど、今の状態じゃねぇ」

 

「見た目もそうだけど、雰囲気もガラッと変わってるよ?」

 

「ユニゾンの影響」

 

「いやいやいや!私もユニゾンしてるけど、そこまで変わってないで?」

 

「数が違うんだよ、四人だぞ四人」

 

「・・・・・・大丈夫なのか? 事故とかは?」

 

「あぁ、うん、普通にお前が心配してくれるのは嬉しいわ、ザフィーラ。 他の奴らだと引いてたり、呆れてるからな。 事故については心配ない」

 

「そうか」

 

ザフィーラとの話がひと段落着くと、今度はアースラからで、モニターにリンディさんが映し出される

 

『ちょっといいかしら、クレナイ君』

 

「あぁ、はい、なんですか?」

 

『貴方の魔力なんだけど』

 

「あぁ、どうせ測定不能なんでしょ?」

 

『・・・・・・わかっていたのね』

 

「原因は知ってますので、それについても話はあと。 今はアレでしょ? てかクロノが喚いてうるさいんで、いい加減正気に戻してくれません?」

 

『原因は貴方なんだけど、はぁ......説明は後でしてもらいます』

 

そう言ってモニターが切れる、そしてクロノを除いた、全員に向き直る

 

「さてと、それじゃあ作戦会議を始めようか」

 

「え? でも、あの球体から何か出てきてるよ?」

 

見ると、覚醒が近いのか、触手なようなものが出てきていた

 

「あー問題ない。 ライトニング、魔力いくら使っても構わん、殲滅しろ」

 

「了解です、紫天の書リンク、ブラッディダガー」

 

後ろに展開される赤い短剣、次々に射出されては、展開を繰り返される

 

「うわぁ......」

 

「地味に傷つくからな、ユーノ。 さて、残りかすだから、殲滅しても構わないが、再生能力が厄介だ、それにあの質量を、チリ一つ残さず殲滅になると、周辺の被害が計り知れない」

 

「はい!」

 

「はい、アリシア」

 

「クー一人でいいと思います!」

 

「それでもいいなら俺一人、じゃないなら五人で殲滅するけど」

 

一人と言ったら、中の四人からブーイングが来たので、慌てて訂正する

 

「ううん、私も参加する、これは私の責任でもあるし」

 

「主」

 

「はやて」

 

「はやてちゃん」

 

「・・・・・」

 

多分リインフォースもそう言っているのだろう、はやての目からは確かな意思を感じる

 

「別に止めはしないし、そもそも、人数が多ければ多いほど、辺りの被害も減らせるし」

 

「えっと、どういうことよ?」

 

「俺が広範囲にわたって障壁張れば、被害少なくできるし」

 

「でも、そんなことしたら魔力は?」

 

「今無限に近いから問題なし」

 

「私もやるよ! ここでマー君やはやてちゃんに任せるなんて無責任だもん!」

 

「いや、私もやらないなんて言ってないけどね?でも周辺被害減らせても、クーがサポート周ったら、殲滅できないんじゃないの?」

 

「まぁ、今の俺加減効かないし、攻撃よりはサポートの方がいいと思う。 それにとっておきのがいるじゃない上に」

 

「うえ?」

 

みんなが上を見るが、そこには夜空と雲しかない

 

「エイミィさん、さっきちらと話に出てたアルカンシェル、宇宙上で撃てるでしょ?」

 

『もちろん!管理局の技術、舐めないでよね!』

 

「ということらしい」

 

「でもあんな大きいもの、転送なんかできないよ?」

 

「そこは小さくすればいい。 リンカーコアを衛星軌道上に転送すればいい」

 

「そのために私は、リンカーコアを探せばいいのね?」

 

シャマルさんの言葉に頷く、やることは決まった

 

「マスター、どうやらナイスタイミングのようです」

 

「じゃあ、作戦開始ってことで」

 

それぞれ返事をし、各々の作業に取り掛かり始める 

 




おかしいな、この話で戦闘も終わるはずだったのに...... そんなわけでもう少しお付き合いください

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第十九話

本日五本目にして、A's編は最終回。 これにて終了となります。

本編どうぞ!

追記:なぜかマテリアルのルだけ抜けていたので追記


黒い球体を破り、出てきたのは、異形の怪物だった。 よく見ると、見覚えのあるパーツがあることから、多分

 

『主や守護騎士が、リンカーコア奪取した際に、その情報を読み取ったんでしょうね』

 

「やっぱり?」

 

俺の仮説は正しかったようで、やはり、リンカーコアを盗った魔物だったらしい。 まぁ、別にそんなものは関係ないけどな。 周りを見ると、少し気持ち悪そうにしているが

 

「それでシュテル、解析は?」

 

『とっくの昔に完了しています、どうやら多重式のシールドを四枚張っているようです。 それと、いろんな生物を模していますので、魔法抵抗力が極めて高い、と言ったところでしょうか』

 

「まぁ、管理局もびっくりなほどのエース級が集まってるし、問題ないでしょ」

 

どいつもこいつも頼りになる面々だし、そこは心配はしていない

 

「それじゃあ、作戦開始、ということで」

 

「でも、一番手は誰が行くの?」

 

「俺、シールド張ってるし、それに、他の奴らは、魔力に限りがあるから温存するに越したことはない」

 

なのはにそう返し、俺は一歩前に出る

 

「さて、紫天が主、紅 魔狸男、ライトニングカウント、ナハトヴァール、行くぞ」

 

『ふん!我らのことを忘れてもらっては困る、紫天が王、ディアーチェ』

 

『理のマテリアル、シュテル』

 

『力のマテリアル、レヴィ』

 

『紫天の盟主、ユーリエーベルヴァイン』

 

『紫天の主の名のもとに、行きます』

 

「仲良しだな、お前ら。 ライトニング、周りの殲滅は任せる!」

 

「了解」

 

「ユーリ、行くぞ!」

 

『はい!』

 

異形の怪物に向かって突っ込んでいく、飛行制御はユーリに任せているので、安心だし、周りのザコはライトニングだ

 

「シュテル、威力調整するから一緒に頼む。 ディアーチェは相手のシールドの強度計算」

 

『了解しました、我が主』

 

『ふん!よかろう』

 

「ナハト!」

 

「セット」

 

パイルバンカーが引かれ、砲撃がセットされる

 

「シュテル!」

 

『えぇ、行きます!』

 

「『パイロシューター!!』」

 

なのはのアクセルシューターと同じだが、炎熱変換があり、そこにシュテルの変換も加わっているので、威力は倍以上に跳ね上がる。 それを先行させ、バリア四層全部に極小の穴をあける。 そこに

 

「ナハト!」

 

「ファイア」

 

チャージしていたシュテルの技である、ルシフェリオンブレイカーを照射すると、簡単にバリア四層が崩れ、表面だけだが、怪物を丸焼きにする

 

「このまま雑魚の殲滅に移るか、次頼む!」

 

湧き出てくる数が多すぎて、殲滅の方が手が足りないようで、そちらに回ることにする。 雑魚の方に回っているのは、アリシア、アリサ、すずか、ユーノ、アルフ、ザフィーラだ。 これでも手が足りないとは、流石にねぇ。 まさに質より数

 

「ブラッディダガー」

 

撃って数を減らしているのだが、それでも少し少なくなったぐらいで、すぐに囲まれてしまう、周りを見ると、アリサたちも囲まれてしまっていた。直ぐにアリサたちのところまで行き

 

「大丈夫か?」

 

「もー!数が多くて嫌になる!」

 

「アリサちゃん、後ろ!」

 

「クー!何とかならない!」

 

「なるぞ!ユーリ!」

 

『魄翼の防御で行けます!』

 

そうしてアリシアたちを自分の周りに集め

 

「ディアボリックエミッション!」

 

発動と同時に自分を含めたアリシアたちを魄翼で覆う

 

「ライトニング」

 

「周りの反応ロスト、再生もありません」

 

確認は取れたので魄翼を戻し、周りを見ると、さっきまではうじゃうじゃ魔獣がいたのに、今はかけらもいない

 

「となると、中途半端な攻撃じゃ、再生するってことか」

 

「うわー......」

 

「なんにもいない」

 

「あ、どうやらなのはたちは攻撃するみたい」

 

アリシアの声に顔をあげると、ヴィータとなのはが飛行して、持ち場につこうとしていた。

 

「でっかいハンマーね」

 

「ヴィータちゃんどうやって持ってるんだろ?」

 

「あれで押しつぶれない怪物ってどうなの?」

 

アリシアの意見には同意見だが、動きを止めることには成功したようで、その隙になのはが砲撃を撃つようだ。 なのだが

 

「なぁ、なのは妙に力んでないか? すっげー嫌な予感するんだが」

 

「え?そんなこと、あるわね......」

 

「どうする? 障壁張っといた方がいいかな?」

 

「クーに任せた方がいいと思う」

 

「張る」

 

一応、全員高度を上げ、障壁をはっておいたが、はっておいてよかったと言っておこう。 なんせ、怪物貫いた上に、俺の被害軽減のために張っておいた障壁に、撃ってようやく止まるような代物だったからな。 障壁は無傷だったけど

 

「・・・・・・ねぇ、なのは何であんなもの撃ったのに余裕そうなの?」

 

「それになのはちゃん、コウ君の障壁破れなかった、って言ってたよ?」

 

「・・・・・・なのははどこを目指してるんだろう」

 

「俺にもわからん、てかあの障壁破られたら困るんだが。 シュテルはああいう風になるなよ?」

 

『流石に私でも、あの出力を撃ったら、カートリッジシステムがあろうとも、辛いですよ』

 

気を取り直して、ザフィーラたちの方に行くと、さっきの砲撃を怖がっていた。さくっと助けて、第二弾の観戦、今度はフェイトとシグナムのようだ

 

「そう言えばフェイト、いつの間に白いマントになったんだい?」

 

「あー、アレはな、カートリッジシステム導入時にはなってたぞ?」

 

「そうなんだ」

 

「ふむ、ボーゲンフォルムか」

 

「それってどんなものなんだい?」

 

「なぁユーノ」

 

「なにさ」

 

「俺ここに居たくないんだが」

 

「奇遇だね僕もだよ」

 

なんかアルフとザフィーラ見てたら、ムカムカしてきたんだが

 

「君も人のこといえないからね?」

 

「なんと!?」

 

そんなバカなことをやっている間に、フェイトの攻撃のようだザンバーフォームで大剣を構え、そのまま振り下ろした

 

「よかった、なのはみたいな事されるのかと思った」

 

「それは僕も思ったけど、凄いね、これであのバケモノ四等分だよ?」

 

「嬉しくねー」

 

ユーノと馬鹿話をしていたが、再生をやめたところもあれば、そのまま継続して再生しているので、純粋な四等分とはいかないし

 

『主殿、気づいておられるのだろう? あの頭らへんのには』

 

「もち、レヴィ、バルニフィカス借りるぞ」

 

『了解!』

 

「それは!?」

 

「説明は後、まとめてするからちょっくら行ってくる」

 

顔めがけて移動する中、次の攻撃手ははやてのようで、移動している最中だった

 

「バルニフィカス、魔力刀展開。 光翼斬!」

 

フェイトのハーケンセイバーのように、ある程度は追尾してくれるので、その場を急いで離れる。新たに生えてきた首はすべて切られ、攻撃の心配もなくなり、はやては魔法を放つ、石化してるところを見るとミストルティンだろうか

 

「やったか!?」

 

「クロノ、それフラグだろ」

 

お約束を言ったクロノのせい、というわけでもないが、やはりリンカーコア周りは、修復が早いのか、石化せず内部から盛り上がるように再生していた

 

「クロノ、時間稼ぎよろしく」

 

「まぁあの大魔法の後だ、僕のは文字通り、時間稼ぎにしかならないだろうさ」

 

「なのは、フェイト、はやて、魔力は十分か?」

 

「うん!まだまだ撃てるよ!」

 

「私も大丈夫」

 

「私もや、な、リインフォース」

 

「ならいいや、なら自分が一番威力が高い魔法を撃ってくれ、たぶんそうしないとリンカーコア露出しない」

 

「クレナイは?」

 

「俺はもしものことを考えて、障壁強化。 どっかの誰かさんは、障壁割ろうと考えてるみたいだからな」

 

「にゃはは」

 

「笑って誤魔化すんじゃねぇよ」

 

普通に笑って誤魔化すあたり、コイツもハート強くなりすぎてる。 と若干心配になって来る

 

「さて、出番だぞ。 頼んだぞ、なのは、はやて、フェイト」

 

「うん!障壁貫通できるように頑張るね!」

 

「が、頑張る!」

 

「私も頑張って来るなー」

 

そう言ってそれぞれが配置につき、俺は

 

「ライトニング、ナハト、ソースを全部障壁維持に回せ」

 

「「了解(です)」」

 

「シュテルとディアーチェは、新たに強固な障壁作るぞ、ユーリはそのまま飛行魔法維持、レヴィは魔力放出ケチるなよ」

 

それぞれ役割を確認し、来る三人の最大威力の攻撃に備える。 そして

 

「「「ブレイカー!!」」」

 

三人の最大魔法を受けた怪物は消え去り、リンカーコアは宇宙空間に転送、見事殲滅することができたようだ。 障壁だが、三人の最大魔法を受け一枚目にひびが入っていた

 




前書きでも言いましたが今回でA's編は最終回です。 後はエピローグにて

それでは感想評価お待ちしてます


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第二十話 エピローグ

さて、今回でA's編はこれにて終わり

本編どうぞ


どうも紅魔狸男です。 あの闇の書事件から数か月、学年も上がり、俺たちは小学四年生になっています。 まぁ、俺の場合はどうなんだ、というツッコミが入りそうですが、無視します。 あの後事後処理で、数週間アースラで軟禁されました。 紫天の書、マテリアルやユーリ、はやてたちのこと。 いろいろなことをクロノに聞かれましたが、いつもの通り、うまいことだまくらかして、お咎めなしにまで持って行きました。 ユーリやマテリアルたちに関しては、俺が保護観察、という立場になり一緒に住んでいます。育ての親も、俺を一目見て、すぐにまた旅行に行ったので、まぁ問題ありません。 マテリアルたちの修復が済んでから、なのはたちに紹介したんですが、そこでもひと悶着あったのですが、思い出したくもないので、割愛させてもらいます。 ナハトですが、やけにあっさり危険性がない、と判断され俺の手にあります。 正直言って腑に落ちないですが、まぁそういうことなら有難く、そんな感じで。 リインフォースについては、防衛や防御プログラムが戻り、ユニゾン機能も少し問題があるようですが、今は普通に暮らしてます。 まぁ、リインフォース自体は、新たなユニゾンデバイスを作ろう、と画策しているみたいなので、八神家にももう一人家族が増えるかも?近況としてはこんなところでしょうか

 

「さてこんなところか?」

 

俺は手紙の内容を見直し、封をする。 消印などはないが、どうせテレポートで送るのだ、問題なかろう

 

「テレポート」

 

アクアのせいでまた忙しくなり、この頃連絡が取れないエリス様に手紙を送ろう、と考えたのが今日の朝。 だいぶ時間は食ってしまったが、この時間ならまだ朝飯は間に合う。 そう考えて、居間に降りると

 

「おはようございます、クレナイさん!」

 

「おっはよーう!」

 

「だからお前らは、おはようレヴィ、ユーリ」

 

今の扉を開けるといきなり抱き着かれる、もうこのところの習慣なので、何も言う気が起きないが。 そんな俺の内心は知らず、抱き着いて気持ちよさそうに顔をうずめるユーリ、レヴィは抱き着いたので満足なのか、すぐに離れるのだが

 

「おはようございます、クレナイ」

 

「シュテルもおはよう、美味そうだな」

 

「そう言っていただけて何よりです」

 

感情表現は薄いが、少し嬉しそうなシュテル。 この家に来てからというもの、彼女は家事を率先してやってくれるから、大助かりなのだ

 

「少し遅かったな」

 

「ディアーチェもおはよう」

 

「うむ」

 

いつの間にか離れて席に着くユーリ、各々席に着いたのを確認し

 

「いただきます」

 

「「「「いただきます」」」」

 

みんなで手を合わせて、ご飯を食べる、これがこの頃の日課だ

 

「そう言えばシュテル、昼の分は?」

 

「あ、うっかりしていました......」

 

「いやいいさ、俺が作るから」

 

「では私もお手伝いを」

 

「頼む」

 

「なーんかさ、そんな会話してると二人さ、夫婦みたいな会話してるよねー」

 

レヴィが余計なことを言い、場の空気が凍る。 主に、ディアーチェ周りの空気が死んだ。 吹き出しそうになったのを、こらえた俺は、急いでご飯をかきこみ、テーブルから離れる。 シュテルを見てみると、少し顔が赤いが、それ以上に汗が半端なかった。 まぁ、あの空気じゃな。 ユーリは......すこし行儀が悪いが、魄翼でお椀などを持ち、テレビの前にある、テーブルに移動していた。 ふむ、レヴィに味方はいないようだ、南無

 

「レヴィ、何か言ったか?」

 

「あっ......」

 

気が付いた時には遅し、テールには誰もおらず、残っているのはディアーチェとレヴィだけ。 もう一度、南無。 これも我が紅家の朝の風景だ

 

------------------------------

 

「おーい、マリオくーん、こっちだー」

 

「うわー、もう出来上がってるよ」

 

「少し遅くなってしまいましたからね、仕方ありません」

 

四月、ということもあり、高町家、テスタロッサ家、八神家+アリサ、すずか、忍さんとハラオウン家合同、花見に呼ばれていたので来たのだが、もう大人組はすでに出来上がっていた。 俺たちも遅れてきた、と言っても十分やそこらなのだが、早すぎやしないだろうか?

 

「遅いわよ! 私たちを待たせるなんて、いい度胸ね!」

 

「悪かったって、お詫びに軽食とデザート作ってきた」

 

「うわー!おいしそう!」

 

「やはり私の目に狂いはなかったわ!マリオ君、なのはのお嫁さんにならない!!」

 

「俺が嫁入りですか? ふつう逆でしょうに」

 

「はーいお母さんは、あっちで飲もうねー」

 

「美由紀!放しなさい、大体あなたが男っ気の一つもないから」

 

「私関係ないよ!?」

 

仲良く言い合っているので、あっちは問題ないだろう。 それにしても、お菓子出した瞬間来るとは、いきなりすぎてビビったぞ、みんなも動き止まってるし。 そんな中、やけに赤い顔をしたなのはが、俺の目の前に来て、爆弾発言をする

 

「私、マー君なら、いいよ?」

 

少し待とう、君も酒に酔ってるんじゃないか? ほら顔赤いし、微妙に瞳うるんでるし、やっぱ酒に酔ってんだよー、そう思いたい。 そんな微妙な空気の中、意外にも、一番に再起動を果たしたのは、フェイトだった

 

「あ、アリシア、私どうしたら!?」

 

「私だって聞きたいよ!? お母さん!」

 

「アリシア、フェイト、よく聞きなさい」

 

ホントどっから来た、アンタは!ツッコミたい、ツッコミたいが、今のこの空気、うかつに発言できないから、口を閉じるしかない。 プレシアさんは、ワインを片手に、とんでもないことを言い放つ

 

「私は別にクレナイ君なら、アリシアとフェイトを任せられるわ」

 

「で、でも」

 

「大丈夫だよフェイト」

 

「そうよ大丈夫よフェイト」

 

何故かいい笑顔をするアリシアとプレシアさん、その様子に俺は、猛烈に嫌な予感が高まっていく

 

「「こう考えればいいのよフェイト、私たちは本籍はミッドチルダに作ってるんだもの、こっちの法律は当てはまらないわ」」

 

「・・・・・・」

 

感動した、みたいな表情してるけど、その理屈はおかしいからな。 しかもあたかもミッドは重婚OKみたいに言ってるけど、そんなことないよな? 

 

「はいはいプレシア、引っ掻きまわさないでくださいねー」

 

そういいながら、してやったりみたいな顔やめろ!この事態ついでに収集してけ!

 

「く、クレナイ!」

 

「クー!」

 

あー抱き着いてくるなアリシア、それと妙に覚悟を決めた顔で、見ないでくれフェイト

 

「よ、よろしくお願いしましゅ!あぅ、噛んだ......」

 

「よろしくね、クー!」

 

あー、いい笑顔ですねアリシアさん、でもね、フェイトの方にフォロー入れないと

 

「大丈夫かフェイト?」

 

「噛んじゃった、勇気出したのに......」

 

泣きそうに俯くフェイトだが、ねぇ

 

「大丈夫だよ、ちゃんと気持ちは伝わったからさ、だから、大丈夫だ」

 

「クレナイ!」

 

抱き着いてくるフェイトだが、ここで抱きしめ返したら、後ろでしょうがないなぁ、みたいな雰囲気出してる二人から殺されるのでやらない

 

「なら、私もまー君のお嫁さん候補、立候補や!」

 

「あ、主!?」

 

「リインフォース、好きにさせとけ」

 

「あぁ、関わるとろくなことがない」

 

「そうねぇ、最初の頃が懐かしいわね」

 

「あぁ......」

 

妙に懐かしがってる守護騎士ぃ!!どうにかしろ!リインフォースに目を向けるが、さっと逸らされる。 くっそぉ!?

 

「なら私も!」

 

「ふっ、ユーリ私たちはその必要はありません」

 

「そうだねぇ、僕たちなんて一緒に住んでるし」

 

「そ、そうさな。 それにこの身は、主殿に奉げた身、く、悔しくなんてないぞ!」

 

瞬間、空気が固まる。ちょっと、大人組はなんで避難してるんですか? 止めてくださいよ? おかしいでしょこれ

 

「紅?」

 

「コウ君」

 

万力のように両肩を掴まれ、後ろを向くと、やばい連中がいた。 てか腰も痛いなー、アリシアさん? 折れちゃいますよ? それどころか中身出ちゃうかも? フェイトなんか、この空気受けて震えてるし。 フェイトだけは、純真なままなんだな

 

「マー君、少しO☆HA☆NA☆SI☆しようか?」

 

「わかった、わかったからデバイスを下ろそう、話し合えばわかるから」

 

「うん!」

 

音符付きそうな感じで言うな!目が笑ってないくせに!デバイスだって下ろしてないし、はなから話聞く気ないだろ! ずるずる引きずられる俺に、リニスさんは、申し訳なさそうにドナドナを流すのだった

 

------------------------------

 

「酷い目にあった......」

 

結局誤解は解けたのだが、その前に砲撃喰らわせられたり、泣かれたりと本当に散々だった

 

「にゃはは......ごめんね、マー君」

 

「もう慣れたよ、お前の勘違いには」

 

俺も甘いのか、うつむいて元気のなく謝るなのはに、苦笑しながら、頭を撫でてやる

 

「でもさ、本当に一年色々あったよな」

 

「うん? うん、そうだね」

 

なのはも、この一年にあったことを思い出しているのか、空を見上げた。 しばらく無言だったが、なのはが口を開いた

 

「全部マー君のおかげかな」

 

「俺の? なんでさ」

 

「だって、マー君と出会ってから、毎日が楽しいもん」

 

「楽しいねぇ......」

 

「うん、辛いこともあったけど、マー君いつもそばにいてくれたもん、だからマー君のおかげ!」

 

「座ってるんだから、いきなり抱き着いてくんなよ」

 

そんな行動にも、苦笑して許してしまうのだから、俺も本当に甘い

 

「クレナイ、私にもなでなでを要求します」

 

「お前はどっからわいた」

 

いきなり、なのはとは反対側に軽い衝撃を感じたと思ったら、シュテルがなのはと同じように抱き着いてきていた

 

「そんなことはどうでもいいですから、プリーズミー」

 

「はいはい」

 

シュテルを撫でると、気持ちよさそうに目を細める。 こいつもあれだな、猫だな。 そんなことを考えていると

 

「あー!なのはとシュテルばっかりずるい!」

 

などと騒がしくなる、それに苦笑しながら、俺は騒ぎの鎮静を計るのだった

 




さて! これにてA's編完結です! それで今後にかかわる重要なことなのですが、詳しくは活動報告を見てください

それでは感想評価お待ちしてます!


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StS編
第一話


はい、そんなわけで、皆様の続きが見たい、という声にお応えしてStS第一話です。 作者は空白期? 何それおいしいの? 状態なのでStSの開始になります。 まぁ次の作品や、リメイクを出すんだったらワンチャン? そんなわけで最終章StS編です、皆さんもう少しお付き合いください。 この章が終わったら? 次の作品か、空白期ヒロイン達とのイチャラブ、ぐらいしか書きませんので

それでは本編どうぞ!


新暦75年四月、俺はとある建物の前に立っていた。 正式名称は長いので、機動六課、それが俺が新しく配属された部隊の名称だ。 なのだが

 

「面倒極まりないんだけど」

 

「もう、クレナイはいつもそうですね」

 

隣りのユーリはぼやいているが、本当にめんどうなのだ。 だってあの部隊長がタヌキだしなぁ、面倒ごとを被る未来しか見えない

 

「だってよー」

 

「ディアーチェもいますし、大丈夫です!・・・・・・多分」

 

「えらく心配になる言葉ありがとう。 はぁ、まぁ行きますか」

 

「はい!」

 

ディアーチェ達と会えるのが嬉しいのか、ユーリはこのところずっと笑顔だ。 それはいいが、俺はいろんな意味で気が重い。 道中、廊下で六課の局員とすれ違うが、挨拶はするが、見たことない俺がいることで、不思議なのだろう、居心地が悪い。 隣のユーリは気にならないのか、はたまた嬉しさで気にしていないのか、足取りは軽やかだった。 そんな居心地の悪さを感じながら廊下を歩くこと数分、ようやく部隊長のいる部屋まで来た

 

「失礼します」

 

「失礼します」

 

ユーリと共に中に入ると、中にいたのは、毛先は黒だが銀髪で、鋭い目が特徴のディアーチェだった

 

「む? おお!久しぶりだな、ユーリ、そして主殿!」

 

「主殿やめーや、久しぶりだなディアーチェ」

 

「ディアーチェ!」

 

「まったく、いきなり抱き着くのではないぞ、ユーリ」

 

そう言いながらも、嬉しそうなディアーチェに特に何も言わず、ユーリの好きにさせてたのだが、いつまでたってもやめそうにないので、こっちから切り出す

 

「あー、お楽しみ中のところ悪いが、タヌキは?」

 

「お楽しみ中ではないわ! タヌキなら式の方に......とそうであった、行くぞクレナイ」

 

「いきなりなんだ?」

 

「ディアーチェ?」

 

「ぬしらも式に呼ばれておるのだ。 まぁ、この時間では紹介の方は、飛ばされただろうけどな」

 

くっくっく、と笑っているが、お前のせいだぞディアーチェ。 あえてツッコミ入れないが。 ディアーチェの案内の元、広いスペースに出ると、そこには六課の、たぶん全員と料理があった。 まぁ多分、今日から稼働日、ということでそのパーティーだろうが

 

「エリオ、キャロ」

 

「「マリオさん!!」」

 

眉がぴくッと動いたが、これは仕方のないことだろう、今だに下の名前は嫌いなのだ。 まぁ、弟や妹みたいな存在なので、特別に、特別に許しているが

 

「久しぶりだな、エリオ、キャロ。 元気そうで何よりだ」

 

「はい! マリオさんもお元気そうで何よりです!」

 

「マリオさんやユーリさんがここにいるってことは」

 

「まぁ、そういうことだ。 よろしくな」

 

「「はい!!」」

 

うむ、本当にうれしそうだな、これで、俺のことを名前呼びじゃなければ、素直に喜べたのだが

 

「眉がぴくぴく動いてますよ、クレナイ」

 

「言われなくてもわかってる」

 

エリオたちの頭を撫でながら、ユーリに小声で返事をする。 まぁうん、いいんだこいつら笑顔だし、うん

 

「えっと......」

 

「あの?」

 

エリオたちと一緒にいたらしく、走ってきたから、ついてきたのだろうが、突然の状況に、目を白黒させていた

 

「ん? あぁ、クイントさんの娘さんとティーダの妹さんか」

 

「兄さんを知ってるんですか!?」

 

「お母さん知ってるんですか!?」

 

「あ、あぁ......」

 

何故か迫ってきたので後ずさりをする。 俺の仕事の都合上、いろんなとこ渡り歩いてるからな、知り合いが多いのだ

 

「ティーダは飲み仲間で、クイントさんはまぁ色々あったし、ゲンヤさんにはこき使われたしな」

 

「「はぁ......」」

 

自分の知らないところでの知り合いに、驚いたようだが、納得したらしく下がってくれる

 

「さて、エリオ、キャロ久しぶりに手合わせしよう、外にどうせ演習場とかあるんだろ?」

 

「まぁ我は構わぬが」

 

「皆さんが怒りますよ?」

 

「どうせしばらく会ってなかったんだ、怒られるに決まってる。 だからバレないうちに」

 

「バレないうちに、どこへ行くんや?」

 

うん、どうやらバレていたようだ。 こうなると俺は観念するしかないわけで、俺はエリオに小声で話しかける

 

「エリオ」

 

「は、はい」

 

「いいか、今から見せるのは、ダメな大人の見本だ。 お前は真似せず、反面教師にして生きろ」

 

そう言って意を決して後ろを向くと、色々とやばかった。 魔王とか小さい金色の死神とか、地球の方は、気軽に行けないなんて理由もあるから、クロノにくっついて向こうに行ったりもしてるけど

 

「よ!まぁ、色々言いたいことはあるとは思うが、ただいま」

 

「・・・・・・むぅ、主にそう言われては、私たちは何も言えません」

 

「そうだね、シュテるん。 お帰り、くれない」

 

よしまずは二人、怒りを鎮められたぞ。 もともとレヴィに関しては、怒ってなかっただろうけど。 問題は魔王様とタヌキだぞぉ! テスタロッサ姉妹の対処法はわかるから大丈夫、とりあえずそっちから先に!

 

「フェイト、心配かけて悪かったな、アリシアも。 ちょっといろいろ忙しくてな」

 

「み、みんなの前で、恥ずかしいよ......はぅ」

 

「む~、そんなんじゃ騙されないよ~」

 

どうやら沈静化できたみたいだ、それにしても相変わらず、フェイトはこの空間の癒しだ

 

「それでなのは様、はやて様、何をそんなに怒っているのでしょうか?」

 

「わかるはずだよね?」

 

「それに今回、遅れたしなぁ?」

 

「あ、それはディアーチェのせい」

 

「下僕貴様ぁぁぁぁぁ!?」

 

時には必要な犠牲がある、冗談はさて置き、本当のことだし

 

「ディアーチェ、ちょっとこっちでお話や」

 

「主殿! 主殿ぉ!?」

 

「あー、シュテル、レヴィ、心配はないと思うけど、一応ディアーチェの方に」

 

「りょうかーい」

 

「かしこまりました」

 

残るはなのはだけ、なのだがコイツが一番手強い、なので、絡めて等はなしで本当のことを言う

 

「あー、その悪かったよ。 本当に、ここのところ忙しかったんだ、時には眠らないこととかあったからな」

 

「・・・・・・私には無茶するなって言うくせに」

 

「お前の場合は、無茶しすぎるからだよ。 俺は、本当にダメそうならセーブするし」

 

怒気がだんだんなくなってきたので、俺はなのはの頭を撫でる。 昔と変わらず、いい撫で心地だ

 

「本当に悪かったな」

 

「ううん、こうやって無事に戻ってきてくれるもん」

 

そう言ってなのはは、俺の胸に顔をうずめる。 忘れているようだが、ここは六課のパーティー会場で、まだ大多数の人間がここにいるわけだが

 

「いいなぁ、なのは」

 

「私も抱きついちゃお!」

 

「わ、私も!」

 

こういう風になるわけで、ただのゲス男じゃん俺。 視線が突き刺さるよ、まぁ慣れたもんだけどな、慣れたくなかったけど

 

「おほん、おほん!」

 

「どうしたはやて」

 

「そういうのええから、ついてきて」

 

さりげなく、抱き着いてきていた全員をはがし、はやてが中央のステージになっているところに、俺を先導する。 そして

 

「あー、あー、マイクテス、マイクテス。 大丈夫みたいやな。 さて、みんなも気になってると思うけど、この人の紹介するで!」

 

そう言って指さされる俺、まぁ今日から配属だしな

 

「私の婚約者で、紅魔狸男さん、みんなよろしくな」

 

場の空気が凍った。 何を言ってくれるんですかね、このタヌキは! とりあえず、諸悪の根源はひっぱたき、離れさせ、改めて自己紹介をする

 

「あー、さっきのは、冗談とでも思っていてくれ。 紅魔狸男三等陸佐だ、まぁこっちよりも、便利屋って言った方が分かりやすいか? とりあえず階級なんか気にしなくていい、あと魔狸男って呼ぶな、以上だ」

 

さっきとは別の意味で静かになる。 多分便利屋っていうのに反応したんだろう。 便利屋とは読んで字のごとくだ、おもに人手不足の陸でこき使われるのだ

 

 




おもにフリーでも、一応管理局に属してるんだから、便利屋という形にしました。 各種免許はもちろんもています。 ちなみに、原作だと、空白期に死んでいる、クイント、メガーヌ、ゼスト、ティーダは生きています。 ご都合主義ここに極まれり

そんなわけで、感想評価お待ちしてます


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第二話

やっぱSnow Rainは名曲だと思うんですよ、今更だけど

あー2ndA's見てぇ、映画は見たけどBD買ってなかったよ

本編どうぞ!


「あ、あの、マリオさん!」

 

「エリオどうした?」

 

微妙な空気のまま、壇上から降りてきたわけだが、エリオに声を掛けられる

 

「手合わせなんですけど」

 

「あー、やってもいいぞ、久しぶりだし、エリオがどのくらい成長してるのか、見たいしな」

 

これは本音なのだが、一向にエリオの顔が晴れない

 

「どうした?」

 

「えっと、マリオさんからもらったデバイスなんですが、今六課の方に預けてしまっていて」

 

「あー、そういうことか。 なら勝手は違うが、ライトニング使うか?」

 

「いいんですか!?」

 

途端にエリオの顔が輝いた。 そ、そんなにライトニングを使いたかったのだろうか? そうなると、エリオにストラーダを渡したのは、失敗だったのだろうか。 少し心配になってきたぞー

 

「あ、あぁ......もしかしてストラーダ、気に入らなかったか?」

 

「そう言うわけじゃないんですけど、一回使ってみたかったんです!」

 

「そ、そうか。 それならよかった。 それじゃあ、演習場まで案内してくれ」

 

「はい!」

 

なんか外野から親ばか、なんて聞こえたが無視だ無視

 

------------------------------

 

「まぁ、フォワード人はわかる。 なんでお前らまでいんだよ、特にそこのバトルジャンキー」

 

「にゃはは」

 

まったく悪気なく笑っているなのははこの際無視だ、その他、守護騎士や紫天関係、てか全員だな

 

「む、居ては悪いのか?」

 

「悪い、かなり悪い。 なんでかって言うと、お前がこういう場で、手を出さなかったことが、まずないからな」

 

言い切るが、これには理由があり、過去にこういうことが、何回もあったのだ

 

「大丈夫やまー君、私が責任もって抑えるから、な、シグナム」

 

「は、はい!」

 

怯えながら返事をするシグナム、あの分なら大丈夫そうだな

 

「ほれエリオ」

 

ライトニングを投げて渡し、俺はナハトをセットアップする

 

「ナハト、セットアップ」

 

「セットアップ」

 

「騎士甲冑だけ、っていうのもかなり久しぶりだな」

 

「はい、マスター」

 

エリオの方を見ると、バリアジャケットなのだが

 

「その小ささ懐かしいな、でも、エリオに黒一色はないだろ、ライトニング、少し変更しろよ」

 

「了解、こんな感じでしょうか?」

 

今までは真っ黒だったバリアジャケットだが、全体的に白くなり、どちらかと言えば、フェイトのバリアジャケットのイメージに近くなる

 

「どうだエリオ?」

 

「はい!」

 

すごく気に入ったようだ、さて準備は出来たようだし

 

「それじゃあ始めるぞエリオ、いつもと勝手は違うからな、無理だけはするなよ」

 

「はい、お願いします!」

 

うむ、本当に構えが様になっている。 色眼鏡はなしにして、本当にそう思う。 言った通り、ちゃんと続けていたようだ

 

「っ!」

 

まっすぐ踏み込んできて、突き。 単純な動作だが、欠かさずやってきたエリオのそれは、普通の奴だったら避けられないだろう、普通の奴ならな

 

「いい踏み込みだ」

 

それを俺は人差し指と中指で掴み、止める。 エリオは驚いたようだが、すぐさま距離を取り、連続で突きを放つ

 

「突きの速度、密度も前とは段違いだ、欠かさずにやってきてるみたいだな」

 

「貴方に、勝ちたいですから!!」

 

大きく距離を取り、再度神速の突撃、本当に早いな。 だが

 

「ん? あぁ、そうか。 戦術面も考えてきたのか」

 

「!」

 

ナハトで槍をはじきながら、冷静に分析する。 エリオの魔力変換は、フェイトと同じ電気、今はライトニングに自分の魔力を流しているのだろう

 

「それやるのは良いけど、ストラーダでやるなよ? まだうまくないんだろ変換?」

 

「悔しいですけど、はい、今はライトニングに調整してもらってます」

 

「そいつ結構無理効くからなぁ。 まぁ自分で調整できるようになったら、ストラーダで最高スピード更新できるかもな」

 

「精進あるのみ、ですね!」

 

神速の突撃からの、連続突き、ホント多彩になったもんだ。 しかも攻撃も単調ではなく、緩急付けてる。 吸収早くて、涙目だわ。 まだ負けるつもりはないけど。 そんな風に暫く手合わせをして

 

「ここまで」

 

「ありがとうございました!」

 

俺が合図すると、頭を下げて終わりにするエリオ。 額には大粒の汗が

 

「うんうん、俺は嬉しいぞエリオ。 かなり成長したな」

 

「はい!」

 

頭を撫でるとかなり嬉しそうなエリオ、うむ、本当によく成長した。 なのはを見ると、メニュー考え直さないと、なんて言ってるし、まぁなのはなら大丈夫だろう、シュテルならスパルタ確定なのだが

 

「えっと、エリオいつの間にこんな......」

 

フェイトも近寄って驚いているが

 

「こんなも何も、俺がちょこちょこ遊びに行ってた時に、仕込んだに決まってるだろ?」

 

「えぇ!? じゃあ、エリオとキャロがお互いの顔を知ってたのも?」

 

「俺が秘密裏に連れ出して、合わせた」

 

そう悪びれもせずに言うと、なんかフェイトが膨れていた

 

「なんだよ」

 

「ぷひゅー、じゃなくて!私に一言言ってくれても」

 

膨れていたので、苦笑しながら頬をつつくと、空気の抜ける面白い音がした

 

「だってお前忙しいじゃん、それに俺、大体思い立った日に行ってるから、予定あうわけない」

 

「それはそうだけど、むー」

 

「まぁ、今度埋め合わせするからな?」

 

そう言って頭を撫でると

 

「・・・・・・じゃあ、エリオとキャロ連れて、私とどっかに行ってくれたら許す」

 

「了解」

 

苦笑して約束する。 まぁ、他の奴らとも、何かしらしないといけない羽目になったがな

 

「さてマー君、次は私とだよ」

 

「はい?」

 

何を言ってるんですかね、この白い悪魔は。 はやてを見ると、ペコちゃんみたいな顔で、親指立ててやがる。 へし折ってやろうか、その親指

 

「フォワードのみんなの、いい刺激になるかなって」

 

「いい刺激も何も、毒にしかならないと思う」

 

すでにバリアジャケットを着ているため、なにを言っても無駄だとは思うが、一応抵抗しておく

 

「はやてちゃんも許可出してるから」

 

「はぁ、ライトニング、ナハト、セットアップ」

 

「「セットアップ」」

 

セットアップして、一応発案者であるはやてに、ルールを確認する

 

「んで、リミッターはもちろん解除していいんだよな?」

 

「そんなん駄目に決まってるやろ? 解除してもBや」

 

「ちょっと待てコイツAAだろ! それに勝てと!?」

 

「勝てるやろ?」

 

笑顔で言うはやて、くっそ、あの顔は本気だ。 どうしてこうなった!

 

「・・・・・・ユーリは」

 

「せやなぁ、許可する。 ただし飛行魔法の制御だけ、エグザミアはなしや!」

 

「紫天の書」

 

「まぁ許可する」

 

渋々だが許可された、これで許可されなかったら、色々と言いたいところだったが。 そして、久しぶりに本気でやらなければいけないようだ

 

「はやてちゃん私は?」

 

「ん?リミット以外なら何してもええで?」

 

「ブラスターモードも?」

 

「勿論!」

 

「死ぬわ!」

 

なのはが笑顔で聞いてる時点で、使う気満々で、あのタヌキもノリノリで許可出しやがった

 

「くっそ、恨みでもあんのか」

 

「「うん!」」

 

「いい笑顔だな、心当たりがありすぎるよ......」

 

いい加減泣きたくなってきたが、自業自得か。 俺今日が命日かな

 

「はぁ、ユーリ付き合ってもらって悪いな」

 

「大丈夫です! クレナイは勝ちます!」

 

「ありがとな。 ユーリ」

 

「はい!」

 

「「ユニゾン、イン!」」

 

ユーリに励まされて、少しは気が楽になった。 まぁいざとなったら、アレだしますかね

 

『ライトニング、一応アレの準備をしといてくれ』

 

『了解ですマスター』

 

出来ればあれは使いたくないが、そうも言ってられないだろうし、ユーリもいるのだ、負けるわけにはいかない。 フィールドが選択されたようで、廃墟だった。 とりあえず、中央まで行き、合図を待つ

 

「それじゃあ、フォワードのみんなは、よく見ておくんやで? 管理局最強と名高い高町なのはと、それよりも強い紅魔狸男の模擬戦を......スタートや!」

 

戦いの火ぶたは、切って落とされた!

 




あれー、おっかしいなぁ。 ここの話も一話で終わるはずが、二分割に。 次回はなのはと模擬戦です! 模擬戦と言えるのかはさて置き

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第三話

昨日はさぼっちまったっZE☆ 冗談はさて置き 本編どうぞ!



「さて、まずは様子見したいが、させてくれないよなぁ......」

 

「勿論だよ、マー君」

 

本当に楽しそうに言ってますが、俺の気分は真逆です。 カートリッジを二回ロードし、シューターを出すなのは。 数は20くらいか? あっちが様子見みたいですね

 

「行くよ!アクセルシューター!」

 

「いやだ!」

 

男らしくない? 知らんな、どちらにしろ、俺の意思とは関係なく、桜色の誘導弾が襲ってくる。 正面、左右、死角からの攻撃。 だがまぁ

 

「甘いこと」

 

死角の攻撃は魄翼で弾き返し、それ以外は刀で切る

 

「うーん、やっぱり、このくらいじゃ落ちないよね」

 

さらにカートリッジをロードし、展開されるシューターの数は、倍以上。 レイジングハートを見てみると、エクシードモードだった

 

「・・・・・・本気か」

 

「うん、今度こそ勝たせてもらうよ」

 

レイジングハートを構えるなのは、目は本気で、俺も真面目に相手をしないといけないようだ、恨むぞはやて

 

「紫天の書。 行くぞ、ライトニング、ナハト」

 

「了解」

 

「了解です、リンクスタート」

 

「ナハト」

 

「セット」

 

魔力が、リミッターの関係上低いなら、やりくりするしかない。 ないのだが

 

「ディバインバスター!!」

 

俺の行動を見たなのはは、カートリッジロードを行い、ノーチャージでディバインバスターを速射する、エクシードモードで撃たれたそれは、通常のそれとは、格段に違う威力を持っている、もちろん、そんなものは回避するが、アクセルシューターが迫る

 

「そんなもん」

 

対して俺がとるのは、居合の構え。 一瞬で、迫ってきていたアクセルシューターの半数を斬る。 斬ったのはいいが、アクセルシューターに細工していたらしく、煙が発生し、視界が悪くなるが

 

「ナハト」

 

「ファイア」

 

ナハトでチャージしていた、直射砲で払うのだが、なのはの姿が見当たらない、気配でわかるけどな。 後ろを向いて、障壁展開。 だが、なのはの勢いに押され、そのまま障壁ごと移動する。 というかやばい、この攻撃だと思ってなかったから、障壁軽くしか張ってない

 

「これで!」

 

「俺が策もなく、障壁張るか!」

 

多重障壁、だが、そんなもので、なのはのエクシードモードでのA.C.S.を防げるはずはないのだが、一瞬のおかげで、強固な障壁を完成させる。 ほとんど魔力使ったけどな!

 

「関係、ない!レイジングハート!!」

 

「カートリッジロード」

 

マガジンに入っていたカートリッジを、すべて使い切り、俺の障壁に穴をあけようとする

 

「んぐっ!」

 

やはり魔力量では上、しかもごり押し、負けるのは当然で、障壁に少し、A.C.S.が貫通する

 

「これで!!」

 

ナハトのリチャージしたものでは、相殺することも出来ない。 ならば、こうする

 

「まぁ、魔力量的には仕方ない。 でもな!」

 

「そんなのじゃ!」

 

新たな魔法陣が現れ、なのはは障壁と思ったようだが、これは違う

 

「っ!? 爆発しない、まさか! やられた」

 

「そのまさかだ! まぁ、すべては吸収できないしな、こっちはお前に返すぜ! ナハト!」

 

「ファイア」

 

防げないなら、吸収してしまえばいい。 そんな短絡的な発想により、出来たこの魔法。 相手の魔力を吸収し、自分の魔力を回復させる。 これでも結構な制約はあるし、能力も限定的にしたからこそ、低コストな魔力で発動できる。 その得た魔力をもとに、吸収の魔法陣を消し、反射、つまりなのはの魔法をなのはに返して、そこにナハトのダメ押しをしたのだが

 

「・・・・・・」

 

笑顔で防ぎきる魔王様が。 まぁA.C.S.だし、わかってはいたけどさ、吸収したと言っても、結構な威力よ? それをノーダメとか

 

「ドンだけかてーんだよ......」

 

「これでも、まだマー君には届かないよ」

 

細かなひびが入り、割れる障壁。 ダメージ入ってたのか、よかった。 それと俺に届かない、と言ったが、届いたら今頃俺はお星さまだ。 なのはの模擬戦から始まり、フェイト、はやて、守護騎士......やるしかなかったから強くなったんだよ!その筆頭が何を言ってるのやら

 

「それにしても、死角から結構な数のアクセルシューター放ったのに、魄翼で防ぎきってるし.......」

 

「直撃したら、模擬戦とはいえ、怪我するエグイ位置だったんだが?」

 

「マー君だって、よくやってきたよ?」

 

「俺はあそこまでエグイこと、お前達にはしてない。 それと、俺がそうなったのは、恭也さんのせいだぞ」

 

「わかってるけど、納得できない」

 

そんな苦虫を噛み潰したような顔されても。 あ、翠屋のケーキ食いたくなってきた、今度行こう。 

 

「それにブラスタービットの砲撃も」

 

「えぐすぎだよ、そっちは、ナハトいたから何とかなったようなもんだし」

 

チャージを繰り返し、ビットからの攻撃を捌いてはいたが、限度もあるし

 

「でも、これで決めさせてもらうよ」

 

「なにを......って、レストリクトロックか。 また懐かしいもんを、だから話していたわけか、マガジン二個分ロードしながら」

 

「そういうこと、マー君逃げようと思えば逃げられたのに、なんで?」

 

純粋な疑問のようで、首を傾げている。 俺はそんな状況じゃないので、バインドを解除しようと、必死にあがいているが、その上から、チェーンバインドで縛られる。 ぐるぐる巻きに

 

『これ解除は?』

 

『『あれを撃たれる前に、解除は不可能です』』

 

割と絶望的なんですが、この状況。 ただまぁ、なのはの疑問に答えるとしよう

 

「まぁ、なのはのことだから、こうなるのはわかってたけど、どうせまだエクシードモードで試してないんだろ?」

 

「うん、流石にマー君のいないところで、これを撃ったら、大変なことになるしね」

 

これとは、そう!なのはの代名詞でもある、スターライトブレイカーのことである。 しかも今回はビッド付きで、エクシードモードでは初めてなのだ。 毎度毎度、最初のスターライトブレイカーを喰らってたせいで、慣れつつある自分が怖い。最初に出来たときは怖かった、次なんかカートリッジロードしてやりやがったし。 そして回を重ねて、今回はこれだ。 エクシードモードwithブラスタービッドでの最初のスターライトブレイカーだ。 信頼してくれるのは嬉しいが

 

「今回、リミッターかけられてるわけだが」

 

「うん、だから私の勝利だね!スターライト......ブレイカー!!」

 

ついに撃ってきやがったよ、わかってたけど、ランクB程度で全力で張った障壁なんて紙同然で、吸収魔法出したけど、膨大すぎて俺じゃあ処理しきれない。 まぁ、そっちはユーリに渡してるし、俺自身の魔力が、少しでも回復すればいい。

 

『ユーリ、魄翼は、俺がバインドを破壊したら、すぐに俺を覆ってくれ』

 

『ビッドからの攻撃はどうするんですか?』

 

『あれを使う』

 

『了解です!』

 

『ライトニング』

 

『了解、バインドを破壊します』

 

そして俺の視界は黒く包まれ、暫くすると空の青が目に入った。 あぁ、生きてるって素晴らしい。 馬鹿な思いはどぶに捨て、目の前に視線を戻す。 うむ、驚いているところ悪いが、俺の勝ちだ

 

「なに、それ」

 

多分、俺の後ろを飛んでいる物のことを言ってるんだろうが

 

「あぁ、これ? 管理局の変態部門が作った作品でな、名前をフォートレス。 とりあえず、詳しい説明は後で、盾ってことを覚えて貰えればいいかな? それとな」

 

一瞬でなのはまで距離を詰め、なのはの頭に触れる

 

「大技終わって、毎回お前は油断しすぎな?スリープバインド」

 

「あっ.......あぅ」

 

気が付いた時にはバインドされており、なのはは一瞬で眠ってしまう。 その際に、飛行魔法も解けてしまうわけで、俺は、なのはをお姫様抱っこしながら、はやてたちのところに降りるのだった

 




なのはの魔王化が進む今日この頃、書いているのは俺なのですが。 まぁ、主人公にデレデレなので、よしとしてください、後時々ヤンデレっぽくなるのも。フォートレス出したのは、完全な趣味です。Forceは書かないからな、それで出したわけだし

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第四話

昔はフェイはや派だったのですが、いつの間にか、なのはも可愛いと思っていて、現在である。 つまりリリなののキャラは正義! 

本編どうぞ!


「かぁー!あそこまで制限したのに、なんで勝てるんや!」

 

「次はお前とやるかはやて? データは取れたから、チャージしたスターライトブレイカーwithブラスタービッド分の一撃食らわせるぞ、ユニゾンアウト」

 

「それは遠慮させていただきます」

 

眠っているなのはを抱きかかえながら地面に降りると、いきなりはやてに絡まれたが、流石に食らいたくないのか黙る

 

「それよりクレナイ、それは?」

 

「これは、知り合いの技術者に作ってもらいました」

 

シュテルの質問に答えたのは、ユニゾンを解除したユーリだった

 

「技術者? 誰それ?」

 

「管理局が誇る変態技術者共」

 

それを聞いたフォワード陣以外が黙り込む。 管理局が誇る変態技術者共、これがさすのは、管理局でも問題のあるものしか作らない一団のことで、そいつらと俺は知り合いだったりするのだ。 まぁ、任務で知り合ったのだが

 

「機能とかの説明は......なのはを起こしてからだな。 なのは、起きろ」

 

「ん......あれ、私? まぁいっか、こうやって、マー君にお姫様抱っこしてもらってるし」

 

「はぁ、もうそのままでもいいから、説明を聞けよ?」

 

「はーい!」

 

人の胸に顔を押し付けながら、楽しそうに返事をするなのはに毒気を抜かれ、そのまま説明に入る

 

「変態共の説明はー、とりあえず頭が逝ってる奴らとでも覚えとけ、エリオとキャロは早急に忘れろ。 まぁそこは良いとして、任務で出会ったんだが、俺がAMFに対抗するものを考えてるときに意気投合してな、こうなった」

 

そう言って、俺の後ろに浮かんでいるフォートレスを指さす。 それくらいしか、誕生のエピソードがないのだ

 

「それで誕生したのがこのフォートレス、コイツは魔力でも内蔵の電池でも動くわけなんだが、なんと言っても目玉は、各盾に内蔵された武器だ。 砲撃戦用の大型砲内蔵盾、中距離戦用支援ユニット内蔵盾、近接近用実体剣、こんなところか」

 

「装備だけでも破格なのだが......」

 

「呆れるのも無理はないが、別に俺がねだったわけじゃないし。 それにコイツは試験機、改善点なんていくらでもある」

 

「ふーん。 要はデータ取り、そういうことやろ?」

 

流石はやてだ。 伊達に部隊を立ち上げたわけではないと、そういうことだろう。 まぁあいつらが無償でやるわけないし、そこはギブアンドテイクだろ

 

「クレナイ、私たちの分は?」

 

「もちろんあるぞ、元々お前らには頼もうと思ってたしな」

 

そう言って、別の場所にあるフォートレスをシュテル、レヴィ、ディアーチェに渡す

 

「ありがたく使わせてもらいます」

 

「おぉー!これで僕も、クレナイみたいなかっこいい戦いができる!」

 

「ふむ、我には必要ないが、一応貰っておこう」

 

それぞれ態度は微妙に違えど、嬉しいらしくお礼を言われる。 まぁ、喜んでくれたなら何よりだ。 微妙に膨れている三人は放っておく。 今だにポカン、という表現が似合いそうな感じで見ているフォワード陣に向き直る

 

「さて、さっきの模擬戦はあまり参考にはならなかったと思うが、これからもなのはとシュテルの訓練、頑張ってやってくれ。 必ず将来困らなくなるしな。 なのはいい加減降りろ、訓練やらないのか?」

 

「ぶぅ、仕方ないなぁ」

 

不満そうな顔で俺の腕から地面に立つなのはだが、バリアジャケットを解除しフォワード陣の方を向いた時には、仕事の顔に戻っていた。 切り替え早いなぁ

 

「シュテル」

 

「なんでしょうか?」

 

「新人たちつぶすようなことをするなよ?」

 

「善処します」

 

本局での噂を知っているだけに心配になるが、多分大丈夫だろう、多分。 少し離れたところに移動し訓練の様子を見る、まだ基礎的な部分で、ランニングや筋力トレーニングのようだ

 

「どうだ新人たちの様子は?」

 

「ディアーチェは仕事良いのか?」

 

「補佐、だからな、最悪アインスとツヴァイがいれば問題はない」

 

「まぁあの二人はやてに激アマだけどな。 フェイトは良いのか?」

 

一応納得し横にいたフェイトに声を掛ける

 

「さっきあんなに動いたエリオが心配で......」

 

「過保護すぎ」

 

流石にこれには呆れた。 あのくらいでへばるような修行はつけてないし、しかもあれよりやって、エリオ自分で自主練とかもしてたから問題なかろう。 もちろん、オーバーワークになりそうなら止めたけど

 

「だ、だってぇ」

 

「まーまー、確かにフェイトは過保護かもしれないけど、見せれば納得するでしょ、クー」

 

「僕も気になるしねー」

 

「左様で」

 

一応、アリシアの言葉で泣いたフェイトを撫でながら、レヴィの言葉を聞き流す。 いつものことだし。 やはり体力に差がつきすぎているのか、エリオはやキャロは全く疲れていないが、スバルとティアナは倒れはしないものの、肩で息をしていた

 

「素の体力に差が付きすぎですね」

 

「あぁ、かといって基礎体力なんてすぐつくもんじゃないしな、こればっかりは積み重ねだが」

 

「追いつくまで厳しいものがあるでしょうね」

 

「なんかお前ら教導官ぽいんだけど」

 

ヴィータが呆れた表情で言ってくるが、コイツ知らないのか?

 

「俺免許持ってるぞ?」

 

「私は持ってないですけど補佐で入ったりはしますので」

 

「あぁ、忘れてた」

 

呆れた、という顔で俺を見るヴィータ。 言っておくが最初はなのはから応援があると、入ってたりしてたからな。 まぁどこでシュテルが聞き耳たててるかわからないので、言いはしないが

 

「でもスバルたちも頑張ってるよ?」

 

「阿呆か貴様は、体力に大きな差があればフォーメーションやチームプレイにも影響が出るぞ」

 

「そだねー、大きな差っていうのは危険かな。 その人ばっかりに頼る傾向もそうだけど、もし分断されたらなんてこともあるもん。 司令塔のティアナがどれだけ頑張るか、なんてこともあるけど」

 

フェイトの意見にディアーチェ、アリシアが意見する。 まぁフェイト自身もわかっているようで、特に反論は出なかったが。 今度は筋力トレーニングなのだが、スバルは必死にエリオとキャロについて行ってるが、ティアナは限界のようだ

 

「まぁこの訓練、あのくらいの歳の奴が行うものじゃないし、一般の武装隊より体力ついてるけどな」

 

「流石シュテルの訓練ですね」

 

「え?これシュテるんの訓練なの、甘くない?」

 

「たわけ、高町の意見も入っているに決まっておるだろう」

 

「シュテルの訓練て厳しいって有名だけど、そんなに厳しいの?」

 

フェイトが俺に聞いてくるわけだが

 

「厳しい、訓練なのにほぼ実践と変わらないしな。 脱落者も出るし、クレームも来るが、耐えきって訓練期間終了したやつらは、結構活躍してるって聞くな」

 

「シュテルは手加減とか嫌いですからね」

 

ユーリは苦笑してるが、その苦情全部捌いてるのは俺なのだ、少しは手加減してほしいがいいや、そしたらなんか違うしな。 どうやら休憩のようで、地面に手をついてるスターズの二人と、涼しい顔で談笑するライトニング二人。 ここまで差があるとは、びっくりだ

 

なんかなのはとシュテルが飛んでくるぞ

 

「エリオとキャロの訓練を教えてください、これでは訓練になりません」

 

「またはっきり言うな、負荷とかは?」

 

「にゃはは......今回は考える時間ないから、負荷かけながらやってもらってもらってるんだけど、ね?」

 

「流石エリオとキャロだね、僕が模擬戦でも」

 

「たわけ!二人はデバイスを持っておらぬだろうが!!」

 

バルニフィカスを持ち、バリアジャケットを展開したレヴィが突っ込んでいこうとしたところをディアーチェが急いで羽交い絞めにする

 

「差がここまでか......データ渡す。 ライトニング、レイジングハートに転送してくれ」

 

「了解」

 

「ありがとう、マー君。 じゃあこれを踏まえて夜にでもメニュー組み直そうか」

 

「そうですね、これは早急に組み直す必要がありますね」 




寝落ちしたから、朝から書いたけどこの時間に投稿とは

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第五話

今日二本目ー、話進めなければ(使命感

本編どうぞ!


あの後エリオとキャロの訓練を練り直し、毎日疲れてる新人四人が目撃されてるだとか。 訓練も順調に進んでいるようでなにより。 俺は今機動六課を離れ、部隊長であるはやてと、その補佐であるアインス、ツヴァイ、それと本局の用のあるフェイトと共に車に乗っていた

 

「俺は専属の運転手かなんか?」

 

「気にしない気にしない」

 

「ごめんねクレナイ」

 

「いや、気にすんなフェイト。 どうせどっかの誰かさんがやらない報告書チェックだけだから」

 

「誰やろうなー?」

 

「主......」

 

「はやてちゃん......」

 

リイン姉妹がはやてに白い目を向けているが、当の本人はどこ吹く風、口笛を吹きながら外を見ていた。 この二人は一番の被害者だもんなぁ、ディアーチェは自分の仕事こなして手が回ったら見たいな感じだし、俺ははやてから直接仕事回されるし、他の部署の手伝いなんかもするしで忙しいのだ。目的地に着き車を降りる御一行、どうもどっちも用事はしばらくかかるらしいので、俺は変態技術者共にこの間のデータを提出しに行った。 どうも変態共は喜んでいたが、俺には関係ない、というより関わるとろくなことがないのだ。 そんなに長居した覚えはないのだが、時計を見ると思っていたよりも時間がたっていて、車に戻るが誰もいないようだった。 しばらくするとフェイトが駆け足気味に戻って来る

 

「ごめん、待ったよね?」

 

「いや、ぜんぜん。 俺も俺でデータの提出行ってたから」

 

「はやては?」

 

「まだ」

 

立っているのもどれだけ待つかわからないので、先に車に乗り込むことにしはやてを待つ。たわいない雑談をしながら数分、どうやらはやてたちも用事が終わったらしく、車に乗り込む

 

「予定よりずっと早いな、これなら昼飯はエリオたちと食うことができそうだな」

 

「まー君てフェイトちゃんに過保護いう割には、自分もやと思うんやけど」

 

「俺の場合ちょこちょこ会ってたって言っても、ここ最近は仕事忙しすぎてほとんどあってなかったからな、その反動だろ」

 

「わ、私だってこの頃忙しかったよ?」

 

「エリオとキャロは、フェイトさんはよくきてくれましたって言ってたぞ?」

 

そう言ってバックミラーを覗くと、うって顔のフェイトがいた。 その隣に乗っているアインスは苦笑していたが

 

「でもお前たちは本当に仲が良いな」

 

「まぁ、弟妹みたいなもんだしな。 よく懐いてくれてるし」

 

「でもデバイスプレゼントはやりすぎだと思うのです」

 

「あんなもん護身用だ、二人には渡す時にむやみに使うんじゃないって言ってあるしな」

 

「やっぱ過保護や」

 

呆れた声を出すが、そんなのは知らん。 そんな時はやての方に通信が来る

 

「どうしたんや?」

 

「八神指令、貨物列車で護送中のロストロギアが、ガジェットに奪取されそうになっているとの報告が」

 

それを聞いた瞬間、車内に緊張が走る

 

「それで状況は?」

 

「さっき言った通り貨物列車が襲われているようで」

 

「貨物列車は、無人?」

 

「はい、ですが進路上に急カーブがありまして.......」

 

「ライトニングに情報送ってくれ」

 

「了解!」

 

そう言ってライトニングに送られてくる情報を見る。 どうやらチェックは入らなかったようだが、積み荷の中に不明なものがあり、レリックの可能性が高かった

 

「ディアーチェ指令代理より、スターズ及びライトニング分隊に出撃命令を出しました」

 

「人員は?」

 

「スターズは00、01、03、04。 ライトニングは01、03、04です」

 

「となると出たのは、なのは、シュテル、アリシア、新人達か」

 

「そうなると戦力的には十分やな」

 

「っ!現場より離れたところにアンノウン、解析したところ、ガジェットの大群です!」

 

「数は?」

 

「約五十機!」

 

「多いな、でもレリックの確保もあるしな」

 

「フェイトちゃん、行ってもらってええ?」

 

「了解!」

 

「なら止める」

 

車を急いで近くの駐車場に止め、フェイトを下ろす

 

「フェイトちゃんの任務はガジェットの破壊、その後もしレリックを確保できて無いようやったら、合流して封印、確保や」

 

「了解! ライトニング00、行きます!」

 

セットアップし高速で飛び去って行くフェイト

 

「綺麗だなぁ」

 

「せやねー」

 

「まぁそう思ってるのは良いけど、事後承諾だからな、報告書増えるわ」

 

「任せたでアインス!」

 

「たまには主がやってください!」

 

車に乗り込み、そのまま六課に帰ることにした。 ちなみにアインスの言葉をはやては、聞こえないふりをしていた

 

------------------------------

 

「はい、クーこれ報告書」

 

「報告書ですクレナイ」

 

「そこに置いといてくれ」

 

レリックを無事に確保したその日の夜、部隊長室は戦場とかしていた。 上えの報告書、被害の集計など、今日は寝れないかもしれないな

 

「大変そうだねー、なんか手伝う?」

 

「いや、お前ら今日出撃したし、気を遣わなくても大丈夫だぞ?」

 

今はやてとディアーチェは交代なので、少し遅い夜ご飯を食べている。さっきまではリイン姉妹、俺は最後なのだ

 

「ですが」

 

「特にシュテルは明日教導もあるだろ?」

 

「むぅ、わかりました。 それでは失礼しますねクレナイ」

 

「体壊さないでねクー、お休み」

 

部隊長室を出ていくアリシアとシュテル、するとそれまで黙っていたアインスが話しかけてきた

 

「よかったのか断って?」

 

「まぁ、いいでしょ、見えなくても戦闘の疲れはあるでしょうし、休ませないとな」

 

「まぁそれもそうだな」

 

「でも忙しいですぅ~」

 

ツヴァイが情けない声で言うが、仕方ないのだ、報告書なんてこんなもの。 一つの山が終わり、次の山に手を出す

 

「にしても遅いな」

 

「はやてちゃんたち確かに遅いですね」

 

「王がいるのだから逃げた、ということはないだろうが」

 

「すまぬ、遅くなった」

 

噂をすればなんとやら、ディアーチェが帰ってきたようだが、何故かはやては引きずられていた

 

「どうしたそれ?」

 

「そ、それ扱いは酷いで、いたた......」

 

「ふん、貴様の自業自得だ! まず部屋から出た段階で、我から逃げようとしてな、次は食堂でだな、注文して見回すと逃げようとしておったのだ、最後は食器返却の時でな、またも逃げようとしておったからな、フォートレスを飛ばし殴ったのだ」

 

「どんだけ逃げようとしてんだよ」

 

そんな短時間で三回とか、逆にディアーチェをほめてやりたいくらいだ。 それで当の本人はというと

 

「いやー、だってこの数の書類やん? やるのは構わないんけど、少しでも時間使って減らしてもらおうかなーって」

 

「だから貴様は、食べるのがいつもより遅かったのか」

 

最早呆れた様子のディアーチェ、まぁ呆れられても仕方ないけどな

 

「主、これは主の分ですので」

 

「頑張ってくださいね、はやてちゃん!」

 

はやての机にはすでに大量の報告書があるが、さらにそこに二山追加された。 いい笑顔だなぁリイン姉妹。 その怖さに何も言えないのか、はやては黙って自分の机に追加された二山を見ていた。 そして俺を見るが

 

「今の聞いて俺が力になると思ってるのか? それに俺はこの山を先に何とかしないとな」

 

そう言って自分の机を指す。 はやてほどではないが、俺の机の上も山がいくつか形成されてる。 ハッキシ言って、手伝っている時間はない。 ディアーチェを見るはやてだが、すでにディアーチェは、自分の席について仕事を始めたいた

 

「味方がいない!?」

 

「「「「自業自得だ(です)」」」」

 

その場に膝をつくはやて。 なぜかその背中が、すすけて見えたのは多分気のせいだろう

 

「はぁ......仕方ないから早く終わったら手伝ってやる、仕事始めてくれはやて」

 

顔を上げびっくりしたようだが、徐々にうれしそうな顔になるはやて。 おれもつくづく甘い、そう思いながらやっているスピードをあげることにした

 




どこまで進むかなー

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第六話

今日三本目ー

本編どうぞ!


前回の事件から数日後、鬼のような報告書の作成を終え、機動六課は通常業務へと戻っていた。 俺は何でも屋をしながら訓練を見ているわけだが

 

「やっぱあのバトルジャンキー、お灸据えようぜ?」

 

「やめてください、クレナイが本気を出したらここが壊れます」

 

「クー、エリオが心配なのはわかるけど抑えて」

 

現在俺は、アリシアとシュテルに抑えられていた。 新人勢の訓練も基礎やデバイスになれるために訓練が終わり、個人技能、スキルなどを伸ばす期間に入っているのだが、エリオの相手がシグナムなのはまだいい、だがアイツ訓練忘れて本気でやってやがる。 そんなわけでお灸をすえてやろうと一歩踏み出したのだが、何故かアリシアとシュテルに抑えられる

 

「どうしたエリオ、かかってこい!お前の憧れのクレナイはこの程度へでもないぞ!」

 

そう言ってボロボロのエリオに戦いを強要するシグナム、よしぶっ飛ばそう

 

「シュテルー? アレはどうなんだー?」

 

「やりすぎですね、離します」

 

「わわっ!? シュテル離すなら一言言ってよー!?」

 

腰にアリシアをつけたまま、一瞬でシグナムの後ろに移動し、踵落とし。 どうやらレヴァンティンで防いだようだが、そんなもの関係なく、すごいスピードで地面に落ちて行った

 

「うっわー、相変わらず容赦ない」

 

「ライトニングはいいか、ナハトセットアップ」

 

「セットアップ」

 

パイルバンカーを引き絞り、魔力砲を一気に撃ちだす。 俺の場合リミッターは任意でAAまで外すことができるので、解除してその砲撃を叩きこんだが直前でよけたようだ

 

「ちっ」

 

「す、少し待てクレナイ。 やりすぎたとは思っている、だがここまでする必要は」

 

「ないと思ってるのかコラ? エリオ今絶賛気絶中だ」

 

凄い量の汗だが気にしない、ごめんで済めば警察はいらないし、もとより許す気はない

 

「アリシアいい加減離れろ、紫天の書」

 

「ちぇ、でも巻き込まれたくないしね。 フォーチュンドロップ」

 

「リライズアップ」

 

さてアリシアも離れたことだし

 

「さて、トイレは済ませたか? 主にお祈りは? 部屋の隅でガタガタ震えて、命乞いする準備はOK? まぁ、そこら一帯更地になるから部屋に居ても意味ないけどな」

 

アリシアが離れた瞬間からセットしていた魔法を開放する

 

「ナハト」

 

「ファイア」

 

ピンク色の砲撃がシグナムに向かっていき、シグナムは呑み込まれてしまった。 結構手加減はしたが、元の力が強すぎただけにあまり意味はなかったらしい。 まぁバトルジャンキーだし、生きてるだろうということで急いでエリオのもとにより治療を開始する

 

「ヒール」

 

「なになになにー!?」

 

なのはがさっきの轟音をききつけてやってきたようだ。 事情を説明すると

 

「確かに練習相手になってほしいって言ったけど、気絶させろとは言ってないから自業自得かな」

 

自分の置いてきた生徒が心配なのだろう、なのははすぐに戻って行った

 

------------------------------

 

あの後すぐにエリオは目覚め、丸焦げのシグナムを見て驚いてはいたが、俺が謝らなくていいと言ったら、疑問に思ったようだが頷いてくれた。 そんなわけで訓練は休憩、今は昼ご飯を食べていた

 

「さっきの凄い砲撃、クレナイさんだったんですね」

 

「あんなん撃てるのなのはくらいしかいないしな」

 

「あー! そういうこと言うんだ、失礼しちゃうなー!」

 

「人に向かって撃ってくれたくせに何言ってんの?」

 

俺が真顔で聞き返すと、吹けないくせに口笛をしながら顔をそむけた。 こんなこといつものことなので、スルー

 

「ヴィータ副隊長なんか、あー、また誰かがなのはの砲撃の犠牲に。 なんて言ってたよ?」

 

「へー、そっかそっか」

 

「ちょっとスバル!?」

 

余計なこと言ったなスバル、ヴィータはご愁傷様、としか言いようがない。 まぁ、それで訓練が厳しくなるのだ、自業自得だ

 

「あの、シグナム副隊長は?」

 

「今は目が覚めて医務室で眠ってますよ」

 

「シュテルか」

 

先に医務室に行ってきたようで、料理の乗ったトレーを持ちながらこちらに近づいてきていた

 

「トラウマになっていますよ、シグナム」

 

「これで少しはバトルジャンキーが治ってくれれば万々歳だ」

 

さりげなく隣に座るシュテルになのはは一瞬目を細めたが、すぐに笑顔を浮かべる。 こわ!?

 

「くぅー!もうちょっと早く料理ができてれば、私がクーの隣だったのに!」

 

「早い者勝ちです」

 

勝ち誇った顔でアリシアを見るシュテル。 煽るのはやめろ、俺が被害被るから。 そう思い少し食べるスピードを早めたのだが、遅かったようだ。 悔しそうな顔から一転、何かを閃いたのか怪しい顔になる。 俺は現在進行形で悪寒がやばいけどな!

 

「えっと、大丈夫ですかマリオさん」

 

「大丈夫、大丈夫。 多分」

 

「こうすればいい!」

 

「あー!!」

 

「・・・・・・」

 

キャロに心配されたが、大丈夫と返した途端これだよ! 俺の膝の上に乗りやがった!やばいやばい、周りの空気が死んだ。 おい離れて行くな!最後の望みを託しフォワード陣を見たが、そこにはフォワード陣の姿はなく、食器返却に行っていた。 こういう時は魔法の言葉だ、どうにでもなーれ

 

------------------------------

 

「あー、まぁいつも通りの六課で安心したわ」

 

ディアーチェからの報告を聞きながらはやては溜息をついていた

 

「ため息つくと幸せが逃げるぞ」

 

「誰のせいやと思ってるんや!だ・れ・の!!」

 

頬を人差し指でぐりぐり指される。 午前中のシグナム撃墜、昼の食堂等、今日一日はやてがいなかったため、ディアーチェが代理をやっていたわけだが、報告を終える

 

「とりあえずあの金髪ちびはしめておくかのう」

 

「ディアーチェ目がマジだぞ」

 

「冗談に決まっておろう?」

 

だから目がマジなんだって、笑ってるけど目だけはダメだ。 はやての方を見ると笑顔で頷いてるし。 まぁなんだかんだ言って仲良いし、大丈夫だとは思うけど

 

「それで次はシグナムの件や」

 

「あれはあいつが悪い」

 

「まー君、目がマジやで?」

 

「訓練するのはいい、そこはな。 でも気絶するまでやるのはいかがなものだ?」

 

「クレナイがそれを言うんですか?」

 

意外なことにユーリから非難が飛んでくるが

 

「あれは事前に全員から許可取ってただろ?」

 

「どういうことだ?」

 

「私たちが最初のころ、訓練を受け持ってたのは知っていますよね?」

 

「うむ、便利屋の仕事ゆえだろう?」

 

「はい。 ある時に新人の受け持ちをしまして、その時に全員」

 

「気絶させたって言うわけやな」

 

ディアーチェもはやても飽きれているようだが、アレには理由があるのだ

 

「なんか一方的に悪いって言われてるから弁解するけど、さっきも言った通り事前に全員に聞いた、それにな、一週間で実践で使えるレベルにしろって言われたんだぞ? 多少無茶しなきゃ無理」

 

「むちゃくちゃだな。 だがそれなら、今回の件は貴様は何も言えないんじゃないか?」

 

「あれはいい年した大人だが、今回は子供を戦闘ダメージで気絶させたっていう問題、でなきゃ俺もここまで怒らない」

 

「まぁ、今回は大目に見るしシグナムも悪いから両成敗やけど、今度から気をつけてな?」

 

「へーい」

 

「ちなみにシグナムにお仕置きってなにしたん?」

 

「威力調整してスターライトブレイカーwithブラスタービッド威力再現」

 

「アホー!」

 

どこから出したかわからなかったが、いつの間にかはやての手にはハリセンが握られており、それで叩かれた。 通りでいい音が鳴ったわけだ。ディアーチェとユーリも驚いたような目ではやてを見ている

 




うーむ書いてたらいつのまにか寝てた、シグナムに合掌、南無

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第七話

この頃夜勤のため、思うように時間がとれなーい。 不定期がさらに不定期になりますのであしからず

本編どうぞ!

追記:誤字修正しました



ホテルアグスタ。 このホテルにて、今日開かれる骨董品のオークションに俺達機動六課は、警備に来ていた。 何故骨董品に? と思われるかもしれないが、なんでもこの骨董品の中にもしかしたらロストロギアがあるかもしれない、ということで一応警備に来ているのだが

 

「やっぱ、スーツは堅苦しい」

 

「似合ってると思うんだけどなー」

 

薄いピンク色のドレスを着たなのはに言われるが、髪を下ろして普段と違うなのはと比べたら、ねぇ?

 

「お前に比べたら、馬子にも衣裳じゃね?」

 

「そこで比べる意味が分からないよ......」

 

苦笑しているなのはだが、並んで歩いてるとすごく場違い感がすごい。 こう、こういう美少女の隣には、やはりイケメンというか

 

「今考えてること、当ててあげよっか?」

 

腕に抱き着いてくるなのは、コイツの場合本当に当ててくるからな

 

「当ててみ」

 

「自分は私の隣に似合わない、とかつまらないこと考えてるでしょ?」

 

こうやって本当に当ててくるのだ

 

「私はマー君が良いんだよ?」

 

よくもまぁそんな恥ずかしいことが言えること。 とりあえず、俺はそれに特に返事をせず誤魔化すことにした

 

「まぁ、とりあえずスーツとか制服はやっぱ着たくない」

 

「にゃはは」

 

楽しそうに笑っているなのはだが

 

「相変わらず仲が良いね」

 

「「ん?」」

 

後ろから聞き覚えのある声が聞こえる、二人で後ろを向くと、そこには見知った顔が

 

「ユーノ君!」

 

「おっすユーノ、先週ぶりか?」

 

「そうだね、久しぶりなのは」

 

予定が合えば飲みに行く仲間、ユーノ先生だった。 ユーノの近くまで行くと、なぜか苦笑していた

 

「そういう行動、控えて欲しいって言ってなかったっけ?」

 

「コイツ、というか全員が聞くと思うか?」

 

「ははは......」

 

「?」

 

不思議そうにしているなのは、なんでそこで不思議そうなんですかね、思いつくと思うんですが。 そんななのはの様子にユーノは苦笑していた

 

「ところでユーノ君はどうしてここに?」

 

「今日のオークション、骨董品ばかりでしょ? その説明」

 

「さっすがスクライア一族のユーノ先生」

 

「茶化さないでよ。 こういう場嫌いなの君だって知ってるだろ?」

 

「まーなー」

 

ちょこちょこ、こういう講演会の準備や警備などで駆り出されるが、ユーノと会う回数も多く、失敗などを聞かされたものだ。 俺はこういう場に積極的に出ることはないし、そもそも機会がないので関係ないのだが

 

「あれ? ユーノ、久しぶり」

 

「フェイトか、久しぶり」

 

会場内の見回り兼警備なので、こうして会うこともあるが、固まってていいのだろうか? 疑問だが、各所周ってるしたぶん大丈夫だろう。 フェイトもここにユーノがいるのが気になったのか、俺たちと同じ質問をする

 

「確かに僕には場違いかもしれないけど、そんなに珍しいかな?」

 

「俺に聞かれても知らん。 とりあえず気楽に行け」

 

「そうだね、君と話して緊張も解れてきたし」

 

普通に談笑していただけなのだが、なぜかなのはとフェイトが膨れていた

 

「・・・・・・なんだよ?」

 

「べっつにー」

 

「仲良いなって思っただけだよ?」

 

「・・・・・・」

 

明らか膨れて何言ってんの? って言いたいが、言ったら確実に面倒になるのでユーノの方を向いたが、そこにユーノはいなかった。 アイツ、逃げやがった!これが長年の勘か、少しユーノが憎い。 そのあと、機嫌を直すのに少し時間がかかった

 

------------------------------

 

オークションが始まり少し経った時、念話が入った

 

『ガジェットが来たみたい、数はそんなに多くないけど』

 

『ならリインとユーリが援護に回って、フォーワードのみんなで殲滅や。 シャマル、サポートよろしくな?』

 

『了解です』

 

もしものため、ときていたのだがどうやら懸念は本物になったらしい。 フォワード陣だけでどうにかできるだろうが、念には念をということで

 

『ヴィータも援護で行かせた方がよくないか? そしたら俺はヴィータいたとこ行くけど』

 

『そう、ね。 違う方向にも反応が出てきたし、はやてちゃん』

 

『ならスターズとライトニングで分けよか、リインとユーリはライトニングで、ヴィータはスターズの方や』

 

「まー君、そっちはよろしくな?」

 

「はいよ」

 

短く返事をし、その場を静かに移動する。 外は抑えてるし、来ることはないと思うのだが、一応シグナムと合流する

 

「状況は?」

 

「見回りはしているが問題ない、今のところ転移魔法の類も反応はないしな」

 

「了解、それじゃあ俺はヴィータが受け持ってた方を持つから、そのまま頼む」

 

「ああ」

 

状況を確認し、見回りを開始する。 と言っても、シャマルを介して外を見るが、特に問題はなさそうだ。 ただ気になるところがあるとすれば、ティアナの反応が鈍いことか? 一応ヴィータがフォローしているが、少し気になる。 そうこうしているうちに殲滅が終わったらしい

 

『シャマル、状況はどうや?』

 

『反応は特にないけど......一応みんなにこのまま、見回りをお願いしました』

 

『どこかに隠れてる、または転移で後続があるとも限らんしな』

 

『まー君もそのまま、頼むで?』

 

『はいよー』

 

個別で言われたので返事をし、そのまま見回りを続ける。 結局ガジェットはそのまま現れず、オークションは無事に終わった。 ただ、相手がどういう目的でガジェットを寄こしたのが不明なのが気になったが

 

------------------------------

 

ヴィータにも確認を取ったが、やはりヴィータもティアナの心配をしていた。 口は悪かったけどな。 そんなわけで、理由を知っていそうなやつに連絡を取ることにした

 

「そんなわけで、なんか知らないかティーダ」

 

「どんなわけだ。 いきなり連絡してきたと思ったら、わけわからないことを聞いて」

 

「すまんすまん」

 

まったく悪いとは思っていないが、一応謝っておく。 今日の報告書もあるのだ、時間は無駄にできないので、冗談もそこそこに本題に入ることにした。 もちろんティーダに連絡してるのだ、議題はティアナについてだ

 

「お前、次はティアナに手を出す気か」

 

「殺気とか悪ふざけとかいいから、質問に答えろ。 どうせお前のことだから、毎日連絡取り合ってるんだろこのシスコン」

 

「相変わらずズバズバいうなお前......と言っても、思い当たる節はないな。 強いてあげるなら、周りとの差か?」

 

「差?」

 

「あぁ、電話したら元気のない時があってな、それでそれとなく聞き出してみたら、私の周りはすごい人ばかりだって」

 

「ふーん」

 

凄い人、ねぇ。 確かにここ六課は、天才と言っても差し支えない実力者が集まってはいるが。 そこまで気にすることだろうか? ティアナの頑張りはみんな知っているし、それについて六課でとやかくいうやつがいたら、見てみたいものだが

 

「俺はもちろんそんなことない、って言ってるんだが」

 

「まぁそういうのは本人の問題だからな、周りがとやかく言ってもどうにもならんだろ」

 

「ほんとそれなんだよなぁ.......あぁ、可哀想なティアナ、ここに居れば抱きしめてあげるのに」

 

「あの歳でそれはアウトだろ。 お前下手したらウザがられるぞ?」

 

「なん......だと......」

 

ショックを受けているティーダは放っておき、これからが少し心配になる。 思いつめないと良いけどな、ティアナ。 少しばかり嫌な予感は覚えるが、なのはに任せ解けば大丈夫だろう。 気にしてもいられず書類の作成に戻ることにした。 だが俺は大事なことを忘れていた、我が幼なじみ様は、大事なところで大ポカやらかすのと、少し怒りっぽいことを

 




そんなわけで投稿、次はいつになるかわからないです。 明日かもしれないし、明後日かもしれない

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第八話

さぁ! ついに来ましたNA☆NO☆HA☆SANの頭冷やそう回。 魔王ですよ魔王。 え? お前のは元々魔王だろって? 聞こえない聞こえなーい。 そんなわけで魔王回! おや? だれかきたry

本編どうぞ!


ホテルアグスタのガジェット襲撃から数日後、今日はテストということでそれを見学に来ているわけですが、隣にはテスタロッサ姉妹が

 

「とりあえず、くっつくのやめろアリシア。 それで、テストってフェイトが試験官やるんじゃなかったか?」

 

何度も言うが隣りにいるのはテスタロッサ姉妹で、今スターズのテストが始まろうとしているが、試験官はなのはだ

 

「そのはずだったんだけど、ここのところ忙しくて。 なのはが代わってくれるって」

 

「フェイトは働きすぎだからねー、クーの方でも借りて寝てればいいんじゃない?」

 

「それはやめろ、おもにあそこの先生から砲撃来るから」

 

俺がなのはを指さすと、試験の内容を説明していたなのはがこちらに気が付き、笑顔で手を振って来る。 集中しろよ、視線にそういう思いを込めてみると、少しむすっとしながら説明に戻ったようだ

 

「なのはにも困ったものですね」

 

「俺はお前のその行動にも困ってるんだが」

 

シュテルがいるのは別におかしくないのだが、何故か背中に抱き着いているのだ。 いろいろおかしい

 

「そうですよシュテル、私を見習ってください」

 

「いや、ユーリも人のこといえないから」

 

珍しくレヴィがツッコミを入れてるが、お前も人のこといえないからな? レヴィはユーリを抱き込み、頭の上に顔を置いているわけだが、それで俺に寄っかかってるわけだしな?

 

「ええぃ!いい加減離れろ暑苦しい!!」

 

「おー、やってるみたいやなぁ」

 

「アホだろお前ら」

 

どうやら遅れていたはやても到着しギャラリーは揃ったようだ、ちょうど説明も終わったようで、それぞれ位置につき開始の合図を待つ

 

「それでは、開始だ!」

 

ディアーチェが開始の合図を出すと、スバルがウイングロードを展開し、なのはに突貫していく

 

「ふーん、アタシが鍛えたからガードが固くなってるのは当然だが、なんか突っ込んでるだけじゃね?」

 

「自画自賛?」

 

「うっせ!」

 

確かにヴィータの言う通り、障壁の硬さは少しく前に比べれば申し分ない。 だが、そうだな、わざわざ真正面から突っ込んでいく必要はなし、角度をずらすことも可能なはずだ。 それなのにそれをしないのに少し違和感を感じる。 なのはを見ると俺と同じなのか、眉をひそめるがすぐに集中する

 

「クーはどう見る?」

 

「どう、なぁ」

 

アリシアにガンナーの基本を叩きこんだのは俺だけに、そういう意見を聞きたいんだろうが

 

「もうちょい様子見かな」

 

情報が少なすぎる、なのでそう選択した。 スバルがなのはに突っ込んでいるころ、ティアナはスバルに向かうアクセルシューターを撃ち落としているのだが、弾速、キレなどはいまいちだ

 

「ふむ、これは一から鍛え直しですかね」

 

「サラッとえげつないこと言うなシュテル」

 

「たとえ秘密裏に特訓していたとはいえ、これでは困りますからね」

 

そういうことをサラッと言ってしまえるあたり、誰に似たのやら。 おっと、何故か俺に視線が突き刺さりますが、ここはスルーさせてもらうぞ。 俺も同意見だしな、何か策の準備をしているんだろうが、それにしたってお粗末すぎる。 なのはもだんだんと顔が険しくなっていく、キツイからではない。 今だってスバルの格闘を軽くいなしているし。 通常なのはのタイプは後衛、それか砲台型だが、えぇなぜか格闘戦も一通りこなせます

 

「なるほどねー、幻影魔法からの一撃かー、戦術としては良いけど」

 

「はい、なのはにそれは通じません」

 

近接はこれ以上やっても意味がないと思ったのか、スバルはディバインバスターを撃とうとするが、なのはは障壁を小爆発させることでこれを回避、距離を開けるスバルにティアナからの援護が入り、煙でなのはの姿は見えない

 

「あー、これはアカンな」

 

「ふん、自業自得というもの。 痛みを知ることでしか自分の失敗を悟ることしかできないのなら、そのままにしておけばいいのだ」

 

「で、でもなのはのあの感じは......」

 

「まぁ、間違いなく怒ってるだろうな」

 

このプレッシャー、間違いなくなのははキレてる。 これを仲裁する俺の身にもなってほしいのだが、もしかしたら死ぬかもなー、なんて軽く思いながら、ビルから降りてなのはたちのところに向かう。 煙が晴れないまま突っ込んでいくスバル、射撃を数発撃ちその場からティアナの姿が消える。 レヴィが言った通りあれは幻影で、本体はなのはの上から魔力刃を形成し振り下ろそうとしていた

 

「はぁ......最初に言ったはずなんだがなぁ、なのはとシュテルの訓練頑張ってくれって、将来役に立つからって。 確かに訓練はすぐに目に見えて実力は上がるわけじゃない、でもお前たちは確実にステップアップしてる、何をそんなに焦る必要がある、特にティアナ・ランスター」

 

 なのはの後ろからスバルのリボルバーナックルを受け止め、上から来ているティアナの魔力刃を受け止める。 二人からの言葉は特にない。 まぁ、そりゃあ驚くよな。魔力刃に力を籠め握りつぶす、その際素手なので血がにじむが気にしない。 支えを失ったティアナはそのまま前方に着地、呆けていた

 

「もう一回聞くぞ、何をそんなに焦ってるんだティアナ・ランスター」

 

「私は、私は!」

 

思いつめた表情でクロスミラージュを構えるティアナ、ここでその態度とは恐れ入る。 スバルはスバルでなのはのプレッシャーに気が付き、そして俺の手から血が出てるのを見て、自分が何をやったのか気が付いたのかティアナを止めようとしていたのだが

 

「バインド!?」

 

「なのはやりすぎ」

 

「マー君どいて、ティアナにはキチンと罰を与えなきゃ」

 

後ろを見なくてもわかるが、たぶん表情がやばいんだろうなぁ。 後ろを見てみると案の定、目のハイライトがなかった。 相当お怒りのようです、ティアナの砲撃もあるので、手早く済ませないとならない。 なので、抱きしめる。 もちろん血でなのはを汚さないように

 

「お前の気持ちはわかる、だけど冷静になれ」

 

「何言ってるの私は冷静だよ? だから、どいて」

 

少し抵抗を感じる、相当お怒りのようだ。 自分に怒ってるのか、ティアナに怒ってるのか、それに関係なくはないけど、俺を巻き込んだことに怒っているのか。 どれにしてもいいが仕方ない

 

「とりあえず寝てろ」

 

首に軽くチョップを入れ眠らせる、これで一難は去ったが、元々の問題が解決していない

 

「それで? お前はこの模擬戦を喧嘩かなんかと勘違いしていないか? これは実力を示すテストであって、意地をぶつける場じゃないぞ?」

 

「私は、私は他のみんなより才能がないから、だから!」

 

「才能がないって自分が勘違いして逃げてるだけだろ」

 

「才能がある貴方に、なにが!!」

 

「あぁ、もういい。 とりあえずお前も寝てろ。 それで起きて、冷静になってもう一度考えろ。 ナハト」

 

「セットアップ」

 

ナハトをセットアップし、パイルバンカーを引く。 ティアナの砲撃も一緒のタイミングで、俺は左腕を前に出す

 

「ナハト」

 

「ファイア」

 

ナハトから放出された砲撃は、ティアナの砲撃を飲み込み、そのままティアナに直撃する。 あの様子だと障壁ははってないようだが、調節したから問題ないだろ。 スバルのバインドを解除し、様子を見るが特に問題はないようだ

 

「スバル、ティアナを医務室に」

 

「はい......」

 

「それと今回のテストだが、再試験。 生徒も先生も問題ありすぎ」

 

「・・・・・・」

 

とりあえずは丸く収まったようだ。 俺はなのはを抱きかかえ直し、その場を後にした。 それにしても、片手だと抱きにくいし、ヒールかけてからお姫様抱っこすればよかった

 




頭冷やそうかは、主人公が担当。 てかなのはさん怖すぎ

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第九話

一期、二期だとヒロインが別じゃね? とか思ったけど三期になって、なのはのヒロイン度数が上がった気がする。 気のせい?
とりあえず本編どうぞ!


とりあえず、気絶させたなのはを俺の部屋に運び、一息をつく。 何か言われる前に逃げてきたので、後が怖い。 まぁ、今頃はフェイトがライトニングのほうの試験をやってるから、問題はないだろう。 左手にヒールを掛けながらぼーっとしていると

 

「んっ.......」

 

どうやらなのはが起きたようで、そちら見るとちょうど体を起こしているようだった。 寝ぼけ眼できょろきょろして、俺の姿を見ると一気に覚醒したのか、うつむいてしまう。 俺の部屋でこんなリアクションをされても、それはそれで困るのだが。 頭をガリガリかきながら、なのはの隣に腰を下ろす

 

「ようやくお目覚めか」

 

「・・・・・・ごめん、なさい」

 

「・・・・・・」

 

さっきのことを覚えていたようで、謝って来るがこれまた調子が狂う。 別に謝られることはないのだが、なのはが失敗するなんて昔からのことだし

 

「謝る相手は俺じゃないだろ」

 

「うん......」

 

「はぁ......」

 

なおも俯くなのは、本当に調子が狂う。 俺が怒るとでも思ってるのか、ため息をつくとビクンと肩を震わせた。 それに気が付かないふりをして、なのはの頭を撫でる。 顔を勢い良くあげるなのはだが、なぜか泣きそうだった

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・っ!」

 

少しの間無言で頭を撫でていると、ついになのはは泣き出してしまった。 相も変わらず泣き虫のようで、俺の胸で声を殺して泣き続けるなのは、その間俺はずっと頭を撫でていた

 

------------------------------

 

「すっきりしたか」

 

「・・・・・・少しは」

 

その割には不満げな顔なんですがねぇ、まぁ少しは気分が晴れたようなのでよかった

 

「そんで? キレてた理由は?」

 

「うっ、やっぱり聞くよね」

 

「当たり前だ、大体予想はつくが」

 

大体予想はつく。 多分自分が落ちそうになった時のことでも思い出したのだろう、でなきゃあそこまでキレないしな。 八年前、なのはは疲労の蓄積とリンカーコアの酷使で落ちそうになった。 偶然が重なった結果、特に大した怪我もなく、魔法の使用禁止と強制的に休暇を取らせることにより、事なきを得たが

 

「お前はお話(物理)の傾向があるからな、それで思ってることが全部伝わるわけじゃないんだから、ちゃんと腹を割って話せ」

 

「はい......」

 

すっかりショボーンとした表情のなのはだが、苦笑して頭を撫でる

 

「まぁ、ティアナに問題がなかったかと言われれば、首をひねるけどな? そう言うわけで、ちゃんと話せ。 わかったか」

 

「うん。 そう、だね。 話してみることにする」

 

多少元気がないようだが、これなら大丈夫だろう。 頭を撫でるのをやめ、部屋から出て行こうとする

 

「マー君?」

 

「とりあえず腹減った、食堂行く」

 

「え? もうそんな時間なの、待ってよ!」

 

急いで布団から出てきたと思ったら、俺の隣に並び少し頬を膨らませているなのは。 こうでないとな

 

------------------------------

 

その夜、俺たちは屋上に集まっていた。 その召集の理由というのは

 

「ガジェットの反応が大量に確認された地点がある、これからそこに向かうメンバーやけど......」

 

「はーい! なら僕に任せてよ!」

 

レヴィが一番に手をあげる。 まぁ、この頃新人の相手、それに俺の鍛錬に軽く付き合ってるだけだからな、そろそろ適度にガス抜きさせないとうるさくなりそうなので、いいと言えばいいのだが

 

「レヴィだけやと心配やな、他は?」

 

「んじゃ、俺行くか。 後は、ユーリとシュテルか?」

 

「せやね、バランスもいいし。 それで」

 

「待ってください!」

 

決まりそうなところに待ったがかかった、待ったをかけたのはティアナだった

 

「なんやティアナ?」

 

「私たちも「邪魔だ」え?」

 

「邪魔だって言ったんだ、今のお前は」

 

呆けるティアナだが、俺は構わず続けていく

 

「今のお前なような、冷静に判断もできないような奴を連れて行っても味方の足を引っ張るだけだ」

 

「そんなこと!!」

 

「ならここで試してみるか?」

 

「え?っ!!」

 

「シグナム!?」

 

横から現れたシグナムに反応できず、ティアナはそのまま殴り飛ばされる。 グーパンだったぞ、グーパン

 

「この程度の動きに反応できないようではお前は邪魔だ、もしそれでも行くといのなら、私を倒して行け」

 

バリアジャケットとレヴァンティンを展開し、俺とティアナの前に立つシグナム、普通ならここではやて辺りが止めるんだが、無言で見ているだけ。 フェイトは止めようとしているみたいだが、アリシアが止めてる。 なのははー、あぁ、シュテルが止めてるのね。 悔しそうに唇をかむティアナだが、時間も押してるし、特に何も言うことはなくヘリに乗り込む

 

「それじゃあちょっくら、行ってきます」

 

「気を付けてなー」

 

「報告は逐一するように」

 

ヘリの扉が閉まる前になのはに口パクで伝えておく、ちゃんとティアナと話しておけと、それを見て固まったようだが、しっかりと頷いた。 それにしても、これからのことを考えると頭が痛い

 

「あぁ、ティーダから粛清が来そうだ......」

 

「クレナイなら大丈夫だと思いますけど?」

 

ユーリが不思議そうに言う。 確かに実力的には勝っている、それは間違いない、だが絶対飲みに行くとき、ぐちぐち言われそうだ。 それでなくても、飲み仲間の中でティーダの妹自慢うざい、となっているのに

 

「ティアナ、どうなりますかね?」

 

「知らん」

 

ヴァイスも話に加わって来る。 なんだかんだ言ってこいつもティアナの練習を見ていたので、気になるんだろうが知らん

 

「知らんて......」

 

「そこらへんはなのはが上手くやるだろ、俺の専門外」

 

「そだねー、くれないはどっちかって言うと壊す専門だし」

 

「何それ怖い」

 

ヴァイスの声質が変わるが、本当なんだよな悲しいことに。 なぜか一時期、立てこもりなどで対峙した犯人が泣きながら俺に謝ってくる、なんて阿鼻叫喚な事態なんてざらだったし。 そいつらは今は奉仕活動や慈善事業などをやって別の意味で有名なのだが

 

「ですが身内には甘いですので、そこがクレナイのいいところです」

 

「ジマンキマシター」

 

声が死んでるぞヴァイス。 雑談をしていると降下ポイントに入ったので、ヘリを降りる準備をする

 

「じゃあヴァイス、頼む」

 

「了解! ご武運を!」

 

「誰に言ってやがる、行くぞ!」

 

「「「はい!」」」

 

------------------------------

 

「んじゃ、お疲れー」

 

「はい、おやすみなさい」

 

「お休みー!」

 

「報告書はどうしますか?」

 

「俺がやるからユーリはこのまま帰っていいぞ」

 

「わかりました」

 

ガジェットを殲滅し終え、六課に帰ってくると結構な時間になっていた。 戦闘時間より移動時間の方が長く、退屈だった。 建物の入り口に人影を見つけた、シルエットからしてティアナか? 近くまで行くとやはりティアナだった

 

「どうした、こんな時間だぞ? そろそろ寝ないと明日の訓練に響くぞ」

 

「あの、その、すみませんでした!」

 

普通にしゃべりかけただけなのに、なぜか謝られたでござる。 いや、予想はつくが

 

「試験の時のことか? 別に気にしてないぞ?」

 

「それもありますけど、出撃の時も」

 

「あー、別にそっちも気にしてない。 お前にも意地があった、そういうことだろ? その様子だと、なのはと話したようだが」

 

「はい」

 

そう言って顔をあげるティアナ、何故苦笑してるんだ

 

「どうした?」

 

「いえ、最初は訓練の話や、模擬戦の話だったんですけど、なんか最後の方はクレナイさんの自慢になってたので......」

 

「あいつは後でシメる」

 

後輩に何話してるんだアイツは、呆れ通り越して脱力したわ

 

「あはは......私、頑張ろうと思います」

 

「まぁ無理せず頑張れ」

 

そう言って俺は、二、三回ティアナの頭をポンポンして、その場を離れた。 はよ報告書だして寝たいしな

 




ティアナが微妙に主人公の毒牙かかっているような気がしなくもない。 あ、ヒロインではないですよ? もともとStSは構想入ってなかったし。 個人的には実力十分だし、入れてもそんなに違和感ないような気がしますが

感想評価お待ちしてます


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第十話

やー、昨日は謎のやる気が出なくて、全く書けなかった。 さて話は変わりますが、バーサスはやっぱりクソゲみたいですね、アマゾンでの値段が酷い。 そしてペイル欲しいけど、周りにやってる人がいないのに買ってもなー、というジレンマ

本編どうぞ!


前回の試験は、再試験にしたのでそれを消化したティアナたちは、より一層訓練に励むようになっていた。 いや、励まされていたか? シュテルは有言実行、とばかりに今までの訓練を見直し、徹底的にティアナを鍛え直していた。 そのかいあってか、短期間にもかかわらずティアナはレベルアップを果たした。 よきかなよきかな。 訓練を見ていたヴァイスと、通信で連絡を取り合っているティーダから苦情が来たが、そんなのは些末なことだ。 そんなことがありながらも、六課は今日も通常通りに運営中、のはずなんだがなぁ......

 

「私も休む!」

 

「私も休まないと!」

 

「私が休まないと、下のみんなが休みずらいやろ?」

 

目の前には、ド阿呆共がふざけたことを言っていた。 上から、アリシア、なのは、はやてだ。 何故こんなことになっているかというと、俺が休みだからだ。 一応この部隊では、俺ははやての下、つまり副隊長クラスの権限を持っているのだが、普段いろいろな部署の手伝いや休んでいる姿を見たことがない、そんなわけで局員から休んでくれと直々に苦情が来たのだ。 このくらい陸に比べれば全然なのだが、俺が休まないと下も休めないし、何より心配させるのもあれなので、休むことにしたのだ。 なのだが、どっから情報を得たのか、こいつらは仕事があるにもかかわらず、休もうとしているのだ

 

「お待たせしました、マリオさん!」

 

「お待たせしました!」

 

入口でバカなことをやっていると、エリオたちも来たようだ。 なので、奥の手を使わせてもらう

 

「ヴィータ、ディアーチェ、頼んだ。 それで? アリシアさんは仕事ほっぽり出してどこ行くのかな? エリオとキャロはちゃんと仕事してるのに」

 

「うっ......」

 

フォワード陣は休みなので、遠慮なく引き合いに出す。 アリシアは恨みがましい顔をしながら、渋々納得したようだ。 なのは? ヴィータにアイゼンで殴られて運ばれていった。 軽くだし、なにより古代ベルカの騎士だ、調節くらいお手の物だろう。 それにしてはすごい音がしていたが。 はやても同様で、殴ったのはアインスだが。 アイツもストレス溜まってるんだろうな、今度適度に発散させてやろう。 そんなわけで残ったのは、俺とエリオとキャロ、それにフェイトとアリシアだ

 

「それじゃあ、エリオ、キャロ、気を付けてね」

 

「はい!」

 

「何かあったら、ちゃんとクーに連絡入れるんだよ? 私やフェイトでもいいけど」

 

「わかりました!」

 

いい返事だ。 さて、いつまでも入口にいるわけにもいかないので、エリオとキャロに声を掛けることにする

 

「それじゃあそろそろ行くぞ」

 

「「はい!」」

 

「フェイトとアリシアも、行ってくるわ」

 

「うん、気を付けてね」

 

「私の分まで休日楽しんできてね」

 

アリシアから重いことを言われたが無視、俺は自分の車が止まっているとこに向かって歩き出す

 

「いいなぁ......」

 

「どうしたキャロ?」

 

俺とフェイトとアリシアを見ながら何かを呟いたようだ

 

「え、あの。 なんか今のフェイトさんやアリシアさん、マリオさんのやり取り見てて、結婚とかしたらこんな風な生活になるのかなって」

 

「あ、僕もわかるかも」

 

「だよね!」

 

なんか二人で盛り上がっているところ悪いが、流石に絶句だ。 その歳でなぜ結婚の話が出てくるんだ、それに俺たちは悪い例だ。 急いで修正するとしよう、エリオやキャロが俺みたいになったら困るどころか死ねる

 

「ご、誤解があるようだから言っておくぞ。 まず俺とフェイトたちは結婚してない。 それに俺は悪い例だからな? あまり参考にしないでくれよ、お願いだから」

 

「どうしてですか? マリオさんと喋ってるフェイトさんやアリシアさん達幸せそうですよ?」

 

その純真な目が痛い! 確かにそうなのだろうが、世間一般的にはNGなのだ。 とりあえずそこらへんを説明する。 したのだが

 

「つまり、普通の人ができないようなことをマリオさんはやってるんですね!やっぱりすごいです!」

 

何故かさらに尊敬を集めてしまう。 これはアレか? 長いこと俺たちと一緒にいたことで、毒されたということだろうか。 そういう話に敏感な、女性であるキャロでさえ尊敬されるし。 とりあえずアレだ、こいつらがもう少し大きくなってから、もう一度話をするとしよう。 そのときはアレだ、ちゃんと常識とか理解してくれるはずだ

 

------------------------------

 

あの後、エリオとキャロを適当なところで降ろし、俺は目的もなく公園を歩いていた。 この頃ゆっくり休む、なんてことはなかったし、休んでいたとしても追加の仕事や、寝てるだけだったので新鮮なのだが、一人だと時間を持て余す。 エリオやキャロなんかは、俺と一緒に周りたかったようだが、余り保護者がいるのもどうだろうか、そう思って断ったのだが、やはりエリオとキャロについていた方がよかったかもしれない。 あまりにも暇なので、携帯を取り出しあるところにかける

 

「しもしも?」

 

「ぶっ飛ばすわよアンタ、久しぶりにかけてきたと思ったら......」

 

電話口に呆れた声

 

「悪かったよアリサ」

 

「ん、よろしい」

 

満足そうに言うのはアリサバニングス、俺たちの幼馴染だ

 

「そっちはどうよ?」

 

「相変わらずよ、そっちは?」

 

「こっちは前より暇になったかな」

 

「ムッ、ならもっと電話してくれてもいいんじゃないかしら」

 

「暇になったって言っても、前よりはだよ。 今は新設の部隊に配属されてな、そこで雑用だよ」

 

少しむっとした声、寂しいのだろうか? それを言ったら、怒るので言わないが。 ただでさえこの電話は特殊な作りで、通話するのが面倒なのだ。 こっちの近況をあらかた説明し終える

 

「ふーん、はやてが部隊をね」

 

「あのタヌキがだぞ、びっくりだよなぁ」

 

「なのはたちもいるんでしょ? 色々大変そうねアンタも」

 

「お前をストッパーとして呼ぼうか、真面目に考えてる」

 

「あら、別にいいわよ」

 

くすくす笑って言うアリサ。 コイツは一応親の会社を継いだのだが、まだまだオヤジさんは現役で、アリサが大学に行っているということもあり、今だにオヤジさんが会社を切り盛りしてる。 アリサ乗り気だが、オヤジさんは会社を継ぐかつがないかは、割とどっちでもいいらしい。 娘が幸せなら、ということだ。 

 

「そうだ、パパが会いたがってたわよ?」

 

「マジかよ...... ちょこちょこアリサには会ってるからいいかなぁー、なんて思ってたのに」

 

「早く孫の顔が見たい、なんて言ってるわよ」

 

「うぐっ」

 

くすくすと笑いながら言うアリサ、またそういうコメントしずらいことを、オヤジさんもオヤジさんだよ。 最初は渋ってたのに、いつの間にかアリサに説得されて

 

「娘を頼む」 

 

なんて言い出してたんだから。 ある意味やばかったよ、色々な意味。 そんな風に雑談していると、エリオたちから通信が入ったようだ

 

「すまんアリサ、少し待っててくれ。 仕事の方から連絡が来た」

 

「いつもそうじゃない、まぁいいわ。 わかった」

 

ホーンと理解があって助かりますわー

 

「エリオ、キャロ、どうした?」

 

「すみません、本当は連絡しないで、処理できればよかったんですけど、僕たちではどうにも......」

 

「気にするな、状況は?」

 

「はい、女の子が一人倒れてたんですけど、その、女の子につながれてる鎖にレリックが......」

 

「いや、それは報告してくれて正解だ。 そこならすぐ近くだ、すぐ行くから周囲警戒頼むぞ」

 

「「はい!!」」

 

ベンチから立ち上がり、バレないように加速の魔法をかける

 

「アリサすまんな、緊急で仕事だ」

 

「まぁそんな気はしてたわよ、今度埋め合わせしなさいよ?」

 

「はいよ。 すずかにもよろしく言っといてくれ」

 

「わかったわ、気をつけなさいよ?」

 

「誰に言ってんだかよ」

 

苦笑して電話を切り、俺はエリオとキャロがいる現場に急ぐ




割とすらすらかけた、さぁ、次の話でこの物語のキーパーソンが登場だ! 呼ばせ方どうしようかな

とりあえず、感想評価お待ちしてます


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第十一話

本日二本目ー、FGOアケ進出ってマジ? そんなことより、積んであるプラモ作りたーい、でも書きたーい、なんかいい方法ありませんかね? 次作のために、なのは全部見たいんですが、今更DVD見るのもあれなのでBD買いたいんですけど、それを見ながらプラモは作ればいいのですけどねー

さて、本編どうぞ!


「エリオ、キャロ!」

 

「「マリオさん!」」

 

急いでエリオとキャロから連絡あったところに行くと、エリオとキャロの他に一人の女の子が倒れていた

 

「この子がそうか?」

 

「はい、僕たちが見つけたときには、もう気絶していて」

 

「ふむ、見たとこ下水道から来たのか。 なら、疲れて眠っただけだろ、一応怪我とかしてるかもしれないからな、ヒール」

 

『ライトニング、ナハト、この子の状態は?』

 

『スキャン完了、疲れから眠っているだけのようです。 衰弱等もしていないようですので安心かと』

 

『私からはそこまでいい知らせは、この子からは聖王の力を感じます』

 

エリオとキャロに指示、それから本部に連絡、ほかのフォワードとの連絡、それをこなしながらライトニングとナハトと念話をする

 

『聖王? それってとっくの昔に滅びた、いや、そういやぁあったな一つだけ、聖王に関する事件が』

 

『聖王、そうなるとこの子が今回のキーパーソンですね』

 

『はい、この先のゆりかご事件。 この子を保護できるかどうかで代わってきます』

 

『まーた面倒なことになったな』

 

『いつものことじゃないですか』

 

『そうですね。 ですが、私たちは貴方なら何とかできると思っています』

 

『まーた簡単に言ってくれちゃって』

 

「マリオさん?」

 

「いや、お前らもせっかくの休日なのに悪いな」

 

「大丈夫です!」

 

「すみません、遅れました!」

 

「状況は!」

 

どうやらスバルとティアナも合流したようだ。 簡潔な説明はエリオとキャロに任せ、俺は本部と連絡を取る

 

『それで、ヘリはあとどれくらいでつく?』

 

『まだまだかかるで、一応私とまー君、なのはちゃんにフェイトちゃんは、限定解除の許可取ったで』

 

『おーおー、豪勢だ事』

 

『それと、この前ゲンヤさんに許可取ったから、そっちにギンガが向かってる』

 

『マジか、なあ下水道はフォワード陣に任せるか』

 

『せやね、たぶんもう少ししたらなのはちゃんとフェイトちゃんが』

 

『来たみたいだ』

 

「マー君!」

 

「クレナイ!」

 

街中での飛行は許可がいるのに、どうやってとったのやら。 フェイトとなのはがすごい勢いで飛んでくる

 

「んじゃー、指示出すぞ。 フォワード陣はこの子が出てきたと思われる、地下の捜索を頼む。 どれくらい歩いたかもわからないし、それこそもう証拠が隠滅されてるかもしれない。 だから無理はするな」

 

「「「「はい!!」」」」

 

「隊長陣はヘリが来るまで周囲警戒、ヘリが着た後はそのまま同乗だ、俺がヘリの周囲警戒する」

 

「「了解!」」

 

その後すぐにギンガがつき、フォワード陣はすぐに地下に潜った。 俺たちは周囲を警戒しながら、女の子が目覚めるのを待ったが、目を覚まさずによく寝ていた。 それどころか、俺のバリアジャケット掴んで離さないんだが

 

「困るなぁ......」

 

「無意識だから仕方ないと思うよ?」

 

「いいなぁ......」

 

フェイトはクロノの子供とかで経験してるのか普通の反応だが、なのははー、なんかもの欲しそうなのと嫉妬か? とりあえず面白い表情をしていた。 てか無意識の子に嫉妬すんなよ。 緊張感がないと思われるかもしれないが、周囲の警戒は怠っていない。 どうやらちょうど着たようだ

 

「クレナイ君!」

 

「シャマルさんか、これこの子のスキャンデータ」

 

「ありがとう、助かるわ」

 

ヘリに同乗していたシャマルさんにデータを渡し、女の子を引き渡す、のだが

 

「やばいな、ガジェットが来やがった」

 

突如ガジェットの大群が現れる、その数は百機程度だ。 まぁ問題なかろう

 

『はやて、頼む』

 

『了解やー、リイン、頼むで?』

 

『はいです!』

 

「ユーリ!」

 

「はい!魄翼展開します」

 

ヘリごと魄翼に包まれ暗くなるが、敵の殲滅が確認され即座に行動に出る

 

「すげー、ガジェットが一瞬で」

 

「ヴァイス、呆けてる場合じゃないぞ。 まぁ伊達にあれはマスコットじゃないってことだ」

 

『誰がマスコットや!!』

 

どうやって聞いたのかは知らないが、念話が飛んでくる。 もちろん無視だ、ヴァイスなんかは苦笑いしていたが。 だが、どうにも今回はしつこい。 おかわりがきたようだ。 だが俺たちが何もしていないわけもなく

 

「ディバイン・・・・・・・バスター!!」

 

「ハーケン、セイバー!!」

 

「ユーリ、あれやるからフェイト達の方まで魄翼伸ばしてなー」

 

「なのは、フェイト早くこっちに!魄翼展開!」

 

「ローリングバスターライフル」

 

魄翼がヘリとなのはたちを覆うのを確認し、バスターライフルを発射する。 なに、やってることは簡単だ。 リミッターを解除したバスターライフル、解除状態になるとツインバスターライフルになるわけだが、それを回転しながら撃ってるだけだ。 少し念入りに撃ったため、ガジェットの第二陣は殲滅したようだ

 

「むちゃくちゃです!!」

 

ユーリは怒ってるようだが無事で何より。 広域でサーチを掛けると、やはりというかガジェットは囮で、隠してはいたようだが微量の魔力が検出された。 魔力の漏れから言って、狙撃ではないということは

 

「ユーリ、ユニゾンだ! ライトニング、フォートレス展開!」

 

「了解、フォートレス起動、展開します!」

 

「もう!あとでしっかり説明してもらいますからね!」

 

「「ユニゾン、イン!!」」

 

フォートレスをヘリの前に展開、エグザミアを起動させた状態で魄翼を最大展開する。 その直後、砲撃がフォートレスに直撃する

 

「マー君!」

 

「クレナイ!」

 

「すみません、ガジェットが!」

 

どうやら防御に回ってる間に、ガジェットが転送されたようだ

 

「なのは、フェイト、お前らはガジェットを! こっちは大丈夫だ!」

 

砲撃は思った以上に軽く、フォートレスも大したダメージは受けてないようで、このまま耐えきれる。 ならば、なのはたちを行かせるのは当たり前だ。 俺の指示を聞いて、どうやらガジェットの殲滅に向かったようだ

 

「ナハト、行けるな?」

 

「勿論です、マスター」

 

「ナハト!」

 

「セット」

 

防御をフォートレスに任せ、この砲撃主にキツイの一発食らわせるために、ナハトのチャージを開始する。 伊達にこいつを長く使ってきたわけでもなく、この頃調整を重ね、威力を引き絞ることも出来るようになったのだ

 

「やれ!」

 

「ファイア」

 

一瞬だけフォートレスの防御を解き、パイルバンカーから精密射撃を発射する。 もちろん撃った後のカバーも忘れず、魄翼で防ぎ、後ろのヘリには攻撃は行かず、フォートレスも再展開する。 早く、鋭い精密射撃は相手の砲撃をものともせずに進んでいき、砲撃も止まる

 

「まぁ、比べるのも悪いけど、もう少し砲撃の腕上げてから出直しな。 俺はこれ以上の一級の砲撃知ってるしな」

 

何よりもヘリを送り届けるのが最優先だ、どうなったかわからない砲撃主より、ヘリを優先させることにした

 

------------------------------

 

「結局犯人は拘束できず、ね」

 

「街に大した被害もなく、保護した子も無事。 課題は残ったがいい結果だったと思う」

 

「アホか貴様は、それでいいのはこの部隊だけだ。 普通の部隊だったら犯人確保までできて、ようやく普通だ」

 

「ディアーチェは少し理想高すぎやなぁ」

 

夜の部隊長室、今日の件で始末書に追われている俺達、ホント忙しすぎ

 

「ま、どっちにしろ陸からはつつかれるだろうな。 ゲンヤさんの部隊とは言え、人員借りて犯人逃がしてるからな。 ここぞとばかりにあの髭オヤジは言ってくるだろう」

 

「あー、レジアス中将......」

 

はやてはげっそりしているようだが、俺も任務で会ってあの人の性格は知っているので、何も言えない

 

「むぅ、だがディアーチェ、お前だってわかっているのだろう?」

 

「ふん!」

 

「まぁまぁアインス、誰かが言わなきゃいけないことだったんだ、それを率先していってくれるディアーチェの「わーわー!!」もが」

 

言われることが分かったのか、真っ赤な顔をしてディアーチェが口を押える。 ふむ、恥ずかしそうな表情、ごちそうさまです。 アインスは苦笑していたが、俺が言いたいことが分かったのか、ディアーチェにお礼を言っていた

 




登場とは言ったけど、喋るとは言っていない

そんなわけで、感想評価お待ちしてます


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第十二話

今日三本目ー ついにあの子の登場、ロリコン共喜んで涙を流せ。 おれ? もちろんロリコンですが何か?

本編どうぞ!


「たく、なんで俺まで」

 

「にゃはは、空いてる人がマー君くらいしかいなかったんだもん、仕方ないよ」

 

「俺も忙しいわ!」

 

そう、部隊長室で書類仕事をしていたらいきなり、タヌキの気まぐれで休憩に、その時ちょうどなのはが入口から出ようとしていたので声を掛けたら、こうなった。 今俺は聖王協会の息のかかった病院に向かっている、理由は言わなくてもわかると思うが、この間保護した聖王の子のことだ。 結果が分かり次第、すぐに俺のデバイスにデータを転送するように言ったが、結果は黒。 やはり聖王の遺伝子が検出された。 人造魔導士素体、そう結論がなされた。

 

「この子、これからどうなるのかな?」

 

「六課で保護、ってことにはなるが、その先はな......新しい家族探すにしても、一般家庭じゃ手続きとか面倒だろうし、局員の家庭にしても、結局レリック絡みの事件に巻き込まれるだろうしな、となると強い局員の家庭に、ってな感じか?」

 

「・・・・・・」

 

それを聞いて黙るなのは、まぁこの問題は超が付くほどヘビーだ、そんなに簡単に解決する問題でもない

 

「ついたみたいだな、なのはは先に降りてくれ、俺は車止めてくる」

 

「わかった」

 

なのはを先に車から降ろし、駐車場に車を止め終えると、なのはから念話が入る

 

『マー君!』

 

『どうしたなのは?』

 

『あの子がいなくなっちゃったみたいなの!』

 

『そらまた何で?』

 

そう聞きながら俺は駐車場の方から探し始める。 病院とは反対側だが、一応だ、一応。 なんでもシスターシャッハが、俺たちを迎えに来るために目を離したすきに逃げ出したらしい。 病院関係者は何やってるんだか、呆れてものも言えないが、探すことに集中する。 すると

 

「ふぅ、よかった」

 

「ふぇ......?」

 

なぜか木の隅で泣いていた女の子を見つけ、ほっと一息。 探しているなのはの方にも念話を入れておく

 

『なのは見つけたぞ』

 

「私も見つけた!」

 

「ひぅ!」

 

なのはがそこそこ大きな声を出していきなり現れたからびっくりしたのか、目尻に涙がたまりだす

 

「あぅ......」

 

せっかく泣き止みかけていたのにコイツは、非難がましい視線を送るとたじろぐなのははほっておいて、女の子に視線を合わせ、優しい声で話をする

 

「びっくりしたね、あのお姉さんいきなり現れて。 俺は紅魔狸男、お名前聞かせてもらってもいいかな?」

 

「ヴィ、ヴィヴィオ」

 

「そっかヴィヴィオちゃんか、ヴィヴィオちゃん好きな食べ物は?」

 

「好きな食べ物? え、えーっと......」

 

「ゆっくりでいいから考えて、教えて欲しいな」

 

「パ」

 

「ぱ?」

 

「パパー!!」

 

「おっと、全くいきなり抱き着いてきたら危ないよ、ヴィヴィオちゃん」

 

何故かパパと言って抱き着いてきたヴィヴィオを抱きながら、ゆっくりと立ちなのはのそばまで歩いて行く

 

「ほれ、行くぞなのは」

 

「あ、うん。 でもいいの、泣いてるけど?」

 

「理由が分からんからな、それにパパって言われてる理由もだが。 とりあえず泣き止むの待って、それから話聞く」

 

「う、うん」

 

大人しく後をついてくるなのは。 シスターシャッハに会うころには、ヴィヴィオは泣き疲れて眠ってしまっていた。 やれやれだね。 その後はヴィヴィオを起こさないように話し合いをし、ヴィヴィオの身柄は結局六課で保護となった

 

「ん......」

 

「起きたみたいだねヴィヴィオちゃん」

 

話し合いが終わり、はやてにその報告をした後、ヴィヴィオが起きるまで休んでいくことにした俺となのはは、ベンチに座りながら話をしていたのだが、ようやく眠り姫様は起きたようだ

 

「パパ?」

 

「それが気になったんだけど、どうして俺のことをパパって呼ぶの?」

 

「わからない......わからないけど、呼びたいって。 ダメ?」

 

「ふむ、まぁヴィヴィオがそれでもいいなら構わないよ?」

 

流石に泣きそうな顔をしていた子供のお願いを断れるほど、俺の心は狭くないのだ。 なのはは微妙な顔をしていたが

 

「それじゃあヴィヴィオ? とりあえずこのお姉さんはな」

 

「高町なのはって言うんだ、よろしくねヴィヴィオちゃん」

 

「なにょは?」

 

「違う違う、な・の・はだよ」

 

「なのは?」

 

「うん!」

 

なーんか懐かしいやり取りしてんなー、レヴィがどうしても最初のころはなのはをなにょはって言ったり、フェイトをへいとって言ったりで面白かった

 

「そんじゃ、ヴィヴィオの服買って帰るか」

 

「服?」

 

「そうだ、いつまでもそんな恰好じゃ嫌だろ? だから着替えて出かけるんだ」

 

「わかった!」

 

「ふふっ、ヴィヴィオはいい子だねー」

 

「ふふー」

 

なのはに撫でられて嬉しそうにするヴィヴィオ、なのはもその様子にご満悦だ。 その後病院内で若夫婦とからかわれ、なのはは真っ赤になっていたが、俺からしたら何をいまさらって感じなのだが。 その後ヴィヴィオの着替えで、俺から離れたくないヴィヴィオが駄々をこねたわけだが、一緒に行き目隠しをするという条件で女子更衣室に入った。 ヴィヴィオのためとはいえどんなプレイだよ

 

------------------------------

 

服などを買って帰ってきたその夜、俺は外にいた。 流石に世話はなのはとフェイトに任してきた。 ヴィヴィオは駄々をこねたが、そこはしっかりフェイトと俺で説得した。 なのははこういうの向かないので、戦力外通知をしたらいじけていたが

 

「はい、はい、そう言うわけですので処理はお願いします」

 

通信を切り一息つく。 やはりこういう処理は面倒で、時計を見れば結構な時間になってしまっていた

 

「終わったみたいやな」

 

コーヒーを掲げながら声を掛けてきたのははやてだった。 そのコーヒーを貰い一息

 

「仕事は?」

 

「順調や、他のみんなも手伝ってくれてるしなー」

 

「ならいいや、今日は本当に疲れた」

 

「あの子の世話やろ?」

 

静かに頷く。 なぜか肩車が気に入ったらしく、ずっと肩車だ。 おかげで肩が凝った

 

「それで、あの子引き取るんやろ?」

 

「まーなー、パパ、パパって呼んで懐いてくれるんだ、それくらいはしないとな」

 

「その歳であのくらいの子供、これは荒れるなぁ」

 

面白そうに笑うはやてだが、その状況を想像すると厄介でしかない。 まずは戦闘民族から始まり、バニングス家、月村家、なんでこう面倒なのしか、俺の周りにはいないんですかねぇ。 それと飲み仲間とか、メンド

 

「まぁ俺が決めたことだ、そこらへんはどうにかなるだろ」

 

「せやね、どうにかならなかったことがないもんなぁ」

 

そう言ってはやてもコーヒーを飲む。 なんだかんだ言ってどうにかしてきた、これからもそうなる保証はないが、出来るだけ足搔く、そういうことだ

 

「それに、守るにしても俺の周りは戦力過多だしな」

 

「せやねぇ、紫天の書、元ロストロギアのナハト、それにマテリアルたち。 まー君のデバイスであるライトニングの情報処理能力。 そして、まー君自体の戦闘力......簡単に世界の一つ滅ぼせるんとちゃう?」

 

「それは前から出来そうだったしな。 後つけ足すが、一応俺も夜天の書使えるからな?」

 

「あー、そう言えば盟主権限、いまだに切ってないんやった......」

 

「忘れてたのかよ......」

 

本物でもありレプリカでもある夜天の書、盟主権限により今だにリンクできる状態なので、定期的に紫天の書とリンクしているようだった。 なので実質はやても、魔力量の関係的には無理だが、管理局を滅ぼせたりする

 

「そう考えるとホント戦力過多だよなー」

 

「せやね、これからもよろしゅうな?」

 

「はいよ」

 

コーヒーを近くに持ってきたので、俺も近くに持って行き容器をぶつけ合う

 

「さて、仕事やるか」

 

「せやね」

 




はやての口調もそうなんだけどさ、ヴィヴィオ難しすぎー! どうも普通に書こうとすると、微妙に可愛らしい雰囲気じゃなくなるんだよなー、なので実際めちゃくちゃ幼く書いてます

感想評価お待ちしてます


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第十三話

あれ? もうそろそろ後半じゃね、とか思ったのでここで少し漫画版の内容を。 別に話数稼ぎとかそんなんじゃないです本当に。 本当ですよ?

それでは本編どうぞ!


「よし、それじゃあ行くかヴィヴィオ」

 

「うん!ママ迎えに行こう!」

 

ヴィヴィオを肩車し、訓練場へと足を向ける。 ママが誰とは言わなくてもわかるだろうけどね。 ヴィヴィオの身柄を六課で保護した次の日、俺は正式にヴィヴィオの保護者になった。 まぁなんだ? そのためヴィヴィオは、俺に一層甘えてくるようになった。 六課も六課で空気が緩いから、俺の後にヴィヴィオがくっついていても何も言われず、仕事の邪魔さえしなければ、膝に乗っていても微笑ましくみられるだけなのだ。 どうしてこうなった、そう思わずにはいられないが、この子の笑顔の前では些細な問題、そう思うことにした

 

「ヴィヴィオー!」

 

「あ、ママー!」

 

ヴィヴィオを下ろしてやると、なのはの方に走って行く。 うむ、運動音痴ではないらしく危なげもない走りだ。 それどころか運動神経はよさげだ

 

「ごめんねマー君、ヴィヴィオ見てもらって」

 

「別にいいよ、ヴィヴィオいい子だし、なー?」

 

「ねー!」

 

「「・・・・・・」」

 

スターズの二人は俺達を見て固まっているが、ライトニングの二人なんか固まるどころか

 

「ヴィヴィオー」

 

「ヴィヴィオ」

 

「あ、キャロお姉ちゃん、エリオお兄ちゃん、お疲れ様です!」

 

なんて笑顔で言ってる。 ちなみに呼び方は強要していない、俺がふざけて、俺の娘になるが歳も近いし、エリオとキャロはお兄ちゃん、お姉ちゃんになるな。 なんて言ったら、ヴィヴィオ自体も乗り気だし、エリオとキャロも乗り気だったので、そのまま定着した。 割と家族関係カオスだよな、こうなると

 

「ほれ、飯行くぞ。 お前達だって休憩時間少ないんだから」

 

「パパー、肩車!」

 

「ホント好きだな、ヴィヴィオは」

 

そう言いながらも肩車してやると、頭の上で嬉しそうな声が聞こえる。 まぁいいけどさ

 

「むぅ、いっそのこと午後の訓練はなしに」

 

「お前は何を言っている」

 

思わずなのはの方を真顔で向く。 いくらヴィヴィオとの時間を取りたいからって、それはダメだろ社会人として。 そんな俺の顔を見て、悪びれもせずに笑うなのは、なのだが

 

「め!」

 

「ヴィ、ヴィヴィオ?」

 

「お仕事さぼっちゃ、め!」

 

俺には見えないが、どうもなのはに注意してるらしい。 うむ、我が娘は小さいころから立派なようだ

 

「すごい、なのはさんに注意してる」

 

「いや、どっちかと言えば、ヴィヴィオが正しいこと言ってるだけでしょ」

 

そんな呆れた会話が耳に入るが、全面同意だ。 なのははショックを受けてるようだが無視

 

「そうですね。 大体午後は私の訓練です、勝手に決めないでもらいたいものですね」

 

「あ、シュテルママ!」

 

「はい、シュテルママですよヴィヴィオ」

 

よ、呼び方は強制してないぞ!少なくとも俺はな、シュテルがどういったかは知らないが。 初めて合した時は、かなり混乱していたが

 

「ヴィヴィオ、シュテルの方移るか?」

 

「んーんー、ここがいい!」

 

えらく気に入ってるようだ

 

「でもヴィヴィオの気持ちわかるかもなー」

 

「そうなの?」

 

「うん、視線がいつもより上がるし、それになんか気に入る場所なんだ」

 

なんだそりゃ? エリオがいまいちわからないことを言ってるが、ようは視線が代わって新鮮みたいなことか?

 

「おいシュテル、なのは、そんな目で見られてもお前らは無理だ」

 

「こう気合で!」

 

「えぇ、出来るはずです、クレナイならば」

 

期待のまなざし向けるが、出来ないものは出来ん。 丁重にお断りさせてもらった

 

「私の特等席ー!」

 

なんてヴィヴィオは嬉しがっていたが

 

「そう言えばヴィヴィオが、教材用のビデオ見てたぞ」

 

「本当?」

 

「うん! なのはママもフェイトママもかっこよかった!でも何でパパのビデオがないの?」

 

「そう言えばそうですね。 基本的にあるのは、なのは、フェイト、はやてのビデオですね。 どうしてですかクレナイ?」

 

ヴィヴィオの当然の疑問に首を傾げる一同。 そもそも、今まで気が付いてなかったのかお前らは

 

「そんなもん決まってるだろ、面倒だからだ」

 

「め!」

 

「ハイ......」

 

ヴィヴィオに叱られるが、一応本当の答えは念話で伝えといた

 

『俺の場合、扱う力が特別すぎるのと、単純に俺みたいなポジションがいないから、これだけだ』

 

どうやら隊長陣は納得したようだ。 フォワード陣は見せる機会がないし、首を傾げているようだが

 

「ねぇシュテルママ」

 

「はい、なんでしょうかヴィヴィオ」

 

「なのはママとフェイトママってどっちが強いの?」

 

------------------------------

 

「六課内で一番誰が強いのか?」

 

「まったく、どこかのタヌキが隊長だからのぅ、空気が緩み切ってるみたいだな」

 

「私関係ないやろ」

 

「主、ディアーチェも喧嘩をするな」

 

報告してきたのはユーリ、アリシアだ。 どうも食堂が騒がしく、気になって行ってみるとそんな話をしていただとか

 

「ご苦労さんユーリ、アリシア。 まぁ勝手に騒がせとけ、どうせすぐに飽きるだろ」

 

「ですね、最強はクレナイに決まってますし!」

 

「そだねー、私も最強が分かってるから興味ないし」

 

なんて言いながら書類を手伝ってくれる二人、有り難いんだがなー。 夜もいい時間だ、寝て欲しいのだが譲らないしな

 

「でも、何を持って最強って言うんでしょうかね? リインは少し気になります」

 

「それを言ったところで、トップに来るのはクレナイだがな。 でも何を持って最強か、腕っぷしのことだろうか?」

 

「総合的な戦闘力、じゃないのか? あやつらの言うことだ」

 

「そしたら私は一番下やねー」

 

「珍しいねはやてがそんなこと言うなんて」

 

アリシアが少し感心したように言う。 俺は少しも意外に思わないけどな、コイツは適材適所わかってるし、総合的な判断ならそうだろ。 コイツの戦術は基本、守護騎士または、そのポジションをこなせるやつ前提になるし

 

「まぁ悔しいが、我はその上か」

 

「どうでしょうか、私とディアーチェが同じくらいでしょうか?」

 

「いや、少なくともユーリは、ディアーチェの上じゃないか? お前の場合、クレナイに習って近接もできるのだろう?」

 

「アインスの言う通りですけど、それだってかじった程度ですよ?」

 

「そうなのか?」

 

俺の方を向くアインス

 

「うーん、まぁ普通の局員程度なら軽く撃退できる。 でも高ランク保持とか実力があるやつなら、時間稼ぎが精いっぱいってとこか」

 

「そしたら少なくともツヴァイはその下だな」

 

「はいですぅ。 戦闘力で言ったら、はやてちゃんよりないですし」

 

「次は私か?」

 

「うーん、夜天の書使われたら私が下になるんじゃないかな」

 

アリシアはペンを唇に当て考えるそぶりに、まぁ五分かアリシアが下だろう

 

「クーはどう思う?」

 

「アリシアはそもそもデバイス自体が普通じゃないからな、かなり体に負担かけず無理できるし。 そう考えると、夜天の書使ったアインスと五分か、少ししたってとこか?」

 

「妥当だーね」

 

「その上に来るとなると、レヴィ、ヴィータ、シグナムでしょうか?」

 

「その順番でええんちゃう? それで後は、なのはちゃん、フェイトちゃん、シュテルやね」

 

「そもそも、策、タイプ相性によってそこらへんは、変動するからな」

 

「ああ、フェイトがなのはに勝てなくても、フェイトとシュテルがやれば、やりようにやっては互角だ」

 

「ならこうやね」

 

そう言ってはやてがホワイトボードに書き出した図は、なのは≧越えられない壁>フェイト=シュテルという図だった

 

「・・・・・・まぁ、それが妥当かのぅ?」

 

「そうだねー」

 

「私もそうだと思います」

 

「私もそう思います」

 

「私も」

 

「まー君は?」

 

「それが妥当だろ」

 

 




着々と出番が増えてくるヴィヴィオ。 強さは多分こんな感じなんじゃないかなーって、主人公はそのなのはさんより強いです

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第十四話

これから山場ですね、今週も夜勤なので更新の方は悪しからず。 うまくいけば今週で終わるかな?

本編どうぞ!


地上本部公開意見陳述会、ようはお偉方が集まって、意見交換しましょうね。 っという会に俺達六課もお呼ばれしている。 正直言ってこういう場にいるなら、ヴィヴィオのそばに居たいのだが。 朝からどうにも嫌な予感するし、いざとなったらテレポートがあるので、今回は泣く泣くついてきたのだが

 

「お前は相変わらずだな」

 

「おや? ゼストさんじゃないですか」

 

地上本部のエース、ゼストさんが直々に声を掛けてくるなんて珍しい。 目の前の新人たちも固まってるし

 

「お前は......まぁいい、どうしたんだそんなにそわそわして」

 

「娘を置いてきた罪悪感が」

 

「冗談も休み休み言え」

 

「それが本当なんですよゼストさん」

 

「そうですよ」

 

「お兄ちゃん!?」

 

「お母さん」

 

おおぅ、なぜか集まってほしくない人たちが来たぞぅ!丁度いいので逃げようとするのだが

 

「あら、どこに行こうとしてるの?」

 

「あはは、メガーヌさんじゃないですか......HA☆NA☆SE」

 

「諦めなマリオ、お前には話があるからな」

 

「くっそー!どうせお前はティアナに関してだろうが!愚痴とか文句ならこの間の飲み会で聞いたわ!!」

 

肩に手を置いていい笑顔で言ってくるが、その話は聞き飽きた

 

「お前ら、そういう関係ない話は後にしろ。 お前に聞きたいことがある」

 

相変わらず真面目なゼストさん、それはそうと真面目な話があるようだ。 こうなっては逃げるわけにもいかず、話を聞くことにする

 

「なんですか?」

 

「今日のこの場所のことだ、警備は他の部隊に任せたとはいえ完璧だ、だがお前はどう思う、マリオ」

 

「だからその名前で呼ばないでくださいとあれほど......まぁいいや、確かに軽く見て回った感じ警備は完璧ですね、でも」

 

「やはりか......お前の勘はよく当たるからな」

 

「まーだあの時のこと言ってんですか? まぁ当たるのは否定しませんけど」

 

俺には原作の記憶があるが、もはや時間とともに風化してきていて、ほとんどないに等しい。 だが、この世界に居たら勘が鋭くなり、そういうことに関しては敏感になっていた

 

「どういうこと?」

 

「まぁ、昔色々あったんだ。 やっぱどうにも嫌な予感がす」

 

直後爆発音がする

 

「ゼストさん」

 

「管制室、なにがあった!管制室!」

 

「フェイト、なのは! はやてに何かあったらまずい、はやてのとこに行け! フォワード陣は」

 

「私が行くわ」

 

「お願いします。 フォワード陣はギンガと合流してクイントさんの指示に従え!」

 

「了解!」

 

「わかったけどマー君は?」

 

「俺はどうにも嫌な予感が止まらん、ヴィヴィオのところに行く」

 

「ヴィヴィオをお願い、クレナイ」

 

「まかしとけ。 ユーリ!」

 

「はい!」

 

「「ユニゾン、イン!」」

 

「テレポート!」

 

一瞬で六課の隊舎に移動したが、大量のガジェットに囲まれ、所々焼け始めたいた

 

『ディアーチェ達は!?』

 

「あいつ等なら大丈夫だろ、そんなことよりガジェットを一掃する! ライトニング、ナハト!」

 

「「セットアップ」」

 

デバイスのリミッターと任意で解除できるリミッターをすべて解除し、ローリングバスターライフルでガジェットの半数を殲滅する。 残ったのは誘導弾と射撃で殲滅する

 

『シュテル、レヴィ、ディアーチェ!返事しろ!!』

 

『主ですね、今ヴィヴィオの部屋にいます』

 

『シュテルか、すぐに向かう!!』

 

ヴィヴィオの部屋、つまりなのはとフェイトの部屋に向かうと、傷だらけのシュテルがいた

 

「シュテル!」

 

「すみません、主。 少し油断していました」

 

「馬鹿野郎!!そんなんはどうでもいい、傷は浅いみたいだな。 ヒール!」

 

「パパー!!」

 

「ヴィヴィオも無事か、よかった.......」

 

シュテルとヴィヴィオを抱きしめながら、シュテルにヒールを掛ける。 俺からの言葉もあり、ヴィヴィオをシュテルが見ていたのだが、いきなり六課に大量のガジェットが転送され、瞬く間に火の海になった。 非戦戦闘員の避難が完了してから、ガジェットの掃討にレヴィとディアーチェがおこなったようだが、途中から戦闘機人が乱入、数によって段々と追い込まれてきたところに俺が来たようだ

 

「レヴィやディアーチェは?」

 

「どこかで戦闘しているものと思われます、どうしますか主」

 

「お前らや、ヴィヴィオ、そしてこの隊舎をこんなにしてくれた落とし前、つけさせてもらう!!」

 

気配を感じ、後ろに砲撃をするが、どうやら致命傷は与えられなかったらしく、気配は遠ざかっていく

 

「お見事」

 

「行くぞシュテル、どちらにしろここに固まってるのは危険だ」

 

「はい」

 

ヴィヴィオを抱いたまま飛行魔法で外に出る、シュテルと背中合わせで周囲を警戒するが、ガジェットばかりで戦闘機人が出てくる気配がない

 

「主殿!!」

 

「くれない!」

 

どうやらレヴィとディアーチェも逃げられたようで、合流してきた。 揃ったのはいいが、敵の数が分からない以上油断はできない

 

「ユニゾンするぞ、数を減らすのは危険だが埒が明かない」

 

「了解だ、主殿。 モードトリニティ」

 

「「ユニゾン、イン」」

 

ヴィヴィオをしっかり抱きかかえながら、周囲を警戒する。 フォートレスを展開して、警戒していると突如フォートレスからアラートが鳴り響く

 

『くれない、後ろ!』

 

「わかってる!」

 

後ろから来た後は、死角を取るように攻撃してくるが

 

「なかなかいいコンビネーションだが、それだけじゃな!!」

 

「リンク完了、ブラッディーダガー」

 

死角がないように全面に展開し、一斉射。 何人かは動きを止めたようで、その隙に一人に近づき

 

「ペインバインド! 後これもくらっと、け!!」

 

痛がってまともに防御できないであろう頭に、手加減一切なしの踵落としをお見舞いする。 地面に大きなクレーターができ、ピクリとも動かない。 どうやらうまくいったみたいだ、その動かない上に、チェーンバインドをし、動きを封じておく

 

「妹を、よくも!」

 

「てめえらが言えたことか!!」

 

この状況で真正面から向かってくる、戦闘機人の一人、俺はそれを槍を投げ対応する

 

「そんなもん!」

 

「ばか、それは囮だ!」

 

どうやらこっちの動きを見ている奴がいるようだが、そう言っている時にはもう遅い

 

「らぁ!!」

 

チェーンバインドを引っ張り槍を戻そうとする、そうすると当然バインドは巻きついてくるわけで

 

「くっそ、こんなもの!」

 

「ふっ!!」

 

他の奴らの追撃を振り切り、槍で戦闘機人を地面に向かって打つ。 これまた大きなクレーターができたが、それで手を緩めず最大速度で突きを放つ。 もちろんとんがった部分ではなく、石突きでだ

 

「こんのー!!」

 

「はぁ!!」

 

さらに向かってくる最後の二人、両方から挟撃を掛けようとしているようだが

 

「甘い!!」

 

モードブレードにし、バリアジャケットをパージ。 早くなったスピードを使い、魔力刀を首筋にあて

 

「レヴィ!」

 

『それ!!』

 

レヴィの手加減なしの電気変換を使い、気絶させ、片方には踵落としをしたが防がれる。 まぁそんなのも織り込み済みだけどな。 そのまま加速し、チャージしておいた砲撃で、撃墜する

 

「ナハト」

 

「ファイア」

 

「ヴィヴィオ大丈夫か?」

 

「う、うんー? 一応?」

 

何とも疑問形なようだが、平気なようだ。 少し頭がフラフラしてるが

 

『ユーリ、ユニゾンアウトしたら魄翼、全力展開だ、いいな?』

 

『へ? クレナイ?』

 

「ユニゾン、アウト」

 

ユニゾンを解除すると、俺の胸からは剣が生えていた

 

「ふん、油断したな」

 

「油断? ゴホッ、馬鹿じゃねえのか?」

 

剣を掴み、俺から抜けないようにする。 油断ではなくこれは作戦、ユーリは見ると全力で魄翼を展開しているようだ。 ヴィヴィオもあの中にいるなら安心だし。 俺はためらいなく、セットアップ時点からチャージしていた魔法を開放する

 

「ナハト」

 

「ファイア」

 

ディアボリックエミッション、どうやら剣が消えたところを見ると、退却したようだ

 

「よかった......ヴィヴィオ、まも、れ、て......」

 

俺はそこで意識を失った

 

 




さて、ここが終わってしまうと後はゆりかご編ですが

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第十五話

よくよく考えたら最後やん。 そんなわけで、あと数話ですので皆さんお付き合いくださいね!

本編どうぞ!


目が覚めたら、そこは知らない天井だった。 いや

 

「知ってる天井やないかーい!」

 

「うるさい!」

 

「へぶっ!?」

 

目が覚めて、いつものネタをやっていたら、聞き覚えのある声に殴られた。 ついでに、跳ね起きたことによって傷が開いたらしく、胸が痛い。 しばらく痛みにのたうち回っていたのだが

 

「えっと、コウ君大丈夫?」

 

「ぬおぉ......ネタやらなきゃよかった」

 

ヒールをかけ取り合えず傷口をふさぐ。 ようやく痛みも引いてきたので顔をあげると、怒っているアリサと心配そうにこちらを見るすずかがいた

 

「とりあえず久しぶり二人とも」

 

「久しぶりってアンタねぇ!あー、もう!心配して損した!」

 

「アリサちゃん......久しぶりは久しぶりだけど、どうしてこうなったのかな?」

 

アリサをなだめる一方ですずかも怒っているらしく、笑顔が怖いです。 まぁ状況説明は後だな、状況が状況だし

 

「まぁ、色々あってな、説明は後でする。 司令部、どういう状況だ?」

 

「副隊長、目が覚めたんですか!?」

 

「いいから状況を」

 

「は、はい!」

 

それから状況を説明してもらう。 どうやら俺が寝ている間に、聖王のゆりかごが起動したようで、極めて危険度の高いロストロギア認定されたようで、管理局一丸となって殲滅に臨んでいる模様

 

「そらまたすごい状況だな」

 

「パパー!!」

 

「おっとヴィヴィオか、無事でよかったよ」

 

「パパもパパも目を覚ましてよかった、よかったよぉ......」

 

どうも心配をかけたようで、マジ泣きされてる。 それをあやすのに数分食ったが、まぁ仕方ないだろう泣かれたまま行くのは無理だし

 

「とりあえず、その子のことは今は不問にしてあげるわ」

 

「帰ってきたらじっくりお話しようね」

 

だから笑顔が怖いです二人とも。 二人からデバイスを受け取りセットアップする

 

「パパ」

 

「ん、なんだ?」

 

とりあえず、現場がどういう状況になってるのか知るのは、現場指揮を任されてるゲンヤさんかはやての方がいいだろうということで、はやてのところに行こうとすると、ヴィヴィオに声を掛けられる

 

「あの人たちを、みんなを救ってあげて」

 

「・・・・・・どういうことだ?」

 

ヴィヴィオの話によると、聖王のゆりかごは聖王がいて初めて使い物になるらしいが、聖王の完成体であるヴィヴィオはここにいる、なら何故動いているかというと、失敗作、つまりはヴィヴィオよりも前に作られた人造魔導士をかわりがわり使っているらしい。 どうもヴィヴィオはそいつらの叫びが聞こえるらしい

 

「まぁわかったが、すべて思い出したのか?」

 

「うん、私が聖王のクローンだってことだよね?」

 

「・・・・・・」

 

それに押し黙る俺。 それは別にヴィヴィオの生い立ちに黙ったわけではない、ヴィヴィオのそのはかない笑顔がなぜか無性に悔しかった

 

「ヴィヴィオ、お前の生い立ちがどうであれ、お前は俺の娘だ。 それだけは忘れるな、聖王のクローンだとか関係ない、お前はお前だ。 紅魔狸男の娘、そうだろう?」

 

やはり無理をしていたのか、頭を撫でると瞳に涙がたまり始めた

 

「泣きたいときは泣いてすっきりしちまえ、な?」

 

「ぱ、ぱ......パパー!!」

 

抱きしめてやると、ついに我慢の限界だったのか大声で泣き始めるヴィヴィオ。 泣き止ますのに、さらに数分使うことになったが、仕方ない。 娘の涙、プライスレス

 

「それじゃあ、行ってくるな?」

 

「行ってらっしゃい、ぱぱ!」

 

笑顔でヴィヴィオに送り出される。 それに小さく手を振り、気持ちを切り替える

 

「転送」

 

「ホントいきなりよね」

 

「でもこうやって合法的にコウ君に抱き着いてられるし、役得かな?」

 

「何しに来たんや......」

 

ついてくると言って聞かなかった、アリサとすずかを連れてきたわけなのだが、もちろん空中に転送しているわけで、アリサとすずかはバリアジャケットを展開していないので、俺に抱き着くしかないわけではやては呆れていた

 

「アリサ、すずか、早くリライズアップしろ。 はやて状況は?」

 

「仕方ないわね」

 

「はーい」

 

「えらい気が抜けるんやけど......状況はヴィータ、シュテル、なのはちゃんがゆりかご内部に突入してる。 フェイトちゃんとレヴィはスカリエッティの確保、そして私とディアーチェ、ユーリ、アインス、アリシアちゃんでここの防衛や。 フォワードのみんな、守護騎士たちは本部と協力して、本部の防衛や」

 

「ここが一番苛烈な戦場ってわけね」

 

「主殿!」

 

「クレナイー!!」

 

「クレナイ!」

 

「クー!」

 

俺の姿を見て集まってくる六課の面々だが、いいのかよ?

 

「目が覚めたんですね、よかったぁ......」

 

「心配かけたなユーリ」

 

「本当だ! この馬鹿者」

 

「ディアーチェの言う通りだよ、まったく、もう......」

 

「珍しいこともあるものねー、ディアーチェが泣きそうになってるわよ?」

 

「やめろアリサ、王をあんまり挑発しないでくれ」

 

「はやてちゃん、連絡ありがとうね」

 

「あー、それはいいやけど。 とりあえず、これからどうするんや?」

 

なんかまったりムードになってしまったが、それではいけないとはやては俺に聞いてきた。 まぁこの状況だと

 

「アリサとすずかはここに置いてく、戦力いくらあっても足りないだろ?」

 

「まー君はどうするんや?」

 

「俺はフェイトのところに行く。 ヴィヴィオが気になること言ってたし」

 

「わかった、気を付けて行ってきてな?」

 

「善処する。 とりあえず、ユーリは連れてく、ユーリ!」

 

「はい!」

 

「「ユニゾン、イン!」」

 

------------------------------

 

 

 




今回は短いですがここで終わります。 終わりにしないと確実に長く、微妙なところで途中になるでしょうし

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第十六話

ふっざけんな!パソコンの調子悪すぎてワロエナイ。 おかげで昨日全く書けなかったし

やー、やっぱりStS時でオーバードライブ状態はいけないと思います!印象がそこしかないのはどうかと思うけど

さて、本編どうぞ!


フェイトやレヴィ、シスターシャッハが先に来ているということで、スカリエッティのアジトへの侵入は簡単、というよりも警備がないわけだが。 まぁ、俺一応怪我人だし、戦闘がないに越したことはない

 

「にしても内部はボロボロだな」

 

『戦闘がそれだけ激しかった、ということでしょうか?』

 

「いや、違うな」

 

どう見ても壁の抉れ具合や、ガジェットの残骸を見るに、あいつの仕業だと思う

 

「もー、久しぶりの全力で戦闘だっていうのに、君は弱いなー」

 

「レヴィー」

 

「ん? くれない!目が覚めたんだね!」

 

「おう、心配かけたみたいだな」

 

敵を放っておいて笑顔で抱き着いてくるレヴィ、それはどうなんだとツッコミを入れたいが、相手はデバイスを破壊されすでに魔力も切れかけている、捕まえるのも安易だしなー。 とりあえず、バインドを何重にもして縛り上げ、外に転送して転がしておく。 どうせ後続の部隊も向かってるだろうしな

 

「フェイトは?」

 

「あー、珍しく怒ってたみたいだから、先に行ってるよ? 本当は二人で倒して、先に進もうと思ったんだけど」

 

『うーん、フェイトの気持ちもわかりますからね、特にツッコミ入れないでおきましょう』

 

「だねー」

 

なんて二人は先行した理由をわかっているようだが、俺は首を傾げるばかりだった。 レヴィの先導を受け奥に進んだわけだが、スカリエッティ改め変態がフェイトを拘束していた

 

「ふぅ......これには流石の俺もキレちまった、とりあえずディアーチェとシュテル呼んで、ここ跡形もなく吹っ飛ばしていい?」

 

「いやー、流石にそれはやめたほうがいいんじゃないかな?」

 

『そうですね、防衛戦力や、向こうが大変になりますから」

 

レヴィとユーリからツッコミが入るけど、戦力的に困らなかったら呼んでもいいんですね。 そんな的外れのツッコミを受け、幾分か冷静になったわけだが、戦闘機人が俺に気が付いたのかこちらに向かってくる。 まぁ、冷静になったと言っても、まだくすぶってるし力加減は間違えるかもね

 

「かく、ゴハッ!?」

 

トンファーのように展開してきた魔力刀を振ってきた戦闘機人だが、素手で掴み脇腹に回し蹴りを入れる。 ふむ、準備運動にもならないらしい。 壁に激突し、うつぶせで地面に落ちるが、驚くことにまだ立とうとするらしい。 ふーむ、思ったよりも頑丈みたいだな、手加減はしたが余計な力入っていたのに、とりあえず

 

「なん、なんだ、あの理不尽、っ!?」

 

「眠れ」

 

何か言ってたようだが気にしない、恨むんなら人の恋人拘束してる、生みの親を怨め。 そういう気持ちを込めて、頭に踵をつけて踏む。 顔面地面にめり込んで、しかもその周りのクレーター酷いけど、生きてるだろ戦闘機人だし

 

「やれやれ、なんだいそのバケモノじみた力は?」

 

「おう、黙れや変態、人の嫁拘束してやがって。 後バケモンで結構」

 

『「「嫁っ!?」」』

 

口からぽろっと出たようだが、今の俺は気にしない。 ユーリなんかは、中から何か言っているがそんなものは聞こえない

 

「はっはっは、それはすまないことをしたね。 だからと言って拘束は解くつもりはないけど」

 

「はっはー!殺されたいみたいだな」

 

リミッターは全部隊解除していいと、お達しは出ているので遠慮なく解除する。 ちなみに魔力量は、一番最初に正式に記録した時、つまりジュエルシードの時に記録したやつを更新していないので、記録はそのままになっているが、アレからも修行は欠かしていないので魔力だけはすごいと言っておこう

 

「フェイトもフェイトだ、いつまでそんなへなちょこに捕まって、あることないことふきこまれてるんだ」

 

「あぅ、ごめんなさい」

 

「いや、いいけどさ。 とっとと終わりにして、帰ろうぜヴィヴィオも待ってるし」

 

顔を真っ赤にしていたフェイトだが、俺が注意するとシュンと俯いてしまった。 それに毒気を抜かれ、キレていたのだが怒る気にもならなくなった。 だが怒った効果はあったようで、俯いていたフェイトは顔を上げ、その目はさっきのように弱々しいものじゃなく、ちゃんとした意志が宿っていた

 

「オーバードライブ、真ソニックフォーム」

 

黄色い閃光が辺りを包み、その閃光がやむと双剣を構えたフェイトが、変態に向かっていっていた

 

「あれ久しぶりに見たけど、うん、何も言わないにしよう。 エリオ、キャロ、そっちは大丈夫そうだな」

 

「マリオさん!目が覚めたんですね」

 

「本当によかった......心配したんですよ!?」

 

「あー、悪い悪い。 とりあえずこんな事件早く終わらして帰ろう、ヴィヴィオも待ってる」

 

「「はい!!」」

 

いい返事だ。 なんでエリオとキャロと通信しているかと言うと、何故か変態が通信していたからだ。 ちょうどよかったから使ったのだが

 

「あ、終わったみたい」

 

レヴィがそう言ったのでフェイトの方を見てみると、ちょうど双剣をザンバーのように大剣にし、変態をホームランしたようだ

 

「ユーリ」

 

『わかってます!』

 

「ライトニング、モード刀。 ナハト」

 

「了解」

 

「セット」

 

そこまで言ってフェイトの頭上に飛ぶ、フェイトは気が付いてないようだが、何故かこの研究所は崩れ始めていて、フェイトの頭上に大きな岩が落ち始めたいた。 俺はそれをすべて切り裂き、フェイトのもとに降りる

 

「とりあえずお疲れさん、さて崩れてきたし脱出するか」

 

「あ、ありがとう。 何も撫でなくてもいいのに......」

 

「ならその嬉しそうな顔やめて、頭に置かれた手を払ってから言え。 後その恰好目に毒だから、はよマント出そうか」

 

「え? 昔はよくこの格好だったよね?」

 

「あ、はいもういいです。 AMFも濃くなってるし、転送よりもぶち抜いた方が早そうだな」

 

フェイトの天然には諦め、フェイトをお姫様抱っこして、ナハトを天井に向ける

 

「ナハト!」

 

「ファイア」

 

砲撃を打ち込み天井に大穴を開け、そこから脱出をする。 もちろん障壁を貼り忘れることをしない

 

「いやー、空が青いな」

 

「うん、綺麗だね」

 

なんて場違いにも少しぼーっとしていたが

 

「おーいクレナイー、さっきこの変なのから話聞くって言ってなかった?」

 

「あ、忘れてた」

 

そんなわけでバインドでぐるぐる巻きにして、縛っておいた変態を起こし、ヴィヴィオが言っていた人造魔導士について聞く

 

「おい変態、ゆりかごを動かしてる人造魔導士の総数は?」

 

「さぁ? 一々失敗作の数なんて数えてられないからね、ただ一桁だったとは思うけど」

 

「クレナイ、どういうこと?」

 

「ヴィヴィオが気になること言ってたからな、その確認」

 

詳しく話している暇はないので、簡潔に教えるが納得いかないが、聞き返してくることはなかった

 

「わかった」

 

「レヴィ連れてっていいか? この後必要になると思うし」

 

「うん、現場には誰か残らないといけないと思うし、私に任せて」

 

「了解、それじゃあちょっくら、はやてのとこ適当に行ってなのはのとこ行ってくる」

 

「うん、私もこっちの指示出し次第、はやてに合流するね」

 

「おう。 レヴィ、行くぞ」

 

「りょうかーい、それじゃあフェイト後頼むねー」

 

「うん、レヴィも気を付けてね。 ユーリはクレナイを頼むね」

 

『はい、お任せください!!』

 

「それじゃあ、転送」

 

 

 

 




やっぱあの格好は目に毒だと思うの。 最後の最後まで、この小説のフェイトちゃんはピュアな天使です!

少し短いですが、感想評価お待ちしてます


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第十七話

ついに主人公ゆりかご内部に突入! さぁ、最終決戦の始まりだ!こう書くと打ち切り最終回みたいですよね

本編どうぞ!


転送し終わり、周りを見てみると心なしか、さっきよりガジェットが増えているような気がする

 

「そんで状況は?」

 

「さっきからガジェット殲滅してるんやけど、増え続けてきりがないんや」

 

「しかも何かの嫌がらせか、数がだんだんと増えてきておる」

 

はやてとディアーチェの言葉を受け、やはり俺の勘は間違っていなかったようで、ガジェットは増え続けているようだ

 

「どっから出てきてるかわかる?」

 

「それなら船の後ろの方からなんだけど、はやてやディアーチェ何かが広域殲滅魔法で狙ってるんだけど、やっぱりAMFが濃すぎるみたいで届かないみたいなの」

 

「それで近くの敵がおろそかになって、あぁもう!うざったい!」

 

「何とかならないかな、コウ君?」

 

まぁ、確かに長引かせるのは得策ではないな。 なら

 

「ディアーチェ、紫天の書借りる。 レヴィ、周りの敵殲滅よろしく」

 

「りょうかーい!」

 

「うむ、なら我も周りの敵を殲滅しよう」

 

「よろしく、砲撃するならシュテルとユニゾンしていた方が成功率高いんだけど、ないものねだりしても仕方ないということで。 紫天の書!」

 

紫天の書を開き、とあるページを開く。 長距離からの砲撃、しかもAMFが非常に濃いところに砲撃するわけだが、多量に魔力込めれば大丈夫だろ。魄翼から魔力を垂れ流し、それを収束する

 

「ライトニング、フォートレス展開。 砲撃フォーメーション」

 

「了解」

 

ようはフォートレスに、ブラスタービッドと同じ動きをさせるだけだ。 ここまで言えばわかると思うが、もちろん選択した魔法は、あいつの魔法だ

 

「咎人達に、滅びの光を。 星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ。 貫け、閃光! スターライトブレイカー!」

 

ナハトでチャージしていた魔力を目の前の収束した魔力にぶつけ、スターライトブレイカーを発動する。 戦場に残った濃い魔力と魄翼から垂れ流した魔力、それにナハトのチャージした魔力が上乗せされているのだ。 いくらがガラクタ共が集まって濃いAMFを展開していたとしても、そんなのは関係ない

 

「相変わらず理不尽な魔法だな......」

 

「お前も使ってたからわかるだろうが、俺もそう思う」

 

アインスの呟きに俺も同意する。 ピンク色の閃光は、船の後ろの方を飲み込み、射線上にいたガジェットは殲滅。 よくよく考えたら、炎熱変換持つルシフェリオンブレイカーの方が、熱でさらに巻き添えに出来たのでは? と思ったがまぁいいか。 あんな砲撃を食らったのに、今だにゆりかごは健在で、上昇を続けていた

 

「広域殲滅より倒せてるで? 相変わらずなのはちゃんの魔法は非常識やな」

 

「しかも見てみろ、非殺傷のはずなのにゆりかごの内部が見えるぞ? 半分くらい削れているのではないか?」

 

「うっひゃー、なのはだけは怒らせないようにしないとね」

 

「うんうん」

 

アレの破壊力を見てそんな感想のようだが、一応これは蒐集してコピーしたようなものなので、威力はなのはの方が数段上なのだが

 

「ねぇクー」

 

「ん? なんだ」

 

何故かアリシアがひきつった笑みで俺のそばに寄ってくる

 

「前に聞いたけどさ、これってクーが撃ってこの威力なんでしょ? なのはが撃ったらこれい「それ以上はいけない!」あ、うん」

 

俺の言いたいことが分かっているアリシアは、少し震えていた。 とりあえず頭を撫でて、慰めておく。 世の中にはね、知らないことの方が幸せなこともある

 

「さてと、それじゃあ中に行ってくるか」

 

ひとしきりアリシアを撫で終え、満足したのでそう言う。 まぁ、ガジェットが追加で出てこないか見ていたのもあるのだが。 出てきていたとしても、ここにいる戦力で楽々殲滅可能なので、問題なし

 

「あー、私も行ってええ? ヴィータが心配で」

 

「了解。 それじゃあディアーチェ、指揮代行頼む」

 

「承知した、クレナイも気を付けるのだぞ」

 

「了解、ブラッディダガー」

 

「うわっ!? 別にここまでせんでもええのに」

 

別々に行くのは面倒なので、バリアジャケットをパージして機動性を上げ、はやてをお姫様抱っこする。 そんなこと言う割には、顔が嬉しそうににやけているわけだが、特にいうことはしない。ブラッディダガーを射出し、その後ろを飛行する、作って射出を繰り返しているので、道中のガジェットはこれで十分だ。 後はレーザーを避けながら飛べば、あっという間にさっき大穴を開けたゆりかごの後部に着いた

 

「それじゃあ、なのはの方に行くから、ヴィータ見つけたら合流な」

 

「了解や」

 

はやてと別れるが、たぶんヴィータはすぐに見つかるだろう。 それはいいのだが、ゆりかごは広いし通路は複雑だ。 道通りに行っていたら、面倒極まりない、なので

 

「ユーリ、魄翼で杭作ってくれ。 それもバカでかいやつ」

 

『クレナイって時々とんでもないこと思いつきますよね』

 

そう言いながらも作ってくれる辺り、ユーリも大概だと思う。 その作ってもらった杭をナハトの着いた左手で殴る、殴った瞬間ナハトで砲撃も忘れない

 

「思ったよりも上手くいったな」

 

『進みやすくなりましたし、急ぎましょう!』

 

「おうよ!」

 

思っていたよりも力んでいたらしく、バカデカい扉の前まで貫通していた。 それでそのバカデカい扉の中からは、なのはとシュテルの魔力を感じる

 

「すごいな、ゆりかごのほぼ後ろの方から、ここまで貫通してるとか」

 

『作った私が言うのもおかしいんですが、頑丈ですね。 後クレナイは、本当に人間なんでしょうか?』

 

「自分でも自信なくなってきたわ。 ほっ!!」

 

扉を殴って、ダイナミック入室。 やはりと言うか、戦闘は終わっている様子で、なのはとシュテルは部屋の真ん中でボーっとしていた

 

「何してるのさお前ら?」

 

「マー君!」

 

「よかったですクレナイ、目が覚めたみたいですね」

 

二人とも走って抱き着いてくる。 地味にね、完全に傷口直してないからダメージがあるわけなのだが、表には出さないぜ。 かなり痛いけどな!とりあえず二人の頭を撫でながら、ダメージがないか確認するが二人とも無傷のようだ

 

「心配かけたみたいだな。 それで、お前たち何にしてたわけ?」

 

「えっと、それなんだけど」

 

「私にもなにがなんだか」

 

シュテルとなのはから説明を受けたのだが、俺にもちょっと意味が分からなかった。 なのはとシュテルがこの部屋に突入したころには、聖王のクローンは二人しかいなくて、どっちもかなり弱かったらしい。 そこで倒したのはいいのだが、なぜか二人とも起き上がり合体したらしい。 まずここで意味が分からないが、文字通り合体したらしい。 しかもフュージョンとか言って。 作品違うだろうが!と思わずツッコミしそうになったが、それをこらえさらに話を聞く。 なんでもそれでも弱かったらしく、二人でブレイカー攻撃をしたら、二言、三言いった後に突然消えただとか。 マジでなんなんだ? あの変態マジで何?

 

「まぁいいや、二人が無事ならそれで......」

 

「おーい、まー君」

 

ちょうどはやても合流し、内部から出ようという話になったのだが。 ゆりかご内部でアラートが鳴る。 聖王とのリンクが切れたらしく、簡単に言えば船が落ちるということだが

 

「あかん、スレイプニールが消えてる」

 

「こちらも飛ぼうとしてもダメですね」

 

「こっちも」

 

ということらしいが、俺の魄翼は健在だ

 

「まぁ俺の場合、魔力の量が桁違いだしな。 とりあえずユーリ、さっきの頼む」

 

『了解です!』

 

「とりあえずお前らは離れてて」

 

一応なのはたちに何かあったら嫌なので、離れるように指示し、さっきと同じように魄翼で杭を作り、それを外と思われる方向にシュート!超エキサイティング!して出口を作る

 

「むちゃくちゃや......」

 

なのはたちも頷いているようだが、なんのことやら

 

「さて、直線でも結構な距離あるし、これに乗ってくれ」

 

フォートレスを展開し、その上に乗るように指示する

 

「なるほど、こういう使い方もあるのですね」

 

「いや、なにもサーフィンするように乗らんでも」

 

何故かシュテルがお茶目スキルを発動していた

 




主人公と聖王たちの戦いがあると思った? 残念、ありません!少し駆け足気味になりましたが、JS事件はこれで終了、残り三話はエピローグとさせていただきます。 そんなわけで、皆様もう少しお付き合いください

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第十八話 エピローグⅠ

さて、この作品も終わりですが、もう少しだけお付き合いください。 次は一応決まってるわけですが、設定と少し見直しなどするので、当分先かなぁ.....BDとかで見直したいし、リリなの

さて、本編どうぞ!


JS事件、あの変態が起こした事件はそう呼ばれ、管理局始まって以来の未曽有の危機だった、らしい。 正直言って管理局に所属はしているが、割とどうでもいい。 大切なものを守るために俺は戦ってるだけだし。 まぁ、事件が終わって、平和な日常が戻ってきたかと言われれば、そうではない。 書類に忙殺されてるし。 相変わらず部隊長室は修羅場だし、六課全体もピリピリしたムードだ、まぁ俺には関係ないけどな

 

「パパー、休憩してて大丈夫なの?」

 

「問題ない、とりあえず休憩して大丈夫なところまで終わらしたしな」

 

そう言って、膝の上に座っているヴィヴィオの頭を撫でる。 気持ちよさそうに目を細めるヴィヴィオを見て癒される。 いや、やっぱ天使だわこの子。 周りのピリピリした感じも少しは和らぐ。 てか思ったんだが、なんで外に出てベンチでヴィヴィオと日向ぼっこしてんのに、ピリピリした雰囲気が外まで漏れてんだよ、いいけどさ

 

「なーんか眠くなってきた」

 

「寝ちゃめ!だよパパ」

 

「大丈夫大丈夫」

 

可愛い娘の頭をポンポンしながら空に目を向ける、あぁ、空が青い

 

「空に何かあるの?」

 

「んー? 空が青いなーってな」

 

「ママ!」

 

膝の上からヴィヴィオが離れる感覚がする、たぶん声の主に抱き着きに行ったのだろう、少し離れて声がしたしな

 

「うーん、まだお昼だしね。 それに晴れてるから、青くなかったら困るかなー」

 

「だらッとしてないで食堂に行きましょう、クレナイ」

 

腕を引っ張られ、無理やり立たされる。 視線を前に戻すと、疲れ切ったフォワード陣となのはとシュテル、ヴィータが立っていた

 

「おー、訓練お疲れさん。 そして午後の地獄も頑張れ」

 

「「「「ハイ......」」」」

 

おーおー、本当に疲れてるみたいだ。 まぁ、シュテル完全監修のもと、デバイスのデータから今回の事件で浮き彫りになった、弱点克服メニューだしなほんとよくやってるよ

 

「お前はこんなところでさぼってていいのか?」

 

「あーんな殺伐としたところいたら息が詰まるし、それにディアーチェから休憩の許可はもらってるからな」

 

「なら大丈夫そうですね、食堂に行きましょう」

 

シュテルに手を引かれ連れていかれる。 あのーシュテルさん、胸が当たってるんですが? それと殺気がやばいんですけど、おもに後ろから。 しかも間が悪い、というかしょうがないんだが、ヴィヴィオがシュテルと反対の手をつないでるもんだから、それ分も来てるし。 なんて俺の思考を読んだのかシュテルは立ち止まり、後ろを向く

 

「なのは、早い者勝ちです」

 

その妙に勝ち誇った顔やめて!? ほら、殺気が、俺に向けられる殺気がやばいんですけど!! 恐る恐る後ろを向くが、ニコニコ笑ってるなのは。 だが騙されてはいけない、薄く開いた眼は全く笑っていない!

 

「早い者勝ちです!」

 

なんでヴィヴィオも挑発してんのぉ!? いや、たぶんシュテルの真似しただけだろうけど!なんで今ここで!? 俺が娘の無自覚な挑発に恐れをなしていると、なのはが口を開く

 

「シュテル、それはどういう意味かな?」

 

「さぁ?」

 

シレッととぼけ歩き始めるシュテル。 俺は当然、手を引かれて歩き始めるわけで、だが俺の耳にははっきりと聞こえた

 

「シュテルは後でO☆HA☆NA☆SI☆かな」

 

たいして大きい声でもないのに聞こえた。 隣のシュテルも聞こえたはずなのだが、シュテルは涼しい顔をしている。 と言うよりも若干嬉しそうな感じだ。 余談だが、前に六課で最強は誰かという話があったが、シュテルはなのはにはかなわないものの、冷静になるまでなのはの攻撃を受けきることは可能なので、実際恐怖のお話(物理)されても、意外に生き残ることが多いのだ。 他の奴ら? 俺とシュテルを除いて全員撃墜される。 そんなこんなで食堂についたわけだが、ほとんど人がいない。 時間をずらすか、そもそも食事をとってるのか怪しい局員もいるが、それもあと少しの辛抱だろうし

 

「それで、訓練はどうだエリオ」

 

「はい......弱点があるのはわかってましたけど、徹底的にそこだけ責められるのは、精神的にもきついです」

 

「まぁシュテルの訓練だしな、そこは諦めろ」

 

「でもいいんです、こうやって弱点をつぶしていけば、いつかマリオさんに勝てるようになりますから!」

 

「まったく目標が高いこって」

 

「えへへ」

 

俺が撫でてやると、照れくさそうなのだが嬉しそうだ。 でもそう考えると、俺もうかうかしていられないかもしれない。 まぁ気が向いた時にでも訓練やりますかね、今は書類で忙しいし。 それでも朝の鍛錬は欠かしてないけど

 

「キャロはどうだ?」

 

「エリオ君と同じ感じです。 疲れました......」

 

女子な分、やはりエリオと比べると体力がないキャロ、俺はねぎらいの意味もかねて、ゆっくり頭を撫でてやる

 

「はふぅ......」

 

気持ちよさそうだ。 服を引かれる感覚がしたので、ヴィヴィオを見てみると頭を突き出していた、撫でろということらしい

 

「ちょっと待ってな」

 

そう苦笑しエリオとキャロを撫でる。 頬を膨らましているが、わかってくれているらしく、大人しく待っているヴィヴィオ。 その間に、別テーブルで火花を散らしているなのはとシュテルに話しかける

 

「それで、先生たちから見てどうよ?」

 

「徹底的に弱点をつぶしてますからね、みんな成長著しいですよ」

 

「シュテルのは厳しすぎるけどね」

 

「どうどう」

 

またも火花を散らし始めるなのはとシュテルをなだめ、ヴィヴィオを撫でる。 うむ、気持ちよさそうだ

 

「片手が開いてるね、なら僕を撫でるといいよ」

 

「なんで紫天一家はどこでもわくのかね?」

 

「むふふー」

 

苦笑しながら突然出てきたレヴィを撫でる、おっとなのはたちの方から殺気を感じるが無視だ無視

 

「それで、お前の方は報告書は良いのか?」

 

「もっちろん!僕はやる時はやるからね!」

 

どうだ凄いでしょ!みたいな顔をするのだが、社会人として普通なのだが。 まぁいい、褒める意味も込めてさらに撫でていると、幸せそうにするレヴィ

 

「そっかそっか、ならレヴィにも訓練手伝ってもらおうかな」

 

「な、なのは?」

 

「そうですね、ちょうど高機動型の魔導士の手が足りないですからね、いい考えですねなのは」

 

「あ、あのシュテるん。 腕を掴まなくてもいいし、少し痛いんだけど」

 

 

「さて今から訓練のすり合わせしようか」

 

「行きますよレヴィ」

 

「・・・・・・はい」

 

可哀そうなレヴィは、なのはとシュテルに両脇を固められ、連行された。 ドナドナを流さないのは優しさだ

 

「レヴィママ連れて行かれちゃった。 なのはママもシュテルママも仕事熱心だね!」

 

「あ、あぁ、そうだな」

 

俺はちゃんと笑えているのだろうか? あの光景やプレッシャーを見て、ヴィヴィオは何も感じていないようだ。 いや、子供だからわからないのか? 他のメンツも、ヴィヴィオ恐ろしい子!みたいな顔で見てるから、俺の考えは間違っていないようだ

 

「なんか、シュテルとなのはがレヴィ引きずってたけど何かあったの?」

 

いつの間にやら休憩に入ったフェイトが、俺たちの近くの席に腰を下ろし、訪ねてくる

 

「あ、フェイトママ!お疲れ様です!」

 

「うん、ありがとねヴィヴィオー」

 

俺の膝から飛び降り、フェイトに頭を下げるヴィヴィオ。 恐ろしい子!フェイトは特に気にした様子もなく、ヴィヴィオの頭を撫でていた。 膝の上にヴィヴィオを座らせると、再度俺に尋ねてくる

 

「それで、何かあったの?」

 

「まぁいつもの通り」

 

「なのはママとシュテルママが仕事熱心だったんだよ!」

 

なんてヴィヴィオが無邪気にも語りだし、フェイトはそれを聞いて苦笑していた

 




そんなわけでほのぼの回、次回もこんな感じで話が進みます

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第十九話 エピローグⅡ

そんなわけでほのぼの回二話目

本編どうぞ!


「よぉ、久しぶりだな、マリオ」

 

「その名前で呼ぶな、このクソジジイ」

 

「相変わらず口が悪いわねぇ」

 

「ご無沙汰してますクイントさん、ゲンヤさん」

 

ただいま俺とはやては、陸士108部隊にお邪魔してます。 書類地獄もようやく終わり、局員の一部は死体になっていますが、ディアーチェに留守番を任せ、俺は足役としてここにいます

 

「相変わらずだなぁ、まだ根に持ってんのか?」

 

「当たり前だ、人が忙しい時に一番こき使いやがって」

 

「いいじゃねえか、有能なんだから」

 

「こちとらアンタのせいで便利屋って呼ばれ始めたんだからな、ああん?」

 

「まったく、それでうちの夫に何か用、はやてちゃん?」

 

「あ、はい。 ちょっと師匠に相談がありまして」

 

クイントさんは、俺とゲンヤさんの言い合いはいつものことなのでスルーし、はやてに話を振っていた。 てか師匠に話? 俺初耳なんだけど

 

「ん? 俺に相談? 歴史に残る未曽有の危機から、世界を救った部隊の隊長がか?」

 

「えっと、そうなんです。 部隊の指揮なんですが、暫くやめようと思いまして」

 

「お前ある意味で舐めてるよな」

 

緑茶をすすりながら一言、あこれ結構うまいわ、流石クイントさんだ。 たいしてジジイは、何も言わずお茶に口をつける

 

「・・・・・・捜査官やらしておけば部隊立ち上げたい、それで今度部隊立ち上げりゃ、指揮はしたくない。 一体どうしたいんだお前は」

 

呆れた表情ではやてを見るジジイだが、俺も一緒の気持ちだ。 便利屋とはいえ局の所属だ、色々なところから情報は流れてくる。 今回の部隊もはやてからの話らしいしな

 

「えっと、今回のことで部隊長として責任感じたりしてー、でもやっぱり部隊立ち上げも捨てきれないなーと思いまして、そこで師匠であるゲンヤさんに、相談に来たてわけなんです」

 

「というかな、俺に相談するよりもうってつけなのがそこにいるだろ」

 

俺を指すジジイだが

 

「俺がそれについて答えると思うかこのクソジジイ、それと俺がやってんのはあくまでも手伝いだ、悩みが違い過ぎるだろ」

 

「まぁそれもそうか」

 

妙にすんなりと納得しやがったが、それはそれでムカつくんだが

 

「まぁちびタヌキは、ちびタヌキなりに悩んでると。 とりあえずそういうのは、経験積むしかないだろ、フリーの捜査官に戻って、小規模指揮や立ち上げとかな」

 

「・・・・・・はい」

 

「話し終わったか? ならけーるぞ、ヴィヴィオ待ってるし」

 

「おめえはもうちょっと落ち着いて話も出来ねえのか......」

 

そんなのは知らん、いくら他の奴らにめんどうを任せているとはいえ、早く会いたいのだ

 

「もともと足役だし、俺自体ここに用があったわけじゃないしな」

 

「だからってその態度と口調はどうなんだよ?」

 

「実際貴方だってそこまで怒っているわけじゃないでしょ? この間クレナイ君に会ったこと言ったら、そうかって寂しそうな顔してたくせに」

 

それは初耳ですなぁ!いい情報を聞いてニヤニヤしていると、露骨に顔をしかめるジジイ

 

「なんだよ?」

 

「いえ別に?」

 

「あー、もう!早く帰れ!ほれ、そこのタヌキもだ!」

 

「えぇ!? もうちょっとゆっくりさせてくれても......」

 

「そこの奴のにやけ顔が気に入らない」

 

俺のことを指さしてくるジジイ、だが俺はその程度ではニヤニヤはやめないぞー

 

「はぁ、ほんなら失礼します。 相談乗ってくれてありがとうございました」

 

「気にすんな、借りはその男に払ってもらうからな」

 

「まぁ、機嫌もいいし、そのふざけた条件に関しては何も言わないでおいてやるよ」

 

「ふふ、仲がいいわね。 また来てね二人とも」

 

クイントさんに送り出され、陸士108部隊を後にした

 

------------------------------

 

「なぁ、なんであんなにゲンヤさんに辛口なんや?」

 

「理由ならさっき言った通り、一番忙しい時に仕事振ってきたから」

 

六課に帰ってきて、少し遅めの昼飯をつつきながらはやての質問に答える。 ヴィヴィオ? 遊び疲れて眠ってるそうだ

 

「そこのところ詳しく」

 

「ほら、俺が一時期連絡取りずらくなったことあったろ?」

 

「あー、取りづらくやなくて、まったく、取れなかった時やろ?」

 

「あー、はい。 あの時陸を中心に依頼受けてたんだけど、依頼が重なってな、まだ余裕はあったんだけど二、三件大きなヤマ放り込んできたんだわあの人、そのおかげで寝ないで情報収集やらやらされてな。 それで六課来た頃お前らにぶっ殺されそうになったろ? それでストレスマッハですわ」

 

「事情は分かった」

 

苦笑するはやて。 今だからこそこんな軽く言えるが、ホントに当時は恨んだものだ

 

「主ー」

 

「はやてちゃーん」

 

「ん? アインスにリイン、今からご飯なん?」

 

「クー!」

 

「アリシア? ぐっは!」

 

勢いそのままに突っ込んでくるアリシア、それでも料理は机に置くとか流石すぎる。 俺は結構痛かったけどな

 

「よいしょッと」

 

「おい待て、なんでお前は人の膝の上で、ナチュラルに飯食おうとしてんの?」

 

「え? だってヴィヴィオは食べてるし」

 

「いやいやいや!子供とやでヴィヴィオは、アリシアちゃん大人やろ!?」

 

「はやてが何を言ってるかわかりませーん」

 

マジで何食わぬ顔で食い始めやがった。 こうなっては諦めるしかなく、俺は成り行きに任せることにした。 周りが騒がしいが気にしない、どうせいつものことだし

 

「どうしたのって、あぁ、アリシアがごめん」

 

フェイトも遅めの昼食のようで、近くの席に腰を下ろしていた。

 

「いやもういいよ、慣れたし」

 

「なら私も......」

 

「まぁ、ユーリやアリシアくらいの背だったらぎりぎり大丈夫だろうけどな?」

 

俺の周りで一番背が小さい大人はアリシアで、次点でユーリだ、なのでユーリはぎりぎりだろうけど、それ以上は背的に無理。 なのでフェイトが落ち込んでいるわけだが、なんで膝の上なんかに座りたいんだよ、よくわからん奴らやなぁ

 

「まー君、私も!」

 

「いや無理」

 

「なんでや!」

 

はやてに絡まれるが、もうめんどくさくなりそこから黙り込む。 ホント誰か止めてくれー。 今もアインスとフェイトが止めてはいるが、止まる気配はなく、俺に何か言ってきているがスルー。 ユーリ? マイペースにご飯食べてるよ

 

「騒がしいからなんだと思ってきてみれば、クレナイが騒ぎの原因か」

 

「騒ぎの原因はこいつで、騒いでるのはこっち」

 

そう言ってアリシアとはやてを指すが、ディアーチェは呆れた視線のまま、俺から目を離さない

 

「だが渦中はお主だろう?」

 

「・・・・・・否定はしない」

 

「できないの間違いであろう? レヴィ!」

 

「ん? 呼んだ?」

 

呆れた表情をしながらも、レヴィを呼ぶディアーチェ、てかレヴィどっから来たし

 

「この騒がしいタヌキを連れていけ、どうせもう食べ終わっているみたいだしの」

 

「りょうかーい、はやてほら行くよー」

 

「レヴィ離して!まだ文句がー」

 

凄いなレヴィ、流石力のマテリアル。 なんか意味が違うような気がしなくもないが。 はやてが連れていかれ静かになる食堂

 

「てか、いい加減食べ終わったろ、降りろよアリシア」

 

「もうちょっと!」

 

上機嫌なアリシア、もう俺は放っておきことにしたのだが

 

「パパー!」

 

入口の方から声が聞こえ、そちらを見るとヴィヴィオがこちらに走ってきていた。 寝てるって聞いたし、まだ起きてこないと思ったのだが

 

「おかえりなさい!」

 

「おう、ただいまヴィヴィオ」

 

「えへへー」

 

相変わらず撫でると嬉しそうに表情を緩めるヴィヴィオ、癒される

 

「私なのはママとシュテルママの方行きたい!」

 

「訓練場か? まぁ行くか」

 

流石にヴィヴィオが来た時点でアリシアはどいていたので、立ち上がってヴィヴィオを肩車し、訓練場へと向かった

 




さて、次の話で最終話です

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第二十話 エピローグⅢ

えー、皆さん長いか短いかわかりませんが、この作品もこの話で完結です。 途中挫折と言うか、書く気がなくなりましたが、応援のおかげで何とか続けられました。 長々やるのは後書きでも出来るのでこのくらいで

本編どうぞ!


「俺の本気が見てみたい?」

 

「はい!」

 

六課ももうすぐ解散、なので本当は書類の整理等で忙しいのだが、俺に限ってはそれに当てはまらなく、もう書類は終わらせた。 なので暇になり、一日中ヴィヴィオを見ているわけだが、ケーキが食べたくなり翠屋においそれとも行けないので、自分で作ることにしたのだが、厨房でヴィヴィオにクッキーの作り方を教えていると、エリオがそんなことを言ってきたのだ

 

「また何で?」

 

「六課ももうそろそろ終わりですし、そうなるとまた会えなくなるわけじゃないですか、だから本気そうなる前に本気で勝負したいなと」

 

「いや、暫く仕事の予定は入れてないし、会おうと思えばいつでも会えるけどな? でも本気で、ねぇ」

 

まぁ、フォワード陣に本気を見せるのはいいが、ここら一帯が更地になりかねないんだが。 まぁそこに関しては、結界を何重か張れば問題ない。 なぜそんなにはるかと言われれば、なのはのせいなのだが

 

「だめ、ですか?」

 

隣りのキャロも俺の本気を見たいのか、上目遣いで聞いてくるわけだが

 

「まぁ、あのタヌキと相談してからだな」

 

視線に耐えきれず目を逸らしながらそう言うと、とたんに顔を輝きだした。 なんだかなー、本当に甘いな俺

 

「よし、ケーキ出来たと。 エリオとキャロも食べるか?」

 

「「是非!!」」

 

前のめりで返事をするエリオたちに苦笑しながら、そこらへんで座って待っているように言うと、早速席に着くエリオたち。 そこまで楽しみにされると、こちらとしてもうれしいのだが

 

「ヴィヴィオはちょっと待ってろよー、袋に詰めてラッピングするから」

 

「うん!」

 

ヴィヴィオからクッキーを受け取り、袋に詰めていく。 それにしてもこの歳で、俺が見ていたとはいえほとんど一人でやらせたんだが、この出来とは、将来が楽しみだな!親バカとかツッコミが聞こえてきそうだが、そんなもん気にしないもんねー

 

「よし、ママたちきたら渡そうなヴィヴィオ」

 

「うん!ママたち喜んでくれるかな?」

 

「そらヴィヴィオが心を込めて作ったんだ、喜ばないわけがない」

 

そう言って厨房から出てくると、どこから聞きつけたのか知らんがはやて、ディアーチェ、レヴィ、フェイト、アリシア、アインス、リインがもうスタンバっていた

 

「・・・・・・いやさ、一応用意したがお前らどっから出てきた」

 

「おいしそうなにおいにつられて!」

 

「同じく!」

 

他の面々も似たような理由なのだが。 流石に呆れるぞこれは、とりあえず一人一人にケーキを出して、食べ始めようとすると

 

「ケーキと聞いて!」

 

「参上です!」

 

「訓練切り上げてきた!」

 

「お前らそこに直れ」

 

------------------------------

 

「そんなわけで模擬戦がしたい」

 

「いいと思うでー」

 

「軽いな」

 

予想よりもあっさり許可が取れて俺びっくり、まぁそうなるかもなーとか心のどこかで思ってはいたけど

 

「まぁ最終日だしな、模擬戦に関しては元々案が上がっていたのだ」

 

「・・・・・・それって、なのはか?」

 

「そうですよー、なのはさんが最後の記念にって言ってました!」

 

「ア、ハイ」

 

なのはならそう言うとは思うが、まさか予想通りとは

 

「だが、お前がそう言うのは珍しいな? どうしてなんだ?」

 

「エリオとキャロに頼まれてな、全力全開で相手してくれって」

 

「「はい、アウトー!!」」

 

はやてとディアーチェが声を揃えて言う、そら当たり前だ

 

「まー君やから自分の力わかってないわけないやろうけど、アウトや! ここら辺更地になるわ!」

 

「しかも全力ということは、我らともユニゾンするのだろう? あのひよっこどもには正直荷が重すぎる」

 

「それはわかってるけどな、エリオとキャロにお願いされるとどうもな......」

 

「親バカですね」

 

「親バカだね」

 

「そこの金髪コンビ、うるさい」

 

「「はーい、黙りまーす」」

 

ユーリとアリシアは注意をすると黙る。 元々ふざけて言っただけなので、そこまで気にしてはいないのだが

 

「まぁ更地云々は、俺が結界はるから問題ない。 何重にもな」

 

「それでも心配は心配なんやけど、仕方ないかなぁ......まぁ問題起こしても、その日一日黙ってればなんとかなるやろ」

 

「はやてちゃん」

 

「主、その考えはどうかと......」

 

「・・・・・・まぁ、今回は我もその意見に賛成だ。 これ以上問題ごとや面倒ごとはこりごりだ」

 

心底疲れたような顔をしたディアーチェに、俺たちは何も言えない。 とりあえず許可はもぎ取った、後でディアーチェは慰めておこう、そうしないとアイツストレスでどうにかなりそうだし

 

------------------------------

 

六課最終日、いつもの訓練スペースに、隊長、副隊長、フォワード陣が集まり、宴会を開いていた。 もちろんヴィヴィオも一緒だ

 

「にしても桜なんて、誰がデータ入れたんだよ」

 

「ライトニングやで?」

 

知らないうちにこんなことしてるとは、思わず海の方に投げそうになるがこらえる。 まぁ、こういう風に新たな門出を祝えるのだからいいか、と思うことにした、そう思わないとやってられない

 

「おいしー!」

 

「そりゃ、よかった」

 

ヴィヴィオは大満足のようで、料理をぱくついていた。 人数も多いし、大食いもいるので、それぞれが料理を作って持ち寄ったわけだが、余ることなく完食していた

 

「それじゃあそろそろ」

 

「模擬戦やるか」

 

一部が盛り上がっているが、俺のテンションは少し低い。 まぁ、面倒だしな。 それぞれがセットアップをし、開始を今か今か待つ中、俺と紫天連中だけセットアップしていない

 

「パパー?」

 

「うむ、覚悟決めるか。 ライトニング、ナハト。 ユーリ達もいいな?」

 

「「セットアップ」」

 

「勿論だ」

 

「無論です」

 

「準備ならいつでもできてるよ!」

 

「行きます!」

 

「「「モードトリニティ!」」」

 

「「「ユニゾン、イン!!」」」

 

ユニゾンをし、お馴染みとなった姿に、隊長や副隊長陣は盛り上がるが、フォワード陣はポカンとしていた

 

「何ポカンとしてんだ?」

 

「いや、だって.......」

 

「こうなるなんて思ってなかったので......」

 

スバルとティアナは何故か呆然としてるが、エリオとキャロはと言うと

 

「かっこいいー!!」

 

「髪の色とかも変わってますね、ユニゾンするとこうなるんですね」

 

と目を輝かせていた、子供は純粋だーね

 

「さて、それじゃあ始めようか、紫天の書」

 

紫天の書を出し構える、そうすると今までの空気はどこえやら、殺気がほとばしる模擬戦となる。 模擬戦だよな?

 

「紫天が主、紅 魔狸男。 行くぞ!!」

 

------------------------------

 

模擬戦も終わり、フォワード陣が転がっているが問題ないだろ。 エリオとキャロは動き始めてるし、副隊長陣も転がっているが

 

「だらしない」

 

「お前らバケモンと一緒にするんじゃねぇ」

 

うつぶせになりながらも俺に返事をするヴィータ、本当のことやん。 レヴィにつつかれてるくせに何言ってるんだか。 シグナムは返事はない、ただの屍のようだ

 

「はーいみんな起き上がってー、写真撮るでー?」

 

はやてがそう言うと、ゾンビのように起き上がるやつら。 はやては比較的最初で撃墜判定が出たため、そこまで騎士甲冑に焦げ目等はない。 てかわざと被弾したなあいつ。

 

「パパ強いね!」

 

「まぁ伊達になのはに勝てるわけじゃないからな」

 

そのなのはは、涼しい顔をして俺の隣に並んでるしな。

 

「それじゃあ撮るですよー?」

 

そう言ってリインがシャッターを押す、セルフタイマーのためはやての肩に乗ったおようだ。 もちろん真ん中はヴィヴィオだ。写真が撮られた




そんなわけで最終話でした! 皆さんの応援のおかげで、最終話までこぎつけました。 この場を借りてお礼を、ありがとうございました!

それでは、感想評価お待ちしています!


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