バーサーカはアーンヴァル!! (紅鬼)
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プロローグ
プロローグ
2046年、とある神姫研究者が一体の神姫のデータを元に、新しいアーンヴァル型神姫を作った。
データとなった神姫は自立戦闘型オートマトン01、02をコアとして動くことを前提に作られ、完全な対人戦闘用として作られた巨大神姫、アテナ。
その科学者は狂っていたのか?ただ、愛する者を求めていただけだったのか?作られた理由は不明である。
結果だけを言えば彼女は失敗作だった。
その理由は感情を消すことが不可能になったからである。
それは科学者の最後の抵抗だったのかもしれない。自身が居なくなっても、彼女が彼女であることを祈って・・・・・。
「私は、マスター、貴方のために戦います、どんな未来も貴方と共に掴み取り、如何なる時もあなたの盾になる。それが私の・・・・。」
彼の体は限界のはず、刻印虫の負担により左半身は神経が麻痺して動かすのにも苦労する。
「告げる、汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に、」
彼も愛する者のため、命を賭けているのだろう。
「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」
二度と同じ過ちを繰り返さないために、命を、賭けている。
「誓を此処に、我は常世総ての善と成る者、我は常世全ての悪を敷く者、されど汝は眼を混沌に曇らせ侍るべし、汝、狂乱の檻に囚われし者、我はその鎖を手繰る者、」
ならば貴方の夢を叶えましょう、この小さな身に全てを纏い、全ての不安を打ち払い。
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ天秤の守り手よーーー!!」
私は、貴方の女神となります、my master・・・。
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蟲
蟲
「はじめまして、アーンヴァルのレクレスと申します。貴方が私のマスターですか?」
「な・・・・、」
目の前に呼び出されたサーヴァントは少女、しかも柔和な笑顔と黄色の髪の毛はとてもバーサーカーの座を持つ英霊とは考えられなかった。
「カカカカ。」
呼び出された英霊を見て間桐臓硯が笑い出した。
「っ!何が可笑しい!?」
口角を上げ黒い笑みを浮かべながら臓硯は言った。
「せっかくお主の頼みを聞き入れてそれなりの用意をしたのにのぉ、呼び出したのがこれではのぉ?やはり今回の聖杯は諦めて、遠坂の娘を調教する方が良さそうじゃ。」
「な!?」
「オマケに狂化の付加にも失敗しておるようだ、ワシはお主の実力を大きく見すぎていたようだ。精々お主はそこの小娘と一緒に戯れておるがいい。」
そう言い放ち、臓硯は地下室から出ていこうとする、その臓硯に雁夜は何か言いかけたが、、言葉を放つ前に、首に何か鋭い痛みを感じた。
「!?」
カプリ・・。
雁夜の首筋には先程召喚したサーヴァントが犬歯を突き刺し雁夜の体にナニカ?を流し込んだ。
「フン、挙げ句の果てに呼び出した英霊に殺されるか・・・、お主には似合った最後だな。」
臓硯はそう言っていたが、雁夜は違う感覚に包まれていた。
そのナニカが自身の体の中にある、刻印虫を破壊し、魔力回路に成り代わるモノになっていく、その異変に雁夜を嘲笑っていた臓硯も表情を変える。
「!?、こやつ、ワシの蟲を!?」
表情を変えた臓硯に対してレクレスは言った。
「私が最優先すべき事項は、マスター雁夜の命です。ですからマスターの体を蝕んでいた寄生虫を退治させていただきました。そして、間桐臓硯、貴方をマスターの敵と判断いたします、死んでくださいね・・・。」
死んでください、そう言って彼女は巨大な白い砲を出現させる。
LC7レーザーキャノン、その砲を両手に構え、一切の躊躇もなく、トリガーを引いた。
「CHIKARA、シュート!!」
周囲の電力根こそぎ奪った砲撃は巨大な光球を形成し、臓硯に向かって一直線に向かって行く、臓硯も体の蟲を分散させて決死の逃亡を試みるが・・・。
「!?」
光球はまるで意思が有るように蟲を残さず焼き尽くす。どこに逃げようと、最後の一匹も見逃すことなく、臓硯という存在を全て焼き尽くした。
「目標の完全消滅を確認、マスターの生命反応の低下も確認・・・、って!?マスター!!?なんでそんな魔力が無い状態なんですか!?」
「お、お前が宝具を使ったからだろう・・・ガクリ。」
雁夜は力尽きた。雁夜の目の前は真っ白になった。
「ママママ、マスターーーー!!」
雁夜は気を失う直前に思った。
(これで桜ちゃんは救えるかもな、爺は死んだし、バーサーカーも俺が死ねばその内消えるしな・・・・。)
けどそんな展開にするつもりはありませんよ?
「とりあえず、治療用ナノマシンとリンク用ナノマシンを注入して、それにしてもマスターが気を失っただけで良かった~。」
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お粥
お粥
雁夜は夢を見ていた。一人の男が三人の少女に向かって何か喋っている。
「レクレス、ブレイブ、クリュエル。私達の処分が決まったよ、廃棄だそうだ……。」
その言葉に二人には諦めの表情が、一人には不満の表情が現れていた。
「そんな!!何故ですか!?私達の兵器としてのレベルはあいつ等が一番解っているはずなのに!?」
水色の髪の少女が叫ぶ。男はただ言った。
「兵器に余計な感情はいらない、兵器に感情を持たせるお前自身も欠陥品だ。そう言っていたんだ。」
「そ、そんな……!!」
「すまない、お前達だけでも助けたかったが、無理だった、せめてあれが完成していればよかったのに……。」
「……あれが完成していれば博士は死なずに済むんだよね?」
紫色の髪をした少女が博士に尋ねる。
「何を考えている。」
男の問いに紫の髪の少女が答える。
「簡単なことだよ、僕が感情を消して兵器として完成すれば、あいつ等も僕達に利用価値が有る、って考えてくれるかもしれない、その間にあれを完成させてレクレスに移植できれば、ブレイブと博士は助かる。」
「しかし私とブレイブの為にお前たちを犠牲にするなんて私には……。」
「……私も反対だ、自分の家族を見殺しになんか、私には出来ない……。」
男と水色の髪の少女は反対しているが2人の意思は変わらない。
「反対しても無駄です。私達は、博士にも、ブレイブにも生きて欲しいから。……さよなら、お父様。それにブレイブ、貴女は勇気ある者ですよ、それを忘れないで、涙なんか流さないで。」
「今のは、一体?」
雁夜さんが目を覚ました場所は自身の部屋でパジャマを着てベットで横になっていた。
(俺は確か昨日地下で蟲爺とサーヴァントを呼びだして、そのサーヴァントがいきなり噛みついてきて爺を殺して、魔力切れで気絶したのか?)
大体会っています。後もう一つ異常が有るのですけど解りますか?
「!!?身体の中の刻印虫が居ない!?なのに魔術回路が有るだと!?それに左腕も、左足も……。」
そう言ってまだ右腕より動作が遅い腕を上げた時、自分の腹の上辺りにいる。何かと目が会った。
「むにゃむにゃ~、マスター‥‥‥、むにゅ。」
そしてそのまま二度寝しようと、お腹の上に頭を落としました。
「何しているんだ!!お前はーーーーー!!?」
変態だ!いいえ、バーサーカーです。
「ほえ~?おはようございます~?マスター、よく眠れましたか?」
「……と言う訳で、あのくたばりぞこない蟲爺を消☆滅させた後、倒れたマスターをお部屋まで運んで着替えついでに身体を拭いた後、ワクチン系治療用ナノマシンを打ち込んで左側の麻痺を治して、蟲をぜーんぶ駆除したのですよ~。後ナノマシンはマスターの体の中で疑似の魔術回路として動いています。クソ蟲と違ってマスターの体を蝕むことは有りません、ブイッ!!」
説明を聞いた雁夜は頭が痛くなった。まぁ一つだけ言えるのは……。
「お前って本当にバーサーカーか?」
現代科学や魔術でも雁夜の命は残り一ヶ月程度のはず、だがいまの雁夜の体は昨日とは別人の如く変化していた。
麻痺していた左半身は完全とは言えないがまともに動くようになり、白髪こそ治りはしなかったが顔筋の麻痺はなくなり、死相のような顔は見られなかった。
いや、一番の驚きは壊死した眼球が僅かだが、光を取り戻していたことだ。
「多分ですけど、バーサーカーだと思いますよ。生前の私より今の私はかなりハイテンションです!!」
「狂化もしていない上に、ハイテンション、完全な理性、を持っていてもか?」
「~~~♪、~~~♪」
「現実逃避するなよ!?」
トントンッ!!
「レクレス様!お粥ができましたがマスターはまだ起きていないのですか!?桜様もキリエももう席についています、早く降りてきてください!!」
ハキハキとした女性の声、雁夜の知らない人の声だったがレクレスは、「分かっているわよ~!今行きま~す。」と気軽に返事をしている。
そして雁夜の手を引きながらこう言った。
「まずはご飯を食べましょう、ね!マスター!」
こうして、奇妙なサーヴァントと間桐雁夜による、聖杯戦争が始まった。
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廃棄処分の子供達
廃棄処分の子供達
「いいですか?キリエは私と一緒に今日の午後に到着する、んーと、あいりす?なんとかさんを尾行して、ある程度英霊が集まった時に、適度に!怪我を無く!深追いせずに!!たたかいましょー!!」
「いやいやいやいや、そんなノリでいいのですか?(多分良くない!!)」
「って、それよりもこいつ等は一体誰なんだよ!!」
現在間桐家のリビングにはバーサーカーに雁夜、桜を除いて3人の雁夜の知らない女の子?でごった返しています。
「あー、私のナノマシンとそこら辺の廃自動車やら冷蔵庫にその他も混ぜて作った私の子供です!!キリッ(`・ω・´)」
「「「「な、なんだってー!!?」」」」
あれ?女の子達もビックリしている?なんで?
「わ、私って車のパーツから生まれたのか‥‥‥?」赤い髪のライダースーツ着た女の子。
「た、例え冷蔵庫のパーツから生まれても騎士精神は在るはず‥‥‥?」金髪碧眼騎士っぽい鎧着た女の子。
「わ、私は!私はぁぁぁぁ!?」頭を抱えて叫ぶ緑髪の赤い服着た女の子。
「おねーさんたちどうしたの?」心配する桜ちゃん。
何このカオス(笑)
「といってもほとんど普通の人間の肉体を75%程度機械化したのと同じですし、ちゃんと子供を作れるようにはしましたよ!!」
「いらん機能つけるな!!それにそうゆう問題じゃない!!」
あの後、レクレスと雁夜で言い争ってます、お互いの主張は、
「ホムンクルスなんか作るなよって話だ!」
「肉体的スペックは英霊クラスなのにどこに文句があるんですか!?赤ちゃんも作れるうれしい機能付きなのに!」
作った事に対して聞いているのにスペックが悪いて勘違いしているってところだね。
あ、あの三人は床にのの字を書いていますよ、桜ちゃんが慰めています。マジ天使。
「俺は桜ちゃんを救えたから聖杯戦争に参加はしない!!」
「ひどい!私を呼び出しておいて弄んで捨てるつもりなんですね!?私とは遊びだったって言うのですね!?」
「そう言う意味じゃねぇぇ!前言撤回!お前やっぱりバーサーカーだ!頭のネジが狂っている!!」
「うえーん、マスターが虐める!!」
なんか本当にもうカオス過ぎる。
「皆ー!!たっだいまー!!ライお姉さんが帰ってきたよー!!」
突如扉を開けて入ってきたピンク髪の女の子、大量の食材と調理道具、食器が両手に抱えられています。
「私にだって、かなえたい願いがあるんですよ!!」
それに気付かず大声で喧嘩中のマスターとサーヴァント。
「……とりあえず、荷物置いて来よう。」
逃げだしたよ……。どうしよう、このカオス。(そろそろ殴り合いに発展しそう)
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まとーなんとかさん?
後、アーンヴァルの声を当てている方は阿澄さんですよ。
ここまででレクレスに何成分が含まれているか、分かりますか?
まとーなんとかさん
所変わって鶴野さん
「……お前は一体?」
バーサーカー召喚後、臓硯の死はレクレスが自分から伝えに行ってきました。そしたらなんとかさんは(名前なんだっけかな?鶴亀さん?)息子さんを連れて冬木の町から逃げ出しました。
そんでもって結構離れた東北地方あたりで家を借りて暮らしています。ここまでで3日、そしてその目の前に見慣れない女の子が立っています。
「はじめましてですわ、間桐鶴野様。私はレクレス様より使わされた、世話役でございます。」
鶴野さんの目の前の、メイド服を着た、銀髪の女性は、うん、どう見ても胸が無い、絶壁である。
「つまり、監視って所か?」
「あらあら、失礼なことをおっしゃいますわね、私は貴方達を守るために来たのですから。」
「どういう事だ?」
「魔術にかかわった者が、今更自由な生活を送るにはそれなりのゴミ掃除が必要と言う訳ですわ。私がそれをやって差し上げると言う事です。」
あぁ、つまりこの子は鶴野さんを守るために来たのか。
「……良いだろう、ゴミ掃除をお前に任せる。おかしなまねはするなよ?」
「論外ですわね、私の掃除は完璧、汚れ一つ残しませんわ。」
………受け入れたよ!?いやまぁ、確かにゴミ掃除は必要だよね、着け狙う人とかもいるかもしれないし、うん、まぁいいか。
「それで、お前の名前は?」
「そうですわね~、オモイカネ、と呼んで下さいませ。」
あ、君達は10年ぐらい出番ないから、よろしく~。
「今頃ねぇさんどうしているかな?ライは今日も頭痛が酷いです。」
してその原因は?
「雁夜様とお母様です、何で下らないことで喧嘩できるのかな~?」
そう言ってため息をつく。
「でーすーかーらー!あい何とかさんが来るまであと二日ぐらいしかないのですよ!その間に!マスターは私と夜の情事を!!」
「なんでだよ!!俺には心に決めていた女性が居るからそういうのは無理だ!!」
「えー、せっかくキリちゃんと二人で偽親子丼を…。」
「ねぇ、キリエおねえさん、親子丼って夜に食べるの?」
「え、えぇ!?え~と……、それは……、そのぉ。」
ん~、中々の混沌具合だね、けど親子丼は桜ちゃんにはまだ早い話だね、まぁ暇だし廃棄処分の子供達、略して廃達、の紹介どうぞ!!
キリエ 金髪ロングの蒼眼美女、セイバーとの違いは主に胸。サイフォス。
クル 赤髪に黒い瞳のバイクっ子、性格はまともなレベル。ジルリバーズ。
オモイカネ 銀髪メイド、超絶絶壁娘、ツンデレクイーン? イーダ。
ライ ピンク髪熱血娘、姉と対照的に巨乳、家事が得意。 アーク。
ヨモギ 緑髪ビ〇チ娘、現在監視中のウェイバー君に一目惚れ。 ツガル。
まだまだ登場予定ですがこんな感じかな?
「もう我慢できません!!まっすたー!今すぐ筆おろしをぉぉ!」
あ、レクレスが暴走した。
「わぁぁぁ!ライ!キリエ!お母様を止めろぉぉぉ!?」
「うわぁ……、危ない下着だ。」
「透けているね、フリフリだね。」
うん、マジでやばいね、下手したら警告が来るレベルになるね。つー訳で、ライ!キリエ!マジで止めてぇぇぇ!!
「ねぇー、マスター、もう良いでしょー?」
可愛らしい声を出しても雁夜さんは無視しています。
「ねー、キリエー、ラーイー、クルー。」
「「「許せません。」」」
スッパリ切られました。三人でまとめて切って捨てました。
「桜ちゃんは助けてくれるよね!?私のこと見捨てないよね!?」
「さー、桜ちゃんはクル姉さんと一緒に寝ましょうか?もう夜遅いですし。」
「はーい。」
桜ちゃんにも無視されましたね。諦めて、一晩反省していてください。
「あーんーまーりーだー!!」
「なんなんだこのバーサーカーは?」
アサシンからの報告を聞いて驚きはしなくても疑問に思う、マーボーさん?
ん?違う?まぁ良いじゃん。麻婆豆腐、好きだし。
「明らかに異常、通常のバーサーカーなら理性といった類は持っていないはず、それに関わらず、あのサーヴァントは自らをバーサーカーと名乗っている。」
「ふむ、少し調べる必要がありそうだね。そのサーヴァントの事を。」
通信相手は時臣さんかな?うーん。髭のイメージがあるよ。
「万が一にも私のサーヴァントが負けるなんて有り得ないが、出来る限り、情報は集めたほうがいい。綺礼、引き続き間桐邸の監視を頼むよ。」
どうやらあまり脅威と思われていない様子。
召喚後から五日ぐらい間があるんですね、その間に何書こうかな?
ネタバレ!
???「主がケイネス殿じゃな!ワシはクリカと言う、しばらく世話になるぞよ。」
(こ、子供がどうやって私の魔術工房に!?)
「奥方殿はワシがこの身に変えても守って見せる!安心して頼るが良い!!」
更に混沌になっていくよ!(笑)
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輝け!!私のC.Q.C!!
輝け!!私のC.Q.C!!
ケイネスの朝は早い!だがその前に必ず朝食を頂くのだが……。
「……これは一体なんだ?」
ケイネスは目の前にいる、少女が持つものを見て言った。
「んっふっふっふ、クリカ特製朝うどんじゃ、魔術師にとって体力は必要不可欠!!ならば朝ごはんには消化によく!!体力をつけられるうどんじゃ!!」
うん、うどんだ、何考えているのか分からない。けどあえて言おう!!
凄い、美味そう。
薄い琥珀色のつゆに平たいうどん、その上には深いエメラルド色のワカメ、新雪のごとき淡い白色の大根おろし、手作りと思われる紅白の蒲鉾には桜の模様が刻まれている。
すっごく美味しそう!!
「さぁさぁ!!他の二人も既に食べる準備が出来ておるのじゃ!!ケイネス殿も早く向うに行くのじゃ!!」
うどんを持ったクリカに急かされながらケイネスはテーブルに着かされる。そこには既に席に着いて、箸を不思議そうに眺め、それを手にするソラウさんとランサーだった。
「あら、ケイネス。おはよう。」
「おはようございます。我が主。」
(なぜランサーが?)
そんな疑問をよそにクリカはうどんを並べ始める。
「さぁ!食べようではないか!楽しき朝食を!!」
「いやまて!!なぜ!?お前が朝食を作っている?なぜランサーが此処にいる!?なぜ!?」
ケイネスの突っ込み!!なんか今更だな。
「うむ、最初の疑問じゃが、ワシだけで作ったわけではない。ソラウ殿とランサー殿にも手伝って頂いた。」
「いえ、私はただ具材を載せただけだし。ランサーのほうが頑張っていたもの。」
「私はただ、小麦粉を練っていただけです。クリカ殿はその他の事を全て一人で行っていましたし……。」
「そんな事はないぞ、お主のおかげで麺は最高の出来になった!ありがとうな。」
うん、ケイネス完璧に置いてけぼり、それで今に至るんだね!すっごい納得!!
「まぁ話は此処までにして、早く食べないと折角のうどんが冷めてしまう。まずは食べてからじゃよ。」
いるいると煮え切れない思いを抱えながらも、まず一口食べてみる事にする。
「「「……う、美味い!」」」
驚きと二口目の感動の涙、三人が同じ顔になる。
その顔を見て嬉しそうな顔を止められないクリカであった。
「さーてと、今日はいよいよアイリスさんの到着日ですよー。マスターの体調もばっちり!!桜ちゃんも無事に回復!!昨日の戦闘の録画もばっちり!!私に敵はいなーい!!」
うわぁ、このバーサーカーは、昨日の戦闘を見ても、普通に雁夜さんを襲っていました。
すぐに吊るし上げられましたけどね!!
そうそう、雁夜さんですけど刻印虫除去完了!!今では代わりにナノマシンが擬似魔力回路として機能しています。こちらはなんと二日もあれば素人でも一流の魔導師並の魔力が作り出せる超マシン!
刻印虫は肉を喰いますが、こいつは電気を食う!!
「いいですか、マスター。無理な出力が必要なときだけ!スタンガンで自分の手に電流を流してください。数分間だけですけど魔力の出せる量が三倍に増えます。」
「いやいや、お前ほんとに英霊か!?これはもう魔術とかじゃなくて科学じゃないのか!?」
「アハハ、今更気付きましたか?」
原作二巻の戦闘前、間桐家はいつもどおり騒がしかった。
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騎士×騎士×騎士×バーサーカー
騎士×騎士×騎士×バーサーカー
「さーてと、私たちもそろそろ逝きますか?」
髪型をポニーテールにして紅いドレス風の服を身に纏うレクレスさん。
「本当に大丈夫なのか?お前、戦えるのか?」
うーん、雁夜さんの言う通り、確かに今までの行動を見ると、レクレスって戦えるのか?
そう思っちゃうよね。
「大大丈夫ですよ~!キリエちゃんもいますし、いざとなったら逃げるために令呪使って頂ければ……。」
「あの?それだと私が逃げられないですよね?」
あ。確かにそうだよね。
「「……あれ?」」
おい!考え無しかよ!!
「いやいや!キリちゃん足速いし、ぶっちゃけ、下手な英霊より強いよね!?だーいじょーぶ!!もーまんたいよ!!」
完全に忘れていたんですね?うわぁー。
「はぁー、いいです、万が一のときは騎士らしく潔い最期を迎えましょう。」
「いいのか?令呪を使えば何とかなるかもしれないのに?」
「令呪はレクレス様の勝利のために使ってください。この戦い、二人が生き残ればこの戦いは私たちの勝利です。」
カッコいいな、キリエ、お前の死亡フラグは無駄にする!(キリッ!)
「さぁー!キリちゃん!!いざ逝かん戦場へー!!」
((まともに戦うかどうかがすッごく不安だよ!!))
本当にね!!
「レクレス様、この感じは?」
「うーん、間違いなく挑発しているわね、いい度胸よね~。」
海の見える公園の近く、500メートル近い距離から放たれたサーヴァントの気配、ヘッドセンサーをつけたレクレスと騎士甲冑を身に纏ったレクレス達は最初の狙い通り、アイリスフィールとセイバーの二人を尾行していた。
「ここはあの二人ともう一人のサーヴァントが戦って消耗したほうを叩く、というのはどうでしょう?」
キリエが現実的な意見を言う。
「……えー、キリエはあのサーヴァントと一騎打ちしたいと思わないのー?」
「ええ!?いや!あの、確かに、騎士として尋常に勝負してみたいですが……。」
「うーん、こうしましょう!わたしが挑発しているサーヴァントに戦いを挑む!そんでもってキリちゃんはあのサーヴァントと戦う!これで良いと思うけど?」
あー、こいつは本当のバーサーカーかもしれない。まじで頭のネジが狂っていると思う。
「あ、移動し始めたわ!後を追いましょう!!」
「あ!レクレス様!待ってください!!」
「ラ、イ、ダー、早く……降りよう、ここ……早く!」
(ハァ……ハァ……!!ヤッバイ!!震えるウェイバー君!可愛すぎるわ!!)
所変わってヨモギちゃんはウェイバー君を見て興奮中、その股はしっとりとしています。
ある意味一番レクレスと近い性格なのがこの子だよ。HE☆N☆TA☆Iちゃんですよ!!
「ぎゃ~~~ッ!!」
(あぁ!この悲鳴!気持ちいぃぃぃぃ!!)
……レクレスより変態だよ!!痴女の域だよ!!
「え?あの槍使いって魅了の呪いが付いていたんですか?気が付かなかった。」
「うにゅ?あんた達は皆抗魔力高いのよ?」
「あぁ~だからですか、しかしあの槍使いもかなりの使い手ですね!是非とも戦って見たいですが……。」
「あ、クリカちゃんはちゃんとやっているかしら~?ソラウさんにもレジストの食べ物食べさせてくれているから……。」
何か物騒な事言っているけど?言わせて貰おう!なぜソラウさんを知っている!?後、なんでレジストできる食品!?何をレジストしたの!?
「何って?魅了の呪いに掛かっているからって調べたから、クリカちゃんに頼んだのよ?」
地の文に返しちゃったよ!?聞こえているのかよ!!
「何となく、たまーに?」
「……あ、レクレス様、斬り合いが始まりましたよ!」
「おー!凄い迫力!!興奮してキター!!」
あ、うわ……!色々ぶっ壊しながら戦っているよ。
「あー、あの見えない剣は厄介そうですね。けど、槍使いも二本の槍を変則的で見切るのが、楽しい!!
あぁ、この子はバトルジャンキーなのかな?目の前でロボットが動いているのを見ている男の子みたいな目をしているよ!!
「ん?センサーに複数の反応?誰かがこっちを見ている?」
切継さんですね、たぶんすっごい警戒していますよ、あなた達の事を!!
「あ!槍使いが宝具使うみたいですよ!」
「ありゃー、何か、アレは不味そうね……。そろそろ出る準備しましょう。アレを喰らったら金髪ちゃんが危ないかも?」
「疑問系ですか?」
「疑問系よッ!!」
いよいよ騎士王と槍兵と征服王と英雄王とごたいめーん!!
物語は更なるカオスに!!?
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konami脅威のメカニズムゥゥゥゥゥ!!
キリエ「そんなわけないですよ!!」
konami脅威のメカニズムゥゥゥゥゥ!!
「その勇敢さ。潔い決断。決して嫌いではないがな……。この場に限って言わせてもらえば、それは失策だったぞ。セイバー。」
鎧に使う魔力すら全て攻撃に注ぎ込む「一撃必殺」の構えを前にランサーはある位置へと移動していく。
「さてどうだか。諫言は、次の打ち込みを受けてからにしてもらおうか。」
その意図に気付く事無くランさーを斬り捨てる気満々なセイバー。そして、
その隙が、訪れた。
自身を超音速の砲弾に変えた彼女はランサーに向かって一直線に突撃していく、そして!!
「とうぁ!!バーサーカー参上!!」
二人の目の前にレクレスとキリエが入り込んできた!!ってどうやって?!
「「なっ!?」」
音速のやり取りの最中、レクレスの腹に短槍が、頭に剣が振り下ろされる!!
ドスッ!ドオォォォォン!!
……うん、確実に死んだよね?確かに刺さった音はしていたもん、すごい爆発音みたいな音もしていたし……。
「「「な!何故生きている!?」」」
「生きていちゃ悪いんですか!?なきますよコンチクショー!!」
生きていました、はい、そう簡単に死ぬわけないよね?うん。分かっていたけど。
「さーてと、決闘の邪魔して申し訳ありませんが、一つお二人にお願いがあって~、参上しました!!ブイ!!」
ブイ!!っじゃねぇぇぇぇ!!槍がおなかに刺さっているんだぞ!?何で平気なんだよ!?
「あ!その前に、お腹のこれ?ランサーさんに返しますね?って?あれれ?抜けない?キリちゃん!ちょっと引っ張って!!」
「は、はい!!こっちからですか?」
キリちゃんが背中のほうから槍を引っ張ります。ズッポリと音を立てて槍が抜けました。
「はい!これはお返しします!!」
そう言って、槍をランサーに渡す。
「い、いや、それよりも、お腹、あ、穴が開いているわよ?」
アイリスさんやっと突っ込みました。
「あ、直ぐに再構築をしていますから後数分で塞がりますよ?」
そう言ってお腹をポンポン叩いて笑ってみせるレクレス。
「と言うか何故何故平気な顔が出来る!?」
続いてセイバーさんが突っ込みます。
「うーん、当たり所が良かったからですかね?幸い主要機関等は損傷がなかったから、再構築もキチンと発動しています。」
「我が槍『必滅の黄薔薇』は如何なる傷を決して癒す事がない物なのだが?」
そう!その質問が聞きたかった!!
「癒すのが『無理』でも、新しく作り直すのは出来るみたいですね、いやー、私もホント、お腹に穴空いたままだったら如何しようか迷っていたんですよー!まぁ大事にならないで良かったですね!?」
つまり、治癒の類ではなく、機械的な再構築を行って復元した。そういうことか。
「はいはーい!今度は私からのお願い!!こちらにいるのは若き騎士!名前をキリエと言う子ですがぁ、どうしても!お二人と戦いたい!!そう言っているので!どうか……ってあれ?何か怒っています?お二人さん?」
「「当たり前だッ!!」」
まぁ、普通に考えればそういう反応になるよな、騎士の決闘を妨害した上、他の奴と戦えって言っているようなもんだからね?そりゃ怒るよ。
「何を言うかと思えば、そのような戯言のためにわざわざ出てきたのか?バーサーカー?」
「その通りだ、誇り高き騎士の一騎打ちを邪魔した挙句、自分は戦う意思を見せないだと?悪ふざけはそこまでにしてもらおうか?バーサーカー?」
「あぁぁぁ、だから言ったんですよ?こんな入り方じゃ絶対に怒られちゃうって!!」
「えぇぇぇ~。いけると思ったのにな~?」
ただ怒らせてしまったようですね。まぁ当然だね。
「いかに貴様の回復力が高くても、首を落とせば問題なかろう。」
そういって降られた剣はレクレスの首に当たる前にキリエの剣が受け止めていた。
「非礼は確かにお詫びします。ですが、レクレス様を討ち取らせはしません。
もし、戦うと言うのでしたら、まず私が、全力でお相手します。」
キリエから発せられた殺気はセイバーだけではなく、ランサー、遠く離れたケイネス、切継と舞弥、アサシンにまで届くモノであった。
(何という気迫!?英霊である俺達に、こいつは意志の力で対等になろうとしているのか?)
(交えた剣から伝わる、この力、ランサーと同等?いや、それ以上か!?)
完全な硬直状態、先程までの2人の怒りは今は完全にキリエに対する警戒へと変わっていた。
だがその硬直状態は突如現れた乱入者によって終わりを告げる。
ゴロゴロゴロ……
「「「!?」」」
東南の方より鳴り響く轟音に振り返るセイバー達そこに見えたのは。
「ほえぇー!おっきい馬!!」
「……戦車……?」
あぁぁぁぁ!!なんだかカオスな予感がぁぁぁぁ!!
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英霊、集う?のかなぁ?
英霊、集う?のかなぁ?
「あれ?よく見たら牛さん?けどでかぁぁぁぁい!!」
こちらに向かって突進してくる戦車に対して約一名以外は最大限の警戒を持つ。
「うぉぉぉ!すっごぉぉぉぉい!!カッコイイィィィ!!」
約一名以外ね。
牛さんに牽かれた戦車は丁度対峙していた三人?の正面に目映い雷光とともに降り立った。
「その方等よ、武器を収めよ。王の御前である!」
御者台に立つ巨漢の男が馬鹿でかい声で気迫たっぷりの大声を出しました。
「わぁぁぁぁ!!でかぁぁぁい!!うるさぁぁぁい!!」
うん、とりあえず負けない位騒ぐのはやめて!約四名が凄く怖い!!
けどそれすら無視して巨漢の男は先を続ける。
「我が名は征服王イスカンダル。此度の聖杯戦争においてはライダーのクラスを得て現界した!!」
……はいー?ちょっとこら、皆様呆気にとられていますよ?在ろう事か、出会って早々に自分の真名をばらしましたよ?何考えてるの?こいつ?って顔ばかりですよー!!
「イスカンダル!へい!イスカンダル!へーい!!」
後この馬鹿止めて!見てるこっちが痛いから!!
「何をーーー考えてやがりますかこの馬っ鹿はぁぁぁ!!」
うん、君の反応は普通だ、良かった、君のまともな行動衣服に掴みかかっての講義は「べしっ!」デコピンで片付けられてしまったよ……。
「うぬらとは聖杯を求めて相争う巡り合わせだが……、矛を交えるより先に、まず問うておくことがある。
うぬら各々が聖杯に何を期するかは知らぬ。だが今一度考えてみよ。その願望、天地を喰らう大望に比してもなお、まだ重いものであるかどうか。」
「貴様---何が言いたい?」
「うむ、噛み砕いて言うとだな。」
飄々と噛み砕いて説明してくれました。
うん、皆(一名を除き)呆れ返っています
「夢はでっかく……、世界征服!良い響きだね!キリちゃん!」
「……レクレス様、もう静かにしてくださいよ。」
カオスだ……。
「先に名乗った心意気には、まぁ感服せんでもないが……その提案は承諾しかねる。俺が聖杯を捧げるのは、今生にて誓いを交わした新たなる君主ただ一人だけ。断じて貴様ではないぞ、ライダー。」
苦笑交じりに言ってますが目が怖い、敵意満々。
「……そもそも、そんな戯言を述べ立てるために、貴様も私とランサーの勝負を邪魔立てしたというのか?」
今、「も」って言った?あ、レクレスのことも入っているのか。
「まぁ、私もマスター大好きですし、キリちゃん達のことも放っておけないし、叶えたい願いは捨てられませんから、お断りって事で~。」
めっちゃ軽く言ったよ。他の二人は怖いのにこの人だけ威圧も減ったくれもないよ!?
「むぅ」
三名からのドキツイ視線を受けても堂々たる態度はまったく崩す事が無い、巨漢の男の口より出た言葉が……。
「……待遇は応相談だが?」
「「「くどい!!」」」
セイバー、ランサー、キリエの声がハモリました。きれいにハモリました。けど怖ぇぇぇ!!
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