Heaven and Hell (DESTROYED☆)
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VS黒鉄一輝

この原作では初めての投稿になりますが、楽しんで頂ければ幸いです。


クロスオーバーに当たり、ギルティギア側のキャラクターは原則的に伐刀者としています。



七星剣舞際の前夜パーティには、出場選手の他にも、各校の教員などの関係者やスポンサーなどが出席している。

彼ら出席者の中で、一際目立っている人物は<鋼鉄の荒熊>の異名を持つ巨漢、加我恋司であろう。2mを悠々と超す長身と、400kg近い堂々たる巨躯は、人目を惹き付けずに居られない。

また、彼ら出席者の中で、最も()()()()()()()()()も2m超と、無駄に背が高い。しかし、2人を比べるとその差異は一目瞭然だ。大樹か巨岩の如き益荒男の恋次と並べると、もう一方は枯れ木か骸骨と思える痩身痩躯なのだ。

そして彼を悪目立ちさせている最大の原因は頭部にある。彼は紙袋を被っている。何故か1つしか開いていない目の穴から覗く眼光は怪しく発光し、唯でさえクネクネと蠢く異様な風体は、多くの者に接近を躊躇させていた。

 

そんな全身で不審者を体現する奇怪な大男に近寄る影が1つ。

 

先生(ドクター)、久しぶり」

 

フォーマルスーツに白衣という、服装だけは比較的マトモな怪人に挨拶したのは、<血染めのダ・ウィンチ>の異名を持つ少女サラ・ブラッドリリーであった。

 

「これはMissサラ! お久しぶりです。体の調子はどうですか?」

「悪くないよ」

 

その返答にドクターと呼ばれた男は「フム」と呟き――グニャリと言うかグリんと言うか、人体構造的に有り得ない変態的な動きで上半身を曲げて――サラの背丈に紙袋を被った頭部の位置を合わせ、紙袋の薄暗い覗き穴の奥でキュピ~ンと目玉を光らせた。

 

「確かに悪くはないようですが、慢性的に不養生と不摂生をしていますね。貴女の疾患の原因は治療しましたが、長期的には食餌療法と健康的な生活が……」

 

クドクドと説法する男へと、穏やかな顔を見せているサラに、彼女からヌードモデルの打診を受けている少年が声をかけた。

 

「あの、サラさん。その人は一体?」

「私の主治医。まともに身体を動かす事も出来なかった私を助けてくれたの」

 

するとサラが医者(自分)の話を聴いてない事に、ガチョ~ンと馬鹿丸出しのポーズをキメた怪人は、一輝へと向き直った。

 

「初めまして。解放ぐ(リベリ)……いや、暁学園の学校医をしているファウストと申します」

「これはご丁寧に、破軍学園の黒鉄一輝です」

 

偽名、好意的に考えても渾名・通称の類である。だが、その奇矯さに反する慇懃な挨拶をしてきたファウストに、一種の誠実さを感じ取った一輝は丁寧に頭を下げた。例え解放軍(テロリスト)の関係者でも悪人とは限らないらしい。

 

「そう言えば黒鉄君、貴方はサラさんからモデルのオファーを受けているらしいですね。フフフ……」

 

これが…………

 

悲劇(笑)の始まりであった。

 

 

       □

 

 

       □

 

 

       □

 

 

       □

 

 

       □

 

 

DUEL 1!

 

 

IKKI=KUROGANE  VS  FAUST

 

 

Let's Go Ahead!

 

 

これで幾合目の交錯か、相手は全長2メートルの医療用メスを振るう怪人物。まるでアメリカンコミックに登場しそうな闇医者か狂科学者の悪役(ヴィラン)そのものだ。

 

「ヒャハハァ!」

 

奇声を上げながらファウストは合掌し、ピョンと水に飛び込む蛙のようにジャンプして()()()()()()。すると撹乱(デコイ)であるのか逆さのバケツが4つ出現して一輝の周囲を取り囲んだ。

 

「これはマズイ!」

 

完全掌握(パーフェクトヴィジョン)と云う埒外の洞察力によって、一輝はこの状況が()()()()()()()()()()()()()()()とでも呼ぶべきものであると看破する。このファウストなる怪人が、なんらかの因果干渉系能力を保有している魔人である事が確定的である以上、仕掛けられたゲームが分の悪い賭けだとしても乗るしかない。

 

「(迷っている時間は無い――!)」

 

ここで臆病風に吹かれて何もしなければ、()()()()が爆発する結果になり、間違い無くロクでも無い羽目に成るだろう。魔力量Fランク、当然の如く幸運Fでもある事実が堪らなく不安であるが、一輝は手近なバケツを斬り捨てた。

 

「ブッブー♪ 大・外・れ・ぇ!!」

 

破壊したバケツから出現したのは真っ黒な悪魔だった。一輝の脳裏に物凄く嫌な予感が奔る。

一輝の背後……地面の中に潜んで居たファウストは、紙袋の奥で目玉をキュピーンと輝かせた。ファウストは祈りでも捧げる様にガシッと頭の上で手を組む、だが何故か人差し指と中指は組まれずピンと真っ直ぐに伸びている。指の腹でジャッキーンと合わされた計4本の指には、尋常でない力が込められているらしく、ある種の雄々しい気配を漂わせていた。

 

恐ろしく素早く滑らかな動きでファウストの腕が折りたたまれ、合わせ二本貫手とでも呼べるかもしれない組まれた両手は胸元へ移動。それは押し縮められたバネだ。

 

「3秒殺しッッ!!」

 

ザバーンと背後の地面から出現した紙袋、トドメを刺すために発進したファウストだ。放たれるは彼の持つ世界最狂の伐刀絶技。

 

刺激的絶命拳!!

 

その要諦、ファウストの威きり勃つ4本の指が発射され、ズブンと一輝の急所(ケツ)に捻じ込まれた。

 

一輝の顔が引き攣る。衝撃で半開きになった口から涎が飛び散る。目は白目をむいている。全身から冷や汗が噴き出る。

 

模倣剣技(ブレイドスティール)……したくなかったなぁ。アッ――ぅ」

 

実をいうと、このロクでもない攻撃を一輝は完全に予測していた。しかし彼の感情は刺激的絶命拳の存在を頑なに否定していたのだ。

一輝は信じたくなかったのである。割と切実に……。

 

「ワタシ最高ゥ!」

 

ファウストが勝ち名乗りを上げる傍らで、倒れ伏した一輝は痙攣を続けていた。

 

 

       □

 

DUEL 2!

 

IKKI=KUROGANE  VS  FAUST

 

 

 

「覚悟をしッ!」

 

ザバーンと背後の地面から出現した紙袋、トドメを刺すために発進したファウストだ。放たれるは彼の持つ世界最狂の伐刀絶技。

 

刺激的絶命拳!!

 

その要諦、ファウストの威きり勃つ4本の指が発射され、ズブンと一輝の急所(ケツ)に捻じ込まれた。

 

一輝の顔が引き攣る。衝撃で半開きになった口から涎が飛び散る。目は白目をむいている。全身から冷や汗が噴き出る。

 

「い、一刀修ゥ……どゥかはッ!」

 

伐刀絶技一刀修羅――一輝の切り札であるが、その発動には相当な精神集中が必要だ。

鍛え様が無い場所への、余りにも強烈な刺激に晒されている彼に、そんな集中力は望むべくも無く。

 

 

       □

 

DUEL 3!

 

IKKI=KUROGANE  VS  FAUST

 

 

 

「LOVE♥注入☆」

 

ザバーンと背後の地面から出現した紙袋、トドメを刺すために発進したファウストだ。放たれるは彼の持つ世界最狂の伐刀絶技。

 

刺激的絶命拳!!

 

その要諦、ファウストの威きり勃つ4本の指が発射され、ズブンと一輝の急所(ケツ)に捻じ込まれた。

 

一輝の顔が引き攣る。衝撃で半開きになった口から涎が飛び散る。目は白目をむいている。全身から冷や汗が噴き出る。

 

「ス、ステラ……僕は、はうッ!」

 

一輝を倒した人物は間違い無くファウストである。しかし彼の精神にトドメを刺したのは、上気した顔でペロリと唇を舐めた恋人ステラ=ヴァーミリオン。

恋人である筈の自分が変態(ファウスト)()()()()事に、ナニか刺激的な興奮を覚えた倒錯皇女の様子にショックを受けたのだった。




当初のタイトルは『刺激的な騎士達』でした。しかしこのタイトルだとDr.ボルドヘッドことファウストが、刺激的絶命拳で暴れるだけの作品だと分りかねないので、現行のタイトルに変更しました。

また敢えて付けなかったタグには
『ファウスト』『刺激的絶命拳』『コメディ』『アッ――成る』
などがあります。

これらは、いかにも真面目な作品だと思わせておく、ギャップ効果を狙ったものです。


取り敢えず一輝の差分は3種類ですが、他の犠牲者の差分数は現在未定です。


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VS桐原静矢

警告します。

今回のお話は、端的に言って下ネタです。
ガチR15です。

苦手な方は閲覧をお控えください。


DUEL !

 

 

FAUST  VS  SHIZUYA=KIRIHARA

 

 

Let's Go Ahead!

 

 

 

伐刀絶技狩人の森(エリアインビジブル)を最大展開し、迷いの森(ハントエリア)が完成した今、桐原静矢は既に勝利している。何故なら、今回の相手は広範囲攻撃を有していないのだ。

桐原はこの度――仔細は省くが――()()自称医師の紙袋男、変態(ファウスト)を討伐する役目を賜っている。何せ相手はAランク伐刀者(ブレイザー)、歴史的な英雄と謳われるレベルの戦力を有しており、勝利によって得られる称賛は絶大だろう。

無冠の剣王(アナザーワン)との試合にて地に落ちた名誉を挽回する好機に、狩人(キリハラ)は興奮を禁じ得なかった。

 

「さあ、狩猟(かり)を始めよ――あれ? ドコ行ったNOOOO!?」

 

名誉回復&モテ期再来――「という妄想(ゆめ)でしたァ!」なんて、幻聴か挑発かも定かでは無いファウストの奇声が、桐原には聞こえた。さっきまでファウストがいた場所には、高さ2メートル弱のバケツが3個も鎮座しており、彼の姿は無い。

想定外の事態に極端に弱い桐原は大いに狼狽えたが、直ぐにファウストがバケツ内に隠れたのだと判断した。驚かされた事への苛立ちが募り、桐原の顔が憎悪に歪む。

 

「このッ……氏ねェ驟雨烈光閃(ミリオンレイン)!」

 

上空へ放った鏑矢が、数百の鏃と成って降り注ぐ伐刀絶技――驟雨烈光閃を桐原は放った。魔力で作られた3つのバケツが、真上から蜂の巣にされて霧散する様子に桐原は、全身に矢が突き刺さり白衣を朱に染めたファウストを妄想し哄笑をを上げる。

冷静さを欠いた桐原は、背後に出現して居た『4つ目のバケツ』に気付く事は無かった。

 

「マサカの役満! 刺激率4倍、ヒャッハアア!」

 

桐原の狩人の森の如く、全く位置を悟らせない脳裏に直接響くようなファウストの声。壊したバケツから現れた漆黒の悪魔1匹と、それよりやや色の薄い悪魔2匹、合計3体が合体し4倍サイズの大悪魔へと変貌する。

邪悪な笑みを浮かべる悪魔に顔を引き攣らせた桐原は、頭の隅で不可視の自分は攻撃される筈が無いと思っていたが、彼も持つナケナシの本能が、既に取り返しが付かない事を理解していた。

ファウストの能力や魔術属性は、本人もよく分かっていないが、その中に強力な因果干渉系能力がある。自らもリスクを負うが、相手に運命を賭けたゲームを強いて、結果如何により()()()()()を強制するのだ。

 

バケツの中に潜むファウストは、紙袋の奥で目玉をキュピーンと輝かせた。胸元で組まれた手は、何故か人差し指と中指だけ組まれず、ビーンと雄々しくそそり立っている。その腕は押し縮められたバネ。

 

「呼ばれて、飛び出て、秘密のファウスト――ワタシ参上!」

 

ドーンと上空にバケツが吹っ飛ぶと、カエルともホッピングマシンにも見える形容し難い構えのファウストが出現した。

 

「覚悟をしッッ!!」

 

全てのハズレを同時に引いた事で超確定された因果に基づき、何も見えない中空へ放たれるは、ファウストが持つ世界最狂の伐刀絶技。

 

刺激的絶命拳!!

 

因果確定というその真価。ファウストの威きり勃つ4本の指が発射され、吸い込まれる様にズブンと見えない筈の桐原の急所(ケツ)に捻じ込まれた。

 

その衝撃で桐原の不可視化魔術(ステルス)が消し飛ぶ。目蓋は最大に見開かれ、眼球はぐるりと斜め上に回る。鼻が持ち上がって広がる様は正に豚。だらしなく上の口から零れる唾液と舌は発情した野良犬であった。

 

「ジャンケン……W痔ース(Peace)!」

 

以前試合で一輝に追い詰められた際、桐原は「ジャンケンで決めよう」と妄言を吹いた。

今回の桐原は衝撃的な反射行動により、両腕が降参を示す形に持ち上がり、同時に弓形の固有霊装(デバイス)を取り落した。更に如何なる偶然なのか、矢を番えようと緩い握りだった弓手と馬手(両手)が共に中途半端なVサインを形作っている。

奇しくもファウストの必殺技に使われる指と、両手でのチョキ(チー)に使われている指は同じ物だ。倍増した因果干渉力が妙なモノでも引っ掛けたのだろうか。

 

ズボッとファウストの絶命拳が引き抜かれる。その瞬間、桐原は解放感と共に未知の感覚を覚えていた。

この時点で桐原はオーバーキルと断ずるに足るだけのダメージを受け、本来なら気を遣って倒れ伏して居る筈である。だが自らが招いた因果により、この時だけは限界を超え魔人(デスペラード)級の耐久力を擬似的に押付けられ、辛うじて――ムリヤリ立ち続け()()()()()いた。

 

ファウストが持つナゾの変態的技術(テクニック)は、頑丈な生地を使用している破軍学園の学生制服――スラックス風トレーニングウェア――のズボン諸共に桐原の下着を、両の人差し指・中指で4()()()()()()()()()引き千切っていた。

 

「三秒殺し!!」

 

まだ残る因果の実弾を撃ち尽すべく、再び放たれるはファウストの秘技たる世界最狂の伐刀絶技(2発目)

 

刺激的絶命拳 R・E・A・L !!

 

そして露わになった……なってしまった桐原のポッカリ開いた急所(ケツ)に、更に内力を増大させたファウストの指が突き刺さった。

 

桐原の全身から噴き出ていた冷や汗は、一瞬で単なる興奮に因る発汗へと変化する。反射的に力が入った両手はより高く掲げられ立派なVサインを成した。

 

「痛いのh……アッ――――!? チェリィィ!!」

 

恐れていた激痛は無く、桐原は未知の感覚がナニであるかを知った。そして彼のズボンの正面が、縦の棒状にモッコリと盛り上がる。

ある者は1発目より自己主張(サイズ)を増したファウストの指が貫通した事を心配した。魂が腐敗した一部の女子は鼻息が荒い。一般的な婦女子は悲鳴を上げるか、腐臭を漂わせ始めた。

そして全身の力が抜けているのに、桐原の下半身は、未だしっかりと地面に直立している。まだファウストの因果干渉力(バトルフェイズ)は終わっていないのだ。

 

「LOVE♡注入☆」

 

最後に残った因果の弾丸を、ゼロ距離――否! ()()()()()()で解き放つ最終奥義(ノーヴルアーツ)

その名も……。

 

究極! 刺激的絶命拳 HEAVEN !!

 

桐原に挿ったままの指が肥大化し展開する。直後ファウストの指は爆発的に伸張し、桐原のやOい穴が繋がるとされるP○○○(ピー)を四方から爆縮した。

 

とうとう新世界へと解脱した桐原の顔は、もはや筆舌にし難い有様となり、うっかり直視した女生徒の中には嘔吐感を覚える者も少なくなかった。

 

「イっちゃうZOOO!」

 

桐原のズボンの正面、そこにあるモッコリの上部に、正視に絶えない染みが出来る。

 

DESTROYED !!

 

ズボン内部のナニかが動く度に染みは広がり、目を逸らし損ねた者は最低の放送事故を見続ける羽目になった。

 

因果を撃ち切った事で、フルオーバーにギンギンだったファウストの指は、萎れる様に元のサイズに戻る。すると串刺しにする形で桐原を屹立させていた固定具(ゆび)が緩んだ事で、彼が倒れその動きに従い自然と指が抜けた。

 

「処置完了! お疲れ様でした、治療費は不要です」

 

倒れ伏している桐原に()()()()が終了した事を宣言する。

何処までも医者であるファウストにとって、これは試合ですら無い。桐原はストレスで老廃物が溜まっていただけの、片手間に処置可能な軽症患者に過ぎなかった。




ファウストが因果干渉系の能力を刺激的絶命拳で使用している事と、Aランク伐刀者である事実が発覚しました。


桐原静矢のセリフに一部誤字(「氏」「痔」など)がありますが、意図的な物ですので悪しからず。

また、ちょっとしたコダワリの様なものですが、定めた原作の関係上、対戦前のデモに名前が出る順番は、原則的に『落第騎士』側の人物を先にしています。
例えば、一輝VSファウスト、ステラVSフ(略)の様にしてます。
ただ今回の相手である桐原君は実質的にモブであるので、プレイアブルキャラとの格差を鑑み逆にしています。


基本的には差分で書きます。今回の3連射はたまたまです。


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